Pepe Escobar

2016年11月28日 (月)

全員参加のTPP後の世界

Pepe ESCOBAR
2016年11月24日
Strategic Cultural Foundation

ペルーのリマでのアジア太平洋経済協力会議 (APEC) サミットついでの“約四分間”立ち話前後の、アメリカのバラク・オバマ大統領と、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の気持ちのこもらない握手が、オバマ時代のもの悲しい衰退をもののみごとに捕らえている。

オバマと“実存的脅威”たるロシアと中国との険悪な関係の目まぐるしい記憶には、アメリカ政府が支援したキエフのマイダンから、シリアにおける、オバマの“アサドは辞任すべきだ”に至るあらゆることが含まれるが、石油価格戦争、経済制裁、ルーブル攻撃、プーチンとロシアのあらゆる物事の極端な悪魔化、南シナ海での挑発など、全てが盛りを終える状況になっているのは特記に値する。大いにもてはやされた環太平洋連携協定(TPP)の死が、ドナルド・トランプ当選直後、APECで再確認された。

中国の習近平国家主席が、既にプーチンと共有した、地政学的満足感に浴する中、皮肉にも、南米の太平洋海岸を背景に、最後の国際記者会見で、到底目ざましいとは言い難い実績を弁護するオバマの姿を見るのは、余りにつらいことだった。トランプは、リマで姿は見えずとも、至る所に遍在していた。

“貿易のNATO”アジア基軸の武器(2011年10月、ヒラリー・クリントンが初めて発表した)のペルー太平洋海水への水葬儀式は、かくして、習首席にとって、中国にしっかり支持されている東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の利点を売り込む完璧な舞台となった。

RCEPは、世界最大の自由貿易協定となることを狙った野心的な構想だ。世界の人口の46%、GDP合計は、17兆ドルで、世界貿易の40%を占める。RCEPには、ASEAN諸国10カ国、プラス、中国、日本、韓国、インド、オーストラリアとニュージーランドが入っている。

RCEP構想は、四年前、カンボジアでのASEANサミットで生れ - これまで、9回の交渉を経ている。奇妙にも、ASEANがパートナー諸国と締結した手に余る数の二国間協定を結合する仕組みの当初の構想は日本発だった。しかし、今や中国が先頭だ。

アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の支柱でもあるRCEPは、北京でのAPEC会合で、最大の貿易相手国が中国である諸国が、TPPという考え方を受け入れるのを、なんとか引き止めることを狙って、他ならぬ中国が持ち出した概念だ。

RCEP、そして、FTAAPも、(アメリカの多国籍企業によってでっちあげられた)超包括的貿易ルールの新たなセットではなく、既存の協定を、ASEAN諸国や北東アジア、南アジアや、オセアニアの主要な国々に拡張するものだ。

太平洋の風がどちらに向かって吹いているかを知るのにベテラン気象予報官は不要だ。ペルーとチリは、今やRCEP参加に動いている。そして、TPPが息を引き取るまで交渉をしていた日本も、RCEPにむけて舵をきった。

サルタン行動す

一方、プーチンと習が再会し、プーチンは、新シルク・ロード、別名、一帯一路 (OBOR)へのロシアの関与を深めるべく、来春中国訪問の意図を明らかにした。究極的な目標は、中国が率いるOBORをロシアが率いるユーラシア経済連合(EEU)の発展と併合することだ。

これが、11月始め、ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相と中国の李克強首相がサンクトペテルブルクで調印した経済、投資と原子力産業における25の政府間協定と、ロシア-中国ジョイント・ベンチャー・ファンド設置の背景にある精神だ。

並行して、ほぼ突然わずか一撃で、トルコのタイイップ・エルドアン大統領が、パキスタンとウズベキスタン訪問の帰路、過去数カ月既に明らかになっていたことを確認した。“トルコが、上海ファイブに加わっても良いのではないか? 私はプーチン大統領、(カザフスタン大統領)ナザルバエフ、現在上海ファイブに入っている人々にこの話をした… もしトルコが上海ファイブに参加すれば、機構はより円滑に機能できるようになろう”。

この突発的発言は、もちろん、2001年に、上海ファイブ - 中国、ロシアと中央アジア三国、カザフスタン、キルギスタンとタジキスタン (ウズベキスタンが後に参加)として - サラフィー主義聖戦と、アフガニスタンからの麻薬密輸と戦う安全保障同盟として発足した上海協力機構(SCO)に関するものだ。

年月とともに、SCOはより大きく発展し、アジア統合/協調機構となった。インド、パキスタン、イラン、アフガニスタンとモンゴルはオブザーバーで、インドとパキスタンが、2017年までには、まず間違いなく正式加盟国として認められるはずで、それにイランが続こう。トルコ(2013年以来)と、ベラルーシは、SCO“対話パートナーだ”。

狡猾なエルドアンは、トルコが“あらゆる犠牲を払って”EUに加盟する必要はないことの強調と絡めて、SCOにふれたのだ。エルドアンが、7月クーデターを生き延びて以来、極めて明らかな妥協ない取り締まりを開始し、ブリュッセルは恐怖をもってそれに対応し、(これまで)11年間のトルコ加盟交渉は完全に行き詰まった。そして、ドイツに次ぐEU第二の大国フランスは、来年誰が大統領に選ばれようとも、今後必然的に阻止するだろう。

SCOが、OBORや、EEU、中国シルク・ロード基金、アジア・インフラ投資銀行(AIIB)や、加盟諸国のプロジェクトへの資金供与を開始するBRICS新開発銀行(NDB)とさえ益々連動し、他の南の発展途上国にも拡張する中、トルコがSCOに加盟すれば、長期的には、イラン、インドとパキスタンと共に、ユーラシア統合のもう一つの主要結節点となろう。モスクワと北京は、アンカラを大歓迎するだろう。

トランプの中国/アジア外交政策の輪郭がどのようなものであるにせよ、ユーラシア統合は衰えることなく進むだろう。中国は同時に 小売り消費、医療、旅行やスポーツを推進すべく、金融、財政や税政策を含む微調整を含む国内、対外政策旋回も推進しており、 全ユーラシアで推進するOBORと並行して、あらゆるものが経済超大国を強化することになる。

アジア版貿易NATO、TPPは、今や長くくねった道に残された、はぎ取られた頭皮状態だ。南シナ海では、オバマ政権中、醸成させてきた対立を、対話が徐々に追い出しつつある。

APECで、習主席はフィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテとも会談し、中国とフィリピンで海事協力しようと呼びかけた。実利的な結果として、フィリピン漁師は、2012年以来、中国支配下にあるフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内の豊穣な漁場の利用が継続できることになる。北京は、水産養殖などの代替産業で、フィリピンの漁師を支援することも約束した。

これを南シナ海横断連携と呼ぼう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/11/24/all-aboard-post-tpp-world.html

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対米、対露で、全く破綻しながら、国民生活を直撃する年金カット悪法強行裁決。

それで支持率60.7%。超愚民だらけのカエルの楽園か売女世論調査機関の仕業か両方か?

2016年5月 5日 (木)

「混乱の帝国」が反撃

Pepe ESCOBAR
2016年4月26日
Strategic Culture Foundation

ブラジル議会で、ジルマ・ルセフ大統領に対する弾劾動議が、ハイブリッド戦争ハイエナと私が呼ぶ連中によって採択されて間もなく、クーデター唱導者の一人、次期大統領ミシェル“ブルータス”テメルが、進行中のクーデターのニュースを伝える特別新聞配達少年として、上院議員をワシントンに派遣した。やり玉にあげられている上院議員は、上院外交委員会の公式メンバーではない。

ブルータス・ツーで、腐敗で悪名高い下院議長エドゥアルド・クーニャと組んで、彼がやらかしいていることを、額面通り、クーデターと、益々解釈するようになっている世界中のマスコミの反応に、ブルータス・テメルは危機感を募らせたのだ。

上院議員の任務は、ブルータス・ワンによれば、“ブラジル各機関の士気をくじいている”クーデター反対の言辞に対抗するPR攻勢を開始することだとされている。

たわごとをいうな。新聞配達少年上院議員は、アメリカ国務省に、万事計画通りに進んでいますと言うために派遣されたのだ。

ワシントンで、新聞配達少年上院議員はもごもごと言った。“我々は、ブラジルがバナナ共和国ではないことを説明する。”そう、これまでは、そうではなかったが、ハイブリッド戦争ハイエナのおかげで、今やバナナ共和国だ。

スイスに11の違法銀行口座を持ち、パナマ文書に掲載され、既に最高裁によって、捜査中の人物が一国の政治的運命を握っていれば、既にして、バナナ共和国だ。

独善的な州裁判官に、そこそこのアパートと、彼が所有もしていない牧場を理由に、元大統領ルーラを投獄すると脅させながら、同時に大いに尊大な最高裁裁判官と並んで、ブルータス・ツーには、指一本も触れられないような国は、バナナ共和国だ。

アメリカ政府の無反応と、ロシア政府の反応とを比較してみよう。ロシア外務省の快活なマリア・ザハロワが、BRICS提携の重要さと、G20における、ブラジル-ロシア共通の立場を強調した。ロシア政府は、ブラジルの問題は“憲法的な法的枠組みで、いかなる外部からの干渉無しに”解決されるべきであると明言した。

“外部からの干渉”が一体何を意味しているのかは、誰もが知っている。

全領域優位攻撃、再装填

“少なくとも国内市場開発に投資している現地エリートの一部も団結して、労働者階級とも協力した中南米新開発主義プロジェクト”の破壊に夢中になっているアメリカが支援し/推進しているハイブリッド戦争という観点から、私は進行中のブラジル・クーデターに注目してきた。ここで、ハイブリッド戦争の主目的はネオリベラル支配の復活だ。

明らかな主標的は、BRICSメンバーで、世界で7番目に大きな経済のブラジルでなければならなかった。

2002年の昔、ペンタゴンが全領域優位と規定したハイブリッド戦争の手段と狙いという点で、帝国は直接要点を攻撃する。“アメリカの権力は、匹敵するものがない軍事力に由来する。例えば貿易上の環太平洋連携協定TPPなど、アメリカ市場の勢力範囲を拡大するものは何であれ、アメリカ権力の備蓄を押し上げる。しかし、より深い意味では、アメリカ経済優位の産物だ”。

そう、アメリカ経済は、支配的というには程遠い。今、問題となるのは“アメリカから事業を移転させようとするものと、経済制裁のバイキング料理による影響を受けにくい、対抗する金融制度を、他の国々が構築するのを許してしまうことだ”。

“対抗する金融制度”を、BRICSは作り出してしまった。“経済制裁のバイキング料理”も、イランを降参させるのに十分ではなかった。テヘランは“レジスタンス経済”を推進し続けるだろう。核武装した北朝鮮や、優先度の一番低い“テロ”と並んで、BRICSの二国 - ロシアと中国 - そして、イランが、ペンタゴンにとって、五大実存的脅威として扱われているのは決して偶然ではない。

冷戦2.0というのは、本質的に、ロシアと中国が相手だが、ブラジルも、主要な相手だ。エドワード・スノーデンは、NSAのスパイ活動が、その専有技術が、21世紀初頭の最大の石油発見を可能にした、ペトロブラスに重点をおいていたことを暴露した。プレソルト石油埋蔵だ。アメリカの巨大石油企業は、その採掘から排除されている。これは到底受け入れ難い。それには、全領域優位に組み込まれたハイブリッド戦争技術の配備が必要だ。

ブラジルの買弁エリートは、上機嫌で、ゲームをしているのだ。既に二年以上昔、JPモルガンの専門家が、ネオリベラルのマクロ経済実行者連中に、ルセフ政権をいかにして不安定化させるかを説くセミナーを行っていた。

産業、商業、金融や、アグリビジネス・ロビーは、表面上、ルーラ-ディルマ社会民主主義実験の終焉となる弾劾を支持している。だから次期大統領ブルータス・テメルが、巨大資本と、公債の(国際基準を遥かに超える)利子制限廃止を含む、包括的合意をしたのは何の不思議もない。 債務とGDPの関係は確実に深まる。より高価な借金だ。結果としておきるのは、医療や教育の削減だ。

無類の経済的富に恵まれた(アマゾンの熱帯多雨林と、あの水と、グアラニー帯水層をお考え願いたい) しかも、主要BRICSメンバーで、戦略的提携もしているロシア-中国と密接につながっている南大西洋の自立した地域大国を許すなど、アメリカ政府としては、これは超党派で、絶対に問題外なのだ。

プレソルトという要素は、熱帯ケーキの目玉なのだ。ペトロブラスに、採掘を独占させるなど、アメリカの巨大石油企業にとって問題外だ。しかも、万が一に備えて、必要とあらば、アメリカ第4艦隊が、南大西洋で、既に待機している。

BRICSの一つは潰した、次は二国だ

チェイニー政権が宣言した“世界戦争”は、余りにも長期間、「混乱の帝国」をそらせてきた。今やとうとう組織的な世界規模の混乱攻勢が始まったのだ。東南アジアから、南アジアまでに到るハイブリッド戦争の夢は、アサド王朝が、長年アメリカの“秘密”同盟国だったにもかかわらず、背後で糸をひく混乱の帝国が、シリアで懸命に試みる中、サウジアラビア、イラン、パキスタンやエジプトの政権を置き換えるための、ある種のイラク風混乱だ。

新聞配達少年の上にまします宇宙の主、オバマは、イランを巡って、サウド家を裏切ることに決めた。必ずしも、悪いことではない。支配的な希望的観測は、ヨーロッパ向けに、イラン天然ガスを、ロシア天然ガスに置き換え、ロシア経済を崩壊させることだった。これは大失敗した。

だがまだ別の選択肢がある。サウジアラビア とシリア経由のカタール天然ガス・パイプラインで、ヨーロッパ向けのロシア天然ガスも置き換えるのだ。それが、たとえ何があろうとも、シリアにおけるCIAの主な狙いなのだ。まやかしのカリフ制、ダーイシュなど、単なるプロパガンダに過ぎない。

CIAは、サウジアラビアに、石油価格戦争で、ロシア経済を破壊させるのにも熱心で -連中はこれを止めたくはないのだ。そこで、サウジアラビアを、あの有名な9/11に関する28ページで支配して、石油価格戦争を継続させている。

1980年代に、アフガニスタンでしたように、最近ではキエフ・クーデターでもしたように、連中の手先であるトルコ軍に、ロシアSu-24撃墜まで命じて、ロシアを、シリアのわなに引きずりこもうと、CIAは死に物狂いだ。“問題”は、クレムリンが毒リンゴに食いついてこないことだ。

1980年代の昔、 サウド家が、GCCオイルダラー仲間とともに連中の蓄えを解き放ち、1985年、石油価格を、一バレル7ドルに押し下げ 、アフガニスタン戦争とベトナム戦争も利用して、ソ連を破綻に追いやった。おそらく、あらゆる作戦が構想も実行も、素晴らしいものだった。経済・プラス・ベトナム式のハイブリッド戦争だ。“背後で操る”、オバマ外交政策の恩師、ズピグニュー“グランド・チェスボード”ブレジンスキー博士は、現在、よく似た計略をやり通そうとしている。

ところが、しまった。問題がおきたのだ。既におかしくなった中国発展モデルで頭が一杯の中国指導部が、世界中を分割して、支配し(そして征服する)混乱の帝国の取り組みをはっきり見てとったのだ。もしロシアがやられれば、次は中国だ。

アメリカ諜報機関が、中国を主要な軍事的脅威と見なし、“アジア基軸”によって、対中国で動き始めたところだったのは事実上、つい先頃、2010年頃だ。ところが突如、CIAは、ロシアが一兆ドルを費やして、第三次世界大戦に最適な兵器の、潜水艦は言うまでもなく、防御と攻撃ミサイルで二世代先んじていることに気がついた。

そこで、ロシアが、主な脅威にたてまつられることとなった。チェス盤を入念に調べた北京指導部が、代替の権力として、ロシアとBRICSとの同盟を加速させ、アメリカ政府内に、全く壊滅的な規模の地震をひき起こした。

現在、北京は、BRICSに、彼ら自身のIMF、SWIFT決済システムと、世界銀行を導入し、強力な代替権力構造として機能するよう、手際良く仕組んでいる。

軽んじられた「混乱の帝国」の怒りにはご用心だ。それが今、BRICSに対して起きている。ブラジルは包囲されており、南アフリカは衰退し、インドは弱く、中国とロシアは次第に包囲されている。ハイブリッド戦争の変種、ウクライナからブラジルに到るまで、中央アジアでの圧力強化、“シラク”火薬樽など全てが、BRICSや、ロシア-中国の戦略的提携、そして究極的には、ユーラシアを結ぶ新シルク・ロードを崩壊させるための組織的な全領域優位攻勢を暗示している。石油価格戦争、ルーブル崩壊、EUの難民洪水(“常軌を逸した”エルドアン皇帝がひき起こした)、到るところでの21世紀のグラディア作戦再演では、想像上の敵で、大衆の目をそらしてはいるが、まやかしのダーイシュ変種によるテロは、高度な破壊活動戦術として、画策されているのだ。

構想も実行も素晴らしく、あざやかでさえあり、見かけも映画のように実に立派だ。だが確実に、ブローバックがおきるだろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/04/26/the-empire-of-chaos-strikes-back.html

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北朝鮮の大会だかを前に、北朝鮮の映像だらけ。「自分の頭の蠅を追え」としか思わない。TPP で永久植民地化されようとしているのに、北朝鮮を馬鹿にしていてすむわけがないだろう。

ヨーロッパでは、TPPそっくり条約TTIP関連文書が漏洩して、大変な騒ぎになっているのに、全く報じない。マスコミ、傀儡政権と同様、犯罪集団そのもの。

民進・細野氏強調「共産党と政権を共にすること、あり得ない」 米での講演 選挙協力も否定?

連休に、わざわざ、ジャパン・ハンドラー様の施設で、あてがわれたセリフをいう人物。自国民ではなく、宗主国のジャパン・ハンドラー様のために生きているのは明白。こういう連中を選ぶ心理がわからない。幼なじみの数人、何があっても平気で自民党に投票する。ゾンビー。

政府は必ず嘘をつく 増補版』堤未果
74000人の失業者を出すTPPの罠!
後からじわじわ危険が迫るマイナンバー!
未公開情報を「袋とじ」で書き下ろし!

サラリーマン時代は、週刊誌グラビア「袋とじ」ワクワクしたものだが、今回は恐ろしくて、購入したまま、ずっと開けられなかった。増補版でないものも、大半拝読しているのだが。

「袋とじ」部分ではない151ページの見出し

客観性を奪うテレビ、個人情報が売られるネット

「袋とじ」部分ではない207ページに、個別の運動だけでは、とうてい支配層のしかける攻撃に対処できないことが、活動家とのやりとりで、えがえれている。

「たくさんある運動それぞれが、孤独な闘いに終わってしまうということですね」
「そうです。個々の運動がもたらす結果が、逆にガス抜きになって、問題の本質を見えなくしてしまう。グローバル化された世界では、ひとつひとつの問題が、お互いに影響しあい、関係しあっているからです。」

大本営広報部を見聞きする元気がある方には、是非、大本営広報部を見聞きせず、こちらをお読み頂くようお勧めしたい。早い続編も期待している。

アメリカ経験が長い知人、「彼女の主張は間違っている」と主張する。それで、知人と交流を断絶した。「アメリカ絶賛。ロシア非難」の余りに下劣な論理にうんざりして。人生は短い。

2016年4月19日 (火)

サウド家の内部崩壊

Pepe ESCOBAR
2016年4月14日

パナマ文書心理作戦は、病んでいるサウジアラビアのサルマン王が、悪名高いオフショア不正利得者に“関係している”から“仲間”に到る非難を受けている一人であることを暴露した

サウド家は、ロンドンの豪華な家や“フットボール競技場規模の豪華ヨット”用のローンで、少なくとも3400万ドル引き出すのに、英領ヴァージン諸島のぺーパーカンパニーを利用した。ところが欧米商業マスコミは、それを徹底的に無視している。全く予想できたことだ。サウド家の名士連中は、主要な欧米属国の間では重要だ。

現在、大きな断絶がある。今や、ロシアを越える世界第三位の兵器購入国の地位にありながら、サウド家は国内での緊縮策実施におおわらわなのだ。

サウド家が、ロシア、イランとアメリカのシェール石油産業に対する石油価格戦争を開始しただけでなく、益々悲惨になりつつある予算を補うため、少なくとも1兆ドルのアメリカ国債を、市場で必死に売り払っていたことを、今年早々私が暴露したので、“緊縮政策”というのはあま過ぎるかもしれない。

今や、30歳の、悲惨で、違法で、民間人巻き添え被害だらけのイエメン戦争の主要指揮者であるムハンマド・ビン・サルマン戦士王子によって、欧米の商業マスコミにみける大規模PR攻勢が行われている。若いサルマンは、主に、アラムコを部分的に私営化し、2兆ドルのファンドを作ることで、サウジアラビアを、もっぱら石油油井の役割から、部分的に脱出させようという彼の願望ゆえに自らをアラブのデビッド・ボウイ - 世界を変えた男として売り込んでいる

特に、アメリカ、イギリスと、フランスにとって、サウジアラビアは有名な“主要同盟国”だ。サウジアラビアは、またしても有名な世界第二の石油埋蔵量があるだけでなく、ルーズベルトと、イブン・サウードが結んだ悪名高いギャング風の1945年の“保護”協定があるのだ。サウド家こそが、オイルダラー頼みの綱だ。しかも過去数年間、サウド家は、常に1000億ドル以上の兵器を欧米から購入している。

ところが、並行して、不寛容で原理主義の指導者集団を完備した神権政治と絶対王政の混合サウジアラビアは、もちろん、その最新版の権化、まやかしのISIS/ISIL/ダーイシュ“カリフ制”を含むあらゆるサラフィー主義-聖戦主義連中のイデオロギー・マトリックスの役割を永続させ続けている。サウド家は、イスラム世界全体 - そして更にそれを超えた世界に - 原理主義ワッハーブ派の“構想”を広めるべく、直接間接に、1000億ドル以上を惜しみなく使っている。

ベルベット・カーテンの背後を瞥見

しばらくの間、ロンドンから、ニューヨーク、中東中で、リヤドにおけるクーデターの可能性に関する噂が絶え間なくささやかれていた。

サウド家のみならず、ワシントン/ウオール街枢軸にいる本当のご主人をも良く知る政策決定情報筋が、王国における、現在の空前の画期的権力闘争をかいま見せてくれた。

情報筋によると“ムハンマド・ビン・サルマン王子は、何が起きているか本当に理解している。彼は、はめられつつある。確かに必要ではあるが、再編成を狙って、サウジアラビアの経済体制を調べまくっているコンサルタント連中に彼は包囲されている。こうしたコンサルタント連中の一部は、同時にデータを、CIA用に編集しているのだ。これで、CIAが嫌悪する王政から、お気にいりの軍幹部による体制への移行はずっと容易になる。

そしてこれは、会社をまとめておくために雇われているアラムコ欧米人従業員の一部は、かの有名なCIA工作員であることを意味する。秘密作戦のための典型的な偽装だ。

この過程は、アブドラ王を追い出す動きに関して、リヤドで不満の声があがった、ちょっと前の2014年4月に始まった。最終的には妥協がなされた。聖戦戦士の軍を支援して、シリアでの戦争に大金をつぎ込んだ、バンダル・ビン・スルターン、別名バンダル・ブッシュが、サウジアラビアが率いるテロ戦争の真犯人として、首にされた。そして、ムハンマド・ビン・ナーイフ王子が王国第二位に昇進した - ワシントンのご主人の命令に従って。皇太子に選ばれたのだから、ナーイフはサルマン王を継ぐ次期国王として認められたも同然だ。

広報に精通した若いサルマンは、形勢を逆転させたがっているのだ。彼自身、自分は父親の後継者だと考えている。しかし内部の抵抗は熾烈だ。情報筋によれば“国民がサウド家からの助成金廃止で苦しむ中、アラムコ二兆ドルの株価について自慢しても、王国の貧しい大衆には受けない”。サウジアラビアの石油の富に関しては、若いサルマンは、みかけによらず“我々にとってそれは、需要と供給で支配される自由市場なのだか石油価格下落は、我々にとって脅威だとは”考えていない。

我々の情報源はこう言ってゆずらない。“ムハンマド・ビン・ナーイフは、対テロで非常に有能で、効率的な戦士だ。彼は分別があり、安定していて、有能で、才能がある。問題はワシントンに命じられた石油価格戦争を巡って、王国内で不満が増大していることだ。一方で、コンサルタント連中は、ムハンマド・ビン・サルマンに、助成金を削減するよう迫っている。これは確実に、国民大衆を彼から離反させる。そして、それが、大衆を制圧するクーデターを正当化することになる。

そこで、極めて重要な膨大な量の武器購入問題だ。“これは同盟国に経費を支払っているパキスタンとエジプトとの軍事同盟とあわせて、強いサウジアラビア軍を作り出すための、ムハンマド・ビン・サルマンの取り組みと関係している。助成金は削減しなければならないが、金はあらゆるところにばら蒔かれている。これは君主国への更なる圧力を増やすにすぎない”。

軍事面で、父と息子のサルマン親子にとって必ずしも成功とは言えない。カイロのシーシーは、エジプト軍が、イエメンの泥沼にはまるという考えで、確実に二の足を踏んだ。イスラマバードのシャリフも同様に、パキスタン分遣隊の派兵を拒否した。

そこで、サルマン王は、インド首相ナレンドラ・モディに頼らざるを得なくなった。結局、サウジアラビアには、三百万人のインド人労働者がおり、インドは、石油の20%をサウジアラビアから輸入しているのだ。それでも、インド人兵士は皆無だ。

インドもパキスタンも、これらは全てリヤドの包括的な誇大妄想反イラン作戦の一環であることを、はっきり見破っている。インドとイランは全ユーラシアを通る新シルク・ロード拡大のパートナーだ。そして、イラン-パキスタンは、イラン-パキスタン・ガス・パイプラインによるパイプラインスタンの主要パートナーだ。 

タクシーに行列すべき頃合い?

いつか将来、リヤドにおけるクーデターの可能性はまだ残っている。要は「例外主義スタン」の支配次第だ。ワシントンの有力者連中によれば、戦士王子が率いるサウジアラビアは、どうしても信用できないのだ。トルコは今や手に負えない状況と見なされている。オバマによって、エルドアン皇帝がワシントンに招待されない状況は、実際に「例外主義スタン」の支配下にあるトルコ軍によって、彼が最終的に排除される前触れなのかもしれない。テヘランの優先順位は、ユーラシア統合と、ロシアと中国とのより緊密な戦略的関係なのだから、イランもあてにはできない。

論理的には、サウド家は来るドーハの会合で、ロシアと協力して生産を10%削減し、石油価格を一バレル100ドルに上げて事態を変えることができる。勢力の均衡としてロシアに対する政策を再調整する。そんなことは忘れて頂きたい。そういうことは決しておきない。

この進行中のサウジアラビア・ハウス・オブ・カード 野望の階段策謀で、興味をそそるのは、我々の情報源によれば、“アブドラ国王は、石油供給の安定を維持するため、アメリカ合州国にとって有用な人物と言える人物だった ”ことだ。しかし有力なワシントンの大物たちは、サルマンや、彼の息子をそういう風には見ていない。特に息子は“とっぴで、情緒不安定”と見なされている。

繰り返そう。支配、支配、支配だ。我々の情報源は、“欧米がいかにサウジアラビア軍当局者を教育しているかを説明してくれた - 欧米の諜報工作員であることが多いのだ。これが、サルタン王子が彼らを決して信頼せず、国防相時代、軍を意図的に弱くしておいた理由だ。彼は国を乗っ取る特権集団として、彼らを恐れているのだ。そして彼は確かに正しかった。CIAの目からすれば、サウジアラビアは、外部からの監督が必要なのだ。そして、これは、この国が手に負えない状況に陥った場合、CIAが政権転覆をしたがる理由の一つだ”.

ところが、もう一つ重要な断絶があるのだ。CIAはサウド家を世界テロの主要スポンサーと考えている。しかし、これは真実ではない。こうしたテロ作戦の大半はグラディオ作戦の21世紀版練り直しだ。そしてそれは、NATO/ペンタゴンの手を意味する。この断絶は、一体なぜペンタゴンと、CIAがお互いにいがみあっているのかの部分的な説明になる。

アメリカのどの諜報機関が最終的にリヤドで支配的になるのか、まだ不明だ - そしてそれも、来年ペンシルバニア通り1600番地の住人が誰になるかによっても変わって来る。

当面、かなり多数の影響力の大きな当事者たちが、王家縁者千夜一夜風の資産を含めた、驚くばかりのサウド王家の富が、アメリカから、パナマに到るまで、海外資産が全て凍結されるのを想像するのを楽しむことになろう。必然的な結果として、何千人もの王子たちが、ロンドンやニューヨークで、運転手の仕事を求め、行列することになる。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/04/14/the-implosion-of-the-house-of-saud.html
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エクアドルの地震も大規模。

熊本では、とうとうエコノミー症候群になった方々が現れてしまった。

石油価格、下記部分を読んで、一体どうなるか見ていた。結局、彼の予想通り。

論理的には、サウド家は、来るドーハの会合で、ロシアと協力して生産を10%削減し、石油価格を一バレル100ドルに上げて事態を変えることができる。勢力の均衡としてロシアに対する政策を再調整する。そんなことは忘れて頂きたい。そういうことは決しておきない。

地震情報や、オスプレイ出動やら、スポーツ選手のギャンブルをたっぷり報じる大本営広報部、地震と違い、この島国の住民全員の生活を、永久的に大きく劣化させるTPPについては厳重な報道管制を継続中。

2016/04/19 関テレ撮影クルーが被災地で暴挙!「シャッターを切る前に人命を助ける」岩上イズム!IWJが報道と支援を両立させる「理由」

孫崎享氏のニコニコチャンネルのメールを転載させていただこう。

熊本地震は18日現在で死者42名、避難者11万人の甚大な被害を出した。

ほぼすべての国民は、生存者の救出と、避難者の少しでも生活苦の解放と、早期の平常の生活を願っている。もし、この国民感情を自分達の政治目的に利用とするなら、それは悪辣な政権としか呼びようがない。しかし、それをやっているのが安倍政権だ。

4月16日、日経新聞は「緊急事態条項“極めて重い課題”熊本地震で官房長官」の標題の下、「菅官房長官は記者会見で、熊本地震に関連し、大災害時などの対応を定める緊急事態条項を憲法改正で新設することについて“極めて重く大切な課題だ”と述べた。

長谷部早稲田大学教授は「災害対策基本法や有事法制などが既にある。もし新たな制度も必要だと言うのなら、国会で法律を作ればよいだけの話」とし、「改憲の必要はない」と述べている。自民党は、緊急事態は災害対策のように述べているがそんなものではない。

自民党は改憲草案で、緊急事態を?緊急事態時、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる ?何人も、国その他公の機関の指示に従わなければならない、? 緊急事態時、衆議院は解散されないものとするとしている。石川健治東京大学教授は、「緊急事態条項の新設は、戒厳(令)の問題にもつながり、戒厳は独裁への大きな一歩になりうる」と警鐘を鳴らしている。

次に米軍普天間基地のオスプレイだ。多くの国民は避難民の救出や物資の配送を迅速に行うべきと思っている。だから、「米軍がオスプレイを提供するなら、それも利用すべきだ」と思う。でも一寸考えてみて欲しい。

陸上自衛隊は回転翼 379機を保有している。UH-1H/J 多用途 131機、CH-47J/JA 輸送 55機、UH-60JA 多用途 36機である。

海上自衛隊は回転翼 97機を保有している。MH-53E 掃海・輸送 5機、MCH-101 掃海・輸送 6機である。

航空自衛隊は回転翼 15機を保有している。C-1 輸送 24機、C-130H 輸送 15機である。

合計491機である。うち輸送用は270機である。

孤立する集落等に物資を届けるに必要なのは小回りの効くヘリコプターだ。オスプレーよりも自衛隊所有のヘリコプターの方がはるかに利用価値がある。

米軍星条旗新聞は「匿名条件の米国官僚によれば、日本政府が国務省に支援要請した」と報じた。

防衛長官は約500機(うち輸送用は270機)のヘリを持つ日本が何故米軍の支援を要請しなければならないか説明願いたい。

現在270機の輸送用ヘリの何機が熊本地震に使用されているのか。

自衛隊のヘリが十分あり、使用目的からしてオスプレイよりも効果が高いにもかかわらず米軍に協力要請したとすれば、その目的は極めてよこしまなものだ。

ほぼすべての国民は、生存者の救出と、避難者の少しでも生活苦の解放と、早期の平常の生活を願っている。もし、この国民感情を自分達の政治目的に利用とするなら、それは悪辣な政権としか呼びようがない。少しでもオスプレイを認知させ、米軍の効用を訴えようとする姿は悪質だ。

参考:

孫崎―長島昭久議員(東京21区立川市、昭島市、日野市衆議院議員。元防衛副大臣)。―孫崎―返事なしのツイッター上やり取り

孫崎:「オスプレイ、オスプレイの決断の前に自衛隊はヘリコプターを何機保有しているのか、稼働状況はどうなっているか、どうして米軍機の必要があるか、ちゃんと説明してください。」

長島昭久議員:オスプレイに思わず反発する気持ちは理解できなくもないですが、自衛隊のヘリは熊本地震だけに集中することはできず、他の災害や不測の事態にも備えねばなりません。いつの場合も「過不足なし」ということはあり得ず、外部からの協力は常にプラス。


孫崎:私の質問は極めて簡単です。自衛隊はヘリを(機種別に)何機保有しているか。それを現在どう展開しているか。自助努力でどこまで貫徹できるかです。長島様でしたら防衛省のも顔が広いようですから、抽象論でなく、実態をお教えください。

長島:反応なし。

2016年4月 3日 (日)

投げ捨てられるブラジル民主主義

Pepe ESCOBAR
2016年3月31日
Strategic Culture Foundation

有能な政権というより汚職で秀でていることで知られる卑しいいかさま師連中が、若いながらも活力あるブラジル民主主義を(文字通り)投げ捨てるには、たったか3分しかかからない。

評決をすることもなく、従って売国奴が公に誰か特定されないまま、中道派ブラジル民主運動党(Partido do Movimento Democratico Brasileiro or PMDB)が、ジルマ・ルセフ大統領がブラジリアで権力の座に留まるのを支持する連合から離脱して、カフカ風なルセフに対する弾劾の動きが4月に承認される可能性を増した。

PMDBはブラジル最大の政党で - 513人の議員のうちの69人を占めている。短期的には、党は、党議員の一人で、さほど素晴らしい憲法主義弁護士とは言えぬ、75歳の現副大統領ミシェル・テメルを、2018年の次回選挙まで大統領の座につけて、ブラジルにおけるハイブリッド戦争主唱者と、連中の卑しい臣下どもが夢見た白色クーデター/政権転覆シナリオを実現させることに貢献することとなる。

ブラジル憲法は弾劾を認めている。しかし、ルセフの場合、いかなる疑う余地のない“刑事責任”は証明されていない。国債横領や財政の不適切な管理を巡る告訴理由とされるものは、本質的に、でっちあげだ。

事態は悪化している。このあからさまな白色クーデター/政権転覆過程は、ブラジリアの下院議長、悪名高いいかさま師エドゥアルド・クーニャが、汚職のかどで下院議長の座から追われるのを防ぐ、汚い作戦と平行して行われている。テメル新政権が議会で新たな多数派を宣言する必要があるという建前でクーニャはただ“辞任”してすませるのだ。

いかさま師連中による陪審団

今やブラジルで進行中の大規模な政治-経済危機のこの新段階は、議会でルセフ告発を実現するために必要な、三分の二の多数(342票)を奪い取るべく全員が体制を整えている PMDBの悪漢連中によって支援されて、右翼反政府派に恩恵をもたらしている。

悪辣な政治家/主流マスコミ/お馴染みの買弁エリートの組み合わせが、大多数の国民に、万事休すだと思い込ませる壮大な心理作戦が今後数週間続くに違いない。ところが、白色クーデター/政権転覆シナリオに不可欠なこの342票は、決して確定したどころでないのだから、万事休すではない。

PMDB議員の一部は、立派なことに、いまでもルセフを支持している。ブラジル。連邦警察は、洗車作戦捜査の核心である巨大なペトロブラス・スキャンダルに、テメル本人を含め、かなりの人数のPMDB議員が直接関与していることを示している。芯まで腐ったクーニャ下院議長は、とうに監獄にぶち込まれているべきなのだ。このソフト・ハイブリッド戦争の画期的訴訟において、事の核心は、私が以前に主張したように、いかさま師の集団によって“審査”されつつも、いかなる悪事によっても有罪とされていない女性大統領だ。

白色クーデター/政権転覆から生まれたテメル政権が実現するとすれば、政治方針は、ブラジリアのインサイダー連中によれば、これまでの四度の大統領選挙で、こっぴどく敗北した現在の右翼野党によってでっちあげられたものとなるはずだ。

テメルなど、せいぜい止血タンポンにすぎまい。彼は2018年の大統領選挙出馬を許されるまい。右翼名士による閣僚チームを編成するよう彼は穏やかに“説得される”。また、そもそもの意図が、そうした名士連中は決して捜査せず、労働者党だけ捜査するもので、硝酸を満たした浴槽中で溶解されるはずの洗車作戦捜査に口をだすことはあるまい。

ごみ箱に注目

洗車作戦はその正体が暴露されることになろう。この1990年代、イタリアでのマーニ・プリーテ(清廉な手)作戦の熱帯版リミックスは、決してブラジル政治体制から汚職を追放するための本物の動きではない。絶対に全員が、芯まで腐敗しているこの体制で儲けているのだ。

そうではなく、洗車作戦は、今やルセフ弾劾を慶賀しているお馴染みの買弁エリート連中の利益になるように、更にはルーラのオーラを破壊し、彼が2018年、大統領選挙再出馬するのを合法的に阻止できる可能性に向けて機能する、容赦ない新たな宗教裁判装置として考え出されたものだ。

ルセフ弾劾の動きについて言えば、これは - だれあろう - 自分自身が汚職で捜査されつつある元野党議員による怪しげな訴訟手続きに依存したものだ。

軍事クーデターは、ピノチェト時代のものだ。ブラジルで起きていることが高度なハイブリッド戦争で、ブラジル連邦検察庁、商業マスコミ(四家族が支配している)と、議会のかなりの部分が画策している白色クーデター/政権転覆作戦であることは、いくら強調してもし過ぎることはいな。

だが、全て白紙状態だ。ブラジル国内の極端に流動的な状況が、完全に麻痺し、両極化するなか、のっぴきならぬ新情報が確実に明らかになってしまうので、政権転覆工作者連中は急いでいる。ネズミどもは、フルタイムで卑劣な活動を続けているが、政権転覆工作者の多くが路上轢死者に成り下がるはずだ。

そして、もし更に運命の意外な展開で、- 結局、彼女が犯罪をおかした証拠が無いのだから - ルセフには“刑事責任”がないとブラジル議会が審議すれば、大統領は権力の座に返り咲くだろう。そして、政権転覆暫定“政府”は、もともとそれが属している場所に投げ捨てられるだろう。悪臭に充ちた歴史のごみ箱に。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/03/31/brazilian-democracy-thrown-to-the-dogs.html
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この劣等いや列島も、うり二つの状況。日本で起きているのも白色クーデター。売国奴隷の道をまっしぐら。大本営広報部大政翼賛会、別名マスコミが強力に幇助している。

辺野古で、とうとう目取真俊氏が逮捕された。始めから狙っていたのだろう。傀儡植民地では、独立志向のまっとうな発言・行動は犯罪になる。捕らえた側こそ売国犯罪人。

あの理不尽な警備体制を体験願いたい。それは無理でも、静止画なり、動画をご覧いただければご理解願えるだろう。目取真俊氏ご自身のブログを拝読すればわかる。

海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊
売国本土マスコミではわからない現地の状況を、自ら参加しながら真摯に報じておられる貴重な記録だ。

沖縄の報道、住民を覚醒させる内容であるのに対し、本土の報道は逆だ。今は亡き品川正治氏が言っておられる。TPPは典型例。「売国奴の一味」という表現しか思いつかない。

3.30TPP阻止アクション目標貫徹まで連帯強化

2016/03/30 「雲隠れ」を続ける甘利明氏を刑事告発! 岩上安身による宮里邦雄弁護士インタビュー(動画)

中学生誘拐より、こちらの方が全国民にとって、未来世代の全国民にとって死活問題。

品川正治氏が『激突の時代 「人間の眼」vs.「国家の眼」』や、『遺言』で指摘しておられる通り、沖縄と本土におけるマスコミの質の根本的違いが原因だろう。

激突の時代』の連続講座・第4回 第11章 日本のマスコミ から、ごく一部を引用させていただこう。225ページから226ページ。太字は小生が加工したもの。

     国民に怒りを持たせない

   マスコミの現在の姿勢を言で言ってしまえば、とにかく国民に怒りを持たせない、あるいは怒りの的を外してゆこうというものです。そういう役割をご本人たちが意識しておられるかどうかは別として、私はその点を非常に問題視しています。
   私は沖縄で発行されている「琉球新報」と「沖縄タイムス」の二紙をとっていますが、この二紙は、国民の不満を「怒りにまではしない」という報道姿勢は持っていません。そこが日本のマスコミ全体と大きく違うところです。
   もちろん沖縄の問題では、事実関係を報じるものとしては、大手全国紙でもしばしば一面をにぎわせています。非常に大きな紙面形成になってもいます。けれども、沖縄の二紙と本土のマスコミとでは、どこが違うかというと、「怒りを起こさせない」という本土と、「そうではない。本当の事実を知らせないといかん」という沖縄─この違いが大きいでしょう。
     沖縄の新聞を読み始めた頃、本土とどこか違うと感じたのですが、そのことはすぐに分かりました。それ以来、この点を非常に強く意識しています。

       占領支配と日本マスコミ

     それではなぜ、日本のマスコミは全体として「怒りを起こさせない」となってしまったのか。その本を正せば、第二次大戦での日本の敗戦と、その後の米軍を中心とする連合国の占領支配に遡ります。

    以下略

54-55ページにでは、大略下記のような発言をしておられる。

政府の理不尽な行動に反対の声をあげる官邸前の原発再稼働反対や、オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会があっても、マスコミは触れたがらない。取り上げるにしても、むしろニュースとして、なにか珍奇なものを見るような形でしか報道しない。

そして、56ページで、こう言われている。

    いまの日本の政治の現状を見ると、政治的にはもうある意味で限界に来ているけれども、多くの人は、どの政党に託していいかと思い悩んでいる。そして、選挙を冷めた目でしか見られなくなっています。政党を選択しようと思っても、これからの日本の進むべき方向が自分の考えている方向にはなりっこないと感じ、しかも、どっちもどっちで、「コレラを選ぶかチフスを選ぶか」という程度のものだと捉える人が多くなっています。
     しかし、もう一度言いますが、政治は政局だけ問題ではありません。選挙は大事です。しかし、それだけではない。先ほど述べた様々な運動を含め、それぞれが複合して方向を創り出すのです。

議会で憲法を破壊し、緊急事態条項を実現するために必要な、三分の二の多数を奪い取るべく、大本営広報部大政翼賛商業マスコミ洗脳を推進して、全員が体制を整えている自民・公明右翼傀儡政権が、野党を装う別動隊によって支援され、恩恵を得ている。

アトミック・ハーベスト ブルトニウム汚染の脅威を追求する』を再読している。今は購入不可能かもしれない。ファシスト体制では、庶民に必要な本ほど、市場から消える。

冒頭にスチュアート・ユーダル元米国内務省長官による「推薦のことば」がある。
5ページで、あの有名な「たわごと」そっくりな言葉にびっくり。予言のよう。原書は1993年。翻訳は1995年。

誰も被害を受けることはない、すべてはきちんとコントロールされている、と研究者と政治家たちは断言した。だが、ネバダの核実験場、ロス・アラモス、サバンナ・リバー、ハンフォードといった地域で、実際にどんなことが行われていたのか、それが明らかになった今日、われわれの指導者と専門家たちがわれわれに嘘をついていたことが暴露されている。爆弾製造者がつくりだした汚染という遺産にいやでも対処しなければならないのは、私たちではなく、未来の世代なのだ。しかし、せめて私たちは、民主主義の対話の精神を汚した彼らの欺瞞をしっかりと理解しなければならないだろう。それが私たちに課せられた使命である。

2016年3月19日 (土)

サルタンとヨーロッパのファウスト的契約

Pepe ESCOBAR
2016年3月14日

トルコのバザールで、絨毯の値段交渉をしたことがある人なら誰でも、そこの商人たちがヘンリー・キッシンジャーより遥かに卑劣なことを知っている。最初に支払おうと思っていたよりもずっと高い値段で、欲しがっていた商品を手に入れた気分にさせておいて、連中は常に、自分たちが望んでいるものを得るのだ。

Cue to愚かなヨーロッパ人観光客の一団が  絨毯バザールのエース、トルコ首相で、エルドアン皇帝の首相アフメト・ダウトオールと、難民取り引きで値段交渉を。下品な取り引き確定など遥かに超えて、EUは、わずかながら残された人道的、民主的“原則”とされるもの、別名「魂」までも絨毯商人に売り払っておしまいということになりかねない。このEU幹部連中の誰一人、ゲーテの『ファウスト』は読んだことがないのだろうか?

そこで、EUが、アンカラの手練のゆすり屋から一体何を得るのか要約しよう。難民“絨毯”に、30億ユーロではなく、66億ユーロ支払う。シェンゲン協定では抜けていた、7500万人のトルコ人のビザ無し旅行を容易にする。トルコのEU事前加入のための官僚的ロードマップを加速する。そして、ギリシャからトルコに追い返されたシリア人一人につき - こうしているうちにも、毎日2,000人以上いるのだが - トルコ人一人の、EUの緊縮政策煉獄への定住を認める、というアンカラの要求を飲む。

これは、まさに、マフィアが良く言う“断ることの出来ない申し出だ”。

ヨーロッパ観光客の一団

EU幹部は、今週始め、3月7日の重大なブリュッセル・サミット前に、いわゆるEU-トルコ行動計画の一環として、取り引きできると思っていた。EU - 主としてドイツ - の全くの捨て鉢状態は既にしっかり決まっていた。アンカラと取り引き出来なければ、代わりはシェンゲン協定崩壊(いずれにせよ既に起きているが)と、EU機構に対する大衆の信頼の崩壊だ(これも既に起きた)。

シリアでの戦争と“戦略地政学的”状況ゆえ、トルコとの取り引きは“絶対ヨーロッパの利益になる”というのがメルケル首相の言葉だ。うさんくさいやり手の欧州委員会委員長ジャン=クロード・ユンケルは“状況を一気に良い方向に変えるものだ”と述べた。

そう、確実に、トルコにとって、状況を一気に良い方向に変えるものだ。意気地のないヨーロッパ人観光客の一団を、アンカラは徹底的に軽蔑していて、トルコ政権は、トルコ最大の新聞ザマンを襲撃し、催涙弾まで使って占拠し、親AKPマスゴミに変えても何の罰も受けずに済んでいる。経済制裁? 制裁相手はシリアとイランだ。トルコは、新聞を粉砕しながら、交渉で、EU加盟の加速という報酬をえた。“報道の自由”も独立した司法ももはやこれまで。

ひどくできの悪い歴史学科の学生のような態度で、EU高官連中は、サルタンと部下の首相は当初の取り引き 連中自らが生み出した、ロシアとのひどい対決で、EU支援を大いに必要としているのだから、トルコ-シリア国境沿いに対する更なる支援(サルタンの有名な“安全地帯”の夢)や、NATO船舶を沿岸警備に使用すれば、更になだめられると思い込んでいたのだ。

ところが、そこで絨毯商人は奥の手を持ち出し、最上のお客を夕食に招いたのだ。

3月6日、日曜夕方、ブリュッセルのトルコ大使館で、狡猾なダウトオールが、メルケルをはるかにしのぐ様相を想像願いたい。輪番制のEU議長国オランダのマルク・ルッテ首相も、招かれたお客の一人だった。

ダウトオールは魔法の絨毯飛行を繰り広げた。何事も、何週間も話し合ったこと何一つ、全く適用されないのだ。アンカラは、新しい、ずっと手のこんだ“拒めない申し出”をし、EUサミットは翌日に予定されていた。

哀れな、怒り狂う首相が出来る唯一のこと言えば、月曜朝早く起きて、予告もなく突然に、これは掘り出し物だと全員の説得を試みるだけだ。必ずてんやわんやの大騒動になる。かなり多くの国の代表団は、首相のだまされやすさをあからさまに非難した。最終的同意はえられず、首相は意気地なく曖昧に取り引きは間もなくまとまると約束しただけだった。

『怒りの葡萄』バルカン版リミックス

ブリュッセルは、次のEUサミット中、来週末までに取り引きをまとめなければならない。これは大変な過程になる。これで厄介ごと/司法の悪夢の蓋を開けることにる。

そもそも、“道義に基づいた”EUが、ほぼ確実に当てにならない法的保護を受けることになる国々への一種の難民大量強制送還に直面する可能性がある。そこでEU弁護士が抜け穴を見つけるよう期待しよう。連中はトルコを“安全な第三国”の地位に格上げするだろう。アムネスティー・インターナショナルは既に怒っているが、かまうことはない。

難民一人につきトルコ人一人という交換は、もっと信用ならないが、抜け穴もない。バルト諸国、ハンガリー、ポーランド、オーストリア、デンマーク、スウェーデン、スロベニアを、各国境内部に将来、難民移住を受け入れるように説得できるのはワルハラによる奇跡しかあるまい。バルカン・ルートは、スロベニアが閉鎖して、実際上、葬り去られた。ベルリンは一体どうするのだろう? 電撃戦で再開させるのだろうか?

しかも、EUのドアをトルコに開くのは危機を緩和するために支払う適正価格だと、フランスやイタリアは言うまでもなく、ギリシャやキプロスを説得するのはゼウスの奇跡にしかできまい。

だから取り引きがまとまったとすると、現代の大きな悲劇の一つのまた次の章が始まることになる。次は『怒りの葡萄』シナリオで、多くの家族を含め、途方に暮れた人々が、せっせバルカン・ルートに向かい、トルコに強制送還されまいと必死で戦うことになる。

しかも、もう一つの“ミステリー”が未解決のままになる。そもそも、この大量難民は一体どうやってそこに辿りついたのだろう。

大半はミティリーニ島とコス島だが、ヒオス島とカステロリゾ島も含む、少数のギリシャの島々に辿りつくには、彼らはまず、大都市は僅かで、ごく少ない地方バス路線しかない西トルコのきわめて入り組んだ海岸をこっそり回り込まなければならなかった。彼らは、多くの人々が脱落してしまう、トルコ-シリア国境から1000キロ以上もの距離を、旅しなければならない。

アンカラが、彼らにそうしろと言ったがゆえに彼らは出発したのだ。彼らは、次から次のバスに乗れるようにという、何らかのアンカラの“支援”を直接、間接に享受していた可能性さえある。サルタンのネットワークが、彼らの膨大な陸路のゆすり用貨物をバスで、適切なコネがあり、エーゲ海を越えて、ギリシャへと、彼らを船に乗せて運ぶ準備ができた密航業者の戸口まで届けて、出荷する構図を想像願いたい。

貴重な貨物について話そう。この貨物は、66億もの額で、膨大な特典のおまけつきで、アンカラを、まさに大儲けさせようとしている。それでも依然、この哀れなEU幹部観光客連中は、世紀の取り引きをまとめつつあるのだと信じている。持ち帰ろうとしている“絨毯”は実に酷い代物だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/03/14/europes-faustian-pact-with-the-sultan.html
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数年前に見た映画「ファウスト」を思い出した。

19世紀初頭のドイツ、ファウスト博士(ヨハネス・ツァイラー)は、助手(ゲオルク・フリードリヒ」と共に「魂」のありかを追い求めていた。だが、人体のどこにも魂は見つからず、落胆する博士に助手は人々に悪魔だとささやかれている男(アントン・アダシンスキー)の存在を伝える。研究費も使い果たした博士はうわさの高利貸しの元を訪れると、金は貸せないが違う形で協力をすると言われ……。

『イスラムとの講和 文明の共存をめざして』内藤正典 中田孝両氏の対談を読書中。
読みながら、この記事を連想したごく一部だけ、引用させていただく。

106ページ

内藤 チャンスだと見て、もう一儲けしようと。
中田 そう、我々日本人の感覚だと「こちらがこれまで譲歩したんだから相手も引くだろう」と思いますが、逆なのです。イスラームの人は「そこまで引いてくれたんだから、もっと言えばさらに引いてくれるだろう」と考える。要求がどんどん増えていくのが商業文化なので、ヨーロッパのような権利の文化の中では当然さらにエスカレートして行く。

148ページ

中田 ええ、おっしゃるとおり、エルドアンはリアル・ポリティクスの政治家としては問題がたくさんありますが、イスラーム主義者としては大変な逸材なのです。西欧の理念ではとうてい解決できない中東の問題をイスラームの法や理念で講和に結び付けるには、エルドアンのトルコが重要であると私は考えています。これは後でも触れますが、そもそも「アラブの春」がうまくいっていたら、エルドアン自身、スルタンかカリフになってイスラーム世界をまとめるつもりでいたはずなのですけどね。

2016年3月12日 (土)

死闘中のルーラとBRICS

Pepe Escobar

2016年3月9日
"RT"


元ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ  Paulo Whitaker / ロイター

“BRICS”は、米国政府/ウオール街枢軸における最も汚らわしい略語だが、それにはもっともな理由がある。BRICS統合は、「例外スタン」のいわゆる“国際社会”に対する支配を頓挫させる可能性を持った唯一有機的な世界規模プロジェクトなのだ。
だから、だいぶ前から、BRICSの主要三大国が、様々な側面で同時攻撃を受けているのも不思議ではない。ロシアに対しては、ウクライナと、シリア、石油価格戦争、ルーブルに対する奇妙な敵対的攻撃と、ワンパターンの“ロシア侵略”悪魔化だ。中国に対しては、南シナ海における“中国の侵略”と(失敗した)上海/深セン》証券取引所攻撃だ。

ブラジルは、この三つの主要新興大国の中では一番弱い。既に2014年末に、いつも容疑者として名前が挙がる連中が、懐かしい政権転覆を目指して どのような手を使ってでも、7番目に大きな世界経済を不安定化させ、政治的な手詰まり状態の汚らしい複合(“統治性の欠如”)によって、経済を泥沼に引きずり込むのは明らかだった

攻撃の数え切れないほどの理由の中には、BRICS開発銀行の統合計画がある。BRICSのアメリカ・ドルを回避し、彼らの通貨で貿易し、ドルに置き換わる新たな世界準備通貨を目指す協調努力だ。ブラジルとヨーロッパ間の大規模海底光ファイバー通信ケーブル敷設や、南アメリカと東アジアを結ぶBRICSケーブル - いずれもアメリカ支配を回避している。

そして何よりも、いつも通り聖域中の聖域 - ブラジルの莫大な天然資源を民営化するという「例外スタン」の強烈な願望と結びついている。またしてもブラジルの石油だ。

ルーラか誰か、捕まえろ

2009年の昔、ルーラとして知られている元大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバが提出した、儲かる国営企業ペトロブラスを、21世紀早々最大の石油発見である岩塩層下(プレソルト)鉱床の全沖合区画における主要事業者として確立する法律を、巨大石油会社が、ブラジルで、一体どの様に、必要なあらゆる強制的手段を講じてでも、変えようと活動していたかを、ウイキリークスは既に暴露していた。

ルーラは、巨大石油会社、特にエクソン・モービルとシェブロンを排除したのみならず、ブラジル-中国 (BRICS内のBRICS)戦略的提携の一環として、ブラジル石油探査を、中国のシノペックに開放さえした。

軽蔑された「例外スタン」の激怒ほど恐ろしいものはない。「愛されちゃって、マフィア」同様、彼等は決して許さない。プーチンが、アメリカに友好的なオリガルヒを追放したことに対する報いを受けるべきであるのと同様、ルーラはいつの日か報いを受けるべきなのだ。

エドワード・スノーデンが、NSAがブラジルのジルマ・ルセフ大統領と、ペトロブラス幹部をスパイしている様子を暴露して、ことは展開し始めた。ブラジル連邦警察が、FBIとCIAの両方によって、密接に(大半、対テロ作戦という面で)協力し、訓練を受け、および/あるいは、資金まで得ている事実から、それは継続した。そして、ペトロブラス、最大のブラジル建設会社内部の重要な人々と、与党労働者党政治家が関わっている巨大な汚職ネットワークを暴く二年間の“洗車作戦”捜査ということになった。

汚職ネットワークは現実だが、“証拠”は通常大半が、司法取り引きの一環として、誰かを密告する巧みなペテン師兼連続ウソツキから得た口頭のもので、文書で裏付けられるのは稀だ。

しかし“洗車作戦”検事にとって、本当の狙いは、始めから、ルーラをいかにしてわなに掛けるかだった。

熱帯のエリオット・ネス登場

そこで話は、先週金曜、サンパウロで演じられ世界中に衝撃波を送ったハリウッド番組になる。ルーラが公然と“拘留され”、尋問され、恥をかかされたのだ。私の詳細分析は下記の通りだ。

ルーラに対するハリウッド風電撃攻撃の基本案は野心的な一石二鳥だ。“連座”のこじつけにより、ジルマ・ルセフ大統領弾劾のお膳立てをするのみならず、ルーラを永久に“無力化”し、2018年に大統領選挙に再出馬するのを阻止することだ。代替案はなかった。

予想通り - 多くのFBIおとり捜査と同様 - 作戦丸ごと逆噴射した。政治演説では上級特別クラスのルーラは全国に生演説し、陰謀の殉教者をもっともらしく演じるだけでなく、支持者軍団までも復活させた。最高裁判所長官から、元司法大臣、PSDB創設者の一人で - 元社会民主党員から「例外スタン」と提携するネオリベラル政治家、右翼野党指導者に転じた一流エコノミストのブレッセル・ペレイラまで、まともな保守派連中さえもが、ハリウッド見せ物を、はっきり非難するに至っている。

実際ブレッセルは、ブラジル最高裁判所は 人権侵害を防ぐべく、「洗車作戦」に介入すべきだと述べた。たとえば、ルーラは、一体どの法学が、彼に対する捜査告訴理由に関連しているのかという詳細を最高裁判所に要求した。おまけに、ハリウッド電撃攻撃の際、舞台中央にいた、弁護士は、ルーラはほぼ4時間の尋問でまばたき一つせずに、彼がかつて既に答えていた質問、全ての質問に答えた、と述べている。

セルソ・バンデイラ・デ・メロ弁護士は核心を突いた。ブラジル上流中産階級は -大半が、マイアミに分譲マンションを所有するのが夢という傲慢と無知と偏見に溺れた、酷い連中なのだが、ルーラが、2018年に再度出馬し、勝利するのを死ぬほど恐れている。

そこで話題は、このドラマの検事・死刑執行人、「洗車作戦」の主役セルジオ・モロとなる。

モロの学歴は到底目ざましいとは言えない。彼は決して有力理論家というわけではない。彼は、1995年、ブラジル南部の州一つの辺ぴな所にある凡庸な大学を、弁護士として卒業し、何度かアメリカに行き、そのうち一回は、マネーロンダリングについて学ぶためで、国務省によるアゴアシ付きだった。

私が以前指摘したように、彼の代表作は、2004年の昔に無名の雑誌に発表された(CEJ誌、26号、2004年7月/9月のポルトガル語のみの「マーニ・プリテに関する考察」と題する)論文で、そこで彼は、“特定の標的を捕らえるための、司法秩序を独裁的に破壊”と、政治的雰囲気を酩酊させるためのマスコミ利用をはっきり称賛している。

要するに、モロ検事は、イタリアの悪名高い1990年代のマーニ・プリテ(“清廉な手”)捜査を、文字通り、ブラジルに引写して、政治体制の一種の“完全非合法化”を実現するため、大手マスコミと司法制度を徹底的に利用しているのだ。だが、政治体制丸ごとではない。ブラジル右翼全体に浸透している買弁エリート連中は、まるで無邪気な天使であるかのように、労働者党だけなのだ。

だから、「洗車作戦」を展開する際、モロの主要なお仲間が、マリーニョ家独占支配のグローボ・メディア帝国 - 反動派の巣窟で、賢明とは言えない、1960年代から1980年代、ブラジル軍事独裁との強い癒着を享受した毒マムシであるのも驚くべきことではない。グローボが、ルーラのハリウッド風“逮捕”に関する事実を、ずっと前に知らされて、CNN風の包括的報道に備えることができたのは偶然ではない。

モロは、ブラジルの一部地域では、地元のエリオット・ネスと見なされている。ところが、彼の仕事ぶりをしっかり見てきた他の弁護士たちは、労働者党は、国家機構をバラバラにして、労働組合に引き渡す狙いで、食いものにして、略奪する暴徒だ、という歪んだ妄想を彼が抱いているとほのめかした。

ブラジルの独立マスコミに語ったこうした弁護士たちの一人によれば、リオ弁護士協会元会長として、モロは、多数の法律上の知識がほとんどない、ブラジルのアントニオ・ディ・ピエトロ(ただし“精錬な手”ミラノ検察官の堅固さはない)装っている若い狂信的な検事にとりまかれている。Worse、モロis明らかだイタリア政治体制の内部崩壊が、ベルルスコーニの台頭を招いた。ブラジルでは、グローボ帝国に支援された、寡占的慣行が実にベルルスコーニ風の道化師か阿呆な田舎者の台頭を招くことは確実だ。

デジタル版ピノチェト

ルーラに対するハリウッド風電撃攻撃は、本番前に国民の反応を瀬踏みした、1973年チリ・クーデターの、最初の企みとそっくりだと主張できよう。ブラジル・リミックス版では、様々なグローボ・メディアの蛆虫どもがデジタル版ピノチェト役を演じている。少なくとも、サンパウロ街頭の多くの人々は“軍事クーデターは二度とごめんだ”というグラフィティを身につけている。

そう、これは全て、ルセフ弾劾とルーラの絞首台送りという形での反革命なのだ。だが古い(軍隊)習慣はなかなか消えないものだ。今やグローボ・メディアの蛆虫どもは、街頭に繰り出して、民兵を“無力化”するよう、軍隊を称賛している。しかも、これは始まりに過ぎない。右翼連中は、何あろう、ルセフ弾劾を呼びかけて、日曜の全国動員に備えている。

「洗車作戦」の利点は、とてつもなく腐敗したブラジルにおける汚職や談合や利益誘導を捜査することだ。しかし、ブラジル買弁エリートを代理する連中を含め全員、あらゆる政治党派が捜査されるべきなのだ。だが、そういうことにはならない。「洗車作戦」と協力する政治プロジェクトにとって、“公正”などどうでもよいからだ。唯一重要なのは、世界で7番目に大きな経済泥沼に引きずり込み、至高の目標、反革命、古き良き政権転覆を実現する手段として、たちの悪い政治危機を長引かせることだ。だが、2016年は 1973年ではなく、世界中が、今や一体誰が政権転覆に目がないのかを知っている。

Pepe Escobarは、独立した地政学専門家。RT、スプートニクや、TomDispatchに寄稿しており、アメリカから東アジアにまで到るウェブサイトや、ラジオやTV番組にも頻繁に寄稿、出演している。アジア・タイムズ・オンラインの元移動特派員。ブラジル生まれで、1985年から海外特派員をしており、ロンドン、パリ、ミラノ、ロサンゼルス、ワシントン、バンコクと香港で暮らした。9/11前から、特に、大国間の地政学、エネルギー戦争に集中して、中東から、中央アジア、東アジアに到る円弧の報道を専門にしている。彼の著書に "Globalistan" (2007)、"Red Zone Blues" (2007)、"Obama does Globalistan" (2009) および "Empire of Chaos" (2014)があり、いずれもNimble Booksより刊行。最新刊は "2030"で、これもNimble Booksから、2015年12月刊行。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/334904-brazil-brics-lula-economy-regime/
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まともな報告書をまとめられた黒川清・国会事故調元委員長の言葉は、さすが正確だ。
日本の中枢は、いまなおメルトダウンを続けている。

5年たって、この汚染不沈空母、市場はすべて宗主国大企業にさしあげ、空母自体、中国からボロボロになるまで攻撃されやすい位置へと着々進路をすすめているだけに思える。
少なくとも、危機から離脱したり、根本的な問題を解決したりする方向には、全く動いていない。戦艦大和・沈没のための航海現代版。こういう国なるものの自称指導者が押しつける道徳も旗も歌も嫌悪感はますばかり。

フリガナがふってなかったのだろうか?吉良氏の質問に答えて「保健所」と読んだトップ氏。いつもは拝顔する度に、電気洗脳箱にむけて怒鳴るか、切り替えるかしているが、今回はしっかり拝聴して、悲しくなった。この国の実態だ。

「洗車作戦」としたものは、原文ではCar Wash ポルトガル語では、Operação Lava Jato
オペラソォン・ラヴァ・ジャットに近い発音のようだ。

「洗車作戦」で検索すると、東洋経済、日本経済、ウォール・ストリート・ジャーナル等の記事が出てくる。大本営広報部が喜んで報じるのだから、ご主人・宗主国大企業・ネオコンがしかけていることは容易に想像できる。

ブラジル検察の振る舞い、豪腕政治家は、しつこく捜査されたが、余りなオムスビ氏はのうのうとしている、この国の地検特捜部の振る舞いを連想した。宗主国との関係も相似形だろう。ある地検特捜部長の経歴を拝見すると、「在アメリカ合衆国日本国大使館で一等書記官として勤務した」とあった。やはり。

wsws記事、多数翻訳しているが、全面賛成しているわけではない。映画評論は面白く読んでいる。

元大統領ルーラの逮捕と、ブラジル支配層の危機

国際政治記事では、素人からみて、彼等の敵だろうと思える国家、組織を攻撃する論理は納得しやすいが、素人からみて、彼等に近いのではないかと思われる組織・国家に対しては、到底理解できない激烈な攻撃的評価をしているように見える。

「似非左翼組織」といって他の組織を批判する様相、70年代に流行した「学生運動」各党派がお互いを批判していたのを思い出す。近親憎悪というのだろうか?

このRussia Today記事と比較すれば、wswsという組織の位置、分かりやすくなるかも知れない。

wswsの政治記事末尾の文章で、毎回、学生時代に目にした、大本営広報部が大いに褒めそやした連中の独善さを思い出す。

福島原発事故に対する生業訴訟、「『生業を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟」で、裁判の原告を対象に実施された講演会記録を読んでいる。あの頃の印象と重なる文章を転記させていただこう。

福島が日本を超える日
内田樹氏の文章の224ページ

かつての過激派学生たちは、過激な言動を弄して、いまある社会制度はあれもダメだこれもダメだ全部ダメだと否定していた。「理想的な社会はかくあるべきだ」と出来もしないことを言っていた。でも、足元の自分たちの組織はしばしばきわめて非民主的で、集権的で、抑圧的なものでした。
僕はその時に、この非民主的で、集権的で、抑圧的な政治党派が仮に政治的成功を収めた場合、彼らがつくり出す社会はやはり非民主的で、集権的で、抑圧的なものにならざるを得ないだろうと思いました。

2016年3月 4日 (金)

ヨーロッパのスローモーション総崩れ

Pepe ESCOBAR
2016年3月2日 | 08:01
Strategic Culture Foundation

カレーのジャングルをきれいにしようとして失敗した企てから、ギリシャ-マケドニア国境での悲惨な状況に至るまで、大量難民危機の重みで、EUは崩壊している。 EUは表向き、常に結束という神話的イメージを見せなければならないので、カフカ風なブリュッセル・ユーロ官僚さえ、オフレコでこう認めた。“我々は崖っぷちに立っている”。

EUとロシアの知的エリート層の中では、膨大な人数の難民は適切に同化することはできないので、欧米文明の差し迫った崩壊というシナリオが蔓延している。それがロシア西部国境からほど遠からぬ場所で起き、クレムリンが伝統的に“我々のパートナー”と定義している国々が関与しているので、このプロセスは、ロシアでは極めて重大な関心を持って検討されている。

だが、このヨーロッパのスローモーション総崩れが、『マッド・マックス』風ディストピアとして起きたのではなく、最終的に、欧米が画策した戦争によって追い出されたイスラム教徒の津波によってもたらされたのだったらどうだろう?

要塞ヨーロッパを見よ!

アンゲラ・メルケル首相政権が、いわゆる“人道的”難民政策を採用する上で大変な賭けをしたのは、わずか六カ月前だ。これを、リビア侵略と破壊のため容赦なく操られ、政治的に傷ついたR2P (“保護する責任”)という概念の、上品な顔と呼ぼう。

6か月後、バルカン・ルート中に難民の大群が上陸し、厳しい国境管理、社会福祉の消滅、忍び寄る塀や壁、そしてシェンゲン協定の事実上の廃止により、我々は次第に包囲され/閉じ込められた。メルケルの賭けは終わった。凄まじい勢いで要塞ヨーロッパに戻ったのだ。

神話のカゴが崩壊する音を、お聞きになれるだろうか? そのいくつかはこれだ。平等と友愛は言うまでもなく、“ヨーロッパの団結”という考え方。難民の、賢明な、調和のとれた、比例配分を、EU加盟諸国が受け入れるという考え方。ヨーロッパは交戦地帯から逃れてくる人々を、拒否し、国外追放し、本国送還することはしないという考え方。トルコが、EUを危機から“守る”という考え方。

バルカン・ルートは、あらゆる点から考えて、今や難民に対して閉鎖されており、アンカラは、トルコ-シリア国境沿いに、徐々に壁を建設しつつある - 彼らを本当に封じ込めるためではなく(結局、アンカラは聖戦ハイウエイを使えるようにしておかねばならないので)、プロパガンダ・クーデターとして。

ドイツの人道的難民政策はズタズタになり、自信喪失で腐食している。わずか二週間前、メルケル首相は“我々のヨーロッパ-トルコのやり方”を推進すべきか、それともEUは、ギリシャ-マケドニア国境の完全封鎖そのものを命じるべきなのか迷っていた。

そこで、我々は問題の核心に近づくことになる- それは、もちろんトルコだ。

ドイツの保守派政治屋の大多数は、メルケルに、難民に対しドイツ国境を閉ざして欲しいと望んでいるが、メルケルは依然、神の摂理を信じている。“ヨーロッパのパートナーたち”からの支援 -は決して来ず - しかも、ほとんど全てアンカラから。

しかも、それこそ、トルコ皇帝エルドアンが、彼女にまさにそうあって欲しいのだ。ヨーロッパ第一の経済大国の指導者ではなく、懇願者として。

アンカラの策略

難民危機で重要な神話の一つは、エルドアンのAKP政府が、それを“封じ込める”ため、できる限りのことをしているというものだ。

とんでもない。危機自体、もはや面倒を見てもらえないぞと脅されて、難民がトルコ国内の収容所から“解放された”2015年に、アンカラが仕組んだものだ。シリア人やイラク人や/あるいはアフガニスタン人が、突然EUに逃れると決めて、難民洪水が“自然”発生したわけではない。危機は、アンカラによって、直接ひき起こされたのだ。そして、エルドアンは最初から既に高額賞金を期待していたのだ。EU、特にメルケルに言うことを聞かせて、 - 少なくとも30億ユーロ -払わせ、大半の難民が、トルコ領ではなく、彼自身の新オスマン小区画の一つ、シリア領内に構築する“安全地帯”に残るようにすることを。

アンカラの策謀を示唆するもう一つの証拠は、トルコが、ボートで、安全なギリシャの島々にたどり着けるか、いちかばちかやってみる多数の難民の出発点である地中海沿岸に対するパトロールを強化しなかったという事実だ。アンカラにとっての最優先事は、トルコ-シリア国境“封鎖”だ。選ばれた“穏健反政府派”のために、安全通行が保障されたままなので、本当に“封鎖”するわけではない。
ワルシャワに本拠をおく欧州対外国境管理協力機関Frontexは、トルコとEUの難民を巡る権力争いが続くと確信している。外交的に、Frontexの理事長ファブリス・レッジェーリは“トルコは、移民密輸業者をより困難にするべきだ”と促している

だが、そういうことにはならない。そして、ドイツも、EU全体も、アンカラの政治的駆け引きの人質であり続けるだろう。

EU-トルコ・サミットが2015年11月に開催された。当時、エルドアンは、エーゲ海沿岸の警備を強化し、移民密輸業者の手入れを増やすと約束した。余りに僅かで、余りに遅過ぎた。トルコのエーゲ海沿岸の長さは、2,800キロもある。アンカラには、そこを適切に警備する資源はない。

そこで、大規模移民密輸は衰えずに続いている。難民密輸は、適切な“相手”、トルコ警察内とAKPとつながる政治家と通じていて、難民の各集団を国境通過させ、海にたどり着かせるのに、約3,000ユーロ払いさえすれば良いのだ。

並行して、アンカラは南東アナトリアで、PKKクルド人に対し、明らかに戦争状態にある。難民密輸ではなく、まして、ISIS/ISIL/ダーイシュとの戦いではなく、これが最優先なのだ。トルコのアフメト・ダウトオール首相が、昨年末、ベルリンを訪問した際は、実に単刀直入だった。エルドアン/ダウトオールの基本案は、PKKクルド人“絶滅”だ。代替案は存在しない。

生み出され、称賛される混沌

ブリュッセルの誰も、それをしようとしない。そこでメルケル女史が最終的に、エルドアンに対決し、警告する唯一のEU指導者とならざるを得なかった。アンカラに、難民の人数を減らすよう丁重に頼み込めば済むという問題ではなかった。そうするよう命令したのだ。そもそも、一体なぜ、昨年、彼らを一挙に解放したのか彼に詰問したのだ。シリア領内での難民キャンプ建設を含め、いかなる将来の財政的支援策も保留された。

ヨーロッパにとって実存的危機である難民危機丸ごと、精巧な恐喝という切り札として、アンカラに利用されているというのが赤裸々な事実だ。エルドアンは、EUからの現金の津波が欲しいのだ。EU加盟のためのトルコの交渉に関する譲歩の波を望んでいるのだ。

一方、組織的なEU難民政策は見られない。人道的懸念と“抑止政策”、利他主義と現実政策のバランスを取る行動もとられていない。危機を作り出したNATO戦争(オイルダラー豊富なGCCの“支援”を得た)の責任に直面しようとするEU政治“指導者”はいない。圧倒的多数の難民は、シリア人、アフガニスタン人や、NATOが破壊したリビア経由で、アフリカ大陸から逃れたアフリカ人だ。

世論調査は常に、大多数のEU諸国民が、もはや難民を“歓迎”したがっていないことを示している。『人道的帝国主義』の著者で、ベルギーを本拠とするジャン・ブリクモンが正しく強調している通り、“難民問題について決して相談されていないのに、‘金がない’から、犠牲になるよう決まって要求されてきたEU諸国民は、当然ながら、もはや、この道徳風言辞”を受け入れなくなっている。

ブリクモンは、様々な事実を結んで全体像を解明している、ヨーロッパに少ない人々の一人だ。“果てしない戦争をもたらし、難民の絶えざる流れを生み出した‘人道的’介入と、海外での武装反乱‘支援’を奨励しているまさに同じ連中が、今や、わが国の国民に‘難民を歓迎する’ように要求しているのです。連中は、まずある所で混沌を引き起こし、連中は次に、また別の場所で混沌を称賛するのです。”

そう、それが要するに、混沌の帝国の論法だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/03/02/europe-slow-motion-debacle.html

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昨夜、大本営広報部電気洗脳箱、売り出し中政治学者の顔を見て、即消した。

子どもの頃、神社の縁日で、蛇女やらなになら不思議な出し物があった。興味がなくはなかったが、小遣い不足で覗きそこねた。裕福な子は覗いていた。いまでも残念な思い出だ。

今は代わりに、視聴料を強制徴集され、おばけ洗脳報道を押しつけられる。残念な思いだ。

選挙は、出たい人より、出したい人。

報道は、洗脳したい番組より、覚醒させたい番組。

3月3日15時からのCh1での岩上安身氏による施光恒氏インタビューの第2弾
外出のため、見損ねた。そのうち見られるだろう。

2015年12月27日 (日)

2016年、更なる花火を準備する混沌の帝国

Pepe Escobar
2015年12月25日
"RT"


F18 スーパー・ホーネット © Mark Wilson / Reuters

独創的な著書『ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということ』で、ブライアン・ウォード=パーキンズは書いている。"崩壊前のローマ人は、現在の我々同様、自分たちの世界が永遠に続くと確信していた... 彼等は間違っていた。彼らの独りよがりを繰り返さないよう、我々は賢明になるべきだ。”

現代、混沌の帝国の問題は、独りよがりではない。問題は思い上がりと恐怖だ。冷戦が始まって以来、決定的な問題は、ユーラシアの、地政学の生みの親ハルフォード・ジョン・マッキンダー卿(1861-1947)によれば“ハートランド”の、偉大な貿易ネットワークを支配するのは一体誰か、だ。

混沌の帝国にとって、ゲームは、1953年にCIAが支援したイランでのクーデターで、アメリカが、何世紀もシルク・ロードが交差してきた、著名なユーラシアと、ついに直接遭遇し、その全ての征服を開始してから、本格的に始まったと言えるだろう。

わずか60年後の21世紀、それがアメリカのシルク・ロードではなく、むしろ古代の前身と同様、中国のものとなることは明らかだ。自ら“一帯一路”と呼ぶものへの北京の熱望には、衰えゆく帝国とユーラシア統合との間の、21世紀紛争が組み込まれている。主要な脇筋には、何度も繰り返されるNATO拡張と、南シナ海を交戦地帯にするという帝国の強迫観念がある。

北京-モスクワ戦略的提携が分析している通り、混沌の帝国を実際に運営しているオリガルヒ・エリート連中は、貿易、商業と通信のつながりに基づく統合プロセスから、自分たちはほとんど排除と考え、ユーラシア包囲を決意している。

北京とモスクワは、容赦ない悪魔化を伴う挑発につぐ挑発をはっきり認識している。しかし両国はいずれも非常に時間のかかるゲームをしながらも、わなにはまることはない。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、欧米を“パートナー”として扱うと外交的に主張している。だが彼は、そして中国国内の情報通も、連中が本当の“パートナー”ではないことを知っている。1999年のNATOによる78日間のベオグラード爆撃以降そうではない。中国大使館への意図的爆撃以降そうではない。留まるところを知らないNATO拡張主義以降そうではない。キエフにおける違法クーデターという形での第二のコソボ以降そうではない。アメリカ傀儡湾岸オイルダラー・諸国による石油価格破壊。ウオール街が仕組んだルーブル下落以降そうではない。アメリカとEUによる経済制裁以降そうではない。ウオール街のアメリカ代理連中による中国株の粉砕以降そうではない。南シナ海における、果てしのない威嚇以降後そうではない。Su-24撃墜以降後そうではない。

本当に間一髪だ

Su-24撃墜へと向かう準備段階を早戻しすると大いに参考になる。オバマがプーチンと会談した。直後に、プーチンはハメネイと会談した。エルドアン皇帝は、不安を感じるべきだった。本格的なロシア-イラン同盟が、テヘランで大々的に表明された。それはSu-24撃墜のわずか一日前だった。

フランスのオランドはオバマと会談した。しかし、その後オランドはプーチンと会談した。エルドアンは、NATO憲章の第5項に従って開始されるべきNATO戦争のための完璧な口実をでっちあげることができたと思い違いをしていたのだ。慌てて、Su-24撃墜を支持したのは、破綻国家ウクライナしかなかったのは偶然ではない。ところが、NATO自体が、いささか恐れをなして、たじろいだ。帝国には核戦争の用意ができていなかった。

少なくとも今はまだ。ナポレオンは、歴史が細い糸の上で展開することを知っていた。冷戦2.0が機能していた限り、また今後機能しつづける限りは、核戦争から間一髪だ。

いわゆるシリア和平プロセスで何が起きようとも、ワシントンとモスクワとの間の代理戦争は続くだろう。思い上がったアメリカ・シンクタンク、ランドは他の見方ができないのだ。

アメリカ例外主義ネオコンにとっても、新自由主義ネオコンにとっても、唯一受け入れ可能な大詰めは、シリア分割だ。エルドアン体制が北部を吸収する。イスラエルは石油の豊富なゴラン高原を吸収する。そして傀儡サウド王家が東部の砂漠を吸収する。

シリア分割後の次の一歩として、アンカラ、リヤドと、“背後であやつる”ワシントンが、聖戦ハイウエイを、はるばる、北のカフカスや、中央アジアや新疆(既に少なくとも300人のウイグル人が、ISIS/ISIL/ダーイシュ側で戦っている)へと推し進めることを計画しているため、こうした入念な計画を、ロシアは爆撃で文字通り灰塵に化した。他が全部駄目な場合、ユーラシア統合という組織に短剣として突っ込むのに、聖戦ハイウェイ以上のものはない。

中国戦線では、混沌の帝国による“創造的”挑発として、何が行われようとも、それが、未開拓の石油とガスの富が詰め込まれている、中国に出入りする主要海路をなす広大な海域、南シナ海における北京の狙いを頓挫させることはあるまい。2020年までに、北京は必ずや恐るべき海洋強国になるつもりだ。

ワシントンは、ベトナム、フィリピン、インドネシアとマレーシアに対し、今後二年で、2億5000万ドルの軍事“援助”をするかも知れないが、それはほとんど無意味だ。“創造的な”帝国の考えが何であれ、例えば射程2,500 kmの核弾頭搭載可能なDF-21D“空母攻撃”弾道ミサイルも考慮しなければならない。

経済面では、ワシントン-北京は、主要な代理戦争地域であり続けよう。ワシントンは、TPP、つまり貿易上のNATOアジア基軸を推進している。12の加盟国、とりわけ、アメリカの極めて敵対的な議会が、それを批准する必要があり、依然、際限なく大変な課題だ。

この一つの芸しかできないアメリカに対し、習近平は複雑な3方面戦略を実施している。TPPに対する中国の反撃策のアジア太平洋自由貿易圏 (FTAAP)。実に壮大な“一帯一路”。世界銀行と、アメリカ-日本が支配するアジア開発銀行(ADB)に対する中国の反撃策で、多数のプロジェクトに資金調達する手段である、アジア・インフラ投資銀行(AIIB)だ。

例えば、東南アジアでは、数字が全てを語っている。昨年、中国は3670億ドルもの額で、最大のASEAN貿易相手だった。2018年までに、2000億ドルの中国投資を吸収する予定の一帯一道によって、これは幾何級数的に伸びるだろう。

『闇の奥』再訪

ヨーロッパの見通しは、ひたすら暗い。フランス人イラン研究者のファルハド・ホスロハヴァルは、問題の核心を明らかにした僅かな人々の一人だ。ヨーロッパ中の聖戦戦士予備軍は、都市中心部の締め出されている貧しい若者の大群を取り込み続けるだろう。EUの新自由主義ネオコンが、新たな形の社会化を実施して、これらの疎外された大衆を、ゲットーから引き出す、妥当な社会-経済政策を促進するだろう証拠は皆無だ。

そこで逃げ道は、狡猾でPRに精通した暴利を貪る連中によって、抵抗の象徴として喧伝されているウイルス風サラフィー聖戦主義しかなくなってしまう。市場で入手可能な唯一の対抗イデオロギーだ。ホスロハヴァルは、それを“歴史的には決して存在しなかった活気ある共同体”ながら、今や自己認識の危機に苦しんでいる、あらゆる若いヨーロッパ人なり、イスラム教徒なりを、あからさまに引き寄せている新ウンマとして定義している。

中東の独立諸国に対する丸15年間の終わりのないアメリカ・ネオコン戦争と並行して、ペンタゴンは、既存基地のいくつかで果てしのない拡張を大幅強化し、アフリカの角のジブチから、イラク・クルド自治区のアルビールまでを“ハブ”にするつもりだ。

サハラ以南のアフリカから、南西アジアで、その全てが嬉々として特殊部隊を受け入れるハブの構築ブームが起きるだろう。この作戦は、ペンタゴン最高権威者、アッシュ“泣き言帝国”カーターによって“必要不可欠”だとされている。“我々は将来を予見することはできないのだから、スペインのモロン空軍基地から、ジャララバードから、アフガニスタンまでの各国の中心地を、テロや他の種類の様々な危機に対応するための前方プレゼンスにする。こうしたものが、一方的な危機対応や、対テロ作戦、あるいは高い価値を持つ標的に対する攻撃を可能にする。”

全てがここにある。帝国の絶対的命令にあえて逆らう全ての人々に対して活動中の、一方的例外主義スタンだ。

ウクライナから、シリアに到るまで、そしてMENA(中東と北アフリカ)全体で、ワシントンとモスクワとの間のリスクが益々高まる代理戦争が弱まることはあるまい。不可逆な中国勃興を巡る帝国の絶望も弱まることはあるまい。新たなグレート・ゲームが速度を増し、ロシアが、ユーラシア大国のイランと中国とインドに、欧米が保有するものをはるかに超えるミサイル防衛システムを提供する中、新たな常態に慣れよう。ワシントンと北京-モスクワ間の冷戦2.0だ。

最後に、ジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』中の文章をお読み願いたい。"嘘には死の汚れ、免れられない死の匂いのようなものがある....大地の底からその宝を掠めとることが彼らの願望であり、金庫破りの盗賊さながらに、その願望の裏には何の道徳的目的もなかった....なぜなら、僕らはあまりにも遠い所に来てしまったのであり、原始時代の夜を、ほとんど何の痕跡も─何の記憶も残していない遠くに去ってしまった時代の夜を、いま旅しているのだったから...

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

Pepe Escobarは、独立した地政学専門家。RT、スプートニクや、TomDispatchに寄稿しており、アメリカから東アジアにまで到るウェブサイトや、ラジオやTV番組にも頻繁に寄稿、出演している。アジア・タイムズ・オンラインの元移動特派員。ブラジル生まれで、1985年から海外特派員をしており、ロンドン、パリ、ミラノ、ロサンゼルス、ワシントン、バンコクと香港で暮らした。9/11前から、特に、大国間の地政学、エネルギー戦争に集中して、中東から、中央アジア、東アジアに到る円弧の報道を専門にしている。彼の著書に "Globalistan" (2007)、"Red Zone Blues" (2007)、"Obama does Globalistan" (2009) および "Empire of Chaos" (2014)があり、いずれもNimble Booksより刊行。最新刊は "2030"で、これもNimble Booksから、2015年12月刊行予定。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/326965-2016-us-syria-turkey/
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文末にあるジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』引用文、『闇の奥』藤永茂訳、三交社刊のものを使わせていただいた。

「劇論!政治・外交」で、官邸と太いパイプを持つ方を初めて拝顔。
音声を消しているので、皆様が何をおっしゃっているのか全くわからない。
そのほうが、健全な精神養成に効果があるだろうと勝手に思っている。

この国の大本営広報部、紙媒体であれ、電気洗脳箱であれ、すべてが来年選挙用洗脳機関なのだから。

2015年12月26日 (土)

サウジアラビア-ロシアの石油のかけあい?

Pepe ESCOBAR
2015年12月25日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

“ロシアの石油会社が確実に生産を減らすのはいつか教えよう。石油価格が0ドルになった時だ”ロシア連邦エネルギー省次官キリル・モロツォフ。これは2015年の流行語の一つとなるに違いない。

世界的供給過剰を食い止めるために、OPECが生産を削減するのを拒否していようとも、石油価格が0ドルになるような話は忘れよう。

ロシアは、まるで明日などないかのように、石油採掘を続けるだろう。

概要はこういうことだ。ロシアは、2016年の石油生産レベルを驚くべき53300万トンで維持するだろう。これは、つまり一日平均、476万バレルの輸出だ。

より効率的な一連の精油所のおかげで、国内需要は減少したが、輸出は増えた。ルーブル安と、石油価格が下落すると税も減るおかげで、ロシア石油会社は、欧米メジャーと比較すれば、安い石油価格による損失は少ない。ロスネフチ会長のイゴール・セチンが、ロシア、特に西シベリアの油田は、生産経費が“世界で一番安い”と豪語したのは有名だ。

ロシアは、サウジアラビアとならんで、世界第一の石油生産国だ。そして、2015年、ロシアは、サウジアラビアより少なくとも三倍多くの石油を中国に輸出した。これはユーラシアにおける、ロシア-中国戦略的提携の重要なエネルギーの側面として、しっくりする。

益々奇妙なことに、両国の石油戦略は真っ向からぶつかるものの、ロシアとサウジアラビアが、ひょっとして同盟国になるかも知れない可能性と並行して、この過程が進んでいる。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、軍事-技術的な場での“数十億ドルの計画 ”を示唆した。

これは、石油価格を押し下げるという自らの戦略で酷く傷ついて、ようやくサウド王家の目からうろこがおちた兆しなのかも知れない。これは、長期的に、サウド王家がロシア-中国戦略的提携とより緊密に連携する可能性も意味する。中国はサウジアラビアの最大の貿易相手国で、断続的に、最大の石油顧客なのだから。

2014年にサウド王家が石油価格を押し下げた主要動機は、ロシアのシリア支援の意思を屈伏させることだった。今や、経済的な評決は下ったが、要するに、実にもう悲惨な状態で、2015年、サウジアラビアは、GDP比で16%の財政赤字となり、スタンダード・アンド・プアーズのソブリン信用格付けが、“AA-/A-1+”から“A+/A-1”に引き下げられた。

ロシアは石油生産を継続した。更にモスクワは、ダマスカスを守るべく、華々しく空軍を送り、だめ押しまでした。

つまりモスクワと北京は、エネルギー提携を強化し、サウド王家は基本的にロシアから市場シェアをもぎ取ることに失敗したのだ。極めて重要なのは、例えばロシア第三位の石油生産者、ガスプロムネフチが、1月以来、エネルギーを北京に元で売っている事実だ。

先にあるのはシルク・ロード

石油価格は、2016年中、低価格であり続けよう。OPECはばらばらなままだろう。それでも、ロシアもイランも、なんとか生き残れている。サウド王家にとっての“なぐさめ”は、低価格戦略によって、多くの競合相手を市場から追い出せたことだ。

アメリカの石油インサイダーは、ロシアとサウジアラビアは、敵ではなく、味方でいる方が合理的だと主張している。OPECと、湾岸オイルダラー・クラブにとっては、単にロシアと共に石油生産を10パーセント削減するだけで、石油価格は倍増するが、それを、そもそも、サウジアラビアが潰しているのだ。これはロシアと、サウジアラビアそれぞれにとって、年間およそ1800億ドルの新たな利益を意味しよう。

それゆえに、ロシア-サウジアラビア石油協定は、日に日に現実味を帯びつつある。リヤドと密接な関係を持っている有力者連中が、それを実現させようとしている。そうなれば、文字通り、金で舗装された大道に至れよう。

サウジアラビアとアラブOPECが、ロシアと、そして更には可能性として、イランとも和解すれば、湾岸オイルダラー・クラブが、現代史における世界最大のインフラ・プロジェクトの一員となる道を切り開くことになろう。中国が率いる一帯一路、貿易、通商と、一級インフラによるユーラシア統合だ。中国新シルク・ロードは、ロシアと、ユーラシア経済連合(EEU)諸国と、前向きに統合するだろう。

サウド王家にとっては厳しい選択だ。ユーラシア統合に賭けて利益を得るか、それとも、ワッハーブ派のおかしな連中集団を騒がせ、兵器化し続け、典型的な逆噴射で、最終的に、連中がイデオロギー・マトリックスの方向を変え、メッカそのものを占拠しようとすることになるかだ。

だが、おびえた被害妄想のサウド王家が、合理的判断をするなどと期待してはならない。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/12/25/a-saudi-russian-oil-splash.html
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以前、トルコ・ストリーム合意の記事を読んで、本当かと驚いた。爆撃機撃墜で、話は中断している。この話題も、眉に唾をつけたくなるが、何があっても驚かない。

東京大洪水』高嶋哲夫著の55ページを読みながら、大本営広報部が再三話題にするマンション杭偽装を思い出した。

「パンフレットをちゃんと見るように言ってください。要点はすべて書いてありますから。この辺りは埋め立て地で下は海ですが、基礎はその下の岩盤にまで、しっかり打ってあります。いい加減な記憶で見学者に答えないでください。」
「耐震強度偽装の事件以来、皆、過敏になっている。扱いにくいよ。」
「本来、そうあるべきなんです。それだけの注意を払って選ぶべき値段の買い物なんですから」

大洪水の描写を読みながら、鬼怒川氾濫を思い出した。

国の土台が大いに浸食されつつある状況を、大本営広報部・大政翼賛会は全く触れない。

『街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋』2015年12月25日記事の事態に目をつぶって、競技場案の善し悪しやら、少女誘拐?やら、おかしな教師の外国での買春をまじめくさてっ語る皆様、記事を書く皆様、正気なのだろうか?それとも、皆様全員、アメリカ語を母国語なみに駆使する能力をお持ちなのだろうか?

おとしめられる日本語  日本の公式言語は英語である

2015年12月14日 (月)

シリアで動けなくなったトルコ、イラクの‘スンニスタン’を狙う

Pepe Escobar

2015年12月12日
"RT"

トルコのイラク“侵入”は、冷酷で計画的な動きだ。そして、またしても、何よりも重要なのは - ほかならぬ - 分割して統治せよだ。
トルコは、イラク国家の一部であるクルディスタンに、25台のM-60A3戦車に支援された400人強の大隊を派兵した。今や、モスル北東のバシカ・キャンプに駐留するトルコ軍は、総計約600人に達したと報じられている。

簡潔な分析。これは、アンカラが歪曲して言っているような“訓練所”ではない。これは本格的な、恐らくは、恒久的軍事基地だ。

先月アルビルで、極端に腐敗しているクルド地域政府 (KRG)と、当時のトルコ外務大臣フェリドゥン・シニルリオールの間で、怪しい取り引きがまとまった。

トルコの歪曲発表の奔流は、これは、ISIS/ISIL/ダーイシュと戦うための単なるペシュメルガ“訓練”だというものだ。

全くのたわごとだ。重大な要素は、アンカラは、イラン、イラク・シーア派と、シリア・アラブ軍(SAA)、更にヒズボラが、ロシアと団結する“4+1”対「イスラム国」戦争同盟を恐れているということだ。

“背後から一突きした”Su-24撃墜後、シリアで、アンカラは事実上麻痺状態だ。トルコ大統領の家族の盗まれたシリア石油への連座をロシアが暴露した(ビラル・エルドアン、別名、エルドアン‘ミニ’は全てを否定している)。ロシア空軍は、トルコの第五列、トルクメン人を容赦なく爆撃している。S-400や、カリブル巡航ミサイルを装備した第三世代潜水艦配備は言うまでもない。

そこで、今やアンカラは、トルコが作り出した、KRG (石油をトルコに、違法に売っている)と、無秩序に広がるモスルのヌセイフ部族の指揮下にあるとされる北イラクのスンナ派の“反撃同盟”を使う、イラクへと注力先を切り換えたのだ。

これは典型的な新オスマン主義の発動だ。アンカラで権力の座にあるAKPにとって、北シリアと、北イラクは、旧オスマン帝国の県にすぎず、トルコ・ハタイ県の東側の延長であることを我々は決して忘れてはならない。‘オスマン・トルコ皇帝’エルドアンの(口には出さない)夢想は、ここをまるごと併合することだ。

一方、ダーイシュが依然モスルを支配している。しかし、イラクのスンナ派と、イラク軍は、ゆっくりと、攻勢を準備しつつある。

アンカラが、このモスルに近いこの軍事基地で狙っていることは、下記二つの“見えない”狙いと結びついている。連中がどこにいようと、彼らの第五列、トルクメン人を保護すること、そして、イラクのクルディスタンに避難しているPKKクルド人と戦う、より多くの兵力を現地におくことだ。

‘オスマン・トルコ皇帝’エルドアンの理屈は、バグダッドは、北イラクをもはや支配できていないことだ(いい点を突いている)。しかしアンカラにとって問題は、地域における本当の権力者が、シーア派とPKKになりかねないことだ(ありそうもないことだが、エルドアンはそう考えているのだ。)

‘オスマン・トルコ皇帝’エルドアンは、KRG‘暴力団最高司令官’マスード・バルザニと、極めて緊密な商取引をしている。彼等の石油輸出取り引きは、違法にバグダッドを迂回している。バルザニは、予想通り、トルコ軍の構想には何の問題も感じていない。結局“彼の”石油に、トルコが金を払ってくれるのだから。

決定的要因は、地政学のエース、ミック・ジャガーが言う通りだ。ガス、ガス、ガスだ。(訳注:ローリングストーンの歌、Jumpin' Jack Flashの歌詞)

アンカラの動きは、究極の‘パイプラインスタン’戦争に直結している。競合する二つのガス・パイプライン、カタール-サウジアラビア-ヨルダン-シリア-トルコ経由と、イラン-イラク-シリア経由の衝突がシリアの悲劇の核心なのだ。

ロシアが、Su-24撃墜後、トルコへのガス供給を止めかねないというエルドアンの被害妄想から、ガスプロムがよもやするはずもないのだが、カタール ガス・パイプラインが、シリア領ではなく、イラクを通過することを“受け入れる”ようアンカラは、バグダッドにギャング流で必死に強いているのだ。

この強引な構想が、“4+1”同盟の一員であるバグダッドにとっては絶対禁物であることは言うまでもない。しかも、イランとロシアが、あらゆる手を使って、内部対立で悪名高いクルド人の分裂につけこんで、エルドアンの入念な計画を爆撃させる可能性がある。

エルドアンの狙いは大物だ。トルコの安全保障構想のもとで、極端に腐敗したKRGと様々なスンナ派が共同管理する、ほかならぬイラクの‘スンニスタン’を狙っているのだ。ワシントンとテルアビブが、彼がそうしても放免するかのようだ。

事実は少なくとも、当面、シリアでの彼のゲームはお流れになりかねないが、エルドアンは、話をそらし、イラク分割という彼の戦略に全力を注ぐと決断したのだ。

そこで、またしても、ダーイシュが一体どのようにして、昨年、イラク第二の都市、モスルを戦闘なしに征服できたのかという疑問に到るのだ。そしてまた、シリアからイラクへ砂漠を横断した、連中の悪名高いぴかぴかの白いトヨタの車列が、宇宙の歴史始まって以来、最も先進的な衛星監視システムによる探知を避けることができたのかだ。

このミステリーに関しては、中東中や“4+1”連合での間で続いている諜報機関のうわさが火を噴く運命にある。

うわさによれば、昨年モスルで「イスラム国」と戦うはずのイラク軍が怖じ気付いて、逃亡したというペンタゴン公式説明は神話だ。

ペンタゴンに訓練されたイラク軍が大量の戦車や重火気を置き去りにし、それをISが、しっかり手にいれたといわれている。だからISが、この非常な力を持った‘贈り物’を収集できたのは実に幸運だったと。

新たな説明は、イラク軍に一種の戦術的撤退として、あらゆる並外れたハードウエアを置いて逃走するようペンタゴンが意図的に“指示した”というものだ。

つまりペンタゴンは、一見もっともらしい反証で完全に保護されているというわけだ。

かくして「イスラム国」はシリア内の代理/政権転覆軍として、しっかり兵器化された。シリアにおける‘混乱の帝国’という戦略目標に沿った完璧な混乱製造手段だ。ちなみに、混乱の帝国は、完全な政権転覆がない場合、シリアにおける‘スンニスタン’の形成も含んでいる。

うわー。しかしペンタゴンは決してそのような行為はおこなわないはずだろう?

Pepe Escobarは、独立した地政学専門家。RT、スプートニクや、TomDispatchに寄稿しており、アメリカから東アジアにまで到るウェブサイトや、ラジオやTV番組にも頻繁に寄稿、出演している。アジア・タイムズ・オンラインの元移動特派員。ブラジル生まれで、1985年から海外特派員をしており、ロンドン、パリ、ミラノ、ロサンゼルス、ワシントン、バンコクと香港で暮らした。9/11前から、特に、大国間の地政学、エネルギー戦争に集中して、中東から、中央アジア、東アジアに到る円弧の報道を専門にしている。彼の著書に "Globalistan" (2007)、"Red Zone Blues" (2007)、"Obama does Globalistan" (2009) および "Empire of Chaos" (2014)があり、いずれもNimble Booksより刊行。最新刊は "2030"で、これもNimble Booksから、2015年12月刊行予定。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/325218-syria-turkey-iraq-war/
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忘年会?で、S紙読者、Y紙読者、A紙読者、T紙読者が、それぞれの紙面を自分の意見であるかのごとく言い合って遊んだ。
某二紙の読者、ビールがもらえるやら、なにやら、もっぱら特典を喜んでいる。

今朝は全員読まずに済んでいる。

RT、今年で創立10周年らしい。宗主国政府は、理不尽にも、締め出しを検討しているというが、記事を読んでいると、締め出したくなる理由がわかる。

日刊IWJガイド 「『饗宴VI』まで1週間! 共産、社民以外の野党まで新設を認める『緊急事態条項』のヤバさを徹底解析し、来夏の参院選に備えよう!2015.12.14日号~No.1188号~

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