Finian Cunningham

2020年4月 9日 (木)

面倒に備え銃を購入するアメリカ

2020年4月6日
Finian Cunningham
スプートニク

 急上昇する病死者数で痛ましい今後数週間をトランプ大統領が警告して、アメリカでのコロナウイルス流行の恐怖は明らかに悪化している。邪悪なものが増大する中、まるで明日などないかのように小銃を買い占めているアメリカ国民の報道がある。

 人々が法と秩序の崩壊を恐れる中、ここ数週間で銃の売上高が史上最高に達した。報道によれば、売り上げの大部分は初めての購入者だった。三月、コロナウイルス蔓延のために、政府が命じた企業閉鎖前に、法律上のFBIによる身元調査数が急増し、銃販売が天井知らずに増えたことを示唆している。

 三月だけで、小銃を購入する個人に対応する約370万の調査が行われた。

 同じ人物が一つの申請書で複数の銃を買えることにも留意願いたい。推計3億9000万丁の小銃が流通しており、国民一人につき一丁以上にあたり、銃普及では、アメリカは既に主導的な国であることにも留意願いたい。大量射撃による死でも、アメリカが世界の代表であることにも留意願いたい。

 それは「通常」時のこと、Covid-19を巡り強い不安を感じる今の進展では言うまでもない。

 公式統計が、毎年約11,000人のアメリカ人が、小銃による殺人で亡くなっていることを示している。毎年の銃による暴力での死亡者数は遥かに多く、その人数のほぼ二倍が、30,000人が銃による自殺で死んでいる。死亡者数がエスカレートする中、Covid-19病によるアメリカ死亡者数は、10,000人に近づいている。公式推計は、アメリカでのCovid-19の死者は、200,000にも達することを警告している。

 だが世界流行の命取りの影響に、積み上がる可能性があるのは、銃の普及と増大する社会的混乱の不安だ。これは先月トランプが、経済封鎖が更に長く続くと、それだけ益々多くの犠牲者が結果として生じるだろうと言った際に、ほのめかして可能性があるものだ。最近、大統領は「人々に働かないよう金を払っていて」は、アメリカ経済は無期限に続けられない懸念を述べた。

 それで彼の再選見込みも四苦八苦するだろうから、トランプは経済急落を望んでいない。だが、それ以上に、トランプと大企業支配層は資本主義経済が自転車のようなものなのを知っている。停まってしまえば、転倒するのだ。だから、企業を再開し、労働者が仕事に戻ることが必須なのだ。

 何百万人もの労働者が、封じ込められていない世界的流行の危険に身をおくかもしれないと知った上で前線に戻るのを望まなかったらどうだろう?

 2020年3月31日、ワシントンのホワイトハウスで毎日のコロナウイルス対応ブリーフィングをする際、アメリカの中のコロナウイルス症例図表の前に立っているドナルド・トランプ大統領。

 航空母艦セオドア・ルーズベルトでの暴動直前の逸話は、当局に対する一触即発の雰囲気を物語っている。国防総省上司が4,000人の乗組員の間で感染について警報を発したかどでブレット・クロジェ大尉を解雇した際、海軍大将連中の命令よりも、彼らの健康と安全を優先したことに対して、乗組員は、彼らの指揮官に英雄として声援を送った。

 至る所で、医療要員などの不可欠な労働者用の保護装置の深刻な欠乏が、アメリカ当局は、公共の安全を保証するために十分に動いてこなかったことを示している。もし労働者が、民間企業の利益だけが動機の、冷淡で、無頓着と思われる当局によって仕事に戻されれば、更なる大きな憤慨と怒りを引き起こすのは確実だ。

 トランプが財政圧迫の理由で、干上がる可能性をほのめかしたが、もし政府の生活保護手当小切手が干上がったら、人々は家族を、一体どうやって食べさせるのだろう?

 約1000万人のアメリカ人が、Covid-19世界的流行のため、これまでに仕事を失ったが、全体の失業が、4700万に急激に上昇する可能性がある。そう、毎年ワシントンは、軍事出費のためなら何兆も見つけられるが、危機の際、労働者と家族を支援する話になると、突然十分な財政上の慎重さが出現する。このようなひねくれた優先順序が、支配階級から見る限り、人々は消耗品であることを物語っている。

 生きるか死ぬかという状況になったら、飢えた自暴自棄な人々が、食物や薬や他の基本的な物資を盗み出すため、閉まっている店舗に押し入るのを想像するのは困難ではない。自分の子供たちを食べさせるという倫理は、レジで支払うという法律上の形式手続きに優先する - 特にレジが営業してない時には。

 将来の面倒を予想しているのはアメリカ国民だけではないように思われる。アメリカ政府は、社会不安の際、国じゅうに派遣するため、国家警備隊に所属する21,000人以上の兵士を動員している。

 今やアメリカは、暮らすのに良い場所ではない。政府による危機対応の失敗で悪化した世界的流行と、貧困に陥った労働者間の大きな社会不安感と、戦争をするのに十分な銃と弾薬。トランプが、もっと悪いものが、やってくると警告する際、彼は、それがどれだけ酷いか理解さえしていないのかもしれない。

 記事で表明されている見解や意見は、必ずしもSputnikのものを反映しない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/202004061078855660-us-gunning-for-trouble/

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 今に至って、二週間様子見などというたわごとを言う自民党幹部。殺人犯も同然だろう。

 以下、SF的妄想。

 政府が、PCR検査を断固増やさない理由を、やっと思いついた。陰謀論扱いされるのは必至だろう。
 前回戦争中、有名な731部隊が活躍した。中国人を生きたまま、生物兵器の実験に利用した。敗戦後、731部隊幹部は実験データをアメリカに渡すことで生き延びた。忖度専門家会議の主流、感染研、元は陸軍の731部隊だという。

 原爆を投下した後、アメリカは原爆傷害調査委員会なるものを設立した。治療目的ではない。あくまでもモルモット実験結果収集が狙い。原爆投下後、一切治療介入せず放置し、時間とともに、どうなるかの壮大な人間モルモット実験。
 属国は、独自外交政策は推進しない。独自の経済政策も、医療政策も推進しない。
 属国は、宗主国に命じられた外交政策、経済政策、医療政策を推進する。
 日本は70年以上にわたり、完全属国だ。ということは、PCR検査を決して増やさないのは、原爆投下後、一切治療介入せず、放置したらどのようになるかという人間モルモット実験を、今コロナで、宗主国に命じられ、推進している可能性は高い。それを推進する際、満州で中国人を生きたまま実験材料にした731部隊後継者、感染研が日本人をマルタにして実験しているのは当然。だから、まともな感染症専門家やマスコミが検査を増やせと主張しても反映されないのだ。日本の米軍基地が沖縄の人々や本土の人々が、どれだけ世界侵略用アメリカ基地に反対しても、日米安保条約、地位協定の下、堂々居座り、沖縄で辺野古基を地建設さえしているのと一致する。
 宗主国在日大使館が、日本のPCR検査が余りに少なく、今後日本の医療がどうなるかわからないので、日本からの退避をアメリカ人に勧告しても、傀儡政権の首は飛ばさない。傀儡の首を飛ばせば、壮大な実験が遂行できないためだろう。

 こうした発想、妄想であって欲しいが、LGBTを「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」といった議員がいる与党、生産性がない老人をこの機会に、粛清しようとしても不思議はない。現代版楢山節考。

議員が活躍している与党が、生産性がない老人を、この機会に一挙に粛清しようとしても全く不思議はない。むしろ当然。現代版楢山節考。

 属国政府が、属国庶民老人に全面戦争をしかけているのだと解釈すると、政府の無策、無策どころか実に合理的な優れたであることがわかる。さすが属国官僚は賢い。森友事件で彼らの有能さは十分証明されている。
 緑のタヌキが規制強化を主張するのは、都知事選挙を前に、「都民のために戦った」ポーズ造りだろう。彼女、決してPCR検査強化は言わない。東京上空をアメリカ軍が支配しているがゆえに、民間航空機が無茶な航路を飛ばざるを得ないかについて、全く文句を言わないのと同根。大本営広報部を、いくら読んでも、こうした陰謀論を放棄する根拠、見つかりそうもない。

2020年4月 5日 (日)

病める残虐さ。アメリカ制裁の中、Covid-19と戦う世界

Finian Cunningham
2020年4月1日


 新型コロナウイルス感染者数で、アメリカが世界最大になるにつれ、多数のアメリカ政府チャーター便が、中国からアメリカに肝要な医療機器と物資を空輸し始めた。アメリカで流行がピークに達するのは数週間以上先で、厳しい死者数が予測されている。

 この人道的危機ゆえに、大規模な医療物資輸送を組織化する上で、中国は当然、アメリカに協力している。普通、それに対して、ワシントンから多少返礼があってしかるべきだと思うだろう。結局、中国は、アメリカが人権侵害だとするもののかどで制裁を課した国の一つなのだ。アメリカには、中国に対する制裁を中止して、いささかの団結と感謝を示す義務はないのだろうか?

 中国だけではない。主に、ワシントンによる人権侵害非難ゆえに、約30の国と地域が、現在アメリカ制裁リスト上にある。キューバや北朝鮮やイランなどの標的に定められた国の中には、数十年間も制裁下にある。ロシアやイエメンやベネズエラなどの他の国々が、最近、このうさんくさいクラブに入れられた。

 確かに、国籍にかかわらず、何百万人もの人々を脅かしている未曾有の世界的大流行の中、他者との本当の団結や深い思いやりを示す時期だ。他の国々に制裁を課すという考え自体、時代錯誤であるのみならず、全く野蛮だ。

 いずれにせよ、国連安全保障理事会の負託なしで、一方的に課すアメリカ制裁は、まず確実に違法だ。コロナウイルス発生や、それに付随する病気Covid-19以前でさえ、他の国々の通商貿易を混乱させるためのアメリカ禁輸は非難されるべきものと見なせる。このような措置は、国際法や国連憲章違反の、一般人に対する集団的懲罰だと正確に判断される。

 だが今、各国がウイルスによる実存的脅威と戦う中、現在のアメリカ制裁は忌まわしいものと見なせる。

 イランは特に痛ましい例だ。何週間かで何千人という死者で、イランは世界で最も感染率が高い国の一つだ。それでもトランプ政権は、テヘランに対する厳しい制裁を維持するだけでなく、流行が起きて以来、実際、イランに対して更に三つの制裁を加えた。イランの死者は、アメリカ政策ゆえに増大しているのだ。

 トランプ政権は身勝手にも、アメリカ制裁は、イランへの人道的援助を妨げないと主張している。この主張は軽蔑にも値しない。トランプの「最大の圧力」政策によって課された壊滅的制裁は、事実上、イランが、医薬品を含め国際金融取り引きするのを妨げているのだ。さらに、多くの国が、「第二次制裁」によるアメリカの報復への不安で、イランと事業取り引きをしないよう恫喝されているのだ。

 あらゆる国のCovid-19に対する戦いを、どんな形であれ一層困難にする上で、ワシントンの手は血にまみれている。違法な制裁で、ワシントンの手は、既に血にまみれている。だが今我々が目にしているのは、世界中が苦しむ中、恥知らずに、その醜い顔を見せる、おぞましく、加虐的なアメリカ政府の奇怪な姿だ。

 先週、コロナウイルス感染蔓延を避けるため電子会議で行われたG20サミットで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、この重大な時点において、制裁を中止するよう世界に呼びかけた。彼は全ての国が金融的な制約なしで、医薬品や装置を入手できるようにするのが喫緊の課題だと言った。「人々が生きるか死ぬかの問題だ」と彼は付け加えた。

 制裁を止めるようにというプーチン大統領の呼びかけは、アントニオ・グテーレス国連事務総長や習近平中国国家主席を含め、他の世界の首脳に支持された。

 だが結局、G20最終共同声明には、制裁に関する、いかなる満場一致の言及もなかった。世界最大の連続的な制裁乱用国アメリカが、このような金融弾圧措置を阻止する、いかなる動きも排除すべく、舞台裏で手を回していたのではあるまいか。驚くほどのことではないが、金融による強要策(はっきり言えば「テロ行為」)は、他国に対する軍事的恫喝と同様、アメリカ外交政策にとって有用な武器なのだ。

 代わりに、G20会議が発表したのは、気の抜けた不誠実な語り口の共同声明だった。

 それは、こう述べている。「この世界的大流行に対処するため、これまで以上に、世界的行動や団結や国際協力が必要だ。我々は、しっかり協力して、これを克服できると確信している。我々は人命を守り、世界的な経済的安定を復活させ、強い、持続可能な、バランスがとれた包括的な成長のためのしっかりした基礎を据えるのだ。」

 最貧最弱な国々が命を救う必需品を入手するのをワシントンが拒否し続ける中「世界の団結」や「人命を守るため、しっかり協力する」というのは、一体どのような現実的な是正措置を意味するのだろう?

 ワシントンに何らかの思いやりや道義があれば、共通の人間性を認めて、即座に、他の国々に対する全ての制裁を取り消しているはずだ。だがワシントンの無情さは、危機や死においてさえ揺るがないのだ。それは、思い上がりと偽善が恐るべき規模の、アメリカの独善に基づいている。

 アメリカ支配階級に固有の、この犯罪的精神構造には、ある種自然の「懲らしめ」が加えられるはずだ。同胞の人類への組織的悪業に対する懲らしめは軽いものでは済むまい。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/04/01/sick-and-sadistic-world-fights-covid-19-amid-us-sanctions/

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 『アメリカの制裁外交』を読み始めた。ファーウェイの話から始まる。

 昔竹槍、今マスク。感染者が、より多くの人に感染させない程度の効果はあるだろう。個人的に、さけられない外出時には、咳をして、人さまに、いやがられないよう、マスクをしてはいる。

 植草一秀の『知られざる真実』

国民守る意思と能力がない布製マスク内閣

 LITERA

三浦瑠麗、高須克弥…「布マスク2枚」を擁護する安倍応援団はもはや精神論だのみ! SNSではネトウヨが浦沢直樹攻撃

 腐っても大国?

在日アメリカ大使館「日本はウイルスの検査を広く実施せず、感染状況の把握が難しくなっている」と指摘した。一時的に日本に滞在しているアメリカ人に対して「とどまるつもりがなければ、直ちに帰国の準備をすべきだ」と呼び掛けた。

 日刊IWJガイドは、こう指摘している。

 この「警報」の中で、特に問題なのは、日本政府がコロナ感染を「広く検査しない」と「決定」したとしている点です。

 これまでも、日本の検査数が少ないことは国内外から大きな批判を浴びており、安倍総理も記者会見で「確かに少ない」と回答。批判に対して、厚生労働省は「検査能力を増やす」と言い続けてきました。検査数を抑えると「決定」したことは、少なくとも「表向き」にはないはずです。

 にもかかわらず、米国大使館の「警報」は、日本政府の「表向き」の宣伝とは、完全に正反対の「事実」を語っています。たしかに「検査能力」と「検査数」は違います。「検査数」はほとんど増えていません。日本政府の誰が、いつ、検査数を抑えると「決定」し、米国に伝えたのでしょうか? それが事実であるなら、その「決定」はなぜ、日本国内では報道されないのでしょうか? 事実に反するなら、日本政府は米国大使館に抗議し、訂正を求めないのでしょうか?

2020年2月23日 (日)

エルドアンの危険な虚勢

Finian Cunningham
2020年2月18日
スプートニク

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、まるで不正行為の現場を捕らえられた泥棒のようだ。恥ずかしさでこそこそと逃げる代わりに、自分が被害者であるかのように激昂している。

 これが、ロシアとの2018年合意下、トルコは緊張の段階的縮小地帯を守るよう義務づけられたシリア北西領域の状態だ。アンカラは義務を守り損ねている。イドリブとアレッポ郊外から活動するテロ集団による、アレッポ市や他の政府支配地域のシリア一般国民に対する攻撃が衰えることなく続いている。

 段階的縮小合意に対する、これらの致命的違反は、トルコ軍がシリア領に12の監視所を持つことを許されている事実にもかかわらず実行された。外国軍隊が領土内に駐留することを認める合意は、シリア政府による大きな譲歩だった。譲歩は何度も悪用された。

 テロ集団が攻撃作戦を実行するのをトルコが止めなかったのだから、全て白紙に戻ったのだ。昨年末から、シリア・アラブ軍は、北西シリアで、連中最後の要塞から活動している反抗分子を最終的に鎮圧しようとしている。

 シリアを支援しているロシアは、領土から、あらゆるテロ集団を絶滅させるシリアの主権を支持すると言っている。主要な反体制派閥は(タハリール・アル=シャームとしても知られている)アル=ヌスラ戦線で*、国際的にテロ組織として禁止されている。それゆえ、シリアは国連決議と国際法下で、その目的を追求するあらゆる権利を有している。

 今週早々、軍・外交筋が、シリアに送られているトルコの軍装備品が、国境を越えた直後、しばしばアル=ヌスラ戦線の手中に落ちていることが知られているように、アンカラが、実際、シリアでテロ集団に兵器を補給していることを明らかになった

 シリア政府や他の観察者は、長い間同じことを言ってきた。すなわち、トルコは、この紛争で何らかの調停者ではなく、無害に聞こえる「反政府派」と呼ぶ反政府過激派戦士に秘密資金を提供している、むしろ敵対者だ。

 乗員も死亡した最近のシリア軍ヘリコプター二機の撃墜は、トルコがテロ集団にアメリカ製地対空MANPADミサイルを供給したおかげで可能になったと考えられている。

 シリア軍と同盟国ロシアが、北西シリアで持ちこたえている残りのテロ集団を包囲するにつれ、シリアでの9年の戦争は終盤に近づいている。今週、シリア政府軍がアレッポ郊外の広い範囲を解放したので、テロ集団による民間居住地域への砲撃はやむだろう。

 とは言え、終盤は国際紛争へと拡大する可能性の不安な状況にもなっている。

 最近、トルコのエルドアンは、シリアとロシアを実力行使で威嚇している。シリアがテロ集団に対する攻勢から引かない限り、トルコ軍がシリアとロシア航空機を攻撃すると彼は言っている。今月早々のシリア軍砲火による十数人のトルコ兵士の死が、アンカラを更に激怒させた。トルコは報復としてシリア陣地に対して反撃したと主張している。トルコは目に余るほどテロ集団の事実上の砲兵師団役を演じている。

 今週、トルコ当局者が、停戦しようとしてモスクワにいる。エルドアンは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にしばしば電話をしている。

 だが、エルドアンのどう猛な調子と特使はお門違いだ。もしシリア軍が撤退しなければ、アンカラはいっそう攻撃的行動をすると脅しているのだ。

 エルドアンがふけっているように思われるのは、危険な虚勢だ。アンカラは、ワシントンから受けた支持を見せびらかしている。今週トルコ・マスコミの大見出しは「トランプ、イドリブで大惨事を避けたことに対し、エルドアンに感謝」だ。つまり、もちろん、シリアで起きていることの、途方もないわい曲だ。それでも、これは、ワシントンが、しっかりアンカラ側についていることを示している。

 アメリカ大統領は、エルドアンに、ロシアが「シリア政権」に対する軍事支援を終わらせるのを見たいとも語った。

 クレムリンはワシントンの介入を拒絶し、領土で、テロと戦うシリアの不可侵な権利の支持は揺るがないと述べた。

 NATO軍事同盟の加盟国として、トルコは、集団防衛条項に訴えて、アメリカや他の同盟諸国に、シリアに支援に来るよう要請する可能性がある。もしそうなれば、シリアの戦争は巨大な危険がある国際次元のものになる。エルドアンは、シリアとロシアの前で、このエスカレーションの脅威をちらつかせているように思える。

 この時点で、シリア紛争の根源が、外国による干渉の問題であることを想起すべきだ。アメリカとトルコを含めNATO加盟諸国は、テロ集団への彼らの秘密支援で(テロに対して戦うという、ばかばかしい公式主張にもかかわらず)戦争に油を注いできた。

 シリアに不法駐留しているこれら海外勢力が、国際法に従って、シリア領域から軍隊撤退を始めた時に、戦争は最終的に終わるだろう。それら軍隊には、兵隊、軍用飛行機、軍事基地や、CIAとトルコの同様機関の正体不明の工作員を含む。

 トルコもNATO共犯者連中も、卑劣なゲームが上りなのを悟っているのは確実だ。シリアを破壊する彼らの極悪な陰謀は失敗したのだ。彼らが恐れているのは、自分たちが怪物フランケンシュタインのように育てたテロ・ネットワークが最終的にトルコに移動し、ガンのように他のNATO加盟諸国に大挙して移住することだ。地獄からの想定外の反撃。

 シリアは領土内のこれら犯罪者を何とか大目に見るべきだと、エルドアンは横柄さゆえに、考えているように思われる。トルコとNATOがシリア国民に押しつけた災難から、英雄的なシリア軍がシリアを解放する仕事を終えるのを阻止するために、彼はエスカレーションの無謀な脅威を使っているのだ。

 シリアとロシアは、エルドアンに「やれるものならやってみろ」と開き直るべきだ。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で作詞作曲家でもある。20年以上、ミラーやアイリッシュ・タイムズやインデペンデント等の大手マスコミ企業で、編集者、著者として働いた。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/202002181078341922-erdogans-treacherous-bluff/

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 『人間使い捨て国家』を読み終えた。いやはや。国が総力をあげて、使い捨て政策を推進している実態がよく分かる。今『奴隷船の世界史』を読んでいる。奴隷も酷いが、奴隷船の水夫も酷いあつかい。他に行き場がなくなって、とんでもなく危険な低賃金労働を選んだのだという。奴隷や水夫は、当然反乱を起こすことがあったが、ほとんど鎮圧されていた。ということで、不沈空母というのは、不沈奴隷空母が正確だと思えてきた。

 IWJの岩上安身氏が『人間使い捨て国家』著者にインタビューしておられる。

規制緩和で派遣労働者が激増!賃金抑制が日本経済の停滞を招いた!岩上安身によるインタビュー 第981回 ゲスト『人間使い捨て国家』著者 明石順平弁護士 後編 2020.2.5

 『人間使い捨て国家』企業による搾取を大目で見る司法の姿勢も批判しておられる。

 日刊ゲンダイDIGITAL

権力と一体化してきた司法 今さら黒川人事批判に違和感

2020年2月19日 (水)

バーニーがトランプを破るための民主党最良の希望である理由

Finian Cunningham
2020年2月14日
Strategic Culture Foundation

 おそらく民主党は、あらゆる機会に、彼を反射的にあざ笑うのではなく、変化のために、時には、トランプ大統領に耳をかたむけるべきだ。民主党は、徹底的に憎んでいる共和党現職の打倒に必死だ。民主党が、激戦の中から大統領候補を指名する準備をする中、一体誰が、11月、大統領選挙に勝利する最良の可能性をもたらすだろう?

 大統領自身によれば、彼が最も恐れているのは、バーニー・サンダースだ。

 今週、サンダースと億万長者の大物マイケル・ブルームバーグ、どちらに対抗して立候補するのを好むか尋ねられて、トランプはホワイトハウス記者団に言った。「率直に言って、私はバーニー・サンダースより、ブルームバーグに対抗して立候補したい」。「なぜなら、皆が彼が好きかどうか、彼と意見が一致するかどうにかかわらず、サンダースには本物の支持者がいる。私は彼が言っていることは、とんでもないと思う。だが、彼には支持者がいる。ブルームバーグは金で買っているだけだ。」

 メディア王で、ニューヨーク市前市長ブルームバーグは自身を民主党大統領候補として売り込むため、何千万ドルも使っている。党は7月に、ミルウォーキー大会で候補者を指名するだろう。

 だが民主党予備選挙がアメリカ全土で進行するにつれ、初期にリードしているのはバーモントの78歳の上院議員バーニー・サンダースだ。自称社会主義者は、獲得代議員数を通して大失敗にもかかわらず先週アイオワで一般投票を獲得した。今週、サンダースはニューハンプシャー州での投票でトップになった。

 今月末、カリフォルニアとテキサスのような巨大な州でスーパーチューズデーのレースが起きる前に、民主党選挙運動は、ネバダとサウスカロライナに進む。

 ニューハンプシャーでの勝利演説で、サンダースは熱狂的な支持者に語った。「我々はネバダに行く、我々はサウスカロライナに行く、我々は次も勝つつもりだ。この勝利は、ドナルド・トランプの終焉の始まりだと申し上げたい。」

 ホワイトハウスに向かってトランプと戦うことにサンダースが確信を持っているのは、トランプが彼を恐れているのと同じ理由だ。サンダースには、支持者と選挙運動組織者の手ごわい草の根運動があるのだ。他の民主党候補者は誰も、支持者の間で同じ活気を呼び起こせていない。サンダースは青年、学生、労働者や少数民族という人口上重要な集団に接近した。彼はうらやましい肝心な勢力、大衆の勢いを活性化させたように思える。

 もう一つの重要な政治的武器は政策だ。サンダースは言う。「我々の政策は、この国の労働者家庭の痛みに向けて語っている」。

 アイオワとニューハンプシャーの後、エリザベス・ウォーレン上院議員と、元オバマの副大統領ジョー・バイデン、二人の選挙スターは失速した。

 しかしながら、ピート・ブティジェッジとエイミー・クロブチャー上院議員はサンダースと民主党候補者になろうとして競う二人の候補者になった。彼らはニューハンプシャー予備選挙で、それぞれ二位と三位だった。

 これら候補者のいずれも、最近まで比較的無名だった。クロブチャーは、有権者がほとんど常に彼女の名前を、どうつづるか知らないと冗談を言いさえしている。インディアナ州サウスベンド前市長ブティジェッジは、若者らしいイメージと、CIA機密活動につながるとされるアフガニスタンでの軍人としての不透明な戦歴がある。

 民主党支配層が、大半の有権者に対する訴求力を最大にしようとして、ブティジェッジとクロブチャーを「中道派」候補者として育てているのは疑惑にとどまらない。

 今週ニューヨーク・タイムズは、こう書いている。「民主党の競争は、党が民主社会主義者サンダースで左傾するのか、ブティジェッジ、あるいは三位につけているエイミー・クロブチャー上院議員で、中道で行くのかに帰着するように思われる。」

 ニューヨーク・タイムズは「民主党の伝統的な構造は、彼の革命的な民主社会主義というレッテルの不安から、サンダースに対して結集するよう構成されている。」と認めて、サンダースに対して党による裏切りの可能性を漏らした。

 悲惨な結果になった2016年の戦術的な、反民主的企みが繰り返される危険がここにある。当時、バーニー・サンダースは、今回の選挙でもしているのと同様、ワシントンにおける根本的変更に向けて、青年と労働者を活性化させていた。だが4年前、民主党幹部は、大統領候補としてヒラリー・クリントンを支持する方が分別があるのだと思っていた。民主党支配層は、すさまじい縁故主義で、クリントンが、味気ない中道主義と大企業とのつながりで、多くの普通のアメリカ人に嫌悪されているのが見えなかったのだ。

 2016年、バーニー・サンダースに大統領立候補の機会を与えるのを拒否して、民主党支配層は、普通の党員とより広範な有権者の民主主義への希望を無視しただけでなく、必然的に、「沼」として知られるワシントン二大政党戦争挑発にうんざりしている国民の大規模な有権者の不満を、型破りのドナルド・トランプに、かき集めさせたのだ。

 今回、信じられないことに、堕落した民主党支配層は、連中の問題がある中道という概念について何か学んだ兆しがないのだ。

 選挙に勝つために必要なのは人々の不満と熱情に語れる政治家だ。2016年、トランプは、煽動政治家のふりをして、それに成功した。

 アメリカのすさまじい経済不平等と社会崩壊を考えれば、必要なのは、アメリカ寡頭政治による、うすぎたない捕食性資本主義国家に対して、人々の強い怒りをかき立てることができる候補者だ。それは安全な平凡な「中道派」にはできない。腐ったシステムに対する本格的政治反撃が必要だ。

 イギリスのインデペンデント紙のインタビューで、サンダースの兄ラリーが、バーニーが、なぜトランプに挑戦する男なのかについて、下記の見解を語った。

 イギリスで暮らしている退職した学者で政治運動家のラリー(84)はこう言った。「選挙は重要な問題を巡って戦われるだろう。誰が何を手に入れるか、財産と収入が億万長者に向けられてしまうのかどうか、誰でもまともな暮らしの可能性が得られるかどうか。その中で、もしバーナードが先導すれば、民主党が勝つだろう。もし誰か穏健中道派が先導すれば、彼らは相当苦労するだろう。トランプがいるのだから、我々は数十年、中道なのだから。中道ということは、本当の中道を意味せず、権力を持った人々が異議を申し立てられずにすむことを意味する。」.

 バーニー・サンダースは勝利の時代精神をとらえたように見える。そしてトランプはそれを知っている。民主党幹部とは違って。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。
 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/02/14/why-bernie-is-democrats-best-hope-beat-trump/

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 震源地のインターコンチネンタル・ホテル、本社はイギリスのようだ。

 植草一秀の『知られざる真実』

グルメンピックPartⅡと化す東京マラソン

 しんぶん赤旗

小泉環境相 対策本部より新年会
欠席認めるも居直り5連発

 答弁の様子をテレビで見た。確実に、魚の頭。

2020年1月25日 (土)

イランが絶望的な核合意を放棄すべき理由

Finian Cunningham
2020年1月19日
Strategic Culture Foundation

 1930年代以来、ヨーロッパの宥和政策が、これほど臆病に、身勝手に、究極的に、これほど無謀に、より大きなエスカレーションと戦争へと向かったことはない。

 1930年代、イギリスとフランスによるナチ・ファシズムに対する宥和政策が第二次世界大戦を導いた。ほぼ一世紀後、イランに対するアメリカ帝国主義への同様な無節操な媚びへつらいが、同じ様に、無法状態と侵略に拍車をかける条件を生み出している。

 イランとの国際核合意に関し、イギリス、フランスとドイツというヨーロッパ・トロイカが今週発表した共同声明は、ごまかしと身勝手さの傑作だ。

 いわゆるE3は、公式に包括的共同作業計画として知られている(JCPOA)国際協定にイランが違反しているので、彼らは紛争解決制度を起動したのだと述べている。

 「イランの行動に、今日イランがJCPOAの下の誓約を果たしていないという我々の懸念を表明し、JCPOA第36条の規定通り、紛争解決メカニズムの下、これを合同委員会に提起する以外、我々には選択肢がない」と、このヨーロッパ共同声明には書いてある。

 声明はこう結論している。「我々はJCPOAを維持するという包括的目的で、合意を維持し、その枠組みの中に留まり、建設的な外交的対話を通して行き詰まりを解決する前向きの方法を見いだす誠実な希望から信義誠実の原則に従って行動している。そこで我々三国は、イランに対し最大の圧力をかける行動に参加していない。我々の希望は、JCPOAの下、イランを誓約の完全遵守に戻すことだ。」

 イランは不当な要求のおかげで、勝算がない状況におかれている。紛争は解決不可能で、それゆえ今後数週間のうちに、ヨーロッパは、イランに、国連とEU制裁を再度課そうとしている。JCPOAは、だから終わったのだ。

 ロシア外務省が指摘している通り、イランをけん責するヨーロッパの「危険な」動きは正当ではなく、アメリカとイラン間の既に危険な紛争を、それ以上のエスカレーションに導くだろう。

 ヨーロッパは、これまで7カ月にわたり、テヘランが誓約を逐次停止して、JCPOAに違反したと、偽って、イランを非難しているのだ。2018年5月、最初に、一方的に合意を離脱し、その後イランに、害が大きな経済封鎖を再び課し、トランプ政権が国際協定に違反したから、イランは、そうするよう強いられたのだ。

 2019年5月、イランは、合意を守り、アメリカ制裁を避けるための貿易メカニズムを実行する処置をとらなくてはならないとヨーロッパに警告した。ヨーロッパは、JCPOAへの彼らの誓約を惨めに果たし損ね、第二次制裁というアメリカの恫喝に直面して、イランとの事業から、こわごわと身を引いたのだ。

 今週のEUトロイカによる敬虔な共同声明は、アメリカのいじめに立ち向かうことに対する自身の弱さと失敗を偽って隠すものだ。

 ドイツのハイコ・マース外務大臣が別の声明で述べた。「我々の目標は明確だ。我々は協定を維持し、協議の中で外交的解決に到達することを望んでいる。」

 イギリスのドミニク・ラーブ外務大臣は、議会で「イラン政権に選ぶ権利がある」と述べた。

 「イラン政権は、緊張を緩和させ、国際法の基本的な規則に固執する措置をとることができる。それとも、政治的、経済的孤立化の中に、益々深く沈むかだ」と彼は言った。「合意を救うため、我々と協力するよう、イランに強く要請する」とエセの道徳的な高みの目線で、ラーブは述べた。

 ヨーロッパは、現実を逆さまにしているのだ。イランが合意に違反したことを強く非難するのは、彼ら自身、アメリカとヨーロッパによる、まさに本物の、ずっと大きい違反をごまかしながら、「やられた方が悪い」という臆病なあえぎだ。

 イランに「緊張を緩和する処置をとらねば」ならないと言うのは、イランを狙った中東でのアメリカの容赦ない軍事力強化の愚かなわい曲だ。ヨーロッパは、それこそ、まさに彼らがしていることなのに、アメリカの「最大圧力」作戦に加わっていないというお笑いぐさの主張をしているのだ。1938年、ミュンヘンでヒトラーにおべっかを使った後「現代の平和」を宣言したイギリスのネヴィル・チェンバレンと同じぐらい知性に対する侮辱だ。

 トランプの対イラン戦争挑発に対する、ヨーロッパのすすり泣きながらの投降は、過去三年間、進行中だった。アメリカ大統領は、ウソと更なる恫喝の感動的な言葉で、ヨーロッパ諸属国の最新行為を歓迎した。

 国務省が公開した声明によれば 「文明世界は、イラン政権に、明確な、統一されたメッセージを送らなくてはならない。テロ、殺人、大混乱という、あなた方の作戦は、もはや大目には見られない」とトランプは述べた。

 イランは真実に直面する必要がある。ヨーロッパ政府は正直な仲介者ではなく、本物のパートナーでもありえない。今週最高指導者ハメネイが言った通り、彼らは信頼できるはずがないのだ。

 イランはトランプの命令で殺害された国民英雄ソレイマーニー少将の死を嘆き悲しんでいる。アメリカに主導される戦争の緊張が高まる中、イランは革命防衛隊に撃墜された民間航空機の惨事を深く悲しんでいる。それなのに、ヨーロッパは、ワシントンの侵略者に対する非難を一言も言わない。本当に、彼らは、秘密の核開発の意図があるという根拠がないアメリカの非難を繰り返して、イランの孤立化と中傷を積み重ねている。

 このヨーロッパの宥和政策は、イランに対するアメリカ攻撃に、更なる偽りの正当化を与えるだけだ。ヨーロッパは「外交的解決」を望んで、国際法に固執するという身勝手な主張にもかかわらず、戦争の危険を煽っているのだ。

イラン系アメリカ人学者ソラヤ・ソラヤ・セパフポール・ウルリッヒは、この瞬間をイランにとっての「警鐘」と呼んだ。

 Press TVインタビューで彼女は言った。「ヨーロッパは彼らの動きを通して繰り返し、彼らはヨーロッパ権力ではないことを示している。彼らはヨーロッパ市場なのだ。アメリカ合州国は、この市場に強い影響力を持っていて、その規則に命令さえするのだ。」

 これは、もしEUが今週イランとの紛争解決制度を起動しなければ、自動車輸出への法外な関税でEUに打撃を与えると報じられているトランプ政権による恫喝への暗黙の言及だった。

 セパポール・ウルリッヒは、何年もの迂遠な交渉後に、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシアと中国に署名された2015年核合意の基本前提を問題にしている。欧米諸国にとってJCPOAは「イランとの正常な関係を確立するのは決して狙いではなかった」と彼女は言う。「イランを服従させ、弱体化させ、基本的に力を奪うのが狙いだった。」

 そういうわけで、核合意という見え透いたまね事が、アメリカ帝国主義のいじめで身動きできない最新のヨーロッパ属国諸国による不誠実のおかげで、とうとう終わるのは、おそらく良いことだ。

 見え透いたまね事に巻き込まれるのは、常にイランの力の消耗で、現在の憂慮すべき動きが証明しているように、逆説的に、エスカレーションの原因なのだ。

 EUがイランに与えた「遵守に戻る」という誤った選択は拒否すべきだ。イランは今後、経済権益を、ロシア、中国とユーラシア王国との共同開発に、心から向けるべきだ。これ以上、西洋のペテン師連中と言い争っても、戦争を求めることにしかならない。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/01/19/why-iran-should-ditch-the-hopeless-nuclear-deal/

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 今日の孫崎享氏メルマガ題名:

徴用工問題で、依然問題の本質を見極めない安倍首相。確かに日韓協定で「請求権問題が完全かつ最終的に解決された」とあるが日本批准の人権規約で、「権利自由を侵害された者が、公的資格で行動する者にその侵害された場合、効果的な救済措置を受けることを確保する」

 と

日刊IWJガイド「麻生大臣『一つの民族』発言にアイヌ協会抗議文! 自民議員や支持者の『差別意識』を放置したオリ・パラ主催で、日本が世界に恥をさらす!!」2020.1.25日号~No.2690号

 を拝読して、連想したのは、再読中の「アメリカン・ドリームという悪夢」。オバマ演説について再三ふれられている。24-25ページから引用させて頂こう。

 やがて本書での「アメリカ」史学び直しの主要テーマとなる事柄を指摘しておく。
中略
 「黒人のアメリカが、白人のアメリカが、ラテン系人のアメリカが、アジア系人のアメリカがあるのではない。あるのはアメリカ合衆国だ。」とアメリカ人の一体性を強調した時に、インディアン(先住民)のことをうっかり忘れてしまっていたことである。

2020年1月 9日 (木)

イラン、ソレイマーニー将軍の死後暗殺

Finian Cunningham
2020年1月5日
Strategic Culture Foundation

 イランのガーセム・ソレイマーニー将軍は、埋葬前にさえ、彼の性格や軍事経歴を中傷されて、アメリカの手にかかって、二度目の暗殺に耐えなければならなかった。

 アメリカのトランプ大統領は、1月3日金曜日、バグダッド空港で、ソレイマーニーの車列への空爆を開始し、「世界ナンバーワンのテロリスト」がアメリカ軍に「捕捉され」「殺害され」たと宣言した。イランの精鋭クッズ軍司令官は粉々に吹き飛ばされ、遺体は後に左手にしていた特色がある赤い石の指輪でようやく確認された

 イラク人民動員隊(PMF)のアブ・マフディ・ムハンディス副司令官を含め、軍用車列の少なくとも6人の他のメンバーが殺された。PMFは、アメリカが同盟していることになっているイラク国防軍の公式に認められている一部だ。

 ソレイマーニーとムハンディスは、イランとイラクで、中東中で、イスラム国テロ集団や複数のアルカイダ分派連中を見事に打ち破って崇拝されていた。イランと、イランに支援される民兵は、アルカイダとつながるテロ・ネットワークを、イラクとシリアで敗走させる上で重要だった。

 ソレイマーニーはイラン・イラク戦争(1980-88)中の勇敢な指導力ゆえに、イランで国民的英雄として同じく宴をはってもてなされた。

 今、トランプ政権によれば、イラン人将軍は、死んだアルカイダやイスラム国の指導者や、オサマ・ビンラディンやアブーバクル・アル・バグダディと同列なのだ。トランプは、自分がソレイマーニー殺害を命じたから、世界がより安全になったと自慢した。

 「これをテロリストへの警告にしよう。皆さんが御自身の命が貴重だとお考えなら、皆さんは、我が国民の命を脅かしはしないだろう」とトランプは、暗殺数時間後に宣言した。彼はイラン人司令官は「無辜の人々を殺す病的情熱」を持っていたと言って、ソレイマーニーの死を「これら怪物」と、ひとまとめにした。

 侮辱に侮辱を重ねて、フロリダで、トランプは、福音主義キリスト教徒の支持者に、アメリカは「戦争はせず」、むしろ「平和と調和の世界」を求めたのだと述べた。大統領はイランとの「戦争を妨ぐ」ため、ソレイマーニー殺害を認可したと述べた。

 フロリダ、マー・ア・ラゴの彼の豪奢な岸辺の大邸宅で、親しい友人たちとミートローフとアイスクリームの夕食を食べながら、暗殺が認可されたと言われている。

 トランプはソレイマーニーが中東じゅうで何百人ものアメリカ外交官や兵士を殺す陰謀をくわだてていたという「訴訟を基礎づけるに足る諜報情報」を得ていたと主張した。それは証拠を決して提示しないアメリカ機密情報まじない論理に過ぎない。彼は、イラン人将軍は「何千人もの」アメリカ兵の死と、「何百万人もの」無辜の人々の死に責任があったとも言った。明白な名誉毀損だ。

 ガーセム・ソレイマーニー将軍をテロリストとして描くのは、「世界最高のテロ支援者」だとしてイランを悪者にするアメリカのプロパガンダ言説では論理的な手順だ。だがその言説は、アメリカが主張する美徳と同じウソだ。ソレイマーニーへの誹謗中傷の必要性は、殺人という野蛮な行為をトランプ政権が正当化する必要性から生じているのだ。

 テロリストを根絶し、シリアとイラクでISカリフ体制を独力で打ち破ったというトランプの主張こそが、本当の「病的情熱情」を示している。

 ソレイマーニーが率いたイランの戦略的介入とロシア介入がなかったら、シリアでの戦争は、イランとイラクで、また確実に他の中東諸国で、テロ・カリフ体制が拡大ていたはずだ。

 この地域中でテロの大流行を生み出したのは、百万人以上の人々を殺し、社会を丸ごと破壊した、イラクとアフガニスタンでのアメリカによる違法な戦争だった。アメリカとその同盟国は、政権転覆作戦のために、これらテロ集団を利用したのだ。

 ソレイマーニーは、アメリカ人中傷屋が主張するようなテロ立案者ではなかった。彼は中東でのアメリカ不法占拠と国家テロに対する合法的抵抗の立案者だった。シリアとイラクでのイスラム国や、彼らの様々な代理人の敗北が、アメリカが画策した汚い戦争や、「テロとの対い」という乱雑な偽善の主張を暴露した。

 ロシア国防省は敬意を表し、シリアとイラクでテロ集団を打ち破った彼の貢献に対し、ソレイマーニー大将を讃えた

 それがソレイマーニーがワシントンからこれほど憎悪される人物になった理由だ。戦略上の欲望に従って地域を征服しようとするアメリカ帝国主義の狙いを阻止していたのだ。

 トランプとマイク・ポンペオ国務長官は、アメリカはイランとの戦争を欲しないと不条理にも言っている。ポンペオは、ホワイトハウスがテヘランとの「緊張を減少させようとして」いるとさえ言った。

 鼻につく不誠実さで、大統領は述べた。「私はイラン国民には深い敬意を持っている。彼らは素晴らしい伝統と、無制限の可能性を持った優れた民族だ。我々は政権交代を求めない。だが、地域や近隣を不安定にするための代理戦士利用を含め、イラン政権による侵略は終わらなくてはならず、それは今終わらなくてはならない。」

 イラン政権による侵略? これが、同時に数カ国に爆弾を投下し、この地域に何万人もの兵士を配備し、首を絞めるような経済封鎖/経済戦争を利用し、国際軍備管理協定を破棄し、その手が何百万人もの血にまみれたアメリカ政権の言いぐさだ。

 タカ派の元国家安全保障担当補佐官ジョン・ボルトンはソレイマーニー暗殺を政権転覆の第一歩としてトランプを祝った。

 もう一人のタカ派取り巻きリンゼー・グラム上院議員がこう述べて、戦争エスカレーション論理の定式化を支援した。「もしイランがアメリカや同盟国を攻撃し続けるなら、彼らは石油精製所の破壊を含め、大きな代償を支払うことになる。」

 ドナルド・トランプ支配下のアメリカは、妄想とプロパガンダのウソの致命的なとりこになっている。大統領が教会の熱狂的会合に出席して殺人を祝う国は絶望的だ。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/01/05/postmortem-assassination-of-irans-general-soleimani/

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 大本営広報部のどこかの呆導番組のアメリカ国民インタビュー、なぜか大統領無条件支持者が三人、反対が一人。無条件で支持する三人に唖然とする。洗脳、ポール・クレーグ・ロバーツ氏が再三指摘される「マトリックス」の産物

 葬儀直後、イラク内米軍基地へのミサイル攻撃は驚きだ。葬儀参列者の大変な人数、国民の怒りを考えれば、不利を承知で、実行せざるを得なかったのだろうか。参列者のなかから圧死者が50人出たとも報じられている。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名:

イラン、最大級の反撃。イラク内米軍軍事基地に、イラン国内からミサイルで攻撃。米国はイラク内米軍軍事基地、バグダッドの「グリーンゾーン」という攻撃に極めて脆弱な拠点を抱えたことになる。これへの防衛はまず無理。トランプも屈服の形はとれない。

 イラン国会は七日、米国防総省を「テロ組織」に指定する法案を可決した。当然。国自体、長年のならずもの国家。この国は、ならずもの国家の最大属国なので、テロ組織下部組織の艦船を現地に派遣する。属国には、外交、軍事の独自選択肢は皆無で、自動的に、実質的にイランとの戦争状態にはいっているのだろう。ポチ本人、中東歴訪をさっさと延期。毎回お得意の逃げ足だけは早い。

 日刊ゲンダイDIGITAL 高野孟氏記事 永田町の裏を読む

安倍晋三首相はリスクを承知で中東に自衛艦を派遣するのか

 Litera記事

安倍首相が情勢緊迫で自分の中東訪問を延期も、「自衛隊派遣に変更なし」! 他人に血を流させ自分は高みの見物の鬼畜ぶり

 植草植草一秀の『知られざる真実』2020年1月8日記事も明快。

国際法違反のトランプ大統領イラン司令官殺害命令

 というわけで、ヒアリング、見ずにはいられない。

【IWJ・Ch4】10:00~「第1回 自衛隊中東派遣問題 野党合同ヒアリング ―中東地域への自衛隊派遣について、防衛省、外務省、内閣官房より」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

【IWJ・Ch4】11:00~「第21回 総理主催『桜を見る会』追及本部ヒアリング ―内容:安倍総理の公選法及び政治資金規正法違反疑惑、ジャパンライフ問題、廃棄簿不記載問題などについて、内閣府、内閣官房、消費者庁より」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

2019年12月28日 (土)

朝鮮民主主義人民共和国との緊張をトランプが高めている理由

Finian Cunningham
2019年12月25日
Strategic Culture Foundation

 18カ月にわたる朝鮮民主主義人民共和国との断続的外交の後、今トランプ政権は「最大の圧力」と敵意という、以前のキャンペーンに逆戻りし、もろい和平交渉を放棄する決意が強いように思える。それは悲惨な戦争の危険を冒す退行的な動きだ。

 今週の中国訪問で、韓国の文在寅大統領と中国の習近平主席は、緊張の復活は誰のためにもならないと言って、朝鮮民主主義人民共和国との外交プロセスでのより大きな可能性を強く主張した。二人の指導者は主張を修正する必要があるかもしれない。緊張は、誰か、ワシントン、に大いに役立つのだ。

 トランプが平壌と共に再び緊張を高めている理由には、二重の計算があるように思われる。それは、領土への米軍駐留に対し、より多くの金を韓国からゆすり取るため、ワシントンにとって、大きな力になるのだ。第二に、トランプ政権は、この緊張を、中国と対決することを目指す地域の軍隊を増やす口実として使うことができるのだ。

 ここ数週間で、ワシントンと平壌間の言い合いは急激に悪化した。朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)は、トランプに対し、もうろくした「老いぼれ」という言い方を再開し、他方アメリカ大統領は、今月早々ロンドン近郊でのNATOサミットで、北朝鮮代表金正恩のことを「ロケット・マン」と呼ぶかつての軽蔑的言い方を久しぶりに使った。

 12月7日と15日、朝鮮民主主義人民共和国が、大陸間弾道弾(ICBM)の差し迫った試験発射のための準備と思われるロケット・エンジンを、ソヘ人工衛星発射場で実験した。朝鮮民主主義人民共和国は、合衆国との外交の身振りして、2018年4月、一方的にICBMテスト発射を止めた。最後の発射は、2017年7月4日で、当時、平壌はあざけるように、それをアメリカ独立記念日の「贈り物」と呼んだ。

 今月早々、平壌はワシントンに「クリスマス贈り物」を準備していると言った。これはICBMテスト再開に言及するものと解釈された。だが、平壌はどの贈り物をするか決めるのは、アメリカ次第だと言った。

 エンジン・テストについて、トランプは、何の朝鮮民主主義人民共和国が次に何をするか「しっかりと見守る」と言い、彼は平壌に対し軍事力を使用する用意を調えており、金正恩は"あらゆるものを失う"と警告した

 外交に背を向けるのは奇妙に思われるかもしれない。トランプは、2018年6月、初めて現職アメリカ大統領が北朝鮮代表と会った画期的サミット、シンガポールで金に会った。2019年2月、ハノイで、2019年6月、韓国国境の非武装地帯で更に二度のサミットがあった。後者では、北朝鮮の土地に足を踏み入れた最初のアメリカの大統領となり、トランプにとって素晴らしい写真撮影の機会だった。

 この外交的抱擁の際、トランプは金を褒めちぎり、「美しい手紙」に対し彼に感謝した。2017年9月、両国が敵対的言説をやりとりした際、もし北朝鮮がアメリカを脅迫したら、朝鮮民主主義人民共和国を「完全に破壊する」とトランプは国連議会で語った。トランプのやり方は、何と気まぐれなことか。

 起きたのは、交渉するという当初の約束の完全な行き詰まりで、トランプ外交の浅簿さを示している。朝鮮民主主義人民共和国の核開発活動を制御しているとアメリカ国民に自慢する広報活動のからくりにしか、アメリカ大統領は興味がなかったのは今や明らかに思われる。

 2019年6月、トランプが三度目に金と会った際、彼らは朝鮮半島の非核化交渉を再開すると誓ったと報じられている。最近まで、朝鮮民主主義人民共和国はICBM実験を止めるという誓約に忠実に取り組んでいた。だが、それに対し、平壌は制裁緩和問題、少なくとも部分的制裁解除に関し、アメリカ側の返礼を期待した。金は制裁で何らかの譲歩をさせるべく、トランプに今年の終わりまで期限を課した。

 先週、ロシアと中国は、朝鮮民主主義人民共和国に対する国連制裁の緩和を提案した。だがワシントンは、それは「早過ぎる」動きで、朝鮮民主主義人民共和国は、まず核兵器備蓄の完全廃止に向かって、逆転不可能な措置をとらなければならないと断固主張して、提案を拒絶した。高圧的態度は、進歩には、ほとんど貢献しない。

 これまで6カ月にわたるワシントンによる外交的返礼の欠如が、平壌を怒らせ、それ以上の会談を拒否するよう仕向けたのだ。平壌は、金に対する品位をいやしめるトランプの中傷再開を激しく非難した。トランプ選挙運動の小道具に使われたことに対する、朝鮮民主主義人民共和国の明らかないらだちもある。

 ワシントンが制裁に関して譲歩しない姿勢をとった事実は、ワシントンが平壌との有意義な外交追求に決して真剣ではなかったことを意味するだろう。

 韓国との大規模アメリカ軍事演習を、戦争のための挑発的演習と見なす朝鮮民主主義人民共和国に対する意思表示として、トランプは確かに中止した。これは軍事演習の中止をアメリカの経費削減の機会と見るトランプにとっては、確実に容易な譲歩だった。

 今月、アメリカ特殊部隊が、韓国特殊部隊と、外国人標的を捕獲する奇襲攻撃をシミュレーションする「斬首」訓練を行ったことは重要だ。しかも、この作戦には、マスコミが異様なほど注目した

 聯合ニュースはこう報じている。「Defense Flash Newsによるユーチューブ動画が作戦の詳細を見せているが、兵士が発煙弾を投げ、建物内の事務所を急襲し、その過程で、敵兵に発砲し、戦闘機が建物上空を飛行する。当局者によれば、米軍が、このような内容を公開するのは異例だ。」

 トランプ政権は、朝鮮民主主義人民共和国との外交の、更なる用途のタネが切れたように思われる。PR価値がとことん利用された。政策は転換し、今や敵意へと戻っている。それがもたらす不安定は、ワシントンにとって二つの意味で有益だ。

 現在トランプは、韓国への米軍駐留に対し、韓国の財政貢献を増やさせようとしている。「アメリカによる防衛に対し」涙が出そうな5倍増、年間50億ドルものツケを、ソウルが支払うのをトランプは期待している。もっともなことだが、韓国は、予算から、これほど膨大な負担を支払うのは気が進まない。この問題に関する会談は、こう着状態にあるが一月に再開が予定されている。

 もし朝鮮民主主義人民共和国とアメリカの関係が、外交により改善し、半島での緊張が下がっていれば、韓国への、より多くの「みかじめ料」というワシントン要求に、明らかに役に立たない。だから、対立を高めて、戦争の危険を増すのは、ソウルの金庫を空にする上で、ワシントンにとって引き合うのだ。

 朝鮮民主主義人民共和国に対するアメリカの狙いを形成する、もう一つのより大きな戦略上の問題は、もちろん中国とワシントンの長期的な衝突コースだ。アメリカ当局者も防衛計画文書も、繰り返し、中国を地政学上の主要対立国として標的にしている。韓国駐留米軍は、28,500人の兵と核兵器搭載可能爆撃機と戦艦とで構成されており、対ミサイル終末段階高高度地域防衛システム(THAAD)は韓国を朝鮮民主主義人民共和国から守るのが狙いではない。実は中国(とロシア)包囲が狙いだ。実際ワシントンは朝鮮半島軍事駐留縮小を望んでいない。駐留を拡大するという戦略上の願望に突き動かされているのだ。

 今月早々、メディアへのコメントで、マーク・エスパー国防長官は、アフガニスタンからアメリカ兵を撤退させることに言及した際、奇妙にも、うっかり本音をもらした。中国と対決するため、兵士をアジアに配置転換すると言ったのだ。

 エスパーはこう述べた。「私は[アフガニスタンでの]兵員削減に触れたいが、それは、私がこの部隊を帰国させ、他の任務に向け、再装備したり、再訓練したりするか、我々の最大の課題、覇権国としての競合で、中国と対決するため、インド-太平洋に配置転換したいと望んでいるからだ。」

 戦争の利益や、中国との戦略上摩擦の論理は、トランプとワシントン支配体制が朝鮮民主主義人民共和国と平和的解決を見いだすのを望んでいないことを意味している。それ故の、敵対的緊張強化への回帰なのだ。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/12/25/why-trump-winding-up-tensions-with-north-korea/

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 昨日、New Eastern Outlookで下記記事を読みかけたところだった。

Japan is Becoming More Active in Greater Middle East

 そして、今朝の日刊IWJガイドの見出し

日刊IWJガイド・土曜版「政府が自衛隊中東派遣を閣議決定! 事実上の『参戦』の始まりを国会審議も経ずに!! 」2019.12.28日号~No.2662号

 メイン号、ルシタニア号、トンキン湾事件、リバティー号、最近は、日本タンカー攻撃を思い出す。

 同じ筆者による記事 「偽旗合州国」もお読み願いたい。

 そして、ポール・クレイグ・ロバーツ氏の記事翻訳も アメリカ艦船リバティー号に対するイスラエルによる攻撃

 「アメリカ艦船リバティー号に対するイスラエルによる攻撃」、検索エンジン、いや隠蔽エンジンではトップに出ない不思議。逆に、お読みいただく価値がある、と証明(隠蔽)されたようなものではあるまいか。

2019年12月21日 (土)

イギリス選挙は英連合王国崩壊の先触れ

Finian Cunningham
2019年12月16日
Strategic Culture Foundation

 ボリス・ジョンソンは、彼の保守党が地滑り過半数を勝ち取り、首相に再度された後、数本のシャンペンをたたき割って開ける権利を与えられている。だが祝宴が終わると、イギリスはとんでもない二日酔いに直面するのだ。連合王国の半分が、今や分離主義と独立という変更不可能な道にあるという逃れられない事実に。

 ジョンソンは、少なくともロンドンの見地からは「EUを離脱できるようにする」決定的な信任を勝ち取った。彼の党は下院で、野党の総議席より80議席多い過半数を持っており、1月31日に欧州連合からの英国離脱を実行するという彼の約束実現を保証している。実際の最終的離脱は、ロンドンとブリュッセル間交渉で、離脱条件の最終的合意が完了するまで、更に一年か二年かかるだろう。だが少なくともジョンソンは、イギリス人が、そもそも2016年の国民投票でブレグジットに賛成投票した際、三年以上前に始まった旅行を、1月31日に、EUを離脱する最終旅行を実現したと主張することができる。

 だが極めて重要なことに、ブレグジットに対する保守党の信任は、イギリスとウェールズにしか当てはまらないのだ。野党労働党から、ジョンソンの保守党へという有権者の大規模変動は、この二つの国で起きていた。だから、結果的に、彼の議会過半数は、イギリスとウェールズの有権者によるものなのだ。

 全く対照的に、英連合王国を構成する他の二つの地域、スコットランドと北アイルランドでは、有権者はジョンソンのブレグジット計画を決定的に拒絶し、欧州連合残留を望む党に投票した。結果は、スコットランドと北アイルランドが共にブレグジットに反対投票をした2016年の国民投票結果と矛盾していない。

 更に最近の選挙結果はスコットランドと北アイルランド双方の独立要求を強化した。

 スコットランド国民党は、現在既に過半数の議席を強化して選挙で圧勝した。彼らは今スコットランド全議席のほぼ90パーセントを支配している。党首ニコラ・スタージョンは、スコットランド独立のための二回目住民投票をする決定的な信任を得ていると主張している。2014年に行った前回の独立のための住民投票は敗北した。だがスコットランド国民党は、その目的での大衆支持が、2016年のブレグジット国民投票以来急増したと主張している。スコットランド人は概してEU離脱を望んでいない。従って、EU残留は、必然的に連合国とロンドンの中央政府からの分離を意味する。

 ボリス・ジョンソンはこれまでのところ、スコットランド独立のための二回目の住民投票要求を拒んでいる。だが彼の立場は維持不可能だ。スコットランドでの独立派議員の増という条件のもと、彼は折れざるを得まい。スコットランド国民党は、早ければ来年、再度住民投票を行うことを要求している。

 北アイルランドでの選挙結果は、おそらくより重大だ。民族主義政党が、親イギリスの連合主義政党に対し、これまでで初めて、多数派になったのだ。主要民族派政党シン・フェイン党党首メアリー・ルー・マクドナルドは、今や北アイルランドが連合王国を離脱する問題について住民投票を行う明確な信任があると主張している。最近の選挙での民族主義派が飛躍的な多数派となったことを考えれば、既存の南の国家アイルランド共和国と北が手を結ぶ、統一アイルランドへと必然的に至るはずなのだ。

 北アイルランドの民族主義者はイギリスからの独立を長年熱望している。北アイルランドは、アイルランド島を(アイルランド共和国になった)独立した南の国家と(北アイルランドになった)小さな北の国家に分割した、イギリス政府による自分に有利な区割り行為で、1921年に作られた。北アイルランドは英国統治領として残った。新たに作られた北アイルランドでは、イングランド寄りの連合主義者が民族主義者より多数派だったので、ロンドンのイギリス当局が、アイルランド領の一部を統治する代表権能を得るためアイルランド分割という恣意的な帝国主義行為をしたのだ。それは英国支配体制の卓越した身勝手な振る舞いだった。

 イギリス、ウェールズ、スコットランドと北アイルランドの連合王国という現在の政治構造は出来てわずか一世紀だ。(それ以前、連合王国はアイルランド領全てを含んだが、武装反乱のため、ロンドンはアイルランドに部分的独立を与えることを強いられた。)

 いずれにせよ北アイルランド創設からほぼ一世紀、自然な人口動態変化で、今や民族主義者が過半数となったのだ。12月12日の選挙結果は、否定し難い壮大な歴史的出来事だ。これまでで初めて、民族主義派支持が連合主義支持を越えたのだ。イギリスの身勝手な区割りによる、アイルランド民族主義の独立と自己決定の権利に対する歴史的な妨害行為が、最終的に、選挙投票用紙で逆転されたのだ。

 1998年に、ほぼ30年の武力衝突に終止符を打つべく、聖大金曜日協定として知られる北アイルランド平和協定が署名された際、条約で謳われていたのは「同意の原則」だった。統一アイルランドを要求する北アイルランド過半数の選挙信任を遵守すべく、イギリス政府は、この条約によって拘束されている。

 今や北アイルランドがイギリス支配から離脱する国民投票の引き金となる閾値に到達したのだ。民族主義の党は分離を実現する立法過程を今実施するよう公然と要求している。

 聖大金曜日合意の交渉を監督した経験豊かな英国外交官ジョナサン・パウエルは大言壮語する人物ではない。だが12月14日、英国LBCラジオでのマット・フライとのインタビューで、すぐではなくとも今後10年以内に「英連合王国崩壊」が起こると予想するとパウエルは言った。彼は特にスコットランドと北アイルランドでの選挙結果に言及していた。

 イギリス選挙でのボリス・ジョンソンのうわべの勝利は両刃の剣だ。彼は欧州連合との結びつきを切断する代表権能を持っていると主張するかもしれない。だが結果は、スコットランドと北アイルランドも、連合王国の他の国々と彼らの結びつきを絶つ権限を与えられたことを意味している。この二つの国が分離し、イギリスとウェールズが残れば、いわゆる英連合王国の終わりを意味することになる。

 ジョンソンの選挙勝利は彼が主張するように「大きな可能性を解き放った」のではない。むしろイギリス支配体制にとって、憲法上の実存的危機を解き放ったのだ。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/12/16/british-election-heralds-collapse-of-united-kingdom/

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 今回の選挙での、イギリス・マスコミによる労働党攻撃・中傷については下記のような記事がある。

UPDATED: Britain Just Proved It’s People Are Just As Stupid As Our American Cousins

 いんちきな翻訳しかできないので、何とか多少でも勉強しようと、新刊の新書『ことばの教育を問いなおす─国語・英語の現在と未来』を読み始めた。英語教育がご専門の鳥飼久美子名誉教授と、国語教育がご専門の苅谷夏子先生、社会学がご専門で、オックスフォード大学教授の苅谷剛彦教授三人の「対書」。第9章 大学入試を考える 第10章は 徹底的に読み、書き、考える。実は、第9章から読んでいる。学生のおこさんをお持ちの方には、是非お読み頂きたいご意見。民間英語試験導入、国語の記述式導入を論理的に批判しておられる。

2019年12月 3日 (火)

世界を戦争に追いやっているアメリカ例外主義 - ジョン・ピルジャー

Finian Cunningham
2019年11月27日
Strategic Culture Foundation

 オーストラリア生まれのジョン・ピルジャーは世界中で戦争や紛争を報道する記者、ドキュメンタリー映画製作者として50年以上間働いている。受賞実績のあるこのジャーナリストは下記インタビューで、世界は、おそらく、1962年冷戦の絶頂、キューバ・ミサイル危機の時期より一層危険な地政学的状態にあると言う。これは(ナチスドイツのそれを反映していると彼が指摘する)アメリカ「例外主義」が超ならず者段階に発展したためだ。アメリカと西欧メディアによるロシアに対する容赦ない侮辱は、過去の冷戦時にあったような、モスクワに対する侵略を抑制するため引かれた越えてはならない一線がほとんどないことを示している。ワシントンの命令に屈するのをロシアと中国が拒否していることが、自称アメリカ覇権国と、そのゼロサム世界支配に対する願望を激怒させているのだ。

 ジョン・ピルジャーは、権力と大企業利益のための、むき出しの宣伝マトリックスとして機能している欧米主流ジャーナリズムの組織的劣化に対する彼の広範な意見を語っている。更に、通常、大量殺人犯や有罪判決されたテロリストの拘留に使われる最高警備のイギリス刑務所に拘束されている同国人、オーストラリア人発行人ジュリアン・アサンジに対して進行中の迫害と拷問も彼は非難している。アサンジは真実を語ることに対し、巨大な犯罪をあばくことに対し、アメリカとイギリスに迫害されているとピルジャーは言う。それは独立したジャーナリズムと言論の自由に対して行われている秘密の戦争の厳しい警告で、一層不吉なことに、いわゆる欧米民主主義国家の警察国家ファシズムへの落下を示しているのだ。

インタビュー

質問:あなたのドキュメンタリー映画 The Coming War on China 来るべき対中国戦争(2016)で、アメリカ合州国はアジア太平洋支配のため、中国との戦略的衝突コースにあると評価しておられます。依然戦争の脅迫がこの二大国間に迫っていると思われますか?

ジョン・ピルジャー:戦争の脅威は差し迫っていないかもしれませんが、出来事が急速に変化しかねないのを我々は知っておくべきです。出来事や失策の連鎖が予測不能に広がり得る戦争に火をつけかねないのを知っておくべきです。計算は論争ではありません。「敵」が核報復をするか、どこにすべきか決めるのに、わずか12分しかないのです。

質問:最近アメリカのマイク・ポンペオ国務長官が「アメリカの権益に本当に敵対的だ」と中国を非難しました。一体何が中国に対するアメリカの懸念の動機と思われますか?

ジョン・ピルジャー:かつて国務省は「圧倒的な権力以下のものを追求するのは、敗北を選ぶことだ。」と宣言しました。多くの人類不安定の根源には、驚くべきことに、あるの国の自信と自己欺瞞があるのです。アメリカ合州国です。アメリカの自己認識は、我々、他の人々にとって理解するのは困難です。テディ・ルーズベルト大統領の時代から、脅迫と贈収賄でできなければ、暴力によって、人類と重要な資源を支配することが「神聖な使命」でした。1940年代、外交官で歴史家ジョージ・F・ケナンのようなアメリカの「戦争知識人」たちは、世界、特にユーラシアと特に中国の大部分である「グランド、エリア」をアメリカが支配する必要性を語っていました。アメリカ人以外の人々は「アメリカのイメージ」通りに鋳造されるべきだとケナンは書きました。アメリカが模範でした。ハリウッドは、驚くほどの正確さで、これを反映したのです。

 1945年に、この理念、あるいはそう病はナチスドイツの敗北で道義的な改造を与えられた。今日、多くのアメリカ人が彼らの国が2回目の世界大戦で勝った、(彼・それ)らが「例外的な」人間だと信じる。(ナチの宣伝を思い出させる)この神話は長い間福音主義信奉者が合衆国で持ちこたえるようにして、支配するために必需品の中央中心人物だ、それは敵と恐れを必要とする。アジアに向かっての人種差別のアメリカの長い歴史と中国人のその歴史的な屈辱は現在の敵として中国を完ぺきな相性にする。

私は「例外主義」が単にアメリカの右翼によって受け入れられるだけじゃないと付け加えるべきだ。彼らがそれを認めないかもしれないけれども、多くのリベラル派が彼ら自身を「左」だと説明する人たちと同様に、その中に、それを信じる。それは地球の上の最も強欲なイデオロギーの子だ:アメリカ主義。この言葉がめったに口に出されないことはその力の一部だ。

質問:トランプ政権が中国に対しては攻撃的政策を採用しながら、アメリカ大統領がロシアとは、より友好的関係を求めているように思われるのは奇妙な変則と思われますか?

ジョン・ピルジャー:両国とも弱める目的で、中露を分裂させるのは由緒あるアメリカの規則です。ヘンリー・キッシンジャーはそうしました。トランプが何を考えているか知るのは不可能です。プーチンに対する彼の提案にかかわらず、アメリカは積極的にウクライナを転覆し、ロシア西国境を武装化し、中国に対するより、ロシアに対し、遥か喫緊の脅威です。

質問:トランプに対し進行中の弾劾プロセスは、ロシアに対する彼の比較的穏やかな姿勢ゆえに、闇の国家が彼を追い出すためのクーデターに等しいと思われますか?

ジョン・ピルジャー:それは一つの理論です。私には確信はありません。2016年のトランプ当選は、民主党が支配する部族のもたれ合いというマフィア体制を乱したのです。ヒラリー・クリントンが選ばれた人物でした。よくトランプは彼女の王位を横取りできるな。多くのアメリカ・リベラル派が、堕落したヒロインを、ウォール街と戦争屋の旗手、乗っ取られたジェンダー政治の象徴として見るのを拒否しています。クリントンは賄賂体制の権化で、トランプは、その漫画です。

質問:あなたはアジア、アフリカや中南米や他の所で、ベトナムで、戦場記者やドキュメンタリー映画製作者として50年以上の働いておられます。アメリカと中露間の現在の国際緊張を、あなたはどのようにご覧になっていますか? 戦争の危険は以前より大きいと思われますか?

ジョン・ピルジャー:1962年、キューバ・ミサイル危機の際、アメリカ戦艦に核魚雷を発射するのをソ連海軍士官ワシーリー・アルヒーポフが拒否したことで、我々全員救われたのかもしれません。今日我々はより大きい危険にあるのでしょうか? 冷戦時代には、相手側が、あえて越えない一線がありました。現在は、そういうものが、もしあるとしても、ごくわずかです。アメリカは400の軍事基地で中国を包囲し、中国領海で低喫水の船を航行させ、中国領空で無人飛行機を飛ばしています。ナチが越えた同じロシア国境に、アメリカ率いるNATO軍が大量駐留しています。ロシア大統領は年中侮辱されています。冷戦を冷たいまま維持していた自制も外交も皆無です。欧米の我々は、ポストモダニズムの見かけ倒しの「アイデンティティ」で気を散らす罠から抜け出すのではなく、自国で目をそらす(かスマートフォンを見つめる)のを好む傍観者として黙従しているのです。

質問:あなたは冷戦時代、アメリカを広範囲に旅行されました。1968年には大統領候補ロバート・ケネディ暗殺を目撃されました。「悪としての共産主義」に対するアメリカ冷戦のこだわりが、現代ロシアに対する、同様に激しいロシア嫌悪に置き換えられたように思えます。冷戦時代から今日まで恐怖症が、続いていると思われますか? 一体何が、この固定観念の原因なのでしょう?

ジョン・ピルジャー:ロシアはアメリカに屈服するのを拒否しており、それが許せないのです。彼らは中東で、独自の大半肯定的な役割を、アメリカの猛烈な破壊の対照を、演じていて、それが許せないのです。中国同様、彼らは全世界で、人々と平和で実り多い同盟を作り出しており、それがアメリカ・ゴッドファーザーには許せないのです。アメリカ合州国は、世界は自分のものだという考え方に取りつかれていて、21世紀を去って、19世紀に帰るかのような、ロシアのあらゆることに対する絶え間ない中傷は凋落とパニックの徴候です。そういう状況で、あなたがおっしゃる恐怖症は驚くべきものではありません。

質問:あなたの職業人生で、ニュース・ジャーナリズムは、特に欧米諸国で、どう変化したのでしょう? 執筆活動や映画製作に対し複数の賞を獲得されましたが、それでも現在も、あなたは、ご自分のウェブサイトなどで積極的にジャーナリストとして活動しておられますが、主流メディアでは、めったに、あなたの記事を読めないようですが?

ジョン・ピルジャー:ジャーナリズムは、私が始めた頃は大企業ではありませんでした。イギリスの大半の新聞は、既成体制として知られていたものの権益を忠実に反映していましたが、独自でもあり得たのです。私が1960年代初期、当時「新聞のメッカ」として知られていたロンドン、フリート街に来た頃、時代は楽観的で、最右翼の新聞が、往々にして最良ジャーナリストである一匹狼を許し、奨励さえしていたのです。人民日報を除いて地球上最大部数の新聞デイリー・ミラーは、第二次世界大戦中は兵士の新聞で、何百万というイギリス人にとって、彼らの新聞になりました。ミラー紙で働いた我々にとって、権力ではなく、人々の代理、擁護者でいるのは、ちょっとした理想のようなものでした。

今日、正真正銘の一匹狼は、主流メディアには余計なのです。現代ジャーナリズムにおいては、企業広報こそが本当の権力です。ニュースの書かれ方をご覧なさい。率直なものは、ほとんどありません。私は何年もガーディアンに書きました。私の最後の記事は五年前で、その後電話がきました。私は他のフリーのライターと一緒に粛清されたのです。現在ガーディアンは取りつかれたように、ロシアに関する宣伝をしています。イギリス諜報機関、イスラエル、アメリカ民主党の権益、ブルジョアのジェンダー原則や、お世辞たらたらの見解。かつては右翼のマードック報道機関と結び付けられていた種類のでっちあげを含むジュリアン・アサンジに対するガーディアンの魔女狩りは、拷問についての国連報告者が「モビング、つまり仲間で襲う集団暴挙」と呼んでいるキャンペーンの一環です。確かに、アサンジに対する残酷さは、ガーディアンがその上に立っていると主張するリベラルな価値観に対する不敬です。

質問:あなたは、スパイ活動の罪で、来年アメリカへの犯人引き渡し審理を待って、イギリスで現在投獄されているウィキリークスの創設編集者ジュリアン・アサンジの著名な支援者です。アサンジ監禁の背後には一体何が本当にあるのでしょう?

ジョン・ピルジャー:ジュリアン・アサンジは、ジャーナリストが、そうあるべきながら、めったにそうではない存在なのです。彼は根気強く、恐れず真実を語る人物です。彼は、巨大権力の秘密犯罪の実態を大規模に暴露したのです。"我々の"政府、我々の名において、彼らが嘘をつき、暴力をふるうことを。10年前、ウィキリークスは、調査ジャーナリズムが、秘密主義の権力に対する最大の脅威だと記述したイギリス国防省文書を漏洩しました。調査ジャーナリストは「ロシア・スパイ」や「テロリスト」よりも脅威の程度が高いと評価されていたのです。アサンジとウィキリークスは、栄光の象徴、月桂冠に価します。もしアメリカが彼を捕らえ、地獄のような場所に投獄できるなら、彼らは、ジャーナリストとしてしっかり仕事をする人々を、他の人々も捕らえるはずです。アメリカは編集者も発行人も捕らえに来ます。

質問: 主流メディアは、そうした犯罪を無視したり、ごく僅かしか報道しなかったりする一方、ウィキリークスは、イラクやアフガニスタンや他の場所でのアメリカやNATO同盟国がおこなった巨大戦争犯罪をあばく非常に不都合な情報を公表して、アサンジは主流欧米メディアに恥をかかせたとあなたは主張しておられます。それが、これらメディアが、アサンジの窮状を無視している理由なのでしょうか?

ジョン・ピルジャー:少なくとも、アサンジに対して行われている甚だしく不当な措置は、他の人々にも起きる可能性が高いという認識は高まっています。イギリス全国ジャーナリスト組合の最近の声明は変化の兆しです。ジャーナリストが名誉を取り戻したいなら、沈黙を破らなければなりません。

質問:あなたは最近、彼が独房監禁に拘束されているイギリス最高警備のベルマーシ刑務所でアサンジに面会しました。彼の健康と精神状態を、どう思われますか? あなたは彼が見せしめ裁判を受けさせられているとおっしゃいます。彼の虐待は、欧米メディアが、独裁国家での迫害と非難するものに相当するのでしょうか?

ジョン・ピルジャー:10月21日のジュリアン最新の出廷は、検事の後ろに座り、彼に書面指示を手渡したアメリカ大使館の四人のアメリカ人に事実上支配されていました。裁判官はこの非道を見ていてがら、それを続けるのを許したのです。彼女はジュリアンの弁護士も、こばかにしていました。病気のジュリアンが自分の名を言おうと苦闘しているのを、彼女は冷笑していました。冷戦時の見せしめ裁判との違いは、これが国営テレビで放送されなかったことです。BBCが報道管制したのです。

質問: ジュリアン・アサンジや、ベネズエラでの、ワシントンによる政権転覆犯罪をあばいた、アメリカのマックス・ブルメンソールのような他の独立したジャーナリストの逮捕や、欧米メディアが沈黙して無関心でいることで、アメリカは警察国家ファシズムに向かって滑り落ちて行くのを懸念されます?

ジョン・ピルジャー:実際滑り落ちていると主張する人々もいるでしょう。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/11/27/american-exceptionalism-driving-world-to-war-john-pilger/

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 昨日の短歌番組、思わず見入ってしまった。

 今年の流行語なるものが決まったという。世間の注目を本当に重要な話題から逸らすための企画なのでは?。免許は返納予定だが、他の候補のどれも、ほとんど知らない。

 この頃都に流行るもの、サクラ、反社の皆様、消費税、前夜祭、ジャパンライフ、シンクライアント、FTA、海外派兵、F-35。

植草一秀氏の『知られざる真実』消費税廃止は実現不能の政策課題でない

2019年12月 1日 (日)

感謝祭に思うボリビア・クーデターとインディアン戦争

Finian Cunningham
2019年11月28日
Strategic Culture Foundation

 今週アメリカ合州国が毎年の感謝祭を祝う中、このアンデス山系の国で展開しているアメリカが支援するクーデターで、ボリビア先住民が虐殺されているのは憎むべき意味で、ふさわしい。

 11月10日、画策された大規模街頭暴力で、エボ・モラレス前大統領が恫喝され退任させられた際、ドナルド・トランプ大統領は「民主主義にとって素晴らしい日」だと称賛した。トランプが意味していたのは「金権政治にとって素晴らしい日」だ。ラパス新政権は、14年の進歩的社会主義と民主主義によって、ボリビア人の大多数の先住民が得られた恩恵を後退させる、植民地支配者の子孫、支配階級の権力復帰だ。

 マックス・ブルメンソールとベン・ノートンが書いているように、クーデターは10月20日のモラレス再選を、ワシントンが中傷し、ワシントンに有力なコネがあるボリビアのオリガルヒが命令するファシスト民兵組織が実行したのだ。

 ボリビアのオリガルヒと、その支持者は、先住民文化を、異教徒として軽蔑する右翼キリスト教原理主義を奉じている。他の寡頭支配者連中と同様、大半が貧しい先住民を「悪魔のようだ」と非難する自称「暫定大統領」ヘアニーネ・アニェスが、大多数の先住民に対する猛烈な人種差別を表している。

 ボリビアでの権力奪取の狙いは、天然ガスと鉱物という国富の支配と、モラレス指導下、あつかましくも圧倒的多数の貧しい人々のために国を支配した先住インディアン住民に対する人種差別主義者の報復なのだ。

 もしメキシコ亡命から戻れば、テロのかどで刑務所に入れられるとモラレスは警告された。新政権は国軍に、モラレスの社会主義運動党(MAS)メンバーを「狩りつくす」よう指示した。新政権は、ストライキをしたり、新政権反対の他のデモをしたりする抗議行動参加者を警察と軍が射殺するのを刑事免責にした。政権は、先に、社会主義運動党が国会で大多数の議員を擁するにもかかわらず参加することを許さない新たな選挙をすると約束している。そうした空虚な約束さえも反古にされつつあるように見える。

 非武装の抗議行動参加者を国軍が実弾射撃するため、モラレス追放以来、30人以上の人々が殺され何百人も負傷している。メデア・ベンジャミンは現地から報じ、先住民共同体は増大する残虐行為と軍事独裁の昔に復帰する不安の中で暮らしていると言う。

 11月19日、エルアルトでの出来事で、ヘリコプターで強化した軍と警察が、新政権反対の非武装ストライキをしていた子供を含むMAS支持者8人を殺害した。

 「医療機器が足りない難しい状態で、医者と看護師が必死で緊急手術をして、命を救おうとしているのを見た」とベンジャミンが報じた。「私は銃傷を負った五人の遺体と多数の人々を見た。息子が撃たれたのを嘆く母親が、すすり泣きながら叫んだ。「彼らは我々を犬のように殺している」

 ボリビアでのクーデターは、アメリカ大陸至る所で何世紀も行われてきたインディアン戦争という、より広範な歴史的事実と一致している。中米や南米大陸で、マヤや、より小さなアンデス山系の文明社会を消滅させた15世紀のスペインとポルトガルのコンキスタドールから、現在のアメリカ合州国やカナダとなった北米先住民の土地を奪い破壊した、後のイギリスや他のヨーロッパの植民地主義者に至るまで。

 陳腐に聞こえるかもしれないが、それでも、アメリカ合州国や他の現代アメリカ諸国が、先住民の大量虐殺を基に築き上げられたことは決して忘れられるべきではない。大量虐殺は一度たりとも正当に償われたことがない。現在のアメリカ・インディアンは大部分が、隅に追いやられ、貧困に陥った状態で暮らしている。彼らの豊かな国は、産業資本主義に盗まれ、汚染されてしまったのだ。

 人類に対する野蛮な犯罪に基づく残酷な合州国の真実の歴史を消し去るものゆえ、感謝祭やコロンブス記念日のような公式祝典は絶えがたい。

 絶滅行為という合州国の出発点と、その経済、軍事能力に対し、償いは言うまでもなく、公式に認知されないのなら、この国が自身、他の国に戦争と破壊を行い続けるのを許すのも驚くべきことではない。そもそも発端以来、法を超越しているのだから、アメリカは法を超越するのだ。

 ハリウッド風の感謝祭描写は、1600年代初期に北東海岸に到着したイギリス人入植者が、食物を分かちあい、外国人に厳しい冬を切り抜けて生き残る方法を教えてくれた原住民と友人になったと語る。このバラ色の物語で削られているのは、ヨーロッパ人入植者が強欲な土地強奪を拡大し、しばしば彼らのキャンプ地で彼らを虐殺し、現地人を絶滅に追いやった、それに続く数世紀だ。

 二人のFBI職員殺人のでっちあげ有罪判決で、ほぼ40年収監されているアメリカ先住民長老レナード・ペルティエ(現在75歳)は今年の感謝祭のために以下のを書いた。「棒鋼とコンクリート壁を越え、私の心をあてもなくさまよわせる際、刑務所の外に暮らす人々が何をしているのか、何を考えているのか想像しようとする。彼らは故郷から追い出された先住民について考えるのだろうか? どの方向であれ歩く際、盗んだ土地を自分たちが歩いているのが分かっているのだろうか? いてつく寒さの中、西に向かって進まされ続け、わずかしか、あるいは全く食物がないまま、女性や子供や赤ん坊、病人や高齢者が苦しむのを見るのが、一体どんなことだったか一分でも想像できるのだろうか? 彼らは私と同族で、ここは我々の土地だった。」

 文の中で、レナード・ペルティエは、ボリビアでのクーデターとアメリカ中での先住民に対する過去の罪を結び付けている。

 「最初の先住民大統領エボ・モラレスを支持して反乱しているボリビアの兄弟姉妹も我々は忘れない。土地や資源や、汚職に対する保護という国民に対する彼の誓約は称賛に値する。我々は彼の戦いを、しっかり認め共感している」と彼は書いている。

 概して、アメリカが、金権政治体制と従順な商業マスコミのおかげで、歴史記憶喪失状態にあるがゆえに、ボリビアに対する犯罪が起き得るのだ。感謝祭には、店が開店のためドアを開けるの待って人々が列に並ぶブラック・フライデーとして知られる消費者狂乱の一日が続く。人々は安物道具やハイテク・フェチで虚ろな人生を満たしている。トランプや彼の福音主義キリスト教閣僚などの富豪連中は、ボリビアで起きているのは「民主主義にとって素晴らしい日」だなどという粗野なたわごとを奉じている。

 カナダのシンガーソング・ライター、ブルース・コバーンが見事に表現している。「皆それは終わったと思ったが前と全く同じだ。インディアン戦争には決して終わりがないのだろうか?」

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/11/28/bolivian-coup-and-indian-wars-on-thanksgiving/

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 アメリカ合州国の歴史に触れた記事を読むたびに、藤永茂氏のご本「学校の必読書」になってほしいと思う。

『アメリカ・インディアン悲史』(絶版のようだが、入手困難ではない)
アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪
『コロンブスが来てから―先住民の歴史と未来』(絶版のようだが、入手困難ではない)も藤永氏は翻訳しておられる。 

 「皆さん、この顔を見て私がウソをつく男だと思いますか大勲位」氏もジャパンライフから献金を受けていたという。下記は日刊ゲンダイDIGITAL記事。

“安倍枠”招待のジャパンライフは中曽根元首相ともズブズブ

 正確には「与党幹部のサクラと幇間を見る会」。弟枠まであるのだろうか?下記は今日の日刊IWJガイドから。

安倍首相の地元・山口県で「桜を見る会」の新たな疑惑か!? 安倍総理の実弟・岸信夫衆院議員が山口県の地元支援者を50人招待!? 「安倍総理の家族枠」か!? 税金でまかなう公式行事を一族で私物化!! IWJは本日、総理主催「桜を見る会」追及本部による下関視察を現地までカメラマンを派遣して、中継・取材します!! ぜひご覧ください!!

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