ナゴルノ・カラバフ

2021年5月 5日 (水)

ワシントンは熊のわなにエルドアンを誘い込んだのか?

2021年4月29日
F.William Engdahl
New Eastern Outlook

 先進的なS-400ロシア防空システムをトルコが購入するのを阻止し損ねた後、ここ数カ月、ワシントン外交は、ウクライナ、アフガニスタンやリビアからアルメニアまで、いくつかの重要な国々におけるアメリカの権益を支持するよう、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の「姿勢を変える」のに、まんまと成功したように思われる。リラ急落で、トルコ経済は大惨事の瀬戸際で、ワシントンの身勝手な戦略家が、手練手管のエルドアンを、命取りの熊のわなに誘い込んだように益々見えてくる。

 ワシントンや、トルコが重要なメンバーであるNATOから、ロシアやイランや中国に寝返った政治的カメレオン、トルコのエルドアン大統領は全ての相手を自分に有利に動かす名人と呼ばれている。

 2016年、忠誠を度々裏切るエルドアンに、ワシントンがうんざりして、彼を暗殺して、CIAが支配する亡命中のフェトフッラー・ギュレンのネットワークを権力の座につけるためクーデターの企ての背後にいたと彼はCIAを非難した。クーデターは失敗し、ロシアの諜報機関が情報を傍受してエルドアンに伝え、彼の命を救ったと報道された。その後、モスクワとの関係は著しく改善した。2015年11月、シリア領空で、トルコのジェット戦闘機がロシア戦闘機を撃墜した戦争行為に対する報復として、ロシアはロシア観光客にトルコへの厳しい旅行禁止令と、トルコの輸入食品に禁止令を課した。ロシア制裁は、トルコ経済に強烈な打撃となった。

 そこで、エルドアンは、モスクワに向かって移行を始めた。2017年、トルコはワシントンとNATOが繰り返す抗議を無視して、世界で最も進歩していると言われる先進的なロシアのS-400航空防衛ミサイルシステムを買うことに同意した。同じ時期、2016年10月、ロシアが、トルコ向け黒海ガス・パイプライン、最初の二本のトルコストリーム建設を始め、更にアンカラとワシントンを遠ざけた。

2018年リラ危機

 2018年までには、ワシントンとアンカラの関係は、控え目に言って緊張していた。アメリカの三大格付け会社、フィッチ、ムーディーズとS&Pは、全て、エルドアンの最近の敵対的な政治的動きを引き合いにして、トルコ国債を「ジャンク」級に格下げした。その結果、リラが自由落下し、中央銀行に利率を急激に引き上げるよう強いて、その過程で経済成長が締め殺された。2018年8月までに、アメリカは、2016年のギュレン・クーデターの企てのため、アンドリュー・ブランソンとスパイ活動のかどで告訴された他のアメリカ国民の保釈を要求して、トルコに経済封鎖を課していた。インフレーションが進む中、トルコの鉄鋼とアルミニウム輸出は、二倍になったアメリカ関税で打撃を受けた。エルドアンの同盟者で仲間の、ムスリム同胞団の後援者カタールの、トルコに150億ドル投資するという公約が、問題を鎮静することに成功し、それに続く、エルドアンの北京訪問が、中国の支援で、数十億の追加支援を確保した。トルコ外務大臣は、政治的な理由で、リラ危機の背後にいたと「外国勢力」を非難した。

 2019年、イスタンブール市長という重要な政治的とりでの衝撃的に失った後、エルドアンは明らかに、欧米、特にワシントンに対する彼の「有用性」を改善しようと試みた。彼は2023年末、重要な国政選挙に直面するが、もし経済が低下し続ければ、彼は権力を失いかねない。トルコが特にロシアの権益に打撃を与えた際、ドナルド・トランプと、今はジョー・バイデン両者が、トルコの支援を歓迎しているように見えた。それで、2019年に、ロシアに後援されるハフタル大将の軍との戦争で、NATOの承認を得て、ワシントンが支援するトリポリ政府に、トルコが物資と軍事援助を与えて、腐敗したトリポリ政権の破たんを避けた。エルドアンはプーチンとロシアに間接的に反抗したのだ。

 同様に、2020年9月「アルメニア-アゼルバイジャン戦争」発生時には、ロシアのユーラシア経済連合のメンバー、アルメニアに対する、イスラム教同盟国アゼルバイジャンに、トルコは極めて重要なドローンと軍事顧問を提供した。今回はロシアのすぐそばでの、もう一つのロシアの戦略的権益に対する間接的なトルコ攻だった。

 2020年10月、ナゴルノ・カラバフでの、アゼルバイジャンの重要な軍事進撃後、エルドアンはアゼルバイジャンの「自身の領土を守り、占領されていたカラバフを解放した偉大な作戦」を称賛し、トルコは「友好的な兄弟のようなアゼルバイジャンに、全力と全身全霊で」と共にあり続けると述べた。報道によれば、プーチンは、喜んではいなかった。

 トルコとアルメニアの関係は敵対的だが、それはオスマントルコが民族浄化で150万人以上のアルメニア人を絶滅した責任を課された第一次世界大戦に遡る。1920年から、1991年の崩壊までソ連邦の一部だったアルメニアに対し、トルコは現代も大量虐殺の責任を激しく拒絶している。

 4月10日、バイデン・ホワイトハウスが、ウクライナに、現在ロシアの一部であるクリミア半島同様、独立したドンバス地域を取り戻すため軍事行動をするよう圧力を強化する中、エルドアンは、軍事協力で会談するためウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領をトルコに招待した。イスタンブールでの会談後、エルドアンは二人の大統領が、ドンバスを、ロシアの黒海艦隊基地クリミアと同様、キエフに戻すというウクライナの要求に対するトルコの支持を含む20項目の戦略的合意に署名したと発表した。ウクライナでのCIAが支援したクーデター後、2014年3月、クリミア住民が住民投票を行い、圧倒的にロシア加入を票決し、控え目に言っても、NATOにとって不快なことをしていた。加えて、エルドアンは、4月10日、ウクライナがNATO加入を目指すのを、トルコは支持すると発表したが、これはモスクワに対する直接的な戦略上の脅威なので、極めて危険な問題だ。

 既に2020年1月、トルコとウクライナは、ウクライナが6億ドルの巡航ミサイル・エンジンをトルコに提供する合意を含む本格的な軍事貿易協定に署名した。ウクライナは、S-400を巡るアメリカの対トルコ制裁を回避して、トルコ軍にドローンのエンジンも提供する。最近トルコはドンバス戦士に対して使用を計画しているウクライナ軍に、バイラクタル TB2無人戦闘航空機を再販した。要するに、エルドアンは、ここ数カ月、ロシアに対するアメリカ行動を支持する多くのことをしてきたのだ。

 大量虐殺のミステリー?

 だから、4月25日、アメリカのバイデン大統領が、NATO同盟国トルコに対し、1915年に、アルメニア人大量虐殺の罪でトルコを告発する最初のアメリカ大統領になったのは一層不思議だ。トルコがNATOに加入して以来、アルメニア人大量虐殺の話題は、アンカラが繰り返して明らかにしている通りタブーだった。アメリカ政権の反ロシアの思惑で、エルドアンが鍵となる支援役を果たしている、まさにその時、バイデンや補佐官が、なぜ106年前に行われたアルメニア人に対する大量虐殺を、オスマントルコのせいにする必要があると考えたのだろう?

 先月エルドアンが、中央銀行総裁を解雇し、党のお仲間で置き換えて以来、リラ危機が再燃し、トルコは2018年より更に脆弱になっている。この時点で、ワシントンが手練手管のエルドアンを熊のわなに追い込んだように思われる。もし彼の新中央銀行総裁がリラ危機の中、経済を浮揚させるために利率を切り下げようとすれば、何百億という欧米の投資資金がトルコから逃げ出し、2023年の国政選挙前に、経済を、おそらく2018年より、もっとひどい状態に陥りかねない。何年もの間、トルコ企業は、トルコよりはるかに利率が低いドル債券市場に頼ってきた。経済がコロナ危機で打撃を受け、covidリスクを口実に、しかし明らかにエルドアンの最近の対ウクライナ行動に関連して、観光事業が再び六月までモスクワに阻止される中、リラ下落は特にドルでの返済を遥かに高価にする。

 エルドアンは、この侮辱に即座に反撃した。戦略的に重要なNATOインジルリク空軍基地の外で抗議が始まり、トルコ人はアメリカ兵撤退を要求している。

 4月24日、ワシントンが予定しているアルメニア人大量虐殺文書をエルドアンに通知した一日後、エルドアンはイラクとシリアで軍事行動を開始した。トルコ軍は、トルコ南部のシリアとの国境におけるテロの脅威を「完全に終わらせる」クロウ・ライトニング作戦を再開したと発表した。それはダマスカスに対して、アメリカが支援しているPKKクルド人陣地への空襲を伴っている。トルコは、PKKクルド人はトルコを脅かすテロリストだと主張している。同時にトルコ軍は、戦車、歩兵戦闘車、大砲、ロケット発射装置、監視システム、ジャマーや防空システムを含む重装備武器や何千という兵隊がいる大イドリブにおける彼らの陣地を強化した。2018年以来、トルコのイドリブ駐留は、ロシアと共同でシリア領での相互の段階的縮小を監視するとされていた。

 アラブ諸国との関係修復

 より驚くべきは、アラブの近隣諸国との関係を修復すべく、エルドアンは素早く動いていることだ。4月26日、エルドアンの報道官イブラーヒム・カリンは、トルコは、2020年、2018年10月、イスタンブールで、サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギを残酷に暗殺したというエルドアンの挑発的で極めて公的な非難や、サウジアラビアのボイコットのさなか、カタールに対するトルコの支援を、サウジアラビアが敵対的なトルコの行動と呼んでの、サウジアラビアによるトルコ商品公式ボイコットで、二国間貿易が驚異的に98%も下がったサウジアラビアとの関係改善を期待していると述べた。2013年以前、リヤドは、シリアのアサドに対する戦争で鍵となる当事者だったエルドアンの主要財政支援者だった。トランプ時代からの大きな変化で、ワシントン新政権は、これまでのところ、サウジアラビアに対して非常に冷たい。

 同時にアンカラは、ムスリム同胞団のアメリカに支援されたアラブの春に対する2013年の反クーデターで、エジプト軍がムルシを追放し、アッ=シーシーを支持した時以来、緊張しているエジプトのアッ=シーシー大統領との関係を再構築しようと努めている。もしエルドアンが、サウジアラビアを含め、アラブ湾岸諸国の支持を取り戻すのに成功すれば、湾岸諸国に対するトルコ軍の支援は、中東地政学を、ワシントンに不利なように変えることができるかも知れない。過去二年にわたり、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の女婿セルチュク・ バイラクタルの家族が所有する実戦で証明されたバイラクタル TB2無人戦闘航空機を通して、トルコは驚くべき主要な軍隊として出現した。リビアやナゴルノ・カラバフやシリアで、彼らは決定的だった。

 最初首相として、今は大統領として、20年近く権力を維持しているレジェップ・タイイップ・エルドアンの激動する支配では、次に何が起きるかは益々不確実だ。国政選挙が2023年に予定されており、経済が下落し続ければ、全て帳消しになる。バイデンの「大量虐殺」宣言は、2023年よりずっと前に、ワシントンが彼を吹き飛ばすかもしれないことを示唆している。だが現時点では、結果は確実からはほど遠く、非常に多くが、有効な新同盟を推進するエルドアンの能力に依存している。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/29/has-washington-lured-erdogan-into-a-bear-trap/

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 今日の孫崎氏のメルマガ題名

高木仁三郎氏(2000年死亡)は物理学者。福島原発等に『考えられる事態とは、地震とともに津波に襲われた時 』を警告していた。老朽化原発についても、強い警告を出している。高経年原発の復活の動きがある中、彼の警告を聞くべし、著書『原子力神話からの解放』

 『原子力神話からの解放』については、2011年3月30日に掲載した翻訳記事「福島のメルトダウンが地下水に到達すれば、チェルノブイリより深刻」の後記で触れた。

 デモクラシータイムス 下記番組も、全くの無能政府・首相に全権を与える「緊急事態条項」を、コロナを口実に導入しようという悪辣さを、どなたかが批判しておられた。

【国会女性会議 No16】森×紙×舟山×福島 再選挙・補欠選挙を終えて コロナ禍の東京五輪 20210428

 日刊IWJガイド から 引用させていただこう。

自民党・下村博文政調会長がコロナを緊急事態条項の対象にと発言! 菅総理も権力強化ばかりを口にして「お願い」を「命令」に変えようとする一方、必要な医療体制の拡充はなされないまま!

 5月3日の憲法記念日、改憲派の「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が開いた「公開憲法フォーラム」のウェブ会合に参加した、自民党の下村博文政調会長が、自民党の「憲法改正案4項目の一つに掲げる緊急事態条項の対象に、新型コロナウイルス感染症を含めるべきだ」との認識を示し、「『日本は今、国難だ。コロナのピンチを逆にチャンスに変えるべきだ』と強調した」と、4日、共同通信が批判を加えることなく、報じました。

※コロナのピンチをチャンスに 自民下村氏、改憲巡り(共同通信、2021年5月4日)
https://this.kiji.is/761967683903111168?c=39546741839462401

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を逆手に取って政治的に悪用し、改憲へとすり替えようとする下村氏の発言に対してSNS上などでは下村発言の内容に批判の声が噴出しています。

2021年5月 3日 (月)

アメリカ-トルコ関係の越えてはならない一線

2021年4月28日
ウラジーミル・オディンツォフ
New Eastern Outlook

 第二次世界大戦後、トルコは、この地域で何年もアメリカの「右腕」と見なされていたにもかかわらず、最近二つのNATO同盟国、ワシントン・アンカラ関係は目立って悪化し始めた。

 前世紀中、アメリカは様々な状況で、トルコを、典型的に、ワシントンの利益になるよう、アメリカの指示に従うことが期待される目下として扱うのに慣れていた。時折、二国間の絆を悩ませる、どんな些細な問題も、アメリカの強硬手段で処理されていた。結果として、この「同盟諸国」間に重大な意見の相違はなかった。

 近年、トルコは経済的、政治的、軍事的な必要で、アメリカとNATOに依存し続けているが、二国の戦略計画は益々分岐している。2010年代初期、アラブの春が始まると、トルコ指導部の野心が増大し始めた。レジェップ・タイイップ・エルドアンは、この混乱のさなか、更なるイスラム主義と、ワシントンから一層独立した国家主義外交政策を追求する機会を見出した。こうした試みは、ワシントンには非常に否定的に見なされ、二国間関係に悪影響を与えた

 アメリカ-トルコ関係は、2016年、トルコ軍内の派閥が実行したクーデター未遂後、特に目立って悪化し始めた。トルコ指導部は、アメリカに暮らすあるトルコ人が背後におり、彼を匿ったとワシントンを非難した。結果として、アメリカとトルコ間の対話は、それほど建設的でなくなり、それぞれの出来事で、二国間の紛争が悪化するにつれ、アンカラは、ワシントンの同盟者から、ライバルへと変わり始めた。

 ロシアからS-400ミサイルシステムを購入した時、トルコは更に、もう一つのアメリカ指導部から見た超えてはならない一線を渡ったのだ。その後、ホワイトハウスはアンカラに対し、更に、より多くの圧力をかけた。アメリカは、トルコをF-35次世代主力戦闘機計画から排除すると、アメリカ指導部は、レジェップ・タイイップ・エルドアンを「正気に戻す」のに使えるアンカラの他の弱点を探し始めた。

 当初、トルコ指導部、はジョー・バイデン大統領に率いられる新アメリカ政権下で、両国間関係が改善することを期待した。だが多くの政治評論家は、現在のアメリカ外交政策は、新指導部で変わらないと確信していた。ワシントンとの親密な結びつきを持ったメディアのおかげで、トルコの欧米同盟国は異議を唱えるアンカラの人権実績に関し、アメリカの新大統領は、より強硬路線をとるつもりである事実をトルコ政府は、かなり早期に警告されていた。

 それ故、最近のアルメニア人大量虐殺のジョー・バイデンによる正式承認は決して驚きではなかった。そのうえ、4月24日、バイデンはエルドアンと電話会話をし、明らかにトルコを恫喝した。彼は彼が支配しているマスコミを通しても恫喝し、ワシントンの支配から逃れようと試みるトルコ大統領に、もう一つの警告を出した。

 アメリカ報道機関は、ジョー・バイデン大統領が「1915年のアルメニア人皆殺しは、大量虐殺だったと宣言する最初のアメリカ大統領になり、「地域の軍事衝突や外交努力で」アメリカ・トルコ間の協力を傷つけかねないと報じた。報道は、レジェップ・タイイップ・エルドアンと現在のアメリカ大統領は、トルコ大統領がドナルド・J・トランプから受けた「概して温かい待遇と対照的に、過去いくぶん気まずい関係だった」と書いた。

 2019年時点で、50のうち49のアメリカの州が第一次世界大戦中のアルメニア人大量虐殺を認めていた。ドナルド・トランプが大統領だった2019年10月に戻ると、米国下院は第一次世界大戦中のアルメニア人大量殺人を大量虐殺と認めることに賛成投票をした。だが、公式政策になるには、決議は上院で可決され、次に大統領に署名される必要があった。その後まもなく、米国上院は虐殺を大量虐殺行為と認め、満場一致で決議に賛成投票をした。そして最近、ジョー・バイデンが、この政策を公式に認めたのだ。

 多数の専門家によれば、バイデンの宣言は「トルコに恥をかかせ、必然的にホロコーストとの比較でその歴史を傷つける以上の、いかなる明白な罰則」も伴わないはずだ。それでも、この動きは、ジョー・バイデン政権と最近のアメリカ外交政策全般が、アンカラでは非常に否定的に見なされているので、明らかにトルコの超えてはならない一線を越えたのだ。この公式宣言に対し、トルコ指導部やトルコ社会のエリート・メンバーだけでなく出現した反応が、既に前述の発言を証明している。

 多くの専門家の意見では、公式にアルメニア人大量殺人を大量虐殺として認めるジョー・バイデンの最近の動きによって、アンカラ・ワシントン間の緊張が増大しかねない。例えば、前トルコ大使ジェームズ・F・ジェフリーは、これに答えて、アメリカ軍艦が「ウクライナ支援任務で、ボスポラスとダーダネルス海峡を通過する」必要があるだろうから、エルドアン大統領は「バイデン政権を悩ませるため、特にシリアや黒海で、たやすく特定の政策を妨害したり、遅らせたりしかねない」と述べた

 加えて、一部の人々は、トルコがNATO内での役職を再考する可能性が高いと考えている。ジョー・バイデン大統領がアルメニア大量虐殺を認めた後、トルコの愛国党委員長ドグー・ペルニチェクが、トルコ指導部は「即座にインジルリク空軍基地完全支配を確立し」、そこに駐留するアメリカ軍が15日以内に撤退させるよう要求している。

 最近「兄弟のようなウクライナと戦略上の関係を促進し、発展させよう」としているレジェップ・タイイップ・エルドアンにとって、ウクライナ内務大臣アルセン・アヴォコフが作成した文書で、ウクライナもアルメニア人大量虐殺を認める必要があると発言したのは意外だった。

 全く予想通り、アメリカ大統領の決定に熱烈に反応した最初の指導者の一人はアルメニアのニコル・パシニャン首相だった。ジョー・バイデン宛ての彼の書簡は、この動きは「公正で寛容な国際社会を築く」ことを望む「全ての人々にとって勇気づけられる例」だと述べている。オスマントルコによるアルメニア人大虐殺が世界中で大量虐殺として認められれば、世界の様々な地域のアルメニア人が、トルコに責任があると決めても驚くべきことではない。こうした進展のあり得る結果は色々で、アルメニアとの関係正常化に関心があるトルコが関与し、アゼルバイジャンとロシア大統領とアルメニア首相が2020年に停戦協定に署名して終わったナゴルノ・カラバフ紛争の解決もあるかもしれない。エレバンとアンカラの関係は近い将来改善すると期待されたが、トルコ指導部は、以前、殺害を大量虐殺行為と認めるバラク・オバマによる声明と、ジョー・バイデンの威嚇な声明かは判断して、アルメニア人大量虐殺の日である4月24日に予定されているバイデン政権による動きを待ち受けて、ためらっているように見えた。もしアンカラが、今エレバンとの対話を始める積極的意欲を示せば、トルコでは、そのような動きは、ジョー・バイデンの決定から生じたものと見られるだろう。だから、トルコ指導部が近い将来こうした動きをすることはありそうにない。

 アメリカ大統領がアルメニア大量虐殺を正式承認したので、トルコがロシアや中国からより広範囲の支持を求め、将来アメリカに依存するのをやめるのは非常に明白だ。

 世界舞台における超大国アメリカの影響力が急速に衰え続ける中、アルメニア人大量殺人を公式に大量虐殺と呼ぶ決定は、アメリカ外交政策が将来進む可能性がある方向を示している。結局、この動きは、アンカラのみならず、他の「反抗的な」国々を懲らしめるため、つまり、アメリカ政策の大きな構図の中で自分の立場を知ることの重要性を教えるために行われたのだ。それ故、どんな形の不従順も、より独立して動こうとする願望も、アメリカに適切に罰せられることになる。言い換えれば、ジャングルの正当な権力者シーア・カーンの側近集団には、ハイエナのための余地しかないのだ。

 だが、これら「ハイエナ」は、彼らのまさに本質から、本当に忠実ではないことを念頭におかねばならない。新指導者が出現するやいなや、彼らは、あっけなく前の指導者を捨て去るのだ。 日に日に、アメリカ覇権の終わりは近づいている。

 ウラジーミル・オディンツォフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/28/red-lines-in-us-turkey-relations/

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 「目くそ鼻くそを笑う」 手元に『アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪』がある。是非お読みいただきたい本。

 恫喝でトップにのしあがった男を見るたび、上野動物園サルの電車を思い出すと何度も繰り返している。電車に乗る子どもには、オサルが電車を運転しているように見えるが、実際は係員が全て操作している。オサルと係員の関係は人形と腹話術師と同じ。

 古い本だが、宮本政於・佐高信両氏の対談本『官僚に告ぐ!』に宮本氏の重要な発言がある。宮本政於氏はアメリカの大学の精神分析で助教授をされた人だ。帰国して医系技官になり、役所のことなかれ主義におどろいて告発本を書いた。最初が『お役所の掟』。大臣が役所をコントロールしているのではなく、役人が大臣をコントロールしているのだ。

日本で大臣となる人の多くは去勢された人がそのポストに就きます。だから、リーダーシップが取れない。要するに虚構の上に座った権力者で、実際には権力を持っていない。そして大臣となる人はブランドをほしがる。

 現厚生労働大臣も前厚生労働大臣も実質オサル人形。反対する官僚は「異動してもらう」のでなく、反対する大臣は「異動してもらう」

 今世界はコロナ流行と戦っている。軍隊による戦争では軍が全てを支配する。コロナに対する戦争では、日本では厚生労働省が大本営。その大本営が、昔と同様、頽廃の巣窟。しかし、その事実、大本営広報部、別名マスコミは全く報じない。目をそらす。

 田中康夫氏の「田中康夫 ココだけの話」vol.26 5月2日(日)を偶然拝聴した。(32分すぎから)「コロナ患者を受け入れない民間病院が悪い」と非難する日本経済新聞の「コロナ医療の病巣」という記事を「指示待ちさせる医療行政を続けていた政府こそ元凶。」「厚生労働省こそ」「医療記者全員東京軍事裁判。」と断言。「日本の医療マスコミは厚生労働省と薬品メーカーのポチ」と指摘しておられた。

 官房長官記者会見に、東京新聞の官邸記者クラブメンバーではない望月記者が参加したことで、恫喝男の下劣さが広く報じられた。記者クラブの連中はタイコモチ。権力の宣伝担当。記者クラブが続く限り、洗脳痴呆テレビが繁栄する限り、日本は日々滅亡の道をつき進む。

 憲法記念日にも、速記者クラブ、大本営広報部マスコミは改憲策動も報じない。対照的にIWJは報じ続けている。日刊IWJガイド

■共同通信世論調査で57%が改憲での緊急事態条項新設に賛成!? 浸透する自民の惨事便乗改憲プロパガンダ! 大手メディアは5月6日の衆院憲法審査会での国民投票法採決が「流動的」と報道! 強行採決の危険性を指摘するべきではないのか!?
■<本日の再配信>本日午後8時より再配信する、岩上安身による永井幸寿弁護士へのインタビューは全日本人必見! 自民党の改憲案の緊急事態条項はこんなに恐ろしい!! 事実を直視せよ!【緊急シリーズ特集!コロナ禍の陰で着々と進む戦時独裁体制樹立の改憲!5月6日改憲国民投票法強行採決を許すな!!】「いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21 岩上安身によるインタビュー 第872回 ゲスト 永井幸寿弁護士(1)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

2020年12月17日 (木)

ナゴルノ・カラバフでアルメニアとアゼルバイジャン軍間の衝突再開

2020年12月14日
The Saker

South Front

 先週末、ナゴルノ・カラバフ地域でアルメニアとアゼルバイジャン軍間で、新たな軍事エスカレーションがあった。

 12月12日、アゼルバイジャンは、アルメニア民兵の手中にあったフツァベルトとカイン・タヘール村を攻撃した。アルメニアとの一連の衝突後、彼らはフツァベルトの支配を確立し、ヒン・タヘール付近に配備された。12月13日、アルメニアはアゼルバイジャン軍が、ヒン・シェンとメツ・シェン村を攻撃したと主張した。だがこの攻撃は撃退された。

 これら全ての村は、アゼルバイジャン部隊による事実上の包囲地域にあり、そこで見られるアルメニア部隊は、11月10日の協定後、包囲から撤退するのを拒否した「志願兵大隊」と「現地民兵」だ。彼らの疑わしい地位は、地域の現在の緊張の源になっていた。

 予想されたように、アゼルバイジャンとアルメニアは停戦制度に違反したとお互いを非難した。アゼルバイジャン国防省と国家安全保障サービスはアゼルバイジャン軍がハドルト町近辺で「強制的対テロ活動」を実行したと宣言した。バクーによれば、いくつかのアルメニア部隊が森林地帯に留まり「領土を去らず、逆に戦闘陣地を準備し、アゼルバイジャン軍と一般人に対し、いくつかの妨害行為を実行した」。これら攻撃は兵士四人の死亡と、兵士二人と文民一人を負傷させた。アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領は、これ以上エスカレーションした場合「鉄拳」でアルメニアを押しつぶすと約束した。

 アルメニア側は、アゼルバイジャンが意図的に露骨に停戦に違反し、アルメニア軍陣地を攻撃したと宣言した。アルメニア国防省はアルメニア戦士六人が負傷したと述べた。

 ロシア平和維持軍の配備が緊張を終わらせ、12月14日時点で、ロシア軍はラチン回廊の南で存在を拡大した。この動きはそこで、これ以上の衝突を防ぐことを目指していた。

 ここ数日、区域で、停戦体制が確立されたにもかかわらず、この地域が、まだまだ爆発しかねない事実上の危険な状況であることを示している。アルメニアとアゼルバイジャンは、アルメニア主権地域と、バクーに移されたカラバフ地区の境界を策定しなければならない。これらの進展は、様々な挑発が伴ない、あからさまな衝突になりかねない。

記事原文のurl:https://thesaker.is/clashes-between-armenian-and-azerbaijani-forces-resumed-in-nagorno-karabakh/

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 彼方遥かでの本物の戦争、なかなかおさまりそうもない。一方、この国の、コロナ戦争、無策な国家、御用学者、地方自治体のトップ、とりわけ、東京、大阪、北海道、爆発的に拡大するのを手をこまねいてながめるだけ。マスクをつけろ、手を洗え、極力表に出るな。といいながら、上級国民は自分がいうことを無視している。無策の竹槍三週間、負けるべくして負けている。

 東京の感染者は800人を越えた。1000人越えも間近。PCR検査で、無症状者の検出、隔離をしないかぎり、この爆発は続く。政府は、本音では、爆発を推進しているのだろう。

 タイ王室の退廃ぶりには感心。上級国民の見本。何がありがたいのか理解不能。

全コーカサス占領の夢想で、トルコとアゼルバイジャンはエレバンに権利を主張

2020年12月12日
The Saker

South Front

 二度目のナゴルノ・カラバフ戦争は終わったが、アルメニア人にとって困難な時期は、近いうちに終わりそうには思えない。

 12月10日、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、アゼルバイジャン、バクーでの「凱旋パレード」で特別招待客としてもてなされる大きな名誉を与えられた。「最高位のサルタン」と彼の高官が演壇で演説する中、アルメニアから捕獲したものを含め種々の兵器を持ったトルコとアゼルバイジャン軍隊が、アゼルバイジャンの首都を行進した。結局、バクーのパレードで語られた事全てからして、アルメニアが新たな戦争のために直ぐさま準備する可能性が高い。

 アリエフは、トルコ-アゼルバイジャン連合の重要性を強調し「エレバン、ザンゲズール、セヴァン」は、チュルクの人々の「歴史的土地」だと主張した、他方エルドアンはイスマイル・エンヴェル・パシャとコーカサスのイスラム軍メンバーを追悼した。エンヴェル・パシャは、アルメニア人大虐殺、アッシリア人大虐殺、ギリシャ人大虐殺の主要加害者の一人だった。

 これに加え、トルコ大統領は、いつも通り、アルメニアが地域の不安定の原因だと言って、欧米軍国主義のせいにさえした。エルドアンは、アンカラがNATO創設国の一つで、その軍国主義の一部だということを、どういうわけか忘れていた。とはいえ、事実を認めるのは、近代的トルコの外交的手腕の強みではない。

 トルコ・メディアは、アルメニアの広い領域を、アゼルバイジャンの一部として表現して、エレバンとの新たなエスカレーションの足場を準備している。例えば、トルコのTGRTハベル・テレビは、「アルメニアには金がない。ザンゲズールをくれてやろう」という題名で、アゼルバイジャン本土とナヒチェヴァン自治共和国間の地域全体を、そういうものとして示した。この題名は、バクーが、カラバフの「アゼルバイジャン人対する犯罪」と呼ぶものに対し、アルメニアは500億ドルの「補償」を支払わねばならないというアゼルバイジャンの主張への言及だ。だから今トルコとアゼルバイジャンのメディアはアルメニアは、この「補償」を、一部の領土を支払うべきだという考えを推進している。

 しかも、これらの主張はアルメニアに限定されず、全コーカサスに及ぶ可能性が高い。パレードの際、エルドアンが称賛したイスラム・コーカサス軍は、1917年にロシア帝国で始まった内戦につけこんで、現代ロシア南部を含め、この地域を占領する汎チュルク、オスマントルコの取り組みだった。

 エンヴェル・パシャは、オスマン帝国崩壊後に登場した現代トルコ創設者ムスタファ・ケマル・アタチュルクとの関係も悪く、イデオロギー的にも非常に異なり、実際アタチュルクに馴染まない反対者だった。バクーの最高レベルで、この人物を奨励するというエルドアンの決定は、現代トルコ指導部が、非宗教国家という概念を含め、アタチュルクが残したものから離れつつあることを示している。エルドアンに率いられるトルコは、汎チュルク、イスラム主義の考えを伴う新オスマン主義へ移行している。この種の公式イデオロギーは、アンカラが、国際舞台の中を巧みに進み、更なる軍事冒険に向かう上で、エルドアンに、わずかな自由も与えるまい。

記事原文のurl:https://thesaker.is/turkey-azerbaijan-lay-claim-to-yerevan-dream-of-capturing-entire-caucasus/

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 つい最近も、現地での戦闘が報じられている。

 外国で、旅行が原因であることが、あきらかになっても、決して態度を変えないインパール・マスク特攻隊。

「旅行」が原因で感染拡大。イギリス科学者チームが発表【新型コロナウイルス】

 わざわざ悪い見本を見せる彼には、メルケル首相の爪の垢をのませたいもの。

 LITERA

菅首相コロナ会食は「国民の誤解」じゃない! 今度はフジテレビ会長・社長、五輪賄賂疑惑の電通顧問と…フジに報道機関の資格なし

 日刊ゲンダイDIGITL

学術会議任命拒否問題 問われて答えられないなら首相失格

 日刊ゲンダイDIGITAL 金子勝立教大学大学院特任教授記事

コロナ対策は菅政権と専門家らの“悪魔のサイクル”突入へ

 東京新聞の本音のコラム、昨日は斎藤美奈子氏。WCカルタの怪。東京都のお粗末なカルタにふれて書かれている。三つ、複写させていただこう。

《あ》アクセルもブレーキも踏めという総理
《い》イソジンでウイルス減ると知事は言い
《う》麗しきアベノマスクは今いずこ

2020年11月23日 (月)

カラバフ戦争は終わっているが、危機は終わっていなない。今後どうなるか?

2020年11月13日
The Saker

 最初に、私はロシアのウェブジン「ヴズグリャド」が昨日公表した記事の全文翻訳を示して、本分析を始めたいと思う。私は実質的に自分で翻訳する時間がないので、私が投稿するのは、ほんのわずかだけ修正した機械翻訳に過ぎない、これをお詫び申し上げる。

 ロシア語原文:https://vz.ru/world/2020/11/12/1070326.html

 第二次カラバフ戦争の五つの主な謎

 エフゲニー・クルチコフ著

 第二次カラバフ戦争の終わりは、多くの謎と陰謀論を呼び起こした。実際、この紛争の状況の若干が従来的な軍の論理の見地から極めて不可解であるか、あるいは少なくとも逆説的だ。見たところ、アルメニア指導部自身が政治的大惨事を引き起こしたのだ。

 アルメニアで(それだけでなく)どの謎が最大の疑問を提起するか、「陰謀論」の様相を引き起こすか列挙しよう。

1.なぜアルメニアでは完全動員が実行されず、本格的な部隊が紛争地域に配備されなかったのか?

 大仰な愛国的言説にもかかわらず、アルメニアでは本物の動員がなかった。アルメニア常備軍-約5万人は、志願兵によってのみ強化された。戦闘の状態では、カラバフ防衛兵の人数を、少なくとも8万人から、10万人増やすことが必要だった。同時に、まもなく専門家の欠如(例えば、弾道計算や多連装ロケット弾発射システム)はアルメニア軍戦線に影響を与え始めた。損失を埋めるべき誰もいなかった。

 エレバンがなぜ本格的動員を行わなかったか説明できない。アルメニア指導体制はこの話題について語るのを避けている。もし動員計画があったとしても、誰もそれを実行しようとしなかった。結果的に、最前線で、軍人の交代がなく、一部の地域では、兵士が交代なしで1カ月間、塹壕に座っていた。18-20歳の兵士が最前線にいて、ある時点で訓練されていない青年が人員の最高80%を占めていた。プロとベテランで構成されたカラバフ分遣隊は最初の週に大きな損害をこうむったが、増援部隊がなかったため、誰も何も補うべきものがなかった。

 党路線にしたがって、アルメニア人志願兵集団が組織された。今パシニャンの主敵、オリガルヒのガギク・ツァルキャンの名にちなんで付けた、裕福なアルメニ政党の別個の分遣隊を組織する試みによってスキャンダルが起きた。この二人は10年以上、対立している。今、報道によれば、彼の幻の隊が、前線で十分闘わなかったとして、首相はツァルキャンを公然と「シュシャ崩壊の犯人」と呼んでいる。この紛争は、動員計画と、それを実行する願望があれば、避けることができたはずなのだ。

 アルメニアの主要部隊はカラバフに移動しなかった。だが、アゼルバイジャン無人機に引き起こされる緊張を緩和するには、早期発見装置をゴリスに配備すれば十分だった。アゼルバイジャンが最初の防衛線の前で、力なく足踏みをしていた際、一つの部隊が南部方向を守るのに十分だったはずだ。適切な供給が組織されず、一カ月の戦闘後、多連装ロケット弾発射システムのミサイルと、榴弾砲部隊の砲弾欠乏をもたらした。砲弾掩護がなければ、歩兵隊は勇ましく死ぬしかないのだ。

 これは、部分的に、現地のだらしなさと、やる気のなさが、本来のアルメニア防衛を弱めたと説明できるかもしれないが、この全ては妨害行為に近い。アルメニア防衛は非常に論争の的で、アルメニア指導部が、カラバフをまな板の上のコイにしたように見える。

2.北部戦線は、なぜ、あれほど奇妙な動きをしたのか?

 カラバフの北と北東、キルギス共和国の地域に、非常に戦闘準備ができている部隊を含め、アルメニア防衛で強化された広大な地域があった。彼らは本当に前進するアゼルバイジャン集団に対する真剣な抵抗を示し、結局実際にそれ(いくつかの陣地と重要な村を失ってはいるが)をくい止めた。

 だが、その後、指揮官が「アルツァフの英雄章」を得るのに成功したが、エリートのエフニクネル大隊が突然後退した。更に、10月3日から、エフニクネル部隊も、他の部隊も北戦線から完全に撤収され、燃えあがる南部を助けるために移動しなかった。同時に、アゼルバイジャンは、一度だけ、明らかに、目を逸らす狙いで、再び北部で攻撃をシミュレートするとに決めた。北部に最高2万人の兵士を維持する必要はなかった。

 カラバフ指導部は、非公式に、資源の欠如でこの全てを説明している。だが今カラバフでは「資源の欠如」が全てを説明しているのだ。

3.南部戦線はなぜ崩壊したのか?

 主な攻撃が、南部のステップ地域で、アゼルバイジャンによって行われた事実は、既に、戦争最初の数日で、肉眼でも容易に見えた。ところが、戦線が実際そこにはなくなった時に、人間と、専門的資源が、南部戦線領域に到着し始めたのだ。ステップ地域は失われ、最前線は、クラスヌイ・バザールから、マルトゥニの山脈の端に沿って止まった。結果的に、カラバフを守る最大3万人の人々がこの地域に集まった。彼らは完全包囲と死で脅され、それが停戦協定に署名する理由の一つだった。同時に、ジェブライル占領前に、アゼルバイジャン部隊は、彼らの攻撃ペースが混乱し、非常にゆっくり進んだ。これはアルメニアにとって、小さいながら、状況を理解し、移動するため有利なスタートだった。

 ジェブライル占領後、前線はばらばらに崩壊し始め、アゼルバイジャン進撃は急激に加速した。好機は失われた。

 何らかの理由で、アルメニア司令部は南部戦線への追加資源輸送の決断をしなかった。これはもう1つの謎だ。

4.アルメニア側はなぜ消極防衛に限定したのか?

 戦争中、アルメニア側は、遥か先に進んでいたアゼルバイジャン前進部隊に対して、二回だけ反撃を試みた。二回とも、ラチン対岸の峡谷で行われ、アゼルバイジャン大隊戦術群(BTG)は極端に脆弱だった。一回は成功さえしていた。だが、これらの作戦は、敵のクラスターに対する多連装ロケット弾発射システムによる大規模攻撃だけなっていた。峡谷を封鎖し、南部作戦領域の他の部分で敵を包囲する作戦が示唆された。だがアルメニア部隊は一つも動かなかった。当事者の一方が、もっぱら消極防衛に限定して、一つの攻撃作戦も行わなかった驚くべき戦争だ。

 ラチンの前の峡谷での反攻成功で、非常に多くのアゼルバイジャン戦力を押しつぶしていれば、彼らは少なくとも二週間、シュシャ攻撃を考えなかっただろう。後にアベラテク峡谷で、アゼルバイジャン歩兵隊を破壊することも大いに可能だった。だがそれには多くの努力が必要だった。

 アルメニア側がなぜ反撃したり、繰り返し使っていた戦略上優位な他の方法を使おうしたりさえしなかったかの説明がない。資源の欠如は、戦争の最終段階に、延々と言及されているが、消極防衛は戦争の初めから一定の戦術だった。

5.シュシャは、なぜ引き渡されたのか?

 最も機微な、理解できない疑問だ。アゼルバイジャン歩兵隊による、この都市に対する最初の襲撃は極めて不成功だった。それでアゼルバイジャンの第二隊列は、多連装ロケット弾発射システム攻撃で掩護された。多少の努力とアルメニアの援助で、この都市に突破したアゼルバイジャン集団を壊滅できたはずなのだ。だが、この都市を解放するための、好ましい作戦上、戦術的状況を、他日に期することなく、戦いをせずに、この都市を去る決定が突然なされたのだ。

 シュシャ撤退の決断は、ナゴルノ・カラバフのアライク・ハルチュニャン大統領と、現地の伝説的人物ナゴルノ・カラバフ安全評議会のサムヴェル・ババヤン大将がしたと信じられている。休戦署名に対する抗議で、彼は職を去り、アルツァフ英雄章の所有権を放棄した。アルメニアのユーチューブ・チャンネル「Lurer」(「ニュース」)は、ババヤンとハルチュニャン協議記録を公表したが、ババヤン大将は、都市放棄後にさえシュシャを取り戻す可能性を考慮していたが、更なる抵抗の可能性は非常に悲観的だった。

(一語一語翻訳されてはいない)会話の破片:「(戦闘)タスクを計算しよう。「スメルチ」多連装ロケット弾発射システムの20、30回の一斉射撃がシュシャを一面に覆っている。我々はそこで全員を殺す。都市を取り戻す。次は何か?軍と一般住民の状況は戦争を許さない。我々は戦いを行い、シュシャを奪還し、それから、どうする?(…)我々はNATO軍、完全装備の傭兵とは戦えない。昨日私は三大隊と作戦をしようとしたが…。我々には榴弾砲四門しかない。砲兵隊を与えられなければ、どのように攻撃を保証したり、敵の後尾を切断したりできるだろう?(…) 今日我々は、ロシアと最終的に、我々がこれら領域を手渡して撤退すると交渉しなくてはならない。彼らは我々を支援するかも。我々軍全体に、二門の自走多連装ロケット砲と、そのための砲弾がない、一ダースの榴弾砲しかないことを考えてくれ。」

 要するに、ババヤン大将は、戦いのこの段階で、抵抗は役に立たないと信じていたのだ。我々は戦争を続けるのを拒否して、降伏するか、地元住民と完全に包囲された南部戦線兵士3万人の組織的撤退のため、10日を要求しなくてはならない。選択肢として、民間軍事企業や、志願兵、装置や弾薬のかたちで、直接軍事援助をロシアに緊急に求めることが提案された。

 だがこの全ては、シュシャに突入した重火器なしのアゼルバイジャン歩兵小集団が、なぜ、アルメニア軍がパニックを起こし始める前に殲滅されなかったかという疑問を消すわけではない。シュシャを保持していれば、ナゴルノ・カラバフとアルメニアの政治的合意に完全に異なる構造ができていたはずだ。これが政治的決断なら、誰が実際にそれをなし得たか?

***

 第二次カラバフ戦争の謎のこのリストは完全からはほど遠い。加えて、アルメニア指導部には戦争準備についても多くの類似の疑問がある。正確には、無為あるいはエレバンの奇妙な行動のため、始まりさえする前に、この戦争は敗北したのだ。

 この過程は長く続くだろう。この40日で、地域の状況は根本的に変化し、紛争を解決する全ての古い手法や、軍事部門は、消滅した。新しい現実は、アルメニアにとって、新しい解決が必要になるだろう。誰がこうした決定をするかは、まだ明らかではない。

 個人的に、私はここで暗い陰謀を見ない。私に見えのは、アルメニアの親ソロス派指導体制の実に目を見張るような水準の無能力だ。簡単に言えば、民間と軍の本当に有能なアルメニア指導部の圧倒的多数は、投獄されたか、少なくとも一斉に解雇された。これについて非常に単純な説明がある。

 パシニャン(以後、私が「パシニャン」と書く際は、MI6、CIA、ソロスなどの札付き連中を指している)の見地から、彼らは信頼できないので、ソ連で教育された指導者「古株連中」は排除しなければならなかった。だがこの低能者と彼のご主人が理解できなかったのは、「ソ連で教育を受けた」指導部は、2018年に権力を掌握した「目覚めた、性同一性障害者にやさしい民主主義者」より、遥かに有能だったことだ。

[補足:読者は非常に興味深いことにお気付きだろうか?NATOや「銀河史上最強力な軍隊」に訓練された軍隊よりも、「古い」「ソ連で教育された」軍隊全般、特に指揮官は、遥かに体系的に良く訓練されていたのだ。なぜ、例えばサウジアラビアや、イスラエルや、グルジヤ、イエメンのような民主的で進歩的で高度な軍隊や、他の全ての「良いテロリスト」が常に戦闘で惨めな能力しか発揮しないのだろう?この疑問を熟考願いたい:-)]

 ちなみに、エレバンの地下壕かアメリカ大使館構内に隠れているパシニャンは、まだ頑張っている!昨日、彼は、膨大なアルメニア移民から何かすべき圧力を受けているフランスのマクロンに、助けを求めるため電話し、マクロンは、全ての側に受け入れられる解決策ことを見いだすのを手伝うと約束し、二つのことを暗示した。

  1. 「ロシア解決策」(実際は、アルメニア・エレバンがアゼルバイジャンの条件を受け入れたもの)は受容できず
  2. フランスには、マクロンが数回振れば、地域全体を永久に平和な豊穣な国に変え、全員が手をとりあい、子守歌を歌って、ずっと「愛を感じ続ける」の魔法の杖があるのだ。

 通常、イギリスは、ずっとよこしまで、秘密主義で、頭が切れる。イギリス秘密情報部MI6長官は「幹部」と会うためトルコにいる。そうなのだ!ところで、この男、リチャード・ムーアは元駐トルコ・イギリス大使だ。これが一体何を意味するかを理解するには、どれか歴史の本を読んで、イギリスが常に、ロシアに対してオスマントルコを砲弾の餌食として利用したのを知ることだ。

 アメリカは基本的に国の混乱で麻痺している。だが走り回るばか者のどちらかが「旗幟を鮮明にし」「ロシアに厳しい」ことを証明するため何か必死に試みるかもしれない。

 すると次は何だろう?

 欧米政治的指導者に関して、私は何年間も以下のことを言ってきた。彼らは価値あるものは何も構築できないが、混乱や、無政府状態、紛争、反乱などを広めることなら確実にできる。だから何より確実なのは、アングロ・シオニストが、ロシア(そしてプーチン個人!)のために欧米が見る結果を勝利として拒絶するため、アルメニア、アゼルバイジャンやトルコさえ扇動するため、彼らが出来る限りあらゆることをするだろう。

 更に、平和維持軍の一部になりたいという要求をロシアに、きっぱり拒絶され激怒しているエルドアンがいる。ロシアが同意したことと言えば、ナゴルノ・カラバフ地域から遥か彼方で、合同監視団チームが、コンピュータを見て、状況を「監視する」ロシア人とトルコ人を配備した「監視所」を作ることだけだ。平和維持区域には、トルコ軍兵士は入るまい(上のロシア軍地図参照)。

 いざという場合の代案として、トルコは、作戦地域で、彼らの無人飛行機操縦を認めて欲しいと強く要求している。これに対して、アルメニア側は、地域全体に、アルメニアとロシア共同の飛行禁止区域を宣言した。私が知る限り、ロシアは「まだ」それを確認していないが、彼らの陣地に接近するどんな無許可航空機も即座に撃墜するのは確実だ。

 ロシアがどのように行動しているか感覚を得るには、二つのことを知る必要がある。

 第一に、ロシアのリベラル・メディアは、ロシアが、平和維持軍に「宣言されていない」兵器システム(多連装ロケット弾発射システムと装甲兵員輸送車)を配備したと既に文句を言っている。これは(双方による)極めて高い挑発の可能性を考えれば、ほとんど驚くべきではない。そのうえ、合意のあいまいな表現「特殊車両」は、ロシアが、ありとあらゆるものを持ちこむのを可能にしている。

ルスタム・ムラドフ中将とウラジーミル・プーチン大統領

 さらに、私はギュムリの、ロシア第102番軍事基地が強化され、ロシア平和維持軍の後方支援中枢役を演じると、確信している。

 第二に、ロシアの平和維持軍を指揮する人物、ルスタム・ムラドフ中将の経歴を見る価値がある。ここと、ここで彼の経歴がチェックできる。私は、二つの単語で、この人物の経歴を要約する。ドンバス、シリア。

 彼は、単なるまとめ役、政治家の、見かけ倒しの将官ではない。この男は実際の戦う将官で、常に部下と一緒に前線にいて、自分自身攻撃を受ける男で、イスラエル・サウジアラビア・アメリカの「優しさ枢軸」と、その(現地人であれ、特殊作戦であれ)「良いテロリスト」に対処する経験を積んでいる。

 欧米がこれを完全に理解しており、またしてもロシアに「だまされた」ことで、すっかり激怒している!

 第一に、ロシアはシリアで血まみれの戦争を止め、今彼らはアゼルバイジャンで戦争を止めた。帝国にとって、これは丹精を込めて、コーカサスと中東で作り出し、最終的にロシアの急所を攻撃するための不安定の枢軸の完敗を意味する。連中は失敗したのだ。彼らはこれを許すまい。

 第二に、世界中のほとんどのアルメニア人は、この戦争の結果に全くおびえており、私も彼らに同情する。ここで問題は、彼らの多くが、自身の指導者より、ロシアを非難することだ。更に、アルメニアの反パシニャン勢力の中には、本当に狂った多くの民族主義者がいるのだ。今、パシニャンはどこかに隠れていて、まだ辞任を拒否している(もちろん、徹底的に欧米に支援されている)。だがこれは変化するだろうし、誰であれ、このような大惨事後に政権に留まれるとは私には想像できない。

 だが、パシニャンが去っても、親ロシア、あるいはロシアに対して中立の勢力が彼の後任となることを意味しない。実際、大半の混沌とした状況で、権力を掌握する可能性が最も高いのは過激派だ。そして彼らが次に何をするか知っているのは神だけだ!

 逆説的に、ロシアにとって最良の結果は、現地で、変人が意味のある転覆ができないような既成事実を作るの十分なだけパシニャンが権力に留まることだ。

 今、2つのことが起きている。アルメニア難民がアルメニアに逃げるのを可能にする唯一の道路で渋滞している。これら貧しい人々はアゼルバイジャン人、ましてトルコ人が言う言葉を決して信じない(誰が彼らを非難できようか?!)。

 パシニャンと彼のソロス派仲間が、本当に基本的なことを、いくつか(戦争の準備と、まずは、不完全な和平協定でも良しとすること)していれば、これは完全に避けることができたはずの痛ましい悲劇なのだ。

 アルメニア-ナゴルノ・カラバフ軍も撤退しているが、彼らがここで他に選択肢はなかったのだ。命からがら逃げることだけが、本当に哀れな兵士たちが望めた全てだ(決して彼らの過失ではないと私は言いたい!)。

 今後二週間が極めて重要で、パシニャンがすぐに打倒され、アルメニアが完全逆転するのを含め、どんな偶発事にも対処する準備がロシアに完全にできているよう願うばかりだ。

 今は時間との競走だ。ロシアが現地で、急遽良く守られた現実を作り出そうとする中、欧米は、文字通り、アゼルバイジャン人やアルメニア人の命がいくら失われようとも、ロシアを追いだしたいと思っている。ウクライナでは、彼らは「欧米は、最後のウクライナ人まで、ロシアと戦うのをいとわない」と言われている。私はこれがコーカサスで起きないよう祈っている。

The Saker

 追伸:実に悲しく、悲劇的な側面だが、私は個人的に、あらゆる当事者の全ての善意を装った約束にもかかわらず、私は難民が戻るのを想像できない。率直に言おう。アルメニアが勝った第一次ナゴルノ・カラバフ戦争の際、アゼルバイジャン人は残酷に追放され、勝利したアルメニア軍による、アゼルバイジャン人一般市民大量殺人のいくつかの例もあった。今回の場合、アゼルバイジャンはあらゆる約束をしたが、もし私がアルメニア人だったなら、私はトルコ人やアゼルバイジャン人が言う言葉の一つも(両国はオスマントルコによるアルメニア人大量虐殺があったのを否定しているのだ!)信頼するまい。この短い戦争で、約4000人の一般人が死んだことを想起願いたい。それは公式数値で、実際の人数は、おそらく、もっと多い!

 10年間か20年間先も、ロシアがコーカサスの平和維持者のままでいるなら、一部の難民や、彼らの息子や娘たちは故国に戻るだろう。だが今、ロシアの平和維持軍は、おそらく、ほとんど無人のナゴルノ・カラバフで平和を維持することになるだろう。繰り返すが、これは、パシニャンと彼のソロス派の徒党が避けることができたはずの不快な結果だ。この邪悪なピエロ連中を真に受けている全員の教訓になって欲しいものだ!

Sakerをご支援願いたい。

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-karabakh-war-is-over-the-crisis-is-not-what-comes-next/

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  もともとまずい翻訳の上に、ロシア語から英語への機械翻訳修正版からの翻訳、読みにくさが更に劣化。

 「しんぶん赤旗」記事 普通のIQがあれば答えられる疑問。

学術会議に10億円と攻撃するが
菅氏機密費から毎年11億円超
「閉鎖的で既得権益」なのは いったいどちらか

 日刊ゲンダイDIGITAL 田岡俊次氏記事

バイデンは大丈夫か? 彼はいつも戦争判断を間違えてきた

 デモクラシータイムスの番組二つ

コロナ感染最多でも「五輪確認」の暴挙!トランプ職務放棄で政治機能停止! WeN20201120

 辻元議員の新刊を巡るジジ対談

【辻元清美と2ジジ】衆院選に勝たなアカン(佐高信×早野透)20201117

2020年11月21日 (土)

もう一つのロシア・バッシングの好機となるアルメニア-アゼルバイジャン紛争

Michael Averko
2020年11月17日
Strategic Culture Foundation

 所定の人、あるいは組織が何をしようと、常に一部の連中は、過度に偏った論理を拒絶する姿勢で、アラを見つけるものだ。コロンビア大学の学者デイビッド・フィリップスの11月15日のナショナル・インタレスト記事「アルメニアは頭に銃をつきつけられて、停戦協定署名を強いられた」は、アルメニア-アゼルバイジャン紛争で、アルメニア自身を例外として、直接、間接に関与した関係者全員を非難している。

 フィリップスは、時の経過と共に偽善的に間違いだ証明済みの、アメリカ外交政策支配体制ネオリベ/ネオコン思想の化身だ。(セルビアとモンテネグロから構成された)1990年のユーゴスラビアのコソボと異なり、否定的にアルメニアが無理やり調印させられたことを否定的に強調しているのは、この偏見で説明できる。セルビアから引き離されたコソボは「解放された」のだと、フィリップスは歪曲している

 前述のナショナル・インタレスト記事で、フィリップスがロシア平和維持軍をけなしているのは偽善的に不適切で不正確だ。NATOに率いられたKFORコソボ治安維持部隊の治安維持作戦下、1999年後のアルバニア民族主義者によるセルビア人虐待に対する、彼の比較的迫力の対応を考慮すると、特にそうだ。それから再び、1990年代、バルカン地域での紛争時期に、セルビア人は往々、圧倒的に、ひどい悪役ばかり振り当てられた。かなり微妙な状況を明らかにしている、それとは反対の事実など、どうでもいいのだ。

 アルメニアとアゼルバイジャンを巻き込んだ紛争は、もう一つのそうした現実だ。アルメニアは過去不当に苦しんだが、現代のトルコとアゼルバイジャン(一部の他の国々も)それを軽視している。ソ連が崩壊した際、ナゴルノ・カラバフで、多数派のアルメニア人は、独立したアゼルバイジャンから分離しようとした。その後まもなく、無数のアルメニア人が、アゼルバイジャンの首都バクーで暴力を受けた。

 ソ連崩壊後、アルメニアはアゼルバイジャンより軍事的に一層熟練していたが、アゼルバイジャンは親トルコ/反ロシア志向の政府に率いられていた。この時期、旧アゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国(ソビエト連邦)のこの地域で、アルメニアは明確な支配を確立した。多くのアゼルバイジャン人が大変な状況でこの地域から逃れた。

 年月がたつにつれ、アリエフ家(父親と息子)は、ロシアがアルメニアとの関係を良くしようと務める中、ロシア-アゼルバイジャン関係を良くして、アゼルバイジャンを支配した。旧アゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国領土の一部のアルメニアによる支配の未来にとって、アゼルバイジャンの化石燃料の富と、(アルメニアと比較して)より多い人口は、幸先が良くなかった。

 旧アゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国の境界が現状のままであるべきだという見解に、アゼルバイジャンは独立国家として一度も逆らったことがない。この態度は固い国際的支持を得ている。(承認したいくつかの国で一部の州や町や、少数の係争中の旧ソビエト領域と異なり)アルメニアは、公式にナゴルノ・カラバフ独立や、公式にナゴルノ・カラバフをアルメニアの一部として認めず、ある意味、外交上、自身を否定したのだ。

 トルコによる、かなりの支持で、最近のアゼルバイジャンの軍事侵攻成功は、多くの人々を驚かせた。最も良く自国に対する、いかなる潜在的な軍師行動の情報にも通じていることは、何よりもまずアルメニアの責任だ。(好きか否かにかかわらず)勝てば官軍の世界で、アルメニアは大国ではないのだ。

 アルメニアのニコル・パシニャン首相は、ロシアに対し、非友好的なことを言い、そういう姿勢を実行して、ロシアとのアルメニアの立場を良くしなかった。ロシアの平和維持軍が関与する最近の平和協定署名が、より大きな敗北からアルメニアを救ったのだ。BBCの番組は、撤退するアルメニア兵士の一人を映したが、彼は戦争の中止を受け入れ、彼も戦友も殲滅されていたはずだと語っていた。近い将来、ロシアの平和維持軍の役割と、増加する世界的注目は、旧アゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国での、それ以上の暴力の可能性を減らすのに役立とう。

 ロシアには、アルメニアとアゼルバイジャンとの良い関係を求めるもっともな理由がある。アメリカは、数十年にわたり、北キプロス問題を含め、ギリシャ-トルコ紛争に関していがみ合ってきた。

 パシニャンは、メディア業界出身だ。もう一つのBBC番組が、協定に対するアルメニア国民の憤慨が、アルメニア政府が、当初、最近の戦いが実際どのように行われていたかを正確に説明しないことから生じていると伝えた。(今ジョージアで指名手配されている)元グルジア大統領ミヘイル・サーカシビリや一部のソロスお好みの旧共産圏ネオリベ連中を含め、民主的改革者としてのパシニャンのイメージが、今問われている。

 アルメニア-アゼルバイジャン紛争に関する、もう一つのロシア・バッシングは、11月11日のアルジャジーラの番組、インサイド・ストーリー「最近の停戦はナゴルノ・カラバフに平和をもたらすか?」で明らかだ。この番組はアルメニア当局者が出演を辞退したのを強調している。ロシア国の役割が侮辱されているので主要なロシア代表も出演しなかった。

 ゲストの一人、親トルコ派のマシュー・ブライザは、2008年、旧グルジア・ソビエト社会主義共和国の戦争がどのように始まったかに関する疑わしい説で、旧グルジア・ソビエト社会主義共和国におけるロシア平和維持軍の駐留を指摘し、ロシア平和維持軍を過小評価している。恥知らずに南オセチアに侵攻し、ロシア平和維持軍やロシア市民を殺したのは、ネオコン/ネオリベお気に入り、サーカシビリ下のグルジア側だった。

 ブライザは、アルメニアは、ボルシェビキ以来、おそらく最大の敗北を喫したばかりだと述べた。トルコもアゼルバイジャンもアメリカも認めないアルメニア人大量虐殺を考えると、何というたわごとだろう。私が反共産主義なのはともあれ、ソビエト社会主義共和国連邦は、アルメニアに共和国を与えていたのだ。ソ連邦以前には、主として彼らがトルコよりロシアを好んでいたため、アルメニア人は虐殺され、大挙して家から追いだされていたのだ。

 Michael Averkoは、ニューヨークを本拠とする、独立した外交、メディア批評家

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/11/17/armenian-azeri-dispute-offers-another-russia-bashing-opportunity/

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 「IOCバッハ会長、雪隠詰め 五輪反対の市民が包囲」という記事を読んで、子ども時代のハガチー事件を思い出した。アイゼンハワー大統領訪日打ち合わせのため来日した大統領報道官の車が、反安保抗議集団に包囲され身動きできなくなり、警官隊が開けた空間に着陸した海兵隊ヘリコプターで救出された事件だ。結局、アイゼンハワー大統領訪日も中止になった。どうやら、オリンピック、デモ隊によってではなく、コロナで中止という悲惨な結果になりそう。

 御用学者の支離滅裂説明に唖然。まるで認知症。医師会尾崎会長の主張は納得できる。インパール・ガダルカナル同時並行自滅作戦。昼なり夕方なりの大本営洗脳呆導バラエティ、相撲の合間にチラリ眺めたが、すしろうを始め御用タレント全員、首相のマスク食事、都知事の「こ」パネル提案の実践方法を語る愚劣。適切なPCR検査とは決して言わない。

 今日の孫崎氏のメルマガ題名は下記の通り。

菅首相「GOTO」キャンペーン見直さない理由を「専門家も現時点でそのような状況でないとの認識と発言。だが尾崎都医師会会長は、GoToトラベルの一時中断見直し求め、政府のコロナ分科会も「GoTo」の感染拡大地域での見直しを提言。菅首相どうされますか。

 御用学者でなく、首尾一貫して事実に基づいて発言しておられる児玉龍彦氏の最新発言、下記デモクラシータイムス番組で拝聴できる。

第3波急拡大 コロナ最新知見とこの冬を乗り切る戦略【児玉龍彦×金子勝 新型コロナと闘う】20201118

 宇野重規教授が書いた「暴君」、百歩譲って、自国のために妄想している「暴君」なら、どこかあきらめようがあるかも知れない。しかし、今の暴君、宗主国大企業の走狗、あやつり人形暴君に過ぎない。国会質問には、残念ながら本質的意味はない。あらゆる問題は、傀儡ではなく、黒幕のケケ中とアトキンソンを呼び出して質問するべきだろう。

 LITERA

学術会議任命拒否 宇野重規教授が朝日の書評欄に書いた「暴君」論が「菅首相のことを書いているとしか思えない」と話題

2020年11月19日 (木)

コーカサスで責任を引き受けるロシア

2020年11月16日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 地域内を見て、解決策を探るというイランが提案した戦略を大いに借用して、ロシアが、ナゴルノ・カラバフ和平協定を仲介し、ロシアはコーカサスの中央舞台に登場した。アメリカの政治が完全に混乱し、注意散漫で、ジョー・バイデンが大統領に就任しようとしており、「民主主義強化」の名のもとに、ロシアの周辺地域で、ソフトな介入をするため、より多くの資源を割り当てようとしている時に、これは起きた。地政学の見地からすれば、ロシアの動きは、アメリカが将来、この地域で行えることへの大打撃だ。ロシアは、現在、シリアからリビアに至るまで、何度となく、効果的がなく、不安定なことが分かっている第三者の干渉と、欧米が仲介する解決に、全く反対だ。これが、ミンスクグループを始動させる代わりに、ロシアが自ら調停者役を務めることに決めた理由だ。

 実際、この合意は、この地域には、ロシアのいわゆる「石だらけの道」は存在せず、ロシアには「複雑さ」の中を進む能力がなく、アゼルバイジャンのような国は、トルコや中国との関係を通して、ロシア拡張主義の影響力に拮抗できると信じ続けているアメリカ政策立案者にとってさえ、存在しないことを証明している。アゼルバイジャンが、トルコの軍事的、外交的支援と、多くの領域を支配下に置いたのにもかかわらず、ロシアの調停を受け入れたことは、広く流布されている「ロシア拡張主義」という概念は、事実無根であるのみならず、地域の国々をロシアから引き離すために、ロシアの特に否定的な印象を引き起こすために、カーネギーなど、大企業に資金を供給されたシンクタンクが、作り出して推進している宣伝攻勢の一環であることを示している。

 和平協定は、「南コーカサスと、より広範なソ連後の地域でのロシア政策は、これらの国々が石だらけの道に戻るように強要している」と言う前述のカーネギー報告の結論を強く否定している。逆に、合意は、いわゆる石だらけの道が存在しないことを示している。そして、たとえそれが存在したとしても、それは今や完全に舗装されている。

 協定は、ロシアが平和の保証人になることを可能にした。これは最近提案された、平和維持のためにコーカサスに外部勢力を派遣できるアメリカ解決策と異なっている。アメリカにとって、現状では、ミンスクグループは重要ではなく、ロシアが、この地域の対立を終わらせることが可能な解決を求めるため内部を見るのを可能にするのは既に明白だった。

 外部からの介入は、プーチンが最近のSCO上海協力機構演説で若干詳細を述べたように、状況を悪化させるだけのはずだった。プーチンの言葉を引用しよう、

 「我々の共通安全保障の、一つの明らかな課題は、SCO活動に関与している各国への直接の外国による内政干渉の試みの増加だ。私はあからさまな主権侵害、社会を分裂させ、国家の発展の進路を変え、その発展に何世紀もかかった既存の政治的、経済的、人道的結びつきを断とうする試みのことを言っている。

 「外部勢力による、この種攻撃が、SCOオブザーバー国ベラルーシに向けられた。大統領選挙後、我々のベラルーシの友人たちは、未曾有の圧力下に置かれ、彼らに対して行われた制裁や挑発や情報戦争やプロパガンダ戦争を追い払わなければならなかった。」

 ロシアにとって、その裏庭での平和維持で中心となり、地域外軍隊の介入を許さないことは、トルコの野心の阻止も含まれる。そのため、トルコとアゼルバイジャンの主張にもかかわらず、ロシアと共に地域でのトルコ部隊駐留は即座にクレムリンに拒絶された。

 「公表された声明で、これについては一言も言われていない」とクレムリン報道官ドミトリ・ペスコフが火曜日に記者団に語った。「双方はそれについて合意しなかった。カラバフにおけるトルコ軍兵士の駐留は調整されなかった。」

 その権益を推進するための代理として、資金供給したジハード集団を送り込むトルコのやり方に、ロシアは明らかに、うんざりしているのだ。

 現状では、これらジハード集団は、近代的なオスマントルコ帝国を再現する彼の意欲的な計画で、エルドアンの前線兵士になっている。このオスマントルコ帝国は、物理的、領土的な国境はないが、をトルコ国境を遥かに超える「新オスマン」イデオロギーの国境を作り出して、トルコ自身をイスラム世界の指導者になるのを可能にする予定だ。

 この紛争でのロシアのソフトな介入は不可避だった。それはミンスクグループを通して起こすことができたはずだ。だが、ロシアが自身で(プーチンは、マクロンとエルドアンと調整したが)これをした事実は、外部勢力駐留の、いかなる可能性も、きっぱり拒否したことも含め、この地域でロシアの自信が増加していることを示している。

 トルコがシリアとリビアから送ったジハード軍隊全員を退去させることを保証できるなら、トルコ自身の軍隊を、この地域で保有することを可能にして、ロシアがトルコと提携するかもしれないが、南コーカサスにおいて、ほぼ今後五年間、ロシアの足場が、他のいかなる勢力の駐留も見劣りさせるのは否定できない。それは、シリアにおけるトルコの、大量駐留にもかかわらず、トルコが彼らに有利なように事態を操作する最小の余裕しか与えずに、ロシアが采配を振るい続けている方法と全く同じだ。

 過去五年にわたり、その権益が明らかにアンカラに衝突するように思われた状況で、それ自身の目標を達成することが可能だった、トルコに対処するロシアの能力は、驚くほどだ。現状では、もしアンカラが、アゼルバイジャンに対する野望の一部を実現したいと望むなら、その道は必然的に、モスクワを通ることになる。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/11/16/russia-takes-charge-in-the-caucasus/

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 続々休場が増える相撲、飽きずに見ている。多少とも芝居の側面はあるにせよ、大本営広報部の政治報道よりは遥かにスリリング。

 バッハと握手しようとした彼氏のめでたさ。驚かない。

 雑誌・新聞見出しを見ていて、この冬起きる阿鼻叫喚の事態が恐ろしい。与党・マスコミの人為的大惨事。スェーデンでさえ、これまでの方針を反省しているのに。

 LITERA記事 (今、大阪市廃止投票をしていたら、僅差ではなかったかも。)

東京493人よりもっと深刻! 大阪のコロナおざなり対策が酷すぎる…重症病床使用率ごまかし、都構想にかまけてやってる感アピールだけ

 日刊ゲンダイDIGITAL もちろん東京も立派。

東京は5指標が感染急増「ステージ3」それでもまだGoTo死守

北海道の新規感染者は240人超に…過去最多の見通し

2020年11月14日 (土)

ナゴルノ・カラバフ戦争の結果を理解する

2020年11月11日
The Saker

[本分析はUnzレビューのために書かれた]

 これまでの2日で非常に多くのことが急速に起き、何が起きたかを要約する箇条書きで、この分析を始めよう(時系列を含め、配列に、意味はない)

  • 終わったばかりの戦争は本物の大量殺人で、それは(双方を計算に入れて)ソ連がアフガニスタンでの10年戦争で失ったものより多くの死傷者をもたらした。
  • 戦争は、今や終わり、ロシア平和維持軍が、既に境界線沿いに配備された。これまでのところ、いずれの側もあえて(詳細は下記)戦争を再開していない。
  • アリエフ大統領が、戦争がアゼルバイジャン軍にとっての勝利で、パシニャンは何も得なかったと宣言し、バクーでは、2日間の祝典があった。彼は正しい。
  • アゼルバイジャンは今、アルメニアに賠償を要求すると宣言している。
  • 今アゼルバイジャンにはトルコ軍がおり、ロシアとトルコの軍隊が行動を調整するため合同委員会を設置した。
  • エルドアンは、トルコは平和維持軍を送りたいと主張したが、プーチンが断固としてこの要求をきっぱり拒絶した。他のあらゆる国と同様、アゼルバイジャンも、領土に外国軍隊を招く議論の余地がない権利を持っているが、これら軍隊は平和維持軍という地位と権利を持つまい。
  • 激しい暴動がエレバンで起き、暴徒が政府庁舎を襲撃し、当局者を殴打し、議会を破壊した。
  • 17のアルメニア野党が、国家救済委員会とパシニャン辞任が必要だと宣言した。
  • パシニャンがどこに隠れているか誰も知らないが、彼はまだアルメニアのどこかにいるように思われる。
  • これら暴徒はエレバンで、ソロス事務所も破壊し、今「裏切り者」パシニャンをリンチにかけようとしている。
  • パシニャンはツイッターで、事務所が略奪され、コンピュータと運転免許と、私はからかっているわけではないが、1本の香水(香水を付けた哀れな赤ん坊!)が盗まれたと苦情を述べた。
  • ロシアの平和維持軍はそれ自身中央軍軍管区の第2親衛諸兵科連合軍の一部である第15独立自動車化狙撃旅団のサブユニットで構成されている。それは約2000人の武装兵士、装甲兵員輸送車と歩兵戦闘車、特殊車両(電子戦争、C3Iなど)、ドローンや防空システムを含んでいる。
  • ロシア平和維持軍は、この地域に、少なくとも5年間配備される。
  • ロシアは今ナゴルノ・カラバフ(NK)回廊とナヒチェバン回廊の両方を支配するだろう。

今この戦争の終わりに、各当事国の立場を見て、それらを比較しよう。

 アルメニア:アルメニアが、この戦争最大の敗者であることは疑いようがない。パシニャンと彼のロシア嫌いソロス派の一団は、彼の国民に本物の災難を引き起こした。彼は集団安全保障条約機構CSTOへの、いかなるアルメニア参加も拒否し、ロシアとの(諜報と安全保障分野を含め)どんな協力も完全に終わらせ、彼の反ロシアの動きが、ほとんどまったく含んだ力に到達したから、彼はアルメニア軍と保安部隊から、全ての「親ロシア」分子と思われる人々を追放し、ロシア語学校を禁止した。対照的に、アルメニアは、約2000人の人員(ロシア平和維持軍!総員と同じ人数)の実に巨大なアメリカ大使館があり、アゼルバイジャンが攻撃した時、パシニャンは、丸一カ月、ロシアに助けを求めるのを拒否した。彼はその代わりに、トランプ、メルケルとマクロンに助けを求めた。言うまでもなく、危機が沸き起こった途端、彼らは全く何もしなかった。

 本当のことを言えば、アルメニアはアゼルバイジャンの条件を受け入れる以外に絶対に他のどの選択肢もなかった。アゼルバイジャンが、ナゴルノ・カラバフの首都ステパナケルトと、ナゴルノ・カラバフとアルメニア間の回廊の両方を支配する鍵となる戦略上重要な都市シュシを占領した一方、アルメニアは莫大な損失をこうむった。もしパシニャンが署名していなければ、包囲されたアルメニア人はアゼルバイジャンに虐殺されただろう(この戦争で、双方とも、ほとんど捕虜を持っていないと報じた。なぜか? なぜならほとんど全員が、双方によるぞっとするような拷問後に処刑されたから)。ロシア人評論家たも、アルメニアが補給を非常に速く使い果たしていた(パシニャンも言及した事実)と言っている。

 簡潔に言えば、こうだ。アリエフの計画は効果があって、度し難く傲慢なアルメニア指導者と、自滅的な政策から、アルメニアは、ナゴルノ・カラバフの完全な喪失と、ひょっとすると、彼ら国の存在そのものさえの代償をはらったのだ。最良のアルメニア士官が(アルメニアが勝った最初のカラバフ戦争の英雄を含めて)全員排除され、残っていた連中は、アルメニアは、ロシアの手助けなしを含めどんな手助けもなしで、戦争に勝ち、軍隊はバクーにまで進軍できる(そう、彼らは一部のウクライナ指導者連中と同じぐらい妄想をいだいているように聞こえる)と約束した妄想をいだいてた役立たずだった。

 トルコ:二番目の敗者は、全てのチュルク民族を新オスマントルコ帝国の下に、まとめるという目的が、予想通り、この戦争で崩壊したトルコだ。またしても。エルドアンは世界的な誇大妄想狂で、問題児で、彼はトルコをシリア、イスラエル、イラク、ギリシャ、リビア、イラン、ロシアと(ある程度)さえ、NATOとの戦争(あるいは準戦争)に巻き込んだ。それに、至る所でのクルド人に対する血まみれの作戦を忘れないようにしよう。彼は正真正銘の誇大妄想狂で、彼は非常に非常に危険だ。ロシアは、帝国気取りのトルコの立場を否定するため、シリア、リビアと、今アゼルバイジャンで軍事介入したが、その度毎に、トルコは、帝国を築くための資源を持っておらず、特に、エルドアンが、同時に、いくつかの戦線で紛争開始するのは大惨事の処方箋であることを理解していないのを我々は目にしている。

 アルメニア領空でのロシアMi -24を撃墜したのはトルコだったというかなり高い可能性がある。彼らの狙いは、ロシアに交渉による解決を求めるのを辞めさせ、戦争の継続を押し付けることだった。アリエフの素晴らしい戦略上の技能のおかげで、彼は、かなりスマートにやることが可能になったのだ。彼が悲劇的な過ちと呼んだもののかどで、彼は責任を引き受け、あらゆる補償と弁解を提供した。アリエフの、責任を取るという決断は、おそらく、彼と(親友である)プーチンが、外交官が「率直な意見交換」と呼ぶものした後のことだ。

 トルコはアゼルバイジャンがアゼルバイジャン内にトルコ軍を招いた事実を、大げさに言いたてている。だが正直になろう。アゼルバイジャンとトルコは常に親密で、アゼルバイジャンがアゼルバイジャン国内に合法的にトルコ軍隊を招くのを阻止できる結末はあり得なかった。本当に重要な問題は、これら軍隊に何ができるかだ。我々は、どんなトルコ軍でも有害な可能性を決して無視するべきではないが、この軍隊ができるのは、a)状況を監視し、2)ロシアと、お互い邪魔をしないように調整すること以外何もない。だがこれら軍隊ができないのは、アルメニア軍、そして/あるいはロシア軍を攻撃したり、あるいは攻撃すると脅迫したりすることだ(以下が、その理由だ)。

ロシア:ロシアはこの戦争で唯一本当の勝利者だ。アメリカにも、ヨーロッパにも、そしてロシアにも強力なアルメニア圧力団体があり、彼らは今回の敗北を、ロシアの敗北に見せようとしている。率直に言って、私は彼らの恨みを理解し、彼らを気の毒に思うが、彼らは絶対間違っている。 理由はこうだ。

 まず、ロシアは今、平和をもたらすことができるコーカサス唯一の勢力としの立場を確立した。エレバンの2000人のアメリカ要員は、何年もの間、本当にアルメニアを助けるために全く何もしなかった、彼らがした全てと言えば、アルメニアに自殺的なロシア嫌い政策を強制したことで、それだけだ。同じ人数のロシア軍兵士は、一夜で文字通り、平和をもたらした。ここで私はアゼルバイジャンに派遣された部隊について少し説明しなければならない:第15独立自動車化狙撃旅団(15IMRB 15th Independent Motorized Rifle Brigade )だ。

 15IMRBは、欧米世界の意味での平和維持軍ではない。これは平和維持と和平調停(ロシア語の用語では「平和の強要」)任務を専門とするエリート戦闘集団だ。要員は、100%、大部分が広範な戦闘経験を持っている専門家で構成されている。彼らは08年8月8日にジョージアで、そしてシリアで、平和強要作戦に参加した。彼らは一線級の、良く訓練され、素晴らしく装備した人々で、彼ら自身の能力に加えて、完全にアルメニアのロシア軍と、ロシア軍全体の全面的支援を期待できる軍隊だ。 彼らが軽武装した名ばかりの部隊だと言う人々は、こうした問題を理解していない。

 この戦争の戦域全体が、ロシア国境から1000キロ以内で、戦争が勃発した場合、ロシア軍が支配をエスカレーションできるよう望んでいる地域にある。繰り返すが、ロシア軍は、アメリカ軍のように組織されているわけではない。ロシアの軍事方針は純粋に国防で、これはプロパガンダではなく、それは、ロシア内のどこであれ、ロシア国境から約1000キロ以内で、この領域に入るいかなる戦力でも破滅させる防衛のために極めて迅速に、十分準備された機甲化部隊を派遣する能力に依存している。ロシアは派遣されたタスクフォース部隊防衛で、多くの火力を放てる高性能兵器システムに依存している。言い換えれば、15IMRBは旅団規模の遠征軍に過ぎないが、それは増援隊(要員そして/あるいは火力)がロシアから派遣されるまで、本腰を入れて、陣地を維持するよう訓練されているのだ。これは、シリアでのロシアタスクフォースに似たものと見なせるが、ロシアにずっと近く、従って、必要とあらば支援がずっとより容易だと考えられる。

 ロシアのMi -24を撃墜に戻ると、この行為は注目されずに終わったり、忘れさられたりしないのは確実だ。プーチン(そしてロシア軍)が、アメリカがそうしてであろう風に、行動して、即座に報復を始めていない事実は、ロシアが気にかけていなかったり、忘れていたり、恐れていたりするのを意味しない。「優雅な生活が最高の復讐だ」」と言うユダヤの格言がある。私は、プーチンのモットーは「有利な結果が最高の復習だ」と言い替えたい。これが我々がシリアで見たものであり、これがアゼルバイジャンで起きることなのだ。

 もう一つロシアにとって有利な点は、ロシアは今(正直に)カラー革命は必然的に領土損失(ウクライナ、ジョージーと今アルメニア)と政治的混乱(全ての場所で)をもたらすと宣言できることだ。

 次に、どうか次の地図(ロシア語だが、問題はない)をご覧願いたい。

 二本の太い青線をご覧願いたい。それはアゼルバイジャンと、アゼルバイジャンの州ナヒチェバン間の回廊、アルメニアとナゴルノ・カラバフ間の回廊を示している。この二つの通路は両国にとって、絶対的に重要で、今連邦保安庁国境警備兵の支配下にある(ロシア国境警備兵は、訓練と能力の上で、空挺部隊の同僚に似た、軽武装、機動、精鋭部隊だ。再び、彼らを、アメリカやEUの国境、あるいは関税官のようなものとは思わないように)。彼らは、増援部隊がくるまで、極めて優位な勢力と戦うよう訓練されている非常に屈強な精鋭部隊だ。

 戦略上、それが意味するのは、ロシアは、今アゼルバイジャンとアルメニア両国にとって肝要な戦略上の幹線を、しっかり掌握しているということだ。当事者のいずれも、これについて発言しようとはしておらず、誰にも恥をかかせる必要もないが、プーチンが、ロシアにとって素晴らしい圧力をコーカサスに加えたかを事情に詳しい人々は悟っている。これらの回廊が両国の急所に向けられたロシア手中の戦略上重要な短剣であるのを悟れば、これらの二つの回廊は、両国にとっての命綱と考えることができる。

 「プーチンは旧ソ連邦諸国の支配を失った」というスローガンを歌っている、いつものプーチン嫌い聖歌隊は今、自分たちの理解不足を恥ずかしく思い、彼らの希望に対して「プーチン」がしたことで怒り狂っているが、その種の魔術的思考は地上の現実を変えるまい。何かを失うどころか、プーチンは、死亡した二人の兵士、一人の負傷者と、一機のヘリコプターを犠牲にして、ロシアの巨大な戦略上の勝利を確保したのだ。

 今後、ロシアはアルメニアとアゼルバイジャン両国に、恒久的部隊を維持するだろう。ジョージアは実質的に無力化された。ロシアのコーカサスは、大半平和で、繁栄しており、黒海とカスピ海両方は事実上「ロシアの湖」で、ロシアの「急所」は、今までそうだったより今遥かに強い。

欧米勢力が、いつ似たような結果を達成するかを見よう:-)

結論

 この戦争は今凍結されているだけで、シリア同様、挑発や、偽旗、妨害や、無辜の人々の殺害があるだろう。だが、シリア同様、プーチンは常に、多くの恫喝やスタンドプレーや即座の報復よりも、損失最小の静かな戦略を好んでいる。私が「プーチンの軍事力行使原則」と呼んでいるものもある。使うと予想されている場合には決して武力を使わずに、一番予想されていない時に、常に敵が計画していない形で武力を使うのだ。だが、決して良い面だけ見ないようにすると、確実に妨害があり、エルドアンは腹を立てていて、一役演じたいと望んでいる。プーチンは、典型的なロシア手法で、彼にその「役割」を与えるだろうが、その役割は最小で、主にトルコ国内宣伝用だろう。エルドアンは、新たな征服王、メフメト「素晴らしい鷹」から、ほど遠く、敗者「負けたニワトリ」として歴史に残るだろう。誇大妄想は帝国構築者に必要条件かもしれないが、それだけでは明らかに十分ではないのだ。

 次に何が起きるだろう?

 パシニャンが打倒されるのは、かなり確実だ。 アルメニアにとって最も重要なのは、彼に取って代わる人物だ。パシニャン徒党と同じぐらいロシア嫌いの反パシニャン民族主義者がいる。更に、アルメニアでおきているヒステリーを考えれば、新政府が停戦を破棄して「最後まで戦うこと」を要求するかもしれない実際の可能性がある。これはアルメニア国内のロシア軍や平和維持軍を含めて、重大な問題であり得るが、アルメニア人が実際に、1)自分たちがだまされていて、2)完敗したことを理解すれば、こうした呼びかけは、最終的に、より健全な声(現在刑務所に入れられている2018年以前の指導者たちを含め)に圧倒される可能性もある。

 ロシアには膨大な数のアルメニア人移民がいて、彼らは、ロシアで報じられる、あらゆる報道や分析を聞いていて現実を完全に知っている可能性がある。彼らは、アルメニアが他の何より今必要としている、ロシアとの密接な協力を要求するだろうから、率直に言って、この移民は、アルメニアにとって膨大な資源だ。現在、親アルメニアのロシア人評論家たちが言っていることから判断すると、アルメニア人と彼らの支持者は、この結果にすっかり怯えていて、彼らはトルコが今深く内部にロシアの勢力圏に入り込んだと断言している。彼らにとって健全な回答は、ロシア勢力圏へのこのいわゆる「動き」は主にPRで、トルコの勢力圏内に、多少のロシア勢力が入り込むより、ロシアの勢力圏内に、多少のトルコ勢力がはいり込むほうが、遥かに良いだろうということだ。言い換えれば、これらのアルメニア支持者が、エルドアンがロシアの勢力圏内に深く入ったと言う場合、彼らは、それがトルコではなく、ロシアの勢力圏であることを認めているのだ。彼らは自分たちが何を言っているかわかっておらず、それだけのことだ。

 率直に言って、ロシアや、EUや、アメリカ在住アルメニア人は素晴らしく組織されており、彼らは膨大な金を持っており、彼らは現在、EUやアメリカで(彼らはロシアでも試みたが、惨めに失敗した)言説を支配している。これに加えて、アリエフが戦争を始めた人物で、彼はエルドアンのトルコに深く取り込まれており、アルメニアの敗北の大きさが、なぜ欧米メディアで組織的に軽視されているという事実がおわかりだろう。結構。数カ月たてば、状況の現実が、現在否定している人々も最終的に納得させるだろう。

 今、これが正に(暴力的に)エレバンで起きている過程だ。だが遅かれ早かれ、略奪する暴徒は、何らかの挙国一致政府に変わり、その政府が、恐ろしい損失を終わらせることを望んで、残っているものを再構築したいと望めば、彼らはクレムリンに電話して、ロシアに何らかの取り引きを申し出なければなるまい。言うまでもなく、巨大なアメリカ大使館や、ソロスが資金援助する何百もの「NGO」は全力でそれに反対するだろう。だがアメリカ自身生き残りのため戦っており、EUは完全に混乱しており、トルコは、やることなすこと失敗しているのだから、それは到底、実行可能な選択肢ではあり得ない。

 ロシアには、1人のアルメニア人をだますには、二人のユダヤ人が必要だという冗談があるが、これはつまり、アルメニア人はユダヤ人(公平に言って、虫のいい、自己崇拝的宣伝ほど、賢くはない)より、おそらく、もっと頭が良いことを意味している。私はアルメニア人に対する、この称賛に同意する。アルメニア人は、古来、実に高貴で、美しい人々、文化で、歴史上で多くの恐怖を経験してきたが、平和で安全に暮らすに値する。 彼らはこのCIA/MI6の手下、パシニャンより遥かに良い指導者に値する! 今、確かに、アルメニアは、「民主的」90年代のロシアや、現在アメリカで起きている「リベラル」恐怖に相当する、史上最悪の時期にある。だが、ドストエフスキーは、こう言うのを好んでいた。「国は、どれほど低く落ち込めるかによってではなく、どこまで高く上昇できるかによって判断すべきだ」。

 客観的に、アルメニアにとって最善なのは(アルメニアは最近までそうだった)ロシアの一部になることだろう。だが、そういうことにはなるまい。そもそも、アルメニア人の愛国心は盲目的で、鈍感で、さらに、ロシアは決してロシア連邦にアルメニアを受け入れないだろうし、ロシアが受け入れる理由があるだろうか? アルメニアは、潜在的に危険な隣国があり、守るのが困難な領土以外、ロシアに提供すべき何もない。ロシアは決してアルメニアを失ってはいない。ロシアを失ったのはアルメニアだ。今クレムリンがアルメニアに提供するのは、せいぜい1)全ての隣国からの保護と2)経済支援だ。

 後は、次のアルメニア政府が(過去数年間そうだったように)言葉だけでなく、(機密情報交換、軍事協力、共同安全保障作戦などの再開)行動でCSTOに再び加わるかどうか見よう。それがアルメニアにとって、大きな第一歩だろう。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/understanding-the-outcome-of-the-war-for-nagorno-karabakh/

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 原発再稼働知事発言の無謀さ。原発と乗り物が同列の狂気!こういう人物を選ぶ不思議。痴の巨人による原発擁護発言を思い出した。

 私は再稼働は必要だと考えている。原発がある以上、事故が起こる可能性はある。事故があったからダメとなると、すべての乗り物を否定することになる。技術革新をして人類は発展してきた。

 庶民生活には無関係な話題ばかり延々垂れ流す大本営広報部、自宅テレビなら消せるが外出先のものは触れない。

 西谷文和 路上のラジオ 昨日は、下記二編のインタビューを拝聴 39は前川氏

Vol.39 「スガーリンの恐怖政治を乗り越えて民主主義を取り戻そう」2020/11/10

Vol.38 「望月衣塑子記者に聞く“あなたに答える必要はない”の菅政権のこれから」2020/10/26

 植草一秀の『知られざる真実』確かに奇妙。

世にも奇妙な物語

 大本営広報部、驚くほど『種苗法』改定の話題を見事に消し去っている。日本人全員の深刻な食料問題。

【タイムリー再配信 793・IWJ_YouTube Live】20:00~「国民の声が日本の農家と食卓を守る!『種苗法』改定を廃案へ 多国籍企業に日本の種を支配させるな!! 岩上安身によるインタビュー 第997回 ゲスト『日本の種子を守る会』元農林水産大臣 山田正彦氏 後編(後半)」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 5月24日に収録した、岩上安身による山田正彦氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた種苗法関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%a8%ae%e8%8b%97%e6%b3%95

2020年11月12日 (木)

「あなた方は検察官のような言い方をされる」:アサンジを持ち出し「報道の自由」でBBCジャーナリストをやりこめたアゼルバイジャンのアリエフ大統領

2020年11月9日19時38分
RT

 BBC記者オーラ・ゲーリンが、アゼルバイジャンでは報道の自由が欠如していると言われていることについて、アリエフ大統領に質問したが、彼がジュリアン・アサンジ幽閉で、彼女を厳しく追求して、彼女が思いもしなかった結果に終わった。

 月曜日、ゲーリンのアリエフ・インタビューは、このジャーナリストが、アゼルバイジャン国民は、国家に容認されていないメディアを見聞きできず、人権を十分享受できていないと主張し、証拠として、「多くの独立情報提供者」を引用したが具体名は言わなかった際に、思わぬ方向に展開した。

 この発言は、イギリス司法のおかげで苦しんでいるジュリアン・アサンジの扱いを考えれば、イギリスには、自由と人権の問題で他国に「説教する」「道義的権利」はないと言う、大統領の怒りに満ちた非難を引き出した。

「こういうことをしながら、あなたは報道の自由について語る道義的権利はない」:#アゼルバイジャンでの報道の自由について問われて、イルハム#アリエフ大統領は、#BBCに、ジャーナリズム活動のかどでの、ジュリアン#アサンジの「道徳的、物理的殺人」を想起させた。pic.twitter.com/PiEUmSyJjQ
- RT (@RT_com) 2020年11月9日

 「アサンジの話をしましょう。彼はエクアドル大使館で一体何年暮らしましたか? 何のために? 今彼はどこにいますか? ジャーナリズム活動のかどで、あなたは道徳的に、身体的に、実際に彼を殺し、この人を人質にしています。我々でなく、あなた方が、そうしているのです」とアリエフは言った。

 2012年、エクアドルに認められた亡命が撤回されるまで、アサンジはロンドンの大使館で7年過ごした。彼はそれから逮捕され、アメリカへの犯人引き渡し裁判を待って、イギリス首都のベルマーシュ最高警備刑務所に移された。

 このウィキリークス創設者は、2010年に、元米軍人チェルシー・マニングが内部告発者となって、彼女が機密の軍文書を漏洩するのを支援したことも含め、アメリカによって、様々なコンピュータ犯罪の罪で告発されている。

 アサンジは、スウェーデンでも性的暴行罪に直面していたが、その嫌疑は既に撤回されている。彼はそれらを、彼を政治的に迫害して、彼を引き渡す口実だと見なしていた。

 彼の支援者たちは、彼に対する訴訟は、報道の自由に対する大きな脅迫だと主張し、彼の身体と精神的健康が、2019年の逮捕以来、深刻に悪化していると警告している。

 特に他国の、おそらく完ぺきでない人権実績の話題で、欧米メディアの異様に強引なインタビュー手法についても、アリエフはゲーリンに質問した。

 「それは質問ではありません。非難です。あなた方は検察官のような言い方をされる。なぜですか? もしあなた方が、それほど民主的で、それほど客観的なら、あなたはなぜアサンジを刑務所に拘留するのですか?」、欧米は「人の所にやってきて、説教する」前に「鏡に映った自分の姿を見る」必要があると彼は付け加えた。

 友人たちが興味を持つと思われるだろうか? この話をお伝え願いたい!

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/506226-azerbaijan-president-freedom-uk-assange/

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 日本中いや世界中のジブリ・アニメ・ファン、彼の卑劣さを、心から知るだろう。「熱風」は、ゴミのような右翼雑誌とは、読者の質、影響力ともに、桁違いだと思いたい。

菅首相に抵抗し飛ばされた元総務官僚・平嶋彰英がジブリの雑誌で青木理に語った恐怖支配の実態!「あそこまでひどい人はいない」

 再稼働を宣言する人物、個人的には、ゾンビーに見える。宮城県、水道民営化も推進中だという。買弁政治家、大阪だけではなく、日本に満ちている。

 植草一秀の『知られざる真実』

今も原子力緊急事態宣言下の日本

 うれしいことに、今晩、東アジア共同体研究所須川清司上級研究員インタビュー! 第3弾!

【IWJ_YouTube Live】18:00~
米中戦争前夜における日本主体の安全保障論(3)バイデン氏になっても米軍の戦略に大きな変化はない! 変化なき米軍の戦略が中国にどう影響するのか! 日本列島が盾になる!? 両国のミサイル戦略を中心に岩上安身が東アジア共同体研究所須川清司上級研究員にインタビュー! 第3弾!
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

2020年11月 4日 (水)

トルコにコーカサスから手を引くよう警告するシリアでのロシア猛攻撃

Finian Cunningham
2020年10月28日
Strategic Culture Foundation

 報道によれば、今週ロシア戦闘機が、未曾有の武力誇示で、北シリアでのトルコが支援する過激派戦士要塞への壊滅的攻撃を開始し、最大100人の戦士を殺害した。それはこのアラブの国におけるアンカラ代理部隊への衝撃的打撃だった。

 この空爆は、シリア北西部イドリブ州のデエスカレーション区域を維持するため、ロシアがトルコと交渉した7カ月の停戦に終わりを告げた。ロシアが仲介し停戦は、アンカラが、シリアで、ほぼ10年にわたる戦争中に支援し、トルコとの国境地帯に引きこもっている過激派闘士を総崩れにさせるためのシリア軍による攻撃の歯止めと見なされていた。

 今週の攻撃は、報道によれば、シリア軍と同盟国ロシアの共同作戦だった。これは、ダマスカスに、トルコに支援される反政府派から全ての領域を奪還するための攻撃再開をモスクワが承認していることを示唆する。本格的戦闘が再開したように見える。

 報道によれば、標的はシャーム軍団としても知られるイスラ主義集団ファイラック・アルシャムの主要訓練キャンプだった。欧米メディアは、この集団を「穏健反政府派」と呼ぶが、連中はアハラール・アル・ シャームやジャーイシ・アル・イスラムのような周知のテロ関係団体と連帯している。それはジハード戦士の宣伝部隊、いわゆるホワイト・ヘルメットとも繋がっている

 報道によれば、イドリブのシャーム軍団はトルコの主要イスラム主義集団で、それを通して他の過激派戦士と連携している。連中はトルコのシリアにおける違法機密活動の要だ。

 ロシアとシリアが、トルコの重要部隊に対して、このような徹底的猛攻を開始したのは、アンカラへの強烈な警告としか見なせない。

 何に対する警告だろう? 最近シリアで起きている何かで引き起こされたようには思われない。むしろ、この衝撃と畏怖攻撃は、ロシアの南コーカサス地域のアゼルバイジャンとアルメニア間の戦争で侵略を推進するのをやめるようアンカラに言うモスクワの方法だったように思われる。

 9月27日、係争中のナゴルノ・カラバフ地域でのアゼルバイジャン-アルメニア戦争勃発は、ロシアにとって憂慮すべき安全保障上の懸念だ。双方で、約30,000人が亡くなったの6年間の戦争が1994年に終わって以来、最悪の武力紛争で、これまでの四週間で、何千人もではないにせよ、何百人もが亡くなった。

 アゼルバイジャンに対するトルコの支援が、紛争に拍車をかけているのは、ほとんど疑いようがない。ナゴルノ・カラバフをアルメニアから解放することに関するアンカラの好戦的言説は、アゼルバイジャンに軍事解決を追求するよう鼓舞した。

 トルコは、歴史的同盟者のアゼルバイジャンを、F-16戦闘機の供給に加えて、ミサイルや無人飛行機などの高度な兵器で武装させた。トルコが、アゼルバイジャン軍と闘うべく、傭兵部隊を何千人も、北シリアから移動させたという信用できる報道もある。

 トルコが、自身の特殊部隊員1,200人以上を、山が多いカラバフ地域に配備したという報道もある

 アンカラがこの紛争への関与を増強していることが、これまでの一ヶ月間、ロシアによる三度の停戦仲介の試み(最近調停者として、アメリカも)が、なぜ停戦を守るというアゼルバイジャンとアルメニアの誓約にもかかわらず破綻したかの説明になる。

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が、南部のすぐ近くで、モスクワにとっての問題を起こすことで、シリアでの政権転覆というアンカラ計調停者画が、ロシアが支援して潰されたことに報復しようとしているという示唆もある。アゼルバイジャン-アルメニア戦争がエスカレートすれば、ロシアは、アルメニアとの防衛協定のため、紛争に引きずり込まれかねない。ロシアは、アゼルバイジャンとも歴史的に友好的関係があるので、そうなるのをひどく嫌がっている。

 ナゴルノ・カラバフを巡り、モスクワは、外交的解決と、部外者、つまりトルコに手を引くよう繰り返し奨励している。

 アンカラは、これまで、ロシアの厳しいメッセージに耳を傾けたように思われなかった。トルコは、アルメニアの権利を無視し、妥協せず最大限要求をする言説で、ナゴルノ・カラバフを武力奪還する作戦で、アゼルバイジャンに圧力をかけている。

 モスクワは、南コーカサスでトルコと正面から対面するより、シリアで、トルコの部隊に決定的打撃を与え、アンカラを悩ませることに決めたように思われる。アンカラは、今度は注意を払うかもしれない。

 注目すべきことに、シリアでのロシア空爆翌日、トルコのエルドアンは「ナゴルノ・カラバフとシリアを論じる」ため、10月27日、プーチンと電話をした。

 「ロシアは[ナゴルノ・カラバフでの]進行中の軍事行動で、中東からのテロリストの増大する関与に深い懸念を表明した」とクレムリン報道機関タス通信が報じている。

 エルドアンは、ロシアの意図を理解したようだ。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/10/28/russian-blitz-in-syria-warns-turkey-back-off-in-caucasus/

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 植草一秀の『知られざる真実』の記事の通りであって欲しいもの。

想定よりはるかに早い菅義偉内閣の終焉

 UIチャンネル対談 耳鼻塚の鎮魂、供養の話題は初耳。南北双方の方々も参加されたという。大阪市廃止住民投票についても、アメリカ大統領選挙についても、八回も訪問されたクリミア問題についても、木村三浩氏の意見に納得。某民放番組では全員バイデン支持。

対談 木村三浩(一水会代表) × 鳩山友紀夫

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