William Engdahl

2022年4月16日 (土)

NATO制裁と、来るべきグローバル軽油大惨事

2022年4月11日
F・ウィリアム・エングダール
New Eastern Outlook

 進行中のグローバル・インフレーション危機の中、高いエネルギー価格は、2月末以来のウクライナにおけるプーチンによる行動の直接の結果だと、NATOの国家指導者と主流メディアは念仏を繰り返している。原因は欧米による制裁だというのが現実だ。制裁には、主要ロシア銀行に対するSWIFT銀行間アクセスも含み、他にも最も厳しい制裁がいくつか課されているが、ウクライナでの軍事行動にはほとんど影響を与えていない。多くの人々が見落としているのは、それが益々欧米、特にEUとアメリカの経済に影響を与えている事実だ。軽油のグローバル供給状態を更に綿密な観察すると、憂慮すべきものだ。だが、アメリカ財務省とEUにおける欧米の制裁計画者は、自分たちが何をしているのか完全に理解している。そして、それは世界経済にとって悪い兆しを示している。

 我々の大半は、ディーゼル燃料を汚染物以外の何かとは滅多に考えないが、実際それは、ごくわずかのエネルギー源しか、そうではない形で世界全体の経済に不可欠なのだ。最近ヨーロッパ石油精製協会の一部であるFuels Europeの長官は「工場を出入りするほぼ全てが軽油を使うので、軽油とGDP間には明確なつながりがある。」と述べた。

 ロシアのウクライナにおける軍事行動第一週の終わり、まだロシア軽油輸出に具体的な制裁なしでも、なおヨーロッパのディーゼル価格は既に30年ぶりの最高価格だった。それは戦争には全く無関係だった。2020年3月以来の過酷なグローバルcovid封鎖と、同時の、いわゆる環境重視の取り組み、略称ESGのおかげで、ウォール街とグローバル金融企業による石油とガス会社に対する投資引き上げが原因だった。ウクライナでのロシア軍事行動のほとんど初日、共にイギリス企業の世界最大の石油会社二社、BPとシェルは、軽油供給不足の恐れを理由に、ドイツへの発送の配達を止めた。ウクライナ戦争前、ロシアはEUの全軽油の約60から70%を供給していた。

 2020年、ロシアは毎日百万バレル以上輸出し、アメリカに次ぐ世界二番目に大きな軽油輸出国だった。その大部分、約70%がEUとトルコに行った。フランスは最大の輸入国で、それに続いてドイツとイギリスだった。フランスでは、全道路車両の約76%のトラックが軽油を使う。EUでは大半の車が一層経済的で効率的な軽油を使うから、ディーゼル需要はアメリカよりはるかに高い。4月第1週、ウルスラフォン・デア・ライエンEU委員会会長は、石炭に対する禁止令から始まるロシア・エネルギーに対する新たな制裁を誇らしげに発表した。EUはロシア石炭の最大輸入者だ。彼女が石油とガスは後日続くと言った。そのばかな動きは石油とガス価格を遙かに高くなるよう強いるから、EUの大部分にとって既に最高のエネルギー価格を更に引き上げるだけだ。

 ウクライナ危機の始めの時点で、covid封鎖が石油とガス生産の需要供給状況に大打撃を与えていたため、軽油の世界備蓄は既に2008年以来最も低かった。今軽油の未曾有の危機の準備は整っている。世界経済にとって影響は驚異的だろう。

 世界貿易を動かすディーゼル

 ディーゼル・エンジンは、従来の動力装置として最高のエンジン効率だ。それはルドルフ・ディーゼルが1897年に開発した圧縮着火の原理に基づいている。1ガロン当たり、より大きい効率と、より長い走行距離数のため、ほとんどすべての貨物トラック動力装置をディーゼルが動かしている。トラクターから収穫機まで、ほぼ全ての農業装置を動かしている。ガソリン・エンジンより遙かに燃料効率が良いため、EUで広く使われ、自動車燃料のほぼ50%だ。それはキャタピラ・ブルドーザーのような大半のすべて大型掘削機で使われる。建設装置で使われる。ディーゼル・エンジンは、世界中の全ての非電化鉄道、特に貨物列車で蒸気機関を置き換えた。軽油は一部の発電所や、ほぼ全ての重い軍用車両で使われる。

 そのため、一時的であれ、より長期であれ、軽油の世界的欠乏は壊滅的出来事だ。商品をコンテナ港から内陸の目的地に輸送できない。それどころか、軽油なしでは、トラックがスーパーマーケットや他の何に対しても食物を配達できない。供給連鎖全体が凍結する。エンジンを破壊さずに、ディーゼル・エンジンを、ガソリンで代用する可能性はない。

 2020年3月に始まった準備不十分な産業と輸送の世界的covid封鎖まで、軽油の需要と供給は均衡がとれていた。ところが突然の封鎖が、トラック輸送、自動車、建設、農業に対する軽油需要を崩壊させた。儲からない精製所は閉鎖された。能力は低下した。世界生産がcovid前の通常の形に戻った今、軽油備蓄が、特に世界最大の軽油消費者である欧州連合とアメリで、世界的に危険なほど低い。

 配給制度?

 今年始めの時点で、世界の軽油備蓄は既に危険なほど低く、価格を驚くほど上げた。ウクライナ戦争の影響前、2022年2月時点で、アメリカの軽油関連備蓄は、covid前の季節平均を21%下まわっていた。EUで備蓄は、8%あるいは3500万バレルcovid前の平均レベルを下回っていた。アジアの中枢、シンガポールでの備蓄は正常値より32%低かった。合計すると、三つの地域全ての軽油備蓄は去年危険なほど低く、昨年同時期を約1億1000万バレル下まわっていた。

 2021年1月と2022年1月の間にEUの軽油価格は、ほぼ二倍になったが、それはウクライナ制裁前だ。いくつか理由があったが、主要な理由は、世界的covid封鎖と、世界貿易の流れの再開に起因する原油価格急騰と供給途絶だった。問題を大きくさせたのは、3月初旬、ロシアに対する欧米制裁の中「エネルギー安全保障を保証する」ため、中国政府が軽油輸出に禁止令を課したことだ。それに加えて、最近のバイデン政権による全てのロシア石油とガス輸入に対する禁止令で、これは2021年、全てのロシア重油輸出の推定20%を含んでいた。同時にEUは、いつものイデオロギー的知恵で、ロシア石炭の輸入禁止令、ロシア原油禁止令をまとめ上げつつあり、軽油とガスも、これに続くと報じられている。

 4月4日、ドイツで軽油のリットル当たり平均価格は2.10ユーロだった。2021年12月27日には1.50ユーロだった。数週間で40%の上昇だ。2月24日ウクライナ軍事行動以降、ロシアに対する未曾有のアメリカとEU制裁後、益々多くの欧米石油企業や石油トレーダが報復の恐れから、ロシア原油や軽油の扱いを拒否している。ウクライナで戦いが継続する限り、これがエスカレートするのは確実だ。

 3月27日、ロッテルダムに本拠地がある世界最大の独立エネルギー商事会社VitolのCEOが、今後数カ月で、軽油配給制が世界的規模で益々ありそうだと警告した。彼はこう指摘した「ヨーロッパはロシアから軽油の約半分を、中東から軽油の約半分を輸入している。そこに軽油の体系的不足があるのです。」

 4月7日、以前アイルランド国立銀行にいた主導的アイルランド人エコノミスト、デイビッド・マクウィリアムスが憂慮すべき発言をした。「石油だけ上がっているわけではなく、軽油が上がっている、今後二ないし三週間、あるいはその前に、欧米で実際に軽油が尽きる可能性がある。我々はかなりの量、軽油を輸入しており、それは最初に処理するイギリスの二つの精製所から来る。それら精製所は現時点で原油がない。だから我々は基本的に、一日しのぎ、一時間刻みの基盤で、経済活動をしているのだ。」彼はこう補足した。「これは単なる石油危機ではなく、我々が50年間同じものを見たことがないエネルギー危機だ。」彼によれば、軽油備蓄がそれほど低い理由はEU加盟国が、石油と軽油の膨大な供給をロシアに外注するほうが遙かに安いと見たためだ。

 アメリカの状況は、より良いわけではない。政治的理由から、軽油燃料危機の本当の状態は、バイデン政権とEUが軽視していると報じられている。アメリカでは、インフレーションは既に40年で最高だ。本格的な転換を阻止する進行中のグローバル・ディーゼル燃料危機が意味するのは、トラックや自動車、農業や採鉱など全ての形の輸送に対する劇的影響だ。それは既に不振な世界経済にとっての大惨事を意味するだろう。それでもドイツの「Ampel」(交通信号)連合のような政府は、常軌を逸した二酸化炭素排出ゼロ目標や、石油や石炭やガスを段階的に廃止を計画し、バイデン徒党は、爆発するエネルギー価格を、頼りにならず高価な太陽光や風力を選び、石油など炭化水素を断念するための更なる口実になると内心見ている。産業が相互に結びついた本物の世界経済は、レゴおもちゃゲームとは違う。大いに複雑で細かく微調整されているのだ。この微調整が組織的に破壊されつつあるが、全ての証拠が、それが意図的であることを示している。ダボス・グレート・リセット優生学の狙いにようこそ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/04/11/nato-sanctions-and-the-coming-global-diesel-fuel-disaster/

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 ありがたいことだ。属国大本営広報部は決して掲載しない記事。

 耕助のブログ NATO・ロシア代理戦争を巡るスコット・リッターとマイケル・ハドソン対話翻訳が掲載されている。

No. 1432 NATO・ロシアの代理戦争

 英語原文は下記。

NATO-Russia Proxy War: Revealing Signs of a Fading America: Scott Ritter, Michael Hudson

https://www.globalresearch.ca/nato-russia-proxy-war-revealing-signs-of-a-fading-america/5775462

NATO-Russia Proxy War: Revealing Signs of a Fading America

https://www.unz.com/mhudson/nato-russia-proxy-war-revealing-signs-of-a-fading-america/

2022年3月13日 (日)

ウクライナと、より深遠な世界的自殺計画

2022年3月9日
F・ウィリアム・エングダール
New Eastern Outlook

 2022年2月24日から、隣接するウクライナでの軍事行動を命ずるロシア大統領による決定は、私自身を含め多くの人々に衝撃を与えた。ウクライナ内でのロシアや他の軍隊による軍事行動開始から、ほぼ2週間の時点での問題は、欧米メディアが一方的な不当な侵略戦争と描写することにロシアを押しやったのは一体何だったのかということだ。2月19日、年次ミュンヘン安全保障会議で最高位のNATO当局者や他の人々との会談中、ウクライナ大統領でコメディアンのウォロディミル・ゼレンスキーによる公的な威嚇は、モスクワの行動へのほとんど無視されている手がかりになる。加えて、ウクライナ内の多数のアメリカ国防総省生物兵器研究所に関する最近の報道も、この背景の脅威を更に高める。モスクワは、ロシアが文字通り、いちかばちかの現実に直面したと考えたのだろうか?

 若干の不可欠な歴史

 ウクライナでの現在の紛争は、1990年代と、アメリカが進めたソ連崩壊にその源がある。1990年、ドイツ再統一に関する高官の2プラス4条約協議で、フランス、イギリス、西ドイツ政府や、アメリカのジェームズ・ベーカー3世国務長官と、当時のソ連指導者ミハイル・ゴルバチョフ間の協議の際、ドイツ統一を巡り、ソビエト社会主義共和国連邦がNATO内でのドイツ再統一を認めるのと引き換えに、NATOは旧ソ連領域を脅かすような、東方へ「1インチ」も拡大しないとベイカーは口約束をした。

 何年間も、ポーランド、チェコ共和国、ルーマニア、ハンガリー、バルト諸国を含め、旧ワルシャワ条約諸国を次々にNATOに加えて、ロシアを攻撃する距離に益々近づき、ワシントンはこのやりとりに関してウソをついた。最近プーチンは、NATOとワシントンがウクライナが決してNATO加盟を許さないという拘束力がある法的保証を与えるというロシアの要求を正当化するために、1990年の、このベイカー合意を引合いに出した。ワシントンは今まで断固そうすることを拒否している。

 2007年のミュンヘンでのプーチン演説

 2007の年次ミュンヘン安全保障会議で、ブッシュ-チェイニー政権が「北朝鮮やイランのようなならず者国家から守るため」ポーランド、ルーマニアとチェコ共和国にアメリカ・ミサイル防衛システムを、配備する計画を発表した際、ロシアのプーチンは、1990年のNATOの保証に関するアメリカのウソと違反を厳しく批判した。その時までに旧共産主義の東欧諸国10カ国が、1990年のアメリカの約束にもかかわらずNATO加盟を認められていた。さらに、2003年-4年に両国でのアメリカに率いられたカラー革命後、ウクライナとジョージア両国がNATO加入候補になった。アメリカ・ミサイルは、朝鮮民主主義人民共和国やイランではなく、ロシアに向けられているとプーチンは正しく主張した。

 彼の2007年のミュンヘン発言でプーチンは欧米の聴衆に「NATOが我々の国境に前線軍を配備する結果になっているが、我々は厳密に条約義務を果たし続け、これら行動に全く対応していない。私はNATO拡大は、連合自体の近代化、あるいはヨーロッパでの安全保障と無関係なのは明白だと思う。それどころか、それは相互信頼のレベルを下げる重大な挑発だ。我々は、こう尋ねる権利がある。この拡大は一体誰を意図しているのか?ワルシャワ条約機構解散後、我々の欧米パートナーがした保証に何が起きたのか?今日それらの宣言は一体どこにあるのだろう?誰もそれを覚えてさえいない。」プーチンは付け加えた。「けれども私はあえて、聴衆の皆様に、当時言われたことを想起頂きたい。私は1990年5月17日、ブリュッセルでのウォーナーNATO事務局長演説を引用したい。彼は当時こう言った。「我々がドイツ領土外にNATO軍を配備しない準備ができている事実は、ソ連に強固な安全保障を与える」。これらの保証は一体どこにいったのだろう?」15年前のことだ。

 2014年のマイダン・クーデター

 2013年11月、選挙で選ばれた、非常に腐敗したヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領の下、経済的に崩壊し、危機的状況にあったウクライナは、EUとの「特別」な関係を受け入れるのではなく、ウクライナはモスクワが率いるユーラシア経済連合に加入する、モスクワからの遙かに寛大な申し出を受けると発表した。ロシアはロシア・ガス価格をウクライナに30%値引き、キエフの金融危機を緩和するため150億ドルのウクライナ債券購入に同意していた。

 その時点で、11月21日、ワシントンのビクトリアヌーランドと在キエフ大使ジェフリー・パイアットと、当時の副大統領ジョー・バイデンに選ばれた男アルセニー・ヤツェニュクは、アメリカNGOに支援されて、ヤヌコーヴィチ政権に対するマイダン広場抗議と呼ばれるものを開始した。2014年2月20日、近くのジョージアから採用され、CIAに組織されたとされる狙撃兵が、多数の抗議行動参加学生や警官を殺害した後、ヤヌコーヴィチを逃亡するよう仕向け、とりわけヌーランドとバイデンに厳選され、ヤツェニュクは、精選されたアメリカが運営する政権の首相になった。

 2014年12月末、国防総省やCIAに対するコンサルティング企業ストラトフォーのジョージ・フリードマンが、ロシア新聞へのインタビューで、アメリカが率いた2014年2月のキエフ政権転覆についてこう述べた。「ロシアは今年初めに起きた出来事をアメリカが組織したクーデターと呼ぶ。それは本当に史上最もあからさまなクーデターだった。」インタビューで彼は自慢げだった。

 そのキエフクーデター政権は、2014年2月22日以降、マイダン広場で治安活動し、ロシア語話者ウクライナ人に対するテロを行った同じ(ロシアで活動禁止されている)右派セクターの文字通りネオ・ナチ傭兵による東ウクライナで、ロシア語話者の皆殺しと民族浄化戦争を推進している。大隊はネオ・ナチ傭兵で構成されている。彼らは、ゼレンスキー大統領の財政援助者である、ウクライナのマフィア・ボスで億万長者オリガルヒ支配者、イーホル・コロモイスキーに資金供与され、アゾフ大隊は、「ウクライナ国家警備隊」兵士として公式な国家的地位を与えられた。アゾフ兵士は、ロゴとしてナチス親衛隊ルーン文字さえ誇示している。2016年に、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、2015年1月、公式に連隊に昇格されたアゾフ大隊を、大量略奪、不法拘留や拷問などの戦争犯罪を行ったと非難した。

 現在、ヌーランドはウクライナとロシア問題を担当する政務担当国務次官だ。彼女はアゾフ大隊が一体何者か十分承知している。

 ゼレンスキーとミュンヘン 2022

 2月19日にミュンヘンで、ウクライナのゼレンスキー大統領はウクライナ領に核兵器を配備すると恫喝した。ウクライナは、その合意の署名国ではなかったが、彼はこれを1994年ブダペスト覚書の一方的廃止と表現した。2日後、2月21日夜、プーチンはドネツクとルガンスク人民共和国の独立を認める演説をした。彼はゼレンスキーのミュンヘンでの核兵器誓約にはっきり言及した。「これは虚勢ではない」とプーチンは演説で強調した。

 3月6日、モスクワの国営通信社RAIノーボスチが、重要な欧米の秘密支援を得て、核拡散防止条約の恥知らずな違反で、ウクライナの核弾頭ミサイル能力と、ウクライナ原子爆弾を作るウクライナの秘密プロジェクトに関する、SVRロシア対外情報庁(ロシアの外国諜報機関)幹部の言葉を引用した。報道によれば、ウクライナ核科学者が、高い放射能レベルのチェルノブイリ原子炉サイト近くにそれらを置いて、この開発を隠していたもので、チェルノブイリを安全に保つための速やかなロシアの動きの説明になる。「得られる利情報から判断して、「汚い」爆弾製造でも、プルトニウム分離に関しても、作業が進行中だった」とRIAノーボスチは情報提供者の言葉を引用している。主要爆弾研究施設は国立科学センター「ハリコフ物理技術研究所に」にあった。本記事執筆の時点で、研究原子炉施設を爆破し、それをロシアのせいにすることを計画しているウクライナのネオナチのアゾフ戦士とロシア軍間で、激しい戦闘が進行中だ。ザポリージャ原子力発電所支配の戦いは、どうやら違法なウクライナ爆弾プロジェクトを隠す試みの一環だ。

 ウクライナ核の脅威に、プーチンが反応する深刻な理由があったことが今益々明確になり始めている。ウクライナがNATO加盟であるか否かにかかわらず、モスクワまで6分以内のウクライナ核弾頭ミサイルは、実存的危険になるはずだ。

 大規模軍事・生物兵器戦争強化?

 更にある。一年前、ウクライナ・メディアが、オチャキフとベルジャーンシクで欧米が建設した新しい事実上のNATO海軍基地について「NATO標準に従って装備され、同盟諸国の資金で建設された、あらゆる種類の艦船を受け入れ可能な近代的インフラ設備」と報じた。「3年で我々は、我々のモスキート艦隊で黒海のロシア艦船を攻撃可能だろう。そして我々がジョージアとトルコと団結すれば、ロシア連邦は阻止されるだろう」とウクライナ軍事専門家が自慢した。」とこのメディアは自慢した

 更に、アメリカ国防総省は、ウクライナ内に約4,000人の軍のボランティアDNAを検査する、8箇所以上、おそらく約30の極秘生物兵器研究所を持っていた。ロシア兵が証拠を確保しようとした途端、キエフのアメリカ大使館はウェブサイトから研究所に関する以前のを削除し、ウクライナ人は研究所の証拠破壊に動いたとされている。ハリコフや他の場所のウクライナ研究所は、アメリカと協力して活動していた。国際条約に直接違反してこのような生物兵器の株が密かに貯蔵されていたのだ。

 2月24日のウクライナにおけるロシア軍事行動の一月前、独立した細菌戦研究者のディリャーナ・ガイタンジエワが、致死的な結果の可能性がある「ウクライナ兵士4,400人とジョージア兵士1,000人のへのアメリカ国防総省生物学的実験を詳述する文書を入手した。漏洩文書によれば、すべてのボランティアの死亡は24時間以内(ウクライナで)、48時間以内で(ジョージアで)報告されるべきこと。」彼女はクリミア・コンゴ出血熱、病原体ボレリア(ライム病)や他のものを含め約14種の病原体に対する免疫抗体実験を含む人体実験を詳述している。この文書によれば、ウクライナとジョージアの研究所は、国防総省の「生物剤、致死性ウイルスや抗生物質耐性菌の研究を含む25億ドルの国防脅威削減局(DTRA)の生物兵器戦争プログラム」の一部だ。

 3月6日、モスクワでの国営RAIノーボスチへの声明で、ロシア国防省報道官イゴリ・コナシェンコフ少将が「ウクライナの生物学研究所の従業員たちから、ウクライナのロシアに近い地域で、生物兵器の要素が開発されていたことを確認する」文書を受け取ったと述べた。彼は「特別軍事行動の中で、アメリカ国防省に資金供給され、ウクライナで行われている軍事生物兵器プログラムの痕跡をキエフ政権が緊急浄化している事実が発見された。」と指摘した。

 近年のウクライナ内への核や生物大量破壊兵器配備の証拠に加えて、欧米NATO加盟諸国は、ウクライナに対戦車火器や爆弾を含む何十億ドルもの軍装備品を注ぎこんでおり、ワルシャワのアメリカ大使館に隠れていると反政府派に噂されているゼレンスキーが、ウクライナにNATO「飛行禁止」区域を繰り返し要求しているのは、核か、それ以上のロシアNATO戦争の原因に急速拡大しかねない間の直接開戦の原因となる行為だ。

 ロシアの国家安全保障に対する、このウクライナを利用したワシントンとNATOによる長年の挑発が、主権国家と軍事大国としてのロシアの生存能力を破滅させることに向けらているのかどうかが疑問だ。ロシアに対する制裁を、グローバル崩壊とエネルギー危機、食糧不足ともっと悪いことを引き起こすため、ダボス2030年のグレート・リセット・アジェンダを推進するための計算された動きなのだろうか?それを「邪悪なプーチン」とロシアのせいにしながら、ブラックロックや金融当局が世界を再編成するのだろうか?それを語るには余りに早いが、2022年2月24日、ロシアによる行動を引き起こしたものは、CNNや他の管理された欧米メディアが我々に語っていることより遙かに重大だったに違いないことは確実だ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/03/09/ukraine-and-the-deeper-global-suicide-agenda/

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

今日の動きは予測される事態。2008年、バーンズ駐ロ・米国大使発本国宛て秘密電報「露外務省はNATOをウクライナに延長すれば、露の安全保障に影響を与え深刻な政治・軍事的変化をもたらす、ロシアはしかるべき行動をとらざるを得ないとしている」と警告

 植草一秀の『知られざる真実』

ウクライナ政府とネオナチの関係

 日刊IWJガイド

「ウクライナ情勢関連ツイートまとめ! EUはウクライナの加盟申請を拒否!バイデン大統領は『米国はウクライナでロシアと戦うことはない』」2022.3.13号~No.3468号 

 小出裕明章氏インタビュー!

【3.11から11年!「ウクライナ侵攻危機」で、IWJが警告し続けてきた「原発X戦争リスク」が明らかに! 日本は無防備な原発を抱えたまま戦争するのか!?シリーズ特集 2・IWJ_Youtube Live】本日午後7時から、2013年10月3日収録「『大量の汚染水流出は3.11当時から分かっていたこと』小出裕章氏が岩上安身によるインタビュー 第357回で、福島第一原発に安全のお墨付きを与えた自民党・安倍総理の責任を追及 」を、公共性に鑑み、全編フルオープンで再配信します!

 昨日、翻訳記事末尾に烏賀陽弘道氏のNoteをご紹介したところ「これはあまりに酷い記事」とお叱りを頂いた。烏賀陽氏による同話題の3時間を越えるyoutube、覧になっているのだろうか?youtube三本ご覧頂いた上で、是非ご意見をたまわりたい。

2022.2.25 ウガ金 ウクライナにロシアはなぜ侵攻したのか

2022.3.4  ウガ金 ウクライナ戦争の今後 キエフ包囲戦はあるのか

2022.3.11 ウガ金 フクシマの原発事故被害地でウクライナ戦争を考えた 2:26

 属国大本営広報部呆導、最近ほとんど見ない。のど自慢と相撲は別。残念なのは、まともと思われたyoutube番組が続々「一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う」状態。こうなると海外記事・番組しか見る気力がなくなる。

 アメリカにも正論を主張する方々はおられるのに驚く。Committee for the Republic 下記の番組、日本語字幕をつけて放送してもらいたいものだが大本営広報部には期待しない。

Putin's Invasion of Ukraine Salon | Ray McGovern, John Mearsheimer

 ジョン・ミアシャイマー教授の名前は再三聞いているが、レイ・マクガヴァン氏の名前も聞き覚えがあると思えた。昨年翻訳した記事中の気になる新語MICIMATTの発案者だった。

反中国心理作戦のうそを暴く:不均衡戦争時代の不快な必要物としての社会信用システム

 MICIMATT(軍-産業-議会-諜報機関-メディア-学界-シンクタンク複合体)

2022年2月15日 (火)

ジョージ・ソロスは、なぜ習近平が去るのを望んでいるのか?

2022年2月8日
F・ウィリアム・エングダール
New Eastern Outlook

 ミスター「オープン・ソサエティー」ジョージ・ソロス、1980年代以来のグローバリスト政権転覆カラー革命の象徴が、彼と彼のグローバリスト・サークルが大いに政権転覆交のように見えるもので、中国の習近平主席を標的に定めたと表明したばかりだ。表面上、ソロスの習と彼の中国経済運営に対する最近の鋭い批判は奇異に思われる。オープン・ソサエティーと民主主義を促進する上での彼のあらゆる耳あたり良い言葉で、ソロスの「慈善団体」は、1990年代には、ロシアのボリス・エリツィン、あるいは2014年、アメリカ・クーデター後、ウクライナでペトロ・ポロシェンコのような最も閉鎖的な腐敗した何人かの指導者を支持してきた。ソロスは今グローバリスト権力の主要派閥が他のライバル派閥を支持して、習の支持を終わらせるという決定を表明しているということなのだろうか?

 スタンフォード大学フーバー研究所会議での「冬季オリンピック直前の中国:世界の民主主義にとっての困難な選択」発言で、91歳のソロスは習に極めて辛辣な物言いをした。彼が中国にとっての大惨事と呼ぶ毛以来の中国共産主義指導者の歴史を彼は再検討した。ソロスは鄧を称賛してこう説明する。「鄧小平は中国が惨めなほど資本主義世界から遅れていることを認識して、外国人に中国で投資するよう招き、それは習近平が2013年に権力の座に就いた後でさえ継続した、奇跡的な成長期間をもたらした。」

 習への厳しい批判

 鄧の後継者、江沢民と胡錦濤は、鄧が始めた市場経済の経済的成功を損なわないよう気を使った。ところが習近平が2012年に権力の座についた後はと、ソロスは言う。「その時以来、習近平は、鄧小平の業績を解体するため最善を尽くした。彼は鄧の下で設立された私企業を中国共産党の支配下に入れて、それらの特徴だったダイナミズムを損なった。私企業を開花させるのではなく、習近平は彼自身の「中国の夢」を導入したが、これは二語で要約できる。完全支配。それは悲惨な結果をもたらしている。」

 ソロスは彼が中国共産党内の激しい内部党派争いと呼ぶものを明らかにする。「習近平には多くの敵がいる。彼が権力の全てのレバーを支配しているので、誰も公的に彼に反対できないが、中国共産党内部で醸成している権力闘争は実に熾烈で、様々な共産党出版物でにそれが表現されているほどだ。習は鄧小平の考えに触発された、私企業のより大きな役割を見たいと望む人々から攻撃を受けている。」彼が言う鍵となる日付は10月の中国共産党党大会で、そこで習は中国指導者故鄧小平が設定した中国主席任期の二期という制限を撤廃しようと計画しているのだ。

 内部党派抗争?

 中国中国共産党エリート内の党派分析を専門に扱うニューヨークを本拠とする中国の政治リスク・コンサルタント企業SinoInsiderによれば、彼が2012年に権力の座に就いた時以来、習は他の党派を凌駕する権力を強化しようとしており、最も手ごわい反対派は、江沢民といわゆる上海グループや、多くの1949年の革命時代以来の中国共産党当局者や高官の息子や娘、いわゆる太子党だ。この派閥戦争はジャック・マーのアリババ・グループなどの一流中国民間巨大企業に対する習近平の取り締まりの背後にあると彼らが言う。

 日経の中国総局長だった日本人ジャーナリスト中澤克二によれば、中国政治に精通した一人の情報源が、習に標的に定められた既得権益団体は、アント・グループ、アリババ・グループやDiDi(滴滴出行)のような大手ハイテク企業、中国恒大グループやファンタジア・ホールディングス・グループ(花様年控股集団有限公司)のような主要不動産開発業者や、学習塾産業だと言った。この私企業集団は習に従うふりをするが、密かに悪意を持っている政治家たちに親密な傾向がある。企業はしばしば、このような政治勢力を財政的に支持している。これら勢力には、元主席江沢民と彼の側近、前副主席曽慶紅が率いる上海集団がある。彼らは経済を動かす政治、官僚世界で強い影響力を維持している。」

 もしこれが正確なら、内部ライバルの首を切るため、習があえて中国経済、特に巨額の借金を持った肥大した不動産部門を制御されない崩壊に見えるもの陥らせ、彼が明らかに未曾有の三期目の任期を求める重要な10月20日の党大会直前に、中国を本物の経済不況に陥れかねない危険性があることを示唆するだろう。

 不吉な新しい調子

 これが、どうやらソロスがフーバー研究所での発言で言及している背景だ。彼は言う。「中国は、2013年に習近平が権力の座に就いた時以来、成長の主な原動力だった不動産市場に集中した経済危機に直面している。不動産ブームに基づくモデルは持続不可能だ。アパートを買った人々は、それらが建設される前からさえ、それに対し支払い始めなければならない。だから、この体制はクレジットで構築されている。地方自治体が常に上昇する価格で土地を販売して彼らの収入の大部分を得ている。」

 彼のフーバー発言で、ソロスはこれまで30年の劇的成長に拍車をかけた以前の低賃金労働というプールを終わらせる中国で進行中の人口崩壊の重大な問題にも言及している。彼はう主張する。「本当の人口は公表数値14億より約1億3000万人少ない。これは広く知られていないが、不動産危機、労働力不足、財政負担と経済減速を悪化させるだろう。」

 そして習の状況を一層不安定にするものとして、WHOや他から二年前に称賛された素晴らしい成功からほど遠い習のcovid戦略、習の称賛されている西安市全体や巨大なコンテナ港湾都市、天津を閉鎖する「ゼロ・トレランス」covid封鎖戦略は、経済に対し活力を失わせる悪影響があるとソロスは言う。

 習近平の見通しに関するソロスの結論は不吉な前兆だ。「中国共産党内の強い反対を考えれば、習近平が慎重に演出している毛沢東と鄧小平レベルへの出世は決して起きないかもしれない。国内でそれほど抑圧的ではなく、外国で、より平和な人物によって習近平が、取って代わられることが望ましい。これは開かれた社会が今直面している最大の脅威を取り除くだろう、彼らは中国を望ましい方向に動くよう奨励するため、できる限りのあらゆることをするべきだ。」これはグローバリスト・エリートの強力なサークルが、習がもはや彼らの思惑にとって有用でないと結論したということなのだろうか?

 習支配の終わりを提唱する上で、遙かに最も明示的ではあるが、フーバー研究所演説はソロスが最近中国について批判的だった初めてのことではない。2021年9月6日の「ウォールストリート・ジャーナル」論説で、ソロスは中国の投資信託を始める最近の決定のかどで、仲間のウォール街投資家ブラックロックに対する辛らつな非難を書いた。「今中国に何十億ドルも注ぐのは悲しい過ちだ。これはブラックロック顧客の金を失い、より重要なことに、アメリカや他の民主主義国家の安全保障に害を与える可能性が高い。」ソロスは「中国に投資された金は、国内では抑圧的で、海外では攻撃的な習主席の体制を助けるのだから、ブラックロック構想はアメリカや他の民主主義国家の安全保障にとって害だ。彼は強烈に民族主義で中国を世界の覇権国にしたいを望んでいる。」続けて述べた。

 ジョージ・ソロスとほど影響力を持ったグローバリストが公然と習時代の終わりを要求している事実は、北京に、より「柔軟な」指導体制をもたらすため、欧米グローバリストの中の主要な派閥が、できる限りのことを何でもすると決めたことを示唆している。ソロスやシュワブ・レベルのグローバリストは衝動的に本格的な介入をしない。ソロスが直接習に対する攻撃を強化している事実は、ダボス・グレート・リセット環境重視取り組みの非常に有力な集団が、習が、中国とアメリカを含め、どこでも民族国家を排除する、彼らのディストピアの狙いに対する障害になったと決定したことを示唆している。

 それは、最近、必要であれば武力で台湾を併合する意志を宣言した民族主義者の習近平が、2020年に中国-イギリス香港条約を強力に終わらせた後、グローバリストダボスグレート・リセット・アジェンダを丸ごと危険にさらしているというのだろうか?ソロスはシュワブの世界経済フォーラムのアジェンダ貢献者でダボスに頻繁に現れるゲストだ。彼の息子アレクサンダー・ソロスはオープン・ソサエティー財団の副議長で、2018年の世界経済フォーラムの若い世界リーダーの一人だ。さらに1980年代以来何十年にも渡るソロスのカラー革命への資金提供は、1991年のソ連から2011年のアラブの春、2014年のウクライナと政権崩壊を通して至る所で国家終焉を推進してきた。ソロス周辺のダボス仲間が、習打倒を支援するため、積極的に中国共産党のライバルに加わると決めたのだろうか?

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/02/08/why-on-earth-does-george-soros-want-xi-jinping-to-go/

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 デモクラシータイムス 大本営広報部洗脳機関と違って、闇の集団に、しっかり切り込んでおられる。

【横田一の現場直撃 No.150】れいわ大石 vs 維新その後/国民参院議員、自民に鞍替え!?/石木ダムどうなる、長崎県知事選 20220214

 今日は朝刊をじっくり読んだ。

 東京新聞 一面

 ギグワーカー団交要求 審理大詰め

  「会社が雇った労働者ではないの団交に応じる義務はない」と会社側

 東京新聞 総合面

 石原慎太郎氏の差別発言 いま再び考える

  ギグワーカー記事の続き

働く人任せには限界も

 情報面 メトロポリタン・ブラス 長年のファンだが、1.5倍の売り上げ増に驚いた。

「真ちゅう製カイロ」

 東京新聞 特報面は「馬毛島基地計画 地本市「容認?」揺れる住民」

 東京新聞 「本音のコラム」は鎌田慧氏 神宮の森他の破壊する 虚大事業

 その下は「辺野古・高江リポート」在沖米海兵隊 武器持ち訓練

2022年2月 7日 (月)

背信のエルドアンは大トゥーラーンのためロシアを破壊しているのか?

2022年1月21日
F・ウィリアム・エングダール
New Eastern Outlook

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、NATOであれ、EUであれ、同盟国と思われる国々との狡猾な取り引きで悪名が高い。だが彼最大の背信は今、プーチンのロシアとトルコの関係に向けられているように思われる。過去二年、あるいはそれ以上にわたり、ウクライナ、アルメニア、シリア、リビアとの取り引き、最近では、カザフスタンで失敗した革命で、エネルギーや高度な防衛装置でロシアに依存しているにもかかわらず、ロシアとの取り引きで、エルドアンは単なる日和見主義だけでなく、実際の背信、信頼への裏切り、寝返りの明白なパターンを見せた。そこで、それは何故かという疑問だ。

 エルドアンとカザフスタン革命未遂

 ISIS風ジハード戦士による少なくとも警官二人のぞっとする斬首を含め、最近のカザフスタンのアルマトイ空港やメディアや庁舎への血まみれの暴動や武装過激派闘士による攻撃から現れた証拠から、二つの平行する不安定化工作があったのは明らかだ。一つはワシントンとEUが「対話」を呼びかけるのを可能にした、エネルギー豊富な国の政府による燃料価格値上げに反対する穏やかな抗議という最初のうわべだ。これはCIAにつながる全米民主主義基金からの何百万ドルもの資金で訓練された「人権」活動家に率いられていたが、おそらくソロス財団-カザフスタンや、CIAやMI-6に操られている他の様々なNGOの可能性がある。これらは、遙かに悪質な政権転覆クーデターの企ての背後にあった一種の「擬似カラー革命」の隠れ蓑だったのは明らかだ。

 より深刻な攻撃は、外国ジハード戦士や、カザフ組織犯罪の親玉アルマン・ジュマガリエフ率いる組織犯罪凶悪犯を含め推定20,000人の訓練されたテロリストによるものだった。この二番目の強暴な集団は綿密な調査が必要だ。CIAとMI-6と共に、エルドアンの諜報機関MITと軍がクーデター参加者の訓練と武装に深く関与していたように思われる。高位の中央アジア機密情報情報提供者によれば、アジア・タイムズ編集者ペペ・エスコバールが、アルマトイ南部の事業拠点に本拠地を置く「「秘密」アメリカ-トルコ-イスラエルの軍-機密情報作戦室があったと言っている。この「センター」には、トルコによって西アジアで訓練され、次にアルマトイに密かに送り込まれた破壊工作暴漢を調整する22人のアメリカ人、16人のトルコ人と6人のイスラエル人がいた。」

 エルドアンとムスリム同胞団

 何年もの間エルドアンは(いずれもロシアで活動禁止されたテロ組織)アルカイダとISISジハード戦士を密かにトルコで訓練し、彼らを密かに国境を越えさせ、イドリブや他の拠点に送り込んで、バッシャール・アル・アサドに対し(事実上、現地のロシア軍に対しても)戦争すべくISISやアルカイダのシリア部門ヌスラ戦線に合流させている。加えて、何年もの間エルドアンは、アラブの春の間も、何十年も前からCIAやMI-6協力している秘密政治イスラム組織(ロシアで禁止されている)ムスリム同胞団と極めて近い。

 2013年、エジプトでムスリム同胞団を打倒したアル・シーシーの軍事クーデター後、推定2万人の幹部がエルドアンのAKPに歓迎されトルコ亡命を認められた。カタールがムスリム同胞団の積極的な秘密支援を減らすよう強いられたため、エルドアンが、この組織の主要な支援者・保護者になった。2020年、ロシア・テレビのインタビューで、シリアのアル・アサド大統領は、トルコの国益ではなく、エルドアンのムスリム同胞団イデオロギーこそが「イドリブでアルカイダのために戦うべく部隊をシリアに違法派兵する大義だ」と述べた。

 エルドアンが、現在ペンシルベニアに亡命中で、エルドアンに対する2016年のクーデタ未遂を企てたかどで非難されているフェトフッラー・ギュレンの巨大組織を信用しなくなり始めるにつれ、エルドアンは新オスマントルコの野心を拡大するため、ムスリム同胞団国際ネットワークに近づいたのは明確だ。フランス人ジャーナリスト、ティエリー・メイサンによれば、エルドアンの諜報機関、国家情報機構MITのハカン・フィダン長官は、ずっと昔の2003年から、中央アジアの旧ソビエト共和諸国中で、トルコ・ジハードの影響を広めるのに積極的だった。今日イスタンブールは事実上ムスリム同胞団の首都だ。

 これは最近カザフスタンでのクーデターの企てに直接関連する。カシムジョマルト・トカエフ大統領政権に対するアルマトイや他の重要な都市での攻撃の重要な現地組織者はナザルバーエフ前大統領の今や追い出された甥、周知のムスリム同胞団メンバー、サマト・アビシだった。アビシはナザルバーエフから2015年に彼を指名して以来の重要な地位国家安全保障会議の第一副委員長の職務を解雇された。ムスリム同胞団はエジプト、バーレーン、サウジアラビア、ロシア、UAEとシリアのような国でテロ組織に指定されている。

 エルドアンが、現在、世界中の他のジハード集団の中でも、事実上のアルカイダとISISの「母親」で、テロリストを支援するムスリム同胞団の主要な後援者である事実と、エルドアンのMITが、MI-6、CIAやイスラエル諜報機関モサドとともに、カザフスタン内で密かにテロリストを攻撃訓練した事実、1月のカザフ武装反乱の主要組織者サマト・アビシが周知のムスリム同胞団メンバーであることの全てが、トカエフを支持するというエルドアンの報道機関への発言にもかかわらず、カザフの出来事におけるエルドアンの役割が報告されているより遙かに中心的だったことを示唆している。

 注目すべきことに、2020年6月、イギリスの外国諜報機関MI-6長官に任命されたのはリチャード・ムーアだ。ムーアは、1990年代初期に、MI-6職員としてトルコで3年過ごし、2014年-2017年、トルコ大使を務めたトルコ専門家だ。ロシアに対するMI-6の役割は多くの人々が想像するより明らかに遙かに深い。トルコ専門家がMI-6長官に任命された事実は大いに重要で、英米の諜報機関がエルドアンのトルコを、旧ソ連のイスラム教諸国全てを不安定するため利用していることは大いにありそうだ。日和見主義者のエルドアンは英米の友人たちを喜んで手助けするのは明らかだ。

 ウクライナ向けのトルコ無人飛行機

 そして、ロシアの安全保障管と経済のため重要な「旧ソ連邦諸国」カザフスタンの不安定化は、エルドアンがプーチンのロシアに圧力をかける唯一の地域から、ほど遠い。ウクライナで、エルドアンは、ロシアに対して大いに挑発的で、モスクワのにとって越えてはならない安全保障の一線である、NATO加入へのウクライナの試みを公然と支持している。彼はドンバスのロシア人に使用するため、無人戦闘航空機バイラクタル TB2をキエフに売った。2014年、ウクライナのマイダンCIAクーデター後、エルドアンはキエフに近づき始めた。2021年4月、コメディアンから転じたウクライナ大統領ウォロディミル・ゼレンスキーは、アルメニアのナゴルノ-カラバフ戦争でのアゼルバイジャン大成功の後、ウクライナによるトルコ軍無人飛行機購入を話し合うためトルコでエルドアンに会った。ゼレンスキーはロシアとの紛争にトルコの支持を求めた。エルドアンは、住民の12%はテュルク・タタール人であるクリミア半島のロシアの併合を違法だと言って応えた。

 エルドアンは、明らかにトルコ海軍が2014年以前は優位だった黒海のロシア優位を封じ込めようとしている。2021年6月のNATO会議で、NATO事務局長にエルドアンは、黒海であなた方は見えない、黒海で、あなた方が見えないことが、そこをロシアの湖に変える。」と言った。トルコがロシアのガス輸入に対する依存を低減できるよう願っているトルコ最大の天然ガス発見は、黒海沖にある。2020年、約410億ドルのガス輸入の大半がトルコ・ストリーム・パイプラインを経由するロシア・ガスプロムのものだった。トルコから約100海里の黒海新ガス発見が、経済的かどうか明らかではなく、開発には何年もかかりかねないが、エルドアンのロシア挑発を一層危険にしている。発見された推定ガス量はトルコ・ストリームの約13年分の輸入に匹敵する。だが、この発見はロシアに対する動きでエルドアンを明らかに大胆にした

 アルメニアに対抗するトルコの動き

 2020年9月トルコが訓練したアゼルバイジャン軍がアルメニア人が多いナゴルノ-カラバフ飛び領土の脆い停戦を軍事力で破った。トルコ無人飛行機輸出が準備不十分なアルメニア軍に衝撃的打撃を与えただけでなく、トルコのMITが、そこでアルメニア人に対し戦争犯罪を行った経験豊富なジハード戦士をシリアから戦争に補充していたことが後に確認された。

 形勢を一変させたのは、アゼルバイジャンが、アルメニア標的に対して致命的なトルコ軍無人飛行機を配備したことだ。ドローンはウクライナ・エンジンを使いトルコで製造されている。アルメニアはロシアのユーラシア経済連合のメンバーなので、アルメニア領の損失はアルメニアにとってのみならず、プーチンにとっても屈辱的敗北だった。それは中央アジア全体で、トルコの信頼性を大きく押し上げた。

 ランドと、大トゥーラーンの範囲

 2019年にワシントンのランド社は、モスクワの安定性を深刻に弱めるため、国境警備に対する脅威に介入を強いることに的を絞った報告書をアメリカ軍司令部に送った。更なる経済制裁は別として、この報告は「軍事的、あるいは経済的にロシアに手を広げ過ぎさせるか、政権の国内、および/あるいは国際的威信と影響を失わせる」よう主張した。このランド報告書はとりわけ、以下を主張した。ドンバスのロシアに対してウクライナを武装させること、ベラルーシでの政権転覆推進。シリアでのロシア駐留に反対するシリアのジハード戦士に対する支援強化。ナゴルノ-カラバフを含め南コーカサスでの緊張の利用、カザフスタンを含め中央アジアでロシアの影響力を削減。これまでの三年間ワシントンに支援されるロシアに対する行動の多くが、このランド戦略の概要に習っている。

 2009年、エルドアンはイスタンブールに事務局を置くテュルク語諸国協力評議会(テュルク評議会)と呼ばれるものを設立した。メンバーにはアゼルバイジャン、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタンとトルコが含まれる。名目上の目標は、彼らのウェブサイトを引用すれば、彼らの「共通の歴史、共通の言語、共通のアイデンティティーと共通の文化」の強調だ。それはトルコでは、エルドアンの大トゥーラーン、究極的に中央アジアの大半と、イスラム系ロシアの広大な地域、中国の新彊州、モンゴルやイランを含む一種の新オスマン帝国と呼ばれている。彼は極右の民族主義者行動党(MHP)党首デヴレト・バフチェリから11月に貰ったフレーム入りの大トゥーラーン地図を最近見せた

 ワシントンとロンドンの戦略家が、このようなエルドアン野心にわくわくする理由は理解できる。彼らにとって、イスタンブールが中心となる巨大な大なトゥーラーン・テュルク勢力圏を作りたいというエルドアンの願望は、NATOにとって非常に有用だ。機能する国と勢力としてのロシアの破壊に。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/01/21/is-perfidious-erdogan-destroying-russia-for-the-great-turan/

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 当然の結論と思うが嬉しい話題。素晴らしい映画が上映禁止されてはたまらない。LITERA記事。

右派論客のトンデモ発言を収録した映画『主戦場』の裁判で、ケント・ギルバート、テキサス親父らの上映禁止請求が棄却!

 いつからか記憶はないが、彼が画面に出た瞬間テレビを消すかチャンネルを変える習慣で、彼の発言、ほとんど聞いたことがない。

 Change.orgで時宜を得た新規キャンペーンが始まった。

弁護士の橋下徹氏が連日テレビのワイドショーなどに出捲っていますが、どうみても特定の政党の関係者であり不適当だと思うので出演自粛を望みます。

 デモクラシータイムス

進化するコロナ オミクロンの変異と待ったなしの政策転換 児玉龍彦×金子勝【新型コロナと闘う その先の世界へ】20220205

2021年12月 5日 (日)

エチオピア・ティグレ戦争で利益を得るのは誰か?

2021年11月29日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 誰が戦争をする可能性が高いか知りたければ、ノルウェー(NATO)議会から誰がノーベル平和賞を与えられるか見るだけで良い。彼がアフガニスタンで戦争を拡大させる前、オバマは大統領になってわずか数日で手に入れた。ヘンリー・キッシンジャーは1970年代に得た。そして、二年前、エチオピアのアビィ・アハメド首相はエリトリアと「和平」をして賞を得た。一年の内に、アビィ・アハメドとエリトリアの独裁者イサイアス・アフェウェルキ大統領間の大いに称賛された和平協定で、この二人は、エリトリアと国境を接する州で、エチオピアのティグレ族に戦争を行うことで団結した。二人の同盟は、明らかに有力な以前政権についていたティグレ族少数派を排除することが狙いだった。今拡大する大混乱で、一体誰が利益を得る立場にあるのだろう?

 現在は、ティグレ人民解放戦線(TPLF)の良く訓練されたティグレ・ゲリラ勢力がアジスアベバに接近しており、アビィ・アハメドと彼の士気をなくした兵士がひどい苦境にあるのが現実だ。バイデンのアフリカの角特使ジェフリー・フェルトマンが、現場の背後で、平和的解決のためにではなく、物事を操作していると信じる十分な理由がある。

 名目上、ティグレ州で予定されていた選挙が、新政府のcovid禁止令による延期に服従しなかったことから、アビィが戦争を開始したことになっている。明らかに2018年まで、ほとんど30年間、少数派民族集団としてエチオピアを支配したティグレ族が民衆抗議によってアビィに統治を譲るよう強いられた際、アビィがエリトアの残忍な独裁者イサイアスに、エチオピアのティグレ州を北から侵略するのを認め、アビィ軍は南から攻撃したので、極めて不利だった。イサイアスの兵士は、民族浄化と呼ばれたもので何千人ものティグレ族一般人殺人を実行し、レイプと略奪を含め戦争犯罪を行った。約80,000人と推計されるエリトリア軍がティグレ地域の3分の1を占領した。全ての通信は侵略者に切断された

 イサイアスとノーベル平和賞受賞者アビィ・アハメドは、ティグレTPLFに対して絶滅戦争としか呼べないものを開始した。彼らは地域で食糧供給の包囲攻撃をしかけ、約900,000人が飢餓の縁にあると報じられている。UAEに供給されたと言われる中古無人飛行機でエリトリア軍が土地を爆撃するので、村や市や農場は破壊された。ティグレ指導部と訓練された軍、ティグレ人民解放戦線TPLFはゲリラ戦を展開するため山地に逃れ、アビィはティグレTPLFを公然とエチオピア社会の「癌」、TPLFを「雑草」と呼んだ。

ティグレ逆転

 今ティグレを破壊する戦争が始まって一年、TPLFは、エリトリア軍に占領されたティグレ州の多くを奪還するのに劇的に成功し、反アビィのオロモ解放軍(OLA)とも団結して、首都アジスアベバに向かって前進している。報道によれば、アビィ軍は軍の敗北と大量脱走によって壊滅的打撃を受けた。

 2021年6月28日、強力なエチオピア国防軍が、ティグレを圧倒した7カ月後、TPLFが改名した軍隊、ティグレ国防軍(TDF)が、ティグレ省都メックエルを再征服し、エチオピア人とエリトリア人捕虜の何千人もと行進して入った。ボストンのWorld Peace Foundation専務Alex de Waalによれば、その時点で、エチオピア国防軍20師団のうち「7つは完全に破壊され、3っつは目茶目茶だ」。

 状況は今非常に深刻で、11月下旬、アビィは、TPLFに対して彼の部隊を指揮するため前線に行くと発表した。そして11月初旬、彼は首都防衛のため一般人に集まるよう求めた。しかし彼の軍は報道によれば全くの混乱状態なので、それは権力ではなく、絶望の印だった。アビィはアムハラ人だ。アムハラ人は1億1800万の人口の約35%を占める最大民族集団だ。オロモ人は約27%で、ティグレ人は6%だ。ティグレTDF軍とオロモ軍の連合は、失敗する運命の戦争で、見込みを反転させた。11月中旬時点で、彼らはアジスアベバからおよそ270キロだった。

広がる混乱

 この時点で、アビィの二年にわたるティグレ戦争の最もありそうな結果は、民族内戦でのエチオピア分割と、エリトリアの経済的、政治的混乱への没落だ。評論家のゲーリー・ブレッチャーが、ありそうな結果を説明している。「もしTDF/OLA勢力がアジスアベバ進み「今のエチオピア」を支配すればどうなるだろう?彼らの同盟が数ヶ月で溶解するのは、かなりありそうな事で、この国は州間、更には町間の多民族紛争に陥るだろう」

 ワシントンといくつかのEU諸国は「中立」姿勢を取りながら、戦争を煽る上で秘密の役職を演じている。バイデン政権は、特使のジェフリー・フェルトマンによって、アフリカの角政策を率いられて、11月12日の戦争における役割のためイサイアスと彼のエリトリア軍を制裁し、可能性をTPLFの優位に変えた。

 11月21日、エフライム・イサークの調整でZoomによる秘密会談が行われた。

 エフライム・イサークは、今プリンストンのInstitute of Semitic Studiesに在職し、ワシントンに本拠を置くThe Peace and Development Centerという「紛争予防、紛争解決、平和構築と、エチオピアとアフリカの角における開発のために活動する独立した、全国的非営利、非政府団体」怪しい団体の理事長だ。そのウェブサイトはスポンサーとして、政権転覆カラー革命を専門とするCIAフロント組織を自認する全米民主主義基金や、しばしばCIAの機密活動に関係しているUSAIDと国連を挙げている。

 エフライム・イサークはTPLFの故メレス・ゼナウィ首相に近く、1991年にTPLFを権力の座につける支援で尽力した。最近のZoom会議出席者には、ゼナウィ時代のアフリカ問題担当で前アメリカ代理国防次官補、ビッキー・ハドルストン大使、引退したばかりのアメリカ政府最上級アフリカ専門家の一人、ドナルド・山本がいた。そしてイギリス、フランスとEUの前と現在の上級外交官。彼ら全員ハドルストンが「アビィは退任すべきで、包括的な政権移行期政府が必要だ」と言ったのに同意した。この秘密ビデオ会議はアメリカに率いられるNATO加盟諸国がTPLFを支持するよう格別努力していることを示唆している。

 大エチオピア・ルネッサンス・ダム

 このティグレ戦争はある時点で、論争の的であるスーダンとの国境約45キロ東にある、ティグレ州に近い巨大プロジェクト、青ナイル川ダム、大エチオピア・ルネッサンスダムの運命を問題にすることになるだろう。エジプトと、部分的にはスーダンによる外交で、エチオピアにダムを中止させるための再三の努力にもかかわらず、アビィ・アハメド政権はどんな面でも協力を拒否している。7月、生存のために共に青ナイルの水に依存しているスーダンとエジプトの抗議を無視して、アビィは、多年にわたるダム貯水の第二段階に進んだ。

 大エチオピア・ルネッサンス・ダムは、能力6.5ギガワットでアフリカ最大の水力発電所で、世界で七番目に大きなダムになる。それは、ナイル水流の85%の起源、北エチオピア高地から始まる青ナイル川の全水量より多く、740億立方メートルの水を蓄えることができる。エジプトが、密かにであれ、ティグレ側に介入する誘惑は強く、実際一部の報道によれば進行中かもしれない。もしそれが、ダムを破壊するための介入だったら、アフリカの角からカイロにまで及ぶ戦争の導火線に火をつけることになるだろう。とりわけそれは明らかに、地中海を経由する唯一のインド洋への接続路、アフリカの角を通る海運に影響するだろう。それは世界で二番目に大きな商用海路である紅海の入り口だ。

 エルドアンのトルコもアフリカの角に関与している。11月21日、トルコのアンカラで、ソマリア軍参謀総長オドワー・ユースフ・ラーゲー大将がフルシ・アカル防衛大臣と会談し、政治的、軍事的協力を論じたと報じられている。トルコはアビィ・アハメドの軍に軍用無人飛行機も供給している。ソマリアのモハメド・アブドゥラヒ・モハメド「ファルマージョ」大統領は、エリトリアとアーメドとともに対ティグレ戦争に参加した。ソ連に後援されたエチオピア軍に破られる前、ソマリアは1977年のエチオピア、オガデン地域侵略でエチオピアを侵略した。トルコの支持を得て、ある時点で、特にティグレ族がアジスアベバをとれば、ソマリアは再びエチオピアを侵略する好機だと決断しかねない。

 エチオピア内戦で、スーダン軍も同様に、エチオピアとの戦争から利益を得られるかもしれないと判断しかねない。既にエチオピアのアビィは、戦争を利用して、エチオピア領域を掌握したと言ってスーダンを非難している。軍が民間人総理を追放する、わずか一日前に、アメリカ特使でカラー革命専門家のジェフリー・フェルトマンが、10月、ハルツームにいて、スーダン軍と会っていた。策略にたけフェルトマンが、軍の動きで、どんな役割を果たしたかは不明確だ。民間人アブドラ・ハムダック首相が職についても、明らかにスーダン軍は今権力を掌握している。何万人ものティグレ戦争難民が国境を越えてスーダン側に逃げた。大いに不安定な状況だ。

 11月23日、アメリカ特使ジェフリーフェルトマンは、エチオピアを訪問し、後に、アビィが彼に、国の北に彼らの地元地域に戻すよう、ティグレ軍を押し返せると確信していると言ったと発言した。フェルトマンは「私はその確信は疑問に思う」と述べた。それはティグレ勢力が彼らが得た領域かの撤退を要求すると主張するアメリカ特使にしては奇妙な発言だ。バイデン政権が、選出されたアビィ・アハメド政権を本気で支援し、エチオピアの崩壊を防ぐつもりなら、そうすべく、明らかにもっと多くのことができたはずだ。

 この全ての地政学スパゲッティボウル状態の中には、一帯一路構想にエリトリアを歓迎し、ジブチで重要な米海軍基地キャンプ・レモニエ近くに海軍基地を設立し、国有中国商社集団がジブチのコンテナ港、ドラレ港の共同所有権の大半を得て、アフリカの角にも拡大している中国の存在がある。ジブチも中国の一帯一路構想参加国だ。ジブチは紅海とインド洋両方へのアクセスを支配し、ヨーロッパ、アジア太平洋、アフリカの角とアラビア湾をつないでいる。それはバブアルマンダブ海峡でイエメン対岸にある、エチオピア唯一の貿易航路だ。

 中国はティグレ戦争の中、低姿勢を維持しているが、それは紅海沿いに、アフリカの角からエジプトまでの地域支配における新たなグレート・ゲームの可能性を示唆している。ティグレTPLFに対するアメリカの密かな支持と、この地域におけるフェルトマンの役割が、シリアとアラブの春カラー革命で、フェルトマンの助力でそうしたように、再び大混乱を引き起こすワシントンの決意が固いことを示唆している。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/11/29/who-gains-from-ethiopia-tigray-war/

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 『私の闇の奥』でこの紛争にまつわる記事「エチオピアとエリトリアが危ない」を拝見して以来気になっていた。

 @niftyニュースというか、「ごみ記事」にびっくり。世間ズレした感覚でウソを書いているのはお前たちだ!

鳩山由紀夫氏の「汚染水」ツイート物議 "宇宙人"のあだ名通り世間ズレした感覚を持つ2021年12月04日 11時30分 リアルライブ

 呆導機関、犯罪組織。マスコミとされるもの、ほとんどが犯罪的売国組織。

 トリチウムだけでなく多数の核物質を完全に取り除けていない水は、東電や政府が「処理水」と呼ぼうと、実態は「汚染水」。

 岩波書店の月刊誌『世界』連載中興味深く拝読したが、本は更に増強されているようだ。拝読する必要がありそう。彼の連載は終わる一方、忖度満載コロナ記事は続いている。

 デモクラシータイムス

山岡淳一郎 コロナ戦記【著者に訊く!】 20211123

 デモクラシータイムス

立憲新体制、参院選戦えるか! WeN20211204

 植草一秀の『知られざる真実』

守旧勢力に加わる立憲民主党

 軍産複合体代表、戦争をあおるのが仕事。

※「台湾有事は日本有事」 安倍元首相が台湾のシンポでオンライン講演(朝日新聞、2021年12月1日)
https://digital.asahi.com/articles/ASPD15JM0PD1UHBI01K.html

 日刊IWJガイド

■<本日のタイムリー再配信>本日夜19時半より、「『台湾有事』急浮上で各国の軍拡競争激化 日本列島はミサイル要塞化! 新INF条約を樹立することは可能か?~岩上安身によるインタビュー第1047回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員(2)」をお送りします。

視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

2021年11月18日 (木)

今度はグローバル肥料供給の組織的解体?

2021年11月12日
F・ウィリアム・エングダール
New Eastern Outlook

 ここ数ヶ月、世界的なエネルギー不足で、石炭、石油と天然ガスの価格を爆発的最高価格になったのは、愚かな政府が、頼りにならない、益々多くの太陽光や、風力発電に助成金を支給する、狂った「炭素排出無し」経済政策推進の予測可能な結果だ。一つの結果が、世界中での天然ガス、つまりメタン価格の5倍上昇だ。それは、中国からEU、アメリカや他の国々にまで拡張している。天然ガス欠乏と価格爆発の続く結果が、世界農業肥料生産で増大する危機だ。これは全て決して偶然ではないかもしれない。それは国連2030のWEFグレート・リセット・アジェンダにぴったりはまるのだ。

 (空気の大半であり、決して欠乏にはならない)窒素から作られたアンモニアを基盤とする肥料と天然ガス、つまりメタン(CH4)が、小麦や、トウモロコシ、米やコーヒーのような主要農業収穫を助けるために使われる全肥料のほぼ70%を占めている。天然ガス価格が、ここ数ヶ月にわたり、300%から500%まで急騰するにつれ、アンモニア肥料を作る費用の約80%が天然ガスである世界肥料生産に衝撃的影響を与えている。

 8月25日に、ハリケーン・アイダが、ルイジアナを襲った時、CFインダストリーズが所有する世界最大のアンモニア工場コンプレックスは安全の理由で閉鎖され、10日後に再開された。奇妙にも、その時点で、9月22日、ルイジアナ工場が10日間休業していたにもかかわらず、イギリスの同じCFインダストリーズの更に二つの工場が、高い天然ガス価格が原因だと主張し、更に二つの肥料工場を閉鎖すると発表した。この二つの工場は、イギリス国内肥料需要の約3分の2を供給している。圧力を緩和するため、政府は一時的に2つの工場の一つを再開すべく、CFインダストリーズへの緊急助成に同意することを強いられた。同じグループによる3つの工場閉鎖の総合的影響が世界肥料供給危機に上積みされた。CFインダストリーズの2つの最大株所有者がヴァンガードとブラックロックなのは偶然の一致に過ぎないかもしれない。

 この危機は雪だるま式にふくれる。10月初旬時点で、巨大ドイツ化学企業BASFが、ベルギーとドイツでのアンモニア肥料の無期限生産停止を発表した。それはアンモニアを基盤とする軽油添加物アドブルー生産にも影響する。

 さらなる閉鎖は、リトアニアのAchema、オランダのOCIでも進行中だ。ヤラ・インターナショナルナはEUアンモニア肥料生産を40%減らしている。スペインのフェルティベリアはウクライナのOPZと共に主要肥料生産企業を閉鎖している。オーストリアのボレアリスAGは生産を終え、ドイツ最大のアンモニア生産企業SKW Piesteritzは生産を20%削減した

 グローバルな肥料危機を悪化させて、8月バイデン政権は、「ベラルーシ国民を犠牲にして、ベラルーシ政権を維持する」かどで、世界で4番目に大きな肥料生産者ベラルーシカリ OAOを指名してベラルーシ政府に制裁を課した。ベラルーシカリは炭酸カリウムを基盤にした肥料市場の世界の約5分の1を支配している。

グローバル食品安保の中心

 窒素ベースの肥料は、世界の農業で、全ての業務用肥料の約4分の3で最も広く使われている。第一次世界大戦直前、ドイツにおけるハーバー・ボッシュ法の開発以来、人工窒素肥料生産が農業生産性の巨大な拡大を後押しした。窒素肥料はハーバー・ボッシュ法で生産されたアンモニア(NH3)から作られる。それは水素供給のため、天然ガス、メタン(CH4)を使うエネルギー集約的なものだ。このNH3、つまりアンモニアは、無水硝酸アンモニウム(NH4NO3)や尿素(CO(NH2)2)のような他の窒素肥料の工業原料として使用される。農産物収穫高は第二次世界大戦以来、窒素ベースの肥料に大きく依存している。アメリカでは、窒素肥料なしでは、トウモロコシの平均収穫が40パーセント下落すると推定されている。

 現在、おそらく世界人口の半分が、窒素肥料に依存すると推計されている。科学雑誌ネーチャーで発表された研究によれば、2008年、世界人口の48パーセントが毎日の食物入手で窒素肥料に依存している。「これは2015年、そうでなければ餓死したはずの350億人の人々に、窒素肥料が食品安全保障を提供したことを意味する。」

中国ショック

 発電用石炭や天然ガスの欠乏や、国内インフレを制御しようという、うろたえた試みを含め、様々な理由で、ひどく肥料輸出を削減したり、凍結したりするという、ここ数週間の北京による決定が、増大するグローバル肥料欠乏に強い衝撃を加えている。河南省の記録的な夏洪水が中国穀物の中心地域を襲い、食品廃棄物削減のため、政府は国民に、重大な収穫失敗を隠す方法だと一部の人々が信じている「光盤行動(きれいに食べ尽くす) 2.0″をさせ始めた。

 中国、インドとアメリカは、一エーカーあたりトンで窒素肥料の世界最大ユーザーだ。中国は最大の肥料輸出国の一つでもあり、9月に政府は、2022年6月まで、窒素とリン酸塩肥料の輸出禁止を発表した。中国が輸入する石炭同様、世界的な天然ガス価格急騰のため、赤字で電力を売るより操業停止する電力会社のおかげで、中国では大規模停電が起きている。複雑な危機の一つの結果が、肥料輸出禁止令だ。中国は、尿素窒素肥料のグローバル供給のほぼ3分の1を占める最大輸出国で、リン酸塩の主要製造国でもある。

 南ドイツ、ババリアでは、農民は少なくとも来夏まで肥料を買えないと報じられている。広がるグローバル肥料危機は、2022年、飼料トウモロコシ、小麦、米、コーヒーや他の農作物の急減を意味するだろう。これが、covid対策と世界海運の崩壊によって更に悪化させられ、数十年で最も急激な食品価格インフレーションの中で起きている。

COP26メタン攻撃

 増大する世界的肥料欠乏の背後にある危機は、メタン、あるいは通常天然ガスと呼ばれるものの価格5倍という爆発だ。これは、メタンや天然ガスを含め、2030年までにCO2排出を55%削減する「Fit for 55」プログラムという、バイデン政権や欧州連合の意図的な「反炭素」の環境保護政策が起源だ。バイデン政権はアメリカ・シェールガス処分を強制し、風力や、太陽光などを大いに助成するグリーン電力の強制的拡大は、当てにならない電力網を作った。風が吹かない、あるいは太陽が照らない時には、代替電力は見つからない。蓄電は大問題だ。太陽光や風力が電力の、ごく小さな部分であるときには、それほど深刻ではなかった。けれども今日エネルギー不足のドイツのような国では代替源が総電力消費の42%を占めている。ゼロ炭素狂気のために、原子力発電や石炭発電が絶滅の運命を課されているから、石油と天然ガス価格が爆発している。その結果、炭化水素の利用に対する新規投資が崩壊し、皆にそれが必要な時に、供給が制限されているのだ。

 増大する世界肥料生産危機は、国連アジェンダ2030や、クラウス・シュワブの世界経済フォーラムや、管理する資金が9兆ドルに上るとされるウォール街の世界最大民間投資企業ブラックロックのようなグローバリストが、肉生産高を劇的に減少させ、タンパク源を、研究室で増やした培養肉や虫にさえ置き換える(原文のまま)「持続可能」農業にぴったり合うのだ。

 農業と、特に、地球温暖化現象の主要原因だと主張される肉生産の悪魔化が拡大している。今メタンは、アメリカとEUにおける環境重視の取り組みの主要標的だ。注目すべきことに、最近の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、約100の国が2030年までに30%メタンガスの排気ガスを削減するEU-アメリカ共同提案に参加した。急騰する肥料価格につけこんだ、政府と非政府組織NGOによるフードシステムに対する攻撃が、肉反対運動や「持続可能な」農業への要求が、今急騰している食物の費用を更に引き上げると予想できる。この攻撃の鍵は、今日の世界経済、第二次世界大戦以来、貧困からの脱出の中心である低コスト・エネルギー・システムでしある石油、ガスと石炭に対するグリーンニューディール戦争だ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/11/12/now-the-organized-takedown-of-global-fertilizer-supply/

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 朝の番組、日本の選挙には金がかかるという話題を延々。『さよなら! 一強政治――徹底ルポ 小選挙区制の日本と比例代表制のノルウェー』を読んだ直後なので、びっくり。著者の三井マリ子氏が出演していたらと無理な夢想をしてしまう。カネがかからない選挙が可能なのに、そういう情報を全く知らされず、目の前の腐敗した選挙制度の中で無力感だけ深まるよう仕組まれている属国。だから、植草一秀氏新記事に同意。

 植草一秀の『知られざる真実』

 野党共闘誹謗の組織的背景

 デモクラシータイムス

<晋三復活、百合子の病気>【山田厚史の週ナカ生ニュース】

2021年10月27日 (水)

ロックフェラーの悪質な食料システムの狙い-作った本人が今破壊したがっているもの

2021年10月21日
F・ウィリアム・エングダール
New Eastern Outlook

 ロックフェラー財団ほど、我々の世界的な農業と食料の品質に大きな損害を与えた集団はない。戦後、1950年代初期、彼らが「アグリビジネス」と命名した垂直統合を発展させるため、二人のハーバード・ビジネスクール教授に資金を供給し始めた。農民の重要性は最低になった。彼らは1960年代に、メキシコとインドで、詐欺的なグリーン・レボリューション、2006年に、GMO推進派の「アフリカ緑の革命のための同盟(Alliance for a Green Revolution in Africa=AGRA)を作った。ロックフェラー財団からの金が、文字通り、有毒なグリホサート殺虫剤を使う破滅的な遺伝子組み換え作物GMO植物を生み出したのだ。今またしても、この財団は世界的食物と農業の主要政策の大規模変更を進めており、これは良くないことだ。

 彼らの最近の報告 True Cost of Food: Measuring What Matters to Transform the U.S. Food System(食物の本当の経費:アメリカの食料システムを変えるには何が重要か)で、ロックフェラー財団は、我々が食物を生産する方法を根本的に変え、我々がどのようにその本当の経費を計算するかという画策に本格的に関与している。彼らは、進行中のCOVID封鎖危機の中で「持続可能な」農業を作るための国連を通した世界的合意の一環だと主張している。積極的な変化どころか、それは根本的に、我々の健康な食物への入手と我々の食物選択を根本的に変えることを意図しているのだ。二年間で二本目の食物報告書を発表した財団は、この動きを率いるため、ダボス世界経済フォーラムと巨大農業関連企業と組んでいる。連中の新しいスローガンは「食物の本当の経費」だ。

 本当の経費?

 財団会長のラジブ・シャーがこう書いている。「我々はアメリカの食料システムの影響を測定するため、この分野の専門家や賛同者と協力して一年費やした。その結果が、食物の経費を我々が、より正確に測定するのを支援する初めてのアメリカ全国規模の測定基準だ。この新たな分析により、政府や賛同者や食料生産者や人々は、我々の食料システムを、より栄養豊富で、より再生的で、平等なものに変えるための態勢が整うことになる。」

 この発言には綿密に検討しなければならない部分がある。この連中は国土政策専門家だ。実際には、現在の工業化されたグローバル化された食物連鎖や、このプロセスが、家族経営農家のみならず世界中の農業や食べ物の品質にもたらした破壊に責任があるロックフェラー財団自身が今や自分が作り出した食物の莫大な外部費用を責めているかのようだ。だが彼らは巨大農業関連企業ではなく、貪欲な家族経営農家が悪いかのように書いている。

 シャーはこう述べている。「この報告は警鐘だ。現状アメリカの食料システムは、我々の環境や健康や社会に悪影響を与えている。」シャーのロックフェラー研究はこう述べる。「現在のアメリカ食料システムの構造は人々や社会や地球の健康に大きな影響をもたらしている。地球温暖化現象、生物多様性の減少、水や大気汚染、食品廃棄物や食事に由来する病気の増加は、現在の生産体制の意図しない重要な結果だ。」これは不吉だ。

 研究はこう付け加える。「社会の隅に追いやられ、サービスを十分受けていない共同体、しばしば有色の、多くの人々が社会を支える農民や漁師や牧場労働者や食物労働者であるを共同体が、こうした経費の重荷を不釣り合いに負担している」。

 オランダの組織、True Price Foundation(本当の価格財団)を引用して、アメリカ人が毎年食料に支払ってているアメリカ食料システムの「本当の経費」は、人々の健康や暮らしや環境に対する影響を考慮すると、1.1兆ドルではなく、少なくとも3.2兆ドルだと計算している。この莫大な経費増は、主に、ガンや糖尿病を含む健康への影響や、彼らが「持続不可能な」農業と呼ぶもののCO2排出量のような環境効果を含めて計算される。True Price Foundationの取締役会メンバーは三人おり、世界でも主要な農業関連産業銀行の1つ、ABNアムロの元銀行家ハーマン・マルダー、世界の主要巨大農業関連企業の一社、ユニリーバNV経理・財務担当者でCFO(1981-2002)だったチャールズ・エバース、ロンドンに本拠を置く世界最大の法律事務所の一つアレン&オブリー、パートナーのジャスパ・デ・ヨングだ。これが、ロックフェラー報告書のために、一トンのCO2や他の抽象概念の経費に値段を付ける陰のチームだ。重要なのは、CO2は地球全体の温度上昇の原因ではなく、全ての生命にとって無害で不可欠な要素であることだ。

 ロックフェラー報告「食物の本当の経費」に貢献した人々には、ロースクール教授、大学の経済学者、世界野生生物基金(WWF)とTrue Price Foundationがいるのも注目に値する。農民団体は一つも入っていない。

 この報告書は、アメリカ食糧生産の主要な「隠された」経費は、健康や環境に対する農業の悪影響に由来するとしている。「責めるべき最大の経費は、人の健康や環境や生物の多種多様性の喪失を悪化させる悪影響だ。」彼らはこの全てを数値で示した。例えば、直接的な環境負荷には、彼らが年間3500億ドルの経費が発生すると主張する、GHG(温室効果ガス)排出や、水の使用、土壌の浸食がある。そして土地、土壌使用や水や大気汚染の結果としての、生物の多様性に対する影響は、アメリカ経済に4550億ドルの経費を負担させていると主張する。彼らは更に、アメリカの食料システムの健康経費を計算する。ここで報告は、肥満や、世界的に主な死因である心臓血管病や、がんや糖尿病や他の非伝染病の、経済に対する経費を含んでいる。これは、おそらく我々の「本当の」食料品の経費に更に1兆ドル加わる。主張されるように両方の影響に合計すると、食物に推定2.2ドルの外部経費約1.8兆ドルを加える。不正なアメリカ医療制度による、これら病気の経費を計算して、全てが農業の罪だというのは、オバマケア保険が発効して以来、膨れ上がった医療費を無視している。ちなみに、1910年に、カーネギー財団とともに、フレクスナー報告を使って、ロックフェラーこそが現代の医療制度を作ったのだ。だが、それはまた別の話だ。

 1950年代以来、アメリカで、巨大農業関連企業が食糧生産を工業化したことが、かつて生産性が高かった家族経営農家を、工業農業体制における、モンサント-バイエルやダウ・デュポン(Corteva)GMO種子や、農薬独占の体制、タイソンやスミスフィールドのような巨大食肉処理企業や、ウォルマートホールフーズのような巨大小売企業の付属品に変えてしまった事実は疑いようもない。だが、この報告書は、典型的な家族経営農家が悪いと示唆している。牧場で飼育された牛肉が、研究室で育てられたGMO牛肉や類似品に置き換えられる中、これは更に有害な農業グレート・リセットの下準備だ。最近、農務省は、農業における温室効果ガスの「主要源は、窒素ベースの肥料生産、石炭、ガソリン、軽油や天然ガスのような化石燃料の燃焼、廃棄物処理だ。家畜の腸内発酵、つまり反芻動物の消化器系で起こる発酵がメタン排気をもたらす。」と書いた。

 つまるところ、現在のアメリカの食糧生産に問題があり、根本的で高価な変化が緊急に必要だというのだ。報告書を読む上での困難さは、表現が意図的にあいまいで、欺瞞的なことだ。例えば、1990年代以来、アメリカ農業の最も有害な要素の一つは、GMO作物、特に大豆、トウモロコシや綿や、グリホサートで大いに発がん性があるモンサント-バイエルのラウンドアップの大規模導入だった。ロックフェラー報告は、それが破壊的だったことを知りながら、何十年間もモンサントとGMOを作り、宣伝し、破壊を促進する上での彼らの直接の役割に触れていない。ロックフェラー財団の政策は、遺伝子編集された農作物GMO.2を導入し、特許で高価な選択肢を優位にするため、アメリカの現在の農業を、余りに高価で、「持続可能でも」「包括的」でもないと主張して破壊することだ。2番目に大きいグローバル食品生産者、EUが彼らの次の標的だろう。

 AGRA、ゲイツとダボス

 ロックフェラー財団の主要人物の背景を見れば、この思惑は驚くべきことではない。理事長のラジブ・シャーは、ビル&メリンダゲイツ財団出身で、彼は農業開発部長だった。ゲイツ財団で、シャーはアフリカ緑の革命同盟AGRAを立ち上げるためロックフェラー財団と協力していたのだ。彼は、最近シャーが、経済成長と回復の新しいアジェンダに関するWEFグローバル・フューチャー・カウンシルの共同議長を務めた、グレート・リセットの導師クラウス・シュワブのダボス世界経済フォーラム(WEF)と密接につながっている。そこで彼は「政府は、緑の包括的成長に向かって市場を積極的に形成しなければならない」と書いている。

 アフリカ緑の革命同盟AGRAは、貧しいアフリカの小規模農家に、莫大な費用でGMO種子と対応する殺虫剤を押し付けようというプロジェクトだ。それはアフリカ農民にとって、農業大惨事だった。AGRAモデルはロックフェラー財団とWEFとゲイツ財団のような同盟者連中の表だっては言わない思惑を理解する上で重要な役割を演じている。シャー支配下の下ロックフェラーでの農業計画責任者は、フード・イニシアティブの上級副社長ロイ・スタイナーだ。スタイナーはゲイツ財団で、シャーと共に、アフリカでGMO推進のAGRAを立ち上げるため働いていた。

 AGRAとそのGMO計画におけるシャーとスタイナー両者の重要な役割は、ロックフェラー社が、アメリカ農業の急進的転換をどのように計画しているか洞察するのに有効だが、それは邪悪だ。報告書は、それでCO2とメタンガス排出を減らし、植物を基本にする選択肢を導入すると言う。ビル・ゲイツは、研究室で増やした偽肉を、遺伝子編集を使うイミテーション肉会社Impossible Foodsという新興企業に共同で資金供給した。彼は合成牛肉が気候変動に対処するための必要戦略だと強く主張し、アメリカ人や他の西欧諸国が100%合成牛肉の食事に替えなければならないと述べている。これ以上牛をなくし、ガス排出をなくすのだ。

 ダボス、ロックフェラーと国連食料システムサミット

 影響力を持ったロックフェラー財団の農業アジェンダ、ダボスWEFや国連のアジェンダは全てがグレート・リセットや、国連アジェンダ2030の「持続的農業」で合流している。2021年9月23日、国連はニューヨークで「食料システムサミット2021」を主催した。2021年の食物システムサミット議長は、国連事務総長特使のアグネス・カリバタだった。彼女の選択には、彼女がアフリカでゲイツ-ロックフェラーAGRAの総裁である事実から、多数のNGOが激しく反対した。アジェンダ2030の持続可能な目標を達成することに対し、アントニオ・グテーレス国連事務総長はサミットは「行動の10年」の一環だと発表した。元国連食品への権利特別報告者のオリヴィエ・デシュッターは、食品サミットはダボス世界経済フォーラムでの「密室での合意」の結果だったと述べた。

 2019年6月、国連で、WEF主催者クラウス・シュワブと国連のグテーレスは「持続可能な開発のための2030アジェンダの実行を促進する」ため正式提携に署名した。一年後、covid大流行のさなか、クラウス・シュワブは、国連事務総長アントニオ・グテーレス、国際通貨基金のクリスタリナ・ゲオルギエワとともに、テクノクラシー支持のグレート・リセットを発表した。ダボスと国連とロックフェラー財団は全て、人類の将来の健康と食物に良くない同じな思惑で動いている。これは陰謀理論ではない。それは本物の陰謀だ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/10/21/sinister-rockefeller-food-system-agenda-they-created-it-and-now-want-to-destroy-it/

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 孫崎享氏の説明で、甘利が強力な権力を持っている背景や、高市や岸田が国防予算倍増を言い立てる理由が分かった。所詮自民党はジャパン・ハンドラーの傀儡。最大の目標は、宗主国の傭兵となるための憲法破壊。

時事放談(2021年10月) 鳩山友紀夫×孫崎享

 今日の孫崎氏メルマガ題名

今次選挙で野党共闘の意義は極めて大きい。野党共闘の意義を理解する必要がある。目指すもの、それは四党合意に明確。今一度。①憲法に基づく政治の回復、②格差と貧困を是正、③原発のない脱炭素社会を追求、➃権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現

 大本営広報部洗脳機関は決して強調しない事実を、日刊IWJガイドは書いている。インタビュー、昨日短時間拝聴した。

【衆院選前に必見! 改憲による緊急事態条項導入の危険性! エッセンス版】改憲で緊急事態条項が通れば「国民に『お前らの財産没収します!』なんてこともできます!」と明石順平弁護士が危惧! 岩上安身によるインタビュー 第937回 ゲスト 『データが語る日本財政の未来』著者 明石順平弁護士 第3弾

2021年10月15日 (金)

グリーン・アジェンダ、このエネルギー危機は他の全てとどう違うのだろう

2021年10月11日
F・ウィリアム・エングダール
New Eastern Outlook

 全ての在来型エネルギー源の価格が世界規模で爆発している。これは偶然からはほど遠く、ほぼ2年にわたる、ばかばかしいcovid検疫隔離や関連措置によって既に劇的に弱められた産業世界の経済を潰すよう、うまく画策された計画だ。我々が目にしているのは重要な石油や石炭や今特に天然ガスのエネルギー価格爆発だ。これが1970年代のエネルギーショックと違うのは、今回、早ければ今後数ヶ月で、工業社会の崩壊を確実にする詐欺的な環境(E)社会(S)カバナンス(G)のグリーン投資モデルを使った企業投資世界で、OECD諸国政府が、恐ろしく非能率的で、当てにならない太陽光や風力を奉じながら、未来の石油やガスや石炭に投資していないがゆえに進展していることだ。劇的な見直しを拒んで、EUと他の産業経済諸国は意図的に経済自殺をしているのだ.

 わずか数年前には、豊富な、信頼できる、効率的で手頃な価格のエネルギーを確保して経済を動かすのが当然だと認められていた。効率的エネルギーがなければ、我々は鋼鉄も、コンクリートも、原材料や近代経済を支える、どんなものも採掘できない。ここ数ヶ月で、世界の発電用石炭価格は2倍になった。天然ガスの価格は、ほとんど500%上がった。石油は1バレル90ドルに向かっていて、これまでの7年で最高だ。これは、時に、ダボス・グレート・リセット、あるいはグリーン・アジェンダ(環境重視取り組み)ゼロ炭素狂気と呼ばれるものにより計画された結果なのだ。

 約20年前、ヨーロッパは間違った名称で呼ばれる「再生可能」別名グリーン・エネルギー、主に太陽光と風力への大転換を始めた。EU産業の中心ドイツはメルケル前首相の準備不十分なEnergiewende(エネルギー移行)で、この転換を率い、ドイツ最後の原子力発電所は2022年に閉鎖予定で、石炭発電所は段階的に急速に廃止されつつある。この全てが、今グリーン・エネルギーが大規模電力不足に対処できない現実にぶつかったのだ。この危機は完全に予測可能だった。

 グリーンの因果応報

 2020年、広範囲にわたる産業と旅行のcovid封鎖で、EU天然ガス消費量は劇的に減少した。最大のEUガス供給元ロシアのガスプロムは、秩序ある長期的市場のため、損をしてさえ、EU市場への供給を正当に減少した。異常に穏やかな2019年-2020年の冬が、EUガス貯蔵を最大にするのを可能にした。2021年の長い厳しい冬が、ほとんどその全てを消し去った。

 EU政治家の主張に反し、ガスプロムはドイツへの新しいNordStream2ガスパイプラインの承認を強制するためにEUに策をろうしたわけではない。2021年最初の6カ月に、EU需要が再開したから、ガスプロムは、今冬ロシアのガス貯蔵補充さえ犠牲にして、早々それに対処し、記録的な2019年の実績レベルさえ越えた。

 グリーン・エネルギー方針と、温室効果ガス55%削減の「Fit for 55」パッケージに堅く誓約したEUは、天然ガスを長期的選択肢として明示的に拒絶し、同時に石炭と原子力発電を潰し、2050年までに100%CO2なしの社会を正当化したシンクタンク気候モデルの無能さの因果応報なのだ。

 ウォール街とロンドンの金融投資家が、グリーン・エネルギーアジェンダによる莫大な恩恵を見て、ダボス世界経済フォーラムと協力して、ばからしいESG投資モデルを推進したために、在来型石油やガスや石炭企業は、利益を生産拡張に投資していない。2020年、世界的に、石油、ガソリン、炭への支出は推定1兆ドル減った。それは戻って来ない。

 ブラックロックや他の投資家が「持続可能な」エネルギーを支持して、ほとんどエクソンモービルや他のエネルギー企業をボイコットする状態で、ヨーロッパでも、冬が非常に寒く長い北ドイツでの記録的な風の欠如で、9月初旬、世界LNG市場で、ガスのパニック買いを引き起こした。

 問題は、通常であれば購入可能なはずのアメリカやカタールの最も購入可能なLNGや他のエネルギー源は、オーストラリア石炭に対する政治的禁止令を含め、既に同様に混乱したエネルギー政策で、工場閉鎖と「どんな犠牲を払っても」ガスと石炭を確保する最近の政府命令に至った中国に売られていたので、補充には遅すぎたのだ。カタールやアメリカのLNG輸出業者や他の連中も、文字通り、EUを寒さの中に放置し、アジアに集まったのだ。

 エネルギー規制緩和

 ヘッジファンドのような投機家やブラックロックやドイツ銀行のような投資家に有利なように、エネルギー消費者に損をさせるよう、現在のグリーン・エネルギー市場が、どれほど不正に操作されているかを、ほとんどの人々は理解していない。ヨーロッパで売買された天然ガスのヘッドライン価格、オランダのTTF先物契約はロンドンに本拠地があるICE取引所によって売られる。それはEUの1カ月、2カ月、あるいは3カ月の先物卸し天然ガス価格がいくらになるか思惑売買しているのだ。ICEは、とりわけ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、ドイツ銀行とソシエテ・ゼネラルに支援されている。この市場は、ガス先物契約、あるいはデリバティブと呼ばれる。

 銀行や他の連中は破格の安値で思惑売買でき、今度の冬のEUガス貯蔵所がどれぐらい少ないかについてニュースが突如知れわたった時には、金融サメが餌の奪い合いをした。10月初旬、オランダTTFのガス先物価格が、わずか数日で、未曾有の300%に爆発していた。2月以来、それより遙かに酷く、3.4兆BTU(英熱量)の標準的LNG貨物が今10000-12000万ドルもするが、他方2月末、そのコストは2000万ドル以下だった。7カ月で500-600%の上昇だ。

 根本的問題は、戦後の大部分の時期と異なり、当てにならない、コストが高い太陽光、風力という「再生可能」エネルギーの政治的推進によって、EUや他の場所(例えば2021年2月、テキサス)で、グリーン代替物を推進し、ガスと石炭を追放するため、それらのCO2排出を、2050年までにゼロに減らせなければ、人類の未来を危険にさらすという疑わしい主張で、意図的に発電市場とその価格を規制緩和したことだ。

 最終消費者が負担する価格は、競争条件下にある異なる原価をまとめるエネルギー供給業者に設定される。EUの電気価格が計算される極悪非道な方法は、非能率的な太陽光と風力を推進し、従来の発電源を阻止するよう計算されているとされ、フランスのエネルギー評論家Antonio Hayaが言う通り「需要を満たすために必要な電源組み合わせのうち最も高価な発電所(利益がほとんどでない発電所)の価格が、使われる全て発電の生産時間に設定される」。だから現在の天然ガス価格が本質的にコストゼロの水力発電の電気価格を決めるのだ。急騰する天然ガス価格という条件が、EU電気コストを決定している。これは、投機家に有利に、家庭や産業を含め消費者を破滅させる邪悪な価格設定構造だ。

 豊富な石炭、ガスと石油の最近の欠乏を基本的に悪化させている原因は、はなはだしく非能率的で、当てにならない太陽光や風力を強化するため、投資を、全て完全に安全で必要なエネルギーである石油やガスから離れるよう強要するブラックロックや他のグローバル金銭信託による決定だ。連中はそれをESG投資と呼んでいる。2019年にブラックロックのCEOローレンス・フィンクがクラウス・シュワブ世界経済フォーラム委員会に加入した時以来、ウォール街や他の世界金融市場における最近のどんちゃん騒ぎだ。彼らはESGの「政治的に正しい」格付けを賞賛し、従わない人々を罰するESG認証会社を設立した。ESG投資への殺到で、ウォール街やお友達連中は何十億も稼いだ。それは世界の大半にとって、石油や石炭や天然ガスの将来の発展にブレーキをかけたのだ。

 「ドイツ病」

 太陽光、風力への20年にわたる愚かな投資の後、かつてはEU産業の旗艦だったドイツ内で、今我々はドイツ病と呼べるものの犠牲者だ。経済的オランダ病のように、グリーン・エネルギーへの強制された投資は、信頼できる手頃な価格のエネルギー不足をもたらした。もっぱら証明されていないIPCCの1.5Cという主張のおかげで、2050年までにゼロ炭素を実現できてなければ、我々の文明は終わることになっている。

 EUグリーン・エネルギーアジェンダを推進するため、多少の例外はあるにせよ、次々と各国が石油やガスや石炭や原発さえ廃止し始めた。ドイツの最後に残った原子力発電所は来年完全に停止する。最新鋭の大気汚染物質除去装置がある新石炭発電所は稼働前にさえ廃棄されている。

 ドイツの例は益々ばかばかしくなる。

 2011年、メルケル政府は、ドイツが2050年までに100%再生可能な発電を達成できることを、示したマーティン・ファウルシュティヒとドイツ環境諮問委員会(SRU)が開発したエネルギー・モデルを採用した。彼らは原子力発電をより長く使う必要も、炭素隔離貯留技術(CCS)つきの石炭火力発電所の建設も必要でないと論じた。それで、メルケルの大惨事のEnergiewende(エネルギー移行)が生まれたのだ。この研究は、ドイツはノルウェーとスウェーデンから、CO2を発生しない水力発電余剰購入の契約が可能だから、それは機能すると主張した。

 今極端な干ばつと暑い夏のため、スウェーデンとノルウェーの水力電気備蓄は冬に入って危険なほど少なく、能力のたった52%しかない。それはデンマーク、ドイツとイギリスへの送電線が危険にさらされていることを意味する。それを更に悪化させるのが、スウェーデンは、電気の40%を占める原子力発電所閉鎖について割れている。そしてフランスは原子力発電所の3分の1を削減することを議論しており、ドイツにとっての電力源が確実ではないことを意味している。

 すでに2021年1月1日、ドイツ政府に義務づけられた石炭の段階的廃止のため、合計容量4.7GWの11の石炭火力発電所が閉鎖された。閉鎖は石炭発電所のいくつかが、長期的な低風力期間のため、電力網に再接続しなければならなかった、わずか8日続いた。全てグリーン涅槃のために、2022年に最後のドイツの原子力発電所が閉鎖し、より多くの石炭発電所が永久閉鎖する。2002年、ドイツの原子力発電は電力の31%を占める、炭素発生なしの電力源だった。

 ドイツで赤字を生じている風力については、2022年、16GWの設備容量の約6000の風力タービンが、古いタービンに対する固定価格買い取り助成金期限のため解体される。新しい風力発電施設認可の速度は、市民の反対と法律上の騒音公害への異論や他の要因が増えたため阻止されている。回避可能な大惨事は発達過程にしある。

 ブリュッセルのEU委員会の対応は、彼らのグリーン・エネルギーアジェンダの目につく欠陥を認めるどころか、問題が天然ガスと石炭であるかのように、それを強化することだった。EUの気候皇帝フラーンス・ティンマーマンは異様なことに「我々が5年前にグリーン・ディールに取り組んでいれば、我々は化石燃料や天然ガスに対する依存がより少なかっただろうから、我々はこの場にいないだろう」と宣言した。

 EUが自殺的計画を継続すれば、わずか数年で自身が工業力を失った不毛地帯になっているのに気づくはずだ。問題はガスや石炭や原子力ではない。それは決して安定した、信頼できる電力を提供できない太陽光と風力の非能率的なグリーン・エネルギーだ。

 EUやアメリカや他の政府のグリーン・エネルギー政策は、ダボスが推進するESG投資と共に、我々が前進するにつれ、風が止まった時や、水力発電ダムの干ばつや、日光が不足した時に頼れるガスや石炭や原子力が益々少ないことを保証するはずだ。これが経済破壊への道であることを悟るのに、ロケット科学者は不要だ。だがそれが、実際、国連2030の「持続可能」エネルギー目標、あるいはダボスのグレート・リセットなのだ。大規模な人口縮小。我々はゆっくり茹でられているカエルだ。そして今権力側は、本当に強火にしている。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/10/11/the-green-agenda-or-how-this-energy-crisis-is-different-from-all-others/

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 夜の呆導番組で、30分首相独演という記事。おどろかない。さいわいなことに、茶坊主弁護士暴言事件以来、昼の白痴バラエティーだけでなく、夜もテレビを見ていない。見るのは、FORESTAのコーラスと、酒場放浪記程度。パソコンで音楽を聴いている。

 エネルギー問題、物価に跳ね返るだろう。与党のくずどもは原発再稼働と新規建設とさわぐだろう。下記の番組をご覧になっても、与党に投票するのだろうか?

【原発耕論 No17】東京電力刑事事件 控訴審始まる!20211011

2021年10月11日 (月)

Farm to Fork(農場から食卓まで):EUとダボス陰謀団は農業支配をどう計画しているか

2021年9月29日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 「持続可能」という言葉を聞いた時は、常に、しゃれた響きの単語の背後を批判的に見るのが賢明だ。グローバリストのアジェンダ2030に関しては、2030年までの持続可能目標17の一つは「持続的農業」を作りだすことだが、しっかり検討すると、EU農業生産の巨大な部分を破壊し、既に上昇している食物の世界価格を遙かに高くすることがわかる。EU委員会は連中の食物のためのグリーンディールを気の利いた言葉で「農場から食卓まで。」と呼んでいる。それはクラウス・シュワブの偏在する世界経済協議会と連中のグレート・リセットに支持されている。

 国連とダボス世界経済協議会に定義される「持続可能」とは、2050年までに炭素排出ゼロを達成することを意味するのを念頭においていただきたい。だが、CO2が地球温暖化現象を引き起こし、地球を危険にさらしているのを証明する独立した科学的研究はない。疑わしい、たっぷり資金供給された無数のコンピュータ・モデルだけだ。無害なガスは、全ての人間、動物と全て植物の生命に不可欠だ。今欧州連合委員会は、準備不十分なEUグリーンディールの一環として、世界で二番目に重要な食料生産国の中核である農業に、トップダウンの急進的政策を押しつけている。実行される可能性は高いが、実行されれば、農作物生産高の大幅削減、多分、肉タンパク質の深刻な減少と、最も危険なことに、新しい遺伝子編集された農作物、つまりGMO.2を規制する現在のEU法規を撤廃させるだろう。それは世界的な悪影響があるだろう。

Farm to Fork(農場から食卓まで)

 2020年5月、EU委員会は、Farm to Fork(農場から食卓まで)戦略を公表した。ブリュッセル公式説明は食べ物の天国がやって来るように聞こえる。彼らは「(農場から食卓まで)は、食料システムを、妥当で、健全で、環境上好ましくすることを目指し、ヨーロッパのグリーンディールの核心だ。」と述べる。うわーっ、それは素晴らしく聞こえる。

 彼らはそれから本当の狙いにとりかかる。「我々は現在グローバルGHG(温室効果ガス)排出の、ほぼ3分の1を占め、大量の天然資源を消費し、生物の多種多様性の喪失をもたらし、健康に悪影響を与える我々の食料システム構造を変更する必要がある」。これはCO2違反者として農民と我々の食糧生産を悪者にする巧妙な方法だ。解決策?「国民意識の増大と持続可能食品に対する需要と組み合わされる新技術と科学的発見が、全ての関係者に恩恵をもたらすだろう。」一体いかなる新技術が説明されるのだろう。

 選挙で選ばれていないブリュッセル官僚連中は、2050年までに世界的な温室効果ガスの排出の3分の1を削除するため、どのように「我々の食料システム設計を変更する」ことを計画しているのだろう?生産に新しい高価な投資を要求して、農民に倒産を強いることにより、安全性が証明されていないを過激な新しい遺伝操作された特許植物。とりわけ彼らは遺伝子編集された植物栽培に対する現在の事実上の禁止令を撤廃することを計画しているのだ。知らない方々のために申し上げると、それはファイザーとModerna mRNAの遺伝子編集されたワクチンを使っているCRISPRのCOVID-19ワクチンで使われているのと同じ証明されていない危険な技術だ。

 農業・農村開発担当欧州委員ヤヌシ・ヴォイチェホフスキは「農場から食卓まで」グリーンアジェンダについて「新しい農業移行の先駆けとなるため、農民は根本的に生産方法を変え、技術的、デジタル、宇宙ベースの解決策を最大限利用する必要があるだろう。」と言う。連中は急進的転換を計画しているのだ。これは既に不吉に聞こえる。

 2030年までに、殺虫剤なしの有機農法のシェアをEU合計の25%に引き上げると同時に、化学殺虫剤使用を30%減らすのは、事情に詳しくない人々には素晴らしく聞こえる。モンサントやGMO産業の、連中のGMO作物が必要とする殺虫剤を減らすという主張同様、それはウソだ。厳しい現在のEU規則を過激に変更させ、農業への遺伝子編集された動植物の導入を承認させるため、EUはこれを餌として利用しているのだ。彼らの2020年5月の「農場から食卓まで」グリーンディール文書で、EUは、欧州委員会が「食品サプライチェーンでの持続可能性を改善する新しいゲノム技術の可能性を見る研究を行って」いると述べている。これは遺伝子編集、CRISPR/Cas9遺伝子組み替えを意味する。

「新しいゲノム技術」

 今年4月、EU委員会は新しいゲノム技術の研究(NGT)を発表した。NGTは遺伝子編集された植物や動物さえ作り出している。報告は、NGTは「生体のゲノムを変え、ヨーロッパ・グリーンディールと「農場から食卓まで」の目的の一環として、より持続可能な食料システムの要素になる可能性がある技術」だと主張している。報告は、大規模実験とGMO農作物のラベル表示を必要とするGMO農作物承認に厳しいEU法を変えるための「公開討論」を要求している。

 2001年以来、この法律は、規制されないGMOが主要作物が圧倒的なアメリカ合州国と対照的に、EU全体でGMO使用をうまく規制している。2018年、欧州裁判所、EU法廷は、遺伝子編集された作物は、第一世代の遺伝子組み換え生物(GMO)と同じ厳しい規制の適用を受けるべきだと裁定した。報道によれば、ダボス会議とEUの「農場から食卓まで」の鍵は殺虫剤に置き換わることが可能な、遺伝子編集作物による殺虫剤の急激な減少だ。

 EU委員会は、バイエル-モンサントやGMO農業関連産業ロビーの他の連中と共謀して、この裁判所の制限を廃止すべく懸命に活動している。保健衛生・食品安全担当委員ステラ・キリアキデスは「我々が今日発表する研究は、新しいゲノム技術は我々の「農場から食卓まで」の目的に合致して、農業生産の持続可能性を推進できると結論している。」と4月のEU研究について述べた。新しいゲノム技術は遺伝子編集された作物の婉曲表現だ。

 グリーンディール担当のEU副委員長フランス・ティーマーマンスは、遺伝子編集の制限廃止は、殺虫剤の莫大な削減を可能にする魅力があると認め、公然とそれを暗示した。彼は最近のEUグリーン・ウィーク会議で、EUは、農民に精密農業を採用する手段を与え、種子を最適化するため科学的発見を活用することを目指していると述べた。「我々が殺虫剤に対する依存を、いかに制限するかだ。」種子を最適化する精密農業と科学的発見は、規制されない遺伝子編集大規模導入のブリュッセルの言いかえ表現だ。彼は「環境にやさしい農業をするのは、芝をむしゃむしゃ食べて、洞穴に住まなければならないことを意味せず、実現するため最新技術を使う必要がある。」と続けた。それは遺伝子編集CRISPRを意味する。

 平易な言葉に言い換えれば「農場から食卓まで」の核心は、CRISPR遺伝子編集植物や生物のGMOに対する厳しい「予防原則」規則、2018年の欧州司法裁判所裁判所裁定を計画通り破棄することだ。この制限がなければ、バイエル-モンサントのような遺伝子編集企業が、実験的な、証明されていない、遺伝的に変えられた動植物を、我々の食事に、ラベル表示なしで導入することが自由になる。

 このような遺伝子編集が自由な体制は、既に米農務省と規制当局が、CRISPR遺伝子編集された大豆燃料や、茶色くならないキノコ、食物繊維が多い小麦、生産量の多いトマトや、除草剤耐性キャノーラや、成長する際に土壌汚染を吸収しない米を認めているアメリカがそうだ。魚や動物の遺伝子編集するアメリカ・プロジェクトには、CRISPRを使った雄の子牛しか生まれない牛や、去勢不要な豚や、角がない乳牛や、筋肉細胞が多いナマズなど、怪しいものがある。よだれが出るではないか。

 CRISPRの危険は巨大だが、見返りはそうではない

 遺伝子編集農作物や動物に対するEU規則を撤廃するための主要ロビー活動圧力は、シンジェンタや、BASFや、DowDupontのコルテバを含むバイエル-モンサントや他のGMO農業関連巨大産業から来る。2020年11月のバイエル未来農業会議で、バイエル・クロップサイエンス社長のリアム・コンドンは、EUのGMO規制を遺伝子編集を許すように変えるためバイエルは「非常に強力に」ロビー活動していると述べた。コンドンは言った。「[我々は]規則が技術に追いつき、この技術が、ヨーロッパ人の利益のためのみならず、規則でヨーロッパを見習っている世界中の人々の利益のために使われるのを可能にするよう非常に強く推進している」。コンドンは遺伝子編集とCRISPR技術を、農業が一層持続可能になるのを可能にする「驚くべき飛躍的発明」と呼んでいる。彼が省略していたのは、遺伝子編集農作物に対する規制緩和で、バイエル-モンサントや他の主要GMO企業が、連中の特許取得済み「持続可能」種子に対し、農民に請求するのが可能になることだ。

 植物や動物の遺伝子編集は、主張の通り全く安全というわけではない。技術は決して精密でも制御されてもおらず、遺伝子編集された生体のゲノム中に、意図しない遺伝子改変や、他の種の外来DNAや、全くの外来遺伝子を不慮に添加するなどの結果をしばしば生じる。

 これはまだ新しい実験的技術なのだ。バイエル-モンサントのような提唱者は、植物の遺伝子編集は正確だと主張する。それでも研究では、証明済みからはほど遠いことが分かっている。バイオサイエンス・リソース・プロジェクトのアリソン・K・ウィルソン博士は「植物の遺伝子編集手法は、UT(意図せざる形質、つまり遺伝子損傷)を起こしやすく、動植物の両方で、遺伝子編集自身、標的にした場所や、その近くで思いがけない突然変異を生じさせかねない新たな証拠を発見している。これらには、ベクターや、バクテリアや他の余計なDNAの挿入や、意図しない大規模DNA削除や再配列がある。」

 これらは無視できる些細な欠陥ではない。「植物の遺伝子編集結果は不正確で、予想できず、使われる技術の組み合わせによっては、遺伝子編集は大いに突然変異誘発性であり得る。理論上、いつかは、広範な持続的農業の要求を満たす遺伝子組み換え作物を作ることが可能かもしれないが、実際はそうしたことは、ほとんど起きそうもないように思われる。」とウィルソンが結論を出している。

 Global AgメディアによるEUの「農場から食卓まで」分析によれば「これら戦略の影響は、EUの生産能力と農民収入の未曾有の縮小だ。全ての部門が5%から15%の生産減少を示しており、家畜部門が最も深刻な影響を受ける。シナリオが何であるにせよ、農民収入に対しては悪影響で、生産価格は約10%の純増を示している。「EU農民組合Copa-Cogecaは、この政策は農業能力の未曾有の減少をもたらすと警告している。だがそれが「持続的農業」の本当の狙いなのだ。

 ダボスとEUの「農場から食卓まで」

 過激なEUの「農場から食卓まで」グリーンアジェンダは、既に2014年に「イネーブリング・トレード「農場から食卓まで」と呼ぶものを推進したダボス世界経済協議会が同じ意見だった。2018年1月のWEF報告書は「CRISPR-Casのような遺伝子編集技術は、作物の耐乾燥性や栄養含有量を改善しながら、生産性を大きく変革する様々な特徴の改良を達成する方法を提供可能だ。」と述べている。これはWEFの"Food Security and Agriculture Initiatives" とグレート・リセットの一環として、マッキンゼー・アンド・カンパニーと共同で行われた。WEF Forumパートナーには、バイエル、シンジェンタ、BASFがいる。WEFウェブサイトによれば「2020年1月のダボス年次会合で、世界経済協議会はヨーロッパのグリーンディールを、いかに促進すべきか模索するため、フランス・ティーマーマンスEU副委員長と産業・企業幹部を集めた」。シンジェンタやBASF社長と同様バイエルのリアム・コンドンもそこにいた

 もしEU農業部門が遺伝子編集GMO体制に組み込まれ、その結果、生産が急激に減少すれば、世界中で、常により大きな食糧不足を促進するだろう。これはCOVID-19による優生学グレート・リセット計画と並ぶダボスの計画だ。「農場から食卓まで」と呼べば無害に聞こえる。明らかにそうではない。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/09/29/farm-to-fork-how-the-eu-and-the-davos-cabal-plan-to-control-agriculture/

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 望月衣塑子記者の新刊『報道現場』 (角川新書)を、とんでもない日本社会に怒りながら拝読中。

 せやろがいおじさんの下記番組も拝見した。

「ウィシュマさんのビデオを見た指宿昭一さんから話を聞いた」 コネラジ 第244回 特別ゲスト 弁護士・指宿昭一 さん

 下記を拝聴して、アフガニスタンに、かつて、なぜソ連寄り政権ができたか知った。

 Choose Life Project

シリーズ【#911から20年】特別インタビュー Vol.3 国際政治・高橋和夫名誉教授

2021年9月12日 (日)

バイデンは今やサウジアラビアを失ったのだろうか?

2021年9月6日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 アフガニスタンからの不名誉なアメリカ撤退は、1945年以後の精巧な世界支配という「アメリカの世紀」体制を破壊し、この権力の空白は、おそらく逆転不能な結果をもたらす。すぐに思いつく好例は、彼は自身は明らかに政策をたてていないので、バイデンのワシントン戦略家連中が、何とかして、最大の武器購入国で、この地域の戦略同盟者サウジアラビア王国の支持を失うのに成功したか否かだ。一月下旬のバイデン就任式初日から、アメリカ政策は、サウジアラビア君主国家を、外交政策の劇的移行を推進するよう追いやりつつある。長期的帰結は巨大なものになりかねない。

 就任した最初の週、バイデン政権は、アメリカ・サウジアラビア関係の劇的な変化を示した。トランプ武器取り引きを再検討し、王国への兵器販売凍結を発表したのだ。トランプ政権は、そうするのを拒否していたのだが、更に、二月下旬、2018年10月、イスタンブールで、サウジアラビア人ワシントン・ポスト・ジャーナリスト、アドナン・カショギ殺害のかどで、サウジアラビア政府を非難する報告をアメリカ諜報機関が公表した。それは、アメリカのテロリスト・リストから、反サウジアラビアのイエメン・フーシ派指導部をワシントンが外し、イランが支援するフーシ派軍とのイエメン戦争で、サウジアラビアへの米軍支援を終わらせたことと相まって、フーシ派を鼓舞し、サウジアラビアの標的をミサイルと無人飛行機で攻撃を推進させた。

 911後の国防総省政策

 サウジアラビア皇太子ムハンマド・ビン・サルマーンは、これまでのところ、ワシントンとの決裂を回避するよう気を使ってはいるが、一月のバイデン政権方針変更以来、彼の動きは本格的だ。その中心は、かつての大敵イランと新大統領との一連の秘密交渉だ。四月に、リヤドとテヘラン間での可能な和睦を探究する協議がバグダッドで始まった。

 これまで20年間、ワシントンの地政学戦略は、2001年9月11日以降、チェイニーとラムズフェルドが最初に奉じ、時にジョージ・W・ブッシュ政権により「Greater Middle East 大中東」と呼ばれる教義の一環として、対立をかき立てて、中東全体を混乱に陥れることだった。それは911後、故ラムズフェルドの国防総省長官府の戦力変革局(Office of Force Transformation)アーサー・セブロウスキー海軍中将が立案したものだ。挑発されてもいないのに一方的なアメリカによるイラク侵略直後、セブロウスキーの補佐トーマス・バーネットは、2004年の著書、The Pentagon's new map : War and Peace in the Twenty-first Century(訳書『戦争はなぜ必要か』)で、新たな意図的混乱戦略を説明した。未だに誰もサダムの大量虐殺兵器の証拠を発見していないことを想起願いたい。

 バーネットは米海軍大学教授で、後にイスラエルのコンサルタント会社Wikistratの戦略家になった。彼が述べた通り、アフガニスタンを含め、第一次世界大戦後ヨーロッパ諸国が描いた、オスマントルコ後の中東の全国境を取り払い、何十年も、それを制御すべく「強力な」アメリカ軍事駐留を必要とする混乱と不安定を確保するため、スンニ派やクルド人、シーア派や他の民族や宗教組織に分裂させるのだ。そこで、アフガニスタンやイラクや更にそれ以外への場所で、アメリカによる悲惨な二十年の占領になった。それは意図的な混乱だった。2006年、コンドリーザ・ライス国務長官は、新中東としても知られる大中東が「建設的な混乱」を通して実現されると述べた。サウジアラビアや地域の他の国々による強烈な反対のため、名前こそ葬られたが、混乱戦略はそのまま残っている。

 2010年12月に、CIAとクリントン国務省に開始された、オバマの「アラブの春」カラー革命で、ムスリム同胞団とアメリカが支援するネットワークで、チュニジアとエジプトとリビアを不安定化したのは、混乱と不安定化というアメリカ新政策の更なる実施だった。更に、アメリカ代理によるシリア侵略が続き、2012年、アリ・アブドラ・サレハイエメン大統領に対する密かにアメリカが支援するフーシ派革命のイエメンもそうだ。

 進行中のテヘランとリヤドの対立は、セブロウスキー-バーネット国防総省-CIA戦略が根源だ。それは、2016年のムスリム同胞団支持派のカタールと、反同胞団のリヤド間の分裂を引き起こし、その後カタールは、イランとトルコの支持を求めた。それはイランによ支援された軍隊対、サウジアラビアに支援された軍隊間のシリアにおける激烈な代理戦争をもたらした。それはイエメンで、サウジアラビアと、それに対するテヘランの代理戦争と、レバノンの政治的こう着状態をもたらした。今MbS下のサウジアラビア政権は、イランを含め、敵との平和を追求することで、イスラム世界支配のため、シーア派-スンニ派戦争からの大転換を始めているように思われる。

 テヘランは重要だ

 トランプ政権下、オバマ下での「包括的共同行動計画(JCPOA)」核合意という外見上、サウジアラビアとイスラエルには不利で、明白なアメリカのイランの支持から、トランプ-クシュナーによる一方的なサウジアラビアとイスラエル支持、JCPOA脱退と、テヘランへの過酷な経済封鎖の押し付けや、最後に、テヘランを標的に定めた準備不十分なアブラハム協定で具現化された他のものへと政策は変化した。

 MbSとサウジアラビアは、ワシントンからの災いの前兆を、しっかり読みとり、アメリカが筋書きを書いて、サウジアラビアを行き詰まりに導いた複数の紛争地域を沈静させようとしている。トランプ下、ワシントンは紛争を煽るため、膨大な兵器をMbSに買わせていた(サウジアラビアのオイル・ダラーで支払われた)。それはサウジアラビアにとって大惨事だった。今や、バイデン政権も、彼らにとって何の役にも立たないことが明らかになり、MbSとサウジアラビアは、イスラム世界における全ての紛争を終わらせるべく、戦略的転換を始めている。全ての鍵はイランだ。

 舞台裏の協議

 四月、サウジアラビアは、イランと彼らの関係を安定させるための三つの舞台裏の二国間交渉の最初のものを、イラク、それからオマーンで始めた。2003年以来、イラクに対するアメリカ政策が、多数派のシーア派を、30%少数派のスンニ派と戦わせ、内戦に至る混乱を引き起こすことだったので、バグダッドは、そのよう平和に大いに関心がある。七月、アル=カーズィミー首相は、年末までにアメリカ軍駐留を終わらせるというバイデンの誓約を確保した。

 テヘラン-リヤド舞台裏協議では、バイデン国防総省政策下のワシントンに対するイランの姿勢や、シリアやイエメンとレバノンで軍事的存在を減少させるイランの意志が表明されていると報じられている。2015年核合意への復帰についてのアメリカとイラン間の間接的対話は六月のイラン選挙後停止された。イランはウラン濃縮強化も発表した。

 サウジアラビア・イラン協議には、サウジアラビア諜報機関、総合情報庁のハリド・アル・フマイダン長官やイラン最高国家安全保障会議のサイード・イラバニ副事務局長を含め双方の高官が参加した。レバノンとシリアでのヒズボラのような集団や、イエメンのフーシ派のへの派兵や支援物資の経費に対するイラン国内で進行中の抗議は増大していると報じられている。これは、アメリカ制裁によってひき起こされる経済的苦難がひどい時期に、テヘランがリヤドと最終的に和睦で妥協する強い誘因となっている。もし和睦が実現すれば、この地域におけるアメリカの混乱戦略にとっては大打撃だ。

 まだ何ら合意に至ってはいないが、新たに選出されたイランのエブラーヒーム・ライースィー大統領政府が、マジリス、つまり議会に承認され次第、妥協する意思を示す四回目の交渉が発表された。合意は容易ではないだろうが、現状は双方にとって不利な状況であることを悟っている。

 同時にライースィー下のイランはバイデン交渉者に強気な態度をとっている。イランの最高指導者アリーハーメネイーは、バイデン政権がイランに対する全ての制裁を撤廃し、彼らがもたらした損害に対して、支払いをし、短期間内に、イランを核開発能力と意志を持つ核敷居国として認めるようを要求していると報じられている。石油収入が下落したため、2018年に課されたアメリカ制裁は、食品価格の年間250%の上昇と、通貨暴落をもたらした。今日までバイデンのワシントンは、JCPOA協議再開の前提条件としての制裁撤廃を拒否しているが、ライースィーは、これを変えるべく巨大な国内圧力下にある。

 テヘランにとって、疑問は、サウジアラビアに率いられるアラブ・スンニ派湾岸諸国との和睦を信頼した方が良いのか、約束を破る実績が、カーブルからの悲惨な撤退によって強調されているワシントンに頼るほうが良いのかだ。

 最近テヘランは、アフガンのタリバンとの関係を改善し、タリバンが奪取したアフガニスタンのアメリカ軍装備品が、イランで見られると報じられており、ワシントンに更に不利に働く、イラン-アフガンの密接な協力を示唆している。同時にイランは、中国と、25年、4000億ドルの戦略的経済協力に合意した。だが、これまでのところ、北京はどうやら、どんな大きな型でも、アメリカ制裁に挑戦せぬよう慎重で、サウジアラビア、湾岸アラブ諸国や、イスラエルとの、より親密な結びつきを追求している。サウジアラビアとイランとの和睦は、イランに対する圧力を更に和らげるだろう。

 アフガニスタンにおけるアメリカの存在の劇的崩壊は、誰がアメリカ大統領であろうと、舞台裏のアメリカの体制権力は破壊政策を追求しており、もはや彼らの支援の約束が、本当だと頼れないるという明確な考えを、あらゆる当事者に与えている。

 本物のサウジアラビア・イラン和解の帰結的影響は、地政学的な意味で、大規模な転換のはずだ。イエメン戦争とシリアの代理戦争を終わらせることに加えて、レバノンで、イランに支援されるヒズボラと、そこにおけるサウジアラビア主要権益間の破壊的こう着状態を終わらせることも可能だ。ここで、最近のリヤドとモスクワ間の武器商談が一層興味深いものとなる。

 ロシアの極めて重要な役割

 対立する利害関係の地政学カクテルの中で、ロシアの役割は戦略的となる。ロシアは、スンニ派-シーア派代理戦争を終わらせ、全ユーラシアから中東まで、安定を生み出し、ワシントンのセブロウスキー-バーネットの意図的不安定と混乱戦略に直接挑戦することを狙う主要軍事大国だ。

 今年4月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と企業幹部代表団が、12年で初めて、プーチンによるまれなリヤド訪問をした。それはエネルギー・パートナーシップ会議として宣伝されたが、明らかに、それ以上のものだった。石油、宇宙や衛星航行、医療、鉱物資源、観光事業や航空を含む商談は、20億ドルの価値だと報じられた。両国は重要なステップとして、石油価格安定させるため協力することに同意した。プーチンとMbSは、石油と天然ガスが今後何年間も主要な役割を演じ続けると強調したが、これは、ダボスのグレート・リセット環境重視の取り組みへの平手打ちだ。ロシアのRDIF政府投資ファンドも、リヤドに最初の海外事務所を開設した。

 それだけで興味深いが、四カ月後、ロシアのモスクワ近郊での年次国際軍事技術フォーラム(アルミヤ2021)へのサウジアラビア副国防大臣カリッド・ビン・サルマン殿下訪問が続き、アメリカ-サウジアラビア関係を、バイデンが、国務省の表現では、それが何を意味するにせよ「再調整」している時に、増大するサウジアラビア-ロシアの結びつきに新たな重要性を与える。カリッドは「私は二国間の共同軍事協力を進展させることを目指す王国とロシア連邦間の合意で、アレクサンドル・フォーミーン防衛次官と署名した。」とTwitterで書いた。彼はこう付け加えている。「軍と防衛協力を強化する方法を探るためロシアのセルゲイ・ショング防衛大臣と会い、この地域で安定性と安全を維持する我々の共通の取り組みを論じた」。注目すべきことに、ロシアはこれまで数年間イランと合同軍事演習を行っており、サウジアラビアとイラン緊張緩和を促進するのに相応しい。

 モスクワ協議は、国防総省とバイデン政権が、8台のパトリオットミサイル迎撃システムをサウジアラビア、ヨルダン、クウェートとイラクから撤去し、サウジアラビア王国から終末段階高高度地域防衛システム(THAAD)を撤去し、この地域から、アメリカ軍撤退を加速するという、サウジアラビアの保護者としてのワシントンに対する信頼を決して高めない動きの発表から、ほんの数週間後に行われた。世界最高の対ミサイル防衛技術S-400防空システムは、たまたまロシア製で、広範囲な一連の他の軍装備品もそうだ。

 サウジアラビアによるこれら全ての動きは、明らかに、一晩でワシントンから絶交することを意味しない。だが明らかなのは、サウジアラビア君主国家が、特にバイデンが、アフガニスタンを突然タリバンに向けて放棄した後、1970年のオイル・ショック以来享受していたアメリカ安全保障の傘に対する継続的依存は、消えつつある錯覚だと悟ったのだ。MbSは明らかに、トランプ、バイデン両者に、いいように扱われたのを悟ったのだ。中東とユーラシアの地政学的地殻構造は動きつつあり、帰結的影響は驚異的だ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/09/06/has-biden-now-lost-saudi-arabia/

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 首相を呼びつけても日本は決して手放さない。

 昨日、下記IWJ再配信を拝見した。2010年の配信も拝見した記憶がある。拝聴しながら、ウイシュマさんやアサンジ氏を想起した。

【同時多発テロから20年。「対テロ戦争」の欺瞞を告発する シリーズ特集 5】本日午後7時から、2010年8月収録「岩上安身によるインタビュー第39回 ゲスト 山崎淑子氏」再配信!

 日刊IWJ

日刊IWJガイド・日曜版「菅総理はコロナ禍を『済んだこと』のように語りますが、まだ10万人以上が自宅療養中! IWJは油断せず新たなインタビューを予定!」2021.9.12号~No.3286号

 今日は下記の配信を拝聴予定。

<本日の撮りおろし初配信>本日午後5時から9月9日収録「アフガニスタンに取り残され、パキスタン国境近くに集まる邦人関係者に『命のビザを!』福島瑞穂・社民党党首が外務省担当者に迫る!~9.9第31回 難民問題に関する議員懇談会 総会」をフルオープンで撮りおろし初配信します!

 上氏のような、まともなご意見の持ち主をテレビは決して登場させない。

 西谷文和路上のラジオ Vol.65 上昌広先生「感染症ムラの闇を暴く!」

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