ICE

2026年1月20日 (火)

「見守るのは暴力だ」と長官が言えば「車から出やがれ」になる

2026年1月17日
ジェフリー・ワーニック
ScheerPost



 2026年1月7日、キサス州ブラウンズビル国境で、国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官が鼓舞する記者会見を行った。(国土安全保障省撮影、ミカエラ・マギー)

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ジェフリー・ワーニック / ScheerPost

 ICE職員をビデオ撮影するのは暴力だとクリスティー・ノーム長官は語った。

 彼女は、それを撤回しなかった。2025年7月にタンパで行われた記者会見で、国土安全保障長官は明確にこう述べた。「暴力とは、彼らと、その安全を脅かすあらゆるものだ。つまり、彼らの個人情報を漏洩し、作戦中の彼らの居場所をビデオ撮影する行為だ。」

 これは法的グレーゾーンではない。公の場で職務を遂行する警察官を録画する権利を憲法修正第1条が保護すると7つの連邦巡回裁判所が裁定した。各巡回裁判所もこれに同意している。法律は確立している。市民が携帯電話を持って公共の歩道に立ち、連邦捜査官を録画するのは憲法上の権利の行使だ。ジャーナリストを保護し、権力を規律し、政府が彼らの名の下ですることを自由な国民が目撃する権利と同じ権利だ。

 ノームはこれを知らないのか、気にしていないかのどちらかだ。どちらの可能性も受け入れられない。憲法修正第一条の基本的法律を知らない国土安全保障長官は不適任だ。それを知りながら嘘をつく長官は危険だ。どちらの間違いも、行き着く先は同じだ。憲法上の制限は単なる示唆で、権利を行使する人は脅威で、攻撃は容認されるというメッセージを25万人の連邦職員が受け取るのだ。

 文化は下流へ流れる

 指導部は雰囲気を決定づける。雰囲気は文化になり、文化は行動になる。

 見守るのは暴力だと長官が定義すれば、職員は許可を得る。明確な指示ではない。彼らにはそんなものは必要ない。本部が彼らを擁護し、苦情は却下され、問題は国民にあるという合図が必要なのだ。

 ミネソタ州で起きこたことをお考え願いたい。ICE(移民・関税執行局)職員が車に近づき「車から出ろ」と叫び、ドアハンドルを掴んだのだ。

 身元確認なし。説明なし。緊張緩和の試みなし。即座に攻撃し、即座に暴力を振るい、即座に優位性を主張する。

 これは法執行ではなく、占領行為だ。人々を臣民、障害物、敵のように扱うのだ。そして、これは、自分たちを見守ることする連中は暴力を振るっている、自分たちの行動を記録する連中は侵略者だ、憲法上の保護は尊重すべき制約ではなく、克服すべき不都合だと、上から教え込まれてきた文化の当然の産物なのだ。

 ミネソタ州の捜査官が、そのような姿勢を編み出したわけではない。記者会見や内部のやりとり、ICEの活動に反対したかどで逮捕するのは合憲だと宣誓証言する高官連中の姿 や、録音を攻撃と公然と同一視する長官から、彼はそれを学んだのだ。

 もっと良い方法がある

 プロの法執行官は自分の行動規範を熟知している。この対比は仮説ではない。訓練された警察官は静かに近づき、身元を明かし、尋問の目的を述べ、何が起きているのか、なぜそうなったのか被疑者に伝え、挑発するのではなく、緊張を鎮める口調で話し、必要かつ適切な場合にのみ武力を行使し、尋問の様子が録画される可能性があることを理解し、それに応じた行動をとる。これはカメラに撮られているからではなく、行動を隠す必要がないからだ。

 これは弱さではない。これこそプロだ。これが法執行機関と暴力団の違いなのだ。

 「車から出やがれ」と命じた警官は選択をしたのだ。話し合いよりも対立を選んだのだ。法的権威よりも優位性の確立を選んだのだ。事態が悪化する前から、相手は敵だと決めつけていたのだ。

 選択は訓練や監督や組織文化を反映している。警察官が何を期待するように教えられてきたのか、何をしても罰せられないと教えられてきたのかを反映している。上層部が捜査官に、憲法修正第一条の権利を行使している人々が暴力行為をしていると言えば、捜査官はそれらの人々は脅威だと学ぶ。脅威である場合、攻撃は防御になる。攻撃が防御の場合、制限はない。自己防衛は常に正当化されるからだ。

 この論理は循環的で、自己封印的だ。まさに我々が目にする行動を生み出すのだ。窓ガラスが割られ、写真撮影のかどで捕らえられた人が拘束され、最初の尋問で罵詈雑言を浴びせられ、言葉による接触より先に物理的エスカレーションが起きて、責任追及は迫害だという部署全体の確信が生まれる。

 当然持っていると彼らが信じている特権

 連邦捜査官は敵地の戦闘員ではない。彼らは憲法上の制約下で委任された権限を行使する公務員なのだ。彼らには秘密裏に活動する権利はなく、監視されない権利もない。権力の特権には透明性の義務が伴うのだ。

 だがノーム率いる国土安全保障省はこれを覆した。捜査官は、記録されない作戦や、疑う余地のない権威や、人々の服従を当然だと思うようになったのだ。彼らは見守られることを不服従とみなし、質問を妨害とみなし、カメラの存在をエスカレーションの正当化とみなすのだ。

 これは自由な国民に仕える職員の考え方ではない。これは、自分たちの我慢の上で民衆が生きていると考える占領者の考え方だ。

 国土安全保障省のシカゴでの行為に対する仮差し止め命令を出したサラ・エリス判事は、連邦職員の行動は「良心に衝撃を与えた」と判断し、証言は信用できないと判断した。また「迅速対応ネットワークや付近の母親をプロ扇動者と表現するのは、これらの職員がいかに現実離れし、彼らの見解がいかに極端かを示している」と彼女は指摘した。

 現実離れしている。極端に。良心を揺さぶられる。これはノーム指揮下で活動し、ノームの合図を受け取り「見守ることは暴力だ」というノームの教義を実践する捜査官連中の行為を、連邦判事が描写した言葉だ。

 説明責任の逆転

 機能する制度であれば、裁判官が良心に反する行為と判断した場合、内省、懲戒、改革といった対応が取られるはずだ。政権は彼女を「活動的裁判官」と呼んだ。

 機能する体制では、武力行使について宣誓供述書に虚偽証言をした職員への対応は解雇と起訴だ。ところが職員は職務を継続している。

 機能する体制では、国務長官が憲法を公然と誤って述べた場合の対応は、訂正か辞任だ。ところがノームは引き続き政策を策定している。  説明責任が逆転している。権利を行使する人が拘留され、権利を侵害する行為者が擁護される。見守る側が犯罪者で、見守りの対象が被害者なのだ。これは機能不全ではなく、そう仕組まれているのだ。

 職員の不正行為の責任を問うのを指導部が拒否すれば、不正行為は許されるのだと職員は学ぶ。憲法を公然と誤って指導部が解釈すれば、憲法は自分たちには適用されないのだと職員は学ぶ。司法の叱責に、反抗的態度で指導部が応じれば、裁判所は権威ではなく障害だと職員は学ぶのだ。

 ミネソタ州でドアノブを掴んだ捜査官は単独で行動したわけではない。連邦捜査官の行動を記録をしている人々が、暴力行為を行っていると既に告げていた長官の暗黙の許可を得て彼は行動したのだ。憲法には交渉の余地があるのだと決めつけられている文化の中で彼は行動したのだ。正式な訓練ではなく、文化的に訓練された通りに彼は行動したのだ。

 ノエムが築き上げたもの
 
  • 録音は違法だと職員たちが考える部門。
  •  
  • 悪口や暴力が最初の動きになる部門。
  •  
  • 作戦に反対する人々を逮捕するのは合憲だと高官が宣誓のもとで証言する部門。
  •  
  • 武力使用について嘘をついても何のお咎めもない部署。
  •  
  • 裁判官を攻撃して司法命令に応じる部門。
  •  
  • 活動を追跡するアプリを抑制するよう民間企業に圧力をかける部門。
  •  
  • 正体不明な車両を撮影していた市民が窓ガラスを割られ、7時間拘留される警察署。
 これは、監視能力や執行力や最小限の説明責任を備えた 25万人の組織に憲法に関する無知が浸透した時に生じるものだ。

 ノームが国土安全保障省のあらゆる問題を引き起こしたわけではない。しかし、彼女はそれを更に悪化させた。明白に、公然と、意図的に。彼女の言葉は許可を与え、彼女の姿勢は容認を与えた。憲法上の制限を軽視する姿勢は彼女の省庁運営の前提になった。

 現場の職員は抽象的存在ではない。彼らは武装した個人で、拘束や捜索や武力行使の権限を持っている。彼らは市民と日々交流し、指導者から教え込まれた信念を、やりとりの中に持ち込むのだ。

 見守ることは暴力だとノエムは彼らに教えたのだ。彼らはそれに従って行動している。

 代替案

 こうなる必要はなかった。

 憲法を理解している長官なら、こう言ったはずだ。「公の場で連邦職員を録音する権利を国民は持っている。職員が見守られている時も含め、常に専門家として行動をするよう我々は期待している。透明性は、正当な法執行の脅威ではなく、その基盤なのだ。」

 専門性を重んじる長官ならこう言ったはずだ。「緊張緩和は最初の手段で、最後の手段ではない。武力は、都合の良い時ではなく、必要な時に行使する。我々の職員は、身元を明らかにし、目的を説明し、全ての人に尊厳を持って接する。それが法の定めで、名誉への要求だから。」

 組織文化を理解している長官ならこう言ったはずだ。「職員の行為は、この省庁と政権の評判を落とすことになる。権利を侵害した者は責任を問われる。宣誓の下で虚偽の証言をした者は解雇され起訴される。我々は不正行為を擁護するのではなく正すのだ。」

 こうしたことは一言も発せられていない。正反対のことが言われたのだ。そして今や、その正反対が方針になっている。文書化されたのではなく実践されている。ミネソタ州で車に近づき、罵詈雑言と攻撃的な言葉で切り出す捜査官は、まさにその方針に従って行動しているのだ。

 捜査官は自らそれを作り出したのではない。訓練によって、監督によって、組織文化によって、そして彼が仕えている国民は敵だと教えた長官によって作られたのだ。

 クリスティ・ノームは解任されるべきだ。政治的理由ではなく、憲法上の理由で。自ら理解も尊重もしない制限に権力が依存する機関を率いる資格が彼女にはない。

 彼女が解任されるまで、あらゆる侵略行為、あらゆる違憲拘留、宣誓下でのあらゆる嘘は、彼女が与えた許可から生じる。

 見守るのは暴力だと彼女は彼らに言った。

 彼らは彼女を信じたのだ。

記事原文のurl:https://scheerpost.com/2026/01/17/when-the-secretary-says-observation-is-violence-get-the-fuck-out-of-the-car/

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 Alex Christoforou Youtube
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