Saker

2020年2月 9日 (日)

シリア、イドリブでのロシア・トルコこう着状態 - エルドアン最後の抵抗?

2020年2月6日
The Sakerブログへのガッサーン・カディによる寄稿

 シリア軍が国際的な友人や同盟者、特にロシアの支援で、多くの勝利を得て、シリア大都市の大部分をテロ集団支配から解放できたが、戦いは決して終わっていない。

 アメリカが支配する北東の状況に対処する前に、イドリブと、その周辺を含む西部地域を完全に、正統な政府支配下にもどさなければならない。

 実際、政治的に言って、今の状況は、おそらく「対シリア戦争」が始まった9年前より対処するのは複雑だ。ほぼ正確に9年前、シリアの敵が、共同攻撃を開始する取り組みで団結した。シリアに対する憎悪だけで団結し、彼らは多様な狙いを持っていたが、彼らはお互いの強さを十分に利用するため取り組みで団結した。サウジアラビア率いるイスラム主義ワッハーブ派は、トルコに率いられ、カタールに資金供給されたムスリム同胞団に加わり、彼ら全員、アサド大統領を辞任させ、合法的な非宗教的なシリア政府を、宗派的で、欧米ロードマップの狙いに対して、より柔軟なものに置き換える目的で、NATOやイスラエルや、他の敵討ち集団中のレバノンの極右民兵と手を結んだ。

 彼らは失敗した。

 共同の目的を達成する上で、彼らは失敗し、元シリア軍士官ザフラン・アローシュに率いられるジェイシー・アル=イスラムのような、彼らが作った軍の一部は消滅した。2015年12月に、アローシュは、シリア軍攻撃で死んだが、犠牲者の中には、同様に第一線から退かされ、職を失った共謀者がいた。最も目立つのは、おそらくシリアに対する攻撃構築者の最大の一人だったバンダル・ビン・スルターンだ。

 2013年半ばに、シリア軍がクサイルの戦いで、圧倒的勝利をした後、潮はシリアに有利に変わり始めた。これは、テロリストが、ダマスカス州を彼らの北部補給路と接続するのを基本的にできなくした決定的な戦いだった。振り返ってみれば、この勝利なしで、シリアが、ロシアから多くの支持を獲得するのが可能だったかどうかは議論の余地があるだろう。シリアは、このような部隊を獲得にするには、闘志や決意や国への敬意を示さなければならなかった。結局、ロシアは、伝統的に、あらゆる困難にもかかわらず、威厳を持って立ち上がる人々を高く評価し、尊重するだけでなく、地政学の場で、欧米ブロックによって、何10年も脇に追いやられていた後、どんな冒険的企てであれ着手する前に、あらゆるロシアのグローバルな動きも、完全に徹底的に評価しなければならなかった。

 それゆえ、ロシア自身とプーチン大統領にとって、特に、シリアにおけるロシア軍駐留が非常に高い成功の可能性があるのを確認することが重要だった。

 ロシアの行動前に、シリアの敵の分裂は、空でも、シリアの地上でも、形態を現し始めた。サウジアラビアにとって、最初で最大の失望は、2013年9月に、バンダル殿下が、グータでの化学兵器攻撃とされるものを画策した後、ダマスカスを跡形もなくするのを、アメリカが拒否したことだった。それはクサイルの戦いと、チェチェン共和国で、イスラム至上主義者を解き放つと脅迫して、プーチンを恐喝するのに失敗した後の、バンダルの最後の息だった。

 その時以降「対シリア戦争」でのサウジアラビアの役割は衰退し、アローシュ終焉で終わった。だが2017年に、カタールとサウジアラビア間の緊張が出現した際、カタールは、同盟国トルコに「代弁」された。

 エルドアンは、以前は、ダマスカスのウマヤド・モスクで、勝ち誇って祈ると固く決めていた。だが彼の旧陣営が味わった、あらゆる挫折にもかかわらず、彼は二度目のチャンス、残念賞を獲得する決意が強いのだ。

 2015年11月、トルコがロシアのSu-24を撃墜した後、トルコとロシア間関係はどん底に落ちた。だが現実主義者エルドアンは、まもなくプーチンに謝り、イドリブでの行き詰まり状況に、どのように対処するべきかについて、最終的に協議に達した。

 だが、エルドアンは、ソチ合意として知られるようになったものへの誓約を真面目に守っていない。https://thedefensepost.com/2019/10/22/russia-turkey-syria-mou/

 本格的なNATO加盟国、ロシアの親密な友人、EU加盟を望んでいる国の代表、オスマン帝国再建を望むイスラム教徒、クルド問題に対処可能な民族主義者という複数の役をエルドアンは挑戦的に演じている。彼が見ようとしないのは、そうした異様な行動で、同情的なイスラム教の支援者の人気を得られるが、国際舞台では、益々嘲笑されていることだ。

 彼の見えすいた矛盾は、唖然とするほどに思えるが、できる限り強くサルタンになろうとしている現実主義者エルドアンは、イスラム至上主義と愛国心に固執しており、彼自身に究極の目的を実現するため、悪魔の曲に合わせて踊るのを許すイスラム法に基づく宣告ファトワを見つけたかのように振る舞っている。

 とりわけ、プーチンに対して、エルドアンは自身、アメリカとの連合を再考していて、ロシアのS-400防空ミサイル・システム購入を望んでいるロシアの友人として描写している。アメリカに対しては、彼はNATO同盟国で、アメリカの最新最先端F-35戦闘機購入を望んでいるアメリカ同盟者のままだ。一方で、彼はイスラエルに対し、言葉では攻撃するが、イスラエルとは強い外交的な結びつきを維持することに決めている。彼はパレスチナの大義への支持を誓うが、彼の言葉を行動に移す証拠は示さない。

 エルドアンが、いかなる認識や敬意に本当に値するとすれば、それは彼が、意図的、体系的に、自分の進路に植えつけた、あらゆる矛盾の間を曲がりくねって進み、生き残る能力にある。

 彼は;少なくともシリアでは、選択肢を使い果たした可能性があるが、だからといって、彼が数日の間に、お互いの一層矛盾する声明をするのを阻止するわけではない。2020年1月終わり、ロシアに支援されるシリア軍のイドリブ攻撃に対して、彼は、シリアで新しい攻撃をすると脅した。https://sputniknews.com/middleeast/202001311078189883-erdogan-threatens-new-offensive-in-syria—report/ 数日後、彼は方向転換して、イドリブの状況が、ロシアと彼の関係を悪くするようにはしないと宣言した。https://sputniknews.com/middleeast/202002041078225599-turkey-will-not-escalate-tensions-with-russia-over-syrias-idlib—erdogan/?fbclid=IwAR1X6tQuRrWsX5iQ3kJCJaxFoR11cnfJpj–VlYhuUu9ZXLK6OQal0kiHaw だが、たった四日間しか離れていない二つの声明の間に、シリア軍はトルコ陣地を砲撃し、6人のトルコ兵士を殺害し、約10人を負傷させたとされている。誰でも予想するように、このような前例がない事件で、エルドアンが憤激するはずなのだが、パレスチナのベテラン・ジャーナリスト、アブドゥル・バリ・アトワンによれば、今回は、そうはならないという。

 翻訳に値する論文で、ロシアとシリアはイドリブで行動することに決め、彼らは、もはや、エルドアンが約束と合意を守るのを期待していないのだという。

 アトワン記事の題名は「シリアのサラコブで、トルコ部隊を砲撃して、6人のトルコ兵士を殺害したのは何を意味するか?ロシアのエルドアンへのメッセージは何か?ロシアとトルコはソチ合意を破棄したのか?イドリブでの骨をも粉砕する戦いで、一体誰が勝利者になるのだろう?」だ。

https://www.raialyoum.com/index.php/ماذا-يعني-القصف-السوري-لقوات-تركية-في-س/

 アトワンの分析によれば、シリアによるトルコ隊列砲撃は、ソチ合意をエルドアンが遵守していないことに対するロシア-シリア両国の堪忍袋の緒が切れたことを示している。アトワンは、トルコ内の世論調査が、エルドアンのシリアでのエスカレーションも、部隊のリビア派兵も支援されていないことを示していると論じている。

 今回、アトワンはエルドアンのウソと矛盾の言説の終わりを見たのだろうか? 個人的に、私は彼がそうであるよう希望する。私は以前の分析で、何度か、エルドアンが最後の、有害な間違いしたと予想したのを認めなければならない。どういうわけか彼は、いつも落ちた穴を抜け出して、前進し続けるのに成功している。

 彼は最後の致命的な間違いをしたのだろうか、それとも彼は折れて、シリアのしたいようにさせようとしているのだろうか?

 時間がたてば分かるだろう。

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-syrian-russian-turksih-idlib-stand-0ff-erdogans-last-stand/

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 クルーズ船での感染拡大、止まるようには見えない。

日刊IWJガイド「新型肺炎疑い初の日本人死者! 日本企業の中国工場再開再延期!! サプライチェーン寸断!? 日本は第2の『感染ハブ』!? 五輪開催危ぶまれる!?」2020.2.9日号~No.2705号

 

2020年2月 3日 (月)

アメリカの中東での姿勢:大惨事の準備

2020年1月29日
The Saker

[本記事はUnz Reviewビューのために書かれた

 ウソ、ひどいウソと数値

 トランプと国防総省がウソをついていたことが分かる。またしても。今回はイラクのアメリカ軍に対するイラン反撃の本当の影響について。最初に彼らは負傷したアメリカ人員はいなかったと主張したが、結局最終的に、34人の兵士が外傷性脳障害を負ったと認めなければならなかった(トランプは「頭痛」と「分類し直した」)。それから彼らは、本当は34人ではなく、実際は50人だったと認めざるを得なかった!

 一部の情報源によれば、全てのアメリカ要員が掩蔽壕に隠れていたわけではなく、一部が基地周辺を守るために配備されていた。何が事実だったにせよ、これはイランの反撃が、当初帝国が報告したよりずっと強烈だったことの更なる証拠になる。実際、イランの情報源が、攻撃後、多くの負傷した犠牲者が、イスラエル、クウェートとドイツに飛行機で搬送されたことを示している。その夜何が起きたかについて、我々はおそらく決して完全な真実は見つけられないだろうが、今二つ確実なことがある。

  1. イラン攻撃は極めて効果的で、今や地域の全てのアメリカ/NATO/イスラエル軍は、次のイラン攻撃を待つ格好の標的のようになっているのは否定し難い。
  2. アメリカ合州国政府はイランによる反撃の本当の規模と性質を劇的に過小報告せざるを得なかった。

 アメリカ要員が得ていた警告の質をはっきりさせよう。今我々は少なくとも以下の警告を受けていたのを知っている:

  1. (イランが彼らの意志について概要を説明した)イラク政府を通しての警告。
  2. (イランでアメリカの利害関係を代表しており、イランが彼らの意志について概要を説明した)スイス当局を通しての警告。
  3. 地上、航空、宇宙でのアメリカ偵察/諜報能力による警告。

 それにもかかわらず、これらのほとんど理想的な条件にもかかわらず(防衛という見地から)、我々はイラン・ミサイルの一発も迎撃されず、ミサイルが高精度で命中し、アメリカ軍基地が(破壊されたヘリコプターや無人飛行機を含め)大損害をこうむり、多数の負傷者が出たのを目にしている(攻撃後の画像詳細については、この記事を参照)。

 もしこの攻撃を「概念実証」作戦として見れば、イラン側としては、素晴らしい精度と、弾道ミサイルの強力な能力が証明されており、一方、米国側としては、この攻撃の唯一の効用は、地域のアメリカ軍が全て、イラン・ミサイル攻撃の被害を極めて受けやすいことの証明だったの明らかだ。イランがアメリカ人犠牲者を最大にしたいと望んでいた場合、彼らが、いかなる警告も与えなかった場合を想像願いたい。一体どのような結果になっていただろう?! もしイランが、例えば燃料庫や火薬庫、アメリカ要員が住む建物、(CENTCOMの主要兵站ノードを含め)産業施設、港や飛行場に目標を定めていたらどうだろう?イランが基本的に無防備な施設に対して放っただろう地獄を想像できるだろうか?!

 まだ半信半疑でおられるのだろうか?

 それなら、トランプ政権が、なぜウソをつき、イラン攻撃の実際の規模を最小化しなければならなかったかを自問願いたい。もしホワイトハウスが攻撃規模お大きさを認めれば、彼らが、それを止めたり、あるいは有意に小さく見せることが全くできないことを認めなければならないので、ホワイトハウスはウソをつき、攻撃はほとんど影響がないと表現すると決めたのはかなり明白だ。それだけでなく、憤激しているアメリカ国民(大半のアメリカ人が「銀河史上、最大の軍隊」について、いまだに伝統的プロパガンダ言説を信じている!)が、地域全体をアメリカに、その気がない大規模戦争に陥れるイスラエルへの即座のイラン攻撃を誘引したに違いない対イラン報復的攻撃を要求しただろう。

 それを、攻撃の影響を誇張しているかも知れないが、80人の兵士が負傷したとしたイランの主張と対比願いたい(私は、少なくともこれまでのところ、イラン政府が、アメリカよりはるかに率直で、露骨なウソをいいがちではないと付け加えたい)。アメリカが、いかなる代償を払っても避けたいとを望んでいる、それ以上のエスカレーションに、明らかにイランは準備ができていた。

 すると一体何が本当に起きたのか?

 攻撃から防御する二つの基本的な方法がある。拒否と懲罰だ。拒否は、いつもアメリカとイスラエルに対し、シリアが侵入してくるミサイルを撃墜してしていたことだ。拒否は、必ずしも「エスカレーション」の段階を上げることなく、自身の被害を最小化するので理想的だ。それと対照的に、懲罰は、攻撃を防御できない時、攻撃する側に報復的反撃をするが、自身が攻撃された後に限るのだ。それはアメリカが、ほとんど、いつでも、イランに対してできることだ(一部の全く非現実的な主張に反し、イランの対空防衛は、米軍がイラン、国民とインフラに巨大な損害を与えるのを阻止できない)。

 イラン懲罰における問題は、損害が最終的に勝利をもたらす限り、巨大な敗北を受けるのを実際にいとわない敵に対処していることだ。自分の国、国民、あるいは信仰のために命を捧げるのをいとわない人々を、一体どのようにして阻止できるだろう?

 優れた分析者であるイランが、アメリカが与えることができる損害に、完全に気付いているのは確実だと私は思う。ここで鍵となる要因は、アメリカがミサイルと爆撃機を解き放ち、目標の多く(全てではないにせよ)を破壊すれば、イランを封じ込めるものは何も残っていないのを彼らが理解していることだ。

 イラン戦略については、このように考えることができる。

  • もしアメリカが何もしないか、あるいは象徴的攻撃(たとえば、シリアでのイスラエル攻撃のように)だけをすれば、本当に軍事的に重要なことは何も達成し損ねるが、彼らがアメリカ(あるいはイスラエル)に力の錯覚を与える上で非常に効果があるので、イランはこれらの攻撃を無視することができる。
  • もしアメリカが最終的に激しくイランを攻撃すると決めれば、反撃という「懲罰カード」を使い果たすことになり、それ以上イランを阻止する選択肢がなくなるだろう。
  • もしアメリカ(あるいはイスラエル)が核兵器を使うと決めるなら、このような攻撃は本質的に「今あなたが考えられるどんな報復も正当だ」と伝えて、イランに「政治的切り札」を与えることになる。イランが最も苦痛を伴う形あらゆる報復するのは確実だ!

 あなたは現在のアメリカの状態を「2値」と考えることができる。「全部無し」か「全部有り」だ。もちろん、自らの選択ではないが、この状態は中東の戦略地政学的現実と、両者間の様々な非対称の結果だ。

アメリカ イラン
制空権 有り 無し
戦闘能力がある地上部隊 無し 有り
大きな損失を受ける覚悟 無し 有り
長い脆弱な補給線 有り 無し

 上記はもちろん簡略版だが、それでも基本的に事実だ。これら非対称の理由は実に単純ながら、重要な相違にある。アメリカ人は、大戦争に安上がりで勝てると信じるよう洗脳されている。イランは(アメリカ、ソ連とヨーロッパが支援したイラクが、イランを攻撃し、イラン社会を大きく破壊した後では、全く確実に)このような幻想を全く抱いていない。だが「安い戦争」の時代は、とっくに終わっている

 さらに、イランはアメリカ制空権が、それだけで魔法のようにアメリカ勝利をもたらすわけではないのを知っている。最終的に、イランは米国攻撃に対する準備に40年を費やしている。アメリカは、本当に今年の1月8日に通知されたに過ぎない。

 再び、アメリカにとって、それは「全部有り」か「全部無し」なのだ。我々はイランの反撃の後、数日間「全部無し」を目にした、2006年、ヒズボラに対するイスラエル作戦を想起することで、「全部有り」が、どういうものか見えてくる。

 だがイランには、イラク駐留米軍に対する攻撃で実証したように、非常に緩やかなエスカレーション能力がある。彼らはただ少数のミサイルを発射したり、何百発も発射したりすることができる。彼らはアメリカ人犠牲者を最大することができ、あるいは彼らはCENTCOMのインフラを狙うと決めることができる。彼らは、アメリカ合衆国を直接攻撃すると決めたり、彼の同盟国(サウジアラビア王国)とボス(イスラエル)を攻撃すると決めたりできる。彼らは、いかなる行為に対して、自分の功績だと主張したり、CIAが一見もっともらしい反証というものの背後に隠れたりすることができる。

 アメリカとアングロ・シオニスト帝国全体は、イランより遥かに強力だが、イランは、軍事評論家が「エスカレーション支配力」と呼ぶものの支配を可能にする方法と手段を巧みに発展させた。

 イランは、全能アメリカを「レディーンした」のだろうか?

 マイケル・レディーンを覚えておられるだろうか? 彼はこの歴史的金言を思いついたネオコンだ。「ほぼ10年ごとに、アメリカ合州国は、どこか小さな、どうでも良い国を拾って壁にたたきつけて、世界に我々が本気なのを示す必要がある」。

 イランが、まさにそれをして、アメリカを拾い上げ「本気なのを示すため、壁に投げつけたのは」のは皮肉ではあるまいか?

 この全ては、我々に何を物語っているのだろう?

 一つ目は、米軍は実際大変な窮地にあるのだ。アメリカ対空防衛は、絶望的に無力だ。サウジアラビアでのフーシ派攻撃で、我々は彼らの「性能」を見た。パトリオット・ミサイルは、最初の湾岸戦争でも今日も、決して十分に能力を発揮しなかったのが真実だ。大きい相違は、サダム・フセインのイラクは高精度ミサイルを持っておらず、アメリカ(あるいは、それを言うならイスラエル)を攻撃する試みが、それほど効果的ではなかったのだ。だから国防総省は、その武器システムの本当の性能(あるいはその欠如!)を容易に捏造できたのだ。イランが、他のものを無視して、入念に一部の建物を正確に狙うことが可能な今、全中東が根本的に新時代に入ったことを示している。

 第二に、中東の米軍基地が、弾道ミサイル、巡航ミサイル攻撃に極めて脆弱なことも明白だ。対空防衛は非常に複雑なハイテク軍事部門で、本当に効果的な対空防衛体制を開発すには、数十年ではなくともしばしば何年も要する。一部の弱い防衛力が乏しい国だけを攻撃する傾向と、米軍が過去に持っていた本物の抑止力のおかげで、アメリカは航空防衛について決して本当に心配せずに済んでいた。「どうでも良い国」はミサイルを持っておらず、他方「大男たち」はあえて公然とアメリカ軍を攻撃するまい。

 最近までは。

 今、全能の世界覇権者アメリカは、ずっと弱いイランによって壁に投げつけられ、それ自身「小さいでどうでも良い国」のように扱われている。

 甘い皮肉!

 だが、ここには、もっと多くのことがある。

 イランの本当の目標:アメリカを中東から追いだす

 イラン(地域の多くのイラン同盟国も)は、ソレイマーニー司令官殺人に対する本当の報復は、まずはイラクとシリアからのアメリカ軍の完全撤退、それに続く、全中東からの完全撤退をもたらすことなのを明確にした。

 このような結果は、どれぐらいありそうだろう?

 今のところ、それが本当に起こる可能性は顕微鏡でなければ見えないくらいだと言いいたい。結局、誰が本気でアメリカがサウジアラビアやイスラエルを去るのを想像できただろう? 本当の激変がない限りは起きるまい。

 公式にはアメリカ同盟国ながら、「同盟国」にアメリカが好んでしてくださる「恩着せがましい態度」に大いに辟易している明らかな兆候を示しているトルコやパキスタンのような国はどうだろう? これらの国が、アメリカ合州国政府傭兵(それがアメリカ軍の実態、お雇い侵略者)が急いで逃げるよう公式に要求すると信じる理由があるだろうか?

 それから、イラクやアフガニスタンのように、非常に成功した積極的な反米勢力を受け入れて、ひどく強化された基地にアメリカ軍を避難させた国もある。これらの国で、アメリカの「勝利」がどのように見えるか、多少とも信用できるシナリオを提案できる正気の人物など誰もいるとは思えない。ソ連が駐留したより長く、アメリカが、アフガニスタンに駐留している事実は、ソ連軍がアメリカ軍より遥かに効果的だった(そして人気も高かった)だけでなく、ゴルバチョフの共産党政治局は、トランプの国家安全保障会議NSCより遥かに、現実を知っていたことを示している。

 事実が何であれ、イラクとアフガニスタンでの戦争が破れることは否定し難いと思われ、どれだけスタンドプレーをしても、この結果は変わるまい。アメリカが基本的に頑固さと敗北を認める能力の欠如から居残っているシリアについても同じことが言える。

 中東のための「アメリカ政府の平和構想」

 何百というUNSC決議に違反し、典型的に非合法な土地奪取と結びついた、シオニストのアパルトヘイトだ。しかも、彼らはそれを「平和のための構想」と呼んでいるのだ。

 「最高ばか者」が、ビビ・ネタニヤフと世界に「彼の」中東「平和」計画を誇らしげ説明するのを私は聞いていた。この最近のばかげた行為は、ワシントン D.C.の思考態度に関して、二つの重要なことを示している。

  1. 米国支配階級は、イスラエルロビーの好感と支持を得るためなら何でもする。
  2. アメリカは、中東の人々が考えることは、いささかも気にしない。

 何ら新しいことではないが、トランプの下で大量の「ステロイド注射」を受けた、この動きは、中東での帝国の避けられない崩壊に貢献するだけだ。一つは、地域の全ての、いわゆる「アメリカ同盟国」にとって、アメリカにとって重要な唯一の国は、イスラエルで、全ての他の国々がほとんど何の価値もないのを理解している。更に、中東のあらゆる支配者は、今アメリカと同盟するのは、イスラエルの安手の売春婦になることで、わなに気がつかない愚かな政治家にとって、確実に政治的自殺を意味するのを知っている。最終的に、アフガニスタン、イラク、イエメン、レバノンとシリアでの戦争は「親切の枢軸」が、誇張と思い上がりは十分だが、実際の戦闘能力は非常に不足していることを示した。

 任期の初日からトランプが従事しているイスラエル圧力団体への惨めなごますりは、中東で(実際、中東をも越えて!)一層アメリカを孤立させ、弱めるのに役立つだけだというのが単純な真実だ。

 この文脈で、地域からアメリカ合州国を追い出すというイランの目標はどれぐらい現実的だろう?

 単に短期に見れば、全く現実的ではない。だが、地域の、全てではなく、いくつかの国々を見れば、中期的には、それが非常に現実的だと私は急いで補足したい。最終的に、長期的に、それは現実的であるだけでなく、たとえイランが自身が多くを、あるいは全く何もしないとしても、それが起きるのは避けられない。


たとえ彼らは理解していないにせよ、これらのにっこり笑っている阿呆連中は他の誰より帝国を破壊するため多くのことをしている!

 結論:「イスラエル」の余命はいくばくもない。

 イスラエルは、あれこれの国や政治家が「再び」600万人のユダヤ人を毒ガスで殺すか、「地図から」イスラエルを抹殺するか、新しいホロコーストに携わることさえ望んでいる「新ヒトラー」だと、我々全員にお決まりのことを語ってきた。ギラード・アツモンはこの精神障害を「事前心的外傷性ストレス障害」と巧みに呼んでおり、彼は実に正確だ。イスラエルは主としてこの「先制的geschrei *」を、欧米非ユダヤ人(ゴイム)から可能な限り多くの譲歩(と金)を搾り取る方法として使ってきた。だが深い意味では、イスラエル人は少なくともぼんやりと、彼らのプロジェクトは持続可能ではなく、自分の全ての隣人を威嚇することで、どんな国家の生き残りも保証できないのを知っている可能性がある。暴力、特に邪悪な過激な暴力は、本当に、人々を威嚇できるが、それも、ある程度の時間だけだ。遅かれ早かれ、いかに露骨であっても、人間の魂はどんな恐れにも負けないほど成長し、恐れを、新たな非常に強力な決意の感覚で置き換えるだろう。

 ロバート・フィスクが、14年前の、2006年に、こう言っていた

シャロンが重度の脳卒中を患う前、クネセト(イスラエル国会)でこの言葉を言った。「パレスチナ人は痛みを感じなくてはならない」。これは一つのパレスチナ・インティファーダ中のことだった。もしアラブ人を殴り、殴り、殴り続ければ、彼らは屈服するだろう。最終的に彼らは跪き、自分たちに、欲するものを与えるだろうという考えだ。それはもはや、あてはまらないのだから、これは、何から何まで、自己欺瞞だ。それは私が最初に中東に到着した30年前には、あてはまったていた。もしイスラエル人がレバノン国境を越えれば、パレスチナ人は彼らの自動車に飛び乗り、ベイルートにドライブし、映画館に行った。今イスラエル人がレバノン国境を越えると、ヒズボラがベイルートで彼らの車に乗り、彼らとの戦いに参加するため、南に駆けつける。だが重要なのは、今アラブ人はもはや恐れないことだ。彼らの指導者たちは恐れている、この世界のムバラクたち、エジプト大統領、ヨルダンのアブドゥッラー2世国王。彼らは恐れている。彼らは彼らの金のモスクで揺れ震える、なぜなら彼らは我々に支持されているから。だが人々はもはや恐れていない。

 2006年には、ごく一部のアラブ人にだけ本当だったことが、今や大部分の人々(多分全員にさえ?)に本当になった 2020年のアラブ人。イラン人については、彼らは一度もアメリカ合州国を不安に思ったことがなく、この運動が設立された際、新生ヒズボラに彼らが質的に新しいこの種の「特別な勇気」(これが本当のシーア派精神だ!)「吹き込んだ」のは彼らだ。

 帝国は多くのことを生き残れるが、彼らがもはや恐れられなくなると終焉は近い。イランの攻撃は世界の国々に基本的な新現実を証明した。イランがアメリカを恐れているより、アメリカはイランをずっと恐れているのだ。アメリカ支配者と政治家は、もちろん違う主張をするだろう。だが今や、フーシ派でさえ公然と、「親切の枢軸」の連合した威力に首尾よく挑戦できるというだけでも現実を作り直す無駄な努力は失敗する運命だ。

 アメリカとイスラエルの指導部は、タイタニック号上のオーケストラとみなすことができる。彼らは上手に演奏しているが、彼らは濡れて、死ぬだろう。

The Saker

(* geschrei:金切り声を上げること、悲鳴を上げること、叫ぶことを意味するイディッシュ語単語)

記事原文のurl:https://thesaker.is/u-s-posture-in-the-middle-east-preparing-for-disaster/

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 売国傀儡の言うこととは、常に逆のことを考えなければいけない面倒な属国。平和ではなく、戦争への船出。

 孫崎享氏のメルマガ記事:

海自護衛艦、中東へ出航 2月下旬から情報収集活動、日本船舶の安全確保ではない。危険を増す行動だ。相手国(イラン)から見れば、「調査」は「偵察行動」、敵対的軍事行動の一環、 有志連合でないといっても、情報は米国とシェア。実体的に有志連合。攻撃の危険を増す

 あの選挙、唯一の効能は、自称野党の本質が暴露されたことだろうか?

日刊IWJガイド「注目の京都市長選は現職の門川大作氏が4回目の当選も、18歳、19歳の新選挙権者層は福山和人氏を支持!! 」2020.2.3日号~No.2699号

2020年1月26日 (日)

新ロシア政府:大いに必要とされていた漸進的変化で、革命ではない

2020年1月22日
The Saker

[本記事はUnz Reviewのために書かれた]

 サスペンスは終わり、我々は今新ロシア政府全メンバーの名前を知っている。例えば、RTが掲載した、うまい要約を読むことができる。

 今重要なのは、起きたことだけではなく、変わらなかったものもそうだ。起きなかった二つの極めて重要なことから始めるよう。

 最初に、ロシア政府は、変化せずにはいなかった。懐疑派は、全く何も変わらず、同じ連中が違う職位に変わるだけで、変化は上っ面に過ぎないと予測していた。そうはならなかった。実際は12人が職を保持し、9人が置き換えられた。

 第二に、これは、大西洋統合主義派の全面骨抜きではなかった。一番目立つこととして、アントン・シルアノフは財務大臣として留任した。だが、今シルアノフは、実際、第一副首相としての地位から降格され、アンドレイ・ベロウソフにとって変わられており、大変化だ。メドベージェフは、ロシア安全保障理事会副議長という、専門的地位に「輝かしい昇進」をした。

 すると、一体何がおきたのだろう?

 大半のロシア観察者は、二つの重要なことに気付いている。

 第一に、これは大いに有能な、専門的に熟練した政府だということだ。実際おそらく初めて、新内閣の各職位に専門知識が全ての人々に認められている専門家がついたのだ。

 第二に、これは大いに非イデオロギー的な政府だということとだ。ロシアの社会、経済政策が変化しないと言っているわけではなく、変化はするだろうし、新政府は、特にミシュスチン首相と第一副首相アンドレイ・ベロウソフの指名で、はっきり、それを示している。この二人は、ロシアで「国家資本主義」と呼ばれるものの主唱者として非常に多くの実績を持っている。つまり、国家は私的な企業家精神を抑圧しないが、官と民間部門が成長するための適切な経済的条件を作り出すため、国家は、直接、大いに関与するのだ。最も重要なのは、「国家資本主義」は、(利益を生む)企業世界の唯一の目標を、国益、つまり、国民の利益に従属させるのだ。

 言い換えれば、さらば、大西洋統合主義者風ターボ資本主義!

 今や、ロシアは、ロシア国民が何年もの間望んでいたが、前の「経済部門」が決して優先事項と見なしていなかった貧困に対する戦いを国家戦略上の優先事項としたのだ。

 更に政府のユーラシア主権主義派丸ごと何も変化していない。これは二つのことを示している。

 第一に、ロシアの国家安全保障と外交政策は変化しないだろう。

 第二に、ユーラシア主権主義者が、とうとう、大西洋統合主義者を大いに弱体化し、メドベージェフを、ロシア安全保障理事会に、うまく「閉じ込め」、シルアノフを新ロシア政府に「閉じ込め」て、ロシアの未来に対する重大な脅威ではなくしたことだ。

 言い換えれば、新政府はロシアの完全主権化という最終目標(この目標はユーラシア主権主義者のもう一つの長年の目標でもある、いかなる国際協定や合意よりもロシア国内法を優先させる新憲法改訂にも反映している)に、より多くの努力を払うと予想できる。

 私がここで言えるのは「とうとう!!」が全てだ。

 我々が気付く、もう一つ重要なことは、プーチンが、革命ではなく、漸進的変化で対処すると決めたことだ。実際、彼はこの新政府を「バランスがとれた」ものだと描写した。私自身を含め、再びメドベージェフやシルアノフという名に出会わないことを望んだ多くの人々がいるが、これらの名前があるのを見て、ロシアが根本的に異なる政治進路に着手しようとしているわけでないことに安心する多く(ひょっとすると、ずっと多く)の人々もいる。率直に言って、過去一世紀、ロシアには、革命、戦争、大変動や恐ろしい悲劇が十分なあったと私は思う。安定性や緩やかな進路修正についても言うべきことがある。

 更に、純粋に各人の能力に基づいて組織されたと思われる新政府は、極端にイデオロギー的な政府より、おそらく、ずっと多くの支持を生み出すことができるだろう。

 結局、ロシアはどうなるのだろう?

 ユーラシア主権主義者が、とうとう、ロシア国家に対する彼らの完全支配を確保し、大西洋統合主義者の崩壊が、今新しい人生の現実なのだと私は言いたい。この新政府で、ユーラシア主権主義者以外で、唯一明らかに特定可能な集団は、専門技術者なので、今明らかに予想不能で、それゆえ非常に危険になったアングロ・シオニスト帝国(ソレイマーニー暗殺は、あらゆる現実感覚を完全に失った帝国の行動の典型例だ)に直面して、ロシアが、断固とした態度で、団結して対応する可能性をもたらすだろう。

 帝国報道機関の反応を指摘するのも興味深い。私の好きな二つはこれだ。

 

 欧米の「ロシア専門家」たちは、通常ロシアについて、ほとんど何も知らないも同然連中で、彼らはほとんど理解していていないのだが、(1990年代、ロシアを完全支配していたにもかかわらず!)明らかにロシアに対する支配力を失ったアングロ・シオニスト帝国擁護者連中が、やり場のない怒りを感じているのを見るのは、心強く感じられる(率直に言えば、幸せな気持ちになる)。

 最後に、この新政府の任命は、ロシア野党勢力、「公式」議会野党勢力と、いわゆる「非公式」野党勢力両方を、完全に混乱させている。前者はクレムリン政策に反対するふりをするだけで、後者は議会で議席を得られないほど、信用を末期的に失墜させている。信用できる野党勢力の欠如は、特に私自身のように、クレムリンを支持する人々にとって、望ましいように見えるかもしれないが、実際それは、もう一つのずっと深刻な問題の一面に過ぎない。ロシアは健全な安定した制度によってではなく、一人の人物、プーチンが規定する国のままだ。最近の改革は、多少非常に良い正しい方向への歩み(議会の権限と責任が増した)を進めたが、予見可能な将来に関する限り、ロシアは「プーチンの国」のままだろう。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-new-russian-government-a-much-needed-evolution-but-not-a-revolution/

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 大西洋主義者、あるいは汎大西洋主義者問題については、いくつか記事を翻訳している。たとえば下記。最初のものは、同じ筆者によるもの。

 Moon of Alabama最新記事題名は「パニックになる必要なし」。

The Coronavirus - No Need To Panic

 一方、Paul Craig Roberts氏記事、まるで、春節観光客による売り上げを期待している日本のことを言っているような趣旨。

 The Global Economy Can Kill Us In More Ways Than One 翻訳 様々な方法で我々を殺しかねないグローバル経済

 今日の日刊IWJガイド、見出しは

日刊IWJガイド「日銀総裁がGDPマイナス成長の可能性と発言!? この重大ニュースにほとんどの大手マスコミは沈黙!! エコノミスト田代秀敏氏が警鐘を鳴らす!!」2020.1.26日号~No.2691号

 本文に、下記記事あり。

■新型コロナウィルス急拡大!! 「SARSの10倍以上」!?「武漢はすでに制御不能」!? 日本の「水際作戦」の有効性は!? 昨年の10~12月、マイナス成長となった日本経済からインバウンド需要1兆8844億円が消失したらどうなる!?

2020年1月22日 (水)

これで大西洋統合主義者の(一貫の!)終わりになるのだろうか?

2020年1月17日
The Saker
[本分析はUnz Reviewのために書いた]

 今までに我々全員、ロシア政閣僚全員が辞職し、新首相ミハイル・ミシュスチンが任命されたニュースを聞いた。この全てが一体何を意味するかについて、インターネットがあらゆる種類の憶測で爆発しているのを我々は知っている。

 一体誰が新政府に入るかがわかるまで、我々が本当に言えることは極わずかしかない。つまり、理論的に、グラジエフが政府のいわゆる「経済部門」トップの座に任命されるのを期待して、我々は固唾をのんでいられるのだが、どうして、それがクドリンではないと知ることができるだろう?!

 我々は知ることができない。

 我々が確実に知っているたった一つのことはプーチンが演説で発表したことだ。読者はご自身で、ここで全文を読めるが、私はここで二つ選びたい。

  1. プーチンは、依然多くのロシア人が味わっている(恐ろしい)貧困に対処する本格的な取り組みを発表した
  2. プーチンは、ロシアを再度主権化する本格的な取り組みを発表した

 最初の話題では、プーチンは(人口減少問題の対処にもなる)大いに強化した母親手当、担保ローン金利引き下げ、学校での健康的な温かい無料食事を含め、まだ多くのロシア人が暮らしている恐ろしい貧困に対処する多くの主要な政府プログラムを提案した。

 二番目の話題では、プーチンは次のことを発表した:

「ロシアは主権国家であり得るし、ロシアのままであり続けられる。我が国の主権は無条件でなければならない。我々はこれを実現するために大いに努力した。我々はわが国の統一を回復した。政府の特定の権力が本質的に、オリガルヒ一族に奪われた状態を克服した。ロシアはその意見が無視できない国として国際政治に復帰した。」

そして

「国家安全保障と主権にとって極めて重要な地位を持った人々に対する義務的必要条件を、憲法のレベルで正式なものにするよう私は提案する。」

 少なくとも、これは非常に良い兆しだ。私が何度も提案しているように、「完全主権の復活」というスローガンは、ロシア、アメリカ両国の愛国者とって、ときの声であり得る。我々は「主権」というこの言説で一体誰がすっかり、がくぜんとしているか知っている。

 それでも

 私は皆様に警告し、皆様に想起願いたいのは、ロシアでの(アメリカでも)問題は、性格の問題ではなく、何よりも、良くない制度の問題なのだ。私はアメリカ側の問題には触れないが、過去数十年にわたりロシアで何が起きたかを手短に説明させて頂きたい。

 現在のロシアはいくつかの要因の産物だ。

  1. 1980年代、ソ連の「共産党・政府の特権的幹部、ノーメンクラトゥーラ」が、国の支配を失うことを悟った時、改革不能なソ連は、ある種の「ケーキ」に変わり、(かなりの数の全く架空ものを含め)15の異なる国にソ連を分裂させることに決め、「党とソビエト社会主義共和国連邦の守護者」から「熱心な国家主義者」へと自分のブランドを変えたのだ。それは実にインチキなブランド変更だったが、大多数の人々(ソ連の維持を望んだ人々)が、それに対してできることは他に何もなかった。
  2. そしてロシアが(新たに造り出された他の共和国も)無法、暴力、賄賂の熱狂と、アングロ・シオニスト帝国への全体的絶対的な屈伏へ落ち込んだ恐怖の1990年代が来た。
  3. 最終的に、2000年代、メドベージェフ率いる大西洋統合主義者と、プーチン率いるユーラシア主権主義者の共同統治期間があった。これは、大西洋統合主義者が「経済部門」を支配し、ユーラシア主権主義者がロシアの外交問題と防衛の任務を負うという不安定な提携関係だった。

 彼らの名前が示唆するように、大西洋統合主義者は、ロシア(そして彼ら自身!)をアングロ・シオニスト勢力圏に統合したいと望んでおり、ユーラシア主権主義者は、本当に主権あるロシアを望んでいる。プーチンの宣言を聞いた時に、前者の集団が何を感じたか想像願いたい。

国家安全保障と主権にとって極めて重要な地位を持った人々に対する義務的必要条件を、憲法のレベルで正式なものにするよう私は提案する。より正確には、議会の長、連邦院議員、国家院議員、首相と副首相、連邦大臣、連邦機関の長と裁判官は、外国市民権や、彼らが永久に外国に暮らすことを可能にする居住許可や他の文書をもたないようにするべきだ。国務の目標と任務は、国民のためにつくすことであり、この道に入る人々は、これをすることで、いかなる前提も許容もなしに、彼らの生活が、ロシアとロシアの人々と分離できないことを知らなければならない。大統領候補にとって、必要条件は、さらに厳しくなくてはならない。私は大統領候補が、選挙運動期間だけでなく、それ以前にも、少なくとも25年間、ロシアに定住しており、外国籍や居住許可を保持していないという必要条件を正式のものにするよう私は提案する。

 これは明らかに、今後、ロシアや、彼ら自身さえも(パスポートや銀行預金口座や不動産によって)アングロ・シオニスト・エリートに統合することが可能でなくなる大西洋統合主義者至高の願望に対して宣言された死刑宣告だ。今(ロシアのインターネット)Runetで流れている冗談さえある。

13:00 - Путин заявил、что госслужащие должны быть только гражданами России
16:30 - Правительство вполном составе ушло вотставку
翻訳:
午後1時00分 プーチンは、公務員はロシア市民権を持っているべきだと表明。
午後4時30分 全閣僚が辞職した。

 ここには誇張の要素もあるが、同様に多くの真実がある!

 だが、ロシア史では、常に、ロシア指導者にとって、内部の敵が、どんな外国の敵よりもずっと危険だったことを我々は常に覚えておく必要がある。我々の場合、これら大西洋統合主義者は、ロシアの本当の主権化に、あらゆる形で抵抗するだけでなく、彼らは、1990年代、ロシアからしたい放題金を盗んで何百万も儲けた、非常に強力な金持ちのロシア政治階級に支援されており、彼らは全ての欧米政府や、アングロ・シオニスト帝国の本当の「闇の国家」指導者連中に支援されているのだ。

 それから、ロシア擁護とされるブログ世界には、過去、欧米風社会民主主義で、非常に「リベラルな」(より率直で、それほど曖昧でないようにするため私は「資本主義者」という単語の方が好きだ)経済のロシアを見るのを非常に喜ぶ人々がおり、彼らは今、クレムリンがとうとう民意を聞いて、ターボ資本主義が今後、次第に社会の団結の急激な増加に置き換えられことを意味する、かなりの左旋回に思えるもので脅かされたように感じているだろう。私はこの連中が、大西洋統合主義者のプロパガンダ役をつとめながら、プーチンを支援するふりをするため、今しなければならない精神的ヨガを期待している。

 私が何度も言っているように、プーチンは非常に良くない体制のトップにいる非常に良い人物で、非常に良くない体制を本当に改革するのは極めて困難な仕事だ。

 だから次に起きるのは(とうとう!)ロシア権力構造の上層部にいる第五列全員の粛正という可能性があるが、これは決して既に決まったことではなく、実際どんな人々がロシア政府、特に「経済部門」の主要地位につくか、これから見極めなければならない。

 前回選挙での輝かしい勝利後、プーチンが基本的に、(非常に不人気な)メドベージェフ政府の大部分を再指名した時、本物のロシア愛国者が、どれほど失望したか我々は決して忘れるべきではない。第五列粛正の代わりに、醜い年金制度改革大失敗になったのだ。

 政治支配層エリートの本物のスターリン風粛正について、一部のロシア人が既に妄想にふけっている。彼らは新首相が、スターリン秘密警察、内務人民委員部長官ラブレンチー・ベリヤにかなり似ていることにさえ気付いている。


ミハイル・ミシュスチン


ラヴレンチー・ベリヤ

 そう似てはいるが、時代はすっかり変わっている! ロシアはある種の独裁的/専制「モルドール」だというあらゆる欧米プロパガンダにもかかわらず、ロシアは法治国法で、プーチンは、厳密にロシア法の枠内で行動をする大統領だというのが真実だ。大量粛正も、夜間逮捕や、秘密処刑もあり得ない。

 個人的に、私は慎重に楽観的だ。プーチン演説で使われた言葉は全て適切な言葉と表現で、彼が提案した改革は全く理にかなっている。だが過去にも、同様な高い目標をかかげた他の大統領演説があったが、非常に強力なロシア官僚(そう、これも、存在しないはずの第五列だ)が、こうした目標が決して実現しないようにしたのだった。

 新首相は新政府への被任命者の全リストを21日までに公表すると約束した。どんな予測もする前に、全ての事実が得られるまで待つよう私は提案する。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/could-this-finally-be-the-end-for-the-atlantic-integrationists/

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 さもありなん。いつものフェイク氏。

安倍首相が施政方針演説でフェイク! 地方創生支援策の成功例として実名を出した移住男性が既に仕事を辞め転居していた

 まともな裁判と、とんでもない裁判。信じられないスラップ訴訟控訴審、どうなるのだろう?

日刊IWJガイド「九州・小笠原・北海道・南海、日本が火山・地震活動期!? 運転差し止め伊方原発トラブルに反原発弁護団の海渡代表は原発停止『天のメッセージ』!! 」2020.1.22日号~No.2687号

 裁判所、体制と一体化の証明のような訴訟控訴審一回目は明日。

いよいよ明日1月23日大阪高裁で、岩上安身が橋下徹・元大阪府知事から名誉毀損で損害賠償請求されているリツイートスラップ訴訟の控訴審の第1回目の口頭弁論が開かれます! まだ最終決定ではありませんが、岩上安身も登壇し、陳述する可能性があります! すべてのネットユーザーの言論の自由を守るため、ぜひ傍聴席を満席にしてください! 報告集会にもお運びください!

 大西洋主義者、あるいは汎大西洋主義者問題については、いくつも記事を翻訳している。たとえば下記。最初のものは、同じ筆者によるもの。

2020年1月14日 (火)

トランプの制裁恫喝が、ここ数十年間のアメリカ計画を暴露:イラクの完全植民地化

2020年1月11日
ラミン・マザヘリ PressTVと同時掲載
The Saker

 ラミン・マザヘリはPress TVのパリ支局長で、2009年からフランスに住んでいる。彼はアメリカで日刊紙記者をつとめ、イラン、キューバ、エジプト、チュニジア、韓国や他の国々から報道した。彼は「I’ll Ruin Everything You Are: Ending Western Propaganda on Red China」と、近刊「Socialism’s Ignored Success: Iranian Islamic Socialism」の著者。

 ドナルド・トランプは、独自の方法で「アメリカ風民主主義」なるものの残忍な帝国主義の真実を世界に明らかにし続けている。

 ワシントンによるイランのガーセム・ソレイマーニーの冷酷な殺害の結果、イラク議会がアメリカ軍撤退を票決した時、アメリカのドナルド・トランプ大統領が現実を非常に明確にした。イラクは、完全に、アメリカ合州国に属している。

 「我々は彼らが今まで決して見たことがないような、(イラク)制裁を課するつもりだ。イラン制裁さえ、おだやかに見えるだろう」制裁がイラクに課されるとトランプは付け加えた。「もし敵意があり、彼らが何であれ我々が不適当と見なすことをすれば」。

 私の考えでは、これは今年多分イラクからの二番に最重要なニュースだ。アメリカが決してイラクに残していない認知は決してイラクの不同意を容認しないだろう、その主権を認識するよりイラクを破壊したい。

 これはイラクに対するトランプの「我々がお前の帝国ご主人だ」という露骨な宣言だった。

 イラクは、ワシントンが「不適当」と考えるかもしれないことは何もできない。イラクの価値観ではなく、ワシントンの価値観が、イラクで何が「不適当」かを決めるのだ。

 こう申し上げるのを残念に思うが、イラク人は、51番目のアメリカ州になっているのを悟るべきなのだ。(プエルトリコに続く、第52番目か。)イラク国民には主権は皆無で、投票は無価値なたわごとで、イラクは、ワイオミング州やロードアイランド州やネブラスカ州ができる以上に、米国連邦政府の意志に反することはできないのだ。

 この主張は過激反応ではなく、特に、制裁に「値する」一体どんな「悪事」をイラクがしたのか考えれば、そうではないか?

 イラクはイランではない。彼らは、欧米が不可能だと主張する、イスラムと民主政治をうまく混ぜ合わせるのに成功した人民革命を防御し続けているわけではない。イラクは、ソウルに本拠地を置くアメリカ軍隊と企業が、中露国境まで出るのを拒否している朝鮮民主主義人民共和国ではない。イラクは政府が欧米の巨大金融企業が、主要産業(ただし、、この点に関して、イランは中国より一層警戒していて、それが更に欧米の憎しみを買っていることを指摘したい)を支配するのを拒否する党に監督されている中国ではない。

 バグダッドはほぼ20年間ワシントンに協力している。

 そう、アメリカの大砲を突きつけられて、この事業が実現したのだと言えるが、イラクはアメリカ要求に従ったのだ。イラク人はアメリカ人やアメリカ企業とのつながりや接触や契約や、あらゆる絡み合いを作り出したのだ。

 それにも拘わらず、アメリカ軍隊駐留なしでは、その全てが何の意味もないのをトランプは明確にした。

 長年つきあいにもかかわらず、イラクが自立しようとすることに対し、ワシントンは善意皆無、信頼皆無、希望皆無なのは疑問の余地がない。グリーン・ゾーン内でのイラク人に対する全てのアメリカ人の微笑はウソだった。全ての温かい言葉は冷たいウソだった。

 これは「人道介入」やら「自由をイラクに」もたらすアメリカの願いに関する長年の主張は偽物だったという、トランプによる驚くべき宣言だ。これは無数の何十億という非欧米人が、推測していたが、イラン制裁さえ「穏やかに」見えさせる制裁の脅威とは、イラクは、それを避けるため、十分服従してきたのではなかったか?!

 様々な意味で、この全てがトランプの「美点」の一環だ。

 実業界は知っていても、主流政治家は、あえて言わないようなことを言ったおかげで、トランプは大統領になれた部分が大きい。トランプが上手にウソをつくと安心していられないので、アメリカ支配のためには、彼はリスクで、ペンタゴンや金融業界、広告業界、ワシントン官僚にとって大変な脅威だったので、トランプ就任前から弾劾計画をでっちあげたのだ。

 イラクがアメリカ軍撤退投票をした場合、バラク・オバマが対イラク制裁を自慢するとは想像できない。彼は猫かぶりのウソつきだった。オバマなら、そういうことはせず、過去との和解、平和、公正、忍耐について語ってから、イラク駐留部隊の「一時的強化」を言っていたはずだ。

 ヒラリー・クリントンは、オバマの魔力を一切持っていなかった。彼女なら、退屈そうに、イラクの法律上の義務、そうした過程の可能性や、「投票」の定義とは何かに言及して対応したろう。それから、オバマやトランプが考え出せるものより遥かに残忍な対応を決めたはずだ。

 どんな「正常な大統領」であれ、イラク議会決議には、状態を静める形で対応したはずだ。良心がどうしてもおさまらないにもかかわらず、欧米人に、イラクでは、実際、道義的、人道的なことをしていたと言って安心させるような形で。欧米マスコミが、欧米資本主義や帝国主義に異議を唱える人々に対する武器として使えるTINA(There Is No Alternative=他に選択肢はない)の手口で、連中の主張を推進するために。

 これこそが、実に多くの人々がトランプを憎んでいるが、他の人々が彼を高く買っている理由だ。もしアメリカに「正常な大統領」がいれば、多くの人々が自己満足し、誤って、イラクの人々に対して、ワシントンに本物の善意があると信じ続けたはずなのだ。そうではなく、トランプは本音を言って、はっきりさせたのだ「おや!」

これは実にとんでもない「おや!」だ。

 彼は利己的に、本能的に、この「おや!」の生来的なものを自分の手柄にし、権力を得たいと望んでいるので、トランプは1%のアメリカ人にしか憎まれていないが、そうすることで、彼はアメリカ支配という構造全体を転覆しかねない。彼は革命的なものに転化する恨みを引き起こしかねないのだ。

 イラクの人々はこの加虐的な笑い、この殺人的な軽蔑、この横柄なほくそえみを理解しなければならない。

 世間は往々にして、(詐欺的とされる)オバマや、ヒラリー・クリントンのようなテクノクラートや、ビル・クリントンのようなプロの騙し屋連中に、目先を変えられてだまされるが、誰もトランプには、だまされない。トランプのうぬぼれが、人がだまされるのを不可能にするのだ。

 トランプに対して、イラク国民は穏やかに反抗する子供程度の権力さえ持っていないが、彼はこのような帝国的見解を持った唯一の大統領ではない。

 いつものように、これはトランプの過激反応だった。(アメリカ国務省は、公式に、いかなる軍事撤退も否定したが)、イラクに、アメリカ兵や、顧問や、技術者や請負業者がいなくなるのを最終的に目にしたら、私はそうなったのを信じよう。だが無内容な、皮相的な、バイデン汚職を隠蔽するための、本質的に反民主的な弾劾プロセスを巡って、トランプは明らかにピリピリしている。信じられないことに、信じられないほど遺憾なことに、トランプは単に目をそらすためだけに、ソレイマーニーを暗殺し、今、国内に対して、とるにたらないイラク人のせいで、彼が弱そうに見えさせるつもりなどないのだ。

 イラクはアメリカに仕えるためにのみ存在している。これがトランプによるとんでもないイラクを制裁が意味していることだ。

 不幸なのは、イラク人が冷酷な欧米制裁について、既に全てを知っていることだ。イラクの友人たちに、制裁(1990-2003)中、家族は一体どうしていたか尋ねたものだったが、彼らは「頼むから質問するのは止めて欲しい。事態は悪化するだけなのだから。」と言った。欧米が最後に認めた「譲歩」案は、「まさに「石油・食糧交換計画」の名のもとでの、冷酷な飢餓を引き起こすものだったのを知っている」。

 ウーッ!イラク人は、それと比較して、イラン程度の制裁を望むはずだ。

 実際、イラクにとって、過去も、現在あるいは未来も、楽しくはない。

 まさに、ワシントンの望み通り、アメリカ軍を追放し、主権返還を要求するイラク決議は宗派的なものだった(あるいは「欧米民主主義文化」の、もう一つの類例をあげれば、レバノンのフランス語)。それは満場一致だったが、約150人の議員は欠席だった。クルド人とスンニ派議員は投票しなかったのだ。

 トランプの新制裁を非難するために票決することになった際、イラクの非シーア派政治家は、また欠席するだろうか? シーア派神学が外国軍による占領に反対投票することと、何か関係があるとは私には思えない。イラク人は、アメリカ人がアメリカ国内で、イラク兵士や基地を許すと考えているのだろうか? 彼らはワシントンがからかっていると思っているのだろうか? 新制裁は既に起草されつつあるとワシントン・ポストが報じた。

 イラクの非シーア派政治家は、ワシントンが彼らの友人で、パートナーだと、まだ思っているのだろうか? 非シーア派イラク人は、彼らの同胞シーア派が、現在の現実、つまり、アメリカによる永久植民地建設より、一層危険で不愉快だと本当に思っているのだろうか? それとも、これらの政治家は(丁寧な表現を使えば)アメリカに余りに近く、下層階級や、彼らの粉砕された現実や合法的要求には、十分近くないのだろうか?

 近いうちに、もう一つのトランプ時代がくることはあるまい。彼が、次から次と幻想を粉々にして、実に長い間、非常に多くの欧米人が隠蔽しようと苦労してきた現実をむき出するやり方の真価を認めるべきなのだ。

記事原文のurl:https://thesaker.is/trumps-sanctions-threat-reveal-us-plan-all-these-decades-total-colonization-of-iraq/

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 53番目になるのだろうか。だが、宗主国の州は、議会に議員をおくったり、大統領を選んだりすることができる。どちらもできない以上、州ではなく、純粋な、属国。

 孫崎氏の今日のメルマガ題名は衝撃的。これが事実であれば、報復の連鎖はとまらないだろう。

米国NBC等報道「イスラエル情報機関が、米国が「ソ「」司令官暗殺を助けた」。「ソ」がシリアからバグダッド行き飛行機に乗るのを、イスラエル情報機関が確認。イスラエル紙も報道。ソ将軍暗殺は、イランの米軍基地攻撃で一応決着、イスラエルが関与したことになると新たな火種。

 岩波書店の月刊誌『世界』2月号で、記事「女性たちによる革命――スーダン・弾圧とのたたかい」を拝読した栗田禎子教授(千葉大学)、長周新聞新聞にも記事を書いておられる。本記事の話題と直結している。

戦争と破滅の淵へと出航する日本の自衛隊 ーアメリカのイラン挑発と自衛隊の中東派遣ー 千葉大学教授・栗田禎子

 夕方は、下記インタビューを拝聴予定。

日刊IWJガイド「本日午後4時半より岩上安身が『桜を見る会』で記者会見を行う神戸学院大学・上脇博之教授に独占インタビュー! IWJの1月のご寄付は目標額の5%とピンチ!」2020.1.14日号~No.2679号

2020年1月 6日 (月)

ソレイマーニー殺人:次に何が起きるだろう?

2020年1月3日
The Saker

 まずは最初状況の速い概括

 我々は、一体何が起きたかについての手短な要約から始める必要がある:

29日にアメリカに殺害されたイラク人の葬儀に列席するための公式訪問で、ソレイマーニー大将はバグダッドにいた
 アメリカは今公式にこの殺害の責任を認めた
 最高指導者アリ・ハメネイは、「昨夜、連中の汚れた手を、彼と、彼の迫害された仲間の血で塗った犯罪者連中を厳しい報復が待ち受けている」と公式に宣言した

 アメリカは自身とイランを、困難な状況に陥れたのだ。

 イランは報復すると宣言する以外、他にどのような選択もなかった。次に起きることについて、いくつか根本的に重要な問題がある。それを一つずつ見てみよう:

まず、アメリカ政府が更にマッチョな行動や対応のため「臨戦態勢にある」ことは、アメリカでの愛国心をあおりたてるたわごとから非常に明白だ。実際、エスパー長官は、「ゲームは変化した」ので、脅かされたように思える時は、いつでも、アメリカが「先制的行動」をとると宣言して、基本的に私が「過剰反応のコーナー」と呼ぶものの中にアメリカを置いたのだ。だから、ほんのわずかでもイランの報復のように見える何に対しても、アメリカは過剰反応すると、イランは想定しなければならない。
これに劣らず憂慮すべきなのは、これが「アメリカ艦船リバティー号」式の偽旗攻撃のための実に完ぺきな条件を作り出したことだ。まさに今、イスラエルは、イランと同様、アメリカ軍人と、中東全域の施設にとって、少なくとも同じぐらい大きな脅威になっているのだ。どうして? 単純だ!どんなアメリカ海軍艦船にであれ、ミサイル/魚雷/地雷を発射して、イランのせいにするのだ。もしそういうことが起きたら、アメリカの政治エリート集団は、前回したのと同じことをするのを我々全員知っている。アメリカ軍人を死なせておいて、あらゆる代償を払っても(もし、これについてご存じなければ、アメリカ艦船リバティー号についてお調べ願いたい)イスラエルを守るのだ。
 (イランやイラン同盟国ではない)相手による「自然発生的報復」の、まさに極めて現実的なリスクもある。実際、最高指導者アリ・ハメネイは、彼の発言で、特に「殉教者ソレイマーニーは、レジスタンの上で国際的な人物で、レジスタンスを愛する人々全員が彼の流血に対する報復要求を共有していると宣言した。戦いとレジスタンの道が、彼の遺志を倍増して続き、この道で戦う人たちを最終的勝利が明らかに待っている」ことを友人全員は、全ての敵と同様知らなくてはならない。彼は正しい。ソレイマーニーは世界中の多くの人々に愛され、尊敬されていたので、そうした人々の一部が彼の死に対して復讐すると決めているかも知れない。これは、全くイランの行動でも結果でもないが、もちろん、イランのせいにされてしまう何らかの報復が行われる可能性が高いことを意味する。
最後に、もしイランが報復しないと決めれば、アメリカ政府はそれを、自分の「無敵」とささるものの証明と見なし、一層挑発的な行動をする許可証と思うのは確実だ。

 最愛の息子にキスする精神的な父親

 もしこれら四つの要因をまとめて見れば、我々はイランは報復せねばならず、それを公的に行わなければならない結論せざるを得ない。

 なぜか?

 イランの人々が報復するか否かにかかわらず、イランが関与しているか否かにかかわらず、報復のように見えるものに対する報復として、彼らには、もう一つのアメリカ攻撃を保証されているためだ。

 アメリカ国内の政治力学

 次に、アメリカ国内の政治力学を見よう:

 私はドナルド・トランプは、ネオコンにとって「使い捨て大統領」だと常に主張してきた。それは何を意味しているのだろう? 非常に単純な理由で、ネオコンが、トランプを、あらゆる種類の本当に驚くほどばかなこと(大半イスラエルと/あるいはシリアに対する全ての政策決定)をさせるために利用していることを意味している。もしトランプが極めてばかな危険な何かをした場合、彼は、それをうまくやりおおせて、その場合ネオコンは幸せになるか、あるいは、彼は失敗するか、彼の決定の結果は壊滅的なものとなるが、その時点で、ネオコンは彼を投げ捨て、一層従属的な人物で彼を置き換える(ペンスかペロシ)だろう。言い換えれば、ネオコンが、トランプに、驚くほど危険な、驚くほど愚かなことをさせるのは、双方に有利なのだ!

 今、民主党(党は依然ネオコンに好まれている)は、そのばかばかしい(そして危険な!)弾劾たわごとで政治的自殺をするのに、準備万端整っているように思われる。これを、今ネオコンの視点から考えてみよう。民主党は、アメリカ人異教徒にイランを攻撃させ、トランプを追い出すことができるかもしれない。連中はこのよう考えているのではないかと私は想像する。

トランプは2020で勝利することになっているように見える。我々はそれを望まない。だが、我々は1979年以来、アメリカのイラン攻撃を引き起こすべく、あらゆるできる限りのことをしてきた。トランプにそれをやらせよう。もし彼が「勝利すれば」(下記で更に述べるが、その定義が何であれ)我々は勝利だ。もし彼が敗北すれば、イランはまだ痛みの世界にいるはずで、我々は常に(自身には全く危険がないように、安全に、誰かを痛めつけるために使われる)使用済みコンドームのように、彼を投げ捨てることができる。しかも、もし地域が爆発すれば、これは我々最愛のビビを助け、アメリカのユダヤ人集団をイスラエルに結び付けることができるよう。最終的に、もしイスラエルが攻撃されたら、我々はすぐさま、アメリカ政治支配体制とマスコミの全ての支援を得て、アメリカの対イラン大規模攻撃を要求し(そして、もちろん得る)。そして最後に、もしイスラエルが激しく攻撃されたら、いつでも我々の核兵器を使用して、「イランは600万人のユダヤ人を毒ガスで殺して、中東唯一の民主政治を地表から消し去ろうと望んだのだ」や、それに等しい無味乾燥な何かを異教徒に言うことができるのだ。

 トランプがそれをホワイトハウス入りした時からずっと、アメリカ標準からさえ極度な悦びで、彼がイスラエル圧力団体に、おべっかを使うのを我々は見てきた。彼の計算は、「私の背後にはイスラエルロビーがいるから、私はホワイトハウスで安全だ」というようなものに沿っていると私は思う。終始利用されていることを悟るには、彼は明らかに余りに愚かなほど自己陶酔的だ。彼の(あるいは彼の重要な顧問の一人)の功績は、彼が、ネオコンに、ロシアや中国や朝鮮民主主義人民共和国やベネズエラやイエメンやシリアに対する本格的戦争を始めるのを許さなかったことだ。だが、ネオコンとイスラエルが攻撃し、破壊したい「第一」標的なので、イランは全く事情が違う。ネオコンには「少年はバグダッドに行く、本物の男はテヘランに行く」という座右の銘さえある。アメリカ政府が選んだ戦争の全てで敗北した今、米軍に信頼が残っていない今、アメリカ政府の「マッチョ」自己イメージを復活させて、本当に、いわば「テヘランに行く」時なのだ。

 バイデンはすぐさまこの出来事につけこんでいる。

 民主党員(バイデン)は、彼らが自身の、ささいな政治的な狙いや権力以外何も気にかけないかのように、トランプは「火薬庫にダイナマイトを投げ込んだ」と既に言っている。それでも私はバイデンの比喩が正しいことを認めねばならない。それこそ、まさにトランプ(と彼の本当のボス)がしたことだ。

 もしトランプはネオコン/イスラエルの「使い捨て大統領」だという私の評価が正しいと想定すれば、米軍は、ネオコン/イスラエルの「使い捨て軍隊」で、国としてのアメリカも、ネオコン/イスラエルの「使い捨て国家」である事実を認めなければならない。これは、ネオコン/イスラエルの視点からは、イランとの戦争にアメリカを投げるこんでも、本当の危険はないことを意味するから、極めて良くないニュースだ。

 実際には、民主党員の立場は以下のように要約できる偽善の傑作なのだ。ソレイマーニーの暗殺は素晴らしい出来事だが、それを起こしたトランプは怪物だ。

 勝者ではないだろうか?
 イランに対するアメリカ戦争のありそうな結果は何だろう?

 私は非常に多くこの話題について書いてきたので、ここで全てのあり得るシナリオには立ち入らない。私言いたい全ては以下のことだ。

アメリカにとって、「勝つ」ことは政権転覆を達成するか、それがうまくいかなければ、イラン経済を破壊することを意味する。
イランにとって、「勝利」は、アメリカの猛攻から生き残ることだ。

 これは基本的に、アメリカは勝つことができず、イランだけが勝てることを意味する壮大な非対称だ。

 しかもイランはアメリカ中央軍/NATOを打倒しなくてもよいのだ! 彼らは大規模軍事行動をする必要がない。彼らがする必要があるのは次のことだけだ:ほこりが落ち着いた際に、「立っている」ことだ。

 かつてホーチミンは、フランスに「あなたは、私があなたの軍人一人殺害するのに対し我々の軍人10人を殺せるが、それだけの差があっても、あなたは負け、私は勝つだろう」と言った。これは莫大な代償を払うかも知れないが(アマレクは破壊しなければならない、そうだろう?)まさにイランがなぜ最終的に勝利する理由で、それはやはり勝利だ。

 今戦争シナリオの二つの最も基本的なタイプを見よう。イラン国外とイラン国内。

 ソレイマーニー大将自身を含め、イランは公的に何度も、多数の軍隊と施設でイランと中東を包囲しようとすることで、アメリカは、イランに大量のおいしい標的を与えていると宣言している。代理戦争のための最も明白な戦場は明らかに、多数のプロと反イラン勢力がいて、長期の、血まみれの、延々続く紛争の条件が揃っているイラクだ(ムクタダ・アル・サドルがマハディ軍を再動員すると宣言したばかりだ)。だがイラクが暴力の爆発が起き得る唯一の場所だとは到底言えない。直接攻撃、あるいは同情的/同盟軍隊による攻撃によってであれ、中東全てが、十分イランの「活動範囲」内だ。イラクの隣にはアフガニスタンと、可能性としてパキスタンがある。手段の選択に関しては、イランの選択肢はミサイル攻撃、特殊部隊の直接行動攻撃、破壊工作や、ずっと多くの選択がある。ここで唯一の限界はイランの想像力だが、彼らには間違いなく、多くの想像力がある!

 もしこのような報復が起きれば、アメリカには二つの基本的選択肢がある。イランの外でイランの友人や同盟者を攻撃するか、エスパーが提案したように、イランを攻撃するのだ。後者の場合、そのような攻撃は、確実に、地域中いたる所のアメリカ軍と施設に対する大規模なイラン報復と、ホルムズ海峡封鎖をもたらすと想定できる。

 ネオコンの座右の銘「少年はバグダッドに行く、本物の男はテヘランに行く」を考えれば、これは暗黙のうちにイランに対する戦争が、イラク戦争より質的に(量的にも)異なる戦争である事実を認識しているのだ。そして、これは本当で、もしアメリカが本気でイラン攻撃を計画すれば、比較すれば、第二次世界大戦以来の全ての戦争が小さく見える爆発に直面するだろう。だがトランプと彼の手先が「少年」とは反対の「本物の男」であることを世界に証明する誘惑は、特に彼がネオコンの手中の使い捨て道具であることを理解していない大統領にとっては、余りにも強いかもしれない。

 今度は、起きないだろうこと、ざっと見よう

 ロシアや/あるいは中国は、これに軍事的に関係するまい。また、アメリカはこの問題を、ロシアや/あるいは中国を攻撃するための口実として利用するまい。国防総省はロシアに対する(通常、あるいは核)戦争を明らかに望んでいない、また、ロシアは対アメリカ戦争に対する願望を持っていない。中国も同様だ。だがロシアと中国には、本当にアメリカを傷つけ、イランを助ける他の政治的、秘密の選択肢があることを忘れないことは重要だ。イランを非難する、いかなるアメリカの決議も、ロシアと中国が阻止するはずの国連安全保障理事会がある。そう、アメリカ政府は国連や国際法に関心がないのは知っているが、それ以外の世界の大部分は大いに関心がある。この非対称は、ロシアと中国の集中力持続時間(数十年)と、アメリカ政府の集中力持続時間(せいぜい数週間)の差によって悪化する。それは重要だろうか?

 絶対に!

 アメリカは(実際そうなのだが)占領軍で、この占領軍は、イラクに対して戦争行為をする(実際にしている)ので、イラク国民は、アメリカ政府と「民主政治」にまつわる偽善の主張は、荷物をまとめて出て行って欲しいとイラクが公式に宣言したら、アメリカ政府は何ができるだろう? アメリカ政府は、もちろん抵抗しようとするだろうが、「国造り」という不都合なものを隠す小さなカバーが消え、醜い残忍なアメリカによる占領に代わった途端、アメリカに対する早々に立ち去れという政治的な圧力は、国外でも、国内でさえも、対処するのが極めて困難になるだろう。

 実際、イラン国営テレビが、ソレイマーニーを殺すトランプの命令を、第二次世界大戦以来「アメリカの最大の計算違い」と呼んだ。「地域の人々はもはやアメリカ駐留を許すまい」とイラン国営テレビは言った。

 次に、ロシアも中国も、軍事的には、諜報情報や兵器システムや顧問で、経済的には、公然、秘密の方法でイランを支援することができるのだ。

 最終的に、アメリカの「攻撃対象国リスト」にある他の目標に、今こそアメリカ権益(例えば、極東アジア)を攻撃する完ぺきな時だと「強く示唆する」手段をロシアも中国も持っているのだ。

 だから、ロシアと中国は助けることができ、助けるだろうが、彼らは「もっともらしい否認」とCIAが呼ぶのを好む方法で、そうするだろう。

 大きな疑問に戻ろう。次にイランは何をすることができる/するだろう?

 イランは、全く才覚がないアメリカより、遥かに洗練された当事者だ。だから、私が最初に示唆したいのは、イランは、アメリカがイランがすると予想していることをするのはありそうもないことだ。彼らがまったく異なった何かをするか、アメリカが警戒を緩めてから(アメリカは「勝利」を宣言した後、いつもそうするように)ずっと後になって振る舞うかのいずれかだ。

 私は情報通の友人のイラン人に戦争を回避することは可能かどうか尋ねた。これが彼の答えだ。

ええ、私は全面的戦争は回避できると信じています。私は、イラクが、アメリカ軍隊撤退を公式に要求するため、イランは政治的影響力を使って、イラク政治勢力を糾合できると信じています。アメリカをイラクから追い出せば、米軍は二つの敵性国家間で危険にさらされるだろうから、彼らはもはや東シリアも占領できないことを意味します。もしアメリカがシリアとイラクから撤退すれば、一発の銃弾も撃たずに済む、イランにとって究極の復讐でしょう。

 私はこの考えに同意すると言わざるを得ない。イランが次にすることができる最も骨の折れることの一つは、この本当に驚くほど無謀な出来事を、まずイラクから、次にシリアから、アメリカを追いだすために使うことだろう。その選択肢は、もしそれが実行できれば、イラン人の命とイラン社会を直接の米国攻撃から守れるかもしれない。最終的に、このような結果がソレイマーニー大将殺人に、全く異なる、美しい意味を与えるだろう。この殉教者の流血が中東を解放した!

 最終的に、もしそれが本当にイランが選択した戦略であれば、これはイランが、戦術的レベルで、この地域、あるいは世界のどこかで、米軍に代償を払わせないことを全く意味しない。例えば、スコットランド上空のパンナム103破壊は、リビアの動きではなく、ペルシャ湾でのアメリカ海軍による意図的なイラン航空655便エアバス撃墜に対するイランによる直接報復だったという、どちらかと言うと信用できるうわさがある。私は、これが本当に起きた事実として私が知っていると言っているのではなく、イランは中東に限定されない報復の選択肢を持っていると言っているのだ。

 結論:我々はイランの次の動きを待つ

 イラク議会はイラクからの米軍撤退を要求する決議を議論する予定だ。アメリカが紳士的に、そのような要求に同意すると私は信じないが、それは、政治的領域で紛争になるだろうとだけ言っておこう。それは、どれほど正当化しているように見えようとも、本質的に、どんな形の暴力より遥かに望ましいのだ。そこで、イラク国会議員が多少の高潔さと気骨を見せて、アメリカ政府に全ての国が常にアメリカに望んでいることを言うよう、平和を欲する人々に祈ることを私は提案したい。ヤンキー、ゴー・ホーム!

 もしそうなれれば、これはイランにとって、完全勝利で、アメリカ政府にとって、更にもう一つの惨めな敗北(実際は自滅)だ。これはあらゆる可能なシナリオ中最良だ。

 だがもしそうならなければ、全て帳消しだ、この最新のアメリカ・テロ行為に引き起こされた勢いは、遥かに多くの死をもたらすだろう。

 現時点(19:24 UTC)で、私はまだ中東には全面的戦争の約80%の可能性があり、再び残りは「予想外の出来事」(願わくは、良いもの)が20%だと思っている。

The Saker

追伸:これは私が大きな時間的制約の下で書いた、タイプミスや他のミスを修正していない文章だ。自薦文法ゲシュタボには、ひと休みし、抗議しないようお願いしたい。ありがとう

記事原文のurl:https://thesaker.is/soleimani-murder-what-could-happen-next/

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 文中に、リバティー号の話題がある。関連記事を翻訳してあるのだが、検索エンジン、実質、隠蔽エンジンの検索リスト外にされているため、驚くほど読まれていない。この機会に、お読み頂ければ幸い。

 2019年4月16日、下記のMoon of Alabamaによる記事を翻訳掲載している。

トランプはなぜイラン革命防衛隊軍団を外国テロ組織に指定したのか?

 今日は、下記中継で、藤木氏挨拶を拝聴予定。

【IWJ・Ch5】13:30~「横浜港運協会 2020年 新年賀詞交換会 ―主催挨拶:藤木幸夫氏(横浜港運協会会長)、―来賓祝辞:自民党 小此木八郎 衆議院議員、黒岩祐治 神奈川県知事 、林文子 横浜市長ほか」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

2020年1月 3日 (金)

中東における極めて危険な進展(更新中)

2020年1月2日
The Saker

 親愛なる皆様

 私は家に着いて、ガーセム・ソレイマーニー少将が、多連装ロケット砲攻撃(ロシアの情報筋は無人飛行機攻撃だったと言う)とされるものにより、更に5人から8人の人々とともに殺されたというニュースを見た。これは実に悪い。更にこれだ。

 RIAニュースのテレグラム・チャンネルは、アメリカが、この攻撃を実行したと主張していると報じている。

 これまでのところ、PressTVはソレイマーニーの死を確認していないが、他局がは確認している。

 もし彼が本当に亡くなったなのであれば、ありそうな状況は下記のものだ。

100%の憶測開始
トランプがイランを脅迫し、最高指導者アリ・ハメネイが、アメリカができることは何もないと宣言し、ただ彼が間違っていることを証明するため、アメリカはソレイマーニーを殺害した。もちろん最高指導者アリ・ハメネイは、アメリカは何も*効果的な*ことはできないと言っていたのだ。彼は明らかに卑怯な暗殺を思い描いていなかった。アメリカ合州国政府は、今帝国がどれほど無敵か「アヤトラに目にもの見せた」のを見られるのだ。(既に始まった)結果など、どうなろうと構わない。
100%の憶測終了。

 攻撃そのものに戻ろう。

 率直に言って、彼らが実際それをしたか否かにかかわらず、トランプや/あるいはネタニヤフには、攻撃実行を主張しない十分な頭脳があるよう願っていた。そして、確かに、今アメリカは実行した主張をしているように見える。

 今、一つだけ疑問がある。イランは、この殺人を罰せず放置するだろうか?

 そうかもしれない。だが私は彼らが報復するとは想像できない。

 次に、イランがどのように報復しても、アメリカは、それをイラン攻撃のための口実として利用するだろう。

 今グリニッジ標準時01時46分で、鍵になる要因の多くが欠けているので、これについて判断するには余りに早い。
とは言え、わずかながら我々が知っていることを考えると、文字通り今すぐにも、中東で戦争がおきるかもしれないと皆様に警告する選択肢しか考えられない
 私はあらゆる情報を求めて、ニュースを探すつもりだ。
 もし何か興味深いことをご覧になったら是非コメント欄に(情報源を含め)情報公表願いたい。私は特にアメリカが攻撃の背後にいたのを公式に確認するかどうか見る必要がある。

 ガーセム・ソレイマーニー少将は正真正銘の英雄で、彼は、2015年、私の「Saker・マン・オブ・ザ・イヤー」だった。これは自由を愛する人々全員にとって本当に大きな損失だ。ご冥福をお祈りする。

 私は今夜遅く戻る予定だ。

The Saker
更新1: PressTVが現在報じているのは、これが全てだ。https://www.presstv.com/Detail/2020/01/03/615224/Hashd-Sha%E2%80%99abi-public-relations-director-killed-in-rocket-attack-on-Baghdad-airport
更新2: イラクTVが死亡を確認した。https://www.militarytimes.com/news/your-military/2020/01/03/iraq-rockets-fired-at-baghdad-airport-7-people-killed/
更新3: PressTVライブが将軍の死を確認した。https://www.presstv.com/Live
更新4: トランプが、これをTwitterに投稿した。これは確認も同様だ。
更新5: 今それは確認された。ご自身でご覧願いたい。https://www.rt.com/news/477354-pentagon-confirms-soleimani-killing/(もしこの白痴どもが彼らが本当にイランを「阻止」できると信じているなら、連中は私が思っていたより更に度し難い)
更新6: この情報源によれば、これは「大統領の指示で、米軍は、アメリカに指定された外国テロ組織、イラン革命防衛隊クッズ軍司令官ガーセム・ソレイマーニーを殺すことで、国外のアメリカ要員を保護するため決定的な防衛措置を行った」と国防省は電子メールの声明で述べた。」国防総省電子メールだ。
更新7: アメリカは今や、バグダッドのイラン大使館員を恫喝しようとしているように見える。ここを参照。https://www.presstv.com/Detail/2020/01/02/615194/Iraq-United-States-helicopter-Iran-Embassy-Baghdad

暫定的結論:

そう、今我々はソレイマーニーが本当に殺害され、アメリカが実行したのを知っている。鍵になる要因は全て集まった。今我々ができる全ては、この暗殺による(アメリカ国内でも、国外でも、イラン国内でも、国外でも)政治的副産物を明らかにすることだ。

 私は、どんな形にせよロシアが関与していたとは思わない。中国もそうだ。なぜか? 今すべてがイラン対応次第だから。私は明日中に分析を作成するつもりだ。

 もし読者が適切な/興味深い情報をお持ちなら是非下記コメント欄で公表願いたい。私は分析を書く前、それを読むつもりだ。今私は二つの理由で、戦争は、ほぼ80%確かで、残りは20%だと申し上げたい。第一に、イランは最初に状況の詳細分析をせずには決して何もしない極めて洗練された当事国であり、二番目に、我々はまだ全ての事実を得ていない(核となる重要な事実しか持っていない)ためだ。

 この時点で私が待機状態に留まる意味はない。私は明日は分析する前に、多少睡眠をとった方が良さそうだ。

 それまで皆様に、おやすみなさい/おはよう/こんにちはと申し上げる。

 希望を失なわない!!ことが重要だ。私は明日、なぜこの悲劇的な悪い事件に我々が過度に反応すべきではないか説明するつもりだ。

 私はまだ「抱擁と喝采」と言えるだろうか?

 私は「抱擁」だけに固執したい。

 放送終了。

 The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/extremely-dangerous-development-in-the-middle-east/

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 2019年4月16日、下記のMoon of Alabamaによる記事を翻訳掲載している。

トランプはなぜイラン革命防衛隊軍団を外国テロ組織に指定したのか?

 現時点では、下記き二つの日本語記事がある。同じ情報源?

 CNN

イラン革命防衛隊の特殊部隊司令官ら死亡、バグダッドの空港にロケット攻撃 イラク国営テレビ

 livedoor

イラン革命防衛隊の特殊部隊司令官ら死亡、バグダッドの空港にロケット攻撃 イラク国営テレビ

 

2019年9月25日 (水)

イラン対サウジアラビア:勝負あり

2019年9月19日
The Sakerブログ用のガッサーン・カディ記事

 アラムコに対する攻撃は、長い戦争の始めなのだろうか、既に勝負ありなのだろうか?後者のように思われ、色々な点で、イランとサウジアラビア間の戦争は、始まる前に終わったのだ。フーシ派による、たった一つのアラムコ攻撃が、サウジアラビア石油輸出を半分へと転落させた。原油価格の20%上昇は言うまでもない。

 フーシ派がアラムコ攻撃実行を宣言しているにもかかわらず、現在、トランプ政権は、フーシ派ではなく、イランが攻撃したのだという考えを世界に受け入れさせたがっている。https://sputniknews.com/us/201909191076835893-pompeo-attack-saudi-oil-facilities-act-war-iran/ これまでのところ、少なくとも日本は納得していないように見え、フランスもそうだ。https://sputniknews.com/middleeast/201909191076835540-japan?no-evidence-iran-behind-attack-saudi-aramco-facilities/

 しかしながら、実際は、サウジアラビアの決意と、立ち上がって戦う能力は、誰が攻撃者かとは、ほとんど無関係で、それはサウジアラビアが、その損害を、さほど深刻に受け止めていないのを明らかにしたためだ。これは次の疑問か起きる。サウジアラビアは完全屈服するまでに、一体何回このような攻撃を切り抜けることができるのだろうか? 見たところ、さほど多くはなさそうだ。

 サウジアラビア経済とインフラは極めて脆弱なので、前の記事で、私はそのようなシナリオを予想した。事実上、たった一つの主要な富を産み出す源(つまり石油)と、大都市に清浄な水をポンプで汲み出す少数の海水淡水化プラントしかない国は、実際、非常にソフト・ターゲットだ。結局、一握りの重要標的が攻撃されれば、石油輸出だけではなく、家庭への水道が停止するだろう。http://thesaker.is/dissecting-the-unfathomable-american-iranian-war/ だが海水淡水化プラントが稼働を停止するには、直撃を受ける必要はない。プラントは電力を必要とし、電力は燃料によるものなので、燃料供給が停まれば、プラントも停止するし、冷房なしでは生きられない国の発電所も同様だ。

 最近まで、アラビアの人々は、干ばつや、塩気がある水や、焼けつく暑さに慣れていた。彼らはオアシスや周辺で暮らし、ほとんど水を使わない生活様式だった。だが新世代のサウジアラビア人や何百万という外国人居住者は家庭での毎日のシャワーや飲料水や空調設備に慣れている。戦争中、人は食物や水を探すため野外にでる。狩りをし、釣りをし、地域の漿果や食べられる野生植物を集め、流れる川や小川で壺を満たし、裏庭で自家用野菜を栽培するが、砂の王国サウジアラビアでは、このような選択肢は全く存在しない。

 さらに、1950年代の数百万人から人口は膨れ上がり、サウジアラビアの現在の住民は3300万人おり、これには、そこで働き、暮らす何百万人もの外国人居住者も含まれる。

https://en.wikipedia.org/wiki/Demographics_of_Saudi_Arabia。破損したインフラが修復されるまで塩気がある水の限られた供給は十分ではなく、そもそも送水さえされない。

 ロシアより大きく世界三番目の防衛予算を持つ国サウジアラビアは、パトリオット・ミサイルから銃弾に至るまで、全てを輸入し続けている。

 これはイランの地理や自然資産や人口と極めて対照的だ。イランには山や谷や川や牧草地や繁栄する農業と、アメリカが課した制裁のおかげで、革新的で自足であるよう教えられている7000万人の国民がいる。

 そして、アラムコの標的が不意に攻撃されたと言うのは、既にサウジアラビアはイエメンと、戦争状態にあり、特にイエメン空襲が、ここ数カ月エスカレートしていたことを考えれば、非常にばかばかしく、言い訳になるまい。サウジアラビアにとって更に恥ずかしいことがある。イランとの戦争の可能性が今や熱い話題になっているのに、重要なサウジアラビア施設が、一体どうして無防備であり得たのだろう?

 だが、もしトランプ政権が主張し、我々をそう信じさせたがっているように、本当に、イランが攻撃をしたのであれば、話は全く別で、イラン・ミサイルが、湾の対岸、イラン本土から飛び立ち、アメリカの防衛や最新の探知ハードウェアやソフトウェアを回避するのに成功し、サウジアラビア領土の目標に効果的に到達したのをアメリカは認めることになる。もしこれがトランプが我々に信じるよう望んでいるシナリオならば、イランと交戦するアメリカの能力について、これは一体何を物語るのだろう? これは、地球上で「最も偉大で最も強い」とされる国の大統領選挙結果に、ロシアが実際影響を与えることができるという主張、ロシアゲートより遥かに大きな茶番だ。このような主張は、アメリカの敵が極めて組織的で、賢く、強いか、アメリカが混乱していて、愚かで、弱いことを意味する。それとも、その両方だろうか? いずれにせよ、このような主張を、他ならぬアメリカ自身が行えば、アメリカの立場を良くしないのは確実だ。

 サウジアラビアとビッグ・ブラザーの弱点と脆弱性に並ぶのは、もう一つの同盟国、UAEだけだ。実際、もしガラス貼り超高層ビルを守りたいと望むならとフーシ派報道官ヤヒア・サリアは首長国連邦に厳しく警告した。https://www.rt.com/news/469104-houthis-new-drones-attack-uae/ サリアは演説で、アラブのことわざに皮肉をこめて言及し、自分の家がガラスでできていたら、他の人々に石を投げるべきではないと言った。世界が注意深く無関心に見守る中、何年も無差別攻撃をした後、イエメン人を無慈悲に飢えさせようとした後、フーシ派が侵略者に慈悲をかけると想像できるだろうか?

 だがそれに直面しよう。ドバイやUAEの他の繁栄する大都市はゴーストタウンに変身するように運命づけられているのだ。現在の魅力と、上っ面の豪華さを使い果たすまでの時間の問題に過ぎない。結局、こうした空想的な都市には、本物の実質的な持続可能なものは皆無だ。それどころか、イランとの戦争は、崩壊をはや回しする可能性が高い。もし(彼・それ)らの生命のために走っていないなら、群れで去っている外国人投資家と国外居住者を処理して、残すようにする。

 皮肉にも、アメリカ/サウジアラビア/UAE同盟は、もしそれが本当に同盟なら、地域への支配力を広めたと言ってイランを非難しているのだ。そして、おそらく、この主張を裏付ける証拠がある。だが連合は、彼ら自身が画策した侵略と、サダム打倒が、イランによって埋められたイラクの力の空白を作ったことを都合良く忘れているように思える。8年もの長きにわたる苦いイラン-イラク戦争は、勝者も敗者もなしで終わったが、アメリカ/アラブ連合によるサダム打倒は、まさに、その連合が、今抑えようとしているイランを、事実上の勝利者に変えたのだ。この茶番は、これ以上皮肉であり得るだろうか?

 アメリカはイラン軍の力を過小評価しており、イランは真逆のことをしている。これは当然で、心理戦の本質だ。だが実際は、誰もイラン軍事力の実態を知らないのだ。この理由から、イランとの全面対決では、当初、アメリカは、艦船をペルシャ湾から出し、イランの短距離ミサイル到達距離以遠に移動させ、後の段階で、安全と確信したら、接近させるのかも知れない。だがサウジアラビアの極めて重要な地上目標は移動することができず、イランは片手の指で数えられるごく少数の目標を攻撃するだけで、サウジアラビア/UAEの全面降伏を実現できるのだ。

 誰もイランの実力は知らないが、ずっと弱く遥かに貧しく恵まれないイエメンの餓死しそうな人々を打倒する上で、サウジアラビアが大失敗したのを我々は知っている。

 アメリカは現地には軍を派兵するまいし、それで海軍艦艇を危険にさらすようなことはほとんどない。ソフト・ターゲットはサウジアラビアやUAEの重要インフラであり、パトリオット防空システムは、それらを攻撃する全てのミサイルを途中で迎撃することはできるまい。フーシ派ができるなら、イランもできて当然だ。

 私は最近ネットフリックスで「ベトナム戦争」シリーズを見て、当時あの戦争の真実が暴露された時、アメリカのタカ派は、自国民と世界に、再度ウソをついたまま逃げ仰せたり、ベトナムにした手口で、いつか他国を侵略したりすることはあるまいと思ったのを思い出した。ところが20年もしないうちに、連中は全力でイラクに侵略し、国民は連中の言説を信じたのだ。おそらく、何か決して変化しないものがあって、朝鮮、ベトナム、レバノン、イラク、アフガニスタンやシリアで敗北した後も、依然、アメリカは、イランと戦うと固く決意しているように思われる。今回、最大の敗者はアメリカだけで終わらず、アラブ同盟国、つまりサウジアラビアとUAEもそうなるかもしれない。既に悪い兆しがあり、それは明らかに、勝負ありと読めるので、最近のアラムコに対する攻撃は避けられない結果の前兆に過ぎない。

記事原文のurl:https://thesaker.is/iran-vs-saudi-arabia-its-game-over/

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 二年前に、下記記事を翻訳した。

 イランとサウジアラビアの武力威嚇: 全面戦争では、どちらが優勢か?

 偶然「たんぽぽ舎30周年記念の集い」の録画を拝見した。たんぽぽ舎の方の挨拶から始まって、来賓の鎌田慧さんや神田香織さんの挨拶、そして小出裕章さんの講演「原発にしがみつく日本ばぜ?どうする」 75分。講演の最後に、あの田尻宗昭さんの講演時の言葉が紹介された。パワーポイント画面の文字を写しそこねたが「社会を変えていくのは、数じゃない。一人です、二人です、三人です。」という趣旨。ポール・クレーグ・ロバーツ氏が良く引用されるマーガレット・ミードの言葉と同じだったのに驚いた。

「世界を変えようと決意を固めた思慮ぶかい市民たちからなる小さなグループの力を決して否定してはいけません。実際、その力だけがこれまで世界を変えてきたのです。」

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

サウジへの石油施設攻撃が示す軍事的意味合い、9月14日石油施設に壊滅的打撃。サウジは戦闘機 F-15C(67機)F-15D(31機)F-15C(61機)レーダー施設、地対空ミサイル 対空システム[機能せず。日本にも言える事。ミサイル、無人機攻撃にほぼ無力を証明。

 下記講演会も拝聴予定。

日刊IWJガイド「『韓国には100%の理があり、日本には100%の非がある』! 本日午後6時半より、9月10日に収録した元外務省中国課長で元広島平和研究所所長の浅井基文氏による講演会『日韓関係を破壊する安倍政権 』を録画配信いたします!」2019.9.25日号~No.2568号~(2019.9.25 8時00分)

 ガイドには、とんでもないが書いてある。傀儡支配層と、大本営広報部の結託、大本営広報部は報じない。

はじめに~これまで自由に質問できていた防衛省の記者会見でIWJが突如質問を禁じられる! 経産省では広報担当者が事前にIWJの質問内容を検閲!?

2019年5月 8日 (水)

ゼレンスキーがポロシェンコに勝利 - 次に何が起きるだろうか?

2019年4月24日
The Saker

[この分析はUnzレビューのために書かれた]

 皆の予想通り、ポロシェンコは選挙に完敗した。私が以前のコラムに書いたように、ポロシェンコの巨大な広範囲の資源と、対抗者が文字通り、ピエロだった(もし読者がおなら漫画)という事実を考慮すれば、これは驚くべきことだ。同様、彼の敗北は、ほぼ不可避なほど予測可能だった。この人物がウクライナ中で(リボフ地域のナチ変人以外)心から全員に憎まれていたが、彼をいつもより更に一層忌まわしくした致命的大失敗をしたのだ。

 まず、この傑作だ。

 

翻訳:4月21日。 重要な選択!

 今ならポロシェンコに同情できる。単にこの「プーチン、オバケ」は、ウクライナ・ナチ・クーデターの主要スポンサーや、伝統的シオニスト・メディアには驚くほど効果があるように思われただけでなく、大半のウクライナ人は全くこのたわごとを買っていないと、誰もあえてポロシェンコに言わなかったのだ。全ての他の候補者がプーチンの代理人だという示唆も、これに劣らずばかばかしい。(このポスターはポロシェンコ公式選挙運動ではなく「ボランティア」が掲示した)ポロシェンコが考案した関係責任否認の権利とい見せ掛けは失敗し、全員すぐに全てを見破り、ポロシェンコ選挙運動の最初の自業自得になった。

次にこの大惨事だ。

https://youtu.be/TYc63d9SvrM

 またしても、このビデオを制作したのはポロシェンコ公式選挙運動ではなかったが、皆がこれも見破った。ゼレンスキー殺害というほぼ公式の脅迫は、ウクライナでは恐ろしいものとして受けとられ、このPR大惨事はポロシェンコの二度目の自業自得だった。

 そして哀れな人物は「負けた」。私はこの人物が、言い、行った、全ての愚かな、ばかばかしいことを列記するつもりはないが、大いに期待されていたスタジアムでの討論における彼の出来ばえは惨たんたるものだったと言っておこう。

 しばらくの間その兆しはあって、二人の候補者は(ドイツとフランスでは直接対面で、「アメリカを再び偉大にする御仁」とは電話で)彼らのご主人と話をするよう命じられ、いくつかのことを言われていたのだ。

  • ポロシェンコは、戦争を引き起こしたり、ぎりぎり最後の偽旗を画策したり、ゼレンスキーを殺したり、他の何らかの「創造的な選挙運動方法」を行ったりしてはならないとはっきり言われたのだ。
  • ゼレンスキーも、もし彼が選挙に勝ったら、ポロシェンコに触れてはいけないとはっきり言われたのだ。アメリカはポロシェンコに身の安全保障をしたように思われる。

 欧米の計算は単純だ。ポロシェンコを(比喩的、政治的に)生きながらえさせておいて、彼がどれだけ議員を維持できるか見るのだ。さらに、ゼレンスキーは極めて弱い(彼にはいかなる個人的な権力基盤もない)ので、コロモイスキーが、ゼレンスキーは言われた通りのことをするようにさせるが、コロモイスキーは、帝国に、行儀よくしろと言われるはずだ。最終的に、彼の手が(少なくとも、トゥルチノフやアヴァコフのように凶悪犯と比較すれば)血にまみれておらず、クレムリンと一緒に、要注意人物リストに載るような動きをせず、非常に目立たない姿勢を維持した現首相ヴォロディーミル・フロイスマンがいる。フロイスマンも、ユダヤ人(イスラエルとウクライナは、大統領と首相の両方がユダヤ人という世界で二つだけの国だ。ユダヤ人とウクライナ民族主義者間の歴史的愛憎関係を考えると皮肉)だ。彼は帝国にとって、ポロシェンコやゼレンスキーよりずっと有用なウクライナ大管区指導者になるかもしれない。今、フロイスマンは、既にポロシェンコの党を捨て、彼自身の党を作っている。いずれも、無辜の人々の血にまみれていて、支配下の種々のナチ暗殺団を使って、かなりの権力を手放すまいとするだろうアヴァコフやパルービーを忘れずにおこう。最後に、まだその政治的野心を抑制する必要がある、手ごわい(比較的人気が高い)ユリア・ティモシェンコがいる。だから巨大な富とコネがあるポロシェンコは、まだ帝国がウクライナを支配するための有用な手段であり得る。

 欧米の計算は間違っているかもしれない。一つは、ゼレンスキーは、確実に、ウクライナ国民に対して、*何も*意味あるものを、まず繁栄や正直を、与えることができないのだ。かなりすぐ、彼らがゼレンスキーというを「新人」選出した際、ウクライナ国民は、コロモイスキーの「決して新しくない」顔と、その悪名高い名前がもたらすあらゆるもので終わったことを理解して目を覚ますだろう。ゼレンスキーは、スタジアムでの討論の際に、そうすると半ば公約した、ポロシェンコを刑務所に送る以外の選択肢はないかもしれない。ゼレンスキーは、ポロシェンコと話し合うつもりで、何らかの公的資格で、彼を使いさえするかもしれないとも言っている。ウクライナの選挙公約は、それを作るのに要する時間より長期間、決して守られたことはないのだ。最終的に、誰も彼と一緒に没落するのを望んでいないので、ポロシェンコの権力基盤は非常に急速に損なわれつつある。彼が一晩で政治的死体になったので、ポロシェンコは、英米シオニストにとって彼の有用性が尽きた後も生き伸びてしまったと私は考える。だがこれはウクライナなので、あり得ないと決めてかかることはできない。

 最終的に、国会により多くの権限を、大統領により少ない権限を与える、ウクライナ政治制度改革を帝国は要求している。ゼレンスキーが未知の俳優で、(全ての党と派閥の)国会議員が基本的にアメリカに雇われている事実を考えれば、これはつじつまがあう。

 こうした全てに関して、ロシアは一体どうなのだろう?

 ロシア人は極めて用心深く、誰もゼレンスキーに幻想を抱いているようには思われない。実際、当選翌日、既にゼレンスキーは、あらゆる種類の反ロシア発言をしている。実際、ポロシェンコ・ポスター(彼の敗北は、プーチンにとっての勝利を意味する)の論理的なほのめかし以外、ロシアの誰も祝ってなどいない。ウクライナという話題全体についての主要な考え方は、全くの嫌悪感で、我々のいわゆる「兄弟」は、聖書中のケインという意味での兄弟に過ぎないという、緩やかな、苦痛を伴う事実の認識と、キエフには話をするべき誰もいない事の受け入れだ。それで、ロシアは、ウクライナに対して、一方的行動の政策に着手しなければなるまい。これには次のものが含まれる。

  • 選挙結果を認めるかどうか決める。ロシアは、大半のウクライナ人が、ゼレンスキーに投票をしたことを認め、その認識は、それ以上の何も意味しないという事実を認識することが一番ありそうだと私は思う。事実を認めることだ。
  • ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国共和国の国民へのロシア・パスポート発給ペースを加速する。
  • ウクライナ(ロシアはちょうど、ウクライナへのエネルギー源輸出を禁止したところだ - 最終的に、とうとう!)に対し、それ以上の経済封鎖を課す。
  • 何百万人というウクライナ人が投票しなかったのだから、それを宣言しろ(ウクライナ国内、ドネツク人民共和国 / ルガンスク人民共和国、ロシアでそしてミンスク合意が死んでいる(もしまだ法律上じゃないなら、それがデファクトだ)から、ロシアはこの選挙を認めず、代わりに二つの共和国を認める。(ウクライナ国内、ドネツク人民共和国 /ルガンスク人民共和国、ロシアで、何百万人というウクライナ人が投票しておらず、(法律上ではまだでも、事実上)ミンスク合意は死んでいるのだから、ロシアはこの選挙を認めず、代わりに二つの共和国を認めると宣言する。私はノボロシアに対するウクライナ・ナチによる攻撃(その場合、ロシアはサーカシビリによる南オセチア攻撃後にしたことをするだろう)がない限り、クレムリンがそうするだろうとは私は思わない。

 これまでのところ、ロシア報道官は、単に彼らは「ウクライナ国民の投票を尊重し」、「彼の言葉ではなく、彼の行動で」ゼレンスキーを評価するつもりだ述べただけだ。このやり方は、確かにバランスがとれていて、合理的だと私には思われる。

 結論

 コロモイスキーや、ゼレンスキーさえ、誰も次に何が起きるかわからないというのが真実だ。余りに多くの考慮すべきパラメータがあり、この選挙後の本当の力の均衡は、まだそれ自身明らかになっていない。ウクライナ人々の本当の念願と希望は全く無視された。ポロシェンコは、ゼレンスキーというマスクをつけたコロモイスキーに代わられるのだ。到底、大喜びの理由にはならない。

 多数候補者がいたにもかかわらず、ウクライナ国民は有意義な選択を与えられていなかった。それで彼らは、できる唯一のことをしたのだ。彼らはポロシェンコを追い出よう投票をした。それは確かに、とても言い気分だったに違いない。

 だがゼレンスキーは多少まともだということになるのだろうか? 私が間違っていること大いに願うが、私はそれを強く疑っている。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/zelenskii-beat-poroshenko-what-will-happen-next/

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 以下のあとがきを省いて、上記翻訳記事だけを勝手に転載する連中は、憲法破壊推進確信犯だ。

 同じ話題しか流さないので、久しぶりに2015年12月20日放送の新・映像の世紀「第3集 時代は独裁者を求めた」録画を再度見た。権力は悪事を働く際に、ウソを言って正当化する。緊急事態条項というのは、婉曲語法で、実態は「全権委任法」だったことを思い出した。

 2007年8月26日に、下記のナオミ・ウルフ記事を掲載した。その時に「全権委任法」を知ったのだった。劣等の現状、この記事だけで理解できる。このステップが着実に推進されるのを目にしているのだ。改元騒ぎもその一環。

 簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)

日刊IWJガイド「明日9日の衆議院憲法審査会で、改憲の国民投票のテレビCM規制をめぐって民放連幹部を参考人招致! 本日午後8時より、岩上安身による長谷部恭男・早稲田大学教授インタビューを再配信!」 2019.5.8日号~No.2428号~(2019.5.8 8時00分)

 日刊ゲンダイ・デジタルの斎藤貴男氏記事に驚いた。

 大メディアが黙殺する「倉敷民商弾圧事件」の“異常”さ

彼ら3人を逮捕し、取り調べたのは、なぜか岡山県警の公安部だった。勾留期間も禰屋氏が428日間、他の2人は184日間。あのカルロス・ゴーン氏は2カ月でも国際的な関心を集めたが、倉敷民商事件はマスコミにも黙殺されたまま。

 党名を変えないから支持率があがらない、とたわごとを言う連中、党名を変えれば、こういう冤罪攻撃がなくなると思っているのだろうが?

2019年5月 7日 (火)

The Sakerによるドミトリー・オルロフ・インタビュー

2019年4月16日

[本インタビューは元来Unzレビューのためにおこなわれた]

 「アメリカ帝国はほぼ既に終わっているが、まだいかなる本格的な負荷試験を受けていないので、誰もそれが事実なのを理解していないのだと私は思っている」

 たった一語で現在の国際情勢を描写しなければならないとすれば、「混乱」という単語が(唯一のものでないにせよ)かなり適切な選択だろう。ウクライナでの混乱、ベネズエラでの混乱、帝国がいかなる形においても関与しているあらゆる場所の混乱、そして、もちろん、アメリカ合州国内混乱。だが、タイタニック号船上のオーフストラとほとんど同じ役、つまりを進展する大惨事から、できるだけ長時間、気をそらせる役を演じている、評論家や他の「専門家」の話しか聞いていなければ、それには気がつくまい。

 ソヴィエト社会主義共和国連邦とアメリカ合州国の崩壊に関する非常に論理的な、イデオロギー的でない、比較分析をかねてから尊敬している、社会的、政治的崩壊に関する押しも押されもしない専門家ドミトリー・オルロフに話を聞こうと決めた。彼を中傷する連中は、露骨な、率直に言って愚かな人身攻撃に訴えるしかないという事実が、ドミトリーの意見が広く共有されるべきであることを一層確信させる。有り難いことに、ドミトリーは、いくつかの私の質問に詳細に答えることに実に快く同意してくれた。このインタビューが読者にとっても、私が感じたのと同様に興味深いものであるよう願っている。

The Saker

The Saker:社会的、経済艇、政治的崩壊という点で、ウクライナの現状をどのように評価されますか?

ドミトリー・オルロフ:ウクライナは独立した主権国家としては、一度も生存可能だったことはなく、進行中の崩壊は予想できたはずのものです。崩壊という概念は、崩壊し得る、そこなわれていない独立した組織に適用可能ですが、ウクライナの場合、これは当てはまりません。歴史上、決してそれは、安定した自給自足できる独立組織になれたことはありませんでした。独立を獲得するとすぐに倒れたのです。バルト諸国(エストニア、ラトビア、リトアニア)と同様、ソヴィエト社会主義共和国連邦が崩壊しようとしていた、まさにその時に、この国は経済、社会発展の頂点に達していて、以来ずっと、この国は劣化し、人口を失いつつあります。ですから、それを論じるための適切なモデルは突然の崩壊ではなく、着実な堕落と腐敗です。

 ウクライナの領土は、レーニンに、次にスターリンにより、次にフルシチョフにより、ボリシェビキを優先する人たちに、一つにまとめられたのです。本来ロシアの一部だった東部地域(具体的には、ドネツクとルガンスク)をひとまとめにしたのはレーニンでした。スターリンはそれから、何度もポーランドや、オーストリア・ハンガリーや、ルーマニアだった東部の土地を加えました。最後に、この問題を決定するためにソビエト憲法で必要とされていた国民投票をクリミアで行わず、フルシチョフによる当時ロシアでは違憲だった動きで、クリミアをほうりだしたのです。

 このボリシェビキの取り組み以前は、「ウクライナ」は適切な政治的、地理的表記としては使われていませんでした。この地域はロシアの一部と見なされていて、他から区別するため(小さいという意味の)接頭辞「マロ」をつけ「マロロシア」と呼ばれていました。「ウクライナ」という単語はロシア語単語「オクライナ」(はずれ、辺境)の古風表現です。これが定冠詞"the"が必要な理由なのです。ウクライナは文字通り「ロシアの辺境」です。国連での追加議席獲得に成功するため、ソ連はこの辺境に架空のアイデンティティーを与え、住民の多くに「ウクライナ人」としてその民族性を公式に宣言するよう強いたのです。

 この政治的でっち上げは、それ自身でっち上げであるウクライナという民族的アイデンティティーによって、ばらばらにならないように保持されるはずでした。ウクライナ語は、香り付けに、多少のポーランド語が混じったロシア語南部方言の組み合わせなのです。それにはロシア人が魅惑的と感じる快活な調子があり、民謡にぴったりです。けれどもそれは決して多くの実際的長所を持ってはおらず、ウクライナ人にとって実用的な言語は常にロシア語でした。話題がかなり複雑な場合には、現在ウクライナ人民族主義者でさえロシア語に変えます。宗教的には、国民の大部分が何世紀も、そして今もロシア正教です。

 数年間、多くのウクライナ人とウクライナについて話をして、私は衝撃的な事実を発見しました。ロシア人と異なり、ウクライナ人は民族的結束は全く皆無に思われるのです。彼らを結び付けるものは、ロシア帝国の一部として、更にはソヴィエト社会主義共和国連邦としての歴史上の経験の共通性ですが、この歴史的遺産は積極的に消されつつあります。ソビエトの崩壊とウクライナの独立後、ウクライナで、非ソ連化と非ロシア化キャンペーンが行われ、この共通の歴史遺産をけなし、国民の大部分にとって異質な偽歴史に基づく合成のウクライナ・アイデンティティーで置き換えられたのです。この偽歴史は、ナチ協力者をもてはやし、広範なロシア世界におけるウクライナのかつての非常に積極的な役割のあらゆる記憶を完全に消し去ろうと試みています。

 それで、現状は、人々の大半がロシア語を話す(その一部には訛りがある)か、スルジクと呼ばれるウクライナ語のように聞こえるが、大半がロシア語単語(二つの言語間の重複は非常に大きいので、彼らの間に線引きをすることは困難だ)である一種のウクライナ地方方言を話す、歴史的にほとんどロシア領だった地域があるというわけです。正しいウクライナ語とされるものは、一度もロシア帝国の一部になったことのないウクライナの西部で話されますが、それは他の地域ではほとんど理解できない方言なのです。

 この混乱した言語状況にもかかわらず、ウクライナ語は国全体に、教育用言語として押しつけられました。ウクライナ語教科書とウクライナ語で教える資格を持った教師の欠如が公教育の質を急落させ、本当にウクライナ語を知らず、わずかな正式なロシア語の授業しか受けていない、一種の砕けた半分言語しか話せないウクライナ人世代をいくつか生んでしまいました。より最近、ロシア語の使用をひどく制限する法律が通過しました。例えば、ウクライナ語をひとことも話したことがない人々が、今買い物や、政府の職につくため、それを使うよう強いられています。

 人工的な、つくりもののウクライナ・アイデンティティーは、この国に自己意識や方向感覚を与えるには余り薄弱です。それは全く後ろ向きのアイデンティティーです。ウクライナとは、ロシアではないものなのです。結果として生じた国民意識の穴は、欧州統合という積み荷崇拝を作って、ふさいだのです。ウクライナはロシア世界を離れ、欧州連合とNATOに加入すると発表されました。最近、EUとNATOに加盟する意志が、直接ウクライナ憲法に書き込まれました。EUとNATO加盟のいずれも、全く少しもありそうにないか必要でないことは極めて明確になっています。EUは価値ある代償を何も与えないまま、EU連合協定への署名を強いて、欲しいもの全てをウクライナから得ています。ウクライナ領はNATO軍事演習の舞台になっています。

 「ウクライナ社会」という言葉には実際は、ほとんど基礎がないので、社会的崩壊に関して論じるべきことは本当に多くはないのです。ロシアから分離すれば、ウクライナは存続可能な国だという過大評価をやめた場合、大ロシアの一部としての可能性について何が言えるでしょう。

 本物の帝国と、ソヴィエト社会主義共和国連邦との違いを説明するため、ここで脇道にそれなければなりません。本物の帝国は、大英帝国のように海外か、ロシア帝国の場合のように周辺部分のような帝国の所有地から、富を吸い上げる富のポンプとして機能します。後者はそれに先行したモンゴル帝国の伝統を継承しました。モンゴル語の単語「タムガ」はしばしばロシア帝国が東に拡張するにつれ、新たに征服した種族から集めるべき年度の税金を示すために使われました。(これらの種族の多くが、用語の意味を理解している元モンゴル臣民だった。)

 ここに重要な点があります。ソヴィエト社会主義共和国連邦は、まったく通常の帝国ではありませんでした。周辺から帝国の中心に、ポンプで富を汲み上げる富のポンプとして機能するどころか、中心の資源(ロシア)を利用して、社会主義を構築し、グローバル共産主義革命を助長する狙いを推進するため、周辺に資源を送り出し、革命孵卵器として機能したのです。ボリシェビキの中で、代表の数が平均を遥かに超えていた様々な民族集団は、ロシア内のユダヤ人強制集住地域や白ロシアやウクライナやコーカサスやバルトなど全て周辺地域出身で、彼らは世界革命の祭壇で、母なるロシアを犠牲にするのを全くいとわなかったのです。

 彼らの革命の熱意は、実際的利点が全く欠けていることで妨げられました。これが認識されるようになるにつれ、世界革命の偉大な提唱者レオン・トロツキーが最初に追放され、それから暗殺されました。後に、ロシア人の愛国的感情に訴えずには、ナチス・ドイツに勝利する課題に成功しそうもないことが明確になった際、スターリンはロシア正教会を復活させ、以前は、退歩的で愛国主義的だと非難されたロシアの民族的アイデンティティー復活のため他の取り組みもをしたのです。この過程にはかなりの失敗もありました。1940年代、レニングラードの共産主義指導者集団が、地域協力を通してロシア権益を促進しようと試みました。彼らは粛清され、「レニングラード問題」として知られるようになった政治的抑圧を味あわされました。

 幸いにも、世界共産主義革命のための使い捨て基地としてのロシアという考え方は決して完全には実行されませんでした。けれどもソビエト周辺の利益のためにロシアを利用する傾向は損なわれないままでした。ソヴィエト社会主義共和国連邦の最も重要な指導者、スターリンとフルシチョフとブレジネフはロシア人ではありませんでした。後の二人はウクライナ人でしたが、スターリンはグルジヤ人でした。全ての他のソビエト共和国はモスクワに送り出すべき幹部を生み出す共産党組織がありましたが、他方ロシア自身にはそのような組織はありませんでした。不可避な結果として、他のソビエト共和国の大部分が、ロシア自身より遥かに繁栄し、ロシアから資源を吸い上げることが可能だったのです。

 ですから、典型的な帝国としてのソヴィエト社会主義共和国連邦のイメージは全く正しくありません。ソヴィエト社会主義共和国連邦の正しいイメージは、14匹の太った貪欲な子豚(他のソビエト社会主義共和国)に乳を吸われて、疲労困憊し、やせ衰えた雌豚(ロシア)です。彼にはあらゆる欠点がありますが、ボリス・エリツィンは一つだけ良いことしたのです。(彼のやり方は無能を越え、ほとんど反逆罪だったとは言え)、彼はソヴィエト社会主義共和国連邦を解体したのです。

 なぜロシアが今復活し、ますます繁栄し、極超音速兵器システムや、国民のための近代的インフラに膨大な金額を投資することができるのかについての説明を必要なら、これが答えなのです。14匹の子豚は、自分で食べ物を探すよう追い払われたのです。このちょっとした見方は、ついでながら、ズビグニュー・ブレジンスキーの「巨大なチェス盤」という全くのばからしい話をお釈迦にします。ロシアは帝国になることを望んでいるが、ウクライナなしでは、そうなれないという彼の理論は、ロシアが1世紀以上、帝国でなく、再び帝国になる必要や願望がないという認識に触れた瞬間、粉々になります。

 いずれにせよ、最近、帝国は、いささか復古調で愚かなアメリカ人が、自ら破産させて終わるための方法として以外、全く有用ではありません。ロシアには施し物をやかましく要求する恩知らずの扶養家族ではなく、経済的に自立できる信頼できる取り引き相手が必要なのです。30年間、ウクライナに放置されていたクリミアを、ロシアの現代水準まで引き上げるのは途方もない課題であることが判明しています。それ以外のウクライナに対してそうすることなど、とてものことではありません!

 この視点を得て、我々は現代ロシアの見地から、ウクライナについて何を言うことができるでしょう?

 こっけいな不滅の漫画キャラクターのようなウクライナ人専門家が出演するロシアのトーク番組の内容で証明されるように、何よりもまず第一に、見せ物です。ウクライナを支持する彼らのお笑いぐさの主張が台無しになると、彼らは常に一瞬、黒焦げになって立ちつくし激怒し、自らの体をはたき、新たに次のコーナーに元気はつらつ出演するのです。この見せ物には特定の教訓的長所があります。現代ウクライナを現在そうであるようなひどい混乱にさせたのが欧米の干渉だったのですから、ロシア国民が欧米の偽善に対して強力な免疫抗体を発達させるのに役立ちます。しかしこれはある意味、避けられなかったのです。ソビエトの乳首を奪われて、ウクライナは、これまで30年間、アメリカとEUから乳を吸おうと試み、それがうまくいかないので、自身の腰肉を切り分け、焼いてきたのです。

 第二に、ウクライナは、独立以来、国民の約3分の1を失った、移民の豊富な供給源です。国民の多くがロシア人と見なされます。言語学的、文化的、宗教的に、彼らは完全にロシア国民と共生可能です。ウクライナ人は(ロシア人とタタール族に次いで)既にロシアで3番目に人口が多い民族集団で、ロシアは近年ロシアに逃げたウクライナ人を吸収することが可能でした。ウクライナの人口が減少するにつれ、自然な仕分けが行われています。ロシア世界と最も共生できる人々はロシアに、残りが、ポーランドや他のEU加盟国に移住する傾向があります。

 最後に、ウクライナの話題ついて、ロシアは非常に困憊しています。現在行われている茶番大統領選挙のおかげで、現在議論の主要話題になっていますが、益々多くの人がこの疑問を聞いています。「我々はこれについて話し続けなくてはならないのだろうか?」 ウクライナについては言うべき肯定的なものは何もなく、人々は頭を振って別の局に切り換える傾向があります。それで、ウクライナに対するロシアの見方の最終的な要素は、見るのがつらく、むしろ何か他のものを見たいということなのです。

 ところが、そうは行きません。十分な歴史的理由で、ロシアはウクライナの最大貿易相手国のままなのです。ロシアとウクライナの経済は、一連の計画や規格や規制に基づく一体のものとして構想されました。これらのつながりを断とうというウクライナ指導部による政治的動機による取り組みにもかかわらず、選択肢が欠如しているため、そうしたものの多くが、頑固に、そのまま残りました。一方、ウクライナは欧州連合や世界の他の国々が欲するようなものは極めてわずかしか作っておらず、そのうち極めてわずかしかEUの多くの基準や規制に合っていません。特にEUは、ウクライナ製品にとって全く役立たず、ウクライナを安い労働と資源の供給源として見ています。

 2分の1より遥かに多くのウクライナ電力を供給する老朽化したウクライナの原子力発電所に核燃料を供給しているのはロシアで、他方ロシアの石炭(特に無煙炭)が残りの多くを供給しています。けれども政治的理由で、ウクライナ当局は,ウクライナとロシアを結びつけるへその緒は切断できないという事実を認めるのをひどく嫌っています。例えば、彼らはロシアの天然ガスを直接でなく、EUから仲裁人を通して(彼らがその一部を懐に入れる)利ざやが乗ったものを買っています。書類上、ウクライナはEUからガスを輸入しています。物理的に、ロシアからパイプに送られるメタン分子は決してウクライナ領を離れません。彼らは現地使用のため流用されているだけなのです。

 ソヴィエト社会主義共和国連邦が崩壊する頃までに、ウクライナは最も高度に発展し、おそらく最も裕福な地域で、一部の人々は、ソビエトのくびきを投げ捨てた以上、未来はゴーグルなしで見るには余りに明るいと予想していました。ウクライナには豊富な天然資源(肥沃な土地、石炭)と知的な労働力がありました。ウクライナはジェット航空機や船舶用ディーゼル・エンジン、ヘリコプター・エンジン、世界最良のロケット・エンジンや他に多くのハイテク製品を生産していました。ところが起きたのは、数十年の窃盗や低迷や腐敗でした。今までにウクライナは産業の大部分を失い、多くが崩壊の間際にまで疲れ切っており、ソ連時代のインフラは朽ちました。産業は閉鎖し、かつて雇用されていた専門家は引退するか、ロシアやEUやアメリカで働くために去りました。(どうやら一部のウクライナ人ロケット科学者は北朝鮮に仕事に行き、これが朝鮮民主主義人民共和国の最近のロケット工学における驚くべき成功や、ロケット燃料非対称ジメチルヒドラジンの、ありそうもない風変わりなエキゾチックな選択の説明になる。)

The Saker:ドンバス共和国はどうでしょう? あなたはウクライナで起きていることと、ノボロシアの状況をどのように比較されますか?

ドミトリー・オルロフ:「ノボロシア」(新しいロシア)という用語は、エカチェリーナ2世がクリミアや他の南の領地所を含め、ロシア帝国を拡張した時代にまで数世紀遡ります。レーニンが、ウクライナ・ソビエト連邦に割り当てし直したのは、ドネツクとルガンスク地域というロシア領土でした。

 ほぼ完全にロシアの地域が他にもいくつかあります。とりわけ、ハリコフとオデッサですが、ドネツクとルガンスクも決してウクライナではありません。2014年の政府打倒後、キエフで権力を掌握したウクライナ民族主義者の意図が、国民のロシア部分を圧迫することだったのが明確になった際、この二つの地域がなぜ自立することに決めたかという理由です。ウクライナ民族主義者は、内戦を開始して対応しました。これは正確に5年前に始まり、彼らが敗北しました。面子を保つため、彼らは敗北を「ロシアによる侵略」の結果だと宣言しましたが、いかなる証拠も提出できませんでした。もしロシアが侵入していれば、結果は2008年8月にジョージアにおけるロシアの行動の再演になっていたはずで、それは約1週間続きました。

 ウクライナ人は、ドネツクとルガンスク地域にミサイルを打ち込み続けており、散発的な民間人の犠牲者を出しています。時たま彼らは小規模な小ぜり合いを演じ、犠牲者を出して、撤退します。彼らはこの内戦を「対テロ活動」呼んでいるのですが、大半は、他には説明のつけようがない彼らの敗北の連鎖を説明するために、ことあるごとに架空の「ロシア侵略者」が引き合いに出される、プロパガンダ攻勢に変わっています。

 ある程度ウクライナ人を訓練しようと、NATO教官が、取り組んだのですが、教官は諦めました。どのように戦うべきか教官が全く知らないことが、彼らには明きらかだったので、ウクライナ人が面と向かってばかにしたのです。ウクライナ人は、ゆっくりと、じっとしているNATOにとって、あまりにも狂っているので、ウクライナのNATO加盟「ロードマップ」は棚上げにすべきと決まったのです。そして教官は、NATO軍が決してしようとは考えないはずの、いかに航空援護なしで高強度地上戦を行うべきかについての諜報を集めるだけのCIAタイプの連中に置き換えられました。このような条件下では、NATO軍隊は、自動的に撤退するか、それがうまくいかなければ、降伏するでしょう。

 一方、経済的に大いに発展し、多くの産業がある二つの東部地域は一層しっかりロシア経済に融け込んでいました。現在彼らの大学と研究所はロシア高等教育制度で完全に認められており、通貨はルーブルで、国際的認識では彼らはウクライナの一部ですが、ウクライナが、彼らをそういう風に扱っていないと指摘するのは非常に重要です。

 ウクライナ政府はドネツクとルガンスクの市民を自国民として扱っていません。彼らの年金を支払わず、投票権を認めず、パスポートを発給しません。ウクライナ政府は、そこに居住する人々ではなく、ドネツクとルガンスク地域に対する権利を主張しているのです。今、大量虐殺や民族浄化は、国際社会から、一般にひんしゅくを買いますが、この場合、ロシア嫌悪用に例外が作られているのです。ドネツクとルガンスクに住むロシア人は「親ロシア派」というレッテルを貼られて、合法的な標的なのです。

 ロシアは、この二つの人民共和国を公式に認めることや、公然の軍事支援(志願兵の流入は最近低調とは言え、志願兵や兵器は何の障害もなしで、ロシア側から流れ込んでいる)提供要求に抵抗しています。純粋に身勝手な見地からは、この小さな戦争はロシアにとって有用なのです。もし将来ウクライナが完全に失敗して細かく分裂すれば、それはありそうに思えますが、もし(理論的にはドネツクとルガンスク地域だけでなく、ハリコフやオデッサやドニェプロペトロフスクも含まれるかもしれない)これら分裂した地域のいくつかがロシア加入を強く要求すれば、ロシアは深刻な問題に直面するでしょう。

 ご存じでしょう。これまで30年にわたり、自分たちの国が略奪されてきたのに、大半のウクライナ人は、ビールを飲み、テレビを見て、のんびり過ごすことで満足していました。彼らは、そうするよう金を払われたらデモをし、抗議のために街頭に出るのを問題と思っていませんでした。彼らは金をもらった通りに投票したのです。外国で働いて、国に送金できる限り、彼らはウクライナ産業が閉鎖しつつある問題を取り上げませんでした。彼らは自国が、ほとんど在キエフ・アメリカ大使館に運営されているという事実に激怒したり、当惑したりさえしませんでした。彼らの中で、唯一情熱的だったのは、松明を掲げ、ナチの記章を見せびらかして行進するナチです。要するに、こういう連中は自尊心を持った国が、関係したいと望むような種類の人々ではなく、まして彼ら丸ごと自国民として吸収するなどとんでもありません。そんなことをすれば、本来の国民全員、士気阻喪してしまいます。

 しかし、ドネツクとルガンスクの人々は全くそうではありません。これら炭鉱夫や工員やタクシー運転手たちは、何年もの間、深い溝の中で昼と夜を過ごし、ヨーロッパの大きな軍隊の一つを押しとどめ、自分たちの土地の一寸たりとも譲るまいと戦ってきました。もしウクライナが、いつの日かロシアが受容できると思えるものとして再生するとすれば、それはこうした開拓者魂をもった人々です。彼らは勝たなければならず、彼らはウクライナ軍など虫けらのように押しつぶせるロシア軍の手助けなしで勝たなければなりませんが、そういうことをしている核心は一体何でしょう? 潰れたものから存続可能な新ウクライナを作りだすのはかなり時間を要するプロセスなので、ロシアは人道支援や事業機会や多少の武器や多少の志願兵を提供しながら、期が熟すのを待っているのです。

The Saker:ウクライナ大統領選挙の第1回投票に関するあなたのお考えは?

ドミトリー・オルロフ:選挙の第1回投票は徹底的な不正でした。行為の狙いは、何らかの方法で、ポロシェンコ大統領が第2回投票に進むのに成功させることでした。これは必要な数の投票を偽造して行われました。かなりの数の選挙区で、投票率は、いつもの60%程度ではなく、ぴったり100%で、引っ越ししたり、死んだり、移住したりした人々の票が集計されました。これら全てのニセ票はポロシェンコに入り、第2回投票に滑り込むことを可能にしたのです。

 今はポロシェンコとウォロディミル・ゼレンスキーという名のコメディアンの戦いです。ポロシェンコとゼレンスキー、あるいは投票用紙に載っている他の30人以上の人々全員との唯一の差は、ポロシェンコが既に何十億も盗んだのに対し、競争相手連中は、まだ盗んでいないことなのですが、ウクライナでは大統領なり何らかの選出公職に立候補する唯一の理由は、自分自身を何か大規模窃盗ができる立場に置くためなのです。

 それでポロシェンコよりゼレンスキーを好む客観的理由がありますが、それはポロシェンコが大泥棒なのに対し、ゼレンスキーはまだそうではないことです。けれど、この違いは、ゼレンスキー就任式直後に同じになり始めることを理解しなければなりません。実際キエフのエリートは、ウクライナの土地全てを外国投資家に売るという連中の巧妙な計画(かなりの「手数料」が懐に入るのは確実)に現在全員わなないています。

 30人強の候補全員の綱領は同じでしたが、これは主権を放棄した国においては重要ではありません。外交や戦略的配慮に関して、ウクライナは在キエフ・アメリカ大使館に支配されています。内部機能上、大統領を含め権力を握っている全員の主要特権は盗みです。連中の考えは、分け前にあずかり、全てが吹き飛ぶ前に国から逃げることです。

 選挙の第2回投票が、同様に徹底的な不正なのか、結果として何が起きるかまだわかりません。多くの代案がありますが、いずれも民主主義のいかなる実践にも似つきません。この場合「民主主義」の意味するところは、確実に、単にワシントンの命令を実行する能力です。そうする能力のなさが、ウクライナが「専制政権」か「独裁」となり「政権転覆」にさらされることになるのです。そこまでならなければ全く問題ではありません。

 ウクライナ「民主主義者」の権謀術数は、ドブネズミの性生活と同じぐらい私には興味深いのですが、完全を期すために、フローチャートを書いてご覧に入れましょう。選挙で敗北すれば、ウクライナの政治的食物連鎖中で直ちに捕食動物から獲物に変わってしまうので、ポロシェンコは徹底的な不正で第2回投票に進みました。ところが彼は、決して巧妙ではなく、彼が不正行為をした十分な証明があり、彼が排除した競争相手ユリア・ティモシェンコは、理論的に選挙結果の正当性を裁判で問うて、勝てる可能性があるのです。すると選挙全体が無効となり、次の選挙まで、ポロシェンコが大統領のままということになるでしょう。全く同じことの繰り返しです。

 もう一つの代案は、ポロシェンコが(今回彼は30%以上差をつけられているので、より高圧的な手段で)第2回投票でも当選するよう、不正行為をすることですが、その場合、ゼレンスキーは理論的に、裁判で選挙結果に異議を唱えることができます。これで選挙全体が無効になり、次の選挙まで、ポロシェンコが大統領をつとめることになります。全く同じことの繰り返しです。それでも、ワクワクされるでしょうか?

 我々は二人のどちらがアメリカ国務省のえり抜きかを知らないので、これは全く重要ではありません。えり抜きがどちらか次第で、いかなる選挙や裁判の結果にもかかわらず、巨大な足が空から降りきて、支持していない側の頭を踏みつけるでしょう。もちろん全て見掛けは大いに民主的なふりをするでしょう。EU指導部は、吐き気をこらえながら、形ばかりの拍手を余儀なくされ、世界は進むでしょう。

The Saker:ウクライナは一体どこに向かっていると思われますか? 短期的、中期的未来で起きることについて、あなたによる最良の「当て推量」はどんなものでしょう?

ドミトリー・オルロフ:ある種のことは永久には続くことができず、そうはならないと思いますが、私達とて同じようなものだと思います。一番心配なのは、現在ウクライナで電力の大半を供給しているソ連時代の原子力発電所が耐用年数の終わりに近付いていますが、それを置き換える資金はありません。ですから、やがて、ウクライナの大部分で長期間停電すると予想すべきです。また、ウクライナとEUの多くに、現在ロシア・ガスを供給している天然ガス・パイプラインも老朽化していて、閉鎖の準備ができており、バルト海と黒海を横切って敷設される新パイプラインがそれに取って代わろうとしています。その時点以降、ウクライナはロシア天然ガスへのアクセスも失うでしょう。

 もしウクライナ人が、EU/ NATO加盟という夢物語で自らをなぐさめて、無条件に降伏し続ければ、ウクライナ人口は減り続け、土地は欧米の農業関連産業に売り払われ、NATO部隊に守られた一種の農業緩衝地帯になるでしょう。けれどもその種の円滑な移行を、EUとアメリカが画策するのは難しいかもしれません。ウクライナは、どちらかと言うと大いに軍隊化しており、武器があふれていて、ドンバスで前線を経験して、どのように戦うべきか知っている人で一杯で、彼らはある時点で戦うと決めるかもしれません。ウクライナ人が、これまで30年にわたる腐敗にもかかわらず、まだ幾ばくかのロシアの敢闘精神を持っていて、ロシア人のように、勝利するか、死ぬまで戦うかも知れないことは覚えておかねばなりません。両面価値的性差別のNATO軍の技術者たちは、彼ら邪魔をしようとは思わないでしょう。

 国民を減らされたウクライナを、欧米農業関連産業の遊び場に変えるという夢は、ロシアが欧米のGMOについて非常に懐疑的な見方をしていて、西からロシア国境を越えて、GMOに汚染された花粉が飛んでくるのをいやがっている事実によって、いくぶん妨げられるかもしれません。彼らは確実に、ウクライナにおける欧米農業関連産業の試みの採算性を悪くさせる何らかの最小努力の道を見出すでしょう。古びたウクライナ原子力発電所の一つからの小さめながら大いに喧伝される放射能漏れ計画はおそらく有効でしょう。どちらかと言うと奇妙なのですが、欧米人は自身をグリホサートで毒殺するのは何とも思いませんが、電離放射線のほんの少しさえ死のように恐れますから。

The Saker:EUや、欧州評議会はどうでしょう? EUはどこに向かっているとお考えでしょう?

ドミトリー・オルロフ:EUは多くの重大問題を抱えています。財政的、金融的に健全ではありません。全体的に、あるいは構成諸国として、アメリカに主権を渡してしまって、もはや完全な主権を行使する能力がありません。しかしアメリカはその決定が支離滅裂になるほど、内部対立で困窮しているため、アメリカはもう支配を維持することができません。全体的構造はマトリョーシカ人形のようなものです。アメリカは一種のひび割れた外殻です。その内側にNATOがあり、それはロシア国境まで、ヨーロッパの大部分の占領軍です。それはロシアに対しては役に立たないでしょうが、占領地の住民に対しては確かな暴力の脅威となり得ます。NATOの内部にEUがあり、それは政治的議論をするだけで行動に移さない委員会と、次々と多数の規則や規制を紡ぎだす肥大化した官僚制です。

 この軍事/政治的上部構造は、アメリカ覇権という重要な因子なしでは、実際には全く構造ではありませんから、我々はそれが、うまく機能すると考えるべきではありません。種々の国家政府が主権を取り戻そうと試みる中、議論をするだけで行動に移さない委員会として継続するでしょう。イギリスの国民投票に投票した人々は、確かに彼らの政府をその方向に駆り立てようとしましたが、彼らの政府は、後回しにしたり、死んだふりをしたりと種々の方法を使って実験して対応しており、違う政権が民意を実際に実行しようとするかもしれません。他方、ハンガリーやイタリアの政府は、国民の支持を得て、彼らの主権を再び主張する方向で若干前進しました。

 けれども何もまだ本当に起きていません。どんな国の政治エリート集団でも、国家主権の放棄によって徹底的に骨抜きにされてしまえば、胸毛が元のように伸びて、多国籍企業の権益に対する確かな脅威となり始めるには、しばらく時間を要します。ロシアでさえ、寡頭政治の権力と影響力を排除するのに、ほぼ10年を要しました。帝国が弱体化しており、一部の国が家臣であるのをためらい始めているのは見えますが、まだ決定的なことは何も起きていないのです。

 事態を加速させるかもしれないのは、ヨーロッパが、アメリカとともに景気後退/不景気に向かって進んでいるように思われることです。その一つの効果が、西欧で働いている全ての東ヨーロッパ人労働者が国に帰るよう強いられるだろうことです。もう一つは、最近獲得した東方、特にポーランドとバルト諸国へのEU助成金が大幅に減らされるか、まったく消失する可能性が高いことです。金銭的援助の欠如と、帰国する経済移民の流入の組み合わせは、わずかなロシア憎悪と引き換えに、欧米の金品を享受してきた特定の国家エリート連中の終焉を招く可能性がありそうです。

 西ヨーロッパから排出される人類のこの渦巻く潮流は東へ向かい、ロシアの巨大な壁にザンブとぶつかり、雇用ではなく、ウクライナの武器や、戦争ノウハウや、略奪という興味深い考えを持って、どっと西に逆流することが想像できます。そこで彼らは中東やアフリカからの新入りに対しとことん戦うのですが、現地の人々は最善を願い、性的中立性や他の高貴な大義に関する良いこと思いながらベッドに入ることでしょう。

 これら古いヨーロッパの国々は人口統計に関してのみならず、生来いかなる民族にも割り当てられている最大年齢の上で、全て年をとり過ぎています。Ethnoi(「民族ethnos」の複数形)は一般に、わずか約千年続くだけで、ライフサイクルの終わりには、自ずと現れる特定の傾向を示しがちです。彼らは子供を多く産むのをやめ、性的嗜好も下劣に、一般に退廃的になります。これらの傾向は既に丸見えになっています。ここに特にばかばかしい例があります。フランスの出生証明書には、もはや父親と母親という項目はなく、親1と、親2という項目があるのです。侵入してくる野蛮人はこれを見て、おそらく笑い死ぬでしょう。けれどももし彼らがそうしなかったら、どうでしょう?

 もはや戦いにはほとんど耐えられない、このような枯渇した民族は野蛮人に容易に侵略される傾向があり、その時点で、彼らは慈悲を乞うのです。滅亡したローマ帝国や、中国とペルシャやの似たような歴史の例によれば、彼らに慈悲を与えることは、野蛮人がすることが可能な最も酷い過ちの一つです。その結果、一群の性的に下劣で、一般に退廃的な野蛮人が、次の野蛮人集団に簡単に制圧され、虐殺されることになるのです。

 西ヨーロッパで、一体何が次の民族起源論争をひき起こすか予測するのは不可能ですが、いつかの時点で、自己保存の本能は弱いが、大混乱や栄光や死への癒やされることのない切望を持った狂信者の変異株が現れ、すぐに行動を始めるのは確実です。

The Saker:ノルドストリーム2が完成したら何が起きるでしょう? 特にアメリカ合州国とロシアとの関係で、ヨーロッパは一体どこに向かっているのでしょう?

ドミトリー・オルロフ:バルトと黒海海底の新パイプラインは、サベッタの二番目のLNG設備とともに完成し、ロシアは天然ガスをヨーロッパとアジアに供給し続けるでしょう。私はアメリカの水圧破砕という派手な見せ物は終盤に入っていて、ヨーロッパへのLNG大規模輸出の夢は決して実現しないと思います。

 ヨーロッパ諸国は、ロシアとの関係はほとんど有益で、アメリカとの関係がほとんど有害であることを次第に悟り、ある種の調整をするでしょう。天然ガス・パイプラインが老朽化していて、修理ができない状態のウクライナはヨーロッパから天然ガスを輸入し続けるでしょうが、今度はメタン分子は、ウクライナに、実際東からでなく西からに流れるでしょう。

The Saker:ロシアの政治情勢をあなたはどう見ておられますか? プーチン個人と、クレムリンの外交政策は非常に多くの支持を享受しているが、年金制度改革は本当にプーチンを傷つけたので、今では(CIAから金をもらっている連中と違う)国内の「愛国的反対派」があり、いっそう声高になっていると良く聞きます。本当でしょうか?

ドミトリー・オルロフ:外交政策に関して、ロシア内では多くの議論はないというのが事実です。欧米のどの国家指導者より依然遥かに人気が高いのですが、プーチンの人気は多少衰えました。年金制度改革はいくぶん彼を傷つけましたが、彼は移行を容易にするよう意図した多数の法案を押し進めて回復しました。特に公共交通料金割引や固定資産税減税など、現在、退職者が享受している全ての便益は退職年齢に近付いている人たちのために延長されるでしょう。

 プーチンは内政、国際政治両方でまだ非常に活動的ですが、引退の方向に向かいつつあるのは明かになりつつあります。国内政治での彼の主な狙いは、優先項目を推進する上で、政府内で非常に厳しい自制を維持することのように思われまする。彼がプーチン後時代への移行に、どのような影響をあたえるつもりなのか不明ですが、最近カザフスタンで行われたことが、ある程度、手がかりになるかもしれません。もしそうであれば、我々は、プーチンは、政界の長老として、国政に対する何らかの支配手段を維持して、連続性を強調するだろうと予想できます。

 しかしロシア政治で遥かに重要な変化は、新世代の地域指導者が権力の座につけられたことです。非常に多くの知事職が、国政に進出する可能性がある意欲的な若い管理者たちにに与えられています。彼らは最新の管理技能で、新しい種類の徹底的に専門的なエリート政治家です。一方、幹部の徹底的な洗い出しが行われ、一部の政府高官は汚職のかど服役しています。特に顕著なのは、これら新しい地域指導者の一部は今プーチンと同様か、もっと人気が高いということです。ソビエトの実験を悪い方向に運命づけ、今アメリカの支配体制を苦しめている長老政治ののろいは、もはやロシアを脅やかしていません。

The Saker:最近あなたは、現代アメリカ政治の愚かさのひどさを論じる「愚者のアメリカ艦船は浸水しているのか?」という題名の記事を書かれましたね? 私には単純な質問があります。可能だとすれば、帝国は、どれほど長く、トランプを切り抜けて生き残れるとあなたは思われますか?

ドミトリー・オルロフ:アメリカ帝国は既にほとんど終わっていると私は思いますが、まだ、いかなる本格的負荷試験も受けていないので、誰もそれが事実なのに気がついていないのだと思います。権力中枢が全く侮辱されることになり、この屈辱を容認することができず、やりくりするような出来事が起きるでしょう。政府内部やメディア内部の全員が、問題が存在しないふりをするため最善を尽くすので、事態はそれ以降、悪化するでしょう。金がなくなった途端に、現在世界中に広がっているアメリカ軍人が放棄されてしまうことはないよう願いますが、もしそうなっても、私はあまり驚きません。

The Saker:最後に、似ていますが、基本的に異なる質問です。(帝国と対比して)アメリカ合州国はトランプを切り抜けて生き残れるでしょうか、もしそうならば、どうやってでしょう? 内戦はあるのでしょうか? 軍事クーデターは? 暴動は? ストライキは? アメリカ版黄色いベストは?

ドミトリー・オルロフ:アメリカ合州国は、衰退しつつある一部の人々の権益に奉仕する組織として、かなり長い間、役割を果たし続ける可能性が高いでしょう。疑問はこういうことです。誰がそれに含まれるのか、誰が含まれないのか? 範疇として、退職者が、アメリカ合州国に期待すべきものが何もないことにほとんど疑いはありません。官庁であれ民間であれ、退職者はもう財産を使い尽くしています。既に就業の可能性が低く、ばかばかしい学生ローンで徹底的に絞りとられた若者には期待すべきものが何も持ないことに疑いようはありません。

 しかし私が前にお話したように、アメリカ合州国は、カントリークラブのようなもので、国ではないのです。メンバーには特権がありますが、国に暮らしてはいてもクラブ・メンバーでない人々の生活がどうか、メンバーは気にしません。誰でも入国させるし、国民でない人々にも投票させるという最近の動きは、アメリカ市民権それ自体に何の価値もないことを示しています。アメリカ国民唯一の生得権は、その多くがトランプが野外便所の国」と呼んだ国からの外国人浮浪者に囲まれて、路上浮浪者として暮らすことです。

 大衆や国家公務員が、集団として、約束されていた退職後の生活が、もはや存在しないという認識にどのように反応するのかを見るのは興味深いことです。多分それで体制まるごと機能不全状態になるでしょう。水圧破砕バブルが終わり、国民の更に3分の1が、それがもう国を推進することができないと気が付いた途端、ある種のリセットを強要するかもしれません。けれども軍隊化した警察体制は、どんな種類の反乱も鎮圧するよう設計されており、大半の人々はそれを知っています。特定の死か、歩道で麻薬を使うのかという選択を与えられれば、大半の人々は後者を選ぶでしょう。

 ですから、トランプであろうとなかろうと、ほとんど同じようなことになるでしょう。ピカピカの若いIT専門家連中は、仕事に行く道々、口笛を吹きながらスキップして、死にかけの人々や、排泄物の山を通りすぎます。店の裏では腹をすかせた人々が、ごみ箱の中をあさる中、ボトックス療法を受けた主婦たちは偽物の有機野菜を買っています。憂慮する市民たちは、移民の入国許可を与えるよう要求していますが、そうした移民が、自分たちの芝生の前庭にテントを準備したり、呼び鈴を鳴らして、トイレを使わせて欲しいと頼んだりすると、すぐさま警官を呼ぶのです。裕福な高齢カップルは、どこか熱帯のマングローブが生えた沼地のアメリカ屋敷に移住するのを夢見ていますが、彼らは、そこでなたで切り刻まれ、魚の餌にされてしまいます。彼ら全員、株式市場が実に好況なので、万事順調だと信じているのです。

 この勢いでは、最終的にアメリカ合州国の終わりが来る頃には、大半の人々は気付く立場にないでしょうし、それ以外の人々は、こうした心乱される情報を受け入れることができず、無視することに決めるでしょう。誰もが話の結末を知りたがりますが、その種の情報はおそらく誰の精神衛生にも良くありません。アメリカの精神状況は既に十分に病んでいます。我々はなぜそれを一層悪化しようと望むべきでしょう?

The Saker:オルロフさん、長時間、有り難うございます。実に興味深いインタビューを有り難うございます!

下記ボタンをクリックすれば、ご寄付いただける。

 

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-saker-interviews-dmitry-orlov/

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 この機会に『おっぱいとトラクター』を読んだ。英語原題は『ウクライナにおけるトラクター小史』

 イギリスに暮らす84歳の老父が、老妻を亡くした後、50歳年下のウクライナ人の巨乳女性と再婚すると宣言して、娘二人が父親に振り回され、大奮闘するお話。父親は、元エンジニアで、『ウクライナにおけるトラクター小史』を書いており、時々、書き終えた部分を読んで聞かせる。
 イギリスのEU離脱の理由がなんとなく想像できそう。ウクライナ人がなぜ、イギリスに暮らすようになったかという回想で、ウクライナ、ロシアの歴史もちらり読むことができる。ポーランドや、ナチスの関係も。

 キエフとモスクワの関係の部分をよみながらビリントンの『聖像画(イコン)と手斧 ロシア文化史試論』を思い出す。高価だが、是非お読み頂きたい名著。

 他国の文化や将来についての長い対話記事をなぜ訳すのか不思議に思われる方がおられよう。ひとごとと思われないからだ。

 オルロフ氏の言葉。

外交や戦略的配慮に関して、ウクライナは在キエフ・アメリカ大使館に支配されています。内部機能上、大統領を含め権力を握っている全員の主要特権は盗みです。連中の考えは、分け前にあずかり、全てが吹き飛ぶ前に国から逃げることです。

 『株式会社化する日本』内田樹、鳩山友紀夫、木村朗著で、「日本はアメリカ軍に支配される植民地状態」というのが、鼎談をしておられる方々の理解だが、そこで、19、20ページの内田氏の言葉はこうだ。オルロフ氏のものと比較願いたい。

とりあえず、これまで日本を駆動してきた、20年後、30年後の日本はいまよりもっと貧乏になって、いまよりもっと国際社会での地位が低下しているだろうということがわかっている。だから、とりあえず手元に残っている国民資源のうち、自分のふところに掻き集められるだけのものを掻き集めて、泥船が沈みだしたら、真っ先に逃げ出す算段をしている。

 昨日の沖縄タイムス・スクープ記事が、ウクライナ政権どころではない劣等政権の実態を表している。

米海兵隊、本土移転を要望 93年に沖縄から撤退予測 米高官元側近が証言米海兵隊、本土移転を要望 93年に沖縄から撤退予測 米高官元側近が証言

  現実を把握している沖縄と違って、劣等本土の人々の認識は悲惨。ウクライナ政治を馬鹿にできる立場ではない。

日刊IWJガイド「7月4日の公示まであとわずか2ヶ月!参院の争点が『選択的夫婦別姓』!? 立憲民主党・枝野幸男代表の演説にア然! 山尾志桜里議員は憲法記念日に『9条議論避けられない』!?」 2019.5.7日号~No.2427号~(2019.5.7 8時00分)

 

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