レバノン

2020年8月21日 (金)

ベイルート港消滅怪事件

2020年8月18日
ゴードン・ダフ
New Eastern Outlook

 2020年8月4日午後、二つの爆発がベイルート港湾地域で起きた。 一つは小さかったが、もう一つは、幅167メートル、最新の報道によれば、深さ30メートル、おそらくそれ以上のクレーターを残した。

 事件に関する報道は、大規模なニセ情報キャンペーンや、大規模な検閲キャンペーンや、いつものように「代替の事実」会うよう歴史や科学や物理学の書き換えの対象だった。ここで、ドナルド・トランプ大統領はそれを正しく理解し、挑戦されても、自己の立場を固守している。

 事件に関する記者会見の際、ドナルド・トランプ大統領は次のように述べた。

「我々は支援するため現地に行くだろう。それはひどい攻撃のように見える。」

 彼は即座に、あらゆるマスコミに全面攻撃され、大統領発言と同様、彼の答えの投稿がフェースブックで禁止された。翌日の記者会見で、トランプ大統領は彼の答えを「強化した」。

質問:あなたはこれを攻撃と呼びました、あなたはこれが事故でなく、攻撃だったと確信していますか?

トランプ大統領:「それは爆発に基づいて、そのように思われる。私は何人かの偉大な将官と会い、彼らは、それがそうだったと感じているように思われる。それは何らかのしかけられた爆発風の出来事ではなかった。

これは、彼らによれば、彼らは私より良く知っているはずだが、彼らは攻撃だったと思っているようだ。

それはなんらかの爆弾だった。」

 その日、マイク・エスパー国防長官はトランプ大統領が間違っていると「思う」と述べた。数時間内に、エスパー国防長官は声明から後退した。CNNから。

「ワシントン(CNN) マーク・エスパー国防長官は、爆発は多分事故の結果だという彼の推測が、ホワイトハウスの抵抗に会った後、何がベイルートでの破滅的爆発を起こしたかに関して、ホワイトハウスの評価との、いかなる相違も軽視している。

マーク・メドウズ大統領首席補佐官は、爆発は、おそらく事故だったというエスパーの評価について問われて、更に踏み込んだ。「エスパー長官の立場では、彼は知らない。」

火曜、トランプは「将官」の何人かと話し、彼らが爆発を爆弾攻撃と評価していたと言った。」

 翌日、ホワイトハウスは、ドナルド・トランプが11月に再選されたら、エスパー国防長官は、新政権に参加するよう依頼されないだろうという短い声明を発表した。

 トランプがなぜ彼の発言をしたのか、エスパーがなぜ後退したのか、ソーシャル・メディアや主流マスコミが、なぜ代わりの物語を載せ、大統領が、国防総省と諜報機関を代弁して、決して彼が言ったことを、言わなかったふりをしているのかを検討しよう。

 トランプはもう攻撃されず、画策されたニセ情報キャンペーンで「ゆがめられた」だけだ。だが一体なぜだろう?

 起きたこと、皆が合意することを見て、そこから先に進もう。

 最初の爆発は小さく、倉庫の火事を起こした。二番目の爆発は、クレーターの大きさと、リヒタースケールで、3.5の記録に基づけば、6キロトンのTNT、典型的にTNTを使って、衝撃波でしか爆発させることができない硝酸アンモニウムと重油の混合物、アンホ爆薬の少なくとも12キロトンに等しい。

 これらの数値は核実験にも精通した本物の爆発物専門家のものだ。核爆発だけが典型的に複数キロトン・レベル爆発を起こし、このような爆発のクレーター形成や効果を検討する何らかの経験をも持っているのは核兵器専門家だけだ。

 肥料やロケット工場を爆発させるのを専門にする「通常爆発物専門家」などいない。このような職務明細書は存在せず、どんな専門家も存在しない。

 この話題を理解する鍵はこれだ。何百もの「事実」、ミサイル目撃、その目撃者とビデオ、飛行機目撃と、その目撃者と多くのビデオと「大きなウソ」プロパガンダによく似た一連の物語がある。

 よくあることだが、全てを見ると、何も解決していない。簡単に言って、ニセ情報キャンペーンは、レバノン政府内部の情報源を含め、必ずしも全員が満足していない物語である、六年前にレバノンに放棄された2750トンの肥料爆発を前提にしている。前内務大臣で、議員のノハド・マクヌークに関するミッド・イースト・モニター記事から始めよう。

「前レバノン内務大臣で現在議員のノハド・マクヌークは、先週ベイルート港における爆発を、イスラエルのせいにした初めての有力レバノン政治家になった。

記者会見の際、マクヌークは200人以上の人々を殺し、何千人も負傷させた大爆発は、「明らかに」イスラエルに責任があると述べた。

「ベイルートでのこの作戦は、明確な、明示的な方法でイスラエルに実行された」とマクヌークは述べた。「我々は人類に対する犯罪を目にしており、それゆえ誰も、あえて犯行声明を出さないのは明確だ。」

この高位の政治家は、2014年と2016年に、レバノン内務大臣を勤めている。彼はレバノンのスンニ派ブロックで、ヒズボラに反対する元首相サード・ハリーリーの「未来運動」の一員だ。爆発の余波の中、彼は述べた。「これは我々がベイルートに港を持っていないかったフェニキア時代以来、初めてのことだ。」

 個人的に、ある元国防長官が爆発の一時間後、Veterans Todayに連絡してきて、ドナルド・トランプ大統領が、国防総省情報源の言葉を引用して述べたと同様に、まず海上発射小型ミサイルで火事を起こし、次に、16による空襲で、ミサイル、情報提供者によれば戦術的核弾頭を発射したイスラエル攻撃のせいだと言った。

 同様に、これは肥料爆発だという主張に応えて、ヒズボラ報道官が、直接ダマスカスのVT支局長ナヘド・アル・フサイニーに下記の意見を述べた。

「肥料は爆発しない、燃えるだけだ。」

 そこで、我々の主張と、我々全員が合意できる唯一本物の事実を概説するが、これは自然科学であり、硝酸アンモニウム肥料は、極端な努力なしで、ベイルートで見られたような環境では、決して爆発できない。

 ニセ情報にあわせるべく、科学技術「改竄」の試みは進行中だが、まだ成功していない。これに関して書かれたもので最良の記事は、ベイルートの事件は「肥料爆発」だったという主張に答えて書いているレバノン人鉱山技師のものだ。

「私はこの紳士とは意見が違うと言わねばならない。彼に対して問われた、アンモニア硝酸塩の山の上に投げられたマッチが壊滅的爆発を起こすかどうかで「イエス」か「ノー」で答える質問を尋ねられた際に、彼は答える前に、数秒ためらった瞬間、彼が言おうとしていたことが何であれ、いささか曖昧で不透明だろうと私は即座に理解した。

私は測量技師と爆破技師として、一生露天掘り採鉱産業で働いた。最後の二年間はブリティッシュ・コロンビア山麓の丘での巨大石炭露天掘り事業で、私の仕事は爆発パターンの設計と、ドリル孔に、どの爆発性製品を充填するか決めることだった。

我々はアンホ爆薬ANFO、アンモニア硝酸塩とディーゼル燃料の混合物を使った。ANはアンモニア硝酸塩を表し、FOは燃料としての石油あるいはディーゼル燃料を意味する。我々はHANFFOと呼ばれる製品、重アンホと呼ばれるものを使った。混合物中のディーゼル燃料濃度がより高いので、Heavy anfoと呼ばれたのだ。

アンホ、重アンホのいずれも、乾燥した穴で使われなければならない。もし穴が濡れていれば、ディーゼル成分は洗い流され、アンモニア硝酸塩自身は火がつかない。

そういう場合は、我々はプラスチック・ライナーでドリル穴内側を覆い、次にanfoやheavy anfoをプラスチックライナーに詰めるのだ。余りに雨が激しいと分かったら、我々はMagnafracと呼ばれる非常に高価な製品を使った。それは、ほぼ耐水性のどろっとした乳濁液だったが、それでも、余りに長時間、現場におかれると、スラリーは分解し、点火しそこねるのだった。

重アンホは通常アンホより爆破力が強い。それは、より多くの出費に見合う、あるいは、より多くの爆発エネルギーを意味する。肝心なのは、常に、実際の爆薬の最小充填量で、最も多量の岩石を爆破することだった。これは火薬係数と呼ばれる。火薬係数をより低く維持して、母岩を爆破できれば、それだけ経費が安くなる。最も安いアンホ、より高価なhanfo、Magnafracは非常に高価で、火薬係数を押し上げる。目的はバランスを維持することだった。

私はこれら全ての製品を扱い、それらを充填し、爆発チームが起爆コードでパターンを結び、点火するのを手伝った。古い映画で、悪人がどこかで鉄道線路を爆破しようとしているので見るように、我々は起爆装置とつながる導火線を使った。90代初期、ワイヤーと起爆装置は、非電気式起爆と呼ばれるずっと効率的なシステムに置き換えられた。

黄色いケーブルを通って、起爆コードまで、起爆させるための電荷がなかった。

使われたのは「衝撃波管」と呼ばれる製品だった。それは、基本的なTNTの「ペントランダイト」という非常に小さい粉状のわずかな爆発物が入った直径3か4ミリの空洞プラスチック管だった。電気的なものではなかったので、衝撃波管と呼ばれた。それは基本的に、圧縮空気駆動か、爆発駆動の衝撃波発生器(衝撃波管)だ)。それは「爆発衝撃波」を作り出す。それが起爆コードを起爆し、爆発物を起爆する主要な激しい衝撃なのだ。

起爆するには、踏みつけることができる、うまい用語がないので、クラッカーと私が呼ぶ、小さなものがあった。クラッカーが踏みつけられると、放出された非電気エネルギーは、衝撃波管中の非常にわずかな量の粉末の爆発物に点火するのに十分で、製品が爆発パターンで使われている実際の爆発物が充填された、それぞれのドリルで開けられた穴の中に入り込んだ起爆コードを起動した。

さて、ここからが肝心なことだ。これまで我々は、組み合わせや、それ自体だけでは、クリネックスの箱も爆破できない不活性元素や成分の話をしてきた。

全ての鍵は、それぞれの爆発物ドリル穴の一番底に置いた500グラムのTNT起爆装置だった。我々は、おおむね、一つの穴に、500グラムのTNT起爆装置を二つ使った。

そこで点火がおきるのだ。注意深くお聞き願いたい。充填されたアンホ、重アンホ、Magnafracを起動したり、点火したりするには、TNT爆発が必要なのだ。私が意味するのは、アンホが爆発するには、それ自身実際に爆発する前に、TNT起動の威力が必要なことだ。アンホに火がつき、燃えるのを私は何度も目にしている。

アンホは爆発せず、燃えるだけだ。もしアンホにディーゼル燃料混合物が入っていなければ燃えさえしないだろう。アンモニア硝酸塩は業務用肥料だ。社員は、彼らの芝生に肥料をやるため、毎年春、それぞれアンモニア硝酸塩の20キロ袋を二つ与えられた。それは、まさに文字通り一夜にして、茶色の芝生を輝く緑に変える。この慣習は、1993年頃に中止されたが、私が雇用されていた鉱山では、少なくとも当時はそうだった。

自動車かトラックが多分スピードで走るという状態で、爆発することと、アンホなどのマウンドに激しくぶつかれば、爆発性製品を爆発させるのに必要な爆発力を与えることが可能かもしれない。あるいは必要な衝撃波。(あるいはミサイルか爆弾)

我々は、あらゆる爆発物を我々に供給していた爆発物メーカーが使っていた施設で、我々の現場用アンモニア硝酸塩顆粒を作ったものだ。それは世界規模の巨大爆発物メーカーだ。そして、彼らと働いて、彼ら/我々が使用する種々の製品を扱っていた間、彼らには最高の安全実績があったことを補足しておこう。

私はおそらく、多くの情報を見落とし、そして/あるいは、一部の情報を書き落としているかも知れないが、これは私が私の様々な文章やメモに言及せずに思い出せる全てだ。

もしポンプがあったら、この貯蔵場所に、長い間に、次第に吸収され、アンモニア硝酸塩を飽和状態にする燃料石油があったのだろうか?」

 答えは単純で、もし硝酸アンモニウムが、いくつかの主張の通り、12番倉庫に保管されていたとすれば、それは肥料であって、決して爆発し得ない。

 この説明の理論的根拠は単純で、いささかの詳細も不要で、鉱山技師向けの科目があるどんな大学でも、どんな化学者でも、確実にどんな爆発物専門家でも、核兵器に精通していない人々によってさえ再検討、確認可能だ。

 ベイルートには核クレーター規模の穴と、想像できないレベルの破壊がある。

 アメリカ大統領が、ベイルートは167メートルのクレーターを残した爆弾で攻撃されたと言った。アメリカはこのような通常兵器を保有していない。マーク84貫通型爆弾は、幅15メートル、深さ10メートル、面積約1889平方メートルのクレーターを残すはずだ。

 ベイルートのクレーターの面積は約213,360平方メートルだ。

 だから繰り返そう。トランプは爆撃だと言い、エスパーは事故だと言い、エスパーが公式に、トランプが何について話をしている全く分からないと述べた。

 我々は何を証明できるだろう? 肥料は、人々が彼らのガレージや納屋に持っている多くのものと同様、我々をあの世に吹き飛ばしはしないのだ。

 我々は主流マスコミを信じるのはばか者だけだと証明できる。

 我々はあり得ないことが起きたと証明できる。オッカムのかみそりは我々に何を語るだろう?

 ゴードン・ダフは、ベトナム戦争の海兵隊退役軍人で、何十年も退役軍人と戦争捕虜問題に取り組み、安全保障問題で政府に助言もしているベテランズ・トゥデイ編集長、取締役会長。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/08/18/the-strange-case-of-beirut-s-missing-port/

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 明石順平氏の『国家の統計破壊』で、国の様々な数値のデタラメさを思い知らされたが、東京のコロナ数値も。

 日刊ゲンダイDIGITAL

小池都政の欺瞞 重症者の計上方法コッソリ訂正&過少報告

 ポピドン氏も、こりない。

 LITERA

『バイキング』『報ステ』も吉村知事の「大阪は早めに人工呼吸器」発言のデタラメぶりを追及! 突っ込まれた吉村は遠い目で…

2020年8月20日 (木)

レバノン:新シルクロード上の真珠か、暗黒時代の混乱地域か

マシュー・エレット
2020年8月16日
Strategic Culture Foundation


 8月4日午後にベイルートで起きた衝撃的爆発についての、様々な、あり得る原因の仮説を主張する解説者の合唱に多くの意見が素早く加わり、無政府状態と、8月11日の驚くべき政府辞任をもたらした。

 (ゆっくりと雑音に変わりつつある)増大する様々な仮説に、さほど斬新な貢献はできないが、グレート・ゲームにおけるレバノンの役割について余りに見過ごされている側面に関する洞察を共有したい。先に進む前に、いくつか確実なことを心に留めておくのは役に立つ。

1) 6年間、ベイルート港に置かれていた2700トンの硝酸アンモニウム爆発を、トルコの花火が引き起こした偶然の事故だという公式説明は全く信じ難い。

2) ここ数週間、アラブ、アフリカ世界で起きている爆発や放火の異常に大きなパターンからして、この事件は、どんな形にせよ孤立したものとは考え難い。

3) この混乱のパターンはそれ自体、二つの体制間の衝突という文脈で見なければならない。片や崩壊しつつあるNATO一極連合、片や新シルクロードに率いられる多極連合。

因果関係の問題

 中東は、ズビグネフ・ブレジンスキーやヘンリー・キッシンジャーやバーナード・ルイスなど、ハルフォード・マッキンダーのホッブズ風世界観を信奉する連中に、世界島の「地政学的要点」というレッテルを貼られている。今日この地域を安定させたり、不安定化させたりする誰であれ「世界島」(アフリカ、ヨーロッパとユーラシア)の梃子を支配でき、マッキンダーがかつて言った通り「世界島を支配するものが世界を支配する」。

 レバノンの場合、この地域が「新シルクロードの真珠」として、地球上のあらゆる主要文明社会の交差点として演じる役割が、これまで数年間、ワシントンやロンドンやイスラエルの世界政策構想を形成してきた。レバノンで進行中の破壊的事件は、イラクやイランやシリアや他のアラブ世界における一帯一路の驚異的普及と切り離せない。

偶然の一致を越える

 レバノン大惨事に近い時期には、6月26日、ホジール・ミサイル製造コンプレックスでの爆発から始まり、6月30日、医療クリニックでの爆発で19人が死亡し、7月2日のナタンズ核施設での爆発が、イランの遠心分離機生産計画を数カ月遅らせ、7月15日のブッシェル・アルミニウム工場での火事で、イランは自身が邪悪な連続攻撃の目標であることに気がついた。更に、8月5日、UAEは(Covid-19のため、運良く無人だった)ドバイで最も重要な市場の一つを破壊した異常な火事を経験した。

 これら異常事態を個々に見れば、「偶然」が原因ということになるだろう。だが、これらをひとまとめにして見て、現在、革命的な一帯一路構想で結ばれたイランと中国とロシア間でまとまりつつある協定を考えれば、これら一見孤立した混乱状況に、より深い因果関係に、はっきりと思い至るはずだ。

 イランと新シルクロード

 交渉の最終段階にある待望の4000億ドルの中国-イラン経済・安全保障条約は、インフラ協定の中に、重要な石油だけでなく、先進的な鉄道や新エネルギー・グリッドをイランに延長することまで含んでいる。このプログラムは、中東での「ゲームの規則」を何世代にもわたり劇的に変える重要な軍事/安全保障条約を含んでいる。この条約の要素には、防衛や諜報情報共有インフラだけでなく、貿易に対する欧米支配を迂回する中国の新デジタル通貨e-人民元も強化する。

 一方、ロシアによる、ロウハニ大統領とプーチン大統領が2001年に最初に署名した安全保障/経済連携協定の20年延長発表は、今後数カ月で最終的にまとまるのは確実だ。イランも有名なロシアのS400システム入手への関心を明らかにしたが、トルコから韓国まで、ユーラシア全域に迅速に広まっているこのシステムが、アメリカのF-35や高高度防衛ミサイル・システムを無力で時代遅れにするのを、あらゆる地政学者は理解している。

 中国、ロシア、イランの三角形が確立すれば、アメリカの制裁政策が崩壊するだけでなく、新シルクロードに沿って、中国から東(更にアフリカ)へ、輸送や先進的開発回廊を一層推進する中東開発の重要プラットホームが確立することになる。2018年11月から、イラン-イラク-シリア鉄道が、イランに資金供給された中東再建の一環として、地中海のハブとして究極的にシリアのラタキア港に接続し、32キロのシャラムチェ - バスラ鉄道は開発段階が進んでおり、イラン道路都市開発大臣アバス・アーマドはこう述べている

 「イラン鉄道は中央アジア、中国、ロシアの鉄道と接続され、32キロのシャラムチェ -バスラ鉄道が建設されれば、イラクは商品や乗客をロシアと中国に輸送でき、逆も同様だ。」

 32キロの鉄道は第一段階で、第二段階は、シリアの港に向かう1545キロの鉄道と道路が予定されている。

 イラクが新しい「石油のためのインフラ」プログラムの下、BRIに参加する覚書に2019年9月に署名したので、広範な新シルクロードに対するイラン-イラク-シリアの参加は、特に非常に重要だ。この計画には、ハード・インフラ(鉄道、道路、エネルギーや水プロジェクト)や、ソフト・インフラ(病院、学校や文化センター)などの多面的なプログラムの下で、戦争で荒廃した地域を再建するための中国の関与も含んでいる。

 中国が、シリアで本物の再建計画をおこなう意図も明らかにしているのも良く知られており、最初に2004年に発表され(アラブの春で破壊され)延び延びになっているバッシャール・アル・アサド大統領の四つの海戦略が、とうとう復活するのだ。アサド大統領は、2010年までに、お互いの利益になる協力と地域近代化の原動力として、鉄道とインフラ回廊経由で、四つの主要水系全て(地中海、カスピ海、黒海とペルシャ湾)を結ぶ計画に、七カ国を味方に引き入れ、建設に署名させていた。2009年、アサドは、このプロジェクトについて「我々が、これら四つの海を結べば、投資や輸送や他の多くで、我々は全世界で必至の交差点になる。」と語っていた。

 この重要なプロジェクトのビデオは、ここで見られる。

 レバノン:新シルクロードの真珠

 レバノンはシリアと主要国境を接し、150万人のシリア難民と、地中海への重要な港を擁しており、東西開発の中枢なので、この待望のプロセスへのレバノン参加は全員に明らかなはずだ。この新興発展地域を、近年、一帯一路が変化と希望の牽引役をしているアフリカと結ぶレバノンは、戦略上重要な中枢の一つであることに気づいている。

 レバノンのトリポリ港を、ヨルダン、更に、エジプトを結ぶ鉄道の構想は、新たな積極的な場を生み出し、中東とアフリカの規則を、永久に劇的に変化させるはずだ。

 2020年6月17日、中国大使館は、ベイルートを通って、北の沿岸都市トリポリと南のナコウラと接続する近代的鉄道を目玉にして、一帯一路プロジェクトをレバノンまで延長する提案を公表した。中国のNational Machinery IMP/EXP Corporationも、700メガワットの発電所三件の建設と、新しい全国送電網と、港近代化を提案している。大使館のプレスリリースにはこうある。「中国は、一帯一路を構築する共同事業の枠組みで、平等互恵の原則で、レバノンとの実務的協力を積極的に行う準備ができている。中国はその企業の役割、市場の主導的役割、政府や商業活動の触媒役割を通し、他の国々との協力に尽力する。中国企業は、レバノンにおけるインフラや他分野での協力の機会に関心を持っている。

 これらの提案に、何年も一帯一路構想へのレバノン参加の積極的な提唱者、ハッサン・ナスラッラー(レバノンのヒズボラ指導者で連立政権パートナー)が拍手喝采した。ナスラッラーは、構造調整と条件だらけの投資が、何の見返りも無しに、この小国に、GDPの170%以上に爆発した負債をもたらしたIMFからレバノンを解放することも主張している。

 中国が、この提案を公式に表明した同じ日、ワシントンが、シリアとの取り引きを望む全員を罰するCaesar Syria Civilian Protection Actを制定したことは注目すべきだ自身たださらにシリアの経済復興要求を押しつぶしたのみならず、その国境を通して、シリア商品の90%を地中海に送っているレバノンを直接の標的にしている。

 2019年3月、中国代表団が、最初に、ベイルートからダマスカスまでのアラブ・ハイウェーと中国への鉄道というレバノンへの一帯一路拡張構想を発表した際、欧米の手下、サード・アルハリリは、その代わりに100億ドルのIMF計画に署名するのを好んで、拒否した。一年以上後、一片のインフラも構築されなかった。ナスラッラーや、2019年3月の記者会見で「レバノンとレバノン国民は選択に直面している。独立した、誇り高い国として、勇敢に前進するか、イランとヒズボラの暗い野心が、あなた方の未来を規定するのを可能にするか。」述べたように、アーウン大統領さえ、切望していたのに、ポンペオ国務長官はレバノンが「東へ向かう」のを阻止する上で主要な役割を果たした、

 ヒズボラと、特にレバノンのナスラッラーの影響力を排除しようとするポンペオの強迫観念は、ヒズボラの存在や、イランによる中国の一帯一路構想の受け入れに対するイスラエルが主張する脅迫と、さほど関係していない。

 2020年6月に、中国提案が更新された際、6月23日、ポンペオの部下、デイビッド・シェンカー(近東問題担当国務次官補)は、ヒズボラは「改革を求める組織ではなく、むしろ、汚職で暮らす連中だ」とインタビューで述べた。シェンカーはレバノンに「中国のわな」に落ちるなと警告し、ナスラッラーの、レバノンに「ルック・イースト」するようにと言う要求は「衝撃的だ」と述べた。

 (実際は、中国の一帯一路構想に、自分たちの汚い習慣を投影している欧米帝国主義者の宣伝に過ぎない)「中国負債のわな」説には延々反論せずとも、100%神話だと言うだけで十分だ。アメリカの投資額と同等の、中国のアフリカ投資の概要が、違いは質の問題で、中国は、もっぱら、アフリカを、安い資源と安価な労働力の略奪現場として利用することだけを望んでいる、全ての帝国主義者が禁止している、実際の建設や製造や、アフリカの銀行業務にもっぱら投資しているのだ。

 この問題と、レバノンに対する希望を、より概括的に、 BRIX スウェーデンのフセイン・アスカリが、こう語っている

 「レバノンのような、小さいながら、完全に主権を持ち、独立した国が、中国が提案している双方が恩恵を受けるモデルに従って、進歩と国家主権と、国際協力の道を追求すると決めることで、グローバル帝国のに打ち勝つことができるのが明白になっている。これは西に向かう全ての橋を絶つことを意味しない。レバノンと国民にとって本当の利益になるものは維持する必要がある。アメリカやヨーロッパが、彼らの政策を変え、中国がレバノンに電力や輸送や水や農工業の投資提供するのに加わりたいと望むなら、レバノン国民も指導部も、両手を広げて、彼らを受け入れるだろう」。


 最近、著者はこの話題でインタビューしたmatt.ehret@tutamail.comで連絡できる

マシュー・J.L.エレットはジャーナリスト、講師、カナダのパトリオット・レビュー創設者。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/08/16/lebanon-pearl-on-new-silk-road-or-zone-dark-age-chaos/

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 無症状の人がコロナウイルスを拡散しているのだから、PCR検査を拡大する以外、蔓延を抑える手だては他にないという事実は世界的に常識だろう。厚生労働破壊省の権益や、ガラパゴス御用学者連中を抱えるポンコツ政府、正面からの議論を逃げて、大本営広報部雑誌を利用する卑劣なウソ攻勢しかできない。

 LITERA

岡田晴恵バッシングが止まらない!「新潮」が医療逼迫への警鐘を「予言外れた」と的外れ批判 大ハズレは“K値”丸乗りの「新潮」のほう

 最近知ったラジオ番組、「西谷文和 路上のラジオ」一月ほど前の下記二件、きわめて時宜を得ているように思う。原発御用学者とコロナ御用学者の類似性。そもそも学者を信じるなと。

Vol.29 コロナ禍と原発 ~この国の悪しき体質から抜け出し、持続可能な社会を目指すには?~
ゲスト:小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所)

元大阪市長・平松邦夫さんが大阪維新政治を斬る!

2020年8月19日 (水)

ベイルート 事故、それとも「新」爆弾爆発?

ピーター・ケーニッヒ
2020年8月14日
New Eastern Outlook

 「月曜日、先週のベイルート港での致命的な爆発を受けた、抗議行動と変更に対する要求の後、本物の変化と透明度に対する民意に従うと言って、レバノンのハッサン・ディアブ首相は、彼と閣僚の正式辞任を発表した。テレビ演説で、ディアブは、これまで七年間首都の港湾地域の倉庫で保管されていた大いに爆発性の材料の爆発は「構造汚職の結果」だったと述べた。ディアブは言った「今日我々は、7年間隠れていた大惨事に責任がある人々の責任を問い、実際の変化への要求という民意に従う。この現実に直面して、私は今日この政府の辞職を発表する。」

 内閣は、163人の人々を死亡させ、約6,000に負傷させ、約300,000人を住む家がない状態にした8月4日の爆発を巡って、既に退任の圧力を受けていた。

 首相が語らなかったのは爆発の特徴だ - 異様なキノ雲をもたらし、リヒタースケールで3.9を示した激しい衝撃を起こした爆発、半径10キロ以上で窓を粉々にし、産業や住宅用ビルを、めちゃくちゃにし、 1945年のアメリカ核攻撃後の広島に似た状態の画像。

 その代わり、今や前首相は、それは事故で「構造汚職の結果」だったとほのめかした。一体どうして? 構造汚職が、一体どのように、このような良く標的を定めた爆発を起こすのだろう? もしそうなら贈賄者と収賄者間に膨大な金の流れがあったことを意味するだろう。

 本当だ。これは排除できない。だが、一体誰が興味を持つだろう? 壊滅的打撃を受けた、港、空港や、その周辺という主要地域の買収を、破格の安値で購入し、事業やぜいたくな住宅のために、破壊された現場を新たに開発するのを望む銀行や、他の金融機関/金融業者などの巨大不動産投機家で、それは大惨事民営化と呼ばれる。大型ハリケーン「カトリーナ」が2005年8月29日に湾岸を襲った後、似たことがニューオーリンズで起きた。

 特に、ロスチャイルドの副官、フランスのマクロン大統領がベイルート爆発直後に被災地を訪ねたように、全く制限なしの乱闘の新自由主義世界では、もちろん全て可能だ。一体どういうことかはわからない。彼の「支援」の申し出の狙い、支援は、ほとんど常に、ひもつきで、フランス金融オリガルヒのため、港や周辺地域を買い上げるため、いわば下準備だったのかもしれない。まあ、いつものように破格の安値で。

 だが、ベイルート港「爆発」には、別の理由もある。よろしいか、彼らは決して相いれないわけではない。レバノン政府は、約250人の人々を死亡させ、千人を傷つけ、約300,000人の人々の住み処を破壊し、ベイルート北区域に壊滅的打撃を与えた爆発で、管理不十分に保管されていた大量の硝酸アンモニウムを原因とみなした。硝酸アンモニウムは農業肥料や採鉱用爆発物として世界中でよく使われる工業化学薬品だ。倉庫で管理不十分に保管されていた化学物質は少なくとも六年間存在していた - それがまさに広島75周年記念日に近い日に広島のような破壊を後に残して燃え尽きたのは全くの偶然の一致だろうか?

 これらの大いに爆発しやすい化学物質を保管していた倉庫は、どうやら、ヒズボラの弾薬庫だった。そこが仇敵の標的だった可能性があるだろうか? 2018年9月27日、ベンヤミン・ネタニヤフは、この倉庫、最終的に2020年8月4日に爆発した、まさに同じ倉庫を、ヒズボラ武器貯蔵庫だと、国連総会で指摘していた。

 2020年8月4日にベイルート港で爆発現場になると予測していたかのように、ヒズボラの武器貯蔵庫を示すネタニヤフの映像。

 これは可能性だ。だが奇妙な爆発については、どうだろう。ティエリー・メイサンを含め、数人のジャーナリストや観察者によれば、これは「新」爆弾だ。それは、2020年1月以来、主にひと気のない地域で、既にシリアで実験されていた。だが誰もそれについて語らなかった。なぜならそれを分析すれば、公衆に重大な驚愕を引き起こしかねないのだ。それは一つの説明だ。だが、この「新」爆弾の黒幕が、公表することを厳密に(脅迫で)禁止していた可能性が遥かに高い。

 2020年8月7日、ティエリー・メイサンが報じている。「どんな兵器が使われたかは不明だ。だが、それは既に2020年1月以来、シリアで実験されていた。それは弾頭に、核兵器に特徴的なキノコ雲をもたらす戦術的な核爆弾を搭載したミサイルだ。それは戦略的な意味では、明らかに核兵器ではない。この兵器は、シリアの辺鄙な田舎の平野で、次に、ペルシャ湾海上で、イラン軍艦艇に対して実験された。これは都市環境、衝撃波や振動が水や山に反射する特定環境での最初の使用だ。」

 シリアでの爆発とベイルート爆発の驚くほどの類似を示すビデオをご覧願いたい。

 これは、シリアでのような目的での、もう一つの実験だったのだろうか? 宿敵ヒズボラに対して? 同時に、ベイルートを破壊し、レバノンをそれ以上の混乱に陥れて、乗っ取りのために、いっそう脆弱にしたのだろうか?

 2007年3月2日のデモクラシー・ナウのエイミー・グッドマンと米軍将軍で、NATOヨーロッパ司令官ウェスリー・クラークのレバノン「打倒しなければ」ならない7カ国の一つにあげたインタビューを思い出す。ビデオを見る(2:30分頃から、七カ国を打倒する)。

 ベイルート爆発は、covid「密集行進シナリオ」後に来るべきもう一つの実験なのだろうか? 社会的距離を置かせて、人々を引き離し、いわゆる「接触追跡」で支配されるようにして、欧米政府の恒常的な、より強い抑圧で ご主人連中が、何らかの姿形でナノチップを挿入し、体に融合し、動きの永久監視から、医療から銀行預金口座までの記録を可能にすることを願っているワクチンを待ちながら。

 ベイルート爆発は、より重要な目的のための歯車の歯の一つにすぎないのだろうか? 単一、あるいは新世界秩序?念のために言っておくが、我々は既にそこにいる。「密集行進シナリオ」は微調整機構に過ぎない。

 集団抗議活動が予想される。2020年8月1日、ドイツ政府の一層抑圧的なコロナ対策と制約に抗議して、130万人の人々が街頭に出て、既にドイツ、特にベルリンで、それは始まっている。政府は「より上位」の政府に従っているかのように、同情的になるようには思われないので、このような抗議の数と規模は時間とともに増加するかもしれない。「新」兵器が、社会変動の激しい西欧都市に適用され、次に敵のロシアや中国の都市に広がるかもしれないと考えるのは可能だろうか?

 何百万人もの人々がいる大都市が、このような恐ろしい破壊の加害者のいずれも傷つかずに、ビデオゲームのように、リモート・ボタンのクリックで「新」兵器で破壊可能だ。地上の人々は、無力に、突然の、ゆっくり進行する死にさらされる。それが、1945年の広島と長崎ではなかっただろうか?

 忘れないようにしよう。アメリカは第二次世界大戦直後に、66のソ連の都市を核攻撃する計画を立てていた、念のために申し上げるが、これはアメリカとソビエト社会主義共和国連邦がまだ同盟国だった時のことだ。「地図からソ連を一層する」をご覧願いたい。このような計画の戦術はまだ無傷で、棚上げされ、いつ何時でも蘇生しかねない。もちろん、近代化された今日の技術で。

 ベイルートは悲しい悲しい攻撃だ。 話は、人々を信じさせたがる公認説明ほど単純なものではない。ご注意あれ!

 Peter Koenigは経済学者で、地政学専門家。彼は世界銀行で30年間働いた経験に基づいた経済スリラー「Implosion - An Economic Thriller about War、Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/08/14/beirut-accident-or-new-bomb-blast/

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 FBIが、原因調査に参加するという報道がある。911内部犯行を、見事に隠蔽し、ケネディ暗殺の真相を封印しているFBIが登場した以上、ベイルート港爆破は、確実に迷宮入りになる。あるいはオトリ犯人デッチアゲで終わる。

 8月24日で辞職して、別の上から目線男にかわるという説。一難去ってまた一難。

 LITERA

安倍首相“健康不安”説に乗じて側近と応援団が「147日休んでない」「首相は働きすぎ」…ならば「147日」の中身を検証、これが働きすぎか

 日刊ゲンダイDIGITAL

「休む必要ある」安倍首相に理解示す麻生財務相の“二枚舌”

 四度度書いたが、繰り返す。名家政治家といわれる買弁諸氏を見る度にこの言葉を思いだす。

貴方は豪勢な殿様というところから、御自分では偉い人間だと思っていらっしゃる!貴族、財産、勲章、位階、それやこれで鼻高々と!だが、それほどの宝を獲られるにつけて、貴方はそもそも何をなされた?生まれるだけの手間をかけた、ただそれだけじゃありませんか。

ボオマルシェ著・辰野隆訳『フィガロの結婚』(岩波文庫)193ページ

2020年8月13日 (木)

煙と消えたベイルート

2020年8月5日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 ベイルートとその港湾地域の上に巨大なキノコ雲が立ち上るのを見るのは実に超現実的光景だ。だが疲弊したレバノンの首都に、どんな超現実的でないものがあるだろう?

 商業地区の広大な地域がぺちゃんこになり、徹底的に破壊されたように見える。

 ベイルートを本拠にしている私の友人の日本人のが叫んだ。

「広島のようだ!」

 そうなのだ。

 大虐殺の黒幕は誰だろう? 何が本当に起きたのだろう? 誰も犯行声明を出していない。レバノンに対する破壊活動、直接攻撃、それとも政治的動機に基づいたテロ行為か?

 確実なのは「大地が動いた」ということだ。マグニチュード4.5の地震と等しい爆発の一つが付近の全てを破壊した。爆発は海を越え、遥々キプロスでも聞こえ、約20キロ離れたラフィク・ハリリ国際空港の窓ガラスが粉々になった。

***

 五年間、私は窓とテラスからこの素晴らしい光景を眺めていた。高く良く雪に覆われる山々、巨大な湾やクレーンやタンカーや巨大なコンテナ貨物船のある巨大な港湾地域。

 かつて港で小規模火災があり、私はその詳細を見ることができた。だが今回は全てが変化した。二つの爆発、比較的小さいものと、巨大なものが、ベイルートの港湾地域全体を交戦地帯、じゅうたん爆撃の標的に変えた。あるいは核爆発の直後に。

 恐ろしさのあまり、人々は逃走している。女性や子供たちは泣き、お互いしがみついて、叫んでいる。犠牲者の数はまだ不明だ。速報が少なくとも73人が死亡したと言うが、何百人もが生命を失った可能性だ高い。まだ瓦礫の下に埋もれ、識別できないほど焼けこげた人々がいる。一つの消防団が丸ごと「消滅したのだ」。赤十字社は、少なくとも2.200人が負傷していると報じた。間もなく、人数は4,000人に増えた。ベイルート港のドックに入っていた国連レバノン暫定軍の船の乗員何人かが負傷した。恐ろしい数値はどんどん増えるばかりだ。

 レバノン医療制度は、ほとんど私営化され、ひどい状態にあり、大虐殺に対処できない。

 海岸の上で、赤い煙が空に上っている。本当に、それは一体何だろう?

 憶測や初期的分析は極めて警鐘的だ。

 カナダ大使館は職員の点呼を始めた。この事実は確認された。

 明らかにペテンだったのは、大使館が、現在ソーシャル・メディアで流布している下記のような科学的/医学的警告を送ったということだ。

「これは劣化ウラン爆弾(赤い色)投下だ。家族全員に立ち去るように言いなさ。吸入してはいけない。風上に行きなさい。」

 真実がフェイク・ニュースと混同されている。爆弾だったかどうかは非常に正当な疑問だ。だが、カナダ大使館は、ソーシャル・メディアで、確実にそう主張していない。

 中東で最も威信ある医療機関AUBMC(ベイルート・アメリカン大学医療センター)の「緊急メッセージ」がある。ページ最上部にはそのロゴさえある。だが、私がAUBMCに連絡をした際、スタッフは、このようなメッセージを送ったことを強く否定した:

「レバノンでは、全員屋内に留まるべきです。炎の様子からして、硝酸を基本とする爆発のように見える。屋内に留まってください!!!」

 ベイルート・アメリカン大学長の長いメッセージがある。

「親愛なるベイルート・アメリカン大学コミュニティーの皆様、皆様と愛する家族が安全で、今晩早く、ベイルート港で起きた壊滅的爆発から回復し始めているよう希望します。我々は既に、何千人もの負傷者と、67人以上の死者を知っています。AUBとAUBMCを含めて、何平方キロメートルもの地域の不動産が破壊されました。我々の心と祈りは、負傷されたり、このひどい悲劇で途方にくれていたりする全ての人々と共にあります。我々は負傷者のお世話をし、これが生み出した目に見えないひどい傷を治すため、できる限りのことを、時にはそれを越えた措置をとらねばなりません。AUBMC救急外来、医学部、看護師やスタッフ全員、素晴らしい技能とプロ意識で、多くの重大な、重体患者を含め、何百という負傷に対処しています」

 なぜ、うわさが広まっているのだろう? 誰が利益を得ているのだろう? 一体どういう計画なのだろう?

 それぞれの情報は検証されなければならない。精査されなければならない。二重、三重に確認されなければならない。

 それぞれの「フェイク・ニュース」や、あからさまなでっちあげが、更にもう一つの「爆発」、政治的暴力の悪化をもたらすかもしれない。レバノンは危機にひんしている。そして、そういう時には常に。このように感じられる時には、何千人もの無辜の人々が死ぬ。ここに住んでいた全員、その歴史を理解している人々は、ここで、まさに、そうだったのを知っている。

 辛抱強い、深く傷ついたこの国に、混乱を広めることに興味を持っている特定の集団がこの国にいるのは明白だ。

 だが、これが敵対的な外国による攻撃だと信じている非常に正当な情報源もある。

 私が話した信頼できる一部の治安当局筋の分析は簡潔で初期的結論は恐ろしいものだ。

「原子爆弾が弾道ミサイル倉庫に命中したのだ。赤い煙は燃料だ。」

 だが、私は、まだわからない。誰も知らない。

 状況は信じられないほど混乱している。全員が、まだ衝撃を受け哀悼している。

 一部の人々がイスラエルを指さしている。イスラエルは関与を否定し、支援を申し出ている。トランプは、爆弾だったと主張しているが、詳述は語らない。

 RTが爆発の日、早々と、こう報じた。

「レバノンのキリスト教カタイーブ党、ファランジ党のニザール・ナザリアン幹事長が死亡した。」

 カタイーブ党は過激極右キリスト教の党で、親サウジアラビアのサード・ハリーリー前首相の派閥と同盟している。

 レバノン風の政治迷路にようこそ!

***

 一方、ベイルート住民はおびえている。レバノンは少なくとも丸一年、なんとも巨大な問題に直面していた。2019年に始まった大きな反体制暴動から、Covid-19発生、それに続く封鎖、ひどい経済危機や金融崩壊。最終的に、レバノン・ポンドと米ドルの管理された為替レートは放棄され、現地通貨は暴落した。レバノン・ポンドは急激に価値が下落した。しばらくの間、人々は、現地銀行から、ごく少量の貯金しか引き出せなかった。

 政治的対決が、常にレバノンを見舞っていたが、最近それは激化していた。レバノンには、無数の政治、宗教政党や運動や、不安定な一時的連合が存在している。表面上のものは、必ずしも土台を形成するものと一致しない。

 例えば、イスラエルの大敵で、今アメリカのテロリスト・リストに載っているヒズボラは、イスラム教徒とキリスト教徒の両方に事実上の社会保障ネットを提供し、事実上、最も効果的な社会組織だ。だがヒズボラは、イスラエル侵略からレバノンを守る準備が常にできている決然とした強力な勢力なので、常にどこかの「削除リスト」に載っている。

 極右キリスト教徒は、常にどちらにつくことができる。不当に扱われているパレスチナ人の反感を買って、イスラエルを支持することから、ヒズボラと連合を組織することまで。部外者にとって、この全てはつじつまが合わない。だが、どういうわけか、それは、(しばしば変質的な形で)、少なくともレバノン人や、この国で長い時間を過ごしたものにとっては十分なのだ。

 特別裁判所が、2005年のレバノン前首相ラフィク・ハリリ暗殺に関係していた四人のヒズボラメンバーに対し、不在のまま、評決を出そうとしていた、わずか数日前に爆発が起きた。一部の人々は関係があると信じているが、ヒズボラとその政治的目標を知っている私は全く同意できない。この攻撃は、確実にヒズボラの「スタイル」ではなく、この集団の利益にもるまい。

 多数の実際のテロ組織が、いわゆる「休眠中の細胞」を形成しているレバノンは、常に時限爆弾だ。国中の至るところ、当然、ベイルート市内の至る所。連中同士の近さ、彼らの対立する本質が、いつ何時でも大惨事を引き起こしかねないのだ。

***

 ヒズボラと南米のテレスールの両方に近い左寄りのテレビ局アル・マヤディーンがアラビア語放送でこう報じた。

「アッバス・イブラーヒム少将は、爆発は、しばらく前に没収された大いに爆発性の原料による可能性があり、調査過程は予想できず、捜査完了次第、確認された情報を広めると、アル・マヤディーンに述べた。」

 税関長官は、硝酸塩がベイルート港での大爆発の原因だと発表した。

 ムハンマド・ファミー内務大臣は、ベイルート港捜査の際、「爆発の原因を見つけだすため、調査を待たなければならない。」と述べた。

 アル・マヤディーンの最近の報道は、爆発したものは「硝酸アンモニウム」だったと再び述べた。アル・マヤディーンは、ヒズボラと緊密に関係している。

***

 ベイルートに本拠を置く日本の救援隊員、牧氏はこう述べた。

「原爆でないことを祈ります。キノコ雲は非常に気がかりです。」

 ベイルートのレバノン人国連スタッフ、ラナは彼女の考えを語った。

「様々な憶測が広まっています。花火貯蔵所の事故、ヒズボラや兵器に対するイスラエル攻撃。途方もなく大きな損害と破壊以外、今は何もはっきりしません。」

 爆発前に、どうやら大惨事の地域上空を旋回する無人飛行機があった。この映像は明らかに空中の無人機を写している。人々は説明を要求している。

 誰も犯行を主張していないので、少なくとも、しばらくの間は、答えよりも、ずっと多くの質問があるように思われる。だがそれは、性急な結論よりも、ずっと良い。

 悲劇は巨大だ。国全体が衝撃を受けている。感情は高ぶっている。間違った一つの動きが、世界のこの部分全体を炎上させかねない。またしても。

 今、最も重要なことは何千人もの負傷者の世話をし、死者を埋葬し、徹底的に、冷静に調査することだ。

 今は、レバノンにとって、内戦終結以来、最も困難で、最も危険な時期かもしれない。宗教派閥抗争をしている余裕はない。レバノンは団結し、歯を食いしばって、生き残りために冷静に戦わなければならない。

 レバノンを愛し、いとおしく思う人々は、何をさしおいても、できる限りできる限り、レバノン支持しよう。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者、調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China’s Belt and Road Initiative: Connecting Countries Saving Millions of Livesを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/08/05/beirut-goes-up-in-smoke/

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 筆者は、2017年5月16日に、下記記事を書いている。

レバノン:快楽主義と戦争

 筆者は、2019年8月26日に、下記記事を書いている。

イスラエルはレバノンとシリアを攻撃した それが何だろう?

 筆者は、2019年10月24日に、下記記事を書いている。

ベイルートは燃えている。エリートに対する反乱が始まった

 謎の事件ということでは、昨日は、35周年のJAL墜落。大本営広報部は植草氏のような当然の疑問にほとんど触れない。隠蔽がお仕事。

 植草一秀の『知られざる真実』

伊豆沖海底機体残骸調査はJALの責務

123便墜落事件:五つの疑惑

破滅的打撃を受けたベイルート:新パラダイムは一触即発かもしれない

アラステア・クルック
2020年8月9日
Strategic Culture Foundation

 ニュースの周期と地政学の周期は、時々異なることがある。今回のベイルート港破壊は、そうした例の一つだ。そこで起きたことは、その後遺症が、どんな形で展開するにせよ、重要な地政学的事件で、未来を形成する定めだ。この岐路には、当然の歴史的理由がある。一つは(この地域が沈黙している理由)我々はまだ法科学鑑定を持っていないことだ。多数の衛星写真であっても、現地の基本的事実ではない。法科学鑑定ではない。

 主流マスコミは(8月18日予定の)ラフィーク・ハリーリー暗殺で、ヒズボラのメンバーを起訴すると予想されている特別法廷判決に先立ち、爆発の記事を「まとめよう」と急いでいる。それでも、まだ多くの未回答の疑問がある。これら法科学鑑定が現場から入手可能になるまでには更に数日かかるだろう。それらはもちろん争われ、ほんのわずかしか解決しないかもしれない。

 この沈黙に対し、主要当事者たちの言葉を待ち受けながら、欧米やイスラエル・マスコミは、ベイルートから「知る必要がある全てのこと」やら「要約」を大量に作り出している。だが、それらは要約からは、ほど遠い。日がたつにつれ、益々多くの疑問が生じている。そして、この地域はこのような地政学的転換点について共同記憶を持っている。

 MI6/CIAによるクーデターなのが明らかになっている1953年のモサデグ首相反対「大衆」蜂起は、その後、形勢を一変させるイラン革命の先駆となるはずだった。レバノンからのシリア撤退をもたらした、2005年のラフィク・ハリリ暗殺で、「家族」の携帯電話の通話(内容不明)のお粗末なコンピュータ・パターンは、ヒズボラに責任をおしつけ、同時に、この組織の活動を広範囲にテロリスト指名するよう画策されていた。(ヒズボラは、最初から、ハリリ暗殺に関する欧米/国際的言説に異議を唱えている)。

 それでも、ラフィク・ハリリに起きたことは、党派的な戦いの霧の中で覆い隠されたままなのが真実はだ(今週のベイルート破壊の運命も同じかも知れない)。アメリカ・トマホークミサイルの爆音のさなか、シリアのドゥーマでの化学兵器物語は、(アサドが化学兵器で、のけものにされる中)もう一つの「転機」となった。それでも、最近の化学兵器禁止機関書類が化学兵器主張はでっちあげだったことを示している。

 そう、この地域には休止する正当な理由がある。一方で、我々は港の爆発の法科学鑑定をまだ持っておらず、もう一方で、後に彼が繰り返したトランプの主張がある。彼は将軍連中にベイルートで起きたのは「攻撃」(爆弾)だったと言われたのだ。大統領はそれが攻撃だと「推測してはいない」。彼は将官連中が彼にそう言ったとはっきり述べた。

 この声明は、世界から、エアブラシで完全に消し去ることはできない。同様に、数カ月前、シリアでの類似の「説明できない爆発」と奇妙に良く似た「形」やベイルート大爆発のマッシュルーム効果の類似は軽視できない。最後に疑問がある。爆発は、三度あったのだろうか?

 だから、結果として、二つに一つの可能性が極めて高い。破壊は港湾警備当局による責められるべき過失に起因しか、言説を作り直し、根本的に地政学を作り直すため、現在の地域の力学を「打破する」大胆な試みだったかのいずれかだ。いずれも、あり得る。

 それなら何だろう? イスラエルの言説は、ベイルートでの破壊が、レバノンの住民をヒズボラ対して立ち上がらせ、弾薬を人口密集地から移動するよう要求するだろうというものだ。(イスラエルは、もちろん、その結果、ヒズボラの武器弾薬の露出度が高まるのを歓迎するだろう)。月曜日の緊急国連安保理事会会合予定と、レバノンを国際監督の下に置くという主張が、欧米諸国が、この危機を、更にヒズボラを弱め、拘束するために利用しようと努めていることを示唆している。

 親欧米の「3月14日運動」は、ヒズボラに対してレバノン人を動員するために、たまたま起きたことを利用しようと努めるだろうが、他の人々が予期するよう国内の反響を得ることはありそうにない。ベイルート港は歴史的に、スンニ派の世襲財産だ。そこには単一の警備機構はなく、スンニ派の人々はヒズボラの友人ではない。港町は、国連レバノン暫定軍による点検も受け入れている。港湾施設管理当局の特徴をあげるとすれば、腐敗と見境がない金銭ずくと言えよう。事故をもたらした重度の怠慢が、起きたことに対し、全面的、あるいは部分的に責任があり得る。

 もしそうであれば、大衆の怒りは、必ずしも、ヒズボラではなく、腐敗したザーイム(何十年間も自身の豊かさのために経済構造を破壊していた体制の「親玉連中」)に向けられるだろう。実際、現在の政府は生き残りに苦労するかもしれない - 何らかの怠慢が起きた際、在職してはいなかったかもしれないが。責任は守旧派にある。

 トランプがおおむね正しく、起きたことがある種の攻撃だったことが明らかになれば、cui bono誰の利益になるのかという疑問に答えるのは困難ではないはずだ。イスラエルのジャーナリスト連中が「出来事の縁起よいタイミングに得意になっている。「レバノンは[今や]崩壊するのは疑いがなく」、爆発の「衝撃波」は、とりわけ特別法廷判決に先立ち、今後長期間、ヒズボラを苦しめるだろう。

 あるイスラエル人ジャーナリストが、この「レバノン主要港での爆発は、わずか一カ月前、レバノンに、船舶と石油タンカーを送ると言ったイランへの警告メッセージでもあると補足した。ベイルートに電気を供給する発電装置を搭載した船についての協議さえあったが、とりわけ、イスラエルとアメリカは、これらの船がレバノンに到着すれば、石油や小麦粉や薬だけでなく、武器、弾薬やミサイル部品の補給線を始めると恐れていた」。

 多くが、法科学鑑定にかかっている。これは、2,700キログラムの硝酸アンモニウムの貯蔵という、ベイルート港における公的な脆弱性につけこんで、地域におけるヒズボラの戦略上重要な場所を破壊し、政治を(イスラエルに好都合な)予想外の新方向に移行させるべく戦略的現状をひっくり返すため、背後に隠れた大胆な(イスラエルがかつて自慢していた類の)「偽旗」戦略だったのだろうか?

 あるいは、自分たちのことだけ考え、国民の健康にはかまわないレバノン・エリートの無気力さと金銭ずくの更なる例なのだろうか?

 もし前者で、この出来事が、ヒズボラを押しつぶす新たな試みの前兆なら、この地域の新パラダイムは本当に一触即発かもしれない。

 アラステア・クルックは元イギリス外交官、ベイルートに本拠を置くConflicts Forumの創設者で理事長。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2020/08/09/beirut-devastated-the-new-paradigm-may-be-explosive/

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 「不沈空母」は昔の話。今や日本丸ごと「不沈クルーズ船」。世田谷区は救命ボートを準備中?

 IWJ岩上氏が保坂展人・世田谷区長インタビュー

【録画配信・IWJ_Youtube Live】20:00~
「『いつでも、どこでも、何度でも』!PCR検査を300件から2~3000件に爆上げする『世田谷モデル』!!岩上安身による保坂展人・世田谷区長インタビュー 」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

2020年8月 7日 (金)

レバノン状況報告:2,750トンの硝酸アンモニウムが6年もベイルート港に足止めされていた訳

2020年8月6日
The Saker

出典:親ヒズボラのレバノン・テレビ局アル・マヤディーン、2020年8月5日

翻訳:resistancenews.org

https://www.youtube.com/watch?v=uTNPvuApgNw&w=1280&h=720

https://www.dailymotion.com/video/x7vf2l2

書き起こし:

こんにちは

 誰であれ、この写真を見る人は、それが何年間も、12番倉庫で、無秩序な形で保管されていた(何百トンもの)硝酸アンモニウム(爆発)で(完全に)破壊される、わずか24時間前には、命に満ちていたのベイルート港だと信じるのは困難だろう。

 ベイルートは、何千という家屋の破壊や、組織や企業への損害は言うまでもなく、何十人もの死者や何千人もの負傷者を引き起こした爆発で、ひどい光景に直面した。

 この(硝酸塩)貨物の由来はどうなのか? どのようにして港に到着したのか?

 当時のナジブ・ミカティ首相、ガジ・アリディ運輸大臣と、チャフィク・ミリ税関長による命令下、レバノン裁判所の公式決定により、この貨物は2013年以来、港にあった。

 膨大な量の硝酸アンモニウムを輸送していた、ジョージア発、モザンビーク行きのモルドバ籍の船は、ベイルート港入港時、点検後、海に戻るのとを禁じられ、移動不能にされた。更に、貨物は差し押さえられた。そこで、、ベイルートの緊急対応判事ナディム・ズウェインが、船を港に接岸させ、バロウディ&アソシエーツ法律事務所に押収された後、積み荷を降ろさせることに決めた。

 その後、裁判官は、貨物移動を考慮するようにという税関の要請に対応しなかった。2017年、税関は、ベイルートの緊急対応判事に、硝酸アンモニウムを再輸出するか、爆発物工場に売る認可を要求する要請書類を送った。

 更に重要なのは、レバノン国の警察総局は、元大統領サード・ハリーリーと、ラヤ・アル・ハッサン内務大臣に、この在庫の危険性を警告する緊急報告を送ったが、誰もこの警告を真剣に受けとめなかった。

 この仕事を支援するため、できるだけのご寄付と、検閲を回避するため会報講読をお願いする。

 「あちこちから頂くわずかなお金は、水滴のようなもので、川や海や大洋になり得るのだから、どんな額でも重要だ」ハサン・ナスラッラー

記事原文のurl:https://thesaker.is/sitrep-lebanon-how-2750-tonnes-of-ammonium-nitrate-were-stranded-in-beirut-port-for-6-years/

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 岩波書店の月刊誌『世界』9月号
 特集1 ベーシックインカム序章
 特集2 戦争責任の継承

 あのアルンダティ・ロイと、ナオミ・クライン対談「違う世界に通じる入口へ」!

 いつものように、「メディア批評」から読み始めた。
 (1)コロナの時代、メディアに文学の言葉を
 (2)小池都知事劇場における迎合と排除
 絶望の党を立ち上げようとする彼女から、「排除いたします」という言葉を引き出し、野望を潰した大功労者、横田一記者についても、しっかり触れておられる。
 洗脳週刊誌を買うお金と読む時間がある皆様が『世界』を買うようになれば、多少変わるのではと妄想する。

 分科会なるものが提唱する曖昧模糊とした四段階。複雑な指標の組み合わせ。ウソの極み。政府の自由裁量を可能にするための屁理屈に過ぎない。批判せず垂れ流す速記者。

アメリカ、裏ルートでアフガニスタン・タリバンと交渉

 という翻訳記事の後書きで、書いたことがある。加藤周一の言葉だ。

政府の言ったことも覚えておいて頂きたい。記憶がなければ駄目ですよ、ね。だから、一つ一つの事件を、技術的な細かい所に入って行くことは、それは専門家でないと非常に困難だし、第一、そこに引き込むことは罠ですよ、一種の、ね。批判を封じる罠ですよ。そうじゃなくて、その、事件と事件とのつながりを見なければね。で、つながりは方向性を持ってるんだから。だからその、方向性に対して反応しなければいけないと思うんですね。

 『現代の二都物語』大前研一訳をお読みいただければ、わかるだろう。古書でしか買えないかも知れないが。

2020年8月 1日 (土)

ネタニヤフの悩みに拍車をかけるコロナ流行とヒズボラ

2020年7月28日
Moon of Alabama

 ベンジャミン・ネタニヤフ首相の下のイスラエル政府は二つの危機に直面している。レバノンの抵抗組織ヒズボラは、イスラエルが殺害した兵士の一人のため復讐すると表明した。政府のCovid-19流行対処失敗が多数の批判を受けている。にネタニヤフに対する刑事訴訟手続きとあいまって、このいずれかが彼の没落を招きかねない。

 昨日イスラエルは、ヒズボラ兵が北部国境を越えたが、撃退したと主張した。

月曜日、イスラエル軍は、一触即発のイスラエル-レバノン国境に沿って、ヒズボラ過激派闘士と交戦し、ほぼ一年にわたる激しく対立する勢力間の最も激しい戦闘のさなか、区域に暮らすイスラエル国民は屋内に留まるよう命じられた。

戦闘は、1967年の中東戦争でイスラエルに占領され、レバノンが領有を主張するシェバー・ファームズとして知られる地域で起きた。国境の近くの南レバノン住民が、イスラエル砲撃は一時間以上継続したと報告している。

戦闘は、先週、シリアでのイスラエル空襲が、ヒズボラ戦士を殺害した後、イスラエルが想定されるヒズボラによる攻撃に対して厳重な警戒態勢にある中に起きた。近年、イスラエルは、レバノンのヒズボラ向けイラン武器出荷だと主張するものを標的に定め、シリアで、多数の空襲を実行している。

 ヒズボラ指導者ハッサン・ナスルッラーフは、シリアでのイスラエル攻撃で亡くなった彼らの兵士のそれぞれに、彼の組織が報復することを誓っていた。何らかの攻撃が行われることを知って、イスラエル軍は厳重警戒態勢に置かれ、追加軍隊を国境地帯に向けて動員していた。

 だが、ヒズボラの攻撃を待ちながら、長期間、緊張して国境を見張ることが、若干の幻覚を誘発したに違いない。そこにヒズボラはいなかったのだ。

ヒズボラは、戦士はイスラエル国境沿いの紛争に関与していないと言っている。

衝突後の声明で、ヒズボラは、イスラエル領内へのヒズボラによる侵入の試みに関する、あらゆるイスラエル・マスコミの主張は「全く真実ではなく、見せ掛けの勝利を発明する企みだ」と述べた。

ヒズボラは、イスラエル攻撃により、シリア国内で殺害されたメンバーのため、この集団の報復を「必ず実行する。シオニストは、彼らの犯罪に対する処罰を待ち受けるべきだ。」と述べている。

 イスラエル軍は、事件の映像を持っていると主張している

イスラエル防衛官僚が、侵入の試みは、軍の監視カメラに撮影されており、参加した要員が武装していたと言って、テロ集団の否認を一蹴した。イスラエル国防軍は、事件の映像公表を考えていると述べた。

 だが事件の一日後、映像は公表されなかった。イスラエル報道機関は軍の主張に疑問を抱いている。

この攻撃未遂とされるものは、視界最高の昼日中に行われ、そこが常にイスラエル部隊に対するヒズボラ攻撃の場所なので、国境緊張が高まっていない時でさえ常時監視下にある区域で起きており、いくぶん奇妙だ。そうした条件下で、成功はありそうもない。軍によれば、ヒズボラ要員は、潜入中、決して発砲しなかった。
イスラエルは、何らかの理由で、少なくとも武装した男たちが本当にレバノンからイスラエル領域に潜入したことを証明する監視カメラのヒズボラ要員映像を公開して、ヒズボラの否認の誤りを証明しようとしなかった。

 評論家たちは、自身の軍の宣言より、ヒズボラ声明を信じているように思える。

今時は、あらゆるものが撮影される。するとイスラエルに侵入する潜入者の映像はどこにあるのだろうか? 事件時点の、その区域のドローン映像は、どこにあるのか。
いずれの側も何も公表せず、イスラエル国民は今実際何が起きたか疑っている。

月曜夜に既に現れた懐疑心に対応して、元イスラエル軍情報長官アモス・ヤドリンは、ヒズボラや、彼がうそつきと巧みな操り手と言うリーダー、ハッサン・ナスルッラーフよりも、彼はイスラエル軍を信じると述べた。

だがイスラエル軍は無罪放免になってはいない。イスラエル軍は過去、出来事を操作しており、月曜日に何が起きたか疑っているジャーナリストや国民は正しい。

 起きた可能性が高いのは、一部の不安なイスラエル兵士が、いくつかの揺れる小枝に発砲したということだ。疑問は、誰が、あるいは何が、小枝を揺らせたかだ。

 イスラエル軍を警戒態勢に置くのは、ヒズボラが有利な地位を得るのに安上がりな方法だ。

 封鎖からの、制御できない再開後、イスラエルは、Covid-19の遥かに大きな第二波発生で打撃を受けている。

 百万人あたり平均186人の新感染者という現在のレベルは、ほとんど現在のアメリカの数と同等の多さだ。

 双方が共通の処置をとれるように、パレスチナ政府と調整しない限り、人種差別的なイスラエル政府は決してCovid-19流行を制御できるまい。だが、その代わりに、イスラエル政府はパレスチナ人が建てたCovid-19検査施設破壊し、彼らが装置や薬を入手するのを妨げている。ユダヤ人国民とパレスチナ人間には毎日多くの接触がある。イスラエル政府は、国民の半分だけでは流行が制御できないのを理解できないように思われる。

 イスラエル政府は新たな制約を巡って、今議会と交渉している。専門家は自暴自棄だ。国民はネタニヤフに激怒している。彼の家の前では、頻繁なデモや、警察との衝突がある。

 現在のイスラエル連立政権は不安定で、容易に崩壊しかねない。

 こうした状況下、時はヒズボラに味方をしている。おそらく、更に多くの小枝が揺れ、更に多くの不安な兵士が、それに発砲するだろう。ナスルッラーフがイスラエル軍を、そう呼んだように、「ハリウッド軍」は、更に多くの勝利を得ることができる。

 だが数週間後、イスラエル軍兵士は警戒を緩めるだろう。彼らは一層不注意になり、誤りを犯すだろう。それが、報復に適切な時期だ。

 ヒズボラは、それで戦争になるとは思っていない

「雰囲気は戦争を示唆していない。今後数カ月、戦争の雰囲気はありそうもない」と[ヒズボラ副代表]シェイフ・ナイム・カッセム副書記長が、親ダマスカスのテレビ局、アル・マヤディンのインタビューで述べた。
「交戦規則は変わっておらず、イスラエルとの抑止力均衡は存在しており、我々はそれを変える計画はない」とカセムが述べた。

 イスラエル政府は、ヒズボラに対して戦争をして、イスラエル軍に一日何百発も雨あられのごとく降り注ぐロケットに対処できる立場にない。それはネタニヤフ政府の終わりだろう。

 そこで、ヒズボラには、最大の政治的効果のため、報復の種類と時期を選択する機会があるのだ。ナスルッラーフは一体何を心に思い描いているのだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2020/07/the-epidemic-and-hizbullah-add-to-netanyahoos-problems.html#more

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 国営放送の呆導番組はひどいが、LITERAはまとも。

分科会は「Go To」について議論さえせず! 専門家の提案を拒否する安倍政権、最後は政権を追認する御用学者の尾身茂会長

 緑のタヌキの駄弁など聞かないが、分科会委員長の意味不明のキモにも全く興味はない。彼らを見ていると、9年前の原発事故の際、でたらめを言いまくった原子力専門家連中を思い出す。『原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語』も。『コロナ危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語』と改題し、増刷していただきたいくらい。

 原発事故時、支配体制側「学者」連中、まともなことを言った人物は皆無。正論を主張したのは全員支配体制からはみだしたか、はじき出された方々だった。デジャブ。下記の翻訳記事の後書きに、延々書いた。ただし良い映像は、みられなくなっている。

 放射能の危険性:原子力専門家連中を解体する

 東電福島第一原発メルトダウンの際、川村湊氏による『福島原発人災記――安全神話を騙った人々』を同感しながら拝読した。『新型コロナウイルス人災記: パンデミックの31日間』も同感しながら読了。テレビに登場する提灯持ちと、そうでない方を列記しておられるが、100%同意。それで、原発事故の際は作らなかったが、今回は、御用学者、タレントと、まともな方々のリストを作り、大本営広報部で御用リストの顔を見次第、音声を消したり、局を変えたり、テレビを消したりしている。(局を変えても、同じことを言う別の提灯持ちしか出さないので、正解はテレビを消すこと。)

 正力と中曽根が日本に原発を導入した経緯は『原発・正力・CIA』で読んだ。そして、現在の日本の原発政策の実情は、下記番組が詳しい。

【山田厚史の闇と死角】死屍累々 原発ルネッサンス~アベ政権の落日20200728

 昨日のBS-TBSの番組「報道1930」、スタジオ出演は、鴨下一郎自民党衆議院議員と岡田晴恵教授。討論ではなく、真摯な話し合い。自民党にも、まともな議員がいる!政治にすりよる専門家の言動はあるまじき行為。学者は専門分野についての意見をエビデンスに基づいて発言すべきだと。彼は、東京都医師会会長の尾崎治夫会長の怒りを共有していた。
鴨下議員は医師。録画しておきたいくらいだった。

2019年12月 4日 (水)

帝国の反撃 アメリカが引き起こしたイラクやレバノンやイランの不穏状態は、イスラム共和国に対するワシントンの復讐

2019年11月30日
へのアラム・ミルザエイによるThe Sakerブログ寄稿

 10月以来、レバノン、イラクとイランを暴動と不穏状態が猛威を振るった。報道で、300人以上の人々が暴動で亡くなったこと示唆しているように、イラクがもっとも苦しんでいる。レバノンでは、官僚による大規模汚職に対する人々の不満を、アメリカとその臣下が乗っ取るのに忙しい。アメリカ傀儡のサミール・ジャアジャアとサード・ハリーリーの支持者たちが、国を停止させ、新たな内戦の舞台を準備すため、ヒズボラの反撃を引き起こそうとして道路を封鎖している。イランでは、ガソリン価格値上げに対する抗議が、アメリカが支援するムジャヒディン・ハルクのテロリストと、故モハマド・レザ・パーレビの息子に忠実な王党員に乗っ取られ、銀行や庁舎を全焼させて暴力行為を働いている。幸い、イランでは、これら暴徒とテロリストは素早く断固対処され、いわゆる「抗議」が始まった後、数日の内に1000人以上が逮捕された。

 シオニスト枢軸が数年来これら脅迫をしているため、我々はこれら暴動を予想していた。二年前、並外れた精神病質者、サウジアラビアのモハンメッド・ビン・サルマーン皇太子が、イスラム共和国内で暴動と暴力を引き起こすと恫喝した。「サウジアラビア国内での戦争になるまで我々は待たない」と政策を詳述せずに彼は言った。「そうではなく、戦いが、サウジアラビアではなく、イラン内で行われるよう我々は働くつもりだ。」

 現在の混乱を予想するもう一つの理由は、シリアとイエメンで見いだせる。ワシントンが、彼らが敗北後、味わった屈辱に対する復讐をせずに、シリアを去るだろうと信じるのは阿呆しかいない。シオニスト帝国にとっては決して、それほど容易ではないのだ。彼らはシリアから撤退し、これら諸国間での同盟を破る試みで、イスラム共和国の同盟諸国に、地域全体に激しく報復するのだ。イエメンでは、フーシ派が、アメリカのパトリオット・ミサイル防衛システムが役に立たないことを効果的に証明し、数時間内にサウジアラビア石油生産の半分を破壊して、ワシントンは屈辱を味わった。

 標的にされたこれら三国全てで、ワシントンが関与している痕跡が見える。イランでの最初の抗議行動は本物で、これは政府さえ即座に認めた事実だ。地域最安の燃料に対するガソリン助成金を削減は、長年イラン政治の難課題だったが、去年ワシントンがJCPOAを離脱し、再びイランに制裁を課した後、一層緊急課題になったのだ。この動きは必要だった、節約さた資金は貧しい人たちと困窮者に使われる予定だ。欧米の評論家は即座にそれを「反体制抗議行動」へと歪曲した。ブルッキングス研究所のスザンヌ・マロニーは「イランの抗議行動参加者は、政権の正当性の核心を攻撃している」と宣言し、これは「新たなイラン革命」かとフランス24は問うた。他の複数の欧米放送局が、100人から2000人が「保安部隊に殺された」と虚偽報道して、国民に対するイランの「残忍な取り締まり」を非難した。インターネットは、ほぼ一週間停止したが、どういうわけか、悪名高い反イラン解説者や「専門家」のTwitterアカウントには映像と画像が投稿された。サイバー・スペースの至る所で、いわゆる国外居住イラン人連中や、ワシントンが支援するムジャヒディン・ハルク・テロリスト支持者の大規模宣伝活動が蔓延している。いわゆる評論家やシンクタンクやマスコミ名士や活動家や政治家がウソにウソを重ねる中、何十万という反イランTweetがTwitter上で爆発した。それでも連中は、イスラム共和国がなぜインターネットを停止したと思っているのだろうか?

 ワシントンは、一層明らかに暴徒に支援を申し出ており、卑劣なマイク・ポンペオは、「イランの抗議行動参加者」に、もっと多くの「政権犯罪」の写真と映像を彼に送るようTwitterで、つぶやきさえしている。数日後、ワシントンはインターネットを停止したかどで、イスラム共和国の情報大臣を制裁した。

 差し迫った戦争の恫喝では、イランを服従するよう脅しつけられないと見て、連中は、政府転覆と内部攻撃に望みを託している。40年たった今もイスラム共和国を理解することに失敗したがゆえに、彼らはまたしても失敗したのだ。この国は大半の他の国々と違い、ワシントンに支援された参謀総長が公然と容易に政府を打倒できたボリビアとは違うのだ。イスラム革命防衛隊が編成されたのは、まさにこれが理由だ。もしイラン軍がクーデターを企てるようなことがあれば、軍よりずっと強力なイスラム革命防衛隊が即座に彼らを粉砕するはずだ。

 レバノンでは、元駐レバノン大使ジェフリー・フェルトマンが「デモと、レバノン指導部や省庁による彼らへの対応は、幸い、アメリカの権益と一致している」と言ってワシントンは自身と暴動との共謀をさらしだした。抗議行動や暴動を、ワシントンがどこで「支援する」にせよ、彼らがそれに加担していると結論できる。イランとイラクでの、むしろ明白なものより、レバノンでの抗議行動はもう少し複雑だ。

 主要道路の封鎖と、アメリカの圧力によるレバノン軍の意図的な無為は驚くべきことではない。閉鎖されている主要道路は慎重に選ばれている。彼らは南レバノンをベイルートと結び、バールベックとダマスカスへの道を首都ベイルートと接続する道路を閉鎖したのだ。これらの地域には主にシーア派が住み、彼らに使われている。道路は主に、スンニ派のサード・ハリーリー暫定首相とドルーズ派の彼の同盟者ワリド・ジャンブラット支持者に支配された特定派閥の地域で封鎖されている。シオニストで戦争犯罪人の悪名高い「レバノン軍」指導者サミール・ジージー支持者によるキリスト教徒が多数派のドバイェやトリポリの道路閉鎖は、ヒズボラへの挑戦という主目的から注意を逸らすためのものだ。

 狙いは、道路を封鎖している犯罪人と道路で対決するように、ヒズボラを強いることだ。ヒズボラはこれに気付いており、挑発に乗るのを避けようとしている。
 狙いは、最初の紛争でヒズボラが敗北するのを見ることではないのだ。ヒズボラの火力や訓練や軍事組織は、熱狂的な傭兵や地元の人々が打倒することはできない。狙いは、ヒズボラからその正当性を奪い、シリアとイラクでの「許し難い」勝利に対し、パレスチナ人とイエメン人に対する支持に対し、高い代償を支払わせることだ。
 レバノン経済について色々言われているが、レバノンの財政問題は最重要問題ではない。レバノンの債務(約350億ドル)は、サウジアラビアがイエメンに対する悲劇的な恐怖の戦争で、毎年垂れ流しているのと同じ金額だ。

 各宗派や外国の干渉が、何十年もレバノンを打ちのめしている本当の国家的要求から注目を逸らそうとしている。ヒズボラとの対決で、外国干渉勢力は抗議行動参加者の正当な要求には依拠していない。ヒズボラ崩壊に内部から貢献したいと願う宗派心の強いレバノン人に依拠している。レバノンは、抵抗枢軸に対して、アメリカやEUやサウジアラビアが多数存在して活動する足場なので、これは驚くべきことではない。

 シオニスト枢軸は、地政学的な好機に乗じて、イラクで同じテーマを推進した。隣国レバノンとイラクでの抗議が、イランの影響力に反対する地域の反乱として描かれている。タカ派シンクタンク「民主主義防衛財団」のCEOで、シオニストのマーク・デュボビッツは、恥ずべきことに、レバノンとイラクだけでなく、イラン国民も「彼らの国々が占拠しているイスラム共和国から積極的に撤退するよう要求して」いると主張した。言い換えれば、彼はイスラム共和国が自国を占拠していると主張しているのだ。連中はそこまで身を落としているのだ。

 それなのにイラク抗議行動参加者の一部は、イラン領事館を攻撃し放火した。一体なぜだろう? ナジャフとカルバラのイラン領事館への放火が一体どうして、彼らを貧困と権利はく奪から救うのだろう? イラクの苦難はイランの責任だと主張するこれらの人々は一体誰だろう? 過去16年に起きたことを彼らは記憶喪失で苦しんでいるのだろうか? 誰がイラクを制裁し、イラクの子供50万人の死をもたらしたのだろう? 全国版テレビで、子供の死は価したと主張したのは一体誰だったろう? 誰がイラクを侵略し、屈辱を与え、8年間占領し、資源を盗んだのだろう? 一体誰がイラクの都市に劣化ウランを投下し、いまだに損なわれた体や突然変異の子供を誕生させているのだろう? イラクに一体誰がダーイシュを解き放ったのだろう? 最も重要なのは、2014年夏、ワシントンの犬がバグダッドの戸口に立った際、イラクを救うため一体誰が即時介入しただろう? サウジアラビアとアメリカがイラク内のこれら凶悪犯に、イランを攻撃するよう指示していることがはっきりしたのはここでだ。幸い、彼らはイラクでも暴露された。事件をイラク外務省は、「多数のイラクの都市で行われているデモの現実からほど遠い外国人によって」攻撃が行われたと最も強い言葉で非難した。

 「我々は狙いは明確だと信じている。イラクとイラン間の歴史的関係やイラクで任務を果たそうとしている世界の国々を傷つけるためだ」とイラク外務省は声明で述べた。

 イラク外務省は更に「法律上の自制とその適切なコースの重大性から正しい需要でデモンの流れを変えることを望む人々のエントリーを警告した。ナジャフの領事館は国民の要求から遠い彼らの狙いの明確な証拠にさらされた。我々はミッションを保証し、その中に働いている人たちの正体をあばかない必要を強調する。」
 イラクの大アヤトラ、アリ・アル・シスタニは、イラクの敵と、彼らと提携する集団が内紛を引き起こして、イラクを、サダム・フセインの支配に対する明らかな言及で、「独裁時代」に戻そうとたくらんでいると警告した。

 聖都カルバラで金曜日祈とう時の礼拝者説教で、大アヤトラは抗議行動参加者に人々や財産への攻撃を阻止し、このような行為をする連中から距離を置くよう促した。

 「穏やかなデモ参加者は、穏やかでない人々から一般人をひき離し、誰であれ破壊活動家を避ける上で協力し、彼らが穏やかなデモ参加者を市民や財産に損害を与えたり、攻撃したりするのを許さないことが極めて重要だ」と最高聖職者の説教を伝える際に大アヤトラ・シスタニの代理人が述べた。
「敵と連中の手先は、彼らの悪意ある狙いを達成するため、混乱を広めて、国を内紛に陥れ、次にそれを独裁に戻そうと企んでいるのだから、全員が、そういう機会を除去するため協力しなくてはならない」と彼は付け加えた。
数カ月前、レバノンのアラビア語日刊紙アル・アクバルは、イラクで力の空白を作って、アメリカお好みの軍有力者を就任させる計画をイラク治安機関筋が暴露したと報じた。

 レバノン、イラク両国で見られる明白なパターンは、この策謀がイスラム共和国を標的にしていることだ。
 長年の戦争後、ダマスカス政府崩壊を防ぐのを助けた際、イランは主流国際社会を打ち破った。イランはヒズボラとパレスチナを、イスラエルに対し効果的に支援し、イラクに味方して、テロがイラクを完全に支配するのを阻止した。イランはサウジアラビアの痛ましい犯罪的戦争に対するイエメン防衛も支援した。これらの動きが、イランに多くの敵を作り出し、彼ら全員が、何年もの屈辱と失敗に対する復讐で躍起になっている。

 今は抵抗枢軸にとって最も重要な時期で、抵抗枢軸は、この策略から生き残らなくてはならず、さもなくば地域全体が燃え、シオニストの手に落ちることになる。

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-empire-strikes-back-us-incited-unrest-in-iraq-lebanon-and-iran-is-washingtons-revenge-against-the-islamic-republic/

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 白痴製造電波バラエティー、下記話題を本格的に報じているのだろうか?もちろん一言もふれないだろう。

 東京新聞 12月4日 8都立病院を独立法人化方針。

 しんぶん赤旗 12月4日 教員変形労働制 日米貿易協定 問題山積のまま強行。「廃案にせよ」

 本当の今年の流行語はシンクライアント。IT用語が流行語になるとは想像もしなかった。しかもトンデモ原因で。

日刊IWJガイド「開示拒否の招待者名簿は復元可能なのでは? 総理も大手マスコミ幹部もジャパンライフ『広告塔』!! 総裁選の党員『買収』も『桜を見る会』利用!?」2019.12.4日号~No.2638号~

 バカボンがのさばる劣等。金子勝教授が日刊ゲンダイのコラムで懸念されている通りなのでは?

憲政史上最長政権 ありのまま歴史を刻むか改竄されるのか

2019年11月10日 (日)

抗議行動とデモが勢いを増す中、燃えているレバノン

2019年11月8日
ヴィクトル・ミーヒン
New Eastern Outlook

 サード・ハリーリは、政府を汚職と、レバノンで起きそうな経済崩壊の条件を作り出したと参加者たちが非難した二週間の大衆抗議活動の後、行き詰まり、レバノン首相の座を去ると発表した。サード・ハリーリは2016年12月以来、この職を勤めてきた。

 10月17日、タバコとインターネット通話アプリケーションへの増税をレバノン政府が、発表した際、強力なデモがに国中至るところで勃発した。これらの進展に促された大衆抗議活動参加者が、道路と高速道路を封鎖し、政府の辞職と、政治改革実行を要求した。だが、国家指導者が、多くの経済改革の開始と反汚職処置をとると発表した後、何千人もの抗議行動参加者が、このような行動を不十分とみなし、政府が健全な経済政策を実行する能力がなく、見境がない汚職と職権乱用の罪で政治家を告発して、全国至るところで再度街頭に繰り出した。

 興味深いことに、状況に関して、レバノン中の多くの政治家が(彼らの宗教的見解と党派関係を反映して)全く意見が異なっている。例えば、ミシェル・アウン大統領はレバノン国民がどれぐらい苦しんでいるか示すため国中いたる所の抗議に最近繰り出したデモ参加者との団結を表明した。だが、レバノンのマロン派教会総大司教ビシャラ・ブトロス・アル・ライは、全国的抗議をなだめるために採用された改革は、正しい「第一歩」だが、レバノン新内閣が、それを実施する必要があると述べた。テレビ演説で、ビシャラ・ブトロス・アル・ライはデモ参加者を支持すると言ったが、彼らに抑制するよう促した。

 他方、レバノン議会のナビ・ベリ議長は(サード・ハリーリ率いる)政府全閣僚の辞任は、レバノンの根深い社会経済危機を解決せず、状況を悪化させるだけだと述べた。レバノンの経済改革に弾みをつけることを目指す即座の処置をとるべきだと彼は考えているとレバノンの日刊新聞Al Joumhouriaが報じた。

 抗議行動参加者の一つの集団がメイン広場でテントを張り、他の集団が道路封鎖を続けた。その間、彼らは重要なスローガンの一つを大声で唱え続けている。「彼ら全員本気だ。」明らかに、それはレバノンの全ての政治組織と多数の政党のことを言っている。

 この全てが、デモ参加者が、多くのアラブ諸国から、戦略的、財政的支援を受けていると、あらゆるアラブ放送局が報道するよう刺激したのだ。これらの国が、物流コストや、運輸、傘、レバノン国旗のついたテント、仮設トイレ、食品や水の供給を含め他の経費を負担していると、消息筋がアル・アヘド・ニュースに語った。彼らは、どの日であれ、道路交通の正常な流れを妨害する者全員、それぞれ100ドルを受け取り、オーバーナイトでテント内か周囲で夜明かしした者は誰でも150ドルを受けとったとも言った。

 抗議行動参加者はサード・ハリーリ辞任を歓迎したが、何が次に起きるかは不明確だ。彼は当面、任務を続けるべく首相代行の役割に留まることができ、当面、これが危機から脱出する唯一の方法だ。サード・ハリーリ首相代行が他のいかなる政党代表者も含まないであろう専門技術者の内閣をまとめ上げることを約束した(とき・から・につれて・ように)、レバノン放送局がそれを報告した。

 一方国を巻き込む経済危機は悪化している。ロイターによれば、ベイルートの企業家たちが米ドルで取り引きを行い始めており、ガソリンスタンド所有者連合が、供給中断のため、数日分の燃料しかない残されていないと消費者に警告した。

 以前、レバノンが長期的危機を経験していることは良く知られている。複雑なシステムが異なったグループ間での権力分割を保証し、最高の職位には、シーア派信徒、スンニ派とキリスト教徒がついている。これまで、それは、この国が内戦に陥るのを阻止してはいるが、広範な利権ネットワークを生み出し、縁故主義をもたらし、政府が信頼できる形で重要な決定をしたり、公共サービスを提供したりするのを阻んでいる。ちなみに、抗議行動参加者は、レバノン国民を悩ませている多くの問題を解決することができる非宗教的政府を組織すべく、政治制度の全面的見直しを要求している。

 この場合、テヘランの観点と対応に焦点を合わせるのは確実に意味がある。かつて2017年11月、サード・ハリーリが、かなり奇妙な状況下で首相を辞任すると発表したことは良く知られている。彼はサウジアラビア訪問中、外国でこの発表をしたのだ。当時サード・ハリーリに近い情報筋、有力層、レバノン政府高官が、リヤドが首相を軟禁し、首相辞任を強いていたと指摘した。ミシェル・アウン大統領もレバノン首相が彼の意志に反してサウジアラビアに拘束されていると述べた。これは石油に富んだ王国と、レバノンと親密な結びつきを持っており、常にレバノンの多数の政党に影響力を及ぼしているイランとの当時の緊張激化のため、リヤドがサード・ハリーリに辞任を強いたという推測に導いた。

 イラン外務省のアッバス・ムサビ報道官は、レバノンの各派、党や人々全員の団結の必要を、テヘランが強調ていると述べた。レバノン首相サード・ハリーリが辞任した後、現在の慎重を要する状況を解決するため、各政党と政治家に、団結を維持し、相互理解を確保するようイラン外務省は促した。アッバス・ムサビ報道官は「レバノンの安全保障と安定性を維持し、レバノン国民の正当な要求を満たすべく、レバノンのあらゆる政治団体と関係者の団結」を要求した。

 この国の政治的、経済的危機に対処するため、一体どんな手段が使われるのか、それがレバノン国民の利益になる形で解決されるかどうかは時間がたたなければわからない。それでも、シリア情勢が改善している(政治対話が始まった)のと同時に、抗議行動がほぼ同時期に始まったレバノンとイラク両国の状況が一層悪化しているのは明白だ。レバノン内外の多くの勢力が、レバノンの困難な状況に巧みにつけこんで、この重要な地域で、自身の利益になるよう動いているというかなり明確な印象を我々は受ける。これは明白で、イラン最高指導者アヤトラ・セイイェド・アリー・ホセイニー・ハーメネイーも、はっきり、そう述べている。イラクやレバノンを含め地域の多くの国々における最近の大変動は、この地域に対するワシントンや、他のいくつかの西側諸国や反動政権による干渉の結果だとも彼は警告した。

 ヴィクトル・ミーヒンはロシア科学アカデミー客員。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/11/08/lebanon-on-fire-as-protests-and-demonstrations-rage-on/

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 孫崎享氏の今日のメルマガ題名は、

三鷹事件:1949年7月無人電車の暴走で複数の民家が全壊・半壊し、市民6名が死亡、20名が負傷。当初共産党、解雇に歓待する国鉄労組説が有力だったが、結局竹内被告の単独説の判決。単独で列車を走らせるようにするには技術的に無理。米国の影。

 そして、日刊IWJガイドは、

日刊IWJガイド・日曜版「京都市長選、共産党は弁護士の福山氏擁立!! また京都で自民、公明、旧民主など『与野党相乗り候補』と共産支援候補の闘いか!?」2019.11.10日号~No.2614号~(2019.11.10 8時00分)

 

2019年11月 4日 (月)

ベイルートは燃えている。エリートに対する反乱が始まった

2019年10月24日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 タイヤが燃え、煙が空に立ち昇っている。今日、10月18日、かつて「東洋のパリ」として知られていた首都レバノンは煙で覆われている。

 腐敗した冷淡なエリートに支配された国は無限に、まとまってはいられないと私は何年も警告してきた。

 私がベイルートを本拠にしていた5年間、事態は悪化しつつあった。何も改善しなかった。公共輸送機関はほぼ皆無、電力不足、汚れた不規則な水道。周期的に、ゴミが道路や郊外道路に山積みになった。飛行機が着陸しドアが開いた途端、ゴミのひどい悪臭が、我々ベイルート住民の帰還を歓迎してくれる。

 ほとんど全員、この全てが永久に、このまま続くはずがないのを知っていた。

 この都市は第4世界の病気で苦しみながらも、同時に、ランドローバーSUV、マセラッティやポルシェのスポーツカーや、アルマーニスーツで溢れかえっている。

 ベイルートは、フランス語、アラビア語、英語の三言語で同時に会話できる極めてスマートな大いに教養を身につけた洗練されたエリートがいることは認めなければならないが、ほとんどジャカルタ・レベルにまで崩壊した。一流画廊、映画館、高級バーやナイトクラブもある。豪華なマリーナや全中東最良の書店。

 ベイルートには常に脳と消化器官があると一部の人々は言うが、その心に何かが起きたのだ。

 今ここでは何も本当に機能していない。だが何百万ドルも持っていれば、それは本当に重要ではない。ここでは何でも買うことができる。貧しくて困窮しているなら、あらゆる希望を断念すべきなのだ。ここの大多数の人々は今惨めなほど貧しい。人口調査は「宗教的バランスを乱さない」ために禁じられているので、正確に何人が困窮しているか誰も知りさえしない(長年、どういうわけか、この国に一体何人のキリスト教徒やイスラム教徒が住んでいるかを知らない方が良いと合意されていたのだ)。

 人々の大部分が金持ちではないのは確実だ。今や支配者や汚職政治家や、いわゆるエリートに激怒して国民は大声ではっきり言っている。ハラス、つまり「もうたくさんだ!」、政権打倒!

* **

 政府はWhatsApp通話に課税することに決めた。大した事ではないと一部の人々は言うだろう。だが、それはおおごとだった。そうなのだ。それは突如大事になった。おそらく搾取の「最後の一滴」だったのだ。

 都市は爆発した。バリケードが築かれた。タイヤが燃やされた。至る所で。貧しい地域も、最も裕福な地域も同様に。

「革命!」と人々は叫び始めた。

 レバノンには左翼の、更には共産党反乱の歴史さえある。宗教的右翼狂信者もかなりいる。どちらが勝つだろう? この全国的反乱で、だれが断固としているだろう?

 今いくつかの行進の背後には共産党がいる。だが今まで国内で最も堅固な社会勢力ヒズボラは、サード・ハリーリー政府が辞職するべきだとは、まだ確信していない。

ロイターによれば:

「レバノンのヒズボラ代表サイイド・ハサン・ナスラッラーは、広範囲な全国的抗議行動の中、ヒズボラは政府辞任を要求していないと述べた。

ナスラッラーはテレビ演説で政府を支持すると述べたが、新方針と「新精神」を要求し、進行中の抗議行動が新税を課すべきでないことを示していると付け加えた。」

貧しい人々に課されるいかなる税金に対しても、彼は支持者に街頭に出るよう呼びかけるつもりだとナスラッラーは言い足した。

 これまでのところ、反乱で無数の人々が怪我をしてしており、二人のシリア移民が命を失った。これは2015年のもの(ベイルートでの恐ろしいゴミ危機と悪化する社会的大惨事に発展した政治的・社会的運動「You Stink (お前は臭い)!」運動を含めて)最も深刻な蜂起だと一部の現地評論家が言っているが、著者を含め他の人々は、これが実際は1980年代以来レバノンが直面している最も深刻な政治的大惨事だと確信している。

 カフェでも地元の店でも、首都のありとあらゆるところで、怒りが聞こえる。

 「信頼は損なわれた!」

 どんな政治活動にも遠かった人々さえ、今抗議行動参加者を支援している。

 国連事務所現地スタッフのジャン女史はベイルートで造反側に立っている一人だ。

「ベイルートやレバノン中で起きているのは良いことです。我々が立ち上がるべき時期です。私も行きます。宗教とは無関係です。我々の粉々にされた生活の問題です。」

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 欧米の主流メディアを読んでいると、レバノンの主な問題が対外債務のようなものだと信じがちだ(レバノンは、一人当たり、世界で三番目に負債をかかえた国だ。負債はGDPの150%になっている)、極めてわずかの本物の準備金(100億米ドル)と、寄贈者や貸し主に対処する国のやりかた。IMFと、その「助言」が常に言及される。

 だがロイターのような通信社さえ、全体の混乱は構造的問題より遥かに大きいことを認めざるを得ない。

「ドルが干上がるにつれ、銀行は事実上、融資をやめ、もはや顧客のために基本的外国為替取り引きをすることができないと、ある銀行家が言った。」

「銀行の役割は、政府に資金調達し、通貨を守るため、中央銀行へ金を注ぐことです」と彼は言った。 「何かをすれば、収賄システムを混乱させることになるので、財政赤字に対して何もすることができないのです。」

 ここにキーワードがある。「収賄!」

 レバノンのエリートは恥知らずなほど腐敗している。国全体から富を剥奪する話になると、唯一インドネシアのような国しかレバノン穴居人一族とは競争できない。

 レバノンでは、ほとんど何も清浄だったり純粋だったりせず、それが利用可能な統計値がない理由でもある。

 お金は、西アフリカにおける天然資源の恐ろしい容赦ない搾取から来る。全員それを知っているが、それは決して公式には取り上げられない。私は西アフリカで働き、人種差別的なレバノン「実業家」がそこで何をしているか私は知っている。だがアフリカ人から盗まれた金がレバノンやその国民を豊かにしない。それはレバノンの銀行で止まり、豪華なヨットや、ヨーロッパの悪趣味で高すぎるスポーツカーや、首都の内部や周辺のとっぴな私的クラブ内で使われる。多くのレバノン人が飢餓の瀬戸際にいる一方、ニースやベニスやギリシャの島に飛ぶ飛行機は、いつも甘い生活を求める人々でいっぱいだ。

 特にベッカー高原で栽培し精製する麻薬で、レバノンは何十億ドルも稼いでいる。それら金持ちの消費用として、主にサウジアラビアに輸出されるか、イエメンとシリアに、いわゆる戦闘用麻薬として戦場に投入される。これも皆それを知っているが、それを止めるためには何も行われない。農民から政治家まで何百もの家族が、その貿易で大富豪になった。これが名高いベイルート・マリーナに、更に何隻かの超豪華ヨットを加えている。

 そして「対外援助」、「ヨーロッパのインフラ投資」、サウジアラビアとカタールの金がある。その大部分が、腐敗した当局者、いわゆる「政府」、そのお仲間や請負業者のポケットに直接注がれる。ほとんど何も建設されないが金は消えている。レバノンには、毎月の給料を受け取る鉄道従業員がいるが、もはや鉄道はない。駅は、ウオッカ・バーに転換されてしまった。地域じゅうから難民を受け入れできるよう、レバノンは金を嘆願しているが、金の多くは少数の金持ちの懐に入って終わる。難民や、低賃金の仕事を必死のシリア人やパレスチナ人と競争しなければならない貧しいレバノンの人々には、極めて僅かしか行かない。

 貧しい人々は一層貧しくなっている。それでも、エチオピア人、フィリピン人、ケニア人のメイドが金持ちの食料を引きずり、エリート一家に生まれた赤ん坊のよだれをぬぐい、トイレを掃除している。一部の人々は、主人に拷問され、多くが自殺している。フェニキア人やヨーロッパ人に見えない人々にとって、レバノンは厳しい場所なのだ。

 ベイルート南部のスラムは拡大している。北部のトリポリのようないくつかのレバノンの都市は全く途方もなく大きいスラムのように見える。

 ベイルート中心街のホテルのフロント係、アリはこう嘆く。

「私は14時間ここで受付係として働いても毎月540ドルしか収入がありません。生きて行くのに最小限700ドル必要です。アメリカに姉がいて、一週間だけ訪問したいのですがビザを入手する方法がありません。私はわずか24歳です。私はベイルートの街頭で抗議しているそれほど多くの人々のようには、この国の未来が見えません。」

 さまざまな推計によれば、レバノンは2020年2月という早い時期に崩壊するかもしれない。これ以上の金は略奪できない。終盤は近づきつつある。

 国が崩壊しても、金持ちはゴールデン・パラシュートがある。彼らには国外に家族がいる。オーストラリアやブラジルやフランスに。パスポートを二つ持っている人々がおり、世界の最も望ましい地域に家を持っている人々もいる。

 貧しい人々には、自身のエリートに略奪された国の脱け殻以外、絶対に何も残るまい。錆びて老朽化したフェラーリが至るところにあるだろうが、人は自動車の残骸を食べることはできない。汚染され破壊された海岸のすぐ横には、豪華ながら放棄されたスイミングプールが残るだろう。

 人々がそれを知っており、彼らは、もううんざりしているのだ。

 ベイルートのスターバックスカフェの店員モハメドは決意している。

「これはひどいものですが時間が重要です。我々はこれ以上我慢できません。我々は国を劇的に変える必要があります。今回は状況は異なっています。我々が誰を崇拝しているかではなく、我々の日常生活が問題なのです。」

 レバノンは、他の恥知らずな資本主義国家と比較すると人々の教育水準が高い。この国の人々はだませない。

 エリートに対する反乱は始まったばかりだ。人々は自分の国を取り戻したいと思っている。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/24/beirut-is-burning-rebellion-against-the-elites-has-commenced/

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 記事原文発表のすぐ後に翻訳すべきだっただろうが、残念ながら、そううまくはゆかない。なにしろ、

 エリートに対する反乱は始まる様子皆無だ。人々は自分の国を取り戻したいと思っていない。

 宗主国の戦闘機パイロットは属国民をなめきっている。とんでもパイロットの話題、昨日、東京新聞で読んだ。

日刊IWJガイド「パイロットが睡眠導入剤を服用!? 飛行中に自撮り!? 操縦桿から手放しで読書!? 岩国の米海兵隊で規律違反が横行!」2019.11.4日号~No.2608号~(2019.11.4 8時00分)

 ところで、11月3日は、小生にとって、田中正造誕生日(旧暦)。田中正造は1913年9月4日に亡くなり、雲龍寺での密葬後、佐野市の惣宗寺で本葬が行われ、多数の参列者が集まった。
 そこで以前、引用させていただいた芝居「明治の柩」のパンフレット中の文章を引用させていただこう。欠陥戦闘機を爆買いし、イージス・アショアを購入し、オマーンに海軍を派兵する一方、民間英語テストの大学入試導入を推進する傀儡政府。田中正造はお墓の中で寝返りを打っているかも知れない。彼は日清戦争時は、戦争支持だったが、日露戦争時には、非戦論、軍備全廃論に転じ、費用は留学に使うよう主張していた。文科相、田中正造の爪の垢を煎じて飲んでもらいたい。つける薬がないのはわかってはいるが。

「明治の柩」の中は、田中正造か今の我々か

赤上剛

 田中正造は、明治という時代の枠にとらわれた古い人間なのか、あるいはそこから突き抜けていた人物なのか。
 今、「文化の日」が「明治の日」に変えられようとしている。十一月三日は明治期の「天長節」、戦前の「明治節」、明治天皇の誕生日だ。平和憲法「発布日」のこの日を「憲法記念日」として再出発しようと国会で運動したのが作家山本有三たち。保守派の反対で「文化の日』とされた。なぜか。「憲法記念日」にすると明治天皇祝日に戻せなくなる。「憲法記念日」は「公布(施行)日」の五月三日にすり替えられた。それが動き出した。すでに「建国記念日」(神話の神武天皇即位日)は復活している。
 私は田中正造記念日としたい!十一月三日は田中正造の誕生日。(旧暦。天皇は新暦)最大の公害は「戦争」と「原発」だという。「戦争」について、正造は日清戦争に賛成したが日露戦争には反対した。また、「原発」につながる近代公害第一号が足尾銅山鉱毒事件。正造は被害民とともに真正面から戦った。その鉱毒事件・谷中村事件とは何であったのか。
 足尾銅山の鉱毒(煙害と毒水)によって渡良瀬川流域三十万人が苦しんだ。日清・日露戦争を勝ち抜き西洋列強に追いつかんとした明治政府は、鉱毒被害をほぼ無視し銅山を温存した。生命の危機まで追い詰められた被害民は、政府への請願「足尾銅山操業停止」運動(大押出し)を何度も行った。政府は、多数のリーダーを兇徒など刑事犯として監獄へぶち込んだ。正造は明治天皇へ直訴する。盛り上がった世論に政府がとった措置は、被害民運動をつぶすこと。鉱毒は洪水とともに押し寄せる。「渡良瀬川の改修工事と最下流の谷中村を遊水池にする」政府方針を出す。運動は分裂し谷中村は孤立した。日露戦争のさなか正造は谷中村へ移住し反対運動に専念。栃木県会は「臨時土木費」名目で谷中村買収を決議し土地買収で村民を追い出す。谷中村民の意思は無視され廃村、藤岡町に強制合併された。「土地収用法」を適用しても応じない村民の家屋を強制破壊。残留民十六戸は仮小屋を作り踏みとどまる。政府と県は早くから谷中村の堤防破損個所を修理せず放置して谷中村を水没させた。毒水攻め、食料攻めだ。些細な仮小屋工事も、死者の谷中村墓への埋葬も「河川法違反」。正造死後、正造の祠(ほこら)を庭に建てても違反。すべて、「法律」「勅令」等による措置だと。
 ことし、集団的自衛権が閣議決定変更で容認され、安保関連法が強行採決された。いずれも憲法学者こぞって立憲制の否定・憲法違反だと断じている。
 東電福島原発事故から四年、いまだ十一万人の避難者がありながら原因究明もなく、誰一人責任をとらず、原発再稼働と海外輸出に政府・業界はまっしぐらだ。
 なぜこうなったのか。政・官・業・学(現在は、司法・労組・マスコミまで拡大)の癒着による①原因究明の不作為・遅延②被害の矮小化・未調査③被害者切り捨て・棄民化④加害責任の否認・加害企業温存⑤経済あっての国家という構図である。根底には『戦争体認』がある。
 正造の戦いの武器は、大日本帝国憲法。亡くなる年の最後の演説会でも憲法発布勅語(前文)を大きく張り出した。「朕(天皇)は、臣民の権利及び財産の安全を貴重し及び之を保護し…」。
近代憲法である限り「人民の権利保障」が前提にある。
 憲法を無視し法律を矢玉に人民を的にした「亡国」の圧制は許せない。「日本を見んとせば谷中村を見よ』と正造はいう。谷中村を守ることは憲法をまもること。だが、人民は谷中村事件から何も学ばなかった。逆に政・官・業・学は悪政の指針を身につけた。今も解決に至らない「チッソ水俣病」等の公害地域や、「沖縄辺野古」への政府の棄民・分断政策が足尾銅山鉱毒事件・谷中村事件と見事に重なり合う。
 戦争は銅増産優先、鉱毒被害無視、被害民運動を弾圧する。戦争は弱者を切り捨てる。世界共通だ。この鉱害闘争の現場から正造は戦争反対、軍備全廃論にたどり着いた。軍備費を青年の留学費に変え外交によって戦争をなくせと。
 晩年の正造は明治国家と帝国憲法の限界に気づき、「今の憲法、法律、教育のすべてを全廃して、天神を基とする〝広き憲法〟を設けるべし」と主張した。私たちが手にした「平和憲法」がまさにそれだろう。
 だが、谷中村事件から学ばず、戦争責任も原発事故責任も未だあいまいなままに過ごしてきた我々。
 田中正造は明治時代の「古い戦い」をしたから『明治の枢』に入れられたのか。だが、平和憲法がありながら明治精神・戦争体制へ復帰せんとする勢力に押し負けている我々こそ「明治の枢」へ片足を突っ込んでいるのかもしれない。
 劇団東演の『明治の枢』を見て、誰が「正造を叱る言葉」をかけられるか。
 戦後最大の危機を百年前に見通していた正造はいう。
〝人民は、人民の経験を信じて一歩譲るべからず〟

(田中正造研究家)

 赤上剛氏の著書に、『田中正造とその周辺』がある。

 家の中にこもっていては災害の実態はわからない。佐野市も溢水にあっていた。昔歩いたアンダーパスには溢水の跡があり、町中も所々溢水による泥や枯れ草が残っていた。惣宗寺からほど遠からぬところにある橋も今回の豪雨で破壊された。古河による足尾銅山鉱毒と戦ったがゆえに、農民たちは、政府に家を強制破壊され、生活の場を追われた。彼らの暮らしていた場所は後に渡良瀬遊水池と化した。遊水池も今回豪雨で水没した。見に行った時点では、中に入れなかった。

Sanohashihoukai19

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