Moon of Alabama

2026年4月 8日 (水)

対イラン戦争:―トランプ大統領、大量虐殺で恫喝―更なる報復爆撃

2026年4月7日
Moon of Alabama

 イラン破壊の恫喝をドナルド・トランプ大統領が撤回するのを世界が待つ中、彼はイラン国民の大量虐殺で恫喝して、狂気じみた戦略を更にエスカレートさせた。  
今夜、一つの文明が滅び、二度と復活することはない。そんなことは起きてほしくはないが、おそらくそうなる。だが、今や完全な政権転覆が実現し、より賢く、過激でない人々が台頭する時代になった今、もしかしたら革命的に素晴らしいことが起きるかも知れない。誰にも分からない。今夜、世界の長く複雑な歴史の中で最も重要な瞬間のひとつが訪れる。47年間の恐喝、腐敗、そして死が、ついに終わりを迎える。イランの偉大な人々に神のご加護がありますように!
(TS: 07 Apr 08:06 ET)
 こうした恫喝を解釈しようとするのはもはや無益だと私は考える。これらは恐らくイスファハン作戦の失敗に対する対応だ。

 上記恫喝が投稿された後、イランはアメリカとの外交的、間接的連絡経路を全て凍結した

 一方、戦争は激しさを増しながら続いている。

 昨日、イスラエルは再び、サウス・パルス油田にあるイラン最大の石油・ガス産業施設を攻撃した

 報復はすぐに訪れた。ネゲブ砂漠のネオト・ホバブにあるイスラエル施設が攻撃され、サウジアラビアのアル・ジュバイル工業地帯炎上し、アラブ首長国連邦の少なくとも三つの主要石油・ガス施設も炎上した。

 今朝、アメリカは(またしても)カーグ島にある約50の標的を攻撃した。これは今夜にも起き得る差し迫る侵攻に向けた準備だと私は考えている。

 イスラエルはテヘラン周辺のイラン鉄道駅10カ所を攻撃して、テヘランを孤立させた

 「ユダヤ国家」はテヘランのRafi Niaシナゴーグも攻撃した。これは意図的な標的だったようだ。

 イランは戦争終結に向けた非常に理にかなった10項目の計画を発表した。

 イランの10項目計画には以下の内容が含まれる。

 1. イランが二度と攻撃されないことを保証する
 2. 停戦ではなく、戦争の恒久的終結
 3. レバノンにおけるイスラエル攻撃停止
 4. イランに対するアメリカの全制裁解除
 5. イランの同盟者に対する全ての地域紛争の停止
 6. その見返りとして、イランはホルムズ海峡を開放する
 7. イランは船舶1隻あたり200万ドルのホルムズ通行料を課す
 8. イランはこの通行料をオマーンと折半する
 9. イランはホルムズ海峡の安全な航行のための規則を提供する。
 10. イランは賠償金ではなく復興のためにホルムズ通行料を使用する。
 イランはこれまで戦争による損害に対する賠償金全額をアメリカに要求していた。それに対し、ホルムズ海峡通過資金の活用を主張するのは強硬姿勢からの賢明な撤退と言える。

 イランの同意を得て、より多くの船舶がホルムズ海峡を静かに通過している

 何が起きようとも、十分な理由から、ホルムズ海峡の封鎖ではなく、支配をイランは決して諦めるまい。

 アメリカは中東に追加のHIMARSを配備した。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/04/war-on-iran-trump-threatens-genocide-tit-for-tat-bombing.html

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 東京新聞 朝刊 総合 二面  
 トランプ流交渉

 対イラン 誤算だらけ

 袋小路

 関与せずから一変したが 攻撃してもしなくても、原油高続く
 「石器時代の思考回路の人」戯画が良い。

2026年4月 2日 (木)

対イラン戦争:最善の選択肢は撤退だが事態悪化の方が可能性が高い

2026年4月1日
Moon of Alabama

 今夜東部時間午後9時にドナルド・トランプ大統領が生中継で演説する予定だ。

 彼は以下のように発表する可能性がある。

 1. 彼が始めた対イラン戦争からアメリカは撤退する
 2. あるいは米軍がイラン領侵攻を開始した。

 一番目の案は、AIPAC、タカ派共和党員、シオニスト民主党員がいずれも米軍撤退に反対しているため、実現性は低いと思われる。

 二番目の案は、イラン領への侵攻は必ず敗北に終わるため非合理的に思われる。

 アメリカは湾岸地域にA-10攻撃機を追加配備した。これらの攻撃機配備は、おそらく、いくつかの島を占領するための地上作戦を示唆している。

 一方、戦争が引き起こした世界的エネルギー危機の深刻さが徐々に認識され始めている。

 事態がここからエスカレートした場合、更に大きな石油ショックが予想されるとテレグラフ紙のアンブローズ・エバンス=プリチャードは警告しているアーカイブ)。  
世界は日々の石油供給量の1割以上を失い、ジェット燃料、ディーゼル、精製石油製品の相当な量も失った。短期的対策が全て尽きたまさにその時、次の一割の損失に備えなければならない。

 イエメンの親イラン派フーシ派がついに湾岸戦争に参戦し、紅海に第二戦線を開き、世界の石油供給量の更に6%を危険にさらしている。

 紅海が今攻撃を受け、数週間閉鎖されたままなら、価格は衝撃的レベルに達するだろうとアーガス・メディアのチーフエコノミスト、デビッド・ファイフは述べている。

 「200ドル/バレルなど、任意の数字を選んで構わないが、リスクは需要の大幅減少、インフレの急上昇と、世界経済成長の急停止だ。恐ろしい考えです」と、かつて国際エネルギー機関の石油部門を率いていたファイフは語っている。

 4月20日頃には世界のあらゆる地域が影響を受けるだろう。裁定取り引きにより地域ごとの価格が収束し、その後逃げる場所がほとんど残されない地球規模の石油危機が発生するだろう。
 グローバル・サウスにおける大規模飢餓を含む、これが意味する恐怖は我々一般人にとって想像しがたいように思えるが、間もなく現実のものになる。

 この問題に「何らかの対策を講じる」ようトランプ大統領に圧力がかかっている。エネルギー危機の影響を軽減するために彼ができる最善策は中東からの撤退だ。

 だが世界経済の生命線ともいえる主要海上航路支配権放棄は超大国と世界覇権国としてのアメリカの地位放棄を意味する。それは大きな一歩で、長期的には必要な措置だが、ベトナム戦争のように長年の戦争と甚大な敗北を経て初めて踏み出される可能性が高い。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/04/war-on-iran-the-best-choice-is-to-retreat-more-likely-though-is-escalation.html
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 東京新聞 夕刊
トランプ氏「イランを石器時代に戻す」演説で威嚇 イラン側は徹底抗戦の構え「国民を標的にしている」

 「戦略目標ほぼ達成」
 トランプ氏演説
 イラン軍を壊滅
 認知症うぬぼれぼけ老人特有の大ぼら。

 石器時代に戻るべきはイスラエルとアメリカ。

 「ナンとかに刃物」になるのをあの国の国民、分かっていなかったのか?
 失礼だとは思うが、彼を選んだ時点で、選んだ方々の知性が知れる。

 耕助のブログ
No. 2858 日本が本音を語る
 一度読んだ下記の二冊、また読み返してみようか?  
 ルポ トランプ王国――もう一つのアメリカを行
 ルポ トランプ王国2: ラストベルト再訪

2026年3月29日 (日)

対イラン戦争:莫大な軍需品消耗+成果の欠如=イランの勝利

2026年3月27日
Moon of Alabama

紛争の両陣営における弾薬の供給状況に関する新たな数値がいくつか発表された。

 ワシントン・ポスト によると、(アーカイブ)アメリカはイランに向けて約850発のトマホーク巡航ミサイルを発射した。トマホークの総保有数は3,000発から4,000発の間と推定されている。

 だが、これら長距離兵器使用には別の制約がある。ミサイルは通常、米海軍の艦艇から発射される。各艦艇の搭載量は最大72発のトマホークに制限されている。搭載数が尽きると、艦艇は再装填のため、友軍の港へ向かう必要がある。(大型ミサイルの洋上での再装填は試験的に実施されているものの、まだ初期段階にある。)

 アメリカが湾岸地域に配備している約16隻の駆逐艦と潜水艦は現在ほとんどが「ウィンチェスター」状態、つまりトマホーク・ミサイルを撃ち尽くしている。だが、イランのミサイル攻撃に対抗するためには防空能力が依然必要なため、これら艦艇は、まだ現場を離れられない。

 防空ミサイルも不足している。イギリス王立統合軍事研究所(RUSI)が三日前にこう報じた。  
12種類以上の弾薬を持続不可能と思われるペースで連合軍は消費している。3月19日、世界の備蓄は「空か、ほぼ空」で、戦争が更に一か月続けば「ミサイルはほとんど使えなくなる」とラインメタル社CEO、アーミン・パッパーガーは、指摘した。


 イランが少なくとも12のアメリカおよび同盟諸国のレーダーと衛星端末を損傷したことを考えれば、迎撃効率は低下する。1発のミサイルに対して10基または11基の迎撃ミサイルを使用したり、1機のドローンに対して8基のパトリオットミサイルを使用したりするのは継続不可能になる。

 米軍は、ATACMS/PrSM地上攻撃ミサイルとTHAAD迎撃ミサイルが枯渇するまであと1か月以内、あるいはそれ以下だ。イスラエルは更に危険な状況にあり、アロー迎撃ミサイルは3月末までに完全に使い果たされる可能性が高い。他の兵器を用いて戦争を進めることも可能だが、そのためには航空機に対するリスクが増大し、ミサイルやドローンによる「漏洩」により部隊やインフラが損害を受ける可能性が高まることを認めなければならない。
 RUSIは、備蓄補充における業界の困難に関する表や背景情報を提供している。

 一方、この方程式のもう一方の側面は、アメリカ・イスラエルの作戦がイランに与えた損害だ。1万以上の「標的」が攻撃されたが、トランプ大統領の主張にもかかわらず、イランの弾道ミサイル能力を無力化する主目標は達成には依然程遠い。  
アメリカ情報機関に詳しい5人の関係者によると、アメリカとイスラエルによるイランへの戦争が一カ月近くになる中、アメリカが確実に判断できるのは、イランの膨大なミサイル兵器庫の約3分の1を破壊したことだけだという。

 残りの約3分の1の状況は不明瞭だが、爆撃によって地下トンネルや掩蔽壕に埋もれたミサイルが損傷、破壊された可能性が高いと情報筋4人が述べた。情報の機密性を考慮し、匿名を条件に情報筋は語った。

 情報筋の一人は、イランのドローン能力についても同様情報があり、 3分の1が破壊されたのはほぼ確実だと述べた。

 この情報は、木曜日にイランに「残っているロケット弾はごくわずかだ」とドナルド・トランプ大統領が公言したこととは対照的だ。
 1日あたりの攻撃回数を比較すると、アメリカ・イスラエルが圧倒的に優位に立っている。現在アメリカ・イスラエルは、1日あたり約300回の作戦飛行を行い、イランの標的に爆弾やミサイルを投下している。一方、イランは1日あたり約30~40発のミサイルを発射している。だが問題はこうした攻撃の質だ。アメリカ・イスラエルは初日から学校や診療所といった民間インフラを標的にしてきたのに対し、イランは軍事施設や軍事産業施設を攻撃してきた。

 本日、アメリカ・イスラエル軍はイランのフーゼスターン州とイスファハン近郊のモバラケにある製鉄所を攻撃した。イスラエルとアラブ湾岸諸国の同様施設に対して報復攻撃を行うとイランは発表した。イランを最も壊滅的攻撃から守っているのは、まさにこの報復能力だ。

 事態のエスカレーションにおいて、イランは有利な立場にある。

 この戦争に勝つ方法はないことを受け入れるようアメリカに促す際、(アーカイブ参照)イラン嫌いのエコノミスト誌編集者連中は、このことを認めている。

 要するに、アメリカとイスラエルの軍事攻撃がどれほど強力で巧妙であろうと、トランプに対して優位に立っているとイランは感じているのだ。イランは、アメリカより攻撃力と防御力に優れていることを示した。戦略的根拠を示さずに、許しがたいことにトランプは戦争を開始した。作戦上の成功や、テヘラン政権を既に変えたという彼の馬鹿げた主張にもかかわらず、戦闘から実質的な成果を彼は何も得ていない。政治的代償が増大するにつれ、トランプは益々圧力にさらされる。

…  トランプは完全停戦に同意し、イスラエルにそれを遵守させなければならない。海峡再開と核開発計画からのイラン撤退に関する協議は極めて困難だろう。そして最終的に合意に至るとしても、戦争開始前に締結できただろう合意より悪いものになるだろう。トランプは意図せずに強硬派の立場を強化し、彼らが海峡に対して持つ影響力を明確にしてしまったためだ。結果的に、少なくとも今のところ、イランが優位に立っている。

 トランプは、もちろん、別の選択肢として戦争をエスカレートさせる可能性もある。だが、たとえ、そうしても、現状より良い状況とは言えないだろう。

 一方、アメリカが始めた戦争によって、アメリカ同盟諸国は苦しんでいる。オーストラリアは特に深刻な状況にある。原油を生産・輸出しているものの、アジアからの石油製品輸入に依存している。これら輸入が途絶えたため、オーストラリアはディーゼル燃料やガスを他の供給源から購入せざるを得ないが、価格は極めて高額だ。  
アメリカのメキシコ湾岸からオーストラリアへの輸送時間は55~60日に及び、運賃は1バレルあたり約20ドルだ。これは危機以前のアジア太平洋航路の運賃が1バレルあたり5~6ドルだったのと比較すると高い。地域産品の価格変動により、この不利な点は一時的に解消された。3月18日には、シンガポールとヒューストンからのガソリンとディーゼルの納入価格は1バレルあたり約161ドルで収束した。3月25日現在、シンガポールからの貨物は再び魅力的に見え、1バレルあたり約153ドルに対し、ヒューストンからの貨物は1バレルあたり164ドルとなっている。だが価格はもはや決定的要因ではない。問題は現物供給に移った。アジアで売れ残った貨物が益々少なくなるにつれ、アメリカは輸送距離が長く運賃も高いにもかかわらず、キャンベラにとって、輸入の行き詰まりを打開する唯一の確実な手段となるかもしれない。
 世界の原油供給量は依然減少傾向にある。アメリカのガソリンとディーゼル燃料の価格は上昇を続けている。トランプ大統領とアメリカが石油製品の輸出を全面的に禁止するまで、どれくらい時間がかかるのだろう。その時こそ、オーストラリアがアメリカとの同盟の本当の価値に気づく瞬間になるだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/03/war-on-iran-exorbitant-munition-spending-lack-of-success-iran-is-winning.html

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 「世界はトランプとイスラエルに反対しつつある」 ミアシャイマー教授
The World Is Turning On Trump and Israel | Prof. John Mearsheimer 49:56
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
現在世論調査RCP平均で、トランプ支持41.0%、不支持56.8%。こうした中28日、全米3,000件以上で「ノー・キングス」集会が予定されている。に数百万人が参加と予想されている。抗議運動は、トランプ大統領の狂気じみた統治方法への拒絶。11月の中間選挙につながろう。
 植草一秀の『知られざる真実』
媚米で国民犠牲にする高市首相

2026年3月26日 (木)

対イラン戦争:尻込みしたトランプ ― 誰が戦争のロビー活動したのか ― エネルギー支配の狙い

2026年3月23日
Moon of Alabama

 土曜日、イランがホルムズ海峡を全ての船舶に開放しない場合、48時間以内にイランの電力網や他のインフラを攻撃するとドナルド・トランプ大統領が脅迫した。  
「今この瞬間から48時間以内に、イランが脅威なしでホルムズ海峡を完全開放しない場合、アメリカ合衆国はイランの様々な発電所を攻撃し破壊する。まず最大の発電所から攻撃する!」と土曜日の東部夏時間午後7時45分頃(グリニッジ標準時23時45分)にソーシャルメディアにトランプ大統領が投稿した。
 これに対し、アメリカの湾岸友好諸国のインフラに対する報復攻撃をイランはちらつかせた。そのような攻撃は壊滅的結果をもたらすだろう。  
イラン国営メディアによると「イランの燃料・エネルギー・インフラが敵に攻撃された場合、以前の警告に従い、アメリカおよび地域の各政権に属する全てのエネルギー・インフラ、情報技術、および海水淡水化施設が標的となる」とイラン軍報道官のエブラヒム・ゾルファカリが述べた。
 月曜早朝、市場は神経質な反応を示した。国債、株式、金はいずれも下落した。

 市場が暴落する恐れがあり、トランプがイランに示した期限の直前になって彼は尻込みした。



 イラン情報筋も認めている通り、イランとの協議は一切行われていないと私は推測している。脅迫を実行に移した場合に生じる壊滅的結果から身を守るため、こうした協議をトランプはでっち上げているのだ。
 五日後、市場が週の取引を終えた後、トランプは再び脅迫を繰り返す可能性が高い。  
たとえ今日和平が実現したとしても、石油・ガス供給の急減から回復するには数ヶ月かかると私は警告していた。石油・ガス市場が正常化するまでにどれくらいの時間がかかるかに関して、エコノミスト誌が、いくつか試算している。

 エネルギー市場にとって最善の最良シナリオでさえ悲惨な結果になるアーカイブ

 たとえドナルド・トランプとイランが明日戦闘停止の合意に達したとしても、市場が正常な状態を取り戻すまでには更に四ヶ月かかる。他の生産者は過去の損失を回復するのに十分な速さでは生産量を増やせない。その結果、今年の世界石油生産計画の約3%が削減されることになる。ラス・ラファンが閉鎖されたままだと、月ごとに、世界は約700万トンのLNGを失う。これは年間供給予測の約2%に相当する。しかも最新攻撃により、フル稼働能力は以前より低くなる。結果的に、カタールが今日から生産を開始したとしても、今年の生産量は需要の4%を下回ることになる。

 石油・ガス取り引き業者は、依然春の奇跡に期待している。世界はそれを祈っている。だがトランプとイラン最高指導者がこの願いを叶えたとしても、石油・ガスの物流は容易には解決するまい。北半球の冬までエネルギー市場は戦争の影響に苦しむことになろう。
 直感で、これらの予測は楽観的だと私は思う。

 イランで無実の人々が投獄されているのに空涙を流しながらアメリカはイラン刑務所を攻撃している。  
イラン刑務所で反体制派とアメリカ人が爆弾の脅威にさらされているアーカイブ
 ウォール・ストリート・ジャーナルの目視調査によると、空爆により政治犯を収容する施設が損傷し、彼らの命が危険にさらされている。

 対イラン戦争がどのように展開したのかに関する背景情報がいくつか出ている。これらがどれほど神話の創造なのか真実なのかを判断するのは困難だ。ともあれ、現在広まっている情報の要点は以下のとおりだ。  
イラン国内での反乱を煽れるはずだとイスラエルは考えていたが、実現しなかった。アーカイブ) ニューヨーク・タイムズ

 イラン神権政治政府に対する国内反乱を煽るイスラエル計画で戦争を迅速に終結させられるとトランプ大統領は期待していたが、これまでのところ期待は粉砕されている。

 開戦から数日以内に、イラン反体制派をモサドが鼓舞し、暴動や他の反乱行為を引き起こし、ひいてはイラン政府崩壊にまで至る可能性があるとモサド長官デビッド・バルネアは述べていた。またバルネアは、1月中旬にワシントンを訪問した際、トランプ政権の高官らにもこの提案を示していた。

 ネタニヤフ首相はこの計画を採用した。アメリカ政府高官やイスラエル情報機関の一部関係者の間では、実現可能性に疑問の声が上がっていたものの、ネタニヤフ首相とトランプ大統領はともに楽観的な見方をしていたようだ。紛争勃発直後にイラン指導者を殺害し、その後政権転覆を促す情報活動を展開すれば、大規模民衆蜂起が起きて、戦争の早期終結につながる可能性があると彼らは考えていたのだ。

 「自分たちの政府を取り戻せ。政府はあなた方のものになる」と開戦当初の演説でトランプはイラン国民に語りかけ、その前に、まず爆撃から身を守るよう促した。

 戦争開始から三週間経過したが、イランで蜂起はまだ起きていない。

 「ごますり連中」内閣の限界を露呈したトランプのイラン戦争推進(アーカイブ) ?ブルームバーグ

 関係者によると、密かにイラン攻撃をトランプ大統領に促していた人物には、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、メディア王ルパート・マードックと、一部の保守系評論家などがいたという。関係者は非公開会話について話すため匿名を条件に取材に応じた。トランプ大統領にイランへ攻撃を促すため、ニューズ・コーポレーション創設者マードックは何度か連絡を取っていたと両者のやり取りについて説明を受けた人物の一人が述べている。

 一方、トランプ大統領側近の中には、武力紛争の可能性について、より慎重な姿勢を示した者もおり、JD・ヴァンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官、ホワイトハウス首席補佐官のスージー・ワイルズなどが含まれると関係者は述べた。

 それは軽率な考えだと直接彼に告げた者はほとんどいなかった。関係者によると、ワイルズは、大統領が選択肢を理解できるように努め、一方ヴァンスは、高官らに大統領と率直に話し合い、戦争の可能性を話し合うよう促した。攻撃前の非公開会合で、戦争がどのように展開されるのかヴァンスは質問した。
 上記の「ネタニヤフを非難する」記事は全体像を見誤っている。この戦争はアメリカの長期戦略に合致しており、必然的に起きるべきものだった。  
アメリカはあらゆるエネルギー分野で圧倒的優位を確立しつつあるのに、誰もそれに注意を払わない。

 私はこれまで何度も言ってきたが、もう一度言おう。アメリカ合衆国は戦争に負けない。負けるなら戦争をしかけるのを止めるはずだ。アフガニスタン、シリア、イラク、リビア、破綻国家は帝国の失敗ではない。それらは帝国の勝利なのだ。そして帝国は連勝している。

 今、イランを巡り同じ合唱が響き渡っている。左右両派とも主張は全く同じだ。「これは大惨事になる」「アメリカは手を広げ過ぎだ」「イランはアメリカの墓場になる」。同じ意見。同じ無分別さ。100年前の同じ脚本。

 アメリカはまたしても西アジアの悲惨な泥沼に陥っているどころではなく、地球のエネルギー供給を計算された形で支配しつつあるとメドハーストは主張し、シリア、ベネズエラ、ウクライナ、そして今やイランでの戦争は、別々の失策ではなく、単一の目標、すなわちエネルギー完全支配に向けた一連の措置だと主張している。
 エネルギー分野での主導権確保こそワシントンの最大目標かもしれないが、それが実現可能かどうかについては疑問の声が上がっている。  
対イラン戦争が、いかにしてアメリカのエネルギー覇権を幻影に変えつつあるのか―ザ・ナショナル
 化石燃料以外のエネルギー源が台頭し市場に浸透しつつある。化石燃料を独占し、価格をつり上げようとするいかなる試みも、化石燃料以外のエネルギー源の普及を促進し、結果的に自ら失敗を招くことになるだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/03/war-on-iran-48-hours-bombing-deadline-trump-chickens-out.html

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 湾岸諸国から総撤退?
Iran SHOCKS World: U.S. Military FORCED to Withdraw After Base Attacks - Scott Ritter 25:18
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
11月3日米中間選挙で現状、民主党勝利の可能性→トランプの支持基盤を大きく損なう。こうした状況を前に、トランプのフロリダでの邸宅があり、伝統的に共和党が圧倒的に強い地区の下院補欠選挙で、民主党候補が共和党候補を破る。地方選で民主党勝利が全国的に展開

2026年3月18日 (水)

対イラン戦争 – チェコ巡洋艦「クルテクチェク」 – ラリジャニ殉教 – ケント辞任

2026年3月17日
Moon of Alabama

 昨日私が引用したウォール・ストリート・ジャーナル記事から。  
  • イランのエネルギー危機に対処するため連合構築を試みるホワイトハウス(アーカイブ記事) –ウォール・ストリート・ジャーナル

     >早ければ今週中にも、イラン沿岸を走る水路を航行する船舶を護衛する連合を複数の国が結成することで合意したとトランプ政権は発表予定だと米当局者が明らかにした。アメリカと連合参加候補国は、これら作戦を戦争終結前に開始するか後に開始するかについて、現在も協議中だ。
 私は次のようにコメントした。  
「戦争終結後」に海峡を通過する船舶を護衛することに一体どんな意味があるのか?

 今のところ、トランプの同盟国募集の呼びかけに応じる国はない。今後も応じる国は現れないだろう。
 ヨーロッパのどの国も、アジアの「同盟諸国」も、ホルムズ海峡再開に向けて彼を支援すると申し出ていない。アメリカ海軍も同様だ。

 だから今回、私の予想はほぼ当たっていたのだ。  
チェコ首相アンドレイ・バビシュは、チェコ巡洋艦「クルテチェク」をペルシャ湾に派遣することを決定した。これにより、チェコ共和国はアメリカ主導の有志連合に参加する唯一のEU加盟国となった。💪🇨🇿🇺🇸
 チェコだって? ツイッター・ユーザーにはこの冗談に騙された人もいる。だがチェコは海軍を持たない内陸国だ。とはいえ、Krteček クルテチェク( Krtekとも表記される)はチェコの人気キャラクターだ。彼のクルーザーの色づけは、あなたにお任せする。


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 他のニュースとして、昨夜アリ・ラリジャニを殺害したとイスラエルは主張している。サイード・ラリジャニはイラン最高国家安全保障会議議長を務めていた。彼は有能で現実的な政治家で、イラン国家内のあらゆる権力中枢、革命防衛隊、聖職者、バザーリ―と良好な関係を築いていた。

 ラリジャニは、将来の和平交渉において最初に接触すべき高官だったはずなのだ。

 それがシオニストが彼を排除しようとした理由である可能性が高い。そうすることにより、この紛争から抜け出す道をアメリカが見つけるのがより困難になるからだ。

 だが、それ以外、大きな違いはもたらすまい。誰しもそうであるように、ラリジャニは、取り替えがきく存在だ。彼の殉教は、最終的にアメリカとイスラエルを打倒するために必要なあらゆる苦難に耐える覚悟をイランが強めることになるだろう
 アリ・ラリジャニ殺害は、彼以前のアリ・ハメネイ殺害同様、戦略的殉教の事例として理解するのが最も適切で、イスラエルとアメリカが斬首戦略に頼り続けていることの根本的な非合理性を露呈する力学だ。特に、これら戦略が歴史的に繰り返し失敗してきたことを考えれば、なおさらだ。アメリカとイスラエルが繰り返し用いている斬首・消耗・侵略戦略は、現実への適応に一貫して失敗してきた、お馴染みの非生産的暴力の得意技に囚われた体制を暴露している。この失敗はあまりに明白なため、最近、トランプですら、アメリカがイランを攻撃したのは「習慣から」だったと認めた。

 殉教そのものが重要な政治的役割を果たし、暗殺の意図された結果に抵抗するだけでなく、それを覆す戦略的効果を生み出せるという価値戦略的合理性に基づいてイランは行動している。

 死ぬ前に ラリジャニが大集会に参加し、殉教の可能性を公然と受け入れる発言をしていたことは、その結果を負う人々が、この論理をいかに意識的に採用しているかを強調するに過ぎず、この論理はハメネイ自身が「我々は永遠の栄誉であるこの道で殉教するか、勝利を収めるかどちらかだ。どちらも我々にとって勝利だ」と宣言した通り、最もはっきり表明されている。

 要するに、戦略的殉教は、最終的に再生による抑止に貢献し、指導者殺害を繰り返しても、指導者を殺害しても、敵の体制が崩壊したり服従を強いられたりするのではなく、むしろその強化に貢献することに気がつくため、収穫逓減の法則に従うことになる。
 アメリカ国家対テロセンター所長ジョー・ケントが今日辞任した。トランプ大統領をイランとの戦争へと駆り立てたのはイスラエルだと、辞任状でケントは非難している。

 そうすることは、ある種流行になっている。  「
ウィトコフとクシュナーは、彼がいやがっている戦争に大統領を引きずり込んだイスラエル工作員だと我々はみなしていた」と会談内容を知るある外交官が述べた。
 いや、ちがう。トランプを戦争に引きずり込んだり、戦争を開始したりさせたのは(ケントが推している)イスラエルではない。イランとの戦争がもたらすだろうあらゆる警告にもかかわらず、それを実行したのはドナルド・トランプただ一人だ。トランプが同意しなければ、イランに対してそのような行動に出る勇気はイスラエルにはなかったはずだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/03/war-on-iran-czech-cruiser-krtecek-larijanis-martyrdom-kents-resignation.html

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 Krtekhはチェコ語で「もぐら」のこと。
How the Iran War Will Cause a Global Financial Crisis (Yanis Varoufakis) | The Chris Hedges Report 46:18
 植草一秀の『知られざる真実』
160兆円に上乗せ80兆円上納金

2026年3月12日 (木)

イランとの戦争 – 違う。ハールク島確保は選択肢ではない。

2026年3月10日
Moon of Alabama

 イラン産原油の本格的輸出が始まると、すぐ問題に直面した。イランの海岸線は比較的浅く、大型タンカーは喫水が大きかったのだ。そのため、イラン石油業界にとって、大型船に大量の原油を輸送するのは容易ではなかった。

 幸運なことに、イラン沖約24キロの深海に島がある。石油産出地イラン本土からこの島までパイプが敷設され、大型原油輸送船の積み込みを可能にする桟橋が建設された。この島の名前はハールクだ。現在この島はイラン産原油の90%を輸出する主要ターミナルになっている。
 


 アメリカの愚かな素人政治家連中は何十年間も、ハールク島を奪ってイランの石油生産を支配するとを夢見てきた。  
1988年、イギリス新聞インタビューで、当時ニューヨークで有望視されていた不動産王ドナルド・トランプは、将来の計画について問われた。予想通り、彼は熱弁をふるい、いつか大統領選に出馬するかもしれないと豪語し、世界の舞台でアメリカへの「尊敬」を取り戻すと誓った。また、1979年の米国人質事件以降、既にアメリカの宿敵となっていたイラン・イスラム共和国に対しても、厳しい言葉を投げかけた。

 「彼らは我々を精神的に打ちのめし、愚か者のように見せかけている」とトランプはガーディアン紙に語った。「我々の兵士や艦船に一発でも弾丸が飛んできたら、私はハールク島を徹底的に攻撃する。侵攻して占領する」」
 同様に、ハールク島を占領すればアメリカは、現在そして将来にわたりイランの原油輸出を全て掌握できるとトランプ政権の複数関係者も述べている。  
「我々が望んでいるのはイランの膨大な石油埋蔵量をテロリストの手から奪い取ることだ」と、ホワイトハウス顧問ジャロッド・エイゲンが週末フォックス・ビジネス・インタビューで語り、エピック・フューリー計画の根拠の中心はハールク島にあると示唆した。
 ハールク島は長さ6.4キロ、幅3.2キロの比較的平坦な島で起伏はほとんどない。防衛は困難だ。

 最近、アメリカはハールク島奪還作戦の主力部隊となる可能性がある第82空挺師団の軍事演習を中止した。(アーカイブ

 だが、これには二つの問題がある。

 一つ目は、イランに非常に近い島を占領し、維持することだ。  
ハールク島構想は全く突飛な計画だ。イランの砲火を抑制しなければ、実現不可能だ。ハールク島はイランのミサイルやドローンに完全に無防備なだけでなく、イランの移動砲兵の射程圏内にある。海兵隊の一個師団を上陸させれば、数十人、あるいは数百人の死傷者を出し、数時間以内に撤退を余儀なくされるだろう。この計画全体は、アメリカがイランの砲火を抑制した前提に立っているが、イランの砲火抑制こそ、アメリカ軍が解決すべき問題だ。
 この問題は米海軍艦船を展開することで克服できるとテレグラフ紙記者は考えているようだ。  
国際情勢ウェブサイトGZEROメディアに寄稿する政治リスク・コンサルタントのイアン・ブレマーによると、「島(ハールク)自体はマンハッタンの半分以下の大きさで、広範囲に要塞化されておらず、米軍駆逐艦と近距離防空システムが沖合に信頼性の高い防衛線を確立できるほど孤立した場所にある」という。
 ホルムズ海峡が閉鎖されているのに、一体どうやってアメリカ駆逐艦をペルシャ湾に派遣できるのか? そして、イランの対艦ミサイルの射程圏内にいるこれら駆逐艦は、どれくらい生き残れるのか?

 ハールク島作戦は全て空路で行われるはずだ。しかし、そこに展開した兵士はどのように補給を受けるのだろう? そして、おそらく甚大な損害を受ける兵士たちを、どのように撤退させるのか?

 テレグラフ紙が言及していないのは、ブレマーがこの問題を認識している事実だ。ハールク島攻撃は何の解決策にもならないと彼は考えている。  
イランは依然、除去不可能な短距離ミサイルとドローンを数千発保有している。艦船を攻撃し、航空機を撃墜できることは既に証明済みだ。ハールク島奪還作戦には、自国優位で失うものがない敵に対し、係争海域に米軍を集結させる必要がある。イランの指揮統制力が弱体化しているにせよ、水陸両用強襲作戦をトランプ大統領が政治的に容認できないような流血戦に転換させるだけの連携力は備えている。

 そして、それを奪取するだけでは戦いの半分に過ぎない。仮にアメリカがハールク島を見事に奪還し維持できたにせよ、ペルシャ湾の真ん中にある重要インフラを無期限に占領し続け、ドローン、機雷、破壊工作、代理攻撃、テロリズムや、何年もかけて疲弊させるゆっくりとした消耗戦など、あらゆる手段を使って奪還しようとする敵国から防衛し続けなければならないのだ。
 軍事作戦上の問題として見られるハールク島は大きな損失があっても占領でき、おそらく一か月から一年は保持できるだろう。

 しかし、そうなると二番目の問題に直面することになるだろう。

 殉教したイラン最高指導者アリー・ハメネイ師は、イランに対するあらゆる行為を湾岸地域全体にもすると警告していた。イランが石油を生産できなければ、他の国も生産できなくなる。イランが炭化水素製品の輸出を阻止されれば、他の湾岸諸国も同様に阻止される。イラン国家安全保障会議議長は次のように述べている。
アリ・ラリジャニ | علی لاریجانی@alilarijani_ir – · 2026年3月10日 12:28 UTC

ホルムズ海峡は、全ての人にとって平和と繁栄の海峡となるか、あるいは戦争主義者にとって敗北と苦しみの海峡となるかのどちらかだ。

 ハールク島や湾岸地域の全ての輸出港はイランの継続的ミサイル攻撃を受けることになるだろう。これまでの10日間の戦争は、イランがそのような攻撃を実行できることを既に示している。本日、UAEにある湾岸最大の製油所(90万バレル/日の生産能力)であるアル・ルワイス製油所が、イランのドローン攻撃を受けて閉鎖された。

 ハールク島が米軍に占領されれば、イラクのアル・バシュラ、クウェートのミナ・アル・アフマディ、UAEのフジャイラ、カタールのラス・ラファンとメサイード、サウジアラビアのラス・タヌラといった石油輸出港は全て継続的砲撃を受け、閉鎖されるだろう。

 だから、ハールク島を占領する選択肢などないのだ。

 軍事的に複雑化し、甚大な損失をもたらし、持続不可能な事態になるだろう。経済的に壊滅的結果になるだろう。なぜなら、イランが自国製品輸出を阻止されれば、他の湾岸諸国の輸出も阻止可能だし、実際に阻止するからだ。

 1988年のトランプが、以来多少賢くなっているよう期待する。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/03/war-on-iran-no-taking-kharg-island-is-not-an-option.html

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 ミアシャイマー教授の最新youtube
America Has Lost This War | John Mearsheimer 23:22

2026年3月10日 (火)

アメリカ・イラン消耗戦 ― 完全破壊に対抗するための世界恐慌

2026年3月5日
Moon of Alabama

 アメリカとイスラエルはイスラム共和国の完全破壊を目指している。イランは、自国のエネルギー資源が豊富な地域での戦争結果を世界規模で拡散して、これに対抗している。世界経済が十分疲弊し、イラン国内の結束が崩壊する前に、アメリカを方針転換させられるとイランは見込んでいる。

 トランプ大統領がイラン攻撃を発表した際、この戦争で実現すべき目標として、一見無作為に思えるいくつかの目標を挙げた。だが結局、そのどれも実現不可能だった。

 トランプと代弁者連中は、戦争は短期間で終わると想定していたようだ。彼らは、イラン最高指導者が殺害されれば、すぐにアメリカに友好的な政権が樹立するというベネズエラ風シナリオを期待していた。このような見方は、イラン社会の歴史と社会構造を全く知らない人々にしかできない。

 おそらく我々が目にしている混乱において、無知こそ最も重要な説明変数だ。戦争の目的も、期間も、結果も、誰も予測していなかったものだ。

 政策立案任務を担う国家安全保障会議は縮小され、国務省は計画策定にほとんど関与していなかった。国防総省の警告は無視されてきた。

 トランプは直感に頼って大惨事に陥り、いまだにそこから脱出する方法を見いだせていない(アーカイブ)。  
大統領に就任したトランプはNSCの人員を少なくとも3分の2削減し、忠誠心に漠然とした疑いがあるメンバーを解任した。NSCは選択肢を生み出すためではなく、自身の決定を実行するためにあるとトランプは明言している。

 「トランプは選択肢も緊急時対応計画も必要ないと考えているようだ」とバイデン政権時代に国家安全保障会議の長期戦略計画に取り組んだブルッキングス研究所の研究者トーマス・ライトは述べた。「彼は自分の直感を実行してくれる小さなチームが欲しいだけだ。だが、よくあるように事態が悪化した場合、用意された選択肢を持たない大統領は、ツーペアで賭けに挑むことになる」

 「これほど大きなリスクや、これほど重大な結果をもたらす大規模軍事行動が、これほど計画性がなく、意図的か意図的でないかを問わず、起こりうる結果の検討もほとんど行われなかったことはかつてない」と[デービッド・ロスコフ]は述べた。

 作戦計画を策定するのは軍で、その後NSCで精査されると彼は指摘する。「この過程は現政権下で事実上萎縮しており、これまで策定されてきた計画も、顧問より自分の直感を信じる大統領により、しばしば無視されている。これは範囲が狭い行動には有効かもしれないが、イランのような巨大で影響力ある国との戦争には通用しない」
 トランプ政権は既に三つの計画で失敗しており、現在四番目の計画を試みているとArmchair Warriorは指摘している
– プランA:ハメネイ師殺害、新指導者の降伏
– プランB:ハメネイ師殺害、大規模市民暴動、政権転覆
– プランC:民族反乱勢力の動員、利益獲得
– プランD:実際に制空権を獲得し、彼らが降伏するまで無期限爆撃する
 一方、イスラエルは、現代イランを特徴づける全てのものの完全破壊アーカイブ)というプランZを検討している。

 イスラエルの最終目的は「この政権とその支柱、革命防衛隊(IRGC)、バシジ(草の根民兵組織)、その戦略能力など、政権を支えている全てのものの完全破壊」だとテルアビブの国家安全保障研究所のイラン専門家で上級研究員ダニー・シトリノウィッツが語った。

 イスラエルに対するイランの脅威能力(主にミサイルと初期核計画による)を除去することが「明白な」最終目的だが、イスラエル政府にとって更に重要なのは「この政権を弱体化させ、国内問題に対処せざるを得ないようにすること」だとシトリノヴィッツは付け加えた。

 イスラエル政府の立場を要約して「クーデターが起きれば結構だ。民衆が街頭に繰り出せば結構だ。内戦が起これば結構だ。イスラエルはイランの将来や安定など全く気にしていないとシトリノヴィッツは言う。
; …
 この戦争の灰の中から同様に強硬な新しい指導者が立ち上がれば「彼らも対処される」と元イスラエル高官は語った。

 イスラエル政府の考えに詳しい人物はこう語った。「イスラエルは、イラン政権の能力を破壊し、次回をせずに済むようすむよう望んでいる。第二、第三、第四の攻撃は望んでいない。今すぐにも任務を終わらせたいのだ。」

 シオニストの計画は、イランという国にもう一つの「ガザ」を作ろうとしているようだ。おそらく、その計画を湾岸地域全体に拡大しても構わないと私は思う。

 トランプ政権の一部はこの計画を支持しているようだ。  
[国防長官] ヘグゼス:彼らの首都上空を飛行中だ。空から一日中、死と破壊が降り注いでいる。我々は真剣勝負を挑んでいる。我々の戦闘員は、大統領と私から個人的に与えられた最大限の権限を有している。我々の交戦規則は大胆かつ明確で、アメリカの力を束縛するのではなく解き放つように策定されている。これは決して公平な戦いになるはずがなく、実際公平な戦いではない。我々は彼らが倒れている時に殴りかかっているのだ。まさにそうあるべきだ。
 アメリカ爆撃作戦はイラン全土を襲っている。  
イランの救急医療サービス責任者は、アメリカとイスラエルの攻撃の標的となった29の州と172の都市で…
 軍事施設だけでなく、病院、学校、警察署などの民間施設も標的とした広範囲にわたる攻撃は、イラン国民の反撃の意志にほとんど影響を与えるまい。

 イランは最も危険な武器でアメリカ軍事作戦に対抗している。地理的優位性により、湾岸地域のあらゆるエネルギーと輸送手段を危険にさらすことが可能なのだ。

 これはトランプ政権が想定していなかった多くの影響を引き起こしている。アメリカのガソリン価格は上昇しつつある。  
ドナルド・トランプ大統領のスージー・ワイルズ首席補佐官は、アメリカのイラン攻撃を受けて、ガソリン価格を下げるための考えを大統領執務室に持ち込むよう顧問に指示していると、この会話に詳しいエネルギー業界幹部二人が明らかにした。

 この攻撃と、それに続くイランによるペルシャ湾エネルギー部門攻撃により原油価格は1バレル10ドル以上上昇し、ガソリン価格は昨年のトランプ大統領就任以来最高値に達した。
 ホルムズ海峡を封鎖し、エネルギー価格を引き上げることは、イラン側にとって最も明白な対抗手段の一つだった。だが、トランプ政権はそれを想定していなかった。  
攻撃以来、今のところエネルギー価格の問題について[エネルギー長官クリス]ライトは公式に言及していない。

 これは意図的なものだと土曜日のアメリカ攻撃開始直後にホワイトハウス当局者と話をした3人目のエネルギー業界幹部が述べた。マルコ・ルビオ国務長官をはじめとするタカ派の政権関係者が政権の計画を主導していたが、通常、原油価格を低く抑えるべきと主張する他の政権関係者は、イランでの戦闘が続く間は控えるよう当初指示されていたと、この人物は語った。

 「ホワイトハウス内で原油価格が80~90ドルになることを懸念していた派閥は沈黙させられていた」と、政権との私的会話について語ったこの人物は匿名を条件に語った。「その時点では、より大きな声が勝っていた」

 業界幹部によると、戦争による石油・天然ガス価格の上昇への懸念は比較的新しいものだという。攻撃が始まり石油価格が上昇し始めてから数日後まで、石油・天然ガス市場の落ち着かせ方についてトランプ政権は電話協議を始めなかった。

 イランはホルムズ海峡を通過する船舶を攻撃すると発表した。保険会社はこの脅威を利用して保険料を値上げした。高いリスクと保険不足から船主は船舶停泊を余儀なくされた。
 世界の石油、ガス、肥料の約20%はホルムズ海峡を通過している。ホルムズ海峡閉鎖は、地球規模で様々な連鎖的な影響を及ぼす。

 石油とLNGは、電力、肥料、船舶、化学薬品、鉱業、製造業、国家財政への投入物としては役に立たない。

 例えば、世界のポリエステル・チェーンは石油化学製品から始まる。炭化水素と石油化学原料の深刻な供給途絶は、PTA、MEG、ポリエステル樹脂、フィラメントや生地生産に波及し、合成繊維を多く使用するアパレル分野全体で深刻な供給不足、価格高騰や工場停止を引き起こす。ポリエステル産業は一夜にして消滅するわけではないが、低コスト・大量生産のアパレル・モデルは崩壊し始める。

 そこから累積的論理の連鎖が生まれる。燃料インフレは肥料インフレに、肥料インフレは食料インフレに、食料インフレは都市の不安定化、国家補助金の枯渇、そして最終的には飢餓へと繋がる。この連鎖において、食料不足は二次的人道問題ではない。食料不足は危機の中心的政治的帰結の一つだ。なぜなら、現代社会は大戦略によって体制の崩壊を経験するのではなく、手の届かないパン、不安定な電力供給、空っぽの薬局や、おそらく治安の崩壊によって経験するためだ。グローバル化したアラブの春と言えるだろう。

 この枠組みにおいて、ハイパーインフレは現実の物理的隘路の社会的表現として現れる。エネルギー輸入国は、ドル建て燃料をいかなる価格でも入手せざるを得なくなり、通貨が下落し、肥料や輸送費により収穫サイクル全体の価格が変動すると、インフレは循環的なものでなくなり、強制的なものになる。

 それは全ての家計簿と国家元帳に一気に入り込む。その結果、計画そのものが破壊される。企業は予算を見積もることができず、政府は補助金を出すことができず、人々はもはや未来を予測できなくなる。このような状況下では、信用市場は麻痺し、外貨準備は枯渇し、国債スプレッドは拡大し、経済危機と政治危機の境界は消滅する。

 化石燃料輸入に97%依存している韓国の株価は昨日18%下落した。個人投資家はパニックに陥っている。世界のハイエンド半導体の80%を生産する台湾の天然ガス備蓄はわずか11日分しかない。台湾の電力網と、それに依存する半導体生産はまもなく危機に瀕するだろう。世界各地で作付けシーズンを迎え、尿素価格は法外な水準にまで高騰している。パン価格もそれに追随するだろう。

 トランプ政権がイランで期待していた短期作戦は、長期的消耗戦に変貌しつつある。イランを徹底的に爆撃し、粉々にしようとアメリカとイスラエルは全力を尽くすだろう。イランはホルムズ海峡と湾岸地域全体をほぼ封鎖しようと全力を尽くすだろう。

 湾岸アメリカ同盟諸国は打撃を受けるだろう。世界のコンテナ船は湾岸諸港での貨物受け入れを停止している。湾岸諸国の食料安全保障は危機に瀕している。

 世界経済はエネルギー・ショックに見舞われ、それに伴うあらゆる経済的、社会的影響に見舞われることになるだろう。

 アメリカはある程度自給自足しており、エネルギー価格の高騰にも耐えられる。しかし、アメリカがイランを攻撃した際に声を上げなかった多くの同盟諸国は、まもなく深刻な問題に直面することになる。

 イランは甚大な被害を受けるだろう。だが最初にひるむのはアメリカだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/03/the-u-s-iran-war-of-attrition-a-global-depression-to-counter-total-destruction.html

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 The Real Scott Ritter
Ritter’s Rant 080: The Double Tap 12:00
The deliberate murder of civilians is a war crime. The United States is committing war crimes in Iran.
Scott Ritter
Mar 10, 2026

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
原油価格は日曜日、2022年以来初めて3桁台に突入。世界の石油供給の20%が9日間にわたり混乱し、継続。これはスエズ危機時10%弱の混乱の2倍以上。紛争の拡大が地域の石油生産、処理、貯蔵、輸出インフラに及ぼす他のリスクも反映。リスクはロシア・ウクライナ紛争時より大

2026年3月 2日 (月)

アメリカの対イラン侵略戦争―目的実現が不可能な戦争

2026年2月28日
Moon of Alabama

 昨日、アメリカ・イラン協議の仲介役を務めるオマーンのバドル・アルブサイディ外相は、イランが戦争を防ぐため核開発計画に前例のない制限を課すことを提案したのを明らかにした。

 CBSインタビューで彼は次のように説明した。  
アルブサイディ大臣:私は自信を持っています。交渉の進捗状況から判断すれば、和平合意は我々の手の届くところにあると本当に思えます。

 マーガレット・ブレナン: 和平協定ですか?

 アルブサイディ大臣:はい、外交がそこに到達するために必要な余地を与えれば、実現可能です。外交以外の方法では、この問題を解決できないと私は考えています。

 アルブサイディ大臣:最も重要な成果は、爆弾製造につながる核物質をイランが決して保有しないという合意だと考えています。これは大きな成果だと思います。これはオバマ大統領時代に交渉された旧合意には含まれていないものです。これは全く新しいものです。核濃縮に関する議論は、もはや意味をなさなくなります。なぜなら今核備蓄ゼロの話をしているからです。これは非常に重要なことです。なぜなら濃縮された物質を備蓄できなければ、濃縮の有無にかかわらず、実際爆弾を製造できないからです。これはメディアがこれまで大きく見落としてきた点だと思います。私は仲介者の立場から、この点を明確にしたいと思います。

 マーガレット・ブレナン:ではご説明ください。つまり核爆弾材料として使える可能性がある濃縮ウランを、イランは自国領土内に保管しないということですか?

 アルブサイディ大臣:彼らはそれを放棄するはずです。
 様々なレベルの濃縮ウラン備蓄を放棄することは、イランがこれまでに示したことのない譲歩だ。これは、イランが核爆弾を製造するのを不可能にする。

 だが、アメリカは核合意に関心を示さなかった。アルブサディ・インタビューから数時間後、アメリカはイスラエルに同調して、対イラン「先制攻撃」戦争に加わった。

ジェレミー・スケイヒル @jeremyscahill – 2026年2月28日 7:18 UTC

 「先制攻撃」という言葉は全くのプロパガンダだ。またしても、アメリカは交渉の見せかけをイラン爆撃の隠れ蓑に利用した。イランは2015年の核合意を遙かに超える条件を提示したばかりだった。先行したのは外交だった。2003年のイラク戦争で使われたのと同じプロパガンダ戦術だ。
 バドル・アブサイディ外相は失望を表明した。  
Badr Albusaidi – بدر البوس @badralbusaidi – 2026年2月28日 12:04 UT

 私は落胆している。積極的かつ真剣な交渉がまたしても損なわれてしまった。これはアメリカの利益にも世界平和の大義にも何の役にも立たない。これから苦しむことになる無実の人々のために私は祈る。これ以上引きずりこまれないようアメリカに強く要求する。これはあなた方の戦争ではない。
 トランプ大統領の考えは違っていた。8分間の演説(動画)で、彼はイラン・ミサイルの破壊、イラン海軍の破壊と、望ましくない核兵器をイランが取得するのを阻止することなど、いくつかの戦争目的を宣言した。彼はイラン軍には、武器を放棄するよう、国民には政府を転覆させるよう、呼びかけた。

 従って、イスラム共和国にとっては、この戦争は単なる防衛問題ではなく、存亡に関わる問題だ。

 トランプ大統領の戦略目標はどれも達成されそうにないため、アメリカがこの戦争に負ける可能性はほとんどないと既に主張する人もいるかもしれない

 これまでのところ攻撃の応酬は予想通りの展開を見せている。

 アメリカとイスラエルは、イランの政治・軍事目標に、スタンドオフ巡航ミサイルを発射した。テヘランにある最高指導者アリー・ハメネイ師の邸宅、情報省、国防省、イラン原子力庁、パルチン軍事施設が攻撃を受けた。イラン指導部は安全な場所に移動していたため攻撃の影響を受けなかった。現政権に関係ないマフムード・アフマディネジャード前大統領の自宅がミサイルで破壊され、護衛が三人死亡した。イランによると、複数のミサイルがイラン南部ミナブの小学校に着弾し、最大60人の児童が死亡した。

 これに対し、イランはクウェート、バーレーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦にある米軍施設を数百機のドローンと短距離ミサイルで攻撃した。カタールの米軍長距離レーダーとバーレーンの米海軍燃料補給施設が攻撃された。ヨルダンの米軍拠点とイスラエルに対し、数十発の中距離ミサイルの一斉射撃が行われた。

 旧式で精度の低いミサイルによる最初の一斉射撃は、アメリカ防空網を稼働させて、限られたミサイル供給を消費させるのを狙っている。中東各地で爆発が複数発生したという報告があるが、これが、落下した破片によるものなのか、それとも意図された結果なのか判断するには時期尚早だ。

 米軍が攻撃した標的の一つは、イラクのハシド・シャアビ人民動員部隊本部だった。この攻撃で数名が死亡した。その後、ハシド・シャアビはイラン側で戦闘に参加すると発表した。ミサイルがイラク・クルディスタンのアルビルにある米軍拠点に着弾した。

 イエメンのフーシ派やレバノンのヒズボラも戦闘に参加するとみられる。

 ミサイル攻撃の応酬は数日間続くと予想される。アメリカはイランのミサイル発射台と製造施設の破壊を試みる。イランは、アメリカのミサイル防衛網を疲弊させ、より精密で効果的なミサイルを、イスラエルと主要なアメリカ(海軍)標的に向けて発射する。既にアメリカ補給船を攻撃したとイランは主張している。

 だが、この戦争におけるイランの主要手段は世界の石油供給量20%の輸送を支配することになるだろう。

 イランはホルムズ海峡閉鎖を発表したばかりだ
マイケル・A・ホロウィッツ @michaelh992 – 2026年2月28日 15:30 UTC

ホルムズ海峡の船舶通過を禁止する旨の通信をイラン革命防衛隊から受けているとEU海軍代表団のアスピデス報道官が述べた。
地上配備の対艦ミサイルを発射するだけでイランは海峡を制圧できる。

月曜までに、燃料価格は急騰するだろう。

 イランがアメリカ国内に影響を及ぼす上で、原油価格は大きな圧力だ。

 ガソリン価格が上昇し、高止まりした場合、トランプ大統領がどれだけ長く戦争を継続できるか疑問だ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/02/u-s-iran-a-war-of-aggressions-which-aims-that-can-not-be-achieved.html

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 Jeffrey Sachs教授 米軍基地をおかれた中東諸国は属国で物が言えないと。
 東アジアも同じ。
Jeffrey Sachs: “US Will Fail” in Iran War | Israel a Terror State? | Russia & China’s Next Move 31:08
 Real Scott Ritter
Regime Change, the Double-Edged Sword
"Epic Fury" was initiated with the end of the Iranian regime in mind. Regime change may indeed be the result of this attack. But the question of who will be gone when the dust settles is not clear.

Scott Ritter
Mar 02, 2026

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米国のイラン攻撃は正当化できるか 国際法は武力攻撃が行われた時の個別・集団的自衛権は容認。体制変革の為の武力攻撃は容認せず。イスラエルは核兵器保有、その使用に制限を課していない。安全保障上核保有の発想はありうる考え。トランプ国際法に制限されずを実施

2026年2月26日 (木)

四週間の準備期間にもかかわらず依然変わらないトランプ大統領の対イラン選択肢

2026年2月24日 Moon of Alabama  四週間前、イラン・イスラム共和国の核開発計画を巡り、同国に新たな攻撃を行うとドナルド・トランプ大統領は警告した。

 私が説明した通り、イランは良いカモではないため、それは間違いだった。  
イランも準備を整えている。ミサイル戦力を増強し、いかなる攻撃への報復としても、中東における米軍拠点とイスラエルにミサイルを使用すると誓っている。ホルムズ海峡閉鎖も約束している。世界の原油供給の大部分はホルムズ海峡を通過している。例えば中国行きタンカーの通航を許可するような選択的閉鎖も考えられる。だが、たとえ部分的で長期にわたる閉鎖であれ、世界中の石油とガスの価格が急騰するだろう。共和党が中間選挙で勝利する可能性は低下するだろう。

 イランに対するいかなる冒険にも参加するのをアメリカの中東主要アラブ同盟諸国は拒否している。サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールは自国領内外からの、あるいは自国領を通過するアメリカによる対イラン作戦は容認しないと明言している。 …

 今後発生する紛争は、最近の12日間の作戦ほど短期間で終わる可能性は低い。容易に消耗戦にエスカレートする可能性がある。…

 トランプが求めているのは、象徴的勝利だ。いつものように、彼は巨大な脅しから始め、僅かな譲歩で引き下がろうと狙っている。トランプの要求に全て応じる気がイランにあるとは思えない。
 以来、アメリカは同地域の防空体制を強化し、中東航空攻撃部隊数を倍増させた。

 だが、軍事作戦を継続するには十分からはほど遠いとアメリカの軍事シンクタンクは述べている。

 この部隊はイランへの懲罰攻撃と、地域におけるアメリカの同盟諸国および協力国の防衛能力を備えている。だが、海兵隊や、襲撃や地上作戦のための特殊作戦部隊(SOF)、や長期的空爆作戦のための兵站体制欠如している。 …
 
  1. 現在の軍事力レベルは、4日間にわたる長距離懲罰攻撃を伴った「砂漠の狐作戦」で使用されたレベルに匹敵する。…
  2.  
  3. 多数の輸送機(C-17およびC-5M)と空中給油・輸送機(KC-135およびKC-46A)が中東に移動しているが、これは地上部隊の展開を示すものではない。…
  4.  
  5. 米軍には、襲撃や上陸作戦を実行するために必要な特殊作戦部隊や地上部隊が不足している。…
  6.  
  7. 利用可能な戦力は、限定的標的攻撃を超えて政権転覆するには不十分だ。…
  8.  
  9. 最終的に、数週間にわたる長期空爆作戦を行うには兵力が不足している。そのためには相当な兵站増強が必要となり、これは可能ではあるが、更に時間を要する。…
 他の専門家たちもこの見解に同意しているアーカイブ)。  
今週後半に米空母ジェラルド・R・フォードが間もなく到着するにせよ、アメリカの軍事力は4~5日間の激しい空襲もしくは一週間の低強度攻撃に耐えられる程度しかないとイスラエル情報機関は結論したとイスラエル情報機関当局者がフィナンシャル・タイムズに語った。
 アメリカとは対照的に、イランは長期間にわたって戦闘を行うことが可能で、特にホルムズ海峡を数ヶ月間封鎖して世界経済に影響を及ぼすことが可能だ。

 従って、過去一か月間の米軍増強により、戦略的バランスは変化していない。

 イランは周辺で長期戦を戦う手段を持っているが、アメリカは送付に何ヶ月もかかる兵站に依存している。

 軍備増強を命じた際、ホワイトハウスはイランは圧力に屈すると誤信していた。

 週末、軍事攻撃の脅威が迫っているにもかかわらず、なぜイランがアメリカの要求に「屈服」しないのか、大統領は「不思議に思っている」とトランプ大統領の地域担当特使スティーブ・ウィトコフはフォックスニュースに語った。

 「これだけの圧力で、現地に、これほど海軍力や艦船を配備しているにもかかわらず『我々は核兵器を望まないことを表明する。我々が用意しているのはこれだけだ』となぜ彼らは言わないのか? だが彼らをその方向に導くのはかなり困難だ」と彼は述べた。

 イランの5000年に及ぶ栄光の歴史についてウィトコフとトランプが少しでも学んでいれば、イラン国民を脅かしても効果がないと分かったはずだ。  
イランのアラグチ外相はソーシャルメディアで答えて「なぜ我々が降伏しないのか知りたいのか? 我々がイラン人だからだ」と述べた。
 トランプのはったりは見破られている。彼は今譲歩して、シオニスト・ロビーの批判を受けるのか、それともイランを攻撃して大統領職を台無しにするのかという不都合な状況にある。

 ワシントンポストに情報を漏洩し、米軍は彼に退路を与えているアーカイブ)。  
トランプ政権がイラン攻撃を検討する中、深刻な兵器不足と同盟諸国の支援欠如が作戦と米軍要員に大きなリスクをもたらすとドナルド・トランプ大統領や他の当局者に国防総省トップの将軍が警告したと内部の議論に詳しい関係者らが明らかにした。

 関係者によると、先週ホワイトハウスで、統合参謀本部議長のダン・ケイン将軍が、トランプ大統領と側近と会談し、アメリカの兵器備蓄がイスラエル防衛とウクライナ支援の継続により大幅に枯渇しているため、イランに対するいかなる大規模作戦も困難に直面すると懸念を表明した。
 良い軍事的選択肢がないのが、イランに新たな戦争を仕掛ける決断をトランプ大統領が躊躇している理由だ。

 だが時間は刻々過ぎてゆく。大規模遠征部隊を何ヶ月も中東に駐留させるには多額の費用がかかり、能力も低下する。

 アメリカの軍事力増強にもかかわらず基本的な戦略状況は四週間前と変わっていない。  
つまり、トランプには、勝てずに尻込みするか、下院と大統領職を賭けてエスカレーションするかの選択肢が残されている。

 彼が賢明な選択をするよう願う。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/02/despite-four-weeks-of-build-up-trumps-choices-on-iran-are-still-the-same.html

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 東京新聞 国際・総合 四面  
 一般教書演説

 トランプ氏 自賛1時間48分

 民主を攻撃 まるて選挙集会

 深まる分断

 共和党 110回以上拍手喝采

 民主党 大声で反論、退場も

 NBCは「経済から犯罪、選挙に至るまでさまざまな話題について、誇張された、誤解を招く、虚偽の主張を」何度も繰り返したと判定した。
 東京新聞 特報面  
 こちら特報部

 スパイ 冤罪 暗示の未来

 商談や取材も規制対象?

 反対市民「法案提出ストップを」

 「海外のスパイ防止ではなく『反政権レッテル貼り』か」
 「本音のコラム」 今回の筆者は三木義一氏

 不正に優しい民意

 一部を複写させていただこう。  
 大多数の選挙民は自分達の代表に高潔さを求めず、自分たちのやりたいことをやってくれそうな人なら、多少の不正など問題にすることなく票を入れたようだ。
 中略
 しかし、日本の多数の民意様は、国会議員の不正には非常に寛容で、立候補を認め、当選までさせてしまう。  こんな民意とどう向き合うベきなのだろうか。
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
高市首相、当選祝いのカタログギフト…1人約3万円を315人に」(読売新聞)政治資金規正法「何人も、公職の候補者の政治活動に関して寄附をしてはならない」第2項「前項の規定は、政党がする寄附については、適用しない。高市高支持率で大手メディアは追及しないだろう
 植草一秀の『知られざる真実』
政党支部の金で熨斗に高市早苗

2026年2月24日 (火)

ウクライナは疲弊しているが、更に何年も戦争を続ける計画だ

2026年2月20日
Moon of Alabama

 アメリカ、欧州連合、ウクライナの戦争屋連中は、ドナルド・トランプ大統領の和平努力を捨て去り、大統領が退任するまで戦争を長引かせると決めた。

 ウクライナ・メディアStranaの今日の見出しは以下のとおり(機械翻訳) 訳注:リンク先は英文。
 最後のリンクから。  
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、側近らに、今後三年戦う準備をするよう指示した。

 これはウォール・ストリート・ジャーナルの記者ボヤン・パンチェフスキーがSpotifyのポッドキャストで述べたものだ。

 パンチェフスキーによれば大統領随行員に衝撃を与えた会話は先週木曜のことだという。

 「彼はそれを直接言った。全員衝撃を受けた。もちろん誰もこれ以上の三年間の戦争を望んでいない。それまで彼らは、春の終わりか夏の初めに選挙と国民投票を実施し、合意案を投票にかけ、それがどのようなものであれ、有権者がそれを受け入れるかどうか確かめる計画を実質的に進めていた。ところが突然ゼレンスキーは180度方向転換し『こんなことは全くナンセンスだ、長期戦に備えなければならない』と言ったのだ。私は益々疑念を抱いた。何らかの理由で彼はもはや交渉する気分でないように思えるためだ。理由は分からない。彼の側近を三人知っているが、彼らもそれを知らなかったか、知っていたとしても、彼がなぜ態度を変えたのか私に教えてくれなかった」とパンチェフスキーは述べた。

 彼の意見によれば、現在のドナルド・トランプ大統領の戦争終結提案には満足できないとゼレンスキーは考えて、戦闘継続を決意したのだ。

 三年後にはトランプ政権の勢いもなえるだろう。
 ゼレンスキーの立場は、ウクライナが戦争に勝利したわけではないが、敗北したわけでもないと描く様々な国際的な戦争支持派メディアに支持されている。彼らの主張は、ロシア人死傷者数の誤った推計と、ロシアの経済的潜在力の誤った解釈に基づいている。

 その一例が、Foreign Affairs誌のミシェル・コフマンによる最新記事だ。  
ウクライナの忍耐力戦アーカイブ

 長距離攻撃能力の向上と、ロシアのエネルギー輸送インフラに対する攻撃作戦の規模拡大によって、2026年を、ロシア財政が限界に達し、モスクワが交渉の場で要求を大幅に修正せざるを得なくなる年にしたいとウクライナは考えている。
 他の人々と同様に、彼も、おそらくウクライナ軍が提供したと思われるロシアの損害に関する根拠のない数字を挙げている。  
ロシア軍は、2022年の侵攻前の約90万人から、2025年には約130万人に増強された。しかし、2025年のロシアの募集(毎月3万人から3万5000人の入隊者)のほぼ全てが、戦闘による損失を補充するためのものだった。
 テレグラフ記事も同様話題を報じている。  
必死のプーチンが足踏みする中、時間はウクライナの味方だアーカイブ)。

 ウクライナの兵站と技術の優位性に加えて、ロシアの人的資源余剰は見た目ほどではない。2月24日にウクライナ侵攻四周年を迎えるまでに、130万人のロシア人が前線で死傷することになる。ウクライナの推計によれば、ロシア人死傷者は2ヶ月連続で採用新兵数を上回っている。

 最近のBBC調査によると、モスクワの食料品代は1ヶ月で20%以上上昇した。長年比較的影響を及ぼしていなかったウクライナにおけるプーチン大統領の終わりなき戦争は、ついに深刻な経済的打撃をもたらし、ロシアの都市部中流階級を空洞化させつつある。

 交渉を遅らせることで、ウクライナにおける自らの最大限の野望実現に近づけられるとロシアは考えている。多くの欧米諸国指導者は、この論理を誤って受け入れている。だが、統計はそれを否定しており、戦争が四年目に突入する中、ウクライナは強力な切り札を持っている。
 いずれも先月の戦略国際問題研究所による報告をおうむ返ししている。
ウクライナにおけるロシアの過酷な戦争
衰退する大国にとっての、大きな損失と、僅かな利益

 分析の主な結論はいくつかある。第一に、2022年2月以降、ロシア軍は約120万人の死傷者(死亡、負傷、行方不明)を出しており、死者は32万5000人に上る。第二次世界大戦以降のいかなる戦争でも、これほどの死傷者を出した大国は他にない。第二に、戦場でのロシア軍の前進は著しく遅い。例えば、ポクロフスク攻勢では、ロシア軍は1日平均前進速度わずか70mだった。これは第一次世界大戦中の悪名高い血みどろのソンムの戦いなど、過去一世紀で最も残忍な攻勢作戦より遅い。ロシア軍は2024年初頭以降、ウクライナ領土の1.5%未満しか獲得していない。第三に、ロシアは二流、三流経済大国になりつつある。経済は戦争の影響で歪みを見せているものの崩壊には至っていない。ロシア製造業は衰退し、消費者需要は弱まり、インフレ率は依然高止まりしており、労働力不足に直面している。経済成長率は2025年には0.6%に減速し、AIなどの主要技術においてもロシアは依然後れを取っている。第四、時価総額で測った世界のハイテク企業トップ100社中、ロシア企業はゼロだった。
 上記想定の誤りは明らかだ。
 
  • 戦争全体を通して、ロシアの損失は、120万人という数字とは程遠い。ロシアはウクライナに対する砲弾、無人機、航空・ミサイル戦力において、戦争中終始優位に立っている。ロシアの優位性を考えれば、ウクライナはロシアが主張する損失の二倍は被っているはずだ。これほど多くの死傷者が出たことを裏付けるデータは存在しない。
  •  
  • ロシアは消耗戦を展開している。従って、一日に何メートル奪われるかは全く無関係だ。重要なのは、紛争の相手側が被る全体的損失だ。
  •  
  • 他のヨーロッパ諸国と比べれば、ロシア経済は戦争のストレス下でも例外的に好調だ。
 この根拠のない分析を、オペレーションズ・リサーチの初期形態であるランチェスターのべき乗法則を、現在のウクライナ紛争に適用したワーウィック・パウエルの最近の研究と比較してみよう。  
消耗戦における軌道の推定

 本記事では、オープンソース・データから得られた主要分析結果を統合し、崩壊の線表推定に用いた手法を概説し、これら予測の根拠となる生データの範囲を示す。狙いは、正確な終末を予測することではなく(戦争で、そのような精密さは不可能だ)、既知のパラメータを用いて合理的軌跡とリズムを描く方法を示すことだ。異なる推定値を一貫した枠組みに統合することで、パターンを見極められる。すなわち緩やかな消耗が非線形的崩壊へと加速し、ウクライナの防衛の持続可能性が取り返しがつかないほど揺らぐまでの期間は、今から6~9ヶ月程度と想定される。
 ウクライナ戦争は、第一次世界大戦と同様、消耗戦だ。

 1918年春、ドイツ軍の攻撃が開始され、かつてないほど広大な土地が占領された。西部戦線でドイツ軍が敗北するとは、ほとんど誰も予想していなかった。6ヶ月後、ドイツ軍は戦力を使い果たし、敗北を認めざるを得なかった。

 何か全く予期せぬことが起こらない限り、ウクライナと支持者連中は、戦争をあと三年も継続できるまい。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/02/ukraine-is-exhausted-but-plans-for-more-years-of-war.html

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
国連人権高等弁務官事務所によると、ウクライナ戦争で、ウクライナにおいて、少なくとも1万5172人死亡、4万1378人負傷。GROK:ウクライナ側兵士の戦死者は公式で約55,000人(ゼレンスキー発言)、第三者推計では10万~14万人が主流見方。負傷者は戦死者の数倍~10倍
 デモクラシータイムス
【横田一の現場直撃 No.360】 ◆やっぱりペテン?普天間返還◆高市何する?野党どうする?◆前橋市長/一関処分場計画  1:11:24

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