NATO

2018年5月23日 (水)

Facebookと北大西洋理事会提携。ソーシャル・メディアの巨人、今やNATO方針を推進

Bryan MacDonald
公開日時: 2018年5月19日 15:29
RT

 Facebookと北大西洋理事会提携。今やソーシャル・メディアの巨人はNATOの方針を推進
NurPhoto / Getty Images

 Facebookは、民主的プロセスを守るために 兵器メーカーやアメリカ軍の各部門や中東の君主国が資金提供しているシンク・タンクと組んだのだ。消防隊を運営するのに、放火犯を雇うようなものだ。

 もしFacebookが、本当に“世界中の民主主義と選挙を守り”たいのであれば、同社が活動している国々からの広範で様々異なる専門家や活動家の幅広い連合を構築するはずだ。ところが、アメリカのソーシャル・メディア巨大企業は、課題をNATOのプロパガンダ部隊に外注したのだ。

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 十分な知識がない方々のために説明すると、北大西洋理事会は、アメリカが率いる同盟の主要支持団体として動いている。その手法は、むしろ単純だ。北大西洋理事会は、NATOの方針に同調する様々な活動家に、給付金や、にせの学術的肩書きを与えるのだ。こうして、ロビイストは“特別研究員”や“専門家”となり、一方北大西洋理事会は、この組織に雇われた連中がすぐ言ってくれる発言や、無料論説を頼りにすることが多い欧米マスコミが(あるとしても) めったに異議を申し立てない中立の装いを作りあげるのだ。

 もともと倫理的にうさんくさかったとはいえ、その事実上の独占的地位を考えれば、Facebookの最近の動きははるかに陰険だ。今やFacebookは、ロシア国内でのテロ攻撃を提案し、ロシアが資金を出しているマスコミに、アメリカ合州国内の“外国代理人”としての登録を強制するよう要求した“シンク・タンク”に直結しているのだから。

 よろしいだろうか? NATOと、自分たちの生計と地位をNATOに依存している連中にとって、これは夢に見たシナリオなのだ。今や、北大西洋理事会は、情報空間において、Facebookという犬を振り回す尻尾となる完璧な位置にあるのだから。

新鮮な地獄

 木曜日、ソーシャル・ネットワーク企業は“困難な問題に革新的な解決策を見いだす上で、輝かしい評判のある北大西洋理事会と新たな提携を始めることを、大いにわくわくしている”と発表した。同社はさらに、世界中で出現する脅威や虚報キャンペーンをリアル・タイムで見抜き、更新”するため、北大西洋理事会のデジタル科学的犯罪捜査研究所(DFRL)の“専門家”は、Facebookの“セキュリティー・政策・製品チーム”と“緊密に連携する予定だとも述べた。

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 もしFacebookが、民主主義の様々な利害関係者で構成される多様な集団を招集していたのであれば、この種の言説も結構だろう。だが“選挙や、他の極めて重要な場面での”“偽情報や外国による干渉”を取り締まり、“国民や市民団体の教育支援”にも活動するために、明らかに偏向した相手を選ぶことによって、マーク・ザッカーバーグのチームは、同社を、本質的にアメリカ軍基本方針の道具に変えたのだ。

 一体誰が北大西洋理事会に資金提供しているか見てみよう。援助資金供与者の中には、ロッキード・マーチン、ボーイングやレイセオンなど全て、直接ロシアと中国のような大国との緊張で儲ける軍事産業がいる。一方、NATO自身に加え、アメリカ国務省による支払いや、アメリカ空軍、陸軍、海軍と海兵隊からの心付けもある。

 他の主要な資金提供者には、もちろん絶対君主制のアラブ首長国連邦政府もある。なるUAEの現金が、アブダビ国営石油会社やクレセント・ペトロリアム経由で入る。負けてはならじと、自由で名高いわけではないモロッコも、相当な資金を投入している。

明かな偏向

 ここには、Facebookのやり方固有のばかばかしさがある。同社は、民主主義の敵や欧米の選挙への外部からの悪意ある影響にまつわるヒステリーをあおり立てることで恩恵を受ける組織から資金提供される活動家に、支配権を、本質的に引き渡したのだ。当然、アメリカ自身、かなりの水をあけて、最大の選挙介入者であることを忘れてはならない。

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 しかも、木曜日の発表に関する欧米マスコミ報道の情報不足は憂慮すべきで、CNNやワシントン・ポストやBBCやニューヨーク・タイムズなどの大手は (どの社も北大西洋理事会ロビイストを、ゲストや“専門家”やアナリストとして頻繁に起用している) 事実上、話題を無視した。そして、CNETやThe Hillなど、報道したマスコミは、このシンク・タンクの基本方針に触れそこなっている。特に、有力なメディア雑誌、Adweekは、このロビー集団を、“無党派”と表現して、記事を書き出している。

 ワシントンから見れば、無党派というのは、民主党も共和党も支持していないことを意味するかもしれないが、アメリカ以外の世界の国々にとって、北大西洋理事会は、明らかに党派的だ。北大西洋理事会は、NATOを通して、アメリカ外交政策の目標を、特にヨーロッパで宣伝するために存在しているのだから。

 そう、敵としてのモスクワがなければ、NATOは存在を停止するということを明確にしておこう。つまりロシア中傷は、北大西洋理事会にとって、存在に関わる問題なのだ。

 結果として、Facebookの新たなパートナーは、モスクワが欧米の選挙に干渉しているという印象を作り出すことに既得権益を持っているのだ。実際、ロシア内での、この会社の浸透率を考えると、ロシア自身の選挙に干渉できる力さえ持っているのだ。金曜日の進展に不安を感じているように見えるモスクワの当局者たちは、これを見逃してはいない。

 一体なぜ北大西洋理事会が選ばれたのだろう? そう、先月、マーク・ザッカーバーグは、アメリカ下院で、厳しい尋問の対象になったばかりだ。NATO自身のプロパガンダ機関の労働者を、事実確認担当者として雇う以上に、ワシントン支配体制の恐怖を和らげるのよよりよい方法があるだろうか?

 本コラムの主張、見解や意見は、専ら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

 ブライアン・マクドナルドは、ロシアを本拠とするアイルランド人ジャーナリスト。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/427207-facebook-atlantic-council-nato/
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このソーシャル・ネットワークだけに限らないが、個人的に、ほとんど利用していない。気味が悪いので。こうしたものの怪しさ、マクチェズニー教授のインタビューやご本で、重々聞かされている。もちろんネット巨大販売店も使わない。

2016年7月27日に、Paul Craig Roberts氏の記事「軍安保複合体の営業部隊、北大西洋理事会」を翻訳してある。

今回の提携を批判的に解説している報道に、Sputnik記事がある。NATO's 'Marketing Arm' Partners With Facebook to Crack Down on Alternative Media

2013年7月12日に、デモクラシー・ナウの下記インタビューを訳した。

投稿後も、繰り返し読んでいる。マクチェズニー教授の本、なぜか日本語翻訳がない。ソーシャル・メディアや検索エンジンについて、鋭い批判をしておられるのに残念。
昨日、下記のIWJインタビューを拝見して、益々絶望的になった。こういう重要な情報を一切国民に知らせないまま、与党・大本営広報部連合は、壊憲賛否を問う国民投票にもちこむ。そして、連日24時間洗脳する。結果はあきらかだろう。大半の豚は、進んで、屠殺者提案に賛成投票する。

いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー 2018.5.21
これから下記インタビューを拝見する。

 

IWJ Independent Web Journal - 岩上安身責任編集

 


2018年5月16日 (水)

プーチンの戦略がとうとう機能しはじめたのか?

2018年5月14日
Paul Craig Roberts

ロシアは道理をわきまえているが、ワシントンはわきまえておらず、ロシアは、ヨーロッパの利益や主権にとっての脅威ではないが、ワシントンは脅威であることをヨーロッパに伝えようという戦略として、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、欧米の挑発に対し、もう一方の頬を差し出すというキリスト教の教えを実践していると私は説明している。イスラエルの言いなりになって、多国間イラン核不拡散合意から脱退したことで、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、プーチン戦略の成功をもたらした可能性がある。

ワシントンの主要ヨーロッパ属国三国、イギリスとフランスとドイツは、トランプの一方的行動に反対している。トランプは、多国間合意は、もっぱらワシントンにかかっているという考えだ。ワシントンが合意を放棄すれば、それで合意は終わりなのだ。他の合意当事者が何を望もうと無関係なのだ。結果的に、トランプは、イランとの事業を認めない過去の経済制裁を再度課し、追加の新たな経済制裁も課すつもりだ。もしイギリスとフランスとドイツが、イランと結んだ事業契約を継続すれば、ワシントンは、これら属国諸国を制裁し、イギリス、フランス、ドイツのアメリカ国内での活動を禁止する。明らかに、ワシントンは、アメリカ国内におけるヨーロッパの利益の方がイランで得られる利益より大きく、属国諸国は過去そうしてきた通り、ワシントンの決定に共同歩調をとるはずだと考えている。

そうなるかも知れなかった。しかし今回は反発された。強い言葉だけでなく、ワシントンと絶好することになるのかは、様子を見てみないとわからない。トランプのネオコン、親イスラエル派国家安全保障担当補佐官のジョン・ボルトンは、ヨーロッパ企業に、イランにおける事業取り引きを破棄するよう命じた。トランプのドイツ大使、リチャード・グレネルは、ドイツ企業に、即座にイラン内の事業を停止するよう命じた。ヨーロッパに対するいじめと、ヨーロッパの利益と主権をアメリカが露骨に無視したことで、ヨーロッパの長年の隷属が、突如あまりに明白な、居心地が悪いものになってしまったのだ。

これまでワシントンの忠実な傀儡だったドイツのアンゲラ・メルケル首相が、ヨーロッパは、もはやワシントンを信じることはできず、“自分たちの運命は自らが決める”べきだと述べた。https://www.msn.com/en-us/news/world/merkel-europe-can-no-longer-rely-on-us-protection/ar-AAx4AwV

欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長は、ワシントン指導部は破綻しており、EUが指導的役割を引き継ぎ、“アメリカ合州国に取って代わる”べき時期だと述べている。様々なフランスやドイツやイギリス政府閣僚も、こうした感情を表明している。

ドイツのニュース誌デア・シュピーゲルの特集記事は“さよなら ヨーロッパ”で、表紙は、突き立てた中指がトランプで、ヨーロッパを侮辱している。https://www.rt.com/news/426550-spiegel-trump-cover-iran/ 同誌は“ヨーロッパが、レジスタンスに加わる時期”と主張している。

ヨーロッパ政治家連中は隷属することに対し、たんまり見返りをもらっているとは言え、彼らも今では、これは、それに値しない不愉快な負担だと考えている可能性がある。

挑発に挑発で応えることを拒否しているプーチンの徳は尊敬するが、プーチンが、挑発をそのまま受け入れてしまうことが、戦争か、ロシアの屈伏が唯一の選択肢になるまで、激しさを増す、更なる挑発を促進してしまうが、もしロシア政府が、挑発に対して、より攻撃的な姿勢をとれば、ワシントンに対するその従順さが、挑発を可能にさせていたヨーロッパ人に、挑発の危険と代償をもたらしかねないという懸念を私は言ってきた。今や、どうやら、トランプ本人が、ヨーロッパ人に、この教訓を与えたように見える。

シリア軍が、シリア政府を打倒するために、ワシントンが送り込んだテロリストをシリアから掃討するのを、ロシアはこれまで数年支援してきた。とは言え、ロシア/シリアの同盟にもかかわらず、イスラエルは、シリアに対する違法軍事攻撃を継続している。もしロシアがシリアにS-300防空システムを売っていれば、こうした攻撃は止められたはずだ。

イスラエルは、シリア攻撃を続けたがっており、アメリカは、シリアが攻撃され続けるのを望んでいるので、イスラエルとアメリカは、S-300防空システムを、ロシアがシリアに売るのを望んでいない。そうでなければ、ワシントンはイスラエルに攻撃をふめさせているはずだ。

シリアを攻撃するため、イスラム主義代理部隊をワシントンが送り込む数年前、ロシアは、シリアに最新の防空システムを売ることに同意したが、ワシントンとイスラエルに屈して、防空システムを売っていない。現在、ネタニヤフ・ロシア訪問の直後、再びプーチン側近のウラジーミル・コジンが、ロシアは最新の防空システムをシリアへ提供することを控えると述べている。

ワシントンの侵略政策にヨーロッパを同調するよう引き込むのに利用しかねない口実を、ワシントンに与えないよう、そうしなければならないと、おそらく、プーチンは考えているのだ。とは言え、こういう見方をしない人々にとっては、またしても、ロシアは、弱々しく、同盟国を守るのを嫌がっているように見えてしまう。

シリアやイランとの和平合意を売り込む上で、ネタニヤフに対して何らかの影響力があると、もしプーチンが考えているのであれば、イスラエルや、中東における、ワシントンによる17年間の戦争の意図を、ロシア政府は全く理解していないのだ。

プーチン戦略が機能することを願っている。もし、そうでなければ、彼は姿勢を、挑発の方向に変えなくてはならなくなる。さもないと、連中は戦争を引き起こすだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/14/putins-strategy-finally-beginning-work/
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岸井成格氏が亡くなられた。

アメフットの卑劣な暴行。スポーツは、健全な精神と無縁かも知れないと、運動神経皆無ゆえに妄想してしまう。幸いなことに、知人が入れ込んでいるスポーツでは、不祥事をほとんど聞かない。

「健全な精神は健全な肉体に宿る」という言葉、運動能力が欠如していものにはつらい。
正しくは『健全な精神は健全な肉体に宿れかし』だというのを昔読んで安心した。
つまり「健全な精神は健全な肉体に宿るよう願われるべきである。」なのだ。

若い頃、ラテン語原文の前半分を省いて暗記していた。mens sana in corpore sano

ラテン語原文
orandum est ut sit mens sana in corpore sano.

英語訳
You should pray for a healthy mind in a healthy body.

先日の国会討論、田村智子議員の追求が傑出していた。回答のあまりのひどさに、苦笑されていた記憶がある。自眠やら、異神やらのよいしょ茶番は音声を消して、翻訳をしながら、横目で画面を眺めていて、彼女の質問時には、あわてて音声を入れる。精神衛生を維持するのは、なかなか忙しい。

日刊IWJガイド・番組表「イスラエル建国70年という『悲劇』の日、奪われた故郷へ帰りたいという非武装のパレスチナ人の叫びに、イスラエル軍が銃撃で応じるという暴挙! 死者58人、負傷者は2700人以上も/米朝会談の会場はマリーナベイ・サンズが最有力!? オーナーは、イスラエルの極右シオニスト新聞の経営者シェルドン・アデルソン!/【加計学園疑惑】国家戦略特区WGに、都合の悪いものは消し、検証もさせない『暗闇のルール』!? 山本幸三地方創生担当相(当時)が告示の2ヶ月以上前に、京都府に『一校しか認められない』と伝え断念するよう説得! 日本共産党・田村智子議員が当日の面談記録を入手!!/
平和か戦争か!? 運命の前夜の韓国へIWJ記者を特派!十夜配信シリーズ特集・第八夜~ムン・ジェイン政権への失望と希望!キャンドル革命で決定的役割を果たした『民主労総』キム・キョンジャ氏に聞く」2018.5.16日号~No.2071号~

2018年5月14日 (月)

スクリパリ親子は決して話すことを許されない可能性が高い

The Vineyard of the Saker
2018年5月11日

[本コラムはUnz Review向けに執筆したもの。]

今週は、プーチンがメドベージェフを首相に再任命し、ビビ・ネタニヤフが訪問直前、ロシア同盟国シリアを爆撃したにもかかわらず、彼を戦勝記念日パレードでモスクワに招待したことを含め大きな進展があったが、全て良くないものだった。モスクワに着くや否や、ネタニヤフは、イランを何とナチス・ドイツになぞらえたのだ。実に独創的で深遠だ! 更に彼はモスクワ滞在中に、二度目のシリア爆撃を命じたのだ。だが、日本の首相に特注の靴で食事を出すのが適切だと考えるような自己崇拝するうぬぼれ屋から他に一体何が期待できよう? この男は明らかに目茶苦茶に狂っている(だからといって、彼のあくどさや危険性が減じるものではない)。しかし、実にうんざりするのはロシアの対応だ。皆無、全く皆無なのだ。他の人々と違い、シリア(あるいはイラン)をイスラエルから“守る”のはロシアの責任ではないと、私ははっきり述べている。しかし、ネタニヤフがあからさまにプーチンを軽蔑し、プーチンがそれを受け入れたと、私は心の中で確信している。私はプーチンを大いに尊敬しているが、今回彼は、トランプがマクロンを扱ったように、ネタニヤフが彼を扱うのを許したのだ。プーチンの場合、自国の首都でそういう扱いを受けたという違いはある。それで事態は一層ひどくなる。

[興味深いことに、“ナチス・イラン”に関してぐずぐず泣き言を言いながら、ネタニヤフは、実に核心を突く、真実を語ったのだ。彼はこう言った。“重要な歴史の教訓は、残忍なイデオロギーが現れたら、人は手遅れになる前にと闘わなければならないということだ。”これは、イスラエルと、そのシオニスト・イデオロギーに関し、実際、まさに世界中の大半の人々が感じていることだが、悲しいかな、彼らの声は、彼らを支配する連中に完璧に無視されている。だから、そう確かに私には“手遅れ”になりつつあるように見え、我々の集団的臆病さの結果として、わがシオニスト最高君主について、ありのままの真実を語ることを我々の大半が完全に恐れており、我々は途方もない代償を負担することになるだろう。]

そして、もちろん、イランが完全順守しているにもかかわらず、またアメリカには、この多国間合意から一方的撤退する権限がない事実にもかかわらず、いわゆる包括的共同作業計画 (JCPOA) から脱退するドナルド・トランプがいる。誇大妄想狂で、言うまでもなく、イスラエル・ロビーの意気地のないお先棒かつぎトランプは、これらをすべて無視し、アメリカと、アメリカが、狂気じみたイスラエル追随で、アメリカ支持を強いようとして、今恐喝し、いじめるだろう世界の他の国々の間に、更なる緊張を作り出した。イスラエルについて言えば、彼らの“高度な”“戦略”は極端なまでに粗野だ。まずトランプに、イランと最大の緊張を作りださせ、更に出来るだけ露骨かつ傲慢に、シリア国内のイラン軍を攻撃して、イランを報復するようおびき出し、そこで“あらまあ!!!”とわめき、声の限りに何度かホロコーストに触れ、“600万人”という人数を投げ入れ、アメリカにシリア攻撃をさせるのだ。

人々が、一体どうしてイスラエルを尊敬、まして称賛できるのかは理解を超えている。イスラエル以上に、より卑劣で、腹黒く、反社会性人格障害の誇大妄想症悪党集団(意で気地なし)を私は思いつくことができない。あなたは思いつけるだろうか?

とは言え、シオニストが、同時に、一国ではなく、二つの(そう思われている)超大国を彼らの要求への屈伏を強いる十分な力をもっていることは否定しようがないように見える。それだけでなく、彼らには、この二つの超大国をお互い、このままでは紛争に突入する路線を進ませながら、そうさせる力があるのだ。少なくとも、これは二つのことを示している。アメリカ合州国は今や完全に主権を失い、今やイスラエル保護国だ。ロシアについては、そう、比較的良くやっているが、ロシア国民が投票で、圧倒的なプーチン支持を示した際の、完全な再主権化は実現しなかった。ロシアのチャットで読んだ、あるコメントにはこうあった。“Путин кинул народ - мы не за Медведева голосовали”翻訳すれば、“プーチンは国民を裏切った - 我々はメドベージェフに投票していない”。“国民を裏切った”が公正な言い方かどうか確信はないが、彼が多くの国民を失望させた事実は実に明白だと私は思う。

現時点で、何らかの結論を出すにはまだ早過ぎ、余りに様々な未知の変数があるが、プーチンの基本的政策に関する大きな疑念で、4年間で初めて、私は非常に懸念していることを認めよう。私は自分が間違っていることを望んでいる。比較的すぐにわかるだろう。それが大戦争という形でないことを願うばかりだ。

とりあえず、スクリパリ事件に再度焦点を当ててみたい。私が当初無視したが、実に気がかりなことになった極めて奇妙なことが一つある。イギリスが、セルゲイとユリア・スクリパリを明らかに監禁している事実だ。言い換えれば、二人は拉致されているのだ。

ユリア・スクリパリと従妹のヴィクトリアはたった一度の電話通話しかしておらず、その中で、ユリアは、自分は大丈夫だと言った(彼女がヴィクトリアを安心させようとしていたのは明らかだった)が、彼女が自由に話せなかったのは明らかだった。しかも、ヴィクトリアがユリアに会いに行きたいと言うと、ユリアは‘誰もあなたにビザを発給しない’と答えた。その後は、完全な沈黙だ。ロシア領事館は、面会できるよう無数の要求を行っているが、以来、イギリスがしたことと言えば、ロンドン警視庁に、ユリアによって書かれたものではないことが明らかな書簡を投稿させたことで、そこにはこうある。

    “私は友達や家族と連絡できますし、ご親切に、何であれ、できる限りの支援を申し出て下さったロシア大使館の具体的な連絡先も承知しています。当面彼らの支援を受けたいとは思っていませんが、考えが変わった場合、彼らとどう連絡をとるか分かっています。”

一体どういうお友達だろう?! 一体どういう家族だろう?! くだらない!

従妹は公式ルートを含め様々な経路で何度も連絡しようとしたが、全く絶望して、
彼女は下記メッセージをFacebookに投稿した。

    “親愛な従妹、ユリア! あなたは私たちと連絡をせず、あなたとセルゲイ・ヴィクトリビッチについて、私たちは何もわかりません。あなた方の承認無しで、あなたがたのことに干渉する権利がないのは分かっていますが、大変心配です。あなたと、あなたの父親のことが心配です。ヌアルのことも心配です。[ヌアルは、イギリス旅行中、ペットホテルに預けておいたユリア・スクリパルの飼い犬]。ヌアルは今ペットホテルにいて、支払いを要求されています。彼をどうするかを決めなければなりません。あなたが帰国するまで、私には彼を引き取って面倒を見る用意があります。ヌアルに加えて、あなたのアパートと自動車も気になっています。この二つの安全と維持について何も決まっていません。私たちが面倒を見てあげることはできますが、私か妹レーナの名前で、あなたの委任状が必要です。もしこうしたものが大切と思われたなら、どこの国であれ、ロシア領事館で委任状を書いてください。もしあなたがそうしなければ、それまでで、あなた方には干渉しません。
    ヴィーカ“

何の返事もない。

グーグルで、 “スクリパリ”という言葉で検索してみた。4月10日には、彼女が病院から退院したという記事があった。それが見つかった最新記事だ。Wikipediaも見てみたが、全く同じで、本当に何もないのだ。

最初にロシアの不平を聞いた際、これは大したことではないと思ったことを認めなければならない。“イギリス人は、スクリパリ親子に、プーチンが二人を毒ガス攻撃しようとしたと言い、二人はたぶん恐れており、たぶん何であれ、二人の体調を悪くしたもののおかげで、まだ具合が悪いのだろうが、イギリス人は、二人の外国人を、決して公然と拉致することはせず、まして、これほど公式な形では、そうするまいと私は考えていた。”

もはや、そういう確信はない。

まず、明らかなことを排除しよう。スクリパリ親子の身の安全に関する懸念だ。これは全くのたわごとだ。イギリスは、イギリス国内で、戦車、SASチームを待機させ、空中のヘリコプター、爆撃機などを用意して、厳重に守られたイギリス施設で、ロシア外交官との面会を手配できるはずだ。ロシア外交官は、防弾ガラス越しに電話で彼らと話せるはずだ。それに、ロシア人は実に危険なので、武器の身体検査もあり得る。スクリパリ親子が、彼なり/彼女なりに言うべきことと言えば“ありがとう、皆様のお世話は無用です”だけだ。それで会話は終わりだ。ところが、イギリスは、それさえ拒んでいる。

スクリパリ親子は悪のロシア人に大いに怯えているので、二人はきっぱり拒否しているとしよう。テレビ会議でさえ。二人にとって、実にトラウマ的なのだ。結構。

ならば、記者会見はどうだろう?

更に気がかりなのは、少なくとも私の知るかぎり、欧米商業マスコミの誰も、彼らとのインタビューを要求していないことだ。スノーデンは、ロシアから安全に話せ、大きな会議で講演さえできるのに、スクリパリ親子は誰にも語ることができないのだ。

しかし最悪なことはこれだ。スクリパリ親子をイギリス当局が完全に秘密裏に拘留して既に二カ月だ。二カ月、つまり60日間だ。尋問の専門家や、あらゆる心理学者に、60日間の“専門的治療”が人に一体どのような影響を与えるか尋ねていただきたい。

もう“拉致”に関するロシアの声明をはねつけるてはいない。私の考えはこうだ。実質的に、MH17やドゥーマの化学兵器攻撃と同様に、スクリパリ偽旗作戦は崩壊し、燃え尽きたが、MH17やドゥーマとは違い、スクリパリ親子は、その証言が、メイ政権にとってのみならず、イギリスとの“団結”を示した意気地なしのヨーロッパ人全員にとって、途方もないスキャンダルという結果をもたらす可能性がある証人だ。言い換えれば、スクリパリ親子は、おそらく決して自由に話すことを許されないだろう。二人は殺害されるか、完全に洗脳されるか、行方不明になるかしかないのだ。ほかのどの選択肢も世界規模のスキャンダルという結果を招きかねない。

セルゲイ・スクリパリに同情するようなふりをすることはできない。国に忠誠を誓い、その後、国を裏切り、イギリスに寝返った諜報職員(マスコミが書いている通り、彼はロシア・スパイではなく、イギリス・スパイだ)。現在、彼を確保しているのは、彼の元雇い主だ。だがユリアは? 彼女は完全に無辜で、4月5日時点(彼女が従妹のヴィクトリアに電話した際)、彼女は明らかに元気で、頭もはっきりしていた。今、彼女は行方不明で、彼女が決して再び現れないかも知れないこと、それとも、何カ月ものイギリスによる“カウンセリング”の後、彼女が、ある日、再び現れることのどちらがひどいのか、私には分からない。父親に関しては、彼はすでに裏切りの代償を支払っており、彼も、毒ガス攻撃され、利用され、行方不明にされるより、もっと良い運命に会う資格があるのだ。

巨大な出来事(我々の全世界に対するシオニスト戦争)の中では、セルゲイとユリア・スクリパリのような二人の個人は重要でないのかも知れない。だが、この二人と、その苦境を忘れずにいるくらいは当然だろうと私は思う。

これは我々が一体どのような世界に暮らしているのかという問題も提起する。イギリス国家が、そのような手口(連中はいつもこの手口を利用している)を用いた事実に私は驚かない。自由、多元的共存と“ヨーロッパの価値観”(それが何を意味するのであれ)がある、いわゆる欧米“民主主義”の中で、イギリスが何の罰も受けずに済んでいることに私は驚いている。

多少はスクリパリ親子と“団結”されてはいかがか - ヨーロッパ人のあなた方よ?!

The Saker

The Sakerに寄付する。

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-skripals-will-most-likely-never-be-allowed-to-talk/
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昨日のBS-TBS週刊報道LIFEには驚いた。小選挙区制の問題を正面から取り上げたのだ。小林良彰教授のコメントも流された。
猟奇殺人事件やタレント・セクハラではなく、終日、連日、小選挙区制問題こそ報じられるべきだろう。

インチキ・データをもとに無意味な論議を強いていた自民党は、「高度プロフェッショナル制度」を強行採決するだろう。これも、小選挙区制のおかげで成立する悪法。

小選挙区制によって、25%の異様な連中に、我々は永久に搾取されつづけるのだろうか?

大本営広報部、スクリパリ事件でロシア犯行説だけを垂れ流したあと、二人の行方不明という現状を報じているだろうか?虚報を垂れ流し、洗脳するのが商売なら、知的な病気を引き起こす公害企業も同じことではあるまいか?

日刊IWJガイド・番組表「<本日のインタビュー>本日、在イスラエル米大使館がエルサレムへ移転!米国のイラン核合意離脱表明などで中東情勢が大きく揺れ動く中、本日午後4時30分より、『「大災厄」の日を目前に在イスラエル米大使館が移転!~岩上安身による東京経済大学・早尾貴紀准教授インタビュー(第3弾)』を行います!/
<新記事紹介>イスラエル兵の実弾がパレスチナ人の無防備な身体と『衝突』!? BBCはイスラエルがガザで犯した残虐行為を巧妙に正当化!早尾貴紀氏が注目したハミド・ダバシ氏「『西側メディア』と大衆欺瞞」をIWJが仮訳!/北朝鮮・豊渓里の核実験場廃棄発表!トランプ米大統領はツイッターで歓迎の意を示すも、日本は6ヶ国記者団から除外!!/裁量労働制『不適切データ問題』で自民・橋本岳議員が論点をすりかえる圧力! 国会での本格審議を前に論戦を牽制か!? ~上西充子法政大学教授と労働弁護団有志が緊急記者会見で反論!『実務家として震撼』」2018.5.14日号~No.2069号~

2018年5月12日 (土)

欧米は、なぜロシア人を好まないのか

2018年3月8日
Andre Vltchek
Strategic Culture Foundation

ロシアやソ連の話となると、報道や歴史的説明はぼやけてしまう。欧米で、連中はそうしており、結果的に、その全ての‘属国’でもそうだ。

おとぎ話が現実と混ざり合い、世界中の何十億人もの人々の潜在意識に、作り話が巧妙に吹き込まれる。ロシアは巨大な国で、実際領土の点で地球上最大の国だ。人口密度は極めて低い。ロシアは奥が深く、ある古典に書かれている通りだ。“ロシアを頭で理解することは不可能だ。信じるしかない。”

概して欧米精神は、未知で霊的で複雑なものごとを好まない。‘大昔’から、特に十字軍や、ひどい植民地主義者による世界の隅々への探検以来、西洋人は、略奪された土地土地で行った、自らの“高貴な行い”に関するおとぎ話を聞かされてきた。何事も明快で単純でなければならない。“有徳のヨーロッパ人が野蛮人を啓蒙し、キリスト教を流布し、実際、これらの暗く哀れな原始的な連中を救っていたのだ。”

もちろん、更に何千万人もの人々が手かせ足かせをつけられ“新世界”に奴隷としてつれてこられる過程で、何千万人もの人々が亡くなった。金銀や他の略奪品や、奴隷労働が過去(そして今でも)ヨーロッパのあらゆる宮殿、鉄道、大学や劇場をあがなったのだが、虐殺は大半の場合、何か抽象的で、欧米大衆の神経過敏な目から遙かに離れているので、それは問題にならない。

特に“善と悪”の道徳的定義のような話題となると、西洋人は平易さを好む。たとえ真実が体系的に‘改ざん’されていようとも、たとえ現実が完全にでっち上げられようとも全くかまわないのだ。重要なのは、深い罪の意識も、自己省察もないことだ。欧米の支配者たちと世論形成に影響力がある連中は、国民を - 彼らの‘臣民’ - を知り尽くしており、たいていの場合、支配者連中は国民が要求しているものを与えている。支配者と支配される人々は、概して共生しているのだ。彼らはお互いに文句を言い続けているが、だいたい彼らは同じ目的を共有している。他の人々が、その富で、その労働で、そして、往々にして、その血で、彼らために支払いを強いられているかぎり、裕福に暮らすこと、大いに裕福に暮らすことだ。

文化的には、ヨーロッパと北米の国民の大半は、自分たちの贅沢な生活のつけを払うのをいやがっている。生活が極めて‘贅沢’なことを認めることすら彼らはひどく嫌う。彼らは犠牲者のように感じるのが好きなのだ。彼らは自分たちが‘利用されている’と感じるのが好きなのだ。他の人々の為に自らを犠牲にしていると想像するのが好きなのだ.

それに何よりも彼らは本当の犠牲者を憎悪する。何十年も、何世紀にもわたって、彼らが殺害し、強姦し、略奪し、侮辱してきた人々を。

最近の‘難民危機’は、自分たちの犠牲者に対して、ヨーロッパ人が感じている悪意を明らかにした。彼らを豊かにし、その過程であらゆるものを失った人々が屈辱を与えられ、軽蔑され、侮辱された。アフガニスタン人であれ、アフリカ人であれ、中近東人であれ、南アジア人であれ。あるいは、ロシア人は独自の範疇に入れられるのだが、ロシア人であれ。

*

多くのロシア人は白人に見える。彼らの多くはナイフとフォークで食事し、アルコールを飲み、欧米の古典音楽、詩、文学、科学と哲学に秀でている。

欧米の目から見て、彼らは‘普通’に見えるが、実際には、そうではないのだ。

ロシア人は常に‘何か他のもの’を望んでいる。彼らは欧米のルールで動くことを拒否する。

彼らは頑固に違っていることを、そして孤立することを望んでいる。

対立し、攻撃された際には、彼らは戦う。

先に攻撃することはまれで、ほぼ決して侵略しない。

だが脅された場合、攻撃された場合は、彼らはとてつもない決意と力で戦い、そして彼らは決して負けない。村々や都市は侵略者の墓場に変えられる。祖国を防衛する中で、何百万人も亡くなるが、国は生き残る。しかも、決して教訓を学ばず、この誇り高く、固く決心した並外れた国を征服し、支配するという邪悪な夢を決してあきらめずに、西欧人の大群が何世紀もロシアの土地を攻撃し燃やして、それが何度も何度も起きている。

欧米では、自らを守る人々、彼らに対して戦う人々、そして、とりわけ勝利する人々は好まれない。

*

それはもっと酷いものだ。

ロシアには大変な習慣がある… 自らとその国民を守るのみならず、植民地化され略奪された国々や、不当に攻撃されている国々をも守って、他の人々のためにも戦うのだ。

ソ連は世界をナチズムから救った。2500万人の男性、女性と子供という恐ろしい代償を払いながらも、やりとげたのだ。勇敢に、誇り高く、利他主義で。こうしたこと全て、利己的でなく、自己犠牲的で、常に欧米自身の信念と真っ向から衝突し、それゆえ‘極端に危険なので’この壮大な勝利ゆえに、欧米は決してソ連を許さないのだ。

ロシア国民は立ち上がった。1917年革命で戦い勝利した。完全に平等主義の、階級の無い、人種的に偏見のない社会を作りだそうとしていたので、史上の何よりも欧米を恐れさせた出来事だった。私の最近の本書「The Great October Socialist Revolution Impact on the World and the Birth of Internationalism(大10月社会主義革命: 世界に対する衝撃と国際主義の誕生)」で書いた出来事、国際主義も生み出した。

ソビエト国際主義は、第二次世界大戦勝利の直後、直接、間接に、全ての大陸で、何十もの国々が立ち上がり、ヨーロッパ植民地主義と北アメリカ帝国主義と対決するのを大いに助けた。欧米、特にヨーロッパは、ソ連国民総体が、そして特にロシア人が、自分たちの奴隷解放を助けたことを決して許さない。

そこで、人類史における最大のプロパガンダの波が実際うねり始めたのだ。ロンドンからニューヨーク、パリからトロントまで、反ソ連の精巧に作り上げられた蜘蛛の巣や、密かな反ロシア・ヒステリーが、怪物のように破壊的な力で解き放たれた。何万人もの‘ジャーナリスト’、諜報機関職員、心理学者、歴史学者や学者たちが雇われた。いかなるソ連のものも、いかなるロシアのものも(称賛され‘でっちあげられる’ことが多いロシア 反体制派連中を除いて)許されなかった。

大10月社会主義革命と、第二次世界大戦時代前の残虐行為が組織的にねつ造され、誇張され、更に欧米の歴史教科書やマスコミの言説に深く刻みこまれた。そうした話の中では、若いボルシェビキ国家を破壊することを狙って、欧米によって行われた残忍な侵略や攻撃については何も書かれていない。当然、イギリス、フランス、アメリカ、チェコ、ポーランド、日本、ドイツや他の国々のぞっとするような残虐行為には全く触れられていない。

一枚岩の一方的な欧米プロパガンダ言説中に、ソ連とロシアの見解が入り込むことは全く許されないのだ。

従順な羊同様、欧米大衆は、与えられる虚報を受け入れてきた。最終的に、欧米植民地や‘属国’で暮らす多くの人々も、同じことをした。大変な数の植民地化された人々は、その窮状を、自分たちのせいにするよう教えられてきた。

極めて不条理ながらも、どこか論理的なできことが起きた。ソ連に暮らす多くの男性や女性や子供たちまでが欧米プロパガンダに屈したのだ。不完全ながらも、依然、大いに進歩的な自分たちの国を改革しようとするかわりに、彼らはあきらめ、冷笑的になり、積極的に‘幻滅し’、堕落し、素朴にも、しかし、とことん親欧米派になったのだ。

*

これは、歴史上、ロシアが欧米に打ち破られた最初で、最後である可能性が極めて高い。欺瞞によって、恥知らずのウソによって、欧米プロパガンダによって、それが起きた。

続いて起きたことは、大虐殺とさえ表現できよう。

ソ連は、まずアフガニスタンに誘い込まれ、更に現地での戦争によって、アメリカ合州国との軍拡競争によって、そして様々な敵対的な欧米の国営ラジオ局から文字通り溶岩のように流れ出すプロパガンダの最終段階によって、致命的に傷ついた。もちろん国内の‘反体制派’も重要な役割を演じた。

欧米の‘役に立つ馬鹿’ゴルバチョフのもとで、事態はひどく奇怪なことになった。彼が自分の国を破壊するために雇われていたとは思わないが、彼は国を追い詰めるためのありとあらゆることを実行した。まさにワシントンが彼にして欲しいと望んでいたことを。そして、世界の目の前で、強力で誇り高いソビエト社会主義共和国連邦は突然苦痛に身を震わせ、更に大きな叫び声を放って崩壊した。苦しみながらも、すばやく死んだ。

新しい超資本主義、盗賊、オリガルヒ支持で、当惑するほど親欧米のロシアが生まれた。ワシントン、ロンドンや他の欧米の権力中心から愛され、支持されたアル中のボリス・エリツィンに支配されたロシアだ。

それは全く不自然な、病めるロシア - 身勝手で冷酷な、誰か他の連中のアイデアで作りあげられた - ラジオ・リバティとボイス・オブ・アメリカ、BBC、闇市場、オリガルヒと多国籍企業のロシアだった。

欧米は、ロシア人がワシントンで何かに‘干渉している’と今、大胆不敵に言うのだろうか? 連中は狂ったのだろうか?

ワシントンや他の欧米の首都は‘干渉’しただけではない。彼らはあからさまにソ連をばらばらにし、更に連中は、その時点で半ば死んでいたロシアを蹴飛ばし始めた。これは全て忘れさられたのか、それとも欧米の大衆は、あの暗い日々に起きていたことに、またしても全く‘気がつかなかった’のだろうか?

欧米は、困窮し傷ついた国に唾棄し、国際協定や条約を順守することを拒否した。欧米は何の支援もしなかった。多国籍企業が解き放され、ロシア国営企業の‘民営化’を始め、基本的に、何十年にもわたり、ソ連労働者の汗と血によって築き上げられたものを盗みとっていった。

干渉? 繰り返させて頂きたい。それは直接介入、侵略、資源略奪、恥知らずな窃盗だ! それについて読んだり、書いたりしたいのだが、もはやそれについて多くを聞けなくなっているのではなかろうか?

今、ロシアは被害妄想だ、大統領は被害妄想だと言われている! 欧米は真顔でウソをついている。ロシアを殺そうとしてきたのではない振りをしているのだ。

あの時代… あの親欧米時代、ロシアが欧米の準属国、あるいは半植民地と呼ぼうか、になった時代! 外国からは一切、慈悲も、同情もなかった。多くの阿呆連中 - モスクワや地方の台所インテリたちが - 突然目覚めたが遅すぎた。彼らの多くが突然食べるものが無くなったのだ。彼らは要求するように言われていたものを得た。欧米の‘自由と民主主義’と、欧米風資本主義、要するに、完全崩壊を。

‘当時’がどうだったか良く覚えている。私はロシアに帰国するようになり、モスクワ、トムスク、ノヴォシビルスク、レニングラードで働きながら、不快な目にあった。ノヴォシビルスク郊外のアカデム・ゴロドクから来た学者たちが、酷寒の中で、暗いノヴォシビルスクの地下鉄地下道で蔵書を売っていた… 銀行取り付け… 老いた退職者たちが飢えと寒さで亡くなっていた、コンクリート・ブロックのがっしりしたドアの背後で… 給料が支払われず、飢えた炭鉱夫たち、教師たちが…

最初で、願わくは最後に、ロシアは欧米の死の抱擁を受けたのだ! ロシア人の平均余命は突然、サハラ砂漠以南のアフリカ最貧諸国の水準に落ちた。ロシアは酷い屈辱を与えられ、大変な苦痛を味わった。

*

だがこの悪夢は長くは続かなかった。

ゴルバチョフとエリツィンの下で、しかし何よりも欧米による命令下のあの短いながらも恐ろしい年月に起きたことは、決して忘れられず、 決して許されまい。

ロシア人は、もはや決して望まないものを、はっきり理解している!

ロシアは再び立ち上がった。巨大な、憤って、自分の人生を自分のやり方で生きると固く決意した国が。困窮し、屈辱を受け略奪され、欧米に従属していた国が、わずか数年で自由で独立した国となったロシアは、再び地球上で最も発展した強力な国々に加わった。

そして、ゴルバチョフ以前のように、欧米帝国による、不当で非道な攻撃を受けている国々を、ロシアは再び助けることができるようになった。

このルネサンスを率いている人物、ウラジーミル・プーチン大統領は手強いが、ロシアは大変な脅威を受けており - ひ弱な人物の時期ではない。

プーチン大統領は完璧ではない(実際、完璧な人がいるのだろうか?)が、彼は本物の愛国者で、国際主義者でもあると、あえて言いたい。

現在欧米は、再びロシアと、その指導者の両方を憎悪している。何の不思議もない。ワシントンと、その副官連中にとり、無敗で強く自由なロシアは想像できる限り最悪の敵なのだ。

これは、ロシアではなく、欧米の感じ方だ。これまでロシアに対してなされたあらゆることにも関わらず、何千万人もの命が失われ、破壊されたにもかかわらず、ロシアは常に、妥協し、忘れるのではないにせよ、許しさえする用意ができている。

*

欧米の精神には酷く病的なものがある。欧米は完全無条件服従以外のいかなるものも受け入れることが出来ないのだ。欧米は支配していなければならず、管理していなければならず、あらゆることの頂点でなければならないのだ。自分たちは例外だと感じなければならないのだ。地球全体を殺戮し、破壊する際でさえ、世界の他の国々に対し、自噴たちがより優れていると感じると主張するのだ。

例外主義というこの信念は、もう何十年も、実際には現地でいかなる重要な役割も果たしていないキリスト教以上に、遙かに欧米の本当の宗教なのだ。例外主義は狂信的で、原理主義で、疑問の余地がないものなのだ。

欧米は、自分たちの言説が世界のどこであれ得られる唯一のものだとも主張する。欧米は道徳の指導者、進歩の指針、唯一の資格ある裁判官兼導師と見なされるべきなのだ。

ウソの上にウソが積み重なっている。あらゆる宗教同様、似非現実が不条理であればある程、それを維持するのに使われる手法は益々残酷で過激なものとなる。でっちあげが、ばかばかしければ、ばかばかしい程、真実を抑圧するのに使われる技術は益々強力になる。

現在、何十万人もの‘学者’、教師、ジャーナリスト、芸術家、心理学者や他の高給の専門家が、世界の至るところで、帝国に雇われている、たった二つの目的のために - 欧米の言説を称賛し、その邪魔をするありとあらゆるもの、あえて異議を唱えるものの信頼を損なうために。

ロシアは欧米から最も憎悪されている敵対者で、ロシアの緊密な同盟国中国はほぼ第二位だ。

欧米が仕掛けるプロパガンダ戦争が余りに狂っており、余りに激しいので、ヨーロッパや北米市民の一部の人々さえもが、ワシントンやロンドンや他の場所から発せられる話を疑問視し始めつつある。

どこを見回しても、とんでもないウソ、半ウソ、半真実のちゃんぽんだらけだ。複雑で、先に進みようのない陰謀論の沼だ。アメリカの内政に干渉し、シリアを守っているかどで、無防備で、恫喝されている国々を支持しているかどで、強力なメディアを持っているかどで、運動選手へのドーピングのかどで、依然として共産主義者であるかどで、もはや社会主義ではないかどで、ロシアは攻撃されつつある。要するに、ありとあらゆる想像可能なことや、想像を絶することで。

ロシア批判は実に徹底的に不条理なので、人は極めて正当な疑問を問い始める。“過去はどうなのだろう? 過去のソ連、特に革命後の時期と、二度の世界大戦間の時期に関する欧米の言説は一体どうだったのだろう?”

この現在の欧米の反ロシアと反中国プロパガンダを分析すればするほど、ソ連史に関する欧米の言説について研究し、書きたいという決意が強くなる。将来、この問題を、友人たち、ロシア人とウクライナ人の歴史学者たちと必ず調べることを計画している。

*

欧米の目から見ると、ロシア人は‘反逆者’なのだ。

過去も、現在も、彼らは略奪者に与するのではなく、‘世界の惨めな人々’の側に立ち続けてきた。祖国を売ることを、自国民を奴隷にすることを拒否した。彼らの政府は、ロシアを自給自足の完全に独立した繁栄する誇り高く自由な国にするために、できる限りのあらゆることをしている。

世界の独特な部分では、‘自由’や‘民主主義’や他の多くの言葉が全く違うものを意味することを想起されたい。欧米で起きていることは、ロシアや中国では決して‘自由’とは表現されないし、逆のことも言える。

ヨーロッパや北アメリカの挫折し、崩壊しつつあり、ばらばらになった利己的社会は、もはや自国民すら鼓舞できない。彼らは、毎年何百万人も、アジアや、中南米や、アフリカにまで脱出しつつある。空虚さ、無意味さや、心情的な冷たさから逃れてゆくのだ。だが、彼らに生き方や、良くない生き方を教えるのは、ロシアや中国の仕事ではない!

一方、ロシアや中国のように偉大な文化は、自由とは何かやら、民主主義とは何かなどと、西洋人に教えられる必要もなく、教えられたくもないのだ。

彼らは欧米を攻撃してはおらず、同じ見返りを期待している。

何百もの大虐殺に、あらゆる大陸の、何億人もの殺害された人々に、責任がある国々が、いまだに人に図々しくお説教を垂れているのは実になさけないことだ。

多くの犠牲者たちは、おびえる余り発言できない。

ロシアはそうではない。

優しいながらも、必要とあらば自らを守ると固く決意した人々で構成されている。自分たちも、この美しいながらも、酷く傷つけられた地球上で暮らしている他の多くの人類も。

ロシア文化は壮大だ。詩、文学作品から、音楽、バレー、哲学に至るまで… ロシア人の心は柔らかで、愛と優しさで働きかけられれば容易に溶ける。だが何百万人もの無辜の人々の命が脅かされると、ロシア人の心も筋肉も素早く石と鋼へと変わるのだ。勝利だけが世界を救えるそのような時期、ロシアの拳は固くなるが、ロシア兵器についても同様だ。

加虐的ながら臆病な欧米には、ロシア人の勇気にかなうものはいない。

不可逆的に、希望も未来も東に向かって移動しつつある。

そして、それこそが、ロシアが欧米からしゃにむに憎悪される理由だ。

アンドレ・ヴルチェクは、哲学者、小説家、映画製作者で、調査ジャーナリスト。「Vltchek’s World in Word and Images」の制作者で、革命的小説『オーロラ』や、他に何冊かのの作家。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/03/08/why-the-west-cannot-stomach-russians/
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加藤周一『羊の歌』余聞 には、「一九四〇年の想出」という文章もある。
92~96ページ

一部を引用させていただこう。

 近頃しきりに私は一九四〇年を想い出している.その年の初めに、民政党の代議士斉藤隆夫が帝国議会で日本の中国侵略政策を批判した。その少数意見を抹殺しようとして、議会は議事録から演説を消し、斉藤を除名した。そのとき、社会大衆党は、除名決議に反対した八人の同党代議士を除名し、しばらく後に解党する。

中略

翼賛議会の、外では何が起こったか。第一に組合が解散した。まず日本労働総同盟、つづいて大日本農民組合。第二に、文学芸術の世界でも、批判的な言論は一掃された。新協劇団と新築地劇団の強制的解散がその典型である。第三に、学問の自由が奪われ、津田左右吉の『神代史の研究』は発禁処分となり、著者と出版者は起訴された。そういうことがあって、一九四〇年は「紀元二千六百年」の式典で終わる。

中略

 異なる意見を統一しようとするのは、反民主主義的である。民主主義をまもるためには、意見の相違を尊重し、批判的少数意見の表現の自由を保障しなければならない。多数意見が現在の問題であるとすれば、少数意見は未来の問題である。少数意見が多数意見となる他に、現在と異なる未来はあり得ない。たとえば、一九四〇年の少数意見が多数意見となったときに、戦後日本の民主主義は成りたった。一九九四年現在の批判的な少数意見が多数意見となるとき、またそのときにのみ、なしくずしの軍拡と民主主義の後退という現在の延長ではない日本国の未来がひらけるだろう。
しかし分散した個人や小グループの少数意見は、いつ多数意見になるだろうか。それはわからない。しかしそのための必要条件ー十分条件ではないだろうがーの一つは、分散した批判的市民活動の、少くとも情報の交換という面での、横のつながりをつくりだすことである。同じようなことを考えたり、したりしている人々が、他にもいるということの知識ほど、信念や活動を勇気づけるものはない。そのために「パソコン」は利用することができる。「マス・メディア」も利用することができるだろう。そういう条件は一九四〇年にはなかった。私は昔私が若かったときの軍国日本を想い出しながら、夕陽のなかで、このような妄想を抱くのである。

この文章が書かれたのは、1994年11月21日。
もちろん彼が悪いわけではないが、残念なことに、最後の部分現在大きく劣化している。

そのために「パソコン」は利用することができるが、主要検索エンジンは、アルゴリズムを反対派排除のため徹底的に改悪しており、大手ソーシャル・メディアは監視・情報収集・世論誘導機関と化している。大本営広報化した「マス・メディア」には、洗脳されるばかりだろう。そういう条件は一九四〇年にはなかった。私は経験したことのない軍国日本を想いながら、夕陽のなかで、その予兆のような妄想を抱くのである。

というわけで、いつもの通り、IWJにお世話になる。

日刊IWJガイド・番組表「【本日のインタビュー配信に関するお知らせ】本日午後2時30分開始の岩上安身による国際情勢解説者・田中宇氏インタビューは冒頭のみフルオープンで、途中から会員限定で配信します。ご視聴方法は下記よりご確認ください。/<本日の岩上安身のインタビュー>中東関連インタビュー3連発!第1弾!本日午後2時30分より、『米国はイランをめぐる国際関係で孤立!? 北朝鮮の核開発問題でも中国・ロシアの動きが鍵を握る!?岩上安身による国際情勢解説者・田中宇氏インタビュー』を配信します!/
米朝首脳会談の日時をトランプ米大統領がツイッター上で発表! 支持者へ向け『核戦争勃発なんかフェイクニュースだ!』/見逃した方はぜひ会員登録の上、アーカイブ動画で!~裁量労働制「不適切データ問題」で自民・橋本岳議員が論点をすりかえる圧力!国会での本格審議を前に論戦を牽制か!? 5.11上西充子法政大学教授と労働弁護団有志が緊急記者会見で反論! 」2018.5.12日号~No.2067号~

IWJ Independent Web Journal - 岩上安身責任編集

2018年5月11日 (金)

(‘宥められた’レバノン経由の)イスラエルによる残虐な対シリア攻撃

2018年5月1日
Andre Vltchek

ホムスのシリアT-4空軍基地に対するイスラエル空軍によるきわめて残忍な攻撃で:少なくとも14人が死亡した。

4月9日、イスラエルのF-15戦闘機が、これまで何度もしてきたと同様、国際法を完全に無視してレバノン領空を飛行した。

イスラエルとレバノンは法的には戦争状態にあり、最近の行為は、すぐさま、もう一つの破廉恥な挑発と見なすことが可能だ。どうやら、サウジアラビアやイスラエルなどの欧米の同盟国が、どの様な恐怖を地域中で広めると決めようとも、連中の行動は常に罰されることがないようだ。

踏んだり蹴ったりで、欧米マスコミは、イスラエルを非難するどころか、案の定なさけない奴隷根性で、ダマスカス政府に向かってわめき始め、‘特派員’の中には、アサド大統領を“けもの”呼ばわりするものもいる(The Sun、2018年4月9日)。

過去何度か残虐なイスラエル侵略で苦しめられ、イスラエルが通常‘パレスチナ’と呼んでいるレバノンは、今回の領空侵犯に対し、余り大げさに抗議しないと決めた。シリア攻撃に反対するレバノン外務省声明と並んで、レバノンは国連安全保障理事会に訴えると主張する個別のレバノン政治家による声明がいくつかある。とは言え大半の声明はアラビア語のものしかない。人が期待するような断固とした対応は全くない。

レバノンのベイルートを本拠とする、イラク人教育者で、テレビ司会者のゼイナブ・アル-サッファル女史は、この件について、こう語ってくれた。

“こういうことは今回が初めてではありません。イスラエル軍はレバノンの領空や領土や領海を侵害してきました。[イスラエルによる]レバノン領侵害は、何か‘いつものこと’になっています。彼らはシリア領を攻撃するために、レバノン領空を利用していたのですから、今回起きたことは目に余る侵入であり、おとがめなしで済まされるべきではありません。国連は、報告を書いて、数値を記入すること以上の何かをするべき時だと思います。これは極めて深刻な状況です。第三国を攻撃するために、隣国領空利用は、あからさまな犯罪です。”

*

レバノンの抗議は一体なぜ、もっと大きな反響がないのだろうか?

理由はいくつかある。その一: レバノンは最近、‘パリ会議’で、大半が、欧米から110億ドル以上にのぼる融資で構成される大規模契約を‘手に入れた’のだ。

その二: レバノン‘エリート’のうち、かなりの部分が欧米の指図を受けるのに慣れている。欧米に彼らの別荘があり、親類が暮らし、永住権証明書が発行されている。

遥かに大規模な戦争が近づいているのかも知れない。アメリカもヨーロッパも、シリアを直接攻撃する準備ができている可能性が極めて高い。この重要な時期に、レバノン支配者は日和見的に、誰に忠誠を尽くすかを示している。荒廃した中東の人々にではなく、パリ、ロンドンやワシントンに。

だが最初の点、金に戻ろう。ロイターはこう報じている。

融資パッケージは、102億ドルの融資と、8億6000万ドルの助成金で構成されており、フランスの駐レバノン大使、ブルノ・フーシェは、ツイッターにこう書いた…

融資側は、引き換えに、レバノンには、長いこと停滞していた改革を約束して貰いたい。こうした要求を考慮して、サード・ハリーリー首相は、今後五年間で、GDPの率で、5パーセント予算の赤字を削減すると誓った。

記者会見で、マクロン大統領はハリーリー首相に、支援は、レバノンに新規まき直しの機会を与えることを狙ったものだと語り、これは、レバノン当局にレバノンで、改革を実行し、平和を維持するという“未曾有の責任”を負わせるものだとも述べた。

“今後、改革を継続することが重要だ”とマクロンは述べ、“我々は貴国の味方だ”と言った。

フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外務大臣は会議で述べた。“… レバノンは、構造的そして分野的な、大規模経済改革が必要だ。”

‘構造改革’が重要な単語だ。レバノンの手を更に縛るだろう、この破廉恥な融資は、レバノンの現状満足を確実にするだろう。欧米が、地域で軍事的猛攻撃の新たな波を始める用意が出来ているまさにその時期の、経済的、政治的服従だ。

レバノンには、ほとんど透明性は無いので、融資が、苦しんでいる国民の生活水準を改善するために使用される保証はほとんどない。レバノンにおける腐敗は蔓延しており - 制度化されていて - もはや‘腐敗’とさえ呼ばれないことが多いくらいだ。

社会事業はほとんど存在していない。ここでの対照は実にすさまじい。フェラーリ やランボルギーニや、法外に高価なヨットが、全くの窮乏と、少なくとも定期的ごみ収集のような社会事業の欠如と並んで共存しているのだ。

多くの欧米諸国のいわゆるテロリスト・リストに載っている組織、ヒズボラは、レバノンで唯一、頼れる社会事業の供給源であることが多い。

今や欧米は、益々多くのネオリベラル‘改革’を要求するだろう。社会目的のものは、ほぼ何も建設されるまい。資金は恥知らずのレバノン人‘エリート’や‘指導者連中’の懐に消えるだろう。レバノンの金持ち連中はほとんど税金を支払わないので、融資の利子を支払うよう期待されているのは、貧しい人々だ。

連中の戦利品と引き替えに、多くのレバノン人政治家は、ワシントンやフランス(レバノンの元宗主国)のシリアや地域の他の国々に対するネオリベラルで、益々新植民地主義的な政策を含め、地域に対する欧米の方針に更に従うことを余儀なくさせられる。

*

そして国境の向こうでは、戦争は依然猛威を振るっている。現在、ワシントンとロンドンは‘懲罰行動'を約束している。この小さいながら、強く誇り高い国への侵略、不安定化、そして最後には破壊を正当化するためだけに、明らかに、ねつ造された/でっちあげられたものに対して‘シリアを叱責するため’。

ベイルートとダマスカスの両方で暮らしている、あるシリア知識人が、この記事のために、彼の分析を聞かせてくれた。ただし、レバノンと欧米双方からの跳ね返りが恐ろしいので、匿名にしておくよう要求された。

攻撃は、シリア軍がダマスカス郊外でテロ集団に対する戦闘で勝利している時に、行われており、攻撃は、こうした勝利に対する、遠回しの答えだとも解釈可能だ。T4空軍基地は、シリア国内のISIS残党に対する戦闘に深く関与しているので、これは危険な動きでもある。この攻撃は主権国家に対する容認しがたい侵略で、国際法違反だ。これは、イスラエルが、シリア領で活動している様々なテロリスト集団を直接、間接に支援していることも示している。

*

ところが、欧米の主要マスコミが広めている注釈は、益々、あらゆる論理を無視している。連中は次第に、人種差別主義者、白人至上主義者になりつつあるのだ。そう、実際、今や連中は、過去何世紀ものヨーロッパによる、次に北アメリカによる植民地主義の間、常にそうであったものになっている。

ガーディアン記事をお読み願いたい - “シリアで、イスラエルは無数の攻撃を行った。目新しいのは、ロシアの対応だ”:

“主に、ゴラン高原でのイランが支援するヒズボラ軍や兵器の増強から国境を守るため、イスラエルは、シリア国内への多数の攻撃を行った。イスラエルは、原則として、シリア国内のアルカイダや「イスラム国」陣地は攻撃していない。

これまでの全ての攻撃で、2015年に、バッシャール・アル・アサド政権を守るため軍隊を派兵して以来、シリア領空を支配しているロシアは見て見ぬ振りをしている。シリア内のイスラエル権益は、主として、シリア南西部でのイランが支援する軍隊の駐留を制限することで、ロシアによって守られるという合意があるのだ。イスラエルの心配は、ゴラン高原のシリア側へのアクセスで、ヒズボラが、イスラエル国内を攻撃するのが可能になることだ。”

少なくとも、ガーディアンは、アサド大統領が自国民を毒ガス攻撃しているという欧米のでっち上げを信じている振りはしていない。

だが、記事は明らかに、独立国家に対する、イスラエルによるテロ攻撃を正当化し、論理を見いだそうとしている。

‘可哀想なイスラエル - ‘ゴラン高原のヒズボラ部隊と兵器’を心配しているのだ。

しかし、ゴラン高原は、国際法上、シリアの不可分の一部だ。繰り返そう。あらゆる国際規範上! 国連安全保障理事会国連決議497を含め。1981年の、いわゆる‘六日戦争’中、ゴラン高原は、イスラエルに攻撃され、占領され、無理矢理(しかも無期限のように見える)併合された。

私はゴラン高原を訪れた。5日ほど前、数日間、密かに、そこで仕事をした。私がそこで見たものは、本物の恐怖だ。古代からの村々は完全に破壊され、元々の住民の大半は自分の土地から追放され、イスラエルが雇ったスパイや工作員が、訪問者に手当たり次第近寄り詮索する。至る所、鉄条網と高いコンクリートの壁で守られた裕福なイスラエル農業企業が散在していた。南アフリカ・アパルトヘイト時代のアンゴラかナンビアで仕事をしているような感じだったが、あるいは、おそらく、それより酷い。分断されたコミュニティー、奪われた土地、電線と、遍在する恐怖と抑圧。

ところが現在‘心配し’‘治安’という名目のもと人々を殺害する権利を持っているのはイスラエルなのだ。欧米の主要定期刊行物が明らかに示唆しているのは、まさにこの調子なのだ。

1981年に、イスラエルは、1000キロ平方以上のシリア領を盗み取り、今や犠牲者を情け容赦なく爆撃しているのだ。レバノン領から、自分の‘安全と治安’を確保するため。イスラエル軍によって何度か侵略された国レバノン領から、イスラエルはこれを行っているのだ。

そして、欧米は喝采している。

*

もちろんイスラエルは、同盟国のアメリカ合州国、イギリスとマクロンのフランスから、支援も激励も享受しているので、全くとがめられることなく行動している。

レバノンはバニックになっている。レバノンの‘エリート連中’は、生き延び、欧米を怒らせないようにしている。

シリアは、鉄の神経を持っているように見えることが良くある。

彼らは懸念しているが、彼らの土地を一インチたりとも侵略者に与えまいと固く決意している。

この記事を投稿するわずか数時間前に、ダマスカスの私の友人がこう書いてきた。

“人々は心配し、絶えずニュースを確認しています。兄が皆で一ヶ月、より安全なサフィタに行こうと言います。我々がそうするかどうかわかりませんが、我々は状況をしっかりモニターしています。”

シリア現地の同僚や同志たちは怒っている。大いに怒っている。彼らは欧米が広めているウソを容易に見破れる。

ベテラン記者のヴァネッサ・ビーリーが、シリア政府が自国民に対して化学兵器を使用しているという非難を、はっきり否定している。私は彼女とその分析を完全に信じている。

イスラエルは勇敢なシリアを爆撃しようとしている。アメリカとヨーロッパも、間もなく、本当に間もなく、この記事が印刷に回る前にさえ、攻撃すると決めるかも知れない。

だが今は2018年で、何のおとがめも無しに、欧米が殺害し、強姦することができた、あの暗黒時代ではない。もし今、攻撃が行われれば、反撃があるだろう。完全に正当化され、断固とした強力なものだ。

そうなれば、ちっぽけなレバノンでさえ、立場を決めなければならなくなるだろう。

アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、革命的小説『Aurora』や他のを書いている。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/05/01/israels-murderous-strike-on-syria-via-pacified-lebanon/

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彼の記事、どなたか一流の翻訳者によるものを、マスコミで拝読したいと思いながら、ひどい翻訳をお目にかけている。

マレーシアの選挙結果にはびっくり。多少期待はしていたが。

またしても茶番の参考人招致。ウソのオンパレード。
額面通り受け取る人がいれば、正気とは言えまい。

解放された米国人を載せた飛行機は属国の基地で給油。

そして殺人事件。

対照的に、自衛隊幹部が国会議員を罵倒した話題を大きく扱う大本営広報部はない。扱わないのがお仕事だろう。

加藤周一『羊の歌』余聞 ちくま文庫をふと再読し、「それでもお前は日本人か」の内容が相似していることに驚いている。

「それでもお前は日本人か」同書135ページから、139ページ。一部引用させて頂こう。

  昔一九三〇年代の末から四五年まで、日本国では人を罵るのに、「それでもお前は日本人か」と言うことが流行っていた。「それでも」の「それ」は、相手の言葉や行動で、罵る側では「それ」を「日本人」の規格に合わないとみなしたのである。その規格は軍国日本の政府が作ったもので、戦争を行うのに好都合にできていた。<

中略

当時東大法学部の学生であった橋川文三とその同級生の一人が、白井─当時海軍軍令部に勤めていた─に食ってかかり、「きみ、それでも日本人か」と言いだした。そのきっかけはわからないが、白井は落ち着いて、「いや、まず人間だよ」と答えたという。そこで自分たちが、「まず日本人だ」という主張と「まず人間だ」という主張が対立して、問答がおよそ次のように続いた。
「まず人間とは何だい。ぼくたち、まず日本人じゃあないか」
「違うねえ、どこの国民でも、まず人間だよ」
「何て非国民!1まず日本人だぞ」
「馬鹿なことをいうなよ。何よりもさきに、人間なんだよ」
というところで、橋川とその友人の二人が殺気だち、「そんな非国民、たたききってやる」と叫ぶ。同席した友人たちが間に入って暴力の行使には到らなかったが、「これはいつまでも記憶に残って消えませんでした」と宗左近氏は書いている。

中略

今あらためて宗左近氏の本を読み、初めて知ったこの問答は、四五年以前の日本国において、実に典型的であった。「それでも日本人か」は修辞的質問にすぎず、実は「それならば日本人ではない」というのと同義である。すなわち「非国民」。相手を「非国民」と称ぶのはほとんど常に、「まず日本人」主義者であり、「まず人間」主義者ではなかった。また論争から暴力による威嚇または暴力の行使へ飛躍することが早いのも、前者の特徴で、後者の特徴ではなかった。

中略

  「まず日本人」主義者と「まず人間」主義者との多数・少数関係は、四五年八月を境として逆転した─ように見える。しかしほんとうに逆転したのだろうか。もしそのとき日本人が変ったのだとすれば、「それでもお前は日本人か」という科白をこの国で再び聞くことはないだろう。もしその変身が単なる見せかけにすぎなかったとすれば、あの懐しい昔の歌が再び聞こえてくるのも時間の問題だろう。あの懐しい歌!「それでもお前は日本人か」をくり返しながら、軍国日本は多数の外国人を殺し、多数の日本人を犠牲にし、国中を焼土として、崩壊した。その反省から成立したのが日本国憲法である。その憲法は人権を尊重する。人権は「まず人間」に備るので、「まず日本人」に備るのではない。国民の多数が「それでも日本人か」と言う代りに「それでも人間か」と言い出すであろうときに、はじめて、憲法は活かされ、人権は尊重され、この国は平和と民主主義への確かな道を見出すだろう。

スネ夫は、いつでも、ジャイアン様がたより。

日刊IWJガイド・番組表「相談や指示など総理の関与はなく、秘書官の独断で官邸での面会に応じた!? 自治体職員は発言しなかったので記憶に残っていなかった!? 柳瀬唯夫元総理秘書官が国会予算委へ参考人招致/米朝首脳会談に向けた一歩!北朝鮮が拘束していた米国人3人を解放 !トランプ夫妻が出迎え!他国頼みの安倍総理に金正恩委員長『なぜ日本は直接言ってこないのか!?』/<新記事紹介>中朝首脳会談は『外交ショー』!? 経済的な安定が金体制の維持につながる!?  それとも、もうひとつの衝撃のシナリオ、米中合意によるタフト・桂覚書バージョン2の実現で台湾と北朝鮮が『交換』される!?」2018.5.11日号~No.2066号~

2018年5月 9日 (水)

アメリカ人はイスラエルのために死にたいのだろうか?

2018年5月7日
Paul Craig Roberts

アメリカがイランとの多国間合意から離脱するかどうかをトランプ大統領が発表するまで、あと数日しかない。イランは合意を順守している。https://www.geopolitica.ru/en/article/message-iran

ワシントンの属国、イギリス、フランス、ドイツさえ合意を堅持すると発表している。
https://sputniknews.com/world/201805071064213277-france-germany-uk-iran-deal-us-decision/

イラン核兵器開発を差し控えることに同意した苦心してまとめ上げた合意をトランプに破壊させようとする圧力は一体どこから来るのだろう?

イスラエルと、イスラエルのアメリカ人第五列-ネオコンから来るのだ。

シリアとイランに対するワシントンの敵意の原因はイスラエルだ。イスラエルは、イスラエルが、その水資源を切望している南レバノンを、二度占領しようとしたが、イスラエルは二度とも、ヒズボラ民兵に追い出された。

ヒズボラはシリアとイランから補給を受けている。もしイスラエルが、アメリカ軍を利用して、シリアとイランの不安定化に成功すれば、ヒズボラは補給を絶たれ、イスラエルが南レバノン侵略に成功する可能性がある。

イランについてあらゆるウソが語られている狙いはこれだ。イランを怪物に仕立て上げることで、イスラエルはアメリカによる対イラン軍事行動へのアメリカ国民の支持を作り上げられるのだ。

The Sakerはこう言っている。“アメリカ人は自らに問うべきなのだ-私はイスラエルのために死にたいのだろうか?”https://russia-insider.com/en/americans-should-ask-themselves-do-i-want-die-israel/ri23382

あなたは?

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/07/americans-want-die-israel/
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予想通りの、核合意からの離脱発表。

こういう全く理不尽な宗主国に、属国は価値観を共有するとひたすら従うだけ。不思議な価値観があるものだ。

侵略のための海外派兵を防ごうとしている国会議員に暴言をはいた自衛隊3等空佐は形だけの譴責。品格の問題ではない。シビリアン・コントロールの問題だ。もちろん、大本営広報部白痴製造番組は、決して追求しない。

孫崎享氏の今朝のメルマガの題名をコピーさせていただこう。

残念ながら、麻生氏の「セクハラ罪はない」、改ざん問題に「どの組織だってありうる。個人の問題だ」発言に何らの意外性はない。そういう人が副総理、財務相。安倍政権に違和感なし。嘘・詭弁の首相、違法指圧通いの文科相。だがこの安倍内閣を国民支持してきた

素人は思う。日本人は自らに問うべきなのだ-私はアメリカのために死にたいのだろうか?

日刊IWJガイド・番組表「自衛隊OB組織『隊友会』の改憲署名活動についてIWJ記者が質問!小野寺五典防衛相は『目的の範囲内で一定の政治活動をおこなうことは認められている』!?/『記憶が戻った』柳瀬唯夫元首相秘書官が10日に参考人招致へ!/本日午後5時から大飯原発4号機が再稼働! 大飯原発再稼働差し止め判断を下した裁判官が左遷されるのは裁判所の構造上の問題!? 本日、岩上さんが元裁判官で明治大学法科大学院・瀬木比呂志教授にインタビュー収録、後日録画配信!/<平和か戦争か!? 運命の前夜の韓国へIWJ記者を特派!10夜配信シリーズ特集>『日本軍慰安婦問題・水曜デモ』/
大阪府私学審の議事録に安倍昭恵総理夫人の名が見つかる!」2018.5.9日号~No.2064号~

2018年5月 8日 (火)

帝国の征服への道: 和平と軍縮協定

Prof. James Petras

2018年5月1日

はじめに

近年、アメリカ帝国戦略は独立国家を打ち破り打倒する経費の削減をはかっている。

手段と手法は、かなり単刀直入だ。敵対国を悪者として描く世界的プロパガンダ・キャンペーン。ヨーロッパと地域の同盟諸国(イギリス、フランス、サウジアラビアとイスラエル)の援助・協力獲得。“反政府派”、やら‘民主派’と呼ばれる現地人と外国人傭兵の徴募、雇用契約、訓練と武器供与。国内の社会的緊張や政権の政治的不安定を引き起こすための経済制裁。和解交渉の提案。経済制裁を止める約束、外交的承認や平和的共存と引き替えの戦略的兵器の変更を含む非互恵的譲歩を要求する交渉。

戦略的目標は、打倒、占領、政権転覆を実現し、更にその後の軍事的、政治的介入を促進するための武装解除だ。経済資源の略奪と、軍事基地の確保、アメリカ帝国との国際的提携や、更なる近隣諸国や自立した敵対諸国征服のための軍事的踏み台化を推進するための‘従属政権’の押しつけだ。

特に、北アフリカ (リビア)、中東 (イラク、パレスチナ、シリアとイラン)、アジア(北朝鮮)と中南米(コロンビアのFARC)に焦点を当てて、様々な地域における最近と現在の アメリカの戦術的、戦略的帝国構築の例に、このモデルを当てはめて見たい。

ケース 1: リビア

地方部族や君主制主義武装テロリストや国際経済制裁による、人気の高いムアンマル・カダフィのリビア政府打倒の取り組みに数十年失敗した後、アメリカは、交渉と妥協の政策を提案した。


リビア反政府派とヒラリー・クリントン

アメリカは経済制裁を終わらせる交渉を始め、カダフィが軍を解体し、長距離弾道ミサイルや他の効果的な抑止力を含めリビアの戦略的兵器を放棄するのと引き換えに、外交的承認や‘国際社会’への受け入れを申し出た。アメリカは、トリポリを狙って常時準備が出来ている軍事基地を縮小しなかった。

2003年、カダフィはジョージ・W・ブッシュ政権との協定に調印した。大型のアメリカ・リビア石油協定や、外交的合意が調印された。アメリカ軍の支援が武装したアメリカの子分連中に注ぎこまれる中、アメリカの安全保障顧問コンドリーザ・ライスが、平和と友好の象徴として、カダフィを訪問した。

2011年2月、オバマ大統領ヒラリー・クリントン国務長官が率いるアメリカが、EU同盟諸国(フランス、イギリス . . .)と共に、リビア - インフラ 、港湾、交通のセンター、石油施設、病院や学校を爆撃し… アメリカとEUが支援するテロリスト連中が主要都市の支配権を掌握し、カダフィ大佐を捕獲し、拷問し、殺害した。200万人以上の移民労働者がヨーロッパや中東への逃亡や、中央アフリカへの帰還を強いられた。

ケース 2: イラク

サダム・フセイン支配下のイラクは、イランを攻撃し、侵略するため、ワシントンから武器援助を受けた。この事実上の合意が、民族主義のイラクと帝国主義ワシントンとの協力は、両者共通の政策的狙いを反映するものだとイラク指導者が思い込むよう自信づけた。後にバグダッドは、クウェートとの領土紛争で、自分たちはアメリカによる暗黙の支持を得たと信じるようになった。サダムが侵略した際、アメリカはイラクを爆撃し、荒廃させ、侵略し、占領し、分割した。

アメリカは、クルド人による北部領土占領を支援し、飛行禁止空域を課した。 後に、ウィリアム・クリントン大統領は、何度か爆撃攻撃を行ったが、それで、サダム・フセインを排除することはできなかった。

G. W. ブッシュ大統領の下で、アメリカは、全面戦争をしかけ、侵略し、占領し、数十万人のイラク人を殺害し、イラク丸ごと疎外した。アメリカは、現代的非宗教国家や、その重要な機関を組織的に解体し、シーア派とスンナ派イラク人の間の最も残虐な宗教的、民族的戦争を醸成した。

1980年代、民族主義の隣国イランに対して、ワシントンに協力しようとしたイラクの取り組みが、イラクの侵略、破壊、サダム・フセインを含む何千人もの非宗教的指導者や、非宗教的、科学関係知識人の殺害、イラクの帝国の無力な属国への変身をもたらした。

ケース 3: シリア

カダフィやフセインとは違い、シリアのバッシャール・アサド大統領は、アメリカのレバノン侵攻や、アメリカによる、シリアの主に少数派キリスト教徒や親欧米反政府派支援に妥協しようとしながら、ワシントンの提案から、一定程度の独立を維持した。


2017年8月9日、北シリア、シリア民主軍卒業式の女性訓練生。(出典:Sgt. Mitchell Ryan for US Army)

2011年、アメリカは暗黙の合意を破り、手先である、シリアの地方のイスラム主義者が蜂起するのに兵器提供と財政支援を行い、連中が大半の地方や、ダマスカスの半分を含め主要都市の支配権を掌握した。幸いにも、アサドは、ロシア、イランとレバノンのヒズボラ戦士の支援を得ることができた。その後の7年間、アメリカ、EU、イスラエル、サウジアラビアとトルコからの膨大な軍事、財政、兵站支援にもかかわらず、アメリカ-EUが支援するテロリストは打ち破られ、退却を強いられた。

シリアは生き延び、国の大半を奪還し、リビアとイラクがそうし損ねたが、シリアは戦略的同盟国との武装同盟を形成することができ、国内武装反抗勢力を無力化することに成功した。

ケース 4: FARC (コロンビア革命軍)

FARCは、1960年代初期に、主として農民軍として編成され、主として地方で、200人から、約30,000人の戦士と、何百万人もの支持者にまで成長した。事実上、二重権力体制が主要都市の外部を支配していた。

FARCは、コロンビアの少数独裁政権との和平合意交渉を何度か試みた。1970年代末の、暫定合意でled FARCの一部が武器を放棄し、政党、愛国同盟を形成し、選挙に参加した。選挙で多少議席を得た後、少数独裁者突然合意を破り、テロ作戦を開始し、5,000人の党活動家と、数人の大統領や議員候補者や議員を暗殺した。FARCは武装闘争に戻った。

それに続く、1980年-81年の交渉中、少数独裁者政権は交渉を絶ち、FARC代表暗殺を狙って、会談場所を急襲したが、代表は捕獲を無事免れた。再三の失敗にもかかわらず、2016年、FARCは、2001年-2010年、地方や都市スラムでの殲滅作戦で軍隊を率いていた元国防相フアン・マヌエル・サントス大統領のコロンビア政権と‘和平交渉’に入ることに合意した。ところがFARC内部で大きな政治的変化が起きていたのだ。それまでの十年間で、FARCの歴史的指導者たちが殺害されたり、死亡したりして、再三交渉を阻止し、いわゆる‘和平合意’を取り消してきた信用できない少数支配者政権の万一の場合に備え、兵器を維持しながら、公正に平和を推進する合意を確保する経験にも熱意にも欠ける新世代に置き換えられていた。

やみくもに平和を追求する余り、FARCは革命軍を解体し、武装解除することに同意した。FARCは、土地改革を含む社会-経済改革に対する支配力を確保し損ねた。FARCは、治安維持を、地主、7つのアメリカ軍事基地と、麻薬暗殺部隊とつながる政権の軍隊に任せてしまった。

‘和平合意’はFARCを破壊した。武装解除するやいなや、政権は合意を取り消した。何十人ものFARC戦闘員が暗殺されたり、逃亡を強いられたりした。少数独裁者が、追い立てられた農民に対し、土地、天然資源、公的資金の完全支配を維持し、エリート層が選挙を支配した。FARC指導部や活動家は投獄され、死の恫喝を受け、敵対的な公営、民営マスコミ・プロパガンダによる絶えない集中攻撃にさらされた。

FARCの悲惨な和平合意は内部分裂、分離と孤立化を招いた。2017年末、FARCは崩壊した。各派は我が道を行った。一部は縮小したゲリラ集団に再度加わった。闘争を放棄し、雇用を求めた人々もいた。政権に協力したり、コカ栽培者になったりする機会を求めた人々もいた。

少数独裁者とアメリカは、40年の軍事戦争で実現し損ねていたFARCの降伏と打倒を交渉によって実現したのだ。

ケース 5: イラン: 核合意

2016年、イランは、七つの調印国: アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、中国、ロシアと欧州連合との和平合意に署名した。合意は、イランが、民生用と軍用のデュアル・ユースが可能な濃縮ウラン製造能力を制限し、 国外搬出するよう規定していた。イランは欧米による核施設査察を認め、テヘランが完全に遵守していることが認められた。

それと引き替えに、アメリカと協力諸国が、経済制裁とイラン資産凍結を停止し、貿易、金融と投資への制限を停止することに同意した。

イランは完全に遵守した。ウラン濃縮施設は製造を停止し、残っていた在庫は国外に搬出されたs。査察では、イラン施設への完全なアクセスが認められた。

対照的に、オバマ政権は完全遵守したわけではない。一部の経済制裁は解除されたが、他の制裁は強化され、イランの金融市場へのアクセスは酷く制限された - 明らかな合意違反。それでも、イランは、自分たちの側の合意内容を守りつづけた。

ドナルド・トランプ当選で、アメリカは合意を否定し(‘それは’これまでで最悪の合意だ’)イスラエルのB. ネタニヤフ首相の軍事的狙いに従って、完全な経済制裁復活と、イランの全国防の解体と、中東において、イランが、アメリカ、イスラエルとサウジアラビアの命令に服従することを要求した。

言い換えれば、トランプ大統領は、ヨーロッパとアジアの全ての主要諸国に反対し、孤立化し、武装解除し、イランを攻撃し、テヘランに傀儡政権を押しつけるというイスラエルの要求に有利なように、合意を放棄したのだ。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、イランの新たな軍事的譲歩を確保するため、イランが(1)地域の同盟者(シリア、イラク、イエメン、パレスチナ、レバノン-ヒズボラとイスラム教大衆運動を放棄)、(2) 大陸間弾道ミサイル防衛システムの解体、終焉(3) アメリカ(イスラエル)による、全ての軍事基地と科学施設の監督と査察受け入れを含む、トランプ要求の一部を盛り込むよう合意を‘修正’(原文通り)しようとしていた。

マクロン大統領の姿勢は、内容を破壊し、‘合意’の形式だけ‘維持’するというものだった。彼はトランプの目標を共有していたが、既存合意の‘修正’に基づく段階的な手法を狙ったのだ。トランプはイスラエル方式を選んだ。もしイランが譲歩を拒否し、ワシントンの要求を受け入れることを拒んだら、軍事攻撃をするというあからさまな威嚇を伴う、真っ向からの合意丸ごとの拒絶だ。

ケース 6: パレスチナ

アメリカは、1967年以前の領土的、歴史的権利に基づく双方が合意した二国解決にのっとって、イスラエルがパレスチナを認め、入植を止め、和平調停を狙うイスラエルとパレスチナ間の和平合意を仲介するふりをした。クリントン大統領下、アメリカ合州国は入植に喝采し、更にイスラエルの現在と将来のありとあらゆる違反を支持するにい至っている。600,000人以上のイスラエル人入植者が土地を占領し、何万人ものパレスチナ人を追放した。イスラエルは年中ヨルダン川西岸を侵略し 何万人ものパレスチナ人を暗殺し、投獄してきた。イスラエルはエルサレムを完全支配している。イスラエルによる段階的民族浄化とパレスチナのユダヤ化を、アメリカは是認し、武器を供与し、財政支援してきた。

ケース 7: 北朝鮮

アメリカは最近、北朝鮮の金正恩が提唱した交渉による合意を支持すると述べている。平壌は、半島の非核化と、韓国内のアメリカ軍部隊維持を含む恒久的平和条約交渉のために核計画と実験を停止すると申し出ている。

トランプ大統領は、経済制裁を強化し、韓国内での継続中の軍事演習を行いながら、交渉を‘支持する’戦略を推進している。交渉の準備段階で、アメリカは何ら互恵的譲歩をしていない。トランプは、もし北朝鮮が、武装解除し、国防を解体するというワシントンの主張に従わなければ、交渉は止めると、公然と威嚇している。

言い換えれば、トランプ大統領は、朝鮮を、アメリカに、イラク、リビアとFARCの侵略と軍事征服と破壊の成功をもたらした政策に従わせたいのだ。

ワシントンの朝鮮平和協定交渉は、最近駄目になったイランとの‘核合意’同じ道をたどるだろう。テヘランの一方的武装解除と、それに続く、合意破棄だ。

この全てのケース・スタディーが実証している通り、アメリカのような帝国建設者にとって、交渉は、弱体化させ、攻撃するべく独立国家を武装解除させるための戦術的陽動作戦なのだ。

結論

我々の研究で、ワシントンが帝国構築を強化するために‘交渉’と‘和平プロセス’を戦術的兵器として、どのように利用しているのかを明らかにした。敵対国の武装解除と動員解除によって、政権転覆のような戦略目標追求を促進するのだ。

帝国建設者が不誠実な敵がと分かっていることが、和平プロセスや交渉を拒否すべきことを意味する訳ではない - そうすれば、ワシントンに、プロパガンダ兵器を与えてしまうので。そうではなく、帝国に敵対する国は、下記指針に従うのが良い。

交渉は、一方的、特に非互恵的な兵器計画の縮小ではなく、互譲的なものにするべきだ。

交渉は、決して、脆弱性を増し、電撃作戦を可能にしてしまう武装解除と国防軍動員解除であってはならない。交渉では、帝国の違反や、特に軍事的・経済的同意の突然の破棄に対して高い代償を課すことができる自国の能力を維持すべきなのだ。帝国の違反者は、人的、国家的代償が高くつき、政治的に不人気な場合、侵略をためらうのだ。

帝国に敵対する諸国は、孤立したままであってはならない。軍事的同盟国を確保すべきだ。シリアの場合が明らかだ。アサドは、ロシア、イランとヒズボラとの連合を構築し、それがアメリカ-EU-イスラエル- トルコとサウジアラビアが支援する テロリスト‘反政府派’に効果的に反撃した。

イランは、核能力を廃棄することには合意したが、イスラエルやアメリカによる奇襲攻撃に報復できるICBM計画は維持している。ほぼ確実に、イスラエルは、テルアビブに有利なよう、アメリカが中東戦争の苦痛を負担するよう主張するだろう。

北朝鮮は、アメリカに対して、既に一方的な非互恵的譲歩をし、韓国に対して、より小規模に譲歩をしている。もし北朝鮮が同盟国(中国とロシアのような )を確保することができずに、核抑止力を止めてしまえば、更なる譲歩への圧力を招く。

経済制裁解除に返礼するのは良いが、戦略的軍事防衛を危うくすることであってはならない。

基本原則は、互恵主義と、戦略的防衛と、戦術的経済的柔軟性だ。永久の同盟国は存在せず、あるのは永久の権益だけだというのが指針となる考え方だ。イラク、リビアやパレスチナの場合で明らかで、またシリアでは致命的に近かったように、欧米帝国主義の高尚な‘価値観’への見当違いな信頼や、帝国権益に関する現実的でない認識can自立した指導者たちにとって致命的、国民にとって破壊的なものになりかねない。最新の例はイランの場合だ。アメリカは、2016年に和平合意に署名し、2017年に破棄した。

北朝鮮はイランの経験から学ぶべきなのだ。

協定を破棄する帝国の時間枠は色々だ。リビアは、アメリカとの武装解除協定に、2003年に署名し、ワシントンは、2011年にリビアを爆撃した。

どの場合も、原則は同じだ。紙片の契約に従って帝国権力が権益を放棄した歴史的な例は存在しない。帝国は、他に選択肢が無い場合にのみ協定を守るのだ。

James Petrasは、ニューヨーク、ビンガムトン大学の社会学のBartle Professor (名誉)教授。

本記事初出はGlobal Research
Copyright Prof. James Petras, Global Research, 2018

記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/imperial-road-to-conquest-peace-and-disarmament-agreements/5638573

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孫崎享氏の今朝のメルマガ題名をコピーさせていただこう。

改憲、原発等重要政策激しく対立の中、足して二を国民は望んでない。マスコミ冷たい反応。産経「支持率0%同士がくっついても0%でしかない」日経「規模を優先、政策は曖昧」朝日「続々不参加」、毎日「変な名前」不参加の遠因?」東京「不参加続出」

下記の不穏な壊憲策動、大本営広報部は報じているのだろうか?

日刊IWJガイド・番組表「自衛隊会議室で退職者と予備自衛官の団体が憲法改正運動!? 繰り返される軍事ファシズム!/進水はしたものの…希望に満ちて民とともに進めるか?国民民主党のこれからの航路は?/『平和か戦争か!? 運命の前夜の韓国へIWJ記者を特派!10夜配信シリーズ特集・第四夜~「米国の軍事主義と韓半島の平和」~パク・インギュ氏(元京郷新聞ワシントン支局長)講演会』を午後6時から配信します!/
<新記事紹介>TPP11と日欧EPAが超危険!! 食料自給率が20%を切る!? 種子法廃止で有機栽培できる土地が消える!? 遺伝子組み換え食品ばかりが食卓に?」2018.5.8日号~No.2063号~

2018年5月 6日 (日)

ロシアは何が起きているのか理解しているのだろうか?

2018年5月3日
Paul Craig Roberts

和平と理解の交渉をしようとロシアが躍起になっているワシントンの犯罪人のことを、ロシアは理解しているのだろうかと私は不思議に思っている。

“軍拡競争を協力して抑制するために”トランプ大統領がプーチン大統領をホワイト・ハウスに招待した、とロシアのラブロフ外務大臣は大喜びしている。https://www.rt.com/news/425699-lavrov-trump-meet-putin/

もちろんアメリカ軍安保複合体はロシアが30年先行している軍拡競争を抑制したいのだ。アメリカとその傀儡諸国に対する妄想と美化した見方のおかげで、ロシア政府はまたもやロシアが全滅に曝されてしまうことになる無意味な合意に呑み込まれてしまうのだろうか?

ロシアの目の前で、イランのウラン濃縮に関し、アメリカがイランと結んだ合意を、世界でただ一人、アメリカが破棄しつつあるのに、ワシントンなり、ヨーロッパのどこかの国なりとの合意に、何か意味があるなどと、どうしてロシアは期待できるのだろう? https://www.youtube.com/watch?v=fYOnXL6R-B8&feature=youtu.be

クリントン政権以来、ロシアと交渉した他のあらゆる合意と同様に、ワシントンが破棄するであろう、次のワシントンとの合意を、ラブロフ外務大臣は、一体なぜ交渉したがるのだろう。ロシア外務省は経験から学ぶことが困難なのだろうか?

ロシアには勝てる持ち札があるのに、それをどう活用すべきか分かっていないのだ。より断固とした政策なら、挑発を思いとどまらせるはずなのに、ロシア政府の慎重な動きが、更なる挑発を誘発しているのだ。

ワシントンは、ロシアの融和的な振る舞いを弱さだと解釈しており、今イスラエルという小国もそう解釈している。信じられないようなことだが、イスラエルがロシアに最後通告を発したのだ。通常兵器だけで消し去ることが可能なほど小さな国イスラエルが、世界の主要軍事大国に、今やシリアでのイスラエルによる違法軍事攻撃の邪魔をするなと命じたのだ。http://www.investmentwatchblog.com/israeli-defense-minister-asks-russia-to-stand-down-syria-air-defenses-or-they-will-be-attacked-too/

その軍隊が、ちっぽけなレバノン民兵に、二度も完敗し、徹底的に負かされたイスラエルに最後通告を出されてしまう国は、欧米では尊敬が得られない。これがロシアの問題だ。軍事的に無力なイギリスすらもが、まるで何の危険も伴わない事業であるかのごとく、ロシアと戦争することについて語っている。

極端な挑発への対応で、ロシア政府が優柔不断と弱さを示し続ける限り、挑発は世界を第三次世界大戦に追いやりつづけるだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/03/russia-know-whats/
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遅ればせながら、下記インタビューを拝聴。残念ながら今回は、時間切れで、ほとんどシリアの話題には触れられなかった。

「『板門店宣言』は思った以上に中身がなかった」!? 南北首脳会談に孫崎氏は厳しい指摘!国内政治に関しては「野党は分断を克服し共闘せよ!」~4.27岩上安身による孫崎享氏インタビュー 2018.4.27

道徳と真実と事実が去ってしまった死につつある欧米

2018年5月3日
Paul Craig Roberts

我々は狂った世界に暮らしているのではないとお考えであれば、イスラエルの大量虐殺シオニスト指導者で、ユダヤ人のために、パレスチナ人を、その家や村や国から追放し、パレスチナを破壊し、パレスチナを占拠し、ワシントンとイスラエルによりパレスチナ指導者として選ばれた名目上の指導者アッバースを、ホロコースト否定論者だと非難する侵略者ネタニヤフをご覧願いたい。https://sputniknews.com/middleeast/201805021064078676-netanyahu-abbas-holcaust-denial/

これに拮抗するばかげた話は、トランプ大統領のノーベル平和賞ノミネーションだ。http://www.ronpaulforums.com/showthread.php?521843-Trump-Formally-Nominated-For-Nobel-Peace-Prize

私が読んだ説明では、アッバースはホロコーストについては何も言っていない。ヨーロッパ人のユダヤ人に対する偏見は、なんらかの宗教的敵意によるものではなく、ユダヤ人の厳しい金融慣行にまつわるヨーロッパ人の経験に由来すると彼は言っているのだ。これは、もちろんイスラエルによるパレスチナ植民地占領以前の無数の歴史的説明とも一致する。

ホロコーストとは一体何だったのだろう? シオニストによれば、ホロコーストとは、最初、彼らをガスで殺害し、それから遺体を火葬した、国家社会主義ドイツによる、600万人のユダヤ人抹殺のことだ。限られた減りつつある資源の全てが、結局不首尾に終わったロシア戦線に向けられていた時に、ドイツが一体どのようにしてこの妙技をやりおおせたのかははっきりしない。

ホロコーストを示す写真には、骸骨のように痩せた遺体がある。しかし、これはガスで殺害され、火葬された人々ではない。彼らはチフスと飢えによる死者だ。崩壊しつつあったドイツには、ドイツ国民用、また往々にして兵士用食糧も薬品も無かった。強制収容所の被収容者たちは、階層構造の最下層にいたのだ。

誰もそれを研究することが許されていないので、我々はホロコーストについてはほとんど知らない。ヨーロッパでは、それを研究し、シオニストの言説に対して、ごくわずかでも変更をする人は誰であれ、ホロコースト否定論者として、逮捕され、投獄される。多くのユダヤ人が殺害されたことに疑う余地はないが、使われた様々な手段や、どのプロセスがどの程度計画されたものだったのか、無計画だったのかに関して、様々な見解がある。差異が解決され、整理される前に、この主題は立ち入り禁止にされてしまったのだ。

例えば、ドイツで学者が、国家社会主義ドイツが、300万人のユダヤ人を抹殺したことを証明するこれまで知られていなかった文書を発見したとしよう。600万人というシオニストの公式宣言と矛盾するので、文書を報告したかどで、その学者は逮捕され投獄されるというのが、このホロコーストの証拠発見の報酬だ。文書は偽装だとレッテルを貼られて、廃棄されるだろう。学者の将来は破壊されるだろう。

ホロコーストは研究したり調査したりできる主題ではない。検証したり、変更したり、また決して疑問を抱いたりしてはならない、シオニストによって伝えられる出来事なのだ。我々は、それをそのまま信用しなければならないのだ。もしある学者が信用しなければ彼はホロコースト否定論者であり、ヨーロッパ人だったり、ヨーロッパで逮捕されたりすれば、彼は投獄される。

これは、シオニストの説明を裏付けるはずの出来事の研究は、抑圧されるのではなく、歓迎されるはずなので、多くの人々にとってホロコーストに対する疑問を起こさせる。

ホロコーストは、ほぼ75年前に起きた。ノーマン・フィンケルシュタインや他のユダヤ人学者たちが、イスラエルのパレスチナ人に対する扱いへの批判を逸らすのに、ホロコーストがいかに利用されているかを説明している。我々の目の前で、イスラエルが、パレスチナ人に対して、ホロコーストを行っているのに、それについては何もなされないのだ。抗議することさえ許されないのだ。サウスカロライナ州は最近、いかにとんでもないことであれ、いかなることでも、イスラエルを批判することを非合法とする法律を成立させた。法律は“反ユダヤ主義”と戦うためのものだとされているが、反ユダヤ主義の定義は、イスラエル批判、あるいは、イスラエル・ボイコット支持なのだ。言い換えれば、サウスカロライナ州では、イスラエルに制裁措置を取ることや、パレスチナ人に対するイスラエルの非人道的な政策を批判することは違法なのだ。だが、ロシアやイランや北朝鮮には、ぬれぎぬだけを根拠に制裁措置をとっても良いのだ。http://www.thetower.org/6154-south-carolina-is-first-state-to-pass-law-defining-anti-semitism-countering-on-campus-hate/

三年前、サウスカロライナ州は、イスラエルをボイコットするアメリカ企業と州の契約を禁じる法律を成立させた。https://www.washingtonpost.com/news/volokh-conspiracy/wp/2015/06/05/south-carolina-passes-historic-anti-boycott-law/?noredirect=on&utm_term=.2224f9d85293 サウスカロライナ州政府は、大半の他の州と同様、イスラエルの支配下にあるのだ。州政府と連邦政府は、アメリカ人に対してではなく、イスラエルに応えており、決して道徳的要請に応えているわけではない。

我々は一体どのように結論すべきだろう? ユダヤ人に対するホロコーストは道徳的に容認できないが、パレスチナ人に対するホロコーストは道徳的に容認できるのだろうか?

“欧米民主主義”の神話は、決して何も変えることがない投票に基づいている。トランプは、シリアでの戦争を終わらせ、ロシアとの関係を正常化すると言って選挙運動をしたが、今一体どうなっているだろう? アメリカはシリア軍陣地を攻撃し、ロシアとの戦争を煽っている。ところがそれでも、トランプがノーベル平和賞にノミネートされる妨げにはならないのだ。

元CIA職員フィリップ・ジェラルディは、アメリカのネオコン・ユダヤ人が、イスラエルの利益のために、アメリカの戦争を推進していると言っている。http://www.unz.com/pgiraldi/americas-jews-are-driving-americas-wars/?highlight=Philip+Girandi+America%27s+Jews+are+driving+America%27s+Wars

ネオコンは、ロシアを悪者化し、戦争をあおるための新たなシンクタンクを設立した。https://russia-insider.com/en/boot-applebaum-kristol-and-bunch-other-neocons-form-brand-new-russia-bashing-think-tank/ri23312

アメリカ憲法による言論の自由の保障を覆したり、パレスチナ人に対するイスラエルの非人道的な扱いを批判したかどで、定年まで在職権のある大学教授を、アメリカの大学から排除したりして、イスラエル・ロビーがその権力を示すことが良くある。イスラエル・ロビーが反対すれば、アメリカの大学教授には、言論の自由の権利も、定年までの在職権保護もないのだ。https://www.veteranstoday.com/2014/11/10/the-tragic-case-of-denis-rancourt-and-arthur-topham/

イランには、9/11攻撃と全く何の関係が無いにもかかわらず、ニューヨークの、狂ったか堕落したかしていて、誰から金を貰っているか分からない連邦裁判官が、イランに9/11の犠牲者に対し、60億ドル支払うよう命じた。http://www.unz.com/pgiraldi/americas-jews-are-driving-americas-wars/?highlight=Philip+Girandi+America%27s+Jews+are+driving+America%27s+Wars

明らかに、このでっちあげ判決の狙いは、イランが9/11の黒幕なので、対イラン軍事攻撃へのアメリカ国民の支持を喚起しなければならないと無頓着なアメリカ人に思い込ませるためだ。

一方、ロシア人は、欧米の仲間になりたい願望で混乱する余り、自分たちが加わるはずの退廃が全く分かっていない。

イギリスでは、十代の少女が処女を売り物にしている。150万ドルを得たものがいる。https://www.rt.com/search?q=UK+teens+sell+their+virginity

イギリス閣僚の秘書がオンラインで売春しているのが見つかった。閣僚の机の上で、ことを行うには追加費用が必要だ。https://www.rt.com/search?q=UK+minister%27s+secretary+caught+selling+sex+online

ドイツの大学では、最大の快楽を得るための自慰方法を女性に教えている。https://www.rt.com/search?q=Masturbation+workshops+for+women

欧米文明がセックス・ロボットへと向かう中、人間関係は崩壊している。https://www.theguardian.com/technology/2015/dec/13/sex-love-and-robots-the-end-of-intimacy

様々なことから判断すると、道徳や真実や事実同様、欧米男性は絶滅寸前だ。

https://www.rt.com/uk/423553-school-gender-inclusive-uniforms/

https://www.rt.com/usa/425720-boy-scouts-name-change-girls/

かつて、これらの記事は衝撃的だったはずだ。今では欧米の退廃の中に紛れてしまう。

ワシントンに多少常識があれば、アメリカ男性の去勢で彼らが兵士として不適格になる前に、ロシア人が欧米に加わるのを許して、退廃にすっかりはまり込ませることで、ワシントンはロシアを処分できるはずなのだ。文化が男性の去勢に向かっている欧米は本当にロシアと中国に対して戦争をしたがっているのだろうか? 私には良い判断とは思えない。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/03/morality-truth-facts-exited-dying-west/
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ノーベル文学賞の発表見送りと、その理由報道には驚いた。いずこも同じ初夏の夕暮れ。

それにつけても、この国の異様さ。大本営広報部にとっては、そうではないだろうが。

日刊IWJガイド・日曜版「セクハラ問題で、スウェーデン・アカデミーはノーベル文学賞の発表見送り! 米アカデミーは、2人のセクハラ加害者の資格を剥奪し追放!! 他方、麻生財務相は国際会議終了後の会見で『セクハラ罪という罪はない』!?/<岩上安身のインタビュー報告>あのブッシュ元大統領もCSISも激しく勧める子宮頸がんワクチン! その副反応被害を『HANS』と命名した小児科医~ 横浜市立大学名誉教授の横田俊平医師に岩上安身がインタビュー」2018.5.6日号~No.2061号~

2018年5月 5日 (土)

イランを不安定化させるのに通貨戦争を利用するワシントン

2018年4月21日
F. William Engdahl

アメリカ大統領を取り巻くネオコンタカ派、とりわけ新たな国家安全保障担当のトップ 、ジョン・ボルトンと、国務長官に指名されたマイク・ポンペオは、イランは、ワシントンにとって、政権転覆あるいは、少なくとも経済制裁や混乱の標的だと公言していることが知られている。言説は口先だけではない。アメリカの威嚇によって 他の調印国によって反対されたが、イランを到底耐えられない深刻な経済危機におち入れるはずの動きである、イラン核合意を5月に更新しない下地は準備されつつある。

ここ何週間、イラン通貨はつるべ落とし状態で、闇市場でのドル買いパニックを引き起こし 国内危機を悪化させている。トランプが5月にイラン核合意を更新しない、新たな公式経済制裁を始めると威嚇しているが、ワシントンの主要同盟国サウジアラビアとUAEによって、リアルを弱体化させる汚いゲームが行われていることを、証拠が示している。

2017年12月、国中で弱い経済と高い失業を問題にした抗議行動の波が起きた。そこで、当初、外国による介入のせいだと非難して(確かにそれはあった)、何千人も逮捕した後、政府は、経済不満は正当なもので、対処する必要があることを認めることを強いられた。アメリカが引き起こした2009年の緑の革命未遂以来、最大の抗議行動だった。欧米経済制裁解除にもかかわらず、2017年の14%という全面的インフレや、25%という若者の失業に、穏健派ハサン・ロウハーニーの政府は、この経済状況に対処すると誓った。

通貨戦争開始

抗議行動は次第に下火になった。しかしながら、現在起きていることは、イランの安定にとって遙かに危険だ。それは、ワシントンが仕掛ける見え透いた金融戦争だ。現時点では、1979年のホメイニ革命以来、リアルが最低に下落する中、ドルを得ようとする必死の取り組みで、リアルの投げ売りに走っているイラン国民のバニックを含む、通貨戦争という形をとっている。

最近のリアル下落の引き金になったのは、次の四半期毎の決定が行われる5月12日に、イランの核協定遵守を認定“したくない気分”だという、トランプ大統領による声明だった。1月に、トランプ大統領が核協定を署名承認した際、イランの弾道ミサイル計画や、シリア戦争における重要な勢力、ヒズボラ支持を止めることを含む、ヨーロッパとイラン間の根本的改善が合意されない限り、承認しないと彼は威嚇した。

2月に、リアルは、アメリカ・ドルに対し下落し始めた。その時点の報道は、ワシントンとサウジアラビアの親密な同盟国UAE内の銀行が、石油生産と輸出が、経済制裁の部分的解除以来、大幅に増加した事実にもかかわらず、イラン石油支払い処理を意図的に遅らせたというものだ。イランの貿易収支は黒字だ。昨年イランは、500億ドルの石油と400億ドルの石油以外のものを輸出し、500億ドルの商品とサービスを輸入した。石油生産は、経済制裁のピーク時、2012年の260万バレル/日から、380万バレル/日へと大幅に増加した。

最新の化学兵器使用という偽りの主張を巡るアメリカ-イギリス-フランスによる対シリア爆撃の数日前、イランの自由両替市場で、リアルは下落しつつあった。4月11日には、1ドル、60,000リアルだった。昨年9月には、1ドル、36,000リアルだった。現在、急激な下落を制御しようとする必死の動きで、ロウハニは、公定相場と私的相場の二重体制を終わらせるよう動き、相場を公式中央銀行相場とまとめて、1ドル、42,000リアル。リアルは、為替管理前の二週間で、20%下落した。

シリア爆撃

現時点では、4月14日のシリア標的 に対する違法なアメリカ-イギリス-フランス爆撃準備中の主要目的が、現在のロシア、シリアと特にイランとの関係の中に、状況を一気に変えるものを仕込むことだったことは明らかだ。現在、トランプの政策と、イスラエルでネタニヤフのリクード党政権を支配しているネオコンの狙いは、イランをシリアから追い出すことだ。爆撃の翌日、4月15日、アメリカ国連大使で、露骨なネオコンのニッキ・ヘイリーは、フォックス・ニューズに、アメリカは、以下の三条件が成立した場合に、シリアから撤退すると述べた。“化学兵器使用停止、ISISの完全打倒、イラン監視”。要するに、アメリカ軍は、現時点では、シリアでの長期駐留を計画しているのだ。

最近の爆撃にもかかわらず、今や、1999年のベオグラード作戦に沿って、いかなる時点でも、アメリカが支援するシリア国内のテロ集団が、新たな遥かに破壊的なシリア爆撃を正当化するための次の偽旗化学兵器攻撃を行う舞台が準備されたのだ。“イラン監視”という言葉で、彼女は一体何を意味していたのだろう?

ルサルや他のロシア企業に対する新たな過酷な経済制裁や、近年のルーブル下落や、スクリパリの神経ガス悪ふざけという欺瞞的なイギリス諜報情報、そして、それに続く同様に欺瞞的なホワイト・ヘルメットによる偽旗グータ化学兵器攻撃の主張との組み合わせによる明らかな結果の一つは、シリア内のイラン軍事駐留に対するロシアによる支持を“軟化させる”ことだった。4月13日、シリア空爆を国民に発表する演説の中で、トランプはこう宣言した。“今夜、犯罪的なアサド政権を支援し、機器を与え、財政援助をする上で、最も責任がある二つの政府にも言いたいことがある。イランとロシアにだ” 彼はそこで、ロシアに焦点を当てた。“ロシアは、この暗黒の道を下り続けるつもりなのか、それとも、安定と平和の勢力として文明諸国に加わるのかを決断しなければならない(原文のまま).”

エネルギー・ニュースレターのOilprice.comによれば、イランの通貨状況は、アメリカの主要同盟国サウジアラビアとUAEによる、イラン石油輸出によるドルの本国送金を妨害する意図的な措置で悪化しつつある。イラン中央銀行総裁のヴァリオッラ・セイフはこう述べた。“我が国境外の敵たちは、様々な姿で、この状況をあおり、国民にとって、状況を悪化させるため色々画策している。”

アメリカ財務省経済制裁再開?

どの標的が攻撃されたのか、されなかったのかとは無関係に、アメリカが率いたシリア爆撃画策で、新たな対イラン経済制裁の劇的なエスカレーションと、2009年には不可能だった、本格的な不安定化のプロパガンダ用の舞台は今や準備されている。

とにかく、ワシントン側で、姿を現しつつあるのは、対イラン経済・金融制裁の新たな波を解き放つ準備だ。

シリア攻撃二日前の4月12日、スティーヴン・マヌーチン財務長官は、アメリカは多国間イラン核合意から脱退しないと主張しながら、イランに対して経済制裁を再度課する可能性は存在するとアメリカ議会に述べた。下院聴聞会で、マヌーチンは述べた。“もし大統領が、あれ(権利放棄)に署名しないと決めても、必ずしも合意から離脱することを意味するわけではない。意味するのは、一次制裁と二次制裁が復活するということだ。”ヨーロッパ外交官が、たとえドイツやフランスやイギリスが合意に残ると決めても、アメリカによる経済制裁の威嚇ゆえに、欧米企業はイランから撤退するだろう”オフレコでロイターに述べた。これはイランを包囲する壊滅的経済防疫線だ。

マヌーチンは更に述べた。“極めて強力な”対イラン経済制裁が可能だ。“もし大統領が、承認に署名しなければ、経済制裁が復活する”とマヌーチンは述べた。“一次制裁と二次制裁はイラン経済に大きな影響があるはずと思うし、大統領は、決定に当たって、これを考慮、考量するだろう。” vii 近年 アメリカ財務省は、国家安全保障会議の一部となっており、“プーチン・オリガルヒ”と彼らの企業を標的にしたもののような”悪魔的な新“賢明な経済制裁”を語るようになっている。

マヌーチンは、議会に、財務省は、核合意とは全く独立に、経済制裁で動いていると語り、イランの核開発計画と全く無関係で、むしろ、イランそのものを、経済的に機能不全にしたり、不安定化したりする狙いという秘密を暴露した。主要ロシア企業に対するアメリカ財務省の最新の経済制裁を子細に見れば、ワシントンは、標的とした国に経済制裁を課すのに、もはや、いかなる真面目なやり方であれ、正当化する必要がないほど大胆になっているのは明らかだ。今や、良きトランプ氏と、お友達によって“この暗黒の道を下り続けるつもり”だと判断され、非難されるだけで犯罪とされるのに十分なのだ。

2012年、オバマ政権財務省は、欧州連合諸国に圧力をかけ、欧州連合が、ベルギーを本拠とするSWIFT、国際銀行間通信協会に、中央銀行を含めイラン銀行との全ての銀行間credit linesを切断させ、イランが石油や他の輸出品でドルを稼ぐ能力に壊滅的打撃を与えた。これは未曾有のことで、SWIFT回線が、2016年の核合意後に再度接続されるまで、四年間続いた。

アメリカ財務省が、一次制裁と二次制裁を今にも“パチンと”復活させるとを話している以上、ワシントンには、SWIFT回線を切断するため、EUに再び圧力をかける計画をしている連中がいることは明らかだ。ただし今回、“正当化の理由”は、アメリカやイギリスやフランスの駐留と違い、正当なシリア政府の要求を受けたイランのシリア駐留だ。

弱体化されたイラン経済の状態を考えると、イランの敵-ワシントン、サウジアラビアとイスラエルが、イラン経済に巨大な損害と混乱をもたらすには、いずれにせよ大変に困難な軍事攻撃は不要なはずだ。1989年に、ユーゴスラビアで、アメリカが経済危機引き起こした時のように、ワシントンが、イランを分裂させ、混乱を広めようとして、全米民主主義基金やソロス財団支配下の偽民主主義NGOを再度解き放つ可能性も高い。

現時点で明らかなことは、ワシントンとロンドンが、連中の戦争行為を正当化するための、国際的な法の支配順守の装いを、すっかりかなぐり捨ており、イランが、事実上の通貨戦争で、何カ月も、弱体化させられた後、壊滅的な新経済戦争に直面しつつあることだ。5月12日以降、中東の状況は実に醜いものになりかねない。これは、中国のユーラシア一帯一路構想、新経済シルク・ロードと、ロシアとの経済協力重要なリンクであるイランを標的にするものだ。もしこれが成功すれば、次は、ロシアや中国攻撃が視野に入るのは確実だ。もしこれらユーラシアの主要戦略的列強が、経済、政治と軍事のレベルで、相互協力を強化し損ねれば、ワシントンがライバルたちを打倒し、争う余地のない唯一の超大国覇権となるのが、樽の中の魚に網を投げるように簡単なことになりかねない。これは世界平和の見通しにとって、決して良いことではあるまい。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/04/21/washington-using-currency-war-to-destabilize-iran/

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「セクハラ罪という罪はない」とのたまう御仁、拝顔するたび「パワハラの権化」と勝手に思っている。

やはり、サウジアラビアも核合意離脱を支持。

日刊IWJガイド「<本日のインタビュー>本日14時30分より『子宮頸がんワクチン被害者と向き合う!「HANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)の問題は現在の医学・医療に対する告発だ」岩上安身による横浜市立大学名誉教授 横田俊平医師インタビュー』をお送りいたします/サウジアラビアもイラン核合意から離脱する米国を支持!シーア派抑圧の思惑でイランに向けて『圧力外交』が進行中!」2018.5.5日号~No.2060号~

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