TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA

2019年1月28日 (月)

我々の文明に、少なくとも多少は生き残る可能性はあるのだろうか?

2019年1月19日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 最近私は何度かこう質問をされた。「我々人類は本当に生き残ることができるだろうか?」 「私は楽天主義者か悲観論者か?」

 この最も緊急で最も重要な質問に対し、たった一つの答えがあり得るとは思わないので、私の返答はさまざまだ。

 答えは、時には場所に影響される。その瞬間私がどこにいるか、あるいは私が最近行ったことのある場所に。タリバーンに支配されたアフガニスタンの村、沖縄売春宿の屋根の上で破壊的な米空軍基地を撮影している時、あるいはおそらくはママと一緒にオペラ公演を見た後、シュツットガルトあるいはパリの優雅なカフェで。

 私が戦場かスラムで怪我をしていたか、あるいは講演するよう求められた何かの催しで(ほとんどいつも偽善的に)拍手喝采されているか? 私は何か「禁じられた」正気でない、危険な何かをしているか、日本かバンコクで私の映像や文書を加工しているか?

 状況により、私は否定的にも、慎重な楽天的にも聞こえる可能性がある。

 だが真実は、率直な真実は、私は恐れているのだ。

 私自身の命や、健康や、幸福のために恐れているのではない。私の仕事や苦闘。誰も私にそれを強制したわけではない。私がする全て私自身の選択だ。私はそれをすることを望み、そのために私はそうしている。私がそれをする間、安全ではないことが多いので、私の命は時期尚早で終わるかもしれず、あるいは非常に不快な他の何かが起き得ることを理解しなければならない。私は理解しなければならず、理解している。良くないことは起きるものだ! 不幸なことに頻繁に起きる。だが私はそれを恐れているわけではない。

 本当に私が恐れているのは他の何か、もっと本質的な何かだ。この美しい「プロジェクト」、人類と呼ばれるこの信じ難い壮大な実験が、まもなく廃墟と化し、雲散霧消しかねないのだ。

 私がもっと恐れているのは、おそらく、私は心からそうではないことを願っているが、それが既に終わっているということだ。

 私は宗教を信じておらず、ある種の来世があるかどうか全くわからない。来世、神。私に絶対的に確かなのは、これら、いわゆる大問題へのどんな答えも、この惑星で誰も本当にと知らず、答えを知っていると主張する連中は私より少ししか知らないということだ。

 この世界と、我々人類が、私が知っている全てであり、私にあって、気にかけている全てだ。その全ての野蛮さと愚かさ、無謀さと先見の明のなさにもかかわらず、愛する以外に、他に選択肢がないので私はそれが好きだ。けれども我々全ての人間の感覚にとって、それほど素晴らしく、美しく楽しかった、この惑星は、今屈辱を受け、略奪され、おびえている。地球は我々自身の目の前で野蛮にレイプされている。我々はただ見守り、牛のように反すうし、排便し、ますます愚かな方法で楽しんでいる。

 「支配者」ろくでなし連中によれば、それこそまさに我々が実際すべきことだ。

 我々人類は、自然な目標や、目的や、夢から脱線させられている。どこに暮らす人々も、平等主義や社会正義や美しさや調和のような目標を、誰もが口にしていた。ごく最近まで、わずか一世紀前までは。

 最も賢明な人々は、勇敢に、決然と、あらゆる形の不均等や搾取や人種差別や植民地政策を終わらせようと活動していた。欧米帝国主義がしでかした人類に対する犯罪や、人種差別や、奴隷制度や資本主義が暴露され、明確にされ、非難され、対決されていた。

 我々が文明開化の頂点に達しようとしていて、人間として我々が今そうであるよりも、調和と平和共存にずっと近かったのは、不幸にも、一世紀前のことだった。

 地球上どこでも、この世界で、理性と論理がまもなく打ち勝つことが可能で、実に不当に世界を支配している連中は「事の真理を知って」自発的に退場するか、決定的に打ち破られるだろうことに、我々の曾祖父母たちは全く疑いを持っていなかった。

 素晴らしい革命が全ての大陸で勃発した。人の命は利益より遥かに重要上だと宣言された。資本主義は終わったように思われた。帝国主義と資本主義は信用を失い、つばを吐かれ、何百万もの足で踏みつけられた。全ての人種のあらゆる人々が団結して、貪欲な堕落した実業家や、不誠実な宗教扇動家や、変質的な君主や彼らの農奴の独裁がなくなるのは、明らかにわずか数年先のことだった。

 当時、人間は、楽観主義、画期的な発想、発明、感情的であると同様、知的な勇気と芸術的な創造力に満ちていた。

 新しい時代が始まっていた。農奴制と資本主義の時代は終わっていた。

 ところが、圧制的で貪欲で暗い報復主義勢力が体勢を立て直した。彼らには金があり、最優秀の心理学者や宣伝屋や大量殺人犯や学者や芸術家を買収している。

*

 百年後の我々の立ち位置を見よう! 今の我々を見よう。

 慶賀すべきものは皆無で、むかつくことばかり。

 これまで何世紀も支配していたギャングやら道徳的に堕落した連中が、依然地球を完全支配している。昔と同様、虐げられた人々が多数派だ。彼らはアフリカ、中東、ラテンアメリカ、亜大陸と東南アジアに暮らしている。

 実際、事態は昔よりずっと進んでしまった。地球の大多数の人々は論理的に考える能力を失った。彼らはプロパガンダ・マスコミに、大量に作り出される映画やポップ音楽に、ファッションの奇異な「流行」に、攻撃的な消費者運動に、洗脳されてしまった。

 教育も放送局も全て独立を失い、政権の権益に従属的になっている。

 欧米「民主主義」(そもそも、たいしたプロジェクトではない)は静かに個別に死に絶え、民主主義提唱者は再び大企業、億万長者や多国籍企業から直接命令を受け始めた。体制は超資本主義から、超盗賊政治へと進化した。

 私は世界中、全ての大陸で働いてきたが、私が恐ろしいと思うのは、支配体制が、非常に「完全に」、いわば「無敵」になってしまっていることだ。

 高度なコンピュータ化により、支配体制は基本的に世界のありとあらゆる場所を監視し、分析する能力を持っているので、欧米帝国主義と新植民地主義の前進と攻撃から逃れることができる場所が地球上にあるようには思えない。

 想像願いたい。どこかの国が抵抗して、自国民の幸福のために働くことに決めるとすぐさま、欧米プロパガンダ、NGO、学界、マスコミ、傭兵や軍隊が、反抗的な政府を中傷し、国全体の破壊さえ、組織的に着手する。これはアルゼンチンを、次にブラジルを崩壊させた手口だ。これはシリアがまず不安定化され、後でほぼ抹殺された手口だ。

 世界的独裁には、何も耐えることができないように思われる。

 世界的独裁には慈悲はない。世界的独裁は全ての論理的根拠を失っている。

 貪欲と利益の最大化には限界がない。今、人の命を犠牲にすることが当たり前のように行われている。何千人あるいは数百万人の命も重要とは思われない。コンゴ民主共和国でも西パプアでもコルタンやウランや金や石油が流出し続ける限り誰も気にかけない。

 国全体が地球温暖化現象のために住めなくなり「沈む」のを私は目撃している。キリバス、ツバル、マーシャル諸島。私は(インドネシアでカリマンタンとして知られている)ボルネオのような途方もなく大きい島が、変更できないほど徹底的に破壊されたのを見ている。誰も気にしていない。(欧米や、自国の卑屈な政府によって)堕落させられたインドネシアのような国の科学者は、ヤシ油プランテーションや地球温暖化や山林伐採は、実際に、世界とその生き残りを脅かしていないなどといまだに主張している。

 約50年前は、こうした話題に関して書かれた強力な本があったはずだ。素晴らしい芸術映画が制作され、勇敢な詩人が歌い、虐げられた世界でも欧米世界でも、大衆が革命小説を何百万部も買った。大衆は自分たちの暮らしや戦いや苦しみを描いた映画を見ようと並んだものだ。

 今は? 破壊された大衆は自分たちの悪夢を忘れ、代わりに愚かなホラー映画、スターウォーズ「叙事詩」のどれか、あるいは金持ち有名人の甘い苦しみを描く「ロマンチック・コメディー」を見るよう飼い馴らされている。荒廃した世界の貧困家庭は何カ月間も貯蓄をしてから、子供を無理やりディズニー・ワールドに連れて行く。プラスチックの工場、無表情な夢、おとぎ話のバーガーキングスに!

 携帯電話が本や新聞や雑誌に置き換わった。何世紀にもわたり、紙の本は知識の象徴だった。どんなコンピュータや電話の画面も印刷された単語に置きわることはできない。学者や男や女性作家は、常に本やノートや文書に囲まれてきたのだ。

 この全て偶然に起きたものではない。電子情報は、制御したり、そらしたり、窒息させたりするのが紙に印刷された資料よりずっと容易だ。世界の脱知性化は、明らかに意図的に、一歩一歩計画的に行われている。21世紀に「ルネッサンスの男性と女性」が出現するなど忘れて頂きたい。教養を身につけている欧米の反資本主義思索家さえ今は「専門的だ」。 彼らは「小説は読まない」。彼らは「事実」を集め、ドキュメンタリー映画やビデオやノンフィクションのエッセイや本を書くが、全ての成功した革命が常に、感情、創造性と芸術に基づいていたという重要な点を完全に無視している。大衆を鼓舞し、人々を笑わせ、泣かせ、夢を見させ、希望を抱かせるのだ。

 世界は数値「データ」で一杯だ。「事実」は広く利用可能だが、それは誰も鼓舞したり、動かしたりはしない。それは人々に行動を呼び掛けることはない。バリケードに招くことはない。全てが標準化されている。欧米の宣伝が「完ぺきな」女性や男性は、どのように見え、振る舞うべきかを決め、人間の欲望を規制するのに成功した。あるいは「民主主義」の「正しい」認識がどうあるべきか、あるいは何がトレンディで、何が退屈で、旧式と思われるべきか。

 被害者と虐待者双方の生活は「非政治化されている」ように思われる。だがそうではない! 欧米プロパガンダと体制への協力を受け入れるのは、実際極めて政治的な行為だ!

*

 倒錯した体制が、受け入れるよう命じているものを、非常に多くの人々が受け入れているように思われるがゆえに、私は恐ろしいのだ。

 彼らは監視や、流行や非人間化された「願望」や「差別用語を不使用」やグローバル帝国主義ファシズム、ポップで奇怪な資本主義や灰色の画一性を受け入れている。

 最も奇怪な極点に至ったこの怪物のような欧米独裁に、いまだに抵抗している全ての国と全ての政府に対するプロパガンダの吠え声と反共産主義スローガンを、彼らはオウムのように繰り返している。

 私は恐れていると同時に、益々激怒してもいる。もしこれが人類の未来であるなら、本当に、人間として、種として、我々に生き残る権利があるのだろうか? 我々は実に従順で、実に創造力に欠けているがゆえに、パン屑を懇願し、でっちあげの優位勢力に祈り、邪悪で貪欲な君主や道徳的に不正な個人や体制にひれ伏すことになるのだろうか?

 幸い全員物事が見えていないわけではなく、全員がひざまずいているわけでもない。我々全員が、わずか一世紀前には、それほど可能に見えていた世界のために、抵抗して、夢を見て、戦う能力を失ったわけではない。

 まだ生きていて、自立している人々は完全に知っている。革命は可能で、道徳的に正当だ。資本主義と帝国主義はまったく冷酷だ。社会主義か共産主義制度が唯一進むべき道だ。何か「古風な」独断的な形ではなく「国際主義」で賢明で寛大な形で。(私の最新本「Revolutionary Optimism, Western Nihilism」で明らかにしたように。 )

 2019年の年頭だ。いくつか基本を要約しよう。

 世界を丸ごとの破壊や冷酷な利己的利益で天然資源を略奪するのは間違っている。

 同様に、諸国の洗脳、革新政府の打倒、彼らの自然な発達を脱線させることは酷く間違っている。

 惑星中の全員を、ばか者とゾンビに変えること、彼らに暴力的で愚かな映画を鑑賞させ、ゴミのような音楽を聴かせ、ジャンクフードを食べさせ、ショーウィンドウ内の人形や、その人間版とセックスするのを夢見させるのは悪だ。

 洗脳のために、マスコミや教育や娯楽を使うのは野蛮だ。

 地球丸ごとを一種の消費市場に変えるのも野蛮だ。

 このような体制と戦うのは名誉なことだ。それは本質的に「トレンディで」面白い。

 帝国の用語を使えばこうだ。協力と画一性は決して「クール」になり得ない。同じごみを聞き、見ることは「おしゃれ」にはなり得ない。同じ携帯電話画面を叩くのは、到底「先進的で」、寛大だとは定義され得ない。

 銀行や破壊的や企業を所有する嫌な連中のブーツをなめるのは、近代的な優雅な洗練された生活様式からは、ほど遠い。

 新帝国主義と超資本主義のおかげで我々最愛の惑星が炎に包まれる様子を、それを止めるために何もせずに見ているのは、愚か以外何ものでもない。

*

 「一年の生活」という1000ページの小説の最初の章を書いて、私は2019年を始めた。この小説は2019年に始まり、今年の終わりに終わるだろう。まさしく今年の終わりに。ノンフィクション限定など、もう沢山だ!

 小説家、劇作家として私は人間的な感情で信じている。むき出しの事実とデータが決して人々をバリケードに導かないのを悟るのに十分なだけの蜂起や革命を私は目撃した。

 詩歌や画や文学や映画や演劇や音楽を取り戻すため、古いノボリの埃を払うべき時期だ。こうしたものは我々にとって最良の同伴者だ。

 美しさが創造的で、鼓舞するのを、欧米は知り尽くしているので、感情を沈黙させ、本を「焚書し」、醜悪で無意味な騒音と映像で我々全員を攻撃している。美しさと創造力は同様に「危険」であり、実際に政権の陰鬱な気がめいる狙いにとって致命的なのだ。

 私は恐れているかもしれないが、同様に慎重な望みも持っている。我々はまだ勝てる。実際、勝利は我々の義務だ。この惑星は生き残らなければならない。もし我々が勝てば、生き残るだろう。もし我々が負ければ、この惑星は滅茶苦茶になるだろう。

 我々を待ち構えている戦いは極めて厳しい。事実とデータの名のもとでは誰も戦うまい。人々は美しい未来の名のもとでのみ戦うのだ。我々が勝利するために、全ての偉大な智の女神が、勇敢な決然とした革命家と並んで行進するよう期待しよう!

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、Revolutionary Optimism, Western Nihilism含めて多くの本を書ている作家。オンライン誌 「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/01/19/does-our-civilization-has-at-least-some-chance-to-survive/

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 個人的に小説はほとんど読まない。読書は、ほとんどノンフィクション限定。もう沢山とは思わない。恥ずかしながら、つい最近、雑誌で、笙野頼子という作家・小説を知った。TPP小説があるとは知らなかった。マスコミは大資本のための情報しか流さない洗脳組織であることを指摘しているのに驚いた。オーウェルの『1984年』のTPP版。世界最大の通販サイトを見ると、星一つの書評がある。それが何ともお粗末な読むに耐えないゴミ。書いた人物の知性のひどさを反映している。巨大通販サイトは、大資本のための情報しか流さない洗脳組織。巨大情報サイトで「ひょうすべ」を検索すると、九州の妖怪という記事はあるが、「ひょうすべの国」という記事はない。 頻繁にターミナル駅で大書店を覗いているが、以下の三冊、平積みになっているのを見た記憶がない。TPP反対のプラカードがわりにして欲しいと著者が言われるとおり、かなり目立つレイアウトの表紙、置いてあれば目についたはずなのだ。書店員、反TPP本を目立った場所に配置すると懲罰されるのかもしれない。

 『ひょうすべの国 植民人喰条約』2016年10月刊 腰巻きに下記檄文がある。

TPP流せ、憲法戻せ!
病人殺すな赤ちゃん消すな!田畑無くすな奴隷になるな
TPP反対!!
さて地獄が始まった。
TPP通れば人喰い通る!
こども、いのち、くすり、ことば、すべて人喰いのえじき!
腑抜け報道と隠蔽放送の罠を抜けて伝われ!

 『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』2017年7月刊。腰巻きに下記檄文がある。

愛猫よ君のために戦争を止めたい。
しかし私には文学しかない。
さあ、だから文学で戦争を止めるよ。
本書は新聞テレビなどより良く報道しております

 『ウラミズモ 奴隷選挙』2018年10月刊。腰巻きに下記檄文がある。

国を売るな、国益渡すな、民よ死ぬな、奴隷になるな
TPP反対、離脱(脱退)しかない
一億総奴隷、世界企業の牧場
水道破壊、医療崩壊、年金喪失、貯金強奪、賃金最低
TPP強盗、TPP犯罪、TPP暴力
移民もだまされ奴隷化
井戸を埋められ、食を奪われ、病気にされて、薬は倍額
ちかんごうかん、男尊にっほん
痴漢とヘイトだけ守るにっほん

 笙野頼子資料室blogで書評がまとめられている。

 今朝の日刊IWJガイドも興味深いが、そもそも代表の岩上氏、レギュラーで出演していたテレビ番組で、TPPにふれた直後番組を降板させられた方だ。マスコミ、笙野頼子さんが書いておられる通り、報道機関ではなく、言論統制・洗脳機関であることは、それだけでわかる。

 日刊IWJガイド「参院野党第一会派をめぐる立憲民主党と国民民主党の駆け引きの赤裸々な裏事情を国民民主と統一会派を組む自由党の山本太郎共同代表がトークイベントで暴露!」 2019.1.28日号~No.2328号~ (2019.1.28 8時00分)

2017年5月 8日 (月)

一路一帯という鶏小屋の番人に、かなりのキツネを雇った北京

2017年4月30日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

中国政府の新聞、環球時報が、香港に本拠を置くフロンティア・サービシズ・グループ(FSG)社が、中国北西部の新疆ウイグル自治区と、中国南西部の雲南省の二カ所に事業基地を構築すると公表した。新疆と雲南省は、中国の壮大な一帯一路の高速鉄道、港と、エネルギー・パイプライン・インフラ開発事業の核心、地理的要だ。北京がこの警備会社FSGと関係する上で、注目に値するのは同社の会長だ。

フロンティア・サービシズ・グループの会長で主要執行役員は、世界で最も悪名高い傭兵、今や存在していないブラックウオーター・セキュリティー創設者エリック・プリンスだ。ロンドン フィナンシャル・タイムズのインタビューで、プリンスは、最近中国との彼の事業について、こう述べた。“我々は中国の外交政策目標のために働くのではなく、貿易拡大を支援している。”彼は更にこう語った。“隣国諸国との中国貿易とインフラ構築は恩恵だけをもたらす。我々は中国の外交政策目標の為に働いているのではなく、我々は貿易増大を支援する。”プリンスは、更にこう主張した。“これは中国版ブラックウオーターではない。FSG は物流会社だ。我々は警備会社ではない。我が社の誰も武装しておらず、武装する予定もない。だが警備業務は、確かに物流過程の一部だ。”

警備業務は護衛の婉曲表現だ。プリンスの社員は、決して火器を必要としないジェイソン・ステイサムのような武道の技を習得しているのかも知れない。あるいは、彼はうそつきなのかも知れない。いずれにせよ、中国が、元ネービー・シールで、CIA協力者で、悪名高いブラックウオーターの共同創設者エリック・プリンスを、戦略的な新経済シルク・ロードの守護者にしたというのは大きな出来事だ。

CITIC

中国との関係は、決して最小限でも情報不足でもなさそうだ。FSGの最大投資家は、中華人民共和国が所有し支配する投資ファンドCITICだ。CITICは、フロンティア・サービシズ・グループの20%を所有している。CITICは、2013年、プリンスが彼のアフリカ警備会社の投資家を探しに香港にやってきた際、初めてエリック・プリンスに会ったとされている。取締役会長のプリンスの他に、FSGの取締役には華東一、CITICの子会社とつながりのある、Acting CEO。華東一の北京の事務所として、CITICタワーがあげられている。高振順は、フロンティア・サービシズ・グループ副会長だ。二人は北京を本拠とする中国人だ。

中国は、ナイジェリアなどのアフリカの紛争地域や、中国が大規模投資をしている南スーダンで、アルカイダとつながるボコ・ハラムに対して、石油とガス・パイプライン企業を守る彼の警備業務ゆえに、プリンスに最初に注目したもののようだ。3月21日の中国国営の環球時報紙インタビューで、プリンスは、FSGが、同社が“事業基地”と呼ぶものを二つ建設するべく雇われたと発表した。“2016年末、FSGは地理的な対象を、アフリカだけから、一帯一路構想の北西と南西回廊をも含むよう拡大した”と彼は述べた。エリック・プリンスが、中国の一帯一路プロジェクトの中核、崩壊しつつあるNATOの大西洋世界の代替となるのが確実なプロジェクトを警備する責任を負うのだ。

プリンスは、環球時報のインタビューで、“北西回廊には、カザフスタン、ウズベキスタン、パキスタン、アフガニスタンなどの国々があり、南西回廊には、ミャンマー、タイ、ラオスとカンボジアなどの国々がある”と述べ、“中国の雲南省で計画されている新施設のおかげで、FSGは、南西回廊の企業にもより良いサービス提供が可能になるだろう。続いて、FSGは、北西回廊内の企業のため、新疆に訓練施設を開設予定だ。

中国北西の新疆ウイグル自治区のFSG基地は、CIAがけしかけているウイグル・テロ活動の中心部に置かれる予定だ。新疆は、新疆ウイグル人イスラム教徒の中で活動的な、CIAがfostered アルカイダの東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)の本拠地だ。新疆自体、カザフスタン、ロシアや他から、更には中国内の油田から、中国への大半の石油とガスの主要国際パイプラインの十字路だ。二つ目の“事業基地”は南西中国雲南省に置かれる予定で、ミャンマーの石油とガス・パイプラインや、インド洋への深水港、巨大な一路、建設中の高速鉄道インフラシンガポールと、全東南アジアに至る一路全体の十字路となる昆明は戦略的ハブだ。

金のための参入か?

エリック・プリンスは“中国版ブラックウオーター”を構築するつもりはなく、単に、中国の壮大な貿易プロジェクトに、企業警備や他のサービスを提供すべく、中国と事業をしているのだと主張している。FSG警備担当者は全員非武装だと彼は主張している。

中国国営の環球時報は、エリック・プリンスの民間警備会社を雇うことを擁護している中国人専門家、復旦大学アメリカ研究センター所長呉心伯にインタビューしており、彼は環球時報に“一帯一路構想をうまく実施するには、中国海外企業の警備業務は強化されるべきだ。中国はアメリカ民間企業から経験を得ることが望ましい” 中華人民共和国公安部の実働部隊、中安保実業集団有限公司の国際事務部総監の黎江向はこう述べている。

“中国企業は海外での警備サービスが是非とも必要だ。中国の警備サービス会社には、高度な経営理論が欠けている。”

民間傭兵による殺人における高度な“経営理論”は、確かにエリック・プリンスのおはこだ 。イラク戦争中、ブラックウオーター・セキュリティーはCIAに雇われ、契約金額は、6億ドルを越えていた。ブラックウオーター共同創設者は、ブラックウオーター・アメリカ副社長、ブラックウオーター・セキュリティー社社長になった元CIA職員のジェイミー・スミスだ。2006年から2009年まで、ブラックウオーター副会長だったコファー・ブラックは、元CIA対テロセンター所長だった。要するに、プリンスの事業は、秘密工作に対する制限を受けるアメリカ政府の制限がない民間CIAなのだ。

2007年9月、ブラックウオーター社員が、バグダッドの混雑する広場で発砲し、子供を含む17人のイラク一般市民を殺害し、更に20人に重傷を負わせたニスール広場虐殺で、ブラックウオーターは悪名をとどろかせた。アメリカの裁判所で三人の警備員が、14人の過失致死で、もう一人が殺人で有罪判決を受けた。その後、2010年に彼は会社を売り、アカデミという名前で再編成した。2010年、プリンスの会社は、CIAの仕事で、更に1億ドル受け取った。2009年、彼がテロリスト殺害を委託されたCIAタスク・フォースの一員であることが明らかにされた。彼はバージニア州ラングレーのCIA本部を警備するよう雇われてさえいた。

トランプとのつながり

エリック・プリンスのドナルド・トランプ政権とのつながりも注目に値する。プリンスは、トランプと個人的な知り合いで、トランプの選挙に100,000ドル以上寄付した。彼の姉、AmWay一家の億万長者ベッツィ・デヴォスはトランプ政権の教育長官だ。さらに重要なことに、プリンスは、トランプ政権のホワイト・ハウス首席戦略官スティーブン・バノンの親友でもある。ある元アメリカ高官によれば、プリンスは、1月20日以前に、トランプ移行チームに、“国防長官と国務長官候補者評価を含む”諜報と国防に関する問題で助言までしていた。バノンに加え、エリック・プリンスは、上院での50-50票で、プリンスの姉、ベッツィ・デヴォスが教育長官になるのを可能にした決定票を投じたマイク・ペンス副大統領の親しい友人だ。プリンスは、トランプの選挙と、イギリスBrexitの主要投資家である、投資運用会社ルネッサンス・テクノロジーズのヘッジ・ファンド業億万長者ロバート・マーサーとも親しい。

中国の一帯一路という極めて重要な動脈を警備するのにエリック・プリンスを雇うのに、北京当局が二つの利点を考えている可能性があり、その可能性は高い。一つは、エリック・プリンスが、テロを受けやすい地域における企業警備の世界的専門家の一人だという確実な事実だ。彼は中国の警備会社がおそらく良く知らないテクニックを知っている。二つ目の理由は、強烈な反中国の話題で選挙運動を展開したトランプ政権とのエリック・プリンスの緊密なつながりから、トランプ人脈と直接のつながりがあるプリンスを北京が“友人”にすれば、ワシントンとのより良い関係を仲介してもらえようと期待したのかも知れない。

もしそうであれば、中国当局は、こうした無理からぬ狙いを追求する中、一帯一路と言う名の鶏小屋警備に、狡猾で非常に危険なキツネを認めたのを見直ことになるかも知れない。“元”CIA工作員で、世界でも一流の傭兵、エリック・プリンスが、今やワシントンに、中国の新経済シルク・ロードの進展に関する最も詳細な諜報情報を提供できる立場にあるのだ。倫理に反したいと彼が思いさえすれば、CIAテロリスト・ハンドラーに、将来の破壊工作や、新シルク・ロード・プロジェクト崩壊の為、ISISやアルカイダなどの集団の的確な標的を彼は容易に提供できるのだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、本記事は、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/04/30/beijing-hires-princely-fox-to-guard-their-obor-henhouse/
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英語原文では、Princely Fox。本名のPrinceとの語呂合わせだろう。
大本営広報部がこぞって「中道派」とよぶ、ネオリベラ・ネオコン、フランスで、当選。
この記事題名の都市を入れ換えればそのまま?

2017年3月30日 (木)

D. ロックフェラーの陰惨な遺産

2017年3月26日
F. William Engdahl

アメリカ支配体制の事実上の族長、デイヴィッド・ロックフェラーが101歳で亡くなったのを受けて、支配体制マスコミは、彼の慈善活動とされるものを称賛している。私はこの人物の、より正直な姿を描いて貢献したいと思う。

ロックフェラーのアメリカの世紀

1939年、彼の四人の兄弟、ネルソン、ジョン D. III、ローレンスと、ウィンスロップ-デイヴィッド・ロックフェラーと、連中のロックフェラー財団が、ニューヨークで最も有力な民間のアメリカ外交政策シンクタンクであり、ロックフェラーに支配されている外交問題評議会における極秘の戦争と平和研究に資金を提供した。後に、タイム-ライフのインサイダー、ヘンリー・ルースが、アメリカの世紀と呼んだ、戦後の世界帝国を計画すべく、第二次世界大戦勃発前に、一群のアメリカ人学者が集まった。彼らは破綻したイギリスから世界帝国を引き継ぐための青写真を作成したが、それを帝国とは呼ばぬよう配慮した。彼らはそれを“民主主義と自由とアメリカ風私企業の拡散”と呼んだ。

連中のプロジェクトは世界の地政学的地図を見て、アメリカが、事実上の支配的帝国として、いかにしてイギリス帝国に置き換わるかを計画した。国連創設は、その重要な一部だ。ロックフェラー兄弟は、マンハッタンにある所有地を国連本部に寄贈した(その過程で彼らが所有する隣接する不動産の価格を何十億ドルも押し上げた)。これがロックフェラー式“慈善活動”だ。あらゆる寄付は一家の富と権力を増大するよう計算されている。

戦後、デイヴィッド・ロックフェラーは、アメリカ外交政策とアフリカ、中南米、アジアにおける無数の戦争を支配した。ロックフェラー一派が、対ソ連冷戦と、回復する西ヨーロッパをアメリカ属国状態にとどめるためのNATOを作り出した。連中が、それを一体どのように実行したかについては、私の著書、The Gods of Money(翻訳書名『ロックフェラーの完全支配 マネートラスト(金融・詐欺)編』で詳細に記述してある。本記事では、人類に対するデイヴィッド・ロックフェラーによる犯罪のいくつかの例を検討する。

ロックフェラーの生物学研究:‘人を支配する’

慈善活動は、同胞の人間に対する愛情が動機であるべきだというのであれば、ロックフェラー財団の贈与はそうではない。医学研究を見てみよう。1939年と戦争までの時期、ロックフェラー財団は、ベルリン、カイザー・ウィルヘルム研究所の生物学研究に資金提供した。それは、優れた人種を、いかにして育成し、彼らが“劣っている”と見なした人種を、いかにして全滅、あるいは断種するかというナチス優生学だった。ロックフェラーは、ナチス優生学に資金提供していたのだ。ロックフェラーのスタンダード・オイルも、戦時中、秘密裏にナチス空軍に貴重な燃料を供給して、アメリカの法律に違反していた。戦後、ロックフェラー兄弟は、残虐な人体実験に関与した主要ナチス科学者を、優生学研究を継続させるため、別人物にしたてあげ、アメリカとカナダにつれ出す手配をした。彼らの多くは、CIA極秘のMK-ウルトラ・プロジェクトで働いた。

1950年代、ロックフェラー兄弟は 優生学を推進するため人口協議会を設立したが、産児制限に関する人口調査を装っていた。ロックフェラー兄弟は、ロックフェラーの国家安全保障顧問キッシンジャーが率いた、“世界的人口増加の、アメリカの安全保障と海外権益に対する潜在的影響”と題する1970年代のアメリカ政府による極秘プロジェクトNSSM-200の責任を負っている。石油や鉱物などの戦略的原料を産出する開発途上国における大幅な人口増加は、より多くの国民が、それらの資源を国内で使用しての(原文通り!)国の経済成長を要求するので、アメリカ“国家安全保障の脅威”だと主張している。NSSM-200は、発展途上国世界の人口削減計画を、アメリカによる支援の前提条件にした。1970年代、デイヴィッド・ロックフェラーのロックフェラー財団は、WHOとともに、 女性の妊娠状態を維持できなくし、人口を抑制する、文字通り人の生殖プロセスそのものを目指す特殊な破傷風ワクチン開発にも資金提供していた。

ロックフェラー財団が、モンサント社の所有権と、“遺伝子砲(パーティクル・ガン)”や、所定植物の遺伝子発現を人為的に変える他の技術を産み出すため大学の生物学研究に資金提供をして、遺伝子操作分野まるごとを作り出したのだ。GMOの狙いは、ロックフェラーが、悲惨なフィリピンの黄金米プロジェクトを後援して以来、GMOを、人間と動物の食物連鎖で使用することなのだ。現在、アメリカで栽培されているあらゆる大豆の90%以上と、あらゆるトウモロコシと綿の80%以上がGMOだ。ところが表示はされていない。

‘石油支配’

ロックフェラーの富は、エクソン・モービルやシェブロン他の石油に基づいている。1954年以来のデイヴィッド・ロックフェラーの政治顧問ヘンリー・キッシンジャーは、ロックフェラーあらゆる主要プロジェクトに関与していた。1973年、アラブOPECの石油禁輸を引き起こすために、キッシンジャーは密かに中東外交をあやつった。

1973年-74年のオイル・ショックは、1950年代にデイヴィッド・ロックフェラーが創設した、ビルダーバーグ会議として知られている秘密組織が画策したものだ。1973年5月、デイヴィッド・ロックフェラーとアメリカとイギリスの主要石油メジャーのトップが、オイル・ショックを仕組むため、スウェーデンのサルトシェバーデンでの年次ビルダーバーグ会議に集まった。“強欲なアラブの石油シャイフ(族長)”に罪をなすり付けたのだ。これは下落する米ドルを救い、デイヴィッド・ロックフェラーのチェース・マンハッタン銀行を含むウオール街銀行を世界最大の銀行に押し上げた。価格上昇戦略がアラブ-イスラエル戦争の六カ月前に記述されているこの会議の“秘密”協定を、小生は所有している。証拠文書については、私の著書、A Century of War『ロックフェラーの完全支配 ジオポリティックス(石油・戦争)編』をご覧願いたい。1970年代、キッシンジャーは、デイヴィッド・ロックフェラーの世界戦略をこう要約した。“石油を支配すれば、国家を支配できる。食料を支配すれば、人々を支配できる。金を支配すれば全世界を支配できる。”

‘金を支配すれば…’

デイヴィッド・ロックフェラーは、一家の銀行、チェース・マンハッタン銀行の会長だった。再びヴォルカー金利ショックを起こすため、オイル・ショック同様、世界経済を犠牲にして、下落する米ドルと、チェース・マンハッタン銀行を含むウオール街の銀行の利益を救ったチェース副頭取ポール・ヴォルカーを、カーター大統領の連邦準備金制度理事会議長にした責任は彼にある。

ロックフェラーが支援した1979年10月のヴォルカー金利‘ショック療法’は、1980年代の“第三世界債務危機”を産み出した。ロックフェラーとウオール街はこの債務危機を、アルゼンチン、ブラジル、メキシコなどの国々に国営事業の民営化と劇的な通貨の平価切り下げを強いるのに利用した。そこでロックフェラーとジョージ・ソロスなどの友人が、アルゼンチン、ブラジル、メキシコの最も重要な資産を二束三文の価格で奪い取った。

モデルは、オスマン帝国で1881年以降、オスマン債務管理局(OPDA)を通し、全ての税収を支配して、サルタンの財政を事実上支配するのに利用されたイギリスの銀行と良く似ていた。ロックフェラー権益集団は、1980年債務危機を、IMFを連中の警官として使って、中南米やアフリカの多くの債務国を略奪するのに利用したのだ。デイヴィッド・ロックフェラーは、二人とも当時の国務長官ヘンリー・キッシンジャーが中南米で画策したCIAクーデターのおかげで地位を得た、アルゼンチンのホルヘ・ビデラやチリのピノチェトを含む、中南米のより残虐な軍事独裁者の何人かと個人的な友人だった。

三極委員会のような組織を通して、ロックフェラーは、国家経済破壊と、いわゆるグローバリゼーション、三極委員会に招かれたとまさに同じ連中、主にウオール街とロンドンのシティーの超巨大銀行と一部の多国籍企業が恩恵を受ける政策を推進する主要立案者なのだな。1974年、ロックフェラーは三極委員会を作り、親しい友人ズビグニュー・ブレジンスキーに、北アメリカ、日本とヨーロッパのメンバーを選ぶ仕事を与えた。

一部の人々が陰の政府と呼ぶ目に見えない強力なネットワークについて語る場合、デイヴィッド・ロックフェラーは自身、その陰の政府の族長だと考えていたと言えよう。彼の本当の行動は、実態通り正直に、慈善的ではなく、厭世的と見なすのがふさわしい。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/03/26/d-rockefeller-s-gruesome-legacy/
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「東芝の臨時株主総会で怒号」という見出しのネット記事を読んだ。

Gerald Celenteというトレンド予測の専門家がいる。press(マスコミ)と prostitute(娼婦・男娼)を合成したpresstituteという単語を造語した人物だ。残念ながら、彼の著作訳は『文明の未来 政治経済からビジネスまで』しかないようだ。
それも1998年10月刊。

今読んでも、驚く記述がある。

例えば、90ページの一部をコピーさせて頂こう。見開きの91ページは、日本でも年中読まされた原発広告。酪農家のルイーズ・イーレンフェルトさんが登場している。

 きれいな空気!安全な原発! 環境汚染がない! 環境を保護する! 天然資源と将来の世代を守る! 新鮮で冷たいミルク!
 原子力の専門家と酪農家のルイーズ・イーレンフェルトさんが、「原発で困ったことはない」と保証するのである。何の心配もいらない。
 地震がやってくるまで、サンタモニカのフリーウェーも、神戸のホテルも、何の問題もなかった。しかし、ロサンゼルスと神戸の大地震によって、耐震設計だったはずの建物はがれきの山と化した。これらの建物を設計した技術者たちの評判は地に落ちた。耐震設計のホテルやオフィスビル、高速道路を大地震が襲うとどうなるかは、今ではよくわかる。では、「安全な」原子力発電所がマグニチュード七・五の地震にあうと、何が起こるだろうか。連邦エネルギー認識協会や、ルイーズさんに聞いてみていただきたい。

190ページには「二大政党の一党化」という見出しがある。

340ページには「二〇〇〇年の十字軍」という見出しがある。

343ページには「テロリズムの精霊がボトルから出てくる」という見出しがある。

そして、382ページには、キートレンドとして、こうある。

化石燃料や原子力エネルギー産業に依存していた産業、製品、サービス(たとえば、鉱業、ドリル、精製、加工、搬送、貯蔵、装置など)は衰退する一方だろう。

原発推進で、日本最大の赤字を出した企業のニュースを見ながら、本書を思い出した。大本営広報部の幇間連中による洗脳番組の何百倍もためになると思うが、F. William Engdahl氏の翻訳書同様、巨大ネット書店でしか入手できないようだ。もちろん彼の説を100%支持するつもりは皆無だ。例ば、彼が常温核融合を推奨するのには疑念がある。

2017年3月28日 (火)

“わたしは、ダニエル・ブレイク”保守党緊縮政策下のイギリスの悲痛な描写

2016年10月27日、木曜日
アダム・ブース   

    “私はお客さまや顧客やサービス利用者ではない。怠け者でも、たかりやでも、乞食でも、泥棒でもない。私は国民健康保険番号ではない…わたしはダニエル・ブレイクだ。私は人間だ、犬ではない。そういうものとして、私は権利を要求する。敬意を払って、私に対応してもらいたい。わたしは、ダニエル・ブレイク、国民で - それ以上でも、それ以下でもない。”

左翼監督ケン・ローチの現在上映中の新作映画の主人公によるこうした力強い言葉が、ここ数週間、ソーシャル・メディアの書き込み、巨大広告掲示板や、イギリス国会議事堂の威圧的な壁にまで、出現している。言葉は現代の保守党下イギリスで、過酷な窮状や労苦に直面して、生存と尊厳を維持するための戦いにある映画題名の元になった主人公の絶望を描写している。しかし、映画の人気ハッシュタグ#WeAreAllDanielBlakeが示唆している通り、ダニエルの物語は、フィクションとは言え、決して非現実的でも、例外的でもない。実際、ダニエルの物語で最も悲劇的な部分は、今の緊縮政策時代、このような話がどれほどありふれたものかということにある。.

薄情な世界の暖かい心

映画冒頭の対話が、それ以降の映画の場面を設定する。孤独で無力な一人の男が、彼があきらめて視野から消えるまで、あらゆる自尊心の感覚をくじき破壊するように作られてそびえている体制とむなしく戦う。ユーモアのあるダニエルは、冷淡な官僚を前にして、就職斡旋・失業手当て“意思決定者”に、仕事をしたくないわけではないが、心臓病の結果、医者の指示のためできないと説明しようと無駄な努力を試みる。

しかし残酷ながら、素晴らしい映画の皮肉は、ダニエルが、この薄情な世界で、人情のあるわずかな人々の一人。壊れているのは彼の心ではなく、彼や、彼と同様な状態にある人々を取り巻き、包み込んでいる体制だ。

次々の場面で、タイン川流域出身者のダニエルが、何のためらいもなく、隣人、友人、さらには見知らぬ人に対してまで行う優しさと連帯の様々な行動の心を動かす天真らんまんさを見せられる。しかも“怠け者、たかりや、乞食、泥棒”とは決して見られたくない彼は、何も見返りを求めず、誇りと頑固さから、申し出されるお礼を断る。

資本主義に流される

働いて給料を得る機会を、健康状態が理由で拒否したダニエルは、請求書に支払いするため、いかなる慈善も受けずに、あらゆる世俗的財産を売ることを余儀なくされる。しかし、ローチが示す通り、ダニエルには技能や才能がないわけではない。彼は練達の大工で、便利屋で豊富な経験とingenuity。彼は働いて、彼の技術を活用したいのだ。しかし、資本主義の変化という踏み車についてゆけず、コンピューターとスマート・フォンの海の中で迷い、他の多くの人々同様、彼は現代社会の中を流されていることに気がつく。

職業紹介所と、その上の雇用年金局の迷路とカフカ風機構の中を通り抜けるため、次から次と障害に突き当たる中、カメラは、主人公の戦いの各段階で、明らかな失敗ごとに嘆息するのを - 虐げられた人のため息を追い続ける。彼が是が非でも必要とし、それに値している生活費支給に対する厳格な門番として働く、上から目線の支給窓口職員のおかげで、自分が力量不足で、無能であるような気にさせられる。しかしダニエルの周囲にいる身近な人々は、無能がとは思っていない。というより、ダニエルが言うとおり、まともな仕事を全員に提供することができない制度によって、社会のごみ捨て場にあてがわれた極めて有能な人物だと見なしているのだ。

同じように失意の“サービス利用者”に対する連帯感を示すことで、ダニエルは、シングル・マザーのケイティーと二人の子供と友情を築く。彼女と子供たちに、他の誰も与えないもの、注目と配慮と敬意を与えて、二人の進路に置かれた無数の困難を切り抜けようとしながら、ダニエルとケイティーはお互いに助け合う。二人とも逆境に会いながらも毅然とした態度を維持しようとするが、ある時点で、圧力が二人を圧倒し、特にケイティーは窃盗と売春という行為で、自らを傷つけることを強いられる。

そこでまた、ケイティーが、子供たちに食べさせるため、何日間も自分を飢餓状態にした後、初めて困窮者に食料を配給する食料銀行に行く際、ローチ監督は、何百万人ではないにせよ、何千人もの生活の現実を、悲痛な形で描きだす。飢えと疲れのために自分を抑えられなくなって、ケイティーは、ほんのわずかな間、ダニエルが必死に、そうなるのを避けていた動物に変身し、深刻な飢えを和らげるため、公民館の真ん中で、豆の缶詰をこじ開けて、それを生のまま食べてしまう。

支配階級の軽蔑

社会主義者ローチの新作映画は、“チャンネル4放送の番組「Benefits Street」で失業給付を請求する人々と大違いの二人の主人公という“福祉給付請求者の信じられないほど架空の姿”、“中流の上の都市エリートが想像する給付申請者”を描いているという右翼マスコミの上から目線評論家による厳しい批判を受けている。だが、そのような陳腐な言辞は、支配階級や連中の代理人たちが、労働者階級に対して持っている軽蔑の正確な反映だであり - まさにこの既存支配体制の軽蔑こそが、『わたしは、ダニエル・ブレイク』が官僚と国家の無用な煩雑な手続きとの映画題名の人物の戦いを通して、浮き彫りにしているものなのだ。

だが既に述べた通り、本当の悲劇は、ローチの映画が“不正確”で“誇張”どころか、イギリスで、何千何百万人もの最も貧しく、虐げられた、弱い人々が直面している本当の状況の実に生々しい痛烈な描写であることだ。実際、今週の学術的研究による数値が、ダニエル・ブレイクが脅かされているような支給制裁や、ケイティーや何十万人もの他の人々が頼ることを強いられている食料銀行の利用の間の明白なつながりを示している。

今年のカンヌ映画祭で、パームドールを受賞したローチの映画は、福祉支給申請者が耐えなければならない侮辱的対応に光をあてる仕事に対する称賛に値する。しかし、だからといって、映画と監督に非の打ちどころがないということにはならない。

指導部についての疑問点

ローチの映画の中心には、二つの根本的な欠陥がある。まず、映画が批判する対象は、この体制を作り出した政治家たちというより、大半がダニエルとケイティーが直面する官僚体制におかれているように見えるが、より重要なのは、政治家たちが守っている権益だ。映画では終始、主な悪役はダニエルや他の受給者を、単なる画面上の番号として冷淡に扱う労働厚生省職員だ。公務員たち自身も、現実には、保守党の緊縮政策と民営化の犠牲者だ。実際、保守党に触れるのは、就職斡旋所の外でのダニエルの反抗的行動に喝采し、一方、政府、特に元労働年金相で、福祉国家に対する最近の攻撃の主要計画者イアン・ダンカン・スミスをなじる、唯一の理性の声、一人の大酒のみだけだ。

映画を、あからさまに“政治的”にはしないのがローチの狙いだった可能性もある。おそらく彼は、まさに保守党による攻撃に直面している人々は政治活動に関わる時間も能力も一番不足している人々であることを浮き彫りにしているのだ。ばらばらにされ、尊厳を剥奪され、ダニエルとケイティーは、なんとか生活をやりくりするのに必死で、政治について考える時間がないのだ。

とはいえ、そうした視点を選んで、意図的であれ、うっかりであれ、ローチは、ほとんど全く虚無的な絶望と悲観の姿を描いている。賞賛されている監督のこれまでの映画には、常に前途に光明が見える感じがあった。主人公は、革命的情熱、正義感と楽観主義に満ちていた。ところが『わたしは、ダニエル・ブレイク』では、ときの声も動員の呼びかけもない。実際、ダニエル地域の職業紹介センターの壁に抗議の声明をスプレーで描いて抵抗しようとした際、彼を支援したのは、女性だけの集団、一人の酔っぱらいと、自取り写真をとりたがっている二人の若者だけだった。

人々に、組織化して、保守党や連中の緊縮政策プログラムに反撃する自信を与えるどころか、ケン・ローチは観客を絶望の穴に突き落とすだけだ。“我々全員、ダニエル・ブレイク”だというのは真実だが、削減と、保守党による攻撃の犠牲者に対する団結が十分ではない。ローチ自身、これまでの作品で正しく強調してきた通り、究極的には、指導部の問題だ。

終生の社会主義者で活動家のローチは、労働党のコービン指導部をはっきり支持してきた。今必要なのは、コービン運動のそうした指導者たちが、前進する道を示し、労働党内での革命を完成させることだ。労働党と、その周辺の運動を、保守党に反対し、緊縮政策に反対し、資本主義に反対し、大胆な社会主義的代案を進める、戦う大規模運動へと転換することだ。ダニエルや、彼と同様な立場にある何百万人もの人々にふさわしい権利と尊厳を我々が実現するには、それしかない。

記事原文のurl:https://www.socialist.net/i-daniel-blake-a-heart-wrenching-portrayal-of-tory-austerity-britain.htm
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国営放送、昨日夕方の解説者をみながら、電波幇間とはこういう人を言うのだろうと思った。
大本営広報部の話題は、甲子園、雪崩事故、小学生殺人事件、旅行会社の倒産。
アッキード事件から目を逸らせるための洗脳呆導に熱心だ。
解明するなとは言わない。しかし、国民全員の今後の運命への影響度では、土地問題、日本懐疑とは、比較にならない話題だろう。

この映画、まだ見ていない。見にゆく前の事前知識として読んだものゆえ、見た後、制度の固有名詞がわかり次第改めたい。

彼の映画については、下記記事を訳してある。

『天使の分け前』失業中のスコットランド人の若者に関する、余り厳しくないお話

ケン・ローチの『ルート・アイリッシュ』: イラク戦争帰還す

2017年2月22日 (水)

トランプ-トルドー会談は本当は一体何だったのか

Eric ZUESSE
2017年2月19日

アメリカ大統領ドナルド・トランプは、腐敗の“泥沼を干しあげ”、アメリカ国民による政府支配を取り戻すという公約で、大統領の座についたが、1月20日に、大統領職に就任して以来彼が実行しているのは、まさに逆のことだ。アメリカ政府の支配を、多国籍企業に、しかも実際には、大企業を支配し、至るところで、大衆を強奪するために大企業を駆使している億万長者に引き渡しているのだ(その一部をこの文章でご説明している手口で)。

2月13日、カナダ首相ジャスティン・トルドーと彼の会談をお考え願いたい。

NAFTA条約がアメリカ合州国内の雇用と賃金を減少させたがゆえに、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュが作り、ビル・クリントンが法律として成立させたカナダとメキシコとのNAFTA条約に反対して、トランプは大統領の座についたのだが、アメリカ国家主権の深刻な縮小、アメリカ主権である規制分野の一部、環境や製品の安全や、労働者の規制を強化するアメリカの主権的能力を、NAFTAによって、そうした新たな規制に反対し、しかもその権利が、NAFTAの下で、いかなる国の単なる国民(納税者などの)権利を超えて保護されている多国籍企業と、そうした多国籍企業の所有者に、アメリカの納税者が支払いを要求する何百万ドル、あるいは何十億ドルもの金額を決定する上訴不可能な裁定をする三人による仲裁委員会とにゆずり渡す、NAFTAの実に有害な譲渡について、彼は一言も触れなかった。

現在、カナダとアメリカ合州国との間の最大の問題は、NAFTAより更に始末に負えないものだ。賃金を押し下げるばかりでなく、環境、製品の安全や、労働者の権利を規制する既存の法律を施行したかどで、アメリカ企業も含め、多国籍企業がカナダとEU両方の納税者を訴えることまで可能にするカナダと欧州連合間の条約CETAだ。

それが一体どのように機能するかという説明はここにある。具体的には、カナダの国際的採掘企業が、ルーマニアの公害防止法を施行したかどで、ルーマニアを訴えている。“プロジェクトの過半数株式保有者、ガブリエル・リソーシズが、世界銀行に本拠を置く国際投資仲裁委員会にルーマニアを訴え、ルーマニアが必要な許可を発行しそこねた不履行とされるものに対し、補償として40億ドルを要求していると報じられている”。“鉱山は、その後に、フットボール競技場420個分の広さのシアン化物に汚染された排水湖を残すことになる”、ので、鉱山はルーマニアの環境法に大幅に違反する; ところが、いずれもCETA同様の(そしてオバマが提案したTPP、TTIP、& TISA条約同様の)にあるはずの仲裁条項がある1995年と、1997年にルーマニアが署名した協定の条件のもとで、ルーマニア政府は今や、プロジェクトを承認するか、あるいは、それを阻止したかどで、ガブリエル・リソーシズの株主たちに 40億ドル支払うかのいずれかを選ばなければならない。

EUで事業を行っているアメリカを本拠とする企業の五社中四社(41,811社)は、カナダ子会社経由で投資を仕組めば、EU、その加盟諸国を攻撃するのにCETAを利用できるのだから、CETAは、アメリカを本拠とする多国籍企業にとって、絶対間違いない儲けだ。アメリカはこの協定の調印国ではないので、CETAは、多国籍企業がアメリカ納税者を訴えることは認めていないが、それでもアメリカ多国籍企業にとっては依然として巨大な新利益センター(基本的に、オバマが提案した消滅寸前のTTIP協定を、裏口から起動するようなもの)だ。そして、もしトランプが、アメリカ国民を代表する以上に、アメリカを本拠とする多国籍企業の所有者を代表しているのであれば、彼は、同様に多国籍企業の所有者を代表し、それゆえCETAを支持しているカナダ首相を支持することになるだろう。

しかも、2012年のガブリエル・リソーシズ社の最初の公開財務報告は、それ以前の二年間、世界銀行のパートナー、IMFがルーマニアに“緊縮政策”を押しつけたと報じている。そして“こうした緊縮政策は、欧州連合内での広範な経済危機にも影響されて、次第に政府の行動に対する国民の支持を損ない、2012年1月、ルーマニアでの大規模抗議行動を引き起こした”と記述している。更に“2012年2月6日、国民による支持の欠如から、ボック首相は全閣僚と共に辞任を発表するに至った。それから間もなく、バセスク大統領が、外国諜報機関のトップで元外務大臣のミハイ・ラズヴァン・ウングレアーヌに、新政権を組閣するよう依頼したが”、“わずか11週間”しかもたなかった。

だから、ルーマニア国民、このプロジェクトを承認するよう追い詰めはれていたのだ。そして現在、反対する大規模抗議行動の後、そして政府がプロジェクトを拒否した後、ルーマニア国民は、認可を拒否したかとで、多国籍企業から訴えられている。経済緊縮策という親指絞めの拷問は機能しそこねたので、今やあらゆる国家の法律や裁判所が、そこから締め出されたし、締め出され、ルーマニア憲法や法律に何と書いてあろうとその裁定が最終である仲裁委員会が、(ルーマニア人はルーマニア法に違反すると主張している採掘事業だが、採掘企業はそんなものは無視すべきと主張している)大企業の株主に‘彼らの儲ける権利を侵害した’かどで、ルーマニア人納税者が一体いくら支払うべきかを決定するのだ。これが‘欧米民主主義’だ。その最初の記述は(我々は彼を打ち破ったことになっている)ムッソリーニが時に“ファシズム”と呼んだもので、時に“大企業支配”と呼ばれる。 (だがこれはより高度な国際版だ。出現しつつあるファシスト世界政府だ)。

仲裁委員会は、オバマが提案したTPP協定に関するこの記事の中で説明されているICSIDと呼ばれる規則を忠実に遵守することになる。

2016年7月27日、ジョージ・モンビオが、イギリスのガーディアンに“主権だと? この政府は、我々を最高入札者に売り飛ばすのだ”という見出しの記事を書き、イギリス人有権者が、腐敗した多国籍企業に支配された政府ゆえに、EU離脱の投票をしたにもかかわらず、イギリス人億万長者連中が、国家が消費者保護、環境保護や、労働者権利保護法案を施行した際には、納税者を訴えることができるこの新たな大儲け事業に一枚加わりたがっているので、イギリス自身の首相の政権が今やCETAを支持していると報じている。

2月13日、別のガーディアン記事はこう報じている。

CETAは最終的に、ヨーロッパの規制を、裏口から、壊滅したと思われているEU-アメリカ自由貿易協定TTIPの嫌われていた部分を導き入れるカナダの採掘企業や、アメリカ多国籍企業のカナダ子会社によるより多くの投資家訴訟にさらすだろう、… カナダの大企業は 既に、トルドー政府に、最も重要な市場での競争力を維持するため、アメリカ大統領の規制緩和の動きに対応するよう圧力をかけている。CETAの規制協力メカニズムは、北アメリカ・ロビイストにとって、EU規制に対し、緩和への圧力を静かにかける道を切り開くことになろう。これは特に、遺伝子組み換え生物や、内分泌かく乱化学物質などの微妙な分野にあてはまる。

国際支配階層は、世界中の大衆をだまし、政府規制は悪いものであり、規制がより少なく、より緩和されているほうが良いのだと信じこませている。ドナルド・トランプ自身もこのウソをまくしたてているが、アメリカ(あるいは他のどの国の)国民に対する彼の忠誠心とされるものと矛盾する。彼がホワイト・ハウス入りして以来の実際の行動は、彼が本気なのは、国家主権の強化ではなく、剥奪であることを示唆している。

もしそれが彼が実際に遂行するものなら、これこそ彼の最悪のペテンだ。彼が他の‘欧米民主主義’国の大半の指導者連中のように腐敗するのを避ける時間はまだある。だが間もなく、彼が本当はどちらの側なのかを我々は知ることになる。

アメリカと、その全ての同盟諸国の支配層は、あらゆる国の国民に害を与えるにもかかわらず、この種の世界政府を望んでいることは疑いようがない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/02/19/what-trump-trudeau-meeting-was-really-about.html
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植草一秀の『知られざる真実』の2017年2月22日記事、この記事とつながる。
日米FTA・種子法廃止・水道法改定を許さない!

書店で『検証アベノメディア―安倍政権のマスコミ支配』臺宏士著 緑風出版を見かけた昨夜、民放と国営放送の「ニュース番組」を延々見比べた。
民放二局は、しっかり小学校土地疑惑に触れていた。
国営放送、9時の番組でも、その番組のキャスターになる予定の二人による深夜の番組でも、全く小学校土地疑惑に触れていない。トップが変わっても、アベノメディア。

紙媒体はどうなのだろう?

2017年2月12日 (日)

新世界秩序から、はっきりしない世界混乱へ

Wayne MADSEN
2017年2月10日
Strategic Culture Foundation

ドナルド・トランプ政権と、Brexitによるイギリスと欧州連合との関係切断により、わずか半年程度で、世界は、アメリカの優位に基づく冷戦後“新世界秩序”から、多極的地政学チェス盤上における代替諸同盟という世界的“混乱”へと変化した。多くの点で、新たな世界的混乱は、NATO、米州機構 (米州機構)や、オーストラリア-ニュージーランド-アメリカ合州国の太平洋安全保障条約(ANZUS)同盟を含む様々な第二次世界大戦後の仕組みを危険にさらすことにもなった。

新たな世界的混乱の到来で、あらゆる国際関係教科書や戦略教本は投げ捨てられることになるかも知れない。トランプは首尾一貫しない政策を導入して、外交政策を開始した。一方で、トランプは“過激イスラム・テロ”との戦いで、ロシアと協力したいと主張している。ところが、トランプは、ニッキー・ヘイリー国連大使とジェームズ・マティス国防長官を通して、彼はNATOに肩入れし、ロシアにはクリミアから撤退して欲しいことを示している。毎年、ナショナル・フットボール・リーグのスーパーボウルでは、ペンタゴンと協力して、愛国的な軍関係のイベントを行うことが良く知られている。近年は、アフガニスタンやイラクのような場所に駐留しているアメリカ軍兵士が、ゲーム中やゲーム後、スタジアムのジャンボトロン・テレビ画面に映しだされていた。

2017年、ヒューストンでのスーパーボウルは違っていた。今年は、ポーランドのザガン基地からのアメリカ軍第3機甲旅団コンバットチーム、第4歩兵師団の実況番組だった。ペンタゴンの心理作戦専門家は、トランプの下、アメリカの新たな前線は、もはやイスラム過激派武装反抗勢力に対する戦争でのアフガニスタンやイラクではなく、新たな“敵”ロシアと対するポーランドだというメッセージを送りたかったのだ。画面は、ロシアとのより緊密な関係を求めたいというトランプの発言と一致しない。

トランプは、90,000人の兵士、陸軍の戦車増強、一隻120億ドルの新航空母艦を含む350隻の海軍艦船、23から36への海兵隊大隊増強と、空軍用の最新戦闘機100機を実現するために、アメリカ“国防”予算を増やしたい意志を表明している。これは、十年間で、軍事予算5000億ドルから、1兆ドルへの増加に等しい。

基本的に、トランプの国家安全保障チームは、ロシアと中国の両方と戦えて、戦場では、あらゆるロシアや中国の戦闘機、戦車や、艦船に匹敵する軍にしたいのだ。

トランプや国家安全保障顧問マイケル・フリン、マティスや他の国家安全保障チームのタカ派連中は、イランとの軍事的対立の下準備もしている。チーム・トランプは、3億ドルの精密誘導ミサイルや、何十億ドルもの先進的なF-16戦闘機をサウジアラビアの属国バーレーン用にサウジアラビアに輸出するのを承認し、イランとの緊張が高まるのを手助けした。これらは、イエメンとバーレーンのシーア派多数派に対する残虐な弾圧というサウジアラビアの戦争犯罪のかどで、オバマ政権が保留していた商談だ。トランプは、イエメン内戦でのサウジアラビアによる大量虐殺侵略継続も許可している。サウジアラビアとバーレンは、今やトランプにより、イランに対する軍事的優位を得る立場に置かれているのだ。有効なアメリカ・ビザや難民証明書や、元々、恒久アメリカ在住許可“グリーン・カード”を持ったイラク人の入国を禁止するトランプの大統領令は、イランの同盟国であるイラク政府をいらだたせ、アメリカ請負業者やジャーナリストに対するイラク・ビザ発給を制限すると誓約するまでになっている。これでは、イラクでアメリカ軍と戦っている「イスラム国」やアルカイダ不正規兵士連中を励ますことにしかならない。何であれ、バグダッド政府を脅かすものであれば、サウジアラビア政権にとっては良い知らせなのだ。

トランプは、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との電話会談で、緊密なアメリカ-トルコ関係を強調した。2016年7月、エルドアンに対するクーデター未遂の後、トランプはニューヨーク・タイムズのインタビューで、エルドアンの反乱対応を賞賛した。クーデター未遂以来、エルドアンは、トルコから亡命した指導者で、元エルドアンの同盟者フェトフッラー・ギュレンと関連する人々を指す軽蔑的表現の、いわゆる“フェトフッラー・テロ組織(FETO)”を支持しているとされることを理由に、何百人ものジャーナリスト、軍や警察幹部、大学教授、公務員、政治家や実業家の逮捕と投獄を命じた。

ギュレンは、現在ペンシルヴェニア州に亡命中で、中央情報局(CIA)の庇護下にある。ところが、フリンや他のトランプの安全保安機構関係者連中は、政治亡命者のギュレンを、トルコに裁判と、まず確実に投獄、拷問と、おそらくは処刑に会わせるべく、引き渡しを支持している。

トランプのエルドアンとの同盟は、シリア内の「イスラム国」に対して、アメリカ合州国と提携しているクルド部隊と、イラク、アルビルにあるクルド地域政府の安全をも脅かすことになる。トルコは、シリアとイラクのクルド人は、クルド労働者党(PKK)の支持者だと見なしており、もしトランプsが、対クルディスタンで、エルドアン側につけば、周囲を囲まれた、この公認されていない国に対する、ワシントンによる再度の裏切りということになる。1970年、イラク軍事政権のために、クルド人の利益を犠牲にして、アメリカ国務長官ヘンリー・キッシンジャーは、クルド人を見捨てたのだ。

トランプの首席戦略官スティーブン・バノンは、フランシスコ教皇によるローマのマルタ騎士団(SMOM)の事実上の乗っ取りとなっているバチカンの“内戦”に関与していると考えられている。バノンは彼が教皇の“社会主義的なやり方”と見なしているものに反対なのだ。バチカンは大軍を保有しないミニ国家かも知れないが、バチカン-ワシントン関係の破断は、EUやNATOや他の伝統的な同盟に悪影響を与えることにしかならない。

トランプが環太平洋連携協定(TPP)貿易協定を拒絶したことで、アジア-太平洋地域は“管理された混乱”に落ち込んだ。国防長官としてのマティス最初の海外歴訪は、韓国と日本に、アメリカの軍事的誓約を再確認することだった。しかし、最大の推進者であったアメリカ合州国がTPPを放棄したことが、代替の中国の貿易圏、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)にはずみをつけた。TPP支持国で、アメリカ長年の同盟オーストラリアは今やRCEP参加に躍起になっている。オーストラリアのマルコム・ターンブル首相とトランプの難民交換を巡るけんか腰の電話会談で、オーストラリアは、トランプに立腹した。スポーツと国家威信を巡ってはオーストラリアにとって、友好的な競争相手ながら、ニュージーランドは、トランプとのけんかでは、オーストラリアの擁護に回った。結論は、ANZUS同盟は今や大きく損なわれたということなのだが、ともあれ、この同盟はとうの昔に有用性を失っていたのだ。

トランプとドイツのアンゲラ・メルケル首相や、フランスのフランソワ・オランド大統領とのつっけんどんな電話会談も、ヨーロッパ-大西洋とワシントンとのつながりを揺るがした。トランプは、オランドに、フランスや他のNATO加盟国は、アメリカに、NATOへの支出の借りを返すべきだと一喝した。欧州理事会議長ドナルド・トゥスクは、トランプを欧州連合にとっての“脅威”と呼んだ。

ホワイト・ハウスで、ヨルダンのアブドゥッラー国王と会談した後、トランプは、イスラエルはヨルダン川西岸の新たな入植地を発表するのを止めるべきだと発言して、イスラエル政府を驚かせた。トランプの言辞は、これまでホワイト・ハウスに住んだ大統領の中で最も親イスラエル的なあることを示唆しているが、イスラエルに対する彼の移り気な態度に、一部の中東観測筋は、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移動するというトランプの公約が、この地域での異なるアメリカ政策の単なる見せかけかどうか疑っている。

ワシントンに本部を置く、由緒はあるが、比較的地味で、役に立たない米州機構は、アメリカ-メキシコ国境に壁を建設するというトランプの公約や、米州機構やアメリカ大陸内の政治体制に復帰したキューバに対する恫喝のように生き残る可能性は少ない。中南米カリブ海諸国には、いずれもアメリカの加盟も影響力もない、米州ボリバル同盟、南米共同市(メルコスール)や、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)など、米州機構に対する、より価値ある代替組織がある。

これは新たな世界的混乱だが、多極世界への回帰と“唯一の超大国アメリカ”という地位の終焉というこの混乱は、長期的には恩恵なのかも知れない。しかしながら、短期的には、この混乱は、あらゆる大陸のあらゆる国の外務省や国際機関官僚を困惑させることになろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/02/10/from-new-world-order-hazy-global-disorder.html
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参勤交代についての夕方の大本営広報部特集、たまたま音を消してながめていた。有名女性記者が何を話していたのか、読唇術ができないのでわからない。知りたいとも思わない。

拝見したいのは、現代版治安維持法が作られようとしている中、2月25日から公開される『母 小林多喜二の母の物語』。

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋
共謀罪は市民運動を殺す 昨日の中日新聞から 2017年2月8日

そして、こうしたインタビューや記事。

【再配信・IWJ_YouTube Live】18:00~「『リメンバー・パール・ハーバー』から『アメリカ・ファースト』へ――トランプ大統領と『戦後秩序』のゆくえ~岩上安身による神子島健氏(成城大学ほか非常勤講師)インタビュー 前編」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※2月1日(水)に収録した、岩上安身による神子島健氏(成城大学ほか非常勤講師)インタビューの前編を再配信します。

「稲田はやめろ!」「言葉を壊すな!」稲田防衛相に辞任を求め国会前で約500人が声をあげる~安保法制廃止・南スーダン派遣中止を安倍政権に求める国会前抗議行動
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/362499「線量の高いところでは、半導体系のものは機能を失う」予想範囲内の大変さ?!~累積1000シーベルト耐性の堆積物除去ロボットのカメラが2時間で寿命が尽きた2号機PCV内作業の今後の見通しは?! 原子力安全改革プラン進捗報告
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/362496移転不可能はもはや自明! 6000億円をドブに捨てた石原氏と猪瀬氏の責任を問え! 築地市場移転ストップの立役者・宇都宮健児弁護士×水谷和子氏×中澤誠氏に岩上安身がインタビュー!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/362497

2017年1月27日 (金)

ロシアとアメリカ合州国との闘いに備えるグローバル主義者/ネオコン

Wayne MADSEN
2017年1月24日
Strategic Culture Foundation

ネオコンと連中のグローバル主義者イデオローグは実に不屈だ。“トランプ絶対反対”運動に署名したネオコン共和党連中が、彼の政権のいかなる地位につくことも阻止するというドナルド・トランプ移行チームの決定により、グローバル主義者とネオコン連中は、活動のために、他の場所を探すこととなった。

ロシアと、アメリカ大統領ドナルド・トランプの両方と戦うべく、ネオコンとグローバル主義者は体勢を立て直した。国務省の座から、頭目ネオコンのビクトリア・ヌーランドが、アメリカ国連大使の座から、サマンサ・パワーが、そして国家安全保障会議の座から、スーザン・ライスが去った後、汎大西洋主義見解を共有するネオコンとグローバル主義支配層は、連中の猿芝居とプロパガンダ戦争を仕掛けるのに理想的な場所として、カナダに落ち着いた。

カナダのジャスティン・トルドー首相は、ヌーランド、パワーと、ライスのイデオロギー的分身を世界舞台に登場させるべく、ステファン・ディオン外務大臣を首にし、クリスティア・フリーランドを国際貿易大臣にした。今後の対トランプ政権作戦のために、寄せ集めることが可能な、あらゆる反トランプ不安定化活動を、オタワが受け入れようとする中、ロシアと関わろうとしたディオンの政策が、究極的に職を失わせることとなった。

ウクライナ系のフリーランドは、昨年、欧州連合との自由貿易協定を成立させた後、グローバル主義者のお気に入りとなった。業を煮やしたフリーランドは、ベルギーのワロン地域政府による協定への抵抗に対し、強く圧力をかけた。ワロン政府が、カナダEU包括的経済貿易協定(CETA)に対する危惧を止めたと発表し、ブリュッセルによる最終的受け入れ前に、欧州裁判所による協定の見直しを必要としていたワロン住民との協定を、ベルギー中央政府が反故にした後だったのに。

フリーランドは、キエフのネオ-ファシスト政府とのカナダ-ウクライナ自由貿易協定調印も監督した。カナダ自由党の政策である、大企業支配とグローバル化に深く染まったフリーランドは、ワロンであれ、クリミアであれ、ケベックであれ、地域政府に自決の権利は無いという考え方だ。この習性が、大企業支配グローバル主義イデオロギーの根底にあるのだ。フリーランドのお仲間であるケベックのカナダ自由党が、ケベック主権運動を骨抜きにした。とは言え、もしフランス国民戦線大統領候補マリーヌ・ルペンが今年の選挙で勝てば、フランスは、シャルル・ド・ゴール大統領が、1967年にモントリオールで、有名な“自由ケベック万歳!”演説でしたように、ケベック独立運動に新たな活気を与えることが可能だ。

フリーランドを外務大臣に、ソマリア生まれのアハメッド・フッセンを、移民・難民・市民権大臣に任命して、トルドーは、グローバル化と移民への国境開放という双子の問題で、トランプに対し、越えてはならない一線を引いたのだ。オタワは間もなく反トランプ作戦の巣となり、それに億万長者の世界的トラブルメーカー、ジョージ・ソロスが関与するのはほぼ確実だ。

パワーと同様、フリーランドは、グローバル新世界秩序の宣伝担当となるために、ジャーナリストとしての資格を売り渡した元ジャーナリストだ。彼女は、ローズ奨学生で、ハーバード卒業生で、ブルッキングス研究所出身で、ワシントン、ニューヨークとモスクワで、フィナンシャル・タイムズ特派員を務めた。

ウクライナとクリミアを巡る対ロシア経済制裁支持を含むフリーランドの反ロシア姿勢のおかげで、彼女はロシア政府からビザ給付を禁じられた。FTモスクワ特派員としての末期には、フリーランドは、プーチン大統領新政権に対する主要批判者となり、ロシアに独裁制を産み出したと批判した。フリーランドのロシア嫌いは、FTのモスクワ支局で働く前、キエフで記者をしていた間に磨きをかけられた。実際、ロシアに対するフリーランドの偏見が、常に彼女の報道にみられた。フリーランドの親友はカナダ政党の壁を越えており、カナダ自由党のシオニスト監督者、アーウィン・コットラー、ウクライナ系カナダ人評議会議長のポール・グロッド、保守党の外交問題広報官ピーター・ケントがいる。

外務大臣として最初の発言の一つで、フリーランドは、カナダの対ロシア経済制裁は解除しないと誓った。2017年1月10日、フリーランドは、カナダは、登場しつつある世界的な“保護貿易主義と外国人嫌い”に対して闘う先兵になると誓った。ワシントンのトランプ、マリーヌ・ルペン、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相と、イギリス独立党政治家ナイジェル・ファラージに対する明らかな警告だった。2016年12月、カナダは、国際連合難民高等弁務官事務所と、中東、北アフリカと南アジアからの難民の、欧米先進国への移動を拡大しようとしているソロスのオープン・ソサエティー財団との会談を主催した。ロシア嫌いのフリーランドとソロスが、ロシアとトランプの両方に対する、いくつかの戦線で協力していることに疑いの余地はない。

トルドー政府が、ロシア嫌いを、カナダの外交担当者にしたので、ヨーロッパで文句ばかり言って何の対案も出せない小国諸国は恍惚状態だ。フリーランドは、ロシアに関する方針を変えるようトランプ政権に影響を与えるという彼女の狙いを公言している。ワシントンには“お仲間の広範なネットワーク”を持っていると大言壮語し、連邦議会、国務省やホワイト・ハウスという“権力の回廊”で働いた経験があると彼女は主張している。駐オタワ・ウクライナ大使アンドリー・シェフチェンコは、フリーランドが、ロシアに対する政治的、経済的圧力を継続するようトランプ政権を“教育する”ことを願っている。駐オタワ・ラトビア大使Karlis Eihenbaumsは、オタワは、より親密なアメリカ-ロシア関係を頓挫させるための、ワシントンにおけるNATO“影響作戦”キャンペーンの事実上の打ち上げ拠点だと見ている。

フリーランドは、最近のスイスにおけるダボス経済サミットで、ガーンジーに本拠を置く彼の会社ヘリテージ・ファイナンシャル・マネージメントが関与した、ロシアでの壮大な詐欺計画の中心人物、アメリカ人金融業者ウィリアム・ブラウダーと会って、トランプとプーチンに対する彼女の意図を示した。かつてアメリカ共産党書記長だったアール・ブラウダーの孫ブラウダーは、お仲間の詐欺師ミハイル・ホドルコフスキー同様、ロシア政府とプーチン大統領に対する激烈な批判者だ。

北米自由貿易協定(NAFTA)を破棄しようというトランプのいかなる取り組みに対する、ネオコンとグローバル主義者の非難を、オタワで、フリーランドが先導するのだ。カナダが参加していて、トランプが破棄すると誓約した環太平洋連携協定(TPP)を、彼女が救済しようとするのはほぼ確実だ。フリーランドは、ノルウェー、デンマークやドイツのような反ロシアNATO加盟国や、NATO寄りのスウェーデンやフィンランドに向けて、カナダの北極海を軍事駐留に開放する可能性が高い。カナダ北極海における、アメリカ軍隊無しでのNATOプレゼンスの強化は、地域に軍隊を配備させることになるのみならず、気候変動のおかげで益々航行可能になりつつある出現しつつある北極海航路を巡るカナダによる支配について、ロシアに対して警告を送ることでもある。

オタワが反トランプと反ロシア活動の中心となるにつれ、カナダとアメリカ合州国の関係が冷え込む世界となる可能性がある。もしトランプが、カナダを反トランプ作戦の源と見なし始めれば、メキシコ国境だけが北アメリカ政治の火種でなくなるかも知れない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/01/24/globalists-neocons-prepare-battle-russia-and-united-states.html
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この名前、昔どこかで聞いたことがあるように思ったが、いくらネット・検索してもわからない。ふと思いついて、英語氏名で、検索して、やっとわかった。大昔に購入したまま行方不明になっている大部の本『世紀の売却―第二のロシア革命の内幕』の著者だった。
よく見ると、著者名、クライスティア・フリーランド。
巨大ネット書店では、クリスティア・フリーランドで検索しても『グローバル・スーパーリッチ: 超格差の時代』しか出てこない。この記事を読んで、行方不明の本を捜すのはやめることにした。

書店を覗いたところ『TPPの真実』が置いてあったのに驚いた。国会で話題になったあの本。投資家対国家の紛争解決、ISDS条項についての見出しを探してみたが、例をあげて、わずか数行。必要だと理解したというような記述しかなかったので購入はやめにした。

TPP妄想のタワゴトで無駄な時間を使うのはやめて、今日の日刊IWJガイドにある講演を拝聴しようと思う。大本営広報部が決して報じない重要な事実。

トランプ政権はさらなる規制緩和を日本に要求してくる!安倍政権によるTPP強行採決は「さらなる国益を差し出す」服従の意思表明!? ~鈴木宣弘東大大学院教授がトランプの正体を見抜く!

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2017年1月26日 (木)

就任三日目に、トランプは既に一つの公約を守った

2017年1月24日
Paul Craig Roberts

大統領就任三日目に、トランプは既成支配体制に一歩先んじた。これは続くのだろうか?

私はトランプの熱狂的支持者ではない。私はスコア記録係だ。

大統領の地位について三日目に、ドナルド・トランプは、アメリカ合州国が環太平洋連携協定(TPP)から離脱する大統領令に署名した。これから類推して、彼は環大西洋貿易投資連携協定も廃棄すると想定すべきだ。

トランプと彼の顧問たちは、環太平洋連携協定と環大西洋貿易投資連携協定を、アメリカ人を犠牲にして、アメリカの雇用をメキシコに送り出したNAFTA北米自由貿易協定のような貿易協定と見なしているのだ。

しかしながら、これらの協定の最も戦略的な部分は、もし連中が事業を行う国の法律が、グローバル企業の利益に悪影響を与えた場合、この協定が、そうした法律から、グローバル企業が免れるのを可能にすることだ。

誰がこの問題を裁定するのだろう? 国々の裁判所でも、世界的な裁判所でもない。
問題は、大企業だけが要員を送り込む大企業法廷によって判断される。

言い換えれば、フランスのGMO禁止法のような主権国家の主権法は、大企業法廷が判断する損害賠償訴訟の対象になり、国々の法的主権の終焉を意味するのだ。

いわゆる貿易連携協定は、アメリカ経済帝国主義の武器だ。

トランプと彼の顧問たちが、気づいていようと、いまいと、トランプは就任三日目に、アメリカのグローバル企業が渇望していた権力に対する致命的打撃を加えたのだ。

この恐るべき勢力は、トランプによって加えられたこの打撃に一体どう反撃するのだろう?

エリートの権益に対する、トランプが約束した打撃が続くかどうかはまだ分からない。

会社を設立した国においても、事業を行っている外国においても、グローバル企業は第五列だ。グローバル企業は、いかなる国にも忠誠心は皆無で、決算の利益だけに忠誠だ。そうした利益を増やすものなら何であれ、連中は合法と見なす。そうした利益を減らすものは何であれ、連中は違法なものと見なすのだ。

現代資本主義は、利益第一の世界で、資本家には、アダム・スミスや、デヴィッド・リカードが、連中にはそれがある想定したような本国に対する忠誠心など皆無だ。アメリカの雇用をアジアに移転することで、アメリカのグローバル企業は、アメリカに対する不忠を実証している。アップル、ナイキ、リーバイや、その他諸々の企業をお考え頂きたい。雇用の海外移転は、消費者を、消費する商品の製造に伴う収入から切り離してしまい、彼らの困窮を招くのだ。

グローバル企業の海外移転に対する報酬は、労賃や規制に対する経費削減による大きな利益であり、その結果、幹部の“業績連動賞与”や、株主のキャピタル・ゲインや、幹部にとってのストック・オプションや、何か同様の収入増大の仕組みが実現した。

アメリカを“機会の社会”にしていた出世の梯子を、費用が解体してきたのだ。高い生産性の高付加価値製造業や、ソフトウエア・エンジニアリングのような専門職雇用は海外に移転され、またソフトウエア業務の場合には、H1B就労ビザを持った外人にも与えられる。結果は、州や地方や連邦の税基盤の崩壊で、そのおかげで、社会保障やメディケアや、国家や地方の年金が攻撃されることになる。

アメリカのように、GNPを外国に渡している国は、先進国から第三世界への変身に組み込まれている。トランプは、まさにこれを転換するつもりだと言ったのだ。

彼は一体どうやって実現できるだろう? 法人税率を削減し、輸入、あるいは国境税を課すことで実現できるものなのだろうか?

アメリカは、関税、つまり“国境税を禁じる”世界貿易機関の加盟国だ、もし、これが正しいなら、トランプは、まずアメリカをWTOから脱退させなければならないが、これは容易なことではあるまい。

だがトランプは、アメリカ市場向け製造の海外移転による安い労賃で、企業が得られる利益増という利点を、企業が課税される方法を変えることで相殺することができるのだ。

もしアメリカの大企業が、製品に、アメリカで付加価値をつければ、つまり、もし彼らが、アメリカで、アメリカ人に販売する商品を、アメリカ人の労働によって製造すれば、その商品を、外国で外国人の労働によって製造する場合より低い税金を課されることにする。税率の差異は、外国のより安い労賃や、規制対応経費という利点を、相殺する、あるいは相殺する以上に、計算することができる。これは国内課税の問題で、外国で製造された商品に対する関税の問題ではないので、WTO規則の対象にはならない。

グローバル主義者によるプロパガンダのおかげで、アメリカ人は、アメリカ経済の強みは、国内市場が基盤だというのを忘れている。アメリカ経済の発展は、決して外国貿易に依存してはいなかった。生産性上昇で得たものの多くをアメリカ人労働者が受け取ることによる消費者購買力の増大に、しっかり依存していたのだ。

雇用の海外移転がしたことは、生産性上昇による所得収入を、低賃金のアジア労働力による大企業利益に変えたことだ。

中国、インド、インドネシアや、他の国々における労働力の膨大な過剰供給のおかげで、アジアの労働力に対して、利益に対する労働の貢献より少なく支払うのは容易なことだった。労働力が豊富で、雇用が希少であれば、労働力は安くないと買い手がつかない。

現在でさえも、中国やインドの労働人口は不完全雇用だ。アメリカの労働力が競合できる唯一の方法は、アメリカの生活水準以下の賃金を受け入れることだ。

ロス・ペローやパット・ブキャナンが理解していたと同様、トランプはこれを理解している。

ロス・ペローは億万長者だった。それなのに、彼は普通の勤労アメリカ人のために立ち上がった。ところが、左翼は、あらゆる億万長者は悪だという。

パット・ブキャナンは共和党既存支配体制中の特権階級だ。それなのに、彼は連中を見捨てて、普通の勤労アメリカ人のために立ち上がったのだ。それなのに、左翼は彼を“ニクソン-レーガン・ファシスト”と呼ぶ。

アメリカ左翼の哀れな残滓は、労働者階級を抑圧し、戦争を醸成する連中よりも、労働者階級のために立ち上がる人々のことを憎悪しているのは明らかだ。一体なぜ女性たちは、アフガニスタン、イラク、ソマリア、パキスタン、イエメン、リビアや、シリアで、殺害し、四肢を損ない、孤児や、寡婦を産み出し、何百万人もの人々を難民にしたかどで、クリントン、ブッシュ/チェイニーやオバマ政権に反対して行進せずに、トランプに反対して早速行進するのだろう?

左翼が、トランプ反対で、支配層エリートと組んでいるのを我々が目にしているのは、左翼が労働者階級を見捨てた証拠だ。

アメリカで、どれほど切実に革命が必要なのかをクリス・ヘッジズは分かっていない。もし革命が起きるとすれば、左翼ではなく、ドナルド・トランプがひきいる可能性の方がずっと高い。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/01/24/three-days-trump-already-kept-one-pledge/
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最後の文章を読んで、目が点。ご本人のサイトにはコメント欄はないが、InformationClearinghouseにはコメント欄があるので、賛否両論コメントが読める。

ISDS条項、大企業裁判の実態、属国大本営広報部は一言も触れない売国組織。しかたがないので下記で、大企業裁判のひどさをかいた記事のごく一部を翻訳しておいた。

不当な行為で金儲け Profiting from Injustice 2016年10月 4日

TPPについては、他にも多数の記事を翻訳してある。下記がそのリスト。

TPP関連主要記事リスト

トランプ大統領、TPPから離脱すると言ったが、米韓FTAを見直すとは言っていない。二国間交渉を進めると言っているのだから、米韓FTAよりもっと過酷な米日FTAを締結させられるだろう。ISDS条項入り、為替操作に対する懲罰入りで。

TPPの不当さを訴えてこられた団体が集会を開催する。

(転送・転載大歓迎)
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                     緊急報告会のご案内

 日頃の活動に格別の御理解、御協力を賜り心より御礼申し上げます。
 さて、6年かけてTPPの脅威は一応押し戻しましたが、今年はトランプ政権の
誕生で新たな、そしてもっと巨大なリスクが日本を襲おうとしています。また、
世界では、TPPの後継あるいは補完と考えられる巨大な貿易協定の協議が加速しています。そのような1年の年頭において、今年我々が直面する貿易・投資問題について分析し、意見交換したいと思います。
 大変お忙しい中恐縮ですが、ご出席頂きますようご案内申し上げます。

 記

1.日 時  1月26日(木)15:00~
2.会 場  衆議院第一議員会館「第6会議室(地下1階)」
3.内 容 

(1)ポストTPP トランプ政権の貿易構想を占う
 1月20日の大統領就任後、トランプ大統領が現実にどのような政策を打ち出してくるか、今後はまったく不透明ですが、就任直後に大統領命令を出すという「TPP脱退」も含め、現時点での分析をします。

(2)日本EU間FTA交渉
 TPPを成長の最後の柱として推進してきた政府は現在、日本・EU間FTAやRCEPの早期合意形成をやみくもに進めています。しかもその内容はTPP以上に秘密保持され、国民はおろか国会議員にも一切伝えられていません。
 これまでも懸案であったワイン、酪農製品など農産品などに加え、日本の先端ビジネスを直撃する知財、データ管理など、ある意味でTPP以上に直接に日本に影響の出る可能性のある協定が議論されています。その一例としてアニマル・ウエルフェア問題を取り上げます。

(3)RCEP神戸会議 (2月27日―3月3日)
 前回、インドネシア会合に続き、今回は日本で会合(第17回)が開催されます
(TPPでは一度も日本で開催されなかった)。RCEPには中国・インドという貿易
大国が参加するため、アジア太平洋地域のみならず、ヨーロッパ・アメリカから
の関心も高く、TPPとも関係する医薬品問題などで激しい議論が予想されますが、これもまた政府は完全秘密主義で一体何が議論されているかもわかりません。政府のHPや財界の対応などから、RCEP協議の実態把握を行います。

★主催:TPP阻止国民会議

でんでん氏とみぞゆう氏は、朝貢誓約をするため、宗主国を訪問する。(彼は民進党に対する答弁で、「云々」を、「でんでん」と読んだそうだ。さすが。)

小林よしのりオフィシャルwebサイト 訂正でんでん 2017.01.25

この瞬間から、アメリカ第一となります。貿易、税、移民、外交問題に関するすべての決断は、アメリカ大企業を利するために下されます。日本が、アメリカの製品を作り、アメリカの企業を奪い取り、アメリカの雇用を破壊するという略奪から、アメリカの国境を守らなければなりません。保護主義こそが偉大な繁栄と強さにつながるのです。わたしは全力で皆さんのために戦います。何があっても皆さんを失望させません。アメリカは再び勝ち始めるでしょう、かつて無いほど勝つでしょう。アメリカは雇用を取り戻します。アメリカは国境を取り戻します。私たちは富を差し出します。そして、私たちの夢を放棄します。

トランブ大統領就任演説の一部を、属国の実情にあわせ、修正した。

2017年1月 1日 (日)

バチカン、ビルダーバーグと‘移民’危機

F. William Engdahl
2016年12月17日

謎めいたビルダーバーグ年次会議が、今年ドイツのドレスデンで、6月9-12日に開催された。議論の話題を発表する公式プレス・リリース中の用語は注目に値する。第三項(必ずしも重要性の順ではない)は、奇妙にも“ヨーロッパ: 移民、増大、改革、構想、団結”という題目だ。トルコがシリア戦争難民の拘留センターと難民キャンプを開放し、彼らをEUへと向かわせて、2015年春に始まったEU難民危機に対する単語“移民”という選択が奇妙なのだ。これについては後ほど更に触れる。本記事では、ほとんど知られていない歴史的なつながり、つまり1954年に創設されたビルダーバーグ会議とバチカン間のつながりと、現在のEU難民不安を煽る上での両者の役割に集中したいと思う。

1954年5月、ドイツ国境に近いオステルベークのオテル・ド・ビルダーバーグで、極めて秘密の会議が開催された。会合の主催者は、オランダ、ユリアナ女王の夫ベルンハルト王配だった。会合は、最初の会合が開かれたホテル名から、単純に“ビルダーバーグ会議”と呼ばれた。三日間の秘密議論の結果、新たなTrans-Atlanticシンクタンクが創設された。それは1954年以後、現在まで、最も効果的な組織の一つ世界の出来事に影響力があり、最も有害で秘密主義的組織の一つとなった。

ドイツ生まれのベルンハルト王配は、毀誉褒貶ある人物で、悪名高い猟色家で、国家社会主義ドイツ労働者党と、SS騎乗部隊メンバーだった。1976年、ベルンハルトは、アメリカの戦闘機メーカー、ロッキードから、オランダ空軍によるジェット機購入に影響を与えるよう百万ドルの賄賂を受け取って、告訴された。スキャンダルのおかげで、ベルンハルトが辞任を強いられた際に、ビルダーバーグ議長として後を継いだのは、当時のドイツ大統領、ヴァルター・シェールで、更に、ヘンリー・キッシンジャーの相談相手で、後にビジネス・パートナーとなったイギリスのキャリントン卿だ。そもそもの発端から、ビルダーバーグが世界政治における少年野球連盟でなかったのは明らかだ。

2014年 ビルダーバーグ・グループの情報の乏しい公式ウェブサイトには、その目的は単に“ヨーロッパと北アメリカ間の対話を醸成する”ことだと述べている。更に、金融、政治、産業、マスコミと学界から選ばれた約120人の参加者が、年に一度会合するとある。その規則で、三分の二は、ヨーロッパから、残りはアメリカとカナダから、総員の三分の一は常に政界と決められている。アメリカからのビルダーバーグ参加者は、常に外交問題評議会(CFR)メンバーだ。

得体のしれない淵源

不可思議で、驚くほど影響力のあるポーランド亡命人の、ビルダーバーグ初代議長ジョセフ・レティンガーによれば、ビルダーバーグ・グループは、1952年に“明らかになりつつある、西ヨーロッパに対するアメリカの不信の増大と、それに対応するアメリカに対する西ヨーロッパの同様な不信”に対応すべく、レティンガーが作り出した構想に由来する。要するに、その狙いは、西ヨーロッパとアメリカ合州国の戦略的政策の方向をしっかり調和させることだった。問われるべき重要な疑問は、どのような、誰の地政学的目標を追求する上での調和なのかだ?

ジョセフ・レティンガー

ジョセフ・レティンガーは、第二次世界大戦後西ヨーロッパの大西洋主義志向の構造を形作った最も影響力のある政治的人物の一人だ。アメリカ政府が支援する、現在、欧州連合と呼ばれている、ヨーロッパ合州国創設計画のためにロビー活動すべく、ストラスブール-を本拠とするヨーロッパ評議会を彼は創設した。彼は、CIAが資金提供するヨーロッパ運動や、CIAが資金提供するヨーロッパ青年キャンペーンも創設した。とは言え、彼の最も影響力が大きいプロジェクトは、ビルダーバーグ・グループを実現させ、彼の希望通り、世間の目からしっかり隠れて、その主要ヨーロッパ人理事、事務局長をつとめたことだ。

ビルダーバーグが形を表し始めた頃、朝鮮戦争もアメリカのマーシャル・プラン対ヨーロッパ支援も終わりつつあった。戦時、ジョセフ・ヒエロニム・レティンガーは、ロンドンで、ヴワディスワフ・シコルスキ将軍が首相をつとめる亡命政府の顧問として暮らしていた。レティンガーは、世界一般には事実上ほとんど無名だが、彼は戦後期、ヨーロッパとアメリカ合州国で、最も影響力のある黒幕の一人だった。彼は教皇ともアメリカ大統領とも好きな時に、個別に会うことができた。ベルンハルト王配をお飾りの主役として働くよう選び、どのアメリカ人や、どのヨーロッパ人をビルダーバーグに招待するか選んだのも他ならぬ彼だった。

最初の1954年ビルダーバーグ会議のアメリカ運営委員会メンバーには、ロックフェラーとつながるカーネギー国際平和基金理事長のアメリカ人議長ジョセフ・E・ジョンソンがいた。他には、第二次世界大戦、ロンドンで、ドイツの都市と一般市民に対する、イギリスとアメリカによる爆撃の効果を分析する戦略爆撃調査局長をつとめていたジョージ・ボールもいた。

アメリカ・ビルダーバーグ運営委員会には、食品企業グループ・オーナーで、ジョン・ケリーの妻の父、H. J. ハインツII、国務省のマーシャル・プラン・コンサルタント、ジョージ・ネボルシン、当時ロックフェラー財団理事長で、後に国務長官になったディーン・ラスクもいた。

しかし、アメリカ側のビルダーバーグ・グループを本当に動かしていた黒幕は、新たに設置された中央情報局(CIA)初代長官、ウォルター・ベデル・スミス大将だった。1950年、スミスはCIA長官になった。CIAは、ビルダーバーグ会議を組織し、形成し、運用するのを支援した。

1952年末、レティンガーはビルダーバーグ構想をアメリカ側の知人に打診するべく、アメリカに行き、アヴェレル・ハリマン、デイヴィッド・ロックフェラーと当時のCIA長官ベデル・スミスと会った。レティンガーが提案を説明した後、スミスは“一体どうして、最初に私の所にこなかったのかね?”と言ったと言われている。CIA長官は、そこでレティンガーに、これからアイゼンハワー大統領の心理戦争特別顧問、アイゼンハワーのペンタゴンとCIA間の連絡係になる所だったC. D. ジャクソンと会うよう勧めたのだ。viii。

1954年の最初のビルダーバーグ会議参加者には、現代では唯一のビルダーバーグ “諮問団”メンバー、デイヴィッド・ロックフェラーもいた。国務省幹部ポール・ニッツェ。また、ガードナー・コウルズ、アメリカ・メディア界の大物、ルック誌創設者、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)を設立したアメリカ・プロパガンダ省、戦争情報局副長官。ロックフェラーの親密な仲間である、J.P.モルガン銀行の頭取ネルソン・D・ジェイもいた。

最初のビルダーバーグ参加者には、当時のアイゼンハワー冷戦の立案者、C.D.ジャクソン、イタリア首相のアルチーデ・デ・ガスペリ、元フランス首相アントワーヌ・ピネーもいた。ピネーはやがて、ビルダーバーグの長期計画を形作る決定的人物となる。

レティンガーは、ビルダーバーグ・グループを、単に“ヨーロッパと北アメリカ間の対話を醸成する”ために設立したと発言している。これは一般向けの上辺だ。実際は、戦後ヨーロッパの最も反動的な組織を引き入れ、それを、最も強力な戦後アメリカのロックフェラーや、ハリマン財閥家族や、連中の勃興しつつある“アメリカの世紀”と結びつける極めて陰険な仕組みを作り上げたのだ。ビルダーバーグ・グループアメリカの世紀が、戦後のバチカン地政学によって大きく影響されるのを担保するものだった。1954年の最初の会合は、ウォルター・ベデル・スミスのCIAにより資金提供され、それ以降の会合は冷戦中のCIAにとって親密な同盟者、フォード財団により資金提供を受けた。

ル・セルクル-バチカン-ロックフェラー同盟

1954年以来の年次ビルダーバーグ会議の途方もない権力と影響力の鍵は、秘密汎ヨーロッパ主義組織の公表されていない役割、当時ル・セルクルとして知られ、時にセルクル・ピネーと呼ばれる、ビルダーバーグを形成する上で、ビルダーバーグ創設者レティンガーの親しい友人、フランス首相アントワーヌ・ピネーのネットワークが演じた極めて重要な役割のおかげだ。

ピネーのル・セルクル(集団というフランス語)は、ドイツBNDとBfV、イギリスのMI-6、フランスのSDECE、オランダのBVD、ベルギーのSurete de l’Etatや、スイス、更には、サウジアラビア諜報機関や、アパルトヘイト南アフリカのシークレット・サービス、BOSSを含む大半のヨーロッパ諜報機関を密かに結びつけるリンクだった。ピネーと、ル・セルクルに関係した著名政治家には、フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス、オットー・フォン・ハプスブルク、コンラート・アデナウア、イタリアのジュリオ・アンドレオッティ、後に大統領にまでなった保守主義者、ポルトガルのアントニオ・デ・スピノラ将軍、マーガレット・サッチャーとロナルド・レーガンなどがいる。

アントワーヌ・ピネーの集団ル・セルクルは、ビルダーバーグ計画が始まる二年前の1950年に、ピウス12世教皇により、カトリック教会幹部の最終承認を得ていた、強力かつ極右のローマ・カトリック信徒の組織オプス・デイともつながっていた。この組織は、2003年のダン・ブラウンによる歴史小説『ダビンチ・コード』の主題として、彼らにとっては不快なほど有名になった。

ル・セルクルの後の業績には、反労働党の右翼首相マーガレット・サッチャーをまんまと権力の座につけた1979年のイギリス選挙操作もある。これは、ル・セルクルの主要メンバー、サー・ブライアン・クロージャー、MI-6のトップ、アーサー・フランクス卿と、MI-6部長、ニコラス・エリオットが行った。

亡くなったバイエルン政治の大物、“バイエルンのライオン”フランツ・ヨーゼフ・シュトラウスは、回想録で、二人が1953年に初めて会って以来、ル・セルクルのアントワーヌ・ピネーと友好を保ったと書いている。ドイツ国内のル・セルクル・ネットワークは、失敗はしたが、ドイツ首相へのシュトラウス立候補を推進した。1955年、シュトラウスは、ビルダーバーグ会議正会員にもなった。

ポーランド生まれのローマ・カトリック教徒のビルダーバーグ創設者ヨセフ・レティンガーは、アツィオーネ・カトリカ(カトリック行動団)のトップで、CIA手先のイタリア人、ルイジ・ゲッダ教授の仲介で、ヨーロッパのビルダーバーグ・ネットワークを組織した。ゲッダは、第二次世界大戦前に、エウジェニオ・ジョヴァンニ・パチェッリ枢機卿として、1933年、ヒトラーのナチス党とのライヒスコンコルダート(政教条約)立案者だった極めて強硬な右翼反共教皇ピウス12世教皇の医学顧問でもあった。既に1932年、パチェッリは、バチカン国務長官として、ローマ・カトリック教徒のドイツ首相フランツ・フォン・パーペンを、カトリック中央党を反左翼同盟に向けさせ、ヒトラーの国家社会主義ドイツ労働者党に加わるよう説得する上で主要な役割を果たしていた。

聖職者ファシズムとピウス12世

教皇として、ピウス12世には明らかな政治的偏向があり、それは、フランコのスペインや、スピノーラのポルトガルなどの教会とファシスト、独裁政権の融合、一部の人びとが聖職者ファシズムと呼ぶ、聖職者、あるいは名目だけのローマ・カトリック教徒ファシスト、極端に弾圧的な右翼政権に対する支持だった。

第二次世界大戦中、ピウス12世は、新たに独立を宣言したクロアチア国指導者、ローマ・カトリック教徒アンテ・パヴェリッチの聖職者ファシスト親ヒトラー政権を非難することを拒否した。カトリック信仰を奉じることを拒んだ正教セルビア人虐殺のことを、カトリック聖職者に知らされたピウス12世は、“虐殺に参加した”クロアチア聖職者メンバーのリストを持っていたにもかかわらず、パヴェリッチ政権を非難せず、関与した聖職者の処分もしなかった。それどころか、ウスタシに協力したかどで告訴されたクロアチア人大司教アロイシウス・ステピナチを枢機卿に昇格させた。

実際、レティンガーのヨーロッパ・ビルダーバーグ・ネットワークは、バチカンのピウス12世、オプス・デイ、スペインのフランコ政権、ピノーラ将軍のポルトガルや他の無数のヨーロッパ右翼反共ネットワークを含む極右ヨーロッパ反共ネットワークを、デイヴィッド・ロックフェラーのネットワークと彼本人を経由し、強力なロックフェラー・グループ周辺の勝ち誇るアメリカ・エリートと結びつけたのだ。これは戦後ヨーロッパ社会と政治の進展に大きな影響を与えた政略結婚だった。

フランシスコ教皇と‘移民’私には言葉しかない…

このビルダーバーグの本当の歴史を背景に、今問われるべき疑問は、史上初のイエズス会教皇、フランシスコ教皇が、ピウス12世の重い足音に習うか否かだ。彼は、昨年のシリアや北アフリカからの膨大な戦争難民流入を支持することで、ヨーロッパにおける事態を意図的に掻き立てようとしている。

単語は、人間のコミュニケーションの本質的要素で、それが他者に伝えるエネルギーは極めて複雑だ。単語と文脈次第で、否定的エネルギー、憎悪のエネルギーを伝えることができる。取るに足りない中立的なエネルギーを伝えることもできる。愛や調和、平和のエネルギーを伝えることもできる。もし、単語を非常に正確に操れる地球上に組織があるとすれば、それはフランシスコ・ローマ教皇の母体組織イエズス会だ。過去三年間の中東やアフリカやEUにおける人びとの崩壊に関する彼の無数の公文書を解読する際に、これは重要だ。

現在のEU危機、それは実際危機なのだが、それに関し、曖昧に使われている三つの単語がある。“難民”という単語は、法的に“戦争、迫害、あるいは自然災害から逃れるために自国を去ることを強いられた人”と定義されている。更に関連する単語“亡命希望者”は“政治難民として母国から去り、他の国への亡命を求めている人”と定義されている。三つ目が、フランシスコ・ローマ教皇と、2016年のドレスデンにおけるビルダーバーグ会議の双方が用いた、背後の概念が全く異なる単語、つまり“移民”という単語だ。移民は“仕事やより良い生活条件を探すため、ある場所から他の場所に移動する人”と正確に規定されている。戦争、政治的迫害や生命に危険な災害に関する言及は皆無だ。

明らかにそうではないものを、南部からEUへの移民と呼ぶことで、単語は、この移民の背後にある原因、つまりアメリカ-イギリス-フランスが引き起こした一連の戦争、石油、そして今やガス支配のための戦争、ヒラリー・クリントンが当初アラブの春と呼んだリビア、エジプト、チュニジア、シリアでの戦争を完全に曖昧にしている。過去十五ヶ月に、トルコからEUに流れ込んだ百万人以上の人々は移民ではない。彼らは戦争難民なのだ。

彼らを移民と呼ぶことで、メルケル政府やドイツ連邦移住・難民庁(BAMF)が行う法的手順に疑問を投じる人を、暗黙のうちに、ことごとく人種差別主義者や、頑迷固陋にしてしまうのだ。小生に伝えられた信頼できる調査報告によれば、ドイツ連邦移住・難民庁(BAMF)は、2014年11月以来、公的理由も国民に対する告知も無しに、難民(亡命希望者ではなく)に対する規則や政令を放棄したという。興味深いことだ。

“構造的な現実?”

2016年1月17日の教皇メッセージで、教皇はこう述べた。“現在、移住の流れは世界中で増大し続けています。…移住の流れは、今や構造的な現実です。わたしたちに課せられた第一の課題は、緊急事態を乗り切り、移住の原因とそれに伴う変化、さらには新しい住人が社会や人々に与える影響を考慮した上で計画を立てることです。” 彼は続ける。“聖書における啓示は、異邦人を受け入れるよう促しています。それにより神への扉が開かれ、他の人々の顔にイエス・キリスト自身の姿が現われると伝えています。”その見知らぬ人が、あなたを殺そうとしたり、あなたの娘を強姦したがったりしたらどうだろう?

これらは実際素晴らしいお言葉だ。これは戦争難民のドイツや他のEUへの殺到という実際の破壊的な現実を完全に無視している。フランシスコ教皇は、彼の膨大な影響力を、平和をもたらし、シリア国内の全国内政党の和解、ISIS、アルカイダ/ヌスラ戦線や他の世界最古の文化の一つを破壊しているテロの非難、多宗教世界に注力するのではなく、ヨーロッパ人に、心と、家までも“移民”に対して開くよう説くことを選んだのだ。この文脈で、私が最初に述べたように、今年のドレスデンでのビルダーバーグ会議が、論議で、難民危機ではなく“移民”と呼んだのは極めて重要だ。少なくとも、この点に関しては、教皇もビルダーバーグ計画者連中も、全く同じ楽譜を歌っているように見える。

1月6日、公現祭日のメッセージで、この同じ教皇が、教皇ビデオを公表し、その中で、事実上、ワンワールドの宗教を作り出すよう呼びかけた。“多くの人が様々な考え方をし、様々な感じ方をし、様々なかたちで、神を求めたり、神に会おうとしたりしています。この中で、様々な宗教の中で、一つだけ確実な全員が共有することがあります。我々全員、の子です。”

数日後の2016年1月11日、バチカン外交団への演説で、フランシスコ教皇は、ヨーロッパは、安全や、文化を犠牲にすることなしに移民を受け入れるつもりだと主張した。彼は、“我々が直面している深刻な移民危機”に言及して、迫害から逃れる難民と、貧困から逃れる難民の国際社会による差別を批判した。この移民危機に対する各国独自の解決策を見出そうとする様々なEU諸国の取り組みを彼は非難した。“各国がした判断の結果は、必然的に国際社会全体に影響をもたらすのですから、個々の国家が追求する自立した解決策の余地はありません。実際、移民は、これまで以上に、我々の世界の将来において、極めて重要な役割を演じることになるでしょう。”

フランシスコ教皇とは違い、国家主権や、個人の自主性が重要であるのと同様、国境は大いに重要だと私は断固信じており、実際、我々の存在、我々個人の主権、我々の国家主権の必要かくべからざる要素なのだ。我々人間は、それぞれがかけがいがないのだ。我々は個性の無い不定形の塊ではない。私の考えでは、こうした違いは侵すべからざるものだ。イエズス派教皇の言葉ではそうではない。あらゆる戦争や深刻な騒乱のある我々の世界は、フランシスコ教皇が、我々をそう信じさせようとしているような、平和とキリスト教の慈善があらゆる障害を克服する涅槃の境地ではない。将来はそうなるかも知れないが、既にそうであるふりをするのは、隠された狙いを偽って語るものだと私は思う。

デイヴィッド・ロックフェラーは、彼と彼の同類が全ての人類の頂上に位置する、実にむかつく思想、ワン・ワールド・オーダーのあからさまな支持者だ。そのような単一の経済世界にするため、我々は国境を解消せねばならないのだ。もしEU指導者が、同意するほど、強烈な自殺願望を抱いていればだが、環大西洋貿易投資連携協定主にそのために仕組まれている。更に全世界を支配するためには、つくりものの新宗教が必要だ。強制的な難民危機は、国境や歴史的民族文化、国民文化をぼやかすために仕組まれている。

教皇のあらゆる素晴らしい演説や、ビルダーバーグ談話の背後には、建前で語られている以上のものがある。単語“Jesuitical(形容詞:「イエズス会の」)”の通常の用法が、“巧妙な、あるいは余りに巧妙な論法を用いる人; 狡猾な; 陰険な; 興味深い”を意味しているのも故無いことではない。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://www.williamengdahl.com/englishNEO17Dec2016.php
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TPPは巨大資本による世界支配の極致。資本を自由に移動させ、関税や、非関税障壁を廃絶して、利益を極大化させる。移民推進も労働力コスト削減対策なのだろうか?

MESSAGE OF HIS HOLINESS POPE FRANCIS
FOR THE WORLD DAY OF MIGRANTS AND REFUGEES 2017 [15 January 2017]
https://w2.vatican.va/content/francesco/en/messages/migration/documents/papa-francesco_20160908_world-migrants-day-2017.html
を読んでみると、本当に、migrantばかり。

カトリック中央協議会の日本語翻訳をみると、題名のみならず、話の中で何度か「難民」という言葉があらわれる。誤訳ではなく改変ではと不思議に思う。

ローマ教皇公文書>世界難民移住移動者の日
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/mgrt/16mgrt.htm

全世界を支配するためには、つくりものの新宗教が必要だ。強制的な難民危機は、国境や歴史的民族文化、国民文化をぼやかすために仕組まれている。というくだりで、日本の新興宗教、国家神道を連想した。

祖父から教えられた「ヤスクニ」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/96143

あの神社は長州神社。

関連するので、IWJ、本日の中継番組表を一部コピーさせていただこう。

**2017.1.1 Sun.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJが選ぶ2016年重大ニュース振り返り再配信10・Ch1】12:00~「【日本会議】岩上安身による『日本会議
戦前回帰への情念』著者・山崎雅弘氏インタビュー」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※年末年始特別配信として『IWJが選ぶ2016年重大ニュース振り返り再配信』をおこないます。

【撮り下ろし初配信!・Ch1】18:30~「つくられた『神道』戦後最大のドグマを解体する! 岩上安身による島根大学・大阪工業大学名誉教授
井上寛司氏インタビュー 1日目 古代編」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※2016年11月22日に収録した岩上安身による井上寛司氏インタビュー 古代編を撮り下ろし初配信します。

明治維新という幻想』と『赤松小三郎ともう一つの明治維新 テロに葬られた立憲主義の夢』を読んでいる。

最近読んだ『漱石のこころ その哲学と文学』で、『坊ちゃん』は単なる田舎活劇ではなく、様々な単語のシンボルを駆使した、明治政権支配者批判だったと知ってびっくり。実に大胆な行動。漱石は、日露戦争にわく時代に、『三四郎』の登場人物に「滅びるね」と言わせている。

『明治維新という幻想』には、非合法出版の当時の錦絵は、様々な図柄や言葉のシンボルから、新政府批判、徳川政権擁護の気分が強かった当時の庶民の見方を反映しているとある。

『明治維新という幻想』、宗主国の巨大通販サイトをみると「陰謀論」とこきおろしている書評がある。良い本だとお墨付きをいただいたと勝手に解釈する。

明治の歴代首相を出身県を並べて書いた表に唖然とした。山口が圧倒的。

『明治維新という幻想』とそのまま内容的につながっていると思える『赤松小三郎ともう一つの明治維新』宗主国の巨大通販サイトをみると、不思議にも、もっともな絶賛。

150年前の赤松が考えた憲法案と比較すると、自民党改憲案は遥かに劣る。

うさんくさい「明治維新」。そこから言葉を借用している政党がうさんくさいのも当然に思えてくる。

林学がご専門の学者が、日本の歴史に関する素晴らしい本をかかれているのは、『私の闇の奥』の藤永茂氏が、物理学者でおられながら『アメリカ・インディアン悲史』や『アメリカン・ドリームという悪夢―建国神話の偽善と二つの原罪』という本を書いておられるのと似ている。専門でないがゆえに、自由な発想で、忌憚ない意見がかけるのではあるまいか。素晴らしいブログを書いておられるという点も共通。

林学がご専門の学者ながら『自由貿易神話解体新書―「関税」こそが雇用と食と環境を守る』という本も書いておられる。これも素晴らしい反TPP論。この「関税」の問題は、『赤松小三郎ともう一つの明治維新』でも触れられている極めて重要な主題だ。

2016年12月27日 (火)

貿易戦争のためのトランプのホワイト・ハウス新組織

Peter Symonds
2016年12月24日
wsws.org

次期大統領ドナルド・トランプが新たに国家通商会議を設置するという水曜日発表は、彼の政権が、約束していた貿易戦争措置を急速に推進するという兆しだ。

カリフォルニア大学教授で、とりわけ中国に対する攻撃的貿易政策と戦争挑発を主張することで悪名が高い、トランプ選挙運動と移行チームの重要メンバーであるピーター・ナヴァロがこの新会議を率いることになる。

トランプ移行チームは、この会議は、大統領に“貿易交渉における革新的戦略”の助言を行い、アメリカの“製造能力と国防産業の基盤”を評価するのに他の省庁と調整すると述べた。

選挙運動中、トランプは、世界貿易機関(WTO)を離脱し、アメリカ経済にとって有害と彼が考える、北米自由貿易協定のような貿易協定を破棄すると脅していた。彼は、大統領就任初日に、アメリカの環太平洋連携協定(TPP)からの撤退を開始するつもりだと宣言している。

TPPは、自由貿易協定ではなく、貿易や投資に対するアメリカ政府の要求を受け入れるよう、北京に圧力をかけるため中国を排除したアメリカが率いる経済圏だ。TPPは、アジアにおけるアメリカの卓越を確保することを狙ったアジア太平洋全域における攻撃的な外交作戦と、軍事力強化も伴うオバマ政権の“アジア基軸”における、経済上の急先鋒だった。

TPPを脱退するというトランプの決定は、オバマの対中国対決政策からの後退ではなく、あらゆる面での著しい強化なのだ。トランプは選挙運動中、再三不公正な貿易慣行を非難し、中国は通貨操作をしているとレッテルを貼り、中国の対アメリカ合州国輸出に対しては45パーセントの関税をかけると脅した。

オバマ政権は既に、貿易上の懲罰的措置をとっており、関税の大幅引き上げを含むonある種の中国鉄鋼では、522パーセントにまで、また一部の中国製鉄企業に対しては、266パーセント。オバマ、少なくとも名目上は、既存の国際貿易の規則内で動こうとしてきたが、トランプは、アメリカに対するWTO訴訟と、報復行為という結果をもたらすであろう、あからさまな保護主義的措置を計画している。

ナヴァロを国家通商会議のトップに任命したことは、それが実質的には、国家貿易戦争会議であることが明らかだ。ナヴァロは学問的な経済学者というよりは、反中国イデオローグだ。

億万長者の大企業乗っ取り屋で、次期商務長官のウィルバー・ロスとともに、ナヴァロは、トランプの貿易に関する“アメリカ・ファースト”扇動の宣伝屋として働いていた。10月の“トランプへの一票は、成長への一票”と題するウオール・ストリート・ジャーナル論説記事で、二人は“抜け目ない、厳しい交渉”がアメリカの貿易赤字を無くすと主張し、“貿易戦争論”に関する警告を切って捨てた。

ナヴァロとロスは“[彼らは]我々が、彼らの市場を必要とするよりも遙かに我が国の市場を必要としている”と述べて、中国、ドイツ、日本、メキシコと韓国を標的にしている。現実には、トランプ政権による高圧的戦術や、懲罰的な貿易措置という脅しは、報復を引き起こし、世界貿易とアメリカ合州国を含む経済成長を損なうのはほぼ確実だ。

木曜日、CNNは、トランプ移行チームは、既に輸入関税を10パーセントにする提案を検討していると報じた。アメリカ企業の一部はこれに警戒を示している。ある組織は、CNNに、トランプの“貿易政策大鉈”は“アメリカ経済、とりわけ製造業部門とアメリカ人労働者に大きな代償を押しつける”ことになろうと述べた。世界中の製造業者同様、アメリカの製造業者は関税で影響を受けるグローバルなサプライ・チェーンに依存している。

貿易戦争は必然的に戦争になるという事実をナヴァロは具体化している。対中国懲罰的貿易措置に関する彼の露骨な主張は、紛争に備えよという呼びかけと密接に結びついている。著書に『米中もし戦わば: 両国はどこで戦い、どうすれば勝てるか』、『Death by China: Confronting the Dragon-A Global Call to Action』と『Crouching Tiger: What Chinese Militarism Means for the World』などがある。後者二冊は映画化されている。

トランプ移行チームは、“軍事的、経済的な力による平和と繁栄”という次期大統領のスローガンを実施するため、新たな貿易会議は、国家安全保障会議や他のホワイト・ハウス機関と協力すると述べた。

ナヴァロと、もう一人のトランプ顧問アレクサンダー・グレイは、このキャッチフレーズが一体何を意味しているかを、11月7日「外交政策」誌の“ドナルド・トランプの力によるアジア太平洋平和構想”と題する長い論説で詳しく説明している。中国と十分積極的に対決し損ね、アメリカ軍の規模を縮小したとして、オバマのアジア“基軸”や“リバランス”に、二人は批判的だ。

アジア基軸は、“地域における攻勢と不安定の静まりではなく、高まりをもたらしてしまった、強気の発言をしながら、十分な武力を用意していない無謀なやり方の一例”となってしまったと、ナヴァロとグレイは述べている。彼らの処方箋は、保護主義的措置を、アメリカ軍、特に海軍の大幅な拡大と、“我が国の製造基盤と、我々と同盟諸国を守る能力を弱体化するだけ”のTPPのような貿易協定からの撤退と結びつけるものだ。

“力による平和”は平和の処方箋ではなく、戦争の処方箋だ。重要な点は、ナヴァロが、1979年以来、アメリカ-中国関係の基礎である一つの中国政策放棄し、台湾とのより密接な関係の醸成をあからさまに主張していることだ。北京が全中国で唯一正統な政府と認める一つの中国政策のもとで、アメリカ政府は台湾との外交関係を終わらせた。

今月始め、“貿易を含む他の物事に関係する取り引きを、中国とできない限り”それに拘束される理由がわからないと発言して、トランプは、一つの中国政策を巡って、既に疑念を表明している。蔡英文総統からの電話を受けて、トランプは、この三十年間以上で、台湾総統と直接話した最初のアメリカ大統領になった。

7月の“アメリカは台湾を放棄できない”と題するナショナル・インタレスト誌記事で、ナヴァロは、台湾とアメリカのより緊密なつながりが、中国との紛争への準備と密接に関係していることを明らかにしている。“益々軍国主義化する中国の勃興に、戦略的に釣り合いを保つには、台湾を独立した親米同盟国として維持することが絶対に重要だ”と彼は発言している。

台湾を訪問したばかりのナヴァロは、台湾が中国の支配下に入るのを認める軍事的危険性を警告している。中国基地は、中国潜水艦が太平洋に直接出られるようになり、中国空軍の航続距離を拡大する。彼はアメリカが、台湾の軍事能力を強化する措置をとるよう要求している。

しかしながら、台湾とアメリカ軍のより強いつながりは、中国にとって直接の脅威となり、即座にワシントンと北京間の緊張を高めることとなる。ペンタゴンは、台湾海峡の一番狭い所では、中国本土からわずか130キロという台湾の軍事的価値をずっと昔から認識している。アメリカのダグラス・マッカーサー将軍は、台湾のことを、太平洋における“不動空母”と表現した。

トランプが進んで、一つの中国政策を破棄し、台湾を奉じると脅すことの意味はただ一つ。あらゆる方法で、外交的、経済的に、そしてもし必要とあらば戦争により、積極的に中国と対決する準備だ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2016/12/24/trad-d24.html
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“不動空母”、聞いたことがあるような言葉。

米中もし戦わば』 良く覗く書店で前から平積みになっていた。全く興味がなかったが、読まざるを得ないようだ。

敗戦は終戦だ。最も緊密な宗主国属国隷属関係は「最も緊密な同盟国になった和解」。言葉を粗末にしてはいけない。同盟というのは、対等な国に使える表現。日本のアメリカに対する関係は隷属以外なにものでもない。

孫崎享氏の今日のメルマガを引用させていただこう。

 吉田首相はサンフランシスコ講和条約の署名後に訪れている。

サンフランシスコでは講和条約に加え、日米安保条約(旧)が署名された。この条約は米側代表のダレスが「好きなだけの軍隊を好きな場所に好きな期間置く」ことを日本から獲得することを求め、その通りになった。

 和解の象徴として吉田首相は真珠湾を訪れたのではない。米軍の全面的駐留を許した首相として吉田首相を真珠湾に迎えたのではない。

 日本の隷属関係を象徴して真珠湾に迎えたのである。

・そしてその構図は今日まで続き、さらに隷属関係を強化しようとしている。

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