Tony Cartalucci/Brian Berletic

2024年2月17日 (土)

ウクライナの黒海「勝利」は陽動作戦

2024年2月5日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 ウクライナはロシア海軍艦艇や港湾などクリミア全域の標的を攻撃し、クリミア大橋などの民間インフラを攻撃するための複雑な作戦実行に多大な努力を費やしてきた。キーウによれば、これは全て、まず半島を孤立させ、次にロシアから奪取する戦略の一環だ。

 一方、ウクライナが黒海で「勝利」していると世界を説得するのに欧米マスコミは多大な努力を費やしており、クリミア占領だけでなく、ロシアを完全に打ち負かす勝利を期待している。

 現実には、黒海におけるウクライナ作戦は根本的に地上戦で、この危機に対処しなければ必然的にウクライナの敗北につながる危機の中、増大するウクライナ危機から目をそらす陽動作戦だ。

 多大な投資

 クリミアを孤立させ占領したいというウクライナの願望は、海軍や空中の無人偵察機から、欧米諸国がウクライナに与えた最も高度で有力な長距離攻撃能力まで、あらゆるものを使った長期的長距離攻撃作戦として現れている。

 わずかに残ったウクライナ空軍部隊が発射する空中発射巡航ミサイルは、半島全域の港湾、軍事基地、民間インフラを標的にしている。ウクライナ戦闘機は、時に空中発射型巡航ミサイルの一斉射撃中に標的にされて破壊されることもあり、ウクライナの戦闘力は更に低下する。そうしたミサイル一斉射撃は、ロシアの恐るべき防空・ミサイル防衛と電子戦能力で対応され、大部分の弾が迎撃されている。

 残るミサイルは、ロシア防衛線を回避できる同様に僅かな数の無人機とともに、海軍艦艇を破壊し、建物やインフラを破壊し、一度の攻撃でクリミア橋に損害を与えた。しかし、これらの成功はごくわずかで、約2〜3か月に一回しか起きない。

 それにもかかわらず、長期にわたる作戦で、ロシアは黒海艦隊の大半をロシア本土沿岸に沿って更に東に移転させることを余儀なくされた。この移転自体が、黒海におけるウクライナの大きな勝利だと称されている。

 しかし昨年末には、黒海艦隊とカリブル巡航ミサイルによる脅威が続いているとウクライナ自身が警告していた。最大2,500kmの射程を持つカリブル巡航ミサイルは、黒海艦隊の新しい位置からでも、ウクライナのあらゆる標的を攻撃できる。

 ウクライナは時折ロシア海軍艦艇を標的にするのに成功しているが、黒海艦隊の大部分は無傷のままで、主に陸上で行われる軍事作戦であるロシアの特別軍事作戦(SMO)で支援的役割を果たし続けている。

 ウクライナの黒海「勝利」のもう一つの側面は海運回廊の開放とされるものだ。

 2023年11月に経済協力開発機構(OECD)が発表した記事によると、ウクライナの海運がSMO開始段階を経てゼロに近いレベルから再開したのは事実だが、依然戦争前レベルの数分の一にとどまっている。長引く紛争がウクライナ経済に与えた打撃を考えると、最近のロイター記事が主張するように、海運業が戦前の水準に戻ったとしても、経済回復支援はおろか、ウクライナ経済の維持にも役立つ可能性は低い。

 ロシアがウクライナ船舶を封鎖しようと最善を尽くしているにもかかわらず、ウクライナが黒海を再開したという前提には大きな欠陥がある。ロシアがウクライナ海運の再開を止めない理由について多くの理由を専門家は挙げるかもしれないが、軍事的にそれが不可能なことはその中に含まれていない。イエメンの準非正規軍が紅海の海運を著しく妨害する能力があるなら、長距離対艦ミサイルやディーゼル電動攻撃潜水艦を含むロシアの遥かに高度な対艦能力は、黒海海運を著しく妨害する能力を十二分に備えている。

 「特別軍事作戦」という言葉は全面的侵攻の婉曲表現だと西側諸国政府やメディアは主張するが、黒海でのエスカレーションを含め、ロシアはかなりの自制を示している。

 見出しと実際の戦略的成功を分離すると、残るのは、一連の広報活動の勝利に相当するもののためのウクライナとNATOによる高価な投資だ。黒海艦隊を移転する必要性にロシアは当惑しているが、巡航ミサイル発射における黒海艦隊の役割は途切れることなく続いている。主に武器輸送を阻止する手段として、ロシアは黒海を通るウクライナ輸送を阻止しようとしたが、西側の武器備蓄が枯渇していることを考えると、ウクライナに送付する方法とは無関係に、送るべきものはほとんど残っていない。

 武器、弾薬、訓練された人的資源の面でウクライナが直面している根本問題は、黒海で見出しを飾る高価な投資では克服できない。こうした見出しは全て、ウクライナの根本的問題から目をそらす役割を果たしているのだ。

 陸戦で敗北する中、海で見出しになるウクライナ

 2024年1月17日付の「黒海は今やウクライナ戦争の重心」と題する記事で、ザ・ヒルは次のように主張している。

 2023年、ウクライナは陸上で決定的突破口を開くことはできなかったかも知れないが、海上での戦争は大成功だった。海上ドローンとイギリス製ストームシャドー巡航ミサイルを組み合わせ、容赦ない海と空の作戦のおかげで、ウクライナはロシア黒海艦隊に大損害を与えられ、ロシアはセバストポリの海軍要塞への撤退を余儀なくされた。12月下旬に揚陸艦ノボチェルカッスクが破壊された後、ロシアは過去4カ月で黒海艦隊の20%を失ったとイギリスのグラント・シャップス国防相が発表し、作戦の成功を称賛した。

 ウクライナの2023年攻勢がロシアの防衛により決定的に敗北したのをここで欧米メディアは認めている。

 そして記事は次のように説明している。

 黒海における次のステップは、2014年にロシアが不法に併合したクリミア半島をキーウが標的にし、ウクライナ南部で活動するロシア軍の兵站ライフラインを断ち切るのを欧米が支援することだ。

 この兵站ライフラインは、クリミア大橋とクリミアとヘルソン、ザポリージャ、ドネツクを経由してロシアの他地域とを結ぶ陸橋で構成されていると記事は主張している。クリミアを孤立化させる究極の狙いは、最終的にロシアに「クリミアでの姿勢を再考させる」ことだとザ・ヒル紙は報じている。

 黒海艦隊に移転を強いるのは、この狙いの実現と無関係だ。ウクライナがこの「勝利」を実現する手段は、希な無人機やミサイル攻撃で、それ以外で、クリミアを孤立化させたり、半島での姿勢をロシアに再考させたりはできない。

 たとえウクライナのミサイルや無人機がクリミア大橋の破壊に成功したとしても陸橋は無傷のままだろう。ウクライナの2023年攻勢が示した通り、陸橋切断はウクライナの能力を超えている。しかし、たとえ将来ウクライナ攻勢が何らかの形で陸橋を切断したとしても、クリミアは依然孤立しないはずだ。

 クリミアには多くの空港や飛行場があり、何百万人もの人々や何百万トンもの貨物をロシアの他地域間で移動できる多くの主要港があるためだ。実際クリミア大橋が建設中の2014年から2018年にかけて、そして2022年に陸橋が架橋されるずっと前から、ロシアが半島における経済とロシア軍駐留維持を可能にしたのは空路と港湾のネットワークだった。

 従って、実際にクリミアを孤立化させるには、ウクライナは陸橋を切断し、クリミア橋を破壊しなければならないだけでなく、クリミアに点在する複数の空港や港湾の稼働を長期にわたり妨害することも必要になる。そのためにはロシア防空網や電子戦能力を圧倒するのに十分な速度で、毎月数百発のミサイルや無人機による攻撃を仕掛ける必要があるだけでなく、ロシアが攻撃の合間に修復できる以上の損害を標的の兵站インフラに与える必要があるはずだ。

 これほどの早さの作戦を遂行するのに十分なミサイルや無人機は欧米諸国のどこにも存在しないし、近い将来も存在しないだろう。欧米の軍事産業生産の拡大に関する最も空想的な議論のどこにも、この早さを実現するのに必要な量のミサイルや無人機を生産する計画は見当たらない。クリミア半島全域の兵站を混乱させるだけでも、ウクライナにとって遙かに大きな問題、つまり、ロシアの巨大な軍需産業基盤とウクライナの戦場をつなぐ兵站を混乱させる必要性(そして絶対的無力さ)を露呈している。

 ウクライナや欧米諸国スポンサーよりも多く訓練された要員、武器、弾薬を生み出すロシアの能力は、ウクライナと欧米諸国が勝てない消耗戦をもたらした。

 代償が大きい突破口攻勢を回避しつつ、戦闘能力を高めながら、補充できないほど早くウクライナ要員と装備を破壊するロシア戦略は累積的効果をもたらしている。この影響は、ロシアの戦闘能力が拡大し続ける一方、ウクライナの戦闘能力の最終的崩壊をもたらすだろう。現在ロシア軍が「前進」していないため欧米専門家が「膠着状態」と片付けているが、実際は将来の攻勢に先立ち、ロシア軍が戦場でロシア軍の戦術的・戦略的優位性を高めるためのロシア軍司令官による意図的選択だ。「膠着状態」が続く一日ごとに、ウクライナに対するロシア勝利の可能性が向上する。

 黒海におけるウクライナ「成功」に関する話は、この根本的問題や、それがもたらす必然的結果に全く触れていない。ウクライナの「成功」は、この必然性から注意をそらすだけで、それを阻止することはできない。ウクライナの「成功」に対する「弱さ」と解釈されているロシアの「不作為」は時間はロシアの味方で、広報活動の戦いに勝つことは実際の戦争に勝つことより遙かに重要でないと認識しているがゆえの無関心と解釈できる。

  ブライアン・バーレティックはバンコクを拠点とする地政学研究者、作家。オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/02/05/ukraines-black-sea-victory-is-a-distraction/

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 大本営広報部大政翼賛会、こぞってナワリヌイの死に大騒ぎ。クリス・ヘッジズのように、まともなジャーナリストとして、宗主国の犯罪を曝露したがゆえに、イギリスで監視の厳しい監獄に投獄されているアサンジ問題を取り上げることはない。

 The Chris Hedges Report

I will moderate this event on Monday at 7:00 pm with Stella Assange, attorney Jennifer Robinson and Kristinn Hrafnsson, Editor-in-Chief of WikiLeaks, at The Frontline Club in London.

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

日経平均3万8487円、あと50円ほどと最高値に肉薄、前日の米株式市場、主要3指数がそろって上昇が追い風、「新たな海外投資家が取引に参加」NIKKEI ASIA、米国株式動向:CNN・Fear & Greed Index 77(75-100が極めて貪欲)。円安で中国含め、外国から資金流入

 日刊IWJガイド

「世界中が証人! 現代のホロコースト! イスラエル軍が避難したパレスチナ人130万~140万人が密集するラファへ総攻撃を開始!」

はじめに~世界中が証人! 現代のホロコースト! イスラエル軍が避難したパレスチナ人130万~140万人が密集するイスラエル最南端の都市ラファへ陸海空から総攻撃を開始! 各国の警告と非難の中、ネタニヤフ首相は「完全勝利まで軍事的圧力を継続することによってのみ、人質全員の解放がもたらされる」として武器を持たない市民に陸海空から総攻撃を断行! この後には、イスラエル軍の地上侵攻が開始される! なんとこの「特別作戦」は、3月10日のラマダンまで1ヶ月も継続するとネタニヤフ首相は意思表明!

2024年1月20日 (土)

イエメンに対するアメリカ-イギリス攻撃は、より広範な戦争の前兆

2024年1月16日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 2024年初頭の数週間、イエメンのアンサール・アッラー(欧米メディアは「フーシ派」と呼んでいる)が支配する地域の標的に対し、アメリカとイギリスが複数の大規模なミサイル攻撃と空爆を一方的に開始した。

 この攻撃は、ガザで進行中のイスラエルの懲罰的作戦に対抗してイスラエル発着商業船に対してアンサール・アッラーが実施したミサイル攻撃と乗船作戦に続くものだ。

 米英攻撃の目的は商業海運を守ることだとされているが、紅海でのいかなる紛争も、あらゆる戦闘が収まるまで代替ルートを模索し使用し続けるよう国際海運会社に促す可能性が高い。

 実際、ユーロニュース・ビジネスによると、アンサール・アッラーに対する米英攻撃にもかかわらず、世界海上輸送の5分の1を占めるマースクのCEOは、紅海を安全に航行するのはまだ数カ月先だと考えている。

 これら攻撃に伴う政治姿勢にもかかわらず、戦略的には、アンサール・アッラーの戦闘能力に影響を与えることはほとんどあるまい。この政治運動は、アメリカ、イギリス両国が支援するサウジアラビア主導のアラブ連合が、何年にもわたり、彼らに対し仕掛けた全面戦争を乗り切った恐るべき軍事組織を所有している。

 アメリカとイギリスは、イエメンに対する空中戦と地上戦を維持するようサウジアラビアに奨励しただけでなく、両国はサウジアラビアの戦争努力に直接貢献した。

 2018年の「陸軍特殊部隊、イエメン反政府勢力からの脅威と戦うサウジアラビアを秘密裏に支援」と題する記事で、アメリカ特殊部隊が、少なくともサウジアラビア-イエメン国境沿いで活動し、サウジアラビア軍の標的選択を支援していたことをニューヨーク・タイムズは認めていた。

 同記事は、アメリカが「航空機への給油、兵站、一般的情報共有」に関する支援も行っていたことも認めている。

 ガーディアン紙は、2019年の「『サウジは我々なしではやっていけない』:イエメンの致命的戦争におけるイギリスの本当の役割」と題する記事で、対イエメン戦争でイギリスがサウジアラビアに提供した支援の範囲を認めた。それには、武器や弾薬の供給、何千人もの整備請負業者、パイロット訓練、更に、イエメン国内でサウジアラビア軍兵士と共に戦うために、イギリス兵の派遣が含まれていた。

 サウジアラビア自身の対イエメン戦争の規模と、何千人もの請負業者と、地上での何百人もの兵士使用を含む、サウジアラビアに対するアメリカとイギリスの支援規模は、アメリカとイギリスが紅海で行っている現在のミサイル攻撃や空爆を凌駕する。たとえアメリカとイギリスが、現在のミサイル攻撃と空爆作戦を大幅に拡大したとしても、近年、イエメンに対して行われてきた戦争と比べれば、まだ見劣りするはずだ。

 明らかに、現在のアメリカ-イギリスによるイエメン攻撃がアンサール・アッラーを抑止する可能性がほとんどないのに、一体なぜアメリカとイギリスは、こうした攻撃を行っているのだろう?

 イエメンを攻撃するワシントンの本当の動機

 「アメリカとイギリス、イランが支援するイエメン・フーシ派に対する攻撃を実施」と題する記事で、CNNはこう主張している。

 何週間もイスラエルとハマスの戦争が続く中、既に緊張がくすぶる地域でのエスカレーションの危険性を理由に、アメリカはイエメンへの直接攻撃を避けようとしてきたが、国際海運に対するフーシ派攻撃が続いているため有志連合は行動を余儀なくされた。

 ところが、この攻撃は確実に紅海での船舶航行が妨害されたままにするだけで、攻撃自体がアンサール・アッラーに戦略的に影響を及ぼす望みがほとんどないため、アメリカがなぜ攻撃を開始したのかは、他に「地域におけるエスカレーションのリスク」を高めるためという説明しかない。

 アンサール・アッラーの同盟国イランは、何十年もアメリカが支援する政権転覆作戦の標的となってきた。ブルッキングス研究所や、2009年の論文「ペルシャへの道はどれか?」などアメリカ政府や大企業が資金提供するシンクタンクにより政策文書全体が書かれており、イラン国内の秘密工作や、イランの地域同盟国ネットワークへの攻撃など、イランを戦争に引き込もうとする意図的な試みなど政権転覆を実現するための選択肢を詳述している。

 ブルッキングス論文も認めている。

 「...アメリカ合州国が空爆を仕掛ける前に、イランによる挑発をその正当化の理由として引き合いに出せれば遙かに好ましい。イランの行動が明らかに非道で、致命的で、いわれのない行動であればあるほどアメリカ合州国は有利になる。もちろん世界の他の国々がこのゲームに気づけば、そのような工作は台無しになるので、アメリカ合州国がイランをそのような挑発に駆り立てるのは極めて困難だろう。(成功の可能性がいくらかある一つの方法は、テヘランがあからさまに、あるいは半ばあからさまに報復し、イランのいわれなき侵略行為として描かれるのを期待して秘密の政権転覆努力を強化することだ。

 イエメンに対する米英ミサイル攻撃と空爆に先立ち、アメリカはシリアやイラクを含む地域全域のイラン同盟諸国への攻撃を実行した。アメリカの支援を受けて、イスラエルはイラン同盟諸国、特にレバノン南部のヒズボラに対しても地域全体で攻撃をしている。

 最近、イラン国内で爆弾テロがあったが、ブルッキングス論文が示唆する「イラン国内の政権転覆工作を隠蔽する」案によれば、まさにそのような攻撃を実行するため、アメリカが支援するいくつかのテロ組織の一つが実行した可能性が高い。このブルッキングス論文の他の場所で、アメリカが支援する「反乱」を実行するのに既知のテロ集団を利用する選択肢が一つの章丸ごとさかれていることに留意すべきだ(第7章「反乱を鼓舞する―イランの少数派と反政府勢力を支援する」)。

 全体として、より広範な紛争に先立ち、地域におけるイランの同盟諸国を弱体化させる戦略で、イランを挑発し、より広範な紛争に引き込む手段なのだ。

 これまでのところ、イランは途方もない忍耐力を発揮している。ロシアも中国も同じようなアメリカによる包囲と封じ込め政策に直面しているので、時間が自分に有利に働くのをイランは知っている。イランの忍耐は既にテヘランのためになっている。中国の仲介により、サウジアラビアとの緊張を外交的に解決する能力をえた。またイランが自国軍事力だけでなく地域の同盟国ネットワーク全体の軍事力を強化し続けるのを可能にし、力の均衡を徐々にテヘランに有利に変化させている。

 ワシントンはこれに気づいている。近年のような事態が展開し続ければ、来年の今頃イランは一層強くなり、この地域でアメリカは一層孤立するだろう。ヨーロッパでの優位性が薄れる同様の問題にアメリカは直面しており、ロシアに対するウクライナでの代理戦争を、ヨーロッパに対し再び幅をきかせる手段として利用している。中東で再び幅をきかせるする一方、地域紛争を利用して、中東諸国を集団的に弱体化させ従属させるのに、同様の戦略を使えるとワシントンは想像しているのだろう。

 ヨーロッパでそうだったように、中東でアメリカが「成功」するかどうか時が経てばわかるだろう。既に多くの要因がアメリカに不利に働いているが、ワシントンの視点からすれば、これら紛争のいずれに対してもアメリカが代償を払っているのでなく、これら紛争が戦われている地域が代償を払っているのだ。そのような外交政策におけるいかなる直接費用もワシントンが免れる限り、そうし続ける手段を最終的に完全に否定されるまで、ワシントンは、この政策を追求し続けるだろう。

 Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/01/16/us-british-attacks-on-yemen-a-portent-for-wider-war/

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 Judging Freedom 最新はマックス・ブルーメンタール

Max Blumenthal: Israel’s Wider War 28:44

 寺島メソッド翻訳NEWS

キエフではナイフが抜かれた: ウクライナが戦争に負ければ、エリートたちは互いを食い合うようになるだろう

 植草一秀の『知られざる真実』

無限大リスクの志賀原発

 長周新聞

すべての原発を即時停止せよ 安全の根拠ない再稼働基準 情報の後出しと隠蔽が体質化 原発列島に自然からの警告

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

「茶番劇」「許せない」 幹部立件見送り、有権者ら憤り 安倍派パーティー事件(時事) 3派閥の会計責任者ら立件、不記載総額9・7億円…安倍派幹部の立件は見送り(読売) 行き詰まった「還流方針変更」の解明 安倍派5人衆、立件見送り(毎日)共謀立証の壁高く

 日刊IWJガイド

「大規模な震災への備えという点でエリアの自衛隊の大規模駐屯基地の有無を踏まえる必要がある!!」2024.1.20号

IWJへの緊急支援をお願いいたします! 1月は19日までに、76件、81万400円のご寄付をいただきました。この金額は月間目標額400万円の20%であり、1月の残り13日間で80%が必要です!! 岩上安身もインフルエンザに倒れ、1週間あまり経って、ようやく平熱に戻りました。スタッフへ感染させる恐れがまだあり、しばらくは在宅勤務を続けます。新年早々ピンチに見舞われましたが、IWJは独立メディアとして、市民の皆さまに真実を伝え続けていきます! そのためには、皆さまのご支持とご支援が何よりも必要です! 1月こそ月間目標額400万円に届きますように、どうぞよろしくお願い申し上げます!

【中継番組表】

<岩上安身によるインタビュー決定のお知らせ>岩上安身は1月22日(月)、ウクライナ紛争の背景について、元高知大学准教授、元朝日新聞モスクワ特派員でロシア・ウクライナ研究の第一人者の塩原俊彦氏に録画収録でインタビューを行います! また、2月2日(金)には、早稲田大学文学学術院の岡真理教授へ、現在ガザで起きているイスラエルによるジェノサイドの歴史的背景について、録画収録でインタビューを行います! さらに2月7日(水)には、東京経済大学の早尾貴紀教授に、イスラエルによるガザでのジェノサイドについて、第2弾のインタビューを予定しています!

南アフリカが国際司法裁判所(ICJ)に提出した、イスラエルによるパレスチナ人に対するジェノサイドを告発し、裁判の開始を求めた申請書の仮訳に挑戦します! 大変重要な内容を含むものですが、84ページの英語原文をIWJスタッフだけではとても訳しきれません! どうぞ、翻訳ボランティアをしてもいいという方、ご応募ください! 翻訳の監修は中東問題の専門家にチェックしていただく必要があり、費用もかかります、ぜひこの翻訳プロジェクトを資金面でもご支援をお願いいたします!

2023年9月28日 (木)

ウクライナでの代理戦争の中、厳しい現実に目覚めるワシントン

2023年9月25日
ブライアン・バーレティック
New Eastern Outlook

 今年6月掲載された記事で元イギリス陸軍大佐ハミッシュ・デ・ブレットン・ゴードンが主張したように、NATO訓練を受け、装備したウクライナ軍が「プーチンの徴兵を一掃」できる可能性を告げる欧米見出しの時代は、とうの昔に過ぎ去った。

 ウクライナの攻撃部隊がザポリージャからハリコフまでの戦線に沿った強力なロシア防衛を突破した時、ワシントン、ロンドン、ブリュッセルが、ロシア連邦を、経済的、政治的、外交的に、そして最も重要なことに軍事的、産業的に過小評価しているという認識が定着し始めた。

 ロシアの軍事生産は成長し、欧米の備蓄は枯渇する

 今日、様々な見出しが欧米諸国のメディア中に現れている。ニューヨーク・タイムズ紙は最近「ミサイル生産を拡大するためロシアは制裁を克服したと当局者」という題名の記事で、ロシアの弾薬生産は欧米諸国の少なくとも7倍だと報じた。

 同じ記事は、ロシアが戦車生産を2倍に増やし、年間200万発の砲弾を生産していると認めており、これは2025年から2027年のアメリカと欧州連合の砲弾生産計画合計より多い数だ。ロシアは欧米を出し抜いているだけでなく、欧米の武器や軍需品の数分の一のコストで武器や弾薬を生産している。

 ロシアの軍事工業生産が拡大し、ウクライナで進行中の特別軍事作戦のため、より多くの戦車、大砲、巡航ミサイル、弾薬を生産するにつれ、ウクライナ軍は武器と弾薬の供給源が枯渇しているのに気づいている。

 最近の記事で「穀物論争の中、もはやポーランドはウクライナに武器を供給していない」とBBCは報じている

 ウクライナに最も忠実な同盟国の一つポーランドは、キーウの穀物輸出をめぐる外交紛争の中、もはや隣国には武器を供給しないと述べた。

 ポーランドの焦点は、むしろ近代的兵器で自国を守ることにあるとマテウシュ・モラヴィエツキ首相は述べた。

 ポーランドとBBC両方が、ポーランドとウクライナの間の緊張の高まりに動機付けられた決定を描こうとしているが、現実にはポーランドはウクライナに送れる武器と弾薬の量が限られており在庫を使い果たしている。これにより、ポーランドが自国防衛のために得たより近代的兵器が遙かに少なくなる。ポーランドも外国の武器供給国も、戦場でウクライナ軍を維持するのに必要な量の武器や弾薬を生産していないため、ポーランドがこの時点からウクライナに供給を続ければ最終的に「武装解除」されてしまう。

 他の国々も待望される兵器システムを提供できていない。これにはウクライナが何ヶ月もアメリカに要求しているATACMS弾道ミサイルが含まれ、到着が差し迫っているという主張にもかかわらず、最近の記事で、ロイターは国防総省の次の支援パッケージに先立ち、それらを再び除外した。

 ドイツの空中発射巡航ミサイル「トーラス」も追加支援パッケージに入っていない。ブルームバーグ記事「ドイツはウクライナへの軍事援助で更に4億2800万ドルを計画」でベルリンは最終的に送る前に「多数の政治的、法的、軍事的、技術的側面」を依然検討中だと指摘した。

 どちらのミサイルも他の様々ないわゆる「驚異の兵器」同様ウクライナの戦況を変える可能性がないのに注意が必要だ。これらミサイルが納入されればキーウの戦術的勝利はもたらすだろうが、戦略的には、戦闘にはほとんど、または全く影響を与えるまい。

 ウクライナに対する欧米軍事援助で残っているのは、不十分な量の弾薬、レオパルト1主力戦車のような冷戦の遺物を含む古い、および/または益々不適切な装甲車両、および圧縮日程で実施された「訓練」で、戦場に到着して数日以内に死ぬのがほぼ確実なウクライナ兵だ。

 ウクライナにおけるアメリカ主導の対ロシア代理戦争は持続不可能で、欧米諸国全ての権力の殿堂にいる多くの連中がそれを把握し始めているようだ。

 持続する妄想

 ところが欧米マスコミはウクライナの失敗を認めているにもかかわらず、他の場所では、明らかに「長期戦争」に変わりつつあるものに勝つため、ウクライナ軍事戦略の「再考」が役に立つと信じる記事で、依然深い妄想を反映している。

 たとえばエコノミスト誌記事は「ウクライナは長い戦争に直面している。もちろん変化が必要だ」と長い間期待されていた反攻が「機能していない」のを認めているが、追加の防空システムや「信頼できる大砲供給」を含む、ウクライナへのより多くの攻撃と防御能力を要求し続けている。

 記事の中で、ヨーロッパは「防衛産業を強化しつつある」とエコノミストは主張しているが、そうするための所要期間が年単位なことには明らかに気づいていない。

 すぐにも連中に有利に戦争を終わらせる計画が失敗していることに、欧米諸国は明らかに気づいてはいるが、今連中を待っていると分かっている「長い戦争」が代理や他の方法でも連中が戦う能力を超えることには気づいていないようだ。「ロシアに力の限り頑張らせる」のを目的とした代理戦争は、今やロシアを軍事的、産業的に強くしている。同時に、紛争と欧米がロシアに課した経済制裁は、最終的に欧米が同様方法で自分たちを標的にするのではないかと恐れて、他の国々がアメリカ主導の一極世界から離れて、代わりに多極の代替案に向かうきっかけになっている。

 欧米諸国がウクライナを交渉の席でより優位な立場に置こうとすればするほど、ウクライナと欧米スポンサーが弱くなるのは明らかだ。この紛争が長引けば長引くほど、ウクライナとそのスポンサーにとって事態は悪化するだろう。欧米諸国にとって、代理戦争に勝つのは軍事的にも産業的にも不可能だが、欧米諸国指導者にとって、同様にこの現実を受け入れるのは心理的に不可能に見える。

 ブライアン・バーレティックはバンコクを拠点とする地政学研究者、作家。オンライン誌New Eastern Outlook寄稿者。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2023/09/25/washington-wakes-up-to-harsh-reality-amid-ukraine-proxy-war/

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 Alex Christoforou

Elensky curse hits Rota. US cuts Ukraine aid. Menendez, Turkey F16s & Sweden. G20 Trudeau high. 38:33

 冒頭はサマンサ・パワーが、アルメニアで「国に帰れ」と罵倒される場面

 9/27は、ノルドストリーム・パイプライン爆破一周年だった。

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名  自分こそガン。

麻生氏は講演で、反撃能力保有を巡り山口代表、石井幹事長、北側副代表を名指しで「がんだった」と批判。自公は衆院選挙区「10増10減」に伴う候補者調整のもつれ、立川市長選挙で自民候補敗れる影響。岸田・山口会談で修復。その中、麻生発言。今後どう進展?

2023年7月12日 (水)

ワシントンの本当の対中政策

2023年7月4日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 中国台頭を「封じ込める」というアメリカの固執、特に台湾へのアメリカ干渉をめぐって、アメリカと中国間での激しいエスカレーション後、アメリカのアンソニー・ブリンケン国務長官は、ボロボロの米中関係を修復するという建前で北京を訪問した。

 プロセスの一環として、ブリンケン長官は、アメリカが台湾独立を支持しないことを認め、アメリカの一つの中国政策を公に復唱した。しかし台湾に対する中国の主権を認めつつも、一方的な台湾関係法の元、「台湾が自衛能力を持つことを保証する」アメリカの「責任」つまり北京の承認なしに台湾に武器販売して中国の主権を踏みにじる発言をブリンケン長官は繰り返した。

 これに続いてアメリカのジョー・バイデン大統領はホワイトハウス公式ウェブサイトに掲載された演説で中国の習主席を「独裁者」と呼んだ。アメリカ政府が資金提供するメディア、ボイス・オブ・アメリカの記事「アメリカ当局は同意する:中国の習主席は独裁者だ」で報じた通り数日後ブリンケン長官はバイデン大統領発言を肯定している。

 アメリカはなぜ米中関係改善を故意に妨害しながら、外交を追求しているよう見せかけようとしているのだろう?

 この質問に答える前に、中国を封じ込めというアメリカ政策が実際どれほど長く続いているか、そして今日それを変えようとする真剣な試みを目撃する可能性がどれほど低いかを理解することが重要だ。

 中国封じ込めというアメリカ政策は数十年前にさかのぼる

 対中アメリカ外交政策は何十年にもわたり行われており、包囲と封じ込めに焦点を当て続けている。ブリンケン長官が北京を訪問した時でさえ、(ロシアでは禁止されている)全米民主主義基金やアメリカ政府が資金提供する関連する組織が率いる無数の計画が東南アジアの中国周辺に沿いの政府に強制し、不安定化させ、更には置き換え、この地域を北京に対する統一戦線として形成するために働いてきた。

 アメリカは二つの主要反中国同盟クアッド(アメリカ、インド、日本、オーストラリア)とAUKUS(オーストラリア、イギリス、アメリカ)の活動を拡大するため緊密に協力している。

 アメリカはフィリピンでの米軍駐留を拡大し、アメリカ軍艦を中国沿岸沖で継続的に航行させるなど、インド太平洋地域での軍事力強化を継続している。

 更にアメリカ政府や外交問題評議会や戦略国際問題研究所CSIS大西洋評議会など大企業が資金提供するシンクタンクは、現在、中国に課す経済制裁と、制裁を執行し悪化させることを目的とした軍事介入の両方を計画している。

 今日のアメリカの対中好戦姿勢は数十年前アメリカ政府文書で明確にされた政策の継続だ。アメリカ国務省のOffice of the Historian傘下の公式ウェブサイトで、中国封じ込めというワシントン政策を説明する多数の文書や覚書が見つかる。

 当時のアメリカ国防長官ロバート・マクナマラが当時のアメリカ大統領リンドン・ジョンソンに宛てて書いた「ベトナムでの行動方針」という主題の1965年文書は次のように述べている。

 北ベトナムを爆撃するという2月の決定と、フェーズI配備の7月承認は、共産党中国を封じ込めるという長期的アメリカ政策を支持する場合にのみ意味がある。

 世界における我々の重要性と有効性を弱体化させ、更に間接的ながら、より威嚇的に、我々に対しアジア全体を組織すると脅迫する大国として中国は迫りつつある。

 このメモは「日本-韓国戦線、インド-パキスタン戦線、東南アジア戦線」を含む中国を封じ込めるための長期的取り組みである「3つの戦線」にも言及している。

 ベトナムとソ連への言及は省略するが、このメモはどのアメリカ大統領がホワイトハウスで暮らし、誰がアメリカ議会を支配するかに関係なく中国封じ込めを追求するアメリカ外交政策が何十年も続いていることを反映しており、まるで今日書かれたようだ。

 制裁と戦争に対する合意形成のための見せかけ外交

 アメリカが何十年にもわたって中国の封じ込めを追求し止めるつもりがないなら、なぜアメリカ国務省は中国との外交を追求しようとしたのだろう。

 答えは簡単だ。それは自らを「外交的」で「合理的」で、敵を好戦的で不合理なものとして描き出そうとするワシントンのより広いパターンに合致するのだ。制裁を課し、戦争さえする時が来た際、アメリカが嫌々ながらそうするのだという認識は世界経済全体にアメリカ制裁を実施し、戦場の米軍強化を支援するため必要なアメリカ同盟諸国の同意を構築するの役立つのだ。

 2009年、当時のアメリカ国務長官ヒラリー・クリントンはモスクワとの関係を「リセット」することに対するワシントンの関心とされるものの象徴として物理的「リセット」ボタンをロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣に手渡した。ところが、クリントン長官が茶番を演じている間でさえ、アメリカ国務省や関連機関や組織は、来たる2011年の「アラブの春」やリビアやシリアを含むアラブ世界全体の複数のロシア同盟諸国の暴力的転覆を画策していたと、ニューヨーク・タイムズは後に認めている

 もう一つの例は「イラン核合意」としても知られる2015年の包括的共同行動計画だ。協定は2013年まで公に明らかにされず、2015年にやっと署名されたがアメリカを拠点とするシンクタンクは何年も前から、この計画を開始していたのだ。

 「ペルシャへの道: アメリカの対イラン新戦略の選択肢」というブルッキングス研究所論文で、アメリカの政策立案者は、この提案が本質的にテヘランの政権転覆を究極的に狙った罠だったことを認めている。

 論文はこう認めている。

 この場合、理想的シナリオは、アメリカと国際社会が、イラン国民が合意を支持するほど魅力的な積極的誘因がある案を提示し、イラン政権にそれを拒否させることだ。

 同様に、イランに対するいかなる軍事作戦も、世界中で非常に不人気で、作戦に必要な後方支援を確保し、それに対する反撃を最小限に抑えるには適切な国際文脈が必要だ。

 国際非難を最小化し、(いやいやながらであれ、こっそりとであれ)支持を最大化する最善の方法は、核兵器を入手しようと固く決意していて不純な動機で入手しようとする政権しか拒絶するはずがない余りに素晴らしい最高の提案を提示されたのに、イランが拒絶したという考えが広まっている場合にのみ攻撃することだ。

 そうした状況下で、アメリカ合州国(あるいはイスラエル)は、怒りからではなく、悲しみながらの作戦のように描きだすことが可能で、少なくとも国際社会の一部は、最高の提案を拒否したイランが「自ら招いた」と結論するだろう。

 アメリカ-ロシア「リセット」が不誠実なのは明らかだったが、このブルッキングス論文はアメリカが、あらかじめ決めた制裁や軍事介入に先んじて、合意形成の手段として、見かけの善意や外交を利用している証拠を文書化しているのだ。

 イラン核合意が調印され発効してから数年後、アメリカは一方的に合意から撤退し、イランがそれに「違反した」と非難し、イランに経済制裁を再び課し、アメリカが支援するイラン国内転覆(ブルッキングス論文内のあちこちで計画されているように)とイランとその同盟諸国に対する中東地域全体の代理戦争の組み合わせを追求し始めることになる。

 2009年にブルッキングスの政策立案者が述べた通り、アメリカは平和と和解の申し出を拡大しているように見せかけようとしたが、その後イランが悪意で核合意に違反したと描写しようとし、アメリカがイランに対し準備し必然的に使うつもりだった制裁と軍事行動を正当化した。

 最近のブリンケン長官北京訪問でもアメリカは中国に対し同じ戦略を追求している。

 アメリカの対中国制裁と戦争は既に進行中

 ロシアやイランと同様、アメリカは既に経済制裁をエスカレートさせる作戦と直接および代理人を通じての中国に対する軍事攻勢の両方を計画し実施している。

 パキスタンのバルチスタン地域から東南アジアのミャンマー、太平洋のソロモン諸島に至るまで、中国外交官や市民やインフラ・プロジェクトや企業を攻撃するためアメリカは何年も武装集団を支援している。

 アメリカは既に中国の経済活動に対する制裁を実施している。アメリカ政府や欧米業界が資金提供する外交問題評議会CFRのようなシンクタンクを通じて、2022年2月の特別軍事作戦開始後、ロシアに課されたものより一層大きな制裁が意図され準備されている。

 CFR論文「より積極的な中国に対応する新時代の米台関係」は台湾をめぐる北京との合意を弱体化させ続けるワシントンの計画を詳しく説明し、この島に対するアメリカの影響力を維持し、従ってアジアにおける中国に対するアメリカ優位を維持するための多くの政治的、経済的、軍事的措置を推奨している。

 台湾を更に武装させ、台湾を中国の他地域から経済的に分離させ、この地域での米軍駐留を構築するなどの措置は、全て中国が本質的にワシントンによる台湾政治占領を止めるのを阻止することを目的としている。台湾支配維持は、アジアにおけるアメリカの「影響力」と「アクセス」を維持するという明らかにより広範な政策の鍵だ。

 CFR論文は、アメリカ国務省が公式ウェブサイトで発表した1965年の覚書を反映し「台湾の将来だけでなく、第一列島線の将来と、西太平洋全体でのアメリカのアクセスと影響力を維持する能力も機に瀕している」と結論付けている。

 この論文には、台湾がいかに「アメリカ同盟諸国ネットワークを固定しているか」を示す、明らかに中国を包囲し脅迫しているネットワークの地図さえ含まれている。

 アメリカが中国を包囲し封じ込めようとしているのは明らかだ。中国の力が増大しているため、ワシントンは単独ではそうできない。台頭する超大国を従属させる試みの上で益々極端な経済制裁や軍事侵略が必要で、緊張が高まるにつれアメリカ自身や同盟諸国に制裁と軍事攻勢の両方を支持するよう強制するには世界中の国々の同意が必要だ。

 アメリの政策立案者がイランに関して述べたように「国際的非難を最小限に抑え、(いやいやながらであれ、こっそりとであれ)支援を最大化する最善の方法は、中国の場合、アメリカは外交を「試みた」が、「中国」の決定が交戦的なためアメリカには「気が進まないながら」経済制裁と軍事介入以外の選択肢が残っておらず、願わくは他の国々を同意させる説得力があるか、やむを得ないか、少なくとも強制するのを容易にするものであってほしいのだ。

 ロシアもイランも外交とされるものの上でアメリカの二枚舌をよく知っている。中国がそれに気づいていない可能性は低い。米中の緊張が高まる中、中国も同様に世界の支持を求めているが、忍耐や粘り強さや他の国々との建設的関係によってそうしており、ワシントンが北京に突きつける非難と比較して説得力ある明確な対照となっている。

 ワシントン率いる一極「国際秩序」の衰退の勢いと、中国だけでなくロシアやイランが提唱している多極主義の台頭から判断すると、中国は必勝法を推進しているように見える。長期にわたる中国封じ込め政策でワシントンが追求している益々危険で絶望的な措置が最終的に成功するのか、それとも最終的に裏目に出て、この政策を考案し永続させたワシントンとウオール街の現在の権力世界が崩壊するのかは、時が経てばわかるはずだ。

Brian Berleticはバンコクを本拠とする地政学研究者、作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/07/04/washingtons-real-policy-toward-china/

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 スコット・リッターのAgent Zelensky Part 1は 興味深い。

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

我々はバイデン大統領が肉体的に衰弱し、知的に「耄碌」を知ってる、民主党ほとんど候補者に名乗りなし、現段階立候補→軍産複合体や金融界、加担するメディアにつぶされる。 R・F・ケネディ・ジュニア立候補表明。軍産複合体の政策批判、勝利なくともメッセージは全米に伝わる。

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「トルコのエルドアン大統領が一転、スウェーデンのNATO加盟に同意!」

はじめに~トルコのエルドアン大統領が一転、スウェーデンのNATO加盟に同意! スウェーデンが法改正でテロ対策の強化を約束! さらにスウェーデンはトルコへの武器禁輸措置を解除、米国もF-16売却を示唆!? ストルテンベルグ事務総長は、トルコのEU加盟との関連性は否定!

『グレイ・ゾーン』のブルメンタール氏が、国連安保理でバイデン政権の暗部を一刀両断!】米独立メディア『グレイ・ゾーン』創設者のマックス・ブルメンタール氏が、国連安保理演説で、ウクライナ紛争をめぐるバイデン政権と軍事産業の癒着を一刀両断! ロバート・ケネディJr.氏は「しびれるような批判」と、ツイート!! IWJは、ブルメンタール氏の演説を、緊急全文仮訳!(『グレイ・ゾーン』、2023年6月30日)

<インタビュー決定>7月13日(木)午後4時半から、中東がご専門の国際政治学者である放送大学名誉教授・高橋和夫氏への、岩上安身によるインタビューが決定しました! ウクライナ紛争に米国がのめり込んでいる間に、中東諸国は分断を超え、米国離れが加速! 戦後史上最大の変化を迎えつつあります! 高橋先生に解説してもらいます。

2023年2月 4日 (土)

アメリカ、エイブラムス戦車をウクライナに供与。それで変化が起きるか?

2023年1月27日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 ウクライナ軍が多くの戦線で敗北する中、益々多くのドイツ・レオパルト2主力戦車とともにアメリカも少なくとも31台のM1エイブラムス戦車を送ると最近発表した。

 「「団結した」取り組みとバイデンは称賛し、ドイツと共にウクライナに戦車を送る」というガーディアン記事はこう書いている。

 ジョー・バイデンは31台のM1 エイブラムス戦車のウクライナへの送付を承認したが、これは多くの国々が戦線に戦車を送るのを
いやがるのを止め、ロシア攻勢に対処するアメリカの取り組みの本格的エスカレーションだ。

 ウクライナの戦争遂行用にドイツがレオパルト2戦車14輌を供与し、キーウを支援するため同盟諸国に他の戦車を再輸出する許可を与えると確認した後、アメリカもこれまでの姿勢を逆転させた。

 記事にはこうもある。

 ホワイトハウスのルーズベルト・ルームで「ヨーロッパとアメリカが決意を弱めるのをプーチンは期待していた」とバイデンは述べた。「我々の対ウクライナ支援が時間と共に崩壊すると彼は期待していた。彼は間違っていた。彼は間違っていた。彼は最初から間違っていたし彼は今後も間違い続ける。」

 だが外見上明白な支援の増加にもかかわらず、詳しく分析するとウクライナに対する実際的な支援はとっくの昔に底を突き、これまでの支援策より戦場に対する効果が更に少ない「奇跡の兵器」策に欧米が出たように思える。

 多くの人々が考えているような「形勢を一変させるもの」ではない

 ウクライナに欧米が主力戦車を供与すれば「形勢を一変させる」だろうという考えは欧米の主力戦車はロシア戦車より「優れている」という神話に根ざしている。この神話は1991年にイラクで、そして2003年にアメリカやイギリスの最新主力戦車がソ連時代に輸出されたT-72と対戦したアメリカによるイラク侵略の際の実績に基づいている。

 数人の経験豊富なアメリカ軍将校がこの誤解を警告しているだけでなく最近の紛争における欧米主力戦車の実績は大いに異なっている。

 元米軍中佐ダニエル・デイビスは最近の記事でイラクでの欧米戦車の実績を巡る神話を一掃し、これらハイテク戦車が相違をもたらし、ウクライナのものだと主張する地域からキーウがロシア軍を追い出すのを可能にするかどうか問うている。

 イラクで実際アメリカの勝利をもたらした重要な要因を彼は指摘している。彼はこう説明している。

 デザート・ストームではアメリカM1A1エイブラムス戦車がサダム・フセインのソ連製T-72戦隊を殲滅し、再び2003年にエイブラムスが先導したアメリカ攻勢はT-72がアメリカ戦車にかなわないことを明らかにした。そして実際アメリカ戦車は大いに成功していた。デザート・ストームの際、例えばアメリカと連合諸国は3,000台以上のイラク戦車を破壊した。だがサダムの軍は一輌のエイブラムス戦車も破壊しなかった。ロシアが持っている戦車に対してそれほど有効だと分かった時、誰であれエイブラムスかそれに匹敵する戦車を持ちたいと望むのは理解できる。

 だがデイビス中佐はデザート・ストームの際にイラク軍が使った戦車がロシアが今持っている種類の戦車と違うことを言っていない。

 デザート・ストームの際イラク軍が使ったT-72は元来生産された時の鋼鉄装甲でしか守られていなかった。彼らには暗視能力や赤外線画像装置や温度や砲弾の種類や風速や方向を含め多くの要素を考慮して射撃手のため自動的に砲撃方法を計算する射撃管制装置のコンピュータ化が欠如していた。

 アメリカはこれらの遙かに劣ったイラク戦車と戦うために1,900輌以上のエイブラムスを配備し、この巨大な戦車勢力が、全てがまとまった際、諸兵科連合戦と呼ばれる大規模空軍力や砲兵隊や機甲化歩兵に支援された事実にデイビス中佐記事は言及していない。

 だがデイビス中佐は、ほぼ完全にアメリカを優位にするのに効果があった非常に重要な要因、訓練に言及している。

 訓練は重要で訓練には何年も要する

 デイビス中佐は記事でこう説明している。

 まずアメリカ人乗務員は個人として大いに訓練されている。私の部隊では、運転手、砲弾装填者、射撃手と指揮官が全員個々の業務を習得し、戦闘の一年以上前に小隊として、更に中隊レベルでかなりの時間訓練を行っており、その後我々は戦隊、最終的に連隊レベルで訓練した。誰も我々以上に戦う準備ができていたはずはない。

 逆にイラク軍はこうした訓練を全く受けていなかった。デイビス中佐は多くのイラク戦車兵は皆無ではないにせよ、ほとんど主砲を撃つ訓練をしておらず、主力戦車のような重装備兵器を戦場で維持するのに必要な部隊レベルの訓練や保守計画が「事実上実在しなかった」と説明している。

 訓練における相違は非常に極端で、たとえアメリカ戦車兵がイラクのT-72を運用し、イラク人がアメリカのM1エイブラムスを与えられたとしてもアメリカが勝っただろうとデイビス中佐は結論している。

 彼が更にこう説明している。

 戦車戦では最初に正確に発砲する側がほとんど常に勝つ。デザート・ストームで、我々はほぼ最初に発砲し、我々の訓練のおかげでほとんど決して外れなかった。だがイラク射撃手が砲撃した時でさえ、めったに命中しなかった。結果は彼らにとって致命的だった。

 今のロシア戦車にはコンピュータ化射撃管制装置や暗視装置や赤外線画像装置や高度な爆発反応装甲(ERA)がある。彼らは少なくとも欧米がウクライナに供与した主力戦車と同じぐらい有能だろう。しかもロシア戦車は何倍も多いだろう。訓練は別として、ウクライナでの戦車戦で誰が最初に相手を見つけ最初に正確な砲撃をするかという問題では欧米戦車を探し、それに攻撃をしかける能力があるロシア戦車のほうがずっと多いだろう。

 初心者レベルの戦車隊員を最新の欧米主力戦闘戦車を操作するよう訓練するにはほぼ半年かかる(米軍ウェブサイトによれば22週間)。欧米の戦車乗組員は運転手、射撃手、装填係と指揮官で構成される。戦車指揮官は往々にして何年も特定の戦車を操作する経験を持っており、初心者戦車兵で構成された欧米戦車の乗組員はいないことを意味する。

 これはウクライナには到底克服できない問題だ。欧米メディアはウクライナ人が欧米戦車を操作し配備する方法を学ぶには数カ月要すると認めているが、これは乗組員が、どのように戦車を部隊として一緒に使用すべきかに関するどんな訓練も省いて、いかに個別戦車を操作するかという集中特訓を与えられた場合の話だ。

 多くの人々が訓練は短縮可能で、ウクライナ軍は「士気が高く」何年も必要な訓練や経験を何らかの方法で数週間に縮められると主張している。これは本当ではない。

 (退役)米軍中将マーク・ヘルトリングはTwitterの最近のスレッドで同意している。

 彼は訓練は「ごまかせる」はずがないと警告している。もしそうであれば乗務員は実際戦車自身の損害をもたらし戦場では役に立たないだろう。

 M1エイブラムスは損害を与えるのを避けるため相当な時間の注意深い操縦士訓練が必要なタービンエンジンで動く。破損したエンジンは交換する必要があるがウクライナの前線では容易な作業ではない。エンジンは普通の機械工では保守できず訓練され免許を持った技術者が対処する必要がある。

 ヘルトリング中将はウクライナ国内で修理を行うのは不可能なので、M1エイブラムスの故障部品がなんであれ、事実上、800kmの兵站線が必要だと指摘している。

 イラクやサウジアラビアを含めM1エイブラムスを使っている他の国々が戦隊を立ち上げるのに、それぞれ5年、7年訓練が必要だったと彼は指摘している。両国とも技術者も自身でする訓練も装置をないため依然ゼネラル・ダイナミクス(戦車製造企業)に保守を頼っている。

 だからウクライナにいきなりこのような兵器を配置しようと試みれば生ずる困難を想像するのは容易だ。

 ウクライナの欧米戦車は単独で戦うことになる。

 デイビス中佐は「戦車は単独では戦えず、さもないと死ぬ」と記事で指摘している。

 彼はウクライナがこの現在の紛争の間終始持ち得ない支援で、アメリカがイラクに侵攻する際豊富に持っていた航空や火砲支援や機甲化歩兵諸兵科連合戦に言及している。

 ヘルソンに対するウクライナ攻撃に言及し、前進するウクライナ戦車が主に砲弾やロケット弾や対戦車ミサイルの標的にされ破壊されたと指摘している。「戦車対戦車」交戦が行われた例は極めて少数しかない。ロシアはウクライナがロシア陣地に対して行った複数の攻撃の際、旅団に相当するウクライナ兵や兵器を殲滅した。デイビス中将は、たとえウクライナがT-72の代わりにM1エイブラムスやレオパルト2戦車を操作したとしても結果的に同じことになるだろうと推測している。

 これは戦場で戦車以外にもロシアがウクライナより際立って大きな空軍力や砲兵隊を持っているためだ。ロシアは装甲車両やヘリコプターや軍用機から発射する対戦車誘導ミサイル(ATGM)や、歩兵隊が操作する携行式ロケット弾(RPG)に至るまで様々な対戦車火器を開発し大量に所有している。

 これらATGMやRPGは最近の世界中の紛争で、とりわけイギリスのチャレンジャー2やアメリカのM1エイブラムスやイスラエルのメルカバやドイツのレオパルト2などの欧米主力戦車に対して有効なことが分かっている。しばしばこれらの損失は空軍力や大砲や戦車のような統合された兵器支援の恩恵なしで古いロシアの対戦車火器で武装した非正規軍の手によってこうむっている。

 負けた紛争を長引かせる

 2022年2月ロシア特別軍事作戦の初め、ウクライナは多数の近代化されたソ連時代の戦車、大砲、軍用機と機械化歩兵隊を持っていた。

 ロシアはそれらを破壊しソ連時代の装置を持っているNATOの東ヨーロッパ加盟諸国兵器の大洪水を引き起こした。この「第二」軍もウクライナのハルキウとヘルソン攻撃の際に破壊された。

 今NATOはウクライナにウクライナ軍が戦場で使ったり保守したりした経験のない兵器で構成される「第三」軍を構築している。たとえ訓練や補充問題が存在しないとしてもロシア兵器に対して大きな優位をもたない兵器だ。なお悪いことに、ロシアは主力戦車を含め戦場で様々な種類の膨大な兵器を保有し、西側諸国全体には出来ない勢いで戦車の損失を穴埋めする能力がある。

 ウクライナへの欧米兵器供給はこの紛争を確実に引き延ばし双方に更に多くの死傷者をもたらしウクライナをより徹底的に破壊するだろうが戦闘結果は変えるまい。

 砲兵や航空援護の恩恵なしに未経験のウクライナ戦車隊員が乗員として働く欧米戦車はウクライナ軍が長年操作してきた兵器よりかえって悪いだろう。これら戦車の乗務員として欧米の戦車操縦士が働くことに対する疑念は事実に基づいている。だがたとえ欧米の操縦者がこれら戦車の乗員として働いたとしても彼らは依然数で負け、アメリカがイラクで勝つの要した類の複合的兵器援護がない戦闘に入るはずだ。

 しまいにウクライナは始めの時点に戻り彼らの膨大な損失を穴埋めするにはもう一つの軍隊分の兵器が必要で、それを操作する訓練した人的資源が縮小しているのに気づくだろう。

  Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/01/27/us-to-send-abrams-tanks-to-ukraine-will-it-make-any-difference/

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 Scott Ritter

More Weapons for Ukraine... Just a ploy for Political Cover 1:07

 佐高信の隠し味

岸田よ、中村哲に学べ! 松元ヒロさん 20230126 1:02:55

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

ソ連侵攻当初、米国民はウクライナへの武器提供を圧倒的に支持。共和党支持者(カッコ内は全体)、昨年3月支援多すぎるが9%(7)、現在は40%(26)。共和党は下院支配し、本年秋頃から対ウクライナ軍事支援額は減少が予想される。当然戦況に影響。

 日刊IWJガイド

「2022年、エネルギー大手がウクライナ紛争とインフレと賃金抑制でぼろもうけ! エクソンモービル、シェブロンなど年間利益が過去最高を更新」

はじめに~2022年、米エネルギー大手がウクライナ紛争とインフレと賃金抑制でぼろもうけ! エクソンモービル、シェブロンなどの年間利益が過去最高を更新! ウクライナ紛争は、米国国家と米エネルギー大手にとって「金のなる木」に他ならない!「自由・民主主義対専制主義の戦い」とは、この実態を隠すための虚飾のキャンペーン!

2023年1月23日 (月)

ウクライナにおける欧米戦車の問題

2023年1月17日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 欧米諸国はウクライナに様々な装甲車両や主力戦車さえ提供する約束を始めた。今まで、ウクライナに送られてきた大多数の装甲車両はウクライナ軍が操作修繕に精通しているソ連時代のものだった。

 だがウクライナのヘルソンとハルキウ攻勢後、これら車両の多くが破壊され、欧米車両を供給し始めるか、戦場のウクライナ軍を小火器だけで放置するか欧米にとってほとんど選択の余地がない状態になっている。

 欧米指導者メディアは欧米装甲車両はウクライナ能力の大幅な強化だと主張しているが現実は全く逆だ。戦場でウクライナが有利になるどころかウクライナ軍が戦場で車両を入手し、そこで車両を維持するのに苦闘するだろう。更に世界他地域での最近の戦闘で主力戦車を含め欧米装甲車両は「無敵」でも「形勢を一変させる」ものでもないことが証明されている。

 だから、ウクライナのソ連時代の何百輌もの戦車や歩兵戦闘車や装甲兵員輸送車がキーウにとって好ましい結果を達成するのに失敗しているなら、これら車両を欧米車両で置き換えても相違をもたらす可能性はありそうにない。

 兵站、訓練と保守

 ウクライナが欧米装甲車両を入手するには彼らは戦車や他の車両と一緒に戦場で効果的に使用し、それらを戦場で維持する(保守)上で基本操作訓練をしなければならない。新人戦車兵がこれら技能を習得するのに半年はかかり、ウクライナにその時間的余裕はなく、ロシア特別軍事行動の初めに、ウクライナ戦車乗員が自身の車両を戦場で駆使できた練度や効率と比較して大いに短縮した訓練では欧米人操縦者がウクライナ人になりすまして車両に要員を配置しない限りは基準に満たない操縦士しか得られないことを意味する。

 大半の欧米主力戦車のもう一つの問題は、優れた主砲自動装填装置のソ連やロシアの主力戦車と異なり、レオパルト2やチャレンジャー2やM1エイブラムスは(主砲に手作業で装填装する乗員が必要要だ。それでソ連時代やロシアの戦車は運転手、射撃手と指揮官の3人の乗員だが、欧米の主力戦車は四人目の装填係が必要だ。これはウクライナに送られた3輌の欧米主力戦車ごとに、4人のウクライナ戦車乗員を配置する必要があることを意味する。十分訓練された戦車隊員がより少ない戦車に配備されるのだ。

 これら新たに訓練されたウクライナ戦車隊員が欧米装甲車両乗員として働ける前に戦場に動員しなければならない。アメリカのブラッドリーやドイツのMauder等の欧米の歩兵戦闘車はソ連やロシアの車両より重い。イギリスとポーランドが約束した二輌の戦車チャレンジャー2とレオパルト2も同様だ。アメリカのM1エイブラムスは更に重い。

 これは戦場に送達するためトラックや鉄道で車両移動する上で難題が生じる。二番目の選択肢、鉄道はロシアのウクライナ送電網の組織的標的設定と破壊で酷く抑制され、ウクライナ鉄道車両の多くが電力で動く事実から更に困難になっている。それらを戦場で使用する際、これら装甲車両を維持する問題がある。それらはより多く燃料、しばしば非常に多く必要で、ウクライナのこれまでの装甲車両より遙かに大量の燃料を消費する。

 より重い車両はトランスミッション、緩衝装置、車輪と無限軌道を含め車両部品の摩耗を招く。新たに訓練された未経験の乗員に必要な維持管理の増大は最大能力で車両を運転するのを阻止するだろう。更なる問題は欧米装甲車両-歩兵戦闘車と特に欧米主力戦車の両方が複雑な光学系で射撃管制装置がコンピュータ化されていることだ。実際それらを修理する経験を得るのに数カ月を要し技術者がこれらシステムを診断するだけで一年かそれ以上必要だ。

 ありそうなのはウクライナの装甲車両乗員が修繕のため頻繁にポーランド国境に壊れた車を送るよう強いられることだ。戦いがどこで行われるか次第で、前線から最高1,000キロ離れる可能性がある。戦線に戻すのにも更に1,000キロだだ。欧米技術要員が配置されたウクライナの保守施設は、ロシアには巡航ミサイルや無人機などの長距離精密誘導兵器でそれらを標的にし破壊する手段があるので、ウクライナ内には建設できない。

 これは欧米装甲車両が戦場で実際に戦うより輸送や修理により多くの時間を過ごす可能性を意味する。

 NATO装甲車両はウクライナ自身の装甲車両とは異なる弾薬を使うので、戦線でこれら車両を発砲させておくために常に戦線に送る必要がある。多くのNATO主力戦車は滑腔主砲から120ミリ砲弾を発射するがイギリスのチャレンジャー2は120ミリ施条主砲から独特の砲弾を発射する。これはチャレンジャー2とレオパルト2戦車のため二つのサプライチェーンを設立する必要があることを意味する。ウクライナ乗員が戦場で行える機械修理用の基本的保守部品にも同じことが言える。

 欧米の主力戦車は無敵からはほど遠い

 チャレンジャー2やレオパルト2という主力戦車とともに、ブラッドリーやマルダー歩兵戦闘車を使用する上でウクライナが直面する多くの課題にもかかわらず、これら車両の性能が戦場でウクライナ軍にロシア軍に対して決定的優位をもたらすと評論家は主張している。だが最近の戦争におけるこれら装甲車両の実績はまさに反対のことを示している。

 レオパルト2主力戦車はトルコを含めNATOで広く使われている。トルコは北シリアで正規兵でないクルド族や「イスラム国」軍へのいくつかの攻勢でレオパルト2戦車を配置した。彼らの実績は不吉な題名の2019年のナショナル・インタレスト記事「トルコのレオパルト2戦車はシリアで破壊されている」でこう書かれている。

 デア・シュピーゲルによればISISが占領するアル・バブでの激しい戦闘、トルコ軍指導者が「トラウマ」だと述べた戦いで多数のレオパルト2が破壊された証拠が出現した。オンラインで発表された文書が無敵なはずのレオパルト2をISISが10輌破壊したと記載した。報道によれば対戦車ミサイルで5輌、地雷かIEDにより2輌、ロケットか迫撃砲攻撃により一輌と、不明な原因による他の複数車両だ。

 破壊されたレオパルト2戦車、時にトルコの歩兵戦闘車と一緒に、少なくとも二輌は砲塔が完全に戦車車体から吹き飛ばされた状態の写真を記事は載せて、ロシアであれ欧米製であれ主力戦車が近代的対戦車火器にどれぐらい脆弱か示している。ナショナル・インタレストはいずれもソ連と今ロシア連邦が生産するAT-7 MetisとAT-5 Konkurs対戦車ミサイルに、少なくとも5台の破壊されたレオパルト2戦車の犯人だとしている。

 最も広く生産されている欧米主力戦車はM1エイブラムスだが極端に燃料を食うタービンエンジンと極端に重い重量のため、ウクライナ用に大量注文するのは実際的ではない。大量に生産され、NATOで広く使われているディーゼル・エンジンのレオパルト2はウクライナ戦車勢の大半に取って代わる最もありそうな候補者だが戦場の非正規軍に対する実績を考えると、ウクライナにとって暗い見通ししかない。

 イギリスのチャレンジャー2は戦場で決して優れているわけではない。それが持つ神話は隠蔽と意図的な戦争プロパガンダのおかげで、2007年のテレグラフ記事「国防省は最良の戦車の失敗を隠していた」で暴露された。

 国防省は戦車の装甲を破った先月の攻撃が4年間のイラク戦争でその種の最初のものだと主張した。だが去年の8月もう一輌のチャレンジャー2が兵士の脚の一部を吹き飛ばし、他に何人か傷つけた攻撃の強力なロケット手りゅう弾に貫通された。

 記事はチャレンジャー2に損害を与えた武器はおそらくロシア製RPG-29だと指摘した。こう報じている。

 RPG-29は反抗分子がイギリス部隊を攻撃すのに通常使う在来型よりずっと強力な兵器だ。これがチャレンジャー2に損害を与えるのに成功した最初だが特に戦車装甲を貫通するよう意図されている。

 類似の設計と哲学を共有する他の欧米主力戦車はどうだろう? より良く能力を発揮しただろうか? それは欧米装甲車両の戦闘能力全般を評価し、これら車両を含むかもしれないウクライナへの追加提供で考慮に入れる価値がある質問だ。

 M1エイブラムスはチャレンジャー2同様伝説的評判がある。だがアメリカ自身2003年以来イラクで複数のM1エイブラムスが破壊されている。2003年「イラクでアメリカ戦車が攻撃されGIが二人死亡」という見出しのCBS記事はM1エイブラムスが爆弾か即席爆発装置で損害を与えられたと指摘した。

 M1エイブラムスはサウジアラビアを含めアメリカ同盟諸国に送られている。2016年の「アメリカとの戦車取り引きでイエメン戦争でのサウジアラビアの敗北が暴露された」という見出しのディフェンス・ワン記事が記事はこう説明している。

 火曜日国務省と国防総省はサウジアラビアへの153輌の12億ドルのエイブラムス戦車の販売を承認した。だがそれは本当のニュースではない。

 これが判明。アメリカでゼネラル・ダイナミクス・ランド・システムズが製造した戦車の20台が戦闘で失われたサウジアラビア戦車の「戦闘被害の代替物」だ。

 販売の正式発表は戦車がどこで戦っていたか言わないがイランに支援されるフーシ分離主義者と戦っているサウジアラビア軍はイエメンで400台以上のエイブラムス戦車を失ったと考えられている。

 M1エイブラムスの大きい重量と大量の燃料消費にもかかわらず非正規軍隊さえアメリカの主力戦車を撃破できることで、無敵からほど遠いのは非常に明白だ。

 サウジアラビアのM1エイブラムスの大きな損失はそれら酷い性能の原因である特殊装甲や射撃管制部隊を含めM1エイブラムスの主要特徴が欠けている事実にあると評論家は主張している。だがアメリカがグレー・イーグルのような先進的無人機を送らなかったのと同じ理由から機密の装甲や大いに先進的な射撃管制装置のM1エイブラムスをウクライナに引き渡すことはありそうもない。特別軍事行動のさなか非常によくある現象でロシア軍によるこれら兵器システムのどれかの捕獲は、これら高度な特徴がロシア人技術者に素早く実験されることを意味するだろう。

 そして最終的にイスラエルのメルカバ主力戦車がウクライナ軍の手中に入ることは到底ありそうにないがメルカバは地球上最良主力戦車の一台と思われる。だが彼らは近代的対戦車火器、ロシア連邦が生産する対戦車火器に対する能力発揮が不十分なだけではない。

 2006年の「ヒズボラ対戦車砲レバノンで大半のIDF死傷者をもたらしている」という記事でハアレツはこう報じている。

 ヒズボラの対戦車チームは、モスクワがシリアに売り更にシーア派組織に移されたロシア製のRPG、特に効果的なRPG-29という新機種を使っている。

 RPG-29の貫通能力はタンデム弾頭に由来し、多くの場合メルカバ戦車の強力な装甲を貫通するのに成功している。

 北シリアでのトルコ軍、イエメンのサウジアラビア軍、イラクのアメリカとイギリス軍、南部レバノンに押し行っているイスラエル軍のいずれかにかかわらず、それぞれの場合、それぞれの軍事行動が歩兵隊や砲兵隊や航空援護を含め大規模な兵站経路により高度に組織的で結合された兵器戦闘の一環として支援される良く訓練された戦車乗員のおかげで成立していることを指摘するべきだ。

 トルコやアメリカやイギリスやサウジアラビアやイスラエルには可能な適切な兵站や結合した兵器支援なしで短期訓練しか受けないウクライナ戦車乗員が戦場で欧米主要戦車を使おうと試みたら何が起きるだろう? これら戦車に対する火器はロシア軍の手中にあり今これらウクライナ戦車乗員が数年にまさに最良の欧米主力戦車に対し大いに効果的だと証明されたロシア製対戦車火器に向かって行くと何が起きるだろう?

 特別軍事行動の間に何百輌ものウクライナ装甲車両を破壊し、ウクライナの当初の在庫そして次にNATOのソ連時代の装置在庫両方を使い果たし、欧米に自身の装甲車両を送ることを考えるよう促したのはロシア戦力だった。

 誘導AT-7メチスやAT-5コンクールスなどのようなロシア製対戦車火器は効果的だが、RPG-29と合わせ、より新しい9M133 KornetミサイルやRPG-30ロケット手りゅう弾はトルコやアメリカ、イギリス、サウジアラビア、イスラエルの戦車乗員が経験したのと同じ破壊的結果を確実に引き起こすだろう。ウクライナ軍は、より新しいT-90プラルィヴや近代化されたT-72やT-80戦車を含め何百輌ものロシア主力戦車と対峙するだろう。ロシア航空部隊は装甲車両に対する高精度な攻撃能力がある様々な兵器を持っており、ロシア砲兵隊はレーザー誘導のクラスノポール弾を使い主力戦車を破壊可能な能力を越えている。

 換言すれば、ウクライナ戦車乗員がそれほど用意ができておらず、欧米の対応部隊より理想的とほど遠い条件下で戦い、量と品質に関して対戦車火器の遙かに大きい兵器庫に対して戦うのだ。M777 155ミリ曲射砲やHIMARSの複数GPS誘導ロケットを含め「形成を逆転する」他の欧米「奇跡的な兵器」と同じように、ウクライナは「形成逆転」をもたらす更にもう一つの「奇跡兵器」を必要としている。欧米主力戦車はウクライナが戦争を継続するのには役立つだろうが、究極的にキーウとその欧米のスポンサーは自身が結局始めたところにすぐ戻るだけなことに気がつくだろう。

Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/01/17/the-trouble-with-western-tanks-in-ukraine/

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 Democracy Now!

 アメリカでのアサンジ擁護の催しにジェレミー・コービンが参加

U.K. MP Jeremy Corbyn on Freeing Julian Assange, the Working Class, Brazil, Peru & Ending Ukraine War 32:32

 The Jimmy Dore Show アメリカ人10人に4人が費用のため医療にかかるのを遅らせている

4 Out Of 10 Americans Delaying Medical Care Over Costs 7:35

 耕助のブログ Pepe Escobar記事翻訳

No. 1682 静かな(パニック)の西部戦線

 日刊ゲンダイDIGITAL

経済学者・郭洋春氏が説く「100均資本主義」今こそ“成長”を追い求めず心豊かな生き方を

 新刊を購入させていただこう。

100均資本主義 〜脱成長社会「幸せな暮らし」のつかみ方

 防衛費やら国防費という婉曲表現は不適切。(宗主国軍産複合体のための)戦費と呼ぶべき。宗主国霊感商法巨大壺詐欺

 デモクラシータイムス

みんなが暮らしに困っているのに何が異次元の防衛費だ!【The Burning Issues vol.35】20230120 1:30:06

 日刊IWJガイド

はじめに~ロシアのメドベージェフ前大統領が、ダボス会議での西側諸国の「ロシアは戦争に負けるに違いない」との主張に「核保有国が通常戦争に負けた場合、核戦争を引き起こす可能性がある」と警告! ポーランドのモラヴィエツキ首相は逆に「ウクライナの敗北は第三次世界大戦につながる」と武器支援の強化を主張! 即時停戦を主張していたキッシンジャー元米国務長官ですらダボス会議でウクライナのNATO加盟と米国による軍事支援の継続を提言!! どちらの勢力も一歩も引かず、第3次世界大戦へ向かうのか!?領が『核保有国が通常戦争に負けた場合、核戦争を引き起こす可能性がある』と警告!」

2023年1月11日 (水)

中国のCOMAC C919ジェット旅客機と多極主義への跳躍

2023年1月6日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 まさに2022年末、中国COMAC(中国商用飛機有限責任公司)のC919定期便ジェット一号機が中国の国内航空会社中国東方航空に引き渡された。

 「東方航空世界初の中国製C919ジェット機を受け取る」という見出しの記事でロイターはこう報じている。

 世界初のC919、中国製ナローボディ・ジェット機は金曜日、上海の最大顧客である中国東方航空(CEA)に引き渡され、歴史的瞬間を記念する15分の飛行のため離陸した。

 国有通信社新華社によればエアバス(EADSY)A320neoとボーイング(BA)737 MAX単通路型航空機シリーズのライバルであるこの旅客機は来春初商用飛行すると予想されている。

 引き渡しから初商用飛行までの間に、最初のC919は最高100時間のテスト飛行をするとSimply Flyingが報じた。テスト飛行には複数の目的地への飛行が含まれる。一方中国は既にパイロット9人、フライト・アテンダント24人と維持管理人員13人を含め広範な人員を航空機運営のために訓練している。

 この日程はCOMACや東方航空や中華人民共和国にとって明らかに大きな業績だが、それは多極世界のための大きな跳躍でもある。

 飛行機を越える影響

 この旅客機と既に飛行認証されているロシアのイルクート MS-21の二機と、国内のみならず彼らの背後にある国際需要を満たしている企業の可能性から考えると欧米のボーイングとエアバス社が享受した複占は終わるかもしれない。

 「エアバスとボーイングにとっての新たな競争相手」という見出しのドイツのドイチェ・ヴェレ記事は、こう報じている:

 新しい航空機が定期航空市場の大いに儲かる主要部分に参入する。エアバスとボーイングはそれを真剣に受けとめる必要がある。特にMC-21は今売られているエアバスとボーイングの在来型と比較して一部分野でより良い性能を提供できる。アメリカとヨーロッパの大手は何十年間も栄光の座であぐらをかいていたのでそれは少しも不思議ではない。ボーイング737の起源は1967年にまで遡り、他方エアバスA320は1987年に初飛行した。

 ロシアと中国の旅客機が欧米独占企業に挑戦するのを阻止するためロシアと中国の航空機企業に対し損害が大きな制裁を課する取り組みで国家安全保障から人権に至るまであらゆることが特にアメリカ政府に実行された。アメリカ政府が中国通信企業にしたのと全く同様、これら制裁はロシアと中国の航空機企業が国際的に競争するのを阻止する企てで、可能なら、これらの企業を完全に排除するだろう。

 だがG7諸国の合計より大きな人口を持つ中国は国際市場への参入にかかわらずCOMACや他の中国航空機企業を強化する可能性がある空旅市場がある。ロシアや隣接する市場は、時間とともにMC-21を大量販売する可能性を与え、自身を証明し、魅力的でより多数の国に買いやすくなるだろう。

 アメリカ制裁の影響と意図を重々承知して、ロシアと中国両国ともエンジンや制御システムを含め、かつては欧米依存していた部品の代替品を開発している。

 多極主義には複数選択肢が必要

 多極主義は現在普及している欧米率いる単極の「規則に基づく」秩序に対する単なる政治宣言や代替の国際秩序に対する願望というだけではない。それは金融と貿易に関する代替制度を物理的に作り出すだけでなく、産業や製造の代替システム構築だ。

 欧米が持っている権力はボーイングやエアバスのような独占企業から生じ、莫大な利益は株主の手中に集中する。それら利益は集中した権力と影響力を意味する。これら独占に対する代替物の創成は利益集中を弱め、結果として生じる権力と影響力を再分配する。

 これが中国のC919とロシアのMC-21の成功の可能性を特に重要にする。彼らの成功は複雑さで悪名が高く参入困難な産業における欧米複占の集中権力と影響力を削り取るだろう。C919とMC-21の成功は中国とロシアのみならず、他の新たに登場しつつある工業経済に対する将来の成功のためのケーススタディと手本になるだろう。

 単なる貪欲や嫉妬深い複占保護以上に、ボーイングとエアバスと彼らの周辺の圧力団体はこれは単なる飛行機販売を越える問題だと悟っている。欧米覇権を維持するか取って代わられるかだ。

 C919や産業の広範で、様々な領域で拡大する中国企業の他の製品こそグローバル段階への中国上昇の要因だが、北京とその勃興を拒否するワシントン間の緊張は増大する。

 多極主義の政治的側面を支える産業的、経済的要因の理解は、アメリカが課そうとしている制裁と、中国がそれらを回避し乗り越えるため使用する方法に関し、ワシントンと北京両者が下す決定を理解するのに役立つ。C919とMC-21の継続的な開発と適応の拡大は避けられないようだ。欧米がこれら新たな当事者を認め尊重していたら、これらの新旅客機が生み出す繁栄を共有できだろう。どちらの航空機も欧米のプラット & ホイットニー製エンジンを使用している。これら航空機開発を阻止するというワシントンの決定のため、中国とロシア両国が国産の代替品があるか開発中だ。これらエンジンは最終的に国内で採用され、実績が証明されてから世界市場に参入して欧米製品を打倒する可能性がある。

 アメリカが制裁に依存しすぎることで政治的に自身を孤立したのと全く同様に、それはその産業のために解決する以上に多くの問題を作り出している。

 中国とロシアの航空機企業とその製品がボーイングやエアバスと大きな市場シェアをめぐって一体いつ、どの程度競争し始めるかは時がたてばわかるが、そうなった場合、対象は航空機企業とその利益だけではない。富、権力、影響力を入手するための利益源が決まることで、ワシントンに一方的に決定されるか、北京とモスクワが始めた多極主義を通じて将来が決定されるかということだ。

 Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/01/06/china-s-comac-c919-passenger-jet-and-a-leap-for-multipolarism/

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 あえなく潰れた日の丸旅客機構想を思い出す。

 東京新聞に記事が連載されたが悲しくて読めなかった。

「今日は、一緒に飛ぼうな」MRJ初飛行の機長が見た現場 三菱の国産ジェット事業凍結

2023年1月 3日 (火)

ウクライナのアメリカ・パトリオット・ミサイル:絶望的で危険なエスカレーション

2022年12月28日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 アメリカはパトリオット防空ミサイル・システムをウクライナに移管する過程にあるようだ。CNN記事「独占:アメリカはパトリオット・ミサイル防衛システムをウクライナに送る計画を最終決定」は、アメリカは承認し決定が下されてからわずか数日でシステムをウクライナに迅速に出荷すると主張している。

 逆説的だがCNNは、システム運用に必要な多数のウクライナ人を訓練するには数か月かかると認めている。これにより専門家たちは実際は既にシステムに精通しているNATO要員が「ウクライナ人」を装ってシステムを操作すると推測している。

 これは大幅なエスカレーションだ。欧米軍は様々な役割でロシア軍に対しウクライナ全土で密かに活動していると考えられているが、益々多くの高度な兵器を操作する欧米要員は、欧米航空機や戦車を含む他の高度な欧米兵器制御の背後にいる欧米操縦者が紛争に入る点で当初の狙いを越えて計画が膨張するミッション・クリープとなる可能性がある。
 
 パトリオット・ミサイルを送る決定は電力網を含む軍事および軍民両用インフラを標的としたウクライナ全土でのロシア・ミサイルとドローン攻撃の着実なテンポに続くものだ。欧米メディアはウクライナ自身のソ連時代防空システムの数が減り、迎撃ミサイルが不足していると認めている。

 フィナンシャル・タイムズは記事「軍事ブリーフィング:航空戦激化はウクライナの武器備蓄を枯渇させる」で次のように認めている。

...ウクライナ防空の主力であるS300とブク・システムの弾薬と予備は減少している。ロシアはウクライナ防空システムを使い果たさせるためX-55核ミサイル弾頭を通常弾に交換して発射しているというイギリス軍事諜報機関の主張を確認した。

 この記事はシステム用の追加弾薬と予備部品購入は実用的でないと述べている。またウクライナに独自防空システムを提供する欧米の取り組みにも言及しているが、そのようなシステムは限られた量と弾薬への入手制限という点で同様の問題に苦しんでいる。

 フィナンシャル・タイムズはドイツの「ゲパルト」自走対空砲を「非常に効果的」だと書いている。その主張を立証する証拠は提供されず、皮肉なことに記事が公開された直後、スイスがウクライナに追加弾薬を供給するのを望まなかったのと同様ゲパルト・システムの弾薬不足が報告された。

 アナドル通信社によるとスイスの決定を補うためドイツのラインメタル社は弾薬生産を拡大すると発表したが生産は早くとも6月まで開始されずウクライナは少なくとも7月まで弾薬の受け取りを開始せず、それもドイツ政府がゲパルト35mm弾を注文した場合に限る。

 IRIS-TとNASAMS、2つの欧米の短距離・中距離防空ミサイル・システムの少数がウクライナに提供されているが数は数年間に徐々に増加している。これはウクライナの減少しつつあるソビエト時代の防空システムを置き換えるには遅すぎる速度だ。

 この現実を考えるとパトリオット・ミサイル・システムをウクライナに移管するというアメリカ決定はワシントンが彼らが違いを生みだせると思っているからではなく単にアメリカや同盟諸国が代わりに送るべきこれ以上適切なものや数がないからかもしれない。

 しかしパトリオット防空システムでさえ自身の深刻な弾薬不足からドローンや巡航ミサイルに対するウクライナ防衛を提供できないことに至るまでの問題に悩まされている。

 パトリオット・ミサイル:少なすぎて弱すぎる?

 「ロシア・プロパガンダ」どころかパトリオットの欠点は何年間も欧米マスコミに報じられてきた。アルジャジーラは2022年早々の記事「サウジアラビアは『数カ月』で迎撃ミサイルを使い果たすかもしれない」でパトリオット迎撃ミサイルのサウジ備蓄が不足しており、アメリカがそれを埋め合わせるほど製造できないのを認めている。

 ウォールストリート・ジャーナルは2022年3月に追加ミサイルが最終的に取得されたと報じているがアメリカが更に製造できたためでなく代わりにアメリカがサウジアラビア近隣諸国にミサイルを自国備蓄からサウジアラビア防空軍に移すよう説得したためだ。

 ディフェンス・ニュースによるとミサイル不足が深刻化する中ロッキード・マーティンは2018年にミサイルの年間生産量を250から500に倍増すると約束した。2021年までに、カムデン・ニュースはロッキードが既存の生産施設に新たに500平方フィート拡張を建設した後、2024年までに年間85,000発のミサイル目標を達成する予定だと報じている。

 しかし年間500発のミサイルでさえ、そして全てのミサイルがその後ウクライナに直接送られたとしてもロシアが継続中の特別軍事作戦の一環として使用している巡航ミサイル、ドローンその他の長距離精密兵器の数に匹敵するのに十分ではない。

 ニューヨーク・タイムズ紙は「ロシアはウクライナに対し古いウクライナ・ミサイルを使用していると将軍は言う」という見出しの記事で、ロシアが月に少なくとも40発の巡航ミサイルを製造している可能性が高いと主張するウクライナ情報源を引用している。年間を通じると巡航ミサイル480発になる。パトリオット・ミサイルシステムが有効性100%からほど遠いことを考えると、480発のロシア巡航ミサイルから500発のパトリオット・ミサイルがウクライナを防衛できるという考えは非現実的だ。

 しかしロシアの年間ミサイル生産量はもっと多い可能性がある。BBCは10月以降だけでも、ロシアがウクライナ全土の標的に1,000発以上のミサイルとドローンを発射したと報じている。これはロッキードが毎年生産する予定のミサイル数の2倍だ。

 この現実は非常に明白なので欧米専門家はパトリオット・ミサイルがもたらす影響に関する疑問について公にコメントしている。Breaking Defenseは記事「パトリオット・ミサイル・システムはウクライナの万能薬ではないと専門家は警告」でパトリオット・ミサイルのウクライナ移転を「政治的支援のジェスチャー」だと呼んだ戦略国際問題研究所のミサイル防衛専門家トム・カラコを引用している。

 記事はまた、カラコを引用して、次のように述べている。

 「これらの希少で貴重な資産には慎重さが必要だ」とカラコは述べた。「私たちは装置を一式しか送らないが、一度そこにおいたら、おそらく戻って来るまい。そして彼らが軍需品を使い始めたら彼らは更に多く要求するだろう。そして私たちが使えるPAC-2やPAC-3[ミサイル]が何トンもゴロゴロしているわけではない。

 カラコはまたパトリオットは「台湾紛争を抑止する」ため必要だと指摘し、ロシアとの代理戦争における欧米兵器備蓄の着実な枯渇は地政学的真空の中で起きておらず世界の他地域、特に東アジアで他の国々を脅かす欧米の能力に影響を与えている事実を強調する。

 同じ記事はパトリオット・ミサイルが迎撃しようとしている比較的安価なドローンと比較してどれほど高価かも指摘した。しかし、それもパトリオット・ミサイル・システムがそれらを迎撃できたとしてもだ。

 NBCニュースは2019年の記事「アメリカのパトリオット・ミサイルがサウジアラビア石油サイトを攻撃するドローンと巡航ミサイルを阻止できなかった理由」でアメリカが提供するパトリオット・ミサイル・システムがサウジアラビア石油生産施設に対しイエメンが使用した巡航ミサイルと「三角形」ドローンに対しどう失敗したか指摘している。

 パトリオット・ミサイル部隊が施設を守っているにもかかわらずサウジアラビア軍はドローンを撃墜する試みに失敗し小火器発砲に頼った。ある攻撃でサウジアラビアの毎日石油生産量の半分が一時的に混乱した。

 記事はこう主張している。

 ドローンやミサイルはレーダーで探知できるがレーダー反射断面積が小さい傾向があり、地表近くを飛ぶ可能性があるので検出範囲が大幅に減少し遠くから発射する可能性がある。また操作が簡単で、レーダーとパトリオット部隊間の対象範囲の間隙につけこみかねない。またドローンや巡航ミサイルは、200万ドルや300万ドルのパトリオット・ミサイルより安いことが多く、攻撃するドローンの群れよりもパトリオット供給は遙かに早く枯渇する可能性がある。

 NBCニュースは、ウクライナに移送されたパトリオット・ミサイルシステムが直面する遙かに大きく、より高度な規模の脅威を正確に説明している。

 この記事はパトリオットが防御に適さない脅威に対抗するためアメリカが取っている広範な措置(2021年時点で配備されつつある措置)について説明しているが、アメリカが準備している、またはウクライナに大量に送れる措置ではない。

 アメリカとNATO同盟国は戦場になる可能性がある場所での優位より、戦闘機を使用して制空権の達成・維持を優先し地上ベースの防空システムを長い間無視してきた。空軍に似たものが欠如した敵との数十年の「小さな戦争」での戦いは問題を悪化させただけだ。

 欧米がウクライナを武装させ続けるにつれ直面する現在の武器と弾薬不足を解決するのには何年も、多額の金もかかるのと同様、ウクライナの要求の量と質の両方で防空システムを構築するにはウクライナに残されたより時間がかかり欧米が費やそうとしているより多くの資源が必要だ。

 戦争は優れた兵站、軍事技術、戦略で勝利するのは周知の事実だが「政治的支援のジェスチャー」で戦争に勝った時のことを想起するのは困難だ。

 Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/12/28/us-patriot-missiles-in-ukraine-a-desperate-dangerous-escalation/

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 Scott Ritter

The American Military is not Prepared

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

スティーヴン・キング「監獄では、権威ある立場にある者はみな主人になり、あなた(人々)は主人の犬になる。多分、あなたも犬になったことを知っているだろう。しかし他の皆も犬なので、あなたはそれほど気にしない。」監獄=日本社会(指導層)

2022年12月29日 (木)

ウクライナの武器枯渇

2022年12月23日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 欧米とウクライナの軍幹部両方の何ヶ月にもわたるニセの自信と楽観主義の後、亀裂が現れ始めている。エコノミストとのウクライナ最高司令官ヴァレリー・ザルジニー将軍の最近のインタビューで、ウクライナの追加武器の切実な必要性とそれらを受け取れない場合の結果は非常に明白になった。

 議論は、防空ミサイルから戦車、装甲車両、大砲、砲弾自体に至るまで資源の切実な必要性を中心に展開された。欧米とウクライナ双方が認めている全てが不足しており、おそらく近い将来または中期的未来にも供給できない。

 「ロシアを背伸びさせる」からNATO「非軍事化」へ

 ウクライナにおけるワシントンの対ロシア代理戦争はアメリカ政策立案者に、ウクライナ東部での敵対行為を拡大して「血と財政の両方でドンバス地域を維持するためロシアの費用を増加させる」ことを期待して「ウクライナに致死的援助を提供する」よう勧告したランド研究所の2019年論文「ロシアを背伸びさせる」の現実化だ。

 この論文はドンバスにおけるロシアの装備と人命損失がソ連がアフガニスタンで被った費用の再現になるよう望んでいた。ロシア連邦は確かにウクライナで積み上がる費用に直面しているが、アメリカや他のNATO諸国、そして何よりウクライナ自体少なくともそれ以上ではないにせよ同じくらい苦しんでいると簡単に主張できる。

 紛争でどちら側がどれだけ失っているかよりおそらく重要なのは戦闘中に人員と装備を再生する各々の軍事産業能力にとって、どちらがどれだけ失う余裕があるのかということだ。ほぼ一年の戦闘後ロシアの備蓄と軍隊がこの種の長引く激しい大規模な軍事紛争に備えていたことは明らかだ。ウクライナとその欧米スポンサーはそうではなかった。

 ウクライナのザルジニー将軍はキーウがウクライナだと主張する2022年2月23日の国境を回復するため必要と主張する武器の「欲しいものリスト」をエコノミストに明かした。リストには戦車300両、歩兵戦闘車600?700両、榴弾砲500門が含まれていた。

 この「欲しいものリスト」は、いわゆるハリコフとヘルソンの攻撃に先立ち西側諸国がウクライナに送付した武器、車両、弾薬で構成される大規模予備軍をウクライナが消費したことに続くものだ。複数旅団に相当する喪失に加えて、ロシア地上部隊が撤退し、代わりに長距離兵器を使用して現在十分構築された防御線の背後からウクライナ軍を攻撃したため膨大な量の装備も失われた。

 領土を占領することで得られたウクライナ攻撃の一時的な政治的得点は欧米がウクライナに送る余裕があるものの大部分を費やす犠牲を払って得たのだ。

 今やウクライナに対する西側援助の限界が益々認識されつつある。

 11月のニューヨーク・タイムズ紙記事「アメリカとNATOはウクライナを武装させ自国の兵器を補充するために緊急発進している」は下記のように認めている。

 昨年夏ドンバス地域でウクライナは毎日6,000から7,000発の砲弾を発射したとNATO高官は述べた。ロシアは一日あたり40,000から50,000発の弾丸を発射していた。

 比較するとアメリカは毎月15,000発しか製造していない。

 そのため欧米は、S-300防空ミサイル、T-72戦車、特にソ連口径の砲弾などウクライナが現在使用できるソ連時代の装備と弾薬が益々不足するのを見て緊急発進している。

 ザルジニー将軍は300両の戦車を望んでいるがアメリカは改修が必要な90両のT-72戦車しかかき集められなかった。アメリカ政府メディアのラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオリバティによると、戦車は年末までにウクライナに到着すると予想されている。

 ザルジニーが必要とする500基の榴弾砲はNATO備蓄には存在しない。しかし、たとえ彼らが持っていたとしても、それで発射する155mm弾は不足している。ニューヨーク・タイムズはロシアの40,000から50,000発に対し、ウクライナは一日に6,000から7,000発の弾丸を発射していたと主張しており、ウクライナと欧米支援者の備蓄とロシアの備蓄との間の格差を示している。

 ウクライナ向けアメリカ助成案はM777用の追加155mm弾やNATOの他の国々がウクライナに提供する他のもの除外することが多い。これはアメリカが月に15,000発しか生産しておらず、ウクライナが通常2-3日で発砲するのとほぼ同数の弾丸を生産しているので備蓄が不足しているためだ。

 生産を増やすには何年もかかるだろう。アメリカはウクライナに譲渡したもの置き換えるための追加武器と弾薬調達を手配している。しかしこれら調達計画はウクライナが今の戦闘能力を維持するのに必要なものを提供し続けるのに必要なレベルにほど遠い。

 最近発表されたBreaking Defense記事にアメリカが今後数年間に調達する多くの軍需品や兵器システムが列記されている。今後数年にわたる調達プロセスを通じて取得される砲弾の数はわずか864,000発でウクライナが半年に発射するのとほぼ同数の砲弾だ。

 現在のアメリカ調達計画はウクライナの長期支援を考慮していないようで、議論されている調達計画もない。ウクライナ「非軍事化」が進行中の特別軍事作戦の主目的の一つだとロシアは主張しているがアメリカとNATOもある意味で非武装化されているようだ。

 ウクライナが枯渇する中、ロシア兵器は到着し続ける

 ウクライナの二つの主要秋攻勢に直面してロシア軍は戦闘能力を維持しただけでなく、30万人以上の追加軍隊を部分的に動員した後、ロシアの戦闘能力は実際拡大した。余分な人員に加えて、ロシアは新しい兵器の着実な流れももたらしている。

 アメリカが復元された90両のT-72戦車をかき集め、Army Recognitionは最大200両の真新しいT-90主力戦車が前線に納入されたと報じている。

 ニューヨーク・タイムズは欧米がウクライナに送る武器と弾薬の数が減少していることについて論じ、ロシアが少なくとも月に40発の巡航ミサイルを製造している可能性があると認めているが、その数は遙かに多い可能性が高い。

 ゲラン2長距離神風ドローンの着実な流れは欧米専門家がロシアがそれらを使い果たしたと主張した後もウクライナに「到着」し続けている。巡航ミサイルやドローンはウクライナ電力網を標的にするため使用されてきたが、他の長距離弾薬や重砲撃がウクライナ要員や装備を戦場で排除し続けている。

 大半が国有の広大なロシア軍産複合体全体の生産量は捉えどころがないが、ロシア備蓄がどのように特に大規模な激しく長引く軍事紛争用に製造されたのか、同様にロシア軍もそのような軍事紛争を行うよう構成された方法を考えると、ロシア軍産複合体がそのような軍事紛争に必要なものを生産するため何年も前から大規模準備をした可能性が高い。

 アメリカとNATO同盟諸国の合同資源に対してロシアが戦闘作戦をどれほど準備していたのか維持する用意がどれほど調っていたのかは時が経てばわかるだろう。確かなのはウクライナの秋攻勢が止まり、再びロシア軍が戦場を横断していることだ。

 エコノミスト・インタビューでザルジニー将軍が次のように述べているのは言及する価値がある。

 私は得るものを手に入れているが必要とするより少ない。マンネルヘイムがフィンランド兵に訴えたようにウクライナ兵士に訴える時ではまだない。我々はもっと多くの領土を取れるし、そうすべきだ。

 ザルジニー将軍は勝つために必要と考えているものを欧米が提供するのを期待してマンネルヘイムがソ連に降伏する際フィンランド兵士にしたように対ロシア降伏についてウクライナ軍に呼びかける時が来たとは思わないかもしれないが、欧米も彼が勝つために必要なものを持っていないのは明らかで、それを得るべく真剣な準備もしていない。

 唯一の希望はウクライナへの減少する供給が最終的に使い果たされる前にロシアが武器と弾薬を使い果たすという考えにかかっているようだ。それは新しいロシア巡航ミサイルやドローンがウクライナ中のインフラを攻撃するたび、または真新しいT-90主力戦車がドンバス地域で鳴り響くたび揺さぶられる願望だ。

  Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/12/23/the-ukraine-arms-drain/

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 最新のDuranも二人のトップの話題を語っている。

 Duran: Episode 1468 Alex Christoforou, Alexander Mercouris

West Ukraine trap set for Poland 49:39

 今日の孫崎享氏メルマガ題名

中東の不安定の最大の要因の一つがパレスチナ問題。イスラエルは近年パレスチナに対して常に攻勢。ネタニヤフ首相の再登場で、政権は一段と右傾・強硬に。東イスラエルの地位を一段とイスラエル化する動き。これに対してヨルダン国王は対応すると表明。

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2021年4月25日 (日)

南シナ海紛争を狙うアメリカ

2021年4月20日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

 ジョー・バイデンで、アメリカ外交政策が新しくなるだろうという一部の人々の願望にもかかわらず、アントニー・ブリンケン国務長官は「東南アジアの領有権主張諸国を支持する」という名のもとで、南シナ海での紛争を目指すワシントンの姿勢を再確認した。
 ロイターは「アメリカは、中国の圧力に対して、アジア諸国を支持するとブリンケンが述べた」記事で、こう主張している。

ブリンケン長官は中華人民共和国の圧力に直面している東南アジアの領有権主張諸国を支持すると誓った」と中華人民共和国に言及して述べている。

中国はエネルギーが豊富で、主要通商路でもある南シナ海のほぼ全ての領有権を主張している。フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシアと台湾は重複する領有権を主張している。

中国は、コロナウイルス流行騒ぎにつけこんで、南シナ海におけるプレゼンスを推進していると言って、アメリカは非難した。

 中国とのアメリカの緊張は、選挙で選ばれない欧米の既得権益集団と、アメリカ政策報告書が「アジアにおけるアメリカの優位性」と言う通り、中国を、競争相手、潜在的権力簒奪者から排除したいという彼らの願望に根ざしているので、アメリカのこの声明は、ホワイトハウスの主が誰であれ、中国に対する対決的姿勢は続くことを裏付けている。

 アジアにおけるアメリカの優位性

 2015年に、外交問題評議会CFRが発表した「Revising US Grand Strategy Toward China(対中国アメリカ大戦略見直し)」という題の論文は、中国に対して、アジアで優位を維持するというアメリカの願望を明文化したのみならず、この地域での軍事的プレゼンスの継続、あるいは拡大さえ正当化するため、そして、中国の近隣諸国を、対中国共同戦線参加を強要する大義名分として、アメリカが、どのように、南シナ海における重複する領有権主張を、口実として利用するかを詳述している。

 この論文は、東南アジアに軍隊を配備し、この地域を、アメリカ率いる対中国共通の防衛アーキテクチャに統合するというアメリカの具体的な目標を書いている。

 それは2011年に公表されたアメリカの「アジア回帰」と、過去四年間、トランプ政権下で作り上げられた政策を基盤として作られた、アメリカ外交政策に浸透している狙いの連続性を示す政策だ。

 論争を紛争に変える

 海事紛争は世界中でよくあり、欧米でさえ、そうだ。

 去年末「合意なきEU離脱の場合に備え、漁業水域防衛に役立つ四隻の海軍艦船」という題の記事で「ガーディアン」はこう報じている

1970年代の「タラ戦争」を想起させる派遣で、合意なきEU離脱の場合、1月1日から、四隻のイギリス海軍監視船が、イギリスが漁業水域防衛を助ける準備ができている。

長さ80メートルの武装艦船は、岸から200マイルのイギリス排他的経済水域(EEZ)内で操業する全てのEU漁船を停止し、点検し、没収する力を持っている。

 このような論争という点で、南シナ海水域は例外ではない。

 中国がロイター記事で言及されている国々と重複する領有権主張をしているだけでなく 、上記各国が、お互い重複する主張をしているのだ。

 それで、この全ての国々間での散発的論争がおき、時に船の捕獲や乗組員の一時拘留がある。

 だが東南アジア諸国と中国との紛争を含め、これらの論争は決まったように二国間で解決されている 。

 この顕著な例が、2015年に展開した、中国の南シナ海領有権主張に対し、フィリピンのために、アメリカが率先しての、ハーグ仲裁裁判所への訴訟だ。

 ハーグ仲裁裁判所は、フィリピンに有利な裁定をしたが、マニラは北京に対し、この裁定を影響力として利用したり、ワシントンの支援を求めたりするのを拒否し、代わりに、自身と北京との直接二国間交渉を選んだ。

 地域の永久軍事占領を正当化するため、アメリカが使う中東戦略同様、良くある海事論争を地域や国際危機にエスカレートさせたいワシントンの願望を示す例だ。

 最近、南シナ海問題は、ASEANサミットでも生じた。

 「ASEANサミット:南シナ海、コロナウイルス世界流行が影を落とす」という記事でアルジャジーラは、この問題に関するマレーシアの対応を書いている。

会議で「南シナ海問題は合理的な形で、対処解決しなければならない」とマレーシアのヒシャムッディン・フセイン外務大臣が述べた。「我々全員、南シナ海問題を複雑にする活動に着手するのは控えなければならない。我々はあらゆる手を尽くし、あらゆる方法で地域が他国に更に複雑にされないよう保証する方法を考えねばならない。」

 アメリカは東南アジア諸国の擁護者を装っているが、その取り組みは歓迎されておらず、逆に、解決に向かう道ではなく、不安定化の源と見なされているのは明らかだ。マレーシア外務大臣が「他国」に言及した際、ワシントンを意味していたのは、ほぼ確実だ。

 ロシア・ドイツのノルドストリーム2パイプラインを妨害しようとして、アメリカがヨーロッパ「エネルギー安全保障」の保護者を自称しているのと全く同様、南シナ海の比較的ありふれた海事紛争 - 地域諸国を「支持する」ためではなく、彼らにその「優位」を押し付ける口実として、アメリカが割り込んでいるのだ。

 東南アジア諸国は、中国を、最大の貿易相手国、観光産業の源、一部の国々では、重要な軍事とインフラのパートナーと見なしている。南シナ海で長年続く紛争を巡って生じる地域を不安定化する紛争の可能性は、実際にアジアにある国々の誰のためにもならず、彼らを分割し、再び支配を強化しようと努めるアジア以外の国々の権益に役立つだけだ。

 Tony Cartalucciは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/20/us-seeks-south-china-sea-conflict/

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 紛争の先兵がこの属国。

 デパートに行ってみた。大変な混雑。大型書店も長蛇の列。

 オリンピックありきの緊急事態宣言記者会見、生で見る気力なし。官房長官時代の「鉄壁」益々磨きがかかり、まるでロボット。毛ば部とる子氏のyoutube解説拝聴で十分。

 緑のタヌキ、2月2日に明言している。「コロナには、カレンダーも時計も地図もない。人間が自粛期間を勝手に設定しても、コロナは付け入る隙を常に狙っていると考えてもいいのではないか。」コロナにオリンピック日程を押しつけても無視される。

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