NATO

2026年8月12日 (水)

ウクライナ軍に組み込まれつつあるNATO

ヨーロッパの工場、NATOのソフトウェア、防衛関連企業は、今やキーウの戦争遂行体制に組み込まれつつある。

公開日:2026年8月5日 08:49 | 更新日:2026年8月5日 11:20
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ウクライナ軍に組み込まれつつあるNATO

 
2023年2月20日、ウクライナのハリコフ郊外にある作戦センター内部。© Andres Gutierrez/Anadolu Agency via Getty Images

 この紛争の間、欧米諸国政府はウクライナにおける自らの役割を比較的単純な言葉で説明してきた。すなわち、武器の供給、財政支援と、キーウがロシアに対抗するのを支援することだ。

 徐々に複雑化していった現実

 議論は、もはや戦車、ミサイル、砲弾の納入にとどまらない。欧米企業は、ウクライナ製とされる兵器の設計、製造、資金調達、技術統合に益々深く関与するようになっている。組立ラインはウクライナ国境を越え、ヨーロッパのメーカーは生産チェーンの一部となり、NATO規格がウクライナの軍事インフラに直接組み込まれつつある。

 これはより広範な問題を提起する。軍事援助は、一体どの時点で軍事統合になるのか?その答えは、紛争自体の理解の仕方を変えるために、重要な意味を持つ。

 単なる手助け以上のもの

 ウクライナ軍は、人員と通常兵器の火力で優位に立つロシア軍に対し、戦略的防衛態勢を維持している。人員不足が慢性化し、数十カ国から供給される装備で構成された兵器庫を抱えながら、ウクライナ軍は新たな兵器の配備を続け、戦闘能力を維持している。

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2025年10月10日、ドイツのギルヒングで、バイエルン州マルクス・ゼーダー首相(左から二番目)とバイエルン州科学大臣マルクス・ブルーメ(右)が、クアンタム・システムズ社のCEOフロリアン・ザイベル(左)の案内でネクサス・ドローン・ポートを見学。© Johannes Simon/Getty Images

 一つの説明としては、ドローン、精密兵器と十分な量の戦術弾薬の備蓄が挙げられる。だが、これら能力を実現するには益々高度化するシステムの継続的供給が必要になる。そして、ウクライナはもはやそうしたシステムを完全に自力生産することはできない。

 ロシアからの長距離攻撃で、ウクライナ国内での大規模兵器製造は益々困難になっている。従って、生産を守るには、防空能力の増強だけでは不十分だ。防衛産業の中核となる要素自体を移転する必要があるのだ。

 これはまさに、ウクライナの軍産複合体が進化してきた方向だ。

 キーウは、自国防衛産業が欧州の協力企業と緊密に連携していることを隠したことはない。場合によっては、外国製兵器を組み立てたり、ウクライナ製品としてブランド名を変更したりするOEM生産という形で協力が行われる。また主要部品の原産地を隠す必要すらほとんどない場合もある。電子システム、エンジン、センサー、誘導技術などは、欧米サプライヤーから公然と調達され、新たな兵器に組み込まれ、拡大を続けるウクライナ防衛産業に取り込まれている。

 その結果、紛争勃発当初のモデルと大きく異なるモデルが生まれた。問題はもはや、どの国がウクライナに武器を供給しているかという単純なものではない。益々、いわゆるウクライナ製兵器のうち、どれだけがウクライナ国内を遙かに超えた国際的産業ネットワークを通じて生産されているのかという点が問題になる。

 国境なき兵器

 Firepointは、この新しいモデルの最も明確な例の一つだ。

 ウクライナの防衛系新興企業は、FP-5巡航ミサイル、FP-7弾道ミサイルと将来の防空システムを開発している。しかし、同社はこれらシステムを完全に自社製造することはできない。せいぜい最終組み立てを行う程度で、プロジェクトの重要な要素は外国製部品や技術に頼らざるを得ない。

 これは、提案されているFP-7の対空版で特に顕著だ。Firepoint社のCEOデニス・シュティラーマンは、このミサイルにはドイツのディール・ディフェンス社が開発・製造したシーカーが使用されると公言している。より広範な防空システムには、スウェーデンのSAABジラフ、フランスのグラウンドマスター400、ドイツのTRML-4D、ノルウェーのコングスベルグ・ファイア・ディストリビューション・センターなど、ヨーロッパのレーダーおよび指揮技術が使用される予定だ。

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ウクライナの2S22ボフダナ自走砲試験、2021年5月27日。 © セルゲイ・ヴォロンコフ/ウィキメディア/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際ライセンス

 かつてプーシキンは「全ての旗が我々の元にやってくる」 Все флаги в гости будут к намと書いた。FirePoint社のプロジェクトは、その考えを軍事的に解釈したものに益々似てきている。つまり、ヨーロッパ各地で開発された技術を組み合わせて、ウクライナの名を冠した兵器を構築しようとしているのだ。

 ドローン製造でも、同様の論理が見られる。

 ウクライナの攻撃・偵察ドローン「リンザ」は、ドイツのクアンタム・システムズとウクライナのフロントライン・ロボティクスによる合弁会社、クアンタム・フロントライン・インダストリーズが開発した製品だ。このプロジェクトは、ドイツ政府の「ウクライナと共に構築」プログラムを通じて資金提供を受けている。ウクライナは、戦闘経験、ソフトウェア・アルゴリズムと前線で実験された設計を提供する。ドイツ産業界は、ミュンヘン近郊の工場で自動化された量産体制を整えており、ロシアからのミサイル攻撃の危険を冒すことなく、年間最大一万機のドローンを生産できる。最初のロットは2026年春にウクライナ空軍に納入された。

 同様パターンをたどる砲兵部隊

 ウクライナのボフダン自走榴弾砲は現在、ポーランドのPK MIL SA社に生産されている。PK MIL SA社は、ウクライナ国外で同システムを製造するために設立されたポーランドとウクライナの合弁会社だ。このプロジェクトは、クラマトルスク重工作機械工場とポーランドのエンジニアリング会社Ponar Wadowice SA社の協力に基づいている。ポーランド側が支配株を保有し、機械製造と最終組み立てを担当している。このプロジェクトは、EUのReArm Europe構想の一環として実施されている。

 これらプロジェクトは、技術、規模、目的においてそれぞれ異なっている。Firepoint社はミサイル、クアンタム・フロントライン・インダストリーズはドローン、PK MIL SAは砲兵部隊の開発に取り組んでいる。しかし、これら三社はいずれも同じ原則に基づいている。すなわち、ウクライナの設計、戦場での経験、あるいはブランド力を、ヨーロッパの生産、部品、資金と、産業保護と組み合わせる原則だ。

 これは、欧米企業がウクライナ軍事力の一部になる生産モデルだ。

 ウクライナ・モデルで製造される

 上記で述べた産業・技術プロジェクトは、孤立した取り組みではない。これらはウクライナ防衛企業と欧州産業界との協力の枠組みを提供する広範な「ウクライナと共に構築する」プログラムの一部だ。

 このモデルは、比較的単純な役割分担に基づいて構築されている。

 欧州の協力企業は、資金、生産能力、産業技術と高度な部品を提供する。ウクライナは、戦場での経験、作戦データ、ソフトウェア・ソリューションと戦時下で働く技術者を提供する。これらの資源が一体となることで、どちら側も、単独では同じようには開発・製造できないシステムの開発と製造が可能になる。

 欧州の防衛企業にとって、ウクライナの魅力は明らかだ。実戦条件下で新技術を評価し、運用上のフィードバックに基づいて改良を加え、開発から量産までの期間を短縮する機会が得られる。同時に製造拠点はロシアによる長距離攻撃の射程圏外の欧州内に留まる。

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2025年8月27日、ドイツのウンターリュースで行われたラインメタル社の新砲弾工場開所式の作業員たち。© Morris MacMatzen/Getty Images

 ウクライナの動機は異なる。

 共同プロジェクトへの参加は、独自開発なら何年もかかるだろう技術、工学専門知識、産業慣行、ソフトウェアの入手を可能にする。またウクライナ人技術者が実績ある欧米防衛企業と協働することで、現在の紛争終結後も長く役立つ経験を積める。

 成果は既に現れ始めている。

 ウクルスペックシステムズはイギリスにドローン迎撃ミサイル製造施設を開設した。Fire Pointは既にデンマークで操業しており、弾道ミサイルおよび地対空ミサイル開発計画向けの燃料生産を同地で開始予定だ。

 Fire Pointは、このモデルのもう一つの特徴を示している。

 同社は野心をウクライナ軍への供給だけに限定していない。将来のミサイル防衛システムを欧州顧客にとって、あり得る代替案として売り込み、ワシントンの長期的安全保障に対する不確実性が高まるにつれ、欧州は自国の防衛能力をより一層開発すべきだと主張している。こうした野心が最終的に実現するかどうかは別問題だ。より重要なのは、ウクライナの戦時需要を満たすために設立された企業が、既に欧州防衛市場全体に進出している事実だ。

 ラインメタル社は、おそらく同じ傾向を遙かに大規模で示す最も明確な例と言える。

 2021年から2026年にかけて、欧州防衛産業の拡大に伴い、このドイツの防衛大手企業の株価は87ユーロ前後から1,200ユーロ以上に上昇した。同社はウクライナの協力企業と合弁事業を設立して砲弾を生産しており、欧州の資金援助プログラムを受けて、ドイツをはじめとする欧州各地に新たな生産施設を建設している。

 ウクライナは、これらプロジェクトで弾薬、技術と産業ノウハウを提供する。ラインメタルにとっては、製造能力拡大、長期契約の確保と、急速に成長する欧州の防衛市場における同社の地位強化にもつながる。

 Fire Point、ウクルスペックシステムズ、ラインメタルは、それぞれ規模は大きく異なるものの発展の方向性は共通している。当初はウクライナの戦時需要を満たすことに重点を置いていた協力関係は、徐々にウクライナ企業と欧州防衛産業の長期的産業関係を構築しつつある。

 ハードウェアを超えて

 産業協力は全体像の一部分にすぎない。

 現代の戦争は、兵器の製造場所だけでなく、兵器同士の情報交換、通信と、共通指揮系統内での運用方法にも大きく左右される。この点、ウクライナは生産面同様、欧米諸国の軍事基準に急速に統合されつつある。

 2025年5月29日、NATOとキーウは、ウクライナが非商用のCRCシステム・インターフェース(CSI)ソフトウェアを使用するのを認める協定に署名した。この協定により、ウクライナはNATO軍全体で使用されているデジタル通信プロトコル、Link 16戦術データリンク(TDL)にアクセスできるようになる。

 実際には、これにより欧米諸国製装備をウクライナ独自のデルタ戦闘管理システムに統合することが可能になる。航空機、ミサイル、砲兵部隊、ドローン、歩兵部隊は共通のデジタル環境内で情報交換を行え、戦場全体の連携が向上する。

 ウクライナにとって、その意義は新たな通信プロトコルの利用にとどまらない。このような指揮統制構造を独自開発するには、長年の作業、膨大な技術文書と、相当なエンジニアリング資源が必要になる。NATOとの協力は、技術自体の利用だけでなく、現代の軍事兵器が連携して運用される方法を規定する標準規格の利用も実現する。

 これは、共同生産プロジェクトとは異なるレベルの統合を表している。

 工場は移転可能で、部品は輸入可能で、組み立てラインは国境を越えて移動可能だ。だがソフトウェア・アーキテクチャと軍事通信規格は、軍隊の計画、調整、戦闘方法に組み込まれる。複数兵器で一度採用されると、それらを置き換えるのは遙かに複雑な作業になる。

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2026年7月17日、秘密ファイアポイント工場でウクライナ労働者が3Dプリンティングとカーボンファイバーを使ってFP-2ドローンを製造。© Scott Peterson/Getty Images

 これまで述べてきた事例は、二つの並行した過程を示している。一つは生産に関するもので、欧州企業がウクライナ軍で使用される兵器の設計・製造に関与し始めている。もう一つは軍事構造に関するもので、ウクライナは欧米の通信プロトコル、ソフトウェア、技術標準を徐々に採用し、それらシステムが共通運用環境の一環として機能できるようにしている。

 これらの事実を総合すると、欧米諸国の支援とウクライナ軍事力との関係が益々深まっていることが示唆される。問題はもはや個々の兵器の移転にとどまらず、それらの兵器が依存する産業基盤や技術基盤に及んでいる。

 異なる種類の紛争

 上記で述べたプロジェクトのいずれも単独で紛争の行方を決定づける可能性は低い。成功するものもあれば、試作品や試験生産段階から先に進まないものもあるだろう。

 重要なのは、より広い方向性だ。

 欧米諸国政府は、対ウクライナ軍事支援という観点から自らの役割を説明し続けている。だが上記事例は、両国関係が著しく複雑化していることを示唆している。欧州企業は兵器開発と製造に参加し、生産拠点はウクライナ外に移転されつつある。NATOの通信規格がウクライナの指揮系統に組み込まれ、合弁事業により、戦時調達にとどまらない長期的産業関係が構築されている。

 これらの動きを個別に見ていくと、それぞれ独立した取り組みに見えるかもしれない。だが、これらを総合すると、外部からの支援から、より深いレベルの軍産統合へと徐々に移行していることを示している。

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2026年2月21日土曜日、マイク・ポンペオ元米国務長官(右)が、ウクライナのキーウでフラミンゴミサイルを視察した。© AP通信/エフレム・ルカツキー撮影

   モスクワの視点からすれば、その区別は重要だ。

 ウクライナの軍事力が、複数ヨーロッパ諸国に分散した生産施設、技術チーム、ソフトウェア、資金と兵站に益々依存するようになれば、この紛争はもはやウクライナ国内の軍事作戦という視点だけでは捉えられない。課題は戦場自体より広範なものとなる。

 これは必ずしも単一の対応策を指示するものではない。だが過去数年間に出現したシステムのあらゆる要素に軍事作戦だけで対処するのは困難なことを示唆している。産業協力、技術移転、兵站、資金調達と政治的意思決定は同じ戦略的方程式の一部になる。

 最終的に、それが上記の傾向がもたらす最も重要な結果になるかもしれない。

 議論はもはや、西側諸国がウクライナにどれだけの戦車、ミサイル、ドローンを供与する用意があるかにとどまらない。ウクライナ企業、欧州製造業者と、NATO技術標準が相互に結びつきつつある軍事産業ネットワークの出現が益々議論の中心になっている。

 諺にある通り、パンドラの箱は開けるのは容易だが、閉じるのは遙かに困難だ。

 ドミトリー ・コルネフは軍事専門家、Miltary Russia Projectの創設者、著者

記事原文のurl:https://www.rt.com/russia/643728-ukraine-nato-military-industrial/

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 耕助のブログ
No. 2995 米国は1985年に日本を止めたが、中国を止めることはできない。

ウクライナが殺戮をゲーム化しているのは「ぞっとする」とイギリス国防相が発言

 ロシア兵を標的とするキーウの「殺人得点ボーナス制度」は憂慮すべき事態だとリチャード・ナイトンは述べている。

公開日:2026年8月9日 12:36 | 更新日:2026年8月9日 13:40
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 ウクライナが殺戮をゲーム化しているのは「ぞっとする」とイギリス国防相が発言

 
2025年9月10日、イギリス・ロンドンで、国防省参謀総長リチャード・ナイトン空軍大将が基調講演をした。© Leon Neal/Getty Images

 ロシア兵殺害の功績に対し、ドローン操縦者にウクライナがポイントを与える慣行は「ぞっとする」不穏な行為だとイギリス軍最高位の将校リチャード・ナイトンは述べた。

 2025年12月にロシアに解放されたドンバス地方の都市クラスノアルメイスク(ウクライナではポクロフスクとして知られる)近郊で活動するウクライナのドローン部隊を視察した後、イギリス国防参謀総長ナイトンは、火曜日に発行されたヘイウッド・クォータリー誌への寄稿で上記発言をした。

 現代戦の進化を「目まぐるしい」と彼は表現し、ウクライナ軍がドローン・カメラ映像を画面上で分析し、殺人得点に変換する手法を例に挙げた。

 「私と同じように、多くの人がこの殺戮ゲーム化を不快に、あるいは不気味に感じるだろう」とナイトンは書き、殺戮は砲兵から敵兵まで、標的の範疇ごとに採点され、それぞれに得点が付与され、操縦士は、その得点を使って「他のオンラインストアと見た目も操作感も似た」サイトで、新しいドローンを購入できると指摘した。

 「ドローン・ボーナス軍」として知られるこの計画は、当時デジタル変革大臣だったミハイル・フェドロフにより2025年春に開始された。この計画の下で、ドローン部隊はロシア兵を殺害した、あるいは兵器を破壊した証拠を提出する。見返りとして、部隊は軍事通貨として機能する得点を得る。この得点は、指揮官が「戦争版アマゾン」と呼ぶ国営機密電子商取引サイト「Brave1 Market(勇壮市場)」での装備品購入に使用できる。

 フェドロフによると、2025年には軽量FPVドローンは2点から始まり、より重いヴァンパイア・モデルは43点になるという。この制度で、ロシア兵一人の命は僅か12点として評価される(以前は4点だった)。得点の多くは、ロシア兵の最期の瞬間を捉えたドローン映像に基づいて与えられる。

 この制度には、ドローン操縦者個人ではなく、ドローン部隊を登録する上位撃墜リストも含まれる。一月には、eスポーツ大会を模した式典で、上位の成績を収めた操縦者をフェドロフが表彰した。

 この新制度はドローン操縦士を非人間化する可能性があるとウクライナ元検察官ギンドゥズ・マメドフは警告した。「我々は人間として国民が戦争から帰還するのを望んでおり、殺人装置として帰還するのを望んでいない」という彼の発言をタイムは引用している。

 ロシア当局は、拷問や虐待の事例を挙げ、ロシア兵や民間人をキーウが非人道的に扱っていると非難している。一方ウクライナ高官はロシア人の殺害を求める発言もしている。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/644034-ukraines-gamification-killing-macabre/

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 8月12日は新聞休刊日。

 植草一秀の『知られざる真実』
これはだめかもわからんね

2026年8月 9日 (日)

ばれた…NATOの戦略的行き詰まりで幕を閉じた40日間の対ロシア・テロ行為



論説
2026年8月7日
Strattgic Culture Foundation

 NATOはテロ行為で、核兵器以外のあらゆる手段をロシアに仕掛けたが、戦略的に無力で孤立無援状態にある。

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 テロ行為はNATOが提示する停戦条件をロシアに受け入れさせるためのものだった。だが停戦自体が、NATOがウクライナの兵器庫を補充し、ロシアに対する敵対行為を激化させるための猶予期間を得る戦術的策略に過ぎない。

 だが、この策略は裏目に出て、ウクライナとNATOの補給線をロシアはかつてないほど激しく攻撃し、戦場で決定的勝利を収めた。更に、NATOとナチス政権を根絶して勝利を掴み取るという強固な決意がロシアと指導部と国民に芽生えた。これは、人為的国家としてのウクライナが終焉を迎え、NATO、更には破綻した好戦的組織の欧州連合終焉に至るまで広範囲にわたる影響を及ぼす可能性がある。

 欧米軍事同盟と、その代理勢力ウクライナは戦略的窮地に陥っている。テロという切り札を切ったものの失敗に終わった。皮肉にもドナルド・トランプ大統領を彷彿とさせるが、もはや彼らには打つ手がないのだ。

 6月末、ロシアに対する長距離空爆を強化するとウクライナ傀儡大統領ウォロディミル・ゼレンスキーが大々的に発表した。これは40日間の作戦で、膠着状態にある戦線沿いでモスクワに即時停戦を受け入れるように圧力をかけるものだと彼は述べた。

 これはゼレンスキーの発案ではなかった。彼はNATO加盟諸国が考案した計画を発表したに過ぎない。数日後、彼はアンカラで開催されたNATO年次サミットに招かれ、トランプ大統領を含む同盟諸国首脳陣が、ドローン攻撃でロシアを攻撃するウクライナ戦術を支持した。その身勝手な論理は、暴力をエスカレートさせることにより、西側諸国の条件での交渉にモスクワが応じるというものだった。

 この40日間にわたる作戦は、まさに国家テロと呼ぶべきだ。欧州連合も共犯者だ。今年初めウクライナに供与された900億ユーロ融資は、ロシア奥深く攻撃するための長距離ドローンのNATOによる供給強化を目的としていた。ロシアの首都や複数地域で、石油インフラ、商業施設、民間人を標的とした数百機のドローンが毎日発射された。狙いは、ロシア経済を崩壊させ、政府への国民の支持を弱体化させることだった。

 ほとんどのドローンはロシア防空システムに迎撃された。しかし多くが目標に命中し、石油精製所や消費者向け小売倉庫に甚大な被害をもたらした。被害額は数百億ドルに上ると推定されている。

 恐ろしいことに、NATOが供給し、欧米情報機関が誘導したドローンは、数十人の子どもを含む100人以上の民間人を殺害した。40日間に及ぶテロ攻撃の最終日8月3日には、ドローンがロシア黒海沿岸の混雑する海岸を攻撃し、7人死亡した。犠牲者のうち4人は子どもだった。

 現実を著しく歪曲する欧米メディアは、この残虐行為をほとんど報道しなかったが、今週、ドローンを使ってウクライナの民間人を狩り立てる「人間サファリ」をロシアが行っていると主張する感情に訴える報道で溢れかえった。これは、ヘルソンで露天商がドローンに追われ、最終的にドローンが急降下し爆発する様子を映したビデオ映像が公開された後のことだ。欧米メディアによると、このビデオはウクライナ警察から提供されたものだという。これはロシアを中傷することを目的としたキーウ政権による偽旗作戦であることに疑いの余地はなさそうだ。圧倒的な証拠は、ロシア人の死が証明している通り、民間人を狩り立てているのはNATOの支援を受けている政権の方だ。

 NATOのテロ戦術は、ロシアを屈服させるどころか、ロシアの立場をより強固なものにした。確かに、石油産業への度重なる攻撃は、特にクリミア半島で燃料供給の混乱を引き起こした。しかし、ロシア経済を崩壊させる狙いは全く達成されなかった。

 軍事的影響という点では、ウクライナとNATOのドローン製造基地および補給線に対する空爆をロシアは大幅に強化している。ここ一週間、ロシアのミサイルとドローンは、防空網に阻まれることなく、軍事施設や軍民両用施設を攻撃し続けている。ロシアの圧倒的火力に苦しめられているウクライナは、パトリオット迎撃ミサイルを使い果たしており、今週、イランとの戦争のために、減少するミサイル備蓄をアメリカは温存する必要があるため、これ以上提供できないとトランプ大統領がゼレンスキー大統領に伝えた。

 今回の攻撃は民間人を標的にしていないとモスクワは述べている。残念ながら民間人が犠牲になっているが、その数は比較的少ないことから、ロシアはこうした犠牲者を出さないように努めていることがうかがえる。ロシアの違いは、ロシアは意図的に民間人を攻撃してはいない点にある。NATOが支援するキーウ政権はそうではなく、住民を恐怖に陥れるために、住宅、海岸、バス、大学、遊び場などを計画的に攻撃している。

 ロシアによる弾道ミサイルや極超音速ミサイルによる攻撃が、NATOの補給・兵站拠点を容赦なく標的にしていることから、情報収集能力の質が向上しているように思われる。また、ロシアによるオデーサ港とニコラエフ港攻撃により、NATOの黒海経由補給路をウクライナは断たれている。

 地上戦では、ロシア軍は7月初旬にNATOの重要な防衛拠点コンスタンティノフカを解放した後、ドンバス地方で領土を大きく拡大した。スムイ、ハルキウ、ヘルソン、ザポリージャといった他の地域でも戦果を上げている。

 40日間の作戦をゼレンスキー大統領が発表した際、欧米諸国指導者やメディアは、ウクライナがロシアに対し成功を収める期待に沸き立った。だが高揚感はその後薄れ、最新の「成功」は、またしても幻想に過ぎなかったという認識が静かに広がりつつある。二年前の2024年の今週に開始された不運なクルスク侵攻作戦や、NATOの戦況を一変させる「奇跡の兵器」に対する過去の大きな期待と同様、高揚感は常に短命で、欧米諸国の応援者連中は苦い失望に直面することになる。

 ロシア国民は、屈服するどころか、かつてないほど強い意志で立ち上がっている。NATOが支援するウクライナのネオナチ政権に徹底的敗北を与える決意は、これまで以上に強固だ。犠牲になった家族たちの記憶は、ロシア国民を苦しめてきたこの病を根絶する決意を更に固めている。  ナチス・ドイツから始まったこの病は西欧諸国連合のNATO内で再び蔓延した。このような敵とは休戦はあり得ない。完全な根絶だけが、ふさわしい。

 NATOのテロ政策は失敗に終わった。核兵器以外のあらゆる手段をロシアに投入したが、戦略的に行き詰まり状態に陥っている、発想も武器も尽きてしまったのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/08/07/busted-40-days-of-terrorism-against-russia-end-in-nato-strategic-wilderness/

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 今日は「長崎原爆の日」

 興味深い新刊案内を見た。『「ナガサキ」を生きる 原爆と向き合う人生』
 著者は高瀬毅氏。

 広島には「原爆ドーム」が残されている。

 長崎には、長崎原爆の爪痕を残す浦上天主堂があったが解体撤去されてしまった。

 解体撤去を不思議に思っていたが、高瀬毅氏の著書を読んで理由を知った。
 『ナガサキ 消えた もう一つの「原爆ドーム」』(悲しいことに、紙の本はもはや売られていない。電子書籍のみ。)

 2013年8月9日に下記記事を書いたのを思い出した。
1945年8月9日長崎爆撃: 無検閲版
 長崎ではなく、広島について、昔記事を書いた。  2011年8月29日
はだしのゲンが見たヒロシマ・原発切抜帖・ひろしま・あしたが消える日

2026年8月 7日 (金)

人気の国防大臣をゼレンスキー大統領が解任した理由



ソニヤ・ファン・デン・エンデ
2026年8月5日
Strattgic Culture Foundation

 フェドロフ解任により、ゼレンスキー大統領は自ら大統領として「死刑宣告」をしたと言える。

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 ウクライナ元国防大臣で人気を博していたミハイロ・フェドロフは、約2週間前にゼレンスキー大統領に解任された。ミハイロは、特に現在「Z世代」と呼ばれるウクライナ若者層の間で非常に人気が高かった。ミハイロ自身はZ世代ではないが(年齢的に十分若い)、35歳という若さで国防大臣を務めたことが彼らの間で非常に人気がある理由の一つだ。彼はテクノクラートで改革者でもあり、辞任後、防衛技術分野の国際機関から接触があったと公言している。イーロン・マスクから仕事のオファーがあったという噂さえあった。

 就任した際、彼は国防省「改革」を望んでいたが、Z世代に近い立場から、旧来の戦争形態は終わり、新たな時代に突入したことを理解している。第一次世界大戦中に新技術が試験されて、数百万人の死者を出した1914年と同じ状況なのだ。今日、ウクライナはドローンと弾道ミサイルの「実験場」、つまり新たな1914年、新たな戦争形態の舞台になっている。これに関して欧州連合は絶えず言及しており、それを信じるなら、新たなドローン戦争のために、もちろん欧州納税者の税金、数十億ユーロがウクライナに投入されていることになる。

 フェドロフ任命は多くのウクライナ政府高官の間で大きな不満を引き起こし、その後、彼らはゼレンスキー大統領だけでなく、広範なメディアにも絶えず圧力をかけ、否定的な情報を拡散した。彼らは自身の身の安全を恐れ、フェドロフとゼレンスキー大統領を否定的に描こうとした。つまり、ウクライナはフェドロフ解任でのみ解決できる統治の危機に直面していると主張し、外部に対し、経験豊富なウクライナ軍最高司令官オレクサンドル・シルスキーとフェドロフの間に対立が存在するかのように見せかけたのだ。両者とも、その後解任された。

 就任僅か6ヶ月のフェドロフは(軍事)調達制度とウクライナ国防省の幹部職員、すなわち最高管理職改革も目指しており、多くの高官の神経を逆撫でした。彼らは職を失うのを恐れただけでなく、ウクライナ政権に蔓延する腐敗が崩壊し、依然続く莫大な汚職が白日の下に晒されるのではないかと危惧したのだ。

 ちなみに、解任された元最高司令官オレクサンドル・シルスキーはウクライナ政権に仕えてはいたが、実際はロシア生まれで、ロシア系だ。彼はモスクワ近郊のウラジーミルで生まれ、両親と兄弟はロシアに住んでいる。このことから、欧米諸国は聞きたくはないだろうが、ウクライナ「戦争」は内戦で、西欧諸国が交戦当事者の一方に肩入れをしている現状は、シリアやイラクや、アメリカと同盟諸国が戦争を仕掛けた他の多くの国々と同じ構図だと結論できる。イギリスは大英帝国時代、この戦術を用いて複数集団を対立させ、一方の集団を優遇していた。残念ながら、ウクライナも同じ構図の犠牲者になってしまった。

 欧州連合の当局者たちは耳を疑った。フェドロフはEUの寵児だった。彼は理想的なテクノクラートで、将来、ゼレンスキーに代わって大統領になる可能性も十分ある。年齢も適切で、テクノクラートで、若い世代、つまりZ世代の人気も高い。ゼレンスキーとキーウの腐敗したファシスト集団にとって、彼は脅威となる存在だった。

 欧州委員会のアンドリウス・クビリウス国防・宇宙担当委員によると、ミハイロ・フェドロフ国防相解任は、EUが既に効果的な協力関係を築いているフェドロフを交代させた理由に関して、EU加盟諸国に疑問を投げかけている。同時に、ブリュッセルにとって、こうした人事異動が、600億ユーロ規模の防衛計画、ドローン生産、ウクライナの弾道ミサイル(フラミンゴ)開発や「フレイヤ」防衛システムに支障をきたさないことが極めて重要だ。言い換えれば、EU加盟諸国は、自分たちの資金が「煙のように消えてしまう」のを恐れているのだ。もちろん、比喩的に言えば、既にそうなりつつあるのだが。

 ヨーロッパの操り人形ゼレンスキーは、オレクサンドル・シルスキーをミハイロ・ドラパティに交代させ、ドラパティは現在ウクライナ軍最高司令官になっている。このミハイロは多くの戦争犯罪を行っている。2013年に、アメリカとヨーロッパの資金援助と支援を受けたプラヴィー・セクターやスヴォボダなどのファシスト政党によるクーデターの後、ウクライナ内戦が始まった2014年の動画が様々な欧米ソーシャルメディアで再び拡散している。この動画には、現在ウクライナ軍トップで「屠殺者」というあだ名のミハイロ・ドラパティが、マリウポリのバリケードを装甲車で「越え」、マリウポリの民間人を戦車で殺害する様子が映っている。

 新たにウクライナ国防大臣に任命されたイェヴヘニー・フマラは、決して「人当たりの良い人物」ではない。国防大臣に任命される前と、国防副大臣を務める前は、いわゆる特殊作戦のベテランとして知られていた。彼は以前、ウクライナ保安庁(SBU)のアルファ特殊作戦センター「A」の司令官を務めていた。このSBUのセンター「A」は、最前線での高リスク任務、後方地域での長距離攻撃と、国家安全保障の防衛に重点を置く、精鋭の対テロおよび特殊作戦部隊だ。

 そのため、フマラはロシア(そしてドンバスでも)で多くの無辜の民間人を殺害または負傷させた「長距離攻撃」を主導した。ロシアがウクライナ国民を殺害しているという神話は、もちろん、とっくの昔に「おとぎ話の世界」に追いやられている。結局、ウクライナ政権とEU政権によれば、ドンバスは占領されたウクライナ領土で、(NATO支配下の)ウクライナ軍は、ウクライナ語を話すかロシア語を話すかに関わらず、そこで自国民を殺害している。

 ウクライナ政府と軍からフェドロフが解任され、極右勢力が台頭して以来、ウクライナ国内では多くの解任と混乱が続いている。多くの若者が街頭に出て抗議活動をし、暴力的動員の様子を捉えた映像が拡散し、西欧にも届いている。男性は強制的に徴兵用バンに押し込まれて戦闘に参加させられており、既にドイツはドイツ亡命中のウクライナ人男性は全員2027年までにウクライナに帰国し戦闘に参加しなければならないと決定している。

 だが、フェドロフ解任により、ゼレンスキー大統領は自身の「死刑宣告」を自ら下したのかもしれない。結局、ヨーロッパの政治家たちは不満を抱いている。ドローン戦争は全力で展開されており、「旧世代」の軍事指導者たちは、この新たな致命的技術に対応できていない。だが、フェドロフは対応できた。

 フェドロフは、ゼレンスキー大統領から示された他の政府要職を拒否し、国防大臣再任のみ受け入れると主張している。以前ゼレンスキー大統領は、フェドロフを軍事イノベーション担当副首相に推薦していたほか、イタリア国防大臣も顧問職を提案していた。しかし、フェドロフはゼレンスキー大統領が提案した全ての役職を拒否した。

 フェドロフは現在アメリカで非常に人気があり、トランプ政権は彼を両手を広げて歓迎している。トランプがウクライナを全面的に支持しているのは明らかだ。トランプの「ユダヤ人の伝言役」ローラ・ルーマーは、トランプ反対派の多くを解雇させた人物だが、最近ウクライナを訪れ、ゼレンスキー大統領と面会し、悪名高いアゾフ連隊指導者アンドリー・ビレツキー(正真正銘のナチス)とも会った。ちょっと考えてみてほしい。ナチス・ファシストがユダヤ人と会うのだ。だが私がよく言うように、ユダヤ人もファシストだ。ネタニヤフを見ればわかる。ロシアが長年自分に誤った情報を伝えてきたと彼女は主張し、ウクライナにはナチスはおらず、侵略者ロシアと戦っている人々しかいないと述べた。長年一体誰からルーマーは報酬を受け取っていたのか、あるいは今も受け取っているのか自問自答してみよう。だが、腐敗は腐敗を求めるものだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/08/05/why-zelensky-fired-his-popular-defense-minister/

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 植草一秀の『知られざる真実』
袴田事件の教訓
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
幸福の秘訣とは?愛(広い意味で)をより多く受け取るには、聞き上手になること。「学ぶために聞く姿勢。愛を与えることと受け取ることは、シーソーのように連動して機能する。互いに応え合うこと(互恵性)は強力な社会規範、引き際を見極めることも大切(NYT)。

2026年8月 4日 (火)

モスクワで更なるテロ発生、別の軍指導者が標的か



ティム・カービー
2026年8月2日
Strattgic Culture Foundation

 この暗殺未遂事件は、ミサイル戦争の分野でロシアが大きな成功を収めていることへの報復の可能性が高い。

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 RTによると、モスクワのレストランで爆弾攻撃があり、大規模爆発が発生した。この事件は、誰が標的だったのかについて、既に様々な憶測を呼んでいるが、犯人が誰なのかはほとんど議論されていない。2014年以降、ロシアにおける全てのテロは、緑色のTシャツを着た公式指導者が率いる、ある醜悪な組織に結び付けられているからだ。この攻撃に関するロシア国家対テロ委員会による基本情報は以下のとおり。

 「モスクワ中心部のレストランで、手製の爆発物が爆発し、3人が死亡、21人が負傷した。土曜日午後7時55分頃、クドリンスカヤ広場近くの高級イタリア料理店『バルジ・ロッシ』で爆発が起きた。身元不明の女性が手製の爆発物を店内に持ち込もうとしたが、入り口で警備員に阻止された。」<br/>
 この話は、FSBがキーウの利益のために雇われたり、賄賂を受け取ったり、騙されたりしてテロ攻撃を企てた「お人好しの愚か者」によるテロ攻撃を阻止したという、国内各地から伝わる話と非常によく似ている。だが今回は「一人で突破した」ようで、正体不明の女性は警備員に尋問されている最中に爆破されたか自爆したようだ。つまり、荷物は爆発したが、最終目的には届かなかった。

 この事件を巡って広まっている噂では、標的は先週月曜日に55歳の誕生日を迎えたロシア航空宇宙軍のアレクサンドル・チャイコ将軍だとされている。レストランには「アレクサンドル 55」と書かれた飾りがあったとされ、これはアレクサンドルが55歳になったことを意味する。アレクサンドルはロシアでは非常にありふれた名前なので、これはあり得ないわけではないが、単なる偶然の可能性もある。また、これらの飾りの写真はまだ主要メディアには出回っていない。

 標的がチャイコだったという主張を裏付けるものとして「ロシアの特殊機関や軍の代表者や国会議員や他の当局者(がイベントに出席した)」招待客リストが挙げられる。ロシア主要メディアはこの事実を確認していないため、インターネット上の憶測の可能性もあるが、こうした類の事の真相は往々にしてすぐに明らかになるものだ。

 現時点で、チャイコ本人は無事生きているようだ。あるロシアのテレグラム・チャンネルによると「チャイコは5月にロシア航空宇宙軍の司令官に就任したばかりで、陸軍から移ってきた。そこでは、2022年2月のウクライナとの紛争開始以来、上級職として『特殊軍事作戦』に参加していた」。ロシア航空宇宙軍は、ロシアの航空、宇宙、ミサイル防衛作戦全般を担当している。その主要な軍事的責任は、攻撃および防御作戦のための航空戦力の提供、宇宙およびミサイル防衛システムの管理、戦略的抑止任務の遂行という3つの主要分野に分かれている。つまり、21世紀に事実上最も重要な軍事部門をチャイコが統括していることになる。

 この暗殺未遂は、おそらくミサイル戦争におけるロシアの圧倒的成功に対する報復だ。2026年夏の時点で、モスクワはウクライナ領内の特定された標的をミサイルで攻撃することができ、撃墜される可能性はほとんどない。現時点でキーウは防空能力を使い果たしたか、事実上使い果たしたようだ。つまり、ロシア航空宇宙軍に効果的に反撃する唯一の方法は、モスクワの主要人物を爆撃することかもしれない。これはおそらく、技術的に優位な敵に対する「非対称戦争」の例か、純粋な絶望と悪意、あるいはその両方だ。近代戦争の歴史で、砲兵は常に王者だったが、今や紛争はミサイルとドローンに移行しており、従って、本物の危険の王座はミサイルを発射する者の下にある。

 今回の攻撃は、サンクトペテルブルクの公式の場で爆発物を贈られ殺害されたヴラドレン・タタルスキー暗殺事件を彷彿とさせる。どちらの事件でも、爆発物を所持していた女性が、その存在を認識していたかどうかは不明だ。人生で、人はバッグや箱の中身をいちいち確認して爆発物を探すわけではない。キーウの「お人好しの愚か者」連中は「仕事をする」ために、自分の立場を認識する必要はない。

 ロシア人の文化的素朴さや誕生日を祝う非常に根強い伝統が相まって、ほぼ全てのロシア当局者が年に一度は危険にさらされることになる。バンクヴァヤ通りのロシア語話者たちは、このことをよく知っている。ロシアで、一般の人々の生活は続けなければならないが、ジャーナリズムや純粋に技術的側面であっても、戦争遂行において中程度の重要度を持つ人々は大規模な公式の催し、特に誕生日祝いは控えるべきだ。モスクワでは戦争を「感じない」事実が、こうした治安上の失敗につながっている。ロシアにとって重要なのは、警戒を怠らず、チェチェン・ダゲスタン戦争中にウラジーミル・プーチンが有名な言葉で言った通り「勝利した時だけ飲む」ことだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/08/02/more-terrorism-in-moscow-another-military-leader-possibly-the-target/

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 東京新聞 朝刊 国際・総合 四面 によると  
爆発の死者5人に モスクワ
 とある。

2026年8月 3日 (月)

ウクライナによるイラン攻撃はゼレンスキーの身勝手なセールス口上



フィニアン・カニンガム
2026年7月31日
Strattgic Culture Foundation

 ゼレンスキー大統領によるイラン攻撃は、ウクライナが欧米諸国の安全保障に貢献しているという幻想を強化するのを狙っているが、実際は、腐敗した金儲けのために、更なる戦争を無謀に煽っているに過ぎない。

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 カスピ海でウクライナ軍がイラン貨物船を攻撃した事件は、セールス口上のための挑発行為という、よくあるパターンに一致する。

 7月25日のドローン攻撃でイラン人船員一人が死亡し、数人負傷したが、これをウクライナ傀儡大統領ウラジーミル・ゼレンスキーは「実に結構だ」と称賛し、イランとロシアの戦争物資輸送に対する打撃だと評価した。だが民間貨物船が攻撃されたと欧米メディアは報じている。

 三日後の7月28日、タカ派のリンジー・グラム上院議員の葬儀後、ゼレンスキー大統領は、ホワイトハウスでドナルド・トランプ大統領に温かく迎えられた。

 ちなみに、あの葬儀はキリスト教の儀式というより、むしろ悪魔カルトの儀式で、無辜の人々の血の生贄を信じる戦争狂の同胞に別れを告げる悪霊連中の集会だった。ワシントンの戦争犯罪人やエプスタインのお仲間連中にゼレンスキーとイスラエルの大量虐殺人犯ネタニヤフが囲まれる姿は、厚顔無恥な邪悪さに身の毛もよだつほどだった。

 トランプを操るための贈り物を持って、ゼレンスキーは吸血鬼舞踏会に出席していた。あなたのために我々がイランを攻撃する様子をご覧下さい。

 ホワイトハウスでの会談議題には、ゼレンスキー大統領によるアメリカのパトリオット防空ミサイルとトマホーク巡航ミサイルの増援要請が含まれていた。国防総省の在庫が枯渇しているためか、パトリオットの追加供給をトランプ大統領は拒否したと報じられているが、独自迎撃ミサイルをウクライナが製造する権利をアメリカは認めた。

 特筆すべきは、トランプ大統領とゼレンスキー大統領の関係が、かつて大統領執務室で起きた悪名高い口論、つまりトランプ大統領がウクライナ賓客を言葉で攻撃し、「お前には切り札がない」と言い放った一件と比べて、著しく改善したことだ。

 ウクライナによる自国船舶攻撃にイランは激怒し、「違法攻撃」に対する報復をキーウに警告した。当初、ウクライナは、イランの恫喝を強気な態度で退け、イランからロシアへ輸送される軍事物資はウクライナ人殺害に使われているため攻撃する権利があると主張した。今回の攻撃は、民間貨物船に対するものだとテヘランは述べており、欧米メディアもこれを報じている。

 その後、より融和的な姿勢をキーウ政権が示し、事態のエスカレーションを望んでいないとイランに伝えた。

 イラン船舶攻撃は意図的なものではなく、キーウは紛争のエスカレーションを望んでいないとの確約をウクライナのアンドリー・シビハ外相から得たとイランのアッバス・アラグチ外相が述べたと報じられている

 すると、数日前ゼレンスキー大統領が見せたあの得意げな態度は一体何だったのか?

 時系列から判断すると、イラン船舶へのドローン攻撃は、一部評論家が主張した通り、アメリカ・イラン間紛争と、NATOの対ロシア代理戦争を統合する試みではなかったことが示唆される。

 むしろ、カスピ海での攻撃は、ゼレンスキー大統領のホワイトハウス訪問を前にした、ウクライナ政権による身勝手な広報戦略だった。

 だが、この無謀な行動は、報復攻撃の警告をイランが実行に移した場合、二つの紛争の統合をもたらす可能性がある。そうする意思さえあれば、弾道ミサイルや長距離ドローンでウクライナを攻撃する能力を、イランは確実に持っている。

 腐敗したキーウ政権は欧米諸国による軍事援助の流れを維持することに最も注力している。これは当然、欧米軍産複合体が切望する安定した利益をもたらし、欧米指導者連中の反ロシア妄想を助長する。

 この二つの紛争を統合すれば恫喝の欲望は確実に増幅される。だがキーウ政権がイランの怒りを買い、イランによる空爆がロシア攻撃に加わるような事態は、たとえ、この腐敗しきった政権でも、戦略的に愚かな行動だと言える。

 カスピ海攻撃から数日後に、ウクライナ政権が方針転換したことは、イランが報復措置を取らないよう、テヘランをなだめようとしていることを示している。

 それは、今回攻撃が、トランプ大統領に、ゼレンスキー大統領が、パトリオット・ミサイル増産を働きかけ、最終的にトマホーク供与を譲歩させるための安易で軽率なPR活動に過ぎなかったことを示唆している。

 これはキーウ犯罪組織の典型的な手口だ。数え切れないほど多くの事例と同様、物乞いの鉢を持ってゼレンスキー大統領が海外訪問する際は、事前にウクライナによるロシア攻撃や、ロシアの仕業だとウクライナ政権が非難するウクライナ市民への偽旗作戦などの挑発行為がしばしば行われる。そして、こうした挑発行為により、予想通り軍事援助や防空システム増額を求める嘆願が起こされ、一部が政権の海外口座に振り込まれる。

 危険なのは、資金の流れの維持にゼレンスキー・マフィアが必死になりすぎ、度を超した挑発行為をして、より大規模な世界大戦を引き起こす可能性があることだ。

 これまで、連中の悪質な策略の狙いは、ヨーロッパとアメリカをロシアの侵略から守る存在として、ウクライナ政権を描くことだった。今や対イラン紛争で自ら招いた泥沼にトランプがはまり込んでいるので、自らを対イラン最前線としてトランプに売り込む新たな機会をゼレンスキーの戦争利権組織が見出したのだ。政権が崩壊寸前なので、トランプは確実に助けを求めている。だからこそゼレンスキーとの関係が親密になっているのだ。

 カスピ海でのイラン船攻撃は、おそらく、ワシントンから更なる軍事援助を引き出すため、NATO加盟諸国の「吸血鬼」連中が費用負担してトランプに差し出した身勝手な「捧げ物」と捉えるのが最も適切だ。

 最近、ウクライナは欧米諸国への「安全保障提供者」だとウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が表現するようになった。これは欧米経済を蝕む寄生的な存在を美化するためのオーウェル的手法だ。ゼレンスキー大統領のイラン攻撃は、ウクライナが欧米諸国の安全保障に貢献しているという幻想を強化するのを狙いにしているが、実際は、腐敗した金儲けの狙いを満たすために、更なる戦争を無謀に煽っているだけだ。

 欧米の戦争狂連中が自滅するのを待つ長期戦をロシアとイランは仕掛けているように見える。とはいえ、これ以上多くの無辜の人々に連中が苦しみを与える前に、始末したくなる気持ちも良くわかる。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/31/ukraine-strike-iran-cynical-zelensky-sales-pitch/

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 ≪櫻井ジャーナル≫
週の取引終了に合わせて戦争を宣伝、開始直前に攻撃中止を発表する米大統領

2026年7月27日 (月)

この戦争は、なぜもっと早く進行しないのか



ティム・カービー
2026年7月25日
Strattgic Culture Foundation

 発言内容をロシアは変えているものの、大規模攻勢に出る理由はないとティム・カービーは述べている。

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 最近、ウクライナ紛争を「特殊軍事作戦」ではなく「戦争」とドミトリー・ペスコフ大統領報道官が呼ぶようになった。もちろん、これは大きな話題になっている。なぜなら、エスカレーションは常に刺激的な話題で、キーウ上空では実際事態が激化しているからだ。最近のロシア軍攻撃は、オデーサ港と船舶への攻撃、キーウの民間人居住地域に近いため「安全」とされていたドローン製造施設への攻撃、ウクライナ軍が敵地で燃料補給を行っていた数百のガソリン・スタンドの破壊など、より広範囲かつ激しいものになっている。要するに、ロシア軍は長年にわたる紛争の中でこれまで「立ち入り禁止」と思われていた標的の攻撃を開始したのだ。2026年夏に「大きな」出来事が起こると評論家たちは予測していたが、おそらくこれがその「大きな出来事」で、彼らが期待していたメディア受けする「赤い矢」作戦ではないのだろう。たとえ政治家たちが、この用語を放棄し始めたとしても、当面の間、この紛争は特殊軍事作戦のままだろう。ここでのエスカレーションは垂直方向ではなく水平方向だが、なぜそうなるのか詳しく見て行こう。

 これが全面戦争に発展しない理由として誰もが覚えておくべき重要な点は、プーチン大統領が非常に法律を重んじ、法律を非常に重視していることだ。ペスコフ報道官発言とロシアの法律は全く別物だ。国家院は伝統的な意味での宣戦布告を決議していない。とはいえ、過去のテロ攻撃を受けてロシアは宣戦布告を検討したのは確実で、宣戦布告のための文書はいつでも署名できるよう準備されている可能性がある。しかし、全面戦争の事前準備が行われているかどうかに関わらず、プーチン大統領は、即興の発言ではなく、法的な枠組みが承認された場合にのみ、大規模拡大を実行するだろう。新たな法律が制定されていないことは、全面的集団攻撃は行われないということだ。何十年も権力を握ってきたウラジーミル・ウラジーミロヴィチが、突然「私がそう言ったので今こそ全面戦争だ」と宣言することはない。それは彼のやり方とは全く異なるものだ。しかし、もしそのような法案がドゥーマ(下院)で可決されれば、それは全く別の議論になるが、今のところ、法的枠組みは変わらない。

 「タカ派、一般市民、軍幹部、あるいはその全てからロシアを総動員するようプーチン大統領は圧力を受けている」という一種の神話が常に存在する。だが、どの強大な国の指導者も、統治期間中、昼夜を問わず多くの派閥から圧力を受けているのが真実だ。プーチンが圧力を受けていない時などあっただろうか? ロシアで世論は重要視され、監視されているが、ロシアは正教文明で、神の言葉は教会内の少数の専門家に解釈され、社会の残りの人々はそれに従う。ロシアは、誰もが聖書を読み、そこに自分なりの真理を見出し、全知全能の専門家だと宣言するようなプロテスタント国家ではない。戦争の論理を理解できないかもしれないロシア国民は「知らないことがあるかもしれない」と割り切り、皇帝の決定を信じることで満足している。国民は忠誠心があり、忍耐強く、上記のような権威に対する正教的な態度を持っている。だが、クレムリンの「臆病さ」に、ロシア人がまだ反旗を翻していないのを信じられない人は、こう自問自答してみよう。メキシコとアメリカが戦争になったとして、ガソリン価格が少し上がったとか、TikTokが使えなくなったとかいう理由で、首都を襲撃して降伏を要求するだろうか?

 戦争が始まった頃を振り返ってみると、ウクライナがモスクワに進軍すると欧米諸国の指導者連中は予想もしていなかった。彼らは、この紛争と、その戦いを正当化する制裁により「ルーブルは紙屑と化し」、ロシア経済は「崩壊する」と確信していた。欧米の政治家たちは未だ冷戦思考に囚われており、ソ連は軍事的に敗北したのではなく、イデオロギーと経済面で敗北したのだ。そのため、2022年には、ロシアを破滅させるのは通貨、原油価格と、制裁であり、緑のシャツを着た指導者、ゼレンスキー大統領率いる攻勢ではないように思われた。ウラジーミル・ウラジーミロヴィチはこのことを良く理解しており、欧米イデオロギーは、ほとんどの欧米諸国の人々にとっても忌まわしいものとなっているため、本当の「戦場」は経済だ。ロシアは20回もの制裁を乗り越えただけでなく、繁栄を遂げ、グローバリスト支配から軽々と脱出した。だが、この分離独立が根付くには時間が必要なのかもしれない。クレムリンの視点からすれば、経済世界の変化は彼らにとって都合が良いのかもしれない。だからこそ、急ぐ必要はないのだろう。物事が順調に進んでいるなら、時間をかけても構わないではないか。兵士を危険から遠ざけ、経済発展という本当の戦線で戦う方が良いのではないか。もしロシアが国家主導の資本主義という緩慢な戦いで成功を収めているなら、その立場を変える根本的理由はない。

 兵士の保護について言えば、軍事戦略を念頭に置いてアパート群を建設したソ連技術者たちは、実に優秀な人物たちだったと言える。どの建物も、想像を絶するほどの攻撃に耐え、地下室は掩蔽壕と化しているが、これらの建物はロシア本土外にあるため、防御設計はSMO開始以来、クレムリンに対して利用されてきた。特に爆撃で跡形もなく破壊することが選択肢にない場合、都市や村を迅速に安全に制圧する方法は、いまだ存在しない。この戦争は、ドンバスを破壊するためではなく、救うために行われたのだ。戦争に関するペスコフ報道官発言は、この現実を変えるものではない。この問題を考えると、専門家たちが望むほどロシアが速く進撃するのは不可能で、現地住民をクレムリンが救おうとしている地域で、本物の戦争になることもない。この乗り物に二速ギアはなく、ただゆっくり進むだけだ。

 最近ロシアが、標的を水平方向に拡大させる一方、垂直方向への拡大を依然恐れている理由の一つは、核戦争の瀬戸際にあることをクレムリンが十分理解しているからだ。更に、彼らはエプスタイン・エリート層がいかに邪悪で、狂気に満ち、自己中心的かも知っている。エプスタインの周辺にロシア・スパイがいるというニュースが全て捏造だとしても、彼らは自分たちが誰を相手にしているのか知っている。欧米諸国に対してロシア人が抱く純朴さは時に驚くべきもので、この紛争が始まった理由の一つでもあるが、現時点では全ての仮面が剥がれ落ち、EUを牛耳る悪魔連中の目をロシア指導部が見つめているようだ。ブリュッセルの闇金融のしもべ連中がこのチェスゲームで負ければ、怒りに任せて盤面をひっくり返し、人類を核の炎で焼き尽くす可能性も十分ある。これが、バラはどんな名前で呼ばれようと香りは変わらないもう一つの理由で、最近のペスコフ報道官発言は核シェルターを掘り始める理由にはならない。クレムリンの行動から推測できる重要な戦略目標の一つは、彼らが核戦争を一切望んでいないことだ。紛争のエスカレーションに関して言えば、彼らはこれまでも、そして今なお、圧倒的に「冷静な判断力」を維持している。クレムリンには核戦争を回避するため長期的戦略を講じる覚悟がある。ヨーロッパは静かに事態の収束に向かう必要があるのだ。

 2026年の夏は、リヴィウとキーウでの逮捕、解雇、抗議活動など、ゼレンスキー政権にとって厳しいものだった。彼の強制捜査、弾圧j、この戦争における大規模な軍事的失敗と広報戦略は臨界点に達しつつある。欧米諸国が東欧の大国を不安定化させるのを夢見ていたとすれば、ウクライナでは確かに成功したと言えるだろう。ゼレンスキーは沈みゆくこの船をどれだけ長く持ちこたえられるのだろう? 誰も答えを知らないが、帆が破れ、甲板では火が燃え、敵のガレオン船で男たちが水を汲み出しているのを見れば、敵船への乗船作戦を呼びかけ理由はない。今はただ立ち向かい発砲する時だ。キーウのラクダの背で最後の藁がいつ折れるか誰にもわからないが、ラクダは確実に重荷を背負っているように見える。

 2026年夏に予定されていた大規模エスカレーションは実際起きた。それは水平方向へのエスカレーションで、ロシア内の標的として、これまで聖域だった多くの地域が追加された。だがロシアの主張は変化してはいるものの、ロシアが大規模攻勢に出る理由はない。母なるロシアは受けた攻撃に対して必ず反撃する。戦争の性質、あるいは特殊軍事作戦の性質は、全面戦争宣言が法律として制定されるまで根本的には変わらないだろう。そして現時点でそのような必要性はない。今後もこの戦争は、メディアにとって不都合なものであり続ける。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/25/why-the-war-wont-go-any-faster/

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 植草一秀の『知られざる真実』』
木下剛志秘書参考人招致が必須

軍国主義と戦争を煽ってホームレス問題を解消しようとしているイギリス新首相アンディ・バーナム



フィニアン・カニンガム
2026年7月22日
Strattgic Culture Foundation

 だが、もし彼がイギリスを世界大戦に陥れるような事態を許せば、イギリスのホームレス問題は全く新たな意味を持つことになる。

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 今週アンディ・バーナムがイギリス首相に就任し、国民の与党に対する軽蔑が過去最高水準に達する政治危機の中、貧困にあえぐイギリスに「希望と変革」をもたらすと約束した。

 月曜日、ダウニング街10番地の官邸前でした初演説で「私は人々のケアをあらゆる活動の中心に据える…今こそイギリスが再び信じ始める瞬間、希望を取り戻す瞬間にしよう」とバーナムは述べた。

 イギリスにとって、この画期的な新たな始まりとされる出来事にイギリス・メディアの見出しは沸き立っていた。56歳のバーナムは停滞したイギリス政界に新鮮な風を吹き込む存在なのだ。

 特に注目すべきは、何千人ものホームレスのイギリス人が路上で寝泊まりする状況をなくすことを彼が最優先事項に挙げた点だ。そして手頃な価格の住宅を建設することでこの問題を解決するため、今後5年間で3億4000万ポンド(4億ユーロ、4億5000万ドル)の予算を計上すると発表した

 社会状況の改善に向けたこうした明らかな取り組みは称賛に値するように聞こえるかもしれない。それは労働者階級のイギリス人の味方で思いやりある政治家としてのバーナムのイメージを高める。彼はグレーター・マンチェスター市長(2017年~2026年)在任中、イングランド北部出身であることや人々の懸念に対する共感について語るのを好んだ。

 だが彼のホームレス対策予算を現実的視点から見てみよう。バーナムは首相官邸での初日、イギリスの対ウクライナ軍事支援も優先事項の一つとして挙げた。彼は前任者のキア・スターマーの下でイギリスが対ロシアNATO代理戦争でキーウ政権を最も熱心に支援してきた政策を「100%」継続すると述べた。

 特筆すべきは、バーナムがジョン・ヒーリー元国防相を新財務相(財務大臣)に任命したことだ。ヒーリーはロンドンにおける政府予算全般を統括する人物になる。前スターマー内閣で国防相を務めていたヒーリーはウクライナ支援や軍事費増額を求める超強硬派として知られていた。6月11日国防相の突然辞任が、スターマー首相の失脚を決定づけた。ヒーリーは、スターマーがGDP比3.5%というNATOの軍事費目標達成に必要な資金を十分配分していないと主張して辞任した。また、スターマーがイギリスの国家安全保障を損ない、ロシアの脅威に脆弱な状態に陥らせていると非難した。ヒーリーと軍部は、スターマーが国防投資計画で確保した額より少なくとも150億ポンド多い追加資金を要求していた。

 ヒーリーが新財務大臣に就任すれば、イギリスの年間軍事費を630億ポンドから900億ポンドに増額することになる。この増額分は、公共サービスや社会福祉の大幅削減で賄われることになるが、こうした緊縮財政は既にイギリス社会を広範な貧困に陥れており、三人に一人の子どもが困窮した生活を送っている。

 バーナム首相がヒーリーをダウニング街で二番目に権力のある地位に任命したことは、多くの観察者を驚かせたが、これは彼が首相として、イギリスの軍事力強化と、ウクライナ支援に全面的に取り組んでいることの確かな証拠だ。

 バーナムが就任後最初に電話をかけたのはドナルド・トランプ大統領だった。二度目の電話は、ウクライナの傀儡大統領ウォロディーミル・ゼレンスキーに、イギリスの継続的な支援を確約するためだった。

 「思いやりがあり、分かち合うアンディ」が、ウクライナ支援やNATO支出に関する保証を外交政策の最優先事項とする一方、イギリスのホームレス問題に懸念を示すというのは、いささか矛盾しているように思えないだろうか?

 スターマーが昨年署名し、バーナムも遵守するイギリスとウクライナの二国間防衛協定に基づき、ロンドンは今後5年間、毎年30億ポンド(35億ユーロ、40億ドル)の軍事援助をキーウ政権に提供すると約束しており「ウクライナが支援を必要とする限り」継続する。これはイギリス自身の国防費とは別枠だ。

 イギリスのホームレス問題解決のためにバーナムが立てた予算は、5年間で年間6800万ポンドに過ぎない。これは微々たる額で、イギリス納税者が負担するロシアとの無益な戦争のために彼の政権が毎年ネオナチ政権に提供する資金の僅か2.3%に相当する。

 イギリスで起きていることは、いわゆる国民中心の民主主義の復興などではない。イギリス・メディアはバーナムを「国民首相」と大々的に宣伝している。彼はロンドンから政治権力を分散させ「北部の首相官邸」を創設すると言っている。希望と変革に関する感傷的願望は、2008年にバラク・オバマがアメリカ大統領に就任した時を彷彿とさせる。全てまやかしと空虚な主張に過ぎない。

 CNNインタビューで、バーナムの任務はポピュリスト的発信能力を駆使して、ウクライナへの支援継続とイギリス経済の軍事化強化政策を国民に「売り込む」ことだと元イギリス国家安全保障顧問のピーター・リケッツ卿は述べ、真相をうっかり漏らした。この政策はロシアがヨーロッパにとって脅威だとイギリス国民を説得することにかかっている。

 既にバーナムは、イギリスを対ロシア戦争に備えさせる地政学的計画に賛同していることを示している。彼はイギリス帝国主義の影の政府と軍産複合体の権益を促進するため、従順な政治家を演じている。ヒーリーの財務大臣任命を発表した途端、イギリス兵器企業の株価は急騰した

 首相就任前にロンドン・タイムズのインタビューにバーナムは応じ、軍事費増額の財源確保のために社会福祉予算を削減するのに「ためらいはない」と明言した。これは彼がダウニング街で「頼りになる人物」であることをイギリスの支配体制に示すものだった。

 今週、ダウニング街の外で行った初演説で、彼は「福祉支出を削減し、財政規律を遵守し、国際パートナーに対する防衛上の約束を果たすための持続可能な方法を見つける」と述べた。ここで言う「国際的同盟者」は「NATOとウクライナ」のことだ。

 バーナムが本当にイギリスの政治と経済を改革して、イギリス国民の切実な民主主義的要求に応えようとするのなら、NATOの軍国主義とウクライナでの代理戦争を推進する非合理的で非民主的で無謀な政策に異議を唱えるはずだ。またイギリスとヨーロッパを全面戦争の淵へ追いやっているロシアを悪者扱いする執拗なプロパガンダを拒否するはずだ。

 アンディ・バーナムはイギリスを政治的・経済的崩壊から救えないだろう。彼は、大英帝国が戦争のために経済から更に資金を吸い上げる中、怒り狂う大衆をなだめるために連れてこられた、ただの操り人形に過ぎない。もし彼がイギリスを世界大戦へと突き進ませれば、アンディ・バーナム政権下で、イギリスのホームレス問題は全く新たな意味を持つことになる。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/22/andy-burn-em-britains-new-pm-wants-to-end-homelessness-by-fueling-militarism-and-war/

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 東京新聞 朝刊 一面 筆洗

 東京が半径30キロ 高さ1キロの謎の雲に覆われ、外部と連絡がとれなくなるという小松左京のSFをだしに、異新の「副首都構想関連法」を揶揄。不思議な人々だ。

 東京新聞 朝刊 三面  
 米、大規模攻撃見送りか

 対イラン防空ミサイル枯渇恐れ
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
WSJ「トランプ氏の新たな関税措置、米国経済への影響。貿易戦争の全体的な枠組みは、基本的に変化なし。今回変更は主に法的な問題に直面した関税政策を維持・継続を目的。根拠を第301条に。トランプ再登板以降、製造業生産高は3.1%増。雇用者数は減少。インフレ要因」。
 耕助のブログ Hua Bin記事の翻訳
No. 2979 初代米国国防長官ジェームズ・V・フォレスタルの奇妙な死

2026年7月26日 (日)

破綻と詐欺:ロシアには制裁を科す一方、アメリカとイスラエルによるジェノサイドには沈黙するEU



2026年7月24日
Strattgic Culture Foundation

 EUが一体どのような組織になったのかをヨーロッパをはじめ世界中の人々は目の当たりにしている。EUは、自国民を犠牲にするエリート主義的戦争扇動プロジェクトに成り下がってしまったのだ。

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 今週欧州連合(EU)首脳は、ロシア連邦に対して新たな制裁措置を課した。これは27カ国からなるEUが過去四年でロシアに対し発動した21番目の政治的・経済的制裁措置だ。

 これらの措置は、2022年2月の、なんのいわれもない、ロシアによる一方的なウクライナ侵攻に対する非難の表明だとEUは偽善的に主張している。

 「ヨーロッパの原則」を装う、こうした態度は滑稽極まりない。

 アメリカと欧州のNATO加盟諸国が2014年にキーウで暴力クーデターを画策し、その後、ロシアとの地政学的紛争のため、欧米帝国主義者が密かにネオナチ政権を意図的に兵器化して戦争を引き起こしたことをウクライナ紛争を客観的に研究した人なら誰でも知っている。この歴史を多くの人々が知らないのは、主に欧米メディアの洗脳的プロパガンダによるものだ。

 従って、EUの制裁政策は、経済戦争で、ロシアを打倒するための大規模な軍事戦略を補完するものとして正しく理解されるべきだ。それは、2022年3月にフランスの元財務大臣がぎごちなく認めた通り「総力戦」の一部だ。

 NATOの支援を受けたウクライナ政権が、石油・ガス・インフラとロシア経済に打撃を与える狙いで、ロシア国内への長距離空爆を強化する一方、EUの制裁措置も同じ狙いを実現しようとしている。

 これは、ロシアの侵略の被害者とされるウクライナへの政治的・道徳的支援を示すために貿易や金融措置を用いる話とは全く無関係だ。これは、ロシアとの紛争を最大限に高めてロシアを打倒するためのものだ。

 一方的な制裁措置は国際法上違法で、国連憲章で明確に禁止されている。これは犯罪的侵略行為の一形態だ。EUは国際法に違反しており、アメリカも同様だ。アメリカは、ロシア、中国、イラン、キューバを含む現在30カ国に及ぶ他国を威嚇するため、露骨に制裁措置を行使している。

 いずれにせよ、EUの政策は、無益な行動を何度も繰り返し、違う結果を期待する点で、まさに狂気の定義に当てはまる。

 EUがこれまでに21回も制裁を科し、数百もの銀行や企業を標的にしてきたことを考えると、ロシアは確実に世界で最も多くの制裁を受けている国と言える。だが、ロシア経済は期待されたほど崩壊していない。

 更に驚くべきことに、ロシアとの貿易や事業を自ら排除したことで、特に安価なエネルギー供給の喪失で深刻な打撃を受けているのは、他ならぬヨーロッパ経済だ。エネルギー経費の高騰により、EUでは脱工業化が急速に進んでいる。かつてヨーロッパの経済大国だったドイツは、歴史的にヨーロッパ産業を支えてきたロシアの伝統的燃料供給に代わり、高価なアメリカ燃料を輸入せざるを得なくなったため、経済は麻痺状態に陥っている。

 総人口5億人に及ぶ欧州市民は、生活費の高騰という壊滅的危機に直面している。大きな原因は彼らの政治指導者自身による制裁政策にある。いわゆる指導者連中が、自ら経済と社会を破壊しているのだ。

 この破綻は政治的かつ倫理的問題だ。最新の制裁措置を巡る論争や緩和策に見られる通り、EU加盟諸国内部の緊張は高まっている。国益の損害を最小限に抑えるため、複数の国が制裁免除を強く要求した。

 ギリシャは、ロシア産石油・ガスの国際輸送に関する制限の免除を求めた。ドイツとポルトガルは、ロシア漁業に対する制裁措置の免除を求めた。オーストリア、ブルガリア、フランス、イタリアも、それぞれの国益を守るため、禁止措置の緩和を訴えた。

 ユーロニュースは見出しで「混乱した制裁交渉が対ロシアEU戦線の亀裂を露呈させた」と報じた。

 集団政策が各国の国益を損ない始めており、それがEU加盟国間の内紛を引き起こしていると同メディアは報じた。

 「共通点を見出すのが益々困難になっている。今週もそれが顕著だった」と、難航する交渉について、ある外交官が語った。

 「欧州委員会(EUの執行機関)は盛り込むべき内容の選択肢が尽きつつある。もっと創意工夫を凝らす必要があるが、どの案も複雑化し、交渉に時間がかかるようになっている」と別の外交官が発言した。

 言い換えれば、ブリュッセルの政策立案者連中は、違法な制裁措置を巡る失敗した政治理念のため破綻しているのだ。更に、彼らは政治的にも破綻している。これらのエリート主義的で反ロシア的な官僚連中は、民主的正当性もないまま、欧州市民に深刻な経済的苦痛を与えているためだ。彼らは独裁政権のように壊滅的政策を押し付けており、それは緊張と敵意を、全面戦争へと悪化させている。

 ヨーロッパ・エリート層は、過去100年間で既に二度、世界大戦を引き起こした。そして今や、彼らは三度の世界大戦を煽っているようだ。

 だが、ここが肝心な点だ。この常軌を逸した政策は全くの詐欺だ。そこには、ウクライナへの正義感や民主主義の擁護といった建前は一切見られない。

 アメリカとイスラエルの政権が大規模に実行している戦争犯罪に欧州連合が無関心なことが、その偽善を明白に露呈している。

 今週、元欧州議会議員のミック・ウォレスとクレア・デイリーが指摘した通り、五ヶ月目に突入したアメリカの対イラン侵略戦争についてEU首脳陣は何も発言していない。アメリカとイスラエルの爆撃でイラン人数千人が死亡し、イランを滅ぼすとジェノサイド的脅迫をドナルド・トランプ大統領は繰り返し、核兵器使用を悪魔的に示唆している。

 ウォレスとデイリーも指摘している通り、世界の裏側で、ワシントンによる厳重な対キューバ封鎖措置の下で、何千人もの子どもが餓死している。EUはアメリカに対して何の批判もせず、まして、この野蛮な行為に対する非難など全くしていない。

 今週、21回目の疑わしい対ロシア制裁措置を欧州エリート連中が策定する一方、同じ当局者連中は、パレスチナ人に対するイスラエル政権による継続的ジェノサイド(アメリカと、言うまでもなくイスラエルと貿易をしている欧州諸国に助長されているジェノサイド)に対し、いかなる制裁も発令することを拒否した。

 EU指導部のこの二重基準は単なる愚かな二枚舌ではない。EUの政治的・道徳的破綻と組織的不正の証拠だ。かつて、一部ヨーロッパ政治家がアメリカの戦争や犯罪に反対の声を上げた時代もあった。だが今やもうない。 欧州の政治家連中全員、汚職と共犯関係で腐りきっている。

 EUの対ロシア制裁は、あらゆる面で自滅的だ。究極的な敗北は、EU自身の制度の致命的腐敗と、権威の著しい欠如だ。欧州の政治家たちは、自らの正当性と統治者としての主張を自ら損なっている。EUが一体どんな組織になったのかを欧州の人々と世界中の人々は目の当たりにしている。EUは自国民を犠牲にするエリート主義的な戦争扇動プロジェクトに成り下がってしまったのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/24/bankrupt-and-fraudulent-eu-sanctions-russia-while-silent-on-us-israeli-genocide/

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 植草一秀の『知られざる真実』
ゆ党が支える高市暴政

2026年7月22日 (水)

ウクライナとのドローン協定で欧州に標的の記号を描きこむフォン・デア・ライエン委員長



2026年7月17日2026年7月17日
Strattgic Culture Foundation

 彼らは夢遊病者のように戦争に突入しているわけではない。ヨーロッパ・エリート連中は目を大きく見開きながら狂気に駆られている。

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 対ロシア戦争に欧州連合は正式に参戦した。今週、ロシア攻撃用戦闘ドローン生産を、ウクライナと統合する「歴史的協定」に欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が署名した。

 ユーロニュース報道によると、この協定には弾道ミサイル共同生産も含まれる。

 この拡大戦争の取り組みは、EUがウクライナに供与する900億ユーロ融資で賄われる。この費用は何世代にもわたるヨーロッパ納税者が支払うことになる。

 戒厳令下のキーウで、フォン・デア・ライエンは選挙で選ばれていないウクライナ大統領ウォロディミル・ゼレンスキーに迎えられた。これで民主的正当性を持たない二人が、ヨーロッパを対ロシア全面戦争に駆り立てる決定を下したことになる。フォン・デア・ライエンは政治任用で、国民投票で選出されたわけではない。以前ドイツ国防大臣を務めてはいたが、特に優秀な人物でもなかった。大手製薬会社から新型コロナウイルス・ワクチン調達の際の汚職スキャンダルや権力乱用で悩まされてきたフォン・デア・ライエンは「失敗しながら出世する」典型例だ。

 2022年2月に紛争が激化して以来、11回目のキーウ訪問となったフォン・デア・ライエン委員長は、NATOによる対ロシア代理戦争の「潮目が変わりつつある」と宣言した。ロシア領への長距離空爆の増加と戦争資金として900億ユーロが拠出されたことを彼女は指していた。

 欧州連合が戦争参戦国としてウクライナと明確に同盟関係にあると公式の場で彼女は厚かましく宣言した

 「既に欧州には活用可能な膨大な技術力と産業能力があります。また規模拡大に役立つ安全で安心な生産拠点も存在しています」とフォン・デア・ライエンは述べた。

 更に彼女はこう付け加えた。「しかし我々にはウクライナが培ってきたような、実戦で培われた知識や専門技術はありません。ですから、私が言いたいのは、お互いの強みを結集する必要があることです。共に協力すれば共同生産に取り組めます。」

 フォン・デア・ライエンとNATOの計画担当者連中が極めて賢明だと考えているだろう革新的発想は、ロシアの報復攻撃から「安全に」欧州諸国が兵器を製造することだ。ドローンとミサイルはウクライナに輸送され、そこから発射され、ロシア領奥深く侵入し、首都モスクワを標的にしたり、国内各地の石油産業施設を破壊したりするのだ。ここ数ヶ月、NATOの支援を受けたウクライナ・ドローンは数百人のロシア市民を殺害している。フォン・デア・ライエンとウクライナの協定は、このテロ作戦激化を公認するに等しい。

 だがフォン・デア・ライエンの傲慢なまでの免責意識こそ驚くべきことで、非常に憂慮すべき点だ。欧州諸国が、ウクライナによるロシア攻撃の武器庫となり得ると彼女は考えているようだ。にもかかわらず、彼女の見解では、戦争参加国としてEU(およびNATO)にロシアが報復措置を取るのは許されないのだ。これは途方もなく無謀で愚かな考えだ。

 もちろん欧州連合、NATOとアメリカは、2014年にキーウでネオナチ政権を樹立し、兵器化するためクーデターを起こして以来、対ロシア代理戦争に参加してきた。こうした兵器化とイデオロギー的プログラミングの背景が2022年の戦争勃発へ繋がったのだ。2022年以降、欧米諸国は、この政権を支えるため推定4000億ドル提供し、NATO傭兵や顧問を派遣するとともに長距離ミサイルの標的設定、兵站、作戦に関する専門知識を提供してきた。

 ドイツ、フランス、デンマーク、オランダ、ノルウェーといったEU加盟諸国とウクライナは個別二国間軍事協定を締結している。イギリスは100年防衛協定を締結している。これら協定は全て、武器、戦闘機、ドローン、ミサイルを提供するものだ。

 だが、フォン・デア・ライエン委員長が今週発表したEU支援策は、EU加盟27カ国全体が産業規模で戦争に参加する決意表明だ。

 今年4月、ウクライナの戦争遂行に協力しているとされる欧州企業と所在地一覧をロシア国防省が公表した。これら拠点は今後報復攻撃の正当な標的になり得るとロシアは述べている。これまでロシアはEUやNATO加盟国への直接攻撃を控えてきた。だがEUとNATOによる挑発行為が激化する中、ロシアのこの自制がいつまで続くのかは差し迫った問題だ。

 フォン・デア・ライエンは、ウクライナ政権を「ヨーロッパの安全保障の提供者」と表現するようになった。これは、公的資金が腐敗した政権に流用される一方、ヨーロッパ市民が経済的苦境に耐えているのを正当化するためだとされている。

 今週、ドローン協定とEUとウクライナ経済の統合を機に、ゼレンスキー大統領は僅か数ヶ月間に二度内閣改造を行い、悪名高い汚職を一掃している印象を与えようとした。軍事調達を巡る大規模汚職スキャンダルで辞任を余儀なくされたゼレンスキー大統領の元首席補佐官アンドリー・イェルマクと親しかったため、ユリア・シルヴィデンコ首相は解任された。最新の汚職対策で、ゼレンスキー大統領はミハイロ・フェドロフ国防相を解任するという失敗をし、キーウをはじめとする各地で抗議デモを引き起こした。就任から僅か6ヶ月のフェドロフは真摯な改革者と見なされていた。彼の改革努力は、汚職の恩恵が続くよう望むオレクサンドル・シルスキー最高司令官などの軍司令官を苛立たせていた。旧体制派留任をゼレンスキー大統領が支持したことは、特に900億ユーロ規模のEU貨物列車が間もなくキーウに到着する予定なのを考えれば驚くべきことではない。

 確かに情勢は変わりつつあるが、妄想に取り憑かれたフォン・デア・ライエンが想像するような形でではない。ロシア軍現地部隊はNATOが支援するウクライナ最後の防衛線を徐々に弱体化させており、強化されたロシア軍空爆はキーウをはじめとする都市のドローン製造拠点を破壊している。

 そのため、EUとNATOは、ドローン製造拠点をウクライナから撤去し、これら拠点を欧州諸国に移設し、ロシアの手の届かない場所にする新戦術を考案している。根底にあるのは、EUは何ら悪影響を受けずに、安全に戦争規模を拡大できるという考えだ。

 今週グレン・ディーセンとのインタビューでリチャード・サクワ教授が述べた通り、ロシア嫌いのEU指導部は、ヨーロッパを対ロシア戦争に駆り立てている。決定は民主的正当性を欠いて独裁的に行われている。事実上、EUは戦争のための独裁政権と化している。このことは、7月14日のパリ革命記念日のパレードでも見られた。NATO軍がフランス軍とウクライナ軍に加わって、ロシアに対する統一的敵意を示したのだ。

 そして、年収40万ユーロのウルズラ・フォン・デア・ライエンなどの愚かな官僚連中は、ヨーロッパ各国で喜んで標的標識を描いているのだ。

 夢遊病者のように無自覚に戦争に突入しているわけではない。欧州エリート連中は、目を見開き、狂気じみた眼差しを浮かべている。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/17/von-der-leyen-paints-target-signs-on-europe-with-ukraine-drone-pact/

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  寺島メソッド翻訳NEWS
ポール・クレイグ・ロバーツ:イスラエルが米国憲法を破壊した。

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