Finian Cunningham

2018年7月14日 (土)

EUを間抜け扱いするトランプ

Finian Cunningham
2018年7月10日
スプートニク

 ヨーロッパ指導者連中を軽蔑して扱っているトランプを責めることはできない。率直に言って、彼らはそれに相応しく、トランプはそれを知っているのだ。

 今週、ブリュッセルでのNATOサミットで、アメリカ大統領がヨーロッパ同盟諸国に加わるが、会議は激しいものになると予想されている。ヨーロッパ人は、財政的貢献を巡って、トランプにこきおろされるのを恐れている。

 先月カナダでのG7サミットで、居丈高なアメリカ大統領は、同盟諸国による財政支援が欠けているので、NATO軍事同盟は時代遅れだと、各国トップをきびしく叱責した。

 一切手加減せず、NATOにもっと大枚をはたかなければ、ヨーロッパからアメリカ軍撤退を考慮すると警告する書簡をヨーロッパ指導者に送り、トランプは追い打ちをかけた。

 今週、トランプのブリュッセル到着直前に、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、トランプの要求に沿って素早く行動し、両国軍事予算の膨大な増加を承認したと報じられているのはご存じだろうか。

 ホワイト・ハウス住人から、くそみそにけなされるのを恐れ、他のヨーロッパ諸国も軍事予算を増やしている。

 メルケルは、ロシアの侵略とされるものに対するヨーロッパの守護者としてのNATOの重要性を突然語り始めた。

 ドイチェ・ヴェレは、こう報じた。“毎週のポッドキャストで、ドイツ首相は国防費の増加と、NATOの重要性を主張した。”

そこで、実に奇妙な矛盾があることになる。トランプは、ヨーロッパの指導者たちに、彼らを防衛するために必要なはずのNATOへの財政的貢献を増やせと厳しく叱りつけながら、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との友好的な関係を追求するという点では、アメリカ大統領は、NATO各国首脳の中で、一番楽観的だ。

 最近、トランプは、7月16日、ヘルシンキでの来るべきサミットで、プーチンとの良好な関係を発展させたいと語っている。

 クリミアをロシア連邦公式な部分として認め、それにより、2014年3月住民投票で“母なるロシア”に再加入を決めた黒海の半島クリミアを“併合”したとモスクワを非難し、延々続いている欧米言説丸ごと放棄する可能性すらアメリカ大統領は論じた。

 トランプは、ロシアは主要諸国のG7会議への再参加を認められるべきだとも提案しているが、ヨーロッパの指導者連中は大いに狼狽している。

 ワシントンのロシア嫌いイデオローグ連中の大騒ぎにもかかわらず、どうやら、アメリカ大統領はロシアやプーチン大統領を安全保障に対する恐ろしく危険な脅威と考えていないように見える。

 もしそうであれば、トランプは一体なぜ、ヨーロッパのNATO加盟諸国に一層莫大な金額を、この軍事同盟に使わせることに熱心なのだろうという疑問が生じる。

公式の欧米スローガンが人に信じさせようとしているように、もしロシアがヨーロッパの安全保障にとって、それほど実存的危険なのであれば、アメリカ大統領は約60,000人の米軍兵士をヨーロッパから撤退させることを本気で考えているのだろうか?

 ヨーロッパや、ついでに言えば誰にとっても、ロシアは実際脅威ではないのは明らかだ。ロシアが“攻撃的”で“拡大主義”だという言説丸ごと、滑稽な、根拠のない見え透いたウソだ。トランプも、それを理解しているだろうと思いたくなるではないか。NATOサミット直後、プーチンと来週会うことに、何の不安も感じることがない理由はこれだ。

 そこでこういう疑問が生じる。もしロシアがそれほどの脅威でないのなら、トランプは一体なぜ、ヨーロッパ諸国にNATOにもっと金を使うよう執拗にせき立てているのだろう?

 アメリカの動機として、アメリカ軍産複合体助成の手段として、ヨーロッパ経済に、もっとNATO同盟に金を注ぎ込ませるように強いている面もある。29のNATO加盟国中、アメリカが総軍事予算の約70パーセントを占めている。アメリカ人ifもう他の加盟諸国が、より多く財政負担をし、より多くの金を、アメリカ製の戦闘機や戦車やミサイル・システムや戦艦購入に向けてくれれば、より望ましいことではあるまいか?

 要するに、実際はヨーロッパをロシアから防衛するのが狙いではない。本当の問題は、奇怪な軍事機構を延々動かし続けるための途方もない財政的助成金を維持する方法を見つけ出すことだ。

 役割を十分果たしていないといって、トランプが連中をいじめた結果として、ドイツとフランスは、それぞれ、今後数年間、更に180億ドル、軍事予算を使うことを考えていると報じられている。
この二国や他のNATO加盟諸国は貴重な財源を生産的経済活動や生活の質を向上させる公共サービスに向けるのでなく、軍事的怪物を食わせるのに大枚をはたこうとしている。

 こうしたこと全ての強烈な皮肉は、ヨーロッパの安全保障は、ロシア西部国境沿いでの無謀なNATO部隊強化によって、一層脅かされているのが本当であることだ。この全く正当化不能のエスカレーションは、ロシアと国際平和に対する挑発だ。ところが、ワシントンのうさんくさい確証のない発言をもとに、ヨーロッパを一層不安定にするため、ヨーロッパ指導者連中は先を争って貴重な資源を費やそうとしているのだ。

 今週、トランプがヨーロッパから軍隊を撤退しかねないのをヨーロッパ指導者たちは“死ぬほど恐れている”と元アメリカ国防長官レオン・パネッタが発言したと引用されている。

 死ぬほど恐れている? ヨーロッパの親NATO政治家連中は“指導者”という表現に値しない。大陸の軍隊の全般的な段階的縮小、特に第二次世界大戦後、70年以上駐留しているアメリカ軍撤退を見れば、大半のヨーロッパ諸国民は喜びほっとするはずだ。

 あるワシントン・ポスト論説は、トランプが“先月のG7会談で彼が言い出したような破綻になることを恐れ、ヨーロッパ中の安全保障担当大臣を眠れなくしている”と書いた。

自分たちの“指導者”として、ヨーロッパ諸国民は、そのようなうさんくさい懸念で夜も眠れなくなるような、何という意気地のない怠け者集団を頂いているのだろう。

 ヨーロッパ中で、代替する政党を求めて、大衆反乱が進んでいるのも、決して驚くべきことではない。これらのいわゆる“ポピュリスト”政党は、ロシアを当然のパートナーとして見ており、正常な関係に戻りたがっているという点では、通常遥かに正気だ。

 ヨーロッパの既製支配政党や政府は、一体何が本当の脅威にあたるかについての連中の考え違いのおかげで、すっかり訳がわからなくなっているのだ。

 中東中やアフリカでのワシントンの犯罪的戦争に長年奴隷のように黙従してきたことで、不安定化させる難民問題が引き起こされ、EUの組織的縫い目を張りつめさせている。

 同様に、トランプの前任者、ブッシュやオバマのもとで、ロシアに対するワシントンの敵意に奴隷のように従ってきたことで、ヨーロッパは経済制裁で大きな代償を払わされたが、一方アメリカ経済は比較的無傷だ。今週EUは、対ロシア経済制裁を来年にも延長する動きをしている。ウクライナでCIAが支援したクーデターを巡り、ワシントンが基本的に始めたそうした施策が、約五年間、ヨーロッパの労働者や農民や企業に大きな代償を払わせている。ところがヨーロッパの弱虫連中は自殺行為を続けているのだ。

 懲罰的関税と貿易戦争で、ヨーロッパ経済を傷つけているのは、モスクワではなく、トランプ指揮下のワシントンだ。

 トランプ指揮下のワシントンが、ヨーロッパを利用して、NATO強化に更に予算を使わせ、ロシアとの緊張を更に高めているのに、実際は、アメリカ大統領は、モスクワとの友好的関係確立に楽観的に見える。

 ヨーロッパ政治指導者連中の多数の矛盾と二重思考から、厳しい結論が得られる。連中は間抜けの一団だ。だからトランプは彼らを、それに相応しく扱っているのだ。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。北アイルランド、ベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詩作曲家でもある。彼は20年以上、ミラー、アイリッシュ・タイムズ、インデペデントを含む主要マスコミ企業で、記者、編集者として働いた。

 本記事で表明されているFinian Cunninghamの見解や意見は、もっぱら著者のものであり、必ずしもスプートニクの立場を反映するものではない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201807091066198266-trump-eu-nato-summit/

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ヨーロッパの政治家が傀儡で、腰抜けでも、イギリス国民は違うようだ。トランプ訪問にたいする巨大抗議行動。写真を見ると、膨大な人々。国際空港ではなく、空軍基地に飛んでくる人物を歓迎する国民と偉い違い。

 属国の宗主国傀儡政治家連中は“指導者”という表現に値しない。お隣の半島や列島の軍隊の全般的な段階的縮小、特に第二次世界大戦後、70年以上駐留しているアメリカ軍撤退を見れば、大半の東北アジア諸国民は喜びほっとするはずだ。

 鶴竜まで休場。快進撃を見せている力士もいるが。二人の休場は釈然としない。

 相撲のせいもあって、昼の呆導バラエティー、最近全く見ていない。最近会った友人、「民放は全くみない」といっていた。

 談四楼氏、インタビューを見損ねた。後で拝見しよう。

 日刊IWJガイド「<西日本豪雨取材報告>安倍総理が愛媛で被災地視察。IWJは記者を2人派遣して直撃取材!大洲市では安倍総理に『自然災害を口実に緊急事態条項を...』と声をかけるも無視され、宇和島市では安倍総理、中村知事、岡原市長の意見交換会の現場から官邸職員によって排除される!!/本日午後8時から『食い物にされる水道民営化・ダム・治水――国富を売り渡す安倍政権の水政策の裏を暴く!岩上安身による拓殖大学准教授・関良基氏インタビュー<エッセンス版 in 31min>』をタイムリー再配信いたします!/日銀はいつまで株価を支えるつもりなのか!? 暴落のXデーを外資が虎視眈々と狙う!
1995年、オウムは空から大量のサリンを撒く計画を立てていた!『「オウム事件」の全容解明を考えているか?』とのIWJ記者の質問に、上川法相の口からは、安倍政権に特徴的な常套句が飛び出す!! ~7.13上川陽子 法務大臣 定例記者会見/『得体の知れないおそろしさがあった』!? 在日コリアン弁護士を標的にした根拠のない懲戒請求が950件!? 関空では税関が祖国訪問した朝鮮学校生徒の土産を『北朝鮮からの輸入品』だとして押収!?
<昨日の岩上さんのインタビュー報告>『社会的弱者や困難に直面する人に共感するという感情が欠落してる』安倍政権!『闘うには敵を知ることが大切なんだ』岩上安身による落語家・立川談四楼氏インタビュー!/<新記事紹介>【IWJ検証レポート】『新しい東側の形成』と、米国の孤立化、それは『古い西側の解体』の序曲!?  イランの上海協力機構への加盟問題から見えてくるもの!」2018.7.14日号~No.2130号~

2018年7月 1日 (日)

ブロック存続のための努力で、イタリアや他の反移民政権に譲歩したEU支配層

公開日時: 2018年6月29日  14:24
編集日時: 2018年6月29日  16:27
Finian Cunningham
RT

 欧州連合メルトダウンという悲観的予測にもかかわらず、今週の指導者サミットは、厄介な移民問題対処で、妥協による合意をまとめるのに成功したように見える。

 とは言え“全員勝者”の微笑みの背後で、結局は、EUに、難民問題で、より強硬な政策をとるよう要求していたイタリアや他の政府が勝利したのは明らかだ。

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領とドイツのアンゲラ・メルケル首相は“ヨーロッパの解決策”を称賛した。ブリュッセルでの二日間にわたるサミット議長をつとめた欧州理事会のドナルド・トゥスク議長も、明らかな合意が得られたことを歓迎した。

 マクロンとメルケルとトゥスクにとって、本当の懸念は、サミットで、加盟国間の本格的対立を生じることだったと憶測する向きもある。会談前、メルケルは、解決を見出すことが、EU存続の“運命を左右する”と警告した。EU懐疑派政府が対話に加わるかどうかさえ明らかではなく、28カ国が加盟するブロックが混乱状態になる恐れがあった。

 移民を巡る何らかの機能する仕組みをEUが考え出せなければ、メルケルは国内政治危機にも直面していたのだ。彼女の連立相手、バイエルンを本拠とするキリスト教社会同盟が、メルケルが他のEU加盟諸国に、共通の方法をまとめ上げさせられなければベルリン政権を離脱すると脅していたのだ。

 そこで結局、徹夜の“敵意に満ちた議論”後、EU指導者が“妥協”と“ヨーロッパの協力”を大いに称賛しているのは、実際は、ブロックが団結しているのに成功した安堵感なのだ。当面は。

 サミット合意の文章は曖昧だ。この目標がいかに、あるいは実際に、実施されるのかは、まだ分からない。その場合、EU加盟諸国間でくすぶっている緊張と亀裂が再度沸き上がるだろう。

 EUが、イタリアやオーストリアや他のポーランド、ハンガリー、チェコ共和国とスロバキアという、ヴィシェグラード4か国の反移民政権の要求の受け入れに動いたというのが目立った結果だ。これは、EU指導者が喧伝しているような“妥協”ではない。むしろ、EU懐疑派をなだめるための、ブリュッセル支配層とEU支持派政府による譲歩だったのだ。

 新人のイタリア・ジュゼッペ・コンテ首相は、イタリアの要求に対処しないいかなる共同声明にも、イタリアは拒否権を発動すると事前に警告した。彼の恫喝は、特に、フランスとドイツに妥協を強いる上で、機能したように見える。

 EUは、ヨーロッパ領に到着する前に、亡命希望者の手続きをするための“入国手続き施設”を北アフリカなどの地域の第三国に設置することに同意した。これは、イタリアとオーストリアが強く主張していたものだ。

 オーストリアのセバスティアン・クルツ首相は、EUがこのアイデアを支持したことについて、こう述べた。“こうした、ヨーロッパ外の保護地域、安全地帯、入国センターなど、呼び方は様々なものを我々は長年要求してきたが、こうした考えがようやく勝利を得た。”

 EU諸国内に、難民のための“手続きセンター”を設置するブリュッセルが財政負担する新たな概念もある。難民受け入れの上で最前線に立つ国として、国家経済に重い財政負担を負っていると、イタリアは苦情を言っていた。

 合意後、コンテ首相は幸せそうに語った。“長い交渉だったが、今日からイタリアは、もう孤立していない。”

 原則として、今後、イタリア領や、スペインやギリシャ領に入国する難民は、EU領に入国したものと見なし、亡命申請が認められた場合には、集団的責任で、受け入れ手続きをすることになる。

 オーストリアやヴィシェグラード・グループに対する主要な譲歩は、今週のEU合意が、割り当てを基にした難民は受け入れないという彼らの主張を受け入れたことだ。調印された声明は、難民人数の分かち合いは“自主的に”行われるべきことを認めている。各国が移民受け入れを拒否することが認められることを意味している。ようやく先週、フランスのマクロンが、そうした国々に対する懲罰として、EU財政支援削減を課すよう主張した。

 サミットの結論は、EUが加盟国に、移民を巡り国境警備を強化する権限を認め、イタリアや他の最前線に立っている国々が表明している、自分たちは不当な負担をさせられているという不平を、中央で、一層認識し、資金提供することだ。

 とは言え、いわゆる最新の解決策が実際機能するかどうかは、これから試すことになる。提案されている北アフリカでの手続きセンター設置は、移民希望者に対する抑止力として機能する“人身売買業者のビジネスモデルを破壊するもの”としてもてはやされている。亡命に関わる国際法に違反するように見えるこの概念は、EUの法的、道徳的問題を引き起こしかねない。“強制収容所”に似ているという不愉快なイメージ問題もある。

 EU内の難民自主的再定住は、実際にはどのように機能するのだろう? 負担分担が、イタリア、ギリシャやスペインによって、公正ではないと見なされた場合、フランスや、ドイツや他の内陸国家との緊張が盛り返しかねない。メルケルの気難しい連立政党CSUは、どう反応するがろう? 不可能な事をやろうとしているのだ。

 とは言え、当面、EU懐疑派政府が、移民問題を巡る議論で勝利したように見える。ドイツのメルケルがかつて主張していた“門戸開放”政策は時代遅れのようだ。

 EU指導者たちの明白な安堵感は、妥協案が見つかったことより、むしろブロックの致命的メルトダウンが避けられたことに起因する。これは、致命的な緊張のただの先送りにすぎないことが明らかになるかも知れない。

 一様でない移民問題は、ブロック内で、分裂と緊張を引き起こしている問題の一つに過ぎない。これはEU国民間の他の不満に対する避雷針のようにも見える。公式数値で、ヨーロッパにやってくる難民の人数は、2015年の頂点と比較すると、過去二年間、実際急落した。この問題は、EU政権の現状に対する反対派を奮い立たせる手段として、EU懐疑派政党に利用されているという感覚もある。

 ドイツ-フランスが支配するブリュッセルにより国家主権が損なわれているという感覚が、イギリスBrexitの大きな推進力だった。主権を巡る同様な不平は他のEU諸国や地域にも見られる。

 EUの新自由主義経済政策を巡る憤りもある。各国の財政的自由に対する厳格な制限は、 ドイツに決定されていると受け取られているが、広範な大衆に過酷な緊縮政策を押しつけるものと見なされている。公共支出制限と国家債務支払いの一時停止への固執が、イタリア国民が“代替”EU懐疑派政党である五つ星運動と同盟に投票した主な理由の一つだ。

 他の大きな不満の要因に、アメリカ率いるNATO軍事同盟、ヨーロッパの企業や雇用に打撃を与えている自滅的経済制裁というロシアに対する敵意へのEUの追従がある。EU加盟国内の一部の政党は、ワシントンの戦争商売をEUが理不尽に擁護することに対する大衆の不満を活用している。イタリアや他の国々は、モスクワ経済制裁を止め、ヨーロッパとロシアとの関係の適切な正常化に向かうよう要求している。

 言い換えれば、今週の移民を巡る、EU指導者間の、最後の努力による見せ掛けの協定は、ブロックの決裂を脅かす亀裂を閉じようという必死の努力だ。EU懐疑派の不満をなだめるために、EU既存支配層が屈したのだ。しかしこの“解決”は、ブロックを脅かしているひびや割れ目を取り繕っているものに過ぎないことが明らかになる可能性もある。

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 本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまでは、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務。彼は音楽家で、作詞家でもある。彼は約20年間、The Mirror、Irish TimesやIndependentを含む主要マスコミで、編集者、筆者として働いた。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/431276-eu-summit-migrants-establishment/
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どの局の呆導番組か忘れたが、韓国財閥幹部の面々の罪状を延々報じていた。外国企業幹部の不祥事なら自由に扱える。自国政治幹部の不祥事を隠蔽するために。
自分の頭のハエは追わないのがお仕事。
戦時中の呆導機関方針そのまま。完全属国として吸い取る血がなくなるまで続く。
多くは、何度でも、だまされる。

あの発言、正確には『電気洗脳箱を見るだけで「新聞を読まない人は全部自民党だ」』と言いたかったのではなかろうか?

日刊IWJガイド・日曜版「<お知らせ>7月29日【IWJファンドレイジング in Hot Summer 2018】開催を決定!参加ゲストも5名決定!参加予約受付フォームをオープンしました!開催まで残り28日!皆様のご参加をお待ちしています!定員は60名と非常に限られておりますので、ご予約はぜひとも、お早めにどうぞ!/第8期も7月末の期末まで残り1ヶ月。先月末以降、ご寄付・カンパもやや低調気味で、まだまだIWJの財政はピンチです!赤字に転落してしまうかどうかのボーダーラインまで、まだあと550万円必要です!なにとぞ期末のご支援をよろしくお願いいたします!
/〈今日の岩上さんのインタビュー〉今日午後2時より『スクープ! 日銀が発表した英語論文の謎 アベノミクス・黒田バズーカによる副作用の責任を逃れようと裏で金融緩和の出口を模索!?~岩上安身によるエコノミスト・田代秀敏氏インタビュー第2弾』を配信します!/本日午後6時より、6月28日に神奈川県秦野市でおこなわれた『秦野から未来を創る会』主催の前川喜平氏講演会を録画配信します!」2018.7.1日号~No.2117号~

2018年6月27日 (水)

アメリカ全体主義と偽ニュース文化

Finian CUNNINGHAM
2018年6月26日

 アメリカ国民には、事実と意見の区別がうまくできない問題がある。それが、評判の高いピュー・リサーチセンターが行った最近の調査の結果だ。

 調査対象の僅か四分の一の人々しか、事実の記述と意見の主張を正しく区別できなかったことがわかった。言い換えれば、調査対象とされたアメリカ人の大多数が、情報が実際は主観的主張や意見に過ぎないのに、彼らに事実として提示された情報が実際事実だと誤って信じたのだ。

 例えば“民主主義は、政府の最高の形式だ”というような意見を、彼らに読み上げると、大半の回答者が、それを事実だと判断した。ピューが調査した5,000人以上の人々のうち、わずか約25パーセントしか事実と主観的発言を正確に区別できなかったのだ。

 しかも、ロイターは、この調査を報じるに当たり、こう書いた。“人々は、事実の記述に同意しない傾向があり、人々はそれは意見だと、間違ってレッテルを貼ると、ピュー・リサーチセンターは述べている。”

 後者の傾向は、アメリカ人が、偽情報に容易に欺かれることを示唆しており、おそらく、より気がかりなのは、彼らが自分たちの先入観と対立する情報に対して、かたくななことだ。

 この論評はアメリカ国民を不当に侮辱することを意図したものではない。ヨーロッパやロシアや中国で同様な調査が行われた場合、一体どのような結果になるかを見るのは興味深いだろう。

 とは言え、そうした比較があるか否かに関わらず、ピューの研究は、事実と意見を判断する能力の上で、アメリカ人には認知上の重大な問題があることを示している。意見が、容易に操作されたり、曲解されたり、間違っていることを考えれば、これは更に、アメリカ社会が、いわゆる偽ニュースに弱いという問題を示唆している。

 ドナルド・トランプ大統領は、彼の人格と共和党政治に敵対するマスコミを激しく非難して、ほぼ独力で“偽ニュース”という言葉を作り出した。

 トランプ自身、彼流偽ニュースの厚かましい提供者であることが多い。彼の就任時に集まった人々の規模を巡り、航空写真の証拠に反して、未曾有の参加者数だったと主張して、マスコミとしたばかげた論争を思い出して頂きたい。

 とはいえ、トランプは、ある程度的を射ている。民主党を支持するアメリカ商業マスコミが実際の信ぴょう性に欠ける話題や争点を押しつけたのは有罪だ。最大のものは当選するために、彼がロシアと共謀したやら、クレムリン代理人連中が2016年アメリカ大統領選挙に“偽ニュース”記事で干渉してトランプを助けたやらと、反トランプ・マスコミが主張し、ほぼ二年間にわたり喧伝している“ロシア・ゲート”事件だ。

 ソーシャル・メディアで広められた、このロシア“偽ニュース”とされるものが、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、CNN、MSNBC、その他の、一流のはずのマスコミが語る、ロシアによる“干渉”非難という支配的な本当の偽ニュース。一体どこに証拠があるのだろう? 全くない。全てが繰り返して語られた偽ニュース言説で影が薄くなったのは皮肉だ。

 偽ニュース現象のもう一つの要素は、もちろん情報環境におけるソーシャル・メディアの優勢だ。今では、アメリカ国民の約半数がニュースをソーシャル・メディアから得ていると言われている。これは、日々読む何百万人もの人々にとって、事実とウソを均一化してしまうウワサ製造装置に道を開く確実な方法だ。だから、ピュー・リサーチ・センターの説に従えば、最終的結果は、混乱させられたり、誤った情報を与えられた人々が大量登場することになる。

 そこで疑問が湧く。特にアメリカ国民が偽ニュースにだまされ易いのはなぜだろう?

 RTの論説欄に最近書き込まれた、ある匿名読者の意見は納得できる説明だ。短い意見はこうだ。“アメリカ人は、あまりにも長期間、アメリカ主流マスコミに、ウソをつかれてきたので、何を信じるべきか誰にもわからず、多くのアメリカ国民は、もはやニュース番組を見ず、スポーツとコメディーしか見ない。”

 これが重要な点であることはほぼ間違いない。お考え願いたい。もしも、国民が何十年間も“ニュース”、実は、偽情報、あるいは露骨なウソを吹き込まれ続ければ、知的批判能力を行使する国民の能力が損なわれてしまうだろう。更に、そのような国民は、偽情報によって動きがとれなくなくだろう。要するに洗脳されるのだ。

 アメリカ・マスコミが売り込み、吹き込むウソの主要例をいくつか考えてみよう。

 ジョン・F・ケネディ大統領暗殺。ダラスを車でパレード中の残虐なケネディ殺人から50年以上たった今も、全てのアメリカ商業マスコミは依然断固として公式説明に固執している。JFKは単独銃撃犯、リー・ハーヴェイ・オズワルドに撃たれたという公式説明だ。多くの真面目な研究者たちが提示した証拠は、オズワルドには、三発での殺人を出来たはずがないことを示している。アメリカ陰の政府の諸機関が画策した策謀で、複数銃撃犯によってケネディが暗殺されたというほうが遥かにもっともだ。重要なのは、JFKに関する公式説明のあからさまなウソに、主要アメリカ・マスコミの一社たりとも、本気で異議を申し立てていないことだ。おそらく、民主的に選ばれたアメリカ大統領に対するクーデターの影響は、あまりに衝撃的だからだろう。

 他の重要な問題を無作為にあげれば、日本への原子爆弾投下、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争や、シリア内で続いている紛争などがある。どの場合も、アメリカ・マスコミは、アメリカ権力にとって、こうした出来事が基本的に大義にもとづくものとして描き出す機能を果たしている。アメリカ権力が、本来の“高潔な哲学”から逸れたり、失ったりして、海外で“誤った”介入にはまりこんでいるといった程度の反対意見は許される。

 しかし、またもや、この既存マスコミ体制は、世界におけるアメリカ資本主義権力の現実を、国民に見えなくするための偽情報省として機能しているのだ。そうしたマスコミが、アメリカ政府が、アメリカ大企業の利益を促進するため、何百万人もの人々に対しどのように、組織的に集団虐殺を行っているかを報じて、権力に対し、ありのままの真実を語るだろうとは想像できない。

 過去7年間、アメリカ軍の諜報機関が、選挙で選ばれたアサド大統領政権を打倒するため、シリア国内の代理テロリスト集団を、いかに秘密裏に兵器として利用しているかを、アメリカ・マスコミが報道するとは想像できない。アメリカ・マスコミによるそのような暴露は思いも寄らない。そういうことは決して起きない。逆に、アメリカ国民は、ペンタゴンは“独裁者打倒”を目指している“穏健反政府派”を支援していると聞かされ続けている。

 ワシントンの支配者連中の犯罪行為を隠蔽するため、アメリカ・マスコミが偽言説や全くのウソを組織的に紡ぎだした世界の他の重要な出来事の多くの例を挙げることができる。

 だから、そういうマスコミが、彼の“偽ニュース”の欠点を巡り、トランプを非難すると、まさにそのマスコミ自身が、工業的規模で、何十年も、言語道断の偽ニュースや偽りの言説で、アメリカ国民の頭を汚染してきた皮肉が目立つのだ。

 自称、自由で独立したマスコミによって、 大いに喧伝されている民主主義における、この組織的洗脳の文化が、アメリカ国民が、事実と作り話を見分けるのに、大いに苦労しているように見える理由中の要因の一つであることは確実だで。アメリカにおける偽ニュース現象は、新しいものでも、思いがけないことでもない。これは国民が、何十年間も管理された臣民状態に退化させられてきた手法の当然の結果だ。これは、1920年代に“民衆の習慣や思考を管理”することを目指していたエドワード・バーネイズのようなアメリカ支配層エリート布教者連中の長年の目的だ。

 元CIA長官ウィリアム・ケーシーが、後年、閣僚会議中にロナルド・レーガン大統領に、皮肉にこう自慢したという。“アメリカ国民が信じるあらゆるものかウソになった時が、我々の偽情報計画の完成だ。”

 事実上のアメリカ全体主義体制についての、興味をそそる際立った点は、大衆が自分は“自由”だと考えている錯覚で、これはあらゆるものの中で最大の偽ニュースだ。

 見せ掛けの“事実”としての“自由”を無頓着に受け入れていることが、アメリカや欧米の資本主義体制が永続している理由のおそらく主要要素だ。様々なごまかしや、自分たちの生活の過酷な環境についての偽りの自覚のおかげで、自分たちが実際は、捕虜、奴隷、臣民に過ぎないことを感じる人々をごく僅かなのだ。

 真実を語る人々が、アメリカ主流マスコミから疎外され、検閲されていることが、この証明だ。洗脳された全体主義体制は、反対意見や批判には耐えられないのだ。

 記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/06/26/american-totalitarianism-and-culture-fake-news.html
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その宗主国の代表的新聞「エルドアン大統領再選、トルコはもはや民主主義ではない」とのたまう。笑止千万。

望月衣塑子、 マーティン・ファクラー両氏の対談本『権力と新聞の大問題』を読んでいて、ファクラー氏の気になる発言に出くわした。178ページ。

「最近の日本のメディアを見ていて、一番不思議だと思うのは、新しい報道機関が出てこないことです。」

として、アメリカや韓国の状況を紹介しておられる。望月氏の発言を拝読したくて購入したので、文句はないものの。ひっかかる。

またしても、有名な浪曲、石松三十石船道中を思い出した。

旅行けば、駿河の道に茶の香り。
流れも清き太田川、若鮎躍る頃となる。
松も緑の色も冴え、遠州森町良い茶の出どこ、
娘やりたやお茶積みに、ここは名代の火伏の神。
秋葉神社の参道に、産声あげし快男児。
昭和の御代まで名を遺す、遠州森の石松を
不便ながら、務めます。

子供時代、何度ラジオで聞いただろう。「食いねえ。鮨食いねえ。」

「オメエ何だね、詳しいように見えて、あんまり詳しくねェな。
次郎長の子分で、肝心なのを一人忘れてやしませんかってんだ。
この船が伏見に着くまででいいから、胸に手ェ当てて、
よおく考えてくれ。エ、オイ。」

日刊IWJガイド「<お知らせ>第8期も7月末の期末まで残り1ヶ月と4日。まだまだIWJの財政はピンチです! 赤字に転落してしまうかどうかのボーダーラインまで、まだあと596万円必要です! なにとぞ期末のご支援をよろしくお願いいたします!/7月29日【IWJファンドレイジング in Hot Summer 2018】開催を決定いたしました!/<インタビュー報告>官邸が法務省を通じて検察にまで介入!?「安倍総理は否定はしなかった!」~森友疑惑・ザクザク出てくる新文書!岩上安身が日本共産党・辰巳孝太郎参議院議員にインタビュー!/
【カジノ実施法案】2014年、安倍-ネタニヤフ-アデルソンで始動!? そこにトランプが参戦!? 日本で吸い上げた金が、米ファミリーに吸い取られる! こんなものがなぜ公益性があって、合法なんだ!!~6.25参院予算委員会/他」2018.6.27日号~No.2113号~

2018年6月24日 (日)

西部戦線異常あり

Finian Cunningham
2018年6月22日
スプートニク

 今月早々、アメリカ率いるNATO軍事同盟が、ロシアの西側面における軍事力増強大規模エスカレーションを誓った。この展開は、29国が加盟する同盟は、必然的に、危険な戦時体制へと進むというロシアの長年の懸念を浮き彫りにしている。

 6月7日、ブリュッセルでのサミットで、NATO加盟諸国の国防相が、東ヨーロッパからロシア西国境まで前線展開される軍隊と海軍と空軍の新たな巨大動員を承認した。この構想には、アメリカ東海岸バージニア州ノーフォーク、もう一つはドイツのウルムを本拠とする二つの新NATO司令部が含まれている。

 30日以内に展開可能な、30,000人の兵士、30の飛行中隊と、30隻の大型戦艦というNATO軍の大西洋両岸における協調促進が公式の目的だ。

 計画は大規模介入に対する"即応体制強化"が狙いだと、イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は述べた。この"介入"が、東ヨーロッパ、特にバルト諸国とポーランドに対する攻撃を計画しているとNATO幹部が一貫して非難しているロシアのことなのは明らかだ。

 最近、ペンタゴンのジェームズ・マティス長官は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がアメリカのヨーロッパとの同盟を傷つけようとしていると非難した。だから戦争動員計画は、共通の敵ロシアに対する同盟強化を狙った手段に見える。ロシアが実際の敵というわけではない。NATOにとって一体化のために利用するのに便利なお化けに過ぎない。

 ヨーロッパの隣人諸国を攻撃する意図に関する主張に、ロシアは一貫して反論してきた。モスクワは、そうした主張は、ばかげた妄想だと言っている。

 強烈な親NATOの、元エストニア大統領トーマス・ヘンドリク・イルヴェスさえ、最近、バルト海地域は、いかなる軍事的脅威にもさらされていないことを認めた。

 だが「事実で、うまい話が邪魔されないようにしろ」という表現がある。NATOと、その国防産業シンクタンクが何度となく繰り返し言っている、この"うまい話" (実際は与太話だ)というのは、ヨーロッパをむさぼり食うために、ロシアの熊が爪に磨きをかけているというものだ。それが、ウクライナ紛争、そして以前にはジョージアが、あれほどまでに意図的に歪曲され - ばかばかしいNATOの不安デマに対し、ひどく必要としている材料を手に入れるために、ロシアを悪魔として描いている理由だ。

 NATOが軍事力増強を新たに発表して二週間後、ポーランドとリトアニアに近い"ロシアのカリーニングラード領にある核兵器施設を、ロシアが改良しているのを写したとされる衛星写真を、欧米マスコミが報じたのは単なる偶然とは思えない。

 この与太話は、"悪のプーチン"と彼の"ソ連の夢"は健在で、ヨーロッパの安全保障を危険にさらしているという欧米大衆の恐怖に対する不安の回復剤を狙ったものだ。

 もちろん、ポーランドやバルト諸国の猛烈に反ロシアの政治家連中は、ロシアに悪漢役を振りつけるまね事に大喜びで熱中する。今年初め3月、ポーランドは、ペンタゴンと、ロシア侵略から国を"守る"ものとして喧伝されているパトリオット・ミサイル迎撃システムの50億ドルの契約に署名した。

 ここで容易に見て取れるのは、東ヨーロッパにおけるNATO拡大は、アメリカとヨーロッパの兵器販売を増やすための、笑えるいかがわしい商売だということだ。嬉々としてこのゲームを演じているヨーロッパのおべっか使い政治家連中は、元ノルウェー首相イェンス・ストルテンベルグのように、将来NATOや、そのシンクタンクで楽でもうかる仕事にありつくのだ。

 しかし、ロシア西側面での執拗なNATO拡張には、何かもっと邪悪なものがあるように見える。軍産複合体のための不正な商売での儲け以上のものがあるのだ。ソ連が存在を止めた1991年の冷戦終結以来、この拡張は続いている。

 長年のパターンが、アメリカ率いるNATO同盟が、イデオロギーが動因の体系的なロシアに対する戦争計画で動いていることを示している、とカナダを本拠とする戦争犯罪弁護士のクリストファー・ブラックは考えている。最近発表されたNATO動員部隊は、モスクワに敵意を抱かせ、紛争を始めさせようという本格的な措置がというのが彼の見解だ。

 30,000人のNATO兵士計画について、ブラックはこう述べた。"兵士たちを単に脚を鍛えるため森の中を歩かせたり、金を使ったりするのが狙いとは思いません。こうした新司令構造の設置は兵員と物資の大量で迅速な移動の準備、対ロシア戦争準備の重要な一歩です。"

 ロシア西側面でのNATOの軍事力強化を、この弁護士は、1941年6月、ナチス・ドイツが、ソ連に対して始めたバルバロッサ作戦と呼ばれる悪名高い攻勢になぞらえさえしている。

 現在12,000人のドイツ兵士が、同盟が東ヨーロッパで続行中のアトランティック・リゾルブ作戦の一環として、リトアニアでのNATO軍事演習を率いていると彼は指摘する。アメリカとイギリスとカナダの戦闘兵と機甲師団が、現在ロシア国境の国々に恒久的に駐留している。現在のNATOによる軍事力強化の唯一の前例は、まさに77年前の今週に開始された、ナチスの悪名高いバルバロッサ作戦だとブラックは言う。

 "カリーニングラードのロシア核兵器に関する主張の誇張や、より一般的には、バルト諸国に対する侵略疑惑は、モスクワに対する偽旗挑発のための欧米マスコミ・プロパガンダ・キャンペーンの一環に見えます"とブラックは言う。"イギリスでのスクリパリ毒ガス事件やシリアでの化学兵器による残虐行為にまつわる主張を含め無数のそうした挑発を目にしています。"

 疑問はこうだ。なぜ今なのか? 一体なぜNATO戦争機構は、ロシアに対する戦争状態を明らかに強化するのだろう?

 クリストファー・ブラックはこう推測している。"必ずしも他の紛争と直接結びつく訳ではありませんが、間接的には、バルト諸国から、ウクライナ、ジョージア、アルメニア、イラン、イラク、シリア等の線に沿って、ロシアに対してかけられている全体的圧力の一部です。シリアとウクライナでのNATOの失敗が、これを促進させたことは否定できませんが、ロシアが転げ回り、死んだふりをしない限り、これは、いずれにせよ計画にあったのだと私は思います。"

 とは言え、シリアとウクライナでのNATO加盟諸国による秘密戦争の重大な挫折が、他の場所、ロシアの西玄関先で、同盟が、対ロシア攻勢を強化しているように見える要因だというのは重要であるように思える。

 ロシアによるシリア介入は、アメリカ率いるアサド大統領に対する政権転覆戦争を止める上で決定的な出来事だった。あの計画が、地政学的、戦略的に、極めて重要な中東におけるアメリカと、その同盟諸国による極めて重要な策略だったことからして、ロシアの軍事的成功は、帝国の計画者たちには嬉しいこととしては受け取られなかったと推論することが可能だ。

 それに加え、欧米の政治指導者の一部は、NATOがロシアに向かって押し進む危険に気がついていないこともあり得る。そのような考えは、ばかげていると熱弁を振るう政治家連中がいる可能性さえある。

 例えば、トランプ大統領は数週間のうちに、ウラジーミル・プーチンとの会談を計画している。アメリカ大統領は、アメリカとロシアとの関係を正常化するため、プーチンと会談を本気でしたがっているのかも知れない。トランプは、ロシアに対する攻撃的態度をNATOが益々強化していることを知らされていない可能性がある。要するに、好戦的な動態は彼には制御しきれないのだ。

 NATOは、戦争による利益と、紛争と、特にロシア嫌いの根深いイデオロギーによって推進されている戦争のための装置なのだ。これは解体されるべきだ。

 実際、トランプのプーチンとの友好的会談は、NATOの戦争屋連中を更に駆り立てる出来事になりかねない。

 本記事で表明されているFinian Cunninghamの見解や意見は、もっぱら著者のものであり、必ずしもスプートニクの公式な立場を反映するものではない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201806211065638131-syria-nato-trump-russia/
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昨日拝聴したインタビュー、スイスの直接民主制、そして競争力のお話も実に興味深いが、日本の危機的状況も、カウフマン氏に伝わったに違いない。

スイスは一人あたりGDP世界2位!国際競争力世界一!いったい スイスと日本の違いは!? スイスの「直接民主制」を東アジアにも! 岩上安身によるブルーノ・カウフマン氏インタビュー 2018.3.13


大本営電気洗脳箱ほとんど見ていない。個人的興味と、かけ離れた話題しか扱わないので。 たとえば、ナンパ塾! 電気代と頭脳の無駄。

沖縄慰霊の日 「辺野古移設、平和に逆行」翁長知事 という話題、ネットで知った。
中学生の詩の朗読もネットで拝聴した。

澤藤統一郎の憲法日記
この上なく感動的な「平和の詩」と、この上なく凡庸なアベ来賓挨拶と。

梅田正己氏のご本、二冊目まで購入し、そこそこ読んでいるが、お話を伺ってから、残りの本を購入させていただこう。影響で、本居宣長に関する本を読み始めている。

日刊IWJガイド・日曜版「<IWJが報じた1週間のまとめ> 大阪府北部で大きな地震、青森県六ヶ所村と東京都杉並区で首長選挙、沖縄では『慰霊の日』、東京電力は福島第一原発2号機に投入するロボットを公表!6月17日(日)〜6月23日(土)/6月26日火曜日は、森友問題で新文書を突きつけて安倍政権を追及した、共産党の辰巳孝太郎参院議員に岩上さんがインタビュー!/6月28日木曜日は、 岩上さんが書籍編集者・前高文研代表の梅田正己氏にインタビュー!日本の『神国ナショナリズム』を古代史から読み解いていきます!/今日、サッカー・ロシアワールドカップの日本代表対セネガル代表戦が日本時間深夜0時キックオフ!『Hampanai』大迫勇也選手の活躍に注目!/6月に入ってから3分の2となる22日までのご寄付・カンパは、皆様からのご支援のおかげで今月の目標額の88%まで!ですが、第8期も7月末の期末まで残り1ヶ月と7日。まだまだIWJの財政はピンチです!なにとぞ緊急のご支援をよろしくお願いいたします!」2018.6.24日号~No.2110号~

2018年6月23日 (土)

アメリカ... 自らの最悪の敵

Finian Cunningham
2018年6月21日
Sputnik

 ドナルド・トランプ大統領が、それまでのアメリカ大統領たちと同様に、アメリカ軍の優位と、国民の擁護者という、その重要な役割を自慢しているのは壮大な逆説だ。

 トランプ政権は、その座についた最初の年に、年間軍事予算を、既にして膨大な平均数値である年間約6000億ドルから、7000億ドルに増加した。巨大な軍事支出は、アメリカの国家安全保障と、世界的指導力を維持するのに必須だとトランプは述べた。

国民を外国の脅威から安全にしておくはずの組織への、この途方もない不適切な経済資源の配分が、国家安全保障上、アメリカにとり、実際最大の脅威だというのは逆説だ。

 ロシアや中国やイランや北朝鮮といった外国の敵とされるものは忘れよう。アメリカ社会と、その世界的権力を弱体化させているのは、アメリカ国防産業による国家優先順序の奇怪な歪曲なのだ。

 トランプは"国家安全保障の脅威"として、中国やカナダやヨーロッパの同盟諸国との不公正な貿易関係とれさるものへの言及に専念している。メキシコ国境を越える移民家族に対して、論争の的になっている(例外を認めない)ワシントンの寛容ゼロを説明する上でも、同じ国家安全保障が口実にされている。

 こうした国家安全保障とされるものの問題も、軍事化したアメリカの経済の、アメリカ社会に対する破滅的影響と比べれば色あせる。

 アメリカ人政治学教授のコリン・キャヴェルは、何十年にもわたるアメリカ軍の累積する浪費が、アメリカの負債総額が今や20兆ドルを越えている主な要因だと言う。この負債だらけの国、世界最大、ダントツの債務国が、トランプ共和党の緊縮財政派が、公共支出と投資の過酷な削減を要求する大義になっているのは辛辣な皮肉だ。

このコラムのためのインタビューで、キャヴェルはこう言った。 "この軍事債務が、共和党議員が、医療、住宅、教育、道路、橋や、他のインフラ・プロジェクトを削減し、雇用創生を阻止し、給与を押し下げ、債務返済のために増税する素材となって、アメリカ労働者を押しつぶしているのです。" 

 約4000万家庭、つまり全国民の約半数が、今や貧困とされ、公式数値は、アメリカの社会的不平等と貧困が記録的水準に達したことを示している。

 アメリカ中に広がる貧困は、連邦公共支出や社会投資の節減と一体だ。それが更に、国防産業に振り向けている壮大な経済資源と関連しているのだ。究極的に、普通のアメリカ国民は、軍の大盤振る舞いの厄介な経費を無数の間接的な形で負担して、自分たちが困窮化するという報いをうけているのだ。

 一体なぜ、そのような自滅政策が可能なのだろう? キャヴェル教授が指摘する通り、悪循環が働いているのだ。この悪循環は、経済の民主化と、アメリカ軍国主義の善とされるものと、外国の敵の悪とされるものにまつわるプロパガンダ神話から、アメリカ国民が覚醒することによってしか、断ち切ることはできない。

 スメドリー・バトラー少将が、1930年に刊行した『戦争はいかがわしい商売だ』と非難する古典的反戦本に習って、彼が"軍隊はいかがわしい商売だ"と呼ぶものから利益を得ている極めて強力な既得権益徒党があるのだと彼は言う。
キャヴェルはこう指摘している。"アメリカ資本家、特に、武器、兵器、制服、銃、飛行機、無人機、糧食、傭兵、兵站などを供給する連中や、アメリカ政府に金を貸し、20兆ドルの国債で不当に高い利子支払いを得ている連中にとって、軍事支出は好ましいのだ。"

 この軍-産業-金融複合体には、無数のシンクタンク、評論家、ロビイスト、ロッキード・マーチン、ボーイングやレイセオンなどの巨大ペンタゴン兵器メーカーから、婉曲に"政治献金"と言われているお給料を貰っている議員たちが、しっかり奉仕している。

 マスコミ環境は、ペンタゴン産業の利益になるよう、不釣り合いに偏向している。ウオール街への多い利益と配当金が、連中の利己本位の偏向を推進するので、外交関係となると、こうした権益は必然的に、外交より軍国主義と紛争を求めがちだ。

 キャヴェル教授は、悪循環は他の形でも機能していると指摘する。7つの海外海軍艦隊と世界中の800の基地とで、大きくなりすぎた軍隊は、その存在の正当化が必要だ。これは必然的に、アメリカの軍事計画者やシンクタンクが、敵を探し、他の国々を"脅威"として描くことを意味する。トランプ政権は、いくつかの政策文書で、この二国を"世界的ライバル"と呼び、"大国競争"の復活を言って、ロシアと中国に対する敵意を強化している。トランプ政権が過去最高の水準で軍事支出をし、ロシアと中国に対する敵対的言辞もエスカレートさせたのは偶然ではない。

 キャヴェル教授によれば、何百万人もの困窮した失業アメリカ人は、アメリカ軍事機構の兵卒供給に即使える新兵供給源なので、悪循環の忌まわしい推進力の一つだという。

"このいかがわしい商売は実にもうかるため、毎年高額の配当金を得るのが嬉しい金持ち層を生み出し、これら社会の寄生虫連中こそ、無料医療、衣服代と、軍隊糧食の約束という好機に飛びつく失業アメリカ労働者で戦えると連中が言う、外国での無用で果てしない戦争の最高の主張者なのです"と、キャヴェル教授は言う。

 つまり、軍という巨大な怪物は、国家安全保障という本当の利益にではなく、強力な大企業エリートの権益に役立っているのだ。

 "シリアからアフガニスタン、イラクから、リビアからソマリア、イランから、ニジェールから、ベネズエラに至るまで、アメリカは益々戦争に結びついています" とキャヴェルは言う。そのような平和的な進展が、アメリカ経済の軍国主義的な基本的性格と対立する可能性があるので、トランプが突然北朝鮮との緊張を緩和したのが、ワシントンで、多くの狼狽を引き起こした理由だと彼は主張する。

 アメリカ軍予算の公式数値は、不変のドルを基準に計算すれば、第二次世界大戦以来の、どの十年間と比べても、現在、最高水準にある。現在の軍事支出は、過去数十年間の、アメリカが朝鮮とベトナムで壮大な戦争をしていた対ソ連・共産中国冷戦の絶頂のものさえ遥かに超えている。

 ストックホルム国際平和研究所によれば、アメリカは、それに続く軍事支出の、中国、ロシア、インド、サウジアラビア、イギリスとフランスを含む10カ国を合わせた合計より、多額の金を軍に使っている。ロシアの軍事予算は、アメリカのおよそ十分の一なのに、ロシアは、アメリカにとって、最大の国家安全保障脅威だと考えられている。

"アメリカ政府と社会は、実に深く、挑発と戦争に結びついています"キャヴェル教授は言う。"しかし、あらゆる行き過ぎにも最終的な限界があり、それを益々、日々のアメリカ社会の内部浸食で目にしているのです。"

 アメリカにおける貧困の爆発と社会条件の明らかな劣化は、将来にわたり有害な影響を及ぼす。連邦の削減による学生の壊滅的負債のおかげで、アメリカの若者は、もはや高等教育を受けられない。貧困と失業の重みの下、家庭は崩壊しつつある。コミュニティーは破壊された公共サービスや崩壊するインフラで荒廃している。合成麻薬のオピオイドや他の薬物乱用による病的な現実逃避で、国民の士気は衰退している。

 アメリカは歴史的敗北をしつつある。この敗北が、軍と、その奇怪な大企業資本主義によって苦しめられているというのは痛烈な皮肉だ。アメリカ軍国主義が、アメリカで最も差し迫った国家安全保障の脅威だ。アメリカが自分自身の最悪の敵なのだ。

 本記事の見解や意見は 、もっぱら筆者の ものであり、必ずしもSputnikのそれを代表するものではない。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。北アイルランド、ベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詩作曲家でもある。彼は20年以上、ミラー、アイリッシュ・タイムズ、インデペデントを含む主要マスコミ企業で、記者、編集者として働いた。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201806181065526366-america-its-own-worst-enemy/
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文中にあるものの翻訳、有り難いことにこちらで読める。『戦争はいかがわしい商売だ

価値観を共有する傀儡、劣化版コピーに向かって属国は邁進中。
昨夜、呆導で、貿易摩擦対策のイージス・アショア設置の屁理屈を聞かされた。
下記IWJインタビューを拝聴した。なんとも恐ろしいお話。

大本営広報部では、決して聞けない話題。
こういう重要な情報、6000人ではなく、何倍もの方々に知っていただきたいもの。

異次元金融緩和の重大かつ深刻な弊害!出口を模索しようにもわずかな金利上昇で日本経済は大混乱!? アベノミクスの無残な最期!~6.18岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー 2018.6.18

日刊IWJガイド「<今日の再配信>沖縄戦の組織的な戦闘の終了から73年を迎えた今日6月23日は『慰霊の日』。本日午後8時より、『次世代に負の遺産を受け渡してはならない』~岩上安身による糸数慶子参院議員インタビューを再配信します。/
6月に入ってから3分の2となる22日までのご寄付・カンパは、皆様からのご支援のおかげで今月の目標額の88%まで!ですが、第8期も7月末の期末まで残り1ヶ月と8日。まだまだIWJの財政はピンチです!IWJが赤字に転落してしまうかどうかのボーダーラインまで、まだあと680万円必要です! 崖っぷちに立たされたIWJがつぶれてしまわないよう、なにとぞ緊急のご支援をよろしくお願いいたします!/
明日6月24日日曜日は杉並区長選と区議補選!前回の杉並区長選では投票率はわずか28.79パーセント。杉並区民の皆様、ぜひ、投票へ行き、区民の声を政策に反映させましょう!/他」2018.6.23日号~No.2109号~

2018年6月16日 (土)

トランプによる北朝鮮との問題解決の最大障害は国内の政敵

Finian Cunningham
2018年6月14日
RT

 今週、ドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮に対する平和的意図のしるしとして、朝鮮半島での“軍事演習”を中止すると発表し、全員に不意討ちをくらわせたように見える。
 もしトランプが、この約束を守れば、それは、北朝鮮が核兵器廃棄の誓約を果たすという具体的な結果で、何十年にもわたる対立解決に成功するための鍵になるだろう。

 北朝鮮指導者金正恩との会談後、トランプがアメリカと韓国軍による年次合同軍事演習は平和的交流という新たな文脈には“挑発的”で“不適切”だと言及したのは意義深い。

 最近まで、トランプ政権は - それ以前のアメリカ政権同様 - 北朝鮮の核軍縮と引き換えの、朝鮮半島での軍事演習中止という互恵的な動きを検討することを拒否していた。

 今週、二人の指導者が、シンガポールのセントーサ島で歴史的な直接会談を行った際、トランプが、金委員長に対する個人的で自発的な友好のしるしとして、政策を放棄したように見える。

ペンタゴンさえ、アメリカ同盟国の日本や韓国同様、寝耳に水だったように見える。

マイク・ポンペオ国務長官は、その後、韓国と日本の外務大臣を訪問し、両者にアメリカの防衛協定“絶対的だ”と“保証”した。

しかしながら、年内に行う予定の共同軍事演習を中止するというトランプの声明から、ポンペオが、しり込みしなかったのは注目に値する。

 続く北京訪問では、朝鮮半島の非核化過程をやり遂げる上で、北朝鮮の“安全保障”が不可欠だという中国の王毅外務大臣が表明した立場を、ポンペオは受け入れた。

 これは要するに、トランプ政権が、事実上、中国とロシアが考え出した“お互いが凍結する”交換条件という処方箋を採用したことを意味している。

 この一年、北京とモスクワは、北朝鮮による核兵器廃棄の約束に、アメリカが軍隊を削減して応える、アメリカと北朝鮮との間の外交交渉の段階的手順を一貫して呼びかけていた。

 特に、年次合同軍事演習の問題は、長年北朝鮮要求の重要な核心だった。実際、北朝鮮にとってのみならず、隣国たる中国とロシアにとっても。

 朝鮮戦争(1950年-53年)終結以来、毎年、アメリカは“防衛演習”と称するもので、何万人もの兵士や戦艦や戦闘機を動員してきた。軍事演習は、年二回、 韓国軍と日本とともに行われてきた。

 朝鮮戦争が、平和条約によって、決して正式に終わったわけではなく、停戦協定しかないことを考えれば、北朝鮮側がこうした大規模作戦に不安を感じるのはもっともなのだ。演習では、爆撃演習出撃に、核兵器搭載可能な戦闘機が配備される。更に挑発的なのは、アメリカ率いる軍隊が、北朝鮮指導部を絶滅させることを狙った対北朝鮮“斬首攻撃”リハーサルを行っていることだ。

 北朝鮮の視点で見れば、この執拗な威嚇と脅迫という背景が、自衛と生き残りの問題として、北朝鮮が秘密の核兵器計画に乗り出す主なきっかけだったのだ。

 もしアメリカが、実存的脅威として受け取られている、アメリカの巨大軍事駐留を北朝鮮国境から取り除けば、北朝鮮にとって、核軍縮を本気で検討する機会になる。

 特に非核化過程での北朝鮮との信頼構築という現在の文脈で、こうした軍事演習がどれだけかく乱的か、トランプ大統領が遅ればせながらも気がついたのは立派なことだ。

 以前、1990年代、クリントン政権が、北朝鮮に核兵器開発やめさせようとして、アメリカ軍事演習が中止された。元国務省幹部ローレンス・ウィルカーソンによれば、次のGWブッシュ政権中に、アメリカが、平壌に対する財政的、技術的支援に関するある種の約束を撤回した。それが、北朝鮮が現在の指導者金正恩の下で核爆弾を製造する結果になった核開発計画を再開した大きな要因だった。

 公言した軍事演習中止を、トランプがやり通すかどうかはまだわからない。

 韓国駐留のあるアメリカ軍広報官が“演習中止指示を何も受けておらず、秋に計画されている共同演習は、違う指示が無い限り進める”と述べた言葉が引用されている。

 シンガポールにおけるトランプの突然の声明後、ペンタゴンは演習を中止する提案の相談を受けていなかったように見える。トランプに、ワシントンの軍事計画者連中に対し、彼の北朝鮮への提案を実行するだけの十分、実質的権限があるかどうかはまだわからない。

 ワシントンに圧力をかける地域のアメリカ同盟国という問題もある。シンガポール・サミット直後に、日本の小野寺五典防衛大臣は、アメリカ共同演習は“東アジアの安全保障に極めて重要だ”と述べて懸念を表明した。

 韓国は、より実際的な取り組み方をした。ペンタゴンと日本同様、ソウルもトランプの計画中止で不意打ちを食らったように見えた。だが文在寅大統領は、以来、韓国が“対話を推進する”ために、軍事演習の一時中止に賛同する用意があることを示唆している。

 トランプによる北朝鮮との取り組みで、最大の障害は、おそらく国内の政敵たちだ。彼と金との会談に対する、民主党と、反トランプ・マスコミの大部分の反応は否定的だった。大統領は、金に譲歩しすぎ、北朝鮮に“プロパガンダの勝利”を可能にしたかどで厳しい批判を浴びた。

 今後数カ月“北朝鮮の攻勢”に直面して“わが国の同盟諸国への支持”を実証する方法として、トランプに朝鮮半島での軍事演習を再開させるよう、マスコミ・キャンペーンが煽り立てられることが予想される。

 これは皮肉にも、互恵的和平協定を実現するために、トランプと金が一体なぜ密接に協力する必要があるのかを明確に示している。もし北朝鮮が、測定可能な軍備縮小過程を開始するという約束を果たし、トランプが安全保障で報いれば、過程全体は成功裏に前進が可能だ。

 韓国の文在寅大統領にも、演じるべき重要な役割がある。文大統領は、二つの分裂した朝鮮間の包括的和平合意と、半島の最終的な非核化に専心している。韓国大統領は、北朝鮮が安全保障を必要としており、それに値することを重々承知している。

 だから、韓国指導部が、軍事演習を中止するというトランプの分別ある呼びかけを支持することが予想できる。

 持続可能な和平合意に至る唯一の方法は、全当事者が敵意なくすことだというのは客観的な観察者なら誰でも容易に理解可能だ。

 その武力が、どういうわけか“防衛的”で“無害”だというのは、アメリカのうぬぼれた考えに過ぎない。もし平和のための建設的関与をしたいのであれば、アメリカは北朝鮮の不満が一体何なのかに耳を傾けねばならない。最大の不満のたねは、国境沿いで壮大な規模で活動するアメリカ軍による威嚇だ。

 トランプは本質を見抜いたようだ。大統領は北朝鮮側の一方的譲歩を要求する高圧的で横柄な姿勢を控えた。そういうやり方は役に立たず、爆発寸前の緊張に満ちている。

 北朝鮮に関しては二人いないとタンゴが踊れないのをトランプはとうとう理解したのだ。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、新聞ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。彼はほぼ20年以上、ミラー、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデントなどの大手マスコミで、編集者、著者として働いた。

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 本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/429776-trump-north-korea-deal/
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属国の証明をまた見せられた。宗主国大統領最大スポンサーのためのカジノ法案成立。

連中の政治に国民のためのものは何一つない。全て連中のスポンサーのため。
北朝鮮は信頼できないと、軍需産業しか見ない戦争大臣。

日刊IWJガイド「『瞬決』!ギャンブルを促進するカジノ法案が15日の衆議院内閣委員会で質疑を経ないまま可決!強行採決を超える『一瞬採決』!/政府予算の膨張には無関心の黒田東彦日銀総裁は、外国人労働者受け入れ拡大の政府方針を大歓迎!中央銀行の政府に対する自立性はどこへ!?」2018.6.16日号~No.2102号~

2018年6月14日 (木)

二サミット物語

Finian Cunningham
2018年6月12日
Strategic Culture Foundation

 世界秩序が我々の目の前で変化するのを見るのはほとんど超現実的な見ものだ。週末、欧米のG7サミットがとげとげしく崩壊する光景は、同時期に中国で開催された、前向きで、まばゆい上海協力機構会議とは著しい対照だった。

 週末にかけての、二つのサミットの物語が、世界秩序のこれまでにない歴史的変化をまざまざと実証している。主に中国とロシアが率いる新たな多国間パラダイムに道を譲って、アメリカ率いる欧米秩序は明らかに解体しつつある。可能性として、後者の軌道は、覇権と一極主義の野望が特徴の、必然的に紛争を醸成する古いアメリカが率いる秩序とは対照的に、本当の協力と、平和的関係が特徴だ。

 アメリカのドナルド・トランプ大統領の、突然かつ逆なでするような、カナダG7サミット離脱が多くを物語っている。週末にかけ、トランプは、他の欧米の指導者と日本の安倍首相様々な貿易紛争を巡って口論した。そしてトランプは、主催者であるカナダのジャスティン・トルドー首相を鼻であしらい、当てつけに、北朝鮮指導者の金正恩と会うべく、シンガポールに向かうため、会議から早めに去った。

 象徴的意味は包括的だ。まるで、アメリカ大統領が、遥かに重要な問題を追及しながら、無力なフォーラムを軽蔑しているかのようだった。トランプと金のシンガポールでの出会いも、新たな地政学的エネルギーという東方の勢いを物語っている。

 トランプは、北朝鮮指導者と会う初の現役アメリカ大統領だ。厳密に言えば、両国は、1950年-53年の戦争を終わらせる平和条約を決して調印していないので、依然戦争状態にある。この敵意も、今週もし二人の指導者が、朝鮮半島の兵力の段階的縮小をもたらせるような気が合う関係を作れれば、すっかり変わり得る。

 金は、予定されていた火曜日のトランプとの歴史的会談二日前にシンガポールに到着した。トランプは一日前に到着した。金は - 北朝鮮指導者として三度目と言われる - 極めてまれな海外旅行で、北京政府の好意で中国国際航空747に搭乗した。またもや象徴的意味は反響している。中国が二つの敵対国同士のこの極めて重要な出会いを実際上、促進していたのだ。

 G7サミットで、トランプが去った後に残ったのは厄介な大混乱だ。多国間合意に対するアメリカ大統領の高圧的な拒絶により、イギリス、ドイツ、フランス、カナダの指導者と欧州連合幹部は激怒していた。トランプは、アメリカ“同盟国’であるはずの国々を“不公平な”貿易関税に関する文句で粗野に威嚇した。貿易紛争で、一体誰が正しいのか知るのは困難だ。だか一つ明らかなことがある。約43年前に設定された、欧米諸国プラス日本のG7グループは、深い不満から、全くの混乱状態にあった。

 ケベック到着前、ワシントン出発時に、ロシアをG7に復帰させるべきだと発言して、トランプの好戦的な姿勢がサミットに悪影響を与えた。かつてのG8から、モスクワがウクライナの主権に干渉していることに関する当時の欧米による主張を巡り、2014年にロシアは追放された。

 他のG7加盟諸国、特にイギリスのテリーザ・メイ首相は、トランプのロシア招請提案に憤慨した。ローマの新政権がロシアとのヨーロッパの関係を回復したがっていることと首尾一貫して、イタリアの新人ポピュリスト首相ジュゼッペ・コンテだけが、トランプの立場に同意した。もう一つの明らかな兆しは、国際政治における東方に向かう動きだ。

 アメリカ大統領がG7サミットでにのんびり歩いていった際に出迎えたカナダのトルドー首相のボディ・ランゲージは、不本意と気まずさを示していた。週末は、口論と侮辱的言動へと成り下がった。トランプはトルドーを“不正直”で“弱い”とまで言った。一方、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、トランプに対し、以前にしたようなへつらうような男同士のかたい友情を見せなかった。マクロンは、アメリカ“覇権”抜きの新たなG6構造さえ主張した。

 中国におけるSCOサミットの展開との対照は実に大きい。習近平主席が、ロシア大統領のウラジーミル・プーチンやインドやパキスタンやカザフスタンやキルギスタンやタジキスタンやウズベキスタンやイランの指導者を温かく歓迎した。これら指導者の陽気なまとまりは、G7での不和と激論とは実に対照的だ。

 何十年もの戦争や紛争の後、インドとパキスタンがSCOの新たな二国として参加、同席したのは、新たな地政学的パラダイムが、東で立ち上がりつつあることを証明する強力な証拠だ。

 SCO加盟諸国は、経済発展と相互安全保障での提携の取り組みを倍加すると誓った。新世界秩序は、アメリカ率いる秩序の場合のように、一つの大国が、他の国々に対し、覇権を行使するのではなく、協力に基づくものを手招きしていると習主席は述べた。

 イランのハサン・ロウハーニー大統領は、習とプーチンが多国間の尊重に基づく新たな世界構造を構築する道を拓いていることに感謝の意を表した。イラン指導者は、トランプが一方的なアメリカ離脱で壊そうとしている国際核合意に対する不変の支持を中国とロシアに感謝した。ヨーロッパが核合意をしっかり支えるかどうかは見てみないとわからないが、今回のG7サミットで、トランプに抵抗する上での彼らの無力さが、彼らが誓った通りに献身する根性などないことを示唆している。

 SCO会議中の公式声明で、習とプーチンは、今週シンガポールでのトランプ-金会談は、二人が以前から支持していた、アメリカと北朝鮮間の平和的対話路線に沿ったものであることを適切に再認識させた。昨年、トランプと金が、核戦争で威嚇する激しい言葉のやりとりをした際、平和な対話こそ唯一の道だと忠告したのは中国とロシアだった。

 70年以上優勢だった第二次世界大戦後の欧米秩序は、明らかに衰えつつある。アメリカに支配されていたこの秩序は常に一種の幻想だった。互恵関係や高尚で高潔な主張からほど遠く、アメリカ率いる秩序は常にアメリカ資本主義と帝国主義の狙いの優勢が目的だ。

 ヨーロッパは決して本当の同盟国ではない。彼らはアメリカ権力の付属物だった。アメリカの権威が衰退している今、欧米内でのライバル関係が激化しつつある。アメリカの覇権支配願望は衰えつつある力により限定されており、ワシントンは、自分たちの本当の役割が属国に過ぎないことに今頃気づいた同盟諸国であるはずの国々に対し、一層あからさまな弱いものいじめ戦術を用いている。

 だがアメリカ一極“例外主義”は、グローバルな相互関連と、平等と外交の原則に対する自覚がある現代の世界では忌み嫌われている。

 中国とロシアは、習近平とウラジーミル・プーチンの指導の下、アメリカとそのお仲間欧米のおべっか使いのそれを越える政治的認識の進化段階にある。

 SCOサミットは、協力による進歩と平和のための新世界秩序を見事に実証している。小競り合いし、中傷しあうG7は、旧秩序の廃墟だ。

 とは言え、これが世界平和が勝利することを保証するわけではない。構想は確かに存在しており、中国とロシアや東半球の他の国々のおかげで成長しつつある。死につつある、アメリカ率いる資本主義覇権と帝国主義の欧米帝国を、いかにすれば、安全に平和な多国間互恵的関係に変えられるかが、非常に重要な課題だ。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、新聞ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。彼はほぼ20年以上、ミラー、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデントなどの大手マスコミで、編集者、著者として働いた。

 記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/06/11/trump-meets-kim-amid-shifting-world-order.html
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「日米基軸」幻想 (詩想社新書)を読んでいる。それで思いだしたのが、筆者のお一人、進藤榮一氏の「アジア力の世紀――どう生き抜くのか」 (岩波新書)の一節。アメリカン・フットボールと相撲を対比して、日米の外交戦略違いを浮き彫りにしておられるくだり。どちらも、現在、不祥事で注目されているのはただの偶然だろう。

国家の殺し方 オーストラリアがアメリカと結んだ破滅的な貿易協定』書評という記事翻訳のあとがきに、上記対比の一部を引用させて頂いた。お読み頂ければ幸い。

『国家の殺し方』、破滅的な貿易協定について書かれたものだが、今、まさに、その代表的なものが成立した。TPP11。こういうとんでもない法律については、一切論じないで、くだらない話題でゲラゲラ笑う大本営広報部痴呆番組洪水を見ていると、国まるごと「ナイアガラの滝壺に向かう遊覧船の中で、酒をのみながら、じゃれあっている観光客集団」に見えてくる。

ミサイルはもう飛んでこないと、ミサイルをあおった当人が言う一方、慎重にみきわめなければならないといって、イージス・アショア配備に邁進する戦争省幹部。マッチ・ポンプ属国。

日刊IWJガイド「TPP11が13日可決!関税収入激減の埋め合わせで増税!?/本日午後4時山田正彦氏らによるパネルディスカッション『水道法改正で何が起こるのか?公共インフラの民間委託は良いことなのか!? 水道法改正・PPP(公民連携)、PFI(民間資金活用)推進施策の問題点を指摘!』を再配信!/IR実施法案の採決は15日以降にずれ込む見込み! IR実施法の危険性は国内にとどまらない!? シオニスト養成にも関与!/本日と明日午後8時『カジノ構想で悪化する格差と貧困、依存症問題~カジノ・ギャンブル問題に詳しい新里宏二弁護士への岩上安身によるインタビュー』を2夜連続で再配信!/
<新記事紹介>【岩上安身のツイ録】非核化コスト200兆円は日韓が負担する!? 戦費の場合は900兆円!? 蚊帳の外に置かれたまま請求書を突きつけられた安倍総理以下日本政府は、なぜだんまりなのか!?」2018.6.14日号~No.2100号~

2018年5月25日 (金)

北朝鮮の頭に拳銃をつきつけるワシントン

Finian CUNNINGHAM
2018年5月22日

 ドナルド・トランプ大統領が、金正恩に対して異様な威嚇をした後、アメリカと北朝鮮との間の平和外交の見通しは突然打撃をこうむった。事実上、殺害の脅しだ。

 先週、トランプは、もし北朝鮮指導者が、ワシントンの完全非核化要求に従わなければ、金は“カダフィのような目にあう”と警告した。トランプは、もし核兵器を放棄しなければ、北朝鮮は“破壊される”とも言った。

 トランプの他国に対する暴力の言辞は、ほぼ間違いなく国際法と国連憲章違反だ。

 アメリカ大統領が北東アジアの国を犯罪的に恫喝したのは、これが初めてではない。昨年9月、彼は国連総会で、北朝鮮を“完全に破壊する”と演説していた。

 ところがアメリカ・マスコミは、更なる譲歩を引き出すため、腹黒く、“典型的なやり方で”交渉から後退していると北朝鮮を非難し、大統領の最新の騒ぎを歪曲している。

 ワシントンが北朝鮮の頭に拳銃をつきつけ、マフィア風に、“文句が言えないはずだと自分が考える提案”を平壌に押しつけている、火を見るよりも明らかな事実を、アメリカ・マスコミは無視している。

 6月12日、シンガポールで予定されている大いに期待されている、トランプ・金サミットが突然不透明になった。北朝鮮国営メディアが、もしアメリカが、平壌による一方的核軍縮を強く要求するなら、サミットはキャンセルすると警告した。

 トランプ政権は、シンガポール会談計画を継続していると言って対応した。だがサミットを順調に進めるため、北朝鮮の立場を保証するのに、アメリカと韓国当局者はおろおろしていると報じられている。トランプが彼の栄光の一瞬を奪われたくなくて躍起なのは確実だ。

 二つの進展が、ワシントンと交渉する北朝鮮の意欲を削いだのだ。トランプと金が、それまでの双方のけんか腰言辞をやめ、向かい合ってのサミットを行うことに合意した明らかに飛躍的前進した後、北朝鮮は冷めてしまった。

 ワシントンは、北朝鮮との交渉準備のガイドラインとして、“リビア・モデル”を考えていると言った国家安全保障問題担当補佐官ジョン・ボルトンの公的発言を平壌は引用した。ボルトンは、2003年-2004年、元リビア指導者ムアンマル・カダフィが、ジョージ・W ブッシュ政権をなだめるため、核兵器計画の一方的停止に同意したことを指していた。

 その七年後、カダフィ政権が違法なアメリカ-NATO戦争で、いかに打倒され、リビア指導者が街頭で殺害される結果になったのかを考えれば、これは陰険なタカ派ボルトンによる厚かましい基準点なのだ。

 北朝鮮は以前、保証無しに大量破壊兵器政策を放棄し、アメリカによる政権転覆攻撃にさらされることになった例として、リビアとイラクをあげていた。

 外交交渉のであるべきものを間近に、ブッシュ時代の悪名高い政権転覆立案者のジョン・ボルトンが、リビアを“モデル”だと、はっきり言及した以上、北朝鮮が、突然反発すると決めても、不思議はない。

 もう一つの展開は、今月行われた、アメリカ軍と同盟国韓国の年次軍事演習だ。現在、両国軍は北朝鮮国境近辺で、戦闘機と戦艦も参加しているとされる“マックス・サンダー”作戦を行っており、例によって、平壌にとっては、侵略準備のように見えている。一体どうして、それが北朝鮮にとって“信頼醸成”のはずがあるだろう?

 トランプとの会談は実現しないかもしれないと警告する中、進行中のアメリカ軍との共同演習をキャンセル理由として挙げ、先週突然、北朝鮮も韓国側との高水準の交渉をキャンセルした。軍事演習継続を巡り、北朝鮮は韓国は“愚かで無能だ”と酷評した。

 またしても、外交上のもう一つの劇的逆転だ。わずか数週間前、北朝鮮の金委員長は、朝鮮戦争(1950年-53年)終結以来、二国を分断している非武装地帯で、韓国の文在寅大統領と歴史的会談を行った。両指導者は、協力の新時代と、最終的に戦争を終結させるための正式な平和条約を調印する意図を明言した。

 北朝鮮の揺れに関する欧米マスコミの解釈は根拠がなく、不必要に身勝手だ。マスコミがほのめかしているように、平壌が心理戦を演じて譲歩を強要しているわけではない。

 これは、アメリカ合州国が、ワシントン側からのいかなる返礼も無しに、北朝鮮の一方的武装解除を期待するという本当に不届きな狙いをさらけ出していることの反映に過ぎない。つまり、降伏、投降を。

 この要求に加えて、北朝鮮が“安全”、つまり、無防備と見なされたら、ワシントンが政権転覆に向けて動くという極めて深刻な根本的な脅威がある。

 トランプが金委員長との“歴史的サミット”に熱心なのは、双方の和平合意を求めるためではない。不動産界の大物出身の大統領は、派手な見せ物と、虚栄心からの成功しか考えていない。自分がいかにノーベル平和賞に相応しいかとまで、彼は語っている。

 もちろん、世界中に放映される金との握手は、トランプのうぬぼれと、元リアリティーテレビ番組TVスターの視聴率への渇望に大いに役立つだろう。

 トランプが、先週、北朝鮮を安心させようとして、“アメリカは、リビア・モデルを使わない”と言って、ボルトンを、たたき返したように見えた理由はこれだ。

 ところがトランプは、同時に、北朝鮮は、核兵器を放棄しなければ、リビア同様の結果になるとまで、とっぴに言って、さらにへまをやらかした。

 道徳的にボロボロの戦争屋ジョン・ボルトンがいて、CIA拷問を支持するマイク・ポンペオが国務長官であることが、北朝鮮が、提案されている会談に背を向けつつあるように見える、極めて妥当な理由だ。

 更に、トランプが無知と粗野な本能をさらけ出しているのだから、これまた、平壌が警戒する、至極もっともな理由だ。

 朝鮮半島の平和は多国間の等式だ。北朝鮮による核兵器放棄は、等式の片側に過ぎない。式のもう一方の不可欠な側は、ワシントンによる軍隊撤退、平壌との平和保証調印、経済戦争を終わらせ、二つの朝鮮が干渉されずに和解を追求するのを可能にすることだ。

 しかし、このコラムで以前書いた通り、ロシアと中国に対し、兵力を維持するアジア-太平洋でワシントンの戦略的権益は極めて大きく、朝鮮半島における本当の和平合意への同意は、アメリカにとって、受け入れ難いものなのだ。

 上っ面のアメリカ外交の下にあるワシントンの真意はアメリカ政府に対する北朝鮮の降伏だ。

 “交渉しろ、さもないと”と北朝鮮に言うのは、頭に銃を突きつけるようなものだ。多少とも自尊心がある国なら応じるはずがない。

 ワシントンの不誠実さと、自分の義務に関する傲慢な無知に対して、平壌がワシントンに素っ気ない態度を取って至極当然だ。トランプが、イラン核合意で後戻りしたのも、北朝鮮にとって、もう一つの教訓的実例だ。

 だが不気味なことに、アメリカ政府は、自分の鼻をつねられた後、極めて汚らしいことをしようとしているようだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/05/22/washington-holds-gun-north-korea-head.html
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2018年5月8日に翻訳した記事「帝国の征服への道: 和平と軍縮協定」が気になっていた。「北朝鮮の言い方がひどかった」というような趣旨のことを大本営広報部解説者が言っていた。「帝国の征服への道: 和平と軍縮協定」のような指摘を決してしないのがお仕事。

話題の広報担当、通信社元論説委員長というのに驚いた。本当だろうか。
事実の解明ではなく、支配体制維持がお仕事という小生の偏見・被害妄想、本当かも?

日刊IWJガイド・番組表「【速報】トランプ大統領が金正恩委員長に米朝首脳会談の中止を通告!! 米国は金正恩委員長に宛てた書簡で『我々が保有する核の力』を誇示!?/米朝首脳会談が中止になる予兆があった!? 北朝鮮が宣言通りに核実験場を廃棄しながらも、米国は米朝首脳会談の中止を通告!/突然の会談中止通告に当惑しながらも、韓国・文在寅大統領は『問題解決のため努力してきた当事者たちの真心は変わっていない』/大新聞がろくに報じない! ポンぺオ米国務長官がイランに12カ条の要求! それを『ナンセンス』と評したロシアは一枚も二枚も上手!?/
財務省が提出した記録からは、籠池泰典氏が『いい土地ですから前に進めてください』という安倍昭恵氏の言葉を近畿財務局に伝えた日の記録が抜けている! 玉木雄一郎議員は『今回出てきていないもの』に意味があるとツイート!」2018.5.25日号~No.2080号~

2018年5月17日 (木)

大量虐殺と占領と、より広範な戦争をもたらすアメリカのエルサレム大使館

Finian Cunningham
2018年5月14日
RT
公開日時: 2018年5月14日 16:13
編集日時: 2018年5月14日 16:13

なんと忌まわしいほど皮肉なことだろう。大使館は、伝統的に、外交と平和の象徴だ。エルサレムのアメリカ大使館開設は、パレスチナ人殺戮という奇怪な洗礼を招き、中東における、より広範な戦争の到来を告げている。

それだけでなく、前世紀の民族浄化と土地や家からの追い立てのもっとも恥ずべき出来事の一つ、1948年のナクバ、パレスチナ人にとって「大災厄の日」のまさに70周年に、アメリカ政府は、あの歴史的暴力の後継者イスラエルの味方にぬけぬけとついている。

トランプは、いかなる羞恥心もかなぐり捨てて、イスラエルによるアラブ人の歴史的権利侵害を是認し、地域紛争を煽動している。

恐怖を表現するのは困難だ。イスラエル狙撃兵が、ガザで非武装パレスチナ人抗議行動参加者を銃撃する中、約100キロ離れたエルサレムでは、アメリカの要人や、福音派の牧師たちが、ワシントンの新大使館開設を '神の仕事'として祝福していた。

アメリカのドナルド・トランプ大統領の中東政策は、もしそれを "政策"と呼べるとすれば、完全な狂気に成り下がっている。大半のヨーロッパ諸国が、新外交センター除幕のアメリカ歓迎レセプションを欠席したのも不思議ではない。

トランプは、パレスチナ-イスラエル和平を無謀に無視して、地域を大虐殺へと陥れた。今週、パレスチナや、より広範なアラブ地域を扇動的に無視した後、イラン核合意へのアメリカの義務を破棄が続いた。この国際条約違反後、もしこの合意が崩壊すれば、中東における更なる不安定と、戦争さえ引き起しかねないので、ヨーロッパ、ロシア、中国とイランの外交官がは合意を救うべく急遽出動した。

12月に、トランプがアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移動すると発表した際は、国連で厳しく非難された。この動きは、エルサレム和平交渉の結果がでるまでは、パレスチナとイスラエルの共有の首都であるべきだという何十年もの国際合意違反だ。

トランプは、彼の決定は単に "現実の反映"にすぎないと述べた。皮肉なことに、アメリカが、イスラエルによる違法なパレスチナ領土占領の黙諾したこと意味する。

公平のために言っておくと、ワシントンによる大使館のエルサレム移転決定は、20年以上前の、1995年に行われた。クリントン、GW ブッシュと、オバマ大統領は、そのような動きは、和平交渉の進展次第だと主張して、実際の行動を、遅らせることを選んでいた。トランプは、今回、既に有効な法律を行動に移したのだ。

しかし彼の宣言は、アメリカが、イスラエルとパレスチナとの間の"公正な調停者"といういかなる装いも投げ捨てたことを意味する。パレスチナ指導部の反感は激しく、現在、アメリカ当局者と会うことさえ拒否している。

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'偉大な平和の日' に、アメリカがエルサレム大使館を開設する中、何十人ものパレスチナ人が射殺される。

逆説的に、トランプは、状況を明らかにするのに貢献している。アメリカは、イスラエルによるパレスチナ領土征服とパレスチナ人弾圧を公然と支持している。今や、ワシントンは、調停の見せかけに隠れるのではなく、あからさまに犯罪的イスラエル政策に加担している。

今週、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、 "イスラエルを再び偉大した"ことで、トランプを称賛した。いつもの厚かましさで、ネタニヤフは、アメリカ大使館のテルアビブからエルサレムへの移転は、平和を促進すると、ばからしい主張をし、他の国々も後に続くよう強く促した。

既にアメリカ政策で証明されている通り、不条理な論理で、パレスチナとイスラエルとの間のあらゆる和平の機会は、徹底的に破壊されている。

イスラエルの容赦のない占領の下で、パレスチナ人がさらされている地獄のような状況が、イスラエル狙撃兵の銃撃を浴びながら何千人もが並ぶという自暴自棄の行為に彼らを追いやっている。

ガザ住民が "帰還大行進"を開始して以来、過去6週間で、約50人の非武装抗議行動参加者がイスラエルの実弾発射で殺害された。アメリカ大使館開設の日、エルサレムでの式典から数時間のうちに、更に何十人もの一般市民が射殺された。

イスラエル司令官は、射殺戦術を行っていて、兵士はイスラエル占領地域とガザ東国境の分離壁にあえて近づこうとする子供すら標的にしていることをあっさり認めている。

ガザ抗議行動は、残虐な占領と、住民が、エルサレム内も含め、もとの家に帰還するのを阻止していることに対する彼らの絶望的な嘆願を強調すべく、普通のパレスチナ人が組織したものだ。約70パーセントのガザ住民は、1948年の大虐殺と、後の1967年戦争で、イスラエル入植者に家を追われた難民の子孫だ。

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ガザでの大虐殺のさなか、エルサレムでの大使館開設に焦点を当てるアメリカ・メディア

国連が違法と規定しているイスラエルによる包囲のもとで、ガザ住民は、海岸沿いの細長い地域から出ることを阻止されている。約200万人の人々 - その半分が18才未満  - は住めない環境の中で生きている。90パーセント以上のガザの水道は汚染されており、電気は、一日にわずか数時間しか使えず、漁師は生活排水が海に直接流れ込んでいる岸から数マイル以上先に出るのを禁止されている。

アメリカ人歴史学者ノーマン・フィンケルシュタインが指摘している通り、ガザは、軍事占領、非人間的封鎖、イスラエル軍が何のおとがめもなく行う大量虐殺にさいなまれており、子供たちは毒を盛られている。最近の抗議行動で、大量殺害が行われているのは、この文脈だ。

これら抗議行動は、1948年5月14日、イスラエルが建国を宣言した70周年に合わせて、計画された。翌日の5月15日は、パレスチナ人や世界中の支持者たちが、むしろ注目したがっている、ナクバ、「大災厄の日」だ。

今週エルサレムでのアメリカ大使館開設というトランプの決定ほど、挑発的で、常軌を犯罪的に逸したものはない。

これは実際、パレスチナと、より広いアラブ地域に対する70年間の残虐な弾圧をアメリカが支持しているというお話にならぬほど無神経な誇示だ。

エルサレムは、イスラム教徒とキリスト教徒にとっての聖地とみなされている。この都市は、ユダヤ人・イスラエル国家の"分割されない首都" だというイスラエルの宣言へのワシントンによる同意は、何億人もの他の信仰の人々にとって、言語道断の打撃だ。正義と、道徳と、長年苦しむパレスチナ人に対する思いやりの原則に基づく普通の世論に対する破壊的打撃でもある。

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アメリカは、パレスチナ人の死には全く無関心 - 元国連人権委員会職員がRTに語る。

パレスチナ人の窮状に、ヨーロッパは大きな責任がある。2006年に、ハマースが議会選挙で勝利した後、EUもアメリカも、イスラエル国家承認を拒否していることを理由に、ハマース新政府制裁に動いた。トランプの下で、アメリカの方がより厚かましく加担しているように見えるとは言え、EUとアメリカによる加担を得て、イスラエルによるガザ封鎖は行われているのだ。

ヨーロッパ政府は、パレスチナ人の権利や国際法に対するトランプの露骨な軽視に当惑しているのかも知れない。だが彼らは、イスラエル占領を支援し、サウジアラビアのような反動的アラブ傀儡政権を支援し、違法な戦争や政権転覆作戦を煽るワシントン政策に迎合して、中東における現在の荒廃に寄与してきたのだ。

トランプの衝動的な振る舞いや無知が - シェルドン・アデルソンのような裕福なユダヤ系アメリカ人からの何百万ドルもの寄付で励まされているのだろうが - 彼らの権利に対する彼の傲慢な無関心から、アメリカにアラブの大衆と正面から衝突する路線を進ませている。まるで、これ以上燃えやすく、できないかのように、トランプは、核合意妨害で実証されている通り、イスラエル-サウジアラビア独裁者連中と全く同じ、イランに対する敵意というという策略を推進している。

ヨーロッパは余りにも長きにわたり、難破船、つまりアメリカ中東政策に自分の体を縛りつけてきた。もし中東における爆発的な暴力や紛争を避けたいのであれば、確かにヨーロッパ政府はそろそろ気づき、アメリカ難破船を見限り、自立した外交政策の主張を始めるべきなのだ。

長年無視されてきたパレスチナ人の権利を支持する本当の和平プロセスと、イラン核合意を崩壊させようというアメリカの企みを拒絶することが、ヨーロッパ人にとって、手遅れになる前に、多少の正気と尊敬を、徐々に取り戻すための、二つの喫緊の課題だ。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。20年以上、ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は編集者、著者として働いた。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/426680-jerusalem-embassy-palestine-violence/
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日刊IWJガイド・番組表「5月15日『ナクバ(大災厄)』の日に、イスラエル軍の攻撃で生後8ヶ月の尊い命が犠牲に…本日午後1時30分から、『トランプ政権の中東政策は選挙対策!? 岩上安身による国際政治学者・高橋和夫・放送大学名誉教授インタビュー』を配信/16日開催予定の南北閣僚級会談が北朝鮮側の通知により突如中止に! 背景に米韓合同空軍演習!? 抑止論に固執する米軍と日本!/その数約13万件!組織的『懲戒請求』で当事者の嶋崎量(ちから)弁護士にIWJが直撃取材! 真摯な謝罪がなければ賠償請求へ!! 発信源は刑事告訴も!?/
<新記事紹介>公有財産をめぐり麻生財務相の周辺でも疑惑が! 麻生グループ傘下企業への不自然な無償貸し付けを福岡県飯塚市議・川上直喜氏が追及!川上市議にIWJが直撃取材!/大学アメフトの名門、日大フェニックス選手が関学大ファイターズのQBに悪質タックル! 関学大の抗議に日大は!? IWJは本日午後1時30分より関学大による記者会見を中継!」2018.5.17日号~No.2072号~

2018年5月 4日 (金)

ダマスカスは、21世紀のサラエボ?

Finian Cunningham
2018年4月30日
Strategic Culture Foundation

アメリカ人歴史家ダニエル・ラザールが、最近のインタビューで警告したように、ダマスカスが21世紀のサラエボになる運命を避けられるよう願うばかりだ。

サラエボは、1914年、1000万人以上の死者をもたらした第一次世界大戦を引き起こしたきっかけと同義だ。これによって、大量破壊戦争という現代の悪魔が生まれたのだ。

4月14日のアメリカとフランスとイギリスによる空爆は“アメリカ軍による遥かに攻撃的な対シリア作戦の第一歩 ”に過ぎないと、ラザールは主張している

彼は更に書いている。“アメリカはシリアから撤退できない。アメリカは決して、シリアから撤退するまい。アメリカ軍による、より大規模な侵略が行われる… ダマスカスは21世紀のサラエボだ。”

歴史が、そのまま正確に繰り返すことは稀だ。しかし歴史は確かに、言ってみれば韻を踏む、つまりよく似たパターンの繰り返しは識別することが可能だ。

最初の世界規模、産業規模の戦争が1918年に終わって、きっかり一世紀、同様な戦争がシリアで勃発する本当の危険が存在している。ただし、もしそのようなことが起きれば、交戦国となる可能性がある国々が核兵器を保有していることを考えると、エスカレーションの危険はずっと大きい。

歴史が繰り返したり、韻を踏んだりすることが不可避だという訳ではない。シリアの7年にわたる戦争が国際的な戦争に発展することが不可避だという訳ではない。とは言え、危険は差し迫っている。

1914年のサラエボ同様、ライバル大国間で、配置は急に拡大しつつある。各国の軍隊が詰まった火薬だるに点火するには、火花一つで十分なのだ。

そうした火花の一つが、今月初めのアメリカ、フランスとイギリスによるシリア空爆だった。4月7日のダマスカス付近での化学兵器攻撃事件に報復するという口実とされるものが明らかに詐欺的なので、シリアと同盟国のロシアとイランは、この軍事攻撃を、侵略、国際法違反だと強く非難した。

シリアで迫り来る戦争の悲劇は、その結果が実に恐ろしいものになりかねないのがわかっているので、最終的に全面戦争になるのを望む政治家や国民はほとんど皆無なことだ。

シリアにおいて、いかなる偶発的衝突も避けるため、アメリカとロシアの軍司令部が緊密な連絡を維持しており、衝突を避けていると信じる十分な理由がある。

ロシア・マスコミの長いインタビューで、セルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワは、ワシントンに対し、シリア国内の“越えてはならない一線”について警告し、今月初めに空爆を行った際、アメリカ側がそれを順守したと述べた。犠牲者はなく、損害が最少だったことが、空爆が、何らかの実際の軍事目的というより、見せびらかすためのものだったことを示唆している。

ラブロフ外務大臣は、現在のアメリカとロシアの指導部が、シリアにおける対立のエスカレーションを許すはずがないと確信しているとも述べた。

外務大臣はこう述べた。“軍事的対立のリスクについて言えば、各国軍隊は、そういうことを許さないし、もちろんプーチン大統領もトランプ大統領も許さないと私は固く信じています。結局、彼らは、国民に選ばれ、国民気平和に責任を負う指導者なのです。”

とはいえ、サラエボの例えの話に戻ると、やっかいで複雑なのは、各軍隊の配置のおかげで、指導者たちが道理をわきまえて語っていることを、戦争の論理が覆しかねないことだ。1914年当時のヨーロッパ指導者たちは、出来事が、制御できない壊滅的な形で展開することを望んでも、予想してもいなかったと言っておくのが公正だろう。

現在、シリアでは、アメリカ、フランスとイギリス軍が、地上と空で活動している。アメリカ航空母艦戦闘群が、シリア攻撃可能距離の地中海に到着した。トルコを含むこれらNATO軍の全てが、違法にシリアを脅かしているのだ言わねばならない。

シリアを脅かしている最近のNATO軍事力強化は、7年間の戦争後、連中の代理テロ集団が、打ち破られた結果であることにほとんど疑念はないようだ。あの戦略的敗北は、ダマスカスの合法的な救援要求を受けた後、同盟国シリア側に立ってのロシアとイランの介入のおかげだったと言えよう。

トランプ大統領は最近シリアからのアメリカ軍撤退について語っている。ペンタゴンがまさに、その逆をすると固く決意していることからして、トランプの無意味な大言壮語という可能性がある。また、もしトランプが、アメリカ軍のシリア駐留を多少縮小できた場合、彼は、これら部隊を、サウジアラビアや他の湾岸アラブ諸国政権の軍部隊で置き換えたり、悪名高いブラックウオーター・アメリカ創設者であるお友達エリック・プリンス管理下の民間傭兵を契約したりしたいと述べている。

また、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、今週、イラン軍が、ダマスカスの要求の下、合法的にシリアに駐留している事実にもかかわらず、また、政権転覆のため、テロリスト代理軍を使った、欧米が支援する秘密戦争を、イランはロシアと共に打ち破るのを支援した事実にもかかわらず、イランの影響力が強化するのを欧米諸国は許さないと警告して、アメリカ軍のシリア駐留を維持するよう、トランプに強く促した。マクロンの全くの傲慢さ!

可燃混合気を更にあおっているのは、アメリカ率いる今後のあらゆるシリア空爆に進んで加わりたいと言っているサウジアラビアとイスラエルだ。

サウジアラビアとイスラエルが、自分たちの宿敵だと異常なまでに見なしているイランと戦争をしたくてうずうずしているのは明らかに見える。

4月14日のアメリカ率いる空爆の一週間前、4月8日、イスラエルが空中発射したミサイルが中央シリアのT-4空軍基地に命中するという遥かに危険な出来事が起きていた。死者の中には7人のイラン人顧問がいた。これも火薬だるに飛び散るもう一つの火花だった。

今週、イラン国家安全保障委員会委員長アリ・シャムハニは、イスラエルによる言語道断な戦争行為に対する“結果と報復措置”を警告した

イランによるこの正当な自己防衛の声明に応えて、イスラエルのアヴィグドール・リーベルマン国防相は “イスラエルは戦争を好まないが、もしイランがテルアビブを攻撃すれば、我々は テヘランを攻撃する。”と厚かましくも述べている

リーベルマンの傲慢な不合理さはさておき、彼の声明が意味するところは、シリアとイランに対する更なる侵略の口実をイスラエルに与えるための偽旗事件が強く要求されているということだ。

シリアにおける危険は、兵力が集中していることだけでなく、様々な可動部品の力学だ。イスラエルとイランが関わる出来事が、対立する同盟諸国軍隊に大きな影響を与える爆発の引火点になりかねない。

アメリカとロシアの政治家や軍幹部には全面戦争の意図は皆無かも知れない。彼らはそのようなシナリオを本気で忌み嫌ってさえいるかも知れない。

だがそれこそがダニエル・ラザールが引き合いに出したサラエボの比喩が当たっている理由だ。善意にもかかわらず、諸般の状況から不可避的に破滅的結果が生まれかねないのだ。

これこそが、幾つかの国連決議が要求している通り、シリア内の全ての軍隊が撤退し、自決という政治過程を、シリアに追求させることが必須な理由だ。

何よりもまず、法的、道徳的責任として、アメリカ、フランスとイギリスは軍部隊を撤退し、シリアへの介入を停止することだ。彼らは結局、違法駐留しているのだ。

ところが不気味にも、NATO同盟諸国は国際法を順守する気がないようだ。連中は無謀にも火薬だるを積み上げている。実に恥ずべきことに、国連も欧州連合も、ワシントンと、その同盟諸国のけんか腰を黙認し、意気地なく加担している。国連とEUは、NATO大国諸国に、シリアに対する連中の違法行為を止めるよう、はっきり要求すべきなのだ。ところが、そうはしない。臆病な沈黙だ。

この点で、恐ろしいことに、ダマスカスは益々1914年のサラエボのように見えてくる。

それにもかかわらず、初期キリスト教徒を大量殺害したユダヤ人のサウルが、ある時、神の正しさを示す“天からの光を見て”邪悪な行為を止め、平和を愛するパウロとなった物語の通り、このシリアの都市は“回心”と“悔悛”と同義でもあることを想起しよう。

しかしながら、アメリカが率いるNATO同盟中の傲慢で欺瞞的な大量殺人犯連中の、そのような時宜を得た回心はありそうもないようだ。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。20年以上、ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は編集者、著者として働いた。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/04/30/damascus-sarajevo-of-21-century.html
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タレントのセクハラ行為は大騒ぎするが、226や515を連想させる自衛隊幹部の暴言については、何の追求もしない大本営広報部の沈黙は不気味。

斉藤貴男著『戦争経済大国』にあるとおりの状況。

『戦争経済大国』168~169ページに、朝鮮戦争勃発の当時、保守系政治家がマッカーサーに送った手紙が引用されている。

 私の提案は義勇防衛軍を直ちに組織することを要請するものであります。隊員は日本人により構成され、米軍の指揮下で日本の国内の安定化にあたり、必要とあらば合衆国と国連に加担して共産主義との戦いに参加するというものです。
 合衆国の日本占領は世界史の中でも他に類を見ない独特の現象です。高度の理想と民主主義の伝統、更には自由な制度の教義に基づき被占領民に対しこのような同情と思いやりの上に立った占領方針の実施は、古今東西に類を見ないものであります。日本国民の間に湧き起ったマッカーサー元帥への大いなる賛美と尊敬の念、そして信頼感はそこに根づいています。
 今や隣の朝鮮に戦争が起こりました。日本に居た米軍団は朝鮮に投入され、共産主義の侵略に対して生命を犠牲にして戦っております。私たちにとってこのような事態を腕をこまぬき傍観者の立場から見ていることはとても耐えられません。(中略)
出来るだけ早く義勇軍を組織することを私が主張する理由の一つに、この制度の下では諜報活動が大いに改善されると考えていることがあります。この組織を日本政府のみならず、米国側でも利用することによって、反乱の危機を前もって察知し対処することが可能となるでしょう。(原文は英語。袖井林二郎訳)

日付は1950年7月28日。
手紙の主は世耕弘一。現在の自民党広報部長の祖父だ。

「あとがき」には、下記文章と、ラティモアの著書からの引用がある。

取材の過程で「読むといい」と教えていただいたアメリカの中国学者オーウェン・ラティモア(1900~89)が1948年に著した『アジアの情勢』(小川修訳、河出書房、1953年)にあった以下の分析通りの状況が、70年の時を隔てて、完全に的中してしまいつつあることに、堪らなくなったためだ。

 (アメリカの対日政策における)仮説の連鎖の第一環は、日本をアジアの工場とロシアに対する防壁とに仕立て上げることができる、という考えである。この仮説は、アメリカの政策の道具としての日本は、イギリスとドイツとネパール王国とがもつすべての価値を、一身に兼ね備えているというおどろくべき理論の上に立っているのだ。(中略)
 インドから独立しており、インドとイギリスに凶暴なグルカ人傭兵を供給しているネパール王国と同じように、うまれつき訓練された日本人は、「伝統的に反ロシア的」であるから、時とともに、独自の政治をもたず、自国の「作業場」をまかなってくれるアメリカに対して堅い忠誠を致すところの、新しい種類の植民地軍隊を供給する国となるだろう、と期待されているのである。

連休中の大本営広報部白痴製造装置、音声をけしたままでも、見るのがいやになってきた。

大本営広報部ではなく、下記インタビューを拝見したいと思う。

日刊IWJガイド「森友問題での告発を受け大阪地検特捜部が迫田英典・元国税庁長官を任意聴取!/トランプ大統領がイラン核合意から離脱する意思を固めた!? 朝鮮半島の緊張緩和ムードに水を差す中東情勢の緊張!/世界最大の軍事戦略研究所、CSISが子宮頸がんワクチン接種再開を求める不可解! 『HANS(子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群)の問題は,現在の医学・医療に対する告発だ! 子宮頸がんワクチン重篤副反応被害と向き合う』明日午後2時30分より、岩上安身による 小児科医・横浜市立大学名誉教授 横田俊平氏インタビューをお送りします!/
平和か戦争か!? 運命の前夜の韓国へIWJ記者を特派!10夜配信シリーズ特集・第三夜~『韓半島の平和と日本の平和憲法擁護のための韓日市民平和会議・第3セッション』を午後5時より録画配信!」2018.5.4日号~No.2059号~

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