Mahdi Darius Nazemroaya

2015年12月31日 (木)

加熱するエネルギー戦争: イスラエル-トルコ関係正常化と、カタール国内トルコ基地

Mahdi Darius NAZEMROAYA
2015年12月30日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

2015年12月始めに、シリア領空で活動していたロシアのスホイSu-24M戦略爆撃機を撃墜して間もなく、トルコ政府は、重武装した大隊を、イラク、バシカのジルカン基地軍事基地に派兵した。この動きが、アンカラとイラク政府間の緊張を引き起こし、イラク政府は、トルコによる侵略行為だと非難した。資源・エネルギー戦争という枠組みの中で、トルコ軍派兵は、いわゆる「イスラム国」(ISIL/ISIS/IS/ダーイシュ)との違法な石油貿易を確保するためのトルコ政府による動きだ。

ペルシャ湾のトルコ軍事基地

トルコ軍がバシカのジルカン基地に派兵されてから数週間後、ロシア軍参謀本部は、2015年12月25日、イラク-トルコ国境近くの町ザフー周辺で、11,755台の石油タンクローリーや、トラックを撮影したと報じた。石油タンクローリーや、トラックは、アンカラによる、南東トルコでのクルド人に対する軍事作戦のせいで、イラク-トルコ国境が閉鎖されてできた長い行列だというクルディスタン地域政府の説明にもかかわらず、石油タンクローリーやトラックは、ISILが盗んだシリア石油の新密輸経路の一部だと理解されている。

トルコ政府は、エネルギー源をロシアとイランから他に変えるための手をいくつか打ってきた。まさに、エネルギー源を確保するという文脈から、2015年12月16日、アフメト・デミロク駐カタール・トルコ大使が、カタールのペルシャ湾地域に、軍事基地を開設するというアンカラの計画を発表した。ロイターとのインタビューで、デミロク大使toldトルコ基地は、2014年に、アンカラとドーハが調印した安全保障条約にのっとって開設されるもので、軍事基地は、トルコとカタールが共同で、デミロク大使が具体的な名前を上げるのをさけた一部の国々による“共通の脅威に立ち向かう”のに役立つだろう。

デミロク大使が名前をあげなかった国々とは、イランとロシア以外の何者でもなかった可能性が高い。しかも、カタールにおけるトルコ軍事基地開設に関するトルコ発表は、翌12月17日の、サリム・ムバラク・アル-シャフィ駐トルコ・カタール大使による、ドーハは、トルコに、必要なだけの量の液化天然ガス(LNG)を提供する用意があるという発表と重なっている。

イスラエルとトルコが団結: 東地中海天然ガス

駐トルコ・カタール大使サリム・ムバラク・アル-シャフィが、ドーハは、トルコに必要なだけの量のLNGを提供するつもりだと発表した翌日、12月18日、イスラエルとトルコは、イスラエル天然ガスをトルコに輸出する包括協定に調印したと発表した。トルコと、ロシア、イランやイラクとの緊張が、アンカラとテルアビブとの間の、天然ガス契約を促進させた可能性はあるが、イスラエル-トルコエネルギー貿易包括協定が、イスラエルと、トルコ政府によって、数カ月間、静かに交渉されていたのだ。

専門家やジャーナリスト連中は、イスラエルとトルコ間の天然ガス協定を、ロシア、イラン、イラク、シリアや、彼等の地域パートナーを埋め合わせるための手段として外交、軍事関係を正常化させ、イスラエルと緊密になろうというトルコの動きの一環だと説明している。ところが、こうした見解や主張は、イスラエルとトルコが、緊密な同盟としての関係ではないにせよ、経済と軍事部門で協力を維持してきたという明らかな兆しがあった事実を見過ごしている。トルコとイスラエルの軍隊は、シリア国境で、同期した動きと作戦まで展開していたのだ。

イスラエルは、トルコが、シリアとイラクから輸出してきた密輸された石油を再輸出してきたが、テルアビブは、ガザ沿岸沖のパレスチナ天然ガス埋蔵の採掘を正当化しようとしてきた。並行して、テルアビブは、ナイル・デルタ北のエジプト天然ガス埋蔵を支配するためあらゆる影響力を行使した。この間、イスラエルは、天然ガスを膨大に埋蔵しているレバノンの海域は自国のものだと主張し、またキプロスには、地中海天然ガス埋蔵の支配で訴訟を起こしている。

より広範なエネルギー戦争の輪郭が出現

イスラエルとカタールの協定は、最近のロシア-トルコ緊張より前からあった、エネルギー戦争という枠組みの、より広範なエネルギー貿易ネットワークの一環だ。実際、アル-シャフィ大使も、デミロク大使も、ISILの石油密輸にエルドアンが関与していることを発表するロシア軍の記者会見時期のエルドアン・カタール訪問中に、エルドアンとカタール首長タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー との間で合意された協定に関する情報を繰り返していたに過ぎない。更に、イスラエル、トルコとカタールという空間配置は、中東で起きているエネルギー戦争の構図を反映している。

トルコは、トルコを迂回するイラン-イラク-シリア・エネルギー回廊が作り出されるのを阻止するためにできるほとんどあらゆることをやって来た。イラクのモスル地方へのトルコ軍派兵と、カタールへのトルコ軍事基地開設は、ペルシャ湾とイラクから、トルコをへて、ヨーロッパに到るライバルのエネルギー回廊を作り出すという、トルコとカタールの共通の目標と結びついている。イスラエルが、トルコにガザに対する“無制限の”アクセスを認めるようにという要求は、ガザ沿岸沖のパレスチナ天然ガス埋蔵とつながっている可能性もある。

更に、イスラエルもトルコも、東地中海天然ガスを、主に北方向、トルコと欧州連合に輸出し、石油を主に南方向、イスラエルに輸出するレヴァント・エネルギー回廊の建設すべく、長年活動してきた。この回廊の実現は、主としてシリアによって阻まれてきた。これが、トルコ政府が、ダマスカス政権転覆を推進している理由の一つだ。

トルコは、アメリカ政府とは独自に動いているという主張もあるが、アメリカ・トルコのダマスカス政権転覆という共通目的に関して、何ら調整が行われていないということなど、ほとんどありえない。トルコのエネルギー貿易相手の変更は、ロシア連邦と他の国々との間のエネルギー貿易を阻むことによって、ロシアのエネルギー部門をまひさせるというアメリカの狙いと合致する。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/12/30/energy-war-heats-up-israeli-turkish-normalization-turkish-base-qatar.html

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IWJ【年末年始の再配信シリーズ】 9条改正よりヤバい!? 安倍政権が目論む緊急事態条項!

2015年9月 6日 (日)

文化帝国主義と認知操作: ハリウッドがアメリカ戦争犯罪をいかに隠蔽しているか

Mahdi Darius NAZEMROAYA
2015年9月3日 | 00:00
Strategic Culuture Foundation

アメリカ外交政策を公然と支持しているハリウッドと、アメリカ政府の、暗黙ながら、極めて明白なつながりが存在している。アメリカの戦争犯罪を隠蔽し、NATOが駐屯するアフガニスタンや、英米で占領したイラクや、世界中至る所におけるアメリカ軍作戦の不都合な部分を消し去る上で、ハリウッドの映画産業は積極的だ。しかも、ヨーロッパやそれ以外の世界中における、文化帝国主義の道具としてのハリウッドの支配的地位のおかげで、ハリウッド映画は、世界に、ワシントンの考え方を伝え、誤解を招くような説明で、世界中の観客を鎮静させる為の素晴らしい手段になっている。

文化帝国主義と、認知を操作する為の手段としてのハリウッド

マスコミを除けば、アメリカや他の国々の一般人が戦争に関して持っている大半の考え方や意見が、映画、テレビ、ラジオ番組、ビデオ・ゲームと、エンターテインメント産業によるものであるのは驚くべきことではない。映画とエンタテインメント産業は、観客にとって、役割を特定するには理想的だ。観客の戦争や紛争に対する見方を作り上げる上で、多くの場合、映画やエンタテインメント産業の方がマスコミをしのいでいる。

映画は、どの人物、集団、国民や国が、英雄なのか、犠牲者か、侵略国か、悪漢かを特定するのに利用される。この点で、ハリウッドは、イラン、中国、ロシア、キューバや北朝鮮等の国々を悪魔化し、アメリカ合州国をもてはやす。ハリウッドは、歴史的叙述を歪曲し、歴史修正主義的叙述を具体化してもいる。これこそが、歴史的事実や現実から遠く隔たった形で、一体なぜ、大半のアメリカ国民や多くの西ヨーロッパ人が、ヨーロッパにおける第二次世界大戦の結果が、ソ連によって、東ヨーロッパと中央アジアでではなく、アメリカによって、大西洋で、決定されたと信じ込んでいるかという理由なのだ。

アメリカや西ヨーロッパでは、大半の人々の物の見方は、歴史の教科書や学術著作ではなく、ハリウッドとエンタテインメント産業に影響を受けている。フランス世論研究所が、フランスで行った、第二次世界大戦に関する世論調査が、アメリカ文化帝国主義が、ハリウッドの影響力によって、一体どの様に展開されているかを実証している。1945年、世論調査を受けたフランス国民の57%が、第二次世界大戦で、ドイツが打ち負かされたのは、ソ連のおかげだと考え、20%がアメリカのおかげと考え、12%がイギリスのおかげだと考えていた。1994年までに、彼らの見解は歪曲され、世論調査を受けたフランス国民の25%が、ヒトラーが打ち破られたのは、ソ連のおかげだと考えており、一方49%がアメリカのおかげだと考え、16%がイギリスのおかげだと考えていた。2004年には、調査対象のフランス国民のわずか20%しか、ヨーロッパで第二次世界大戦を終わらせた主要部隊がソ連だとは認識しておらず、58%がアメリカのおかげだと信じ、16%がイギリスのおかげだと思っていた。

より若い世代や、第二次世界大戦を経験していない同時期出生集団は、彼等の認識が、現代のマスコミ、特に映画とエンタテインメント産業によって形成されているだろうと推論できる。これが、一体なぜ、CNNのクリスチャン・アマンポールが、2014年6月6日、ノルマンディー上陸作戦開始70周年に、フランスのベヌービル城で、“アメリカの取り組み、第二次世界大戦中アイゼンハワー将軍とルーズベルト大統領指揮下のアメリカ合州国による、この上なく英雄的な取り組みに、大陸中[つまり、ヨーロッパ]が過去70年間アメリカに感謝してきた”と大胆にも宣言できたのかという理由だ。CNNのアマンポールは、ロシアを批判し、第二次世界大戦における、ソ連の役割を傷つける一方、フランス政府が“アメリカ合州国に感謝する日だ”アメリカが“何よりとりわけ、歴史の流れを変えたことに”感謝するとも強調した。

ハリウッドと軍産複合体との垂直統合

ハリウッドとアメリカ政府のつながりは、1927年、無声の戦争映画「つばさ」制作で始まったのだと認識されている。この無声映画は、第一次世界大戦に関するもので、アメリカ陸軍航空隊に、大いに依存していた。1927年の『つばさ』制作以来ずっと、ペンタゴンとハリウッドの密接な関係が続き、中央情報局(CIA)等、16のアメリカ諜報組織を含む他の政府機関を包括するまで拡張発展するに至った。これが、ハリウッドとエンタテインメント産業の軍産複合体への垂直統合をもたらし、それが本質的に、ハリウッド映画を、文化帝国主義の道具と、偽装されたアメリカ・プロパガンダへとおとしめた。

アメリカ政府は、益々ハリウッド映画の脚本内容を操り、アメリカ軍を美化し、その作戦をもてはやす様になっている。ペンタゴンとアメリカ政府は、実際は邪悪なアメリカの戦争の役割を暴露する映画やテレビ番組制作は支援しない。財政的・物質的支援は、戦争とアメリカ外交政策を、英雄的で、高貴な解決策であるかの様に見せる戦争映画にだけ与えられる。『オペレーション・ハリウッド』の著者、デイヴ・ロブは、これを実証する素晴らしい仕事をしている。例えば、ペンタゴンは、1961年『名犬ラッシー』の“ティミーと火星人”編の筋と脚本を丸ごと変更させた。この一話は、本来、主人公の「名犬ラッシー」が、ティミーに、飛行機の墜落を知らせようと吠えるというものになる予定だった。プロデューサー達は、元々、ラッシーが、設計ミスがあった為の甲高いノイズを感じ、アメリカ軍の飛行機が墜落した場所を特定できたという番組を作りたかったのだ。ところが、アメリカ軍は、アメリカの戦闘用機器に、設計ミスが有り得ることをほんのわずかでも示唆する様な、いかなる脚本も受け入れようとしなかった。アメリカ軍にとって、将来の新兵募集の障害になるので、アメリカ政府とペンタゴンは、アメリカ軍装備品に欠陥が有り得るなどと子供達に思われたくはないためだ。そこで、ペンタゴンの支援を得る為、番組の飛行機墜落の状況は、描き直すしかなかった。

この関係は、実際に、ワシントンの外交政策を正当化し、アメリカの戦争と侵略の好ましくない部分を隠している。それは歴史的に歪曲された映画の制作をもたらしている。一方では、ハリウッドが、自主検閲をするようになっており、もう一方では、政府の補助金を受けるプロパガンダと化している。ハリウッドの制作予算を大幅に引き下げ、プロデューサーが膨大な金額を節約できる、ペンタゴンとアメリカ政府からの支援を依頼することになるのを知っているので、ハリウッドの脚本家達は、自己検閲した映画脚本を書いている。ハリウッドの脚本は、この関係で、常時変更されており、ペンタゴンには、ロサンゼルスに、映画調整部(Film Liaison Unit)という名称のハリウッド監督やプロデューサーに対応する組織まである。

アメリカ戦争犯罪を隠蔽する上でのハリウッドの役割

アメリカは、『トップ・ガン』等を、宣伝・新兵募集用資料として利用し、『グリーン・べレー』の様な映画を、戦争におけるアメリカの役割を歪曲する為に利用し、CIAが事実確認をしたと言われている『アルゴ』の様な映画を、歴史認識を歪曲する為に利用している。『アイアンマン』や『ローン・サバイバー』等のハリウッド映画は、アフガニスタンや中央アジアへのアメリカ軍駐留の背後にある状況については決して説明しない。こうした映画は、アメリカ軍現地駐留を、招かれたものとして描き、現地アメリカ部隊を、単なる平和維持部隊にしてしまっている。『トランスフォーマー』、『G.I.ジョー』や、『ファンタスティック・フォー』『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』等の映画は、アメリカが、ロシアと中国を含め世界のどこででも、他の国々の主権を無視し、アメリカ軍基地を他国に設置までして、何の責任を問われることなく行動する権限があるものとして描いている。

アメリカ軍には、中国領土に対する管轄権などなく、ペンタゴンも、ロシア領土に基地などない。これらのハリウッド映画は、他国へのアメリカの干渉を自然なものに見せ、アメリカ軍は何であれ好きなことをする権利があるという間違った印象を生み出している。

アメリカ外交政策の暗い面には触れないと同時に、『フォレスト・ガンプ』の様なハリウッド映画には潜在意識メッセージがある。アメリカ文化とエンタテイメントに関する雑誌、ローリング・ストーン誌の紹介はこうだ。“『フォレスト・ガンプ』のメッセージは、もし堅いことを余り考え過ぎると、AIDSになるか、足を失うかしてしまうことになるということだ。主人公は、国が彼に何かおかしなことをするよう命じる度に肩をすくめ、‘はい!’と答える知的障害者だ”。ローリング・ストーン誌が言っているのは、「するように命じられていることに従え」だ。

更に、アメリカ外交政策を、個人的性格という安易な考え方に帰結してしまう『アメリカン・スナイパー』の様な映画がある。この映画は、物事や兵士を、もし人がアメリカの戦争を批判すると、兵士達や彼らの信念を攻撃することになるという方向に向けてしまっている。映画は、違法な侵略と占領という本当の問題を、兵士達の背後に隠し、注目からそらしている。アブグレイブや、デタラメな大量破壊兵器のウソについては全く触れない。ローリング・ストーンの『アメリカン・スナイパー』に関する言い分はこうだ。“『スナイパー』は、政治的主張が実に馬鹿げていて、愚かしく、普通の状況であれば、批評に値しない映画だ。ほぼそっくり似た世界観が、問題の戦争に我々を引きずりこんだ大統領の、クルミ大の心を奪っているという驚くべき事実だけが、我々がこの映画を真面目に扱うよう強いている”。“映画が人気があるのは事実で、実際に、非常に多くの人々が納得できるというのが問題だ”とも書いている。実際、映画のおかげで、アメリカでは、憎悪犯罪やアラブ人やイスラム教徒に対する否定的な感情が増えた。

クリス・カイルは、実生活では、ハリウッド映画が描いている様な、アメリカの生活様式を守る英雄ではなかった。彼は決してイラクにいるべきではなかった占領軍の一部で、イラク占領に抵抗すべく出現した、彼が“反乱勢力”と呼ぶものと戦っていたのだ。カイルは、ニューオリンズで、略奪をしたいたかどで、30人のアメリカ人を殺害するよう命じられたとも主張していた。彼はウソつきであることも知られており、著書の中で、イラク人殺害を楽しんでいたことも認めていた。

ハリウッドは、アメリカ戦争犯罪の都合の悪い部分を消し去り、偽りのイメージを生み出すのを手助けしている。ハリウッド映画が、諜報工作の一環であっても驚くべきことではない。映画『アルゴ』の監督で、CIA賛美者で、『アルゴ』制作で彼等と協力したベン・アフレックは、キャサリン・ショードに、ハリウッドは、CIA工作員だらけなのかと質問された際、答えは“ハリウッドは、多分、CIA工作員だらけだと思う”だった。

ハリウッドへのCIAの関与に関する、アメリカ上院議員トム・ヘイデンの言葉は紹介に値する。“考えて頂きたい。ハリウッドが、何か不快な形で、CIAと結託しているのではなく、CIAが、アメリカで最も人気の高い娯楽を通して、自らに関する肯定的なイメージ(言い換えれば、プロパガンダ)を植えつけようとしているのだ。CIAとエンタティメント産業のコネが、余りにも当然のものになってしまい、法的あるいは道徳的影響を問題にするむきはほとんどない。これは他に類のない政府機関だ。その活動の真実は国民の審判に委ねられてはいない。CIAの隠れた説得者達がハリウッド映画に影響を与えて、この組織自体のイメージをできる限り、魅力的なものへと歪曲するのに利用し、あるいは、少なくとも、不都合なイメージが定着するのを防いでいる。もし余りに近親相姦的であれば、こうした関係は、法の精神や条文に違反していると、ジェンキンズは主張している”。

アメリカ外交政策と戦争の手段としての映画の重要性は無視できない。アメリカの戦争犯罪や現実を隠蔽すべくる為、映画はアメリカ合州国国内で検閲までされていることが、その重要性の証明だ。戦争で精神的外傷を受けたアメリカ兵達の生活に関する、ジョン・ヒューストンが監督した1946年のドキュメンタリー映画『光あれ Let There Be Light』は、それがアメリカ国民に気付かせてしまう内容ゆえに、30年以上アメリカでの上映を禁じられていた。

ハリウッドが中立だったり、北朝鮮での政権転覆を促進する、セス・ローガンの喜劇映画『インタビュー』の様なものが無害だろうか? 考え直して頂きたい。認知を操作し、アメリカ戦争犯罪を隠蔽する為の戦争を、ワシントンが行うのを、ハリウッドは幇助している。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/09/03/cultural-imperialism-and-perception-management-how-hollywood-hides-us-war-crimes.html

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戦争法案、こうした洗脳で推進する理不尽な宗主国侵略戦争への直接参加を実現する仕組み。

大本営広報部は、8月末から行われている、カリフォルニアでの、宗主国・属国共同侵略上陸作戦演習を報道して下さっている。

映画も原作も全く見ていない『永遠の0』を思い出した。

サブリミナルより性悪なプロパガンダ。 フォレスト・ガンプ

『光あれ Let There Be Light』については、町山智宏氏の詳しい記事がある。
<第17回>『光あれ(Let There Be Light)』
今回のお題:帰還兵のPTSDを記録したために「封印」された巨匠の映画

『アルゴ』については、例えば下記記事を翻訳した。

『アメリカン・スナイパー』については、例えば下記記事を翻訳した。

最近見た映画は、ドキュメンタリー映画。『100年の谺

内容については、例えばこちらを。映画「100年の谺―大逆事件は生きている」を観る

桂太郎が事件をでっち上げ、反戦運動を完封し、戦争を続けた結果が現在の属国状況。

その属国を、更に侵略戦争に直接参加し、世界から嫌われる度合いで、一、二位を争う国にしようとしている、同じ県出身後輩。

よかれあしかれ、この文にある通りのマスコミの影響力を利用すればこそ、ゴミ番組出演。

出演者は間違いなく糞バエ。ああいう番組をご覧になる皆様を辺見庸氏は何と表現されるだろう。

見るべき番組は他にある。

IWJガイド「『積極的平和主義』の生みの親・ガルトゥング博士の単独インタビューを本日全編字幕付きで初配信!『安倍総理は言葉を乱用している』…博士の提言する日本の平和的安保政策とは」

本日20時より、CH1で初配信!!

配信ページは以下です。

【Ch1視聴ページはこちら】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2015年7月22日 (水)

世界環境の変化ゆえに、イランとの交渉を強いられたアメリカ

Mahdi Darius NAZEMROAYA
2015年7月19日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

アメリカのセレブ億万長者で、大統領候補者のドナルド・トランプは、シャーロッツビルでの演説で、ウィーンで、イランとの最終的核協議を起草したバラク・オバマ大統領が“自暴自棄で合意した”と嘆いた。トランプ発言は、一部は正しいが、一部は間違っている。トランプが酷評した様に、オバマ政権が自暴自棄になった為ではない。世界最大の大国としてのアメリカ合州国の衰退が、アメリカ政府に、イラン政府との交渉の席につくことを強いたのだ。

地政学的、経済的と戦術的条件が、アメリカに、イランとの交渉の席につくことを強いたのだ。ワシントンは、地政学的状況から、イランとの合意を得るよう強いられたのだ。キューバとの場合と同じだ。アメリカ合州国の衰退と、中南米における孤立化の深化が、オバマ政権に、ハバナとの交渉開始と、何十年も続いた敵対的なアメリカの対キューバ政策の破棄を強いたのだ。

対イラン経済制裁体制の病理

イランに対する経済制裁体制は、オバマ政権の誤解を招くような主張の様に、テヘランを交渉の席に引き出すように設計されたものではない。これは、アメリカが仕組んだ国際経済制裁体制の病理を隠す為に作りあげられたアメリカ政府の修正主義であり、 政治的神話なのだ。国際経済制裁体制は、テヘランに、降伏して、ワシントンの命令に従うよう強いるべく設計されたものだ。

イランを交渉の席に引き出すのに、経済制裁は決して必要はなかった。イランとEU-3間の交渉の枠組みで、イランは、経済制裁体制が確立されるずっと前から、イギリス、フランス、ドイツと交渉していた。テヘランと、EU-3間の以前の核協議は、“‘新たな中東’の産みの苦しみ”をもたらす為、イランとの戦争や、テヘランにおける政権転覆に、より関心を持っていたジョージ・W・ブッシュ伜の妨害的な政権のおかげで2005年に、失敗していた[1]

2013年、ワシントンと欧州連合のパートナーが、経済制裁では、イランを屈伏させることはできないことに気がついた際、彼等は選択肢が尽きたことを理解した。経済制裁は、それ以上やりようがなく、限界に達したのだ。一方、世界的な環境と状況は、益々イランにとって有利な方向に変化し始めた。

経済制裁体制があろうと、あるまいと、ロシアと中国は、貿易を拡大する準備ができている。モスクワと北京は既に、アメリカとEUの一方的な経済制裁は違法だと見なしている。並行して、ウクライナで、ユーロマイダンの後に出現し、高まりつつある対ロシア経済制裁/経済戦争埋め合わせる為に、欧州連合には、イランとの経済関係復活が必要だった。経済制裁も、崩壊しはじめようし、他の国々も、ロシアと中国に加わり、経済的に復活したイランと、最終的には、貿易を正常化するだろう。

戦争のコスト

アメリカには、信頼に足る選択肢が残されていなかった。タカ派の“あらゆる選択肢を保持している”という言辞にもかかわらず、米国政府中心部では、イランとの戦争は、余りにコストがかかり過ぎ、余りにリスクが高過ぎることが理解されていた。もし、アメリカが、イランを軍事的に攻撃することが可能だったのであれば、2001年に、アフガニスタンで、2003年に、イラクでしたように、攻撃していたはずなのだ。これは、ブッシュ II政権にとって、テヘランがアメリカの主要標的であることを知っていたと語るイランの軍司令官達によって公言されている。[2] それゆえ、ブッシュ IIのスローガンはこうだった。“誰でもバグダッドには行けるが、本当の男はテヘランに行く!”

イランに対するいかなる攻撃も、ワシントンに対して、壊滅的な政治的、社会的、経済的、安全保障上、戦略的、外交的結果をもたらす、中東における極めて不人気な地域戦争となるだろう。テヘランとの戦争は、何らかの形で、中東でのアメリカの活動を損ない、大国としてのアメリカを格下げするだろう。イラン侵略をシミュレーションするアメリカの作戦演習でさえ、ワシントンの大きな損害を評価していた。[3]

2015年6月、戦略予算評価センターが発表した報告は、ペンタゴンは、長距離攻撃をしかけることはできないので、アメリカには、通常戦争で、イランを攻撃する為の適切な軍備はない述べて、これを確認さえしている。[4] 報告によれば、ペンタゴンは、短距離直接攻撃に備えているが、一方、イランは、中国やロシア同様、アメリカが、攻撃するのに十分な程、接近するのを防ぐ長距離防衛システムを持っている。[5]

イランとの、いかなるありうる戦争も、中東や中央アジア国境から溢れ出さないという保証も、そのような紛争が、より広範な国際戦争に転化しないという保証はなかったし、ない。この文脈で、アメリカの攻撃に対して、イランを救うために、ロシアと中国が介入しない保障は、ワシントンにはなかった。しかも、アメリカとEUが、益々ロシアの対決を進め、アメリカが中国との対決を進めるにつれ、ワシントンとEU同盟諸国は、少なくとも一時的に、一つの戦線で、対立を和らげるイランとの関係改善が必要になったのだ。

テヘラン、ワシントンと、ユーラシアの世紀

もし北京とモスクワが、経済制裁体制に対する部分的な約束を完全に破棄した場合、アメリカは、EUやアジア-太平洋の大企業や政府が、アメリカが率いる経済制裁体制を継続するかどうか確信がなかったのだ。この点、ローザンヌ合意後のアメリカ同盟諸国の反応が多くを物語っている。

ローザンヌ合意後、大きなイラン市場の再開を期待して、アジア、ヨーロッパや、他の地域から財界首脳や貿易幹部達が、イラン詣でを始めた。英国-オランダ系巨大エネルギー企業ロイヤル・ダッチ・シェルと、イタリアの巨大エネルギー企業エニの幹部達まで、テヘランに出張した。[6] 貿易の正常化に備えて、ヨーロッパやアジアの大企業がイランに殺到する中、駐アメリカ・フランスの大使、ジェラール・アローが、イランとの核協議に反対するシンクタンク、大西洋協議会のタカ派に、ヨーロッパ企業がイランとの貿易再開に殺到していることについて、落ち着くようにと言った。[7] “実際、アメリカではなく、我々が大損をしたのだ”と、彼は大西洋協議会に再認識させた。[8]

アメリカ・ドルと、ブレトン・ウッズ体制に対し、 BRICSの新開発銀行(NDB)と、中国のアジア・インフラ投資銀行(AIIB)という対抗するグローバル金融組織を設立したロシアと中国の挑戦に直面して、アメリカがしかけた財政・金融経済制裁が蝕まれてゆくのも明らかだ。世界的な状況が変化し、ユーラシア統合が加速しているので、ウィーンで、イラン以上に、交渉をまとめたがっていたのは、アメリカだったのだ。

[1] Mahdi Darius Nazemroaya, “Plans for Redrawing the Middle East: The Project for a ‘New Middle East,’” Global Research, November 18, 2006.
[2] “Commander: US Intention of Invasion Deterred by Iran’s Home-Grown Military Power,” Fars News Agency, June 21, 2015.
[3] Mahdi Darius Nazemroaya, “The Geo-Politics of the Strait of Hormuz: Could the U.S. Navy be defeated by Iran in the Persian Gulf?” Global Research, January 8, 2012.
[4] Bryan Clark and Mark Gunzinger, “Sustaining Americas Precision Strike Advantage,” Center for Strategic and Budgetary Assessment, 2015.
[5] 同上。
[6] Christopher Adams and Anjli Raval, “European oil majors hold Tehran talks,” Financial Times, June 24, 2015.
[7] David R. Sand, “U.S. allies not waiting for Iran’s sanctions to come down,” Washington Times, May 27, 2015.
[8] 同上。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/07/19/us-was-forced-negotiate-with-iran-because-changing-global-circumstances.html

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戦争法案、宗主国・属国の軍需産業の為の施策。宣伝工作として、防衛白書が、中国や、ISの脅威をあおりたてる。戦争をおこすことを願う自己充足的予言。

宗主国の火事を消しにゆく例え? 放火犯に協力して、石油を撒きに行く話。

BS日テレにも、急遽特別出演、わけのわからないことを繰り返している。

ホンジュラス大統領が来日する。傀儡トップ会談、さぞ話があうだろう。

「アメリカ軍基地の民間空港化」を構想していたセラヤ大統領が早朝パジャマ姿?で、国軍により突如国外拉致、追放された事件で、鳩山政権の多難さを予想していた。
結論は...。

宗主国が強力に支援したと思われるホンジュラス・クーデター、奇妙なほど大本営広報部による報道は少ない。記憶にない。やむなくいくつか記事を翻訳した。

マンガでわかる永続敗戦論』早速拝読。知人にさしあげた『永続敗戦論』は大好評。

『マンガでわかる永続敗戦論』98ページに鳩山首相退陣について触れた文章がある。

退陣劇を通して露呈したのは、この国では、選挙による国民の支持を大部分取り付けている首相でも、「日本国民の要望」と「米国の要望」とのどちらかをとり、どちらかを捨てなければいけない、という二者択一を迫られた場合、後者をとらざるをえない、という構造だ。

辺野古基地も、TPPも、戦争法案も、、全てこの選択肢で、「米国の要望」のみを実施するもの。従って、その真実をかたることができない。したがって、説明しない(TPP・辺野古基地)、あるいは、支離滅裂の例えにもならないホラ話で時間稼ぎするしかない(戦争法案)。

属国、70年間の永続敗戦により、イランのような政治力・意思、完全にそぎおとされている。

世界環境の変化ゆえに、宗主国による全面的搾取を強化される属国

2015年6月 7日 (日)

スポーツなど忘れろ: 対ロシア戦争が新たな段階に入る中、FIFAスキャンダルの背後にあるのは地政学

Mahdi Darius NAZEMROAYA
2015年6月5日| 00:00
Strategic Culture Foundation

国際サッカー連盟(FIFA)内部では多数の汚職が行われていることに疑問の余地はない。賄賂や、裏取引は何十年も続いてきた。スポーツ連盟は、世界で一番見られる、人気あるものの権利を握っており、様々なソフト・パワーや、権威がかかわる儲かる投機的事業の一環なのだ。

だが、2015年に起きたスキャンダルと逮捕は、汚職とは全く無関係で、ひたすら地政学の問題だ。サッカー戦線にようこそ! FIFAは、アメリカと同盟諸国が、ロシア等の国に対して戦っている多重スペクトル戦争の、もう一つの戦場になったのだ。エネルギーと通貨の戦争が、今やFIFAの舞台裏での戦争によって拡大されつつあるのだ。ヨーゼフ・ブラッター、ゼップは、この戦争の犠牲者だ。

2005年という昔、ブラッターは、ワシントンの地政学的チェス・ゲームに巻き込まれるのを拒んだ。彼の下でFIFAは、イラン・チームのワールド・カップ2006への参加を阻止するよう、あるいはパレスチナのFIFA加盟を認めないようにというアメリカ国務省の要求に屈することを拒否した。だがFIFAの地政学的違反が臨界点に達したのかも知れない。

イスラエル、イスラエルの中傷と攻撃を理由にした、パレスチナ・チームに対する出場停止というパレスチナの要求を、FIFAが検討することが、第65回総会の15番目議題だったのも、こうした違反の一つだった可能性がある。とはいえ、第65回FIFA総会が行われる数日前、ブラッターは、何らかの合意に達する為に、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と、パレスチナの準独裁者マフムード・アッバースの両者と合っていた。これが、イスラエル・サッカー協会をFIFA出場停止にさせるというパレスチナ・サッカー協会動議の撤回の基盤だったのかも知れない。

アメリカとイギリスが、ワールド・カップ2018と、ワールド・カップ2022を主催する立場を与えられなかったことに立腹していたのみならず、両国は、FIFAに反ロシアとなるよう圧力をかけていた。ワシントンに、反ブラッター内部クーデターを組織して、ブラッターを排除する作戦をとらせたのは、FIFAが、アメリカとEUの反モスクワ計画につきあって、ロシアを制裁することを拒否したことだった可能性がある。

ワシントンのFIFA攻撃

2015年5月29日に、第65回FIFA総会で、代表の大多数によって、FIFAで5期目の会長をつとめるべく再選された、わずか数日後、2015年6月2日に、ヨーゼフ・ブラッターは、この国際スポーツ連盟の会長を辞任すると発表するという異例な対応をした。5月の再選挙まで、ブラッターは、FIFA会長辞任を強いるアメリカと、同盟諸国による圧力とたくらみを何とか克服できていたので、この動きは異様だ。 スイス、チューリッヒのFIFA本部での記者会見中に、FIFA会長を続けることに、全員の支持が得られないので決断したことを発表した。

第65回FIFA総会の、チューリッヒのハレンシュタディオンでの第一回投票で、209の協会代表のうち、133票がブラッター支持だった。これはFIFA総会の63.6%にのぼり、おおまかには64%だ。この数は、第一回投票で勝利を確定するのに必要なFIFA有権者の三分の二、つまり66%にはわずかに足りず、第二回投票が始まるところだった。

FIFAのアジア副委員長で、次点の、アリ・ビン・アル-フセイン・ビン・アル-タラル・ビン・アブドゥッラ王子には、全く勝ち目はなく、第二回投票が行われる前に、選挙から下りた。フセイン王子は、第一回投票で、73票を確保することに成功した。これはつまりFIFAの34.9% (約35%)が、新委員長としてFIFAを運営しようと名乗りを上げたフセイン王子を支持したことを意味している。

FIFA選挙で、サッカー協会の大多数の支持を確保できたという事実にもかかわらず、ブラッターは、依然、辞任を発表するよう強要されていた。第65回FIFA総会再選挙後、ニューヨーク・タイムズ、ABCニューズと、ロイターの報道はいずれも、ブラッターは、アメリカ当局によって、刑事上、捜査されていると言うものだった。“ブラッターは、何日も、問題に距離をおこうとしているが、匿名を条件に話した何人かのアメリカ合州国幹部は”彼らが先に逮捕したFIFAの同僚を利用して、訴訟に持ち込みたいことを認めていた(Sam Borden, Michael S. Schmidt, and Matt Apuzzo, “ゼップ・ブラッター、態度を一変し、FIFA会長辞任を決断”ニューヨーク・タイムズ、2015年6月2日)。

ブラッター捜査の前に、2015年5月27日、アメリカは、チューリッヒのボー・オー・ラック・ホテルで、スイス警察に、FIFA幹部7人を逮捕させていた。これら幹部はFIF選挙で投票する準備しながら、チューリッヒにいた。彼らは汚職“疑惑”のかどで逮捕され、スイスによって、アメリカに引き渡された。

FIFAがいかにして、ワールド・カップ2018を、ロシアに、そして、ワールド・カップ2022を、カタール開催国として選んだのかについて、個別の捜査が、スイス当局によって進められている中、アメリカは実際、捜査を加速させていた。これが問題の核心だ。FIFAは、決定を撤回して、ワシントンの対ロシア地政学的シナリオに従おうとしなかったのだ。

手入れと逮捕のタイミングは、FIFA選挙の24時間前だった。逮捕は、ブラッターが再選されるのを防ぐべく、意図的に計画されていた。ブラッターはこう対応した。“FIFA選挙二日前のこのアメリカの攻撃は単なる偶然だったと私に言った人はいない。良い匂いはしない。”

FIFAの政治化: 世界分断

地政学的さや当てと分裂の輪郭が、FIFAで現れているのだ。1969年、エルサルバドルとホンジュラスは、サッカーをきっかけにして始まった戦争をしたが、FIFAスキャンダルという舞台の背後で起きているのは、“サッカー戦争”に新しい意味を与えるものだ。

ハレンシュタディオンでの投票は、秘密投票で行われたが、FIFA代表や、地域連盟がどう投票したかについては一般的な理解がある。オーストラリアは別として、アジア・サッカー連盟(AFC)加盟国47ヶ国は、ブラッターに投票したと考えられている。スキャンダルが起きて以来、AFCは、ブラッターに対する強い支持を表明している。FIFA連盟では最大のアフリカ・サッカー連盟(CAF)の54ヶ国も、全てブラッターに投票し、AFC同様、彼に対する強い支持を示した。

一方、欧州サッカー連盟(UEFA)と、アメリカは、ブラッターに敵対的だった。イギリス首相デービッド・キャメロンを含むEU政治家達は、FIFA会長を辞任するよう要求していた。UEFAは、もしブラッターが再選されたら、FIFAとは縁を切ると脅してさえいた。イギリス・サッカー協会も、ワールド・カップのボイコットを呼びかけていた。対ブラッター攻撃は、ゼップが、UEFAは、不要な悪魔化攻勢に関与していると発言するほどの事態になっていた。

とはいえ、UEFAは反ブラッターで団結していたわけではない。“UEFAは分裂している。UEFA会長ミシェル・プラティニの70歳代のスイス人を追い出そうという訴えに逆らって、加盟国の四分の一は、どうやらブラッターに投票したようだ。現職を支持した国々には、ロシア、スペインと、予想に反して、プラティニ自身の国フランスがある。そこで、UEFAの行動は、悲しいかな、FIFA委員会の協力を止めさせる以上に広がりそうもなかった”と、エコノミストは報じている(“FIFAのミステリーを解く” 2015年6月2日)。

舞台裏で何が起きているか気づいていたロシア連邦は、FIFAレベルでも、クレムリンの政治レベルでも、ヨーゼフ・ブラッターへの強い支持を表明した。ウラジーミル・プーチン大統領さえ、いきなりブラッター支持を表明した。フランス、スペインや、ロシアの他に、アルメニア、ベラルーシ、フィンランドと、カザフスタンを含むUEFAの18もの国々が、チューリッヒでの投票で、ブラッターに投票したものと思われている(““分裂したUEFA会議で、ゼップ・ブラッターについての議論はほとんど無意味と、オランダ・サッカー協会は語る”オランダ・ニューズ、2015年6月2日).

アメリカとカナダは、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)の中でも孤立していた。CONCACAFの中米カリブ海諸国は、ブラッターを支持していた。

アメリカとEUは、FIFAの収賄に対して戦っているのか、民主化の為に戦っているのか?

オーウェル風な手口で、アメリカとイギリスのマスコミは、アフリカやアジアで、投資・開発計画によって、サッカーの地位を向上させるブラッターのプロジェクトを、ある種の“収賄”として描きだそうとしている。批判する人々でさえ、FIFAの209加盟協会の間における利益の平等な分配が収入をもたらし、大会が“開発途上国で本当のサッカー革命を促進したことを認めている”(Tom Peck、“FIFA汚職: ゼップ・ブラッターがいかにして、FIFAの何百万もアフリカに投資し、支持を買ったか”インデペンデント紙[ロンドン]、2015年5月28日)。

モーリタニアは、2013年から始まった、全FIFA加盟協会間における平等な収益分配が、いかに貧しい国々が、サッカーの地位を向上させるのを助けているかの秀逸な事例研究になる。スポーツのイメージを向上させる為、モーリタニア国民にスポーツをテレビで見る機会を与えるべく、スタジオが建設された。インデペンデントで発表された二つの段落(同上)が、そこで起きたことを伝えている。

  • “我々には今TV制作部門がありますが、アフリカで最初の一つです”当時モーリタニア・サッカー協会会長アフメド・ウルド・ヤヒヤは説明した。“国営放送局と契約したので、試合を毎週放送できます。これでこの国でゲームのイメージは大きく変わります。”
  • お金が届く前に、モーリタニアのサッカーは事実上、崩壊した。国際大会で競技したことはなく、世界ランキングから脱落した。今も苦闘しているが、今や競技場も施設もあり、全てFIFAが支払ったものだ。モーリタニアはワールド・カップに出場したことはないが、収益の分け前は得ている。209のFIFA加盟協会全てが、2014年ブラジル大会収入の平等な分け前、約120万ドル(783,000ポンド)を得ている。

上記は一種の収賄のごとく描かれている。UEFAや欧州連合にまつわる深刻な汚職は、一度もふれられたことがない。これが地政学は別として、このことが権力と経済の問題だという見方を生んでいる。下記抜粋がこの点をまざまざと描いている。““過去二回のワールド・カップは、南アフリカとブラジルで開催された。次回はロシアだ。三国全てBRICS諸国だ。欧米がこれを好ましく思っていないのは明らかだ。汚職に関するこの出来事は、全て、ヨーロッパとアメリカによる、ゲームを自分達の勢力圏に引き戻そうとする取り組みだと、著名なブラジル人サッカー・ライターのティアゴ・カシスは述べた。“ヨーロッパのサッカー界でも、多くの汚職がある。彼らはそれについては語らない。この出来事は、汚職対策が狙いではなく、支配を取り戻すためのものだ…”  (ショバン・サクセーナ“間違いなく、FIFA戦争はサッカーや収賄の問題ではない”The Wire、2015年5月31日)。

“サッカー選手の供給源を南米とアフリカに、TV視聴者では、益々アジアに頼っているので、ヨーロッパ人は、サッカーに対する支配力を失いつつあることを理解している”、ブラジル人ジャーナリストのショバン・サクセーナは書いている(同上)。“ヨーロッパは、我々の労働者を取り込みたがっている。そうすれば、外国のTV視聴者と、金を集められるので。ところが、我々にはワールド・カップを開催させたり、我々と権限を共有したりしようとしない”第65回FIFA総会へのあるアフリカFIFA代表がこの件についてこう説明した(同上)。

FIFA逮捕の理由: 中南米に、反ロシアになるよう圧力をかける狙い

チューリッヒでの選挙前に逮捕されたFIFA幹部は全員中南米の人々だ。彼ら自身の汚職捜査は別として、北中米カリブ海サッカー連盟CONCACAFと、南米サッカー連盟(CONMEBOL)で、憤りと反発をひき起こした。

Wireは、 一体なぜアメリカと同盟国は、FIFAで中南米を標的にしたのかに関する中南米の見方を伝えている。“彼らは一体なぜ我々の連盟とスイスの幹部だけを逮捕したのでしょう? 一体なぜ、我が国の政府に、インターポールで接触しなかったのでしょう? 南米からアメリカへの引き渡しが不可能であることを知っていたためでしょうか?”あるブラジルのサッカー幹部は疑問を呈している(同上).

この説は、FIFAをクーデターで頓挫させようという組織的な取り組みを指摘している。“ブラジル・サッカー連盟CBF会長、マルコ・ポロ・デル・ネロが、逮捕を“恐れて’チューリッヒを“逃亡し’ブラジルに帰国したという欧米マスコミ報道についても、人々は怒っている。実際、ガーディアンやニューヨーク・タイムズの様な新聞が、FIFA総会からの、デル・ネロ“逃亡’を報道する中、ブラジル人幹部は、依然スイスにいたのだ。“連中は、我々に、こうしたあらゆる圧力をかけ、フセイン王子に投票するよう強いたのです。連中は何ヶ月も、我々にロビー活動してきました。それが効果がないことがわかると、彼らは手入れをし、他の人々に、彼らも逮捕されかねないと無言の脅しをかけたのです。イギリスとアメリカのジャーナリストの一部はこの圧力戦術の一環でした’とブラジル人幹部は主張した”(同上)。

ワールド・カップ2018会場としてのロシア選出再考

結局は、ロシアでのワールド・カップ2018開催問題だ。中南米の見方は下記のようなものだ。“何人かの南米人幹部によるチューリッヒでの手入れについての説明からは、FBI、スイス警察と、少数の欧米記者が、協力して彼らを探したように見える”とサクセーナは報じている(同上)。彼は、ある南米のFIFA代表からも、アメリカは、中南米に圧力をかけようとしていたと聞かされた。“アジアとアフリカの票は、ブラッターを強力に支持していたので、フセイン王子支持として、中南米の票が欲しかったのです。彼らは彼が2018年と、2022年の大会の入札を再開できるようにすべく、なんとかして、王子をFIFAの新会長にしたかったのです”とパラグアイ幹部は証言している(同上)。“イギリスとアメリカは、それぞれ、2018年と、2022年の主催競争に負けて以来、彼らはロシアとカタールのワールド・カップを何とか辞めさせようと動いていました。公正な競争で、主催資格を得るのに負けたという事実を、彼らは受けいれないのです”と同じ幹部が語っている(同上)。

ヨルダン・サッカー協会と西アジアサッカー連盟の会長でもあるフセイン王子が、アメリカとイギリスのブラッター反対派が推薦した候補者だった。アメリカ、イギリスと、欧州サッカー連盟(UEFA)幹部達は、ゼップ・ブラッターに対して、フセイン王子へのロビー活動を何カ月間も積極的におこなった。彼の様な家系には、いつものごとく、ヨルダン、ハーシム家の、他のいわゆる“王族”連中同様、フセイン王子は、アメリカとイギリス権益を代表する傀儡、あるいは“手先”だと、ある匿名ブラジル人幹部は、サクセーナにインタビューで語った(同上)。

FIFAスキャンダル丸ごと、汚職や権威の問題ではない。事態は丸ごと地政学と世界支配の問題だ。FIFAが、ロシアがワールド・カップ2018を主催するのを認める決定の取り消しと、ワールド・カップ2018と、ワールド・カップ2022開催に対する再入札を拒否した為に、ヨーゼフ・ブラッターは辞任を強いられたのだ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/06/05/forget-sports-geopolitics-behind-fifa-scandal-as-war-against-russia-enters-a-new-front.html
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中国の長江で、450人余りを乗せた客船が転覆した事故を大本営広報部・大政翼賛会は詳しく報じる。例え船の改造が主な遠因であっても、基本的に事故だ。

一方、この国では、傀儡指導部が、l億2688万人が暮らすこの国の憲法をひっくり返して、侵略戦争の直接支援なり、代理戦争を行えるよう画策している。意図的国家転覆。大本営広報部・大政翼賛会は詳しく報じようとしない。

たまたま三人の憲法学者が正論を述べると記事になる異常さ。あたりまえが大きな話題になる不思議。意図的国家転覆を進めている連中の異常をこそ、追求すべきなのに。

FIFAのスキャンダルを追いかける暇があるなら、自国銀行の腐敗を追求しろ、腐敗の桁が違うだろう、という興味深い記事、Never Mind FIFA, How about a Crackdown on the Banksters?を、Finnian Cuningamが書いている。

TPPも、戦争法案、集団的他衛権も、狙いは一つ。どこでもドア。

ジャイアン「お前のモノは俺のモノ、俺のモノは俺のモノ。」

ジャイアン「お前の国にも俺の法が適用される。俺の法律解釈は俺が決める。」

世界のジャイアンの毎回の侵略戦争に、まず重要な兵站活動から参加させられる。あるいは代理戦争の尖兵にさせられる。戦争法案。集団的他衛権。

小林節慶應大学名誉教授の名言、「一体化そのもの。長谷部先生が銀行強盗して、僕が車で送迎すれば、一緒に強盗したことになる」

「一体化そのもの。宗主国が侵略戦争をして、属国が輸送機や輸送船で送迎すれば、一緒に侵略戦争をしたことになる」

国会討論、野党質問はこのまま続けるのが良いだろうが、政府回答は、ジャパン・ハンドラー諸氏に直接御回答いただき、逐次通訳すれば、理想的。人形ではなく、直接、傀儡師ご本人に回答いただくのが最善。「ありとあらゆる侵略戦争のあらゆる局面で、日本軍を駆使したいと思っている」と。

戦争法案や転覆の陰で、TPPも、TiSAも完全に報道管制状態。

野党再編を言い出している連中、戦争法案には多少意見をいう振りをしていても、TPPも、TiSAも推進派。夜盗。

ウクライナ訪問で、どういう破滅的約束をするのだろう。その為に寄るわけなので、ただ恐ろしい。

2015年5月 5日 (火)

ウクライナをカフカス、そしてヨーロッパ参入への前線基地として利用しているISIL

Mahdi Darius NAZEMROAYA
2015年4月5日| 00:26
Strategic Culutural Foundation

“欧米では、大半の人々がウクライナにおける戦争を、単にロシアが支援する独立分離派とウクライナ政府の間の戦いだと考えている。ところが、マルチン・マモンによれば、現場における真実は、複雑どころではない。特に、ウクライナ側に立って戦っている志願兵大隊にはそれが言える”。[1] このポーランド人映画監督が語っているのは、いわゆるイラクとシリアのイスラム国(ISIS) /イラクとレバントのイスラム国(ISIL)/「イスラム国」(IS)/ アル・ダウラ・アル・イスラミヤ・フィ・イラク・ワ・アッシャーム(DAISH/DAESH)戦士や、チェチェン独立派も含む、ウクライナに戦闘しにやってくる連中のことだ。

中国、ロシアと、上海協力機構の同盟基盤の一つは、彼らが“悪の三勢力”と呼んでいる“テロ、過激派と、独立分離派”と戦うことであるのは偶然ではない。fこうした勢力が派閥横断的なものであることは、人種差別主義国粋主義者と共に、アメリカ政府の同盟者として、司令官役で戦うISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESHのウクライナへの配備から明らかだ。

事業と征服: コロモイスキーと、お雇い聖戦戦士

“表向き、国家が是認していても、それは必ずしも国家が支配しているわけではなく、ウクライナ人オリガルヒに支援されているものもあり、私人に支援されているものもある”マモンnotes aboutこれら外人戦士。[2] どういう名で呼ぼうと、チェチェン独立分離派を含むISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESH戦士は、ウクライナ人や、ウクライナ人イスラム教徒を助けたくて、ウクライナにやってきているわけではない。そうではなく、彼らは腐敗したウクライナ・オリガルヒ集団や、アメリカ合州国の家来で、ウクライナに対するネオリベ経済横領と略奪の手先であるキエフの代理政府の歩兵になるために、ウクライナにやってくるのだ。こうした外人戦士は、自らを“兄弟”と呼んでいるが、億万長者イホル・コロモイスキーの様なオリガルヒの為に働く私兵部隊にまで加わりさえする。

コロモイスキーのISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESHとのつながりも、マモンによって明らかにされた。マモンは言う。“コロモイスキーは、最初の志願兵大隊,それぞれ兵員約500名のドニェプロと、ドニェプロ-1の設立を支援した。数カ月間、彼は、アゾフ、アイダル、ドンバスや、右派セクター大隊を含む、幾つかの他の大隊も財政的に支援した。” [2] かれらはユーロマイダン後のウクライナで、最初の私兵だった。これは端緒に過ぎなかった。Thenウクライナ人オリガルヒは“必要となれば、事業や工場を守ってくれるのではないかと期待して、チェチェン人を招いた。” [3]

マモンは、東ウクライナでは、こうした私兵大隊基地の幾つかで聖戦を告げる旗が翻っているのさえ見ることが出来ると報じている。[4] 彼によれば、かなりの人数のイスラム戦士がいる三つの志願兵大隊がウクライナで活動している。(1)ドンバスの紛争地帯で活動しているジョハル・ドウダーエフ大隊。(2)ドゥダーエフ大隊から分裂し、マウリポリ周辺を基地にしている、シェイク・マンスール大隊。そして(3)クラマトルスクを基地とするクリミア大隊。[5] マモンによると、集団(百人隊)の一部として活動しているクリミア・タタール戦士の一団もある。[6]

“中東であれ 東ウクライナであれ、現代の戦争についての簡単な説明を求めてる人々にとって、ジョハル・ドウダーエフ大隊は見当違いの場所だ、とマモンは言う。[7]シリアで「イスラム国」 [IS/ISIS/ISIL/DAISH/DAESH] 側に立って戦ったチェチェン人を含め、旧ソ連共和国の多数のイスラム教徒がいるとは言え、ジョハル・ドウダーエフ大隊は“必ずしもイスラム教徒ではない”と彼は説明する。[8]マモンの見積もりでは、彼が見たドウダーエフ大隊では、戦士の約半数はウクライナ人で、大半がチェルカースィ州出身者、一方、それ以外は“チェチェンや、北カフカスのカバルダ・バルカル共和国出身だった。クリミア・タタール人も、アゼリー人や、そしてグルジアのバトゥーミからの人物も一人いた。”[9] 彼ら全員“彼らが共通の敵と考えるものに対して”戦うことで団結していたと彼は言う。つまり、対ロシア戦争で彼ら全員団結しているのだ。[10]

ウクライナは、ISIL資金集め用組織犯罪活動の場

東ウクライナや、ノヴォロシヤの反キエフ勢力が、コロモイスキーの事業基盤や、ドニェプロペトロフスクの個人的支配基盤に侵入するのを思い止まると、ウクライナ・オリガルヒは“突然興味を失い、志願兵大隊への支払いを止めた。右派セクター大隊は、彼の財産を差し押さえるという対応に出たが、ムナーエフはそうするわけには行かなかった。彼は外国人なので、ウクライナ当局が、彼の大隊を違法武装集団と見なし、解散させるのを恐れたのだ。ムナーエフは恨んではいるが、キエフ当局のことをあからさまに悪く言おうとはしない。” [11]

この時点で、これら“混乱の手先”と暴力団とのつながりが明らかになった。イラクやシリアやリビアでは戦利品や性的奴隷を持ち帰るが、ウクライナでは、連中は金も巻き上げ、現地の犯罪人連中とも深く関わるようになる。

シリアやコソボ同様、ウクライナは、こうした「混乱の手先」にとっての活動の場だ。“ウクライナでは、合法的でないビジネスもできる。カフカス、シリアやアフガニスタンで戦っている兄弟達の為にあぶく銭が稼げるのだ。ロシアが支援する独立分離派と戦う為に、‘合法的に’無登録の兵器を入手することが可能で、その武器を、堕落したウクライナ税関職員に賄賂を握らせて輸出するのだ”とマモンは説明する。[12]

2014年に、マモンがチェチェン独立分離派司令官のイサ・ムナーエフに会いにでかけた際 、ムナーエフはドンバスの前線で戦っていたわけではないと書いている。民兵指導者は“キエフで、軍隊を訓練し、資金と兵器集めをするのに多忙だった。” [13] 必ずしも犯罪的な事業だけを意味するわけではないが、“資金集め”には、イスラム教では禁じられている道徳に反するものや、犯罪活動も含まれる。

マモンは、ルスラン、イサ・ムナーエフの部下の一人、西ウクライナに行き、リウネで数週間行方をくらませたことについて説明している。“戻って来た際、彼はがっかりしていた。彼は現地マフィアに協力するよう説得しそこねたのだ”彼はルスランの任務についてそう説明する。[14]“だが今や、彼らを説得する論拠ができた。彼の部下が、地雷をかざして、誰も森に入れなくするのだ。現地の暴力団員は、儲けを分け合うか、誰も何も得られないかのいずれかになる”と彼は補足している。[15]

しかも、ルスランは、“借金を取り立てたり、競争相手を追い払ったりするため、キエフで“即応集団”をたちあげた。戦争がなくとも、金さえあれば - どこで稼げるか知っている限り、この新支部が影で活躍することは確実だ。必要とあれば、即応集団ボランティアは、リウネで地雷を監視したり、キエフで何百も運用されている違法カジノで、金を‘稼いだり’するだろう。[16]

資金集めに加え、イサ・ムナーエフが、キエフに作り上げた“即応集団”は、キエフ当局や、誰であれいわゆる“兄弟”を敵に回そうとする連中に報復する手段として機能する。マモンによれば“集団は、万一誰かが、ドウダーエフ大隊の評判を落とそうとするような問題に対処するある種の後方梯隊部隊なのだ”。[17]

こうした「混乱の手先」が、ウクライナを、作戦基地や資金集めの為に利用することは、ヨーロッパや、ソ連後の地域や、全世界の安全保障にとって脅威だ。マルチン・マモン自身、直接そう発言してはいないが、起きていることをくっきりと描いてみせている。“ウクライナは、今、ルスランの様な兄弟達にとって、重要な立ち寄り先になりつつあることだ。ウクライナでは、パスポートを購入して、別人になれるのだ。15,000ドルで、戦士は新しい名前と、ウクライナ国籍を証明する法的書類を手にいれられるのだ。ウクライナは欧州連合に加盟していないが、欧米に移民する為の容易な経路なのだ。ウクライナ人は、隣国ポーランドのビザを得るのはさほど困難ではなく、何百万人ものポーランド人が、イギリスやドイツで仕事を探しに出国した後に残された空席を満たすべく、建設現場やレストランで働ける。” [18]

北カフカスでの戦闘を再点火する為の橋頭堡として、ウクライナを利用する

シリアとイラクは、アメリカによって、対イランの踏み石として利用されているが、この二つの戦線は、ロシア連邦の南部連邦管区と、北カフカス連邦管区に潜入する為の踏み石としても利用されているのだ。シリアとイラク同様、ウクライナも、現代のロシア征服と包囲用踏み石として利用されている。

外人戦士が、ウクライナの国粋主義者を支援している目標の一つは、カフカスで新たな戦線を再点火する為の基地として、ウクライナを利用することだ。“‘我々のここでの目的は兵器を入手することで、それをカフカスに送るのだ’キエフで初めてあった「兄弟」のルスランは、全く躊躇なしに、マモンに認めた”[19] ムナーエフも、マルチン・マモンに“ウクライナで入手した兵器が、最後はカフカスの過激派の手中に落ちることを望んでいる”と認めた [20] “もしウクライナで成功すれば、チェチェンでも成功できる”と彼はマモンに語った。[21]

ジョハル・ドウダーエフ大隊、シェイフ・マンスール大隊や、ISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESHにとって“ウクライナのドンバス地域における戦争は、対ロシア戦争の第二段階に過ぎない”。[22] 彼らにとって、究極的目標が、中東におけるカリフ統治であるのか、あるいは、単にロシアの影響力から自由なコーカサスの実現かは問題ではなく - 兄弟は国によってではなく、共同体と団結の意識によって団結するのだとマモンは説明する。[23]

ロシアと、その同盟諸国だけが脅かされているのではない。もし欧州連合が、自分達は安全だと考えているのであれば、間違いだ。リビア同様、ウクライナ中に兵器が広まって、取り返しのつかない状況に陥ってしまっているのだ。長期的に、これはヨーロッパとユーラシアの安全保障に大きく影響することになる。NATOによってリビアに注ぎこまれた兵器や、リビア軍補給廠から持ち出された兵器が、ニジェール、ナイジェリア、マリ、レバノン、シリアや、イラクに入り込んだのと全く同様に、ウクライナの兵器は、他の場所、特にヨーロッパやソ連後の地域へ入り込むことになるだろう。

マルチン・マモンは、最近シリアからやって来た司令官とした会話によって、これを説明している。“‘ウクライナ当局が、アメリカを助けようと、助けまいとどうでも良い’タタール大隊の司令官は私に言った。”とマモンは思いだしている。[24] 民兵が兵器を入手した以上、彼らは決してそれをウクライナ政府に引き渡すようなことはしない、シリアからやってきた司令官は、自分の狙いは、クリミアで、対ロシア反乱を立ち上げることだと説明しながら、マモンにそう語ったという。[25]

つい最近の2015年4月、アメリカが、対ロシア・テロや、北カフカスの分離独立派反乱者を直接支援して、ロシアを引き裂こうとしている現場を押さえたことを、クレムリンが明らかにしたのも驚くべきことではない。“我が国の治安機関は、北カフカス戦士と、在アゼルバイジャン・アメリカ諜報機関代表との直接の接触を記録した”と、ロシア-1チャネルで放映されたドキュメンタリー“クリミア: 祖国への道”の中で、ウラジーミル・プーチン・ロシア大統領が明らかにした。

ジョージ・W・ブッシュ大統領に、アメリカによるロシア不安定化支援について率直に話すと、ブッシュはそれは止めると約束したが、ロシアは例外的な国に出くわし、追ってアメリカから、ワシントンに出来るのは、対ロシア独立分離派やテロリストを後援するのを嬉しく思うことだという、実に偽善的な手紙が来たのをプーチンは明らかにしている。

こうしたアメリカの行動は、明らかに行動様式・連続体の一部だで。ワシントンは、コソボで、セルビア人に同じことをした。アメリカは、シスタン-バロチスタンで、イランに対して、同じように行動した。アメリカは、チベットと新疆で、中国に対して、同じことをした。今や、ウクライナがそれに加えられたのだ。

ユーラシア支配という衝動から、ワシントンは、オレクサンドル・ムジチコの様なウクライナ人国粋主義者が、ウクライナの、ISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESHの系列団体によって“兄弟”と見なされ、イスラエルが、シリアで、アル-ヌスラ戦線に協力するような非神聖同盟を生み出したのだ。よろしいだろうか。ネオナチ、ワシントン、ウオール街、NATO、アルカイダ、イスラエルとアラブ独裁制諸国と、ISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESHだ。

[1] マルチン・マモン、“戦いのさなか、聖戦の出入り口となったウクライナ” Intercept、2015年2月26日

[2-3] マルチン・マモン、“イサ・ムナーエフの戦争: ウクライナで戦うチェチェン人司令官の最期の日々” Intercept、2015年2月27日。

[4] マルチン・マモン、“戦いのさなか” 前掲書中

[5-11] マルチン・マモン、“イサ・ムナーエフの戦争” 前掲書中

[12] マルチン・マモン、“戦いのさなか” 前掲書中

[13] マルチン・マモン、“イサ・ムナーエフの戦争” 前掲書中

[14-19] マルチン・マモン、“戦いのさなか” 前掲書中

[20-21] マルチン・マモン、“イサ・ムナーエフの戦争” 前掲書中

[22-23] マルチン・マモン、“戦いのさなか” 前掲書中

[24-25] マルチン・マモン、“イサ・ムナーエフの戦争”前掲書中

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/05/04/isil-is-using-ukraine-as-a-forward-base-into-caucasia-and-as-for-entry-into-europe.html
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大本営広報、数日前、二大政党制の限界というような記事が載った。イギリスが話題。腰の引けた記事。自分たちが率先して、小選挙区制、二大政党制は素晴らしいと、とんでもない代物を売り込んだ責任をとるわけにはゆかないのだろう。慰安婦やら、吉田誤報は、誤報かもしれないが、小選挙区制、二大政党制宣伝は、洗脳虚報。犯罪だ。

プーチン大統領の連載記事も、「違法な侵略、併合をして孤立しているのはプーチン大統領だ」という調子。
ウクライナのファシスト政権樹立が宗主国の画策であることには全く触れず、ロシアの反撃は理不尽だと書く洗脳連載記事。

「冷戦で我々は勝利しました。」と乳母日傘氏が宣言したと冒頭にあったので期待したのがあさはかだった。
そもそも、冷戦でソ連が崩壊したから、宗主国は、思う存分にこの属国叩きができるようになったのだ。豚は太らせてから食え。冷戦で我々は敗北したのだ。

政治の素人でも判定できる つぶやく9条危機 高田延彦さん という記事がある。

舞の海さん、日本人力士の"甘さ"は「憲法前文のせい」 憲法改正訴える という記事もある。

同じプロ・スポーツ出身者でも、前者は勇敢だが、後者は醜悪。

今場所から、彼の解説、画面を切り換えることにしよう。健康食品コマーシャルに辟易しているのだが。相撲解説は一流かも知れないが、宗主国・属国関係理解は三流以下。彼は下記文章を読んではいないだろう。

2013年に翻訳した記事『国家の殺し方 オーストラリアがアメリカと結んだ破滅的な貿易協定』書評
の中で、相撲、アメリカン・フットボールに関する部分を引用させて頂いた。

アジア力の世紀 ─どう生き抜くのか』。70ページ~72ページ
       1 アメリカン・グローバリズムの外交戦略

    アメフトと相撲

     アメリカン・フットボール─アメフトと略称される米国の国技だ。対する日本の国技は、相撲である。この二つの国技の違いに、両国の外交文化の差が集約されている。私はその差を、最初の留学先、首都ワシントンで、クラスメートたちと初めて練習試合をした時に痛感した。「ボールは左に投げるふりをするから、お前は右に回り込め。
     そしてボールを取ってすぐ、敵の裏をかいて今度は左端のジョンに飛ばせ」。
     試合開始前、綿密な作戦会議を行う。ハーフタイムごとに戦略を練り直す。まさに戦略と謀略ゲームの極致である。
     しかも重くてぶ厚い防具をつけて戦う。そして超ミニの華麗なチアガールがフィールドに繰り出し戦意を高揚させる。まさに重武装とソフトパワーで戦うゲームでもある。
     対する日本の相撲は、まわし一本以外、何もつけない。土俵に塩をまき、不正をせずに技を競い合いますと観客の前で誓う。この文化の中で日本外交も展開する。正議論が好きな国民性がそのムードに拍車をかける。

     だから日本の外交は、外交ゲーム、とりわけ米国流外交ゲームにつきものの、謀略とリスクに気付かず、リスクも、真の脅威も見極めることをしない。正義はいつも我にありと考える。
     相手方の行動を善か悪かで判断し、同盟国の善意を信じ好意に期待する。逆に非同盟国は悪意に満ちていると疑わず、その崩壊を期待する。領土問題でも拉致問題でもそうだ。

この文章は更に、「アメリカ外交ゲームの謀略」と続く。

今回翻訳した文章の内容も、その文脈に続くものだろう。

大本営広報部、大政翼賛会と毎回表現しているが、数日前の『戦後70年 歴史家からの警告 ジョン・ダワー氏インタビュー』は、さすがに違う。録画して、見直している。あの民放番組は秀逸。稀な例外。
こういう素晴らしい本物の報道番組、いつまで可能なのだろうと、毎回不安。

2015年5月 4日 (月)

ウクライナのISIL: ユーラシアに解き放たれたアメリカの“混乱の手先”

Mahdi Darius NAZEMROAYA
2015年5月3日| 00:00

いわゆるイラクとシリアのイスラム国(ISIS)/イラクとレバントのイスラム国 (ISIL) / 「イスラム国」(IS) / アル・ダウラ・アル・イスラミヤ・フィ・イラク・ワ・アッシャーム(DAISH/DAESH)は、ユーロマイダン後のウクライナで活動しているのだろうか? 答えは、はっきりしない。言い換えれば、答えは、イエスでもあり、ノーでもある。

繰り返すが、ISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESHとは一体何だろう? その前身、アルカイダ同様、緩やかに結びついた民兵集団だ。このネットワークには、シリアとイラクでも戦っているカフカス出身集団が含まれている。今や、彼らはウクライナにも入り込み、ヨーロッパへの踏み石として利用しているのだ。

混乱の手先と、ユーラシアの戦争

ウクライナ、シリア、イラク、リビアと、イエメンにおける紛争、いずれも、アメリカとその同盟諸国がしかけている多次元戦争の前線だ。この多次元戦争は、ユーラシア包囲を狙ったものだ。中国、イランと、ロシアが主な標的だ。

アメリカには、これらの国々を壊滅させる為の一連の作戦もある。イランが最初で、次がロシアで、中国はこの“ユーラシア三国協商”を構成するユーラシア・セット最後の標的だ。テヘランとモスクワは、ワシントンにとって目先の標的なので、ウクライナ、シリア、イラク、リビアと、イエメンの紛争が、イランとロシアの国境近くで起きているのは偶然ではない。

同じような形で、ウクライナ、シリア、イラク、リビアと、イエメンの紛争、“混乱の手先”として解き放たれた暴力的な連中、人種差別主義者、外国人嫌いや、宗派的勢力と本性がつながっているのだ。2014年9月10日、ニューズウイーク誌に“進んで‘ISIS風’戦争犯罪を行っているウクライナ民族主義者達”という見出しの記事が載ったのは単なる偶然ではない。[1] このマスコミが知っていようといまいと、ウクライナの国粋主義、右派セクター民兵であれ、シリアやイラクのアル・ヌスラやISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESHという首をはねる暴力団であれ、こうした常軌を逸した勢力は、皆同じご主人に仕えている。こうした混乱の手先どもは、ユーラシア統合や、アメリカの指図から自由な世界秩序を妨害すべく、様々な積極的混沌の波を解き放っている。

ユーラシアにまき散らされつつある“積極的混沌”は、最終的にはインドで猛威を振るうことになる。もしニュー・デリーが、自分達は手を付けられないで済むと考えているなら、それは愚かな過ちだ。全く同じ混乱の手先が、インドをも苦しめるだろう。インドも、中国、イランやロシア同様、標的だ。

奇妙な同盟: ISIL/DAESHと、ウクライナ国粋主義者との同盟?

様々な混乱の手先が緩やかに連帯しているのも驚くべきことではない。連中は同一のご主人に仕えており、同一の敵があり、その一つがロシア連邦なのだ。

この文脈で、マルチン・マモンは、ウクライナにおけるISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESHコネクションについて報じている。カフカス戦士の中には、オレクサンドル・ムジチコの様なウクライナ人には借りがあると感じているむきもあるとまで彼は説明している。[2]

マモンは、ポーランド人ドキュメンタリー映画監督で、チェチェンに関し、2005年のマリウス・ピリシとのBBC Storyville用作品The Smell of Paradise他、多数のドキュメンタリーを制作している。彼は、北カフカスの反ロシア・チェチェン独立主義者の大義への共感も隠し立てせずにいる。

マモンのアフガニスタン旅行と、チェチェン独立主義戦士達とのやりとりから、このポーランド人映画監督は、シリアとトルコ国内のISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESHと接触を持つことになった。これが奇妙にも、彼にウクライナへの道を歩ませることとなったのだ。

“その時点では、私は一体誰と会うのか知らなかった。トルコでの「イスラム国」 [ISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESH]の窓口役ハリドが、彼の‘兄弟達’がウクライナにいると言い、彼は信じることができたのだ”と、“キエフの左岸として知られている地域のドニエプル川の東にある穴ぼこだらけの通り”での出会いについて彼は書いている[3]。それ以前の記事で、こうしたいわゆる“‘兄弟達’はISISや他の地下のイスラム組織”のメンバーで、“あらゆる大陸、ほとんど全ての国にいて、今ではウクライナにもいる”とマモンは説明している。[4] “仮名を用いているハリドは、イスタンブールで「イスラム国」の地下支部を率いている。グローバル聖戦に参戦したくて、世界中からトルコに殺到する志願者達を管理すべく、彼はシリアからやってきた。そして今、彼はウクライナで、イスラム教徒達と共に戦っている‘兄弟’ルスランを、私に会わせたがっていた”とも説明している。[5]

ムジチコの様なウクライナ国粋主義者も、いわゆる“兄弟”となり、このネットワークに受けいれられた。チェチェン戦士達は、彼が“イスラム教に改宗していないのに”受けいれ、“ムジチコは、他のウクライナ人志願兵と共にチェチェン戦士に加わり、対ロシア第一次チェチェン戦争に参戦し”そこで彼らは“、有名なチェチェン戦士指導者シャミール・バサーエフ”の下で戦った‘バイキング’と呼ばれるウクライナ人志願兵部門を指揮したと、マモンは説明している。[6]

ISILは、一体なぜウクライナ民兵大隊に要員を供給するのだろう?

チェチェン独立主義者や、ISIS/ISIL/IS/DAISH/DAESHとつながるいわゆる“兄弟達”の国境を越えたネットワークが、なぜウクライナ・オリガルヒに利用されている民兵の兵卒となるべく徴募されたり、利用されたりするのだろう? これは極めて重要な疑問だ。これは、こうした分子が、いかに混乱の手先であるのかも如実に表している。

チェチェン戦士イサ・ムナーエフと会うため、マルチン・マモンはウクライナまで旅をした。ムナーエフの背景はこう説明されている。“ウクライナに入国する前から、既にムナーエフは有名だった。二度のチェチェン戦争で、彼はロシア軍と戦った。第二次戦争では、彼はグローズヌイでの戦いの指揮官だった。1999年から、2000年の間に、チェチェンの首都がロシア軍の手に落ちた後、ムナーエフと彼の仲間は山岳地帯に退避した。そこから2005年まで戦い続けたが、彼は重傷を負い、治療の為、ヨーロッパに行った。ムナーエフは、2014年まで、デンマークで暮らしていた。そこで、ウクライナで戦争が起き、再度、ロシア人と戦う時がやってきたと彼は判断したのだ。”[7]

アメリカとEUが対ロシアで戦う戦士達をいかに支援しているかをまざまざと示す上記は重要な文章だ。アメリカとEUでは、デンマークがイサ・ムナーエフに避難先を提供したことは問題とされないが、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の兵士に対するモスクワの支援とされるものには犯罪というレッテルが貼られる。一体なぜ二重基準をつかうのだろう? 一体なぜ、アメリカやEUやNATOなら、世界の他の場所で分離運動や民兵を支援して良く、他の国が同じことをすると批判され、禁止されるのだろう?

“革ジャケットを着た高齢の男が、私をムナーエフに紹介した。‘我々の良き兄弟ハリドが、この男を紹介してくれた’と男は言った。(ハリドは現在、最も重要な「イスラム国」指導者の一人だ。ハリドとムナーエフは、チェチェンで共に戦った時代からお互い知り合いだ”、マルチン・マモンは、チェチェン独立主義者とISIS/ISIL/IS/Daish/Daeshとのつながりについて説明している。[8]

ムナーエフは“軍隊から独立して活動し、ウクライナ政府側に立って戦うべく登場する、何十もの民兵大隊となるだろうものの一つを”立ち上げるべく、ウクライナにやってきたのだ。[9] 彼の民兵は、亡くなったチェチェン独立主義大統領にちなんで、ジョハール・ドゥダーエフと名付けられている。


[1] Damien Sharkov、«Ukrainian Nationalist Volunteers Committing ‘ISIS-Style’ War Crimes»“進んで‘ISIS風’戦争犯罪を行っているウクライナ民族主義者達”、Newsweek、2014年9月10日。
[9] マルチン・マモン、«In Midst of War, Ukraine Becomes Gateway for Jihad»“戦いのさなか、聖戦の出入り口となったウクライナ”、Intercept、2015年2月26日。
[3] マルチン・マモン、«Isa Munayev’s War: The Final Days of a Chechen Commander Fighting in Ukraine»“イサ・ムナーエフの戦争: ウクライナで戦うチェチェン人司令官の最期の日々”、Intercept、2015年2月27日。
[4-6] マルチン・マモン、“戦いのさなか”、前掲書中
[7-9] マルチン・マモン、“イサ・ムナーエフの戦争”、前掲書中

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/05/03/isil-in-ukraine-america-agents-chaos-unleashed-eurasia.html

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政府筋と密接なコネをもっていたかに見える(少なくとも自民党関係者や元幹部将校とお知り合いだった)若い軍事オタク氏、シリアにでかけて、惨事になった。この文書を読むと、そうした方々、次はウクライナにでかけるのかも知れない。

無責任な共犯者、大本営広報部・大政翼賛会報道を見る限り、属国軍が、宗主国のお先棒をかつがされ、無辜の人々の殺害にでかけること自体は100%規定事実だろう。

何もできない素人としては、一体どのようなシナリオで、侵略戦争への兵站支援なり、直接派兵なりを粛々とすすめてゆくのかにのみ関心がある。茶番にきまっているけれど。

「具体的な時間と、場所、相手」だけ、思案しているだけかも知れない。

日本の周辺に限ず、世界のどこでもよいのだから、シナリオ作成する連中も楽だろう。

ずるずるとひきこまれるのだろうか?それとも、お隣に、「新たな真珠湾攻撃」をするのだろうか?宗主国とは違って、9/11の様に、時間も金もかけた壮大演し物をやる必要はないだろう。国柄にあった、チャチな三文芝居で十分だろう。

政府ご指定の歴史学者氏には陰謀論批判本がある。興味皆無で、手にとって見たこともないが、読んだ方の感想を知りたいもの。ネット巨大書店では賛否両論。といっても反対派ごく少数。

読者から下記コメントを頂いた。全く同じ意見。徴兵され、派兵された父親に、「どうして戦争に反対しなかったの」と子供時代聞いたことがなつかしい。やがて、同じことを聞かれ、攻められることになるのだろう。無謀な戦争反対などできないよう「犯罪組織に完全包囲・洗脳されてしまうのだ」ということ、今ならわかる。

職場や行く先々で「朝から晩までインチキイカサマ報道とバカ番組を垂れ流すテレビ・大新聞を見るの読むのをいい加減やめよう」とせめてやれる事として、言い続けています。もはやどうでもよい些細な事実を含めて、報道するすべてが、肝心な事を覆い隠すための、120%の「嘘」に満ちた、キチガイ政権の召し使いたる完全な犯罪組織と化したマスゴミをなぜ、身の周りから当たり前の行為として排除としないのか?出来ないのか?ほとんどすべての国民が狂ってしまったのでしょうか?

意見が近い友人も「そう思っても、人には言えない」という。まともな意見をいうと変人扱されるのだと。それで、小生も、幼なじみの飲み会には決して行かない。変人扱されてもかまわないが、話がまったく通じないのだ。

大学生にすぐれた首相の名前を上げるアンケートをとったところ、トンデモ首相二人が上位だったという。本当だろうか?「知っている首相の名前」ならわかるが。

森嶋通夫『なぜ日本は没落するか』そのままの現象。下記は145ページから。

高等教育をどのように改革して、どのように才能の優れた官僚、会社員、文化人が育てられたとしても、政治家の質が悪ければ、その国は尊敬されることはない。しかもこれからの時代は、家庭教育は両親でなくテレビ局によって行なわれる。日本のテレビ番組は視聴率極大の原理によってつくられ、極めて娯楽的-しかも品の悪い-である。そのような状態の下で、立派な政治教育が、今後日本で行なわれるとは考えられ難い。

日本人、大本営広報部の激烈な洗脳で、極端に劣化したのだろうか。

谷中村から日露戦争へ出征する“壮行会”で立派な答辞を読んだ人がいた。
神原勘之丞。時に20歳。アンケートに回答した豆腐頭脳大学生と大違い。

谷中村鉱害被害、反対運動、そして廃村(渡良瀬遊水池)という結果をまねいた足尾銅山、軍国主義推進(軍艦建造)に使える莫大な外貨を稼いでいた。

「谷中村悪弊一洗復活青年会」で谷中村廃村運動に専念していた青年だ。
1909(明治39年)10月5日登記の「谷中村一坪地主」メンバーでもあった。

1907(明治37年)2月10日 日露戦争開戦
1907(明治37年)12月10日 栃木県会、谷中村買収案を可決
1908(明治38年)2月20日 神原勘之丞出征“壮行会”

神原勘之丞 出征見送り人への「答辞」読み下し文
             (補正文責・赤上 剛
     「答辞」

不肖(わたくし)の出征に際し、祝辞送別を頂き望外の御清意、千万
かたじけない。かくの如く稀有(けう)の御見送りをこうむり兵役に服
するは、不肖身にあまりてこの上なき名誉と深く肝銘にたえず、ここに
いささか感謝の意を表す。
 谷中村は、政府の乱暴圧政により人権を蹂躙(じゆうりん)され、か
くの如き貧困におちいった。諸君には特段の御尽力と御熱誠なる御運動
に預かり誠に感謝に絶えず候。さて、不肖国家の急務やむを得ない時に
会し、危急存亡の谷中村に老弱男女を残して故郷を去る、我これを快と
せず、実に憤慨に耐えない。然れども、入営した以後は国の為に身を犠
牲に供さん。願わくば満場の諸君よ、我が谷中村の諸君よ、国家国土の
保善の為に、内地の旧弊を一掃し、一度我が谷中村を九死中より救出し、
土地を復活せしめて、永久に村民が居住でき、祖先の墳墓を拝し子孫の
前途に不幸なきよう、国家の為め充分覚悟の御運動をなされん事を懇願
す。
 小生も不足ながら、昨年某月より今日に至るまで二百有余日間、一日
千秋の思いをなしつつ旧弊一洗土地復活せしめんため、いささか微力を
尽くしたりと云えども、不幸やこれが解決を見られず戦国の時に会し、
我れ補充兵として命令の下に入営す。以後は、勤倹(きんけん)勉励、
国法を重んじ、一朝出征の途に会せば国家の為め又ここに死を決せん。
願わくば、在郷有志青年諸君よ、内地保護の為め粉骨砕身、もって忠誠
を社会に垂れたまわん事を希望す。
 鳴呼(ああ)戦国の民、何を以って報(むく)えん。血税これ大なり。
誰(た)が忠義の臣あらんや。

  時に
   明治三十八年二月二〇日
               軍人
                  神原勘之丞
                    謹言

戯曲『冬の時代』を見た。伊藤野枝が「谷中村を見に行きましょう。」といった。

芝居と言えば、谷中村鉱害被害、田中正造を描いた、宮本研『明治の柩』が来月上演される。

2015年4月16日 (木)

対イエメン戦争: 石油と地政学の組み合わせ

Mahdi Darius Nazemroaya

RT Op-Edge
2015年4月9日


(Reuters/Gary Cameron)

対イエメン戦争に関するあらゆるものは煙幕だ。煙の陰に隠されているのは、バブ・エル・マンデブ海峡とアデン湾の支配を狙う、地政学と石油政治の物語だ。

サウード王室と、大半が時代錯誤の君主国で構成される軍事連合は、イエメン国民と彼等の民主主義への移行を救うべく、イエメンを爆撃しているのだと主張する。モロッコ王国、UAE、クウェート、バーレーン王国、ヨルダン・ハシェミット王国、カタール、パキスタン、エジプト、スーダンと、サウジアラビア自身で構成される、サウジアラビア率いる連合が、遅れた世襲独裁と、腐敗した政府という不健全な組み合わせで構成されており、本質的に民主主義とは正反対のものだという皮肉が見過ごされてはならない。

もう一つ留意すべき重要なことは、サウジアラビアが率いる対イエメン戦争が犯罪行為であることだ。対イエメン軍事攻撃は、国連安全保障理事会によって承認されていない。イエメン、アンサール・アッラー(フーシ運動)は、リヤドにとって、戦争の脅威となっておらず、決して、アラビア半島で戦争を始める意図はないので、サウジアラビア王国は、その爆撃作戦を、国連憲章の第51条で正当化することもできない。だから、サウジアラビア王国の対イエメン戦争は、もう頭から国連憲章と国際法違反なのだ。

フーシ派は、サウジアラビアを怒らせる意図など皆無で、ましてサウジアラビア王国に対する戦争を始めるつもりなど全くない。サウジアラビアが率いる対イエメン戦争の直前、フーシ派は密かにリヤドに代表団を派遣して、サウジアラビアとの間で理解を確立し、なだめようとしていたのだ。

イエメンに対する違法な戦争に反対するどころか、難民キャンプ小学校を含む民間インフラの意図的な爆撃によって、戦争犯罪をおかしている違法行為者のサウジアラビア空軍によるイエメン爆撃の背後で、ワシントンとイギリスを含む同盟諸国は、政治的支援をしているのだ。

イエメン犠牲者の大半が民間人であるのは偶然ではない。これは、迅速に軍事的優位を確立する、いわゆる“衝撃と畏怖”と呼ばれているサウジアラビア戦略の一環なのだ。思い当たる節がおありだろうかる? これは、抵抗勢力の士気をくじき、反対派を脅して降伏させることを狙ったアメリカの戦略をそのまま流用した戦略だ。

ペンタゴンの半ば公然の血まみれの手

別の主権国家に対する更なる違法戦争における、彼らの役割を、余り明らかにしたくはないので、アメリカや、疑いもなく、そのいくつかのNATO加盟国は、イエメン攻撃では、目立つ行動を控えると決めているのだ。これが、ワシントンが、公的には、対イエメン戦争で、サウジアラビアに、兵站と諜報情報の支援のみを提供しているだけのふりをすることにした理由だ。

だが対イエメン戦争は、アメリカ抜きには不可能だったろう。アメリカやイギリスの様な国々は、サウジアラビアに戦闘用機器を提供しているのみならず、攻撃用爆弾を提供し、戦闘機に給油し、諜報情報を提供し、サウジアラビア王国に兵站支援をしている。

一体これが、非関与のように聞こえるだろうか? アメリカは本当に、この戦争での非戦闘員と見なすことができるのだろうか?

歴史、しかも、そういうことのごく最近の歴史がイエメンで繰りかえされているのだ。

2011年、ワシントンが、リビアのアラブ・ジャマヒリアと戦争したいと思ってはいないと偽って主張したのを想起するべきなのだ。アメリカは、表向きは、イギリスとフランスに、NATOの対トリポリ戦争を率いさせたが、実際はペンタゴンが戦争の主力だった。アメリカのバラク・オバマ大統領は、この戦略を“背後からの指揮”と呼んだ。


2015日4月6日、サウジアラビア・イエメン国境の拠点で弾薬を装?するサウジアラビア兵。(ロイター/Faisal Al Nasser)

アメリカのイエメン戦略は、NATOの対リビア戦争とさほど違うわけではない。これも、アメリカとしては侵略と、国際法違反の背後で、糸を操っているのを見られたくない、もう一つの諜報作戦だ。

サウジアラビアは、ワシントンの許可、あるいは援助無しには、決して、イエメン攻撃などしてはいなかっただろう。ペンタゴンは、サウジアラビア王国の為に、イエメン国内の爆撃標的まで選んでやっている。“アメリカの軍事計画者達は、イエメン上空監視飛行からのライブ諜報情報提供を利用して、サウジアラビアがどこで何を爆撃するかを決めるのを支援している”と、戦争が始まった際、ウオール・ストリート・ジャーナルは何気なく報じている。バーナデット・ミーハン国家安全保障会議報道官は、アメリカは、イエメン攻撃を“調整する為、サウジアラビアとの共同計画セル”を設置したとまで述べた。

これこそが、サウジアラビアが、対イエメン戦争を開始することを宣言する場所として、ワシントンを使っても驚かなかった理由だ。AP通信は、サウジアラビア王国が選んだ、奇妙な演壇に触れている。“珍しい舞台、ワシントンでの記者会見で、駐アメリカ合州国サウジアラビア大使が、爆撃が始まってから約半時間後、サウジアラビアによる、まれな軍事作戦を発表した”と、3月25日、AP通信は報じている。

二重基準: ウクライナのユーロマイダンは覚えておられるだろうか?

次から次の醜悪な二重基準は突出している。サウード王室は、リヤドが、正統なイエメン大統領だと主張するアブド・ラッボ・マンスール・ハーディーを復位させる為、イエメンに軍事介入したと主張しているが、シリアには、戦争を仕掛け、バシャール・アサド政権を打倒しようとして、アメリカと協力している。

ワシントンの対応は、極めて一方的だ。2014年に、キエフで、ユーロマイダンが進行中、ウクライナ大統領ビクトル・ヤヌコーヴィチは出国を強いられたが、アメリカと同盟諸国は、ヤヌコーヴィチは、ウクライナから逃げたので、あらゆる正統性を失ったと主張した。2015年2月の最近も、アメリカ高官は、この主張を維持している。“ここで、皆で、事実について新たにしましょう。大統領 - 元大統領ヤヌコーヴィチは、キエフ政治危機の際に、キエフから逃れて、責任を放棄した”と、アメリカ国務省報道官ジェニファー・サキは、記者会見で、記者団に述べた

そう、アル・ハーディーも国から逃れた。とはいえウクライナを評価するのに使われた同じ物差しは、アル・ハーディーの正統性を評価するのには適用されないのだ。ウクライナでの立場と違い、ワシントンは、アル・ハーディーが依然、正当なイエメン指導者だと主張している。

アメリカは、進んで差異を無視することさえしており、アメリカ国務省がテロ支援国家だと主張しているスーダンと協力し、イエメンを爆撃して、アル・ハーディーの復位を受け入れさせようとしている。

これら全ての矛盾した立場の基盤は、実際、アメリカ権益とマキアベリズムの目印だ。正統性、民主主義や、人権とは全く無関係なのだ。

アル・ハーディーの(非)正統性

二人には多少の類似点もあるが、ウクライナとイエメンの間には、主要な違いがある。こうした主要な違いが、ヤヌコーヴィチと、アル・ハーディーの間で差をつけ、ヤヌコーヴィチを正統とし、アル・ハーディーを非正統なものにするのだ。

そもそも、ヤヌコーヴィチ大統領と違って、アル・ハーディーは、大統領を辞任したのだ。議論上、この件を、延々論じることはするまい。アル・ハーディーの正統性を評価する上で、遥かに重要な点がある。

ヤヌコーヴィチとは違い、アル・ハーディーの任期は実際満了していた。ヤヌコーヴィチ大統領はウクライナ国民による選挙で選ばれ、任期があったが、アル・ハーディー大統領の任期は行政手続きによって延長されたのだ。ロイターを引用しよう。2014年1月21日“イエメンの政治党派が、大統領の任期を一年延期した”。アル・ハーディーは、改革を実施する為だけの目的で、大統領の座を保ったのであり、これが彼の正統性の基準だ。

上記の文脈で、アル・ハーディーは暫定的役割として選ばれたことを想起しなければならない。彼は、民主主義を導入すべく、イエメン大統領になったのであり、彼の任期は、この目的の為、2014年に延長されたのだ。ところが、アル・ハーディーは、彼の正統性の基本的基盤で、彼がイエメンに導入するはずだった民主主義改革には消極的だった。彼は、権限分担や、イエメンの様々な政治党派に権利を与えるという負託を実行しなかった。

大統領アル・ハーディー実際tried to権力を自らの手中に集中しようとし、イエメンの行政地域を描きなおす、ゲリマンダー策で、フーシ派を含む、イエメンの他党派を弱体化しようと工作した。


2015年4月7日、イエメンの首都サナアの西、バイト・レジャル村で、空爆で破壊された家の残骸に集まる人々。(ロイター/ハリド・アブドウッラー)

石油政治とバブ・エル・マンデブ海峡: 石油支配の為の、もう一つの戦争?

イエメンの地政学的重要性は、この文脈で、極めて重い。この戦争の狙いには石油もあるが、サウジアラビアの宗主権と、イエメンを属国にするというサウード王室の狙いの問題でもある。イエメンは、ジブチとともに、インド洋のアデン湾と紅海を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡と呼ばれる(涙の門、悲しみの門としても知られている)重要な海運検問所の一部を形成している。

バブ・エル・マンデブ海峡を世界動脈の一本と呼んでも誇張ではない。海運の検問所として、バブ・エル・マンデブ海峡は、エネルギー輸送と、国際貿易の為の、最も戦略的で重要な世界回廊の一つを見渡せるので、この海峡は、地中海と紅海とペルシャ湾のホルムズ海峡を結ぶ、エジプトのスエズ運河同様に重要だ。

アメリカとサウジアラビアのライバルが、バブ・エル・マンデブ海峡やアデン湾を巡る戦略的足場を得るのを防ぐのが、対イエメン戦争の主目的だ。アメリカとサウード王室は、テヘランが、石油出荷や国際海運の為のホルムズ海峡を封鎖する、イランとの紛争というシナリオで、バブ・エル・マンデブ海峡とアデン湾の支配は、戦略的に重要だと見なしている。ニューヨーク・タイムズはこう指摘している。“ほぼ全てのサウジアラビア貿易は海路によるもので、アラビア海に直接アクセスできるようになれば、ペルシャ湾依存、ホルムズ海峡を封鎖するイランの能力への恐怖が軽減できる。”サウジアラビア王国にとって、そのようなシナリオの代替案には、アデン港やイエメンの他の港の利用もある。

イエメン・バルカン化支援は、これと一致するが、イエメン分割という考え方は、2013年のアラブの春以来広まっており、ニューヨーク・タイムズは、サウジアラビアによる南イエメン奪取と併合を提案した。“アラブ人の間で、南イエメンの一部が最終的にサウジアラビアに併合される話題が飛び交っている。 大半の南イエメン人は、大半のサウジアラビア人と同様、スンナ派だ。彼らの多くは、サウジアラビア王国に親族がいる。最も貧しいアラブ人のイエメン人は、サウジアラビアの富から恩恵をうけられる可能性がある。引き換えに、サウジアラビアは、貿易の為、アラビア海にアクセスできることになり、ペルシャ湾への依存やホルムズ海峡に対するイランの事実上の支配を巡る恐れを軽減する”

ところが、フーシ派がイエメンを支配すれば、アメリカとサウジアラビアの計画を面倒にし、遮る可能性があるのだ。

バブ・エル・マンデブ海峡と、戦略的検問所の支配

ヒズボラ議長ハッサン・ナスルッラが、的確に指摘している通り、フーシ派と、イエメン軍は、バブ・エル・マンデブ海峡を封鎖することができるのだ。アデル・アル-ジュベイル駐ワシントン・サウジアラビア大使が、フーシ派は、弾道弾ミサイル、重火器や、イエメン基地を支配するべきではないと強調した一つの理由は、アメリカとサウジアラビアが、特にイエメンが将来イランの同盟として、テヘランと協力するような場合に、イエメンがバブ・エル・マンデブ海峡を封鎖する可能性を無力化したがっている為なのだ。この関連で、サウジアラビアは、イエメンのミサイル補給廠を攻撃した。空爆の狙いは、イエメンのミサイル武器庫が、サウジアラビア軍によるあらゆる行動に対して報復するのに使用されるのを防ぐ為のみならず、テヘランや他のアメリカのライバルと同盟したイエメン政府の手中にあるのを防ぐことでもあった。

しかも、イエメン支配は、ホルムズ海峡がテヘランによって封鎖されるというシナリオの影響を緩和する為にだけ重要だというわけでないことも想起されるべきだ。バブ・エル・マンデブ海峡支配は、イラン包囲網を狭める上でも重要であり、イランとの戦争というシナリオで。インド洋におけるアメリカの対中国戦略についても同じことがいえるのだ。

2011年当時、ロシア副首相ドミトリー・ロゴージンがブリュッセルで、モスクワのNATO特使をつとめていた頃、彼はワシントンは、イランとの戦争用拠点として、シリア奪取を計画しているのみならず、アメリカと同盟諸国は、その後、イラン攻撃基盤準備の次ステップとして、イエメンを支配しようとするだろうと述べていた。当時RIAノーボスチ(現在スプートニクに改名)は“ロゴージンは、シリアと、更にイエメンが、対イラン攻撃途上のNATO最後のステップになり得るという一部専門家の意見に同意した。”と報じた

一体なぜ、ネタニヤフは、アメリカ議会で、イエメンに関して警告したのか?

イスラエルが、サウジアラビアが率いるイエメン爆撃連合の半ば公然のメンバーだという報道は、上記のバブ・エル・マンデブ海峡を巡る文脈でも、読み、理解し、分析することが必要だ。ネタニヤフの口にはしない懸念は、イエメンが、イスラエルのインド洋へのアクセス、より具体的には、ドルフィン級潜水艦をペルシャ湾のイラン沿岸に簡単に配備する能力を損ないかねないことだ。


2015年3月3日、ワシントンで連邦議会の上下両院合同会議で演説を終え、喝采を受けるネタニヤフ(左)。(ロイター/ゲーリー・キャメロン)

誰が誰を脅かしているのだろう? サンデイ・タイムズと、イスラエルの消息筋によると、三隻の核兵器搭載イスラエル潜水艦が、常時、イラン海岸近くに配備され、テルアビブからのイラン爆撃命令に、態勢を整えて待機している。これが、イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフが、連邦議会に、3月4日、演説しに出かけた際に、ワシントン界隈でイエメンとバブ・エル・マンデブ海峡について警鐘を鳴らした理由の一部だ。

独立したイエメン政府が、イスラエル核武装潜水艦を、紅海からペルシャ湾に簡単に配備し、イラン攻撃すると脅すのを妨げかねないので、イスラエルはイエメンのことを懸念しているのだ。

イランとフーシ派

ウクライナの場合と同様、イエメンの全ての問題も、近隣諸国のせいにされている。ロシアは、ウクライナの極めて多くの問題に対し、いけにえにされ、非難されおり、サウジアラビアの対イエメン戦争は、イランのせいにされている。

サウジアラビアは、この運動の構成員がザイド派(5イマーム派)シーア派なので、フーシ派を、イランの手先あるいは同盟だと、偽って主張している。だがフーシ派は、テヘランから独立しており、政治勢力として代理人をもっている。彼等は、いかなる意味でも、イランの手先ではない。共通の信仰が、フーシ派と、大多数がジャファーリ派(12イマーム派)シーア派であるイランを一緒にさせたわけではない。政治が両者を結びつけたのだ。

イエメンを、シーア派イスラム教徒と、スンナ派イスラム教徒との間の戦場として、偽って描く宗派的言辞は、お粗末か、イエメンの実際の政治や歴史に関して、人々を意図的に欺くことを狙うものだ。この種の宗派的言辞は、サウード王室が、共和主義者や、自身がフーシ派と対立するザイド派シーア派であるアリー・アブドッラー・サーレハに反対する、ムハンマド・アル=バドル王のザイド派イマーム体制を支持していた時には、決して行われなかった。

ヒズボラ議長のハッサン・ナスララが、サウジアラビアが彼等を助けようとしないか、あるいは、その馬鹿げた政策によって、イランの方へと押しやっているおかげで、様々な宗派の集団が、助けを求めて、テヘランに頼ろうとしていると指摘したのは、実に正しい。これは、まさにフーシ派にもあてはまる。そもそも、アメリカとサウジアラビアの酷い政策さえなかりせば、フーシ派は、決してイランを頼ろうなどしなかっただろう。

フーシ派は、フーシ派を国際的に孤立化し、弱体化させようとするアメリカとサウジアラビアの、取り組みを克服すべく、モスクワと北京にも代表団を送った。

イエメンは、サウジアラビアのベトナムとなるだろうか?

歴史的に、イエメンへの外国による侵略は概して悲惨なことになっている。イエメンの地形は険峻で隆起した内陸地勢は、ゲリラ戦争にうってつけだ。エジプトのガマル・アブデル・ナセルは、エジプトが多くの責任を負う北イエメン内戦中に多くの兵士を失った。

イブン・サウードがアラビアを征服した際、イエメンで、ヤフヤー国王に止められた。

より最近の歴史、時代、2009年と2010年、サウジアラビアが、フーシ派と戦うため、イエメンに侵略した際には、またしても、イエメンで、事実上、打ち負かされた。フーシ派が、サウジアラビア国内の町々まで占領して終わったのだ。

地上作戦は、サウジアラビアにとって、たやすいことではあるまい。いかなるイエメン侵略や占領も、サウジアラビア王国にとって、惨事となるだろう。サウジアラビアとイエメンとの間には、複雑な部族的なつながりもある。混乱状態で、パンドラの箱は発火しかねず、それがサウード王国そのものの国内での叛乱をもたらす可能性がある。

サウード王室は、そうした危険に気づいているように見える。これが、彼等がパキスタンとエジプトに軍を派兵させようとしている理由かも知れない。

誰かが中国の孫子にならって、“戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり”だと、サウード王室に言ってやるべきなのだ。

記事原文のurl:http://rt.com/op-edge/248269-yemen-oil-saudi-mandeb-strait/

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与党二党の間の茶番が続いている。宗主国侵略戦争支援は、原則、国会での事前承認がいるというのと、事後承認で良いというのと。

事前承認であれ、事後承認であれ、侵略戦争支援なり参加は、侵略戦争支援なり参加に変わりない。

上記記事にある、ジブチには、しっかり、属国初の本格的海外基地が設置されている。偶然のはずはない。全て計画どおり。

「キューバはテロ支援国家だ」とのたまう宗主国政治家氏ご尊顔を何度も拝見させられる。

上記記事でわかるとおり、話は真逆。

ロシアが、武器禁輸投票で棄権したのはなぜだろう?「ロシアにとってのもう一つのリビア」、と The Saker氏はいぶかっている。

広島、何度か訪問している。一度は飛行機で往復したこともある。着陸は自動運転と思い込んでいた。まさか、片方からの着陸は、手動だったとは知らなかった。

大本営広報部のイエメン報道(ウクライナ、TPP、集団自衛権、小選挙区、つまり、重要な話題に関するほとんどの報道)ぼけが始まったような小生には意味がわからない。

Paul Craig Roberts氏や、このMahdi Darius Nazemroaya氏の解説を読むと、英語文章なのに、日本語の専門家達(だろうと思う)が報じる、紙媒体や電気洗脳箱報道より、遥かに分かりやすいように思う。本当のことを、つつみかくさず書くので、論理に無理がないためだろう。

ウソをいえば、次々、ウソをつきつづけなければならない。属国が終始独立国のふりをしているウソが、傀儡政治の固定化という悪の根源ではと勝手に想像している。

閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本』が、数日前出てきたのが、そう思ったきっかけ。

日本語で報じる大本営広報部の報道が、真実で、わかりやすければ、わざわざ英文記事を終日読んで潰さずに済むだろう。そういうことは、生涯おきるまい。老化予防の一方法と思えば、腹はたたない。

個別書籍や、一部ネット・メディアは別。

時折、「ななし」、あるいは「名無し」という方々から、興味あるコメントを頂く。方針として、「ななし」、あるいは「名無し」という様なお名前?の方のコメントは、無条件で、公開しないことにしている。あしからず。

また、コメント頂いても、必ず公開するわけでないことも申しあげておく。当方の恣意的判断で、公開、非公開を決めさせていただいている。

Paul Craig Roberts氏は、無条件で、コメントを受けない主義。

臆病で卑劣なアメリカの売女マスコミ

2015年4月 2日 (木)

イエメン戦争の背後にある地政学 (II)

Mahdi Darius NAZEMROAYA
2015年3月31日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

第 I部

“アラブ世界の最貧国で、中東では最新の破綻国家候補イエメンに戦線ができつつある。益々ありそうに見えるが、もし戦闘状態が間もなく勃発すれば、サウジアラビアとイラン間の地域覇権競争により、それは悪化するばかりだろう。既にシリアとイラクにもたらした、この破壊的なライバル関係の伝統にもかかわらず,両大国とも、自分達が支配できると考える集団を武装させるのに熱心なことは証明済みだ”とForeign Policy誌は3月6日に主張している。

フーシのイランとの同盟: 実利主義か、それとも宗派主義か?

フーシはいかなる意味でもイランの手先ではない。フーシ運動は抑圧の結果として出現した独立政治党派だ。フーシをイランの手先と呼ぶのは実証的でなく、イエメンの歴史と政治を無視するものだ。“もしも宗派間の境界線沿いで戦争が起きたとしたら、イエメンに残された歴史的な分断のせいではない。それは、戦争外国の資金提供者が、それまでは重要ではなかった分裂を刺激しているゆえだ”とForeign Policy誌さえもが認めている。

フーシ指導部は、テヘランから命令を受けているという主張を明らかに否定した。とはいえ、サウジや、ハリジ(湾岸)幹部やマスコミが、イラン当局者の発言を利用し操作して、フーシを、イランの工作員や属国のごとく描く為、フーシをイランのバシジになぞらえるのを止めるにはいたっていない。

フーシが、イランの手先ではないのと同様、テヘランと、イエメン国内のシーア派同盟も存在しない。この単純な宗派説に注力して語るのは、イエメンにおける紛争の政治的な本質や動機を隠し、弾圧に対するフーシの戦いを侮辱的に曖昧化するものだ。1970年代まで、サウド王室は実際、圧倒的にシーア派イスラム教徒が多いイエメン王政主義派の主要支持者だった。

しかも、イエメンのシーア派イスラム教徒は、イラン、アゼルバイジャン共和国、レバノン、イラク、アフガニスタン、パキスタンや、ペルシャ湾地域の大多数のシーア派イスラム教徒の様なジャファーリ派(12イマーム派)ではない。サアダ、ハッジャ、アムラン、アルマフィト、サアナ、イッブや、アル-ジャウフ県等の僻地の、ほぼ間違いなく、7イマーム諸派と呼べるイスマーイール派シーア派は別として、イエメンの大半のシーア派イスラム教徒はザイド派だ。イエメンのイスマーイール派は、大半が、多数派のニザール派イスマーイール派から分離したム、スターリ派イスマーイール派のダウーディ(ダビデ)派やスライマニ(ソロモン)派信者だ。

アメリカとサウジのフーシ運動に対する敵意こそが、うかつにも、フーシを、拮抗勢力を求めて、実利的にイランに向かわせたのだ。ウオール・ストリート・ジャーナルの記事によれば、“イエメンの首都を支配しているフーシ過激派は、追放されたイエメン大統領に対する欧米やサウジの支援を相殺する為、イラン、ロシアや中国とのつながりを築こうとしている。二人のフーシ幹部によれば、“フーシ’暫定政府は、燃料供給を求めてイランに、エネルギー・プロジェクトへの投資を求めてロシアに代表団を派遣した。他の代表団が、近いうちに、中国訪問の予定であると彼らは語った”とウオール・ストリート・ジャーナルも3月6日に報じた。

フーシ運動が接触をはかった結果、3月2日、テヘラン・サアナ間便が毎日就航するとイランとイエメンが発表した。フーシ運動支援として、これは重要な命綱だ。

宗派理由説と宗派カード

イエメンの不安定は、イランやフーシが引き起こされているものではなく、 サウジアラビアの2009年の侵略から、アメリカの無人機攻撃にいたる、イエメンにおけるアメリカとサウジの介入、そして、イエメンの独裁的で不人気な支配に対するサウジアラビアの何十年もの支援によるものだ。

イエメンは、もともと分裂していた国ではないのだ。サウジアラビアとアメリカがアルカイダを育成したことを除けば、シーア派-スンナ派の本当の分断や緊張は存在しない。イエメンが独立するのを阻止すべく、サウジとアメリカは、イエメンにおいて、シーア派-スンナ派対立を生み出そうと願って、宗派主義を支援してきた。

偽りの説明と違って、中東におけるイランの同盟関係は、実際、宗派的なものではない。テヘランのパレスチナのあらゆる同盟相手は、政府は別にして、主として、イラクとシリアのスンナ派イスラム教徒で、イランは、非アラブ人やキリスト教徒を含む、様々な人種、宗教集団を支持している。これには、ほとんどがスンナ派イスラム教徒のシリアやイラクのクルド人や、シリアSyriac Union Party (SUP)のアッシリア・ストロ派も含まれる。レバノンでは、ヒズボラの他に、イランは、スンナ派イスラム教徒、ドゥルーズ派や、レバノンにおける最大キリスト教政党、ミシェル・アウンの自由愛国運動を含むキリスト教政党とも同盟している。

政策として、宗派主義に専念している連中がいるとすれば、それはアメリカと、アラブの産油首長国同盟国だ。アメリカもサウジアラビアも、以前は、フーシに関与し、彼らをイエメンのムスリム同胞団に対して利用した。しかも冷戦中、ワシントンもサウド王室も、イエメン・シーア派を、北イエメンの共和主義者や、南のイエメン人民民主主義共和国に対して利用しようとした。フーシ運動が、決してワシントンやリヤドの従者になるくもりがないことを明らかにした時点で、アメリカとサウジアラビアは、フーシに敵対的になった。

イエメン侵略の準備

3月20日、アスル・サラト(午後の祈り)のさなか、自爆犯がアル-バドル・モスクと、アル-ハシューシ・モスクを攻撃した。三百人以上が死亡した。アブドゥル・マリク・アル-フーシは、アメリカとイスラエル、イエメンのISIL/ISIS/ダエシもアルカイダもテロ攻撃支援のかどで非難した。サウジアラビアも非難されさた。

モロッコ、ヨルダンと、アラブ産油首長国諸国は沈黙しているが、イラン外務省報道官マルジエ・アフハムは、イエメンでのテロ攻撃を非難した。何らかの形で、シリア、イラク、ロシアや中国も、悉くイエメンでのテロ攻撃を非難している。テヘランがイエメンを支援していることを示す為、人道支援物資を積んだ二機のイラン貨物機がイエメンに送られ、イラン赤新月協会は、治療の為、50人のイエメン人テロ攻撃犠牲者をイラン国内の病院に空輸した。

イエメンにおける、サウド王室の失敗

フーシ運動は、サウジアラビアのイエメン政策と、独裁支配支援の結果だ。この点で、フーシは、サウジの残虐さと、サウド王室のイエメン独裁体制への支援に対する反動なのだ。この運動は、フセイン・バドレディン・アル-フーシが2004年、イエメン政府に反対して率いた叛乱の一環として始まった。

イエメン政権とサウジ政権は、運動を悪魔化する手段として、フーシは、アラビアで、ザイド派イマーム体制を確立しようとしていると偽って主張した。ところがこれは、彼らが益々強くなるのを止められなかった。イエメン軍は、2009年に、言いなりになろうとしなかったので2009年8月11日「焦土作戦」と言うサウジ介入が開始される結果となった。

サウジアラビアは、2009年と2010年、イエメン国内に、彼らと戦うべく軍を送った際、フーシを敗北させそこねた。サウジは、イエメンとフーシ運動に屈伏を強いるのに失敗している。フーシとイエメン暫定政府に、サウジの言う通りにし、リヤドに交渉に来るよう要求した際、交渉や、サウジが支持するあらゆる連立政権案は、実際は、イエメンで、フーシや他の政治勢力を脇に追いやるものなので、フーシとイエメンの革命委員会にきっぱり拒否された。これが、民衆勢力同盟、ハーディー自身の国民全体会議と、イエメン・バース党の全てが、反サウジアラビアというフーシの姿勢を支持した理由だ。

イエメン分割?

イエメンでは、無数の反乱や、アメリカとサウジアラビアによる軍事介入や、イエメン南部の県における分離主義者運動の激化がある。イエメン軍は分裂し、部族間緊張が存在している。イエメンがアラブ破綻国家になるという話題が益々語られる様になっている。

2013年、ニューヨーク・タイムズは、リビア、シリア、イラク、イエメンの分割を提案した。イエメンの場合、提案は、再度二つに分けるというのものだった。ニューヨーク・タイムズは、南部諸県で、ありうる住民投票の後におこりうると述べている。ニューヨーク・タイムズは、“全部、あるいは南イエメン部分は、サウジアラビアの一部になることも可能だとも提案している。サウジアラビアの通商のほとんど全てが海経由であり、アラビア海に直接出入りできるようになれば、ペルシャ湾への依存も、ホルムズ海峡を遮断するイランの能力に対する恐怖も無くなるのだ”

サウジアラビアと、ハーディは、現在、国民の約十分の一から支持されているイエメン南部の分離主義者に言い寄っている。アメリカとサウジアラビアにとっての次の選択肢は、フーシ勝利を緩和する戦略的転換の手段としてのイエメン分割かも知れない。これにより、サウジアラビアとGCCは、インド洋への南部の中継基地が確保でき、アメリカはアデン湾に足掛かりを維持できることになろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/03/31/the-geopolitics-behind-the-war-in-yemen-ii.html

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様々な宗派に触れられているが、イスラム教の知識皆無の素人が訳していることを念頭にお読み頂きたい。

大本営広報電気洗脳箱、物価値上がりを嬉しそうに報じている。エープリル・フールかと思った。インフレが目標のアホノミクスに合わせた「よいしょ」。

せめて竹鶴あたりを、番組開始前に、10本くらい買い置きすればよかったか。

国会中継、与党・エセ野党茶番は見ない。絶滅危惧種党質疑は時折見る。衆院予算委。
小池氏、インフレ・増税においつかない高齢者の苦難をあえて引き起こすと批判。問題氏もちろん答えない。

福島氏が侵略戦争参加を推進する悪政を批判すると、問題氏、色をなして怒った。
ずっと見てはいなかったのでよくわからないが「発言に不適切なものがあった」という。何だろう。

前回引用した『興亡の世界史06 イスラーム帝国のジハード』24ページにはこうある。

古代イエメンでは、季節風を利用したインド洋交易が栄え、香料などアジアからの産品を陸揚げし、キャラバン貿易によって地中海地域へと産品を運んだ。-中略- そのため、ローマ人たちはイエメンを「幸福のアラビア(アラビア・フェリクス)」と呼んで、羨んだ。

戦略的要衝として得難い場所にあるため、まともな集団が独立を実現しようと頑張っても、悲惨な情況におかれている国。

輝かしい過去の歴史を読んで、マルコ・ポーロの東方見聞録に出てくるジパングを連想。

ジパングは、カタイ(中国北部)(書籍によっては、マンジ(中国南部)と書かれているものもある)の東の海上1500マイルに浮かぶ独立した島国で、莫大な金を産出し、宮殿や民家は黄金でできているなど、財宝に溢れている。 また、ジパングの人々は偶像崇拝者であり、外見がよく、礼儀正しいが、人食いの習慣がある。

戦略的要衝として得難い場所にあり、しかも、独立する意思皆無の傀儡集団が頑張っているため、益々悲惨な情況においやられる国。

同じようなもの。

2015/3/31は、Sea changeの分かれ目だったのだろう。

AIIB、中国に、いいように利用されるだけ。入らないのは賢明という愚論をいう連中。

TPP、アメリカに、いいように利用されるだけ。入らないのは賢明、とは決して言わない。

2015年4月 1日 (水)

イエメン戦争の背後にある地政学 (I)

Mahdi Darius Nazemroaya

2015年3月29日
Strategic Culture Foundation

アメリカ合州国と、サウジアラビア王国は、2014年9月、イエメン人というか、イエメン・フーシ運動、アンサララ(アラビア語で神を支持する人々を意味する)が、イエメンの首都サナアを支配した際、非常に懸念した。アメリカが支援するイエメン大統領アブド・ラッボ・マンスール・ハーディーは、不面目にも、フーシと、フーシがサナアに入るのを助けた北イエメン部族同盟との連立をしいられた。ハーディーは、イエメン挙国一致政府の為の交渉が行われると宣言し、彼の同盟者アメリカとサウジアラビアは、新たな全国的対話を利用して、交渉を仲介し、フーシを取り込み、なだめようとした。

イエメンでの戦争について、真実はあべこべにされている。イエメンにおける戦争と、アブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領打倒は、イエメンでの“フーシ・クーデター”の結果ではない。その逆だ。ハーディーが打倒されたのは、サウジとアメリカの支持を得て、彼は自分がまとめた連立協定を撤回しようとし、イエメンを独裁的支配に戻そうとした。フーシと彼らの政治的盟友によるハーディー大統領打倒は、ハーディーが、ワシントンとサウジ王家と共に計画していた権力奪取に対する、予期しない対応だった。

フーシとその同盟者は、イエメン社会の多様な断面、イエメン人の大多数を代表している。フーシ運動の反ハーディー国内同盟には、シーア派イスラム教徒もスンナ派イスラム教徒も入っている。アメリカとサウジ王家は、フーシが、ハーディーを権力から排除し、自己主張をするだろうとは思いもしなかったが、この動きは十年間にわたって形成されていたものだ。サウジ王家と共に、ハーディーも大統領になる前から、フーシ迫害とイエメンでの部族政治の操縦に関与していた。彼がイエメン大統領になった際、彼はアリー・アブドッラー・サーレハが、2011年に権力を引き渡すことを強いられた後に開催された「イエメン全国和解対話」でまとまった合意と交渉内容実施をしぶり、足を引っ張った。

クーデターか、反クーデター: イエメンで一体何が起きたのか?

まず、2014年末にサナアを掌握した際、フーシは、実際、以前の連立の約束を破っていたハーディーのを道徳的に破綻した人物と呼び、彼の提案や、連立協定に対する彼の正式な新提案を拒否した。その時点で、ハーディー大統領が、ワシントンとサウジ王家に迎合したことで、イエメンで国民の大半から非常に不人気になっていた。二カ月後の、11月8日、ハーディー大統領の与党、イエメン国民全体会議も、指導者としてのハーディーを排除することになった。

1月20日、最終的にフーシはハーディー大統領を拘束し、大統領官邸や他のイエメン政府庁舎を占拠した。国民の支持を得て、2月6日、二週間をやや過ぎた時点で、フーシは正式にイエメン暫定政府を組織した。ハーディーは辞任を強いられた。2月26日、フーシは、ハーディー、アメリカとサウジアラビアが、イエメン壊滅を計画していると発表した。

ハーディーの辞任は、アメリカ外交政策の敗北だった。アメリカ軍要員や諜報工作員をイエメンから退去させることを強いられ、CIAとペンタゴンが軍・活動を撤退させることになった。ロサンゼルス・タイムズは、3月25日に、アメリカ当局者の発言を引用して、フーシが、CIAと密接に協力していたイエメン国家安全保障庁を占拠した際、無数の秘密文書を入手し、それがイエメンにおけるワシントンの活動を傷つけと報じた。

2月21日に、ハーディーは、イエメンの首都サナアからアデンに脱出し、3月7日、アデンを、イエメンの暫定首都と宣言した。アメリカ、フランス、トルコと、彼らの西欧同盟諸国は大使館を閉鎖した。それから間もなく、恐らくアメリカと強調した動きで、サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタールとアラブ首長国連邦は、全てサナアからアデンに大使館を移転した。ハーディーは大統領辞任の文書を撤回し、亡命政府を樹立すると宣言した。

フーシと、その政治的同盟者は、アデンでハーディーや益々感情的になるリヤドが発言している、アメリカとサウジアラビアの要求に従うことを拒否した。その結果、3月23日、ハーディーのリヤド・ヤシン外務大臣が、サウジアラビアや、アラブの産油首長国に、軍事的に介入し、フーシが、イエメン空域を支配するのを阻止するよう呼びかけた。ヤシン外務大臣は、サウジアラビアの御用報道機関アッシャルクル・アウサト紙に、爆撃作戦が必要で、イエメンに対して、飛行禁止空域を設定すべきだと述べた。

フーシは、軍事紛争が始まろうとしていることを理解した。これが、フーシとイエメン軍内の同盟者が、出来るだけ多くのイエメンの軍飛行場やアルアナド等の空軍基地を、出来るだけ早急に支配しようと急いだ理由だ。彼らは、ハーディーを無力化させようと急ぎ、3月25日にアデンに入った。

フーシと同盟者がアデンに入る前に、ハーディーはイエメンの港町から逃亡した。ハーディーは、3月26日、サウジ王家がイエメン攻撃を開始した際、サウジアラビアに再登場した。サウジアラビアから、アブド・ラッボ・マンスール・ハーディーは、更に、対イエメン戦争を正当化すべく、アラブ連盟と会談する為、エジプトに飛んだ。

イエメンと、中東の変わりつつある戦略的均衡

フーシによるサナア占拠は、イラン、ヒズボラ、シリアや、彼らや他の現地勢力が集団的に形成しているレジスタンス同盟の一連の作戦成功や、地域での勝利と同じ時期に起きた。シリアでは、シリア政府が、自らの陣地の強化に成功しており、イラクでは、ISIL/ISIS/ダエシ運動は、イランと、テヘランと同盟している現地イラク人民兵による顕著な助力を受けたイラクによって押し返されつつある。

イランが、中東の安全保障機構と安定性の上で、中心的なものとなったことが明らかになり、中東における戦略的均衡が変わりはじめた。サウジ王家とイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフが、イランは、地域の四首都-ベイルート、ダマスカス、バグダッドと、サナアを支配していると泣き言を言い、文句をいいはじめ - イランの拡張を止める為に、何かをしなければならない。新たな戦略的均衡の結果、イランとその地域的同盟国を無力化するという目的で、イスラエルとサウジ王家は、戦略的に、完全に協力するようになった。3月5日、フォックス・ニューズに、イスラエルと、サウジアラビアの協力について、イスラエル大使ロン・ダーマーは“イスラエルと、アラブ人が合意をする様な場合には、人々は注意すべきです”と語った。

イスラエルと、サウジによる恐怖利用は機能しなかった。ギャラップ世論調査によれば、アメリカとイラン間協定反対演説をする為、ネタニヤフがワシントンに到着した同じ時期に、わずか9%のアメリカ国民しか、イランをアメリカ最大の敵と考えていなかった。

イエメンでの戦争の背後にあるアメリカとサウジの地政学的-戦略的目標

サウジ王家は長らく、イエメンを、ある種の従属州で、リヤド勢力圏の一部と見なしてきたが、アメリカは、バブ・エル・マンデブ海峡、アデン湾と、ソコトラ島の支配を確実にしたがっている。バブ・エル・マンデブ海峡は、国際海運とエネルギー輸出で、インド洋経由でペルシャ湾と、紅海経由で地中海と結ぶ重要な戦略的要衝だ。アフリカ、アジアと、ヨーロッパ間の 海上交通路と貿易としてスエズ運河同様に重要だ。

イエメンによる支配で、イスラエルが紅海経由でインド洋への出入りが閉鎖され、イランを脅す為、イスラエル潜水艦を、ペルシャ湾に容易に配備するのを阻止されかねない為、イスラエルも懸念していた。これこそが、なぜ、イエメン支配が、3月3日に、彼がアメリカ連邦議会で、イランについて演説した際、実際に、ネタニヤフの話題の一つで、あらゆる刊行物の中でも、3月4日、ニューヨーク・タイムズが“議会に向けたネタニヤフ氏の説得力のない演説”と題した理由だ。

サウジアラビアは、イエメンが正式にイランと同盟し、アラビア半島で、サウジ王家に対する新たな叛乱さえもたらしかねないのを、あからさまに恐れていた。アメリカもこれについて同様に懸念していたが、世界的なライバル関係も考えていた。他の大国がアデン湾を監視し、バブ・エル・マンデブ海峡で地盤を固めるのを防ぐ手段として、イラン、ロシアや中国がイエメンに戦略的な足場を得るのを防ぐことが、アメリカの主な関心事だ。

戦略的な海上回廊を監視するというイエメンの地政学的重要性に加え、イエメン軍のミサイル備蓄がある。イエメンのミサイルは、アデン湾、バブ・エル・マンデブ海峡のいかなる船舶でも攻撃できる。この点、イエメンの戦略的ミサイル補給廠へのサウジ攻撃は、アメリカとイスラエル両国の権益に役立つ。狙いは、サウジ国軍の実力行使への報復に利用されるのを防ぐためのみならず、イラン、ロシアや中国のいずれかと同盟したイエメン政府に使用可能になるのも防ぐことだ。

リヤドのシリア政策とは全く矛盾する立場で、サウジは、もしフーシと彼らの政治的盟友が、ハーディーと交渉しなければ、軍事行動をとると脅した。サウジアラビアによる脅しの結果、3月25日、イエメン中で、反サウジ王家抗議行動が勃発した。そこで、アメリカ、サウジアラビア、バーレーン、UAE、カタールと、クウェートが、ハーディー再就任の準備を始めることで、次の中東戦争の為の行動が開始されたのだ。

イエメンでの戦争と、対イランの新戦線へと進むサウジアラビア

サウジアラビアが、地域大国として語られてはいても、独力でイランと対決するには弱体すぎる。サウジ王家の戦略は、イランやレジスタンス連合との対決の為の地域同盟体制設立や強化だ。それゆえ、サウジアラビアには、自らがイランと、その地域同盟諸国と対決するのを支援させる為、いわゆる“スンナ派”同盟、あるいは枢軸という間違った名前で呼ばれている、エジプト、トルコとパキスタンが必要なのだ。

3月17日、アブダビ首長国皇太子で、UAE軍の副最高司令官であるムハンマド・ビン・ザーイド・ビン・スルターン・アール・ナヒヤーン皇太子がモロッコを訪れ、アラブ産油首長諸国と、モロッコ、ヨルダンと、エジプトによる、イエメンに対する集団的軍事対応について話し合った。3月21日、ムハンマド・ビン・ザーイド皇太子は、サウジアラビアのサルマン・サルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル-サウド王と会い、イエメンに対する軍事対応について話し合った。これは、丁度、ハーディーが、サウジアラビアと湾岸協力会議(GCC)に、イエメンへ軍事介入して自分を助けて欲しいと要求していた時期だった。会議後、アラブの産油首長国諸国用の新たな地域安全保障条約に関する会談が続いた。

GCCの加盟国5ヶ国のうち、オマーンは参加を避けた。オマーンは、対イエメン戦争への参加を拒否した。マスカットは、テヘランと友好的な関係にある。しかも、オマーンは、宗派心を利用して、イランや、その同盟諸国との対立を焚き付けようとしているサウジと、GCCの計画にうんざりしている。オマーン人の大半は、スンナ派イスラム教徒でも、シーア派イスラム教徒でもない。彼らはイバード派イスラム教徒で、サウジ王家や、他のアラブの産油首長国諸国による宗派煽動の広がりを恐れているのだ。

サウジの伝道者連中は過熱状態になり、戦争はイランによるサウジアラビア国境侵害への反撃だと偽った主張をしている。トルコは、イエメン戦争支持を発表することになろう。戦争が始まった日、トルコのエルドアン首相は、イランが地域を支配しようとしており、トルコ、サウジアラビアと、GCCは、不愉快に思っていると主張した。

こうした出来事の間、エジプトのシーシー大統領は、カイロの安全保障と、サウジアラビアや、アラブの産油首長国諸国の安全保障は一体だと述べていた。実際、エジプトは、3月25日、イエメンでの戦争には関与するつもりはないしと述べたが、翌日、カイロはサウジアラビアのリヤドのイエメン攻撃に加わり、ジェット機と艦船をイエメンに送った。

同じ感じで、3月26日、パキスタン首相ナワズ・シャリフは、サウジアラビアに対するいかなる脅威も、パキスタンの“強烈な反撃を引き起こす”ことになるという声明を発表した。この発言は、暗にイランに向けられたものだ。

イエメンでの戦争におけるアメリカとイスラエルの役割

3月27日、イエメンで、イスラエルが、サウジアラビアがアラブの国を攻撃するのを支援していると発表された。“これはシオニスト[イスラエル]がアラブ人と協力して行う、初めての共同作戦だ”。イエメンのアル-ハク党党首、ハッサン・ザイドは、インターネットに、サウジアラビアとイスラエルの利益収斂を指摘する記事を書いた。しかしながら、イエメンを巡るイスラエル-サウジ同盟は、新しいものではない。イスラエルは、 1962年に始まった北イエメン内戦時、サウジアラビアに兵器を供与して、サウジ王家が、北イエメンの共和主義者に対する、王政主義者を支援するのを支援した。

アメリカも関与して、背後あるいは遠距離から、糸を引いている。イランとの協定をまとめようと動いているが、アメリカは、サウジアラビアを利用して、対テヘラン同盟を維持したいとも考えている。ペンタゴンは、“諜報と兵站支援”なるものを、サウジ王家に提供することになる。間違えてはならない。対イエメン戦争はワシントンの戦争でもあるのだ。アメリカによって、GCC諸国が対イエメン戦争に解き放たれたのだ。

長いこと、汎アラブ軍隊の設立が語られてきたが、3月9日、アラブ連盟が安易に賛成して、軍隊創設の提案がよみがえった。汎アラブ軍という提案は、アメリカ、イスラエルと、サウジの利益に役立つ。汎アラブ軍隊に関する話は、ハーディーを再度就任させる為、そして、地域で、イラン、シリア、ヒズボラやレジスタンス同盟と対決する為のイエメン攻撃準備が動機になっているのだ。

(続く)

Strategic Culture Foundation

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/03/30/the-geopolitics-behind-the-war-in-yemen-i.html

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この国が世界最大属国だという素人判断、今回のAIIB参加表明、あるいはAIIB参加表明ができない状況で、正しさが証明されたようだ。この認識、証明されて嬉しいわけがない。

AIIBへの参加を表明し各国の早さの順番、各国の従属度に反比例するだろう。
今後、宗主国侵略戦争に投入される兵士、失われる命の数と反比例することになるだろう。

ロシアの参加表明が遅れたのは、もちろん属国度と無関係。

ボアオ・アジア・フォーラム景気づけのために、わざわざ、とっておいたのだろう。

AIIBには参加しないが、集団的自衛権なる集団的宗主国防衛権は推進し、日本をまるごと宗主国にさしあげるTPPも推進する。

シバの女王とモカ・コーヒーでしか知らなかったイエメン、内戦や、サウジからの攻撃は悲惨だが、世界最大の属国より、遥かに強烈な独立心を持った国のようだ。

モカ・マタリという言葉、子供時代、「コーヒー・ルンバ」で聞いた。

モカは、アラビア語で、アル・ムカー、かつてコーヒーを積み出した港の名前。

ムカー、『興亡の世界史 イスラム帝国のジハード』で知った。

イエメンならぬ国の常軌を逸した人物、宗主国を訪れ、従属度強化を誓う。ジョージ・オーウェルの『1984年』ではこうある。

  • 戦争は平和である
  • 自由は屈従である
  • 無知は力である

今になると、日本の情況の予言ではないかと妄想するが、あとひとつ足せば完璧。

  • 従属は同盟である

ジョージ・オーウェルの『動物農場』も人ごとではない。

『爆笑問題』太田氏に、座布団十枚!

有名なソ連ジョークの現代日本における実践に乾杯。笑い事ではなく、現代日本の情況、与党政治家も、役人も、大企業も、学者も、マスコミも、スターリン時代ソ連を遥かに越える末期状態。

赤の広場で、男が「スターリンは馬鹿だ!」と叫んで、秘密警察に逮捕された。

男は、25年の懲役刑を受けた。5年は侮辱罪。 20年は国家機密漏洩罪。

スターリンのソ連は異常な政治を推進しても、少なくとも自発的だった。

属国の異常な政治は、ご主人に言われてのもの。

彼は、ジャーマンウイングス乗客でなく、国民全員を道連れにするパイロットだ。

2015年2月13日 (金)

中東国境描き直し計画: “新中東”プロジェクト

本記事は、進行中のイラク不安定化と政治的断片化過程の理解に寄与する目的で最初、2006年11月、GRで公開された。

    “覇権は、人類の歴史同様に古い…” -ズビグニュー・ブレジンスキー、元アメリカ国家安全保障顧問

“新中東”という言葉は、2006年6月、テルアビブでコンドリーザ・ライス・アメリカ国務長官(欧米マスコミは、言葉を作ったのは彼女の功績としている)によって、より古く、より人目を引く表現である“大中東”を置き換えるものとして世界に紹介された。

この外交政策移行の表現は、東地中海におけるバクー-トビリシ-ジェイハン (BTC)石油ターミナル落成と同期していた。“新中東”という言葉と概念は、英・米が支援するイスラエルによるレバノン包囲攻撃の真っただ中に、アメリカ国務長官とイスラエル首相によって次々と告げられた。オルメルト首相とライス国務長官が、国際マスコミに、“新中東”プロジェクトがレバノンから開始されたと告げたのだ。

この声明は、中東における、英・米-イスラエル“軍事ロード・マップ”の確認だった。数年間、計画段階にあったこのプロジェクトは、レバノン、パレスチナから、シリア、イラク、ペルシャ湾、イラン、そして、NATOが駐留するアフガニスタン国境にまで広がる不安定、混乱、そして暴力の弧を生み出すことが狙いだ。

“新中東”プロジェクトは、レバノンが中東全体塗り替えの「つぼ」となり、その結果“建設的混沌”という力を解き放つことを期待して、ワシントンとテルアビブによって、公に導入された。この“建設的混沌”が、地域中での暴力と戦争の条件を生み出し、アメリカ合州国、イギリスとイスラエルが、自分達の地政学的-戦略的ニーズと狙いに合わせて、中東の地図を書き換えるのに利用できることになるのだ。

新中東地図

コンドリーザ・ライス国務長官は、記者会見で、“我々がここで目にしているもの[レバノンの崩壊と、イスラエルの対レバノン攻撃]は、ある意味で‘新中東’の‘産みの苦しみ’であり、我々[つまりアメリカ合州国]がすべきことは、新中東にむけ、必ず前進できるようにすることで、古いものに戻らないにようすることです。”と述べた。1 発言で、イスラエル空軍により無差別に爆撃されていた国民の苦難に対する無関心を示したことで、ライス国務長官は、レバノン国内でも、国際的にも、すぐさま批判された。

中東と中央アジアにおける英・米軍事ロードマップ

アメリカ国務長官コンドリーザ・ライスの“新中東”に関する演説が舞台を準備した。ワシントンとロンドンが全面的に承認していた、イスラエルのレバノン攻撃が  更に、アメリカ合州国、イギリスと、イスラエルの地政学的-戦略的目標の存在を洩らし、認証したのだ。マーク・レヴィン教授によれば“ネオ-リベラル・グローバル化主義者や、ネオコンや、最終的にはブッシュ政権が、自分達の新世界秩序を生み出すはずだと願っていた過程”を説明する方法として、創造的破壊を手にいれたのであり、“アメリカ合州国における創造的破壊は、ネオコン哲学者で、ブッシュ顧問マイケル・レディーンの言葉によれば、 (…) 創造的破壊の為の‘畏怖の念を抱かせる革命勢力だ’…”2

英・米が占領したイラク、特にイラクのクルディスタンは、中東の小国乱立化(分割)と、フィンランド化(宣撫)を準備する場に見える。イラク議会の下で、既に法的枠組みが、イラクの連邦化という名目で、イラク三分割が立案されつつある。(下記地図を参照)

しかも、英・米軍事ロード・マップは、中東経由で、中央アジアに入り込むことを狙っているように見える。中東、アフガニスタンとパキスタンは、アメリカの影響力を、旧ソ連や中央アジアの旧ソ連共和国内へと拡大する為の足掛かりだ。中東はある程度、中央アジアの南部層とも言える。中央アジアは、“ロシアの南部層”あるいはロシアの“近海外(旧ソ連諸国”とも呼ばれている。

多くのロシアや中央アジアの学者、軍事計画者、戦略家、安全保障政策顧問、エコノミストや政治家達は、中央アジア (“ロシアの南部層”)のことを、脆弱な、ロシア連邦の“急所”と見なしている。3

元アメリカ国家安全保障顧問のズビグニュー・ブレジンスキーが、著書『ブレジンスキーの世界はこう動く―21世紀の地政戦略ゲーム』で、現代中東は、彼がユーラシア・バルカン諸国と呼ぶ地域の操作レバーだと示唆したことに留意すべきだ。ユーラシア・バルカン諸国を構成しているのは、カフカス(グルジア、アゼルバイジャン共和国と、アルメニア)と、中央アジア (カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、アフガニスタンとタジキスタン)そして、ある程度まで、イランとトルコだ。イランもトルコも、ヨーロッパと旧ソ連に入り込む、中東最北端の層だ(コーカサスを除き 4)。

“新中東”地図

NATOが駐留するアフガニスタンとパキスタンを含む、比較的知られていない中東地図が、2006年中期以来、戦略、政府、NATO、政策・軍事関係者間で流布されている。やがて、あるいは、合意を形成する狙いと、中東において、ありうる大激変に対してゆっくり、大衆に心構えをさせる為にか公の場に登場した。この再構成された中東の描きなおされた地図は“新中東”とされている。

新中東の地図


注: この地図は、ラルフ・ピーターズ中佐が作成したものだ。2006年6月、Armed Forces Journalで公開されたもので、ピーターズはアメリカ国防大学の退役中佐だ。(地図版権 ラルフ・ピーターズ中佐 2006年)。

地図は公式にペンタゴン・ドクトリンを反映しているわけではないが、NATO国防大学の軍幹部向け研修プログラムで使われてきた。この地図は、他の同様の地図と同様、国防大学や軍事計画関係者によって利用されている可能性が高い。

この“新中東”地図は、ウッドロー・ウィルソン大統領や、第一次世界大戦の時代にまでさかのぼる、中東におけるあり得る国境に関する古い地図を含む他の何枚かの地図に基づいたもののように思える。この地図は、地図中の引きなおされた国境が、現代中東の問題を、根本的に解決するだろうと考えている(アメリカ陸軍)退役中佐、ラルフ・ピーターズの創案によるものだと紹介されている。

“新中東”地図は、2006年7月10日に刊行された退役中佐の著書『Never Quit the Fight』の重要な要素だった。この描きなおした中東地図は、ラルフ・ピーターズの注と共に、アメリカ軍のArmed Forces Journalに、Blood Borders: How a better Middle East would look(血の国境: より良い中東の姿はどのようなものか)という題名で公開された。5

ピーターズ元中佐は、最後はアメリカ国防省の諜報担当副参謀長という職に就いており、戦略に関する膨大な数の論文を、軍事ジャーナルやアメリカ外交政策に寄稿している、ペンタゴンでも抜きん出た著者の一人であることに留意すべきだ。

ラルフ・ピーターズの“以前に刊行された戦略に関する四冊の本は 政府と軍関係者に極めて影響力がある”と書かれているが、実際には、全くその逆が起きた場合も、許されるのだろう。ひょっとすると、ピーターズ中佐は、ワシントン D.C.と、その戦略計画者連中が、中東で予想していること明らかにし、提案しているのたろうか?

描きなおした中東という概念は、中東とその周辺地域の人々の為になる“人道的”で“正しい”アレンジとして提示されている。ラルフ・ピーターズによれば:

国境は決して完璧に公正ではありえない。だが国境が、国境によって統一させられたり、分離させられたりする人々の上にもたらす不公正の程度には大きな違いがある。自由と圧政、寛容と暴虐、法による統治とテロリズム、あるいは平和と戦争の違いだ。

世界で最も恣意的でゆがんだ国境はアフリカと中東のそれだ。(自分たちの国境を決めるにあたってすら問題山積だった)身勝手なヨーロッパ人連中が描いたアフリカの国境は何百万人もの現地住民の死を引き起こし続けている。だが中東の不公正な国境は、チャーチルの言葉を借りれば、現地で解決できる以上の多くの問題を生み出している。

中東は、機能不全な国境以外にも、恥ずべき不平等による文化的停滞から、破壊的な宗教的過激主義に至るまで、遙かに多くの問題を抱えているが、地域の総合的な失敗を理解しようと努力する上で最大のタブーは、イスラム教ではなく、我が外交官達が崇拝する、ひどいものながら、神聖犯すべからざる国家間の境界だ。

もちろん、いかに過酷なものであるにせよ、国境の書き換えで、中東の全ての少数派が幸せになるわけではない。場合によって、民族や宗教の集団が混住し、人種間結婚もしてきた。各地において、血縁や信仰に基づく再統一は、必ずしも現代主唱している人々が期待するほど楽しいものになるとは限らない。本記事の横に掲載している地図に描かれた国境は、クルド人や、バルーチー族やシーア派アラブ人のような最も大きな「裏切られた」人口集団が味わってきた過ちを改めてはいるが、中東のキリスト教徒や、バハーイ教徒、イスマーイール派信徒、ナクシバンディやその他多数の人種的少数派に対しては十分な配慮をしそこねている。それに、忘れがたい過ちは、領土という報償で決して償えるものではない。滅亡に瀕していたオスマン帝国がアルメニア人に対して犯した大虐殺だ。

とはいえ、ここで再考しているあらゆる不公正な国境が放置されている限り、大幅な国境の改訂が無い限り、より平和な中東を見ることはありえまい。

国境を変えるという話題を忌み嫌う人々にとってさえ、ボスフォラスとインダス川の間にある、様々な国境を、たとえ不完全なままであるにせよ、より公正なものへと改変する想像を試みる知的演習に参加することで得るものは大きかろう。国際的外交手腕を認めることからは、戦争を除いて、有効な手段は生み出されなかった。間違った国境を再調整し、中東の「有機的な」辺境を把握しようという知的努力は、我々が直面し、これからも直面し続けるであろう困難さを理解するよすがとなるだろう。改められるまで、憎しみと暴力を生み出すことをやめようとしない、人間が作り出したとてつもない奇形に、我々は立ち向かっているのだ。 6

    (強調は本記事筆者による)

“必要な痛み”

中東は“文化的に停滞”していると考えているのに加え、ラルフ・ピーターズは彼の提案が本来“極めて厳しい”ことを認めながらも彼は、中東の人々にとって、それは必要な痛みなのだと主張していることに注目すべきだ。この必要な痛みと苦難という考え方は、アメリカ国務長官コンドリーザ・ライスの、イスラエル軍によるレバノン破壊は、 ワシントン、ロンドンと、テルアビブが構想している“新中東”を生み出す為の必要な痛み、あるいは“産みの苦しみ”だという信念と驚くほど良く似ている。

しかも、トルコを怒らせる為に、ヨーロッパでは、アルメニア人大虐殺という話題が政治問題化され、かきたてられていることも注目する価値がある。7

中東国民国家の総点検、解体、再組み立てが、中東における敵対的関係に対する解決策として提示されているが、これは全面的に 人を惑わすもので、ウソで、作り話だ。“新中東”や地域における描きなおした国境を擁護する人々は、現代中東における問題や紛争の根源を避け、正直に描き損ねている。中東を苦しませているほとんど全ての主要な紛争は、英・米-イスラエルの重なり合う狙いの結果だという事実を、マスコミは決して認めようとしない。

現代中東を見舞っている多くの問題は、以前から存在していた地域の緊張を、意図的に激化した結果だ。宗派分裂、民族間の緊張や、内部の武力闘争が、アフリカ、中南米、バルカン半島諸国や中東を含む、地球上の様々な場所で、アメリカ合州国やイギリスによって、伝統的に利用されてきた。イラクは、多くの英・米の“分割統治”戦略例の一つだ。他の例に、ルワンダ、ユーゴスラビア、カフカスや、アフガニスタンがある。

現代中東における諸問題の中には、本当の民主主義の欠如があるが、実際には、アメリカとイギリス外交政策が、意図的に妨害してきたのだ。欧米風“民主主義”は、ワシントンの政治要求に合わせようとしない中東諸国においてのみ要求される。必ずや、それが対立の口実にされる。サウジアラビア、エジプトやヨルダンは、英・米軌道というか、勢力圏内でしっかり協力しているので、アメリカ合州国が全く問題にしない非民主的な国々の例だ。

更に、1953年のイラン(モサデク首相の民主的な政府に対して、アメリカ/イギリスが支援したクーデター画策された)から、英・米同盟が、なんらかの形の軍事支配、専制主義者、独裁者を支持している、サウジアラビア、エジプト、トルコ、アラブの首長国各国や、ヨルダンに到るまで、中東における、本当に民主的な運動を、アメリカ合州国は意図的に妨害したり、排除したりしてきた. この最新の例が、パレスチナだ。

ローマのNATO国防大学におけるトルコの抗議

ラルフ・ピーターズ中佐の“新中東”地図は、トルコで怒りの反応を引き起こした。トルコの新聞報道によると、2006年9月15日、“新中東”地図が、イタリア、ローマにあるNATO国防大学で展示された。トルコ幹部将校達は、分割、分断されたトルコ地図すぐさま激怒したとも報じられていた。8 ローマでNATO幹部の前に公表される前に、地図は、アメリカ国防大学により、ある種の承認を得ていた。

トルコ大統領首席補佐官のバユカニト将軍は、イベントと、描き直された中東、アフガニスタンと、パキスタン地図の展示に関し、アメリカ統合参謀本部議長、ピーター・ペース大将に接触し、抗議した。9 更に、トルコに対して、地図は地域におけるアメリカの公式政策や目標を反映するものではないと保証して、ペンタゴンは心を砕いたが、中東と、NATOが駐留するアフガニスタンにおける英・米の行動とは矛盾するように見える。

ズビグニュー・ブレジンスキーの“ユーラシア・バルカン諸国”と“新中東”プロジェクトには関係があるのだろうか?

下記は、元アメリカ国家安全保障顧問ズビグニュー・ブレジンスキーの著書、『ブレジンスキーの世界はこう動く―21世紀の地政戦略ゲーム』重要部分の抜粋だ。ブレジンスキーは、トルコとイラン、“ユーラシア・バルカン諸国”の南部層に位置している最も強力な二つの国家は、“潜在的に国内民族紛争[小国乱立化]の影響を受けやすく”、“もしも、いずれか、あるいは両国が不安定化するようなことになれば、地域の内部問題は手に負えなくなるだろう”と述べている。10

分割され小国乱立化したイラクは、これを実現する最善の手段であるように見える。我々が知っている、ホワイト・ハウス自身が認めていることからわかるものがある。中東における“創造的破壊と混沌”は、中東を再形成し、“新中東”を生み出し、中東と中央アジアにおける、英・米の計画を更に推進するのに有益な資産だという考え方があるのだ。

ヨーロッパでは、“バルカン半島諸国”という言葉は、民族紛争と地域における列強の対立状況というイメージを呼び起こす。ユーラシアにも、“バルカン半島諸国”があるが、ユーラシア・バルカン諸国はより広大で、人口もより多く、宗教的にも、民族的にも遥かに多様だ。諸国は、世界的不安定の中央地帯として区切られた広大な楕円形中に位置しており(…) 南東ヨーロッパの一部、中央アジアと、南アジアの一部[パキスタン、カシミール、西インド]、ペルシャ湾地域や中東を擁している。

ユーラシア・バルカン諸国は、この巨大な楕円形の内核を形成している(…) 諸国は外部の地帯と、ある一つの点で大きく異なっている。力の真空状態だ。ペルシャ湾と中東に位置する大半の国々は極めて不安定だが、アメリカ権力が、この地域の[つまり中東の]究極的調停者だ。外部の不安定地域は、それゆえ単一覇権地域であり、アメリカ覇権によって調整されている。対照的に、ユーラシア・バルカン諸国は、実際、南東ヨーロッパのより古く、よりなじみ深いバルカン半島諸国によく似ているのだ。政治体制が不安定であるのみならず、この地域は、お互い、他国による地域支配には断固反対する、より強力な近隣諸国の侵入をそそのかし、誘うのだ。このおなじみの、力の真空と吸引力の組み合わせが、“ユーラシア・バルカン諸国”という呼び方を正当化する。

伝統的なバルカン半島諸国は、ヨーロッパ覇権を求める苦闘における潜在的な地政学的目標だ。ユーラシア・バルカン諸国は、ユーラシアで最も豊かで、最も勤勉な、地政学的にも重要な西と東の端部と、より直接に結び付こうとして、必然的に出現しつつある輸送ネットワークをまたがって位置している。しかも、少なくとも最も近く、より強力な近隣諸国三国、つまりロシア、トルコとイランにとって、ここは、歴史的野望と安全保障との視点から重要で、更には中国も、地域に対する政治的関心の増大を示している。だがユーラシア・バルカン諸国は、潜在的な経済目標として、大いに重要なのだ。金を含む重要な鉱物に加え、天然ガスや石油の膨大な埋蔵集中も、この地域に位置している。

世界のエネルギー消費は、今後の20年ないし30年で、確実に飛躍的に増加する。米エネルギー省の推計では、世界の需要は、1993年から、2015年の間に、50パーセント以上増加すると予想しており、最も大きな消費の増大極東で起きる。アジア経済発展の勢いは、既に、新たなエネルギー源の探査と採掘への膨大な圧力を生み出しており、中央アジア地域とカスピ海海盆は、クウェート、メキシコ湾、あるいは北海を小さく見せるほどの天然ガスと石油を埋蔵していることが知られている。

そうした資源にアクセスし、その潜在的な富を共有することは、国の野望をかきたて、大企業権益を動機付け、歴史的主張を再燃させ、帝国的野心をよみがえらせ、国際的ライバル関係をあおる目標なのだ。この地域が、単に力の真空状態であるのみならず、内部的に不安定でもある事実から、状況は一層不安定となる。

(…)

ユーラシア・バルカン諸国は、なんらかの形で、上記の表現に適合する9ヶ国と、更に候補として二カ国を含む。9ヶ国は、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、アルメニアと、グルジア-全てがかつては旧ソ連の一部だったもの、そしてアフガニスタンだ。

リストに追加する可能性があるのはトルコとイランで、両国は、政治的にも、経済的にも極めて有望で、いずれも力ユーラシア・バルカン諸国において地域的影響を追い求める積極的な競争相手で、それゆえ、両国は、地域における、重要な地政学的・戦略的国家だ。同時に両国は、潜在的に、内部民族紛争が起きやすい。もしいずれか、あるいは両国が不安定化すれば、地域の内部問題は手に負えなくなり、ロシアによる地域支配を抑えようとする取り組みが、一層効果がなくなる可能性がある。11

(強調は本記事筆者による)

中東の描き換え

中東は、ある点で、第一次世界大戦に到るまでの時代のバルカン半島諸国や中欧・東欧と驚くほど類似している。第一次世界大戦のすぐ後、バルカン半島諸国と中欧・東欧国境は描き直された。外国の経済権益と介入の直接の結果であった第一次世界大戦の前と後、この地域は、激動の時期、暴力と紛争とを味わった。

第一次世界大戦の背後にある理由は、標準的な教科書説明である、サラエボにおけるオーストリア-ハンガリー(ハプスブルク)帝国王位継承者、フランツ・フェルディナンド大公暗殺よりも遥かに邪悪だ。経済的要素が、1914年、大規模戦争の本当の動機だった。

元ウオール街銀行家で、連邦議会捜査官で、アメリカの非課税財団を調査したノーマン・ドッドが、アメリカ合州国の金融、政策と、政府を陰から支配している有力な個人達が、実際、彼らの権力掌握強化に貢献するであろう戦争への、アメリカの関与も計画したことを1982年のインタビューで認めたのだ。

以下の供述は、ノーマン・ドッドの、G. エドワード・グリフィンとのインタビューの書き起こしである。

1908年、カーネギー財団が作戦を開始した年のことです。そして、その年、最初の役員会で、具体的な疑問が提起され、その年の残り、ずっと、極めて学術的に、それを議論するのです。疑問はこういうものです。全人類の生活を変えたいと思った場合に、戦争よりも効果的な手段があるでしょうか? そして彼らは、そういう目的では、戦争より効果的な、人類が知っている手段はないと結論を出したのです。そこで、1909年、連中は二つ目の疑問を提起し、それを議論しました。つまり、一体どのようにしてアメリカ合州国を巻き込むか?

当時、この国[アメリカ合州国]の大半の人々にとって、この国が戦争に関与することを考えることほど懸け離れた話題はないだろうと思ったものです。バルカン半島諸国では、断続的な見せ物[戦争]はありましたが、多くの人は、バルカン半島諸国がどこにあるのかも知らないだろうと思っていました。そして最後に、連中は、こういう答えに至ったのです。我々は国務省を支配しなければならない。

そして、彼らは極めて自然に、一体どうやってそれを実現するかという疑問を提示したのです? 彼らはこう答えました。我々は、この国の外交機構を乗っ取って、支配しなければならない、そして最終的に、彼らはそれを目標として狙うことに決めたのです。そして、時が過ぎ、我々は結局、戦争に参戦しますが、それが第一次世界大戦です。当時、彼らは議事録に、衝撃的な報告を残しており、そこには、ウィルソン大統領に、戦争が余り早く終わらないよう配慮するようにと警告する電報を送ったとありました。そして最後に、もちろん、戦争は終わります。

当時、彼らの関心は、アメリカ合州国において、第一次世界大戦が勃発した1914年以前のものへの、彼らが生活の逆転と呼ぶものを防ぐことに移っていたのです。(強調は筆者)

レバノンやシリアという東地中海沿岸から、アナトリア(小アジア)、アラビア、ペルシャ湾や、イラン高原に到る中東の書き直しと分裂は、この地域における英・米とイスラエルの長い狙いの一環である、広汎な経済的、戦略的、軍事的目的に照応する。

中東は、外部勢力により、適切な出来事で、いつでも爆発可能な火薬樽で、英・米、および/または、イスラエルによるイランとシリアに対する空爆も開始可能な状況にされている。中東における広汎な戦争は、戦略的に英・米と、イスラエルの権益に好都合に描きなおした国境を実現しうるのだ。

NATOが駐留するアフガニスタンは、実質上、無事分割された。憎悪がレバントに注入され、パレスチナ内戦が助長され、レバノンにおける分裂が激化した。東地中海は、NATOによって、まんまと軍隊が配置された。シリアとイランは、軍事的な狙いを正当化する狙いで、欧米マスコミによって、悪魔化され続けている。すると欧米マスコミは、イラクの住民は共存できず、紛争は、占領戦争ではなく、シーア派、スンナ派とクルド人の間の国内紛争を特徴とする“内戦”だという不正確で、偏った考え方を、日々吹き込むのだ。

中東の民族的-文化的、宗教的に異なる集団の間で、憎悪を意図的に生み出そうという企みは組織的だ。実際、これらは、入念に作られた秘密諜報作戦の一環なのだ。

一層不穏なのは、サウジアラビア政府等、多数の中東政府が、中東住民の間で分裂を促進するワシントンを手助けしていることだ。究極的な目標は、より広汎な地域における英・米とイスラエルの権益に役立つ“分割して統治戦略”によって、外国占領に対する抵抗運動を弱体化させることなのだ。

Mahdi Darius Nazemroayaは、中東と中央アジア問題専門家。Mahdi Darius Nazemroayaはグローバリゼーション研究センター(CRG)の研究員である。


1 Secretary of State Condoleezza Rice, Special Briefing on the Travel to the Middle East and Europe of Secretary Condoleezza Rice (Press Conference, U.S. State Department, Washington, D.C., July 21, 2006).

http://www.state.gov/secretary/rm/2006/69331.htm

2 Mark LeVine, “The New Creative Destruction,” Asia Times, August 22, 2006.

http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/HH22Ak01.html

3 Andrej Kreutz, “The Geopolitics of post-Soviet Russia and the Middle East,” Arab Studies Quarterly (ASQ) (Washington, D.C.: Association of Arab-American University Graduates, January 2002).

http://findarticles.com/p/articles/mi_m2501/is_1_24/ai_93458168/pg_1

4 The Caucasus or Caucasia can be considered as part of the Middle East or as a separate region

5 Ralph Peters, “Blood borders: How a better Middle East would look,” Armed Forces Journal (AFJ), June 2006.

http://www.armedforcesjournal.com/2006/06/1833899

6 同上

7 Crispian Balmer, “French MPs back Armenia genocide bill, Turkey angry, Reuters, October 12, 2006; James McConalogue, “French against Turks: Talking about Armenian Genocide,” The Brussels Journal, October 10, 2006.

http://www.brusselsjournal.com/node/1585

8 Suleyman Kurt, “Carved-up Map of Turkey at NATO Prompts U.S. Apology,” Zaman (Turkey), September 29, 2006.

http://www.zaman.com/?bl=international&alt=&hn=36919

9 同上

10 Zbigniew Brzezinski, The Grand Chessboard: American Primacy and Its Geo-strategic Imperatives (New York City: Basic Books, 1997).邦訳『ブレジンスキーの世界はこう動く―21世紀の地政戦略ゲーム』日本経済新聞社 1997/12刊行

11 同上

Global Research中東における戦争への行進に関連する記事

US naval war games off the Iranian coastline: A provocation which could lead to War? 2006-10-24

“Cold War Shivers:” War Preparations in the Middle East and Central Asia 2006-10-06

The March to War: Naval build-up in the Persian Gulf and the Eastern Mediterranean 2006-10-01

The March to War: Iran Preparing for US Air Attacks 2006-09-21

The Next Phase of the Middle East War 2006-09-04

Baluchistan and the Coming Iran War 2006-09-01

British Troops Mobilizing on the Iranian Border 2006-08-30

Russia and Central Asian Allies Conduct War Games in Response to US Threats 2006-08-24

Beating the Drums of War: US Troop Build-up: Army & Marines authorize “Involuntary Conscription” 2006-08-23

Iranian War Games: Exercises, Tests, and Drills or Preparation and Mobilization for War? 2006-08-21

Triple Alliance:” The US, Turkey, Israel and the War on Lebanon 2006-08-06

The War on Lebanon and the Battle for Oil 2006-07-26

Is the Bush Administration Planning a Nuclear Holocaust? 2006-02-22

The Dangers of a Middle East Nuclear War 2006-02-17

Nuclear War against Iran 2006-01-03

Israeli Bombings could lead to Escalation of Middle East War 2006-07-15

Iran: Next Target of US Military Aggression 2005-05-01

Planned US-Israeli Attack on Iran 2005-05-01

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/plans-for-redrawing-the-middle-east-the-project-for-a-new-middle-east/3882

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小学生時代に理科室がどこかで巨大地図を見ながら、大陸は一つだったのが、めりめり分かれて、今の格好になったんだねと同級生と話したものだ。子供の思いつきにすぎないと思っていたが、高校時代、プレートテクトニクスで、想像でなかったのを知って驚いた。

地球の大陸移動の動きは、人間が知覚できる速度ではないが、着実に動き、長い間に大きく様相を変える。地球に意思があるはずはなく、変動の根源は物理的動力。

この文章を読むと、世界の歴史、地球の変貌と異なり、素人は気がつかないが、権力者たちが計画した長大な計画にそって、ゆっくりと動かされていると思えてくる。

長い文章を翻訳したのは他でもない。ISISやら「イスラム国」が、中東地図書き換えを意図している、いう記事を目にして、昔読んだ記事を思い出したまでのこと。そして、ハリウッド風公報を不思議に思ったまでのこと。

あまりにも、よく似た話題。「イスラム国」の書き換え案には、お手本があった。

同じ筆者による似た記事も訳してある。

スーダンの小国分裂化: 中東と北アフリカ地図の書き換え

ラルフ・ピーターズ氏の記事も非常に興味深かったので、翻訳した。

血の国境 より良い中東とはどんな姿なのか

ラルフ・ピーターズ氏記事原文は下記で読める。
June 1, 2006
Blood borders

地図は下記で見られる。
October 2, 2013 
Peters’ “Blood borders” map

大本営広報部、こういう重要な記事にはふれずに、名古屋殺人事件やピーナツ・リターンを追いかける。

ひたすら「イスラム国」の恐ろしさのみ宣伝する。総理や自民党や、官僚の意図的とまでおもえる不思議な行動の異常さを調べない。異論の声をあげる有名人は番組に出さない。

バクダディを繰り返し、取り逃がすなどという都合の良い話、信じられるだろうか?

属国ファシスト集団が、戦後以来の大破壊を推進し、完全植民地体制を推進しているのに、ピーナツ・リターンや、小学生殺人事件を追求してどうするのだろう。被害を受ける国民の数、世代、地域の広さ、比較にならないだろう。

気は確かだろうか?だが、気を確かにすれば、会長や社長に忖度した上司に干され、首にされてしまうのは確実だ。

尊敬する知人に読むように頂いた『続・100年予測』。気味の悪い本だが、宗主国支配者の考え方を知るには、大本営広報部の電気洗脳箱やら紙媒体より、はるかに効率的に思えた。そこで、先行するジョージ・フリードマン『100年予測』も読み始めた。やはり気味が悪い。しかし、なるほど、連中があやつっているのだと納得できることが多い。宗主国権力層に一員の言動を引用すれば、陰謀論者といわれずにすむだろう。

本の帯には「影のCIA」の地政学的予測は、2014年クリミア危機を的中させた!とある。

そこで、妄想。

ひょっとすると、ジョージ・フリードマン氏は、ワシントン D.C.と、その戦略計画者連中が、中東で予想していること明らかにし、提案しているのたろうか?

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