NATO

2026年2月 8日 (日)

ウクライナ和平交渉を露骨に妨害するNATOの「ルッテ工作員」



2026年2月7日
Strategic Culture Foundation

 ルッテ工作員は現代の被告席に立たされるべきだ。彼と御主人連中は世界を破滅へと突き落とそうとしている。

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 今週ウクライナ議会で行った注目を浴びる演説で、NATOのマルク・ルッテ事務総長はロシアとの和平協定が締結され次第、直ちに同盟軍をウクライナに派遣すると宣言した。

 NATO軍はイギリスとフランスで構成されい予定で「陸、空、海」に展開されると彼は主張した。更に「ロシアが再びウクライナを支配しようとした場合」連合軍はアメリカの安全保障保証という「重要な後ろ盾」を得ることになると彼は付け加えた。

 ルッテ事務総長がウクライナ最高会議(ヴェルホフナ・ラーダ)で演説した三日後、モスクワでロシア高官の暗殺未遂事件が発生したのは単なる偶然ではないようだ。ロシア軍情報部(GRU)副司令官ウラジーミル・アレクセーエフ中将が銃撃犯に背後から数発撃たれたのだ。

 これは、ウクライナにおける約4年にわたる戦争の和平合意を見出すための微妙な交渉がアブダビで行われている最中のことだった。今週、ロシア代表団はアメリカとウクライナの代表団と2回目の協議を行った。

 キーウでのルッテ事務総長演説とモスクワでの暗殺事件は、トランプ政権が進めてきた交渉努力を妨害するための計算された動きであるように思われる。

 まず、NATO事務総長は、ウクライナ問題のいかなる解決にもNATO軍駐留は伴わないとロシアが断固主張しているのを十分承知している。NATO軍が「平和監視団」と呼ぼうが「有志連合」と呼ぼうが関係ない。そのような事態はあり得ず、交渉の余地もないと、モスクワは繰り返し明確に表明してきた。

 つまり、ルッテ事務総長が配備問題を強引に進めているのは、ロシアとのいかなる合意も不可能にするのが真の狙いだとしか思えない。しかも、この口先だけの元オランダ首相は、この「恐ろしい紛争」を終わらせるためのトランプ大統領の努力を支持するとも発言していたのだ。

 「一部の欧州同盟国は、合意成立後ウクライナに部隊派遣すると発表した。地上部隊、ジェット機、黒海艦隊などだ。アメリカはバックストップとなる。他の国々も他の方法で支援すると約束している…安全保障の保証は堅固で、これは極めて重要だ。この恐ろしい戦争を終わらせるための合意に至るには難しい選択が必要だと我々は知っている」とルッテ首相は考え深げに語った。

 更に、ルッテ事務総長は最近の声明で、NATO軍が「平和維持軍」として活動しているという誤解を招く表現を撤回した。「地上には軍隊、空中にはジェット機、海上には艦船」という彼の熱狂的な言説は、NATOによる軍事介入で、紛争を代理戦争から全面戦争へとエスカレートさせるための巧妙な計画のように聞こえる。

 NATOがウクライナへの軍事物資供給増強に向けて準備を進めているとルッテ事務総長が宣言したことも特筆すべき点だった。欧州加盟国はアメリカ製兵器購入に150億ドルの追加予算を割り当てていると述べた。彼は演説を、第二次世界大戦時のファシスト・スローガン「スラヴァ・ウクライナ!(ウクライナに栄光あれ!)」で締めくくった。これはキーウ政権とそのネオナチ支持者たちに戦いを続けるよう呼びかけるスローガンだった。

 GRU副司令官暗殺計画と同様、今回の計画の狙いは戦争終結に向けたあらゆる交渉を妨害することにあるようだ。アブダビ駐在のロシア安全保障代表団団長は、GRU長官イーゴリ・コスチュコフ提督だと報じられている。国外で協議が行われている最中に、コスチュコフ提督の副司令官がモスクワの自宅で数発の銃撃を受けたのは計画的挑発行為と見られる。

 皮肉にも、ヨーロッパのNATO加盟国はロシアが和平を望んでいないと絶えず非難している。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナを陥落させたら他のヨーロッパ諸国を征服するつもりだと彼らは突飛な主張をしている。だが実際は、モスクワは一貫して、紛争の根本原因(NATOの歴史的な拡大)を解決し、全ての人にとって不可分な安全保障に基づくヨーロッパのための新たな集団安全保障条約を策定するための外交過程を要求してきた。またロシアは、歴史的にロシア領だった領土を保持したいと考えている。

 外交的解決を望んでいないのは大西洋を挟むアメリカとヨーロッパのNATO強硬派枢軸だ。彼らはロシアに対する代理戦争を無期限に継続させたいのだ。2014年にCIAが支援したキーウ・クーデターや、それ以前の1991年のソ連崩壊後、数々のカラー革命で敵対行為を扇動したのは彼らだ。

 トランプの狙いが一体何なのか不明だ。取るに足らない異端者なのか、それともディープステート(影の政府)が彼を操っているのか? ロシアとの和平を唱えながら、政権はロシアの重要な原油輸出を制裁し、国際水域で貨物船を拿捕し、インドをはじめとする国々にロシアとの貿易停止を強要し、イラン、ベネズエラ、キューバといった同盟国を恫喝している。彼のウクライナ外交は、別の形で侵略を継続するための口実か? それとも、思考が混乱しているのか? トランプの疑わしい点を差し置いて、モスクワはウクライナの平和的解決を模索する協議を行っているようだ。

 だが、そうは言っても、モスクワにとっての超えてはならない一線は、ウクライナへのNATO軍派遣提案だ。これは根本的原因を終わらせるどころか、むしろ悪化させる。

 大西洋横断帝国主義連合(アメリカと欧州の支配階級、CIAとその諜報機関、そして軍産複合体)は覇権主義的な目的によって動かされている。ロシア、中国、そして非西側諸国の多極世界は、冷戦時代と同様に、封じ込められるか、あるいは後退させられなければならない。

 ウクライナにおける代理戦争は、西側覇権国が望むようにロシアを戦略的に打倒することは不可能なことを示した。彼らの次善の策は、ウクライナの軍事力を維持し、ロシアの警戒を強めて、資源を枯渇させることだ。これは依然、戦争計画に等しい。

 今週のマルク・ルッテ事務総長の振る舞いは、まるで戦争計画の手先そのものだ。彼の言動の一つ一つが、平和支持を口にしながら、意図的に侵略を煽っていることを如実に物語っている。80年前、ニュルンベルク裁判はそのような侵略行為を「究極の犯罪」と定義した。

 ヨーロッパの主流派政治家の中にも、ルッテの陰険な心理に気づいている人がいる。前欧州理事会議長のシャルル・ミシェルは先週のメディア・インタビューで「はっきりさせておきたい。マルク・ルッテは期待外れで、私は彼への信頼感を失いつつある。(中略)私は彼がアメリカの工作員だとは思わない」と述べた。

 ルッテ工作員は現代の被告席に立たされるべきだ。彼と御主人連中は世界を破滅へと突き落とそうとしている。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/02/07/nato-agent-rutte-in-blatant-sabotage-of-ukraine-peace-negotiations/

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 植草一秀の『知られざる真実』
高市疑惑隠し総選挙で鉄槌下す

2026年1月27日 (火)

北極圏を巡る秘密戦争という文脈におけるグリーンランド



ラファエル・マチャド
2026年1月22日
Strategic Culture Foundation

 グリーンランドへのトランプ大統領の関心は、突然の感情の爆発や単なる傲慢さ、あるいは単に欧州に対する憎悪から生まれたものではない。

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 正直に言って、グリーンランドを巡るアメリカと欧州の緊張というこの「メロドラマ」が、どのように終わるのか全く見当もつかない。トランプの不安定な経歴を考えれば、結局何も起きない可能性もある。あるいは、アメリカが海兵隊と空挺部隊を使ってこの偉大な北の島を占領することになるかもしれない。あるいは、より穏健な方法として、実際にグリーンランドを購入するか、少なくとも島の一部の使用権を認める契約を締結するかもしれない。

 だが、確実なのは、グリーンランドに対するトランプ大統領の関心は、突発的な感情の爆発や単なる傲慢さ、あるいは単にヨーロッパへの憎悪から生まれたものではないことだ。この関心の背後には明確な地政学的論理があり、それは世界的紛争の次なるシナリオの一つに関わっている。

 グリーンランドへの関心の最も明白な側面は、まさにトランプ主義によるモンロー主義更新に基づいている。最初モンロー主義が策定された当時、それは抽象的に、ヨーロッパをアメリカ大陸から排除する意図の表明だったが、主な標的はスペインと西半球に残るその領土だった。

 バイデン政権下でモンロー主義が既に復活しつつあったため、それが地域諸国の露中関係に向けられるのは自明のことと思われた。しかし、モンロー主義の反欧州的側面が依然有効だとは予想されていなかったのは明らかだ。アメリカがアメリカ大陸から欧州の存在を排除し続ける意向なのは今や明白だ。この点は、フランス人で、現国民連合会長のジョーダン・バルデラも良く指摘しており、最近の演説で、アメリカがデンマークからグリーンランドを奪取した場合、次はフランス領(フランス領ギアナ、マルティニーク、グアドループ、サン・バルテルミー、サン・マルタン、サンピエール・ミクロンなど)が標的になる可能性があると彼は強調した。

 しかし、グリーンランドにはモンロー主義の課題を超えた特殊性がある。北極圏に近い位置だ。

 現在、北極圏の部分的氷解を招いている気候変動は、従来の交易ルートに代わる新たな交易ルートの可能性を切り開いている。また、北極圏には未発見の石油埋蔵量の13%、天然ガス埋蔵量の30%が埋蔵されていると推定されている。更に、世界最大の島の地下には、金、ルビー、ダイヤモンド、亜鉛、鉄、銅、希土類元素や大量のウランが埋蔵されているとも言われている。さらに過小評価されているものの、同様に重要なのが、北極海の温暖化が魚群を惹きつけており、漁業に影響を与えている事実だ。

 当然ながら、北半球に位置する他の敵国を狙うミサイル弾道の可能性がある地域として、北極圏の戦略的重要性は無視できない。北極圏は、仮に大陸間攻撃を想定する場合、より近距離が短い経路だ。

 北極圏の未開拓の可能性を最初に察知したのはロシアだったようだ。ロシアは、北極圏に最も近い北部地域において、民生・商業インフラの活性化、改革、更新や、建設という長期にわたる過程を開始した。またモスクワは、特別軍事作戦という地域的背景により、一層不安定になった黒海航路に代わる新たな海上航路の開拓を目指し、砕氷船の活動も活発化させた。しかし、ロシアの北極圏に関する初期の取り組みは、主に民生・商業的性質で、北朝鮮も関与する中国の極地シルクロード構想と関連していた。

 西側諸国は北極圏の軍事化という形で対応した。

 2020年には早くも、アメリカ、カナダ、デンマーク、フィンランド、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデンは、北極圏全体の徹底的な調査と占領を目指す学際的姿勢を示す国際協力極地研究計画(??ICOPR)協定に署名した。これらの国々の中には、この地域の探査を促進するための新技術開発に多額投資を行っている国もある。2021年には、国防総省が北極圏戦略を発表し、この地域で活動する専門軍事部隊の訓練を盛り込んだ。2022年には、これらの国々は、この特殊軍事作戦を大義名分として、北極圏における協力に焦点を当てた多国間機構、北極評議会を脱退した。

 これら全ては、北大西洋と北極に特化した米海軍第2艦隊の再活性化や、アイスランドのケプラヴィークにある米軍基地の再活性化など、実際に応用されている。アメリカの予算から40億ドルが、アメリカの北極圏能力強化に充てられた。

 だが奇妙なのは、これら過去の取り組みは全て、カナダや北欧同盟国による同様の取り組みと連携して行われてきたことだ。ところが今、アメリカはかつての同盟国とは逆行し、あるいは敵対する行動をとっており、もはや北極圏の共同支配を信じていないようだ。

 アメリカは石油やガスに興味がある以上に、グリーンランド全体を軍事拠点に変え、長期的にロシアに対抗することを狙っているようだ。北極圏を軍事化しようとする西側諸国の取り組みに対し、既にロシアは旧ソ連軍事施設の復活や北方艦隊の増強で対抗している。

 トランプはこの目標を達成するために実際に島の「所有者」になる必要さえなく、デンマークがグリーンランド領土の一部、特に北部をアメリカに譲渡することに同意するだけでディープステートの目的は達成される。

 このような出来事が展開すると、新世紀の2030年代には、北極が事実上、世界で最も「熱い」地域の一つになる可能性が高くなる。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/01/22/greenland-in-context-of-secret-war-for-arctic/

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  東京新聞 朝刊 特報面 本音のコラム 鎌田慧氏  
抜け駆け選挙の狙い

2026年1月21日 (水)

ウクライナでは雰囲気が変わりつつある。もはや応援歌は歓迎されない

2026年1月20日
Moon of Alabama

 ウクライナ国民が戦争に対する態度を変えつつある最初の兆候が現れている。

 記事『冬がキーウを襲う』で、ロシアによるウクライナ・インフラ攻撃が、国民の気分にどのような変化をもたらすのか私は探った。  
戦時中、戦闘に直接関与していないウクライナ国民は、起きていることに、ほとんど関心を示さなかったようだ。キーウではナイトライフが盛んに営業され、あらゆる物資が手に入り、短時間の停電さえ、それほど気にしていなかった。

 だが今や状況は変わっている。電気はほとんど止まっている。発電機での営業は採算が取れないため、商店は閉店している。地域の公共交通機関はほぼ運休だ。長距離輸送は途絶え、アパートは住めない状態だ。戦争の影響は、もはや一身上の問題になっている。

 これによって、戦争を長引かせたい人々の気分さえも変わるだろう。平和と引き換えに領土の喪失を受け入れる人々の数が増えるだろう。

 しばらくすると、これによって政策変更が起きるだろう。
 昨夜、キーウをはじめとするウクライナの都市で、ミサイルとドローンによる新たな攻撃が電力・暖房インフラを襲い、深刻な被害をもたらした。  
エネルギー省によると、エネルギー・インフラへの攻撃により、キーウと周辺地域、オデーサ、ドニプロペトロフスク、スムイ、リウネ、ハルキフ各州の消費者への電力供給を停止した。

 キーウで33万5000人以上が停電したとウクライナ最大の民間エネルギー会社DTEKが発表した。現地時間午前10時頃、16万2000世帯への電力供給は回復したが、約17万3000世帯は依然停電が続いている。

 キーウでは、市内の高層住宅の約46%に相当する5,635棟の建物が依然暖房がない状態にある。

 副大臣によると、キーウ市の西部にあたる右岸では給水圧が低下しており、左岸の約3,500戸は依然完全な断水状態にある。
 約1,600棟の高層住宅で暖房が復旧した。残りの4,000棟は少なくとも一晩中凍りつくことになる。

 今ウクライナの人々は、戦争に対する気分と態度を変えつつある。つい最近まで、戦争は良い結果をもたらすと、多くの人々は楽観的に期待していた。前向きな姿勢を持つのは愛国心で(そして何の犠牲も必要ではなかった)、検閲の厳しいウクライナのメディアとウクライナ人芸術家たちが、この状況を後押しした。

 そのような音楽家の一人が有名なポップ歌手ティナ・カロルだ。(WikiウェブサイトYoutubeTikTokInstagramTwitter

 テチャーナ・フルィホーリウナ・リベルマーン(別名チーナ・カーロリ)は戦争を支持しており、前線付近の「民族主義者」カルティア旅団などの部隊を頻繁に慰問している。彼女は兵士に激励の言葉を贈り、演奏をしている。

 三日前、彼女は、また別の元気を奮い立たせる歌を発表した(YoutubeTikTok)。

 だが、今回は国民に歓迎されず、激しい反発を引き起こした。(機械翻訳)

 ウクライナのポップ歌手、チーナ・カーロリは、電力不足を歌った歌のせいで、数日間ソーシャル・ネットワークで批判され嘲笑された。

 この有名人は薄暗い中で撮影された動画をTikTokに投稿した。動画の中で、彼女は両手にカップを持って座り、自分の曲をあまり口を開かずに、下記のように歌っている。
 
 電気はないけど、暖房はある。
 暖房はないけど、善はある。
 水はないけど、我々はいる。
 我々は一緒だ。家族だ。
 電気はないけど、暖房はある。
 どんな悪でも打ち負かす。
 なぜなら我々は愛し合っているからだ。
 それが全て、それが全て。

 多くのユーザーがこの歌に対し、皮肉な映像を作り、否定的な意見を書いている。
 
  • 「電気がない。議会が略奪したからだ。消費税を値上げし、国境を封鎖した。水も出ないし、トイレを流すこともできない。でも、あんな『歌手連中』に楽しませてもらえている限り、これが全てではないのは分かっている」
  •  
  • 「電気がないのに、議会にはある。男たちは許可なく車に押し込まれるが、我々は許可されている。政府は我々のことなど、どうでもいいと思っているが、我々は家族だ。プロパガンダ・ソングをありがとう!」
  •  
  • 「ティノチカ・カーロリ、こんなクソのようなものを発表するのは人々を愚弄する行為だ。」
  •  
  • 「6時間も電気がつかない高層住宅で、電気が点いている1時間半の間に、アパートで暖まる時間がない時に、一体どうやって赤ちゃんを暖めれば良いのか?」
 批判する人々が非常に辛辣になったため、チーナ・カーロリは謝罪する必要性を感じた(動画)。  
チーナ・カーロリの励ます歌「たとえ電気も暖房もなくても、ウクライナには『善』があり、悪は打ち負かされる」に対して、ここ数日、SNS上で批判の波が押し寄せている。その波はあまりに大きく、歌手は歌ったことを謝罪せざるを得なかった。

 謝罪の中で「できる限り状況を踏まえて」制作したと彼女は述べ、困難な時期に人々を団結させ、創造性で支えたいと願っていたと強調した。この映像は「当局による妨害やマニュアルではない」と彼女は断言した。

 「ある男性の歌を見て、もう一度歌おうと決めたんです。私は生涯ずっと自分の創造性で人々を支えてきたのだから」と彼女は語った。
 Stranaの筆者たちは、これに表れた雰囲気の揺れを分析している。(機械翻訳)  
以前は、戦時中の諸問題への対応として、このような歌や、落胆せずに勝利を信じよという単純な訴えが絶えず聞かれていた。しかし、それらに対する反応は概して異なっていた。基本的に、人々は、この傾向を支持し、それに適応せずに困難な状況を語り続ける人々は非難され、時には第五列として記録されることさえあった。

 だが、ロシアの攻撃によりエネルギー部門の状況は急激に悪化しており、国民は電気も暖房もない状況に置かれている。

 そして、いつものように、善悪を歌い、人生を肯定する歌を歌って人々を励まそうとした時、人々の反応は既に一変していた。本格的戦争が四年を迎えようとし、電気や暖房となど基本的生活必需品さえ供給できない国の状況は急激に悪化し、当局は、早期勝利どころか戦争の早期終結に向けた明確な選択肢も示さず、依然、忍耐と信念と温暖化を待つよう呼びかける状況下で、人々は早期勝利を信じるのに飽き飽きしている。

 こうした背景から、戦争を早く終わらせることが第一義で、どのような条件で終わらせるかは二次的な問題だという考え方が広まっている。
 今のところ、雰囲気の変化を裏付ける世論調査データはない。ウクライナの公式世論調査は捏造されており、信頼できない。独立した世論調査は稀で、定期性に欠けている。

 だが、暖房や水や電気のない生活の現実は明らかに我々に突きつけられており、全てうまくいくという愛国的プロパガンダは、もはや歓迎されない。

 今、大きな問題は、当局がこれに一体どう反応するかだ。否定的態度や和平の呼びかけに対する弾圧が更に強化されるのだろうか? それとも、国民の支持なしに新たな反撃を伴う戦争の継続はもはや不可能だと認識することになるのだろうか?

記事原文のrl:https://www.moonofalabama.org/2026/01/ukraine-the-mood-is-changing-pep-songs-are-no-longer-welcome.html

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 耕助のブログ
No. 2787 イラン – トランプは弱腰になった

2026年1月20日 (火)

グリーンランド問題におけるトランプ大統領に対する予想外の欧州の反応:大西洋横断同盟最後の亀裂?

リカルド・マルティンス
2026年1月19日
New Eastern Outlook

 ドナルド・トランプ大統領の併合脅迫に応じて、グリーンランドに軍隊を派兵して、欧州諸国はワシントンに対し未曾有の一線を画し、大西洋横断関係における自動的服従の時代が終わりに近づいている可能性を示唆している。



 ドナルド・トランプがグリーンランド併合で再び恫喝したことに対し、ヨーロッパは予想外の対応として、デンマーク自治領グリーンランドに部隊を派遣し、軍事演習を行った。ドイツ、フランス、ノルウェー、スウェーデンに加え、フィンランドとエストニアもデンマークに加わり、グリーンランドの安全保障強化にあたった。トランプが国際政治の中心に復帰して以来、ヨーロッパがアメリカ大統領に直接対峙し、明確な制限を課したのはこれが初めてだ。

 失敗に終わった三国間会談

 ヨーロッパの反応は、その意味を理解し始めたのがかなり遅かったことを示唆している。

 この動きは、アメリカ、デンマーク、グリーンランドの当局者による緊迫した三者会談を受けて行われたもので、コペンハーゲンが「根本的な意見の相違」と表現したグリーンランドの地位に関する問題は解決されずに終わった。数時間後、依然グリーンランドを支配する意向で「デンマークにできることは何もない」と大統領執務室で、トランプ大統領は記者団に述べた。

 デンマークのラース・ロッケ・ラスムセン外相は、マルコ・ルビオ国務長官との会談を「率直だった」と評し、自身は「現代のネヴィル・チェンバレンではない」と強調した。歴史的な例えを完成させるには、トランプはヒトラーということになるだろうか? たとえアメリカが噂されている7000億ドルの費用を負担したとしても、グリーンランド人はアメリカへの加盟を決して選ばないとラスムセン外相は付け加えた。「アメリカは人と貿易するもので、人と交換するものではない」とラスムセン外相は後にFOXニュースで述べた。

 外交上の進展は、トランプ大統領がデンマークの軍事力を嘲笑し「二台目の犬ぞり」を軍備に加えたと揶揄したことで、たちまち帳消しになった。この発言に対し、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、異例の直接的非難を表明した。しかし、EU外交官は犬ぞりに関する議論を中断した。「言葉より現場の事実が重要だ」と。そして現地では、欧州軍の要員が現在グリーンランドに到着しつつある。

 ついにトランプ大統領の脅しに反応したヨーロッパ

 この行動は、単なる軍事的側面を遙かに超え、より深い地政学的意味を帯びている。ワシントンが再び武力と領土拡大の論理に基づく威嚇外交を展開しているように見えるこの時期、これは戦略的主権の主張だ。協調的介入によって、欧州諸国は北大西洋における新帝国主義的主張の常態化を受け入れず、たとえその「国」が自治領であったにせよ、自国の領土保全を共同で守る用意があることを示唆している。

 グリーンランドは北極圏というチェス盤の中心的位置を占めている。この地域は、新たな海上航路、豊富な鉱物・エネルギー資源や、これら航路における中国とロシアの存在感の高まりにより、領有権を巡る争いが益々激化している。トランプ大統領の恫喝に対応することで、欧州は単にデンマークを守ろうとしているだけではない。北極圏が一方的冒険の自由地帯ではなく、多国間の規範によって統治される空間であることを再確認しているのだ。この意味で、今回の展開はグリーンランドという島そのものだけでなく、国際秩序のルールにも深く関わっている。

 これは、ヨーロッパの姿勢における前例のない転換を示すものだ。つまり、アメリカの政治的傘への依存度が低下し、自律的な地政学的当事者として行動する必要性をより意識するようになったことだ。軍事的には、この展開は控えめであるが、政治的には重大である。これは、反動的なヨーロッパから、ワシントンに対してさえ、超えてはならない一線を課せるヨーロッパへの移行を示すもので、アメリカの力に自動的に服従する時代が終わりに近づいていることを示唆している。

 依然ドナルド・トランプを恐れているブリュッセル

 しかし、厳密に言えば、これはEU全体の決定ではない。部隊はEUではなく、個々の加盟国により派遣された。ここで楽観的な見方は薄れる。内部分裂に苦しみ、長らくアメリカへの戦略的従属に慣れきったEUは、このような措置を集団的に講じるのは困難だろう。

 言説と現実の乖離はここ数日で更に拡大している。アンドリウス・クビリウス国防委員は、10万人規模のEU軍と、新たな欧州安全保障体制の構想を提唱したが、欧州委員会に却下された。また、EUの相互防衛条項は「確実に」グリーンランドに適用されると示唆したが、フォン・デア・ライエン委員長は、この見解を否定した。

 しかし、雰囲気は暗く「そろそろお酒を飲み始めるのもいい頃かもしれない」とEU外務・安全保障政策上級代表カヤ・カッラスが欧州議会議員に冗談を飛ばしたと報じられている。ラトビアのバイバ・ブラジェ外相はリグ・ドライジンを一本勧め、フィンランドのミカ・アアルトラ欧州議会議員は、極めて強いビール、サンデルスを勧め、冷静さを保つことが重要だと付け加えた。

 ヨーロッパ人はグリーンランドでアメリカ人と戦うのだろうか?

 侵略された場合、ヨーロッパ諸国は実際アメリカと戦うのだろうか? もはや理論的な問題ではない。法的には、デンマークはNATO、EU、あるいは二国間協定などを通じて集団防衛機構を発動する権利を有している。政治的には、アメリカとの直接軍事衝突は依然ほとんど考えられない。

 従ってし、欧州への展開は、戦闘準備というより抑止力として解釈するのが最善だ。グリーンランドは領有権を主張する者がいない領土ではないことと、それを奪取しようとするいかなる試みも、冷戦終結以来ワシントンが経験したことのない評判面と戦略面での代償を伴うことを物理的に警告するものだ。狙いは戦争を仕掛けることではなく、行動の閾値を引き上げることだ。

 だが抑止力は脅威が信頼できる場合のみ機能する。その信頼性は兵力数より、団結と決意にかかっている。EUの枠組みの外であっても、欧州諸国は協調行動をとることで、最小限ながら目に見える防衛線を構築しつつある。これはトランプ大統領の主張を、単なる芝居がかった威勢のいいものから、大西洋横断関係の具体的試金石に変貌させるものだ。

 グリーンランドを巡る欧州の対応は、このように脆弱で部分的かつ実験的なものになっている。しかし同時に、未曾有の事態でもある。これは、挑戦者が伝統的保護者であるにもかかわらず、大陸が、力と境界と抑止力という観点から物事を考えようと試みていることを示している。もしこれが悪い兆候だとすれば、それが悪い兆候だからだ。戦後秩序は、アメリカの力がどれほど圧倒的であろうと、共通の枠組みの中で行使されるという前提の上に築かれてきた。トランプのグリーンランド戦略は、この前提を崩壊させる。欧州の対応は、その意味合いを理解し始めたのが遅きに失したことを示唆している。

 要するに、大西洋横断同盟は既に崩壊していると一部欧州当局者は述べている。少なくとも自動的な信頼性という幻想は崩れたのだから、アメリカとの軍事協力関係を断絶するのはどうだろうか。

リカルド・マルティンスは地政学と国際関係を専門とする社会学博士

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/01/19/europes-unexpected-reply-to-trump-over-greenland-a-last-crack-in-the-transatlantic-alliance/

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 東京新聞 朝刊 総合 三面
 
 トランプ大統領 2期目就任1年

 「力による支配」鮮明

 インフレ解消見えず支持離れ直面

 東京新聞 朝刊 国際・総合 四面  
 「経済最悪」広がる失望

 トランプ氏就任1年

 民主は「生活者目線」で反撃

 植草一秀の『知られざる真実』
自己都合解散表明の残念な会見

2026年1月19日 (月)

暗いキーウ

2026年1月17日
Moon of Alabama

 ウクライナでは、国土の大部分で電力と熱の供給が停止した。キーウでは既に計画停電が実施されており、消費者グループに、例えば4時間電力供給した後、8時間停電するというものだった。この計画停電は終了し、恒久停電になった。

 数週間にわたるロシア攻撃により、キーウの電力供給は国内の他地域から遮断された。その後、市内の発電所も攻撃を受けた。現在、市内で利用可能な電力供給量は、通常消費量の10%未満だ。公共照明は可能な限り消灯され、工場は閉鎖され、学校や大学は長期休暇となっている。自家発電機の稼働費用が営業中の収益を上回るため、多くの店は閉店している。

 発電所は遠距離暖房用の温水も供給していた。キーウにある数百棟のソ連時代の高層住宅(それぞれにアパート数百戸が入居)は暖房も電気も使えない。ウクライナでは数日間、気温は氷点下を記録している。多くの建物で、排水されておらず、ラジエーターや給水管が凍結し破裂した。これらの高層住宅は、もはや居住不可能な状態だ。各住宅の修復には最大9ヶ月の時間と多額の費用がかかると専門家は見積もっている。影響を受けた人々は約15万人に上る。

 キーウだけが危機に瀕している都市なのではない。オデーサも同様に封鎖され、人々は街頭で抗議活動をしている。ドニプロも同様の問題を抱えている。本日、ハリコフが攻撃を受け、市内に残る最後の熱電併給発電所の一つが機能停止した。スムィとザパロキアでも停電が報告されている。

 現在、北極の空気の波がウクライナに流れ込んでおり、夜間気温は氷点下30度まで下がると予想されている。

 ウクライナ政府は、ロシアによる新たな攻撃の波を予想している。これにより、原子力発電所から電力供給を受けているウクライナの長距離750キロボルト電力網を構成する変電所が破壊される可能性が高いと政府は述べている。変電所自体が危険にさらされることはないが、発電した電力を受け取る人がいなくなるため、出力を下げるか、閉鎖せざるを得なくなるだろう。

 大規模電力システムは非常に複雑だ。一度故障したシステムを再起動するには、綿密な調整と計画が必要だ。少しでもミスがあれば、直ちに新たな故障や設備の損傷につながる。キーウの電力システムは、ロシアからの新たな攻撃がなければ、再稼働までに数週間かかる可能性がある状況だ。

 ウクライナは、ロシア・インフラへのいかなる攻撃にも同様の報復を行うと警告されていた。しかし、ウクライナはロシア都市への攻撃を続け、ベルゴグラードをはじめとする各地で死傷者や深刻な事態を引き起こした。

 三年間、ロシアはウクライナ・インフラへの攻撃をほぼ控えてきた。電力と熱供給は平時レベルを維持していた。攻撃が増加したのは昨年になってからだった。2025年3月、30日間のインフラ停戦をトランプ大統領が発表した。ロシアはこれに従うと約束したが、ウクライナは従わなかった。

 2015年11月、ウクライナはクリミア半島に電力を供給する送電鉄塔を爆破した。住民の75%が停電に見舞われた。リヴィウの醸造所はこれを祝賀して「夜のクリミア」と名付けた黒ビールを醸造した。

 1999年、NATOはユーゴスラビアの分断をさらに深めるため、セルビア爆撃を行った。NATO爆撃は1999年3月23日に開始され、セルビアの電力と水道の供給の約80%が遮断された。1999年5月25日の記者会見で、NATO報道官ジェイミー・シェアは、攻撃を下記のように正当化した。  
質問: 昨日、複数のテレビ報道で、ユーゴスラビアの医師らが病院の発電機に関する厳しい基準に直面し、最終的に連合軍が民間人を人質に取り、その結果、発電所、変圧器、水道管を爆撃して、無辜の人々を人質に取ったと非難する様子が映し出されました。

 ジェイミー・シーア:ピエール、英語で答えて申し訳ありませんが、これは重要な点なので、この部屋にいる全員に私の意見を広く伝えたいと思います。

 議論において、バランスを見失ってはいけない。ミロシェビッチ大統領は十分な予備発電機を保有している。彼の軍隊には数百台もの予備発電機がある。大統領はこれらの予備発電機を病院や学校への電力供給に使うことも、軍隊への電力供給に使うこともできる。それは彼の選択だ。もし大統領がこのことで頭を悩ませているなら、まさに我々が彼に望んでいるのはまさにそれで、私はそのことについて一切弁解するつもりはない。 […]

 質問(ノルウェー通信社):ジェイミーさん、申し訳ありませんが、軍には予備発電機がたくさんあるとおっしゃるなら、軍事目標だけ狙っているとおっしゃっているので、使える予備電源がたくさんあるのに、なぜ国土の70%から電気だけでなく水道も奪うのですか?

 ジェイミー・シェイ:はい、残念ながら、電力は指揮統制システムも動かしている。ミロシェビッチ大統領が本当に国民全員に水と電気を供給したいなら、NATOの5つの条件を受け入れるだけで十分だ。そうすれば、我々はこの作戦を停止する。しかし、彼がそうしない限り、彼の軍隊に電力を供給する標的への攻撃は継続する。もしそれが民間人に影響を及ぼすのなら、それは大統領が対処すべきことだが、セルビア国民のために水と電気は再び供給される。
 NATOの教義では、インフラに深刻な問題を抱える戦争当事者は、状況を改善するための選択肢を持つとされているようだ。誰かがそれをキーウに教える時が来ている。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/01/dark-kiev.html

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 植草一秀の『知られざる真実』
自己都合解散表明の残念な会見

グリーンランドを巡ってアメリカとヨーロッパは戦争するのか?



2026年1月16日
Strategic Culture Foundation

 アメリカからグリーンランドを守るため、ヨーロッパ諸国は小さな有志連合を結成した。

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 一言で言えば、答えはノーだ。今週あるメディア評論家が鮮明に指摘した通り、欧州指導者連中はクラゲより骨なしで、北極圏のデンマーク領土をドナルド・トランプが併合したがっていることに対する彼らの不安定な懸念は、武力紛争という点では大したことはないだろう。

 今週末、グリーンランドへの欧州軍配備のように多少芝居がかった動きはあるかもしれない。欧州政治家たちは大声で騒ぎ立てるだろう。だ が、結局、属国は従わざるを得なくなるだろう。

 だが理論的疑問が存在するという事実自体が、第47代アメリカ合衆国大統領の下で国際関係がいかに異常な状況に陥っているかを物語っている。ある意味で狂っているが、良いことだ。それが「道徳的な欧米諸国」の欺瞞と破綻を露呈しているためだ。

 第二次世界大戦終結以来80年、アメリカはヨーロッパ同盟諸国の守護者を装ってきた。北大西洋条約機構(NATO)という形をとった大西洋横断同盟は、欧米諸国の民主主義と、平和と、安全保障と、国際法の礎となるはずだった。

 今、トランプがグリーンランドを併合するという野望を露わにし、必要なら軍事力も行使する姿勢を見せる中、NATOの体裁は完全に崩壊した。同盟は、そのリーダーであるはずのアメリカから攻撃を受けているのだ。

 トランプ大統領が「グリーンランドを征服する」脅しを実行に移せばNATOは終わりだとデンマークや他の欧州諸国は述べ、動揺している。

 かかって来い。

 今週、デンマークとグリーンランドの外交官らはホワイトハウスでトランプ政権当局者の、J・D・ヴァンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官と会談し、デンマークとグリーンランドの主権を尊重するよう訴えた。

 外交上の礼儀をトランプは一切受け入れない。グリーンランドをアメリカの管理下に置くことを依然主張し続けており、軍事力行使も排除していない。この北極圏の領土が中国とロシアに奪われる危険にさらされているため、グリーンランド併合はアメリカの国家安全保障に関わる問題だと大統領は明言している。

 領土奪取を正当化するためにこれを脅迫としてトランプ大統領が利用したのを中国は非難した。

 ロシアは北極圏最大の領土で、その北極航路はヨーロッパとアジアを結ぶ戦略的に重要な輸送路だ。グリーンランドは必要ない。

 国家安全保障というトランプ大統領の口実は笑止千万だ。露骨な帝国主義による領土強奪を隠蔽するために、ロシアと中国の「脅威」カードを恥知らずに利用している。まさにこれこそ、アメリカとヨーロッパがロシアと中国を偽善的に根拠もなく非難していることだ。

 グリーンランドは世界最大の大陸島で、面積は210万平方キロを超える。これはテキサス州の約3倍の広さだ。この北極圏の領土は、アメリカが経済の将来を懸けて切望する石油、ガス、鉱物資源が豊富だ。これは、トランプ大統領によるベネズエラへの犯罪的侵略行為と全く同じ計算だ。

 もしそれが単なる国家安全保障問題なら、アメリカはデンマークとの歴史的合意に基づき、グリーンランドに防空基地を保有しているのだ。トランプは、デンマークはグリーンランドを防衛できるほど軍事力がない(犬ぞり2台で、と揶揄した)と軽蔑的に語っているが、これはアメリカが既存の基地能力を強化すれば容易に解決できる。

 つまり、ロシアと中国を脅威として持ち出すのは、トランプ大統領が膨大な北極資源を収用するための身勝手な言い訳だ。

 いずれにせよ、デンマーク政府は、ロシアと中国がグリーンランドを占領するリスクに関するトランプ大統領の懸念を否定している。

 だが、犬と寝ればノミが湧くものだ。デンマークをはじめとするヨーロッパ追随者連中は、ヨーロッパの安全保障に関し、ロシアの脅威というカードを不当に使い続けてきた。こうして彼らは、デンマーク領グリーンランドを奪取するために今使っている偽りの言説をトランプがでっちあげるのに加担してきたのだ。

 歴史的に、欧州連合(EU)はアメリカの卑屈な属国になってきた。アメリカが国際法違反や違法な侵略行為を繰り返すたびに、EUはワシントンを宥めようと躍起になってきた。最近では、トランプ大統領がベネズエラを攻撃し、ニコラス・マドゥロ大統領を拉致した際も、欧州は国際法を擁護するどころか、むしろ称賛した。政権転覆を企むイラン攻撃を鎮圧しようとする動きに対し、対イラン戦争をトランプ大統領がちらつかせている今、欧州は再びその侵略行為を称賛している。

 ワシントンによる数十年にわたる国際法と国連憲章の組織的かつ執拗な違反は、欧州の共謀、あるいは卑怯な黙認により可能になってきた。このことがもたらした免責は、トランプ大統領下での国際規範の公然たる軽視という形で頂点に達した。

 トランプが傲慢にも自慢する通り、アメリカ帝国は国際法も主権も尊重していない。ゼリーのような無力さを露呈したヨーロッパ属国諸国は当然の軽蔑を受けている。

 2022年9月、ノルドストリーム・パイプライン破壊により、アメリカはロシアからのヨーロッパへの戦略的エネルギー供給を遮断し、ヨーロッパ経済を崩壊させると決定した。しかし、ヨーロッパは抗議の声すら上げなかった。彼らはウクライナでロシアに無益な代理戦争を仕掛け、アメリカの軍事的搾取に法外な支出をして自国経済を破壊し、自らの堕落をさらに深めている。

 グリーンランド奪取でトランプ大統領が欧州の弱点を最大限に利用しているのも不思議ではない。

 コラムニストのRonald Ridenhour が複数記事で指摘した通り、ヨーロッパ属国諸国中、最も卑劣な国の一つがデンマークだ。デンマークは長年にわたり、諜報機関およびプロパガンダ拠点としてアメリカ(政務)の意のままに行動してきた。デンマークは1949年のNATO創設メンバーだ。また、コペンハーゲンは第二次世界大戦中はナチス傀儡で、その後アメリカ帝国主義に加担したのは当然のことだった。

 すると、アメリカ君主が家臣連中に圧力をかける際、彼らは一体何をするつもりだろう? 何もしない。

 今週末、デンマーク、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェーなどの国々は、トランプ大統領に対する連帯を示すため、「北極圏への忍耐作戦」でグリーンランドに少数の軍隊を派遣している。

 馬鹿げている。欧州はこの一年、ウクライナに展開する有志連合の結成を議論してきた。名目はキーウのネオナチ政権をロシアから守るためだ。そして今、彼らはグリーンランドをアメリカから守るために、ちっぽけな有志連合を結成したのだ。

 それでも有益な兆候がある。この不条理さは、NATOの欺瞞や、アメリカによる侵略行為の無法性や、それが罰を受けずに済むことや、欧州「同盟諸国」の完全な道徳的破綻といった、いくつかの点を浮き彫りにして教訓的だ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/01/16/will-us-and-europe-go-to-war-over-greenland/

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 植草一秀の『知られざる真実』
日本再生へ打倒高市自民の連帯
 耕助のブログ
No. 2784 傷ついた鷲:中国が米国を圧倒するとの警告が米国の信頼性を試す

2026年1月14日 (水)

哀れなヨーロッパ属国諸国を暴露するトランプの超強化ならず者政権



2026年1月9日
Strategic Culture Foundation

 皮肉なことに、トランプの無謀な傲慢さは歓迎すべきものだ。彼は欧米の二枚舌と、見せかけの仮面を脱ぎ捨て、少なくとも欧米体制が一体何ものなのかを明らかにした。我々が目にしているのは、かつてのファシズムのように野蛮で醜悪なものだ。

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お問い合わせ:info@strategic-culture.su

 国際秩序は世界の目の前で破壊されつつある。ドナルド・トランプ政権下のアメリカは、力こそ正義という格言を露骨に掲げ、完全なならず者国家と化している。これは常にアメリカ覇権国家の常套手段だった。トランプ政権下で、それが更に加速しているのだ。

 ルールに基づく秩序という見せかけは完全に放棄された。国際法など存在せず、アメリカの一方的な権力行使には制限がないとトランプは公然と自慢している。

 たったの一週間に、トランプ政権は下記を実行した。
 
  • ベネズエラに致命的攻撃を開始し、大統領を誘拐し、膨大な石油資産を接収した。
  •  
  • 海事法に違反してロシアと中国に属する貨物船を拿捕した。
  •  
  • メキシコ、コロンビア、キューバを含むいくつかの主権国家に軍事攻撃を脅迫した。
  •  
  • 法的にデンマークの一部であるグリーンランドの北極圏領土を強制併合すると脅迫した。
  •  
  • トランプ大統領が二期目の1年目に爆撃した7番目の国ソマリアへの爆撃を激化した。
  •  
  • アメリカ連邦捜査官による無実の市民の法外な殺害を正当化するためでっち上げた露骨な嘘。その一方、アメリカとイスラエルの秘密機関に扇動されたと多くの人が信じている街頭抗議をイラン政府が弾圧した場合、イランに軍事行動を起こすと警告している。

 あらゆる不正行為の中でも、おそらく最も悪質なのは、ベネズエラ攻撃に絡み、100人もの死者を出した複数の戦争犯罪だ。トランプが掲げた麻薬テロ対策という茶番劇は、露骨に放棄された。彼は今や、ベネズエラ石油資源をアメリカの大手石油企業が奪ったことを祝福している。

 この蛮行は、ファシスト的傲慢さを伴う完全な帝国主義だ。トランプは、砲艦外交が身勝手な婉曲表現を用いて公然と行使されていた20世紀初頭へ世界を引き戻した。1900年代、歴代アメリカ大統領は中南米諸国を頻繁に侵略し、住民を虐殺し、残忍な独裁者を据え、天然資源を収奪するため奔走した。トランプは、1823年のモンロー主義を自らの特権であるかのように露骨に喧伝し、ベネズエラをはじめとする中南米諸国に、中国とロシアとのあらゆる関係を絶つよう命じている。

 ベネズエラに対するアメリカの侵略行為を中国とロシアは、激しく非難し、世界が混乱に陥る可能性を警告している。

 だが、ヨーロッパ諸国はそうではない。彼らはトランプ大統領の犯罪行為に対し、おとなしく沈黙の姿勢をとったり皮肉な謝罪をしたりしている。もちろん、長年にわたり、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の正当性を否定しようとしたり、彼の選挙結果を認めなかったり、ノーベル賞受賞者のマリア・コリーナ・マチャドのような欧米諸国の支援を受けた扇動的人物を推進したりして、アメリカの侵略を支援してきたため、ヨーロッパ諸国は不利な立場に置かれている。

 今週、国連安全保障理事会での演説で、問題はワシントンや欧州の同盟諸国がベネズエラ政府について主張していることではなく、国連憲章の優位性と国家主権の不可侵性に基づく国際法の尊重だと著名アメリカ人国際関係学者ジェフリー・サックスは語った。

 トランプ政権は侵略行為を犯し、国連憲章を完全に無視し破壊した。欧州諸国は沈黙と陰険な態度によって、このならず者国家の蛮行に加担している。

 皮肉にも、西側諸国は、国際民主主義や法と秩序や道徳的権威の模範だと主張している。彼らはロシアや中国や他諸国を不正行為や悪意ある野心で非難するが、明白な現実は、国際秩序を嘲笑しているのは、覇権国アメリカ合衆国に率いられた西欧諸国だ。彼らは世界を危機に陥れ、壊滅的紛争をエスカレートさせている偽善者で、ペテン師だ。

 第二次世界大戦、そして1945年の国連憲章制定以来、欧米諸国は身勝手な二枚舌と欺瞞のゲームを繰り広げてきた。法と秩序を口先だけで唱えながら、冷戦や「民主主義と自由世界」の擁護といった口実のもと、侵略や違法な戦争により他国を転覆させる権利を暗黙のうちに留保してきた。欧米諸国は常に、政権転覆や侵略や征服戦争といった犯罪を、美徳を盾に自らを操るならず者政権だった。

 これら疑似民主主義国家は、実際は常に帝国主義のならず者だった。彼らの大胆な偽装は、西側諸国のプロパガンダ装置、つまり西側諸国の報道機関に容認され、今も容認され続けている。

 ベネズエラへの侵略行為で、西側メディアのプロパガンダ機能が露呈している。アメリカおよび欧州の主要メディアは、アメリカの戦争犯罪を非難する勇気を一切示していない。実際、ニューヨーク・タイムズ、 ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルといったアメリカの主要メディアは、トランプ大統領の侵略行為がニュルンベルク裁判の最高犯罪基準に該当するにもかかわらず、正当化している。

 現在明るみに出ている茶番劇の中でも特に目立っているのは、ヨーロッパ諸国の明白な従属状態だ。トランプ政権が名目上ヨーロッパ領であるグリーンランドを強制併合すると脅しても、批判や反対はほとんどない。デンマーク、イギリス、ドイツ、フランスをはじめとするヨーロッパ諸国の、アメリカという御主人への従属ぶりは哀れなほどだ。

 皮肉なことに、トランプの無謀な傲慢さは歓迎すべきものだ。なぜなら彼は欧米体制の本質を、国際法や人命や平和共存を全く尊重しない犯罪的帝国主義体制だと、知らず知らずのうちに暴露しているからだ。彼は欧米の二枚舌と、見せかけの仮面を脱ぎ捨て、少なくとも欧米体制の本質を明らかにしている。我々が目にしているのは、かつてのファシズムのように野蛮で醜悪なものだ。ヨーロッパ人は、いかに従属的存在であるかが露呈した。しかし、だからこそ彼らは危険なのだ。彼らは隷属状態の中で、帝国主義暴力に対する免責を強化しているからだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/01/09/trump-turbo-charged-rogue-regime-exposes-pathetic-european-vassals/

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 The Jimmy Dore Show
ICE Acting Out Of Control Is All PLANNED & ON PURPOSE! 24:17
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
現国際情勢理解に不可欠論評。「アメリカは中国に舞台を譲る」ラッシュ・ドシ。 歴史、18世紀インド・中国の時代から蒸気機関で英国、19世紀欧州が植民地に没頭する中、米国電化と大量生産で欧州→米国。ヴェネズエラ等米国が西半球掌握に没頭しても、今中国が科学技術開発で先行。米→中、

2026年1月12日 (月)

トランプとグリーンランドとヨーロッパが見て見ぬふりをする植民地主義



ルーカス・レイロス
2026年1月10日
Strategic Culture Foundation

 ワシントンでもコペンハーゲンのものでもない。グリーンランドはイヌイットの人々のものだ。

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 最近、ドナルド・トランプのグリーンランド併合への関心を巡る論争が再燃し、北極圏における帝国主義と主権と自決権をめぐる議論が再燃している。ヨーロッパ諸国、特にデンマークと欧州連合(EU)の反応は「アメリカ拡張主義」に対する道徳的言説に特徴づけられている。だが、この言説は、この地域におけるデンマーク自身の植民地史、すなわち、グリーンランドの正式名称カラーリット・ヌナートに暮らすイヌイットの人々に対する根深い暴力の歴史を意図的に無視している。

 最近、グリーンランドにおけるヨーロッパの植民地主義の歴史について優れた記事を、ロシアを拠点とするアイルランド人ジャーナリストのチェイ・ボウズが書いた。ボウズが述べている通り、デンマークのグリーンランド進出は、決して先住民の同意を得たものではなかった。1721年、いわゆるノルウェー人の子孫を「救出する」という宗教的名目で始まった植民地化は、たちまち文化的支配と経済的搾取のための組織的計画に発展した。ヨーロッパ人が見つからなかったため、デンマーク人宣教師たちはイヌイットを攻撃対象にし、彼らの精神的・文化的慣習を犯罪化し、伝統的社会構造を解体し、支配手段としてルター派キリスト教を押し付けた。

 1776年に貿易独占を確立したデンマークは、グリーンランドを採算の取れる天然資源拠点として扱い始め、先住民を意図的に孤立させ、依存状態に置いた。この植民地主義的論理は20世紀を通じて強まった。1953年、コペンハーゲンは国連の新たな植民地解放ガイドラインを回避するため、グリーンランドを「郡」として併合した。国際的監視が不十分だったため、イヌイット先住民の生活は益々悪夢に変わった。

 これらの政策には、デンマークで「再教育」を受けさせるために、イヌイットの子どもを拉致する悪名高い「Little Danes experiment(若きデンマーク人」実験や、デンマーク支配下の産業のために安価な労働力を生み出すことを目的として、先祖伝来の土地から共同体丸ごと都市部の集合住宅に強制移住させるといったものが含まれていた。更に深刻なのは、1960年代から70年代にかけて、人口抑制を明白な狙いとして、数千人ものイヌイットの女性や少女に、同意なしに、秘密裏に避妊具を強制したことだ。

 1979年にグリーンランドは行政上の自治権を獲得し、2009年には自治権を拡大したが、実権は依然「デンマーク王室」に集中している。外交政策や防衛や経済の大半の主要分野は、依然イヌイット統治下にない。植民地時代の犯罪を認め、責任を償うよう国際機関はデンマークに圧力をかけ続けているが進展はごくわずかだ。

 このような状況で、アメリカの潜在的な拡張主義的動きに対するヨーロッパの憤りは偽善的に聞こえる。これは、ワシントンの帝国主義的歴史の免罪を意味するものではない。先住民に対する扱いにおいて、アメリカには同様に悲惨な実績がある。だが多くのイヌイットにとって、アメリカ支配下での生活は、何世紀にもわたるヨーロッパの支配下での生活と比べて、さほど悪かったわけではないはずだ。違いは、少なくとも、アメリカは、植民地構造をそのまま維持しながら「進歩的な恩人」を装うふりはしていない。

 だが本物の代替案はワシントンにもコペンハーゲンにもない。最も首尾一貫した合理的な解決策は、自決権と、文化の復興と、領土に対する主権的支配を基盤とする独立イヌイット国家の建設だ。民族的・人種的排除ではなく、先住民族の民族解放プロジェクトとして理解されるイヌイット民族国家は、何世紀にもわたる外部支配との歴史的決裂を意味するだろう。

 暴力的紛争と、力による支配が蔓延する世界において、グリーンランド先住民の政治的意思だけで真の主権が確保できると考えるのは明らかに考えが甘い。アメリカや欧州の帝国主義と拡張主義に反対する国々、特に民族的・文化的に繋がりを持つ国々と同盟を結び、戦略的外交を展開することが必要だろう。ロシア領内にはイヌイットを含む北極圏の人々が多数居住しており、ロシアは多民族主義を尊重する歴史的経験を持っていることから、独立したグリーンランドにとって、ロシアはまさに理想的パートナーになるだろう。

 グリーンランドは、欧米諸国のライバルが取り引き材料にすべき戦略的資産ではない。植民地化やソーシャル・エンジニアリングや人口統制を生き延びてきた人々の故郷だ。「アメリカ帝国主義」を非難する前に、デンマークと欧州連合は自らの植民地時代の過去を直視すべきだ。そして、イヌイットの自決こそ真に正しい唯一の道だと認識すべきだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/01/10/trump-greenland-and-the-colonialism-europe-pretends-not-to-see/

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 Sabby Sabs ICEによる女性銃撃時のスマホ映像を紹介している。
NEW! Ice Agent Video RELEASED 23:04
 The Chris Hedges Report
The Machinery of Terror
The Trump administration is consolidating the familiar machinery of terror of all authoritarian states. We must resist now. If we wait, it will be too late.
Chris Hedges

Jan 12, 2026

2026年1月 7日 (水)

クリスマスに、裕福な「難民」が貧しいヨーロッパからウクライナに集まる理由



ソニア・ファン・デン・エンデ
2026年1月2日
Strategic Culture Foundation

 彼らはまだ故郷に帰れない難民なのだろうか?

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 ドイツとオランダの都市では怒りが沸騰している――それも当然だ。ヨーロッパが自ら招いたこの危機で、多くのヨーロッパ人がユーロを二重に数えなければならない一方、クリスマス休暇中にウクライナ人の車列が東へ向かっている。ロシアの爆弾やドローンから逃れてきたとされるこれら難民は、ドイツやオランダや他のヨーロッパ諸国から十分な経済的支援を受けているにもかかわらず、クリスマスが近づくと、彼らは突然、意気揚々と故郷へ帰ってくる。

 ポーランド・ウクライナ国境では、車が何キロにもわたり渋滞に巻き込まれる。何時間にも及ぶ待ち時間をジャーナリストは報じており、帰国者の流れは衰える気配を見せない。戦争難民として登録された家族は、クリスマスと新年の休暇を過ごすためウクライナへ帰ろうとしている。ウクライナでは空襲警報が鳴りやまないはずなのに、ミサイルやドローンへの恐怖は薄れているようだ。この矛盾は際立っている。国境交通を取材したクリストファー・ワナー記者を擁するドイチェ・ヴェレなどの主要メディアも、こうした渋滞について報じている(記事はこちらで閲覧可能)。

 更に悪いことに、ワナー報道に掲載されている車を見ると、多くはヨーロッパ人自身ももはや購入できないほど高価な車だ。ヨーロッパは政治家が引き起こした経済危機に陥っているからだ。

 彼らは、まだ戦争から逃れているのか? 祖国に帰れないはずの難民のままなのか? それとも、単にヨーロッパ納税者の負担による休暇旅行なのか? 全ての難民を徹底的に審査すべきだという声が高まっている。正当な理由もなく戦場に渡航する者が保護を請求できるはずがないと批評家は主張している。結局、主流メディアや過激化したEU政治家連中は、彼らは「プーチンの爆弾とドローン」による死に直面するはずだと主張している。

 ウクライナ旅行は、様々なパンフレットやウェブサイトで宣伝されている。国内西部は「最もカラフルでユニークなクリスマスの雰囲気」を誇っている。ある旅行サイトは、「おとぎ話のような雰囲気に浸り、古代ウクライナの伝統が現代生活にどう反映されているか実際に見てみたい方は、トランスカルパティアへのミニ旅行はいかがでしょう。ウクライナへの年末年始や冬の旅行については、 こちらをご覧ください。」と推奨している。

 いわゆるウクライナ難民は、ヨーロッパ各地に避難を求めた約650万人の人々の一部だ。主な避難先はドイツで、100万人を超えるウクライナ戦争難民がいる。ポーランドもそれに続き、現在95万人以上を受け入れている。しかし、彼らは本当に難民なのだろうか? もちろん違う。彼らの大半は、戦争のないウクライナ西部から来ている。真の難民であるべき人々は現在ロシアの一部となっているドンバス地方の人々だ。ウクライナとNATOのドローン、爆弾、ミサイルが飛び交っているのは、まさにそこだ。

 だが、2022年の住民投票以来ロシア領となっているドンバス地方の住民の大半は、最近クラスノアルメイスク(ポクロフスク)やディミトロフ(ミルノグラード)で起きたように、戦闘が近づくとロシアによって避難させられる。

 ドンバス地方から約100万人が移住、あるいは逃亡し、ロシア各地に居住している。その中には、両親を失ったり、両親を探したりしている子どもたちもいる。ヨーロッパはこれを「子どもの誘拐」と呼んでいるが、これは全く根拠のない主張だ。例えば、ドローンがクラスノアルメイスクを攻撃し、混乱の中で両親が殺害されたり行方不明になったりした場合、これらの子どもは死ななければならないのだろうか? ウクライナとヨーロッパはこれを「子どもの誘拐」と呼び、国際刑事裁判所(ICC)を通じてプーチン大統領とロシアの子どもの権利担当大統領委員マリア・リヴォヴァ=ベロヴァに逮捕状を発行した。

ヨーロッパの人々はゆっくりと目覚めつつあるが、もしかしたら遅すぎるかもしれない。彼らの国々は既に事実上、難民産業に屈服している。難民産業はヨーロッパ全土で蔓延し、日々悪化している。例えばオランダでは、次々とホテルが難民で満員になっている。しかも、多くの場合、地元の村人やホテル経営者自身の同意さえ得られないままだ。数百人しか住んでいない村が、様々な国から来た数百人の難民に押しつぶされる不条理な事態に陥ることもある。難民たちは難民同士、更には地元住民とも対立している。

 ウクライナ人に話を戻そう。彼らは今のところ爆弾やドローンのことで頭がいっぱいのようで、ただ1、2週間、それも戦争など全くないウクライナ西部に帰省しているだけだ。彼らはヨーロッパ納税者の利益を食い物にしているのだ。ヨーロッパで金を受け取った彼らは、まだ無傷のままのウクライナ西部の村や町でそれを使い果たしているのだ。

 例えば、ドイツに逃れてきたウクライナ難民はウクライナ全土から来ているが、ある調査によると、その大半(約3分の2)は首都キーウとウクライナ南部から来ており、ハリコフとオデーサが主要な出発地となっている。リヴォフは中継地点とみなされている。ドイツの公式データによると、ノルトライン=ヴェストファーレン州が最も多くのウクライナ人を受け入れている。2024年7月時点で、この地域には23万2252人のウクライナ人が居住していた。

 この地域はケルン、デュッセルドルフ、ドルトムントといった大都市で知られているが、生活は耐え難いものになっている。犯罪率の高さから立ち入り禁止区域が出現し、2016年のシリア・アレッポ陥落後、国連により移送されたアルカイダなどのテロ組織の残党、いわゆるアラブ系一族(マフィア)が多数居住している。こうした難民の混在は、二つの宗教と多くの過激派が共存するなど様々な問題を引き起こしている。本物のドイツ人は、遙か昔にこれらの地域や都市から逃げ出した。

 Xなどのソーシャル・メディアでは、ウクライナ難民のいわゆるクリスマス休暇を巡る議論が激化しつつある。クリスマスにウクライナでスキー旅行をしたウクライナ人の写真を、人々は怒りを込めて共有している。だが、EUの過激派政治家や、Bild紙のユリアン・レプケ(BND/CIA工作員とされる)などのジャーナリストは、ウクライナのほぼ全ての都市がロシアに爆撃されたと頑なに主張している。

 更に、特にEU議員連中は言辞が益々過激化している。ドイツやオーストリアのEU議員が「クソ・プーチン」といった言葉を使ったり、ロシア政治家をテロリスト、児童性的虐待者、犯罪者、マフィアの構成員呼ばわりしたりすると一般人は愕然とする。彼らの履歴書を見れば、おそらくそのような言葉遣いは教えられていないはずの有名大学卒業生たちだとわかるだろう…。

 もちろん、EU政治家と彼らに洗脳されたジャーナリストたちは、ウクライナのクリスマスは2024年から12月25日と26日に祝われると主張し続けている。だがウクライナの現実は全く違う。信者は皆が信仰深いわけではなく、これはかつての共産主義・社会主義時代の名残だ。信者の大部分はキリスト教正教会だ。

 ウクライナ正教会を信仰する人の大半(約70~80%)は伝統的にモスクワ総主教座に帰依してきた。しかし、ウクライナはモスクワ総主教座を禁止し、新たな教会を宣言した。これは、ヨーロッパのカトリック教徒がローマ教皇への敬虔な崇拝を禁じられ、例えばベルギーで突然新しい教皇が就任したようなものだ。これが最も単純な説明だ。しかし、もちろん、信者たちはモスクワやローマの信奉者であり続けている。

 更に、ウクライナは西側諸国の要請により、クリスマスを12月に移した。これは、人口の約70~80%が正教徒で、1月6日と7日にクリスマスを祝う事実と矛盾している。そのため、ヨーロッパからウクライナ西部への大規模移住が発生し、いわゆる「難民」が新年とクリスマスを祝っているのだ。

 クリスマスの時期移動や、ロシア語禁止や、ロシア正教会非合法化に加え、ウクライナはロシア人作曲家チャイコフスキーの楽曲聴取も禁止した。「チャイコフスキーはウクライナにルーツを持ち、音楽にもウクライナの影響が見られるにもかかわらず、自身をロシアの作曲家とみなしていた」と学者たちは指摘している。ウクライナ音楽アカデミーから彼の名前が削除されたのは、2022年、ロシアが特殊軍事作戦を実行したのを受けてのことだ。チャイコフスキーは、クラシック音楽の中でも特に人気の高いコンサート音楽や劇場音楽の作曲家で、バレエ『 白鳥の湖』や『くるみ割り人形』などは、ヨーロッパの多くの都市でクリスマスと新年に上演されている。気になるのは、これもヨーロッパで禁止されるのだろうかということだ。

 2025年が終わり、2026年が始まる今、ヨーロッパ人がクリスマスにいつも説く平和は、かつてないほど遠くなっているとしか言いようがない。ヨーロッパ人、つまり政治家や支持者やジャーナリストや他のイデオローグ連中は、フランスのド・ゴールやドイツのヘルムート・コール、オランダのドリス・ファン・アクトといった偉大な政治家たちでさえ信じられない思いで首を振り「人類は一体どうなってしまったのだ?」と叫ぶほど過激化している。一体どうして愚者が国民を支配するような状況になってしまったのだろう? よく言われるように「どの国にも、ふさわしい指導者がいる」。EUの無能な加盟諸国のおかげで、ヨーロッパには無能な指導者、史上最悪の指導者がいるのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/01/02/why-rich-refugees-flock-to-ukraine-from-impoverished-europe-for-christmas/

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 Wikipediaによると「伝統的にウクライナのクリスマスの祝祭は、最も信徒の多い正教会の場合はユリウス暦に準じて1月7日をクリスマスとし、1月6日に祝われるクリスマスイブから始まり、ヨルダン (Yordan) とも呼ばれる1月19日の神現祭(主の洗礼祭)に終わる。」とある。ウクライナ語ではРіздво́ Христо́ве

 一方、Wikipediaによると「ロシアのクリスマス(ロシア語: Рождество Христово 、ロシア語: Е́же по пло́ти Рождество Господа Бога и Спа́са нашего Иисуса Христа(正教会))は、イイスス・ハリストス(イエス・キリスト)の生誕を記念しロシア正教会で用いられるユリウス暦の12月25日に祝われる。グレゴリオ暦では1月7日にあたる。」

 REAL SCOTT RITTER
Ritter's Rant 068: The Battle of New York 10:54
Scott Ritter
Jan 07, 2026
 植草一秀の『知られざる真実』
無能と見なされる論評ナシ
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
中韓首脳会談:ロィター「両国関係“新たな段階”。首脳会談で15の協定に署名。中国と韓国の企業は9つの協力協定に調印」、東亜日報「毎年会うことで一致」。 習主席はこの日の会談で「両国が歴史的に正しい側に立って正しい戦略的選択をしなければならない」と強調

2026年1月 1日 (木)

欧州のパニック経済:資産凍結と空の兵器庫と静かな敗北の告白

ジェリー・ノーラン
2025年12月24日
Ron Paul Institute for Peace and Prosperity



 「来年はもっとひどい状況になるから休むように」と首相が職員に告げるのは:ただの「絶望的状況で発せられるユーモア」ではない。疲弊した発言でもない。それは内部予測がもはや公式筋書きと一致しなくなった時にリーダーが発する、いわば「仮面を脱ぐ」発言だ。

 ジョルジャ・メローニは有権者に語りかけていたのではない。彼女は国家そのもの、つまり、もはや隠蔽不可能な結果をもたらす決定を下す任務を負う官僚機構の中核に語りかけていたのだ。彼女の言葉は、平凡な仕事量の増加ではなく、制約について、限界についてだった。危機管理から管理された衰退へ移行し、2026年に蓄積された経費負担がついに衝突するのを承知しているヨーロッパについてだった。

 メローニが口を滑らせたのはヨーロッパのエリート連中が既に理解していることだ。ウクライナにおける欧米プロジェクトは物質的現実に真っ向からぶつかっている。ロシア・プロパガンダでも偽情報でもポピュリズムでもない。鉄鋼、軍需品、エネルギー、労働力、時間。そして物質的現実が自らを主張するようになると同時に正当性は失われ始める。

 ヨーロッパには、まかなえない戦争

 ヨーロッパは戦争態勢を整えることはできるが、戦争のための生産はできない。

 激烈な消耗戦が始まって4年、アメリカと欧州は数十年もの間忘れてきた真実に直面している。この種の紛争は、芝居がかった演説や制裁、あるいは外交放棄では持続できない。砲弾、ミサイル、訓練された兵員、修理サイクル、損失を上回る生産率により、しかも何ヶ月も途切れることなく持続的に持続させられるのだ。

 2025年までに、このギャップはもはや理論上のものではなくなっている。

 現在ロシアはNATO加盟国全体の生産量を上回る規模で砲弾を生産しており、欧米諸国当局者自身もその生産量を認めている。ロシア産業界は、集中調達、簡素化されたサプライチェーン、国家主導の生産体制により、戦時体制に近い継続的生産体制(完全動員体制ではないものの)に移行している。推定によると、ロシアの砲弾生産量は年間数百万発に達する。これは生産が約束されているのではなく、既に生産が始まっている段階だ。

 対照的に、2025年を、ヨーロッパは物理的に決して達成不可能な目標を掲げて過ごしてきた。欧州連合(EU)の目玉は依然年間200万発の砲弾発射という公約だが、この目標達成には新たな施設、新たな契約と、新たな労働力の投入が不可欠で、戦争終結の決定的局面までに完全に実現することはないだろう。仮にこの夢の目標を達成できたとしても、ロシアの生産量と肩を並べることはないだろう。アメリカは、緊急増産後、フル稼働が実された場合、年間約100万発の砲弾発射を見込んでいる。机上だけで欧米諸国の生産量を合わせても、ロシアの既存生産量に匹敵するに至らない。まさに張り子の虎だ。

 これは乖離ではなく、速度大きな不一致だ。現在ロシアは、大規模生産を行っている。ヨーロッパは将来的に大規模生産能力を再構築することを夢見ている。

 そして、時間は認めることができない唯一の変数だ。

 欧州の空洞化した能力をアメリカは簡単には補えない。ワシントンも自らの産業上のボトルネックに直面している。パトリオット防空迎撃ミサイルの年間生産台数は数百台程度である一方、需要はウクライナ、イスラエル、台湾と、アメリカの備蓄補充に同時に及ぶ。この不一致は早急には解決できない、あるいは解決できないと国防総省高官も認めている。米海軍の造船業も同様状況にある。潜水艦と水上戦闘艦の計画は、労働力不足、造船所の老朽化、実質的な拡張が2030年代まで延期される経費超過により、計画から何年も遅れている。産業的にアメリカが欧州を支援できるという想定は、もはや現実に即していない。これは欧州だけの問題ではなく、欧米諸国全体の問題だ。

 工場なしの戦時体制

 欧州の指導者連中は「戦時体制」を、あたかも政治的姿勢であるかのように語る。しかし実際は、それは産業的条件で、欧州はそれを満たしていないのだ。

 新たな砲兵製造ラインが安定した生産能力に達するには何年もかかる。防空迎撃ミサイル製造は、大量生産ではなくバッチ生産という長いサイクルで行われる。爆薬のような基本的原材料でさえ依然ボトルネックになっており、数十年前に閉鎖された施設がようやく再開されたばかりで、中には2020年代後半まで生産能力に達しない見込みのものもある。

 日付さえもが自白だ。

 一方、既にロシアは戦時体制に近いペースで活動している。ロシアの国防部門は、毎年数千台の装甲車両、数百機の航空機やヘリコプターと膨大な数のドローンを配備している。

 ヨーロッパの問題は概念的なものではなく、制度的なものだ。ドイツが誇った「ツァイテン・ヴェンデ」は、これを容赦なく露呈させた。数百億ドル規模の予算が承認されたものの、調達のボトルネック、契約の断片化や、サプライヤー基盤の衰退により、納品は建前より何年も遅れてしまった。ヨーロッパで最も有能な兵器生産国としばしば称されるフランスは、より高度なシステムを製造できる。だが消耗戦では数千単位の兵器が必要になるのに対し数十単位という小規模な量しか生産できない。EU自身の弾薬供給加速化構想でさえ、前線では数週間で砲弾が消費される一方、机上の空論で生産能力は拡大した。これらはイデオロギー的失敗ではなく、行政的、産業的失敗で、圧力により悪化していく。

 違いは構造的なものだ。西側諸国の産業は株主の効率性と平時の利益率を最適化してきた。ロシアの産業は、圧力に耐えられるよう再編されてきた。NATOは支援策を発表する。ロシアは納入実績を数える。

 2100億ユーロの幻想

 この世界の現実は、凍結資産問題がなぜそれほど重要だったのか、そしてなぜ失敗したのかを説明している。

 欧州指導部がロシアの凍結資産接収を追求したのは、法的な創造性や道徳的明晰さからではない。時間が必要だったためだ。欧米諸国の産業基盤では戦争を継続できないのを認めたくない時間。生産を財政に置き換える時間。

 12月20日、約2,100億ユーロ相当のロシア資産を差し押さえようとする試みが、法的リスク、市場への影響や、ベルギー主導の抵抗や、全面的没収にイタリア、マルタ、スロバキア、ハンガリーが反対する動きにより頓挫した。欧州は、質の低い代替案、すなわち2026~27年度のウクライナ向け900億ユーロの融資(年利30億ユーロ)に甘んじ、欧州の将来を差に担保にした。これは戦略ではなく、トリアージで、既に弱体化していたEUを更に分裂させた。

 完全没収は、金融の管理者としての欧州の信頼性を一挙に失墜させるはずだった。恒久的資産凍結は爆発は避けられるものの徐々に悪化していく。資産は無期限に凍結されたままで、これは経済戦争の常態で、欧州に保有されている準備金は条件付きで、リスクに見合うものではないというメッセージを世界に送る。欧州は法的決裂より評判低下を選んだ。この選択は強さではなく、恐怖を露呈している。

 バランスシート戦争としてのウクライナ

 より深い真実は、ウクライナはもはや主として戦場の問題でないことだ。支払い能力の問題なのだ。ワシントンはこれを理解している。アメリカは恥辱には耐えられる。しかし、期限のない負債をいつまでも負担できない。出口が模索されているのだ。静かに、不均衡に、修辞的な言い訳を交えて。

 戦争の必要性をヨーロッパは認められない。ヨーロッパは、戦争を、実存的、文明的、道徳的な問題として位置づけ、妥協、宥和、交渉、降伏を宣言した。そうすることで、自らの退路を消し去ってしまったのだ。

 今、その代償は、いかなる論拠も覆すことのできない領域、すなわち欧州予算、欧州エネルギー料金や欧州産業や、州の政治的結束に降りかかっている。900億ユーロ融資は連帯の証しではない。衰退の証券化で、債務を正当化するために必要な生産基盤が侵食され続ける中、債務を繰り延べる行為だ。

 メローニはそれを知っている。だからこそ彼女の口調は反抗的ではなく、むしろ疲れた感じだったのだ。

 パニック管理としての検閲

 物質的制約が強まるにつれ言論統制も強化される。EUデジタル・サービス法の強引な施行は、安全確保のためではない。まさにオーウェル的封じ込め策だ。もはや公開会計に耐えられないエリート層の合意の周囲に情報境界を構築するのだ。市民が冷静に、更に冷静さを失い、容赦なく「これは一体何のためだったのか?」と問い始めると、正当性という幻想は瞬く間に崩れ去る。

 だからこそ、規制圧力は今やヨーロッパ国境を越え、管轄権と言論を巡る大西洋横断摩擦を引き起こしているのだ。自信ある体制は対話を恐れない。脆弱な体制は対話を恐れる。ここでの検閲はイデオロギーではなく、保険だ。

 脱工業化:暗黙の裏切り

 欧州はロシアに制裁を課しただけではない。自分の産業モデルにも制裁を課したのだ。

 2025年までに、欧州産業界はアメリカやロシアの競合相手を遙かに上回るエネルギー費用を支払い続けることになるだろう。その原動力であるドイツでは、エネルギー集約型製造業が継続的に縮小している。化学、鉄鋼、肥料、ガラス生産は停止または移転を余儀なくされた。イタリアや中欧の中小企業は表沙汰になることなく、静かに倒産の危機に瀕している。

 これが、欧州が必要な弾薬供給量を確保できない理由だ。再軍備が、条件ではなく約束のままである理由だ。安価なエネルギーは贅沢品ではなく基盤だった。自滅行為(ノルドストリーム爆破など)により、それを放棄すれば構造は空洞化する。

 こうした状況を見守る中国は、ヨーロッパにとっての悪夢のもう半分を握っている。戦時体制には踏み込まず、世界最深の製造拠点を擁している。ロシアは中国の広大さではなく、背後に控える戦略的奥深さを必要としている。ヨーロッパにはそのどちらもない。

 メローニが本当に恐れていること

 ハードワークでも、多忙なスケジュールでもない。彼女が恐れているのは、2026年にヨーロッパのエリート層が三つのものを同時に失うことだ。

 お金 — ウクライナへの資金提供がEUのバランスシートの問題になり、「ロシアが支払う」という幻想に取って代わる。

 言説 — 検閲が強化されても、大陸中に響き渡る疑問を抑えられず「 これは一体何のためだったのか?」

 同盟の規律。離脱に向けてワシントンが動き出す一方、ヨーロッパは費用とリスクと屈辱を吸収する。

 それがパニックだ。一夜にして戦争に負けるのではなく、エネルギー料金や、閉鎖された工場や、空の兵器庫や、担保にされた先物を通して現実が漏れ出すにつれ徐々に正当性を失いつつある。

 深淵に陥った人類

 これは単なるヨーロッパの危機ではない。文明全体の危機なのだ。生産も補充もできず、真実を語ることもなく、信頼を失わずに撤退することもできない体制は限界に達している。指導者連中が自らの制度を、今後のより困難な時代に向け準備し始める時、彼らは不都合を予測しているのではなく、構造を譲歩しているのだ。

 メローニ発言が重要だったのは、それがパフォーマンスを貫いたからだ。帝国は勝利を声高に宣言する。衰退する体制は静かに、あるいはメローニの場合、声高に期待を低下させている。

 今、欧州指導部が期待を引き下げているのは、倉庫に何が保管されているのか、工場がまだ何を供給できないのか、債務曲線がどのようなものか、国民が既に理解し始めているのを知っているためだ。

 ほとんどのヨーロッパ人にとって、この清算は戦略やサプライチェーンに関する抽象的議論として訪れるものではない。それは遙かに単純な認識として訪れる。これは彼らが決して同意した戦争ではなかった。彼らの故郷や繁栄や未来を守るために戦われたのではない。帝国への貪欲さのために戦われ、彼らの生活水準と産業と子どもたちの未来が犠牲になったのだ。

 それが存在に関わることだと彼らは告げられた。他に選択肢はない、犠牲は美徳だと告げられた。

 だがヨーロッパの人々が望んでいるのは、終わりのない動員や永続的緊縮財政ではない。彼らは平和を求めている。安定を求めている。彼らが求めているのは繁栄という静かな尊厳、手頃な価格のエネルギーと、機能する産業と、彼らが同意していない紛争に縛られることのない未来だ。

 そして真実が明らかになった時、恐怖が薄れ呪縛が解けた時、ヨーロッパ人が問う疑問は技術的なものでも、イデオロギー的なものでも、修辞的なものでもなくなる。

 それは人間的なことだ。なぜ我々は、決して同意したことのない戦争のために全てを犠牲にさせられ、追求する価値のある平和などないと言われたのか? これがメローニを夜も眠れないほど悩ませているのだ。

著者:ジェリー・ノーラン

 ジェリー・ノーランは、地政学、安全保障問題、世界の力の構造的ダイナミクスを専門とする政治評論家、ライター、ストラテジスト。戦争、外交、経済的国家運営、加速する多極化世界への変化を分析する独立メディア・プラットフォーム「The Islander」の創設者兼編集者。

記事原文のurl:https://ronpaulinstitute.org/europes-panic-economy-frozen-assets-empty-arsenals-and-the-quiet-admission-of-defeat/

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 よく行くそばやで、夕方早めに年越しそばを食べた。そのあとで、たまたま店の前を通ったところ15人ほど店の前で並んでいた。中を覗いたところ満員だった。持ち帰り用「年越しそば」を店頭で販売していたが、これも残りわずかだと店主は言っていた。

 地元神社に初詣で出掛けたが、100m以上の待ち行列。あきらめた。

 ≪櫻井ジャーナル≫
ロシアとの戦争で窮地に陥ったヨーロッパは2026年を乗り越えられるのか?

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