William Engdahl

2019年7月25日 (木)

エルドアンとキプロスとNATOの未来

2019年7月19日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 ここ数週間、帰属問題で係争中のEU加盟国キプロスを取り巻く排他的経済水域での、トルコの》石油掘削装置をめぐって、緊張の劇的なエスカレーションがおきている。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、北キプロスの水域のみならず、ギリシャのキプロスが権利を主張している、そこからかなり遠い水域でも、トルコは掘削する権利があると主張している。石油とガス掘削プラットホームを、この水域に移動するトルコの行動は、エネルギー源の豊富な東地中海で、劇的な新しい衝突を生み出している。当事者の顔ぶれは、トルコが、キプロスとギリシャと衝突する可能性のみならず、ロシアと中国が強い関心で見守る中で、イスラエルとアメリカとの衝突さえありうる、対立する利害の政治的火炎瓶となりつつある。

 6月20日、トルコは石油とガスを求めてボーリングするため、キプロス沖水域に、二隻目の船を出航させたと発表した。トルコは、キプロス島のトルコ対岸部、北キプロス・トルコ共和国を承認しているので、北東地域で海の権利を持っていると主張している。島が1974年に分割されて以来、トルコだけが、島のおよそ36%を占める北キプロス・トルコの共和国を公式に承認している。キプロス共和国として知られている島の残りの部分は、独立のEU加盟国として認知されており、歴史的にギリシャに近い。2017年7月、国連が仲介した島の統一に関する協議が失敗し、エネルギー上の緊張が増大した。

 2011年、巨大な石油と、特に天然ガス田が、キプロスに近い東地中海と、イスラエル、レバノンと、可能性としてエジプトの沖で発見された。地域全体には500兆立方フィート以上のガスを埋蔵している。その時以来、東地中海は、エネルギー地政学と高まる緊張の焦点になった。キプロスが去年2月にENIに採掘権を与えた際、トルコは、ENIにその掘削を断念することを強いて、軍艦をその区域に送った。11月、キプロスがキプロス南西水域で、アメリカのメジャー石油企業エクソンモービルに採掘権を与えると、エルドアンは同社を「海賊」と呼び、それを放棄するよう要求した。

 ここ数週間、エルドアンは、キプロス共和国が領有を主張する水域に数隻のトルコ掘削船を送って、状況をエスカレートさせている。

 舞台裏では

 今、大論争となっているキプロス沖合での掘削を露骨にエスカレートしているトルコの背景は一体何だろう。膨大なガス埋蔵が最初に発見された時から、8年以上の間多かれ少なかれ知られていた問題が、なぜ今なのか? それを説明できる要因がいくつかある。

 第一に、最近、10年以上で初めて彼の権力に疑問を投じた、エルドアンの劇的な選挙敗北がある。彼がキプロスに対するトルコの主張で断固たる態度を取ることが、特に、トルコ経済が、ここ数カ月厳しい景気後退に入っている中、彼の衰えた人気を復活できると彼が判断した可能性は排除できない。拡大する政治不安で、トルコ経済は、失業率増加や内需崩壊やリラ下落で打撃を受けている。エルドアンは、アメリカ代案ではなく、ロシアの先進的なS-400防空システム購入に、アンカラが固執していることで、ワシントンと進行中の戦いの中にある。トルコがギリシャと同様にNATO加盟国であるという事実が、地政学的波瀾を高める。7月17日、ワシントンは、ロシアのS-400防空システムを購入した結果、トルコは、F-35統合攻撃戦闘機を購入することを許されないと発表した。

 トルコとロシア

 何年にもわたり、特に、ペンシルベニアに亡命中のCIA資産フェトフッラー・ギュレンのせいだとエルドアンが主張する2016年7月のクーデター未遂以来、ワシントンがギュレン引き渡しを拒否しているため、エルドアンとワシントンの関係は緊張状態にある。

 今、以前の、トルコによるシリア領空でのロシア戦闘機撃墜後のトルコ-ロシア関係の決裂後、ロシアはトルコに大いに進入して、ワシントンの懸念を引き起こしている。ロシアのS-400防空システム購入に加えて、エルドアンは、ロシアの黒海から、トルコまで、ロシアとのトルコ・ストリーム・ガスパイプライン建設に加わった。2018年11月、それがトルコ領土に至ったので、ロシアのプーチン大統領が、ガスパイプライン最初の910キロ海底区間完成を祝うためイスタンブールを訪問した。2番目の平行するパイプラインがトルコ経由で、ギリシャに、可能性として、セルビア、ハンガリーや他のヨーロッパ市場にロシアのガスを輸送するはずだ。プーチンとエルドアンは、相互貿易のかなりの増加を議論して、最近の大阪G20サミットでも協議を行った。

 しかしながら、掘削船をキプロス水域に送る最近のトルコの動きは、ギリシャがトルコ・ストリームからのトルコ・ガス購入に同意しないだろうことを、ほとんど保証するにすぎない。さらに、トルコがキプロスとギリシャの領空と領海をカバーする新しいロシアのS-400ミサイル部隊を南西トルコに配備した事実は、ギリシャ側からトルコやロシアとの関係を温める役にはたたない。

 7月16日、キプロス沖での、無許可の掘削船派遣のかどで、EUがトルコに対する制裁を発表した際、トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外務大臣はこう応えた。「EUの決定を、制裁を呼ぶことは、それを真剣に受けとめることを意味する。そういうことはするべきではない。ギリシャ系キプロス人を満足させるために、この決定がなされたのだ。こうしたものは我々に影響を与えない。」彼が話をした通り、アンカラは東地中海に四隻目の探査船を送るとを発表した。謙虚どころか、エルドアンの外務大臣は、トルコには、キプロス海岸から200マイルを含む、キプロス共和国政府と同等の掘削の権利があると主張し、ギリシャの排他的経済水域に食い込む地中海の一部の権利さえ主張しているのだ。トルコは、キプロス沖の掘削船を護衛するため、無人飛行機、F-16戦闘機と軍艦で支援している。

 NATOの未来

 この全てがエルドアンがトルコ地政学の大きな新たな章に入り、中国とロシアが率いる上海協力機構を好んでNATO離脱を準備しているのかどうかという疑問を引き起こす。

 トルコは、モスクワとの軍事的結びつきを深めるのをいとわないように思われるだけではない。7月2日、最近の北京訪問で、エルドアンは新疆ウイグル自治区での百万人以上のイスラム教ウイグル人抑留とされているもので、中国を非難するのを拒否した。かつて、トルコは、ウイグル族を、民族的にトルコ人と見なしていて、新彊を、東トルキスタンとして言及して、中国によるウイグルの取り扱いを非難する唯一のイスラム教国の一つだった。今回驚くべきことに、エルドアンは中国メディアで「我々は双方の微妙な点を考慮に入れることで、問題への解決を見いだすことができると私は信じている。」と穏やかな語調で語ったのだ。エルドアンの北京訪問の明確な目的は、ここ数カ月間、アメリカ制裁によって大きな打撃を受けている弱体化したトルコ経済に対し経済援助を得ることだった。既に中国企業は、新しいイスタンブール空港同様、新しいイスタンブール-アンカラ高速鉄道路線の一部の建設に従事している。

 トルコは、最も有利になるようにする取り組みで、東と西に二股をかけることがよくあった。疑問は、今エルドアンが、NATOでの立場への危険を冒して、中国とロシアとの明確な連合へと移行しつつあるのかどうかだ。もしそうであれば、キプロスとの石油とガスの掘削に関する現在の紛争は、EUにとってのみならず、ワシントンにとっても大きな課題となり得る地政学的構造的転換に向かう過程での小さな事件であり得よう。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/07/19/erdogan-cyprus-and-the-future-of-nato/

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 (国際原子力機関 (IAEA) 事務局長天野之弥氏が亡くなった。

 2011年3月21日に掲載したクリス・ヘッジズ氏記事「今度は地球丸ごと道連れ」の後記で、機内で撮影された天野IAEA事務局長発言への違和感を書いたのを今でも覚えている。

 他にも、下記記事や後記で、彼氏に触れている。検索エンジンというものが、実際は隠蔽エンジンであることが、こうした記事でも確認できる。

 またもや戦争へと燃えあがるアメリカ資本主義

 イランを覆いつつある戦雲 (不思議なことに、この記事、今朝の時点で、yahoo、Google検索から隠蔽されている。 ペルシャ湾侵略有志連合参戦に不都合だからだろうか?) 

IranyahooIrangoogle

 福島の危機、6ヶ月で収束予定(不思議なことに、この記事は、今朝の時点で、yahoo検索から隠蔽されている。)

Fukushimay

 “福島-1”原発を巡る状況とは無関係に原発建設は進行中とIAEA事務局長

 喜劇に特別興味はないが、あの企業、不思議な組織と思っていた。今日の日刊IWJガイドを拝読して納得。

日刊IWJガイド「吉本興業の本当の闇は芸能と権力の結びつきにある! 吉本興業とNTTが沖縄県那覇市に立ち上げた教育コンテンツ等を国内外に発信する国産プラットフォーム事業に対して、官民ファンドのクールジャパン機構が最大100億円も出資! 」 2019.7.25日号~No.2506号~(2019.7.25 8時00分)

2019年6月28日 (金)

中国の自動車は次の不況を引き起こすのだろうか?

2019年6月16日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 5月、現在世界最大の自動車市場、中国における新車販売が、劇的に16.4%も急落し、比較的新しい中国自動車産業史上最悪の月となった。中国汽車工業協会(CAAM)によれば、悲惨な5月の売り上げは、4月の14.6%、3月の5.2%の下落後に起きた。これがアメリカ-中国貿易戦争に起因するものかどうかは疑わしい。だが、中国車販売の不振は、外国の自動車メーカー、特にドイツに深刻な影響を与えている。この中国の変化は、本格的な新たな世界的不景気、あるいはもっと悪いものの前兆なのだろうか?

 アメリカの貿易戦争が主な原因ではないという一つの兆候は、2019年5月が、中国で自動車販売台数の連続凋落で、12カ月目にあたるという事実だ。中国の自動車メーカーと車のディーラー間の売上高は44%減った。しかも、中国ブランド自動車の国内販売は、5月に26%と大きく減少した。中国ブランドの宝駿と東豊とTrumpchiは今年これまでに、40%減った。日本のホンダとトヨタだけが販売増加を示している。明らかに、何か本格的な、良くないことが世界で2番目に大きい経済、中国で進行中なのだ。

 中国汽車工業協会CAAMの許海東秘書長助理が、一体何が急落を起こしているかの手がかりを示した。「低・中所得層の購買力凋落と、購入を促進する政府刺激策への期待」が主な原因だと彼は言った。

消費者負債

「低・中所得層の購買力下落」が意味することは気掛かりだ。私が以前の記事で報じたように、中国繁栄の時代は、欧米においてとほとんど同様、特に2008年の世界金融危機以来、金融緩和に促進されていた。

 中国は2009年に世界最大の自動車生産国になった。多くはアメリカあるいは日本、あるいはEUブランドの中国製だ。10年で、中国で製造される自動車は、EU全体のそれと同様、アメリカと日本での製造を合計したものを超えた。2010年までに、中国は史上あらゆる国で最大、毎年約1400万台の車を生産しており、大部分が中国「低・中収入」国内市場向けだった。中国の中所得者は自動車保有を不可欠と考え、銀行やノンバンクや影の金融が熱心に貸すようになった。2009年に中国で登録された自動車とバンとトラックは、6200万台に達した。2020年までには2億台を超えるだろう。それは自動車保有市場が、飽和していないにせよ、少なくとも世帯債務負担能力の限界に直面していることを意味する。

 過去10年間、収入が上昇している自動車を持っている中国のより若い家族が、初めて自身のアパートや家の本格的な購入に向かっている。2018年までに、その多くが規制されていない、世帯や他の負債の爆発が、北京や中国人民銀行の不安を呼び起こし始めた。簿外債務、つまり影の金融ローンで、驚くべき15兆ドルが未払いだと推定されている。そのうち少なくとも3.8兆ドルが、地方政府プロジェクトや住宅建設に投資するため普通の中国市民の貯金を引き出す、いわゆる信託基金だった。世銀は中国の影の金融総計が、2005年のGDPの7%から、2016年の31%にまで拡大していると推定した。バーゼルの国際決済銀行BISはそのうちの7兆ドルが債務不履行のリストがあると計算している。

 現在の消費者ブームは、世界金融危機の2008年後に、北京政府が雇用と収入の上昇を維持しようとして、経済へのパニックに近い低金利融資注入と多くの人々が見なす行為をして引き起こされた。規制当局が問題をよりうまく制御しようとし始めると、突然不動産価値が2桁の膨張を止めるにつれ、何百万という中間所得の中国人家族が、これまで20年続いていた経済天国が、突然、債務者刑務所になるのに気が付いた。困難なのは、正確な政府経済データを入手することだ。揺るぎないように見える公式の6%強のGDP増大に反し、中国人エコノミストの一部は、それが約1%、あるいはマイナスでさえあるかも知れないことを示唆している。

 この状況で、中国自動車販売の最近の凋落は、憂慮すべきどころではない。それは世界的に、とりわけドイツに大きな影響を与える。中国で生産しているドイツのVWは、2017年に300万台以上で、中国で最も良く売れている自動車だ。

世界的な衝撃

 ここ数カ月、主に中国自動車販売の凋落が継続した結果、グローバル自動車業界は新たな危機的段階に入った。それはディーゼル大気汚染物質スキャンダルのような問題に加えて、産業にとって良いニュースではない。ドイツの自動車研究センターは、2019年のグローバルな自動車生産は、少なくとも400万台減少し、強い衝撃になると推定している。大半の欧米専門家は、中国自動車販売の厳しい急落が起きると予想していなかった。

 5月、ドイツのダイムラーCEOディーター・ツェッチェは、彼が「未曾有の」産業崩壊と呼ぶものに備えるため「全面的コスト削減」を進めていると述べた。ボッシュのようなドイツ自動車部品メーカーや何千という小・中部品企業が、1970年代のオイル・ショック以来最悪の問題について語っている。2019年最初の6カ月間、ドイツからイタリアまで、アメリカと中国まで、世界中の自動車メーカーが、世界的下方転換に対応して、約38,000の雇用を削減した。「我々が大幅な下方転換になるだろうと考えている暗い先行きを業界は凝視しています。中国での減少の速度は本当に驚きです」とバンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチの自動車アナリスト、ジョン・マーフィーが述べた。

 ドイツ自動車メーカーにとって、中国市場崩壊の時期は最悪だ。現在のガソリンやディーゼル車より遥かに高価だと考えられていて、生存可能になるのもまだ何年も先の次世代電気自動車開発に何十億も注いでいるまさに同時期に、過酷で恣意的なEU大気汚染物質要求と不確実さ打撃を与えられているのだ。

 もしワシントンが今ドイツや他のEU自動車輸入に新たな関税を課せば、それは経済領域に、非常な悪影響を与えかねない。2000年以来、中国を世界の工場にした工業生産グローバリゼーションは今グローバリストの基盤に巨大な地質構造のひびを見せ始めている。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/06/16/will-china-autos-trigger-next-economic-downturn/

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 昨日岩上氏の坂本雅子・名古屋経済大学名誉教授インタビュー一回目を拝見。必見。この記事の中国の自動車産業の話題と直結する話題もあった。

 森嶋通夫著『なぜ日本は没落するか』を何度か読んだ。政治や教育のひどさを指摘していた記憶があるが、属国ゆえ、まともな産業政策を実施できないと書いてはいなかったような記憶がある。「半導体摩擦」時、おしつけられた決着に、憤慨したものだが。

 属国には、独自の産業政策はありえない。欠陥商品原発セールスしかない。
 属国には、独自の外交政策はありえない。地球不完全害行しかない。
 属国には、独自の国防政策はありえない。集団的自衛権という名目で侵略戦争に行くしかない。重要な武器の自製は許されず、ブラックボックス兵器の爆買しかない。

日刊IWJガイド「『尊敬する政治家は石井紘基! 議員になったら国政調査権を行使して日本社会の財政構造を解明したい!』れいわ新選組二人目の参院選公認予定候補者は安冨歩東大教授! 」2019.6.28日号~No.2479号~(2019.6.28 8時00分)

 

岩上安身によるインタビュー今後の日程・配信予定~ 米国のイラン敵視政策の背後にはイスラエルの存在が! 放送大学名誉教授の高橋和夫氏へもインタビュー予定! 2日かけて録画収録した坂本雅子・名古屋経済大学名誉教授インタビューは、6月27日、28日に配信します! なぜ日本の経済力が低下したのか!? どうして景気が好転しないのか!? 問題は金融ではなく産業政策にあった! 必見の内容です!

 

 安冨歩東大教授の本は何冊か拝読している。「生きる技法」は、必要があって、再度購入したばかり。

 原発危機と「東大話法」が初めて拝読した本。
 「ハラスメントは連鎖する 「しつけ」「教育」という呪縛」、今、巨大書店で、とんでもない高値。

2019年6月 3日 (月)

我々は世界的食糧大惨事に直面するのだろうか?

2019年5月31日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 いや、本記事は、決して、アレクサンドリア・オカシオ・コルテスや有名な若いスウェーデン気候専門家グレタ・トゥーンベリの破滅的シナリオを是認するものではない。だが本記事は、来年、食糧供給と価格に劇的に影響を与えかねない、アメリカからオーストラリア、フィリピンや更に他の、重要な穀倉地帯における異常な気象災害を一瞥するものだ。それは、今後の生育期の進展次第で、大きな政治的影響がありうる。

 水浸しのアメリカ中西部

 5月20日のアメリカ農務省農業統計局(NASS)最新報告によれば、トウモロコシと大豆農作物が、時期的に、今年は普通の成長レベルからかなり遅れている。が昨年の同時期の78%と比較して、アメリカの全ての計画されたトウモロコシ作付面積のわずか49%しか植えられていないと報じている。そのうち、2018年5月の47%と比較して、わずか19%しか芽を出していない。大豆に関しては、昨年の53%と比較して、19%しか植えられていない。米の作付面積は米を栽培する6つの州で、1年前の92%と比較して、73%まで下がっている。もちろん、天気が劇的に向上すれば、最終の収穫も向上するはずだ。予測するにはあまりにも早すぎる。

 中国との貿易戦争前、アメリカは世界の大豆生産の34パーセント、世界輸出の42%で、大差で世界最大の大豆生産国だ。アメリカは、世界最大のトウモロコシやメイズ生産国でもあり、第二位の中国のほぼ二倍だ。ほぼ全てのアメリカ大豆とトウモロコシがGMO農作物であるという残念な事実は考慮から除けば、これら2つの農作物の深刻な凶作は、世界の食料価格に大きな影響を与え得る。それらは主に家畜の餌に使われている。

 アメリカ中西部の生育期崩壊の重要な要因は、アメリカ国立海洋大気庁環境情報センターによれば、これまでの12カ月、アメリカ政府が1895年に統計を記録し始めて以来、最大の降雨量だった事実だ。記録的降雪と、それに続いた異常に激しい雨が、その理由だ。

 太平洋の強いエルニーニョが、2015-16年、活動中で、新たなエルニーニョが、通常よりいくぶん早く、この冬確認されたという事実は注目すべきだ。正確にそれがどのように今の天気に影響を与えたかはまだ明確ではない。エルニーニョは、赤道の東と、太平洋中央部での周期的な温暖化だ。

 それは人為的要因ではなく、太陽活動に関係しており、世界の天候パターンを数カ月の期間にわたり変える可能性があり、地域で、より暖かかったり、冷たかったり、多雨だったり、乾燥したりする天気の可能性をもたらすのだ。彼らは、数年毎に、通常2から7年ごとに周期的におこるが、比較的弱いエルニーニョが、今月5月にピークに達すると予想されることが確認されたのは注目に値する。4月、国立海洋大気庁は、最新のエルニーニョ状態が、2019年春(~80%の可能性)か夏まで(~60%の可能性)北半球全体で継続する可能性が高いと推定している。

 オーストラリアとフィリピンのひどい干ばつ

 中西部アメリカ農場ベルトが水浸しとなる一方で、地球の他の地域、特に主要穀物生産国のオーストラリアは、干ばつに苦しんでいる。2007年以来初めて、オーストラリアは、主としてカナダから小麦輸入を強いられている。去年は干ばつで、小麦の収穫高が20%減った。政府は状況に対処するため大量の輸入許可証を発行した。現在の小麦収穫見積もりは、わずか1600万トン、同国が二シーズン前にそうだったものの半分だ。近年オーストラリアは、世界第5位の小麦輸出国だ。

 穀物の不足に加えて、2018年2月以来、フィリピンは、米作に壊滅的打撃を与えている酷い干ばつに見舞われている。フィリピンは、合計すると全ての米輸出の約70%を占めるインドやタイやベトナムやパキスタンのような世界首位の米生産国の一つではないが、これは、問題山積の国に深刻な政治的影響を与えている。

 北朝鮮は、ひどい干ばつに襲われているもう一つの国だ。雨量は、今年、1982年以来、これまでのところ最少だ。国営メディアが、北朝鮮では「全ての地域で、ひどい干ばつが長引いている」と報じている。1月以来の平均降水(雪)量は、年平均降水(雪)量128ミリのたった42.3%だ。北朝鮮が深刻な食糧不足に見舞われている中、これが起きているのだ。データは、おそらく政治問題化されようが、国際制裁の影響は助けにはならない。

 こうした深刻な不足は、まだ世界的緊急事態を宣言する根拠にはならないが、注目すべきは、中華人民共和国で、中国全土の豚に対する、致命的なアフリカ豚コレラの最も酷い流行のさなかに、それが起きていることだ。アメリカ農務省は、この接触伝染病を完全に制御するには、今年、約2億頭の豚をと殺しなくてはならないと推定している。中国には、豚が約7億頭いて、圧倒的な世界最大の豚生産国だ。弱り目に祟り目で、中国は、トウモロコシや大豆等の農作物に壊滅的打撃を与えかねないツマジロクサヨトウ蔓延に全土が襲われている。

 この全て、コンゴからイエメンやシリアに至るまで、戦争の犠牲で農業生産が破壊された世界中の様々な紛争地帯を考慮に入れないでの話だ。

 新しい穀物大国としてのロシア?

 これらの現在の収穫困難、あるいは、本格的収穫不足の可能性が、2014年のアメリカとEUによる制裁実施以来、過去3年で、カナダとアメリカ両国を遥かに上回る世界最大の小麦輸出国として出現した国ロシアにとって、きわめて有利になり得る。現在の2019/2020年の収穫年、ロシアは、1年前のおよそ10%以上、記録的な4940万トンの小麦を輸出すると推定される。去年、世界小麦輸出全体に対するアメリカの14%や、同様のカナダと比較して、ロシアは21%を占めた。

 ロシアに対する欧米制裁は、ロシア政府に、食糧生産で自足する措置をとることを強いる興味深い効果があった。2016年、ロシア政府はGMO作付けや輸入を禁止し、世界でも最も豊穣な黒土を享受している。少なくとも短期的に、ロシアは世界の穀物市場で、様々な収穫不足に対処すべく介入するのに好都合な立場にある。

 ロシアが穀物をアメリカに売るよう頼まれることはありそうもないが、もしそれが起きれば、それは大きな歴史的運命のいたずらとなろう。1970年代初期のソ連凶作時に、後に、Great Grain Robbery(穀物大強盗)と呼ばれるようになった、カーギルや穀物カルテルと共謀し、シカゴ商品取引所で、穀物価格を、125年ぶりの高値にし、途方もなく暴騰した価格でソビエト社会主義共和国連邦への穀物輸出を計画したのはヘンリー・キッシンジャー国務長官だった。我々が聞かされている、アメリカやヨーロッパ労働者の賃金引き上げ要求ではなく、同じキッシンジャーの卑劣な外交が中心的役割を果たした、1973-74年のOPECによる400%石油価格ショックとともに、食糧と石油が1970年代の大インフレの原因だったのだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/31/do-we-face-a-global-food-disaster/

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 シリーズ人体Ⅱ遺伝子第2集『“DNAスイッチ”が運命を変える 』思わず見入ってしまった。

日刊IWJガイド「櫻井よしこ氏、なでしこアクション山本優美子氏らが映画『主戦場』出演は『だまされた』と抗議声明を発表! 本日午後2時から、ミキ・デザキ監督と配給会社『東風』が抗議声明に応えて記者会見!」 2019.6.3日号~No.2454号~(2019.6.3 8時00分)

 しかも、IWJが記者会見を生中継!これは拝見しなければ。

■櫻井よしこ氏、なでしこアクション山本優美子氏らが映画『主戦場』出演は「だまされた」と抗議声明を発表! 本日午後2時から、ミキ・デザキ監督と配給会社「東風」が抗議声明に応えて記者会見! IWJは生中継します!

2019年6月 1日 (土)

レアアースは中国の究極の武器か?

2019年5月26日
F. William Engdahl


 中国とアメリカ間の関税エスカレーションと貿易戦争の緊張が劇的にエスカレーションする中、習近平中国主席は、贛州市にある国有企業JL Magレアアース社に、時宜を得た訪問をした。彼は公然と脅迫はしなかったが、中国はトランプ政権に圧力をかけて従わせるための兵器庫に、よりも多くの武器を持っているという明確な心理的メッセージをワシントンに送ったのだ。レアアース鉱物採掘における中国の役割はどのようなものなのだろう、彼らがそれを兵器として利用する可能性はどれぐらいたかいのだろう?

 5月20日に、中国政府の新聞、環球時報が、習近平訪問について書いた「訪問は国内レアアース産業に対する指導部幹部による支持の印と見なされた」という記事で 彼らはさらにそれほど遠まわしにではなく「中国商品に対して関税を課し、中国企業向けの半導体供給を削減するというアメリカ決定に対し、対策として中国は、アメリカへのレアアース輸出を限定するべきだと多くの人々が提案している」ことを指摘した。新聞は中国のレアアース金属が「最新のアメリカ関税リストから除外された少数の項目の中に」あったことを強調して指摘している。

 もし中国がアメリカへのレアアース輸出を禁止したら、アメリカ経済に対する影響はどれほど深刻だろうかという疑問がわく? 簡潔な答えは、非常に深刻だ。

 スマートフォンやラップトップのような大半の電子装置での使用のほかに、レアアース鉱物は、国防総省とアメリカ軍隊に絶対的に不可欠なのだ。ニュースレターのブレーキング・ディフェンスによれば、レアアース要素は、原子力で動くSSN -774バージニア級の高速攻撃潜水艦や、DDG -51イージス艦や、F-35次世代主力戦闘機のような主要兵器システムに不可欠なのだ。彼らは「レアアースが同じく高精度誘導弾や、レーザーや、衛星通信や、レーダーやソナーや他の軍装備品に欠くことができないと、2013年の議会調査施設報告にある」ことを指摘している。

輸入依存

 次の疑問は、現在、アメリカ経済、特にその防衛産業基盤が、どれほど中国のレアアース輸入に依存しているかだ。答えはほとんど100%だ。アメリカ地質調査局による2017年12月の報告によれば、中国は現在世界レアアースの90%以上を供給している。これは中国政府が重要な鉱物の開発に優先順位を付けた1990年代後期から事実だった。

 レアアース(希土類)は一般に、原子番号で57(ランタン)から「ランタノイド」と呼ばれる71(ルテチウム)までの15の要素を意味する。リストによっては、イットリウムも含む。石油精製での触媒としての利用と同様、知られている最も強い磁石、ネオジム-鉄-ホウ素磁石もレアアースを使っている。

 既知の埋蔵量に関して、アメリカ地質調査局は中国には、5500万トンのレア・アース元素、その大半が内蒙古にあると推定している。世界的なレア・アース元素埋蔵は、約1億3000万トンで、中国、ブラジル、オーストラリアとインドの順にあるとされている。

アメリカ・レアアースの死

 レアアースの長編歴史物語で驚くことは、レア・アース元素の主要産出国としてのアメリカの歴史だ。1995年までアメリカは、処理されたレアアースの世界最大の生産国だった。アメリカ地質調査局によれば、アメリカには、主にカリフォルニア、アラスカとワイオミングとテキサスに、約1300万トンのレアアース元素がある。

 最大の採掘施設は、元来はユニオン石油、後のシェブロン、そして様々な権益組織が所有していたカリフォルニアのモハベ砂漠のマウンテン・パス鉱山だった。しかし、2002年に、マウンテン・パスは環境汚染流出のかどで閉鎖を強いられたが、2010年に日本を狙った中国レアアース禁輸で、世界の金属価格が急騰した時に再開された。日本の住友金属がマウンテン・パスの改良に参加した。高価格のおかげで、2014年まで、年間4,700トンのレアアースを産出していた。しかしながら、中国が2014年末にレアアース輸出禁止令を終わらせ、世界の供給が豊富になった際、価格が崩壊し、マウンテン・パス所有者、今のモリコープが2015年に破産申請を強いられた。

 わずか四半世紀のうちに、アメリカ・レアアース採鉱、処理産業が丸ごと崩壊し、中国が世界の首位として台頭した長編歴史物語全体は、別記事が必要だ。かつてGMが所有していたが、アーチボルド・コックス・ジュニアによって率いられていた株主グループに売られたマグネクエンチと呼ばれるもう一つの重要なレアアース企業の売却が重要な役割を演じた。マグネクエンチは、それから中国投資家のグループに売られ、2000年にそのアメリカ施設が閉鎖し、全ての装置が中国に移転した。1998年、クリントン大統領任期中に、驚くことに、国防総省にレアアースの全戦略的備蓄を売却させる決定がなされた。同じ年、レアアース金属と合金生産の最後のアメリカ企業ロディア社が、テキサスの処理施設を閉じ、モンゴルで新施設を作った。

 皮肉にも、ディフェンス・ワン・ジャーナルが「アメリカ採鉱企業が、他の金属の採鉱を通じ、世界需要の85%に対応するのに十分なレアアース鉱石を採掘しているが、規制が、その採掘を経済的でなくしているため、それは捨てられている」と指摘している。

アメリカ会計検査院の警告

 2016年、オバマ政権時、議会の会計検査院はレアアースの状態に関する報告を公表した。それは「レアアースはアメリカ軍装備品の生産、補充と運用に欠くことができない。必要な原料の確実な入手は、防衛需要の全体水準にかかわらず、国防省にとって基礎必要条件だ。」と警告していた。アシュトン・カーター国防長官は脆弱さに対処する処置をとり損ねた。

 大統領として最初の行動の一つとして、ドナルド・トランプは最も包括的な政府部門間の国防産業基盤見直しを命じる政令に署名した。去る12月、報告書公表の直前、アメリカ防衛産業が、極めて重要な鉱物で、中国に対する依存を詳細に調べた結果は「非常に憂慮すべきで、我々は中国に、驚くほどの量を依存している。彼らはレアアース鉱物や、一部のエネルギーや他のものでの唯一の供給源だ。我々が前進する上で、これは我々にとって問題だ」とエレン・ロード国防次官(調達担当)が述べた。

 問題はそれに不可欠な技術者やと他の人たちのリクルートは言うまでもなく、高度なレアアース採掘、処理施設を再建するのには何年もかかることだ。国防総省が密かにレアアースを備蓄していなければ、中国レアアース輸出禁止宣言は、巨大な戦略上のエスカレーションとなるはずだ。だがそれは、あっと言う間に制御が利かなくなるエスカレーションになりかねず、中国にとっても同様に重大な結果を招くはずだ。現時点では、中国レアアース禁止は語られない脅威の状態にすぎない。世界平和のため、そのままであるよう願うばかりだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/26/are-rare-earths-china-s-ultimate-weapon/

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 IWJ岩上氏による長時間インタビューをしっかり拝聴した。

5月31日(金)午後2時30分より【岩上安身インタビュー】財政危機に直面した米国は苦し紛れに対中追加関税!? 米国追随のリスクとは!? ~岩上安身による中国通エコノミスト・田代秀敏氏インタビュー

 サラリーマン通勤をやめて以来ほとんど購入した記憶がない週刊誌車内吊りビラで興味深い記事を見た。

「櫻井よしこさん」を欺いた日系米国人のトンデモ映画

 新聞記事もある。

「だまされた」と保守派が抗議 慰安婦映画「主戦場」

 大手メディアによる宣伝効果で、多数の方々が、見に行かれることを期待したい。

 ところで「候補者の前科すら包み隠さず有権者の信を得ようとする強み」という日刊ゲンダイ記事を見た。筆者正気だろうか。

 「安倍総理を応援します。野党支援の皆さんごめんなさい。」という映像の冒頭を見れば、矛盾に思えるのだが。

 今日の日刊IWJガイド、昨日のインタビューが見出し。

日刊IWJガイド・土曜版「<昨日の岩上安身によるインタビュー>財政危機に直面した米国は苦し紛れに対中追加関税!? 米国追随のリスクとは!? ~岩上安身による中国通エコノミスト・田代秀敏氏インタビュー」 2019.6.1日号~No.2452号~(2019.6.1 8時00分)

 

2019年5月30日 (木)

中国の食物危機は、貿易戦争より、ずっと危険?

2019年5月20日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 中国は激化しているアメリカ関税戦争よりも、遥かに多くの政治的安定と経済への損害をもたらしかねない農業への脅威に直面している。昨年8月、最初に発見された時以来、ここ数カ月、世界最大の豚生産国の豚頭数を脅かすアフリカ豚コレラ(ASF)問題が、豚頭数を徹底的に削減することを強制した。その上、最近、中国の穀物生産者はトウモロコシや米や他の穀物農作物に壊滅的打撃を与える「ツマジロクサヨトウ」と呼ばれる危険な害虫の大発生と呼ばれるものに出くわしている。指導部はエスカレートするアメリカとの大きな貿易戦争のさなかにあり、中国に打撃を与えるこの組み合わせは、ほとんど想像できない形で、世界の地政学地図に影響を与えかねない。

 中国政府は、公式に、致命的なアフリカ豚コレラ(ASF)発生を根絶するのに必要な措置をとる明確な決意で対処しているように思われる。北京当局は、今日までに百万頭以上の豚が屠殺されたと主張している。だがそれも、豚汚染が中国の全ての州、更に国外にさえ広がるのを阻止できなかった。

 現在、中国の食事で、豚肉はタンパク質の主要源だ。中国は世界最大の数、5億、あるいは約7億頭の豚がいる。問題はアフリカ豚コレラは(証拠によれば、人にとってではないが)大いに命取りで、豚にとってほぼ100%致命的であることだ。この病気は伝染性が強いのが、群れ丸ごと即座に屠殺しなければならない理由で、治療法もない。ウイルスは何日も何週間も表面や肉で生存可能だ。

 アメリカ農務省は4月の報告書で、中国はアメリカ豚の総生産高と等しい1億3400万頭の豚を殺さなければならないだろうと予想した。アメリカ農務省が1970年代半ばに監視を始めて以来、それは記録上、最悪の屠殺数になるはずだ。

 2019年4月の世界の主要農業金融機関、オランダのラボバンクによる研究報告は、中国の、実際のアフリカ豚コレラのための屠殺は、報告された百万頭よりずっと多いと推定している。彼らは、2018年8月の最初の発生以来、致命的なアフリカ豚コレラは公式の数より約100倍酷く、中国豚の1.5億から2億頭の範囲が感染し、中国本土の全ての省に広がったと推測している。報告書は「2019年、アフリカ豚コレラのために、25%から35%の中国の豚肉生産損失を予想している。(50%以上の)極端な損失に関する報告は限られた地域に限定されている。」 報告書は「これらの損失は他のタンパク質(トリ、カモ、魚、牛肉や羊肉)によっては容易に代替できず、同様に大規模輸入でも完全には損失を相殺できず、これは2019年の全動物性タンパク質供給で、ほぼ1000万トンの需給ギャップをもたらすだろう」と補足している。

 それは公式データが示唆するより遥かに大きく、もし本当なら、豚の価格のみならず、損失から生き残れない何百万という中国の小農民に壊滅的打撃を与えかねない。中国の豚生産は、健康管理対策がより緩く、接触感染がより多い、小規模農家に独占されているため、正確なデータが不足している。

 不幸にも、状態を静めるための明らかな取り組みとして、24の省で病気が蔓延していたにもかかわらず、一月に中国農業省は「アフリカ豚コレラ流行」はなく、この状況を収拾するため政府が適切な措置をとっているという声明を発表した。元気づける声明が出された不審なタイミングは、中国旧正月の祝日の春節、一年で最大の豚消費時期の二週間前だった。皮肉にも今年は中国では豚年だ(韓国、香港、台湾も。猪年は日本だけ)。

 豚の致命的な病気は隣接する主要豚生産国のベトナムにも広がり、ラボバンクは、少なくとも、この国の豚の10%が破壊され、カンボジアに広がると予想している。香港や台湾やモンゴルにも広がっている。問題は再感染のリスクが大きく、最善の条件下で、中国が豚を再製するには何年も要すると専門家が推定している。

そこにツマジロクサヨトウが大発生

 中国の豚生産が、数十年で最もひどい危機にある同じ時に、穀物も、戦うのが同じぐらい困難な、蛾Spodoptera frugiperda種幼虫の普通名詞ツマジロクサヨトウと呼ばれるものの、もう一つの壊滅的大発生の蔓延にでくわしている。

 アメリカ農務省(USDA)の最近の報告によれば、この壊滅的な害虫はミャンマーから入って、1月29日、最初に雲南省で発見され、既に雲南、広西、広東、貴州、湖南や海南島を含む広範囲の南中国の省に広がった可能性がある。アメリカ農務省は、一晩で驚くべき100キロも移動できるツマジロクサヨトウは、今後数カ月で中国の穀物生産地域の全てに広がると推定している。典型的なツマジロクサヨトウ蛾は、全部で1,000から1,500の卵を産み、寿命の間に500キロ旅行する。卵は数日で、幼虫にふ化する。

 「中国農業輸出」は、予想よりずっと速く虫が広がったと報じている。虫は絶滅させることが極めて難しい。アメリカ農務省は「ツマジロクサヨトウは中国に天敵がおらず、その存在により、換金作物の中でも、トウモロコシ、米、小麦、ソルガム、サトウキビ、綿、大豆やピーナッツの生産が減少し、品質が低下するかもしれない」と指摘している。報告書は「中国の大半の農民に、ツマジロクサヨトウに効果的に対処するのに必要な財源がなく、訓練をもけていないと補足している。たとえ緩和対策が実施されたとしても、高価な駆除対策(主に薬剤散布)は、被害を受ける大半の作物をつくる農民の生産者利益を赤字にさせるだろう。」

 アメリカ農務省によれば、中国は2018-19年で2億5700万トンのトウモロコシを生産すると予測され、アメリカに続き、世界で二番目に大きいトウモロコシ生産国だ。これまでの3年で、北米固有だったツマジロクサヨトウは、アフリカや南アジアや東南アジア全体で大規模経済損害を引き起こした。イギリスに本拠をおくCentre for Agriculture and Biosciences International(CABI)によれば、ツマジロクサヨトウは、わずか2年で、アフリカの4分の3に定着した。

 一方トランプ政権に課されたアメリカ貿易関税に応えて、北京はアメリカ大豆の購入を制限し、国内大豆や他の穀物農作物をますます中国農業にとって重要なものにした。悪天候の干ばつと異常に寒い天気が、中国の大豆とトウモロコシ生産に影響を与えた。

 中国の経済全般が際立って停滞している兆しの中、アフリカ豚コレラとツマジロクサヨトウによる二重の打撃と、中国からの輸入品に対するアメリカ関税の最近のエスカレーションと組み合わさって、下落はそれにより何十万という中国の小規模農家が多分経済的に破綻する可能性と、中国の国内食品価格インフレーションが急激に進む危険な状況を生み出しかねない。これは確実に、この時点で、中国が必要とはしていないものだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/20/a-china-food-crisis-more-danger-than-trade-war/

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 日刊IWJガイド「川崎登戸の事件でまたしても『メディアスクラム』の問題が! メディアスクラムと情報操作を排して、問題の根本的な解決に取り組むべき! 」 2019.5.30日号~No.2450号~(2019.5.30 8時00分)

<昨日の岩上安身によるインタビュー>「MMT論者は為替市場を無視している」! 松尾匡・立命館大学教授らが主張する「反緊縮」の問題点を明石順平氏が明快に指摘! 岩上安身による『データが語る日本財政の未来』著者・明石順平弁護士インタビュー

 インタビュー拝聴に集中して、時代劇再放送を見るのも忘れた。

 インタビュー終了後、内田樹氏の『望月衣塑子『安倍晋三大研究』から』を拝読し、早速書店にでかけ『安倍晋三大研究』を購入。

 そして、まさに今朝の記事。

 菅官房長官「その質問なら指さない」=東京新聞記者に

記者クラブ、即刻、速記者クラブと改名する必要があるだろう。

 

2019年5月22日 (水)

反証にもかかわらずグリホサートはOKと言うアメリカ環境保護庁

2019年5月9日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 アメリカ環境保護庁(EPA)は、おそらく発がん性があるだけでなく、身体を衰弱させる他の複数の健康問題の原因でもあるという警鐘的な証拠が増えているにもかかわらず、この論争の的であるグリホサート除草剤の認可更新を認めることに決めた。新しい研究も、グリホサートによる人間や動物のDNA損傷が、世代を超えて広がると主張している。

 ちょうど、アメリカ環境保護庁は、今はドイツ・バイエルの一部であるモンサントにより市場に出され、広く使われているラウンドアップ除草剤の主成分グリホサート再認可を提案したところだ。環境保護庁裁定への元々のWebリンクは、実に奇妙なことに本記事執筆の時点で、こういうメッセージが出る。「申し訳ありませんが、現在このWebページは見ることができません。」

 おかげで詳細な批判をするのが、いささか困難になる。だが、いくつか事実を言うことが可能だ。第一に、GMO監視ウェブサイトSustainable Pulseによれば、長年、環境保護庁の裁定部門は、業界データさえ使って、化学業界に有利な裁定をすることで知られている。彼らは、環境保護庁が自身や他の独自調査ではなく、業界の実験に大きく依存しており、今回も同じだったと主張している。欧州連合の欧州食品安全機関を含め、そうした業界研究の多くは、虚偽であることがわかったり、ひどく偏ったりしている。

 第二に、環境保護庁は、2015年の世界保健機構国際がん研究機関(IARC)によるグリホサートは「おそらく発がん性物質」だとする判断、つまり続々現れる証拠にもかかわらず、モンサントが必死に否定しようとしている裁定を断固無視することに決めたのだ。

 第三に、しかも最も露骨なのは、最近の環境保護庁裁定が、グリホサートとがんのある特定のタイプの間に関連があるという国際がん研究機関に同意したもう一つのアメリカ行政機関アメリカ保健福祉省有毒物質と病気登録局による以前の決定を無視したことだ。4月8日、アメリカ保健福祉省の有害物質・疾病登録局(ATSDR)は、他の調査結果に加えて、去年モンサントに二つの重大な敗訴をもたらし、更に13,400件の係争中の訴訟が、極めて論争の的のモンサント買収後、モンサント買収以来40%も値下がりして親会社バイエルの株価に損害を与え、最近の株主による経営者に対する反乱を引き起こした、グリホサートと、がんの一種である非ホジキンリンパ腫との関連の証拠を決定した、グリホサートに関する長く待ち望まれていた毒性報告草案を発表していたのだ。

 未来世代が危険にさらされる

 今憂慮すべき新研究の結果が発表された。ワシントン州立大学の研究者が、重度の腫瘍や他の病気が、グリホサートに曝露したネズミの第2世代や第3世代の子に現れることを見いだした。彼らは「グリホサートに曝露したネズミの第2世代、第3世代の子に、前立腺や腎臓や卵巣の病気や肥満や出生異常が」を含む病気や健康異常が見られることを発見した。それらは「精子のエピジェネティック(後成的DNAメチル化)パターン変化と相関関係があった」。研究はワシントン州立大学のマイケル・スキナー生物学教授が率いた。

 スキナーの研究は、2世代目と3世代目に、いくつかの病状で「劇的増加」があることを発見した。2世代目は、肥満と同様、睾丸と卵巣と乳線の病気が「かなり増加」していた。研究者は、第3世代のオスで、前立腺病が30パーセント増加するのを発見した。対照群の3倍だ。第3世代のメスでは、腎臓病が40パーセント増加、つまり対照群の4倍だ。

 スキナーの新研究はグリホサートの「継世代毒性」と呼ばれるものを調べて公表された最初の研究だ。研究は、公式に無害とされているグリホサート投与量を下まわるグリホサート投与量で試験した。世界で最も広く使われている除草剤グリホサートが数十年にわたり、毎年農業や植物栽培で使われ、世代を越えて人間や動物の曝露を引き起こすのだから、これは大いに意味がある。

 EPAが使用し、OECDが推薦している試験法は、最も限定された形のものを除いて、継世代効果を無視しており、重大な悪影響が規制当局には注目されていないことを示唆している。スキナーの研究は、業界に批判されているが、明らかにEPAやEUや、他の規制当局が、除草剤化学物質に対する曝露の健康への安全を決定する規則を、長期間、多世代にわたる潜在的影響を調べるために修正する必要性が切迫していることを示唆している。ここで中核となる重要な原則は、科学的調査が、可能性のあるリスクを見いだした場合、そのリスクが確実に排除されるまで、政府には危険に対する曝露から大衆を守る社会的責任があるという、一般に認められた「予防原則」だ。グリホサートは、明らかに健康上のリスクが排除された例ではないのだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/09/us-epa-says-glyphosate-ok-despite-contrary-evidence/

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 ブログ「dendrodium」記事を拝読し、コメントを戴だいたばかり。シンクロニシティ。
 米裁判で3件連続で癌との因果関係が認められたラウンドアップを庭の雑草に使えと薦めるコマーシャルに思う

 新刊『9条入門』について、IWJ岩上安身氏による著者加藤典洋氏ご本人のインタビューがいつかあるものと期待していたのだが。

日刊IWJガイド「『9条入門』著者・文芸評論家の加藤典洋氏が逝去。本日午後7時より『日本から「中庸」は消えるのか 米国からのプルトニウム返還要求について考える ~岩上安身による文芸評論家・加藤典洋氏インタビュー』を追悼再配信します」 2019.5.22日号~No.2442号~(2019.5.22 8時00分)

 今日の日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。

※『9条入門』と加藤典洋の世界~岩上安身による「戦後再発見双書」刊行責任者・矢部宏治氏インタビュー 2019.4.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/446990

 加藤氏は1948年山形県生まれ。明治学院大学教授・早稲田大学教授を歴任し、早稲田大学名誉教授。『アメリカの影』『敗戦後論』『3・11死神に突き飛ばされる』『戦後入門』など、多数の著書があります。

 加藤氏は誰もがうすうす気づきながら言語化できていない問題を効果的に言語化して問題提起する人でもありました。加藤氏は日本の原発政策の本質を、「核の平和利用」と潜在的核保有による「安全保障」の二面性の問題として指摘していました。岩上安身は2014年2月4日に加藤氏にインタビューを行っています。

※日本から「中庸」は消えるのか 米国からのプルトニウム返還要求について考える ~岩上安身による文芸評論家・加藤典洋氏インタビュー 2014.2.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/123524

 本日午後7時より、【加藤典洋さんを偲ぶ~追悼再配信】として、このインタビューを全編フルオープンで再配信致します。この機会にぜひご覧ください。

2019年5月 3日 (金)

中米に対する中国の新たな注力に不満なワシントン

2019年4月24日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 これまでのところ不成功の、ベネズエラで政権転覆をするためのトランプ政権による支援では、マドゥロ政権に対する中国の巨大な金融プレゼンスに標的を定めていることが明確になっているが、キューバ海域における石油での中国の大成功という最近のニュースは、明らかに、地政学的緊張を高めるだろう。しかもそれは、ベネズエラとガイアナとブラジルだけが関係しているわけではない。

 4月16日の中国国営通信社新華社報道によれば、中国の主要国有石油会社、中国石油天然気集団CNPCは、子会社のGreat Wall Drillingを通し、国有石油企業キューバ石油会社(CUPET)とのジョイント・ベンチャーで、キューバ沖の石油探査を始めた。Great Wall Drillingは、2005年からキューバで石油探査に従事していたが、これは今日までで最も有望な結果だ。中国石油天然気集団の先進的掘削技術が、初めてキューバ沖での本格的な石油の可能性を開いた。

 ワシントンが、ベネズエラの石油収益と同様、キューバにベネズエラの低コストの石油を与える合意を制裁目標としている中での、ニュースだ。制裁にもかかわらず、キューバに石油を供給することをマドゥロ政権が強く主張し続ける中、明らかに供給の安全性はより危険になり、供給は減っている。

 4月21日、アメリカのジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官が、ワシントンは、共産主義政権に差し押さえられた不動産を使用する外国人を、アメリカ裁判所に告訴するのを可能にする、これまで使われていなかった法律を使うつもりだと発表した。それがどれほど激しくキューバに影響するか明確ではないが、キューバ投資考えている外国企業を明らかにくじくだろう。

 キューバは何千人というキューバ人医師や医療関係者と同様、ベネズエラでマドゥロ大統領を支持するため、大規模な軍事援助を提供していること良く知られている。それほどよく知られておらず、おそらくボルトン宣言の背後にある、語られていない動機は、両国における中国の存在だ。

 キューバにおける中国のプレゼンス

 キューバ経済への中国融資の詳細は、国家機密で、公表されていない。だが明らかに、冷戦中、フィデル・カストロ時代、ソ連の親密な友好同盟国となり、当時、中国との関係が悪化していたこのカリブの島で、北京は静かに、そのプレゼンスを増していた。ソ連崩壊以来、再びキューバにおけるプレゼンスを増しているノリリスク・ニッケル社のようなロシア企業によるいくつかの試みにもかかわらず、金融上の制限が、いかなる強力な新しいロシアのプレゼンスも妨げていた。

 中国はこのようなどの問題もないように思われ、キューバの自由化された経済で、多くの重要分野に投資している。キューバ貿易自由化以来、過去2年にわたり、中国は100両の機関車や、宇通客車のバス、中国重汽のトラック、YTOのトラクター、吉利汽車の車、ハイアールの家電をキューバに売っている。

 ファーウェイはインターネット・ホットスポットをキューバで構築しており、今日まで結果は出ていないが、ソ連により未完成のままになっているラス・カマリアカス・ニッケル加工工場での中国-キューバ・ジョイント・ベンチャーに対する6億ドルの中国投資の話し合いが進行中だ。キューバには世界で三番目に大きいニッケル埋蔵量がある。2017年、1億2000万ドルの中国の開発融資で資金調達して、ハイアールが、キューバで、ラップトップとタブレット年産能力120,000台のコンピュータ組立工場と、サンティアゴ・ド・キューバ・コンテナ・ターミナルを開設した。

 現在キューバが中国の米を大量に輸入し、何千という中国観光客や、毎年キューバに推定20億ドルをもたらすビジネスがあり、北京は、キューバの最大貿易相手国で、ハバナの最大債権者だ。中国が黒字の貿易不均衡の中、砂糖とニッケルは、中国に出荷される二つの主要キューバ産物だ。

 もし今中国が、本格的なキューバの沖合石油資源を開発すれば、中国のプレゼンスは飛躍的に増大し、軍事や、医学や、他の支援のための物々交換支払いとしての、キューバへのベネズエラ石油の減少は緩和されるだろう。今まで、ロシアのロスネフチが、キューバのために石油輸入ギャップを埋めてきた。

 中国のカリブ?

 中国は、ベネズエラに対しても、主要外国債権者としてしっかり確立しており、一部の推計では、負債は、610億ドルにものぼる。ベネズエラ石油は、明らかに関係の核心にあるが、中国企業は、ベネズエラで未開発の金やコルタン資源の採掘を期待している兆しがある。ワシントンがグアイド支持を宣言して以来、中国は、現地政治には決して関与しないと主張している国に似合わず、マドゥロ擁護で、いつになく率直だった。

 ベネズエラに対する中国投資の詳細は十分明らかではないが、中国は同様、2018年から、小さな元イギリス植民地が、中国の新経済シルクロードと呼ばれる一帯一路構想に公式に参加すのを歓迎して、隣接するガイアナでも、プレゼンスを確立している。それは、2013年に初めて、カザフスタンで習近平主席が明らかした、インド洋から大西洋まで、コンテナ深水港と高速鉄道の二重のネットワークで、全ユーラシアを結びつけることを提案した大本の北京のインフラ計画から、これは本当にはるか遠い。中国の一帯一路構想BRIはそれが展開するにつれ、明らかにグローバルな視点を発展させており、これは明らかにワシントンの一部の連中を不安にし始めている。

 ガイアナでは、中国企業と中国の資金で、北ブラジルのマナウスから、ガイアナまで、ブラジルに、遥かに効率的なパナマ運河へのアクセスを可能にし、出荷経路を何千マイルも短縮する道路網を構築している。膨大な未利用の鉱物資源で、ベネズエラと国境を接するブラジル・アマゾン地域への中国道路に結びつけるため、中国が、ガイアナの北海岸で深水港を建設する協議が、同様に進行中だと報じられている。ガイアナの人々は、道路と港は、ガイアナよりも中国に、遥かに役立つと言っている。いずれにせよ、それはアマゾンから、パナマ運河を通り、中国までの効率的な船舶輸送を可能にするだろう。

 そしてパナマ…

 キューバ、ベネズエラとガイアナにおける、静かながら拡大する中国の経済的存在感に、戦略上重要なパナマ運河における北京の最近の行動を加えれば、ベネズエラとキューバにおける開発に関するワシントンの増大する警戒感の一部の説明になる。

 2016年に中国の嵐橋集団(Landbridge Group)は、世界中で最重要な商品流通センターの一つに対する中国企業の直接アクセスを可能にする、運河の大西洋側最大の港、コロン自由貿易地帯のパナマのマルガリータ島港を買収した。これは、今日世界最大のインフラとエンジニアリング企業である国有企業の中国交通建設を使って、大きく拡大した。

 既に1997年、中国の和記黄埔有限公司、ハチソン・ワンポアが50年契約でバルボアとクリストーバルのアメリカが建設した港町の支配を獲得していた。現在、ハチソン・ワンポアは中国人億万長者李嘉誠の長江工業有限公司が所有している。

 2017年、パナマは台湾とワシントンに衝撃を与えて、北京を選んで、それまでの台湾承認を撤回した。今年の4月初旬、パナマのフアン・カルロス・バレラ大統領は、公式に中国の一帯一路構想参加を論議するため中国を訪問した。2018年12月、中国の習近平は同様にパナマに公式訪問をした。北京はパナマを優先順リストの上位にした。運河を通過する中国商品は、量の上で、アメリカについで、二位だ。

 マルガリータ島港のような肝要なパナマ・コンテナ港の中国所有に加えて、中国は一帯一路の旗印の下、パナマシティーからコスタリカ国境まで、41億ドルで、390キロ2の高速鉄道路線建設を提案している。

 これらの関係が発達するにつれ、メキシコのアンドレス・マニュエル・ロペス・オブラドール大統領は、一帯一路への参加を考えていると述べた。

 この戦略的環境の中、19世紀のモンロー主義、言説の事実上の脱け殻に訴えて、なぜワシントンがその裏庭、中米でいっそう強く反応し始めているかいっそう明確になる。絶望的に不足しているのは、昔の砲艦外交からはっきり離脱して、中南米全体の国々が、重要なインフラを開発するのを助ける手段を提供するワシントンによる一連の積極的な経済構想だ。もしそれが始まっていたなら、地域の雰囲気は、ワシントンとの協力にずっと友好的になれたはずだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/04/24/washington-not-happy-about-new-china-focus-on-central-america/

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 行楽日和だが、物見遊山はせず、デパートの物産展を覗き、『ぼんくら』と『にっぽん縦断 こころ旅』を見ている。呆導番組は、税金で害遊する国民代表が出てくるので、見ることができない。東京新聞とIWJは拝読している。

日刊IWJガイド「本日5月3日は憲法記念日!/令和の始まりとともに、自民党が怪しげな広報戦略『#自民党2019』プロジェクトを開始! 衆参ダブル選と緊急事態条項を含む改憲発議に向けた政治宣伝か!?」 2019.5.3日号~No.2423号~(2019.5.3 8時00分)

 

2019年4月23日 (火)

想像以上に悪いグリホサート

2019年4月14日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 広く使われているグリホサート除草剤と様々な種類のガンとの直接的なつながりを新しい研究が示し続けている中、人間や他の物に対する被害の証拠を無視したり、その信用を損なったりしようと、農業関連産業圧力団体が猛烈に活動している。二番目のアメリカ地裁陪審の裁判で、現在ドイツのバイエルAGの一部となったモンサントが、被害で非ホジキンリンパ腫になった原告エドウィン・ハードマンに、8100万ドルを支払わなくてはならないと裁定された。この裁定と、アメリカの裁判所でグリホサートの影響を追求している更に11,000の係争中の裁判の行列で、同社株価が落下し、バイエルAGへの大きな打撃となり、数千人のレイオフが発表された。

 サンフランシスコでの裁判で、陪審はグリホサートに基づくモンサントのラウンドアップ除草剤が、ハードマンのガンの原因だという評決で全員意見が一致していた。彼の弁護士は、「モンサントの行動から、同社がラウンドアップがガンを起こすかどうか気にしておらず、そうではなく、世論を操作し、ラウンドアップについて、本当の正当な懸念を引き起こす人々の信頼を損なうことに焦点をあてているのは明確だ。」と述べた。2018年、もう一つの陪審で、何年にもわたり毎日学校の校庭にラウンドアップを無防備で噴霧していた後、同じ種類のガンになったカリフォルニアの学校校庭管理人のガンは、グリホサートを基にしたラウンドアップのせいだったと裁定したものに続く、モンサント弁護士の二度目の敗北だ。そこでは、発見された内部電子メールに基づいて、会社重役が同社のグリホサート製品がガンを引き起し得ることを知りながら、この情報を公表しなかったかどで、陪審は、モンサントを「悪意と抑圧」の罪で有罪と評決した。

 新しい独自の研究が、グリホサートに最も多く曝露している人々は非ホジキンリンパ腫(NHL)にかかるリスクが41%増えることを示している。ほぼ65,000人の参加者を含む6つの研究のメタ分析で、グリホサートを基本とする除草剤と免疫抑制や内分泌撹乱や遺伝子改変との間の関連がわかった。著者は「同じ重要な調査結果:GBH(グリホサートに基づく除草剤)への曝露はNHL(非ホジキンリンパ腫)のリスク増加と結び付けられる」ことに気が付いた。さらに彼らは、グリホサートが「消化器官微生物叢を変え」それが「免疫機構に衝撃を与え、慢性の炎症を促進し、病原体を攻撃する感受性に影響」し得ると述べた。グリホサートは同様に、雄雌両方のラットで「最近、性ホルモン生成を変えることが判明したので、内分泌かく乱物質の役割を果たすかもしれない」。

 ジル・エリック・セラリーニとマイケル・アントニオとパートナーの下での、フランス科学者による長期動物実験で、極端に低いレベルのグリホサート除草剤でさえ、非アルコール性肝臓病を引き起こすことが明らかにされた。ラットがさらされたレベルは、体重1キログラムあたり、我々が食料摂取で許容されるものよりはるかに低かった。メイヨ・クリニックによれば、グリホサート殺虫剤を40年間、あるいは無差別に使用した今、1億人、つまりアメリカ人3人中の1人のが肝臓病にかかっている。こうした診断は、わずか8歳の幼い子供にもみられる。

 だがグリホサートは、ヒトの健康だけに警鐘的影響を与えているわけではない。土壌科学者は、グリホサート噴霧の残滓が土壌の健康と栄養に対しても、おそらく復活するのに何年も要する劇的な影響を与えていることを悟り始めている。

 土壌も殺す

 もっともなことだが、大方の注意が現在世界中で最も広く使われている農薬グリホサートへの露出による人間への影響に引きつけられているが、独立した科学者たちは、農薬のもう一つの警鐘的な影響、不可欠な土壌栄養に対する影響を見出し始めている。EUにおける土地の健全さの研究で、オンライン・ジャーナルPolitico.euは、ヨーロッパ農業で、主要作物に対するグリホサート噴霧の影響は、雑草を枯らすのに加え、土壌の健全さに悲惨な結果を与えることも見いだした。

 オーストリアのウィーン天然資源・応用生命科学大学の科学者が、3週間のグリホサート散布で、ミミズの土壌団粒形成活動がほとんど農地表面から消えたことを示した。ミミズは健全な土壌と植物栄養に欠くことができない、土壌団粒形成というのは、ミミズが穴を掘りながら、肥沃土を表面に押しやる活動過程だ。オランダ、ヴァーヘニンゲン大学による、EUの300以上の場所の表土試料の土壌研究で、土壌の83%に、一つかそれ以上の残留農薬が含までいることがわかった。驚くほどのことではないが「グリホサートや、その代謝体AMPA、DDT(DDTとその代謝体)や広域殺菌剤が、土壌試料中で最も頻繁に高濃度で見られる化合物だった」。

 様々な農薬、とりわけ、ラウンドアップのようなグリホサートを基本にしたものの使用は、EU中でも、アメリカ中でも同様に、これまでの40年間にわたって爆発した。農業関連産業は、これが農産物生産性劇的向上の鍵だったと主張する。だがデータを良く見れば、米や小麦やトウモロコシのような主要穀物の平均収量は、1960年から2倍以上になる一方で、グリホサートを基本とする農薬の使用量は15-20倍に増大している。十分奇妙なことに、EUは多くのもののモニターを要求しているのに、土中残留農薬のモニターは、EUレベルでは要求されていない。最近までラウンドアップのような農薬の頻繁な使用の影響は科学研究で無視されてきた。

 土壌専門家の証拠が、グリホサートのような農薬の使用と、土壌肥沃度の劇的下落や、健全な土地に欠くことができない微生物システム崩壊との間の明確な関連を明らかにし始めている。ミミズは最も不可欠なものの一つだ。

 ミミズが健全な土壌養分において重要な役割を果たしていることははっきりしている。そうしたものに欠けている土壌は、我々が健康に良い食事に必要としている不可欠なものを我々から奪う土壌だが、土壌劣化という世界的大問題は、過去40年間にわたり世界規模で出現しているが、農薬使用が世界的に激増したのと同じ時間枠であるの明らかだ。土壌養分循環を強化し、他の有益な土壌微生物を増やし、植物が容易に吸収可能な大量の養分の濃度を高めるので、ミミズは有益だ。

 グリホサートがミミズに対する影響に加えて、作物が養分を吸い上げるのに必要とする特定の菌類やバクテリアを殺すことがはっきりしているのに、どれだけのグリホサートを農作物に散布可能かについて、EUは限度を設定していない。それは大きな盲点だ。

 今どこにいるのか?

 いっそう明確になっているのは、EUやアメリカだけでなく、現在モンサントより大量のグリホサートを生産する中国で、グリホサートを基にした農薬の潜在的危険性を、規制機関が、壮大かつ意図的に無視していることだ。モンサントのラウンドアップ特許は切れており、シンジェンタ、浙江新安ケミカル企業集団、SinoHarvestや安徽?星化工有限公司を含む中国企業が、この化学製品の世界最大生産者で、同時に最大消費者にもなっており、有名な中国料理の将来にとって良くない前兆だ。

 グリホサートはモンサント-バイエルのラウンドアップの他、世界中で約750種のブランドの農薬の基本化学成分だ。グリホサート残滓は、水道水、オレンジジュース、子供の尿、母乳、チップス、スナック、ビール、ワイン、シリアル、卵、オートミール、小麦産物や、試験した大半の通常食品で見いだされる。要するに、いたるところにある

 ところが、確かな証拠にもかかわらず、EUは官僚に権限を与えており、アメリカ環境保護庁は長期間にわたり、徹底的な独立調査が出るまで、有毒化学物質を禁止しないことにして、意図的に無視し続けている。皮肉な人なら、グリホサートを基本とする除草剤に対するこの継続的な公的支援は、単に官僚的な愚かさや無知の問題にとどまらず、それも一役買っているのは確実だが、賄賂だけの問題にとどまらないと思うはずだ。我々の食物連鎖の栄養価は組織的に破壊されているが、それは農業関連産業企業の利益だけの問題にとどまるまい。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/04/14/glyphosate-worse-than-we-could-imagine/

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 昨夜は、なつめろを聞き、実際飲みに行くわけではないが酒場番組を見て寝た。傀儡政府が設定する話題を垂れ流す呆導番組、百害あって一利なし。覚醒剤は精神に良くないだろうが、全員摂取しているわけではない。一方、印刷であれ、電波であれ、呆導は、ほぼ全員が見て、洗脳されつづける。大変な害毒。マスコミそのものが「巨大オレオレ詐欺」のようなものではあるまいか。個人的に知りたい話題皆無で、売国言説の押し売りに、もうあきた。たとえば下記のような重要な催しを詳細に報じてくれるのであれば見るが、そうでない以上見るのをやめようと思う。見なくとも、失うものはない。知的健康の維持ど電気代節約に役立つはず。果敢な記者がおられる一紙は購読している。ねんのため。

 「TPPプラスを許さない!全国共同行動」のよびかけで開催される、第12回院内集会「日米FTA交渉をただす!」を中継します。意見交換の参加省庁は外務省、内閣府、農水省などを予定。これまでIWJが報じてきた日米FTA関連の記事は、以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%97%A5%E7%B1%B3fta

 中継、冒頭の鈴木宣弘教授のお話を拝聴した。この記事と直結している。途中部分は所要のため外出し、見損ねた。鈴木宣弘教授のお話を聞いた後では、お役人のお話は興味が持てない。

 宗主国、イラクでは、爆撃で破壊し、兵器・弾薬で儲けたあと、石油利権や、復興開発で儲けているのだろうか。日本の場合、宗主国は危険な産品で属国民をガンにして、ガン保険や、医薬品で儲けるのだろう。おいしい属国。

 

2019年3月28日 (木)

アメリカ食品医薬品局、GMO「フランケン・サケ」禁止を解除

2019年3月22日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 フランケン食品というのは、健康や遺伝子組み換え作物やGMOの安全性を問題にしている消費者団体が作り出した言葉だ。アメリカ食品医薬品局は最初の遺伝子組み替え食品、サケの商品化に対する禁止を解除したところだ。これはGMO生物の販売が人の食用にアメリカで許可された初の例だ。アメリカだけでなく、世界中が警鐘を鳴らすべきだ。

 3月8日、食品の安全性に責任を負う食品医薬品局FDAは、マサチューセッツのバイオテクノロジー会社アクアバウンティによるGMOサケ販売に対する禁止令を撤廃した。今まで同社はインディアナ州のサケ水槽にGMO卵を入れるのを禁止されていた。

 今回のFDAによる禁止令解除の理由は安心感を与えるものではない。役所は、食物が「生物工学加工品」だというラベル表示の新規則が、消費者が理解に基づいた選択をするのに十分な情報を与えると述べている。大半の人々は、たとえ細かい字で印刷された部分が読めたとしても、「生物工学加工品」というのが、論争の的である遺伝子操作の婉曲表現だとは解釈できないかもしれない。

 2015年に、遺伝子改変したサケの販売を禁止された企業は、ラベル表示訴訟の判決を待ちながら、子を産まず、普通の2倍早く成長する大西洋サケのメスを作るため、他の魚種のDNAで大西洋のサケを変更える方法の特許を取った。この方法は養殖大西洋サケの遺伝子を、キングサーモンとゲンゲDNAの一部から得た成長ホルモン遺伝子で改変するものだ。この企業の原動力は健康や安全ではなく、経費削減であるように思える。同社は、このGMOサケ卵を、カナダの施設から、4.5キロに成長するのに約18カ月かかるインディアナの飼育水槽に送る予定だ。

 アクアバウンティ・テクノロジーは、同様に物議をかもしている遺伝子ドライブ技術の開発企業を所有するメリーランドのイントレクソン社が大部分を所有している。

 激しい抗議

 FDAによるアクアバウンティのGMOサケ認可には、様々な団体から本格的な抗議が起きている。食品安全センターの法務部長ジョージ・キンブレルは、ラベル表示新ガイドラインが、サケに明らかに「遺伝子改変されている」というラベル表示を必要としないと指摘している。キンブレルが言うように「これらガイドラインは、更なる情報をえるのに、代わりに、生産者がQRコードやフリーダイアル番号を使うのを認めている」。消費者の幸運をお祈りしよう。

 アクアバウンティのGMOサケプロジェクトには歴史かあるが、決して元気になれる実績ではない。数年前に奇異な決定で、FDAは政府機関が「新しい動物薬」という範疇で、GMOサケを裁定すると発表した。それは、少なくとも2013年、オバマ時代、FDAの主要人物に、事実上、GMO企業の連中が激しく出入りしていた時代にさかのぼる。そうすることで、深刻にGMOサケが逃げて、天然サケや他の魚種と交雑するような環境悪化の危険を本気で考えなければならないのを避けていたのだ。

 現在同社は、インディアナの内陸施設で完全に成長した大きさに卵を育てるつもりだと述べている。だが、同社は、施設の拡張計画も発表している。4年前に同社は、GMOサケが海の中に逃げて、未知の方法で天然サケや他の魚を汚染しかねない安全上の欠陥が文書で立証されたパナマの施設を保有していた。彼らがインディアナで生産を始め、販売が急成長し始めた途端、パナマでのような危険な施設を追加する気になるのだろうか?

 FDAは、アクアバウンティGMOサケを認可する際、GMO養殖サケは非GMO養殖サケを食べるのと同じぐらい栄養になると主張した。問題は、近代的なサケ養殖場が、典型的に一度に50万の魚の生産に、大量の化学物質や抗生物質を使う以上、それがまともな基準ではないことだ。研究では、例えば、ガンをひき起こす殺虫剤の一種、ポリ塩化ビフェニルが、養殖場で育てられたサケには、天然サケの16倍あること発見している。

 GMO養殖サケのもう一つの問題は、アクアバウンティが、大豆かすを食べさせることを認めており、アメリカでは、それは、ほとんどGMO大豆かすだということだ。食品安全センターの上級政策専門家ジェイディー・ハンソンによれば、GMOサケは、望ましいオメガ3が少ない。炎症を起こす望ましくないオメガ-6脂肪酸と、望ましいオメガ3の比率が重要だと彼は言う。彼は「このアクアバウンティ魚の3と6の比率は、全ての養殖場中で最悪で、アクアバウンティ自身のデータにある。」と述べている。

 驚くべきことに、アクアバウンティはアレルギー反応テストで不合格だったにもかかわらず、FDAは彼らに本格的な再試験をするよう要求しなかったように見える。GMOサケは、異常に高いレベルの成長ホルモンも必要としているのだ。牛肉中のこのようなホルモンはより高いレベルのガンを引き起こすIGFと呼ばれるホルモンを作ることが知られている。これは重大な問題であるとはFDA当局者には考慮されなかったようだ。

 今、このような養殖魚を2倍速く育てるのを可能にするため、我々は健康と安全の基本的考慮を無視するように言われているのだ。さらに、アクアバウンティが、GMOサケで、遺伝子ドライバー遺伝子編集技術を使っているかどうかも分かっていない。

 FDAが要求しなかったので、人間の反応の実験を行わなかったと、アクアバウンティは述べた。人の食用として初の遺伝子組み換え動物を承認という根本的な変化において、人間の健康は、特に重要ではあるまいか?

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタントで講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/03/22/us-fda-lifts-ban-on-gmo-frankensalmon/

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 手元に「さけ茶ずけ」がある。「大豆たんぱくでサイズも大きく! 鮭フレーク25%増量」とある。鮭の生産国がどこなのか、大豆たんぱくがどこのものなのか、遺伝子組み換えなのか否か、一切明記されていない。この企業の原動力も、健康や安全ではなく、経費削減であるように思える。

 昨日、橋下氏による岩上安身へのスラップ訴訟の第6回口頭弁論が行われた。日刊IWJガイドで、その様子が報じられている。

日刊IWJガイド「岩上安身が法廷で真実のスクープ爆弾を炸裂! 橋下徹氏が主張していたストーリーは真っ赤な嘘だった! 昨日27日、橋下氏による岩上安身へのスラップ訴訟の第6回口頭弁論が大阪地裁大法廷で行われ、岩上安身が橋下氏を徹底的に追及! 反論できずに橋下氏は法廷でオロオロと苦し紛れの弁明に回るだけ!」 2019.3.28日号~No.2387号~(2019.3.28 8時00分)

 

 

2019年2月21日 (木)

ベネズエラ石油戦争について語られていないこと

2019年2月17日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 これまでのところ、一体何がトランプ政権を奇異なベネズエラ介入に追いやっているのかに関する議論の多くが、ジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官の石油が狙いだと主張する発言に集中している。前回の分析で、我々はいくつかの定義で、世界最大の石油埋蔵量を誇ると言われた巨大なチャベス盆状構造、かつてのオリノコ盆状構造の概要を検討した。今この事実上の戦争が、ベネズエラのチャベス盆地の重油支配より、遥かに多くのことにまつわることが、一層明確になっている。

 最初に、どの石油会社が、地域の石油の様々な権利を既に主張しているかをよく見るのが重要だ。ベネズエラでは、中国石油天然気集団公司と中国政府に指揮された中国石油企業がチャベス時代から重要な役割を果たしてきた。実際、その役割は、ベネズエラ政府が中国に約610億ドル借りるほどになっている。マドゥロ政権の財政問題のため、中国は石油の形で債務返済を受けてきた。2010年から、ロシア国営石油会社ロスネフチが、主にオリノコ/チャベス・ベルトで、ベネズエラ国営PDVSAとの合同プロジェクトに関係してきた。数年前、ロスネフチが、同じく石油で返済される、約60億ドルのベネズエラへの融資を行った。ロスネフチの最近の声明では、今年の終わりまでに、23億ドル支払わなければならない。ロスネフチは、5つの石油プロジェクトに参加し、ガス・プロジェクトでは、100パーセントを保有している。CNPCとロスネフチ、フランスのTotal SAの他、ノルウェーのEquinorと、アメリカのシェブロンのすべてが、ベネズエラ・プロジェクトの少数株を保有しており、大半が政治的危機にもかかわらず留まると誓っている。そこで彼らは、ベネズエラ重質石油について、文書化されたもの以上に何を知っているのかという疑問が湧く。

本当の掘り出し物?

 これら強力な国際石油業界大手が注目している本当の掘り出し物は、おそらく彼らが今活動しているオリノコ重質石油平原の東に横たわっている。本当の掘り出し物は、石油産業において最も堅く守られた秘密の一つ、ベネズエラ、ガイアナとブラジルにまたがる係争地域の巨大な石油埋蔵に対する究極の支配だ。地域はグアヤナ・エセキバと呼ばれている。一部の地質学者は、エセキバ地域と、その沖合に世界最大の石油埋蔵、ベネズエラの重いオリノコ原油より遥かに質が高い石油があると考えている。問題はベネズエラとガイアナ間の数十年にわたる論争のおかげで、石油の本当の品質がまだ分かっていないことだ。

 歴史的に、ベネズエラと、旧イギリス植民地ガイアナの両国がエセキバに対する権利を主張している。1983年に、いわゆるポートオブスペイン・プロトコルが、ベネズエラとガイアナ政府間の平和的解決に時間を当てるため、ベネズエラによるエセキバ埋め立ての12年停止を宣言した。その時以来、特別国連代表者が状況を凍結されている。いずれの当事者も地域で報告された巨大油層を探査しなかった。2018年1月、国連事務総長は、エセキバを、ハーグの国際司法裁判所の仲裁に付し、現在そのままの状態だ。

 今それは厄介な状態にある。2011年9月、ガイアナ政府は150海里以上に大陸棚を拡張するため、大陸棚限界まで、沖合の排他的経済水域の延長を国連委員会に申請した。国連許可を手に入れるため、グアヤナ・エセキバについての非常に活発なベネズエラの主張を無視して、彼らはその区域が領土問題の適用を受けないと宣言した。ベネズエラは強く抗議した。さらに状況を複雑にしているのが、ガイアナは帰属問題で係争中の海域で、国際的石油探検権を授与したことだ。

ガイアナのエクソン

 2015年にガイアナは、元アメリカ国務長官レックス・ティラーソンが、かつてトップだった企業エクソンモービルに石油探査権を与えた。間もなくエクソンは、来年生産が始まれば、ごく小さいガイアナ経済を変えるのに十分な、50億バレルと見積もれる油田を発見した。オリノコ/チャベスの重く、費用のかかる石油と異なり、ガイアナ沖合の石油は優秀で、軽いことに気が付いた。石油専門家は、業界平均の35%と比較して、辺境地域でのエクソン掘削の驚くべき82%の成功率を挙げている。ウッド・マッケンジーの専門家たちは、沖合地域は「次の10年までに、中南米で4番目の産油国に容易になれるし、先行諸国を凌げるだろうと言っている。もしベネズエラとメキシコが生産下落に対処し損ねれば、ガイアナは彼らを素早く上回り、ナンバー2になり得るだろう。」

 これまで、このエセキバ地域全体と沖合が、両国の合意により、石油探査に対しては、立ち入り禁止だったことに留意願いたい。エクソンのガイアナでの発見が、エセキバ地域に膨大な石油があるという考えを裏付けた。

 ここで、ベネズエラのマドゥロ政権と、野党のフアン・グアイド国民議会会長の奇異な合法的大統領という公表の複雑な事態が加わる。もし我々がエセキバの未利用の巨大な潜在的埋蔵にオリノコベルト石油の先を見るなら、今展開している悲劇的ドラマ全体が、より良く理解することが可能になる。

 2015年のエクソンによる発見以来、ベネズエラはガイアナに対する訴えを開始し、時々エクソンの石油探査船を停止させている。マドゥロ体制にとって、状況を複雑にしているのは係争水域のガイアナ沖合のエクソン・パートナーが、マドゥロの最大債権国の石油会社、中国のCNOOCだという事実だ。

 マドゥロ政権が、外国の石油利権にベネズエラを再度開放し、国営PDVSAを再び民有化する自由市場のグアイドに置き換えられるシナリオを想像願いたい。そうなれば、グアイドは、様々な国際的な彼の友人の手助けで、エセキバに対するベネズエラの権利を積極的に主張するだろ。イギリスとフランスとスペインは全て地域に主要石油会社があり、アメリカがグアイドを暫定大統領として認めるのに加わった。ベネズエラが、マドゥロによって支配されている限り、エセキバ沖合油井におけるガイアナの正当性を認めるのはワシントンやエクソンや彼らの後援者に合っている。グアイドが権力を握れば、それは容易に変わり、もろいガイアナに圧力をかけて、ベネズエラの利益になるよう、エセキバ問題を解決することができるはずだ。

 今我々は、中露に公式に支持されたマドゥロが、ワシントン、ロンドン、フランス、(やはりエセキバ地域に隣接している)ブラジルや他の国々に公式に支持されるグアイドによる抵抗を目にしている。地域の危険な地政学カクテルに、更に拍車を掛けているのは、中国が、一帯一路構想にガイアナを公式に取りこみ、北ブラジルのマナウスからガイアナまでのハイウェーリンクを構築して、航路に対して何千マイルも短縮して、ブラジルがパナマ運河に一層効率的にアクセス可能にしている事実だ。大西洋と太平洋との中核的交差点パナマにおける中国の取り組みが顕著だ。2016年、中国のランドブリッジ・グループが、運河の大西洋側にパナマのマルガリータ島港、最大の港を購入し、中国企業に世界で最も重要な商品流通センターの一つへの直接アクセスを可能にした。

 ベネズエラ危機における地政学的危険が、正当性や民主的な選挙の問題や、ベネズエラ国境を遥かに超えているのを悟るのに大量の想像力は必要ない。石油の問題に過ぎないのだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。彼はプリンストン大学の政治学位を所有する石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/02/17/what-s-not-being-said-about-the-venezuela-oil-war/

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 国会中継、野党質問のみ音声を出しているが、北方領土問題にからめて、ロシアのクリミア併合を非難するゆ党政治家質問も聞いてしまったのは失敗。欧米が不当な併合に対して制裁を課しているのに、日本は破って良いのか?と。ウクライナで、違法なクーデターを推進した宗主国は責めない。彼はハーバード大学留学中、通商代表部トップと同室だったのが自慢のTPP推進派。

 与党幹部も高級官僚も質問されていないことを延々語って時間を浪費するウソツキばかり。大本営広報部は、統計偽装より、みみずく問題で忙しい。

 植草一秀の『知られざる真実』
統計の 不正で作る 好景気 発覚したら 部下のせい

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