トランプ大統領

2019年10月21日 (月)

シリアにおけるロシアの妙技:全員ウイン

Federico Pieraccini
2019年10月16日
Strategic Culture Foundation

 「モスクワとダマスカスは、常に、いかなる形の分割にも、シリアにおける違法な外国軍駐留にも反対だと主張している。」

 分割と違法な外国軍駐留に反対する姿勢にもかかわらず、モスクワは紛争の全当事者との接触を維持するのに成功している。モスクワの強い要請で、イランとトルコとロシア間の三者会議がアスタナで開催された。プーチンは、シリアの未来を議論するためシリア政府と反対派をソチに集めるのに成功した。ジュネーブで、シリアを、アメリカや他の敵によるインチキ外交から守り、モスクワはダマスカスと国際社会の間を調停した。

 シリアでの敗北の結果、トルコは、今モスクワとテヘランと積極的対話をしている。アンカラが、ワシントンや他のヨーロッパ首都との関係を悪化させる中、モスクワはトルコを、ダマスカスとより緊密にさせる機会を見出した。

 ロシアの作戦は複雑で、多くの忍耐力が必要だった。だがロシアが監督する交渉と、シリア兵士の勇敢さと勇気のおかげで、シリアに散在するテロリスト拠点のほぼ全てが着実に制覇されつつある。

 イドリブ州以外の、ダマスカスにとっての主要問題は「ダーイシュとの戦い」と「アサド政権」からクルド人(SDF)を守るという口実でのアメリカによるシリア北東部の占領だ。

 崩壊しつつある経済に圧迫され、同盟諸国(ロシアのS-400システムの購入はワシントンとNATO加盟諸国の多くをいらだたせた)に脅迫され、エルドアンは身動きできずにいる。彼は是が非でも何らかの勝利を支持基盤に示す必要がある。

 これが、シリア・トルコ国境に緩衝地帯を作って、「任務は達成された」と宣言して、支持率を押し上げるため、クルド人民防衛隊がPKKとつながったテロ組織だという口実で、シリアに侵入するエルドアンの決定の背後にある主な理由かもしれない。

 トランプの場合は、(エセ)弾劾手続きから注意を逸らすのに必死で、彼も同様に支持基盤に何らかの勝利を見せる必要がある。耳にたこができるほどダーイシュに対する勝利を語り、シリアからアメリカ部隊をミニ撤退させ、クルド人を運命に任せる(SDFは政敵民主党により関係が深いので、トランプは彼ら全く関心がない)よりうまい方法があるだろうか?

 トランプは、国防総省の「常軌を逸した出費」とアメリカの過去の戦争に対する、ひと握りのTweetをして、「アメリカ・ファースト」教義への彼の誓約に関して、彼と彼の支持者たちは、お互いにハイタッチして成功を喜び合っている。

 (ホワイトハウスからの高圧的発言にもかかわらず)エルドアンとトランプは、個人的な関係を再確立して、NATO内でのトルコとアメリカ間の厄介な抗争を解決したのだ。

 クルド人(SDF)とダマスカス間の合意は、モスクワが大いに画策している出来事の当然の結果に過ぎない。トルコ国境へのシリアとロシア軍の配備は、クレムリンがこの外交的名人芸の初めに望んでいた結果であるシリア全領土奪回の前兆だ。

 ワシントンにもアンカラにも、ダマスカスがシリアを再統合するのを阻止する機会は一度もをなかった。シリアでの敗北に直面して、ワシントンとアンカラは、それぞれの支持基盤には勝利を宣言しながら、遅かれ早かれ正しい出口戦略を求めるだろうとモスクワは想定していたのだ。これこそ、まさに、プーチンとラブロフが、これまでの数週間に生み出して、トランプとエルドアンにシリア問題の解決策を提示したものなのだ。

 トランプは、アメリカから11,200キロも離れた国にはほとんど興味がないと言うだろう。エルドアンは(多少渋々ながら)トルコとシリアの間の国境が、シリア軍に確保されれば、クルド人の安全を保障するだろう。

 プーチンが、アサドとクルド人に、シリア共通の利益のため対話を始めるように助言したのは確実だ。彼は、エルドアンとトランプも、この計画を受け入れる必要性を説得したに違いない。

 ダマスカスとモスクワが報われる合意は、クルド人を救い、国内・世界の聴衆に説明するのが困難な状況にあるエルドアンとトランプにうわべの威厳を維持するのを可能にする。

 アンカラとダマスカス間のいかなる軍事衝突も防ぐことを目的として、トルコとの国境で、モスクワはシリア軍と共同パトロールを始めた。アンカラが今後数日中に軍事行動を止めれば、ダマスカスは油田の支配を取り戻すだろう。

 7年におよぶシリア紛争の終焉を一層早めるのに貢献する、これまで考えられたものの中で最も素晴らしい外交的妙技の一つを世界は目にしているのだ。

 Federico Pieracciniは国際問題、紛争、政治と戦略が専門の独立フリーライター

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/16/the-russian-masterpiece-in-syria-everyone-wins/

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 幸いなことに、ほとんどテレビをみていない。大本営広報は下記二つの話題、一体どう報じているのだろう。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

転載、沖縄タイムス社説[政令恩赦決定]合理性も説得力もない。「政令恩赦」。恩赦は慶弔 時の慣例とはいえ、三権分立の原則を揺るがしかねない、合理性のない制度。共同通信社世 論調査で、恩赦への反対が60・2%、賛成24・8%。公職選挙法違反者も430名。

 そして『八ッ場ダム』。八ッ場称賛のびっくりコメント、公開せずいる。

日刊IWJガイド「『八ッ場ダム無双』『スーパー堤防礼賛』デマ宣伝を一蹴する!! 本日午後8時より岩上安身によるジャーナリスト・まさのあつこ氏、拓殖大学政経学部教授・関良基氏インタビューを公共性に鑑みフルオープンで、生配信します!」2019.10.21日号~No.2594号~(2019.10.21 8時00分)

2019年10月16日 (水)

マイク・ペンス大統領で、ブッシュ風外交政策への復帰を待ち焦がれるネオコンと共和党幹部

ご注意!副大統領の外交政策姿勢はブッシュ政権以来未曾有のメシア信仰を引き起こす

バーバラ・ボランド
2019年10月7日月曜日

 内閣レベルの召喚令状を完備した弾劾に、議会が向かうにつれ、マイク・ペンスが大統領となる恐怖が益々大きくなりつつある。

 だがそれに直面しよう。2024年か、それより早いかにかかわらず、ペンスが大統領となることは、支配体制派共和党議員にとっても、タカ派ネオコンにとっても、夢の実現だ。トランプ式「アメリカ・ファースト」愛国心は、グローバリズムのゾンビ化した死体が到来次第、即座に死ぬだろう。

 2016年の選挙準備段階に、トランプがペンスを選んだのは偽善だとしてメディアは批判した。トランプは、イラク戦争を「大失敗」と呼んで、共和党の正説と決別したのは有名だ。2003年のイラク侵略を彼女が支持したかどで、ヒラリー・クリントンをあざ笑う機会を彼は決して見逃さなかった。だがトランプは、彼が副大統領として選んだ人物も、戦争に賛成投票していたのを気にするようには思われなかった。はぁ?

 それはトランプが、大統領職を、ワンマンバンド(複数楽器を一人で演奏する芸)と見ており、側近連中の過去の政治姿勢には束縛されず、トランプが経営する会社と同じスタイルで率いたいと思っているからだ。ペンスは、トランプが副大統領について聞かされていたそのままの人物を「大手俳優派遣業者」から採用したかのようだ。トランプにとって、補佐官はほとんどお飾りで、ペンスはハリウッドの監督が二流映画に選びそうな副大統領だ。

 トランプと異なり、ペンスは政府の新参者ではない。彼はアメリカ下院議員とインディアナ知事として長い実績があり、「タカ派のタカ派」と言われるゆえんはあきらかだ。ペンスはイラク戦争に賛成投票しただけではない。彼は、防衛費増強も、世界中への「アメリカの価値観」風例外主義の輸出も、イラクからの軍撤退所定日を、国造り段階が完了するまで延期す決議も、全て支持していたのだ。

 シリアへのアメリカ軍事介入や、ロシアとの一層冷えた関係や、より強力なNATO支援をペンスは支持している。ペンスは彼の下院での実績は、アメリカで最も保守的な議員の一人として自慢し、自身の立場は「キリスト教徒で、保守主義者で、共和党員という順番」だと説明している。

 副大統領として、ペンスは彼のネオコンの真正性を磨きあげている。彼はトランプ大統領任期中、NATOを称賛しており、彼は大統領と同じ考えではないと同盟諸国が感じる中、国際舞台でNATOの重要性を強調し続けている。

 ペンスの長年の政府における実績と、副大統領としての実績から、彼が大統領になったら、一体どんなふうになるか我々は想像可能だ。彼はおそらく、ジョージ・W・ブッシュの政策を思い出させる、民主主義の発展と人権を強調する「価値観政策」を採用するだろう。ブッシュのように、ペンスはグローバル健康プログラムや、他の国際開発プログラムへの予算を増やすかもしれない。彼は、少なくとも、価値観を共有する西欧諸国との強い国際同盟を信じている。もし彼の過去が最も良い判断材料となるなら、ペンスは、世界中、広範囲に軍を配備するのをためらうまい。

 今年早々の、ウエスト・ポイント新卒業生へのペンスの訓示は、彼が世界をどのように見ているかについて、我々に厳しい現実を見ることができる。

諸君の生涯のある時点で、諸君がアメリカのため、戦場で戦うことは、ほぼ確実だ。諸君は戦闘で兵士を指揮するだろう。それは起きるだろう。諸君の一部は、アフガニスタンやイラクで、過激イスラム・テロリストに対する戦いに参戦するだろう。諸君の一部は、北朝鮮が平和を脅かし続けており、益々多くの軍を配備する中国が、地域における我々のプレゼンスに対抗している、朝鮮半島やインド-太平洋で参戦するだろう。諸君の一部は、攻撃的なロシアが無理矢理に国境を引き直そうと努めているヨーロッパで戦いに参加するだろう。諸君の一部はこの半球で軍務に服すよう要求さえされるかもしれない。

その日がくれば、諸君は銃声がする現場に行き、任務を果たし、諸君は戦い、諸君は勝つことを私は知っている。アメリカ国民は、まさにそれを期待している。だから、諸君がどこに派兵されようとも、諸君がここで学んだことを活用し実行に移すようお勧めする。もしもではない、その日が来たら、諸君は、その立場を堅持できるよう、諸君の全ての武具を身につけよ。」

 ペンスにとって、米軍はまもなく「戦場で戦わな」ければならないのだ。これはもしもではなく、いつかの問題だ。彼のアメリカ防衛の考えは戦力投影、地球の取り締まりだ。

 2017年5月、宗教道徳をペンスがアメリカの外交政策に明示的に埋め込む「確率は高い」とオバマの元外交政策当局者ハディ・アムルとスティーブ・フェルドスタインが書いた。

 二つの点が、ペンスの外交政策を特徴づけるだろう。共和党支配体制の再来と、社会問題についての、キリスト教保守派思想の攻撃的な考え方。ペンスは「ユダヤ教・キリスト教の性格」を共有する国との同盟を好み、「文明の衝突」戦略を好むかもしれない。

 この二人の論説は予知的だった。

 最近のシンガポール・サミットの際「宗教に基づく外交政策へ回帰」の先触れとして、彼がミャンマー国家顧問アウン・サン・スー・チーの横に座り、イスラム教徒ロヒンギャに対する暴力的迫害のかどでミャンマー軍を非難した際、ニュースサイト、ディフェンス・ワンは、ペンスの「感動的な振る舞い」に称賛を惜しまなかった。

 ペンスはトランプが好む醜い実利主義の「国益」の厳守より、「一見、時代後れで、より普遍的な、アメリカ的価値観の言葉を使った」。ペンスと前国連大使ニッキー・ヘイリーは「少なくとも、部分的には、ペンスの福音主義キリスト教信仰から生じているように思われる、価値観に基づく外交政策手法」の実例だ。

 それは実際に先祖返りだ。ブッシュ・ジュニアが大統領執務室を占めていた時以来、これほどの信仰厳守が、アメリカの優位性に対する、ほとんどまれに見る信念と組み合わさったものを我々は目にしていない。イランに対する脅しを強化する、あからさまな宗教的演説で、マイク・ポンペオ国務長官は、キリスト教と侵略の奇妙な錬金術を実証している。ポンペオ同様、ペンスも、聖書の数節を外交政策と組み合わせるのを好んでいる。ペンスが陸軍士官学校訓示で、卒業生は「諸君の武具を身につける」べきだと言った時、彼は使徒パウロのエペソ人への手紙を参照しているのだ。悪魔の策略に対して立ち向かうことができるように、あなたは「神の全ての武具を身につけ」なさい。

 アメリカ干渉主義のために疑似宗教風枠組みを使い、個別の戦闘員たちにとって、その言説がいかに不似合いであれ、陳腐な黒と白、善対悪で全ての戦いを描き出すブッシュ時代の世界観をペンスはよみがえらせている。ブッシュとマケインは、イラク戦争を善対悪の葛藤と呼んだ。そして、それがどのような結末になったか我々は見ている。それでも外交政策のこのモデルの発露は共和党支配体制の中では健在なままだ。

 沼地の中の軍産複合体推進者連中は、政治的利益のために、この救世主的探求を喜んで利用する。民主主義と人権の世界的擁護運動だと言うペンスとポンペオは、彼らの世界観の旗手なのだ。

 民主主義の勝利に対する強固な信念と組み合わさった国際干渉主義が再浮上したことを、誰も驚くべきではない。実際、それは決して本当に消え去ってはいなかったのだ。第一次世界大戦で戦うため、ウッドロー・ウィルソン大統領が歩兵を派兵して「民主主義のため、世界は安全にされなくてはならない」と言った時以来ずっと、兵士を戦争に送ることで、アメリカは「民主主義を広める」ことができるという考えには一種の誘惑があるのだ。トランプの「取り引き」外交政策に対しては、多くの正当な批評があるが、ブッシュ時代のグローバリズム・モデルを復活させる前に、アメリカは、じっくり考えるべきだ。もし民主党議員が弾劾を思いどおりにできれば、我々は考えているより早く外交政策の報いに直面するかもしれない。

記事原文のurl:https://www.theamericanconservative.com/articles/onward-christian-soldier-imagining-a-pence-presidency/
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 陸軍士官学校でのペンス副大統領訓示に関する下記翻訳記事も、検索エンジンに隠蔽されている。戦争が大義のためでなく、資本家のために行われるという事実がまずいのだろうか。

 洗脳進行中:「特定の戦争」の価値を称賛するペンス副大統領

 「セクシー」の意味、閣議決定 小泉氏発言で政府答弁書 という、なさけなさ。

 北陸新幹線車両基地水没、素人には不思議でならない。日本の土木技術、治水技術、こういう事態、本当に想定出来なかったのだろうか。宗主国ご自慢の対空防衛システムが、サウジアラビア石油施設への攻撃を阻止できなかったのを連想した。

 軍産複合体の利益、権力の維持・極大化が目的か、ゼネコンの利益、権力の維持・極大化が目的かの違い?

 衆院予算委国会中継、岩淵友議員の質問が終わったので、音声を消した。

 植草一秀の『知られざる真実』 適切な避難行動実現に浸水リスク明示不可欠

日刊IWJガイド「刻々と被害の拡大が判明する台風19号の爪痕! 死者72人、堤防決壊47河川、住宅浸水1万3000棟、停電約4万戸近く(最多時52万戸)、断水13万戸! 急がれる「激甚災害」指定。IWJは昨日多摩川周辺を取材、本日は11時頃より埼玉県川越市、東松山市周辺を取材します! 」2019.10.16日号~No.2589号~(2019.10.16 8時00分)

2019年10月13日 (日)

くすぶるウクライナ。強欲な「実業家」父と息子チーム!

くすぶるウクライナ。強欲な「実業家」父と息子チーム!
2019年10月11日
Henry Kamens
New Eastern Outlook

 最近、興味が刺激されるためではなく、アメリカ大統領選挙との関係のため、ウクライナで一体何が起きているのか、支援という見せかけの下、アメリカによって、いかに事が進められているかについて、多くの人々が短期集中講座を受けている。

 ジョー・バイデン前合衆国副大統領、特に息子ハンターの後ろ暗い取り引きを調査するようウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領に圧力をかけたと言って、民主党は今トランプを非難している。

 ずばり要点を言って、トランプは、この主張は、全て彼の二期目の立候補を阻止するため、投票箱では得ることができない優位を民主党が得ようと意図する「魔女狩りのたわごと」ときっぱり切り捨て、どんな非行も否定した。

 これは全て本当かも知れない。だが、これまでの10年にわたりウクライナでは、余りに多くのことが起きた。例えば、オバマ政権やCIAや他の連中は、実際、政府を乗っ取るため、大勢の反ロシア分離主義者ナチに資金を供給したのだ。それからクリミアは不安と反撃で、ロシア加入を票決し、飛行機が墜落し、誰も今まで真実を語らなかった。

 皆様がウクライナについて、これまで読んだものの大半が間違っており、それも、ブラウン大学スラブ研究のウラジミール・ゴルステイン教授が言う通り、控えめな表現だ。彼はモスクワで生まれ、1979年、アメリカに移住した。だが主流マスコミは、アメリカとそのパートナーによる失策や災難を洗脳、正当化するため報道を多く報じている。

一体どういうことなのか

 少なくともアメリカ人のため、複雑な問題を単純にすれば、ウクライナで起きた全てが、2016年の民主党全国委員会電子メールのハッキングと大統領に選ばれたコメディアンと関係があるのだ。

 民主党は、彼らの政治資金団体の一部から、彼ら自身の失敗から注意をそらし、資金集めをするために、ウクライナ・カードを使いたいと思ったのだ。共和党も、民主党と平均的なウクライナ人に対して同じカードを使いたいと望んで、「我ら人民」は彼ら両方が立ち去ることを願いながら、双方の間で、身動きできずにいる。

切り札

 話は、2014年早々の、当時の「EUくそくらえ」ヨーロッパ・ユーラシア担当国務次官補ビクトリア・ヌーランドと、駐ウクライナ・アメリカ大使ジェフリー・パイアットの電話会話にさかのぼる。当時、会話のすぐ後、バイデン副大統領はウクライナの選挙で選ばれた政府をアメリカの支援を得ての打倒「実現に一役買う」上で役割を演じていた。

 それはこの話題で最大の犯罪だが、代替メディアは、しっかり文書化しているものの、独立政府の違法な打倒を、全ての当事者が見落としていることは語られていない。

 だが突然「ドナルド・トランプが、もしウクライナ政府が、彼の再選での勝利を支援するのを拒否したら、ウクライナへの軍事援助を保留すると脅したことを我々が知った今、下院民主党議員の4分の3以上が弾劾調査支持で登場したのだ」。この情報がばれたタイミングは大いに疑わしく、この情報がどう漏れたのか、誰が漏らしたのかという点では、ホワイトハウス内の関係筋だったのは明らかだ。

 このような声明は信頼できないが、より大きな構図を考えると、議論の余地がある問題だ。誰が弾劾されるか、されないか決めるのは上院だ。「When Democrats Turn Out」は、民主党が選挙で歴史を作り続けるのを可能にすべく、全国の有権者を活性化させる運動だが、弾劾を決定することはできない。

 トランプが、様々な罪で大統領の座から追いだされるのに値するのは言うまでもないが一番薄弱な罪は、彼の大言壮語、ふるいのように情報を漏らさない信頼できるスタッフを選んでいないことだ。

 トランプに「取り引きの手管」を教えることができるジョー・バイデンと彼の「実業家」息子ハンターに対する最近の非難合戦は別として、ウクライナは他の連中の権益用プレイステーションに過ぎない。薬物検査で失格し、海軍から追い出された後、ハンター・バイデンが彼の名を、外見上明白ないかなる公表もせずに、ウクライナのガス企業ブリスマ・ホールディングスに雇われたのを公然と認めるのを大半の人々は望んでいない。

 アメリカに公認され支援されたクーデターにより、ウクライナの親ロシア派前大統領が打倒された二カ月後、2014年4月に彼の新しい仕事が始まった。ウクライナの正統大統領の排除前と、その間と、その後、新たに据えたアメリカ傀儡政権を支援するアメリカの取り組みに、ハンター・バイデンの父親は大いに関与していた。

 収賄や、ロシアによるオランダ旅客機撃墜と主張されるものへの対処や、東部地域での一般人に対する砲撃などのため、ウクライナは信頼性を大きく損なった。

 飛行機撃墜の調査に従事したオランダ関係筋はこう語っている。

「我々の調査はウクライナとの共同調査だった。多くの不確実な問題がある。彼らによれば撃墜したのはロシアだ。だが私はそれがロシアではなかったと確信している。彼らは決してそれほど愚かに行動しないだろう。[メディア]はロシアを非難するが、実際の証拠は見せず、根拠がない主張だけだ。彼らは嘘をついている。知っていると主張する全員が、ウクライナ自身が、ウクライナ戦闘機で撃墜したのだ。」

 『燃えるウクライナ』

 ウクライナで起きたことの多くは、きちんと文書化されているが、それらはアメリカやウクライナを肯定的な視点で描いていないため、間もなく欧米の多くによって、ロシアの宣伝にすぎないと切り捨てられた。世界的に有名な映画・ドキュメンタリー制作者オリバー・ストーンが示している通り、それは現実からほど遠い。

 ストーンの『燃えるウクライナ』は、2004年のオレンジ革命や、2014年の蜂起と民主的に選出されたヤヌコーヴィチの暴力的な追放をもたらした、この地域における深い分裂を歴史的な視点でみている。欧米メディアは「大革命」として報道したが、実際には、超国家主義集団とアメリカ国務省によって書かれ演出されたクーデターだった。

 それ以来起きていることが東西間の不和の種であることが証明され、内部問題は一層激化した。これらは更に、ロシア語に対する全面的攻撃と、超インフレによって悪化し、既に社会から取り残された人々を一層の貧困に追い込み、最も優れた人々にも、そこそこの人々にも、EUで彼らの運を試してみるよう強いたのだ。

 この結果は肯定的ではなく、続く頭脳労働者と熟練労働者の流出は長期的な悪影響をもたらすはずだ。即座のとばっちりは地域の大衆だけでなく地域全体が受けるのだ。

 個々の要因は余りにうまく合っている。当初オバマとジョー・バイデンは、ヨーロッパ諸国に、彼らと団結して、ロシアに対抗し、アメリカがウクライナでしている全てを支持するよう圧力をかけた。そこでバイデンとそのチームは報酬を与えられなければならず、彼らは冷戦後のもう一つの戦利品を分けるという考えで、パブロフの犬のように気持ちが高ぶったのだ。

 どういうわけか無能で不祥事を起こした息子が、ウクライナの主要ガス企業重役になった。もちろん、ジョー・バイデンが、ハンター・バイデンの怪しい活動を調査し始めたウクライナ検事総長を、10億ドルのアメリカ援助を彼の辞任に関連づけて追い出したのを自慢した後でさえ、これは利益相反ではあり得なかった。

 子供が学問や他の功績が勝ち取れなかった場合、政治家が息子や娘の職を大企業で見つけるのは珍しいことではない。それは子供を片づける一つの方法だ。

 1991年、ウィリアム・ケネディ・スミスが強姦罪で告発された時、彼の家族は「辺ぴな場所」のアルバカーキで、彼に医療インターンの新しい仕事を見つけた。スミスは役職に適任だったが、他の女性たちが彼に対して申し立てた類似の告訴から、無罪になった強姦犯人としてさえ、彼が患者の近くに行くのを不適格にすべきだった。にもかかわらず、彼の親類と政治的な支持者たちが世界の至るところに埋めて売る地雷の被害者を更生させる彼自身のキャリアを積むことが可能だったのだ。

 これらの任命が、支援と結び付けられて、政権を形成したり、打倒したりするために使われる時に問題が起きるのだ。彼が父親を困らせ、大統領選出馬に損害を与える可能性が低いウクライナでのハンター任命は、支援受け入れの一つの条件だった。実際そうしたように、ウクライナが他に、この支援を求めれば、ハンターは帰国し、彼の問題も持ち帰らなければなるまい。そこの貧しい人々は将来のアメリカ大統領の息子ではなく、ウクライナ人に過ぎないのだから、ヤヌコーヴィチ排除ということになる。

 白い太陽、黒い夜

 ウクライナの現在の苦い体験と、そこで演じられているゼロ・サムゲームは、古いソ連映画『砂漠の白い太陽』のある場面を強く思い起こさせる。

「すぐ殺されたいのか、それとも最初少し拷問されるのを望むか。俺は最初、拷問されるほうが良い。」

 映画全体は、現在のウクライナ、特に気候や政治や科学についての議論に、関連している。強欲やな政治家や戦争屋を選出し、連中の師弟を権力の座に任命し続けるのは、我々の生き残りにとって非常に良くない。このような連中はロシアや他の世界を瀬戸際に押しやることの危険を見ず、自身の儲けしか心配しない。

 映画の赤軍軍人は(映画の21:30で)、彼を捕らえた民族主義者と白軍ギャングから、どうやって逃れるか考えるため、時間を適切に使い、拷問を選んだ。だが文明世界と単純な人々は、ウクライナや他の不安定地域で、彼らのリーダーがそこにいることになった混乱から一体どうやって逃れられるだろう?

 文脈を無視して解釈されているとは言え、一回の電話会話に関して起きたことは、我々が悩まされる中、少なくとも、最終的脱出を計画する多少の猶予を我々に与えてくれる。トランプは我々に苦悩と逃げるべきディストピア不毛地帯の両方を与えたのかもしれないが、彼の介入がなければ、我々はそれらすら持てなかったかもしれないのだ。

 アメリカと、そのヨーロッパ・パートナーが約束したり、行ったりした支援と民主主義構築は、ウクライナでは決して効果的ではなかった。彼らは、ウクライナ政府に、行動に責任をとったり、国民の実際のニーズに対応したりするよう奨励しなかった。

 結果は、国内での更なる分裂だ。元々、政治的、経済的に混迷していた国が、益々不安定にされ、より広範な地域をその泥沼に引き込むのだ。たとえそれが問題を作っても、そうしたこと全てを、いつもの通り、何らかの現地人に固有の欠点のせいにできるので、アメリカは満足なのだ。

 それは全て問題の根源、アメリカと同盟国が代理を使ってしているあらゆること、つまり侵入と干渉を、ロシアなどの他者を、いけにえとして問題を負わせる道具としてのウクライナや他の国々の役割に帰結する。

 問題は、バイデンやオルブライトやクリントン夫妻やブレアなどの連中が、それをどのように実行するかを知っていることだ。彼らは欧米の技能を持っている。彼らは手段を選ばず、彼らの国で彼らの専門職のトップに就いたのだ。つまり既にジョージアのような国で実行したように、ウクライナやアルバニアやイラクのような新たに解放された国で、連中がノウハウを実践しようと望むのは決して驚くべきことではない。

 ウクライナはそのために存在するのだろうか? これが主権国家の役割だろうか? 我々が現地の人の欠陥について語るなら、そうした欠陥は実際一体どの国にあるのだろう?

Henry Kamensはコラムニストで中央アジアとコーカサス専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/11/ukraine-smolders-greedy-businessman-father-and-son-team/

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 『砂漠の白い太陽』、一度見たような気がする。ネットでは英語字幕つきのものはみられないようだ。

 雨の音で眠れず、睡眠不足。『利根川治水の変遷と水害』という本を読んだばかりで、利根川氾濫の可能性を想像していた。千曲川、阿武隈川、川越の越辺川氾濫。下記IWJインタビュー再配信も拝聴した。お二人こそ正論。

※問題だらけの治水事業! 豪雨被害は天災ではなく人災!? 大都市圏を豪雨が襲うリスクに迫る! 岩上安身による拓殖大関良基教授+ジャーナリストまさのあつこ氏インタビュー 2018.7.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/427924


日刊IWJガイド・日曜版「12日午後7時前・台風19号静岡県に上陸『数十年に一度のこれまでに経験したことのないような重大な危険が差し迫った状況』として1都11県に『大雨特別警報』!! 『荒川』『入間川』『多摩川』『浅川』『相模川の中流』『千曲川の上流』『菊川』はいつ氾濫が起こってもおかしくない状況!! 命を守るための最善の行動を!」2019.10.13日号~No.2586号~(2019.10.13 8時00分)

 

2019年10月12日 (土)

クルド人に対する裏切りはアメリカ流

2019年10月9日 21:31
Finian Cunningham
スプートニク

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は、シリアのクルド人に対する「裏切り」という超党派意見で、ワシントンでは徹底的に非難されている。だがクルド人を裏切ってきたアメリカの長い歴史を考慮すると、アメリカの名誉がトランプに汚されたと公言する芝居がかった態度は、様々な意味で、ばかげている。

 今週、北東シリアで、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が対クルド民兵軍事行動を開始することへのトランプによる明らかな正式承認が、アメリカで政治的嵐を引き起こした。

 同盟者のクルド人をトルコ軍攻撃のなすがままにしたかどで大統領を非難すべく、共和党と民主党の議員が結集した。リンゼー・グラムやマルコ・ルビオ上院議員などのトランプ支持者さえ、クルド人を見捨てる彼のあきらかな信条の欠如を非難した。

 トルコのシリア侵略の進路からアメリカ軍を撤退させるという大統領の決定が、いかに「クルド人を死なせる」ことになったかを、元アメリカ国連大使で、かつてトランプ信奉者だったニッキー・ヘイリーは遺憾に思っている。彼女や他の政治家や評論家は、クルド部隊を、シリアのジハード・テロ集団に対する戦いにおける、アメリカの重要な同盟者として称賛してきた。

 トランプの声明は、極悪非道な裏切り行為で、アメリカの高潔なイメージへの汚点だったので、ワシントンで一致している意見を我々は信じたくなる。


2019年9月8日、シリア、タル・アブヤド付近をパトロール時に、シリア-トルコの国境でみられたトルコ軍と米軍の車両。© ロイター / トルコ国防省

 ワシントンの殊勝ぶった騒ぎで、ばからしいのは、アメリカ帝国主義者の利益のために、クルド民族の人々が、何十年にもわたり、どれほど、たえず虐待され、ひどい仕打ちを受けてきたかに関する、アメリカ政治家やメディアによるびっくり仰天の否認や明らかな認識の欠如だ。

 エルドアンとトランプの下劣な取り引きが、何らかの形で、アメリカの名誉の未曾有の法外な過失だという、今週アメリカ・メディアが報道している概念は全く史実と合わない。

 クルド人の人口は約4000万人で、シリア、トルコ、イラクとイランをまたいで共同体があり、領土権を主張している。

 歴史的に、ワシントンは時に、ワシントンが承認しない現行政府を不安定にするため、クルド人を代理として徴用し、アメリカの権益にとって有用性がなくなったと感じるや否や、すぐさまクルド人を無情に無視してきた。

 1970年代、シャー支配下のイランがアメリカ同盟国だった時、ワシントンはイランの利益のため、バグダッドを不安定にすべく、イラク国内でクルド人を動員した。だがイラクとイランが1975年に一時的に和解した時、クルド人はイラク政権のなすがままにされ復讐された。


イラク、キルクーク州のイラク・クルディスタン兵士 ©スプートニク/ ドミトリー・ビノグラードフ

 1990年代初期、第一次湾岸戦争で、アメリカが、イラクで、かつての傀儡サダム・フセインを攻撃し、イラクに爆弾を投下し、灰燼に帰した際、当時のジョージ・ブッシュ大統領(父親)はクルド人にイラクに反抗するよう求めた。蜂起は、その後サダムに打倒され、クルド人は放置され、彼らの多くは雪に閉じ込められた難民キャンプで、死ぬにまかされた。ワシントンは、またしても、彼らの苦境から手を引いていた。

 だがアメリカ最悪の裏切りは、1988年、北イラク、ハラブジャ市のクルド人に対し、悪名高い化学兵器大虐殺を実行するのを承知の上で、米軍情報部が衛星情報と兵站を、サダムに提供したものだ。これは、アメリカが支援するイラクの対イラン戦争(1980-88)中のことだった。ワシントンは、サダムが、イランの前進を阻止するため化学兵器を使おうとしていたのを知りながら、最大5000人のクルド人民間人がサリンとマスタードガスで虐殺されたハラブジャ大虐殺を実行するのに律儀に決定的に支援したのだ。

 だから、アメリカがクルド人との何らかの高尚な関係を持っているという今週売り込まれた考え方は、アメリカ帝国主義に道義的な正義の外見を与えるため、政治家とメディアが耽っている巧みに作られた空想だ。トランプを傷つけるもう一つの方法でもある。

 秘密の政権転覆侵略として、ワシントンが違法に支援した戦争である最近のシリア戦争において、シリアのクルド部隊が、アメリカの汚れ仕事をするため代理人として協力したのは残念な事実だ。その汚れ仕事は、主に「ジハード・テロ集団と戦う」こととは関係がなかった。ほかの場所で、アメリカが、密かにこれらジハード戦士に武器や他の機器を与えていたのに、どうして、そのようなことがあり得るだろう?

 
ダーイシュの子供訓練キャンプ スプートニク/

 シリアのクルド人は、ワシントンによってダマスカスの主権政府を不安定にするため、シリア領土の一部を切りとるべく使われたのだ。クルド人がシリアに自身の自治地域を設立するのを手伝うという見せかけの下、アメリカは、実際は、彼ら自身の国を分断させるため、クルド人を代理人として使うことに関心があったのだ。

 トランプ大統領の明らかな裏切りで、シリアのクルド人が慙愧の念と嫌悪を感じたのは理解できる。トランプは裏切っていないと主張する。だが他の一体何に見えるだろう?

 だがクルド人に対するアメリカの裏切りの長い卑劣な歴史を考えると、善意を装ったワシントンの抗議は茶番だ。率直に言おう。アメリカ軍は、シリア領土を違法占領している。彼らは、ワシントンの政治指導者連中と同様、戦争犯罪のかどで有罪だ。アメリカ軍は犯罪的侵略者という不名誉なレッテルのもと、即座にシリアから撤退する必要がある。

 クルド指導部も責任も問われなくてはなならない。彼らも、クルドの人々が、またもやアメリカ帝国主義者の利益のために利用され、冒とくされるのを許したことを非難されるべきなのだ。

 シリアのクルド人は、するべきだったことを、今するべきなのだ。シリア軍と協力し、いわゆる彼らのアメリカ支援者を含め、あらゆる外国の敵から彼らの国を守るのだ。

 記事の見解や意見は、必ずしもSputnikのものを反映しない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201910091077000415-betraying-kurds-is-the-american-way/

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 国会中継、野党のまともな質問に、ぬらりくらり詭弁を弄する閣僚。教師間のいじめを連想。中途で食料買い出しにスーパーに出かけたが野菜の棚はガラガラ。ぶどうやリンゴでは食事になるまいと、やむなく冷凍食品を購入。停電になったらお手上げ。

 裁判所が、まっとうな判決を出すこともあるのに驚いた。

「大川小訴訟 最高裁、石巻市と宮城県の上告棄却 児童遺族の勝訴確定」

 利水・治水・環境という観点から河川を考える『社会的共通資本としての水

日刊IWJガイド・土曜版「大型で猛烈な台風19号が本日いよいよ上陸か! 東京・千葉では続々と自主避難所を開設! 万全の備えが必要も、過信は禁物! 本日午後8時から『問題だらけの治水事業! 豪雨被害は天災ではなく人災!? 大都市圏を豪雨が襲うリスクに迫る! 岩上安身による拓殖大関良基教授+ジャーナリストまさのあつこ氏インタビュー 第3弾』を全編フルオープンで再配信します!」2019.10.12日号~No.2585号~(2019.10.12 8時00分)

2019年10月11日 (金)

トランプに対する民主党の反逆罪的クーデターは成功するだろうか?

2019年10月7日
Paul Craig Roberts

 トランプ打倒のために画策された全くのウソに基づくクーデターは、すっかりばれているにもかかわらず進んでいるが、このクーデターを組織しているオバマ時代の当局者に対するトランプ政権による告発はありそうもない。トランプ政権そのものを含め、ワシントン丸ごと、その特権体制を転覆しようとする部外者に対して団結しているように見える。

 トランプ大統領追放を狙ったマスコミ・ニセ・ニュースと対照的に、大半のアメリカ人は一体どこで本当のニュースを探すべきか分からない。二つの新たな報道が印刷やTVやソーシャル・メディアがCIAとイギリス政府のプロパガンダ部隊の手中にあることを示している。

https://consortiumnews.com/2019/10/02/twitter-employs-propagandist-as-high-level-executive/

https://www.zerohedge.com/political/spooks-turned-spox-us-media-filled-former-intelligence-officials

 ケイトリン・ジョンストンは、ツイッターのヨーロッパ、中東とアフリカ担当編集幹部は、イギリス軍のプロパガンダ部隊で働いている人物だと報じている。ツイッターは、帝国の言説に従わないアカウントを停止することで有名だ。それでも、欧米の無頓着な青年はツイッターなしでは済まない。彼らには自分たちが、エリート支配者のマトリックスにしっかり閉じ込めているのを自覚する能力がないのだ。

 ケイトリンが書いているように、「これは、これらの巨大な非常に影響力を持ったソーシャル・メディア企業が、このデジタル時代に、我々全員を公式プロパガンダに追い込んでいるという益々増大しつつある山のような証拠の一つに過ぎない」。

 帝国と、それを支配する巨大な政治力を持ったひと握りの集団の本当の権力は、目に見えない彼らの存在にあるとケイトリンは説明している。「公式には、我々は全て、民主的に選ばれた当局に運営される別個の独立国に暮らしていることになっている。非公式には、ソーシャル・メディア独占企業によって公共の言説を操作するため、軍の宣伝担当者が、雇われている、金権政治家と不透明な行政機関の、緩やかな同盟に支配されている、国境を越えた巨大な帝国に、我々は暮らしているのだ。公式の仮面は、話の上でしか存在せず、一方、非公式の現実は、現実に起きているのだ。」

 宣伝省たるメディアは、巨大な政治力を持ったひと握りの支配集団を支援して、スパイ活動や殺人計画や令状なしの盗聴や心理作戦や、政府打倒や「内戦」を促進する狙いの機密活動の監督が仕事だったCIA工作員を雇っているとゼロヘッジは報じている。

 ジョージ・オーウェルの著書『1984年』では「ビッグ・ブラザー」は、欺瞞を隠し続けなければならなかった。だが無頓着なアメリカでは、闇の国家は統制活動を公然と行うことができるのだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/07/will-the-democrats-treasonous-coup-against-trump-succeed/

 

2019年10月 2日 (水)

ジョン・ボルトン解任は朝鮮民主主義人民共和国に対するアメリカ政策に影響を与えるだろうか?

2019年9月28日
コンスタンチン・アスモロフ
New Eastern Outlook

 2019年9月10日、アメリカのドナルド・トランプ大統領がジョン・ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官を解任した。彼のツイッターで、ボルトンの「貢献がせはやホワイトハウスでは必要でなくなった。」と大統領は述べた。「私は他の閣僚たちと同様、彼の提案の多くと非常に意見が違ったので、ジョンに辞職を求め、今朝受け入れられた」と大統領が書いた。更に彼はボルトンの貢献に感謝した。

 ジョン・ボルトンは2018年3月22日からこの地位についていた。国家安全保障担当補佐官在職中、アフガニスタンやイランやベネズエラや北朝鮮に対する彼のアメリカ政策に関し、時間とともに、ドナルド・トランプとの意見の相違が大きくなったため、彼の解任の可能性について時折話が出ていた。ジョン・ボルトンは、朝鮮民主主義人民共和国に対する好戦的姿勢を選び、平壌の短距離弾道ミサイル発射を一度ならず公式に非難した。2019年9月5日、この前国家安全保障担当補佐官は日本公式訪問中に、この状況に対して、発射に意味を置かず、「小兵器の実験」だと言ったドナルド・トランプの発言と全く異なる意見を表明し、平壌の行動は国連安全保障理事会制裁に違反していると述べた。それより前に、ジョン・ボルトンは、北朝鮮に対する先制攻撃について語っており、それが平壌で彼が「国家安全保障を傷つけた補佐官」とあだ名をつけられた理由だ。2000年代、彼は失敗した6者間交渉で重要な役割を果たしていた。

 ロイターによれば、ドナルド・トランプは、彼の解任についてコメントした際、ジョン・ボルトンがした多くの失敗を列挙した。例えば、彼は前国家安全保障担当補佐官が、金正恩に「「リビア・モデル」に倣って、全ての核兵器を渡す」よう要求して、金正恩の感情を害したと言ったが、2011年の出来事とムアマル・カダフィの殺害を考えれば、控えめに言っても奇妙なことだった。9月11日、ドナルド・トランプは記者に語った。「ジョン・ボルトンがリビア・モデルについて話をした際、我々は非常に酷く後退させられた。なんという大惨事」。彼はこうも付け加えた。「私は彼がその後に言ったことについて、金正恩を非難しない、彼はジョン・ボルトンには一切関係しようとしてしなかった。」

 だが、二国間協議が破綻の危機になったのを示唆する、北朝鮮に関する前国家安全保障担当補佐官発言が、彼を解任する決定で重要な役割を果たしたかどうかは不明確だ。この対話を維持するために、アメリカは手法を変えるのをいとわないことを示さなければならない。例えば、ブルームバーグは、その記事で、9月10日に大統領執務室で開催したイランに対する制裁に関する会議後、ジョン・ボルトンを解任する決断がされたと述べる三人の匿名情報提供者の言葉を引用した。手始めに、イランのハッサン・ロウハニ大統領とドナルド・トランプとの間で予定される交渉の準備で、スティーブン・ムニューシン財務長官は北朝鮮に対する制裁を柔らげる可能性を論じたが、ジョン・ボルトンはこのような動きに断固反対していた。

 更に、パックス・アメリカーナの威力を示し、「カラー革命」を組織化するための武力(先制攻撃を含め)の必要性に関する前国家安全保障担当補佐官による発言は、軍人の間で非常に不人気で、この言葉は、それが向けられた人々よりも、トランプ周辺の人々を恐れさせた。

 ジョン・ボルトンが去った今、次は何だろう? 既に反トランプの冗談好き連中は、解任は朝鮮民主主義人民共和国による推奨の結果起きたことを示唆している。他の連中は最近、朝鮮民主主義人民共和国外務次官、崔善姫が、アメリカと北朝鮮が、9月後半、機能する交渉を行うよう提案し、ワシントンが平壌への新たな取り組みするよう強く主張したことを指摘している。ジョン・ボルトン解任は、ワシントン・平壌間で対話を奨励するはずの、北朝鮮に対し、より抑制されたアメリカ政策が必要な斬新な手法を試みたいドナルド・トランプの意志を示唆している。

 韓国の保守派を含めて、全員が、この手法に満足しているわけではない。Park Wan Gon教授によれば、平壌との交渉再開の上では、ジョン・ボルトン追放はアメリカにとって戦術的利点になるが、それはおそらく、ワシントンの長期目標、つまり北朝鮮の完全非核化に影響を与えるまい。

 結局、再選の可能性を増すために、大きな外交的勝利を必要としており、ジョン・ボルトン解任は、大統領選挙戦立候補の上で、ドナルド・トランプの懸念が増大していることを示していると考える筆者もいる。だが、これまでのところ「大きな勝利」や、顕著な結果さえない。それにもかかわらず、ドナルド・トランプは、アフガニスタンであれ、イランであれ、北朝鮮であれ、少なくとも彼が成功裏に重要な外交政策問題を解決しているかのように見せる必要があるのだ。

 それ故、現在の状況では、ジョン・ボルトン退任後、ホワイトハウス・スタッフの専門知識レベルが下がっており、北朝鮮問題に関し、ドナルド・トランプが性急な解決に訴えるかもしれない中、トランプ政権の安全保障政策の不安定な性格への懸念が増大している。

 それでもジョン・ボルトンに代わるロバート・オブライエンの任命で明らかなように、これら政策の全体方向は変わらずにいる。新国家安全保障担当補佐官は、国際的調停交渉の上で目ざましい実績がある。彼は「力による平和」を提唱していることが知られている。彼の任命に好意的だったマイク・ポンペオ国務長官と、過去に働いたことがある。ロバート・オブライエンは、アメリカ国務省で、人質問題大統領特使だった、彼は中東とアフガニスタンで拘束された人質の解放に尽力した。本記事筆者としては、このような役割には、しっかりした交渉術が必要であることを強調したい。

 この文脈で、2016年に出版されたロバート・オブライエンの著書「While Ameria Slept アメリカが眠っていた間に」は特に興味深い。それは国家安全保障と外交政策に関する論文集で、懐柔と譲歩の手法だと著者がいうバラク・オバマの外交政策手法に批判的だ。彼の意見では、アメリカは、同盟者が信頼を持つことができ、敵があえて試そうとしない強い国になる必要があるのだ。それ故、韓国マスコミの記者たちは、北朝鮮との対話で、アメリカは、マイク・ポンペオがとっている強硬姿勢をとるだろうと考えている。

 一方、9月18日、ジョン・ボルトンは、現在の対朝鮮民主主義人民共和国政策が失敗する運命にあったと述べた。ドナルド・トランプは、問題を解決するためには「新たな手法」が必要だったと言って即座に反論し、彼の対北朝鮮政策がどれほど不首尾だったか、ジョン・ボルトンに再認識させた。

 結論として、アメリカ指導体制はある程度、分裂しており、実務家と、そのイデオロギー的な目隠しのため、現実を見ようとしない、かつてのソ連の指導者連中を思い起こさせる観念論者がいるのだ。著者の考えでは、ドナルド・トランプは前者の陣営で、他方、ジョン・ボルトンは後者の陣営だ。

 この見地から、アメリカと朝鮮民主主義人民共和国間の関係を見よう。10年前、ジョン・ボルトンは、北朝鮮は、まだ悪で、この国とのいかなる交渉も、降伏の条件を論じる場合しか実行可能ではないと見ていた)。ハノイでの彼の発言が、サミットがなぜ失敗したかの理由の一つになり、両側が何も得ずに、交渉から去るよう強いられたのは偶然ではなかった。交渉の失敗に寄与した他の要因もあったが、ジョン・ボルトンの性格は決定的な役割を果たしていた。

 もし著者の仮定が実際に正しければ、二人の実務家、金正恩とドナルド・トランプは、北朝鮮核問題には、妥協解決はないという認識に到達して、事実上、交渉を休止すると決めたのだ。問題は解決できないかも知れないが、解決できるかも知れない。このような姿勢が、ジョン・ボルトンをいらだたせ、彼からすれば、これは茶番、あるいは、北朝鮮の核の現状を密かに承認するもののように見えたのだ。

 だがジョン・ボルトンが去った今、ドナルド・トランプが南北朝鮮間対話の進展を実現する保証ができるのだろうか? 前国家安全保障担当補佐官が行く手を阻む唯一の障害ではなかったのだから、答えは否だ。当事者たちの交渉する意志がたかまるにつれ、プロセスは勢いを増すことが期待できる。年末までに、金とトランプのサミットが再度行われ、その中で、北朝鮮提案が部分的に受け入れられるのが理想的だ。

 コンスタンチン・アスモロフは歴史学博士、ロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮研究センター主任研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/09/28/will-john-bolton-s-ousting-affect-u-s-policy-towards-dprk/

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 人間も、組織も、生まれついた性格は変えられないもののようだ。

植草一秀の『知られざる真実』 立憲非民主党は分裂してその存在を終える

 興味深いイベントの知らせを見た。

日刊IWJガイド「本日です! ファンドレイジング・トーク・イベント『政府・メディア「共犯」の異常な嫌韓煽動のもとで考える~政治権力とメディア 』! ゲストは東京新聞社会部記者の望月衣塑子氏、新聞労連委員長で朝日新聞記者の南彰氏、元朝日新聞記者で立憲民主党の公認で参院選に立候補した山岸一生氏! そして『権力はないがモノ言う権利はある市民』代表であり、落語家の立川談四楼さんの登壇も急遽決定! 一般の高座で聞けない政治的風刺のきいた落語の披露も! 司会進行は岩上安身! 残席わずかです! ペイパービュー(有料配信)でのご視聴申込も受け付け中! ペイパービューでのご視聴は10月31日までできます!」2019.10.2日号~No.2575号~(2019.10.2 8時00分)

2019年9月27日 (金)

アメリカ・パラダイムを粉々にするアメリカの信頼性に関する精密攻撃

アラステア・クルック
2019年9月23日

 先週、サウジアラビアの「極めて重要な」原油加工施設に対する精密攻撃は、サウジアラビアの信頼性、アメリカ安全保障の「傘」への信憑性に対する精密攻撃でもあり、トランプにとって、特に有能な軍・諜報大国としてのアメリカのイメージにとって屈辱だ。

 今彼らは自身の脆弱性を考慮し、アメリカの傘に対する信頼を疑問視しながら、湾岸諸国は彼らの唇を噛んでいるはずだ。国防総省さえ、起きたことを考えれば「アメリカ中央軍に一体何の意味があるだろう?」と自問しているかもしれない。とりわけ、イスラエルは骨まで凍りつきそうな風で背筋をぞっとさせているはずだ。イスラエルは攻撃の正確な目標設定と技術的有効性に、畏敬の念に打たれずにはいられまい。特に、昨年サウジアラビアが兵器に650億ドルを使ったのに、全く何の役にも立たなかったことを考えるとなんとも印象的だ。

 この屈辱に直面して、アメリカ政権は「煙に巻こうとしている」。UAVと巡航ミサイルの出発点や発射について、色々、わけのわからないことを主張している。「このような作戦は彼らの能力を超える高度なものなので、アンサール・アッラー(フーシ派)のはずがない」。この主張明白な東洋蔑視は別として(ヒズボラが、ハイテク無人飛行機や高性能巡航ミサイルを製造できるなら、どうしてフーシ派が製造できないだろう?)アブカイク攻撃は、正確に、誰が実行したかは本当に重要なのだろうか? 湾岸にあらゆる膨大な資源を保有するアメリカが、アブカイクに飛来したUAVが、一体どこからか来たかという証拠を提供できないのは実に多くを物語っている。

 実際、攻撃手口が、あいまいなのは、攻撃の精巧さを更に強調している。

 アメリカは、アブカイクにミサイルを雨あられと浴びせられたのは、イエメンに対する(トランプに無条件に支持された)サウジアラビアの戦争が根本原因であるという非常に明白な(しかし恥ずかしい)事実から目を逸らすため、発射場について「煙に巻いて」いる。フーシ派は攻撃実行を主張しており、彼らは兵器(確かにフーシ派のクッズ1巡航ミサイルに関しては、イランのソウマル・ミサイルの単なるコピーではない。ここを参照)を実演し、近い将来、攻撃を繰り返すと約束している。

 精密攻撃がしたのは、ともかく湾岸の「守護者」、脆弱な世界経済の静脈に流れ込む活力源たる原油の保証人になりすましているアメリカという「船」を粉々にしたことだ。つまり、これは支配的なパラダイムを狙った精密攻撃だったのだ。そして直撃したのだ。それは二つの主張の空疎さを暴露したのだ。アンソニー・コーズマンは「サウジアラビアに対する攻撃は、アメリカの湾岸制空権の時代と、精密攻撃能力に関するアメリカの、ほぼ独占状態が急速に弱まりつつある明確な戦略的警告だ」と書いている

 イランは、直接あるいは間接に関係していたのだろうか? それは本当に重要ではない。帰結的意味を理解するには、それは、ある意味、共同戦線(イラン、シリア、ヒズボラ、イラクのハシドシャービー、フーシ派)の共同メッセージと解釈されるべきだ。これは広範な制裁危機の最終段階なのだ。戦略(ミサイル)が、アメリカによる"最大圧力"戦術の効果という膨らみすぎた‘風船’をパーンと破裂させたのだ。トランプが「世界を制裁し/関税をかける」のが最終段階を迎え、爆発させなければならなかったのだ。ロシアと中国はほぼ確実に同意し、(静かに)拍手喝采しているはずだ。

 このやり方には明らかなリスクがある。ワシントンはメッセージを正確に理解できるだろうか? 異なる文脈で、ガレス・ポーターは、「敵」の心を理解したり、「正確に読み取ったりする」ワシントンの能力は、どういうわけか失われたように思われると指摘している。ワシントンでは、(イランであれ、中国であれ、ロシアであれ)「他者」に対して共感する、いかなる素質も見出せないのだ。だから、おそらく見込みは大きくはない。ワシントンは「それを理解しない」だろうが、むしろ、強化して、悲惨な結果になりかねない。ポーターは書いている。

「アブカイク攻撃は、戦略的に、アメリカを驚かせて、アメリカの政治的、軍事的計画を台無しにする、イランの能力の劇的な証明だ。イランは、これまで20年、アメリカとの終局的対立に準備して過ごしてきたが、その結果が、イランの軍事資産を破壊しようとするアメリカの取り組みに、イランが遥かに効果的に反撃し、中東中のアメリカ基地に標的を定める能力を与える新世代の無人飛行機と巡航ミサイルだ。

「イランが高高度無人監視飛行機を撃墜した時、どうやらアメリカは不意打ちされたが、イラン防空システムは、2016年に受け入れたロシアのS-300システムから始まって、絶えず強化されてきた。2019年、イランは、S-300システムよりも、インドとトルコが切望するロシアのS-400システムに近いと見なすBavar -373防空システムを公表した。

「更に、ある専門家にイランを「無人飛行機超大国」と呼ばせたように、イラン軍は無人飛行機戦隊も開発している。無人飛行機の実績には、精度誘導ミサイルを装備したシャヘド171「ステルス無人飛行機」や、アメリカのセンチネルRQ -170や、MQ -1プレデターからイランがリバース・エンジニアしたと報じられているシャヘド129がある」[強調とリンクは筆者による]。

 ポーターのメッセージの理解は、地域で起きている「大きな変化」の性質を理解する鍵だ。ロボット飛行機やドローンが戦争戦略を変えたのだ。古い真理はもはや有効ではない。イランに対して、アメリカ軍の簡単な解決策はない。

 イランへアメリカ攻撃は、イランの断固とした反撃とエスカレーションを引き起こすに過ぎない。2003年のイラク侵略のようなアメリカによる全面的侵略する能力は、もはやアメリカにはない。

 政治的な答えしかない。だが当面、アメリカとMbSは共に否認段階にある。見たところ、後者はアラムコの一部株式の売却を続けることで(市場は、まさにアラムコのような資産の地政学的リスクに再度目覚めたところだが)、彼らの問題を解決するかもしれないと信じている様子で、トランプは、いまも、最大の圧力が、思ったよりうまく行くかもしれないと信じているように思われる。

 サウジアラビアとっての「政治」は我々には明白だ。イエメンでの敗北を受け入れ、必然的帰結として、イランとロシアとの交渉は、どんな和解であれ達成するための必須要件だ。MbSにとって、政治的にも財政的にも、代償が高価なのは確実だ。だが他に選択肢があるだろうか? 更なるアブカイクを待つのだろうか? 公正のために言えば、状況は自分たちの存在の根幹に関わっているのをサウド家は理解しているという報道がある。そのうちわかるだろう。

 トランプにとって教訓が明らかなのは確実だ。アブカイクに対する攻撃は(より大きな石油供給中断で)もっと酷いものであり得たはずなのだ。トランプの最大圧力戦術に、石油市場と市場一般は地政学リスクを見たのだ。世界貿易が揺らぐにつれて、彼らは不安になっている。

 「衝撃的な週末の攻撃は、サウジアラビア石油生産の50%を破壊したが、経済はより高い石油価格を切り抜けられるだろうか?」のような見出しは、いささか余りに人騒がせかもしれないが、当を得ている。より高い価格が持続すれば、供給途絶は、脆弱なアメリカと世界経済を容易に景気後退に向かわせかねない。

 2020年の再選可能性は、アメリカが景気後退しないようにできるかどうかにかかっているかもしれないので、トランプ大統領よりこれを意識している人物は他にいない。一般的に言って、二期目を追求するアメリカ大統領は、一期目の任期末期に景気が後退しない限り、常に再選される。これが、ジミー・カーターとジョージ・H・W・ブッシュに起きた。両者は、彼らの目の前でおきた景気後退のおかげで、再選出馬に敗れた。

 既にサウジアラビアとトランプ双方が(サウジアラビアの困難の根底にあるイエメン問題に対処する代わりに)イランとの(陽動)対立可能性を撤回しつつある。問題は、最大圧力というイラン政策の問題点の否定が、どれだけ長く続くかだ。選挙次第だろうか? おそらく、そうだ。もし彼が二期目を勝ち取るつもりなら、トランプは景気後退という致命的な地雷を避けるのに並行して、有権者のご機嫌もとらなければならない。そして、それは現代の「宇宙の悪」という、イランに対する福音主義者とAIPACの執着に迎合することを意味するが、一つの前向きな「風向きを示すもの」は(ガンツは決してイラン「ハト派」ではないが)ネタニヤフ支配が終わるかもしれないことだ。


 アラステア・クルックは元イギリス外交官でベイルートを本拠とするコンフリクツ・フォーラム創設者・理事長。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/09/23/a-precision-strike-on-us-credibility-shattering-us-paradigm/

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 文部科学破壊省非文化庁が、あいちトリエンナーレ展示再開に政府補助金を交付しないよう指示。卑劣な国。

日刊IWJガイド「文化庁が『あいちトリエンナーレ2019』への補助金7800万円の全額不交付を発表! 大村秀章・愛知県知事が『「表現の不自由展・その後」の再開を目指す』と表明した直後! 萩生田文科相の指示か!? 本日、文科相記者会見にIWJも参加!」2019.9.27日号~No.2570号~(2019.9.27 8時00分)

 肉が安くなって助かるというおばさまを映す大本営広報部。植草一秀の『知られざる真実』のような事実には決してふれない。宗主国のウインウイン。

米国にすべてを奪われた日米FTA協定合意案

2019年9月23日 (月)

アメリカの農業危機は次期大統領を決定するのだろうか

2019年9月16日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 アメリカの農業部門は、1980年代以来、最悪の危機を経験している。この春と夏の中西部農業ベルトでの極端な雪と、それに続く異常に多い雨量で、植えつけが遅れるか、減っている。これが数年続く農業収入下落の後に起きているのだ。石油産業に対するアメリカ環境保護局による一連の免責が、トウモロコシ由来エタノールの市場を急激に削減した。さらに悪いことに、トランプ政権の中国商品に対する関税への報復として、中国が全アメリカ農産物の輸入を止めた。アメリカ農民に破産が広がり、最高記録の債務で苦闘する中で、この全てが起きている。状況を農業における大恐慌の危機に例えるむきもある。農業生産は長らく、アメリカ経済と輸出の大黒柱だった。このほとんど知られていない農業農危機はドナルド・トランプが2020年に再選で勝つか負けるかを決定する要因になり得るのだろうか?

エタノール大失敗

 これまで数年にわたり農家収入が劇的に下がっている時に、トランプの環境保護局は、E10燃料用エタノール生産に使われるトウモロコシの市場に更なる大打撃を与えた。8月9日、環境保護局は、トウモロコシ・エタノール精油業者にガソリンへの義務的混合を避けることを認め、審議中の小規模精油所38社の31社に適用除外を認めたと発表した。認可は、バイオ燃料法に反して、2018年にそ及し、精油業者に10億ガロン以上のトウモロコ由来エタノールの義務的混合を避けることを認めたのは、アメリカ・トウモロコシ裁培者に対する大打撃だ。

 さらに悪いことに、石油産業寄りのトランプ環境保護局は、最初は石油産業の強力な後援者スコット・プルーイット、今は彼の後継者の元石炭産業ロビイストのアンドリュー・ウィーラー下で、苦しんでいる小規模精製業者だけを助けるはずだった法律に違反して、シェブロンやエクソンモービルのような企業を含め、記録的な数の精油業者を免除した。免除は、これまでオバマ政権下で免除されたものの約四倍で、トウモロコシ由来エタノール消費量の上で大きな損失を招いた。

 環境保護局は、さかのぼって行動して、2016年から2018年までの期間、40億ガロン以上のエタノールに等しい14億ブッシェルのトウモロコシ収穫、主要トウモロコシ生産州ミネソタの一年丸ごとの収穫を失うのに等しい免除を与えた。アメリカのエタノール・ロビー組織は、法律で必要とされている通りに、失われたエタノールの量を、トランプ政権が復活させるよう要求している。エタノール連合、グロウス・エナジーCEO、エミリー・スコールが述べた。「毎週益々多くの生物燃料プラントが閉鎖し、農家家族は選択肢が無くなっています。環境保護局は、2020年の生物燃料目標の下で失われた損害を修復し、エクソンやシェブロンのような石油業界大手に認められ、悪用された精製所免除による損害を修復するための行動を即刻とらなくてはなりません。」

 ブッシュ政権が2005年のエネルギー政策法令を提案して、空気清浄法を改正して、環境保護局に、石油やジェット燃料を暖めて、ガソリン燃料で、生物燃料、主としてトウモロコシ・エタノールの年間量を義務づけ、混合するよう要求して以来、燃料添加物としてガソリン燃料、暖房用油やジェット燃料のガソリン混合用のエタノールを作るためのトウモロコシ栽培が、アメリカ農業の原動力となった。今日、アメリカのエタノール生産の増加は極めて大きく、アメリカのエタノール生産のほぼ40%が、エタノール用だ。現在、アメリカのガソリンの10%は、エタノール入りのE10だ。現在、アメリカは世界最大のトウモロコシ生産者で、第二位の中国のほぼ二倍だ。

 環境保護局の石油産業に対する免除は、中西部州、特にアイオワ、ミネソタ、イリノイ、ネブラスカとインディアナのアメリカ・トウモロコシ農民に大打撃を与えた。今までトランプ政権は、トウモロコシ農民のエタノール市場に対する損失に対処するいくつかのジェスチャーをした。だが、農民とエタノール連合は、それがあまりにわずかだと主張している。注目すべきことに、特にアイオワでの2016年キャンペーン中に、トランプはある量の生物燃料を毎年燃料供給に加えることを義務づける2005年の再生可能燃料基準を守ると誓った。多くの農民は、環境保護局に裏切られたように感じている。

 ホワイトハウスは、主要な選挙資金寄贈者の石油産業に対する大きな支援と、2016年の大衆支持で、2020年再選に重要な切り札である「アメリカを再び偉大にする」農業地帯の中心部への支援との間の板ばさみになっている。

 環境保護局のエタノール裁定は、決してホワイトハウスから来ている否定的なものとして農民が見ている唯一の行動ではない。中国との貿易戦争も、アメリカ農産物輸出に巨大な打撃を与えた。

中国貿易

 トランプの中国貿易紛争前に、中国が大気汚染に対処する取り組みを強化するにつれ、アメリカのエタノール生産者は,中国市場は主要な成長分野になり得ると楽観的だった。2018年早々、トランプ政権が関税をあげて戦争をエスカレートし、中国がエタノール輸入関税を2018年7月に70%引き上げて、アメリカ農業部門に標的を定めて対応するまで、アメリカからの中国エタノール輸入は着実に増加していた。それは本質的にアメリカのトウモロコシ農家とエタノール生産者にとっての中国エタノール市場を殺した。アメリカの輸出はブラジルのサトウキビ由来エタノール主要生産者たち取って代わられている。

 だが、中国エタノール輸出の損失は、アメリカ農業にとって、中国損害の比較的小さな部分だった。トランプ貿易行動に対して、北京は政治的に重要なアメリカ農場部門に、彼らの対抗策の対象を、寸分の狂いもない正確さで定めた。重要なのは、習近平が、若い頃、交換留学制度で、アイオワで数カ月過ごし、多くの外国の国家指導者より良くアメリカの農業地帯を知っていることだ。

 8月初旬、報道によれば、中国政府は、国家の買い付け企業に、トランプ・アメリカ大統領が、9月1日時点で中国輸入でさらに3000億ドルに関して追加の10%の関税を命じると発表した後、全てのアメリカ農業産品の輸入を止めるよう命じた。それ以前に、中国は、既にアメリカ大豆輸入を10年来の最低に削減していた。

 2017年、貿易戦争が本格的に始まる前、中国は、アメリカ大豆生産高全体の約60%の1900万トン、約120億ドルの価値のアメリカ大豆を輸入していた。中国は、アメリカ農業の主要部門であるアメリカ大豆農民にとっての最大輸出市場だった。中国への大豆輸出はアイオワ農業にとって主要輸出先だった。貿易戦争前の中国へのアメリカ農業輸出、全体でほぼ200億ドルと見積もられている。2012年以来、中国はアメリカ農業輸出にとって最大市場だった。それが今ほとんどなくなって、彼らが対処する余裕がほとんどない時期の、アメリカ農民に対する驚異的打撃だ。

複合する諸問題

中国農業輸出市場の最近の損失と相まった、トランプ環境保護局に帰せられるトウモロコシのエタノール市場損失は、アメリカ農民が不安定な状態にある時に起きた事実以外は、深刻だが、対処可能だろう。アメリカ中西部全体の農業地帯の記録的降雨が、この季節以前に植えられた地域と、特にトウモロコシと大豆両方の収穫高の大きな減少を意味する。現在のアメリカ農務省のアメリカ・トウモロコシ収穫見積もりは、大豆同様「良いから、かなり良い」状態で、2013年以来最も低い。

 様々な理由で、農場の純所得は劇的に下がった。アメリカ小麦価格は、2012年から約50%下がった。トウモロコシ価格は2013年から50%以上安値だ。正味の農業収入は、これまでのところ、2013年のピークから、2019年には35%に下がっている。これは現在の穀物不足や、洪水や、中国からの衝撃や、エタノール効果を考慮する前のものだ。

多額の債務

不幸にも、この全てが、ほとんど記録的な債務のアメリカの農業家族を見舞っている。正味の農場収入が、これまでの10年間の多くにわたり、低かった中、農業債務は際立って上昇した。平均の農業債務は、2018年始めの時点で、長期的に、農場毎に130万ドルにも上昇している。現在の農業危機は、破産の増加を引き起こしている。連邦準備銀行がこれまで二年利率を引き上げる状態で、農民がより良い時期を期待して、債務を借り換えることは益々困難だ。結果は破産の増加だ。2018年、農業純収入は、既に12年で最低だ。今年2019年は、遥かに悪くなるはずだ

 一部の農民は、トランプ大統領の任期に対する彼らのこれまでの支持を再考し始めているのは驚くべきことではない。全米農民組合委員長のロジャー・ジョンソンは、8月のラジオインタビューの終わりに、トランプの農業と貿易政策にひき起こされた損害を修復するには「数十年」かかると指摘した。中国はトランプの貿易戦争のおかげで、今アメリカ農民にとっては「失われた市場」だと彼は付け加えた。ジョンソンは補足した。「農民は現在の多くの財政的圧迫を受けている。農業純収入は6年前の半分だ。これは本当に厳しい。我々は今、実に困難な立場にある。」

 ただ彼が中国を引き受けることをサポートしたということが一部の理由で、エタノール生産者、アイオワ州アトランティックのエリート・オクタン社CEOニック・ボウデッシュは、2016年には、トランプを支持した。最近彼は「彼が農業政策問題に関与して以来、ここ中枢地域では、我々の誰にとっても完全な期待はずれでした。」と言った。彼はニューズウィーク・インタビューで「大統領が道を誤り、重大な過失をしたのは、彼がこれら精製所への免責で、地元の農産物の市場破壊を始める決断をした時だった。」と付け加えた。彼らが中国との貿易戦争によって大打撃を受けた正にそのとき、それが農民に打撃を与えたが「それは受容できない」。

 最初の大統領予備選挙まで約四カ月の現時点での結果は、明確からはほど遠い。最近の中国貿易とエタノールでの挫折後、弱まってはいるが、大半の農民は、まだトランプを支持している兆候がある。今中国は、トランプによる貿易上の譲歩のお返しに、進んで大豆の取り引きをしようとしている兆しがある。もしそうなれば、それはトランプに対する農場の支持に必要な後押しかもしれない。2020年の最初の大統領予備選挙は二月だ。それはアイオワだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/09/16/will-the-us-farming-crisis-determine-the-next-president/

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 自民・公明政権、もう悪夢そのもの。農業が主力の県では、さすがに非与党の知事が当選するが。

日刊IWJガイド「与党は衆院災害対策特別委員会の開催を先送り!? 本日23日、台風17号が日本海を通過!千葉県を始め、 台風15号で大きな被害を受けた地区にお住いの方は急な風雨の強まりにご注意ください!」2019.9.23日号~No.2566号~(2019.9.23 8時00分)

 自分たちを売り飛ばす屠殺業者に投票する家畜のような行動をとる方がなぜ多いのか考えたいので、孫崎享氏の今日のメルマガにある新刊『日本国の正体 「異国の眼」で見た真実の歴史』をこれから買いにでかけよう。

2019年9月21日 (土)

ボルトンは退任したが、何か変わるだろうか?

トム・ルオンゴ
2019年9月16日
Strategic Culture Foundation

 ドナルド・トランプの二人目の国家安全保障担当補佐官としてのジョン・ボルトンは退任した。9/11の18周年記念日を過ぎるにあたり、無条件に良いことだ。

 だが、ボルトンは最も明らかに正気ではないが、トランプ閣僚における半ダースの非常に問題なネオコン/福音主義者の一人に過ぎない。

 今年のボルトンの過ちは無数で有名だ。「でぶピッグス湾」と呼びたいベネズエラでのクーデター未遂から、朝鮮民主主義人民共和国との非核化交渉を没にし、トランプがイランとの武力戦争の可能性に追いやることに至るまで、ボルトン失脚はネオコン思想の頑固さを象徴している。

 運命のいたずらは、アメリカ対外政策中で成長しつつあった癌であるネオコンが翼を得た日として見ることができる日9/11記念日の一日前に、ボルトンが解雇されたことだ。

 トランプはとうとう、彼の意欲的な対外政策目標のどれを達成する上でも、ボルトンは大きな障害で、極致と見たのだ。彼は最大のネオコンだ。

 連中は望んだ全てを手に入れた。能力より、信頼と忠誠を高く評価されることを心から望んでいる親イスラエルの大統領。トランプは、中東での大勝利のためにオバマの下で彼らが設計した地政学情勢を相続したのだ。彼らは、激しやすく、見た目を気にするトランプを引き返すことができない瞬間に陥らせるだけで良かったのだ。

 その瞬間は、有人のP-8ポセイドンと並んで領空侵入したアメリカのグローバルホーク・ステルス無人機を、イランが撃墜した時に来た。トランプは抜け目なく、ワナにかからず、トランプには、彼を限界に押しやった閣僚の一人を解雇して、彼の平和への誠意にケリをつける絶好の機会機会があると、当時私は言った。

 彼のために仕掛けたワナに落ちなかったことに対し、トランプの功績を私は大いに認める。今彼はこの泥沼に責任がある連中を排除し始めなければならず、彼がG-20で来週ウラジーミル・プーチンや習近平と会う際、それが議題一覧にあると私は確信している。

 それはジョン・ボルトンで始まり、マイク・ポンペオで終わる。

 そしてもし彼が今後6から8週間内に彼らを置き換えなければ、トランプが我々を戦争から遠ざけることに本気でないことがわかる。再選されるまでの間しか、そうする興味はないのだ。

 少し長くかかったが、トランプが対外政策の状態に満足していないのは明確だ。ボルトン解任は素晴らしい手始めだった。だがそれは十分ではなく、ほど遠いものだ。

 私が問題だと思うのは、これら不安定地域での平和に対するトランプの願いは本物だが、彼は細部を気にかけないので、それを実現するための道筋が見えないことだ。

 そしてそれは常にネオコンの人類に対する計画を無にする細部なのだ。ボルトンが言ったように、彼らは陳腐な文句「音を上げるまで締め付けろ」を適用し、もしそれが機能しなければ、より激しく締めつけるのだ。

 この連中は心はトロツキストで、彼らの革命を実現するためには何でもすることをいとわないのだ。第二次世界大戦後にホームレスになった彼らは、1950年代、ビル・バックリーと雑誌ナショナル・レビューの連中を手始めに共和党内に住み処を見つけ、ゆっくりと乗っ取ったのだ。

 彼らはアメリカ例外主義をかき立て、第二次世界大戦後世代の間に蔓延させ、二大政党の頭を夢の世界支配で一杯にして、誤りは改めることができると、どこでも介入した。

 生得的に人種差別的でないにせよ、それは全くの狂気で、終わらせる必要がある。

 彼が意図的に、あるいは受動性ゆえに、その一つも守らず、ほとんど全てを破った彼の外国政策公約ゆえに彼を選んだ人々に対する彼の立場を強化すために、トランプがこれをしたというのが、私の心配だ。

 だから、彼はこの第一歩を元に、朝鮮民主主義人民共和国とテーブルに戻り、実際にイランにテーブルに着かせ、狂ったように反ロシアの民衆に、黙って座るように言う必要があるのだ。

 ネオコンに対する彼の宥和は、2017年4月、ハーン・シェイフーンでの化学兵器「攻撃」に応えての、シャイラト空軍基地爆撃から始まった。わずか二年後、シリアのその町の奪還が、地政学チェス盤の劇的な変化のきっかけになったのは皮肉ではないだろうか?

 トランプは強い有能な典型と見られるのを好んでいる。それが彼が大統領として身につけたいと望んでいるマントだ。だが彼は全くそうしておらず、約束を守るのを拒否する、明確な戦略がない、移り気で、首尾一貫しない、いじめっ子のオーラを醸し出している。

 そのどれほどが、ボルトンのような彼のスタッフのせいで彼を傷つけているかは重要ではない。指導者として、CEOとして、自分の指揮下で起きる全てに責任があるのだ。以上、終わり。

 率いるか、どくかだ。

 グローバルホーク事件以来、トランプには、外国政策で、次々に当惑することがおきた。中国の習近平主席は、トランプが言うことは何も信じられないと公然と言った。トルコのエルドアン大統領は最近、アメリカがクルドのシリア民主軍に、どれほど武器を送ったか、もう沈黙を守ることができないと言った。エルドアンによれば、その数は驚くべき、トラック30,000台分だ

 これは我々が賛成投票をしたものではなく、中東での平和の道筋ではない。

 トランプは圧力計画の大部分の針路を逆転する準備ができていて、取り引きしようと、たくらんでいる多くの兆しがある。彼は国連総会に合わせて、イランのロウハニ大統領と会っていると噂されている。ボルトンの同席がどのように朝鮮民主主義人民共和国の金正恩を怒らせて、二月にハノイで会談する希望を潰したかについて、彼が打ち明けたのはすがすがしい正直さだった。

 それが、悲しいことに、彼の政権では、外交として通るのだ。

 非常に成功した最近の2 + 2会談の後、ロシアとの和解を主張するフランスのエマヌエル・マクロン大統領が現れて、アメリカのウクライナ政策に対するトランプの受動的攻撃行動はロシアとの関係改善に最終的にドアを開きつつある。

 そして、もちろん貿易と関税をめぐって、中国もアメリカも、謙虚にならなくてはいけない。世界を世界金融危機に陥れて、世界貿易を破壊して、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に便宜をはかっても、彼の顔がラシュモア山に刻まれるわけではないことをトランプは最終的に確信したのかもしれない。

 ボルトン解任は、統制に服するか辞めるかという、政権に残るネオコンへの警鐘かもしれない。特に、ポンペオは、海外諸大国に対するトランプの広報担当として、抑えなければならない。これまで彼の行動は、バイキングのテーブルを気前良く利用しながら、ベイルートのような所に行き、世間と隔絶した君主のように恫喝して、最悪だった。

 初期の結果は良くない。ベネズエラに対する更なる悪ふざけが差し迫っているのが見える。アメリカはロスネフチに対する制裁を準備しており、僭称者フアン・グイドに金を注ぎ込むため、冷戦条約を持ち出しつつある。

 だから、私は事態が改善することを願っているが、短期的には楽観的ではない。トランプはなすべき多くの仕事を持っているが、それができる人物のようには見えない。時折怒りが爆発し、もったいぶった身ぶりをすることと、計画や狙いを持っていることとは違うのだ。

 習同様、トランプは2016年に彼に投票した多くの人々の信頼と善意を失い、我々は、もはや彼を信頼していない。彼は、そもそも彼自身が雇ったことに責任がある一人の髭を生やした頭のおかしな人物を首にする以上のことをしなければならない。

 リーダーは責任を受け入れる。彼らはミスを受け入れて、新しい針路を示す。一方、全員がトランプが正しいことをするよう望んでいるが、現時点まで、彼は大半逆のことをしている。人事は政策だ。だからトランプが、1)有能で、2)気魄ある人物を主要な地位に任命し始めるまで、帝国D.C.からの命令は続くだろう。

 そして世界は急速な凋落に適応するだろう。

 トム・ルオンゴは、アメリカを本拠とする独立した政治、経済アナリスト。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/09/16/bolton-out-but-will-anything-change/

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 皆様、宗主国と自国大資本の手代。

日刊IWJガイド・土曜版「日本に三権分立は存在するのか!? 東電刑事裁判の判決の朝、大谷直人最高裁長官が安倍総理と会っていた! 砂川裁判のときのマッカーサー駐日大使と連絡を取り合いながら米国の望む判決を出した田中耕太郎最高裁長官の姿が重なる!」2019.9.21日号~No.2564号~(2019.9.21 8時00分)

 目次には、下記も。

はじめに~<本日の録画配信・1>「シングルマザーが生きやすい社会は誰もが生きやすい社会! 無償労働・ケア労働をしながら有償労働ができることが、人間本来の働き方! 岩上安身による2019年参院選・れいわ新選組候補 渡辺照子氏インタビュー (3/3)」を公共性に鑑み、全編フルオープンで録画配信します!

2019年8月27日 (火)

アメリカの中国からの切断は、他の国々にもアメリカからの切断を強いる

2019年8月24日
Moon of Alabama

 アメリカは中国から切断しつつある。そのプロセスの影響はあらゆる世界経済に損害を与えた。他の国々は、損害を避けるため、アメリカから自ら切り離す以外選択肢はない。

 今日のワシントン・ポスト一面は大いに紛らわしい見出しで始まっている。

 記事の大見出しも間違っている。

 トランプは、中国輸入品の関税を上げ、中国と関係を絶つよう企業に要求して貿易戦争で報復した。

 報復したのは、トランプではなく中国だった。トランプはTweetの嵐と、彼が始めた貿易戦争を強化して、反撃した。紛らわしい見出しの記事は、こうまで言っている

金曜日、トランプ大統領は、アメリカ企業に中国との仕事をやめるよう要求し、北京に対する関税率を引き上げると発表して、長く続くアメリカ-中国貿易戦争で最も異例の日々の一つが終わった。

その日は、自動車生産に対し、この秋、復活する課徴金を含め、商品に750億ドルの新関税を課すという北京の発表で始まった。それはトランプが、中国に対する既存と計画中の関税を5パーセント引き上げるとTwitterした、金曜午後に近くに行われた。

北京の関税報復は、パウエルによる重要演説と、トランプがビアリツでのG-7会談に出発準備をする数時間前という戦略上のタイミングで行われた。

 トランプの動きの後、株式市場は下落した。貿易戦争は少なくとも短期的には貿易にとって良くない。アメリカと世界経済はふらついているが、まもなく景気後退するだろう。

 トランプ政権はそれでかまわないのだ。(漫画ディルバートの作者スコット・アダムス(ビデオ)と同様に)

 アメリカ大戦略は、他の大国が、アメリカと同等になるか、上回るのを阻止することだ。人口でアメリカの四倍大きい中国は、まさにそうなる準備できている国だ。中国は既にそれ自身を経済大国に作り上げ、軍事力も着実に増強している。

 トランプは昨日まで、その言葉を使うのを避けていたが、だから中国はアメリカ「敵」なのだ。

 これまで20年以上、アメリカは中国から益々多くの商品を輸入し、自身の製造能力を衰えさせている。 ある国が、その国の生産能力に依存している時に、相手国に対し戦争をするのは困難だ。本物の戦争を始める前に、アメリカは、中国から自身を切り離さなくてはならない。トランプの中国との貿易戦争は、それを実現するよう意図されている。中国との貿易交渉が失敗した際、ピーター・リーはこう書いていた。

アメリカの対中国タカ派の切り離し戦略は計画通り進んでいる。経済的な痛みは、問題ではなく、特徴だ。
貿易交渉の失敗は[トランプの貿易交渉者]ライトハイザーの過激な要求のおかげで十分折り込み済みだった。

対中国タカ派にとって、それは問題なかった。

なぜなら連中の最終目的はアメリカと中華人民共和国の経済を切り離し、中華人民共和国を弱め、国内の不安定化と世界的景気後退の被害を一層受けやすくすることだから。

もし切り離しで、世界GDPを数ポイント減り、アメリカ産業を傷つけ、世界を景気後退に押しやれば、それは自由の代償なのだ。

あるいは、少なくとも、それが本当の狙いの、アメリカインド太平洋軍が、東アジアでの局部サイズ・コンテストで優勝するのを可能にする代償だ。

 トランプは中国との新貿易協定を望んでいない。彼は未来の敵から、アメリカを切り離そうと望んでいる。貿易戦争は関係する全ての経済に損害を与えがちだ。切り離し過程が進行するにつれ、アメリカは不況に苦しむ可能性が高い。

 トランプはアメリカの景気下降下が彼の再選の可能性を下げかねないのを恐れている。それが、長期的帰結に関係なく、経済を、より多くの金でずぶ濡れにするため、彼が連邦準備銀行を使いたがっている理由だ。それが昨日のトランプTweetの嵐の出だしが、連邦準備制度理事会議長ジェイ・パウエルに向けられていた理由だ。

アメリカ企業に中国から撤退しろという命令を、政権に近い一部の人々は、大統領が政権内のタカ派による経済的な切り離し要求を奉じているのだと見ている。

トランプが習を「敵」と呼んだように思える下記Tweetが、移行の証拠としては最も明白かもしれない。

トランプの貿易政策と、アメリカと世界経済に対するその影響への批判を暗黙のうちに含んでいたジャクソンホールでの演説をパウエルがした後、投稿したTweetで彼は言った。「私の唯一の疑問は、ジェイ・パウエルと習主席のうち、我々にとってより大きな敵は、どちらなのかだ。」

 ジェイ・パウエルは連邦準備制度理事会の政策金利引き下げを望んでいない。彼は債券購入、すなわち量的緩和の強化を望んでいない。利率は既に余りに低く、更に金利を下げるのは、それ自身危険だ。前回、連邦準備制度理事会が余りに低金利政策を行った際、2008年の衝突と世界的な不景気を起こした。

 もし彼がトランプの命令に従おうとしなければ、トランプはパウエルを解雇することが予想される。アメリカは何が何でも市場を押し上げるだろう。

 パウエルの見地では、アメリカ金利を引き下げには更なる危険がある。アメリカが正気でない経済と金融政策を行えば、アメリカ同盟諸国も、中国からではなく、アメリカから切り離そうとのぞむだろう。2008年の経験は、世界の準備金と主な貿易通貨としての米ドルが、それを使う全員にとって危険であることを実証した。現在アメリカ経済でのどんなささいな障害でも、至るところの大規模な景気後退をもたらす。

 それが長年のアメリカ同盟国イギリスさえ、このような危険を警告し、解決策を探している理由だ。

金曜日、イングランド銀行総裁マーク・カーニーは、世界経済における米ドルの「不安定化の」役割に狙いを定めて、各中央銀行が自身で、代替の準備通貨を作り出すため協力する必要があるかもしれないと述べた。

アメリカ、ワイオミング州ジャクソンホールに集まった世界中の中央銀行幹部に、ドルによる世界金融体制支配が、超低金利による流動性の罠と弱い成長のリスクを高めたとカーニーは語った。
カーニーは、過去、非常に低い均衡利率が、戦争や金融危機や銀行制度の突然の変化と一致していたと警告した。
中国元は、ドルに匹敵する準備通貨となる可能性が最も高い候補だが、その用意が調うまで、まだ先は長い。

最も良い解決策は、技術によって実現可能な分散型の多極的金融体制だとカーニーは述べた。

 純粋に電子形式で、大半あるいは全ての中央銀行国間で契約によって作り出すことが可能な「新しい合成覇権通貨(SHC)」についてカーニーは語った。それは主要貿易通貨としてドルに置き換わり、他の国々の経済が、アメリカの病に感染(そして操作される)リスクを下げるのだ。

 カーニーはこれ以上詳しく述べなかったが興味深い概念だ。悪魔は常に細部に宿る。その通貨で税金を払うことが可能なのだろうか? SHCとリンクする、それぞれの主権通貨の価値はどのように決定されるのだろう?

 米ドルがブレトンウッズ体制下で世界準備通貨として使用されているのは、元フランス財務大臣バレリー・ジスカール・デスタンの言葉によれば「法外な特典」だ。もしアメリカが持っている特権を維持したいなら、健全な経済・金融政策に戻る必要がある。そうでなければ、世界経済には、アメリカから離れる以外、いかなる選択肢もない。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2019/08/us-decoupling-from-china-forces-others-to-decouple-from-us.html#more

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 宗主国のカジノ企業に横浜を差し出す一方、中国に代わって家畜の餌用トウモロコシを爆買いする世界最大ATM。食べさせる家畜などいるまい。ヤプーに転用するならわかる。

日刊IWJガイド「G7サミット開催中の仏ビアリッツをイランのザリフ外相が電撃訪問! しかしトランプ大統領は『我々は独自のやり方で行く』とイラン外相との会談は実現せず」2019.8.27日号~No.2539号~(2019.8.27 8時00分)

キョウ様からコメントを頂いた。残念ながら小生には意味不明ゆえ公開できない。あしからず。実は前回公開したコメントも小生には意味不明だった。

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