William Engdahl

2017年5月 8日 (月)

一路一帯という鶏小屋の番人に、かなりのキツネを雇った北京

2017年4月30日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

中国政府の新聞、環球時報が、香港に本拠を置くフロンティア・サービシズ・グループ(FSG)社が、中国北西部の新疆ウイグル自治区と、中国南西部の雲南省の二カ所に事業基地を構築すると公表した。新疆と雲南省は、中国の壮大な一帯一路の高速鉄道、港と、エネルギー・パイプライン・インフラ開発事業の核心、地理的要だ。北京がこの警備会社FSGと関係する上で、注目に値するのは同社の会長だ。

フロンティア・サービシズ・グループの会長で主要執行役員は、世界で最も悪名高い傭兵、今や存在していないブラックウオーター・セキュリティー創設者エリック・プリンスだ。ロンドン フィナンシャル・タイムズのインタビューで、プリンスは、最近中国との彼の事業について、こう述べた。“我々は中国の外交政策目標のために働くのではなく、貿易拡大を支援している。”彼は更にこう語った。“隣国諸国との中国貿易とインフラ構築は恩恵だけをもたらす。我々は中国の外交政策目標の為に働いているのではなく、我々は貿易増大を支援する。”プリンスは、更にこう主張した。“これは中国版ブラックウオーターではない。FSG は物流会社だ。我々は警備会社ではない。我が社の誰も武装しておらず、武装する予定もない。だが警備業務は、確かに物流過程の一部だ。”

警備業務は護衛の婉曲表現だ。プリンスの社員は、決して火器を必要としないジェイソン・ステイサムのような武道の技を習得しているのかも知れない。あるいは、彼はうそつきなのかも知れない。いずれにせよ、中国が、元ネービー・シールで、CIA協力者で、悪名高いブラックウオーターの共同創設者エリック・プリンスを、戦略的な新経済シルク・ロードの守護者にしたというのは大きな出来事だ。

CITIC

中国との関係は、決して最小限でも情報不足でもなさそうだ。FSGの最大投資家は、中華人民共和国が所有し支配する投資ファンドCITICだ。CITICは、フロンティア・サービシズ・グループの20%を所有している。CITICは、2013年、プリンスが彼のアフリカ警備会社の投資家を探しに香港にやってきた際、初めてエリック・プリンスに会ったとされている。取締役会長のプリンスの他に、FSGの取締役には華東一、CITICの子会社とつながりのある、Acting CEO。華東一の北京の事務所として、CITICタワーがあげられている。高振順は、フロンティア・サービシズ・グループ副会長だ。二人は北京を本拠とする中国人だ。

中国は、ナイジェリアなどのアフリカの紛争地域や、中国が大規模投資をしている南スーダンで、アルカイダとつながるボコ・ハラムに対して、石油とガス・パイプライン企業を守る彼の警備業務ゆえに、プリンスに最初に注目したもののようだ。3月21日の中国国営の環球時報紙インタビューで、プリンスは、FSGが、同社が“事業基地”と呼ぶものを二つ建設するべく雇われたと発表した。“2016年末、FSGは地理的な対象を、アフリカだけから、一帯一路構想の北西と南西回廊をも含むよう拡大した”と彼は述べた。エリック・プリンスが、中国の一帯一路プロジェクトの中核、崩壊しつつあるNATOの大西洋世界の代替となるのが確実なプロジェクトを警備する責任を負うのだ。

プリンスは、環球時報のインタビューで、“北西回廊には、カザフスタン、ウズベキスタン、パキスタン、アフガニスタンなどの国々があり、南西回廊には、ミャンマー、タイ、ラオスとカンボジアなどの国々がある”と述べ、“中国の雲南省で計画されている新施設のおかげで、FSGは、南西回廊の企業にもより良いサービス提供が可能になるだろう。続いて、FSGは、北西回廊内の企業のため、新疆に訓練施設を開設予定だ。

中国北西の新疆ウイグル自治区のFSG基地は、CIAがけしかけているウイグル・テロ活動の中心部に置かれる予定だ。新疆は、新疆ウイグル人イスラム教徒の中で活動的な、CIAがfostered アルカイダの東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)の本拠地だ。新疆自体、カザフスタン、ロシアや他から、更には中国内の油田から、中国への大半の石油とガスの主要国際パイプラインの十字路だ。二つ目の“事業基地”は南西中国雲南省に置かれる予定で、ミャンマーの石油とガス・パイプラインや、インド洋への深水港、巨大な一路、建設中の高速鉄道インフラシンガポールと、全東南アジアに至る一路全体の十字路となる昆明は戦略的ハブだ。

金のための参入か?

エリック・プリンスは“中国版ブラックウオーター”を構築するつもりはなく、単に、中国の壮大な貿易プロジェクトに、企業警備や他のサービスを提供すべく、中国と事業をしているのだと主張している。FSG警備担当者は全員非武装だと彼は主張している。

中国国営の環球時報は、エリック・プリンスの民間警備会社を雇うことを擁護している中国人専門家、復旦大学アメリカ研究センター所長呉心伯にインタビューしており、彼は環球時報に“一帯一路構想をうまく実施するには、中国海外企業の警備業務は強化されるべきだ。中国はアメリカ民間企業から経験を得ることが望ましい” 中華人民共和国公安部の実働部隊、中安保実業集団有限公司の国際事務部総監の黎江向はこう述べている。

“中国企業は海外での警備サービスが是非とも必要だ。中国の警備サービス会社には、高度な経営理論が欠けている。”

民間傭兵による殺人における高度な“経営理論”は、確かにエリック・プリンスのおはこだ 。イラク戦争中、ブラックウオーター・セキュリティーはCIAに雇われ、契約金額は、6億ドルを越えていた。ブラックウオーター共同創設者は、ブラックウオーター・アメリカ副社長、ブラックウオーター・セキュリティー社社長になった元CIA職員のジェイミー・スミスだ。2006年から2009年まで、ブラックウオーター副会長だったコファー・ブラックは、元CIA対テロセンター所長だった。要するに、プリンスの事業は、秘密工作に対する制限を受けるアメリカ政府の制限がない民間CIAなのだ。

2007年9月、ブラックウオーター社員が、バグダッドの混雑する広場で発砲し、子供を含む17人のイラク一般市民を殺害し、更に20人に重傷を負わせたニスール広場虐殺で、ブラックウオーターは悪名をとどろかせた。アメリカの裁判所で三人の警備員が、14人の過失致死で、もう一人が殺人で有罪判決を受けた。その後、2010年に彼は会社を売り、アカデミという名前で再編成した。2010年、プリンスの会社は、CIAの仕事で、更に1億ドル受け取った。2009年、彼がテロリスト殺害を委託されたCIAタスク・フォースの一員であることが明らかにされた。彼はバージニア州ラングレーのCIA本部を警備するよう雇われてさえいた。

トランプとのつながり

エリック・プリンスのドナルド・トランプ政権とのつながりも注目に値する。プリンスは、トランプと個人的な知り合いで、トランプの選挙に100,000ドル以上寄付した。彼の姉、AmWay一家の億万長者ベッツィ・デヴォスはトランプ政権の教育長官だ。さらに重要なことに、プリンスは、トランプ政権のホワイト・ハウス首席戦略官スティーブン・バノンの親友でもある。ある元アメリカ高官によれば、プリンスは、1月20日以前に、トランプ移行チームに、“国防長官と国務長官候補者評価を含む”諜報と国防に関する問題で助言までしていた。バノンに加え、エリック・プリンスは、上院での50-50票で、プリンスの姉、ベッツィ・デヴォスが教育長官になるのを可能にした決定票を投じたマイク・ペンス副大統領の親しい友人だ。プリンスは、トランプの選挙と、イギリスBrexitの主要投資家である、投資運用会社ルネッサンス・テクノロジーズのヘッジ・ファンド業億万長者ロバート・マーサーとも親しい。

中国の一帯一路という極めて重要な動脈を警備するのにエリック・プリンスを雇うのに、北京当局が二つの利点を考えている可能性があり、その可能性は高い。一つは、エリック・プリンスが、テロを受けやすい地域における企業警備の世界的専門家の一人だという確実な事実だ。彼は中国の警備会社がおそらく良く知らないテクニックを知っている。二つ目の理由は、強烈な反中国の話題で選挙運動を展開したトランプ政権とのエリック・プリンスの緊密なつながりから、トランプ人脈と直接のつながりがあるプリンスを北京が“友人”にすれば、ワシントンとのより良い関係を仲介してもらえようと期待したのかも知れない。

もしそうであれば、中国当局は、こうした無理からぬ狙いを追求する中、一帯一路と言う名の鶏小屋警備に、狡猾で非常に危険なキツネを認めたのを見直ことになるかも知れない。“元”CIA工作員で、世界でも一流の傭兵、エリック・プリンスが、今やワシントンに、中国の新経済シルク・ロードの進展に関する最も詳細な諜報情報を提供できる立場にあるのだ。倫理に反したいと彼が思いさえすれば、CIAテロリスト・ハンドラーに、将来の破壊工作や、新シルク・ロード・プロジェクト崩壊の為、ISISやアルカイダなどの集団の的確な標的を彼は容易に提供できるのだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、本記事は、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/04/30/beijing-hires-princely-fox-to-guard-their-obor-henhouse/
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英語原文では、Princely Fox。本名のPrinceとの語呂合わせだろう。
大本営広報部がこぞって「中道派」とよぶ、ネオリベラ・ネオコン、フランスで、当選。
この記事題名の都市を入れ換えればそのまま?

2017年5月 3日 (水)

あちこちでのアメリカ戦闘の背後にある、さほど壮大ではない戦略

2017年4月26日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

1月20日に、トランプ・プロジェクトが政権を握って以来、ワシントンによる世界中での戦争はかなり狂ってきている。疑問は、トランプ政権による世界中での劇的な軍事攻撃エスカレーションの背後に、一体本当の戦略があるのか否かだ。これは私の考えでは、決して世界平和のためにはならず、アメリカ合州国のために、世界のためにもならない。

まず、大統領の座についてわずか数週間後、新大統領は、海軍特殊部隊に、イエメン内戦での違法攻撃を承認し、イエメンで、CIAのアフガニスタン・ムジャヒディン分派の一つのテロ組織アルカイダを攻撃するための介入とされるもので、攻撃時に、シールズ隊員一名が死亡し、四人が負傷した。次が、4月7日のシリアの偽旗サリン爆弾という主張で、独立した国際的検証も無しに、シリアの正統な政府の主要空軍基地を破壊するため、アメリカ海軍が59発のアメリカ・トマホーク・ミサイルを発射する口実としてワシントンに利用された。亡くなったり、苦しんだりしている子供たちが映っているほとんどでっち上げのビデオと、不安なほど影響力のある娘イヴァンカ・トランプの嫌悪とされるものが口実にされた。

アメリカも調印国である国連憲章によれば、違法な行為である、ワシントンがシリア国内で行ったシリア攻撃後、世界がそれを吟味する暇もなく、4月13日には、アフガニスタンに対し、同様に違法な爆弾攻撃を行い、カルザイ元大統領によれば、無辜の一般市民が死亡したという。一見やぶからぼうに、トランプ大統領が、臆病のスラング表現、プッシー(弱虫)だと世界が考えないようにするための妙案として、アメリカ大統領は、MOABと呼ばれる、GBU-43/B 大規模爆風爆弾兵器、軍の言い方で「あらゆる爆弾の母」アメリカ兵器庫中最大の非核兵器爆弾の投下を承認し、洞窟内のISISテロリスト90人を殺害したとされるが、形勢を一変させるものとは程遠い。

更に、4月14日には、アフリカ司令部(AFRICOM)が、アメリカ第101空挺師団の兵士を、ハリウッド映画『ブラックホーク・ダウン』で映画化された不運な1993年のモガディシュの戦闘以来初めて、石油が豊富で地政学的に戦略的なアフリカの角にある国家ソマリアにアメリカ“現地部隊”を派兵するとワシントンが発表した。ソマリア覇権の口実はサウジアラビアが資金提供するアル・シャバーブ・ワッハーブ主義テロ組織を根絶することだ。

現在、アメリカ大統領は、北朝鮮と、精神的に不安定な33歳の-独裁者、金正恩を理由にした、彼のミサイルによる威嚇を口実に、武力での威嚇として、第七艦隊の艦船を朝鮮半島付近に配備し、もし中国が隣のならずものを“コントロール”できない場合には、アメリカによる通常兵器での対北朝鮮先制攻撃をするとツィートで脅している。

ハートランド地政学の基本

アメリカによる威嚇行動や、そう見えるこれらの気がかりな出来事は、決して思いつきではない。全て1945年以来、アメリカ基本的地政学戦略の核心だ。トランプ・プロジェクトなるものをワシントンに送り込むというアメリカの族長連中による決定を含め、全てが、さほど壮大とは言えないでイギリス-アメリカ世界支配戦略の一環だ。アメリカが引き起こした2008年世界金融危機以来の、益々攻撃的で、経済的に耐えがたいワシントンの政策に対して、中国、ロシアやユーラシアの大半やBRICS諸国を含む多くの他の国々は、彼らの経済的な安定性を破壊しつつあるアメリカ・ドル体制の代替策の創出を本気で開始している。

ロシアとEU、特にドイツとドイツ産業の間に巨大なくさびを打ち込むことを狙った、2014年2月のウクライナにおける露骨なアメリカ・クーデターへの対応として、ロシアは東方を向き始め、特に中国との経済・軍事協力を深めている。

中国国家主席習近平は、ロシアとロシアが率いるユーラシア経済連合-ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニアとキルギスタンという五カ国の新興経済同盟、人口1億8300人、国内総生産4兆ドル以上の単一市場を、中国の超巨大一帯一路 (OBOR)港湾と高速鉄道インフラ・プロジェクトに参加するよう招くという対応をした。現在、中国のOBORは、ユーラシア全大陸に広がり、更に、西ヨーロッパやイラン、可能性としては他のペルシャ湾産油諸国、更にエジプトや、おそらくトルコまでにわたる。この何兆ドルの経済ネットワークが、世界の経済的重心を、ユーラシアへと移しつつある。更に、彼らは、中国とロシアが両国の中央銀行金準備を積み上げて、金に裏付けられた国家通貨という形で、ドルに対するもっともな代替策も作り出しつつある。

オバマ大統領の下、アメリカと、その族長たちや、ロックフェラーの顧問ヘンリー・キッシンジャーのような連中の地政学戦略家は、彼らがあらゆるものを失い、世界覇権を失う危機にあることを認識していた。2003年以来の、石油とガスが豊富な中東における大失敗のアメリカ戦争  特にアメリカが訓練したISISやヌスラ戦線テロリストに対するバッシャール・アル・アサドの軍事支援要求をロシアが大胆にも受け入れたことが、アメリカ・グローバル権力と影響力のたそがれが、のアメリカによる世界の石油とガス支配追求を深刻に動揺させている様子を示している。ワシントンは、故毛沢東が言った“張り子の虎”という言葉通りだと見なされ初めている。

小さな元アメリカ植民地、フィリピンの大統領ロドリゴ・ドゥテルテさえ、様々な形でワシントンにあからさまに逆らい、2016年末までに、中国とロシアとの同盟は、ワシントンから“離脱”を交渉している。ユーラシアの地政学的支配という見地から、もう一つの重要な国トルコも、特にCIAの手駒フェトフッラー・ギュレンのトルコ・ネットワークを利用した2016年7月のCIAクーデターの企み失敗後、アメリカ軌道を離脱して、ロシアとの和解に向かいつつある。EU各国は、ワシントンが命じたロシア連邦に対する経済制裁に益々うんざりしている。

ハートランドを支配するものは…

トランプ大統領最初の日々における様々な軍事行動とつながる戦略を理解するには、ほぼ一世紀前、第一次世界大戦後のドイツ敗北に続いて行われたヴェルサイユ“和平”交渉時に、イギリス地政学の巨匠、ハルフォード・マッキンダー卿が策定したイギリス-アメリカ地政学の基本原理を理解することが必要だ。

1919年の著書『デモクラシーの理想と現実』で、マッキンダーは、三つの短い文でイギリスと1945年以降のアメリカ外交政策の本質を明らかにしている。マッキンダーはこう書いていた。

    東ヨーロッパを支配するものがハートランドを支配し

    ハートランドを支配するものがワールド・アイランドを支配し

    ワールド・アイランドを支配するものが世界を支配する。

マッキンダーにとって、ハートランドは、ロシアと中国と周辺諸国というユーラシアの広大な地域だ。東ヨーロッパは、ドイツ、ポーランド、フランス、ハンガリー、チェコスロバキア、オーストリアを含んでいる。ワールド・アイランドというのはヨーロッパ大陸から、全ユーラシア、更には、下方の石油の豊富な中東という広大な地域だ。

マッキンダーが亡くなる前の最後の地政学的エッセイは、ロンドンの王立国際問題研究所 RIIA、別名チャタム・ハウスの姉妹外交政策シンクタンク、ロックフェラーが支配する外交問題評議会に招請されたものだった。CFRの『フォーリン・アフェアーズ』1943年7月号が“Round World and Winning of the Peace”と題するエッセイを発表した。エッセイで、アメリカ合州国が、世界覇権国として、イギリス帝国に取って代わると予測しており、マッキンダーは、ユーラシアをまたぐロシア- ソ連と、中国両国、そして可能性としてインドを、巨大なユーラシアのランド・パワーとして出現することを予想していた。マッキンダーはまた、数年後に、NATO、北大西洋条約機構となる、大西洋両岸のイギリス-アメリカ両国の勃興も予見していた。ヘンリー・キッシンジャーもズビグニュー・ブレジンスキーも、ハートランドを主張するマッキンダー・イギリス地政学信奉者だ。現在のトランプ軍事と外交政策は、私が他でも書いてきた通り、戦術の変化であって、決してユーラシアを地政学的に支配するというアメリカの基本大戦略の変化ではない。

当初、トランプの計画は、経済制裁で弱体化したロシアを、シリア支援と、イランと中国との事実上の協力を放棄するよう説得する狙いで、“二つの根本的に地政学上のユーラシアの敵国でも、弱い方”、プーチンのロシア連邦に言い寄ることだった。それが成功していれば、選択肢として、ユーラシア制覇の“王手詰み”になっていただろう。

私が以前に書いた通り、ロシア指導部が何であれ、イギリス-アメリカ地政学の基本という点では決して愚かではない。11月以降の初期の時期に、ロシアには、曖昧な約束と引き換えに、“アサドとシリアを裏切る”つもりがないことが明らかになると、“親ロシア”の国家安全保障問題担当大統領補佐官マイク・フリンは、ロシアに敵対的で、イランに敵対的で、中国に敵対的なH.R. マクマスター元大将に置き換えられた。現在、中国の習近平とトランプのフロリダ州サミット以降、ワシントンは戦術変更をしようとしているように見える。戦略ゲーム自体は不変だ。ハートランド、中国からロシアに至る広大なユーラシア大陸の支配。しかし、中国に対する圧力を緩め、非協力的なロシアやシリアやイランに対しては強化しようとしているようだ。

ワシントンの“ゲーム”、Brexit以降のイギリス-アメリカの新たな“特別な関係”をも要約するブレジンスキーの1997年の啓発的な著書『地政学で世界を読む―21世紀のユーラシア覇権ゲーム』から私が引用した、よく参照される記事が一つある。彼の著書で、はっきりマッキンダーに言及している、ブレジンスキーの文を引用しよう。

“アメリカが、ユーラシアをいかに‘運営’するかが極めて重要だ。ユーラシアを支配する国は、最も進んだ、経済的にも生産的な世界で三つある地域の二つを支配することになる。地図を一見すれば、ユーラシア全体を支配すれば、ほぼ自動的に、アフリカが、西半球とオセアニア(オーストラリア)を服従させ、地政学的に、世界の中央大陸の周辺化するのを意味することがわかる。世界の人々の約75パーセントがユーラシアに住み、企業活動の上でも、地下埋蔵量の点でも、世界の物理的な富の大半もそこにある。ユーラシアは、世界における既知エネルギー源の約四分の三を占める” (原書p.31)… ユーラシアを支配することができ、それゆえ、アメリカにも挑戦できるようなユーラシアの挑戦者が決して現れないようにすることが必須だ”(原書p.xiv)

2017年現在、トランプと将官閣僚の下での、アメリカのさほど大戦略ではないものは、1997年にブレジンスキーが書いた時のものと変わっていない。エネルギーの豊富な中東やアフリカにおけるあらゆる紛争、CIAのアラブの春、シリアのアサドに対する戦争、ウクライナにおけるクーデター、朝鮮半島で画策されているアメリカの緊張、南シナ海における中国の主張に対抗する日本の動きを駆り立て、シリアやリビアや中東でのアメリカによる戦争から、不安定化要因となる難民の流れを管理することによるEU操縦などは、ブレジンスキーが、ユーラシアの脆弱な外周の、このユーラシアの“暴力が浸透しているグローバル・ゾーン”の操縦と呼ぶものの一環だ。

これはうまく行くだろうか? その可能性は低い。とは言え、現在の世界の進展を逆転させようとする、特にユーラシアでの取り組みで、ワシントンは世界に同じ歩調をとらせるべく、いじめ、脅すのに、甘やかされた気短な駄々っ子のように、あちこちで戦争をしようとしているのは明らかだ。幸いなことに、2017年の世界は、マッキンダーがCFRとアメリカ外交政策支配層に助言した1943年や、ブレジンスキーが述べているように、アメリカ覇権が、1914年8月のイギリス帝国のものと同様の絶頂にあった1997年の世界とさえ、全く同じではない。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/04/26/the-not-so-grand-strategy-behind-america-s-warring-around/
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昼の大本営広報部白痴製造番組、しつこく北朝鮮洗脳。番組表をみるだけで、実際には見ない。さすがに夜のニュース番組では、共謀罪の問題点を指摘してはいるが。

白痴洗脳番組の代わりに、IWJインタビューを拝見している。以下は、本日の日刊IWJガイドの一部。

 「共謀罪と、米国へ追従する日本の動きは表裏一体なのを忘れてはいけない。何度でも繰り返して伝えなければ!」と、岩上さんは噛んで含めるように私たちに言います。

 共謀罪は「テロリスト」の名目で、その実は他ならぬ「私たち国民」の、目と耳と口を閉ざさせ、手足を縛り、最期には心を窒息させるのです。そうして望むままに強権を振るう政治と、おびえて物を言わなくなった国民がそろった時、この国の傀儡・独裁政権は完成します。

 この後のニュースフラッシュでも取り上げていますが、一刻も早く共謀罪法案を通してしまいたい安倍自民党は、ゴールデンウイーク中にもかかわらず、昨日5月2日、衆院法務委員会を強引に開催しました。

 IWJは一貫して、国民の自由を奪うこの権力の横暴・共謀罪の恐ろしさを訴え続けています。4月30日には岩上さんが京都大学大学院の高山佳奈子教授にインタビューを行ないましたが、ご覧いただけましたでしょうか。惜しくも見逃してしまわれた方も、一ヶ月間は一般会員の方でも全編動画をご覧いただけますので、会員登録がお済みでない方は、この機会にぜひ会員登録をおすすめ致します。

※権力者の「共謀」も大企業の「共謀」も処罰対象外!? 相続税法も対象外で透けて見える「富裕層優遇」!「監視対象」は下々の者だけ!?
岩上安身が京都大学教授・高山佳奈子氏にインタビュー 2017.4.30
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/376437

※会員登録はこちらから。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

2017年4月25日 (火)

ユーロランドは解体寸前か?

2017年4月20日
F. William Engdahl

昨年のイギリス有権者の大多数による欧州連合離脱という決断は単なる国民投票以上のものだ。Brexitキャンペーンは、シティー・オブ・ロンドンの最も有力な複数の銀行と、イギリス王室が推進し、資金提供していた。イギリスの終焉どころか、Brexitは、悲惨なユーロ単一通貨実験の終わりの始まりになる可能性の方が遙かに高い。

2008年の世界金融危機以来、ブリュッセルも19のユーロ圏諸国政府も、ユーロ圏最大の銀行を健全な安定状態にするために意味あることをほとんど実行していない。逆に、ドイツのドイツ銀行のような尊敬すべき巨大銀行でさえ瀬戸際でよろめいている。

イタリアでは、世界最古の銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行が、国家による延命処置状態にある。それもイタリア銀行不良債権の氷山の一角に過ぎない。現在、イタリアの銀行全体で、3600億ユーロの不良債権を抱えているが、これはイタリアGDPの20%、五年前の合計の二倍だ。

それは更に悪化しつつある。イタリアはEU四番目の経済規模だ。イタリア経済が惨憺たる状態なので、銀行の不良債権は増大する。国家債務はギリシャ同様に多く、GDPの135%だ。現在、2013年のキプロス銀行危機以来、主にドイツからの圧力で、EUは厳しい新銀行“ベイルイン”法を成立させた。この法律では、新たな金融危機になった場合、金融債保有者と、必要とあらば、キプロスの場合同様、まず銀行預金者が“ベイルイン”つまり損失を被るまで、公的資金投入による救済措置は禁じられている。イタリアでは、総額約2000億ユーロの金融債保有者の大半は、金融債は安全な投資だと言われた普通のイタリア国民なのだ。

ドイツの緊縮政策という薬が、患者を殺している

主要な問題は、2008年の金融・経済危機に対処するのに、ユーロ圏経済が、間違った薬を押しつけられていることだ。ユーロ圏危機は、国々が余りでたらめに支出し、労賃が余りに高くなり過ぎたと、誤って理解されている。そこで、またもやドイツの圧力で、ギリシャなど危機にあるユーロ圏諸国は、過酷な緊縮政策、年金削減、賃金引き下げを押しつけるのを強いられた。その結果、一層酷い景気後退や失業増加、銀行の不良債権増となった。2008年と比較して、2015年には、ギリシャのGDPは26%以上、スペインのGDPはほぼ6%、ポルトガルは7%、そしてイタリアのGDPは、ほぼ10%減少した。

緊縮政策は、決して国の経済危機に対する解決策ではない。1931年 ハインリヒ・ブリューニング首相による過酷な緊縮政策の結果、不況、失業と金融危機の中、勃発したドイツ経済危機の教訓は、歴史的な記憶の健忘症に陥っているように見えるドイツ当局にとって、十分明らかなはずだ。

ユーロ圏全体で、1900万人以上の労働者が失業している。ギリシャ、イタリア、ポルトガルとスペインには、合計で1100万人の未曾有の失業労働者がいる。フランスとイタリアでは失業は労働人口の13%を越える。スペインでは20%で、ギリシャでは信じがたい25%だ。それが、2008年危機から8年以上たった今の経済状況だ。要するに、ユーロランドは経済回復していないのだ。2009年以来、欧州中央銀行 (ECB)、ユーロの銀行は金融危機を安定させようとして未曾有の動きをした。彼らは状況を良くするのではなく、延期しただけだった。

ECBが担保付き債権、社債、国債や資産担保型証券を購入した結果、ECBの貸借対照表は、現在、1.5兆ユーロ以上だ。イタリアのマリオ・ドラギが総裁をつとめるECBは、2014年6月以来、約 -0.4%という未曾有のマイナス金利を導入した。ECBは、マイナス中央銀行金利が“しばらく”続くことを明らかにした。この結果、インドが昨年実行して悲惨な結果になったり、ユーロ国ではないスウェーデンが既になったりしたような、キャッシュレス社会にしようと、有権者の説得を試みるむきも出てきた。多くの人々にとって驚くべき考えで、顧客が預金を利用するのに、銀行が顧客から手数料を取り始めれば、人々は“預金をおろし”金や、他の安全な資産や、現金に換えるだけのことだ。

ECBのマイナス金利は、控えめに言っても、死にもの狂いの兆しだ。ユーロ圏全体の債券金利が余りに低いので、多くの保険会社が、ユーロ圏金利がより正常な水準に戻らない限り、将来、負債を支払う上で深刻な流動性問題に直面する。ところが、ECBがマイナス金利政策と、いわゆる量的緩和を辞めるようなことになれば、多くの銀行の債務危機が、ギリシャから、イタリアやフランス、更にはドイツでも爆発するだろう。

来るべき通貨戦争?

だから、穏やかに言っても、ユーロ圏は、わずかな新たな衝撃や危機で即爆発し得るカチカチいう債務時限爆弾なのだ。二年後、イギリスがEUからの離脱を完了した際に、その衝撃を見ることになるかも知れない。既にワシントンのドナルド・トランプ新政権は、ユーロに対する通貨戦争を開始する可能性を示している。1月31日、アメリカ国家通商会議のトップ、ピーター・ナヴァロは、アメリカと、ドイツのパートナーのEU諸国を“非常に割安なユーロで、搾取している”とドイツを非難した。ナヴァロは、ユーロ圏経済の中核ドイツを、事実上の“通貨操作国”とまで呼んだ。ナヴァロはこう述べた。“ユーロは国際通貨市場で自由に変動しているが、この制度は、もしドイツのドイツ・マルクがまだ存在していれば、ドイツ通貨がそうであったもの以上に下げている。”

シティー・オブ・ロンドンの膨大な金融資源を持つイギリスは、EU加盟の足かせから解放されれば、ユーロ圏経済に壊滅的結果をもたらすであろう、ユーロを引きずり下ろす秘かな全面通貨戦争で、ワシントンと提携することが可能になる。イギリス・ポンドは、ドルとユーロに続く三番目に大きい世界の支払い通貨だ。イタリア、ギリシャ、スペインや他の諸問題がある脆弱なユーロ圏に対して、イギリスがワシントン側に付く通貨戦争で、EUの拘束から解放されたイギリスがユーロを引きずり下ろせれば、ポンドは主要な利得者となり得る。既にイギリスのテレサ・メイ首相は、二国間でアメリカ-イギリス貿易協定を結ぶことをトランプ政権と話し合っており、英連邦の一部の有力な国々は、アメリカを英連邦の準会員に招くことを話しあっている。アメリカ・ドルとウオール街銀行が、ドルに対する中央銀行準備通貨というライバルを傷つけるというのは極めて魅力ある考え方だ。今やEUの拘束から間もなく解放されるイギリスと、シティー・オブ・ロンドンにとって、誘惑が現実になる可能性がある。

これはすべて、乱用を制御する民主的に選ばれた当局が存在しない超国家的通貨というユーロ圏プロジェクト全体の機能不全な本質のせいだ。1990年の昔に、マーストリヒト条約が、欧州通貨制度と共にもたらした、国家主権の中途半端な解体が、EUに将来危機が起きた場合、最悪の組み合わせを置き土産にしたのだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/04/20/is-euroland-on-verge-of-disintegration-2/
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ソーシャル・メディアが、宗主国のツールで監視されていることが明らかになった。当然そうだと思っていたので、書き込んだことは皆無。たまに覗くだけにしていたが。

今日のIWJ、岩上安身氏のインタビュー相手は関良基氏。個人的に待望のインタビュー。『赤松小三郎ともう一つの明治維新』を拝読したのだが、次は『社会的共通資本としての水』を読む予定だ。以下、 日刊IWJガイドから引用させていただこう。

北朝鮮情勢から、いったんテーマは離れますが、今日は15時から政府が力を入れて今国会での成立を狙っている「水道民営化」の危険性について、拓殖大学政経学部准教授・関良基氏にインタビューします!TPPやFTAとも無関係ではない、重大な問題です!北朝鮮危機や森友学園の問題、あるいは小池劇場の陰に隠れてしまいがちですが、こんな法案が通ったら大変です!我々の生存に関わるライフラインが、外資を含めた民間資本に売っ払われ、カネ儲けの道具にさせられてしまうのです。

 しかし実は、関さんがお詳しいのは「水」問題だけではありません。『赤松小三郎ともう一つの明治維新』という著作をもつ関さんは、美化されがちな幕末明治維新の真実に迫っています。

 テロを政治権力獲得のもっぱらの手段とした長州の「志士」たちは、まごうかたなき「テロリスト」であり、初代首相の伊藤博文はそうした「テロリスト」の一人でした。彼は自分自身の手で、人を殺めています。そうやって明治維新後の日本は「長州レジーム」が支配してきたと、関さんは分析され、今こそ「長州レジームから日本を取り戻せ!」と訴えています。

水道民営化については、下記記事を翻訳してある。

コチャバンバ水戦争:「水戦争」から10年 マルセラ・オリベラ、市営水道民営化阻止の対ベクテル民衆闘争をふり返る

ザ・ウォーター・ウォー(水戦争)と複雑なことに取り組む必要性

2017年4月17日 (月)

トランプのせっかちなシリア攻撃ゲームは、つじつまが合わない

2017年4月14日
F. William Engdahl

4月7日シリア時間午前3:40に、アメリカは、シリア政府のシャイラート空軍基地破壊を狙ったとされる59発のアメリカトマホーク巡航ミサイルを発射したが、これは、トランプ大統領が議会に送った書状によれば、アメリカ合州国の“極めて重大な国家安全保障と外交政策権益”のために行われ、“化学兵器攻撃を行うアサドの能力を失わせ、シリア政権に化学兵器の使用、あるいは拡散を断念させるため”行われた。この出来事丸々、本格的な責任ある回答を求める巨大な戦略的な疑問を残したままだ。

多くの中でも、第一に疑わしい問題は、2013年、アサドがサリン・ガス兵器を使用したというアメリカの主張を巡って、アメリカが戦争を引き起こしかけた後、シリア政府は、全ての化学兵器を放棄したことを2016年1月に認定した機関で、科学的に調べる能力がある国連化学兵器禁止機関(OPCW)による、シリア政府サリン・ガス攻撃とされるもののいかなる本格的な独立調査も、ワシントンが拒否したという事実だ。

まさにこの同じ国連機関が、2013年に、シリア国内でのアメリカの戦争を防ぐためのロシア提案に則って活動し、アサド政権の全ての化学兵器除去を監督したのだ。ティラーソン国務長官は、2013年に、ロシアが全てのシリア化学兵器を除去しなかったと非難している。2013年、ロシアの作戦ではなかった活動に、アメリカ軍部隊が参加していた事実を無視し、ティラーソン国務長官は偽って非難しているが、アメリカ国務長官コリン・パウエルの元大統領首席補佐官、ローレンス・ウィルカーソン大佐が指摘している通り、国際的な国連OPCW作戦が、アサド政権が保有していた全てのシリア化学兵器を移動し破壊した。

2013年のサリン・ガス‘偽旗作戦’

2013年8月当時、バラク・オバマ大統領が、アサドは禁止されているサリン毒ガスを使用して、“越えてはならない一線”を越えたと主張していた時に、ハーグのユーゴスラビア国際戦犯法廷(ICTY)元検事で、国連のシリアに関する独立国際調査委員会メンバーとして活動していたカルラ・デル・ポンテが、彼らの国連調査が、グータでサリン・ガスが使用されたのは決定的であることを発見したとマスコミに述べた。しかしながら彼女は、サリンをアサド軍が使用した証拠は見つからなかったと述べた。逆にデル・ポンテはこう述べたのだ。“これは政府当局によってではなく、反対側、反政府派が使用された。”彼女の報告は、主流欧米マスコミから報道管制された。

当時の他の調査には、当時のグータ内と周辺の目撃者インタビューから、違法なサリン・ガスは、2013年、ブッシュ家と極めて親しい、当時のサウジアラビア統合情報庁長官バンダル・ビン・スルターン王子がアルカイダや他のテロリスト“反政府派”に与えたものだったと述べた2013年8月、AP通信の従軍記者デール・ガヴラックによるものがある。

2013年9月、NSNBCのクリストフ・レーマンは、使用されたサリン化学兵器は、CIAと、シリアとの国境ヨルダンのアルマフラクに駐留するアメリカ特殊部隊の承知の上で、サウジアラビアが、シリアのアルカイダ、ヌスラ戦線テロリストに与えたものだというグータ市民目撃者報告を含む詳細な証拠を示した。アルマフラクは、ヨルダンからシリアに、ヌスラ戦線や、他の反アサド・テロリスト傭兵向け兵器を密輸入する主要中継地点だ。当時グータのアルカイダ・テロリスト部隊は、アブー・アーイシャという名で知られるサウジアラビア国民に率いられていた。

この最新の化学兵器事件は、アメリカが支援する60年間の戦争で初めて、シリアにおける大規模軍事行動をする口実を、トランプ政権のタカ派連中に与えるため、アメリカとサウジアラビアが支援するISISかヌスラ戦線がおこなった諜報界隠語で言うもう一つの‘偽旗’だったのだろうか? あらゆる証拠がそうだと言っている。

理不尽で狂っている

シリア空軍によるサリン・ガス爆撃とされるものが、レックス・ティラーソン国務長官とアメリカ大統領の両人が、アサド退任を強いるのは、もはやアメリカの優先課題ではなく、シリア国民によって決定されるべき問題だと表明したわずか数日後に起きたという惑わせるような事実がある。アサドの軍は、アレッポを含む、ISISやヌスラ戦線テロリストが占領していた広大な地域を解放しており、外交も含めあらゆる面で、明らかに勝利しつつある時期のこの段階で、違法な化学兵器を使用することは、アサドにとって意味をなさない。それはバッシャール・アル・アサドにとって、理不尽で自殺行為のはずだ。彼にどのような欠点があろうと、こうした攻撃はその一つではない。

退役レバノン軍将官チャールズ・アビ・ナデールが、レバノンのアル・アヘド・ニュースに発表した分析によれば、4月4日に化学兵器爆発が起きたハーン・シャイフーン地域でインタビューされた多くのシリア人目撃者が“爆発は標的にされ、空からミサイルで攻撃されたビルで起きた。毒ガスの樽が爆発した結果、煙の小さな雲が、それから間もなくして現れた”ことを確認した。アビ・ナデールは“これは、毒ガスを搭載したロケットが標的で直接爆発した場合におきる、この種兵器攻撃の失敗を避けるため、軍専門家が、少なくとも地上から100メートル以上の高度で爆発するよう、仮のケースを使って爆撃をおこなう、化学兵器攻撃の際の仕様や手法と全く矛盾する”と指摘している。シリア空軍ミサイルが、禁止されている化学兵器を秘匿していることを知らず、アルカイダ兵器倉庫を攻撃したという説もロシアとシリア政府もそれが起きた主張していることと対応する。

アビ・ナデールは、本当の事実を解明するための現地での本格的な自立した科学的調査が行われたとすれば、化学兵器爆発現場のイドリブ県ハーン・シャイフーンと、アサドの空軍がテロリストのイドリブ兵器庫攻撃に出撃したシリアのシャイラート空軍基地両方の調査が必要だと指摘していた。

アビ・ナデールなどが強調している通り、調査で“その影響が、科学的な見地から、覆い隠したり、隠蔽したりできない化学兵器を搭載したミサイルや爆弾の存在あるいは不在を示すことができたのは確実だ。空軍基地、倉庫と爆撃機に対する(4月7日のアメリカ)ミサイル攻撃が、いかなる調査委員会であれ、事実を調査するのに必要な科学的データを入手する可能性を絶滅した” これは偽旗作戦の発見を防ぎ、狂犬マティスや、ワシントンの空中サーカス、別名トランプ政権が何であれ好き勝手な非難をするのを可能にするのに大いに好都合だ。

ホワイト・ヘルメットのニセ・ビデオ

現在アルカイダにつながるヌスラ戦線テロリストに支配されているイドリブ県のハーン・シャイフーンでのシリア・サリン・ガス事件丸ごと偽ニュースで、アサドを、違法な戦争の残虐行為で非難するため、アメリカが支援した意図的な偽旗の企てだという、圧倒的な証拠がある。

自らを尊大にもシリア民間防衛隊と改名した、アメリカとイギリス政府が資金提供しているNGO、シリア・ホワイト・ヘルメットが提供したビデオと、テロリストが支配するイドリブ県医療当局トップによるツイートが、サリン・ガス爆撃という主張の根拠だった。ところが、ホワイト・ヘルメットが公表し、彼らがロンドンを本拠とするうさんくさいシリア人権監視団に送ったビデオには、ホワイト・ヘルメットの制服を来た男が、サリン・ガス攻撃された子供犠牲者とされるものを素手でマスクも着けずに運んでいる。

サリン、CBRN (化学、生物、放射性物質能と核兵器)化学兵器戦争攻撃に対する防御対策になじみのある誰にとっても、1995年の東京地下鉄サリン・ガス攻撃被害者救助隊員のような、呼吸マスクと、全身の最も厳重な緊急救助隊員防御服が標準だ。もし、ホワイト・ヘルメットが本当に連中が誤解させる目的で自ら名乗っている“シリア民間防衛隊”なのであれば、彼らは化学毒ガス攻撃対処方法を訓練されていたはずだ。

シリア人ジャーナリスト“パルチザンガール”が投稿した別のビデオには、4月4日のサリン攻撃とされるもので殺害されたとされる少女が映っている。撮影者が見過ごした唯一の問題は、ビデオの最後の瞬間に“死亡した”少女が、芝居が終わったかどうか確認するために目を開くのが唯一問題だ。

ホワイト・ヘルメット偽ビデオ

2016年 11月  まさにおなじホワイト・ヘルメットが連中の主張を支持する別のニセビデオを使用したかどで謝罪を強いられていた。4月7日、アサドの空軍基地爆撃決定のために、CIAや、トランプ国防長官の狂犬マティス大将にとって“信頼できる”情報源のホワイト・ヘルメットは“民主主義の促進”として知られている、世界中でのCIA政権転覆作戦と密接につながったアメリカ政府の部局、米国国際開発庁USAIDの資金で設立された。

スゥエーデン人権医師会によれば、シリア ホワイト・ヘルメットは、イドリブ県のサルミンにおける塩素ガス攻撃とされるものの詳細を映した2015年4月の陰惨なニセ・ビデオも撮影していた。ホワイト・ヘルメットは、死んだ子供たちの遺骸を利用していた。子供たちを蘇生しようと、アドレナリン注射や、人工呼吸テクニックで懸命に働くホワイト・ヘルメット“緊急救援隊員”を撮影しているというふれこみだ。

ホワイト・ヘルメット・ビデオを入念に見て、スゥエーデン人の医療専門家、Leif Elinder医師はこう述べた。“ビデオ資料を検討して、一部は死んでいるように見えるこの子供たちに対して行われた措置は、異様で、非医学的で、人命救助ではなく、子供たちの人命救助の目的という点では逆効果でさえあると思う”と述べた。

同じビデオを見た別のスゥエーデン人医師はこう述べた。“注射をするためには、CPR (心肺停止蘇生救急)は中断しなければならず、直後に、CPRが再開されなければなりません。ビデオで映っている手順ではそれは行われていません… この医師はこう書いている‘もし既に死んでいなければ、この注射で、この子は殺されたでしょう’! 何と背筋の凍るような光景だろう。何と悲しいことだろう。”

米国国際開発庁USAIDが作り出したNGO

ホワイト・ヘルメットは、2013年、アメリカが支援する政権転覆カラー革命に資金を提供する裏金機構、USAIDのOffice of Transitional Initiativesによって設立された。連中はgottenUSAID2300万ドルの資金提供from 。USAIDは、ワシントンDCに本拠を置く営利目的の契約業者Chemonicsを経由して、ホワイト・ヘルメットに資金を提供している。彼らはロンドンとニューヨークに事務所を持つPurposeという名の如才ないイメージ制作PR企業に“運営”されている。

受賞している研究者マックス・ブルーメンソールによれば、シリア ホワイト・ヘルメットは、2013年3月、ジェームズ・レ・メズリエと言う名の元イギリス軍諜報将校が設立した。ボスニアやコソボやイラクのNATO介入の兵役経験者、レ・メズリエが、USAIDに採用され、後にUSAIDのシリア地域オプション計画の下で、シリア・ホワイト・ヘルメットとなるものを訓練する民間傭兵警備会社を設立した。

USAIDのためのレ・メズリエの仕事は、テロリストが占領している地域に突入するシリア人集団を組織することだった。彼らは、シリア軍戦闘機による爆撃に決まったように直面し、テロリストが占領する地域で自らを撮影しながら、爆撃されたばかりのビルに、生存者を探しだすべく突入するよう訓練されている。ジハード・ジョンや他のISISの人間がホワイト・ヘルメットの首を切ったビデオを全く見たことがないのは奇妙だ。

2014年、レ・メズリエは、ドバイに本拠を置くAnalysis、Research、and Knowledge、略語ARKで知られる“調査、紛争転換、コンサルテーション”会社から拡大した、非営利団体Mayday Rescueをトルコに、本拠を置いて設立した。ホワイト・ヘルメットの訓練を監督していた際、レ・メズリエを雇っていたこの団体は、アメリカ政府とイギリス国防省から助成で何百万ドルも貰っていた。

ブルーメンソールは、シリア・ホワイト・ヘルメットの本当の起源に関する報告を続け、リビア国内でのアメリカ飛行禁止空域や、究極的には、NATOによるシリア軍事攻撃への共感を作り出す、事実上のNATOプロパガンダ部門だと述べている。

ワシントンが、ハーン・シャイフーンにおける最新偽旗サリン・ガス事件を仕掛けた背後の重要な答えられていない極めて疑問がある。トランプ政権は、国際法や真実に対する軽蔑を示しているが、彼今や戦争をイエメンやソマリアから、直接シリアにまで拡大し、トランプ風“OK牧場の決闘”で、ロシア駐留軍と直接対決するつもりなのだろうか?

ロシア国防省と外務省が、シリア主権領へのアメリカ・ミサイル攻撃は、4月4日のサリン・ガス事件とされるもののずっと前に計画されていたと報じているのは重要だ。ロシア国防省報道官のイーゴリ・コナシェンコフ少将はこう述べた。“シリア空軍基地に対するアメリカ巡航ミサイル攻撃は、今日の出来事のずっと前から準備されていたのは明らかだ。そのような攻撃を準備するには、偵察、飛行任務計画、準備やミサイルを発射準備完了状態にする大規模な措置が行われる必要がある”とコナシェンコフ報道官は指摘した

もしアメリカ・マスコミが“悲嘆に暮れ激怒した”娘イヴァンカの懇請ゆえに、トランプが、4月7日シリア爆撃を決定したと報じるのであれば、世界は我々が考えている以上に一層あやうい危険にある。トランプも娘も彼女の夫ジャレッド・クシュナーの誰も国際政治経験を全く持たず、戦争や世界を混乱させるという判断をするのに最も不十分だ。だがそれゆえ、トランプのマスコミ偽記事は、本来全く非人間的で全く奇怪で危険なトランプ爆撃に、ちょっとした人間的興味の風味を添えるよう仕組まれている可能性が極めて高い。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/04/14/the-hasty-trump-syria-attack-game-it-doesnt-add-up/
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昨日夕方、国営放送の洗脳番組を眺めていた。音声を消していたので、内容を確実に把握している自信はないが、絵と吹き出し、使われていた風船と、出演していた体制べったり相撲評論家を見れば、ほぼ想像はつく。

ああいう悪辣な歪曲洗脳から離脱するには、まっとうな情報を得るしかない。

まずは『シリア情勢――終わらない人道危機』を拝読すべきだろう。

特別講演会「シリア内戦」はどう理解してはいけないか? ―東京外国語大学・青山弘之教授×中東調査会上席研究員・高岡豊氏 対談講演会 2016.6.23
を拝見して、青山弘之教授を初めて知ったのだから、偉そうなことは言えないが。

青山弘之教授は、ホームページもお持ちだ。

こうした歪曲報道のひどさ、『私の闇の奥』でも書かれている。

シリアと北朝鮮-ウソから始まる戦争、ウソが煽る戦争-(1)

シリアと北朝鮮-ウソから始まる戦争、ウソが煽る戦争-(2)

2017年3月30日 (木)

D. ロックフェラーの陰惨な遺産

2017年3月26日
F. William Engdahl

アメリカ支配体制の事実上の族長、デイヴィッド・ロックフェラーが101歳で亡くなったのを受けて、支配体制マスコミは、彼の慈善活動とされるものを称賛している。私はこの人物の、より正直な姿を描いて貢献したいと思う。

ロックフェラーのアメリカの世紀

1939年、彼の四人の兄弟、ネルソン、ジョン D. III、ローレンスと、ウィンスロップ-デイヴィッド・ロックフェラーと、連中のロックフェラー財団が、ニューヨークで最も有力な民間のアメリカ外交政策シンクタンクであり、ロックフェラーに支配されている外交問題評議会における極秘の戦争と平和研究に資金を提供した。後に、タイム-ライフのインサイダー、ヘンリー・ルースが、アメリカの世紀と呼んだ、戦後の世界帝国を計画すべく、第二次世界大戦勃発前に、一群のアメリカ人学者が集まった。彼らは破綻したイギリスから世界帝国を引き継ぐための青写真を作成したが、それを帝国とは呼ばぬよう配慮した。彼らはそれを“民主主義と自由とアメリカ風私企業の拡散”と呼んだ。

連中のプロジェクトは世界の地政学的地図を見て、アメリカが、事実上の支配的帝国として、いかにしてイギリス帝国に置き換わるかを計画した。国連創設は、その重要な一部だ。ロックフェラー兄弟は、マンハッタンにある所有地を国連本部に寄贈した(その過程で彼らが所有する隣接する不動産の価格を何十億ドルも押し上げた)。これがロックフェラー式“慈善活動”だ。あらゆる寄付は一家の富と権力を増大するよう計算されている。

戦後、デイヴィッド・ロックフェラーは、アメリカ外交政策とアフリカ、中南米、アジアにおける無数の戦争を支配した。ロックフェラー一派が、対ソ連冷戦と、回復する西ヨーロッパをアメリカ属国状態にとどめるためのNATOを作り出した。連中が、それを一体どのように実行したかについては、私の著書、The Gods of Money(翻訳書名『ロックフェラーの完全支配 マネートラスト(金融・詐欺)編』で詳細に記述してある。本記事では、人類に対するデイヴィッド・ロックフェラーによる犯罪のいくつかの例を検討する。

ロックフェラーの生物学研究:‘人を支配する’

慈善活動は、同胞の人間に対する愛情が動機であるべきだというのであれば、ロックフェラー財団の贈与はそうではない。医学研究を見てみよう。1939年と戦争までの時期、ロックフェラー財団は、ベルリン、カイザー・ウィルヘルム研究所の生物学研究に資金提供した。それは、優れた人種を、いかにして育成し、彼らが“劣っている”と見なした人種を、いかにして全滅、あるいは断種するかというナチス優生学だった。ロックフェラーは、ナチス優生学に資金提供していたのだ。ロックフェラーのスタンダード・オイルも、戦時中、秘密裏にナチス空軍に貴重な燃料を供給して、アメリカの法律に違反していた。戦後、ロックフェラー兄弟は、残虐な人体実験に関与した主要ナチス科学者を、優生学研究を継続させるため、別人物にしたてあげ、アメリカとカナダにつれ出す手配をした。彼らの多くは、CIA極秘のMK-ウルトラ・プロジェクトで働いた。

1950年代、ロックフェラー兄弟は 優生学を推進するため人口協議会を設立したが、産児制限に関する人口調査を装っていた。ロックフェラー兄弟は、ロックフェラーの国家安全保障顧問キッシンジャーが率いた、“世界的人口増加の、アメリカの安全保障と海外権益に対する潜在的影響”と題する1970年代のアメリカ政府による極秘プロジェクトNSSM-200の責任を負っている。石油や鉱物などの戦略的原料を産出する開発途上国における大幅な人口増加は、より多くの国民が、それらの資源を国内で使用しての(原文通り!)国の経済成長を要求するので、アメリカ“国家安全保障の脅威”だと主張している。NSSM-200は、発展途上国世界の人口削減計画を、アメリカによる支援の前提条件にした。1970年代、デイヴィッド・ロックフェラーのロックフェラー財団は、WHOとともに、 女性の妊娠状態を維持できなくし、人口を抑制する、文字通り人の生殖プロセスそのものを目指す特殊な破傷風ワクチン開発にも資金提供していた。

ロックフェラー財団が、モンサント社の所有権と、“遺伝子砲(パーティクル・ガン)”や、所定植物の遺伝子発現を人為的に変える他の技術を産み出すため大学の生物学研究に資金提供をして、遺伝子操作分野まるごとを作り出したのだ。GMOの狙いは、ロックフェラーが、悲惨なフィリピンの黄金米プロジェクトを後援して以来、GMOを、人間と動物の食物連鎖で使用することなのだ。現在、アメリカで栽培されているあらゆる大豆の90%以上と、あらゆるトウモロコシと綿の80%以上がGMOだ。ところが表示はされていない。

‘石油支配’

ロックフェラーの富は、エクソン・モービルやシェブロン他の石油に基づいている。1954年以来のデイヴィッド・ロックフェラーの政治顧問ヘンリー・キッシンジャーは、ロックフェラーあらゆる主要プロジェクトに関与していた。1973年、アラブOPECの石油禁輸を引き起こすために、キッシンジャーは密かに中東外交をあやつった。

1973年-74年のオイル・ショックは、1950年代にデイヴィッド・ロックフェラーが創設した、ビルダーバーグ会議として知られている秘密組織が画策したものだ。1973年5月、デイヴィッド・ロックフェラーとアメリカとイギリスの主要石油メジャーのトップが、オイル・ショックを仕組むため、スウェーデンのサルトシェバーデンでの年次ビルダーバーグ会議に集まった。“強欲なアラブの石油シャイフ(族長)”に罪をなすり付けたのだ。これは下落する米ドルを救い、デイヴィッド・ロックフェラーのチェース・マンハッタン銀行を含むウオール街銀行を世界最大の銀行に押し上げた。価格上昇戦略がアラブ-イスラエル戦争の六カ月前に記述されているこの会議の“秘密”協定を、小生は所有している。証拠文書については、私の著書、A Century of War『ロックフェラーの完全支配 ジオポリティックス(石油・戦争)編』をご覧願いたい。1970年代、キッシンジャーは、デイヴィッド・ロックフェラーの世界戦略をこう要約した。“石油を支配すれば、国家を支配できる。食料を支配すれば、人々を支配できる。金を支配すれば全世界を支配できる。”

‘金を支配すれば…’

デイヴィッド・ロックフェラーは、一家の銀行、チェース・マンハッタン銀行の会長だった。再びヴォルカー金利ショックを起こすため、オイル・ショック同様、世界経済を犠牲にして、下落する米ドルと、チェース・マンハッタン銀行を含むウオール街の銀行の利益を救ったチェース副頭取ポール・ヴォルカーを、カーター大統領の連邦準備金制度理事会議長にした責任は彼にある。

ロックフェラーが支援した1979年10月のヴォルカー金利‘ショック療法’は、1980年代の“第三世界債務危機”を産み出した。ロックフェラーとウオール街はこの債務危機を、アルゼンチン、ブラジル、メキシコなどの国々に国営事業の民営化と劇的な通貨の平価切り下げを強いるのに利用した。そこでロックフェラーとジョージ・ソロスなどの友人が、アルゼンチン、ブラジル、メキシコの最も重要な資産を二束三文の価格で奪い取った。

モデルは、オスマン帝国で1881年以降、オスマン債務管理局(OPDA)を通し、全ての税収を支配して、サルタンの財政を事実上支配するのに利用されたイギリスの銀行と良く似ていた。ロックフェラー権益集団は、1980年債務危機を、IMFを連中の警官として使って、中南米やアフリカの多くの債務国を略奪するのに利用したのだ。デイヴィッド・ロックフェラーは、二人とも当時の国務長官ヘンリー・キッシンジャーが中南米で画策したCIAクーデターのおかげで地位を得た、アルゼンチンのホルヘ・ビデラやチリのピノチェトを含む、中南米のより残虐な軍事独裁者の何人かと個人的な友人だった。

三極委員会のような組織を通して、ロックフェラーは、国家経済破壊と、いわゆるグローバリゼーション、三極委員会に招かれたとまさに同じ連中、主にウオール街とロンドンのシティーの超巨大銀行と一部の多国籍企業が恩恵を受ける政策を推進する主要立案者なのだな。1974年、ロックフェラーは三極委員会を作り、親しい友人ズビグニュー・ブレジンスキーに、北アメリカ、日本とヨーロッパのメンバーを選ぶ仕事を与えた。

一部の人々が陰の政府と呼ぶ目に見えない強力なネットワークについて語る場合、デイヴィッド・ロックフェラーは自身、その陰の政府の族長だと考えていたと言えよう。彼の本当の行動は、実態通り正直に、慈善的ではなく、厭世的と見なすのがふさわしい。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/03/26/d-rockefeller-s-gruesome-legacy/
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「東芝の臨時株主総会で怒号」という見出しのネット記事を読んだ。

Gerald Celenteというトレンド予測の専門家がいる。press(マスコミ)と prostitute(娼婦・男娼)を合成したpresstituteという単語を造語した人物だ。残念ながら、彼の著作訳は『文明の未来 政治経済からビジネスまで』しかないようだ。
それも1998年10月刊。

今読んでも、驚く記述がある。

例えば、90ページの一部をコピーさせて頂こう。見開きの91ページは、日本でも年中読まされた原発広告。酪農家のルイーズ・イーレンフェルトさんが登場している。

 きれいな空気!安全な原発! 環境汚染がない! 環境を保護する! 天然資源と将来の世代を守る! 新鮮で冷たいミルク!
 原子力の専門家と酪農家のルイーズ・イーレンフェルトさんが、「原発で困ったことはない」と保証するのである。何の心配もいらない。
 地震がやってくるまで、サンタモニカのフリーウェーも、神戸のホテルも、何の問題もなかった。しかし、ロサンゼルスと神戸の大地震によって、耐震設計だったはずの建物はがれきの山と化した。これらの建物を設計した技術者たちの評判は地に落ちた。耐震設計のホテルやオフィスビル、高速道路を大地震が襲うとどうなるかは、今ではよくわかる。では、「安全な」原子力発電所がマグニチュード七・五の地震にあうと、何が起こるだろうか。連邦エネルギー認識協会や、ルイーズさんに聞いてみていただきたい。

190ページには「二大政党の一党化」という見出しがある。

340ページには「二〇〇〇年の十字軍」という見出しがある。

343ページには「テロリズムの精霊がボトルから出てくる」という見出しがある。

そして、382ページには、キートレンドとして、こうある。

化石燃料や原子力エネルギー産業に依存していた産業、製品、サービス(たとえば、鉱業、ドリル、精製、加工、搬送、貯蔵、装置など)は衰退する一方だろう。

原発推進で、日本最大の赤字を出した企業のニュースを見ながら、本書を思い出した。大本営広報部の幇間連中による洗脳番組の何百倍もためになると思うが、F. William Engdahl氏の翻訳書同様、巨大ネット書店でしか入手できないようだ。もちろん彼の説を100%支持するつもりは皆無だ。例ば、彼が常温核融合を推奨するのには疑念がある。

2017年3月26日 (日)

中国・ロシアの戦略的な北極地方協力

2017年3月21日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

ロシアの北極地方や、極北のムルマンスク半島における、最新の鉄道路線、深水港や採掘インフラ建設への協力は、中国とロシアを結束させる新たな戦略的要素となりつつある。その潜在的重要性は吟味に値する。

3月29日、中国政府と私企業の高官代表団が、ロシア政府の相手方と、白海沿岸、北ドヴィナ川河口の由緒ある都市アルハンゲリスクで会談する。ロシア砕氷船の技術進歩のおかげで、現在、船舶が通年航海できるので、アルハンゲリスクは戦略的に重要だ。3月29日の会合は、ロシアが2010年に「北極地方: 対話フォーラム」を立ち上げて以来四度目の催しだ。議題の中には、ベルコムール鉄道とアルハンゲリスク深水港を含むプロジェクト開発における中国-ロシア協力がある。

総員70人の中国代表団を率いるのは、中国共産党中央政治局委員で主要な中国政治家、国務院副総理の汪洋だ。ロシア代表団を率いるのは、ドミトリー・ロゴージン副首相だ。ロゴージンは、現在、ロシアの北極地方委員会委員長だ。これまで6年間、彼はロシアの国防・宇宙産業に責任を負う副首相という重要な地位に就いている。彼は、アメリカ・ペンタゴンDARPAのロシア版である、ロシア国防産業高等研究プロジェクト財団の直接の責任者だ。

一帯一路への北極地方リンク?

現在、そう呼ばれているわけではないものの、協力は、中国の巨大な一帯一路OBORという高速鉄道インフラや深水港という大プロジェクトに統合されることが想像される。中国がOBORと呼んでいるものは石油、ガス、ウラン、希土類金属、金や人類が必要としている原料の大半という未開発原料の膨大な埋蔵量がある広大なユーラシア空間の何兆ドルもの開発となるべきものへと急速に発展しつつある。

1812年のナポレオンによる帝政ロシア侵略以来、二世紀以上、ヨーロッパ、そして後のアメリカ地政学的戦略は、ユーラシアを、1840年のイギリス-アメリカによる対中国アヘン戦争のように、征服しようとするか、あるいは、歴史上、ロシア革命として知られている、ロンドンとウオール街が資金提供した、1917年のボリシェビキ・クーデターのように発展の可能性を破壊するかのどちらかだ。イギリス地政学の父、ハルフォード・マッキンダーが、彼の後期の著作でハートランド-ロシアと呼んだ場所と中国で、混乱を作り出すという同じ地政学的狙いを、現在、NATOは追求している。

それが、ビクトリア・ヌーランド、ケーガンやジョン・マケインが率いたウクライナにおける2014年2月のアメリカ・クーデターの真髄だ。それが現在のアメリカが支援している緊張のエスカレーションや、g朝鮮半島や南シナ海での軍事力による威嚇の真髄だ。

そうした背景を考慮して見ると、北極地方における中国-ロシアの開発協力には、経済的、地政学的、そして軍事的に、大きな戦略的な潜在的重要性がある。

北極地方の存在感を取り戻す

NATOの東方拡大、2004年のウクライナとジョージアにおけるアメリカ・カラー革命や、ロシア周辺での、敵対的なアメリカ・ミサイル防衛設備設置で、ロシアに対する、NATOの意図がより明らかになるにつれ、ロシアにとって、アルハンゲリスクとムルマンスク周辺のインフラ開発は、今世紀初めから戦略的優先度を帯びていた。

ロシア北極地方の開発における中国との戦略的協力強化は、2014年に、ロシアに課されたNATO経済制裁の効果を損なう新たな可能性をもたらす。

これら経済制裁のかなりの部分が、ロシア北極地方大陸棚で、石油とガスを探査しているロシアのエネルギー企業五社を標的にしていた。対象企業は、ガスプロム、ガスプロム・ネフチ、スルグートネフチガス、ルクオイルとロスネフチだった。

レックス・ティラーソンのエクソン・モービルのような欧米ジョイント・ベンチャー・パートナーは、2014年9月に、アメリカ財務省による経済制裁で、大ロシア北極地方の膨大なエネルギー資源と推測されるものを開発するロシア石油企業ロスネフチとの大型ジョイント・ベンチャーからの撤退を強いられ、欧米経済制裁で、ロシア北極地方の経済開発は劇的に停滞した。アメリカ経済制裁前、エクソン・モービルのCEOティラーソンは、ロシア国営ロスネフチと、5000億ドルの北極地方エネルギー共同開発協定に署名していた。

ロシア北極領海のインフラ開発における、ロシアとの協力に対する中国の関心が増し、ロシアは北極地方における石油とガスの大規模な開発経費を負担しあうことに関して、欧米石油企業に対する十分な代案を得ることになった。中国の巨大な国営の中国石油天然気集団(CNPC)が、ロシア北極地方のバレンツ海、ペチョラ海大陸棚沖合地域での共同探査に関して、ロシアのロスネフチと交渉中だ。

2014年11月、アメリカ経済制裁で、エクソン・モービルの参加が絶たれた時期に、ロシアのガスプロムは、ロシア北極海大陸棚の共同開発を、中国海洋石油総公司(CNOOP)と話し合っていた。

今や、中国とロシアの産業・政府参加者の来る会合は、ロシア北極地方における、中国-ロシア経済協力を大きく前進させることになろう。2015年末 ウラジーミル・プーチン大統領の中国訪問時、中国巨大国営コングロマリット、保利科技有限公司が、712キロの新鉄道と、既存鉄道449キロの近代化用の資金調達、計画、建設における主要パートナーとなることに同意した。2012年以来、中国国営の中国土木工程集団有限公司が、ベルコムール鉄道リンクとして知られている別の分野での建設に関わっている。

ベルコムール鉄道リンク

この北西ロシア最大のインフラ投資の一つ、1161キロ、150億ドルの、白海からウラルまでをコミ経由で結ぶベルコムール鉄道路線は、南ウラル、ペルミの採鉱・産業地域を、ロシアのコミ共和国スィクティフカル経由で、アルハンゲリスク港と結び、ウラルとロシア北西部間に遥かに短い接続を実現し、シベリア横断貨物用の主要経路となる。ウラルからロシア北西部への輸送距離は、800 kmも短縮され、経費も40%削減できる。ベルコムールの総貨物輸送は、年間2400万トンののぼると推計されている。主要貨物は、石炭、ボーキサイト、塩化アルミニウムと塩化カリウムだ。

コミ共和国には、ペチョラ石炭盆地に石炭、チマン-ペチョラ石油・ガス地域に、石油と天然ガス、ボーキサイト、金、ダイアモンド、チタン、硫黄と、膨大な資源がある。地域のほぼ三分の二は、豊富な森林と、トナカイ畜産という主要農業部門だ。

資源の豊富なロシア北部を、中国企業と共同で、より総合的な開発に向け開放するというロシアの決定は、2014年以来の、愚かなアメリカとEUによる経済制裁の直接の結果だ。

アルハンゲリスク深水港

ベルコムール鉄道路線は、アルハンゲリスクの新しい深水港建設と完全につながっている。ここでも、中国は、極めて重要な形で関与しており、2016年10月、国際貿易と採炭、鉄鉱石と原油探査投資に積極的な主要中国国営企業、保利集団が、ロシアのアルハンゲリスク北極地方輸送産業センターと、アルハンゲリスク北方55キロに新たな深水港建設の意向協定に署名した。港は年間能力4500万トンで、載貨重量100,000トンまでの船舶を扱うことができる。

新鉄道路線と、新たなロシア深水港の組み合わせは、アルハンゲリスク、コミ共和国、スベルドロフスクとペルミ地方を結びつける経済インフラとなる。ウラル山脈近くのカマ川沿いにあるペルミは、中央ロシア、北ウラルやロシア極東方向への路線とつながる、シベリア横断鉄道上の主要連絡駅だ。ペルミには、二つの大きな鉄道の駅がある - 歴史的なペルミ-Iと、近代的なペルミ-IIだ。ヨーロッパの水路と結ぶ、ロシアの深水水路体系の主要部を一体化する上で、カマ川は重要な接続点だ。カマ川地域から、貨物を積み直しせずに、白海、バルト海、アゾフ海、黒海とカスピ海の港に輸送することが可能だ。

3月14日、中国の保利集団代表団は、石炭出荷ターミナル用の港湾拡張に、3億ドルの投資を計画していると報じられている、バレンツ海の入り江、コラ湾の港湾都市ムルマンスクにも現れた。石炭ターミナルを、ロシア鉄道に接続する新鉄道路線が:現在コラ湾西岸沿いで建設中だ。

中国-ロシアによる鉄道と港湾リンクの完成で、広大で資源豊富な地域である北部ロシア全体が、巨大な新規経済的利益に開放されることになる。ユーラシア陸塊、愚かな欧米の経済制裁にもかかわらず、というより実際にはそのおかげで、我が哀れな地球で、最も美しい経済開発地域の一つとなりつつある。戦争をし続けている欧米が、彼らの多くの戦争に対する代案として検討すべき手本なのだ。

F. William Engdahlは、戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著者。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/03/21/strategic-china-russia-arctic-cooperation/

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植草一秀の『知られざる真実』の下記記事を興味深く拝読。

 

2017年3月 3日 (金)

スーパー雑草は、アメリカでGMOの息の根を止め、時宜にかなった死をもたらすか?

2017年2月13日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

我々人間が、我々自身と地球の健康にとって余りに自己破壊的になると、時に自然が支配権を握って、我々が強欲と愚かさゆえに、実行を拒んでいることを、実行してくれる。一例を挙げれば、トウモロコシ、大豆、綿花を含む遺伝子組み換え作物GMO栽培を即座に包括的に禁止し、モンサントのラウンドアップなどの組み合わせて使う除草剤も即時禁止したGMOの無いロシア連邦のような顕著な例外を除き、世界中の政府がそうするのを拒否しているのは愚劣そのものだ。ところが自然の反撃は、あらゆる表示や、WHOによる発ガン性の警告よりも効果的な、アメリカ農民のGMO種子使用に対する弔いの鐘となる。スーパー雑草は文字通り、アメリカ中西部の農業ベルト地帯中でGMO作物を窒息させており、自然は、GMOと、それと組み合わせる有毒除草化学物質を忌み嫌っているという本当の合図を送っているに違いない。

1992年、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ大統領が、モンサントの重役連中とホワイト・ハウスでの密室会談で会って以来、アメリカ農業とアメリカ国民は、特定の有毒な除草剤と組み合わせるGMO作物栽培効果実験用のモルモットだった。

モンサントとの会談後、G.H.W.ブッシュは、アメリカ政府機関に、試験をしていないGMO種子と組み合わせて使う除草剤化学物質を、非GMO作物と“実質的に同等”として扱い、更なる政府の実験は不要にすると命じた。狂気の判断をするのが病的に好に見える大統領による、極めて狂った判断の一つだ。

四半世紀後の現在、96%、あるいはほぼ全てのアメリカ・トウモロコシや、現在アメリカ合州国で栽培されている大豆の94%がGMOだ。アグリビジネスが我々に押しつけるこれらのGMO作物は、事実上、店で購入するあらゆる食品現在に使われている。そうしたものの大半が強制的な契約条件により、モンサントのグリフォセートを基にしたラウンドアップ除草剤を使用しているモンサントGMO作物だ。これは現在のモンサントGMO種子が、グリフォセートを基本とするモンサントのラウンドアップ除草剤のみに耐性をもつように遺伝子組み換えされているためだ。またアメリカ合州国で収穫される綿花の約90%がGMOで、有毒なグリフォセートを噴霧されている。

自然の反乱

GMO優生学実験に固有の、自然の法則に対する酷い違反に対して、自然はアメリカのGMO作物に、無慈悲に賢い戦争をしかけているのだ。1970年代の昔、GMOを産み出すのに資金を提供したロックフェラー財団の狙いが、昔も今も優生学であることは確実だだ。

モンサント-バイエル、ダウ-デュポン、中国化工集団-シンジェンタに、ついたウソのツケが結局回って来たように見える。連中の特許GMO種子は、遥かに少ない化学除草剤ですむと連中が広く宣伝している主張と程遠く、アメリカ農民は、長年の間に、ラウンドアップや他のグリフォセートを基にした除草剤をたっぷり噴霧した彼らの耕地が、有毒なスーパー雑草の成長を促進することに気がついている。これらスーパー雑草は“グリフォセート耐性”つまりモンサントや他社のグリフォセート除草剤は効果がないのだ。農民は、彼らの作物を救済するために、他の有毒な除草剤を浴びせるのを強いられている。

アメリカ主要農地の四分の三

大いに意味がありながら、無責任な大手マスコミがほとんど無視している憂慮すべき新たな研究をイリノイ大学植物研究所が発表した。研究は世界農業の中核地域、あるいは少なくとも最近までそうだったアメリカ中西部の十農業州593の畑から、約2,000のウォーターヘンプと、パルマー・アマランス(ヒユ)を抽出した。彼らは入念な実験を行い、アメリカの穀倉地帯中で、サンプルにした全部で593の畑のうち456、総計76.8%がグリフォセート耐性を示したという憂慮すべき結果が出た。

インターネットで、アメリカ農民に急速に広まっていると言われているイリノイ大学の研究は、アメリカ最大のGMO食糧いう生産州の四つでの、下記のグリフォセートや大半の他の主な除草剤への耐性がついたウォーターヘンプや、パルマー・アマランスなどのスーパー雑草が生えている畑の以下のような割合であることを示した。

イリノイ州では、スーパー雑草が生えている畑の48%のサンプル検査結果が、グリフォセートにもPPO阻害剤にも(時にコンタクト除草剤とも呼ばれる別の種類の除草剤)耐性が陽性と判明した。これはつまり、スーパー雑草は、除草剤を投与しても成長するということだ。インディアナ州では、66.6%、三分の二だ。トランプの新中国大使として上院承認を待っているGMO支持派のテリー・ブランスタッドが知事をつとめていたアイオワ州では、耐性スーパー雑草のある畑の割合は、衝撃的な74.7%、四分の三だ。そしてモンサントのおひざもと、ミズーリ州では数値は81.8%だ。これは大変な数値だ。

イリノイ大学の研究者たちは“グリフォセートにも、PPO阻害剤にも耐性がある植物が生えている畑は、これらの雑草を抑えるための可能性が限定されているので、特に懸念される。”と述べている

ヒユ

自然食品を食べる人々の多くが、アマランスを、とても栄養価の高い穀物品種と考えている。農民が知っているパルマー・アマランス、パルマー・ピッグウィードは、それほど結構なものではない。家畜に毒で、パルマー・アマランスは、特に綿花と大豆作物生産にとって大変な脅威でもある。

アメリカで、GMO作物が商品化されて約12年後の2006年、いくつかの南部州で、はじめてパルマー・アマランスのグリフォセート耐性が確認された。綿花GMO作物の成長を妨げるのだ。以来、それは風に運ばれて北にひろがり、イリノイ州に至った。パルマー・ピッグウイードは、一般的に一日、7.5-12.5センチも成長し木綿の成長を妨げる成長率と、他の植物に対する“競争”力の点で最も攻撃的なヒユの一種だ。2014年、ノースダコタ州立大学の“ノースダコタ雑草防除ガイド”は、アマランサス・パルメリを“今年の雑草”に選んだ。

    アメリカ中西部中のヒユ、アマランサス・パルマーは今や普通の除草剤が効かない

ウォーターヘンプは更に攻撃的なヒユの一種だ。トール・ウォーターヘンプは植物一本で、300,000から、5,000,000個の種子を作る。トール・ウォーターヘンプは成長率も、他の一年草より50%-70%早い。茎は90センチにも伸び、大豆の収量を44%も減らしかねない。

非GMO作物に回帰する農民たち

人間の愚かさに対する自然の一徹さのこの歴代史中で、良いニュースは、益々多くのアメリカ農民が、GMO作物を放棄し、非GMOの在来種子に戻ると決めていることだ。2009年以来、GMO種子を使用してきたイリノイ州農民であるビル・ジャイルズは、在来の非GMO作物に戻る計画だ。彼はサステイナブル・パルスにこう語った。“農民がスーパー雑草を押さえるため、益々多くの金を除草剤に注ぎ込むよう強いられているので、GM作物はアメリカで失敗する瀬戸際です。我々にはそうする余裕はありません! これら作物にはもう未来はなく、中西部にいる多くの友人たちは今にも在来農法に戻るところです。”

人も自然も、自然の生命の調和を回復する必要があるが、人間に対する本当の影響が全く知られていないGMOトウモロコシや、GMO鮭のような怪物を産み出すための試験管操作がされていない自然の食物連鎖の回復以上に緊急性が高いものはない。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/02/13/will-superweeds-choke-gmo-to-a-timely-death-in-usa/

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悪訳の上に、植物名の専門用語もいい加減で恐縮だが、大意はご理解いただけよう。

同じ著者による下記記事とつながっている。

遺伝学は新たな優生学だ。GMOはいかにして人口を減らすか

今日はIWJインタビュー二つを拝見しようと思っている。以下引用。

 本日11時30分より、岩上さんが「爆弾質問」を投下したばかりの小池晃議員に緊急インタビューを行います!必見の内容となること間違いなし!ぜひ、ご視聴ください!

★岩上安身による日本共産党・小池晃参議院議員インタビュー
[日時]2017年3月3日(金)11時30分~
[YouTube Live]
https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
[CAS] http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 1日(水)、2日(木)の2日にわたって行われた小池議員による質疑全文については、昨日夜、「国会ハイライト」としてIWJのホームページにアップしましたので、本日の岩上さんによるインタビューとあわせて、ぜひご一読ください!

※籠池夫妻が政治家に口利きを求めていたと共産党・小池晃議員が暴露! 直後に鴻池祥肇元防災相「紙封筒を差し出されたが突き返した」と緊急会見で弁明~「極右学校法人の闇」第24弾!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/366002

※【国会ハイライト】共産党・小池晃議員が連続追及! ~ 鴻池元防災担当相が封筒を拒絶しても、差し出した側の籠池夫婦は贈賄罪に問われうる!? ~「極右学校法人の闇」第25弾! 2017.3.3
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/366020

 そしてさらに、21時からも見逃せない配信があります!

 2月24日(金)、大阪入りした岩上さんは、森友学園が運営する塚本幼稚園の元関係者に独占スクープインタビューを行いました!こちらも大注目の「必見」な内容です。「虐待!? 恫喝!? 塚本幼稚園を内側から見てきた元関係者に岩上安身が独占スクープインタビュー! 保護者すら知らない塚本幼稚園内部の衝撃の告発!!」については、後段でインタビューの編集作業を行った城石裕幸記者から詳しくお知らせします!

★虐待!? 恫喝!? 塚本幼稚園を内側から見てきた元関係者に岩上安身が独占スクープインタビュー! 保護者すら知らない塚本幼稚園内部の衝撃の告発!!
[日時]2017年3月3日(金)21:00~
[YouTube Live]
https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
[CAS] http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 さらに、「ニュース女子」問題では昨日、東京新聞本社前で初の抗議行動が行われました。主催は、「沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志」。「論説室副主幹」から「論説室論説委員」に格下げとなった長谷川氏ですが、本人の口から一切の説明責任が行われていない中での幕引きで済まされていいはずがありません。後ほど、現場を取材した平山茂樹記者から取材報告を行います。

 今日もコンテンツ多彩でお送りする日刊IWJガイド。番組表だけ受信されている方はぜひ、定額会員へのご登録をご検討ください!最新ニュースが短く分かりやすくまとまった<ニュース・フラッシュ!>や各記者やスタッフによる多彩なニュースやお知らせが満載のフルバージョンをお届けいたします!

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 また、IWJは会費だけでは経営が成り立ちません。これからもIWJらしい機動力を発揮し続けられるように、どうかご寄付・カンパによるご支援をよろしくお願いいたします。

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2017年2月27日 (月)

遺伝学は新たな優生学だ。GMOはいかにして人口を減らすか


Flickr.com/Miran Rijavec (public domain)

F. William Engdahl
Katehon
2017年2月22日

以下は、インタビューの書き起こし。

昨年、世界的なアグリビジネスGMO企業の一連の合併があった。これが、基本的に、三つの企業集団の手中に、企業権力が集中という憂慮すべき状況を産み出した。

一番目は、ドイツのバイエルAGによる、モンサントの友好的買収だ。その理由は、モンサントが、大衆の頭の中で、正しいことなのだが、全くの悪、GMOに関するあらゆる悪いことと同一視されるようになったためだ。これがGMOプロジェクト全体にとって重荷になったのだ。そこで、アスピリンの好ましい、あたりさわりのない、良いイメージの企業バイエルが介入した。同社は実際には、1880年代にヘロインを発明し、第二次世界大戦中、アウシュヴィッツのガス室用のガスを製造していた会社だ。一連の殺人や、蜂群や、生命や自然にとって不可欠な他の多くのものを全滅させた農薬を製造する、世界でも最も汚らわしいアグリビジネス企業の一つだ。

中国国営の巨大科学企業、中国化工集団が何らかの理由で、除草剤を製造しているスイスのシンジェンタを買収した。

すると、ダウ・ケミカルとデュポンが、両社のGMO事業を合併させた。

だから、現在三つの巨大企業集団が、全世界で、人の食物連鎖中の遺伝子組み換え生物を支配しているのだ。GMO作物は危険だが、連中がそれを販売すればするほど、契約上、GMO種子に、これら企業の化学物質を使わなければならないことが明らかになる。ラウンドアップ耐性の大豆やトウモロコシを購入した場合、モンサント(現在はバイエル)のラウンドアップを使わなければならないと要求するのだ。

だから、これは、これまで以上に、GMO産業に大企業権力を与えることになり、これは憂慮すべき傾向だ。連中はブリュッセルの官僚に圧力をかけている。一例をあげよう。欧州委員会によるグリフォセート認可更新に反対する大規模キャンペーンが行われていた。グリフォセートは世界で最も広く利用されている除草剤だ。グリフォセートは、モンサントのラウンドアップの主成分だ。他の成分はモンサントの企業秘密だが、その組み合わせが極めて有害な除草剤の一つだ。

遺伝子に対する危険を評価する責任を負っている世界保健機関の組織が、昨年、グリフォセートは発ガン性物質である可能性が高いという裁定を下した。

認可は昨年、自動更新を迎えていた。15年の認可だ。EUの健康を司る委員会は、認可を15年間自動更新する用意があった。ヨーロッパ市民の健康と安全に責任を負うとされている欧州食品安全機関(EFSA)は、私企業モンサントが行った研究から100%引用しただけのドイツ食品安全庁によるドイツ研究に基づいて認可を勧めたのだ! だから、そもそも最初から連鎖全体が腐敗しており、全ての情報は不正操作されているのだ。実際には、実験で、ヨーロッパやアメリカで推奨されている水準よりも低いごく僅かな濃度で、グリフォセートが、腎臓の病気や、肝臓の病気や、致命的な可能性がある他の病気を引き起こすことが分かっている。

今では、グリフォセートは、尿検査、都市の飲料水、庭、地下水などで見つかっている。そして、それは子供を産む女性の身体、例えば胎芽に入る。これこそが狙いだ!

百万人の請願にもかかわらず - これは記録的な数だ - そして、世界中の主要科学者たちによる、認可を更新しないようにという勧告にもかかわらず、欧州委員会は、業界からの大変な圧力の下で妥協をして、認可を18カ月更新した。一体なぜ、その期間更新したのだろう? なぜならバイエルとモンサントから、18カ月後には、この巨大企業二社の買収が完了し、バイエルは、グリフォセートを、より激烈な毒素の可能性が高いが、グリフォセートほど有名ではない別の製品で置き換えると言われたからだ。だから、連中は時間稼ぎをしたに過ぎない。しかし、これも一例に過ぎない。

GMOの狙いは健康や安全ではない。作物収量を増やすのが狙いではない - これは北アメリカや世界中で繰り返された実験で証明済みのウソだ。GMO作物を使う農民の作物収量は、始めの1-2年はわずかに増えるかも知れないが、3-4年後には最終的に減少する。しかも、それだけではない! モンサントや他の巨大GMO企業から、GMO作物が耐えるこれらの“素晴らしい” 特性のおかげで、化学物質の使用は少なくて済むと約束される。実際には、雑草が耐性を持つようになり、150-180センチまで伸び、他のあらゆるものの息の根を止めてしまうスーパー雑草が生えるようになる。これは災厄だ。そこで、農民はスーパー雑草を枯らせるため、更に多くの除草剤を使わされる羽目になる。狂った自然の遺伝子いじり全体が、そもそもの始めから災厄なのだ。

GMOの本当の狙いは、著書“Seeds of Destruction(翻訳書名 マネーハンドラーロックフェラーの完全支配 アグリスティーカル(食糧・医薬編))”で非常に詳しく書いたが、ロックフェラー財団が出所だ。1920年-1930年の優生学運動が淵源だ。1930年代中から、第二次世界大戦が勃発するまで、ロックフェラー財団は、政治的にも奉じて、ベルリンとミュンヘンにあるカイザー・ウィルヘルム研究所のナチス優生学実験に資金提供した。連中は一体なぜこんなことをしたのだろう? 連中の狙いは、連中が“無駄飯喰らい”と呼ぶ人々の絶滅だった。これは人口削減と呼ばれている。

戦後、ジョン・D. ロックフェラーの親しい友人だったアメリカ優生学協会会長が、アメリカ優生学協会の年次総会でこう述べた。“今日から、優生学の新たな名前は遺伝学だ”。しかも遺伝子工や、ヒトゲノム・プロジェクトの類は、ことごとく科学的詐欺だ。ロシア科学者が、ゲノム・プロジェクトは、まったくのたわごとの2%のために98%の科学的に貴重なデータを無視し、何十億ドルを無駄にしていることを証明している。

それゆえ、連中は、単に大量断種を実施するようなあからさまではない手口で、いかにして人口を削減するかという考えに夢中なのだ。

実際、連中は、世界保健機関と一緒に、中米で、不妊効果を持つようでっちあげたある種のワクチンを注射してこれを実行したことがある。そこで、中米で、出産適齢期の女性が破傷風ワクチン注射を打たれた。男性でなく女性にしか注射をしないため、カトリック教会組織が疑念を抱くようになった。そして彼らは、ワクチンには、女性が妊娠して、子供を産むのを不可能にする不妊効果が埋め込まれていることを発見したのだ。これは秘かな人口削減策だ。

これが自分たちは神で、大変な威厳で王座に座り、人類を支配すると思い込んでいる欧米の長老連中だ。私は連中は阿呆集団と思うが、連中はこの遺伝子操作を狙っている。これは自然に反するし、化学的に不安定だ。だから、勇気と自国民に対する道徳的配慮から、ロシア全土でGMO栽培を禁じた、ロシア連邦を称賛するしかない。これは人類にとっての前進だ。中国農業は正しいロシアの意見を非常に必要としているのだから、ロシアが影響力を駆使して、中国にも同じことをさせるよう願いたい。GMOの無い農業を作るというロシアの一歩は、人類にとって偉大な一歩だ。

記事原文のurl:http://katehon.com/article/genetics-are-new-eugenics-how-gmos-reduce-human-population

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昨日は2/26事件の日。

土地疑惑報道ポチ度のリトマス試験紙。暗殺報道の時間の方が、土地疑惑や、共謀罪より遥かに長く詳しい大本営広報部放送局新聞社が何社もある「北朝鮮を越える」属国。

植草一秀の『知られざる真実』2017年2月26日
徹底検証不可欠アベ友事案2015年9月3-5日動静

2017年2月23日 (木)

フリン辞任は世界平和に役立つのだろうか?

2017年2月21日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

僅か数日間、職務をおこなった後、トランプ大統領の国家安全保障主席顧問マイケル・フリン中将の突然の解任は、より平和な世界に関心をもっている人々にとっては、不幸に見えて、結局は幸福となるものかも知れない。シリア“和平”を巡りフリンの汚い取り引きをまとめるのが、ロシアにとって良いことになるという、あらゆる空想や考えからロシア指導部の目をさまさせる冷や水になった可能性もある。

一体何が本当に起きているのかを感じ取るには、見出しの先を見ることが不可欠だ。そもそもの始めから、再三私が述べてきた通り、トランプ大統領は策略で、オバマの失敗した世界支配“本案”を、ヘンリー・キッシンジャーの“代替案”とでも呼ぶべきもので置き換えるのが狙いだ。

フリンの突然の解任は、どのように世界平和のためになるのだろう? 彼はプーチンのロシアとの関係を正常化する親しい友人ではなかったか? 彼はジョージ・W・ブッシュと、B. オバマの外交政策を支配する戦争挑発ネオコン連中に対する熱烈な反対者ではなかったか? 要するに、そうではない。彼はそうではなかった。

ギリシャ神話のアウゲイアースの家畜小屋掃除のように、ワシントン諜報界の汚れを彼単独できれいにしようとしていたかのようなフリンが問題なのではない。問題は、公表されているトランプ・プロジェクト外交政策の優先順位だ。

選挙運動以来、ある種の主題、はっきり表明されている。イランとの核合意は“まずいもの”で、新たな敵対的経済制裁は良いことなのだ。ビビ・ネタニヤフの右翼リクード政権との関係を、再びワシントンの特別な優先事項にしなければならない。世界最大のテロへの資金提供国、サウジアラビアとの関係も良くしなければならない。就任以来の四週間で、一体何が起きただろう?

フリン後、新たな政策は皆無だ。起きているのは、予定通りの、中東の石油とガスをアメリカが支配するための戦争連合を構築するための戦略的旋回だ。ロシアと協力してのシリアにおける“和平”が狙いではない。決してそういうことはなかったのだ。

ユーラシア開発トライアングルの破壊

そもそも最初から、トランプや、フリンや、ジェームズ“狂犬”マティス国防長官の発言を考えれば、アメリカの長老連中や、ヘンリー・キッシンジャーのような連中のメッセンジャーの狙いは、戦争で疲弊した世界に、戦争ではなく、ドル体制やNATOの支配から、大幅に自立した、ユーラシアの国々を結ぶ、底が深い港や、高速鉄道インフラ・ネットワーク建設による経済成長という新たな希望を与えてくれる、ユーラシア経済トライアングルを破壊することだ。

トランプ就任前に発表した先の記事で私が概略を書いたように、“今やキッシンジャーは、次期大統領トランプと陰の外交政策顧問として特別な関係を持ち、キッシンジャー同盟者のティラーソンが国務長官、マティスが国防長官となり、キッシンジャーの強権で、欧米ワン・ワールド妄想の拮抗力となりうる可能性を破壊するため、中国とイランを標的にして、中国とロシアとイランの間に不信と不和を醸成することで、プーチンとロシアを利用しようという彼独自の「イギリスの勢力均衡」政治操作が姿を現し始めている。”のは当時から明白だった。

キッシンジャーは、最近のオバマ外交政策批判で、オバマが、見返りに、イランがシリアから離れ、レバノンとシリアでのヒズボラ支援を止めることを要求せずに、イランへの経済制裁の一部を解除したと主張している。シリアを巡るロシアとの取り引きでは、合意によるバッシャール・アル・アサド退陣と、ワシントンが、1990年代の戦争で、ユーゴスラビアでしたのと同様な、シリアの小国分割、“区分け”を要求すべきだと彼は主張している。キッシンジャーは“冷戦時代のソ連のように、帝国主義国家として、革命の大義をもって行動しており同様な脅威となっているのだから、イランは封じ込めなければならない”と主張している。

トランプの事実上の外交政策戦略家たるキッシンジャーにとって、彼(とデイヴィッド・ロックフェラー)版の世界秩序にとって最大の脅威は、自分たちの利益を主張し、アメリカが率いる秩序の事実上の属国としては行動しない地域ブロックの出現だ。キッシンジャーは、2014年にこう述べていた。“地域間の戦いは、国家間の戦いがそうであったものよりも破壊的なものになりうる。”

フリンは、ロシアゆえにでなく、イランゆえに首にされた

フリンがこれほど早く解任されたことの公式理由は、トランプが大統領になる何日も前、フリンが就任する前にしたワシントン駐在ロシア大使セルゲイ・キスリャクとの電話会話の全詳細をペンス副大統領や他の連中に説明するのを拒否したことだとされている。

理由として遥かにもっともらしいのは、2月始めのイランを対象にしたフリンの軽はずみな発言だ。あの時フリンは、ホワイト・ハウスで異例の記者会見を行い“本日をもって、我が国はイランに正式に警告する”と発言していた。彼の発言は、イランの弾道ミサイル実験や、テヘランが支援していたとワシントンが主張するイエメン戦士によるサウジアラビア海軍艦船に対する最近の攻撃を対象にしていた。強硬に見えるだろうか、あるいは、地域で再びその力を行使する本物のアメリカ風ランボー風マッチョか。ウワオォー!

フリンのばかげた発言には間違いが多々ある。まず、2012年8月、すんでのところでアメリカが、シリアでの地上戦を始め、中東におけるアメリカの威信の悲惨な喪失となるところだった、シリアでの化学兵器に関するオバマの“越えてはならない一線”発言同様、中身がない。キッシンジャーが言っている通り、オバマの“越えてはならない一線”大失敗は、“この地域からアメリカが戦略的撤退するという印象と現実を産み出した。”

しかも、イランの弾道ミサイル実験に対して、国際的禁止は存在しない。元ホワイト・ハウスの中東専門家フィリップ・ゴードンが指摘している通り、“このように劇的な公式な形で、これほど曖昧な警告を発したことで、彼は自らとアメリカ合州国を、ばつの悪い撤退か、危険な対決を選ばざるを得なくした。”弾道ミサイル実験は、イラン核協定や国連決議の対象ではない。

政権が全閣僚を選び、ましてイラン政策で、連中をきちんと整列させる前に、フリンは一体何とばかなことをしたのかが新米トランプ政権内で理解されるにつれ、フリンは辞任せざるを得ないことが明らかとなった。ロシア大使は好都合な話題逸らしだ。

フリンによるおろかで曖昧な脅しのおかげで、ロシアも中国もイランに対する強固な支持を公式に宣言し、代替案がもたらすはずのものと真逆になったことは注目に値する。フリンが自らの刃で倒れる三日前、クレムリン大統領報道官ドミトリー・ペスコフはこう述べていた。“ロシアは、アメリカのドナルド・トランプ大統領によるイランが‘第一番のテロ国家’だという最近のレッテル貼り発言には同意しない。皆様ご承知の通り、ロシアはイランとの良い関係を享受しており、様々な問題で我々は協力しており、我々はこの経済的な絆を高く評価しており、一層進展するよう願っている。”

反イラン軍事ブロック?

トランプの新構想とは一体何かを子細に検討すると、いくつかの特徴があきらかになる。超反動的なサウジアラビア皇太子の後頭部に口づけをした新CIA長官マイク・ポンペオの胸の悪くなるへつらいの態度を見てみよう。2月12日、CIA長官として最初の外国訪問で、ポンペオは、王位継承者のムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子に、テロとの戦いの取り組みに対し、“ジョージ・テネット勲章”を授与した。ポンペオは、イランは中東における紛争の主要な根源だというトランプ政権の呪文を繰り返した。トランプが宣言したこと、キッシンジャーが原稿を書き、イランを“世界最大のテロ支援国家”と非難して、ジェームズ・マティス国防長官が断言したことのオウム返しだ。

1980年代初期に、CIAの十年も続いた対ソ連赤軍戦争を行うアルカイダとなるものを作り出すためオサマ・ビン・ラディンをパキスタンに派遣したことを含め、狂信的なイスラム教の過激なワッハブ派を助長するため、過去何十年もの間に、サウジアラビアは、推計1000億ドルも費やした。サウジアラビアの資金が、ほぼ六年たっても、現在シリアで戦争が続いており、そしてイエメンでも戦争が続いている主な原因だ。

ワシントンのサウジアラビア君主国との関係修復は、ネタニヤフのイスラエルと、サウジアラビア、クウェート、カタール、ヨルダン、エジプトを含む超反動的なスンナ派湾岸諸国連合とワシントンとの関係再構築というより大規模な戦略の一環だ。オバマのイラン核合意は、ワシントン と、イスラエルや湾岸アラブ諸国との関係をひどく冷却させた。

2月15日、ウオール・ストリート・ジャーナルが、トランプ政権が、地域において増大しつつあるイランの影響力に対抗すべく、アメリカ合州国とイスラエルと諜報情報を共有するのに協力する国々、サウジアラビアや他のスンナ派湾岸諸国とイスラエルで、反テヘラン軍事ブロックの構築を計画していると報じた。ワシントンは、諜報情報がイスラエルと公然と共有される四つのアラブ国家間の“新たな‘NATO’協定の創設を狙っていると記事は報じている。新協定は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦 (UAE)、エジプトとヨルダンに提案されており、増大するイランの地政学的脅威に対する正式な軍事同盟と見なされている。”

トランプと会見すべく、ワシントンを訪れたネタニヤフは、即座に“アラブのNATO”を作るというトランプ提案を受け入れたが、もちろん、イスラエルは、抜け目なく裏で“標的”を提供しいてたのだ。イスラエル首相は、これは“平和にとって素晴らしい好機だ”と宣言した(原文通り)。

より深い地政学

しかしトランプ政権によって、イランに対する新たなスンナ派戦争を作り出すことは大詰めではない。それは遙かに大きな途方もなく戦略的な作戦の一歩なのだ。ロシア、中国とイラン間の増大しつつある協力で、出現しつつあるユーラシア・トライアングルの破壊だ。ワシントンとイスラエルのネタニヤフは、そのためにはイランが最善の方法、弱い輪と見なしている。

2016年にマイケル・フリンと本を共著した人物でもあるワシントンのネオコン尊師マイケル・レディーンによる最近の独創的論文は精読に値する。1980年代のイラン-コントラ・スキャンダルや、2003年に、ブッシュ-チェイニー政権が、イラクに対する狂った戦争を正当化するのに利用したインチキなニジェール・ウラン・イエロケーキ事件の立案者、レディーンは イランを悪魔扱いするトランプの取り組みの中心だ。現在、レディーンは、ネタニヤフとつながるワシントンにある民主主義防衛財団で、いわゆる「自由の学者」をつとめている。

フリンがNSCを辞任する直前、2月13日に、ルパート・マードックのウオール・ストリート・ジャーナルに掲載された論説で、レディーンはこう書いている。“ウラジーミル・プーチンと、中東で取り引きをしたいのだろうか? それなら本物の質問から始めよう。ロシアはイランとバシャール・アサドのシリアを見捨てる用意があるだろうか? もしそうであれば、それをうまくすすめるには一体何が必要なのだろう? ”

レディーンはこう続けている。“プーチン大統領に、アサドと、アヤトラ・アリ・ハメネイとの同盟を止めさせるロシアとのアメリカ取引は、 イランを脅かす。ロシア爆撃機と特殊部隊がなければ、イランはアサドと同様、敗北に直面する。シリアがなければ、テヘラン政権の欠かすことのできない一部であるヒズボラは、少なくともひどく脅かされ、テヘランから地中海に至る軍事パイプラインと共に、もはや機能できなくなる。”

レディーンは、更に、ハメネイのイランを打倒するのに、新たなCIAカラー革命を支援するようトランプに提案している。“アメリカの支援によって、何百万人ものイラン人が、イスラム共和国を打倒し、欧米の政府に似た世俗政府を樹立できよう。イスラム共和国がなくなれば、トランプ政権は、プーチン大統領と取り引きする上で、ずっと強い立場にたてるだろう。モスクワへの道はテヘラン経由なのだ。” xv

マイケル・レディーンは卑劣な人間だ。2002年に、イラク侵略を推進する一環として、彼がこう発言したことが記録に残っている。“騒然たる状況になる可能性が極めて高い地域があるとすれば、今の中東だ。我々が効果的に戦争をしかければ、イラク、イランとシリアのテロ政権を打倒することができ、サウジアラビア王政を打倒するか、若いテロリスト連中を洗脳する世界的組み立て工場を放棄するよう強制できるだろう。それが対テロ戦争における、我々の任務だ。”

身を引くロシア

こうしたあらゆる物事は、フリン辞任と、トランプ政権のモスクワに対する真の動機に関するモスクワの認識とどうつながるのだろう? モスクワとワシントンから出されているあらゆる兆しから、トランプ政権は、シリアを巡りロシア-イラン関係を絶ち、主要な中東関係者としての新たに築かれたロシアの影響力や、他の国々にとって信頼できる同盟国としての信頼を破壊する、とんでもなくひどい取り引きを、モスクワに申し出ることに邁進していた。経済制裁解除の可能性と、ロシアのクリミア政策に対する何らかの“理解”という曖昧な約束が、トランプ株式会社がモスクワの前にぶらさげた、いくつかの“ニンジン”だと報じられている。

2月14日、彼のロシア高官との接触を巡ってのものとされるフリン辞任の翌日、ペンタゴンは、クリミアのロシア黒海艦隊の戦略的基地がある黒海の公海で、誘導ミサイル駆逐艦、アメリカ軍艦ポーターに“余りに接近して”飛行したと、ロシア軍を非難した。ペンタゴンは、ロシア戦闘機がトランスポンダーを切って飛行していると非難している。アメリカ艦船がそれほどロシアに近いところに存在していること自体がオバマの下で始まった、明らかに、トランプが変更していない、ワシントンによる挑発の一環だ。

それより一週間前、アメリカ国連大使ニッキ・ヘイリーは、国連で、“アメリカ合州国は、ロシアのクリミア占領を非難し、即座に止めるよう要求し続ける…クリミアはウクライナの一部だ。ロシアが半島の支配を、ウクライナに返還するまで、クリミアに関連するアメリカ経済制裁は継続する。”トランプ本人がさらにこうツイートした。“オバマ政権時代に、クリミアはロシアに奪われた。オバマはロシアに甘すぎたのだろうか?

選挙運動中、トランプは、関係修復の一環として、クリミアに関連するロシア経済制裁を見直すことを示唆していた。

マイク・フリン解任以降、現時点で、シリアを巡るワシントンとの本格的取り引きから、ロシアは明らかに身を引いている。ロシアは、CIAポンペオ長官による最近のトルコ訪問は、エルドアンを、NATO陣営に戻るよう説得し、シリア内での新たな攻勢に対するトルコの支持を得る狙いであり、シリア国内での和平への共同取り組みに対するトランプ政権の本当の狙いに関する基本的な不誠実さの更なる兆しと見ている。アメリカ軍産複合体と共に、永久戦争経済に深く肩入れしているワシントン諜報界内に埋め込まれたネットワークが、フリン解任の背後にあろうがあるまいが、余波の中、モスクワが戦略的見直しをしているのは明らかだ。

シリアでのロシアの邪悪な取り引きで、イランとロシアの絆を断てば、ユーラシア黄金トライアングルのもう一本の戦略的柱、つまり、現在、世界でもっとも大規模なインフラ・プロジェクトと言われている、港・高速鉄道インフラ・プロジェクト一帯一路への参加を中国がテヘランに呼びかけている、習近平の中国とイランとの戦略的つながりの破壊も促進することになる。ワシントンが、このユーラシア・トライアングルを破壊しなければ、超大国の衰退に直面する。それがキッシンジャーのトランプ・プロジェクトの狙いだ。

シリアを巡り、ロシアとイランの間にくさびを打ち込もうというワシントンの取り組みを、ワシントンが南シナ海を巡って中国を標的にしていることや、来るべき通貨戦争という世界的な文脈に置くと、ヘンリー・キッシンジャーが設計したトランプ・ プロジェクトの本当の狙いがより明らかになる。狙いは、現在、唯一の超大国としてのアメリカ覇権に本当に取って代わる能力がある世界の唯一の地域同盟、つまり金、技術、鉄道網と手強い軍事抑止力を持ったロシア-イラン-中国ユーラシア・トライアングルを破壊することだ。世界にとって幸いなことに、連中は悲惨なスタートをするところだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/02/21/does-flynn-exit-aid-world-peace/

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大本営広報部の白痴製造装置、市場移転問題と、暗殺事件一辺倒。一億総白痴。

【国会ハイライト】『犬臭い』と園児のリュックを捨てた!? 森友学園が運営する塚本幼稚園での「児童虐待」の実態を民進・玉木雄一郎議員が追及!~「極右学校法人の闇」第13弾!

「牧口常三郎・創価学会初代会長が治安維持法による弾圧で獄死させられた経験を思い起こして欲しい」――市民が公明党・山口代表に要請「現代版『治安維持法』=『共謀罪』法案の国会提出をさせないで」 2017.2.22


2017年2月15日 (水)

トランプはユーロを破壊するだろうか?

2017年2月9日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

大統領就任後、わずか数日で‘ドナルド’は実に多くの大統領令や、攻撃的なツイートを発したおかげで、世界はくらくらしている。移民禁止の取り組みや、XLキーストン・パイプライン承認や好戦的なイラン威嚇の煙の中から、はっきりと出現しつつある政策は、大統領上級顧問、首席戦略官スティーブン・バノンが主張する、トランプ・チームの経済的狙い“愛国的経済”だ。これまでのところ、主要標的は、アメリカ合州国との最大貿易黒字二カ国、中国とドイツだ。とはいえ子細に見ると、時折資本市場について、アメリカ諜報社会に助言しているジェームズ・リカーズが“通貨戦争”と呼んでいるものを、ワシントンが開始する準備をしていることが伺える。中国という明らかな標的は別として、二番目で、おそらくより重要な標的は、ユーロとヨーロッパ通貨体制の破壊だ。そこでは、ドイツが中核で、おそらく、トランプの名前がでる度に、メルケル首相が酷い胃痛に襲われるらしい理由の一つだ。

1月31日、アメリカ通商の新権力者ピーター・ナヴァロは、アメリカや、他のドイツのEU貿易相手を“搾取するのに、多いに過小評価されたユーロ”を利用していると、ドイツを非難した。ナヴァロは更に、ドイツを、ユーロ圏経済の核、事実上の“通貨操作国”呼ばわりした。今後頻繁にこの単語に出会うはずなので、単語に慣れて頂きたい。ただし、ナヴァロが言っている「操作」とは、1999年-2002年のユーロ単一通貨創設なのだ。ドイツを最大の加盟国とするユーロは“暗黙のドイツ・マルク”のように機能している。ナヴァロは、アメリカ・ドルに対するユーロ安値のおかげで、ドイツは主要貿易相手国に対して大いに恩恵を受けていると非難した。

ドイツが精力的に反論しているのも驚くべきことではない。アンゲラ・メルケルは即座に欧州中央銀行の通貨政策は、条約上、ユーロ圏全体のインフレをコントロールするよう負託されていると断言し、更に、ECBは、条約上“独立している”ので、ドイツがたとえそうしようと思っても、ユーロを操作できないと主張した。これは事実の一部に過ぎす、現時点で、欧州連合の28加盟国中、19カ国がユーロ圏で、日常的業務でではなく、1990年代に極めて出来損ないのユーロ構造を作り上げる上で、ユーロ圏の経済的巨人ドイツは、不釣り合いな影響力を行使したのだ。ほとんど知られていないこういう話がある。

‘次の世紀に、ドイツの立場を確保’

これは、通貨操作に関する干からびた経済学のように聞こえるかも知れないが、貿易上の優位云々は、事実上の究極的な中期的目標としてのユーロ圏破壊を呼びかけるワシントンの狙いを隠蔽しているのだ。

皮肉なのは、フランス、イタリアとイギリスの元首連中が、1991年12月に、1999年末までに完全な通貨同盟を約束する欧州連合条約に調印したオランダのマーストリヒトでのヨーロッパ経済共同体加盟国元首サミットで、唖然とするコールにぶつけた際、ユーロ圏に、当時のドイツ首相ヘルムート・コールは大反対したことだ。そこで、コールは、ブリュッセルでは“民主主義の欠如”と優雅に呼ばれる、民主的に選ばれたヨーロッパの政治国家の一つとしてない、単一ヨーロッパ通貨、現在のユーロを確立する条約という彼らの提案に直面した。

統一ドイツと呼ばれる経済大国の新たな力を恐れた懐疑的なフランス、イギリスとイタリアは、強力なドイツ・マルクと、当時世界で最も尊敬されていた中央銀行、ドイツ連邦銀行の権限を、後に欧州中央銀行として知られるようになる新たな自立した超国家的構造にゆだねるよう要求した。何ヶ月もの厳しい抜け目のない駆け引きの後、新たなユーロ圏加盟国は、公的債務の制限をGDPの60%とし、年間公的債務を制限GDPのl3%に制限するという、ハンス・ティートマイヤーのドイツ連邦銀行が決めた恣意的な厳しい条件、厳格ないわゆるマーストリヒト基準に従うという条件で、最終的に、ドイツは同意した。

経済ジャーナリストとして、当時こうした進展を追うのに私は積極的に関わっていた。1990年早々、デンマーク人の欧州委員会委員ヘニング・クリストファーセンの厳格ないわゆるマーストリヒト基準に関する個人的な考えを知る思いがけない機会を得た。最近亡くなったクリストファーセンは、ジャック・ドロール欧州委員会委員長の下、EEC (EUの前身)で、当時のマーストリヒト条約交渉で、経済と通貨関係の担当だった。彼は実質的に、いくつもの点をとりまとめて、ユーロとなるものにする責任を負っていた主要委員で、ユーロ誕生時、加盟諸国間の非公開論議や戦いを非常に良く知っていると言うべき人物となった。

1994年に、クリストファーセンは、ロンドン金融会議の際に、私が良く知っているデンマーク人エコノミストに、ドイツと、特にコール首相の単一通貨ユーロ導入に対する態度は“1991年から180度転換した”と語っていた。彼は三年の間に、フランスとイタリアの巨大銀行は深刻な危機に苦しみ、生存しようとあえぐようになっており(興味深いことに、連中は今もそういう状態で、更にひどくなっている-筆者)、イギリスの銀行は深刻な不動産債務危機にあり、ヨーロッパの金融・資本市場を支配する上で、堅固なドイツ銀行には到底かなわなかったと語ったのだ。“ドイツ銀行や他の大手ドイツ銀行は、上手にやれば、ユーロは、ヨーロッパのトップとしてのドイツの役割を、次の世紀、あるいはそれ以降も保証する可能性がある”とコールを説得した。

それから少し後のフランクフルトでの銀行業会議で、私自身、コール首相の見解の変化を、まざまざと見た。once-foot-dragging ユーロに懐疑的だったコールが、集まった銀行家たちに、ユーロは“将来、もう戦争が不可能になるようヨーロッパを結びつける鍵”だと述べた。彼は総立ちになっての拍手喝さいを受けた。彼はそうと決心すれば、巧みな雄弁家だった。要するに、現在のユーロ圏はドイツが作り出したものなのだ。

ユーロに対するナヴァロの狙い

大統領として、ドナルド・トランプは、最近ドイツ自動車のアメリカ輸入を攻撃し、アメリカ国外で製造されたドイツBMWに対する懲罰的な35%輸入関税で威嚇した。ドイツの対応は、そうしたいちかばちかの外交ゲームでは、むしろ愚かで、“アメリカ製”自動車の品質を攻撃した。ドイツにもっと多くのシボレーなどのアメリカ自動車を買わせるために、アメリカができることは何かと聞かれて、ドイツ経済相のシグマール・ガブリエルは“もっと良い自動車を作りなさい”とぶしつけに言い返した。シグマール経済相の対応は巧妙な手とは言えない。

しかしながら、ナヴァロ対ドイツ戦略の本当の狙いは、ドイツ内で、品質的に劣るアメリカ製シボレーの売り上げを伸ばすことではない。アメリカ車が劣っていることは、私が個人的に証言できる。最終的に wreck世界準備通貨としてのアメリカ・ドルの役割に対する潜在的ライバルで、大いに欠点があり、大いに脆弱なユーロ体制を。1944年以来andブレトン・ウッズ、アメリカの世界覇権は二つの大黒柱に依拠している。アメリカにはいかなるライバルもない確固たる軍隊と、要するに、ワシントンの赤字に諸外国が際限なく資金提供することを意味する確固たる世界準備通貨たるアメリカ・ドルだ。

ナヴァロ-ロス戦略論文

トランプ大統領選挙戦の支援部隊の一員として、カリフォルニア大学経済学教授で、当時の選挙戦経済顧問ピーター・ナヴァロと、未公開株式投資アドヴァイザーで、億万長者投資家のウィルバー・ロスが、トランプ候補のための経済戦略論文作成に協力した。トランプが、環太平洋連携協定、環大西洋貿易・投資連携協定を破棄し、NAFTA再交渉を要求している背後には、この論文があるのだ。これは、ドイツを“通貨操作国”として、トランプ大統領が攻撃している背後にもある。

現在、もちろん、ピーター・ナヴァロは、通商の権力者で、ホワイトハウスに新たに作られた国家通商会議のトップだ。ロスは新商務長官だ。二人は同じ脚本を演じて、固定されたユーロで、ドイツは不相応に恩恵を受けており、アメリカ合州国やイタリア、ポルトガル、ギリシャなどのユーロ圏の周辺的な国々や、フランスさえ、大損をしているという主張で、暗黙のうちに、ユーロ圏破壊を呼びかけているのだ。

ドナルド・トランプが、大統領に就任する四日前、ロンドン・タイムズで、長いインタビューをした。その中で彼はこう断言した“…欧州連合をご覧なさい、あれはドイツです。基本的にドイツのための道具です。”更に、シリア、アフガニスタン、リビアや他の圧倒的にイスラム教徒が多い国々からの百万人以上の戦争難民を無審査で受け入れたドイツや他のEU諸国の問題について、トランプはこう断言した。“もし彼らが、それに伴うあらゆる問題がある、これほど多数の難民全員の受け入れを強いられていなければ、Brexitはなかっただろうと私は思う。たぶん丸く収まっていただろう。だがこれはラクダの背中を折る最後の一本の藁だった。人々は、自分たちの独自性を望んだのだと私は思う。だから皆さんが私に辞めろと言われるなら辞めるべき他の連中だと思う。(強調は筆者による)

トランプの発言は立腹してのものではなく、むしろ朝のコーヒーの残り香だ。この源はピーター・ナヴァロによる2016年9月29日の白書だ。ナヴァロは、アメリカ財務省債券を購入することで、主要輸出相手国アメリカに対して、元を安定させていることで、中国を非難した後、次にドイツとユーロを攻撃した。

“経済通貨同盟のおかげで、同様な問題が存在している。ユーロは国際通貨市場で自由に変動するが、この制度は、もしドイツ・マルクが依然存在していたならば、そうであるはずのもの以上にドイツ通貨を安くしている。”

ナヴァロはこう続けている。

“事実上、経済通貨同盟中の南ヨーロッパ経済の弱さが、ユーロを、ドイツ・マルクが自立した通貨だったならそうであったはずの為替レートより安く保っている。これこそが、アメリカが、ドイツとの商品貿易で、2015年で、750億ドルという大きな赤字になっている主な理由なのだ-ドイツの賃金が比較的高いのに…より大きな構造問題は、はびこる通貨操作で悩まされている国際通貨制度だ。”

ナヴァロは、挑戦的な調子で、こう結論づけた。

“ドナルド・トランプは、アメリカ国民に、財務省は、自国通貨を操作するあらゆる国を“通貨操作国”とレッテルを貼ると約束した。これで、もし通貨操作が止まらなければ、アメリカが防衛的、相殺関税を課することが可能になる。”

昨年、あるいは他の年にも、ドルに対し、元を強化すべく、実際活発に介入したが、アメリカ財務省の範疇によれば現状ではアメリカ財務省の規則では通貨操作国ではない中国の事実を無視し、ドイツを公式に“通貨操作国”と宣言して、様々な経済制裁を課するには、一年間の誠実な交渉が必要だ。だから準備は整ったのだ。

統一反ユーロ戦線

アメリカEU新大使に指名されたテッド・マロックは、2月5日に、ブルームバーグとインタビューし、そこで彼は、ユーロ崩壊に賭けるし、“ユーロを空売り”したいと述べた。同じインタビューで、彼はギリシャのユーロ圏からの離脱Grexitには“強い動機”があると断言した。先にマロックは、欧州連合は“飼い慣らす”必要があると述べて、EUを消滅したソ連になぞらえた。

別のインタビューで、マロックはユーロは今後18カ月で崩壊しかねないと言い切った。彼はBBCで“通貨は終焉に向かっているのみならず、実際に問題があり、来年、一年半後には崩壊しかねないと思う。…2017年に私がするだろうことの一つは、ユーロの空売りだ”と述べた。マロックは、EU政治の素人ではないことに留意が必要だ。彼は、現在、イギリスのレディング大学ビジネス・スクールで教授として教えている。マロックは、グローバル化推進派のスイス、ダボス世界経済フォーラム理事もつとめており、シンクタンク、アスペン研究所の首席研究員でもあった。ユーロとEUそのものの将来に関する彼の発言は、計算しつくされたものだ

しかも、財務長官として、中国に通貨操作国というレッテルを貼るのに何の抵抗もないと述べた人物、ゴールドマン・サックス・バートナーとして17年勤めたスティーヴン・マヌーチンがおり、ユーロ破壊を目指す、全面的なアメリカ通貨戦争の準備は整ったように見える。

誤解なきよう。1990年中頃に、国民国家を超えるEUの超国家通貨としてのユーロが現実になることが明らかになって以来、当時考えられていたユーロという考えは、ヨーロッパと世界にとって災厄の卵だと、私が言い続けてきたことは記録にある。ジャック・ドロール、ジスカール・デスタンなどの周辺のヨーロッパ長老連中による、世界準備通貨として、ドルに対する巨大なEUライバルを作り出そうという構造物だった。

2002年から、ギリシャ政府が、ギリシャの赤字が、ユーロ圏で規定されている3%ではなく、12%以上になっている事実を隠蔽するのを可能にしたあやしげなデリバティブ通貨スワップ操作工作をしたのが、ムニューチンのゴールドマン・サックスだったことは注目に値する。好都合にも、ギリシャ債務危機は、まさにアメリカ財政赤字が、年間何兆以上の規模で爆発しつつあり、なによりも中国がアメリカ財務省ボイコットで脅していた2010年に公表された。当時、ドルに対して、ユーロを押し下げるために、ゴールドマンとアメリカ財務省が意図的にギリシャ危機を爆発させたのだと疑う十分な根拠があった。

今やトランプ新政権内のゴールドマン・サックスの金融天才連中と、トランプ経済チームが、Brexitのおかげで、ユーロ圏とEUが、かつてないほど脆弱になったので、ユーロ脅威の可能性に決定的に止めを刺し、捨て去ると決めた可能性が高い。そのような崩壊は、確実に、EUを1930年代のものより酷い大混乱、破壊、金融危機に陥れる。トランプや、ナヴァロやウィルバー・ロスにとっては、こうした社会的、人的問題は、連中の狂った計画に対する単なる“外部事項”に過ぎない。ユーロは、EU同様、早急な改革が必要な実にひどい構築物なのだ。

一体なぜユーロを破壊するのだろうか? イギリス人経済史家ハロルド・ジェームズがその理由を示唆している。“ユーロ崩壊の結果は一体何だろう? 競争相手として、ヨーロッパを弱体化させるのみならず、かつての国家間ライバル関係が再び解き放たれることで、一層不安定化させるのだ。”ドイツ首相やベルリンの他の連中が、トランプが連中に一体何をもたらすかについて、極端に神経過敏になるのも不思議ではない。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/02/09/will-trump-destroy-the-euro/

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秘密朝貢外交で丸裸にされる我々にとって人ごとではない。

属国傀儡独裁政権の虚言を大本営広報部は忠実に拡声するだけなので、ほとんど呆導番組は見ない。今日のIWJガイドを拝読すれば、その途方もなさがわかる。9時番組の男女が変わるというが、オバマのチェンジと同じ、顔が変わるだけ。虚報は継続する。

■<はじめに>合意内容がまったく明らかにされない日米首脳会談「日本国民に語れないような売国密約がなされたのではないか?」そもそも安倍総理は「日本の公的年金を土産にするようなことはしない」と明確に約束していない

 おはようございます。IWJ記者の福田玲子です。

 皆さま、2月13日放送のNHK「ニュースウォッチ9」はご覧になられましたか?

 安倍総理が生出演し、このたびの訪米の成果を自らPRし、NHKの岩田明子記者ほか出演者一丸で成果を強調するという、事実上の国営放送の報道番組として、ありえない内容でした。

 「成果」として強調されたのは、いかにトランプ大統領に安倍総理が気に入られ、親密な間柄になったかということだけ。安倍総理がトランプ大統領にひたすらへつらい、こびることが世界中のメディアで話題になっていますが、その安倍総理にこびへつらっているのが日本のマスメディアで、その筆頭がNHKです。およそ先進国のジャーナリズムの姿ではありません。岩上さんの言葉を借りれば、「犬の犬」です。

 会談の中身や合意事項については、まったく明らかにされてきません。日本側からアメリカ側に対して、よほど、極秘にしてもらいたいという要望があったものと思われます。

 なぜそれほどまでに極秘にしたいのか。岩上さんも指摘していますが、「国民には語れないような、売国密約」がなされたのでしょう。

 売国密約の筆頭は、恐らく日本の公的年金に関することかと思われます。

 この件については、2月3日の衆議院予算委員会でも、民進党の大串博志衆議院議員が質疑していました。

 大串議員はまず、安倍政権になってから、GPIF(独立行政法人「年金積立金管理運用」)が、リスクを取る運用を始め、インフラや不動産にも投資する「オルタナティブ投資」(※1)ができるようになったことを批判しました。

(※1)オルタナティブ投資(直訳「代替投資」):株や債権などの伝統的な投資ではなく、プライベートエクイティー、不動産、インフラ、天然資源などに投資をすること。大串議員は質疑で、このオルタナティブ投資について、ニッセイ基礎研究所の専門家による「(オルタナティブ投資は)ハイリスクハイリターンであり、その仕組は非常に複雑であるため、ファンドの選択には高度な専門知識と経験が必要とされる…(中略)…大損を被るリスクがある」という解説を引用し、こんなリスクの高いものに公的年金を投じることに強い懸念を表明した。

 そして日経新聞で報道された「公的年金、米インフラ投資」の記事、及び読売新聞の『70万人雇用創出、米に提案へ…経済協力原案」の70万人の雇用創出のため4500億ドル(51兆円)の市場をつくるという日米経済協力の記事に触れ、この51兆円規模の市場は日本の公的年金から拠出するつもりなのか真偽を尋ねました。

・公的年金、米インフラに投資 首脳会談で提案へ 政府、雇用創出へ包括策(日経新聞、2017.2.2)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS01H5E_R00C17A2MM8000/

・70万人雇用創出、米に提案へ…経済協力原案(読売新聞、2017.2.2)(記事はすでにHPから削除)

 これに対する安倍総理の答えは、「政府として、今、おっしゃったようなことを検討しているわけではない」「GPIFについては私は…(中略)指図できない」といったものでした。また、大串議員の「年金のお金を使ってトランプさんにお土産を持っていくことはしない、これを約束していただけますか」との問いには、「(会談の内容は)まだ何も決まっていない」と述べるにとどまり、明確に「しない」とは約束しませんでした。

 もともとGPIFは安定運用が原則で、株式運用比率も2割5分でした。それを5割に引き上げさせたのが安倍政権です。「私は指図できない」といいつつ、GPIFに働きかけ、オルタナティブ投資まで可能にしたのは安倍政権です。

 なお質疑には、GPIFの高橋則広理事長が参考人として出席し、「現在、公的年金資産140兆円のうち5%である7兆円をオルタナティブ投資できる仕組みである」こと、また「用意されているガイドラインでは、投資対象は欧米の先進国が中心なので、(その7兆円が)アメリカのインフラ投資に向かうことはあり得る」と述べていました。

 安倍総理が、GPIFにはたらきかけ、仕組みを変えさせてきたことを思えば、果たして7兆円ですむのでしょうか。

 中身がまったく明らかにされない。こんな異常な日米首脳会談があるでしょうか。「国民に語れないほどの売国密約」などなかったと思いたいですが、気色の悪い蜜月ぶりばかりを強調する、芸能ショーのような演出や、目くらましのような北朝鮮のミサイル報道を見るに及び、悪夢が現実になろうとしているような気がしてなりません。

 なお上記、大串議員と安倍総理の質疑については、下記でご覧になれます。

・衆議院インターネット予算中継(2017.2.3)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=46356&media_type=fp

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