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2016年3月11日 (金)

元大統領ルーラの逮捕と、ブラジル支配層の危機

2016年3月9日

先週、拡大するペトロブラス・スキャンダルに関連して、元大統領で、労働者党(パルティード・ドス・トラバハドーレス-PT)創設者のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバが拘留され、尋問されたことが、ブラジル与党のみならず、ブラジル全体のブルジョア支配の危機を劇的に激化させた。

ルーラは、このエネルギー・コングロマリットとの契約の見返りにブラジルの建設会社から利益や、リベートを受けとっていたとされ、ペトロブラス賄賂の“主な受取人の一人”であると非難されている。

PTはブラジル資本主義の主要政党として登場して、十年以上、権力の座にあり、国内・海外の金融・大企業オリガーキー支配勢力の権益を擁護し、ブラジル債務をウオール街に返済すべく、何百億ドルもの社会的資源を忠実に回している。

最初はルラ 、次は彼自ら厳選した後継者、現在のジルマ・ルセフによる大統領支配は、かなりの部分、中国とインドの産業化と、ブラジルがその先頭の一国である“新興市場”への外国資本投資の狂乱によって加速された、未曾有の商品相場急騰と重なった。

この現代の経済環境が中南米における、いわゆる“左転換”の基盤となり、ブラジルから、ベネズエラ、ボリビア、アルゼンチンやエクアドルに至るまでの政府が、左翼民族主義的姿勢をとりながら、階級間の緊張緩和を狙う限定的な社会福祉プログラムを推進した。

商品相場の急騰は、中国成長の減速とともに行き詰まり、金融市場の元寵児ブラジルが、ウオール街の格付け機関によってジャンク状態に格下げされることになった。

ブラジルのPTの危機は、ベネズエラのチャベス主義、アルゼンチンのペロニズムや、ボリビアのエボ・モラレスの社会主義運動政府の危機と並行しており、このいずれも正に同じ資本主義体制の世界的危機によって動かされている。

これら全ての政治運動の中で、中南米最大の国と経済を支配し、大多数のブラジル国民が物心ついて以来、労働党政権のもとで暮らして来たPTは最も重大で揺るぎないものだ。

ブラジルの20年間の軍事独裁を致命的に不安定化させた大規模ストライキの戦闘的な波の後、1980年に設立されたPTと、それが提携する労働組合連合CUTは、ブラジル労働者階級の革命闘争を逸らし、ブルジョア国家支配下に押し返す手先として機能した。

組合幹部、カトリック活動家や学者とともに、似非左翼組織のお仲間連中が、PT創設で重要な役割を演じ、労働者階級の大規模な革命政党構築の代案として、労働者党を推進した。ヨーロッパにおける彼らのお相手役、特に歴史的に、エルネスト・マンデルのものだとされる修正主義的傾向のUnited Secretariatと提携する集団が、同様な政党の発展のモデルとして、PTを国際的に推奨した。

これら似非左翼集団のなかには、益々右に移り、PTから追放され、現在PSTU (統一社会主義労働者党)に集まっているモレノ派もある。内部に残ることに成功した他の連中には、農業改革相となり、現在、ルセフの大統領首席補佐官で首席報道官のミゲル・ロセトを指導者とするマンデル派のデモクラシア・ソシアリスタ(民主社会主義者)集団がある。

こうした流れで、追放された連中と、内部に残った連中とが演じた重要な役割は、徹底的に反動的で腐敗した資本主義政党に“社会主義”の装いを与えることだった。彼等はPTのみならず、いずれもブラジル労働者階級の戦いを、ブラジル資本と国際資本権益の利益に従属させる役目のCUT労働組合や様々な飼い馴らされた“社会運動を推進した。

約35年前、ブラジルの軍事独裁に反対して登場した革命運動の歴史的裏切りが、今や、指導者連中全員が ペトロブラスを巡る20億ドルの賄賂と政治献金スキャンダルの泥沼に引きずり込まれつつあるPTの根本的危機と不名誉という完成表現になったわけだ。

先週、ペトロブラス・スキャンダルにからんで、昨年11月逮捕されたPT指導者の一人、ブラジル上院議員デルシディオ・アマラルが検察との司法取り引きに応じて、ルラは捜査で、証人を沈黙させようとし、ルセフがペトロブラスが、テキサス州パサデナの老朽精油所 途方もない水増し価格で購入し、何百万もの収入が、幹部、政治家や、PTの金庫に注ぎ込まれたた取り引きについて“十分承知していた”と非難したと報じられた。当時ルセフは石油会社会長だった。

ルラ尋問とともに、こうした訴えが、ルセフを弾劾しようとするブラジル右派の動きを復活させた。この日曜、PT大統領の追放を要求する全国での大規模デモを呼びかけている。同じ日に、ルラとルセフを擁護するPT支持者も集会を呼びかけており、暴力衝突の可能性があるという警告もある。

ブラジル人労働者にとって、1930年代の大恐慌以来最悪の現在の危機は壊滅的な影響をもたらしている。2015年、100万以上の雇用が喪失したが、その多くは自動車や関連産業だ。何百万人もの若者が、就職の見込みも無しに大学を卒業している。10パーセントのインフレ率は実質賃金に食い込み、昨年、家計支出は、4パーセントも減り、不況への落ち込みを更に悪化させている。

危機に対するルセフ政府の答えは、年金や社会的支出を攻撃する一連の緊縮政策で、労働者階級の状態を更に悪化させている。PTの右派反対勢力は弾劾を推進することを狙った政治戦術として、こうした施策を阻止しているが、彼らの処方も同じか、よりお粗末だ。

ブルジョア経済学者や資本主義シンクタンクが推進するブラジル経済が直面する本当の難題という主張は、軍事独裁後施行された1988年憲法に含まれている限定された社会的権利をブラジル国民から奪い、ブラジルを限りない国際資本による支配に開放するものだ。

そのような施策が平和裡に実施されることはありえない。おそらく先週のルラ短期拘留を巡る最も重要な進展は右派ブラジル日刊紙オ・グローボの数人の記者が報じたものだ。

オ・グローボ紙のリカルド・ノブラトが、逮捕時、サンパウロの軍大隊が、抗議行動の抑えが効かなくなった場合に備えて警戒態勢に置かれたと報じた。

ノブラトによれば“軍最高司令部のメンバーが、過激政治集団との紛争が一番起きそうな州の知事たちに電話をかけ、社会平和の維持の必要に備えさせた”。弾劾支持の趣旨で、コラムニストは、将軍たちは“憲法で予想されているように、法と秩序を保障すべく介入するよう要請され”たいとは思っていないことを確認した。

オ・グローボのコラムニスト、メルバル・ペレイラは、まさに同じ憲法上の軍の“任務”に触れ、もしPTに反対する右派諸政党が“民主的危機脱出策を求めて団結しなければ、組織的退化の脅威に直面する”言い換えれば軍事独裁への回帰となることを警告した。

現在、ブラジル労働者が直面している危険な手詰まりに対する責任は、これを推進した労働者党や様々な似非左翼組織にある。この危機に対する答えは、社会主義と国際主義的視点に基づき、PTや、その擁護者の政治に対する容赦ない戦いによって作り上げられた、労働者階級の新革命指導部を構築する戦いの中にあるはずだ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2016/03/09/pers-m09.html

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五輪前、奇病流行、政治不安。この国と大違い。

1945年3月10日、東京大空襲。

1964年(昭和39年)12月4日に日本本土爆撃を含む対日無差別爆撃を指揮した米空軍司令官カーチス・ルメイ大将に対し勲一等旭日章の叙勲を第1次佐藤内閣が閣議決定し、理由は航空自衛隊育成の協力で、授与は7日に行われた。
当時の防衛庁長官が小泉純也。今、選挙のテーマを反原発にしろと茶々をいれて、自分が進めた郵政破壊による日本再占領を、TPPで完結するのを幇助している御仁の父親。
「功績と戦時の事情は別個に考えるもの。防衛庁の調査によれば当時ルメイは原爆投下の直接部隊の責任者ではなく、サミュエル・モリソンによれば原爆投下はトルーマン大統領が直接指揮したものである」と彼は説明したという。

1945年8月4日、カーチス・ルメイが、広島への原爆投下、コード名「オペレーション・センターボード」を承認した。と宗主国ウェブにある。

焼夷弾で効果的に焼き尽くすため、アメリカ軍は、ユタ州の砂漠に東京下町の木造家屋が続く街並みを再現して実験した。(縮小模型ではなく、実寸大。)

この住宅を設計したのが、チェコ出身の建築家、アントニン・レーモンド。
軽井沢のセントポール教会、聖心女子学院聖堂、東京女子大学チャペルで知られている。

広島原爆ドームとして知られる「広島県産業奨励館」は、チェコ人建築家ヤン・レツル設計。
聖心女子学院校舎も設計したが、関東大震災で倒壊。現存は正門のみという。

空爆の歴史―終わらない大量虐殺』本の山に埋没、みつからない。 第四章 大量焼夷攻撃と原爆投下―「都市と人間を焼きつくせ」

原爆にこりずに、原発を推進する愚の悲惨な結果から五周年

大本営広報部・御用学者ではない、誠実な原発技術者による現状報告。

2016/03/09 第48回 69(ロック)の会「進行中の原発事故、その現状」(動画)

【岩上安身のツイ録】IWJの財政が悪化!このままでは7月末には最悪3千万円の大赤字の見通し!皆様、ご寄付・カンパでの緊急のご支援をお願いします!IWJのピンチをお助けください!

『夕陽妄語 2 1999-2000』が刊行された。 333-334ページ 1997/10/22  「宣長とバルトーク」から引用させていただこう。

日本は多くの分野で米国に従い、戦後「米国の軍事行動に反対したことのない」(橋本首相)日本政府は、地域を限定せず将来の米国の軍事行動に「自主的」に広汎な支援を行う約束をしようとしている。(「新防衛協力指針」。)「ほかの国から見れば、どうせ日本は自分の考えがなくてアメリカについていってるんだから、日本にはいくら話てもしょうがない」というところまで状況は進んできたのである。

2016年2月 7日 (日)

『不屈の男 アンブロークン』: 何かに仕える凡庸なハリウッド作品

Charles Bogle
2015年1月7 日
wsws.org

アンジェリーナ・ジョリー監督の『不屈の男 アンブロークン』は、ローラ・ヒレンブランドによる、第二次世界大戦中、日本の捕虜収容所でのアメリカ人オリンピック選手ルイ・ザンペリーニの痛ましい体験に関する2010年のノンフィクションに基づいている。ヒレンブランドの最初の著書『シービスケット: あるアメリカ競走馬の伝説 』(2001年)は有名な競走馬に関する“感動的な”物語だった。2003年にハリウッドで映画化もされた。

『不屈の男 アンブロークン』

第二次世界大戦に到る時期以来、最も張り詰めた現在の世界的緊張状況からして、映画監督は、結局は二十世紀の重要な出来事のいくつかと、主要大国のいくつかが関係する、ザンペリーニ物語のパンドラの箱を探る誠実な取り組みをしてくれるだろうと期待したくなる。

悲しいことに、ジョリー女史は、他の人々より優れていた、あるいは、道徳的に強かったが故に拷問され、まさに同じ理由で生き抜いたアメリカ人の陳腐な物語という、またもう一つのハリウッド・ヒット作を制作することを選んだ。

イタリア移民の息子、ルイス・ザンペリーニ(子ども時代のルイは、C.J. Valleray、青年役は、ジャック・オコンネル)は、民族的出自ゆえに年中いじめられ、更には喧嘩をしたかどで、父親に叩かれる(子ども時代の場面は回想シーンとして示される)。

兄のピート(少年時代は、John D’Leoが、成人はアレックス・ラッセルが演じる)が、弟が非常に早く走れることに気がつき、ルイを、真面目に練習し、トラック競技に進むよう説得する。ルイは、その成績でじきに栄冠を勝ち取り、自信も持つようになる。実際、高校最上級生の彼が、ナチス・ドイツで開催された1936年夏季オリンピックの5000m競争で、アメリカ人走者中で最高位(8位)になったほどだ。

『不屈の男 アンブロークン』

ルイの走者としての更なる進歩は戦争の勃発によって中断される。さらに悪いことに、彼と他のアメリカ爆撃機乗組員たちは海に不時着をしいられる。生き残ったのは、ルイと他の二人、フィル(ドーナル・グリーソン)とマック(フィン・ウィットロック)だけだ。

ゴムボートで47日間漂流し、マックを失った後、ルイとフィルは日本船に拾いあげられ、捕虜収容所に入れられる。他の捕虜収容所に送られたフィルと別れたルイは、オリンピックでの悪評と、どうしても折れようとしないため、じきにサディスティックな渡辺伍長 (石原貴雅=MIYAVI)によるむち打ちの標的となる。この虐待が映画の大半を占めている。

ベテラン撮影監督ロジャー・ディーキンス(『ショーシャンクの空に』、『ノーカントリー』、『007 スカイフォール』他)は新技術を使用して、ワクワクさせるような本格的な戦闘場面を生み出している。敵機が下から急上昇し、機関銃砲撃を爆撃機の金属外装にビシビシ打ち込む(飛行機が飛行する際のギシギシする音さえ聞こえる)。そして乗組員の表情の多くのクローズアップや、様々なアングルからのショットが、不確かさと恐怖のさなかの意志の強さの真に迫った感覚を生み出している。

不幸にして、このカメラワークだけが、この映画で例外的、あるいは実に興味をそそる特徴なのだ。

事実上、始めから終わりまで、『不屈の男 アンブロークン』は、ルイがある種の拷問に次から次にさらされ、苦難することに集中し、こうしたこと全てを生き抜くことで、彼が遥かに優れた人物になることを示す。

子ども時代、うちのめされ、オリンピック級の長距離走者になるための厳しい練習では、海で、時折、生魚を食べ、サメや日本の戦闘機に攻撃されながら生き延びる訓練が6週間続く。

そこで、日本人将校が、ルイを執拗な肉体的虐待の対象に選び出し、時には自ら虐待し、時には他の捕虜にルイを叩くよう強いる。暴力行為の合間の短い時間は、大半が益々叩かれて、あざになったルイの顔のクローズアップ、あるいは、殴打された後、収容所の広場に一人取り残される彼の姿にあてられている。

謎めいた優位性ゆえに、苦難と拷問の犠牲者となるアメリカ人主人公を描き出すのはハリウッドでは、お決まりのようなものだが(クリント・イーストウッドの欧米人主人公が、すぐに思いだされる)、過去30年間の戦争と高まる社会危機、それに伴うイデオロギー的混乱や方向感覚の喪失が、同じ主題に基づく映画の数が増えている間接的な原因には少なくともなっている。

多数の評論家が映画のルイのイエス・キリストとのつながりを指摘している。渡辺伍長がルイに、枕木を彼の頭上に長時間縛りつけて負わせる場面は特にそうだ。ルイの苦難と高い角度からのカメラ画像は明らかに、キリストを連想させる。

ハリウッドは、この同一視を利用することが多いが、『不屈の男 アンブロークン』は、この使い古された隠喩を利用することにしたため、安っぽくなった。『不屈の男 アンブロークン』のこのイメージと、拷問の場面に凝っていたメル・ギブソンのすさまじい『パッション』(2004年)のキリストが大いに似ているのはもっとひどいことだ。

ジョリーは一体なぜこの映画を制作したのだろう? 2014年7月に97歳で亡くなる前に知った晩年の“人を鼓舞するキリスト教講演者”だったザンペリーニから、個人的に着想を得たと彼女は主張している。だが女優-監督を後押しした他の力があったのだろうか?

『不屈の男 アンブロークン』

『不屈の男 アンブロークン』の主題の性格を考えると、政治的、社会的言及は驚くほどわずかだ。実際、映画は、意図的に政治と関わらないよう作られているように思える。ルイが執拗に残酷な拷問をされるのを-サディスティックな渡辺伍長は、ルイルイがスポーツマンとして有名であり、 (b) 軍人である父親が、息子が出世できないことに失望しているために、ルイを選ぶ羽目になったと、個人的問題として描きだすという選択によって-監督のアンジェリーナ・ジョリーは、観客の関心を、捕虜収容所と拷問の本当の原因、つまり、日本における階級関係と帝国主義国家の残忍さから逸らせている。

拷問を推進する上で、また拷問をする目的における、国家の役割に、観客の注意を向けようと決めたのであれば、日本の国家機構とマスコミのかなりの部分を、監督が激怒させてしまった可能性が高い(日本の様々な右翼民族主義団体がジョリーの入国を禁止するよう要求しているという事実が、日本のエリート層の敏感さを実証している)。彼女は、特にCIA犯罪に関する上院報告書が最近公開されたことからしても、アメリカ帝国主義の国家的拷問の歴史を観客に思い起こさせてもよかったはずだ。実際、ジョリーに、一体なぜ、アメリカによる拘留者拷問に関する映画を制作しないのか聞きたくもなる。

ジョエルと、イーサン・コーエン(このような脚本を書いた二人は一体何をしていたのだろう?)による脚本には、他の同様なハリウッド・ヒット作を連想させないような対話はほとんどない。演技も、石原が少年のような無邪気な表情を効果的に生かし、矛盾する感情を伝えてはいるものの、ほとんど似たようなもので、最も低俗な大衆嗜好の類型だ。

ジョリーは拷問には声を大に反対しており、反対は心からのものかも知れないが、具体的に一体何を意味しているのだろう? 先に述べた通り、いずれも言い表せないほどの虐待の場である、アメリカの“ブラック・サイト”、グアンタナモ湾抑留所や、バグラム空軍基地に関する映画を彼女は制作していない。もし彼女が『不屈の男 アンブロークン』が、拷問と、より大きな問題や影響とのつながりに気づかない人々の目をさまさせる呼びかけになると思っているのであれば、彼女は酷い見当違いをしている。

そうではなく、彼の優位性が、サディスティックな人物の自我を脅かすがゆえに、英雄的人物が拷問される個人的な厳しい試練として問題を描きだすことで、彼女の映画は、諜報機構の犯罪が体系的に暴露される必要がある時期に、アメリカの軍・諜報機構に関する神話を推進するという点で、『フューリー』『ザ・インタビュー』や『アメリカン・スナイパー』を含む他のいくつかの最近公開されている映画と同列なのだ。

ありきたりで、体制順応派の意見を持って、アメリカ支配層と提携している女優-監督は、軍メンバー向けウェブ・サイト Military.comで最近インタビューに応じている。

“私は軍にいるわけではありません”ジョリーは語る。“軍にいるということがどういうことか私は知りませんが、こうした場面を再現して、軍人たちが、お互いを信頼し、お互いを愛し、お互いを守り、共に戦い、お互いのために戦うというのは一体どのようなものかを見ると…共通の大義をもった、何かとても強い結びつき、とても美しいものがあることを実感します。あらゆる経験、確実に私が知っているあらゆることと違っていて、それが一体どのようなものかを感じさせてくれる窓のようなもので、軍務についている人々、男女の軍人たちを益々敬意を持つようになりました。”

自分の作品のより大きな含意、あるいはそれがもたらす影響力を、ジョリーが意識していない可能性は高いが、『不屈の男 アンブロークン』は“人権”や他の分野に対するアメリカの公式な取り組みという文脈で見ないわけにはゆかない。ハリウッド名士連中は、肝心な地政学的問題の手がかりもなしに、あちこち走り回り、“民主主義”について何でも知っているかのように偉そうに語り、概して、アメリカによる“援助”や“介入”をするため国務省とCIAが推進している主張を補強するのだ。

記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2015/01/07/unbr-j07.html
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山奥の仙人ではないが、全く電気洗脳箱と無縁の快適な日を送っている。

彼女の作品、見た記憶はなく、今後も見る予定は皆無。

公開が始まった今、こういう見方も一読の価値はありそうだ。(良い翻訳でないのが残念)

2016年1月11日 (月)

スティーヴン・スピルバーグの『ブリッジ・オブ・スパイ』: 冷戦時の一エピソード

David Walsh
2015年10月24日

スティーヴン・スピルバーグの『ブリッジ・オブ・スパイ』は、冷戦時のエピソードを扱っている。1957年6月、ニューヨーク市でのソ連スパイル、ドルフ・アベルの逮捕と、約5年後、U-2スパイ機パイロット、ゲーリー・パワーズとの捕虜交換だ。


『ブリッジ・オブ・スパイ』

弁護士のジェームズ・ドノバンは、裁判でアベルの代理人となり、1962年始めの最終的スパイ交換で大きな役割を果たした。イギリス脚本家マーク・チャーマンと、アメリカ人映画製作者ジョエルと、イーサン・コーエン共著の映画脚本は、ドノバンの1964年の回想録、『橋上の見知らぬ二人: アベル大佐とフランシス・ゲーリー・パワーズ事件』に部分的に基づいている。

オープニング・タイトルが、映画が冷戦の真っ只中、1957年から始まることを説明する。ルドルフ・アベル(マーク・ライランス)は、FBIによる監視下、ブルックリンで、いつもどおり、アマチュア画家のかたわら、隠されたメッセージを回収する仕事をする。実際問題、捜索令状も“相当な理由”もなしに、FBI捜査員たちが全く違法に彼のアパートに踏み込む。

冒頭、正当な主張に対して、生命保険会社を弁護する様子を見せる著名なニューヨークの弁護士ジェームズ・ドノバン(トム・ハンクス)は、地方の弁護士協会から、アベルを弁護するよう要請される。彼は刑事事件を扱ったのは大昔のことだと抗議するが、義務感から、彼は仕事を引き受ける。“皆が私を憎むだろうが、裁判にも負けるのだ”と彼は冗談を言った。ドノバンが選ばれた理由の一つに、ニュルンベルク戦争犯罪裁判での仕事で、彼は最高裁判所判事ロバート・H・ジャクソン・スタッフの次席検察官をつとめ、第二次世界大戦中には、OSS(CIAの前身)の総合弁護士をしていたことがある。

アベルは、ドノバンに即座に好印象を与える。(回想録で、弁護士は、ソ連工作員は“類まれな人物で、聡明で、終生かわらぬ研究者のような大変な知識欲だったと書いている。彼は仲間付き合いと意見のやりとりを渇望していた”と書いている。ドノバンは、ほぼ5年にわたる拘留期間中、唯一のアベル面会者だった。)アベルは冷静で、落ち着いていて、非常に知的だった。ドノバンが“不安なようには見えませんね”というと、ソ連スパイは答える。“役にたちますか?”このセリフは何度か繰り返される。

アベルは、アメリカ国民ではなく、単に自分の祖国のために働いている立派な“兵士”なのだから、(数年前にソ連スパイとして処刑された)エセルとジュリアス・ローゼンバーグのような裏切り者ではないというのが、ドノバンの理論だった。


『ブリッジ・オブ・スパイ』

その間に、CIAがU-2スパイ機を開発し、ゲーリー・パワーズ(オースティン・ストウェル)を含む元空軍パイロット集団を飛行機を操縦すべく招き入れた。U-2は高空を飛行し、大判カメラで、写真を撮影するのだとCIA担当者は説明する。パイロットは飛行機と共に墜落するよう指示され、瞬時に死ねるような毒を塗った針を与えられていた。

アメリカで、ドノバンがアベルを弁護する論拠は、アメリカは“共産主義スパイ”であっても、あらゆる被告が法の適正手続きを受けることを示す必要があるということだ。ドノバンはすぐさま知ることになるのだが、実際は、これとはほど遠い。判事モーティマー・バイヤーズ(デイキン・マシューズ)が、ドノバンとの会話で、迅速な有罪判決を進めるよう期待しており、そう計画していることをはっきりさせる。彼は、FBIの家宅捜査は違法だというドノバンの主張をはねつけ、政府にとって裁判が円滑に進むようつとめる。憲法第四修正に違反して、証拠が押収されたという理由で、ドノバンがアメリカ最高裁判所に上告するが、5-4の評決で否決されてしまう。

人道的かつ、アメリカ人スパイがいつか逮捕された場合、アベルが生きていれば交渉の切り札になるという実利的理由から、ドノバンは、バイヤーズに、アベルに死刑判決をしないように(第一訴因、国防情報のソ連引き渡し謀議は、死刑に相当する罪だった)強く懇願する。最終的に、裁判官は、ソ連スパイに、三十年の刑を宣告する。

アベルが、アトランタの連邦刑務所で刑期をつとめている間、1960年に、ゲーリー・パワーズがソ連上空で撃墜され、尋問される。ソ連の裁判所で、彼は三年の禁固と、七年の労働という判決を受ける。(アメリカ当局は高度21,000メートルなら、U-2は、ソ連レーダーと地対空ミサイルが届かない範囲だと誤って思いこんでいた。両方の点で彼らは間違っていた。しかも、彼らは愚かにも、いつもより交通量がずっと少ない祝日の5月1日に、パワーズをスパイ飛行に送り出したのだ。) CIAはパワーズが秘密を漏らしてしまうのではないかと心配になる。

第II幕は、ソ連と東ドイツ政府と、アベルとパワーズとの交換と、東ドイツのスターリン主義者連中に捕らえられているアメリカ人学生の釈放について交渉するよう、非公式な資格ながら、CIAによってドノバンが派遣されたベルリンが舞台になる。CIA工作員が、外交的努力を進めるドノバンの周辺をうろつく。東ドイツは、アメリカに、主権国家としての東ドイツの立場を認めさせようとして、アメリカとソ連双方に、面倒をもたらす。出来事は歴史記録の一部なので、ドノバンが任務に成功した秘密を一切暴露することなく、西ベルリンと東ドイツを結んでいる橋の上で終わる。

『ブリッジ・オブ・スパイ』には楽しめ、称賛すべき点が多々ある。ライランスはアベルの知性と揺るぎなさを伝える点で、実に素晴らしい。彼が登場する場面で映画は最も現実的で、陳腐さがない。

逮捕される時までに、本物のアベルと実に様々な体験をしていた。彼は、1903年にイギリスでウィリアム・オーガスト・フィッシャー(おそらくは、ウィルヘルム・リープクネヒトと、オーガスト・ベベルにちなんで?)として、ドイツ系ロシア人革命家亡命者の家庭に生まれた。父親は一時、レーニンの協力者だった。一家は、革命の後、ソ連に帰国し、1927年、フィッシャー-アベルは、ソ連諜報機関で働くようになった。


『ブリッジ・オブ・スパイ』

彼はすんでのところで、1930年代末の大粛清をきりぬけた。彼の義弟はトロツキー支持者であることで非難され、フィッシャー-アベルは、一時、NKVDを解雇された。第二次世界大戦中、彼は重要な対ドイツ諜報作戦に参加する。1948年、彼はソ連スパイを統轄するため、アメリカに派遣された。逮捕後、死刑に相当する罪を前にしながらも、彼はFBIに協力することを拒否したか、何も語ろうとはしなかった。

ありきたりで洞察力に欠けた形で役が構想されているため、ドノバン役のハンクスはそれほどできは良くない。ハンクスは、荒海の中、常識的な道を進もうとしている中流階級の普通のアメリカ人を演じている。彼の演技は申し分なく素晴らしいが、真実味に欠けているのだ。ジェームズ・ドノバンの名は、やぶから棒に選ばれたわけではない。影響力があり、有力なコネ(ウオール街や情報機関などの間で)をもった人物で、後に、ニューヨークで民主党のアメリカ上院議員候補者として立候補もする人物だ。オンラインで見ることができるビデオでは、彼は狡猾で、おそらく、かなり冷酷な人物に見える。

アメリカ・エリート自身が、ケネディ時代には、国家の伝統に対し、いささか違う関係を持っていた。帝国主義的野望を執拗に追求しながらも、政治とマスコミの支配体制は、まだ、守るべき自信があったか、ある種の民主的規範に対し、少なくとも口先だけは賛同していた。ドノバンは回想録の中で、アメリカでもっとも憎悪されていると思われる人物アベルを弁護するという彼の決断は、彼の同僚“仕事上の知人や、アメリカ合州国全土の弁護士”から広く支持されたと述べている。例えば、元米国弁護士協会会長は、彼にこう書いていた。“不人気な主張の弁護は、我々の職業を天職にするものの一つです。”

ドノバンは、最高裁判所の準備書面で、以下のように結論づけている。アベルは、ソ連のスパイという極刑に価する罪で告訴されている外国人です。アメリカ憲法がそのような人物の保護を保障するのは異例にも思えるでしょう。何も考えていない人々は、アメリカによる自由な社会という原則の誠実な遵守は、利他主義としてあまりに几帳面に過ぎ、自滅に到る可能性を見るかもしれません。しかし、我々の原則は、歴史と  国法に刻み込まれている。もし自由世界が、自らの道徳律に忠実でなければ、他の人々にとって、渇望する社会がなくなってしまいます。”

映画には、どうやらそのきらいがあるが、ドノバンを、リンチをしようとする雰囲気の大衆に直面した、憲法と権利章典の聖人のような擁護者として、あるいは、CIAとアメリカ国家が設定した秘密計画の振り付け通りに動くだけの皮肉屋の、いずれにも描き出す必要はないのだ。ドノバンは、アメリカ支配層の権益の擁護者であり、同時に、被告の基本的な憲法上の権利を本気で信じているように見える。

スピルバーグ映画(特にアメリカ生活に関して)ではよくあることだが、人物や状況が、感情に流されず、本当に客観的なやり方で、描き出される繊細で痛烈な場面と、気力を萎えさせる自己満足や愛国的賛美を発散させる、あたかもノーマン・ロックウェルの絵のように描かれた場面が、交互に入れ変わるのは、不快で説得力に欠ける。

刑務所でのアベルとドノバンとの間の場面や、多数の裁判所の場面や、CIAがパワーズや同僚パイロットを訓練する場面は、写実的かつ正確に演じられている。ここで、スピルバーグの、ペース、映画全体のリズムと、構成に対する本物の感覚が活躍する。しかし映画制作者たちは、中産階級の家族生活を理想化し、改ざんすることに抵抗するのは困難だったのだろう。ドノバンが帰宅すると、妻が時折不満を言うものの、観客は映像の温かさに浸るよう促される。芸術的に、作品は停止してしまう。

しかも、概して『ブリッジ・オブ・スパイ』の前半は後半より格段に強力だ。映画製作者は、アベルを非常に同情的な調子で描いている。たぶん彼らは、東ベルリンや、ソ連と東ドイツ当局者を、陳腐でありきたりな姿で構成し、ソ連スパイを複雑な人間として描き出す自分たちの厚かましさを償う必要性を、意識的なり、無意識的なりに感じたのだ。こうした場面は、どこかプロパガンダ映画の内容のようだ。国境警備兵全員はおどすように乱暴だ。役人は全員が陰険か、残酷か、その両方だ。映画の色合いが、東ベルリンでは、くすんだ灰色と黒の調子に変わる(そこでドノバンがニューヨークに戻るところが活気づき、2月だというのに、木々には、突然、奇妙なことに葉が繁っている!)。

冷戦期に制作された数多くの映画『寒い国から帰ったスパイ』『国際諜報局』『パーマーの危機脱出』や、アルフレッド・ヒチコックの作品中でも秀作とは言えない『引き裂かれたカーテン』や『トパーズ 』さえ、そして他の作品も、アメリカの“自由世界”という主張に関しては、『ブリッジズ・オブ・スパイ』よりずっと懐疑的だった。映画製作者は、若い世代に間違ったことを教えているのを恥じるべきだろう。

結果として、『ブリッジ・オブ・スパイ』は、重要な時期には、比較的ほとんどふれずにいる。こうした疑問のそばには近寄らないことを選んでいるのだ。ソ連は一体何だったのか、そして一体どうして、アベルのようなこれほどの忠誠心と献身を引き出せたのだろう? 上っ面の虫のいい表現の下にあった、冷戦の本質は一体何だったのだろう? アメリカ・リベラリズムの矛盾は一体何であり、現在それは一体どうなっているのだろう?

こうした様々な社会層に対する反共産主義の遺産は、依然として重い。反共産主義と結びついた、アメリカにおける、いわゆる自由企業体制の擁護や、世界中での地政学的権益といった偏見や社会的視点から解き放たれるまで、芸術的、知的進歩は困難だろう。

スピルバーグの映画は、過去のみならず、現在をも示唆している。実際『ブリッジ・オブ・スパイ』の中で、現代アメリカ生活に関する映画製作者の懸念は、最初から明らかだ。FBIとCIAは暴力的に振る舞い、裁判官は基本的な民主的権利に無関心で、マスコミは、後進性や恐怖をかきたてる。

彼は有罪には見えるが、アベルは基本的に、無理矢理、監獄に送られている。『アベル大佐裁判』の中で、ジェフリー・カーン法学教授が述べている通り、1957年8月の告訴の時までに、“アベルは、連邦捜査員に捕らえられ、全く秘密裏に、最初に逮捕された場所から2000マイル離れた独房監禁に、弁護人との接触もなしに、いかなる理由でも、司法官僚の前に姿を現すこともなく、48日間留め置かれていた。”

スピルバーグとハンクスは、インタビューで“対テロ戦争”や、グアンタナモや、他の場所における被拘留者の処遇のことがずっと頭の中にあったことを明らかにしている。ハンクスは、映画のウェブサイトCollider.comのインタビューでこう語っている。“人々の拷問を始めれば、すぐに、相手側に全く同じことをする許可と大義を与えてしまうことになりますが、アメリカの規範はそういうことではありません。… 自分たちの国に逆らっていると思える誰かを処刑し始めれば、KGBやシュタージとさほど違わなくなります。それはアメリカの目指すところではありません。ドノバンが最初から身につけていたのはこれです。これは否定できません。”

スピルバーグは、エンタティンメント・ウイークリーにこう説明している。“保険会社の弁護士だったが、元ニュルンベルク裁判の次席検察官で、アメリカでは、あらゆる人が弁護されることを世界に示す為、この仕事を引き受けるよう要求されたジェームズ・B・ドノバンという名の人物の存在は、つい最近知りました。誰でも公正な扱いを受けるのです。こうした道徳的主題に私は共感します。特にリンカーンに由来するものですから。”

拷問、警察国家、軍国主義、憲法規範の侵害、国家暴力こそ、まさに現在の公式アメリカだ。映画製作者は現実から遊離しており、彼らの懸念はきっと本物なのだろうが、いずれも、あまりにおざなりだ。状況は遙かに進んでいる。

同様に『ブリッジ・オブ・スパイ』制作中、緊張が現在のレベルには至っていなかったことは疑うべくもないが、米ロ関係の問題は、脚本家や監督に重くのしかかっている。映画は、交渉や外交、妥協において、冷静さを優先するようにという呼びかけだ。 彼らの懸念は本気だが、大災厄との遭遇へと向かうアメリカの支配層エリートを突き動かしている、社会・経済的な力の深みを、彼らはまたしても、あまりに過小評価している。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/10/24/brid-o24.html
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『月刊住職』という雑誌の目次を、毎回新聞のサンヤツ広告で興味深く拝見している。これまで購入しようと思ったことはなかったが、下記見出しをみて正月号、是非拝読したくなった。

  • TPPは寺院にも住職にも影響する!?

大本営広報部報道、いつもは真面目に読む気力は起きないが、長谷部恭男・早稲田大学教授と、杉田敦・法政大学教授の対談、真面目に拝読した。きちんと「緊急事態条項」問題を指摘しておられる。

気になるお相撲さんのひとり、時天空、悪性リンパ腫で休場。

一体、なぜ今、この映画なのか、昨年秋に、この記事を読んで不思議に思った。
いまでも不思議に思う。

ISとの、人質交換を言いたいのだろうか。
ロシアとの本格的冷戦再開を言いたいのだろうか。筆者が指摘する通り、宗主国、とんでもない下劣な帝国に成り下がり、それとともに第一の属国は益々惨めな新満州国に成り下がりつつある。

国策プロパガンダ映画『海難1890』なぞ、金をもらっても見ないが、この映画、個人的に気になった。『海難1890』の評判を全く知らない。一体どのような反響だったのかだけは関心があるのだが。

子どもの時に、新聞見出しで「U-2撃墜」とあったのを読んだ記憶がある。
検問所、通過した経験がある。チェック・ポイント・チャーリーだったかどうか定かではない。
訪問した西ドイツの人が帰還するのを見送るのかどうかわからないが、東ドイツ側の人々が皆様、文字通り号泣していたのを覚えている。
荒涼とした東側、ネオン煌きジャンズ高鳴る大ベルリンという華やかさの対比に心底驚いた。

筆者が指摘していることを、エンドロールを見ながら、つかの間考えた。

ソ連は一体何だったのか、そして一体どうして、アベルのようなこれほどの忠誠心と献身を引き出せたのだろう? 上っ面の虫のいい表現の下にあった、冷戦の本質は一体何だったのだろう? アメリカ・リベラリズムの矛盾は一体何であり、現在それは一体どうなっているのだろう?

民主党やら異神やらの有象無象の与党別動隊の活躍を見ていると、宗主国に習って、共産主義憎悪プロパガンダの負の遺産、「人類を」ではなくとも、「属国を」破滅させるには十分すぎるほど強烈な洗脳であること一目瞭然。民主党やら異神やらの方が恐ろしい。しかし、

馬鹿は死んでも直らない。

庶民には共産党より何より、属国ファシズムのほうが、はるかに怖いだろうと思うのだが。

電気洗脳箱は、北朝鮮の核の脅威やら、独裁者の脅威やらをあおり、スキー場宣伝を嘲笑している。ああいう論点逸らしで時間を潰している余裕もはやない。下記をご覧願いたい。

【中継配信】1/11 14:00~
岩上安身による升永英俊・弁護士インタビュー
緊急事態条項について

2015年9月11日 (金)

シリアを巡るロシアとの対決を脅すワシントン

Bill Van Auken
2015年9月9日
wsws.org

バッシャール・アル・アサド大統領のシリア政権を支援してのロシアの軍事力増強という根拠のない主張を巡り、オバマ政権は、モスクワとの緊張を激化させた。

シリア領でのロシア駐留のいかなる増強も、イラクとシリアのイスラム国 (ISIS)に反撃する狙いとされるもので、シリアを爆撃しているワシントンの“連合軍”との“対決”に至る可能性があると、週末、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣との電話会話で、アメリカのジョン・ケリー国務長官は恫喝した。

世界の二核大国間の武力衝突という、途方もないケリー国務長官の恫喝を、火曜日、ホワイト・ハウスのジョシ・アーネスト報道官が繰り返し、“ロシアが追加の軍事要員や飛行機をシリアに配備する可能性”という報道を巡るアメリカ政権の“懸念”を表明した。

“こうした措置は、生命のより大きな損失につながりかねず、難民の流れを増し、シリア国内で活動しているISIL [ISISの別の略称]連合との対決というリスクをもたらす可能性がある”と彼は警告した。

ワシントンによる軍事的脅威には、シリアへの補給飛行の為、両国の空域を利用するロシアの権利を拒否するよう、ギリシャとブルガリア政府に、アメリカが強要するという更なる挑発が伴った。

ギリシャ同様、NATO加盟国のブルガリアは、火曜日、不特定の数のロシア航空機が、シリアへの途上、その領土上空を飛行する要求を拒否したと発表した。ギリシャ外務省筋は、月曜日、アテネのシリザ党政権が、同じような行動をするようにという要請を、アメリカから受けたことを明らかにした。シリア政府軍用の軍事補給を運んでいるという理由で、ロシア機の上空通過を9月24日まで禁じるようワシントンが要請したと、彼等は述べた。

この行動はモスクワの怒りを引き起こし、ロシアのミハイル・ボグダーノフ外務副大臣がインターファックス通信社にこう語った。“もし誰かが、この場合、ギリシャとブルガリアだが、何らかの疑念があるなら、彼等は、もちろん一体何が問題かを説明すべきだ。”

“アメリカの要請で、飛行に何らかの制限、あるいは禁止措置をとると言っている両国について言えば、他の国々の飛行機、特にロシアの飛行機が、空域を通過することについて決定を行う、彼らの主権に関する疑問か生まれる”と彼は述べた。“我が国の飛行機はどこに飛行しているのか、目的と貨物が何かを彼等に説明した”と述べ、更に、その様な飛行は長いこと、日常的なものだと指摘した。

ありそうな、差し迫ったロシアのシリア“介入”に関して、興奮してまくしたてるアメリカのマスコミ主張は、匿名を条件に、ペンタゴン当局者が語った、シリアに飛行するロシア航空機の数は増加しており、ロシア軍によって使用される得ると思われるプレファブ住宅がシリアに建設されているという発言に要約される。

シリア制圧を狙うISISや他のイスラム原理主義過激派に対し、アサド政府を支援する為の、シリア国内におけるロシアの駐留は、この同じ勢力に対して、隣国イラク政府を支援する為のアメリカによる取り組みと比較すれば最小限だ。本当の問題は、モスクワが、アサド政府を支持し続けていることが、ISISの壊滅ではなく、既存政権の打倒と、政権を、より従順なワシントンの傀儡で置き換えるという、アメリカが率いるシリア介入の本当の狙いにとって、障害となっていることなのだ。

“アメリカの諜報機関筋の情報”を引用して、火曜日、ニューヨーク・タイムズは、アメリカの主な懸念は“いくつかの主要地域で、ロシアがシリアの防空手段を強化している”ことだと報じた。 防空システムの強化は、アメリカがシリアにおける主な狙いだとしている物事、つまり対ISISとシリア一般国民の保護の為の攻勢実施に対する脅威とは解釈しようがない。もしワシントンと同盟諸国が、その空軍力を、ISIS標的に対する散発的攻撃から、イラクとリビアでかつて行われた空爆の様な、シリア政権を破壊し打倒することを狙った“衝撃と畏怖”作戦へと変える準備をしている場合にのみ、それが問題なのだ。

ウラジーミル・プーチン大統領のロシア政権は、その様な介入を阻止することを繰り返し目指しており、反政府派各派との政権協議の手配、あるいは、アサドを辞任に追い込むであろう暫定政府に基づく、シリア内戦を終わらせる為の、何らかの合意を仲介しようとしている。

2013年9月、偽ってシリア政府軍のせいにされた毒ガス攻撃を口実に、オバマ大統領がシリアへの空爆を命令する寸前、プーチン政府が、シリアの化学兵器廃絶を基盤にした代案を出し、政権転覆の為のアメリカによる直接の戦争を阻止した。ところが、この協定に至るまでの時期に、アメリカとロシアの間の緊張は、急に激化し、両国の戦艦がシリア沖近くに配備された。

最近では、モスクワは、シリア和平計画を提示し、ロシア、イランとシリア政府軍と共に、アメリカと同盟諸国も含む対ISIS共同作戦を、アサド政権や、シリア反政府派と、クルド部隊の各派を巻き込んだ新たな統一政府構築と併せて提案している。

ところが、ロシア、アメリカとサウジアラビアの交渉は、すぐに行き詰まった。カタールとトルコと共に、ISISや、アルカイダとつながるアル・ヌスラ戦線や、他のイスラム原理主義過激派に対する主な後援者で、資金提供者である、サウジアラビア君主体制が、無条件のアサド政権打倒を含まない、いかなる合意の受け入れも拒否している。ワシントンは、元来、アラブ世界第一番の同盟国、サウジアラビア王家に肩入れしてきた。

シリアの事態進展におけるロシアの役割については、ホワイト・ハウスの広報担当官が週末、明らかにした通り、ロシアの行動は、それがワシントンと“連合国”の狙いに沿ったものである範囲でのみ容認されるのだ。だが、アメリカは、この帝国主義の最前線に、ロシアを組み込むことへの興味を全く示していない。

こうした狙いは、いずれにせよ、地域における、かつてのソ連の影響力の遺産たる、中東最後のアラブ同盟国として、シリアを重視するロシアの国益に全く反する。ロシアは依然、シリアの港タルトゥースに、旧ソ連以外でロシア軍唯一の基地である海軍基地を維持している。

ロシアの石油企業は、シリア沖にある埋蔵石油の採掘で、シリア政府と契約した。国営エネルギー企業ソユーズネフチェガスは、この目的で、25年間の契約を結んだ。

しかも、シリアを、アメリカとアラブの王政産油国の傀儡国家に変えると、シリアは、ロシアと地中海間から、ヨーロッパ市場からその先へという潜在的なパイプライン・リンクから、何十億ドルもアサドの失脚を狙っているいわゆる“反政府派”支援に注ぎ込んでいるカタールからのガスをもたらすライバル・パイプラインの経路へと変換する。

アメリカ帝国主義にとっては、シリアで大虐殺を引き起こすことは、中東、ユーラシア大陸と地球全体に対するアメリカ覇権戦略を推進するための更なる一歩にすぎない。ロシアのシリア介入が、ロシアとの軍事的対立という直接的脅威をもたらしたというが、それはロシアの軍事増強とされるもの等の為ではなく、この戦略の結果だ。

軍事増強のそうしたでっち上げ報道は、ヨーロッパの難民危機と共に、アメリカが率いるシリア介入をエスカレートする口実として利用されている。ここ数日で、フランスもイギリスも、シリアでの爆撃強化計画を発表し、オーストラリアも間もなく続くと見られている。

アメリカが率いる中東介入での、ロシアとの対決という威嚇と共に、シリアにおける帝国主義的軍国主義の更なる噴出は、第三次世界大戦への道を開く危険をもたらすものだ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/09/09/syri-s09.html
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常総市の堤防決壊(新石下)しか知らなかったが、「ソーラーパネルを設置する為、自然堤防を削った部分で、鬼怒川は堤防を越えた」場所(若宮戸))があった!役所の方がおっしゃていったのだから、事実だろう。

Paul Craig Roberts氏も再三指摘しておられる「費用の外部化」の見本。

原発も基地も戦争法案もTPPも、新自由主義軍産複合体による「費用の外部化」。

RTに、この記事につながるロシア外務省報道官の発表記事がある。

Russia has always supplied equipment to Syria to help fight terrorism - Foreign Ministry

アメリカには、どの国の政権を、いかに、いつ転覆するか決定し実行する権利がある。
ブルガリアやギリシャ政府と同様、日本政府にも、宗主国の命令のまま、どの侵略戦争にでも、どこまででも、ついてゆくことを決める自由がある。

「どこまでもついてゆきます下駄の石」

武器輸出「国家戦略として推進すべき」 経団連が提言

とうとう本音。とんでもない国に、とんでもない時代に生きている。こういう連中が属国政策を決め、とんでも道徳を決め、とんでも歴史教科書を押しつけて、戦争を推進する。

原発も基地も戦争法案もTPPも、新自由主義軍産複合体による「費用の外部化」。

2015年8月20日 (木)

ニュージーランド: 環太平洋戦略的経済連携協定に何千人もの抗議行動

By our reporters
2015年8月18日

土曜日、提案されている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に反対するニュージーランドの抗議行動で、25,000人以上の人々が行進した。21の都市や町での集会は、3月の反TPP抗議行動規模の三倍で、緊縮計画や、大企業や政治エリートの陰謀への反対が増大したことを示している。オークランドでは、10,000人以上が参加し、首都ウェリントンでは、5,000人、クライストチャーチでは4,000人だった。

抗議行動は、“TPP破棄!”というスローガンの下、ニュージーランド国民党政府に、交渉から撤退するよう圧力をかけることを目指す“行動週間”の頂点だった。12ヶ国の貿易大臣が、日本からチリまでの太平洋を囲み、世界経済の40パーセントを占める貿易圏を交渉している。乳製品参入を巡って一歩も譲らないニュージーランドや、自動車を巡って対立している日本とアメリカを含む鋭い対立が続く中、今月始め、交渉は行き詰まった。


ウェリントン反TPP行進の一部

ニュージーランド政府はTPPの熱心な擁護者だ。ところがニュージーランド・ヘラルドによれば、先週土曜、ティム・グローサー貿易相は、協定を早くまとめたがっている他国政府から“日本、カナダや、アメリカ合州国の厳重に保護された市場への、ニュージーランドの乳製品輸出拡大要求で屈服するよう強烈な圧力”をかけられていると述べている。

“自由貿易”協定とされているが、TPPは、実際は、協定から事実上排除されている中国に対して向けられたアメリカ“アジア基軸”の経済兵器なのだ。アメリカ・コングロマリットや、他の多国籍企業と緊密に相談しながら、協定は秘密裏に交渉されている。

アメリカは、国有企業を優遇するものを含む国別規制措置の解体と、ソフト、メディアや医薬品等の主要分野におけるアメリカ企業の“知的所有権の保護を強要している。これに合致しそこねた政府は、何百万ドルもの訴訟、あるいは、アメリカ市場からの排斥に直面しかねない。

金曜日、TPP抗議行動に対して警戒し、そばに寄らないようオークランド在住のアメリカ国民に忠告する前例の無い声明をアメリカ国務省が出したことで、交渉を巡る緊張が浮き彫りにされた。オークランドのアメリカ総領事館は、“抗議行動が平和なものを意図していても、対立的なものになりかねないので”アメリカ国民は行進を避けるよう電子メールで促した。

ニュージーランドにおける反TPP抗議行動は、過去三年間、様々な社会階層を惹きつけて拡大してきた。全ての既成政治勢力が、金融エリートによる緊縮計画の押しつけを支持している状態で、抗議行動は、全般的な政治・社会的不満の手段になる。

行進の横断幕は、医療の受けやすさ、グローバル企業の権力や強欲、“チャーター・スクール”の勃興や、地球温暖化を含む、様々な話題を掲げていた。国家秘密と、政府がTPP協定文章の公開を拒否しているが主な懸念だ。

ところが、ワシントンの対中国戦争準備増強や、深化する資本主義の世界的危機に根ざす、市場原理主義的再編への取り組みに異議申し立てをするどころか、反TPP運動主催者達は、反対を反動的な民族主義的、保護主義的方向に逸らす為、時間をかけて動いてきたのだ。TPPは、ニュージーランドの“主権”や“自らの法を制定する”権利を脅かすというのが彼等の主張だ。

抗議行動は、様々な労働組合、学者、グリーンや、マオリ民族主義者のマナ党等の統括団体である組織“我々の未来のニュージーランド(It’s Our Future New Zealand)”が主宰した。これは、TPPを、彼等自身の経済権益に対する脅威と見なしている特権的な中産階級層、現地企業や、マオリ・エリートを代表している。オークランド集会での演説の主な話題は、TPPは、何百万ドルもの金を、マオリ部族の事業に提供する、国が支援する仕組みである、ワイタンギ条約を損なうというものだった。

集会において重要な存在としての政党は、ニュージーランド国民党が率いる政府の連立与党で、反労働者階級の緊縮計画を支持しているマオリ党だ。マオリ党共同代表者のマラマ・フォックスは、厚かましくも貧者支持者のふりをし、マオリは、自分達の“主権が剥奪される”のが“どのようなことかを知っている”と宣言した。

マオリ“主権”要求の意味は、2011年にマオリ党から分裂したが、同じ資本主義志向の綱領のマナ党が詳細に述べている。マナ党のウェブ・サイトは、“現地生産よりも多国籍企業を優遇し、地域企業の支援を妨げる”自由貿易協定からの撤退を要求している。

俳優組合副委員長、テッド・リッポンは、ウェリントン集会で、三つの主要テレビ局で、放送された国産ドラマは、わずか一本だと述べた。リッポンによると、1994年の世界貿易機関の協定は、ニュージーランドが、“先住民向け”放送を除いて、現地製コンテンツ割り当てを課するのを非合法にした。リッポンは、そうした保護主義的措置を強力に擁護し、現地俳優達は“極めて裕福なアメリカ企業の為に、排斥されるのが一体どのような気分か知っている”と述べた。リッポンは、ローカル・コンテンツは“国のアイデンティティーや、自己意識や、誇り”を促進する為に、極めて重要で、TPPは“小さく、美しく、脆弱な”ニュージーランドを脅かしていると主張した。

“民主主義”と“我々自身の法律を、我々自身の国で制定する権利”の為、“武力”によって遂行された、第一次世界大戦へのニュージーランド参戦を、ドキュメンタリー映画監督のブライアン・ブルースが、戦争賛美的に言及しているのは意味が深い。実際、イギリス帝国を守る為、第一次世界大戦の大虐殺に、ニュージーランドが参戦し、18,000人以上の青年の死亡をもたらしたのだ。

オークランドやウェリントンで演説した人々の誰も、オバマ政権の対中国戦争準備におけるTPPの役割には触れなかった。彼等は、ニュージーランド軍と、諜報機関を、反中国“基軸”に組み込む動きについても、沈黙していた。これは偶然ではない。“我々の未来のニュージーランド(It’s Our Future New Zealand)キャンペーンの民族主義的視点は、ニュージーランドを、アジア-太平洋地域における自らの野望を持った弱小帝国主義国家としてではなく、“外国の”ご主人達に支配されている植民前哨基地として描き出している。

TPP抗議行動で積極的な多数の組織が、深まる社会的不満を、反動的方向へと逸らす為、反中国外国人嫌いを強烈に推進している。2012年以来、グリーンと、マナ党は、ニュージーランド労働党や、反移民のニュージーランド・ファースト党と共に、中国からの投資に反対する抗議行動に関わってきた。この活動は、ニュージーランドをより完全に戦争への動きに取り込もうというアメリカの取り組みと符合する。

ウェリントン集会の締めくくりで、高等教育組合委員長のサンドラ・グレイが、抗議行動の視点の破綻を明確に示していた。“民主主義”の為の様々な扇動的呼びかけをした後グレイは国会議事堂を指さして、こう宣言した。“これは我々の議会だ、彼等は耳を傾けるだろう。”

実際、TPPは、戦争への執拗な動きと、世界的な資本主義破綻の重荷を労働者に対して、押しつける一環だ。世界規模の計画社会主義経済を樹立する為、利潤制度や、そのあらゆる手先に対する統一世界闘争によってしか、労働者階級は、その利益を守ることができない。これには、あらゆる形の国粋主義や狂信的愛国主義を拒否し、帝国主義と戦争に反対して、世界中の労働者が団結することが必要だ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/08/18/nztp-a18.html
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戦争法案成立のはるか前に、防衛大臣が、アフリカでの自衛隊活動を検討させている大問題は一切報道せず、伝えるのは高校野球、猟奇的誘拐殺人事件、タイ爆弾テロ事件のみ。洗脳大本営広報部大政翼賛会。

一方、さすがに民放は、防衛大臣の「存在を知らない」から、「自分が指示した」という支離滅裂答弁を報じている。

この活動は、日本をより完全に戦争への動きに取り込もうというアメリカの取り組みと符合する。

「自衛隊を、アメリカ軍の二軍にして、世界中に出せと言われています」と与党幹部の顔に書いてあるとしか、素人には読めない。支離滅裂さの背景、宗主国の無理難題にあるだろう。

談話を巡って、アメリカの東アジア専門家三人が、ワシントンで議論、評価をして下さったという記事を夕刊でみかけた。ヘリテージ財団上院研究員、CSISの彼氏、ブルッキングス研究所研究員。書く内容を事前に細かく指示しておいて、発表後、評価するという手前味噌。

談話、もともと英語で宗主国に向けて書かれたのではという岩下俊三氏記事を拝読したばかり。

「70年談話」の内容より腹痛を懸念する。

記事は、ニュージーランドの反TPP運動に対する手厳しい意見。

大本営広報部による徹底的な洗脳のおかげで、反TPP運動が停滞し、wsws存在感が皆無な日本に対するご意見を伺いたいもの。

日本なら、人口比でいえば全国で75万人のデモ。戦争法案、反原発デモ並み動員数。
動員数の違いには唖然とするばかり。

民主党は安保法制、TPP、原発で旗幟(きし)鮮明にする -政権奪還には「昔の民主党」との決別が必要- 15.08.17 しのはら孝

実にごもっともだが、篠原氏のようなまともな考え方の民主党議員、一体何人おられるだろう。大半、所詮は自民党別動隊ではあるまいかと危惧している。

前回選挙で、山田正彦元農林水産大臣を含む、まっとうな民主党議員の皆様ことごとく落選した。一方、傀儡両与党や、異神や、解党したやつらや、将来世代を破壊する連中、いずれも自称野党、実質自民党別動隊、TPP・戦争法案賛成派がこぞって当選した奇怪な状況。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

2015/08/11 「現在は、幕末・維新期に次ぐ第2の国難に見舞われた状態」ハワイでのTPP閣僚会合をどう見るか ~現地入りした山田正彦元農水相、内田聖子PARC事務局長に岩上安身が聞く

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2015年7月30日 (木)

NATO、トルコ/アメリカのシリア政権転覆攻勢を支援

Jean Shaoul
2015年7月29日

火曜日、NATOは、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に、バシャール・アル-アサド大統領のシリア政権に対するワシントンの介入をエスカレートする為の隠れ蓑として利用されている、アメリカが率いる「イラクとシリアのイスラム国 」(ISIS)に対する軍事攻勢に、トルコが参加することについて、満場一致で支持した。

見返りにトルコが得たものに、先週まで、ワシントン、ベルリンや、他のNATO大国によって、対ISIS戦争の基盤として称賛されていたクルド勢力に対する攻撃へのアメリカによる支持がある。

イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長はこう述べた。“トルコの戸口と、NATO国境での不安定さに対処する為、我々は同盟国トルコとしっかり団結している… 。”

NATOで二番目に大きい、総勢700,000人の軍隊を擁するトルコは、シリアを侵略し、領土を占拠し、トルコ軍がISIS戦士を標的にすることを可能にする緩衝地帯をトルコ国境沿いに確立する。そのような地帯は、クルド民主統一党と、その民兵、クルド人民防衛隊(PYD/YPG)という、シリア・クルド勢力に対する集結地点にもなる。

彼等は更に、ロシアやイランと同盟しているダマスカスの政権を打倒する力を準備する為に、アメリカと、その同盟国によって、武器を与えられ、資金を提供されているいわゆる“穏健派”反アサド勢力の為の安全な隠れ場所を作り出すつもりだ。

PYD/YPGは、トルコで非合法化されているクルド労働者党(PKK)や、イラクのクルディスタン地域政府(KRG)と同盟しており、北東シリアの自治区を築いている。アンカラは、それが拡大し、南東トルコまでとりこみかねないと懸念して、シリアのクルド自治区に反対している。

アメリカは、ここ数年、シリアに“飛行禁止空域”をもうけるエルドアンの公正発展党(AKP)の提案を拒絶してきたが、それと等しい“安全地帯”に今や同意している。

2003年イラク侵略の十年以上前、アメリカは、イラク航空機を飛べなくし、イラク防空システムを標的にする為、北と南イラク上で“飛行禁止空域”を利用した。反カダフィ抗議行動参加者を保護する目的だという建前で、リビアで同じような空域を設定するという名目で、2011年、アメリカとNATOは航空戦をしかけ、政権を打倒し、究極的に、その指導者を殺害する為、代理人連中の地上軍をとりまとめた。

最新の計画は、シリア主権に対するあからさまな攻撃で、事実上のダマスカスに対する宣戦布告に等しい。これは、資源の豊富な中東全体を支配するという、ワシントンのより広範な戦略の一環だ。

アンカラは、シリアとイラクのISIS標的を攻撃するために、アメリカがインジルリクとディヤルバクルのトルコ空軍基地を使用することに同意した。ISISや、アルカイダとつながった、アル-ヌスラを含む様々なイスラム過激派民兵と、クルド民兵以外に、有効な反アサド派戦闘勢力がない為、ワシントンは、シリア国内で支援している“穏健派”勢力の名前をあげることを拒否した。

グローバル対テロ戦争に関するあらゆる語り口からして、ISISを封じ込める取り組みとされるものにおいて、アメリカ軍は、アルカイダとつながった勢力の地上軍への上空援護を行い、彼等の事実上の空軍として機能する可能性が高い。

ブリュッセルでの90分の会談は、シリア政権転覆の為の全面的NATO戦争の準備だった。会談は、アンカラの政府が、トルコの安全保障について同盟諸国と、相談することを可能にするため、NATO条約、第4条のもとで、トルコの要求で招集された。

エルドアンはこう述べた。“現在、トルコは攻撃されており、自国を防衛する権利を行使しており、この権利は最後まで行使するつもりだ。”彼は更に述べた。“NATOにも義務が生じる可能性があり、我々は、NATOに、それに備えるよう要求した。”

彼が言及しているのは、先週、トルコ南東部のクルド人が多い町スルチでおきた、シリアの都市コバニにでかけ、再建を支援する計画をしていた32人の活動家を殺害した自爆攻撃だ。トルコ政府は、攻撃はISISが行ったと主張しているが、ISISは犯行声明をだしていない。

スルチでの自爆事件は、PKKによる攻撃を引き起こし、それが国内の反政府派、1,000人以上のISISメンバー容疑者、PKKや左翼集団の逮捕を含め、政府取り締まりの口実に利用された。過去数日間に、5人のトルコ人治安要員と、4人の民間人が衝突で亡くなっている。

日曜夜、トルコ戦闘機が北イラクのPKK標的を攻撃した。PKKは、攻撃は、約40,000人の人命を奪った30年間の武力紛争の後、2013年に合意した脆弱な休戦の終わりを意味すると述べた。

月曜日、トルコのメヴルト・チャヴシュオール外務大臣は、記者団に、トルコが直面している、安全保障上の脅威を説明したいと言って、“我がNATO同盟諸国の団結と支援を我々は期待している”と述べた。彼は“PKKと、ダーイシュ [ISIS]に違いはない。ダーイシュと戦っているからといって、PKKの方がましだとは言えない。”と述べて、ISISとPKKとのいかなる差異をも説明することを拒否した。

緊急NATO会談の最も顕著な特色の一つは、より広範な地域での戦争の突発や、トルコ国内での内紛急増をもたらす恐れがあるトルコの計画を、全てのヨーロッパ大国が支持する用意があるように見えることだ。

約100万人のクルド人を含め、約400万人のトルコ人が暮らすドイツの懸念があってもこうなのだ。ドイツは、トルコの対応は、トルコが直面する脅威と釣り合うもであるべきだと述べ、アンカラのクルド人との和平交渉は継続すべきだと強く促した。

アンカラが、既にクルド人に対して戦争をしかけていることからすれば、これは第一級の政治的皮肉だ。ベルリンは以前、北イラクのKRGと密接なつながりを確立し、イラク・クルド人ペシメルガ民兵に兵器を与え、間接的に、シリア・クルド人にも与えた。ドイツはペシメルガ戦士訓練もしている。

今や、ヨーロッパ諸大国も、ワシントンも、対ISIS戦での正式同盟者、クルド人を見捨て、トルコを支持する用意があるように見える。彼等が、規模17番目の経済であるトルコは、彼等自身の中東支配の取り組みと、ロシアと中国を出し抜く上で、より貴重な地域的協力者だと考えているのは明らかだ。

シリア内戦の最初の数年間、トルコ--ワシントンに支援されて--アサドを打倒し、クルド人を封じ込め、シリアにおけるクルド国家の出現を防ぐ為の取り組みで、ISISや、他のイスラム過激派勢力を、積極的に支援してきた。より最近では、イラクにおけるアメリカ権益への脅威としてのISIS出現後のアメリカによる圧力の下、より低姿勢な、対ISISとの取り組みへと方針をいやいやながら変えたのだ。

2013年に、アメリカが、対アサド戦争で腰が引けた後、トルコは、アメリカとの同盟を利用して、地域における陰の実力者になろうとするトルコの取り組みが阻止されていることに気がついた。トルコは、今ならこれが実現可能だと考えている。月曜、アフメト・ダウトオール首相は、CNNに、ISISの存在は、シリアのアサド政権に対する国際的な無為の結果だと語った。

"アサドは、ずっと前から正統性を失っている”と彼は主張した。“残念ながら、国際社会が無為だった為、彼は犯罪を継続し、力の真空状態を作り出した… ISISを殲滅することは、もちろん、戦略的目標だが、何か他の要素があるべきだ。我々は、シリアの将来について、戦略を持たねばならない。"

地域を不安定化させることになったアメリカ政策の頻繁な急変で揺さぶられながら、長年の急速な成長後、経済が失速し、自動車産業での山猫ストも起きて、AKP政府は、国内における混乱の増大に直面している。特にイスタンブールや、東部、主として、クルド諸州で、大規模な街頭抗議行動、過激なバリケードや自動車の焼き討ちも起きている。

6月選挙で、絶対多数を失って以来、AKPは、いまだに連合政権を組めていない。エルドアンの計算で大きな部分を占める要素は、どのような新選挙でも、AKPに議会の過半数を確保できるようにする為に、彼が恐怖の雰囲気を醸成できることだ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/07/29/turk-j29.html
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対シリア攻撃本格化だろう。

外出していて実況をみそこなった共産党小池副委員長の追求。
アメリカ軍、あるいはオーストラリア軍?の為の、あらゆる弾薬の提供、戦車等の武器輸送なんでもあり。本格的な後方支援、正確には、兵站。

「攻撃国の意思は総合的に判断する」正気ではない連中の恣意的判断が恐ろしい。

アベ政治を許さない。という最近の大ヒット、金子兜太氏の書の通り。

大企業の儲けの口として、戦争は、一番美味しいのだろう。

宗主国の軍需企業であれ、属国の軍需企業であれ。そして、そういう企業からの政治献金は膨大なのだろう。それをいうなら、保険業界や、医薬品業界やGMO産業の政治献金も。

戦争法案の迫力を利用して、TPPの方を、大本営広報部、まんまと隠しおおせている。
意図的にバター不足を起こしておいて、TPPで安いニュージーランドのバターが買えるという宣伝。

安いバターや、GMO食品や、ホルモン漬けの肉を食べて、病気になると、TPPのおかげで、医薬品が途方もなく高くなり、医療費が目玉が飛び出るほどになることは決して報じない大本営広報部、戦争法案説明で、リスクは上がらないという政府と同じ穴のむじな。

自国の食料生産が高いからといって、自国の農業をこれ以上破壊すれば、宗主国が意図する、食料でも日本を締めつけられる計画にのるだけのこと。そうしていじめる宗主国の侵略戦争にどうして参加するのだろう。

戦争をしないための法案をつくれと命じてくださっている宗主国、こういう歴史のお国だ。

アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の、239年中、222年間が戦争

2015年5月 7日 (木)

『兵士シュベイクの冒険』: 第一次世界大戦に関する傑作風刺文学

Isaac Finn
2015年4月14日

第一次世界大戦百周年に、1914-18年の血の海で手を洗った、当時と同じ顔ぶれの帝国主義列強政府、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリアが、愛国的宣言をし、祝賀した。

忘却されている、あるいは、意図的に無視されているのは、国内、あるいは戦争で、第一次世界大戦を味わった何百万人もの労働者達が、虐殺に対して、資本主義体制そのものを打倒する取り組みで対応したという事実だ。

成功した革命の一つである1917年のロシア革命は、既成社会体制の解決しようのない矛盾に対する、労働者階級による進歩的な対応だった。

戦争が解き放ったものや、その前兆となったものによって、ヨーロッパの人々の社会心理は変容した。軍国主義と帝国主義に対する憎悪は、広範な労働者のみならず、多くの作家、画家や知識人達にも蔓延し、受けいれられた。

この世代の芸術家達の中には、特に作家達に、戦争そのものの体験と密接に関連している集団がある。詩人のウィルフレッド・オーウェン(1918年10月、フランスの戦線で死亡)や、シーグフリード・サスーン、そして、小説家アンリ・バルビュス(『砲火』、1916年)や、エーリッヒ・マリア・レマルク(『西部戦線異状なし』、1929年)だ。この戦争に関する著名な作品を書いた当時の他作家達には、アーネスト・ヘミングウェー(『武器よさらば』、1929年) ジョン・ドス・パソス(『三人の兵士』、1921年)や、フォード・マドックス・フォード(『パレードの終わり』、1924-28年)がいる。


『兵士シュベイクの冒険』のイラスト原画

直接、戦争に関係する小説の中で、一流作品として掛け替えないのは(ルイ-フェルディナンド・セリーヌ『夜の果てへの旅』の一部を数にいれない限り)、戦争そのもののみならず、社会全体の諷刺小説だ。それは、チェコ人作家ヤロスラフ・ハシェクによる『兵士シュベイクの冒険』(1921-23)だ。

小説の主人公、市民生活時代は盗まれた犬の販売業者だったヨセフ・シュベイクは、上官達の裏をかき 彼が置かれた困難な状況に対し、独特で、往々にして愉快な消耗戦を戦う為、馬鹿のふりをしているチェコ人兵士だ。セシル・パロットは、1974年版の前書きでこう書いている。“シュベイクは、ほとんどの場合、ちんぷんかんぷんなことを言う。彼は相手をしている連中の誰とでも、特に上官に対して同意している振りをする。しかし彼の発言の基層にある皮肉は、常に、それとわかる。”シュベイクは、例えば、“愛国心や、王政への献身を主張することで、自分の行動が自分が主張する目的の実現を加速するだけであることが明らかな際、何としても前線に出たくてたまらない様に見える。”

この小説は二十世紀文学の古典の一冊だ。ドイツ人詩人で、劇作家ベルトルト・ブレヒトは、この小説を高く評価し、第二次世界大戦を舞台とする芝居に劇化した。アメリカ人作家のヨセフ・ヘラーは、もし彼が『シュベイク』を読んでいなければ、小説『キャッチ-22』を書いていなかっただろうと、うわさされている。


ヨセフ・ラダによる別のイラスト原画

小説は極めて影響力が強く、“シュベイク”という言葉の派生語が、白痴や、軍の馬鹿馬鹿しさを意味するチェコ語の語彙として取り込まれている。ヨーロッパ中の民族主義者と右翼連中は、この作品を忌み嫌い、1925年には、既にチェコ軍で禁止となり、ナチスは後に、ドイツ語版翻訳を公開で燃やした。

小説は、1914年、ドイツ人、ハンガリー人、チェコ人、スロバキア人、スロベニア人や、他のスラブ人を含む、全く異なる国籍の人々の半封建的集団、オーストリア・ハンガリー帝国を舞台に始まる。皇帝フランツ・ヨーゼフ1世を名目上の長とする腐敗したハプスブルグ王政に支配されていた。1914年7月28日、王位継承者のフランツ・フェルディナンド大公が、国賓としてサラエボ訪問時に、セルビア人民族主義者によって暗殺されたが、この事件は、最初の帝国主義戦争勃発に対する直接のきっかけとなった。

小説の冒頭部分は引用に値する。シュベイクが、家政婦のミュレーロヴァ夫人と話していて“フェルジナンド”(つまり大公)が殺されたのですって、と言われる。シュベイクは質問する。“いったいどちらのフェルジナンドかね? ミュレーロヴァさん… ぼくはフェルジナンドをふたり知っているのだよ。ひとりは薬屋のプルーシャとこの召使で、いつかまちがって、頭の髪につける油を飲んでしまったことがあったっけ。それからもうひとり、フェルジナンド・ココシカていうのをしっているが、この男は商売に犬の糞を集めて回っているよ。ふたりともどちらが死んでもたいしたことはないな。”


ヤロスラフ・ハシェク

これは典型的なものだ。シュベイクは、公式には王位への心酔を宣言しているが、最初のページにある“フェルディナンド”に関する彼の発言で、王政は無価値だという、彼(とハシェク)の本当の意見が伝わるようになっている。射殺されたのが本当に大公であることがわかった後でさえ、シュベイクは、見かけ上、素朴な同じ調子を維持し続ける。“こいつだけは賭けをしてもいいがね、そいつをやらかしたやつはきっとパリッとした服を着こんでいたにちがいないよ。大公殿下を射ち殺すなんてのは、なんていったって、とても骨の折れる仕事だからね。密猟者が森番を殺すのとはちょっと桁がちがう。早い話が、まずどうして大公殿下に近づくかが問題だよ。こういうおえらがたになると、ボロを下げていちゃとても近よれないからね。”

そして、これが小説の調子を決定している。かつて軍隊から白痴として除隊させられたシュベイクが、やがて、その発言ゆえに逮捕され、戦争に従軍すべく軍に再徴募される。

馬鹿げた行動や、おめでたい不注意な行状にもかかわらず、主人公は、民族的に分裂し、堕落した軍官僚や、戦争を恐れる国民が暮らす、写実的に描かれたオーストリア・ハンガリー社会の中に置かれている。

小説は、そうした崩壊寸前の社会の痛烈な描写だ。ハシェクは、獄中生活、旅行や、かつて犬の販売業者として雇われた体験を含む、個人的経験を元に描いたのだ。

出世の為カトリックに改宗した従軍司祭、オットー・カッツの従卒jとなるよう命じられ、シュベイクは、ほとんどいつも酔っている人物の面倒を見る仕事をすることになる。カッツは、やがて、トランプの勝負で、シュベイクを賭けて失い、シュベイクは、ルカーシ中尉への“再配属”を強いられた。女を追い回すルカーシ中尉の下で、中尉を支援するシュベイクの奮闘が、二人の生活を悪化させる一連の出来事を引き起こしてしまう。

本の中で展開する一連のシュベイクの行動が、帝国内部での腐敗、警察の弾圧や、もろい民族間関係をむき出しにする臨界点へと導く。仮定上の理想的兵士シュベイクは、上官達に向かって発言する際、必ず“申しあげます”で始め、誰であれ周囲にいる人には、同意する旨述べることが多い。

ところが、シュベイクは、戦争中に、警察-軍組織の犠牲となって苦しむ周囲の多くの人々や、戦争で戦地に送られるのを避けようとして、頻繁に自傷しようとする青年達に対する喜劇的例外なのだ。

ハシェクは時に喜劇的な調子を破っている。この顕著な例は、警視庁の幹部達に関する彼の言葉だ。

“若干の例外、つまり自分たちにとってまったく関係のない利害のために血を流さねばならぬ国民の一員であることをあえて否認しなかった人々を除くと、警視庁はねじ曲げられた法律の条項をあくまで守るために、眼中に監獄や絞首台しかない官僚的猛獣の最良のグループを代表していた。”

『兵士シュベイクの冒険』を書いた当時、既に確立した作家だったハシェクは、この作品を極めて真面目に受け止め、この小説を彼の代表作と考えていた。

1883年、プラハで高校の数学教師の息子として生まれたハシェクの一家は彼が若い頃に何度か転居した。プラハで学んでいた頃、1897年の反ドイツ暴動を目撃し、民族衝突に参加し、同級生と共にチェコ人集団を作った。

父親が二年前に亡くなった結果、15歳で学校を中途退学せざるを得なかった。フリーランスの作家、ジャーナリストとして自立することを狙いながら、彼は短期間、薬屋の見習い、銀行員として働いた。

1906年、ハシェクはアナキスト運動に参加し、翌年、アナキストの雑誌コムーナの編集者となった。最初の妻、ヤルミラ・マイェロヴァーと結婚し、彼女の家族から認めてもらう為、急進的政治から脱落はしたが、オーストリア・ハンガリー政府と、そのあらゆる政党に敵対的な外観を維持し続けた。

戦争中、ロシア軍に捕獲されて捕虜となり、同盟が勝利したら、独立チェコスロバキア創設を認めるという約束で、チェコ軍団に加わった。

1917年10月のロシア革命に影響されて、ハシェクは、労働者革命だけが、チェコスロバキアを解放できると主張し始めた。彼は間もなく、そういう行為をした少数者の一人として、新ソ連政府を支援する為に軍団を去る。チェコ軍団は、後に、1918-22年の内戦中、白軍とともに、赤軍に対して戦ったことで悪名を高めることとなった。

ハシェクは、ロシア南西地域の小さな町ブグリマで、人民委員にまでなった。彼は、少数民族や外国人捕虜の採用活動もし、様々な雑誌で働いて、ボリシェビキを支援した。

新チェコ政府が、労働者蜂起を弾圧し、主要な共産主義者を投獄した直後、1920年12月に、プラハに戻ったハシェクは、戦前の不審な活動ゆえに、チェコ共産主義者達の、ある種の不信感と直面することになった。彼が最初の妻と正式な離婚手続きをせずに、ロシアで再婚したので、当局も、重婚のかどで彼を追求した。

ロシア革命を除く、戦後革命闘争の波、第一波の敗北は、ハシェクを幾分落胆させたようだ。やがて彼は、かつての自由奔放な友人仲間との付き合いと、過度な飲酒習慣に戻る。個人的な手紙の中で、チェコスロバキアの労働者は余りにも受け身なので、チェコスロバキアにおける社会主義革命は不可能だと主張していた。

1921年に、ハシェクは、シュベイクを書き始めた。当初それは共産主義プロパガンダだと考え、出版社はハシェク作品を引き受けようとしなかった。ところが本刊行にこぎつけてみると、第一巻は非常に売れ行きが良かったので、出版社や友人のフランティーシェク・サウエルから書き続けるよう圧力を受けたのだ。

ハシェクは、アルコール中毒と、関連する健康問題のおかげで、仕事が遅く、気まぐれだった。最終的に田舎町リプニツェに転居するよう勧められたが、書くつもりだったもののほんの一部しか完成せずに、39歳で亡くなり、主著は未完成のままとなった。

1940年、ブレヒトは、ハシェクのリアリズムは、人間性についての知識や、“虐げられた人々の、共に暮らさざるを得ない圧制者に関する鋭い洞察、彼の弱点や悪徳を探る極めて敏感な能力、彼に(敵に)とって、本当に必要なことや、恥ずかしく思っていることについての深い知識、予測不可能なことや、全く想像のつかないこと等に対する持続した警戒心”によって構成されていると書いていた。

『兵士シュベイクの冒険』は広く読まれるべき作品だ。その中で、ハシェクは、壮大な歴史的出来事から引き出された、愛国心、官僚的出世主義や、権威主義に対する猛烈な抵抗をもたらした、虐げられた人々の体験を、喜劇的かつ皮肉に抽出している。その真実は、おそらく、今までにまして必要だ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/04/14/svej-a14.html
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ハシェク誕生日1883年4月30日なのが、彼の本をこの時期に取り上げた理由だろうか?

原作が素晴らしいせいだろう。これを元にした映画、アニメ、芝居は数多い。

本場チェコでは、1954年、イージー・トルンカによるパペット・アニメDobrý voják Švejkが制作された。主人公に似た人形を、昔土産に頂いたが、糊がはがれ分解、行方不明。

2009年には、ウクライナ、ヤルタで、アニメПохождение бравого солдата Швейкаが制作されている。1時間14分。小説のウクライナ語版はこちら

引用部分で利用させて頂いたのは、岩波文庫、栗栖継氏訳。
第一巻、1972年8月第一刷。プラハの春後のチェコ侵攻、1968/8から4年目。
第二巻、1972年11月第一刷。
第三巻、1973年3月第一刷。
第四巻、1974年4月第一刷。刊行の遅れを詫びておられる。
第四巻の、訳者あとがきで、作者のひととなりや作品背景概要がわかる。

不思議なのは、第一巻が、品切れらしく見えること。 第一巻で止めてしまう読者は非常に多いだろう。第一巻を飛ばして、第ニ巻、あるいは他の巻から読み始める読者、ほとんど無視できる人数のはずだ。謎の営業政策。

“シュベイク”という言葉から派生したチェコ語には、シュヴェイコビナ(svejking)、シュヴェイコヴァト(to svejk)、シュヴェイコフストヴィ(軍の馬鹿馬鹿しさの意)等がある。

ブレヒト作『第二次大戦のシュベイク』芝居も、見た記憶がある。シュベイク役は大滝秀治。ネットをみると、1988年のこと。

観劇しながら、現実生活で、帝国に振り回されるシュベイクを演じさせられる日が、これほど急に実現するとは思わなかった。

辺野古を警備する人々、基地反対活動をしておられる方々の様子を、例えば
海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊』ブログで拝読する限り、オーストリア・ハンガリー帝国ではないが、生まれて以来、帝国での暮らしを強いられる二流国民にとって、集団他衛権なる名目で、世界で侵略戦争に関与する結果、テロ攻撃なるものがいつおきても不思議はない可能性が現実化している今、この文章(第一巻、86ページを加工)そのまま。強圧的取締映像放映、本土大本営ではタブー、決して事実の報道も映像も流されない。『圧殺の海-沖縄・辺野古』でみるしかないのだろうか?

“若干の例外、つまり自分たちにとってまったく関係のない利害のために血を流さねばならぬ国民の一員であることをあえて否認しなかった人々を除くと、警視庁や海上保安庁はねじ曲げられた法律の条項をあくまで守るために、眼中に監獄や絞首台しかない官僚的猛獣の最良のグループを代表していた。”

この筆者のいう通り、

『兵士シュベイクの冒険』は広く読まれるべき作品だ。その中で、ハシェクは、壮大な歴史的出来事から引き出された、愛国心、官僚的出世主義や、権威主義に対する猛烈な抵抗をもたらした、虐げられた人々の体験を、喜劇的かつ皮肉に抽出している。その真実は、おそらく、今までにまして必要だ。

この訳文に該当する部分のチェコ語原文は下記。

Kromě několika výjimek, lidí, kteří nezapřeli, že jsou synové národa, který má vykrvácet za zájmy jemu úplně cizí, policejní ředitelství představovalo nejkrásnější skupinu byrokratických dravců, kteří měli smysl jedině pro žalář a šibenici, aby uhájili existenci zakroucených paragrafů.

前回記事、福島の酒造会社社長がインタビューで語られた言葉、福島の“地獄の釜”、非常に人気がある。人様のナントカで相撲をとったようで恐縮。そこで、福島にかぎらず、汚染不沈空母属国に暮らす全員が放り込まれる、日本の“地獄の釜”描写として秀逸な、第一巻、258-259ページの文章もご紹介しよう。皆様も、第一巻からどうぞ。

ご存じでしょうが、この連中の説によると、地獄には哀れな亡者たちのために普通の硫黄の釜に代って、パパンの蒸気釜、高圧の大きな釜が置かれてあって、亡者たちはマーガリンでいためられる。焼き串はというと電気仕掛けになっており、亡者たちは何百万年分もいっしょにスチーム・ローラーをかけられる。歯がみをする音は歯医者が特殊な装置を使って効果を出し、泣きわめく声は蓄音器のレコードに録音されて、天国へ送られ、この世でおこないが正しかったために天国に来ている人たちを楽しませる。天国ではオーデコロンがふりまかれ、フィルハーモニー・オーケストラが長ながとブラームスの曲を演奏しているので、大ていの者は参って地獄や煉獄行きを志願するようになる。天使たちは、翼を酷使せんでもすむように、お尻のところに飛行機のプロペラがついている、ざっとこういうあんばいです。

今、ハシェクが生き返ったら、どう書くだろう。

ご存じでしょうが、この連中の説によると、地獄には哀れな亡者たちのために普通の硫黄の釜に代って、核の蒸気釜、放射能の大釜が置かれてあって、亡者たちは汚染水でいためつけられる。焼き串はというと電気仕掛けになっており、亡者たちは何百万年分もいっしょに放射能をかけられる。歯がみをする音は歯医者が特殊な装置を使って効果を出し、泣きわめく声はスマホに録音されて、天国へ送られ、この世でおこないが正しかったために天国に来ている人たちを楽しませる。天国ではオーデコロンがふりまかれ、フィルハーモニー・オーケストラが長ながとブラームスの曲を演奏しているので、大ていの者は参って地獄や煉獄行きを志願するようになる。天使たちは、翼を酷使せんでもすむように、背中にドローンがついている、ざっとこういうあんばいです。

2015年4月25日 (土)

オバマと共和党、反中国の貿易策を推進

Patrick Martin
2015年4月23日

アメリカ上院も下院も、アメリカ政府が貿易協定アジアとアメリカの他の11ヶ国との環太平洋戦略的経済連携協定TPPをまとめることを可能にする貿易促進権限、“ファスト・トラック”権限として知られているものをオバマ大統領に認める法案の作業を開始した。

水曜日、上院財政委員会は、0対6で、法案を承認し、上院議場に送付した。上院で数週間のうちに行われる投票では、より強い反対に出会う可能性がある。委員会では、5人の民主党議員と、1人の共和党議員が“反対”した。

上院財政委員会での投票は、ユタ州選出委員長の民主党議員オリン・ハッチと、オレゴン州選出の民主党幹部議員ロン・ワイデンとのTPA法制の条件にまつわる先週の長い会談に続いて行われた。

下院歳入委員会は、木曜日に法制についての作業を開始すると、ウィスコンシン州選出のポール・ライアン委員長が発表した。ライアンは、ハッチとワイデンの会談に加わり、法案に同意した。

法案は、ファスト・トラック条項の下で、貿易協定を交渉する権限を、大統領に与えることになり、今後三年間、下院と上院での議院承認は、いずれも、改訂や、手続きの遅延無しの、信任投票だけになる。

現実問題として、貿易促進権限の議会承認は、貿易協定合意にも、その承認にも必要だ。もし議会が協定を自由に改定できたり、法案通過を阻止したりするのであれば、アメリカ合州国との貿易協定に署名する国などない。議会が、その様な協定に信任投票で反対したことはかつてない。

環太平洋戦略的経済連携協定TPPは、オバマ政権のアジア基軸における経済・貿易要素で、これにより、中国という勃興する力に対し、アメリカ軍、政治・経済資産を総動員するのだ。TPP交渉に参加している11ヶ国は、日本、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、チリ、ペルー、メキシコとカナダだ。

もし12ヶ国貿易圏が実現すれば、世界最大の貿易圏となる。世界経済の40パーセントにあたり、欧州連合の比率より大きいのだ。もしTPPが実現すれば、他のアジア諸国も署名することが期待されている。韓国は興味を示しており、フィリピン、タイやインドネシアも潜在的な加盟候補だ。

ワシントン公式のTPP論議は、二つの別々の路線で進められている。一つは大企業エリートと、その軍-諜報機関、そしてもう一つは、煽動的かつ完全に偽った、アメリカ人労働者の擁護者を装うこうした姿勢だ。

支配エリート中核では、議論の中心は、中国に圧力を加え、アジア太平洋地域において、卓越した経済的地位に勃興するのを未然に食い止める手段としてのTPPの戦略的価値を巡るものだ。ここで核心問題は、世界第三番の経済である日本を、この将来の経済圏取り込むことで、日本無しでは、TPPは拡大版NAFTAに過ぎなくなる。アメリカ、カナダとメキシコに加え、少数の二流アジア経済諸国だ。

安倍晋三首相は、ホワイト・ハウスでの会談する為、4月28日にワシントン入りの予定だ。彼は両院合同会議でも演説する予定だ。オバマ-安倍会談では、TPP締結に対する主な障害、特に農業と自動車貿易を巡る米日摩擦に対することが予想されている。

ワシントン・ポストは、TPP交渉の本当の狙いに関して疑う余地のない論説で、オバマ政権に、協定を、日本と、議会で必ずまとめるよう呼びかけている。新聞“TPPの狙いは地政学的かつ経済的だ”と宣言している。論説は更に述べている。“ここで重要なのは日本だ。高齢化し、経済的に問題を抱えた、アジアの巨人は、勃興する中国を相殺すべく、政治上、安全保障上で、アメリカ合州国とのより深い約束関係の構築を狙っている。”

論説は、こういう警告で締めくくっている。“もしTPPが失敗すれば、オバマ政権にとって、アジア基軸を実現する手だてはほとんど何もなくなるだろう。”

ジョセフ・バイデン副大統領も、4月17日に大半が貿易促進権限を支持すると期待される、29人の右派民主党議員の集まりで演説して、同様な主張をした。“中国は、インドを除けば、地域全てのより小さな国々の上に君臨する巨大な勢力で、ロシアが、ヨーロッパで、石油に関してできていることを、彼等も実行できる”と彼は述べた。“彼等は、これら地域の国々全てに、中国市場へのアクセスを拒否することも、許可することもできる強大な経済力だ。”

かくて、TPP推進は、中国と、北京の事実上属国北朝鮮と、尖閣/釣魚諸島を巡って日本と、何よりも南シナ海で、フィリピンとベトナムと、中国ビルマ国境で、そしてインドと中国間で、地域紛争を挑発しようとするアメリカ帝国主義の益々狂った取り組みとつながっている。

ところが、民主党議員の大半や、AFL-CIO、環境保護団体、ネーション誌や、エセ左翼のインターナショナル・ソーシャリスト・オーガニゼーションを含む民主党と連携する団体のエセ一般大衆向け姿勢によって、マスコミTPP報道では、そうした事柄への配慮がすっかり脇に追いやられている。

こうした勢力は、反中国排外主義やアメリカ国粋主義を基盤に貿易協定に反対しており、またもや他国の労働者の雇用や条件を犠牲にすることにより、アメリカ労働者の雇用と賃金を守ることができるというウソを推進しようとしている。失業と賃金削減を巡る労働者階級の怒りを反動的な国粋主義的な方向に逸らせるこの企みは、軍国主義推進とつながっている。

4月15日、4人の民主党議員が、石油精製労働者のストライキを裏切ったばかりの全米鉄鋼労働組合委員長レオ・ジェラルドが議長をつとめる1,000人以上の労組幹部や支持者達の集会で演説した。

マサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員は拳を振り上げるしぐさをし、マイクに向かって叫んだ。“秘密貿易協定など許さない!皆さん戦う覚悟はありますか?多国籍企業の為の特別協定など許さない!皆さん戦う覚悟はありますか?”

ヒラリー・クリントンに対し、民主党大統領候補指名で、形ばかりの挑戦者を演じる可能性があるバーモント州選出のバーニー・サンダーズ上院議員は、議会は“すっかり億万長者達とそのロビイストのものなっている。”と主張した。

ほとんど機能していないアメリカ鉱山労働者連合委員長として、そして今や労働組合連合のトップとして、労働者階級の戦いで無数の裏切りをしてきた歴戦の勇士、AFL-CIO議長リチャード・トルムカは、火曜日、上院財政委員会の公聴会で、貿易協定反対の証言をした。

トルムカは、議会ファスト・トラック権限に反対するロビー活動の為に“莫大な”6桁金額の宣伝キャンペーンを行うと既に発表している。“更なる雇用喪失と低賃金”を招くファスト・トラック成立を許すことはできないと彼は主張した。“労働者への良い雇用でなく、グローバル大企業に利益をもたらす貿易協定にただ追認するのでなく、議会はその影響力を維持するべきだと思う。”

この煽動的言辞は、アメリカ大企業政権が何百万人もの労働者に“失業と低賃金”を押しつけるのを助けてきたAFL-CIOの長年の実績を隠蔽している。労組は労働者階級の利益を守っておらず、アメリカ資本家階級で競争力が脆弱な部門、特にTPP交渉で、日本やメキシコや他の国々の外国ライバル企業に敗北することを恐れている製造業を守っているのだ。

民主党議員の反対についていえば、ほとんど選挙資金を労働組合から流れ込み続けさせる為の見せ掛けに過ぎない。いざとなれば、上院でも下院でも、離反する共和党議員の人数を補って余りある十分な人数の民主党議員が現れよう。

オバマは、このジェスチャー遊びで自分の役を演じ、民主党議員の反対派を強調しながら、この問題で、彼等は間違っていると主張した。ウォーレンやサンダーズ同様、オバマは労働者の利益を守っていると主張している。“中流階級の為になると思っていなければ、私はこの貿易協定を進めていなかっただろう”と彼は火曜日、MSNBCのインタビューで述べた。

大統領として、6年の実績が、いかなる貿易協定も、労働者の為になる証明だとさえ彼は主張した。自動車産業における賃金の大幅削減、何百万ものまともな賃金の雇用破壊や、低賃金に基づく経済“回復”、社会福祉の劇的削減で強いられているパートタイム労働などまるでなかったかのように。

“自由貿易”を擁護し、保護主義を擁護する支配階級両派の“議論”は、資本家階級を代表するものだ。両者とも、労働者の利益に徹底的に敵対しているのだ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/04/23/trad-a23.html
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来る訪米、会談、議会演説、日本三度目の壊国分岐点として、世界史に残るだろう。

第二次世界大戦、太平洋戦争で、日本指導部は、国体護持を考えていた。
国民は国体ではなかった。

集団的自衛権、憲法破壊、TPP推進で、買弁指導部は、国体護持を考えている。
国民は国体ではないだろう。

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋も、この状況に触れておられる。

2015年4月22日【資料メモ】 緊迫する米国のTPP情勢

2015年2月20日 (金)

『アメリカン・スナイパー』を巡る論議

David Walsh
2015年1月31日

クリント・イーストウッドによる映画『アメリカン・スナイパー』の推進と擁護は、アメリカの政治・マスコミ支配体制が、軍国主義的な狙いを推進するための最新手段だ。推進キャンペーンは実にはげしく、比較的辛辣さに欠ける、映画監督マイケル・ムーアや、俳優-監督セス・ローゲンの批判的発言が議論を巻き起こし、二人は暴言を浴びせられた。二人は“売国奴”と非難され、ムーアは殺すという脅迫を受けた。


アメリカン・スナイパー

アメリカン・スナイパー』は、中東の国のインフラを破壊し、残虐な宗派間内戦を引き起こし、百万人以上のイラク人の死をもたらした事業であるアメリカ軍による違法なイラク侵略と占領を巡る神話を作り出そうという取り組みの一環だ。動機は、単に過去の犯罪を正当化するだけでなく、世論を威嚇し、汚し、未来のより大きな犯罪に対する反対を弱体化させることなのだ。

『アメリカン・スナイパー』の主人公は、ネービー・シールズの隊員で、160人以上のイラク武装反抗勢力を殺害したとされているクリス・カイル (ブラドリー・クーパー)だ。映画は、彼を、何よりも、2001年9月11日の自爆攻撃によって入隊する気になった、公正で、愛国的で、敬けんな人物として描いている。

イラクの場面は、アメリカ軍兵士を、ほとんど想像を絶するほど凶暴で邪悪な敵に対する、正しい作戦に従事しているものとして描いている。『アメリカン・スナイパー』の、イラク人や、アラブ人全般に対する姿勢は、敵対的で軽蔑的だ。アメリカ軍は、秩序、現代性、文明と正気をあらわすのだ。イラク人は、迷信、後進性、裏切りと暴力をあらわすのだ。映画の論理によれば、アメリカ兵は、自己防衛と、ある種の公衆衛生活動との為に、非常に多数のイラク人をせん滅せざるを得なかったのだ。

映画は、イラク戦争の正当性や、その起源、歴史的文脈や、より広汎な地政学的影響に関しては一問たりとも提起しない。『アメリカン・スナイパー』は、詮索や批判を阻止するのが狙いだ。

ベトナム戦争経験から何百万もの人々の目で、信用を失った“正邪を問わず、祖国は祖国”という好戦精神を復活させようという断固とした企みがアメリカで進行中なのだ。

映画の素朴主義の外観は、描かれる心理と動機の素朴主義に合致している。無神経なカイルはアメリカ人の命を守ることばかり考えている。むしろ、めそめそしている妻は、ひたすら彼を帰国させることばかり考えている。汚らしいイラク人達は、アメリカ人を殺害することばかり考えている、等々。残酷で犯罪的な作戦を、総合的に粉飾するのは、時間がかかる、それなりに困難な仕事だ。映画制作者にとって、もっともらしい、複雑な人物や対話を作り出す為に残されたエネルギーはほとんどなかった。

イーストウッドの映画は  カイルの準ファシスト的な考え方や行動を、実際よりも、相当、軽く扱い、弱めていることに留意すべきだ。クーパーは、カイルが自分のことを、自伝の中で表現しているより、遥かに控えめで、悲しげな人物だ。

サウスウェスタン・ベルとAT&Tの管理職で、助祭でもあり、小企業も経営していた人物の息子カイル (大牧場経営者になるのか夢だった)は、軍国主義、反共産主義や“家族と伝統的な価値観”が染み込んだ雰囲気の中、半農業的なテキサス州中北部で育った。より反動的な背景を考えつくのは困難だ。

カイルのイラク戦争に対する洞察については、ゴーストライターが書いた彼の回想録とされるものにはこうある。“野蛮で、卑劣な悪。イラクで、我々は彼らと戦っていたのだ。私を含めた多数の人々が、敵を‘野蛮人’と呼んだ。”

彼は言う。“我が国は、でたらめが、わが国に波及することが無いよう、俺をそこに送り出したのだ。俺は一度たりともイラク人の為に戦ったことはない。やつらがどうなろうと俺には関係ない… 俺は自分がやったことが好きだ。今も好きだ… 楽しかった。シールズ隊員として、楽しく過ごした。”

非武装民間人の殺害とされるもので尋問された際、反イスラムの頑固者カイルは陸軍大佐に言う。“私はコーランを持った人は撃ちません。撃ちたいですが、撃ちません。”

カイルは、元アラスカ州知事サラ・ペイリンの護衛も短期間つとめたこともある。過激な極右キリスト教原理主義者や、それに関連したファシスト的な考え方は、シールズや陸軍特殊部隊等、アメリカのエリート暗殺部隊の間で広く行き渡っている。

リベラルな評論家は、遥かに右へ移行するか、徹底的に怯えており、概して『アメリカン・スナイパー』に好意的だ。例えば、ニューヨーカーのデイヴィド・デンビーは、映画は“衝撃的な戦争映画であり、衝撃的な反戦映画で、戦士の腕前に対する控えめな称賛で、彼の疎外感と苦悩を巡る痛ましい挽歌だ。”と書いた。

ニューヨーク・タイムズのA・O・スコットは、この作品を、イーストウッドの“偉大な映画”に入れてはいないものの、“その大変な力は、基盤となる信念の明晰さと誠実さに由来する。戦争映画というよりも西部劇で… 困惑させられはするが、率直で印象的だ”

ハリウッドも『アメリカン・スナイパー』を推進する恥ずべきキャンペーンに公式に参加し、1月15日、この映画を、作品賞、主演男優賞と、脚色賞を含め、6つのアカデミー賞にノミネートした。

評論家、マスコミや体制派エンタテインメント関係者連中は、戦争支持の、国民の意識を鈍らせることを狙った反撃に、何の異議も訴えようとしていないのは明らかだ。

1月末に起きた“論争”は、挑発以外の何物でもない。パンチの効いた映画と、その商業的成功を喜んだ極右が、間違ったことを言うことで有名な人物を待ち受けていたに過ぎない。


アメリカン・スナイパー

マイケル・ムーアと(あくどい挑発的な反北朝鮮映画『インタビュー』に自身が共同監督として参加したばかりの) セス・ローゲンが“まずいこと”をいくつか発言すると、皆が二人に襲いかかり、勇敢なアメリカ軍兵士への反対者と、不当にもレッテルを貼られたのだ。

1月18日、映画名を出さずに、ムーアはツィートした。“狙撃兵は臆病者であることを学んだ… 狙撃兵達は英雄ではない。そして侵略者[達]は更にひどい。”彼は続くツイートで“アメリカから… 遥々11,200キロ離れた侵略者”から守るのは“勇敢だ”と書いた。

ローゲンは、1月19日に『アメリカン・スナイパー』は、クエンティン・タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』で見せられたナチス・プロパガンダ映画を“ある種、思い起こさせた”とツイートした。

二人は激しい攻撃に晒された。ローゲンは即座に試合を放棄し、敗北を認め、自分は誤解されているのだと主張した。“私は実は『アメリカン・スナイパー』が好きだ。タランティーノの場面を思い出しただけなのだ…二作品を比較したわけではない。”

(特にキャスリン・ビグローの拷問支持映画『ゼロ・ダーク・サーティー』を声高に擁護した後)もはや、れっきとした立場を失ったムーアは、フェースブックに惨めな受け身の発言を書き、“マイケル・ムーアは兵士を憎悪している”という右翼の主張に反論した。 彼は自分は“無意味な”イラク戦争には反対したが、“こうした兵士達を私は支持してきた一人だ”と主張し、軍の“勇敢な青年男女”に言及した。

これでは喧嘩にならない。国軍の兵士個人はアメリカ政府と軍の犯罪には責任がなく、彼らも帝国主義者の戦争衝動の犠牲者という主張はあり得よう。ムーアの様に、彼らが犯罪に関与していた事実が、決して重大ではないかのごとく、兵士達を英雄として称賛し、アメリカが過去15年間、世界を苦しませている永久軍国主義に迎合するのはそれと全く話が違う。

ファルージャ(白リン弾が使用された)や、レジスタンスが潰された他の都市の大量殺戮、アブグレイブでの蛮行、ハディサの大虐殺、マハムディヤでの14歳のイラク人少女輪姦と彼女の家族の虐殺、“レブンワース10”として知られている、バグダッドのアメリカ軍人集団がおかした戦争犯罪、ハムダニアで海兵隊員が行った殺人、“巻き添え殺戮”として知られるバグダッド空爆や、他の無数の残虐行為を、イラク占領は生み出した。

イラク国民にむけられた暴力行為や破壊行為は、アメリカ軍がイラクで日常的に行っているのだが、氷山の一角だけしか一般には知られない。これは植民国家“反乱鎮圧作戦”の本質だ。世界中の非常に多くの人々が十分過ぎるくらい理解している通り、アメリカ軍・諜報機関は、地球上における暴力行為とテロの主要勢力だ。

アメリカン・スナイパー』事件は、アメリカ軍を賛美し、反対派を圧倒し、おじけづかせ、戦争と軍国主義に敵対する人々に、孤立感、孤独感を味あわせようとする執拗な衝動の文脈で考えることが必要だ。軍国主義支持の取り組みの自暴自棄的性格は、中東と中央アジアでの取り組みは、これまでの所、ほとんど破綻し、失敗という結果になっているアメリカ資本主義の危機を物語っている。

自分の映画は“反戦”だと主張し続ける老いゆくイーストウッドの意図が何であれ、『アメリカン・スナイパー』は、外国人嫌悪をたきつけ、シャルリー・エブド銃撃のすぐ後に、反イスラム憎悪と暴力をあおるのに役立っている。この露骨なプロパガンダの取り組みは、アメリカ帝国主義は、中東からも、あるいは地球上の他のいかなる場所からも撤退する意図が皆無であることを、それなりに実証している。映画産業丸ごとが、深刻な警告そのものだ。

筆者は下記記事をお勧めする。

『アメリカン・スナイパー』: 牧羊犬の毛皮をまとった狼(日本語訳
[2015年1月24日]

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/01/31/cont-j31.html
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迷画、日本公開も間近。明後日?

  • シャルリ・エブドー事件(イスラム過激派の犯行と「される」)
  • 人質事件(「イスラム国」と名のるわけのわからない過激派集団によると「される」)
  • 侵略戦争参加の為の法制推進国会のさなか
  • この映画(アメリカ兵によるイスラム教?イラク人殺戮は称賛される内容)

NATO、アメリカ、日本政府、アメリカ映画界の全面協力で、肥満カモ日本の侵略戦争参加を推進する見事な作戦。全て余りにうますぎるタイミング。これで黄色い連中の膨大な金と血を引きずり込める。それを考えれば、シャルリ・エブドー上演コストも、人質事件上演コストも安いもの。『アメリカン・スナイパー』は当然興行的にも大成功。しかも属国民洗脳にも有用。一石二鳥、三鳥を絵に描いたようなおいしい話。

下記記事をまとめてお読みいただければ、妄想でない可能性ありそうとお分かりいただけよう。全て軍産複合体の利益の為。

  • 政府はウソをつくことで、国民にとって全く無益な戦争を始め、継続する。
  • 自国だけでは、金も血も大変なので、属国を巻き込んでの推進を計画する
  • そのために、自国民を血祭りにあげることも辞さない
  • それには、徹底的なマスコミ支配も必要だ。公務員恫喝も。そして恐ろしい敵も
  • 恐ろしい敵は、自前でこっそり作って、自在に利用するのだ

上記内容は、下記それぞれの記事の趣旨と対応する。

ポール・クレイグ・ロバーツ、ジェラルド・セレンテクリス・ヘッジズ、そして、このディヴィッド・ウォルシ諸氏による意見こそ納得・共感できる。他のアメリカ人、日本人評論家と称する方々の意見、読めない。申し訳ないが、多数の皆様の絶賛ブログ記事、拝読する気力・体力皆無。自民翼賛会でしかない幼なじみ飲み会を欠席するのと同じ。あしからず。

映画宣伝を大本営公報紙で見た。名前を連ねる方々に著作を拝読している方皆無なことだけが、せめてもの救い。

昨日の記事、ベネズエラでのアメリカが画策したクーデター失敗の記事、大本営広報部で見た記憶がない。大本営広報部、まして日本国内での、安倍政権のとんでもない悪行の実態を報じるわけがない。

それでも、今日の記事にこういうものがある。冒頭を引用させていただこう。文字だけでは、到底本当の意味は全くつたわらないが。

米基地前のテント撤去要求、沖縄 共同通信

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、沖縄総合事務局北部国道事務所(名護市)は19日、辺野古反対派の市民らに対し、移設予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブのゲート付近の歩道に設置したテントや立て看板、横断幕を26日までに撤去するよう求めた。

まさに、この話題を撮影した作品で、全く違う方向性の映画も存在する。

『圧殺の海 沖縄・辺野古』という映画、ご覧になられただろうか?

藤本幸久 影山あさみ共同監督作品 109分 詳細は、森の映画社・札幌編集室

これこそ見るべきドキュメンタリー。さしずめ、電気洗脳箱と古紙を捨てて街にでよ、か。

辺野古基地建設に反対する住民を弾圧する機動隊や海猿諸氏のめざましい活動ぶりが如実にわかる。

大本営広報部、別名大手マスコミからは、こうした情報、全くといって良いほど聞こえてこない。それもそのはず、大本営広報部は、現場直近には、カメラマンを入れていないと聞く。遠く安全圏からじっと見ていて報じない。沖縄の新聞二紙はすごい。社運をかけている社もある様相。「現地放送局も、頑張っている」という糸数議員談。大本営広報部、おばさまのコラムなら載せるスペースはあるが、基地問題を載せるスペースはないのだ。低劣ここにきわまれり。そもそも各社、まともな社員が動こうとしても、上が抑えて許さないという。

昼夜、他愛ない、いや有害無益なバラエティー・呆導番組と称するものを垂れ流すのをやめて、こういう質の高い報道をしたいとは、大多数の「売女マスコミ幹部」は思わないだろう。免許上、許されないだろう。

住民を弾圧する機動隊や海猿諸氏、「安全の為に」制圧するのだという。カメラをつけたまま制圧されるので、まるで自分が水中で押さえつけられているかのよう。

「彼らの行為こそ危険だ!」と反対派の皆さんは訴える。
安全の為に戦争をするのと同義に聞こえ、国会の異常支配者諸氏の発言と重なる。

アメリカ軍兵士がフェンス内で泳いでも、決して捕まえない。
捕まえるのは、反対派のカヌー隊員だけ。
肋骨骨折や、手首等々、連日怪我をする人は少なくないという。今日もけが人が出たと聞く。カメラが映していると知ると、「大丈夫ですか」などどいい、カメラがないと知ると、ひどい暴力を加える。この監督たちのカメラは、反対派住民の守り神のようなもの。それゆえに、監督・カメラを標的とした「馬乗り事件」も起きた。下記は琉球新報の該当記事。

辺野古基地問題解決の為、沖縄政治家諸氏が、アメリカにも国連にもでかけ、反基地活動をしておられる。アメリカで、いわれるのは、「御国の政府の問題です。」
アメリカが押しつけているというより、日本支配層が、沖縄基地を拡張すべく動いているというのが実態のようだ。不思議な、いや異常な思考。彼らに投票する諸氏は猿以下。

沖縄の人々、基地推進派と、反対派にわれる。反対派を断固処罰する法制を早急に作れと主張したのは、沖縄の自民党議員。分割して統治せよ、そのまま。

85歳のオバアの見事な発言と行動。「私はオバアだ。」
谷中村では、政府農地を水没させたが、辺野古では、政府は美しい海を埋め立てる。
物理的行動は逆だが、国家権力の横暴ということで、100年後も同じ。拡声器で訴えるオジイの方々は現代版田中正造。「私はオジイだ。」

花ではなく、辺野古こそ燃えている。不評がわかりきっていた「よいしょ」山口偉人伝などでなく、『辺野古燃ゆ』ドキュメントを連日流せば、視聴率はマッサン並に上がり、文化は向上し、経費削減も可能だろう。国営洗脳機関は、決して、そういう良い番組を看板にしない。

現地住民を平然と負傷させ、暴力で押し通す基地建設が、住民の為になるはずがない。

沖縄の方々、日本軍基地があったがゆえに、戦時悲惨な目にあい、戦後も悲惨な目にあっている。沖縄の方々にとって基地は諸悪の根源。諸悪を引き受けるのは東京の責務。

集団的自衛権、憲法破壊、全て同じ。支配層、自らの利権以外、全く念頭にないことが、この映画でわかる。

目取真俊氏の『海鳴りの島から』沖縄・ヤンバルより、にも、闘争の様子がえががれている。覆面姿の海猿諸氏、人質事件の黒衣覆面男を連想する。機能的にも類似していそう。

こじつけでなく、翻訳記事テーマ、イラクでの戦闘銃撃は辺野古基地建設と直結している。

日本人は現代の侵略戦争の被害者ではない。アメリカ軍に基地を提供し、兵士の戦闘訓練をするにまかせている。出撃したアメリカ兵が、敵と称する民間人を殺傷すれば、基地に賛成した日本人、あるいは放置した日本人、「全く無罪」とは主張しがたいだろう。

この露骨なプロパガンダの取り組みは、日本帝国主義も、中東からも、あるいは地球上の他のいかなる場所からも撤退する意図が皆無であることを、それなりに実証している。映画産業、そして、マスコミ丸ごとが、深刻な警告そのものだ。

I am not ABE. I am an Okinawan.

2015年2月 8日 (日)

サウジアラビア、9/11と“対テロ戦争”

2015年2月6日
wsws.org

9/11テロ攻撃から13年以上経て、犠牲者の親族がおこした連邦裁判所訴訟の証拠は、マスコミと既成政治勢力によって、長らく隠蔽され、分かりにくくされてきた出来事と関係の衝撃的な暴露だ。アルカイダや9/11乗っ取り犯達は、アメリカ諜報機関と深いつながりを持つ、アメリカ最高の同盟国サウジアラビア君主国に資金提供されていたのだ。

連邦地方裁判所判事ジョージ・P・ダニエルズに提出された宣誓供述書は、現在のサウジアラビア君主、サルマン王の甥で、長年ワシントンで大使をつとめた、バンダル・ビン・スルタン王子を含む、サウジアラビア君主国の主要人物達が、財政的にアルカイダを支援したという主張を立証している。

文書には、2001年9月11日に、飛行機をハイジャックして、それをワールド・トレード・センターや、他のアメリカの標的に突入させる策謀に直接関与したかどで有罪判決を受け唯一の人物、ザカリアス・ムサウイの宣誓供述書も含まれている。

1990年代、アフガニスタンのアルカイダの為に働いていた際、バンダル王子や、更に二人の高位のサウジアラビア王子達も含む資金提供者集団のデジタル・データベースを作成したとムサウイは証言した 。サウジアラビア諜報機関のトップを長くつとめたトゥルキ・アル-ファイサル王子や、キングダム・ホールディング・カンパニーの会長で、王家で最も裕福な一員であるアルワリード・ビン・タラル王子。

先月、王位を継承し、現在はサルマン王となった、当時のリヤド知事、サルマン王子を含む、サウジアラビア王家のメンバー達にメッセージを伝える、ビン・ラディンの密使役もつとめたと、彼は述べている。

水曜と木曜、ニューヨーク・タイムズは、サウジアラビアによる、9/11攻撃支援という新たな疑惑に脚光を当てるトップ記事を掲載した。しかしながら記事は、暴露記事というより、むしろ、9/11被害者家族の訴訟の結果として公開される資料の衝撃を押さえ込もうという半公式の取り組みという趣がある。

証言が、既成政治勢力が、ずっと容易に切り捨てることが可能な証人、ムサウイに、記事がほぼ専念している明確な理由はこれだ。連邦地方裁判所に提出された法的文書には、ムサウイの宣誓供述書も含まれているが、もっと重要なのは、フロリダ州選出のロバート・グラハム元上院議員の様な、ワシントン支配層の中心人物による、9/11に対するサウジアラビアの連座疑惑だ。彼はこう書いている。“少なくとも911攻撃を実行したテロリストの一部と、サウジアラビア政府との間には直接のつながりがあったと確信している。”

グラハムは、情報を知れる立場にある。2002年に上院情報委員会が9/11攻撃の膨大な報告書を作成した際、彼は委員長だった。報告書には、サウジアラビアが、9/11ハイジャッカーを支援したことに関する部分の28ページがあったが、それはブッシュ政権によって、機密扱いにされ、差し止められたが、この検閲行為は、オバマ政権によっても承認され、続けられている。この資料の公開を主張しているグラハム上院議員はこう書いている。“28ページは、主として、誰が9/11に資金提供したに関わるものであり、主要資金提供者として、サウジアラビアを極めて強烈に指弾している。”

9/11攻撃にサウジアラビアが連座していた証拠は、13年間以上にわたり、アメリカ国家安全保障政策の枢軸である“対テロ戦争”の詐欺的性格の衝撃的暴露だ。

ブッシュ政権は、9/11攻撃を、9/11に全く関与していなかったオサマ・ビン・ラディンを匿っていたアフガニスタンや、9/11にも、アルカイダにも全く無関係のイラクに対する戦争の口実に利用した。一方、アルカイダの資金、その首謀者、ハイジャッカー犯人19人中の15人を出した、サウジアラビアは、主要なアメリカ同盟国とされている。

あらゆる9/11攻撃公式調査は、サウジアラビアの関係を取り繕ねばならず、さもなくば、上院情報委員会報告の様に検閲された。問題は、単にアルカイダへの資金提供と支援におけるサウジアラビア君主制の反動的な役割のみならず、アメリカ諜報機関と反米テロ集団とされるものとの間の密接なつながり、最新のタイムズ記事が完全に沈黙している関係だ。

2001年9月11日、一部アメリカ軍-諜報機関の、暗黙あるいは積極的な連座により、約3,000人のアメリカ人が殺害されたと信じるに足る十分な根拠がある。関与した人々の多くがアメリカ安全保障機関に知られており、四機のアメリカ旅客機の同時ハイジャックを計画し、実行した際、何人かは監視下にあったにもかかわらず、CIA、FBIや他の機関は、テロリストの作戦を中断させる為の行為を一切しなかった。

9/11攻撃に対するアメリカ諸機関の連座に関わる多くの疑惑が、ワールド・トレード・センター倒壊から数週間のうちに提示された。13年前のワールド・ソーシャリスト・ウェブ・サイト上の一連の記事で詳細に検討されていた。“アメリカ政府は、911攻撃に注意を喚起されていたのか?”参照(英語原文)

13年たっても、以下の疑問は依然答えられてはいない。

* 9/11ハイジャッカー達は、一体なぜ、アメリカ合州国内の移動や、出入国が自由にできたのだろうか。アルカイダとの関係で監視下にあったモハメッド・アタでさえ?

* CIAは、一体なぜFBIに、2001年はじめのアルカイダ仲間二人のアメリカ合州国入国を知らせ損なったのだろう? パイロット訓練を受けるため、二人はサンディエゴで、FBI情報提供者の家に住み、ワシントン在住のサウジアラビア人スポンサーから資金を受け取っていた。一人は電話帳に掲載されていた。2001年9月11日、二人は19人のハイジャッカーの中の2人となった。

* ムサウイを含め、ジャンボ・ジェットの離陸や着陸方法ではなく、舵の取りかたを習いたいと言った後のハイジャッカー達は、一体なぜ飛行訓練を受けることが許されたのだろう? 9/11攻撃の一カ月前に、ミネソタ州のFBI捜査官が、ムサウイの行動や動機を調べようとした際、FBI本部は、彼のコンピューターを捜査するという要求を却下した。

* ロシア、イスラエルや、ドイツを含む外国諜報機関からの、アメリカの旅客機を乗っ取って、それを建物に突入させるというテロ計画に関する再三の警告に答える取り組みは何も行われなかった。

9/11に行われた犯罪は、約3,000人の命を奪った。9/11を利用して、イラク、アフガニスタン、イエメン、シリア、リビアや多数の他の国々で、おかした罪、何百万人ではないにせよ、何十万人もの人命を奪ったことの正当化。更に、9/11は、アメリカ合州国や、他の帝国主義諸国で、“次の9/11”を防ぐという名目で、警察国家の枠組みを生み出した、様々な民主的権利の大規模な破壊に対する、万能の正当化として役立っている。

サウジアラビアのつながりの隠蔽は、2001年9月11日の出来事におけるアメリカ諜報機関の役割だけでなく、中東全体で続いているアメリカ帝国主義の作戦で、ワシントンが、主要機関の一つとして依存している、反動的なサウジアラビア君主制を隠蔽する上でも極めて重要なのだ。これは、先月、オサマ・ビン・ラディンの財政援助者と名指しされている人々の一人、新王サルマンに敬意を表するためのオバマのリヤド訪問により示された。

サウジアラビアのコネは、アメリカ帝国主義が、アルカイダや他のイスラム教原理主義者集団との関係を維持する上で、極めて重要だ。こうした勢力は、最初、1980年代に、ソ連が支援するアフガニスタンを政権転覆させ、ソ連崩壊を助長する為の、カーター、レーガン政権による作戦の一環として動員された。オサマ・ビン・ラディンを含むムジャヒディンは、CIAに武器を与えられ、訓練され、サウジアラビアから資金提供されていた。彼らは最近では、ムアマル・カダフィのリビア政権打倒と、バシャール・アル-アサド大統領のシリア政府弱体化に利用されている。

ISISそのものが、この陰険な関係の産物だ。これは、2003年のアメリカによるイラク侵略へのスンナ派原理主義者の反発に由来するのだ。アメリカ侵略以前、イラク国内に、アルカイダは存在していなかった。イラクのアルカイダは、アメリカ、サウジアラビアとカタールから支援と訓練を受けて、シリアのアサド政府と戦う最強集団の一つイスラム集団「イラクとシリアのイスラム国」として再浮上した。ISIS 戦士が、イラクへと国境を越えて戻り、アメリカが支持するバグダッドの傀儡政権への攻撃を開始して初めて、この集団は、アメリカの爆撃とプロパガンダの標的になった。

“対テロ戦争”総体の中心にあるのは、連中が何を計画しているか、巨大なアメリカ軍-諜報機関内部の誰も気がつかないまま、19人のハイジャッカーが、ニューヨーク市と、ワシントンD.C.への大規模攻撃を計画し、実行したのだという、途方もない白々しいウソ、主張だ。9/11におけるサウジアラビアの役割に関する最近の暴露は、このでっちあげと隠蔽の蜘蛛の巣に対する、もう一つの打撃だ。

Patrick Martin

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/02/06/pers-f06.html

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斬首の残酷なビデオを公開する連中、正気の沙汰とは思えないが、サウジアラビアは、公式に公開で斬首刑を行っている。黒い袋をかぶせた相手に、覆面の役人が、シミタールという三日月形の刀で、刑を執行する。隣国クゥエートで、公開絞首刑を見たという知人がいる。

先日「イスラム国」関係の本を探しに、大型書店にでかけた際、『EUとイスラームの宗教的伝統は共存できるか 「ムハンマドの風刺画」事件の本質』という本を見て驚いた。余りに手回しが良過ぎると思ったのだ。

「イスラム国」関係の本では、タイミング良く、『「アラブの心臓」に何が起きているのか』や、
「イスラーム国」の脅威とイラク』他、普通の判型の本も続々刊行されており、新書新刊も数多いので、てっきり、シャルリ・エブド関連の本が、これほど早くでたのかと誤解したわけだ。実際は、2005年、デンマークの新聞『ユランス・ポステン』の風刺画掲載を巡る学術書。2007年1月刊の本だった。
専門書に、素人が口をはさむ余地もちろん皆無だが、179ページ、4行目の記述には、違和感を覚えた。公式発表、確たる証拠があるのだろうか?

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