共産主義

2026年2月 8日 (日)

政治的成熟とは、共産主義者は正しかったと認めることだ



現在の世界秩序に対する彼らの批判ほど鋭く正確なものはない。

ケイトリン・ジョンストン
2026年2月5日

 ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。

 政治的に成熟するということは、これまで出会った中で最も怒りっぽく、最も当惑させる共産主義者が、ほぼ全てにおいて正しかったことを最終的に認めることだ。

 十分に学び、謙虚さを保ち、注意深く観察していれば、やがてそうなる。一般的に言って、精力的な共産主義者たちは、どんな集団より世界を明晰に理解していることに気づく。そして、それが常に明らかでなかった唯一の理由は、あなたが生まれた時から共産主義は「ダメだ、ダメだ、悪い、悪い」と国民を洗脳する資本主義権力構造の下で暮らしているためだ。

 彼らは資本主義を最も明晰かつ正確に理解している。帝国主義的搾取についても彼らは最も明晰かつ正確に理解している。西洋の好戦主義や世界的力関係や白人至上主義や制度的人種差別や女性蔑視についても、彼らが最も明晰かつ正確に理解している。だからこそ、アメリカの軍事行動から、極右ファシズムや、いわゆる「穏健派」リベラルの虐待的本質や、億万長者や資本家階級の道徳的堕落に至るまで、あらゆる事柄において彼らの正しさが証明され続けている。


 いかにして、彼らの世界観を実現するのが最善かは依然未解決の問題だ。なぜなら、それはかつて存在したことのない世界で、その世界を構築するための彼らの取り組みは常に資本主義帝国に攻撃され、妨害されてきたためだ。だが、現状の世界秩序に対する彼らの批判ほど鋭く的確な集団は他にない。

 人生において、十分多様で興味深い交流の場に身を置いてきたのなら、過去、率直なマルクス主義者に出会ったことがあるはずだ。当時、彼らの発言は、あなたを不快にさせたかも知れない。それは、あなたがまだ資本主義帝国の世界観に染まりきっていたためか、あるいは若気の至りに熱中しすぎて、彼らが議論していた真剣な主題に取り組むことができなかったためだろう。そしてやがて、自分が感じていた不快感は、認知的不協和と呼ばれるもので、まさに自分が間違っていると感じる感覚であることに気づくだろう。

 もしかしたら、彼らが政治をあまりに真剣に捉え、全てを自分のことのように扱い、あなたがリラックスして人生を楽しもうとしている時に、どんな話題でも、常に不正や虐待を指摘してくるので、あなたはイライラしていたのかも知れない。そして最終的に、あなたが政治について余り考えず、ただ流されることができたのは、あなたの世界観が政治の現状と十分一致していたため、社会のあらゆる側面に蔓延する搾取や抑圧や不正やプロパガンダに気づかなかったためだと気がつく。あなたがそれに気づかなかったのは、それが、当時のあなたの世界観と衝突しなかったためだ。


 あなたが心を開き続け、世界について学び続け、自らの過ちを認め、軌道修正する謙虚さを保っていれば、やがて、あなたは、これらのあらゆる歪みを見抜き、共産主義者たちに対する自分の認識が全く間違っていたことを理解するだろう。

 もちろん、共産主義者の中には間違える人もいる。そして、この精神的に混乱した世界の多くの人々同様、彼らの多くは感情的に破綻しており、未だに多くの心の癒やしを必要としているのだ。だが、この文明社会の虐待的力学を、全体としてこれほど知的に明晰に捉えている集団は他にはない。

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 画像はAdobe Stockより。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2026/02/05/political-maturity-is-realizing-the-commies-were-correct/

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 東京新聞 朝刊 総合 三面  
 オバマ夫妻 類人猿 「トランプ氏が人種差別」

 共和党も動画投稿を批判

 トランプ氏は記者団に投稿はスタッフによるものだと釈明。
 「私は間違いを犯していない」と主張した。
 東京新聞 朝刊 社説・発言 四面 時代を読む は 座布団十枚!  
サナエファンのかたへ 法政大学名誉教授・元総長 田中優子さん
   東京新聞 朝刊 特報面 本音のコラム 前川喜平氏も 座布団十枚!  
高市1強政治

   今回の衆院選で自民党が安定多数を確保し、連立与党で3分の2を超えることになれば高市高市1強政治がはじまる。
 参院が法案を否決しても衆院で可決できるからスパイ防止法、国旗損壊法、旧姓通称使用法、【中略】どんな法案も通せる。
 【中略】
 市場は「積極財政」に反応して国債の暴落と円安インフレを進行させ、庶民の生活は困窮の度をますだろう。しかし高市首相は自分の非を認めず「ほかの誰か」に責任を転嫁するに違いない。
 どこまで落ちれば日本国民はこの悪夢から目ざめるのだろう。

2024年9月 9日 (月)

ハリスを共産主義者と呼ぶのは共産主義に対する侮辱だ



カマラ・ハリスを共産主義者と呼ぶのは、ハリスを貶めるから間違いなのではなく、共産主義を貶めるから間違いなのだ。

ケイトリン・ジョンストン
2024年9月5日

物語マトリックスの端からのメモ

この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。



 共和党はオバマを共産主義者と呼んだが、大統領としての彼最悪の行為は全てブッシュ政策の継続と拡大だった。民主党はトランプをナチと呼んだが、彼最悪の行為は全てオバマ政策の継続と拡大だった。そして今、私たちは再びハリスを共産主義者と呼んでいるが、彼女は共和党も支持する大量虐殺を支持している。

 カマラ・ハリスを共産主義者と呼ぶのは、ハリスを貶めるから間違っているのではなく、共産主義を貶めるから間違っているのだ。



 全世界に衝撃と恐怖を与えているガザでの絶滅作戦を遂行するイスラエル政府をバイデン・ハリス政権は意図的に支援しており、明らかに、ここで私たちが注目する必要がある本当の悪者はジル・スタインだ。



 社会主義者や平和主義者が資本主義の好戦的政党に投票しようなどと、まじめな人間は思わない。民主党が緑の党を批判するのは、票を失ったからではなく、自分たちの党が嘘つきで、自分たちの価値観が偽物だと思い知らされるのが嫌だからだ。

 緑の党に票を盗まれていると民主党が言うのは、緑の党に票を盗まれていると共和党が言うのと同じくらい意味不明だ。民主党は左翼政党ではない。現在大量虐殺と核の瀬戸際政策に従事している好戦的な資本主義政党だ。

 民主党は、緑の党は何も成し遂げていないが、民主党が「物事を成し遂げている」のは、ガザで大量虐殺を犯し、資本主義による搾取と生態系破壊を促進し、絶え間ない戦争と軍国主義を推進しているように見える、と言っている。物事を成し遂げるだけでは十分ではない。成し遂げられることが実際に良いことが必要だ。



 「トランプが大統領になったら大量虐殺はもっとひどくなる!」

 ええ、どうして?

 「悪い種類の大量虐殺になるからだ!」



 イスラエルへの武器禁輸を約束すればハリスが勝利すると本当に信じている人がいるのだろうか? それとも、パレスチナ人の窮状に注目を集めるため人々は信じているふりをしているだけなのだろうか?なぜなら、この体制は明らかにこれより遙かに腐敗していると思うからだ。

 イスラエルがガザ攻撃をやめない限り武器供給を止めるとハリスが誓約したら、親イスラエル派丸ごとと軍産複合体丸ごとが、資金と言論統制の全てをドナルド・トランプ支持に投入するだろう。生涯民主党支持だった裕福な寄付者たちは、今回の選挙で共和党支持に転じるだろう。ハリスはユダヤ人を憎み、テロリストを愛しているというのが突如、主流言説になるだろう。マスメディアの大半がそれに同調するだろう。リベラルなシオニスト・ユダヤ人たちは、カマラ・ハリスが自分たちを殺したがっているから、今は「しぶしぶ」トランプに投票しなければならないと主張する論説記事を大量に書くだろう。

 こんな情報環境でハリスが選挙に勝てると本気で思っている人がいるのだろうか? 勝てるかもしれないが、それは彼女がこれまでやってきたように帝国主義路線を貫き続けるより遙かに難しいだろう。明らかに、ハリスが武器禁輸を約束すれば、多くの人がハリス支持に転じるだろうが、彼女が隠れナチだと主張するヒステリックで強烈な情報作戦で失う有権者を補うに十分な支持者が果たして、いるだろうか? ジェレミー・コービンに同じことが行われた際、支持者は十分ではなかった。

 ハリスは怪物で、大統領選に勝つためなら、パレスチナの子どもを喜んで素手で絞め殺すだろう。しかし、問題は彼女ではない。彼女は単なる一人の人間だ。彼女は、米国大統領選に勝つために必要な曲を演奏し、ダンスを踊っているだけだ。彼女でなければ、同じ曲を演奏し、同じダンスを踊っているのは別の怪物になるだろう。本当の問題は、地球上で最も邪悪な計画を推進し、その計画を確実に実現するため、社会最最悪の人々を権力と影響力のある地位に引き上げる、酷く腐敗した体制だ。

 ハリスはワシントンの堕落の原因ではなく、トランプやバイデン同様、堕落の兆候だ。本当に問題なのはアメリカ帝国そのものや、その歯車を回し続ける腐敗した仕組みの全てだ。帝国機構が崩壊するまで、何らかの形で虐殺は続くだろう。



 ちなみに、2024年9月時点で、ガザでのイスラエルの行動が人質救出の試みと何らかの関係があると、良い大人が思っているとしたら、とんでもないことだ。



 一方、ウクライナでは事態が益々恐ろしくなり続けている。ロシアの奥深くを攻撃するための長距離ミサイルをウクライナ軍に提供することにアメリカは「同意」寸前だとロイター通信は報じている。一方、西側諸国の侵略に対抗するため核政策を変更するとロシアは述べている

 ウクライナが領土と軍隊を失えば失うほど、キーウとワシントンは核超大国に対する緊張をこれまで考えられなかった段階にまで高めようと躍起になる。



 当局がガザでの大量虐殺を批判する人々を抑圧する中、欧米諸国では言論の自由が侵害されつつある。ウクライナでのNATO代理戦争で検閲が急増したのと全く同じだ。彼らはこれらの戦争は欧米とその価値観を守るためだと言いながら、戦争への同意をでっち上げる能力を守るために、欧米とその価値観を破壊している。戦争や大量虐殺や暴政こそが欧米の本当の価値観だ。



 全ての芸術は政治的だ。芸術は現状の狂気に反対するか、それを支持するか、あるいは現状から気をそらすかのいずれかだ。死にゆく世界の大量虐殺と洗脳されたディストピアの中で、自分自身を落ち着かせるためのつまらない気晴らしを人々が作るのは、それを政治的と呼ぶかどうかにかかわらず、政治的行為だ。

 残忍で専制的な帝国の中心で暮らしながら「政治を避けている」と言う芸術家は嘘をついている。彼らは政治を避けているのではなく、政治に直接参加している。しかも、彼らは間違った側に参加しているのだ。

 全ての芸術は、人々の目を開くか、閉じるかのどちらかだ。主流文化のほぼ全ての芸術は、この文明の狂気を当たり前のこととして称賛するか、その不快感を麻痺させることにより、人々の目を閉じさせる。これは単なる政治の問題ではなく、政治の最前線だ。

 政治は文化の下流にあり、あなたが創造に協力している文化が寡頭政治と帝国の流れに無意識に流されているなら、その流れが私たちを一体どこに運ぶのかに、あなたには責任がある。

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 Alex Christoforou Youtube 冒頭、チェイニーの娘の「父はハリス支持」に涌く聴衆
FT, oligarchs upset with Putin. Dick Cheney endorses Harris. Milei wants ICC Maduro 29:03

 宗主国も、最大属国も、トップの有力候補はでくのぼう?

 日刊IWJガイド

「民主党大統領候補カマラ・ハリス氏が副大統領候補のウォルツ氏を伴って、前代未聞の共同インタビュー! トランプ氏は酷評!!」

■はじめに~自分1人では会見もインタビューも受けられない!? 民主党大統領候補カマラ・ハリス氏が副大統領候補のティム・ウォルツ氏を伴って、前代未聞の共同インタビュー! トランプ氏は「退屈!」の一言! 民主党の牙城、L.A.の『ロサンゼルス・タイムズ』でさえ、「大げさな前評判のわりに、目立った新しい発表は少なかった」と酷評!『ザ・ヒル』に至っては「全女性を侮辱している」と強烈な批判! しかもこのインタビューで、ハリス氏が資源産業の代理人であることが露呈! ウクライナがどうなろうと、「代理戦争」という邪悪な手段で、資源輸出のライバル、ロシア抹殺を図る!! ハリス氏はバイデン氏と同じ!

■9月になり、IWJの第15期も2ヶ月目に入りました! IWJの財政的状況は大ピンチです! 岩上安身の体調不良も、7月、8月と続き、たいへんご迷惑をおかけしました! 8月は31日間で、85件、156万2260円のご寄付・カンパをいただきました! 第14期の月間目標額は400万円で、仮にその目標額に当てはめると、39%どまり! 相当に厳しい状況です! 他方で、「IWJしか報じられない情報」が、激増しています! 岩上安身のコロナ感染以降、続く体調不良もあり、この週末も、岩上安身の体調不良で、発刊が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。こうした時だからこそ、ぜひご支援をお願いいたします!

■<インターネット上の「言論の自由」と「検閲」(その4)>バイデンに不都合なら外国メディアにも強権発動!? 米バイデン政権が「米大統領選に影響を与えるロシアのプロパガンダ」の32のウェブドメインを押収、『RT』などロシア4メディアに制裁を発表! FBIが明らかにした容疑は、「『米国はウクライナやその他の「問題」地域に資金を浪費するのではなく、国内問題への取り組みに力を注ぐべきである』という当たり前のことを、ロシアメディアが指摘し、米国民の間に広げたから」!? 倒錯し、言論を歪める米国政府に対し、ロシア外務省のザハロワ報道官は「米国は全体主義的新自由主義独裁国家へと変貌した」と断言!

2019年11月12日 (火)

アメリカは社会主義の用意ができているのだろうか?

Finian Cunningham
2019年10月13日
Strategic Culture Foundation

 一部の民主党政治家の間で、一見より左翼的な政策が現れていることと、社会的、経済的平等に関する普通のアメリカ国民の一層急進的な意識に関して、Strategic Culture Foundationは、アメリカのコリン・S・キャヴェル政治学教授と下記インタビューを行った。

 社会主義に向かって生じている、大衆の方向転換に対するアメリカ支配階級の不安を漏らすかのように、共和党のドナルド・トランプ大統領は「悪い社会主義」という演説で、頻繁に非難している。

 バーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレンやトゥルシー・ギャバードのような民主党大統領候補たちは、何十年もの新自由主義政策を反転させて、裕福なアメリカ人や企業に対する累進課税を公然と要求している。アメリカの有権者は、ひと握りの億万長者が今や全人口の2分の1(1億6000万)より多くの富を持っているアメリカにおける、より急進的な富再分配と、とどまるところを知らない不均等に異議を申し立てる呼びかけに結集している。

 キャヴェル教授は、アメリカ社会における社会主義運動に関する歴史的な観点から、アメリカ政治における現在の進展に関する意見を述べている。だが彼は、政治支配層と資本主義擁護の商業マスコミが、より公正な民主的社会に向かう、どんな運動でも妨害するべく熱心に活動していることを警告する。彼は冷戦時代の遺産が、アメリカにおける社会主義の発展を阻止していると言うが、この有害な反共産主義遺産が克服されつつある兆しもある。

インタビュー

質問: 民主党大統領候補バーニー・サンダースは、国民皆保険制度政策と金持ちの累進課税で労働者階級のアメリカ人から多くの支持を受けているように思われます。あなたはこれが普通のアメリカ人の間での社会主義政府に対する目覚めの前兆と思われますか?

キャヴェル: 新聞や文章や主流メディアの多くの調査に描写されている平均的な見方に対する私の理解では、大半のアメリカ国民は、社会主義が一体何かを、ほとんど理解しておらず、腹黒い資本主義政治家が語るものからの恐怖しかありません。

質問: なぜそうなのでしょうか?

キャヴェル: 資本主義国家とその支持者によって、一世紀、反共産主義と反社会主義プロパガンダされてきた後、大半のアメリカ市民の心中で、「社会主義」は邪悪な悪魔のような独裁者が、国民全員に損害を与え、個人の自由と個人的幸福を縮小させて、彼の個人的要求に合わせて、絶え間なく奴隷のように働くよう命令する、大変な責め苦の全体主義地獄なのです。

質問:アメリカ国民の間での、社会主義に関する世間一般の誤解に、あなたは何か変化をみておられますか?

キャヴェル: 100年間、絶え間なくこのようなたわごとを永続させた後、アメリカ国内のアメリカ人は、過去数十年間、1970年代以来の、他のものごとの逆転や、彼らの賃金や生活状況の低迷状態から、この煙幕を見破り始め、資本主義の有益さにまつわって繰り返される主張は、大多数の一般市民ではなく、資本家階級はいう小さな部分に役立つだけだとで結論したのです。それ故、彼らは全員のためのメディケア、つまり国民皆保険制度の実施、伝統的に、過去のアメリカ大統領や政治家に「社会医療制度」として軽蔑されてきたものを要求するサンダースや他の一層左翼の民主党員のような声を受け入れています。この用語に賛成の大半のアメリカ国民が理解しているのは、医療費が減るか、あるいは無料になるだろうということです。

質問: より広範な社会主義経済のための政策はいかがでしょう?

キャヴェル: 学生ローン累積債務危機が現在1.5兆ドル以上あり、少なくともアメリカ国民の6分の1、約4300万人の成人に影響を与えるのですから、高等教育機関の無料化、つまり大学教育を受けることに対しては、一般に強い支持がありますが、経済を「社会化する」ことに関する他のいかなる面についても、よく理解していません。まだ多くの人々の心の中では、より多くの教育が「より良い仕事」つまり、より多くの給料と福利の見込みを約束していることを考えれば、より多くの正式の教育と学位の獲得を通して自分自身を向上させようする傾向があります。

質問: 社会階級という概念はいかがでしょう。アメリカ人は、自分たちの社会・経済の不平等について、階級という言葉で考えているのでしょうか?

キャヴェル: 少なくとも公的メディアでは、めったに明確に表現されませんが、階級意識は、たいていの市民の中に存在しています。ところがアメリカは、まだ能力があって、一生懸命働く人々全員が出世し、「自助努力でやりとげることが」可能なことを保証する、階級から自由な国だと言われています。さらに大半のアメリカ市民は圧倒的多数が毎月の給料を使いきる生活をしており、緊急時の貯金がわずかか皆無なのにかかわらず、自分は「中産階級」メンバーだと信じています。だから、いいえです。自身の存在、機能、強さや力に気が付いた労働者階級は存在しないのです。もし本当の自由の感覚を享受したいのであれば、強制的に資本主義をひっくり返す自分たちの歴史的な役割に気が付いた労働者階級は存在していないのです。商品の消費者として享受するものを、彼らの自由と同一視しているのです。例えば、携帯電話、自動車、アパート、服、道具、ある種の食物。ローマ人が「パンとサーカス」と表現したもので、資本主義者が大衆を十分満足させることが可能である限り、彼らの支配は守られます。それで、現在の瞬間、普通のアメリカ市民が全員のためのメディケア(国民皆保険制度)の可能性と、全員のための大学教育(すなわち無料教育)を進んで受け入れます。それより先は、十分な仕事(つまり、5%以上の失業率)を提供しそこねているアメリカの経済の失敗だけが、平均的なアメリカ国民を、社会主義政府や社会主義社会を受け入れようにするでしょう。

質問:何十年以上前のアメリカ社会主義の先例、例えばユージン・デブスやヘイマーケット殉教者は一体何だったのでしょう?

キャヴェル: ユートピア社会主義コミュニティーは、19世紀早々アメリカに存在しましたが、1886年5月4日のイリノイ州シカゴでの抗議集会で、8人の無政府主義者が陰謀のかどで有罪宜告され、7人の労働者が死刑を宣告されて終わりました。このヘイマーケット殉教者が、労働者の力、無視できない力を呼び起こしました。この平和な労働者組織に対する攻撃を、国際労働の日として記念すべく、一日8時間就労という法律を実現するプロレタリアート階級的要求のため、世界中で、毎年5月1日、国際労働の日、あるいは国際労働者の日になったのです。

質問:それに続いた弾圧にもかかわらず、アメリカでは、国際社会主義にとって、なかなか注目に値するアメリカ遺産ですね。一世紀以上前に自称社会主義候補として大統領職に立候補したユージン・デブスの遺産はどうでしょう?

キャヴェル:1900年に、社会主義候補者ユージーン・V・デブスは、社会党大統領候補として立候補しました。デブスは、1904年、1908年、1912年と1920年、アメリカ社会党の大統領職候補者として立候補し続け、1920年の選挙運動では、デブスは当時刑務所で服役中でしたが、デブスは、ほぼ百万票を獲得したのです。1919年までに、アメリカ共産党(CPUSA)はマルクス主義志向の共産党の主要綱領を採用し、1950年-1954年、資本家連中が組織的に開始したマッカーシズム弾圧が、ゆっくりながら着実に、共産党とその支持者全員を弾圧し、1955年にAFLとのCIOの合併で終わるまで、労働組合CIOの労働争議で主役を演じました。社会主義の考えは、1950年代から1990年代まで、労働者や政治運動家に知識を与えてはいましたが、主にアメリカ社会の中で一定の自由を持っていた僅かな部分の一つ、学界に維持されました。現在、専門紙やジャーナルやウェブサイトが、多くの労働者指向の政党に維持されていますが、資本主義の主流マスコミが、彼らの言説や主張が、国民的な政治議論に、決して現れないようしているのです。

質問:言論の自由や独立メディアというアメリカご自慢の主張はもはやこれまでですね。あなたはアメリカ人が社会主義に賛成投票する近未来の可能性を想像されますか?

キャヴェル:私の願望は、このような可能性が現実になることですが、アメリカ政治とそれを行っている権力が、私がそのような可能性を楽しむのを思いとどまらせるというのが私の率直な評価です。資本主義階級が前世紀に何か実証していたとすれば、資本主義に代わるいかなる社会主義や共産主義の選択肢も鎮圧する準備があり、いとわないことです。

質問:バーニー・サンダースは有望な社会主義大統領候補でしょうか? バーニーでなければ、他にトゥルシー・ギャバードやエリザベス・ウォーレンの誰でしょう?

キャヴェル:私の意見では、もし大統領選挙が、いつもの、民主党、共和党両方、主流メディアなどの妨害や障害なしで今日アメリカで行われれば、バーニー・サンダースが楽勝でしょう。しかしながら、資本主義階級とそのあらゆる機構が、バーニーが決して民主党指名至らないようにするでしょうから、2020年の大統領職本選挙の候補者にはならないでしょうから、これは決して起こらないでしょう。

 メモ:コリン・S・キャヴェルはウェストバージニアのブルーフィールド州立大学の終身在職権を与えられた政治学正教授。彼は2001年、アムハーストのマサチューセッツ大学から政治学で哲学博士号を取得。彼はかつて全米と国際的に、いくつかの高等教育機関で教えた。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/13/is-america-ready-for-socialism/

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 相撲は大波瀾。それが、一層興味深い。

 公費で堂々と選挙違反行為をしている連中の屁理屈、通るのだろうか?夕方、相撲は録画し、下記田村議員インタビューを拝見する。

日刊IWJガイド「本日午後5時より岩上安身による日本共産党・田村智子参議院議員緊急インタビューを公共性に鑑み全編フルオープンで生中継!」2019.11.12日号~No.2616号~(2019.11.12 8時00分)

  ただで見るのは申し訳ない 雀の涙を考えている。IWJ「ご寄付・カンパのお願い

 

2019年5月13日 (月)

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)(冒頭末尾以外再再再掲)

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)日本語訳の初出は、2007年8月26日。

1 国内と国外に恐ろしい敵を作り上げる
2 政治犯収容所を作る
3 暴漢カーストを育成する
4 国内監視制度を作り上げる
5 市民団体に嫌がらせをする
6 専断的な拘留と釈放を行う
7 主要人物を攻撃する
8 マスコミを支配する
9 反対は反逆に等しい
10 法の支配を停止する

いささか長い文章だが、再読ねがいたいもの。

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ

ナオミ・ウルフ、ガーディアン掲載、 2007年4月 24日火曜日 9:50 am

昨年秋、タイで軍事クーデターがあった。クーデター指導者は、まるで買い物リストでももっているかのように、むしろ計画的に、複数の対策を講じた。ある意味で、彼らは「買い物リスト」をもっていたのだ。数日の内に、デモクラシーが閉ざされた。クーデター指導者は戒厳令を宣言し、武装兵を住宅地に送り込み、ラジオ放送局とテレビ局を占拠し、報道制限を発表し、旅行に対する制限を強化し、活動家たちを収監した。

連中は、やりながらこうしたことを思いついたわけではない。歴史をみれば、開かれた社会を独裁制度に変えるための、事実上の青写真が存在していることがわかる。その青写真はこれまで何度も使われてきた。時にひどく残酷に、あるいはさほど残酷でなく、時にひどく恐ろしく、あるいはさほど恐ろしくはなく。だがそれは有効だった。デモクラシーを作り出し、維持することは極めて困難で、骨が折れる。だがデモクラシーを廃止するのはずっと簡単であることを歴史は示している。単純に10の対策さえ講じればよいのだ。

直視することはむずかしいが、あえて目を向ける意志さえあれば、こうした10の対策のいずれもが、現代のアメリカ合州国で、ブッシュ政権によって既に開始されているのは明らかだ。

私のようなアメリカ人は自由の中に生まれているので、アメリカの国内が他の国々のように、不自由になるということを想像することすら、困難だ。なぜならアメリカ人はもはや自分たちの権利や政府制度についてさほど勉強しなくなっているためだ。憲法を意識し続けるという課題は、もともと国民の所有物だったのが、弁護士や大学教授のような専門家に委託されてしまった-

建国者たちが、整備してくれた抑制と均衡が、今や意図的に解体されつつあることにアメリカ人はほとんど気づかずにいる。アメリカ人は、ヨーロッパの歴史をほとんど勉強していないので、「国土」安全保障省が作られても、そもそも誰が「国土=祖国」という言葉に熱心だったか考えてみるべきだが、当然起こるはずだったこれを警戒する世論は沸き上がらなかった。

我々の目の前で、ジョージ・ブッシュと彼の政権が、開かれた社会を閉ざすために、長年かけて有効性が実証されている戦術を活用している、というのが私のいいたいことだ。想像を超えることを、我々も進んで考えるべき時期なのだ。作家で政治ジャーナリストのジョー・コナソンが言っているように、アメリカでも、そういうことがおき得る。しかも、考えている以上に事態は進んでしまっている。

コナソンは、雄弁にアメリカの独裁主義の危険を警告している。アメリカ国内で今おきつつある出来事の潜在的な深刻さを把握するには、ヨーロッパや他のファシズムの教訓を学ぶべきだと私は主張しているのだ。

1 国内と国外に、恐ろしい敵を作り上げる

2001年9月11日に攻撃されて以来、アメリカは国家的ショック状態だった。6週間もしないうちに、2001年10月26日、アメリカ愛国者法が議会でほとんど論議もなしに通ってしまった。読む時間すらなかったと言っている連中も多い。アメリカ人は、アメリカは「戦時体制」にある、と言われたのだ。アメリカは「文明を一掃しよう」としている「グローバルなカリフ支配」に対する「世界規模の戦争」中なのだ。アメリカが市民的自由を制限した危機の時代はこれまでにもあった。南北戦争の間、リンカーンが戒厳令を宣言した時、そして第二次世界大戦で、何千人という日系アメリカ国民が抑留された時。だが今回のものは、アメリカカン・フリーダム・アジェンダのブルース・フェインが言うように、前例がない。アメリカのこれまでの全ての戦争には終点があったので、振り子が自由に向かって振れ戻ることができた。今の戦争は、時間的には無限であり、空間的には国境がないもので、世界全体がそのまま戦場なのだと定義されている。フェインは言う、「今回は
終わりが決まっていないのです。」

恐ろしい脅威、たとえばギリシャ神話のヒドラのような、秘密主義的な悪を作り出すのは、常套手段だ。これは、国家の安全に対する共産主義の脅威、というヒトラーの呪文のように、実際の出来事に基づく場合もある(あるウイスコンシンの学者は、何より、ナチス・ドイツでは、共産主義者の放火だとされた1933年2月の国会議事堂火災の後に、憲法を無制限の非常事態と置き換える、全権委任法(授権法)の通過が素早く起きたことに言及したために、解雇要求をされることになった)。恐ろしい脅威は、ナチスが「世界のユダヤ人世界による世界的な陰謀」を喚起したように、神話に基づく場合もある。

世界的なイスラム教徒のテロが深刻な脅威でないというのではない。もちろん脅威だ。脅威の性格を伝えるのに用いられる言語は、アメリカと同様に凶暴なテロ攻撃を受けた、例えばスペインのような国では違うのではないか、と主張しているのだ。スペイン国民は、重大な治安上の脅威に直面していることを知っている。アメリカ国民が信じているのは、我々が知っている形の文明が終焉という脅威にさらされているということだ。もちろん、おかげで、アメリカ人は、益々進んでアメリカ人の自由に対する制限を受け入れるようになっている。

2 政治犯収容所を作る

皆を怯えさせるのに成功したら、次のステップは、法律の埒外の監獄制度を作り出すことだ(ブッシュの言い分では、グアンタナモ湾にあるアメリカの監禁センターは、合法的「外部空間」にあるのだという) そこで拷問が行われるわけだ。

最初、そこに送り込まれる人々は、国民から部外者と見なされる人々だ。トラブル・メーカー、スパイ、「人民の敵」あるいは「犯罪人」。当初、国民は、秘密監獄制度を支持しがちだ。その方が安全なように思えたり、囚人と国民が別物のように考えたりするためだ。だがじきに、市民社会の指導者たち、反体制派、労働運動家、聖職者やジャーナリストが逮捕されて、同じようにそこに送られる。

1920年代、1930年代のイタリアやドイツのファシスト策略あるいは反デモクラシー弾圧から、中南米における1970年代のクーデター、そしてそれ以降の出来事で、この過程があった。これは、開かれた社会を閉じてしまうための、あるいは、民主化運動弾圧のための標準的な手法だ。

イラクやアフガニスタンにおけるアメリカの監獄、そして、もちろん、キューバのグアンタナモでは、抑留者は、虐待され、裁判無しで、正当な法の手続きによることもできず、いつまでも拘留されたままで、アメリカは今や確実に政治犯収容所を所有している。ブッシュと議会における彼の仲間は、最近、市街から連れ去られた人々を監禁するのに使われている、世界中にある秘密のCIA「暗黒サイト」刑務所に関する情報は、何も公開しないと宣言した。

政治犯収容所は、歴史的に転移しがちで、ますます巨大化し、ますます秘密化し、ますますひどい、正式なものとなっている。目撃者の話、写真、ビデオや政府書類から、アメリカが運営しているが、我々が十分には調査することができない監獄で、無辜の人も、有罪の人も、拷問されていることを、我々は知っている。

だがアメリカ人は依然として、この体制や抑留者虐待は、自分たちと同じ人間だと普通は考えていない、恐ろしい肌の色が濃い人々だけにしか関係ないのだと思い込んでい。保守派の評論家ウイリアム・サフィアが、政治囚として捕らえられた反ナチス牧師マルチン・ニーメラーの言葉を引用したのは勇気のあることだった。「最初はユダヤ人を捕らえにやってきた」大半のアメリカ人は、グアンタナモにおける法支配の破壊が、彼らにとっての危険な先例になりうることを未だに理解していない。

ちなみに、囚人に対する正当な法の手続きを否定する軍事法廷の設置というものは、ファシスト化策略の初期になされる傾向がある。ムッソリーニやスターリンは、そうした軍事法廷を設置した。1934年4月24日、ナチスも人民裁判所を設置したが、これも司法制度を無視していた。囚人の多くは、罪状の告発なしに、独房で、無期限に拘留され、拷問され、公開裁判にかけられた。最終的に、特別裁判は、判決をする際に、ナチス・イデオロギーに味方し、法の支配を放棄するよう通常の裁判に圧力をかける為の、並列制度となった。

3 暴漢カーストを育成する

私が「ファシスト移行策」と名付けたものを狙う指導者が、開かれた社会を閉じようと望む場合、連中は恐ろしい若者で構成された民兵組織を送り出し、国民を威嚇する。黒シャツ隊員は、イタリアの田舎を歩き回って共産主義者をぶちのめしていた。ナチ突撃隊員は、ドイツ中で、暴力的な集会を開いた。こうした準軍事的組織は、デモクラシーにおいて、特に重要だ。為政者は、国民が暴漢の暴力を恐れることを必要としているので、為政者には、告発の恐れがない暴漢が必要なのだ。

9/11以後の年月、アメリカの警備業者にとって大当たりで、それまではアメリカ軍が担当してきたような仕事を、ブッシュ政権が彼らに外注している。その過程で、国内でも、海外でも、傭兵による治安維持に対する何億ドルもの契約が発注された。イラクでは、こうした外注企業の工作員の中には囚人の拷問や、ジャーナリストへの嫌がらせ、イラク民間人に対する砲撃への関与のかどで訴えられている人々がいる。イラクの外注業者を規制するため、アメリカの元バグダッド総督ポール・ブレマーによって発布された命令第17号のもと、こうした業者は刑事訴追を受ける恐れがないのだ。

そうだ、だが、それはイラクでのことだ、と読者はおっしゃるだろう。だがしかし、ハリケーン・カトリーナの後、米国国土安全保障省は、何百人もの武装民間保安要員をニュー・オリンズで採用し、配置したのだ。調査ジャーナリストのジェレミー・スカヒルは、市内で武器を持たない民間人をめがけて発砲したと言う一人の匿名の警備員にインタビューした。このエピソードは自然災害時のものだ。だが政権の果てしないテロに対する戦争というのは、実際は非公式に契約した部隊が、アメリカの都市で危機管理を引き受ける方式が継続することを意味している。

アメリカにおける暴力団、怒れる若い共和党員男性の集団が、同じようなシャツとズボンを身につけて、2000年フロリダで、投票を集計する作業員を脅迫した。読者が歴史を学んでいれば、次の投票日には「公の秩序」維持の必要性が生じる可能性を想像できるだろう。投票日に、例えば抗議あるいは脅威があれば、どうなるかだ。歴史から見て、投票所の「治安回復のため」に民間警備会社が立ち会う可能性がないとは言えまい。

4 国内監視制度を作り上げる

ムッソリーニのイタリアで、ナチス・ドイツで、共産党東ドイツで、共産党中国で、つまりあらゆる閉鎖社会で、秘密警察は普通の人々をスパイし、隣人同士がお互いをスパイするよう奨励した。東ドイツの秘密警察シュタージは、大多数の人々に自分たちが監視されていると思い込ませるため、ごく少数の東ドイツ国民を監視するだけでよかったのだ

2005年と2006年、ジェームズ・ライズンとエリック・リヒトブラウが、ニューヨーク・タイムズに国民の電話を盗聴し電子メールを読み、国際的な金融取引を追跡する秘密の国家計画について書いてから、一般のアメリカ人も自分たちも国家の監視下におかれ得ることが分かるようになった。

閉鎖社会では、この監視は「国家の安全」のためだという建前でなされるが、本当の機能は、国民を従順にしておいて、実力行使や反体制行動を禁じることだ。

5 市民団体に嫌がらせをする

五番目にすべきことは第四ステップと関連している。市民団体に潜入し、嫌がらせをするのだ。瑣末な場合もある。あるパサデナの教会で、牧師がイエスは平和に賛成していたと説教したところ、国税庁に査察されてしまった。一方、共和党への投票を呼びかけた教会は、アメリカ税法の元では同様に非合法だが、放置されている。

もっと深刻な嫌がらせもある。何千もの普通のアメリカの反戦、環境や他の団体にスパイが潜入していると米国自由人権協会は報告している。秘密のペンタゴン・データーベースには、その1,500の「疑わしい出来事」という範疇の中に、アメリカ国民による、40以上の平和な反戦集会、会合、あるいは行進を含めている。同様に国防省機関で、秘密組織、対諜報現地活動局(CIFA)は、平和的な政治活動に関与している国内団体に関する情報を収集している。CIFAは、「潜在的なテロリストの脅威」を追跡し、普通のアメリカ国民の活動家も監視しているものと考えられている。ほとんど目立たない新たな法律が、「動物の権利」抗議のような行動を「テロリズム」として再定義した。こうして「テロリスト」の定義はじわじわと拡大し、反対勢力をも含むようになってゆく。

6 専断的な拘留と釈放を行う

これは人々を怯えさせる。これはいわば、追いつ追われつゲームのようなものだ。「新中国人」の著者、調査記者ニコラス・D・クリストフとシェリル・ウーダンは、魏京生のような中国の民主化要求活動家は、何度も逮捕され、保釈されていると書いている。閉ざされつつある、あるいは、閉ざされた社会には、反体制派と反対派指導者の「リスト」が存在する。こうして一度リストに載せられてしまえば、誰もが標的とされ、リストからはずしてもらうのは困難なのだ。

2004年、アメリカ運輸保安局は、飛行機に乗ろうとした場合、警備の検査、あるいは、それ以上厳しい扱いをする対象となる乗客リストがあることを認めだ。自分がそのリストに載っていることを発見した人々の中には、サンフランシスコの二人の中年平和活動家女性、リベラルなエドワード・ケネディー上院議員、ベネズエラ大統領がブッシュ大統領を批判して以降のベネズエラ政府職員、そして何千人もの普通のアメリカ国民がいる。

ウォルター・F・マーフィー教授は、プリンストン大学名誉教授だ。わが国の主要な憲法学者の一人で、名著「Constitutional Democracy(憲法によるデモクラシー)」の著者だ。マーフィー教授は勲章を受けた元海兵隊員でもあり、とりたてて政治的にリベラルというわけですらない。しかし今年の3月1日、彼はニューアークで搭乗を拒否された。「テロリスト監視リストに載っていたからです」。

「いかなる平和行進にも参加しなかったのですか? それを理由として、我々が搭乗を禁じている人はたくさんいますよ」と航空会社の社員が尋ねた。

「私は説明しました」マーフィー教授は言う。「行進はしなかったが、2006年九月に、プリンストンで講義をし、それはテレビ放送され、ウエブに載せたが、大統領の数々の憲法違反に対し、ジョージ・ブッシュにはきわめて批判的なものだ。」

「それで十分ですよ」と担当の男は言った。

反戦行進参加者は潜在的テロリストだ。憲法を守る連中は潜在的テロリストだ。歴史をみれば「人民の敵」の範疇は国民生活の中を益々深く広がるものだ。

アメリカ国民ジェームズ・イーは、グアンタナモにおけるイスラム教の従軍宗教者で、秘密書類の扱いを誤ったかどで、告訴されていた。彼に対する告訴が取り下げられる前、アメリカ軍によって、嫌がらせをされた。イーは何度も拘留され、釈放されてきた。彼は依然として、国家から関心をもたれているのだ。

アメリカ国民でオレゴンの弁護士ブランドン・メイフィールドは、間違ってテロリスト容疑者として特定された。彼の家は密かに侵入され、彼のコンピューターは没収された。告訴されていることについては無罪なのに、彼は依然としてリストに載っている。

これはファシスト社会の標準的な習慣だ。一度リストに載ってしまえば、外して貰えない。

7 主要人物を攻撃する

言うことをきかなければ、公務員、芸術家や学者を失業で脅すのだ。ムッソリーニは、ファシストの方針に従わない国立大学の学長を追い回した。親ナチではない学者を追放した、ヨセフ・ゲッベルスもそうだ。チリのアウグスト・ピノチェトもそうだった。中国共産党政治局も民主化運動家の学生や教授を懲罰している。

大学は積極行動主義の火口箱なので、ファシスト化策を進めようとした連中は、ゲッベルスの用語だが、万一イデオロギー的に「協力」しない場合、失業させることで、学者や学生を罰した。公務員というのは、社会の中でも、その政権によって最も首にされやすい部分なので、ファシストどもが、「早いうちから」「協力」を狙う格好の標的集団だ。ドイツの職業官吏再建法は、1933年4月7日に公布された。

ブッシュ支持派州議会員は、いくつかの州で政権に批判的な学者を罰したり、解雇したりするよう、州立大学の評議員に圧力をかけた。公務員について言えば、ブッシュ政権は、抑留者に対する公正な裁判をはっきり主張した、ある軍弁護士の出世の道をふさぎ、政権幹部は、無償で抑留者の代理人になっている弁護士事務所を、事務所の主要な企業顧客に、事務所をボイコットするよう呼びかけるぞと、公然と脅した。

この他、非公開のブログで「水攻めは拷問だ」と発言したCIAの契約従業員は、仕事をするのに必要な、機密取扱者資格を奪われた。

ごく最近では、現政権は、政治的忠誠度が不十分と見えるような8人の検事を追放した。ゲッベルスが公務員を1933年四月に追放した時には、検事も「協力」させられたが、それは、ますます厳しい法律を作る為の「道慣らし」段階だった。

8 マスコミを支配する

1920年代のイタリア、30年代のドイツ、50年代の東ドイツ、60年代のチェコスロバキア、70年代のラテンアメリカの独裁政権、80年代と90年代の中国、あらゆる独裁政権と、独裁者になろうとしている連中が、新聞とジャーナリストを標的にする。彼らは、自分たちが閉じようとしている、開かれた社会のジャーナリストを脅し、嫌がらせをし、逮捕するが、すでに閉ざされた社会の中では、これは更にひどいものだ。

ジャーナリスト保護委員会は、アメリカ人ジャーナリストの逮捕の数は、これまでで最高だと言う。サンフランシスコのブロガー、ジョン・ウォルフは、反戦デモのビデオを提出することを拒否したため、一年間監獄に入れられた。米国国土安全保障省は、「極めて重要なインフラストラクチャー」を危険にさらしたかどで、グレッグ・パラスト記者を刑事告発した。彼とTVプロデューサーはルイジアナのハリケーン・カトリーナの犠牲者を撮影していた。パラストはブッシュ政権に批判的なベストセラーを書いている。

他の記者や作家たちは違うやり方で懲罰されている。ジョセフ・C・ウイルソンは、サダム・フセインがイエローケーキ,・ウランをニジェールで購入したという濡れ衣に基づいて、アメリカを戦争状態に引きずり込んだとして、ニューヨーク・タイムズの論説で、ブッシュを非難した。すると、彼の妻バレリー・プレームがCIAスパイであることが暴露された。こうした形の報復で彼女のキャリアは終わらされた。

とはいえ、訴追や失業など、イラクにおける戦争を公平に報道しようとしているジャーナリストに対するアメリカの扱いと比べれば、たいしたことではない。ジャーナリスト保護委員会は、アメリカ軍がイラクで、アル-ジャジーラからBBCにいたる組織の、エンベッドされていない(つまり独立の)記者やカメラマンに対して射撃したり、射撃するぞと威嚇したりという複数の事例について記録をまとめている。西欧の人々はアル-ジャジーラの報道には疑念をもっても、BBCのケート・アディのような記者の説明耳をかたむける。2003年のITNのテリー・ロイドを含め、時に、記者は負傷させられたり、殺害されたりもする。イラク内のCBSもアソシエーテッド・プレスも、社員をアメリカ軍に逮捕され、暴力的な監獄に入れられた。報道機関は、社員に対する証拠を見られずにいる。

時と共に、閉ざされつつある社会では、本当のニュースは、偽のニュースや偽の文書に取って代わられる。ピノチェトは、テロリストが国家を攻撃しようとしているという自分の主張を裏付けるのに、偽造した文書をチリ国民に示した。イエローケーキ嫌疑も偽造文書に基づいていた。

現代アメリカで、ニュースが止まるということはあるまい-それはありえない。しかし、フランク・リッチとシドニー・ブルーメンソールが指摘したように、嘘の絶え間ない流れが、ニュース源を汚染している。今アメリカにあるのは、ホワイト・ハウスが指揮している偽情報の流れで、余りに絶え間ないものであるため、嘘から真実を選び出すことがますます困難になっている。ファシスト体制で大切なのは、嘘ではなく、曖昧にしてしまうことだ。国民は、偽物と真のニュースとを見分けられなくなると、説明責任に対する要求を、少しずつあきらめてゆく。

9 反対は反逆に等しい

反対者を「反逆者」に、批判を「スパイ」に仕立て上げる。閉鎖しつつある社会は、ますます、ある種の発言を処罰の対象とし、「スパイ」や「反逆者」の定義を拡張する法律を巧妙に仕立て上げながら、必ずこれをやる。ニューヨーク・タイムズの発行人ビル・ケラーが、リヒトブラウ/リーゼンの記事を掲載した時、ブッシュは、タイムズが「不名誉な」機密情報を漏らしていると言い、また議会では共和党がケラーを反逆罪で告訴すべきだと要求し、右翼の解説者や報道機関は「反逆罪」という非難攻撃を続けていた。解説者の中には、コナソンのように、諜報活動取締法違反に対する罪の一つは死刑だと、読者にすました顔をして指摘したものまでいる。

この攻撃が意味する脅威がどれだけ深刻かを指摘したコナソンは正しい。1938年のモスクワの公開裁判で、イズベスチア紙編集長ニコライ・ブハーリンが、反逆罪に問われたことを思い出すことも重要だ。ブハーリンは実際に処刑された。1917年にスパイ法が最後に広範に発動され、悪名高い1919年のパーマー・レイドの間に、左翼活動家が、逮捕令状なしに、一斉検挙され、五カ月間も監獄に留め置かれ、「打擲され、飢えさせられ、窒息させられ、拷問され、殺すと脅された」事を、アメリカ人は思い出すことが重要だ。歴史学者マイラ・マクファーソンによると。それ以来、反体意見の人々は、アメリカ国内で10年間、沈黙させられた。

スターリンのソ連では、反体制派は「人民の敵」だった。ナチスはワイマール・デモクラシーを支持した人々を「十一月の裏切り者」と呼んだ。

ここで「輪は閉じる」のだ。昨年九月以来、議会が誤って、愚かにも、2006年軍事委員会法を通した時に、大統領が、いかなるアメリカ国民をも「敵性戦闘員」と呼べる権力を持ってしまったということを、ほとんどのアメリカ人は分かっていない。大統領は「敵性戦闘員」が何を意味するかを規定する権力を持っている。大統領はまた、自分が選んだ行政機関の誰にでも、その連中の好きなやり方で「敵性戦闘員」を定義し、それによってアメリカ人をする拘束する権力を委譲できるのだ。

たとえ読者や私がアメリカ国民であっても、たとえ我々が行っていると彼が称し、訴えている事に対して、全く無罪であることが判明しても、あなたが明日ニューアークで飛行機を乗り換えている所を捕まえ、あるいは、ドアをノックして我々を捕まえ、あなたや私を軍の営倉に送り出し、そして、あなたや私を、裁判を待つ間、おそらく何カ月も隔離拘禁する権力を大統領は持っている。(長期的な隔離は、精神科医は知っていることだが、本来精神的に健康な囚人に精神病を引き起こす。これこそが、スターリンの収容所列島に独房があり、グアンタナモのような、あらゆるサテライト監獄施設がある理由だ。キャンプ6、つまりグアンタナモの最新かつ最も残酷な施設は、全て独房だ。)

アメリカ国民は、最終的には裁判を受けられることになっている。少なくとも今のところは。「憲法に保証された人権擁護センター」の活動家は、ブッシュ政権は、アメリカ国民にさえ公正な裁判の機会を与えずに済むような方法を益々積極的に探し求めようとしている、と言う。「敵性戦闘員」というのは、虞犯、つまり、罪を犯すおそれのあることを言うのであって、「何か既に行ってしまったこと」とは無関係だ。「アメリカは、すっかり予防拘禁モデルに移行ししてしまった
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お前は何か悪いことをしそうに見える、お前は何か悪いことをしそうだ、だから我々はお前を捕まえるのだ」と、「憲法に保証された人権擁護センター」のスポークスマンは言う。

ほとんどのアメリカ人は、まだこれをしっかりと理解していない。それも当然だ。たとえ真実であっても、信じがたいから。いかなる閉鎖社会でも、ある時点で、何人か目立つ人物が逮捕される。通常、反対派の指導者、聖職者やジャーナリストだ。すると万事が静まりかえる。そうした逮捕の後でも、依然として新聞、裁判所、TVやラジオや、他の市民社会のみかけは残る。その時、本当の反対意見はもはや存在しない。そこには自由は存在していない。歴史を見れば、そうした逮捕のすぐ前までに、まさにアメリカが今ある状況になっている。

10 法の支配を停止する

2007年のジョン・ワーナー国防認可法令は、大統領に、州兵に対する新たな権力を与えた。これはつまり、国家の有事において、大統領は今や、オレゴンで宣言した非常事態を執行するために、州知事や州民の反対があっても、ミシガン州兵の派遣を宣言することができる、より強い権力を持つようになった。

アメリカ人が、ブリトニー・スピアーズの破滅的な状態やら、誰がアンナ・ニコルの赤ん坊の父親だったかに目を向けている中で、ニューヨーク・タイムズはこうした傾向について社説を書いている。「ワシントンにおける気がかりな近年の現象は、アメリカ・デモクラシーの心臓を射抜くような法律が、真夜中に、通過したことだ。実際の暴動以外に、大統領は、自然災害、疫病の大発生、テロリスト攻撃、あるいは、いかなる「他の条件」に対応して、軍隊を国内警察力として使うことができるのだ。

評論家は、これを、連邦政府が、軍隊を国内での法執行に使うことを抑止することを意図した、民兵隊壮年団制定法(Posse Comitatus Act)に対する、明らかな侵犯と見なしている。民主党の上院議員パトリック・リーヒーは、法案は大統領が連邦戒厳令を宣言することを奨励していると言う。それはまた、建国の父たちが、そもそものアメリカの政府制度を作り上げた理由そのものの侵害でもある。絶対君主制度の兵士によって、国民がいじめられるのを見ていた建国の父たちは、まさにこの種の抑圧的な為政者や党派の手中への、アメリカ国民に対する在郷軍兵力の集中を恐れていたのだ。

もちろん、アメリカ合州国は、ムッソリーニのローマへの行進や、ヒトラーによるの政治犯の一斉逮捕に続いておきた、暴力的な、全面的な制度の閉鎖を被りやすいわけではない。アメリカの民主主義的な慣習は、反発力がしっかりしており、いかなるそうした筋書きに対しても、アメリカの軍事と司法は非常に独立している。

それよりも、他の評論家たちが書いているように、アメリカにおけるデモクラシーの実験は、浸食という過程によって、終わりかねない。

ファシスト体制へ移行する当初、空に張られた鉄条網の姿が見えるなどと考えるのは間違えだ。当初、物事は一見、何事もないのだ。1922年カンブリアで、農民は収穫祭を祝っていた。1931年のベルリンで、人々は買い物に、映画にでかけていた。昔、W・H・オーデンが「Musee des Beaux Arts(ボザール美術館)」という詩で書いたように、恐怖はいたるところにある。誰かが災難にあっている間も、子供たちはスケートをし、船は出帆する。「犬は惨めな暮らしを続け… 何もかもまったくのんびりして イカロスの災難を顧みようともせぬ。」

アメリカ人が実にのんびりとくらし、インターネットでの買い物や著名アイドルに夢中になっているうちに、デモクラシーの基盤は致命的なまでに蝕まれつつある。何かが大きく変わってしまい、アメリカ国民はこれまでになく弱体化した。今や終わりのない戦争、世界という名の戦場で「長い戦争」という「戦争状態」にあるという文脈の中で、いまだアメリカ国民はそうと自覚していないが、一言発言するだけで、アメリカ国民の自由や、長期の独房監禁に対して、影響を与える力を、大統領に対して与えているという文脈の中で、アメリカのデモクラシーの伝統、独立した司法、出版報道の自由は動いているのだ。

つまり、こうした全ての基盤の下に、いまだ自由に見えている制度の下では、空洞が広がっていることを意味している。そしてこの基盤は、ある種の圧力の元では崩壊しかねない。そのような結末を防ぐには「もし、...たらどうだろう」と考える必要があるのだ。

もし一年半後に、別のテロ攻撃があったら、たとえば、そんなことがあってはならないが、放射性物質をまき散らす爆弾攻撃があったらどうだろう?
為政者は非常事態を宣言できる。歴史的に、どの指導者でも、どの党の人間でも、危機が去った後も、非常権限を維持したいという思いにかられることが分かっている。伝統的な抑制と均衡は骨抜きにされており、私たちは、ヒラリー大統領であれ、ジュリアーニ大統領であれ、為政者による危機にさらされている。あらゆる為政者は、民主主義的な交渉と妥協という、骨の折れる、不確実な手順よりも、政令によって、彼なり彼女の意志を実行したいという誘惑にかられるのだから。

昨年ケラーを脅した様な右翼の努力で、もしも主要なアメリカ新聞の発行人が、反逆罪やスパイで訴えられたとしたら、どうだろう?
彼なり彼女が10年間の投獄となったらどうだろう? 翌日の新聞はどうなるだろう?
歴史から判断すると、発行を停止することはあるまい。しかし、新聞は、突然従順になるだろう。

今のところは、ごく少数の愛国者が、私たちのために暴政の流れを食い止めるようとしている。「憲法に保証された人権擁護センター」のスタッフ、抑留者の代理をして、殺しの脅迫に会っていながらも、最高裁に至るまで戦い続けている、米国自由人権協会の活動家たち。また、American Freedom Agendaという名の新集団の旗じるしのもと、高名な保守派の人々が、蝕むような新たな法律を押し返そうとしている。この小さな、異なる人々の集団は、国際的に

アメリカ国内における本当のデモクラシーによって抑制されていないアメリカが、アメリカ以外の世界にとって、一体何を意味するのかということを理解して、進んで政権に圧力をかけようとする、ヨーロッパ人や、他の国際的な人々を含め、あらゆる人々の援助を必要としている。

我々は歴史を学び、「もし、こうだったら」という考え方に直面する必要がある。今の方向で進み続ければ、様々な形で、異なる時期に「アメリカの終焉」が私たちの身に降りかかるだろう。私たちは、皆それぞれが、異なる時点で、昔を思い返して、考えざるを得なくなるようになるだろう。「昔はああだったのに、今はこうなってしまった」と。

「立法、行政、司法の、あらゆる権力を同じ人物に集中すること …が、独裁の定義だ」とジェームズ・マジソンは書いた。我々は、まだ今なら、この破滅の道を進むのを止めるという選択が可能だ。我々の立場を守り、国民のために闘い、建国者たちが我々に掲げ続けるよう願った旗を掲げるのだ。

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ

記事原文url:www.guardian.co.uk/world/2007/apr/24/usa.comment

http://kurtnimmo.com/?p=843

この記事、当然、ナオミ・ウルフの新著"The END of AMERICA: Letter of Warning to a Young Patriot"にゆきつきます。176ページ。Chelsea Green刊。New York Timesのベストセラー。$13.95 USD
Theendofamericanw

とても小さな本で、大学二年までの教養過程の英語(=訳者)で読めるのでは?

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壊憲で導入する緊急事態条項の名称は悪辣な偽装。本質は、この記事にある「全権委任法条項」

 ケイトリン・ジョンストンさん、「ベネズエラに対して、シリコンバレー巨大企業はアメリカ政府と協力している」で、検索エンジンで見つかるものは、ベネズエラの偽大統領や、本物の駐米大使が宗主国が任命した偽物に勝手に置き換えられているのを指摘しておられる。彼女がおっしゃる通り、いわゆる「検索エンジン」実際は隠蔽エンジン。

 ウソと思われるなら、ネットでこの記事の検索を試して頂きたい。
 「簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)」と入力しても、2007年8月に翻訳掲載した小生の元記事は決して見つからない。コピーはみかけるが。

 属国完全植民地化を狙う傀儡政府の手口を見事にまとめたナオミ・ウルフさんの素晴らしい記事、知られてはならないので、人目につかぬよう、属国の手の者が人為的に排除工作をしていなければ、こういう不思議なことにはならないはずだ。

 三度掲載したもの全てが検索エンジンでは現れない。ジョージ・オーウェルが『1984年』で書いた過去の真実の歴史を廃棄する「メモリー・ホール」に放り込まれたよう。

 「簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)」過去の三つのurlは下記の通り。決してブログから削除したわけではない。クリックすると現れる。

 2016年2月14日、冒頭末尾以外再再掲記事アドレス
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/10-bb36.html

 2013年8月5日、末尾以外再掲記事のアドレス
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-d987.html

 2007年8月26日、最初の掲載時のアドレス
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/10-b849.html

 よそのサイトにコピーされた記事は読めるので、題名のみならず、元のurlも組み合わせた論理での記事排除策と思われる。とは言え深刻な時節、再再掲載せざるを得ない。

 サーバー企業に「同じ記事を再三繰り返し掲載するのは重大違反だ」といいがかりをつけられ、閉鎖に追いやられるかも知れない。サーバー管理者は、隠蔽エンジン大企業に、なぜ削除すると文句は言わないだろう。その時は「皆様さようなら」ということになる。

 コピーする方々は、必ずこの付記もコピーするよう願いたい。
付記部分を除く翻訳のみの転載は、支配体制による言論統制の幇助に他ならない。

 ちなみに元の英語記事は今も健在。Fascist America, in 10 easy stepsと入力すると当然読める。末尾に寄付のお願い文章がある。昔あったかどうかの記憶はない。
https://www.theguardian.com/world/2007/apr/24/usa.comment

原文は2007年4月、翻訳掲載は8月、12年前の翻訳ながら、今の属国状況そのままの記事。不思議なことにネット検索で探しても、この元記事は見つからない。

1 国内と国外に恐ろしい敵を作り上げる
ミサイル北朝鮮、尖閣中国、竹島韓国、北方領土ロシア。沖縄や首都圏の空を支配している宗主国は不思議に恐ろしくない。
2 政治犯収容所を作る
3 暴漢カーストを育成する
4 国内監視制度を作り上げる この記事がネット検索してもみつからないのも、ささやかながら一例。
5 市民団体に嫌がらせをする  逮捕者は428日も勾留――不可解な公安「倉敷民商」捜索

6 専断的な拘留と釈放を行う
辺野古基地反対の座り込みやカヌー隊に対する取り締まりをみれば明らか。そして、なぜ関生支部にいま弾圧が?

7 主要人物を攻撃する
植草一秀氏を全くの冤罪で排除した。植草一秀の『知られざる真実』2016年1月11日の記事、まさしく「このままゆけば日本版全権委任法制定は確実」真実を語っておられるがゆえの理不尽な人物破壊。「一回も成功したことがない日本の「地震予知」に未来はない」と正論を主張される島村英紀武蔵野学院大学特任教授も冤罪で長期間投獄された。経済学者と称する経済破壊首謀者の新書が書店でも目につく。批判の立て看板を出した学生さんは偉い。

8 マスコミを支配する
改元フィーバーが延々続いた。
官房長官の有名な「指摘にはあたらない。問題ない」答弁や、まともな質問の抑圧を官邸記者クラブは放置しているようだ。一方的確な批判的発言をする報道キャスターに降板を強いた。個人的に、今年の「連休」以来、全く見なくなった。
日本呆送狂会責任者が復帰した。記者クラブ、実は「速記者クラブ」。憲法破壊の国民投票では、与党が湯水のように洗脳テレビ・コマーシャルを垂れ流す。改元フィーバー、予行演習だったのかも。どうでも良い話題だけを延々ニュースだと語るのも、与党幹部連中が国会でわざと無意味な答弁をするのも、国民か政治に興味を失ってあきらめ、投票所に行く気力を削ぐのが本当の狙いだろう。

9 反対は反逆に等しい
10 法の支配を停止する 憲法の恣意的解釈。戦争法案、改憲による緊急事態条項、つまり、この記事にある「全権委任法」導入。

大本営広報部が垂れ流すのは、有名人の覚醒剤、児童虐待や北朝鮮ミサイルばかり。自分の頭の蠅は追わない。TPP(今なら「緊急事態条項、つまり、この記事にある全権委任法」)の悪質な本質には絶対ふれない。

「月刊現代農業 TPP協定案全文から読み取れる恐るべき暴力性」内田聖子 (残念ながら今はリンクが切れている)

アホノミクスの惨状も屁理屈でごまかしていたが、屁理屈では足りなくなり、計画的に組織的に統計を改竄するに至ってた。ウソしかない国家。

植草一秀の『知られざる真実』
54兆円損失解消棒に振り新たに18兆円の損失 2016年2月13日

支配されたマスコミ、大本営広報部電気洗脳箱、たとえ終日みていても、絶対にTPP(今なら「緊急事態条項、つまり、この記事にある全権委任法」)の客観的評価番組はありえない。大本営広報部、実質、ある種の4 国内監視制度でもあるだろう。

ちくま文庫『夕陽妄語 1』1984-1991 を購入した。
成田龍一氏による解説冒頭を引用させていただこう。

二〇〇四年四月の「夕陽妄語」は、

思えば、戦後日本の歴史は、「安保」が次第に「九条」を侵蝕していく過程であった。その過程がこの十余年の間に加速的に進んだのである。

と述べる。おりからの小泉純一郎内閣のただなかでの記述であった。加藤周一が主要な呼びかけ人のひとりとなる「九条の会」の発足は、この直後二〇〇四年六月のことである。それから、さらに十余年がたち、安倍晋三内閣のもとでの〈いま〉、ことはいっそう「加速的」である。

二〇〇四年四月の加藤周一の指摘、今もそのまま。二〇〇七年四月のナオミ・ウルフの指摘、今もそのままであって不思議はない。大本営広報部が報じない『緊急事態条項』はワイマール憲法を形骸化した『全権委任法』を報じるメディアはある。

【改憲勢力が狙う「緊急事態条項」の危険性に迫る!シリーズ再配信 11・IWJ_Youtube Live】20:00~「『スーパーマン』になりたがる内閣の下心 ~安倍政権が『無邪気』に導入を目論む『緊急事態条項』はワイマール憲法を形骸化した『全権委任法』!憲法学者・石川裕一郎聖学院大学教授講演」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 2016年1月に収録した、学習会「改憲の目玉・国家緊急権って何だ?」を再配信します。主催は「戦争に協力しない!させない!練馬アクション」ほか。これまでIWJが報じてきた緊急事態条項関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B%E6%9D%A1%E9%A0%85

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/284255

 

2019年1月14日 (月)

ソルジェニーツィンは40年前アメリカの退廃的破たんを正確に予測していた - (ロシアTVニュース)

マイケル・クウィン
2019年1月6日日曜日

 本記事はRussian Insider初出。

 このTV映像は11月中旬のものだが、ソルジェニーツィンに関するニュースとして、我々は現在放映している。アメリカ中間選挙と、その調子が、どれほど無作法であるかの議論で始まり、次にソルジェニーツィンの非常に良い議論となっている。

 彼の有名な先見の明ある1978年のハーバード大学講演「引き裂かれた世界」は非常に正確に、現在の欧米での文化的衝突を予測していた。

 彼は未来の凋落と退廃を引き起こすものとして、過度に個人主義的な欧米イデオロギーをあげている。

「個人の権利の擁護が行き過ぎて、社会全体を無防備にしています。社会は人間の究極の退廃から自らを守る術をほとんど持っていないように思われます。」

この退廃はアメリカ中間選挙での卑劣な戦いの種々な動画で見られる。国の二大政党間で、協力ではなく、このような極端な憎悪が当たり前になっている時に、どのような民主政治が持続可能だろう?

書き起こしは以下の通り。

書き起こし:

   火曜日、アメリカで中間選挙が行なわれた。肝心な点はトランプ大統領がアメリカの議会上院における彼の立場を強くしたということだ。彼は上院の過半数を得た。それは弾劾されないことを意味する。トランプは大統領職を継けるだろう。

   だが議会下院では、トランプは足場を失った。今彼は下院で少数派になっている。下院は国の外交政策を決定する議会なので、重要問題についてトランプと合意することは明らかに不可能なことを意味する。トランプにとって、諮問機関に過ぎない。

   知事も選出された。興味深い事実は、アメリカの全ての知事に、この選挙後、一人も黒人知事がいないのだ。どう思われようと。 一人もいないのだ。

   下院の女性議員の数は増大した - フェミニストの動きのうねりで。インディアン部族初の公然レスビアンさえおり、アメリカ民主政治の偉大な実績だと思われる。同様、初のイスラム教議員もおり、並外れたこととして広く論じられている。

   アメリカ選挙運動の特徴は異常などう猛さと抑制のない無礼さだ。例をあげよう。CNNの政治評論家アンナ・ナヴァロは、放送で、トランプ大統領のことを気安く「人種差別主義の豚」と呼ぶが、これは普通のこととして、穏やかに受け取られている。

   とは言え、このスタイルは、アメリカの二大陣営、共和党と民主党の、お互い相容れない考えと深い憎悪さえ反映している。

   アメリカ・エリートの分裂の残虐さは選挙後も消えず、このような上流社会の態度からは、アメリカ人は何も良い結果には出会うまい。アメリカ人は内戦で胸をつかれるような経験をしたことがないのだ。

   抑制する動機は皆無だ。だが不快さは増大しつつある。皆が憎しみを抱き、皆が憎まれるというエリート状況がある。同時に政治闘争の文化はばらばらに壊れつつある。

   ここに重要な点がある - ニコライ・ベルジャーエフが社会の持続可能性のための文化の優位性について書いている。

    「社会生活で、精神的な優位は文化にある。社会の目標が達成されるのは政治や経済ではなく、文化によってだ。大衆の価値と質は、高品質の文化水準によって測られる。」

  つまり、文化の質が大衆の質を決定するのだ。これはハーバード大学での有名なソルジェニーツィンの講演を思い出させる。アレクサンドル・ソルジェニーツィン生誕百年祝賀も間近だ。

   記念日が近づく中、彼がよく知っていた欧米の象徴、彼が追放されていた期間、暮らしていたアメリカに関する彼の考えを語りたい。適切で、新鮮で、知性面で大胆に聞こえる40年前の言葉は予言だった。

  アレクサンドル・イサーエヴィッチは「優位性が見えないこと」と「勇気の衰え」は「終わりの兆し」だと語った。法的規制だけでは決して社会に十分ではなく、道義的基準が必要だと語った。当時、知的なアメリカ人は、彼の言葉に拍手喝采した。

  アレクサンドル・ソルジェニーツィン:「私は共産主義政権の下で私の全人生を生きてきたので、客観的な法的基準の一切ない社会がどんなに酷いものかお話できます。しかし法法的基準以外の基準が一切ない社会も、同様に人間の暮らしはふさわしくありません。」

  更に社会の利益と個人の利益の相互関係に触れ、人間中心主義に反対意見を述べている。

  アレクサンドル・ソルジェニーツィン:「個人の権利の擁護は社会全体を無防備にするほど極端になっています。破壊的な、責任を負わない自由に無限の空間が与えられています。社会は人間の究極の退廃から自らを守る術をほとんど持っていないように思われます。」

  ハーバードは息を殺して聞いたが、結局ソルジェニーツィンは、欧米民主政治という考えのまさしく核心について語っていたのだ。

   アレクサンドル・ソルジェニーツィン:「そういう考え方では、地球上のすべてを判断し評価する基準は人間です。利己心、ねたみ、虚栄心、その他多くの欠陥から決して自由ではない不完全な人間。我々は旅の初めに気付いていなかった過ちの結果を、今経験しているのです。

  ルネッサンスから今日に至るまで、我々の経験は豊かになりましたが、我々の熱情や我々の無責任さを抑制していた至高の全き存在という概念を失ってしまったのでず。政治的、社会的な改革にあまりに多くの希望を置きすぎ、結局は、我々の最も貴重な財産を失ったことに気がつくのです。我々の精神的生活です。」

  自制に光を当て、人生を始めた時より良い人間になって人生を終えられるよう向上するようにという呼びかけだった。ソルジェニーツィンは物質主義のアメリカと、実際人間に、次の段階に、彼の言葉で言えば「人類学上のレベル」に向上するよう呼びかけていたのだ。

  アレクサンドル・ソルジェニーツィン:「人間生活と人間社会の基本的な定義を修正するのを避けることはできません。人間が万物の長だというのは本当でしょうか? 人より至高の霊はないのでしょうか? 人間の生活と社会活動が、物質的な拡大だけを尺度に決定されることは正しいのでしょうか? 我々の精神的完全さを犠牲にして、このような拡大を促進することは許されるのでしょうか?」

  そう、このようなソルジェニーツィンの深い荘厳な考えに思いをいたし、我々自身を考えることは今日極めて有益だ。我々自身と、ソルジェニーツィンが40年前それほど力があるように聞こえたアメリカを、考えるために。

  本記事はRussian Insider初出。

  訳注:複写、頒布の自由等を明記したクリエイティブ・コモンズ・ライセンス英語文が最後にあるが、翻訳は省略させていただく。法律文書、数式など、意味がわからないものを訳す能力がないという単純な悲しい理由。

記事原文のurl:https://russia-insider.com/en/solzhenitsyn-correctly-predicted-decadent-collapse-america-40-years-ago-russian-tv-news/ri25686

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  ハーバード大学でのソルジェニーツィン講演日本語訳は『世界を動かした21の演説』クリス・アボット著 清川幸美訳 英治出版刊、125ページから146ページに掲載されている。

  ソ連の弾圧体制をするだけでなく、長年暮らした欧米資本主義文化の暗部を的確に指摘しているのは、さすが。この記事にはないが「マスコミ批判」もかなり鋭い。講演ビデオ(本人はロシア語で話しているが、英語同時通訳音声がかぶっている)と英語の書き起こしは、例えば下記で読める。

https://www.americanrhetoric.com/speeches/alexandersolzhenitsynharvard.htm

  本人ロシア語発言の原文書き起こしは、例えば下記で読める。

https://rg.ru/2018/06/08/garvardskaia-rech-solzhenicyna-v-chem-izian-zapadnoj-demokratii.html

  講演の中で、「日本も西欧の一員になったのかもしれないが、自分では判断しかねる。」といった趣旨の発言がある。日本のことには、残念ながら詳しくなかったのだろう。

  今朝の日刊IWJガイドにびっくり。宗主国が押しつける理不尽な憲法破壊・侵略戦争での傭兵化や、地位協定には一言も文句を言えないくせに、韓国のことになると、狂ったように吠えたてるポチ精神。属国傀儡政治家は、属国国民の象徴。

日刊IWJガイド「自民党長尾たかし衆議院議員が韓国への渡航禁止を呼びかける暴挙!! 徴用工問題の正しい歴史的事実を広めるため、ぜひ会員登録の上、岩月浩二弁護士によるご寄稿をご一読いただき、拡散を!」2019.1.14日号~No.2314号~(2019.1.14 8時00分)

2016年1月22日 (金)

もはや機能しないロシアの赤の恐怖

Finian Cunningham

2016年1月19日
"Sputnik"

アメリカとイギリス政府は、クレムリンがヨーロッパの政党やマスコミに工作員を潜入させているという大げさな主張で、ロシアを悪魔化する更なるマスコミ・キャンペーンを開始した。卑劣なロシアの狙いは、欧州連合を破壊することだと我々は教えられたのだ。

ウクライナと"新ヒトラー、プーチン"に関するこの脅し作戦の別バージョンを我々は見てきた。だが、このあくびを誘うような行動は、かつて支配者たちが持っていた欧米の大衆に対する魔法が、もはや機能しないことを実証している。欧米プロパガンダという阿片は、効力を失ったのだ。

ロシアは気にすることなどない。ワシントンの無謀な政策への意気地のない追随ゆえに、EUは、その現在のストレスや緊張を、自分以外の誰にも責める相手はいないのだ。

冷戦終結とソ連解体から25年後、ワシントンとロンドンの忠実な助手は、自国民を、恐ろしい物語で支配することができていた"古き良き時代"に、時計を必死に逆転させようとしている。

欧米当局が、自国民を、恐怖心と、"ロシア人がやってくる"という不安から動員した"潜入している共産主義者"、"赤の脅威"、"悪の帝国"等々、人を脅すために使い古された悪い子をさらう鬼のお話を想起願いたい。

今振り返ると、そうした脅し戦術をしたのに、この欧米の洗脳作戦がまんまと逃げきれたのは驚くべきことだ。しかも当時は、それがかなり機能したのだ。それでアメリカと、NATO同盟諸国が、地球を何度も絶滅できる膨大な核兵器蓄積を構築することが可能になった。この洗脳が、全て、"悪のロシア"に対して、"自由世界"を守るという口実で、アメリカが、特に世界中の何十もの国々に軍事的に干渉し、政権を打倒し、残酷な独裁制を据えつけることを可能にしたのだ。

先週、我々は冷戦の洗脳公式の再現を目の当たりにすることになった。悪名高い心理戦御用達業者、イギリスのデイリー・テレグラフが、ロシアとウラジーミル・プーチン大統領を、 "政党への資金提供"と"モスクワが支援する不安定化"によって、ヨーロッパの統一を破壊させようとしている悪の妖怪として描く記事を掲載した。

イギリスの右派政治支配体制との深いつながりゆえに、嘲笑して"トリーグラフ"として知られている新聞は、匿名のイギリス政府幹部の発言を引用している。

"実際に新冷戦が起きている。EU全体で、様々な極めて重要な戦略問題について、ヨーロッパの統一という構造を破壊しようとしているロシアの取り組みの憂慮すべき証拠を、我々は目にしている。"

同じ記事で、アメリカ議会が、ジェームズ・クラッパー国家情報長官に、"過去十年のヨーロッパ政党に対するロシアの秘密資金提供に対する本格的調査を行うよう"命じたとも報じられていた。

ロシアが操作している推測されるヨーロッパの政党には、デイリー・テレグラフによれば、ジェレミー・コービン率いるイギリス労働党、マリーヌ・ルペン率いるフランスの国民戦線や、オランダ、ハンガリー、イタリア、オーストリアやギリシャの他の政党が含まれている。

ヨーロッパの政治を不安定化させるためのロシアの陰謀とされる話を裏付ける証拠は一片たりとも提示されていない。ロシア政府に向けられた"ニュース" として脚色された典型的な、かつての欧米の冷戦プロパガンダ非難は、当て付けや偏見や悪魔化に頼っていた。ロシアと、指導者のウラジーミル・プーチンが "悪い"のは、そう、我々が彼らは"悪い"というからだ。

ここで本当に起きているのは、膨大な人数の普通の市民が、非民主的な奇怪さに全く幻滅しているがゆえに、欧州連合の縫い目部分が、実際にピンと張りつめているのだ。このEUに対する不満は、右派、左派両方の政党に投票した人々にあてはまる。

容赦のない緊縮策という経済政策、失業と貧困の増加、公共サービスの極めて過酷な削減をする一方、銀行と大企業の利益と、裕福な少数の人々を益々豊かにし続け、EU5億人住民のうち非常に多くの部分を敵に回すこととなった。

EUの政治指導者連中は、保守派、リベラル、社会主義者、あるいは他の様々な名で呼ばれていようとも、より民主的な政策を生み出したり、大衆の需要に合わせたりする能力がないことをさらけ出している。多くのヨーロッパ人の目から見れば、既成政党は全て同じで、いずれも奴隷のように、既に大富豪な人々のための資本家の福祉という方策を守っている。

問題の大きな部分は、EUがワシントンからの自立を全く示せないことだ。アメリカが率いるNATO軍事同盟のくびきのもと、ヨーロッパ政府は、アメリカのアフガニスタン、イラク、リビアとシリアでの政権転覆のための破滅的で違法な戦争に無批判に参加した。こうした戦争は、ヨーロッパに、第二次世界大戦以来最悪の難民危機を負担させられるという跳ね返りになっている。

困難を悪化させているのは、ウクライナ危機を巡る、ロシアとヨーロッパの間の全く無用かつ不毛な対立だ。地政学的な狙いで、ロシアを孤立化させるためウクライナを不安定化させるワシントンとブリュッセルの政策のおかげで、ヨーロッパの農民、企業や、労働者が苦しんでいるのだ。ワシントンが、ヨーロッパ大陸への主要エネルギー供給者としてのロシアを追い出そうという自らの私利のために、ロシアを孤立化させたがっていることが明らかなので、この点、ヨーロッパ政府は特に嫌悪すべきだ。自らの墓穴を掘っているのだ。

こうした一連の問題を考えれば ヨーロッパ諸国民が、彼らのいわゆる政治指導部に不満を抱いていても不思議はない。ブリュッセルに対する大衆的な侮蔑は、最高レベルに達しているが、それも当然なのだ。

ワシントンの経済・外交政策に対する、ヨーロッパの痛ましいほど卑屈な服従が、抗議行動と、EUというプロジェクト全体に対する反対という形で表現されている。ポーランドの右翼、国粋主義与党の勃興は、時代の兆しの一つだ。

ところが、ヨーロッパ全体に広がった不満を潔く受け止めることはせず、ワシントンとイギリスなどの大西洋主義同盟諸国がしようとしているのは、ロシアを生贄にすることだ。

皮肉なのは、ワシントンとロンドンが、苦悩と、ヨーロッパにおける不一致の増大を、ロシアのせいにしようとしていることだ。ヨーロッパが、縫い目からほころびているようにみえる主な原因は、ワシントンとロンドンであるのに。

それを狙って、全ヨーロッパに対する自らの悪意ある破壊的な影響力から注意をそらす方法として、アメリカとイギリスが、ロシアを悪魔化するためのかつての冷戦の口汚い言葉を再開しているのだ。

何十年も前は、反ロシア悪口も大衆に効果があっただろう。特に欧米報道機関と連中のCIA、MI6が潜入した"ジャーナリスト" が、世論に対して効果的な独占を享受していた頃には。そういう時代は終わったのだ。欧米大衆はもはや、子どものように怖いお話の影響を受けはしない。より正確な構図を得るために彼らが利用できる多数の代替情報源が存在しているのだ。

しかも、このヨーロッパ問題の正確な構図はロシアの不正行為とされるものとはしっくりしない。そうではなく、不正行為はワシントンと、追従者のヨーロッパ諸国政府に十分帰せられるのだ。

ワシントンとロンドンによる"赤の恐怖"巻き戻しの企みは、簡単に確実に片づけられよう。しかし興味深いのは、それが、益々イライラして、怒った欧米の国民の注意をそらすための、この二国のプロパガンダ・アイデアがどれほど種切れかという深い印を漏らしていることだ。

人々は益々募る社会・経済問題に対して、何十年も前に有効期限が切れた馬鹿げた怖いお話ではなく、本当の解決策を求めている。欧米の大衆は、このようなたわごとで侮辱されればされるほど、彼らは自国の支配者連中を益々軽蔑するようになる。破綻して、無能な欧米資本家の権力は、行き詰まり状態だ。かかってこい。

この記事で表明されている見解は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもスプートニクの公式的な立場を反映するものではない。

記事原文のurl:http://sputniknews.com/columnists/20160119/1033390804/russia-media-tactic-west.html
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国会で、<憲法解釈議論>法制局長官、記録不作成認める 参院委

この国の支配層、確信犯の集団。それを批判しない大本営広報部は太鼓持ちの集団。

赤の恐怖で、欧米世論を変えることはできなくとも、原油安は、ロシアに痛切なボディー・ブローで効いてくるだろう。
アメリカの輸出解禁も、イランの核を理由にした経済制裁解除も、サウジアラビアが減産しないのも、全てロシアに対する経済戦争だろう。

表題は『もはや機能しない日本共産党の赤の恐怖』と読み替えられるだろう。

反共労組をもとにした、反共政党・民社党を核にしているだろう党に方針転換を求めても時間の無駄だろうと個人的には偏見をもっている。自民党ではなく共産党が敵というのが原則。

本物のジャーナリストは、それでも、しっかりインタビューをしておられて頭が下がる。

2015/12/25 「緊急事態条項」への認識を問う! 憲法を「眠らせ」ようとしているのは誰か 民主党は「ナチスの手口」に屈するのか? 岩上安身が岡田克也代表を単独直撃インタビュー!

偏見をもたず虚心坦懐に国会論戦を見れば、共産党が良き保守党で、与党なるもの新自由主義と売国クーデターが党是の破壊・革命政党。治安維持法の対象。全くアベコベ状況。

国会中継で、共産党参議院議員、田村智子氏、学費を上げ、アルバイトで苦しむ大学生の実情を訴える前に、余りな賄賂問題を軽く追求した。

「女子大学生を対象に、風俗業が求人している」という話もあった。ポール・クレーグ・ロバーツ氏が、資本主義作動中で、「学費で苦しむアメリカの女子大生がネットで愛人を募集する」と書いておられるのを思い出して驚いた。属国では全て宗主国並になる。ギリシャでは、OLが生活苦のため売春をしているとも書いておられた。人ごとでなくなる可能性大。若い男性は侵略戦争のため砲弾の餌食。不幸になるのを避ける秘訣は日本に生れないこと。

寺島隆吉著『英語で大学が亡びるとき「英語力=グローバル人材」というイデオロギー』明石書店には、驚くべきことが書いてあった。

傀儡政府、傀儡官庁、アメリカに留学生を多数送り出そうとしているのだそうだ。

アメリカ人自身が、余りに高騰する学費にいやけがさして、カナダに留学するようになっており、アメリカの大学は学生減で苦しんでいるのだそうだ。
そこで、穴埋めに、日本からカモを大量に送り込む壮大な計画だという。

宗主国の侵略戦争に、砲弾の餌食として、世界中に自衛隊を送り出すのと同じ売国発想。国家的女衒活動で、外国人慰安婦に苦難をあじあわせた連中の師弟が、今度は同国民を、宗主国留が苦に送り出す。血は争えない。

治安の悪さ、程度の低さからしても、大学留学は決して奨めないと寺島氏はおっしゃる。

武者修行をしたければ、日本の大学で博士号をとり、研究テーマがはっきりした上で、研究員や招聘教授として遊学した方がはるかに有益だ。

日本は、英語をまなぶより、日本語を輸出すべきだという鈴木孝夫氏の論も詳しく解説されている。英語を話すと戦闘的になり、日本語を話すと温和になる、タタミゼ効果があるという。

より詳しくはご本人による『百々峰だより』の、たとえば下記記事をお読み願いたい。

『鈴木孝夫の世界』第4集(書評その5)――「地救原理」を広め、世界を「タタミゼ(畳化)」せよ!

小生、日本語で書いても過激なのは、独学で英語を長く学んだせいかもしれない。この国の傀儡政治家諸氏、宗主国に留学しておられる皆様、頭の中は英語なのかもしれない。

日本語が実に達者な外国人を何人か知っているが、皆様目をつぶって話せば、100%日本人。言葉のうまさだけでなく発想が。個人的に「タタミゼ効果」という言葉を初めて知ったときに、ああやはり、と思った。

学生をだけ送り出すのではなく、国民、市場を丸ごと、宗主国巨大多国籍企業、特に、保険や、アグリ企業に売り渡すための仕組みが、売国協定TPPだ。2月4日にニュージランドで署名する運びだという。

膨大なページの条約、驚くべきことに日本語が正文ではない。正文は英語、フランス語、スペイン語のみ。一億人の運命が永遠に変わる条約を、中身を理解もせずに署名する馬鹿、日本以外のどこの国にいるだろう。

「オレオレ詐欺に注意」といって美人アナウンサーに告知させている暇などないだろう。

国そのものが、国民全員が犠牲になるオレオレ詐欺への振込にのめり込んでいるのだ。

ネットにあった大本営広報部週刊誌見出しを見て、購入しないで良かったと安心。
TPPのプロパガンダ記事を読むのに、金を払わされてはかなわない。太字強調は小生。

難航したTPP交渉を大筋合意に導き、評価を高めた甘利明TPP担当大臣。今国会では承認が控えるが、そんな矢先、その適格性が問われる重大な疑惑が発覚した。甘利大臣や秘書が、口利きのお礼として多額の金を受け取ったというのだ。

国家主権を廃棄し、多国籍企業に実権を与える売国行為で、庶民に地獄をもたらす、TPP交渉を大筋合意に導き、多国籍企業からの評価を高めた人物。

この見出しを読ませたくて、センセーショナルな記事を載せたのだろう。

皮を切らせて、肉を切る。肉を切らせて、骨を切る予想通りの羊頭狗肉作戦。

2007年4月 1日 (日)

「体制転覆:ハワイからイラクに至るまで、一世紀にわたるアメリカによる体制変革」その1

Democracynow.org

2006年4月21日分放送の翻訳

「体制転覆:ハワイからイラクに至るまで、一世紀にわたるアメリカによる体制変革」

作家スティーブン・キンザーが新著「体制転覆:ハワイからイラクに至るまで、一世紀にわたるアメリカによる体制変革」について論じる。著書の中で、 彼は、イラク侵略は、イデオロギー上、政治的、或いは経済的理由から、気に入らない14の政権をアメリカが転覆してきた110年の経験の頂点だ」と書いている。「2003年のイラク侵略は、孤立した出来事ではない。それは、イデオロギー上、政治的、或いは経済的理由から、気に入らない14の政権をアメリカが転覆してきた110年の経験の頂点だった。」

著者スティーブン・キンザーは新刊「体制転覆:ハワイからイラクに至るまで、一世紀にわたるアメリカによる体制変革」の中でそう書いている。

キンザーは書いている。イラクにおける「体制変革」は一時は --ごく短期的には -- 機能したかのようだ。しかしながら、今やこの作戦は意図しなかったひどい結果をもたらしていることは明白だ。アメリカ合衆国が恐れていたり、信頼できないと考える政府に対して行った他のクーデター、革命、侵略もそうだった。」

    * スティーブン・キンザーは、『体制転覆:ハワイからイラクに至るまで、一世紀にわたるアメリカによる体制変革』(原題:Overthrow:America's Century of Regime Change from Hawaii to Iraq)の著者。元ニューヨーク・タイムズの海外特派員であり、"All the Shah's Men"や"Bitter Fruit"など数冊の本も書いている。

筆記録

本筆記録は無料である。ただし、寄付をいただければ、TV放映用に、聾者、難聴者の方の為の字幕作成の助けとなる。寛大なご寄付に謝礼申し上げる。

寄付金額 - $25, $50, $100, それ以上...

エイミー・グッドマン:スティーブン・キンザーさんに今日ここシカゴで出演していただきます。彼は元元ニューヨーク・タイムスのベテラン海外特派員で、「オール・ザ・シャーズ・メン」や「ビター・フルーツ」など本も何冊かお書きになっています。最近ニューヨーク・タイムスを退社されたばかりです。デモクラシー・ナウにようこそ!

スティーブン・キンザー:お招き有り難うございます。エミーさん。

エイミー・グッドマン:あなたの町に来られて嬉しく思います。スティーブンさん。

スティーブン・キンザー:いいところでしょう。

エイミー・グッドマン:アメリカが関与した14のクーデターを検討しておられますね。アメリカ政府が多国の政府転覆に関与した主な理由は何だったのでしょう?

スティーブン・キンザー:こうしたクーデターの多くは個別に研究されてはきましたが、私が本書で試みたのは、それを一連の個別の出来事としてでなく、ひとまとまりの長い連続体として見ることです。そうやって見てみることで、何度も何度も繰り返して現れるある種のパターンを引き出すことができます。全てが同じパターンに当てはまるというわけではありませんが、それでも非常に多くがあてはまるというのは驚くべきことです。

動機についておたずねですが、こうした物事をひとまとめにして見ると、浮かび上がってくるパターンがあるのです。こうして多くのクーデターの展開を注視すると、三段階の動機が見いだせます。最初に起きるのは、問題となる政権がどこかのアメリカ企業を困らせ始めるのです。彼らは、企業に税金を払うようにとか、労働法や環境法を守るように、とかいう要求をし始めます。時には企業が国有化されたり、所有する土地や資産の一部の売却を要求されたりします。それで最初に起きることは、アメリカか外国の企業が他国で活動していると、その国の政府が何らかの制限を始めたり、問題を起こして、自由に活動する能力を制限したりするのです。

すると、その企業の首脳がアメリカ合衆国の政治的指導者のところに出向き、その国の政権に対して苦情を言います。この政治過程の中で、ホワイトハウスで動機は少々変わります。アメリカ政府は、ある企業の権利を守る為に直接介入することはしませんが、動機を、経済的なものから政治的な、というよりは地政学的、戦略的なものに変えるのです。彼らは、アメリカ企業を困らせたり、悩ませたりするようなあらゆる政権は、反米的で、抑圧的で、専制的で、おそらくはアメリカ合衆国を傷つけようとしているどこかの国の勢力か、その国の利益の為の道具であるに違いないという想定に立っています。そこで実際の基盤は決して変わらないのですが、動機は経済的なものから政治的なものへと変身します。

アメリカの指導者がその作戦の動機を、アメリカ国民に説明せねばならない段になって、もう一度変身するのです。そこで彼らは、普通、経済的な動機も、政治的な動機も使わず、こうした介入を解放作戦、独裁政権と見なしている政権の暴虐から、貧しく抑圧された国民を解放する機会として描くのです。他にどんな種類の政権がアメリカ企業を困らせるでしょう?

エイミー・グッドマン:スティーブン・キンザーさん、あなたがご本を始められているところから始めたいと思うのですが、それはハワイです。

スティーブン・キンザー:アメリカ合衆国に併合されるまで、ハワイが独立国家であったことを、多くのアメリカ人は知らないだろうと思います。要約すればこういうことなのです。19世紀初頭、数百人のアメリカ人宣教師が、その大半はニューイングランド出身ですが、当時サンドイッチ諸島と呼ばれていた場所へと人生を捧げるべく出帆しました。彼らの言うのに、異教徒の野蛮人を育てあげ、キリスト教文明の恩恵を教えてやるために。

間もなく、宣教師達やその子ども達の多くが、ハワイで莫大な金儲けができることを悟りました。現地人たちは長いこと砂糖を栽培していたのですが、決して精製せず、輸出もしなかったのです。現地人から大半の土地を奪い取った、宣教師農園主エリートと呼ばれた階層出身者の集団は、いわば神の道を外れ、拝金教に宗旨替えし、ハワイに一連の巨大砂糖プランテーションをうち立て、アメリカ合衆国に砂糖を輸出することで裕福になりました。

1890年代始めに、アメリカは課税法を通過させ、ハワイの砂糖栽培者が砂糖をアメリカに売ることを不可能にしました。そこで、ハワイの業者はパニックになりました。財産をすんでのところで失うところでしたから。何とかして砂糖をアメリカに売り続ける為には、どんなことが出来るだろうかと自問したのです。

彼らは完璧な解を思いつきました。アメリカになってしまえばいいと。どうやってそれを実現しよう? そこで、もしそうお呼びになりたければですが、ほとんどアメリカ系である「ハワイ人革命家指導者」が、実際ワシントンまで出かけました。海軍大臣と面会しました。アメリカ合衆国大統領ベンジャミン・ハリソンに直接問題を話しました。アメリカはハワイの君主制に対する反乱を支持するという確約を得たのです。

そこで彼はハワイに戻り、事実上のハワイ革命を実行した三執政の一人となりました。彼は三執政の一人でした。二人目はアメリカ大使で、彼自身併合主義者で、国務省からこの革命を助けることなら出来ることを何でもするよう支持されていました。そして三人目はアメリカ海軍戦艦の司令官で、その戦艦は好都合にもホノルル海岸沖に停泊していたのです。

この革命は驚くほど簡単に遂行されました。ハワイ革命の指導者、この宣教師農園主エリートが、ある日の会議で、「我々はハワイ政府を打倒した、今や我々が新政府だ。」と宣言しただけなのです。そして女王が対応する前に、アメリカの大使が、好都合にもホノルル沖に停泊していた軍艦から250名の海兵隊を岸に召集し、ある種の政治不安があったが、政府が交替したように見えるので、新政権を保護し、あらゆるハワイ人の財産を保護するため海兵隊が上陸すると宣言したのです。つまり、女王ができることは何もなかったというわけです。新政権は即座にアメリカ合衆国によって承認され、こうした単純なやり方で、ハワイの君主制は終焉し、究極的にハワイはアメリカに合併しました。

エイミー・グッドマン:女王は、助けてもらう為に他国の大使達は呼んだのでしょうか?

スティーブン・キンザー:女王も閣僚達も少々ショックを受けました。実際彼らはアメリカ合衆国に懇願し、尋ねたのです。「どんな政情不安があるのですか?誰が危険に直面しているのですか?言って下されば、その人々を保護しましょう。」女王にはおよそ600人の兵士がいました。それが全ハワイの軍隊でした。女王の閣僚達は実際に、ホノルル駐在の諸国大使達を、当時およそ一ダースほどでしょうか、呼び出して尋ねました。「我々は何をすべきでしょうか? 海兵隊と戦うべきとお考えでしょうか?」そして大使達は極めて慎重に、それは馬鹿げたことですと女王に言ったのです。「これを受け入れて、何か他の方法で再び王位につかれるよう試みられてはいかがかと。」それは決して実現不能なものでした。それでも当時でさえ、この小さな、弱い国家の支配者にとって、アメリカの軍事介入に抵抗しても何の希望もないことは明白でした。

エイミー・グッドマン:ハワイが実際究極的に併合されるまでにはさらに数年かかりましたね。

スティーブン・キンザー:それが実に興味深い話なのです。革命の直後、革命家達はワシントンに戻り、確かに大統領ハリソンは、約束通り、アメリカ議会に対してハワイをアメリカに併合するという法案を提出しました。けれども、クーデターがどのように組織され、それが誰の為に組織されたのかが知られるとこれには強い抵抗がありました。それで国会は即座にはハワイ併合を承認しませんでした。

まさにその時に、大統領が交代したのです。共和党のベンジャミン・ハリソンが退任し、新たな大統領、民主党のグローバー・クリーブランドが就任したのです。彼は併合には反対でした。彼は反帝国主義者でした。彼は条約を撤回しました。それは共和党の次期大統領マッキンリーが就任するまで、ハワイは数年間は独立国家でいなければならないことを意味しました。そして米西戦争たけなわのころ、アメリカがフィリピンを占領すると、ハワイはアメリカに対してカリフォルニアとフィリピン間の必要不可欠の中継基地となったのです。そしてその時、革命の五年後にハワイはアメリカ合衆国に実際に併合されたのです。

エイミー・グッドマン:スティーブン・キンザーさんとお話をしています。つまり、最初に宣教師達がやってきて、次に海兵隊がやってきたということですね。

スティーブン・キンザー:ええ、その通りです。「国旗の後から、企業が進出する」という言葉があります。しかし私の研究では実は逆なのです。最初に企業が進出し、それに国旗が続くのです。国旗が企業進出の後について行くのです。

エイミー・グッドマン:ここで一休みしましょう。それからまたこのお話に戻りましょう。ご本の書名は『体制転覆:ハワイからイラクに至るまで、一世紀にわたるアメリカによる体制変革』(原題:Overthrow:America's Century of Regime Change from Hawaii to Iraq)です。

[休憩]

エイミー・グッドマン:ニューヨーク・タイムスで長らく海外特派員を勤め、「オール・ザ・シャーズ・メン」というイランについての本、「ビター・フルーツ」というグアテマラについての本を含む多くの著書もあるスティーブン・キンザーさんの地元であるシカゴからお送りしています。彼の最新作は、「体制転覆:ハワイからイラクに至るまで、一世紀にわたるアメリカによる体制変革」です。彼はつい最近、ニューヨーク・タイムスを退社しました。あなたはアメリカが介入した14ヶ国についてお書きになっています。ハワイ、キューバ、フィリピン、プエルトリコ、チリ、ホンジュラス、イラン、グアテマラ、南ベトナム、アフガニスタン、イラク、パナマ。キューバについてお話しましょう。何が起きたのですか?

スティーブン・キンザー:キューバの話は実に心を惹きつけて離しません。特に私の本の主要テーマの一つを例証するのですが、それは、こうした介入が長期的にはいつも反応を引き起こし、究極的に最初に打倒した政権よりもずっと反米的な政権が登場するというものです。キューバについてはこんな具合です。トーマス・ジェファーソンが大統領だった頃からずっと、アメリカ人はキューバに長いこと目を付けていたのです。けれども1898年、クバ・リブレ(自由キューバ)という大義への傾倒が実際多くのアメリカ人の心を捕らえたのです。

1898年、キューバ経済は完全にアメリカ人に支配されていたことを銘記しておいてください。キューバは非常に大きな砂糖産出国で、キューバ内の全砂糖プランテーションはアメリカ人が所有していたのです。それにキューバはアメリカで製造した商品にとって巨大な市場でした。キューバで購入できる全てのおよそ85%はアメリカ合衆国製で、アメリカ企業はそこに極めて多大な利権を持っていたのです。

さてキューバの愛国者達は19世紀後半の長期間を、スペインの植民地支配に対する反乱に費やしたのです。1898年彼らはほとんど成功しそうに見えました。アメリカのキューバにおけるある種の利益にとって、これはいささか問題でした。革命家達は社会改革者でもあったためです。彼らは土地制度改革を支持しましたが、それはアメリカ人が所有する巨大砂糖プランテーションの解体を意味しました。彼らは、キューバが自国製造業の成長を可能にするための関税障壁を設けることも支持していましたが、それはアメリカ企業が商品をキューバに輸出するのをより困難にしたでしょう。

エイミー・グッドマン:それは何年のことですか?

スティーブン・キンザー:1890年代後半です。そこで1898年、アメリカの報道は、いわばキューバで活動していたアメリカのビジネスマンの耳打ちをきっかけに、キューバにおけるスペインの植民地支配を、言語に絶する、想像できる限り最も残忍な暴虐として描き出すキャンペーンを開始したのですが、アメリカ国民はこの熱情をあおり立てられました。アメリカの戦艦メイン号がハバナ湾で爆破されるとこの熱情は激化しました。「我が戦艦、敵の極悪非道なる装置により爆破さる。」これが拙書中にも収録したニューヨーク・ジャーナルの見出しでした。実際は、75年後に海軍が審問会議を召喚して、実際には海兵隊は内部的な爆破で吹き飛ばされた、という事実がようやく明らかになったのです。スペイン人は全く無関係だったのですが、アメリカ国民は当時それを知らず、報道機関はこの好機を捕らえてアメリカ国内の怒りに油を注いだのです。

さて、アメリカ人は、愛国者達がスペイン植民地主義を打倒するのを助けるため、キューバに軍隊を送ろうと決心しました。けれどもキューバ人革命家達は本当にその考えが良いのかどうか確信がありませんでした。何千人ものアメリカ兵士を自分たちの土地に呼び込んだら、勝利した後何が起きるのか彼等は考えられなかったのです。この懸念に答えてアメリカ政府、国会は法律を通過させました。テラー修正案で、非常に明確に「独立を勝ちとれた瞬間に、全てのアメリカ軍はキューバから撤退し、キューバが完全に独立することを認めると我々は約束する。」と規定していました。

この法律が通った後、キューバ人の反逆者達はアメリカの援助を受け入れることに合意しました。自分の軍服をニューヨークでブルックス・ブラザーズに自分用に特注した有名なテディー・ルーズベルトを含めたアメリカ兵士がキューバに入りました。事実上わずか一日の戦闘で、スペイン植民地統治は最後の致命的打撃を受け、スペインはキューバに降伏し、キューバは巨大な独立の祝賀を準備したのです。

その祝賀会が始まる直前に、アメリカ人は考えを変えたと宣言したのです。テラー修正案は無分別な熱狂の瞬間に成立したもので、実際キューバの独立はあまり好ましい考えではないと。そこでアメリカ軍は撤退はしませんでした。アメリカは米軍将校の直接指揮のもと数十年キューバに駐留したままで、それから後の期間は土地の独裁者の指揮の元で。

さて1959年に早巻き戻しをしましょう。フィデル・カストロの革命が成功した時のことです。カストロは丘から降りてきて、サンチャゴで革命の指導者として最初の演説をしました。その演説の中で、本の中にも引用しましたが、どんな政権を作りたいかは語っておらず、一つの約束だけをしているのです。彼は言っています。「今回は、アメリカ人がやって来て我が国のご主人様になった1898年のようにはしないとお約束しましょう。」

この演説の報告を読んだアメリカ人なら誰もが、当惑するに違いないと思います。そもそも、1898年に一体何がおきたのか何も記憶がありません。そして次に「60年前の出来事など、現代のキューバの革命とどんな関係を持ち得よう?」と訝るのです。こうした介入に対する憤りが外国の人々の魂や精神に焼き付き、後に激しく暴発するということを、アメリカ人は理解しそこねているのです。

アメリカがキューバに介入せず、キューバが独立するのを邪魔していなければ、1898年のキューバ人に対する明確な約束を実行していれば、過去40年間、あらゆるカストロ共産主義現象に直面することなど決してあり得なかっただろうと、今になって言うのは実にもっともなことです。今はもちろん、キューバで1898年に政権につこうとしていたような穏健なデモクラシー政権に戻って欲しいわけですが、しかしそれにはもはや遅すぎ、これが外国の国民の正当な民族主義的な熱望を、アメリカ人がどのようにして挫き、後になってそうした諸国を不安定状態に追いやるだけでなく、我が国の安全保障をも深く傷つけてしまうかという好例なのです。

エイミー・グッドマン:今例えばイラクでは、恐らくはアメリカ企業を保護しようとするアメリカ政府だけでなく、こうした全てにおけるメディアの役割はかなり重要に思えます。キューバに話を戻すと、メディアの役割はどうだったのでしょう?

スティーブン・キンザー:米西戦争に向ける準備段階で、報道機関は実に恥ずべき役を演じました。アメリカ人は、決してとりたててスペインのキューバ統治を好んでいたわけではありませんが、報道機関が、部数拡大競争のために、彼ら流に言うところの、スペイン植民地支配の蛮行を上手く利用することに決めた1898年の夏、アメリカ人は本当におかしくなりました。

そして、キューバの報道キャンペーンには非常に興味深い点が、アメリカの歴史の中で何度も繰り返し定期的に目にするものがあると思います。つまりアメリカは決してある政権だけを攻撃しようとはしないということです。アメリカ人は誰か個人を仕立て上げたがるのです。アメリカ人は、悪魔を、アメリカが攻撃しようとしている政権のあらゆる悪と専制の象徴となる人物を、欲しがるのです。ホメイニが、カストロが、カダフィがそれであり、歴史上他にも様々な人々がいました。

そこで米西戦争の場合、まずはスペイン王を悪魔のように描きたいと考えたのですが、スペイン王は存在しませんでした。女王がいまして、実際にはオーストリアの王女ですが、彼女では使えません。摂政は、彼女の息子でしたが僅か12歳の子供で、彼も使えませんでした。そこでアメリカはスペイン人将軍、在キューバスペイン軍指揮官、ワイラー将軍に焦点を当てることに決め、その当時、ワイラーはスペイン植民地主義に帰せられたあらゆる肉体的暴虐の縮図だと見なされました。

アメリカ人が常に誰か非難すべき個人を持ち出す時、現代に至るまでこのパターンを目にするのです。この考え方の背後にあるのは、全世界の人々の自然な状態は、アメリカ式デモクラシー制度のもとにあることで、アメリカ合衆国に対しては友好的であるべきだ、というものです。そうでなければ、たった一人の人物か、ちっぽけな徒党が、自然な姿にあるべきその国の人々の邪魔をしているのであり、アメリカがこのたった一人の人物やちっぽけな徒党を取り除きさえすれば、その国の国民はあらゆる人々にとっての正常な状態に戻り、つまりアメリカ式政府、政治、経済に憧れ、アメリカ合衆国を喜んで受け入れる、というのです。

エイミー・グッドマン:ウイリアム・ランドルフ・ハーストは、当時重要な役割を演じたのですか?

スティーブン・キンザー:ハーストは、極めて賢明にも、外国は常にアメリカ合衆国を傷つけようとしているのだと指摘して、好戦的愛国主義をあおりさえすれば自社の新聞の販売部数を劇的に伸ばせるだろうと悟った重要な人物でした。世界をこうしたホッブズ風に、至る所に恐ろしい危機があると見る風潮、そうした危険が上陸する前に、外に出ていって、あちこちを攻撃することがアメリカにとって極めて重要だというのは、現代でも依然として続いているわけです。本書の為に調査をしている間、クラウゼヴィッツをかなり読みましたが、彼はこうした事を名言で表現しています。彼はこれを「死ぬのが恐くて自殺する」と表現しています。自分に対して、世界で起きていること、或いは起こりそうなことが心配でたまらない余りに、出かけていって作戦を展開し、そんなことをしなければ起きなかったのに、実際にその行為が、起きるのではないかと恐れていた結果をもたらすことになるのです。

エイミー・グッドマン:ジョン・フォスター・ダレスについて、彼がどういう人物だったか、グアテマラや、その直前のイランへの介入における彼の役割をお話頂けますか?

スティーブン・キンザー:これまでの著作ではしておらず、本書でしたことの一つは、ダレスにかなりの焦点を当てたことです。私は本当に、ダレスが、20世紀の後半を形作った主要人物の一人だと信じていて、彼の分析と、なぜ彼がこういう役割を演じたのかの解明にかなりの時間をさきました。そもそも、ダレスは成人してからの生活の殆どを、アメリカで最も成功し最も高給を取る企業弁護士として過ごしました。彼はアメリカのあらゆる超巨大多国籍企業、ユナイテッド・フルーツのみならず、インターナショナル・ニッケルやあらゆる類の世界中の天然資源コングロマリットの代理人でした。そこで彼の世界の見方はひたすら経済的なものでした。世界におけるアメリカ政策はアメリカ企業の保護を指向すべきだと考えていたのです。

ダレスは聖職者一家の出身でもありました。彼は宗教的に深い信仰者でした。彼の父親は説教師でした。祖父はインドで宣教師をしており、このことで彼にはある気質が伝わり、アメリカの他国政権転覆時代に、この宗教的な感覚、つまりアメリカ合衆国は繁栄とデモクラシーを授けられているので、他国に、とりわけどれほど我が国の政治制度を必要としているかも自覚できない程度でしかない国に出かけていって、我々が浴している恩恵を彼らにも分け与えるのは、単にアメリカの権利であるのみならず、恐らくは神が与えたもうた義務なのだ、という信仰が極めて重要となるわけです。そこでダレスは、世界を厳密に白か黒かで見ていたのです。

彼は当時、共産主義の陰謀が、アメリカ合衆国を傷つけるべく世界中で執拗に活動していると見ていました。例えば、彼はいかなる共産主義国とのあらゆる文化交流に反対でした。長年の間アメリカの記者達が中国を訪問するのを妨害しようとしていました。彼はあらゆる類のサミット会議に反対でした。いかなる話題においても、共産主義諸国とのいかなる合意もアメリカにガードを下げさせるためのトリックに過ぎないはずだと考えていたので、望んでいませんでした。

それで、イランが石油産業を国有化した時、グアテマラがユナイテッド・フルーツ社の事業を制限しようとした時、ダレスはそれを、自らの資源を管理したいという外国国民の要求の反映として見ませんでした。彼はそれをむしろ反米的な動きとして見なし、疑いなしにクレムリンによって操作されていて、単にアメリカ企業を困らせるだけでなく、ずっと遠大な目標をもっていると考えていました。それは単なる反米攻撃の手始めに過ぎないのでした。

そこで、私が本の中で挙げている話の一つになるのです。イランやグアテマラ、そして後にはチリのような発展途上国における民族主義的活動に、なぜアメリカ人は、これほど悲劇的な判断の誤りをおかすのでしょうか? そうではなかった事が後に文書で明らかになりましたが、何故我々は、国際的な陰謀の一部として理解したのでしょう?

それはこういう理由だと思います。外交史を研究しているアメリカの政治家や外交官は、実際はヨーロッパ外交史を研究しているのです。アメリカ人は、きわめてヨーロッパ中心主義なのです。わが国の外交官達も政治家達もヨーロッパの政治的伝統にはよく通じています。彼らは同盟による政治や、征服やら大国が自国の手段として小国を密かに利用する戦争には詳しいのですが、貧しい国々の貧しい人々の自分たちの天然資源を管理したいという要求は、決してヨーロッパ史の一部ではありませんでした。ヨーロッパを研究し、事情に通じたアメリカ人の行動様式というわけではなく、アメリカ企業を守ろうとする本能的な欲求とあいまって、彼らは民族主義的な活動にたいする判断を誤り、アメリカ合衆国を傷つけようとする世界的な陰謀の一部だと誤解するのだと思います。

エイミー・グッドマン:といいますか、それはどうでもよくって、ユナイテッド・フルーツが好き放題に支配できるグアテマラのように、アメリカ企業は大事だと。

スティーブン・キンザー:そうした国々において何がアメリカ合衆国にとって最善か企業は知っておくべきことだったと思いますが、それに加えて、アメリカ企業を悩ませている政府は、自国民をも悩ませ抑圧しているに違いないと、我々が自分自身を説得してしまうのです。この主張は、アメリカ精神に非常に良く合っていると思うのです。ご存じのように、アメリカ人は実に同情心の厚い人々で、アメリカ人はどこか遠くの国で苦しんでいる人々がいるという考えに耐えられないのです。実に下劣な理由からそうした国々に干渉したがるアメリカの指導者達は、これを分かっていて、その動機を利用し、アメリカ人の同情心につけこんで、連中の介入に対する支持を獲得するのです。

エイミー・グッドマン:何が今のイランに油を注いでいるのかお話しましょう。アメリカが関与した1953年のクーデターに起因して、イラン人がアメリカに対して抱いている感情について。

スティーブン・キンザー:現在では、「イラン」と「デモクラシー」を一つの文章中で使えたろうなどとうてい思いつくことはできませんが、実際1940年代後半から1950年代初期、イランではデモクラシーが機能し、繁栄していたのです。イランが、石油産業を、外国人によって搾取されるがままにしておくのではなく、国有化したために、イランは外国による介入の標的となり、アメリカはイランのデモクラシーを1953年夏に打倒したのです。

アメリカはシャーを王位に据えました。彼は弾圧を強化しながら25年間支配しました。彼の弾圧が、1970年代末の爆発、イスラーム革命を引き起こしたのです。あの革命で、アメリカ外交官を捕虜にとって政権を始めたイスラーム法学者たちによる、狂信的に反米的な党派が権力を握り、以来25年間、自国民を弾圧し、世界におけるアメリカの利益を損なうために、時には非常に暴力的に、できることを手当たり次第やっています。そしてそれが、今我々が核問題で極めて深刻な世界的危機に立ち至っている相手の政権です。

ですから、アメリカが1953年に介入せず、イラン流デモクラシーを粉砕しなかったなら、イスラーム教中東の中心部に、過去50年間、繁栄するデモクラシーが有りえたかも知れないのです。中東が今頃どんなに違う状態になっていただろうかは、ちょっと見当もつきません。今イランで権力を握っている体制など、決して権力を持つようにはならなかったでしょうし、今の核危機も決して起きはしなかったでしょう。アメリカの介入が、究極的には最初に打倒した政権よりもずっとひどい政権をもたらすという好例です。

アメリカ人が彼らを非難して、「あなた方の国は専制政治だ。あなたのお国は残虐な独裁国家だ。デモクラシー体制になるべきだ。自由な体制を持つべきだ」と言ったら、イランの人々はどのように反応すると思われますか。彼らはこう答えるでしょう。「あなたがたがやってきて打倒するまで、我が国にはデモクラシーがあったのです。」今、アメリカ合衆国は、イラン政府に対して、いくつか極めて正当な不満を訴えていますが、それでも我々は、イラン人にも我々に対していくつか極めて正当な不満があることを理解すべきで、それが現時点で、我々が彼らと交渉に入ることを可能にする認識でしょう。

エイミー・グッドマン:スティーブン・キンザーさん、今日はここで終えなければなりません。来週はこの本「体制転覆:ハワイからイラクに至るまで、一世紀にわたるアメリカによる体制変革」アメリカが関与した14のクーデターにかかわる第二部です。

http://www.democracynow.org/article.pl?sid=06/04/21/132247&mode=thread&tid=25

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「体制転覆:ハワイからイラクに至るまで、一世紀にわたるアメリカによる体制変革」その2

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