NATO

2017年2月19日 (日)

危険な岐路: 新冷戦はモスクワが従うまで続くと、トランプがロシアに宣戦布告

Eric Zuesse
Global Research 2017年2月16日
2017年2月14日

アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ロシアにとって(そして圧倒的大多数の国民にとって)屈辱的であるのみならず、倫理にもひどく反する二つの条件に、ロシアが応じるまで、アメリカとロシア間の新冷戦が継続することを、2月14日に明らかにした

この二つの条件のうちの一つは、事実上、不可能であり、たとえそうでないにせよ、倫理に反する。ウラジーミル・プーチンが、このいずれかの条件に同意すれば、彼が再三語っている基本的視点に反するのみならず、まさにこの見解を絶えず主張している彼を尊敬しているのだから、圧倒的多数のロシア人が彼を軽蔑することになるだろう。彼はそれから全くぶれていないのだ。この見解に対するロシア人の支持は、事実上、普遍的だ。(この記事で、この見解を解説したい。)

トランプ要求その1: “クリミア返還”

この二つの問題の一つ目に対するロシアの見方を理解(この件に関するトランプの姿勢が、びっくり仰天するほど愚かなこと理解したいと願っているあらゆるアメリカ人は理解する必要がある)するため、クリミア問題(何百年間もロシアの一部だったが、1954年に、ソ連独裁者によって、突如恣意的にウクライナに引き渡され - 今、アメリカがクリミアに関する彼の命令を回復すべきだと要求している)、以下の二本のビデオはどなたも必見のもので、ここで見られる。

下記の一つ目のビデオ(これは実に重要なので、このビデオを、あるいはその少なくとも最初の12分間をご覧になっていない方は、決してこれ以上お読みにならぬよう)は、2014年2月に、民主的に選ばれたウクライナ大統領を暴力的に打倒したアメリカが画策したクーデターが‘民主革命’という隠れ蓑の下、実際には、そういうものとは程遠く、そうではなく、2011年以前にアメリカ国務省によって立案されたのが起源で、2013年3月1日以前から、キエフのアメリカ大使館内で組織されて始まったのだ。‘民間CIA’企業、ストラトフォーのトップは、正しくも“史上最も露骨なクーデター”と呼んでいる。

下記の二つ目のビデオは、2014年2月20日のウクライナ・クーデター中にキエフから逃げたクリミア住民虐殺の映像で、この虐殺は、オバマ政権が雇ったファシストが、逃れた人々を追い込んで、その多くを殺害した町の名から“ケルソンの虐殺”としてすぐさまクリミア内で有名になった。ウクライナでのクーデター中に起きたこの出来事は、アメリカが据えた政権による、彼らに対する強烈な憎悪に対する恐怖をクリミア住民の間で、大いにかき立てた。

クリミア問題については、2014年3月16日(クリミア住民の75%が支持投票していたウクライナ大統領をオバマが打倒してから、わずか数週間後)の住民投票前と後の両方で、クリミア住民に対して行われた欧米が資金を出したあらゆる世論調査は、クリミア住民の90%以上が、クリミアが再びロシアの一部へと戻ることを支持していることを示していた。それについては、クリミア住民の間で50%より遥かに高い支持があることに、誰もが同意する。しかも、バラク・オバマでさえ、スペインのカタロニア人や、イギリスのスコットランド人に関する場合には、住民の自決権という基本的な普遍的原理を受け入れており、彼も他の誰も、そこでも、また一般的にも、それは適用されるが、特にこうした状況の下、クリミアはそうではないという説得力ある主張ができずにいる。

だから、一番目の問題、クリミア住民に、オバマがウクライナに樹立したfクーデター政権に服従するようプーチンが強制するように、というトランプの要求は実現しないだろうし、実現するべきではない。オバマは、プーチンによる“領土征服” (クリミアのこと)と彼が呼ぶものを理由に、ロシアに経済制裁を課したが、ロシア人は、とりわけ、60年前にその一部となった国(ウクライナ)が、三週間前に、クリミア住民が嫌っている外国勢力による残虐なクーデターによって征服された後、歴史的、文化的に、ウクライナではなく、ロシアの一部だったもののために断固立ち上がり、人々の自決の権利を守っている。プーチンはトランプの要求を受け入れないだろう。彼は受け入れるべきでもない。

トランプ要求その2: ウクライナ対ドンバス戦争を終わらせること

クリミアが分離して間もなく、オバマが据えたウクライナ政権から分離したが、(クリミア住民が再度ロシア人となるのを認めたがゆえに、経済制裁などによって、ひどい苦難を味わった)プーチンが、ロシア連邦への参入を認めず、現地の約500万人の住民全員が国境を越え、ロシアへ逃げずにすむよう、彼らを守る軍事的、人道的支援だけ申し出た、旧ドンバス地域に対する、ウクライナ侵略を称して“ウクライナにおける武力行使の段階的縮小”というのが、2月14日の要求の言いぐさだ。

クーデターでオバマが違法に置き換えたウクライナ大統領に、ドンバスでは90%が投票していた

フランソワ・オランド、アンゲラ・メルケルとウラジーミル・プーチンが(オバマが引き起こした)ウクライナとドンバス間の戦争の最悪段階を終わらせるため、ミンスク交渉と協定をアレンジしたのだ。そして、ミンスク-2合意の重要な部分は、ウクライナ内で、新たなウクライナ連邦の一部として、ドンバス住民に、ウクライナは、ある種最小限の自治を認めるというものだったが、ウクライナ・ラーダ、つまり国会はそうすることを拒否し、それを認めるのを拒否し、アメリカ合州国も、その同盟諸国も、彼らの敵による拒否を、ドンバス住民のせいにし、継続中の戦争をドンバス住民のせいにし、トランプ報道官が、2月14日に言及したように、“ウクライナ国内の紛争”で、ドンバスが、オランド、メルケルとプーチンが仲裁し、ウクライナもドンバスも調印した和平協定の基本的条項遵守すら拒否しているウクライナ政権によって絶えず攻撃されているのに、彼はドンバスに戦争を止めるよう要求しているのだ。(注記: オランドとメルケルさえも、ノーベル平和賞受賞者オバマに、和平へのこの取り組みに参加させることさえできなかった。)

被害者に戦うのを止めろという類の要求は実現不能だ。それは、第二次世界大戦中に、アメリカ合州国、ソ連とイギリスを、ドイツ、イタリアと日本に対する彼らの戦いを非難するようなものだ。これはばかげた要求であり、こんなものを真に受けるのは、ばかげただまされやすい信奉者だけだ。

2月14日、記者会見でのトランプ大統領のショーン・スパイサー報道官の言い方はこうだった。

トランプ大統領は、ロシア政府が、ウクライナ国内での武力行使を段階的に縮小し、クリミアを返還するよう期待していることを非常に明確にした。同時に、彼はロシアとうまくやれることを全面的に期待し、そう望んでいる。

一部の人々にとって、この組み合わせは馬鹿らしく聞こえる。いずれにせよ、これは単に非現実的なだけではない。全く不可能なのだ。これはロシアとの和平を求めるものではない。逆に、対ロシア戦争を再主張しているのだ。

スパイサーは明らかに誇らしげにこう述べた。“大統領は信じがたいほどロシアに厳しい。”

記者会見である記者が、この発言に異議を申し立てた。“私には、そして多くのアメリカ人にとっても、この大統領はロシアに対して厳しい態度ではなかったように思えます” スパイサーは、アメリカ新国連大使ニッキ・ヘイリーが行った発言に言及して答えた。2月2日、彼女は国連でこう発言していた。

ロシアの侵略的行動を非難しなければなりません。… アメリカ合州国は、ロシアの占領と軍事介入のもとで、ほぼ三年間苦難を味わっているウクライナ国民の側に立っています。ロシアと、彼らが支持している分離主義者連中が、ウクライナの主権と領土的一体性を尊重するまで、この危機は続きます。… アメリカ合州国は、ロシアのクリミア占領を非難し、即時終了を要求し続けます。クリミアは、ウクライナの一部です。ロシアが半島の支配をウクライナに返還するまで、クリミアに関するわが国の経済制裁は継続します。

そして、スパイサーはこう言った。

ロシアに関しては、ヘイリー大使が国連で行った発言は実に説得力があり、明快で

質問    それはヘイリー大使発言であり、大統領発言ではありません。

スパイサー:  彼女は大統領の代理として発言しています。私は大統領代理として発言しています。我々全員、この政権内の人間です。ですから、この政権内のあらゆる行動と発言は、この大統領のための、大統領の指示によるものです。ですから、大統領の言質についてこれ以上明確にしようがないと思います。

トランプは、アメリカ有権者に、そうした類のことを全く期待させていなかったにもかかわらず、オバマの対ロシア戦争を継続している。一部の有権者(筆者もその一人だ)は、トランプが、彼の敵ヒラリー・クリントンに、この点で大いに反対すると主張していたので彼に投票していた。 彼は有権者に対して、あらゆることの中で最も重要なことについて、公然とウソをついたのだ。彼は勝つために、欺瞞という心理的強制を活用したのだ。だが、彼は実際には、ウクライナにおけるオバマ・クーデターに全く反対ではなかったことがわかったのだ。おそらく、彼は余りに愚かで、彼はあれがクーデターと知らず、‘民主革命’(作り話)だと思い込んでいるのだ。彼はとてつもなく愚かで、オバマのウソを信じているのかも知れない。

少なくともヒラリー・クリントンは、オバマ政策を(もっぱら悪い方向に)継続するつもりであることをはっきりさせる程度には正直だった。しかし彼女は余りに愚かで、ドナルド・トランプを打ち破ることすらできなかった。

ともあれ、こうしたこと全て、今さらどうにもならないことだ。

当初トランプが‘国防’予算増加に関して、アメリカ支配層(何よりも軍産複合体のオーナー連中)を満足させることを狙う唯一の方法は、イランに対する軍事力増強ということになりそうに見えた。しかし今やその戦争は、第二バイオリンと化する可能性がある。

トランプ大統領が針路を転換し、公式に述べ、ウクライナとシリアにおける彼の前任者による背信の明らかな証拠を、アメリカ人と世界に提示しない限り、ロシアとの戦争はエスカレートするばかりだ。彼が本当のことを言って、アメリカとロシア間の問題は、プーチンではなく、オバマが原因だということを認めない限り、第三次世界大戦へとエスカレートし続ける。その理由はこうだ。

ウクライナであれ、シリアであれ、伝統的な熱い戦争にエスカレートした場合、その伝統的な戦争で分の悪い側には、敗北を防ぐ方法は一つしかない。相手に対する、突然の予告無しの核による全面的電撃攻撃だ。核戦争は30分も続かない。相手側の一部の報復ミサイルや爆弾を攻撃してしまっているので、先制攻撃した側の損害はより少ない。もしドナルド・トランプが聡明だったなら、彼はこれを知っているだろうと思えよう。彼はそうではないので、彼は知らないのだ。彼は着実に相互核絶滅へと向かっている。おそらく、ヒラリー・クリントン同様、彼は、アメリカには‘核の優位’があり、それゆえ‘勝利する’と信じているのだ。

これは愚劣でもある。だが、もっとひどいことに、邪悪だ。しかも、私がここで言っているのは、ロシアやプーチンのことではない。本当の問題、核の冬を避けるという究極的な問題の対象は、わが国なのだ。アメリカ合州国だ。これを‘民主主義’と呼ぶのは単なるウソではない。悪い冗談だ。この邪悪で責められるべきは、アメリカ国民ではない。アメリカ支配層が責められるべきだ。一握りの支配集団が狂っているのだ。

トランプは‘泥沼をきれいにする’と約束した。ところが彼はワニに餌をやっている。

歴史研究家Eric Zuesseは作家で、最新刊は、They’re Not Even Close: The Democratic vs. Republican Economic Records、1910-2010、および CHRIST’S VENTRILOQUISTS: The Event that Created Christianity「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出した出来事」。

本記事の元はGlobal Researchである。
著作権Eric Zuesse, Global Research, 2017

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/dangerous-crossroads-trump-declares-war-on-russia-new-cold-war-will-continue-until-moscow-complies/5575049

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記事中の二本のビデオ、Firefoxでは見えない。Internet Explorer, Opera, Safariでは見え る。「Operaでは見える」というコメントを頂いて、それぞれで確認する必要性を思い出した。

大本営広報部、この記事の話題に触れているのだろうか?そして、この問題に触れているのだろうか?

安倍国会答弁で安倍小学校の事件化は必須 2月19日 植草一秀の『知られざる真実』

「日本人としての誇りをもたせる」――朱色の木造風校舎は建設道半ば 今春の開校に間に合うのか? 自由法曹団による「瑞穂の國記念小學院」‎現地視察~「極右学校法人の闇」第3弾 2017.2.15

子供に教育勅語を読ませるカルトに、

戦争への道は、言論の排斥で作られていった!
蓑田胸喜をめぐる芝居『原理日本』を連想する。

この記事も、大いに同意。

政権交代不可能の「暗い・狡い・曖昧」民進党 2月17日 植草一秀の『知られざる真実』

2017年2月15日 (水)

トランプはユーロを破壊するだろうか?

2017年2月9日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

大統領就任後、わずか数日で‘ドナルド’は実に多くの大統領令や、攻撃的なツイートを発したおかげで、世界はくらくらしている。移民禁止の取り組みや、XLキーストン・パイプライン承認や好戦的なイラン威嚇の煙の中から、はっきりと出現しつつある政策は、大統領上級顧問、首席戦略官スティーブン・バノンが主張する、トランプ・チームの経済的狙い“愛国的経済”だ。これまでのところ、主要標的は、アメリカ合州国との最大貿易黒字二カ国、中国とドイツだ。とはいえ子細に見ると、時折資本市場について、アメリカ諜報社会に助言しているジェームズ・リカーズが“通貨戦争”と呼んでいるものを、ワシントンが開始する準備をしていることが伺える。中国という明らかな標的は別として、二番目で、おそらくより重要な標的は、ユーロとヨーロッパ通貨体制の破壊だ。そこでは、ドイツが中核で、おそらく、トランプの名前がでる度に、メルケル首相が酷い胃痛に襲われるらしい理由の一つだ。

1月31日、アメリカ通商の新権力者ピーター・ナヴァロは、アメリカや、他のドイツのEU貿易相手を“搾取するのに、多いに過小評価されたユーロ”を利用していると、ドイツを非難した。ナヴァロは更に、ドイツを、ユーロ圏経済の核、事実上の“通貨操作国”呼ばわりした。今後頻繁にこの単語に出会うはずなので、単語に慣れて頂きたい。ただし、ナヴァロが言っている「操作」とは、1999年-2002年のユーロ単一通貨創設なのだ。ドイツを最大の加盟国とするユーロは“暗黙のドイツ・マルク”のように機能している。ナヴァロは、アメリカ・ドルに対するユーロ安値のおかげで、ドイツは主要貿易相手国に対して大いに恩恵を受けていると非難した。

ドイツが精力的に反論しているのも驚くべきことではない。アンゲラ・メルケルは即座に欧州中央銀行の通貨政策は、条約上、ユーロ圏全体のインフレをコントロールするよう負託されていると断言し、更に、ECBは、条約上“独立している”ので、ドイツがたとえそうしようと思っても、ユーロを操作できないと主張した。これは事実の一部に過ぎす、現時点で、欧州連合の28加盟国中、19カ国がユーロ圏で、日常的業務でではなく、1990年代に極めて出来損ないのユーロ構造を作り上げる上で、ユーロ圏の経済的巨人ドイツは、不釣り合いな影響力を行使したのだ。ほとんど知られていないこういう話がある。

‘次の世紀に、ドイツの立場を確保’

これは、通貨操作に関する干からびた経済学のように聞こえるかも知れないが、貿易上の優位云々は、事実上の究極的な中期的目標としてのユーロ圏破壊を呼びかけるワシントンの狙いを隠蔽しているのだ。

皮肉なのは、フランス、イタリアとイギリスの元首連中が、1991年12月に、1999年末までに完全な通貨同盟を約束する欧州連合条約に調印したオランダのマーストリヒトでのヨーロッパ経済共同体加盟国元首サミットで、唖然とするコールにぶつけた際、ユーロ圏に、当時のドイツ首相ヘルムート・コールは大反対したことだ。そこで、コールは、ブリュッセルでは“民主主義の欠如”と優雅に呼ばれる、民主的に選ばれたヨーロッパの政治国家の一つとしてない、単一ヨーロッパ通貨、現在のユーロを確立する条約という彼らの提案に直面した。

統一ドイツと呼ばれる経済大国の新たな力を恐れた懐疑的なフランス、イギリスとイタリアは、強力なドイツ・マルクと、当時世界で最も尊敬されていた中央銀行、ドイツ連邦銀行の権限を、後に欧州中央銀行として知られるようになる新たな自立した超国家的構造にゆだねるよう要求した。何ヶ月もの厳しい抜け目のない駆け引きの後、新たなユーロ圏加盟国は、公的債務の制限をGDPの60%とし、年間公的債務を制限GDPのl3%に制限するという、ハンス・ティートマイヤーのドイツ連邦銀行が決めた恣意的な厳しい条件、厳格ないわゆるマーストリヒト基準に従うという条件で、最終的に、ドイツは同意した。

経済ジャーナリストとして、当時こうした進展を追うのに私は積極的に関わっていた。1990年早々、デンマーク人の欧州委員会委員ヘニング・クリストファーセンの厳格ないわゆるマーストリヒト基準に関する個人的な考えを知る思いがけない機会を得た。最近亡くなったクリストファーセンは、ジャック・ドロール欧州委員会委員長の下、EEC (EUの前身)で、当時のマーストリヒト条約交渉で、経済と通貨関係の担当だった。彼は実質的に、いくつもの点をとりまとめて、ユーロとなるものにする責任を負っていた主要委員で、ユーロ誕生時、加盟諸国間の非公開論議や戦いを非常に良く知っていると言うべき人物となった。

1994年に、クリストファーセンは、ロンドン金融会議の際に、私が良く知っているデンマーク人エコノミストに、ドイツと、特にコール首相の単一通貨ユーロ導入に対する態度は“1991年から180度転換した”と語っていた。彼は三年の間に、フランスとイタリアの巨大銀行は深刻な危機に苦しみ、生存しようとあえぐようになっており(興味深いことに、連中は今もそういう状態で、更にひどくなっている-筆者)、イギリスの銀行は深刻な不動産債務危機にあり、ヨーロッパの金融・資本市場を支配する上で、堅固なドイツ銀行には到底かなわなかったと語ったのだ。“ドイツ銀行や他の大手ドイツ銀行は、上手にやれば、ユーロは、ヨーロッパのトップとしてのドイツの役割を、次の世紀、あるいはそれ以降も保証する可能性がある”とコールを説得した。

それから少し後のフランクフルトでの銀行業会議で、私自身、コール首相の見解の変化を、まざまざと見た。once-foot-dragging ユーロに懐疑的だったコールが、集まった銀行家たちに、ユーロは“将来、もう戦争が不可能になるようヨーロッパを結びつける鍵”だと述べた。彼は総立ちになっての拍手喝さいを受けた。彼はそうと決心すれば、巧みな雄弁家だった。要するに、現在のユーロ圏はドイツが作り出したものなのだ。

ユーロに対するナヴァロの狙い

大統領として、ドナルド・トランプは、最近ドイツ自動車のアメリカ輸入を攻撃し、アメリカ国外で製造されたドイツBMWに対する懲罰的な35%輸入関税で威嚇した。ドイツの対応は、そうしたいちかばちかの外交ゲームでは、むしろ愚かで、“アメリカ製”自動車の品質を攻撃した。ドイツにもっと多くのシボレーなどのアメリカ自動車を買わせるために、アメリカができることは何かと聞かれて、ドイツ経済相のシグマール・ガブリエルは“もっと良い自動車を作りなさい”とぶしつけに言い返した。シグマール経済相の対応は巧妙な手とは言えない。

しかしながら、ナヴァロ対ドイツ戦略の本当の狙いは、ドイツ内で、品質的に劣るアメリカ製シボレーの売り上げを伸ばすことではない。アメリカ車が劣っていることは、私が個人的に証言できる。最終的に wreck世界準備通貨としてのアメリカ・ドルの役割に対する潜在的ライバルで、大いに欠点があり、大いに脆弱なユーロ体制を。1944年以来andブレトン・ウッズ、アメリカの世界覇権は二つの大黒柱に依拠している。アメリカにはいかなるライバルもない確固たる軍隊と、要するに、ワシントンの赤字に諸外国が際限なく資金提供することを意味する確固たる世界準備通貨たるアメリカ・ドルだ。

ナヴァロ-ロス戦略論文

トランプ大統領選挙戦の支援部隊の一員として、カリフォルニア大学経済学教授で、当時の選挙戦経済顧問ピーター・ナヴァロと、未公開株式投資アドヴァイザーで、億万長者投資家のウィルバー・ロスが、トランプ候補のための経済戦略論文作成に協力した。トランプが、環太平洋連携協定、環大西洋貿易・投資連携協定を破棄し、NAFTA再交渉を要求している背後には、この論文があるのだ。これは、ドイツを“通貨操作国”として、トランプ大統領が攻撃している背後にもある。

現在、もちろん、ピーター・ナヴァロは、通商の権力者で、ホワイトハウスに新たに作られた国家通商会議のトップだ。ロスは新商務長官だ。二人は同じ脚本を演じて、固定されたユーロで、ドイツは不相応に恩恵を受けており、アメリカ合州国やイタリア、ポルトガル、ギリシャなどのユーロ圏の周辺的な国々や、フランスさえ、大損をしているという主張で、暗黙のうちに、ユーロ圏破壊を呼びかけているのだ。

ドナルド・トランプが、大統領に就任する四日前、ロンドン・タイムズで、長いインタビューをした。その中で彼はこう断言した“…欧州連合をご覧なさい、あれはドイツです。基本的にドイツのための道具です。”更に、シリア、アフガニスタン、リビアや他の圧倒的にイスラム教徒が多い国々からの百万人以上の戦争難民を無審査で受け入れたドイツや他のEU諸国の問題について、トランプはこう断言した。“もし彼らが、それに伴うあらゆる問題がある、これほど多数の難民全員の受け入れを強いられていなければ、Brexitはなかっただろうと私は思う。たぶん丸く収まっていただろう。だがこれはラクダの背中を折る最後の一本の藁だった。人々は、自分たちの独自性を望んだのだと私は思う。だから皆さんが私に辞めろと言われるなら辞めるべき他の連中だと思う。(強調は筆者による)

トランプの発言は立腹してのものではなく、むしろ朝のコーヒーの残り香だ。この源はピーター・ナヴァロによる2016年9月29日の白書だ。ナヴァロは、アメリカ財務省債券を購入することで、主要輸出相手国アメリカに対して、元を安定させていることで、中国を非難した後、次にドイツとユーロを攻撃した。

“経済通貨同盟のおかげで、同様な問題が存在している。ユーロは国際通貨市場で自由に変動するが、この制度は、もしドイツ・マルクが依然存在していたならば、そうであるはずのもの以上にドイツ通貨を安くしている。”

ナヴァロはこう続けている。

“事実上、経済通貨同盟中の南ヨーロッパ経済の弱さが、ユーロを、ドイツ・マルクが自立した通貨だったならそうであったはずの為替レートより安く保っている。これこそが、アメリカが、ドイツとの商品貿易で、2015年で、750億ドルという大きな赤字になっている主な理由なのだ-ドイツの賃金が比較的高いのに…より大きな構造問題は、はびこる通貨操作で悩まされている国際通貨制度だ。”

ナヴァロは、挑戦的な調子で、こう結論づけた。

“ドナルド・トランプは、アメリカ国民に、財務省は、自国通貨を操作するあらゆる国を“通貨操作国”とレッテルを貼ると約束した。これで、もし通貨操作が止まらなければ、アメリカが防衛的、相殺関税を課することが可能になる。”

昨年、あるいは他の年にも、ドルに対し、元を強化すべく、実際活発に介入したが、アメリカ財務省の範疇によれば現状ではアメリカ財務省の規則では通貨操作国ではない中国の事実を無視し、ドイツを公式に“通貨操作国”と宣言して、様々な経済制裁を課するには、一年間の誠実な交渉が必要だ。だから準備は整ったのだ。

統一反ユーロ戦線

アメリカEU新大使に指名されたテッド・マロックは、2月5日に、ブルームバーグとインタビューし、そこで彼は、ユーロ崩壊に賭けるし、“ユーロを空売り”したいと述べた。同じインタビューで、彼はギリシャのユーロ圏からの離脱Grexitには“強い動機”があると断言した。先にマロックは、欧州連合は“飼い慣らす”必要があると述べて、EUを消滅したソ連になぞらえた。

別のインタビューで、マロックはユーロは今後18カ月で崩壊しかねないと言い切った。彼はBBCで“通貨は終焉に向かっているのみならず、実際に問題があり、来年、一年半後には崩壊しかねないと思う。…2017年に私がするだろうことの一つは、ユーロの空売りだ”と述べた。マロックは、EU政治の素人ではないことに留意が必要だ。彼は、現在、イギリスのレディング大学ビジネス・スクールで教授として教えている。マロックは、グローバル化推進派のスイス、ダボス世界経済フォーラム理事もつとめており、シンクタンク、アスペン研究所の首席研究員でもあった。ユーロとEUそのものの将来に関する彼の発言は、計算しつくされたものだ

しかも、財務長官として、中国に通貨操作国というレッテルを貼るのに何の抵抗もないと述べた人物、ゴールドマン・サックス・バートナーとして17年勤めたスティーヴン・マヌーチンがおり、ユーロ破壊を目指す、全面的なアメリカ通貨戦争の準備は整ったように見える。

誤解なきよう。1990年中頃に、国民国家を超えるEUの超国家通貨としてのユーロが現実になることが明らかになって以来、当時考えられていたユーロという考えは、ヨーロッパと世界にとって災厄の卵だと、私が言い続けてきたことは記録にある。ジャック・ドロール、ジスカール・デスタンなどの周辺のヨーロッパ長老連中による、世界準備通貨として、ドルに対する巨大なEUライバルを作り出そうという構造物だった。

2002年から、ギリシャ政府が、ギリシャの赤字が、ユーロ圏で規定されている3%ではなく、12%以上になっている事実を隠蔽するのを可能にしたあやしげなデリバティブ通貨スワップ操作工作をしたのが、ムニューチンのゴールドマン・サックスだったことは注目に値する。好都合にも、ギリシャ債務危機は、まさにアメリカ財政赤字が、年間何兆以上の規模で爆発しつつあり、なによりも中国がアメリカ財務省ボイコットで脅していた2010年に公表された。当時、ドルに対して、ユーロを押し下げるために、ゴールドマンとアメリカ財務省が意図的にギリシャ危機を爆発させたのだと疑う十分な根拠があった。

今やトランプ新政権内のゴールドマン・サックスの金融天才連中と、トランプ経済チームが、Brexitのおかげで、ユーロ圏とEUが、かつてないほど脆弱になったので、ユーロ脅威の可能性に決定的に止めを刺し、捨て去ると決めた可能性が高い。そのような崩壊は、確実に、EUを1930年代のものより酷い大混乱、破壊、金融危機に陥れる。トランプや、ナヴァロやウィルバー・ロスにとっては、こうした社会的、人的問題は、連中の狂った計画に対する単なる“外部事項”に過ぎない。ユーロは、EU同様、早急な改革が必要な実にひどい構築物なのだ。

一体なぜユーロを破壊するのだろうか? イギリス人経済史家ハロルド・ジェームズがその理由を示唆している。“ユーロ崩壊の結果は一体何だろう? 競争相手として、ヨーロッパを弱体化させるのみならず、かつての国家間ライバル関係が再び解き放たれることで、一層不安定化させるのだ。”ドイツ首相やベルリンの他の連中が、トランプが連中に一体何をもたらすかについて、極端に神経過敏になるのも不思議ではない。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/02/09/will-trump-destroy-the-euro/

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秘密朝貢外交で丸裸にされる我々にとって人ごとではない。

属国傀儡独裁政権の虚言を大本営広報部は忠実に拡声するだけなので、ほとんど呆導番組は見ない。今日のIWJガイドを拝読すれば、その途方もなさがわかる。9時番組の男女が変わるというが、オバマのチェンジと同じ、顔が変わるだけ。虚報は継続する。

■<はじめに>合意内容がまったく明らかにされない日米首脳会談「日本国民に語れないような売国密約がなされたのではないか?」そもそも安倍総理は「日本の公的年金を土産にするようなことはしない」と明確に約束していない

 おはようございます。IWJ記者の福田玲子です。

 皆さま、2月13日放送のNHK「ニュースウォッチ9」はご覧になられましたか?

 安倍総理が生出演し、このたびの訪米の成果を自らPRし、NHKの岩田明子記者ほか出演者一丸で成果を強調するという、事実上の国営放送の報道番組として、ありえない内容でした。

 「成果」として強調されたのは、いかにトランプ大統領に安倍総理が気に入られ、親密な間柄になったかということだけ。安倍総理がトランプ大統領にひたすらへつらい、こびることが世界中のメディアで話題になっていますが、その安倍総理にこびへつらっているのが日本のマスメディアで、その筆頭がNHKです。およそ先進国のジャーナリズムの姿ではありません。岩上さんの言葉を借りれば、「犬の犬」です。

 会談の中身や合意事項については、まったく明らかにされてきません。日本側からアメリカ側に対して、よほど、極秘にしてもらいたいという要望があったものと思われます。

 なぜそれほどまでに極秘にしたいのか。岩上さんも指摘していますが、「国民には語れないような、売国密約」がなされたのでしょう。

 売国密約の筆頭は、恐らく日本の公的年金に関することかと思われます。

 この件については、2月3日の衆議院予算委員会でも、民進党の大串博志衆議院議員が質疑していました。

 大串議員はまず、安倍政権になってから、GPIF(独立行政法人「年金積立金管理運用」)が、リスクを取る運用を始め、インフラや不動産にも投資する「オルタナティブ投資」(※1)ができるようになったことを批判しました。

(※1)オルタナティブ投資(直訳「代替投資」):株や債権などの伝統的な投資ではなく、プライベートエクイティー、不動産、インフラ、天然資源などに投資をすること。大串議員は質疑で、このオルタナティブ投資について、ニッセイ基礎研究所の専門家による「(オルタナティブ投資は)ハイリスクハイリターンであり、その仕組は非常に複雑であるため、ファンドの選択には高度な専門知識と経験が必要とされる…(中略)…大損を被るリスクがある」という解説を引用し、こんなリスクの高いものに公的年金を投じることに強い懸念を表明した。

 そして日経新聞で報道された「公的年金、米インフラ投資」の記事、及び読売新聞の『70万人雇用創出、米に提案へ…経済協力原案」の70万人の雇用創出のため4500億ドル(51兆円)の市場をつくるという日米経済協力の記事に触れ、この51兆円規模の市場は日本の公的年金から拠出するつもりなのか真偽を尋ねました。

・公的年金、米インフラに投資 首脳会談で提案へ 政府、雇用創出へ包括策(日経新聞、2017.2.2)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS01H5E_R00C17A2MM8000/

・70万人雇用創出、米に提案へ…経済協力原案(読売新聞、2017.2.2)(記事はすでにHPから削除)

 これに対する安倍総理の答えは、「政府として、今、おっしゃったようなことを検討しているわけではない」「GPIFについては私は…(中略)指図できない」といったものでした。また、大串議員の「年金のお金を使ってトランプさんにお土産を持っていくことはしない、これを約束していただけますか」との問いには、「(会談の内容は)まだ何も決まっていない」と述べるにとどまり、明確に「しない」とは約束しませんでした。

 もともとGPIFは安定運用が原則で、株式運用比率も2割5分でした。それを5割に引き上げさせたのが安倍政権です。「私は指図できない」といいつつ、GPIFに働きかけ、オルタナティブ投資まで可能にしたのは安倍政権です。

 なお質疑には、GPIFの高橋則広理事長が参考人として出席し、「現在、公的年金資産140兆円のうち5%である7兆円をオルタナティブ投資できる仕組みである」こと、また「用意されているガイドラインでは、投資対象は欧米の先進国が中心なので、(その7兆円が)アメリカのインフラ投資に向かうことはあり得る」と述べていました。

 安倍総理が、GPIFにはたらきかけ、仕組みを変えさせてきたことを思えば、果たして7兆円ですむのでしょうか。

 中身がまったく明らかにされない。こんな異常な日米首脳会談があるでしょうか。「国民に語れないほどの売国密約」などなかったと思いたいですが、気色の悪い蜜月ぶりばかりを強調する、芸能ショーのような演出や、目くらましのような北朝鮮のミサイル報道を見るに及び、悪夢が現実になろうとしているような気がしてなりません。

 なお上記、大串議員と安倍総理の質疑については、下記でご覧になれます。

・衆議院インターネット予算中継(2017.2.3)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=46356&media_type=fp

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2017年2月12日 (日)

新世界秩序から、はっきりしない世界混乱へ

Wayne MADSEN
2017年2月10日
Strategic Culture Foundation

ドナルド・トランプ政権と、Brexitによるイギリスと欧州連合との関係切断により、わずか半年程度で、世界は、アメリカの優位に基づく冷戦後“新世界秩序”から、多極的地政学チェス盤上における代替諸同盟という世界的“混乱”へと変化した。多くの点で、新たな世界的混乱は、NATO、米州機構 (米州機構)や、オーストラリア-ニュージーランド-アメリカ合州国の太平洋安全保障条約(ANZUS)同盟を含む様々な第二次世界大戦後の仕組みを危険にさらすことにもなった。

新たな世界的混乱の到来で、あらゆる国際関係教科書や戦略教本は投げ捨てられることになるかも知れない。トランプは首尾一貫しない政策を導入して、外交政策を開始した。一方で、トランプは“過激イスラム・テロ”との戦いで、ロシアと協力したいと主張している。ところが、トランプは、ニッキー・ヘイリー国連大使とジェームズ・マティス国防長官を通して、彼はNATOに肩入れし、ロシアにはクリミアから撤退して欲しいことを示している。毎年、ナショナル・フットボール・リーグのスーパーボウルでは、ペンタゴンと協力して、愛国的な軍関係のイベントを行うことが良く知られている。近年は、アフガニスタンやイラクのような場所に駐留しているアメリカ軍兵士が、ゲーム中やゲーム後、スタジアムのジャンボトロン・テレビ画面に映しだされていた。

2017年、ヒューストンでのスーパーボウルは違っていた。今年は、ポーランドのザガン基地からのアメリカ軍第3機甲旅団コンバットチーム、第4歩兵師団の実況番組だった。ペンタゴンの心理作戦専門家は、トランプの下、アメリカの新たな前線は、もはやイスラム過激派武装反抗勢力に対する戦争でのアフガニスタンやイラクではなく、新たな“敵”ロシアと対するポーランドだというメッセージを送りたかったのだ。画面は、ロシアとのより緊密な関係を求めたいというトランプの発言と一致しない。

トランプは、90,000人の兵士、陸軍の戦車増強、一隻120億ドルの新航空母艦を含む350隻の海軍艦船、23から36への海兵隊大隊増強と、空軍用の最新戦闘機100機を実現するために、アメリカ“国防”予算を増やしたい意志を表明している。これは、十年間で、軍事予算5000億ドルから、1兆ドルへの増加に等しい。

基本的に、トランプの国家安全保障チームは、ロシアと中国の両方と戦えて、戦場では、あらゆるロシアや中国の戦闘機、戦車や、艦船に匹敵する軍にしたいのだ。

トランプや国家安全保障顧問マイケル・フリン、マティスや他の国家安全保障チームのタカ派連中は、イランとの軍事的対立の下準備もしている。チーム・トランプは、3億ドルの精密誘導ミサイルや、何十億ドルもの先進的なF-16戦闘機をサウジアラビアの属国バーレーン用にサウジアラビアに輸出するのを承認し、イランとの緊張が高まるのを手助けした。これらは、イエメンとバーレーンのシーア派多数派に対する残虐な弾圧というサウジアラビアの戦争犯罪のかどで、オバマ政権が保留していた商談だ。トランプは、イエメン内戦でのサウジアラビアによる大量虐殺侵略継続も許可している。サウジアラビアとバーレンは、今やトランプにより、イランに対する軍事的優位を得る立場に置かれているのだ。有効なアメリカ・ビザや難民証明書や、元々、恒久アメリカ在住許可“グリーン・カード”を持ったイラク人の入国を禁止するトランプの大統領令は、イランの同盟国であるイラク政府をいらだたせ、アメリカ請負業者やジャーナリストに対するイラク・ビザ発給を制限すると誓約するまでになっている。これでは、イラクでアメリカ軍と戦っている「イスラム国」やアルカイダ不正規兵士連中を励ますことにしかならない。何であれ、バグダッド政府を脅かすものであれば、サウジアラビア政権にとっては良い知らせなのだ。

トランプは、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との電話会談で、緊密なアメリカ-トルコ関係を強調した。2016年7月、エルドアンに対するクーデター未遂の後、トランプはニューヨーク・タイムズのインタビューで、エルドアンの反乱対応を賞賛した。クーデター未遂以来、エルドアンは、トルコから亡命した指導者で、元エルドアンの同盟者フェトフッラー・ギュレンと関連する人々を指す軽蔑的表現の、いわゆる“フェトフッラー・テロ組織(FETO)”を支持しているとされることを理由に、何百人ものジャーナリスト、軍や警察幹部、大学教授、公務員、政治家や実業家の逮捕と投獄を命じた。

ギュレンは、現在ペンシルヴェニア州に亡命中で、中央情報局(CIA)の庇護下にある。ところが、フリンや他のトランプの安全保安機構関係者連中は、政治亡命者のギュレンを、トルコに裁判と、まず確実に投獄、拷問と、おそらくは処刑に会わせるべく、引き渡しを支持している。

トランプのエルドアンとの同盟は、シリア内の「イスラム国」に対して、アメリカ合州国と提携しているクルド部隊と、イラク、アルビルにあるクルド地域政府の安全をも脅かすことになる。トルコは、シリアとイラクのクルド人は、クルド労働者党(PKK)の支持者だと見なしており、もしトランプsが、対クルディスタンで、エルドアン側につけば、周囲を囲まれた、この公認されていない国に対する、ワシントンによる再度の裏切りということになる。1970年、イラク軍事政権のために、クルド人の利益を犠牲にして、アメリカ国務長官ヘンリー・キッシンジャーは、クルド人を見捨てたのだ。

トランプの首席戦略官スティーブン・バノンは、フランシスコ教皇によるローマのマルタ騎士団(SMOM)の事実上の乗っ取りとなっているバチカンの“内戦”に関与していると考えられている。バノンは彼が教皇の“社会主義的なやり方”と見なしているものに反対なのだ。バチカンは大軍を保有しないミニ国家かも知れないが、バチカン-ワシントン関係の破断は、EUやNATOや他の伝統的な同盟に悪影響を与えることにしかならない。

トランプが環太平洋連携協定(TPP)貿易協定を拒絶したことで、アジア-太平洋地域は“管理された混乱”に落ち込んだ。国防長官としてのマティス最初の海外歴訪は、韓国と日本に、アメリカの軍事的誓約を再確認することだった。しかし、最大の推進者であったアメリカ合州国がTPPを放棄したことが、代替の中国の貿易圏、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)にはずみをつけた。TPP支持国で、アメリカ長年の同盟オーストラリアは今やRCEP参加に躍起になっている。オーストラリアのマルコム・ターンブル首相とトランプの難民交換を巡るけんか腰の電話会談で、オーストラリアは、トランプに立腹した。スポーツと国家威信を巡ってはオーストラリアにとって、友好的な競争相手ながら、ニュージーランドは、トランプとのけんかでは、オーストラリアの擁護に回った。結論は、ANZUS同盟は今や大きく損なわれたということなのだが、ともあれ、この同盟はとうの昔に有用性を失っていたのだ。

トランプとドイツのアンゲラ・メルケル首相や、フランスのフランソワ・オランド大統領とのつっけんどんな電話会談も、ヨーロッパ-大西洋とワシントンとのつながりを揺るがした。トランプは、オランドに、フランスや他のNATO加盟国は、アメリカに、NATOへの支出の借りを返すべきだと一喝した。欧州理事会議長ドナルド・トゥスクは、トランプを欧州連合にとっての“脅威”と呼んだ。

ホワイト・ハウスで、ヨルダンのアブドゥッラー国王と会談した後、トランプは、イスラエルはヨルダン川西岸の新たな入植地を発表するのを止めるべきだと発言して、イスラエル政府を驚かせた。トランプの言辞は、これまでホワイト・ハウスに住んだ大統領の中で最も親イスラエル的なあることを示唆しているが、イスラエルに対する彼の移り気な態度に、一部の中東観測筋は、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移動するというトランプの公約が、この地域での異なるアメリカ政策の単なる見せかけかどうか疑っている。

ワシントンに本部を置く、由緒はあるが、比較的地味で、役に立たない米州機構は、アメリカ-メキシコ国境に壁を建設するというトランプの公約や、米州機構やアメリカ大陸内の政治体制に復帰したキューバに対する恫喝のように生き残る可能性は少ない。中南米カリブ海諸国には、いずれもアメリカの加盟も影響力もない、米州ボリバル同盟、南米共同市(メルコスール)や、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)など、米州機構に対する、より価値ある代替組織がある。

これは新たな世界的混乱だが、多極世界への回帰と“唯一の超大国アメリカ”という地位の終焉というこの混乱は、長期的には恩恵なのかも知れない。しかしながら、短期的には、この混乱は、あらゆる大陸のあらゆる国の外務省や国際機関官僚を困惑させることになろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/02/10/from-new-world-order-hazy-global-disorder.html
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参勤交代についての夕方の大本営広報部特集、たまたま音を消してながめていた。有名女性記者が何を話していたのか、読唇術ができないのでわからない。知りたいとも思わない。

拝見したいのは、現代版治安維持法が作られようとしている中、2月25日から公開される『母 小林多喜二の母の物語』。

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋
共謀罪は市民運動を殺す 昨日の中日新聞から 2017年2月8日

そして、こうしたインタビューや記事。

【再配信・IWJ_YouTube Live】18:00~「『リメンバー・パール・ハーバー』から『アメリカ・ファースト』へ――トランプ大統領と『戦後秩序』のゆくえ~岩上安身による神子島健氏(成城大学ほか非常勤講師)インタビュー 前編」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※2月1日(水)に収録した、岩上安身による神子島健氏(成城大学ほか非常勤講師)インタビューの前編を再配信します。

「稲田はやめろ!」「言葉を壊すな!」稲田防衛相に辞任を求め国会前で約500人が声をあげる~安保法制廃止・南スーダン派遣中止を安倍政権に求める国会前抗議行動
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/362499「線量の高いところでは、半導体系のものは機能を失う」予想範囲内の大変さ?!~累積1000シーベルト耐性の堆積物除去ロボットのカメラが2時間で寿命が尽きた2号機PCV内作業の今後の見通しは?! 原子力安全改革プラン進捗報告
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/362496移転不可能はもはや自明! 6000億円をドブに捨てた石原氏と猪瀬氏の責任を問え! 築地市場移転ストップの立役者・宇都宮健児弁護士×水谷和子氏×中澤誠氏に岩上安身がインタビュー!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/362497

2017年2月 9日 (木)

トランプか、プーチンか? 最大の脅威という筋書きが破綻したEU

2017年2月4日 18:14
Finian Cunningham

欧州連合の機能不全を示すものがあるとすれば、それは今週、マルタ島の古代の要塞で撮影された28人の加盟諸国指導者の集合写真だ。

"要塞心理"ということで言えば、 ヨーロッパの大統領や首相たちは、EUの安定にとっての脅威としての北アフリカからの移民に対処することになっている。

ところが、連中のサミットでは、主題はアメリカのドナルド・トランプ大統領問題で、ホワイト・ハウスの新たな主が、EUにとって緊急課題となっているという感覚の共有だ。

"マルタ・サミットに集まった首相や大統領連中は、トランプの行動への酷評に加わり、敬意が欠如している非難した" とガーディアンは報じた

フランス大統領フランソワ・オランドは、もしEUが、トランプのポピュリスト愛国主義への反対で団結しなければ、EUは崩壊する運命となるとまで述べた。

ヨーロッパ指導者たちが、アメリカ新大統領を実存的脅威とする皮肉はお笑い種だ。何カ月もの間、全く同じヨーロッパ政治家連中は、欧米国家プロパガンダの言うがままに、EUの安定性にとって、最大の脅威は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領だと主張していたのだ。

ヨーロッパのマスコミは、アメリカのマスコミと同様、クレムリンは、EUの民主主義を打倒し、"ヨーロッパの価値観"を損ない、欧州統合に懐疑的な政党を助成して、EUを粉砕しようとしているという人騒がせな主張を押し出していた。

ドイツ首相アンゲラ・メルケルは、わずか数週間前、ロシア公務員ハッカー連中とおぼしきものが、アメリカで、ドナルド・トランプを当選させるためにしたとされるのと同様今度は連中の力をオランダ、フランスやドイツでの来る選挙に注ぐだろうと警告した

反ロシア恐怖を利用すしてきたこの背景を考えると、今週、EU指導者は、マルタで"ロシアの脅威"について、一言も触れないのは驚くべきことだ。

ヨーロッパ指導者とされる連中の全ての苦悩は、ドナルド・トランプが、連中の体制存続を弱体化していることに集中している。

これで、EU政治家の信ぴょう性がわかるだろう。連中は、ロシアに対するヒステリックな非難から切り替え、怖がる子供のように群れ、アメリカ新大統領が、いかに連中の終焉を招くか思い悩んでいる。

これは現職EU指導者集団が、現実から全くかけ離れている究極的な証拠だ。連中が来る選挙にびくびくしているのも不思議ではない。政府の舵取りをしている連中の無能さにうんざりしている怒れる有権者たちによって報いを受けるときがくるのを恐れているのだろうから。

EU徒党が自らの殻にこもっていることのもう一つの仰天する例は、今週ウクライナにおけるすさまじい攻撃だ。優柔不断な政治家連中は、ドナルド・トランプについて思い悩みながらも、ヨーロッパで荒れ狂っている戦争には、どうやら無関心だ。

2014年に、EUがアメリカと一緒に、クーデターで据えたキエフ政権が、今週、分離し自ら共和国を宣言したドネツクとルガンスクに対する徹底的な攻勢をしかけた。

2015年2月に、ミンスク和平合意が調印されて以来、最悪の攻撃として、ドネツク市と郊外の住宅地域に何千発ものロケット、迫撃砲や戦車砲の砲弾が雨あられと降り注いだ。

反政府派が占領している地域で、連中の軍隊が"前進している"ことをキエフ当局者はあからさまに認めた。ミンスク停戦の一方的違反は、欧州安全保障協力機構OSCEに所属する無力な監視員たちも確認しており、BBC映像は、アウディーイウカ町の集合住宅地域に潜む戦車を示している。

キエフ政権軍の砲火による何人かの一般市民の死亡が報じられており、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、非戦闘員を標的にすることを禁じる国際法"ジュネーブ協定の野蛮な違反だ"と非難した

ところが、これら戦争犯罪が、東ウクライナの人々に対して行われている中、キエフ政権のペトロ・ポロシェンコ大統領がベルリンを訪れていた。ロシア人に対する皆殺しポグロムを実行するのに、ウクライナ人代理部隊を利用したベルリンの卑劣な歴史を考えれば、これはむしろお似合いだ。

ヨーロッパにおけるこの犯罪的戦争の何一つ、マルタでEUに対する将来の脅威を議論すべく集まったとされるサミットを開催しているEU指導者の議題にはならないのだ。

信じがたいことに、ドイツ最高の報道機関ドイチェ・ヴェレは、世界の出来事の週刊ダイジェストで、キエフ政権と、そのネオナチ旅団による犯罪的略奪に触れる記事は一本もなかった。

イギリス国営放送BBCは、ロシアが "ウクライナに対する侵略"に油を注いでいると根拠のない主張をし、キエフの戦車が停戦に違反している自らのビデオ証拠を無視している。

アメリカとEUが支援しているキエフ政権による侵略の、のっぴきならぬ証拠とは別に、ここでのもう一つの重要な要素はタイミングだ。攻撃再開エスカレーションが起きたのが、アメリカのトランプ大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談をした翌日だということだ。先週土曜日の電話会談は、暖かいもので、ウクライナにおける紛争を終わらせようという両大統領の本気度を明確に示していたという

逆のことを示すあらゆる証拠にもかかわらず、攻撃開始を、あつかましくも、モスクワのせいにし、アメリカによる軍事支援をせがむ企みで、キエフ政権が翌日攻勢を開始した理由がそれであることは疑いようがない。トランプは、実際にプーチンと取り引きし、ウクライナを、堕落と破綻の中、悶々として暮らす羽目にさせかねないと、キエフ政権は茫然自失しているのだ。

もちろん、アメリカ上院議員ジョン・マケインなどの頼もしい欧米の代弁人は、マスコミに拡声器になってもらい、プーチンはトランプの決意を試しているのだ"と主張して、キエフ政権の策略を隠蔽してくれる。

恥ずかしいことに、トランプの新国連大使ニッキ・ヘイリーは、ウクライナへの"ロシア侵略"という途方もないたわごとを売り込んで醜態をさらけ出した。

例により、欧米の政治家やマスコミは、ウクライナの紛争を巡って、ウソと夢想で対応している。残酷なキエフ政権が、ワシントンとEUによる後援のもと、暴力で、選挙で選ばれた政府を打倒し、据えつけられた事実を、連中は正視できないのだ。さらになお悪いことに、東ウクライナの人々が押しつけられている苦難に対して、怠慢や意図的な歪曲をすることで、継続中の戦争犯罪に、欧米は加担しているのだ。

EUの終焉を、ドナルド・トランプやウラジーミル・プーチンのせいにするのは、無能な指導者連中による究極的な形の責任転嫁だ。連中は余りに無能で、連中の存在に対する脅威なるもの一体何なのかさえ決めることができないのだ。

犯罪的な戦争がヨーロッパで猛威を振るい、一般市民がドネツクの団地で粉々にされつつあるのに、その同じ時期に、いわゆるEU指導者連中は、今週マルタでのサミット中に、それについて語るのが適切だと思っていないのだ。

この調子では、我々が知っている欧州連合の命運は尽きている。支配者と普通市民の現実との間の乖離は余りに大きく、爆縮は不可避に思える。無責任さの究極は、ウクライナにおけるひどい危機を産み出しながら、現地住民の明らかな苦悩を議論することさえしないEUのやり口だ。

それどころではない。EU "指導者"は、トランプやプーチンによる、誇張された、あるいは想像上の脅威の論議に忙殺されているのだ。国内状況をきちんとし、国民の民主的な要求に対し、責任を負って、対応することは議題に無いのだ。

最後になるが、第二次世界大戦以来、最も不人気なフランス指導者フランソワ・オランドが、欧州理事会次期議長に出馬しようとしている。もう沢山だ。

本記事の見解はもっぱら著者のものであり、必ずしもスプートニクの公式的な立場を反映するものではない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201702041050349426-trump-or-putin-eu-loses-plot-on-biggest-threat/
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大本営広報部各社幹部と食事を満喫した結果?TPP絶賛の大政翼賛報道を読まされた。
宗主国トップと、食事をともにし、ゴルフを楽しんだ結果、米日FTAで、それを更に上回る国益への被害を与えることになると考えるのは論理的だろう。

昨夜深夜の大本営広報部呆導、「TPPは一定の成果だったのに対して、FTAでは更に厳しい要求をつきつけられる」というご託宣。語るに落ちる。

この調子では、我々が知っている米日同盟の命運は尽きている。支配者と普通の市民の現実との間の乖離は余りに大きく、爆縮は不可避に思える。

植草一秀の『知られざる真実』
国民の利益を守るため2月9日正午官邸前集結

2017年2月 6日 (月)

自由の女神をフランスに送り返そう

Eric ZUESSE
2017年2月4日
Strategic Culture Foundation

現在のアメリカは自らを嘲笑の的にしている。今、自由の女神は泣いている。だから女神を、やって来た元の国に返そうではないか。ヨーロッパ人は女神の象徴的意味を好むかも知れない。結局、ヨーロッパから、移民を受け入れたのと同様に、女神もヨーロッパから受け入れたのだ。

ドナルド・トランプは、アメリカがメキシコ人の入国を阻止するために構築する壁の費用をメキシコ人に支払わせることはできないかも知れないが、ヨーロッパ人は、贈るに値していたが、今やそうではないアメリカに、フランスが贈った、この象徴的な像を取り戻すのに代金を払うだろうか?

思いやりを支持し、偏狭さに反対するこの建造物は、今や比喩的に場違いなものに過ぎなくなっているが、フランス人は女神を喜んで受け取るかも知れず、おそらく何百万人ものヨーロッパ人は、皮肉にも、1886年10月28日に、フランスがアメリカに自由の女神像を寄贈する前、ほぼ全てのアメリカ移民が、そこからやって来ていた国々であるヨーロッパへの帰還を歓迎するため、女神を見て、触れ、足元に立つため、誇りをもってお金を支払うだろう。

アメリカ国土安全保障省は、最新の2015年データで、アメリカは、69,920人の人々を難民認定したと報じている。2012年以来、法的に、アメリカに入国する難民の年間最大人数は、70,000人とされている。

同年、ヨーロッパでは、1,322,825人の庇護申請者がおり、そのうち69%が認められた。

EC統計局の難民統計は、発表の通り、ヨーロッパの圧倒的に小さな国々の圧倒的多数がアメリカよりも圧倒的に多い人数を受け入れていることを以下のように述べている。

2015年、第一次審査では、EU-28カ国での全ての肯定的な決定の約75%が、難民認定だったが、一方、最終決定の比率は若干低く、69%だ。…

2015年、第一次審査での難民受け入れ決定比率が一番高かったのは、ブルガリア(91%)で、それに、マルタ、デンマークとオランダが続く。逆に、ラトビア、ハンガリーとポーランドでは、第一次審査での棄却率は、80%を超えている。…

最終審査での棄却率が一番高いのは、エストニア、リトアニアとポルトガルで、全ての最終審査結果は、棄却だった…

ドイツでの第一次庇護申請者人数は、2014年の173,000人から、2015年の442,000人へと増えた … ハンガリー、スウェーデンとオーストリアも、2014年から2015年までの間に、極めて大きく増加した(第一次庇護申請者が、全て50,000人以上増えた)。比較して、第一次申請者人数が最大の増加となったのは、フィンランド (9倍以上)、ハンガリー (4倍以上)と、オーストリア (3倍以上)、一方、ベルギー、スペイン、ドイツ、ルクセンブルク、アイルランドとスウェーデンでは、第一次庇護申請者の人数は倍以上になった。対照的に、ルーマニア、クロアチア、リトアニア、スロベニアとラトビアは、2015年の第一次庇護申請者人数は、2014年より少ない。

EU-28総計中のドイツの比率は、2014年の31%から、2015年の35%に増加したが、一方EU-28総計の中で比率が大きく増えた他のEU加盟国は、ハンガリー(6.6パーセント増加して、13.9%)、オーストリア(2.2パーセント増加して、6.8%)と、フィンランド(1.9パーセント増加して、2.6%)だ。逆に、EU-28総計中のフランスとイタリアの比率は、2014年から、2015年までの間に、約5パーセントから、それぞれ5.6%と、6.6%に減った。 …

シリアは、ドイツでの159,000人の申請者(2015年、EU加盟国の一国に対する、特定一カ国からの最大申請者数)を含め、28のEU加盟諸国中12カ国で最大申請者数を占め、ハンガリーで、64,000人、スウェーデンで、51000人が申請した。ハンガリーでは、約46,000人のアフガニスタン人が申請した、スウェーデンでは、41,000人が、ドイツでは、31,000人が申請した。更にドイツでは、54,000人のアルバニア人、33,000人のコソボ人と、30,000人のイラク人も庇護申請をした。2015年に、一つの国から、30,000人以上の庇護申請者を受け入れた他のEU加盟国は無い。…

2015年、全てのEU加盟諸国で、593,000人が第一次審査を受けた。最大の人数の受け入れ決定をしたのはドイツで、… 2015年、EU-28での第一次審査の40%以上を占めていた。更に、最終審査では、183,000人で、ドイツが、またもや遥かに大きな比率(51%)を占める。

遥かに大きな国アメリカ合州国は、ドナルド・トランプ新大統領の下で、年間受け入れ難民数を、現在のわずか70,000人から、さらに大幅に減らすと約束している。

国民一人あたりで計算すると、ヨーロッパは、アメリカが受け入れている難民の七倍を受け入れている。アメリカもヨーロッパも、難民受け入れを増やすのではなく、大幅に減らすことが予想されている。

すると自由の女神は、今でもアメリカを代表しているのだろうか それとも、そうではなく、かつてそうだったが、もはやそうではないアメリカを代表するにすぎないのだろうか?

この問題を考える際、難民が難民になった原因が一体何かも考えることになる。シリアは、2015年のヨーロッパに入った難民の最大の源だった。彼らは一体何から逃れているのだろう? 欧米が資金をだしたシリア全国の世論調査によれば、彼らは主に、アルカイダが支援するシリアを乗っ取ろうとしている聖戦士集団を支援しているアメリカの爆弾と爆撃機から逃れている。もちろん欧米マスコミは、彼らは主にシリア政府に対する‘穏健反政府派’を殺そうとしているシリア政府とその同盟国による爆撃や爆撃機から逃れていると報じてきた。

これは、アメリカがシリアを(そこで、アメリカは実際は侵略者だった)一年間爆撃し、ロシア(侵略者ではなく、アメリカ-サウジアラビア同盟による政権打倒を防ぐために、シリア政府から要請された)が2015年9月30日に爆撃を開始した、2015年の数字なのだ。シリア人は、主にシリアを乗っ取ろうとしている聖戦士と、サウジアラビアが資金供給する聖戦士連中を支援しているアメリカによる爆撃から逃れている。(しかも、圧倒的大多数の住民は、‘反政府派支配地域’とオバマが遠回しに呼んでいる地域から、依然シリア政府の支配下にある地域へと逃れている。)

同年、ヨーロッパに流入した二番目と三番目の難民源は、イラクとアフガニスタン、2001年、アメリカ内でのサウジアラビア王家の9/11攻撃への報復として、アメリカが爆撃を開始した二国だ。新トランプ政権は、9/11や、それと同様、この七カ国のどこかの人々が行ったわけではない他の聖戦主義者による攻撃を理由に、シリア、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダンとイエメンという七カ国からの難民に対して報復しているのだ。実際、アメリカが、これら七カ国からの入国拒否を発表した、まさにその瞬間、サウド王家は、シリアのアルカイダとISIS両方を支援しているのみならず、アメリカ製爆弾をイエメンのシーア派に投下していた。しかも、トランプは、シリアとイエメン両国からの難民受け入れを停止し、サウド王家とアメリカ支配層が征服したがっている二国に対するアメリカ侵略の犠牲者がアメリカに逃避するのを完全に断ち切った。ヨーロッパがこれら難民を受け入れるのだろうか?

アメリカによる侵略に、今や鎖国政策の強化まで加わったが、いずれの現実も、欧米の神話には合わない。だから自由の女神は欧米のウソにも泣いているかも知れない。女神は、難民で、世界にとっての見本にもなっていることで、はみ出しものとして、この国にふさわしくなくなってしまったのだ。女神は、精神的に、もはやこの国には所属していない。女神も、送り主に返送されつつある居留外国人として、公式にトランプ大統領の入国禁止リストにも含まれるようになるかも知れない。あるいは、もしトランプが、フランスに女神を送り返したら、メキシコ人が入国できなくするための壁の建設で、メキシコ人に費用を支払わせようと彼が計画しているような、像の建立費用(フランスで建立されたのだから)ではないが、フランス指導部に何らかの代償を交渉しようとするだろう。

トランプは、彼の‘政治的に間違った’新形‘アメリカ主義’を一体どこまで押し進めるつもりなのだろう?

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/02/04/ship-statue-liberty-back-france.html

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お台場に、自由の女神があったような記憶がある。これは、決して、日本が贈るにふさわしい国柄だという理由ではなく、単なる「日本におけるフランス年」記念の残滓(一時拝借したものが好評だったので、レプリカを作った)のようだ。そのうちカジノもできるだろう。

想像通りの区長選結果を見て、憂鬱になった。〇〇劇場が、××劇場に変わっただけ。自民党をぶっ潰すという大本営広報部総力をあげた連日の洗脳活動の結果、現在の政治状況になっている。これが一層ひどくなるに過ぎない。都民第一どころか、巨体企業第一、宗主国第一がひどくなるだけ。

大本営広報部を見聞きしておらず、社会情報は基本的にIWJガイドに頼っている。今朝のIWJガイドの一部をコピーさせていただこう。

安倍総理とマティス国防長官が、基地負担の大きさに反対する沖縄の民意を、まったく無視して話を進めていたまさにその日、2月3日に沖縄県うるま市では、在沖米海兵隊員の息子で米国籍の高校生が、総菜品店への住居侵入と強盗の容疑で逮捕されました。

・米海兵隊員の息子を強盗容疑で逮捕(琉球新報、2017年2月4日)
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-438957.html

 トランプ政権下でも、沖縄に米軍基地負担を押しつける差別的構造には、何の変化もありません。日米両政府に、怒りを禁じえません。

 マティス国防長官の発言で、辺野古での米軍基地建設は、米国が求めている要求であることがはっきりしました。「アメリカ・ファースト」は、米国内だけにとどめておいてもらいたいものですが、米帝国内の属国・属領に対しても、問答無用の「アメリカ・ファースト」を押しつけてくる模様です。それに対して、何のためらいもなく、同じく自らも「アメリカ・ファースト」を唱和してみせる日本政府の奴隷根性には、あ然とさせられます。

 本日のニュース・フラッシュ!では、米国のインフラ開発に、なんと日本国民の年金を積み立てて運用しているGPIFから、巨額の投資をしようとしている件についても触れています。

 ここでも安倍政権は、「アメリカ・ファースト」でブレることはありません!私たちの年金資金を米国のために、5兆円も使うなどという暴挙を、私たちは許していていいのでしょうか!?

 どこまでも対米隷属姿勢を続ける日本政府ですが、トランプ新政権は、イスラム系7カ国出身者の入国を禁止するなど、横暴な大統領令を乱発してきましたが、米国内では「司法の独立」が機能していて、大統領令が無効であるとの判決が下され、イスラム系7カ国からの入国が再開されています。

 トランプ氏は全能の独裁者のようにふるまおうとしていますが、それが貫けるかどうかは未知数であり、日本政府はこれまでのように、米国の時の政権にどこまでも従属していれば、「かわいい子分」として扱ってもらえるだろうと、依存心たっぷりの甘えた態度をとっていますが、トランプ氏がこのまま人気を全うできるかさえ、怪しくなってきました。

 そんなトランプ政権下での日米関係については、先日、岩上さんが元外務省国際情報局長の孫崎享氏にインタビューをしてお聞きしていますので、ぜひ、ご視聴ください。

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※スティーブン・バノン氏とは何者か――トランプ大統領、「大暴走」の背後にネオコンも警戒する「オルタナ右翼」の存在!岩上安身が孫崎享氏に訊く! 2017.2.3
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/361037
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2017年2月 1日 (水)

トランプ大統領の‘アメリカ・ファースト’を試す世界の発火点


Finian CUNNINGHAM
2017年1月27日

今週、南シナ海で海上封鎖を実施しようとするワシントンによるいかなる動きも、武力紛争を引き起こすだろうという北京の警告で、中国とアメリカ間の言葉の戦争が再び燃え上がった。

だが、こうした中国との緊張は、ドナルド・トランプ大統領が宣言したアメリカ・ファースト政策を試しているいくつかの世界的発火点の一つに過ぎない。

アメリカ・ファーストというのは、賞賛に値する大志のように聞こえる。だが、アメリカが簡単に内向きに方向を変えて、世界的な良き隣人のように振る舞えるようになると考えるのは浅はかだろう。アメリカの経済権益は諸外国支配に依存しており、これは、つまり他の国々との紛争と戦争を意味している。どのような大統領がホワイト・ハウスの主になろうとも、これがアメリカが率いる資本主義の厳しい現実なのだ。

トランプは、アメリカ軍の海外介入を減らすという綱領で、選挙活動した。1月20日の就任演説で、大統領として、民族主義者主導型のアメリカ経済と社会の構築に注力するとして、彼は再度、アメリカ・ファーストの誓約を強調した。アメリカ国内での利益を最優先にするため、彼の前任者たち、バラク・オバマと、ジョージ・W・ブッシュや、彼ら以前の連中による海外での軍事的冒険主義は放棄するというのだ。

トランプは、連邦議会での就任宣誓で、アメリカは“世界の国々との間に友情、そして友好を求め”自分たちの生き方をほかの誰にも押し付けようとはせず、皆が見習うお手本として輝くようする”と宣言した。アメリカのインフラを“荒廃し衰退”させないため
海外での軍国主義の時代は終わったと彼は述べたのだ。

ところが、こうした壮大な発言をしてから数日で、海外での紛争に進んで巻き込まれ続けようとしている点で、トランプ政権はこれまでのあらゆる政権と実に似て見える。

中国との緊張を、今週、ある際立つ見出し記事がまとめた。“トランプは南シナ海での戦争の用意はできているのか?”とワシントン・ポストは問うた。この記事の後、紛争中の戦略的海域にある埋め立てた島嶼への中国によるアクセスを阻止する用意ができているというホワイト・ハウスの声明が出された。アメリカによるそのような海上封鎖は、戦争行為にあたるはずだ。紛争中の領土を巡って中国に反撃する際にオバマ政権が賭をしたものを、これは遥かに超えている。

トランプ政権による南シナ海を巡る挑発的瀬戸際政策は、気味の悪いことながら、一連の北京に対する侮辱の最新のものに過ぎない。トランプは中国に対して、不当な貿易慣行という非難を繰り返し、中国の輸出に懲罰的関税を課すと威嚇し、ワシントンが長い間奉じてきた一つの中国政策をあざ笑い、北京の歴史的主張台湾を巡って中傷した。

アメリカ-中国にらみ合いの重大さは、中国の大陸間弾道ミサイルが、アメリカ本土を狙うことができる中国の北東地域に新たに配備されたニュース報道によって強調された。この動きは、当然、トランプ政権の好戦的な言辞に対する北京による対応と見なされる。

これだけではさほど困惑するものでないとしても、中国はトランプ大統領が火遊びをしているように見えるいくつかの他の世界的発火点の一つに過ぎない。北朝鮮、イラン、ベネズエラと、ロシア西部国境で進行中のNATO軍隊エスカレーションが他の主なリスクだ。

今月早々、北朝鮮指導者金正恩は、最終的にアメリカを攻撃する能力を得られるまで、北朝鮮はICBM技術開発を継続すると誓約した。(何百発ものアメリカ核ミサイルが、既に北朝鮮攻撃が可能だが、この非対称は、なぜか容認されている。) 典型的な曖昧な言葉で、トランプは、金正恩に“そんなことにはならない!”というツイッター発言で反撃した。この素っ気ないメッセージは、既に孤立し、酷く制裁されている北朝鮮に対するアメリカの先制攻撃を意味するものと受け止められかねない。そのような遠回しのアメリカの脅しは、更なる軍国主義を引き起こすに過ぎない。

もしトランプがアメリカ国内の事業や社会の面倒を見るのを本気で優先事項にしているのであれば、彼は朝鮮戦争が1953年に終わって以来、六十年間、朝鮮半島に配備されている何万人ものアメリカ軍兵士の削減を交渉しているはずだ。軍隊のみならず、アメリカの戦闘機、戦艦、ミサイルや懲罰的経済制裁も。トランプは外交関係正常化のプロセスを確立するため、平壌との多国間地域交渉を復活させているはずだ。逆にトランプは、平壌に対する軍国主義という、失敗してカチカチ時を刻んでいる時限爆弾政策を継続している。

イランに対しては、トランプは平和的な外交を推進するのではなく、混乱状態にまたしても油を注いだ。“これまでで最悪の協定”だと呼んで、国際核合意を破棄すると彼は威嚇した。今週、アメリカは、テヘランと、ロシア、中国や欧州連合を含む他の六者の間で昨年まとまった包括的共同作業計画(JCPOA)を実施し損ねているとイランは語った。アメリカによる協定実施妨害で、貿易の機会が失われ、イランは何十億ドルもの損害を被ることを考えれば、イランのいらだちはもっともだ。

トランプがジェームズ‘狂犬’マティス元大将を、国防長官に任命したことはbodes for イランに対する遥かに敵対的な姿勢。イラクで海兵隊司令官をつとめていた時期、マティスは、イランがイラク武装反抗勢力を支援しているとされることを巡って、イランに対するタカ派的見解で知られていた。新たなペンタゴン長官は、ペルシャ湾でイランとアメリカ海軍の艦船の間で継続している緊張を巡り、武力反撃もしたがっている。激変的な出来事がいつ何どきおこるかも知れず、トランプの短気な閣僚たちは、エスカレートしたくて、むずむずしているのだ。

イランとの間のこうした緊張に更に油を注いでいるのが、地域において“イラン脅威をいかに封じ込めるか”について、トランプが、イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフと会談しているという報道だ。もしトランプが、イランとの核協定を破棄して、対策を進めれば、イランは核開発計画を再開し、ICBM実験を強化することが予想される。かくして、イランを攻撃するというトランプのタカ派徒党の願望を満たすことになる。

もう一つの潜在的発火点はベネズエラだ。トランプが国務長官に指名したレックス・ティラーソンは、先週、この南米の国の“無能で、機能不全の政府”に対する政権転覆を狙う意図を表明した。まだ承認されていないトランプ被任命者に対する議会での質問に答えて、ティラーソンはこう述べた。“もし承認されたら、半球の我々の友人たち、特にベネズエラの隣国ブラジルとコロンビアや、米州機構のような多国籍機関と緊密に協力して、交渉によるベネズエラの民主的統治への移行を目指すことを進めたい。”

“交渉による民主的統治”というのは、政権転覆の婉曲表現だ。トランプの外交最高幹部予定者によるこのような見解は、オバマ政権下でのものと比較して、ニコラス・マドゥロ政権に対する敵意の過激な強化を示すものだ。オバマ政権は、確かにカラカスに経済制裁を課し、ベネズエラ国内で、社会主義政府に対する政治的反対勢力を醸成した。だが、ティラーソンは、“民主的統治への移行”に対する一方的要求をして、今やあからさまに、ベネズエラ政府の正当性を疑問視しているのだ。

ベネズエラは、エクソン・モービル最高責任者ティラーソンが、アメリカ巨大企業の権益と、個人的復讐に巻き込まれている場所だ。トランプが彼を国務長官に指名したわずか数週間前まで、ティラーソンが率いていたエクソン・モービルは、アメリカの主要巨大石油企業だ。2007年に、マドゥロの前任者ウゴ・チャベスのベネズエラ政府が、同社を国有化した際、この会社は、不動産や他の資産160億ドルを失った。2014年に、国際仲裁裁判所は、ベネズエラに、石油会社に、16億ドル補償するよう裁定した。これは、エクソン・モービルが告訴した金額のわずか約10パーセントだ。業界内の一部はティラーソンは“煮え湯を飲ませた”ベネズエラを決して許さないと語っている。

もし、しかもそれはありそうに見えるのだが、来週、アメリカ上院が、国務長官としてのティラーソン承認を決定すれば、注目すべき主要問題は、ワシントンがベネズエラ政府に対して、前のオバマ政権によって既に課されているもの以上に、更なる経済制裁をするかどうかということになる。ワシントンは南米の供給国からの石油輸入を削減し、既に脆弱なベネズエラ経済に、更なる経済的圧力を加える可能性がある。またティラーソンが議会聴聞会で答えた通り、更なる挑発的な動きで、ワシントンが、ベネズエラにおける“民主的統治”への政治的移行を求めて、あからさまに動き始めることになろう。

ロシアに関しては、ドナルド・トランプが頻繁に、モスクワ、特にロシアのウラジーミル・プーチン大統領との正常な関係を回復すると呼びかけていることからすれば、これはありそうもない不安定な国際関係シナリオに見えるかも知れない。だが、より友好的な関係という個人的提案を除いては、全体的な地政学的状況は悪化し続けている。

今週、アメリカが率いるNATO軍事同盟のドイツとベルギーの軍隊が、ロシア領に隣接するリトアニアにを敷いた。これは今月始め、アメリカ軍兵士と、何百台もの戦車と装甲兵員輸送車か、アメリカから新たに送られた、ポーランドとバルト諸国において継続中のNATO増強の一環だ。このNATO軍のロシア国境における容赦ない増強は、モスクワにより“侵略”だと非難されている。ところが、NATOのエスカレーションは“ロシア侵略からヨーロッパを守る”ことを目指しているという空虚な公式正当化で継続している。

ジェームズ・マティス国防長官や、マイク・ポンペオ新CIA長官や、国務長官被任命者レックス・ティラーソンを含めトランプ閣僚全員が、東ヨーロッパへのNATOの拡張に対する度をこす支持を表明した。同じ閣僚メンバーが、クリミア併合とウクライナ内への侵入とされるものによる緊張を、偏向的にロシアのせいにしている。実際、ティラーソンは、南シナ海での中国の領土主張を“ロシアによるクリミア奪取”になぞらえた。

少なくとも、世界の五つの地域は、トランプ大統領の自称アメリカ・ファースト政策を試す燃え上がりやすい緊張をはらんでいる。こうした分野の全てで、トランプ政権が、懸念を更に掻き立てている責任を負っている。もし新大統領が、海外でのアメリカ軍国主義を縮小し、実業上での彼の洞察力とされるものを、アメリカ国内経済と社会の復活に捧げるという約束を本当に守っているなら、我々は国際的対立を和らげる断固とした取り組みを目にしているはずだ。中国、北朝鮮、イラン、ベネズエラとロシアに関しては、逆のことが進行中のように見える。

トランプ大統領に関する多くの好意的論評が、彼のアメリカ・ファースト政策は、アメリカの“グローバル主義者”や“ネオコン”や“ネオリベラル”からの歓迎すべき離脱だと主張している。その前提は、愛国主義的政治とされるトランプ・ブランドは戦争挑発というアメリカ政策からの新たな離脱だというものだ。

これはアメリカ政治に対する無邪気な見方、偽りの区別のように見える。言葉がどうであれ、アメリカ大企業資本主義は、帝国主義覇権、紛争と戦争が基礎なのだ。たとえトランプが、経済的生産をアメリカに戻すように変えても、アメリカには、天然資源を搾取し、商品を輸出するためには、依然、海外市場を支配する必要があるのだ。これはつまり、何十年もアメリカの特徴であり続けてきた、軍事力によって支えられた同じ外交政策を遂行することを意味する。

現代資本主義国家としてのアメリカ合州国の、生得的な攻撃的性格に留意されたい。いくつかの歴史に関する記述によれば、1776年の建国以来、241年間の存在期間のうち、そのほぼ90パーセント、アメリカは戦争をしてきた。アメリカは、何らかの戦争、クーデター、対クーデターや代理紛争に関与せずに十年と過ごしたことがないのだ。戦争はアメリカ資本主義の基本的な機能だ。

だから、ドナルド・トランプが当選し、言辞が変わったとて、この客観的事実が変わることはない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/01/27/global-flashpoints-test-trump-america-first-presidency.html
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戦争こそ、あの国の歴史であることについては、下記記事を訳してある。
アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の239年中、222年間が戦争

大本営広報部には飽きたので、たまたま放送されていた映画『あん』を見た。数年前、今もある施設のひとつで、「重監房」遺構を見学したことがある。あの時聞こえたピアノ、どなたが弾いておられたのだろう。たしか「ゆうやけこやけ」だった。

孫崎享の今日のメルマガ、末尾の一部を引用させていただこう。

何もコメントできないというのは安倍首相が対米関係ではスネ夫以上の何物でもないことを示している。国際社会は安倍首相がどのような発信をしているかに無関心ではない。
ジャパン・タイムズは次を報じた。「トランプの移民禁止が世界的非難を引き起こしている中、東京は沈黙」

ビフのモデルはトランプ氏、「バック・トゥ・ザ…」脚本家明かす という記事を読んだことがある。

いじめっ子のビフだ。いわばスネ夫のような主人公の父親、ジョージ・マクフライが、好きな彼女、つまり母親と結婚できなければ、主人公のマーティが生れることはない。そこで写真中のマーティの姿は次第に消えかかる。マーティがギターを引く手にも力が入らない。幸い、弱虫な父親、ジョージ・マクフライが勇気を振り絞って、めでたしとなる。

実際の宗主国・属国関係では「あなたのアメリカ・ファーストはわかります。私もアメリカ・ファーストです。」と答え、一方的な条件丸飲みのFTAを締結することなり、我々の係累の影はうすくなるという、映画とは正反対の結果。

2017年1月30日 (月)

ロシアにとって高いものにつきかねない経済制裁解除

2017年1月27日
Paul Craig Roberts

トランプがオバマ政権がロシアに課した経済制裁を解除しようとしているというソーシャル・メディアのつぶやきがある。演出巧者のトランプは、政権外部の誰かが彼のためにするのでなく、彼本人が発表したがっているはずだ。とはいえ、ソーシャル・メディアのつぶやきは良い読みだ。

トランプとプーチンは明日会談すると報じられている。会話では経済制裁問題は避けられまい。

トランプは就任一週目に彼の方針で素早く動いた。経済制裁解除を遅らせる可能性は低い。しかも経済制裁を解除しても、トランプには何の不利なこともない。アメリカと欧米の実業界は経済制裁を全く支持していない。経済制裁を唯一支持しているのは、トランプ政権にはとりこまれていないネオコンだ。ビクトリア・ヌーランド、スーザン・ライス、サマンサ・パワーは、他の国務省連中とともに去った。だからトランプを邪魔するものは皆無だ。

経済制裁は、ロシアを経済的により自立するようにし、ロシアがアジアとの経済関係を発展させるようにして、ロシアに役立ったというプーチン大統領は正しい。経済制裁解除は、実際、ロシアを欧米に取り込んで、ロシアを傷つけかねない。欧米における唯一の主権国家はアメリカ合州国で、それ以外は全てアメリカの属国だという点に、ロシア政府は留意すべきだ。ロシアは同じ運命から逃れられるのだろうか? 欧米に組み込まれたあらゆる国は、ワシントンの圧力にさらされるのだ。

経済制裁の問題は、それがロシアに対する侮辱だという点だ。経済制裁は、オバマ政権が言ったウソに基づいている。経済制裁の本当の目的は経済的なものではない。無法者国家として、ロシアを困らせ、無法者を孤立させるのが目的だ。トランプは、この侮辱をそのままにしておいては、ロシアとの関係を正常化できない。

だから、トランプが経済制裁を解除しようとしているというソーシャル・メディアのつぶやきは正しい可能性が高い。これはアメリカ-ロシア関係には良いだろうが、ロシア経済とロシアの主権にとっては、おそらくそれほど良くはなかろう。欧米の資本家連中は、ロシアの産業と原料を買い占めるために、よろこんでロシアに大きな負債を負わせるだろう。経済制裁は、外国の影響力に対するロシア経済の部分的防御でもあったので、経済制裁解除は、侮辱されなくなるのと同時に、防御を外すようなものでもある。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/01/27/lifting-sanctions-costly-russia/
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この記事と直接つながる内容の記事をいくつか以前翻訳した。

政治と経済という話題で新書『漱石のこころ ─ その哲学と文学』を思い出した。つくづく漱石は偉いと思う。

高校時代に読んで驚いたのは、『三四郎』で、軍国主義日本の崩壊を予言していたことだった。

この新書では、33ページにある。

 「あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない。ところがその富士山は天然自然に昔からあったものなんだからしかたがない。我々がこしらえたものじゃない」と言ってまたにやにや笑っている。三四郎は日露戦争以後こんな人間に出会うとは思いもよらなかった。どうも日本人じゃないような気がする。
 「しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう」と弁護した。すると、かの男は、すましたもので、
 「滅びるね」と言った。――熊本でこんなことを口に出せば、すぐなぐられる。悪くすると国賊取り扱いにされる。

78ページに、滞英中の研究ノートの一部が引用されている。

余云ウ封建ヲ倒シテ立憲政治トセルハ兵力ヲ倒シテ金力ヲ移植セルニ過ギズ。剣戟ヲ廃シテ資本ヲ以テスルニ過ギズ大名ノ権力ガ資本家ニ移リタルニ過ギズ武士道ガ廃レテ拝金道トナレルニ過ギズ何ノ開化カ之アラン

彼は明治維新など評価していなかったのだ。そして『坊ちゃん』でみるように、有力政治家たちを徹底的に批判していた。

98ページに、明治三十五年(1902)三月十五日に書いた手紙の文章がある。

「欧州今日の文明の失敗は明かに貧富の懸隔甚だしきに基因致候」

168ページ、169ページには『私の個人主義』からの引用がある。

今の共謀罪の予言に思えてくる。

個人の自由は先刻お話した個性の発展上極めて必要なものであって、その個性の発展がまたあなたがたの幸福に非常な関係を及ぼすのだから、どうしても他に影響のない限り、僕は左を向く、君は右を向いても差支ないくらいの自由は、自分でも把持し、他人にも附与しなくてはなるまいかと考えられます。それがとりも直さず私のいう個人主義なのです。金力権力の点においてもその通りで、俺の好かないやつだから畳んでしまえとか、気に喰わない者だからやっつけてしまえとか、悪い事もないのに、ただそれらを濫用したらどうでしょう。人間の個性はそれで全く破壊されると同時に、人間の不幸もそこから起らなければなりません。たとえば私が何も不都合を働らかないのに、単に政府に気に入らないからと云って、警視総監が巡査に私の家を取り巻かせたらどんなものでしょう。警視総監にそれだけの権力はあるかも知れないが、徳義はそういう権力の使用を彼に許さないのであります。または三井とか岩崎とかいう豪商が、私を嫌うというだけの意味で、私の家の召使を買収して事ごとに私に反抗させたなら、これまたどんなものでしょう。もし彼らの金力の背後に人格というものが多少でもあるならば、彼らはけっしてそんな無法を働らく気にはなれないのであります。
 こうした弊害はみな道義上の個人主義を理解し得ないから起るので、自分だけを、権力なり金力なりで、一般に推し広めようとするわがままにほかならんのであります。だから個人主義、私のここに述べる個人主義というものは、けっして俗人の考えているように国家に危険を及ぼすものでも何でもないので、他の存在を尊敬すると同時に自分の存在を尊敬するというのが私の解釈なのですから、立派な主義だろうと私は考えているのです。
 もっと解りやすく云えば、党派心がなくって理非がある主義なのです。朋党を結び団隊を作って、権力や金力のために盲動しないという事なのです。

195ページには、大逆事件に関する森鴎外の関与について、こういう文章がある。

鴎外の暗躍は二重スパイも同然で、にわかに信じられないほど卑劣きわまりない。

高校生時代以来ずっと抱いていた鴎外への言い難い嫌悪感、この文章で納得した。この新書、改めて読み返している。

本日の日刊IWJガイド、大本営広報部全員が懸命にもりあげている噴飯もの茶番を鋭く批判している。茶番を指摘する「マスコミ」他にあるのだろうか?

【3】東京・千代田区長選が告示――ワイドショーは「小池知事VSドン内田」の構図で盛り上がるが・・・

 昨日1月29日、東京都の千代田区長選が告示されました。5選を目指す現職の石川雅己氏に加え、新顔の五十嵐朝青氏と、与謝野馨元財務相のおいである与謝野信氏の3人が立候補。投開票は2月5日に行われます。

 東京都の小池百合子知事と政治団体「都民ファーストの会」が石川氏を支援する一方、自民党東京都連は与謝野氏を支援。千代田区は「都議会のドン」と言われる内田茂都議の地元であるだけに、テレビのワイドショーなどでは「改革派の小池知事VS守旧派のドン内田」という構図で大きく報じられています。

 しかし忘れてはならないのは、小池知事はいまだに自民党を離党していないという厳然たる事実です。小池知事は、自民党東京都連の守旧派と対峙する改革派のポーズを取りつつも、結局は自民党と安倍政権の補完勢力なのではないか――。小池知事に関しては、こうした視点を忘れるべきではないのではないでしょうか。

 IWJでは、築地市場の豊洲への移転問題を中心に、「小池劇場」をしっかりとウォッチし、取材・中継を重ねています。その成果は、特集ページに一挙集約していますので、ぜひ、下記URLよりご覧ください。

※【特集】「小池劇場」はいつまで続くのか!? マスコミを熱狂させる小池百合子都知事の素顔に迫る!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/feature/related_article-koike_yuriko


■<本日の岩上さんによるインタビュー>「未必の故意による黙示的共謀」って何!?共謀罪成立前にしてこの法の濫用!共謀罪後はどうなる!?~元法務大臣・平岡秀夫弁護士、斎藤まさし氏インタビュー

 おはようございます、IWJ記者の城石エマと申します。

 「あの上司、腹立つから今度一発食らわせてやろうぜ」「そうだね」

 たったそれだけで処罰の対象となってしまうかもしれない「共謀罪」が、今国会に提出されようとしています。実際に殴ったわけでも、殴るための鈍器を購入したりしたわけでもなく、話し合い、同意しただけで「共謀した」ことにされ、逮捕されるかもしれない共謀罪の危険性について、IWJはこれまでに特集ページを組んで繰り返しお伝えしてきました。

※【特集】マジありえない共謀罪・盗聴法・マイナンバー~超監視社会が到来する!?
http://iwj.co.jp/wj/open/%E5%85%B1%E8%AC%80%E7%BD%AA

 人は心の中で、常に善行だけを思い浮かべる存在ではありません。理性とは別に、よからぬ妄想や欲望や悪感情だって自然に湧いてくるものです。しかし、仮に誰かを殴ってやりたいという感情にとらわれても、実際に行為におよばない限り、処罰されることはありません。これは近代法の「内面の自由」の原則です。

 しかし、犯罪の実行行為がなくても、心の中で考えたことをうっかり話し、同意を得ただけで、実行の準備行為(凶器の購入など)に着手しなくても、その共謀事態が罪だとされて、処罰の対象にされてしまう――それが共謀罪です。
「内面の自由」に踏み込むだけでなく、親しい人との会話の内実にも踏み入るのです。「通信の秘密」という憲法上の大原則も、侵害される恐れがあります。

 人々のコミュニケーションの自由を侵害する許しがたい法案ですが、なんと、「共謀罪」を待たずして、すでに法が濫用され、「頭の中で考えたこと」「親しい人と話し合ったこと」が処罰の対象にされるどころか、故意に法を犯そうとしたかどうかも曖昧で、互いにはっきりと話し合ってはいない(明示的な共謀がない)にもかかわらず、「未必の故意による黙示的共謀」が有罪とされる裁判結果が出てしまったというのです。

 ちょっと信じがたい事実を岩上さんに教えてくださったのは、民主党政権時代に法務大臣を務めた、平岡秀夫弁護士です。信じがたい判決は、平岡弁護士が担当している事件で下されたものだといいます。

 事件は、2015年4月に行われた静岡市長選挙で、落選した高田都子(ともこ)氏陣営が、告示前に広告業者に投票を呼び掛けるビラ配りを依頼し、見返りに現金約540万円を支払う約束をしたなどとして、公職選挙法違反(利害誘導・事前運動など)の疑いが浮上したもの。この件に関係した、「市民の党」代表の斎藤まさし氏らが逮捕されました。

 「違法なビラ配りの指示などしていない」という斎藤氏側の言い分にも関わらず、昨年6月3日、静岡地裁は「未必の故意による黙示的な共謀が認められる」として、斎藤氏に懲役2年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。

 故意ではないものを薄々わかっていたであろうととみなし(未必の故意)、共謀しあっていないのに、以心伝心で心が通じ合っていたなどと推量して、(黙示的共謀)、斎藤氏らが公職選挙法違反をはたらいたと判断してしまったという、前代未聞の判決だったのです。

 こんなめちゃくちゃが通ってしまうなら、共謀罪が成立してしまった後はいったいどうなってしまうのでしょうか!? 岩上さんは、共謀罪が「自首による減刑・免除」を規定していることから、「スターリン時代のソ連並みの密告社会が訪れる」と危惧しています。

 本日14時30分より、岩上さんは平岡弁護士と斎藤氏にインタビューをして、あまりマスコミが報道していないこの問題について詳しくお聞きします。ぜひ、ご視聴ください!

★「未必の故意による黙示的共謀」って何!? 共謀罪成立前にしてこの法の濫用! 共謀罪後はどうなる!? ~元法務大臣・平岡秀夫弁護士、斎藤まさし氏インタビュー
[日時] 2017年1月30日(月)14:30~
[YouTube Live]
https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
[CAS] http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 IWJは平岡弁護士の講演も取材しています。ぜひ、予習・復習にご視聴ください。

※「内面を言葉にしただけで取り締まられるとすれば想像するだけで息苦しい」――櫻井よしこ氏が共謀罪を的確に批判していた過去!なぜ「表現の自由」を抑圧する自民党改憲案を支持!? 2016.12.6
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/349873

※「共謀罪は治安維持法よりも恐い」――拡大解釈の余地が大きい共謀罪を元法相・平岡秀夫氏、海渡雄一弁護士らが徹底批判 通常国会召集日に300人以上の市民らが院内集会に参加 2017.1.20
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/357872

 また、岩上さんは共謀罪について、1月24日、元東京地検検事の落合洋司弁護士にもインタビューをしています。こちらもあわせてご視聴ください。

※「市民運動、労働組合…いくらでも対象は広がる」~元東京地検公安部の落合洋司弁護士が岩上安身のインタビューで「共謀罪」に警鐘!「組織犯罪には現行法で対処可能」と断言! 2017.1.24
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/358757

2017年1月12日 (木)

ドイツ政府はアメリカ政府に支配されているとドイツ唯一の独立新聞

Eric ZUESSE
2017年1月4
Strategic Culture Foundation

アメリカCIA(今ドイツ‘ニュース’メディアに対する支配を強化しつつある)と果敢に戦い、また、かつてCIAに服従したことを公式に告白、非難し、そのようなことを報じたかどで、今やドイツ’ニュース’メディアから、のけものにされている、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥンク元編集者の著書の販売促進を支援しているメディアDeutsche Wirtschafts Nachrichten (DWN)、翻訳すれば、ドイツ経済ニュース、つまりオンラインのドイツ人向け日刊ニュース・サービスが、独立を維持するため、とうとう有料購読化する。有料化に踏み切った理由は、支配体制側 ’ニュース’メディアによる財政的圧力によるもので、さもなくば、サービスを完全に停止せざるを得ないとDWN新聞は主張している。

アメリカ帝国の前哨地としてのドイツでは、帝国の中心、アメリカでそうしているのと同様、ドイツの‘ニュース’メディアが‘偽ニュース’を粉砕しようとしている。

以下は、ドイツ経済ニュースの声明を私が翻訳したものだ。

弊社を代表して

ドイツ・ラジオが、DWNを誹謗している。我々をご支援願いたい!

ドイツ経済ニュース|  発表日時:2016年12月29日 01:08

Deutschlandradioが、巧妙な偽造で、DWNを誹謗しようとしている。購読により、DWNの独立をご支援願いたい。

読者の皆様

今後は、ドイツ経済ニュースの記事三本のみ購読無料で、他の記事は、月7.99ユーロ[現時点では約8ドル][あるいは年間80ドル]の購読をして頂いた後でのみ、お読みいただけることになる。読者は何の義務を負うこともなく、いつでも購読は解約可能だ。

有料購読化の出だしの成功から、読者の皆様が我々を支援しようとされているのは明らかだ。我々は即座に最初のスポンサーを獲得した。多数の読者が明らかに購読価格を越える寄付までしてくださっている。皆様に大いにお礼申し上げる!

有料化が必要になったのは、ドイツ・メディア市場が公共放送局の強大な影響力によってゆがめられているためだ。納税者による税金の予算から、公共放送局は年間予算80億ユーロを得ている。最近、DWNは、視聴料が[ドイツ・ラジオの]番組[サービス]に使われているだけでなく、他のメディアを非難するのにも使われているという事実に留意せざるを得なくなった。ドイツ・ラジオが無批判に報じた、Scholz & Friends社員による、無数のウェブサイト・ポイコットの呼びかけ記事で、ドイツ・ラジオは、DWNを非難した。はなはだしく、ぎごちないやり方ではあるが。ドイツ・ラジオは、DWNを誹謗するため、引用を極めて大胆に改竄した。これに応え、我々は、ドイツ・ラジオに対する法的措置をとり、彼らが捏造を広めるのを禁じるべく、ベルリン地方裁判所による250,000.00ユーロまでの罰金がかかる仮差し止め請求をした。

状況は奇怪だ。放送料金が引用を偽造するために利用されているのだ。DWNの広告業界に関する報道に対する、公共放送局のこの種の行動は、極めて脅迫的なものとなりうる。

フェイスブックが、批評を載せる自立メディアの経済基盤を急速に破壊しているので、状況は。フェイスブックやグーグルなどのアメリカのネット基盤は、古典的な広告モデルを大幅に覆してしまった。これにはいくつかの理由がある。

アメリカ企業は、オンライン広告の成長を既に最大限に活用している。フェイスブックとグーグルは、広告と記事とを区別しない。連中の不可解な“アルゴリズム”システムのおかげで、彼らは好き放題に読者をあやつり、自らを、多くの商業的、政治的に関心を持つ当事者に、“広告プラットフォーム”として提供することが可能だ。これは多くの企業にとって恩恵がある。彼らは一見怪しくは見えない書き込みの中に広告メッセージを隠すことができるし、グーグル検索結果をあやつることもできる。公共放送局は、これも大いに利用している。事実上、これはつまり、公共メディア[ドイツ政府メディア]が、検索結果で、独立メディア[結果的に大いに被害を受ける]よりも上位に表示されるようにするため、ドイツの視聴料が、アメリカ企業に流れるということだ。

もう一つの傾向は、広告で買われているメディアが、純粋な報道メディアと直接競合することだ。広告代理店のWPPは、アメリカの雑誌Viceに登録している。その結果、WPPは、広告主を、彼ら自身の“商品”に向け直すことが可能になる。一方、WPPは、最近、従業員の一人が、Henryk Broderや、Roland Tichyなどの評論ウェブサイトを非難して、評判を下げた広告代理店Scholz & Friendsの親会社だ。Broderは、かなりの売り上げを失ったと言われている。

多くの[こうした]代替メディアのビジネス・モデルは、DWNにとっては問題外だ。彼らは記事を、書籍、雑誌、イベントや政治活動の販促手段として売ることで、資金を調達しているのだ。多くの[‘非営利’] NGOも、彼らの中核事業、つまり政治キャンペーン[プロパガンダ]を推進するために、報道的な記事を載せているようだ。

ツィッターやフェイスブックやグーグルは、偽情報や巧みな情報操作のためのあらゆる類の可能性を提供している。諜報機関、ロビイスト、政党、大企業、協会、国や、投機家連中が、一見有益情報風ながら、その実、むきだしの操作として機能するアカウントを運営している。企業が、一見“報道”風チャンネルによって、商業利益を得る場を造るのが今は容易なので、このモデルは、古典的広告モデルをも破壊する。

この進展により、あらゆる批評報道商品全体で、オンライン広告が劇的に減少している。広告主にとって、非公然チャンネル経由で聴衆に呼びかける方が、より安く効率的なのだ。

主要な疑問をめぐるこうした全ての状況は、メディアによってもたらされており、DWNだけの問題ではない。我々の申し出に需要はあるのか? 我々は、この問題を率直に皆様に問いかける。読者の皆様: 読者の皆様こそ、具体的に、きわめて重要な、かつ完全に自立して報じるメディアとしてのDWNの今後の成功に本当に関心をお持ちの唯一の市民だ。上記のPRや、情報操作専門家や偽情報の影響力の背景から、批判的で、自立した報道は一層複雑になっている。金融分野のあらゆる重要な文書は英語だ。大半のEU新聞は、EU-英語だ。アラビア語とトルコ語の原典が読めて初めて、シリア戦争について報じることが可能になるのです。根拠の確かなヨーロッパ報道をするには、27カ国語を修得せねばならず -しかもそれだけではない。そうした言語的メッセージが本当は一体を意味しているかを正しく識別するには、こうした国々の政治的、文化的文脈に詳しいチームも必要なのだ。

こうした経費は、通常、広告も政治的支援もないような分野で発生する。地政学、中央銀行、天然資源、戦争、賄賂、ごまかしや、巧妙な操作に関する調査や記事に一体誰が進んで費用を払うだろう? DWNの中核事業は事業と政治の接点にある、まさにこうした問題なのだ。我々は問題のない[安全で論争対象にならないような]話題は扱わない。

我々は現時点で、大いに率直でありたいと思う。DWNの将来を保障できるのは、皆様だけ、読者だけだ。これは、我々がその結果に従う、一種の読者投票なのだ。DWNは、月7.99ユーロ支払うに値するかを読者の皆様に問う。結果は隠し立てしない。これは市場経済という性格のもので、投票の結果を受け入れるか否かを我々が勝手に決められるわけではない。もし十分な数の購読者がおられなければ、DWNのための市場もない。とは言え、もし十分な数の読者が、ドイツにおける重要な声として、DWNを支持してくだされば、我々は、皆様の購読によって、力強くこの声をあげる立場にたてる。民主主義には、自由で買収できないメディアが必要だ。他の代案は存在しない。

皆様の支持を心からお願いする。

編集部

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/01/04/germany-only-independent-newspaper-germany-govt-controlled-us-govt.html
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自立したメディアの困難さ、日本も、ドイツも似ているもののようだ。

記事冒頭にある、CIAにあわせて記事を書いたと告白したフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥンクの編集者に関する記事としては、例えば下記を訳してある。

“ドイツ政治家はアメリカ傀儡”ドイツ人ジャーナリストはアメリカ支持記事を書くよう強いられている 2014年11月10日


“大手マスコミの主立った連中は皆CIAの手の者”2014年10月24日

ロバート・マクチェズニー『資本主義がインターネットを民主主義の敵にする』について語る 2013年7月12日 の中で、マクチェズニー教授はこうおっしゃっている。

この国は途方もない人数の有能な人があふれています。この国は有能な人に満ちています。ここで不足しているのは、彼らを支える資金です。素晴らしいメディアの仕事をしている沢山の人々がいる事実は嬉しいことですが、彼らがきちんと食べられるようになって欲しいと思います。家族を持てるようになって欲しいものです。彼らの頭上には屋根があって欲しいですし、昼間の別の仕事や家事の残り時間で、ジャナーリズム活動をするというようなことを無くしたいものです。子供達を寝かせ着けた後、家を掃除し、会社での仕事に行くべく目覚めるよう床につく前、夜11:00に作業する人々が、報道や文化を担っていては、自由な社会は築けません。資金の保障がなければいけません。我々に必要な良いもの、文化、ジャーナリズムを生み出すことが出来る人々が、まともな報酬を得られるようにすべきです。

昨日の退任演説報道で、大本営広報部、官報であれ、民報であさ、太鼓持ちの面目躍如。絶賛呆導。見ているこちらが恥ずかしい。

一方で、2009年1月24日に、大本営広報ヨイショと全く違う下記記事を書いていたジャーナリストもおられる。

おめでたすぎる

オバマ大統領への支持率89.7%――期待したいことは?

ブッシュと比較して、平和主義者であるかのように持ち上げられているが、それは虚像。持ち上げられすぎ。 

しょせんは、世界一の好戦国アメリカの大統領。イラクからは兵をひいても、アフガンには兵を増やす。

圧倒的な戦力でパレスチナの一般民衆を虐殺したイスラエルをたしなめることもなく、逆にハマスを激しく非難、イスラエルの一方的な支持を、就任早々、国務省で明言。 

黒人初の大統領だからっといって、本質はなーんにも変わってない。アメリカの暴力的な体質、異常なまでのイスラエルびいきの姿勢に、何の変化もありはしない。 

オバマが、就任演説で繰り返し、宗教的な使命のように語った自由とは何か、いったい誰の自由なのか。 

ユダヤ人の自由、資本家の自由、米軍が民間人まで殺戮する自由……それから???? 

少なくとも、パレスチナ人の自由ではない。 

オバマのカリスマ性も、魅力も認める。だが、しょせんはアメリカの大統領。甘い幻想を抱くべきではないだろう。 

いずれ、化けの皮ははがれる。 

必ず、だ。

岩上安身オフタイムブログ ポタリング日和(2009年1月24日)

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2017年1月 8日 (日)

シリア停戦を妨害するため、またしても歪曲報道する欧米

Finian CUNNINGHAM
2017年1月5日

アレッポを目指す戦略的な戦いに関する組織的なウソを全く恥じなかった欧米主要マスコミが、またもや同じことをしている。今回は、シリアの首都ダマスカス付近での戦闘再開に関してだ。

特に、ヨーロッパのニュース・マスコミが、ダマスカス北西の反政府戦士の拠点を奪還するため、シリア政府軍が、今や“彼らがアレッポでしたのと同様、包囲戦術”を使っていると主張している。

何カ月もかかったアレッポ奪還の戦いを巡る、先の欧米マスコミによる虚偽報道と同様、最近の報道も、現実を逆にするものだ。

シリア政府軍がダマスカス北東で作戦を行っているのは、地域が欧米が曖昧に“反政府派”と表現しているヌスラ戦線が支配する過激集団に占領されているためだ。

しかも、バラダ渓谷周辺の地域を奪還する作戦を緊急なものにしているのは、過激派が約30キロ離れた首都の主要飲料水源を汚染していることだ。ダマスカス市内の400万人の人々が、バラダ渓谷内と周辺の聖戦士連中が、ディーゼル油や他の汚染物質で、極めて重要な地下水源を汚染したとされることで、上水供給を遮断されているのだ。

だから、欧米マスコミによる歪曲と対照的に、ダマスカス全住民への飲料水を遮断するという大規模テロ行為によって、首都を包囲しようとしているのは反政府武装反抗勢力だ。

ところがヨーロッパのマスコミを何気なく読んでいる人々は、この重要な背景には気がつかない可能性が高い。実際、ニュースを見聞きする人々は、違反をして、和平への努力を損なっているのは、シリア政府軍、その延長として同盟のロシア軍だと結論しがちだ。

例えば、フランス24のあるニュース・キャスターは、今週こう述べた。“政府軍が首都近くでの攻撃を強化する中、シリア停戦は危機に瀕している”。

同様な紛らわしい見出しや歪曲がイギリスBBC、ガーディアンやデイリー・テレグラフ、フランスを本拠とするユーロニュースで使われている。(これらについての詳細は下記)

最近の全国規模の停戦は、ロシアとトルコが仲介し、先週末の国連安全保障理事会で満場一致で承認された。この進展は、シリア・アラブ軍と、ロシア、イランとレバノンという同盟者による12月末の北部の都市アレッポ解放に続くものだ。

東アレッポは、欧米が支援する過激派によって、約四年間封鎖されていた。欧米マスコミは、シリア政府軍と、ロシア空軍を、都市を“反政府派”から奪還するために無差別暴力を用いていると決まって非難していた。ところがアレッポが最終的に、政府支配下となった際、シリア軍とロシア軍のおかげでの“解放”を祝う解放された一般市民の様子から、事実は明らかだ。

後に東アレッポの集団墓地が発見され、ヌスラ戦線や他のアルカイダとつながるテロ集団に属する聖戦過激派に支配されている過激派が一般市民に押しつけていた“テロによる支配”を証明している。

かくして、“穏健反政府派”と一般市民が“残虐な”攻勢シリア軍と同盟者によって行われたとされるもので包囲されていたという欧米諸国政府やマスコミの言辞は、紛れもない欺瞞とウソであることが劇的なまでに暴露された。「アレッポは解放された。以上終わり」なのだ。いわゆる“穏健反政府派”などどこにもいなかった。テロにより東アレッポに押しつけられていた支配は、シリアにおける政権転覆という連中の犯罪的な狙いを遂行するため、欧米諸国が密かに過激派を支援することが産み出したものなのだ。

アレッポにおける戦略的勝利で、モスクワとイランに、様々な反政府戦士派閥主要スポンサーであるトルコとともに、全国規模の停戦を仲介するはずみがついた。この停戦は、今月末、カザフスタンの首都アスタナでの、バッシャール・アル・アサド大統領の政府と反政府集団との間の政治交渉を促進することを目指している。

欧米列強は先週の国連安全保障理事会で賛成はしたものの、ワシントン、ロンドンとパリは、これらの交渉から外されているという点は重要だ。

もちろん、これまでのシリア停戦同様、国際的に禁じられているテロ集団は停戦の対象ではない。そうしたテロ集団には、「イスラム国」 (IS、あるいはダーイシュ) および、ヌスラ戦線(シリア征服戦線としても知られている)がある。シリア政府軍は、ロシアとトルコが仲介した最近の停戦に調印しつつも、同時に、テロ集団を打ち破るための作戦を継続する権利を保有している。

最近の欧米マスコミ見出しの一例で、シリアに対するd歪んだ地政学的狙いが明らかになる。

イギリスのガーディアンはこう報じている。“アサド軍がバラダ渓谷の反政府派を爆撃する中、何百人もが脱出”。更にこう書いている。“全国的停戦にもかかわらず、ダマスカスに近い山岳地帯は、何日間も空爆と砲撃の標的にされている。”

ガーディアンは、ダマスカス付近の紛争で、標的にされている“反政府派”が、停戦当事者ではないヌスラ戦線テロ集団に支配されていることをぼやかしているのが目立つ。ガーディアンは、誠意のない行動をしているのは“政権”であることを示唆している。最後の一段落で、飲料水問題が報じられてはいるが、一体なぜ政府軍が制圧すると決断したのかとは無関係な些細な問題であるかのごとく遠回しなものに過ぎない。“バラダ渓谷は首都とその周辺地域の主要水源だ。政府による攻撃は、12月22日以来のダマスカスにおける深刻な水不足と同時期のものだ。反政府派が[原文通り]水源を、ディーゼル油で汚染し、首都の供給停止を強いていると政府は主張している。”

同様に、BBCはこう報じている。“反政府派[原文通り]、アスタナ交渉をボイコットすると威嚇”。更にこう続けている。“y多数の集団が署名した声明は、シリア政府による停戦への‘多くの大規模な違反’は背信だとしている”。言うまでもなく、 BBCは、これらの“反政府派”が、テロリストのヌスラ戦線とカメレオンの様な関係があることや、これら“反政府派”が首都への給水汚染に関与していることは明らかにしていない。

アレッポに関する偽の言辞の繰り返しで、イギリスのデイリー・テレグラフはこういう見出しを載せた。“一般市民が‘反政府派が占拠している[原文通り]ダマスカス近くの地域に対する樽爆弾攻撃で殺されている”。

そして、おそらく最悪の記事は、フランスを本拠とするユーロニュースによるこう報じている下記のものだ。“‘停戦が完全に実施されるまで’シリア反政府派[原文通り]和平交渉を凍結”。信じられないのだが、このマスコミは、政府軍が緊急に地域を奪還しようとしている理由である“反政府派”が首都への飲料水供給を遮断した事実に一言も触れていない。“報道”の謎めいた段落にはこうある。“主な違反は、政府軍と、イランが支援するレバノンのヒズボラが、現在続行中の作戦で、進撃しようととしている反政府派が占拠しているダマスカス北西のバラダ渓谷の地域におけるものだと言われている”。

皮肉にも、ユーロニュース社が、同社企業ウェブサイトで、以下の社是を宣言していることに留意すべきだ。“読者の皆様が、世界に関するご自分の意見をまとめられるよう、適切な量の情報を提供することが我々の義務である。”

これを一体どう理解すれば良いのだろう?

イギリスとフランス政府、そして当然両国の主要ニュース・メディアが、アサド政権打倒のための、シリアにおける政権転覆プロジェクトの主要仕出し元だ。アメリカ政府が政権転覆プロジェクトの主要立案者なのは確かだ。しかし奇妙にも、今週、アメリカ・マスコミは、シリア国内の紛争に関しては、比較的控えめだ。イギリスとフランスが歪曲を先導しているように見える。

連中は一緒になって、“残虐な政権”とその同盟国ロシアに対して戦っている“穏健反政府派”という偽りの言辞を組織的に産み出して、ヌスラ戦線のようなテロ集団で構成される違法に武装した反抗勢力のための政治的、道徳的隠れ蓑を提供しているのだ。

シリア軍と同盟国ロシアによるアレッポ解放が、欧米プロパガンダのウソを完全に暴露した。

ロシアが、全国規模の停戦を促進し、本当の和平調停を目指す政治交渉の可能性へと進んでいるので、欧米はこの動きを潰すため最善の努力をつくしているのだ。アレッポと連中の政権転覆プロジェクトの敗北巡る恨みからであることは確実だ。先週末、国連安全保障理事会で、欧米がアスタナ交渉を支持したのは、単なる空虚な広報活動演習に過ぎなかった。(自らがテロのスポンサーであるのを暴露せずに済ませるのに、賛成以外の方法があっただろうか?)

最近の停戦に関係していなかったテロ集団が、首都と400万人の住民を、飲料水から遮断しようとしているのだ。ところが、シリア政府軍がバラダ渓谷水源地域の犯人を追求すると、欧米マスコミは、またしても、アサドの軍隊が停戦に違反したと主張して、テロ集団のために話を歪曲している。

そもそも基本的に欧米がけしかけた戦争を解決する上で、ロシアが前進することに、政権転覆代理軍の欧米スポンサーが耐えられないのは明らかだ。

そこで、犯罪的な各国政府と、連中の代理テロリストを隠蔽するための歪曲とウソをついて、恥知らずの欧米マスコミがまたしても活動しているというわけだ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/01/05/west-spins-again-sabotage-syria-ceasefire.html

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水源汚染のニュースを訳していたところに、アザズで自動車爆弾テロで60人?の死者。何とも悪辣な連中。

アザズ自動車爆弾テロについては、いささか違う結論なのかも知れない。

そもそも基本的に欧米がけしかけた戦争を解決する上で、トルコが前進することに、政権転覆代理軍の欧米スポンサーが耐えられないのは明らかだ。

今日は、下記番組が楽しみ。

【撮り下ろし初配信!・Ch1】18:00~「つくられた『神道』戦後最大のドグマを解体する! 岩上安身による島根大学・大阪工業大学名誉教授 井上寛司氏インタビュー 2日目 中世・近世編(前編)」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※2016年11月23日収録。戦前・戦中の「国家神道」や、安倍政権を支える右派組織「日本会議」の実態に迫ってきた岩上安身による井上寛司氏インタビューシリーズから、中世・近世編の前編を撮り下ろし初配信します。

2017年1月 5日 (木)

シリア戦争は始まりに過ぎない

2017年1月2日
Tony Cartalucci

北シリアの都市アレッポ解放で、ダマスカスのシリア政権は、約六年も続いた極めて破壊的な紛争を終わらせる途上にあるように見える。

しかし、シリア紛争が今にも解決しようとしていると決めてかかるのは、シリア紛争が地域、更には、世界的狙いと切り離された地政学的真空の中で戦われていると見なすも同然だ。

実際、欧米がシリアに仕掛ける代理戦争は、開始前から長年検討されており、計画・準備段階では、対イラン戦争や、ロシアの再登場と中国勃興を阻止するための、より大規模なグローバル紛争の前提条件に過ぎなかった。

勃興する超大国の抹殺を狙うアメリカ覇権

冷戦終了時、アメリカは世界唯一の超大国としての立場を確立し維持することを狙っていた。

ウェズリー・クラーク陸軍大将は、2007年“主導すべき時”と題するフローラTVのトーク番組で、1991年という早い時点での、当時アメリカ国防副長官ポール・ウォルフォウィッツとの会話に触れ、冷戦後の狙いをこう述べて明らかにした(強調は筆者による)

国防副長官に、デザート・ストームにおける軍隊の実績にはかなりご満足でしょうと言った。すると彼は言った。「そう」。しかし彼は本当には満足していないと言った。サダム・フセインを倒しておくべきだったのだが、そうしなかったからだと。しかも、我々が引き起こした91年3月のシーア派蜂起直後なのに、わが軍を傍観させたままにして、干渉しなかった。そして彼は言った。一つ学んだことがある。中東地域で、我々は軍隊を使用することが可能で、ソ連は我々を止めないことを学んだ。彼は言った。次の巨大超大国が我々に挑戦する前に、ソ連傀儡政権の全ての国々、シリア、イラン、イラクを一掃するのに、我々には五年から十年、猶予がある。

クラーク大将発言で暴露されていることは明白だ。デザート・ストーム、バルカン半島での紛争、アメリカによるアフガニスタン侵略と占領や、アメリカによるイラク侵略と占領、更に、2001年9月11日、ニューヨークと、ワシントンDCでの攻撃後のアメリカ軍“対テロ戦争”戦力展開の全体的な拡張から、冷戦後に始まった特異な計画は明らかだということだ。

アメリカの“政権転覆”騒ぎは、上記の戦争だけでなく、東ヨーロッパ中の一連のいわゆる“カラー革命”も含んでいる。これには、1998年から2004年までの、セルビアにおけるオトポール!の活動、2003年のジョージア“バラ革命”や、2004年-2005年のウクライナ“オレンジ革命”も含まれる。

アメリカが支援したこうした政権転覆作戦に関わったのは、アメリカ国内の国務省とアメリカ民間企業(商業マスコミや、フェイスブックやグーグルなどの巨大IT企業)や、2011年のアメリカが画策した“アラブの春”に先駆けた、2008年に始まったアラブ世界の反政府派指導者訓練で育てられた、各国の“活動家”たちだ。

アメリカ国務省自身、2008年のプレス・リリースで、“青年運動同盟サミット”を組織したことを認めてこう書いている。

既に、世界中の青年運動オンライン、携帯、デジタル・メディアを活用して、最良のやり方を、お互いに話し合っているという点で、この青年運動同盟の始まりは、組織的なものだ。国務省は、フェイスブック、ハウキャスト、グーグル、MTVやコロンビア・ロー・スクールなどの組織と結びつけ、この動きの立ち上げを支援するまとめ役として機能した。

プレス・リリースに述べられている内容は、エジプトやリビアから、シリアやイエメンに至るまでの必然的に暴力的な政権転覆作戦の隠れ蓑役を果たすのに使われた戦術そのものだ。アメリカ国務省の“青年運動同盟サミット”参加者を見れば、エジプトの4月6日青年運動を含み、中東に帰国するやいなや抗議行動の先頭に立った多くの集団がいる。

最終的に、“アメリカの各種集団がアラブ蜂起の養成を支援”と題する記事で、ニューヨーク・タイムズはこう認めている。

ここ数週間のインタビューやウィキリークスが入手したアメリカ外交電報によれば、地域で広がる反乱や改革には、国際共和研究所、全米民主国際研究所やフリーダム・ハウスなどの、ワシントンを本拠とする非営利人権団体などからの訓練と資金援助を受けた、エジプトの4月6日青年運動、バーレーン人権センターや、イエメンの青年指導者エンツァール・カディなどの草の根活動家を含む多数のグループや個人が直接関与している。

直接的な軍事介入とアメリカが画策する“カラー革命”双方の狙いは、クラーク大将が、冷戦終焉以来、アメリカ政策立案者たちが追い求めていると主張するもの、究極的にアメリカ世界覇権のライバルとなり得る独自に動いている国々の根絶を実現することだ。

途上の通過点に過ぎないシリア

イラク破壊、2006年 イスラエルの南レバノンのヒズボラに対する戦争、テヘラン政権を孤立化し、打倒する絶えざる取り組みは、全てこの並外れた計画の一環だ。長年にわたり、あらゆるアメリカ政策論文の中で、究極的なイラン打倒の重要な鍵はレバノンのヒズボラ破壊と、イラン同盟国としてのシリア絶滅であることが認められている。

2007年、ピューリッツァー賞受賞ジャーナリスト セイモア・ハーシュは記事“リディレクション(方向転換): 政権の新政策は対テロ戦争における我々の敵に恩恵を与えるのか?”でこう書いていた。(強調は筆者による):

シーア派が多数のイランを弱体化させるため、ブッシュ政権は、事実上、中東における優先事項再編を決定した。レバノンでは、政権は、イランが支援するシーア派組織ヒズボラを弱体化することを狙った秘密作戦で、スンナ派のサウジアラビア政府に協力した。アメリカは、イランと同盟国シリアを狙う秘密作戦にも参加した。こうした活動の副産物が、イスラム主義の戦闘的構想を奉じ、アメリカに対して敵対的で、アルカイダに共鳴するスンナ派過激派集団の強化だ。

2009年、アメリカの大企業-金融業界が資金提供する地政学的政策シンクタンク、ブルッキングス研究所が“ペルシャへの道はいずれか?: 対イラン・アメリカ新戦略のための選択肢” (PDF)と題する170ページの報告書を発表したが、そこで、アメリカ政府のために、イスラエルにイランを攻撃させることを含む、いくつかの選択肢を提案している。報告書にはこうある(強調は筆者による):

…イスラエルは、様々なことで、アメリカの支援を要請する可能性がある。イスラエルは、アメリカ合州国以上に、イランの報復と国際的非難を受けるリスクを負う覚悟がある可能性があるが、不死身というわげではなく、攻撃をする用意が調う前に、アメリカ合州国によるある種の確約を要求する可能性がある。たとえば、ヒズボラによる、また可能性として、ハマースの反撃をも緩和するのに役立つ、シリアとの和平協定が実現するまで(エルサレムが、それが実現可能だと考えているとして)イスラエルが先送りをしたがる可能性がある。その結果、彼らはアメリカ政府に、エルサレムと、ダマスカスの仲介を強く推進するよう希望する可能性がある。

いかなる“和平協定”も結ばれず、そのかわりに、国の大規模破壊が画策されていることは明らかだ。ブルッキングス報告書に書かれている、紛争を引き起こすことと、イラン政権転覆に関する提案の多くは代わりに、シリアに対して使われたのだ。

2011年、アメリカが率いたアルカイダとつながる戦士を活用したリビア破壊で、東リビアの都市ベンガジを、トルコ・シリア国境への兵站上の足場へと変え、シリアの都市部で、既に衝突が継続する最中、シリア代理侵略が始まった。

2012年、戦士たちがトルコ-シリア国境から殺到し、都市アレッポを侵略した。それに続く破壊的戦争が国を荒廃させ、シリアの同盟者、ヒズボラとイラン、更にはロシアまで引き込み、東方のイラン、更には、南ロシアにまで紛争を拡大する前に、連合を十分弱体化させている可能性がある。

イランとの戦争に備えて、だれが閣僚に入ったかを見よう

次期大統領ドナルド・トランプは、デイヴィッド・フリードマンのような親イスラエル派強硬派のみならず、ブライトバート・ニュースのスティーブン・バノンや、退役アメリカ海兵隊員ジェームズ・マティス大将を含む長年、イランとの戦争を主張してきた連中で、周囲を固めた。

似たような顔ぶれの政策立案者連中が、彼女が選挙に勝っていれば、2016年アメリカ大統領候補で、元アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンで、入閣していたであろうことは確実だ、彼女はアメリカ国務長官時代、まさにこの紛争の前提条件たるリビアとシリアの破壊に夢中だった。

要するに、アメリカ政府は、シリアにおける代理戦争が、まさに全過程を済ませたように見える中、イランとのより広範な紛争のための姿勢を確立しつつあり、2016年アメリカ大統領選挙に誰が勝とうと、この来る戦争のため姿勢をとり始めていたに違いないのだ。

おそらく、アメリカの政策立案者たちは、シリアを、もっと早く、経費も少なく、陥落できると踏んでいただろう。ロシアがシリアに大規模軍事駐留し、シリア軍が、極めて効果的な、経験を積んだ戦闘部隊へと進化し、イランとヒズボラ部隊が地域紛争で戦って経験を積んでいるので、紛争を、イラン国内に進めるのは容易な課題ではなない。

おそらく、このせいで、次期大統領トランプは、ロシアと“同盟”の可能性があるかのごとく演出され、ロシアによるアメリカ選挙“ハッキング”という非難は“偽ニュース”と戦うという装いのもと、代替メディアを萎縮させるために利用されているのだ。代替メディアを黙らせなければ、ブルッキングスの“ペルシャへの道はいずれか?”報告書が勧めているように - シリア紛争をイラン領にまで拡大し、そこにアメリカが関与するのを正当化するため、アメリカ政策立案者が、またもや大規模挑発を画策するのは困難なはずだ。

シリア紛争の間 - レバノンとシリア全体で、イスラエルは、ヒズボラ・インフラストラクチャーを組織的に攻撃してきたことにも留意すべきだ。イスラエルの政策立案者 連中と、アメリカが支援するイスラエルによる対イラン攻撃の後で、報復するだろう連中との間に緩衝地帯を維持する狙いである可能性が高い - ブルッキングスが、2009年に提案した通り。

選挙がアメリカ覇権を潰すことはなく、それを潰せるのは多極的な勢力均衡のみ

アメリカの既得権益集団は、冷戦終焉以来、彼らが世界覇権と考えるものに対するあらゆる脅威と対決し、抹殺することに夢中になってきた。ウェズリー・クラーク退役アメリカ陸軍大将が長年警告している通り、アメリカは、1990年年代以来、誰がホワイト・ハウスの主であろうと、どのような言辞が使われようと無関係に、世界覇権を徐々に実現し維持するために必要な無数の戦争や“カラー革命”を売り込む特異な計画を推進しているのだ。

ロシアと中国が、世界的な勢力の均衡をもたらし、アメリカによる侵略をはばみ、世界の舞台で、アメリカ覇権を、より釣り合った、多極的役割で押し返す中、アメリカは、モスクワと北京の両方への直接対決や、益々暴力化する代理戦争作戦や、世界中での政権転覆作戦で対処するようなりつつある。

大統領選挙が、この特異な長年の計画を頓挫させることができるという幻想は危険だ。現実には、アメリカ既得権益集団と世界覇権実現に対する唯一の障害は、競合する中核権力なのだ。そうしたものには、ロシアや中国のような国民国家や、代替メディアのような草の根運動や、このような運動が実現する権力と影響力の上に構築される代替の現行のものを阻止する経済モデルや政治運動がある。そのような代替物が、政治状勢を支配しているアメリカや大企業-金融業者独占体が現在享受している不当な権力や影響力を弱体化させることができるだろう。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/01/02/syrias-war-was-only-ever-the-beginning/

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NGOを活用したこうした計画については、以前、他に下記のようないくつかの記事を翻訳している。Otporという固有名詞も出てくる。日にちは翻訳記事の掲載日。原文はみな2011。

「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」: またはジーン・シャープの妄想
2016年3月23日

ウオール街占拠運動と"アメリカの秋":これは"カラー革命だろうか"?第一部
2011年12月31日

ウォール街占拠と“アラブの春”: 誰が抗議運動に資金提供しているのか? 誰が背後にいるのか? 2014年2月22日

 

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