Finian Cunningham

2019年11月12日 (火)

アメリカは社会主義の用意ができているのだろうか?

Finian Cunningham
2019年10月13日
Strategic Culture Foundation

 一部の民主党政治家の間で、一見より左翼的な政策が現れていることと、社会的、経済的平等に関する普通のアメリカ国民の一層急進的な意識に関して、Strategic Culture Foundationは、アメリカのコリン・S・キャヴェル政治学教授と下記インタビューを行った。

 社会主義に向かって生じている、大衆の方向転換に対するアメリカ支配階級の不安を漏らすかのように、共和党のドナルド・トランプ大統領は「悪い社会主義」という演説で、頻繁に非難している。

 バーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレンやトゥルシー・ギャバードのような民主党大統領候補たちは、何十年もの新自由主義政策を反転させて、裕福なアメリカ人や企業に対する累進課税を公然と要求している。アメリカの有権者は、ひと握りの億万長者が今や全人口の2分の1(1億6000万)より多くの富を持っているアメリカにおける、より急進的な富再分配と、とどまるところを知らない不均等に異議を申し立てる呼びかけに結集している。

 キャヴェル教授は、アメリカ社会における社会主義運動に関する歴史的な観点から、アメリカ政治における現在の進展に関する意見を述べている。だが彼は、政治支配層と資本主義擁護の商業マスコミが、より公正な民主的社会に向かう、どんな運動でも妨害するべく熱心に活動していることを警告する。彼は冷戦時代の遺産が、アメリカにおける社会主義の発展を阻止していると言うが、この有害な反共産主義遺産が克服されつつある兆しもある。

インタビュー

質問: 民主党大統領候補バーニー・サンダースは、国民皆保険制度政策と金持ちの累進課税で労働者階級のアメリカ人から多くの支持を受けているように思われます。あなたはこれが普通のアメリカ人の間での社会主義政府に対する目覚めの前兆と思われますか?

キャヴェル: 新聞や文章や主流メディアの多くの調査に描写されている平均的な見方に対する私の理解では、大半のアメリカ国民は、社会主義が一体何かを、ほとんど理解しておらず、腹黒い資本主義政治家が語るものからの恐怖しかありません。

質問: なぜそうなのでしょうか?

キャヴェル: 資本主義国家とその支持者によって、一世紀、反共産主義と反社会主義プロパガンダされてきた後、大半のアメリカ市民の心中で、「社会主義」は邪悪な悪魔のような独裁者が、国民全員に損害を与え、個人の自由と個人的幸福を縮小させて、彼の個人的要求に合わせて、絶え間なく奴隷のように働くよう命令する、大変な責め苦の全体主義地獄なのです。

質問:アメリカ国民の間での、社会主義に関する世間一般の誤解に、あなたは何か変化をみておられますか?

キャヴェル: 100年間、絶え間なくこのようなたわごとを永続させた後、アメリカ国内のアメリカ人は、過去数十年間、1970年代以来の、他のものごとの逆転や、彼らの賃金や生活状況の低迷状態から、この煙幕を見破り始め、資本主義の有益さにまつわって繰り返される主張は、大多数の一般市民ではなく、資本家階級はいう小さな部分に役立つだけだとで結論したのです。それ故、彼らは全員のためのメディケア、つまり国民皆保険制度の実施、伝統的に、過去のアメリカ大統領や政治家に「社会医療制度」として軽蔑されてきたものを要求するサンダースや他の一層左翼の民主党員のような声を受け入れています。この用語に賛成の大半のアメリカ国民が理解しているのは、医療費が減るか、あるいは無料になるだろうということです。

質問: より広範な社会主義経済のための政策はいかがでしょう?

キャヴェル: 学生ローン累積債務危機が現在1.5兆ドル以上あり、少なくともアメリカ国民の6分の1、約4300万人の成人に影響を与えるのですから、高等教育機関の無料化、つまり大学教育を受けることに対しては、一般に強い支持がありますが、経済を「社会化する」ことに関する他のいかなる面についても、よく理解していません。まだ多くの人々の心の中では、より多くの教育が「より良い仕事」つまり、より多くの給料と福利の見込みを約束していることを考えれば、より多くの正式の教育と学位の獲得を通して自分自身を向上させようする傾向があります。

質問: 社会階級という概念はいかがでしょう。アメリカ人は、自分たちの社会・経済の不平等について、階級という言葉で考えているのでしょうか?

キャヴェル: 少なくとも公的メディアでは、めったに明確に表現されませんが、階級意識は、たいていの市民の中に存在しています。ところがアメリカは、まだ能力があって、一生懸命働く人々全員が出世し、「自助努力でやりとげることが」可能なことを保証する、階級から自由な国だと言われています。さらに大半のアメリカ市民は圧倒的多数が毎月の給料を使いきる生活をしており、緊急時の貯金がわずかか皆無なのにかかわらず、自分は「中産階級」メンバーだと信じています。だから、いいえです。自身の存在、機能、強さや力に気が付いた労働者階級は存在しないのです。もし本当の自由の感覚を享受したいのであれば、強制的に資本主義をひっくり返す自分たちの歴史的な役割に気が付いた労働者階級は存在していないのです。商品の消費者として享受するものを、彼らの自由と同一視しているのです。例えば、携帯電話、自動車、アパート、服、道具、ある種の食物。ローマ人が「パンとサーカス」と表現したもので、資本主義者が大衆を十分満足させることが可能である限り、彼らの支配は守られます。それで、現在の瞬間、普通のアメリカ市民が全員のためのメディケア(国民皆保険制度)の可能性と、全員のための大学教育(すなわち無料教育)を進んで受け入れます。それより先は、十分な仕事(つまり、5%以上の失業率)を提供しそこねているアメリカの経済の失敗だけが、平均的なアメリカ国民を、社会主義政府や社会主義社会を受け入れようにするでしょう。

質問:何十年以上前のアメリカ社会主義の先例、例えばユージン・デブスやヘイマーケット殉教者は一体何だったのでしょう?

キャヴェル: ユートピア社会主義コミュニティーは、19世紀早々アメリカに存在しましたが、1886年5月4日のイリノイ州シカゴでの抗議集会で、8人の無政府主義者が陰謀のかどで有罪宜告され、7人の労働者が死刑を宣告されて終わりました。このヘイマーケット殉教者が、労働者の力、無視できない力を呼び起こしました。この平和な労働者組織に対する攻撃を、国際労働の日として記念すべく、一日8時間就労という法律を実現するプロレタリアート階級的要求のため、世界中で、毎年5月1日、国際労働の日、あるいは国際労働者の日になったのです。

質問:それに続いた弾圧にもかかわらず、アメリカでは、国際社会主義にとって、なかなか注目に値するアメリカ遺産ですね。一世紀以上前に自称社会主義候補として大統領職に立候補したユージン・デブスの遺産はどうでしょう?

キャヴェル:1900年に、社会主義候補者ユージーン・V・デブスは、社会党大統領候補として立候補しました。デブスは、1904年、1908年、1912年と1920年、アメリカ社会党の大統領職候補者として立候補し続け、1920年の選挙運動では、デブスは当時刑務所で服役中でしたが、デブスは、ほぼ百万票を獲得したのです。1919年までに、アメリカ共産党(CPUSA)はマルクス主義志向の共産党の主要綱領を採用し、1950年-1954年、資本家連中が組織的に開始したマッカーシズム弾圧が、ゆっくりながら着実に、共産党とその支持者全員を弾圧し、1955年にAFLとのCIOの合併で終わるまで、労働組合CIOの労働争議で主役を演じました。社会主義の考えは、1950年代から1990年代まで、労働者や政治運動家に知識を与えてはいましたが、主にアメリカ社会の中で一定の自由を持っていた僅かな部分の一つ、学界に維持されました。現在、専門紙やジャーナルやウェブサイトが、多くの労働者指向の政党に維持されていますが、資本主義の主流マスコミが、彼らの言説や主張が、国民的な政治議論に、決して現れないようしているのです。

質問:言論の自由や独立メディアというアメリカご自慢の主張はもはやこれまでですね。あなたはアメリカ人が社会主義に賛成投票する近未来の可能性を想像されますか?

キャヴェル:私の願望は、このような可能性が現実になることですが、アメリカ政治とそれを行っている権力が、私がそのような可能性を楽しむのを思いとどまらせるというのが私の率直な評価です。資本主義階級が前世紀に何か実証していたとすれば、資本主義に代わるいかなる社会主義や共産主義の選択肢も鎮圧する準備があり、いとわないことです。

質問:バーニー・サンダースは有望な社会主義大統領候補でしょうか? バーニーでなければ、他にトゥルシー・ギャバードやエリザベス・ウォーレンの誰でしょう?

キャヴェル:私の意見では、もし大統領選挙が、いつもの、民主党、共和党両方、主流メディアなどの妨害や障害なしで今日アメリカで行われれば、バーニー・サンダースが楽勝でしょう。しかしながら、資本主義階級とそのあらゆる機構が、バーニーが決して民主党指名至らないようにするでしょうから、2020年の大統領職本選挙の候補者にはならないでしょうから、これは決して起こらないでしょう。

 メモ:コリン・S・キャヴェルはウェストバージニアのブルーフィールド州立大学の終身在職権を与えられた政治学正教授。彼は2001年、アムハーストのマサチューセッツ大学から政治学で哲学博士号を取得。彼はかつて全米と国際的に、いくつかの高等教育機関で教えた。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/13/is-america-ready-for-socialism/

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 相撲は大波瀾。それが、一層興味深い。

 公費で堂々と選挙違反行為をしている連中の屁理屈、通るのだろうか?夕方、相撲は録画し、下記田村議員インタビューを拝見する。

日刊IWJガイド「本日午後5時より岩上安身による日本共産党・田村智子参議院議員緊急インタビューを公共性に鑑み全編フルオープンで生中継!」2019.11.12日号~No.2616号~(2019.11.12 8時00分)

  ただで見るのは申し訳ない 雀の涙を考えている。IWJ「ご寄付・カンパのお願い

 

2019年10月31日 (木)

公式に正気を失ったアメリカ

Finian Cunningham
2019年10月28日
Strategic Culture Foundation

 アメリカ政治家連中の下劣な泥仕合やパントマイム無駄話は不条理劇のようだ。今やいかなる中傷も許容される。トランプ大統領と彼のツイッター暴言が、下品さの水準を史上最低に設定するのを助けたが、民主党と共和党も、素早く狂気に身を落とした。

 最近、民主党の前大統領候補ヒラリー・クリントンが、同じ民主党議員のトゥルシー・ギャバードを「ロシア・スパイ」だと非難し、正気度判定で、はなばなしく失格した。来年の選挙で大統領候補者の座を得ようと競っているハワイ選出女性下院議員を一部の同僚民主党政治家が弁護した。だが多くのクリントン協力者や評論家連中がクリントン中傷キャンペーンを強化し、ギャバードは「クレムリンのために働いている」と繰り返した

 この超党派的なロシア憎悪は、何十年もの冷戦と、1950年代、ワシントンとハリウッドでのソ連シンパ容疑者に対する、マッカーシー迫害の赤の恐怖妄想に遡ることができる。だが2016年の選挙から、これまで3年間、アメリカ内政に対するモスクワによる干渉とされる「ロシア・ゲート・スキャンダル」で冷戦は狂気のように復活した。トランプに対するこの流言を始めたのは、クリントン選挙運動組織と既成マスコミと諜報機関のクリントン支持者だった。

 今年早々の空虚なマラー捜査で明らかなように、証拠も信頼性も不十分なのにもかかわらず、ばからしいロシアゲート物語や、その根にあるロシア憎悪は、クリントンの途方もないギャバード中傷が過度のマスコミ報道や同意の論評を得ていることで実証されるように、いまだにアメリカ政治家連中の意見を支配するのに成功している。こうしたばかげた妄想に信頼と敬意を払うこと自体、アメリカが公式に公式に正気を失っている印だ。

 もう一つの集団的狂気の徴候は、真実と事実の証拠が提出されたのに、真実を語る人がもの笑いにされ、事実は完全に無視されることにも見られる。

 最近の全国テレビ討論で「アメリカはアルカイダ・テロリストを支援している」とはっきり言ってトゥルシー・ギャバードは真実を語った。他の民主党候補者連中の不審そうな表情が、米軍は「テロと戦うため」シリアや他の場所にいるのだと主張するアメリカ公式プロパガンダの空想世界に包まれて暮らしていることを示している。

 退役軍人ギャバードは、こうした率直な真実を語ったことに対し、ニセ情報と嘘を広めたかどで、メディア報道と論評で猛烈に攻撃されている。「ロシア・スパイ」とレッテルを貼られたのに加え、彼女は「アサド擁護者」としても非難されている。

 だが今週、二つの進展が、シリアと中東における、いっそう広範なアメリカのテロ集団支援を結びつける上で、ギャバードが正しいことを実証している。

 まずドナルド・トランプ大統領は、シリアで活動しているいわゆる救援隊ホワイト・ヘルメットへの450万ドル支援承認を発表している。トランプは彼らを「重要で非常に貴重だ」と歓迎した。去年大統領はホワイト・ヘルメットへの680万ドル支援を承諾した。

 この集団は、そのプロパガンダ映画に対しアカデミー賞を獲得しているが、いくつかの調査報道で、ホワイト・ヘルメットは、アルカイダ関連ハヤット・タハリールアル・シャム(かつてヌスラ戦線のフロント組織)や他のイスラム国(ISIS)集団の広報部門だと報道された。エセ救援集団は、ジハード戦士テロ組織支配下にある縮小した地域で活動しているに過ぎない。ホワイト・ヘルメットは、大半のシリア民間人には知られていないか、彼らかかさ拒否されている。彼らは、シリア軍や同盟しているロシア軍のせいにした偽旗化学兵器攻撃をしかけたことが暴露されている。「これらは全くのでっちあげプロパガンダだ」と受賞したジャーナリスト、ジョン・ピルジャーは言う

 トランプやイギリスやフランスのような他の西洋政府が、ホワイト・ヘルメットに何百万ドルも公然と支援しているのは、シリア・テロ組織への西洋列強による公式支援の論破できない証明だ。もちろん、これは、これら政府がシリアでの政権転覆のため秘密の犯罪戦争をしているという分析と首尾一貫している。アメリカ政治家の中で、シリアにおけるこのワシントンの極悪非道な関与をはっきり語る人物はトゥルシー・ギャバードしかいない。ところが彼女は、あらゆる方面から、ウソつきの外国スパイだと非難されている。

 今週のテロ集団とのアメリカのつながりを示す二つ目の展開ながら、欧米メディアがしっかり無視しているのは、北東シリアから、アルカイダ系ジハード戦士を空輸した米軍に関する信用できる報告だ。

 今週、トルコによるクルド民兵攻撃の混乱の中、何百人ものジハード容疑者囚人が拘置所や収容所から逃亡したことをロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣が確認した

 「アメリカ占領軍が、シリアからイラクに、何百人ものダーイシュ[ISIS]テロリストを輸送し続けている」とシリア国営メディアが報じている

 多くの拘留中のテロ容疑者が、ハサカ市近くの巨大なアル・ハウル収容所でアメリカ軍輸送ヘリコプターにつり上げられ、西イラクまで移動させられている。進撃するシリア国軍に、これら非合法過激派戦士を引き渡すより、その代理部隊をしっかり掌握することに国防総省は懸命なように思われる。ワシントンが政権転覆作戦の対象に決めた、シリアでの新たな反乱や、他のどこかで戦うためなのかも知れない。

 別のマスコミ報道は、西イラクに基地を設置するため、米軍は東シリアから移転されていると報じている。これは米軍と、シリアで失敗した戦争遂行に使われたテロ集団間の本格的再編を示唆している。

 ワシントンの政治家連中が、非常識な偏見と妄想に基づく非難合戦に陥って、アメリカの犯罪的戦争の厳しい真実を完全に否定する時、実際、トゥルシー・ギャバードのような真実を語る人を悪者にするために、歪曲される時はいつでも、USAは、United States of [Mental] Asylum、つまり[精神]病院合州国を意味することを我々は知ることになる。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/28/us-has-officially-gone-insane/

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 続く閣僚失言。英語試験問題言い訳にならない言い訳。試験導入は本来延期でなく中止すべき。辞任も続く?

日刊IWJガイド「河井克行法務大臣とその妻、河井案里参院議員に公選法違反の疑い!! 菅原一秀元経済産業大臣に続き、菅義偉官房長官の側近のスキャンダル!! 安倍政権の閣僚は続々と迷走が続く!!」2019.10.31日号~No.2604号~

 

2019年10月28日 (月)

トランプとNYタイムズ、シリアでのアメリカ帝国主義戦争を認める

Finian Cunningham
2019年10月25日
Strategic Culture Foundation

 アメリカのドナルド・トランプ大統領とニューヨーク・タイムズ、それぞれが異例にも率直に認めた以上、米軍が本当は何のためシリアに派遣されているか錯覚などあり得ない。シリア政府に対する不法占拠であり、特にこのアラブの国からの石油資源奪取だ。

 それに続いて、今週、国防総省がデリゾール付近の油田にエイブラムス戦車や他の重機を配備予定だと報じられている。こうした新配備にまつわる部隊は、トランプ大統領が「帰国する」と言った1,000人程度の兵士を遥かに上回るはずだ。

 シリアの油田は、主にイラクと国境を接する東部の州にある。それらの地域は(国の約3分の1)最後に残ったダマスカス政府支配外の領域だ。シリアはほぼ8年の戦争後、国の再建資金のため、油田を取り戻す必要があるのだ。

 先週末、トランプはTweetで言った。「アメリカ軍兵士は戦闘地域や停戦地域にはいない。我々は石油を確保した[原文のまま]。兵士たちを国に戻す!」

 大統領は、彼が先週トルコと企て、アメリカが同盟者クルド人を見捨て、トルコが北東シリアに対する致命的攻撃を開始する結果となった疑わしい取り引きに言及した。彼のアメリカ部隊撤退に対する、共和党と民主党両方から、軍事専門家や評論家から多くの批判を受けた後、もっともなことだが、トランプは彼の動きを正当化しようとしている。

 それ故、彼はイスラム国家(ISあるいはISIS)ジハード・テロ・ネットワークに「100パーセント」勝って、「兵士を帰国させる」ことを自慢しているのだ。後者は「果てしない戦争を終わらせ」、外国への介入からアメリカ兵を帰国させるというトランプの2016年選挙公約の明白な実現だ。

 すると「石油を確保する」ことに関するトランプの謎めいた言及は一体何だろう? シリアの資源に関する彼の言及における戦略的なものを示している「石油」と書く際に、大文字Oを使っていることにも注目願いたい。テロと称されるものを打ち破り、兵隊を帰国させるのは、明らかに、話の全体ではない。行間から石油がしみ出ている。

 月曜、NYタイムズ報道が、その局面に、より多くの光をあてた。アメリカ諜報機関との深いつながりと、それが発表するほとんど全てで歪曲している痛烈な反トランプ志向を考えれば、タイムズは、明らかに、ほとんど信頼しがたい。それでも、この問題に関して、トランプとNYタイムズが一貫しているように見えるのであれば、彼らの承認が本物であることを示唆している。

 東シリアに留まるアメリカ特殊部隊の小分遣隊の約200人に、大統領が承認を与えていると匿名のトランプ政権幹部と国防総省情報筋が言っている言葉をタイムズは引用している。それは全てのアメリカ部隊をシリアから撤退させるというトランプのウソを暴露している。彼が大声でわめき続けているように「兵士を帰国させる」わけではないのだ。

 先週末、アフガニスタン訪問途上、マーク・エスパー国防長官も記者団に対し、アメリカ軍がシリアからイラクに移動し、シリア国境近くに止まることを確認した。エスパー国防長官は、米軍は「イラクを防衛し」、ISISの復活を防ぐため派兵されていると述べた。いずれにせよ、それは、ありきたりの公式根拠だ。

 だがシリアに残留するアメリカ特殊部隊の問題に関し、NYタイムズはこう報じている。「日曜、イスラム国家と戦い、シリア政府とロシアの軍隊が地域の皆が欲しがる石油を求めて前進するのを阻止するため、約200人のアメリカ軍の小分遣隊を東シリアに配備する新国防総省新計画の賛成にトランプ大統領は傾いていると政権当局幹部が述べた。」

 これは驚くべき自認だ。「テロリストとの戦い」など無関係で、アメリカ軍シリア配備の本当の目的は、主に東部の州にあるシリア石油資源を支配するため、アメリカはこれまで5年間、シリアのクルド民兵と協力していたのだ。この提携は建前上「ISISを打倒する」ということになっていた。

 アンカラがテロリストと見なしているシリアのクルド人を攻撃するというトルコの要求をトランプが黙認し、クルド人を無頓着に見捨てるのは、クルド人とのワシントンの狙いがISISと戦うこととは実際は全く関係で、シリア領土、特に石油が豊富な東部地域を分割するため、彼らを代理人として使ったことの明確な証明なのだ。

 「果てしない戦争を終わらせる」ことに関するトランプの自画自賛は、2020年再選可能性を高めることを狙った、肚黒い口先の決まり文句だ。

 大統領は、これまで一年間シリアからアメリカ軍を撤退させると言ってきたのに、戦闘機や推計1,000人がまだ残っている。国防総省は、イラク国境近くの東シリアと南シリアに基地と飛行場を建設した。シリアから撤退する軍隊は隣接するイラクに陣取り、暴動鎮圧作戦を行う体制にあり、望む時にシリア内に襲撃するつもりなのは確実だ。

 そのキャンプが、Maghawir al-Thawraとして知られる何千人というジハード過激派戦士の訓練拠点である南シリアのアル・タンフ米軍基地に兵士150人を維持することにトランプは同意した。Maghawir al-Thawraは、国防総省が主張するように、ISISと戦っているわけではない。より正確には、彼らは、ISISやクルド人などの極悪非道な分業にまつわる、アメリカ権益のもう一つの代理に過ぎない。

 NTタイムズが報じているように、アル・タンフの戦士は、200人のアメリカ特殊部隊と、おそらく「地域の誰もが欲しがる油田へのシリア政府とロシア軍の進撃を阻止する」べく割り当てられた残りのクルド人傭兵とも連帯することが予想される。

 トランプがシリアで「石油を確保する」とほのめかしたとき、これを意味していたのは疑いようがない。その意味で、シリアに駐留するアメリカ軍は、帝国の征服のためだという本当の目的をトランプ大統領とNYタイムズは認めているのだ。

 2011年の昔に、アメリカとNATO同盟諸国が密かに開始した戦争から国を再建するため、シリアが石油を支配する必要があるというのは残酷な皮肉だ。今、胸が悪くなるような復讐心で、東シリアの無期限非合法軍事占領を計画して、アメリカは、シリアが復興のため自身の重要な石油資源を利用するのを妨げることに懸命なようだ。

 8年間シリアを見つめてきた多くの鋭敏な観察者は、ワシントンの狙いが常に政権転覆であり、対テロという主張は詐欺的口実なのを知っていた。今アメリカ大統領とアメリカ主要新聞が、石油のためのシリア領土の犯罪占領と土地奪取を白状しているのだ。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/25/trump-and-ny-times-admit-us-imperialist-war-in-syria/

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 大本営広報部、事実を認めるまいが、こうした帝国主義戦争への参加の第一歩として、宗主国に命じられて、海軍を付近に出動させるのだろう。その一環としての「臭いものに蓋」作戦。LITERA記事がある。

しんゆり映画祭で慰安婦を扱う『主戦場』が上映中止になった理由! 極右論客の訴訟、川崎市が伝えた懸念、あいトリ事件の影響も

 北海道開拓、屯田兵と移住された農民の方々によるものと思っていた。そうではないと知ったのは、つい最近。「網走監獄」ウェブも、なかなか詳しい。たとえば、監獄秘話

74年に起きた佐賀の乱から77年の西南戦争まで、士族による反政府行動で逮捕された国事犯を収容する施設が不足したためだ。さらに内務卿伊藤博文は79年9月17日、太政大臣三条実美に宛て「徒刑・流刑の囚徒の労働力を活用して北海道開拓に当たらせ、出獄後は北海道に安住させ、自立更生せしめる」との伺書を提出。月形が道内を回って適地を定め、全国3番目となる樺戸集治監が建設されたのだった。

太政官大書記官の金子堅太郎が道内巡視の結果をまとめた復命書に添えられた「北海道巡視意見書」にこういう文章がある。(朝日新聞デジタル 集治監、過酷な受刑者労働決めた意見書

《彼等ハ固ヨリ暴戻ノ悪徒ナレハ、其苦役ニ堪ヘス斃死スルモ、尋常ノ工夫カ妻子ヲ遣シテ骨ヲ山野ニ埋ムルノ惨情ト異ナリ、又今日ノ如ク重罪犯人多クシテ徒ラニ国庫支出ノ監獄費ヲ増加スルノ際ナレハ、囚徒ヲシテ是等必要ノ工事ニ服従セシメ、若シ之ニ堪ヘス斃レ死シテ、其人員ヲ減少スルハ監獄費支出ノ困難ヲ告クル今日ニ於テ万已(ばんや)ム得サル政略ナリ》

     *

 要約すれば「囚人は悪党であるから、苦役させれば工事費が安く上がり、たとえ死んでも監獄費の節約になる」という乱暴な内容。だがこの復命書が内務省の方針となり、受刑者たちは上川道路(国道12号)建設や幌内炭鉱の採炭作業に使役され、多くの犠牲者を出すことになる。

現代人は90歳まで働くことになる」という珍説を見て、現代版金子堅太郎登場と納得。金子堅太郎は政府に逆らった政治犯を死ぬまで酷使したが、政商納言は従順な国民全員永久に酷使すると宣言したのだ。金子堅太郎も墓の中で驚いているだろう。

 囚人労働についての小説『赤い人』を読み終え、『鎖塚』を読んでいる。タコ部屋という言葉、囚人労働に由来するとは知らなかった。硫黄鉱山や炭坑での囚人労働が廃止された後、だまして採用して、低賃金労働者が酷使される。

2019年10月24日 (木)

全国放送TVで、アメリカによる政権転覆戦争とずばり言ったトゥルシー・ギャバード

Finian Cunningham
2019年10月18日
Strategic Culture Foundation

 民主党のボス連中と主流メディアが、大統領候補トゥルシー・ギャバードを葬り去ろうとしているのは少しも不思議でない。彼女は、自分たちの政府と軍が、非合法の政権転覆戦争を行い、おまけに、その目的のためテロリストを支援して、本当は何を狙っているのか知るべきことを、アメリカ国民に語っているアメリカ唯一の候補者、多分唯一の政治家だからだ。

 今週、ギャバードが民主党テレビ討論を活発かさせた時ほど、明白、明白になったことはない。それは、これまでテレビで放送された最大の大統領選討論会と喧伝され、このハワイ出身の議員は、ゴールデンタイムに、国民に耳の痛い真実を語ったのだ。

 「ドナルド・トランプの手はクルド人の血で濡れていますが、2011年にシリアで始まって進行中の政権転覆戦争を擁護し、応援団になっている主流メディア内の多くの人々同様、この政権転覆戦争支援してきた両党の政治家の多くもそうなのです。」

 この38歳の退役軍人は、更に、ダマスカス政府を打倒する目的のため、アメリカがいかにして、アルカイダ・テロリストを支援したかを非難した。

 それはシリアや中東の他の場所におけるアメリカ政策を驚くほど痛烈に批判する評価だった。ワシントンのいわゆる「介入」の野蛮さや残虐さについて、ギャバードが、アメリカ人に本当のことを言ったのは、決してこれが初めてではない。

 ギャバードの衝撃的ながら穏やかに語られた発言の後、テレビ討論で、ステージ上にいた他の11人の民主党候補者は、驚いているように見えた。他の連中全員、アメリカ軍はシリアで「テロと戦っている」というエセ言説を語っていた。連中は、イスラム国(ISあるいはISIS)や他のアルカイダ関連集団に対する戦いに悪影響を及ぼすので、北東シリアからアメリカ兵を撤退させるという先週のトランプ発表を非難していた。彼らは、トランプが部分的軍事撤退で「クルド人同盟者を裏切った」ことも強く非難していた。

 ドナルド・トランプ大統領は「果てしない戦争を終わらせ」「我々の兵隊を帰国させる」ことについて語っている。だが彼は、アメリカが彼の監督下で「ISISを100パーセント破った」と軽々しく信じているのだ。その意味で、彼は本質的に、アメリカが、世のためになる勢力「白い帽子をかぶって馬に乗って日没に向かってゆく善人」だという民主党やマスコミと同じ陳腐な意見に同調しているのだ。

 一方、ギャバードはアメリカ国民に明白な酷い真実を話す上で孤立している。アメリカ政策が基本的問題なのだ。シリアや他の場所での政権転覆戦争を終わらせ、テロ集団との邪悪な共謀を終わらせることが、中東に平和をもたらし、うなぎ昇りの戦争負債という経済大惨事から普通のアメリカ人を救う方法なのだ。アメリカ国民は、自分たちの政府や軍やメディアや政治家が、中東諸国のみならず、けがやトラウマや自殺や薬物乱用などで破滅している何百万というベテランを含め、普通のアメリカ人の生命や生活に与えているこの犯罪的政策の恐ろしいブーメラン効果について真実を知る必要がある。

 今週のテレビ討論後、真実を語ったことで、ギャバードが一般投票で勝利したように思われる。ドラッジ・レポートによる主要オンライン投票で、彼女は他の全ての候補者を出し抜いて、投票者のほぼ40パーセントの支持を勝ち取った。トップ候補者のはずのエリザベス・ウォーレンやバーニー・サンダースやジョー・バイデンは、7パーセントかそれ以下で彼女の後に続いている。

 明らかにギャバードはアメリカの戦争を率直に描写し、アメリカ国民の琴線に触れたのだ。

 彼女の衝撃的暴露と、見た目の大衆の支持にもかかわらず、大半の主流メディアは、テレビ討論後、彼女を葬り去ろうとした。VoxやCNNのようなチャンネルは、話の要点が主に内政問題だったウォーレンが討論の勝利者だと宣言した。他の候補者同様、ウォーレンは「テロとの戦い」というアメリカ軍のプロパガンダ言説に精一杯取り組んでいた。Voxは討論でのギャバードを「敗者」とさえ酷評し、アメリカのシリアでの役割について彼女は「露骨な虚偽の」発言をしたと主張した。

 他の主流報道機関は、アメリカの戦争に関する公式プロパガンダをギャバードが破壊したことを報告するのを無視することに決めた。今週早く、CNNとニューヨーク・タイムズは、彼女を「ロシアの手先」と呼び、彼女が2017年に彼女がシリアを訪問し、アサド大統領と話をしたことに言及して「アサド擁護者」と中傷した。

 世論調査の上で、ギャバードは、11月の次回テレビ討論に登壇するに値する十分な支持がないと民主党全国委員会は主張している。

 だが国際的な出来事はハワイ選出下院議員が正しいことを証明している。アメリカ軍部隊は他のNATO軍隊同様、シリア領土を不法に占領しているのだ。彼らは国連安全保障理事会から負託を受けていない。トランプによるアメリカ部隊撤退で、アメリカに支援されたクルド人戦士が事実上これまで5年間占領していた北東シリアに力の空白ができ、シリア軍が迅速に領土を奪還した。いくつかの報道が現地の人々がシリア軍の到着を喜々として歓迎しているのを示している。この場面は、シリアとロシアの軍隊が、アレッポや以前テロ集団に包囲されていた他の都市を解放した時を思い出させる。

 アメリカの戦争機構は、戦争で荒廃した国で平和を回復するためシリアから撤退しなくてはならない。トランプがうぬぼれて主張するように「彼らが100パーセント、ISISを破った」ためではなく、大半の民主党やアメリカ・メディアが不合理に主張する「テロとの戦いの上で、クルド人を裏切っている」からでもなく。

 ワシントンが、その犯罪的な政権転覆戦争と代理テロリストに対する支援を最終的に終わらせる時、シリアと中東に平和が来るだろう。トゥルシー・ギャバードは、アメリカ人に真実を話す知性と高潔さを持った唯一の政治家であるように思われる。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/18/tulsi-nails-national-tv-us-regime-change-wars/

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 従軍体験があればこその説得力ある主張。偉い人もいるものだ。小学校の運動会、徒競走は常にビリから二番目。運動会の前日は、てるてる坊主をさかさまにつるしていた軟弱な経験しかないので、軍隊体験も、下記の現実も、全く理解できない。わが抱く思想はすべて 運動神経なきに因するごとし 秋の風吹く

日刊IWJガイド「五輪での旭日旗の使用反対の署名がホワイトハウスの『We the People』で進行中! 期限の本日までに、署名は10万筆を超えホワイトハウスには公式回答の義務が! 五輪サッカーチームが迷彩服風のユニホームを着用することが決定! 片やラグビーW杯では姫野選手が百田尚樹氏の『日本国紀』の愛読を公言! 日本は万世一系の素晴らしい国!? 国内スポーツ界で世界に逆行して進むナショナリズム!」2019.10.24日号~No.2597号~(2019.10.24 8時00分)

 

2019年10月12日 (土)

クルド人に対する裏切りはアメリカ流

2019年10月9日 21:31
Finian Cunningham
スプートニク

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は、シリアのクルド人に対する「裏切り」という超党派意見で、ワシントンでは徹底的に非難されている。だがクルド人を裏切ってきたアメリカの長い歴史を考慮すると、アメリカの名誉がトランプに汚されたと公言する芝居がかった態度は、様々な意味で、ばかげている。

 今週、北東シリアで、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が対クルド民兵軍事行動を開始することへのトランプによる明らかな正式承認が、アメリカで政治的嵐を引き起こした。

 同盟者のクルド人をトルコ軍攻撃のなすがままにしたかどで大統領を非難すべく、共和党と民主党の議員が結集した。リンゼー・グラムやマルコ・ルビオ上院議員などのトランプ支持者さえ、クルド人を見捨てる彼のあきらかな信条の欠如を非難した。

 トルコのシリア侵略の進路からアメリカ軍を撤退させるという大統領の決定が、いかに「クルド人を死なせる」ことになったかを、元アメリカ国連大使で、かつてトランプ信奉者だったニッキー・ヘイリーは遺憾に思っている。彼女や他の政治家や評論家は、クルド部隊を、シリアのジハード・テロ集団に対する戦いにおける、アメリカの重要な同盟者として称賛してきた。

 トランプの声明は、極悪非道な裏切り行為で、アメリカの高潔なイメージへの汚点だったので、ワシントンで一致している意見を我々は信じたくなる。


2019年9月8日、シリア、タル・アブヤド付近をパトロール時に、シリア-トルコの国境でみられたトルコ軍と米軍の車両。© ロイター / トルコ国防省

 ワシントンの殊勝ぶった騒ぎで、ばからしいのは、アメリカ帝国主義者の利益のために、クルド民族の人々が、何十年にもわたり、どれほど、たえず虐待され、ひどい仕打ちを受けてきたかに関する、アメリカ政治家やメディアによるびっくり仰天の否認や明らかな認識の欠如だ。

 エルドアンとトランプの下劣な取り引きが、何らかの形で、アメリカの名誉の未曾有の法外な過失だという、今週アメリカ・メディアが報道している概念は全く史実と合わない。

 クルド人の人口は約4000万人で、シリア、トルコ、イラクとイランをまたいで共同体があり、領土権を主張している。

 歴史的に、ワシントンは時に、ワシントンが承認しない現行政府を不安定にするため、クルド人を代理として徴用し、アメリカの権益にとって有用性がなくなったと感じるや否や、すぐさまクルド人を無情に無視してきた。

 1970年代、シャー支配下のイランがアメリカ同盟国だった時、ワシントンはイランの利益のため、バグダッドを不安定にすべく、イラク国内でクルド人を動員した。だがイラクとイランが1975年に一時的に和解した時、クルド人はイラク政権のなすがままにされ復讐された。


イラク、キルクーク州のイラク・クルディスタン兵士 ©スプートニク/ ドミトリー・ビノグラードフ

 1990年代初期、第一次湾岸戦争で、アメリカが、イラクで、かつての傀儡サダム・フセインを攻撃し、イラクに爆弾を投下し、灰燼に帰した際、当時のジョージ・ブッシュ大統領(父親)はクルド人にイラクに反抗するよう求めた。蜂起は、その後サダムに打倒され、クルド人は放置され、彼らの多くは雪に閉じ込められた難民キャンプで、死ぬにまかされた。ワシントンは、またしても、彼らの苦境から手を引いていた。

 だがアメリカ最悪の裏切りは、1988年、北イラク、ハラブジャ市のクルド人に対し、悪名高い化学兵器大虐殺を実行するのを承知の上で、米軍情報部が衛星情報と兵站を、サダムに提供したものだ。これは、アメリカが支援するイラクの対イラン戦争(1980-88)中のことだった。ワシントンは、サダムが、イランの前進を阻止するため化学兵器を使おうとしていたのを知りながら、最大5000人のクルド人民間人がサリンとマスタードガスで虐殺されたハラブジャ大虐殺を実行するのに律儀に決定的に支援したのだ。

 だから、アメリカがクルド人との何らかの高尚な関係を持っているという今週売り込まれた考え方は、アメリカ帝国主義に道義的な正義の外見を与えるため、政治家とメディアが耽っている巧みに作られた空想だ。トランプを傷つけるもう一つの方法でもある。

 秘密の政権転覆侵略として、ワシントンが違法に支援した戦争である最近のシリア戦争において、シリアのクルド部隊が、アメリカの汚れ仕事をするため代理人として協力したのは残念な事実だ。その汚れ仕事は、主に「ジハード・テロ集団と戦う」こととは関係がなかった。ほかの場所で、アメリカが、密かにこれらジハード戦士に武器や他の機器を与えていたのに、どうして、そのようなことがあり得るだろう?

 
ダーイシュの子供訓練キャンプ スプートニク/

 シリアのクルド人は、ワシントンによってダマスカスの主権政府を不安定にするため、シリア領土の一部を切りとるべく使われたのだ。クルド人がシリアに自身の自治地域を設立するのを手伝うという見せかけの下、アメリカは、実際は、彼ら自身の国を分断させるため、クルド人を代理人として使うことに関心があったのだ。

 トランプ大統領の明らかな裏切りで、シリアのクルド人が慙愧の念と嫌悪を感じたのは理解できる。トランプは裏切っていないと主張する。だが他の一体何に見えるだろう?

 だがクルド人に対するアメリカの裏切りの長い卑劣な歴史を考えると、善意を装ったワシントンの抗議は茶番だ。率直に言おう。アメリカ軍は、シリア領土を違法占領している。彼らは、ワシントンの政治指導者連中と同様、戦争犯罪のかどで有罪だ。アメリカ軍は犯罪的侵略者という不名誉なレッテルのもと、即座にシリアから撤退する必要がある。

 クルド指導部も責任も問われなくてはなならない。彼らも、クルドの人々が、またもやアメリカ帝国主義者の利益のために利用され、冒とくされるのを許したことを非難されるべきなのだ。

 シリアのクルド人は、するべきだったことを、今するべきなのだ。シリア軍と協力し、いわゆる彼らのアメリカ支援者を含め、あらゆる外国の敵から彼らの国を守るのだ。

 記事の見解や意見は、必ずしもSputnikのものを反映しない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201910091077000415-betraying-kurds-is-the-american-way/

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 国会中継、野党のまともな質問に、ぬらりくらり詭弁を弄する閣僚。教師間のいじめを連想。中途で食料買い出しにスーパーに出かけたが野菜の棚はガラガラ。ぶどうやリンゴでは食事になるまいと、やむなく冷凍食品を購入。停電になったらお手上げ。

 裁判所が、まっとうな判決を出すこともあるのに驚いた。

「大川小訴訟 最高裁、石巻市と宮城県の上告棄却 児童遺族の勝訴確定」

 利水・治水・環境という観点から河川を考える『社会的共通資本としての水

日刊IWJガイド・土曜版「大型で猛烈な台風19号が本日いよいよ上陸か! 東京・千葉では続々と自主避難所を開設! 万全の備えが必要も、過信は禁物! 本日午後8時から『問題だらけの治水事業! 豪雨被害は天災ではなく人災!? 大都市圏を豪雨が襲うリスクに迫る! 岩上安身による拓殖大関良基教授+ジャーナリストまさのあつこ氏インタビュー 第3弾』を全編フルオープンで再配信します!」2019.10.12日号~No.2585号~(2019.10.12 8時00分)

2019年9月28日 (土)

彼らは息子を殺しています ジュリアン・アサンジの父親 痛みと苦しみを語る

Finian Cunningham
2019年9月24日
Strategic Culture Foundation

 週末、ジュリアン・アサンジの父親ジョン・シプトンはStrategic Culture Foundationのインタビューに答えた。シプトンは、生国オーストラリアから来た後、発行人と著者としての彼の役割に関するイギリス当局によるジュリアン・アサンジ迫害を大衆に知らしめるべく、ロシアを含め、いくつかのヨーロッパ諸国を訪問している。

 まずは、アサンジ事件のご説明だ。国際政治や全体的なメディア風景を変えるのに貢献したとされるメディア人はわずかだ。おそらく内部告発ウェブサイトウィキリークス(2006)創設者、著者、発行人のジュリアン・アサンジは、これまで10年間、世界を変えた個人のトップの座にいる。

 これまでに、オーストラリア生まれのアサンジは、アメリカ政府とその西洋同盟諸国による大規模犯罪、汚職や、極悪非道な陰謀を暴露する真実を報じるジャーナリズムとして、称賛と敬意を得ている。

 ウィキリークスによる最も衝撃的な暴露の一つは、イラクでのアメリカ兵による大量無差別銃撃を示す「巻き添え殺人」ビデオ(2010)だった。アメリカ兵によるアフガニスタンでの類似の戦争犯罪も、ウィキリークスによって明らかにされた。いわゆる、アメリカとNATOの「対テロ戦争」は欺瞞で、巨大犯罪であることが暴露されたのだ。

 アサンジは、アメリカ人内部告発者チェルシー・マニングや、エドワード・スノーデンと活動したが、人権や、市民的自由や国際法を支持するというワシントンご自慢の主張をはなはだしく侵害する、世界中の一般市民や政治的指導者に対するアメリカ諜報機関による非合法の組織的な世界的監視をスノーデンは明らかにしている。

 彼らの偽善や卑劣な実績を暴露する真実を語る人々を、権力側は徹底的に追求してきた。スノーデンはロシアに亡命中で、「反逆罪」のかどで投獄される不安から、アメリカには帰国できない。アサンジに不利な証言をするのを拒否しているため、マニングは現在アメリカで無期限拘留されている。権力者への臆病な服従ゆえに、実に多くの大手放送局ができなかった形で、ジュリアン・アサンジの画期的なジャーナリズムは政府犯罪をあばいた。そうした、いわゆる「独立」メディアは、彼の評判を傷付けて、刑務所で彼の苦境を無視して、今やアサンジ迫害を容易にしているのだ。彼は他の中傷に加えて、「クレムリン工作員」やら「サイバー・テロリスト」として中傷されている。

 でっちあげの性的暴行申し立て(後に取り下げられた)に関し、イギリス当局による恣意的逮捕を避けるために、政治亡命を求めたロンドンのエクアドル大使館に、ほぼ7年(2012-2019)幽閉された後、今年4月、アサンジは、エクアドル大使館を急襲したイギリス警察に不法逮捕された。彼は以来最高警備のベルマーシ刑務所で、独房監禁状態で拘留されている。アメリカがイギリス当局に彼の引き渡し要請を準備する間、彼は無期限拘留されている。もし彼がアメリカに引き渡されれば、アサンジは、諜報活動取締法の下で、175年の禁固刑を受けかねない告訴に直面するはずだ。

 ロンドンのベルマーシ刑務所は、特別カテゴリーA刑務所(イギリス刑法制度での拘置所で、四段階のうち、最も厳しいもの)だ。かつては、大量殺人犯や有罪宣告を受けた最も危険なテロリストを拘留するために使われていた。そこで厳重封鎖されてのジュリアン・アサンジの継続中の監禁は非常識だ。これは暴挙なのに、適法手続きや人権法のこの粗野な違反を報じる関心を、欧米メディアは、わずか、あるいは全く示していない。

 9月13日、アサンジは、ロンドンのエクアドル大使館に逃げた際、2012年に起きた些細な保釈違反に対する刑期を勤め上げた後、今週9月22日に釈放されることになっていたが、イギリス裁判官により更なる拘留を命じられた。スウェーデンにおける元々の性的暴行告訴はアサンジに不利となる証拠が欠如しているため取り下げられたのだから、保釈違反は無効だ。

 明らかに、彼の拘留は彼の健康と、存在そのものを破壊するため(確実にワシントンの要請で)イギリス政府に利用されているのだ。今年5月、この拘留されている人物を訪れた後、国連特別報告者ニルス・メルツァーが報告している通り、48歳の彼の健康と精神状態は拷問にも等しい極端な条件の下、日ごと悪化している。国連報告はアサンジの即時放免を要求した。

 下記はアサンジの父親ジョン・シプトンのインタビューだ。彼は息子に対するとんでもない誤審を強調するため現在ヨーロッパ諸国を歴訪中だ。シプトンはジュリアン即時放免を求めて、イギリス、アイルランド、オーストリア、ドイツ、フランス、スペイン、スイス、ノルウェーとスウェーデンを訪問している。彼はロシアも訪問している。

 欧米メディアの無関心と対照的に、彼の自由を要求するジュリアンの素晴らしい支持に出会ったとジョン・シプトンは語っている。支援者の中には、著名人で受賞ジャーナリストのジョン・ピルジャーや、有名な思索家で著者のノーム・チョムスキーや、ピンクフロイドのシンガーソングライター、ロジャー・ウォーターズや、勇敢な女優パメラ・アンダーソンがいる。

インタビュー

Q:ジュリアンの現在の刑務所状態と、彼の容態を説明いただけますか?

 ジュリアンは15キロ痩せて、最高警備のベルマーシ刑務所病院で、1日に22時間独房監禁で拘束されています。拷問に関する国連特別報告者ニルス・メルツァーは、拷問の影響を判断する二人の専門家と一緒に面会しました。ニルスの報告書は、ジュリアンは身体的、精神的に拷問の影響を示していると述べています。2019年5月のニルス面会以来、ジュリアンは減り続けて、今合計15キロも痩せました。ニルスと同行者は、強い言葉で、ジュリアンの極めて嘆かわしい状態を述べています。国連報告へのリンク。

Q:あなたは彼と会うためオーストラリアのシドニーから遥々やって来ているにもかかわらず刑務所では息子さんとの接触が制限されていると報じられています。本当ですか?

 ジュリアンは一カ月に二回、二時間、面会できます。私の面会は、他の面会と重複して、中止になりました。一週間後、中国の現代美術家アイ・ウェイ・ウェイと一緒にジュリアンと面会しました。囚人面会室で、46分待たされ、文句を言ったところ、ジュリアンが見つからないと言われました。数分後に、ジュリアンが連れて来られました。

Q:ジュリアンは、係争中の犯人のイギリスからアメリカへの引き渡しの主張に対する弁護を準備するための彼の弁護士との接触は制限されていますか?

 はい厳しく。等級Bの囚人として最大セキュリティーを宣告され、独房監禁で、コンピュータも図書館も使えません。刑務所図書館に刑法本は無いだろうと推測しています。

Q: 9月13日の最近の進展で、ロンドン最大セキュリティーのベルマーシ刑務所でのジュリアン拘留は、2012年の保釈違反の刑期を勤めた後、彼は9月22日に釈放されるべきなのにもかかわらず、無期限に延長すべきだというイギリス裁判官の裁定が出ました。イギリス裁判官による最近の裁定は、あなたの考えでは何が異議の余地があるのでしょう?

 バネッサ・バライスター裁判官は、底なしの不名誉で、即座にジュリアン保釈を拒絶したのです。バライスターは彼女の判断の要約で「逃亡する可能性が高い」という表現を使いました。ジュリアンは法律上、イギリスと米州機構の32か国が検討し、支持し、署名した亡命状態にあり、アメリカに引き渡されない保障があれば、容疑に関し彼を尋問するか、スウェーデンに旅行する機会をスウェーデン検察官は絶えず申し出ているのです。スウェーデン検察庁とイギリス検察庁に対するステファニア・マウリツィの情報公開法要求で、手続きに反する不正な国家間協力が、ジュリアンをエクアドルのロンドン大使館に閉じ込めていたことを暴露しています。彼ら全員ミニ・アドルフ・アイヒマンなのです。

 この件は進展させなければならないという規則のもとで、9年の間に、スウェーデン検察当局は、一度は2010年にスウェーデンで、2017年にはロンドンのエクアドル大使館で、4人の検察官で2度尋問しました。月にこの男を着陸させるのに8年かかったのです!

 これはジュリアンに対する、検察と司法の無頓着な悪意です。

Q:あなたの息子さんがアメリカに引き渡されて、諜報活動取締法違反という告訴に直面した場合、何が起き得るかについてのご懸念は何でしょう?

 連中はなんらかの方法でジュリアンを殺すでしょう。

Q:ジュリアンを「サイバー・テロリスト」だと非難した故ジョン・マケイン上院議員の娘ミーガン・マケインのような政治家やメディア人に対するあなたのご意見は?

 馬鹿で悪人、あるいは、お好みであれば、悪人で馬鹿のアメリカ民主党大統領候補ジョー・バイデンは、記憶が正しければ、うわさによれば、愛国者法のもとで、テロリストとしてジュリアンを連れて来て、裁判なしで殺すことが可能だという言葉を最初に口に出しました。もがき苦しむ阿呆連中は、他の能なし連中のたわごとを繰り返して無意味なことを言っています。ウィキリークスで誰でも見て読める真実と事実に、この馬鹿連中全員おびえているのです。

Q:あなたは発行人と内部告発者としての息子さんの業績を誇りに思っておられますか? 何を彼の出版事業の主な業績として見ておられますか?

 業績は豊富です。外交公電で、地政学世界が一体どのように構成されているのか、そこに誰がいるのかを読むことができます。アメリカ政府が何を欲しているのか、アメリカ国家がどのようにして、何のために、必要なものを手に入れるかが理解できます。何百万人もの人々、共同体や州がウィキリークスから恩恵を受けており、大いに恩恵をうけているむきもあります。例えば、国際司法裁判所でのチャゴス島民。戦争犯罪を暴いたイラク戦争やアフガニスタンのファイル。CIAのサイバー・不法行為と犯罪を暴露した「Vault 7」。イラクでのアメリカ戦争犯罪「巻き添え殺人」ビデオ公表。暴露と受益者のリストは長く深いものです。ジュリアン・アサンジとウィキリークスは不可欠なのです。

 明らかにされた戦争犯罪、下劣な慣習、恐喝や贈収賄。破壊された七カ国、亡くなった何百万人もの人々、血の川、強制退去させられた何百万もの人々。それなのに傷つけたり、犯罪をしたりする上で無辜のジュリアン・アサンジとチェルシー・マニングだけが拘置所で朽ち果てているのです。

Q:イギリスとアメリカ当局によるジュリアンの扱いは、表現の自由の権利と、独立メディアの危険に関しての、あらゆる市民に対する重大な警告なのでしょうか?

 はい、厳しい警告です。黙らなければ潰すぞ。出版・報道の自由など一体何でしょう? 英語マスコミは、詐欺、言い逃れと陳腐な嘘で均質です。人気のインターネット検索エンジンは自社のお仲間に検索を逸らすのです。Facebook社は強欲の権化です。これら全ての機関は簡単に支配可能です。国家には権力がありますが、我々が生成する我々のデータへのアクセスによだれを垂らす以外、国は何もしません。

 ジュリアン・アサンジとチェルシー・マニングは、驚くべき腐敗と驚異的犯罪の暴露に対する圧制的国家暴力の象徴なのですから。

 多くの有能で勇敢な筆者や評論家や映画製作者が、代替メディアやブログで激しい戦いを続けています。彼ら全員、アメリカという国と、その同盟諸国より冷たい怪物が存在しないことを直接知っているので、こうした男女に、我々は感謝と敬意を表します。

Q:彼がオーストラリア国民であるにもかかわらず、ジュリアン釈放を訴えるのをオーストラリアのスコット・モリソン首相とキャンベラ政府は拒否しました。この件に対するオーストラリア政府の反応の欠如を、あなたはどうご覧になっておられますか? 彼らは、なぜ義務を果たさないのでしょう? 例えばモリソン首相は今週ドナルド・トランプアメリカ大統領を訪問しますが、報道によればアサンジ事件は提起せず、釈放を求めない予定です。モリソンはアメリカに、なぜこのような無関心と服従で行動するのでしょう?

 オーストラリア政府は共謀しています。共謀以上で、沈黙しているのは関与を認めていることを示しています。顕著な例外は、現アメリカ国務長官マイク・ポンペオと、元オーストラリア外務大臣ジュリー・ビショップに、ジュリアンの話を持ち出した前首相マルコム・ターンブルと、前イギリス外務大臣ジェレミー・ハントです。

Q:あなたはジュリアンが近い将来解放されると期待しておられますか? 一般大衆の方々と同様、ジャーナリストのジョン・ピルジャーや、ピンクフロイドのシンガーソングライター、ロジャー・ウォーターズや、女優のパメラ・アンダーソンのような公的な支援者は、ジュリアンの精神にとって、どれほど重要なのでしょう?

 友人と支援者は、ジュリアンの精神にとって生命の全てです。

注:ジュリアン・アサンジの件に関して更なるインタビューや詳細に関しジョン・シプトンと連絡することに関心がおありの方々は、press@wikileaks.orgにご連絡頂きたい。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/09/24/theyre-murdering-my-son-julian-assanges-father-tells-of-pain-and-anguish/

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 ガラガラの聴衆を前に国連演説、害行の実態。聴衆がいることが不思議。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

転載 元外務省条約局国際協定課長・浅井基文氏、国際人権規約B規約第2条3項は、「この規約において認められる権利又は自由を侵害された者が、公的資格で行動する者によりその侵害が行われた場合にも、効果的な救済措置を受けることを確保すること」

 日刊IWJガイド

日刊IWJガイド・土曜版「<昨日の岩上安身のインタビュー>日本の司法は警察予備隊の成立のときから腐っている!? 外交で重要なのは何を得するのか、何を損するのか、日韓貿易戦争が起きれば日本の方が多く輸出しているので日本の損になる! 岩上安身による元外務省情報局長・孫崎享氏インタビュー」2019.9.28日号~No.2571号~(2019.9.28 8時00分)

 加藤厚労大臣定例記者会見での、GPIFの2018年10-12月期の損失について、IWJ記者質問への回答がすごい。

 質問

IWJ記者「ブルームバーグによりますと『GPIFの水野弘道理事兼最高投資責任者は、米カリフォルニア州サクラメントで、GPIFが2018年10-12月期に株式と債券、為替の全てで過去最大の損失を出した』と語りました。GPIFの運用資産額は約159兆円で、その損失が14兆8039億円と言われています。ほぼ全投資金額の1割の損失となります。この3点がすべて損失を生じた状況は、これからの年金運営についても悪影響があると思いますが、厚労省のトップとして、どのようにお考えでしょうか?」

 怪答

 まあ、それは当然のことと思いますが、ただ前から申し上げてるとおり、GPIFというのは短期運用しているわけではなくて、長期運用しているわけですから、そこは長期運用のあり方として、しっかり見ていく。そういうことだと思いますので、急に上がったから、急に下がったからということで、ある意味で、一喜一憂するということではなくて、やはり長期的な運用、やはり国民の皆さんの貴重な年金の支給につながる積立金を預かっていただいているわけですから、そういう視点に立って、責任を持って、対応していかなければならないと思います」

 日本にとって利益を出すのではなく、宗主国の投機家に利益を出す目的で考え出された仕組みではないのだろうかと勘繰ってしまうではないか?

2019年9月21日 (土)

サウド家に対するイエメン人の致命的一撃

Finian Cunningham
2019年9月18日
Strategic Culture Foundation

 サウジアラビア石油産業の「神経中枢」に対するイエメン人反抗者の無人飛行機猛攻は四年にわたる戦争を短時間で終わらせる可能性がある破壊的反撃だった。サウジアラビア君主、特に野心的な皇太子にとって、更に一層壊滅的なのは、フーシ派反抗者が、王国の石油経済を破壊する究極的な力を行使したことだ。

 ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子(MbS)は、イエメンに対する悲惨なサウジアラビア戦争の主要立案者だった。軍事的に強い男としての誇示は、サウジアラビア王位継承者としての権力の座を強化するよう意図されていた。それはイエメン人の血に基づく計算だった。だが今や戦争は、無慈悲なゲームではなく、サウド家の権力の座にとって、遥かに危険な脅威に変わったのだ。もしサウジアラビアの石油経済が深刻な危険にさらされれば、君主国家にとっての命綱が切断されかねないのだ。

 イエメンから約1,000キロ、首都リヤドの北東にあるサウジアラビアの主要石油加工プラントに対する先週末の壮大な空襲後、フーシ派軍指導部は、深く侵入する空爆が更に予定されていると警告している。イエメン人反抗者は、サウジアラビアのどこも安全ではないことを実証したのだ。

 サウジアラビアの防空シシステムと、何十億ドルものアメリカのパトリオット・ミサイル迎撃システムは、益々精巧化して増加するイエメンから飛来する無人機(UAV)武器に対して有効ではなくなったのだ。国連専門家は、フーシ派のUAV-X無人機の飛行距離は最高1,500キロと推定しており、これは、ペルシャ湾近くの東部州にあるサウジアラビアの全石油インフラが標的となり得ることを意味している。

 10機のドローンで行われた先週末の空襲は、フーシ派によれば、サウジアラビアの石油生産を半分近くにまで減少させた。主要標的のアブカイク精製所は、輸出向けの全サウジアラビア原油の約70パーセントを処理している。加工プラントが、いつ正常な機能に回復できるか明確ではない。それには何週間、あるいは何カ月も要するかもしれない。だが、もしイエメン人反抗者が、たった一度の爆撃で、これだけの損害を与えることができるのなら、石油に依存するサウジアラビア経済が、どのように機能不全の停止状態に追いやられる可能性があるかを予測するのは難しくはない。

 「サウジアラビア政府唯一の選択肢は、我々への攻撃をやめることだ」と無人機攻撃後、フーシ派軍報道官が述べた。反抗者は、サウジアラビアの石油産業で働いている外国人労働者にも立ち去るよう警告した。

 このイエメン人たちは、サウド家の頭に銃を突きつけているのだ。それはアメリカが支援するサウジアラビア軍による容赦ない爆弾投下攻撃と包囲攻撃を、四年間味合わされた後、とうとうサウジアラビア君主国家に彼らの照準を定めたことは、イエメン人反抗者は大いに満足しているに違いない。サウジアラビアに率いられた、アラブ地域最貧国である南の隣人に対する戦争は、2015年早々、イエメン人に追い出された腐敗した取り巻き連中の復帰を支援する見せかけの下での法外な侵略だったのだ。最高100,000人が殺されたが、その大半は、アメリカ、イギリス、フランスが供給し、装備したサウジアラビア(と首長国)戦闘機がによる無差別爆撃作戦によるものなのだ。国連が最もひどい人道的危機と呼ぶもので、何年にもわたり、何百万人もが飢餓に直面している。

 サウジアラビア支配者や欧米政府やメディアは、イエメンに対する大量殺戮戦争を、テヘランが南から、サウジアラビアをくつがえそうとしている扇動者であるかのように、イランが関与する「代理戦争」だとして曖昧にしようとしている。イランは政治的に、より最近では、おそらく軍事的にも、フーシ派を支援しているが、テヘランによるいかなる関与も、元々の欧米に支援されたサウジアラビアによるイエメン侵略への反撃だ。

 サウジアラビアの極めて重要な石油産業に対する最近の空襲は、イランの責任だというアメリカとサウジアラビア当局者の主張も、ほとんど同じ曖昧化だ。このような曖昧化は、欧米に支援されるサウジアラビア連合によって、イエメン国民に対して行われてきた何年にもわたる無慈悲な大虐殺に対し、フーシ派が正当な自衛権で報復しているという核心問題から目をそらせる企みだ。

 サウジアラビア支配者とアメリカが、サウジアラビア石油産業に対する最近の無人飛行機攻撃をイランのせいにしようとしているのには、もう一つの切羽つまった理由がある。もし爆撃が、おそらくは,イランの無人飛行機技術であっても、種としてフーシ派に実行されたことを認めれば、その自認は、サウジアラビア石油経済と、王政支配者の権力構造の完全な脆弱性を示すことになるのだ。

 リヤドが狼狽している気配は、最近の空襲が、サウジアラビア石油化学企業の株式市場を混乱させているという報道で感じられる。悪いことに、攻撃は、計画されている国営石油会社サウジ・アラムコの株式上場を遅らせるかもしれないとも報じられている。更に悪いことに、イエメンによるさらなる空爆の可能性によるリスクのせいで、企業評価が大幅に下がりかねないことだ。

 サウジアラビア国が、企業の一部を個人投資家に販売する計画中のアラムコ新規株式公開(IPO)は、近年国際的企業の間で、最も話題になった出来事の一つだった。来年開始予定のIPOは「これまでで最大の」株式売却と呼ばれている。

 去年10月、ブルームバーグとの詳細インタビューで、サウジアラビア皇太子MbSは「人類史上最大のIPO」だと自慢した。当時彼は、アラムコ全体の評価額は2兆ドルの価値があると主張した。もしサウジアラビアが同社株の5パーセントを売り払えば、1000億ドルの現金が得られると期待している。アラムコIPOは、ビジョン2030として知られる、サウジアラビアの全経済に対する、MbSの意欲的多角化基本計画のかなめだ。硬直化しているサウド家に、若いサウジアラビア国民が反抗するのを阻止するため、石油に依存する王国が、政府部門の雇用と生活保護援助を持続不可能な予算で支えているのを、アラムコ売却で得た資金で、民間部門の雇用と技術革新を促進するのが狙いだ。

 サウジアラビアの石油中枢、 王国の最も重要な部門に対するフーシ派の壊滅的空襲後、投資しようとしていた人々はアラムコの未来のリスクを用心深く見ていると報じられている。イエメン人による無人飛行機攻撃の後、同社の評価額は、一部の推計では、3000億ドルに急落し、かつて期待されていた2兆ドルから85パーセントも下がっている。今後、サウジアラビア石油インフラへのフーシ派攻撃で、もしこの評価下落が続いたり、悪化したりすれば、IPOによって得られる資金は、皇太子が計画していた1000億ドルから、150億ドルにまで減少しかねない。要するに彼のビジョン2030年計画は水泡に帰するのだ。

 戦争に引きずり込まれるのは望まないとドナルド・トランプ大統領が言って、イランに対するいかなる報復も軽視し始めたのは、若いサウジアラビア専制君主には気掛かりに違いない。

 つまりサウジアラビア君主は、たった一人で、フーシ派と次に彼らがする行為に翻弄されていることを意味している。謀略に長けた皇太子の失脚は、シェークスピア風の裏切りドラマを想起させる。

 Finian Cunninghamは、主要報道機関の元編集者・記者。 国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/09/18/yemeni-killer-blow-to-house-of-saud/

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 Peter Koenig氏の見方は違う。Houthi Attack on Saudi Oil Fields – a False Flag?

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名は、昨日、購入しそこねた新刊『日本国の正体』の内容について。

昨日発売『日本国の正体』(毎日新聞出版)はじめに「この本でしばしば指摘する事になるが、日本の特色は?孤立性と?均一性。自分と違った視点、評価に耳を傾ける機会が少ない。幸い世界の様々な人、特に知的な人が日本を見、様々な評価、これと自己見解と比較の機会

2019年9月19日 (木)

ワシントンが対サウジアラビア攻撃でイランを非難しなければならない理由 アメリカによる防衛の失敗

Finian Cunningham
RT
公開日時:2019年9月16日16時06分
編集日時:2019年9月16日16時16分

 サウジアラビア石油産業に対する衝撃的電撃作戦は、イランのせいにするアメリカ当局者による相次ぐ非難を招いた。責任転嫁の理由は単純だ。同盟国サウジアラビアを防衛する上での、ワシントンの壮大な失敗だ。

 フーシ派反抗者が、石油王国の中枢地域に対するこのような大胆な襲撃を実行したのを認めれば、アメリカの力不足を認めることになるので、サウジアラビアに対する最近の軍事襲撃に対して、トランプ政権はイランを身代わりにする必要があるのだ。

 近年サウジアラビアは、アメリカ・パトリオット・ミサイル防衛システムや、おそらく最先端のレーダー技術を国防総省から購入するのに、何十億ドルも費やしている。もしイエメン反抗者が、サウジアラビア領域内に最長1,000キロも無人戦闘機を飛ばし、王国の石油産業最重要の精油所を破壊できるなら、それは「保護者」アメリカにとって、大いに当惑する問題のはずだ。

 アメリカによるサウジアラビア防衛は、両国の歴史的関係に深く関連している。ドルで貿易される地球最大のサウジアラビア石油輸出は、オイルダラー国際市場を維持・管理する上で極めて重要であり、また経済大国アメリカにとっても極めて重要だ。引き換えに、アメリカはサウジアラビア君主国家の保護者であることを義務づけられており、それには毎年何十億ドルもの武器を王国に売れるという儲かる追加利益が伴っている。

 ストックホルム国際平和研究所によれば、サウジアラビアの軍事予算は、アメリカと中国に続き、世界で三番目に大きい。年間、約680億ドルの金を使っており、国内総生産(8.8パーセント)の比率に関し世界ナンバー1だ。パトリオット・ミサイルシステムが特に値のはる物で、サウジアラビアの兵器の大部分がアメリカから購入されている。

 ところがその全ての財政的な気前の良さや、最高のアメリカ軍事技術にもかかわらず、石油王国は、その肝要な石油産業に対する損害の可能性が大きな空爆の波に会っている。首都リヤドの東205マイル(330キロ)、アブカイク巨大精油コンプレックスへの空爆に続き、炎に巻き込まれた後、サウジアラビア石油生産は50パーセント減った。東部の州のフライスにあるサウジアラビア最大油田の一つも部分的に閉鎖された。

 サウジアラビア当局が認めているより損害はずっと重大だという信用できる報告がある。これら重要な工業サイトは修復するのに何週間も要するかもしれない。

 「イランは世界のエネルギー供給に対する未曾有の攻撃を開始した」と主張したとき、マイク・ポンペオ国務長官は半分正しかった。

 そう、それは未曾有だ。だがポンペオや他のアメリカ当局者がイランのせいにしたのは、間違っている可能性が高い。

 トランプ政府の一部高官が、アメリカ・メディアで、サウジアラビアの石油施設で見られた巨大な火の玉は「巡航ミサイル」によるものだと言った。一人は匿名発言が引用されている。「イランがこれに対する責任があることには疑いようがない。逃げようがない。他に、やりそうな者はいない。」

 イランに対する非難を実証しようとするあわただしい取り組みで、アブカイク精油コンプレックスに対する空襲後と思える衛星画像が発表された。爆発の位置は兵器が南のイエメンからでなく、イランかイラクから来たことを示すとアメリカ当局は主張している。

 通常は忠実なニューヨーク・タイムズさえ記事でコメントして、この主張に疑いを表明した。「日曜に発表された衛星写真は、当局が言うほど明快ではなく、一部は、イランあるいはイラク方向からではない、施設の西側で損害を示しているように見える。」

 ポンペオや他の連中による非難は実証された主張ではなく、断定だ。

 ドナルド・トランプ大統領が、名指しでイランを公然と非難するのを思いとどまり、可能性をほのめかしただけだったのは注目すべきだ。イランを名指す上で、ポンペオがそれほど強固なのに、トランプはなぜそうしなかったのだろう? 「彼らが誰が攻撃の原因だと信じるかについて」サウジアラビアの「検証を待って」いると言って、大統領は示唆的な発言をした。アメリカ当局が明示的にイランを非難しているのに、トランプは、なぜサウジアラビアからの「検証」が欲しいと言っているのだろう?

 イランは、ポンペオ発言は「見る目のない」、対立を仕組むのも同然だと言って、イランが何らかの関与をしていたという申し立てを、きっぱり切り捨てた。

 イラクのアデル・アブドルマハディ首相も、イラク領土がイラン擁護のシーア派過激派闘士により空爆するために使われた可能性があるという主張を否定した。

 イエメンのフーシ派反抗者はサウジアラビアの石油設備爆撃実行を主張する明確な声明を発表した。彼らは具体的に、兵器はミサイルではなく、無人飛行機で、10機の無人機(UAV)を使用したと付け加えた。

 大半のアメリカ・メディアが、当初攻撃はイエメンから飛ばされた無人機によるものだと報じたのも注目に値する。他のUAVが空爆を実行する前に、最初アメリカのパトリオット・レーダーシステムを停止させるの無人機を使った攻撃の精巧さをAP通信は報じた

 従ってアメリカ当局は、イランを非難して説明を切り換えようと試みているように思われる。論理的結果は、イランに対する軍事攻撃実行ということになり、その場合、テヘランは戦争準備ができていると警告しているので、これは無謀な責任転嫁だ。

 イランを非難する理論的根拠は(イランが政治的に支援している)イエメン反政府派がサウジアラビア石油産業に対し、このように劇的に成功するほど活用できないと言い続けているだけだ。犯人はイランに違いないと論拠は言うのだ。これはこの夏早々ペルシャ湾での石油タンカーに対するイランによる破壊工作とされているものの続きだ。

 しかしながら、予定がフーシ派が永久に強力な弾道ミサイルともっと深い鋭い無人飛行機をサウジアラビア領に向かって発射することができるという程度を越えていることを示す。反抗者はアメリカに支援されるサウジアラビア・UAE連合がアラビア南部の国に2015年3月に開始した戦争の初めから、ドローンを使っていた。

 これまでの四年にわたり、フーシ派の空爆能力は次第に向上してきた。かつて、サウジアラビアは、アメリカ防衛システムで、イエメンからの無人飛行機やミサイルを途中で迎撃することが可能だった。だが去年、反政府派は、首都リヤドを含めサウジアラビア内部の標的に命中する成功率を上げた。

 今年5月、フーシ派ドローンがサウジアラビアの重要な東西パイプラインに命中した。8月、無人飛行機と弾道ミサイルが、アラブ首長国連邦(UAE)国境近くのシャイバ油田と、サウジアラビア東部の州のダンマーム輸出コンプレックスに命中したと報じられた。

 ほぼ90,000人もの死をもたらした彼らの国に対する何年もの容赦ない空襲の後、サウジアラビアとUAEに戦争を持ちこむとイエメン人は主張している。最近、国連報告が、サウジアラビア連合に対する彼らの軍事支援を通した戦争犯罪となり得る共謀のかどで、アメリカとイギリスとフランスを非難した。

 サウジアラビアとUAEの君主の中には、戦争で荒廃し、餓死しそうなイエメンの反政府派が今、彼らの石油経済を破壊できるドローンを持ってやって来るという恐怖があるに違いない。その上、大言壮語していた保護者アメリカは、何十億ドルもの国防総省兵器にもかかわらず、戦略上の約束を果たすことできずにいるのだ。それが、イランに悪党の役を振り当てて、ワシントンが口実を見いださなければならない理由だ。

 Finian Cunninghamは国際問題について広範囲に書いている、受賞ジャーナリスト。

お友だちが興味を持つと思われるだろうか? この話をお伝え願いたい!

本欄で表明される声明、見解、意見はもっぱら著者のもので、必ずしもRTのものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/468935-saudi-oil-field-drone-attack/

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 今日は原発事故での旧経営者に対する裁判の判決の日。巨大津波による原発事故が招いた被害について、電力会社経営陣に刑事責任を問えるのだろうか。IWJの岩上氏に対する悪辣なスラップ訴訟の判決から想像すれば、そして今の千葉の悲惨な状態を見れば、素人でも、結果はわかりきっているように思える。

2019年9月17日 (火)

イエメンで、アメリカのもう一つの恥ずかしい敗北が迫っている

Finian Cunningham
2019年9月9日
Strategic Culture Foundation

 イエメンのフーシ派反政府派と秘密協議を行なっていることのトランプ政権による公式確認が、このアラブの国への軍事介入が脱出すべき救出不能な大惨事だというワシントンの認識を示している。

 トランプ政権がサウジアラビア支配者にも、アンサール・アッラー(神の支持者)としても知られるフーシ派との四年以上にわたる戦争で何らかの和平合意をまとめるため交渉するよう促しているという報道がある。要はアメリカはこの泥沼から脱出したいのだ。

 かなりの方向転換だ。これまでアメリカに支援されるサウジアラビア連合は反政府派はイランの代理人だという主張で、アラブ地域の最貧国に対する侵略を正当化してきた。今ワシントンはフーシ派「テロリスト」を交渉に値するとみなしているように見える。

 これは多くのアメリカの他の外国における戦争のパターンに従っている。まず、侵略はベトナムやアフガニスタンでのように「共産主義者」あるいは「テロリスト」と戦うという道徳的主張によって「正当化される」。ワシントンは、不必要な多数の大虐殺と破壊の後、彼ら自身が作り出した大惨事からアメリカが脱出するための「協議」するため、以前の悪党と接触しようとするのだ。

 先週、サウジアラビア訪問中に、デイビッド・シェンカー国務次官補(近東問題担当)によって、フーシ派との協議が確認された。

 「我々はイエメンでの戦争を終わらせることに焦点を絞って精力を傾けている」とシェンカーは述べた。「我々は紛争で、相互に受け入れられる交渉による解決を見いだそうと試みるため、フーシ派と可能な限り話をしている。」

 これに応えるフーシ派幹部ハミド・アッセムの発言が引用されている。「アメリカが我々と話しているというのは、我々にとって大きな勝利で、我々が正しいことを証明している。」 しかしながら彼は交渉が行われているかどうかの確認や否定すること拒否した。

 我々はほとんどアメリカ政府の厚かましさを称賛しなければならない。アメリカ外交官の「我々は戦争を終わらせることに焦点を絞っていて」「相互に受容できる解決」という言い方に留意願いたい。

 まるでワシントンが、神秘的な暴力に打ちひしがれた国に平和をもたらそうとする何らかの公正な仲裁者であるかのようだ。

 戦争は、2015年3月、イエメンからのいかなる挑発もなしで、アメリカに支援されたアラブ首長国連邦も含むサウジアラビア連合によって開始された。引き金となった要素は、 イランと提携している主にシーア派の反政府集団フーシ派が、2014年末にサウジアラビアが支援する腐敗した独裁者を追い出したことだ。彼がしっぽを巻いてサウジアラビアの首都リヤドに亡命すると、サウジアラビアがイエメンに空爆作戦を開始したのだ。

 これまでの四年にわたるイエメンでの大虐殺は約2800万人の国民にとって災難以外の何ものでもなかった。国連は国民の約80パーセントが飢えと病気で苦しんでいると推定している。

 先週発表された国連報告は、一般人や公共インフラを無差別に爆破したサウジアラビアとUAE戦闘機に、軍用飛行機や軍需品や兵站の物惜しみせずに供給したアメリカとイギリスとフランスを、明示的に大規模戦争犯罪での共謀責任があるとしている。国連報告は残虐行為を犯したとしてフーシ派も非難した。それはそうかもしれないが、イエメンでの死と破壊の圧倒的多数は、サウジアラビアに率いられた連合へのアメリカ、イギリスそしてフランスの軍事支援に帰せられる。100,000人もの一般人が欧米に支援された電撃攻撃で殺害されたかもしれないが、欧米メディアは摩訶不思議にも、これまで四年にわたって決して増加するように思われない「10,000人」という数字を引用し続けている。

 いくつかの要因がトランプ政権にイエメン戦争を段階縮小する強いているのだ。

 地獄のような人道的状態と戦争犯罪での共謀は、イエメンで「イラン破壊活動」との戦いとされる、ワシントンのウソでは、もはや隠すことができない。アラビア半島南部の国は、民主主義で、法律を守る美徳で世界のリーダーだというアメリカの公式主張にとって、紛れもない広報大惨事だ。

 イエメンにおける残虐行為のかどで、サウジアラビアへのアメリカ武器販売禁止令を呼びかける上で、アメリカ議会が団結している以上、PR戦争で敗北したのを我々は知るべきだ。トランプ大統領はイエメンでサウジアラビアを武装させ続けるため、今年早々議会決定を覆した。だがトランプさえ、大量虐殺を幇助し、けしかける彼の政府の責任は、アメリカ・プロパガンダの最もだまされやすい消費者たちにとってさえ、もはや許されなくなっているのを悟っているに違いない。

 四年にわたる容赦ない空爆の後、財政的に破壊的になったサウジアラビア王国と、この戦争を考え出した、ませた皇太子ムハンマド・ビン・サルマーンにとって、フーシ派はいまだに首都サヌアと国の広大な区域を支配し続けている。イエメンにしかけられた野蛮な砲撃と包囲攻撃による飢餓も反政府派を引き下ろせなかった。

 それだけでなく、フーシ派は戦争をサウジアラビアの中心部にもたらし始めた。過去1年にわたって、反政府派はサウジアラビア軍事基地と首都リヤドに、益々高度な長距離無人飛行機と弾道ミサイル攻撃を行っている。フーシ派がどこから彼らの致命的兵器を受け取っているかは明らかではない。おそらく、レバノンのヒズボラか、あるいはイランからだ。いずれにせよ、このような供給が、もし確認されたなら、侵略に直面している国に対する合法的支援として主張可能だ。

 サウジアラビア領土奥深くへのフーシ派攻撃が、リヤドの甘やかされた君主に、真剣に思案させたのは確実だ。

 もう一つの主な連立相手UAEが、一カ月前、イエメンでの関与を縮小すると発表した際、ワシントンとリヤドに、戦争は本当に徒労だったと混乱させたに違いない。

 敗北はさらに、南部の港湾都市アデンでの、サウジアラビアとUAEが支援するライバル過激派戦士の間で、ここ数週間に発生している公然の衝突によって複雑化している。UAE戦闘機が、サウジアラビアに支援された過激派戦士とサウジアラビア軍集団を攻撃していることに関する報道がある。リヤドとアブダビ間で論争が勃発したのだ。ライバル派閥が、連合同盟国のはずのサウジアラビアとUAE間の代理戦争となって破裂する強い可能性がある。

 イエメンでの阻止できない大惨事と、自分の立場がどのように防御不能で、実行不可能かワシントンが気づいているのは確実だ。

 何十年にもわたる実に多くの他の法外なアメリカの戦争と同様、ワシントンはイエメンで、さらにもう一つの不名誉な敗北に直面している。アメリカが「相互の平和」の懸念などと粉飾して「戦争を終わらせる」ことを話し始める時、卑劣なゲームは、もはやこれまでとなったことが分かる。

 Finian Cunninghamは主要ニュース報道機関の元編集者・記者。 国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/09/09/yemen-another-shameful-us-defeat-looms/

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 掲載をせずにいるうちに、新展開?イランが直接攻撃するはずがないだろうに。例によって、責任なすりつけ。

日刊IWJガイド「サウジの世界最大の石油処理施設をイエメン・フーシ派の無人機10機が爆撃! サウジの石油生産量の半分に打撃! 原油価格が急騰!! 米国は証拠もなく『イランが関与している』と断定!トランプ大統領は『臨戦態勢』を示唆!」2019.9.17日号~No.2560号~(2019.9.17 8時00分)

 

2019年8月18日 (日)

モスクワ・ミッチ、秘密のロシア潜水艦とロシア嫌いという錯乱

Finian Cunningham
2019年8月11日
Strategic Culture Foundation

 主要共和党上院議員のミッチ・マコーネルは「ロシアの手先」として、主要アメリカ放送局や政治集会であざけられている。一方イギリスのデイリー・テレグラフはイギリス領海で「人目につかずに活動して」いる「超秘密」ロシア潜水艦について報じている。

 アメリカとイギリスの主流政界における合理的な考え方の崩壊は見境がないロシア嫌いによって浮き彫りにされている。核保有超大国間で国際緊張が高まっている時に、このような思考は、妄想で、偏執的で、究極的に、恐ろしいものだ。

 まず、マコーネル上院議員に対して、ロシアの手先というレッテルを貼っている馬鹿げた騒ぎを考えよう。上院多数党院内総務は、アメリカのニュース放送局MSNBCとワシントン・ポストに「モスクワ・ミッチ」と「プーチンの命令を実行している」と呼ばれた。表向きは「外国の干渉」を防ぐため、選挙制度の安全性を強化することを目指した法案を、マコーネルが阻止した後に、こうしたあだ名がつけられたのだ。

 マコーネルがなぜ法案に反対したかは明らかではない。彼は、州レベルの選挙制度に対する連邦による過剰な支配に同意していないように思える。彼は、既に何億ドルも選挙制度を改良するのに費やされており、そのため追加出費は正当化できないとも主張している。彼は結局、財政上のタカ派なのだ。

 それでも、提案された選挙法案に対するマコーネルの反対を、アメリカ選挙で、ロシアのハッキングを可能にするので、彼がロシア工作員である「証拠」だと、アメリカ政治とメディアの被害妄想ロシア嫌い連中が推論するのは全く正気の沙汰ではない。

 彼の地元ケンタッキー州の最近の政治的催しで、マコーネルは「モスクワ・ミッチ、モスクワ・ミッチ!」と唱える民主党支持者に野次られ、ブーイングされた。抗議行動参加者はTシャツを着て、ソ連時代の槌と鎌がついたコサック帽をかぶったマコーネル画像のプラカードを振り回した。

 77歳の上院議員が、政治的攻撃に、がくぜんとしたのも無理はない人。彼は冷戦時代の赤狩りを思い起こして、それを「現代のマッカーシズム」と呼んだ。彼はそれが過去のマッカーシズムよりもっと悪いとさえ言った。この点、彼に一理ある。

 マコーネルのいらだちは、非難が全く非合理的な空虚さから生じたものだ。6回選出された議員は最も長く勤めている共和党上院議員だ。彼は、ロシアとウラジーミル・プーチン大統領に対してタカ派である「完ぺきな」実績から伝統的に右翼党の重鎮だ。

 気さくな南部男マコーネルが、ロシアの手先と解釈するなどというのは、ばかばかしくて、言葉にもならないほどだ。非難が暴露しているのは、アメリカ主流政界やメディア文化のまったくの錯乱と政治的無知だ。

 プリンストン大学のスティーヴン・コーエン教授が最近のインタビューで言ったように、ロシア嫌いと、アメリカ政治に対する干渉とされるものへの偏執は、余りにも多くのアメリカ政治家、評論家、軍諜報機関、民主党支持者の中で、永久の固定観念になっている。二年間のマラー捜査が、いかなる実質的な詳細や証拠も、見事に提供し損ねた後も、「ロシアゲート」という根拠がない物語が、最終的に捨て去られずに、生き続けているのを、コーエンが遺憾に思って当然だ。

 だが、それでも、最近の議会聴聞会で、元FBI長官ロバート・マラーは、2016年大統領選挙にロシアが干渉したという空虚な非難を繰り返すのを許され、モスクワは2020年の選挙で再びそうするだろうと断言した。これは全く教義的信条に過ぎないが、ロシアのプーチン大統領が「妨害作戦」で、アメリカ民主主義をくつがえすことを命じたという「事実」として受け入れられてしまう。(モスクワは常に激しくそれを否定している。)

 それが、上院多数党院内総務ミッチ・マコーネルのようにロシアに反感を持った人物が、相対的な健全さを発揮して、「外国の干渉を防ぐ」ために必要とされる選挙の安全性の強化を拒絶すると、「ロシアの手先」だとヒステリックな非難で襲われる理由だ。ロシアの悪意に関する錯乱した妄想ゆえに、全くの不合理さは自己強化するのだ。証拠は不要だ。それは「我々が本当だと信じる」から「本当なのだ」。

 マコーネルは、彼らを「左翼ハッカー」や「共産主義者」と呼んで、中傷する連中に反撃した。彼は、アメリカ国民のために無料医療を拡張しようと努める民主党の政策に言及して結論を出した。彼は自身を誇らしげに、アメリカを「社会主義の狙い」から守る「死に神」と呼んだ。

 これほどうつろなやりとりは、アメリカ政治文化がどれほど知的レベルが低下したかを実証している。ますます痛烈な党派的非難や中傷は事実も証拠も理由も政策や歴史や政治哲学に関するいかなる知的理解もなしに飛びかっている。

 だが、遺憾なことに、基本的に、狂気の政治言説は根強いロシア嫌いに依存している。ロシアは政治的コインの両側で、悪、悪意があると見られている。アメリカ社会の固有の問題を扱うより、言説はよくあるエセ説明を探して、ロシアや、共産主義とされるものに関連することの責任にする。アメリカ政治とプロパガンダの冷戦虚無主義は一度も止まったことがない。それは一層妄想化し、うわべだけの現実からも乖離する。この文脈で、現代のロシア嫌いは、不合理さと証拠不要の教義上の信念ゆえ、おそらく一層危険だ。

 そこで、デイリー・テレグラフによる、イギリスをしつこくつけ回す「超秘密」ロシア潜水艦の話になる。イギリスの政治支配階級がアメリカと共有している、いわゆる報道(より正確には心理作戦記事)は、錯乱した反ロシア妄想を暴露するために絶対必要な読み物だ。

 「軍の情報提供者[原文のまま]によれば、新種の超低騒音ロシア潜水艦[原文のまま]が人目につかずに[原文のまま]イギリス領海で活動しているのではないかと懸念される」とテレグラフが報じた。

 情報提供者は、テレグラフがイギリスの諜報宣伝の道具に良く使われることを表して、例によって匿名だった。

 「目に見えない」ロシア潜水艦という「不安」を裏付けるための一片の証拠も提供されていない。おそらく「目に見えない」船は、ロシア人がどれぐらい卑劣で、コソコソしているかの「証明」だ。記事の狙いは、イギリス海軍に更に多く軍事出費をするための広報だった。

 デイリー・テレグラフがこのようなばかげた脅し記事を報道できるのは、全てではないが、多くのイギリス人が、ロシア嫌いを組織的に吹き込まれているおかげだ。

 アメリカの政治文化同様、イギリス政治文化は堕落し下劣になっている。それは中世の魔術や「呪術的思考」と同じだ。証明や理由や適法手続きという基準は放棄された。啓蒙時代前への退行のようだ。アメリカとイギリスがロシアを狙う核兵器庫を所有している事実は、彼らの政治支配階級の狂った考えゆえ、全世界にとって本当に恐ろしい可能性だ。

 Finian Cunningham
主要ニュース報道機関の元編集者、記者。記事がいくつかの言語で発表されており、広範囲に国際問題について書いている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/08/11/moscow-mitch-secret-russian-subs-and-russophobia-derangement/

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 模範的右翼議員まで、「モスクワの手先」扱いするというのは、末期的症状に見える。

 大本営広報部のニュースというもの、ほとんどみないが、『京都人の密かな愉しみBlue修業中「祇園さんの来はる夏」』をみた。ドラマの中で、祇園祭にまつわる実に様々な情報を知った。楽しい京都広報番組?毎回見ている。

 お台場の競技問題、日刊IWJガイドでも扱っている。

日刊IWJガイド・日曜版「東京五輪2020のテーマは虐待と人権無視!? 汚水のお台場・大腸菌が最悪の『レベル4』で、パラトライアスロン大会スイム中止!しかし前日、その汚水の中でトライアスロン五輪予選は実施!?」2019.8.18日号~No.2530号~(2019.8.18 8時00分)

 ガイドの中にある、れいわ議員の活動実績は気になる。

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