Finian Cunningham

2017年2月17日 (金)

フリンの首が飛んだ。次はトランプの番?


Finian CUNNINGHAM
2017年2月15日
Strategic Culture Foundation

トランプが大統領に就任してわずか三週間で、トランプの国家安全保障顧問マイケル・フリンの辞任を強いて、ワシントン既成支配体制のトランプの政敵は大成功を収めた。国家諜報機関や、彼らと足並みを揃える大手商業マスコミを含む既成支配体制は、昨年11月の彼の衝撃的当選以来、ずっとトランプを追っていたのだ。

これはトランプ・ホワイト・ハウス中枢に対する途方もない大打撃だ。今週のアメリカ・マスコミのフリン辞任報道には、紛れもない勝利に酔いしれる雰囲気がある。水槽中のサメのように、連中は血の匂いを嗅ぎつけるのだ。

トランプ政権への移行期間中に、ロシアのセルゲイ・キスリャク大使と彼がした電話会話に関して、彼は真実を話していなかったという、ワシントン・ポストや他紙の報道の後、フリンは辞任せざるを得なかった。フリンは、12月末に電話したことは否定しなかったが、アメリカの対ロシア経済制裁という話題は話し合わなかったと主張していた。

アメリカ・マスコミが、フリンに対するしつこい非難を決してあきらめなかったことは、この件に関する彼らの確信が諜報機関筋に裏書きされていたのを示している。言い方を変えれば、これは個人情報の違法な開示に基づく、諜報機関が率いた魔女狩りだ。

経済制裁については話し合わず、ロシア人外交官との会話は、季節の挨拶と、トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領との間で予定されていた電話会談、最終的に1月28日に行われた電話会談の準備に関するものだけだったとフリンはマイク・ペンス副大統領に報告していた。

電話会話にはなんら厄介なことはなかったとマスコミに語り、ペンスは当初フリンを擁護していた。

法律的に、民間のアメリカ国民として - フリンは、トランプが1月10日に大統領に就任するまでの当時の段階では - 仮定の公式的立場で、外国と政府政策に関して話すことは許されていない。

FBI捜査と、ワシントン・ポストが引用したアメリカ高官たちによれば、どうやらフリンとキスリャク大使の間で、経済制裁の件が話し合われていたらしいことが判明した。ロシアは電話会話の内容についてコメントすることを拒否した。

フリンは一体何を考えていたのだろう? オバマ政権の一時期、彼は16のアメリカ・スパイ組織の一つ国防情報局の局長を務めたことかあるのだ。アメリカの国家監視の実態に関する彼の専門知識からして、フリンが、ワシントン駐在のロシア人外交幹部と、彼の当時の権限を越える国家安全保障問題に関する電話会話をするほど無謀だったとは信じがたいことだ。

特に、ロシアとのつながりとされるものを巡って、既にマスコミによる厳重な監視下にあったドナルド・トランプ新大統領の国家安全保障顧問の職に、フリンが間もなく就任することを考えれば。

フリンは、電話会話をしたのみならず、オバマが課したアメリカによる経済制裁が、トランプ政権下でいかにして解除されるかという話題を切り出した可能性も高い。フリンが、アメリカ諜報機関に一言一句録音されていることを理解していなかったのは、彼にしては信じがたい判断の誤りだ。

問題の電話会話は、ロシア人ハッカー大統領選挙に干渉したとされることを巡り、オバマが、何人かのロシア人外交官を国外追放した時期に起きていた。ロシアが国家としてハッキングを支援したというこの主張は決して証明されていない。

ワシントン・ポストの報道の仕方は、ロシア ウラジーミル・プーチン大統領が、12月29日に発表されたオバマの経済制裁には応酬せずに、アメリカ人の楽しいクリスマスを祈ると答えることを選んだことに、アメリカ諜報機関当局者は驚愕したというものだ。

ボスト紙によれば、アメリカ諜報機関は、プーチンが予想外の対応をしたことの理由を調べ始め、彼らの推定上の答えを、フリンのロシア大使への電話で発見したのだ。フリンは、ロシア外交官に、退任するオバマ政権が課した新経済制裁は、トランプによって、しかるべく解除されることを示唆したとされている。

しかし、アメリカ諜報機関工作員たちは、遡及的なスパイの無作為探索などをするわけはなく、連中はフリンにずっと狙いを定めていて、ロシア大使とのこの電話会話を盗聴したという方が、ずっとありそうな筋だ。

今週、ワシントン・ポストが当てつけがましく書いている通り、オバマの経済制裁に対して報復的行動をとらないことで、トランプはすぐさまプーチンを称賛した。

ここで推論されているのは、トランプの指示の下で、フリンはロシア人との仲介者として行動していたということだ。

“現役幹部も元幹部も、ペンス[副大統領]は欺かれていたと考えてはいるが、フリンとロシア大使とのやりとり内容に関しては、移行チームの他の連中がそれを知っている中で、フリンが動いていた可能性も排除できない”とワシントン・ポストは報じている。

トランプ政権は、既に、国務省、外交政策シンクタンク、諜報-軍事機構や、彼らと足並みを揃える商業マスコミなどのワシントン既成支配体制の間で深刻な困惑を引き起こしてきた。11月8日の当選前と後における、ロシアとの関係を正常化するというトランプの公然の意図は、モスクワに対する敵意を醸成するというワシントン長年の地政学的-戦略的な狙いと対立していた。

トランプ・ホワイト・ハウスにおける、ロシアとの関係正常化の有力な唱導者だったマイケル・フリンが辞任に追い込まれたことは、トランプに対して、ロシアを巡って、アメリカの陰の政府工作員が与えた、大いに期待されていた打撃と見なすことが可能だ。

フリンが、おとり捜査にはめられたことにほとんど疑いの余地はない。唯一不思議なのは、彼がまんまとわなにはまったように見えることだ。

フリンの頭皮を剥いだトランプの政敵は、それでは止めない可能性が極めて高い。めざす本山はトランプ本人、敵国と共謀したかどでの弾劾で彼を大統領の座から追放することだ。

アメリカ・マスコミのフリンを巡る大宣伝は違法にロシア人と、接触する許可を彼に与えた人物としてトランプを糾弾する運動の始まりにすぎない。

特に彼の“友好的”ロシア政策が、モスクワへの敵意で夢中になっている権力者たちと食い違っていることを巡り、トランプに対するアメリカ陰の政府によるソフトなクーデターは、だいぶ前から憶測されていた。トランプ政権内部の無能さが、彼をホワイト・ハウスから追い出すという狙いのまさに思うつぼになっているように見える。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/02/15/flynn-head-rolls-trump-next.html
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大本営広報部が熱心報道することがらと中身と、小生の個人的関心、一致することはほとんどない。
最近では、その一つは「瑞穂の國記念小學院」と「塚本幼稚園」。大本営広報部、真面目に報じているのだろうか?
もう一つは、福島原発事故後の、母子避難問題。来月いっぱいで住宅の無償提供は打ち切られる。横浜イジメ問題は多少報じるが、そのもとになっている避難問題を、本格的に報じている大本営広報部、皆無なのでは?

そこで今朝の日刊IWJガイドの一部を引用させていただこう。

さて皆さん、昨日配信した岩上さんによる『ルポ母子避難――消されゆく原発事故被害者』(岩波新書)著者・吉田千亜さんインタビューはご覧いただけたでしょうか?日中の午後2時からという時間帯だったため、見逃した方もいらっしゃるかもしれません。動画は早速アップしたので、後ほどURLをご紹介します。

 初めてお会いした吉田さんは、すらりと長身で口調がとても穏やかな、とても素敵なお方でした。福島第一原発事故以降、避難を続ける方々から相談を受けることもあるそうですが、確かにずっと話をしていたくなるような、包み込むような雰囲気をお持ちの方でした。

 「うちの管轄じゃない」「そっちでやれ」と、国や県、自治体同士が責任を押しつけ合ってきた原発事故被害者支援。国も行政も自分たち避難者を親身になって助けてくれようとはしない、この6年の間、「自主避難者」の方たちはどれだけその冷たさを痛感してきたでしょうか。

 健康被害から守るために避難させた子供が、避難先でいじめを受けたという話もあちこちで聞きます。横浜では150万円という多額の恐喝事件も発生しました。原発事故がなければ起きなかったいじめ、差別、離婚、生活困窮や病気。理不尽な我慢を強いられ、それでも、なんとか奮闘してきた避難者の実態と本音を、記者として、また時には支援者として丁寧に聞き取り取材をしてきた吉田さん。昨日のインタビューでは、避難者の皆さんが置かれた厳しい現状を丁寧にお話してくださいました。

※2017.1.26「賠償金あるだろ」という脅し文句――被害生徒が最も訴えたかった言葉を教育委員会が「墨塗り」に! 150万円もの「恐喝」をいじめ認定すらしない横浜市と教育委員会に怒りの声!!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/359083

 来月いっぱいで打ち切られる住宅の無償提供。政府の狙いは、自己決定権の理念を掲げる子ども被災者支援法の法理念を歪め、福島への帰還を半ば強制的に促すことにあります。しかし、福島へ帰っても居場所のない人もいます。

 期限まであと残り1ヶ月半を切ったというのに、次の住まいが決まっていない避難者もいて、なかには路上生活も覚悟しているという方もいるそうです。これは、国内における「難民」なのではないか。日本には「原発難民」という難民問題が存在しているのだ、という現実を、ぜひ、一人でも沢山の方にご覧いただきたいと思います。見逃してしまった方はこちらの動画記事でご視聴ください。

※自主避難者の「住宅無償提供」が2017年3月で打ち切りに!~路上生活も覚悟!? 『ルポ 母子避難』の著者・吉田千亜氏が岩上安身のインタビューで消されゆく原発事故被害者の実態を語る
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/363650

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2017年2月13日 (月)

トランプは一体なぜイランを標的にするのか

Finian CUNNINGHAM
2017年2月11日

反イラン亡命者集団とトランプ政権高官とのコネが、一体なぜアメリカ大統領が“テロ支援国家ナンバー・ワン”と呼び、テヘランに対して新たな経済制裁を課し、イスラム共和国に対するこれほどの敵対的姿勢をとっているのかという説明になるかも知れない。

先週トランプの国家安全保障顧問マイケル・フリンは最近の弾道ミサイル実験を巡り、軍事行動を含む将来の不特定行動の対象になると“イランに警告した”と挑発的に主張する公式声明を発表した。トランプ自身も加わり、中東を不安定化させるとイランを非難した。

イスラエルとサウジアラビアの国家諜報機関とのつながりが疑われているイラン人反政府集団は、政策を策定する上で、大統領に話を聞いてもらえているようだ。

トランプの新運輸長官として承認されたイレーン・チャオと、少なくとも大統領主要顧問の一人、元ニューヨーク市長ルドルフ・ジュリアーニは、いずれもイラン反政府集団ムジャヒディン・ハルク(MEK)が主催する集会で招待講演者として登場している

MEKとつながっているトランプ政権中枢に近い幹部政治家には共和党の大物ニュート・ギングリッチ、元CIA長官ジェームズ・ウルジーや元アメリカ国連大使ジョン・ボルトンがいる。

MEKは、1960年代、アメリカが支援したシャー独裁制に反対する武装反政府集団として出現した。後に、イランを1979年以来支配しているイスラム教聖職者政権と対立するようになった。イラン当局はMEKを外国が支援するテロ集団に指定している。彼らは、イスラム共和国を不安定化する企みで、17,000人のイラン国民殺害を行ったと推測されている。アメリカとイスラエルの諜報機関が画策した近年のイラン人核科学者暗殺も、MEK工作員と結びつけられている。トランプの外交政策顧問、共和党の長老政治家ニュート・ギングリッチは、更なるそうした暗殺を呼びかけたことで有名だ。

ワシントンの幹部連中とこの集団のコネを考えると、奇妙なことに、アメリカが支援したシャーに反対していた時期には、MEKは、1970年代、少なくとも6人のアメリカ軍兵士や契約業者の殺害の責任も負っていた。2001年に、MEKは、武器を使った暴力行為を放棄したと公式に宣言し、それ以前のアメリカ国民殺害を分派のせいにしている。2012年、彼らはアメリカの外国テロ集団ブラック・リストから外されたが、ワシントンに本拠を置くシンクタンク、ブルッキングス研究所が“イランにおける政権転覆の代理”として、MEKは有用だとして、早くも2009年に勧告していたものに沿った動きだ。

今週のAP通信報道によれば、トランプの運輸長官イレーン・チャオは、2015年 フランスの首都パリで開催されたMEKの政治組織が主催した集会での5分間演説で50,000受け取った。同じ集会にはルドルフ・ジュリアーニも参加しており、イランでの政権転覆を呼びかける強烈な演説をした。

共和党上院多数党院内総務ミッチ・マコネルの妻チャオは、2016年3月、イランMEKとつながる反体制集団が主催して、アメリカで開催された別の集会で行った演説に対して、更に、17,500ドル受け取っている。

ジュリアーニは、トランプによって、外交部門の長官職が最終的に、元エクソン・モービル会長レックス・ティラーソンに決まる前、国務長官の対象として考慮されていた。先月、ジュリアーニや他の元アメリカ高官連中が、トランプ新政権に、MEKの政治部門との“対話を確立する”よう呼びかける書簡を書いたと、APは報じている

このロビー活動の背景は、一体なぜトランプ政権が、イランに対する敵対的な姿勢を突然とったかの説明になるかも知れない。

トランプ政権の動機の一つは、ロシア、中国とイランの事実上の同盟を分断しようとすることだというアメリカ・マスコミ報道もある。これまでのところ、この策略は弾みがついているようには見えない。ロシアも中国も、イランに課された新たなアメリカ経済制裁は、国際関係にとって逆効果だと非難した

モスクワは、イランはテロ支援国家だというワシントンの主張も否定している。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、イランは、その逆で、シリアとイラク内のイスラム主義テロ集団を打倒する上での主要パートナーだと述べた。

しかも、ロシアは今週、防衛的軍事技術を開発するイランの主権を擁護し、イランの弾道ミサイル実験先月末は、2015年 P5+1 核合意に違反していないと述べた。問題となっているミサイルは通常のもので、核弾頭を搭載するよう設計されていないので、イランは国連安全保障理事会の経済制裁にも違反していないとモスクワは主張している。それゆえ一見したところでは、テヘランに対するトランプの敵対的態度の口実は意味をなさない。

トランプ戦略には、両国ともイランが、この地域に悪影響を及ぼすと過激な主張をするイスラエルとサウジアラビアからの情報が関係している。トランプは今月末ワシントンを訪問するイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフと会談する予定だ。二人は既に電話会談をしており、そこで二人は“イラン封じ込め”の必要性を話しあったと報じられている。

先週、イランに“世界最大のテロ支援国家”というレッテルを貼ったトランプの国防長官ジェームズ・マティスも、“イラン封じ込めの必要性”を含め、地域安全保障問題に関し、サウジアラビア国防大臣ムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子との緊密な連絡を共有していると報じられている。ワッハーブ派サウド家は、シーア派イランや、より民主的に進められたイスラム革命を、自分たちの王朝やペルシャ湾の他の同盟スンナ派君主国による支配にとって、実存的脅威だと見なしている。

アメリカ経済の全てがそれにかかっているオイルダラー覇権を維持するため、ワシントンの既成支配体制は、このサウジアラビア-イスラエル枢軸と、それによるイラン封じ込めにもっぱら依存している。サウジアラビアとイスラエル独裁制とのアメリカ関係の象徴的本質は、誰がホワイト・ハウスにいようとも無関係に、体系的で不変なのだ。

サウド家の重要人物、元サウジアラビア情報局長官で、現在の国防大臣ムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子の伯父であるトゥルキ・アル-ファイサル王子も、イラン反体制集団MEKのパトロンだ。APによれば、彼は政権転覆を呼びかける集会で、演説をしている。サウド家がMEKの主要資金提供者である可能性は極めて高く、そうでなければ、亡命者集団が、一体どうやって、ヨーロッパやアメリカに事務所を構え、そうした大物の政治関係者をゲストにできるのか説明するのは困難だ。

イスラエル軍諜報機関との連携も一貫している。イラン当局は、MEK工作員が実行した暗殺は、イスラエルのモサドのおかげで可能になったと主張している。

イスラエル、サウジアラビアとMEK反イラン亡命者集団が、トランプの対イラン政策の主要推進者であるように見える。

確かに、トランプ政権のけんか腰の激化は、不当な影響力の存在を強く示唆している。

個人的事情も大きな役割を果たしている。トランプは、外政問題に関しては、いささか素人で無知という本性を見せている。彼は本を読まず、情報をケーブルTVニュースで得ており、“政策”策定の上で、顧問や漠然とした細部に依存しているように見える。トランプが“テロ支援国家”というイランに対する非難をおうむ返しにしているのは、この大統領が、悪い影響を受けやすいことを示唆している。

イラン問題については、膨大な悪影響がトランプの頭脳に吹き込まれているのだ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/02/11/why-trump-targeting-iran.html
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2017.2.11 02:00更新産経ニュース「安倍晋三首相「私は朝日新聞に勝った」 トランプ大統領「俺も勝った!」 ゴルフ会談で日米同盟はより強固になるか?」

今朝、孫崎享氏のメルマガで、この見出しを読んだときには意味がわからなかったが、解説を拝読して納得。個人的に、紙媒体購読を止めるにいたった理由が、判明したような気がする。本気で攻撃し、屈伏させたということのようだ。とんでもない話。ひどい属国に生きている!と悲しくなるばかり。

しかし、安保条約からみのタイミングで、必ず大役を演じる北朝鮮、宗主国との八百長でないとは、素人にはどうしても思えない。まるで歌舞伎。いやプロレスか。

2017年2月 9日 (木)

トランプか、プーチンか? 最大の脅威という筋書きが破綻したEU

2017年2月4日 18:14
Finian Cunningham

欧州連合の機能不全を示すものがあるとすれば、それは今週、マルタ島の古代の要塞で撮影された28人の加盟諸国指導者の集合写真だ。

"要塞心理"ということで言えば、 ヨーロッパの大統領や首相たちは、EUの安定にとっての脅威としての北アフリカからの移民に対処することになっている。

ところが、連中のサミットでは、主題はアメリカのドナルド・トランプ大統領問題で、ホワイト・ハウスの新たな主が、EUにとって緊急課題となっているという感覚の共有だ。

"マルタ・サミットに集まった首相や大統領連中は、トランプの行動への酷評に加わり、敬意が欠如している非難した" とガーディアンは報じた

フランス大統領フランソワ・オランドは、もしEUが、トランプのポピュリスト愛国主義への反対で団結しなければ、EUは崩壊する運命となるとまで述べた。

ヨーロッパ指導者たちが、アメリカ新大統領を実存的脅威とする皮肉はお笑い種だ。何カ月もの間、全く同じヨーロッパ政治家連中は、欧米国家プロパガンダの言うがままに、EUの安定性にとって、最大の脅威は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領だと主張していたのだ。

ヨーロッパのマスコミは、アメリカのマスコミと同様、クレムリンは、EUの民主主義を打倒し、"ヨーロッパの価値観"を損ない、欧州統合に懐疑的な政党を助成して、EUを粉砕しようとしているという人騒がせな主張を押し出していた。

ドイツ首相アンゲラ・メルケルは、わずか数週間前、ロシア公務員ハッカー連中とおぼしきものが、アメリカで、ドナルド・トランプを当選させるためにしたとされるのと同様今度は連中の力をオランダ、フランスやドイツでの来る選挙に注ぐだろうと警告した

反ロシア恐怖を利用すしてきたこの背景を考えると、今週、EU指導者は、マルタで"ロシアの脅威"について、一言も触れないのは驚くべきことだ。

ヨーロッパ指導者とされる連中の全ての苦悩は、ドナルド・トランプが、連中の体制存続を弱体化していることに集中している。

これで、EU政治家の信ぴょう性がわかるだろう。連中は、ロシアに対するヒステリックな非難から切り替え、怖がる子供のように群れ、アメリカ新大統領が、いかに連中の終焉を招くか思い悩んでいる。

これは現職EU指導者集団が、現実から全くかけ離れている究極的な証拠だ。連中が来る選挙にびくびくしているのも不思議ではない。政府の舵取りをしている連中の無能さにうんざりしている怒れる有権者たちによって報いを受けるときがくるのを恐れているのだろうから。

EU徒党が自らの殻にこもっていることのもう一つの仰天する例は、今週ウクライナにおけるすさまじい攻撃だ。優柔不断な政治家連中は、ドナルド・トランプについて思い悩みながらも、ヨーロッパで荒れ狂っている戦争には、どうやら無関心だ。

2014年に、EUがアメリカと一緒に、クーデターで据えたキエフ政権が、今週、分離し自ら共和国を宣言したドネツクとルガンスクに対する徹底的な攻勢をしかけた。

2015年2月に、ミンスク和平合意が調印されて以来、最悪の攻撃として、ドネツク市と郊外の住宅地域に何千発ものロケット、迫撃砲や戦車砲の砲弾が雨あられと降り注いだ。

反政府派が占領している地域で、連中の軍隊が"前進している"ことをキエフ当局者はあからさまに認めた。ミンスク停戦の一方的違反は、欧州安全保障協力機構OSCEに所属する無力な監視員たちも確認しており、BBC映像は、アウディーイウカ町の集合住宅地域に潜む戦車を示している。

キエフ政権軍の砲火による何人かの一般市民の死亡が報じられており、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、非戦闘員を標的にすることを禁じる国際法"ジュネーブ協定の野蛮な違反だ"と非難した

ところが、これら戦争犯罪が、東ウクライナの人々に対して行われている中、キエフ政権のペトロ・ポロシェンコ大統領がベルリンを訪れていた。ロシア人に対する皆殺しポグロムを実行するのに、ウクライナ人代理部隊を利用したベルリンの卑劣な歴史を考えれば、これはむしろお似合いだ。

ヨーロッパにおけるこの犯罪的戦争の何一つ、マルタでEUに対する将来の脅威を議論すべく集まったとされるサミットを開催しているEU指導者の議題にはならないのだ。

信じがたいことに、ドイツ最高の報道機関ドイチェ・ヴェレは、世界の出来事の週刊ダイジェストで、キエフ政権と、そのネオナチ旅団による犯罪的略奪に触れる記事は一本もなかった。

イギリス国営放送BBCは、ロシアが "ウクライナに対する侵略"に油を注いでいると根拠のない主張をし、キエフの戦車が停戦に違反している自らのビデオ証拠を無視している。

アメリカとEUが支援しているキエフ政権による侵略の、のっぴきならぬ証拠とは別に、ここでのもう一つの重要な要素はタイミングだ。攻撃再開エスカレーションが起きたのが、アメリカのトランプ大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談をした翌日だということだ。先週土曜日の電話会談は、暖かいもので、ウクライナにおける紛争を終わらせようという両大統領の本気度を明確に示していたという

逆のことを示すあらゆる証拠にもかかわらず、攻撃開始を、あつかましくも、モスクワのせいにし、アメリカによる軍事支援をせがむ企みで、キエフ政権が翌日攻勢を開始した理由がそれであることは疑いようがない。トランプは、実際にプーチンと取り引きし、ウクライナを、堕落と破綻の中、悶々として暮らす羽目にさせかねないと、キエフ政権は茫然自失しているのだ。

もちろん、アメリカ上院議員ジョン・マケインなどの頼もしい欧米の代弁人は、マスコミに拡声器になってもらい、プーチンはトランプの決意を試しているのだ"と主張して、キエフ政権の策略を隠蔽してくれる。

恥ずかしいことに、トランプの新国連大使ニッキ・ヘイリーは、ウクライナへの"ロシア侵略"という途方もないたわごとを売り込んで醜態をさらけ出した。

例により、欧米の政治家やマスコミは、ウクライナの紛争を巡って、ウソと夢想で対応している。残酷なキエフ政権が、ワシントンとEUによる後援のもと、暴力で、選挙で選ばれた政府を打倒し、据えつけられた事実を、連中は正視できないのだ。さらになお悪いことに、東ウクライナの人々が押しつけられている苦難に対して、怠慢や意図的な歪曲をすることで、継続中の戦争犯罪に、欧米は加担しているのだ。

EUの終焉を、ドナルド・トランプやウラジーミル・プーチンのせいにするのは、無能な指導者連中による究極的な形の責任転嫁だ。連中は余りに無能で、連中の存在に対する脅威なるもの一体何なのかさえ決めることができないのだ。

犯罪的な戦争がヨーロッパで猛威を振るい、一般市民がドネツクの団地で粉々にされつつあるのに、その同じ時期に、いわゆるEU指導者連中は、今週マルタでのサミット中に、それについて語るのが適切だと思っていないのだ。

この調子では、我々が知っている欧州連合の命運は尽きている。支配者と普通市民の現実との間の乖離は余りに大きく、爆縮は不可避に思える。無責任さの究極は、ウクライナにおけるひどい危機を産み出しながら、現地住民の明らかな苦悩を議論することさえしないEUのやり口だ。

それどころではない。EU "指導者"は、トランプやプーチンによる、誇張された、あるいは想像上の脅威の論議に忙殺されているのだ。国内状況をきちんとし、国民の民主的な要求に対し、責任を負って、対応することは議題に無いのだ。

最後になるが、第二次世界大戦以来、最も不人気なフランス指導者フランソワ・オランドが、欧州理事会次期議長に出馬しようとしている。もう沢山だ。

本記事の見解はもっぱら著者のものであり、必ずしもスプートニクの公式的な立場を反映するものではない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201702041050349426-trump-or-putin-eu-loses-plot-on-biggest-threat/
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大本営広報部各社幹部と食事を満喫した結果?TPP絶賛の大政翼賛報道を読まされた。
宗主国トップと、食事をともにし、ゴルフを楽しんだ結果、米日FTAで、それを更に上回る国益への被害を与えることになると考えるのは論理的だろう。

昨夜深夜の大本営広報部呆導、「TPPは一定の成果だったのに対して、FTAでは更に厳しい要求をつきつけられる」というご託宣。語るに落ちる。

この調子では、我々が知っている米日同盟の命運は尽きている。支配者と普通の市民の現実との間の乖離は余りに大きく、爆縮は不可避に思える。

植草一秀の『知られざる真実』
国民の利益を守るため2月9日正午官邸前集結

2017年2月 1日 (水)

トランプ大統領の‘アメリカ・ファースト’を試す世界の発火点


Finian CUNNINGHAM
2017年1月27日

今週、南シナ海で海上封鎖を実施しようとするワシントンによるいかなる動きも、武力紛争を引き起こすだろうという北京の警告で、中国とアメリカ間の言葉の戦争が再び燃え上がった。

だが、こうした中国との緊張は、ドナルド・トランプ大統領が宣言したアメリカ・ファースト政策を試しているいくつかの世界的発火点の一つに過ぎない。

アメリカ・ファーストというのは、賞賛に値する大志のように聞こえる。だが、アメリカが簡単に内向きに方向を変えて、世界的な良き隣人のように振る舞えるようになると考えるのは浅はかだろう。アメリカの経済権益は諸外国支配に依存しており、これは、つまり他の国々との紛争と戦争を意味している。どのような大統領がホワイト・ハウスの主になろうとも、これがアメリカが率いる資本主義の厳しい現実なのだ。

トランプは、アメリカ軍の海外介入を減らすという綱領で、選挙活動した。1月20日の就任演説で、大統領として、民族主義者主導型のアメリカ経済と社会の構築に注力するとして、彼は再度、アメリカ・ファーストの誓約を強調した。アメリカ国内での利益を最優先にするため、彼の前任者たち、バラク・オバマと、ジョージ・W・ブッシュや、彼ら以前の連中による海外での軍事的冒険主義は放棄するというのだ。

トランプは、連邦議会での就任宣誓で、アメリカは“世界の国々との間に友情、そして友好を求め”自分たちの生き方をほかの誰にも押し付けようとはせず、皆が見習うお手本として輝くようする”と宣言した。アメリカのインフラを“荒廃し衰退”させないため
海外での軍国主義の時代は終わったと彼は述べたのだ。

ところが、こうした壮大な発言をしてから数日で、海外での紛争に進んで巻き込まれ続けようとしている点で、トランプ政権はこれまでのあらゆる政権と実に似て見える。

中国との緊張を、今週、ある際立つ見出し記事がまとめた。“トランプは南シナ海での戦争の用意はできているのか?”とワシントン・ポストは問うた。この記事の後、紛争中の戦略的海域にある埋め立てた島嶼への中国によるアクセスを阻止する用意ができているというホワイト・ハウスの声明が出された。アメリカによるそのような海上封鎖は、戦争行為にあたるはずだ。紛争中の領土を巡って中国に反撃する際にオバマ政権が賭をしたものを、これは遥かに超えている。

トランプ政権による南シナ海を巡る挑発的瀬戸際政策は、気味の悪いことながら、一連の北京に対する侮辱の最新のものに過ぎない。トランプは中国に対して、不当な貿易慣行という非難を繰り返し、中国の輸出に懲罰的関税を課すと威嚇し、ワシントンが長い間奉じてきた一つの中国政策をあざ笑い、北京の歴史的主張台湾を巡って中傷した。

アメリカ-中国にらみ合いの重大さは、中国の大陸間弾道ミサイルが、アメリカ本土を狙うことができる中国の北東地域に新たに配備されたニュース報道によって強調された。この動きは、当然、トランプ政権の好戦的な言辞に対する北京による対応と見なされる。

これだけではさほど困惑するものでないとしても、中国はトランプ大統領が火遊びをしているように見えるいくつかの他の世界的発火点の一つに過ぎない。北朝鮮、イラン、ベネズエラと、ロシア西部国境で進行中のNATO軍隊エスカレーションが他の主なリスクだ。

今月早々、北朝鮮指導者金正恩は、最終的にアメリカを攻撃する能力を得られるまで、北朝鮮はICBM技術開発を継続すると誓約した。(何百発ものアメリカ核ミサイルが、既に北朝鮮攻撃が可能だが、この非対称は、なぜか容認されている。) 典型的な曖昧な言葉で、トランプは、金正恩に“そんなことにはならない!”というツイッター発言で反撃した。この素っ気ないメッセージは、既に孤立し、酷く制裁されている北朝鮮に対するアメリカの先制攻撃を意味するものと受け止められかねない。そのような遠回しのアメリカの脅しは、更なる軍国主義を引き起こすに過ぎない。

もしトランプがアメリカ国内の事業や社会の面倒を見るのを本気で優先事項にしているのであれば、彼は朝鮮戦争が1953年に終わって以来、六十年間、朝鮮半島に配備されている何万人ものアメリカ軍兵士の削減を交渉しているはずだ。軍隊のみならず、アメリカの戦闘機、戦艦、ミサイルや懲罰的経済制裁も。トランプは外交関係正常化のプロセスを確立するため、平壌との多国間地域交渉を復活させているはずだ。逆にトランプは、平壌に対する軍国主義という、失敗してカチカチ時を刻んでいる時限爆弾政策を継続している。

イランに対しては、トランプは平和的な外交を推進するのではなく、混乱状態にまたしても油を注いだ。“これまでで最悪の協定”だと呼んで、国際核合意を破棄すると彼は威嚇した。今週、アメリカは、テヘランと、ロシア、中国や欧州連合を含む他の六者の間で昨年まとまった包括的共同作業計画(JCPOA)を実施し損ねているとイランは語った。アメリカによる協定実施妨害で、貿易の機会が失われ、イランは何十億ドルもの損害を被ることを考えれば、イランのいらだちはもっともだ。

トランプがジェームズ‘狂犬’マティス元大将を、国防長官に任命したことはbodes for イランに対する遥かに敵対的な姿勢。イラクで海兵隊司令官をつとめていた時期、マティスは、イランがイラク武装反抗勢力を支援しているとされることを巡って、イランに対するタカ派的見解で知られていた。新たなペンタゴン長官は、ペルシャ湾でイランとアメリカ海軍の艦船の間で継続している緊張を巡り、武力反撃もしたがっている。激変的な出来事がいつ何どきおこるかも知れず、トランプの短気な閣僚たちは、エスカレートしたくて、むずむずしているのだ。

イランとの間のこうした緊張に更に油を注いでいるのが、地域において“イラン脅威をいかに封じ込めるか”について、トランプが、イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフと会談しているという報道だ。もしトランプが、イランとの核協定を破棄して、対策を進めれば、イランは核開発計画を再開し、ICBM実験を強化することが予想される。かくして、イランを攻撃するというトランプのタカ派徒党の願望を満たすことになる。

もう一つの潜在的発火点はベネズエラだ。トランプが国務長官に指名したレックス・ティラーソンは、先週、この南米の国の“無能で、機能不全の政府”に対する政権転覆を狙う意図を表明した。まだ承認されていないトランプ被任命者に対する議会での質問に答えて、ティラーソンはこう述べた。“もし承認されたら、半球の我々の友人たち、特にベネズエラの隣国ブラジルとコロンビアや、米州機構のような多国籍機関と緊密に協力して、交渉によるベネズエラの民主的統治への移行を目指すことを進めたい。”

“交渉による民主的統治”というのは、政権転覆の婉曲表現だ。トランプの外交最高幹部予定者によるこのような見解は、オバマ政権下でのものと比較して、ニコラス・マドゥロ政権に対する敵意の過激な強化を示すものだ。オバマ政権は、確かにカラカスに経済制裁を課し、ベネズエラ国内で、社会主義政府に対する政治的反対勢力を醸成した。だが、ティラーソンは、“民主的統治への移行”に対する一方的要求をして、今やあからさまに、ベネズエラ政府の正当性を疑問視しているのだ。

ベネズエラは、エクソン・モービル最高責任者ティラーソンが、アメリカ巨大企業の権益と、個人的復讐に巻き込まれている場所だ。トランプが彼を国務長官に指名したわずか数週間前まで、ティラーソンが率いていたエクソン・モービルは、アメリカの主要巨大石油企業だ。2007年に、マドゥロの前任者ウゴ・チャベスのベネズエラ政府が、同社を国有化した際、この会社は、不動産や他の資産160億ドルを失った。2014年に、国際仲裁裁判所は、ベネズエラに、石油会社に、16億ドル補償するよう裁定した。これは、エクソン・モービルが告訴した金額のわずか約10パーセントだ。業界内の一部はティラーソンは“煮え湯を飲ませた”ベネズエラを決して許さないと語っている。

もし、しかもそれはありそうに見えるのだが、来週、アメリカ上院が、国務長官としてのティラーソン承認を決定すれば、注目すべき主要問題は、ワシントンがベネズエラ政府に対して、前のオバマ政権によって既に課されているもの以上に、更なる経済制裁をするかどうかということになる。ワシントンは南米の供給国からの石油輸入を削減し、既に脆弱なベネズエラ経済に、更なる経済的圧力を加える可能性がある。またティラーソンが議会聴聞会で答えた通り、更なる挑発的な動きで、ワシントンが、ベネズエラにおける“民主的統治”への政治的移行を求めて、あからさまに動き始めることになろう。

ロシアに関しては、ドナルド・トランプが頻繁に、モスクワ、特にロシアのウラジーミル・プーチン大統領との正常な関係を回復すると呼びかけていることからすれば、これはありそうもない不安定な国際関係シナリオに見えるかも知れない。だが、より友好的な関係という個人的提案を除いては、全体的な地政学的状況は悪化し続けている。

今週、アメリカが率いるNATO軍事同盟のドイツとベルギーの軍隊が、ロシア領に隣接するリトアニアにを敷いた。これは今月始め、アメリカ軍兵士と、何百台もの戦車と装甲兵員輸送車か、アメリカから新たに送られた、ポーランドとバルト諸国において継続中のNATO増強の一環だ。このNATO軍のロシア国境における容赦ない増強は、モスクワにより“侵略”だと非難されている。ところが、NATOのエスカレーションは“ロシア侵略からヨーロッパを守る”ことを目指しているという空虚な公式正当化で継続している。

ジェームズ・マティス国防長官や、マイク・ポンペオ新CIA長官や、国務長官被任命者レックス・ティラーソンを含めトランプ閣僚全員が、東ヨーロッパへのNATOの拡張に対する度をこす支持を表明した。同じ閣僚メンバーが、クリミア併合とウクライナ内への侵入とされるものによる緊張を、偏向的にロシアのせいにしている。実際、ティラーソンは、南シナ海での中国の領土主張を“ロシアによるクリミア奪取”になぞらえた。

少なくとも、世界の五つの地域は、トランプ大統領の自称アメリカ・ファースト政策を試す燃え上がりやすい緊張をはらんでいる。こうした分野の全てで、トランプ政権が、懸念を更に掻き立てている責任を負っている。もし新大統領が、海外でのアメリカ軍国主義を縮小し、実業上での彼の洞察力とされるものを、アメリカ国内経済と社会の復活に捧げるという約束を本当に守っているなら、我々は国際的対立を和らげる断固とした取り組みを目にしているはずだ。中国、北朝鮮、イラン、ベネズエラとロシアに関しては、逆のことが進行中のように見える。

トランプ大統領に関する多くの好意的論評が、彼のアメリカ・ファースト政策は、アメリカの“グローバル主義者”や“ネオコン”や“ネオリベラル”からの歓迎すべき離脱だと主張している。その前提は、愛国主義的政治とされるトランプ・ブランドは戦争挑発というアメリカ政策からの新たな離脱だというものだ。

これはアメリカ政治に対する無邪気な見方、偽りの区別のように見える。言葉がどうであれ、アメリカ大企業資本主義は、帝国主義覇権、紛争と戦争が基礎なのだ。たとえトランプが、経済的生産をアメリカに戻すように変えても、アメリカには、天然資源を搾取し、商品を輸出するためには、依然、海外市場を支配する必要があるのだ。これはつまり、何十年もアメリカの特徴であり続けてきた、軍事力によって支えられた同じ外交政策を遂行することを意味する。

現代資本主義国家としてのアメリカ合州国の、生得的な攻撃的性格に留意されたい。いくつかの歴史に関する記述によれば、1776年の建国以来、241年間の存在期間のうち、そのほぼ90パーセント、アメリカは戦争をしてきた。アメリカは、何らかの戦争、クーデター、対クーデターや代理紛争に関与せずに十年と過ごしたことがないのだ。戦争はアメリカ資本主義の基本的な機能だ。

だから、ドナルド・トランプが当選し、言辞が変わったとて、この客観的事実が変わることはない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/01/27/global-flashpoints-test-trump-america-first-presidency.html
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戦争こそ、あの国の歴史であることについては、下記記事を訳してある。
アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の239年中、222年間が戦争

大本営広報部には飽きたので、たまたま放送されていた映画『あん』を見た。数年前、今もある施設のひとつで、「重監房」遺構を見学したことがある。あの時聞こえたピアノ、どなたが弾いておられたのだろう。たしか「ゆうやけこやけ」だった。

孫崎享の今日のメルマガ、末尾の一部を引用させていただこう。

何もコメントできないというのは安倍首相が対米関係ではスネ夫以上の何物でもないことを示している。国際社会は安倍首相がどのような発信をしているかに無関心ではない。
ジャパン・タイムズは次を報じた。「トランプの移民禁止が世界的非難を引き起こしている中、東京は沈黙」

ビフのモデルはトランプ氏、「バック・トゥ・ザ…」脚本家明かす という記事を読んだことがある。

いじめっ子のビフだ。いわばスネ夫のような主人公の父親、ジョージ・マクフライが、好きな彼女、つまり母親と結婚できなければ、主人公のマーティが生れることはない。そこで写真中のマーティの姿は次第に消えかかる。マーティがギターを引く手にも力が入らない。幸い、弱虫な父親、ジョージ・マクフライが勇気を振り絞って、めでたしとなる。

実際の宗主国・属国関係では「あなたのアメリカ・ファーストはわかります。私もアメリカ・ファーストです。」と答え、一方的な条件丸飲みのFTAを締結することなり、我々の係累の影はうすくなるという、映画とは正反対の結果。

2017年1月28日 (土)

トランプの180度転換にロシアは御用心

Finian Cunningham
2017年1月22日
Sputnik

ロシアは、アメリカのドナルド・トランプ大統領を慎重に歓迎しているが、モスクワは、新たなホワイト・ハウス住人と、外交関係の改善のために協力できるかどうかについて、賢明にも依然様子見の姿勢を保っている。

トランプが、ロシアとのより友好的な関係を回復したい意向を再三述べたり、先週、ドイツのアンゲラ・メルケル首相を信じるのと同じ程度、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンを信じていると発言したりしているのは、より健全なアメリカの政策に向かう明らかな前進として歓迎すべきことだ。

とはいえ、トランプが最後までやり抜くかどうかについての信頼性には大きな疑問が残っている。

ロシアとの関係正常化に対するトランプの明らかな熱意は、彼の前任者、バラク・オバマや、ジョージ・W・ブッシュの下では、ワシントン政策の中心だった攻撃的なロシア嫌いよりは確かにずっと有望だ。しかし、元実業の大物は実行できるのだろうか?

億万長者不動産業の大立て者から政治家に転じた人物が、様々なことを言った後で、あっさり矛盾したことを言う性格は、漠然と感じられるどころではない。この特徴は、故意の策略なのか、それとも、さほど悪意はなく、軽率で注意力が散漫なためなのかはっきりしない。いずれにせよ、結局、疑問の余地がある品位の性格ということになる。

週末、トランプが第45代アメリカ大統領に就任した後、揺れ動く彼のブランドの更なる雰囲気を経験させられている。

土曜日、大統領としての初日丸々、トランプの最初の公式業務は、ワシントンDCにあるホワイト・ハウスの住まいのポトマック川対岸、バージニア州ラングレーにある中央情報局(CIA)本部訪問だった。

彼はそこで“1,000 パーセント”諜報業務を支持していると言って、CIAを称賛と感謝でほめそやしたのだ。トランプは、彼がCIAと確執しているというマスコミ報道も一蹴した。“私ほど皆さんを支持している人はいません”と喝采するCIA職員に向かってトランプは言った。

ちょっとお待ち願いたい。トランプは実際、11月の選挙の前も後も、CIAや他のアメリカの諜報機関と実に公に戦いを繰り広げてきたのだ。彼は当初、ロシアが選挙をハッキングしたという彼らの主張を“ばかばかしい”と非難した。後に彼はロシアに対する彼らの主張に同意して、ある種撤回した。

就任のわずか数週間前、トランプはCIAが、ロシアの恫喝について十分証拠のないことをブリーフィングしたとマスコミに言い、漏洩を巡る“ナチス”のような行為だとCIAを酷評した。

CIAに対する、トランプのこの角々しい態度は、得体の知れない選挙で選ばれたわけではないアメリカ権力の中枢 - いわゆる陰の政府からの大胆な自立を示すものだと、満足げに語る評論家もいた。

ところが逆に週末に我々が目にしたのは、陰の政府の裏で用心棒として活動している秘密工作員連中を甘やかすのを、トランプ大統領が優先事項としたことだ。この言葉を想起されたい。“私は1,000パーセント皆さんを支持しています。”ジョン・F・ケネディの“CIAを粉々にする”という誓約とは大違いだ。

CIAは世界史上、最も犯罪的で残忍な秘密機関の一つで、本質的に、アメリカ権力を投射するための機関として存在してきた。外国指導者たちの暗殺から、残虐な政権に変えるための民主的政府の打倒やら、代理テロリスト連中に、秘密裏に武器を与えることに至るまで、あらゆることに関与している。

トランプが、就任初日にすべき最優先の仕事として、ラングレーに駆け付け、非公式ながらも、より正確に“殺人会社”として知られている機関を称賛するというのは、彼にとって一体何が優先事項なのかについて、気がかりな兆候だ。

下記の例は、他のランプの180度転換の包括的リストというわけではなく、こうしたもののから、彼の性格に関する重大な懸念がもたらされるというものだ。

金曜日、連邦議会での就任宣誓直後、トランプは議会昼食会に招かれた。正餐後の乾杯で、彼はヒラリー・クリントンと夫のビル元大統領を“素晴らしい人々”だと名指しで褒め、何百人もの客からの喝采を受けるべく、二人に起立するよう頼んだのだ。

えーっ? 民主党のライバル、ヒラリー・クリントンに対する選挙運動中、トランプは彼女に、ウオール街のいかがわしいコネのある“悪徳商法ヒラリー”というすさまじいレッテルを貼っていた。トランプは、クリントンに対する犯罪捜査を開始するとも誓い、集会で、支持者たちに“彼女を投獄しろ! 彼女を投獄しろ!”と唱えるよう奨励していた。

トランプの選挙中のもう一つの公約は、ワシントンの大企業権益やロビイストや政治的に任命された連中の“沼地を清掃する”というものだった。しかしこれまでの所、彼は閣僚を、ワシントン沼地の権化である億万長者被指名者で揃え、政府の財政と経済を監督する地位に、ウオール街の金融業者連中を任命している。

いささか調子は軽いが、同様に参考になるのが、ハリウッド女優メリル・ストリープに対する、トランプのツィッターによる激怒だ。ゴールデン・グローブ賞の今月初めの式典で攻撃された後、映画スターを“過剰評価されている”と表現して反撃した。わずか数年前、トランプは、メリル・ストリープを好きな俳優の一人にあげていたにもかかわらず。

より深刻な話題に戻ると、先週ドナルド・トランプはイギリスとドイツ・マスコミとの広範なインタビューで、ロシアのシリアへの軍事介入をさらし者にし、モスクワを“人道的危機”を引き起こしたと非難した。

これは、トランプがこれまで言ってきた、シリアにおけるロシアの行動に対する見方、ダーイシュ(ISIS/ISIL/ISとしても知られている)や他のテロ集団の根絶に対するロシア称賛からの大きな変化だ。

週末のCIAべた褒めで、トランプは、彼が閣僚に選んだ連中が、過去二週間の議会指名承認公聴会において痛ましく平伏かたのを後追いしたのだ。国防長官に選んだジェームズ“狂犬”マティス元大将や、新CIA長官に選んだマイク・ポンペオを含む閣僚被指名者が次から次に、ロシアはアメリカの国家安全保障に対する極度の脅威だという既存支配体制の方針をいくじなく受け入れた。

他にもまだあるが、こうしたこと全てが疑問を提起する。トランプは信頼に値するのだろうか?

アメリカが率いるNATO軍事同盟は“陳腐化”しているとトランプが言った際、本当は一体何を意味していたのだろう? この28カ国による戦争機構は廃止すべきということだろうか? それともトランプの不可解な思考の中では、“陳腐化”というのは、この戦争機構は、刷新し、再活性化する必要があるという意味なのだろうか?

トランプ当選は、ヒラリー・クリントンよりはましだったという点には、ほとんど疑問はなさそうだ。ロシアに対する彼女のあからさまな敵意や軍事的対立への意欲で、悲惨なことになっていたろう。

対照的に、トランプがロシアと前向きに付き合う意欲を述べていたのは、ワシントンに存在している喧嘩腰の政策からの好ましい離脱だ。

とは言え、トランプは物事を力強く言ったかと思うと、後で全く矛盾する発言をする型破りなほら吹きに過ぎないことを示す、かなり多くの兆候がある。

おそらくトランプは、個人的には、ロシアとの関係を本当に回復したがっている。おそらく、彼は更に進み、間もなく、ウラジーミル・プーチンと直接会うだろう。

これまでの所、モスクワは、トランプ大統領を慎重に歓迎している。しかし、ロシア指導部は、アメリカの喧嘩腰の体系的原因は、一人の人間が闘えるものより遥かに根深いことを知っている。

しかも、トランプの一貫性のない考え方からすれば、深遠なアメリカ権力体制 - 陰の政府 - が彼を操り、連中の方針を採用させるのに成功するのではといぶかる理由がある。ロシアや他の世界的ライバルと見なす国に対する連中の方針は、協力ではなく、敵意と対立だ。アメリカ資本主義勢力は、そういうふうに動いている。

その場合、ロシアはトランプ政権を用心深く警戒することになる。最善の結果を望むが、トランプは、いつ何どき百八十度転換しかねないことを予想しておこう。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201701221049888229-russia-trump-u-turn/
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Information Clearinghouseに掲載されている彼の記事には、異論コメントがいくつも書かれている。素人には、異論の意味がわからない。

大本営広報部でさえ一応とりあげざるえない教育委員会問題。カジノ招請に熱心な市の組織ならではか。

「賠償金あるだろ」という脅し文句――被害生徒が最も訴えたかった言葉を教育委員会が「墨塗り」に! 150万円もの「恐喝」をいじめ認定すらしない横浜市と教育委員会に怒りの声!! 2017.1.26


この組織、実態は「教育破壊委員会」。

大本営広報部、下記の件を本気でとりあげているだろうか?

※【国会ハイライト】自由党・山本太郎共同代表の国会発言が「取り消し」になる可能性!?参議院広報「最後に取り消されたのは24年前」~参議院本会議での山本太郎代表質問全文文字起こし

 IWJは国会内での取材が許可されていないので、本会議や委員会での審議の模様を中継することはできません。しかし、このような「ハイライト記事」を作成することで、記者クラブメディアの寡占状態に爪を立て、引っかき傷くらいは残すべく、事実を報じています。

山本太郎議員の発言が取り消される前に、その発言すべてを報じ、記録を残していかなくてはなりません。

2017年1月 8日 (日)

シリア停戦を妨害するため、またしても歪曲報道する欧米

Finian CUNNINGHAM
2017年1月5日

アレッポを目指す戦略的な戦いに関する組織的なウソを全く恥じなかった欧米主要マスコミが、またもや同じことをしている。今回は、シリアの首都ダマスカス付近での戦闘再開に関してだ。

特に、ヨーロッパのニュース・マスコミが、ダマスカス北西の反政府戦士の拠点を奪還するため、シリア政府軍が、今や“彼らがアレッポでしたのと同様、包囲戦術”を使っていると主張している。

何カ月もかかったアレッポ奪還の戦いを巡る、先の欧米マスコミによる虚偽報道と同様、最近の報道も、現実を逆にするものだ。

シリア政府軍がダマスカス北東で作戦を行っているのは、地域が欧米が曖昧に“反政府派”と表現しているヌスラ戦線が支配する過激集団に占領されているためだ。

しかも、バラダ渓谷周辺の地域を奪還する作戦を緊急なものにしているのは、過激派が約30キロ離れた首都の主要飲料水源を汚染していることだ。ダマスカス市内の400万人の人々が、バラダ渓谷内と周辺の聖戦士連中が、ディーゼル油や他の汚染物質で、極めて重要な地下水源を汚染したとされることで、上水供給を遮断されているのだ。

だから、欧米マスコミによる歪曲と対照的に、ダマスカス全住民への飲料水を遮断するという大規模テロ行為によって、首都を包囲しようとしているのは反政府武装反抗勢力だ。

ところがヨーロッパのマスコミを何気なく読んでいる人々は、この重要な背景には気がつかない可能性が高い。実際、ニュースを見聞きする人々は、違反をして、和平への努力を損なっているのは、シリア政府軍、その延長として同盟のロシア軍だと結論しがちだ。

例えば、フランス24のあるニュース・キャスターは、今週こう述べた。“政府軍が首都近くでの攻撃を強化する中、シリア停戦は危機に瀕している”。

同様な紛らわしい見出しや歪曲がイギリスBBC、ガーディアンやデイリー・テレグラフ、フランスを本拠とするユーロニュースで使われている。(これらについての詳細は下記)

最近の全国規模の停戦は、ロシアとトルコが仲介し、先週末の国連安全保障理事会で満場一致で承認された。この進展は、シリア・アラブ軍と、ロシア、イランとレバノンという同盟者による12月末の北部の都市アレッポ解放に続くものだ。

東アレッポは、欧米が支援する過激派によって、約四年間封鎖されていた。欧米マスコミは、シリア政府軍と、ロシア空軍を、都市を“反政府派”から奪還するために無差別暴力を用いていると決まって非難していた。ところがアレッポが最終的に、政府支配下となった際、シリア軍とロシア軍のおかげでの“解放”を祝う解放された一般市民の様子から、事実は明らかだ。

後に東アレッポの集団墓地が発見され、ヌスラ戦線や他のアルカイダとつながるテロ集団に属する聖戦過激派に支配されている過激派が一般市民に押しつけていた“テロによる支配”を証明している。

かくして、“穏健反政府派”と一般市民が“残虐な”攻勢シリア軍と同盟者によって行われたとされるもので包囲されていたという欧米諸国政府やマスコミの言辞は、紛れもない欺瞞とウソであることが劇的なまでに暴露された。「アレッポは解放された。以上終わり」なのだ。いわゆる“穏健反政府派”などどこにもいなかった。テロにより東アレッポに押しつけられていた支配は、シリアにおける政権転覆という連中の犯罪的な狙いを遂行するため、欧米諸国が密かに過激派を支援することが産み出したものなのだ。

アレッポにおける戦略的勝利で、モスクワとイランに、様々な反政府戦士派閥主要スポンサーであるトルコとともに、全国規模の停戦を仲介するはずみがついた。この停戦は、今月末、カザフスタンの首都アスタナでの、バッシャール・アル・アサド大統領の政府と反政府集団との間の政治交渉を促進することを目指している。

欧米列強は先週の国連安全保障理事会で賛成はしたものの、ワシントン、ロンドンとパリは、これらの交渉から外されているという点は重要だ。

もちろん、これまでのシリア停戦同様、国際的に禁じられているテロ集団は停戦の対象ではない。そうしたテロ集団には、「イスラム国」 (IS、あるいはダーイシュ) および、ヌスラ戦線(シリア征服戦線としても知られている)がある。シリア政府軍は、ロシアとトルコが仲介した最近の停戦に調印しつつも、同時に、テロ集団を打ち破るための作戦を継続する権利を保有している。

最近の欧米マスコミ見出しの一例で、シリアに対するd歪んだ地政学的狙いが明らかになる。

イギリスのガーディアンはこう報じている。“アサド軍がバラダ渓谷の反政府派を爆撃する中、何百人もが脱出”。更にこう書いている。“全国的停戦にもかかわらず、ダマスカスに近い山岳地帯は、何日間も空爆と砲撃の標的にされている。”

ガーディアンは、ダマスカス付近の紛争で、標的にされている“反政府派”が、停戦当事者ではないヌスラ戦線テロ集団に支配されていることをぼやかしているのが目立つ。ガーディアンは、誠意のない行動をしているのは“政権”であることを示唆している。最後の一段落で、飲料水問題が報じられてはいるが、一体なぜ政府軍が制圧すると決断したのかとは無関係な些細な問題であるかのごとく遠回しなものに過ぎない。“バラダ渓谷は首都とその周辺地域の主要水源だ。政府による攻撃は、12月22日以来のダマスカスにおける深刻な水不足と同時期のものだ。反政府派が[原文通り]水源を、ディーゼル油で汚染し、首都の供給停止を強いていると政府は主張している。”

同様に、BBCはこう報じている。“反政府派[原文通り]、アスタナ交渉をボイコットすると威嚇”。更にこう続けている。“y多数の集団が署名した声明は、シリア政府による停戦への‘多くの大規模な違反’は背信だとしている”。言うまでもなく、 BBCは、これらの“反政府派”が、テロリストのヌスラ戦線とカメレオンの様な関係があることや、これら“反政府派”が首都への給水汚染に関与していることは明らかにしていない。

アレッポに関する偽の言辞の繰り返しで、イギリスのデイリー・テレグラフはこういう見出しを載せた。“一般市民が‘反政府派が占拠している[原文通り]ダマスカス近くの地域に対する樽爆弾攻撃で殺されている”。

そして、おそらく最悪の記事は、フランスを本拠とするユーロニュースによるこう報じている下記のものだ。“‘停戦が完全に実施されるまで’シリア反政府派[原文通り]和平交渉を凍結”。信じられないのだが、このマスコミは、政府軍が緊急に地域を奪還しようとしている理由である“反政府派”が首都への飲料水供給を遮断した事実に一言も触れていない。“報道”の謎めいた段落にはこうある。“主な違反は、政府軍と、イランが支援するレバノンのヒズボラが、現在続行中の作戦で、進撃しようととしている反政府派が占拠しているダマスカス北西のバラダ渓谷の地域におけるものだと言われている”。

皮肉にも、ユーロニュース社が、同社企業ウェブサイトで、以下の社是を宣言していることに留意すべきだ。“読者の皆様が、世界に関するご自分の意見をまとめられるよう、適切な量の情報を提供することが我々の義務である。”

これを一体どう理解すれば良いのだろう?

イギリスとフランス政府、そして当然両国の主要ニュース・メディアが、アサド政権打倒のための、シリアにおける政権転覆プロジェクトの主要仕出し元だ。アメリカ政府が政権転覆プロジェクトの主要立案者なのは確かだ。しかし奇妙にも、今週、アメリカ・マスコミは、シリア国内の紛争に関しては、比較的控えめだ。イギリスとフランスが歪曲を先導しているように見える。

連中は一緒になって、“残虐な政権”とその同盟国ロシアに対して戦っている“穏健反政府派”という偽りの言辞を組織的に産み出して、ヌスラ戦線のようなテロ集団で構成される違法に武装した反抗勢力のための政治的、道徳的隠れ蓑を提供しているのだ。

シリア軍と同盟国ロシアによるアレッポ解放が、欧米プロパガンダのウソを完全に暴露した。

ロシアが、全国規模の停戦を促進し、本当の和平調停を目指す政治交渉の可能性へと進んでいるので、欧米はこの動きを潰すため最善の努力をつくしているのだ。アレッポと連中の政権転覆プロジェクトの敗北巡る恨みからであることは確実だ。先週末、国連安全保障理事会で、欧米がアスタナ交渉を支持したのは、単なる空虚な広報活動演習に過ぎなかった。(自らがテロのスポンサーであるのを暴露せずに済ませるのに、賛成以外の方法があっただろうか?)

最近の停戦に関係していなかったテロ集団が、首都と400万人の住民を、飲料水から遮断しようとしているのだ。ところが、シリア政府軍がバラダ渓谷水源地域の犯人を追求すると、欧米マスコミは、またしても、アサドの軍隊が停戦に違反したと主張して、テロ集団のために話を歪曲している。

そもそも基本的に欧米がけしかけた戦争を解決する上で、ロシアが前進することに、政権転覆代理軍の欧米スポンサーが耐えられないのは明らかだ。

そこで、犯罪的な各国政府と、連中の代理テロリストを隠蔽するための歪曲とウソをついて、恥知らずの欧米マスコミがまたしても活動しているというわけだ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2017/01/05/west-spins-again-sabotage-syria-ceasefire.html

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水源汚染のニュースを訳していたところに、アザズで自動車爆弾テロで60人?の死者。何とも悪辣な連中。

アザズ自動車爆弾テロについては、いささか違う結論なのかも知れない。

そもそも基本的に欧米がけしかけた戦争を解決する上で、トルコが前進することに、政権転覆代理軍の欧米スポンサーが耐えられないのは明らかだ。

今日は、下記番組が楽しみ。

【撮り下ろし初配信!・Ch1】18:00~「つくられた『神道』戦後最大のドグマを解体する! 岩上安身による島根大学・大阪工業大学名誉教授 井上寛司氏インタビュー 2日目 中世・近世編(前編)」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※2016年11月23日収録。戦前・戦中の「国家神道」や、安倍政権を支える右派組織「日本会議」の実態に迫ってきた岩上安身による井上寛司氏インタビューシリーズから、中世・近世編の前編を撮り下ろし初配信します。

2016年12月30日 (金)

軍拡競争でロシア潰しを狙うアメリカ

Finian Cunningham
2016年12月25日
Sputnik

今週世界中で、アメリカとロシアの間の新たな軍拡競争に関する警鐘が鳴った。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が先にロシアの核能力"強化"を呼びかけた後、次期大統領ドナルド・トランプは、アメリカのマスコミに"かかってこいだ" と述べたと報じられている。

モスクワは後に軍拡競争をけしかける意図は皆無なことを明らかにした。トランプ側は、アメリカ核兵器備蓄を“大幅に拡大する”という表現で、新大統領が一体何を意味していたのかについては、曖昧なままだ。

アメリカ政府にとって、ロシアとの核軍拡競争を引き起こす魅力的な戦略的誘因がある。主な目標はどちら側も生き残ることができない最終的な破滅的戦争を開始することではない。狙いは、ロシアを財政的に潰すことだ。違った形であるにせよ、これはやはりある種の戦争だ。

モスクワを財政的に潰した結果の次は、最終的には、アメリカによるロシア征服だ。ロシアとその豊富な天然資源は、それ以降、アメリカ資本によって支配される、もう一つの領土にすぎなくなる。地政学的に、シリアにおける最近の出来事が実に良く実証している通り、強力なロシアによる対抗力が無ければ、世界中のどの国でも、アメリカ政府は自由に叩くことができる。

この財政戦争シナリオの前例は、1980年代のロナルド・レーガン大統領下で見ることができる。第二次世界大戦以来、冷戦の数十年間ずっと、アメリカと、そのNATO軍事同盟は、当時のソ連に対して常に攻撃的に動いてきたのは確実だ。ロシアは、ある種、防衛上の均衡を維持するため、法外な経済資源を割くことを絶えず強いられてきた。

レーガン大統領時代、アメリカは、軍事支出増大に乗り出し、それは必然的に、ソ連でも同様の対応を引き起こした。加速された軍拡競争のおかげで、両国は膨大な財政問題を被った。ソ連の場合、維持不能な兵器支出が経済崩壊を招き、結果的にロシアの政治体制は、1991年に崩壊した。

ところがアメリカの場合、世界最高の国際準備通貨としての米ドルが、アメリカ政府が単純にドル紙幣を印刷し続け、山のような負債を累積するのを許しているため、財政的、政治的大災害を先のばしできるのだ。冷戦が公式に終結して以来四半世紀、アメリカは総計20兆ドル滞納し、世界最大の債務国として傑出している。借金清算期限はとっくに過ぎているのだ。

言い換えれば、アメリカが冷戦に勝ったように見えたのは、アメリカのソ連に対する政治的、経済的、あるいは軍事的体制の優位性によるものではない。逆に、もっぱらアメリカは、自由奔放に、紙幣を印刷でき、負債を累積できがゆえに、決定的利点があるのだ。一方、ソ連制度には財政問題を他の国々に押しつける特権は無い。

それゆえロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、今週、ロシアを、再度、アメリカとのいかなる軍拡競争にも巻き込まれるようなことはしないと語ったのは賢明だ。プーチンと彼の顧問は、歴史をしっかり研究しており、そのような軍拡競争が、もし引き起こされれば、アメリカ政府にとってより、モスクワにとって、遥かに重大な経済的、政治的問題をもたらすことを理解しているだろうと想像する。単に、米ドルが、世界金融体制により不当に特権を享受しているという特異性のおかげなのだ。

それでも、ロシアとの軍拡競争は、まさにアメリカ支配体制内の強力な連中が望んでいることだと思いたくなる。

これにはいくつかの理由がある。第一に、アメリカ資本主義、巨大な軍産複合体への政府助成という頼みの綱無しには機能しないのだ。毎年、アメリカ政府は軍事に約6000億ドルを費やしており - 教育、医療や公共福祉に対する総政府支出の約半分だ。総計すれば、アメリカとそのNATO同盟諸国は、ロシアが軍事部門に支出している金額の約十倍費やしているのだ。

“自由市場”、“私企業”制度だということになっているアメリカ資本主義は神話だ。現実には、それは対照的に、支配エリートの営利のための、中央計画経済、助成支援体制なのだ。年々の膨大なアメリカ軍支出は、この種の経済的寄生体制を維持するためには不可欠だ。論理的に、ロシアに対し引き起こす軍拡競争は、巨大製造企業、ウオール街銀行家や超裕福な株主という軍産複合体にとって、願ってもない恩恵だ。

ロッキード・マーチンの、F-35戦闘機を作るための途方もない公的助成計画に対する彼の最近の訓戒からして、トランプはこのことに気がついているように見える。トランプがアメリカ軍産体制の寄生的な性格を進んで克服するかどうかは、また別の問題だ。それは疑わしい。ここで必要とされるのは、大規模な政治運動によってもたらされる系統的変革だが、資本家億万長者の大立て者トランプは、そういうものを代表していないのは確実だ。

アメリカが、一体なぜロシアとの軍拡競争を望んでいるのかという、もう一つの切実な理由は、ワシントンの政治計画者やイデオローグ連中は、そのようなエスカレーションで、無益な金融上の穴堀競争でモスクワを潰すというかつての冷戦戦略の繰り返しをもたらすことができることを重々承知していることだ。

ロシアは、事実上、あらゆる国々同様、経済のどれだけを軍事支出に使えるかが制限されている。アメリカは違う。世界金融体制が、主要準備通貨として、ドルに頼っている限り、アメリカ政府は、何のおとがめもなく債務を累積させることができるのだ。

軍拡競争によって引き起こされる財政戦争で、ロシアを潰すことを狙ったこのシナリオは、一体なぜアメリカ率いるNATO同盟が、近年モスクワに対するいやがらせを強化しているかの説明にもなる。“ロシアによる侵略”から“ヨーロッパを守る”という口実は明らかに馬鹿らしい。ロシアによる“クリミア併合”というわざとらしい恨み言アメリカ政府とNATOのお先棒をかつぎ連中が、ロシア国境で軍事力を強化する口実にするために画策されている。

客観的状況は、欧米諸国政府や連中の柔順なマスコミが主張しているものと真逆の、ロシアに対するNATOの攻勢と脅しであることは、正気の人なら理解できる。

これは、2002年に、一体なぜアメリカが、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)条約を一方的に離脱したのかという説明にもなる。アメリカの破綻した経済は、そのような不安定さと、戦争の多発によってのみ支えることが可能なので、アメリカ政府は、不安定と不安を醸成する必要があるのだ。

本当の狙いは、ロシアとの第三次世界大戦を煽り立てることではなく、モスクワに無理やり再度の悲惨な軍拡競争をさせることだ。

ロシアは継続して防衛能力を強化することが不可欠だ。つまり、既存システムの性能向上だ。ここでのキーワードは“強化”だ。プーチンは“拡張”とは言っていない。彼は経済的、技術的に効率的にして、軍事能力を最適化することをはっきりと語ったのだ。

アメリカ政府による無謀な戦争挑発は、第二次世界大戦以来何十年もの歴史がある傾向だ。不幸なことに、このアメリカの好戦性に抵抗するには、ヨーロッパの同盟諸国は、あまりに従属的、つまりイデオロギー的に従順に過ぎる。この場合、ロシアは、アメリカによるあらゆる究極的侵略を阻止すべく、最高の防衛システムを保有するよう常に警戒し続けねばならない。

ロシアは“いかなる侵略者”に対しても自らを守ることができると、プーチン大統領は堂々と述べた

とは言え、いかなる代償を払っても、ロシアは、経済を、そして結局はロシアの国家主権を破壊する軍拡競争を避けなければならない。それこそ、まさに敵のアメリカが願っていることなのだから。

本記事で表明されている見解はもっぱら著者のものであり、必ずしもスプートニクの公式な立場を反映するものではない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201612251048979856-us-russia-arms-race/

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Paul Craig Roberts氏、具体的に、この記事をあげて、「レーガンが軍拡競争でソ連を潰した」という点について、レーガン政権の一員だった当事者として、この友人のコラムはいつも読んでいるが、誤解だと書いている。

What is Henry Kissinger Up To?

2016年12月22日 (木)

欧米がロシア大使暗殺者を動かした

2016年12月20日
Finian CUNNINGHAM
Strategic Culture Foundation

アンカラにおけるロシア大使アンドレイ・カルロフの残酷な殺害は、世界中に衝撃波を送った。トルコの首都にある写真画廊で講演中のカルロフを背後から銃撃した殺し屋によるテロ行為に対し、アメリカ政府やヨーロッパの国々が非難声明を出した。

ホワイト・ハウスは“憎むべき攻撃”と呼ぶものを非難し、フェデリカ・モゲリーニ欧州連合外務・安全保障政策上級代表は、殺害後、ロシアとの連帯を誓った。

ある見出しはこうだ。‘EU、アメリカ、駐トルコ・ロシア大使殺害に衝撃’。

シリア紛争を巡るアメリカやEUによる何カ月もの執拗ないわれのないロシア中傷からして、大使殺害に関する連中の非難を耳にすると“ワニの涙”という常套句を思い出す。

この惨事と同日、月曜日、わずか数時間後、ドイツの首都ベルリンで起きた、パキスタン人亡命希望者が大型トラックを、大勢で賑わうクリスマス・マーケットに突進させ、少なくとも12人を殺害し、約50人を負傷させて、二つ目のテロ攻撃らしきものが起きた。両方あいまって、二つの出来事が、ヨーロッパ中の安全保障対策を強化させた。ヨーロッパ諸国が暴力の種を蒔いている罪からすれば、またしてもの残酷な皮肉だ。

カルロフ(62歳)氏は40年の経験をもつ熟練外交官で、2013年にトルコ大使となった。シリアの都市アレッポの戦場から一般市民と戦闘員を避難させる手配とりまとめを狙うロシア、イランとトルコの最近の政治対話を推進すべく、彼は舞台裏で巧妙に活躍していた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領も、カルロフ暗殺は、 シリア紛争の政治的解決を見出すための進行中の機微な交渉を頓挫させる“挑発”だと宣言した。この交渉は、殺害の翌日、火曜日に両国とイランの外務大臣が、モスクワで、予定通り会合して進んでいる。

アメリカと、そのヨーロッパの同盟諸国は、ロシア、イランとトルコ間の交渉から、露骨にはずされている。欧米諸国は、反政府戦闘員の様々な派閥に資金提供し、武器を与えている、シリアにおけるほぼ六年間の戦争の当事者であるにもかかわらず。

クレムリンからのテレビ放映された演説で、プーチン大統領は“殺し屋の背後に一体だれがいたのか”を見つけ出すためのカルロフ大使殺害事件捜査が必要だと述べた。

写真画廊を急襲したトルコ特殊部隊に即座に殺害された銃撃犯は、22歳のアンカラ機動隊の非番隊員、メブリュト・メルト・アルトゥンタシュだ。殺人事件現場に居合わせて生き残った人たちがとったビデオ映像で、カルロフ大使が床に横たわり亡くなっている中、殺人犯はアレッポの人々への支援を宣言し“アラー・アクバル”(“神は偉大なり”)… “これは、アレッポの報復だ”と叫んだ。

後にトルコ当局は、銃撃犯は、先に7月のクーデター未遂を引き起こしたかどで非難されているギュレン運動とつながっていると主張した。この動きは、機動隊員と、シリア国内のイスラム主義テロリストとの間の、ばつの悪いつながりであろうものを隠すはずの、トルコ政府による陽動作戦の可能性がある。

ロシア議員の中には、カルロフ殺害は、アメリカが率いるNATO軍事同盟が画策した可能性があるとまで主張するものもいる。先週の、ロシア、イランとレバノン軍という同盟諸国による支援を得たシリア軍によるアレッポ解放は、シリアにおいて政権転覆のための秘密戦争を推進しているNATO列強の戦略的敗北という結果になった。

週末には、NATO加盟諸国からの数人の特殊部隊要員が、アレッポでシリア軍に捕獲されたという報道まで現れた。おそらくは聖戦テロリストの訓練と指揮のため、アレッポに、NATO要員がこっそり駐留していたことは、シリア国内で戦争を遂行することでの、欧米の犯罪陰謀の確固たる証拠となろう。

カルロフ大使を撃った殺人警官がNATO諜報機関の指示の下で動いていたのかどうかはまだわからない。

とはいえ、たとえ彼が独自に行動したにせよ、欧米諸国政府とマスコミには、“彼の手を導いた”厄介な責任があると言えるだろう。

国連の潘基文事務総長、アメリカ、イギリス、フランスやドイツからほとばしりでる非難の中には、ジョン・ケリー・アメリカ国務長官や、サマンサ・パワー・アメリカ国連大使による発言がある。アンドレイ・カルロフ殺害のわずか数日前、欧米諸国や国連幹部連中は、アレッポを奪還するためのシリアによる攻勢の際、ロシアは戦争犯罪をおかしていると主張する激しいマスコミ・キャンペーンをしかけていた。

ジョン・ケリーは、アレッポにおける彼が“大虐殺”と呼ぶものを非難した。サマンサ・パワーは、国連安全保障理事会で、ロシアは“恥を感じる能力がない”と激しく非難し、アレッポで、女性や子供が処刑されているという無責任で、根拠のない主張まで言いふらし、ほとんどヒステリー状態だった。

欧米諸国政府とマスコミによる、何カ月も続く非難のクレッシェンドは、先週アレッポが最終的に、シリア軍と同盟諸国によってとうとう奪還された際に頂点に達した。包囲されている東アレッポを抑えているテロ集団とつながる怪しげな情報源を引用し、欧米は、一般市民に対する迫害者で、人類に対する犯罪をおかしていると、ロシアを悪魔化した。

アメリカ、イギリスとフランスの外交官は、ロシアと同盟国シリアを、ナチス・ドイツと、スペインのファシスト、フランコによる侵略になぞらえ、歴史的類似をとんでもなく歪曲している。

シリアのロシア領事館が戦闘員のロケットの標的にされた際、欧米諸国が、こうした甚だしい違反を非難するのを拒否したことも想起しよう。イギリスのボリス・ジョンソン外務大臣が、ロンドンのロシア大使館前での大衆抗議行動を促したことも想起しよう。アレッポで、移動病院に対するテロ・ロケット攻撃で、二人のロシア人看護婦が殺害された際、欧米諸国が、非難せずに、沈黙をたもったことも想起しよう。欧米諸国政府やマスコミが、無数の微妙なやり方やら、さほど微妙でないやり方によって、ロシアを、攻撃に値する悪党に仕立て上げたのだ。

非難のクライマックスは、先週、アメリカ政府や、アメリカの欧米同盟諸国と国連 - 全員が、疑うことをしない欧米マスコミが誇張した - 東アレッポにおける一般市民殺りくとされるもので、ロシアを中傷して途方もない高みに達した。アメリカ大使サマンサ・パワーは、とりわけ、シリアとロシアの軍により、子供たちが地下で殺害されているという裏付けのない報道を引用した。

欧米のヒステリーとはうらはらに、アレッポ一般市民の何万人もの平穏な避難が実際に進行中だ。欧米や国連の幹部が叫び続けている、いかなる虐殺や、人類にたいする犯罪の証拠も皆無だ。逆に、多数の一般市民は、欧米が支援する戦闘員が四年間押しつけていた恐怖の支配から、シリアとロシアの軍により解放された安堵と感謝の念を表明している。

事実上、欧米公式情報筋が、アレッポ、そしてシリア戦争全般について語り続けてきた全てが、奇っ怪なウソに見える。

アンドレイ・カルロフの死後、ロシア国会議員で外国問題委員会委員のアレクセイ・プシコフが、アレッポにおける出来事にまつわる欧米のヒステリーとでっち上げが、ロシアに対する異常な憎悪という雰囲気を醸成したのだから、欧米に責任があると語ったのは正しい。

トルコ人暗殺者は、拳銃をカルロフに狙いを定めた時、“アレッポで殺された一般市民”を追悼しての行動だと宣言した。だが一体誰が、彼に、ロシアが“報復”の正しい標的だというイメージを与えたのだろう? 彼の頭を、アレッポにおける一般市民に対する殺りくと恐怖という(偽の)イメージで一杯にしたのは一体だれだろう?

こうした疑問に誠実に答えれば、結論は、欧米諸国政府、外交官やマスコミが、アンドレイ・カルロフ大使殺害の銃を向けさせたということになる。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/12/20/west-directed-killer-hand-assassination-russian-ambassador.html
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この記事の後のドイツ警察発表からすれば、ベルリン・テロ攻撃犯人に関しては、この記事は正しくない。それで、全体の趣旨が正しくないことにはなるまい。

スティーヴン・レンドマン氏は、ベルリン・テロは偽旗作戦の可能性があるという。
Berlin’s Christmas Market Incident a Likely False Flag

Sputnikに下記記事が掲載されている。ヌスラ戦線は、欧米が財政、武器支援しているテロ集団だから、声明が真実であれば、まさに、筆者の指摘通り。

ロシア大使殺害テロ、「ヌスラ戦線」が犯行声明
続きを読む: https://jp.sputniknews.com/politics/201612213164965/

2016年11月30日 (水)

EU、国民に、自らの洗脳のために、資金拠出させる案に賛成投票

Finian Cunningham
公開日時: 2016年11月26日  10:11
Strategic Culture Foundation


ストラスブールの欧州議会概観 © ロイター

欧州委員会が設置した“ロシア・プロパガンダ”をあばくものとされる未熟者集団が、更なる税金と資源によって、拡大される予定だ。ヨーロッパ市民は、自らの無知と虚報を引き起こす仕組みに資金提供することになる。

今週、ストラスブールの欧州議会は、いかがわしい多数決で“ロシア・プロパガンダをあばく”ことを狙ったマスコミ監視組織の仕事を拡大するための資金投入に賛成した。

11人の“外交官”で構成されると報じられている、ほとんど知られていないメディア集団は一年前に、全能の、選挙で選ばれたわけではない欧州委員会によって設置された。このメディア部会は、それゆえ、いかなる選挙による負託ももっていない。この組織は、5億人のEU市民が、将来、ニュースや公的な情報をいかに入手することができるかに対する影響力を持つ可能性を有している。

特に、上記のEUメディア計画は、極端なロシア嫌いの偏向が動機なのは明らかだ。このマスコミ監視組織と連携して動いているのは、猛烈に反ロシアのポーランド人欧州議会議員アンナ・フォティガ率いる議員7人の別グループだ。この57歳の、EU議会内の右翼党派、欧州保守改革同盟メンバーは、ウクライナ国内と、ヨーロッパ全般に対する“侵略”  のかどで、ロシアを年中非難している。

更に読む
EUの'ロシア・プロパガンダ'決議はメディアの自由に対する攻撃で偽善の匂い

東欧の反ロシア権益集団に支配されている、フォティガ自薦のメディア・グループは、今年早々“プロパガンダ効果をあばくことを考慮したEUの戦略的コミュニケーション”と題する報告書を作成した。報告書は、ロシア報道機関RTとスプートニクは、EU加盟諸国間での分裂と不和の種を蒔くためのクレムリン・プロパガンダ手段だと非難するヒステリー状態の読み物だ。

報告書にはこうある。“ロシア政府は、民主的価値観を疑わせ、ヨーロッパを分断し、国内での支持を得て、EUの東の隣人諸国は破綻国家だという認識を産み出すために、シンクタンク[...]、マルチメディアTV局(たとえば、ロシア・トゥデイ)、疑似報道機関のマルチメディア・サービス(たとえば、スプートニク) [...]、ソーシャル・メディアや、インターネットのあらしなど様々な道具を駆使している。”

“ロシア・プロパガンダをあばく”ためのメディア計画用の資金を増やすという、欧州議会による今週の決議の基盤となったのは、主として、この偏向した“研究”だった。

一体どれほどの金額がマスコミ監視組織に支払われるのかは不明だ。しかし、結局は、EU諸国民によってまかなわれ、その税金が、ブリュッセルに本拠を置く28カ国ブロックに対して、加盟諸国政府の財政的貢献を引き受けるのだ。

特に、今週のEU議会投票は、説得力あるものとはほど遠い。304人の欧州議会議員が“反ロシア・プロパガンダ”集団への更なる資金投入に賛成したが、179人の欧州議会議員は反対投票した。更に208人の議員は棄権した。これは“ロシア・プロパガンダあばき”の機能と信頼性に関する議員たちの広範な理解を示唆している。

だから、我々が目にしているのは、明らかにロシアに対して敵意をもった、選挙で選ばれたわけでもない顔の見えない官僚や、イデオロギー的な動機の政治家連中の小集団が、EU圏全体にとって、そしてそれ以外にとって、情報を自由に入手する国民の権利を大きく侵害する極めて重要な外交政策分野を形作ることができるという結果だ。

“偽ニュース”が欧米民主主義を傷つけているという、アメリカのバラク・オバマ大統領やドイツのアンゲラ・メルケル首相などの欧米指導者による最近の主張によって、“ロシアという国家が支援するプロパガンダ”という非難がかき立てられている。こうした主張には、何ヶ月も、ロシアの報道機関は、クレムリンの意を汲んだ偽情報の為のフロント組織だと主張する様々なNATOとつながるシンクタンクからの報告が続いている。

今やGoogleやFacebookなどのインターネットやソーシャル・メディア・プロバイダーに、彼らのネットワークで“偽ニュース”を禁止させようとする政治的圧力がかけられている。ドイツのメルケル首相は、今週、インターネット・サービス企業に、“偽ニュースを規制する”よう強制する法律を導入する意図さえ表明した

ロシア・メディア取り締まりで新たな暗黒時代に入るヨーロッパ(ロバート・ブリッジによるOp-Edge記事) https://t.co/NoZHsBgCfy
    - RT (@RT_com) 2016年11月26日

この展開が一体どこまで進むのかは不明だ。欧米を本拠とするインターネット企業が屈して、包括的検閲を課する可能性がある。もう一つの疑問は、どの情報や情報源が“偽”だと指定する上で、一体どういう規制をするかだ。

ロシア嫌いの政治的雰囲気は、欧米指導者やNATOとつながるシンクタンクやEU議員によって掻き立てられており - 実際に、RTやスプートニクのようなロシア報道機関を“違法な情報源”として名指ししており- 全てがロシア・メディアを禁止するお膳立てだ。

今週の報道では、EUのマスコミ監視組織は“ロシア・プロパガンダに反撃する”ため、拡大されつつあり“インターネット・ユーザーに、偽情報の注意を喚起する”方法を使用することになるだろうという。たぶん、これにはクレムリン・プロパガンダと見なされるニュース記事に悪口を書き込むオンライン・コメンテーター(あらし)を雇うことも含まれよう。インターネット・プロバイダーに実際、記事を削除するよう要求する動きは、どうやら、まだない。しかし、情け容赦のない反ロシアの雰囲気と“偽ニュース”が民主主義を浸食しているという欧米指導者連中の主張からして、本格的検閲まで、あと一歩のように思われる。

現在展開していることの陰険な本質は、先月、ベルギーNATO戦闘機によるシリア爆撃とされる出来事で実証された。現地情報源によれば、10月18日、アレッポのハサディク村が空爆に見舞われ、6人の一般市民が死亡した。

後に、ロイターを含むいくつかの報道機関は、聖戦テロ集団と戦うためにシリアを爆撃しているとされる、アメリカ率いる連合の一環として、ベルギーが攻撃を行ったとロシア国防省が非難したことを報道した

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欧州議会議員が、EUの偽ニュースを強化する動議を支持したのは冗談だったのだろうか?

ベルギー戦闘機を特定したと報じられている飛行とレーダー・データも提供しているロシアの情報は確かなものに見える。一体なぜ、ベルギー空軍がこの致命的攻撃に関与していることを否定して、ベルギー政府邪魔をしているように見えるのかを説明すべく、モスクワでは、ベルギー大使が召喚された。

この部会への更なる資金割り当てを承認する今週の議会投票時、先月のアレッポ郊外へのベルギー空爆とされるもののニュース報道が、EUのマスコミ監視組織によって、“偽ニュース”の好例だと説明されたことが懸念される。

これには大変邪悪な含意がある。どれほど確かだったり、事実に基づいていたりしても、EU政府政治的感情や評判を害するようなあらゆるニュース報道や分析は“偽”とレッテルを貼られることとなる。それゆえ検閲対象となるのだ。

欧米政府が聖戦テロ集団に兵器を提供しているという報道はどうなのだろう?欧米マスコミが、包囲されたシリアの都市アレッポ解放で、ロシアが違反しているというような主張をねつ造するホワイト・ヘルメットのようなテロリスト・プロパガンダ・フロント組織と結託しているという報道はどうなのだろう?

そうした報道は全て検証し、文書で裏付けることが可能だ。ところが、そうした報道は、シリアにおける関与に関する欧米の公式主張とは反対なので、そうした“反対の”報道は“ロシア・プロパガンダ”として簡単に片づけられてしまう。

これは、ロシア・ニュースは“偽”で“プロパガンダ”だという、主観的な政治的動機の主張をするだけで、ヨーロッパとアメリカ当局が、自らがマスコミからの批判や精査から免れることを許す無謀な許可証だ。

一方、今週ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領がブリュッセルで、EU指導者に接待され、そこでこう警告した。“欧州連合はロシアからの極めて激しい攻撃下にある。”

ヨーロッパ・マスコミや、EU自身のマスコミ監視組織には、ポロシェンコの退屈な長広舌が典型的“偽ニュース”であることに気がついている徴候は皆無だ。
EU市民が、選挙で選ばれたわけではないマスコミ管理者に資金を出す義務を課され、その連中が、EU市民から極めて重要なニュースや情報を奪い、同時に、EU市民に全く根拠のない反ロシア・プロパガンダを湯水のように浴びせるという暗黒郷の未来になりそうだ。

EU市民は、自分の洗脳費用を支払うよう次第に強制されつつあるというのが結論だ。

益々多くの市民が、EUの少数独裁支配から遠ざかっているのも不思議ではない。連中はばらばらに分解すべき専制政治のように振る舞っているのだから。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。アイルランドのベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。20年以上、ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は編集者、著者として働いた。現在は、東アフリカを本拠とするフリーランス・ジャーナリストで、RT、Sputnik、Strategic Culture Foundationや、Press TVにコラム記事を書いている。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/368261-eu-mep-resolution-rt/

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どこかの国では、昔から国民は自らの洗脳のため、視聴料支払いを強制させられている。

大本営広報部、劣化はとまらない。見ていて悲しくなるばかり。

韓国大統領の辞意表明は繰り返し報じるが、その背景にある韓国の社会・経済状態については全く報じない。韓国はアメリカとFTAを結んでいる。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会」呼びかけ人の一人、山田正彦元農林水産大臣は、こう書いておられる。

日本がTPP交渉に参加したいと言い出したころ、私は米国政府の考えを直接聞きたいと考え、2012年1月に渡米し、当時の米通商代表部(USTR)マランティス代表補を訪ねました。そこで「TPPで日本に何を求めるのか?」と聞くと、マランティス氏は「米韓FTAの内容を読んでくれ。日本にはそれ以上のものを求める」と明言されました。そのあとすぐに、国務省のキャンベル事務次官補の筆頭代理ズムライト氏と面会すると、全く同じ答えが返ってきました。「米韓FTA以上のものを日本にTPPで求める」とはっきり言われたのです。

当時、日本の新聞四大紙はとも推進論を展開、テレビも「日本は韓国に乗り遅れるな」などと大キャンペーンを張りました。しかし、米韓FTAを結んだ当の韓国はどうなったでしょうか?

韓国ではすでに7割の農家が廃業を決意している状況です。食料品はアメリカなど他国に依存する政策を選んだものの、それでは経済はどうなったかといえば、大変な不況に陥っています。輸出が伸びるどころか輸入が増えて、貧富の格差が極端に拡大、大変な状況です。さらに、秘密交渉のなかで180本近い法律の改正に追い込まれています。すでにISD条項で訴えられ、国の主権さえ脅かされている韓国を見れば、我々はここで何としても、TPP交渉の差止めをしなければなりません。

日本は国民主権の国家です。国民自身が声を出し、自分たちの手で、TPPを止めなければならない。今こそ、そのために立ち上がろうではありませんか。我々自身が原告となり、国を相手に声を上げ、訴訟を起こそうではありませんか。

大本営広報部はもちろん、米韓FTAの実態は報じない。そこで、今朝の日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。

 TPPの先行モデルであるとされる米韓FTAが発効し、李明博(イ・ミョンバク)政権、朴槿恵政権のもとで新自由主義路線が採用されてきた韓国の政治状況は、日本にとって決して他人事で済ませられるものではありません。

 IWJではこれまで、2012年3月に岩上さんが自ら韓国入りして連続インタビューを行った他、立教大学教授の郭洋春氏、滋賀県立大学准教授の河かおる氏らに単独インタビューを行っています。これらの動画アーカイブは、「サポート会員」にご登録いただければ、いつでも好きな時にご視聴いただくことができます。

 韓国では今、何が起きているのか。日本への影響は? ぜひ、IWJの動画アーカイブで「真実」をお確かめください!

※2012/03/24 米韓FTA発効で韓国メディアがストライキ突入 ~岩上安身による宋基昊(ソン・キホ)弁護士インタビュー in ソウル
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/6207

※2012/03/25 TPPの先行モデル・米韓FTAに抗議する韓国メディア 岩上安身によるイー・カンテク全国言論労組委員長インタビュー in ソウル
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/7854

※2013/02/21 「TPPは現代の植民地政策」 米韓FTAの惨状からTPPを考える ~岩上安身による郭洋春氏(立教大学経済学部教授)緊急インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/59749

※2014/05/24 【岩上安身のIWJ追跡検証レポート】セウォル号事故と韓国メディアの報道から考える ~滋賀県立大学講師・河かおる氏を交えて
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/141646

※2016/04/27 『ダイビング・ベル/セウォル号の真実』特別上映会アフタートーク トークゲスト・岩上安身(※こちらのアーカイブは一般会員の方でもご視聴いただけます)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/299706

※2016/11/20 【特別寄稿】「下野!下野!下野!」市民により添い、権力を追及する韓国インターネット独立メディアの底力――11月12日「民衆総決起!下野Hey!」(ソウル)ライブ中継視聴レポート(※こちらの記事全編は一般会員の方でもお読みいただけます)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/346671

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから!
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2016年11月17日 (木)

ロシア・スパイと、アメリカのリァリティーTV選挙

Finian Cunningham
2016年11月14日
"Sputnik"

何カ月にもわたる中傷と辛辣な言葉の応酬後、次期アメリカ大統領ドナルド・トランプは、今週、ホワイト・ハウスの心地よい暖炉脇の席で、つきあいの良いオバマ大統領に迎えられた。

彼のことを“大統領になった、最初のリアリティTV番組スター”と呼んで、驚きのトランプ当選あら探しをしたマスコミもあった。実際、アメリカ政治制度丸ごと、まるでリアリティTV番組のようだ。

11月8日の投票日に至るまでの数週間、民主党候補者ヒラリー・クリントンと、アメリカ・マスコミの大半が、トランプを“ロシアの傀儡”だと非難していた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、トランプが好感を持っているとされることが、共和党候補者が“クレムリンの手先”の証明とされた。いささかの証拠もないことを指摘し、愚かしいとクレムリンは非難をはねつけた。しかし、非難は、トランプを中傷するための、単なる選挙運動言辞ではない。国家が支援するコンピューター・ハッキングと、トランプを当選させるため“アメリカ選挙に干渉”したかどでのロシア非難に、オバマ政権は公式に肩入れしていた。ホワイト・ハウスの挑発的主張は、国家情報長官と国土安全保障省がおこなった評価のみに基づいている。言い換えれば、これ以上深刻な方法で、ロシアによる転覆工作に対するアメリカの非難をすることは不可能だったろう。

この論理によれば、彼に有利になるよう投票に影響を与えた、ロシアのスパイ工作とプロパガンダのおかげで、今やトランプがホワイト・ハウスの主になろうとしていることになる。間もなく退任するオバマ大統領が“同志トランプ”との写真撮影の機会を設定して、大統領執務室で、ほほえんで、あたりさわりのない会話を交わしているのは一体何なのだろう? 現行の全軍最高司令官は“もし、そうなれば、アメリカは成功するのだから、トランプ大統領が成功するよう応援している”とまで言った。ちょっと待った。この慈愛に溢れた差し向かいでの“平和的権限委譲”発言わずか数日前まで、オバマ政権と大手マスコミは、トランプに、ロシアの第五列というレッテルを貼っていたのだ。
トランプは、核ボタンにアクセスできる大統領となるには“比類無く不適格だ”といって、オバマは嘲ってもいた。

トランプが選出された翌日、ロシアのスパイ行為と干渉というアメリカ・マスコミの主張が突然止まったのは注目すべきことだ。投票前、ロシア外交官がトランプやクリントン財団の選挙運動側近たちと確かに接触していたというニュースから、何か陰険なものをでっちあげようと、まずい企みをしていたのは事実だ。ニューヨーク・タイムズと、ワシントン・ポストが、景気づかせようとしていたが期待外れだった話題、投票前の“ロシア人ハッカー”騒ぎは、奇妙にも公の場から消え去った。ホワイト・ハウスでの、トランプに対する温かい歓迎、そしてオバマ大統領や、敗北した候補者ヒラリー・クリントンと大手マスコミを含むワシントン支配体制に受け入れられていることを考えると、投票前の反ロシア・バッシング全てが、全くのでっち上げで陰険なものだったという驚くべき証拠だ。

お考え願いたい。ある日、ロシア・スパイによって恩恵を受ける人物として描かれていたトランプが、翌日は、文字通り、オバマが言うように“我々が応援している”“第45代アメリカ大統領”として祝われるなどということがどうしてありえようか?

これは、アメリカ政治世界がどれほど劣化しているかの実証に他ならない。政府、諜報機関と、良質なはずの報道機関の全てが、外国 - ロシアに対し、ウソをでっち上げ、広める用意ができているのだ。一体いかにして、ある日の深刻な懸念が、翌日、いとも容易に投げ捨てられるのだろう?

アメリカの内政をひっくり返そうとして干渉をしてくる敵対的外国勢力として、ロシアを悪魔化するのは、明らかに真っ赤なウソだ。そうでなくて、一体なぜトランプが公式に受け入れられるはずがあるだろうか? そして、一体なぜあらゆるマスコミの重大な主張が消え去ったのだろうか?

しかし、この公式アメリカ・プロパガンダの遥かに深刻な点は、ロシアが、より一般的に“敵国”として、いかに入念に作り上げられているかを実証していることだ。アメリカ諜報機関が、もっぱらロシアが、アメリカの大統領選挙に不法侵入しているという主張を背景に、ロシアのインフラに対し、サイバー攻撃を開始する準備をしていると報じられていたのを想起願いたい。もしロシアの産業や公益事業を機能不全にすべく、アメリカのサイバー攻撃が、何らかの形で実行されていれば、それは戦争行為とみなされていたはずだ。ロシアは反撃せざるを得ず、危険な動き全体が全面戦争へとエスカレートしかねなかったのだ。

アメリカ政府と諜報機関と自立しているはずのマスコミが、これほど陰険であることがわかってしまえば、それは他の物事においても、連中の信頼性を破壊する。連中がヨーロッパの安全保障を脅かしていたり、シリアで戦争犯罪をおかしていたりするとされるロシアについて言っていることを、あなたは信じられるだろうか?

ドナルド・トランプも、アメリカ民主主義芝居で、主役をはった。ホワイト・ハウスでの暖炉脇会談で、億万長者で不動産業界の大物は、オバマを“とても良い人”と呼び、将来助言を求めたいと言った。
これは以前トランプが、“ISIS [ダーイシュ] テロ集団の創設者”だと非難したのとまさに全く同じ“とても良い人”なのだ。トランプは、支持者に、クリントン財団同様、オバマを、中東で違法な戦争をしている反逆罪的罪人と見なすよう呼びかけていたのだ。

そう、これは、激しやすく、大言を吐く、政治家嫌いトランプのめざましい百八十度転換だ。もし彼が、大いに憎んでいた政敵とこれほど素早く迎合し、事実上、あらゆる非難を取り消したのだから、トランプは他にどんな約束を破るのだろうと考えたくもなる。

彼は本当にワシントンのオリガーキー支配体制の“問題を解決”するのだろうか? 彼は彼を選んだ“忘れさられた人々”に投資する“アメリカを再び偉大にする”約束を果たすだろうか? アメリカの海外での軍国主義や、ロシアに対するNATO攻勢を、彼は本当に緩和するのだろうか?

ヒラリー・クリントンが大統領に選ばれなかったのは確かに結構なことだった。元国務長官としての彼女の戦争挑発実績と、あからさまなロシア嫌いが、全てを物語っている。

だが我々は、トランプ大統領が、罪を深く悔いる、協力的な新たなアメリカを代表するものだという幻想を抱くべきではない。アメリカ大統領は、常に権力体制構造の名目上の指導者に過ぎなかった。この体制はアメリカ覇権を世界に投射する軍国主義と戦争に依存している。覇権的な関係と帝国主義的行為がなければ、我々が知っているアメリカ資本主義は崩壊するのだ。しかもトランプは根っからの資本主義者だ。彼の手始めの人選は、ネオリベラルな資本の更なる規制緩和や、周囲を、家族や仕事仲間で固める好みを示している。実利的な実業家らしいトランプは、イデオロギーとは無縁な関係を形成する傾向がある。これは、アメリカが、ロシアや、他の列強との関係を改善するのには、良いことである可能性がある。

とは言え、一個人が政治体制を根本から変革すると期待するのは無邪気にすぎよう。トランプが、ホワイト・ハウスに正式におさまって10週間もすれば、アメリカ資本主義の軍-諜報-大企業機関が、体制がいかにして機能するかを彼に認識させるだろうと想像するのはむずかしいことではない。そして、彼はそれを受け入れるだろう。

今週の、トランプのオバマに対する礼儀正しい敬意、そして、その逆も、オバマが“我々は皆一つのチームだ”と言った際に意味していたものを、意図せざる形で示している。その“チーム”とは、アメリカ・オリガーキーだ。アメリカ国民ではない。権利を剥奪された労働者階級のアメリカ人は、根本的な民主的変革という心からの強い願望に反して、トランプを、その“チーム”に入れただけなのかも知れない。

ロシア人ハッカーという主張の急な消滅や、トランプの反体制大言壮語は、アメリカ“民主主義”が全て一つの巨大なリアリティー・テレビ番組であることを示唆している。

本コラムの見解は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもスプートニクの公式見解を代表するものではない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201611121047370364-russian-spies-us-election
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ストックホルム症候群の人物、何でも言う通りにします、と誓約しに出かける。
米韓FTAにも劣らない米日FTAを喜んで締結しますと約束するのだろうか。

国営洗脳放送が「TPP」に触れるたびに、本気で、そう想像する。

米軍駐留経費は全額負担します。どこにでも、お国の侵略戦争に派兵します、とも?

強制的に料金を徴収されて洗脳されるほど悲しいことはない。

「TPP交渉差止・違憲 訴訟の会」で奮闘しておられる岩月浩二弁護士の「街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋」には、
加速する日米FTA という記事がある。2016年11月11日

山本太郎氏、ISDS訴訟で儲ける弁護士連中の実態に関する報告書翻訳概要を公表
「Profiting from injustice」(不正義によって利益を得ること)概要ページ翻訳

小生も、同じ文書のごく一部を下記で翻訳してある。残念なことに、彼からの翻訳注文は頂けていない。

不当な行為で金儲け Profiting from Injustice

TPP関連主要記事リストにあげた翻訳記事も、是非お読み願いたい。

早々と参勤交代する彼の大言壮語は、日本“民主主義”が全て一つの巨大なリアリティー・テレビ番組であることを示唆している。

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