Mike Whitney

2017年4月21日 (金)

問題は、北朝鮮ではなく、ワシントンだ

Mike Whitney
2017年4月17日
CounterPunch


写真 Stefan Krasowski CC BY 2.0

ワシントンは、北朝鮮に対する軽蔑を隠す努力など決してしたことがない。戦争が終わって以来、64年間、アメリカは、この共産主義国を罰し、屈辱を与え,苦痛を味あわせるため、出来る限りのあらゆることをやってきた。ワシントンは、朝鮮民主主義人民共和国を飢餓にさらし、北朝鮮政府が外国資本や市場にアクセスするのを阻止し、経済を壊滅的経済制裁で締め付け、強力なミサイル・システムや軍事基地をすぐそばに配備した。

ワシントンが、目下と見なしている北朝鮮と話し合うことを拒否しているので、交渉は不可能だ。逆にアメリカは、中国外交官を対話者として使って、ワシントンの最後通牒を出来る限り威嚇的に伝えるよう中国に無理強いしている。もちろん、平壌がアメリカ政府のいじめに屈伏し、何であれ命令通りにするのが希望だ。

しかし北朝鮮はアメリカの脅しに決して屈せず、屈する兆しも皆無だ。逆に、アメリカが、戦争を始めて、優勢を示そうとした場合に自らを防衛するため、北朝鮮はちょっとした核兵器備蓄を開発した。
北朝鮮以上に核兵器を必要としている国は世界にない。FOXやらCNNからニュースを得ている洗脳されたアメリカ人は、この点において、違う意見かも知れないが、もし敵国が、メキシコ国境で大規模軍事演習を行いながら (人々を縮みあがらせるという明白な意図で)航空母艦打撃群をカリフォルニア州海岸沖に配備すれば、アメリカ国民も違う見方をするかも知れない。敵国が実に愚劣な行為をするのを阻止する多少の核兵器を保有する価値を、彼らも理解するかも知れない。

率直になろう。金正恩が、サダムやカダフィに加わらないでいる唯一の理由は、(a)-北朝鮮が、石油資源の海の上にあるわけではなく、また(b)- 北朝鮮には、ソウルや沖縄や東京を、くすぶる瓦礫の野原におとしめる能力があるからだ。金の大量破壊兵器がなければ、平壌は、とうの昔に先制攻撃に会い、金は、カダフィ同様の運命に会っていたはずだ。核兵器は、アメリカの冒険主義に対する唯一の既知の対抗手段だ。

9-11以前の出来事の歴史が理解できないアメリカ人は、アメリカの戦争手口や、アメリカが北朝鮮に対しておこなった、身の毛もよだつほどの大虐殺や破壊を全く知らない。休戦協定調印から60年以上たっても、一体なぜ北朝鮮がいまだにアメリカを用心しているのかを明らかにするのに役立つちょっとした資料がある。下記は“Americans have forgotten what we did to North Korea 我々が北朝鮮に一体何をしたのか忘れているアメリカ人アメリカ人”と題するVox World記事からの抜粋だ。

“1950年代初期、朝鮮戦争中、アメリカは、第二次世界大戦中に、太平洋戦域全体で投下したより多くの爆弾を北朝鮮に投下した。32,000トンのナパーム弾を含むこの絨毯爆撃は、軍事標的だけでなく、意図的に一般市民を標的にすることが多く、戦争をするのに必要な程度を遥かに超えて、北朝鮮を壊滅させた。都市丸ごと破壊され、何千人もの無辜の一般市民が殺害され、遥かに多くの人々が家を失い、飢餓になった。

アメリカ人ジャーナリストのブレイン・ハーデンによれば: “三年ほどの間に、我々は住民の20パーセントを絶滅した”と、朝鮮戦争中に戦略空軍最高司令官だったカーティス・ルメイ空軍大将が、1984年に、Office of Air Force Historyに語った。この戦争を支持し、後に国務長官になったディーン・ラスクは、アメリカ合州国は“北朝鮮国内で、動くあらゆるもの、あらゆる煉瓦”を爆撃したと述べた。戦争の後半、都会の標的が不足するようになると、アメリカ爆撃機は水力発電用や灌漑用ダムを破壊し、農地を氾濫させ、作物を破壊した……

“1月3日午前10:30、82機の空飛ぶ要塞B-17の大編隊が、致死的な貨物を平壌に投下した …何百トンもの爆弾と焼夷弾が、平壌中で同時に投下され、壊滅的火事を起こし、太平洋横断の蛮族は、丸一日、間をおいて爆発する遅延作動型爆轟爆弾で平壌を爆撃し、おかげで人々は街頭に出るのが不可能になった。二日間、都市全体が燃え、火に包まれた。二日目には、7,812人の一般市民の家が焼かれた。アメリカ人は、平壌にはいかなる軍事標的も残っていないことを十分承知していた

爆弾の破片、炎や、煙による窒息で無くなった多数の平壌住民の数は計り知れない…戦争前は人口500,000人だった都市に残ったのは、約50,000の住民だった。” (“我々が北朝鮮に一体何をしたのか忘れているアメリカ人”、Vox World)

アメリカの国家安全保障にとって何の脅威でもない国で、アメリカ合州国は200万人以上殺りくしたのだ。ベトナム同様、朝鮮戦争は、退屈になったり、新兵器システムをどこか遠く離れた場所で試してみることが必要になったりした際、アメリカが時折行う力の誇示行為の一つにすぎなかった。朝鮮半島を侵略しても、アメリカは何も得るものはなく、戦争は、過去に我々が何度も目にしてきたような帝国主義の行き過ぎと、純粋な悪の組み合わせだった。Asia-Pacific Journalによれば:

“1952年の秋までに、アメリカ爆撃機が攻撃する効果的標的は無くなってしまった。北朝鮮のあらゆる重要な町や都市や工業地帯は既に爆撃されていた。1953年春、北朝鮮の米の収穫を破壊し、更なる食料援助を北朝鮮に供給しなければならない中国に圧力をかけるため、空軍は鴨緑江の灌漑用ダムを標的にした。五つの貯水池が爆撃され、何千エーカーもの農地が氾濫し、町村が浸水し、何百万人もの北朝鮮人にとって必要不可欠な食糧源を駄目になった。10 中国、ソ連や他の社会主義諸国の緊急支援だけが広範な飢餓を防いだ。” (“The Destruction and Reconstruction of North Korea、1950年 - 1960年”、The Asia-Pacific Journal、Japan Focus)

繰り返そう。“貯水池、灌漑用ダム、米の収穫、 水力発電用ダム、人口集中地域”あらゆるものがナパーム弾攻撃され、あらゆるものが絨毯爆撃され、あらゆるものが徹底的に破壊された。対象にならないものは無かった。動くものは銃撃された、動かないものは爆撃された。アメリカは勝利することができなかったので、アメリカは北朝鮮を居住不能な荒れ地に変えたのだ。“彼らを飢えさせよ。彼らを凍えさせよ。生存のため、彼らには雑草や根や小動物を喰らわせよ。連中を排水溝で眠らせ、瓦礫に避難させよ。何をかまうことがあろう? 我々は地上で最も偉大な国だ。アメリカに神の恵みあれ”

これがワシントンのやり方で、一世紀以上昔、ウンデド・ニーで、第7騎兵隊が、150人の男性、女性と子供たちを殲滅して以来変わっていないのだ。パイン・リッジ居留地のラコタ・スー族は、北朝鮮人や、ベトナム人や、ニカラグア人やイラク人など、など、などなどと基本的に同じ扱いを受けたのだ。誰であれ、アメリカ政府の邪魔をするものは、苦痛の世界に行き着くことになる。それだけのことだ。

北朝鮮に対するアメリカ戦争の凶暴性は、北朝鮮の人々の心にぬぐい去れない傷を残したのだ。北朝鮮としては、いかなる犠牲を払おうとも、同様なシナリオが将来おこることが許せないのだ。いかなる犠牲を払おうとも、彼らは自らを守る用意ができていなければならないのだ。もし、それが核なら、それなのだ。自衛が最優先課題なのだ。

平壌とワシントン間のこの無意味な膠着を終わらせる方法、関係を修復し信頼を構築する方法はあるのだろうか?

もちろんある。アメリカは、朝鮮民主主義人民共和国に敬意をもって対応し、約束を実行する必要があるのだ。一体どんな約束だろう?

核兵器開発計画停止と引き換えに、国民に熱と電気を供給すべく、北朝鮮に二基の軽水原子炉を建設する約束だ。マスコミは、ペンタゴンのプロパガンダ部門に過ぎないので、皆様がこういうことを、マスコミで見聞きされることはない。マスコミは平和的解決の推進には興味がないのだ。連中のおはこは戦争、戦争、更なる戦争だ。

北朝鮮は、アメリカが1994年米朝枠組み合意下での義務を履行することを望んでいるのだ。それだけのことだ。いまいましい取り引きでの、自分の責任をきちんとはたすことだ。それが一体どれほど困難なのだろう? ジミー・カーターが、ワシントン・ポスト論説(2010年11月24日)でこう要約している。

“…2005年9月、合意は … 1994年合意(米朝枠組み合意)の基本事項を再確認した。合意文章には、朝鮮半島の非核化、アメリカ合州国による不可侵の誓い、1953年7月以来有効なアメリカ-北朝鮮-中国休戦を置き換える恒久的和平協定を漸進的に作り出す措置が含まれている。不幸にして、2005年以来、実質的進展は皆無だ。

“去る7月、アメリカ人、アイジャロン・ゴメス釈放に立ち会うため、訪問が、北朝鮮幹部との実質的協議をするに十分な期間であるという条件で、平壌を再訪するよう招待された。2005年9月に六大国が採択した1994年の合意と条件に基づいて、非核化された朝鮮半島と、永久停戦を実現する彼らの希望を彼らは詳細に説明した。

“北朝鮮当局は、他の最近のアメリカ人訪問者たちにも同じメッセージを伝え、核専門家によるウラン濃縮の先進的施設訪問も認めた。ウラン濃縮は - 極めて緩慢なプロセスで -  1994年の合意では対象になっていなかったにせよ、同じ高官たちが、この遠心分離機も、アメリカ合州国との議論で‘議題’になろうと私に明言した

アメリカ合州国との直接対話時には、核開発計画を停止し、全てを国際原子力機関による査察対象にする協定を結び、1953年の‘一時’休戦に置き換わる恒久平和条約を締結する用意があるという首尾一貫したメッセージを平壌は送り続けてきた。この申し出に応じることを我々は検討すべきだ。北朝鮮にとっての不幸な代案は、彼らが最も恐れている、アメリカ合州国が支援する軍事攻撃と、政権転覆の取り組みから、自らを守るために必要だと考えるあらゆる行動をとることだ。

(“アメリカに対する北朝鮮の首尾一貫したメッセージ”、ジミー・カーター大統領、ワシントン・ポスト)

大半の人々が問題は北朝鮮側にあると考えているが、そうではない。問題はアメリカ合州国にある。交渉して、戦争を終結させるのを嫌がっていること、北朝鮮に基本的な安全を保障するのを嫌がっていること、ワシントン自身の頑固な無知のおかげで、現在、アメリカの都市を攻撃できるような長距離弾道ミサイルを開発している人々と話し合うことさえ嫌がっていることだ。

何と愚かなことか?

トランプ・チームは、63年間失敗してきた、アメリカ国民を直接危険に曝して、アメリカ国家安全保障を損なうことが明らかな政策に固執している。一体何のために?

“タフガイ”というイメージを維持し、人々にアメリカは弱小諸国とは交渉しないと確信させ、世界中に“アメリカの言い分ならなんでも通る”ことを示すためだろうか? そういうことなのだろうか? イメージの方が、ありうる核戦争の大惨事より重要なのだろうか?

北朝鮮との関係は正常化が可能であり、経済的なつながりは強化が可能であり、信頼は回復が可能で、核の脅威は和らげることが可能だ。北朝鮮との関係が危機である必要はなく、修復は可能だ。必要なのは、政策変更と、いささかの互譲と、戦争より平和を心から願う指導者たちだけだ。

MIKE WHITNEYはワシントン州在住。彼は、Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion (AK Press)への寄稿者。Hopelessには、キンドル版もある。fergiewhitney@msn.comで彼と連絡できる。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2017/04/17/the-problem-is-washington-not-north-korea/
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「元本100%保証、利息25%」という話に大金を投資する方々に驚く。
大本営広報部呆導番組、見なければよいのに、こうした翻訳をしながら、つい眺める。そして、画面を見ながら怒鳴っている。指導者様の正確な生年、どうでもよいだろう。共謀罪や経済対話でぼろぼろになってゆく自国を放置し、人のあらを探して何が楽しいのか。

カール・ビンソンはインド洋にいた!? それでも予断を許さない朝鮮半島情勢 「金正恩よりトランプ大統領の方が危ない」――岩上安身が軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏にインタビュー! 2017.4.19

『私の闇の奥』の最新寄稿記事も北朝鮮が話題。

シリアと北朝鮮-ウソから始まる戦争、ウソが煽る戦争-(3)

2016年2月29日 (月)

皆が思っているよりもありそうなアンカラ政権転覆

Mike Whitney
CounterPunch
2016年2月24日

金曜日、アメリカ合州国はトルコのシリア侵略を防ぐことを狙ったロシア決議案を拒否した。モスクワは、トルコが支援している戦士を保護し、クルド民兵のYPGが、北シリアに、連続した国家を設立するのを阻止すべく、南部国境に集結させた数千人の地上部隊と装甲車のシリア国内への配備を計画しているトルコに対する懸念の増大に対処すべく、国連全保障理事会緊急会議を呼びかけた。モスクワによる一枚の決議案は、既に250,000人の命を奪い、シリアを荒廃させた紛争の大規模エスカレーションを防ぐことを狙った徹頭徹尾明確な文書だった。

ロシアのウラジーミル・サフローノフ次席国連大使によれば、“このロシア決議草案の主な要素は、全ての関係者に対する、シリア内政への干渉を慎み、シリアの主権と独立を全面的に尊重し、侵略を止め、地上作戦計画を放棄するという要求だ。”

決議は、モスクワの“外国のシリア・アラブ共和国の領土への地上介入開始を狙った軍事増強と準備活動の報告に対する重大な懸念”も表していた。

決議には何ら物議を醸すようなものはなく、小細工も、隠された意味もない。代表団は単に、シリアの主権を支持し、武力侵略に反対するよう求められただけだ。これらは国連かそれに依拠して作られた原則そのものだ。こうした原則が、シリアにおけるワシントンの地政学的野望と合致していないため、アメリカと、その同盟諸国は拒否したのだ。

決議を潰したことで、ワシントンがシリアの平和を望んではいないことが明白になっている。また、アメリカが依然勝利すると決めている紛争の結果を決める上で、トルコ地上部隊が重要な役割を演じ得ると、オバマ政権が考えていることも示唆している。もし決議が成立していれば、トルコ侵略の脅威は即座に消滅していただろうことに留意願いたい。

なぜか?

トルコ“軍は、国連安全保障理事会の承認無しに、国境を越えて派兵したくはないと公に述べているためだ。”(ワシントン・ポスト)

欧米の多くの人々は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は独裁的な権力を持っていて、いつでも好きな時に、軍隊に戦争しろと命じることができると思い違いをしている。だがそれは事実ではない。エルドアンは軍部内の多くのライバルを排除したが、軍幹部はいまでも文民統制から一定の独立を維持している。トルコの将軍たちは自分たちが、将来、戦争犯罪で訴追されない保証を欲しがっている。それをするための最善の方法は、あらゆる侵略が、アメリカか、NATOか国連のいずれかの許可を必ず得るようにすることだ。

オバマ政権が、この力学を理解していることこそ、彼らが決議を潰した理由だ。ワシントンが継続中の代理戦争で、最終的に、トルコ軍が、ロシアが率いる連合軍と紛争する可能性を、オバマは残しておきたかったのだ。そこで私は、シリアにおける、ワシントンの主な狙いは、もはやシリアのバッシャール・アル・アサド大統領排除ではなく、ロシアを終わりなき紛争に陥らせることのように思えてきた。

国連で、アメリカがモスクワの決議案を潰してからわずか数時間後、非公開会談がジュネーブで開催され、アメリカとロシアの軍高官が会い、停戦の見込みについて話し合った。

通常“敵対行為の停止”と表現される停戦は、打ちのめされた聖戦士やアメリカが支援する反政府派連中が再編成し、後日、戦争に参戦することができるようにすべく、一時的に戦闘を停止することを狙ったものだ。将来の政府におけるアサドの役割を巡っては、双方がひどくかけ離れているものの、モスクワもワシントンも、シリア中の戦火で荒廃した都市への人道的支援を行い、“政治的移行”に進みたいと考えている。ワシントン・ポストによればこうだ。

    克服すべき多くの問題の一つは、テロ集団とは一体何かという定義の違いだ。「イスラム国」と、シリア国内のアルカイダ支部であるヌスラ戦線に加え、ロシアとシリアは、全ての反政府派に、テロリストというレッテルを貼っている。

    その部隊がトルコ国境近くの北西部で、穏健な反政府派集団と混じり合っているヌスラ戦線が特に問題だ。ロシアは、集団の分類が終わるまで、停戦の一環として、少なくとも一時的に、ヌスラ戦線(アルカイダ)を、爆撃禁止の対象にしておくというアメリカ提案を拒否したと言われている。 (“行動なしに期限が過ぎる中、アメリカ、ロシア、シリア停戦交渉を行う“、ワシントン・ポスト)

繰り返す: “ロシアは、集団の分類が終わるまで、停戦の一環として、少なくとも一時的に、ヌスラ戦線(アルカイダ)を、爆撃禁止の対象にしておくというアメリカ提案を拒否したと言われている。”言い換えれば、オバマ政権は、9-11テロ攻撃で、3,000人のアメリカ人を殺害し、唯一の過ちと言えば、これらワッハーブ派傭兵がイスラム・カリフ国へと変えたがっている国にたまたま暮らしていただけの何万人もの無辜のシリア民間人の死に関与した集団の分派を保護したがっているのだ。当然モスクワは、この茶番に協力するのを拒否した。

たとえそうであれ、日曜日、ジョン・F・ケリー国務長官は、彼とロシア側の相手役セルゲイ・ラブロフが、 “停戦が一体どのように施行されるのか、違反がどのようにして解決されるのかは誰にも分からないものの”、シリア内戦の“一時休戦で‘原則的に暫定的合意’に達し、数日中に開始し得る”と発表した。

オバマが国連でロシア決議案を拒否し、わずか数字間後に、アメリカ-ロシアが調停した停戦で、アルカイダを庇護しようとしていることが一体どれほど偽善的かお考え願いたい。アメリカのいわゆる“対テロ戦争”に関し、これは一体何を意味しているだろう?

一方、トルコでは、先週の28人が死亡し、61人が負傷したアンカラでの自動車爆発以降、シリアを侵略するというエルドアンの脅しが激しくなった。トルコ政府は、シリア国内のトルコ民兵(YPG)とつながっている若い活動家、サリフ・ネッジャルが実行犯だとした。爆発から24時間もしないうちに、政府版説明は崩壊し始めた。欧米マスコミが滅多に報じない話で、ウェブサイトでの声明によれば、クルド自由の鷹(TAK)が爆撃を行ったと声明をだしている。(クルド自由の鷹は非合法化されているクルド労働者党、PKKとつながっている) 更に月曜日、エルドアン政権は一層不利なニュースに見舞われた。DNAサンプルが、実行犯はネッジャルではなく、当初から自らの関与を主張していた、このグループ(TAK)メンバーのアブドゥルバキ・セメルであることを決定的に実証したのだ。この文章を書いている時点で、政府は、戦争を推進するための主張を強化すべく、国民にウソをついたことを認めていない。エルドアンと彼の過激派仲間は、徹底的に信ぴょう性を失った情報を、シリアを侵略すると脅すために使い続けている。土曜日、ガジアンテプでのUNESCO会議で彼はこう述べた。

    トルコは、トルコが直面するものとの戦いに関して、シリアや、テロ組織が巣くう場所で作戦を行うあらゆる権利を有している…トルコを標的にするテロ行為に直面したトルコの自衛権は何人たりとも制限できない。

これが、一体なぜトルコが、先週シリア領土に砲撃したのかの理由説明だ。一体なぜエルドアンが、スンナ派聖戦士が、トルコを自由に横断し、シリア軍に対する勝利の可能性を向上させる地域の交戦地帯に再入国するのを認めているのかという理由説明でもある。ニューヨーク・タイムズの下記記事をお読み願いたい。

    先週、シリア反政府派は、アレッポの北で、クルドが率いる民兵に対する戦闘にてこ入れすべく、トルコ経由で、少なくとも2,000人の増援部隊を送ったと、木曜日、反政府派筋は述べた。

    トルコ軍は、数日にわたり、ある戦線から別の戦線への移動を手助けし、シリアのイドリブ州を、反政府派が出るのを密かに護衛し、四時間トルコ内を移動し、包囲されたアザズの反政府派拠点を支援すべくシリアに再入国したと情報筋は述べた。

    “軽火器から重火器、迫撃砲やミサイルや戦車に至るあらゆるものの移動を我々は認められている”バブ・アル-サラム国境検問所を支配している反政府集団、レバント戦線の司令官、アブ・イッサは、偽名で匿名を条件にロイターに語った。 (“増援部隊はトルコ国内の自由通行を認められているとシリア反政府派は語る“ニューヨーク・タイムズ)

エルドアンが紛争を煽っているのを、オバマ政権は知っているが、見て見ぬふりをすることを選んだのだ。そして、オバマはシリア領土への砲撃に対してはトルコを(弱々しく)戒め、同時に、イスラエルがヨルダン川西岸やガザで残虐な大暴れをした際、アメリカがイスラエルに対して使った表現であるトルコの“自衛権”を認めている。今や、オバマはエルドアンにも同じ名誉を与えたのだ。これだけでも、ワシントンのやり口の二枚舌を十分に物語っている。

シリアでのワシントンの戦略は一体何だろう? 政権はISISを本気で打ち破り、紛争を終わらせようとしているのだろうか、それともオバマは何かたくらんでいるのだろうか?

そもそも、ワシントンは、ISISについては全く何の懸念もしていない。この集団は、アメリカの国益にとって極めて重要な地域で、アメリカが軍事作戦を遂行することを可能にするための単なる案山子に過ぎない。もし子どもだましのISISが明日消滅すれば、連中の略奪行為が途切れることなく続けられるように、麻薬戦争のような何か他のお化けか、何か同じくらいとんでもないものを、ホワイト・ハウスはひねり出すだろう。ワシントンにとって重要なのは、アメリカ-イスラエルの野望にとって長期的脅威となる強力で非宗教的なアラブ政府を崩壊させることだ。それが一番肝心なのだ。他の明白な目標は、決定的に重要な資源と、EUへのパイプライン回廊を支配し、これらの資源が米ドル建てで取り引きされ続けるようにすることだ。

アメリカ-クルド (YPG)同盟は、実際、シリアにおけるアメリカの戦略的権益には裨益しないと我々は考え続けている。アメリカは、クルド人国家には興味皆無で、聖戦戦士が、シリア国境地域の北部分を支配してもかまわないのだ。アメリカ-YPG同盟の本当の狙いは、トルコを怒らせ、国境を越えた、ロシア率いる連合との紛争をするよう挑発することだ。もしトルコが地上部隊をシリアに配備すれば、モスクワは、何とかして避けようとしている泥沼と直面させられかねない。トルコ軍は、過去五年間戦争を遂行してきたが、今や総退却しつつあるように見える、アメリカが支援する聖戦士や他の代理部隊の代替軍として機能しよう。

より重要なのは、トルコによる侵略がトルコ国内の分裂を悪化させ、エルドアンの権力掌握を酷く損ない、アメリカがトルコ軍と諜報機関(MIT)内のアメリカ工作員と協力して、つけこむことができるような脆弱性を作り出すことだ。究極的な狙いは、十分な社会不安を醸成し、カラー革命を誘発し、CIAがキエフで実行したものとよく似たワシントンが画策するクーデターで、もめ事を起こしてばかりいるエルドアンを打倒することだろう。

オバマが、エルドアンに密かに許可を与えておいて、彼の軍隊がシリアに進入するやいなや、突然足をすくったと想像するのは困難ではない。1990年に、アメリカ駐イラク大使、エイプリル・グラスピーが、サダム・フセインに、クウェート侵略を認め、似たような詐欺が行われた。イラク軍がようやく目的地にたどり着こうというところで、アメリカは大規模軍事作戦(砂漠の嵐作戦)をしかけ、サダムに、悪名高い死のハイウェイ沿いに素早い撤退を強い、アメリカの火力による悪意ある見せしめ殺人の格好の標的として、10,000人以上のイラク正規軍兵士が全滅させられた。あれは、サダムを打倒し、彼を従順なアラブ人傀儡と置き換えるワシントン計画の第一段階だった。

同じ政権転覆の罠が、今エルドアンにしかけられているのだろうか?

確かに、そのように見える。

Mike Whitneyは、ワシントン州在住。彼は Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion(『絶望: バラク・オバマと、幻想の政治』)(AK Press刊)にも寄稿している。同書は、Kindle版も入手可能。fergiewhitney@msn.comで連絡ができる。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2016/02/24/regime-change-in-ankara-more-likely-than-you-think/
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バラエティー茶番洗脳番組、面白おかしくアメリカ大統領選を語っている。あるいは北朝鮮批判。この国の「マスコミ」、傀儡氏の言う通り決して体制批判で萎縮などしていない。立派なものだ。宗主国と自国の敵の批判である限り。

この記事、決して人ごとではない。おかしな権力者が権力を失うのは、その国の国民の力で、非暴力で行われてこそ意味がある。ならず者国家が自由裁量で武力介入してろくな結果が出たためしがない。

我々が暮らす放射能汚染不沈空母警察国家についても連想する。東と西の鉄砲玉国家。

つまり記事を読んで思い出したのは元沖縄県宜野湾市長伊波洋一氏のお話。

2015/12/21 「中国のミサイル1400発で日本は一度壊滅させられ、中国に花を持たせて戦争を集結させる。それが米国の戦略」〜岩上安身による伊波洋一・元沖縄県宜野湾市長インタビュー

それとぴったり辻褄が合う最近の纐纈厚教授講演もある。

2016/02/28 【京都】AWC第四回国際総会講演「日米軍事同盟の新段階、変貌する日本」 ―講師 纐纈厚・山口大学副学長(動画)

2015年8月17日 (月)

プーチンは、アサドを売り渡そうと計画しているのだろうか?

Mike Whitney

2015年8月15日
" Counterpunch"

シリアにおける、モスクワの地政学的目標は、ワシントンの目標と正反対だ。この単純な事実を把握することが、戦争で荒廃した国で、実際に起きていることについてはっきり理解する為の最も容易な方法だ。

ワシントンが望んでいることは、“シリアの脱構築: 最も絶望的なアメリカの戦争用の新戦略”と題するブルッキングス研究所のマイケル・E・オハンロンによる論文で、詳細に説明されている。以下は、その抜粋だ。

“…唯一、現実的な今後の方向は、実際は、シリアを脱構築する計画かも知れない…。時間とともに、シリア国内に、より存続可能な安全保障と統治がある小さな地域を作り出す様、国際社会は動くべきだ…

こうした聖域を設置すれば、自治区は、決して再び、アサドや、ISILに支配されるような可能性に直面する必要が無くなるだろう…。

暫定的目標は、いくつかの極めて自治的な区域の連合シリアかも知れない… 連合は、国際平和部隊による支持を必要とする可能性が高い…。これらの区域を、防衛可能で、統治可能…にする為。自治区は、アサドや、後継者による支配に逆戻りすることは決してないことをはっきり理解することで、解放されるだろう。”

(“シリアの脱構築: 最も絶望的なアメリカの戦争用の新戦略“、ブルッキングス研究所、マイケル・E・オハンロン)

ISISと、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領を当面忘れ、“自治区”、“聖域の創設”、“安全地帯”や“連合シリア”等の用語に注目してみよう。

こうしたもの全てが、シリアを、アメリカ-イスラエルの地域覇権に対して脅威にならない、より小さな区画に分けるという、アメリカ政策の主要目的を強く示唆している。かいつまんで言えば、これがアメリカの戦略だ。

対照的に、ロシアは、分割されたシリアを望んではいない。モスクワとダマスカスは、長年の同盟国であるという事実はさなおいて(しかも、ロシアは、シリアのタルトゥースに極めて重要な海軍施設を保有している)、シリアを小国分裂することは、ロシアにとって深刻な脅威となるが、その中でも、特に重要なものは、テロリストを中央アジア全体に配備する作戦用の、聖戦戦士基地が出現し、両大陸を、リスボンから、ウラジオストックに到る巨大な自由貿易圏へと統合しようというモスクワの大構想を台無しにすることだろう。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、テロの脅威を極めて深刻に受け止めているが、それこそが、何故彼が、戦闘を終わらせ、シリアの安全保障を再度確立するための交渉に、サウジアラビア、トルコ、イラク、シリア、イラン、クルドや、シリア反政府集団の指導者達を参加させようとし、昼夜兼行で、働いているかという理由だ。主に、プーチンを、世界中の他の指導者達の間で尊敬される仲裁役で、テロの広がりを止めるべくあらゆる努力を払っている人物に見せてしまうという理由から、欧米マスコミで、こうした極めて重要な交渉について、事実上の報道管制が行われていることは注目に値する。プーチンを新たなヒトラーとして描き出しているマスコミとは明らかに一致しない為、連中はこうした会談を報道から排除してきたのだ。

アメリカとロシアとの違いは相いれないものだ。ワシントンは、国民国家体制を終わらせ、新たな世界秩序を作りたがっているが、プーチンは、国家主権、自決と、多極を保持すべく、現在の体制を維持したがっている。これがロシアとアメリカ間の対決の基盤だ。プーチンは、一極世界支配を否定しており、アメリカのしつこい介入、操作や、武力侵略に対抗することができる連合を構築する為、できる限り迅速に動いている。これは決して簡単なことではなく、膨大な思慮が必要だ。プーチンは、いたる所で、アメリカ・ゴリアテと対決する為の必要な手段を持ち合わせてはいないので、戦闘を入念に選び、大半、身を潜めて活動せざるを得ず、それを彼は実践しているわけだ。

過去数カ月の間、プーチンは、シリアのドラマにおける主役全員と会談を開催し、危機解決の上で、かなり前進した。現在、主な行き詰まりの原因は、アサドが大統領として残るのか、それとも、サウジアラビア、トルコやアメリカが要求している様に、排除されるのかだ。プーチンは、多くの理由から、この結果に抵抗している。第一に、信頼できるパートナーとしての彼の評判を酷く傷つけることになるので、彼は、同盟者を裏切っている様に見なされてはならないのだ。第二に、彼としては、国際法を回避し、最終的には、将来のクーデターで、彼に対して利用されかねない“政権転覆”ドクトリンに従うわけには行かないのだ。外国の指導者達が、一体誰が“正統な”指導者で、誰がそうでないか選別することを認めるのは、リビア、イラク、アフガニスタンや、今のイエメンで明らかの通り、災厄の処方箋だ。最後に、プーチンは、これだけの規模の大問題でワシントンに楽勝を許すわけには行かないのだ。結局、アサドは権力の座を去ることになるだろうが。

すると、水面下では、一体何がおきているのだろう?

6月に、プーチンは、サウジアラビア国防大臣ムハンマド・ビン・サルマン王子と、サンクトペテルブルクで会談し、“地域におけるテロと戦う同盟を設置する為の国際的な法的枠組み”に関する作業を始めた。それから間もなく、彼は、反政府集団のトップや、サウジアラビア、トルコ、シリア、イラクとイランの高官達と会っている。目標は、2012年6月30日に批准されたいわゆるジュネーブ・コミュニケを実施することだった。要するに、ジュネーブ・コミュニケは以下を規定している。

政府と反政府派、相互の同意の下で形成されるべき、双方のメンバーを含めた、完全な行政権を持った暫定管理機関の設置

意味のある国民的対話プロセスへの、シリア社会のあらゆる集団の参加

憲法秩序と、法制度の見直し

設立された新たな制度や公職の為の自由で公正な複数政党選挙

お分かりの通り、ジュネーブ・コミュニケは、中心的課題を解決していない。つまり“アサドが留まるか、去るか”だ。この疑問は、明確に答えられてはいない。これは、もっぱら“暫定管理機関”の構成と、将来の選挙結果に依存している。

明らかに、これがプーチンが望んでいる結果だ。ラブロフが二日前この様に要約している。

“私は以前にも言っているが、ロシアとサウジアラビアは、2012年6月30日、ジュネーブ・コミュニケの全ての原則、特に、シリア軍を含む政府機関を維持する必要性を支持している。テロリストに対する効果的な戦いへの参加が、極めて重要だと私は考える。

既に申しあげた通り、危機の解決については、我々は同様な立場にあるが、意見の相違もあり、その一つは、シリア大統領バシャル・アル-アサドの運命についてだ。移行期間と政治改革の諸要因を含めて、和解のあらゆる問題は、シリア国民自身によって解決されるべきだと我々は考えている。ジュネーブ・コミュニケは、これらの問題は、政府と、あらゆる反政府勢力との間の合意によって解決されるべきだとしている。”

この声明で、プーチンが本当に望んでいるものがわかる。彼は、イラク風悪夢シナリオの再演を避ける為“シリア軍を含む政府機関を維持する”ことを望んでいる。(注: ブレマーが軍を解体した後、イラクで何が起きたか想起されたい。) もう一つの破綻した、小国に分割された、最終的には、モスクワのドアを叩くことになるだろうテロリストの温床として機能する悪の巣窟をもたらす様な力の真空状態を生み出すことを、彼は決して望んでいない。彼はそのようなものを決して望んでいない。これはロシアの目的ではなく、ワシントンの目的に役立つだけだ。

また“暫定管理機関”と“自由で公正な複数政党選挙”という考えは、アサドを犠牲にしていると見られることなしに、アサドから身を引く道をプーチンに与えている。

恐らく、これを批判して、プーチンは“友人・同盟者を売り渡している”というむきもあるだろうが、それは必ずしも正しくない。彼は、二つの相反する物事を同時に調和させようとしているのだ。彼は、同盟者に対する彼の誓約を守ると同時に、彼が戦闘を終わらせるのを支援することに彼等が同意する様に、サウジアラビアの要求を受け入れようとしているのだ。確かに多少は日和見の要素もあるが、彼に他にどのような選択肢があるだろう? 実際問題としては、彼が取り引きを素早くまとめられるか、絶好の機会がバタンと閉じるにまかせるかだ。

何故だろう?

ワシントンは、そういう合意を望んでいないからだ。ワシントンは戦争を望んでいる。もし調停者プーチンが勝利すれば、ワシントンは、シリアを分裂させ、中東の地図を書き換えるという狙いを実現できなくなる。このように表現しよう。もしプーチンが、サウジアラビアを参画させられれば、聖戦戦士集団に対する財政支援のかなりの部分が干上がり、イラクと、クルド軍の支援を得て、シリア軍は戦場で大いに成功を収め、ISISは撃滅されるだろう。

これは、一体どのようにワシントンの権益に役立つだろう?

役にはたたない。たとえ、アサドが排除されても、(ジュネーブ)プロセスは、次の大統領が、抜擢されたアメリカ傀儡ではなく、シリア国民の大多数に支持される誰かにする仕組みになっている。言うまでもなく、ワシントンはそういう考えを好まない。

この計画で唯一の問題は、プーチンが極めて素早く動かなければならないことだ。アメリカは、トルコのインジルリク空軍基地から無人機攻撃と空襲を開始する許可を、既にアンカラから得ており、つまり今後、数週、数カ月間、戦闘は激化することを意味している。トルコの強硬派レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領も、シリア北部の主権領土を盗み取り、そこを“安全地帯”と宣言する為の隠れ蓑として、アメリカによる空爆を利用している様に見える。8月11日、インターナショナル・ビジネス・タイムズIBTimes記事の抜粋をお読み願いたい。

“月曜日午後、シリア国内に「イスラム国」集団のいない“安全地帯”を作るというアメリカ-トルコ共同構想の第一段階を開始すべく、トルクメン人戦士の集団が、シリアのアザズに到着したと、北シリアで戦っている二人の兵士が、インターナショナル・ビジネス・タイムズに、スカイプで語った。戦士を載せた戦車が、南トルコから、国境のバブ・アル-サラムを経て、シリアの町アザズにはいり、ISIS、あるいは、ISILとしても知られている「イスラム国」過激派集団による攻撃の波を、マレアの町で開始し、アルカイダ過激派集団アル・ヌスラ戦線を撤退させた。

“最初、誰もが、戦車はトルコ人兵士で満員だと思ったが、トルクメン人だった。” と、反政府派戦士の一人は語った。

火曜日、IBTimesがインタビューした兵士達は、トルコ国内で訓練された、シリア国内最大の穏健派-反政府連合の一つのメンバーだ。彼等は戦闘中なので、匿名を条件に語った。シリア国内で、反政府集団の同盟関係が変化するので、もし公式に正体を明かせば、報復を受けかねないと懸念しているのだ。兵士達の一人、ある司令官は、最近、首都アンカラで、シリア北部に安全地帯を作り出すことに関するトルコ・アメリカ計画にかかわる会談にトルコ政府との参加した。” (“トルコ、アメリカ、シリアISIS禁止安全地帯: トルクメン人旅団がシリアに入り込み、アル・ヌスラ戦線は出て行っていると、兵士は語る“、IBT)

そこで、トルコによって、武器を与えられ、訓練された兵士を満載したトルコ戦車が、国境を越え、シリアに入り、彼等が、おそらくはアレッポを含む領土を片付け、占領するものと期待されているわけだ。

これは、私には侵略の様に聞こえる。読者にとってはどうだろう?

結論: もしプーチンが、ワシントンが、シリアを分裂させ、テロリストの温床に変えるのを防ぎたいのなら、素早く動く必要がある。サウジアラビアを参画させ、流血の惨事を終わらせ、ジュネーブ・コミュニケを実施することだ。

これは容易なことではないが、彼は正しい軌道に乗っている様に思える。

Mike Whitneyは、ワシントン州在住。彼は Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion(『絶望: バラク・オバマと、幻想の政治』)(AK Press刊)にも寄稿している。同書は、Kindle版も入手可能。fergiewhitney@msn.comで連絡ができる。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2015/08/14/is-putin-planning-to-sell-out-assad/

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翻訳を終えて、Paul Craig Roberts氏のサイトを再確認したところ、ゲスト・コラムとして、まさにこの記事が興味深いものとして紹介されていた。全く同感。

RTを読んでいると、大統領とサウジアラビア国防大臣との会談だけでなく、シリア問題関係者とのラブロフ外相の会談の記事が目立つ。一体どういうことなのか、まさにタイトルの様な疑問をもち始めていた。

国立競技場デザイン、チャラになっても揉めている。ロゴ・デザインは訴訟問題化、デザイナー別作品は盗作発覚。戦争法案、川内原発再稼動と桜島噴火予想、泣きっ面に蜂状態。

一度苦情を書いた国会議事堂周辺の警備過剰、東京新聞8月6日 こちら特報部で大きな記事が載った。大いに納得。官邸前見守り弁護団の方々も、国会周辺の抗議活動に対する警察の過剰警備に抗議する申入書を提出されたという。「抗議参加者に対するビデオ・写真による撮影は肖像権・人格権の侵害である」という。悪いことをしているつもりは皆無だが、あの撮影は実に気になる。経験上、警察の腕章をつけた人物が、参加者を堂々と撮影している。

とんでも談話も、支持率を更に低下させているという記事をみかける。
宗主国用・大企業用政策が基本である以上、支持率回復用サプライズ策、実施しがたいだろう。
時間がたてばたつほど、宗主国・大企業用政策しか考えない政党であることがバレルだけ。戦争法案に対案を出す自称野党という偽装レッテル別動隊も実態がバレるだろう。

「平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム」なるものの設立が報道された。
詳細を知りたくて検索ツールで見たが、そういう組織のウェブもブログも見あらたない。
今どき、ブログも、ウェブもなしで、運動が拡大するのだろうか。
いや、こうした方々の言論を喜ぶ方々、比較的ご年配で、ネットと無縁ということを分析しておられる上での結果の可能性も高い。彼等に抜かりあるはずがない。
前列にいた方々の名前を並べ入力すると、国家基本問題研究所というものに行き当たった。

「平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム」あるいは国家基本問題研究所、メンバーの方々、大半重複しているように見える。恐縮ながら、基本的にこういう皆様の本を拝読したことも、講演を拝聴したこともないのだが、見覚えのあるお顔の方が一人おられた。
最近たまたま参加した立派な施設での講師として、話を拝聴したのだった。
始めて講演を拝聴するので、偶然持っていた携帯パソコンで、内容を入力するつもりだった。中国との領土問題やら珊瑚泥棒やらの方向に進むので、我慢してその場に、じっと留まったものの一言も入力しなかった。講演名さえ忘れ、内容もほとんど覚えていない。
有名大企業主宰だったが、実に困った講演。出身母体を見れば講演内容見当がつく。
知人に誘われ出かけたもので、実は「講演」題名も内容も全く知らなかった。
それでも長時間、我慢してじっと座っていたのには、個人的にれっきとした理由がある。
講演後の立食パーティーで、食事を頂き、お酒を飲むのが目的だった。それで誘われたのだ。講演で我慢した分、十分無銭飲食させていただいた。飲食内容に全く不満はない。

講師の方、電気洗脳箱パラエテイ番組解説に良く登場されているのに気がついた。

憲法擁護派団体が講演を企画すると、役所が共催を降りたり、場所を貸さなかったりするようだが、大企業がスポンサーについたこうした洗脳工作、やりたい放題では、世論の方向、庶民にとって、好ましい方向に行くはずがないだろう。

もしも再度さそわれたら、是非とも立食パーティーのみ参加させていただこうと思う。

2015年8月 4日 (火)

権力狂エルドアン、トルコ最高指導者となる企みで、戦争開始

Mike Whitney

2015年7月31日
"Counterpunch"

トルコ大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンは、先月の選挙で、トルコ最高指導者になる企てに失敗した。そこで、彼は、トルコを戦争に引きずりこんで、自分の人気をあげ、11月の選挙で楽勝する可能性を高めようとしている。

一日前に推計100人のクルド人を殺害した後、木曜早く、トルコの爆撃機が、北イラクにあるクルド拠点に猛攻撃を加え続けた。十分な議席を獲得し損ねた後、エルドアンは、議会憲法を改訂する為、クルド民兵との和平協定を破り、最近の攻撃を行った。野心的なエルドアンには、大統領に無限の行政権を与え、エルドアンを事実上のトルコ皇帝にするよう憲法を劇的に変える為に、330人の議員が必要だ。彼の計画は、未曾有の13パーセントもの得票を勝ち取った、親クルド派の国民民主主義党(HDP)に妨害された。HDPは、トルコ帝国の皇帝になるというエルドアンの夢の実現を断固阻止するつもりだ。現在のシリアとイラクのクルド人に対する戦争は、今年の秋にも行われる可能性がある選挙で、エルドアンを“首位に立たせる”為に民族主義感情をかき立てることを狙ったものだ。

ハフィントン・ポストには更にこういう記事がある。

“先月、彼の党が与党の多数派を失って間もなく、エルドアン大統領は、トルコの安全保障に脅威である、危険なテロリストが、隣国シリアにいることに気がついた … シリアとイラクで、ISISテロリストと戦ったり、アメリカ合州国の軍事作戦に協力したりするつもりというより、エルドアンの本当の狙いは、自分の支配力を強固にして、以下の、虫のいい目的を実現することだ。

1) トルコ大統領は、万一、彼の与党が、8月末までに連合政権を編成しそこなえば、11月に新たな議会選挙を行わなければならなくなることに気がついた。そこで、ISISとクルド戦士に大胆な行動をすることで、トルコの有権者が、議会で多数派を取り戻すのに必要な、あといくつかの議席を彼の政党に与えてくれるのではあるまいかとエルドアンは期待している。

…トルコ大統領の利己的な対テロ・エセ戦争は、トルコや近隣諸国いたるところでの紛争のエスカレーションという悲劇的な結果を招きかねない。もしアンカラが本当に聖戦戦士に反撃するつもりがあれば、ISISや他のテロ集団に武器をあたえたり、煽ったりするのではなく、ずっと昔にそうしていたはずだ” (ISISと戦うふりをして、トルコの私欲を追求するエルドアン、ハフィントン・ポスト、Harut Sassounian)

更に、コロンビア大学人権研究所のディビッド・L・フィリップスによる記事がある。

“エルドアンは、新たな選挙の為に、工作しているのだ。彼は、13.1%の票を獲得し、初めて国会の議席を得るであろう親クルド派政党国民民主主義党(HDP)の評判を落とそうとしているのだ。エルドアンは、AKPが、憲法を改訂し、行政上、皇帝の様な大統領を確立するのに十分な支持を得られなくさせた、HDPの躍進に激怒している。報復として、エルドアンは、HDP議員の議員不逮捕特権を撤廃すると脅している。PKKを支援しているかどで、HDPを閉鎖するとまでほのめかした。” (トルコの暗い未来、ディビッド・L・フィリップス、「ハフィントン・ポスト」)

彼自身の政治権力を強化するというだけの狙いで、エルドアンはクルド人との戦争を開始したと、我々は言っているのだろうか?

そう、それこそまさに我々が言っていることだ。これは権力欲の強い誇大妄想狂の話であって、クルド民兵に対する戦いの話ではなく、確実に、ISISに対する戦いの話では無いのだ。イギリスの、「インデペンデント」のこの文言が指摘している通り、実際、エルドアンは、ISISの最大の友人だった。

“2011年以来、シリアでのジハード運動の拡大にとって、880キロものシリア-トルコ国境を、あちこちに移動する能力が、極めて重要なことは疑いようがない。シリアに押し寄せた何千人もの外国人志願兵のほとんど全員が、トルコから来ている。トルコ語や、アラビア語を話せない連中でさえ、国内を横断するのにほとんど困難はない。多くの点で、トルコは、ISISや、アル=ヌスラ戦線に対し、安全な避難所を提供して、パキスタンが、支援として、アフガニスタンのタリバンに、安全な避難所を提供しているのと同様な役割を演じている。”“アル=ヌスラ戦線が率いたシリア人反政府派の攻勢は、トルコ国内の作戦本部が陰で糸を引いたとされており、トルコ、サウジアラビアとカタールの間の緊密な理解の結果だった。” (スルチの自爆攻撃: 自爆攻撃は、トルコが、シリアの紛争に巻き込まれつつあることを示している、インデペンデント、Patrick Cockburn)

「フロント・ページ」にはこういう記事がある。

“トルコと、AKP政府は、いかなるテロ組織とも、直接、あるいは間接のつながりを持ったことがない”という、アフメト・ダウトオール首相の主張は、昨年11月の、トルコを、 ISILや、アル-ヌスラ戦線に密輸された兵器の主要経路だと特定した国連安全保障理事会の分析支援監視チーム報告と真っ向から対立する。

6月始めの国務省のブリーフィングでも、トルコは過激派組織、主にISILに加わる為にシリアに集まった、22,000人以上の戦士の主要経路だと述べられていた。他にも無数の情報源がある” (奈落の底へ落ち込むトルコ、ロバート・エリス、フロント・ページ)

権力を強化し、トルコの最高指導者になるという企みの為、エルドアンは全力を尽くしており、それこそが、彼が一体なぜ、親クルド議員(HDP)から、訴追免除資格を剥奪して、トルコの厳しい対テロ法の下で、犯罪人として起訴しようとしている理由だ。(二週間前のスルチでの自爆攻撃以来、政府の大規模捜査網で、これまでのところ、1,300人以上の大半クルド民族主義支持者と、左翼が逮捕された。こうした人々の誰一人、いまだに罪に問われてはいない。政府は、対ISIS戦争を行っているふりをするのをすっかりやめた。一斉検挙は、明らかに政治的動機によるものだ。)

トルコ日刊紙、ヒュッリイェトに掲載された記事で、統計学者のEmer Deliveliは、“エルドアンは、政治権力の為に戦争を挑発しているのだろうか?”と問うている。 彼はこう言っている。

““政治的安定性指標が史上最低”を示した後、“私の分析では、実際、AKP(エルドアンの党)の支持率は、政治的暴力事件が増大した後、増えている。”… “レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が、政治権力の為に戦争挑発していることを証明することはできない… しかしながら、いずれの陰謀論も、実際は、同じ主題の変種だ。エルドアンは、全権を握る大統領になる為に必要なことはなんでもやっている。そして、このように証拠がつみあがれば、“もし~だったらどうか”と考えずにはいられなくなる(エルドアンは、政治権力の為に、戦争を挑発しているのだろうか? 「ヒュッリイェト」)

エルドアンは、国内の支持率をあげるために戦争を始めた、最初の指導者というわけではなく、最後の指導者でもないだろう。ただし、それは、同様に危うい戦略で、特に、彼の一貫性のない利己的政策は、既に彼の支持基盤だった幅広い階層の有権者から敬遠されている。外交政策誌のこの文言をお読み願いたい。

“過激イスラム主義者の脅威を理解し、それに基づいて行動しているエルドアンの弱みは、治安第一の右翼の中に新たな支持者を勝ち取っていないことだ。彼の独裁的な、イスラム主義なスタイルは、左派の支持を失っている。クルド票については、そう、彼は忘れることが可能だ。歴史は、一見無敵の指導者達でも、静かに、あるいは、さほど静かにではなく、去ることを強いられる可能性があることを示している。強大なオスマン帝国さえも、結局、永遠には続かなかった。新オスマン帝国がそうならない理由はない。” (振れる皇帝の危険なギャンブル、「外交政策」、Leela Jacinto)

エルドアンが短期的に直面している最大の脅威は、トルコ国民が彼がたくらんでいることを見抜いて、11月選挙でしかるべく投票することだ。だが、それには、国民の支持を得るために、攻撃を止めなければならなくなる、クルド民兵側の自制が必要だろう。

クルド人が、エルドアンの様に権力に酔いしれた右翼狂信者を打倒できる唯一の方法は、平和に機会を与えることだ。つまり、得票計算がおわるまでは。

Mike Whitneyは、ワシントン州在住。彼は Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion(『絶望: バラク・オバマと、幻想の政治』)(AK Press刊)にも寄稿している。同書は、Kindle版も入手可能。fergiewhitney@msn.comで連絡ができる。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2015/07/31/power-mad-erdogan-launches-war-in-attempt-to-become-turkeys-supreme-leader/

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大本営広報部の「時事公論」予想通りのとんでも番組。

なんとでも解説できるだろう。具体的なメリットには一切ふれない。日本企業のメリットが、日本の庶民のメリットになるだろうか。

強制的に視聴料を取られて、洗脳されるのではかなわない。

この話題に関連すると思い、貧しい中『新・100年予測 ヨーロッパ炎上』を無理をして購入し、ただただ我慢して読んでいる。図書館に購入を希望しても、ブログには間に合わない。

宗主国支配層が何を考えているのかを語っているのを読み取る為と思って、既刊の文庫本を二冊、我慢して読んだ。ウクライナ・クーデターの背景、文庫本を読むと、宗主国がしかけたであろうことは想像できる。

その続きで、これから何をたくらんでいるのかを知りたくて我慢して読んでいる。

宗教の歴史や、ドイツとロシアの過ちやらを延々書いてある。父親・家族の亡命の歴史。43ページにはこうある。

父親が住みたかったのは、自らは強くて、しかも隣国が強くないという国だった。

そして、47ページ。

アルベール・カミュは「犠牲者にも加害者にもなりたくない」と言っていた。父に言わせれば、カミュのこの考えは妄想でしかないということになる。彼の経験からすれば、人間は犠牲者になりたくなければ、加害者になるしかなく、この二つ以外の何かになることはできない。

宗教であれ政治であれ、小室直樹氏の本を読むような感動、驚き皆無。不快になるばかり。ミニ・ブレジンスキー氏ということだろうか。

収入と無関係に、読みたくない本を、買わなければならないことがある。買うのは何とか我慢できるとしても、読むのはつらい。

傀儡政権や宗主国幹部の本を、貧しい財布で購入し、読む必要がなぜあるだろう。順番を待っているわけには行かないので、やむを得ない。

こうした本を読む前に、『アメリカン・ドリームという悪夢―建国神話の偽善と二つの原罪』を読むべきだろう。

読む価値、言及の価値がないと思う発言・書籍、まず借りたり、購入したり、言及する気力はない。今回は例外の一つ。何度も例外はありそうだ。

「第14章 ヨーロッパの縁のトルコ」という部分を読みたくて購入したのが本音。

2014年12月15日 (月)

シェールが先導役

低下する石油価格は市場を破壊するのだろうか?

Mike Whitney
週末版 2014年12月12-14日
"Counterpunch"

水曜日、原油価格は更に下がり、アメリカ財務省証券利回りを押し下げ、株価を大きく引き下げた。30年もののアメリカ財務省証券利回りは、大恐慌時代の2.83パーセントに下落した、アメリカの主要な三つの経済指標は全て赤になった。ダウ・ジョーンズ工業株30種平均(DJIA)は、立ち会い終了前、268ポイントも下落した。水曜日の大幅下落の直接原因は、弱化する世界的需要に合わせて、2015年にどれだけの石油を生産する必要があるかについての予想をOPECが引き下げたというニュースだ。USA Todayによればこうだ。

“OPECは、2015年の生産高予想を一日2890万バレルとした。これまで予想されていたものより約300,000少ない、12年ぶりの低さだ…。これはOPECが、3000万バレルという日産割当量を変えなかった、カルテルが先月生産したものより、一日約115万バレル少ない…

原油価格の急激な低下で、もし価格が余りに低下し続ければ、小規模な探査・生産会社は廃業しかねないという懸念を生んでいる。それは更にそうした企業に融資している連中、ジャンクボンド購入者や小規模銀行での動揺を引き起こしかねない。”(USA Today)

安い石油価格は、必ずしも消費を押し上げたり、成長を強化したりするわけではない。全く逆だ。需要の少なさは、デフレ圧力が高まっており、不況がますます強固なものになっているという印だ。また、6月にピークになって以来、アメリカ基準原油の42パーセントの価格低下は、借入金の多いエネルギー企業を、瀬戸際に追いやりつつある。もしこれらの企業が(低価格の為に)負債の借り換えができなければ、多くは債務不履行となり、広範な市場に悪影響を与えよう。アナリストのウォルフ・リヒターによる概要はこうだ。

“石油価格が急落し …アメリカのエネルギー部門のジャンクボンドは、今年頂点に達した目を見張るようなブームの後、厳しく批判されている。10月中に、エネルギー企業は、ジャンクボンドを、500億ドル売ったが、発行された全てのジャンクボンドの14%だ! ところが、古い負債の利子払いや、費用のかかる水圧破砕や、沖合での掘削事業用資金にあてる目的で、新資金を集めようとしているジャンク債便りのエネルギー企業は突然抵抗にぶつかっている。

ジャンクボンドの醜い姉妹で、かつてブームになったレバレッジド・ローンは、連邦準備制度理事会のヒステリーをおこしている。連邦準備制度理事会のイエレン議長さえも、彼らは銀行も巻き込んでおり、金融制度にとってのリスクなので、彼らに目をつけている。規制当局は彼らを調査しており、金利を上げる等の金融的な手段でなく、銀行への締めつけ等の“マクロプルーデンス”政策で縮小させようとしている。そして連邦準備制度理事会が懸念していることは、既にエネルギー部門で起きている。レバレッジド・ローンは、酷評されつつある。しかも、それは始まったばかりだ…

“もし石油価格が安定できれば、その伝染的影響は限定的だ”とRBSセキュリティーズのマクロ・クレジット・ストラテジスト、エドワード・マリナンは、ブルームバーグに語った。“しかし、もし価格が今後も低下するようであれば、問題が波及して、より多くの高利回りの分野で痛みを感じることになるだろうから、より広範な市場で反応が出るに違いない。”…即座に石油価格を建て直す奇跡が起きない限り、デフォールトがおき、それは石油分野を超えて反響するだろう.” (石油とガスの暴落はジャンクボンド、レバレッジド・ローンに広がる。次は、デフォールト、ウォルフ・リクター、Wolf Street)

連邦準備制度理事会の低金利と量的緩和が、企業負債の利回りを押し下げ、投資家は、連邦準備制度理事会も“支持している”と考えて、ジャンクボンドをむさぼるように購入した。このおかげで、目先の利益だけを考えるエネルギー会社が、たとえ彼らのビジネスモデルが、かなりいかがわしくても、歴史的な低金利で何トンものお金を借りるのを容易にしていた。石油が壊滅的になった今、投資家は臆病になり、金利が上がり、企業が借金の借り換えをするのは、より困難になっている。これはつまり、こうした企業の多くが破産することになり 、それが金融的に巧みに加工された商品という形で、彼らの負債を購入した投資家や年金基金の損失を生み出す。疑問は、こうした金融的に巧みに加工された汚物が、2008年に起こしたように、システム中でドミノ倒しを開始するほど大量に、銀行の貸借対照表上に山積みになっているかどうかだ。

この疑問には、水曜日にOPECの陰鬱な予想の後、部分的に答えが出て、株は混乱し、無リスクのアメリカ財務省証券利子が急落した。投資家達は将来最悪の事態がおきると考えて逃げ出し、手持ち株を狂ったような勢いで処分した。アメリカ財務省証券は、嵐が通り過ぎるまで隠れる安全な場所を探している神経質な投資家にとって避難所になっている。

エコノミストのジャック・ラスムスは、Counterpunchに秀逸な記事を書いており、記事は一体なぜ投資家達が神経過敏になっているのかを説明している。以下は、“グローバル石油デフレの経済的結果”と題する彼の記事の一部引用だ。

“石油デフレは、様々な金融業以外の企業での広範な破産・デフォールトを起こす可能性があり、これが更にこうした企業と関係している銀行における金融不安イベントを引き起こす可能性がある。石油に関連した金融資産の崩壊は、他種の金融資産に対する更なる‘連鎖効果’をもたらし、金融不安を他の金融市場へと広げている” (グローバル石油デフレの経済的結果、ジャック・ラスムス、CounterPunch)

石油価格が下落すると、概して他の商品価格も一緒に引き下げる。これは更に、原料の販売に大きく依存している新興国市場を傷つけることになる。既にこうした脆弱な経済は、インフレ昂進と、資本逃避によるストレスの兆しを示している。ところが、日本の様な国では、円安のおかげで、輸入石油がより高くなっているので、影響は前向きだと考えるむきもあろう。だが、そうではない。下落する石油価格は、デフレ圧力を高め、傾向を逆転させ、成長を刺激する為、更に極端な施策の実施を日本銀行に強いることになる。不況から脱出する為の取り組みとして、日本の中央銀行は一体どのような新たな不安定化政策をとるのだろう? そして、既に過去五年間で三回の不況を味わったヨーロッパにも同じ疑問を問うことができよう。ラスムスは、石油デフレと、世界的金融の不安定さについてもこう語っている。

“石油は、グローバル市場で買われたり、売られたり、取引される実物商品にすぎないわけではない。アメリカと世界が石油先物商品取引を自由化し始めて以来…石油も、重要な金融資産となった。

石油価格低下が他の実物商品の価格低下へと波及するのと同様…価格デフレも他の金融資産に‘波及し’て、‘連鎖的’効果で、そうした資産の下落をも引き起こす。

この連鎖反応風の効果は、2006-08年の住宅ローン崩壊で起きたことと異なるわけではない。当時、世界的な住宅部門(物理的資産)の深刻な攣縮が、実体経済の他部門に‘波及し’たのみならず、担保付き債権にも波及し…これら債権をベースにしたデリバティブも崩壊した。効果は他の形の金融資産にも‘波及し’て、金融資産デフレの連鎖反応を引き起こした。

もし石油価格が継続して、一バレル60ドル以下になれば、同じ‘金融資産の連鎖効果’をおこしかねない。これはほぼ50パーセントという石油価格デフレとなり、多分、アメリカのシェール生産の多くに資金を補給したアメリカの企業ジャンク債券市場崩壊と関連する、より一般的なグローバルな金融不安を引き起こす可能性がある” (CounterPunch)

これこそ、まさに今後数カ月で展開するだろうと我々が考えているシナリオだ。ラスムスが語っているのは、“伝染”、つまり、市場のあまりにひどい状態と、あまりの多額の融資がゆえの、一つの資産範疇から他の資産金融への致死的な波及だ。借金の金利がこれ以上返済できなくなれば、デフォールトは、体制から流動性を吸い上げ、更に、突然の(激しい苦痛を与える) 価格の付け替えを引き起こす。ラスムスは、シェール・ガスと石油生産の急激な縮小は、ジャンクボンドの崩壊を引き起こしかねず、それは更なる銀行閉鎖への道を開くことになると考えている。彼はこう言っている。

“これから起きるシェール業界の淘汰は、穏やかには進むまい。この部門での広範な企業倒産になるだろう。また、大半の掘削が、リスクの高い、高利回りの企業ジャンクボンドで資金を調達しているので、シェールの淘汰は、アメリカ企業のジャンク債券市場の金融崩壊をもたらす可能性があり、これは現在きわめて債務過剰になっているので、地域銀行の破産を招きかねない。” (CP)

金融市場は巨大なバブルで、破裂を待っているのに過ぎない。もしシェールが破裂をおこさなければ、何かほかのものが起こすだろう。それは時間の問題に過ぎない。

ラスムスも、現在の石油供給過剰は、政治的動機によるものだと考えている。ワシントンの黒幕が、サウジアラビアに、価格を押し下げ、石油に依存しているモスクワを粉砕する為、市場を石油であふれさせるよう説得したのだ。中央アジアで、軍事基地を増やし、NATOがロシア西部国境に配備できるようにするというアメリカの計画に従う弱体な分割されたロシアを、アメリカは望んでいる。再度、ラスムスを引用しよう。

“サウジアラビアと、友人のアメリカ・ネオコン連中達は、石油価格を押し下げる新政策で、イランとロシア両国を標的にしている。石油デフレの衝撃は、既にロシアとイラン経済深刻な影響を与えている。言い換えれば、このグローバル石油価格デフレ推進政策は、グローバルな政治目標という理由から、ロシアとイランの経済のより深刻な崩壊を引き起こしたがっており、大きな政治的利益が得られるアメリカが支持しているのだ。石油がグローバルな政治兵器として使用されたのは、これが始めてでもなければ、最後でもないだろう。” (CP)

ワシントンの戦略は極めて冒険的だ。計画が逆噴射し、株が自由落下状態になり、何兆ドルもが瞬く間に消滅する可能性もある。そうなれば連邦準備制度理事会のあらゆる取り組みは水泡と帰すだろう。

因果応報だ。

Mike Whitneyは、ワシントン州在住。彼は Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion(『絶望: バラク・オバマと、幻想の政治』)(AK Press刊)にも寄稿している。同書は、Kindle版も入手可能。fergiewhitney@msn.comで、彼に連絡可能。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2014/12/12/will-falling-oil-prices-crash-the-markets/

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受験科目で日本史を選んだので、世界史には実にうとい。トルコ・パイプラインの話題を読んで、あわてて手元のオスマン・トルコに関する本を読んだ。手元にあっても関心がないと読まない。帝国地図を見て、ギリシャも、ブルガリアも、セルビアも、シリアも、帝国の一部だったのを今頃になって知った。

選挙前、本当の選択肢は何か、与党が大勝すれば、いかに悲惨な結果が待ち受けるかについて、大本営広報部の本格的報道は当然皆無だった。大本営広報部、終わった瞬間、怒濤の洗脳結果報道。

実に汚らしいたとえで恐縮だが、ふと思いついた。宴会を開こうという話しになった際に、「どういう目的で、どういう人を招き、どういう食事を、どのように作って、どのような宴会にするのか」というところの場面報道・分析は、全て抜き。宴会場トイレ・ブース実況放送を見せられているような気分。

ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』に書かれたキリスト教からきた西欧勤労哲学と、『山本七平の日本資本主義の精神』に書かれた鈴木正三以来の日本勤労哲学の違いを詳細に語る小室直樹『日本資本主義崩壊の論理』(1992/4月刊)の末尾を、一部貼り付けさせて頂こう。全く違う話題を論じていても、崩壊するところだけはともあれ一緒。

 日本の軍隊と西洋の軍隊が決定的にちがう点。日本ではいっしょに働く人びとが共同体になってしまい、陸軍が共同体になってしまう。となると、絶対的神、救済のために戦うという契機がないから、戦争をすること自体が自己目的になってしまう。
 戦前の日本がまさにそうだ。支那事変も大東亜戦争も、なんのために戦うのか、戦争の目的がなかった。
 世俗内的禁欲、つまり労働それ自体が自己目的となる日本企業。そして、企業の要請が、日本全体の要請よりも、社会全体の要請よりも、圧倒的に優先するという事実。
 この二つのことは本来は関係ないのだけれど、いっしょになるとエライことになる。
 しかも、資本主義の中にそれをチェックする機能があるべきなのに、全然ない。全く見当たらない。かかる理由から、資本主義者なんて、日本にはいない。
 したがって暴走する陸軍を止める手だてがなかったように、暴走する企業を止める手だても全くない。
 その結果、大日本帝国が大東亜戦争に突入し、崩壊したように、日本資本主義も無制限デスマッチの企業戦争に突入し、必ずや崩壊することになるのである。

2014年12月11日 (木)

“ざっくばらんなトルコの話”

オバマとEuroの指導者連中を驚愕のガス協定で不意をついたプーチン
Mike Whitney
2014年12月7日
CounterPunch

月曜日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、両国間の経済的つながりを強化し、トルコを地域におけるロシア・ガスの主要ハブにする、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との画期的協定締結で、勝利を決定的なものにした。協定の条件下、ロシアはさらなる天然ガスを中央トルコ各所や、“トルコ-ギリシャ国境のハブ”に送りこみ、ゆくゆくは、トルコが極めて重要な仲介人の役割を果たすとはいえ、儲かるEU市場に、プーチンが裏口からアクセスできるようになる。この動きは、事実上のロシア-トルコ同盟を生みだし、モスクワに圧倒的に有利な形で、この地域の勢力均衡を変え、ワシントンの“アジア基軸”戦略にとって、もう一つの手ごわい障壁を生み出しつつある。マスコミは、計画変更を(プーチンは、ガスを南ヨーロッパに送ったはずのサウス・ストリーム・パイプライン計画を断念した)ロシアにとっての“外交的敗北”として描き出しているが、逆こそ真のように見える。プーチンは、またしても、エネルギーと地政学の分野両方で、アメリカを出し抜き、彼の政治的勝利の長いリストに加えたのだ。以下は、スプートニク・ニューズのアンドリュー・コリブコ記事の要約だ。

“ロシアは、問題の多かったサウス・ストリーム・プロジェクトを断念し、今やトルコと共にその代替物を建設しようとしている。この途方もない決定は、アンカラが、ヨーロッパ-大西洋主義を拒絶し、ユーラシア統合を奉じる選択をしたという合図だ。

これまでで最大の動きとなる可能性がある、多極化に向かうこの決定によって..トルコは、かつてのヨーロッパ-大西洋主義という大望をきっぱりあきらめたのだ。一年前、こうしたことのどれ一つとして予期し得なかったが、アメリカの中東政策と、EUのエネルギー政策の完璧な破産が、一年もしないうちに驚くほどの逆転を可能にした。トルコは依然、欧米と多少の特権的な関係を続けるものと予想されるが、トルコが公式に実際的な多極化に加わった為、関係の性格まるごと、永久に変わってしまったのだ。

トルコ指導部が、これほど微妙な政治環境の中で、ロシアとこの壮大な契約を締結して大転換を図った以上、以前の友人達との友好はもはや復活不能だ…この影響は、まさに世界的だ。” (“冷たいトルコ: アンカラは欧米の圧力に屈せず、ロシア側についた”、スプートニク・ニューズ)

この話題に対するオバマ政権の沈黙から判断して、この協定の重大さは十分に理解され始めつつあるとは言え、月曜日に、アンカラで起きたことの重大さを理解する上で、コリブコは屹立しているようだ。チェス名人ヴラドの最新の一手は、アメリカの黒幕連中の不意をつき、言葉を失わせてしまった。これは誰も予想していなかったシナリオで、適切に対処しなければ、本物の悪夢となりかねない。ロシア・トゥデイからの月曜日の記者会見に関するさらなる報道はこうだ。

“プーチン大統領は、ロシアは、トルコの増大するガス需要に対応すべく、南ヨーロッパの顧客向けのトルコ-ギリシャ国境の特別拠点をも含む可能性がある新パイプラインを建設する用意があると述べた。

とりあえずロシア・ガスのトルコへの供給は既に稼働しているブルー・ストリーム・パイプライン経由で、30億立方メートル増加する予定だ…モスクワはトルコ顧客向けガス価格を、2015年1月1日から、6パーセント引き下げる予定だとプーチン大統領は述べた。

“共同大規模事業を実施するとともに、更にガス価格を引き下げる用意がある”と彼は付け加えた”  (“プーチン: EUの姿勢ゆえ、ロシアはサウス・ストリーム計画撤退を余儀なくされた”RT)

一体どのようにしてこういうことが起きたのだろう?プーチンは、一体どのようにして、アンカラにやすやすと入り込み、数枚の紙に名前を走り書きし、主要なアメリカ同盟国をワシントンの目の前で盗み取ることができたのだろう? ホワイト・ハウスには、この様なシナリオを予想できたほど優秀な人物は皆無だったのだろうか、それとも、そうした連中全員、スーザン・ライスやサマンサ・パワーズの様な主戦論者の能なし連中に置き換えられてしまったのだろうか?

東から西へのガスの流れを支配し、ロシア-EU経済統合を損なうべく、オバマ政権は、できる限りありとあらゆる手を打ってきた。今や明敏なプーチンは、経済制裁を避ける方法を見いだし(トルコはロシア対経済制裁を拒否している)、アメリカの強要と脅迫を避け(ブルガリア、ハンガリーとセルビアに対して用いられた)、ワシントンの果てしないけんか腰と敵意も避け、同時に自分の狙いを実現したように見える。だが、またしても、プーチンの様な冷静な武道のプロに、他に一体何を期待できたろう?

“私はお前を殴らない”と悪のヴラドは言う。“自分で自分を殴らせてやろう。”

そして彼は実際にそうした。プーチンとの出会いで毎回負け続け、混乱しているオバマ大統領に質問してみるが良い。

だが沈黙は一体なぜだろう? ホワイト・ハウスは一体なぜ、全員がそれについて語っているロシア-トルコの巨大ガス協定に関する声明をださないのだろう?

私が理由をご説明しよう。一体何がおきたのか、連中が分かっていない為だ。それが理由だ。連中は、この発表で完全に不意打ちを食らって、アジア基軸や、シリアとウクライナでの戦争や、前評判が非常に高い、お分かりだろうか、何とトルコを通る予定だったカタールからEUへのガス・パイプライン等、連中の外交政策目標最上位にある諸問題に対して、一体何を意味するのか全く理解できずにいるのだ。連中のパイプライン計画は、まだ進行中だろうか、あるいはプーチン-エルドアン同盟が、それもオシャカにしてしまったのだろうか? 正直に認めよう。プーチンは、今回本当に場外ホームランを打ったのだ。チーム・オバマは、明らかに格下で、一体何が起きているかも分かっていない。もしトルコが東側に向いて、拡張しつつあるロシア・ブロックに参加すれば、アメリカの政策立案者連中は、今後一世紀のアメリカ長期戦略計画の大半を廃棄して、一から出直しさせられることになる。なんたる災厄!

水曜日のニューヨーク・タイムズに、サウス・ストリームに対するワシントンの葛藤を見事に要約する良い記事がある。以下が抜粋だ。

    “モスクワは長い間、2007年に提案した計画を、ロシアのガスをヨーロッパに送る新たな経路になるので、事業として非常に良いと主張し続けてきた。ワシントンとブリュッセルは、南ヨーロッパに対するロシアの影響力を強固にし、近年ガスプロムとの価格紛争で、ヨーロッパへの供給を二度中断したウクライナを迂回する為の道具だという理由で、計画に反対していた。”

プーチンによる突然のサウス・ストリーム・ガス・パイプライン破棄発言が、ヨーロッパを浮き足立たせている”ニューヨーク・タイムズ)

EUの人々へのガス販売は、なぜか大陸に対するプーチンの強迫的な支配を強化することになるという主張が最初からあった。何というジョーク。読者諸氏は、ガス会社に対し、連中の専制的支配に降伏するつもりがないことを証明すべく、暖房を消し、光熱費請求書をビリリと引き裂いて、闇の中で凍え死ぬ覚悟がおありだろうか?

この発想は非常識なもので、もちろん、そうではない。サウス・ストリームの阻止が非常識なのと全く同じだ。プーチンは、専制ではなく、ガスを売っているのだ。彼は、人々に両方の踵をぶつけてコツンと音をたてさせ、足を伸ばしたまま高く上げた軍隊行進で職場までゆかせたいわけではない。そんなものは、対EU燃料供給競争で敗れた石油業界連中のプロパガンダに過ぎない。お望みなら負け惜しみと呼んでもよい。それが実態だ。連中のパイプラインは破れ(ナブッコ)、プーチンが勝利した。以上終わり。それが資本主義というものだ。それを認めろ。

更にもう一つある。サウス・ストリームが利用できていたはずの国々には、増大するガス需要に見合った予備の供給業者が無い。だから、ワシントンの指揮に従うことで、彼らは要するに自ら墓穴を掘ったのだ。専門家達は、ロシア・ガスのいかなる代替も、ガスプロムに支払っていたであろう価格よりも、おそらく30パーセント高いと推定している。

アメリカに万歳! 愚かさに万歳!

主にワシントンが、ウクライナにある民営パイプライン経由で、EU市場向けガスの流れを、アメリカ大企業と銀行に支配させたかった為に、アメリカは、そもそも最初から、サウス・ストリームの妨害を固く決意していたのだ。そうすれば、彼らはrake in持ち株主達の為により大きな利益金。計画を粉砕する為にアメリカが用いた様々な方法の詳細には踏み込み過ぎない、一読に値する記事がある。以下は、Zero Hedgeからの引用だ。

“…ウクライナ政府が打倒される2カ月前、ブルガリア首相プラメン・オレシャルスキは、EUの勧告に従って、サウス・ストリームの作業停止を命じた。決定は彼とアメリカ上院議員達との会談後に発表された。

“現在、欧州委員会からの要求があり、その後、我々は現在の作業を中止した。私が命じた”オレシャルスキ首相は、日曜、ブルガリアを訪問中のジョン・マケイン、クリス・マーフィーとロン・ジョンソンとの会談後ジャーナリストに語った。“今後の手続きは、ブリュッセルと更に相談した後、決定する。”

当時マケインは状況について発言して、こう述べた。“ブルガリアは、サウス・ストリーム問題を、ヨーロッパの同僚達と協力して解決すべきだ”そして更に、現在の状況において、プロジェクトへの“ロシアの関与を減らしたい”と言ったのだ。

“アメリカは、アメリカが利害関係を有する可能性があると考える国々から、自分の気に食わない誰でも排除できる立場に着くと決めたのです。こうした全ての事において、経済的合理性は皆無です”ビジネス・ニュー・ヨーロッパの編集者ベン・アリスがRTに語った。”  (““サウス・ストリーム”パイプラインを巡る戦いが厳しさを増す中、ヨーロッパ、ブルガリア銀行制度に命綱を提供”Zero Hedge)

はっきり言わせてもらおう。狂人マケインがふらりと町にやってきて、即座に周辺の人々に、“ロシアの関与を減らし”たいのだと言って命令しはじめたが、それだけで、サウス・ストリームをキィッーと音を立てて急停止させるのに十分だったのだろうか? そう言いたいのかとお尋ねだろうか?

そう。どうやら、そのようだ。

これが、一体何が起きているか理解する手助けになるだろうか? プーチンが肝心なのではない。肝心なのはガスであり、一体誰がこのガスで利益を得るだろうかであり、ガスが一体どの通貨建てになるかだ。それが肝心なのだ。それ以外の“ロシアの関与”や、テロや、人権や、国家主権に関する戯言は全く無意味だ。この国を運営している連中(マケイン等の)は、そうした類のことなど気に掛けない。連中が関心をもっているのは金だ。金と権力だ。 それだけだ。

そこで、連中はこれからどうするつもりだろう?  ワシントンの権力者連中は一体どのようにプーチンとエルドアンが生み出した新たな脅威を巡る連中の怒りを表すのだろう?

誰にだって考え付くことができる、結局、我々は既に百万回も目にしてきたのだ。

連中は全力でエルドアン追い込むつもりだ。連中はいつもそうしているではないか?

連中が既にこれを始めていない唯一の理由は、連中はプロパガンダの準備を整える必要があり、それに通常一日か二日かかる為だ。だが準備が終わるやいなや、連中は毎回、耐え難い見出しを掲載し、レジェップ解体を開始する。エルドアンは新ヒトラーで、人類にとって、世界がこれまで目にした中で最大の脅威と化すのだ。絶対に間違いない。

ワシントンは、数年前、彼がCIAとした口論にさかのぼる頃から、エルドアンを痛めつけてやろうと思っていたと内部告発者のシーベル・エドモンズ言う。いずれにせよ、ワシントンの敵リストに載った以上、エルドアンが一体どういうことになるかを彼女はかなりうまく説明している。Boiling Frogsに掲載した彼女の記事の一部をあげよう。

“CIAと不仲に終わった傀儡が結局どうなるかは我々全員が知っている。そうではないだろうか? 不仲は、必ず賞味期限切れになる。傀儡が賞味期限を過ぎたと見なされると、驚くなかれ、突如として、これまでと逆のブランド破壊マーケティングが始まる。隠しておきたいあらゆる秘密が棚の奥から引き出され、マスコミに漏らされる。これまで見過ごされていた彼の人権侵害が見直され、顕微鏡下で精査される。テロリスト・カードが持ち出される。そしてリストは更に続く…

… 帝国が据えつけた全ての傀儡や政権は、帝国の命令に従うことを誓わねばならない…。汝帝国の命令に違反するなかれ。もし違反すれば、汝汚名を負わされ、暴かれ、引きずり下ろされ、死刑宣告さえ受けかねない。過去一世紀の歴史を振り返りさえすれば良い。しつらえられた傀儡が、余りにつけあがり、思い上がり、一つあるいは複数の命令を無視した時にどうなるかを見てみよう。彼らが独裁者、専制君主、拷問者、そう、そしてテロリストとして再生するのはその時だ。この時、彼らの裏庭が数グラムの大量破壊兵器を探すために掘り返される”…

どう考えても、エルドアンの命脈は限られている … これほど大胆に、無謀な振る舞いをした人物は誰であれ、懲らしめられ、据えつけた他の傀儡連中のみせしみにされる…”  (“トルコのエルドアン首相: 帝国傀儡の素早い変身”、BFP)

そら、言う通り。あえて独自の動きをして、ワシントン暴力団の親分連中の利益より、自国民の利益を優先させた人物エルドアンの悪魔化を、今週末までには、マスコミが全力で開始するのを我々がみる事になるだろう。過去60年間、アメリカ外交政策を見守ってきた人なら誰でもこう言うだろう。「これは絶対にやってはいけないことだ。」

Mike Whitneyは、ワシントン州在住。彼は Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion(『絶望: バラク・オバマと、幻想の政治』)(AK Press刊)にも寄稿している。同書は、Kindle版も入手可能。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2014/12/05/talking-turkey/

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三本の刃 アベノミクスは「国策フィクション」である 内橋克人氏 岩波 『世界』2015年1月号 を読んでいる。

それと知らず、安倍晋三氏は、今次選挙の争点をあえて経済政策の領域に絞り込むことで、「官邸独裁」的手法をもって強行した歴史的誤謬、たとえば集団的自衛権容認、原発再稼働、沖縄基地問題、その他、次から次への民意蹂躙、独断専横の記録をかくしおおすことができると思い込んでいる。

株価が上がって、庶民裕福になっただろうか? 今日はギリシャ問題かなにかで、世界的に大きく株価が下がった。コクサイミクス、カブノミクス、ゾウサツミクス。ネンキンミクス。ただの詐欺経済。縁日のがまの油膏薬売り見せ物レベル以下。

内橋克人氏の 三本の刃 アベノミクスは「国策フィクション」である 末尾はこうだ。

三本の矢ではなく、三本の刃なのであり、その向かう先はほかならぬ私たち国民ではないだろうか。いまはそのことを恐れなければならない。

属国与党傀儡治家には、エルドアンやキルチネルのような大胆な言動、永久に期待できない。トルコやアルゼンチンが、うらやましい気分。

2014年8月29日 (金)

ウクライナが15分でわかる

Mike Whitney

       もしウクライナで一体何が起きているのか理解したいとお考えであれば、プーチンの顧問で友人のセルゲイ・グラジエフのこの15分ビデオを見る必要があるだろう。グラジエフは、グローバル経済の構造的変化と、アジアへの移行が、いかにしてヨーロッパで戦争を起こして、自分達の権力支配を維持しようというアメリカ人政治立案者達による死に物狂いの試みを引き起こしていることを説明している。読者がこの分析に同意されるか否かは別として、グラジエフが聡明で、博識で、信念の上で、熱心であることをご理解されよう。それだけでも、ビデオは一見に値する。

 

        ビデオを私自身で書き起こしたので、文章中の意図しないミスにお詫び申しあげる。また、“太字の見出し”は私が付けたものだ。

1 グローバル経済の構造的変化の前に、大きな危機と戦争が先行することが多い

2014年8月22-24日
"Counterpunch"

現在の世界は、一連の周期的な危機の重なりを通過しつつある。その中で最も深刻なのは、経済発展という考え方の変化と関連した技術的危機だ。我々は、経済がその構造を変えつつある時代に生きている。過去30年間経済成長を押し進めてきた経済構造は、寿命をむかえつつある。我々は、新たなテクノロジー体制に移行する必要があるのだ。こうした移行は、不幸なことに、常に、戦争を通して実現してきた。それが一体なぜ、30年代に、大恐慌が、軍拡競争に、更には第二次世界大戦に取って代わられたのかという理由だ。それこそが、なぜ、冷戦時代、宇宙における軍拡競争が、過去30年間、世界経済を駆動してきた技術構造の基盤となった複雑な情報・通信技術を生み出したかという理由なのだ。現在、我々は同様な危機に直面している。世界は、新たな技術体制へと移行しつつあるのだ。

2 プーチンは、新たなグローバル経済への移行を容易にする自由貿易圏を推進している

この考え方の、成長の主な担い手は、人道的な技術なので、新体制は本質的に人道的であり、戦争を避けることができる。これには、バイオテクノロジーに基づく、医療や医薬品産業が含まれる。これには、現在大躍進をとげているナノテクノロジーに基づく通信技術も含まれる。また人間の知識の新たな概要を規定する認知技術も関わっている。もし、プーチン大統領が常に提案している様に、我々がリスボンから、ウラジオストックに至る特恵貿易圏という発展の為の広範な開発区域の共同計画、共通経済空間に合意できて、共通開発地域を生み出すことで、EUと合意できれば、我々は、医療から、宇宙からの脅威撃退に至るまで、十分な数の画期的プロジェクトを見いだし、国家からの安定した需要を生み出す、我々の科学・技術的潜在能力を実現することが可能だろう。これはまた、新たな技術体制を後押しするだろう。

3  アメリカはヨーロッパにおける戦争をアメリカ覇権維持の為の最上策と考えている

ところが、アメリカは、いつもの道を進んでいる。彼等による世界支配を維持する為、連中はヨーロッパでの次の戦争を挑発しているのだ。戦争は、常にアメリカにとって好都合だ。アメリカ人は、ヨーロッパとロシアで、5000万人の人々が亡くなった第二次世界大戦すらも良い戦争と呼んでいる。アメリカは、この戦争の結果、世界の主要大国として登場したのだから、第二次大戦はアメリカにとって好都合だったのだ。ソ連崩壊で終わった冷戦も、アメリカにとって好都合だった。今やアメリカは、またしても、ヨーロッパを犠牲にして、自らの指導力を維持したがっているのだ。アメリカ指導部は、急速に勃興しつつある中国によって脅かされつつある。現代世界は、今回は政治的な次のサイクルに移行しつつあるのだ。このサイクルは数世紀続くが、規制された経済という世界的機構と関連している。

資本蓄積のアメリカ・サイクルから、アジア・サイクルへと我々は今移行しつつある。これもまた、アメリカ覇権に立ち向かっているもう一つの危機だ。勃興する中国や、他のアジア諸国との競合に直面して、自分の主導的な立場を維持する為、アメリカはヨーロッパでの戦争を始めている。連中は、ヨーロッパを弱体化させ、ロシアを分裂させ、ユーラシア大陸丸ごと支配下におこうとしているのだ。つまり、プーチン大統領が提案している、リスボンからウラジオストックに至る開発地域の代わりに、アメリカは、この地域で、無秩序な戦争を開始し、全ヨーロッパを戦争に巻き込み、ヨーロッパ資本の価値を引き下げ、アメリカが既に、その重みの下で、既に崩壊しつつある公債を帳消しにし、ヨーロッパとロシアからアメリカの借金を帳消しにし、我々の経済空間を支配下に置き、巨大なユーラシア大陸の資源に対する支配を確立することを狙っているのだ。彼等は、これが、彼等の覇権を維持し、中国を叩ける唯一の方法なのだと信じこんでいる。

不幸にして、我々が今目にしている、アメリカの地政学は、まさに19世紀のものそのままだ。彼等は、大英帝国の地政学的闘争の観点から物事を考えている。つまり、分裂して、支配せよだ。各国をお互いに争わせ、各国を紛争に巻き込み、世界大戦を引き起こすのだ。アメリカ人は、不幸なことに、連中の問題解決の為に、この古いイギリスの政策を継続しているのだ。ロシアは、この政策の犠牲者として選ばれており、ウクライナ国民はえり抜きの兵器であり、新たな世界大戦における砲弾の餌食なのだ。

アメリカ人は、まず、ロシアから分離させる為、ウクライナを標的にすることに決めたのだ。この戦術は、ビスマルク由来だ。この反ロシアの伝統は、ユーラシア空間丸ごと乗っ取る為、ロシアを紛争に巻き込むことを狙ったものだ。この戦略は、最初、ビスマルクが実施し、更にはイギリスが採用し、最終的には、ロシアは、ウクライナ無しでは、超大国とはなりえず、ロシアをウクライナと反目させることで、アメリカと西欧は利益を得ると、何度となく語っている卓越したアメリカ人政治学者ズビグニュー・ブレジンスキーが採用した。

過去20年間、アメリカは、ロシアを狙って、ウクライナ・ナチズムを仕込んできた。皆様御承知の通り、アメリカは、第二次世界大戦のバンデラの残滓を受け入れた。何万人ものウクライナ・ナチスが、アメリカに連れて行かれ、戦後期ずっと入念に育てられてきた。この移民の波が、ソ連崩壊後、ウクライナに襲来したのだ。東方パートナーシップという発想は、餌として使われているのだ。それを最初に言い出したのは、ポーランド人だが、それをアメリカが拾い上げたのだ。東方パートナーシップの本質から、ロシアとの絆を断ち切る為、グルジアが最初の犠牲になった。今やウクライナが犠牲になり、間もなくモルドバも犠牲となろう。御承知の通り、我々は関税同盟で、ベラルーシやカザフスタンと、共通の経済空間を構築しつつあり、間もなくキルギスタンとアルメニアも参加する予定だ。ウクライナはロシアの長年のパートナーだ。ウクライナは今もロシアとの協定の批准段階にあり、ウクライナの誰もまだ取り消してはいない。ウクライナは、我々の経済空間にとって、また我々の何世紀にもわたる長い絆と、協力にとって、ロシアには重要だ。我々の科学・産業複合体は、両者一体として生み出されたので、ヨーロッパ統合へのウクライナの参加は、極めて自然かつ、極めて重要だ。東方パートナーシップは、ウクライナのユーラシア統合プロジェクトへの参加を妨害する為に、作り出されたのだ。東方パートナーシップの狙いは、欧州連合との連合を生み出すことだ。ポロシェンコが、ヨーロッパ指導者達と署名した連合とは一体なんだろう? それは、ウクライナの植民地への転換だ。連合協定に署名することによって、ウクライナは主権を喪失する。貿易、関税、技術上・金融上の規制や、国家調達の支配権を、EUに譲渡することなのだ。

4  ウクライナ・ナチス軍事政権は、アメリカ政策の手先

ウクライナは、経済と政治の上で、主権国家であることを止めた。ウクライナは、欧州連合の従属的パートナーであることが、協定の中ではっきりと述べられている。ウクライナは、EU共通の防衛・外交政策に従わなければならない。ウクライナは、EUの指導の下で、地域紛争の解決に参加する義務を負うのだ。かくして、ポロシェンコは、ウクライナをEUの植民地にし、ヨーロッパにおける戦争に火をつけようという狙いから、ウクライナをロシアとの戦争に、砲弾の餌食として引きずり込んでいる。連合協定の狙いは、地域紛争の解決で、ヨーロッパ諸国がウクライナ支配を可能にすることだ。ドンバスで起きているのは地域武力紛争だ。アメリカ政策の狙いは、できるだけ多くの犠牲者を生み出すことだ。ウクライナ・ナチス軍事政権は、この政策の手先だ。彼等は愚かな残虐行為と犯罪を遂行して、ロシアを挑発し、全ヨーロッパを戦争に引きずりこむためだけに、都市を爆撃し、一般市民、女性や子供達を殺害し、住宅から強制的に追い立てている。これがポロシェンコの任務だ。これこそが、一体なぜポロシェンコが、あらゆる和平交渉を拒否し、あらゆる講和条約を阻止しているかという理由だ。彼は、紛争の緊張緩和に関わるアメリカ政府のあらゆる声明を、紛争をエスカレートする命令と解釈している。国際レベルで行われたあらゆる和平交渉が、新たな武力攻撃を引き起こしている。

我々は、断固、ロシアと戦争をすることを決め、徴兵制を宣言しているナチス国家を相手にしていることを理解しなければならない。18歳から、55歳までの男性国民全員が動員されている。拒否する人々は、15年間の懲役だ。この犯罪的ナチス権力が、ウクライナ全国民を犯罪人にしてしまうのだ。

5  アメリカ政府は、自らの利益の為、ヨーロッパを戦争に突入させる

ヨーロッパ経済は、アメリカが押しつけている経済制裁のおかげで、約1兆ユーロを失うだろうと我々は計算している。これは膨大な額だ。ヨーロッパ人は既に損失を被っている。既にロシア向け輸出は低下している。ドイツは、2000億ユーロを失うだろう。バルト諸国の最も過激な友人達は最悪の損失を被るだろう。エストニアの損失は、GDP以上だ。ラトビアにとっての損失は、そのGDPのおよそ半分だ。だが、それとて連中を止められない。ヨーロッパの政治家連中は、アメリカが一体何をしているかを問わずに、アメリカに同調している。彼等は、ナチズムと戦争を挑発して、自らを傷つけている。ロシアとウクライナは、アメリカが醸成しているこの戦争の犠牲者だと既に申しあげた。しかし戦争は、ヨーロッパの福祉を標的にしており、ヨーロッパを不安定化させるためのものなので、ヨーロッパも犠牲者なのだ。アメリカは、ヨーロッパの資本と頭脳のアメリカへの流出が続くことを期待している。それがアメリカが、全ヨーロッパに火を放っている理由だ。ヨーロッパの指導者達がアメリカに同調しているのは実に奇妙だ。

6  依然、被占領地域のドイツ

我々は、ヨーロッパの指導者達(が独自の政策を作り出す様) に希望するだけでなく、アメリカの絶対的な命令から自由な、新世代のヨーロッパ指導者達達と協力しなければならない。反ソ連政治エリート連中は、冷戦後時代に、ヨーロッパで育てられたという事実がある。そして連中は、あっと言う間に反ロシアになった。ヨーロッパとロシアとの間で、劇的に拡張した経済的な絆や、大規模な相互の経済権益にもかかわらず、ロシア嫌いは、反ソ連主義に基づいており、いまだに、多くのヨーロッパ政治家達の心の中に根付いている。自らの国益を理解するには、新世代の実利的なヨーロッパ政治家が必要だろう。現在我々が目にしているのは、自らの国益に反して行動している政治家連中だ。これは主として、ヨーロッパ成長のエンジンであるドイツが、依然、占領下の国であるという事実による。アメリカ軍兵士はいまだにドイツに駐留しており、全てのドイツ首相はいまだに、アメリカ政策を見習って、アメリカに忠誠を尽くすと宣誓している。この世代のヨーロッパ政治家達は、アメリカ占領の軛を、外し損ねたのだ。

7  ナチズムの勃興

ソ連はもはや存在していないにもかかわらず、連中は熱狂的に、アメリカ政府に従って、NATO拡張と、自らの支配下の新領土獲得を続けている。連中は既にEUへの新たな東ヨーロッパ加盟国に対して“アレルギー”になっている事実にもかかわらず、欧州連合は既に、縫い目が破れそうになっているのに、それとて彼等のソ連後の地域に対する攻撃的拡張継続を止めはしない。新世代は、より実利的だと願いたい。欧州議会の最新の選挙は、この親米反ロシア・プロパガンダや、ヨーロッパの人々に対して降りかかるウソの絶えざる流れで、全員が騙されるわけではないことを示している。既存のヨーロッパ諸政党は、欧州議会選挙で敗北した。ウクライナで起きているのは、ナチズムの復興なので、我々が真実を語れば語るほど、それへの反撃も大きくなる。ヨーロッパは、第二次世界大戦の教訓から、ファシズム復興の兆しを覚えている。我々は、この歴史的記憶を目覚めさせ、現在キエフで権力の座にいる、ウクライナ・ナチスが、バンデラや、シュヘヴィッチや、他のナチス協力者の崇拝者であることに気がつくようにする必要がある。現在のウクライナ当局のイデオロギーは、バビ・ヤールで、ユダヤ人を射殺し、ウクライナ人やベラルーシ人を焼き殺し、人種的区別無しに、あらゆる人々を絶滅させたヒトラー共犯者達のイデオロギーに根ざしている。このナチズムが現在勃興しているのだ。ヨーロッパ人は、この恐ろしい対立の中に、自らの死を見抜かねばならない。

もし我々が真実を拡散し続ければ、ヨーロッパを戦争の脅威から救えるだろうと私は願っている。

注: この素晴らしいインタビュー投稿してくれたVineyard of the Sakerに深く感謝申しあげる。

Mike Whitneyは、ワシントン州在住。彼は Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion(『絶望: バラク・オバマと、幻想の政治』)(AK Press刊)にも寄稿している。同書は、Kindle版も入手可能。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2014/08/22/understanding-ukraine-in-15-minutes/

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大本営広報部、昨日だったか、二人の先生の討論を載せて「小選挙区制を続けよう」とのたまわっていた。

「プロメテウス」、郵政破壊、新自由主義推進、イラク戦争参戦のトンデモ氏と、小選挙区導入犯人という二人の国賊による反原発運動ヨイショ。購読料を払っていることが悲しい。

しかし、家人は、「おかずを探すのにチラシは貴重だよ」といって、大本営広報購読をやめようとしない。おかずがなくてはこまるので、文句は言えない。pdfで見られるというアドバイスも頂いたが、どこにあるかわからない。また、見つかっても、毎日、印刷してマジックで印をつけるのは煩雑にすぎる。

電気洗脳機、トップ氏の顔が写った瞬間、チャンネルを民放に切り換えた。

もし我々が真実を拡散し続ければ、日本も戦争の脅威から救えるかもしれないと私も願っている。

アベノミクスの終焉』岩波新書 新赤版)服部茂幸著を読んでいる。
大本営広報部と全く意見は違うが、こちらの方が、はるかに納得できる。
ポール・クレーグ・ロバーツ氏のアメリカ経済嵩上げのごまかし指摘の日本版?

2014年5月12日 (月)

オデッサ偽装作戦 見るに耐えないアメリカ・マスコミ報道

Mike Whitney

“私が見た全ての証拠によれば、オデッサの出来事はまるごと巨大な偽装作戦でした。それは… ボスニアから、コソボに至るまで、そして今ウクライナで、親欧米派部隊が演じるのを得意とする見せしめ虐殺の一つで、ロシアに過剰反応させ、軍隊を出させることを狙ったものです … 連中がこれほど恐るべき残虐行為を進んで実施するという事実は、現時点での連中の必死さを示しているのだと思います。”

- ネボシャ・マリチ、政治評論家、ロシア・トゥディ

“ちがう異国の空の下ででもあることか
縁なき翼のかげに抱かれてでもいたことか
そのときわたしは わが民とともにいた
不幸がわたしの民を追いやったその場所に”

- “鎮魂歌(レクイエム)” - アンナ・アフマートワ

2014年5月8日
Counterpunch"

インターネットで流れているオデッサ火事犠牲者の写真が、出来事の公式説明に疑問を投げかけている。労働組合会館に入った反暫定軍事政権活動家の多くは、焼け死んだり、煙で窒息して死んだりしたわけではなく、建物に入り込んで、中にいる出来るだけ多数の人々を殺し、遺体を焼き、こっそり去った工作員や暴漢によって、残酷に至近距離で射撃されたことが今や明らかだ。犠牲者の中には妊娠8ヶ月の若い女性のように、電気コードで絞め殺され、火や煙による損傷皆無の部屋の中で、背中から机の上にくずれ落ちたままの人がいた。別の例では、女性は胸から下を裸にされ、強姦され、殺害され、火を放たれた。

他の例では、頭蓋骨に貫通銃創がある犠牲者達が、可燃性液体を頭から浴びせられ、焼かれ、衣服は全く燃えていない遺骸に、黒焦げになった頭部が残った。ずさんに実行された大量殺人は、火事が、キエフ支持派と反キエフ派・デモ参加者の間の自然発生的衝突の結果ではなく、キエフのファシスト暫定軍事政権と協力している外国諜報機関が関与している可能性の高い入念に計画された秘密工作であることを証明している。CIAがウクライナの首都に居を構えていることは申しあげただろうか? AFPのスクープはこれだ。

“アメリカ中央情報局(CIA)と連邦捜査局FBIの多数の専門家が、ウクライナ政府に助言し … キエフが、ウクライナ東部での反乱を終わらせ、機能する治安機構を確立するのを支援している…” (CIA、FBI職員‘ウクライナ政府に助言:AFP報道)

世界中の国々で“機能する治安体制”を作り出そうというCIAの熱心な取り組みは、誰もが知っている。ウクライナにおけるCIAの存在は、アメリカがオデッサの出来事に、積極的に関与していたか、あるいは誰がやったか知っていたであろうことを示唆している。いずれにせよ、事件を起訴して、国際刑事裁判所ICCで審理する前に、独自調査が行われるべきだ。

オデッサでの凶暴な行動は、モスクワを挑発して、軍事的対立に引き込むという広範な戦略の一環だ。アメリカの戦争計画者達は、NATO拡大を正当化し、EU-ロシアの更なる経済統合を阻止し、“アジア回帰”を推進する為に、プーチンを紛争に引きずり込みたがっている。この悲劇の犠牲者達は、アメリカ政府の帝国主義の野望を推進し、アメリカの世界覇権を確立するため、犠牲にされたのだ。東部反体制派の弾圧に対する揺るがぬ支持を、オバマは繰り返し述べている。数日前のホワイト・ハウスのローズ・ガーデンでの記者会見で、大統領は、“ウクライナ政府は、この全過程で終始素晴らしい自制を示した。”と述べて、軍による民間人攻撃を称賛した。

実際は、オデッサの墓地は今、オバマがそれほど称賛する暫定軍事政権の偉大な自制を証言できる人々で満ちている。

欧米マスコミによるオデッサ虐殺報道は、最近の記憶の中で最悪だ。巨大報道コングロマリットは、もはや国家のプロパガンダ機関以外の何者でもないことを隠そうともしなくなった。そうした低い基準からしても、報道は救いがたい。リベラルなハフィントン・ポストのウェブサイト記事の典型的な概要はこうだ。

“警察は、労働組合会館の中で、死者を出した火災が始まったと言っているが、火災がどのように始まったかの詳細は説明しなかった。先に、警察は、少なくとも三人が、人口100万人の都市における両派の衝突で亡くなったと述べた。

ウクライナのニュース報道によれば、キエフ支持派デモ参加者が、労働組合会館の外にあったモスクワ支持者のテント村を破壊した。モスクワ支持者達は建物中に避難し、それから建物が火事になった。
オデッサ警察スポークスマンのヴォロディミール・シャスブリエンコは、APに、火事は、どうやら火炎瓶によって引き起こされたらしいと語った。彼は、犠牲者の詳細や身元は把握していない。” (オデッサ・ビル火事で数十名死亡、AP)

実際に起きたことについて、筆者は読者を意図的に誤解させている。火事は労働組合会館で“起きた”のではない。火災を起こしたのだ。これには議論の余地がない。全ての出来事のビデオ場面や、膨大な数の目撃報告がある。右派セクター暴漢達が、窓から火炎瓶を投げ込んで、火災を起こしたのだ。全てビデオにある。

第二に、“キエフ支持派デモ参加者”が“労働組合会館の外にあったモスクワ支持テント村を破壊した(わけではない)…テント村は、それから火事になった。”これは馬鹿げている。ファシスト過激派がテント村を焼き払い、活動家をビルの中に追い込み、出口をバリケードで塞ぎ、それから、内部の人々を殺害するという明確な意志を持って建物に放火したのだ。またもや、これは議論の余地がない。全てビデオにある。主として、捜査をすれば、確実にアメリカの関与を指摘してしまうことになるので、アメリカ・マスコミは、大規模隠蔽工作に従事している。これこそが、普通であれば大見出し記事になっているはずの出来事を、大手報道機関のどこも報道しない理由だ。オデッサ事件は、ウェーコでの宗教団体ブランチ・ダビディアン武装立て籠もり・集団自殺事件と、コロンバイン高校銃乱射事件を独自にまぜこぜにした様なもので、編集者達が、世の中の共感と一般大衆の激しい怒りにつけこんで、落ち込んだ視聴率を押し上げるのに利用する典型的なセットだ。この場合に限って、マスコミは報道を最小限にし、ペンシルヴェニア通り1600番地(ホワイト・ハウスの住所)におそらく直結するだろう話を報じるのを拒否しているのだ。

ニューヨーク・タイムズは、ウクライナにいるロシア兵士の偽写真を掲載したかどで広く批判されているが、ウオール・ストリート・ジャーナルは最低最悪報道トロフィーを獲得した。“死者を出したウクライナ火事は反徒が起こした可能性が高いと政府は主張”と題する記事で、WSJは、ビルの中の反クーデター活動家達が、実際自分で建物を焼き尽くしたという有り得ない話を押しつけて、政府による残酷な弾圧を犠牲者のせいにしようと惨めな努力をしている。下記が記事の抜粋だ。

“火事は屋根から始まりました。過激派がそこにいました。ケースと武器を発見しました”チェボタルは言った。“しかし、何か予期しないことがおきました。彼等の火炎瓶が落ちて、ビルの高い階に火がつきました。”(死者を出したウクライナ火事は反徒が起こした可能性が高い、ウオール・ストリート・ジャーナル)

全くとんでもない。WSJの編集者は、ネオナチがビルめがけて火炎瓶を投げている場面がインターネット中にあるという事実を知っているのだろうか?

記事はもちろん、ビルの中で一体何人が射殺されたり、絞殺されたりしていたかを説明しそこねている。人々が火事から逃れる為、窓から身を投げたり、ビル前の歩道で、右翼過激派に残忍に殴打されたりしていたのを、一体なぜ警官達が傍観していたのか、筆者は思いを巡らしてもいない。そうではなく、WSJは、あたかも“誰が火を放ったか”ということが他の重要な詳細から切り分けることができるかのように、自分達が選び出した話の一部に対して、もっともらしい言い訳をしようとしているだけだ。出来事の40人の犠牲者が、キエフにいるオバマの新しいお友達によって行われた、殺人犯の暴力行為で殺害されたことを、証拠は圧倒的に示唆している。いくら誤魔化そうとしても、この明白な事実を隠すことはできない。セルビア人歴史学者、政治評論家のネボシャ・マリチは下記の様に要約している。

“私が見た全ての証拠によれば、オデッサの出来事はまるごと巨大な偽装作戦でした。これは挑発で、親欧米派部隊が、ボスニアで、コソボで、そして今ウクライナで演じるのを得意とする、ロシアに過剰反応させるのを狙った、見せしめ虐殺の一つです…

“欧米がこれを引き起こしているという証拠があります。先日、EU外務・安全保障上級代表のキャサリン・アシュトンが、キエフから、過激派に行動の承認を与えたも同然です。彼等には、この国の国境内で法と秩序を確立する権利があると、彼女は言ったも同然です。EUは、特にキャサリン・アシュトンの手は、血塗られていると私は思います。彼等が90年代に、急進派、過激派、分離主義者を助長しはじめて、ユーゴスラビアで行ったのと同じことです。” (ネボシャ・マリチのインタビュー、RT)

アメリカ政府がオデッサ労働組合会館を焼き尽くしたネオナチ過激派を支持しているのは事実だ。もしそうでないのであれば、オバマは、この行為に烈しい反対発言をしていただろうが、そうはしていない。これはつまり、事態が計画に従って進行していることを暗示している。マリチが、火事は、工作員達が、敵対する集団の一員を装って挑発を引き起こし、それを相手側のせいにする秘密軍事作戦を意味する“巨大な偽装作戦だった”と言ったのも正しい。この場合、政権支持派ファシスト(及び、おそらくは治安機関の工作員)は、レンガや石を警官や右派セクター暴漢に投げつける為、反キエフ政権派を装っているのだ。これが虐殺に至った乱闘を引き起こした発火点だった。

ロシア・トゥディのビデオは、赤い腕章をつけた工作員がロシア派活動家にまじって、警官隊との衝突を引き起こし、紛争が始まると、素早く立場を変えたのを映している。これは典型的な偽装作戦だ。街頭での揉み合いが始まると、ペテン師連中を逃すため、警官隊の隊列を即座に開いたのだから、警察は明らかにペテンに加担している。この同じペテン師連中は、後に、寝返ってから何分もたたないうちに、建物の方向に拳銃や自動小銃を撃っている姿が撮影されている。(このビデオの、3:30から6分の部分をご覧いただいた上で、偽装作戦なのか、そうでないか、ご自分で判断願いたい。)

結論: 労働組合会館の中にいた40人が亡くなった壊滅的な火事に至ったこの衝突には自然発生的なものは皆無だ。この出来事は、ロシアを憤慨させて、ウクライナにいるロシア人保護の為、軍隊を派兵させるように仕組む、入念に計画され、実行された作戦だ。もしCIAがキエフで活動しているのであれば -実際、活動しているが-彼等がこの作戦を知っていたか、積極的に支援していたことに疑問の余地はない。

こういう関連ニュースがある。ロシア政府は“黒海艦隊強化の一環として…年末までに、クリミアに追加部隊を配備する”と発表した。RTによれば:“艦隊は、今年、新たな潜水艦と新世代水上艦船を入手する予定だ。”

ロシア政府は、戦争が起きた場合の為に、追加の航空機、戦艦と地上軍が配備された東ヨーロッパと黒海でのNATO軍増強に対処しつつある。またRTによれば、

“6,000人の兵士という空前の人数が参加する、三週間のNATO‘スプリング・ストーム’訓練がエストニアで始まった…。記録的な数の同盟軍を集めて。” (また)約150人のアメリカ空挺師団が軍用輸送機でエマリ空軍基地に到着し (一方) バルト地域のNATO防空強化の為、イギリスとフランスは8機の戦闘機をリトアニアとポーランドに配備した。” (ウクライナの緊張の中記録的な6,000人のNATO訓練がエストニアで始まった、RT)

死亡者数が増える一方、戦争に向かう動きは勢いを増しつづけている。オデッサは、プーチンを戦闘に引きずり込むであろう大きな転換点“触媒的な出来事”となるはずだった。だがそうはいかなかった。プーチンは傍観者にとどまり、誘惑には乗らなかった。つまり、更なる挑発がおこなわるはずだ。更なる偽装作戦、更なる流血、市民暴動を装う更なる演出されたテロ。最終的には、人々は誰があらゆる問題の陰にいるのか理解するだろう。だがそれまでに一体何人が亡くなるのだろう?

注: ウクライナにいる、オバマの友人ファシストについての12分ビデオがここにある。ビデオ最後の部分で、黒服のナチスや鮮やかな色の鉤十字というおあつらえむきのスライドを背景に、ネオコン・ビクトリア・ヌーランドが、ウクライナの“民主的手腕と機構”の進展を褒めたたえる声が聞ける。

マイク・ホイットニーはワシントン州在住。“Hopeless: バラク・オバマと幻想の政治”(AK Press)の寄稿者。HopelessにはKindle版もあるfergiewhitney@msn.comで彼に連絡できる。

記事原文のurl:www.counterpunch.org/2014/05/08/false-flag-in-odessa/
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5月7日の記事 キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!)の件、記事末尾に自動で表記される関連記事、どういう基準で選ばれるのか不明だが、直接関連する重要記事がなぜか表示されないので、あえて明記しておく。

こういう話題を大本営広報部は報じない。「真っ赤な虚報」として非難して紹介することすらしないだろう。そういう組織が、集団的自衛権やTPPの本当の狙いを報じる可能性は皆無だろう。

こういう虐殺を平然と進める宗主国、NATOと、一緒に集団的自衛権を行使するということは、オデッサ虐殺をする側で、実際に侵略戦争先制攻撃をすることに他ならない。「行使容認に6条件」などへの役にもたたない。

曲学阿世教授が、『それでも日本は集団的自衛権を容認した』を書き、売国出版社が売り出し、ベストセラーになるのだろう。

スターリン粛清の犠牲者に捧げた連作長詩「レクイエム=鎮魂歌」を書いたアフマートワ、オデッサ近郊ボリショイ・ファンタン(ベリキー・ファンタン)生まれという。
詩の冒頭、ネット上の翻訳を手書きで写した画像から転記。訳者名はないが、題名からして江川卓訳ではと想像する。ロシアでは詩の朗読会というものがあるという。原語朗読youtubeビデオ複数ある。小生にはネコに小判。

見るに耐えないマスコミでなく、見るに耐える・見るべき話。紀伊国屋サザンシアターで公演中の『みすてられた島』中津留章仁=作・演出(青年劇場)という芝居。5月18日まで公演。この劇団、「臨界幻想2011」という予言のような芝居を見て知った。

『みすてられた島』、戦後伊豆大島が日本から切り離される話が浮上し、大島暫定憲法(大島憲章)が作られた史実に想を得ているという。

本土の庶民とて、傀儡売国政権にみすてられているに違いないというのが小生の感想。

笑いと涙の中、沖縄を、福島を、クリミアを思い出さざるを得ない。翻訳し、ワシントン、ベルリン、パリ、キエフ、クリミア、オデッサやモクスワ、北京で上演されて不思議無い内容。

上演時間2時間50分が、あっと言う間。

東京新聞ウエブには記事がある。他紙、いや他の大政翼賛会広報部報じないのだろうか?

「見捨てられ感」今考える 福島、沖縄そしてあなたも…

ブログ『梁塵日記』に「みすてられた島」という記事がある。5/10感激観劇。「見逃したら一生の損」とおっしゃるが、同感。井上ひさしの言葉を思い出す。

むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
おもしろいことをまじめに
まじめなことをゆかいに
ゆかいなことをいっそうゆかいに

『梁塵日記』「みすてられた島」一部を勝手に紹介させて頂く。詳しくは記事をどうぞ。

前略

第一打席の初球をいきなり場外に運ぶ豪快なホームラン。久しぶりに観終わって心地よい興奮に包まれた。ヒットか空振りかのどっちか。どっちにしても豪快なバッターである中津留章仁の才能に心から感服する。

中略

これは中津留演劇とリアリズム演劇の青年劇場の幸福な最上のコラボレーション。見逃したら一生の損だよ。

2014年5月 1日 (木)

なぜプーチンはアメリカ政府の標的にされているのか?

Mike Whitney

    アメリカ政府は、ガス収入を大幅に削減させて、ロシアを経済的に弱体化させ、ロシアが自らあるいはその権益を守る能力を奪うことを狙っている。アメリカはヨーロッパやアジアには経済的に統合して欲しくないのだ。事実上のEUロシア同盟は、アメリカの世界覇権にとっては直接の脅威なのだ。”

2014年4月28日

Counter Punch

ウクライナにおけるアメリカの挑発は、中東からアジアへと焦点を移す広範な戦略的計画である、アメリカ政府の“アジア回帰”から切り離しては理解できない。いわゆる“リバランシング”というのは、実際は、アメリカ覇権の野望に沿うような形で、中国の成長を支配する為の青写真だ。これをいかにして実現するかについては幾つか流派があるが、大雑把に言って二派にわけられる。“龍殺し派”と“パンダ愛好派”だ。龍殺し派は封じ込め戦略を好み、パンダ愛好派は連携を好んでいる。現状、政策の最終形態はまだ決まっていないが、南シナ海と尖閣諸島での緊張からして、計画が大いに軍事力に依存することは明らかだ。

中国を支配することが、ウクライナでの騒動と一体どのような関係があるのだろう?

全てだ。アメリカ政府は、ロシアを、アメリカの地域支配計画にとって、益々増大する脅威と見なしている。問題は、石油とガス・パイプライン網を、中央アジアから、ヨーロッパへと拡張するにつれ、ロシアが益々強くなりつつあることだ。それで、ヨーロッパと経済的に統合した強いロシアは、アメリカ覇権にとっての脅威なので、アメリカ政府は、ウクライナを、ロシア攻撃の為の拠点として利用することに決めたのだ。中央アジアにおけるアメリカの存在や、重要なエネルギー資源を支配するアメリカの計画に挑戦できない弱いロシアをアメリカ政府は望んでいるのだ。

現在、ロシアは、西欧と中欧の天然ガスの約30パーセントを提供しており、その60パーセントはウクライナを経由する。ヨーロッパの人々も企業も、家庭暖房や、機械稼働の上で、ロシアのガスに依存している。EUとロシアの間の貿易関係は、買い手、売り手双方に有利な互恵的なものだ。EU-ロシアの連携で、アメリカが得るものは皆無で、それが、ロシアが極めて重要な市場にアクセスするのを、アメリカ政府が妨害したがっている理由なのだ。この種の商業妨害工作は、戦争行為だ。

一時、巨大石油企業の代表達は、EUの莫大な天然ガス需要に対応できる代替(パイプライン)システムを建設することで、ロシアと競合できるだろうと考えた。しかし、この計画が失敗し、アメリカは代案を進める事になった。ロシアから対EUガス流の遮断だ。二つの取引相手の間に自ら割り込むことで、アメリカは、将来のエネルギー配給と、二つの大陸の経済成長を支配することを狙っているのだ。

オバマ株式会社がでくわす問題は、EUの人々に、自宅暖房の為に、2014年に支払った金額の倍を、2015年に支払うことが、実際に彼らの利益になると説得することであり、アメリカの計画が成功するには、それこそが再生へのありかたなのだ。この離れ業を実現する為、マスコミが、彼が卑劣な侵略者で、ヨーロッパの安全保障に対する脅威だと非難できるよう、プーチンを対決へと誘い込むためのあらゆる努力をアメリカは行っている。プーチンを悪魔化して描けば、ロシアからEUへのガスの流れを止める為の必要な正当化ができ、これにより、ロシア経済を更に弱体化させ、西欧とのロシア周辺地域に、NATOが前進作戦基地を設置する新たな機会が得られるのだ。

オバマにとっては、人々が高いガス価格で金をむしられようが、寒さで凍死しようがどうでも良いのだ。重要なのは、次世紀に世界で最も有望で、繁栄する市場への“回帰”だ。ガス収入を大幅に削減させて、ロシアを潰し、ロシアが自国や、その権益を守る能力を弱体化させることが重要なのだ。世界覇権と世界征服こそが重要なのだ。それこそが一番重要だ。誰もがこのことを知っている。全体像から切り離せるかのように、ウクライナの日々の出来事を追いかけるのは馬鹿げている。これは全て同じ異常な戦略の一環だ。元アメリカ国家安全保障顧問ズビグニュー・ブレジンスキーが、アメリカ政府に関する限り、ヨーロッパと、アジア向けに、別々の政策を持っても意味がないことについて説明しているフォーリン・アフェアーズ(Foreign Affairs)中の記事抜粋は下記の通りだ。

“ユーラシアは、今やきわめて重大な地政学的チェス盤として機能しているので、ヨーロッパに対しては、ある政策、そしてアジアには別の政策を作るというのでは、もはや十分とは言えない。ユーラシア大陸における権力の分布でおきることは、アメリカの世界的優位性と歴史的遺産にとって、決定的に重要となろう。” (“アジアにおける戦争の危機”英語原文 、World Socialist Web Site)

全て、アジア回帰と帝国の将来の問題なのだ。それが、CIAとアメリカ国務省が、ウクライナ大統領ビクトル・ヤヌコビッチを打倒する為のクーデターを画策し、彼をオバマの命令を実行するアメリカ傀儡に置き換えた理由だ。詐欺師のアルセニー・ヤツェニュク首相が、“対テロキエフ暫定軍事政権に反対する、東ウクライナの非武装活動家弾圧を二度命じたのは、これが理由だ。オバマ政権が、現在の危機への平和な解決策を見いだす為の、プーチンとの建設的対話をすることを避けている理由はこれだ。オバマが、クレムリンを長引く内戦に引きずり込み、ロシアを弱体化させ、プーチンの信用を損ない、世論をアメリカとNATO側支持へと変えたがっているためだ。明らかに、それが実現する予定の政策方針を、アメリカ政府が変える理由など有り得ようか? 決して変えるはずがない。下記にantiwar.comの記事の抜粋をあげておく。

“モスクワからの報道によれば、プーチン大統領はオバマ大統領とのあらゆる対話を“停止し”、現在の脅しと敵意という環境の下で、再度アメリカと話すことに“興味はない”と語っている。

プーチンとオバマは、ウクライナに関し、電話で定期的に、3月と4月始めに話してきたが、プーチンは、4月14日以来、彼とは直接話しておらず、クレムリンは、これ以上の交渉をする必要はないと思うと語っている。”(“経済制裁の脅しの中、プーチンはホワイト・ハウスとの交渉を中止”antiwar.com)

オバマに話しても得るものは皆無だ。プーチンは、オバマが何を望んでいるかを既に理解している。オバマは戦争をしたがっているのだ。それが国務省とCIAがウクライナ政府を打倒した理由だ。これがクーデター前日に、ジョン・ブレナンCIA長官がキエフに出現し、ヤツェニュク大統領が、東部の親ロシア派抗議行動参加者に対する最初の弾圧を命じた理由だ。ヤツェニュクが、東部の親ロシア派抗議行動参加者に対して、二度目の弾圧を始めるわずか数時間前に、ジョー・バイデン副大統領がキエフに出現したのはそれが理由だ。ヤツェニュクが、親ロシア派活動家達に対する攻撃を準備して、東部の都市スラビャンスクを包囲したのは、それが理由だ。アメリカ政府が、武力紛争こそ、アメリカのより大きな権益に役立つと考えているからだ。このような連中と対話しても無意味で、それがプーチンが対話の試みを止めた理由なのだ。

現在、オバマ政権は、次の対ロシア経済制裁策を推進しようとしているが、EU加盟諸国は消極的だ。RTによればこうだ。

“現時点では、ロシアに対してどのような経済的措置をとることなら受け入れられるか、あるいは、それが必要であるかどうかについてさえ、EU加盟諸国の間で合意はない。”とあるヨーロッバ外交筋はイタル・タスに語った。

匿名を条件に話してくれた外交官は、ウクライナのあからさまな軍事侵略、あるいは、ウクライナへのロシア秘密軍駐留の確かな証拠さえあれば、EUの姿勢を経済制裁に転換できるという。これまでのところ、キエフやアメリカ政府がウクライナにおけるロシア人工作員の関与だとして公表したあらゆる証拠は、説得的でなかったり、ただのでっちあげだったりだ。” (“アメリカは、EU同盟諸国に対ロシア経済制裁をさせることに失敗している”、RT)

またもや、アメリカ政府は、その目的を実現するためには、ロシア軍を紛争に引きずり込む必要がありそうに見えるのだ。

日曜日、RIAノーボスチは、ウクライナ東部の都市スラビャンスク周辺での大規模軍事増強を示す衛星写真を公表した。ロシア・トゥデイの報道によるとこうだ。

“160輌の戦車、230輌の装甲兵員輸送車や弾道ミサイル防衛装置、少なくとも150門の砲や“グラド”や“スメルチ”を含む多連装ロケット発射装置が地域に配備されている。総計15,000人の軍隊がスラビャンスク近くに配備されていると彼は語っている…。

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は、ウクライナ軍の大規模増強や、作戦演習や、地域へのNATO諸国軍の追加配備によって、ロシア自ら軍事演習で対応することを“強いた”…..もしキエフが抗議行動参加者に対する弾圧を、彼等に対して重火器を使用してエスカレートさせることを選択すれば、ロシアは、流血を止める為に軍を使用する権利を留保すると述べた。” (“戦車、装甲兵員輸送車、15,000人の軍隊: スラビャンスク近くでのキエフ軍増強を示す衛星写真”、RT)

プーチン大統領は、もしロシア人がウクライナで殺害されれば応酬すると繰り返し述べている。これは越えてはならない一線だ。ロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフは同じメッセージを、先週RTのソフィー・シュワルナゼとのインタビューで繰り返した。いつもは穏やかなラブロフが、ヤツェニュクによる、ウクライナ民間人に対する“犯罪人”としての攻撃を非難し“ロシア国民に対する攻撃は、ロシア連邦に対する攻撃だ”と警告した。

この発言の後、民間人に対する暴力行為を抑止する為にロシア政府が介入準備をしている可能性を示すウクライナ国境近くのロシア軍の動きに関する不穏な報道がある。ロシアのイタル・タスによれば“セルゲイ・ショイグ国防大臣は“今日の時点で、ウクライナ国境地域で、戦術大隊群の演習が始まった。”航空部隊も、国境近くでの戦闘をシミュレーションする為、演習行動する”と語っている。

これでお分かりだろう。オバマの挑発が、プーチンを結局争いに巻き込む可能性だ高そうだ。しかし、はたして物事はオバマが期待する方向に展開するだろうか?  プーチンは、アメリカ政府のシナリオに沿って、軍隊を東部に残し、アメリカが資金提供している準軍事ゲリラや、ネオナチ連中に狙い撃ちにされることになるのか、それとも、キエフを急襲して暫定軍事政権を排除し、紛争を鎮める為に国際和平監視部隊を招請し、安全の為、国境を越えて撤退する等の秘策を何か持っているのだろうか?

戦略が何であれ、それが実行されるまで、長く待つようなことはあるまい。もしヤツェニュクの軍隊がスラヴャンスクを攻撃すれば、プーチンは戦車を送り込むこととなり、全く別の事態となるだろう。

マイク・ホイットニーはワシントン州在住。“Hopeless: バラク・オバマと幻想の政治”(AK Press)の寄稿者。HopelessにはKindle版もあるfergiewhitney@msn.comで彼に連絡できる。

記事原文のurl:www.counterpunch.org/2014/04/28/why-is-putin-in-washingtons-crosshairs/
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アーサー・ビナード氏による赤旗掲載文章。ネットで知って感激した。

日本政府が集団的自衛権の行使を容認するということは、自衛隊がますますアメリカ国防総省の“下請け軍”になり下がる流れです。もっといえば、ペンタゴン奴隷軍と化することです。

「ドラエもん」には悪いけど、安倍晋三首相は、「ドレイもん」になって「どこでも派兵ドア」を開けようとしています。日本軍が攻撃を受けなくても、世界中どこへでも行って、米軍にくっついて戦争ができるようにするものです。

アンパンマン風幹事長が連休中遥々宗主国に参拝して、わめいている。是非ともご自分一人で、ウクライナなり、アブガニスタンなりで、戦闘に参加していただきたい。

「ドラエもん」にも、「アンパンマン」にも悪いけど、安倍晋三首相や石破幹事長は、「ドレイもん」になって「どこでも派兵ドア」を開けようとしています。日本軍が攻撃を受けなくても、世界中どこへでも行って、米軍にくっついて戦争ができるようにするものです。

宗主国大歓迎に決まっている。ただでドコデモ自由に使える肉弾が手に入るのだから。

首相の祖父の安保条約改訂の時と比較にならない大群衆が国会を何重にも取り巻けば、宗主国向けの「ドレイもん」「どこでも肉弾ドア」は止められるのだろうか。

現時点で選挙権をもっている日本人、後世の自治領日本人に顔向けできるだろうか?

2009年12月16日 (水)

アメリカ占領と、ハミド・カルザイの腐敗したマフィア国家

Mike Whitney

2009年12月12日

木曜日にノーベル賞受賞演説をする前に、バラク・オバマが、マラライ・ジョヤに相談しなかったのは、実に残念だ。この元アフガニスタン国会議員なら、継続中のアメリカ占領が、アメリカとアフガニスタン双方の利益を損なうものであるということを、大統領が理解するのを手助けできていたろう。アフガニスタンは、演説の中で、あれほど情熱的にオバマが擁護したような"正しい戦争"ではない。それは、ジョヤがその新著『軍閥の中に女一人:大胆にも抗議の声を上げた、あるアフガニスタン人の驚くべき物語』の中で、概要を描いている、アメリカの大規模な地政学的戦略の一部なのだ。アメリカの為政者達が、中国の成長を監視し、ロシアを包囲し、カスピ海盆地の重要な天然資源を支配し、アジアを"将来の市場"とみなしているアメリカの巨大企業を保安を提供するための橋頭堡を、中央アジアに打ち立てようと決めたのだ。グレート・ゲームのやり直しなのだ。アフガニスタンにおける"勝利" というのは、一握りの兵器製造業者、石油王、軍事関係請負業者達が、非常に儲かるということを意味している。ただそれだけのこと。アル-カイダやら、"デモクラシーの推進"やら、アメリカの国家安全保障とは無関係なのだ。皆全て、広報活動の子供だましに過ぎない。

『軍閥の中に女一人』は、アメリカによるアフガニスタン侵略を巡る多くの幻想にメスを加え、意見対立をひき起こすような本だ。たとえば、大半のアメリカ人は、アフガニスタンではありきたりな言葉"軍閥戦略"など、聞いたことがないだろう。それは、この言葉が、アフガニスタン"解放"という、西欧マスコミの物語とうまくかみ合わないためだ。事実は、ドナルド・ラムズフェルド国防長官が率いたアメリカの戦争立案者達は、最初の一弾が発射される前から、アフガニスタンの全地域を、軍閥に引き渡すという計画を決めていた。あらゆる"解放"論は、戦争支持を導き出すための策略に過ぎなかったのだ。最初に戦争を正当化した理由が、でたらめのかたまりと知っていたら、一体何人のメリカ人が、更なる兵士の派兵を支持しただろう?

ジョヤは、彼女なりに、以下のように要約している。

「占領にも、NATOが支援する、ハミド・カルザイや軍閥や麻薬王の、腐敗したマフィア国家にも、アフガニスタン国民はうんざりしている.... 今や、いわゆる“対テロ戦争”という口実の陰に隠された、アメリカとその同盟諸国の本当の動機が、アフガニスタンを、中央アジアにおける軍事基地と、世界のアヘン麻薬取引の中心に変えようというものであったことは明かだ。普通のアフガニスタン国民は、このチェス・ゲームでの駒に使われ、西欧の納税者達の金や兵士達の血が、この地域を一層不安定化させるだけのこの目標のために、無駄にされる....

私はここで、最愛の人を亡くされたご遺族の方々に、お悔やみを申しあげておいたい。(彼らは)アメリカ政府の誤った政策の犠牲者だ。この戦争で殺害されたアフガニスタン民間人の家族たちも、皆さん方の故人への思いを共有している。もし、こうした悲しみを、力に変えれば、我々はこの戦争を終わらせることができる。2011年末に、兵士たちを帰国させるというのは遅すぎる。更なるアフガニスタン人とアメリカ人の命が無駄に失われる前に、兵士達はできるだけ早急に撤退させられるべきだ。」

ジョヤは、焦点を絞って妥協することがない。女性一人の救援部隊だ。彼女は、戦争への抗議を語って聴衆を心服させることができる感動的な演説家でもある。人々は彼女の激しさ、誠実さ、正義への確固たる姿勢を感じ取れる。戦争や苦難を永続させるだけでしかない、高慢に響く陳腐な言葉を好む嗜好は、オバマと違って、彼女にはない。(オバマのノーベル賞演説引用「我々は、厳しい真実を認めることから始めなければならない。我々が生きている間には、暴力を伴う紛争を根絶することはできないのだ。」) ジョヤの目標は平和だ。30年間の戦争の終結、アメリカ占領とイスラム狂信の終結だ。残念ながら、オバマの軍事エスカレーションは、更に多くの人々に災厄をもたらしながら、紛争が、今後何年間もダラダラ長引くのを確実にするだけだ。

マラライ・ジョヤ「私がこうして文章を綴る間にも、アフガニスタンは徐々にひどくなりつつある。我々は二つの敵の板挟みになっている。一方にはタリバン、そしてもう一方にはアメリカ/NATO軍と彼らが雇った軍閥達.... オバマの軍事増強は、無辜の民間人の苦難と死を増すばかりだ.... 本書中の教訓が、オバマ大統領やワシントンで彼の政策を決定する人々の元に届き、彼らの残虐な占領を、彼らによる軍閥や麻薬密売組織のボス達への支援を、アフガニスタン国民が拒否していることを、彼らに警告してくれることを願っている。」 (『軍閥の中に女一人』、5ページ)

『軍閥の中に女一人』は、アメリカ侵略によってもたらされた大規模破壊を、読者にかいま見せてくれる。軍閥達を権力の地位に復帰させ、3200万人のアフガニスタン国民に、戦犯や人権侵害者の下で、恐怖の生活を強いた、ラムズフェルドの戦略を、ジョヤは繰り返し非難している。彼らのことを、"北部同盟"、あるいは、同様に誤解されやすい、"アフガニスタン救国・民族イスラム統一戦線"と呼んで、軍閥達を掩護しているマスコミにも、彼女は照準を合わせている。ジョヤが指摘する通り、紛争に対する人々の考え方は、虚報、切り捨て、プロパガンダによって、形作られている部分が大きいのだ。オバマのノーベル賞演説は、今度は、更に優秀な広報担当者によって、これと全く同じ嘘がつかれるという証明だ。

マラライ・ジョヤ:「アメリカ合州国が空爆をしている間に、CIAと特殊部隊は、既にアフガニスタンの北部諸州に到着し、何百万ドルもの現金と、武器とを、北部同盟の司令官達に配っていたのだ。連中は、その民兵が、内戦の間、アフガニスタンを略奪したのと、まさに同じ過激派だ。数ある中、ドスタム、サヤフ、ハリリ、ラッバーニ、ファヒム、アリフ将軍、ドクター・アブドッラー、ハジ・カディール、ウスタド・アッタ、モハメド、ダウド、ハズラト・アリ等。...ファヒムは暗い過去を持った冷酷な男だ。西欧のマスコミは、当時こうした軍閥達を"反タリバン・レジスタンス勢力で、アフガニスタン解放者"として描きだそうとしていたが、実際、アフガニスタン国民は、連中とて、タリバンと変わりはしないと信じていた。」(同書、52ページ)

激しい空爆の中を、タリバンがパキスタン国境を越えて逃れていた頃、軍閥達が、全ての州を掌握し、現地の人々に対する残虐非道な支配を取り戻していた。ブッシュ政権は、一つの抑圧的政権を、別の抑圧的政権で置き換えることに成功した。民主主義を確立しようという努力は、全くなされていない。

ニューヨーク・タイムズの2001年11月19日記事はこうだ。「1990年代初期に、アフガニスタンを分裂させ、その腐敗と背信ゆえに、タリバンによって破られた、きら星のようにい並ぶ軍閥達が王座に復帰し、それまでいつもしてきたやり方で、権力を行使する態勢にある。」

ジョヤは、「1990年代に、カーブルで、何千人も殺害した。」過激な原理主義者、アブドル・ラスル・サヤフを含む、多くの軍閥達の略歴も書いている。彼は、あるカーブル粛清で、兵士たちにこう命じていた。「誰一人、生き残らせるな--全員殺害しろ。」サヤフは「1980年代に国際テロリストのオサマ・ビン・ラディンをアフガニスタンに招いた人物だ。彼は、9-11攻撃の首謀者だったとアメリカが主張している人物、ハリド・シェイク・モハメドをも、教育し、庇護していた。」(67ページ)

連中が、ビン・ラディンやハリド・シェイク・モハメドの友人を保護しているのだということを知っていたら、一体何人のアメリカ人が、戦争を支援し続けただろう?

再度マラライ・ジョヤを引用しよう。「西欧の大半の人々は、アフガニスタンでの女性への不寛容、残虐行為、ひどい抑圧は、タリバン政権から始まったと信じ込まされている。だがこれは嘘で、アメリカが支援する、いわゆるハミド・カルザイの民主的政府を支配する、軍閥達が、世界に放つ目くらましなのだ。実際、近年のアフガニスタンにおける最悪の残虐行為のいくつかは、内戦の間に、現在権力を握っている連中によって行われた。」

1992年のアフガニスタン内戦最悪の時代、軍閥のある集団がカーブルを掌握し、その大半を跡形もなく崩壊させた。「ドスタム、サヤフ、マスード、マザリや、ヘクマチヤルの民兵が、市を略奪し、家々から強奪し、女性を虐殺し、強姦した。信じ難いほどの死亡者数についての公式数値はないが、最終的に、カーブルだけでも、65,000人から80,000人の範囲で、無辜の人々が殺害された。国連によると、市の90パーセント以上が破壊された。(最終的に)「アフガニスタンは、対抗しあう殺し屋や軍閥の気まぐれで支配される封土へと、分割された。」(同書 26ページ)

ジョヤの解決策「全ての外国軍隊の撤退」

マラライ・ジョヤ:「軍隊が撤退すれば、内戦が勃発するだろうという人々がいる。こうした見解は、アフガニスタンで、既に起きている、ひどい紛争や人道的災厄を無視している人々から出されることが多い。アフガニスタンに、外国軍兵士がより長く駐留すればするほど、アフガニスタン国民にとって、結果としておきる内戦はますますひどいものになる。ソ連撤退の後に起きた恐ろしい内戦は、確かに正当化しようもない... あの10年の占領によってひき起こされた破壊と死。" (217ページ)...現在我々は、世界でも最も腐敗し、不人気な政府の下、銃に脅かされて暮らしている。(211ページ)

西欧のマスコミで、人が読んでいるの戦争は、本当の戦争ではない。オバマ支持者達は、『軍閥の中に女一人』を入手して、占領の現実と、新聞で報道されているプロパガンダとを比較すべきなのだ。事実は、アメリカ合州国が、アフガニスタンを、大量虐殺マニアとイスラム狂信者の集団に、引渡したのだ。現在でさえ、アメリカ合州国による継続支援無しに、軍閥達は、アフガニスタン国民への残虐な弾圧を継続できていないはずだ。軍閥達の多くは、未だにアメリカから給料を支払われているが、オバマは"平和賞" 演説の中で、何故かこれには触れ損ねた。

『軍閥の中に女一人』は、素晴らしい読み物であり、戦争プロパガンダの絶えざる集中砲火に対する、完璧な対抗手段だ。間違いなく、一読に値する。

記事原文のurl:www.smirkingchimp.com/thread/25483

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読みやすさを考え、文中勝手に『軍閥の中に女一人:大胆にも抗議の声を上げた、あるアフガニスタン人の驚くべき物語』と訳したジョヤの本、原題は下記の通り。

"A Woman Among the Warlords: The extraordinary story of an Afghan who dared to raise her voice"

"A Woman Among the Warlords"は、Amazon.com(本国)でさえも、書評で絶賛されている。

郵政解体の指示も書かれている「年次改革要望書」のからくりを暴いた『拒否できない日本』の取り扱いを、「品切れ」として徹底的にサボっていた(特に911郵政破壊選挙中)同社の属国支社より、宗主国本社、心が広いのだろうか?それとも、宗主国の国民の方が、属国の国民よりも民度が高いことの反映なのだろうか?

この本、是非読んでみたいが、件の会社からは決して購入しない。

英会話が好きでもなければ、うまくもない素人としては、こうした本を読むことの方が、英会話を習うより、はるかに重要で、しかも、経済的だろうと思う。これはむろん、発音の悪さ・文法欠如の言い訳。営業妨害をするつもりは皆無。

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