NATO

2026年10月 4日 (日)

ウクライナ軍対ゼレンスキー:2026年10月



ティム・カービー
2026年10月2日
Strategic Culture Foundation

 10月3日、暗殺リストに載っている軍将校が主導する反ゼレンスキーデモが計画されている。

❗️Telegram , Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 ウクライナ戦争で、キーウでの抗議活動が全くなかったわけではない。2026年夏、ゼレンスキー大統領の辞任を求める「段ボールプラカード抗議」が突如世間の注目を集めた。これらのデモは、フェドロフ国防相解任に対する反発として行われた、少なくとも表向きの動機はそうだった。もちろん、周知の通り、抗議の公式理由は、常に「もっともらしく」聞こえるものだが、戦争中の国に暮らす人々のうち、どれだけの人が大臣の人事異動に実際知っている、あるいは関心を持っているだろう? あらゆる方面から完全に腐敗していると見なされている政府で、ある大臣を救おうとという、この弱い動機こそが、段ボールのプラカードとそのメッセージが広まらなかった理由かもしれない。自分たちの活動に「期限はない」と抗議者たちは宣言したが、ご覧の通り、ゼレンスキー大統領は依然政権に留まり、段ボールのプラカードは時代遅れになったようだ。

 だが今回、少なくとも表面上は、抗議したいのは軍自身に見える。「ゼレンスキーは軍を裏切った」といったスローガンは「X大臣の解任を阻止しよう」より、抗議者にとってずっと魅力的だろう。また「軍かゼレンスキーか」という選択肢を与えられた場合、2026年のウクライナの幅広い世論で、どちらが敗北するかは誰の目にも明らかだと思う。

 人類の歴史を通して数々の証拠が示されてきたにもかかわらず、多くの人々はプラカードを掲げれば全て根本的に変わると確信しており、こうした考えを持つ人々は、スローガンが広く感情に訴えるものでなければならないと考えている。Gazeta.Ruによると、10月3日に予定されているゼレンスキー大統領への抗議デモの状況は、おおよそ以下のようだという。

 「ウクライナ軍将校のアレクサンダー・トドロフは、YouTubeチャンネル『MayiakUA』で、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とそのチームの辞任を要求する一連の集会を発表した。」

 彼によると、この行動は2026年10月3日に予定されている。彼らはキーウの大統領府庁舎付近やウクライナの他都市で集会を開きたいと考えている。トドロフは、海外在住のウクライナ人に、この取り組みを支援するよう呼びかけた。

 この軍人は現政権を批判した。兵士たちは見捨てられたと感じており、政府は汚職と外国援助の不正使用に手を染めていると彼は主張する。またトドロフは、女性や18歳以上の市民を動員する可能性のある計画についても懸念を表明した。

 ウクライナ最高議会議員アルテム・ドミトルクは、前夜にウクライナ保安庁がトドロフを拘束したと述べた。同議員は詳細を明らかにしなかった。この件に関して、今のところ公式コメントは出ていない。

 最も注目すべき点は、トドロフがこれら抗議活動をウクライナ系移民を通じて国際的に展開しようとしていることだ。つまり、EUの街頭でゼレンスキー支持を示す動きが、控えめに言っても、彼をより「現実的人物」として印象づけることになるかもしれない。そして今や何百万人ものウクライナ国民が祖国を離れているため、西側諸国で抗議活動の参加者として利用できる人材は豊富だ。

 また、トドロフが2014年以降、少しでも親ロシア的発言や行動をした人物と同じMyrotvorets Миротворець»「調停者」リストに載っているのも注目すべき点だ。このウェブサイトは、少なくともマイダン革命後のウクライナにおける非公式「敵リスト」で、革命に反対するすべての人々の個人情報を提供している。ロシア側はしばしばこれを「殺害リスト」と表現し、実際には西側諸国によって作成されたものだと主張している。イズベスチヤ紙によると、このサイトは次のように機能している。

 Myrotvorets(調停者)は、ウクライナの安全保障に対する犯罪に関与していると運営者が考える人物に関する情報を提供するデータベースとして位置づけられている。このウェブサイトはカナダで正式に登録されており、ウクライナでは独立した非政府系メディアの地位を有している。

 トドロフが外国敵対勢力の工作員である可能性が指摘されたことは、彼がエリート層からほぼ一方的な支持を得ているわけではなく、現状維持に責任を持つ一部の人々がこれに強く反対していることを意味する。また、このウクライナ軍兵士は、抗議活動が始まる前でも、いつでも逮捕されたり尋問のために呼び出されたりする可能性があることも意味する。更に、トドロフは、マイダン革命以前にも行われた以下の政治デモの主催者だったとされていることにも留意すべきだ。

 2011年 ― ペトロ・ユシチェンコ反対デモ

 2012年 — 地方自治体および電力技術者(電力会社)に対する訴訟

 2014年 — 過激派とコロモイスキーに反対

 2017年 - ポロシェンコ大統領に反対

 2024年 ― 軍指導部とTCC(強制徴募隊)に反対

 ご覧のとおり、上記の抗議活動はどれも成果を上げていないが、プーチン大統領が夏に「本気を出した」後の2026年の状況下では、どれも起きていない。ロシアはインフラに大きな打撃を与えており、ウクライナ経済がどれだけ残っているかは議論の余地があるが、状況はかなり深刻だ。キーウ政権は、2022年以来続いてきたいつもの汚職+無関心+徴兵+外国からの資金援助下で、ただ漫然と過ごしているわけではい。あらゆるものが攻撃され、あらゆるものが破壊され、軍事的抵抗が崩壊しつつあるように見える。従って、今回の抗議活動に関しては「状況は異なる可能性がある」のだ。だが、大きな疑問は残る。トドロフの背後にいるのは誰なのか? ウクライナでまた革命が起きれば、誰が得をするのかだ。

 これら今後の抗議活動の背後には誰がいるのか?

 もし狙いが、最後の地元の愚か者を肉挽き機に送り込み、ウクライナ人一人残らず戦ってプーチンに領土のあらゆる平方メートルに対して高額な代償を払わせることだけなら、ゼレンスキーを交代させる必要はないだろう。更に、ゼレンスキーの周囲の多くの高官が逃亡したり、辞任したり、あるいは何らかの形で政界から去った今、権力の塔は非常に不安定に見える。つまり、いかなる暴力的な大規模抗議活動も、砂上の楼閣を崩壊させることになる。従って、抗議活動に資金を提供しようとする者は、戦争を終わらせたいと強く願っていると確信できる。

 ほぼ完全な政治崩壊、つまり「敵が門前に迫っている」状況になれば、支配体制全体が制御不能に陥り崩壊するのは確実で、戦争を継続するのに十分な結束力がなくなることを意味する。よくロシア人は、完全な降伏宣言に必要なのは猫の足跡だけで、正当な大統領の署名は、より「双方向」の和平協定に必要なだけで、つまり降伏が議題に上がっている場合、ちっぽけなゼレンスキーが署名する必要はないと冗談を言う。

 そして、コメディアンとしての経歴や薬物中毒を揶揄されながら、ゼレンスキーは表面上はショー全体をまとめる接着剤のような存在だった。彼は、ロシア人が「プロジェクト・ウクライナ」と呼ぶものの、ある意味で最後の砦のような存在で、毒に満ちた王座を絶対手放そうとしない。つまり、ゲームの筋はこうだ。2026年の秋/冬に戦争を終わらせるためには、グリーン・ゴブリンを追放しなければならない…何らかの理由で、正体不明の人物によって。だが、その人物とは一体誰なのか?

 ジョージ・ソロスはまたしてもロシアの噂の中心人物となっているが、なぜ彼がこの動きの背後にいるのかを正確に言うのは難しい。もしかしたら、以前の記事で私は完全に間違っていたのかもしれない。実際、ヨーロッパ諸国は2030年代の戦争に備える時間が必要で、そのためロシアの弱体化を図ろうとするこの試みは直ちに終わらせる必要があるのか? 彼らは次の攻勢に備える時間が必要で、キーウはもはや恩恵ではなく負担になっているのか? これが真実かどうかは定かではない。もしかしたら、オルタナティブメディアでは「オオカミ少年」のような現象が起きており、抗議活動の責任をソロスに押し付けることに慣れてしまっているのかもしれない。政権交代を求めるプラカードやスローガンを掲げたデモ行進があれば、ソロスの仕業に違いないというわけだ。

 トランプ陣営、あるいはアメリカ国内の何らかの勢力が、この厄介な問題を早く終わらせようと画策しているのかもしれない。ドナルド・トランプが公の場でカメラの前でゼレンスキーを個人的に嫌っているように見えるからといって、それが何かを意味するわけではない。最初の選挙運動の時から、トランプはロシアとの関係改善について語ってきた。更に重要なことに、巨額のロビイストへの賄賂の出所、イスラエルは深刻な危機に瀕している。つまり、イラン・イスラエル問題の方が遥かに重要で、注目を集めている。そしてこれまでロシアを敵に回す政治的意思をトランプはほとんど持っていなかった。ワシントンDCがシオニストの楽園を救うのか、ネオ・ハザール共和国を救うのかの選択を迫られた時、彼らがどちらの戦線に投資するのかは明白だ。

 アメリカには、政治的には「二番手」に甘んじているにもかかわらず、ロシアとの敵対関係を過去のものにしたいと願う資金力ある大勢力が確かに存在する。お気づきでないかもしれないが、アメリカの非常に影響力のあるメディアは、今では定期的にロシア政治家や思想家を番組に招る。ほんの数年前までは、これは間違いなくキャリアの終焉を意味し、場合によっては「処罰」の対象にもなり得たことだった。このアメリカの「第三勢力」は、影響力こそ「二番手」だが、核戦争を望まず、冷戦と世界支配をめぐる駆け引きから脱却したいと考えているのだ。

 ラトクリフのモスクワ訪問は、ワシントンで最も熱烈な反ロシア派でさえ、この件はもう終わりにして次に進みたいと考えていることの表れかもしれない。

 ヨーロッパの4次元チェスの達人たちは、ウクライナの戦いが終わったのを認めた後、ロシアがウクライナの新たな厄介な国境を越えて可能な限り広い戦線を築くのを許すか、あるいは更に良いことに、21世紀の黄金のオルダが実際にポーランドやルーマニアのような国と新たな物理的な国境を持つことを許し、地元の政治で新たなロシア恐怖症の波を引き起こすかもしれない。これは、近接によってロシア恐怖症を更に引き起こすために、ロシアをポーランドのような場所に近づけるというのは、まったく狂気じみた理屈に聞こえるが、気づいていないかもしれないが、ヨーロッパ大陸の指導者たちは不思議の国のアリスのお茶会のように見える。特にそれが非常に「メディアフレンドリー」で「メッセージ送信」を伴う場合、私たちは狂気じみた概念を完全に排除することはできないし、すべきでもない。キーウは広報目的で、何度も何度も、何千人もの兵士を犠牲にして攻撃を開始せざるを得なかった。ブリュッセルの理屈は、何らかの具体的結果を達成するための見かけを作り出すことに基づいている。好むと好まざるとにかかわらず、これが彼らのやり方だ。だから、ロシアを接近させて、2035年に攻撃する際の脅威を増大させるのはどうだろう? これは素晴らしいPR戦略だ。「ヨーロッパに帝国を拡大し、次はポーランドだ!」という彼らの姿を見ればわかる。

 また、ロシアがヨーロッパから侵略される際の弱点は、ウクライナの広大な草原地帯だった。ナチスはフィンランドを通過し、ムルマンスク近郊まで進軍して終戦までそこに留まったが、フィンランドとの国境は確かに広大ではあるものの、地理的に十分とは言えず、広大な平地は防衛が非常に困難だ。更に、その土地は現在ほぼ完全に破壊されており、復興には莫大なルーブルが必要になる。しかも、ロシアは復興期間中、脆弱な状態に置かれることになる。

 抗議活動が成功したらどうなるのか?

 キーウで既に派閥間内紛が見られており、コカイン王が支配しているとされる場所を抗議者たちが襲撃し始めたことで、この内紛は更に激化するだろう。多くの若者は、徴兵後に前線で確実に死ぬより、抗議活動でリスクを冒す方がはるかに良い選択肢だと既に確信しているかもしれない。したがって、今こそこうした行動を起こす「好機」であり、新たなマイダン革命が起こり、敵軍がすぐ近くにいる状況では、事態は急速に悪化するだろう。抗議活動が適切に鎮圧されなければ、オリガルヒ、一族、その他の富裕層は、自らの身と生活を守るために、国を分裂させるか、モスクワが望むものに何でも署名するだろう。軍が指揮系統の統制を失えば、「オーク」を食い止めるための協調的なドローン攻撃はもはや行われなくなるだろう。皮肉なことに、キーウ政権を生み出したマイダン革命は、ウクライナ国民を完全に破壊した後、政権崩壊へと導くメカニズムとなる可能性もある。しかし、よく言われるように「時が経てば分かる」。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/10/02/the-ukrainian-army-vs-zelensky-october-2026/

-----------

 東京新聞
来春発議勢いづく改憲派
 植草一秀の『知られざる真実』
パワハラ市長続投を認めない

2026年10月 2日 (金)

袋叩きにされる



ジョージ・オースターフィールド

2026年10月1日
SCF

 メルツはもはや死人同然だ。恐怖を煽ったり戦争を煽ったりしても票は得られない。

❗️Telegram , Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 ザクセン=アンハルト州での選挙で痛い目に遭ったキリスト教民主同盟(CDU)は、9月20日にメクレンブルク=フォアポンメルン州(メック/ポム)とベルリンで本当に惨敗を喫した。

 まずメック/ポムを見てみると、投票率は78.1%で、ザクセン=アンハルト州の77.8%とほぼ同じだった。

 公式発表された最終結果は、まだ暫定的なものだが、ザクセン=アンハルト州と比べれば小さな衝撃と言える。それでも、注目すべき結果であることは間違いない。州議会には4つの政党が議席を獲得することになる。

ドイツのための選択肢(AfD) 38.2% 32議席
社会民主党(SPD)(現職州首相が再選を目指す) 35.5% 29議席
左翼党(Die Linke) 6.5% 5議席
緑の党(Die Grune) 5.7% 5議席
 州議会は合計71議席だ。

 さて、ここからが興味深い点だ。キリスト教民主同盟(CDU)は4.9%の得票率で、5%のハードルをクリアできず、議席はゼロ。自由民主党(FDP)も1.0%で、こちらも議席はゼロだ。

 ここで少し視点を変えてみよう。

ドイツのための選択肢(AfD)は次の選挙で勝利したが、ザクセン=アンハルト州ほどの大差ではなかったものの、それでも勝利を収めた。

2017年から現職の州首相を務めるマヌエラ・シュヴェージヒは、ドイツ社会民主党(SPD)の幹部の一人でだ。彼女は2013年から2017年まで連邦レベルで教育・家族・高齢者・女性・青少年大臣を務め、2008年から2013年まではメック/ポンメルン州議会で同様の役職を務めていた。SPDが労働者政党としての立場を捨て、社会保障制度を大幅に削減するいわゆる社会改革に踏み切った際、シュヴェージヒは苦境に立たされたが、できる限りその影響を緩和しようと努めた。彼女の政治活動は常に誠実で思いやりがあり、正直な人物という印象を与えてきた。

 彼女は、低迷するドイツ社会民主党(SPD)を明るい未来へと導くことが期待される数少ない政治家の一人だが、少なくとも当面はメック/ポム選挙区の議員の地位にとどまりたいと考えているようだ。

 緑の党と左派は、予想通りの結果となった。緑の党は苦戦を強いられ、左派は、ザーラ・ワーゲンクネヒトが離党して独自の運動であるBSWを立ち上げ、一部の左派有権者を引き連れた後の内部混乱を経て、依然として勢力回復に努めている。

 緑の党は当初、軍事力増強と環境破壊に反対する平和主義政党として発足した。しかし2022年以降、ウクライナ政権とドイツおよび欧州の再軍備を最も強く支持する政党の一つとなり、時には既存の保守政党を凌駕するほどになった。このため、主に若い有権者を中心とした環境保護派からの支持を大きく失った。反戦派はドイツのための選択肢(AfD)に、そして、ある程度左派へと支持を移しており、これらの政党だけがより平和的で外交的な解決策を提唱している。

 今回選挙で注目すべきは自由民主党(FDP)ではない。1949年以来、多くの連立政権に参加し、常に二大政党の過半数獲得を支えてきたFDPは、現時点ではさほど重要な存在ではない。選挙戦の対立候補と手を組もうとして自らの存在感を失ってしまったようだ。

 一番大きな問題は、国政与党キリスト教民主同盟(CDU)が僅か4.9%の得票率にとどまり、州議会から追放されたことだ。これは非常に大きな出来事だ。メルツは事実上、政権交代が目前に迫っており、その運命は誰の目にも明らかだ。

 かつての東ドイツは、統一後もなお取り残され、騙されたと感じている。旧東ドイツの近代化と復興のために策定されたプログラムは、主に西ドイツ企業や機関に利益をもたらした。入札は不正操作され、数百もの企業が破産管財人の管理下に置かれ、西側投資家に二束三文で売却された。

 これは旧東ドイツ国民の心に今も残る根本的な問題の一つで、まさにこうした選挙結果の説明として持ち出される。だが、これは既存政党の欠点を覆い隠すための言い訳に過ぎず、高齢化に伴うインフラ整備の遅れによる村落の過疎化、雇用機会の少なさ、移民問題、既存政党への不信感といった真の課題を無視している。東西ドイツ統一当時、主導権を握っていたのはキリスト教民主同盟(CDU)だったが、彼らの公約は実現しなかった。そのため、当時の選択肢は社会主義的政策と、それに代わる保守的政策だった。

 ベルリンでの選挙は、一見すると他の2つの州ほどキリスト教民主同盟(CDU)に大きな打撃を与えなかったように見える。だが、首都ベルリンという場所柄、結果はより一層重みを持つ。そしてここでも与党は両極端に位置するドイツのための選択肢(AfD)と左翼党(Linke)に大きく議席を奪われた。結果は以下の通り。分かりやすくするため増減も併記した。

Die Linke 左翼党 25.7% 47議席 +13.5%
CDU キリスト教民主同盟 18.8% 34 議席 −9.4%
AfD ドイツのための選択肢 16.3% 29 議席 +0.1%
Grüne 緑の党 14.3% 26議席 −4.1%
SPD 社会民主党 12.1% 22議席 −10.1%
BSW ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟 4.7% 5%未満 , 議席なし
FDP 自由民主党 2.5% 5%未満 , 議席なし

 投票率は74.2%だった。

 州議会は158議席で構成され、過半数となるには80議席が必要だ。つまり、連立政権が確実に成立することになる。現時点では、左派(Linke)、社会民主党(SPD)、緑の党による連立政権が樹立される可能性が高いと見られている。

 ドイツのための選択肢(AfD)は、他の選挙ほどの規模で支持を伸ばすことができていない。これは主に2つの要因によるものだ。

 ベルリンは都市環境で、そのため有権者層はより集中しており、若い人口が多く、またドイツの他の州からの移住者も多い。

 2つ目は、こうした環境特有の深刻な問題だ。中でも、手頃な価格の住宅不足は中心的な課題の一つだ。ドイツのための選択肢(AfD)には都市運営の実績がなく、有権者をAfD支持へと駆り立てるほど斬新な政策も提示できていない。

 SPDのような大敗を喫した政党が政権を握れるのは、やはり驚きだ。CDUはさておき、今回選挙で最大の敗者となった政党が、それでも政権を握ることになる。これこそ連立政権の醍醐味だ。

 左翼党(リンケ)は、共産主義の雰囲気が色濃く残っているため、既存政党や保守派有権者からの信頼は必ずしも高くない。とはいえ、選挙結果は明白で、住宅問題を中心とした選挙公約をリンケがどのように実現していくのか注目される。他の連立パートナーも最善を尽くすだろうから、あまり急激な変化は期待できない。

 ここでも連邦レベルの与党は明確なメッセージを受け取ったことが見て取れる。敗北は厳しい現実を物語っている。来る4月の選挙までに国民の意識を変えるのは至難の業だ。これら政党から発せられるコメントを聞く限り、2027年春にも同じ結果が繰り返される可能性が非常に高く、そうなればドイツを統治することはほぼ不可能になる。

 何があろうと、一つだけ明白なことがある。社会保障制度、医療、年金の大幅削減と、着実に悪化していく経済状況を前に、恐怖と戦争を煽る政策では有権者の支持は得られない。特に、解決すべき新たなビジョンがなく、ただひたすら削減と縮小を繰り返すだけで、それを改革と称しているような場合はなおさらだ。

 投票終了直後、ドイツ首相は報道陣の前に立ち「2026年の選挙戦はこれで終わりだ」と述べた。彼は安堵した様子だった。

 結局、キリスト教民主同盟(CDU)には選択肢がほとんどない。メルツが「改革」を撤回すれば、弱腰で社会民主党(SPD)に屈服したように見え、結果的にSPD勢力を強めることになる。

 彼がAfDに接近して票の奪い合いをしようとすれば、何の助けにもならないだろう。なぜなら、AfDはもともと不満を抱えたCDU党員から生まれた政党だからだ。

 このままの姿勢を続ければ、メルツとキリスト教民主同盟(CDU)が次期連邦選挙で勝利する可能性は皆無で、メルツは政府をCDUの方針に従わせるために大変な苦労を強いられるだろう。社会民主党(SPD)がCDUとの違いを明確に示せなければ、彼らもまた破滅的事態に直面する。連立政権の下位政党であることの危険性。自由民主党(FDP)が苦い経験から学んだ教訓だ。

 将来に対する構想や明確な計画がない事実を隠蔽することは、強力な野党が代替案を提示し、選挙のたびに勢力を拡大していく限り、どの与党にとっても決して良い結果をもたらしてきたわけではない。

 2027年4月の次期選挙が、過去2回の選挙と同じような結果になれば、キリスト教民主同盟(CDU)内部で不安がパニックへと変わり、春の終わりに連邦議会選挙が行われる可能性もある。結果は誰にも予測できない。だが、ドイツのための選択肢(AfD)を禁止しようとする試みは、かつて偉大な政党だったキリスト教民主同盟の終焉を告げるもので、ドイツが知っている民主主義の終焉を意味する。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/10/01/getting-whacked/

----------

 植草一秀の『知られざる真実』
日本財政の恐るべき実態

2026年9月30日 (水)

ヨーロッパ人の「対ロシア戦争」過剰反応の根底にある誤った前提



アラステア・クルック
2026年9月28日
Strategic Culture Foundation

 誤った西側諸国の分析こそ、ヨーロッパをロシアとの戦争へと導く危険性のある、エスカレートする行動の階段に西側諸国を閉じ込めてしまったのだ。

❗️Telegram , Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 ここ数日、ヨーロッパ政治家たちは明らかに協調的で共通演説原稿に基づいて、声を最大限まで上げてきた。「ロシアとの戦争が迫っている。ロシアはNATOを攻撃するつもりだ。我々は準備しなければならない。ボトル入りの水や缶詰を買いだめし、子供たちを徴兵に出す準備をしておけ」「多くの人が死ぬだろうが祖国を守るのは彼らの義務だ」。

 なんと馬鹿げた話! この点を強調するため、EU上級代表のカラッスやドイツのメルツ首相を含む欧州指導者たちは、9月14日に開催された欧州北極サミットで「防衛態勢」を示すため、わざと迷彩服を着用した。(これら欧州政治家たちの軍服姿は、ここで見られる。)

 それらは滑稽に見える。だからといって、ヨーロッパのテクノクラートたちを襲っているこのヒステリーとは一体何かという疑問が消えるわけではない。

 一見、ロシアがヨーロッパを攻撃しようとしており、戦争が迫っているという統一的なメッセージは全く意味をなさない。今日、主要軍事大国で世界最大の核兵器保有国でもあるロシアと戦争を遂行するだけの兵力、弾薬、資金と工業力はヨーロッパに存在しない。

 ZeroHedgeは次のように指摘している。

 「ロシアによる攻撃の脅威という根拠のない主張を最も声高に広めているのはバルト三国の指導者たちだ。例えば今週、ラトビアのエドガルス・リンケビッチ大統領は、ロシアによるEUとNATOへの『攻撃』は既に始まっているとまで発言した。バルト三国は、映画『レッド・ドーン』のようなシナリオを想定し、国民のための緊急時対応計画まで発表している。」

 「我々は従来型の戦争について話しているのではない。あらゆる種類の挑発行為、あらゆる種類の破壊工作、あらゆる種類の実験について話している。そして、これはまさに今この瞬間にも起こっていることだ」とラトビアの指導者は述べた。

 AP通信によると、今週ポーランドのドナルド・トゥスク首相は、「NATO諸国の意欲を麻痺させるか、少なくとも弱める」ため、ロシアが「偶発的」に偽装した散発的な攻撃を行う可能性があるとトゥスク首相は主張した。さらに「ドローンや他の飛翔体が東部国境沿いの1つまたは複数国の領土に侵入し破壊をもたらす現実的リスクがある」と述べ、さらに「モスクワは今後数ヶ月のうちにNATO領土に対し、何らかの形で空爆し、軍事同盟の第5条の共通防衛の誓約が紙切れに書かれた数語に過ぎないことを示すかもしれない」と警告した。

 だか、あらゆる証拠に反して、欧州指導者は依然、主要核保有国に対して第5条の発動に心理的に備えていると自らを鼓舞している。

 この騒ぎを受けて、セルゲイ・ラブロフ外相は明確に警告した。

 「我々は(ヨーロッパ攻撃に)関与するつもりは全くないことを強調しておきたい。しかし、ロシアとの戦争準備を日々口にしているヨーロッパがロシアを攻撃すれば、それは全く異なる戦争になり、非常に短期間で終わるだろう。」

 この一見不条理な状況の背後には何があるのか? 一方で、ブリュッセル支配層が、自分たちの戦略的誤り(ウクライナへの無制限支援、ロシアへの圧力のために欧州のビジネスモデルを犠牲にしたこと、イラン戦争の支持、中東の苦しみへの無関心)が、今まさに自分に跳ね返ってきていることに気づいているのは明らかだ。

 ロシアに対する恐怖を煽る彼らの行為は、戦争を煽る現実的なリスクについて慎重に検討し、十分な注意を払った結果というより、むしろ焦りからくるものだ。政権側は、米イスラエルによるイランへの戦争から生じるエネルギー危機がもはや「迫っている」のではなく、既に到来していると認識しているに違いない。

 彼らは生活費の高騰、雇用の喪失、そして市場、特に債券市場(その金利水準が他のすべてのリスク資産の価値を決定する)の崩壊を目の当たりにしている。こうした状況を見て、窮地に立たされた政治家たちは、恐怖心を煽ることこそが自らの失敗から目をそらし、選挙戦を乗り切る希望を見出す唯一の方法だと結論づけたのかもしれない。

 生存は重要な動機だが、おそらくエリート層の精神は、実際は誤りであるにもかかわらず、政治階級にもっともらしく聞こえる2つの命題によっても支えられている。

 最初の誤りは、ロシアが2022年2月にキーウとウクライナの約60%を占領するために予防戦争を開始したという点だ。

 シリアにおけるこれまでの出来事が、実態を明らかにしている。ロシアはアサド大統領の要請を受け、2015年9月にシリア内戦に正式介入した。

ロシアの介入は限定的なもので、航空機配備は極めて限定的(28機から34機)で、戦闘特殊部隊派遣も最小限にとどまった(ロシアの貢献は主に軍事顧問、前線航空管制官、憲兵で構成されていた)。

 ロシアのシリア駐留は、地上戦への参戦を意図したものではなく、むしろ真剣な意思表明という象徴的意味合いが強かった。実際、モスクワの目的は直接的な地上戦を回避することだった。しかし、イラン地上部隊の支援を受けたロシア空爆は、シリア軍がジハード主義勢力をアレッポから駆逐するのに貢献した。これにより、2016年末にロシアとトルコの仲介による停戦が成立し、その後まもなくアスタナ和平プロセスが開始された。

 アレッポへのプーチン大統領の対応は、ウクライナに対する初期戦術のモデルを明確に示した。ロシアは2022年初頭の初期攻撃時、キーウ郊外と周辺に推定1万5000人から3万人の兵力を配備した。この部隊が2022年初頭にキーウ制圧を目的としていたというヨーロッパ側の主張は笑止千万だ。4万人の兵士で都市の広場を埋め尽くすことはできるかもしれいが、300万人以上の人口を抱える都市を占領できるだうか?ばかげている。

 しかし、欧米評論家(米国のロバート・ペイプを含む)は、キーウ制圧の試みが失敗に終わったこと、そしてプーチン大統領がNATOを後退させるために「真剣な意図」を象徴的に示すことを期待していたと推測されることから、プーチン大統領はエスカレーションの罠にはまっていると主張している。プーチン大統領は2022年に迅速な勝利を求めたが失敗したため、成功の見込みがますます悪化するエスカレーションの階段を上らざるを得なくなり「罠にはまっている」とペイプは主張している。「それは時間の問題にすぎない」。

 失敗どころか、モスクワのシリアにおける武力誇示は規模こそ小さかったものの、効果を発揮した。アスタナはシリアから着想を得たモデルとなったのだ。2022年3月末までに、イスタンブール・プロセスはウクライナとの和解の枠組みとなるイスタンブール共同声明を生み出した。この共同声明は、ボリス・ジョンソン首相が妨害したというただ一つの理由で失敗に終わり、ロシアは再編成を余儀なくされた。そして、長期にわたる消耗戦と数十万人のウクライナ人の命の無駄な喪失という代償を払いながらも、ロシアは再編成に成功した。

 いや、ヨーロッパをエスカレーションの罠に陥れたのはボリス・ジョンソンだった。

 欧州諸国は、ロシアとの戦争における「成功物語」の根拠を、まずキーウ政権の失敗という認識、そして次に金融制裁への過剰依存という概念に置いたようだ。フランスのル・メール元財務大臣は、高揚感に駆られて「ロシアに対する全面的な経済・金融戦争」を宣言した。彼は制裁によりロシア経済が窒息し崩壊すると主張したが、実際にはロシアは2007年以降、国家主導型(自給自足型)経済モデルに移行し、今なお繁栄を続けている。

 では、どちらがどちらを罠にかけたのか?西側諸国が思い描いていた、キーフを奪取するという存在しない計画が失敗した瞬間からロシアがエスカレーションに陥ったという前提が、状況を逆転させてしまったのだ。

 西側諸国の誤った分析が、西側諸国をエスカレートする行動の階段に閉じ込め、意図せずしてヨーロッパをロシアとの戦争に導く危険性を生み出した。そして、そのような戦争はどのヨーロッパ人も望んでいない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/09/28/the-faulty-premises-underlying-europeans-war-on-russia-hyper-ventilation

-----------

 孫崎 享 @magosaki_ukeru
少なくとも民主主義国家は論理の社会で生きるのが前提です。
おかしければ切り返えせばよい。
論理の交換を放棄するのは民主主義・自由主義を放棄することです。
まあ日本には「お上至上主義」の方々がおいでですから。
 植草一秀の『知られざる真実』
発言撤回チャンス付与する中国

2026年9月23日 (水)

ウクライナで唯一「有効な」EU戦略に更に数十億ドル投入された。



ティム・カービー
2026年9月20日
Strategic Culture Foundation

 ウルスラのドローン資金:「効果がある」唯一の戦略、テロに数十億ドル投入。だが今やロシアが反撃に出て、ウクライナの兵站網を破壊している。

❗️Telegram , Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 最近、ドナルド・トランプが世界的なディーゼル燃料と航空燃料の不足と価格高騰の責任をゼレンスキーに押し付けたにもかかわらず、ブリュッセルの頭脳優秀な連中はキーウ政権支持を強化し続けている。ここ数年、ゼレンスキーが資金を「強く懇願」し、EUエリート連中が処女を装う売春婦のように少しばかり口ごもり、最終的に、大量虐殺をする緑の小鬼が要求する借金ベースの資金調達に署名するサイクルが繰り返されてきた。新たに始まった懇願セッションを、まるで何か新しく、過激で、他に類を見ない出来事であるかのようにメディアが報じながら、これが何度も繰り返されている。

 欧州の官僚たちの希望を繋ぎ止めるためのこの継続的計画の一環として、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、EU市民に対する大きな侮辱でもあるツイートでキーウに重大な約束をした。



 「戦争努力を支援する」や「援助を提供する」といった曖昧な表現ではなく、ドローンやミサイルに資金投入するこの具体的要求は、おそらく2026年に戦争がロシア内の民間目標にまで拡大したことへの対応としてロシアが急速にエスカレートしたことが原因だ。欧米諸国の多くは、このエスカレーションをゼレンスキー大統領による「40日間テロ」ドローン作戦が成功した証拠と見ており、おそらくもっと資金を投入すべきだと考えている。だが、このテロ作戦には代償も伴っており、キーウがロシア国内のガソリン・スタンド、公共交通機関、ロシア通販企業ワイルドベリーズの倉庫といった標的を攻撃し始めた後、ウクライナの同等施設を標的にするのも当然だとクレムリンは考えるようになった。

 ワイルドベリーに相当する現地のノヴォ・ポシタ配送網をロシアは完全破壊した。8月初旬の時点で、彼らはウクライナで少なくとも250のガソリン・スタンドも爆破した。ロシアが機関車攻撃を開始した際、このそ戦争の火付け役のボリス・ジョンソンはポーランド国境すぐそばで、すんでのところで殺されかけたか、少なくとも一時窮地に立たされたとされている。はっきり言えば、私は「機関車」と書いているが、2026年に、キーウの物流能力を完全破壊するとロシアは決定したようだ。モスクワの参謀本部は旅客列車の車両を攻撃したのではなく、それらを牽引する機関車だけ攻撃したが、その言葉は指揮を執る運命の連中にはほとんど慰めにならない。

 つまり、キーウはロシアと自国の旧領土に対する戦術を「反攻」から「テロ」に切り替えたのだ。クレムリンはこの戦術転換を、キーウ市内および周辺のドローン施設を含む、遙かに広範な標的への反撃を正当化すると捉えている。ウクライナとEUの両方で、ドローンとミサイルが一体どこで生産されているのかを正確に把握しているとロシアは主張しており、そのため2026年秋以降、ウクライナ本土でのドローン生産と保管は大幅削減され、かつてキーウ市民に守られていた倉庫や他の施設が破壊された様子を捉えた新しい動画が毎日公開されている。

 現在、キーウ軍には実質的防空能力が皆無で、ロシア軍が標的を外すのは稀な操作ミスかドローンの故障によるものなのは双方にとって普遍的事実になっている。最も現実離れした官僚でさえ、ウクライナにこれ以上防空兵器を配備する余地はないのは明らかで、欧米諸国がウクライナで生産し、ある程度効果的に使用できる唯一のものは、安価で迅速に生産可能で、特に場所を取らないドローンと安価なミサイルだ。ロシアの通販企業ワイルドベリーズへの攻撃がロシアの世論を変えつつあるとフィンランド大統領が明言した。つまり、EUエリート層は、安価なドローンでのロシアの民間インフラ攻撃に多くの「実績」と大きな可能性を見出しており、従って、それらに投資するの確実に賢明な判断だ。低費用のドローンとミサイルによる継続的攻撃は、2026年のウクライナにとって唯一可能な成功のシナリオで、なぜ彼らはこの効果的戦争方法にもっと重点を置き資源を投入しないのか?

 欧米諸国の公式見解は、ロシア経済は崩壊する運命にあり、もう少し圧力をかければ、人々はプーチンに反旗を翻し、欧米の優越性を示するというものなのを忘れてはならない。従って、この考え方からすれば、ロシア本土で様々な形で国民の苦しみを引き起こしているウクライナ用ドローン生産にEUが持てる資金の全てを注ぎ込むのは、まさに理にかなっていると言える。効果は出るし、しかも安価だ!

 つまり、ウルズラ・フォン・デア・ライエンが世界をどのように見ているかを考えれば、このツイートは非常に論理的だと言える。彼女はキーウが持つ最も強力な攻撃手段に資金を投入することで状況を変え、おそらく2028年か2030年、あるいはEUが参戦する準備が整うまで戦争を長引かせるつもりなのだ。官僚的観点からすれば、これは賢明な決定だ。だが客観的に見れば「何かが変わる」まで事態を長引かせようとする必死の試みとして、またもや戦争という名のゴミ箱に金をたれ流しているように見える。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/09/20/billions-more-just-thrown-onto-only-doomed-strategy-that-works-for-eu-in-ukraine/

----------

 孫崎享のつぶやき
独内政混乱。WSJ「【独極左の台頭】独2つの州議会選挙で、旧来の政治主流派の崩壊が加速。これまでの極右・独のための選択肢(AfD)に加え、極左「左翼党」が対等。かつてドイツ政治の首領であったキリスト教民主同盟や社会民主党(SPD)が凋落」。RT[西独の終焉

2026年9月19日 (土)

NATOはロシアに勝てるのか? ポーランドのシコルスキ外相は行き詰まった欧州エリートを擁護する危険な愚か者



フィニアン・カニンガム
2026年9月17日
Strategic Culture Foundation

 最近「通常戦で、NATOはロシアを『即座に打倒できる』」とポーランド外相が主張したことに対し、その主張を、ロシアを拠点とする評論家のスタニスラフ・クラピヴニクが徹底的に批判している。

 ❗️Telegram , Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 最近「通常戦で、NATOはロシアを『即座に打倒できる』」とポーランド外相が主張したことに対し、その主張をロシアを拠点とする評論家のスタニスラフ・クラピヴニクが徹底的に批判している。

 クラピヴニクは、Strategic Culture Foundationで、このインタビューをした。彼のポッドキャストは「The Eyes of Truth」で聴ける。

 ロシアとのあからさまな対決で欧州NATO空軍が圧倒すると9月11日キーウで開催された公開フォーラムでポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相が自信満々予測し上記発言をした。

 またNATO空爆で、ロシアの石油精製能力は6週間以内に壊滅するとシコルスキは予測した。ポーランド副首相でもあるシコルスキは、NATOの航空戦力は2,500機なのに対し、ロシアの戦闘機は僅か300機に過ぎないと数字を挙げた。たとえアメリカの軍事支援がなくとも、欧州同盟国は容易にロシアを打ち負かせると彼は主張した。

 このポーランド高官の愚かさは信じがたいほどで、犯罪的狂気の域に達している。ロシアの核教義は、ロシアの存立を脅かす通常戦争が起きた場合、核兵器使用が余儀なくされ、それがヨーロッパの終焉を意味するのを彼らは理解していないのか?

 「シコルスキはヨーロッパ愚民集団の一員だ」とロシア在住でウクライナ紛争に関する軍事分析に詳しい元米陸軍大尉クラピヴニクは指摘した。シコルスキが引用する数字は、額面通りに受け取っても辻褄が合わないと彼は述べている。

 クラピヴニクの集計によれば、NATOの戦闘機数はロシアの二倍で、ポーランド大臣が主張する八倍ではない。シコルスキの単純な計算は、ロシアが欧州のNATOパイロットより優れている戦闘準備態勢や戦時経験を考慮に入れていない。

 またロシアの防空システム、S-300、S-400、S-500は欧州の同等兵器、特にウクライナ防衛に不適格だと証明されているアメリカ製パトリオットよりも遙かに優れている。

 更に、ロシアが保有する高度なドローン兵器は、いかなる戦争でも開戦早々ヨーロッパの意思決定拠点を無力化する。

 狭義の軍事的観点から見れば、ポーランドのシコルスキは愚かで、無謀な挑発者と言って過言ではない。だが、彼はなぜこれほど好戦的発言をするのか?

 シコルスキは「ヨーロッパ愚民政治」の典型だとクラピヴニクは指摘している。ウクライナでのNATOの対ロシア代理戦争が壊滅的な失敗に終わったため、ブリュッセル、ベルリン、ロンドン、パリのエリート政治階級が益々焦りを募らせている状況を指している。

 「問題は彼ら(NATOエリート連中)が代理戦争を戦うウクライナ人を消耗しつつあることだ」

 シコルスキーと好戦的エリート連中は、対ロシア戦争を推進するため、ヨーロッパ一般市民の間で戦争熱を煽り立てようとしている。また政治エリート層は、長年にわたる「戦略的にロシアを打倒する」計画で自ら引き起こした経済危機からも人々の目もそらそうとしている。

 ウルズラ・フォン・デア・ライエン、フリードリヒ・メルツ、エマニュエル・マクロン、イギリスのアンディ・バーナムなど欧州のいわゆる政治指導者連中とNATO事務総長マルク・ルッテは行き詰まった対ロシア紛争に欧州大陸を益々深く引きずり込むよう主張している。

 この政策はヨーロッパ経済を破綻させ、ウクライナを壊滅させた。ヨーロッパ政治家と追従的報道機関は失敗を認めようとせず、あらゆる合理的外交を拒否して戦争計画を継続しようとしている。

 だが今やウクライナ兵士が尽きたヨーロッパ・エリート連中は、対ロシア戦争は避けられないもので、容易に勝利できると広汎なヨーロッパの人々に売り込んでいる。

 「ウクライナ人や自国民のことなどヨーロッパ・エリート連中は気にかけていない…連中は戦争のための単なる生体材料としか見られていない」とクラピヴニクは結論づけている。

 だからこそNATOはロシアに容易に勝利するとポーランド外務大臣が無神経な発言をしたのだ。彼とヨーロッパ・エリート連中は戦争を望んでいる。連中には戦争が必要なのだ。

 とはいえ、連中の子どもたちが命を落とすことはないだろう……連中の狂気じみた好戦主義が核戦争を引き起こすまでは。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/09/17/nato-can-defeat-russia-polands-sikorski-dangerous-idiot-covering-for-dead-end-euro-elites/

----------

 【IWJジャーナル号外】  
本日午後7時より「【3】岩上安身によるインタビュー第1234回ゲスト 政治経済学者・植草一秀氏<日米協調介入編>」のハイライト版を撮りおろし初配信します!

2026年9月10日 (木)

ドイツ:ザクセン=アンハルト州でAfDが勝利した理由と今後の展開



2026年9月8日
Strategic Culture Foundation

エド・ターナー

❗️Telegram , Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 9月6日に行われたドイツのザクセン=アンハルト州議会選挙結果は主要政党にとって予想以上に悪いものとなった。極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は43.8%の得票率を獲得し、過半数に迫る勢いを見せた。これは世論調査予測を約4%上回る数字だった。

 一方、中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)への支持は急落した。得票率は17.2%にとどまり、2021年の37.1%から大幅に低下し、予想を大きく下回る結果となった。

 投票率は78%近くに達し、2021年と比べて大幅に上昇した。これはドイツのための選択肢(AfD)にとって追い風となった。 分析によると、支持拡大の要因は主にこれまで投票していなかった層で、それに加えて、かつてキリスト教民主同盟(CDU)を支持していた層も相当数が加わったという。

 選挙が二極化して いたこと、つまり事前調査では有権者の41%がドイツのための選択肢(AfD)主導の政権を望み、46%がキリスト教民主同盟(CDU)主導の政権を支持していたことは、いくつかの意外な影響をもたらした。その一つは、社会民主党(SPD)と緑の党にとって有利に働いたことだ。

 社会民主党(SPD)と緑の党は、州議会で議席を獲得するために必要な得票率5%を確実に達成するため、キリスト教民主同盟(CDU)と左翼党の有権者から戦術的支援を受けた。

 過半数を獲得した場合にのみ政権を担うと表明していたドイツのための選択肢( AfD)は、現在、候補者のウルリッヒ・ジーグムントをザクセン=アンハルト州首相に選出するための複数の道筋がある。最も可能性が高いのは、左派的経済政策と移民問題などの保守的政策を組み合わせた政党、ザーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟(BSW)との連携だろう。
 
選挙当夜、一部分野でAfDの立場と「重複」があること、そしてAfDを政権から完全に排除することは「全く非民主的」であることをBSWは明確にした。

 これが失敗に終わった場合、キリスト教民主同盟(CDU)の支援が別の道になるだろう。首相選出は秘密投票で行われ、日曜日に再選されたCDU所属議員数名は、ドイツのための選択肢(AfD)との協力にもっと前向きであるべきだと長年主張してきた実績がある。
 
社会全体からの支持

 ザクセン=アンハルト州において、ドイツのための選択肢(AfD)は、労働者階級有権者(59%)、低学歴層(57%)、経済状況が悪いと感じている有権者(65%)の間で最も高い支持を得た。しかし、大卒者(30%)や経済状況が良いと感じている有権者(37%)の間でも、AfDはまずまずの支持率を獲得した。

 また70歳以上(31%)を除く全年齢層で40%以上の支持を獲得した。従って、AfDは社会全体、州全体からの支持を得ている本物の「国民政党」だと主張できるだろう 。

 今回の選挙は決して単一争点選挙ではなかった。出口調査によると、移民問題はAfD支持者の動機の一つで、91%が「ドイツに外国人が多すぎるのを非常に懸念している」という意見に同意した。しかし、治安や経済への懸念も同様に重要だった。

 2002年からキリスト教民主同盟(CDU)が率いてきた州政府に対しても、有権者の66%が強い不満を抱いていた。しかし、ベルリンのフリードリヒ・メルツ政権に対する評価は更に悪く、83%が一般市民の問題に十分に関心を払っていないと見ていた。ザクセン=アンハルト州の有権者のうち、今後数年間で大いに国を良くできると信頼しているのは僅か20%だった 。

 こうした感情はドイツ全土に見られるものの、ザクセン=アンハルト州をはじめとする東部諸州でより顕著で、それに加えて東部特有の不満も存在する。東部出身者は多くの場面で、依然二級市民だとザクセン=アンハルト州の有権者の73%が考えている。

 この見解は、AfD支持者の83%に共通している。AfDは、ドイツ再統一に対する不満や、共産主義時代の東ドイツへの郷愁を巧みに利用することに成功している 。

 もしドイツのための選択肢(AfD)が政権を樹立した場合、同党が極右的綱領を、どの程度実行できるのか、そして実際に、同党がドイツ国内で明白な「右翼過激派」だというドイツ情報機関の見解を裏付けることになるのかどうか厳しく精査されることに なるだろう。

 教育、文化、治安、公共放送といった分野では、政府は積極的に攻勢に出るだろうが、過激な措置に対し、法的異議申し立てが絶えない可能性も十分にある。こうした措置には、学校で教師に特定イデオロギー的立場を表明するよう強制する試みなどが含まれる。

 ドイツのための選択肢(AfD)は、この立場を利用して更なる宣伝活動をするだろう。そしてもちろん、裁判所や他勢力により目標達成を阻まれるたびに、既成勢力による陰謀の犠牲者だと主張するだろう。これはポピュリストによく見られる戦術だ。  
より広範な政治的影響

 この結果を受けて、メルツ首相の立場は更に厳しくなった。どのドイツ首相と比べても異例の不人気ぶりで知られるメルツだが、9月20日に行われるメクレンブルク=フォアポンメルン州議会選挙で支持率が上がる見込みは全くない。この選挙は、ドイツのための選択肢(AfD)と社会民主党(SPD)の一騎打ちになると予想されている。

 同日、政治的に非常に分裂したベルリン州では、メルツ率いるキリスト教民主同盟(CDU)が低い得票率で首位を獲得する可能性もある。しかし、それは選挙結果を左右する決定的要因にはならないだろう。

 重要なのは彼の党所属議員の多くが改革を要求するだろうことだ。そのほとんどは、ドイツのための選択肢(AfD)が利用できる隙を塞ぐために右傾化を求めるだろう。だが、現在の連立相手、社会民主党(SPD)との連立政権下では、それはほとんど実現不可能だ。

 労働者階級有権者の支持率低下を指摘し、秋に決定予定の年金制度改革など主要改革案再開を要求する声もあるだろう。だが、それはメルツが分析する低迷するドイツ経済を立て直すために必要なこととは相容れない。

 ザクセン=アンハルト州は、メルツだけでなくドイツ社会全体に対して非常に難しい問いを投げかけているのかもしれない。すなわち、ドイツは政治的にあまりに分裂しすぎ、もはや統治不可能な状態に陥っているのではないかという問いだ。

 キリスト教民主党と自由民主党、あるいは社会民主党と緑の党といった容易に手を組める政党同士の連立政権では、連邦選挙で25%の得票率すら得られるまい。そのため、主流政党は、ドイツのための選択肢(AfD)を排除するためだけに、根本的に意見が異なる政党と連立政権を組まざるを得ないのだ。

 これら政党は互いに争い、合意に至らず決定を先延ばしにし、そして崩壊する。そして、この負の連鎖から、ドイツのための選択肢(AfD)は利益を得られるのだ。

元記事:theconversation.com

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/09/08/germany-why-the-afd-won-in-saxony-anhalt-and-what-happens-next/

----------

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
①ベッセント財務長官、中国にAI競争で敗れれば「他の全てが無意味に」と警告、②モデル性能:差は年単位から数%へ、スタンフォードHAI ③CIA副長官、中国の脅威にはより広範な諜報活動が必要だと発言、、中国と米国の経済競争は中国企業を正当な標的とする根拠になる

2026年9月 9日 (水)

ウクライナの国防汚職は「長年の伝統」

2026年9月7日
Moon of Alabama

 ウクライナの汚職は長年の問題だ。10年以上前ガーディアンが見出しでこう報じていた。
 
ヨーロッパで最も腐敗した国ウクライナへようこそ―ガーディアン、2015年2月6日
 戦争開始以来ウクライナへの資金流入は、この問題を更に悪化させている。数十億ドルも資金が流入すれば、その一部を手に入れられる立場にある者は誰でもそれを試みる。

 欧米メディアはこの問題をほとんど無視している。ウクライナの特定派閥に有利になるように介入する必要がある場合だけ、この問題が取り上げられる。

 昨日ニューヨーク・タイムズが報じた、ウクライナ武器調達での汚職に関する二つの記事は、そうした観点から捉える必要がある。  
ウクライナでは不正と浪費が武器契約の増加という形で報われる(アーカイブ) –ニューヨーク・タイムズ、2026年9月6日
 秘密裏に行われたウクライナ軍監査で判明した四つのこと(アーカイブ)–ニューヨーク・タイムズ、2026年9月6日
 一つ目の記事から  
ウクライナ兵器工場が、軍に欠陥のある数千発もの迫撃砲弾を供給していたことが判明した。兵器工場経営者、屈強な体格のレオニード・シマンは最終的に逮捕され、戦争での防衛産業の不正行為中、最も世間の注目を集めた事例の一つとして起訴された。

 しかし、当局が武器に欠陥があることに気づいていたにもかかわらず、ニューヨーク・タイムズが入手した政府監査報告書によると、ウクライナ国防調達庁はシマンの工場に新たな契約を与え続けていた。

 この事例は、ウクライナ戦争における根強い現象を反映している。タイムズ紙が入手した政府監査報告書、裁判記録、ウクライナ報道によると、ウクライナ軍事請負業者上位10社のうち7社は、詐欺容疑での刑事捜査、以前の契約不履行、汚職容疑での最高経営責任者の逮捕といった問題が公になっているにもかかわらず、新たな契約を獲得していた。
 二つ目の記事は最悪の事例をまとめたものだ。  
  • 価格吊り上げが繰り返し行われている事例を監査官が発見したが何の対策も講じられなかった。
  •  
  • その企業は納品を怠ったり、欠陥のある弾薬を供給したりしたにもかかわらず、更に多くの契約を獲得した。
  •  
  • その企業は、履行能力を証明することなく契約を獲得した。
  •  
  • 兵器企業が利益増加を報告する一方、ウクライナの損失は積み上がっている。
 
監査の結果、2024年の僅か一年間で、不正、浪費、不適切な管理により、ウクライナは約12億ドルもの損失を被ったことが判明した。
 ウクライナのこの国民的スポーツについて学ぶため、アメリカと欧州の納税者はかなりの費用を費やしてきた。  
「ウクライナでは、固定されていないものは何でも盗まれる」と、戦争中ずっと防衛産業の不正行為に注意を喚起しようとしてきたアメリカ人反汚職専門家、ジェームズ・ワッサーストロムは語った。「これは長年の慣習だ」。
 ニューヨーク・タイムズの暴露は、遅きに失したとはいえ称賛に値するが、政治的な意図がある。ウクライナのある人物を「クリーン」な人物として宣伝する一方、その人物は腐敗した政治の一翼を担っているのだ。  
ウクライナを戦争に留まらせ、ドローン革命を可能にしたのと同じ調達過程が、今やそれ自体が脆弱性になり国内政治を揺るがしている。元国防相ミハイロ・フェドロフは、この制度の改革を試みたが、そのために防衛関連企業により失脚させられたと述べている。

 解任後「汚職が蔓延している」とフェドロフは語った。彼の解任は、戦争開始以来最大規模の街頭デモを引き起こした。ゼレンスキー大統領は、フェドロフを解任した理由として、軍指導部との対立を挙げている。

 ゼレンスキーは調達体制の浄化に失敗し、問題は彼の側近にまで及んでいる。昨年、彼の元共同経営者が安全試験に不合格だった防弾チョッキの購入を当局者に促す様子を汚職捜査官が秘密裏に録音した。捜査当局によると、この男性は捜査中にウクライナから逃亡したという。ゼレンスキーは関与を疑われておらず、捜査を支持すると述べている。
 フェドロフが解雇された表向きの理由は軍首脳部との対立だった。本当の理由は、あるドローン企業からの支払いを、別の企業からの支払いより好んでいたためだった。

 ゼレンスキーと友人たちは、ドローンメーカーのFirePoint社と関係がある。  
ウクライナ国家反汚職局(NABU)捜査によると、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の側近ティムール・ミンディッチが、ウクライナのエネルギー・インフラの防衛施設建設を含むエネルギー関連の建設・調達事業から賄賂を受け取り、その収益を資金洗浄していた集団を率いていたとされる。ゼレンスキー政権の他の複数人物も関与している。

 この事件はエネルギー問題に焦点を当てているが、FirePointという名前も浮上している。FirePointは2023年に設立された民間防衛請負業者で、FP-1長距離攻撃ドローンと「フラミンゴ」巡航ミサイルを製造している。8月、キーウ・インディペンデント紙は、FirePointが防衛汚職に関する捜査の対象となっており、捜査で非公式受益者とされるミンディッチとの関係も調査されたと報じた。FirePointはミンディッチとの関係を否定している。
 ティムール・ミンディッチはイスラエルに逃亡しており、そこから彼は身柄引き渡しされない。

 ゼレンスキー大統領の友人、ミンディッチは、ウクライナ国防省から数十億ドル規模のドローン契約を受注しているFirePoint社の隠れた所有者だ。  
水曜日に発表したミダス事件に関する声明で「全てのデータは、ティムール・ミンディッチが同社受益者の一人、あるいは唯一本当の受益者であることを明確に示している。[…]」と公共反汚職評議会が述べた。
 ニューヨーク・タイムズが持ち上げようとしているミハイロ・フェドロフは、別のドローン業者を利用していた(機械翻訳):  
友人のコノトプスキーの会社SkyFallから大々的に宣伝されたP1SUN迎撃ドローンを購入するために、フェドロフが数十億ドルもの予算を浪費したと彼の反対派は非難している。しかし、これらドローンは、現在ロシアの主力攻撃部隊となっているジェット推進式「シャヒード」に対し効果がなかった。フェドロフはこれら脅威への対策を怠り、ウクライナは今そのツケを払わされている。P1SUNの予算は既に使い果たされており、国防省予算には大きな穴が開いている。
 フェドロフが友人の会社からドローンを購入したことや、彼が関与した他の不正行為によって生じた「巨額の損失」は270億ドルにのぼる。

 ロシアのインフラ施設を標的とするFirePoint社のFP-5ドローンは、ロシア軍の迎撃に頻繁に遭っている。命中成功率は10%未満だ。SkyFall社製のP1SUN迎撃ドローンも、ロシアのジェット推進式ゲランドローンに追いつけない。

 だが、どちらもゼレンスキー、あるいはフェドロフの友人連中に大きな利益をもたらしている。

 ちなみに、つい先日、フェドロフはアメリカのオリガルヒ、アレックス・カープから遡及的賄賂を受け取ったばかりだ(機械翻訳)。  
最近、パランティアCEO、アレックス・カープが主要投資家になっている自身の軍事企業の設立をフェドロフが発表した後、直ちにフェドロフは汚職防止法を想起させられた。この法律は、解任前の一年以内に民間法人の活動に関連する決定を下していた場合、解任後、更に一年間、民間法人との取り引きを禁じている(フェドロフは国防省でパランティアとの協力関係を監督していた)。
 戦争はいかがわしい商売だ。特に戦争をする国が腐敗しきっていて、しかもその資金が、戦争を終わらせる手段を持たない人々から搾取されている場合はなおさらだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/09/the-longstanding-tradition-of-defense-corruption-in-ukraine.html

-----------

 植草一秀の『知られざる真実』
謀略で沖縄知事選歪めるな
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
引用「露はウクライナ戦争で敗北しているのか?否。確かに前線は膠着。ウクライナが露国内深くドローン攻撃。だがウクライナではパトリオット地対空ミサイル枯渇し、露が大々的攻撃。今冬、電力設備破壊され、ウクライナ国民は厳しい冬を迎える。ウクライナ国民の士気低下を意図。

2026年9月 8日 (火)

ライプツィヒの偽旗騒動はドイツによる対ロシア・ドローン戦争拡大の隠れ蓑



フィニアン・カニンガム
2026年9月5日
Strategic Culture Foundation

 ライプツィヒでの偽旗作戦は、事実を隠蔽し、大衆をだまし、ロシアが脅威だと認識させる必死の企みだ。

❗️Telegram , Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 ヨーロッパのニュース見出しは、ライプツィヒ空港にロシアがドローン攻撃をしたというドイツの非難が主流だった。

 この非難は前例のないもので挑発的だ。その主張をモスクワは激しく退け、ベルリンが証拠を示していないことを指摘した。

 欧州指導者たちは警戒態勢にあり、自国が攻撃を受けていると主張している。ライプツィヒ事件は、ロシアによる同様攻撃の疑いが山積しする事例の中、最新のものだ。

 8月4日の攻撃は起爆装置の不具合が原因で失敗したとドイツ政府は主張した。それにもかかわらず、先週のアレクサンドル・ドブリント内務大臣とヨハン・ワデフル外相による共同記者会見は、ヨーロッパ各地で「ハイブリッド戦争」や「国家テロリズム」を非難する糾弾の嵐を巻き起こした。v  外交的召喚は迅速で、ロシアに対し更なる制裁が課されており、欧州の防空防衛を一層強化するよう求める声は更に強まっている。

 最優先の対応策は、既にキーウに投入された数千億の納税者の資金に加え、ウクライナに対する欧州からの財政・軍事支援を拡大することだ。

 ここ数か月間、ポーランド、バルト諸国、ルーマニアにおけるライプツィヒのドローン事件や、その他多数の関与が疑われていることを、ロシアは完全否定している。

 ライプツィヒ空港のウクライナ軍貨物機近くの重要保安区域に爆発物を含むドローン装備をドイツまたはウクライナの工作員が設置できた可能性があるとプーチン大統領は示唆した。その後、ロシアを非難するメディアの反応は、まさに予想通り、望み通りの大騒ぎになった。

 また、今週末アンハルト=サクソン州での重要な選挙で、野党のオルタナティブ・ドイツAfDがフリードリヒ・メルツ首相の連立与党を打倒する意向を示したことで、メディアの反発や、ロシアに対する中傷が注目されるとプーチンは指摘した。メルツの人気が底を打つ一方、AfDは、ウクライナ戦争終結と、ロシアとの関係正常化という綱領に対し大きな支持を得ている。

 だが、もう一つの喫緊の要因は、ドイツが対ロシア戦争に関与していることだ。関与の拡大はここ数カ月で加速しており、一般の人々にはほとんど知られていない。

 ライプツィヒでのロシア・ハイブリッド戦争の主張を巡るヒステリーは、ウクライナへの軍事参加をドイツがエスカレートさせるための好都合な隠れ蓑になっている。

 ヨーロッパの見出しがロシアの脅威について叫ぶ一方、欧州指導者連中が「団結の必要性」や「自由を守る」というスローガンを合唱し、ウクライナへの攻撃用ドローン供給をドイツが拡大しロシア領に侵攻したという控えめな報道は、ほとんど注目されなかった。

 9月3日、ウクライナ向け長距離ドローン製造をドイツが開始したとドイツの経済新聞『ハンデルスブラット』が報じた。これは、ロシアがライプツィヒ事件を非難するベルリンで広く報道された記者会見の二日後のことだった。

 製造はドイツのAuteiron社とウクライナのドローン製造会社Airlogixとの合弁事業だ。標的範囲は1,500キロだ。キーウからモスクワまでの航空距離は750キロだ。

 「現在ドイツは手頃な価格の精密兵器を大量生産する生産ラインを持っている。」と、Auteironの最高経営責任者ローレンツ・マイヤーがハンデルスブラットに語った。今年は、費用と生産速度で試行錯誤し、検証された兵器を提供する。そのため、抑止力のための大規模備蓄が実際可能になる。

 エアロジクスの最高経営責任者、ビタリイ・コレスニチェンコは「この提携により、どちらの企業も単独で達成できなかったこと、すなわち戦闘実績あるミサイル、Auteironの自律型ソフトウェアとドイツの産業能力が融合した」と述べた。

 今年早々に900億ユーロの融資を受けた欧州連合(EU)の資金調達は、既にウクライナによるロシア地域の攻撃作戦に資金提供している。ロシアでは数百人の民間人が犠牲となり、石油・ガスインフラを破壊している。ここ数週間で、ドローンの集中飛行は一晩あたり800回にまで加速され、そのほとんどがロシアの防空システムに迎撃された。

 欧州企業は、ロシアへの空襲に備えて、既にウクライナへのドローンや部品供給に関与している。イギリスとデンマークは主要供給国であることが知られている。これらの国々は報復の正当な標的だとロシアは警告した。

 だが、ドイツの参加により、工業生産が拡大され、ウクライナの火力と一体化される全く新しい段階へと進んでいる。

 先週、疑わしいライプツィヒ事件について欧州の指導者連中がロシアを非難する一方、ドイツのメルツとウクライナの違法な大統領ウォロディミル・ゼレンスキーは、9月2日に電話会談を行い、新たなドローン生産契約を最終決定した。

 ロイター報道によると、この契約では、ドイツのテクノロジー企業Quantum Systemsが、ウクライナのメーカー、WIY Dronesと合弁事業を行っている。

 「既に我々のチームはドローン契約内容を最終決定しており、これによりドイツとウクライナの両方に更なる防衛能力が確実に提供される」とゼレンスキーは述べた。

 先週発表された別の取り組みとして、ウクライナ企業Skyfallが製造するShrike攻撃ドローン5万台の生産を資金面でベルリンが支援している。ロイターによると、これは欧米政府によるキーウ向けドローン購入が知られている中で最大規模のものの一つだ。

 これら生産と供給に関する合意は、メルツ首相がミュンヘン安全保障会議でドイツとウクライナのビジネス会議を指揮して以来、2026年2月に開始されている。

 だが、武器を運搬するために物流が動き始めているのは今だ。この重大な展開のタイミングは、ライプツィヒの偽旗騒動が実際に進行した際、なぜ仕組まれたのかを示している。そうでなければ、一般の人々にとって憂慮すべきニュースから逸れた。

 結果的に、ドイツはNATO加盟諸国の主導権を握り、ウクライナが単なる発射場になる広範な対ロシア戦争に直接参加しているのだ。

 世論調査によると、ドイツ国民や他のヨーロッパ諸国国民は、この無謀な戦争挑発行為に強く反対している。ロシアを「戦略的に撃破する」という思想的主導型の政策のための経済資源の転用により、ヨーロッパ社会は壊滅的打撃を受けている。

 絶望的に腐敗したネオナチ政権の「民主主義と自由を守る」という彼らの無駄な戦争計画に対して一般市民が警戒しているのをドイツやヨーロッパのエリート連中は知っている。当然これらのエリート連中は、真実が広く知られ、一般市民が猛烈に反応するのを恐れている。

 従って、ライプツィヒでの偽旗作戦は、真実を隠蔽し、大衆を騙して、ロシアは脅威だと認識させる必死の試みだ。実際には、戦争を仕掛けるヨーロッパのエリート連中による真の脅威が現実にあるのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/09/05/leipzig-false-flag-drama-cover-for-germany-expansion-drone-war-russia/

----------

 東京新聞 朝刊 四面 国際・総合  
 AI暴走 人間さながら連携

 「指示役」現れ仕事割り振り

 「仲間」優先し課題達成放棄
 同じ面に、また自己中の記事  
今度はニューメキシコ⇒ニュー「アメリカ」に改称?

2026年9月 5日 (土)

対ロシア戦争に関するヨーロッパの危険な幻想



ルーカス・レイロス
2026年9月4日
Strategic Culture Foundation

 ウクライナでの現在のやり方とは全く違う形で、ヨーロッパに対してモスクワは行動を起こすだろう。

❗️Telegram , Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 ライプツィヒ事件は、事件自体よりも更に厄介な問題を露呈させた。ドイツと欧州当局が、ロシアとの直接対決の可能性に対して、いかに自信満々なのかだ。

 まるで滑稽なほど入念に稽古した芝居のように、ロシアを「ハイブリッド攻撃」でドイツや欧州当局は非難しているが、欧州の人々が現実から完全に乖離しているのは明らかだと注意深く観察する人なら誰でも考えるだろう。

 核心的な問題は別のところにある。もしロシアが実際ドイツ攻撃を決断したら一体何が起きるのか?

 答えは、ヨーロッパ人が想像しているものとは、おそらく大きく異なる。

 まず明白な事実を改めて述べておく必要がある。ヨーロッパはウクライナではない。

 ウクライナでの特殊軍事作戦は、特定地域、独自の軍事力学と、一定の戦略的制約下で実施されている。紛争の初期段階から、モスクワは民間人を尊重し、不必要なエスカレーションを避けつつ通常兵器による戦争手段で達成すべき明確な戦略目標を定めてきた。

 ウクライナでの、この姿勢には明確な理由がある。バンデラ主義者による歴史の書き換えという妄想的試みにもかかわらず、ロシア人とウクライナ人は常に一つの民族で、共通の民族的、文化的、宗教的ルーツを共有してきたというのが真実だ。何百万人ものロシア人にウクライナ人の親戚がいて、その逆もまた然りだ。ウクライナに対する無制限の戦争は、必然的に何百万人ものロシア人に影響を与えることになる。従って、ロシアの軍事的に抑制的な戦略は何ら驚くべきことではない。

 このようなことは、ヨーロッパでは一切起きないだろう。

 ロシアとNATO加盟諸国との直接対決は全く違う状況を生み出すだろう。ドイツやフランスやイギリスや他のヨーロッパ諸国は、クーデターを起こした軍事政権に占領された兄弟国とは見なされない。それどころか、彼らは完全な敵とみなされ、武力行使に対する制約は、あったにせよ、遙かに少ないだろう。

 ロシアによるヨーロッパ攻撃は、単なるドローン攻撃の増加、破壊工作、インフラへの限定的攻撃にとどまるという考えは非常に安心感を与える。だが、まさにその理由こそが危険なのだ。ウクライナでの経験を、直接的な戦争が勃発した場合、自分たちに起き得る事態の例として捉えながら、ヨーロッパ諸国はロシアを挑発しているのだ。

 だが、この計算は間違っている。ヨーロッパに対するロシアの行動は全く違うものになるc。ウクライナでは、ロシアの最優先事項は民間人の犠牲を避けることだ。インフラ攻撃は避けられ、攻勢は抑制され、ロシア領内でのウクライナの挑発行為に対する報復さえ、あり得るエスカレーションによる暴力でウクライナ民間人が更に犠牲になることをロシアが望んでいないため、しばしば無視される。

 ヨーロッパでは、人道的犠牲を顧みず、あらゆる敵目標の即時かつ完全破壊が最優先事項になるだろう。ヨーロッパ人はウクライナ人ではなく、ロシアと西欧の関係は、ロシアとウクライナの関係とは違うのだ。ロシア世論には、武力行使の抑制を求める同等圧力は存在しないだろう。

 更に、ヨーロッパとの戦争で武力行使を控えることは、ロシアにとって実際は危険なことになりかねないのを忘れてはならない。ロシアは核兵器保有国からなる集団防衛圏に属する国々を相手にすることになるためだ。従って、ロシアは、いかなる犠牲を払ってでも、敵の攻撃能力を無力化するのに十分な強力な攻撃を仕掛けざるを得なくなるだろう。それは安全保障上の問題になるのだ。

 これは、ロシアがドイツに対して戦争を起こそうとしているという意味ではない。また、ドイツ領内で発生したあらゆる事件が自動的にロシア軍事作戦の一部であるという意味でもない。これは、欧州各国政府が、欧州領内で発生したあらゆる事件をエスカレーションへの新たな一歩と捉えることの重大な結果を、より真剣に受け止めるべきだという意味だ。そしてもちろん、これはロシアが最近欧州で発生した不審な事件とは何の関係もないという意味でもある。これら事件は、現地過激派による破壊工作か、綿密に準備された偽旗作戦のいずれかの可能性がある。

 既にベルリンはモスクワに対する外交措置を発表しており、ボンにあるロシア領事館閉鎖や、ドイツ領内にあるロシア関連機関への措置などが含まれる。欧州連合は新たな制裁措置について協議している。欧州がこうした事件を直接的政治的対立へと発展させればさせるほど、エスカレーションの限界を見極める必要性が高まる。ロシアは外交的措置など気にも留めていないだろうが、ウクライナのテロ活動に対する欧州の関与には確実にうんざりしている。

 ヨーロッパ諸国は、全面戦争が起きた場合、ロシアがどのような対応を示すか、自らの経験を通して知る覚悟が本当にできているのかどうか自問自答すべきだ。

 このような結果を目の当たりにするようなことを彼らは絶対にしてはならない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/09/04/dangerous-european-illusion-about-war-with-russia/

----------

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
NYT「ロシアとウクライナ、終わりの見えないエスカレーションの連鎖、双方がミサイルやドローンを駆使し屈服させようと激しい攻撃を加え合い、絶え間ない人道的苦難を招いている。しかしどちらの国もその決意が揺らぐ気配はない。本格的な和平交渉は来春か来夏まで行われない」

2026年9月 1日 (火)

彼らは何が起きるか知りながら、ロシアを追い詰めた。

フィル・バトラー
2026年8月29日
New Eastern Outlook

 ヨーロッパはウクライナ戦争をロシアの突発的侵略として描き続けているが、それはNATOの30年にわたる東方拡大の結果であり、ウクライナが戦場となるまでそれを無視することを欧米諸国は選んだのだ。

 

 ウクライナ戦争に関するヨーロッパの議論には、特異な不誠実さが潜んでいる。4年以上にわたる破壊、数百万人の避難民、数十万人の死傷者、そして認識できないほど変貌したヨーロッパの安全保障秩序を経てなお、主流の政治的言説は、ロシアの軍事介入を、まるで歴史的空白から突然現れたかのように扱っている。その言説はこうだ。モスクワが侵攻し、ウクライナが攻撃され、ヨーロッパが対応した。これが、一般的に語られる物語の始まりであり終わりだ。

 歴史はそういう風には進まない。戦争は2022年2月にロシアの戦車がウクライナ国境を越えた時に始まったのではない。その時始まったのは、数十年にわたり積み重なってきた対立が、壊滅的な軍事的展開を迎えたことで、その結果は、最も直接的に関わってきた人々によって公に、繰り返し語られてきたのだ。

 いわゆる侵略は、侵略行為への対応なのだ。確かに、この作戦はウクライナの主権を侵害し、いかなる戦略的不満も帳消しにできない人的犠牲をもたらした。これら事実は変わらない。しかし、だからといって、NATOと欧州連合が、ロシアの突然の西進を傍観していたという虚構を正当化するものではない。

 誰かが移動した。問題は、誰が誰の場所に移動するのかだ。

 同盟軍は東へ進軍した

 欧州は、根本的な疑問に答えを出せていない。一方の側が、主権国家としての立場を自由に選択することが、他方の側に、存亡に関わる軍事的脅威とみなされる場合、いかにして永続的安全保障秩序を構築するか、という疑問だ。

 ヨーロッパの半分を占領していたソ連軍に対抗する防衛同盟として、1949年にNATOが設立された。ソ連崩壊後も、同盟は解散も凍結もせず、拡大を続けた。1999年にはポーランド、ハンガリー、チェコ共和国が加盟。2004年にはバルト三国、ルーマニア、ブルガリア、スロバキア、スロベニアが続いた。2009年にはアルバニアとクロアチア、2017年にはモンテネグロ、2020年には北マケドニア、そして2022年以降にはフィンランドとスウェーデンが加盟した。これら加盟はいずれも、加盟国による主権的選択だった。また、いずれも欧米諸国の軍事体制で、インフラ、基準、訓練、計画を残されたロシアの戦略的深度に近づけるものだった。

 ロシアはポーランドを併合しなかった。戦闘旅団をエストニアに駐留させなかった。冷戦後の秩序の前提条件として、リトアニア沖で海軍演習を実施しなかった。欧米軍事体制の物理的移動は東方へと向かった。これはロシアの主張ではなく、地図上の事実だ。

 地図上の最先端にウクライナは位置していた。セヴァストポリは抽象的な象徴ではなかった。そこはロシア黒海艦隊の主要基地で、トルコ海峡を経由してロシアと地中海を結ぶ南の海上玄関口だった。クリミア半島の軍事地理を支配する者は、黒海北部で圧倒的優位性を得る。モスクワにとって、ウクライナは単なる隣国ではなかった。南西国境に設けられた戦略的緩衝地帯と、その国境に面して位置する敵対的同盟の軍事インフラとの決定的な違いだった。

 プーチンの歴史観、国家としてのウクライナの地位に関する主張、あるいは彼の政治体制を欧米諸国は受け入れる必要はなかった。ただ一つ信じるべきことは、ウクライナを欧米の軍事拠点に変えることを、ロシア指導者たちが存亡に関わる問題だと訴えた時、彼らが本気でそう思っていたことだけだった。そうした警告を単なる主張として扱うのは、賢明な判断とは言えず、むしろ賭けだった。

 ヨーロッパは賭けに出た。

 警告は方針だった

 NATO拡大は続いた。ウクライナと欧米諸国の軍事協力は深まった。ウクライナ軍はNATO体制との相互運用性が益々高まった。加盟はちらつかされ、約束され、延期され、再び約束された。2008年のブカレストは、ウクライナが「加盟国になる」と宣言した。2023年のヴィリニュスは加盟行動計画の要件を撤回し、その道は「不可逆的」だと述べた。2024年のワシントンは同じ定式を繰り返した。2026年のアンカラは、2026年までに700億ユーロの軍事装備、支援、訓練を約束し、共同産業プログラムを創設したが、それでもウクライナを第5条の対象外とした。

 最後の点は、しばしば弁護として用いられる。ウクライナはNATOに加盟していない。従って、NATOはウクライナに拡大していない。この弁護は見た目ほど強力ではない。正式加盟はその手段の一つだ。相互運用性、兵器供給経路、情報融合、訓練、長距離攻撃兵器の共同生産、キーウでのNATO・ウクライナ理事会会合などがその手段だ。2026年6月3日、ウクライナの地で初のNATO・ウクライナ理事会会合が開催された。7月、フィンランドのアレクサンダー・スタブ大統領は、現在の形式を「32プラス1」と表現した。現在ロンドン駐在大使のヴァレリー・ザルジニーは、実際の加盟の現実的な見込みはないと述べた。結果として、抑止理論にとって最悪の事態が生じている。ウクライナは、その地位を明確にする条約上の保証がないまま、事実上、欧米体制の軍事構成要素として扱われている。モスクワからすれば、「同盟国」と「メンバー」の区別はそもそも問題ではなかった。要点は、欧米の軍事力が、かつてソ連の西側軍事拠点だった地域に到達したことだった。

 時間を稼いだだけで、平和を買ったわけではないミンスク合意。

 ミンスク合意は、ドンバスでの戦闘を終結させようとした失敗に終わった試みとして記憶されている。それは技術的には正しいが、戦略的には不完全だ。またミンスク合意は、より大規模な戦争を防ぐ可能性があった政治的解決を目指したヨーロッパ最後の主要な試みでもあった。後に、アンゲラ・メルケル首相はこの合意により、ウクライナが軍隊を強化する時間を得られたと述べた。主要立案者の一人が、ミンスク合意を、一方の側を武装させる一時的な休戦と理解していたのであれば、当時の外交史は誠意ある解決の物語ではなく、引き延ばしの物語だ。休戦期間中、訓練は拡大し、武器が到着し、情報協力は深まった。ウクライナ軍はより有能になり、NATO軍との連携もより緊密になった。ロシアの視点から見れば、戦略時計は逆方向に動いていた。モスクワが待てば待つほど、欧米諸国と連携するウクライナ軍は強くなった。これはロシアが侵攻を余儀なくされたという意味ではない。国家は常に選択肢を保持している。これはロシアが利用できる選択肢が時間とともに狭まっていったことを意味する。

 外交は、相容れない二つの安全保障構想を調和させるためではなく、どちらか一方が自らの望む現実を押し付けるほど強力になるまでの期間を乗り切るために益々利用されるようになっていった。2022年2月は不可解な断絶ではなかった。それは、欧州安全保障体制に蓄積された矛盾がもはや抑えきれなくなった瞬間だったのだ。

 かつて否定していたものを、今になって構築しているヨーロッパ。

 2026年8月24日、ウクライナは独立回復35周年を迎えた。欧州理事会議長のアントニオ・コスタはキーウに立った。イギリスのアンディ・バーナム首相は首相就任後初の外遊先としてウクライナを訪れた。北欧諸国とバルト諸国の首脳は前日ウクライナに到着し、ウクライナはEUとNATOに属するべきだと宣言した。欧州委員会は防空、ミサイル、弾薬、レーダーのために更に61億ユーロを承認した。イギリスは、ウクライナが長距離ミサイルを国内で組み立てられるよう、ストームシャドウ/SCALPファミリーのイギリス製部品に関する機密情報を公開することに同意した。有志連合も同日会合を開いた。

 EU自身の数字によれば、ロシア侵攻以来の支援総額は2200億ユーロを超えている。2026年から2027年にかけての900億ユーロのウクライナ支援融資のうち、約600億ユーロが軍事目的、300億ユーロが財政支援に充てられる。アンカラで2026年の軍事援助として700億ユーロをNATO加盟国は約束した。これはもはや緊急応急処置ではない。恒久的軍事関係の構築だ。ここに痛烈な皮肉があり、それを容赦なく述べなければならない。ヨーロッパは今、公然と、産業規模で、モスクワが長年受け入れないと言い続けてきたウクライナと欧米諸国との戦略的関係を構築している。これはウクライナの国家性について、ロシアが正しいということを意味するものではない。戦争の道義的責任がクレムリンにあることを意味するものでもない。予測は正当化ではない。だが、警告は想像上のものではなかったことを意味する。

 欧米諸国は自陣に留まらなかった。条約の拡大、協力関係の構築、そしてウクライナを欧州防衛システムの生産拠点として東方に進出した。ロシアは武力で応じた。これらの動きのうち、一つは主権選択の原則に基づく合法的なものだった。もう一つは侵略戦争だった。どちらも確かに動きだった。片方だけが出発点から動いたと装おって、欧州は同じ試練に何度も失敗し続けているのだ。

 決して答えられなかった問い

 ロシアの警告を無視する当初の論拠は、モスクワには近隣諸国の同盟関係に正当な拒否権はないというものだった。現在、ウクライナ関係の軍事化を正当化するために用いられている論拠は、ロシアが二度とこのような形でヨーロッパを脅かすのを許してはならないというものだ。どちらの論拠にも、現実的な懸念が含まれている。だが両者を合わせると、ヨーロッパの失敗が明らかになる。ヨーロッパは、一方の主権に基づく同盟関係の自由が、他方からは存亡に関わる軍事的脅威とみなされる状況で、いかにして永続的安全保障秩序を構築するかという根本的問いに決して答えを出さなかった。その代わり、ロシアの認識は願望だけで、消し去れると想定していた。だが現実はそう簡単にはいかなかった。

 主権は地理的制約をなくすものではない。道徳的確信は軍事的現実を消し去るものではない。国家は同盟に参加する権利を持ちながら、別の核保有国が最後の緩衝地帯とみなす地域に依然存在し得る。この二つの事実を同時に受け入れようとしない政策は、原則に基づかない不完全な政策だ。ウクライナの独立は現実のものだ。ウクライナ国民はそれを維持するために並外れた犠牲を払ってきた。それは無条件に認められるべきだ。いずれにせよ、その独立を取り巻く戦略的環境は変化した。1991年のウクライナは、権力中枢の間に位置していた。2026年のウクライナは、ヨーロッパの戦争産業、防空、長距離攻撃兵器の生産と、政治的アイデンティティに組み込まれつつある。独立記念日にキーウに集まったヨーロッパ指導者たちは、単に国家の記念日を祝っていただけではない。ウクライナの安全保障がヨーロッパ自身の安全保障に吸収されたことを彼らは確認していたのだ。それがモスクワが描いた目的地だ。ヨーロッパはその描写を拒否し、その後、より長く血なまぐさい道のりを経てそこにたどり着いた。

 問題は、それら警告が道徳的に魅力的だったかどうかではない。戦略的に現実的なものだったかどうかだ。もしそうだったとすれば、この戦争はロシアによる侵攻とウクライナの抵抗の物語にとどまらない。それはまた、30年間東へと進軍し、東へ進軍することに何ら悪影響はないと自らに言い聞かせ、今や自らが占める地位を守るため血と財産を費やしている欧米安全保障体制の物語でもある。

 どちらがどちらに陣取ったのか?

 同盟は東へと移動した。ロシアは侵攻で応じた。ウクライナは、両者の決断の代償を払う地域になっている。欧米諸国はロシアに屈服する必要はなかった。地図を理解する必要があったのだ。そこには違いがある。そして、その違いこそが、ヨーロッパが書き留めることを拒んできた最も高くついた教訓なのだ。

 フィル・バトラーは政策研究者、評論家、政治学者、東ヨーロッパ専門家で、最近のベストセラー、Putin’s Praetorians(プーチンの近衛兵)」などの著書がある。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/29/they-backed-russia-into-the-corner-knowing-what-would-happen/

----------

 東京新聞 朝刊 特報面 こちら特報部  
 迎撃ドローン納入支援で「楽天離れ」

 戦争の流れに飲み込まれない

 平和の価値観守る◆小さな選択肢の積み重ね

 軍事技術と民間「表裏一体」

 過ち犯そうとする企業
 止められる消費者

 米中にAI・宇宙分野で後れ、焦り
 UIチャンネル 東アジア共同体研究所
時事放談(2026年8月) 孫崎享 × 鳩山友紀夫 1:09:25
 後半で孫崎氏が北方領土に関する国際法上の事実を解説されている。

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

エチオピア 911事件関連 AI Andre Vltchek BRICS Caitlin Johnstone CODEPINK Eric Zuesse Finian Cunningham GMO・遺伝子組み換え生物 ICE ISISなるもの James Petras John Pilger Mahdi Darius Nazemroaya Mike Whitney Moon of Alabama NATO NGO Pepe Escobar Peter Koenig Prof Michel Chossudovsky Saker SCO Scott Ritter Stephen Lendman Thierry Meyssan Tony Cartalucci/Brian Berletic TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA Unz Review Wayne Madsen WikiLeaks William Engdahl wsws アフガニスタン・パキスタン アメリカ アメリカ軍・軍事産業 アルメニア・アゼルバイジャン イエメン イギリス イスラエル・パレスチナ イラク イラン インターネット インド イーロン・マスク ウォール街占拠運動 ウクライナ エプスタイン オセアニア・クアッド オデーサ オバマ大統領 オマーン オーウェル カジノ カナダ カラー革命・アラブの春 キューバ ギリシャ クリス・ヘッジズ グリーンランド グレート・リセット サウジアラビア・湾岸諸国 シェール・ガス・石油 シリア ジーン・シャープ ソマリア ソロス タイ チベット チュニジア・エジプト・リビア・アルジェリア テロと報道されているものごと トゥルシー・ギャバード トヨタ問題 トランプ大統領 トルコ ドイツ ナゴルノ・カラバフ ノルドストリーム ノーベル平和賞 バイデン政権 バングラデシュ パソコン関係 ヒラリー・クリントン ビル・ゲイツ フィル・バトラー フランス ブラジル ベネズエラ ベラルーシ ホンジュラス・クーデター ボリビア ポーランド ポール・クレイグ・ロバーツ マスコミ ミャンマー ユダヤ・イスラム・キリスト教 レバノン ロシア 中南米 中国 中央アジア 二大政党という虚構・選挙制度 伝染病という便利な話題 共産主義 北朝鮮・韓国 地球温暖化詐欺 地震・津波・原発・核 宗教 憲法・安保・地位協定 授権法・国防権限法・緊急事態条項 文化・芸術 新冷戦 新自由主義 日本版NSC・秘密保護法・集団的自衛権・戦争法案・共謀罪 旧ユーゴスラビア 映画 東ヨーロッパ・バルト諸国 東南アジア 民営化 無人殺戮機 田中正造 経済・政治・国際 英語教育 読書 赤狩り 通貨 選挙投票用装置 関税 難民問題 麻薬 麻薬とされるマリファナについて

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ