ドイツ

2026年10月 2日 (金)

袋叩きにされる



ジョージ・オースターフィールド

2026年10月1日
SCF

 メルツはもはや死人同然だ。恐怖を煽ったり戦争を煽ったりしても票は得られない。

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 ザクセン=アンハルト州での選挙で痛い目に遭ったキリスト教民主同盟(CDU)は、9月20日にメクレンブルク=フォアポンメルン州(メック/ポム)とベルリンで本当に惨敗を喫した。

 まずメック/ポムを見てみると、投票率は78.1%で、ザクセン=アンハルト州の77.8%とほぼ同じだった。

 公式発表された最終結果は、まだ暫定的なものだが、ザクセン=アンハルト州と比べれば小さな衝撃と言える。それでも、注目すべき結果であることは間違いない。州議会には4つの政党が議席を獲得することになる。

ドイツのための選択肢(AfD) 38.2% 32議席
社会民主党(SPD)(現職州首相が再選を目指す) 35.5% 29議席
左翼党(Die Linke) 6.5% 5議席
緑の党(Die Grune) 5.7% 5議席
 州議会は合計71議席だ。

 さて、ここからが興味深い点だ。キリスト教民主同盟(CDU)は4.9%の得票率で、5%のハードルをクリアできず、議席はゼロ。自由民主党(FDP)も1.0%で、こちらも議席はゼロだ。

 ここで少し視点を変えてみよう。

ドイツのための選択肢(AfD)は次の選挙で勝利したが、ザクセン=アンハルト州ほどの大差ではなかったものの、それでも勝利を収めた。

2017年から現職の州首相を務めるマヌエラ・シュヴェージヒは、ドイツ社会民主党(SPD)の幹部の一人でだ。彼女は2013年から2017年まで連邦レベルで教育・家族・高齢者・女性・青少年大臣を務め、2008年から2013年まではメック/ポンメルン州議会で同様の役職を務めていた。SPDが労働者政党としての立場を捨て、社会保障制度を大幅に削減するいわゆる社会改革に踏み切った際、シュヴェージヒは苦境に立たされたが、できる限りその影響を緩和しようと努めた。彼女の政治活動は常に誠実で思いやりがあり、正直な人物という印象を与えてきた。

 彼女は、低迷するドイツ社会民主党(SPD)を明るい未来へと導くことが期待される数少ない政治家の一人だが、少なくとも当面はメック/ポム選挙区の議員の地位にとどまりたいと考えているようだ。

 緑の党と左派は、予想通りの結果となった。緑の党は苦戦を強いられ、左派は、ザーラ・ワーゲンクネヒトが離党して独自の運動であるBSWを立ち上げ、一部の左派有権者を引き連れた後の内部混乱を経て、依然として勢力回復に努めている。

 緑の党は当初、軍事力増強と環境破壊に反対する平和主義政党として発足した。しかし2022年以降、ウクライナ政権とドイツおよび欧州の再軍備を最も強く支持する政党の一つとなり、時には既存の保守政党を凌駕するほどになった。このため、主に若い有権者を中心とした環境保護派からの支持を大きく失った。反戦派はドイツのための選択肢(AfD)に、そして、ある程度左派へと支持を移しており、これらの政党だけがより平和的で外交的な解決策を提唱している。

 今回選挙で注目すべきは自由民主党(FDP)ではない。1949年以来、多くの連立政権に参加し、常に二大政党の過半数獲得を支えてきたFDPは、現時点ではさほど重要な存在ではない。選挙戦の対立候補と手を組もうとして自らの存在感を失ってしまったようだ。

 一番大きな問題は、国政与党キリスト教民主同盟(CDU)が僅か4.9%の得票率にとどまり、州議会から追放されたことだ。これは非常に大きな出来事だ。メルツは事実上、政権交代が目前に迫っており、その運命は誰の目にも明らかだ。

 かつての東ドイツは、統一後もなお取り残され、騙されたと感じている。旧東ドイツの近代化と復興のために策定されたプログラムは、主に西ドイツ企業や機関に利益をもたらした。入札は不正操作され、数百もの企業が破産管財人の管理下に置かれ、西側投資家に二束三文で売却された。

 これは旧東ドイツ国民の心に今も残る根本的な問題の一つで、まさにこうした選挙結果の説明として持ち出される。だが、これは既存政党の欠点を覆い隠すための言い訳に過ぎず、高齢化に伴うインフラ整備の遅れによる村落の過疎化、雇用機会の少なさ、移民問題、既存政党への不信感といった真の課題を無視している。東西ドイツ統一当時、主導権を握っていたのはキリスト教民主同盟(CDU)だったが、彼らの公約は実現しなかった。そのため、当時の選択肢は社会主義的政策と、それに代わる保守的政策だった。

 ベルリンでの選挙は、一見すると他の2つの州ほどキリスト教民主同盟(CDU)に大きな打撃を与えなかったように見える。だが、首都ベルリンという場所柄、結果はより一層重みを持つ。そしてここでも与党は両極端に位置するドイツのための選択肢(AfD)と左翼党(Linke)に大きく議席を奪われた。結果は以下の通り。分かりやすくするため増減も併記した。

Die Linke 左翼党 25.7% 47議席 +13.5%
CDU キリスト教民主同盟 18.8% 34 議席 −9.4%
AfD ドイツのための選択肢 16.3% 29 議席 +0.1%
Grüne 緑の党 14.3% 26議席 −4.1%
SPD 社会民主党 12.1% 22議席 −10.1%
BSW ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟 4.7% 5%未満 , 議席なし
FDP 自由民主党 2.5% 5%未満 , 議席なし

 投票率は74.2%だった。

 州議会は158議席で構成され、過半数となるには80議席が必要だ。つまり、連立政権が確実に成立することになる。現時点では、左派(Linke)、社会民主党(SPD)、緑の党による連立政権が樹立される可能性が高いと見られている。

 ドイツのための選択肢(AfD)は、他の選挙ほどの規模で支持を伸ばすことができていない。これは主に2つの要因によるものだ。

 ベルリンは都市環境で、そのため有権者層はより集中しており、若い人口が多く、またドイツの他の州からの移住者も多い。

 2つ目は、こうした環境特有の深刻な問題だ。中でも、手頃な価格の住宅不足は中心的な課題の一つだ。ドイツのための選択肢(AfD)には都市運営の実績がなく、有権者をAfD支持へと駆り立てるほど斬新な政策も提示できていない。

 SPDのような大敗を喫した政党が政権を握れるのは、やはり驚きだ。CDUはさておき、今回選挙で最大の敗者となった政党が、それでも政権を握ることになる。これこそ連立政権の醍醐味だ。

 左翼党(リンケ)は、共産主義の雰囲気が色濃く残っているため、既存政党や保守派有権者からの信頼は必ずしも高くない。とはいえ、選挙結果は明白で、住宅問題を中心とした選挙公約をリンケがどのように実現していくのか注目される。他の連立パートナーも最善を尽くすだろうから、あまり急激な変化は期待できない。

 ここでも連邦レベルの与党は明確なメッセージを受け取ったことが見て取れる。敗北は厳しい現実を物語っている。来る4月の選挙までに国民の意識を変えるのは至難の業だ。これら政党から発せられるコメントを聞く限り、2027年春にも同じ結果が繰り返される可能性が非常に高く、そうなればドイツを統治することはほぼ不可能になる。

 何があろうと、一つだけ明白なことがある。社会保障制度、医療、年金の大幅削減と、着実に悪化していく経済状況を前に、恐怖と戦争を煽る政策では有権者の支持は得られない。特に、解決すべき新たなビジョンがなく、ただひたすら削減と縮小を繰り返すだけで、それを改革と称しているような場合はなおさらだ。

 投票終了直後、ドイツ首相は報道陣の前に立ち「2026年の選挙戦はこれで終わりだ」と述べた。彼は安堵した様子だった。

 結局、キリスト教民主同盟(CDU)には選択肢がほとんどない。メルツが「改革」を撤回すれば、弱腰で社会民主党(SPD)に屈服したように見え、結果的にSPD勢力を強めることになる。

 彼がAfDに接近して票の奪い合いをしようとすれば、何の助けにもならないだろう。なぜなら、AfDはもともと不満を抱えたCDU党員から生まれた政党だからだ。

 このままの姿勢を続ければ、メルツとキリスト教民主同盟(CDU)が次期連邦選挙で勝利する可能性は皆無で、メルツは政府をCDUの方針に従わせるために大変な苦労を強いられるだろう。社会民主党(SPD)がCDUとの違いを明確に示せなければ、彼らもまた破滅的事態に直面する。連立政権の下位政党であることの危険性。自由民主党(FDP)が苦い経験から学んだ教訓だ。

 将来に対する構想や明確な計画がない事実を隠蔽することは、強力な野党が代替案を提示し、選挙のたびに勢力を拡大していく限り、どの与党にとっても決して良い結果をもたらしてきたわけではない。

 2027年4月の次期選挙が、過去2回の選挙と同じような結果になれば、キリスト教民主同盟(CDU)内部で不安がパニックへと変わり、春の終わりに連邦議会選挙が行われる可能性もある。結果は誰にも予測できない。だが、ドイツのための選択肢(AfD)を禁止しようとする試みは、かつて偉大な政党だったキリスト教民主同盟の終焉を告げるもので、ドイツが知っている民主主義の終焉を意味する。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/10/01/getting-whacked/

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 植草一秀の『知られざる真実』
日本財政の恐るべき実態

2026年9月10日 (木)

ドイツ:ザクセン=アンハルト州でAfDが勝利した理由と今後の展開



2026年9月8日
Strategic Culture Foundation

エド・ターナー

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 9月6日に行われたドイツのザクセン=アンハルト州議会選挙結果は主要政党にとって予想以上に悪いものとなった。極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は43.8%の得票率を獲得し、過半数に迫る勢いを見せた。これは世論調査予測を約4%上回る数字だった。

 一方、中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)への支持は急落した。得票率は17.2%にとどまり、2021年の37.1%から大幅に低下し、予想を大きく下回る結果となった。

 投票率は78%近くに達し、2021年と比べて大幅に上昇した。これはドイツのための選択肢(AfD)にとって追い風となった。 分析によると、支持拡大の要因は主にこれまで投票していなかった層で、それに加えて、かつてキリスト教民主同盟(CDU)を支持していた層も相当数が加わったという。

 選挙が二極化して いたこと、つまり事前調査では有権者の41%がドイツのための選択肢(AfD)主導の政権を望み、46%がキリスト教民主同盟(CDU)主導の政権を支持していたことは、いくつかの意外な影響をもたらした。その一つは、社会民主党(SPD)と緑の党にとって有利に働いたことだ。

 社会民主党(SPD)と緑の党は、州議会で議席を獲得するために必要な得票率5%を確実に達成するため、キリスト教民主同盟(CDU)と左翼党の有権者から戦術的支援を受けた。

 過半数を獲得した場合にのみ政権を担うと表明していたドイツのための選択肢( AfD)は、現在、候補者のウルリッヒ・ジーグムントをザクセン=アンハルト州首相に選出するための複数の道筋がある。最も可能性が高いのは、左派的経済政策と移民問題などの保守的政策を組み合わせた政党、ザーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟(BSW)との連携だろう。
 
選挙当夜、一部分野でAfDの立場と「重複」があること、そしてAfDを政権から完全に排除することは「全く非民主的」であることをBSWは明確にした。

 これが失敗に終わった場合、キリスト教民主同盟(CDU)の支援が別の道になるだろう。首相選出は秘密投票で行われ、日曜日に再選されたCDU所属議員数名は、ドイツのための選択肢(AfD)との協力にもっと前向きであるべきだと長年主張してきた実績がある。
 
社会全体からの支持

 ザクセン=アンハルト州において、ドイツのための選択肢(AfD)は、労働者階級有権者(59%)、低学歴層(57%)、経済状況が悪いと感じている有権者(65%)の間で最も高い支持を得た。しかし、大卒者(30%)や経済状況が良いと感じている有権者(37%)の間でも、AfDはまずまずの支持率を獲得した。

 また70歳以上(31%)を除く全年齢層で40%以上の支持を獲得した。従って、AfDは社会全体、州全体からの支持を得ている本物の「国民政党」だと主張できるだろう 。

 今回の選挙は決して単一争点選挙ではなかった。出口調査によると、移民問題はAfD支持者の動機の一つで、91%が「ドイツに外国人が多すぎるのを非常に懸念している」という意見に同意した。しかし、治安や経済への懸念も同様に重要だった。

 2002年からキリスト教民主同盟(CDU)が率いてきた州政府に対しても、有権者の66%が強い不満を抱いていた。しかし、ベルリンのフリードリヒ・メルツ政権に対する評価は更に悪く、83%が一般市民の問題に十分に関心を払っていないと見ていた。ザクセン=アンハルト州の有権者のうち、今後数年間で大いに国を良くできると信頼しているのは僅か20%だった 。

 こうした感情はドイツ全土に見られるものの、ザクセン=アンハルト州をはじめとする東部諸州でより顕著で、それに加えて東部特有の不満も存在する。東部出身者は多くの場面で、依然二級市民だとザクセン=アンハルト州の有権者の73%が考えている。

 この見解は、AfD支持者の83%に共通している。AfDは、ドイツ再統一に対する不満や、共産主義時代の東ドイツへの郷愁を巧みに利用することに成功している 。

 もしドイツのための選択肢(AfD)が政権を樹立した場合、同党が極右的綱領を、どの程度実行できるのか、そして実際に、同党がドイツ国内で明白な「右翼過激派」だというドイツ情報機関の見解を裏付けることになるのかどうか厳しく精査されることに なるだろう。

 教育、文化、治安、公共放送といった分野では、政府は積極的に攻勢に出るだろうが、過激な措置に対し、法的異議申し立てが絶えない可能性も十分にある。こうした措置には、学校で教師に特定イデオロギー的立場を表明するよう強制する試みなどが含まれる。

 ドイツのための選択肢(AfD)は、この立場を利用して更なる宣伝活動をするだろう。そしてもちろん、裁判所や他勢力により目標達成を阻まれるたびに、既成勢力による陰謀の犠牲者だと主張するだろう。これはポピュリストによく見られる戦術だ。  
より広範な政治的影響

 この結果を受けて、メルツ首相の立場は更に厳しくなった。どのドイツ首相と比べても異例の不人気ぶりで知られるメルツだが、9月20日に行われるメクレンブルク=フォアポンメルン州議会選挙で支持率が上がる見込みは全くない。この選挙は、ドイツのための選択肢(AfD)と社会民主党(SPD)の一騎打ちになると予想されている。

 同日、政治的に非常に分裂したベルリン州では、メルツ率いるキリスト教民主同盟(CDU)が低い得票率で首位を獲得する可能性もある。しかし、それは選挙結果を左右する決定的要因にはならないだろう。

 重要なのは彼の党所属議員の多くが改革を要求するだろうことだ。そのほとんどは、ドイツのための選択肢(AfD)が利用できる隙を塞ぐために右傾化を求めるだろう。だが、現在の連立相手、社会民主党(SPD)との連立政権下では、それはほとんど実現不可能だ。

 労働者階級有権者の支持率低下を指摘し、秋に決定予定の年金制度改革など主要改革案再開を要求する声もあるだろう。だが、それはメルツが分析する低迷するドイツ経済を立て直すために必要なこととは相容れない。

 ザクセン=アンハルト州は、メルツだけでなくドイツ社会全体に対して非常に難しい問いを投げかけているのかもしれない。すなわち、ドイツは政治的にあまりに分裂しすぎ、もはや統治不可能な状態に陥っているのではないかという問いだ。

 キリスト教民主党と自由民主党、あるいは社会民主党と緑の党といった容易に手を組める政党同士の連立政権では、連邦選挙で25%の得票率すら得られるまい。そのため、主流政党は、ドイツのための選択肢(AfD)を排除するためだけに、根本的に意見が異なる政党と連立政権を組まざるを得ないのだ。

 これら政党は互いに争い、合意に至らず決定を先延ばしにし、そして崩壊する。そして、この負の連鎖から、ドイツのための選択肢(AfD)は利益を得られるのだ。

元記事:theconversation.com

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/09/08/germany-why-the-afd-won-in-saxony-anhalt-and-what-happens-next/

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
①ベッセント財務長官、中国にAI競争で敗れれば「他の全てが無意味に」と警告、②モデル性能:差は年単位から数%へ、スタンフォードHAI ③CIA副長官、中国の脅威にはより広範な諜報活動が必要だと発言、、中国と米国の経済競争は中国企業を正当な標的とする根拠になる

2026年9月 8日 (火)

ライプツィヒの偽旗騒動はドイツによる対ロシア・ドローン戦争拡大の隠れ蓑



フィニアン・カニンガム
2026年9月5日
Strategic Culture Foundation

 ライプツィヒでの偽旗作戦は、事実を隠蔽し、大衆をだまし、ロシアが脅威だと認識させる必死の企みだ。

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 ヨーロッパのニュース見出しは、ライプツィヒ空港にロシアがドローン攻撃をしたというドイツの非難が主流だった。

 この非難は前例のないもので挑発的だ。その主張をモスクワは激しく退け、ベルリンが証拠を示していないことを指摘した。

 欧州指導者たちは警戒態勢にあり、自国が攻撃を受けていると主張している。ライプツィヒ事件は、ロシアによる同様攻撃の疑いが山積しする事例の中、最新のものだ。

 8月4日の攻撃は起爆装置の不具合が原因で失敗したとドイツ政府は主張した。それにもかかわらず、先週のアレクサンドル・ドブリント内務大臣とヨハン・ワデフル外相による共同記者会見は、ヨーロッパ各地で「ハイブリッド戦争」や「国家テロリズム」を非難する糾弾の嵐を巻き起こした。v  外交的召喚は迅速で、ロシアに対し更なる制裁が課されており、欧州の防空防衛を一層強化するよう求める声は更に強まっている。

 最優先の対応策は、既にキーウに投入された数千億の納税者の資金に加え、ウクライナに対する欧州からの財政・軍事支援を拡大することだ。

 ここ数か月間、ポーランド、バルト諸国、ルーマニアにおけるライプツィヒのドローン事件や、その他多数の関与が疑われていることを、ロシアは完全否定している。

 ライプツィヒ空港のウクライナ軍貨物機近くの重要保安区域に爆発物を含むドローン装備をドイツまたはウクライナの工作員が設置できた可能性があるとプーチン大統領は示唆した。その後、ロシアを非難するメディアの反応は、まさに予想通り、望み通りの大騒ぎになった。

 また、今週末アンハルト=サクソン州での重要な選挙で、野党のオルタナティブ・ドイツAfDがフリードリヒ・メルツ首相の連立与党を打倒する意向を示したことで、メディアの反発や、ロシアに対する中傷が注目されるとプーチンは指摘した。メルツの人気が底を打つ一方、AfDは、ウクライナ戦争終結と、ロシアとの関係正常化という綱領に対し大きな支持を得ている。

 だが、もう一つの喫緊の要因は、ドイツが対ロシア戦争に関与していることだ。関与の拡大はここ数カ月で加速しており、一般の人々にはほとんど知られていない。

 ライプツィヒでのロシア・ハイブリッド戦争の主張を巡るヒステリーは、ウクライナへの軍事参加をドイツがエスカレートさせるための好都合な隠れ蓑になっている。

 ヨーロッパの見出しがロシアの脅威について叫ぶ一方、欧州指導者連中が「団結の必要性」や「自由を守る」というスローガンを合唱し、ウクライナへの攻撃用ドローン供給をドイツが拡大しロシア領に侵攻したという控えめな報道は、ほとんど注目されなかった。

 9月3日、ウクライナ向け長距離ドローン製造をドイツが開始したとドイツの経済新聞『ハンデルスブラット』が報じた。これは、ロシアがライプツィヒ事件を非難するベルリンで広く報道された記者会見の二日後のことだった。

 製造はドイツのAuteiron社とウクライナのドローン製造会社Airlogixとの合弁事業だ。標的範囲は1,500キロだ。キーウからモスクワまでの航空距離は750キロだ。

 「現在ドイツは手頃な価格の精密兵器を大量生産する生産ラインを持っている。」と、Auteironの最高経営責任者ローレンツ・マイヤーがハンデルスブラットに語った。今年は、費用と生産速度で試行錯誤し、検証された兵器を提供する。そのため、抑止力のための大規模備蓄が実際可能になる。

 エアロジクスの最高経営責任者、ビタリイ・コレスニチェンコは「この提携により、どちらの企業も単独で達成できなかったこと、すなわち戦闘実績あるミサイル、Auteironの自律型ソフトウェアとドイツの産業能力が融合した」と述べた。

 今年早々に900億ユーロの融資を受けた欧州連合(EU)の資金調達は、既にウクライナによるロシア地域の攻撃作戦に資金提供している。ロシアでは数百人の民間人が犠牲となり、石油・ガスインフラを破壊している。ここ数週間で、ドローンの集中飛行は一晩あたり800回にまで加速され、そのほとんどがロシアの防空システムに迎撃された。

 欧州企業は、ロシアへの空襲に備えて、既にウクライナへのドローンや部品供給に関与している。イギリスとデンマークは主要供給国であることが知られている。これらの国々は報復の正当な標的だとロシアは警告した。

 だが、ドイツの参加により、工業生産が拡大され、ウクライナの火力と一体化される全く新しい段階へと進んでいる。

 先週、疑わしいライプツィヒ事件について欧州の指導者連中がロシアを非難する一方、ドイツのメルツとウクライナの違法な大統領ウォロディミル・ゼレンスキーは、9月2日に電話会談を行い、新たなドローン生産契約を最終決定した。

 ロイター報道によると、この契約では、ドイツのテクノロジー企業Quantum Systemsが、ウクライナのメーカー、WIY Dronesと合弁事業を行っている。

 「既に我々のチームはドローン契約内容を最終決定しており、これによりドイツとウクライナの両方に更なる防衛能力が確実に提供される」とゼレンスキーは述べた。

 先週発表された別の取り組みとして、ウクライナ企業Skyfallが製造するShrike攻撃ドローン5万台の生産を資金面でベルリンが支援している。ロイターによると、これは欧米政府によるキーウ向けドローン購入が知られている中で最大規模のものの一つだ。

 これら生産と供給に関する合意は、メルツ首相がミュンヘン安全保障会議でドイツとウクライナのビジネス会議を指揮して以来、2026年2月に開始されている。

 だが、武器を運搬するために物流が動き始めているのは今だ。この重大な展開のタイミングは、ライプツィヒの偽旗騒動が実際に進行した際、なぜ仕組まれたのかを示している。そうでなければ、一般の人々にとって憂慮すべきニュースから逸れた。

 結果的に、ドイツはNATO加盟諸国の主導権を握り、ウクライナが単なる発射場になる広範な対ロシア戦争に直接参加しているのだ。

 世論調査によると、ドイツ国民や他のヨーロッパ諸国国民は、この無謀な戦争挑発行為に強く反対している。ロシアを「戦略的に撃破する」という思想的主導型の政策のための経済資源の転用により、ヨーロッパ社会は壊滅的打撃を受けている。

 絶望的に腐敗したネオナチ政権の「民主主義と自由を守る」という彼らの無駄な戦争計画に対して一般市民が警戒しているのをドイツやヨーロッパのエリート連中は知っている。当然これらのエリート連中は、真実が広く知られ、一般市民が猛烈に反応するのを恐れている。

 従って、ライプツィヒでの偽旗作戦は、真実を隠蔽し、大衆を騙して、ロシアは脅威だと認識させる必死の試みだ。実際には、戦争を仕掛けるヨーロッパのエリート連中による真の脅威が現実にあるのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/09/05/leipzig-false-flag-drama-cover-for-germany-expansion-drone-war-russia/

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 東京新聞 朝刊 四面 国際・総合  
 AI暴走 人間さながら連携

 「指示役」現れ仕事割り振り

 「仲間」優先し課題達成放棄
 同じ面に、また自己中の記事  
今度はニューメキシコ⇒ニュー「アメリカ」に改称?

2026年8月 9日 (日)

持てる者と持たざる者



ジョージ・オースターフィールド
2026年8月6日
Strattgic Culture Foundation

 学校が崩壊し、職業訓練が不足する一方、ドイツは国防費に資金を振り向けているが、兵器を製造する技術者が不足している。

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 人類の「始まり」について(かなり大まかだが)少々推測してみると、基本的に人類は二つの集団に分けられるはずだ。臆病な者と、そうでない者。あるいは、自信がある者と、そうではない者。これは遺伝的なもので、ある種の「モデル」に特有のものと言える。北半球に暮らす「モデル」は、南半球に暮らす「モデル」とは違っていた。東半球と西半球でも違っていた。いずれにせよ、違う人類「モデル」は概して移動性が高く互いに混じり合っていた。

 この分類は現代社会にも見られる。実際、異文化交流は決して時代遅れになったことはなく、その程度は、移動手段や容易さや、言語能力や、学習意欲や能力に左右される。メディアやソーシャル・メディアが、自宅にいながらにして外国や異文化に関する情報や印象を得る一種の遠隔学習を可能にした。

 原点に立ち返ると、小規模社会集団では、現代の複雑な社会構造より、相互扶助の意識がより強く存在していたと考えられる。より広い視点で見れば、臆病で自信のない人々は、より勇敢な仲間に助けや保護を求めていたはずだ。多様な才能が、このような関係性を可能にし、全ての人にとって有益だった。

 内気な親たちは、自分自身の欠点だと感じている部分を克服すべく、子どもを成長させようと努力したが、どういうわけか、それは自信のある親たちにも当てはまった。こうして、集団間の差異は維持された。それぞれの範疇の人数はほぼ一定に保たれ、親たちは皆、自分の子どもをできる限り成長させようと努めた。

 家畜飼育や耕作が定着した瞬間、集団構造は劇的に変化した。狩猟に長けた者は、家畜を飼育し土地を耕作できる者に次ぐ第二の地位に就いた。これは必ずしも狩猟者に価値がなかったことを意味するのではなく、単に優先順位が変わっただけだ。より勇敢な狩猟者は新たな職業分野を見つけなければならず、必要に応じて集団を守るために立ち上がったことから一種の軍隊に発展していった。防衛の必要性は必ずしも戦争を意味するものではなく、主に動物や自然の力に対するものだった。

 各集団は最も熟練した優秀な狩人に従うようになる。理由は明白だが、報酬が不明だったため、敬意が正当な報酬形態になった可能性もある。社会が部族へ変化すると、他の部族員より遙かに高い特権を享受する指導者層が生まれた。彼らが秘教的・宗教的活動に深く関わるほど、権力は増大した。一度権力を握ると、これら特権を次世代に引き継ぐ傾向が強まり、指導者の地位は世襲制になり、支配階級が形成された。

 当初の二つの集団(前述通り、これは非常に大まかな分類だ)は、より裕福な指導者と、そうでない部下へ徐々に分かれていった。より現代的な言い方をすれば、富裕層と貧困層、つまり持てる者と持たざる者という構図だ。この単純化された分類は、あらゆる社会モデルにおける紛争の主な原因の一つを示す例と見なせる。従って、社会が機能するためには、持てる者と持たざる者の間の格差をできる限り小さく保つことが不可欠だ。

 均質な社会とは、全員平等で、全員同じ機会を与えられ、生活水準を向上させる機会も平等だという考え方等を意味する。もしこの均質性が社会の全ての構成員に当てはまるなら、何らかの形の「共産主義」の必要性が示唆される。こうして、持てる者と持たざる者の問題は解決される。

 過去100年間に出現した様々な形態の「共産主義」を見てみると、それらを特徴づける上で二点が際立つ。一つ目は「共産主義」体制は機能しない事実だ。

 これが「共産主義」という言葉を私が引用符で囲んだ理由の一つだ。もう一つの理由は、様々な国の哲学者たちとの議論に基づけば、普遍的な共産主義社会形態は存在しないというのが私の見解だからだ。ソ連の人々さえ、自らの社会を共産主義とは考えていなかった。むしろ、社会主義から共産主義への移行期であり、共産主義は全てがうまくいった場合に達成されるべき国家形態だと考えていたのだ。だから、持つ者と持たざる者の問題は、おそらく消えることはないだろう。

 二つ目の顕著な特徴は教育に対する重視の程度だ。この点、いわゆる共産圏諸国は傑出していた。ドイツで講師、教育者として働いていた時、これを身をもって私は体験した。ロシアからの移民は、ドイツ人とは全く違う学習態度だった。前者は知識を欲しがっていたのに対し、後者は基本的に試験に合格するために必要なこと以外は興味がなかった。ソ連の学校で得られる知識の水準は、ドイツの学生の水準を遙かに上回っていた。もちろん制度や、その意図を公平に比較するのは困難だが、結果の違いは否定できない。持てる者と持たざる者の問題も、結局、解決可能なようだ。教育=能力=持てる。

 欧米社会、特に未来に対し、軍国主義的姿勢を提唱する社会を見ると、教育分野における欠点が否応なく目に付く。ドイツに暮らし、働いていると、事態は深刻化している。経済のあらゆる分野が、文字通り熟練労働者を切実に求めている(「大声で叫んでいた」のは過去の話だ)。

 第二次世界大戦直後、復興に必要な肉体労働のために膨大な労働力が必要とされたのは確実に事実だ。だが国が発展するにつれ、多様な労働者の需要が生まれ、焦点は事務職へ移っていった。事務職は、一方では、拡大し続ける官僚機構や事務処理部門を支え、他方では、広告、販売、経営部門を支えるために必要とされた。これにより、職人の育成から、ホワイトカラー労働者向けの、より高度な教育に重点が移った。このような変化は、活力に満ちた絶えず変化し続ける全ての社会に共通する現象だと言える。

 歴代政権は、子どもと、その教育こそ国の資本で、未来を保証するものだと繰り返し述べてきた。だが、それが必ず自動的に改善や変化をもたらすとは限らない。教育への資金供給は、もはや失われた技術になりつつある。資金が増加しているとすれば、それは試験的プロジェクトや、学術研究に限られる。

 金が絡むと、伝統的教育における初等・中等教育はほとんど無視される。職業教育は後回しにされ、学校は文字通り崩壊寸前だ。生徒だけでなく教師にとっても学校の雰囲気や学習環境は悲惨で、教師たちは目標達成のため、まるで勝ち目のない戦いを強いられているかのようだ。授業は教師不足、あるいは多くの場合、教材不足のため中止される。

 益々デジタル化が進む世界では、残念ながら、学生が適切に対応できるように教育するための資金が不足している。学校が、STEM、Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Mathematics(数学)分野の能力を備えた学生を育成できないため、工学分野は衰退の一途を辿っている。STEM科目を軽視し、その魅力を低下させ、「ジェンダー研究」などの「人文科学」に修士課程を設けて資金投入しても、国の産業基盤や競争力や生産性が停滞している現状では何の助けにもならない。社会は「贅沢な研究」に資金を投入できる余裕を持たなければならないが、少なくともドイツは今のところそれができない状況にある。

 こうした事柄に加えて、既に過重な負担を抱えている制度に、見えない人種差別に基づく計算違いの杜撰な移民政策が、更なる重圧を与えている。傲慢さから移民の資格を認めなかった結果、シリアやイラク出身の看護師や医師が清掃員として働く以外に、医療分野で働く機会がない事態が生じている。

 均質で機能的な社会を望むことと、それを構築して維持するのは全く別問題だ。教育資金を捻出し、必要な能力を持つ人材が不足している分野に資金を振り向けるのは、まさにその資金の振り向け方が原因で、持続可能な政策とは言えない。特に、ここ数ヶ月、ドイツ政府が繰り返し表明してきたような目標を掲げる場合なおさらだ。政府が重要視する軍事計画を遂行するために、ドイツは技術者を必要としているが、技術者育成用必要資金を、教育省から、技術者を必要な国防省へと振り向ける計画に着手できない状況にある。

 上記状況の肯定的側面は(歴史的に見て、均質な社会だけが繁栄する傾向がある事実を無視すれば)確実に平和維持策であることだ。「ジェンダー研究」修士号を取得したからといってミサイルやドローンが作れるわけではない。ささやかな恩恵に感謝すべきだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/08/06/have-and-have-nots/

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 耕助のブログ
No. 2992 なぜトランプはグリーンランドが欲しいのか

2026年6月30日 (火)

戦争を要求するヨーロッパの声を聞いたロシア、備えはできていると宣言



アラステア・クルック
2026年6月29日
Strategic Culture Foundation

 今やこれに対応して、ロシアはヨーロッパでの戦争に備える戦略的決定を下した。

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 アメリカ・イラン間のルツェルン会談で展開された緊張緩和の枠組みは、当初のイランの10項目計画にほぼ忠実だった。一方、イランが既にIAEAによるイラン核施設査察に同意したとトランプ大統領とバンス副大統領は主張し(イランはこの主張を繰り返し否定している)、事態を意図的に混乱させている。バンスは、IAEAが今週査察を開始した可能性があると発表した。いや、この「枠組み」は、アメリカとの最終合意に達した場合、60%濃縮核兵器備蓄の希釈に対するIAEA監視の可能性のみを指している。

 後に「イランは将来にわたり最高レベルの核査察に全面的に同意した」とトランプはソーシャルメディアで虚偽主張をした。実際は、ロシアの要請を受けて、イランとロシアの共同発電所、ブッシュ発電所をIAEAが査察しているに過ぎない。自国の関与に関して確実に遵守したいとロシアは考えているからだ。言い換えれば、これはロシアがIAEAへの遵守義務を果たすための要請なのだ。

 その後(非常に良い合意が得られなければ)「軍事的に仕事を終わらせなければならないかもしれない」とトランプはイランに警告した。彼によれば、それには「約一週間」かかるという。更に、イランは凍結解除された資金を、ESCROW口座(アメリカが管理する口座)に保管し「国民のためにトウモロコシと大豆を購入する」必要があると付け加えた。「なぜなら、現在イラン国民は非常に飢えており、彼らは、もっぱらアメリカだけから購入しているからだ」と述べた。

 つまり、今後何が起きるのかは明白だ。ニューヨークの不動産取り引きで培った交渉術にトランプは回帰しようとしている。 1987年にトニー・シュワルツが代筆した著書『(邦訳書名 トランプ自伝 アメリカを変える男)原題:Trump: The Art of the Deal=取り引きの技術で「極端で予測不可能な要求を突きつけることで、相手に不安を与え、譲歩を強要する」よう彼は勧めている。

 つまり我々は、ケロッグ将軍の戦略に立ち返ることになる。プーチンやイランに対し有効な唯一の手段は圧力をかけること、更に圧力をかけることだとケロッグはトランプに助言したのだ。

 トランプお馴染みの手口だ。最初は少し柔軟性を見せて相手を挑発し、交渉に引き込む。その後、イランが譲歩したという虚偽主張や極端な要求を突きつけて対イラン圧力を強める(同時にトランプ自身、怒れるネオコン支持層や国内支持基盤に強硬姿勢を示す)。

 この種の圧力は、ニューヨークの不動産取り引きには有効かもしれないが、イランとロシアのどちらにも効果はあるまい。

 こうした脅しは、イランに対して逆効果で、アメリカを衝突の道へ導く。「イスラマバード合意は圧力や強制の結果ではなく、イラン国民の抵抗と権威の結果だ」とイランの首席交渉官、ガリバフは反論した。

 実務的観点から言えば、アメリカの軍事情勢に精通したウィル・シュライバーが指摘している通り、イランには「アメリカが戦場で投入できるよりも数が多く能力も高い」強みがあるのだ。

 「私の見解では、ペルシャ湾地域での強力な米軍駐留はもはや全く維持不可能だ」とシュライバーは述べている。「彼らは今面子を保とうとしているだけだ。現時点で72時間に及ぶ高強度作戦を米軍が遂行できるとは到底思えない」と彼は結論している。

 「だが彼らは試みるだろう。おそらくトランプのはったりだが、優位に立つため、最後の切り札を切ろうとしても驚かない。(おそらくは中間選挙後で、アメリカが軍需品不足をある程度解消した後だ)」

 これに対して、イランはホルムズ海峡を再封鎖し、同時に地域(湾岸)インフラを攻撃する可能性が高い。トランプはどちらが先に「チキンゲーム」を仕掛けるかで、経済を左右するだろう。更なる軍事行動は、アメリカの軍事的地位を一層低下させるだけだ。

 だがイランでの損失を最小限に抑えるため、トランプ大統領がウクライナとロシアに再び焦点を移す可能性も十分ある。対イラン戦争は、いずれにせよ中間選挙に向けた彼の戦略にとって不利な要素だからだ。昨日「トランプ大統領がゼレンスキー大統領に、ロシアに対して『より大胆な』行動を取るよう非公式に許可を与えた」というウクライナ高官発言を引用した記事をキーウ・インディペンデント紙が掲載した。

 またしても同じ話だ。「プーチン大統領は圧力なしには何も行動を起こさないとトランプは本気で考えている」とウクライナ当局者は付け加えた。

 Simpliciusはこう推測している。  
「自ら容易に解決できると約束した紛争を一つも解決できなかったことにトランプは明らかに苛立ちを募らせている。そして最近、イランとの覚書をめぐる騒動直後、ウクライナに『再び注意を向ける』とさえ彼は認めた。」
 「従って、トランプが次に何を計画しているにせよ、ロシアを『軟化』させるため、ヨーロッパ諸国に『戦場を形成する』よう密かに促していた可能性は十分考えられる。」

 これが事実だとすれば(おそらく事実だ)、ヨーロッパ諸国は火遊びをしており、大火災を引き起こす危険を冒していることになる。

 6月7日、E3の指導者、スターマー、メルツ、マクロンはゼレンスキーと会談し、揺るぎない支持を約束するとともに、ロシアへの更なる圧力を誓約して、こう述べた。  
「迎撃ミサイルの生産規模拡大、長距離攻撃能力および弾道ミサイル迎撃システム共同開発の緊急な必要性を強調し、更にウクライナ軍の将来的持続可能性を支援する」。
 要するに、ヨーロッパ諸国はモスクワとサンクトペテルブルクへの大規模攻撃をエスカレートさせるつもりで、それはおそらく両都市住民を死傷させ不安に陥れるだろう。

 E3は、来るG7サミットとEUサミットの演出方法を綿密に計画し、ゼレンスキー大統領を両イベントに登場させ「プーチン大統領に対して現在の戦線を起点として、即時かつ完全な停戦に同意するよう圧力を強める」と約束した。また、アンカラで開催されるNATOサミット(7月7~8日)に先立ち、ウクライナへの軍事支援強化を約束するため連携することも欧州首脳は誓約した。

 ロシアのより奥深く、より破壊的に攻撃するための新型ミサイルをE3諸国は積極的に配備している。例えば、イギリス政府は次のように発表している。  
「ウクライナ向け低経費先進長距離攻撃兵器開発を目指すイギリス・プロジェクトは、イギリス設計兵器三基が飛行試験に成功し重要な節目を迎えた。地上発射型のこれら攻撃兵器は、225kg弾頭を搭載し、時速600kmで500km以上離れた標的を攻撃する能力があると報じられている。」
 フィナンシャル・タイムズによると、先週のG7サミットで、ウクライナがロシア深奥の標的に行った長距離攻撃作戦にトランプ大統領は「非常に感銘を受け熱狂した」という。サミットで、ロシアのエネルギー関連企業に対する制裁強化にもトランプ大統領は合意した。

 ウクライナはロシアに対し劣勢に立たされているのではなく(トランプ大統領が事前説明を受けていた可能性もある)、むしろ優勢に立っているとトランプ大統領を説得するための大規模心理作戦をE3(英仏欧3カ国)が企てていたのは明らかだ。そして、ロシアの降伏(停戦、国境の現状維持、ロシアによる賠償金支払い、犯罪で起訴されたロシア当局者に対する戦争犯罪裁判など)を強要するための欧州の政策を支持すべきだとアメリカを説得しようとしていたのだ。

 これらの展開により、ロシアから二つの大きな変化がもたらされた。

 まず、クレムリン側近、特にプーチン大統領報道官ユーリ・ウシャコフは、過去三日間、アンカレッジ首脳会談の「精神」とそれに伴う合意は「事実上崩壊した」「アメリカはそれらを放棄した」と述べている。もはやこれら約束が守られるとモスクワは期待しておらず、もっぱち軍事力による自国「勝利」の確保に注力している。

 ラブロフ外相は更に踏み込み、アラスカでの会談はウクライナが軍を再建・再軍備する時間を稼ぐためのアメリカの「策略」だと述べ、同様に欺瞞として行われたミンスク合意になぞらえた。

 セルゲイ・リャブコフ外務次官は次のように述べた。  
「また、ワシントンの路線が、アメリカの最も緊密な欧州同盟諸国、すなわちイギリスとフランスが追求する最も過激な反ロシア政策に近づいていると我々は見ている。」
 これは戦略上の大きな転換だ。ロシアはもはやワシントンとの関係構築は求めないが、ワシントンとの接触は今後も続くだろう。

 二つ目の展開は、6月23日に聖ゲオルギー・ホールで士官候補生に向けてプーチン大統領が行った演説に端を発する。要約すると、ロシアの脅威を欧米諸国が捏造し、脅威を作り出したのはロシアだと非難していると、若い士官候補生にプーチン大統領は語った。これは1941年以来、歴史的に繰り返されてきたパターンだとプーチン大統領は述べた。

 今や一線を越えたとプーチン大統領は示唆した。最近までNATO諸国はキーウ政権による対ロシア戦争支援に留まっていたが、今や欧米諸国は公然と対ロシア戦争準備について語り、軍事攻撃予算を積み増していると大統領は述べた。この点、ドイツのメルツ首相は非常に声高に発言しているとプーチン大統領は付け加えた。

 ロシアの対応は、核戦力三本柱と陸軍の近代化と、航空宇宙軍と海軍の戦闘能力強化に重点を置いていると彼は述べた。西側諸国の対ロシア戦争準備に関する議論のすぐ後に、核戦力三本柱について明確に言及したことは、トランプと欧州諸国への明確なメッセージなのは確実だ。

 ヨーロッパ諸国の戦争要求をロシアは聞いた。そして今、それに応える形で、ヨーロッパでの戦争に備える戦略的決断を下したのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/06/29/russia-hearing-the-european-clamour-for-war-announces-it-is-ready/

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 ≪櫻井ジャーナル≫
NATOの露国に対する直接的な攻撃が露骨になり、露軍が反撃を決断

トランプの対イラン戦争失敗はロシアにとって不吉な兆候



フィニアン・カニンガム
2026年6月24日
Strategic Culture Foundation

 ヨーロッパの身勝手さは、そのおべっかと同じくらい濃密に滲み出ている。

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 先週、トランプ大統領に取り入ろうとして、欧州指導者連中は過剰なまでに媚びへつらった。フランスのマクロン首相は、G7サミット後、ヴェルサイユ宮殿にトランプ大統領を招き、ろうそくの灯りの下で晩餐会を催した。ヴェルサイユで、対イラン戦争終結に向けた、新たに策定されたいわゆる和平枠組みにトランプ大統領は署名した。

 当然、調印式はトランプのみで、宮殿の豪華絢爛な鏡の間で行われた。ヴェルサイユ宮殿にイラン当局者は一人も出席していなかった。

 それは、トランプがイランと結んだとされる和平合意に重みを持たせるためのPR戦略だった。実際は、対イラン戦争は、トランプ政権とアメリカの国際的地位にとって大失敗に終わっている。従って、ヴェルサイユ宮殿での華やかさは、豚に真珠を与えるようなものだった。マクロン大統領がこれに応じたのは、ヨーロッパ諸国にとって、トランプを対ロシア代理戦争遂行へ引き戻すことの方が重要だったためだ。

 G7首脳は共同声明で祝意を込めた調子で次のように述べた。「トランプ大統領の強力な指導力の下で実現した、アメリカ・イラン間合意発表を歓迎する。」

 これはトランプを「イランが核兵器を保有するのを阻止し、イランの地域的および弾道ミサイル活動に関する脅威に対処する歴史的機会」を提供した英雄として描いた。またトランプは「ホルムズ海峡の海上交通の再開」についても称賛された。

 G7声明は現実を大胆に歪曲したものだ。トランプは侵略戦争を開始し、3000人以上のイラン人を殺害し、中東を混乱に陥れ、世界経済と世界の食糧生産を脅かした犯罪人として非難されるべきだ。更に悪いことに、イランは2月28日に始まった最新の戦争以前と変わらず、強固な国力を維持している。

 欧州諸国が求めているのは、ロシアに対する彼らの狂信的代理戦争計画にトランプが従うことだ。トランプはイランとの戦争で惨敗したため、ウクライナ政権支援を再開するよう要求する彼らの懇願に応じる可能性がある。

 先週フランスで開催されたG7サミットの主要議題は、アメリカと欧州が連携して対ロシア戦線を強化することだった。この見通しは不穏だ。

 昨年夏、トランプ大統領がアラスカでロシアのプーチン大統領を迎えた際、ウクライナ紛争終結に関心を示しているように見えた。この方針転換は、欧州のNATO加盟諸国に大きな懸念を引き起こし、トランプ大統領のモスクワとの外交姿勢を彼らは非難した。

 ここ数カ月、欧州指導者たちは、ウクライナへの900億ユーロ融資やアメリカから購入した兵器の供給によ、単独対応を試みてきた。

 とはいえ、ヨーロッパ諸国は、キーウ政権の主要軍事支援国としてアメリカに取って代わることはできないと認識していた。ロシアとウクライナを交渉の席に着かせ「根本原因」に対処するというトランプ大統領発言は、反ロシア的ヨーロッパ諸国にとって忌まわしいものだった。

 皮肉なことに、イランに対するトランプの壊滅的失敗のおかげで、彼は今やヨーロッパの説得に以前より応じやすくなっている。昨年のG7サミットでは、トランプは最後まで出席せず、嘲笑しながら会場を後にし、共同声明署名を拒否した。しかし今年は、トランプはより慎重になり最終コミュニケに署名した。彼の態度が穏やかになったのは、イランとの「合意」がアメリカの視点から見て恥ずべきものだからだ。

 G7が繰り広げた華やかな式典やヴェルサイユ宮殿の荘厳さは、トランプの自尊心をくすぐるためヨーロッパ諸国が計算して実行した行為だった。

 トランプは、ロシアに対してより強硬な姿勢を取ることで、恩に報いた。また、ホルムズ海峡開通と石油の流れの再開に協力してもらうことで、イランとの混乱を収拾するため欧州諸国の支援も必要としている。トランプは、石油の緊急備蓄が4~5週間で底をつくことを認め、だからこそ対イラン戦争を終わらせる必要があったと認めた。

 G7声明は「我々G7首脳は、ウクライナの自由、主権、領土保全を守るための揺るぎない支持で一致団結する」という言葉で始まっている。

 トランプ大統領はウクライナでの和平合意を見出すという建前を捨て、ロシアとの戦争というNATOの狙いに再び参加した。

 ロシアの石油・エネルギー産業に対する経済制裁強化を求める欧州の主張を彼は支持している。これは、欧州のNATO加盟諸国が国際水域におけるロシア石油タンカー拿捕を強化している中でのことだ。

 さらに不穏なことに、ロシア内深部攻撃を目的として、ウクライナへの長距離兵器供給を拡大することでアメリカと欧州諸国は合意した。

 「この新たな勢いを支え、加速させるため、我々は防空能力、追加システム、迎撃ミサイル、長距離能力の提供を増やすことで合意した。またウクライナ軍事生産増加を可能にするため、ライセンス供与の恩恵をウクライナに拡大することも検討する用意がある」とG7首脳は述べた。

 これは、戦争を更に大きな産業規模で展開しようという呼びかけだ。

 アメリカ製兵器の現地生産に関して、欧州企業とウクライナ企業にライセンスを与えるトランプ大統領の協力に「感謝している」とドイツのフリードリヒ・メルツ首相は述べた。更にメルツ首相は「現在アメリカの生産量は不足しており、欧州企業やウクライナ企業を含む生産能力を持つ企業にライセンスを与えることで不足を補える」と付け加えた。

 「ウクライナに対するアメリカの姿勢に大きな変化があったことを喜ばしく思う」とフランスのマクロン大統領は述べ、プーチン大統領の和平への真剣さをトランプ大統領が理解したと主張した。更に「トランプ大統領は、我々全員と同様、ロシアには和平協議への本気の意思がないことをハッキリ認めた」とマクロン大統領は付け加えた。

 ヨーロッパの身勝手さは、おべっかと同じくらい濃密だ。ヨーロッパ指導者たちは、中東和平を支持すると主張しながら、対ロシア戦争を激化させるよう主張している戦争犯罪人に媚びへつらっている。ロシアは「平和に興味がない」からだ。

 これはオーウェル的世界観の極みだ。平和は戦争なのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/06/24/trump-iran-war-debacle-is-ominous-for-russia/

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 東京新聞 朝刊 四面 国際・総合  
 トランプ ファミリー

 また「国家案件」便乗

 息子企業、カザフ鉱床権益を取得
 対象は世界最大級のタングステン鉱床

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
中国商務省は日本への輸出規制を強化を発表。レアアースを含む軍民両用品目の輸出管理リストに新たに20の日本企業・団体を追加、即日禁輸措置を実施。監視リストにも20企業・団体を加えた。中国政府は高市早苗政権への批判を続けており、経済的な圧力も続ける構え

2026年1月 3日 (土)

今やナチスに同行し「陥落した」ポクロフスクから偽ニュースを流布するBBC



マーティン・ジェイ
2025年12月29日
Strategic Culture Foundation

 ウクライナは、最終的に、1944年の連合軍侵攻時にフランス北西部のドイツ軍が直面したのと同じ運命に直面することになるだろう。

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 戦争で最初に犠牲になるのは真実だと言ったのは一体誰だろう? ウクライナ戦争でのドンバス地方の要衝ポクロフスクは、まさにその格言の典型と言えるだろう。この戦略上重要な都市はロシア軍の手に落ちたと、ロシアに同情的な西側諸国の評論家の多くは、アメリカ人でさえ数週間前から主張している。だが現実には、陥落寸前ではあるものの、まだ陥落はしていない。ウクライナは持ちこたえており、公平に言えば、壮絶な戦いぶりを見せている。しかし彼らには百戦錬磨の兵士の数が足りないのが真実であり、最終的に重要なのは歩兵の人数だ。北部の一部を除く同市をロシアが包囲している。北部では、精鋭ウクライナ兵最後の残党が持ちこたえている。

 ロシア人死傷者について欧米メディアは多く報道をしているが、ウクライナ人死傷者についてはほとんど、あるいは全く主要メディアは報じない。それを知るにはソーシャル・メディアに頼る必要がある。例えば、最近行われたアメリカ兵が操縦するブラックホーク・ヘリコプター3機による空襲映像だ。このヘリコプターは撃墜され、搭乗していたウクライナ特殊部隊員全員死亡したとみられている。

 ポクロフスク事件のどれだけジャーナリスト報道で伝えられているのか、あるいは歪曲されているのか? 実のところ、かなりの部分だ。12月9日のBBC報道は、いくつかの奇妙な理由でロシアで注目を集め始めている。主な理由は、ウクライナ軍と国民を誤導するという明確な狙いがあったにもかかわらず、報道内容があまりに暴露的だったことだ。

 あの報道は多くの点で非常に低質のジャーナリズムだった。戦場で、特派員はしばしば兵站室や作戦室に配置される。受入国が一種の特権として提供しているのだ。そこは戦闘の中心で、モニターから生中継や司令官の無線の叫び声が聞こえてくる。2008年、イギリス軍に所属していたアフガニスタンで私も同じ経験をした。その「生」の感覚や、通信の中心にいる感覚はよく分かる。だが少なくとも当時は全て英語だった。

 ポクロフスクでは、BBC特派員が同じ申し出を受けた。彼の報道には大胆な発言や明確な事実や数字や主張はなかった。ただ一つだけ例外があった。それは、このような「ニュース」を捏造したウクライナ省の失態だったかもしれない。軍が依然、町の北部の一部を掌握しており、そこに300人の兵士がいるとウクライナ軍兵士が明かしたのだ。300人。兵力の数字は重要な情報源なのを考えれば、報道機関に対して実に異例の告白をしたことになる。もしそれが事実だとすれば。

 確かなことは決して分かるまい。ロンドンが利害関係を持っている戦争を報道する際ち、BBC報道は適正評価手続きを最低限に抑える性質があるためだ。最近の調査で明らかになった通り、BBCのガザ紛争報道においても、同様に偽情報が甚大な規模で拡散しており、こうした報道で使用される言語に対する編集上の影響力の大きさを露呈している。

 ウクライナでも同じことが言えるだろう。ウクライナ軍司令部に関するBBC報道は、あらゆる点で信憑性を欠いていた。まるで、この番組の主眼は、仲間がまだ抵抗しているという示唆によって全国のウクライナ兵の士気を高めることにあるかのようだった。あるインタビュー対象者の場合、カメラがネオナチの旗を背景に彼を映し、実際そう言ったほどだ。良い演出だった。

 記事丸ごと「建物から出て、ウクライナ国旗を振れ」と無線で司令官が前線の兵士に指示する様子を中心に構成されているように思えた。BBC記者に要点を理解してもらうためだ。ほら、兵士がいる。国旗を掲げて。ポクロフスクが陥落しておらず、ロシアの優勢に関する報道が大げさに誇張されているのを証明しているに違いない!

 こうした素人芝居が伝統的スタイルの報道として示され、イギリス中流階級アクセントで語られることで、まるで本物のジャーナリズムのように感じられるのだ。だが、この記事はせいぜい日記の内容のようなもので、BBCウェブサイトにもそのまま掲載されている。BBCのガザ報道や、それ以前のシリア報道は、あまりに恥ずべきほど偏向しており、場合によって捏造さえされている。このウクライナの「旗を持った男」報道も、それ相応に分類されるべきなのだ。見るべきもの皆無だ。

 ウクライナ戦争継続のための国家予算から900億ユーロ融資をEUが恥ずべきことに承認する9日前の報道タイミングを考えれば、この番組はウクライナの悲惨な状況を強がって見せたのだ。まだ戦闘中だ。だが一体いつまで続くのか? ウクライナはドローン作戦を継続し、目覚ましい成果を上げているが、最終的には1944年の連合軍侵攻時に北西フランスのドイツ軍が直面したのと同じ運命をたどるだろう。ドイツ軍は信じられないほどよく戦い、パンター戦車とティーガー戦車は連合軍の戦車よりも優れていた。だが結局、彼らは数で圧倒されていた。一体あと数週間持ちこたえられるのか、数ヶ月持ちこたえられるのかに関わらず、ポクロフスクのウクライナの運命は、それと同じことになるだろう。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/12/29/bbc-now-peddling-fake-news-from-fallen-pokrovsk-embedded-with-nazis/

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Death Of Unipolar World - NATO Has Lost The War | Col Douglas Macgregor 47:05
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
現在の自民勢力は公明党の選挙協力があってのもの。政権離脱の公明はどうするのか。定まらず。時事「公明「中道」戦略で苦慮 高市政権に反発、立民とも距離。象徴的なのは補正予算への対応。最終的には政府案に賛成。「平和の党」を掲げる公明は高市政権の右傾化に反発。」

2025年10月26日 (日)

否決に終わった欧州委員会によるウクライナへの「ロシア資産」融資計画

2025年10月24日
Moon of Alabama

 一か月前、ベルギーに預けてあるロシア政府資金をEUが没収する突飛な新計画について私は論じた。

 ロシア資金は、EUがウクライナに支払う「賠償融資」に充てられる。この融資は、ロシアがウクライナに戦争賠償金を支払うまで返済義務がない。少なくとも公式発表ではそうだったが、後に、明らかに偽造された引用文だと判明した。  
ロシア資産を盗むためのもう一つの狂った発想:EU納税者に費用負担させる
 詳細を調べてみると、誰も答えられなかった多くの疑問が残った。  
メルツ(ドイツ首相)が言うように、なぜこの計画は「加盟諸国からの予算保証を必要とする」のか? それは、加盟国の納税者が最終的にそれを支払わなければならないことを意味するのではないだろうか? ロシアが訴訟に勝訴した場合、誰の資金が危険にさらされるのか? 何か問題が発生した場合、誰が支払うのか?
 ロシアは当然ながらウクライナに賠償金を支払うことはない。また、その借款はウクライナの修復や再建に使われることない。その代わりに、その資金はヨーロッパから武器を購入し、更に二年間戦争を継続するために使われるだろう。

 そもそもこの計画自体詐欺だった。メルツや他の関係者は直接そうは言わないが、結局「融資」の費用を負担するのはEU納税者になるのは明らかだ。

 今週初め、ファイナンシャル・タイムズのコラムが、この合意に関する私の解釈を裏付けた(アーカイブ)。  
今週、EU首脳はウクライナへの「賠償融資」について議論する。これは、ウラジーミル・プーチン大統領が引き起こした破壊に対するロシアの賠償義務と結びついている。
…
 キーウには約1400億ユーロが融資され、モスクワからの賠償金からのみ返済される。賠償金がなければ、貸し手のEUは資金を回収できない。EUは、ロシア外貨準備の大部分が凍結されているベルギーの証券保管機関、ユーロクリアに対し、制裁対象のロシア投資の満期を迎えるにつれて蓄積された資金を融資するよう要求することで、自ら融資資金を調達する。その見返りとして、EUは加盟諸国と、その後のEU次期予算の裏付けとなる、いわば借用書を提出することになる。

 この計画には矛盾がつきまとう。ロシアに負担を強いるという印象を与えようと試みられているにもかかわらず、この提案は実際はロシア資産に手を加えないのだ。実際、ロシアの法的主張を変えることは明確に禁じられている。ここで強硬手段に出ることになるのはEUの民間金融機関(ユーロクリア)のみだが、他のG7諸国は参加方法を模索しており、ブリュッセルはロシア資産を一部保有する欧州の銀行が更に加わる可能性を示唆している。
 だが、新たな負担はヨーロッパ納税者にのみ課せられることになる。ロシアが賠償金を支払わなかった場合、EUはウクライナへの融資は免除するが、賠償金を賄うために発生した債務はEU自身が負担しなければならない。

 1400億ドルの資金調達は、既に超過しているEU加盟国の予算に更なる圧力をかけることになる。EU首脳はこれを認めず、ベルギーにリスク負担を強いて問題をごまかそうとした。しかし、問題の金額はベルギー政府の年間支出額を上回る。

 ベルギー首相バート・デ・ウェーバーはこの詐欺行為を拒否し、条件を提示した。  
第一に、ベルギーはEU加盟国間で法的リスクを完全に分担することを望んでいる。デ・ウェーバーは、ユーロクリアの役割を考えると、ベルギーは「巨大な訴訟」に直面する可能性があると警告し、いかなる決定でも、負担が単一管轄区域に偏らないようにしなければならないと述べた。「もしこれを実現したいのであれば、我々は共に取り組まなければならない」と彼は述べた。

 第二に、ベルギーは、訴訟や和解などにより資金返還が必要になった場合、全加盟国が返済に充当する明確な保証を求めている。資産はベルギーに拠点を置く金融市場インフラを通じて計上されているため「その影響を全てベルギーが受けるのは認められない」とベルギー首相は述べた。

 第三に、ロシアの国家資産が固定化されている他の管轄区域でも同様措置を取るよう彼は求めた。ベルギーは他国に「巨額資金」が所在していることを認識しており、実施が一か所に集中しないよう協調的措置を望んでいると彼は述べた。「もしこの件を進めるのなら、共に行動しよう」と付け加えた。
 この三番目の点は、アメリカが既にこの計画への参加を拒否しているため、合意を台無しにする要因になった。

 それ以上の議論は意味をなさなくなり、昨日、EU委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が最初に提案した考え丸ごとキャンセルされた(アーカイブ)。  
ベルギーの反対により、凍結されたロシア国有資産を使うキーウへの1400億ユーロ融資をEU首脳は支持できなかった。これにより、ロシア侵略を阻止するため来年初めに資金を得るというウクライナの希望は打ち砕かれた。

 ベルギーは、ロシアがこの計画に報復した場合の法的・財政的影響を懸念し、財政的打撃を受けないという確固たる保証を要求した。資産はブリュッセルに拠点を置くユーロクリア中央証券保管機関に保管されている。

 EU26カ国の首脳ら(ハンガリーは棄権)は欧州委員会に「ウクライナの資金需要評価に基づく財政支援の選択肢をできるだけ早く提示する」よう求めたが、ロシア定資産に基づく融資は正式に支持しなかった。

 12月の次回会合でこの議論に戻ることで彼らは合意した。
…
 この計画が支持されなければ、年末までにウクライナへの財政支援を承認する委員会の目標が遅れる可能性があり、キーウ向け武器購入用資金計画も複雑化する可能性がある。
 ベルギーだけでなく、他の国々もこのリスクに気づいたようだ。  
[スロバキア首相]ロベルト・フィツォは「今後二年間のウクライナへの資金提供について別の選択肢を提示するよう欧州委員会に」要請し、自身の提案が受け入れられたと主張した。「どのような決定が下されるにせよ、スロバキアは、この点を完全に明確にしておきたい。私が率いる政府は、ウクライナ軍事費のための融資保証には決して署名しない。強調するが、国家予算からこの目的のために一セントたりとも割り当てるつもりはない」とフィツォは明言した。フィツォによれば、スロバキアはウクライナを支援する用意はあるが、それは人道支援に限るという。

 凍結されたロシア資産をウクライナ融資に充てる計画が、欧州委員会があり得るあらゆるリスクについて答えを示す前に公表したのは間違いだとスロバキア首相は考えている。首相は、「この計画は現実に直面し、12月に開催される次回の欧州理事会で決定が下される際に失敗に終わる可能性がある」と付け加えた。
 この発言により、このまったく愚かな発想は、ウルズラ・フォン・デア・ライエンの顔にもう一つ平手打ちを食らわせる結果となった。

 今後二年間の戦争資金として1400億ドル必要だとウクライナ大統領は主張している。EUは、この目的のためロシア資産を奪おうとしたが失敗に終わった。これほどの規模の融資を裏付ける解決策を全会一致で採択できる可能性は低い。

そうなると、資金が尽きてウクライナと西側諸国が和平を要請せざるを得なくなる状況に近づきつつある。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2025/10/eu-commission-plan-of-russian-assets-loan-to-ukraine-ends-up-defeated.html

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 Judge Napolitano - Judging Freedom
INTEL Roundtable w/ Johnson & McGovern - Weekly Wrap 24-October 32:45
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
戦争をしない国作りを主張:幣原喜重郎、芦田均、丸山真男、戦争を知らない世代が戦争出来る国にする懸念:田中角栄 「戦争を知らないやつが出てきて日本の中核になったとき、怖いなあ」、福田康夫、不破哲三、後藤田正晴(ナショナリズムを煽り、強硬な態度―大変な間違い
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2025年10月 4日 (土)

プロパガンダと認知戦争とヨーロッパ自滅への道

リカルド・マルティンス
2025年9月24日
New Eastern Outlook

 メディア言説や優越感や心理戦がヨーロッパの未来を形成している。「庭園」というヨーロッパの自己イメージは、世界の現実から目を逸らさせ、戦争に関する非合理的な言説は自らの衰退を加速させる危険をはらんでいる。

 

 政治コミュニケーションとプロパガンダ研究分野の学者、ジョウェットとオドネル(2012)は、プロパガンダを「プロパガンダを行う者の意図を推進する反応を得るために認識を形成し、認知を操作し、行動を誘導する意図的かつ体系的な試み」と定義している。

 プロパガンダは常に戦争の武器となってきたが、今日のヨーロッパ、特にドイツにおいて、その洗練度は新たな水準に達している。かつて敵国を標的としていたものが、今や国民を標的とする例が増えている。

 主流メディアやNATOの戦略やエリート層の合意に支えられ、ヨーロッパにおけるプロパガンダは、国民に情報を伝えることよりも、国民の認知環境を形成することに重点が置かれるようになった。

 この現象をドイツ人学者、Jonas Tögel博士は「認知戦争」と呼び、国民全体の思考や感情、更には本能を、意図的に形成しようとする試みだと言う。

 今日、ドイツやヨーロッパで、一方的ニュースや、議論を通じて構築されるプロパガンダは、規模や洗練度や自己破壊的可能性において前例のないものだ。

 本稿では、ドイツとヨーロッパにおけるプロパガンダの現状、その狙いと、自己破壊的な軌跡、認知の武器化におけるNATOの役割と、ヨーロッパ人が自分たちを「ジャングル」に囲まれた「庭園」と見なせる文化的思考様式について検証したいと思う。

 テーゲル博士や、京都大学白眉センターのインタビュアー、学者のパスカル・ロッタズや、ドイツ人哲学者ハンス・ゲオルク・メラーは違うの意見を参考にしながら、このプロパガンダがヨーロッパをどこに導いているのか、楽観の余地があるのかどうかを探る。

 ドイツとヨーロッパにおけるプロパガンダの現状

  Jonas Tögel博士の分析によると、今日のドイツ・メディアは、冷戦後かつてないほどプロパガンダ的になっている。ドイツで最も視聴率の高い夕方のニュース番組「Tagesschau」を研究したテーゲル博士は、一見中立的な報道から始まり、視聴者を巧妙に一方的結論へと誘導する体系的画策を発見した。ロシアの戦争犯罪は強調され、ウクライナの戦争犯罪は無視され、ロシアの要求は非合理な一方で、ウクライナの要求は正当であるかのように描かれるのだ。

 これは偶然ではない。ドイツが「広報」(国費プロパガンダの婉曲表現)に年間1億ユーロ以上を費やしているとテーゲル博士は指摘している。諜報機関はメディアで流布される言説を監視し、異なる見解が広まると、迅速に対抗措置を講じる。

 NATO自体が物語戦争に特化した「センター・オブ・エクセレンス」を設立しており、一方、デジタル・サービス法などの欧州法は、オンライン上の反対意見を制御するための法的基盤を構築していると、この学者は述べている。

 つまり、今日のドイツにおけるプロパガンダは単なる偏ったニュースではない。情報と心理作戦の境界を曖昧にする組織的かつ専門的で資金力のある活動なのだ。

 NATOの認知戦争:内向き志向

 伝統的に、プロパガンダは外国の敵を対象としていた。今日、NATOは「認知戦」を陸、海、空、宇宙、サイバー空間に並ぶ新たな戦場領域として公然と宣言している。そして、その第六領域は人間の心そのものだ。

 Tögel博士によれば、NATOのレジリエンス(順応)戦略には「順応性ある市民」が必要だ。これは、独立した思考力を持つ人々ではなく「正しいことを考え、感じる」個人と定義される。実際は、これはNATOの狙いとの整合性を確保するよう世論を形成し、反対意見を「ロシアによる偽情報」として排除することを意味する。

 その偽善は際立っている。反対意見を検閲し、民主主義と自由な議論を守ると欧米諸国指導者は主張している。テーゲル博士が指摘している通り「検閲を通して自由を守る」この逆転現象は、秘密裏にされるのではなく、NATOの会議で公然と議論されている。認知戦は外国による操作に対する防御策だと国民は教えられるが、実際は彼ら自身の心こそ戦場になっているのだ。

 欧米諸国における検閲は益々露骨になっている。トランプ政権の国防総省方針では、一部情報、あるいは非機密情報であれ、ジャーナリストは報道前に許可を得ることが義務付けられており、許可を得なければ、情報へのアクセスを失うリスクがある。国防総省メモには「情報は、たとえ非機密情報であっても、公開前に適切な権限を持つ当局者による承認を得なければならない」と記されている。

 なぜヨーロッパ人は自分のプロパガンダを信じるのだろう?

 際立つ疑問の一つは、自国のプロパガンダをヨーロッパ人がこれほど容易に信じながら、「どこか別の場所」でしか操作は起きないと考えていることだ。これは私が何度も問いかけてきた疑問だが、返答を得られず、私は不快な表情を目にするばかりだ。

 テーゲル博士によれば、答えの一部は専門化にあるという。ドイツのテレビ討論やニュースは、信憑性を高めるため綿密に演出されている。中立的報道(「フット・イン・ザ・ドア(玄関に足を踏み入れる)」手法)から始めることで、視聴者は後で偏った結論を受け入れやすくなるのだ。

 もう一つの要因は社会学的なものだ。ジャーナリストはフリーランスや契約社員として活動することが多く、編集者の期待に応えることが彼らの生計の糧となっている。ロッタズが言う通り、このことが「自然な仕組み」を生み出し、従順な姿勢は報われ、反対意見は罰せられる。時が経つにつれ、プロパガンダは直接的な命令ではなく、組織的な自己検閲へと変化してゆく。

 その結果は危険だ。ロシアに対するアメリカ国民の恐怖は、和平交渉を促すためではなく、武器供与と軍事エスカレーションへの支持を維持するために意図的に煽られている。統計的に、恐怖感が高まるほど、国民は戦争を受け入れやすくなり、福祉が損なわれる傾向がある。

 無邪気なドイツの傲慢さと、ヨーロッパの優越感

 マカオ大学のハンス=ゲオルグ・メラーは異なる次元を示している。ヨーロッパ・プロパガンダの根底にある文化的考え方だ。ドイツの態度を「無邪気な傲慢さ」と彼は表現し、かつてナショナリズムに基づいていたドイツの優位性が、今や欧州連合を通して顕在化しているという思い込みを指摘している。

 ドイツはヨーロッパに道徳的優位性を投影し、ジョゼップ・ボレルが提唱したように、EUを混沌とした「ジャングル」に囲まれた「庭園」と位置づけている。この世界観はヨーロッパ人が文明の啓蒙的守護者で、他の国々は遅れをとっているという前提に基づいている。

 国内にはドイツ人より中国人の方が多いとナミビア大統領に不満を漏らしたドイツ人政治家のことをモーラーは想起する。この発言は植民地時代への郷愁と優越感に根ざしており、植民地時代のドイツが同国で犯した大量虐殺をナミビア人が忘れていないことを忘れている。

 ヨーロッパのこの傲慢さは、政策立案者たちを世界の現実から遠ざけている。ヨーロッパが道徳的な言説に固執する一方、中国などの国々は、近代化と発展においてヨーロッパを追い越しつつある。自らの福祉国家は永遠だと信じて、ヨーロッパ人は自らの脆弱性を過小評価している。モラーが警告しているように、この優越感はヨーロッパを「不意を突かれる」状態に陥らせ、変化する世界秩序への備えを怠らせている。

 自己破壊としてのプロパガンダ

 プロパガンダはヨーロッパを強化するのではなく、指導者や国民が現実を見るのを妨げているため、ヨーロッパの衰退を加速させているという不安な結論で、テゲルとモラーは一致している。

 ウクライナ戦争を、現実的目標が欠如した「民主主義のための戦い」と位置づけて、欧州指導者たちは、自らの破滅に賭けている。アメリカやロシアと違って、いかなるエスカレーションも欧州を直接壊滅させるはずだ。

 更に、プロパガンダは非合理性を助長する。ロシアと中国(そしてある程度、アメリカも)は地政学的論理に従って行動する一方、ヨーロッパは矛盾する感情的言説に固執している。ロシアは弱体ながら、ベルリンを征服しようとしている。ウクライナは勝利しつつあるが、生存のため必死で援助に依存している。こうした矛盾は、絶えざる操作によってのみ維持可能だ。

 かつてヨーロッパの金字塔だった福祉国家は膨れ上がる軍事費負担に直面している。ドイツだけでも年間約2000億ユーロを国防費に費やしており、学校、医療、インフラ、年金といった予算から資金が転用されている。プロパガンダによる反対意見の抑圧が続けば、国民は自分たちの安全と繁栄が幻想の祭壇上で犠牲にされたのに気づくのが遅すぎるかもしれないと研究者たちは指摘している。

 楽観的な理由は?

 この厳しい状況にもかかわらず、テーゲルは慎重な希望を示している。独立系メディアや代替的研究チャネルや市民運動により、プロパガンダの仕組みが明らかになりつつあることにより意識は高まっている。国民が平和を求めれば、政治エリートも最終的にはそれに従わなければならないと彼は主張する。

 楽観的な可能性はNATOや欧州のエリート層にあるのではなく、一般市民が理性を取り戻すことにある。プロパガンダへの特効薬は多元主義だ。多様な視点に触れ、批判的議論を展開し、戦争と平和に関する決定が、孤立したエリート層ではなく、国民に委ねられる本物の民主主義を実現するのだ。

 結論

 今日、ドイツとヨーロッパにおいて、一方的報道や議論を通じて構築されるプロパガンダは、その規模や洗練度や自己破壊的な潜在力の点において未曾有だ。それは非合理的政策を維持し、反対意見を抑圧し、ヨーロッパの人々に世界の地政学的現実を見えなくしている。NATOの認知戦争は、民主主義を守るどころか、自国民を守るという口実で、彼らの心を標的にして、民主主義を弱体化させているのだ。

 ハンス・ゲオルク・メラーによるドイツの傲慢さ批判は、より深い文化的論理を明らかにしている。ヨーロッパの優越感は、他国に追い抜かれつつある時でさえも、自分たちは文明の「庭園」だという幻想を維持している。

 これは一体どこへ向かうのだろう? ヨーロッパ人が目覚めなければ、経済や政治や学術や文明の衰退さえ招きかねない。だが、もし覚醒が広まり、意思決定者としての役割を市民が取り戻せば、プロパガンダは矛盾の重圧に耐えかねて崩壊するかもしれない。あるいは、プロパガンダが本来沈黙させようとしていた民主主義精神を蘇らせる可能性もある。もう一つの可能性は、自滅の道を歩み続けることだ。

 リカルド・マルティンスは社会学博士。国際関係と地政学が専門

記事原文のur:https://journal-neo.su/2025/09/24/propaganda-cognitive-warfare-and-europes-path-to-self-destruction/

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 画像はヒエロニムス・ボスの『快楽の園』。
 たまたまスペイン出張時、マドリッドに宿泊する機会があり、休日、何も知らずプラド美術館に行った。そこにヒエロニムス・ボスの部屋があるとは知らなかった。

 The Chris Hedges Report オーストラリアでのプレス・クラブでの講演会が潰されたそうだ。
The National Press Club of Australia, caving to the Israel lobby, Cancels My Talk on Our Betrayal of Palestinian Journalists
The National Press Club of Australia cancelled my talk on how the media, by amplifying Israeli lies, have betrayed Palestinian journalists, 278 of whom have been assassinated by Israel.

Chris Hedges
Oct 03, 2025

 東京新聞 朝刊 一面

 森友学園に売却の国有地
 地中ゴミ 当初水圏の1/4
 揺らぐ異例値引き根拠
 HP公開のみ 会見せず
 大阪航空局 報告書、「森友」文言なし

 植草一秀の『知られざる真実』
未解明の安倍元首相暗殺事件
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
「完全失業率8月は2.6%に悪化、自発的離職が増加 有効求人倍率も低下」。原材料や光熱費など各種コストの上昇が収益を圧迫し、製造業などで求人を控える動きが出ている。
 日刊IWJガイド

「10月になりました! 9月のご寄付・カンパは、月間目標額の14%でした! 非常に危機的な状況です! どうぞご支援をお願いいたします!」2025.10.3号~No.4627

 岩上氏の体調不良や各種機器の老朽化で大変そう。

2025年9月27日 (土)

AfD候補者七人の死:偽ニュースか、ありふれた風景の中に隠された不快な真実か?

ジェフリー・シルバーマン
2025年9月24日
New Eastern Outlook

 ノルトライン・ウェストファーレン州でAfD候補者七人が突然死亡した事件は、公式には偶然の一致として片付けられたが、地方選挙を数日後に控え、広範な疑惑や統計上の議論やドイツ政府機関への信頼に関する疑問を引き起こしている。

 AfD候補七人人の死:偽ニュースか、ありふれた風景の中に隠された不快な真実か?

 あまりに衝撃的で、信じ難く、大げさな話もあるので、最初は偽ニュースだと片付けてしまいたくなる。しかし、調べれば調べるほど、本当に本当なのかという疑問が湧いてくる。まさにこのジレンマを突きつけているのが、ドイツのノルトライン・ウェストファーレン州で起きた右派政党AfD候補者の集団死亡だ。重要な地方選挙を数日後に控え、数週間のうちに、党員と候補、計七人が相次いで亡くなったのだ。

 ノルトライン・ウェストファーレン州で、わずか13日間でAfD候補者5人が死亡し、さらに予備候補者2人も同時期に亡くなった。報道によると、高齢の候補者が長期の闘病の末に亡くなったという報告もあり、この中には自殺した人も一人いた。

 表面上、9月14日の選挙を前にした偶然の一致だと当局は主張し、一人を除く全ての死因は自然死または既往症だと主張している。だが、これほど多くの死者がこれほど短期間かつ地理的に集中して発生すると、ジャーナリストの本能が鋭い疑問を投げかける。本当に偶然なのか、それとも表面上に見える以上の何かが隠されているのか?

 不正行為はなかったと当局は主張しているが、二週間以内に七人のAfD候補者が死亡するという全くあり得ない状況(10億分の1の確率と推定)は、偶然の一致や、タイミングや国民の信頼について不快な疑問を提起している。

 反則ではないが、反則だと叫ぶ!

 もしロシアやイランや中国で起きていたら、メディアは大きく取り上げ、誰もがそれについて語り、不正だと叫び、調査を要求するはずだ。

 ジャーナリストとしてまず学ぶべきは「偶然を信じてはいけない」ことで、この事件には目に見える以上の何かがある。当然ながら、ドイツ警察は、不審な点はなく、不正行為の兆候もないと主張している。

 死因のほとんどは自然死か既往症によるもので、自殺が一件、他はまだ調査中、プライバシー上の理由から非公開となっている死者も数名いる。

 最初の4人の死亡は事務的な問題を引き起こし、投票用紙の再印刷や一部郵便投票の無効化が必要になった。AfD共同党首アリス・ヴァイデルは、ある経済学者がこの集団感染を「統計的に、ほぼあり得ない」と表現した記事を転載し、憶測を煽った。イーロン・マスクでさえ「奇妙だ」と不可解なコメントを投稿した。

 ファクトチェッカーたちはは手いっぱいだ!

 七人の死は実際に発生し、検証済みの事実だとSnopesなどのファクトチェッカーは確認しているが、陰謀を裏付ける確固たる証拠は存在しないと強調している。だが最初の報道を読んで、私自身疑問を抱いた。

 ドイツにいる信頼できる情報源にも連絡してみた。「デンマークの国では、何かが腐っている。」(『ハムレット』)と示唆する人は、ロシアの陰謀に関与しているに違いないと彼女は考えている。

私が要約をシェアすると、彼女はすぐにそれを偽ニュースだと切り捨てた。

 「偽物よ。私今調べたの。ああ、なんてこと! 説得して弟に思いとどまらせなきゃならなかったの。偽物よ。私今調べたの」と彼女は付け加えた。

 アリス・ヴァイデルはそんなことは言っていない。彼女の広報室がそれを否定し、警察が捜査した。ドイツ政府には憲法擁護の担当部署があり、アメリカとは違い、偽ニュースを非常に深刻に受け止め、プロパガンダは即座に非難する。必要とあらば訴追にまで踏み込む。

 彼女はそれは偽だと強く確信していて、私にもそう信じさせようとした。しかし、私はそれが偽ニュースだとは信じておらず、私の最初の反応は下記の通りだ。

 何か怪しい匂いがする!

 AIや一部の主流メディアさえ、それは真実だと言っている。ドイツ在住のアメリカ人、しかも最近ドイツ国籍を取得したばかりの人が私に話してくれたことと比較すると。私は今何か怪しいと感じている。更に、偽ニュースを捜査・起訴するドイツ政府機関の存在が追い打ちをかけている。

 それとも彼女は市民権を守ろうとしていただけなのか?

 ナチス時代のプロパガンダに似ていて、余に偽物なので、信じてしまう人もいるかも知れず、私自身これはやりすぎだと思った。最高のプロパガンダは、完全に真実に見えるものだ。多くの人が次々亡くなっているというのかか真実で、政治的所属や性的指向、あるいは生物学的なことは無関係だ。

 ドイツの重要な地方選挙を数日後に控え、ドイツの右派政党AfD党員と補欠の合計7人(そう7人だ)が突然死亡した。もちろん、ドイツ当局はこれらは単なる偶然の死で、犯罪ではないと主張している。一人は自殺と断定されている。

 この偽ニュースの背後に、AfDがあるのか、それともAfDが自らの信用を損なった以上に、誰かがAfDの信用を失墜させようとしているのか? しかもAfDは広報実績が芳しくない唯一の政党でない可能性が高い。与党やEUの新聞発表を聞けばニュースは山ほどある。

 もしロシアやイランや中国で起きていたら、メディアはこぞって取り上げ、誰もが騒ぎ立て、不正だと叫び、捜査を求めるはずだ。同じような状況下で、同じ時期に、他の政党から一体何人亡くなったのか、もし亡くなった人がいるとしたら実に興味深い話だ。

 新型コロナウイルスとワクチンから分かる通り、本来死亡するはずがない年齢層の過剰死亡が集中的に起きており、これは統計的にあり得ないとどの生命保険会社も結論付けるはずだ。

 結局、ノルトライン・ウェストファーレン州でのAfD候補者の一連の死が本当に統計上の偶然なのか、それともそれ以上の何かなのかはともかく、この事件は、メディアと公的機関の両方に対する信頼がいかに脆弱になっているかを浮き彫りにしている。

 ドイツ当局は、自然死、自殺、病気などで何も不審な点はないとしているが、選挙直前数週間以内に七人相次いで死亡する到底あり得ないことに眉をひそめずにいられない。

 「不正行為ではない」と当局やファクトチェッカーが声高に繰り返すほど、このニュース自体が、操作されたのか、軽視されたのか、あるいは不正操作されたのかとさえ一部読者は疑念を抱くようになる。単なる偶然かもしれないし、無関係な出来事が悲劇的に連鎖しただけかもしれない。だが多くの人が疑惑を「偽ニュース」と即座に片付け、一方では陰謀論に飛びつく人がいる事実は、より深刻な問題を浮き彫りにしている。公式の否定では、もはや疑念を解決できない政治情勢だ。

 衝撃的統計

 そのあり得なさは驚異的だと統計学者たちは指摘している。最初の波の6人の死亡の確率はおよそ5,000分の1、二番目の波の7人目の死亡の確率は247,000分の1で、これらを合わせると、公衆衛生専門家ジョン・キャンベル博士の分析では偶然の確率は10億分の1だと示唆している。

 ノルトライン・ウェストファーレン州で数週間で七人のAfD候補者が死亡する驚くべき事態が起きたが、小規模で健康な人口の中で、その確率はおよそ10億分の1と推定されており、たとえ当局が不正行為はなかったと主張しても、統計的には前例がないことだ。

 思いがけぬことか、偶然か?

 短い期間、限定される候補者基盤、平均以上の候補者の健康状態や、地理的集中といった要因が重なり、候補者の死が稀なイギリスやアメリカの最近の選挙と比べても、この集団的事態は未曾有だ。当局は不正行為を報じていないものの、この統計的異常性は、公衆衛生の観点から、これらの死がいかに特筆すべき事態で、深刻な不安を抱かせるものかを浮き彫りにしている。

 もしこれがロシアや中国やイランで起きていたら、西側メディアは大声で非難していたはずだ。しかしドイツでは、冷静に説明されている。死者数自体よりも、この二重基準こそが、この国は何かがおかしいという感覚を煽っているのだ。

 少なくとも、これは全てのジャーナリストが問うよう訓練されている疑問を提起する。つまり真実とは思えないほど信じ難い話があった場合、偽ニュースか、ありふれた風景の中に隠された不快な真実かだ。

 ジェフリー・K・シルバーマンはジョージアと旧ソ連に30年間拠点を置くフリーランスジャーナリスト、国際開発スペシャリストで理学士、理学修士の学位を取得している。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/09/24/7-afd-deaths-fake-news-or-the-uncomfortable-truth-hiding-in-plain-sight/

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 Alex Christoforou Youtube
Starmer launches DIGITAL ID. Lavrov, NATO/EU at WAR. KALLAS begs Trump HELP. Amanpour, punch... 35:56
 植草一秀の『知られざる真実』
日本政治の活路

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