NATO

2019年1月10日 (木)

ヨーロッパに対するトランプ:あなた方は家臣だ、私は気にしない

2019年1月4日
Strategic Culture Foundation
論説

 「私はヨーロッパのことは気にしない」と今週ホワイトハウス閣僚新年初会談の際、ドナルド・トランプ大統領が宣言した。

 アメリカ大統領は、おそらくアメリカ-ヨーロッパ関係の本当の性格について、意図した以上に多くを明らかにしたのだ。

 トランプは、貿易や他の問題と同様、アメリカのヨーロッパへの軍事関与という文脈で話をしていた。彼は、ヨーロッパが軍事予算に更に多く使わないことで、ヨーロッパ同盟国にアメリカ「利用されて」いるのだという長たらしい呪文を繰り返したのだ。

 アメリカ大企業資本主義固有の軍の浪費を破壊的な悪徳としてではなく、同盟国や世界を「保護」しているとされる有徳の大義として描きだすのは、トランプのほとんど明瞭な間違った考えで、いつもの無駄話だった。要するに幻想的アメリカ例外主義だ。

 だがヨーロッパ同盟諸国に対するトランプのぶっきらぼうな軽蔑は顕著だった。彼がヨーロッパで不人気だとされることに関する皮肉で、大統領はヨーロッパ人が何を考えるか気にしていないと言った。数秒後、彼のとんでもない自己中心的精神状態を裏切って、トランプは方向転換し、もし彼がヨーロッパで選挙に立候補すれば人気は高いと主張した!

 だが皮肉にも、多分我々は彼の不作法な率直さに対しトランプに感謝すべきなのだ。このような軽蔑的な無視でヨーロッパを侮辱することで、彼は古い大陸とワシントン関係の本当の顔をむき出しにした。

 過去のアメリカ大統領は、太西洋両岸関係を、アメリカに指揮されるNATO軍による同盟としてはっきり示されているように、一般に信じられている「戦略的提携」として描くことに熟練していた。政策に関する反発で辞任したジェームズ・マティス前国防長官はこの太西洋関係論者の類型だった。マティスは繰り返し、同盟国と強いきずなを維持する重要性をほめそやしていた。

 だが、十年もの太西洋両岸に関する言説は、しばしばワシントンとヨーロッパ間の実際の関係を隠すのに役立ってきた。現実はヨーロッパはパートナーではない。彼らは家臣だ。

 次々のヨーロッパ政権と欧州連合は、絶えず彼らの国が、過去を含め、ロシアを狙う核兵器でアメリカ軍用の基地役をするのを許してきた。もしアメリカがそれとしての条約がトランプの下で、そうすると脅している中距離核戦力条約からアメリカが離脱するなら、それらミサイルはヨーロッパ領に戻るかもしれないのだ。

 従属的なヨーロッパ政府は、ワシントンの帝国主義戦争のために、多国間という擬似的法律上の隠れ蓑を提供して、アメリカの軍国主義を忠実に促進してきた。 例えば、ヨーロッパ諸国は、アフガニスタンとイラクに軍隊を派兵することで、犯罪的大量殺戮の冒険的事業にうわべの正当性を与えて、アメリカによる戦争を増大させたのだ。

 皮肉にも、今週彼の閣僚に対する発言で「わずか100部隊」をアフガニスタンとイラクに派兵していることに対し、トランプはヨーロッパ諸国をあざ笑った。彼は、極めて横柄なアメリカ犯罪がどれほどかを例示して、シリアにも言及した。

 それで、彼らの経済資源の更に多くを、アメリカの病的な軍国主義中毒と並ぶ位捧げないことに対し、トランプはヨーロッパをひどく叱った。欧州諸国が、アメリカ軍事占領に対して更に多くを支払わないことに対して。海外におけるアメリカの犯罪的侵略に参加するためにもっと多くの兵隊を送らないことに対して。

 ヨーロッパとワシントンの暴君的関係を隠す上で、これまでのアメリカ大統領はもう少し慎重だった。だがトランプは、余りにも自己中心的で、取り引きは不作法だ。アメリカ騎士道と保護という身勝手な見せかけ全体が、無意識のうちに、ずたずたになっている。

 今週、トランプはヨーロッパに、彼が大陸、アメリカ同盟国と想定されているもののことを一切気にかけないと言ったのだ。このような軽蔑をされたヨーロッパ諸国は、現実に目覚めて、ワシントンからの独立を狙い、特にロシアと大陸での本当の協力を追求する必要がある。

 もし彼らがロシアからのノルドストリーム2ガスパイプラインを建設し続ければ、制裁するとヨーロッパ諸国を恫喝するトランプ政権は、ワシントンの横柄さを最も著しく表現している。ロシアは、特にガスと燃料燃料の経済的な供給に関しては、ヨーロッパにとって自然の戦略的パートナーなのだ。

 エネルギー需要と供給の問題は、ヨーロッパとロシアとアメリカ間の関係について、何にも勝る象徴だ。アメリカはある種の詐欺師で、エネルギー貿易であれ、軍事であれ、他の国々に自国利己的な権益を押しつけているのだ。トランプに関しては、イランとの核協定を破り、その国際協定を守っているという理由で、ヨーロッパを罰しているの我々は目にしている。

 アメリカがヨーロッパの利害を無視している現実を、トランプはこれ以上あつかましく述べることはできまい。彼は全く気にしていないのだ

 去年の終わりに、欧州連合はさらに6カ月間、対ロシア経済封鎖を再開することを票決した。それら制裁は、ウクライナにおける紛争と、ロシアが選挙に干渉したという途方もないおとぎ話、主にたくさんの見せかけだけの問題に関してワシントンとそのNATOパートナーによってされた反ロシアのイデオロギー的主張に基づいている。ヨーロッパの属国的地位による対ロシア制裁から、自滅的な損害を受けたのは、アメリカ経済ではなく、またしてもヨーロッパ経済であるという事実によって明らかだ。

 ヨーロッパ政府はトランプの「アメリカ・ファースト」政策の一部を採用し、自国民の利益をファーストにする必要がある。ヨーロッパはロシアに対するワシントンの敵意と軍国主義を否認しなくてはならない。現ヨーロッパ政府の多くが、ワシントンから自立するのに必要な政治意志を見出す能力がないように思われる。それが、欧州連合や既成政治家に対する一般大衆の不満が、このような目を見張るように台頭している理由の一部だ。権力者連中は、国民の関心や必要に鈍感で、代表もしておらず、既成体制に対する更なる反発を引き起こしている。

 ヨーロッパはワシントンの従僕をやめる必要がある。今週のトランプによる、あからさまな軽蔑の後、ヨーロッパには、アメリカの家臣として卑屈になり続ける弁解も正当化もあり得ない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/01/04/trump-to-europe-youre-vassals-and-i-dont-care.html

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  ヨーロッパとは地理的に反対の位置にあっても、状況、ヨーロッパ以下の場所もある。厳しい事実、おまいりで解決することはないだろう。与党が神社を持ち出すのは、属国化推進の隠れ蓑。野党、あるいは「ゆ党」の集団参拝、当然、説明はまだないようだ。立川談四楼氏は、大石内蔵助説を唱えている。希望的観測だがと。IWJインタビューで、国家神道のレクチャーを拝聴しようと思う。

【「国家神道」のルーツを探る!島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビューシリーズ特集再配信 3・IWJ_Youtube Live】20:00~「『神道』理解のカギは室町時代にあり!吉田兼倶による神道理論の体系化、その意義とは?岩上安身による島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビュー2日目(中世・近世編)前半」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 2016年11月に収録した、岩上安身による島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビュー2日目(中世・近世編)前半を、冒頭のみフルオープン再配信、その後は会員限定で再配信します。IWJがこれまで報じてきた井上寛司氏に関する記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E4%BA%95%E4%B8%8A%E5%AF%9B%E5%8F%B8

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/352464

2019年1月 5日 (土)

シリアとアフガニスタン:異なる2つの現実

2019年1月3日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 2つのひどい戦争、2つの強烈な破壊、わずか2つの全く反対の結果。

 シリアは今秋かもしれないが、ほとんど国全体が、文字通り灰から立ち上がり、再び開花している。そこから東に3200キロ、アフガニスタンは、古の岩に打ちつけられて、出血し、壊されている。そこがどんな季節であるかは本当に重要ではない。暮らしはまったく酷く、希望が永久追放されているように見える。

 今シリア・アラブ共和国のいにしえの素晴らしい首都シリアのダマスカスには再び生活が戻っている。人々は夜遅くまで外出している。催しが開催されている。音楽と活気に溢れた社会生活がある。全員ではないが、多くが再び微笑んでいる。検問所は減少しつつあり、博物館やカフェやいくつかの国際ホテルに入るため金属探知器を通り抜けさえしなくても良い。

 ダマスカスの人々は楽天的だ、彼らの若干が有頂天になっている。彼らは激しく戦った、彼らは何十万という男性、女性と子供を失ったが、彼らは勝った! 彼らは最終的に、すべての予想に反し、彼らの本当の友人と僚友に支援されて勝った。彼らは彼らが、まさに正しく、達成したことを誇りに思っている!

 実に何度も、実に長期間、屈辱を受けたが、アラブの人々は突然立ち上がり、世界と、彼ら自身に、相手がどれほど強力であろうと、彼らの戦術が、どれほど抜け目なく、いかに忌まわしくとも、侵略者を打ち破る負ことができるのを示した。私がいくつかの前の記事で書いた通り、アレッポは「中東のスターリングラード」だ。それは力強さの象徴だ。そこでファシズムと帝国主義が止められた。予想通り、その体力、勇気と素質のおかげで、汎アラブ主義の中心、シリアは、自由を愛する地域の人々のために再び最も重要な国になった。

 シリアは多くの友人がおり、中には中国やイランやキューバやベネズエラがある。けれども彼らの最も決然とした人は、最も信頼できて、ロシアのままでいる。

 事態が良くなく、ほとんど絶望的に見えた時でさえ、ロシア人は歴史的な同盟者に味方をした。欧米やサウジアラビアやカタールやトルコによって訓練されシリアに送り込まれたテロリストが古くからの都市を破壊し、町村や同様、ダマスカスの7つのすべての門や、あらゆる大都市から、何百万という難民が国外に逃れていた時でさえ。

 ロシアは、しばしば「舞台裏で」一生懸命働いた。外交面でも、しかし同じく最前線でも。不可欠な航空援護の提供、地域全体の地雷除去、食料供給、兵站、戦略でも。正確な人数を我々は知らないが、ロシア人がシリアで亡くなっており、死者が出ているのは確実で、‘相当な数’だというむきもある。だがロシアは決して国旗を振ることなく、決して自画自賛のジェスチャーで胸を叩くこともしなかった。シリア国民は、この全てを知っている。彼らは理解しており、感謝している。両国民にとって、言葉は不要だ。少なくとも今は。両国民は深い兄弟のような同盟を結んだ。彼らは、闇、テロ、新植民地主義と戦い、勝利したのだ。

 ロシアの軍用車列がシリアの道路を通行する際、警備はない。彼らは元気をつけるために地元レストランに入り、地元の人と話をする。ロシア人はシリアの市内を歩く際、不安を感じない。彼らは「外国軍隊」として見なされたり、扱われたりしない。彼らは今やシリアの一部だ。 彼らは家族の一部だ。シリア人は彼らをくつろがせるのだ。

*

 カーブルで、私は常に壁に直面する。壁は有刺鉄線と同様、私の周りの全てだ。コンクリートの壁だ。

 壁の中には4-5階建てのビルほど高いものがあり、全ての角に防弾ガラスで覆われた見張り塔がある。

 地元の人々、歩行者は夢遊病者のように見える。彼らは諦めている。彼らは子供たちの頭や胸や足に向けられる銃身にさえ慣れている。

 ほとんど全員占領に憤慨しているが、何をすべきか、どのように抵抗すべきか誰も知らない。NATO侵略軍は残忍で圧倒的だ。指揮官と兵士は冷たく、打算的で、無情で、彼ら自身、ただ自分だけを守ることに取りつかれている。

 重武装したイギリスとアメリカ軍用車列は、ほんの僅かでも敵対的な様子でさえ「動く何」にでも発砲する準備ができている。

 アフガンの人々はほぼ全員「冷静に」「遠隔で」殺害される。真面目な一対一の戦闘をするには欧米人の命は「あまりにも貴重なのだ」。殺害は、無人機や「スマート爆弾」や、あるいはアフガンの都市や田舎を縦横に動き回る怪物のような乗り物からの銃撃によって行われる。

 法外な占領中、何人のアフガン国民が殺害されようと、アメリカ人やヨーロッパ人の命が助かる限り問題ないのだ。アフガニスタンに派兵された欧米兵士たちの大部分がプロだ。彼らは彼らの国を守ってはいない。彼らはいかなる代償を払おうとも、効率的に「彼らの仕事」をするよう金をもらっている。もちろん「安全第一」。彼ら自身の安全が。

 欧米が2001年にアフガニスタンを占拠した後、100,000人から170,000人のアフガン国民が殺された。何百万人もが難民として国を去るよう強いられた。アフガニスタンはHDIリスト(国連開発計画により編集された人間開発指数)上、今アジアで下から(イエメンの後)2番目に位置している。平均寿命はアジア(WHO)で最も短い。

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 私はシリアとアフガニスタン両方で働いたので、この2つの国と、この2つの戦争の相違を指摘するのは私の義務だと思う。

 シリアとアフガニスタンは、両国とも欧米に攻撃された。一方は抵抗し、勝ち、もう一方は主に北アメリカとヨーロッパの軍隊により占領され、結果的に破壊された。

 この惑星の約160の国で働き、無数の戦争と紛争(大部分が欧米とその同盟国によって火をつけられるか挑発されたものだ)を報道し、目撃した私には明らかにパターンが見えている。「欧米影響圏」に陥ったほとんど全ての国が荒廃し、略奪され、破壊される。そうした国は、ごく少数の ‘エリート’ (欧米に協力する人々)と、貧困の中で暮らす圧倒的多数との間の非常に大きな格差に見舞われている。ロシアか中国(あるいは両国)との親密に結びついている国々の大部分が、自己統治と、その文化、政治制度と経済構造への敬意を享受し、栄え、発展している。

 2つのブロック(そう今や再び、国々の主要な2つのブロックがある)間のこうした衝撃的な対照が、常に強調されて、論じられないのは、ほぼ完全に欧米志向の「ソーシャル・メディア」同様、商業マスコミと偏った教育制度のせいだ。

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 シリアへの最近の訪問中、私はダマスカスとホムスとアインタルマに暮らす多くの人々と話をした。

 私が目撃したものは「涙を通しての喜び」と表現できるものが多い。勝利の代償は法外だった。それにもかかわらず、喜びだ。シリア国民の政府の団結は明白で注目に値する。

 「反政府派」に対する、欧米に対する怒りは至る所にある。間もなく今後の報告で状況を説明するつもりだ。だが今回、私は2つの都市の状況、2つの国と2つの戦争を比較したいと思う。

 ダマスカスでは、私はまた詩を書きたい気になる。カーブルでは、長い憂うつな死亡記事しか書く気になれない。

 私はこれらの古都の両方を愛しているが、もちろん愛し方は違っている。

 率直に言って、18年間の欧米占領で、カーブルは、武装化し、分裂し、植民地化されたこの世の地獄に換えらてしまった。皆それを知っている。貧しい人々はそれを知っており、政府さえそれを知っている。

SYA2

 カーブルでは、共同体全体がもう「諦めている」。そこでは溝や橋の下で生きることを強いられている人々が暮らしている。そうした人々の多くが、生産が欧米占領軍によって支援されている現地生産された麻薬に酔いしれ、やみつきになっている。私は公然とケシプランテーションに囲まれているアメリカ軍基地を見て、写真を撮った。イギリス軍が地元の麻薬マフィアとの交渉に携わり、協力しているという地元の人々の証言を聞いた。

 今、欧米大使館やNGOやアフガニスタンで活動する「国際組織」は、ヨーロッパで「訓練され」、奨学金を受け、占領者の公式言説を繰り返すかなりの現地人集団を、知的、道徳的に堕落させ、洗脳するのに成功した。

 彼らは彼らの国がその中に放り出された悪夢を合法化するため休みなく働いている。

 だが、ソ連時代と社会主義アフガニスタンの両方をまだ覚えているより高齢の人々は圧倒的に「ロシア派」で、アフガニスタンの解放、国の進歩や決然とした建設の日々を、いらだちの中、懐かしんでいる。「ソ連」のパン工場、水路、パイプライン、高圧送電塔や学校は、国中いたるところで今日に至るまで使われている。当時の、男女同権や政教分離や反封建主義の戦いは、欧米による占領の下、今や事実上、非合法だ。

 アフガニスタン人は誇り高い、決然とした人々であることが知られている。だが今や彼らの誇りは破れ、固い決意も悲観と憂うつの海に溺れてしまった。欧米による占領は平和をもたらさず、繁栄も、民主主義的独立(もし民主主義が「人々による支配」と解釈されるなら)も、もたらさなかった。

 近頃、カーブルでの若者や女性の最も大きな夢は占領者のために働くことだ。欧米風学校で「教育を受け」、アメリカ大使館や国連政府機関の一つで仕事につくことだ。

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 ダマスカスでは、皆が今、国の再建について話をしている。

 「被害を受けた近所は、どのように、いつ再建されるのだろう? 戦前の地下鉄建設は近いうちに再開されるのだろうか? 生活は前より良くなるだろうか?」

 人々は待ちきれない。自分たちのビルや家や道路を復興している家族やコミュニティーを目撃した。

 そう、ダマスカスで私は進行中の本物の革命的な楽天主義、私が新刊Revolutionary Optimism, Western Nihilismで説明したものが実際に動いているのを目にした。なぜならシリア国家自身今、再度益々革命的なのだから。いわゆる「反政府勢力」は主に欧米が支援する破壊活動だった。シリアに植民地政策の暗い日々を思い出させる試み以外の何ものでもなかった。

 ダマスカスとシリアの政府は、途方もなく大きな壁や空中に浮く巨大スパイ小型飛行船を必要としていない。彼らは、あらゆる街角の装甲車両や、至る所で致命的な機関銃を搭載したSUVを必要としていない。

 他方、カーブル占領者は支配を維持するため、そうした全ての致死的な力の象徴を必要としている。それでも、彼らは、人々を脅して、彼らを支援したり、愛したりするようにはできない。

 ダマスカスでは、たまたまシリア文部大臣だった私の仲間、小説家の事務所に歩いて入れた。カーブルでは、ただトイレに行きたいだけの場合でさえ、しばしば金属探知器を通らなければならない。

 ダマスカスでは、あらゆる街角に希望と生活がある。カフェは人でいっぱいで、人々が話をし、口論し、一緒に笑い、水ぎせるを吸う。博物館と図書館も同様は人でいっぱいだ。オペラハウスは上演している。動物園は、戦争にもかかわらず、あらゆる困難にもかかわらず、繁盛している。

 カーブルでは生活が止まった。交通と伝統的な市場を除いて。国立博物館さえ今や要塞で、その結果、館内にはほとんど誰もいない。

 ダマスカスの人々はカーブルで起きていることには余り詳しくない。だが彼らはバグダッド、トリポリとガザについて大いに知っている。彼らは自分たちが、欧米あるいは彼らが送り込んだ連中による占領を可能にするより、死んだ方がましなのだ。

 2つの戦争、2つの運命、2つのまったく別の都市。

 ダマスカスの7つの門は大きく開いている。難民が全方角から、世界の隅々から戻っている。シリアを紛争前にそうだったより更に偉大にするため、国を再建するため、和解すべき時期なのだ。

 カーブルは、しばしば爆発で揺り動かされ、恐ろしい壁で分断されている。ヘリコプターのエンジンが空でうなりを上げている。地上のすべてを監視する破壊的な目を持った小型飛行船。無人機、戦車、巨大な装甲車両。乞食、ホームレス、スラム。カーブルに翻る巨大なアフガン国旗。社会主義の過去と同じものではなく「修正された旗」だ。

 シリアで最終的に統合された国は帝国主義と狂信と宗派主義を打ち破ることに成功した。

 アフガニスタンでは国が分裂させられ、屈辱を味あわされ、かつての栄光を剥奪された。

ダマスカスはそこの人々のものだ。カーブルでは人々は外国侵略者に築かれたコンクリートの壁や軍事基地によって、小さく見せられている。

 ダマスカスでは人々が、自分たちの国と市に命を捧げさえして、戦っていた。

 カーブルでは人々は戦うことについて、自由を代弁しさえするのにおびえている。

 ダマスカスは勝った。 再び自由だ。

 同様に、カーブルは勝つだろう。多分今日ではなく、今年ではないが、勝利するだろう。私は勝利すると信じている。

 私は両方の都市が好きだ。だが一つは今祝っており、もう一つは想像できない痛みで、まだ苦境に立っている。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、Revolutionary Optimism, Western Nihilism含めて多くの本を書ている作家。オンライン誌 「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/01/03/syria-and-afghanistan/

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 志村建世氏のブログで「トランプは武器シンゾウは国を売り」という川柳を知った。

 レイバーネット川柳班 : 『反戦川柳句集』完成!12.22フェスタで頒布開始

 「小林よしのり氏のオフィシャルwebサイト」の記事に同意。怒りなしには読めない。
堤未果『日本が売られる』は読んだ方がいい

 そして残念な話題。新宿に行くと本を購入していた書店の劣化。街の右翼書店並。日刊IWJガイドから引用させていただこう。

【1】「東京の出版文化の象徴」紀伊国屋書店が元旦初売りの目玉商品に百田尚樹氏のサイン入り『日本国紀』!? 紀伊国屋書店には「もう行けない」の声が続出!

 「リアル書店」の大手老舗で有名な新宿の紀伊国屋書店が、元旦の初売りに向けた目玉商品として、百田尚樹氏の著書『日本国紀』と、百田氏と有本香氏の共著『「日本国紀」の副読本』の著者サイン本をツイッターで宣伝したことから、波紋が広がっています。

※「あけましておめでとうございます。 本日、百田尚樹先生、有本 香先生にご来店いただき、『日本国紀』および『「日本国紀」の副読本』にサインを入れていただきました。元旦からありがとうございます!サイン本お取り置きは2階売場?03-3354-5702で承っております」(紀伊國屋書店 新宿本店のツイート、2018年12月31日)
https://twitter.com/KinoShinjuku/status/1079962173181325312

 このツイートに対して、「企業ポリシーを疑う」「売れれば何でも良いんですね」という批判から、「紙媒体ってこういう形で滅亡して行くのですね。フェイク本でも売れれば良いという御社の方針は書店業界自体を危うくしている」と結論づけたリプライまでが連なっています。

 百田氏といえば、安倍晋三政権の擁護に徹する「安倍応援団」の一員として広く知られています。「南京大虐殺はなかった」と歴史修正主義発言をしたり、「沖縄の二つの新聞社は絶対に潰さなあかん」と沖縄ヘイトを剥き出しの言論弾圧を扇動したり、「北朝鮮のミサイルで私の家族が死」ぬことがあれば「テロ組織を作って、日本国内の敵を潰していく」とテロ宣言をしたりと、過激というよりも、もはや「狂気」といえる発言を繰り返してきており、言論人や文化人などとは到底いえません。

 しかし、『日本国紀』が批判されるのは、単に百田氏の思想信条によるものではありません。昨年11月21日の日刊IWJガイドでもお伝えしましたが、「日本通史の決定版」と銘打って発売された『日本国紀』は発売当初から、コピペ(コピー・アンド・ペースト)の箇所があるという指摘が、SNSなどで飛び交っています。しかも、その引用元には、識者が執筆した文献ではなく、誰でも無料で自由に編集に参加できるインターネット上の百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」が使われていました。

※自称「作家」百田尚樹氏の「話題」の新刊『日本国紀』のコピペ疑惑! 百田氏が自らコピペを認めるも、謝罪をしないどころかコピペを指摘した人たちを「印象操作」と言って攻撃!無知丸出しの上、恥も知らない「沸点が高い」と自称する「作家」の悪あがき!(日刊IWJガイド、2018年11月21日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/38076

 巻末に参考文献一覧すらない『日本国紀』は、コピぺどころか「剽窃」とさえ言えるでしょう。剽窃は違法行為です。出版元の幻冬社は各方面から問題が指摘された時点で、同書を回収すべきでした。そのような本の著者サイン本を、知識人の信頼が厚いと思われていた紀伊国屋書店が、初売りのイチ押し目玉商品としてツイートしていることは、近年次々に潰れていく「リアル書店」の「貧すれば鈍する」という現状を象徴しているのかもしれません。

 岩上さんはこの紀伊国屋書店のツイートに対して、以下のようにツイートしています。

「残念ながら、これではもう、紀伊国屋書店には行けない。買えない。東京の出版文化の象徴よ、さようなら。池袋ジュンク堂はどうだろう?まさかこんなバカな本の売り方をしていないだろうなと釘。ジュンク堂の品揃えは以前から紀伊国屋を圧倒的に凌駕していた。健全なまま健在であることを望む」(2019年1月3日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1080702488620064770

 また、この岩上さんのツイートに対して、百田氏の「はっきり言います! 韓国という国はクズ中のクズです! もちろん国民も!」(2019年1月3日)というヘイトツイートを取り上げ、「こんな人の本を平積みする本屋には行けません」と書いたツイートに対して、岩上さんは以下のように返信しています。

「まったくですね。百田の本を売るな、とは言ってません。しかし、どの本をどれだけプッシュするか、平置きにするか棚差しにするか、全てその書店の裁量です。矜持があれば、いくら売れ筋の本であっても、本の内容と筆者の言動にこれだけ問題があれば、片隅に置くくらいの配慮はできるはず」(2019年1月3日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1080840418084810752

 さらに、売れるからという理由でヘイト本を売る書店や出版社を批判した返信ツイートに対しては以下のように返信しています。

「嘆かわしいですね。書店のあり方一つでも、おかしいものはおかしいと苦言を呈することを諦めてしまうと、世の中はぐだぐだぐだと崩れていってしまうものだと思います」(2019年1月4日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1080858368380624896

 そして、「紀伊国屋だけ批判しても意味が無い?全くそうは思いません。大手である紀伊国屋が批判を受ければ、平積みをやめたりする書店も出現すると思いますよ。紀伊国屋だけ批判するのは確かに違うとは思いますが、批判するのも応援するのも自由だと思います」という意見に対しては、以下のように返信しています。

「全くその通りです。批判も応援も自由です。自分が応援したい書店で本を買い、本の並べ方に著しい偏りを感じる場合は、これはおかしいのではないかと意見を述べる。そうした意見や評判を聞き入れて、本の並べ方を再考すればまた買いに行けばよし。そういう応答が自由闊達にできることが大事なのでは」(2019年1月4日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1081150293037899777

 紀伊国屋書店並びに読書をしようとする人に一定の影響力を持つ大型書店が、こうした耳の痛い意見に耳を傾けるか、注視したいところです。

2018年12月30日 (日)

祝福されているのは戦争屋

2018年12月27日
Paul Craig Roberts

 地球上の暮らしが西暦2019年へと向かう中、世界には一人しか指導者がいない。ウラジーミル・プーチン、ロシア大統領だ。欧米のどこでも、権力の座には、本物の指導者はおらず、巨大政治力を有するひと握りの集団の召し使いと、召し使いの子分しかいない。ドナルド・トランプは、そうはならないつもりで、軍安保複合体と民主党と売女マスコミが彼のために作り上げた存在から抜け出すかもしれない。

 人間性と自制心によって、プーチンはロシアに対するワシントン攻撃と挑発的行動にもかかわらず平和を維持した。過去なら戦争になっていたはずの侮辱に甘んじたのはプーチンだ。

 プーチンは彼の自制心に対し代償を支払った。fort-russ.comが公表した世論調査が正しければ、ロシアにおける彼の立場を犠牲にして、彼は平和を維持したのだ。世論調査によると、ロシア人は大国に属しているという感覚を失っている" https://www.fort-russ.com/2018/12/new-poll-66-of-russians-feel-nostalgia-for-ussr/

 世論調査によれば、圧倒的大多数のロシア人がソ連崩壊を後悔している。資本主義が経済的な不安感をもたらし、ロシア領の損失は、敗北の感覚をもたらした。

 一方、こうしたロシア人の考えは、プーチンとロシアに対するワシントンによる悪魔化と侮辱的な行動に起因している。他方、ロシアに対するウソと濡れ衣に対する、プーチンとラブロフの抑制的対応が、愛国的なロシア人の感情を害している。アメリカ政府は、プーチンを扱ったような形でソ連指導者を扱わなかったはずだ。ロシア人は、プーチンが別の頬を差し出すのを止め、ロシアのために立ち上がり、欧米がロシアの敵であるのは完全に明白なのだから、ロシアの敵をパートナーと呼ぶのをやめるよう望んでいる。

 欧米の資金提供を受けるロシア新聞やNGOや政党に対するロシア政府の寛容が、ロシア国民は嫌なのだ。ロシアは欧米資金でロシアを傷つけるべく精力的に働く欧米融資を受けた売国奴のためにあるのではなく、ロシア人のためにあるのだ。ロシアは欧米の政治活動に干渉したと濡れ衣で非難されるが、金でいっぱいの袋でロシア政治生活に干渉しているのは欧米だ。

 ロシア人は愛国者で、それゆえ彼らが生き残り、ヒットラーを打ち破ったのだ。ロシア人は、グローバル主義ではなく、民族主義の政府を望んでおり、さらにもうひとつのワシントン傀儡として受け入れられるのを願うがゆえに、挑発を見過ごさないよう望んでいる。世論調査では、66%がソ連に郷愁的に感じることを示しており、欧米との妥協というロシア政府の政策は失敗しているという意志が明らかだ。

 欧米中で、悪が支配を広める中、神に祝福されているのは和平調停者ではない。ロシアとの関係を改善したいというトランプ大統領の願望は、ジョン・ブレナン前CIA長官による「トランプは裏切り者だ」という烙印で報いられた。シリアでのアメリカの非合法な破れた目的からアメリカ軍を撤退させるトランプ決定を、元国家安全保障担当大統領補佐官スーザン・ライスが「トランプはアメリカの国家安全保障に対する脅威だ」と宣言する結果となった。トランプの敵の誰一人として、ロシアとの悪化する関係が国家安全保障に対する脅迫だと見なしていない。

 平和が脅迫だと宣言されるのだ。ロシア国内でさえ、挑発に対するプーチンの抑制された対応が、彼の支持率を下げた。

 極超音速熱核兵器の世界で、平和の価値がそれほど低下しているのは悪の勝利だ。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/12/27/blessed-are-the-warmongers/

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 もちろん最大の属国でも戦争屋傀儡がのさばっている。孫崎享氏の今日のメルマガ題名(下記)、大本営広報部は言おうとしない。属国大本営広報部というより、宗主国大本営広報部属国出張所。FTA。

良好な関係は“幻想” 2019年は日米貿易で厳しい年を迎える(日刊ゲンダイ転載)米通商代表部は自動車や農産品、サービスから為替に至る包括的な交渉としてる。トランプは大統領選にらみ、日米交渉で「日本から勝ち取った」事実を示す必要に迫られてる。

気になる沖縄選挙。IWJの岩上安身氏が、屋良朝博氏インタビューしておられるのを9月に拝聴した記憶がある。嘉手納基地横の道の駅の展望台、中国人観光客だらけなのに驚いた記憶がある。中国人にとっての人気観光地だったのを、このインタビューで知ったのだ。

【本日の再配信】「政治が変わらなくては沖縄の基地問題は変わらない!」元沖縄タイムス論説委員でフリージャーナリストの屋良朝博氏が国政進出に向けて決意表明! IWJが会見後の屋良氏に直接インタビュー!/本日午後1時より、岩上さんが2018年9月5日に行った屋良氏へのインタビューをフルオープンで再配信します! 屋良さんって誰?という方、必見!! 拡散

 昨日は屋良氏が補選立候補に関して記者会見を開き、IWJ沖縄中継市民のKEN子さんが会見を中継、会見後には直接インタビューをしました。

 屋良氏は補選立候補にあたって次のように語りました。

 「政治家を目指すということはまったく考えていませんでした。ただ沖縄の基地問題は政治が決めることなので、政治が変わらなくては沖縄の基地問題は変わらない。こういう思いはずっとありました。(基地問題は)政治がすべてを決めると理解しています」

 自民党県連は辺野古新基地建設に賛成している島尻安伊子氏を擁立しています。屋良氏は島尻氏との一騎打ちについて、「僕は20数年間、基地問題や、教育にしても経済にしても色々と考える立場にいましたので、その経験を最大限に活かして、根拠のある議論をしていきたい」と力を込めました。

 最後に屋良氏は、「(国政進出を果たしたときは)小沢一郎代表から『遠慮するな、どんどん突っ込んでいけ。自由にいっていいよ』ということを言われ、フリーのライセンスを得た気がしたので、どんどん突っ込んでいきたいと思っています」と、意気込みを語りました。

 昨日の屋良氏の記者会見と会見後にKEN子さんが行ったインタビューは、以下のURLよりご覧ください。

※「政治が変わらなくては沖縄の基地問題は変わらない!」衆院沖縄3区補選に立候補した元沖縄タイムス論説委員でフリージャーナリストの屋良朝博氏の会見後、IWJが直接インタビュー!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/438509

 本日午後1時からは、岩上さんが2018年9月5日に行った屋良氏へのインタビューを再配信します! 屋良氏はインタビューの中で、「日本国内の構造的な差別に根差しているのが基地問題」であることを強調しています。岩上さんによる屋良氏インタビューは、以下のURLよりご覧ください! 屋良さんって誰? という方、必見です! 情報の拡散もよろしくお願いします!

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【タイムリー再配信 307・IWJ_Youtube live】13:00~「沖縄を訪れる中国人観光客達は、嘉手納基地に隣接する『道の駅』で米軍戦闘機を記念撮影し大喜び! リアリティを欠いた『中国脅威論』! 岩上安身による元沖縄タイムス論説委員、『それってどうなの?沖縄の基地の話』共著者・屋良朝博氏インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 

2018年12月26日 (水)

反トランブで、くらむ目

Finian Cunningham
2018年12月22日
スプートニク

 古い諺のとおり、壊れた時計さえ、一日二度は正しい時刻を表示する。それはドナルド・トランプ大統領にも当てはまる。彼のあらゆる欠点は豊富だが、それでも、ホワイトハウスの住人は確かに少なくとも一つか二つは、良いことをなし得るのだ。

 だがトランプ批判派の言い方によれば、第45番代大統領について良いところは皆無、全くないのだ。 民主党と彼らを支持するマスコミは、彼に決してチャンスを与えない。

 CNNの類は見るに堪えない。はじめから何を言うかわかるのだ。トランプを非難しろ、トランプをけなせ、あら探し、あら探し、あら探し。教条的反トランプ言説の容赦ない否定的態度ばかりで、批判する連中の信頼性が全く失われるほどだ。事実や客観的状態とのやりとり皆無。容赦ない偏見と先入観的観念の固執だ。

 アメリカ軍部隊をシリアから撤退させるというトランプの最近の命令を見よう。大統領の決定は今週、両党の議員によって激しく批判された。民主党議員も共和党議員も、シリア国からのアメリカ軍撤退を「戦略上の大失敗」として一斉に非難した。それは敵、バッシャール・アル・アサドのシリア政府や、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領やイランへの、あるいはISISテロリストへの「贈り物」だと言われた。

 シリアのISIS[ダーイシュ *]に対する「勝利」や「我が兵士たちが帰国する」というトランプのツイッターによる祝賀ニュース宣言は、選挙支援者のためのスタンドプレーで安っぽかったのは確かだ。クリスマスのわずか数日前、トランプは国に輝くような大きいプレゼントをするサンタクロースになりすましたのだ。

 にもかかわらず、シリアからのアメリカ軍撤退は、本当に適切なことだと見なされねばならない。そもそも、2,000人のアメリカ兵士と軍用機戦隊は、これまで4年間不法にシリアに駐留していたのだ。アメリカは、その作戦に、国連安全保障理事会の承認や、もちろんシリアの政府からの認可も得ておら、彼らはシリア主権を侵害する占領軍だ。

 さらに、何万というシリアの一般人がアメリカ軍に殺された。去年のアメリカ空襲により何千という女性と子供たちが壊滅させられたラッカ市破壊は、途方もない戦争犯罪として傑出している。

 「テロリストと戦う」というワシントンの主張は、シリアに対する事実上の侵略を正当化しない。そのうえ、紛争を本気で研究した人なら誰でも、欧米マスコミは信頼せず、「対テロ戦争」という主張は、アメリカ軍がシリアを不安定化し、アサド政府に対する政権転覆を煽動するため身勝手な隠れ蓑であるのを知っている。アサドのロシア、イランとヒズボラとの同盟と、彼の確固とした反イスラエル、反アメリカ帝国主義が、ワシントンが彼の国を標的に定めた理由だ。

 悲劇的な戦争が2011年3月に勃発する前は、シリアでは様々な宗教が平和共存し、誇り高い、そして古い歴史があったのだ。

 シリアで、テロと戦うことどころか、アメリカは、組織的に犯罪的な政権転覆目的で、ジハード戦士を武器として利用し、ひそかに指揮していた。 シリアでの反アサド「大衆反乱」とされるものは、常にワシントンとNATO同盟国と地域の属国政権が望む政権転覆という実際の狙いを隠すため、入念に仕組まれた欧米プロパガンダ言説だった。

 瞬間的理解で、トランプはそれを知っている。彼の2016年の選挙運動中、彼は正確にオバマ政権が「ISIS を作った」と述べていた。そして彼はシリアでの戦争が無意味だったと言っていた。トランプが「陰謀論者」で「話をでっちあげて」いるわけではない。サウジアラビアや他の湾岸アラブ独裁国からの何十億ドルを基に、アメリカCIAと他のNATO軍情報部が、ジハード戦士代理部隊を計画した十分な文書化された証拠があるのだ。

 今週の「ISISに対する戦争に勝利した」というトランプの自画自賛、確かにばからしい。ISISと、政権交代のためアメリカが支援する秘密の戦争を打ち破ったのは、シリア軍とそのロシアとイランとヒズボラの同盟だった。

 とは言え、うさんくさい彼の主張にもかかわらず、シリアからの軍隊と軍用機撤退というトランプの決定は適切な決定だ。反政府派の過激派民兵は、ほとんど負けたのだ。アメリカ軍をシリアから脱退させれば、テロリスト残滓の抵抗を、シリア軍とその同盟国が絶滅するのを促進する。

 トランプを批判する連中は、シリアには最大30,000人のテロ戦士が散在していると言う。伝えられるところでは、ヨーロッパ同盟国と同様、これらの国内の批判派は、トランプがシリアでテロ集団を破滅させる任務から逃げ出し、従って欧米諸国が将来攻撃されるという安全保障に対するリスクをもたらすと、厳しく非難した。その見解は、シリア軍とロシア、イランとヒズボラの同盟という、シリアの本当の英雄について無知なのか、惑わされているのだ。彼らの軍隊は、最終的にテロリストを排除し続けるのに十分な力を越えている。アメリカや、他のNATO軍の存在は、その作業に対する障害に過ぎない。

 アメリカが支援する政権転覆のための戦争は、シリアで挫折させられた。それには8年を要したが、シリアの人々は歴史的戦争に勝利したのだ。

 シリアに違法に駐留しているアメリカ軍も、全てのNATO軍隊も、シリアから本当に撤退すべき時間だ。アメリカ、イギリス、フランス軍と、彼らの政治指導者は、シリアの主権に対する秘密の侵略と侵害のかどで、戦争犯罪容疑で起訴されるべきだ。

 奇妙なことに、「リベラル」や「左翼」と主張し、それゆえ反戦だ期待されるはずの政治家や評論家やハリウッド著名人連中は、シリアからの撤退命令のため、トランプをもの笑いにする列に加わっている。皮肉にも、これらの批評家は、結果的に、戦争、違法占領と戦争犯罪を支持しているのだ。

 その不思議な矛盾は、欧米「リベラル派」の浅簿さと無意味さを証明している。このような連中が持っている信条は、問題が何であれ、もっぱら「反トランプ」だ。

 トランプは、特定集団にしか理解できない表現による言説の人種差別政治や、ファシスト傾向や、金持ち支持の寡頭政治の政策に関し、確かに非難と反対に値する。だがアメリカやヨーロッパの主流「リベラル派」は、決してそうした問題に関して、トランプに反対するようには思われない。彼らは無関係なばかげた「ロシアの共謀」と「ロシアの干渉」ばかりに懸念している。

 反トランプ「リベラル派」が、海外でアメリカ軍国主義を終わらせることが、すべき正しいことなのを理解できないなら、彼らの道徳的、政治的羅針盤は機能を失っているのだ。一日二度、正確な時刻を示すトランプの壊れた時計と異なり、反トランプ旅団は、いかなる実行可能な方向も全く見えない状態にあるのだ。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。20年以上、ミラーやアイリッシュ・タイムズやインデペンデント等の大手マスコミ企業で、編集者、著者として働いた。

*ダーイシュ、ISIS、ISILとしても知られており - ロシアを含め、多数の国で活動を禁止されたテロ集団

筆者の見解や意見は、必ずしもSputnikのものを反映するものではない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201812221070927949-anti-trump-campaign/

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 ゴーンは獄中でも巨悪は眠っている 地検特捜への国民感情

 送ったクリスマス・プレゼントに喜ぶ子供たちの動画や写真を見ている。株価下落という強烈な大型の贈り物が届いている。

 植草一秀の『知られざる真実』
 株価暴落主因は消費税増税方針決定にあり

 澤藤統一郎の憲法日記
 ダウと日経平均に大型のクリスマスプレゼント

2018年12月24日 (月)

ノルド・ストリーム2阻止:「ロシア独裁」と戦うため、アメリカがヨーロッパに命令

2018年12月19日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

 アメリカ下院が「ノルド・ストリームIIの完成に対する反対を表明する」決議1035(.pdf)を採択した時ほど、徹底的に皮肉と偽善の組み合わせはめったにない。

 「アメリカ下院、ロシア・ガスパイプライン反対決議を採択」という記事で、ブルームバーグはこう報じている。

    アメリカ下院は、プロジェクトがヨーロッパに対するエネルギー供給で、クレムリンの支配力を強化する懸念から、ガスプロムによる110億ドルのノルド・ストリーム2天然ガス・パイプラインにへの反対を表明する、ほぼ象徴的な決議を採択した。

ブルームバーグは同様、こう報じている(強調は筆者による):

    決議には拘束力はないが、ロシア・プロジェクトに対して、議会の反対が高まっていることを示している。トランプ政権は関係するヨーロッパ企業に対する制裁の可能性を検討している。ドイツにロシアのガスを送るパイプラインは、Engie SAやロイヤル・ダッチ・シェル社などとも資金調達合意がある。

 この決議を採択することにより、アメリカは全ヨーロッパに、誰とビジネスをすることができるか、できないかをあえて指図するのだ。

 決議そのものは「拘束力がない」が、決議はこう認めている。

    …敵対者に対する制裁措置法(22のU.S.C.9526)232項の下、ノルド・ストリームIIに関する制裁の発動を支持する。

 ノルド・ストリーム2パイプラインは、これまでロシアが、他のヨーロッパ諸国に天然ガスを送っていたウクライナを迂回する。ロシア連邦と、以前のソ連は、何十年間もウクライナを経由して、ヨーロッパに安定して天然ガスを供給していた。

 2014年、アメリカに公然と後援された反乱が、選挙で選ばれたウクライナの政府を駆逐し、ウクライナ対外政策を、モスクワに対して公然と敵対的なものに変え、ガスの流れが危険にさらされて、ロシアに、ノルド・ストリーム2を含め、選択肢を探すように強いることになった。

 アメリカはヨーロッパを「ロシアの独裁」から救うためヨーロッパに命令する。

 ロシアのノルド・ストリーム2パイプラインは一方的プロジェクトではない。オランダの天然ガス・インフラと輸送企業Gasunieや、UniperSEやWintershallなどのドイツのパートナー企業が参加している。

 パイプラインは、選挙で選出されたドイツ政府自身によっても認可されている。

 「ドイツ、ノルド・ストリーム2のガスパイプラインを認可」と題する記事で、ドイツの公的メディア、ヴェレ(DW)はこう報じている。

    ドイツは論争の的になっているバルト海海底のノルド・ストリーム2ガスパイプライン建設に青信号を出した、とドイツ海上保安庁と水路部が火曜日に述べた。

    この決定はドイツの排他的経済水域で、31キロの(20マイル)のパイプライン部分を建設する全ての法律上の障害がクリアされたことを意味する。1月、当局はドイツ領海でガスパイプライン建設を認可した。

 本質的にドイツとロシア間の二国間取り引きであるものについて、アメリカが大西洋の反対側から、ノルド・ストリーム2パイプラインに「反対を表明し」、関連企業にパイプラインの完成と使用を阻止する準備をしているのだ。

 ロシアがヨーロッパのエネルギー市場「支配」を求めているという、アメリカ下院決議自身が、ヨーロッパのエネルギー政策を支配したいというワシントンの願望の公的実証なのは、究極の皮肉で、偽善の頂点だ。

 ヨーロッパが、どこからエネルギーを買うかは、おそらくワシントンが決めることではなく、ヨーロッパが決めることだろう。理由が何であれ、ヨーロッパが、特に強制的な経済封鎖をによって、アメリカにそのエネルギー政策を劇的に変えるよう強いようと試みても、ワシントンがそれに答えることは、まずありそうもない。

 「多角化」とは英米石油製品を買うことを意味する

 アメリカの決議は、アメリカ「供給の多様化を通して、ヨーロッパのエネルギー安全保障を支援する政策」の一部として、南部ガス回廊に言及している。

 そのパイプラインは、主としてブリティッシュ石油とアゼルバイジャン国営石油会社(SOCAR)が共同で所有するが、トルコとロシアの権益もあるアゼルバイジャンのシャー・デニスガス田からのガスを輸送する。

 もしそうなれば、アメリカがEUエネルギーの多様化を奨励する他の選択肢で、アメリカの動機がどれほど透明かの認識について、アメリカの決議が言及していない。

 ポリティコの2014年記事、「アメリカは、EUエネルギー多様化を推進」で、この他の選択肢が説明されている。 記事は(強調は筆者)こう認めている。

    今朝発表された共同声明で、アメリカとEUは、スマートグリッド、エネルギー貯蔵、核融合、水素と燃料電池、エネルギー効率、核、非在来型炭化水素(シェールガス)に関して、双方が共同活動の重要性を強調したと述べた。

 2018年まで、フォーブスはその記事「アメリカは依然グローバルな天然ガス王だ」、でこう報じている。

    2017年に、アメリカは天然ガスの平均1日に711億立方フィート(Bcf /d)を生産した。それは2016年の生産から1.0%の増加だが、71.6 Bcf /dの2015年の記録を抜くほど良くはない。

 フォーブスは、数字をあげて全体的な視野で報じている。

    中東全体での天然ガス生産は63.8 Bcf/dで、ロシアは、8.2%急増したが、まだアメリカのかなり遅れ、61.5のBcf /dで、二位だ。

 だが2つの基本的問題が、ヨーロッパでのアメリカ・エネルギー支配を妨げている。

 まず、ロシアはアメリカより多くの証明された天然ガス埋蔵量がある。フォーブス自身、アメリカのガス生産の優位は、あと数年しか持続しないことを認めている。

 第2に、大西洋を横断して、液体天然ガス(LNG)をヨーロッパに輸送するのは、既存パイプラインを通してロシア・ガスを送っているよりずっと高価だ。

 これはガスプロム幹部やクレムリンに導かれた結論ではなく、むしろアメリカ自身の企業が資金提供している立案者によるものだ。2014年のブルッキングス研究所報告「ロシア天然ガスがヨーロッパ市場を支配するだろう理由」という題の記事が認めている。

 LNGはいっそう高価で、市場に、他の競合可能な、例えばカスピ海地域からものものを供給するには何年も要するだろう。

 もしアメリカが自由で公正な市場で競争することができないなら、なぜワシントンは、供給の多様化を通してまだ「ヨーロッパのエネルギー安全保障を支援することができる」自信が非常にあるのだろう。

 アメリカは、競争能力のなさを埋め合わせるために強要/紛争を使っている。

 自由で公正な市場を通して競争する上でのアメリカの能力のなさを埋め合わせるため、ワシントンは多くの一層疑わしい処置を駆使している。2014年、ウクライナ政権を暴力的に打倒し、その後ワシントンがキエフで敵対的政権を支持しているのはこの方程式の一部だ。

 最近のケルチ海峡事件を含め、挑発がモスクワに対する政治圧力を維持するのを助け、モスクワとヨーロッパのエネルギー・パートナー間に緊張を増やそうと試みている。

 このような挑発を通してNATOをロシアの境界まで拡張することはロシア-ヨーロッパの絆の中でより広い緊張と不安定を作り出し、維持するのに役立つ。ロシア・パイプラインに反対する決議を採択することと、「同盟」諸国とされるものに本拠地を置く企業に対する経済的制裁の恫喝は、もう一つの措置だ。

 今2年になるロシアをけなす「ロシアゲート」ニセ情報キャンペーンも、その一つだ。

 欧米中のマスコミ記事や論説は、ヨーロッパ諸国が誰と事業ができるか、できないか決めることにより、ヨーロッパの主権に悪影響を及ぼすアメリカの理論的根拠を売り込むため「ロシアゲート」言説と、結果として生じるロシア嫌悪に便乗するものだ。

 アメリカ国務省に資金供給され、指導されるラジオ・フリー・ヨーロッパ/自由放送(RFE / RL)は2018年9月の記事で「地獄からのパイプライン?ノルド・ストリーム2とそれがそれほど論争的である」理由、はその一例だ。

 記事はこう主張する:

    ノルド・ストリーム2は、EU内外の数カ国によって厳しく非難されている。プロジェクトの反対する人々は、パイプラインがロシアのガスに対して、ブロックの依存度を大きく増すだろうことを恐れ、ウクライナのクリミア半島併合後、ロシアに課された国際制裁に反して、パイプラインが建設されていると主張している。

 論文は最終的に、ノルド・ストリーム2を「EU内外で」「厳しく非難して」いる国が、実際は、アメリカとその NATO代理人、ポーランド、バルト諸国と、もちろんウクライナであることを認めている。

 論文は更にこう認めている。

    ドイツ、イタリアと他の国々は、ロシアのガス独占企業ガスプロムとの取り引きに満足しているように思われるが、ポーランドのような旧東欧圏の国は特にモスクワの増大する影響に用心深くなっている。

 更にこうも認めている。

    ラトビアとエストニアはポーランドとリトアニアの懸念に共鳴した。バルト諸国三国とポーランドは「現在のロシアの情報・サイバー戦争と軍事攻撃という広い文脈で見られるべきで」ノルド・ストリーム2を「ロシア国策の手段」と呼ぶ共同書簡に署名した。

 この記事や、他の多くのものは、ノルド・ストリーム2が「ロシア国策の手段」で、ヨーロッパの独立に対する脅威を意味し、2014年以来、ウクライナで見られるように、パイプラインとロシアのエネルギー供給に対するアメリカの反対は、ヨーロッパに対する政治介入、経済的強要や、激しいクーデターや紛争の形で現れている。

 結局、もしロシアと「ドイツ、イタリアや他の国々が取り引きをすることに満足」なら、グローバルな自由と民主主義の自称調停者、アメリカに、なぜ発言権があるのだろう?

 代替案は、アメリカが明らかに実証しているように、ロシアとの政治的、経済的、軍事的対決の増大のみならず、アメリカの自身のヨーロッパ同盟国に対する経済的強要と恫喝でしかないのに、ヨーロッパとロシア間の深い経済的結びつきが、地域や世界的平和にとって一体どのように問題なのだろう?

 ノルド・ストリーム2に関するアメリカ言説はほとんど意味をなさない。客観的観察で明確なのは、いかなる代償を払ってでも競争相手を排除したいというワシントンの願望で、特にアメリカは、経済的に競争できないので、実際の競争を通してではなく、強要と、益々危険な紛争の脅威を通して、そうするのだ。

 アメリカは、明らかに経済的に競争できないので、成否はもっぱら「ソフト・パワー」兵器の広範な兵器庫を振り回す能力に依存する。強要、破壊活動、制裁と代理部隊による紛争。それに成功するため、アメリカが一体どこまでやるのかは、時間がたたなければわからない。

 Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/12/19/blocking-nord-stream-2-to-fight-russian-dictatorship-us-dictates-to-europe/

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 アメリカは、経済的に競争できないので、実際の競争を通してではなく、強要と、益々危険な紛争の脅威を通して、そうするのだ。それで、属国はおもちゃを買わされる。役にたつかどうかは問題ではない。宗主国と交渉するできはなく、宗主国に言われた通りにするのが傀儡政治家の仕事なのだ。日本に新レーダー配備検討というのも同じ話。宗主国のための醜の御楯。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

空自の新戦闘機「F35」は役立たずの“高額なおもちゃ”だ。中国は1200以上の中距離・短距離弾道ミサイル、クルーズミサイルで自衛隊基地の滑走路を破壊する能力がある。滑走路が破壊されれば飛べない。飛べない戦闘機は戦えない。

2018年12月23日 (日)

キプロス - 破壊的なイギリス軍事基地、難民キャンプと観光客

2018年12月21日
Andre Vltchek

 信じようが信じまいが、つい最近まで、キプロスは共産党に支配された欧州連合唯一の国だった。本当にあまりにもずっと昔ではなかったのだ - 2008年から2013年の間だ。

 同様、比較的最近、キプロス共和国とトルコが支配する島の北部の統一が実現可能であるように思われた。

 キプロスが、ギリシャのように財政的にほとんど崩壊した時、苦境から助け出そうと申し出たのはロシアだった(それが起きるのを阻止するため、EUがあらゆることをする前に)。

 今や、全て古代史のように思われる。

 ニコシア市は、ギリシャのキプロスと古い町の真ん中に位置するトルコの入国検問所とで、依然分裂ている。「緩衝地帯」に描かれた落書きが、対立の即時終結を要求している。「一つの国、一つの国民という解決」。

 交差点は交通量が多い。おそらく全てを何らかの方法で一層カラフルにするため、国境地帯近くに、冷淡な大きな白いピットブルが徘徊している。それは吠えない。そこにいるだけだ。彼がトルコ側、あるいはギリシャ側に属しているのか誰も知らないが、私が思うに彼らが良く餌をくれるので、犬はトルコ人と一緒にいる時間が多いように思われる。

 ニコシアのギリシャ語を話す側は、少し疲れきったEUの田舎町のように見える。トルコ人はシーシャ(伝統的な中東の水タバコ)を吸い、カフェは、より伝統的、古い建築がより優雅なように思える。南部では、入れたてのコーヒーは「ギリシャ」と呼ばれるが、数メートル北では、「トルコ」、あるいは少なくとも「アラブのコーヒー」を注文しなければならない。 言うまでもなく、どちら側でも、同じ飲み物が飲める。

 それ以外は、それは一つの島、一つの歴史と、一つの悲しい不必要な分割だ。

*

 国の分裂だけが、ここで唯一の狂気ではない。考え方に慣れる前に、この島の中に、まだ二つのイギリス支配地域があることが分かって、激怒されるかもしれない。

 ドライブしてまわると、決して実際にキプロスを出て、イギリスに入っていることに気付くわけではない。若干の自動車ナンバー・プレートは正規のキプロスのものと異なっているが、それだけのことだ。

 見えない境界線を越えれば、歴史的に(軍事的に、イデオロギー的に)地球上で最も攻撃的な国イギリスだ。

 若干の農地をドライブして横切るが、まもなく道路の周囲に非常に不気味なものが見える。歴史的な十字軍のコロッシ城を通り越して数キロメートル後、異なる高さや形のマストの海原、コンクリートの、要塞化された軍事施設だ。マストは妙な様子のワイヤーで「飾られている。 それは全て何か古SF映画のように見える。

 もちろん、もし「準備して」来れば、何を前にしているのかわかる。BBC宣伝機構の途方もなく大きい施設が、中東を不安定にし、洗脳することを狙っているのだ。だがそれがすべてではない。この飛び領土全体「アクロティリ主権基地領域」は(東へ数十マイルのデケリアと同様)主に中東「近辺」をスパイするためにあるのだ。ロンドンまでおよそ4時間の飛行時間だが、シリアは海のすぐ向こうの近距離に過ぎず、レバノンもそうだ。

 プロパガンダとスパイ設置を後にさらに南に行くと、小村のアクロティリだ。古い教会、狭い道路と質素な地元のカフェがある。典型的な絵のように美しいキプロスの魅力的な入植地だ。それは丘の一番上に位置している。けれども、実際には、英連合王国の中にいるのだ。ここから、青い海、塩湖とリマソル市を見ることができる。しかし、イギリスの芝生にいるのだ。なぜだろう? 単純だ。1960年に、キプロスが大英帝国からの独立を達成した後、彼らがキプロスの軍事基地の支配を失い、少なくとも部分的に、中東の上に、影響を与えることができなくなるのをイギリスが「懸念した」。これはイギリス帝国主義者には想像することができず、イギリスは今日に至るまで続いている、この奇異な協定を中にキプロスに無理強いしたのだ。

 さらに南に1キロ、脅迫的な警告のある壁と門に達する。イギリス空軍アクロティリ基地の境界線だ。ここから、2015年12月以来、イギリス空軍は独立国シリア・アラブ共和国に対して(国際法によれば)非合法の空襲を行なっている。

 ジェフリー・リチェルソンとデズモンドボールのThe Ties the Bind: Intelligence Cooperation between the UKUSA Countries(アンウィン・ハイマン、ボストン/ロンドン他、1990、p.194 ノート145)によるとこうだ。

「2010年の時点で、イギリス軍キプロス部隊として、およそ3,000人の兵士がアクロティリとデケリアを本拠地としている。ESBAのアイオス・ニコラオス基地はUKUSA協定諜報網のELINT(電子情報収集)盗聴用基地だ。」

 これは当時のことだが、今、事態は更に致命的なものになっている。事実上、イギリスはシリアに対して戦争を行っているのだ。キプロスの人々の多くが、爆撃をしているイギリス空軍基地に対し、シリアが(独立したシリアは外国からの攻撃に対して、合法的に自国を守る全面的権利を持っている)ミサイルを撃って報復することがありうるのを深く懸念している。このような報復がキプロス住民の生活を危険にさらす可能性があるのだ。

 イギリス軍が「主権基地領域」の両方をキプロスに返還するよう抗議と要求があったが、イギリスは支配しているものを譲る興味は皆無だった。

 2008年に、(同じくAKEL、キプロス共産党書記長だった)元左翼大統領のデメトリス・クリストフィアスは、彼らを「植民地時代の血痕」と呼んで、全てのイギリス軍隊を島から追い出そうとした。だが彼は成功せず、2013年に彼は退任し、再選を求めないことに決めた。

 デケリア基地は、キプロスの東部で、トルコに支配されている村やギリシャ語を話す村の両方を奇怪に取り囲んでいる。

 過去、キプロス人はイギリス駐留に反対して戦った。監視が遍在する今では、破壊や抵抗は、無力な抗議に置き換わった。それでも、島からのイギリスの部隊撤退を要求して、何百という地元の人々が拘留された。

*

 2015年に、再統一協議が再度始まったが、キプロスはまだ分かれている。今キプロス共和国と(トルコによって支配されている)北キプロスの間を歩くことは可能だ。

 常にこういう形だったとは限らなかった。パパダキス・ヤニスはこう書いている。

「1974年7月15日、ディミテュリアス・イオアニデスの下のギリシャ軍事政権はギリシャと島を結び付けるため、キプロスでクーデターを実行した。」

 何千人ものトルコ住民が追い出され、多くが殺された。トルコが侵略し、島は分割された。だが異文化間暴力は、1974年より昔にさかのぼる。歴史はニコシアの至る所で、島の多くの村で感じることができる。北キプロスは、トルコ以外他のいかなる国によっても承認されなかったが、分裂は依然そのままだ。トルコ系、ギリシャ系住民が追い出され、過疎になった町がある。

 島の南のコフィノウが味わった最も不気味なものの一つは「民族浄化」と定義できる、少なくとも二度の未曾有の民族間紛争だ。かつては主にトルコ系キプロス人が居住していたが、今は崩壊し家と農業構造物と、恐ろしい状態で暮らしている外国人労働者と家畜が点在するゴーストタウンだ。

*

 キプロスには二つの顔がある。キプロスは有名なヨーロッパ観光地の一つであることを誇りに思っている。キプロスはEUメンバーだ。

 同時に、それは分裂の象徴だ。

 キプロス共和国と北キプロス間の境界柵が美しい田舎に傷跡を残している。破壊的なイギリス軍施設、空軍基地やプロパガンダ戦争やニセ情報キャンペーンが、物理に、道徳的に、ほとんど中東全てを残忍に扱っている。

 ここキプロスでは、ヨーロッパとロシアの観光客が、窮屈そうに共存している。欧米と、それ以外の世界の間のイデオロギー戦争はパソス島や、他の歴史遺跡地域で明らかに感じられる。

 無数のイギリス人観光客同様、若干のイギリス人住民(およそ50,000人)が一般に謙虚なロシアの訪問者に向かってしばしば侮辱的に振る舞う。ここで大英帝国はまだ「仕切っている」ように思われる。

 パソス港で私は古い海城を愛でているように思われた年配のロシア人カップルのそばを通った。イギリス人カップルが通り過ぎ、振り返り、皮肉な失礼なしかめっ面をした。「ロシア人連中」と男が口にした。私がこの種の行動を目にしたのは、これが唯一の例ではなかった。

 キプロスで「地域」と世界での、現在の立場と役割を理解し、定義しようとして、島の周り全てを正確に750キロドライブした。

 私は少なくとも共産党(AKEL)政府の革命的精神の面影を多少見いだすことを望んでいた。だが私は基本的に、もっぱら、全ての欧州連合加盟国に典型的な、実用主義を見いだした。このような質問だけが共通していた。「キプロスにとって、EU離脱は良いのか、良くないのか?」 あるいは「シリアに爆弾を投下するのは、キプロス市民にとって危険だろうか?」

 象徴的に、数十年前に文化間の暴力によって破壊されたコフィノウ村の近くで、私は不安定化された中東から来る難民に対して建設された厳しく見える難民キャンプを見つけた。それは強制収容所のように見える。地元の人はそれを現実的に「刑務所」と呼んでいる。十中八九そうなのだ。

 この区域の周辺をドライブしていたとき、基地からわずか数キロのところで、私は不気味な、半は捨てられた農場前の道路中央で、巨大なヤギが横たわって、苦しみながらで、死に瀕しているのを見つけた。

 キプロスはいくつかの快楽主義のリゾートと、領土内いたる所にある、すっかり取り残されたコミュニティーのある分裂した島になった。

 容易にこう結論を出すことが可能だ。この元イギリス植民地は、まだ無料で、イギリス/ NATO軍隊の途方もない大規模駐留や、種々のスパイ施設やプロパガンダ機関を許している。イギリス空軍トルネード戦闘機が現在シリアに向かって彼らの「任務」で飛行している。ミサイルがアクロティリから発射されている。中東の破壊された国から逃がれてくる人々が、キプロスで、有刺鉄線の背後で、犯罪者のように拘留されている。

 このすべてが本当に実行可能どうか、帝国の辺境の前哨基地であるのが良い商売なのかキプロスの人々は計算している。それが引き合う限り、彼らは状況を変えることはほとんどしないだろう。その複雑な過去と現在と、中東へのその近さにもかかわらず、キプロスは、結局、ヨーロッパの、そして欧米帝国の不可分の一部なのだ。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者と調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、Revolutionary Optimism, Western Nihilism含めて多くの本を書ている作家。オンライン誌 「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/12/21/cyprus-deadly-uk-military-bases-refugee-camps-and-tourists/

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 全く人ごとではない。十年前に下記記事を訳していた。アフガニスタン爆撃ミッション。属国の事態は悪化こそすれ、よくなってはいない。

 三沢のパイロット「最も功績ある飛行」の栄誉を受ける

 ETV特集 アンコール「基地で働き 基地と闘う~沖縄 上原康助の苦悩~」の再放送を見た。本気で作られた素晴らしいドキュメンタリー。そして今回の記者会見での当然の懸念表明。属国売女マスコミは、属国状態を隠蔽するのに必死。属国幹部は「コメントしない」とのたまうが、「属国状態を認める発言はできない」のが実情。

 マラソン記者会見での日本の共同通信杉崎洋文記者の質問とプーチン大統領の回答、在日ロシア大使館に掲載されている。

私の質問は残念ながら当然、平和条約に関するものである。露日両国は平和条約の締結に向け努力していると、私は理解している。シンガポールで行われた安倍首脳との会談で、露日両首脳は1956年の日ソ共同宣言に基づき交渉を加速することで合意した。それ以降、日本の世論の専らの関心は、日本に譲渡される島の数にある。ゼロか、二島あるいは三島、それとも四島か、我々にはどうもわからない。一方、私の見たところロシア人もまた戸惑っているようで、基本的には「なぜ譲渡する必要があるのか」という考えのようだ。中には「ロシアの土地は1ミリたりとも渡さないぞ」と言って脅してくる者もいる。そんな状況だ。話は領土画定の問題であり、我々はこれに決着を付けなければならない。しかし、平和条約が領土画定にのみ終始するのであれば十分とは言えないし、国民や世論の関心、理解を得ることもできないだろう。露日関係を質的に新たなレベルに進展させるためには、いかなる新しい考えや契機を平和条約に込めるべきであると大統領は考えるのか。
さらにこれとの関連で、どうしても伺いたいことがある。近頃ロシアは、大統領自身も含め、安全保障問題を取り上げるようになった。具体的には、日本における米国ミサイル防衛システムの展開と、クリル諸島譲渡に伴い起こり得る米国軍とその軍事インフラ配備の可能性についてである。露日間では現在専門家レベルの交渉が行われているが、防衛の話となると日本はほぼ完全に米国頼みの状況にある。大統領はこの問題を露日二国間で解決できると考えているのか。あるいは、ロシアは直接米国と交渉せざるを得ないのか。よろしくお願いします。

プーチン大統領:忘れないようにまず最後の質問から始めよう。安全保障問題は極めて重要であり、それは平和条約の締結に際しても同様だ。日本における米国軍事インフラの配備についてあなたは言及をされたが、そうしたものはすでに日本に存在している。最大規模の米軍基地が数十年にわたり沖縄に配置されていることは、周知の事実だ。
次にこの問題の決定に日本が参加することが可能かという点だが、ロシアにとってはこれは不可知で閉ざされた領域だ。この種の決定に際して、日本がどの程度主権を有しているのか、我々にはわからない。他の同僚よりも、あなたが一番よくご存知であろう。基地の拡充、拡大に沖縄県知事が反対していることは、私も知っている。反対しているにもかかわらず、県知事にはどうすることもできない。地域の住民も同様に反対している。
こうした状況を証明するものはたくさんある。世論調査の結果や街頭での抗議行動が行われていることからも、人々が基地の撤退を求めていることは明らかだ。いずれにせよ彼らは、現存する米軍基地における空軍の強化に反対しているのである。しかし、拡充・拡大計画は実施されている。皆が反対しているにもかかわらず、計画は進んでいく。
平和条約締結後に何が起こるか、我々にはわからない。しかしこの問いへの答えなしには、いかなる重大な決定も下すことはむずかしい。当然ながら、ミサイル防衛システムの配備計画は我々にとって気がかりである。私が米国に対して何度となく伝えてきたことを、もう一度繰り返そう。我々はミサイル防衛システムを防衛兵器とは考えていない。これは周辺地域に配備された潜在的な米国の戦略核の一部であり、攻撃システムと同期して機能するものである。ゆえに、我々はこの件に関しては何らの幻想も抱いていない。すべて承知の上だ。こうしたことをすべて理解した上で、ロシアは日本との平和条約締結に向け、誠実に努力していくつもりでいる。なぜなら、現在の状態はノーマルではないと私が認識しているからであり、また安倍首相もこの認識を共有しているからである。ロシアと日本の関心は、両国の関係を完全に正常化することにある。経済上ロシアが日本の何かを必要としているから、というだけではない。ロシア経済は、概ね進展している。
今朝もつい先ほど、オレーシュキン経済発展大臣から自身の訪日の成果について報告があった。前進する動きはある。供給や、鳥類を含むロシア産食肉製品への日本市場開放について合意がなされた。ほかにも進展は見られる。とにかく前進はしており、必要に応じて今後も前進し続けるであろう。しかしながら、全体としての露日関係の正常化は、両国にとって極めて重要である。プロセスは困難であるが、我々には日本の同僚と共に目標に向って進んでいく用意がある。

 最近、様々な催しに参加していない。なぜか億劫。年のせいだろうか。日刊IWJガイドにある下記中継を拝見して代用しよう。「悪徳企業」と言えば済むのに、わざわざカタカナをあてる理由はないだろうと思うのだが、趣旨、選択に異議はない。

【IWJ・Ch4】14:00~「最悪の企業はどこ?どうすれば闘える? 第7回 ブラック企業大賞2018 授賞式&シンポジウム」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 毎年恒例でおこなわれるブラック企業大賞の授賞式&シンポジウムを中継します。これまでIWJが報じてきたブラック企業大賞関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/black-company-prize

2018年12月20日 (木)

もしフランスの黄色いベストが勝利したら何が起きるだろう?

2018年12月17日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 もしパリの抗議行動参加者が勝利し、フランス政府が彼らのすべての要求に屈服したらどうだろう?

 もし税金が減らされ、賃金が上がり、マクロン大統領が退任したらどうだろう?

 私はただ燃料税について話をしているのではない。それを課す試みは既に断念された。1カ月に100ユーロという最低賃金の増加 - 既に政府が上げるのに同意していることの話をしているのではない。

 私が話をしているのは、実際、多くの抗議行動参加者が切望しているように思われる根本的変化だ。大多数のフランス国民のための大きな減税、気前が良い賃金上昇と、全員のための社会的便益の拡張。

 それで、もし黄色いベストが、このすべてを勝ち取ることに成功したら、それから何が起きるだろう? 誰が利益を得るだろう? 同様に、誰が損をするのだろうか?

*

 最近、読者の一人が、フランスは軍事予算を減らすべきで、節約された何十億というユーロから容易に抗議行動参加者に必要な資金調達をすることが可能だと書いて来られた。

 もう一人の読者が、フランス(あるいは彼らを「エリート」と呼ぼう)の最も金持ちの国民が重く課税されるべきで、このようにして蓄えられた金は、貧しい人々や、下流中産階級の間で再配分することが可能だと書いて来られた。

 「合理的」に聞こえるだろうか? そう確かに。合理的で論理的だ。 唯一ごく小さな欠陥は次のことだ。我々全員決してそのようなことが起きないだろうとを知っている。

 マクロン大統領は、まさにこれらいわゆるエリートによって王座に引き上げられたのだ。お返しに、金持ち連中は、その特典が保証され、さらに肥大するのを期待する。

 NATO加盟国(この場合フランス)が突然、軍事予算を削り、節約されたものから、貧しい人たちと中産階級のために、様々な新しい社会福祉プログラムの資金調達を始めると想像するのは、非現実的で、子供っぽくさえある。

 もしフランス政府が本当に「根本的な」何かをすることに決めたら、資金は一体どこから来るのだろう。少なくとも我々の超資本主義時代の標準から見て、急進的なこと。自国民に耳をかたむけたら?

 遠回しに言うのはやめ、率直に具体的に私の質問をさせて戴こう。「もし黄色いベストのあらゆる要求が満たされたらどうだろう。誰がツケを支払うだろう?」

*

 このすべてを関連づけてまとめるため、私はハノイ、社会主義ベトナムの首都でこのエッセイを書いている。

 しばらく前、私はこの都市に住んでいたことがある。私はここでほぼ3年過ごし、当時、まだ貧しく、人々は戦争を覚えており、フランス植民地政策さえ覚えている人もいた。

 到着直後、最も私に衝撃だったのは、ベトナムの人々が、アメリカを「許す」ように思われる一方、彼らはフランスの植民地主義者を許すようには見えないことだった。

 「なぜ?」 私は友人たちに尋ねた。「それはどうして可能なのか? (欧米で「ベトナム戦争」として知られている)「アメリカの戦争」中、アメリカ爆撃の壊滅的に激しい作戦は、何百万人ものベトナム人やカンボジア人やラオス人の生命を奪う状態で、ひどく残忍ではなかっただろうか?」

 「もちろん、そうだった」私は簡単に説明された。 「けれども我々は戦い、ひどい損失と困難にもかかわらず、我々は比較的短時間にアメリカを破った。それは単にアメリカだけではない。連合メンバー諸国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、タイと、もちろんフランスとも。」

 そして物語は続いた。

「フランス人は、ずっと長く我々を占領し、ひどく苦しめた。彼らは同じく、連続的に、我々を屈辱的な目にあわせていた。彼らは我々を奴隷にし、拷問にかけ、女性たちを連行し、レイプし、彼らは我々が持っていたすべてを盗んでいった。」

 私が暮らしていた場所の近くに、ギロチン、拷問部屋、隔離独房が設置されている悪名高い「中央刑務所」があった。今そこでは、フランス人入植者によって捕らえられたベトナム愛国者の女性たちを拷問にかけ、レイプするために使われた怪物のような道具が展示されている:ビールびん、電線、つえ。

 植民地化されたインドシナが何を持っていたにせよ、壮大な劇場、鉄道、地下鉄、公園や大学建設の資金調達のため、盗まれて、フランスに持ち去られた。そう、今黄色いベストが正しくも言っている通り、その名が知れ渡ったフランス社会制度の形成に助成金を支給するために、フランスの「エリート」と、彼らが完全に支配している政治制度によって解体されつつあるのだ。

 ベトナムの人々は、勇敢にフランス人と戦い、ディエンビエンフーでの象徴的な戦いで、最終的に彼らを打ち破った。だが勝利した共産党勢力が相続したベトナムは、荒らされ、分割され、その資源や芸術作品(有名な作家で、後のドゴール政権の文化大臣となったをアンドレ・マルローを含め、数人のフランスの知識人が、そこで若者として生活したとき、「インドシナ」から芸術作品を盗んだことを告白した)さえも剥奪された国を受け継いだのだ。

 言うまでもなく、これまで、フランス企業は、採鉱や他の新植民地主義プロジェクトを通して、東南アジアの多くの地域を残酷に略奪しており、アフリカや中東やラテンアメリカの様々な地域でも同様だ。

 今ハノイや、プノンペンやビエンチャンで、「インドシナ」の人々に(なんと侮辱的で奇異な名前だろうか、植民地時代に、フランス人によって世界のこの部分に与えられた!)がパリで黄色いベストを支持しているかどうか尋ねてみよう。もし彼らがパリで譲歩を勝ち取れたら、アジアのに生活を改善するだろうと思うかどうか尋ねてみよう。

 あなたは答えは何か、想像されているだろうか?

*

 パリ街頭で戦っている人々の要求が間違っているとは私は言わない。間違ってはいない。 彼らは絶対に正当だ。

 フランスのエリートは残忍で、利己的で、しかも変態的だ。アメリカ大統領全員が、もっぱら破壊的な軍事コングロマリットを含め、巨大企業に奉仕しているように)、現在のフランス政府も、もっぱら彼らに奉仕している。「彼らは去るべきだ」、彼らは姿を消し、論理的な人間進化のパターンに譲歩するべきなのだ。社会主義、平等主義の社会。

 だが連中は去る準備ができていない。逆だ。連中は何世紀も、地球中を略奪しており、今連中は、連中自身の(これまで強奪品を分け合うのに慣れていた)国民を略奪するまでに至ったのだ。

 フランス国民は略奪されるのに慣れていない。何世紀もの間、彼らは良い生活をしてきて、過去数十年の間は、彼らは「極めて良い」暮らしをしていた。 彼らは世界中のどこより、最も惜しみない恩恵を享受していた。

 誰がそれに対して支払っただろう? それは、今まで、パリで、他の大都市で、あるいは地方の人々人に重要だっただろうか? 彼らが過剰な量の食物とワインを生産していたとき、だが、同様に、彼らが、政府から、何も多く生産しないように求められたとき、フランスの農民は、なぜ彼らが気前良い助成金を得られるのか考えていただろうか? 彼らはいくつかの旧フランス植民地で、これらの助成金がどのように徹底的に農業部門を破壊したか調査するため、セネガルに、あるいは西アフリカの他のところに、しばしば旅行しただろうか? 彼らはそこの何百万人もの生活が完全に破壊されていたことを気にかけただろうか? あるいはインドネシアやブラジルに関して、フランス企業が、積極的に、食品と飲料生産を乗っ取り、結果的に、現地の収入が、場合によっては、フランスの収入のたった10%のままなのに、多くの貧しい国での食品価格がパリの二倍、あるいは三倍に急上昇したことに対しては?

 食物は一例に過ぎない。だがこの文章は、少し違ったことについてのものであるべきだった。黄色いベストについて、もし彼らのすべての要求が満たされたら何が起きるであろうかについて。

*

 もし、フランスを、欧米全体を、その植民地と新植民地の多くを支配している体制が、本当に怪物のようで、ひねくれて、残忍であることに我々が同意するなら、我々はその体制は、普通のフランス国民のより低い税金と、より高い賃金と、より良い医療と教育のつけを支払わないだろう、という論理的結論に到達せざるを得ない。

 もし抗議行動参加者の要求が満たされれば、請求書に対して支払いをするよう強いられるだろう他の誰かがいるはずだ。可能性として高いのは、何千万人も、あるいは何億人もが「重荷を課される」だろう。彼らはフランス、あるいは欧州連合に暮らしてはいないだろうし、あるいはどこか近辺でさえないだろう。

 黄色いベスト運動の抗議行動参加者はこれについて考えているだろうか? 彼らにとって、それはほんの少しでも重要だろうか?

 それは過去にも、考えてはいなかった。ジャン・ポール・サルトルのようなわずかな人々がまだ生きていた頃は、これらの疑問は定期的に問われていた。しかし最近はそうではない。今はそうではない。シャンゼリゼでの、この反乱の間も。

 フランスの人々は、フランスの都市や地方における生活の質を改善するために、一体何百万の人々が死ななければならないか疑っているだろうか?

 あるいは多分、「埋め合わせるため」、社会支出をカバーするため、どこかの国が侵略され「ねばならない」のだろうか? それはイランだろうか? それとも、ベネズエラ?

 「ニューヨーク・タイムズ」はフランスの地方に関する記事の一つで、人々が晩餐のために妻をレストランに連れて行く余裕さえないと不平を言っていると報じた。それは本当に重大だが、それがイランやベネズエラに対する戦争や、その結果としての略奪を正当化するだろうか、あるいは数十万もの西パプア人の大虐殺の口実になるだろうか?

*

 私は、略奪された世界中いたる所の人々同様、正真正銘の国際主義者に、黄色いベスト運動が、単に、世界中のに多くの他の人々を犠牲にして、自己本位に、フランス国民の生活を改善する利益のために戦っているわけでないことを確信させるのを助けるようなことを提案したい。

 彼らは以下のことを理解しているのを示すべきだ。彼らは他の人たちに、無関心でないことを示すべきだ。彼らが資本主義と帝国主義に反対で、絶対的に地球のあらゆる地域での植民地政策と人々と彼らの資源を略奪すること反対だと、はっきり言うべきだ!

 フランス人だけでなく、全ての人の自由と平等と友愛のためだと彼らは言うべきだ!

 より多くの賃金、より低い税金と、もっぱらフランスに暮らす人々のためのより良い利益のためだけでなく、これは本当の革命、世界を良くするための本当の戦いだと言うべきだ!

 それが残された貧しい植民地化された国々の略奪から来るのであれば、彼らは決してどんな恩恵も、余分の金も受けとらないと言うべきだ。

 もし彼らがこのすべてを語り、彼らが本当に心からそう思っていることを実際に示せば、私は「革命万歳!」と大声で言い、抗議行動参加者に心から加わらねばなるまい。

 しかし彼らがそうするまでは、彼らの勝利が、他の人々、何百万もの他の人々を傷つけないことを私が確信するまでは、フランスの地方の誰かが妻を晩餐のためレストランに連れて行く余裕があるかどうかについてより、ベトナムやパプアの人々について、イラン、アフリカ、シリア、あるいは中東全てについて、私はずっと懸念し続けるだろう。

Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者と調査ジャーナリスト。 彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者、革命小説Auroraと数冊の他のの著者。 彼の最新の本はRevolutionary Optimism, Western NihilismThe Great October Socialist Revolution。オンライン誌 「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/12/17/what-happens-if-the-french-yellow-vests-win/

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 孫崎享氏の今日のメルマガは

トランプ、米軍、シリア撤退を発表、国防長官、中央軍司令官、安全保障担当補佐官等の反対押し切り発表。シリアからの撤兵はトランプの選挙公約。議員らも強い反対表明。米軍シリア駐留の最大目的はアサド大統領を脅威と見、その排斥図るイスラエル擁護

 2018年12月1日The Asia-Pacific Journal Japan Focusに下記の記事が掲載された。『属国』の続編に思える新刊The State of the Japanese State Contested Identity, direction and role抜粋だろうか。 沖縄についての記述が多い。内容は実に悲しい事実だが、日本政治について常々思っていることが、立派な学者により英語で書かれ、偏屈な老人の妄想ではなかった証明ではあるだろうと苦い満足感を感じている。日本語版を期待している。The Asia-Pacific Journal Japan Focusも寄付金募集の時期。

 Grappling with Clientelism: The Japanese State and Okinawa under Abe Shinzo

 なお「Japan’s Client State (Zokkoku) Problem 日本の属国問題」で

 前の本『属国』の概念が主流の見解から極端にかけ離れていたが、五年後、元高級官僚の孫崎享氏の『戦後史の正体』の中で確認されたこと、何とも苦い満足感を覚えると筆者は書いておられる。記事は英語だが、クリックすると日本語本pdfが読める。

2018年12月18日 (火)

欧米民主主義の神話

2018年12月16日
Paul Craig Roberts

 欧米は、政府は国民の公僕だという偉大な民主主義国家の同盟であるふりを、どうして罰せられずに済んでいるのだろう?

 もしかするとハンガリーとオーストリア以外、欧米のどこも政府は国民に奉仕していない。

 欧米政府は誰に奉仕しているのだろう? ワシントンは、イスラエルと軍安保複合体とウォール街と大銀行と化石燃料企業に奉仕している。

 欧米は全て、ワシントンに奉仕している。

 欧米のどこでも、国民は重要ではないのだ。アメリカの労働者階級は、アジアに彼らの仕事を移転した民主党議員に裏切られ、ドナルド・トランプを選び、「トランプを支持する惨めな連中」と民主党大統領候補ヒラリー・クリントンに即座に切り捨てられた。

 民主党議員は、共和党議員同様、国民ではなく、権力に奉仕している。

 ヨーロッパ至る所で、民主主義の鎮圧を我々は目にしている。

 イギリスのメイ首相は、ブレグジットを、EUにへの服従へと変えた。彼女はイギリス国民を裏切ったのに、まだ街灯柱からつり下げられておらず、イギリス国民が裏切りをどれほど容認しているかを示している。イギリス国民は、自分たちが員数外なのを思いしらされたのだ。彼らはくず同然なのだ。

 ギリシャ人は、彼らをEUやIMFや大銀行から守ると約束した左翼政権に賛成投票したが、政権は即座に緊縮政策に合意し、彼らを裏切り、わずかながら残っていたギリシャの主権とギリシャの生活水準を破壊した。今日EUはギリシャを第三世界の国におとしめた。

 フランス人々以外の全員に仕えるフランス大統領に反対して、フランス人は何週間も街頭で反乱している。

 ベルギー国民を、アフリカや中東やアジアからの移民で置き換える協定に署名している政府に抗議して、閣僚の半分が辞職するという状態で、ブリュッセル、ベルギーでは現在大規模抗議が行われている。この協定に署名した不正な、そして卑劣な政府は外国人とジョージ・ソロスの金の代表であって、自国民の代表ではない。

 なぜ、国民は非常に無力で、政府は、外国人の利益を、国民の利益を遥かに上まわるようにできるのだろう?

 多くの理由がある。主な理由は、国民に対する政府の不正な暴力の使用に対応して、暴力行使するのではなく、国家からの暴力を受け入れるよう、国民が武装解除され、洗脳されていることだ。

 要するに、支配層エリートに仕え、国民の税金が給料として支払われているのに、国民に暴力を振るうのを楽しんでいる警官を、征服されたヨーロッパ諸国民が殺害し、武器を奪い、国民を裏切った腐敗した政治家を殺害するまでは、ヨーロッパ諸国民は、征服され、圧迫されたままだ。

 少し前、わずかに残る本物ジャーナリストの一人、クリス・ヘッジズが、人々に対する政府の優位という腫瘍を摘出する激しい革命がなければ、欧米中で自由は絶望的だと明言した

 我々が直面している問題は、立ち上がって、自らの自由を守るには、欧米諸国民は余りにも洗脳され、『マトリックス』に閉じ込められ、立ち上がるには余りに疲れ切っているのかどうかだ。フランスとベルギーでは抵抗が起きているが、ギリシャ人を裏切った政府は、街灯柱からつり下げられずにいる。敵は、ワシントンにある"彼ら自身の"政府であるのが全く明らかなのに、アメリカ国民は、洗脳される余り、ロシアや中国やイランやシリアや朝鮮民主主義人民共和国やベネズエラが敵だと思わされている。

 私のコラムをお読みのアメリカ人以外のアメリカ国民は『マトリックス』に閉じ込められている。政府に管理された、そこでの言説が心強く思える『マトリックス』に留まるためなら、彼らは殺人さえする。指導力として、ワシントンを頼る人は全て愚か者だ。

 ワシントンはプロパガンダの達人だ。ワシントンのプロパガンダは、あらゆる報道から見て、ロシア政府さえ感染させ、愚かにもワシントンと妥協することが、ロシアを成功させる秘訣だと思い込ませている。

 ワシントンとの協定を信頼するのは愚かな政府だ。

 結局はこういうことだ。挑発を受容することで、戦争が避けられるなら、その政策は正しいが、挑発を受容すると、政争が避けられなくなるまで、更なる挑発を誘発するなら、挑発に対する、より断固とした対応こそが正しい政策だ。断固とした対応は、やりとりの中に警戒をもたらすが、挑発を受容すると、攻撃側をつけあがらせてしまう。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/12/16/the-myth-of-western-democracy/

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 売国傀儡政権は、屁理屈をつけ、宗主国の軍事産業支援をさせられている。国民の福祉に奉仕するのではなく、ひたすら宗主国支配階級に奉仕する、ぎょろ目やすだれ男の垂れ流し呆導、自動的に画面・音声を消してくれるソフトができないだろうか。

 不動産企業が原因の爆発事件、あきるほどしつこく報じるが、庶民生活に深刻な影響をあたえる問題は徹底的に無視する大本営広報部。スプレー缶噴射の危険性、小学校六年生でもわかるだろうに。下記のような情報は決して紹介しない。新聞、テレビがなくとも、全く困らないが、IWJガイドがなければ、大いに困る。

【IWJ・Ch5】18:30~「緊急集会 Tpp11発効・日欧epa批准にno! メガ自由貿易協定にどう立ち向かうか」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「NPO法人アジア太平洋資料センター〈PARC〉」、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」、「農民運動全国連合会」が共催の集会を中継します。登壇者は、内田聖子氏(PARC共同代表)、山田正彦氏(元農水大臣、TPP交渉差止・違憲訴訟の会幹事長)ほか。IWJがこれまで報じてきたTPP・自由貿易協定に関する記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/tpp-fta

2018年12月17日 (月)

欧米で、死の床にある真実

2018年12月14日
Paul Craig Roberts

 親愛なる皆様

 四半期のご寄付のお願いに対する反応は非常に弱い。通常12月は読者のご支援で、我々にとって最良の四半期だが、12月10日のお願いに対する反応は今までで最も弱い。

 当ウェブサイトをご支持下さる方々の大部分が、毎月の寄贈者になられたというのがその理由だろう。毎月の寄贈者の増加が、四半期ごとのお願いに対する読者の反応の減少の理由なのかどうか調べる必要がありそうだ。

 欧米のどこであれ、真実を語るのは割に合わないことにご留意願いたい。連邦法によって保護されているにもかかわらず、内部告発者が罪に陥れられ投獄されるのに、暴露された犯罪を実行した官僚に対しては何もされない。

 タッカー・カールソンのような僅かな例外を除き、印刷メディアでも、TVメディアでも、ジャーナリストが公式説明の限界を踏み出すことはない。

 特にイスラエルについて、真実を話すと、科学者や学者さえ高い代償を払わされる。歴史家はホロコーストは研究できず、パレスチナ人に対するイスラエルの残忍で非人道的な取り扱いに対する抗議として、ボイコットやイスラエルからの投資引き上げを禁じる法律まで成立している。知性や人種や性に遺伝子上の根拠があるかどうかを科学者が研究すると、学者人生を終わらせかねない危険がある。例えば以下を参照。http://www.unz.com/jthompson/armageddon-james-flynn-on-academic-freedom-and-race/

 エクアドルの腐敗した新大統領は、ジュリアン・アサンジをワシントンに売り、政治亡命の保障を裏切っても、おとがめなしですませるのがわかり次第、すぐさま大使館から彼を追い出すだろう。アサンジ告訴は見せしめ裁判だ。裁判は真実に対する二つの致命的打撃になるだろう。一つは、政府にとって知られて欲しない漏洩情報の公表は、罪であることの確定だ。もう一つは、政府が有害だと考える、いかなる事実や意見の公表も対象にするよう拡張可能な先例になることだ。真実が公開処刑されているのに、欧米全体がほとんど沈黙し関与せずにいるのを目にすると意欲を喪失させられる。

 進んで真実を語り、山のような中傷と侮辱を受ける我々のような少数派には、読者のご支持が必要だ。もし読者が真実を高く評価されないのであれば、我々が真実を語って、高い代償を払う意味はない。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/12/14/in-the-western-world-truth-is-on-its-deathbed/

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 書店の棚で、今の時期にびったりの本を見た。別に昨日刊行された際物ではない。2012年に中国語版がでているようだ。食指は動いたが、年金生活者、泣く泣く棚にもどした。

 最強の未公開企業 ファーウェイ: 冬は必ずやってくる

2018年12月16日 (日)

エマヌエル・マクロン失墜

Ivan DARAKTCHIEV
2018年12月12日
LawRockwell.com

 18カ月前「国際エリート層の苦闘:プロジェクト「エマヌエル・マクロン」、ひどく信頼を失い致命的に傷ついたEUという発想の避けられない崩壊を延期する国際エリート層最後のチャンス」という題名の記事を私が書いて発表した。今日、上記題名では多くの単語で語ったことを簡潔に発表する時が来た。エマヌエル・マクロン失墜!

 組織的行動につけこんで、店を略奪し、自動車に放火し、機動隊とさえ戦い、その過程で血を流す非行者連中による暴力を非難しながら「黄色いベスト」とレッテルが貼られた何週間もの自然発生的街頭抗議運動に大衆は同情的だったが、フランス大統領は姿をあらわさないことで悪名が高かった(無視に等しいが、ジュピター(木星)での優先度の高いことで忙しかったのだ、と言う向きもある)。

 そして今日、彼は芝居がかった演技をして、地球に戻って来た。ハンサムで、雄弁で、謙虚で、おこぼれで、わずかな要求に対応すると約束しているが、金がなく、政府債務が約2兆ユーロで、対GDPで110と120%の間で、赤字予算がECが要求する上限を超え、つまり、更なる借款、すなわち、エリート層が避けると約束していたせん状悪化を、すべての予算計画のたびごとに繰り返して計画し続けるだろうことを、皆知っているのだ。

 あまりにもわずかで、あまりにも遅過ぎる。フランス全体に広がる多くの抗議集団は、テレビで抗議を続ける述べた! だが、たとえ彼らが屈伏し、この波が最終的に引いても、政治の天才として売りこまれた操り人形には、あらゆる打撃が加えられたのに、治療法が存在しないのだ。

 マクロンは彼の態度が適切ではなかったことを認めさえした。多くの人々によれば、彼の行動は、まさに大統領職の始めから、ずっとごう慢で横柄だったが、今日彼は急転換している。彼のボディーランゲージは一部国民の怒りをおさめるだろうが、今日の演説は少なくとも罪の一部だ。野党は既に非難を定式化している。彼は前任者たちの政策を変え、かつての良い生活をとり戻すと約束したが、逆に彼の政策は状況を悪化させ、金持ちは一層速く更に金持ちになり、貧しい人々は前より速く、明かに更に貧しくなった。

 フランス大統領は「社会経済緊急事態」を宣言した。結構だが、十分結構ではない。(i)もしこのような緊急事態を、マクロン以前の数人の大統領が発表していれば、フランスの役に立っていただろう。そして(ii)金がないのだ!

 上記は、自身の繭の中で暮らすエリート層が、自国の一般市民(まして世界の他の場所の人々は言うまでもなく)の日常生活についての手がかりを持っていないことを思い出すきっかけ用メモだ。同様に、エリート層は、彼らがわからないものを、いかに改善すべきるか見当がついていないこと、そして、大衆をなだめるのに最小限いくらかかるのか分からないことを意味している。フランスは今日、意欲的指導者のシャルル・ドゴール将軍が似たような街頭活動や暴力の後辞職しなければならなかった、まさに半世紀前と同じ状態にある。大きな疑問は、そこで類似が、終わるのか、それとも、我々は、ルイ16世や、ニコライ2世に対する大衆の怒りについても検討するべきかだ。

 「黄色いベスト」による反乱は、エリート層が降参したという事実だけでも、大成功をおさめた。この本当に人気が高い、自然発生的な、政治以前の、イデオロギー以前の運動(本物の「我々人民」)が今後更に進展するのか、あるいは鎮静化させられるのかは分からないが、私の考えでは、これは既に21世紀のフランス革命の始まりを示しており、単に私だけの夢想ではない。国営テレビで、コメントした二、三人の最も有能で最も経験豊かな数人の評論家が、抗議運動報道官を「トランプ主義者」と呼んだ。現在、未曾有の反大統領選キャンペーンを推進しているマスコミと立法府の卑屈な共同戦線に応援されて、彼の前任者たちが適切に従ってきた陰の国家の方針に逆らって、(言い替えれば)「国民の利益が第一だ」と言ったドナルド・トランプの革命的態度を意味している。我々ヨーロッパの反体制派は、ドナルド・トランプが、なぜ21世紀アメリカ革命の創始者で実行者と見なされるべきか説明した。フランス抗議参加者と共鳴する彼の革命方針の主な特性は愛国心だ。「黄色いベスト」は流入する移民が益々気前良く扱われる一方、彼らの苦境は何年間も全く無視されていたと不平を言う(暗黙のうちに、彼らの費用負担を意味し、暗黙のうちに、もしEU政策に逆らい、移民の流れを止めれば、「自国民」用に、もっと多くの金があるはずなのを意味している)。最近、EUを代表して、ヨーロッパ人がどれほど(アメリカ大統領の)民族主義に賛成でないかを語ったのは、国民が(「民族主義」マリーヌ・ル・ペンの代わりに)大統領として選んだ、この未熟な男エマヌエル・マクロンだった。彼らは確かに「民族主義者」ではなく「愛国者」だろう。それで今街頭の人々は、この二語がお互い同意語で、単に誰かの宣伝をする必要がある連中により、「民族主義」には否定的な意味が刷り込まれているだけである事実を良く理解しているように思える。彼らは「トランプ主義者」であることを誇りに思っている - すなわちフランスの愛国者も民族主義者も同時に、移民に資金供給するため、彼らから益々多く資金を奪っているヨーロッパの指令を無視することを含め、もっと彼らに注意を払うよう要求しているのだ。マクロンは、EUや、政策や指令や共通の目的や、あらゆる新移民に対しても永続する暖かい歓迎には、一度も言及しなかった。

 欧州連合のひび割れはますます増え、更に広がっている。

 Ivan Daraktchiev [彼にメールを送る]は、マイクロエレクトロニクス技術専攻で、長年エレクトロニクス、マイクロエレクトロニクス産業で、科学者、科学研究マネージャーを、後に、アメリカ、ベルギー、スイス企業の幹部つとめた。2004年以来、社会政治問題、社会経済理論、変革マネージメント、政治評論についてのコンサルテーション、執筆、講演を行っている。

 記事原文のurl:https://www.lewrockwell.com/2018/12/no_author/emmanuel-macrons-free-fall/

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 彼のことを、ジュピターのようだと褒めそやす宣伝があるらしい。モーツァルトの交響曲第41番に失礼だろうに。それで「失墜」という表現になるのだろうか。原文は自由落下。

 彼我のトップの大きな違い、学歴だけかも知れないとつくづく思う。政策や態度はうり二つ。

 田中龍作氏の最新報道を拝読すると、悪辣さが良くわかる。
【パリ発】3千人拘束、「最賃上げる」もウソ 第5波デモ封じ込めたマクロンの冷酷

 自由落下しているのは、マクロンではなく、庶民の方ではと思える。

 豊洲を訪れ、豊洲市場を訪れない「ブラタモリ」。大本営広報部ここにあり。

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