Saker

2018年5月14日 (月)

スクリパリ親子は決して話すことを許されない可能性が高い

The Vineyard of the Saker
2018年5月11日

[本コラムはUnz Review向けに執筆したもの。]

今週は、プーチンがメドベージェフを首相に再任命し、ビビ・ネタニヤフが訪問直前、ロシア同盟国シリアを爆撃したにもかかわらず、彼を戦勝記念日パレードでモスクワに招待したことを含め大きな進展があったが、全て良くないものだった。モスクワに着くや否や、ネタニヤフは、イランを何とナチス・ドイツになぞらえたのだ。実に独創的で深遠だ! 更に彼はモスクワ滞在中に、二度目のシリア爆撃を命じたのだ。だが、日本の首相に特注の靴で食事を出すのが適切だと考えるような自己崇拝するうぬぼれ屋から他に一体何が期待できよう? この男は明らかに目茶苦茶に狂っている(だからといって、彼のあくどさや危険性が減じるものではない)。しかし、実にうんざりするのはロシアの対応だ。皆無、全く皆無なのだ。他の人々と違い、シリア(あるいはイラン)をイスラエルから“守る”のはロシアの責任ではないと、私ははっきり述べている。しかし、ネタニヤフがあからさまにプーチンを軽蔑し、プーチンがそれを受け入れたと、私は心の中で確信している。私はプーチンを大いに尊敬しているが、今回彼は、トランプがマクロンを扱ったように、ネタニヤフが彼を扱うのを許したのだ。プーチンの場合、自国の首都でそういう扱いを受けたという違いはある。それで事態は一層ひどくなる。

[興味深いことに、“ナチス・イラン”に関してぐずぐず泣き言を言いながら、ネタニヤフは、実に核心を突く、真実を語ったのだ。彼はこう言った。“重要な歴史の教訓は、残忍なイデオロギーが現れたら、人は手遅れになる前にと闘わなければならないということだ。”これは、イスラエルと、そのシオニスト・イデオロギーに関し、実際、まさに世界中の大半の人々が感じていることだが、悲しいかな、彼らの声は、彼らを支配する連中に完璧に無視されている。だから、そう確かに私には“手遅れ”になりつつあるように見え、我々の集団的臆病さの結果として、わがシオニスト最高君主について、ありのままの真実を語ることを我々の大半が完全に恐れており、我々は途方もない代償を負担することになるだろう。]

そして、もちろん、イランが完全順守しているにもかかわらず、またアメリカには、この多国間合意から一方的撤退する権限がない事実にもかかわらず、いわゆる包括的共同作業計画 (JCPOA) から脱退するドナルド・トランプがいる。誇大妄想狂で、言うまでもなく、イスラエル・ロビーの意気地のないお先棒かつぎトランプは、これらをすべて無視し、アメリカと、アメリカが、狂気じみたイスラエル追随で、アメリカ支持を強いようとして、今恐喝し、いじめるだろう世界の他の国々の間に、更なる緊張を作り出した。イスラエルについて言えば、彼らの“高度な”“戦略”は極端なまでに粗野だ。まずトランプに、イランと最大の緊張を作りださせ、更に出来るだけ露骨かつ傲慢に、シリア国内のイラン軍を攻撃して、イランを報復するようおびき出し、そこで“あらまあ!!!”とわめき、声の限りに何度かホロコーストに触れ、“600万人”という人数を投げ入れ、アメリカにシリア攻撃をさせるのだ。

人々が、一体どうしてイスラエルを尊敬、まして称賛できるのかは理解を超えている。イスラエル以上に、より卑劣で、腹黒く、反社会性人格障害の誇大妄想症悪党集団(意で気地なし)を私は思いつくことができない。あなたは思いつけるだろうか?

とは言え、シオニストが、同時に、一国ではなく、二つの(そう思われている)超大国を彼らの要求への屈伏を強いる十分な力をもっていることは否定しようがないように見える。それだけでなく、彼らには、この二つの超大国をお互い、このままでは紛争に突入する路線を進ませながら、そうさせる力があるのだ。少なくとも、これは二つのことを示している。アメリカ合州国は今や完全に主権を失い、今やイスラエル保護国だ。ロシアについては、そう、比較的良くやっているが、ロシア国民が投票で、圧倒的なプーチン支持を示した際の、完全な再主権化は実現しなかった。ロシアのチャットで読んだ、あるコメントにはこうあった。“Путин кинул народ - мы не за Медведева голосовали”翻訳すれば、“プーチンは国民を裏切った - 我々はメドベージェフに投票していない”。“国民を裏切った”が公正な言い方かどうか確信はないが、彼が多くの国民を失望させた事実は実に明白だと私は思う。

現時点で、何らかの結論を出すにはまだ早過ぎ、余りに様々な未知の変数があるが、プーチンの基本的政策に関する大きな疑念で、4年間で初めて、私は非常に懸念していることを認めよう。私は自分が間違っていることを望んでいる。比較的すぐにわかるだろう。それが大戦争という形でないことを願うばかりだ。

とりあえず、スクリパリ事件に再度焦点を当ててみたい。私が当初無視したが、実に気がかりなことになった極めて奇妙なことが一つある。イギリスが、セルゲイとユリア・スクリパリを明らかに監禁している事実だ。言い換えれば、二人は拉致されているのだ。

ユリア・スクリパリと従妹のヴィクトリアはたった一度の電話通話しかしておらず、その中で、ユリアは、自分は大丈夫だと言った(彼女がヴィクトリアを安心させようとしていたのは明らかだった)が、彼女が自由に話せなかったのは明らかだった。しかも、ヴィクトリアがユリアに会いに行きたいと言うと、ユリアは‘誰もあなたにビザを発給しない’と答えた。その後は、完全な沈黙だ。ロシア領事館は、面会できるよう無数の要求を行っているが、以来、イギリスがしたことと言えば、ロンドン警視庁に、ユリアによって書かれたものではないことが明らかな書簡を投稿させたことで、そこにはこうある。

    “私は友達や家族と連絡できますし、ご親切に、何であれ、できる限りの支援を申し出て下さったロシア大使館の具体的な連絡先も承知しています。当面彼らの支援を受けたいとは思っていませんが、考えが変わった場合、彼らとどう連絡をとるか分かっています。”

一体どういうお友達だろう?! 一体どういう家族だろう?! くだらない!

従妹は公式ルートを含め様々な経路で何度も連絡しようとしたが、全く絶望して、
彼女は下記メッセージをFacebookに投稿した。

    “親愛な従妹、ユリア! あなたは私たちと連絡をせず、あなたとセルゲイ・ヴィクトリビッチについて、私たちは何もわかりません。あなた方の承認無しで、あなたがたのことに干渉する権利がないのは分かっていますが、大変心配です。あなたと、あなたの父親のことが心配です。ヌアルのことも心配です。[ヌアルは、イギリス旅行中、ペットホテルに預けておいたユリア・スクリパルの飼い犬]。ヌアルは今ペットホテルにいて、支払いを要求されています。彼をどうするかを決めなければなりません。あなたが帰国するまで、私には彼を引き取って面倒を見る用意があります。ヌアルに加えて、あなたのアパートと自動車も気になっています。この二つの安全と維持について何も決まっていません。私たちが面倒を見てあげることはできますが、私か妹レーナの名前で、あなたの委任状が必要です。もしこうしたものが大切と思われたなら、どこの国であれ、ロシア領事館で委任状を書いてください。もしあなたがそうしなければ、それまでで、あなた方には干渉しません。
    ヴィーカ“

何の返事もない。

グーグルで、 “スクリパリ”という言葉で検索してみた。4月10日には、彼女が病院から退院したという記事があった。それが見つかった最新記事だ。Wikipediaも見てみたが、全く同じで、本当に何もないのだ。

最初にロシアの不平を聞いた際、これは大したことではないと思ったことを認めなければならない。“イギリス人は、スクリパリ親子に、プーチンが二人を毒ガス攻撃しようとしたと言い、二人はたぶん恐れており、たぶん何であれ、二人の体調を悪くしたもののおかげで、まだ具合が悪いのだろうが、イギリス人は、二人の外国人を、決して公然と拉致することはせず、まして、これほど公式な形では、そうするまいと私は考えていた。”

もはや、そういう確信はない。

まず、明らかなことを排除しよう。スクリパリ親子の身の安全に関する懸念だ。これは全くのたわごとだ。イギリスは、イギリス国内で、戦車、SASチームを待機させ、空中のヘリコプター、爆撃機などを用意して、厳重に守られたイギリス施設で、ロシア外交官との面会を手配できるはずだ。ロシア外交官は、防弾ガラス越しに電話で彼らと話せるはずだ。それに、ロシア人は実に危険なので、武器の身体検査もあり得る。スクリパリ親子が、彼なり/彼女なりに言うべきことと言えば“ありがとう、皆様のお世話は無用です”だけだ。それで会話は終わりだ。ところが、イギリスは、それさえ拒んでいる。

スクリパリ親子は悪のロシア人に大いに怯えているので、二人はきっぱり拒否しているとしよう。テレビ会議でさえ。二人にとって、実にトラウマ的なのだ。結構。

ならば、記者会見はどうだろう?

更に気がかりなのは、少なくとも私の知るかぎり、欧米商業マスコミの誰も、彼らとのインタビューを要求していないことだ。スノーデンは、ロシアから安全に話せ、大きな会議で講演さえできるのに、スクリパリ親子は誰にも語ることができないのだ。

しかし最悪なことはこれだ。スクリパリ親子をイギリス当局が完全に秘密裏に拘留して既に二カ月だ。二カ月、つまり60日間だ。尋問の専門家や、あらゆる心理学者に、60日間の“専門的治療”が人に一体どのような影響を与えるか尋ねていただきたい。

もう“拉致”に関するロシアの声明をはねつけるてはいない。私の考えはこうだ。実質的に、MH17やドゥーマの化学兵器攻撃と同様に、スクリパリ偽旗作戦は崩壊し、燃え尽きたが、MH17やドゥーマとは違い、スクリパリ親子は、その証言が、メイ政権にとってのみならず、イギリスとの“団結”を示した意気地なしのヨーロッパ人全員にとって、途方もないスキャンダルという結果をもたらす可能性がある証人だ。言い換えれば、スクリパリ親子は、おそらく決して自由に話すことを許されないだろう。二人は殺害されるか、完全に洗脳されるか、行方不明になるかしかないのだ。ほかのどの選択肢も世界規模のスキャンダルという結果を招きかねない。

セルゲイ・スクリパリに同情するようなふりをすることはできない。国に忠誠を誓い、その後、国を裏切り、イギリスに寝返った諜報職員(マスコミが書いている通り、彼はロシア・スパイではなく、イギリス・スパイだ)。現在、彼を確保しているのは、彼の元雇い主だ。だがユリアは? 彼女は完全に無辜で、4月5日時点(彼女が従妹のヴィクトリアに電話した際)、彼女は明らかに元気で、頭もはっきりしていた。今、彼女は行方不明で、彼女が決して再び現れないかも知れないこと、それとも、何カ月ものイギリスによる“カウンセリング”の後、彼女が、ある日、再び現れることのどちらがひどいのか、私には分からない。父親に関しては、彼はすでに裏切りの代償を支払っており、彼も、毒ガス攻撃され、利用され、行方不明にされるより、もっと良い運命に会う資格があるのだ。

巨大な出来事(我々の全世界に対するシオニスト戦争)の中では、セルゲイとユリア・スクリパリのような二人の個人は重要でないのかも知れない。だが、この二人と、その苦境を忘れずにいるくらいは当然だろうと私は思う。

これは我々が一体どのような世界に暮らしているのかという問題も提起する。イギリス国家が、そのような手口(連中はいつもこの手口を利用している)を用いた事実に私は驚かない。自由、多元的共存と“ヨーロッパの価値観”(それが何を意味するのであれ)がある、いわゆる欧米“民主主義”の中で、イギリスが何の罰も受けずに済んでいることに私は驚いている。

多少はスクリパリ親子と“団結”されてはいかがか - ヨーロッパ人のあなた方よ?!

The Saker

The Sakerに寄付する。

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-skripals-will-most-likely-never-be-allowed-to-talk/
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昨日のBS-TBS週刊報道LIFEには驚いた。小選挙区制の問題を正面から取り上げたのだ。小林良彰教授のコメントも流された。
猟奇殺人事件やタレント・セクハラではなく、終日、連日、小選挙区制問題こそ報じられるべきだろう。

インチキ・データをもとに無意味な論議を強いていた自民党は、「高度プロフェッショナル制度」を強行採決するだろう。これも、小選挙区制のおかげで成立する悪法。

小選挙区制によって、25%の異様な連中に、我々は永久に搾取されつづけるのだろうか?

大本営広報部、スクリパリ事件でロシア犯行説だけを垂れ流したあと、二人の行方不明という現状を報じているだろうか?虚報を垂れ流し、洗脳するのが商売なら、知的な病気を引き起こす公害企業も同じことではあるまいか?

日刊IWJガイド・番組表「<本日のインタビュー>本日、在イスラエル米大使館がエルサレムへ移転!米国のイラン核合意離脱表明などで中東情勢が大きく揺れ動く中、本日午後4時30分より、『「大災厄」の日を目前に在イスラエル米大使館が移転!~岩上安身による東京経済大学・早尾貴紀准教授インタビュー(第3弾)』を行います!/
<新記事紹介>イスラエル兵の実弾がパレスチナ人の無防備な身体と『衝突』!? BBCはイスラエルがガザで犯した残虐行為を巧妙に正当化!早尾貴紀氏が注目したハミド・ダバシ氏「『西側メディア』と大衆欺瞞」をIWJが仮訳!/北朝鮮・豊渓里の核実験場廃棄発表!トランプ米大統領はツイッターで歓迎の意を示すも、日本は6ヶ国記者団から除外!!/裁量労働制『不適切データ問題』で自民・橋本岳議員が論点をすりかえる圧力! 国会での本格審議を前に論戦を牽制か!? ~上西充子法政大学教授と労働弁護団有志が緊急記者会見で反論!『実務家として震撼』」2018.5.14日号~No.2069号~

2018年2月23日 (金)

シリアにおけるエスカレーション。ロシアは一体どこまで押しやられるのだろうか?

The Saker
2018年2月20日

シリアにおける出来事は最近あきらかに悪い方向に変化しており、シリア国内のロシア特別部隊が、組織的“擾乱攻撃”作戦の標的になっている証拠が増えている。

第一に、フメイミムのロシア航空宇宙軍基地に対する(比較的成功した)無人機と迫撃砲による攻撃があった。更にイドリブ県マースラン市上空でのロシアSU-25撃墜があった。シリア軍隊列へのアメリカ急襲でロシア死傷者がいると聞かされている(“何百人”ものロシア人殺害という広く誇張されている主張とともに)。前者の場合、ロシア当局は、攻撃がアメリカによって計画され、実行されたのではないにせよ、少なくとも付近のアメリカ軍が協調したという強い疑惑を公然と発言している。SU-25撃墜の場合、あからさまな非難はなされていないが、多くの専門家が、SU-25が攻撃された高度が、通常シリアでは見られないタイプのむしろ最新型のMANPADであることを強く示唆していると述べている(これらはアメリカがクルド人に提供したアメリカのスティンガーだという僅かとは言えないヒントだ)。シリア軍隊列への攻撃に関しては、議論されているのは、誰がそれを行ったのかではなく、どのようなロシア要員が関与していたのか、ロシア軍か、それとも民間業者(シリア隊列には上空掩護が皆無だったので、後者の方が遥かに適切な説明だ)。個別に見れば、こうした出来事のどれもさほど意味はないが、まとめて見た場合、こうしたものは、アメリカによるあからさまなロシア軍攻撃までには至らない方法で、ロシアを出来る限り懲らしめるというシリアでのアメリカ新戦略の兆候である可能性がある。下記理由から、この推測はもっともなものに私には思える。

第一に、シリアでの敗北を巡る屈辱とやり場のない怒りで、アメリカとイスラエルは依然ふらついている。アサドは依然権力の座におり、ダーイシュは多かれ少なかれ打ち負かされ、ロシアは、対ダーイシュ軍事作戦のみならず、出来るだけ多数の“良いテロリスト”を交渉の席に参加させる活動でも成功した。ロシア国内でのシリアに関する会議は成功裏に終わり、全当事者が新憲法の作業について全般的に合意され、英米シオニストが反対すると固く決めている平和実現の本当の危険性があったのだ(このどうやらハッキングされた文書をご確認願いたい。もし本物であれば、ロシアには何も成功させないアメリカ政策を明らかに述べている)。

第二に、トランプもネタニヤフも自分がいかに男らしく強いかを証明するため多数の“勝利”をもたらすと約束している(彼らの前任者たちと比べて)。ロシアに対する公然の戦争を始めるのは決定的に“男らしさの証明”になるはずだが、余りに危険すぎる。“境界上の”ロシア人殺害、いわば、もっともな否認権、つまり、その代わりに、ロシア人民間契約業者を殺害するのは遙かに安全で、遥かに魅力ある選択肢だ。

第三に、ロシアでは大統領選挙が予定されているが、プーチンにとって問題を作り出せば(経済制裁、あるいはシリアからの遺体袋)、何らかの形で、ロシア内で彼の人気に悪影響を与えることが可能だという幼稚な考え方に、アメリカは依然必死にしがみついている(現実には、連中は逆の結果を招いたが、それを理解するには、連中は余りに愚かで無知だ。)

最後ながら、決して重要性が最小ではないのが、英米シオニストは実際に、何かを実現する能力を失って長いので、連中の論理的な最悪の場合の代替案は、他の誰にも成功させないことだ。これが北シリアにおけるアメリカ軍配備の主目的だ。トルコ、イラン、シリアと、もちろん、ロシアにとっての面倒を作り出すのだ。

結論はこうだ。アメリカは、状況が“安定化する”まで、(違法に)シリアに駐留すると宣言しているので、彼らはシリアを不安定化するために出来る限りのあらゆることをしなければならない。そう、ここにはある種の不条理な論理があるのだ。

ロシアにとって、こうした悪いニュース全て、以下のように要約できよう。ロシアは、確かにシリアでダーイシュを打ち破ったとは言う物の、ロシアは依然、中東で、英米シオニストを打ち破る状況からは程遠い。ただし良いニュースは、ロシアにはこの状況に対処する選択肢があることだ。

第一段階: トルコへの働き掛け

ロシアが、アメリカのシリア侵略に反撃するための、直感には反しているものの様々な意味で理想的な解決が存在している。トルコを巻き込むことだ。一体どうやって? アメリカ軍を直接攻撃するのではなく、アメリカが現在“(少なくとも政治的に)その後ろに隠れているクルド民兵を攻撃してだ。お考え願いたい。アメリカ(またはイスラエル)が、シリアやイラン軍攻撃前に、二の足を踏むことなどあり得ないが、実際にトルコ軍を攻撃するのは膨大な政治的リスクが伴う。アメリカが支援した対エルドアン・クーデター未遂後の、踏んだり蹴ったり行動で、イラクとシリア両国内で“ミニ-クルディスタン”設立をアメリカが支援したことで、アメリカ-トルコ関係は史上最低の状況で、アメリカ、EU、NATO、CENTCOM、イスラエルと地域におけるあらゆる英米シオニスト権益にとって大惨事となり得る結果へと、トルコを押しやるのに、さほど手はかからない。実際、ヨーロッパ、地中海、中東にとってのトルコの戦略的重要性は強調してもしすぎることはなく、アメリカはそれを知っているのだ。このことから、ほとんど知られていないにせよ、極めて現実的な結果が導ける。シリア内のトルコ国軍は基本的に、私に言わせれば、あらゆるアメリカ攻撃からの“政治的免責”を享受している、つまり(ほぼ)トルコが一体何をしようと、トルコ軍隊列に対するアメリカ空軍攻撃の結果は余りに深刻すぎて考えられないという単純な理由から、アメリカは(ほぼ)決して、実際トルコに対し、公然と武力行使を考慮することはないのだ。

実際、アメリカ-トルコ関係は実に悪く、余りに一方的なので、アメリカ特殊部隊が配属されたクルド(つまり“良いテロリスト”)隊列/陣地へのトルコ攻撃のほうが、アメリカによるトルコ軍隊列攻撃より遥かに可能性が高いと私は考えている。これは直感には反するものに聞こえるが、トルコが、アメリカ軍要員がいるクルド (あるいは“良いテロリスト”)隊列/陣地を攻撃し、その結果、アメリカ軍兵士が死亡したとしよう。アメリカは一体何をする/できるだろう? 同じことで報復するだろうか? あり得ない! アメリカが仲間のNATO加盟国を攻撃することなど全く考えられないだけでなく、トルコがトルコ領土と領空からのアメリカ/NATOの完全撤退を要求することになる可能性が極めて高いのだ。理論的に、アメリカがイスラエルに、アメリカのために汚れ仕事をするよう頼むことは可能だが、イスラエル阿呆ではなく(たとえ彼らが狂っていても)彼らは、基本的に無価値な非ユダヤ人のために、神聖な“ユダヤ人の血”を流したくはないので、アメリカが作り出した“ミニ-クルディスタン”問題を巡って、トルコと武力戦争を始めることなどにほどんど興味はないはずだ。

もしトルコが実際、アメリカ軍兵士を殺害すれば、抗議行動や立て続けの“協議”やら他の象徴的行動はあろうが、それ以上はなく、アメリカは死傷者を受け入れ、それに対して何もしないだろう。エルドアンについて言えば、国内で人気はいやますばかりとなろう。こうしたこと全てでの本当の問題は、もし北シリアでのアメリカ作戦を本格的に混乱させ、アメリカに撤退まで強いるこさえできる当事者が誰かいるとすれば、それはトルコだということだ。この種の能力で、トルコのロシアとイランとの交渉力は大きく強化され、エルドアンが自分の利益になるよう注意深く利用するのは確実だと思う。これまでの所、エルドアンが、アメリカを“オスマン式平手打ち”すると威嚇しただけで、ティラーソン国務長官が、大惨事を避けるため、アンカラにまで飛んだが、紛争で、アメリカはトルコかクルドのいずれかを選ぶべきだというトルコの主張が、いかなる本当の急進展の可能性も非常に大きく制限している(イスラエル・ロビーは100%クルド人を支持している)。決してありえないなどと言うべきではないが、現時点でアメリカ-トルコ関係を本当に復旧させるには、何らかの奇跡が必要だろうと私は言いたい。ロシアは、この力学の活用を試みることが可能だ。

この概念の主な弱点は、もちろん、トルコ国内を含め、アメリカは依然十分に強力で、アメリカ政府と、あからさまに対決し、反抗しようとするのは、エルドアンにとって極めて危険だ。これまでの所、エルドアンは、大胆に、アメリカに対するあからさまな反逆行動をしているが、彼は余りにやり過ぎる危険性も理解しており、そのようなリスクをとることを考えるには、彼にとって、大きな利益の可能性がなければならない。ここでロシアには基本的に二つの選択肢がある。トルコに何か非常に利益のあることを約束するか、アメリカとトルコの現在の関係を何とかして、更に悪化させるかだ。ここで良いニュースは、アメリカとトルコの関係を悪化させるロシアの取り組みは、アメリカがイスラエルとクルド人とギュレン主義者を支持していることで大いに助けられていることだ。

もう一つの明らかな危険性は、あらゆる反クルド作戦が、別のシリア分割に転じかねないことだ、今回はトルコによる。ところが、トルコは、シリア国内に余り長期間留まれないのが現実だ。特にロシアとイランがこれに反対すれば。トルコにとってより、アメリカにとって無視するのが、ずっと容易な国際法の問題もある。

こうした理由から、トルコを利用してアメリカに圧力をかけることには限界がある。それでも、もしトルコが、アメリカにクルド人支援を止めるよう主張し続けるか、あるいはもしトルコがクルド民兵に軍事的圧力をかけ続ければ、アメリカが支援する“ミニ-クルディスタン”というアメリカの考え方は丸ごと崩壊し、それとともに、アメリカの対シリア分割計画丸ごと崩壊する。

これまでの所、イラクはイラク国内で、アメリカが支援する“ミニ-クルディスタン”に素早く対処しており、シリア国内で、アメリカが支援する“ミニ-クルディスタン”に対処するため、トルコも現在、*彼らの*問題を解決する必要な措置を講じている。トルコはアサド支援にも、プーチンにもは興味がなく、彼らは*彼らの*クルド問題が支配下にある限り、シリアで何が起ころうと気にしない。つまりシリアとロシアとイランは、もちろん、適切な環境が作り出されない限り、トルコがアメリカに敵対することに過大な期待をするべきではないのだ。ロシアとイランがそのような状況を作り出せるかどうかは、将来になってみないとわからない。

第二段階: 移動式の最新型短距離/中距離防空システムでシリアを埋めつくす

今の所、過去数年間に一体どのような防空システムを、ロシアがシリアに送ったのかは誰も知らないが、これは明らかに、ロシアが取るべき道だ。出来るだけ多数の最新の移動型防空システムをシリアに送るのだ。高価だが、ここで最善の解決策は、出来るだけ多数のパンツィル-S1移動型Gun/SAMシステムと、9K333 Verba MANPADを、シリアとイランに送ることだろう。この二つのシステムの組み合わせは、特に彼らが運用可能な装置の位置を高い信頼性で予測する実際的な方法は皆無なので、アメリカとイスラエルにとって、あらゆる種類の空爆作戦を大幅に面倒にするはずだ。しかも、アメリカもイスラエルもシリア領空で国際法に完全に違反して活動しているのに対し、シリア国軍は彼らの主権ある領空を守っているので、ロシアがシリアにそのような防空システムを引き渡しても申し分なく合法的だ。とりわけ、これら兵器システムは移動型で、容易に隠せるので、英米シオニストが一体誰が実際に自分たちを撃っているのかを知ることが全く不可能なのだ 。朝鮮やベトナムやレバノンでと同様、シリア防空システムを操作するため、ロシア人を派遣し、アメリカとイスラエル航空機が空から落ち始めた際“ロシアがやった”ことを誰も証明することができないはずなのだ。ロシアはCIAが良く言う“もっともな否認権”を享受できるはずだ。アメリカとイスラエルは、もちろん、より弱い当事者シリアに敵対するだろうが、良い気分になれるだけで、シリア領空が、アメリカあるいはイスラエル空軍にとって、より安全になるわけではないので、現地に何の変化ももたらせないはずだ。

ロシアにとってもう一つの選択肢は、既存のシリア防空システム、特に道路移動型2K12クブと、9K37ブク・システムの改良(ソフトとミサイル)を行うことだ。そのような改良、特に十分な数のパンツィルと、ヴェルバス配備と組み合わせればアメリカとイスラエル両国にとって悪夢となろう。彼らは既に基本的にロシアの完全な承認を得て飛行しているので、トルコはほとんど気にかけることはなく、私の知る限り、シリア国内で何の空爆作戦を行っていないイランも気にするまい。

この計画に対する一つの反論は、双方がこのゲームを演じることが出来、アメリカが更に高度なMANPADを、彼らの“良いテロリスト”同盟者に送るのを防ぐ方法がないというものだが、この主張は完全に的外れだ。もし双方が同じことをすれば、空爆作戦に一番依存している側(アメリカ)が、地上で優勢な側(ロシア)より遥かに大きな打撃を受ける。更に、MANPADをシリアに送ることで、アメリカは同盟国と思われているトルコと疎遠になっており、もしロシアがMANPADや他のSAMをシリアに送っても、文句を言うのは、イスラエル一国だけだ。そうなればロシアは単純な本当の答えができる。我々がこのゲームを始めたわけではない、貴国の同盟国アメリカがしたのだから、アメリカにこの混乱のお礼を言えば良い。

シリアにおける主要な問題は、アメリカとイスラエルが現在、シリア領空で、全く何のおとがめもなく活動しているという事実だ。もしこれが変わるとすれば、ゆっくりした漸進的な過程だ。最初は、(最近のイスラエルF-16のように)幾つか個別の損害が生じ、次に、アメリカおよび/あるいはイスラエルによる空爆場所が次第に、都市の中心部や中央軍陣地から、より小さな、より点在する標的(車両隊列のような)に移行するのを目にするようになるだろう。これは軍事的に最も価値ある標的は既にしっかり守られていることの認識を示すものだ。最終的に、多数の空襲は次第に巡航ミサイルと弾道ミサイル攻撃に置き換えられよう。こうしたこと全ての背景に、攻撃的空爆作戦から、部隊保護への移行があり、これはシリア、イランとヒズボラにとって、活動するのにずっと容易な環境となることを意味する。しかし、そうしたことのいずれにとっても、必要な第一歩は、シリア防空能力の劇的強化だろう。

イスラエルの完全な制空権の下で、ヒズボラは何十年も実に見事に活動しており、彼らのこの種の作戦経験は、シリアが防空能力を十分に構築するまで、シリアにとって極めて貴重なはずだ。

結論: エスカレーションに対抗することだけが、実際唯一の選択肢なのだろうか?

率直に言って、帝国はシリアの部分的“レコンキスタ”をしようと決めたのではと私は考え始めている。(ありもしない)化学兵器使用のかどで、彼らを“懲罰”するためのシリア攻撃をマクロンでさえも騒ぎたてている。少なくともアメリカは、シリアにおけるロシアの役割に対して、ロシアに出来るだけ高い代償を支払わせたがっているのだ。シリアにおけるアメリカの更なる目標には下記がある。

  • ユーフラテス川東岸のシリア領を支配することによる事実上のシリア分割の押しつけ(これは“プランC、第3.0版”と呼べるだろう)
  • 北東シリアにあるガス田簒奪
  • そこでクルド人、良いテロリストと、悪いテロリスト作戦を計画し、実行することができるアメリカが支配する中間準備地域の創設
  • ロシアが支援するあらゆる和平交渉の妨害
  • レバノンとシリアのイランとヒズボラ部隊に対するイスラエル作戦支援
  • 外国侵略者からシリアを解放しようとしているシリア軍に対する通常攻撃を行う
  • シリア侵略と占領をトランプが軍産複合体とイスラエル・ロビーに約束した“勝利”の一つとして提示する

これまでの所、この進展しつつある戦略に対するロシアの反応はむしろ受け身で、現在のエスカレーションは、新たな手法が必要かも知れないことを強く示唆している。イスラエルF-16撃墜は良い第一歩だが、帝国がその対シリア政策に対して支払うべき代償を劇的に増大させるべく、もっと多くのことがなされる必要がある。現在の挑発に対するより強力な反応を要求するロシア人評論家や専門家の人数が増えているのは、何かが進行中であることの兆候かも知れない。

記事原文のurl:http://www.unz.com/tsaker/escalation-in-syria-how-far-can-the-russians-be-pushed/
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二年近く会わなかった幼なじみの熱烈な自民党員と町で出会った。挨拶のみで何も話さず別れた。こういう状況を熱烈に支持する人と話す言葉を思いつけないので。

最悪労働制に関して、まるで壊れた蓄音機のように同じ言葉を繰り返す首相。
見ていると気がめいる。

植草一秀の『知られざる真実』2018年2月22日記事も、働かせ方改悪の件。
昭恵氏佐川氏証人喚問&働かせ方改悪阻止完遂を

捏造したデータしかない過労死推進法案が提出されるのを黙って眺める組合、労働組合ではない。労働者殺人組合。

日刊IWJガイド・番組表「IWJが吉村洋文大阪市長会見で維新の元暴力団市議とのツーショット写真を暴露!党常任役員吉村氏の反応は!?/本日15時より!『加計問題』に見る日本の教育行政の腐敗!『教育』を口実に改憲を既成事実化した先には超危険な自民党改憲草案の実現が!? 岩上安身による前・文科事務次官 前川喜平氏インタビュー 第2弾/裁量労働めぐる『残業データ』に117件の異常な数値が発覚!なくなったはずの調査原票も発見!しかし政府は法案提出の姿勢崩さず!」2018.2.23日号~No.1989号~

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2017年12月 6日 (水)

アメリカ-ロシア戦争中間報告

The Saker
2017年12月1日

(本記事はUnz Review向けに書いたもの)

アメリカとロシアは戦争をするだろうかという質問をよく受ける。両国は既に戦争していますと、私はいつも答えている。第二次世界大戦のような戦争ではないが、それでも、戦争であることに変わりはない。この戦争は、少なくとも当面、約80%が情報上で、15%が経済的で、5%が動力学的だ。しかし政治的な意味で、この戦争の敗戦国にとっての結果は、ドイツにとっての第二次世界大戦の結果に劣らないほど劇的なものとなろう。敗戦国は、少なくとも現在の形のままで生き延びることはできない。ロシアが再度アメリカの植民地になるか、それともアングロ・シオニスト帝国が崩壊するかのいずれかだ。

二つの世界秩序物語”と題するUnz reviewの最初のコラムで、私はロシアと中国と、世界中の(公然であれ、隠然であれ)その同盟諸国や友好諸国が構築しようとしている、法の支配によって調整される多極的国際体制の姿と、それが単極世界覇権や、アングロ・シオニストが全世界に打ち立てようと企てている(そして、ほほ成功裏に、この苦悩する地球に押しつけられている)ものとどれほど異なっているかを説明した。ある意味、アメリカ帝国主義指導者連中は正しく、ロシアは、国家としてのアメリカ合州国、あるいはアメリカ国民にとってではなく、アングロ・シオニスト帝国にとって実存的脅威なのだ。丁度、アングロ・シオニスト帝国が、ロシアにとって、実存的脅威であるように。更に、帝国のキリスト教後の(そして付け加えたいが、露骨に反イスラムでもある)価値観をロシアは公然と否定しており、ロシアは、通常“欧米”と呼ばれているものに対して根本的に文明上の挑戦をしてもいるのだ。それが、双方ともに、この戦いで優位に立とうと大変な努力を払っている理由だ。

先週、反帝国陣営が、ソチでプーチン大統領とロウハニ大統領とエルドアン大統領とで会談し、大きな勝利を収めた。彼らは、自分たちは、シリア国民に対する戦争(決して、そうではなかったが、いわゆる“内戦”) を終わらせる和平計画の保証人だと宣言したが、アメリカを交渉に参加するよう招くことさえせずに、そうしたのだ。更に悪いことに、彼らの最終声明は一度たりともアメリカに触れることはなかった。“必要欠くべからざる国”は、言及されないほど、全く重要でないと見なされているのだ。

こうしたこと全てがどれほど攻撃的であるかを、しっかり認識するには、いくつかの点を強調する必要がある。

第一に、オバマに率いられ、欧米のあらゆる指導者連中は、アサドに未来はない、彼は辞任せねばならない、彼は政治的に既に死に体で、シリアの未来で、彼が演じるべき役割は皆無だと、帝都と属領に、多大な確信を持って、宣言した。

第二に、帝国は全く何も達成できなかった59 (!)カ国の“連合”を作り出した。CENTCOMとNATOに率いられた、巨大な数十億ドルもの金をかけた“銃の撃ち方も知らないギャング”は最も悲惨な無能さを証明しただけだった。対照的に、どの時点においても、シリアに35機以上の戦闘機を決して配備していなかったロシアが(イランとヒズボラによる多大な地上軍の支援を得て)戦争の流れを変えた。

次に帝国は、ロシアは“孤立し”その経済は“ぼろぼろだ”と決定し、その全てを、ユダヤ志向マスコミは、極めて忠実におうむ返しした。イランは、もちろん有名な“悪の枢軸”の一環で、ヒズボラは“最強テロ・チーム”だ。アングロ・シオニストは、エルドアンを打倒し、殺害しようとした。そして現在、テロリストを打ち破り、シリアで采配を振るうのは、ロシア、イラン、ヒズボラとトルコだ。

最後に、アメリカは、ダーイシュをダマスカスで権力の座につけることは不可能だと悟ると、連中はまずシリアを分割しようとし(代案B)、更に、イラクとシリアにクルド小国を樹立しようとした(代案C)。これらの計画が全て失敗し、アサドはロシアで、プーチンと抱擁し、イラン革命防衛隊特殊作戦部隊の司令官ソレイマーニー少将は、ダーイシュから解放しようとして、シリア最後の都市を散歩している

現在、アメリカ指導者連中が、どれほど徹底的に屈辱を受け、あざ笑われ、殴打されたと感じているか、読者は想像できるだろうか? 憎悪され反抗されるのは大変なことだが、完全に無視されるのは実に辛いものだ!

戦略という点では、連中は“ロシアに対する姑息な嫌がらせ”と私が呼ぶ代物を考えだした。RTに外国の代理人として登録させ、ロシアから古美術を盗み多数のロシア選手たちからメダルを剥奪しソウル・オリンピックでロシア国旗と国歌を禁じようとしたり、次回のファーンボロー国際航空ショーへのロシア軍航空機参加を禁じたりしようとしている。こうしたあらゆる取り組みが実現したことと言えば、プーチンの人気を益々高め、欧米が益々憎悪され、オリンピックを一層退屈にするだけのことだ(ファーンボローも同じだ - 国際航空宇宙サロンとドバイ航空ショーは‘更に魅力的’になろう)。言い忘れるところだったが、“新ヨーロッパ人”は、解放者たちに捧げた、いにしえのソ連像に対するミニ戦争を継続するだろう。アメリカ国内でのロシア代表に対するアメリカ・ミニ戦争と同様、これは弱さの明らかな兆しだ

弱さと言えば

もう喜劇だ。アメリカ・マスコミ、特にCNNは悪のロシアに触れずには日もあけず、アメリカ議会は、共和党や民主党の一体誰がロシアとより多く接触したか解明しようとして、集団ヒステリーに専念しており、NATO司令官連中は絶望的な恐怖の余り、ズボンの中に漏らしている(と連中は言う!) ロシア軍が、いかなる演習をしようと、アメリカ海軍と空軍代表は毎回決まって、ロシア人パイロットが“プロらしからぬ迎撃”をするとメソメソこぼし、イギリス海軍は、一隻の(しかも、むしろ質素な)ロシア航空母艦がイギリス海峡を通過すると、完全な戦闘モードに入る - だがロシアは“弱い”国のはずなのだ。

皆様は合点されるだろうか?

ロシア人が笑っているのが実態だ。クレムリンから、マスコミ、ソーシャル・メディアに至るまで、彼らがどれほど全能で、いかに、あらゆるものを支配しているかに関する実に面白い寸劇まで演じている。概して(少なくとも公式には) ありもしない脅威ですっかり動転するとは、欧米の連中は一体どんな覚醒剤を使っているのかと、いぶかしがりながら、ロシア人は笑い転げている。

連中が何を考えているかご存じだろうか?

欧米の政治指導者たちは、数の多さで安全を得ようとしている。そこで、滑稽なほど肥大化した“連合”が作られたり、様々なヨーロッパや大西洋両側の機関からあらゆる決議がだされたりしている。欧米の政治家たちは、乱暴な子を恐れ、群がって大きく見せようとする小学校校庭の子供連中のようなものだ。ロシアの子供なら誰でも、数で安心感を得ようとするのは、怯えている弱虫のまぎれもない証拠なのを知っている。対照的に、ロシア人は、人口200万人以下のちっぽけな国に、ロシアに宣戦布告する勇気があり、ロシア人と、いかに実に激しく戦ったかも覚えている。私がお話しているのは、もちろんチェチェンのことだ。そう、愛しようが憎もうが、チェチェン人が勇敢であることは否定しようがない。アフガニスタンの北部同盟についても同様だ。ロシア人は感銘を受けた。ナチスは、ロシア国民に対して、言語に絶する苦難をもたらしたとは言え、ロシア人はドイツ兵士と将校が腕利きで勇敢だったことを決して否定しない。“私は、タタール人/モンゴル人の勇敢な男を愛する/尊敬する” (люблю молодца и в татарине)というロシアの諺さえある。だから、ロシア人は、敵の中に、勇気を認めるのに何の問題もない。

だがアメリカ/NATO軍は? 全員、コンチータ・ヴルストが全軍最高司令官であるかのように行動している!

これを覚えておいでだろうか。

この人々の誰一人親切だったり、どのような意味でも“優しかったり”しない。しかし、彼らは重要だった。彼らは実際的な意味があった。そして彼らは極めて現実的なパワーを行使していた。

現在、本物の権力は、こういう感じだ。

アングロ・シオニスト指導者に対し、一体何が本当に攻撃的態勢なのかご存じだろうか?

この写真には、一人の正教徒と二人のイスラム教徒が写っている。

これが攻撃的態勢だ。しかも、もちろん極めて恐ろしいものだ。

コンディ・ライスが約束した“新たな中東の生誕”とは実に程遠い(間違いなく新たな中東ではあるのだが、ライスやネオコンが考えていたものではない!)

“中東における唯一の民主主義”は、今や完全なパニック・モードになっており、そこで、彼らの、イランに対してサウジアラビアと協力する公然の計画と、イスラエル国境から40km内のイランのあらゆる資産への爆撃についての明らかにやらせの漏洩というわけだ。だがこの列車は、既に駅を発車してしまったのだ。シリアは勝利しており、いくら空爆しても、それは変えられない。それで、本当に獰猛であるように見せるかけるためだけに、イスラエルは現在、イスラエルとヒズボラとの戦争となった場合、ハサン・ナスラッラー議長は標的になるとも言っている。ウワーッ! 一体誰が想像しただろう?!

ベイルートからの、クスクス笑いの声が聞こえておられるだろうか?

ワシントンDCとリヤドとエルサレムの連中が、はっきり聞き取っているのは、遅かれ早かれ、連中は、それについて何かせざるを得なくなるということだが、その“何か”が、この“親切の枢軸”が、それで有名になった、いつもの無意味な大虐殺だというのが何より恐ろしい。もし軍隊を打ち破れないなら、民間人を犠牲にする(1999年のコソボ、2006年のレバノン、2015年のイエメン)。あるいは、ちっぽけで、無防備な犠牲者をこてんぱんにやっつけるかだ(1983年のグレナダ、2008年のガザ、2011年のバーレーン)。無防備の民間人虐殺ほど、自分たちを、男らしく、尊敬されていて、力強い(そして、アメリカ人にとっては - もちろん“必要欠くべからざる”)と感じさせてくれるものはない。

中東の例は別として、アメリカとロシアが今後数年するであろうことの概要を考えることができそうに思う。

ロシア: 帝国に対するロシアの戦略は単純だ。

  1.   (主に量的な点で)ロシアの方が弱体なので、できる限り、長期間アメリカとの、あらゆる直接の軍事的対立を避ける。そしてローマ時代のいにしえの「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」戦略の下戦争に積極的に備える。
  2. あらゆる“姑息な嫌がらせ”に対処すべく最善を尽くす。アメリカは依然、ロシアより際限なく“ソフト・パワー”を持っており、ロシアには、同じ手段で反撃する手段がない。そこで、この種の“姑息な嫌がらせ”の影響を阻止したり、弱めたりするのに最小限のことを、ロシアはするのだが、実際には、避けられない人生の現実として受け入れる以外、ロシアができることはそれほどない。
  3. アングロ・シオニストが支配する帝国(経済的、財政的、政治的に)離れようとするというより、ロシアは極めて意図的に、代替世界の漸進的出現に貢献しているのだ。この好例は帝国なしで、帝国にとってのいかなる意味ある役割もなしに構築されつつある中国が推進している新シルク・ロードだ。

アメリカ: アメリカの戦略も同様に単純だ。

  1. 帝国、特にNATOに対し、意味と目的を与えるためロシアの“脅威”を活用する。
  2. あらゆるレベルでロシアに対する“姑息な嫌がらせ”を継続し、拡大する。
  3. 独立や不服従の兆しを示すあらゆる国と政治家(新シルク・ロード諸国を含め)を出来る限り、打倒し、弱体化させる。

双方とも引き延ばし戦術を使っているが、理由は正反対だ。ロシアにとっては、時間が味方だからで、アメリカは、選択肢が種切れなためだ。

この闘争では、ロシアは非常に不利なのを強調することが非常に重要だ。ロシアは何かを構築しようとしているのに対し、アメリカは破壊だけを狙っているのだ(もちろん、例にはシリアが含まれるが、ウクライナも、更に、統一されたヨーロッパも)。ロシアにとって、大いに不利な点は、世界中のほとんどの政府が、未だ、どんな形であれ、帝国に敵対するのを恐れていて、国際法と国連憲章に全く違反して、アメリカ政府が、いつもの大暴れを始めると、“諸国の協調”という気まずい沈黙と無気力な従順さとなることだ。これはたぶん変わりつつあるのだが、実にゆっくりとだ。世界中の政治家の大半はアメリカ議員と同じだ。売春婦だ(しかも安物の)。

ロシアにとって最大の利点は、アメリカが、経済的にも、社会的にも、政治的にも、何もかも内部崩壊しつつあることだ。年毎に、かつて最も繁栄していたアメリカ合州国が、益々どこかの最も遅れた第三世界の国に見え始めてくる。確かにアメリカ経済は今でも巨大だ(ただし急速に収縮しつつある!)が、それも財政的な富と社会的富が、全く誤解を招く似非繁栄の指標の一つと合体していては無意味だ。この悲惨な、実際は繁栄して、幸せになれたはずの国が、言わば、それにとりついて生きている“帝国の寄生虫”により血を吸い取られて死につつあるのだ。

結局、政権は支配している人々の同意があってのみ存続できる。アメリカ合州国では、この同意が明らかに撤回される過程にある。ロシアでは国民の支持はこれまでになく強い。これはアメリカの、それゆえ帝国(アメリカはアングロ・シオニストという帝国主義寄生虫の最大宿主だ)の主要な脆弱さとなり、ロシアにとっては権力の座に留まる主要な源となる。

もちろん上記は全て政権にのみにあてはまる。ロシアとアメリカの国民は全く同じ利益を共有している。可能な限り最小限の暴力と苦難による帝国の打倒だ。あらゆる帝国同様、成長期や絶頂期時代には、アメリカ帝国は主に他の国々を虐待していたが、あらゆる崩壊しつつある帝国同様、今や主として自国民を虐待している。“帝国でないアメリカ”には、ロシアを敵と見る、あるいはその逆の理由は皆無だということを常時繰り返すことが極めて重要だ。実際ロシアとアメリカは、理想的なパートナーになり得るのだが“帝国の寄生虫”が、そういうことが起きるのを許すまい。そこで我々全員、地球の大半を完全に破壊する戦争という結果になりかねない不条理で危険な状況にはまり込んで動けない。

一体どれほど費用がかかろうと、アメリカのシオニスト・メディアによる不断のヒステリックなロシア嫌悪にもかかわらず、このキャンペーンが、アメリカ国民に対して、成功している兆しを私は全く見てとれない。最善でも、国民の一部が素朴にも“ロシアがアメリカの選挙に干渉しようとした”というおとぎ話を受け入れる程度で、たとえその場合でも、この考え方は“大したことではない。我々も他の国々でやっているではないか”ということで緩和される。本気でロシアが何らかの形で脅威だと信じているアメリカ人に、私は会ったことがない。例えば、公的な場所で家族と話すのに、私がロシア語で話していて、表面的敵意の反応にすら出会ったことがない。通常、何語で話をしているのかと聞かれ、ロシア語”と答えると、反応は大抵“かっこいい!”というものだ。“プーチンをどう思いますか? 私は本当に彼が好きです”というのを聞くことさえある。圧倒的多数のアメリカ人が大いに嫌っているのように見える連邦政府とは好対照だ。

要約すれば、アメリカ-ロシア戦争は、現時点では、ロシアが勝利しつつあり、帝国は敗北しつつあり、アメリカは苦悩していると言えるだろう。EUは、砂に頭を突っ込んでも、尻は隠せないということわざが真実であることを、またしても証明し、社会を破壊する次から次の難民の波を吸収するのにおおわらわで、実にお似合いの見当違いを“享受”している。

この戦争は終結からは程遠く、まだ頂点にすら達していないと思うし、物事は、再度良くなる前に、まず、より酷くなるものだ。だが結局のところ、親切の枢軸が比較的そう遠からぬ将来に完敗するだろうことについて、私はとても楽観的だ。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/progress-report-on-the-us-russian-war/
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タブロイド新聞記事見出しで驚いたものがある。大統領の疑惑調査を進める宗主国の司法の素晴らしさと比べ、属国の司法は、首相にまつわる疑惑に腰が引けているというような趣旨。宗主国の「司法」当局なるもの、大統領の疑惑調査を進めているのではなく、勝手にでっち上げているに過ぎない。地検特捜部本家のようなものだろうに。、

オリンピックから、ロシアの国旗、国歌をするというのは、国家としてロシア人を参加させず、個人として参加させるということらしい。

数日前、東京新聞望月記者「平和・協同ジャーナリスト基金賞」受賞というニュースを読んだ。良い仕事を評価する団体があるのに驚いた。
他の受賞者に広島基町高校があった。被爆者の証言をもとに、絵で再現する活動を続けている高校。その話を基にした芝居を見たばかり。泣かされた。『あの夏の絵』青年劇場。
望月記者の著書『武器輸出と日本企業』にも、青年劇場の芝居『雲ヲ掴ム』の名があった。軍需用部品の受注に悩む中小企業というか町工場の話しゆえ違和感は無いが。
いずれの芝居も、大本営広報部で放送される可能性はない話題。

これから下記を拝読。拝聴予定。

日刊IWJガイド「本日午前10時から! 伊藤詩織さん出席『準強姦事件逮捕状執行停止問題を検証する会』をCh4で中継! 元TBS記者・山口敬之氏に損害賠償を求める民事訴訟スタート!/前川喜平前・文科事務時間に3時間超えのインタビュー!『メディアは権力を忖度し、司法権力は政治のために動いている』独裁国家に近づいていると危機感をあらわに!」2017.12.6号~No.1909号~

2017年11月17日 (金)

彼の評価は正確と思うか?

The Saker
2017年11月2日

本記事はUnz Review用に書いたもの。

“彼の評価は正確と思うか?”というのは、最近親しい友人からもらったある電子メールの題名だ。Paul Craig Robertsの“明日という日が来なくなるかも知れない 英語原文”という題の“アメリカ軍は今やロシア軍に比べれば二級だ“という記事に関する電子メールだった。この記事は、更に、対応するアメリカの兵器(そういうものが存在する場合)よりも遙かに優れた多数のロシア兵器システムを列記している。私の回答は短く“基本的に正しい。アメリカは決定的に、量的には凌いでいるが、質と訓練の点で、ロシアの方が遙かに進んでいる。全て固有のシナリオ次第だが、正しく、PCRは基本的に正鵠を射ている“。この電子メールのやり取りをしたのは、PCRとは全く対照的に、アメリカは他のどの国に対しても、圧倒的な軍事的優位を維持しているが、アメリカが、この圧倒的な軍事力を行使するの阻止している唯一のものは、アメリカ指導者たちが“残虐で、拘束を受けない武力の行使”を信じていないことだという極めて情報に通じたアメリカの友人と興味深い会合をした後のことだった。すると一体何が起きているのだろう? 他の点では非常に情報に通じた人々が、一体なぜ、これほど全く対照的な意見になるのだろう?

まずお断りだ。この話題について権威を持って語るには、アメリカ軍とロシア軍の両方に関する大量機密データが自由に使えなければならない。残念ながら、私はそうではない。だから、以下は全て、公開/公的情報源、個人的知り合いとの会話は、いわば知識に基づいた推測に基づいたものだ。とは言え、以下のことは事実の上で正しく、論理的に分析したと確信している。

今の状態を要約すれば、このほとんど隠蔽不可能な事実が、ほとんど無視されているのに比べれば、アメリカ軍が憂慮すべき崩壊状態にあるという事実自体はそれほど驚くべきほどのものではないと私は言いたい。そこで、“一体何が起きたのか”と“なぜ誰もそれに気がついていないように見えるのか”という二点にわけよう。

何が起きたのか

いろはのいから始めよう。アメリカ軍は、決してアメリカ・プロパガンダ(ハリウッドを含め)が人々にそうだと信じ込ませているような無敵の軍隊ではなかった。欧米同盟諸国の役割については、私の“アメリカの友人たちへの手紙 ”で検討したので、全てをここで繰り返すことはしない。アメリカが第二次世界大戦中、他の全ての国々に対して持っていた最大の利点は、工業基盤が全く無傷だったがゆえに、アメリカが、理想的な条件に近い状態で、途方もない数の兵器システムや機器を製造することが可能だったことだとだけ言っておこう。思いやりからこう呼ぶべきか、一部の“愛国的”アメリカ人は、これを資本主義経済体制の“活力”や“卓越”の証しだと解釈したが、現実には、これは単にアメリカが二つの巨大な海によって守られているという事実の結果に過ぎない(対照的に、ソ連は工業基盤丸ごと、ウラルやその先に移転せざるを得なかったし、ドイツは、情け容赦ない爆撃作戦下で製造しなければならなかった)。結論はこうだ。アメリカ軍の装備は他国軍より良かった(量的に、そして時には質的にも)ので、敵が実現するのは困難な量の火力をふるうことができたのだ。そして、そう、このおかげで、アメリカ軍は大いに有利になったが、いかなる意味においても、軍自体を“より優れた”ものにしたとは言いがたい。

第二次世界大戦後、アメリカは、工業が灰燼に帰せられることがなかった地球上唯一の主要工業国で、以後数十年間、アメリカは、準完全独占状態を享受したのだ。これで、アメリカ軍は、大いに恩恵を受けたが、朝鮮とベトナムで、利点は現実ではあっても、必ずしも、いかなるアメリカの勝利という結果にはならないことが間もなく明らかになった。ベトナム以降、アメリカの政治家連中は、基本的に、侵略を、意味ある抵抗をする力が全くなく、まして優勢などに決してなり得ないずっと小さな国々に限定してきた。ベトナム以降のアメリカ軍侵略のリストを見れば(ここや、ここを参照)、アメリカ軍が、無防備の国々への攻撃を専門にしていることが良くわかる。

そこに、ソ連崩壊が起き、第一次湾岸戦争や、グローバル対テロ戦争で、アメリカの政治家連中が、明らかに“唯一の超大国”やら“ハイパー大国”という自分たち自身のプロパガンダを信じ込んで、アフガニスタンやイラクに対する全面的侵略を含め遙かに複雑な軍事攻撃に関わった。これらの戦争は、政治家連中が自らのプロパガンダを信じ込んだ場合に一体何が起きるかのケース・スタディーとして、歴史に残ることとなろう。倅ブッシュは、侵略が完了するや否や勝利を宣言したが、この戦争は、アメリカが、そこから軍を全く脱出させることができない大惨事であることが、間もなく誰の目にも明らかになった(ソ連人でさえ幾つかの事実から結論を導き出し、アフガニスタンから撤退した。アメリカ人より迅速に!)。すると、こうしたこと全てはアメリカ軍について一体何を語っているのだろう。(順不同)

  1. アメリカ軍は他のどの軍よりも巨大、遥かに巨大だ
  2. アメリカ軍には(世界で)比類の無い戦力投射(移動)能力がある
  3. アメリカ軍はハイテクが豊富で、ある種の紛争では非常に有利だ
  4. アメリカ軍はどの国であれ地表から消し去れる手段(核兵器)を保有している
  5. アメリカ軍は大洋と戦略的要衝を支配している

これで、戦争に勝つのに十分だろうか?

実際は、そうではない。それを理解していて、私が“アメリカ式戦争”(この概念については、ここを参照)と呼ぶものを戦うことを拒否する敵さえあれば、こうした優位を無効になってしまうのだ。レバノンやコソボやアフガニスタンやイラクでの最近の戦争が、うまく適応した戦術が、上に列記したアメリカ軍の優位をほぼ打ち消してしまうか、少なくとも、そうしたものが重要ではなくなってしまうことを明らかに示している。

“戦争は別の手段による政治の延長である”というクラウゼビッツの理論をもし受け入れるなら、アメリカは、実に長い間、実際の戦争には勝利しておらず、アメリカ政府にあからさまに進んで逆らおうとする国々のリストは着実に増加しつつある(今やイランと朝鮮民主主義人民共和国のみならず、アフガニスタン、イラク、イエメン、シリア、ベネズエラや、ロシアと中国すら)ことが明らかになる。つまり、あらゆる威嚇やプロパガンダをもってしても、アメリカは、一部の連中が人々にそう信じさせようとしているほどの手ごわい敵ではないという合意が、アメリカが威嚇し、いじめて屈伏させようとしている国々の間で、生じつつあるのだ。

一体なぜ誰もこれに気がついていないように見えるのだろう

アメリカが現在威嚇し、いじめて降伏させようとしている国々では、これが明らかに良く理解されているのに、アメリカ合州国そのものの内部ではこれが完全に無視され、見過ごされているというのは実に奇妙なことだ。非常に情報に通じた人々を含め、大半のアメリカ人は、アメリカ軍は“どの軍にも負けない”し、アメリカは、アングロ・シオニスト帝国にあえて逆らったり、従わなかったりするいかなる敵も壊滅できると本気で信じている。通常、アメリカ空軍、アメリカ海軍やNATOが、コソボで、セルビア軍部隊さえ打ち破れなかったことや、アフガニスタンでのアメリカ軍実績が、(大半が徴集兵だった!)ソ連第40陸軍部隊が収めた実績より遥かに劣っていたという証拠を見せると、私の話し相手たちは決まってこう答える。“ああ、そうかも知れないが、我々が望めば核兵器で攻撃できるのだ!”これは真実でもあり、間違いでもある。アメリカによる核攻撃の標的になりうる国々は三種類に分類することが可能だ。

  1. 核攻撃された場合、アメリカを完全に消し去ることができる国(ロシア) あるいは、少なくとも、アメリカに膨大な損害を与えられる国(中国)。
  2. 核兵器による報復を恐れることなく、アメリカが核攻撃することが可能だが、アメリカとその同盟諸国に膨大な通常の不釣り合いな損害を与えることが可能な国々(イラン、朝鮮民主主義人民共和国)。
  3. アメリカが核攻撃しても、おとがめは少なくて済むだろうが、アメリカは通常戦力でも粉砕できるはずなので、核兵器使用が無意味な国々(ベネズエラ、キューバ).

そして、もちろん、このいずれの場合も、アメリカによる核の先制使用は、全く予測できない、可能性として破局的結果という異様な政治的反動という結果をもたらすだろう。例えば、イランに対して核兵器を使用すれば、そのような行動は、取り返しがつかないほどEU-アメリカ関係を損なうので、ヨーロッパにおけるNATOの終焉を意味することにあると私自身は考えている。同様に、朝鮮民主主義人民共和国に対する核兵器使用は、可能性として、韓国と日本にあるアメリカ基地の閉鎖のようなアジアにおける途方もない危機という結果をもたらす可能性がある。他の人々の意見が違うだろうことは確実だ :-)

結論。アメリカ核兵器は、他の核大国に対する抑止力としてのみ意味がある。他のあらゆる役割では、核は基本的に無益だ。またロシアも中国もアメリカに対する先制攻撃など決して考えないだろうから、核兵器は、ほとんど全く役に立たないと言えるだろう(現実世界では、アメリカは、他の国々の正気さと善意だけに頼るわけには行かないので、私は「ほとんど」と言っている。だから現実には、アメリカ核兵器備蓄は、実際、アメリカ国家安全保障の重要な要素だ)。

そこで、海軍と陸軍が残る。米海軍は依然公海や戦略的要衝を支配しているが、特に地域戦争という文脈では、これも益々重要ではなくなりつつある。 しかも米海軍は依然として、頑固に空母中心で、戦略構想は官僚的で制度的な硬直性の二の次であることを示しているに過ぎない。アメリカ陸軍は、長年特殊作戦軍や海兵隊のための支援部隊となっており、小規模戦争(パナマ、ひょっとするとベネズエラ)の場合には、意味があるが、中規模、大規模戦争には全く不十分だ。

アメリカはそれ以外の国々のものを合計したよりも多額を“防衛”(つまり“侵略戦争”)に使っている事実はどうだろう? 確かに、これには多少は意味があるのだろうか?

実際、そうではない。まず、この金の大半は、途方もなく肥大化した“防衛”予算によって得られるあらゆる“ぼろもうけ”で何十億ドルも稼ぐ軍産複合体の寄生虫関係者全員の懐を潤すために使われるのだ。決して触れられない現実は、アメリカと比較すれば、ウクライナの軍事組織すら“ほどほどの腐敗”に過ぎなく見えてくる!

[補足: 私が誇張しているとお考えだろうか? 簡単な質問を自問して頂きたい。他の国々は普通2から5の機関で済んでいるのに、アメリカは一体なぜ17もの諜報機関があるのだろう? 本気で、これが国家安全保障と何か関係があると信じておられるのだろうか?  もし信じておられるなら是非電子メールを頂きたい。素晴らしいお値段で売って差し上げたい橋がある!(=余りの騙されやすさを揶揄する表現)真面目な話、アメリカに、世界の他のあらゆる国の5倍も“諜報”機関があるという事実は、実に天文学的水準のアメリカ“安全保障国家”腐敗の明らかな症状だ]

我々が目にする次から次の兵器システムは、第一優先事項が、兵士たちが実際にそれで戦える兵器システムを出荷することではなく、出来るだけ多くの金を費やすことが重要なのだ。こうしたシステムが使用される場合、通常、アメリカより二、三世代、遅れている敵に対して使用されるので、一見恐るべきものに見えるのだ。それだけでなく、どの場合にも、アメリカは数量で勝っている(そこで、攻撃相手に小国を選択している)。だが、本当の軍事専門家にとって、アメリカ兵器システムの優位性という主張はお笑い種でしかない。例えば、ランスのシステム(ラファール戦闘機やルクレール主力戦車など)はアメリカの同等品より優れていて、より安価なことが多く、それで、大金の賄賂や、大規模“オフセット契約“が必要になるのだ。

少なくとも、アメリカのものと比較すれば、ロシアの軍事予算はちっぽけだ。だが、ウィリアム・イングドールドミトリー・オルロフや他の人々が発言している通り、ロシアは、支出に見合った良いものを得ている。ロシア兵器システムは、兵士たちにより、兵たちのために設計されているだけでなく(技術者によって、役人のために設計されているのと対照的に)、ロシア軍は、アメリカ軍より遥かに腐敗の程度が低い、少なくとも膨大な金額に関する限り(わずかな金額でも、ロシアでは、アメリカにおけるより、ずっと価値があるので)。結局の所、F-35 対 SU-35/T-50の類、あるいは、より現実的には、最近シリアを巡って目にした、アメリカとロシア軍の、平均無故障時間あるいは人時対飛行時間比ということになる。シリアのちっぽけなロシア航空宇宙軍タスク・フォースが実現したような数の作戦出撃を行うことを、アメリカは考えることさえできなかったのを指摘するだけで十分だ。それでも、もし、アメリカがそう望めば、シリア上空に、何百機もの飛行機を飛ばせておけるが、ちっぽけなロシア航空宇宙軍タスク・フォースは、どの時点においても、35機以上の戦闘機は決してなかったという事実はある。ロシアの軍事産業の現状は、ロシアが必要としているだけの数を製造することができない(事態は徐々に改善しつつある)。

そこでこういうことになる。アメリカは量的な意味では断然首位だ。しかし質的な点では、アメリカは既にロシアに後れをとっており、日がたつにつれ益々後れは酷くなる。

アメリカ軍司令官たちは、これを知っているのだろうか?

もちろん知っている。

彼がアメリカ軍の深刻な問題を示唆した際、トランプに一体何が起きたか想起願いたい。即座にクリントン・プロパガンダ機構が、彼を、愛国的でない、“軍隊を支持していない”、政治上、義務的な呪文である“我々は及ぶもののないナンバー・ワンだ”やら、アメリカ・プロパガンダ機構が、いまだに家にTVを置いている人々に吹き込んでいる、あらゆる子供じみたたわごとを繰り返さないと攻撃した。アメリカ軍の極めて現実的な問題について、単刀直入に発言する行為は、救いようがないほど腐敗した体制を改革する方法というより、軍人生活を終わらせる行動にあたるのだ。

更にもう一つある。大半のアメリカ人は、基本的なマルクス主義理論を理解できるほど教養がないという私の説を延々申しあげるつもりはないが、彼らの大半がヘーゲルの弁証法について何も知らないのが事実だ。彼らは、それゆえ、物事を変化してゆく過程ではなく、静的なものと見てしまう。例えば、“人類史上最も強力で、有能な軍隊”があると自らを称賛する場合(彼らはこの種の表現が好きだ)、この優位とされるものが、必然的に、その矛盾を生み出し、この強みが自らの弱さをも生み出すことさえ彼らは分かっていないのだ。博識なアメリカ将校は多数おり、これを理解しているが、彼らが浸っている、何十億ドルもの大いに腐敗した上部構造と比べれば、彼らの影響力はほとんど皆無だ。更に、この状況は持続不可能で、遅かれ早かれ、こうした問題に正面から対処し、現在石化した体制を改革しようとする勇気を持った軍事指導者あるいは政治指導者が登場するはずだと私は強く確信している。しかし、そのための前提として、おそらく、大規模で、ひどくばつの悪いアメリカの軍事的敗北が必要だろう。アメリカがイランや朝鮮民主主義人民共和国を攻撃した場合に、そうなるだろうことは容易に想像できる。アメリカ指導部が、ロシアや中国を攻撃しようとするほど妄想的になれば、私はそれを保証できる。

だが当面は、“星条旗”が全てで、 Paul Craig Robertsは荒野で叫ぶ孤独な者であり続けるだろう。彼は無視されるだろう。しかしだからと言って、彼が正しいという事実は変わらない。

The Saker

追伸: 個人的に、ウラジーミル・ヴィソツキーによるこの歌をPaul Craig Robertsや、将来を見通す能力と、それを我々に警告する勇気を持った他のあらゆる“カサンドラ達”に捧げたいと思う。そうした人々は、その誠実さと勇気に対して、高価な代償を払わされる結果になることが多い。

記事原文のurl:http://thesaker.is/do-you-think-his-assessment-is-accurate/
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電車中吊り広告、読みたくない月刊誌、週刊誌のものほど目につくような気がする。宗主国諜報機関の下請け企業ではあるまいかと思うこと度々。購入しなくなって何年、何十年かも知れない。

ヴィソツキーの歌はロシア語。英語翻訳の冒頭部分は下記のような意味。

長年トロイは包囲されたが
トロイは攻撃者にとって難攻不落のままだったはずだ
もしトロイ人がカサンドラを信じてさえいれば
トロイはいまも存在していたろう

夢中のおとめは絶え間なく叫び続けた:
“トロイが廃墟となり破壊されたのがはっきり見える!”
だが千里眼の人々は目撃証人同様
常に火あぶりの刑で死刑にされる!

大本営広報部出演者には基本的に“カサンドラ”などいない。太鼓持ち。

IWJインタビューを拝見するのは、将来を見通す能力と、それを我々に警告する勇気を持った人々のご意見を伺いたいため。

日刊IWJガイド「種子法廃止で『日本は遺伝子組換えの氾濫国になる』! 米政府と多国籍企業の要求を丸のみする『規制改革推進会議』と安倍政権~岩上安身による山田正彦元農水大臣インタビュー!/『バカ・アホ』の維新・足立康史議員が国会で立憲・福山哲郎幹事長や希望・玉木雄一郎代表、自民・石破茂元幹事長を『犯罪者』呼ばわり! 安倍政権アシストの『ゆ党』維新に何の存在価値があるのか!?」2017.11.17日号~No.1890号~

2017年9月28日 (木)

シリアにおける極めて危険なエスカレーション

2017年9月25日
The Saker

既に皆様はニュースを聞いておられるだろう。ロシアのヴァレリー・アサポフ中将と、二人の大佐が、極めて正確に狙った迫撃砲攻撃と思われるものにより、亡くなった。最近デリゾール近くで攻撃されたロシア憲兵部隊の場合と同様、アメリカが攻撃の背後にいたと、ロシアは非難している。一層まずいことに、アメリカが積極的にISISと協力していると、今やロシアは公式に非難している

アメリカ特殊作戦部隊は、アメリカが支援するシリア民主軍部隊がISIS陣形を通り抜けて、順調に前進するのを可能にしている。ISIS戦士の抵抗には会わずに、シリア民主軍部隊は、ユーフラテス川左岸沿いに、デリゾールに向かって前進している。9月8-12日に、ISIS拠点上空から撮影された航空写真、アメリカ特殊作戦部隊で使用されている大量のアメリカ・ハマー車輛が写っている。写真は、アメリカ特殊作戦部隊がISISテロリストが設置した拠点にいることをはっきりと示している。ところが、戦士を追い出すための攻撃や戦闘や、アメリカが率いる連合の空爆の証拠は皆無だ。アメリカの拠点がISIS地域内にあるにもかかわらず、ISISを対象にするパトロールは行われていない。これはアメリカ軍部隊がテロリストが支配する地域にいても、安全だと思っていることを示唆している。

ロシア提供の地図と航空写真(より高解像度のものを見るには、ここをクリック)

こうしたこと全てが示唆しているのは、今やペンタゴンが、どうやら、非公式ながらも、ロシア軍を直接に攻撃すると決定したということだ。ペンタゴンの観点からすれば、これは(ほとんど)つじつまが合う。

第一に、現在“良いテロリスト”と“悪いテロリスト”がシリアでの内戦で敗北したことは完全に明らかだ。簡単に言えば、アメリカは打ち負かされ、シリア、ロシア、イランとヒズボラが勝利し、イスラエルは今や怒っているのだ。

第二に、クルド人を、歩兵/砲弾の餌食として利用するというアメリカの計画は失敗した。実に賢明なクルド人は、そのような失敗する案には乗りはしない。

第三に、アメリカの代案である、シリア分割そのものが、シリア軍の成功によって直接脅かされている。

また大事なこととして、シリアにおけるロシアの成功で、今やアメリカは大いに面目を失い、怒っている。


ヴァレリー・アサポフ中将

そこで、どうやら彼らは、直接ロシア軍人を標的にすると決定し、高い偵察能力と、現地のアメリカ特殊部隊を活用し、“良い”テロリストと“悪い”テロリストと協力し、ロシア軍人を標的にし攻撃しているのだ。

ちなみに、これは初めてのことではない。アレッポ近くのロシアの病院が、現地のダーイシュ支部が持ち合わせない手段で標的にされたというかなり確実な証拠がある。ところが、今回は、アメリカは隠れようとさえしていないのだ。ここでのメッセージは、アメリカ人おなじみのセリフ“どうするつもり?“だ。

実際、ロシアにできることは多々ある。“組織的にウソをつく敵に対し、もっともな否定の権利を活用する”という記事で、私はこの件について書いた。もし中東司令部の連中が本気で、連中の将軍たちが全員安全で、危険の圏外にあると考えているのであれば大間違いだ。ロシア人や、イラン人の将軍と違って、アメリカの将軍連中はあらかた危険回避型で、シリアで捕まえるのは難しい。だがロシアがシリア国内で報復しなければならない理由があるだろうか? あるいは、それを言うなら、ロシアが報復にロシア軍を使わなければならない理由があるだろうか。確かに、ロシアには、敵国高官を暗殺するよう訓練されている特殊部隊があるが、だからといって、必ずしも、ロシアがそれを利用すると決めるわけではない。事故はどこでも起こり得るし、中東の道路が危険なことは悪名高い。なぜ私がこんなことを言うのか? 公然と戦争をしなくとも、ロシアには選択肢があることを明らかにするためだ。

もちろん、ロシアは、単純にISIS陣地のどれかをめがけ、矢のようにカリブル巡航ミサイルを放ち、それから“おっと、あなた方は、このアルカイダ連中に要員を配備していたんだったっけ? 本当? それは知らなかった、全く知らなかった”と言うことも可能だ。シリアも、上記写真に写っているかなり立派な戦術弾道ミサイル備蓄を保有している。シリアも、そうしたISIS+アメリカ陣地のどれかを間違って砲撃し、テロリストの只中にアメリカ軍がいたことに困惑を表現することもあり得よう。過去、国境を越えた急襲で、イスラエル兵士を捕獲した実績があるヒズボラもおり、自分たちでアメリカ軍特殊部隊を捕獲すると決める可能性がある。そして、ついにアメリカ軍人に痛い目をみせる、そうした千載一遇の好機に長年恵まれていないイランも忘れてはならない。

シリアにいるアメリカ軍の大きな三つの弱点はこうだ。第一に、シリア内のアメリカ軍は、影響を与えるには少数過ぎるが、軍事的に価値ある標的として十分大きく、第二に、全ての重要な地上軍は皆反米だ(シリア、イラン、トルコ、ヒズボラとロシア)。そして最後に、地域でたった二つのアメリカ同盟国、イスラエルとサウジアラビアは、恐れるあまり、地上軍を投入していないことだ。

結論は、もしアメリカが、ロシアと同盟諸国には選択肢がないと考えているのであれば、大間違いだ。アメリカは、前進陣地で、アメリカ特殊部隊を活動させていることの結果を本気で検討すべきだ。シリアは急速に距離を詰めており、今はロシア軍人狩りをする好機ではないかも知れない。

これまでのところ、ロシアは抗議と嫌悪感の表明だけにとどめている。これは明らかに効果的な戦略だったとは言えない。ロシアは、ほとんどの人々は気にしておらず、苦情を言えば言うほど、彼らの警告の信憑性が弱くなることにどうやら気づいていないようだ。これは持続可能な対応ではなく、ロシアは、アメリカ語表現で言えば“have to do something about it(これに対して何かしなければならない)”ことになるだろう。

事態は急速に、しかも間もなく、極めて危険になりかねない。

The Saker

記事原文のurl:http://thesaker.is/very-dangerous-escalation-in-syria/
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この記事と似た趣旨の記事、いくつも見かける。

モリ・カケと緑のタヌキによる、大政翼賛会政治が完成する画期的選挙。
あの時の選択が、悲惨な永久独裁体制の始まりだったと、陰でこっそり愚痴を言い続ける悲惨な暮しが待っている。

孫崎享氏の今日のメルマガ・タイトル

「民進党、潰すために党首になったのか。前原氏。「金は民進党からもらいます、主義主張は他党にしてください」これは国家レベルの詐欺行為じゃないか。」

そして、日刊IWJガイド

日刊IWJガイド「小池新党・『希望の党』が結党記者会見! 本日の衆議院解散、10月22日の総選挙で『極右二大政党制』が現実に!?/本日配信!自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で『ナチスの手口』がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学教授 長谷部恭男氏インタビュー/在特会の桜井誠元会長が敗訴! 東京地裁は桜井氏の発言を『不当な差別的言動に該当する』と認定!」2017.9.28日号~No.1840号~

「モリ・カケ支持か、反モリ・カケか」というつくられた選択肢、真の選択肢ではない。
大政翼賛会大本営広報部の総力をあげた、馬鹿げた「アジェンダ・セッティング」

野党協力、日本版オリーブの樹などと、大政翼賛会大本営広報部キャスター、とんでもないたわごとをいっている。オリーブどころか、トリカブト。

小選挙区制導入の究極の狙い、ようやく実現する。ナチスの手法に習って。

太平洋戦争時代は、天皇制を隠れ蓑にした軍事独裁だった。
選挙後は、宗主国巨大企業の走狗傀儡が代理運用する永久属国。

宗主国との国力を考えれば、敗戦は時間の問題だった。しかし、これからは、宗主国巨大企業の走狗傀儡によって、宗主国の侵略戦争に金も血も流され続ける。宗主国大企業連中が強力であるかぎり終わりがないところが大違い。

二大政党体制の宗主国を見れば、国民の真意を代表しない大企業走狗が二派にわかれ、交互に大企業のための搾取、戦争を継続するに過ぎないことがわかる。
モリ・カケ派と緑のタヌキ派が政権交代しても顔ぶれ後退以外何もない劣化コピー。挙国一致内閣の可能性も高い。

「リセット」、大政翼賛会経由の宗主国大企業永久支配の言い換えに過ぎない。混乱とどさくさの中、最悪の選択を強いるショック・ドクトリン選挙版。

日ごろ拝読している方々のブログさえ、絶望を「よりましかもしれない」と考えておられると読めるのに驚愕。より酷くとも、ましではありえない。箝口令都議団をみればわかる。

最近の強烈な大本営広報部プロパガンダを見るにつけ思い出す文章がある。現代の洗脳広報の基盤を作ったバーネイズなどを巡って、広報活動の危うさを描いた本、スチュアート・ユーウェン著『PR!世論操作の社会史 』の一節。480~481ページ。三行は、ユーウェン氏の文章。その後が、バーネイズの文章。

バーネーズが言うように「コンセンサス」の技術者は『ニュースを作る』べきである」。技師は大衆的事件を演出し、これによって大衆の注目を集め、希望する結果を継続させるための事後承認を獲得するのである。

ニュースは生き物だ。人前での行動からニュースができあがり、そのニュースが逆に、民衆の態度や行動を作り出す。ニュースの良し悪しの決め手は……事件がどれほど普通のパターンから外れているかだ。展開や状況が意外な事件が、コンセンサス作りの要求の基本だ。そうなるように作られた事件ほど、コミュニケーション・システムのせいで、実際にそれに参加したひとびとよりはるかに多くのひとびとに到達し、また伝えようとする思想をいきいきとドラマ化して、事件の目撃者でないひとびとにそれを、伝えるものだ。
豊かな想像によって作られた事件は、ひとびとの注目をあつめる力では、他のどのような事件にも負けない。ニュース化する価値があり、ひとに見せられるような事件が偶然によって起きることは、ほとんどない。そのような事件は、ひとびとの思想と行動に影響をあたえる目的のもとに、熟慮によって作られたものだ。

昔はこの文章、9/11のことを言っている、と読みながら思ったが、再読すると、郵政選挙や、都知事選挙、都議会選挙、北朝鮮ミサイル・核実験、そして今回のハルマゲドン最終選挙もそうだと思いあたる。熟慮によって作られたものだ。出典は『The Engineering of Consent』だとある。

ギュスターヴ・ル・ボンの『群衆心理』も思い出す。

事態は急速に、しかも間もなく、極めて危険になりかねない。

2017年6月13日 (火)

カタール危機:三つのならず者国家による、イランを弱体化させるための、もう一つの無様なたくらみ

The Saker
2017年6月9日

まず登場人物をみよう。

トランプとサウジアラビアとイスラエルの間で、一体何が本当に議論されたのか、我々は決して知ることはできまいが、最近のサウジアラビアのカタールに対する動きが、この交渉の直接の結果であることに疑いの余地は無い。私が一体どうして分かるのか? トランプ本人がそういったからだ! 最近のコラムで私が書いた通り、トランプがネオコンと、連中の政策に、壊滅的に屈服したことで、彼は、その権力と、率直に言って、精神健康度も刻々衰えつつある、残り二つのならず者国家、サウジアラビア王国とイスラエルと組むしか手がなくなったのだ。

過去、サウジアラビア王国とカタールとの間には、相違や問題があったとは言え、今回の危機の規模は、過去のどれよりも大きい。以下は、誰が誰を支持しているかという、仮の大まかな概要だ。

サウジアラビア支持派 (ウィキペディアによる) カタール支持派 (小生による)
アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプト、モルジブ、イエメン(つまり親サウジアラビア亡命政権)、モーリタニア、コモロ、リビア (トブルク政府)、ヨルダン、チャド、ジブチ、セネガル、アメリカ合州国、ガボン    トルコ、ドイツ、イラン

数の上では、サウジアラビア側が優勢だ。質ではどうだろう。

実に多数の疑問がわく

状況は極めて流動的で、こうしたこと全てもすぐにも変化しかねないが、上記のリストで、何かおかしなことにお気づきだろうか? アメリカが、サウジアラビア王国を支持しているにもかかわらず、トルコとドイツが、カタールを支持しているのだ。NATOの主要加盟国二国が、アメリカに反対する姿勢をとっているのだ。

次に、サウジアラビア支持派をご覧願いたい。アメリカとエジプトを除けば、いずれも全て軍事的に取るに足りない(しかも、いずれにせよ、エジプトは、軍事的に関与するまい)。サウジアラビアに反対する側、とりわけイランとトルコは、そうではない。だから、サウジアラビア側が、資金的に優位だとすれば、カタール側が火力の上で優位だ。

ところで、ガボン? セネガル? この二国は、一体いつからペルシャ湾政治に関与しているのだろう? 一体なぜ、この両国は、遥か遠くの紛争に加わっているのだろう? サウジアラビアが、カタールに満たすよう要求している下記の10条件を瞥見しても、両国が関与している理由は理解できない。

  1. イランとの外交関係の即時断絶
  2. パレスチナ抵抗運動ハマース・メンバー全員の、即時カタール追放,
  3. ハマース・メンバーの全ての銀行口座凍結と、彼らとの取り引き停止,
  4. ムスリム同胞団メンバー全員のカタールからの追放,
  5. 反[P]GCC分子の追放,
  6. ‘テロ組織リスト’に対する支援停止,
  7. エジプト内政に対する干渉停止,
  8. アル・ジャジーラ・ニュース放送の停止,
  9. 全[ペルシャ]湾岸政府へのアル・ジャジーラによる‘暴言’謝罪,
  10. (カタール)が、[P]GCC政策と矛盾するひょっと行動を決してせず、憲章を遵守するという誓約.

サウジアラビアは、禁止対象にしたい人物や組織のリストも手渡した(ここを参照)。

これらの条件を見れば、イランとパレスチナ(特にハマース)が要求リストの重要項目なのは実に明らかだ。しかし一体なぜガボンやらセネガルがそんなことにかまうのだろう?

もっと興味深いのは、イスラエルは一体なぜサウジアラビア王国を支持する国として、リストに載っていないのかだ。

いつも通り、イスラエル自身は、この事態全てにおける彼らの役割についてずっと正直だ。そう、彼らは“我々がやった”とまでは言わないかも知れないが、彼らは“イスラエルが、カタール危機を気にかけるべき五つの理由”という、一体なぜイスラエルが喜んでいる理由をあげる記事を書いている。

  1. それで、ハマースが傷つく
  2. それで、イスラエルは、サウジアラビア、エジプトと湾岸諸国と親密になる
  3. それで、地域における、アメリカの影響力が回復したことを示せる
  4. それで、テロが非合法化される
  5. それで、イスラエルの力、特にイスラエル政府が強化される

たとえそれが、主にイスラエル国民に聞かせるのが目的だったにせよ、この種の正直さは、実にすがすがしい。パレスチナ情報源をちょっと調べてみると - そう、イスラエルは、サウジアラビア王国を支持しているのだ。欧米の商業マスコミが、いくら必死にこれに気づかない振りをしようとも、決して驚くべきことではない。

アメリカはどうなのだろう? アメリカはこの危機で本当に恩恵を得るのだろうか?

アメリカは、カタールに、ひょっとすると世界最大のアメリカ空軍基地、アル・ウデイド空軍基地を擁している。しかも、アメリカ中央軍前線本部もカタールにある。これらがアメリカの極めて重要なインフラだという表現は控えめで、これはアメリカ合州国外、世界中で最も重要なアメリカ軍施設だと言えよう。だから論理的には、アメリカにとって一番いやなことは、そのような重要施設に近いどこかでのあらゆる類の危機や緊張だという結論になるはずだが、カタールに対して、サウジアラビアとアメリカが一致して動いているのは極めて明白だ。これは辻褄が合わない。そう。だが、アメリカが今やシリアでの軍事エスカレーションというi無益な政策に乗り出した以上、地域におけるアメリカの二つの主要同盟国が同じことをしても驚くにはあたらない。

しかも、トランプ政権の中東政策が、これまで何か論理的な意味があったためしなどあっただろうか? 選挙運動中は、まあ、50/50 (ISISに対しては秀逸、イランに対しては愚劣)と言えただろう。ところが、フリンに対する1月のクーデターと、トランプのネオコンへの降伏以来、我々が見ているのは、次から次の妄想じみた愚行の連続にすぎない。

客観的に、カタールを巡る危機は、決してアメリカのためにはならない。しかし、だからといって、頑固なイデオローグどもに乗っ取られた政権が、この客観的現実を進んで受け入れることにはならない。我々が目にしているのは、非常に弱体な政権が、急速に弱体化しつつある国を運営し、まだ威張り散らすことができる力があるのを必死で証明しようとしている姿だ。そして、もしこれが実際、そういう計画ならば、途方もなくお粗末で、確実に失敗する代物で、様々な意図しない結果に終わるだろう。

現実世界に戻ろう

我々が目にしているのは、巧妙なごまかしのひどい例で、実際に起きているのは、またしても、イランを弱体化させようという、三つのならず者国家(アメリカ、サウジアラビア、イスラエル)による、ぎごちないたくらみだ。

もちろん、外にも様々な要素があるが、大事なこと、問題の核心は、私に言わせれば、急速に増大しつつある“イランの引力”と、それに対応して、地域全体が益々イランに近づく“軌道減衰”だ。しかも、事態を更に悪化させているのは、三つのならず者国家が、はっきりと、止めようもなく、地域に対する影響力を失いつつあることだ。アメリカはイラクとシリアで、イスラエルはレバノンで、サウジアラビアはイエメンで - この三国は、これらの国々が強力なのを見せつけるどころか、連中が実際いかに弱体かを示す無残な失敗に終わった軍事作戦に乗り出したのだ。更にまずいのは、サウジアラビアが、いつ終わるとも知れない深刻な経済危機に直面しているのに、主にイランと分け合っている膨大なガス田のおかげで、カタールは世界で最も裕福な国となっているという事実だ。

結局、イランとは違い、カタールは、もう一つのサラフィー主義の国だから、サウジアラビアにとって、それほど大きな脅威ではないようにも見えるが、現実には、これがまさに問題の一部なのだ。過去数十年、カタールは、新たな富のおかげで、カタールの物理的規模とは全く不釣り合いな手段を入手した。彼らは中東で最も影響力の強いメディア帝国アル・ジャジーラを作り出したのみならず、リビア、エジプトとシリアにおける危機では、主要当事者となるような独自の外交政策にまで乗り出した。確かに、カタールは、テロの主要な支援者だが、アメリカ合州国やサウジアラビアやイスラエルもそうだから、これは空疎な口実だ。カタールの本当の‘犯罪’は、純粋に実利的理由から、サウジアラビアとイスラエルが地域に押しつけた大規模反イラン・キャンペーンに参加するのを拒否したことだ。サウジアラビアの立場の支持を声明せざるを得なかった長大なリストの国々とは違い、カタールは、単純に“ノー”と言って、自らの進路を進む手段を持っているのだ。

サウジアラビアが現在望んでいるのは、カタールが脅しに屈伏し、カタールに対する“熱い”戦争無しに、サウジアラビアが率いる連合が勝利することだ。連中がこの結果を達成する可能性がどれほどかは誰にも分からないが、私は個人的には疑わしいと思っている(詳細については後述する)。

こうしたことの中で、ロシアはどうなのだろう?

ロシアとカタールは、特に様々なタクフィール主義テロ集団に対する主要資金提供者として、カタールが極端に悪辣な役割を演じたシリアとリビアを巡り、何度も角を突き合わせてきた。しかも、カタールはロシアにとって多くのLNG (液化天然ガス)市場で一番の競合相手だ。両国間には、ロシアによる、チェチェン人テロリスト指導者ゼリムハン・ヤンダルビエフ暗殺らしきものと、その後、暗殺に関与したかどで告訴された二人のロシア大使館職員の拷問と裁判(二人は終身刑の判決を受け、最終的にロシアに送還された)を含む他の危機もあった。とは言え、ロシア人もカタール人も大いに現実的な人々なので、概ね用心深く、 両国は、共同事業さえするほどの良い関係を保っている。

もちろん、イランが直接攻撃されない限り、ロシアがこの危機に直接介入する可能性は極めて低い。良いニュースは、三つのならず者国家どの国も、実際にイラン(とヒズボラ)に挑戦する気などないのだから、そのような対イラン直接攻撃はありそうもないことだ。ロシアがするだろうことは、“敵を中立国に、中立国を友好国に、友好国を同盟国に変える”というロシア外務省の準公式戦略にしたがって、徐々にカタールをロシア軌道に引き込もうとしての、政治的、経済的ソフト・パワーの駆使だ。特に、この支援で、ロシアが地域における極めて重要な影響力を手にいれられると知っているのだから、トルコとの場合と同様、ロシアは、進んで支援するだろう。

イランこそ、あらゆることの本当の標的

イランは今や、テヘランにおける最近のテロ攻撃はサウジアラビアが命じたものだと公に言っている。厳密に言えば、これはイランが現在戦争状態にあることを意味している。もちろん、現実には、本当の地域超大国として、イランは、落ち着いて、自制して行動している。イランは、この最近のテロ攻撃は、自暴自棄ではないにせよ、弱さの兆候で、ロシアがサンクト・ペテルブルクでの爆発に対処したのと同じように行動すること最善の対応だということを十分理解している。気を抜かず、落ち着いて、断固としていることだ。ロシアと同様、イランは現在、カタールに食料を送ると申し出ているが、サウジアラビアが本当に狂わないかぎり、軍事的介入はありそうにない。しかも、トルコ軍部隊が間もなくカタールに配備されるので、イランには、実際に軍事力を誇示する必要性がない。1988年以来(アメリカ海軍による イラン航空の655便エアバス撃墜以来)アメリカもイスラエルも、イランをあえて直接攻撃しようとはしていない単純な事実が、本当のイラン軍事力に対する最善の証拠だと私は言いたい。

すると、我々は一体どこに向かっているのだろう?

三つのならず者国家の行動は“理性的”と表現するには到底程遠いので、これは実際、予言するのは不可能だ。とは言え、誰も発狂しないと仮定すれば、私の個人的感覚では、カタールが打ち勝ち、今でもどれだけ王国が強力か証明しようというサウジアラビアの最新の取り組みは、それ以前の全ての物と同様(2011年にバーレーンで、2012年にシリアで、あるいは2015年にイエメンで)失敗するだろう。時間も、サウジアラビアには味方していない。カタールは、既に明らかに、降伏するつもりはなく、戦うつもりであることを示している。サウジアラビアは既に、ラマダンという聖なる月に、仲間のイスラム教国家に封鎖を科するというとんでもない決定をした。サウジアラビアは、実際、これから更にエスカレートし、ラマダンという月に、仲間のイスラム教国家に対して、侵略行為をするつもりだろうか? かれらはやりかねないが、連中が、イスラム教徒の世論に対して、そこまで無知だとはとうてい考えがたい。もしそうでなければ、連中の作戦は、かなり勢いを失い、カタールは、政治的、経済的、社会的、軍事的に準備する時間を得られよう。カタールは小国で、人口も決して多くはないが、膨大な資金のおかげで、カタールを喜んで支援する供給業者や契約業者を素早く好きなだけ集めることが可能だ。ここでは有名な“市場原理”がカタールに有利に働くのだ。

土曜日、カタール外務大臣のモスクワ訪問が予定されているが、何に関する会談なのかは非常に明白だ。ロシアが、カタール支援で、あらゆる政治的重みを駆使することはないだろうが、クレムリンは、サウジアラビア王国とカタールとの間の調停者になるのを承諾する可能性がある。もしそうなれば、これは究極的な皮肉だ。サウジアラビア-イスラエル-アメリカ作戦の主な結果が、ロシアを、地域における一層影響力の大きい当事者にしてしまうことなのだ。カタール自身は、この危機の結果、おそらく、ニーチェのセリフに沿って、こう発言するだろう。“私を殺さないものは、私をいっそう強くする。”

結論

三つのならず者国家による、連中が依然、このブロックで、最大、悪の連中だということを証明しようという、もう一つの捨て鉢の企みとしてのこの最新危機は、これまでのものと全く同様、失敗するだろうと私は思う。例えば、カタールが、彼らの最も強力な“兵器”たるアル・ジャジーラを閉鎖するとは決して思えない。両国は巨大な南パース・ガスコンデンセート田でつながっているのだから、イランとの全外交関係を断ち切るとも思わない。カタールには膨大な富があるのだから、彼らは世界中に極めて強力な支持者がいて、私がこの文章を書いている今も、彼等は、おそらく極めて影響力の強い連中に電話をし、カタールを目茶苦茶にするなと、はっきり言っているだろうことを意味している。

むしろ、この危機は、カタールが、ロシアとイランを含めた国々に一層暖かく抱擁されるようになり、サウジアラビアが更に弱体化する効果しかあるまい。

三つのならず者国家はいくつか問題を共有している。威嚇したり、いじめたり、懲罰したりする連中の軍事能力は急速に浸食されつつあり、連中を恐れる国々は益々減りつつある。連中の最大の過ちは、連中の政策を、この新たな現実に適合させるかわりに、毎回失敗するにもかかわらず、決まって、何度も繰り返し、危険な賭けに出ることを選び、連中は一層弱体化して見え、当初の連中の苦境は悪化してしまう。これは極めて危険な急降下であるにもかかわらず、三つのならず者国家は、他のどのような政策も考え出すことが出来ないようだ。

これは、我々がその中で暮らしている新時代を端的に象徴していると思うので、最近プーチン大統領と、トランプがしていることの比較でこのコラム記事を閉めたい。

トランプは、シリアで、何台かの“即製戦闘車両”(機関銃を搭載した4×4トラック)とトラックを爆撃した後、コミーはウソつきで機密漏洩者だとツイートした。

プーチンはパキスタンとインドを正式加盟国として歓迎した上海協力機構(SCO)の最新会合に出席した。今や、SCOは地球上に暮らす全ての人々の半分以上と、世界のGDPの四分の一を占めている。これは“もう一つのG8”あるいは“重要なG8”と見なすことができる。

この簡単な行動の比較が、実際全てを物語っていると思う。

更新その1: 現在、レックス・ティラーソン国務長官は、サウジアラビアに‘落ち着くように’と言っている。サウジアラビア-イスラエル計画は崩壊を始めつつある。

本記事はThe Unz Review向けに書いたものである。

記事原文のurl:http://thesaker.is/the-crisis-in-qatar-yet-another-clumsy-attempt-by-the-three-rogue-states-to-weaken-iran/

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「凶暴政権によるテロ」にも等しい共謀罪法案強行採決が近づいている。パンダ誕生の喜びも半減。まさかパンダが自民・公明・維新に忖度し、お産時期調整などするまいが。

昼間の痴呆番組、全く見る気力がでない。

これからIWJの下記記事を拝読・拝聴予定。

国連特別報告者カナタチ氏が「共謀罪」の問題点を指摘!「非常に特異なやり方が取られている!」――いわゆる共謀罪に関する法案に反対する国際シンポジウム
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/382650

「いかに安倍が日本を無茶苦茶に売ろうとしているか!?」「食料自給率は安全保障!防衛と同じ考え方!!」~山田正彦元農水相が市民連合ちば10区発足集会で記念講演
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/382961


2016年11月24日 (木)

プーチン(とうとう)メドベージェフ内閣を粛清

The Saker
2016年11月17日
The Unz Review

アメリカ大統領選挙の結果に世界が没頭している間に、ウラジーミル・プーチンは、実に驚くべきことを行った - 強要と賄賂のかどで、メドベージェフ内閣の経済発展相、アレクセイ・ウリュカーエフを逮捕したのだ。今夏以来、電話がロシア治安機関に盗聴されていたウリュカーエフは、深夜、200万ドルを所持して逮捕された。プーチンは翌朝、彼を正式に首にした。

ウリュカーエフは、ロスネフチ(国営の巨大ロシア石油企業)が、バシネフチ(もう一つの巨大石油会社)の株の50% を取得することになった評価で、200万ドルの賄賂をゆすり取ったとロシア公式筋は言う。どうやら、ウリュカーエフは、ロスネフチ社長で、ウラジーミル・プーチンやロシア治安・諜報機関と親密と見なされているイーゴリ・セチンを脅そうとしたもののようだ。

そういうことになっている。公式説明によれば、国有企業が政府幹部に賄賂を送ったのだ。これが腑に落ちるだろうか? 電話会話を盗聴されて、連邦保安サービスに、一年以上、しっかり監視されていた政府幹部というのは、どうだろう - これが腑に落ちるだろうか?

これは全く腑に落ちないもので、ロシア当局もそれは重々承知だ。だが、これは公式説明だ。すると、一体何がおきてきるのだろう? ここに、プーチンのメッセージがあると思われるだろうか?

もちろん、ある!

賄賂をもらった国防大臣アナトリー・セルジュコフを覚えておられるだろうか? 彼は、まず職を首になってから逮捕された。だが今回、真夜中に逮捕されたのは、現役閣僚なのだ。数時間、彼の部下は、彼と接触さえできなかた - 彼らは彼に何が起きたのか全くわかっていなかった。これは間違いだったのだろうか? とんでもない。

ウリュカーエフの拘留され方は、まだ権力の座にある、他のあらゆる第五列に、できる限り強烈な恐怖感覚を染み込ませるよう、入念に振り付けられていた。実に多くの意味で、ウリュカーエフは、全ての“汎大西洋統合主義者”(クレムリンの中で、ロシアを、アメリカが支配する国際安全保障体制に統合させたがっている連中)の象徴だったのだから。ウリュカーエフは、400’000ユーロの賄賂を受け取ったかどで、6月に、目立つ逮捕をされて拘留されたニキータ・ベーリフ、キーロフ州知事と同様、リベラルとして知られていた。

ウリュカーエフは、汎大西洋統合主義者と、ロシア“リベラル”(つまり“ワシントン・コンセンサス”派)セクトの忠実なメンバーで、過去にエゴール・ガイダルと、アレクセイ・クドリンと仕事をしたことがあり、今回、いわゆる “権力省庁”(国防、治安、諜報)の最高幹部集団、ロシア“シロビキ”によって打倒された究極の象徴と見なすことが可能だとさえ言えよう。

FSB経済安全保障サービスのトップ、セルゲイ・コロリョフ

即座に、全員がこれを理解し、人気ウェブサイトGazeta.ruの“シロビキ、ウリュカーエフを打倒”と題する大見出しほど明らかなものはなく、そこには、このドラマの主役、意志の強そうな男、ウリュカーエフを打倒したと見なされているFSB経済安全保障サービスのトップ(この写真の人物)セルゲイ・コロリョフの写真が載っていた。

今年4月、私は内閣粛清が起きつつあると予言した。もっと早く起きるだろうと思っていたことを告白しなければならない。どうやら、プーチンは、アンクル・サムが自らの内政問題で多忙なうちに、行動すると決めたようだ。もしそれが本当に、遅い時期になった理由なら、ロシア国内で、アメリカが依然、保持している影響力を物語っている。ウリュカーエフ逮捕が、トランプとプーチンの電話会話の後で行われたことに注目して、トランプが、プーチンに、逮捕を進めてよいと言ったのかも知れないと示唆している評論家もいる。それは、もちろん、全くのたわごとだが、それで、プーチンを悪くみせかけられるなら - 第五列連中には、それで十分なのだ。

次に粛清される可能性のある‘候補者’リストは長大で、アルカージー・ドヴォルコーヴィッチ副首相、イゴール・シュワロフ第一副首相、エリヴィラ・ナビウリナ・ロシア中央銀行総裁、アントン・シルアノフ財務相、そして、もちろん、ドミトリー・メドベージェフ首相などの名前がある。ウリュカーエフは、多数の中の一人にすぎない。それでも、彼は確実に、最高レベルの標的で、また彼の逮捕のされ方は、クレムリンにいる、他の第五列連中全員の背筋を凍らせたに違いない。彼の電話がそれほど長期間盗聴されていた事実だけでも全く想像できず、プーチンの粛清から安全な人はいないという事実を明らかに示している。そして、それ自体、実際、最も歓迎すべき変化だ。メドベージェフ政権の全員、今や、FSBによる厳しい監視のもとで、彼/彼女の生活を過ごしていることを思い知らされたのだ。

ウリュカーエフに、今後何がおきるかは、実際、ほとんど重要ではない。彼は正式に罪状認否手続きの対象で、今後、彼の案件は更に捜査され、ウリュカーエフは裁判を受けることになる(現時点では、彼は拘留されただけで、今後二カ月間、自宅監禁される)。彼は、禁固15年と、彼が得た賄賂の70倍の罰金という目にあう可能性がある。ロシア憲法上の、20年間の大統領恩赦のおかげで、刑期を免れたセルジューコフの例から判断すると、プーチンは敵に対し、何らかの報復をする気はなさそうに見える。だが、たとえウリュカーエフがシベリア・タイガの新鮮な空気を享受できなくとも、彼は既に大物としては終わっており、そして、それがプーチンにとって大いに重要なのだ。

ここで重要なことは、一晩にして、最高レベルのロシア大臣が、大臣事務所から、留置場行きとなったことで、全く誰も、そういうことを予想せず、防ぐこともできなかった点だ。ともあれ、またしても、これは、100%プーチン風の出来事だ。いかなる警告も皆無で、何のヒントすらなく、即効の結果をもたらす突然の劇的行動。この出来事の至る所で、彼の“痕跡”は明らかだ。

とりわけ、連邦保安庁筋が、ロシア・マスコミに、アルカジー・ドヴォルコーヴィチアンドレイ・ベロウソフも捜査中だと語った以上、ロシア国内での、この逮捕に対する反応は予想できる。例えば、アナトリー・チュバイスは“大衝撃”を受けたと述べた。この展開は“私の理解の外れ”にあったと言ったメドベージェフ首相の反応はもっと優れている。

汎太平洋統合主義者連中の必然的な反応をみるのは興味深いことだろう。もし連中が本当に負けたと感じれば、“あらゆるレベルで、腐敗と戦う”必要性のお世辞を言って、低姿勢を維持するだろう。もし連中に依然、多少の闘志があれば、彼らは“スターリン主義”弾圧、“1930年代風粛清”の復活と、民主主義に対する“新たなテロ・キャンペーン”だと非難するだろう。唯一の“価値観”が「金」である欧米商業マスコミは、ロシア“秘密警察”がいかにして、“起業家”を弾圧し、それが、いかにロシア経済を損ねる結果になるかを書きまくるだろう。基本的に、プーチンが、悪名高い7人の銀行家を粉砕した際、我々全員が耳にした泣き言の繰り返しだ。エルトン・ジョンが“我々もその映画は見た…”と歌っているように。

プーチンを猛烈に憎悪する民族主義者連中は、これは、余りにわずかで、余りに遅過ぎると言うだろう。長年、連中は、汚職と、最高位の政府幹部たちが決して捜査されないことに文句を言っており、自分たちの願いがかなった今、“余りにわずかで、余りに遅過ぎる”のだ。だが彼らは、ヤブロコやパルナスなどの親欧米政党と同様、ロシアの大衆からほとんど信頼されていないので、それも大した問題ではない。

主要マスコミや政治評論家はすべて、プーチンに総立ちで拍手している。彼らはメドベージェフ内閣内部の親米第五列を意味する“政府内の経済圏”に、何ヶ月も、声高に、絶えず文句を言ってきた連中なのだから、これは全く驚くべきことではない。全く文字通り、あらゆる主要な政治評論家たちが、この“経済圏”の粛清と、ロシア経済政策の根本的変革を請い願っていたのだ。ともあれ、彼らが悪人を一人粛清したのは、始まりとしては良いが、更に多くの首が転がり落ちる兆しも、ロシアの経済進路が、ワシントン・コンセンサス的政策から、最終的に離脱して、より必要とされている国内成長政策によって置き換えるようすも無い。だがプーチンを知っている我々は、兆しを期待すべきではない。行動だけだ。

本当の変革を実現する唯一の方法は、まさに、人ではなく、体制の変革なのだが、ロシアでも、アメリカ同様、人を変えるほうが、体制を変えるより遙かに容易だ。これまで、プーチンは、最悪な人物の一部を追い出すのに成功したに過ぎないが、非常に素晴らしい人々を取り入れたのは彼の功績だ。アメリカとの戦争の脅威が大いに低減し、アンクル・サムが自国内の苦闘で多忙になるであろう現在、プーチンが最終的に、ロシアを、ワシントン・コンセンサスから解放させるための、何らかの非常に強力な行動をして、経済的な意味でも、ロシアが本当の主権国家になるのを可能にしてくれる本当の愛国者と置き換えるのを私は期待している。

記事原文のurl:http://www.unz.com/tsaker/putin-is-finally-purging-the-medvedev-government/

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12月の来日を前にした、絶妙なタイミングでの逮捕劇。ロシア側は、全て計算して、逮捕時期を決めたのだろうが、交渉相手の一人だったであろう人物が吹き飛んで、傀儡政府は大慌てではあるまいか。

ロシア経済政策に関する下記記事と、密接につながると思われる。

Engdahl氏記事の翻訳
プーチン: ネオリベラルは、ニェット、国の発展は、ダー

Paul Craig Roberts、Micael Hudson氏記事の翻訳
ロシアの弱点は経済政策

2016年11月 2日 (水)

プーチンがロシアを救ったように、トランプはアメリカを救えるだろうか?

The Saker
2016年10月28日

読者の皆様

以下の記事で、The Sakerが、ウラジーミル・プーチンが、いかにして、ロシアの主権を、英米-シオニスト帝国からもぎ取ったかを説明している。彼はドナルド・トランプが、アメリカを救うことを期待している。彼の記事を、本人の了解を得て掲載する。

プーチンがロシアを救ったように、トランプはアメリカを救えるだろうか?

The Saker

2016年10月22日

アメリカが直面している危機:

選択肢その一: ヒラリーの勝利。これは、より酷い方向に強化したオバマだ。オバマそのものが、ブッシュ・ジュニアで、しかも、より酷いものであることを想起されたい。もちろん、ブッシュ・ジュニアは、クリントンにすぎず、より酷いだけだ。今や一巡り。クリントンに戻るのだ。ただし今回は、女性で、やることなすことに失敗して、今や30年におよぶ、惨事と失敗の実績を誇る非常に不安定な人物だ。彼女には戦争を開始する権限もない時でさえ、彼女は戦争を一つ始めたのだ(ビルに、セルビア人を爆撃するように言って)。今や、彼女はその権限を持ちかねないのだ。しかも、彼女は何百万人もの人々の前に立って、トランプが、彼女に“プーチンは、ありとあらゆる段階で、あなたを出し抜いた。”というのを聞かねばならないのだ。彼がそう言った時の、彼女の凍り付いた表情をご覧になっただろうか? トランプは正しく、プーチンは実際、彼女とオバマを、あらゆる段階で出し抜いた。問題は、今、プーチンに対して劣等感を持っている大統領(オバマ)の後、またしても、全く同じ劣等感と、シリアで、ロシア軍に対し、飛行禁止空域を押しつけようという異常な決意を持った大統領になることだ。短い髪と滑稽なズボン姿のヒラリーを見るにつけ、“彼女は、自分は全ての点で、あらゆる男性同様にタフであることを証明しようと懸命な女性だ、と私には思える” - もちろん、彼女はそうてはないのだが。彼女の実績も、彼女は弱く、臆病で、何があっても決して刑罰を受けることがないと確信していることを示している。そして今、この悪の救世主の出現を信じる変人で(http://thesaker.is/the-messianic-lunatic-in-her-own-words/)根深い劣等感をもった人物が、全軍最高司令官になりかねないのだ?! 神よ我々全てを救いたまえ!

選択肢、その二: トランプ勝利。問題: 彼は全く孤独だ。ネオコンは、議会、マスコミ、金融機関と裁判所を、もう完璧に支配している。夫クリントンから、妻クリントンまでの間に、連中は、ペンタゴンや、国務省や、三文字の政府機関に深く潜入してしまった。連邦準備制度理事会こそ、連中の拠点だ。トランプは、こうした“地下にたむろする猛烈な狂人連中”に一体どう対処するのだろう?  http://www.opednews.com/articles/opedne_donald_a_080423_leo_strauss_and_the_.htm

あらゆる“名士連中”(俳優から、政治家、記者に至るまで)トランプに対して解き放った悪意ある憎悪キャンペーンを考えると - 彼らは退路を断ったのだ。連中は、もしトランプが勝てば、彼らは全てを失うことを知っており(そして、もし彼が、簡単に影響を受けてしまう人物であることがわかれば、彼を選んでも何の違いもなくなることになる)。ネオコンは何も失うものはなく、連中は最後の一人まで戦うだろう。もし彼がネオコンと、連中の代理人に包囲されたら、トランプは一体何ができるだろう? 全く違うチームを呼び入れるのだろうか? 彼は一体どうやって、彼らを調査するつもりだろう? 彼の最初の選択は、ペンスを副大統領に指名することだったが、これは惨事で(既に彼は、シリアと選挙結果で、トランプを妨害している)。トランプが、ホワイト・ハウス大統領首席補佐官に一体誰を任命するのかを聞くのを私は大いにおそれている。ネオコンをなだめるためだけに、彼は悪名高いラーム・エマニュエルの新版のような人物を任命するのではあるまいかと心配しているので… もし、トランプが原則と勇気の持ち主であることを証明すれば、ネオコンはいつでも彼を“ダラスの目”に会わせ、彼をペンスで置き換えることができる。一丁あがり!

私には、一つしか解決策は思いあたらない。

プーチンは、いかにして、ロシアを救ったか
プーチンが権力の座に着いた際には、今のホワイト・ハウス同様、徹底的に腐敗し、裏切り者が蔓延するクレムリンを、受け継いだのだ。ロシアは、独立し、ナチスが支配しているウクライナと同様、かなり悲惨な状態にあった。ロシアも、銀行家と、英米シオニストの傀儡に支配されており、大半のロシア人は惨めな暮らしをしていた。大きな違いは、トランプに起きている物事とは違い、アメリカ・ネオコンのロシア版連中は、プーチンに脅かされようとは夢にも思っていなかったことだ。彼は、支配者たちによって、治安機関の代表として、大企業資本の代表、メドベージェフとともに働くよう、選ばれたのだ。これは、ロシア社会でも依然機能していた、たった二つの部門、治安機関と、石油/ガスの金の間の妥協策だった。プーチンは、サイズがあわないスーツを着た小役人で、内気で、いささかぎごちない小男のように見え、ロシアを動かしている七人の銀行家という強力なオリガルヒにとって、何の脅威にもならないはずだった( https://en.wikipedia.org/wiki/Semibankirschina )。ただし、彼はロシア史上、もっとも手強い支配者の一人だったのだ。権力の座につくやいなや、プーチンがしたのはこういうことだ。

第一に、彼はチェチェンのワッハブ派叛徒を、素早く効果的に粉砕し、国軍と治安機関に、クレムリンへの信頼性を回復させた。これで、オリガルヒと対決する際に、頼りにせざるを得ない人々との間で、彼の個人的な信頼を確立したのだ。

第二に、1990年代には、たとえ実際には、法律がなかったためにせよ、ロシアの全員が、ありとあらゆる実業家や企業が、多かれ少なかれ、法律を破っていた事実を、彼は活用した。彼は、ベレゾフスキーや、ホドロフスキーの類を、連中の政治活動で、弾圧するのではなく、連中を(全く正しいが)賄賂のかどで粉砕した。決定的に重要なのは、彼はこれを、非常に公然と行い、もう一つの大敵、マスコミに、明瞭なメッセージを送ったのだ。

第三に、欧米の人権団体やロシア・リベラルの幻覚と逆に、プーチンは、いかなる反体制派をも決して直接弾圧したり、マスコミを厳しく取り締まったり、まして誰かの殺害を命じたりはしない。彼は遥かに賢明に事をなしとげた。現代のジャーナリスト連中は、何よりもまず、売女マスコミであることを想起願いたい。 プーチンは、オリガルヒを容赦なく取り締まることで、売女マスコミから、収入と政治的支援の源を奪った。ウクライナに移住した者もあれば、辞任しただけの者もあり、ドーシチTV、エホー・モスクヴィ・ラジオや、コメルサント新聞など、ごく少数の容易に識別できるマスコミは、特別保留地、あるいは動物園状態に置かれた。移住した連中は、無関係なものとなり、“リベラル動物園”に止まった連中は - すっかり信憑性を失ってしまい、無害になった。決定的に重要なのは、全員が“メッセージを理解したことだ”。それから先は、ごく少数の本当の愛国者(ドミトリー・キセリョフやマルガリータ・シモニアンら)を主要な地位に任命しさえすれば、運命の風の方向が変わったことを全員すぐに理解した。

第四に、主要マスコミさえ正気に返らされてしまえば、“リベラル”(ロシアでは親アメリカを意味する)政党が、死のスパイラルに入り込むのに、さほど長くかからず、そうした政党は決して回復しなかった。その結果、あらゆる“リベラル”が排除され、ロシア国会には、現在、4党しかなく、いずれの党も、多かれ少なかれ“愛国的”だ。これが、プーチン戦略でも、うまく機能した部分だ。

これまでの所、プーチンは、私が“汎大西洋統合主義者”と呼んでいる第五列の連中を(http://thesaker.is/putins-biggest-failure/ を参照)政府そのものから排除し損ねている。確実なことは、プーチンは、銀行/金融部門内の第五列連中には取り組んでおらず、連中も、彼には、彼らに対して行動をとる口実を与えないよう非常に用心している。

ロシアとアメリカは全く違う国なので、お互い簡単に処方箋を写して済ますことはできない。それでも、“プーチン・モデル”には貴重な教訓があるだろうが、とりわけトランプの最も手ごわい敵は、おそらく連邦準備制度理事会に居すわる連中と、連邦準備制度理事会を支配している銀行だ。確実なのは、当面アメリカのイメージは、アメリカ政府に捨てられたホームレスの退役軍人が国旗に身を包み、カップに小銭を要求するというものであり続けるだろうことだ。

ヒラリーは、アメリカの戦争は見事な成功だと考えている。トランプは、そうした戦争は恥ずべきことだと考えている。この二者間の選択は、実際極めて単純だと私は考える。

英米シオニスト・エリートの中で分裂など有りえないとおっしゃる向きには、ドミニク・ストロス-カーンが次期フランス大統領になるのを防ぐための陰謀の例があるとお答えしたい( https://en.wikipedia.org/wiki/New_York_v._Strauss-Kahn)。これが、ハイエナと同様、英米シオニスト指導者連中は、時に、お互いに攻撃するのだ。そういうことは、政治イデオロギーと無関係にあらゆる政権でおきる(ナチス・ドイツの親衛隊対突撃隊、あるいはボルシェビキソ連でのトロツキー主義者対スターリン主義者を想起願いたい)。

鉄の箒
レオン・トロツキーは、ソ連は、アナキストや貴族を“鉄の箒”で一掃する必要があると良く言っていたものだ。彼はプラウダに“我々には鉄の箒が必要だ”という題の記事すら書いている。もう一人の大量虐殺マニア、フェリックス・ジェルジンスキー、悪名高いChK秘密警察の創設者、秘密警察職員には“燃える心、冷静な頭脳と、清潔な手”が必要だと言っていた。こうした連中に、弱さや、共感を求めても全く無駄だ。彼らはイデオロギーに突き動かされた“熱狂的な信者”、共感という感覚が欠けた社会病質者で、自分たちの邪魔をする誰に対しても大量虐殺的な憎悪を持った根っからの悪連中なのだ。

ヒラリー・クリントンと、彼女のネオコン集団は、精神的に(時には、物理的にも)ソ連のボルシェビキの後継者で、彼らは、ボリシェビキの先祖と同様、敵を粉砕するのに一秒たりともためらわない。ドナルド・トランプは - 彼が本物で、言っていることが本気であるならば - これを理解し、プーチンがした通りにしなければならない。最初に、しかも激しく攻撃することだ。

ちなみに、スターリンも、まさにこれを行い、トロツキストは粉砕された。

最終的に、プーチンが第五列連中を、権力の座から排除できるかどうか、まだはっきりしていないと私は思う。確かなことは、ロシアは少なくとも、英米シオニストの支配からは、ほぼ自由で、アメリカが、現在、連中の最後の砦だということだ。トランプに対する連中の熱狂的憎悪は、(愛国的な意味で言うのではなく、むしろ寄生虫が“自分の”宿主を気づかうように)自分たちの祖国と考える場所において、初めて脅かされてという、こうした連中が感じている危機感によって、一部説明がつくかも知れない。連中には恐れるべきもっともな理由があるのかも知れない。連中には恐れる理由があって欲しいと思う。

トランプを恐怖で萎縮させようという最近の企みへの見事な対処を見て、私は勇気づけられた。昨日トランプは、選挙で不正が行われる可能性があるので、結果を認めるとは誓わないと、あえて断言した。読み書きができる人なら誰でも、大統領選挙を含め、アメリカの選挙では過去に不正が行われてきたことを知っているにもかかわらず、トランプが犯罪的思考という大罪をおかしたと、メディアは主張している。シオニスト・マスコミは独善的に激怒して彼に襲いかかり、発言を撤回するよう彼に大変な圧力をかけている。寝返って“犯罪的発言”を撤回するかわりに、トランプは、もし自分が勝ったら選挙結果を尊重すると答えたのだ。

素晴らしいではないか? 彼がこの勇気を示し続けてくれよう願おう。

トランプは、ジャン=マリー・ル・ペンがフランスでしたことを、今実行している。彼はネオコンに、彼があえて公然と彼らに楯突くことを示し、連中のルールで動くのを拒否しており、連中の激怒も、彼には何の効果もなく、連中は検閲もできず、まして彼を沈黙させることなどできずにいる。彼は、またもや、サイバー攻撃をロシア人のせいにするのを拒否し、逆にロシアとアメリカにとって、友人であるのは良いことだという発言を繰り返した。彼がこの姿勢を一体いつまで保てるか私にはわからないが、当面、彼が英米シオニストの陰の政府や帝国にあからさまに楯突いていることは否定しようがない。

結論:
アメリカ合州国は、アメリカ史上、最も深刻で最も危険な危機の可能性がある状態に入り込もうとしている。もしトランプが選ばれたなら、連中が彼を政治的な動機の抑圧だと非難するいかなる口実も与えることなく、敵に対し、十分に練られた攻撃を、即座に開始しなければなるまい。ロシアでは、プーチンは軍と治安機関の支持が期待できた。トランプが一体誰を頼りにできるのかわからないが、アメリカ軍内には、依然、本当の愛国者がいると私は強く確信している。もしトランプが、FBIを率いる適切な人材を得られれば、彼も、この機関を活用して大掃除し、賄賂や、(ここには随意の単語を)の陰謀や、権限濫用や、公正の妨害や職務怠慢などに対する起訴を次々と行えるだろう。そのような犯罪は、現在の支配層中で蔓延しており、こうしたものは証明が容易なので、賄賂を取り締まれば、トランプは、アメリカ国民から総立ちの拍手喝采を受けるだろう。次に、プーチンがロシアでしたように、トランプもマスコミに対処しなければならない。具体的に、どうするのか私にはわからない。しかし彼は、このけだものと対決し、打ち負かさねばならないのだ。プーチンがそうであるのと同様に、この過程のあらゆる段階で、彼は国民の積極的な支持を得る必要があるだろう。

トランプに、それができるだろうか? 私にはわからない。陰の政府を打倒し、人々の権限を復興するのは、ロシアの場合より、アメリカでの方がずっと困難だと私は思う。英米シオニスト帝国は、一番可能性が高いのは軍事的および経済的敗北の組み合わせにより、外部から打倒する必要があるだろうと私は常々考えている。私はいまでもそう信じている。だが私は間違っているかも知れない - 実際、私は間違っていることを望んでいる - あるいは、トランプは、アメリカ合州国を救うために、帝国を打倒する人物になるのかも知れない。どれほどわずかのものであれ、もしそのような可能性があるなら、我々はそれを信じ、そのために行動すべきだと思う。他の代案は、いずれももっと酷いのだから。

The Saker記事原文のurl:http://thesaker.is/will-trump-save-america-like-putin-saved-russia-saker-article-made-into-video/

紹介記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/10/28/can-trump-save-america-like-putin-saved-russia-the-saker/

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文中にドーシチTVという固有名詞がある。雨TV。All the Kremlin's Menというプーチン政治について書かれた本の筆者Mikhail Zigar、その元編集長。The Saker氏、この本も読んだのではないだろうか、と想像する。

「民進党」にも、その前身の「民主党」にも期待したことはない。もともと自民党の補完政党として作られたものに期待できるわけがない。二大政党なるもの、小選挙区制なるもの、そして民主党なるものについては、古い翻訳記事の末尾で触れたことがある。

アメリカ:一党独裁国家 2007年9月27日

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)2007年8月26日

結局、想像していたとおり、最後に、本性をむき出しにした。これが全ての「マスコミ」が絶賛して導入した小選挙区制の帰結。国でなく、大企業に支配される永久植民地完成。

都知事、オリンピック、豊洲、新党しか言わない大本営広報部紙媒体、電気洗脳白痴製造箱呆導は、いくら見聞きしても、アホウになるだけ。TPPについては、問題の中味に全くふれず、スケジュールの話題だけ。日刊IWJガイド冒頭を引用させていただこう。

■■■ 日刊IWJガイド「民進党がまたしても国民の声を無視した裏切り行為!自民、民進がTPP承認案の採決で合意~今国会でのTPP承認が確実に!/TPP問題を報じ続けてきたIWJは、過去の関連動画を期間限定で全公開!ぜひ、ご支援ください!」2016.11.2日号~No.1510号~ ■■■
(2016.11.2 8時00分)

 おはようございます。IWJでテキスト関係の業務を担当している平山と申します。

 民進党が、またしても国民を裏切りました。

 昨日11月1日(火)、自民党と民進党の国会対策委員長が国会内で会談し、衆議院でのTPP承認案に関する採決の日程を協議。その結果、今日2日(水)に衆議院特別委員会で、明後日4日(金)に衆議院本会議で採決を行うことで合意しました。これで、TPP承認案は4日に衆議院を通過し、参議院に送付されることが確実の情勢になりました。きわめて遺憾です。

 しかも、TPP承認案は条約なので衆議院が優越するため、衆議院で可決してしまえば、参院を待たずして30日後には自然承認されてしまいます。そのため、昨日の自民党と民進党の合意をもって、TPPは今国会での承認・成立がほぼ決定的な状況となってしまいました。

 そもそもTPPは、民主党の菅直人政権が協議開始を表明し、野田佳彦政権がそれをいっそう推し進め、2012年末に発足した第2次安倍政権にバトンタッチしたものでした。民主党は当時、山田正彦氏ら党内の「TPP反対派」を実質的に党外へ「追放」したのですから、よくよく考えてみれば、「TPP反対派」が党内にほとんどいなくなった現在の民進党が、今国会でTPP承認案反対を貫くことなく、自民党と「手打ち」を行ったというのも、なるほど頷ける話ではあります。

 IWJでは、民主党の菅政権がTPPを持ち出してきた時から一貫して、「TPP反対」の論陣を張り続け、この問題を報じ続けてきました。一昨日の10月31日(月)には、ニュージーランドから緊急来日したオークランド大学教授のジェーン・ケルシー氏に、岩上さんが直撃インタビュー。動画全編に字幕を付け、その日のうちに配信しました。その気になる内容は、後段の<★取材報告★>で、翻訳作業を担当した城石エマ記者よりお伝えします!

 TPP承認案の「強行採決」が取り沙汰されていたこの間、IWJでは、国会前・議員会館前で行われていた市民による抗議や座り込みの様子を中継し、可視化し続けてきました。自民党と民進党が合意に至った昨日も座り込みは行われましたし、今日も17時から院内集会と抗議が行われます。IWJでは、引き続き活動を続ける市民の動きをこれからも可視化し、レポートを続けます。詳しい取材報告と今日の配信スケジュールに関しては、後段の<★取材報告★>にお進みください!

 IWJのWebサイトにはこれまで、TPP問題について取材・中継した動画アーカイブが590本以上蓄積されています。IWJでは公共性に鑑み、11月4日(木)までの期間限定で、岩上さんによるインタビューを中心に、この動画アーカイブを会員以外の方にもフルオープンで公開しています!詳しい記事のラインナップなどは、後段の<★お知らせ★>よりご確認ください!

 「言い出しっぺ」のアメリカに先んじて、TPPを承認することが確実となった日本。進んでアメリカの「植民地」となり、国民の富をグローバル企業に差し出すとは、安倍政権と自民党、そして民進党は、「売国奴」と言う他ありません。自民党も民進党も、その支持者の利益を損ない、裏切ったのです。採決の瞬間まで、目をそらさずに注目しましょう!どの党のどの議員がTPPに賛成票を投じたか、あるいは反対票を投じるか。衆院の解散が行なわれた際には、選挙でTPP賛成議員を徹底的に落選させましょう!

 TPPは、単なる経済連携協定ではありません。すでにTPPの名称から「経済」という文字は外されています。集団的自衛権、特定秘密保護法、辺野古での米軍新基地建設、教育の改悪や英語化、そして憲法改悪と密接に絡み合いながら、日本をアメリカの保護国、実質的な植民地へと組み込もうとする、壮大な試みのうちの一部なのです。

 IWJではこれまで、既存の大手メディアが決して報じようとしないこうした「日米関係」を精力的に取り上げ続けてきましたし、これからも取り上げ続けます。TPPが国会で承認されても、IWJはへこたれません!国民生活に差しさわりのある具体的な問題は、まさにこれから生じるのです。これはこれから何年もかけて続くプロセスです。日本と世界が変わりゆくなら、―それがたとえ悪い方向であっても―真実をお伝えし続けなければなりません。ぜひ、IWJの定額会員にご登録いただき、IWJの活動をご支援ください!

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 この間、緊迫しているTPPの関連動画を「フルオープン」で公開するなど、IWJは情報を会員の皆様だけに囲い込むのではなく、常に「公共性」を意識して、時にはこのように、フルオープンの情報の発信・拡散にも踏みきります!しかし、IWJが世論に影響力を与えうる、「公共的な、市民のための市民メディア」であり続けるためには、皆様からのご寄付・カンパが必要です。ご寄付・カンパによるご支援のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。

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★本日の日刊ガイドは以下のラインナップでお届けします!

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■<★ニュース・フラッシュ!★>日銀が2%上昇の物価達成目標をまたしても先送り、脱デフレはならず/豊洲新市場の「盛り土」問題で小池百合子都知事が臨時会見/「欅坂46」、「ナチスそっくり」のファッションで炎上!サイモン・ヴィーゼンタール・センターが「嫌悪感」を表明する事態に(平山茂樹)
┠■<★取材報告★>TPP強行採決後の焦点は米国の「レームダック」期間の採決! 条約締結は2年後になるかもしれない!? オークランド大学のジェーン・ケルシー教授に岩上安身が訊く(城石エマ)
┠■<★取材報告★>IWJは今日もTPP反対の市民の声を可視化します!2010年から取材を続けてきたIWJへのご支援をよろしくお願いします!(ぎぎまき)
┠■<★お知らせ★>11月4日(金)まで!IWJではTPP関連動画を会員以外の方にもフルオープンで特別公開中!さらにCh9ではエンドレス配信も!(平山茂樹)
┠■わとはぷ~What happened today?(関根かんじ)
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◆中継番組表◆

**2016.11.2 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【Ch8】8:00頃~「TPP批准に抗議する熊本県農政連ら市民による座り込み行動」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=8
※TPP批准に抗議する座り込み行動を中継します。


【Ch4】12:30~「高江ヘリパッド建設をめぐる集会&省庁交渉」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「FoE Japan」「美ら海にもやんばるにも基地はいらない市民の会」主催による院内集会と省庁交渉を中継します。ゲストは北上田毅氏(平和市民連絡会)。


【Ch2】14:00~「東京電力 記者会見-原子力安全改革プラン進捗報告(2016年度第2四半期)」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※会見者は、原子力改革特別タスクフォース長代理兼事務局長 姉川尚史氏。


【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会 田中俊一委員長による定例会見を中継します。


【Ch8】17:00~「TPPを批准させない!水曜日行動 ~市民と国会議員の情報交換会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=8
※「TPP批准阻止アクション実行委員会」主催の毎週水曜日に開催される、野党議員による国会報告と意見交換の模様を中継します。


【IWJ_OSAKA1】17:30~「【11.2 ストップ!tpp緊急行動】街宣@梅田ヨドバシカメラ前」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=osaka1
※「ストップ!TPP緊急行動・関西」主催による緊急行動を中継します。

2015年9月23日 (水)

シリアで、ロシアは実際、一体何をしているのだろう?

The Saker
The Unz Review
2015年9月13日

Ynetが、シリアでのロシア軍介入に関する話を掲載してから一週間たった今、シリアに対する帝国戦争へのロシアの関与を禁じることを狙った、現実に何の基盤もない、典型的な英米シオニスト心理作戦だったと、確信を持って言えると思う。

それとも、基盤はあったのだろうか?

こうした話には、わずかの事実があることが分かっている。ロシアは“ダーイシュを爆撃するため、ミグ31戦闘機 ”を送ってはおらず、ロシアは、SSNB (大陸間弾道ミサイルを搭載した潜水艦)をシリア海岸に送ろうとしているわけでもない。こうしたうわさは全て全くのたわごとだ。だがロシアが二つのことを行っている兆候は高まっている。

1) シリア紛争への外交的関与の強化

2) 詳細不明ながら何らかの重要軍事機器のシリアへの送付

二つ目のものは大いに興味深いは。言うまでもなく、こうした場合の典型として、ロシアが空輸と海運で送り込んでいる貨物の本当の内容は公表されていないが、推測は可能だ。第一に、シリアが多数の保守部品と、機器の修理を必要としていることを我々は知っている。この戦争は、もう4年間も続いており、シリアは手持ちの装置を酷使している。第二に、シリアは、大いに役立つある種の戦場システムが不足している。そうしたものの例には、対砲兵レーダー(敵砲撃が一体どこからのものかを探知するレーダー)や、電子戦システムがある。さらに、ロシアの情報筋は、シリアは多数の装甲兵員輸送車を必要としていると述べている。

ロシアとシリアには、長年の軍事契約があることを我々は知っており、ロシアは、現在、重い機器は海運で、軽いシステムは空輸で送っていることも知っている。こうしたこと全てが、何らかの形勢を一変させるものを意味するだろうか?

そうではない。少なくとも、現時点では。

英米シオニストがパニックになっているのは一体なぜだろう?

連中を大いにいらだたせているものの一つは、ロシアが、どうやら、ラタキア市を“受け渡し地点”に選んだように見えることだと私は感じている。ダマスカスと異なり、ラタキアは理想的な位置にある。ラタキアは、安全だが、前線から離れ過ぎてはいないし、タルトゥースのロシア海軍基地にも比較的近い。この空港と軍港は、防衛し、隔離するのも容易だといわれている。既に、ロシアが、滑走路を延長し、ラタキア空港のインフラを改良し、大型のAN-124が着陸するのが観察されているという報道がある。ロシア海軍は、ラタキア空港に船舶を送っている。

言い換えれば、タルトゥースだけに限定したり、非常に無防備なダマスカスに入り込んだりするのではなく、ロシアは、シリア北部の戦闘地域に機器や軍隊さえ送り込むのに使える新たな橋頭堡を、シリア北部に作り出したように見える。

ちなみに、これは、ロシアが海軍歩兵部隊をクリミアからシリアに派兵していることに関するパニック状態のうわさの説明になる。海軍歩兵部隊は、そうした基地を防衛するのには理想的で、前線がさほど遠くはないことを考えれば、ロシアが、こうした部隊で、その橋頭堡を守るのは、つじつまは良く合っている。

さらに、重い機器は概して海運によるが、ロシアは防空システムを空輸できるのだ。AN-124なら、S-300を簡単に輸送できる。この事実だけでも、英米シオニストのパニックは説明できる。

起きていると思われることはこうだ。ロシアは、どうやら、ある種限定されているが、シリア軍を緊急支援するための重要な機器を送っているのだ。そうすることで、彼らは選択の自由を確保しておくための条件も生み出している。だから、本格的なロシア介入は起きていないが、シリア紛争において、何かが大きく変化したのだ。

政府軍は最近シリア北部の(ラタキアからさほど遠からぬ)イドリブ空軍基地を失いはしたが、私の情報源全てが、シリア軍は、ダーイシュよりはるかに良い立場にあり、戦争は、タクフィール主義者にとって、非常に不利に進んでいると確認していることを私はここで補足したい。ダーイシュが、大半が砂漠の広大な土地を依然支配しているというのは事実だが、シリアは最近ザバダン市を解放し、大半の場所で攻勢に出ている。

ここまでを要約して、こう言いたい。彼らの対シリア戦争が失敗したため、英米シオニストは、びびっているのだ。ダーイシュが、いくつかの国々で、大惨事とテロをもたらしたが、それぞれの国が次第に、断固行動を起こすことに決めたという多くの兆候がある。アメリカは、アサドを追い出すことにも失敗し、膨大な難民危機が、ヨーロッパで本格的政治危機を引き起こし、現在、ヨーロッパは、アサドを、これまでとは劇的に異なる視点で見ている。ロシアは、地域の全勢力の政治的関与を得て、アメリカを効果的におしのけると明らかに決めており、ロシアが選択の自由を確保している、分かりやすい兆候がある。ロシアが紛争に量的な本格的軍事介入を計画していると推測する理由は全くないが、ロシアの支援が新たな質的レベルに強化された兆しはある。

ここで、二つ強調すべきことがある。

第一に、政治レベルでは、ロシアが、この戦争で、大規模な一方的行動をとる可能性は、まだ極めて低い。シリアは主権国家で、シリア-ロシア協定は、両国が合意した、いかなる軍事的行動も法的に正当化するのに十分だが、ロシアは単独では行動しないよう頑張るつもりだろう。これが、一体なぜラブロフ外務大臣が、ある種の連合を作り出そう懸命に努力しているかという理由だ。

第二に、軍事レベルでは、注目すべき国は、ロシアではなく、イランだ。イランは、シリア(北イラク経由で)への安全で確実な地上通信線を有しており、対ダーイシュ戦に有利に参戦することが可能な種類の戦闘部隊も擁している。戦略的に極めて重要な地域で、シリアを支援するためのエリート部隊を送りこんでおり、将来も送り込めるヒズボラにも同じことが言える。シリア軍支援で、本格的な地上作戦が必要となれば、ロシアではなく、こうした勢力が介入すると考えるべきだろう。

結論として、我々が目にしている起きていることは“典型的プーチン”だと言いたい。欧米指導者は、概して即効的(だが短期的な)結果をもたらす、非常に目立つ行動を好むのだが、プーチンは、漸進的に、ゆっくりと介入する前に、敵が彼に最大量の被害を与えるようにさせるのを好んでいる。英米シオニストがダーイシュを解き放ったのは、ある種“政治的な衝撃と畏怖”で、すんでのところで、シリア政府を打倒するところだった。最初の“即効性”ながら短期的戦略が失敗した際、アサドは依然残ったが、ダーイシュは、あらゆる人々を脅かすが、誰もそれを支配できないゴーレム妖怪に変身した。アサドは、自国民を毒ガス攻撃する“新ヒトラー”から、明らかに(最終的にどのような“解決策”が出現しようとも)解決策の一部の人物へと、次第に格下げされた。

帝国に抵抗するあらゆる人々にとって教訓は明らかだ。一番困難なのは、帝国勢力が食らわせる最初の“一撃”をうけた後も、耐えつづけることだ。もし最初の一撃を生き延びられれば(ドンバスとシリアがしたように)、時間が味方をしてくれて、帝国の立場は、その内部矛盾ゆえに、ゆっくり、しかし着実に弱体化し始める。このプロセスが始まったときには、やり過ぎという罠にはまってはならず、自らの足場を固めながら、崩壊のプロセスで、帝国があきらめた、それぞれの場(政治的なり、他のものなり)を、徐々に占拠してゆくことだ。

勝ち誇るには、まだ余りに時期尚早だ。ダーイシュは、いまだ存在しており、キエフのウクライ・ナチスも存在しており、帝国もまだ決して彼らをあきらめたわけではない。良いニュースは、形勢は今や明らかに変わり、依然、長い戦いは続くだろうか、タクフィール主義者とナチスの最終的な敗北は、不可避のように見えることだ。

記事原文のurl:http://www.unz.com/tsaker/so-what-are-the-russians-really-doing-in-syria/
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この国の外務大臣、税金を使って、何をしにいったのだろう。

NEWS23の、二人並んだ場面で、日本外務大臣の発言に、即座に反論コメントをする、ラブロフ外務大臣の様子を見るかぎり、わざわざ喧嘩を売りにいった結果となったようだ。

そうなると計算してでかけたのだろう。いつものロシアの悪魔化、「ロシアはあくどい連中だ」というのを見せつけるため。

ウクライナのファシスト政権に金融支援をして
辺野古で大基地建設を推進して
そして、戦争法案の強行採決モドキをしておいて、

ロシアから、好意的な対応が期待できるはずがないのは誰にでもわかるだろう。まさか「姑息な傀儡属国が何を言うか?」と真実までは言わないだろうが。

ロシアが、日本外務省の北方領土返還主張に、対応するわけがないではないかと、例えば、下記の本を読んで、素人は思う。このテーマ、戦争法案を、国民のためなどと真っ赤なウソを平然という傀儡政権の主張と、大本営広報部洗脳報道だけから、ロシアがとんでもないと判断されないよう。お読みになった後でも、そう思われるなら、それまで。

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 (ちくま新書 905) 孫崎享著
北方領土問題―4でも0でも、2でもなく (中公新書) 岩下明浩著
北方領土・竹島・尖閣、これが解決策 (朝日新書)岩下明浩著

大本営広報部の深夜の番組のツィッターを書いておられる方々、上記の本をお読みだろうか。傀儡政権の主張と、大本営広報部洗脳報道と同じ意見ばかり書かれる不思議。時事公論、声を張り上げる様子、北朝鮮の女性アナウンサーを連想させられて、うんざり。

2015年7月26日 (日)

ウクライナ: もしポロシェンコが攻撃すれば、彼の余命はわずかとなる

The Saker

  • 東ウクライナ反政府派は、軍事的にこれまでになく強力になりながら、和平への関心を示すべく格別の努力を払っている
  • これが行われているのは、民族主義者やアメリカが要求する不可避なウクライナ攻撃が実行された場合に、反政府派を非難することをできなくさせる為だ
  • 今後、反政府派は、ウクライナの攻撃を無力化し、反撃にでる可能性が高い
  • その時点で、ポロシェンコが権力を維持できる可能性は少ない
  • 疑問は、彼が平和志向の党派、または、より一層戦争志向の党派、どちらに置き換えられるかだ?

2015年7月20日

"Russian Insider"

ドネツクとルガンスク人民共和国のノボロシア幹部(ザハルチェンコ、デイネゴと、プシリン)は共同記者会見を催し、口径100mmまでの兵器全てを、前線から 少なくとも 3km撤退させる一方的な決定をしたことを公式に発表した(これより大口径の武器は、ミンスク-2合意(M2A)に従って、既に撤退されていることになっている。ノボロシアは遵守したが、キエフのクーデター政権は遵守していない。)

既にそれ以前に、ノボロシアは、全部隊をシロキノの町から1km以上撤退させて、同様な一方的行動をとったことがある。予想通り、政府側はそれには習わず、立場を固守している(が、少なくとも私が知る限り、あえて、シロキに入ることもしていない)。
今回は、ウクライナ側、ノボロシアの新たな“好意の意思表示”に、再度、ドネツク市への未曾有の迫撃砲集中砲火で答え、一晩中砲撃した。

すると、ここで一体何が起きているのだろう? ノボロシアは突然発狂したのだろうか?

とんでもない。

実際、ポロシェンコと彼の欧米支援者に対して、実に巧妙な罠をしかけたのだ。それは、このようにして機能する。

政治レベルでは

政治レベルで、ノボロシアは、聞く耳をもった誰にでも、自分達がM2Aの全ての条項を実際に遵守していることを証明すべく、全力を尽くしている。

もちろん、問題は、欧米では誰も進んで耳を傾けようとはしないことだ。対応として、ノボロシアは、欧米指導者連中が、現地での単純な事実を無視することが益々困難にするような複数の取り組みを推進している。クーデター政権は、M2Aの遵守を初めてすらいないが、ノボロシアは遵守している。

ザハルチェンコ、デイネゴと、プシリンが声明を発表すると間もなく、ラブロフは、シュタインマイヤーに、ノボロシアができる限りのことをしていることを強調し、ポロシェンコがこれに続くよう圧力をかけるべきだと呼びかけた。

今や、もちろん、ラブロフは、シュタインマイヤーは、アメリカの傀儡で、アメリカ政府に指図されていることを知っており、より重要なのは、ラブロフは、ポロシェンコが、M2Aを実施できないことも知っているが、M2Aが署名されているので、ロシアは今、あたかも、ウクライナも、条件に従うであろうふりをして、自分達も、BRICS/SCO同盟諸国も、“ミンスク2合意が、この紛争を解決する唯一の方法だ“とお経のようにしっかり繰り返すようにしている。現実には、もちろん、M2Aは、ウクライナにおける政権交代を実現する為の最善の方法だ。なぜだろう?

ポロシェンコは、M2Aの要件を全く実施していないにもかかわらず、オリガルヒやノボロシアと断固として戦わないことで彼は既に右派セクターや、様々な民族主義政党からあからさまに攻撃されているからだ。

西ウクライナの状況は極めて深刻で、ドミトリー・ヤロシは、キエフの政権を“裏切り者”とあからさまに表現し、無数のウクライナ・ナチ暗殺集団に、反乱し、ポロシェンコの命令に服従しないよう呼びかけている。

ポロシェンコは、ノボロシアに次の大規模攻撃を仕掛けて、愛国心を証明したいところだが、問題はそれが既に過去二回とも失敗しており、ノボロシアは以前より一層強くなっていることだ。

軍事的側面

実際にこの仮説を検証するには、本格的な戦闘再開しかないが、ノボロシアが、分散型の民兵部隊から、統合された常備軍へと、見事に変身をとげた有力な証拠がある。

これはつまり、彼等は、戦術的勝利から、キエフ政権に大きなリスクをもたらす作戦レベルでの反撃さえ可能になっているということだ。

彼等には、十分な数の武装兵士がおり、彼等はあからさまに、兵器は“十分”だと認めている。指揮統制もそうであるよう願いたい(これまでは、とんでもなかった)。

ノボロシア指導部は全員、いかなるウクライナ政府攻撃を押し返すのみならず、反撃して、大損害を与えられる自分達の能力に、強い確信を明確に持っている事実は実に重要だ。ザハルチェンコは、あからさまに、何度もそういう発言をしている。ノボロシア側には、常に時間が味方をしてくれていたが、今や効果をもたらしつつあるのだ。

ノボロシア諜報機関が、現在、境界線沿いに、装甲車両や、大口径火器で援護された70,000人のクーデター政権兵士がいると見積もりながらも、ノボロシア側が一方的撤退で先手をとっている事実が、ノボロシアの確信を実証している。

しかも、ノボロシア側には、クーデター政権兵士の攻撃軸となりそうな部分にそって、地形を準備し、もし彼等が攻撃した場合、入念に仕組んだ集中砲撃地域に、巧妙に追いやって、壊滅するように仕組む時間がたっぷりがある。

ノボロシアは、移動能力と、砲撃調整を劇的に向上させており、あらゆる攻撃勢力との交戦が彼等にとって、よりやり易くなっているだろうと思う。

だから、現実はこうだ。ノボロシアは実際は、一方的な行動で、さほどリスクをおかしているわけではない。実際、彼等は、うまい政治PRと、正しい軍事戦術を極めて巧妙に組み合わせているのだ。

ポロシェンコのジレンマ

ポロシェンコは悲惨な状況にある。ウクライナ経済は基本的に死んでいる。救出するためのものは何ものこされておらず、流れを変えたり、壊滅的経済危機を克服したりするどころではない。

右派セクターは非常に激怒している。西ウクライナの人々は既に、特別自治待遇を要求することを真面目に考えている。サアカシュヴィリが知事で、エゴル・ガイダルの娘が副知事をつとめるオデッサについては、とりわけ、アメリカが公式に連中の給料を払っている以上は、必然的に爆発するだろう。

ポロシェンコが国会に出る際には、“強そうに”見える必要があり、つまり、M2Aに従って、実行を誓約したことの真逆をいわねばならない。しかしホワイト・ハウスすらもが、M2Aを唯一の解決策と呼んでいるので、ポロシェンコは、昼は仲裁役のふりをして、夜はヌーランドの狂った命令を実施しなければならないという狂った状況におかれている。

今頃は、ポロシェンコも、恐らく、自分が、アメリカによって、手先とカモとして利用されていることに気がついているだろう。彼が、ノボロシア攻撃命令を強いられ、この攻撃が必然的に失敗すれば、彼はその全ての責任を負わされる。

そのような攻撃が確実に、再度の敗北となることがわかっていながら、アメリカは一体なぜ、ポロシェンコに攻撃を命じるのだろう? 二つ理由がある。(仮説だが)ロシアが介入してくれるだろうと願っており、それこそがポロシェンコを追い出す為の完璧な方法だ。

当然ながら、ポロシェンコは権力を失いたい等、まして死にたいなどとは思っておらず、劇的な手段をとることを避ける為s“愛国心”や軍事的“武勇”を証明するだけの為に、ドネツクやドンバスの諸都市への砲撃を継続して、彼は最善を尽くしている。

この“解決”の問題点は、この種の砲撃は、ノボロシアの軍隊を弱体化するため*何の役にもたたず*、ノボロシアの人々を一層激怒させる効果しかないことだ。

攻撃されたら

おそらく不可避の攻撃が起きた場合は、一体どうなるのだろう? ノボロシアは、素早く効果的に反撃し、恐らく、マリウポリと/あるいはスラビャンスクを即座に反撃すると思う。

その時点で、クーデター政権はまたもやびびり、欧米の庇護者達に、ノボロシアを止めてくれと乞うだろう(ミンスク1と2の合意前にまさにそういうことが起きた)。

オバマとケリーは、またしても、全てをロシアのせいにする図太い神経を持っているだろうが、ヨーロッパでは、“彼らの”手玉が明らかに、M2Aに違反した側で、攻撃を開始した側というだけでなく、ノボロシア反撃の深さ(連中の最大の恐怖は、クリミア半島沿岸回廊だ)に怯える為、支配者は完全にバニックとなる。

2008年、ロシアがトビリシに進攻しないよう乞う為のサルコジのモスクワ訪問を覚えておられるだろうか? もし再度、何か似たような事が起きても私は驚かない(メルケルかオランドがサルコジ役をつとめる)。

そして、再度、プーチンは、ノボロシアに停止するよう命じるだろうが、彼等が占拠した地域は、デバルツェボ同様、そのまま彼らのもとに残る。いやいやながらも、全員がそれを受け入れるしかないだろう。その時点で、キエフ政権は完全に崩壊すると思う。そこで、彼等に置き換わるのは誰だろう?

政権交代は確実! しかし何の為に?

私には、二つの選択肢しか考えられない。第一のオプションは、“ウクライナを救い”“平和を回復する”為の軍事クーデターだ。

これは、ウクライナ・ナチ実験丸ごとの事実上の終焉で、プーチン計画の基本的な受け入れを意味する。憲法によって保障された自決の権利を持った、分権化された、統一中立ウクライナだ。

もう一つの選択肢は、右派セクターや様々な暗殺部隊風の、あからさまなバンデラ信奉者のナチス政権だ。本物のナチスが権力の座につけば、もちろん、ウクライナの残りかすの分裂過程が再開されるだけのことだが、ロシアの観点からは、これも一時的に受け入れ可能な結果だ。

ロシアは、国境に、恒久的に、ロシア嫌いの統一“バンデラスタン”があるのは受け入れがたいが、ウクライナが、様々なウクライナ・ナチ悪漢どもによる、いくつかの“支配圏”に分裂する場合、ロシアにとって、何ら脅威ではない。

ロシアに(そして、もちろんノボロシア)とって、最悪の政権は現在のものだろうと私は思う。権力の座にある、全く不道徳で、腰抜けのオリガルヒに支配され、あらゆる主要な地位を、ビクトリア・ヌーランドの子分連中が占め、公式に国家承認され、EU/IMF/WB/等々に支援される統一されたウクライナだ。この構造は、明らかに、ロシアに対する脅威として最大の可能性があり、そして、既に実際、ノボロシアの人々を毎日殺害している。だが、もしウクライナが、リビアやイラク“民主主義モデル”に続くようなことになれば、ロシアにとって以上に、EUにとってずっと大きな問題になろう。

プーチンとザハルチェンコにはいくらでも時間がある

“ウクライナ版ナチス・ウクライナ”は今や十分に、自己破壊的な勢いをため込んだので、プーチンとザハルチェンコは、のんびり待っていさえすれば良い。

彼等は当面、きわめてありうる、捨て身のノボロシアに対するクーデター政権による自爆攻撃に備える以外は、何もする必要がない。

そういうことになれば、ノボロシアには、できるだけ迅速かつ、深く反撃し、再度停止し、“だが、バラバラになった場合には、何ともできない”と思いつつも“ウクライナの領土的一体性を支持する”という呪文を再開する用意ができている。

オバマとケリーは、もちろん、その全てを、ロシアのせいにするだろうが、誰かが、全く *何も*しないことに対して、一体誰が非難できるだろう?

ノボロシアの人々は不幸ににしてそうではない

これまでのところ、一番大変な状況にあるのは、砲弾が住宅、学校や病院に落下している際に、時間は“彼等に”味方するという素晴らしい理論など、何の慰めにもならないノボロシアの人々だ。彼等にとって、この恐怖の一刻一刻が緊急事態で、今すぐ止める必要がある。ナチスが占領したウクライナでも、事態は酷いことになり始めている。有名なウクライナ人ブロガーの(ロシアに亡命している)このビデオをご覧願いたい。(コロモイスキーとヤロシの)“ウクロプ”党が食料を配給して、支持を得ようとしている様子を報じている。

(‘cc’を押すと、英語字幕が出る。)

恐ろしい?

しかも、これは今後益々ひどく、一層ひどくなる。政治的、経済的、社会的に、亡骸はまだ温かいとは言え、ウクライナはもはや死んでいるのだ。

政権が交代し、必然的に非ナチ化が行われた後、長期的で、大規模な国際的安定化・再建計画を組み合わせることで、最終的に、ゆっくりと、ウクライナは、ささやかながらも正常状態にもどれるようになろうが、それも、もしロシアが、この為の取り組みで主要な役割を果たせばのこと。

そのような結果を帝国は到底受け入れることは出来ないので、ウクライナは、コソボ、リビアやソマリアの様な“ブラック・ホール”、悪党やマフィア親分が支配する赤貧の破綻国家でありつづけるだろう。この理由から、この国をいくつかの小さな組織に分離することが、おそらく全員、特にウクライナ人自身にとって、一番酷さが少ないものだろう。

一度の大爆発か、数度の小爆発か?

100gのTNT火薬が一斉に爆発させられる部屋A、あるいは、5つの20gのTNT火薬が全く爆発しない可能性も多少はあるが、続けて爆発させられる部屋Bどちらを選ぶかと言われたらどうするだろう? どちらを選ぶかは明らかだろう。ウクライナも同じことだ。

もしウクライナが、いくつかの部分に分裂することが認められれば(例えば、ドンバス、中央部、南部と西部)大陸全体での危険はずっと少なくなり、その方が、現地の人々にとってもずっと良いだろう。

その理由の一つは、ある地域は、他の地域よりずっと生存能力があることだ。各地域はまた実に様々なのだ。しかも現在のウクライナ国境は、レーニンとスターリンが作り出したもので、いずれにせよ何ら歴史的根拠はなく、この人為的な組織を生かしておこうとする死に物狂いの試みよりも、分割する方が、ずっと安全で、ずっと自然な過程だ。

イデオロギー的な意味では、ウクライナは、素晴らしいアイデアだ。他のヨーロッパ諸国を、ロシア軍団から‘守る’対ロシアの敵意に満ちた巨大な国家。素晴らしい! しかし、そのような計画の現実性を考えた瞬間、それが激しいロシア嫌いの欧米の宗教や政治支配層の病んだ心に宿った常軌を逸した考え方であることは、即座に明らかになる。

唯一の疑問はこうだ。欧米の金権政治家連中は、自分達が作り出した怪物に屈伏することに同意するのだろうか?その答えに、ロシアの将来は依存しないが、ヨーロッパの将来は、おそらく、依存するだろう。

記事原文のurl:http://russia-insider.com/en/politics/zakharchenko-deinego-and-pushilin-have-set-trap-poroshenko/ri8834

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サケ漁業の制限、ロシアの経済情勢と関係がありそうな記事を読んだ。経済制裁に対応すべく、自前の食料を確保する必要に迫られているような趣旨だった。貧しいサケ好きとしては残念なことだ。

新聞が、TPPで、著作権侵害の非親告罪化について触れるようになった。触れるのは、いつも遅過ぎるタイミングになってから。アリバイ工作だろうか?

非親告罪化されれば、このような翻訳記事もやり玉にあがりそう。そうなったら、即座に脅しに屈し、全部消去して沈黙するのであしからず。

『天皇の名のもとに~南京大虐殺の真実』という映画をはじめて見た。
『誰も知らない基地のこと』を二度目に見た。

『天皇の名のもとに~南京大虐殺の真実』で、日本人戦犯の絞首刑シーンが映った。首に輪をかけるところまで。画面が切り替わった瞬間、命を救われた、あの人の祖父が映った、ように思えた。なにせ瞬時だったので、曖昧。

いずれも戦争法案と直接つながる、基地と戦争現場の話。夜の民放ではフィリピンの戦争被害者女性の報道を見た。こういう番組、どこかのヨイショ番組と違い、お金を払いたいくらい。

『誰も知らない基地のこと』、イタリアのビチェンザ基地建設を動機に作られた映画。高江と辺野古も詳しく取り上げられている。

『誰も知らない基地のこと』は、

翻訳記事 ケン・ローチの『ルート・アイリッシュ』: イラク戦争帰還す 2012年4月 7日

で触れた。

翻訳記事 アメリカ帝国の活動拠点に変えられたイタリア 2014年4月 3日
でも簡単に触れた。

今回は、先日のギリシャ国民投票が頭にあったので、「住民投票」が記憶に残った。ビチェンザ基地建設について、賛否の住民投票を、反基地派の市長が実施しようとしたが、最高裁から、住民投票の実施を禁じられる。やむなく、手製の住民投票を実施した。住民の反対95%でも、国は建設する。どこかとそっくりな光景。

〈いのち〉を食う 3・11後の映画と現実』という映画評論の本に、なぜ米軍基地はふえつづけるのか という章があり、そこで『誰も知らない基地のこと』『ルート・アイリッシュ』『標的の村』が論じられている。しかも冒頭で熊井啓監督の『日本列島』に触れられている。

原発の章にある、「デモ隊は鉄柵で歩道に封じ込められ、身動きもできない状態だった」という記述で戦争法案反対抗議行動を思い出した。

『誰も知らない基地のこと』は下記でも詳しく書かれている。

[「常備軍」(Standing Army) ~日本とイタリアの意外な共通点~

アメリカは、かつては戦争をするために、兵站上、基地を建設していたが、現在は、基地を設置するために戦争をしている。

戦争法案は、そこに参加するための仕組み。

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