Tony Cartalucci

2017年3月14日 (火)

案の定“イラン合意”を対決に転換するアメリカ

2017年3月2日
Tony Cartalucci

いわゆる“イラン合意”は、決して、ワシントンとテヘランとの間の和解の出発点としてではなく、より大規模な対立の口実になるよう意図されていた。

辞任した国家安全保障顧問マイケル・フリンが示唆したような、アメリカのドナルド・トランプ大統領政権が、イエメンにおけるサウジアラビアの負け戦の進展と、イラン政府が行ったミサイル実験をとらえて、イランは外交合意に感謝の念を持たない政権として描くようなことは、そもそも決してあってはならなかったのだ。

トランプ政権は‘正式にイランに警告する’とマイケル・フリンは述べた”と題するガーディアン記事には、こうある。

イランのミサイル実験と、イランが支援するイエメンのフーシ派反政府派によるサウジアラビア戦艦攻撃に対し、トランプ政権は“正式にイランに警告する”と述べたが、ワシントンがどのように対応するつもりかについて詳細は述べなかった。

トランプ大統領の偽善的な姿勢がなければ、突然の辞任前のフリン発言は心からのもののように聞こえるが、アメリカ外交政策の真の大物を追い続けてきた人々には、フリンが読み上げていた、実にお馴染みの脚本が一体何なのか分かっているが、この脚本はトランプ政権が書いたものではなく、“トランプ大統領”が政権を握る何年も前に、大企業・金融企業が資金を提供する、選挙で選ばれていない政策シンクタンクが書いたものだ。

ドナルド・トランプが大統領選挙運動を始める何年も前に計画され、組織的に実施されてきたのだから、フリンの辞任は、この政策にほとんど影響はあるまい。イランに対するフリンの姿勢をトランプ政権に残っている連中が継続していることが、十分な証明だ。

2009年頃のブルッキングスの“最高の提案”

ペルシャへの道: アメリカの対イラン新戦略の選択肢”(.pdf)と題するブルッキングス研究所の論文は、テヘランに対して仕組まれるアメリカによる政権転覆陰謀を明快に詳述し、こう述べている(強調は筆者による):

イランに対するいかなる軍事作戦も、世界中で大いに不評となる可能性が高いので、作戦に必要な後方支援を確保し、その作戦による負の結果、ブローバックを最小化する適切な国際的文脈が必要だ。国際的な非難を最小化し、(いやいやながらであれ、こっそりとしたものであれ)支持を最大化する最善の方法は、核兵器を入手しようと固く決意していて、不純な動機で入手しようとする政権しか拒絶するはずがない、余りに素晴らしい最高の提案を提示されたのに、イランは拒絶したという考えが広まっている場合にのみ、攻撃することだ。そうした状況下では、アメリカ合州国(あるいはイスラエル)は、怒ってではなく、悲しみながらの作戦のように描きだすことができ、少なくとも国際社会の一部は最高の提案を拒否して、イラン人が“自ら招いたのだ”と結論するだろう。

ブルッキングスの“最高の提案”が、いわゆる包括的共同作業計画(JCPOA)、つまり2015年“イラン合意”という形で、一般にも、テヘランにも、明らかに提示された。アメリカはテヘランとの和解を求めているのだと世界を思い込ませようとする一方、この合意をまとめようとしながら、アメリカは - 2009年 ブルッキングス報告で、イランとの戦争前のもう一つの前提条件として挙げられていたイラン同盟国のシリア打倒の企みに、資金、兵器、直接軍事支援さえも注ぎ込んできた。

だから合意は、そもそもの発端から陰険なもので、ワシントンが、政治的、戦略的環境が、テヘランを二枚舌として描きだし、広範な対立を正当化するのに最適だと感じた時、特にシリアが、6年の戦争後すっかり弱体化し、イランも財政的にも軍事的にも、シリアの運命ですっかり動きがとれなくなっている以上、それを裏切るのは必然に過ぎない。

トランプは、選挙遊説中に、サウジアラビアを酷評しておいて、サウジアラビアの戦争への道を擁護している。

2016年の大統領選挙運動中、トランプが行った言辞は、テロとの戦い、サウジアラビアに対する強硬な態度を中心にして展開されていた。ソーシャル・メディアの悪名高いメッセージの一つで、トランプはこう主張していた。

マヌケな@アル=ワリード・タラール王子は父親の金で米国政治家を操ろうとしている。私が選ばれたら、そうはさせない。#Trump2016

現在、大統領として、トランプの姿勢は、サウジアラビアを友人と見なし、イランが、サウジアラビア戦艦を攻撃した戦士に、イエメンで武器を与え訓練しているとされることで、イランとのより広範な対立を暗示している。空から、地上で、海で、直接、また代理テロリストを使って、サウジアラビア領や公海から、地上侵略と空爆によって、イエメン領土内、および上空から、イエメンにサウジアラビアが長年、全面戦争をしかけていることに、トランプ政権もマスコミ全般も触れ損ねている。

自国に対する、サウジアラビア領土外への軍事侵略に対し、イエメン軍が戦っていることを巡り、アメリカがイランとの外交的和解を一変させる見通しだけでも、国際法にも、アメリカ国民の利益にも違反している。

ところが、イエメンや、地域中 - 特にシリアやイラクで、そして世界中で、アルカイダや様々な分派や、いわゆる 「イスラム国」(ISIS)そのものという形でのテロとサウジアラビアの明白なつながりや、アメリカが、サウジアラビアは“友で同盟国”だと宣言し、イランを“中東全域を不安定化する振る舞い”で非難していることを考えれば、サウジアラビアによる国家的テロ支援や、サウジアラビアが直接自らテロに関与するのを、アメリカが大目に見ているのは明らかだ。

もちろん、アメリカ国防情報局 (DIA)元局長フリンは、“サラフィー主義”(イスラム) “公国”(国)の創設が、ペルシャ湾岸君主国のみならず、NATO加盟国トルコ、ヨーロッパと、アメリカ自身にも求められているとしたDIAの2012年メモを知っていた。トランプ政権内の他の連中もそうだ。

メモにはこうある。

もし状況が展開すれば、宣言した、あるいは宣言なしのサラフィー主義[原理主義スンナ派]国を、東シリア(ハサカとデリゾール)に樹立する可能性があり、そして、これこそまさにシーア派(イラクとイラン)拡張の戦略的深みと見なされているシリア政権を孤立化させるため、反政府勢力を支持する国々が望んでいることである。

DIAメモは、更にこの“サラフィー主義国の”支持者は誰か(そしてその本当の敵は誰か)を正確に説明している。

欧米、湾岸諸国と、トルコは反政府勢力を支援し、ロシア、中国とイランは政権を支援する。

とりわけ、イランは、当時形成途中の「イスラム国」や、テロ組織リストに指定されているヌスラ戦線(現在のシリア征服戦線)を含む“反政府派”に反対すると書かれている。

アメリカは、今地域中で行っている戦争を、イランとの対立にじわじわと近づけながら、超現実的な欺瞞で、トランプ政権は自ら“テロと戦う”かのように描き出している。アメリカは自身が地域中のテロを支援していることを認め、サウジアラビア防衛のために、これを実行している。

トランプ大統領の偽善は、ブルッキングス研究所論文を明るみに出し、現在の出来事を、陰謀と、論文が体現する思惑の継続という文脈中に置かない限り、説明不可能だ。

アメリカ・マスコミは、トランプ大統領のサウジアラビアに対する偽善を、個人的な事業に関する利益相反として描きだそうとしている。トランプ政権が、最近退任したオバマ政権を含む、左も右も、共和党も民主党も、複数の大統領の枠を越える、何十年ものアメリカ外交政策と、リヤドとの実に二枚舌の関係を継続しているのは偶然の一致に過ぎないと、大衆は信じてくれるとアメリカ・マスコミは、どうやら期待しているようだ。

評論家にも、専門家にも、一般大衆にとっても、世界的な出来事、特にアメリカ-イラン関係にまつわる地政学的動きを理解するには、アメリカ・マスコミの面白い理論やトランプ政権の演説や声明でなく、アメリカ政策論文を読んだ方がためになるだろう。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のur:http://journal-neo.org/2017/03/02/us-predictably-turns-iran-deal-into-confrontation/
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呆導は専用エスカレーター、高級ハイヤー、秋葉原での爆買い期待のみ。迎賓館前で、ご一行を拝見しようという方のコメントまで見てしまった。反省。福島議員質問は迫力があったが答弁は例によって意味不明。

下記のような話題は、大本営広報部からは聞けない。

2017年3月11日 (土)

フェイスブック・ゼロと“国民ラジオ”

2017年3月7日
Tony Cartalucci

“ドイツ国民全員が国民ラジオで総統の声を聞く”と第二次世界大戦プロパガンダ・ポスターにある。これは、国民ラジオの宣伝だが - 所蔵品に、このラジオが一台あるワシントンD.C.のアメリカ・ホロコースト博物館は、こう説明している。

ゲッベルスの省は、プロパガンダのためのラジオのすさまじい可能性を認識していた。省は安価な“国民ラジオ”(Volksempfänger)販売を促進するため、製造にたっぷり助成金を出した。1938年始め、ドイツ家庭におけるラジオの台数は、900万台以上で、ドイツ家庭約二軒に一軒だった。三年後、数字はほぼ1500万台に増え、5000万人のドイツが常にラジオを受信できるようになった。

外国の放送局を受信する機能はなく、ダイアルには、ドイツとオーストリア局しか書かれていなかった。これは、ラジオ電波妨害の取り組みとともに、ドイツ国民がベルリンから発信される情報しか得られないようにする意図的な企みだった。

エール大学が保存している文書によれば、大戦後のニュルンベルク裁判時に、ナチス・ドイツの兵器弾薬大臣アルベルト・シュペーアは、こう発言している(強調は筆者による)。

ヒトラーの独裁は、一つの基本的な点で、歴史上のそれまでのあらゆる独裁者と異なっている。彼は現代の技術発展時代に生きた最初の独裁者で、自国民を支配するため、あらゆる技術的手段を完璧なやり方で活用した独裁だ。ラジオや拡声器などの技術機器によって、80 00万人の国民は自立した思考を奪われた。それによって、一人の意志に、国民を服従させることが可能になったのだ。

現代に、似たような独裁者が登場し、世界中の人々を支配するため、あらゆる技術手法を、完璧に利用しようとすれば、連中も同様な手法を用いる可能性が極めて高い。ラジオ電波ではなく、21世紀の主要な通信手段、インターネットを支配することで。

フェイスブック・ゼロは、現代版“国民ラジオ”

フェイスブック・ゼロは、フェイスブックが、世界中の携帯電話サービス企業と協力して提供するサービスだ。これは、本質的に、フェイスブックを、課金なしに携帯電話ネットワーク経由で使える機能だ。これは、巨大通信会社が、自社ユーザーを選んで、コンテンツを提供するのに利用している“ゼロ・レーティング”と呼ばれる広範な仕組みの一環だ。

これは、インターネットの中を移動するあらゆる情報が平等に扱われるネットの中立性という考え方を完全に回避するものだ。ネットの中立性は、ドイツによる国境内のラジオ電波支配が、1930年代と1940年代に、同様な戦いだったのと同様の、“自立した思考”に対する現代の戦いの最前線になっている。

フェイスブックの自立思考に対する技術的支配はどれほど有効なのだろう?

ニュース・サイトQuartzの“何百万人ものフェイスブック・ユーザーは、インターネットを使っていることを理解していない”と題する2015年2月の記事は、こう書いている(強調は筆者による):

ガルパヤが調査したインドネシア人は、インターネットは使っていないと彼女に答えた。ところが、フォーカス・グループでの会話では、一体どれほど、フェイスブックに時間を費やしているか熱心に語ったのだ。シンクタンク、LIRNEasiaの研究者(現在はCEO)ガルパヤは、当時の彼女の上司ロハン・サマラジバに電話し、彼女が見いだしたことを報告した。“彼らの頭の中には、フェイスブックだけで、インターネットは存在しないように見える”と彼は結論づけた。

インドネシア以外でも、東南アジア、アフリカ、フェイスブック・ゼロの計画対象になっている他の地域でも同じ傾向が見られることを明らかにしている。また記事は、調査研究が、フェイスブック・ゼロの現実は、フェイスブックが宣言している目標と矛盾することを示しているという明らかな事実も暴露している。

記事にはこうある(強調は筆者による):

少なくとも2013年以来、フェイスブックは、全世界をインターネットにつなげると騒いできた。だが、フェイスブック事業のトップのシェリル・サンドバーグすらもが、インターネットを使っていることを知らないフェイスブック・ユーザーがいることを認めている。すると、フェイスブックに接続している人々が、自分がインターネットを使っていることがわかっていないなら、フェイスブックはその狙いに成功しているのだろうか? 始めてフェイスブックを使う大量の人々が、開かれたウェブ経由ではなく、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグのルールに従って使わなければならい閉じられた私営ネットワーク経由で、オンライン体験をするようになるのは、一体何を意味するのだろう?

Quartzの記事は、各種サービスが、ウェブから去り、特に“ザッカーバーグのルール”ゆえに、問題となるフェイスブックに向かって動いている様子を詳しく説明している。

現代版の自立思考破壊

フェイスブックは、単なるソーシャル・メディア・ネットワークではない。最初に構想された際は、ユーザーは好きなように他のユーザーをフォローし、フォローしている人々の投稿をリアル・タイムで読むことできた。ところが、2014年、フェイスブックは、ユーザーが、フォローしているユーザーの投稿を読むことに干渉しはじめた。

ユーザーの“ニュースフィード”はユーザー自身によってではなく、フェイスブックが作ったアルゴリズムによって管理されている。コンテンツ・プロバイダーは読者数が急減しており、より多くの読者に届けるよう金を払わない限り、この傾向は続くだろう。

フェイスブックは、“Organic Reach on Facebook: 皆様の疑問にお答えします”という同社ウェブサイトで、この選択の新たな動きを正当化しようとして、こう主張している。

人々にあらゆるコンテンツを見せるのではなく、ニュースフィードは、フェイスブックを見る人にとって、その人に一番必要なコンテンツを見せるよう設計されています。フェイスブックにログ・オンした際に、見ることが可能なはずの1,500+の記事のうち、ニュースフィードは約300表示します。どの記事を表示するかを選ぶのに、ニュースフィードは、各人に関する何千もの要素を見て、各記事(より重要から、重要度が少ないものへと)に順位をつけます。

実際は、これらの“要素”が“それぞれの人”に関するものなのか、そうではないのか分からない。アメリカ国務省の指示のもと、世界中の政治体制をあやつり、最近の対“偽ニュース”戦争に加わると誓約し、フェイスブックの関与が増大するなか、こうした要素が、自分用ニュースフィードを読む本人ではなく、既成特権層が、「フェイスブックが重要だと考えるべきだ」と思うことに関係するものになる可能性が高い。

言い換えれば、フェイスブックは、大企業-金融企業既得権益のための現代版国民ラジオを、代替情報を聞くダイアルがなく、フェイスブックが入念に管理する情報空間の外部から代替情報を入手する技術的可能性もない現代版国民ラジオを作り上げたのだ。それは、1930年-40年代のドイツ国民同様、多くの人々は自分が閉じこめられていることに気がつきさえもしない現代版の自立思考の破壊、情報の檻だ。

第二次世界大戦中のナチス・プロパガンダ機構を終わらせるために、人々が激しく戦ったのと同様、現代の人々は、現代のコミュニケーションに対するフェイスブックによる独占に対決し続け、弱体化させ、最終的には追放しなければならない。ナチス・ドイツの国民ラジオと違い、フェイスブックは、8000万人のドイツ人だけではなく、世界中に広がる約20億人にのぼるユーザーの認識を汚し、歪曲しているのだから。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/03/07/facebook-zero-and-the-peoples-receiver-2/
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フェイスブック・ゼロがなくとも、既に立派な“国民テレビ・新聞・週刊誌”がある。

韓国の国会や司法をうらやましく思う。
こちらでは、二人の名をあげ、お世話になっていないと、とかげのしっぽきり。
与党にも、異神にも、所轄官庁にも、日本会議にも、好都合な幕引き。
宗主国に不都合な政治家を排除する捜査機関は、身内退治には決して出動しない。
これにぶつけ南スーダン派兵撤退発表。危険な状況の事実にふれず、任務終了が理由という真っ赤なウソ。万一のことがあれば、政権が吹き飛ぶことを恐れたのだろう。

バラエティ番組で、地域の服をまとった「コンサルタント」が、素晴らしい国ですと称賛した。あの国に投資や輸出をする企業支援が仕事らしい。お客の悪口決して言うまい。ご一行のホテル予約と爆買い期待は報じるが、一体どういう国なのかは報じない。(新聞を読んでいないので、断言しずらい)

あの国から石油を輸入すると、支払った代金の一部がテロ支援に使われることを、大本営広報部は決して報じない。

2017年3月10日 (金)

サウジアラビアの東南アジア・テロ歴訪

Tony Cartalucci
New Eastern Outlook
2017年3月5日

最近、サルマン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール=サウード・サウジアラビア王は、この地域のイスラム教徒が大多数の国々との経済的、政治的つながりを固めるための努力だとマスコミや専門家が主張する東南アジア大歴訪に取りかかっている。

ところが、マスコミも専門家も、この悪名高いテロ支援国家が、東南アジア内部を含む全世界で、テロをあおり、管轄地外に地政学的介入し、対立をもたらすテロ活動に関わって、サウジアラビアが演じている役割については、避けるか、全く無視している。

サウジアラビア サルマン王の東南アジア歴訪、イスラムの友好を確認”と題する記事で、ドイツ放送局ドイチェ・ヴェレ(DW)はこう報じている。

サウジアラビア王は稀な一カ月に及ぶ歴訪で、経済的に急速に成長しつつある地域の、リヤドが通商上の関与と社会・政治的つながりを深めたいと願っている戦略的に重要な国々を訪問する。

DWはこうも報じている。

サルマン王の東南アジア諸国歴訪は、イスラム教徒が多数派の諸国との協力的なつながりの強化も際立たせ、イスラム教の権威や、マレーシアとインドネシア政府のイメージを確認するものだ

ところが、サウジアラビアが、地球上のイスラム教徒にとって、おそらく最大の脅威であることに疑問の余地はない。サウジアラビアによって、国内、国外遥か彼方まで流布される、政治的性格を帯びたワッハーブ主義という宗教ブランドは、そもそも曖昧な宗教というベールの陰で、サウジアラビアの政治的影響力を確立し、維持し、拡張するために作り出され、今も利用されているのだ。

サウジアラビアが輸出しているのは、オイルマネーのための石油だけではない

アメリカ合州国やイギリスやヨーロッパ中の他の特権利益集団の保護国としてのサウジアラビアは、ワッハーブ主義が根付き繁栄するのを許されているあらゆる国々で、ワッハーブ主義を利用し、保護してくれる国々に権力と影響力のベクトルを提供しているのだ。

具体的に、東南アジアでは、サウジアラビアが資金提供するワッハーブ派の学校は、マレーシア、インドネシア中にかなり存在しており、他の国々でも多少存在し、欧米が威圧したり、置き換えたりしたいと願っている政党や政治指導者に対し、政治的反対を表明することが多い過激主義をあおっている。

ミャンマーでは、サウジアラビアが資金提供するテロリストが、ミャンマーの少数民族ロヒンギャに潜入し、この集団への迫害を、地域の治安危機と、アメリカの政治的、軍事的拡張を含む、アメリカの更なる関与の口実に変えようとしている。

実際には、アメリカ合州国と、代理のサウジアラビアも、ロヒンギャには、危機につけこむ以上の興味はなく、潜入する過激派が本当の安全保障上の脅威だなどとアメリカは思ってもいないが、アメリカは、ミャンマーと中国の間に更にくさびをうち込み、この狙いに大いに役立つようサウジアラビアが工作している、でっちあげの安全保障上の脅威に対処すべく、ミャンマーにアメリカ軍顧問を配備することを狙っているのだ。

フィリピンでは、サウジアラビアが資金を提供し洗脳しているテロ組織は、フィリピン政府に対し、圧力をかけ続け、アメリカがフィリピンに軍事駐留を継続する恒久的口実として役立っている。

アメリカ合州国は、バンコクに対する更なる圧力とし、アメリカ軍の影響力を及ぼすための潜在的ベクトルとして役立てるため、タイ最南端の州における分離主義者の暴力を、宗教を背景にした紛争に変えようと再三試みてきた。

アメリカ-サウジアラビア介入が、ミャンマー-中国関係を崩壊する役に立っているのと同様、アメリカ-サウジアラビアは、フィリピンとタイ国内で煽り、二国が、アメリカ長年の地域覇権を犠牲にして、中国とのつながりを強化するの阻止することを狙っている。

アメリカ-サウジアラビア・テロは、中国を狙った政策に役立つ

中国自体の国内では、中国西部の新疆ウイグル自治区におけるアメリカが支援するテロが、地域と、中国国境内部の両方で、北京の影響力を分裂させ、打倒する企みで、アメリカが維持している、いくつかの「ツボ」の一つとして機能している。

新疆住民の大多数は、宗教や民族とは無関係に、安定と社会経済的発展を望んでいるが、アメリカは、政治的激変を作りだし、新疆ウイグル自治区の住民と政府両方に対して実行される組織的テロの隠れ蓑に利用すべく、反政府集団を作り、資金を与え、指揮をしている。

新疆の少数派過激派は、ウイグル・テロリストを、中国から東南アジア経由で連れ出し、トルコに送り込み、そこで武器を与え、国内に配備しているシリアを含む、アメリカ-サウジアラビア共同海外テロ人材の供給地としても役立っている。

このテロ・パイプラインの一環と思われる数人の容疑者をタイが拘留し、送還したことが、バンコクとワシントン間の深刻な政治論争の原因となり、バンコク中心部で実行され、20人を殺害し、更に多くを負傷させた破壊的爆破テロに至ったのだ。あらゆる証拠が、バンコクの抵抗に対する報復として、このテロが実行されたことを示唆している。

ワシントンの要求に対する、タイの実にあからさまな抵抗に加え、この東南アジアの国は、アメリカとの冷戦のつながりを徐々に捨て去り、中国やロシアやユーラシア中の他の重要な権力中枢とのより多角的なつながりを構築してきた。バンコクに対する、更なる圧力行使拠点を見出すことがワシントンにとって不可欠であり、宗派的紛争の嵐を産み出すサウジアラビアの才能利用は、ありそうな選択肢だ。

サウジアラビアの存在感強化は、アメリカの影響力強化を意味する

アメリカ合州国は何十年間もの外交政策で、イスラム教徒が大多数の国々内部の集団を取り込み、活用しようとする際には、政治的支援、兵器、現金を洗浄する手段として、サウジアラビアを利用してきた。

東南アジアにおけるサウジアラビアの存在感の増大は、アメリカにとって イスラム社会を活用し、過激派を醸成し、世界中でも東南アジア中でも、破壊的代理戦争で利用するために、人的資源を採用する機会の増大を意味する。

東南アジアの文化的に多様で、寛容な諸国民の間に、宗教的分裂を作り出す取り組みが長年続けられているが、ほとんど成功していない。この地域におけるサウジアラビアの存在感の増大が、ワシントンに有利なように、条件を大きく変えるかどうかはっきりしないが、緊張、混乱や分裂が起きるのは確実だ。

サウジアラビアは、サルマン訪問で、外国とのつながりを単に多様化しようとしているだけだと主張するむきもあるが、彼の旅程表の明らかに宗派的な性格が、そうでないことを示唆している。地域的に、また東南アジアの個々の国で、アメリカとサウジアラビアが利用しようとしているこの危険な地政学的兵器を暴露し無力化しようという協力がないので、未曾有のサルマン歴訪は“アラブの春”風の混沌の波が、地域を押し流す前の静けさとして思い起こされることになるかも知れない。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/03/05/saudi-arabias-southeast-asia-terror-tour/
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ミサイル発射のおかげで、この属国、更に宗主国ミサイル迎撃システムを追加導入するだろう。打ち上げ騒動があるたび「誰が儲かるのか」考える。いつも属国政権、宗主国軍産複合体のお役にたっているようにしか思えない。

大本営広報部、ご一行のおいでをどう報道するのだろう。旅行中は酒も飲めるのだろうか。爆買いはされるのだろうか。

暗殺事件で隣国を批判するのは自由だが、自国を同じ言論統制体制にする現代版治安維持法「共謀罪」を導入する政府批判は御法度。カルト学園をつついているうちに、我々は地獄に落ちる。電気洗脳箱と茶番出演者の皆様は、思想の自由より、野球や給料や出演料が大切なのだろうか。

東京大空襲が来るたびに思い出すことがある。
あの空襲を推進し、原爆投下も監督していたカーチス・ルメイ空軍大将、1964年に勲一等旭日大綬章を授与された。推薦は小泉純也防衛庁長官と椎名悦三郎外務大臣連名だという。一人はトモダチ作戦で被曝した米軍兵士の救済基金を設立した人物の父親。

2017年2月28日 (火)

国家安全保障顧問マクマスター中将: 戦争複合体住民のオウム

2017年2月22日
Tony Cartalucci

アメリカのドナルド・トランプ大統領が、アメリカ陸軍中将ハーバート・レイモンド・マクマスターを、国家安全保障顧問として選んだことが発表された。

ニューヨーク・タイムズは“トランプ、H.R. マクマスターを国家安全保障顧問に指名”と題する記事で、こう報じている。

月曜日、トランプ大統領は、従来の考え方に挑戦し、最悪の時代に、イラク戦争を建て直すのを助けたことで知られている広く尊敬されている軍事戦略家を選んで、H. R. マクマスター中将を新国家安全保障顧問に任命した。

実際にトランプがしたことは、彼自身の考をほとんど反映しない人物をその地位に選んだのだ。逆に、彼は大企業-金融企業が資金を提供し、何十年もアメリカ-ヨーロッパ外交政策を考案しており、してきたシンクタンク集団の狙いを反映し、連中の権益に沿った話題を一語一句繰り返した。

マクマスター中将は一体誰の代理か

そのようなシンクタンクの一つで、エクソンモービル、ヘス、シェブロンやボーイングなどの大企業から資金を提供され、トランプ大統領の国務長官を含む、レックス・ティラーソンや、ロッキード・マーチン、レイセオンやベクテルを代表する人物が議長を務める戦略国際問題研究所で行った講演で - CSISのみならず、当然ながら、ブルッキングス研究所、外交問題評議会や他の様々な特権のために動いている政策シンクタンクが考え出した世界観と目標を集合的に反映する講演を、マクマスター中将は、しっかり予行演習して行った。

CSISのYouTubeチャンネル2016年5月で公開された講演は、ロシアを“ウクライナ侵略”で、中国を“アメリカの勢力圏から遥か離れたアメリカ権益に挑戦”で非難する軍服を着たマクマスター中将が主役だ。アメリカ権益に対する中国の“挑戦”を説明する際に、中国と、ワシントンがその維持を正当化できるアメリカ合州国近辺や、論理的、あるいは正当な周辺勢力圏とは決して言えない中国を取り巻く南シナ海の地図を示した。

アメリカの国家安全保障そのものではなく -アメリカとヨーロッパの同盟国が、全世界に対する軍事的、社会政治的、金融的一極覇権を享受できるよう作り上げた秩序、 第二次世界大戦後の国際秩序に挑戦するがゆえに、ロシアと中国は、海外における“アメリカ権益”にとっての脅威だとマクマスター中将は主張している。

どちらの国もアメリカを攻撃しておらず、そうする願望、あるいは能力ももっていないにもかかわらず、彼は案の定、北朝鮮とイランもアメリカにとっての脅威のリストにあげた。イラン人がとうとう、アメリカが据えて支援した残虐なモハンマド・レザ・シャー・パーレビー独裁制を、1979年見事に打倒したのに触れ、“1979年以来、我々に対する代理戦争を戦っている”と、彼は特にイランを非難した。

イランが、アメリカが、地域中に配備した占領軍と、北アフリカから、中東諸国イラク、イエメン、シリアやレバノンの至るところで、アメリカとペルシャ湾のアメリカ同盟諸国によって、武器を与えられ、資金を与えられ、訓練され、命令されている国家が支援するテロ集団によって行ってきたものと五十歩百歩の民兵を支援するのみならず、彼らを最大限に活用するため、中東の政府の支配を越える“民兵構築”をしていると、マクマスター中将は非難した。

2016年の講演で、マクマスター更に、自称“「イスラム国」” (ISIS)へと話を進める。彼はNATO加盟国トルコから直接出て、シリアとイラク奥深く入り込む補給線と、アメリカ同盟国ヨルダンから出るより細い補給線をはっきりと示すISIS領土のスライドを見せた。アメリカ -ヨーロッパのマスコミが大衆に見せるのと同じ漫画的やり方で紛争を説明するだけで、ISIS戦闘能力の源には彼は触れなかった。

マクマスター中将は、聴衆にアメリカ海岸から何千マイルも離れた地球上の地域で、アメリカが力と影響力を維持したり、再確認したり、従来ウオール街とワシントンの影響力から自立している地域に力を投射したりしようとしていることに言及して、“拒否的抑止と、前線における潜在的な敵[にとっての]コストを上げての前線での抑止”に基づく防衛戦略を説明した。

同じ狙いの円滑な継続

トランプ大統領がマクマスター中将を国家安全保障顧問にしたことは、アメリカ外交政策を何十年も編み出し、決定し、支配してきた、大企業-金融企業が資金提供するシンクタンクによって牛耳られつづけることを保障する。マクマスター中将が大企業-金融機関が資金提供するシンクタンクを次々訪れてする話の中で繰り返し引用する政策論文は、まさにこれらシンクタンクの産物だ。

マクマスター中将が、アメリカ領土内や、何らかの論理的な周囲勢力圏内でアメリカに損害を与えるからではなく、単に各国それぞれの周囲勢力圏を、組織的で、あからさまなアメリカによる転覆、影響力や包囲から防ごうとしているがゆえに、ロシア、中国とイランがアメリカ合州国にとって“脅威”だと特定したことは、オバマ、ブッシュ、クリントン、父親ブッシュやレーガンや、カーター大統領までも含む他の無数の大統領の政権で行われてきた世界を股にかける壊滅的戦争の継続を意味している。

アメリカ合州国は、国民の利益によって動く“民主的”国家の振りをしているが、国民が“選んだ”大統領や、こうした大統領たちが実行するだろうと信じている政策をしのぐ特異な狙いというウオール街やワシントンの特権に依拠しているのは明らかだ。彼なら世界中でのアメリカ侵略や政権転覆を縮小してくれるだろうという幻想の下で、トランプ大統領を支持している人々が骨を折る中、あからさまに繰り返しアメリカ世界覇権の追求を支持する人物、マクマスター中将を国家安全保障顧問に据えていることが、国民がまたしても騙され、この特異な狙いが相変わらず推進されることを示している。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/02/22/national-security-adviser-general-mcmaster-the-war-complex-resident-parrot/
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宗主国、案の定、国防予算を10%増やすという。

突然ワイドショーでも取り上げるようになったところで、お馴染みの会食。
今日から大本営広報部電気白痴製造装置にもどるのだろうか?

国営放送肝心部分はカットしたり扱わなかったり。トップが交代しても大本営広報部。

【特集】国有地売却問題だけじゃない!教育勅語の暗唱にヘイト文書配布・・・極右学校法人・森友学園の闇に迫る

2017年1月19日 (木)

偽ニュース: 情報空間における最新兵器

2017年1月16日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

世界経済や地政学を変える技術と革新の力は、過小評価されていることが多く、振り返ってみると、かやの外に置かれさえしている。

しかし、イギリス帝国に制海権を与えてから、産業革命に至るまで、技術的進歩は、帝国が入念に作り上げた重商主義世界体制を、結局は破壊し、解体させた。技術の進展は、文字通り、世界権力の中心と、それを巡って構築される帝国の興亡を支配するのだ。

破壊的な情報技術

情報技術(IT)の出現により、国民の多くに情報を広めるため、かつては莫大な資本と、相当な人数の作業部隊が必要だったものが、今や、事実上、何の経費もかけずに、たった一人でできる。

今や、伝えたいことの効果と、それが社会に与える影響を決定するのは、もはや自分で自由に使える資金の額ではなく、発想と言葉の力だ。

ITが競争条件を公平にしたのだ。アメリカ合州国とヨーロッパは、様々な形のあらゆるメディアによる情報の流れを何十年も独占してきた。第二次世界大戦中、連合諸国は、枢軸諸国連中の、洗練度の劣る、へたなプロパガンダ活動を易々と出し抜いた。第二次世界大戦から冷戦の期間、アメリカとイギリスの支配層は、自国民に対し競争相手のない影響力を持っていたのみならず、ボイス・オブアメリカとBBCを通して、影響力を外国にも投影することができた。

ラジオ放送局、テレビ・スタジオ開局、あるいは新聞制作用の印刷機の費用は、マスコミを立ち上げる資力を持った連中が作り上げた“合意”に同意しないような圧倒的大多数の人々にとって、巨大過ぎて手がでなかった。

ところが現代では、ITによって、かつては欧米プロパガンダの標的だった国々が、自国内で、政治的、経済的安定性をしっかり守ることにを可能にしたのみならず、そうした国々が欧米の視聴者に対し、彼ら側の言説を送りだせるようになった。

しかも独立した活動家、ジャーナリストや専門家たちは、今や、政治・経済支配層が世界中に広めている“主流”言説に反対して、何百万人もの聴衆に向かって書き、話すことができる。

この効果は至る所で明らかだ。

既に“代替メディア”は、巨大農業企業や巨大医薬品企業の様々な権益から、ウクライナから、シリアに至る、あらゆる場所での地政学的紛争を巡る狙いに至るまで、でっちあげられた“合意”を相当程度、粉砕した。

再一元化と、支配の回復

自立したニュースや、批評や活動家のネットワークが、主にブログ、ウェブやビデオ・チャンネルという形で、インターネットで繁栄している。ところが特権階級はメディア・プラットフォームを再一元化することで、言説や情報に対する支配を回復するのに大規模投資をした。

これは、特にソーシャル・メディア、特にフェィスブックで行われている。フェィスブックは約18億人のユーザーを誇っている。事実上、携帯機器を使って道行く人々全員、フェィスブックを利用して、友人と連絡したり、ニュースや情報を読んだりしている。フェィスブックの人気は、オンライン・ユーザーの行動の大半を一元管理していることにあり、情報を巡る支配の回復は、ここから始まるのだ。

フェィスブックは、この支配方式を展開するため、様々な口実を駆使している。2014年には、ユーザー・ニュース・フィードで、下記の理由で投稿を表示する方法を変更すると主張した。

人々に、あらゆるコンテンツを表示するのではなく、ニュース・フィードは、各人に対し、各人にとって最も関係の深いフェィスブック・コンテンツを表示するよう設計されています。フェィスブックにログ・オンした際に、人々が見るかも知れない1,500+の記事のうち、ニュース・フィードは、約300を表示します。どの記事を表示させるかを選ぶため、各人に関する何千もの要素を見て、ニュース・フィードが、見る可能性のある記事に順位をつけます(より重要なものから、さほど重要でないものへと)。

ところが、一体何に最も関心があるかを決めるのは、ユーザーではなく、フェィスブックが作ったアルゴリズムなのだ。実際、変更というのは、フェィスブックを通して、多数の人々に情報を広めている人々が、突然、送れる範囲が極端に狭まったことに気がつくということなのだ。特定ユーザーをフォローすると意識的に決めた人々に情報を送り届けるには、投稿を“広める”ため、フェィスブックに金を払うことが必要になる。

要するに、大衆への流布に必要な資本という、IT出現によって解体された障害が、ソーシャル・メディアに対するフェィスブック独占によって再導入されたというわけだ。

2016年、フェィスブックは更にねじをきつく閉めるはずだ。今回は“偽ニュース”と戦うという口実で。“偽ニュース”というのは、拡大しつつあり、益々高度化する代替メディアを前に、徐々に弱体化しつつある独占企業連中自身が作り出した用語なのだ。

“偽ニュース”を“ロシア・プロパガンダ”や“白人民族主義者”と結びつけ、ヒステリーがあおられているが、実際は“事実確認”のための措置が導入されつつあり、やがて、“偽ニュース”とされる情報の検閲が、アメリカとヨーロッパの既得権益が推進する言辞、つまり、戦争推進から、巨大企業を推進拡張するあらゆるものに反対するもの全てを標的にすることになる。

次の破壊的技術の時期

どのような戦いにおいても、適応が必要だ。フェィスブックや、ツイッターや、他のソーシャル・メディア・プラットフォームが、いわゆる対“偽ニュース”戦争に加わる中、代替メディアの興隆と、情報空間における力の均衡の維持を狙っている人々は、彼らを弱体化し、克服するための様々な手段同様、既得権益がこの狙いを推進しているのを認識すべきなのだ。

例えば、ロシアには、フェィスブックと競合するVKontakte (VK)があり、ロシアでは非常に人気がある。これは、フェィスブックによるソーシャル・メディアに対する独占を押さえ、ロシアが国内のソーシャル・メディアを支配するのを可能にしている。VKは企業として儲かっている。

同様に、中国にも国内、国民の間で、メディアを支配するのを可能にしている自国の巨大ハイテク企業がある。

これは、情報空間内の国々間で、情報における力の均衡を産み出す。国々の間で、情報の力の均衡を産み出すには、他の代案もある。

仮想通貨が、伝統的な金融機関と、彼らが世界の貨幣制度に対して行使している支配力を破壊しつつあるのと同様、ピアツーピア(P2P)ソーシャル・メディア・プラットフォームは、我々が情報を受け取ったり、受け取れなかったりするよう支配しているフェィスブックなどの独占問題を解決する助けになりうる。

FreeNetなどの代替ツールは、一元管理されていない。ユーザーが無料ソフトを各自のコンピュータにダウンロードすると、そのソフトが、世界中で、FreeNetを利用して、他の人々と接続してくれる。一元的な管理者は存在しない。フェィスブックのように、全ユーザーが接続する単一のハブではなく、P2Pネットワークは、全員がノードとして機能する網のようなものなのだ。

ユーザーは、希望すれば匿名で良く、内容は支配されたり、検閲されたりせず、フェィスブックのニュース・フィード・アルゴリズムのように、情報へのアクセスが抑制されたりすることもない。

情報空間における力の均衡を確立することに献身している進取の気性に富んだ国や個人は、彼ら自身のP2Pソーシャル・メディア・プラットフォームを作り、推進することが可能だ。フェィスブック、VKや中国の一元管理する代替システムのように支配することはできなくとも、そういうものは、外国による支配を弱体化する助けになり、長期的には、何があろうと必然的に進展する技術的な機能分散に、国々が対応するのを支援する。

ソーシャル・メディアに対する支配で、フェィスブック創設者が儲けたような形で金儲けはできまいが、そういうプラットフォームを立ち上げた個人や国家にとって、違った形の利益が得られる。

地政学的に、成功した、広く利用される、破壊的なP2Pソーシャル・ネットワーキング・プラットフォームは、フェィスブックによるソーシャル・メディア支配を弱めたり、完全に打破したりし、参加条件を公平にして、欧米巨大ハイテク企業が、支配するフェィスブック、ツイッターや他の一元管理のプラットフォーム上で、“偽ニュース”と戦うことを狙う“事実確認係”と同等の条件で、個人や国家が、自分たちの言説を大衆に届けるのを可能にする。

P2Pによって、制作者が何十億ドルも儲かることはないが、戦争を回避したり、外国による独占が、国家経済を弱体化させたり、破壊したりするのを防いだり、あるいは、情報空間の支配を回復し、政治的、経済的な競合相手を根絶するという欧米の企みにより妨げられるはずの、社会経済的代案が、根付き、栄えるのを可能にするのに役立つ。

ソーシャル・メディアのようなものを考える際、我々は、地政学や、経済や、国民国家や世界あちこちの地域の興亡に対する甚大な影響とは結びつけないことが多い。だが、2011年、アメリカが画策した“アラブの春”でのフェィスブックの役割が、何らかの実例、あるいは警告として役立つとすれば、情報空間に対する無競争の支配は、国家丸ごとのみならず、地球丸ごとを文字通り破壊できるということだ。

国家や個人の安全保障にとって、あらゆる伝統的な兵器システムと同様、フェィスブックに対する代替物を作り出すことは極めて重要だ。そのような代替物無しに、現代に立ち向かうのは、素手で、無防備で、全く何の準備もなしに戦場に向かうようなものだ。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/01/16/fake-news-the-latest-weapon-in-information-space/
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今日の日刊IWJガイドの冒頭、このFacebookや、Washington Post, Amazonのオーナー連中についての話題。

こういう人々が、庶民の役にたつシステムを構築するはずがない。役にたつかのように見えて、結局、利用、支配される。

以下は、日刊IWJガイドからの引用。

■<はじめに>下位36億人の資産額と上位8人の資産額が同じ!上位の億万長者「サイバー・リバタリアン」の正体!

 おはようございます。IWJでテキスト関係の業務に従事している原佑介と申します。

 昨日もお伝えしましたが、貧困撲滅に取り組む国際NGO「オックスファム」が今週16日、世界人口のうち所得の低い半分に相当する36億人の資産額と、世界で最も裕福な富豪8人の資産額が同じだとする報告書を発表。そうした格差が「社会を分断する脅威」にまでなっていると警鐘を鳴らしました。

※世界人口の半分36億人分の総資産と同額の富、8人の富豪に集中(AFP)
http://www.afpbb.com/articles/-/3114180?act=all

 ドナルド・トランプ氏が米国大統領に選出されたことや、欧州を始めとする極右勢力の台頭など、こうした極端な事象の背景には、過度なグローバリズムがもたらした異常な格差社会への反動があるのではないでしょうか。

 米経済誌フォーブスの2016年版世界長者番付で上位6人にランキングされたのは、米マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏、スペインのアパレル大手インディテックス創業者アマンシオ・オルテガ氏、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏、メキシコの通信王カルロス・スリム氏、米アマゾン・ドットコム創業者ジェフ・ベゾス氏、フェイスブック共同創業者マーク・ザッカーバーグ氏です。

 ここで名前が上がっている億万長者の皆さんは、京都大学名誉教授・本山美彦さんが「サイバー・リバタリアン」と呼ぶ面々とまさに重なり合っています。

 「リバタリアニズム」とは、「機会の自由」を重視し「再分配」の重要性を否定する「自由至上主義者」のことで、この場合の自由とは、「果てしない富の追求の自由」を指します。

 本山さんによれば、世界中で極端な格差が拡大してゆくのは、「際限なく金を稼ぎ、富を所有したいという欲望」を全面肯定する自由主義の原理と、その追求のための「ワシントン・コンセンサス」が存在し、そういう構造の中で、彼らIT長者たちが「サイバー・リバタリアン」としてのし上がっているということです。

 本山さんは岩上さんのインタビューの中で、世界の金融の流れを支配する「金融権力」と「サイバー・リバタリアン」が結びつく「Fintech(フィンテック=ファイナンスとテクノロジーの2つを併せた造語)」が支配的な体制になると予測しましたが、この予言はまさに現実のものとなろうとしているようです。

※2016/02/08 「日本を丸々と太らせ、美味しくなった頃に食べるのがアメリカ」~『金融権力 グローバル経済とリスク・ビジネス』著者、本山美彦・京都大学名誉教授インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/286495

※2016/03/14 岩上安身が京都大学名誉教授・本山美彦氏に直撃インタビュー第2弾! 世界経済を牛耳る「金融権力」と「サイバー・リバタリアン」の正体とは~「トランプつぶし」で米大統領選への介入開始か!?
http://iwj.co.jp/wj/fellow/archives/10640

 近日中に本山美彦さんインタビューを再配信しますので、ぜひご覧いただきたく思いますが、サポート会員であれば、IWJの独自コンテンツをいつでも好きなタイミングでご利用いただけますので、ぜひこの機会にサポート会員にご登録お願いします!

※会員登録はこちらから!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

2017年1月 5日 (木)

シリア戦争は始まりに過ぎない

2017年1月2日
Tony Cartalucci

北シリアの都市アレッポ解放で、ダマスカスのシリア政権は、約六年も続いた極めて破壊的な紛争を終わらせる途上にあるように見える。

しかし、シリア紛争が今にも解決しようとしていると決めてかかるのは、シリア紛争が地域、更には、世界的狙いと切り離された地政学的真空の中で戦われていると見なすも同然だ。

実際、欧米がシリアに仕掛ける代理戦争は、開始前から長年検討されており、計画・準備段階では、対イラン戦争や、ロシアの再登場と中国勃興を阻止するための、より大規模なグローバル紛争の前提条件に過ぎなかった。

勃興する超大国の抹殺を狙うアメリカ覇権

冷戦終了時、アメリカは世界唯一の超大国としての立場を確立し維持することを狙っていた。

ウェズリー・クラーク陸軍大将は、2007年“主導すべき時”と題するフローラTVのトーク番組で、1991年という早い時点での、当時アメリカ国防副長官ポール・ウォルフォウィッツとの会話に触れ、冷戦後の狙いをこう述べて明らかにした(強調は筆者による)

国防副長官に、デザート・ストームにおける軍隊の実績にはかなりご満足でしょうと言った。すると彼は言った。「そう」。しかし彼は本当には満足していないと言った。サダム・フセインを倒しておくべきだったのだが、そうしなかったからだと。しかも、我々が引き起こした91年3月のシーア派蜂起直後なのに、わが軍を傍観させたままにして、干渉しなかった。そして彼は言った。一つ学んだことがある。中東地域で、我々は軍隊を使用することが可能で、ソ連は我々を止めないことを学んだ。彼は言った。次の巨大超大国が我々に挑戦する前に、ソ連傀儡政権の全ての国々、シリア、イラン、イラクを一掃するのに、我々には五年から十年、猶予がある。

クラーク大将発言で暴露されていることは明白だ。デザート・ストーム、バルカン半島での紛争、アメリカによるアフガニスタン侵略と占領や、アメリカによるイラク侵略と占領、更に、2001年9月11日、ニューヨークと、ワシントンDCでの攻撃後のアメリカ軍“対テロ戦争”戦力展開の全体的な拡張から、冷戦後に始まった特異な計画は明らかだということだ。

アメリカの“政権転覆”騒ぎは、上記の戦争だけでなく、東ヨーロッパ中の一連のいわゆる“カラー革命”も含んでいる。これには、1998年から2004年までの、セルビアにおけるオトポール!の活動、2003年のジョージア“バラ革命”や、2004年-2005年のウクライナ“オレンジ革命”も含まれる。

アメリカが支援したこうした政権転覆作戦に関わったのは、アメリカ国内の国務省とアメリカ民間企業(商業マスコミや、フェイスブックやグーグルなどの巨大IT企業)や、2011年のアメリカが画策した“アラブの春”に先駆けた、2008年に始まったアラブ世界の反政府派指導者訓練で育てられた、各国の“活動家”たちだ。

アメリカ国務省自身、2008年のプレス・リリースで、“青年運動同盟サミット”を組織したことを認めてこう書いている。

既に、世界中の青年運動オンライン、携帯、デジタル・メディアを活用して、最良のやり方を、お互いに話し合っているという点で、この青年運動同盟の始まりは、組織的なものだ。国務省は、フェイスブック、ハウキャスト、グーグル、MTVやコロンビア・ロー・スクールなどの組織と結びつけ、この動きの立ち上げを支援するまとめ役として機能した。

プレス・リリースに述べられている内容は、エジプトやリビアから、シリアやイエメンに至るまでの必然的に暴力的な政権転覆作戦の隠れ蓑役を果たすのに使われた戦術そのものだ。アメリカ国務省の“青年運動同盟サミット”参加者を見れば、エジプトの4月6日青年運動を含み、中東に帰国するやいなや抗議行動の先頭に立った多くの集団がいる。

最終的に、“アメリカの各種集団がアラブ蜂起の養成を支援”と題する記事で、ニューヨーク・タイムズはこう認めている。

ここ数週間のインタビューやウィキリークスが入手したアメリカ外交電報によれば、地域で広がる反乱や改革には、国際共和研究所、全米民主国際研究所やフリーダム・ハウスなどの、ワシントンを本拠とする非営利人権団体などからの訓練と資金援助を受けた、エジプトの4月6日青年運動、バーレーン人権センターや、イエメンの青年指導者エンツァール・カディなどの草の根活動家を含む多数のグループや個人が直接関与している。

直接的な軍事介入とアメリカが画策する“カラー革命”双方の狙いは、クラーク大将が、冷戦終焉以来、アメリカ政策立案者たちが追い求めていると主張するもの、究極的にアメリカ世界覇権のライバルとなり得る独自に動いている国々の根絶を実現することだ。

途上の通過点に過ぎないシリア

イラク破壊、2006年 イスラエルの南レバノンのヒズボラに対する戦争、テヘラン政権を孤立化し、打倒する絶えざる取り組みは、全てこの並外れた計画の一環だ。長年にわたり、あらゆるアメリカ政策論文の中で、究極的なイラン打倒の重要な鍵はレバノンのヒズボラ破壊と、イラン同盟国としてのシリア絶滅であることが認められている。

2007年、ピューリッツァー賞受賞ジャーナリスト セイモア・ハーシュは記事“リディレクション(方向転換): 政権の新政策は対テロ戦争における我々の敵に恩恵を与えるのか?”でこう書いていた。(強調は筆者による):

シーア派が多数のイランを弱体化させるため、ブッシュ政権は、事実上、中東における優先事項再編を決定した。レバノンでは、政権は、イランが支援するシーア派組織ヒズボラを弱体化することを狙った秘密作戦で、スンナ派のサウジアラビア政府に協力した。アメリカは、イランと同盟国シリアを狙う秘密作戦にも参加した。こうした活動の副産物が、イスラム主義の戦闘的構想を奉じ、アメリカに対して敵対的で、アルカイダに共鳴するスンナ派過激派集団の強化だ。

2009年、アメリカの大企業-金融業界が資金提供する地政学的政策シンクタンク、ブルッキングス研究所が“ペルシャへの道はいずれか?: 対イラン・アメリカ新戦略のための選択肢” (PDF)と題する170ページの報告書を発表したが、そこで、アメリカ政府のために、イスラエルにイランを攻撃させることを含む、いくつかの選択肢を提案している。報告書にはこうある(強調は筆者による):

…イスラエルは、様々なことで、アメリカの支援を要請する可能性がある。イスラエルは、アメリカ合州国以上に、イランの報復と国際的非難を受けるリスクを負う覚悟がある可能性があるが、不死身というわげではなく、攻撃をする用意が調う前に、アメリカ合州国によるある種の確約を要求する可能性がある。たとえば、ヒズボラによる、また可能性として、ハマースの反撃をも緩和するのに役立つ、シリアとの和平協定が実現するまで(エルサレムが、それが実現可能だと考えているとして)イスラエルが先送りをしたがる可能性がある。その結果、彼らはアメリカ政府に、エルサレムと、ダマスカスの仲介を強く推進するよう希望する可能性がある。

いかなる“和平協定”も結ばれず、そのかわりに、国の大規模破壊が画策されていることは明らかだ。ブルッキングス報告書に書かれている、紛争を引き起こすことと、イラン政権転覆に関する提案の多くは代わりに、シリアに対して使われたのだ。

2011年、アメリカが率いたアルカイダとつながる戦士を活用したリビア破壊で、東リビアの都市ベンガジを、トルコ・シリア国境への兵站上の足場へと変え、シリアの都市部で、既に衝突が継続する最中、シリア代理侵略が始まった。

2012年、戦士たちがトルコ-シリア国境から殺到し、都市アレッポを侵略した。それに続く破壊的戦争が国を荒廃させ、シリアの同盟者、ヒズボラとイラン、更にはロシアまで引き込み、東方のイラン、更には、南ロシアにまで紛争を拡大する前に、連合を十分弱体化させている可能性がある。

イランとの戦争に備えて、だれが閣僚に入ったかを見よう

次期大統領ドナルド・トランプは、デイヴィッド・フリードマンのような親イスラエル派強硬派のみならず、ブライトバート・ニュースのスティーブン・バノンや、退役アメリカ海兵隊員ジェームズ・マティス大将を含む長年、イランとの戦争を主張してきた連中で、周囲を固めた。

似たような顔ぶれの政策立案者連中が、彼女が選挙に勝っていれば、2016年アメリカ大統領候補で、元アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンで、入閣していたであろうことは確実だ、彼女はアメリカ国務長官時代、まさにこの紛争の前提条件たるリビアとシリアの破壊に夢中だった。

要するに、アメリカ政府は、シリアにおける代理戦争が、まさに全過程を済ませたように見える中、イランとのより広範な紛争のための姿勢を確立しつつあり、2016年アメリカ大統領選挙に誰が勝とうと、この来る戦争のため姿勢をとり始めていたに違いないのだ。

おそらく、アメリカの政策立案者たちは、シリアを、もっと早く、経費も少なく、陥落できると踏んでいただろう。ロシアがシリアに大規模軍事駐留し、シリア軍が、極めて効果的な、経験を積んだ戦闘部隊へと進化し、イランとヒズボラ部隊が地域紛争で戦って経験を積んでいるので、紛争を、イラン国内に進めるのは容易な課題ではなない。

おそらく、このせいで、次期大統領トランプは、ロシアと“同盟”の可能性があるかのごとく演出され、ロシアによるアメリカ選挙“ハッキング”という非難は“偽ニュース”と戦うという装いのもと、代替メディアを萎縮させるために利用されているのだ。代替メディアを黙らせなければ、ブルッキングスの“ペルシャへの道はいずれか?”報告書が勧めているように - シリア紛争をイラン領にまで拡大し、そこにアメリカが関与するのを正当化するため、アメリカ政策立案者が、またもや大規模挑発を画策するのは困難なはずだ。

シリア紛争の間 - レバノンとシリア全体で、イスラエルは、ヒズボラ・インフラストラクチャーを組織的に攻撃してきたことにも留意すべきだ。イスラエルの政策立案者 連中と、アメリカが支援するイスラエルによる対イラン攻撃の後で、報復するだろう連中との間に緩衝地帯を維持する狙いである可能性が高い - ブルッキングスが、2009年に提案した通り。

選挙がアメリカ覇権を潰すことはなく、それを潰せるのは多極的な勢力均衡のみ

アメリカの既得権益集団は、冷戦終焉以来、彼らが世界覇権と考えるものに対するあらゆる脅威と対決し、抹殺することに夢中になってきた。ウェズリー・クラーク退役アメリカ陸軍大将が長年警告している通り、アメリカは、1990年年代以来、誰がホワイト・ハウスの主であろうと、どのような言辞が使われようと無関係に、世界覇権を徐々に実現し維持するために必要な無数の戦争や“カラー革命”を売り込む特異な計画を推進しているのだ。

ロシアと中国が、世界的な勢力の均衡をもたらし、アメリカによる侵略をはばみ、世界の舞台で、アメリカ覇権を、より釣り合った、多極的役割で押し返す中、アメリカは、モスクワと北京の両方への直接対決や、益々暴力化する代理戦争作戦や、世界中での政権転覆作戦で対処するようなりつつある。

大統領選挙が、この特異な長年の計画を頓挫させることができるという幻想は危険だ。現実には、アメリカ既得権益集団と世界覇権実現に対する唯一の障害は、競合する中核権力なのだ。そうしたものには、ロシアや中国のような国民国家や、代替メディアのような草の根運動や、このような運動が実現する権力と影響力の上に構築される代替の現行のものを阻止する経済モデルや政治運動がある。そのような代替物が、政治状勢を支配しているアメリカや大企業-金融業者独占体が現在享受している不当な権力や影響力を弱体化させることができるだろう。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/01/02/syrias-war-was-only-ever-the-beginning/

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NGOを活用したこうした計画については、以前、他に下記のようないくつかの記事を翻訳している。Otporという固有名詞も出てくる。日にちは翻訳記事の掲載日。原文はみな2011。

「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」: またはジーン・シャープの妄想
2016年3月23日

ウオール街占拠運動と"アメリカの秋":これは"カラー革命だろうか"?第一部
2011年12月31日

ウォール街占拠と“アラブの春”: 誰が抗議運動に資金提供しているのか? 誰が背後にいるのか? 2014年2月22日

 

2016年10月25日 (火)

タイの移行期を、アジア不安定化に利用するのを狙うアメリカ

2016年10月21日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

タイのプーミポン・アドゥンラヤデート国王の逝去は、その影響の大きさがまだ不明な、歴史的、文化的、地政学的出来事だ。タイ元首としての彼の在位は数十年におよび、安定化の効果を持った進歩的な彼の統治が、タイを経済的、文化的に、東南アジア内、および、アジアの重要な力の中枢へと変えた。

生存中の彼を傷つけようと、ずっと企んできた欧米マスコミは、彼の逝去により、彼が“分裂した”国家を統治していたので、彼の逝去とともに、それがほころびはじめると主張して、死後も彼を中傷する好機ととらえている。

連中はまた、プーミポン・アドゥンラヤデート国王の継承者、ワチラーロンコーン王子の性格を中傷し、歪曲する好機としている。王子の私生活に関する根拠のない噂や憶測にもかかわらず、彼の公的生活は、国への奉仕という点で際立っており、タイ国境沿いでの戦闘で、特殊部隊隊員をつとめ、パイロットで、常連の公的行事主催者だ。

彼の父親同様、タイ社会における王子の役割は、欧米マスコミや、連中が不誠実にも、不案内な読者の間に意図的に醸成しようとしている認識によって判断されるべきではなく、タイ国民自身が判断すべきものだ。亡くなった王の服喪期間中に、圧倒的多数のタイ人が、欧米マスコミが提示するよりも、遥かに深く理解して、彼ら古来の組織の維持を固く決めていることが、極めて明瞭になっている。

それにもかかわらず、欧米、特にアメリカ合州国は、地域において増大する中国の影響力と、北京と地域近隣諸国とのつながりの深まりを阻止する手段として、東南アジアを混乱させ、不安定化する機会を探っている。

既に、地域中で、反政府戦線や、アメリカ国務省自身に資金援助される似非非政府組織 (NGO)を育ててきたアメリカは、地域全体で不安定化のドミノ効果を産み出すのに利用可能な、傷つきやすい脆弱な瞬間を、タイが経験していると考えている。

外交問題評議会は、不安定になると“見ている”のか、それとも不安定を提唱しているのか?

の大企業が資金を提供しているアメリカの外交問題評議会の上席研究員、ジョシュア・クランジックは、地政学専門家を自称している。ところが、彼の専門地域、東南アジアにおける出来事の行方を“分析”し“予測”する上で、事実上、彼が書くあらゆる論文で、彼はことごとく間違っている。

いかなる理由であれ、自らを専門家と称しているものの、実はそうではなく、彼は政策提唱者兼、東南アジアの様々な国々を不安定化させようというアメリカ企みにとって、頼りになる先導者であることが明らかだ。

彼の最新の論文、“タイの新たな不確実性”で、彼は、タイの現在の推移は、アジア全体のより広範な不確実性をもたらすと“予言している”。論文で彼はこう主張している。

    プミポン王逝去は、既に不安定な地域を、一層不安定化させる。マレーシア首相ナジブ・ラザクは、汚職スキャンダルにはまりこんでおり、元首相マハティール・モハマドが、マハティール自身が、イブラヒムを政府から追放したことがあるにもかかわらず、長年の野党指導者アンワル・イブラヒムの党と連携する可能性がある新たな政党を最近立ち上げた。国政選挙までに、マレーシアの政治はさらに混乱する可能性があり、また一層弾圧的になる可能性もある。

    フィリピンでは、6月以来、権力の座にあるロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、アメリカを非難し、中国にすり寄り、アメリカ-フィリピン合同軍事演習を終えるよう呼びかけて、東南アジア中に、衝撃波を送り出している。更に、ドゥテルテは、裁判なしの殺害の高まりをもたらした麻薬撲滅戦争を開始している。

クランジックは、彼のタイに関する分析で、一方では、熱烈な多数派を構成する ”地方の貧困者”と、もう一方は、権力にしがみつく“特権階級”少数派を特徴とする“分裂した”タイという、明らかに偽りの言説に基盤を置いている。

2011年にも、また2013年-2014年にも、クランジックの言説は試練を受けたが、いずれの場合も彼の説ははずれた。2011年、選挙は、アメリカが支援する、打倒された元首相タクシン・シナワットの妹を権力の座に帰り咲きさせることを推進するはずだったが、選挙結果は、シナワットの党は、多数派の支持を得ることにさえ失敗し、あらゆる有権者のうち、彼に投票した人々は、35%以下だった。

2013年-2014年、あからさまに、兄のシナワットの代理として支配していたシナワットの妹の打倒を求める大規模な街頭抗議行動が起きた際には、彼の妹の政治権力を確保し続けるための、同等、あるいはより大規模な抗議行動参加者を組織しそこねた。

現実は、クランジックの“反政府派”なるものは、暴力的で不人気ながら、テロへの嗜好で恐れられ、破壊的行動で非難されている少数派連中だ。この地域や、世界中の他のアメリカが支援する反政府派と同様、連中は欧米マスコミの影響力と、アメリカ政府による資金援助によって、“多数派”のように見せかけられているに過ぎない。

この言辞を繰り返しているのは、クランジックだけではないことに留意が必要だ。これは、長年、あらゆる欧米マスコミによって、うんざりするほど繰り返されており、王の逝去とともに、一層強化されただけだ。

アジアの不安定、衰退しつつある帝国からの餞別

中国の増大する影響力と、太平洋対岸のアジアの隣人からの地域の更なる自立傾向を、阻止し、押し返そうというアメリカの願望に役立つように、もし、アジアが“偶然にも”不安定化するようなことがあれば、それは本物の地域内対立の産物ではなく、アメリカが支援する政党、アメリカが資金提供するNGOや、マスコミ各社によって生じるものであり、欧米マスコミ自身が、連中のメッセージを読み、信じ込む人々全員の間に、無知、恐怖や分裂を撒き散らしているのだ。

経済成長の維持のためのみならず、地域と、それぞれの国家安全保障の問題として、アジアが安定性を確保するためには、外国が資金援助するNGOの抑制、ジャーナリズムというよりも、益々あからさまなロビー活動に精を出している外国マスコミの規制や、欧米による承認や、欧米への統合を熱望するのではなく、国家や地域の利益の役に立つ、より優れた、効果的なメディア・ネットワークによって、連中に取って代わるための取り組みにこそ、より多大な努力が支払われるべきなのだ。

世界に広がるアメリカ覇権の境界がchaff勃興する複数の地域、世界大国とぶつかる中、世界中で、アメリカ合州国は益々危険な行動を行ないつつある。アジアにとって、北アフリカや中東における地域不安定化の代償を見るにつけ、この狙いが稼働する前に、これを阻止するため、何であれ必要な措置をとる以外の選択肢はない。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/10/21/us-seeks-to-exploit-thailands-transition-to-destabilize-asia/

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宗主国諸機関や超大金持ちから資金をもらって破壊活動するNGOが活躍しそうなタイ。

この国では、政治家や組合が似たような破壊工作をしているのでは思われて残念。大本営広報の洗脳記事ではなく、日刊IWJガイドをコピーさせていただこう。

■■■ 日刊IWJガイド「<本日再配信!>大日本帝国の過激で珍妙な『戦争プロパガンダ』~現在に至る『自画自賛』の系譜を岩上安身が『神国日本のトンデモ決戦生活』著者・早川タダノリ氏に訊く!/ウソだろ!?民進・野田幹事長が補欠選挙の結果に「野党候補を一本化したという効果はあった」!?~記者会見報告!」2016.10.25日号~No.1502号~ ■■■
(2016.10.25 8時00分)

 おはようございます!IWJでテキストを書いている原佑介です。

 最近はもっぱら民進党の批判ばかり書いているようで、我ながら残念でなりません。本来であれば、巨大な権力を手にし、TPP承認案や年金カット法案などを推し進め、民主主義をさらなる危機にさらしつつある安倍政権をもっと徹底的に批判していきたいのですが、民進党と連合が迷走し続けるおかげで、なかなか他の仕事に手が回らないというジレンマに陥っています。

 新潟県知事選、そして東京10区、福岡6区の衆院補選で、いずれも何一つ存在感も示せず敗北を喫した民進党(新潟県知事選は候補者さえ擁立できなかったので、「不戦敗」ですね)ですが、その「戦犯」ともいえるのが野田佳彦幹事長です。

 幹事長というのは、選挙時の候補者調整から支援体制の指示、資金面のバックアップまですべてを取り仕切る役回りです。後ほど安道幹記者が詳しく報告しますが、昨日、記者会見に野田幹事長は、さぞ落ち込み、忸怩たる思いを噛み締め、心の底から反省し、記者らに「すべては私の戦略ミスであり、この敗戦は私の責任であります」と話すかと思いきや・・・!

 「野党の候補を『一本化』したという効果はあったと思います」

 …んなわけあるかいっっっ!!とズッコケてしまう皆さんの気持は僕も痛いほどわかります。

 「効果」があったとはどういうことなんでしょうか?本気で言っているんでしょうか?「一本」とか「効果」とか、柔道の試合のような言葉が出てきますが、野田さん、相手に投げ飛ばされて見事な「一本負け」を喫しているのに、「効果あった!」と喜んでいるんですよ??狙って負けにいって、狙い通り見事に負けることができた、メデタシ、メデタシ、ということなんでしょうか?

 2012年に総理の座にあった時に、必要ないのに解散に打って出て、自民党に政権を「大政奉還」したのが野田さんです。今度は連続負けを喫して「効果あり!」と喜んでいる。最大野党の党首の発言とは到底思えません。

 野田さんは自民党政権を支えるために民進党に潜り込んできた自民党員なのではないかと、皆さんが疑いたくなるのも無理からぬ話です。そのほうが「なるほどっ!」と腑に落ちます。「二重国籍問題」以前に「二重党籍」問題を疑ってみたほうがよいかもしれません。

 さて、民進党が、市民の方ではなく、最大の支持母体である「連合」の方しか見ていないことはIWJがスクープで報じました。選挙後になってから大手メディアも連合が民進党候補者に圧力をかけたと報じ始めていますが、IWJは新潟県知事選の段階から、連合による民進党への介入と圧力の実態を報じてきました。

※【IWJ検証レポート】「米山氏の出馬はしっかり抑えてほしいと民進党新潟県連には申し入れた」~連合新潟事務局長に直撃取材!民進党と連合の間で何が!?今、明かされる「本音」!! 2016.10.17
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/339577

 さらにその一連の流れとして、衆院補選でも早い段階から連合の圧力をキャッチし、連合に直撃取材することで、この問題を報じてきました。

※スクープ!!衆院補選東京10区の鈴木庸介候補の応援から突如手を引いた連合東京!「結局は『野党共闘』になっている。だから『応援を控えるぞ』」!?連合の本音に迫るべくIWJが直撃取材! 2016.10.22
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/340730

 IWJは、「さ、選挙も終わったし、次々っ!」と言うほど甘くはありません。連合がどのような圧力をかけたか、そして民進党はどのようにして圧力に屈したか、今もバリバリ取材を進めています。この件は、しつこくやります。

 ・・・と、いうのも・・・

 自民党の下村博文幹事長代行が昨日、次期衆院選の小選挙区で自民党の獲得議席が、前回より86議席減る可能性があるとの見方を示しました。党所属の若手衆院議員を対象に国会内で開いた研修会で、野党が候補者を一本化した場合の分析であるとして明らかにしました。

 この分析は、夏の参院選で各党候補者が得た票数を衆院選に当てはめて単純比較したということで、その結果、2014年12月の衆院選小選挙区で自民党が得た223議席が「137になる可能性もある」と指摘し、引き締めを図りました。

 もちろん大袈裟に見積もって引き締めたのかもしれませんが、しかし、民進党が独自で候補者を立てて無惨な敗北を喫した今回の衆院補選ではなく、7月の参院選の時のような真の「野党共闘」体制で堅実な選挙をすれば、衆院改憲勢力3分の2以下に押さえ込むことは不可能ではありません。

 あれほど「立憲主義の回復」を声高に叫んだ民進党は、衆院補選の失態を二度と繰り返してはいけないはずです。勝機はあるのです。問われるべきは民進党の態度です。連合の方を向いて政治をするのか、市民の方を向いた政治に切り替えるのか、いい加減に腹をくくりましょう!

 昨日は東京10区の鈴木庸介候補の勝手連として選挙を支援してきた「TeNネットワーク2016」の広報担当・柏木美恵子さんに選挙戦の舞台裏をうかがいました!柏木さんたちが野党4党の党首クラスが一堂に会する合同街宣を企画したものの、肝心の鈴木候補本人が参加しなかった「事件」についても詳細をうかがいました。

 「鈴木選対事務局長から連絡があって、『参加できない』『野党共闘のところには出せない』ということでした」――。

 連合の意向を受け、勝ちを諦めたような選挙を展開した民進党選対の実態を柏木さんは告白し、「鈴木候補は勝つためにやっているのに党が後押ししてくれない。つらい選挙でした」と締めくくりました。

 民進党がいかに市民に顔向けできないような、情けない選挙戦を展開してきたか、ぜひ記事をご覧ください!

※「連合が引き上げるから他党の共闘の絵は撮らせられない」~鈴木候補の選対事務局からかかってきた電話!衆院東京10区補選の内幕を勝手連広報がIWJに告白!圧力に屈した民進党の姿に迫る! 2016.10.25
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/341492


 繰り返しになりますが、IWJはこの問題をこれからも報じ続けます!そして次の衆院補選で少しでも立憲主義、民主主義の回復を実現させましょう!

 IWJはまだまだ粘り続けます。これからも口やかましく権力監視していきますが、そのためにはどうしても。皆様のご協力とご支援が必要です!どうか会員として、IWJを継続的にお支えください!

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2016年10月 6日 (木)

“ホワイト・ヘルメット”“アレッポを救え”抗議行動は、俳優を“戦争犠牲者”に変装させるのが、どれだけ容易か証明

Tony Cartalucci
Land Destroyer
2016年10月3日

北シリア内の武装反政府派を支持する連中が主催して、欧米の街頭で演じられたアメリカとヨーロッパ中で行われた最近の抗議行動の光景は、アメリカ-ヨーロッパが資金提供している“ホワイト・ヘルメット”としても知られている““シリア市民防衛団”とも呼ばれるものの写真やビデオに描かれているものと、薄気味悪いほど似ている。


写真: これはシリアのアレッポではなく、最近“アレッポを救え”抗議行動が行われたヨーロッパの街頭だ。偽のホコリと血を身につけて演じる俳優が、誰でも、いつでも、どこでも、いとも簡単に“戦争犠牲者”のふりができることを証明している。

サウジアラビア国営メディア、アル・アラビヤ英語版は、2016年10月1日、“‘アレッポを救う’ための世界的な反アサド・反ロシア抗議行動”と題する記事でこう報じた。

シリアに関する世界大国間の交渉が行き詰まり - ロシアが、空爆作戦を強化する中 - アレッポにおける惨事を終わらせるよう呼びかける世界的な抗議行動が起きた。

トルコ、フランス、オランダ、アメリカやカナダで、アレッポにおけるバッシャール・アル・アサドとロシアの犯罪に反対して、抗議行動参加者は、“アレッポ爆撃をやめろ”や“アレッポを救え”と書いたポスターを掲げて街頭で抗議行動をした。

シリアを巡るアル・アラビヤの皮肉な手書きで、リヤドは、自分の空爆と地上侵攻で、イエメンを荒廃させながら、東アレッポを、“食料も清潔な水もなしに、250,000人以上の一般市民が閉じこめられている”恐ろしい状況として描きだそうとしている

戦争が東アレッポで行われていることに疑いの余地はないが、圧倒的大多数のアレッポ住民、実際、175万人が政府が支配する大半のアレッポ部分で暮らしていることに留意すべきだ。ところがこの現実にもかかわらず、欧米と、サウジアラビアを含む同盟諸国は、より大規模な欧米介入に役立つ“人道主義の危機”という、もう一つの口実をでっち上げるため、シリアの治安作戦を誇張して、国際世論に対する影響力を利用しようとした。

この世論への訴えかけの核心は、いわゆる“ホワイト・ヘルメット”シリアには既に正式の専門の市民防衛軍があるにもかかわらず“シリア市民防衛団”とも呼ばれるものだ。

中立的な救援部隊を装う“ホワイト・ヘルメット”は、アメリカ国務省、国連や、EUが外国テロ組織に指定したものを含め、武装戦士と、もっぱら支えあって機能している紛れもない補助機関だ。連中の主要機能は、誰かを“救援”することではなく、“人道的”共感を利用した、世界中での、世論や政治的な意見を、特定方向に向けることを狙った広報キャンペーンの推進だ。

これをする連中の主要な手段は、手の込んだ同じデザインの制服を着て、新しい救急車を運転して、シリアとロシア空爆により、彼らの上に崩れ落ちたとされる瓦礫の中から、埃と血にまみれた犠牲者を助け出すメンバーの写真とビデオを発表することだ。

連中の写真、ビデオや多くの主張の真実性は、決して独自に検証されてはおらず、多くの場合、証拠は、彼らの広範で、資金潤沢なソーシャル・メディア活動で、彼らが一般に提示するものの多くは、でっちあげであることを示唆している。

ヨーロッパ や北アメリカ中で行われた最近の“アレッポを救え”抗議行動は、“ホワイト・ヘルメット”の活動が実際は、どれほど見え透いた、でっちあげの架空のものであるのかを、おそらく暴露したのだ。ある抗議行動の際、公式“ホワイト・ヘルメット”ツイッター・アカウントで、リツイートされた写真は、“ホワイト・ヘルメット”が、シリアで常々“救助”している“犠牲者”とされるものと、ほとんど識別不能に見える、偽のほこりと血にまみれた“戦争犠牲者”に変装した俳優を示している。

シリア紛争から遙か離れたヨーロッパの街頭で行われた抗議行動には、同様に偽の埃と血にまみれ、大人の腕に抱えられ、元気のない表情をした子供までいた。また、演じられた場面の一環として“ホワイト・ヘルメット”そのもののように装った俳優もいた。


写真: 最近の“アレッポを救え”抗議行動の際に、ヨーロッパの街頭で演じられた場面と、欧米が作りだし、資金提供している、シリアにいる“ホワイト・ヘルメット”芝居一座が、日々報じるものとの唯一の違いは、シリアでは、戦争による荒廃が、俳優が演技をするのに遙かに説得力のある“セット”となっていることだ。

この抗議行動を組織した芝居一座は、彼らの大義に対する、世界的な同情を引き起こすため、巧みに“紛争をヨーロッパの街頭にもたらす”ことができると考えたのかも知れないが、彼らが実際に示したのは、“ホワイト・ヘルメット”にとって、いつでも、どこでも“戦争犠牲者”を作り出すのが、いかに容易かということだった。

長年のアメリカが支援する暴力で、シリアの多くの部分が荒廃しているシリアでは、戦争による荒廃を背景として演じられる、やらせ場面は一層説得力をもったものになる。“ホワイト・ヘルメット”ビデオは、大衆が目にする前に大幅に編集されており、彼らは、いつでも、どこでも - シリアとロシア戦闘機が活動している場所から何千マイルも離れたヨーロッパの街頭でさえ、戦争の悲劇的な場面を作り出すことができる。

彼らと、彼らに何千万ドルも資金を提供している権益集団の主な狙いは、欧米が支援する武装戦士を支持するよう、世界中の人々の心を操作することであって、“命を救ったり”シリアに平和をもたらしたりすることではない。

記事原文のurl:http://landdestroyer.blogspot.jp/2016/10/white-helmet-save-aleppo-protest-proves.html

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偶然の一致だが、藤永茂氏のブログ『私の闇の奥』10/5更新記事が、まさにこのホワイト・ヘルメット。

白いヘルメット( White Helmets )

藤永茂氏の著書、『アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪』未読の方がおられたら、ご一読をお勧めする。

昨日の日刊IWJガイドには、この記事と直接つながる部分がある。

【1】泥沼のシリア内戦、米ロが停戦協議を打ち切り、批判の応酬に~はたしてシリアに平和は訪れるのか?

 アメリカは10月3日、シリア停戦をめぐるロシアとの二国間協議を停止すると発表しました。ホワイトハウスのアーネスト報道官は同日の記者会見で「ロシアに対する全員の忍耐が尽きた」と語り、ロシア側を強く非難しました。

※米 シリアめぐるロシアとの停戦協議打ち切り(NHK、2016年10月4日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717021000.html

 泥沼の内戦が続くシリアをめぐっては、ロシアが支援するアサド政権とアメリカが支援する反政府勢力が先月、米ロ両国の仲介でいったん停戦に入りましたが、1週間あまりで戦闘が再燃。両国はその後も停戦の実現を目指し、外相レベルの電話会談を重ね協議を続けてきましたが、物別れに終わる結果となってしまいました。

 アメリカによるロシア批判に対しては、ロシア側も反論。ロシア外務省のザハロワ報道官は「アメリカは合意を実行できなかったことを誰かの責任にしようとしている」と述べ、責任はアメリカ側にあると主張しました。

 停戦の崩壊と米ロ両国の停戦協議打ち切りにより、シリア内戦の平和的解決はさらに遠のいたことになります。アサド政権、反政府勢力、さらにはIS(イスラム国)による三つ巴の戦いが続くシリアに、はたして平和は訪れるのか――。岩上さんはこれまで、シリア情勢に詳しい東京外国語大学教授の青山弘之氏や元シリア大使の国枝昌樹氏らにインタビューを行っています。ぜひ、下記URLよりアーカイブ動画をご視聴ください!

※2013/08/28 英米仏によるシリア軍事介入「合理性ない」 一般市民に多数の死者が出る可能性指摘~岩上安身による青山弘之氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/98635

※2013/09/06 アルジャジーラの”偏向” 元シリア大使が重要証言 ~岩上安身による国枝昌樹氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/100353

※2014/10/11 「イスラム国」はなぜ中東を席巻したのか “報道されない中東の真実”について、元シリア大使・国枝昌樹氏に岩上安身が聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/181134

※2014/11/06 シリア・イラク情勢とウクライナ危機を結ぶ線 中東の要衝・シリアをめぐり展開されるエネルギー地政学 ~岩上安身による元シリア大使・国枝昌樹氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/203941

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2016年8月17日 (水)

リビア-シリアと同じ仕打ちを受けているタイ

2016年8月14日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

いわゆる“アラブの春”の初期段階に、リビアやシリア国内で展開された暴力行為の本質を、欧米マスコミが隠そうとしたのと同様に、連中は今、東南アジアの国タイで、同じことをしようとしている。

8月11-12日、わずか24時間のうちに、数発の爆弾が、タイ国内の別々の四カ所、トラン、リゾート地のフワヒン、プーケット、スラートターニーで爆発した。数人が死亡し、破片が体内を貫通して、何十人もが負傷したと報じられている。

欧米マスコミは、すぐさま、事件を南部の分離主義者の仕業としたが、ここ数十年にわたる低強度紛争で、これらの地域のいずれも、最近攻撃されていない。そのような劇的エスカレーションの動機は存在しないのだ。

しかしながら、欧米マスコミが意図的に無視している、あるいはそれぞれの報道記事で何十段落も曖昧に書いているが、主な容疑者は、打倒された元首相タクシン・チナワットと、彼のタイ貢献党(PTP)と、彼の超暴力的フロント組織“赤シャツ”としても知られる反独裁民主戦線(UDD)が率いる、アメリカが支援する反政府派だというのが事実だ。

彼らには手段も、動機もあり、標的と時期も、彼らを示唆している。

攻撃された地域は、2014年に、妹のインラック・シナワトラを権力の座から追い出すのを促進した指導部がある地域を含め、全て反チナワット志向の拠点だ。フワヒンには、タイで大いに敬われている国家元首、王の別邸もある。

時期は、タイの母の日と重なったが、この日はタイ国民が王室を祝う日でもある。チナワットと彼の支持者は、この体制を弱体化させ、打倒し、チナワット家が率いる政治王朝と置き換えようと企んできた。

攻撃は、チナワットが権力の座に復帰するいかなる見込みもなくす新憲法草案が、民主的国民投票で、過半数で承認されたわずか数日後におきた。

最後に、不安定なタイ南部地域でおきるものより遥かに大きな規模で、チナワットの熱烈な支持者連中が、暴力行為やテロを政治的手段として利用するという問題もある。

欧米マスコミが報じようとしないこと

権力の座について以来、チナワットと彼の支持者が、暴力行為やテロを、政治手段として利用してきたことを、欧米マスコミが読者に伝えようとしない事実がある。

  • 2003年: タクシン・チナワット政権は“麻薬戦争”を推進し、約3,000人の無辜の人々が死亡したが、その大半は、麻薬取り引きとは無関係で、犠牲者の誰一人、令状も、裁判も、逮捕すらされていなかった。街頭で射殺されたのだ。
  • 2004年: チナワット政権は、タイのディープ・サウスでの抗議行動を残虐に弾圧し、一日に80人以上が死亡した。
  • 2001年-2005年: アムネスティー・インターナショナルによると、チナワット首相一期目の時期に、18人の人権擁護活動家が、暗殺されたか、行方不明になった。
  • 2006年: チナワット政権は、街頭で、彼の退任を要求する抗議行動参加者のレジスタンスと直面し始めた。ウィキリークスが、この時期に、アメリカ大使館自身が複数の爆破を、チナワットと彼の支持者と結びつけていたことを暴露している。アメリカ大使館は、バンコク中で画策された攻撃である、2006年大晦日爆破の被疑者の中に、チナワットも含めていた。
  • 2009年: 権力の座から追い出され、彼の傀儡閣僚連中の何人かも、一連の有罪判決や、裁判所の裁定で、権力の座から追われると、チナワットは、彼のUDDが率いる暴徒をバンコク街頭に繰り出した。“赤シャツ”抗議行動は間もなく略奪と放火へと転換し、居合わせた無辜の二人が死亡した。
  • 2010年: チナワットは再度暴徒を街頭に繰り出し、今度は300人の重武装テロリストが、M-16(M203 40mm 擲弾発射筒)、AK-47、M-79 40mm 擲弾発射筒、携行式ロケット弾(RPG)、手投げ手榴弾、拳銃や狙撃銃を使った。戦闘で、約100人が死亡し、数百人が負傷し、チナワット支持者が行った全市内中での放火で終わった。暴力行為の間、チナワットのUDD指導部は、バンコクでの紛争を、全国規模にエスカレートさせようとして、支持者に、武力“内戦”という考え方を提案しようとした。
  • 2013年-2014年: 2011年、チナワットの妹、インラック・シナワトラが首相となった。彼女は、すぐさまその立場を利用して、2年の刑を逃れるために自ら亡命生活をしている、有罪判決を受けた犯罪人である兄の責任を免除する“恩赦法”を推進しようとした。この動きは広範な大規模抗議行動を引き起こし、抗議行動は、2013年から2014年まで続いた。チナワットは、またもや重武装した過激派を配備し、戦争用の兵器を使って、夜襲のようなもので、抗議行動参加者を鎮圧した。女性と子どもを含め約30人が死亡した。暴力行為は、クーデターをひき起こした。既に裁判所の裁定で弾劾されているのに、首相の座を降りることを拒否した、チナワットの妹を権力の座から追い出した。この期間中、チナワット支持者は、最近の爆破に見られるように、バンコクのみならず、タイ全国各地で、暴力行為を実行したことにも留意すべきだ。
  • 2015年: 8月にバンコク繁華街で爆弾が爆破し 20人が死亡し、更に何十人も負傷した。戦闘員は、NATOとつながるトルコ人テロ集団と結びつけられており、政治的に強制をするための、タイ政府に対する暴力行使に、チナワットの欧米支援者が直接関与している可能性を暴露している。

こうしたことを考えれば、チナワットと彼の支持者が、外国のスポンサーとともに、少なくとも、そのような暴力行為をする能力と意志を持っているのが実証済みであるのは疑いようもない。動機も揃っているのに、欧米マスコミは無視し、被疑者として、チナワットと彼の支持者に触れようとさえしないことが協調した隠蔽であることを示している。

タイに、リビア-シリアと同じ仕打ちをしつつある欧米

十分情報に通じた読者なら、今や一体誰が暴力行為の背後にいるのか、更なる暴力行為が行われる可能性があり、その理由が一体何か、実に明瞭にわかるはずだ。そうした読者ならこのタイ国民に対する脅威を無効化し、タイの政治風景から、影響に根絶するために、現政府が、論理的かつ、正当な措置をとるべきであることも理解されよう。

これこそが、欧米マスコミが、読者に十分情報を伝えない理由だ。

欧米マスコミが、リビアやシリアで、テロリストが“自由の戦士”として報じ、テロを“レジスタンス”として報じ、暴力行為を実行する戦闘員を - 政府が反撃した場合 - “犠牲者”として報じたのと同様に、マスコミはそれをタイでしようとしているのだ。

タイの爆破の背後に、一体誰がいそうなのかについての空々しい曖昧さが、2013年-2014年、2010年、2009年、更に、2006年の昔、チナワットによる暴力行為隠蔽を目にし、隠蔽を企んだ欧米の編集者連中によって、広められつつある。

また他の人々も述べているように、チナワットが、2006年-2007年における一連の爆撃の背後にいた可能性があるとアメリカ大使館は認めたものの、彼らは依然、絶えず、彼や彼の仲間を権力の座に据えようとしてきた。

リビアとシリアでの欧米作戦の手法 - テロリストに武器を与え、支援し、“抗議行動”を、危機を暴力の急増へとエスカレートさせる隠れ蓑として利用し、傭兵やテロリストが、外国の支援を得て、主権国家をばらばらにするのを“内戦”として描く - というのが、今、タイで序盤戦にあるようだ。

代替メディアさえもが、情報を、BBCや、ロイター、AP、AFP、CNNやアル・ジャジーラから得ているので、この陰謀は、不当にも先手を打って有利なスタートができるのだ。

とは言え、リビアやシリアの惨事を、後から振り返って良く吟味すれば、この有利なスタートを無効にし、逆に、次にタイを、そして、タイ以降の他の国々を焼き尽くす前に、この世界的な地政学的不安定化作戦の敗北へと変えることができるかも知れない。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/08/14/thailand-gets-the-libya-syria-treatment/

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「タイ訪問中止」という見出しの背景にある実情。

国民投票がおこなわれたタイ新憲法草案、宗主国支配者の命令、あるいは、傀儡がその意向を忖度し、徹底的に壊定しようとしている新属国憲法とは全くちがうもののようだ。
それゆえ、破壊工作をしかけられているのだろう。

バイデン副大統領、ヒラリー応援演説で、「日本国憲法はアメリカが作った」と発言している。自民党壊定草案も、アメリカが作らせようとしているとは言わなかった。

8・15平和のつどい ―講演:永井幸寿弁護士「災害をダシにして、憲法を変えてはならない」 2016.8.15

Paul Craig Roberts氏が、アメリカ警官の市民殺害の背景は、パレスチナ占領をしているイスラエル軍の教育を受けていることがあると指摘しておられる。
高江の機動隊の殴打や誤認逮捕風見せしめを見聞きするにつけ、Paul Craig Roberts氏の指摘を思う。治安維持法、緊急事態条項の先取り?

政府による高江での米軍ヘリパッド強行建設工事と市民による抗議・集会の模様 2016.8.11

2016年6月18日 (土)

シリアへのISISの跳躍台という実態がばれたNATO

2016年6月14日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

アメリカに支援されているとされるクルド戦士が、シリアで、ユーフラテス川を渡り、マンビジを占拠している自称“「イスラム国」”(ISIS) 戦士に向かって移動した。シリア-トルコ国境に位置するシリアの別の都市ジャラブルスから約32キロにある。ジャラブルスも、ISISに占領されている。

マンビジに対する最初の攻撃は、南のティシリン・ダム市から行われたが、市の北で、別の戦線が開かれ、市とマンビジとジャラブルスを結ぶルート216を含むトルコ国境に到る道路のISIS守備隊を孤立させることに成功した。

都市中心部攻撃を計画するには、攻撃部隊は、市の守備隊を、兵站経路から切り離すことが必要だ。そうすることで、敵が逃亡して、再編成するのを防げ、攻撃中の敵の戦闘能力もそげる。マンビジのISISに向かって進撃している戦士たちが、ジャラブルスと国境すぐ先のトルコが、ISISの戦闘能力の源だと確信しているのは明らかだ。

欧米マスコミは、ISISが、トルコからシリアに入っていることを認めている

ジャラブルスは、欧米マスコミで“トルコへの最後のISIS国境検問所”と益々表現されるようになっている。ガーディアンのジョナサン・スティールが書いた“シリア・クルド人が勝利しつつある!”と題する2015年の記事はこう説明している(強調は筆者):

    今年7月 クルド人民防衛隊YPGが、アメリカの空軍力の支援を得て、またしても、ISISをトルコ国境にある別の町、タル・アブヤドから追い出した。つまり、ISISは、トルコから聖戦を強化するための外国人志願兵、資金と、兵器を持ち込むための三つの検問所の二つを失った。

    コバニ州のクルド広報官イドリス・ナッサンが、クルド人民防衛隊YPGは、ジャラブルスにあるトルコへの最後のISIS国境検問所解放を計画していると述べた。

スティールの記事は、アメリカが、実際  クルド人がシリア国内で戦争をするのを支援して、ISISを止めようとしているかのような印象を与える。ところが、スティールは、何が理由であれ、1950年代以来、インジルリクに、アメリカ空軍基地を擁し、アメリカ、イギリス、フランス、ペルシャ湾岸諸国の諜報機関と、特殊部隊に、紛争が始まって以来、シリアとの国境沿いで活動するのを認めているNATO加盟国のトルコ経由で、ISISが文字通り強化されているという含意には全く触れずにいる。

最近では、“トルコ、シリアでのアメリカ軍との共同作戦を提案するが、クルドは排除したがっている”という見出しのワシントン・タイムズ記事が、トルコ外務大臣自身がこう認めていることを書いている(強調は筆者):

    「イスラム国」戦士や兵器や装備の、トルコから、ラッカ向けの有名な通過地点、マンビジでのワシントンとアンカラ共同作戦は、ISIS、ISILとしても知られている「イスラム国」を、シリア国境から追い出すための継続中の戦いにおける、事実上の“第二戦線”を開くことになる、と[トルコ外務大臣メブリュト・チャブシオール]は述べた。

トルコ外務大臣は、ISIS部隊 - 戦士や兵器や装備が - トルコ領から“ラッカに向かって”入っていることを認めたが、21世紀で最も悪名高いテロ組織が、どうして、この戦争を行うために、NATO加盟国内で、シリアに到る前に止められることなく、十分な兵士や物資を輸送できているのかは決して説明していない。同様に、トルコ経由で輸送している兵器を、ISISが一体どこで購入しているのかも説明されていない。

これこそ、トルコと、その同盟諸国が、テロの国家スポンサーとして関与していることを直接立証し、NATO自体の正当性と、妥当性に疑問を投げ掛ける現実だ。少なくとも - NATOが実に無能な軍事同盟で、自らの領土を確保し、ISISの全面的な軍事作戦の跳躍台として利用されるのを防ぐことさえできないことが暴露されている。

アメリカ-NATOは、長年ISISを匿い、保護してきた

アメリカ合州国とドイツは、NATOによる“集団的行為”として、パトリオット・ミサイル・システムを、トルコ-シリア国境沿いに配備し、シリア空軍が近づきすぎるのを阻止していたことにも留意が必要だ。ディフェンス・ニューズが当時報じた通り、この戦略的現実は、ロシアが、アサドのため、紛争に直接軍事介入を始めるまで変わらなかった。

振り返れば、アメリカもトルコも、ISISを含む、テロリストを阻止しようという、シリアの取り組みが有効にならないように共謀し、何よりも、アルカイダのヌスラ戦線と、ISIS自体が暮らす、本質的に、事実上の緩衝地帯を設置していた。

ロシアの参戦と、それによるシリア-トルコ国境沿いへの直接作戦で、NATO領からのISISへの兵站支援を粉砕したことが、シリア国内でISISの弱体化をもたらした主な要素だ。

欧米言辞は時間切れ

欧米マスコミ自身が、ISISがトルコからシリアに入っていることを認めており - このことが、トルコとNATOにとって持っている明白な文脈や含意を説明しなくとも、ISISを封じ込めるためには、トルコとシリア国境より先でではなく、トルコの国内で、トルコとNATOによって、もっと多くがなされるべきであることが、全員に早々明らかになろう。

特にアメリカ合州国にとって、シリア作戦のため、トルコ国内に大規模な軍事的資産を持ちながら、自国の軍隊、諜報機関将校や、軍事教官や顧問たちの横を、ISISの脅威が通りすぎていることに無関心に見えるのは、最も素朴なアメリカ人やヨーロッパ人でさえ到底信じがたい行為だろう。

その間、欧米の代理連中と戦場で対決するため、北と南のシリア国境を確保する取り組みは継続されるべきだ。一方、情報空間において、ある国から他の国へと移動する戦士連中が戦う戦争は“内戦”ではなく、外国による侵略だという認識を高める取り組みが継続されるべきだ。侵略されている国の国境沿いで、これに参加している国々は、責任を問われるべきだ。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/06/14/nato-exposed-as-isis-springboard-into-syria/

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自民党にくらがえする議員。それに投票する有権者。

都知事として名前のあがる面々。一名以外、検討にあたいしないと思うのだが。

「既視感」を覚えて過去記事を調べたところ、全ての原子力発電所が脆弱なのだろうか?-大惨事は、いつも想定外 2011年4月12日 で、知事選挙について書いていた。

以下に、その一部を再度貼り付けておく。

異常な勇敢な都民の皆様が、おかしな豪胆な知事を選んで下さったので、広瀬隆氏の本の題名『東京へ原発を!』や、映画『東京原発』のように、原発の東京誘致、やっと実現するのかも知れない。オリンピックは(観光客も留学生も)永遠に招致できなくなったが。ダイジョブダー!招致できれば何でもエエジャナイカ :-)

「日本観光に来るお客様も激減するのだから、お台場でも都庁でも、都内であれば、場所はどこでもいいだろう。なにしろ、今回の東日本震災で、原発は絶対に安全なことが完全に証明されたのだから迷うことはない。」と考える、特攻精神をお持ち都民の皆様が多数おられるのだ。放射性物質を含んだ神風も吹いてくれるので、今度ばかりは、アメリカ様も上陸・支配ができないかも知れない。

寓話「王様を欲しがった蛙」、現在を予言していたのかも知れない。

池に住む蛙が、「王様が欲しい」、と神様に要求した。
神様、最初に、丸太ん棒を投げ込んでくれた。
デクの坊に、蛙はあきたらない。
「もっと強い王様が欲しい。」と蛙は要求する。
神様は、次に、コウノトリを送り込んでくれた。
蛙は全員食べられてしまったとさ。

より正確には、「王様を欲しがった、外部・体内被曝を受けつつある茹で蛙」と表記すべきだろうか。こういう蛙につける薬はない。哲学者佐々木中氏もおっしゃっている。

私たちはゲーム盤をひっくり返すこともできる。それを初めから排除しているのは人間ではない。家畜です。(蛙かも知れない?)

もちろん、有権者皆様の民度が充分に高くとも、制度的に、選挙が歪曲されていて、とんでもない結果がでる側面も、無視してはなるまい。きちんとした分析もある。過半数獲得の「大阪維新の会」は民主的な選挙制度なら半数に届かなかった!

一方、脱原発デモは、これまでにない規模で、あちこちで行われている。日本には、そうした多数の方々がおられるのは嬉しいことだ。やがて、60年安保を越える国民運動となることを夢想している。

福島原発災害、「想定通り」、選挙が終えたら、レベル7になった。やがて福島が追い越すだろうが、当面は本家のチェルノブイリ、一体どういう具合だったのか知りたくて関連する本を読んでいる。

  • 小説『チェルノブイリ』フレデリック・ポール 87刊 翻訳は1989年
  • チェルノブイリ -アメリカ人医師の体験 上・下 岩波新書 1988年
  • チェルノブイリ 最後の警告 高木仁三郎 七つ森書館 1986年
  • チェルノブイリ極秘 アラ・ヤロシンスカヤ 92刊 翻訳は1994
  • チェルノブイリの遺産 ジョレス・メドベージェフ 90刊 翻訳は1992
  • われらチェルノブイリの虜囚 高木仁三郎他 三一新書 1987年
  • 原発事故の起きる日 緊急避難はできるのだろうか 技術と人間 92年

読書は、御用学者怪説を垂れ流すテレビより頭に良かろう。しかもACが諭して下さる通り、電気を使わずにすむ。一石二鳥。

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