イスラエル・パレスチナ

2026年9月13日 (日)

9月11日の同時多発テロが、アメリカ覇権の終焉をいかに加速させたのか

9.11同時多発テロから25年経った今、その最も深い遺産は、アメリカ覇権の終焉を早めた戦争と監視活動と戦略的な行き過ぎにある。

公開日:2026年9月11日 00:07
RT

筆者:フョードル・ルキヤノフは『ロシア・イン・グローバル・アフェアーズ』編集長、外交・防衛政策評議会幹部会議長、ヴァルダイ国際討論クラブ研究部長。



 2001年9月11日のニューヨークとワシントンへのテロ攻撃以来、多くの出来事が起き、今となっては、あの事件は遠い昔の出来事のように感じられると同時に、当時ほど重大なものではなかったように思えるかもしれない。だが、どちらの印象も誤解を招く。

 25年という歳月は人間の人生では相当な期間だが、歴史では、ほんの一瞬に過ぎない。そして、この四半世紀がどれほど激動の時代だったにせよ、9月11日事件の本当の意味は今まさに完全に明らかになりつつある。

 振り返ってみて、当時の感情はさておき、あの攻撃は国際体制にとって実際どのような意味を持っていたのか?

 何よりも、これは世界情勢における事実上揺るぎないアメリカ覇権という10年間の時代に終止符を打った。

 その意義は、攻撃者がアメリカ権力の最も明白な二つの中心地、すなわち世界貿易センタービルと国防総省(ペンタゴン)を標的とした点で象徴的なものでもあった。冷戦終結後、アメリカは自国の安全保障や国益に対する根本的脅威はもはや存在しないと信じていた時代は、ついに終わったのだ。

 ワシントンの視点から見ると、この10年は主要地政学的敵国のソ連が奇跡的に消滅したことで始まったが、危険はほぼどこからでも突然現れる可能性があるという認識で終わった。

 ほとんどのアメリカ人が自分たちを攻撃した人物について、これまでほとんど何も知らなかった事実は、衝撃を更に深め、衝動的反応につながった。

 冷戦終結時にフランシス・フクヤマが宣言した「歴史の終焉」から僅か10年後、歴史は激動と暴力に満ちた形で再び動き出した。

 ワシントンの対応は世界的勢力図の再編を引き起こし、その結果は今や、より明確に見て取れる。オサマ・ビンラディンがアメリカの国力を弱体化させるための巧妙な長期戦略を持っていたかどうかは知る由もないが、結果は明白だった。アメリカは国際情勢を管理する能力を徐々に弱める道を歩み始めたのだ。

 ジョージ・W・ブッシュ政権はネオコン思想の影響を強く受けており、9月11日の同時多発テロに不意を突かれたため、その対応は大きく分けて二つの前提に基づいていた。

 第一に、アメリカに対する脅威は、敵対的国家だけでなく、新たに甚大な被害をもたらす能力を持つようになった非国家主体からも発生する可能性があり、従って、そのような脅威は発生場所を問わず、主にアメリカが持つ圧倒的軍事力に対処しなければならないことだ。

 2つ目の前提はイデオロギー的なもので、自由主義理論では、民主主義国家同士は戦争をしないと考えられていたため、もしそれが真実なら、民主主義国家が増えれば増えるほど、アメリカ合衆国はより安全になるという考え方だった。

 こうした流れから、海外における民主主義推進が益々強硬になり、時には公然と攻撃的な姿勢をとるようになった。

 その手法は、アフガニスタンやイラクへの軍事介入から、旧ソ連における民主化運動への政治的・財政的支援、中東全域における自由主義的政治改革への圧力まで多岐に亘り、後にリビアは欧米諸国の軍事介入が当初予想を遙かに超える結果をもたらすもう一つの例になった。

 その時期の出来事の中には、今では半ば忘れ去られているものもある。例えば、ワシントンが地域諸国の警告にもかかわらず、パレスチナ自治区での選挙を強く奨励したことなどが挙げられる。当然ながら、ハマスはその後2006年のパレスチナ議会選挙で勝利し、パレスチナの政治情勢は劇的に変化した。

 中東全域で既存政治のバランスが覆され、それに代わる安定した体制がしばしば出現しない中、アラブの春に対するアメリカの対応も政治変革への同様自信に基づいていた。

 2003年のイラク侵攻がもたらした影響は更に甚大だった。サダム・フセイン政権の崩壊は、20世紀を通じて築かれてきた地域バランスの重要な要素を破壊し、極めて制御困難な勢力を解き放ったのだ。

 アメリカは政治家たちが最終的に「終わりのない戦争」と呼ぶことになる事態に陥り、これら紛争はアメリカ国内の分断を助長する一方、民主主義を輸出しようとする試みは、民主主義自体の評判を損なう結果になった。

 イラクにおいて、石油を含むアメリカの戦略的・経済的利益が介入と切り離せないという広く浸透した認識が、この問題をさらに悪化させた。

 より広範な影響は顕著で、長期にわたる戦争、中東の不安定化や過激派イスラム主義運動の拡大が見られた。西側諸国とイスラム世界の多数の国々との関係が悪化していたことを考えると、9月11日攻撃を計画した連中は、これ以上の結果を期待することはほとんどできなかっただろう。

 ブッシュ大統領が就任当初テロとの戦いに言及したのは意図的な挑発というより、おそらく不適切な言葉遣いだっただろう。だがイスラム主義運動は、これを欧米諸国のイスラム世界に対する敵意は、十字軍時代からほとんど変わっていないという彼らの主張を裏付けるものとして利用した。

 その後、ワシントンは関係修復を試みたが、既に方向性は決まっていた。

 イラクの複雑な国内と地域バランスの崩壊は、過激派運動に機会を与え、同時にアメリカを中東情勢において極めて強力ながら予測不可能な勢力として印象づけることにつながった。その結果、この地域の各国政府にとって、ワシントンと一定の距離を保つことが益々賢明な策に映るようになった。

 9月11日は、アメリカ合衆国自体をも変容させた。

 対テロ戦争は、アメリカの国家安全保障を守るための世界的作戦として構想されたが、監視と国家による統制が個人の通信や金融取り引きで劇的に拡大したことで、国内への影響は甚大だった。

 当初の正当化理由はテロだったが、その後四半世紀にわたり、技術の変化や政治的優先事項の変化に伴い、これらの仕組みを拡大する新たな理由が現れた。だが監視と統制の強化という全体的な方向性は変わらなかった。

 テロに対するゼロトレランス宣言にもかかわらず、一方のテロリストと、他方の自由の戦士というおなじみの区別が依然存在するため、二重基準という長年の問題は解消されなかった。この曖昧さは、アメリカ、ロシア、中国といった主要国の利害が衝突する際、特に顕著になる。

9月11日から四半世紀が経ち、世界はあの前夜とは驚くほど様変わりしたが、もちろん、その後に起こったことの多くは、いずれにせよ起こっていたであろう。国際システムは、いかなる単一の出来事よりもはるかに大きな力によって変化する。中国の台頭、ロシアの国益の再主張、技術革新、そして西側諸国の経済的優位性の相対的な低下は、2001年の攻撃だけに起因するものではない。

 だが9月11日攻撃は、冷戦終結後の異例の期間、すなわちアメリカの優位性がほぼ揺るぎないものと思われていた時代に終止符を打ち、更に重要なことに、ワシントンの対応により、その時代を終焉へ導く過程が加速された点で紛れもなく転換点になった。

 一極支配体制からの脱却は一夜にして起きたのではなく、徐々に始まり、戦争や危機や、新たな権力中枢の出現を通して勢いを増し、今日まで続いているのだ。

 新たな安定した国際秩序の形成には何年もかかる可能性があり、その体制が20世紀後半の二極対立や、それに続く短期間のアメリカ覇権よりも望ましいものとなるかどうかは、依然不明だ。

 だが2001年9月11日当時より今の方がより明確になっていることが一つある。あの攻撃が冷戦後の秩序を単に中断させただけでなく、終焉の始まりを告げるものだったことだ。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/645409-september-11-end-of-american-hegemony/

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 耕助のブログ
No. 3027 米国の空母はここまで錆びた

2026年9月11日 (金)

10月7日の警告をバイデンとネタニヤフは受けていたが、二人とも人質事件を無視した。

2026年9月9日
Moon of Alabama

 2023年当時、ガザ地区に暮らす230万人のパレスチナ人は長年イスラエル占領下に置かれていた。国際政治はこの問題から目を背け、深刻な状況は無視されていた。

 イスラエルは対話の意思を示していたが、ベンヤミン・ナタニヤフ政権は、ガザ地区に課した厳しい制限を解除するいかなる合意も阻止していた。ガザ地区は静かに窒息させられつつあった。

 ガザ地区を支配するハマスの地元指導者ヤヒヤ・シンワルは窮地に立たされていた。彼はガザ地区を囲む塀を突破し、イスラエル兵を拉致して今後の交渉における切り札として利用する大規模作戦を計画していた。シンワルは仲介者を通じて、何か大きな計画を企てていることを周囲に伝えていた。一方、彼の部下たちは公然と作戦訓練を行っていた。

 ガザ地区を警備するイスラエル兵、イスラエル諜報機関、そしてハマスとイスラエルの交渉を調整していた外国政府は皆、何かが起こっていることに気づいていた。しかし、いつ、何が起こるのかは分からなかった。

 10月7日、作戦が開始された。ガザ地区周辺のイスラエル警備隊に事前警告はなかった。ガザ地区近郊では多くの若いイスラエル人が参加する地元の祭りが開催されていた。シンワール率いる数百人の部隊が塀を突破し、現地の軍駐屯地や小さな町に到達し、祭りの参加者たちと遭遇した。彼らは可能な限り人質を取り、ガザ地区へ連れ戻そうとした。

 ガザ地区周辺のイスラエル軍部隊は不意を突かれた。休暇や他の作戦のため、兵力は最小限に抑えられていた。事前警告を受けていなかったため、彼らは混乱し、反応は鈍く、乱暴な手段に出た。ヘリコプターが飛び立ち、動くもの全てに発砲するよう命令を受けた。現場から逃げようとしていた数百人の祭り参加者がヘリコプターに殺害された。

 その後数週間から数ヶ月にわたり、イスラエル政府はこの事件を利用して、ガザ地区のパレスチナ人を全て排除する長期目標を推進した。シンワール軍が拘束した人質を解放するという申し出は全て拒否し、ガザ地区を徹底的に制圧し占領するよう軍に命じた。殺害対象者や人数に制限を設けなかった。

 ベンヤミン・ネタニヤフ率いるイスラエル政府は、柵の突破が起きることを事前に知っていたのではないかという疑念が早速持ち上がった。政府は、より大きな目的、ガザ地区の全住民虐殺を正当化するために、意図的に突破を許したように思われた。

 昨日、イスラエル日刊紙ハアレツは、このことを裏付ける長文記事を掲載した。

 10月7日の一週間前、アラブ首長国連邦の首長から、ネタニヤフ首相はイスラエルに対する大規模作戦が間もなく実行されるという警告を直接受けていたアーカイブ)。  
2023年10月7日の一週間半前、アラブ首長国連邦の首長はアブダビ大統領宮殿からネタニヤフ首相に電話をかけ、45分間会談した。

 会話の中で、ビン・ザイードは、ガザ地区のハマス指導者ヤヒヤ・シンワルがイスラエルに対する大規模作戦を計画していると警告した。ビン・ザイードは、この作戦は流血を招くだけでなく、地域全体を不安定化させ、アブラハム合意を損なう恐れがあると懸念を表明した。

 また、この電話会談には、ビン・ザイード側近で、数年前にガザ地区からアブダビに移住し、ガザ地区との強い繋がりを維持しているパレスチナ人顧問も同席していた。この顧問によると、アラブ首長国連邦指導者はネタニヤフ首相に、この脅威に備える必要性を強調したという。

 「首長は、シンワールが重大な出来事に備えていると判断したと説明した」と顧問は語る。「彼はネタニヤフ首相に、イスラエルは準備を整えるべきだと述べた。同時に、ガザ地区の経済的解決策を見つけ、ヨルダン川西岸地区の情勢を沈静化させて事態の悪化を防ぐよう勧告した。」

 ビン・ザイードはネタニヤフ首相に、事態を真剣に受け止めるよう促した。
 この新情報に対しネタニヤフ首相は何ら行動を起こさなかった。イスラエル諜報機関も軍もこの情報を知らされていなかった。連絡を受けていたジョー・バイデン政権下のアメリカ政府も同様に何の反応も示さなかった。  
後に、アラブ首長国連邦の首長はネタニヤフ首相との会話の内容と、ウィリアム・J・バーンズCIA長官にも伝えた警告について語った。ビン・ザイード首長はバーンズ長官に「何かが爆発寸前だ」というネタニヤフ首相に伝えようとした意図を共有し、イスラエル首相は、その不安定な地域は、実際はヨルダン川西岸地区だと考えていたと伝えた。

 「首長は、自身の控えめな反応にもかかわらず、ネタニヤフ首相がこのメッセージを真剣に受け止め、行動を起こしてくれると期待していた」と顧問は語る。首相がこのメッセージを聞いたにもかかわらず、国防機関トップに報告しないとは誰も想像していなかった。シン・ベト長官、モサド長官、イスラエル国防軍参謀総長、彼らの誰も、ビン・ザイードの警告を知らなかったのだ。
 ハアレツ新記事はネタニヤフ首相が何が起きるか事前に知らされていたと主張する最初の記事ではない。エジプト政府関係者も何か大きなことが起きると警告を受けていた。

 ネタニヤフ首相は意図的に、これに対して何の反応も示さなかった。彼は意図的に、10月7日の出来事を起こさせたのだ。

 その日に人質となった人々のことも彼は気にかけなかった。

 10月7日の夜、既にヤヒヤ・シンワルはカタールの関係者を通じて、全ての民間人人質を解放することを申し出ていた。  
午後7時、カタールのムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・アル・サーニ首相は、親しい関係にあったモサド長官ダビッド・バルネアに電話をかけた。カタール首長は、イスラエル諜報機関の高官バルネアを愛情を込めて「デディ・ボーイ」と呼んでいた。二人はちょうど1週間前、ヨム・キプールの終わりに会ったばかりだった。バルネアは当時、ネタニヤフ首相の代理としてドーハを訪れ、カタールにガザ地区への財政支援増額を要請していた。

 アル・サーニは動揺していた。「つい先ほど、ハマス政治指導者イスマイル・ハニヤ氏とその副官ハリール・アル・ハイヤ氏と会談を終えたところだ。彼らはつい最近ドーハに到着したばかりだ」と、アル・サーニはバルネアに説明した。「民間人人質全員が直ちに解放されなければ、私が直接カタールからの追放を命じると、はっきりと警告した。ハマスは今すぐ民間人全員を解放する用意があり、我々も仲介する用意があると申しあげておく。

 イスラエル諜報機関モサド長官の返答に、アル・サーニは困惑した。「もし彼らが民間人を解放したいなら解放すれば良い」とバルネア長官は答えた。「我々はハマスと話し合う用意はない」。
 イスラエルもアメリカも、人質の即時解放に関心を示さなかった。  
カタール首相との最初の会談で、ハマスが民間人解放に前向きであるものの、イスラエル国防軍のガザ侵攻の停止や神殿の丘における礼拝者の新たな権利など、受け入れがたい条件を提示したと聞かされたことをバルネアの側近らは認めている。カタール首相はこの主張を否定している。「初日、ハマス指導者たちは厳しい条件を提示しなかった」と首相顧問は述べ、「我々の脅威は現実のもので、彼らにはそもそも条件を課す立場になかったからだ」と付け加えた。

 アル・サーニは諦めなかった。彼はアントニー・ブリンケンアメリカ国務長官に電話をかけ「聞いてください」と告げた。「ガザには数百人の人質がおり、私の推測ではその中には数十人の民間人がいます。彼らは今すぐ解放されなければなりません。私はイスラエルに迅速な解放のための仲介を申し出ましたが、彼らは興味を示しませんでした。」

 ブリンケンはアル・サーニに、3日以内にイスラエルへ飛ぶ予定だと伝えた。「待ちましょう」とブリンケンは彼を安心させた。「ネタニヤフ首相と直接話します」。アル・サーニは食い下がった。「ご存知の通り、時間は重要な要素です。今すぐ行動を起こさなければなりません」。ブリンケンは彼を制止した。「今は状況が複雑です。イスラエルはまだ攻撃を受けており、話せる相手もいません。3日間待ちましょう」。
 ガザ近郊の祭りに多くの観光客が集まったため、ハマスの作戦は計画を遙かに超える混乱を引き起こした。ヤヒヤ・シンワールは事態を沈静化させようと躍起になっていた。しかし、イスラエルはそれを許さなかった。  
「正直に言うと」と高官は言う。「この段階では人質問題は真剣に議題に上がっておらず、軍や政治レベルでこの提案について話し合う用意のある者はいなかった。人質解放は、10月7日夜に政府が策定した戦争目標リストにすら含まれていなかった。この提案は適切に議論され、決定に至れたのだろうか? 実質的に言えば、答えはイエスだ。」
 イスラエル政府もバイデン政権も、人質を取り戻すことに関心がなかった。人質はイスラエルがガザ地区で行った暴力の嵐を正当化するため利用される予定だった。  
ブリンケンは6日後、ようやくイスラエルに到着した。10月12日木曜日に到着すると直ちにネタニヤフ首相と会談し、翌日にはドーハへ向かいカタール首相と会談した。「ネタニヤフ首相に人質解放の問題を提起したが、明確な回答は得られなかった」とアメリカ国務長官はアル・サーニに語った。「ネタニヤフ首相はまだそこまで至っていない!」

 日が経つにつれ、ガザ地区でのイスラエル軍攻撃が激化し、特に民間人犠牲者が多くなるにつれ、ハマスが人質を解放する合意が期限切れになる可能性があるとの見解をアル・サーニは改めて表明した。ブリンケンはネタニヤフ首相と再び会談を試みると約束した。10月14日、ドーハからワシントンへ向かう飛行機が出発した直後、ブリンケンはアル・サーニに「ネタニヤフ首相はあなたの仲介を待っている。モサド長官はまもなく到着する」というメッセージを送った。
 イスラエルはハマスが人質を拘束していることを主な表向きの正当化理由として、ガザ地区で数万人を殺害し続けた。だが、真の問題は、今もなお、ガザ地区の全住民を抹殺する意図にある。  
「根本的問題は、ハマスが『紛争の恒久的終結』を求めていたことだった」と、元CIA長官ウィリアム・J・バーンズは、いつものように冷静な口調で、人質問題が絡み合うことになる複雑な状況を要約して結論づけた。「ネタニヤフ首相は『第一段階』の合意しか検討するつもりはなかったが、彼が言う『後でハマスを壊滅させ続ける』という選択肢を常に留保しなければならないと主張した。そして、我々にとって常に課題だったのは、この矛盾をどう解決し、全員を無事に帰還させるかだった」。
 もちろん、バイデン、ブリンケン、バーンズは、アメリカがイスラエルに対して持つ絶大な影響力を使って、ネタニヤフ首相にガザでの虐殺をやめるよう要求できたはずだ。だが、彼らはそうしようとはしなかった。

 実に極めて多くのガザ地区の人々と、一部の人質が、彼らのせいで命を落とした。  
その結果、イスラエルは敵に捕らえられた自国民や兵士への対応に関し、確実に考え方を変えた。そして、ハマスが依然勢力を維持する中、ガザ地区から最後の人質を生死を問わず解放する合意が締結されるまで、更に二年、戦争が続いた。
 来月、イスラエルで選挙が行われる。ネタニヤフ首相は敗北する可能性が高い。上記記事掲載は、確実に、その可能性を高めるためのタイミングだった。

 だが、選挙で勝利する可能性がある候補者のいずれも違う政策をとることはないだろう。シオニスト、つまりイスラエルのユダヤ人人口の大多数は、ガザ地区、ヨルダン川西岸地区と更にその先までも征服したいと考えている。

 この紛争から抜け出す唯一の方法は、彼らの国を解体することだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/09/biden-and-netanyahoo-were-warned-of-oct-7-both-ignored-the-hostages.html

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
K情報:イラン・ドローン開発史、『非対称の脅威』、;1985年革命防衛隊が航空産業会社を設立。イランは2011年に米軍のステルス無人機RQ-170を捕獲。実戦重視。シリア内戦やイエメンで投入、非対称戦略、モザイク防衛」:破壊されないための組織と生産構造等

2026年9月 7日 (月)

ガザ地区でのジェノサイドの証拠を隠滅しているイスラエル



イスラエル国旗にはキャタピラーD9ブルドーザーが描かれるべきだ。

ケイトリン・ジョンストン
2026年9月7日

 ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。

 瓦礫の下に何千もの遺体が埋まっているためにガザ地区の公式死者数は実際より少ないと常に言われていたのを覚えておられるだろうか?

 どうやらイスラエルは、それらの遺体を瓦礫と一緒に運び去り、都合よく虐殺の証拠を破壊しているようだ。

 Drop Site Newsはこう報道している

 
The Palestinian Center for Missing and Forcibly Disappeared Persons(パレスチナ行方不明者・強制失踪者センター)は、ガザの瓦礫の下に埋まっている数千人のパレスチナ人の身元を特定したり、強制失踪させられた人々の運命を明らかにしたりする可能性がある証拠をイスラエルが破壊したと非難した。
 
同センターによると、イスラエル軍は閉鎖された軍事区域内の破壊された地域から毎日数百トンもの瓦礫を運び出している。瓦礫を粉砕して撤去する過程で、人骨が粉々に砕け散り、瓦礫や廃棄物と混ざり合い、埋葬場所が特定できなくなり、DNAなどの法医学的証拠が破壊される可能性がある。
 
ガザ地区では約7000人のパレスチナ人が依然行方不明になっており、そのうち4000人から5000人が瓦礫の下に閉じ込められていると推定されている。
 「これらの場所は単なる建設廃棄物ではない」とセンターは警告した。そして国連と赤十字による緊急介入、救助隊と鑑識チームの立ち入り許可と今後の瓦礫撤去作業す全てに対する独立した監視を要求した。


 先月、Euro-Med Human Rights Monitorが発表した報告書によると「イスラエルの違法軍事支配下にある地域内で、少なくとも1000万トンの瓦礫が撤去、粉砕、または元の場所から移動された」と推定されている。

 「Euro-Med Human Rights Monitor報告書は、ここ数週間、ガザ地区から瓦礫を積んだイスラエル・トラックが毎日100台近く出ているのを追跡した」と述べている。「これらトラックは、イスラエル国内および占領下ヨルダン川西岸の更に南にある非公開の場所に瓦礫を運んでいる。イスラエル当局は、撤去された量、経路、目的地、または資材の利用方法に関する詳細を明らかにしていない。また、選別、計量、輸送過程に対する独立した監視も許可していない。このような透明性の欠如により、輸送された資材を追跡したり、証拠を特定したり、存在する可能性がある人骨を回収したりすることは非常に困難になっている。」

 今回の撤去が、イスラエルがジェノサイドの罪で国際刑事裁判所の捜査を受けている最中に行われたことをEuro-Med Monitorは指摘し、ローマ規程では「証拠の破壊、改ざん、または収集への妨害」は、故意に行われた場合、国際刑事裁判所の司法活動を妨害する犯罪行為とみなされると付け加えた。

 南アフリカが国際司法裁判所でイスラエルを相手取って起こしたジェノサイド訴訟で、裁判所は「イスラエルは、ガザ地区のパレスチナ人に対するジェノサイド犯罪の防止及び処罰に関する条約第2条及び第3条の範囲内の行為の申し立てに関連する証拠の破壊を防止し、その保全を確保するための効果的措置を講じなければならない」との判決を下した

 自国の犯罪の証拠を隠蔽しようとイスラエルが躍起になっているため、これらの義務は明らかに無視されている。


 日曜日、ガザ地区のパレスチナ人たちは、60人の子どもを含む約100人の集団葬儀を行った。これらの人々は最近亡くなったわけではなく、ガザ市ゼイトゥン地区の倒壊した建物の瓦礫の中から遺体が発見されたため、集団葬儀が執り行われたのだ。

 これは、イスラエルが自らの虐殺行為による残骸を片付ける中、まさに防ごうとしている事態だ。

 建設機械を見て、それを大量虐殺の道具だと考える人はまずいるまい。だが、占領下のパレスチナでは、まさにこの機械が大量虐殺に使われている。家屋を破壊し、犠牲者を埋め、証拠を隠蔽するために。

 イスラエル国旗には、キャタピラーD9ブルドーザーが描かれるべきだ。

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 画像:IDF報道官ユニット、CC BY-SA 3.0、https://commons.wikimedia.org/w/index.php? curid=142468884

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2026/09/07/israel-is-destroying-evidence-of-genocide-in-gaza/

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 2026/9/7 20:30記
 つい先ほどコメント頂いたのだが、中程にある「今回の撤去」を「今回の排除」と誤訳したために、読者の方の誤解をまねいたようで、お詫び申しあげる。  植草一秀の『知られざる真実』
為替市場で生じている重大変化

2026年8月29日 (土)

モスクワのアメリカ:顔の見えない任務に関する三つの視点



ロレンツォ・マリア・パチーニ
2026年8月27日
Strategic Culture Foundation

 CIA長官が極秘裏にモスクワへ飛んだ際、紛争の表面下で重大な動きが起きつつあった。

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クレムリンで

 2026年8月25日、アメリカ政府航空機がアンドリュース統合基地を出発し、リガを経由してモスクワへ向かった。機内にはCIA長官ジョン・ラトクリフが搭乗していた。公式発表も報道発表もなかった。この任務は、飛行追跡データと匿名を条件に話した情報源によって明らかになった。翌日、クレムリンは、ラトクリフが会談したのはロシア情報機関の高官で、プーチン大統領ではないことを確認した。プーチン大統領には会談内容についてブリーフィングが行われただけだったという。ワシントンはコメントを控えた。

 これは、2021年11月のウィリアム・バーンズの任務以来、CIA長官によるモスクワ訪問として知られる初めての事例だ。バーンズの任務は、特別軍事作戦開始の数週間前に行われた。この前例は安心できるものではなく、まさにそれがラトクリフの任務を、単なる報道ではなく解釈すべきものにしている。両首都が残した情報空白は憶測によって埋められており、地政学における憶測は既に分析の一形態だ。複数情報筋によると、議題はウクライナ、イラン、NATOのバルト海沿岸の三つだった。これらと絡み合っているのがイスラエルで、背景にはアジアの勢力バランスがある。

 それでは、互いに排他的ではなく、むしろ互いにうまく補完し合うことができる三つの作業仮説に基づいて議論を進めよう。  
協力説

 最初の解釈は最も劇的ではなく、おそらく最も確実なものだ。ラトクリフがモスクワを訪問したのは、両国の情報機関の間に直接的連絡ルートが存在し、ウクライナ紛争の最も厳しい時期でさえそれが維持されていたからだとされている。アメリカ側情報筋は、CIA長官が在任期間中ずっとロシア側関係者と連絡を取り続けていたと示唆している。この観点から見ると、今回の任務は、水面下で継続的に行われていた対話の目に見える表れと言える。

 最も重要な点は手続き上のことだ。ラトクリフ出発に先立ち、ウクライナに、月曜日から水曜日までモスクワおよびロシア北部の都市へのドローンとミサイル攻撃を停止するようアメリカは要請した。キーウには、アメリカ高官代表団がロシア領内を通過すると伝えられていた。戦術的停戦を組織する側は、たとえ短期間で限定的なものであっても、最後通牒を突きつけるためではなく、交渉担当者の安全確保と交渉の実現可能性を確保するためにそうするのだ。演出は、対立ではなく協力に基づいている。

 この仮説は、その直後に起きた出来事によって更に裏付けられる。ラトクリフがモスクワを去ってから数時間後、シリアのテロ支援国家指定を正式に撤回するとマルコ・ルビオ国務長官が発表した。これほど短期間に二つの動きがあったことは無関係とは考えにくい。中東、すなわちシリア、イランと湾岸地域と地中海を結ぶ回廊地帯は、ウクライナ問題で対立する立場にあるにもかかわらず、ワシントンとモスクワが緊張緩和に共通の関心を持つまさにその舞台なのだ。

 結局、協力に友情は必要なく、特定の課題では、対立の代償が協調の代償を上回るだけで十分なのだ。

 この解釈が正しければ、ラトクリフ訪問は単なる出来事ではなく、一つの兆候だ。つまり、和解不可能という公的言説の裏には、危機管理のための共通の枠組みが存在する証拠だ。この観点からすれば、イラン、ウクライナ、バルト三国は、複数戦線における緊張を同時に緩和することを目的とする単一過程における三つの交渉の場ということになる。  
「弱さ」説

 第二の解釈は視点を逆転させる。二つの大国が対等な立場で協力するのではなく、一方の国が窮地に陥り、もう一方の国に助けを求めているのだ。アメリカの主導権は、相対的な弱さを露呈している。

 これを裏付ける証拠はいくらでもある。ウクライナ戦争終結に向けた交渉は行き詰まり、トランプ政権は迅速な和平を約束して政治的資本を投じたが、2026年半ばの時点で約束を果たせていない。ウクライナの攻撃に関する戦術的停戦を取り決めたのはロシア特使ではなくアメリカ特使だった。キーウに既成事実を突きつけたのはワシントンだった。地政学においては、たとえわずか三日間でも、敵対行為の停止を求める側は、暗黙のうちに相手側より急いでいることを認めていることになる。

 戦術的緊急性の背後には、より深い構造的緊張が垣間見える。覇権国は、自らの中心性の衰退を認識すると、戦線を再編成するために開かれた戦線を凍結させることに関心を持つようになる。

 戦略的な過剰拡張は、成熟した帝国によく見られる典型的な病弊だ。作戦地域が多すぎ、約束が多すぎ、全ての約束を同時に履行するには資源が不足している。従って、複数戦線での休戦は、力の誇示というより、時間を稼ぎ、進行中の危機を減らし、優先順位を再調整するための再配置策となる。

 この解釈には、認識しておくべき限界がある。それは、慎重さを弱さと誤解する危険性があることだ。緊張緩和を求める声は全て必然性から生じるわけではなく、中には打算から生じるものもある。だが変革期にある帝国において、打算と必然性はしばしば一致する傾向がある。

 決定的問題は、アメリカが末期状態にあるかどうかではなく、むしろアメリカがもはや全ての戦線を同時に維持できないと認識しているかどうかだ。そして、ラトクリフの任務の遂行方法を見る限り、この認識はワシントンで確固たるものになっているようだ。
 
「欺瞞」説(とキッシンジャーの長い影)

 ロシアの歴史的記憶に根ざした第三の解釈も存在する。差し伸べられた手は罠だという仮説だ。つまり、アメリカが停戦を提案しているのは、紛争を凍結させるためではなく、態勢を立て直し、より効果的に攻撃するための時間稼ぎで、1980年代に交渉開始と同時に、ソ連内部から経済的・戦略的消耗戦を展開したのと同じパターンを繰り返すためだというのだ。

 そこにはキッシンジャー・ドクトリンの響きが感じられる。すなわち、中国に対抗するためにロシアと友好関係を築き、敵国を計算された依存状態に保ち、二大ライバル国(この場合はロシアと中国)がワシントンに対抗するために団結するのを阻止し、交渉を、和解ではなく分断の手段として利用するというものだ。モスクワとの対話は、何よりもまずロシアと中国の間に楔を打ち込む役割を果たし、アメリカが本当の体制的脅威とみなす同盟関係を緩めるための戦術的動機をロシアに与えることになる。

 アメリカ側の譲歩はすべて可逆的で低コストである一方、ワシントンが見返りに要求するだろうもの、ロシア・イラン関係の冷却化、ユーラシア枢軸の弱体化は、モスクワの構造的かつ長期的利益に影響を与える。提示されたものと要求されたものの間の不均衡こそが欺瞞の典型例だ。

 ロシアの選挙に言及することで状況はより明確になる。なぜなら敵国が国内選挙に気を取られている間に行動を起こすのは、指導部が最も脆弱で、最も行動の自由度が低い、政治的に最も脆弱な時期を選ぶことを意味するからだ。欧米諸国の働きかけに対するロシアの不信感は、歴史的に確立された事実で、モスクワの交渉担当者は欺瞞の可能性を考慮せずに交渉の席に着くことはない。1991年の記憶自体が交渉における一つの要因になっている。  
話題になっている四つの問題

 これら三つの視点は、具体的に何が議題に上がっていたのかを考察する際、互いに光を当て合う。それは四つの別々の問題ではなく、相互に関連し合う一連の器官体系だ。

 ウクライナ。これは誰にとっても最大の懸案事項で、あらゆる事柄の行方を左右する最前線だ。今回作戦の開始前にキーウに要請された戦術的停戦は、軍事的緊張の緩和がなければ、他のいかなる問題も交渉の余地がないことを示している。ウクライナこそ、他の全ての問題を左右する決定的要素だ。

 そしてイランという、利害が複雑に絡み合い、矛盾する地点がある。モスクワとテヘランの関係は、まさにワシントンが弱体化させたいと考えているものだ。ロシアにイランへの支援を縮小するよう要求するのは究極の要求で、これが協力なのか、交換なのか、それとも欺瞞なのかを明らかにするものとなる。

 もう一つの重要な問題、国際的調整の問題はイスラエルで、イラン問題と密接に関係している。イスラエルの安全保障は、中東におけるアメリカの戦略再調整の暗黙の前提条件で、ルビオのシリアに関する動きもこの観点から捉える必要がある。その理由については、これまで何度も説明してきた。

 残る問題はバルト海方面と、より広範には、ヨーロッパ全体の構造的枠組みだ。アメリカ情報機関による評価の中には、プーチン大統領のリスク計算に変化が生じている可能性を示唆するものもあり、NATO加盟諸国の結束力を試すために、ハイブリッド型軍事行動に傾倒する可能性が指摘されている。

 もしそうなら、この任務は抑止力としての役割も果たし、モスクワに決して越えてはならない一線を警告しただろう。抑止と交渉は、同一の訪問で矛盾するものではなく、諜報外交の両面を成すものだ。あるいは、EUが前進を固く決意していることを前提とすれば、戦争勃発時のヨーロッパ分割ゲームとも言えるだろう。
 
沈黙を読む

 ラトクリフの使命の強みは、逆説的ではあるが、その沈黙にある。

 公式声明のない出来事は、あらゆる観察者がそれぞれの勢力バランス観を投影するスクリーンになる。多極化世界が安定化したと信じる人々は協力関係を見て、欧米諸国の衰退を憂慮する人々は休戦の嘆願を見て、歴史を忘れていない人々は罠を見る。

 確実に言えるのはただ一つ。CIA長官が秘密裏にモスクワへ飛び、そのためキーウにミサイル攻撃停止を要請したことは紛争の表面下で何か重大な動きが起きているのだ。

 ちなみに、内部情報筋によると、もう一人著名人が同機に搭乗し、モスクワにも滞在していたとのことだ。アメリカ副大統領ジョン・D・ヴァンスだ。だが、それはまた別の話だ…。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/08/27/the-us-in-moscow-three-perspectives-on-faceless-mission/

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 東京新聞 8月29日 朝刊 国際・総合 四面  
 「アメリカ湖」大統領令に署名

 カナダ名「オンタリオ湖」

 トランプ氏 大西洋・太平洋も「名前変えるかも」

2026年8月28日 (金)

国防権限法の隠れた影響:アメリカ・イスラエル軍事統合の深化

アッバス・ハシミテ
2026年8月27日
New Eastern Outlook

 国防権限法(NDAA)に基づくアメリカ・イスラエル間軍事統合の深化は、ワシントンをイスラエルに対するより恒久的な戦略的関与に縛り付け、アメリカの政策の柔軟性を制限すると同時に、中東およびそれ以外の地域における緊張を高める可能性がある。

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 最近、アメリカは同国史上最も高額な法案の一つを可決したが、その膨大な条文の中に、党派を超えた分裂を引き起こした物議を醸す条項が紛れ込んでいた。米下院は、約1兆1500億ドル相当の2027会計年度国防権限法(NDAA)であるHR 8800を、賛成216票、反対212票で可決した。しかし、真の悪魔は、価格ではなく、米軍とイスラエル軍のサプライチェーンと技術を統合する条項、第219条にある。共和党のトーマス・マッシー下院議員は、米軍とサプライチェーンをイスラエルのものと統合してはならないと警告した。彼と民主党のロー・カンナは第219条の削除を試みたが、彼らの修正案は1票も獲得できず、米議会におけるシオニスト・ロビーの勝利に終わった。

 アメリカ・イスラエル間の軍事統合は、勢力均衡の悪循環を引き起こし、中堅国に自国の防衛協力や安全保障協定の更なる深化を促し、地域における競争的バランスを加速させる可能性がある。
 
第219条:アメリカ・イスラエル間軍事統合の深化

 NDAAは、軍人の給与の5~7%増額、ミサイル防衛、極超音速、自律技術、弾薬と兵器の増加、その他の将来技術への追加支出を含め、国防費として約1兆1500億ドルを承認する。この法案の下で、国防省は戦争省に改称され、今後、アメリカ国防長官または国防省への言及は全て、戦争長官および戦争省への言及となる。第219条は、両国間の拡大された情報共有と共同兵器開発を監督する恒久的な国防総省の役職の創設を規定しており、テルアビブはNATO同盟国のほとんどでさえ持っていないレベルのアメリカとの軍事統合を得ることになる。

 更に、この法案は「アメリカ・イスラエル防衛技術協力イニシアチブ」を設立するもので、イスラエルが開発した技術、または共同開発した技術のうち、アメリカの軍事態勢に統合できるものを特定するプロジェクトだ。加えて、この構想は、アメリカとイスラエルの政府、学術界、産業界が参加する共同研究、および米国防総省(国防イノベーション・ユニット、アメリカ宇宙軍、非正規戦技術支援局を含む)と連携した軍事協力を促進する。投票は概ね党派に沿って行われたが、注目すべき例外もあった。共和党議員1名が反対し、民主党議員6名が党派を超えて賛成した。この法案は今後上院に送られるが、バーニー・サンダース上院議員は既にこれを強く批判している。
 
調整から制度化された統合へ

 一部のメディア報道では、この法案がアメリカ・イスラエル軍の統合と誤解されている。実際は、防衛技術、作戦計画、研究開発体制、調達パイプラインにおける既に進行中の連携を更に強化するものだ。この統合により、将来的にアメリカとイスラエルの二国間協力関係を解体するのはより困難になるだろう。特にイスラエル建国以来の不当な両国関係を振り返ると、この統合は二国間関係における自然な次段階であることがわかる。

 アメリカ・イラン戦争勃発以来、アメリカ・イスラエル関係は浮き沈みを繰り返してきた。トランプ政権は、イスラエル政府による中東での度重なる攻撃と、地域和平に向けたあらゆる努力を阻害しようとする試みに苛立ちを募らせているようだ。更に、世界各国、特にアメリカでは、イスラエルのシオニスト政権とその支持者に対する世論が悪化している。イスラエルのネタニヤフ首相が、アメリカからの財政援助依存を断ち切ると表明したことも、両国間の亀裂を示唆している。

 ワシントンにとってより狭くなる出口戦略

 だが、下院による国防権限法(NDAA)の承認のタイミングは意外なものだった。アメリカの世論とトランプ政権がシオニストに反感を抱き始めた頃、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)はアメリカ議員やディープステートへの影響力を用いて、アメリカ・イスラエル軍の統合を更に進めたようだ。世界中の多くの評論家はこの統合に懸念を示しており、アメリカの機密防衛技術がイスラエル国防軍に漏洩し、パレスチナ民間人に対する戦争犯罪やジェノサイド作戦を更に激化させる可能性があると指摘している。

 だが、この法案の下では、アメリカはいかなる武器や弾薬も阻止できない。更に、この法案はアメリカの戦略的撤退の選択肢を狭めることになる。アメリカ・イスラエル間の軍事統合は、アメリカ・イラン間対立を激化させ、湾岸諸国の不安を煽るため、中東情勢を更に悪化させる。加えて、この法案は勢力バランスの悪循環を引き起こし、パキスタン、イラン、サウジアラビア、トルコ、エジプト、バングラデシュといった中堅国に、自国の防衛協力や安全保障体制を一層強化させ、地域における競争的バランスを加速させる可能性がある。

この二つの西側侵略国統合の結果として、ロシア、中国、イラン、その他の東側諸国間のより制度化された、あるいは強化された協力関係も生まれる可能性がある。さらに、米国の中東への関与と関与の拡大は、ワシントンのインド太平洋戦略から注意をそらすことになるだろう。もし米上院が国防権限法案を可決すれば、米国民の世論が急速にシオニストに反感を抱くようになっているため、国内で強い反発が予想される。

 統合に伴う地政学的および国内的費用

 国防権限法(NDAA)はトランプ政権に更なる難題を突きつけている。この法案はアメリカに深刻な国内的、国際的な影響を及ぼす。こうした法案は、シオニストがアメリカのディープステートを支配しているという通説をさらに強固なものにしている。世界の世論はイランとパレスチナを支持し、中東でのアメリカとイスラエルの行動に強く反対している。中堅国の役割も増大しており、ロシアと中国が新たな多極世界でのプレーヤーとして台頭している。だが、アメリカの支配体制は依然伝統的政策と冷戦思考に固執している。AIPACがアメリカ議員や支配体制に及ぼす並外れた影響力は、アメリカをシオニストの傀儡国にしてしまった。このような状況下で、アメリカ政府と支配体制は国内のシオニスト・ロビーを排除し、一方主義的かつ介入主義的政策を見直す必要がある。さもなければ、アメリカは間もなく世界覇権の終焉を迎えることになる。

 アッバス・ハシミテは地域および世界の地政学的問題に関する政治評論家、リサーチ・アナリスト。現在、独立研究者、ジャーナリストとして活動。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/27/the-ndaa%e2%80%99s-hidden-consequence-deeper-us-israel-military-integration/

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 東京新聞 夕刊 第七面
「アメリカ湖」に改称指示。米大統領

2026年8月27日 (木)

対イラン戦争:アメリカ外交政策を司る勢力の一部が中東での支配力喪失を認める

2026年8月24日
Moon of Alabama

 アメリカ外交政策を司る勢力の一部が、アメリカは中東での主導的役割を失ったという結論に達している。その地位を取り戻そうという意欲はほとんど見られないようだ。

 本記事の狙いは、これらの意見を集めることだ。

 『フォーリン・アフェアーズ』誌にマーク・リンチはこう書いている。  
アメリカによる中東支配の終焉 ― イランと、失敗に終わった秩序の最後のあがきアーカイブ) ―フォーリン・アフェアーズ、2026年9月/10月号

 アメリカの中東政策は終焉を迎えた。1991年以来続いてきた地域秩序は、アメリカとイスラエルによる対イラン戦争の犠牲となった数多くの事例の一つだ。アメリカとイスラエルがテヘラン政権を打倒できなかったことは、数十年にわたる制裁と暴力の破綻を露呈した。アメリカが、イラン攻撃から湾岸諸国の同盟諸国を守ることも、ホルムズ海峡の安全を確保することもできなかったことは、この地域における軍事基地網を正当化してきた安全保障上の核心的合意を致命的に損なった。そして、益々威嚇的なイスラエルの姿勢と、パレスチナとの和解への関心を一切示さなくなったことで、アラブ諸国とイスラエルを永続的安全保障同盟に結びつけようとするワシントンの数十年にわたる使命は終わりを迎えた。
 だが、ついに、中東における「人権」の名の下で「民主主義を更に広める」べきだとリベラル介入主義者のマーク・リンチは主張した。これは民主党内の「リベラル派」の本能が示すもので、民主党が政権を奪還した場合、対イラン戦争の長期化を支持する可能性が高い理由でもある。

 アトランティック誌で、アメリカの敗北がもたらす影響について、ネオコンのロバート・ケーガンが考察している。  
イランの台頭 ― 今後、中東における支配的勢力はアメリカでもイスラエルでもなく、イランになる。アーカイブ) ―アトランティック誌、2026年8月23日

 何年にもわたり、イランは中東で自国に不利な勢力バランスに直面してきた。敵対的超大国アメリカと、核兵器を保有し軍事的に優位なイスラエルと、戦略的にも経済的にもアメリカと連携するエジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦といった重要な地域勢力にこの地域は支配されていた。

 今日、イランは全く新しい状況に置かれている。超大国アメリカと、イスラエルと、真っ向から対峙し、両国の最新鋭兵器による猛攻に耐えて生き延びた。その結果、アメリカの支援を受けて、イランは中東とペルシャ湾の勢力図を完全に塗り替えた。今後、この地域の支配的勢力はアメリカでもイスラエルでもなく、イランになる。既に近隣諸国は、この新たな現実への対応を始めており、遠方の国々も同様だ。長年、世界は締め付けられたイランと向き合ってきた。今、解き放たれたイランがどのような姿を見せるのかを世界は目の当たりにすることになる。
 アメリカとの覚書や他の合意をイランは必要としていないとケーガンは述べている。核兵器さえ必要ではない。イランに対する制裁は役に立たない。  
イランによるホルムズ海峡支配は核兵器より遙かに有効な権力の道具だ。核兵器は攻撃を抑止するかもしれないが、海峡支配は、日々の数十カ国に対する影響力をイランにもたらす。イランはこれを利用して、友好国に報い、敵国を罰し、収益を生み出し、制裁緩和を強要し、イラン政策に反対する前に各国政府に再考を促せる。しかも、一発の銃弾も発射することなく、必要に応じて武力による威嚇を行う能力を維持しながら、これら全てを成し遂げられるのだ。

 数十年にわたりイランを孤立させてきた制裁戦略は、国際協力に基づいていた。海峡への往来に依存する国々、例えば日本や韓国は、安定したエネルギー供給の確保と、アメリカが支援する制裁への参加、どちらかを選択しなければならない。彼らは、自国の経済的利益よりも、ワシントン(このワシントン)との連帯を選ぶのか。イランが構築しつつある新たな秩序において、世界的制裁体制は持続不可能になる可能性が高い。
 ニューヨーク・タイムズに掲載された論説記事で、イランに対する海峡封鎖を解除し、海峡を通過する船舶から通行料を徴収するのを認めるべきだという経済的論拠をDefense Prioritiesのローズマリー・ケラニックが提示している。  
イランにホルムズ海峡を支配させよ NYタイムズ、2026年8月24日

 財政的には、ホルムズ海峡の長期にわたる部分的閉鎖より、通過料の方が、アメリカと世界にとって有利だ。…ホルムズ海峡を巡る対立が原油価格の高騰を招けば、経済的損害は深刻になる可能性があり、特にアメリカ経済は、ロシアや中国といった他の大国よりも石油依存度が高いため、その影響は大きい。

 ホルムズ海峡への課税は、アメリカとトランプ個人にとって恥ずべきことだろうが、安全な航行を金銭化すれば、イランはより多くの通行料を徴収するため、できるだけ多くの船舶の通過を許可するようになるだろう。そして、海峡管理による収入にイランが依存するようになれば、将来政治的理由で海峡を閉鎖するのは、より困難になる。
 1991年のイラク戦争中に「死のハイウェイ」と呼ばれる虐殺作戦を命じたタカ派のマカフリー退役将軍は、米軍の撤退の必要性を嘆いている。  
Barry R McCaffrey @mccaffreyr3 – 2026年8月22日 23:54 UTC

 私の見解では、ペルシャ湾岸の15の基地を米軍は永久に失った可能性が高い。今や湾岸諸国への往来を支配する態勢をイランは整えている。アメリカは、サウジアラビア西部、イスラエル、南ヨーロッパでの新たな往来方法について交渉する必要があるだろう。
 フィナンシャル・タイムズは、それに応じて以下のように問いかけている。  
大量のアメリカ湾岸基地は再建する価値があるのか?アーカイブ) ?フィナンシャル・タイムズ、2026年8月24日

 「これら施設の再建にはあまり意味がない」と、アメリカ国家安全保障会議でイラン担当ディレクターを務めた経験を持つネイト・スワンソンは述べ、本来不要な施設の再建に資金を投入する必要が生じれば、既存の傾向が加速する可能性があると指摘した。「西方向への移動が起きなければ、私は大いに驚くはずだ。」
 基地の放棄は単なる軍事的な動き以上の意味がある。支配の喪失を意味するのだ。  
「これは軍事的要請と外交的要請が相反する方向に向かう状況だ」とジョンズ・ホプキンス大学のブランズは述べた。「「逃げ出そうとしている」という印象を払拭しなければならない。」

 「カーター・ドクトリンは確かに崩壊したようだ」とユーラシア・グループの歴史家で評論家のグレゴリー・ブリューは述べ、ワシントンが振り出しに戻ったという感覚だと付け加えた。「イスラム革命がカーター・ドクトリンを強いたが、対イラン戦争がそれを崩壊させたのだ」と彼は付け加えた。
 ペルシャ湾の支配権を掌握するために米軍の武力行使をちらつかせたカーター・ドクトリンは、ソ連のアフガニスタン侵攻への対応策だった。だが、そのドクトリンが対処しようとした脅威は、もちろん、もはや存在していない。

 「中国の脅威」は余りに曖昧で、ドクトリン復活に必要な莫大な費用を正当化するには不十分だ。

 従って、恐らくいくつかの小競り合いの後、アメリカは撤退を余儀なくされる可能性が高い。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/08/war-on-iran-borg-concedes-loss-of-control.html

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 The Chris Hedges Youtube Channel
Independence Day Drag 11:48
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ニューヨークタイムズ紙「国内外で高まるトランプ氏への反発――「服従」から「抵抗」へ」トランプ依然世界で最も圧倒的な影響力を持つ。だがイラン戦争開始頃より、「抵抗」顕著。スペイン、伊がイラン戦争反対。NATO諸国参戦拒否。カナダは関税で報復関税を課す。

2026年8月18日 (火)

張り子の虎:一兆ドル規模のアメリカ戦争機械



2026年8月15日
Strattgic Culture Foundation

メディア・ベンジャミンとニコラス・J・S・デイヴィス

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 勝ち目のない対イラン戦争で、2001年以来続けてきた違法かつ腐敗した侵略戦争政策をアメリカは早急に見直す必要があるとメディア・ベンジャミンとニコラス・JS・デイヴィスは、述べている。

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、2001年から2024年の間に軍事費としてアメリカは21兆ドル(2024年価格換算)費やしており、これは以下の18カ国の軍事費合計に匹敵する。

 イランは、アメリカの僅か2%しか軍事費を支出していないため、このリストにほとんど名を連ねていない。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は、イランの2025年の軍事予算を僅か75億ドルと推定している。すると、イランは一体どのようにして、数兆ドル規模のアメリカ軍事力に対抗しているのだろう?

 アメリカの対イラン戦争と、過去のユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビアと現在のガザ地区に対するアメリカおよび同盟諸国の爆撃作戦との決定的違いは、アメリカとイスラエルがイラン防空システム破壊に失敗し、敵攻撃によって航空機とパイロットを失う危険を冒さずには、イラン上空を戦闘機で飛行できない点にある。イランは賢明にも重要な防衛インフラを地下に構築しており、兵器工場、武器備蓄庫、発射基地は、難攻不落の山岳地帯の地下に安全に隠されている。

 3月10日、アメリカはイラン上空で「完全な制空権」を確保しているとピート・ヘグセス国防長官が主張したが、それは依然事実ではない。実際は、米軍は主にイラン国境の外から遠隔兵器を用いてイランを攻撃しており、非常に高価な兵器の備蓄を大幅に減少させている。

 米軍機はイラン領空への侵入を避けているものの、議会調査局報告によると、アメリカは少なくともF-15戦闘機4機、F-35戦闘機1機、A-10攻撃機1機、KC-135空中給油機7機、E-6早期警戒管制機1機、MC-130J特殊作戦機2機、ヘリコプター1機、高高度トライトン無人機1機、MQ-9リーパー無人機24機を失った。

 

2008年頃、アフガニスタンに配備されたMQ-9リーパー無人航空機。(米空軍、ブライアン・ファーガソン撮影)

 対照的に、2003年のイラクへの本格的侵攻では、米軍はA-10攻撃機1機とヘリコプター6機を失っただけだった。これは、1991年の第一次湾岸戦争後にアメリカ、イギリス、フランスが一方的に設定した、いわゆる飛行禁止区域を隠れ蓑にして、低強度爆撃作戦によりイラク防空網の大部分を組織的に破壊した後のことだった。

 2003年、米軍は開戦後最初の30日間でイラクに1万3000トンの爆弾とミサイルを投下した。しかし、そのうち巡航ミサイルや他の長距離兵器(現在アメリカがイランに対して使用しているような兵器)は僅か800トン、つまり6%に過ぎなかった。

 アメリカは既に、JASSMやトマホーク巡航ミサイル、SM-2、SM-3、SM-6対空ミサイルを含むスタンドオフおよび防空兵器の3分の1を消費しており、パトリオットおよびTHAAD迎撃ミサイルと、短距離型ATACMに代わる新型精密攻撃ミサイルの在庫も半分を消費している。これらミサイルの価格は、JASSMの1発あたり70万ドルから、THAAD迎撃ミサイルの1発あたり1200万ドルまで幅広く、その多くは補充に数年を要する。

 

2013年に行われた米陸軍の試験発射時の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)迎撃ミサイル。(米陸軍/ラルフ・スコット/ウィキメディア・コモンズ/パブリックドメイン)

 つまり、アメリカは短期的に代替不可能な数百万ドル相当のミサイルを使い、一機あたり2万ドルから5万ドルでイランが購入するシャヘド無人機を迎撃しようとしているが、多くの場合失敗している。これは、2003年のイラク戦争とは対照的だ。当時アメリカが選んだ兵器は500ポンド級のGBU-12ペイブウェイIIレーザー誘導爆弾で、価格は僅か2万2000ドルだった。しかもイラク攻撃に使用された7000発の爆弾は容易に補充できたのだ。

 戦地における海軍のミサイル備蓄減少を補うため、アメリカはイランに向けてトマホークミサイルを発射するために、イギリスのフェアフォード空軍基地からB-1爆撃機を飛ばしている。現在、非常に多くの航空機が遠方からイランを攻撃しているため、アメリカは既にイスラエルに配備している60機の空中給油機に加え、更に数十機の空中給油機を派遣せざるを得なくなっている。

 戦争において、比較的安価な砲弾やドローン生産を迅速に拡大する能力が、 巨額の兵器開発計画に何兆ドルも費やすよりも、より重要なことをロシアはウクライナで実証した。一方、腐敗したアメリカ軍産複合体は、アメリカ兵器産業と国防総省幹部と懐柔され買収された文民政府の間に金メッキした回転ドアを構築してきた。彼らは益々高価な兵器を生産してきたが、戦った戦争のほとんど全てで敗北している。

 

2月28日、対イラン攻撃開始時に、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ウィンストン・S・チャーチルがトマホーク巡航ミサイル(TLAM)を発射する様子。(米海軍提供写真)

 1945年以降、アメリカが勝利した戦争は、1980年代に、ソ連の弱体化に乗じてグレナダ、パナマ、クウェートの小規模な新植民地拠点を奪還した三つの短期戦争だけだ。それ以外、1950年代初頭の朝鮮戦争から今日のイランに至るまで、米軍はあらゆる戦争で敗北し、アメリカ政府が解放すると主張する国々や人々に甚大な被害を与えてきた。「我々のような友さえいれば、敵など不要だ」という諺の通りだ。

 多くのアメリカ産業と同様、冷戦後のアメリカ兵器産業は、5社(ロッキード・マーティン、ボーイング、レイセオン(現RTX)、ジェネラル・ダイナミクス、ノースロップ・グラマン)の寡占体制を中心に統合され、その継続的成長は、益々高価になる軍艦、戦闘機、兵器からの莫大な利益に依存している。そして、終わりのない戦争と「脅威」は、アメリカの国家的富を益々自社の金庫に吸い上げるのを正当化する口実になっている。

 数十年にわたり、こうした莫大な軍事費と終わりのない戦争は誇るべきものだとアメリカ政府と大手メディアは国民に言い聞かせてきた。そして、この歪んだ米軍の軍事力に関する神話を、多くの国民は鵜呑みにしてきた。国防総省はイメージ向上に力を注ぎ、採用と人材維持に年間20億ドル、2023年だけでも広告契約に11億4000万ドル費やしている。

 だが、主張は崩れ始めている。アメリカ政治経済体制の多くの側面と同様、アメリカ軍について教えられてきたことに疑問を抱くアメリカ人が増えており、退役軍人自身が最も率直な批判者になっている場合が多い。

 米軍の新兵募集係が直面する問題について、多くの「対テロ戦争」の退役軍人が、今や自分の子どもに軍隊入隊を思いとどまらせているとBusiness Insider誌に寄稿したケルシー・ベイカーが報じた。ベイカーが話を聞いた新兵募集係のうち三人は、勧誘対象としていた十代の若者の親から銃を突きつけられたと述べ、激怒した親から「赤ん坊殺し」「政府の奴隷」と罵られたのを覚えていると、ある新兵募集係が語った。

 

イラク戦争反対退役軍人会が2007年10月にボストンで行進。(ジョナサン・マッキントッシュ/ウィキメディア・コモンズ/CC BY 3.0)

 決して始めるべきではなかった破滅的で勝ち目のないイランでの戦争をエスカレートさせることと、2001年以来続けてきた違法で腐敗した侵略戦争政策を見直す必要性との間でアメリカは板挟みになっている。

 9月11日の攻撃は、アルカイダのハイジャック犯19人に実行されたもので、アメリカが侵略・占領した国々によるものではなかった。にもかかわらず、アメリカ指導者連中は、これら恐ろしい犯罪に対し、数兆ドル規模の新兵器開発と帝国主義的軍事拡大で対応した。これはまさに、ドワイト・アイゼンハワー大統領が1961年の退任演説で警告した軍産複合体の「不当な影響力」に引き起こされた決定だった。

 アフガニスタンとイラクに駐留する米軍は、自国を守る軽武装抵抗勢力に敗北した。だがアメリカ指導者連中は自らの失敗と敗北を無視し、ウクライナ戦争でロシアと対峙し、今度はイラン国内でイランと戦う闇雲なエスカレーション階段を上り続けている。

 

2021年8月、カブール陥落後、鹵獲したハンヴィーに乗るタリバン戦闘員。(ボイス・オブ・アメリカ・ニュース/ウィキメディア・コモンズ/パブリックドメイン)

 注目すべきは、2014年にウクライナでのクーデターをアメリカが支援し、2022年4月にロシアとウクライナの和平合意を拒否したのが民主党政権下だったのに対し、共和党のトランプ大統領は、2020年にイラン最高軍事指導者を暗殺し、2025年と2026年にはイスラエルと共謀してイランに対する戦争を開始したことだ。ガザにおけるアメリカとイスラエルによるジェノサイドは、それを引き起こした違法占領と同様、いまだ議会で超党派支持を得ているが、議員たちが代表すると主張するアメリカ国民の支持は得られていない。

 国防総省が巨額支出に乗り出し、国々に次々大規模破壊をもたらす前から、2001年9月11日の犯罪に対するアメリカの軍事対応の危険性を多くのアメリカ人は理解していた。

 1999年に先見の明に満ちた高く評価された著書『Blowback(邦題:アメリカ帝国への報復 )』をチャルマーズ・ジョンソンは執筆し、9.11同時多発テロのような大惨事の種をアメリカの軍国主義と帝国主義が、いかにして必然的に蒔くのかを説明した。彼はその後、2010年に亡くなるまでに、アメリカ帝国プロジェクトに関する三冊の著書を出版した。

 元ニュルンベルク検察官ベン・フェレンツは、9.11の一週間後、NPRにこう述べた。  
「不正行為に責任のない人々を罰するのは決して正当な対応と言えない。罪を犯した者を罰することと、そうでない者を罰することを我々は区別しなければならない。例えばアフガニスタンやタリバンに対して、単に一斉爆撃という形で報復すれば、今回の事態を是認していない多くの人々を殺すことになってしまう。」
 2003年にアメリカがイラク侵攻の準備を進める頃には国際社会の怒りは非常に広がり、史上最大規模の世界的街頭デモが発生し、60カ国で最大3600万人が抗議活動をした。

 

2003年2月15日、スペインのバルセロナで、イラク戦争に向けるアメリカの準備に抗議するデモ参加者たち。(APCS2017 /Wikimedia Commons.CC BY-SA 4.0)

 だがアメリカ指導者連中は、国連や世界の街頭の拒絶を無視し、イラクが化学兵器、生物兵器、更には核兵器を保有しており、9月11日の犯罪に何らかの責任があると主張し続けた。

 イラク駐留米軍の洗脳は非常に徹底しており、開戦から3年後の2006年2月でさえ、Zogby世論調査によると、イラク駐留米軍兵士の85%が、彼らの主な任務は「9.11同時多発テロにおけるサダム・フセインの役割への報復」だと答えた。

 過去25年間のアメリカ軍事史を蝕んできた嘘、洗脳、拷問、民間人虐殺、その他の戦争犯罪と途方もない費用は、アメリカ国民を新たな戦争に真っ向から反対する方向へ導いた。

 だが信じられないことに、制御不能なアメリカ軍産複合体に記録的な額の資金、武器と、戦争の偽りの口実を与え続けるのを止める憲法上の責任を果たすよう議員を説得するのにアメリカ国民は失敗した。

 2027会計年度の軍事費として、過去最高額となる1兆5000億ドルをトランプ大統領は要求した。下院を通過した国防権限法(NDAA)は1兆1500億ドルの裁量的軍事支出を認可しており、NDAA以外の追加資金を含めると政権の軍事支出総額は1兆5000億ドルになる。これまでのところ、上院はNDAAを阻止している。

 国防権限法案には、アメリカとイスラエルの兵器生産および情報共有を更に統合するための未曾有の条項も含まれている。

 アメリカとイスラエルがイランを打倒し損ねていることに対するトランプの苛立ちは、特に冷戦終結以降、彼の前任者たちをも蝕んできたのと同じ「アメリカの軍事的優位性」という幻想に起因している。

 だが2018年の著書『Losing Military Supremacy: the Myopia of American Strategic Planning(軍事的優位性の喪失:アメリカ戦略計画の近視眼性)』で、アメリカが空母や他の大型軍艦、軍用機に投じた巨額投資は、アメリカ兵器庫にある最新鋭ミサイルより遙かに速く遠くまで飛翔できる新世代のロシアや中国のミサイルにより急速に時代遅れになりつつあるとアンドレイ・マルチャノフは警告した

 イランのミサイルとドローンは、中東の軍事バランスを根本的に変えてしまった。彼らは米軍をペルシャ湾の基地から追い出し、アメリカ空母はイラン沿岸から約1600キロ以上離れた海域に留まらざるを得なくなっている。アメリカ中央軍は地域司令部をカタールからヨルダンに移転せざるを得なくなったが、イランはそこも攻撃している



 3月13日、イランによるオマーン攻撃の際、サラーラ港から立ち上る黒煙を捉えた衛星画像。(CC BY 4.0 /Wikimedia Commons)

 現在、アメリカは中東における軍事力の多くをイスラエルに再配置している。これは、対イラン戦争が今後エスカレートした場合の利害関係とリスクを高めるだけでなく、現在ほとんどのアメリカ人が反対している大量虐殺国家イスラエルとの複雑な軍事同盟関係を更に拡大させることになる。

 8月8日、トランプ大統領が6月17日に署名した覚書の6項目をイランは改めて強調し、アメリカがこれら項目を遵守しなければホルムズ海峡を国際船舶に開放しないと主張した。



 6月17日、フランスのヴェルサイユ宮殿でイランとの覚書にトランプ大統領が署名した。右はフランスのエマニュエル・マクロン大統領、左はマルコ・ルビオ国務長官。(ホワイトハウス/ダニエル・トロク撮影)

 欧米評論家たちは、これを厳しい新たな条件だと評しているが、実際は新しいものでも、以前より厳しいものでもない。単に、これまで暗黙のうちに示されていたことを明文化したに過ぎない。例えば、当初の覚書では「レバノンを含む全ての戦線」での戦争終結を求めていたのに対し、今回はパレスチナとイエメンを具体的に挙げている。この戦争を始めたのはアメリカとイスラエルで、アメリカは既に合意した覚書に基づき、誠意をもって交渉することで戦争を終結させる力を持っているのだ。

 この時代遅れで高価で非効率的な戦争機械のために、アメリカ国民は多大な犠牲を払ってきた。多くの人々が命や手足や健康を犠牲にしてきたのだ。

 指導者連中の好戦的行動と国家の富の無謀な浪費により、我々全員機会損失を被っており、他の先進国国民が当然のこととして享受している国民健康保険医療や、質の高い公教育、生活賃金、有給休暇といった基本的福祉を失っている。

 アメリカ政府の腐敗した優先順位付けは、気候変動や自然環境破壊から、常に存在する核戦争の危険に至るまで、最も深刻な問題を放置する一方、それら問題に対処するための世界的取り組みを妨害している。

 今年の予備選挙結果が示す通り、ほとんどのアメリカ人は国民を大切にする社会と、国民の最も差し迫った必要性に対応する政府を望んでいる。それには、失敗し、腐敗し、制御不能で、途方もなく費用がかかるこの戦争機構の解体も含まれるはずだ。

原文:consortiumnews.com

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/08/15/paper-tiger-the-u-s-trillion-dollar-war-machine/

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 東京新聞 朝刊 二面  
 米韓軍事演習の縮小指示

 トランプ氏「金正恩氏と良好な関係」

 イラン難航 北に秋波

 「協力断った」韓国には恨み節

 アジア太平洋地域 抑止力低下の懸念
 耕助のブログ 本記事と平仄が合うHua Bin記事翻訳。
No. 3001 「史上最強の軍事力」と呼ばれなくなるまで、何回戦争に負ければいいのか

2026年8月12日 (水)

トランプランドの、またもや奇妙な一週間

一体いつになったら終わるのか?
フィリップ・ジラルディ
2026年8月5日
The Unz Review



 ワシントンだけでなく、州レベルでも、アメリカ政府の誠実さの衰退と崩壊を象徴する最も衝撃的な出来事を一つ一つ選ぶのは困難だ。実際の国益にかなう政策や法律を作る努力をアメリカ政府が完全に放棄していることを考慮すると、ホワイトハウスと議会がその精算を先導することが多い。理由もなく戦争が行われ、ドナルド・トランプ大統領が朝起きた時の「気分」に基づいて国内政策が決定される。その結果、政策が実際に策定・実施される際、混乱が生じる。

 長年苦難を強いられてきた我々アメリカ人は、先週、外交政策に関する重要発言で、トランプ流の態度の二転三転を目の当たりにせざるを得なかった。まずイランがトランプに接触し、停戦と和平協定に向けた交渉再開を求めたという発表があった。この主張はテヘランにより即座に否定され、トランプが署名した文書や合意を後から無視してきた経緯を考えれば、イランがワシントンとその「言葉」をいかなる問題でも信用するのは正気の沙汰ではないと、ほぼ全ての観察者が同意した。するとトランプは、イランの否定に対し、いつものように地獄の業火を解き放つと脅迫し、卑猥な言葉と、第二次世界大戦よりも壊滅的なホロコーストでペルシャ人を滅ぼすという恫喝をまき散らした。

 アメリカの軍需品備蓄枯渇や、中国がアメリカへの特殊金属販売を拒否していることや、戦闘機の胴体に使用される高品位アルミニウムを生産していたサウジアラビアとアラブ首長国連邦の精錬所が失われたことによる代替品製造の困難さを考えると、トランプの「殲滅」の脅しは、実際は明らかに実現不可能だと指摘する観察者もいる。従って、トランプが本当に少年時代の空想である死と破壊を実行に移そうとするなら核兵器に頼るしかない。皮肉にも、イランの核兵器開発を阻止するという繰り返し述べてきた意図に基づいて彼は対イラン戦争を始めたが、そのような計画は存在しないとアメリカ情報機関は主張している。民間人を殺害するために核兵器を保有し使用したことがあるのはアメリカだけで、1945年のことだ。

 ワシントンから発せられる矛盾したシグナルを考えれば、そもそも無意味で不必要な戦争が、イスラエルとその首相ベンヤミン・ネタニヤフが、何も知らないトランプを説得するためにでっち上げた嘘を使い、傍観者として拡大を推進している現状を指摘する必要もないだろう。「この時点では、イランを破壊するためにアメリカ兵が死ぬ方が、我々の素晴らしいユダヤ人の若者を無駄にするよりも遙かにましだ。ユダヤ人の若者は一人につき1000人の異教徒の価値がある」とネタニヤフは言う。実際、ユダヤ人の相対的価値で言えば、我々アメリカ人は1000分の1に過ぎない幸運に恵まれている。あるイスラエル弁護士はユダヤ人の命一人につき1パレスチナ人1000万人分の命の価値があると計算している

 トランプ大統領が、自らの政権を破滅させ、イスラエルにしか利益をもたらさない戦争に深く関与していることは、アメリカ国民にとって、そして、かつて民主主義と法の支配への取り組みでアメリカを尊敬していた他の国々にとっても究極の悲劇だ。イスラエルは今や当然、世界で最も嫌われている国だが、アメリカはそれに次ぐ二位だ! そして、誰が誰に対して何をしているのかという腐敗は、トランプ政権が明らかに助長してきた米軍の役割の混乱を考えると、特に深刻だ。

 先週ワシントン・ポストに掲載されたある記事は特に痛ましい内容で、米欧州軍司令官のアレクサス・グリンケヴィッチ将軍の懸念を報じていた。彼はメモの中で、防衛能力のある海軍駆逐艦の不足に対する懸念を表明した。記事は、「…国防総省高官に、海軍駆逐艦がもう一隻なければ、イスラエル防衛より、アメリカ『祖国』防衛を選択せざるを得なくなる…」とどのようにグリンケヴィッチ将軍が書き送ったかをこの記事は述べている。私の解釈では、将軍はホワイトハウスからの命令が、イスラエルの防衛よりも、アメリカ防衛を優先するのかどうかについて、個人的に困惑しているようだ。自国防衛が常に最優先事項であるべきことを、彼が明確に理解できていないのは理解しがたいだけでなく、ジョー・バイデン政権とドナルド・トランプ政権によるユダヤ国家への不当な愛が、そもそも軍隊を持つべき本当の理由をいかに破壊してしまったかをハッキリ示している。

 確かに、ドナルド・トランプと権力者連中は、都合の良い時は、いつでも兵士の真似事をする。私は、徴兵忌避者のトランプが、奇抜な赤い帽子を脱がずに直立不動の姿勢で敬礼する姿を見るのが大好きだ。かつて彼は、1968年に大学を卒業して徴兵委員会から兵役を命じられた際、骨棘という虚偽診断書を提出してベトナム戦争従軍を回避した。更に皮肉なことに、ほとんど架空の「平和構築の役割」に対して、議会名誉勲章(CMH)を授与されるべきだとトランプは何度も主張している。この勲章は、実際は戦闘で勇敢さを示した兵士に授与される最高の勲章であり、ドナルド・トランプはそれに該当しない。

 しかし、そのようないつもの芝居演技を考慮しても、先週のTruth SocialへのトランプのAI投稿は、偽診断書を書かせるために医者に支払う金と「愛国心の欠如」の両方を持ち合わせていたトランプの代わりに、大学卒業後に軍隊に入った我々を含む人間から見れば、あらゆる良識を超えている。投稿で、トランプは、第二次世界大戦の将軍ダグラス・マッカーサーとジョージ・S・パットンに挟まれ、正装の軍服姿の自らを描いていた。彼は二人の前に立ち、肩には将軍の四つ星を付け、胸には勲章リボンがびっしり飾られている。このAIによるフォトショップ加工画像で、マッカーサーやパットンよりも高い階級と多くの勲章を身につけている。トランプが身につけている勲章の一つは、CMH(大統領名誉勲章)だと思われる。これは、写真に描かれた二人の勇敢な将軍の記憶に対する侮辱で、この偽装行為を「恥ずべきで」「節度に欠ける」と表現しても決して大げさではない!

 先週のもう一つの出来事は、一般的に違法とみなされる「インサイダー取り引き」で、家族や支持者を儲けさせようとする大統領の姿勢を改めて示している。ウォール街や他の投資市場の開閉に影響を与えるため、大統領が月曜と金曜に、政治的または経済的な声明を発表する傾向があると、しばしば指摘されている。こうした事前情報を得た投資家は、ホワイトハウスの行動で引き起こされる予測可能な急騰を利用して、大きな経済的利益を得てきた。何が起きるのか事前に知っていた人々は、特に利益を得ており、トランプ大統領本人と家族もその一員だ。

 この現実の最新版で、自身の家族経営企業、トランプ・メディア&テクノロジー・グループを通じて、新サブスクリプション・サービス「トゥルース・ソーシャル」で公開されるプレミアム・データへの早期アクセス権をトランプは販売している。このサービスでは、トランプ発言が掲載される。投資家は月額10万ドルを支払うことで、株式市場の変動から大きな利益を得られる。これまでに5つの投資会社が契約を結んでおり、トランプ自身もトゥルース・ソーシャル配信の所有権から、既に確定している600万ドルの収益の41%を直接得ると見込まれている。「公開情報に基づく新たな『インサイダー取り引き』理論をトランプが考案したに違いない」と批判する人々は指摘している。

 結論として、皮肉にも、大統領として政府から給与を受け取っていないとトランプは自慢することがあるが、2025年に「昨年の個人所得は20億ドルを超え、2024年の総額のほぼ四倍に達した。大部分は、彼の公職と資産が直接交差する事業から得られたものだ。仮想通貨だけでも、彼は約14億ドル稼ぎ、その中には彼のミームコイン$TRUMPのロイヤリティ6億3500万ドルと、息子が経営する仮想通貨ベンチャー企業World Liberty Financialの5億ドル以上が含まれる」と述べている。

 戦争で大勢の人々を殺し、必要ない大量虐殺を支援しながら、不正に数十億ドル稼ぎたいと思われるだろうか? それならドナルド・トランプ大統領に、手口を聞いて頂きたい!

 フィリップ・M・ジラルディ博士は、中東におけるより国益に基づいたアメリカの外交政策を追求する、501(c)3条に基づく税控除対象教育財団(連邦ID番号#52-1739023)国家利益評議会事務局長。ウェブサイトはhttps://councilforthenationalinterest.org 住所は PO Box 2157, Purcellville VA 20134で、メールアドレスはinform@cnionline.org

記事原文のurl:https://www.unz.com/pgiraldi/another-strange-week-in-trumpland/

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 不思議なニュースを見た。事実報道は反イスラエル?

在京イスラエル大使館、日本メディアを続々非難 毎日新聞には「プロパガンダ」、NHKには「訂正必要」

2026年8月11日 (火)

世界を駆け巡るシオニスト偽情報

2026年8月8日
Moon of Alabama

 「ニュースは真実ではない」のは言うまでもないことだ。だが残念なことに、しばしば無視される。

 「ニュース」は完全に捏造されることもある。でっち上げられた引用が複数放送局を経由して伝わり、「事実」に変貌することもある。

 イスラエル人ジャーナリストのロネン・ベルグマンが、そのような代物の一つについて、(ヘブライ語で)足跡を明らかにした。(機械翻訳)  
今週の8月5日水曜日、非常に劇的なニュースが奇跡的な旅をした。約15時間半で、怪しげなインドのXアカウントから発信され、モサドでないにもかかわらず、名前に「モサド」という単語を誇らしげに冠したアカウント経由で、チャンネル14からコーシャ認証を受け、首相の名代として国の舞台に上がるヤイル・ネタニヤフに受け入れられ、国連米国大使やフォックス・ニュースに取り上げられ、敬意を表されてインドに戻った。インドでは、既に「イスラエル・メディア」発ニュースとして報道されていた。
 シャイエル・ベン=エフライムが記事の要約を書いた
 
  • Twitter/X上の非常に親イスラエル的なヒンドゥー教ファシスト・アカウントが(ヒンディー語で)捏造された記事を引用し、イランが核兵器を開発していることをイラン革命防衛隊司令官アフマド・ヴァヒーディーが認めたと主張した。
  •  
  • その後同じアカウントが、またもやヒンディー語で、ヴァヒーディーが「アメリカとイスラエルが核兵器を保有している限り、イランは核兵器開発を続ける」と述べたとされる偽引用文を掲載した。
  •  
  • Mossad Commentaryという名のTwitter/Xアカウントが引用文を英語で投稿している。
  •  
  • 30分後、イスラエルの(親政府系)チャンネル14英語版がその発言を取り上げ、イランが核兵器開発を認めたのはこれが初めてだと報じた。


 
  • 数分後、フロリダ在住のイスラエル首相の息子ヤイル・ネタニヤフが、チャンネル14報道をリツイートした。
  •  
  • 二時間後、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は公式演説で、その偽引用文を引用した。
  •  
  • アメリカのマイク・ウォルツ国連大使は、このツイートを共有し「イランはついに長年明白だったことを認めた」と付け加えた。その後彼は何の釈明もなくツイートを削除した。
  •  
  • シオニストのプロパガンダ活動家マーク・レヴィンがこのツイートを共有した。フォックス・ニュースはこれを事実として報道し、画面上で見出しも付けた。
  •  
  • 情報源にフォックス・ニュースとネタニヤフを挙げてチャンネル14は報じている。
  •  
  • (モサドと関係ない?)モサド解説Xアカウントは、チャンネル14を引用してループを完結させている。
  •  
  • イスラエル外務省はペルシャ語で「ニュース」を発信している。
  •  
  • インド通信社ANIがイスラエル情報筋を引用し、この件をヒンディー語で報じた。
 もちろん、イラン革命防衛隊司令官アフマド・ヴァヒーディーが主張されているような発言をした証拠は一切ない。発言は捏造されたものだ。意図的に。

 ネタニヤフ首相事務所を通じてこのような偽情報が流布されるのは今回が初めてではない。バーグマン記事(機械翻訳)より。  
2024年9月、ユダヤ系新聞「ジューイッシュ・クロニクル」と「ビルト」は、人質事件とフィラデルフィア事件を巡ってネタニヤフ首相が発信しようとしていたメッセージと、ほぼ奇跡的に一致する記事を、全く同じ時間帯と日に発表した。

 これらは同一事例ではなく、同一の仕組みや同一人物が関与していると証明されてはいない。だが意識の構造は無視できないほど似ている。情報が海外に流出し、「外国メディアで宣伝」という偽装を施された後、イスラエル国内で既に流布している政治主張を裏付ける外部の、いわば独立した証拠としてイスラエルに戻ってくるのだ。
 どこかの信頼性が低い情報源から虚偽主張が発信される。それが、より信頼できる一般市民の間で次々引用され、やがて「ニュース」記事になる。そして、その記事は、おそらく、その噂を密かに広めた張本人の政治家に引用される。

 この手口は目新しいものでも、イスラエル特有のものでもない。イラク戦争開戦前、サダム・フセインが何らかの秘密兵器を保有しているという情報をチェイニー副大統領事務所が匿名でニューヨーク・タイムズに「リーク」した。翌日、チェイニーはテレビに出演し、質問されると、自分もその情報を聞いたと「認めた」。こうして仕組まれた虚偽の噂が公式事実になった。

 ニューヨーク・タイムズ報道が(誤って)信頼できると見なされたため、彼が仕込んだ偽情報を広めるのに強力な近道をチェイニーは使えたのだ。

 誰からも信用されていないネタニヤフが彼の偽情報を事実に変えるには遙かに長い道のりが必要だ。

 残念ながら、偽情報はそれでも効果を発揮する。少なくとも、ほとんどの場合…。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/08/zionist-disinformation-circles-the-globe.html

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 植草一秀の『知られざる真実』
皇室典範改正と消費税減税
 今朝の孫崎享氏のメルマガ題名
トランプ政権下、ハリウッド抑圧、1940年代から50年代の「レッド・パージ」の時代に類似。追放された者:自主制作、海外での制作、偽名で政策、実名であれ、芸術の抵抗の試みは、困難な状況に抗う「表現者としての誠実さ」の強靭さを証明している(ガーディアン紙)

2026年8月10日 (月)

タッカーを大統領に MAGA反乱軍、イスラエルからの独立を宣言

アメリカ右派の分裂が拡大し、トランプの旧支持層が公然と反対派へと変貌しつつあり、亀裂の中心にはイスラエルがある。

公開日:2026年8月8日 15:25 | 更新日:2026年8月8日 15:26
RT

 タリク・シリル・アマルはドイツ出身の歴史家で、イスタンブールのコチ大学に勤務。専門はロシア、ウクライナ、東欧、第二次世界大戦史、文化冷戦、記憶の政治。

 タッカーを大統領に MAGA反乱軍がイスラエルからの独立を宣言


© クリス・アンガー / ゲッティイメージズ

 ドナルド・トランプ大統領が二期目で、最後の任期を開始して以来、彼を二度も権力の座に押し上げた運動は分裂し始めていた。そして今「アメリカを再び偉大にする(MAGA)」支持者の間で完全な分裂が起きている。

 本質は単純だ。トランプをMAGAと同一視し続ける人々がいる一方、溝は広がりつつあり、MAGAへの忠誠心は持ちつつも、トランプはそうではないと考える人々もいる。反逆者たちは、トランプは大義を裏切ったと主張し、MAGA、ひいてはアメリカをトランプから救い出したいと考えている。

 MAGA反対派が自らの運動と呼ぶものに、まだ正式な組織構造は存在しないが、事実上の指導者はいる。人気ジャーナリストでポッドキャスト司会者でもあるタッカー・カールソンだ。MAGAの分裂が正式に発覚したのは、メイン州にあるタッカーの実に典型的なアメリカ邸宅だった。そこで、トランプに反対するMAGA集団の主要人物数名が集まり、事実上、反乱の旗印を掲げたのだ。

 文字通りではないが、元アメリカ下院議員マージョリー・テイラー・グリーン(フォロワー数540万人)によるX投稿の形で、それが示された。投稿には、グリーン自身に加え、トランプ政権下でテロ対策責任者を務めたジョー・ケントや、長年トランプに反対してきた保守派のトーマス・マッシー下院議員や、テーブルの最上座に座るカールソンなど、陽気な反逆者集団を写した入念に構成された写真が掲載されていた。

 投稿から数日後、カールソンは自身のソーシャル・メディア「タッカー・カールソン・ネットワーク」(YouTube登録者数520万人)で「It’s Time to Save America(アメリカを救う時が来た)」と題する動画マニフェストを公開した。公開から僅か一日で、YouTubeだけで100万回以上の再生回数を記録した。

 ポッドキャスト時代における修辞の達人カールソンは、現在のアメリカを、並外れた退廃と堕落の行き詰まり、支配体制における現実感覚の喪失と「麻痺と略奪」状態として描き出した。

 また彼は、核戦争か制御不能なAIによる「世界の終焉」をアメリカ人が避けたいなら、変化は避けられないと予測した。更に、時宜を得た政治的行動で、この終末を阻止したとしても、大きな暴力、すなわち革命を引き起こす可能性があると警告した。そして最後に、世界の終焉と激しい混乱の両方に対する代替案を簡潔な10項目で提示した。

 「公平性」から「団結」まで、多岐にわたる彼の10項目は、具体的政策概要というより、国家再生への力強い呼びかけで、彼自身も認めている通り、幅広い合意形成を可能にする一般的な目標を掲げている。

 彼が挙げた10項目の多くは、トランプ抜きのMAGA 2.0のようだと観察者たちは指摘した。身体的および精神的健康、経済が、監視技術や兵器や金融トリックだけでなく実際に役立つものを作る必要性、修復が必要なアメリカの美しい風景と建築物といった問題について、カールソンの情熱的訴えは、MAGA現象の根底にある保守主義を反映している。

 最終的に重要なのは、意見の相違点だ。カールソンの主張の一つは、主権、つまり彼が定義した「外部からの影響からの自由」に関するものだった。この点が、他のあらゆる主張の鍵になる。10項目は、本質的には独立宣言で、あらゆる外部からの影響からの独立だけでなく、イスラエルと、その強力なアメリカ・ロビーからの独立宣言でもある。カールソンは、これらがアメリカにとって最悪問題の一つだと直接指摘した。

 まず、彼は単に、法や倫理のルールを超越した王様のように振る舞う利己的な上流階級を攻撃しただけではなかった。彼はそれを「エプスタイン階級」と呼んだ。これは有罪判決を受けた小児性愛者で、自殺したとされ、自称ロスチャイルド家代表で、イスラエル人強姦犯諜報機関関係者と親しい関係にあった故エプスタインを指している。

 また、対イラン戦争(最近別の現実的なアメリカ人が述べた通り、ベトナム戦争より酷い「戦略的大失敗」)を「イスラエルによる賄賂か脅迫、あるいはその両方」とカールソンは正しく結びつけた。同様に説得力ある主張として、ナチス・ドイツのようにイスラエルがジェノサイドをしていると彼は非難し、アメリカの継続的支援に抗議した。最後に、イスラエルだけでなく、イスラエルのロビー活動が主導している現状は、「代表民主主義の理念を覆す」とカールソンは述べている。ロビイストが意思決定を行う場所では、有権者は意思決定を行えないためだ。

 要するに、カールソンは、アメリカが近年稀に見る最悪の軍事的敗北を喫したこと、進行中のジェノサイドを支援(そして事実上加担)したこと、主権と民主主義を失ったことは、全て、あるいは大部分が、アメリカ支配体制による、イスラエルとの歪んだ、極めて非愛国的な関係に起因すると指摘したのだ。政治的には、これはシオニスト国家の攻撃的な影響力工作に対する、おそらく長らく待たれていた宣戦布告に等しいと言える。

 そしてメッセージは伝わった。イスラエルの「リベラル」系有力紙ハアレツ紙は、急遽、長いカールソンに関する論説を掲載し、驚くべきことに彼を「反ユダヤ主義」だと非難した。これはばかげた中傷だが、予想通りだ。ジェノサイドをするアパルトヘイト国家イスラエルへの批判を、ユダヤ人への憎悪だと組織的に歪曲するのは、古く陳腐なシオニストの戦術だ。カールソンは決して世間知らずではない。10項目の論点で、彼は「ナチス」と呼ばれることを予期し、それを軽く受け流した。

 だがハアレツは一つだけ正しいことを指摘している。カールソンと彼が率いる勢力にとって「イスラエルと彼らのアメリカ人支持者は、トランプによる[MAGA]運動裏切りの中心原因でもある」。言い換えれば、小さくとも極めて破壊的で暴力的ならず者国家への狂気じみたアメリカの依存を特定し、名指し、攻撃する勇気を持ったアメリカ保守主義をカールソンは体現している。

 カールソンが描くアメリカ史や西洋像には、確かに理想化や郷愁が色濃く反映されている。この超保守的人物について意識を高めたいと願う人々にとって、格好の材料になるだろう。だが、それは無益で退屈なことだ。なぜなら、そこが重要な点ではないからだ。重要なのは、アメリカの世論調査が、一貫して、イスラエルに対する未曾有の大きな反発を示していることだ。最近、イスラエルのアメリカ・ロビーに関する新刊が出版され、大きな話題を呼んでいる。潮目は変わりつつある。

 タッカーを大統領に擁立する選択肢もあると同じくMAGA支持派反逆者のジョー・ケントは漏らした。第三党というのは困難な課題だ。しかしハアレツ紙は懸念を示しており、シオニズムの観点からすれば、それは当然だ。そして、それは非常に良いニュースだ。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/644017-maga-rebels-tucker-israel/

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 東京新聞 朝刊 一面  
 長崎原爆の日 81年

 世界へ 核は絶対悪

 首相、三原則 また明言せず
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
NYT[イランをめぐる軍事行動で米国の兵器在庫が枯渇、露と中国が注視。イランへの爆撃で数百万ドル規模のミサイルが数千発も消費。1,500発以上の地対空迎撃ミサイル「パトリオット使用。陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)や精密打撃ミサイル(PrSM)の備蓄をほぼ使い果たした。

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