Scott Ritter

スコット・リッター

2026年5月27日 (水)

スコット・リッター:アメリカ政権はトゥルシー・ギャバードという愛国者で真実を語る人物を失った。

国家情報長官として彼女は情報機関に率直さと誠実さをもたらしたが、忠誠心を重んじるホワイトハウスでは事実がむしろ足かせになった。

公開日:2026年5月24日 23:01 | 更新日:2026年5月25日 06:29
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 スコット・リッターは元アメリカ海兵隊情報将校で『Disarmament in the Time of Perestroika: Arms Control and the End of the Soviet Union(ペレストロイカ時代の軍縮:軍備管理とソ連崩壊)』の著者。彼はINF条約実施に関する査察官をソ連で務め、湾岸戦争中はシュワルツコフ将軍の参謀として勤務し、1991年から1998年まで国連兵器査察官を務めた。

@RealScottRitter
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 スコット・リッター:アメリカ政権は、トゥルシー・ギャバードという愛国者で真実を語る人物を失った。
c Heather Diehl / Getty Images

 かつて民主党の寵児だったトゥルシー・ギャバードは事実に基づく真実を率直に主張する人物として苦労して築き上げた評判を持っていた。彼女は、アメリカ合衆国の国家安全保障に関わる問題において、憲法上の適正手続きと道徳的誠実さを雄弁に擁護する際、その評判を丹念に反映させていた。

 長年にわたる輝かしい軍歴と、戦火で荒廃したイラクでの任務経験を持つギャバードは、米軍に所属する男女の福祉を何よりも大切に考え、彼らを「戦友」と呼んでいた。彼女は、情報機関と現場部隊の関係において「嘘をつくと仲間が死ぬ」という古くからの格言を誰よりも深く理解していた。彼女は自らに高い倫理観を課し、共に働く人々にも同じ倫理観を適用した。

 彼女が国家情報長官に任命されたことは、事実を軽視することで知られるトランプ政権に、事実に基づいた真実を注入する希望の光として多くの人々に期待された。先週、表向きは個人的理由で彼女が辞任したことは、嘘に満ちた混沌とした世界において、彼女に明晰さと真実を求めていたアメリカ国民にとって大きな失望だ。

 トゥルシー・ギャバードは幼い頃から政治に関心を持っていた。2002年、彼女は父親の跡を継ぎ、ハワイ州議会議員選挙に出馬して当選し、同州史上最年少の女性議員になった。当選後まもなくハワイ州陸軍州兵に入隊し、その後すぐイラクに派遣され、任務遂行中に戦闘行動章を授与された。州議会議員としての任期は兵役のため短縮された(現役中は議案への投票が認められなかった)が、2011年、中東での二度目の任務を終えた後、ホノルル市議会議員選挙に出馬して当選した。その後まもなく、ハワイ第2選挙区の連邦下院議員議席が空席となり、ギャバードは立候補して圧勝した。彼女はすぐに民主党の全国政治における新星とみなされ、2012年の民主党全国大会で演説するよう招待された。

 ギャバードはアメリカ下院議員として、国土安全保障、軍事、外交など、国家安全保障に関連する複数の主要委員会に所属した。彼女の政治的知名度は高まり、2013年には民主党全国委員会(DNC)の副委員長に任命された。ギャバードは、激しい大統領予備選挙の最中だった2016年に、この職を辞任した。当時、彼女はDNC委員長のデビー・ワッサーマン・シュルツがバーニー・サンダースよりもヒラリー・ロダム・クリントンを支持していると非難していた。ギャバードはその後、予備選挙でサンダースを支持したが、サンダースは敗北した。多くの人が彼女の辞任を政治的死刑宣告と見ていたが、ギャバードの誠実さと勇気に対する評価は高まり、2020年のアメリカ大統領選出馬への道が開かれた。

 2020年の大統領選挙では、ギャバードがアメリカの国家安全保障上の優先事項、特に中東における終わりなき戦争へのアメリカの関与に関する従来の通説に異議を唱える姿勢を示したことで、主流派メディアの標的になった。主流派メディアは、これまで既成勢力の候補者を支持し、既成勢力の主張を広めてきた経緯があった。2017年に下院議員としてシリアを訪問したことは、彼女の政敵や、戦闘経験を持つギャバードをイスラム過激派や中東の独裁者に同情的だと印象付けようとする主流派メディアの格好の材料になった。

 ギャバードの米露関係に対する現実的な姿勢は、彼女をロシアの偽情報工作員、あるいはロシアのプーチン大統領の支配下にある人物というレッテルを貼られる原因になった(この点ではヒラリー・クリントンが先頭に立ち、ギャバードを「ロシア工作員」と公然と呼んだことは悪名高い)。彼女は、長年民主党のエリート層の影響下にあった民主党支持層の間で支持を得られず、2020年3月に大統領選立候補を取り下げた。

 ギャバードはソーシャルメディアで積極的に活動し、自身のポッドキャストを開始し、タッカー・カールソンなどの人気保守系メディア・タレントと頻繁に交流するようになった。この頃、彼女の民主党に対する反感は頂点に達し、2022年に無所属になると発表した。無所属となった彼女は、当時大統領選の合間だったドナルド・トランプが提唱する政策や立場に傾倒し始め、2022年の中間選挙ではトランプ支持の候補者数名を支持した。ギャバードはトランプ支持派共和党員の間で人気が高まり、2024年のCPAC会議での講演後、2024年の大統領選に出馬を表明したドナルド・トランプの副大統領候補として、彼女の名前がしばしば挙がるようになった。

 ギャバードはトランプの副大統領候補には指名されなかったものの(その栄誉はJD・ヴァンスに与えられた)、彼女とロバート・F・ケネディ・ジュニアは選挙運動に加わり、トランプのために実質的無党派層支持を非常に集める上で大きな役割を果たし、民主党候補のカマラ・ハリスを大きく引き離すのに貢献した。2024年10月、ギャバードは共和党に入党し、11月のトランプ勝利後、次期大統領によって国家情報長官、つまりアメリカの最高位の情報機関職員に指名された。

 ギャバードの承認手続きは物議を醸した。トランプ大統領の多くの政敵は、ギャバードの過去を政治的に利用し、大統領を窮地に追い込もうとした。2017年にシリアのバシャール・アサド大統領と2度会談したことや、ロシアに関する彼女の見解が強調された。両党の多くの政治家は、2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの軍事作戦を非難しなかったこと、紛争の根本原因に関する彼女の主張がロシア政府の主張とあまりに近いと多くの人が考えていたことを批判した。ギャバードは特に、NATO拡大とウクライナのNATO加盟の可能性に対するアメリカの支持を批判し、アメリカがウクライナのNATO加盟を支持しなければ軍事作戦は回避できたはずだと考えていた。ギャバードは同様に、ウクライナの研究所での生物兵器研究に資金提供するアメリカの計画にも非常に批判的だった。この計画には、ロシアを含む多くの人々が、軍事攻撃としての生物兵器開発の側面があると考えている。彼女は政敵やアメリカの主要メディアから「ロシア国営メディアの寵児」「ロシア擁護者」「ロシア工作員」などとレッテルを貼られた。ギャバード支持者たちは、彼女の長年にわたる名誉ある軍務実績を強調し、情報機関の活動において新たな人材が不可欠だと訴えて反論した。そして最終的に、ギャバードはアメリカ上院の承認を得て、国家情報長官(DNI)として8代目に就任した。

 ギャバードは、いわば「その場における良識ある大人」の役割を担うはずだった。伝統的に、国家情報長官(DNI)は、18もの独立情報機関からなる巨大な組織を統括する管理者としての役割を担う。彼女の部署はまた、情報機関が作成した最も機密性の高い関連情報をまとめた大統領日報(PDB)作成も担当していた。ギャバードは、トランプ大統領の選挙運動と政権移行に関わったことで、大統領の信頼を得た。これは大統領に有益で事実に基づいた現実的なブリーフィングを提供する彼女の職務を遂行する上で大いに役立つはずだった。

 国家情報長官(DNI)として、ギャバードは前例のない透明性確保の取り組みを監督し、ジョン・F・ケネディ大統領、ロバート・F・ケネディ上院議員、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の暗殺に関連する数十万ページに及ぶ記録公開への道を開いた。ギャバードはまた、2016年のアメリカ大統領選挙を前に、バラク・オバマがドナルド・トランプをロシア政府との共謀で非難する際に用いた情報について徹底的内部調査を実施するよう主導した。この調査の結果、共謀の主張は全て否定され、犯罪的陰謀の証拠が明らかになり、ギャバードはオバマ元大統領を訴追するよう勧告した。

 ギャバードは辞任のわずか1週間前、トランプ大統領のいわゆる「機能獲得」研究に関する大統領令に基づき、アメリカ納税者の資金で運営されている海外の120以上の生物研究所を調査すると発表した。この調査は、新型コロナウイルス感染症に関連する中国の研究所への資金提供だけでなく、攻撃的生物兵器研究に関与しているとロシアがみているウクライナ研究所におけるアメリカ資金提供の役割も対象とする予定だった。

 だがトランプは当時も今も他の大統領とは全く異なる人物で、真実を語っても大統領の信頼を得られるわけでないことをギャバードはすぐ悟った。特に真実が都合の悪いものであればなおさらだ。むしろ大統領は自分の見解に異議を唱える者を裏切りと不忠の表れとしか見なさないため、軽蔑されることになる。イランに関する彼女の見解は、イランの核開発計画がもたらす脅威についてトランプ大統領が主張していた内容と真っ向から矛盾しており、大統領はイランに関して「彼女は間違っている」と発言していた。部下の仕事について国家情報長官がこのようなことを言われるのは決して望ましいことではない。

 イランを巡る緊張の高まりは、大統領がギャバードを解任しようとしているのではないかという憶測を呼んだ。そのため、彼女の辞任のタイミングは、多くの人から疑わしいと受け止められたが、夫の深刻な病状と、夫を看病したい彼女の切なる願いという人間的現実を疑う余地はない。いずれにせよ、アメリカは真の愛国者を失った。彼女の誠実さは、トランプ政権にとって利点であり、同時に災いでもあった。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/640525-tulsi-gabbard-patriot-truth-teller/

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 The Chris Hedges Report
Can the Imperial Core be Reformed? | Chris Hedges & Aaron Maté at the Vancouver Web Summit 27:06

At the Vancouver Web Summit, Aaron Maté and I discussed the state of the U.S. amidst the rise of weaponized AI, the Iran War and the Gaza genocide in a discussion moderated by Sharon Nadeem.

Chris Hedges
May 27, 2026
 今朝の孫崎享氏メルマガ記事題名
ウクライナとイランの戦争は類似(NYT)どちらの紛争も、強力な軍事力を持つ国が敵を打ち負かすことができていない。プーチン大統領は迅速な勝利を期待していた。トランプ大統領も当初4~5週間で終わると断言していた。その原因を「双方の傲慢さ」。技術が戦争の様相を変える

2026年3月15日 (日)

バックパックの少女達

イランのシャジャレ・タイエベ学校攻撃は明白な戦争犯罪だった。168人の罪のない命を奪ったピート・ヘグセスは、果たして裁きを受けることになるのだろうか?

スコット・リッター
2026年3月15日

 
シャジャレ・タイエベ学校に対する米軍攻撃犠牲者の血痕のついたバックパック


 2026年2月28日朝、早熟な10歳の少女、アテナ・アフマドザデは学校へ向かった。この日は日曜日で、イランでは平日で、授業は通常通り予定されていた。2025年3月、イラク政府は電力危機を緩和するため、学校時間の変更を義務付けていた。新しい規則では、学校は午前6時に始まり、午後1時に終わることになっていた。そのため、アテナとクラスメートは、学校に時間通りに到着するために、午前4時半という早い時間に起きなければならなかった。

 アテナは優秀な体操選手で、数々の地方大会や地域大会に出場経験があった。その日の午後には練習があり、彼女はその期待に胸を躍らせながら、本や書類、体操服を詰め込んだリュックサックを小さな背中に担いで家を出た。

 9歳のゼイナブ・ミルハヤリも学校へ向かった。彼女のリュックサックには、二か月後にテヘランで開催される権威ある朗誦コンクールに向けて準備するための教材が入っていた。ゼイナブは何時間もかけてコーランの一節を暗記してきた。彼女はその日の午後、コンクールに向けて準備を続けるのを楽しみにしていた。

 7歳のファテメ・ヤズダンパナと12歳のエルサ・ファラヒ・ザデも、リュックサックをしっかり背負って学校へ向かった。年齢は違えど、ファテメとエルサはミナブ郊外の同じ村出身の仲良しの親友で、まるで姉妹のように行動し、服装までお揃いだった。

 イラン南部ミナブ市にある「シャジャレ・タイエベ」(良き木)学校の校長、ファテメ・タヘリファルドは、この4人の少女たちと、授業に向かう150人以上の生徒たちを出迎えた。日の出は午前6時30分で、既に地平線には太陽の光が差し込み、新しい一日の始まりを告げていた。

 ファテメは、校舎へと案内しながら、一人ひとりの「リュックサックの少女たち」に励ましの笑顔で挨拶した。校門をくぐるこれら「リュックサックの少女たち」は、ファテメの責任で、彼女たちの希望、夢、そして抱負は、ファテメの見守る中で育まれ、成長していくものだった。中には、テレビでニュースキャスターとして活躍する女性たちのようになりたいと願う少女もいた。また、老後の両親の世話をするために医者になりたいと願う少女もいた。さらに、母親になって自分の子供を育てたいと願う少女もいた。ファテメはこれらの夢を知っており、少女たちが夢を実現できる道を選ぶ手助けをすることが、自分の使命だった。


 
アレフミサイル旅団所属のミサイル発射機


 「シャジャレ・タイエベ」学校は2016年に開校し、かつて「サイイド・アル・シュハダ」(「殉教者の主」、カルバラの戦いで殉教したイマーム・フセインに与えられた称号)軍事複合施設に関連する建物を活用した。この施設は2013年まで、イラン革命防衛隊司令部(IRGC)海軍部隊の組織内部隊「アセフ・ミサイル旅団」本部があった。しかし、この施設は2011年に閉鎖され、アセフ・ミサイル旅団本部は移転した。IRGCは、隊員の家族にサービスを提供する学校を幅広く運営しており、2016年に放棄された施設の一部を学校に転用すると決定した。学校を他の施設から物理的に分離するための工事が行われた。子供たちの遊び場は校舎の周囲に作られ、学校を取り囲む壁には遠くからでも見える鮮やかな壁画が描かれた。

 アセフ・ミサイル旅団本部は、オマーン湾に近いイラン南部沿岸の町、ミナブに置かれている。戦略的に重要なホルムズ海峡を見下ろすこの場所は、ペルシャ湾から外洋への唯一の航路となっている。世界のエネルギー供給のかなりの部分、すなわち世界の液化天然ガスの3分の1、世界の石油消費量の約25%がこの海峡を通る。アセフ・ミサイル旅団の任務は、ホルムズ海峡に軍事力を投射する準備を整え、イランが海上輸送を制限したり、場合によっては完全に遮断したりできるようにすることだ。

 アセフ・ミサイル旅団は四大隊で構成され、それぞれ独自任務を担っている。
 
  • 第一大隊は、国産のザファルなどの短距離対艦巡航ミサイルを装備しており、レーダー誘導技術を用いて最大25キロ離れた標的を攻撃できる。
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  • ホルムズ2やガドルファルスといった中距離ミサイル、そしておそらくC-801/802のような最新の中国製対艦ミサイルを装備した第二大隊は、最大300キロ離れた目標を攻撃できる。
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  • 第三大隊は、それぞれ約1,000キロの射程を持つ長距離ミサイル「アブ・マフディ」と「タラエイヤ」を用いて、攻撃作戦および前方防御作戦のための長距離ミサイル支援をする。
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  • 第四大隊は、イラン沿岸およびホルムズ海峡内の重要区域の防衛に加え、モーターボートや武装ダウ船を用いた戦力投射を担当している。
 要するに、アセフ・ミサイル旅団は、ホルムズ海峡の安全保障に関して、イラン軍の中で最も重要な部隊だ。イランが海峡を封鎖しようとする場合、その任務を遂行する責任を負うのはアセフ・ミサイル旅団になる。そしてイランとの紛争中に海峡の通行を維持しようとする他国にとって、アセフ・ミサイル旅団撃破は最優先事項になる。

 
アメリカ第5艦隊司令部、マナマ、バーレーン


 アメリカはペルシャ湾に軍事駐留しており、バーレーンのマナマに本部を置く主要戦闘司令部である米国海軍中央軍/第5艦隊の指揮下で運営されている。第5艦隊の任務は、特にホルムズ海峡周辺の重要な地域チョークポイントを通る海上貿易の安全航行と自由な流れを支援することだ。この任務を遂行するため、第5艦隊はそれぞれ独自の部隊構成と運用パラメータを持つ任務固有の複数タスクフォースで編成されている。これらのタスクフォースには、タスクフォース51/5(水陸両用/海兵)、タスクフォース52(機雷掃海)、タスクフォース53(兵站)、タスクフォース55(水上戦闘)、タスクフォース56(遠征)、タスクフォース57(哨戒/偵察)、タスクフォース59(無人/人工知能)が含まれる。

 イランとの軍事衝突が発生した場合、第5艦隊の任務はアセフ・ミサイル旅団を撃破し、ホルムズ海峡を国際航路として確保することだ。こうした作戦の成功の鍵は情報で、第5艦隊は各部隊、分隊、施設、作戦基地の正確な位置を把握し、それらを攻撃・破壊する必要がある。そのため、第5艦隊はアセフ・ミサイル旅団を標的とした大規模情報収集活動を展開しており、ミナブを訪れた漁師やビジネスマンから情報収集員に聞き取り調査を行ったり、イランの通信を監視し、イラン・レーダーや他の信号発信装置を追跡するために設計された情報収集ドローンや航空機を使用したり、ホルムズ海峡周辺の全イラン軍部隊の位置を撮影・地図化するため多種多様な航空機や衛星を使用したりしている。

 この情報は、第5艦隊独自の情報分析官により評価されるとともに、アメリカおよび欧州にもフィードバックされ、そこでアメリカ情報機関の他部門により評価される。これら分析官および情報機関全体の任務は、アセフ・ミサイル旅団を構成する部隊、人員、装備に関するあらゆる情報を把握し、そのデータを米軍全体にとって利用しやすく有用な形で整理することだ。

 例えば、米第5艦隊が収集した情報により、アメリカ国家地理空間情報局はホルムズ海峡とミナブの詳細な地図を作成でき、その地図には「サイイド・アル・シュハダ」があった場所に学校があったことがはっきり示されている。

 この情報は、戦争が勃発した場合、米軍が爆撃するホルムズ海峡と周辺の標的を確定する責任を負う組織にも提供された。軍事標的設定は非常に複雑で、攻撃対象の構造、機能、運用に関する詳細な知識が必要となる。この情報に基づいて、標的に望ましい効果(破壊または妨害)をもたらすため、どのような種類の弾薬が必要か、そして最大の効果を得るため、これら弾薬をどこに向けるべきかを決定できる。

 標的選定問題は、軍事作戦の合法性を規定する国際人道法の根幹をなすものだ。この点に関する法の基盤は、1949年のジュネーブ条約に対する1977年の追加議定書Iに由来する。アメリカはこれら条約の署名国ではないものの、標的選定に関するこれら議定書に定められた規則は、アメリカを含む全ての国家を拘束する慣習国際法を反映していると一般的に考えられている。実際、これら議定書は、アメリカ国防総省の2023年版戦争法マニュアルにも引用されている。

 これらのプロトコルから、標的選定の法則を構成する3つの要素、すなわち区別、比例性、および実行可能な予防措置が浮かび上がる。

 3つの原則のうち、区別は恐らく最も重要で、紛争当事者は常に「民間人と戦闘員、そして民間物と軍事目標を区別しなければならない」と規定している。この区別の重要要素は、明確に分離され区別された複数軍事目標を単一の軍事目標として扱う爆撃を含む、無差別攻撃を構成するあらゆる概念に区別が適用される点だ。つまり民間人および民間物が複数軍事目標と同じ地域に存在する場合、地域を標的とした攻撃は戦争法の下では認められない。

 「シャジャレ・タイエベ」学校と、かつて「サイイド・アル・シュハダ」軍事施設と関連していた建造物の使用に関しては、区別の問題は議論の余地がない。アメリカ情報機関は、その施設が学校であると知っていた(地図にもそのように示されていた)ため、ホルムズ海峡とその周辺であり得る軍事作戦を支援するため標的を準備する者が利用できる「攻撃禁止」リストに、その学校を載せるべきだったのだ。

 米第5艦隊は、イランに対する積極的軍事作戦を開始する準備を整える任務を負っており、その中にはイランがホルムズ海峡を封鎖する能力を阻止するために必要な任務も含まれていた。この任務を円滑に進めるため、第5艦隊はアセフ・ミサイル旅団を含む標的リスト作成に継続的に取り組み、そのリストは米中央軍に送られ、あらゆる軍事行動の基礎となるマスター標的リストに組み込まれた。

 「シャジャレ・タイエベ」学校はこのリストに含まれていなかった。同校は学校であることが明確に示されており、攻撃が禁止されていたためだ。

 この画像には代替テキストの説明がない

 
民間人被害軽減・対応政策担当ディレクターのダン・スティゴールが、2025年11月に海軍兵学校の士官候補生たちにブリーフィングを行った。


 第5艦隊と中央軍は、標的選定の重要な識別面において、2023年に国防総省の新指令3000.17を受けて設立された新組織である民間被害軽減・対応(CHMR)事務所の支援を受けた。民間被害軽減・対応事務所は、とりわけ、軍事作戦に従事する国防総省(DoD)の各機関にチームを派遣し、武力紛争や軍事作戦中の戦争法遵守を確保することを目的とした国防総省戦争法プログラムおよび国防総省戦争法マニュアルで要求される以上の追加的保護措置が講じられるよう監督することを義務付けられていた。CHMRは、とりわけ、武力紛争や軍事作戦に従事する国防総省各機関が、戦争法で要求される以上の標的識別基準を確実に発行することを担当した。 CHMRチームは、目標計画や交戦を含む任務計画のあらゆる側面に深く関与することになっており、目標を特定するために使用される情報源に対処し、目標の正確な位置と機能を確立することに関し適切な確実性のレベルを設定するように設計された手順を実施することになっていた。

 10人からなるCHRMチームが中央軍に配属され、より小規模なチームが第5艦隊に前方展開した。

 CHRMの必要性は、いわゆる「テロとの戦い」を支援する20年間にわたる低強度紛争(イラクとアフガニスタンでの作戦を含む)において、米軍が場所や活動を誤って特定し、結果として民間施設のみ攻撃する作戦を繰り返し行ってきた現実によって明らかになった。この点に、2015年のアフガニスタン病院への攻撃や、2021年8月にカブールで援助活動家とその家族を殺害したドローン攻撃は特に顕著だ。CHRMは標的選定における戦争法遵守という集団的義務に関し、米軍を正しい軌道に戻すために必要な措置と見なされていた。

 CHRMの必要性はトランプ政権1期目に初めて構想されたものの、国防総省の指示はジョー・バイデン大統領政権下の2023年まで発令されなかった。2024年11月の大統領選でドナルド・トランプが二期目に選出された後、国防長官に指名された直後、ピート・ヘグセスは米軍を「戦闘」の精神と「戦士」の倫理観に戻し、彼が「制限的交戦規則」と呼ぶものから解放したいという願望を表明し始めた。トランプ大統領が就任宣誓を行った直後、ヘグセスは軍法務官(JAG)として知られる上級制服弁護士を突然解雇し、彼らを嘲笑的に「ジャゴフ」と呼んだ。彼らが交戦規則と新しいCHRM基準を支持したことをヘグセスは非難した。

 2025年3月初旬、ピート・ヘグセス国防長官は国防総省内のCHRM事務所閉鎖を命じた。また、中央軍や第5艦隊を含む戦闘司令部における全てのCHRMの役職を削減し、CHRMを義務付ける政策指示を撤回するため議会と連携するよう国防総省に指示した。

 
2025年9月25日、ピート・ヘグセスはクアンティコで上級将校たちに演説を行った。


 2025年9月25日にバージニア州クアンティコで行われた米軍高官会議で演説した際、自身が着手したこの新たな政策方針をヘグセス長官は表明した。「我々は防衛ではなく戦争に備えなければならない」とヘグセス長官は述べた。「我々は戦士を訓練しているのであって、防衛者を訓練しているのではない。我々は防衛のためではなく、勝利するために戦争する。防衛は常に行うものだ。それは本質的に反応的で、過剰使用、行き過ぎ、任務の拡大につながる可能性がある。戦争は、我々自身の条件で明確な目的を持って、控えめに行うものだ。我々は勝利するために戦う。我々は敵に対し圧倒的で懲罰的な暴力を振るう。また我々は愚かな交戦規則で戦うのではない。我々は戦闘員の手足を縛らず、敵を威嚇し、士気を低下させ、追跡し、殺す。もはや政治的に正しい横暴な交戦規則は不要だ。必要なのは常識、最大限の殺傷力、そして戦闘員の権限だけだ。」

 プレゼンテーションを締めくくるにあたり「今日は、もう一つの解放の日だ。名実ともに、行動においても、そして権力においても、アメリカ戦士解放の日だ。君たちは生計のために人を殺し、物を壊す。君たちは政治的に正しくない、必ずしも礼儀正しい社会に属するわけではない」とヘグセスは宣言した。

 殺し、物を破壊する。

 これは、米軍が殺戮や破壊行為において過剰なまでに奔放な実績を積み重ねてきたこと、そしてそれが多くの場合、民間人の殺害や民間施設の破壊につながったことから生じたCHRMの理念とは正反対だ。

 2026年1月中旬、ドナルド・トランプ大統領は米軍に、イランとの戦争に備えるよう命じた。ピート・ヘグセス司令官の新たな「最大限の殺傷力」態勢の一環として、米中央軍は、戦争になった場合、米軍が攻撃する標的リストを大幅に拡大するよう命じられた。中央軍は、イランに対する戦闘作戦を支援するため、情報評価、標的特定、戦闘シナリオのシミュレーションを支援する目的で、アメリカの人工知能企業アントロピック社に、同社のAIプラットフォーム「クロード」の活用を依頼した。

 要するに、ヘグセスは、戦争法が厳格に遵守されるように設計された人間によるプログラムCHMRを廃止し、交戦規則を無視し、最大限の殺傷力を奨励する環境で動作する人工知能プログラムに置き換えたのだ。

 クロードが攻撃対象として推奨した場所の中には、ミナブにある「シャジャレ・タイエベ」学校が含まれていた。これはおそらく、同校が過去に「サイイド・アル・シュハダ」革命防衛隊施設やアセフミサイル旅団と関係があったためだろう。

 2026年2月28日、数十発のBGM-109トマホーク地対地ミサイル(TLAM)が米海軍の艦艇と潜水艦からイラン国内の標的に向けて発射された。クロードが特定し、CGMRによる検証を受けていないイラン革命防衛隊(IRGC)の施設「サイイド・アル・シュハダ」には、4発のTLAMが向けられた。攻撃目標として指定された着弾地点は3箇所あり、それぞれ、ほぼ同じ大きさの構造物だったことから、クロードが用いた標的選定基準には、アセフ・ミサイル旅団に属するイラン・ミサイルを収容できる建物や構造物が含まれていたことが示唆される。

 4発目のTLAMには、最初の3発のTLAMを追跡し、搭載カメラで「サイイド・アル・シュハダ」革命防衛隊施設を撮影し、TLAMを発射したアーレイ・バーク級艦艇の管制センターに送信する任務が与えられた。管制センターでは、ミサイル操作員チームが画像を精査し、破壊基準が満たされていることを確認し、標的を再攻撃する必要があるかどうか判断する。

 
アーレイ・バーク級駆逐艦から発射されたTLAM。


 ミサイル発射オペレーターが各TLAMの標的データを読み込んでいる間、ファテメ・タヘリファルドは校長としての職務に忙しく取り組んでいた。まず朝礼と点呼を行い、出席者と欠席者を記録した。それから授業が始まった。この学校では、イスラム教、ペルシア語、読み書き、読解、社会科、数学、理科といった必修科目のカリキュラムが充実していた。各授業の後、生徒たちは15分間の短い休憩のため屋外に出て、その後教室に戻って授業を再開した。午前の授業が終わった後、通常は午前9時半から10時頃に食事が提供された。そして正式授業後には、課外活動があった。

 昼食時、最初のTLAM(地対空ミサイル)がミナブ地域で攻撃を開始した。地元政府は学校閉鎖を決定し、ファテメと教師たちは保護者に電話をかけ、子供たちを迎えに来るよう伝え始めた。

 戦争が始まった。

 生徒たちはそれぞれの教室に集められ、人数確認が行われ、二重チェックされた。午前10時30分頃、ファテメと生徒たちは、隣接する「サイイド・アル・シュハダ」革命防衛隊施設の倉庫にTLAMが着弾する音を聞いた。

 そしてまた別の人。

 生徒も教師も爆発の振動を感じられ、その音は耳をつんざくほどだった。

 ファテメと彼女のスタッフは生徒たちの間を歩き回り、彼らを落ち着かせようと最善を尽くした。

 そして3発目のTLAMが飛来した。

 TLAMブロックIVは、統合多目的効果弾頭システム(JMEWS)と呼ばれるシステムを採用している。これは掩蔽壕を貫通するよう設計されており、その後、二次弾頭が爆発し、爆風効果と破片の複合作用によって殺傷力を発揮する。

 最初の貫通爆薬は目的を果たし、学校の屋根に穴を開けた。

 そして、高性能爆薬の二次爆発が起こり、少女たちと教師たちの遺体は粉々に砕け散り、建物は生き残った人々の上に崩れ落ちた。

 ファテメは地面に倒れ込み、呆然としていた。あたりは刺激臭のある煙と埃で満ちていた。

 最初は沈黙が続いた。

 そして、苦痛の叫び声が空気を満たし始め、続いて生存者たちの悲鳴が響き渡り、恐怖に駆られて助けを求めた。

 ファテメは立ち上がり、「バックパックの少女達」を探し始めた。緊急事態発生時には、生徒と教職員は建物内で最も安全な部屋とされる祈祷室に集まることになっていた。ファテメは生き残った生徒たちを集め、祈祷室へと案内し始めた。最初の爆発で亡くなった生徒たちの遺体をまたぎながら。

 
TLAM攻撃・制御卓


 アーレイ・バーク級駆逐艦上では、TLAM攻撃管制官が4発目のTLAMから画像をダウンロードし始め、その後、目標から離れた待機位置へ発射した。

 この標的には特別な指示はなく、CHRMが作成した「攻撃禁止」リストも何もなかった。あるのは任務成功の最も基本的な基準、つまり問題の建造物へのミサイル攻撃の証拠を定めた戦闘被害評価ガイドだけだった。TLAM攻撃管制官は、4番目のTLAMから送られてきた画像を調べた。低ピクセル、低解像度の画像は、建物が攻撃されたかどうかを確認するには十分だった。3つの標的全てに、割り当てられたTLAMが命中した証拠が見られた。しかし、TLAM攻撃管制官は3番目の建造物の画像に何か気づいた。人だ。たくさんの人だ。

 彼が知る限り、ここはアレフ・ミサイル旅団の本部施設で、彼が見た人々はこの最も危険な敵部隊の指揮官たちだった。TLAM操作員は、まだ待機モードだった4番目のTLAMに連絡を取り、3番目の建物を攻撃するよう指示した。屋根は既に破壊されていたため、TLAM攻撃管制官はWDU-36/B爆破破片弾頭の信管機構を再プログラムし、爆発力の全てを破片効果に集中させた。

 新たにプログラムされた4発目のTLAMは、待機飛行パターンを中断し、目標への最終攻撃を開始した。ファテメと生き残った学生たちに近づくと、ミサイルは機首を上げて高度を上げた。目標上空を通過すると、ミサイルは機首を下げ、ほぼ垂直に目標に向かって急降下した。

 WDU-35/Bは、約350ポンドのチタン製ケースに約450ポンドの高性能爆薬を詰め込んだ構造だ。起爆方法は複数あり、貫通力を高めるための遅延起爆や、表面に最大の打撃を与える接触起爆などがある。画像には標的周辺に大勢の人がいたことが示されていたため、起爆は接触起爆に設定された。つまり、チタン製ケースから最大限の破片が飛び散り、できるだけ多くの人を殺傷できる仕組みになっていた。

 あるいは、ピート・ヘグセスが指摘した通りの「最大限の致死性」。

 2月28日にイランのミナブにあるシャジャレ・タイエベ小学校と隣接するイスラム革命防衛隊(IRGC)施設が攻撃された際の映像のスクリーン・ショット。

 
4発目のTLAMが「シャジャレ・タイエベ」学校を襲った。


 ファテメは、生き残った生徒たちをできる限り祈りのホールに集めた。彼女と他の職員たちは、少女たちを落ち着かせようと最善を尽くしていた。しかし崩れた建物のコンクリートの下に閉じ込められた多くの生徒たちの悲鳴が、依然響き渡っていた。彼らは文字通り命を絞り出されながら、友人やクラスメート、教師たちに助けを求めて叫んでいた。

 ファテメと彼女の「バックパックの少女達」が、2発目のミサイルが着弾する前にその音を聞かなかったのは、神の慈悲の一つと言えるだろう。着弾と同時に爆発するように設定されていた弾頭の爆風は、礼拝堂に案内されていた人々を即死させた。更に追い打ちをかけるように、TLAMジェット・エンジンに使われていた未使用のJP-10ジェット燃料は気化し、熱圧のような火球となって燃え尽き、小さな体は文字通り瞬く間に灰燼と化した。

 学校の外では、親や救助隊が現場に集まり始めていたところに二発目のミサイルが着弾し、娘を探そうと崩壊した建物の中に入った親たちの何人かが命を落とした。二度目の爆発の衝撃が収まると、生き残った親たちは恐怖、苦痛、怒りの声を上げながら、幼い娘たちを探し求めて一斉に前に押し寄せた。警備隊と救助隊員は彼らを制止しようとした。やがて秩序が回復し、救助隊は瓦礫の中から生存者を救出する不可能な作業を開始した。

 時間が経つにつれ「シャジャレ・タイエベ」学校攻撃事件への対応で自分たちが復旧段階に入ったことに救助隊員たちは気づいた。

 生存者はもう見つからなかった。

 今、彼らには「バックパックの少女達」の残骸を回収するという恐ろしいがやむを得ない任務が課せられていた。切断された腕や脚、手や指、胴体のない頭部、頭部のない胴体、これらは、ほんの数分前まで精神的にも感情的にも肉体的にも無傷だった少女たちの残骸だった。

 彼女らはもう死んでしまった。

 だが「バックパックの少女達」の中には、ひどく負傷したために遺体が特定できない者もおり、この女性のように遺体が灰になって回収不可能な者もいた。

 遺体が回収される間、両親や親族は学校の外で待機していた。破壊された校舎から遺体や体の一部が運び出されると、両親はそれらが「リュックサックを背負っていた娘」のものかどうかを確認するため、一つ一つ調べていた。

 遺体の中には、身元がすぐに判明したものもあったが、それは非常に辛い作業だった。例えば、首から下はほぼ無傷だったものの、落下した瓦礫によって頭蓋骨が押しつぶされた少女の遺体などだ。また、衣服の色や手首のブレスレットでしか身元が特定できなかった遺体もあった。

 バックパックは、肉や骨、血よりずっと良い状態で残った。

 リュックサックの持ち主は、少女たちがファスナーや留め具、ストラップに付けた小さな飾りやおもちゃで判別できた。それぞれのリュックサックの中には、あまりに早く終わってしまった若い命の証が詰まっていた。彼女たちが持ち歩いていた物こそが、この「リュックサック少女たち」を象徴していた。教科書は同じものだったかもしれないが、各ページの余白やノートに書き込まれたメモや絵は、今や無生物となったこれら子どもが、かつてまだ十分生きられなかった人生を映し出していたことを思い出させてくれた。

 
「シャジャレ・タイエベ」学校攻撃事件犠牲者のリュックサックを回収する救助隊員。


 廃墟を捜索する男たちは、目の当たりにした光景に心を痛めながらも、一つずつバックパックを集めていった。それらは愛情を込めて手から手へと渡され、持ち主が二度と背負うことのない他のバックパックと出会う場所へ運ばれていった。そして、これらのバックパックに込められた夢を、人生を生きるに値するものの本質へと変えていく希望に、喜びの笑みを浮かべながら、安息の場所を見つけたのだ。

 シャジャレ・タイエベ学校への米軍によるTLAM攻撃で、合計168人が死亡した。

 犠牲者のほとんどは子供だった。

 遺体のうち69体は酷く損傷していたり、焼損していたりしたため、身元確認はまだできていない。

 この攻撃で他に94人が負傷した。

 「シャジャレ・タイエベ」学校攻撃が極めて凶悪な戦争犯罪だったことに疑いの余地がない。

 戦争法は非常に明確だ。学校はあくまで民間施設で、攻撃対象になり得ない。

 この場合、学校は隣接する廃墟となった軍事施設から物理的に隔てられていた。

 学校の敷地内にイラン製ミサイルは隠されていなかった。

 バックパックを背負った少女たちと、彼女たちの先生たちだけだった。

 この攻撃は事故ではなかった。

 それは、まさにこのような事件の発生を防ぐため設計された仕組みを排除する一方、規則を軽視し、殺傷力を強く強調する新たな軍事倫理を奨励するため意図的に講じられた措置の副産物だった。

 正義は必ず実現されなければならない。

 アテナ・アフマドザデに正義を。

 ゼイナブ・ミルハヤリ氏に正義を。

 ファテメ・ヤズダン・パナとアールサ・ファラヒ・ザデに正義を。

 ファテメ・タヘリファルドに正義を、

 そして、一人の男が規則を廃止し、戦争法(「交戦規則」)を無視し、文字通り血を求めて吠え立てたために命を奪われた、他の163人の無辜の魂にも正義を。

 この男には名前がある。ピート・ヘグセスだ。

 アメリカが名誉を回復する機会をつかむためには、ピート・ヘグセスは自らの罪に対して罰せられなければならない。

 アメリカは自らの行為、特にピート・ヘグセスの行為に対し償わなければならない。

 正義は必ず果たされなければならない。

 そしてピート・ヘグセスは、168人の無辜のイラン人を殺害した罪で、同等の立場にある陪審員による裁判にかけられなければならない。

 アメリカは、これらの殺人事件によってもたらされた集団的名誉の汚点を清めるために、このような裁判が必要だ。

 たとえ他に理由がないにせよ、アメリカ合衆国が法治国家で、何人も法の上に立つことはできないのを示すために、世界は、この事実を必要としている。

 イランはそれを必要としている。困難な和解過程を開始し、いつの日かアメリカ人とイラン人が報復を恐れることなく共に暮らし、働くことができるようになるためだ。

 だが何よりも「バックパックの少女達」の記憶がそれを求めている。

 彼らはあまりにも若くして魂を肉体から引き裂かれ、残された家族は、自分たちの共同体の中にぽっかり空いた巨大な穴と向き合わなければならなかった。

 「バックパックの少女達」の死に単独で責任を負う男に正義が下されるまで、彼らは決して安らぎを得ることはないだろう。

 ピート・ヘグセス。

 大量殺人犯。

 そして過去30年間アメリカ合衆国で起きたあらゆる問題の生きた具現化でもある。

記事原文のurl:https://scottritter.substack.com/p/the-backpack-girls

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 殺人狂トップの顔を見る度うんざりするが彼を幇助する戦争省犯罪人も同じ。属国傀儡、彼と握手をかわすのだろうか?

 春の彼岸に、ばちあたり首相。飛んで火に入る春の虫。ミサイル供与やホルムズ機雷除去を命じられるのが関の山。

 植草一秀の『知られざる真実』で植草氏も中止を主張しておられる。
高市首相訪米中止が賢明

2024年10月17日 (木)

イスラエルの崩壊

Internationalist 360°による投稿
2024年10月8日
スコット・リッター

 
2022年7月13日、テルアビブのベングリオン空港で行われたジョー・バイデン米大統領到着式典。(ホワイトハウス/アダム・シュルツ)

 
一年前イスラエルは絶好の立場にいた。だが今やイスラエルは自らの終焉を直視している。


 2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃について私は以前書き、それを「今世紀最も成功した軍事攻撃」と呼んだ。

 ハマスの行動を軍事作戦と私は表現したが、これを2001年9月11日にアメリカに対して起きたテロ行為と同規模のテロ行為とイスラエルと同盟諸国は呼んでいる。

 「この2つの表現の違いは」と下記のように私は指摘した。  
「昼と夜ほど違う。10月7日の出来事をテロ行為と名付けることで、莫大な損失の責任を、イスラエルは自国の軍や治安機関や諜報機関からハマスに転嫁している。だが、ハマスの行為が実際は攻撃、つまり軍事作戦だったことをイスラエルが認めれば、イスラエルの軍や治安機関や諜報機関の能力が疑問視されるはずだし、彼らの作戦を監督し指揮する責任がある政治指導者も疑問視されるはずだ。」
 テロは、消耗と脅迫を通じて勝利を追求する戦略を採用し、敵を弱体化させ、敵に無力感を抱かせる。本質的に、テロリストは存在をかけた決定的な衝突を避け、むしろ自らの強みを敵の弱点と対決させる非対称的な戦いを追求する。

 2023年10月7日以来レバント地方を襲っている戦争は、伝統的な対テロ作戦ではない。ハマスとイスラエルの紛争は、ハマス、ヒズボラ、アンサルッラー(イエメン・フーシ派)、人民動員隊( イラク、シリア、イラン民兵)を含むいわゆる抵抗枢軸とイスラエル間の紛争へと変貌した。あらゆる意味で地域戦争で、そう評価されなければならない。

 古典的著作『 戦争論』の中で「戦争は単なる政治行為ではなく、真の政治的手段で、政治的交渉の継続で、他の手段による実行だ」とプロイセンの戦略家カール・フォン・クラウゼヴィッツは述べている。

 純粋に軍事的観点から見ると、2023年10月7日のハマスによるイスラエル襲撃は、双方から数千人の戦闘員が関与した比較的小規模な戦闘だった。

 しかし、世界的な地政学的出来事としては、現代、これに匹敵するものはない。

 ハマス襲撃は様々な反応を引き起こしたが、その一部は計画的なもので、イスラエル国防軍をガザに誘い込み、勝てない永遠戦争に閉じ込め、人質事件への軍事的対応を規定するイスラエルの二重の教義「ハンニバル・ドクトリン」と、イスラエルによる集団懲罰実践である「ダヒヤ・ドクトリン」を引き起こした。

 「彼らを家に連れて帰れ」? 2024年1月3日、テルアビブ、ヘイハル・ハタルブト、チャールズ・ブロンフマン講堂に展示された芸術家ナダフ・バルネアによる巨大電飾看板。(ヨシピク、ウィキメディア・コモンズ、CC BY-SA 4.0)

 これら二つの教義は、イスラエル国防軍のDNAに染み付いた殺意、つまりイスラエルの戦争のやり方、ひいてはイスラエル国家を特徴づける無辜の人々に対する暴力的性向を暴露し、イスラエル国防軍を「世界で最も道徳的な軍隊」の対極として世界に示した。

 2023年10月7日までは、外部世界には本当の姿を隠して、「テロリスト」を標的とする行動は、被った被害と釣り合いが取れており、人道的だと、少数の活動家を除く全ての活動家をイスラエルは信じ込ませることができた。

 今や、イスラエルは、まさに大量虐殺アパルトヘイト国家だと世界中が知っている。

 この新たな世界的啓蒙の結果は一目瞭然だ。
 
「中東の様相」を変える

 

2023年9月9日、ニューデリーで開催されたG20サミットでインドのナレンドラ・モディ首相にジョー・バイデン大統領が挨拶。(ホワイトハウス/アダム・シュルツ)

 2023年9月9日、インドで開催されたG20サミットで、ヨーロッパ、中東、インドを結ぶ鉄道、船舶、パイプライン、デジタルケーブル回廊を提案する主要な政策構想たるインド・中東・欧州経済回廊(IMEC)をジョー・バイデン大統領が発表した。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がバイデン発表に対して発言し、IMECを「我が国史上最大の協力プロジェクト」と呼び、「その範囲は未曾有で、他に例のない地域的、世界的統合と協力の新時代へと我々を導く」とし「中東とイスラエルの様相を変える長年の構想を実現するものだ」と付け加えた。
 

インド・中東・ヨーロッパ経済回廊創設国と位置地図。(Bourenane Chahine、ウィキメディア コモンズ、CC BY 4.0)

 しかし、今や世界がイスラエルを犯罪組織とみなすようになったため、IMECは、あらゆる意図や狙いの上で、事実上消滅し、中東を変えたはずのイスラエル史上最大の協力プロジェクトは、もはや実現しない可能性が高い。

 第一に、今年始めイスラエル議会クネセトが可決したように、そんなことは決して起きないだろうが、戦争が終わり、パレスチナ国家がイスラエルに承認されるまでは、この計画に必要なイスラエルとの関係を正常化しないと、この計画の主要メンバーで、200億ドルを投資しているサウジアラビアが述べている。

 IMECの崩壊は、ガザ紛争が始まって以来イスラエルが受けている670億ドルの経済的打撃のほんの一部に過ぎない。

 観光業は80パーセント減少している。紅海とアデン湾で、フーシ派が展開する船舶攻撃作戦のため、南部のエイラート港は、 もはや機能していない。ハマスとヒズボラの攻撃により何万人ものイスラエル人が家を追われ、30万人以上の予備役が動員されたことで、労働力の安定が損なわれている。これら全てが組み合わさって経済を破滅させる一連の問題を引き起こし、現在の紛争が続く限り、イスラエルを悩ませ続けることになる。

 結局、このまま放置すれば、イスラエルは経済崩壊の危機に瀕している。投資は減少し、経済は縮小し、経済の将来に対する信頼は消え失せている。つまり、もはや、イスラエルは、子育てや仕事や退職や生活に理想的な場所ではない。聖書に出てくる「乳と蜜の流れる地」は、たとえ、かつては存在したとしても、もはや存在していない。

 これはイスラエルにとって存在に関わる問題だ。

 「ユダヤ人の祖国」を存続可能にするには、イスラエルで、人口統計上、ユダヤ人が多数派として存在する必要がある。イスラエルには1,000万人弱の人々が暮らしている。そのうち約730万人がユダヤ人で、残りの210万人はアラブ人だ(その他にドゥルーズ派や他の非アラブ系少数民族がいる)。

 占領下にあるパレスチナ人は約510万人で、アラブ人とユダヤ人を合わせた総数で見ると、ほぼ半々の割合だ。推定35万人のイスラエル人がEU加盟国との二重国籍を持ち、20万人以上がアメリカとの二重国籍を持っている。

 同様に、ヨーロッパ系イスラエル人の多くは、自分自身や両親や祖父母がヨーロッパ諸国に住んでいたことを示すだけで簡単にパスポートを申請できる。更に150万人のイスラエル人はロシア系で、その多くが有効なロシア・パスポートを所持している。

 二重国籍を維持している主な理由は利便性と経済性だが、多くの人は第二のパスポートを「保険」つまりイスラエルでの生活が維持できなくなった場合、逃げ込める場所とみなしている。

 イスラエルでの生活は、まさに維持不可能になりつつある。
 
イスラエルからの脱出


 
2014年、イスラエルのロッドにあるベン・グリオン国際空港の出国エリア。(Adam Fagen、Flickr、CC BY-NC-SA 2.0)

 ネタニヤフ政権の政策への不満から生じた移民問題の拡大にイスラエルは既に悩まされており、2023年7月から10月の間に約3万4000人のイスラエル人が、主にネタニヤフ首相が施行している司法改革に抗議して、イスラエルを永久に去った。

 2023年10月7日の攻撃直後に移住が急増したが(ハマス攻撃の翌月、約1万2,300人のイスラエル人が永住移住した)2024年の永住移住者数は約3万人で、前年より減少した。

 しかし現在イスラエルは、ヒズボラ、イラク民兵、イエメン・フーシ派から発射される長距離ドローン、ロケット、ミサイルによる爆撃をほぼ毎日受けている。10月1日のイラン・弾道ミサイル攻撃は、これら攻撃に対する有効な防御策がない現実をイスラエル国民全員に鮮明に示した。

 更に、イスラエル・イラン紛争が一層激化すれば(そしてイスラエルは壮大な規模の報復を約束している)イランはイスラエルの重要インフラ(発電所、淡水化施設、エネルギー生産・配給センター)を破壊すると示唆しており、イスラエルは近代的国民国家として機能できなくなるだろう。

 その時点で、二重パスポートを持つ何十万人ものイスラエル人が、出国という形で権利を行使して、保険が現金化されることになる。ロシアは既にロシア国民にイスラエルからの国外退去を命じている。そしてヨーロッパのパスポートを所持する他の何百万人ものイスラエル人がその選択肢を行使することを選んだ場合、イスラエルは究極の悪夢に直面することになる。ユダヤ人人口が急激に減少し、人口構成のバランスが決定的に非ユダヤ人側に傾き、ユダヤ人専用の祖国という概念が意味をなさなくなるのだ。

 概念としても(シオニズム大量虐殺の現実に世界は急速にうんざりしつつある)実践としても(すなわち経済と人口の崩壊)イスラエルは急速に持続不可能になりつつある。
 
アメリカからの見方の変化

 
2024年7月22日、ネタニヤフ首相が宿泊していたワシントンのウォーターゲートホテル前で行われたデモ。(ダイアン・クラウタマー、Flickr、CC BY-NC-SA 2.0)

 これがイスラエルの現状だ。たった一年で「中東の様相を変える」国から、軍事、経済、外交面で支えてくれるアメリカの継続的支援だけが救いの持続不可能なのけ者に変貌したのだ。

 そしてここに問題がある。

 アメリカにとって、イスラエルを魅力的なものにしていたもの、つまりアラブ諸国の不確実性の海に浮かぶ親米ユダヤ人居住区の戦略的優位性は、もはや以前ほど確固たるものではなくなった。冷戦は過ぎ去り、アメリカ・イスラエル関係で得られた地政学的利益はいまや明らかではない。

 アメリカ単独行動主義の時代は終わりつつあり、モスクワ、北京、ニューデリーに重心を置く多極主義が急速に台頭しつつある。この新たな現実にアメリカが適応するにつれ、EUやNATOや西側太平洋諸国に味方する一握りの国以外の「グローバル・サウス」の人々の心をつかむための闘いに巻き込まれている。

 国際舞台にアメリカ指導部が持ち込もうとしている道徳的明晰さは、イスラエルに対する疑問の余地のない継続的支援により著しく曇っている。

 2023年10月7日以降の行動において、いかなる国際法の概念や人類の基本的原則とも完全に相容れない大量虐殺国家として、イスラエルは自らを位置づけている。

 現代イスラエルは建国の正当化となった悪自体、つまりナチス・ドイツの残忍な人種差別主義思想が具現化した存在になっていると認識している人々がホロコースト生存者の中にもいる。

 イスラエルは、現代文明のあらゆる理念にとって忌み嫌われる存在だ。

 世界は徐々にこの現実に気づき始めている。

 アメリカも同様だ。

 今のところ、親イスラエル派ロビーは後衛活動を展開しており、アメリカの支援者らの継続的支持を得ようと必死になって政治候補者の支援に力を注いでいる。

 だが地政学的現実は、世界の大半の国々から見て道徳的正当性を全く失ったイスラエルのために、最終的に、アメリカが自殺することはないだろうことを示している。

 アメリカのイスラエル支援には経済的影響が伴う。特にBRICSフォーラムの引力が増す中、その影響は大きい。BRICSフォーラム加盟国と加盟希望国は増え続けており、そのリストはイスラエル国家に根本的に反対する国々の名簿のように見える。

 今日アメリカにおいて深刻化する社会的、経済的危機は、選挙の現実により、アメリカ国内で顕在化する問題にアメリカ指導者たちが取り組まざるを得なくなる新たな政治的現実を生み出すことになるだろう。

 イスラエルが関与する戦争を含む戦争の監督に、何十億ドルもの資金を議会が何の異議も挟まずに割り当てられる時代は終わりつつある。

 政治戦略家ジェームズ・カービルの有名な言葉「経済こそ重要なのだ、愚か者め」は、1992年に彼が書いた当時と同じように今日も強く響き渡っている。経済的に生き残るため、アメリカは国内と国際的優先事項を調整しなければならず、アメリカ国民の意志だけでなく、進行中のイスラエルの大量虐殺を拒否する新たな法に基づく国際秩序に従う必要がある。

 政府公務員や学界やマスメディアなど、選挙で選ばれない「支配体制」に籠もる頑固なシオニスト連中を除き、アメリカ人は、イスラエルに対する疑問の余地ない支持が、もはや受け入れられない新たな政策現実に引き寄せられるだろう。

 これはイスラエルにとって最後の一撃となるだろう。

 大量虐殺に対する世界中の拒絶、イラン主導の「抵抗枢軸」による持続的な抵抗、経済崩壊、そしてアメリカの優先順位の再調整という最悪状況は、存続可能な政治体としてイスラエルが無力化される結果になるだろう。この無力化の進行は、イスラエル社会の崩壊速度によって決まる。それは一年以内に起きるかもしれないし、今後10年かけて進展するかもしれない。

 しかし、それは起きるだろう。

 イスラエルの終焉だ。

 そして、この全てが、2023年10月7日、世界を変えた日に始まったのだ。

 スコット・リッターは、元アメリカ海兵隊情報部員。旧ソ連で軍備管理条約の実施に、砂漠の嵐作戦中のペルシャ湾、イラクで、大量破壊兵器の軍縮監督に従事した。
 最新著書は、クラリティ・プレスから出版された『Disarmament in Tne time of Perestroika』。


記事原文のurl:https://libya360.wordpress.com/2024/10/08/the-fall-of-israel/

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Robert Fisk and the Great War for Civilization (w/ Lara Marlowe) | The Chris Hedges Report  58:55 Chris Hedges Oct 17, 2024
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はじめに~ここに至っても、独露を結ぶパイプライン、ノルドストリーム爆破の主体を明確に言及できないドイツ! ウクライナ紛争以降のドイツの主体性欠如の問題とは結局何なのか? 右派のAfDの首相候補に指名されたアリス・ヴァイデル氏と左派の新党ザーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟(BSW)を創設したザーラ・ヴァーゲンクネヒト氏が、テレビ討論! 経済不況、ウクライナ紛争、イスラエル問題、移民問題など、現代日本と重なるトピックから見えてくるものとは?

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2023年12月19日 (火)

エカチェリーナの都市オデッサ

スコット・リッター
2023/12/16


 2022年12月28日、オデッサのエカチェリンスカヤ広場にある「ロシア皇后エカチェリーナ2世と臣下の記念碑(オデッサ創設者記念碑)」をウクライナ人労働者が解体。

 彼らは真夜中にやってきて「エカチェリーナ大帝」として知られる女帝エカチェリーナ2世の銅像を解体するクレーンを操縦する数人の市職員を連れて来た。この像は「オデッサ創設者記念碑」と総称されるブロンズ像集合体の一部だった。その一人は、1772年にロシア帝国軍に入隊し、オスマン帝国軍に対する勝利に導いたスペイン海軍士官のホセ・デ・リバス提督だ。リバスは、1794年にエカチェリーナが発した勅令の下、オデッサ領を占領する攻撃を指揮した。リバスはオデッサ市の初代行政官だった。他の人物に、フランドルの技術者でオデッサ初の建築家フランソワ・サント・ド・ウォランがいる。プラトン・ズーボフはロシア貴族で、エカチェリーナの最も親しい助言者(そして秘密の恋人)と信じられており、同じくロシア貴族のグリゴリー・ポチョムキンは、エカチェリーナの最も影響力のある助言者(そして秘密の恋人)で、オスマン帝国から奪取したオデッサを含む新ロシア領土の初代総督だった。

 ウクライナにあるロシア遺産の象徴を全て排除し、ウクライナを「脱ロシア化」する取り組みの一環として、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の監督でこれらの像は全て撤去され、倉庫にしまわれた。

 だが、ゼレンスキーの取り組みも、ロシアとオデッサの感情的・歴史的結びつきを損なうことはなかった。12月14日にロシアで行われた年末の年次質疑応答の催しで、ウラジーミル・プーチン大統領はこの点を強調した。「私は常に言ってきたし、今日も言っている通り、現在の悲劇的展開にもかかわらず、ロシア人とウクライナ人は本質的に一つの国民だ」とプーチン大統領は宣言した。

 Ask the Inspector122回で本記事をScott Ritterが 説明している。

 プーチン大統領は現在の紛争を2つの兄弟国家間の「内戦」になぞらえた。だが彼はウクライナの一部では、ウクライナ人というよりロシア人が多いことを明らかにした。「ウクライナ南東部は歴史的にロシア領で、常に親ロシア派だった」とプーチン大統領は述べた。「クリミアも黒海地域もウクライナとは何のつながりもない」と彼は続け「オデッサはロシアの都市だ。我々はこれを知っている。これは誰でも知っていることだ」

 ロシア皇后エカチェリーナ2世と臣下の記念碑は、1894年(オデッサ建国100周年)にオデッサを襲った愛国心で遅ればせながら副産物として1900年に建てられた。1920年にボリシェヴィキに倒され、エカチェリーナ像は解体され、4人の創設者の像は倉庫に移された。2007年、エカチェリーナと4人の部下の記念碑を修復する資金をオデッサ市議会の親ロシア派議員ルスラン・タルパンが集めた。2007年10月27日、花火とフィルハーモニー管弦楽団による豪華な式典で、新記念碑の除幕式が行われた。

 しかし全員がこのロシア皇后を祝う考えに興奮したわけではない。親ナチスのウクライナ民族主義指導者ステパン・バンデラをウクライナ「英雄」に押し上げた当時の大統領ヴィクトル・ユシチェンコは記念碑を非難し、式を妨害するためオデッサに行ったウクライナ民族主義者集団から除幕式参加者を引き離すため警察を呼ばなければならなかった。

 これらウクライナ民族主義者は、最終的にタルパンを逃亡させ、横領罪を逃れるため首長国連邦に亡命させるのに成功した。その後2014年5月オデッサに集まった民族主義者は親ロシア派デモ参加者が入った建物に放火し、48人が亡くなった。2022年2月ロシアによるウクライナ侵攻はウクライナ民族主義者が記念碑を撤去する最後のきっかけとなった。

 ウクライナ国旗を除いて、記念碑を支えていた大理石台座は今や空だ。2023年4月、公共の場にロシア語名称を使用するのを禁じる法律をゼレンスキー大統領が可決したにもかかわらず、記念碑があった広場は今でもエカチェリンスカヤ広場として知られている。近くには1905年革命時の軍艦水兵反乱を描いたセルゲイ・エイゼンシュテイン監督の1925年の名作無声映画『戦艦ポチョムキン』で有名になったポチョムキン階段がある。

 ソビエト当局は、最初オデッサを革命都市として描こうとし、後に「英雄都市」として描こうとしたが(オデッサは1941年8月から10月にかけてドイツ軍とルーマニア軍に包囲され陥落した)、オデッサの現実は、おそらく『オデッサ物語』の中で快楽主義と無法が特徴の都市を描いたユダヤ系ロシア人作家イサーク・バーベリが最も忠実に捉えられている。ロシア詩人アレクサンドル・プーシキンはオデッサで13ヶ月間亡命生活を送った。1823年から1824年頃この街での生活を観察したことが、有名な小説『エフゲニー・オネーギン』に影響を与えたと言われている。バーベリやプーシキンあるいは他のロシア人作家の目を通して語られているか否かにかかわらず、オデッサ文化は黒海に面した場所にあり、ボスポラス海峡と東地中海への玄関口として機能していた。オデッサは文化の点で常にヨーロッパよりレバント的で、港湾都市としての地位は地域の豊かな商業遺産に結びついていた。

 2001年の国勢調査によると、オデッサ住民110万人のうち、60%強がウクライナ人(ロシア人は30%弱)だとウクライナ民族主義者は強調しているが、現実にはオデッサには常にロシア語圏のコスモポリタニズムの雰囲気があり、住民は独特の訛りがあるロシア語を話している。ロシアの現実に根ざしたこの文化の多様性は、今日のロシア連邦の大部分を特徴づけるもので、この定義はソビエトと帝政ロシアの統治時代にも当てはまる。ソビエト連邦解体後、オデッサとウクライナ南東部の親ロシア地域(エカチェリーナ大帝の時代にはノヴォロシアと呼ばれていた)がウクライナ支配下に入った事実は、ロシアのプーチン大統領が指摘した通り、歴史の偶然だ。

 「事故」が収拾されようとしているかのようだ。オデッサを「ロシアの都市」とプーチンが呼んだことはロシア指導部の考え方への決定的な洞察になる。しかし、この考え方はノスタルジアだけでは形成されず、NATOがウクライナ軍を代理として利用し、ウクライナ政府がオデッサを黒海艦隊のセヴァストポリ基地を脅かせる基地に変えた事実が、オデッサの運命を決定づけた。端的に言えば、現在の紛争で出現したウクライナが、オデッサをロシア側に押し付ける剣として利用するのをロシアは二度と許すわけにはゆかない。

 オデッサは再びロシアになるだろう。これは地政学的現実と歴史的先例から導かれる事実だ。オデッサは常にロシアだったのだから、ロシアになるだろう。ヴォロディミール・ゼレンスキーの言葉で解釈されるステパン・バンデラ・イデオロギーに表れているウクライナ・ナショナリズムが、どれほどそうではないと主張しようとも、ゼレンスキー政権のバンデラ・イデオロギーは『オデッサ物語』を構成する13の短編小説でバーベリが描写した特徴的な、はみだし者の魅力を今も維持しているオデッサの現実とは完全には歩調を合わせていないのが事の単純な事実だ。

 1940年、内務人民委員部NKVDによってイサーク・バーベリは処刑され、革命後彼が書いた作品はスターリンと同類に反革命と見なされた。だが、エカチェリーナ大帝と彼女の4人の臣下(半数はロシア人ではなかった)の多文化的指導の下で命を吹き込まれた都市での生活の日々の鼓動の中、彼の言葉は生き続けている。いつの日か、そう遠くない将来、ロシア指導者エカチェリーナと顧問四人の像が再び、このロシアの都市にそびえ立ち、エカチェリンスカヤ広場の中央台座を飾ることになるだろう。

記事原文のurl:https://www.scottritterextra.com/p/odessa-the-city-of-catherine

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 マグレガー氏、先住のパレスチナ人を追い出し、虐殺して成立しているイスラエルの歴史と、先住インディアンを片隅に追いやって成立したアメリカの歴史に触れている。

Douglas McGregor: ISRAEL has announced the WITHDRAWAL of 70% forces from Gaza, began with the truce 31:40

 最も見たくない腐敗政治家連中の映像を見ざるを得ない良い番組。

【横田一の現場直撃 No.246】◆マイナ「オレ様」河野 ◆ライドシェア神奈川連合 ◆武蔵野市長選 20231218 1:15:30

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

ジョセフ・ウイルソンという男ーサダム・フセインにたてつき、米国では英雄視された。副大統領チェニーにたてつき、映画になる等もてはやされた。だが最後はチェニーに敗れ、孤独の中で死んでいった。

 2011年10月1日、上記孫崎氏記事にある「ジョセフ・ウイルソン」に触れた下記翻訳記事を掲載した。この機会に、ご一読を。

『フェア・ゲーム』: ハリウッド・リベラル派、イラク戦争への衝動を扱う

 日刊IWJガイド

「パレスチナ自治区の世論調査でパレスチナ人の7割が10月7日のハマスの攻撃は『正しい』と支持!」

はじめに~パレスチナ自治区のシンクタンクが、世論調査を発表! パレスチナ人の7割が、10月7日のハマスの攻撃は「正しい」と支持! 政党別支持率は、ガザを統治してきたハマスが43%でトップ!「イスラエル軍はガザ地区からのパレスチナ人追放に失敗する」と回答した人は85%! ガザ地区で「家族の誰かが死傷した」人は、3人に2人! 95%が「イスラエルは戦争犯罪を犯している」! パレスチナ人の4人に1人が「ガザの人々の苦しみは米国のせい」、圧倒的多数が「米国と欧州諸国は道徳的羅針盤を失った」と回答! もはや欧米諸国に停戦や和平の仲介、二国家解決に向けての外交は困難!?

【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

【第1弾! プーチン大統領が「オデッサはロシアの都市だ。私たちはそれを知っている。誰もがこれを知っている」と発言!】スコット・リッター氏は「オデッサは再びロシアになる。これは地政学的現実と歴史的先例によって動かされた事実である。オデッサは常にロシアだったため、ロシアになる」と大胆予測!(『TASS』、2023年12月14日ほか)

【第2弾! 種子法廃止の誤りが露見! 民間の米品種「みつひかり」が7年間に渡り表示偽装していた!】種子法廃止違憲確認訴訟控訴審開始直前に発覚した三井化学の不正事件に農水省は厳重注意のみ!!(『山田正彦オフィシャルブログ』、2023年12月14日)

2023年12月 4日 (月)

スコット・リッター:ガザの戦いに勝利しつつあるハマス

2023年11月23日 11:29 GMT (更新: 2023年11月23日 11: GMT)
Sputnik International

 最近発表された停戦はパレスチナ人にとってもイスラエル人にとっても祝福で、囚人を交換し、必要とする人々に人道支援を配布し、紛争の両陣営の感情を冷やす機会だ。

 イスラエルとハマスの間でカタールがまとめた停戦は双方間で合意されたが、これはハマスの勝利に他ならないと誰も思い込んでははならない。組織としてのハマスを破壊すると公言し非常に攻撃的な立場をとっているイスラエルの目的を考えると、いかなる条件下でも停戦に同意するまい。

 一方、イスラエルとの現在の戦闘を開始するにあたり、ハマスはイスラエルに拘束されているパレスチナ人囚人、特に女性と子どもの釈放を主要目的の一つとしていた。この観点から見れば、停戦はハマスにとって重要な勝利で、イスラエルにとって屈辱的敗北だ。
 イスラエルが停戦を避けていた理由の一つは、軍事的脅威としてガザ北部のハマスを無力化するつもりで開始した攻撃作戦にイスラエルが自信を持っていたからだ。人道的正当性にかかわらず、いかなる停戦も、敗北した敵ハマスが休息し、再装備し、再編成する時間稼ぎに過ぎない。イスラエルが停戦に合意したのは、ハマスに対するイスラエル攻勢が必ずしもうまくいっていないことを示す最も確実な兆候だ。

 イスラエル国防軍が14年2023月1920日(火)に公開した動画から抜粋したこの画像では、ガザ市で武器を手にするイスラエル兵が映っている。-

 この結果は誰にとっても驚くべきことではない。10月7日にハマスがイスラエル攻撃を開始した時、ハマスは何年も前から練り上げていた計画に着手したのだ。ハマス作戦で明らかになった細部への細心の注意は、イスラエル諜報機関と軍隊をハマスが研究し、後に悪用された弱点を明らかにしていた現実を浮き彫りにした。ハマスの行動は、健全な戦術的・作戦的計画と実行を象徴するだけでなく、戦略的概念化においても傑作だった。

 10月7日のイスラエル敗北の背後にある主な理由の一つは、ガザでのハマスの活動を監視していた諜報分析官が何を言おうと、ハマスは決して攻撃しないはずだとイスラエル政府が確信していた事実だった。この想像力の失敗は、ハマスがイスラエルの政治的目標と目的(ガザに住むパレスチナ人のためにイスラエルが発行した労働許可証拡大プログラムを通じて、ハマスを「買収」することに基づく政策を受けいれることで、抵抗組織としてのハマスを無力化した)によってもたらされた。労働許可証プログラムと合わせて演じることで、ハマスイスラエル指導部を自己満足に陥れ、ハッキリ目に見えるハマス攻撃準備をするのを可能にした。

 10月7日のハマス攻撃は、単独の作戦ではなく、むしろパレスチナ国家の問題を国際議論の最前線に戻す、イスラエルに拘束されている何千人ものパレスチナ人囚人を解放する、そしてイスラム教で三番目に神聖な場所アル・アクサ・モスク冒涜に関し、イスラエルに停止と断念を強いるという三つの主要目的を持つ戦略計画の一部だった。10月7日の攻撃だけでは、これら成果は得られなかった。むしろ10月7日の攻撃はハマスの目標を達成するのに必要な条件を作り出すイスラエルの反攻を引き起こすよう仕組まれていた。

 10月7日の攻撃は、イスラエルを不合理なまでに辱め、イスラエルのいかなる反応も、ハマスの目標を無力化するための合理的対応と対照的に、確実に復讐の感情的必要性に支配されるよう計画されていた。ここで、戦闘で、イスラエルがヒズボラを打ち負かし損ね、レバノン国民を懲らしめる方法として、2006年、イスラエルに激しく爆撃された西ベイルート郊外にちなんで名付けられた確立されたイスラエルの集団懲罰教義(ダヒヤ・ドクトリンとして知られる)にハマスは習っていた。イスラエルに屈辱的敗北を与え、イスラエルの無敵(イスラエル国防軍に関する)と(イスラエル諜報機関に関する)無謬性神話、両方を打ち砕き、何百人ものイスラエル人を人質に取ってガザ地下の隠れ家に撤退した。ハマスはイスラエルに罠を仕掛け、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の政府は予想通りそれに突入した。

 ハマスはガザ地区の地下にトンネル網を準備した。距離は合計500km以上に及ぶ。「ガザ・メトロ」の愛称で呼ばれるこれらトンネルは、指揮統制、兵站支援、医療、ビレットに使用される相互接続された地下深くの掩蔽壕と、防御と攻撃の両作戦に特化した他のトンネル網で構成されている。イスラエルが所有するほとんどの爆弾による破壊を避けるに十分な深さにトンネルは掘られており最大三ヶ月(90日)の包囲に耐えられるよう準備されている。

 イスラエルを古典的な力対力の対決に巻き込めないのをハマスは知っている。そうではなく、その目的は、イスラエル軍をガザに誘い込み、これら部隊を、地下の隠れ家から出て、脆弱なイスラエル軍を攻撃し、地下に姿を消すハマス戦闘員の小チームによる果てしない一連の一撃離脱攻撃にさらすことだった。要するに、イスラエル軍に、なぶり殺しに相当するものを課すのだ。

 そして、それはうまくいった。イスラエル軍は、あまり都市化されていない地域に侵入できたが、ガザ地区北部のハマス軍は機甲部隊の機動力と火力を利用して、イスラエル軍を絶えず苦しめ、致命的タンデム弾頭ロケット弾を使用してイスラエル車両を無力化または破壊し、多数のイスラエル兵士を殺害し、更に数百人を負傷させているため、前進は幻想だ。イスラエルは、この方法で失われた装甲車両数を公表するのを躊躇しているが、その数は数百台に上るとハマスは主張している。ハマスの主張は、イスラエルが旧式メルカバ3戦車の輸出を中止し、その代わり、ガザと、ヒズボラ軍がガザでハマスを支援する作戦で、イスラエルと致命的な消耗戦を繰り広げているレバノンの北部国境沿いで被っている大きな損失を補うため、これら車両の在庫を新たな予備機甲大隊に編成した事実によって補強されている。

 しかし今日までのイスラエル敗北の主な理由はイスラエル自身だ。ハマスの罠にかかったイスラエルは、ガザのパレスチナ人に対しダヒヤ・ドクトリンを実行し、戦時国際法をあからさまに無視して、民間施設を無差別に攻撃した。これら攻撃により、5,000人以上の子どもを含む推定13,000人のパレスチナ市民が殺害された。さらに何千人もの犠牲者が、破壊された住宅の瓦礫の下に埋もれたままだ。

 10月7日のハマスによる攻撃後、イスラエルは国際社会の支持を集められたかもしれないが、そのひどい過剰反応は、かえってハマスが期待していた通り、世界世論をイスラエルに敵対させた。今日、イスラエルは益々孤立し、いわゆるグローバル・サウスだけでなく、アメリカやイギリスや欧州の伝統的な親イスラエル感情の牙城でも支持を失っている。この孤立は、イスラエルが受けるのに慣れていない類の政治圧力と相まって、停戦とその後の捕虜交換に関するネタニヤフ政権の黙認に貢献した。

 停戦が維持されるかどうかは、まだわからない。したがって停戦を敵対行為の永続的停止に変える問題も未解決のままだ。しかし一つだけ確実なのは、ハマスの完全敗北で勝利を定義したイスラエルは、ハマス勝利の舞台を整えたが、単に生き残ることにハマスはよってそれを実現している。

 しかし、ハマスは生き延びるだけでなく、勝利を収めている。イスラエル国防軍と戦って、戦場を膠着状態にしたハマスは、この紛争における戦略目標の全てが実を結ぶのを目の当たりにしている。この地域の恒久的平和の前提条件として、世界は二国家解決の絶対的必要性を積極的に表明している。イスラエルに捕らえられたパレスチナ人は、ハマスが人質にしたイスラエル人と交換されている。そして、イスラエルによるアル・アクサ・モスクの冒涜を非難することでイスラム世界は一致団結している。

 10月6日には、これら問題は一つも議題に上っていなかった。今やそれが注目されていることは、10月7日、そしてその後の数日間、ハマスの粘り強さと、民間人に対する無差別暴力への偏愛の組み合わせでイスラエル軍が敗北し、ハマスが享受した成功の証しだ。ハマスは軍事的・政治的勢力として排除されるどころか、パレスチナ人民の利益を擁護する上で、おそらく最も適切な発言権と権威として浮上している。

記事原文のurl:https://sputnikglobe.com/20231123/scott-ritter-hamas-winning-battle-for-gaza-1115160045.html

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 Douglas Macgregor氏最新YouTube番組 日本のテレビ放談とは全く異質。

Ukrainian forces destroying Russian depots in Crimea - Douglas Macgregor 23:01

 今朝の孫崎享氏メルマガは音楽が話題。胸が痛むようなエピソードも。

随想② 音楽

 日刊IWJガイド

「本日午後7時から岩上安身による京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏インタビューをフルオープンで撮りおろし初配信!

はじめに~<本日の撮りおろし初配信>「ワクチン」と称するmRNA脂質ナノ粒子製剤接種による死亡・健康被害の実態!! その根底にあるものと対策、民主主義・科学と医学の危機など「5つの危機」~本日午後7時から「岩上安身による京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏インタビュー」をフルオープンで撮りおろし初配信します!
【本日のニュースの一撃!】

【第1弾! 北部から移動させられた避難者であふれかえるガザ南部ハンユニスを、イスラエル軍が爆撃!】イスラエル軍はハンユニスの人たちにラファへ避難するよう通告しているが、ラファにも激しい攻撃!(『BBC』、2023年12月3日)

<号外を出しました!>「イスラエル・ロビーに完全支配された米国で、正論を主張する政治家が現れた! バーニー・サンダース米上院議員が『米国は、国際法や私たち自身の良識に反する行為に加担することはできない』と主張!」しかし、シオニスト・イスラエルに少しでも逆らう政治家には「厳しい代償」が待っていると、『イスラエル・ロビー』を著したミアシャイマー教授は警告!

2023年2月 7日 (火)

戦車に関する真実:ウクライナでの大災厄への道でNATOはいかにウソをついたのか

Scott Ritter
2023年1月28日
Sputnik


 戦車戦は進化している。第二次世界大戦の大半やアラブ・イスラエル紛争特徴であった大規模部隊同士の武装戦闘は、NATOとソ連両方の作戦ドクトリンの基礎として機能し(1991年の砂漠の嵐作戦中、アメリカが全面的に実施した)自然な経過をたどった。

 大半の軍事技術革新と同様、現代の主力戦車を生存可能にする能力は、そのような防御を克服するよう設計された防御システムに凌駕されている。現代の軍隊が対戦車ミサイルで武装した装備の整った同等レベルの敵に対し大規模な戦車を主力とする攻撃を開始しようとした場合、その結果、攻撃側は燃え尽きた戦車の残骸から煙が立ち上る決定的敗北を喫するだろう。

 誤解せぬよう願いたい。戦車には現代の戦場で果たすべき重要な役割を依然として持っている。移動式掩蔽壕としての彼らの地位は大規模地上戦闘の現在の段階を定義するようになった一種の肉挽き器消耗戦争において非常に貴重だ。速度と装甲は依然と生存に貢献しており、戦車の主砲は現代の戦場で最も致命的な武器の一つだ。

 しかし、現代の戦車は、(乗車および非乗車)歩兵と大量の支援兵器(大砲および近接航空支援)に支えられた諸兵科連合チームの一部として最高の性能を発揮する。そのようなチームの一員として、特に近接戦闘の技術についてよく訓練されたチームの一員として、戦車は依然戦争の重要な武器だ。ただし単独で活動する場合は戦車はただの高価な移動式棺桶だ。

 欧米の主力戦車をウクライナに提供するというNATOと同盟諸国による最近の決定には様々なことが言われている。この決定の政治はそれ自身別の話題だ。本記事では、この決定の作戦上の実用性、つまり、これら新しい兵器システムの提供を通じてウクライナの軍事能力が強化されるかどうかについて説明する。

 この疑問に答えるには、訓練、兵站の持続可能性および作戦上の使用という三つの基本問題を検討する必要がある。

 訓練

 基本的にアメリカM1エイブラムス乗員を訓練するには22週間かかる。訓練は兵士に活動できるための極めて基本的能力を与えるだけだ。実際の運用上の専門知識は戦車自体だけでなく、同様に訓練された諸兵科連合チームの一員として戦車を運用するための数年ではないにせよ数か月の追加訓練によってのみ得られる。簡単に言えばソ連時代のT-72またはT-64戦車の運用経験があるウクライナ戦車乗員でさえ即座に欧米主力戦車に移行できない。


赤の広場での第72親衛戦車連隊T-3B1M主力戦車、28.01.2023
©スプートニク/エフゲニー・オディノコフ

 何よりまずソ連時代の戦車乗員は三人で、ソ連戦車が自動装填機構を使用している現実を反映している。欧米戦車では主砲装填が手作業で行われるため乗員は四人だ。これらのダイナミクスに適応するには時間がかかり広範な訓練が必要だ。

 訓練には費用がかかる。NATOは現在ウクライナにイギリスのチャレンジャー2、ドイツのレオパルト2、アメリカのM1A2という三種類の欧米主力戦車を提供している。統一訓練コースはなく、各戦車に他の戦車では直接流用できない独自の訓練が必要だ。

 このような多様な方法で作成された分散型の訓練過程は非効率性を増し、結果的に矛盾を生じる。他の全ての条件が同じ場合、予測可能な結果を促進するため部隊が交換可能であるべき戦闘で、ある乗員が別の乗員と違うというのは通常は致命的だ。

 さらに、これら問題は迅速な結果に重点を置くことで一層激化する。現実には戦車を提供する国々に開発され提供される訓練プログラムは、その任務に不十分で訓練も不十分な乗員は、この極めて複雑な兵器システムを、まさにこれら戦車を潰すべく設計され装備されたロシア戦車の威力という世界で最も危険な環境に持ち込むのだ。

 兵站の持続可能性

 戦車は現代の戦場で最も技術的に困難な兵器の一つだ。特に適切に保守されていない場合、戦車は絶えず故障する。M1エイブラムスの場合、戦車が現場で一時間稼働するたびに、三時間の保守が必要だ。この問題は戦闘で一層拡大する。

 通常装甲部隊には高度に専門化した有機的保守要員が配備されており戦車に戦列離脱を強いる可能性のある小さな問題をほとんど修理できる。このレベルの高技能の整備士を作るための訓練要件を考えるとウクライナにこの種の保守支援が提供される可能性は低い。


2022年11月23日、ウクライナ軍がウクライナ東部最前線のロシア陣地に向けM777榴弾砲を発射した後、空の155MM砲弾管を投棄するウクライナ砲兵。© AFP 2023 / ANATOLII STEPANOV

 これは、ウクライナに提供される戦車は単純な使用または実際の戦闘で損傷した機器の大規模修理のためNATO諸国に返送する必要があることを意味する。要するにウクライナ手中の欧米主力戦車はウクライナによる作戦中のどこかの時点で故障する可能性が極めて高く、ウクライナが利用できる戦車の総数は提供された戦車の数より遙かに少なくなる。

 作戦での使用

 先月ウクライナ軍最高司令官ヴァレリー・ザルジヌイ将軍はロシアを打倒する可能性を得るには戦車300両、歩兵戦闘車500輌、大砲500基が必要だとエコノミストに語った。

 1月20日のラムスタイン・コンタクト・グループ会議とその後の戦車提供に関する議論に続いて、NATOと同盟諸国は要求された戦車数の50%未満、要求された歩兵戦闘車数の50%未満、そして要求された大砲数の20%未満を提供することに合意した。

 さらに、この兵器の納入予定は何ヶ月先、場合によっては来年まで、一貫性なしにずれにずれている。これはウクライナにとって既に不利な訓練と兵站の持続可能性の問題を複雑にするだけでなく、この兵器をまとまった作戦上での使用に統合する有意義な取り組みをほとんど不可能にする。要するにウクライナは提供された兵器、特に戦車を少しずつ戦闘に投入するのを余儀なくされるだろう。

 戦車についての真実は、その運用が過度に複雑で、保守が極端に困難で、広範な諸兵科連合パートナーに支援される説得力ある方法で使用されない限り生存不可能な兵器を提供することによりNATOと同盟諸国は、ウクライナをより強くでなく、より弱くしている

 ウクライナに欧米主力戦車を提供する決定は文字通り自殺協定で、ウクライナにとって最善の利益を探していると主張する人々は手遅れになる前に検討する必要がある。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/20230128/truth-about-tanks-how-nato-lied-its-way-to-disaster-in-ukraine-1106786081.html

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 耕助のブログ Finian Cunningham記事翻訳

No. 1697 ウクライナ戦争は覇権を維持し多極化を阻止するための 米国の捨てばちな行動

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

対米関係の悪い露とイランは潜在的に緊密な関係を持つ可能性。ウクライナ戦争で、露はイランから大量の無人機を購入。今イランの協力を得てロシア国内に無人機製造工場建設構想が進行中。将来的にはイラン国内でのミサイル、核兵器分野で協力の可能性を持つ

 日刊IWJガイド

<IWJ取材報告 1>山田正彦元農水相が表明!「憲法で保障された安全な食糧への権利について、戦後初めて裁判所が判断する、大きな裁判だと思っている」~2.3 種子法廃止等に関する違憲確認訴訟 判決言い渡し前の記者会見

2023年1月15日 (日)

イーロン・マスクのTwitterは依然アメリカ当局提携メディア

2023年1月7日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く。

 反検閲、透明度推進の見地から、イーロン・マスクがTwitter支配して数ヶ月で新たな経営陣下のプラットホームに、いくつか肯定的影響があったと言って良いだろう。巨大ソーシャル・メディア企業の政策や動きに影響を与えるアメリカ政府の関与に関するTwitterファイルによる暴露は絶対に公共の利益に役立つ議論の余地なくニュース価値がある情報で、一部の反体制派は、この変化以来彼らのアカウントがずっと見られやすくなったと主張している

 現時点で、マスクが終わらせた以上に遙かに多い否定的慣行の継続を可能にしていると言うのも正しい。「マスク下のTwitterアメリカ・プロパガンダ・ネットワークを推進し続ける」という題の素晴らしい新記事でFair.orgのブライス・グリーンがTwitterはアメリカ政府の権益に奉仕する形で依然ユーザーが情報を見る方法を様々な形で操作していることを説明している。

 帝国が標的に定めた政府のメディアが抑圧されて「国家当局関係メディア」とレッテルを貼られるが、他方このような肩書きに値するはずのアメリカ方針と一線のアカウントにはそういうレッテルは貼られず、しばしば拡声されたり支援されたりし、どれほど酷く不均衡かグリーンは対比している。

 「要するにTwitterは進行中の情報戦争の積極的参加者になっている」とグリーンは書いている。

 

 シリコンバレー・プラットホームがアメリカ情報の権益を推進する様子と、そこでのマスクの役割を非常に明快に説明しているので、私は大いにこの記事全文を読まれるよう強くお勧めするが、以下で一部をご紹介する。

  • 「明らかにその記述に合っていると思われるメディアが多々あるのに、FAIRは「アメリカ国家当局関係メディア」というレッテルがはられた例を発見できなかった」一方「イランのPressTVや、ロシアのRTやスプートニク、そして中国の中国日報、環球時報、CGTNや中国新華社通信は全て「国家当局関係メディア」というレッテルを貼られている。
  • 「米軍や国家安全保障局や中央情報局のどのアカウントも現在Twitterによって国家あるいは政府機関というレッテルを貼られていない」。
  • 人々がアメリカ政府が認めない政府のメディアに「いいね」したり共有したりしようとするとTwitterは依然警告ポップアップを表示する。
  • Twitterの「トピック」機能はウクライナでの戦争に関する物語を管理するため人為的にアメリカや他のNATO諸国が資金供給するメディアを増幅している。
  • ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティ、ラジオ・フリー・アジア、ボイス・オブ・アメリカ、オフィス・オブ・キューバ放送やミドルイースト放送ネットワークはRTがまだモスクワから受け取るの金額の二倍アメリカ政府から資金を受けながら「国家当局関係メディア」というレッテルを貼られていない。
  • 全米民主主義基金のようなアメリカ政府から資金供給される情報作戦もこのようなレッテルを貼られない。
  • マスクによる企業買収前にTwitterはNATOを支持し、ロシアが「NATO同盟への信頼と安定性を傷つける」のを阻止する方法を推進すると発表していた。その宣言とそれに並んで適切に設定された政策のいずれも新たな所有権下で無効にされなかった。
  • 中東とアフリカのためのTwitter編集最高地位は依然イギリス軍の心理戦部隊のゴードン・マクミランが占めている。

 

 さらに加えて、オンライン情報の流れを自分に有利にするアメリカ政府の試みに抵抗する話になると、もちろん重大な利害の衝突になるはずの彼の軍と諜報機関の請負企業スペースXを通したアメリカ軍産複合体におけるマスクの広範な役割の議論にグリーンは記事後段を費やしている。その存在自体、現実は主にアメリカ戦争機構の地球征服作戦支援が中心なのに、スペースXに関する公共言説はもっぱら火星や未来主義や宇宙探査に関するものだというのはいささか滑稽だ。

 だからより多くの右翼や連中の文化戦争泥沼に寛容で、本質的には旧Twitterと同じ新Twitterを我々が見ているのは驚くべきことではない。

 マスクのTwitter買収が最初発表された時所有権変更以来ずっと私が言っていたのと同じ興味深い発言をジャーナリストのマイケル・トレーシーがTwitterに投稿した。

 「イーロン・マスクにとって最大のテストは彼がそうあるべき明白な「ウォウク」コンテンツ政策を後退させるか否かではなく、アメリカ安全保障国家がロシアや中国のような公的な敵に「対処する」手段としてTwitterを使用させ続けるかだ」とトレーシーは言った。

 この二カ月間のアメリカ情報作戦権益を推進する昔と同じものを見せられた後、この問題について陪審員が戻って来て有罪評決を出すだろうと言って良いと私は思う。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2023/01/07/elon-musks-Twitter-is-still-us-state-affiliated-media/

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 理不尽で横暴な国にたてつくと投獄される。安倍や佐川こそ投獄されるべきなのに。司法組織は権力者の私法組織。国を装う半グレ属国。

 植草一秀の『知られざる真実』

巨悪無罪放免小悪籠池実刑森友事件

 彼女の言う通り? Scott Ritter氏またもやTwitterアカウント停止。

 先の図書館での講演会でウクライナ人や支持派が集まり彼に叫んだり理不尽なことを言ったりし大いにあれた。

Scott Ritter & Dan Kovalik: Heated forum over "War in Ukraine" at Bethlehem Public Library Jan. 6th. 1:45:29

 彼の発言機会を潰そうというウクライナ支持集団NAFOの組織的な動きではと言う。その影響で親しくしている高級レストランでの集会までキャンセルされた。話題もウクライナ状況ではなく核軍縮に関する著書のサイン会だったのに。ともあれ素晴らしいレストランなのでニューヨーク訪問時には食事されるようお勧めするという。顛末についてはEp. 36で彼自身が説明している。

Scott Ritter Extra Ep. 36: Ask the Inspector 2:12:20

Scott Ritter Banned on Twitter, Russia-Ukraine Update

Can a Nuclear War Be Avoided? — Scott Ritter

 リッター氏、Serena Shim Award for uncompromised integrity in journalism受賞。シリア・トルコ国境でのNGOの怪しい動きを報じたあと、不審な交通事故で亡くなったPress TVの記者セリーナ・シムさんを記念して作られた賞。

 受賞者リスト翻訳させて頂いた記事でお馴染みの名前が並んでいる。下記はその一部。Dan Kovalik氏は図書館で一緒に講演した人。

Brian Berletic
Dan Kovalik
The Grayzone
Aaron Maté
Caitlin Johnstone
受賞者の希望で名前を削除したものには下記もある
Julian Assange
Information Clearing House
Finian Cunningham
Moon of Alabama
The Jimmy Dore Show
Eva Bartlett

 21世紀の日本と国際社会

日米軍事同盟と台湾有事-CSIS報告の恐るべき指摘-

 デモクラシータイムス

異次元の売国行脚! 生命・財産を守らない政権 WeN20230114 1:45:10

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

ウクライナ戦争、WSJ分析。「誰もロシア破れると推定。だが露の人口はウクライナの 3.5 倍。戦場での死者数はほぼ同じ。ウクライナが先に疲弊。弾薬は露戦時経済。西側は通常ベース。2023年後半西側蓄積危機的状況に。露が本年後半優位に立つ可能性。

 政府のコロナ無策、失政ではなく老人殲滅を狙う合理的政策と疑っている。厚生労働破壊省は優秀官庁。

 日刊IWJガイド

「新型コロナウイルス死者数が過去最多を更新! 政府が把握していない感染者数はすでに昨年夏の第7波を超え、過去最大規模に!!」

2023年1月 8日 (日)

スパイと更に多くのウソがウクライナ紛争の混乱を増している

闇の中で行われている秘密戦争
フィリップ・ジラルディ
2023年1月3日
Unz Review


 最近のアメリカの戦争で往々にして事実だったのと同様に、ウクライナでは、ほとんど隠れている秘密紛争が実際の戦争と並行して起きている。様々な隠れ蓑を利用して、様々な欧米スパイがあらゆるレベルでポーランドやバルト諸国の隣接地域でも活動していると想定するべきなのだ。ロシアはウクライナ政府内に確実に情報提供者を持っており、キーウは8月20日にダリア・ドゥーギナの自動車爆破暗殺を実行し、モスクワでいわゆる秘密行動が可能だと証明した。同時に中央情報局(CIA)やイギリスのMI-6は、ドンバスを解放するためのウラジーミル・プーチン大統領の介入を支持しない採用する可能性がある個人を特定しようと努めており、ロシア攻撃能力の脆弱性を示唆する情報を集めるため熱心に働いていることが知られている。スパイと彼らが指揮する工作員の活動は双方において全体的な戦争準備の主要な役割だと思うべきだ。

 最近の6カ月に、一部のスパイや彼らの政治的ご主人が一体何をしようとしているかを明らかにする興味深い記事がいくつかあった。ただし実際行われていることを秘密にするため、スパイという仕事は50%偽装であることに留意すべきで、様々な諜報局が明らかにしているものには少なくとも若干の意図的な見当違いを含んでいる可能性が極めて高い。ロナルド・レーガン大統領に任命された新CIA長官ウィリアム・ケイシーが1981年2月に有名な皮肉を言ったのを思い出す。「アメリカ国民が信じる全てが偽りである時、我々の偽情報プログラムは完全だと分かる。」

 引用が正確なら、完全に回避可能で、どうすれば核による全滅の脅威を伴う冷戦を再開できるか試す以上の国益のない対ロシア代理戦争を始め継続するための大規模プロパガンダの取り組みをジョー・バイデン・ホワイトハウスが実行するのを見てケイシーはおそらく大いに喜んだはずだ。ケイシーが一見準備なしの発言で、もっと微妙なメッセージを送っていた可能性が高いと考えるべきだ。彼は特に当局者が情報局員の場合、政府高官の口から出ることを人は信頼するべきではないと示唆していたのかもしれない。

 それを念頭に置いて、情報局保安部MI5のケン・マッカラム長官がロンドンで語った最近の発言を読むのは興味深い。マッカラムはばかではなく彼の発言は明らかに、あるレベルでイギリス政府が国家安全保障を十分配慮しているというメッセージを強化するよう意図されていた。換言すれば彼はウクライナ戦争を益々懸念する国民に自信を持たせ、それにイギリスが直接関与することから生じる苦痛を伴う結果を都合良く歪曲するつもりだったのだ。

 マッカラムが売りこんだのは、ヨーロッパいたる所で何百人ものロシア情報局員追放を可能にしたので、ウクライナ戦争は実際国家安全保障に良いということだ。MI5のイギリスの安全保障状態年次評価に関するCNN番組は、クレムリンが「ヨーロッパでスパイ活動する能力が、ウクライナ侵略以来[ロシア]外交官が組織的に追放されイギリスだけでも百の外交査証要請が拒否され、最近の歴史で「最も深刻な戦略上の打撃」を与えられた」と述べている。

 今年だけでもヨーロッパからロシア人600人が追放され、当局はそのうち400人が正体を隠した情報局員だと考えているとマッカラムは述べている。彼は講演後、追加発言で詳細を語った。「ロシアの秘密活動にとってイギリスを最も活動困難な環境にするため我々は集中的に働き続けている。イギリスでは、外交官になりすました23人のロシア・スパイを追放した後、我々は国家安全保障上の理由で100以上の外交査証発給を拒否した。重大な点はイギリスは今後何年間もロシアによる侵略に対して準備しなければならないことだ」。

 それらは全て何を意味するのだろう? マッカラムはヨーロッパ中で[ロシア諜報能力]に「非常に非常に大きな打撃を与えたと説明した。対諜報情報はNATO全体で共有されるので、ロシアが追放された[職員]をA国からD国へ転勤させるのは容易ではなく、私が本当に続いて欲しいのは極めて多数の訓練され、経験豊かなロシア諜報機関の人々が世界で今後何年も、この言葉を使うのが許されるなら、使い物にならないよう願っている」

 マッカラムは、イランや中国のような敵からの脅威について、いくつか義務的な発言をして演説を終えた。MI5のこのお話はユダヤ教の祭日ハヌカー用に多少良いニュースを望んでいるアメリカ・ネオコンの心を温めたが、このロシア物語では大事なことが欠けている。それは、ウクライナ戦争がウォロディミル・ゼレンスキーの目できらめくずっと前に、ロシア外交官と「スパイ」の大量追放が明らかに始まっていたことで、MI5とNATOが前もって巧妙に何かを計画していたように思われ、それは確かに興味深い。だが更に重要なのは外交官追放はお互い様である事実で、ロシア人にしていることは、同様に容疑をかけられた外国情報局員を追放し、交替要員として外務省に提出される多くの個人の資格証明受け入れ拒否は、モスクワにしっぺ返しされることを意味する。外交、貿易任務を通してスパイ活動をするロシアの能力を減らすことは自分自身の能力も減らす結果になることを意味する。

 一人あるいはそれ以上のウラジーミル・プーチン政府側近のロシア当局者を採用して、欧米諜報機関がクレムリンに入り込んだかどうか知らないが、それは事実だと私は考える。しかもそうしたスパイは頻繁にアメリカやイギリスのハンドラーとやりとりする安定した電子手段を与えられるが、工作員全員一瞬であれモスクワで個人的に会う能力が電子的に文書を交換するより遙かに多くの諜報情報を得られるのを知っている。彼らが多かれ少なかれ彼らの中にいる外交官スパイが誰か知っているのと全く同様、ロシア人は確実にそれに気付いている。彼ら全員を追い出せば一体何が残るだろう? それがマッカラムの自慢がせいぜいのところ犠牲が多くて引き合わない勝利を反映している理由だ。

 欧米諜報機関が新しい情報源を求めている兆候は他にもあり、ロシア人自身が報告している。確かに、一部のプーチン顧問や軍事将校も進展に大いに批判的になっているという示唆を含め、戦争を巡る普通のロシア人の不満に関して欧米メディアに多数の話がある。ロシア国内世論調査でプーチン支持率が70%であり続けているがロシアに敵対的な欧米諸国政府から漏らされるこれらの話は本当かもしれないし、そうではないかもしれない。

 国営放送ロシア・トゥデイ(RT)は現状に不満なロシア人を採用する取り組みをCIAが強化していると報じている。バージニアのジョージ・メイソン大学で行われた最近の「CIA at 75」催しの報道を元に、RTはCIAスパイ活動責任者デイビッド・マーロウが「選り抜きの聴衆」に述べた言葉、海外のCIA職員が最近「肥沃な土壌」を活用する主要な取り組みに従事し「不満な軍事将校や、制裁で財産が減るのを見たオリガルヒや亡命した実業家や他の人々から」ロシア人工作員を採用していするというのを引用した。

 マーロウは、それがどのように機能するか詳細を述べた。「我々がそうであるのと同じぐらい[ウクライナでの紛争]に嫌悪の念を抱くロシア人を我々は世界中で探している。我々はこの点非常にオープンだ。」マーロウは亡命した反体制派ロシア人がどのようにクレムリンの意志決定に関し有用な諜報情報を提供可能かは説明しなかったが、おそらく彼は楽天的なのだ。ロシアは実際、人が路上や社会環境で標的に接近し、情報の返礼に金や他の誘因を提供する「コールド・ピッチ」と呼ばれる手法でヨーロッパやアメリカで駐在外交官や軍武官を採用するいくつかの公然の試みを非難した。ロシア報道はアメリカ人職員がロシア大使館の周囲をうろつき、大使館に出入りする人々にFBIやCIAと連絡を取るための電話番号の載ったカードを手渡しているのを示している。たとえ標的にその気があったとしても、彼あるいは彼女自身の忠誠が彼らが働く機関に試されている可能性も考慮しなければならないので必然的にコールド・ピッチは非常にまれにしか機能しない。

 だから彼らが標的になる可能性がある人々を追い出し、モスクワに行かせ国に帰らせて対ロシア秘密戦争に勝っていると主張しながら、同時に、まさに追い出した人々を採用する取り組みを強化しているというMI5とCIA代表を務めるマッカラムやマーロウには首尾一貫性が欠けている。まあスパイ活動は他の職業と違い、ウクライナ内や周辺で今展開していることはその公理を証明する傾向がある。だがCIAは今「この仕事にオープンである」ことに留意願いたい。

 Ph.D.のフィリップ・M・ジラルディは、中東でのより利益にかなうアメリカ外交政策を検討する501(c)3の課税控除対象教育財団Council for the National Interest(連邦ID番号#52-1739023)事務局長。ウェブサイトはhttps://councilforthenationalinterest.orgで、アドレスはP.O. Box 2157, Purcellville VA 20134、電子メールはinform@cnionline.org

記事原文のurl:https://www.unz.com/pgiraldi/spies-and-more-lies-add-confusion-to-the-ukraine-conflict/

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 「ウクライナ戦争に関する議論」
 ダン・コヴァリク、スコット・リッター両氏の講演と聴衆との質疑応答
 ウクライナ系とおぼしき方々の典型的反論やグルジア系風の方の冷静な反論等を拝見。二時間見て大疲労。

A Discussion of the War in Ukraine 1:56:35

 統一協会を信者をだましておかしな物を売ったり寄付させたりででぼったくる組織と言うなら
 宗主国こそポンコツ兵器を押しつけつづけて属国民からぼったくる、協会より何万倍も悪質な組織

 西谷文和 路上のラジオ

Vol.116 半田滋さん「5年で43兆円!『国防』という名の『壊国』」  1:00:01

 アジア版ゼレンスキー、兵器を貰うためでなくポンコツ爆買い訪米

 デモクラシータイムス

<約束果たして岸田訪米>【山田厚史の週ナカ生ニュース】 1:35:10

 寺島メソッド翻訳NEWS

マスク氏、スノーデン氏とアサンジ氏に関する世論調査を開始

 日刊IWJガイド

「ウクライナ兵を現地で訓練した元米海兵隊大佐が、ウクライナ軍はしばしば降伏した男を殺した、ウクライナ軍の約70%が死傷していると暴露」

2007年4月 4日 (水)

スコット・リッター新著『標的はイラン: ホワイト・ハウスの体制転覆計画の真実』について語る

スコット・リッター新著『標的はイラン: ホワイト・ハウスの体制転覆計画の真実』について語る

Democracynowの2006年10月16日放送分の翻訳です。

元国連武器査察官スコット・リッター: 「合衆国が現在イランに対して進めている方針は、必然的に戦争に至る方針だ。このような行動路線は、イラクで我々がおかしてしまった歴史的な過ちさえも見劣りさせるほどだ。」[速記原稿あり]

欧州同盟の25人の首相が明日、イランに制裁措置を科するため国連安全保障理事会で会合する。イランがウラン濃縮の中止を拒否したので制裁措置が必要だと彼らは言っている。イランは核開発計画は発電の為だと強く主張しているが、アメリカとその同盟国の数カ国は、イランは核兵器を開発しようとしているのだと主張している。

土曜日、イランの外務大臣のスポークスマン、モハマド・アリ・ホセイニは、制裁措置をとるという西欧の脅しは「心理的戦争」の一部であり、イスラム共和国はさらに一層平和な核技術の追求を進めるべく決意を強くしたと述べた。

元武器査察官スコット・リッターの新著は、ブッシュ政権がイランに対して戦争をしかけることに決めていると主張している。新刊「目標はイラン: ホワイト・ハウスの体制転覆計画の真実」の中でリッターは現政権の体制転覆政策と、イランがアメリカの国家安全保障上の利害を脅かす可能性を検討している。

    * スコット・リッターは、1991年から1998年まで、国連大量破壊兵器破棄特別委員会(UNSCOM)の、イラクにおける国連武器査察官として勤務していた。彼の新著は「目標はイラン: ホワイト・ハウスの体制転覆計画の真実」(原題:"Target Iran: The Truth About the White House’s Plans for Regime Change")だ。前の著書は「イラク・コンフィデンシャル」だ。

速記原稿

この速記原稿は無料でお読みいただけます。しかしながら、寄付を頂ければ耳がきこえない人々や難聴の人々のためにTV放送用に字幕を入れる助けになります。寛大な寄付にお礼申し上げます。

エイミー・グッドマン: 元武器査察官、スコット・リッターさんの新刊書は、ブッシュ政権は、イランに対して戦争をする事に決めていると主張しています。「標的はイラン: ホワイト・ハウスの体制転覆計画の真実」(原題:"Target Iran: The Truth About the White House’s Plans for Regime Change")で、スコット・リッターさんは、政権体制転覆計画と、イランがアメリカの国家安全保障上の利害を脅かす可能性を検討しています。彼はこう書いています。「合衆国が現在イランに対して進めている方針は、必然的に戦争に至る方針だ。このような行動路線は、イラクで我々がおかしてしまった歴史的な過ちさえも見劣りさせるほどだ。」スコット・リッターさんが今私たちのスタジオにおいでです。Democracy Now!にようこそ。

スコット・リッター: ええ、どうも有り難う。

エイミー・グッドマン: 現在のイラン、アメリカが、あなたのご本の書名の、標的にしている、標的のイランを理解するための鍵は何だと思われますか?

スコット・リッター: 一番大切なことは、ブッシュ政権の標的として、イランはもろに照準線にさらされているという現実を理解すべきです。特に、合衆国の国家安全保障に関連したブッシュ政権の標的として。これは政治アナリスト、海外政治専門家の間の仮定の討論ではないのですよ。2006年版の国家安全保障戦略を読んでみてください。イランはアメリカ合衆国の国家安全保障に対する第一位の脅威だとして16回も名指しされています。同じ文書で、そのような脅威に対処するための合法的な手段として、正当な理由のない、先制攻撃戦争という考え方を容認しているからです。全世界での地域的な変換というブッシュ政権の基本政策、ただしこの場合、特に中東ですが、も再認証しています。ですから、ここでは仮定の状況について話しているわけではありませんで、あらゆる議論にもかかわらず、ブッシュ政権は、外交が存在するのだと皆に信じ込ませようとしています。外交など存在しません。イラクの時と一緒です。外交など体制転覆という究極の目的を隠すための煙幕に過ぎません。

エイミー・グッドマン: アメリカが北朝鮮に対してとっているやり方の違いについてお話いただけますか。自身の報告によれば原爆を爆発させたという北朝鮮と、イランに対して?

スコット・リッター: そうですね、ブッシュ政権の北朝鮮に対する対応とブッシュ政権のイランに対する対応の唯一の共通点は、最終目標は体制転覆だということでしょう。それ以外には、ご覧の通り、両国が共通して持っていることと、政権のやり方とは全く関係ないでしょう。いいですか、北朝鮮とイランを比較することなど不可能です。月とすっぽんです。

北朝鮮は原子力を持つと宣言しています。彼らは核兵器を所有するという意図の宣言までしています。彼らはこのことを誰に対しても隠してはいません。彼らは完全に法律に適合して核拡散防止条約から脱退しました。彼らは通告しています。彼らは、「我々は参加しない」と言ったのです。彼らは適切なスケジュールを与えました。彼らは査察官を招いたのです。そしてなんと、驚き、驚くことに、こうした事実にもかかわらず、ブッシュ政権は言ったのです。「ああ、ただのはったりだ」と。いいですか、はったりではないのです。北朝鮮は、一発爆発させたところです。考えてみてください。もしもアメリカが無責任に北朝鮮に圧力をかけ続けたら、また、えー何の話でしたっけか?

アメリカは北朝鮮で何を実現したいのでしょう? アメリカは本当に北朝鮮国民のことを人権を心配しているのでしょうか、 違います、体制転覆です。体制転覆が全てなのです。世界の皆と共存する為の条件を、合衆国が支配できるということが目的なのです。人々は中国に対する我が国の政策が体制転覆であることを理解しているのでしょうか? この波及効果がどういうことになるか理解しているのでしょうか? それが北朝鮮に対して起きていることです。彼らが言った通りのことを実行してもアメリカ国民が驚いてはいけません。

次にイランを見てみましょう。イランという国は「我々は核兵器計画を持っていない。そういう意図はない。」と言っているのです。実際、北朝鮮が原爆を爆発させた際、イランは非難しました。核兵器は世界均衡の一部ではあり得ないとイランは言っています。それなのに、アメリカは両国をひとくくりにして、あたかも北朝鮮とイランは、同じ政策の本質的な部分だと言い続けようとしています。両国は、ブッシュ政権が核拡散に対処するためにとってきた「同じ支離滅裂なやりかた」の本質的な部分ではあるかもしれませんけれども。

エイミー・グッドマン: スコット・リッターさんは、イランから帰国されたばかりですね?

スコット・リッター: 帰国、ええ私は9月上旬イランにいっていました。

エイミー・グッドマン: あちらで何をされたのですか?

スコット・リッター: ネーション誌のジャーナリストとして行ってきました。11月中にはたぶん発表される記事の為に調査に行ったのです。イラン政府も、多くの政府同様、言っていることと、やっていることが違うというのは奇妙でしたね。事前に合意した色々な予定がありました。Xとインタビュー、Yとインタビュー、現地見学等々。イランにいってみて、我々が色々合衆国内で調整していたにもかかわらず、イラン政府は、(a) 私が入国することも(b)私には日程があったことも全く知らなかったことがわかりました。それで、私は私一人でイランに入れたわけですが。

イスラム教のファシスト国家と呼ばれてきた国の中を一人で歩くというのは実に目を見張るような経験です。中東の独裁体制国家に行ったことがあります。治安対策がやかましい国々に行ったことがあります。イランはそうした国家の一つではありません。私は元諜報部員で、これまでイランに対してかなりきつい発言をしてきた人物ですが、それにもかかわらずイランでは何の干渉もなく、完全な行動の自由がありました。そしてその結果、認められた日程で行ったわけではなく、自分自身の日程で行ったのですが、それでも政府幹部、軍幹部、諜報組織幹部をインタビューし、機密と見なされている現場を訪れることができました。結論は、アメリカのマスコミはイランについて間違った思いこみをしているということです。非常に現代的で、西欧化された、親西欧で、しかも驚くほど親米国家で、どんな意味でも合衆国に対する脅威ではありません。

エイミー・グッドマン: あなたはイラク内部の元武器査察官ですね。

スコット・リッター: そうです。

エイミー・グッドマン: イラク侵略の下準備の時と、今イランに対して起きていることの類似性と差異についてお話いただけますか?

スコット・リッター: 指摘すべき最大の類似は、いずれの場合も、申し立てられている主張を裏書きする証拠がまったく示されていないことです。イラクは大量破壊兵器計画を持っていると非難されていました。化学、生物、核、長距離弾道ミサイル計画を再編していると。問題の施設に対して自由に出入りできるという査察手順がありましたが、こうした査察によってはブッシュ政権の主張を裏付けるデータは全く得られませんでした。それなのに、イラクは言われたのです。武器を発見するのは査察官の責任ではない。それが存在しないということを証明するのはイラクの責任だ。イラクは「否定の証明」をしなければなりませんでした。彼らはそれはできませんでした。1991年にサダム・フセインが兵器計画を完全に破壊したということを今なら我々は知っています。見つけ出すべき何物も残されてはいなかったのです。何の脅威もなかったのです。

そこでイランです。イランは核兵器計画を持っていると疑われています。けれども国際原子力機関が、イランの施設に自由に出入りできる査察官が、現れてこう言ったのです。「そう、我々が知らない秘密の計画が存在しないとは言えない。我々が言えるのは、調査の結果としては、核兵器計画があるというブッシュ政権の主張を支持するデータは何もないということだ。」それなのに、ブッシュ政権は、またもや責任をイランになすりつけています。アメリカの言い分はこうです。「核兵器計画を発見するのは査察の責任ではない。そういうものが存在しないことを証明するのはイランの責任だ。」なぜアメリカはこういうやり方を続けるのでしょう? なぜなら、誰も「否定の証明」はできないからです。ブッシュ政権を満足させるためにイランができることなど何もありません。要するに、政策は不拡散が目的なのではありません、軍備縮小が目的なのでもありません。体制転覆が目的なのです。そしてブッシュ政権がしたいと望んでいるのは、軍事介入という彼らの究極の目的を支持するような条件を作りだすことなのです。

エイミー・グッドマン: スコット・リッター、ご本の中でお書きになっていることのなかに「イランは明白な核兵器所有を拒否する」と言った最高指導者のファトワという形での宣言に、全く注目していないというのがありますね。

スコット・リッター: 「最高指導者」というと、そもそも、大半のアメリカ人は頭を掻いていうでしょう。「それは誰だ?」なぜならば、悪者扱いする看板男がいるからです。彼の名前はアフマディネジャドです。彼は現れては実に愚劣なことを言ううすのろです。「イスラエルを世界の表面から消し去ることがイランの目標だ」合衆国等にたいしてとんでもない発言を彼はするのです。そして、もちろん、彼はアメリカのマスコミ、西欧のマスコミが存分にやれる対象となっていて、繰り返して使われる断片的な映像をやたら見せられるわけです。アフマディネジャド、アフマディネジャド、イラン大統領。しかし皆が理解していないことは、彼が色々発言できても、彼の指がどんな権力のボタンの上にも無いという点です。イラン憲法を読めば、イランの大統領はほとんど飾り物であることがわかります。

イランにおける本当の権力は最高指導者が持っています。最高指導者はアヤトラ・ハメネイです。彼は護憲評議会という組織に支持されています。便宜評議会と呼ばれる別の組織があります。彼らが、軍隊、警察、核計画、全ての権力の道具を支配しているのです。しかも最高指導者が、核兵器はイスラム法には適合しないというファトワを発しているだけでなく、シーア派の信仰体系で責任を持っている最高指導者が、2003年に実際にスイス大使館経由でブッシュ政権に接触して言ったのです。「聞いてくれ、合衆国との関係を正常化したいと思っている。イスラエルとイランの間で平和条約を結べるような交渉を始めたいと思う。」いいですか、イスラエルとイランですよ。彼は「我々はイスラエルを地表からぬぐい去りたい。」と言っているわけではないのです。彼は「イスラエルとの平和を望んでいる。」彼らの核計画も進んで議論しようとしていたのです。

なぜブッシュ政権がこれを歓迎しないのでしょう? なぜなら、そうすれば正常化という方向に進み、合衆国が神権政治の正統性を認め、進んで神権政治と平和的に共存しようとすることになるからです。それはブッシュ政権の立場ではありません。彼らは神権政治を終わらせたいのです。それを正統化するようなことは何もするつもりはありません。平和を支持するようなことは。彼らは平和を拒絶したのです。ですから、アメリカ-イラン関係ということでは、国際的な平和と治安に対する脅威をもたらしているのは、アフマディネジャドではないのです。脅威をもたらしているのはブッシュ政権です。平和について検討することをブッシュ政権が拒否しているのです。ブッシュは外交について語っています。彼がコンドリーサ・ライスを飛行機に乗せて、テヘランに派遣して最高指導者と交渉させるまでは、外交は、本当の外交はありません。

エイミー・グッドマン: スコット・リッターさんとお話しています。彼は新刊を出しました。書名は「標的はイラン: ホワイト・ハウスの体制転覆計画の真実」です。表紙の絵にはアメリカの銃の柄があります。アメリカの国旗が描かれた銃です。この柄とその背景について話していただけますか。

スコット・リッター: あの図柄が私の功績だったらと思いますよ。でも残念ながら、あの絵は、いや残念ながらではなく、幸運にですね、あれは、魅力的なだけでなく、象徴的な表紙を考えてくれたネーション・ブックスの非常に優秀なグラフィック・デザイナーの作品です。ただここで重要なのは、イランが標的だという点です。我々は、アメリカとアメリカの象徴について議論したのです。そこで、アメリカ国旗を、世界が「合衆国」という言葉を聞いた時に思い起こす象徴に変身させたのです。武器です。合衆国を、人権、個人の市民的自由を擁護するはずと思われていた国家をそう考えるのは非常に悲しいことです。現代の世界が合衆国について語る時、彼らはアメリカを、暴力として、銃によってもたらされる暴力として見ているのです。アメリカはそうなっているからです、暴力国家です。

エイミー・グッドマン: アメリカとイランに関してあなたがお考えの筋書きは?

スコット・リッター: 戦争です。結論は、ブッシュ政権はあと二年間合衆国を支配することができるということです。彼らは中東で地域を変換する政策を持っています。体制転覆です。現在、あらゆる恐ろしい兆候を表しながら、この政策がイラクで行われているのを目にしています。彼らも何か学んだのではと期待されるでしょうが、何も学んでいないのです。連中はイランを存続可能なデモクラシーに変える必要があると言い続けています。今のニュース放送やら他のニュースによると、どうやらアメリカはイラクのデモクラシーはあきらめるようですが。

ブッシュは既に「イランを次期大統領にまかせたくはない。今自分で解決すべき問題だ。」と言っています。取り込むべきであって、ここに取り込んでいないもう一つの要素は、合衆国に、イランに対して極めて攻撃的な姿勢をとるよう圧力を加えている、イスラエルが果たす役割です。イスラエルは超えてはならない一線を引いて、言っています。イランにおける核兵器計画を許さないだけでなく、彼らは原子力に関わること全て、特に、核兵器計画にも使える濃縮は許容しないのです。ですから、たとえイランが本当のことを言っていても、イランは「核兵器計画など全くない。平和な原子力が欲しいのだ。」と言っていますが。イスラエルは言うのです。「イランが濃縮能力を持ち続ける限り、イスラエルに対する脅威である」。そして強硬な措置をとるよう、合衆国に圧力をかけています。

エイミー・グッドマン: どんなやり方でですか?

スコット・リッター: ええ、それは外交的圧力です。2002年に始まったのですが、イラクとの戦争準備のさなか、イスラエル首相と国防相があたふたと合衆国にやってきて、言ったのです。「おい、余りイラクのことを心配するのは辞めようぜ。あんなものは大した問題ではないさ。大量破壊兵器をタネに色々屁理屈をこねればいいじゃないか、大問題はイランだぞ。」するとブッシュ政権は言ったのです。「今はイランの話しはしたくない。今はイラクを処理しているところだ。」戦争直後に、イスラエルがやってきて言ったのです。「結構。サダムを追い出してくれて有り難うよ。今度はイランをやってもらいたい。」それでも合衆国はイランを後回しにしたままでした。そこでイスラエル政府が諜報情報をイラン人の反体制組織ムジャヒディン・エ・ハルクに漏らし、連中がしゃしゃり出てきて「ほら、見てくれ、このナタンス工場を。連中はここで濃縮をやっている。」と言ったというわけです。そこで合衆国は突然こう言わされました。「ああ、イランを最優先しなけりゃならんな。」マスコミによる対イラン操作の調子を支配しているのはイスラエルなのです。

エイミー・グッドマン: マスコミが言っているのは、イランは原子力など必要ない。石油が十分にあるのだから、原子力など核兵器を得るための方法に過ぎないと。

スコット・リッター: ええ、イランが豊富な石油を持っていることは疑いようがありませんが、世界経済の中でやってゆけるものということでは、イランは唯一石油しかないのです。1976年に、イランのシャーが合衆国に来て、仲裁の為の代理人を派遣して言ったのです。「我々は分析を行い、石油の量は有限だというのが分かった。今の所は我々はそれを輸出する必要がある。しかもそれを輸出しないと、金が儲けられない。これを維持し続けるだけの十分な石油は持っていない。石油を輸出に回せるようにするための自前のエネルギー政策が必要だ。我々は原子力を使いたい。」そこでアメリカ政府は言いました。「名案ですね、シャー。大賛成ですよ。」ジェラルド・フォードが言ったのです。

当時のホワイト・ハウスの主席補佐官はディック・チェニーでした。国防相はドナルド・ラムズフェルドです。ですから、チェニーとラムズフェルドの二人は、今、イランは石油があり余っている国だから、原子力計画など不要だと主張していますが、1976年に原子力を手に入れるというイランの目標を、二人とも支持していたのです。原子力だけではありません。彼らはこう言ったシャーを支持していたのです。「制裁措置や戦争のような、予想のできない変動で原子力計画の燃料が人質の取られのを認めるわけには行かない。完全なウラン濃縮処理を含めた自前の燃料製造能力が必要だ。」1976年にアメリカ政府何と言ったか考えてください。「問題ありませんよ、シャー。それで結構です。」もちろん1979年に、イスラム教主義者が登場して、私たちは突然意見を変えたのです。結論は、イランは、法律上も、経済上も、原子力計画をすすめるあらゆる権利があるということです。アメリカは既にそれが進むべき正当な方法だと認めたのです。

エイミー・グッドマン: スコット・リッターさん、ピューリッツァー賞を受賞した調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュと退役空軍大佐サム・ガーディナーの二人は、イランで、アメリカ軍の秘密工作がすでに始まっていると言っています。本当だと思われますか?

スコット・リッター: シーモア・ハーシュの報道を尊敬しています。サム・ガーディナーの分析を尊敬しています。それを知る立場にいて、私に話しをしてくれる人々の誠実さを尊敬しています。いいですか、アメリカは既にイラン上空に無人の航空機、パイロットを載せない無人飛行機を飛ばしているのです。地上では、CIAがムジャヒディン・エ・ハルクを採用し、クルド人を採用し、アゼリー人を採用し、彼らがイラン内部でアメリカ合衆国の為に活動しています。実際に合衆国軍隊メンバーと、CIA準軍事組織員としてのアメリカ国民が諜報情報を集めるためにイラン領土内で活動していると信ずべき理由があります。

準軍事組織や軍隊によって、主権国家の国境と領空を侵犯すれば、それは戦争行為です。これは戦争行為なのです。ですから、アメリカ人が「ああ、イランで戦争なんかないさ」と言う一方、既にイランでは戦争になっているのです。アメリカはイランと戦争しているのです。通常段階の戦争をこそ宣言してはいませんが。ブッシュ政権は体制転覆という政策をもっています。彼らは軍を使うつもりで、今軍が使われているのです。

エイミー・グッドマン: 後一分しかありませんが、こうしたことに全てについてのマスコミの役割は。あなたが侵略に反対した国連の武器査察官だった時、イラク侵略準備の段階で、彼らはあなたをけなし、中傷しましたね。

スコット・リッター: そうですねえ、連中は、また私にはしたい放題でしょうね。知ったことではありません。蛙の面に小便です。問題は私の側にあるのではありません。私が肝心なのではありません。肝心なのは真実と事実です。今やはっきりしていると思います。我々は、準備段階でイラク戦争の真実と事実を知らされていなかったのですし、イランでも同様に、マスコミが真実と事実を知らせていないことは明らかです。イランについて否定的なことならなんでも額面通りに、本当だと受け止めるように、私たちは前もってプログラムされてしまっています。それが私が本書を書いた理由の一つです。適切な総合的観点からものごとを考えられるように。

エイミー・グッドマン: スコット・リッターさんでした。彼の新刊書は「目標はイラン: ホワイト・ハウスの体制転覆計画の真実」(原題:"Target Iran: The Truth About the White House’s Plans for Regime Change")です。彼は元国連の武器査察官です。今晩、リッターさんは、ピューリッツァー賞受賞者のジャーナリスト、シーモア・ハーシュとご一緒にニューヨーク市の倫理文化ソサエティーに出席されます。

http://www.democracynow.org/article.pl?sid=06/10/16/144204

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