トルコ

2018年8月16日 (木)

トルコ通貨危機はいかにして起きたのか

2018年8月10日
Moon of Alabama

 トルコのエルドアン大統領は‘外国勢力' (つまりアメリカ)が彼を失脚させたがっていると、しばしば主張する。‘金利ロビー' (つまり(ユダヤ人)銀行家)がトルコに損害を与えたがっていると彼は言う。二つの点で、彼はそれなり正しい。

 先週以来、トルコ・リラは、ひどく下落している。今日だけで価値が約20%減少した。それはトルコ経済も道連れにする可能性が高く、エルドアンは誰かのせいにする必要があるのだ。

 とは言え、外国勢力と銀行は、確かに危機を連中の狙いに利用してはいるが、エルドアンの経済政策こそ、まっさきに責められるべきだ。借りた外貨で彼が作り出した長い好況期が、とうとう破綻しつつあるのだ。

 以下は、いかにして、こういうことになったかの要約だ。

 大局的な政治構図

 アメリカがひきおこした'アラブの春'の際には、アメリカのオバマ大統領は、カタールとトルコと協力して、 中東中にムスリム同胞団の政権を据えようとしていた。ヒラリー・クリントンが国務長官の座を去り、ジョン・ケリーが引き継ぐと、オバマ政権は姿勢を変えた。選挙で選ばれたエジプトのムルシー大統領に対するクーデターを支持したのだが、シリア政府打倒に、アメリカ軍を使う活動は控えた。

 特にシリアに関し、トルコは貧乏くじを引かされた。エルドアンは、アメリカのシリア政府打倒という計画に賭けていた。彼がシリア難民を受け入れ、シリア国内で戦う過激イスラム主義者を支援したことで、膨大な費用がかかり、多数の問題ももたらされた。シリア経由の湾岸諸国へのトルコ貿易経路は閉鎖された。イランとの経済関係もまずくなった。エルドアンとしては、そこから何かを得る必要があったのだ。

 ところが、アメリカ政策が、彼に敵対したのだ。2013年のゲジ抗議行動は、アメリカによるカラー革命の企てのあらゆる様相を帯びていた。彼らはしくじった。2014年、オバマ政権は、東シリアのコバニのクルド労働者党/クルド人民防衛隊を支援しはじめた。クルド労働者党は、トルコ東部と北シリアと北イラクに自分たちの国を作ろうとしているテロ組織だ。アメリカがクルド人と同盟し、武器を与えたことで、クルド労働者党/クルド人民防衛隊という短剣がトルコの急所に突きつけられたのだ。

 2015年中期の、トルコが率いるラタキアとイドリブに対する攻撃に対応して、ロシアは、軍隊をシリアに配備した。後から考えると、その時点で、エルドアンのシリアでのゲームは終わっていたのだ。アメリカは核武装したロシアに対する戦争をしようするはずはなかった。シリアが倒れるはずもない。しかし、エルドアンは、やり続けた。

 2015年11月、トルコ防空部隊が待ち伏せし、ロシア戦闘機を撃墜した。ロシアはトルコとのあらゆる経済関係の全面停止で対応した。これはアメリカがよくやる針でチクリと刺すような経済制裁ではなく、トルコへの何百万人ものロシア人観光客も含む、全ての貿易関係の全面的な突然の停止だった。トルコにとっての経済的損失は膨大だった。エルドアンはロシアに屈せざるを得なかった。プーチンは寛大で、エルドアンが面子を保つのを認めてくれた。ロシア政府は、もうかるパイプラインの取り引きや、他のうまい話をもちかけた。2016年中頃、CIAが、エルドアンに対する武力クーデターを画策したが、ロシア諜報機関がエルドアンに警告して、クーデターは失敗した。トルコは、クーデターをしかけたとトルコが非難しているフェトフッラー・ギュレンを引き渡すようアメリカに要求している。ギュレンは多数の信者を持ったトルコ人説教師で、長年のCIAの手先で、ペンシルヴェニア州で暮らしている。

 トルコを"西"から "東"陣営にひっくり返すことは、ロシアの黒海戦略の一環と見なすことができる。ニコライ1世皇帝の下で行われていた19世紀中期の計画の繰り返しだ。現在の計画は、これまでのところ成功している。だが、これは、次の儲かる冷戦のためにNATOを復活させるというアメリカの計画と衝突する。そこで、現在のアメリカ計画は、トルコ経済問題を、最終的に、エルドアンを失脚させるのに利用することだ。

 大局的な経済構図

 トルコ国外では、エルドアンは、かなり嫌われている。彼の傲慢さと独裁的スタイルは良い印象を残さない。だが、トルコ国内では、彼は大成功をしており、国民の大多数から支持され続けている。この理由は、彼が作り出した長い好景気だ。

 2002年、エルドアンが首相になった際、トルコは不況から回復しつつあった。エルドアンの前任者ケマル・デルビシュが、いくつか本格的な改革を実施していた。エルドアンは、その成果を、自分の手柄にした。彼は更に多数の煩わしい規制を廃棄し、官僚を浄化した。彼は外国からの投資を歓迎した。計画はうまく機能した。経済は急速に成長し、多くのトルコ人が貧困から救い出された。少数の人々は金持ちになった。彼の支配下における初期の経済的成功は良い思い出だ。資金が自由に得られ、経済成長しながらも、インフレは比較的低い率で、おちついていた。しかしながら、エルドアンの拡大主義の経済計画は、トルコを、より脆弱にもした。

 トルコは慢性的に経常収支赤字だ。トルコは、輸出以上に商品とサービスを輸入しており、差額を埋めるために、外貨を借りるしかなかった。エルドアン統治の初期、多くの金がトルコに流れこんだ。だが、それは非生産的な事に投資された。新たな住宅が好景気のイスタンブールを拡張した。新しい素晴らしい橋梁や空港や多数のショッピング・モールや10,000以上の新しいモスクや、エルドアンが使うための1,000部屋の宮殿が建設された。建設業のエルドアンの取り巻き連中は大金持ちになった。

 だが、他国市場に輸出する製品をつくる製造業は、モスク建設よりも難しい。エルドアンは、決してそれを優先事項にはしなかった。 そこでトルコの経常収支赤字は、GDPの1%から、GDPの約6%に拡大した。これは明らかに持続不可能だ。

 好景気の間、トルコ中央銀行の金利は、かつての高さより下がったものの、依然、どこの国の金利よりも高かった。トルコの産業や銀行は、金利がより低いユーロやドルを借りたが、これは彼らが高い為替変動リスクを負うことを意味していた。もしトルコ リラが下落すれば、融資は減価するリラで得た収入から、交換可能な通貨で返済しなければならなくなるのだ。

 通常の条件下であれば、トルコ中央銀行は、16年もの長い好景気の間に、何回かの穏やかな景気後退を仕組んでいるべきだった。累積した不良債権の一部は破棄されていたはずだ。外国製品の消費と経常収支赤字は減少していたはずだ。ところが、エルドアンは経済理論の奇妙な理解をしている。彼は高金利はインフレを引き起こすと思い込んでいる。

 トルコ中央銀行が、インフレを抑制し、リラの下落を止めるために金利を上げる度に、エルドアンは中央銀行に対して厳しい発言をし、その独立を恫喝した。比較的低利の金が流れ続け、エルドアンの好景気が続いたが、構造的問題は悪化した。

 2017年初め以来、トルコのインフレが高まり始めた。以来、8%から、今や15%に上がった。通貨は下落した。1リラの価値は2016年のアメリカ・ドル0.30から、一週間前のアメリカ・ドル0.20に減った。過去数日間でさらに25%下落し、 アメリカ・ドル0.15になった。2016年に、アメリカ・ドルで借りた1,000リラの融資元金の返済に、今や2,000リラ以上必要なのだ。トルコの産業と銀行は外貨で約1500億ドル借りている。製品の大半を交換可能通貨で輸出する企業だけが、借金を返済することが可能だ。他は事実上、破産だ。

 長年の好景気のつけが現れつつあるのだ。トルコ・リラは崩壊しつつある。トルコに更に金を融資しようという外国人は皆無だ。そのように高いリストをとるため、彼らは極端に高い金利を要求する。トルコは、間もなく、輸入の、特にトルコに必要な炭化水素エネルギー代金が支払えなくなるだろう。アメリカ合州国との非友好的な関係のおかげで、国際通貨基金 (IMF) に緊急融資を依頼するのは困難だ。'改革'要求、つまり、エルドアンが支持者たちに与えていた恩恵を止めるといったような極めて厳しい条件がつけられるはずだ。

 現在のエスカレーション

 先週の通貨危機エスカレーションは、アメリカ合州国との小さな紛争のエスカレーションと同時に起きた。

 2016年のクーデター未遂後、トルコは、長年トルコで働いていたアメリカ人牧師アンドリュー・ブランソンを投獄し、彼をテロで告訴した。先週、ブランソンを、イスラエルで、テロ容疑で拘束されているトルコ人と交換する取り引きがまとまった。トルコは、取り引きでより多くを期待していた。トルコは、アメリカの対イラン経済制裁に違反したかどでアメリカが投獄しているトルコ人銀行家、メフメト・ハカン・アッティラを解放させたがっていたのだ。(彼は実際イランとの石油貿易用に金を手配して、違反していた。トルコ、特にエルドアンの近親者が、その取り引きで儲けていた。)

 先週、アメリカ側が、エルドアンが交換取り引きを撤回したと述べた。

   イスラエルで、テロ容疑で投獄されているトルコ国民を、ブランソンの解放と交換するようトランプ本人がまとめたうまい取り引きのはずだった。ところが、水曜日、トルコ裁判所が、牧師を帰国させるのではなく、彼を自宅監禁に変え、彼の裁判を継続すると命じ、合意はどうやら崩壊した。

 トランプと福音派のペンス副大統領は逆上した。

    木曜日朝、エルドアンとの憎悪に満ちた電話会話の後、トランプは反撃した。アメリカ合州国はトルコに“大規模経済制裁を課す”と彼はツイートした。“この無辜の宗教者は即座に解放されるべきだ。”

    ペンス副大統領も、ある宗教会議での演説で、トルコは、今ブランソンを解放すべきで“さもなくば、その行為の結果を覚悟すべきだ”と言って割って入り、マイク・ポンペオ国務長官はアンカラの外務大臣に電話した。

 アメリカは長年のNATO同盟国の閣僚二人を制裁した。ところがエルドアンは屈しなかった。市場は公的な経済制裁に反応し、経済制裁の脅威に答えた。リラは、1ドル、4.80リラから、1ドル、5.20リラに下落し始めた。水曜、トルコ代表団は、ワシントンを訪問し、問題で更に交渉を進めようとしたが交渉は失敗した。リラは更に、1ドル5.50ドルに落ちた。金融市場は不安になった。いさかいの好ましからぬ結果がヨーロッパの銀行に影響を与える懸念がある。

 今朝、エルドアンが演説し、リラ崩壊の恐怖を切って捨てた

“様々な組織的活動が行われている。気にすることはない”とエルドアンは述べた。

“忘れてはいけない。彼らにドルがあるなら、我々には我が国民、我が神がいる。我々は一生懸命働いている。16年前、我々がどうだったか振り返り、今の我々を見よう”と彼は言った。

 エルドアンは"エコノミック・ヒットマン経済には屈し"ないと言った。トルコに莫大な金を融資した銀行は、それをトルコ債務不履行の恫喝と理解した。

 昼、リラは分刻みに、一日20%の率で下落した。最近財務大臣となったエルドアンの娘婿ベラト・アルバイラクが、経済について予定されていた演説を行った。彼は損失に関する何らかの数値を挙げ、リラ問題を終わらせるために、政府がおこなうはずの具体的措置を示すはずだった。しかし、彼はそうするのを差し控えた。彼はトルコ中央銀行は独立していて、必要に応じて行動すると主張して、市場を静めようとした。トルコ中央銀行がエルドアンの承認無しで動けるなどとは誰も信じていない。エルドアンは高金利の敵を自ら公言しており、中央銀行は、緊急に必要なのに、今日は介入しなかった。

 アルバイラク演説の最中、ドナルド・トランプ本人がTwitterで口をはさんだ。

ドナルド・J・トランプ @realDonaldTrump -  - 2018年8月10日 12:47 utc
彼らの通貨トルコ・リラが我々の極めて強いドルに対し急速に下落する中、トルコ鉄鋼とアルミニウムの関税を倍にするのを承認したばかりだ! アルミニウムは今後20%で、鉄鋼は50%だ。現時点で我々のトルコとの関係はよろしくない!

 鉄鋼はトルコ最大の輸出商品の一つだ。アメリカは年間10億ドル以上のトルコ鉄鋼を輸入している。ホワイト・ハウスは後に、この関税は、貿易ではなく、安全保障に関連していると述べた。

一方、エルドアンはロシアのプーチン大統領と電話会話をし"経済的なつながりについて話しあった"。彼は緊急融資を依頼した可能性がある。

一方、リラは対米ドル6.80に下落した。

エルドアンは、そこで、トランプや彼のツイートには触れずに、アメリカの圧力を強く非難する演説をした。

その日の終わりに、リラは、昨日の対米ドル、5.50の後、6.50になった。トルコの株は約2%下落した。一部のトルコ銀行と製鉄メーカーの株は15%下落した。トルコの銀行に何百億ユーロも貸していたスペインとイタリアとフランスの銀行も損をした。ブルームバーグは今日の重要な出来事を、ライブ・ブログで報じ続けた。

今後の行方

 エルドアンには、この問題を顧問たちと話会うための週末がある。月曜日朝までに何の措置もとられなければ、今日の下落は勢いを増すだろう。リラは更に下落するだろう。下落をくい止め、緊急に必要な外貨を引きつけるために中央銀行は利子を30%以上あげねばならない。トルコ経済は深刻な不況になるだろう。多数のトルコ銀行や企業は破産する。失業は増える。

 エルドアンは、下落をアメリカと"金利ロビー" のせいにするだろう。彼の支持者は彼を信じるだろう。エルドアンが、これをうまく切り抜けるだろうという希望は無駄だ。

 だが、トルコの問題は構造的だ。トルコのバブル崩壊は、以前から予想されていた。トルコの外貨収支赤字は持続不可能だ。トルコは輸入を削減し、輸出を増大しなければならない。トルコは莫大な緊急融資が必要だ。

 確かに、アメリカはこの問題をトルコに圧力をかけるのに利用している。しかし、アメリカは、この問題の根本的原因ではない。アメリカは、それをさらけ出したにすぎない。

 アメリカの圧力はトルコ経済が狙いではなく、ブランソン牧師が狙いでもない。今も、2013年以来からも、エルドアンをアメリカの狙いに従って行動させるため、圧力がずっとかけられて来たのだ。彼はロシアとの良好な関係を止めなければならなくなる。彼はロシアのS-400防空システム購入を中止しなければならなくなる。彼はロシア・パイプラインを止めるよう命じられるかも知れない。シリアに関して、アメリカの指示に従わなければならない。彼がそうしない限り、アメリカは、彼を打倒するためにあらゆることをするだろう。

 トルコがアメリカの要求から逃れられる唯一の可能性はロシアと同盟強化だ。プーチンはエルドアンが自分を必要としていることを知っている。彼は圧力を高めるために引き延ばし、そこで自分の要求をするだろう。エルドアンは、シリアに対する彼の計画を完全にあきらめざるを得るまい。トルコや、その代理勢力が保持している全てのシリア領土はシリア政府支配下に返還されなければならない。そうなって初めてトルコの湾岸諸国への貿易経路が再開する。そうなって、初めてロシア(とイラン)は、トルコが危機から脱出するのを助けるだろう。

 月曜日 ロシアのラブロフ外務大臣がトルコを訪問する。

 エルドアンはロシアの要求を受け入れるだろうか、それとも、アメリカ側に戻って、トランプとIMFに降伏するのだろうか?  それとも、彼はこの惨状を脱出する別の方法を見いだすのだろうか?

更新(8月11日 8:45 utc):

 エルドアンは今日のニューヨーク・タイムズに署名記事を寄せた。彼は何十年もの良い関係を思い起こし、最近のアメリカの行動に対する非難を列記し、悪化しつつある関係のせいだとしている。結局、こうなっている。

悪が世界中に潜み続けている時に、何十年もの同盟国トルコに対するアメリカ合州国の一方的行動は、アメリカの利益と安全保障を損ねるだけだ。ワシントンは、手遅れになる前に、我々の関係が非対称的であって良いという誤った考え方を止めトルコには代替案があるという事実を甘受すべきだこの単独行動主義と、敬意欠如の傾向を転換し損ねれば、我々は新たな友人、同盟を探し始めることが必要になるだろう。

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2018/08/how-turkeys-currency-crisis-came-to-pass.html

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 長い記事は翻訳に時間がかかるため、いささか鮮度が失われてしまう。原文には多々、興味深いコメントが書かれている。属国大本営広報部は、リラ下落をどう報じているのだろう?

日刊IWJガイド「<今日の録画配信>午後7時『トランプ政権下の米国は、パックスアメリカーナから撤退するのに軍事力強化!? 自らの血筋を誇るドイツ系米国人大統領の真意とは!? 異例の大統領を徹底研究!! 岩上安身による在米国際コンサルタント トーマス・カトウ氏インタビュー(第三部・後編)』を冒頭のみフルオープンで録画配信! 冒頭、岩上さんによる見どころ生解説付き!/
<今日の再配信・核兵器と戦争を考える>午後3時『いつでも・いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー(後編)』を再配信!/他」2018.8.16日号~No.2163号~

2018年7月 9日 (月)

トルコ-シリア国境: 混乱と破壊と悲しみ

2018年7月1日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 2017年に初めて会った際、トルコ人詩人のムスタファ・ギョレンは、アンカラの命令で建設された巨大なコンクリート壁の横に、誇らしげに挑むように立っていた。隔壁は、つい最近、同じ文化の二つの町を隔てていた。トルコのカルケミシュとシリアのジャラーブルス。

 詩人は、そこで彼の詩のいくつかを朗読し、アダナ市出身の私の友人で私の本の翻訳者が、何とか追いかけて、通訳してくれた。

 詩は実に並外れた出だしで始まり、ヨーロッパとヨーロッパ人への警告だ。

    “ある日、世界の本当の指導者が現れ、彼らはあなた方へのあらゆるガスと石油供給を遮断し、あなた方は、あなた方がこの地域を陥れた以上の最悪の状況におかれたことに気がつくはずだ! あなた方は、暖をとるために、デザイナーブランドの服や靴を燃やす羽目になる。ヨーロッパよ、あなた方は忘れているが間もなく思い出す。我々全員人間だ!”

 彼は避難するかのよう血右腕を突き上げ、空に向かって叫んでいた。彼は、どこかソ連の革命派詩人ウラジーミル・マヤコフスキーに似ていた。

 詩人は明らかに憤慨していた。それは2017年のことだった。国境のあらゆるものは、まだできたてで、新しく、酷く痛ましかった。あらゆる良いことも、悪いことも、あり得るように思えた。全面的なトルコ・シリア戦争、トルコとロシア間の戦争さえ、あるいはNATOからのトルコ離脱と、反欧米で、ロシアとイランとのより緊密な同盟。

 彼の国の非常に多くの愛国者や思想家と同様、ムスタファ・ギョレンは欧米をひどく嫌っていた。彼は、友人たち、シリアの国民と国に対する心からの支持を彼は表明した。

 シリア戦争を終わらせることが、彼にとって何より重要だった。それは彼の任務だった。彼はチャルシ・マハリシ通りで、タバコを売って生計を立てていた。国境を擁し、今は壁がある通りだ。

 創造し、書き、暗誦する時間がある限り、どのようにして生活するか彼は気にしていなかった。彼は決意と熱意と楽観に満ちていた。

*

 今、一年後、彼と再会してみると、物事は違って見えた。2018年で、違う時代、全く異なるカルケミシュだ。

 壁は依然そこにあり、トルコ軍事作戦もその向こうにあった。詩人はまだカルケミシュで暮らし、苦闘していたが、彼の顔は、敗北し、疲れているように見えた。今彼は小さなカフェで働いていた。彼は金に困っていた。彼の目は、かつての輝きを全く失っていた。

 “トルコは今欧州連合に対して戦っているのです”と彼は言った。だが、どこか説得力がなく聞こえた。

 同志と私は、1キロ、ユーフラテス川に向かって車を走らせた。国境と、シリアの都市、ジャラーブルスがよく見渡せる古い墓地に。

 ここは、この地域で、小用を済ませ、国境を撮影し、シリア内でのトルコの軍事作戦を観察するのに最適の場所だった。

 今回、爆弾の金属片が余りに近くを飛び、爆発音は大きかった。

 お墓を訪れていた、二人のベールをかぶった女性が、我々に気づいた。

 “このさびれた場所で、一体何を探しているの”と一人が尋ねた。彼女は敵対的な、というか、むしろ絶望的な表情を見せた。

    “ここで一体何が見つかると思っているの? 私たちはこの戦争にはうんざりです。この紛争には飽きました。ここから離れたいだけです。遠くに、ずっと遠くに…”

 更なる砲弾が近くを飛ぶ音と、更なる爆発を聞いた。

 女性は止まらなかった。

    “あっちへ行って! 分からないの。どの外国人にもいて欲しくないの。外国人がこの戦争の原因なのだから!”

 共和人民党のケマル主義者ビュレント・ポラト氏を含め、昔の知り合いを探そうと試みた。だが大通りの彼の店はなくなっており、密閉されていた。近くには、装甲車がさりげなく停まっていた。

 カルケミシュで話した全員と同様、ポラトは戦争に強く反対していた。しかも、彼は特に戦争へのトルコの関与に反対していた:

    “国境の向こうで、トルコが何をしているか知っています! アサド反対に、人々を動員するため、トルコや欧米が支援する反政府戦士はシリア軍の軍服を着て、一般市民を銃撃し、多数を殺害します。そして連中は言うのです。‘アサドがやった!’それがシリア中で起きているのです。”

 今や、ポラト氏もいなくなった。

 詩人のムスタファ・ギョレンは、我々全員に、お茶を注文してくれた。そして、質素なテーブルの前に座り、手のひらで頭を抱え、話し始めた。

    “もう誰もここ国境に留まりたがりません。今カルケミシュではトルコ人よりシリア人の方が多いのです。もしシリア人が去れば、ここ一帯ゴーストタウンになります。”

 そこで、彼はあらゆるものをまぜこぜにし始めた。

    “ここでも、シリアでも、トルコはPKKやクルド人テロ集団と戦っているのではありません  - トルコは欧州連合と戦っているのです。これは我々の内政問題で、この戦いで死ななければならないなら、死にます!”

 そのような議論はトルコ中で聞かれる。それは複雑で、大半の外国人には、ついてゆくのは困難だが、それが現実だ。トルコは込み入った過渡期にあるのだ。どこからかは明らかだが、どこに向かってかは、ほぼ誰も知らない。

 “ムスタファ”私は穏やかに聞いた。こうした苦痛、絶望や混乱にもかかわらず、彼は私の同志、仲間の詩人だ。“ロシアはどう?”

 彼の目も、表情全体も和らいだ。

    “ロシア人は決してトルコ人を裏切らない。第一次世界大戦で彼らは欧米に対して我々を助けてくれた。ガリポリの戦い。彼らは正直者だ。我々はロシア人と協力しなければならない”

 彼は爆発音の方向にうなずいた。

 しばらくの間、我々は座って静かに聞いていた。そして抱擁した。別れの時だ。

*

 カルケミシュは人口が減りつつある。憂慮すべきことだが、理解はできる。ここに暮らすのは実に危険になっている。しかも、この地域には何の仕事も残されていないのだ。

 前線地域全体が、かつてはシリアとの貿易に大いに依存していた。国境の両側の個人や家族の間で深い友好が築かれていた。人々はお互い訪問しあい、異人種間で結婚もしていた。商品もサービスも、トルコとシリアの間をほぼ自由に動いていた。

 今や、それが全面停止している。国境は装甲車両、戦車と救急車しか渡れない。車両は兵士を乗せ、負傷者や亡骸まで乗せて帰って行き来している。一般市民は通れない。

 更に西、エルベイリの町は、奇怪なスパイの巣、要塞だ。ここでは、あらゆることが監視されている。それは、ここから、トルコ軍部隊が常にシリア領を侵略するためだ。ここでは、誰もあえて話そうとしない。何か質問すれば、すぐさま電話通報され、逮捕され、尋問される。

 今やエルベイリ周囲の多くの村は半分空だった。薄気味の悪い光景だ。戦争が社会丸ごと破壊したのだ。

 繁盛しているのは建設業だ。インフラではなく、軍事基地や、スパイ・アンテナや、何よりも、壁だ。過去には二つの不可分の地域だったトルコとシリア、二国を分ける、巨大な怪物のような壁が、今やこのいにしえの土地に傷をつけている。約約900キロだといわれている。一体どれほどの資金が、どれだけのコンクリートが注ぎ込まれつつあるだろう、そして一体なぜ?

 更に、都市キリスだ。

 家の破壊した壁を見せられた。“シリア領から、最近ロケットが落ちた”場所。これをトルコ政府が、侵略の正当化のために利用しているのだ。

 現地の人々は皆はっきり理解している。彼らの何人かは公然と口にするが、匿名でだ。

    “トルコ政府と軍が、正当なダマスカス政府と協力して軍事作戦を実行してくれさえすれば!”

 キリスでは状態は厳しい。国境沿いのあらゆる場所同様、商売は廃業している。あるケバブ屋台のオーナーは、一年以上仕事が見つけられず、遥か彼方のジャカルタで運試しをせざるを得なかった。トルコよりずっと貧しいインドネシアで。多少の幸運で彼は帰国し、超国家主義者になった。

 “今や世界はトルコ人の力を見ることができる!”侵略の全面支持を主張して、彼は熱心に宣言した。

 だが、ここ国境では、彼は明らかに少数派だ.

 理髪店“サロン・ハッサン”に、床屋政談をするためだけに何人か集まっている。状況について、最も良くある評価はこうだ。

    “大きな間違いは、トルコ軍がアサド大統領と作戦を調整していないことだ。”

 “地域全体の収容所で暮らしている約8.000人の難民が、今シリアに帰りつつあるといわれた。”

 だがトルコは350万人以上のシリア移民を受け入れている。状況は非常に複雑で、トルコ人とシリア人のコミュニティー間での暴力事件は、 2017年下半期、三倍になった。

 主に、トルコ軍が国境を越えて、活動しているおかげで、非常に多くのシリア難民が、今、帰国しても安全と感じられるのだと、エルドアン大統領は、良く言うことがある。“たわごと”と、大半のシリア国民は、そういう主張に反論する。“シリア軍とアサド大統領と彼の同盟国ロシアとイランのおかげだ! 正当なシリア政府が、今、戦争に勝利しつつある。そのおかげで、シリア国民にとって、ずっと安全になったのだ。”

 “我々はロシア人が好きだ”現地男性が大声で言った。キリス住民の中にはエルドアンが好きな人も、シリアのアサド大統領が好きな人もいる。‘愛が多すぎる?’余りに様々な矛盾する感情? 結局、それがトルコだ。ここでは、何も単純なものはない。

 だがここで、ロシアはこの人々にとって一体何だろう? トルコの多くの場所や中東至る所で、ロシアは、国家というより、果敢な抵抗の象徴、欧米とそのとんでもない狙いに、対決し、止められる証明になっている。

*

 物事は混乱しているように見えるが、トルコでは、いつもそうなのだ。

 このいにしえの美しいが傷ついた土地を走りながら、トルコ人の友人、通訳が自暴自棄に話しだした。

 “エルドアンは次回選挙で敗北する。私は確信している。彼はきっと…”

 “だがNATOやシリアに対するトルコ政策は劇的に変わるだろうか?”私は疑問に思う。

 少しの間、自動車の中が沈黙した。

 “私は希望を望む”友人、同志は最後に言った。

 彼は知らない。もちろん彼は知らない。トルコでは、あらゆることが可能なのだ。

 “トルコが正気に返ってくれるよう願っている。私はこの国を愛している”私は正直に言った。“私は、憎悪するのにもう飽き飽きした。”

 “私もそうだ”彼はうなずいた。

 我々は巨大なコンクリート壁を文字通り、なめていた。背後には、はっきりと見える、美しいシリアがある。

 実際ことは極めて単純だ。そこの人々はテロと欧米帝国主義に対して戦っているのだ。

 トルコでは、人々は、まだ間違った側にいる。だが、彼らは目覚めつつある。彼らの多くは既に分かっている。彼らも間もなく、人類の生存のために戦っている人々に加わるかも知れない。彼らは参加するかもしれない。願わくは参加して欲しいものだ。

 (注記: このエッセイが、公開される中で、トルコ選挙投票が締め切られている。5600万人の有権者が投票することができ、議会と大統領選挙の両方に投票した。中間集計によれば、エルドアン大統領が、余裕のリードを確保した。)

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、革命小説『Aurora』や他のを書いている。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/07/01/turkish-syrian-border-confusion-destruction-and-grief/

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大本営広報部も、あのインチキ組織「シリア人権監視団」の情報を引用して、国民の帰国を報じている。

同じ筆者の一年前の記事も翻訳してある。

トルコとシリア: 血と涙と壁

西日本の知人は、豪雨の中、ご無事だった。

日刊IWJガイド「被害拡大続く西日本豪雨/<本日の再配信>本日は午後7時『公文書偽造で始まった明治維新! 現在も続く「官軍教育」の中で描かれた「偉人」たちの姿は「ウソ」ばかり!? 岩上安身による作家・歴史評論家・原田伊織氏インタビュー(後編)』を、午後10時『日本最大の活断層「中央構造線」が動いた!?「南海トラフ地震」まで残り時間は30年? 関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員・青木正美氏が第49回ロックの会で緊急警告!』を再配信!/政府のあまりにも遅い『非常災害対策本部』設置! 安倍総理をはじめ自民党議員ののんきな7月7日!?/
<お知らせ>7月29日(日)【IWJファンドレイジング in Hot Summer 2018】開催まで残り20日! 現在参加ゲストは6名が決定!予約は参加予約受付フォームより、ぜひともお早めにどうぞ!」2018.7.9日号~No.2125号~

2018年4月23日 (月)

戦争というパンドラの箱

2018年4月15日
TD originals


2017年攻撃: 一年前、シリアのバッシャール・アサド政権に対するトランプ政権のミサイル攻撃で、発射するアメリカのミサイル駆逐艦ポーター。(Mass Communication Specialist 3rd Class フォード・ウィリアムズ /アメリカ海軍)

編集者による注: クリス・ヘッジズの定期コラムは今週末掲載予定。本記事は、バッシャール・アサド大統領政権による化学兵器戦争報道に対して、トランプ大統領が、初めて、ミサイルをシリアに向けて発射して間もなくの2017年4月8日掲載した記事の再掲。金曜日、アメリカ合州国は、アサドの軍が一般市民に対して化学兵器を使用したという報道の後、シリアに対し、再びミサイル攻撃を行った。

戦争は、一度解放されたら、誰にも制御できない悪がつまったパンドラの箱を開ける。アフガニスタン侵略は、アルカイダを打ち破るべく始められ、約16年後、我々は、タリバンとの負け戦の渦中にある。イラクを侵略し、欧米風民主主義を作り出して、地域におけるイランの力を弱めることができると我々は思い込んでいたのだ。お互い戦う各派間でのイラク細分化が、イランを中東における主要イスラム国家にし、統一された国家としてのイラクは破壊された。シリアのバッシャール・アサド大統領を打倒しようとして我々は始めたのだが、彼を打倒しようとしているイスラム武装反抗勢力を爆撃し始めた。地域でのレジスタンスを粉砕しようとする必死の取り組みで、アメリカは“対テロ戦争”を、イエメン、リビアとシリアに拡大した。逆に、我々は、新たな破綻国家や、無法のenclaves我々が打ち破ろうとしている聖戦戦士勢力によって、真空が満たされる。我が国が益々衰え、気候変動が我々を絶滅で脅かす中、我々は、驚異的な4兆7900億ドルを、死、破壊や愚行のために浪費した。こうした大失敗を恒久化することに既得権益がある兵器製造会社は、この集団的帝国主義自殺行為が惨めな終焉を迎えるまで、更に数兆ドルを稼ごうとつとめるだろう。

戦争では、攻撃一つの勢力を攻撃する際には、暗黙のうちよ、別の勢力を支援することになる。そして、アサド政権を攻撃することで、我々が支援していた勢力は、アメリカが皮肉にも、根絶すると固く決意しているヌスラ戦線、アルカイダや他のイスラム過激集団だった。これは、サウジアラビア、カタール、トルコやクウェートとともに、シリア内戦の始めに、大半を作りだし、武器を与え、資金を提供したまさに同じイスラム主義勢力なのだ 。彼らは、アフガニスタン、イラク、リビア、イエメン、ソマリアやパキスタンへの見当違いのアメリカ軍事介入によって引き起こされた混乱に反応した勢力だ。連中は、欧米人捕虜を処刑し、宗教的少数派を大量殺戮し、ヨーロッパやアメリカ合州国で、テロを行い、難民をヨーロッパに密入国させることで何十億ドルも稼ぐ勢力だ。連中は時に、我々の敵で、時に我々の同盟者なのだ。

聖戦士の野蛮さは、我々自身の野蛮さの反映だ。聖戦士は、アメリカの空爆や無人機攻撃s by using 自爆チョッキや簡易仕掛け爆弾を使って反撃しているのだ。彼らは、アブグレイブやグアンタナモなどの国外にあるアメリカ秘密軍事施設や監獄に対して、拉致した捕虜を拷問する地下房で反撃しているのだ。彼らは欧米の世俗主義というイデオロギーに、「イスラム国」で反撃しているのだ。連中は、暴力に、暴力で応じているのだ。

シリア国内のイスラム主義過激派は、2015年9月、彼らに対してロシアが介入した後、6年戦争での、領土、財政収入と支援を失いつつあった。そして、火曜日、反政府派が占領しているハン・シェイフーンで、少なくとも子供30人を含む、86人を殺害した化学兵器攻撃の発射基地とされる、シリアのシャイラート軍用飛行場めがけて、アメリカ合州国が59発のトマホーク巡航ミサイルを、今週発射した際、歓喜したのは連中だ。シリア政府は、アメリカミサイル攻撃で6人が死亡したと述べている。

20年戦争を報道してきて、戦時には真実は極めて曖昧で、簡単に操作されてしまうことを私は知っているが、化学兵器攻撃とされるものを巡る、民主党も共和党も含めたアメリカ合州国のえり好みする道徳的な怒りは、何十万人もの死者や、イラクからの400万人と、シリアからの500万人を含む何百万人もの難民をもたらした大規模虐殺に対するアメリカの一義的な責任を無視している。昨年、アメリカがシリアに投下した12,197発の爆弾を無視している。Itイラクとシリアのイスラム国 (ISIS)を作り出す上でのアメリカの役割と、シリア国内のこれら聖戦士に武器を与え、資金提供する上でのアメリカの役割を無視している。シリア-400,000人が亡くなったが、そのうちの半数は、戦争中、自宅から強制退去させられた人々で、死に方となると、多くの選択肢があることを忘れてはならない。

シリアは化学兵器を保有していたし、依然保有しているかも知れない。シリアは、2013年、ダマスカスの郊外グータで使用した模様で、281人から1,729人が亡くなった。しかしシリアは、攻撃の後、当時のジョン・ケリー国務長官がロシア政府とまとめた国際合意で、化学兵器備蓄をロシアに引き渡すことに同意した。最終的に戦争に勝利しつつあるシリアが、一体なぜ今、化学兵器を使用して、アメリカの報復を招くように危険をおかすのかと我々は問うべきだ。シリアは、反政府派の化学兵器を保管していた倉庫が空爆で攻撃された際に、致死的神経ガスのサリンと、更に塩素ガスも放出されたのだと主張している。

アメリカ人は、一体なぜ、今道徳的に怒っているのだろう? シリア人が毎日のように、樽爆弾、銃弾、飢餓、病気や、ギリシャ沖で溺れて亡くなっているのに我々は一体なぜ傍観しているのだろう? 学校やアパートやモスクや病院が爆撃され、瓦礫と化す中、我々は一体なぜ沈黙しているのだろう?3月17日の連合軍空爆が、200人もの一般市民の命を奪った際、最近モスルで亡くなった人々を含む何千人もの他の子供たちの死についての怒りが何処にあるだろう? 議会や国連の承戦認無しに戦争行為をするトランプ政権の目に余る国内法違反に、我々は一体なぜ激怒しないのだろうか? こうした死を悲しみながら、一体なぜ我々は、シリア戦争難民が、アメリカ合州国に入国するのを阻止しているのだろう? Isアメリカ外交政策は、現実理解を、もっぱらテレビ画面から得ているように見えるドナルド・トランプの変わりやすい感情に左右されるべきなのだろうか? 常に、過激イスラム主義者は、介入し、彼らを復活させてくれる欧米を頼りにできてしまう。ヨルダン人過激派のアブ・ムサブ・アル-ザルカウィは、アフガニスタンの約100人のアルカイダ元戦士で、イラクに、ジャマート・アル-タウヒード・ワル-ジハードを作り出した。彼の狙いは、シーア派との宗派紛争だった。シーア派とスンナ派が、イラク国内でまとまることは、スンナ派聖戦士にとって忌み嫌うべきものだ。2004年、ザルカウィの集団はイラクのアルカイダとなった。彼らは、当初、ザルカウィによるシーア派との戦争呼びかけに反対したオサマ・ビン・ラディンへの忠誠を宣言した。ザルカウィは、2006年に殺害された。

2010年までに、イラク国内のアルカイダは勢いを失った勢力になっていた。そこで、シリア内戦が起きた。アメリカ合州国、クウェート、サウジアラビア、カタールとトルコは、シリア政権を打ち倒すべく、シリア国内の様々な反政府各派に兵器、資金と資源を注ぎこんだ。ザルカウィの組織の指導権を握った、アブ・バクル・アルバクダディが、集団の名前をイラクの「イスラム国」に変えた。彼は間もなく、シリアに逃れた。彼の集団は、シリア内のあらゆる聖戦戦士組織同様、兵器と資源を注ぎ込まれた。バグダディは、彼のエネルギーを、他の聖戦戦士や反政府集団攻撃に集中した。彼は次第にシリアとイラク内で、テキサス州の広さの地域を支配するようになった。シリア国内のアルカイダとつながる集団、ヌスラ戦線が、イラクの「イスラム国」と合併した。新集団は、イラクとシリアのイスラム国、ISISとなった。連中は、うち約4,000が、ヨーロッパ・パスポートの持ち主である推計20,000人の外人戦士を惹きつけた。ウオール・ストリート・ジャーナルが、この集団は、石油輸出で、一日200万ドルを稼ぐと推計している。人身売買業者として、ヨーロッパへと逃れようとしている死に物狂いの難民から、何十億ドルも稼いだ。It宗教的少数派の信者たちを処刑したり、彼らの住み処かから強制的に追い出したりした。新たに形成された自称カリフ制も、マックス・ブルーメンソールとベン・ノートン “トランプは、シリア内のアルカイダの‘心臓部’を救っているのか?“というAlterNetの記事で指摘した通り、宗教的純粋さの名目で、スンナ派を脅迫している。

「イスラム国」の勃興は、アメリカ占領で面目を失っていた多くのスンナ派に誇りと自己強化をもたらした。これが、ワシントンに自らを売り渡した、弱く、腐敗した支配層エリートを暴露した。これは欧米の軍事力が無敵でない証明だ。これらの集団は逆風に苦しむだろうが、消え去るわけではない。

我々がこの地域に作り出した泥沼から抜け出すためのきれいな、あるいは容易な方法は存在しない。地域の武装反抗勢力のどれも、アメリカによる中東占領が終わるまで、兵器を置くつもりはない。我々が始めた戦争は複雑化している。表面下では、アメリカのロシアとの戦争、トルコのクルド人との戦争と、サウジアラビアのイランとの戦争を含め無数の代理戦争が行われているのだ。アフガニスタン、イラク、シリア、リビアとイエメンの一般市民は人間飼料だ。この大虐殺は既にほぼ16年続いている。これは、アメリカ合州国が消耗して、地域から軍隊を撤退するまでは止まらない。そして、そうなる前に、更に、実に多くの無辜の人々が亡くなるだろう。だから涙は取っておかれるように。聖戦士や、我々が戦っているシリアと、アメリカ人は、道徳的に差異はない。彼らは我々自身の実に不快な容貌を反射して見せているのだ。もし我々がこれを止めたいと望んでいれば、そうできていたはずなのだ。

クリス・ヘッジズ
コラムニスト
クリス・ヘッジズは、ピューリッツア賞を受賞したジャーナリストで、ニューヨーク・タイムズのベストセラー本著者で、元プリンストン大学教授で、活動家で、叙任された長老派教会牧師。彼には11冊の著書がある。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/the-pandoras-box-of-war-3/

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「日米首脳会談「評価」が45%」

というたわごとを目にして頭がくらくら。

「長尾たかし」どういう頭の構造なのだろう。

最近ポストに、某与党議員からの郵便物が入っていた。読まずに廃棄。支持者と思われていることが恥ずかしい。

2018年3月21日 (水)

NATO空軍はトルコからヨルダンに移動しつつある

2018年3月12日
Andre Vltchek

中東の人々は皮肉に、こう冗談を言っている。

    “トルコのインジルリクから、ヨルダンのアズラクに、愛を込めて。

つまり、もし彼らが世界のこの部分におけるNATO軍の移動に何らかの注意を払っているのであれば。

彼らは注意を払うべきなのだ。

途方もなく破壊的で攻撃的な部隊の、少なくとも、かなりの部分が、‘変わりやすく’欧米によれば、突然‘信頼できない’国(トルコ)から、貧しいながらも従順なヨルダン王国へと逐次移転されつつある。

NATOが、例えて言えば、トルコが一体どの向きに飛行し、最終的に一体どこに着陸するのかわからなくなっているのは明らかだ。NATOはパニックになって、‘万一’の対策、出口戦略を探っているのだ。最も重要な地域大国からの、ほとんど脱出計画を。

欧米は本当にトルコを失いつつあるのだろうか? 誰にわからない。エルドアン大統領を含む、アンカラの誰にもわからない可能性が極めて高い。

だが … エルドアンがロシア寄りになったら、中国寄りにまでなったらどうだろう? トルコとイランとの関係が改善したらどうなるだろう? もしアンカラが、長年、何十年も、欧州連合に屈辱を与えられつづけるのにとうとううんざりしたらどうなるだろう? そして、ワシントンの命令に、トルコがもう従うのがいやになったらどうなるだろう?

これらの‘悪夢のような’シナリオが、ブリュッセル、ワシントンやロンドンの多くの官僚を不眠症に陥らせている可能性が極めて高い。

NATOは、何事も運任せにしたくはないのだ。トルコがだめなら、どこへ? あらゆる核兵器、戦闘機、爆撃機や‘欧米軍事顧問’はどこに行くべきだろう?

トルコの都市アンダナ郊外に位置する巨大空軍基地インジルリクは、かつては完璧な場所だった。インジルリクは、長年にわたり、そこから欧米が地域の様々な標的を威嚇し、直接攻撃してきたし、シリアや他の場所で活動している無数の過激派聖戦要員がそこで訓練を受けたと多数のトルコ専門家が考えている中東で最も重要な破壊的空軍基地だ。

シリアであれ、イラクであれ、あるいは可能性として、イランやレバノンやイエメン、あるいはアフガニスタンであれ、欧米が爆撃したいあらゆるものにとって、完璧なインフラと‘素晴らしい’地理的位置のインジルリクがある。NATOにとって、本当に願ったりかなったりの場所だ! ただ、それも最近まずのことだ。エルドアン大統領支配下の、2016年のクーデター未遂と、その結果の、不可解ながら、本物の‘トルコ反乱’まで。

突然トルコは‘もはや信頼できなくなった’。少なくとも欧米の首都において。

これはトルコと、その将来にとっては、おそらく非常に良いことだが、NATOにとっては、決してそうではない。

*

そこでインジルリクは、本当に一体どこに移動しよう?

ヨルダン王国は最善の候補に見える。好都合にも、ヨルダンははなはだ貧しく、歴史的に欧米ハンドラーに従順だった。ヨルダンは本質的に、主に欧米対外支援に依存しており、ワシントン、ロンドンやベルリンの支配者を喜ばせることならなんでもするだろう。

欧米にとって、最も重要なのは、アンマンが十分圧政的で、本格的な反政府派が皆無なことだ。もし反体制派が遠慮無く主張すれば、メンバーは拉致され、拷問される。

それゆえ、ヨーロッパ人も北米人もヨルダンなら、安全でくつろげると感じて当然だ。2017年、ドイツ国軍は、兵士、パイロットと、トーネード戦闘機、総計200人以上と数十機の航空機を、サウジアラビア国境からわずか約30キロ、シリアからも同じ距離にあるアズラク基地に移動させた。イラクから、わずか200キロだ。

アンゲラ・メルケルと、レジェップ・エルドアンが、お互い一定の(人によっては‘おおきな’)距離を感じているのは明らかだ。NATO諸国が、圧政的で、市場志向で、従順な国々と密接に協力するのを好むのもよく知られた事実だ。

だがヨルダンは?

ドイツ国営テレビ局、ドイチェ・ヴェレ(DW)さえ、同時に状況の真の理解を示しているとは言え、この動きに対して、明らかな冷笑を表している。

“国王アブドゥッラー2世は、欧米が大いに好んでいる指導者だ。アラビア半島の王子たちとは対照的に、彼は通常ダークスーツを着ている。彼はイギリスで軍事教育を受け、オックスフォードとワシントンで学んだ。彼の支配下でヨルダンは、全ての主要な中東紛争で、欧米政治に確実に従っている。

しかも、ハンブルクに本拠を置くドイツ・オリエント研究所で長年働いているウド・ステインバッハによれば、これは変化することはない。

“彼は欧米派でしたし、彼は欧米派ですし、欧米派でいる以外、彼に選択肢はないのです,”ステインバッハは言う。 “ヨルダンは貧しい国で、欧米の支援なしでは、全く生きて行けません。”

*

NATOは主に、シリア領にある無数の標的を違法に爆撃するため、既にアズラクに近い、ムワファク・サルティ空軍基地を長年利用している。

NATOとEU空軍、具体的には、ベルギー (2014年-2015年)、今はオランダとドイツが利用して来たので、ブリュッセルでは、アズラクは、実に‘聞き慣れた名前’だ。アメリカ空軍は、既に何年か、ここから活動してきた。

基地は中東でも陰鬱な場所に位置している。経済的に貧困で、無数の小企業や工場が閉鎖し、今や錆び朽ち、ほぼ完全に干上がった、かつては‘渡り鳥’の保護区’として有名だったオアシスのアズラク湿地帯保護区がある。

オアシスは、かつてはサウジアラビア国境にまではるばる広がっていた。今では‘保護区’の大半の地域が干上がっている。私が沖縄で見たのとさほど変わらない航空機エンジンと、エンジン試験装置の耳をつんざくような轟音にでくわすことになるので、飛ぶ鳥は余り多くない。

ヨルダンのこの一角にやって来る人々は大半“アラビアのローレンス”として知られ、美化されている邪悪なイギリス諜報工作員トーマス・エドワード・ローレンスによって、昔、拠点として使われた近くの城を‘探検’しようという‘冒険好きな’欧米観光客だ。‘野生動物保護区’や、いくつかのちょっとした考古学遺跡を見にやってくる者もいる。

アズラク・ロッジの工芸品店で働いているアリア女史は、こう告白した。

“この場所は空軍基地のすぐ縁にあって、外人観光客用ホテルとしても機能していますから、時々ここがとても怖くなることがあります。誰かがこの場所を攻撃しようと考え得る理由が色々ありますから…”

建物の後ろの駐車場から無数の格納庫や軍用機を見た後で私は尋ねた。しかし、ここは本当に‘観光’ホテルでしょうか。彼女はしばしためらってから、答えた。

“元々ここは環境を配慮したロッジでしたが、今の予約は主に基地です。アメリカ人とドイツ人が宿泊しています。数年前は、ベルギー人でした。将校たちは時に丸一カ月滞在します。訓練や会議で。彼らは基地で働きますが、このホテルで泊まります。”

“アメリカ合衆国国際開発庁”の看板がホテル入り口近くの壁にネジで留められている。無数の地域の歴史的な白黒写真と、かつてのイギリス植民地時代の制服を身に着けた兵士の立像が壁を飾っている。

アズラクの町はほこりっぽく、半分空だ。町は容赦なく乾燥した砂漠に囲まれている。無数の家や商店の残骸が幹線道路沿いに並んでいる。破れたテントの中で惨めに暮らしている人々もいる。

粗末な住宅の集合の近くで私は立ち止まった。黒いドレスを着た老婆が私に向けて脅迫するように杖を振った。

年寄り風の男性が自動車に近寄って来た。彼は私に向かって手を伸ばした。手はしわが寄っていて、固かった。私は握手した。彼が何歳なのか全くわからなかった。それほど老いてはいないようだったが、疲れて、落胆しているように見えた。

“この基地は”私は壁に向かって腕を振った。“これは、町に役立っていますか、少なくともわずかでも?”

男性は数秒私を見つめた。そして、つぶやいた。

“役にたつ? ああ、たぶん… たぶん、そうではない… 良くわからないな.”

不景気に見舞われる僅か数年前まで営業マンをしていた運転者兼通訳がアズラクからゆっくり去りながらこう言った。

“ここの状況はとても酷いのです! 状況は悲劇的です。西アンマンもここも - まるで二つの異なる宇宙が、たった一つの国の中に存在しているかのように。何という対称でしょう! まあ、ご自分でご覧になれますよ。”

この破壊的な空軍基地が、ヨルダンで彼らの地域に拡張するのをヨルダン国民は気にするだろうかと彼に聞いた。結局、その唯一の目的は、無数の無辜の人々を殺害しながら、同胞のアラブ諸国を残忍に扱うことなのだ。

彼は肩をすくめた。

“気にしませんね。ここの人たちの大半は、そういうことを考えません。彼らは食べられて、何とか生きていくのを望んでいます。政府は彼らを欧米と協力すれば生活水準をあげられると説得しています。人々が考えているのはそれが全てです。指導者たちは、湾岸でもこの国でも、腐敗していて、国民は屈辱を与えられています。ここでは、彼らには何の明るい未来も、現状況からの脱出方法もありません…”

首都アンマンまで約70キロのところで、いくつかの検問所や欧米がアフガニスタンで構築しているものに良く似たコンクリートの塀を通り過ぎる際、我々は速度を落とした。運転手は私に伝えようとした。

“ほら、ここがいわゆるシリア反政府派を長年訓練している場所ですよ。”

アンマンに戻ってから、ここで働いている何人かの友人、主に外国人に聞いた。

“ヨルダンでは、既に無数の欧米の空軍基地が稼働している”と彼らの一人は言った。“この話題はここではあからさま議論されることはない。良かれ、あしかれ、どうでもいいのだ。誰も気にしていない。世界のこの部分の背骨は、とっくに折れている。”

*

アズラクは、巨大な空軍基地というだけではない。中東における主要難民キャンプの一つと同義の場所でもある。これは、主に戦争から逃れるシリア人を収容すべく砂漠の真ん中に作られた新たなキャンプだ。

2016年と2017年、私はここで働いた。より正確に言えば、攻撃的な地域の治安部隊によって追い出されるまで、働こうとした。

難民危機、欧米の軍事基地、対外援助と観光がヨルダン王国にとっての主要収入源だ。

邪悪で、現実離れした形で、ここでのあらゆる出来事は、大きく一巡し‘逆の意味でつじつまがあっている’。‘ヨルダンが進んで領土内に受け入れる軍事基地で国丸ごとぺしゃんこにされつつある。もちろん高額な代金で。その結果、何十万人もの絶望的な難民が、この‘中東における安定した島’に殺到し続け、更に何千万、あるいは何億ドルもの対外援助がアンマンの国庫にもたらされるだろう。’産業も製造も骨の折れる仕事も実際不要なのだ。

この計画は‘不道徳’と定義することが可能だろうか? ‘そして、それは重要なのだろうか?’今回、そして、これまでのヨルダン王国訪問時にも、何度か‘誰も気にしない’と言われた。支援’や‘援助’を装う、欧米が後援する教育や、マスコミ洗脳番組やキャンペーンでほぼ全てのイデオロギーが、団結や国際主義の精神とともに、既に破壊されてしまった‘。

今、希望の明滅がまた現れているので‘ほぼ’と言っておこう。まだ全て負けたわけではないのだ。隣国 - シリア - は依然耐えている。シリアは戦い、何十万人もの国民を失ったが、残虐な欧米の介入を打ち破ることにほほ成功している。今は現代アラブ史で最も重要な瞬間なのかも知れない。

中東の人々は注視している。ヨルダン国民は注視している。トルコ国民は注視している。帝国主義者を打ち破る可能性もあるだろう。協力だけが生き残るための唯一の方法ではないだろう。

巨大なNATO空軍基地は、トルコからヨルダンへとゆっくり移動しつつある。

欧米は既にシリアを失った。トルコも失いつつあるのかも知れない。いつの日かヨルダンでさえ目覚めるかも知れない。こう言うむきもある。‘ドミノ効果が始まった。’

アンドレ・ヴルチェクは、哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの作者で、革命小説Auroraや、他の書籍数冊の筆者。“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/03/12/nato-air-force-is-moving-from-turkey-to-jordan/
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緑のタヌキ、都民ファシスト、正体をさらけ出し、デモ規制を強化するとんでもない人物。

“デモ封じ条例”に反対せず 都Fは「都民ファシストの会」か

前川氏の講演を妨害する文盲非科学省のお粗末さ、今に始まったことではない。不道徳教育は無茶苦茶だが、英語政策は支離滅裂。一億総白痴化の処方箋。

TOEIC亡国論』の95-96ページを引用させていただこう。

 志ある良心的な大学の先生方もたくさんいるはずなのだが、何しろ猫の目行政の文科省が大学に対して間違いだらけの「お達し」を連発し、交付金を「人質」にして天下りを止めないものだから、大学としても改革したくても思うようにできないのだ。
 実際、大学院時代の筆者の同級生は何人かが大学の教授になっているが、会うたびに聞かされるのは「猪浦さん、もう今の大学は崩壊しているのですよ」という言葉だ。

ところで、この筆者の翻訳書、『チョムスキーが語る戦争のからくり: ヒロシマからドローン兵器の時代まで』しかないようで実に残念。

2018年3月13日 (火)

シリア - 二都市の陥落

Moon of Alabama
2018年3月11日

トルコ代理部隊のタクフィル主義者連中が、クルド人が占領している都市アフリンをほぼ包囲した。都市への水道は遮断されている。数日中に、陥落しよう。


シリア内戦地図による地図 - 拡大する

これは、アフリン地域を支配しているYPGクルド人による巨大な誤算の直接の結果だ。シリアとロシアの政府から明確な提案を受けていたのだ。支配権を正当なシリア政府に引き渡せば、シリア軍がやってきて、あなた方の土地を守る。

彼らはこの申し出を何度も拒否した。十分な航空支援と砲撃支援がある、数の上で優勢な敵による攻撃に耐えられると、彼らは考えていたのだ。ヒズボラならそうできるが、クルド人はヒズボラではない。彼らの防衛ネットワークは、空や地上からすぐ見える掩蔽壕(ビデオ)で、水道や他の必需品の供給もない凡庸なものだ。これら中世の要塞は、構築に何年もかかっただろうが、数時間で落ちる。退却するための第二次防衛戦はなさそうだ。YPG クルド人が示してきた戦術的軍事能力はむしろ素人的だ。発表された東シリアからの強化も効果は無かった。今や彼らの '郡'は極めて敵対的な勢力の手に落ちたのだ。奪還は可能だろうか?

一方、アメリカは、クルド人が占領しているマンビジを今にもトルコに引き渡そうとしている。

2016年、クルドPKKが、東トルコ内の '自治'都心を守り通そうとした。トルコ軍はその地域を砲撃し、瓦礫に変えた。そこでの反乱は、クルド戦士の壊滅的損失で終わった。キルクーク油田を盗み取って、イラク内で土地を拡大しようというクルドの取り組みは完敗した。今アフリンも失おうとしている。

クルド人は自身の国を持つに値すると考える人がいるだろうか? 彼らの指導者は腐敗しており、政治的手腕は皆無だ。彼らはまぼろしの目的に固執して、人生の現実を無視しているのだ。いつの日かクルド人は学ぶのだろうか?

シリア・アラブ軍はダマスカスに隣接する東グータを二分しており、間もなく三分する。


Peto Lucemによる地図 - 拡大する

タクフィル主義者が6年間占領していた東グータ地域全体の約70%が現在解放されている。シリア軍は、田舎地方を更に占領し、様々なタクフィル主義者集団が降伏することに同意するか、イドリブ県に移動するまで、発展した地域(ハラスタ、ドゥマ、アルビン、ジョバル)への攻撃を継続するだろう。こうしたサウジアラビアとトルコ代理部隊が、ニセ'革命'権力の座から追われるのは、シリア国民にとって大きな勝利だ。権限委譲交渉は進行中だ。イドリブで、彼らは進行中のトルコが支援する首切り人連中と、アルカイダと連携している絞首刑執行人連中との間の、タクフィル主義者と、タクフィル主義者同士の戦争に参戦できる。

シリア、ロシア、イランと、トルコとの間で、東グータとアフリン'交換'の取り引きが成立するのだろうか? 当事者全員この問題について極めて口が堅いことから、私は何らかのそうしたものが合意されているのではと推測している。

東グータの飛び地問題が無くなれば、この地域を包囲しておくのに必要な多くのシリア軍兵士の手が空くことになる。この軍隊は、都市デラーと、ヨルダン国境に至る全ての土地を解放するため南部に進む可能性が高い。ダマスカス-アンマン道路と国境検問所を解放する十分な経済的理由が存在している。

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2018/03/syria-the-fall-of-two-cities.html
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この話題では、藤永茂氏『私の闇の奥』の最新記事二つを拝読している。

アフリンで何が起こっているか(1)

アフリンで何が起こっているか(2)

公文書改竄問題。財務大臣も総理大臣も平然風。

ボオマルシェ作、辰野隆訳『フィガロの結婚』193ページの有名な言葉を思い出す。

貴方は豪勢な殿様というところから、御自分では偉い人物だと思っていらっしゃる! 貴族、財産、勲章、位階、それやこれやで鼻高々と! だが、それほどの宝を獲られるにつけて、貴方はそもそも何をなされた? 生まれるだけの手間をかけただけじゃありませんか。おまけに、人間としても平々凡々。

2018年2月26日 (月)

シリアでのアメリカ攻撃 - 帝国主義者の基本構想

論説
2018年2月23日
Strategic Culture Foundation

シリアで長く続いている紛争と災いが8年目に入ろうとしているのは偶然ではない。これは意図的なものだ。アメリカ帝国主義計画だ。

だが最初に、この紛争の益々非難されるべき不条理さに気がつく。

ほぼ一カ月前、シリアの主権を侵害して、シリアを侵略したトルコが、今週、トルコによる攻撃下にあるアフリンに近い北部地域を防衛すべく、シリア政府が部隊を派遣した後、ダマスカスを“テロ”と非難した。

一方、米軍は、テロリスト過激派と戦っていると主張して、またもや違法に国際法に違反し、シリアを占領している。ところがたいてい、アメリカは様々なテロ集団に保護を与えているのだ。そして、テロ集団を一掃しようと、シリア国軍が前進した際、アメリカは、シリア軍部隊丸ごと皆殺しにしておいて、“自己防衛”行動だと主張している。

更に不条理なのは、アメリカやイギリスとともに、違法に、シリアを爆撃しているフランスが、ダマスカスの承認を得て合法的にシリアに駐留しているイラン民兵に、シリアから撤退しなければならないと警告したのだ。

状況がこれ以上奇怪にはなり得ないかのように、攻撃は“自衛行為”だと主張して、イスラエルは100回以上のシリア空爆を行った。

アサド大統領のシリア政府は、国連決議で認められている通り、シリアの主権当局だ。シリア政府には、国民を守り、違法な武装集団に強奪された地域を取り戻す権利がある。事実上全てのこれら武装反抗勢力は、連中の外国スポンサーの計画に沿って政権転覆のための戦争をしかけている、外国が支援する代理部隊だ。

シリアに合法的に駐留している唯一の軍隊は、シリア政府によって、国家を外国が支援する戦争から守るのを支援すべく合法的に要請されているロシア、イランと、関連する民兵だけだ。

首都ダマスカスに近い東グータ郊外を含む全ての地域を奪還するのはシリア政府の主権の範囲内だ。地域は国際的に禁止されているテロ集団のヌスラ戦線や「イスラム国」と提携しているジャイシュ・アル・イスラムと言う名の外国が支援する過激派集団の包囲下にあった。

過激派がすぐ近くのダマスカスを迫撃砲で攻撃し、恐ろしい結果をもたらしていることが、東グータ解放の誘因だ。

シリア軍と、その同盟者が、シリアを外国武装反抗勢力から救うのを、欧米諸国が軍事的に妨害して、国際法に違反しているのみならず、欧米政府とマスコミは、彼らの合法的義務を“野蛮”と歪曲し、シリア国軍を後ろ手に縛る企みで、プロパガンダ・キャンペーンをしかけている。

シリアにおける過去七年間の戦争で亡くなった50万人の人々のうち、全体のほぼ半数がシリア軍兵士だと推計されている。

シリアを巡る欧米の流言に加えて、シリア国軍が一般市民に化学兵器を使用したという主張がある。証拠は実際、偽旗プロパガンダに、これらの兵器を秘かに使用してきた欧米が支援するいわゆる聖戦士を指し示している。

シリアにおける混沌とした紛争を理解するには、アメリカと、その同盟諸国がシリアに対して抱いていた何十年間もの古い帝国主義計画に注意を向ける必要がある。1950年代に、旧フランス植民地のアラブ共和国を、不安定化し、支配下におきたがったアイゼンハワーとチャーチルのアメリカとイギリス政府にさかのぼる 。

1996年、リチャード・パール、ダグラス・フェイス、デイビット・ワームサーや他のネオコンが率いるワシントンの新世代帝国主義者が“Clean Break”戦略を構築した。戦略は、ロシア、イランとヒズボラと同盟しているがゆえに、イスラエルとともに、シリアを不安定化し“縮小する”ことを狙ったものだ。

より広範に、ワシントンのネオコンは、連中の計算上、イスラエルをより安全にするため、地域全体を小国に分割する連中の狙いをあからさま宣言している。シリアとイラクは、アメリカが押しつける混乱の最優先課題だった。

重要なのは、Clean Break戦略が、トルコを、この計画を実施するためのアメリカとイスラエルの主要パートナーとしていることだ。

ジョージ・W・ブッシュ大統領政権時代のアメリカ・ネオコン立案者と同じ連中がペンタゴンや国務省で重要な位置を占め続けている。石油豊富な中東に覇権を行使する方法としての組織化した混乱という連中の計略が、トランプ大統領下でも、暗黙のうちとは言え、アメリカ政府政策を継続して誘導し続けていると考えるべきあらゆる理由が存在する。

ロシア、イランとヒズボラは、昨年末、外国が支援する武装反抗勢力を広範に完敗させ、シリアが戦争を終わらせるのを大いに助けた。ところが、それに続く、ロシア、イランとトルコが仲介した和平プロセスは勢いを失った。シリア国内での暴力が再燃しているように見える。

益々露骨なアメリカとトルコ軍部隊の軍事駐留と、イスラエル侵攻は、紛争再開の最も明らかな要素だ。これまで以上に、アメリカと同盟諸国は、シリアと、その領土的一体性をばらばらにする恥知らずの帝国主義計画で活動しているのだ。

これは地域支配のための意図的計画に沿ったワシントンによる犯罪的武力侵略に他ならない。この帝国主義者の陰謀は、国連によって、その実態を非難されるべきだ。ところがこの機関の幹部連中は、国連憲章を擁護する代わりに、シリアがその国権を守っていることを非難する欧米の合唱に加わっている。

国連は、1930年代、ナチスとファシストの侵略に迎合した無力な国際連盟と似ているようだ。アメリカと同盟諸国が今シリアで行っているのは、その繰り返しで - 中東におけるより広範な戦争の火を煽っているのだ。

法律や主権がほしいままに破壊されているのに欧米マスコミや国連は武力侵略が見えない。実際彼らは現実をあべこべにして、侵略の犠牲になっている国を非難しているのだ。

単刀直入な結論は、アメリカ、トルコ、イスラエルや他のNATO諸国は、シリアから撤退しなければならないということだ。シリアの主権を尊重し、政権転覆という犯罪陰謀をやめることだ。これが国際法の最小限の順守だ。

もしこの連中が連中の犯罪計画に固執すれば、この地域は誰も容赦しない戦争へと向かうことになる。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/02/23/us-aggression-in-syria-imperialist-blueprint.html
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国会討論。与党質疑は当然見ないが、野党質問に対する与党答弁も聞く気力がでない。

日刊IWJガイド・番組表「『虚偽答弁』疑惑の佐川国税庁長官のもと確定申告開始!実は知られていないが『マイナンバー不記載でも書類は受理される』!?/本日20時【籠池夫妻の不当長期勾留に反対! 許すな!人質司法!特集・再配信】『陸山会事件を振り返る 石川知裕前衆議院議員の裁判報告会』配信!/本日『岩上安身のIWJ特報』発行! 『自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で「ナチスの手口」がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学・長谷部恭男教授インタビュー』後編!」2018.2.26日号~No.1992号~

2018年2月25日 (日)

トルコかシリアかアメリカか? ‘アフリンのクルド人がどのような選択をしようとも、高い代償を払うことになろう’

公開日時: 2018年2月21日  14:41
編集日時: 2018年2月21日  15:31
RT

トルコかシリアかアメリカか? ‘アフリンのクルド人がどのような選択をしようとも、高い代償を払うことになろう’

クルド人とシリア人は競合相手だったが、アフリンでは対トルコで同盟者だと専門家がRTに語った。クルドYPGが、トルコを同盟者とするアメリカにも支援されていることを考えると状況は実に複雑だ。

アンカラがテロリストと見なしているクルド戦士を地域から追い出すための作戦を強化する中、北シリアの都市アフリンはトルコ軍による激しい砲撃を受けている。

親シリア政府派民兵がトルコ軍に対する戦いに加わるためアフリンに到着した後、爆撃が行われた。トルコ大統領報道官は、砲撃が戦士集団にアレッポの東への撤退を強いたと述べた。

しかし別の報道は親シリア政府部隊がアフリンで守備位置についていると示唆している。

オクラホマ大学中東研究センターのジョシュア・ランディス所長は、クルド人は、地域におけるアメリカによる力の政策の犠牲になってしまったと思うとRTに語った。

RT: 北シリアでは複雑な同盟の蜘蛛の巣が出現しているように見えます。シリア政府とクルド人との関係と、ダマスカスは、アフリンに進軍することで、一体何を実現しようとしているのかについてご説明頂けますか?

更に読む
ダマスカスとアンカラ、親シリア政府派部隊がアフリンに入ったかどうかで論争

ジョシュア・ランディス: ダマスカスはシリアの主権を維持することに非常に関心を持っています。一ヶ月前に、トルコが侵略すると威嚇して以来、シリアとクルド人は交渉しています。もちろん、クルド人は自治を望んでおり、彼らは武器を手放したがりませんが、アサドは彼らに全ての武器を放棄させたがっています。トルコは、それに異存は無いように見える。ロシアはシリアによる支配権獲得を円滑にしようとして、アンカラに電話をかけました。しかしトルコは、YPGは、アフリンから退去し、武器を置いて、完全に降伏しろと頑固だったのです。そして何らかの理由で、トルコは、そういうことにならないのが不満なのです。彼らは警告し、もしシリアがYPGを守るために進撃すれば、トルコは両方を攻撃すると言っています。トルコはなぜ不満なのでしょう? 我々にはわかりません。侵略したおかげで、エルドアンの人気が上がったという報道があり、彼はそれを止めたくないのかも知れません。我々には良くわかりません。これは謎です。わずか二日前、トルコはシリア軍が進撃してもかまわないと言っていたのですが、現在は、それはまずいと言っています。クルド人とシリア人は競争相手だったのですが、両者はこの状況では、双方の共通の敵であるトルコに対する同盟者です。

RT: アメリカがクルドYPGに兵器を提供していることを我々は知っており、それが今トルコ軍との戦いで使用されています。NATO同盟国トルコとのアメリカの関係にとって、これはどれだけマイナスなのでしょう?

JL: アメリカは、ユーフラテス川東岸のクルド人に大量の武器を供給しています。アメリカが最初にシリアに進軍した際、トルコとアメリカは、ユーフラテス川西岸は全てトルコのもの。ユーフラテス川東岸は全てアメリカ合州国のもの’という合意をしました。マンビジは、泣きどころですが、今後決定されるべきことです。しかし、そういう経緯で、アメリカは大量の兵器をYPGに与えてきています。今、アメリカは、明らかに、YPGにこう言っているのです。“お前たちがそうした瞬間、エルドアンがおきるぞと言っているあらゆることを、お前たちがPKKとつながっているということを、正当化してしまうことになるから、これらの兵器でトルコを攻撃するな”そこで、アメリカはクルド人を押さえつけ、本質的に、YPGにこう言っているのです。“ユーフラテス川東岸でのアメリカによる支援を維持するためには、アフリンの同胞を犠牲にしなければならない。”

シリアのアフリン危機を考えると、明日一体どういう形の同盟ができるのか、どの同盟から誰が離脱するのか誰にもわからないとアンカラの中東工科大学の国際関係教授、フセイン・バチは言う。

RT: トルコもクルド集団も、アメリカの同盟者なのに、あからさまに軍事的に対立しています。トルコ-クルド対立を解決するためトランプ政権が関与を強化すると期待できるでしょうか?

フセイン・バチ: アメリカはもう一つの当事者で、明らかに、アメリカはシリアに駐留することに大いに関心があります。アメリカがそこに駐留する機会を、クルド人が与えてくれるのです。またトルコも同盟です… トルコとアメリカ間の軍事的対立があるとは思いません。明らかに、YPGは、現在アメリカによる保護を享受していますが、同時にYPGバッシャール・アサド政権とも交渉しています。現地は非常に込み入った政治的、軍事的状況にあるのです。明日一体どういう形の同盟ができるのか、どの同盟から誰が離脱するのか誰にもわかりません。

バッシャール・アサドは、シリアを自分の支配下に置いておきたいのです。アフリンは依然シリア領土です。そして、クルド人は今、トルコとバッシャール・アサドの両方を見ています。厳しい選択です。どのような選択をしようとも、彼らは高い代償を払わねばなりません。しかし明らかに、トルコは選ばないはずです。長い目で見れば、彼こそが彼らに政治的自治を与えることが可能な人物なので、彼らはたぶんバッシャール・アサドと協力するはずです。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/419459-turkey-syria-kurds-afrin/
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外国の知人、RTが何と報じようと、彼の国で報道は、ロシアの残虐爆撃だという。
彼はトランプ大統領がエルサレムを首都と認めたのを大いに支持している。

植草一秀の『知られざる真実』の今日の記事では、下記の記事題名。
なぜ「働かせ方改悪」としか表現しようがないのか

オリンピック呆導が終わっても、大本営広報部、最悪労働制、過労死促進法案のひどさを報じることはないだろう。げたの歯に挟まった鋼鉄の弾、オカルト宗教政党、悪法を推進するだろう。大本営広報部は、外人による死体切断猟奇事件でお茶を濁すのだろうか?

2018年2月23日 (金)

シリアにおけるエスカレーション。ロシアは一体どこまで押しやられるのだろうか?

The Saker
2018年2月20日

シリアにおける出来事は最近あきらかに悪い方向に変化しており、シリア国内のロシア特別部隊が、組織的“擾乱攻撃”作戦の標的になっている証拠が増えている。

第一に、フメイミムのロシア航空宇宙軍基地に対する(比較的成功した)無人機と迫撃砲による攻撃があった。更にイドリブ県マースラン市上空でのロシアSU-25撃墜があった。シリア軍隊列へのアメリカ急襲でロシア死傷者がいると聞かされている(“何百人”ものロシア人殺害という広く誇張されている主張とともに)。前者の場合、ロシア当局は、攻撃がアメリカによって計画され、実行されたのではないにせよ、少なくとも付近のアメリカ軍が協調したという強い疑惑を公然と発言している。SU-25撃墜の場合、あからさまな非難はなされていないが、多くの専門家が、SU-25が攻撃された高度が、通常シリアでは見られないタイプのむしろ最新型のMANPADであることを強く示唆していると述べている(これらはアメリカがクルド人に提供したアメリカのスティンガーだという僅かとは言えないヒントだ)。シリア軍隊列への攻撃に関しては、議論されているのは、誰がそれを行ったのかではなく、どのようなロシア要員が関与していたのか、ロシア軍か、それとも民間業者(シリア隊列には上空掩護が皆無だったので、後者の方が遥かに適切な説明だ)。個別に見れば、こうした出来事のどれもさほど意味はないが、まとめて見た場合、こうしたものは、アメリカによるあからさまなロシア軍攻撃までには至らない方法で、ロシアを出来る限り懲らしめるというシリアでのアメリカ新戦略の兆候である可能性がある。下記理由から、この推測はもっともなものに私には思える。

第一に、シリアでの敗北を巡る屈辱とやり場のない怒りで、アメリカとイスラエルは依然ふらついている。アサドは依然権力の座におり、ダーイシュは多かれ少なかれ打ち負かされ、ロシアは、対ダーイシュ軍事作戦のみならず、出来るだけ多数の“良いテロリスト”を交渉の席に参加させる活動でも成功した。ロシア国内でのシリアに関する会議は成功裏に終わり、全当事者が新憲法の作業について全般的に合意され、英米シオニストが反対すると固く決めている平和実現の本当の危険性があったのだ(このどうやらハッキングされた文書をご確認願いたい。もし本物であれば、ロシアには何も成功させないアメリカ政策を明らかに述べている)。

第二に、トランプもネタニヤフも自分がいかに男らしく強いかを証明するため多数の“勝利”をもたらすと約束している(彼らの前任者たちと比べて)。ロシアに対する公然の戦争を始めるのは決定的に“男らしさの証明”になるはずだが、余りに危険すぎる。“境界上の”ロシア人殺害、いわば、もっともな否認権、つまり、その代わりに、ロシア人民間契約業者を殺害するのは遙かに安全で、遥かに魅力ある選択肢だ。

第三に、ロシアでは大統領選挙が予定されているが、プーチンにとって問題を作り出せば(経済制裁、あるいはシリアからの遺体袋)、何らかの形で、ロシア内で彼の人気に悪影響を与えることが可能だという幼稚な考え方に、アメリカは依然必死にしがみついている(現実には、連中は逆の結果を招いたが、それを理解するには、連中は余りに愚かで無知だ。)

最後ながら、決して重要性が最小ではないのが、英米シオニストは実際に、何かを実現する能力を失って長いので、連中の論理的な最悪の場合の代替案は、他の誰にも成功させないことだ。これが北シリアにおけるアメリカ軍配備の主目的だ。トルコ、イラン、シリアと、もちろん、ロシアにとっての面倒を作り出すのだ。

結論はこうだ。アメリカは、状況が“安定化する”まで、(違法に)シリアに駐留すると宣言しているので、彼らはシリアを不安定化するために出来る限りのあらゆることをしなければならない。そう、ここにはある種の不条理な論理があるのだ。

ロシアにとって、こうした悪いニュース全て、以下のように要約できよう。ロシアは、確かにシリアでダーイシュを打ち破ったとは言う物の、ロシアは依然、中東で、英米シオニストを打ち破る状況からは程遠い。ただし良いニュースは、ロシアにはこの状況に対処する選択肢があることだ。

第一段階: トルコへの働き掛け

ロシアが、アメリカのシリア侵略に反撃するための、直感には反しているものの様々な意味で理想的な解決が存在している。トルコを巻き込むことだ。一体どうやって? アメリカ軍を直接攻撃するのではなく、アメリカが現在“(少なくとも政治的に)その後ろに隠れているクルド民兵を攻撃してだ。お考え願いたい。アメリカ(またはイスラエル)が、シリアやイラン軍攻撃前に、二の足を踏むことなどあり得ないが、実際にトルコ軍を攻撃するのは膨大な政治的リスクが伴う。アメリカが支援した対エルドアン・クーデター未遂後の、踏んだり蹴ったり行動で、イラクとシリア両国内で“ミニ-クルディスタン”設立をアメリカが支援したことで、アメリカ-トルコ関係は史上最低の状況で、アメリカ、EU、NATO、CENTCOM、イスラエルと地域におけるあらゆる英米シオニスト権益にとって大惨事となり得る結果へと、トルコを押しやるのに、さほど手はかからない。実際、ヨーロッパ、地中海、中東にとってのトルコの戦略的重要性は強調してもしすぎることはなく、アメリカはそれを知っているのだ。このことから、ほとんど知られていないにせよ、極めて現実的な結果が導ける。シリア内のトルコ国軍は基本的に、私に言わせれば、あらゆるアメリカ攻撃からの“政治的免責”を享受している、つまり(ほぼ)トルコが一体何をしようと、トルコ軍隊列に対するアメリカ空軍攻撃の結果は余りに深刻すぎて考えられないという単純な理由から、アメリカは(ほぼ)決して、実際トルコに対し、公然と武力行使を考慮することはないのだ。

実際、アメリカ-トルコ関係は実に悪く、余りに一方的なので、アメリカ特殊部隊が配属されたクルド(つまり“良いテロリスト”)隊列/陣地へのトルコ攻撃のほうが、アメリカによるトルコ軍隊列攻撃より遥かに可能性が高いと私は考えている。これは直感には反するものに聞こえるが、トルコが、アメリカ軍要員がいるクルド (あるいは“良いテロリスト”)隊列/陣地を攻撃し、その結果、アメリカ軍兵士が死亡したとしよう。アメリカは一体何をする/できるだろう? 同じことで報復するだろうか? あり得ない! アメリカが仲間のNATO加盟国を攻撃することなど全く考えられないだけでなく、トルコがトルコ領土と領空からのアメリカ/NATOの完全撤退を要求することになる可能性が極めて高いのだ。理論的に、アメリカがイスラエルに、アメリカのために汚れ仕事をするよう頼むことは可能だが、イスラエル阿呆ではなく(たとえ彼らが狂っていても)彼らは、基本的に無価値な非ユダヤ人のために、神聖な“ユダヤ人の血”を流したくはないので、アメリカが作り出した“ミニ-クルディスタン”問題を巡って、トルコと武力戦争を始めることなどにほどんど興味はないはずだ。

もしトルコが実際、アメリカ軍兵士を殺害すれば、抗議行動や立て続けの“協議”やら他の象徴的行動はあろうが、それ以上はなく、アメリカは死傷者を受け入れ、それに対して何もしないだろう。エルドアンについて言えば、国内で人気はいやますばかりとなろう。こうしたこと全てでの本当の問題は、もし北シリアでのアメリカ作戦を本格的に混乱させ、アメリカに撤退まで強いるこさえできる当事者が誰かいるとすれば、それはトルコだということだ。この種の能力で、トルコのロシアとイランとの交渉力は大きく強化され、エルドアンが自分の利益になるよう注意深く利用するのは確実だと思う。これまでの所、エルドアンが、アメリカを“オスマン式平手打ち”すると威嚇しただけで、ティラーソン国務長官が、大惨事を避けるため、アンカラにまで飛んだが、紛争で、アメリカはトルコかクルドのいずれかを選ぶべきだというトルコの主張が、いかなる本当の急進展の可能性も非常に大きく制限している(イスラエル・ロビーは100%クルド人を支持している)。決してありえないなどと言うべきではないが、現時点でアメリカ-トルコ関係を本当に復旧させるには、何らかの奇跡が必要だろうと私は言いたい。ロシアは、この力学の活用を試みることが可能だ。

この概念の主な弱点は、もちろん、トルコ国内を含め、アメリカは依然十分に強力で、アメリカ政府と、あからさまに対決し、反抗しようとするのは、エルドアンにとって極めて危険だ。これまでの所、エルドアンは、大胆に、アメリカに対するあからさまな反逆行動をしているが、彼は余りにやり過ぎる危険性も理解しており、そのようなリスクをとることを考えるには、彼にとって、大きな利益の可能性がなければならない。ここでロシアには基本的に二つの選択肢がある。トルコに何か非常に利益のあることを約束するか、アメリカとトルコの現在の関係を何とかして、更に悪化させるかだ。ここで良いニュースは、アメリカとトルコの関係を悪化させるロシアの取り組みは、アメリカがイスラエルとクルド人とギュレン主義者を支持していることで大いに助けられていることだ。

もう一つの明らかな危険性は、あらゆる反クルド作戦が、別のシリア分割に転じかねないことだ、今回はトルコによる。ところが、トルコは、シリア国内に余り長期間留まれないのが現実だ。特にロシアとイランがこれに反対すれば。トルコにとってより、アメリカにとって無視するのが、ずっと容易な国際法の問題もある。

こうした理由から、トルコを利用してアメリカに圧力をかけることには限界がある。それでも、もしトルコが、アメリカにクルド人支援を止めるよう主張し続けるか、あるいはもしトルコがクルド民兵に軍事的圧力をかけ続ければ、アメリカが支援する“ミニ-クルディスタン”というアメリカの考え方は丸ごと崩壊し、それとともに、アメリカの対シリア分割計画丸ごと崩壊する。

これまでの所、イラクはイラク国内で、アメリカが支援する“ミニ-クルディスタン”に素早く対処しており、シリア国内で、アメリカが支援する“ミニ-クルディスタン”に対処するため、トルコも現在、*彼らの*問題を解決する必要な措置を講じている。トルコはアサド支援にも、プーチンにもは興味がなく、彼らは*彼らの*クルド問題が支配下にある限り、シリアで何が起ころうと気にしない。つまりシリアとロシアとイランは、もちろん、適切な環境が作り出されない限り、トルコがアメリカに敵対することに過大な期待をするべきではないのだ。ロシアとイランがそのような状況を作り出せるかどうかは、将来になってみないとわからない。

第二段階: 移動式の最新型短距離/中距離防空システムでシリアを埋めつくす

今の所、過去数年間に一体どのような防空システムを、ロシアがシリアに送ったのかは誰も知らないが、これは明らかに、ロシアが取るべき道だ。出来るだけ多数の最新の移動型防空システムをシリアに送るのだ。高価だが、ここで最善の解決策は、出来るだけ多数のパンツィル-S1移動型Gun/SAMシステムと、9K333 Verba MANPADを、シリアとイランに送ることだろう。この二つのシステムの組み合わせは、特に彼らが運用可能な装置の位置を高い信頼性で予測する実際的な方法は皆無なので、アメリカとイスラエルにとって、あらゆる種類の空爆作戦を大幅に面倒にするはずだ。しかも、アメリカもイスラエルもシリア領空で国際法に完全に違反して活動しているのに対し、シリア国軍は彼らの主権ある領空を守っているので、ロシアがシリアにそのような防空システムを引き渡しても申し分なく合法的だ。とりわけ、これら兵器システムは移動型で、容易に隠せるので、英米シオニストが一体誰が実際に自分たちを撃っているのかを知ることが全く不可能なのだ 。朝鮮やベトナムやレバノンでと同様、シリア防空システムを操作するため、ロシア人を派遣し、アメリカとイスラエル航空機が空から落ち始めた際“ロシアがやった”ことを誰も証明することができないはずなのだ。ロシアはCIAが良く言う“もっともな否認権”を享受できるはずだ。アメリカとイスラエルは、もちろん、より弱い当事者シリアに敵対するだろうが、良い気分になれるだけで、シリア領空が、アメリカあるいはイスラエル空軍にとって、より安全になるわけではないので、現地に何の変化ももたらせないはずだ。

ロシアにとってもう一つの選択肢は、既存のシリア防空システム、特に道路移動型2K12クブと、9K37ブク・システムの改良(ソフトとミサイル)を行うことだ。そのような改良、特に十分な数のパンツィルと、ヴェルバス配備と組み合わせればアメリカとイスラエル両国にとって悪夢となろう。彼らは既に基本的にロシアの完全な承認を得て飛行しているので、トルコはほとんど気にかけることはなく、私の知る限り、シリア国内で何の空爆作戦を行っていないイランも気にするまい。

この計画に対する一つの反論は、双方がこのゲームを演じることが出来、アメリカが更に高度なMANPADを、彼らの“良いテロリスト”同盟者に送るのを防ぐ方法がないというものだが、この主張は完全に的外れだ。もし双方が同じことをすれば、空爆作戦に一番依存している側(アメリカ)が、地上で優勢な側(ロシア)より遥かに大きな打撃を受ける。更に、MANPADをシリアに送ることで、アメリカは同盟国と思われているトルコと疎遠になっており、もしロシアがMANPADや他のSAMをシリアに送っても、文句を言うのは、イスラエル一国だけだ。そうなればロシアは単純な本当の答えができる。我々がこのゲームを始めたわけではない、貴国の同盟国アメリカがしたのだから、アメリカにこの混乱のお礼を言えば良い。

シリアにおける主要な問題は、アメリカとイスラエルが現在、シリア領空で、全く何のおとがめもなく活動しているという事実だ。もしこれが変わるとすれば、ゆっくりした漸進的な過程だ。最初は、(最近のイスラエルF-16のように)幾つか個別の損害が生じ、次に、アメリカおよび/あるいはイスラエルによる空爆場所が次第に、都市の中心部や中央軍陣地から、より小さな、より点在する標的(車両隊列のような)に移行するのを目にするようになるだろう。これは軍事的に最も価値ある標的は既にしっかり守られていることの認識を示すものだ。最終的に、多数の空襲は次第に巡航ミサイルと弾道ミサイル攻撃に置き換えられよう。こうしたこと全ての背景に、攻撃的空爆作戦から、部隊保護への移行があり、これはシリア、イランとヒズボラにとって、活動するのにずっと容易な環境となることを意味する。しかし、そうしたことのいずれにとっても、必要な第一歩は、シリア防空能力の劇的強化だろう。

イスラエルの完全な制空権の下で、ヒズボラは何十年も実に見事に活動しており、彼らのこの種の作戦経験は、シリアが防空能力を十分に構築するまで、シリアにとって極めて貴重なはずだ。

結論: エスカレーションに対抗することだけが、実際唯一の選択肢なのだろうか?

率直に言って、帝国はシリアの部分的“レコンキスタ”をしようと決めたのではと私は考え始めている。(ありもしない)化学兵器使用のかどで、彼らを“懲罰”するためのシリア攻撃をマクロンでさえも騒ぎたてている。少なくともアメリカは、シリアにおけるロシアの役割に対して、ロシアに出来るだけ高い代償を支払わせたがっているのだ。シリアにおけるアメリカの更なる目標には下記がある。

  • ユーフラテス川東岸のシリア領を支配することによる事実上のシリア分割の押しつけ(これは“プランC、第3.0版”と呼べるだろう)
  • 北東シリアにあるガス田簒奪
  • そこでクルド人、良いテロリストと、悪いテロリスト作戦を計画し、実行することができるアメリカが支配する中間準備地域の創設
  • ロシアが支援するあらゆる和平交渉の妨害
  • レバノンとシリアのイランとヒズボラ部隊に対するイスラエル作戦支援
  • 外国侵略者からシリアを解放しようとしているシリア軍に対する通常攻撃を行う
  • シリア侵略と占領をトランプが軍産複合体とイスラエル・ロビーに約束した“勝利”の一つとして提示する

これまでの所、この進展しつつある戦略に対するロシアの反応はむしろ受け身で、現在のエスカレーションは、新たな手法が必要かも知れないことを強く示唆している。イスラエルF-16撃墜は良い第一歩だが、帝国がその対シリア政策に対して支払うべき代償を劇的に増大させるべく、もっと多くのことがなされる必要がある。現在の挑発に対するより強力な反応を要求するロシア人評論家や専門家の人数が増えているのは、何かが進行中であることの兆候かも知れない。

記事原文のurl:http://www.unz.com/tsaker/escalation-in-syria-how-far-can-the-russians-be-pushed/
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二年近く会わなかった幼なじみの熱烈な自民党員と町で出会った。挨拶のみで何も話さず別れた。こういう状況を熱烈に支持する人と話す言葉を思いつけないので。

最悪労働制に関して、まるで壊れた蓄音機のように同じ言葉を繰り返す首相。
見ていると気がめいる。

植草一秀の『知られざる真実』2018年2月22日記事も、働かせ方改悪の件。
昭恵氏佐川氏証人喚問&働かせ方改悪阻止完遂を

捏造したデータしかない過労死推進法案が提出されるのを黙って眺める組合、労働組合ではない。労働者殺人組合。

日刊IWJガイド・番組表「IWJが吉村洋文大阪市長会見で維新の元暴力団市議とのツーショット写真を暴露!党常任役員吉村氏の反応は!?/本日15時より!『加計問題』に見る日本の教育行政の腐敗!『教育』を口実に改憲を既成事実化した先には超危険な自民党改憲草案の実現が!? 岩上安身による前・文科事務次官 前川喜平氏インタビュー 第2弾/裁量労働めぐる『残業データ』に117件の異常な数値が発覚!なくなったはずの調査原票も発見!しかし政府は法案提出の姿勢崩さず!」2018.2.23日号~No.1989号~

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2018年2月 8日 (木)

北シリアにアメリカ念願の“安全な避難所”を確立しつつあるトルコ

2018年2月3日
Tony Cartalucci
Strategic Culture Foundation

トルコの最近の北シリア侵攻は、2012年の昔からアメリカ政策立案者が主張していた念願の“緩衝地帯”、“安全な避難所”をついに確立する構えにある。

トルコがアメリカ合州国が支援しているとされるクルド人の強制排除を狙って、アメリカとトルコは、現在、侵略を巡る外交摩擦を装っている。しかし、シリア内で、武器を与え支援してきたクルド民兵への支援拡大を否定するアメリカによる最近の主張は、さもなければ、弁明の余地がないシリア領土侵略を正当化するため、トルコ用の口実として意図的にされたのは明らかだ。

口実にならない

トルコは現在の作戦の口実として、クルド人が率いる兵員30,000人とされる“国境防衛軍”を北シリアに創設することに関しアメリカが行った人騒がせな声明を引用している。ところが、この声明は共同統合機動部隊 - 生来の決意作戦報道官ライアン・ディロン米陸軍大佐によるもので、300人以下の部隊とされるものが訓練されていると報じられている - つまり部隊が存在しているとしても、また定員になるとしても何年も先であることを示している。

トルコが侵入を始める頃には、“アメリカは、シリアに国境軍を構築する意図はないとティラーソンは語る”と題するロイター記事によれば、アメリカのレックス・ティラーソン国務長官は、そのような軍隊の計画を完全に否定していた。

何が何でも侵攻

それにもかかわらず、“オリーブの枝作戦”と名付けられたトルコ侵攻は、アメリカ政策文書で、“安全な避難所”を占領するよう書かれていた、アメリカが武器を与え、資金供与しているまさに同じ過激派集団によって、アメリカ政策立案者が2012年に述べていた、まさにその支配地域を作り出しているのだ。

“人道的危機”やトルコ領への偽旗攻撃を口実にすることを含め、過去6年間、地政学的に“安全な避難所”を確立しようと試み、失敗した後 - アメリカとトルコは、終わりの見えない展開や、代理集団や、侵略を正当化する対立する権益の、十分に混乱した交差点をとうとう作り出したのだ。トルコは徐々にシリア領土を侵略し、占領しているbolstering army of過激派アルカイダを含むテロ組織と指定された集団から呼び込んだ 長年 この最近の侵略の準備として。

欧米マスコミとトルコ自身、オリーブの枝作戦は、クルド人を狙っていると主張している、長年シリア軍と戦ってきた過激派戦士で意図的に満ちた、ワシントンの“安全な避難所”創生は究極的にはダマスカスを狙っている。

この事実にもかかわらず、クルド人が、トルコによって、粛清されるか、追い出されるかのいずれかなのは確実で、クルド人の利用と裏切りが、ついに展開する中、アメリカと、そのヨーロッパ同盟諸国は形ばかりの抵抗をするにすぎまい。

北部の“安全な避難所”は2012年以来のアメリカ政策

2012年3月の大企業-金融機関が資金提供するブルッキングス研究所が発行した“シリアを救う: 政権転覆の選択肢評価 ”(PDF)と題する文書に具体的にこうある(強調は筆者):

“代替案は、外交努力で、アナンの指導のもと行われているようなまず暴力をいかに終わらせ、人道的アクセスをいかに実現するかに注力することだ。これは限定された軍事力による支援が必要な安全な避難場所と人道回廊の設置をもたらす可能性がある。これは、もちろん、アメリカのシリアでの目標には不十分で、アサドを権力の座にとどまらせる可能性がある。とは言え、ここを起点にして、適切な国際的負託を得た広範な連合が、その取り組みに、更なる高圧的行動を加えることは可能だ。”

2012年、ブルッキングス研究所や他のアメリカ政策界は、人道上の口実で、シリア国内に安全な避難場所の設置を売り込もうと繰り返し試みた。これは家を追われたシリア人の大半が、シリア政府が支配する地域内で暮らしていることが極めて明白になるまで数年間続けられた。

ブルッキングス研究所は、シリア南部におけるイスラエルの取り組みと連携して、トルコが膨大な量の兵器と軍隊を、シリア国境沿いに配備すれば、シリアにおける暴力的政権転覆達成の助けになるかを語って続けている(強調は筆者): 

更にイスラエル諜報機関はシリアを良く知っており、政権の権力基盤を蝕み、アサド排除を推進するのに利用できる手先もシリア政権内に忍ばせてある。イスラエルはゴラン高原や、近くに部隊を配備でき、そうすることで政権軍を反政府派弾圧から逸らせる可能性がある。この姿勢は、特にもしトルコが進んで同じことを国境で行い、シリア反政府派が安定した兵器と訓練の提供を受け続ければ、アサド政権内に多正面戦争の恐怖を生み出す可能性がある。そのような動員は、おそらく自身の維持のため、アサドを追い出すよう、シリア軍指導部を説得するのを可能にするだろう。この説を主張する連中は、もし他の勢力が適切に提携すればこの追加的圧力が、シリア国内でのアサドに対する情勢を変えられると言う。

2012年に発行された政策文書は、以来、イスラエルとトルコが継続して、北部へのトルコによる徐々の侵略と、イスラエルによるダマスカス周辺と南部のゴラン高原への連続攻撃で、今日に至るまでシリアに圧力をかけ、実施され続けているのだ。

アメリカが設計した“安全な避難所”を作り出すでっちあげの口実は変われども、目標は変わっていない。シリア政府打倒だ。それが実現しなければ、永久分割と、それで統一された国民国家としてのシリアを破壊することだ。

非協力的なクルド人を粛清するためにトルコを利用するアメリカ

ブルッキングス研究所は、ワシントンの“安全な避難所”計画のこの最新の繰り返しが、現在どのように国民に売り込まれているか洞察している。2018年1月26日の“アフリン作戦後、トルコ、アメリカとYPGにとって次は何か?”と題する記事で、ブルッキングス客員研究員のランジ・アラアデインがこう主張している。

トルコは、大胆になったシリアのクルド地域と、クルド民主統一党(PYD)の近年ますます力をつけている軍事組織YPGの優勢が、トルコの反抗的なクルド人に油を注ぎ、クルディスタン労働者党PKK反乱軍を強化するのを恐れている。アンカラはワシントンのYPGとの関係と、シリアでの政策が現在の危機の原因だと非難しているが、実際は、トルコ、YPGとアメリカ合州国の逃した好機と誤算の話に過ぎない。

最近の作戦の口実を、トルコ、アメリカと、ワシントンの同盟者クルドの間で増大しつつある外交摩擦として描き出す取り組みのこれに似たような話が、欧米マスコミ中で流れている中、記事は意味深い告白をしている。

…アラブの反政府派が、クルド反政府派を、自らの生存を保証すべく、シリアのクルド人を組織的弾圧してきた政権実績にもかかわらずアサド政権との暗黙の協力に追いやったのだ。

実際ユーフラテス川西岸のクルド人は、長年シリア政府軍との対決を避けており、シリア紛争が終わりに近づくにつれ、彼らが占領する地域が、統一シリア国に取り込まれる取り引きを、ダマスカスとする可能性が高く、それは効果的かつ最終的に、アメリカの対シリア計画を頓挫させる。

トルコの最新の侵入は、これを阻止することを狙っているのだ。

クルド人をより協力的なテロリストに置き換える

ユーフラテス川西岸のクルド人は排除されるか、殲滅されるかするだけではなく、彼らは、シリア政府軍と間違いなく熱心に戦い続けるはずのアメリカ、NATOと湾岸協力会議(GCC)が武器を与え、支援している過激派に置き換えられるだろう。

TAl-モニターの“エルドアンのアフリン計画はシリアとはしっくり行かない可能性”と題する記事はこう報じている。

シリアにおけるトルコの攻勢で、双方の犠牲者が増えるにつれ、アンカラが推進している計画は、クルド人民防衛隊(YPG)の支配を終わらせる以上のことを狙っている。レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、アフリン“地域の本当の所有者”を決めるプロジェクトだと絶えず言い続けている。

彼は二つの集団を想定している。トルコ軍(TSKTSK)が戦場で使っている自由シリア軍(FSA)と呼ばれる民兵集団と、トルコ国内のシリア難民の大群だ。

いわゆる“自由シリア軍”は、直接アルカイダの旗の下、あるいは、その多くの系列旗の下で戦っているテロ組織のコングロマリットに過ぎない。

シリアとその同盟者イラン、レバノンとロシアに戦争をしかけるのに、アメリカ合州国とトルコを含む地域の同盟者が長年利用してきた主要代理部隊でもある。彼らはシリアに残っている、誰とでもシリア軍と、その同盟者との戦闘を継続する唯一の集団であり、トルコ国境との近さが補給を容易にし、必要とあらばトルコ領内に避難できるのだ。

より大規模で奥行きある“安全な避難所”がトルコ軍に占領され、それに伴う防空能力でシリア領内に確立すれば、テロリスト連中が戦う戦線はずっとダマスカスに近づく。

新たな安全避難所を人間の盾で守る

アメリカが設計した“安全な避難所”内に難民を再定住させるという考え方は決して独創的なものではない。アメリカ-NATOが支持する北シリア内の“安全な避難所”という考えを、2012年という早い時期に売り込むために使われた元々の口実だったのだ。これは、2015年、アメリカ上院での退役陸軍大将ジョン・M・キーン聴聞会の際も、彼がそうする理由を語って提案されていた(強調は筆者)。

もし我々が、穏健反政府軍のために、また難民用避難所として、安全地帯を設ければ、むしろ世論の支持を劇的に受けよう。もしプーチンがそれを攻撃すれば、世論は確実に彼に反対するでしょう。彼がなぜシリアにいるのかというのは争点から外れ、もし、それ[安全地帯攻撃]をして、その攻撃的軍事行動で起きている移動に輪をかければ、世論は、彼に対し、かなり大きな衝撃になるだろうと思います。

言い換えれば、キーンは、難民を人間の盾として利用して、欧米が支援する過激派集団を、シリアとロシア空軍力による攻撃からかくまうよう提案していたのだ。

シリア和平を妨害する外国占領

アメリカ念願の北シリア内の“安全な避難所”は、続いている対ダマスカス代理戦争を継続するのに活用されるだろう。既に、シリア領を占領し、国家の再統一や、シリア内の和解や社会再建を阻止して、紛争終結を妨害しているのは、アメリカとトルコのシリア駐留だけだ。

トルコは最近の侵入に“オリーブの枝作戦”という名をつけ、シリアにおける役割が建設的で平和につながるかのように装っているが、北シリアで抵抗している過激派は、トルコが単純に国境の安全を確保し、シリア国内で戦っている過激派集団への補給を止めさえすれば、抵抗できなくなるはずなのだ。

トルコは最近の侵入に関して、ロシア、イランとシリアと取り引きをまとめていたと憶測する専門家たちもいるが、シリアとその同盟諸国は、北シリアでの“安全な避難所”確立のみならず、それを現在の深刻な紛争を永続かさせるのに利用するよう企てるという最悪の場合のシナリオに対処する選択肢を培っておくべきだろう。

あらゆる政治的裏取引は、双方が相手に対する約束を守る限り有効に過ぎない。トルコがシリア領の奥深く入り込み、シリアとその同盟者には、全面戦争以外に、彼らを追い出す行動選択の余地がほとんどなくなるという危険が存在している。

トルコによるオリーブの枝作戦の結果も、シリア紛争に関与しているそれぞれの国の反応も不明だが、アメリカがまたしても、同盟者、ここではクルド人を利用し、後で裏切るのをいとわないのを実証したことは確実だ。

以前にダマスカスと事実上の停戦協定を結んだクルド人に対するトルコの作戦は、現在の猛攻からの猶予と引き換えに方針を変え、断固反ダマスカス姿勢を取るよう要求している可能性がある。ワシントンがアンカラに、シリア領土に更に侵入する口実を与えてくれたのと同様、アンカラも、クルド人を、シリアにおいて、自らの利益より、アメリカ権益のために一層働くようにさせて、ワシントンに贈り物をするだろう。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/02/03/turkey-establishing-long-sought-us-safe-haven-in-northern-syria/
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北朝鮮をあくまで孤立化させると息巻く御仁。自分の頭のハエを追えと、いつも思う。憲法破壊ではなく、安保条約改定が先。

孫崎享氏の今日のメルマガ「久間元防衛相が大胆発言」。題名をコピーさせて頂こう。

「安倍政権は日米安保条約を改定すべき」久間元防衛相が大胆発言」、久間氏発言:90年代台湾海峡緊迫で米軍は沖縄に駐留が絶対必要。だが今日、沖縄ばかりに米軍基地を集中させておくのは、軍事戦略上においても合理性がない。90年代とは状況は違う等。

国会討論、議員の暴言にあきれ、ビデオを見るのを止めたが、結局、役職解任。

日刊IWJガイド・番組表「安倍総理が緊急事態条項について『極めて重く大切な課題である』と国会で答弁! 『ナチスの手口』にIWJコンテンツで警戒を/東シナ海でのタンカー沈没事故が環境に与える影響について、政府はほとんど何も把握していない!?/維新の足立康史議員が、5日の『暴言』により党の役職を解任! え、今さら?/岩上安身が日本共産党・辰巳孝太郎参議院議員にロングインタビュー!新たな音声データで『森友学園』問題の真相に一気に迫る!/IWJは現在スタッフを募集しています」2018.2.8日号~No.1974号~

2018年1月28日 (日)

"誰がトルコを失ったのか?" NATOを危険にさらすシリアでのアメリカ-クルド・プロジェクト

Moon of Alabama
2018年1月25日

1950年代の昔、アメリカ政界は、中国を失った人々とレッテルを貼られた国務省の中国通外交官に対する根拠の無い中傷に侵された。もしトランプ政権が現在の路線で進めば、我々は間もなく同様な非難を目にすることになろう。"トルコを失った"と非難される人々は、またしても、本当の犯人ではなく、そういう可能性を警告した人々だ。

クルド人が占拠するシリアの郡アフリン(Efrin)へのトルコ攻撃は、トルコが願ったほど素早く進展していない。作戦の歩兵部隊はシリア内のトルコ代理軍だ。このチェチェン人、ウイグル人、トルキスタン人や他のタクフィール主義者連中は、作戦における使い捨て要員で、軍隊にしっかり統合された連中ではないのだ。

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地元の山地をよく知るクルド人は、しっかり武装しており、戦闘の志気も高い。彼らは当面持ちこたえられるだろう。政治的には、彼らこそ紛争で最も失うものが多い。上記でリンクを貼った記事には、クルドYPG/PKK指導部が、トルコ攻撃を防いでいたはずの、シリアとロシア政府の提案を拒否したしたとある。提案は依然有効だが、クルド人が長く抵抗すればするほど、条件は不利になるだろう。

イライジャ・マグニエは、この提案に関する更なる詳細を公表し戦略的状況を分析している。

アメリカは、トルコ軍の仕事ぶりを興味を持って見守っており、アフリンでクルドの岩にぶつかり、エルドアンが屈辱を受けるのを見たがっている。実際、アメリカ は対戦車兵器を送っており、クルド人はトルコ軍に対して既に効果的に利用している(多くの戦車が、アフリン攻撃時に損傷した)。
    ...
アンカラが["安全地帯"(下記を参照)]というアメリカの魅力的で、寛大な申し出を無視し、トルコ国境にある豊かで、しっかり武装したクルド“国”が見えないのがアメリカには理解できない。実際、アメリカは、アメリカに属さない地域のみならず、北東シリアの、実際にはアメリカ部隊が占領している地域も引き渡すと言っている。

結果のいかんにかかわらず、トルコは、軍事的手段なり、アフリンが[シリア]中央政府の支配下に戻るなりして、クルド人が敗北するまで、作戦を続けるだろうから、アメリカは、この戦いにおける敗者の一人だ。

上記の予測が本当になるだろうとは私は思わない。トルコがまたしてもくら替えし(またもや)シリアでのアメリカによる"政権転覆" の取り組みに加わる可能性が依然ある。

これは、トルコ支持派とクルド派の勢力が対立するアメリカ軍内部の紛争の勝者にかかっている。 親トルコ派が勝てば、エルドアンは新たな取り引きを持ちかけられ、再び現在の親ロシア(親ダマスカス?)姿勢から、親NATO/アメリカ姿勢へとくら替えするよう説得されるかも知れない。(トルコがアメリカ政権と既に秘密の裏取引をしている僅かな可能性もあるが、その兆しは全く見えない。)

シリア紛争の最初から トルコはシリア政府に反対し、アメリカ、NATO、サウジアラビアとカタールとともに動いていた。トルコは"政権転覆"を狙うサウジアラビアとアメリカの立場を支持し、何万人ものテロリストにトルコ国境を通過させ、シリア政府と戦う勢力に何万トンもの武器や補給品を送り込んでいた。最後にロシアが乗り出し、タクフィール主義者連中を打ち破り、トルコに厳しい圧力をかけ、新たな経済商談を申しでた。同時期、アメリカはアンカラ"政権転覆" を企み、シリアとイラクでクルドYPG/PKKと提携した。

エルドアンは、いやいやながら、くら替えし、今は戦争を終わらせるためロシア(とシリア)と協力している。ダマスカス"政権転覆"は、もはや彼が支持しない、可能性の低いシナリオと化した。同時に、いまだに彼は、この戦争で失敗した投資に対し、いくばくか得ようとして、資金と部隊の投入にやぶさかではない。後々拡大トルコとして併合するために、アフリンを占領するのも、こうした動きの一つだ。彼はいまだに更なる領土を狙っているのは明らかだ。アメリカは今シリア国内の安全地帯という形で、多少申し出た。

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Ilhan tanir @WashingtonPoint - 7:50 PM - 2018年1月24日
この地図はシリア国境にトルコが計画した立ち入り禁止地帯/安全地帯としてトルコのTVで終日議論された。
ティラーソン国務長官は承認したと報じられているが、アメリカ側では誰もそれを確認していない

もしアメリカが実際に"安全地帯"提案をしたのであれば - 今日、ティラーソンは、そのような提案をしたことを否定していないが - 反応はむしろ冷淡だった

シリアとの911キロにわたるトルコ国境沿いに“安全地帯”を作るというワシントン提案は、アンカラから冷淡な回答を得て、メブリュト・チャブシオール外務大臣は、そのような軍事問題を議論する前に、同盟国二国間で“信頼を再構築する”ための措置をまず講じるようアメリカを強く促した。
    ...
“アメリカはYPGに武器を供給するのを止める必要がある。トルコの信頼を再構築したいなら、アメリカはYPGにマンビジからの撤退を強いる必要がある … 我々はこれらの約束全てが果たされるのを目にしなければならない”とチャブシオール外相は述べた。

アンカラの最も深刻な安全保障上の懸念は、アメリカが支援する北東シリアでのクルド小国家創設だ。もしアメリカ軍が、トルコ南東部の弱点に、現在、明日、あるいは十年後に侵入しかねないクルド "国境部隊" を構築し、補給し続けるのであれば"安全地帯" など役に立たない。アメリカがこのプロジェクトを止め、地域から撤退しない限り、トルコは、もし必要とあらば武力でも、反対し続けるだろう。

トルコ国民は、アメリカが支援するクルド人に対する戦いを支持しており、そのための代償も辞さない覚悟だ。クルドYPK指導部の要求は妄想的で、自らの政治的立場を買いかぶっている。アメリカは、同盟国トルコと、クルド代理小国家の両方を同時に得ることはできない。アメリカは決断しなければならない。

昨日トランプ大統領とエルドアン大統領は状況について電話会談した。効果はなかった。電話会話についてのホワイト・ハウス発表には、いくつか著しくきつい言葉がある。

ドナルド・J・トランプ大統領は、今日トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と話し合った。トランプ大統領は、シリアのアフリンにおける暴力のエスカレーション、シリアにおける我々の共通の目標をそこなう危険性への懸念を伝えた。彼はトルコに、段階的に縮小し、軍事行動を制限し、民間人の死傷者や、強制移住者や難民の増大を避けるよう強く促した。
    ...
トランプ大統領は、破壊的で、いつわりのトルコ側の言辞と、長期にわたるトルコの非常事態下で拘留されているアメリカ合州国国民や現地従業員への懸念も表明した。

トルコ側は、そのような言葉を否定し、この問題は会談の一部だったと述べた。

アナドル通信の情報源によれば、ホワイト・ハウスの書面の声明は、水曜日のトルコとアメリカ大統領の電話会話で話し合われた真実とは異なっている。

マスコミには話さないという規制のため、匿名を条件に語って、情報源は、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との電話会談中、ドナルド・トランプ大統領は、アフリンでの暴力のエスカレーションに関するいかなる懸念も議論しなかった。
    ...
情報源は、トランプ大統領は "破壊的で、いつわりのトルコ側の言辞"という言葉を使わなかったとも強調した。
    ...
トルコの非常事態継続について議論はなかったとも述べた。

そのような会話内容を巡って議論するのは極めてまれなたとだ。トルコは、ここを曖昧にしているのだろうか、それとも、ホワイト・ハウスの誰かが、会話の表記に電話会話で実際に使われたものよりきつい言葉を入れ込んだのだろうか?

トランプは、概してエルドアンとは良好な関係にあり、文章化された言葉は彼らしくない。トルコ側はこうも言っている。

"対テロ戦争の枠内で、ワシントンはシリア内のPYD/YPGテロリストに武器を提供するのを止めるようにというエルドアン大統領の要求に応えて、トランプ大統領はアメリカ合州国は、もはやPYD/YPGに武器を提供していないと述べた"と情報源は言っている。

既に昨年11月、トルコは、トランプが、東シリアのYPG部隊に武器を送るのを止めると約束したと言っていた。しかしホワイト・ハウスは、この問題については曖昧で、アメリカ軍中央軍は、この約束に反して行動していた。もしマグニエ報告が正しければ中央軍は、対戦車ミサイルも、アフリンのクルド人に送っている。

トルコとクルド人に関して、ホワイト・ハウスと、特にペンタゴンに、異なる意見があるのだろうと私はしばらくの間見ていた。現実主義のタカ派と、NATO支持者はトルコ側で、ネオコン "リベラル"勢力はクルド側だ。昨日、NYTがこの対立に目をつけた

火曜日、ホワイト・ハウスは、トルコ大統領をなだめることを狙って、アメリカ合州国がシリア・クルド人への支援を減らしていることを示唆するメッセージを送った。

このメッセージにはすぐさまペンタゴンが反論し、トルコが北西シリアのクルド人の拠点を侵略する中でも、クルド人側に立ち続けるつもりだと述べた。

外交問題評議会CFRの元会長、リチャード・ハースはクルド寄りの立場に立っている。上記のNYT記事に関連して、彼はこう述べている。

Richard N. Haass @RichardHaass - 12:00 PM - 2018年1月24日
ペンタゴンは正しい。アメリカは、道徳的、戦略的理由から、シリアでクルド人と協力すべきだ。この件ではなくとも、他の違いを巡って、エルドアンのトルコとの関係解消は不可避だ。国防省はインジルリク・アクセスの代案計画考えるべき時期だ。

NATO南方軍にとってかけがえのないのはインジルリク空軍基地だけではない。トルコは黒海へのアクセスも支配しており、南部ロシアやクリミアに対し、ありうるNATO作戦に発言権があるのだ。

ブルームバーグ論説で、元NATO軍最高司令官スタブリディスはトルコ寄りの姿勢をとっている。

現在、ワシントンは、かつての戦闘パートナーのクルド人を支持しながら、トルコとの関係を駄目にしないという隘路を進もうとしている。しかし、活動の余地は狭まりつつあり、選択の時は迫っている。アメリカは何をすべきだろう?
    ...
我々はトルコを"失う"ことはできない
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トルコには、強力で多様化した経済、若く増加する人口があり、第二次世界大戦後時代の大半、アメリカに同調していた。地域的、世界的なトルコの重要性は21世紀中、増大し続けよう。そう、アメリカ高官は国際法や人権を侵害しているトルコの行動を批判できるし、そうすべきだが、少なくとも状況のこの段階では、こっそりとだ。
    ...
トルコをNATOや大西洋圏と連携させておくのが、アメリカの総体的な戦略的利益だトルコを、その軌道から追い出し、レバント地方で、ロシアとイランと提携させるのは、地政学的に壮大な過ちだ

トランプ政権が、実際、親クルド派と親トルコ派の対立の一体どのあたりにあるのかは不明だ。(あるいは至る所混乱しているのだろうか?) 例えば、マティス国防長官はどちら側で、マクマスター国家安全保障顧問は、どちら側なのだろう? この上記NYT記事抜粋からすると、連中は相反する立場にあると考えるしかない。

ホワイト・ハウスは、トルコが激しく反対している、北東シリアにクルド人が率いる軍隊を創設するというアメリカ軍の計画を否定した。
    ...
火曜日、この計画は現場の中堅軍事計画者が言い出したものであり、決して本格的に論議されたり、ホワイト・ハウスや国家安全保障会議の幹部レベルに正式に紹介されたりしてもいないと政権幹部は述べた。
    ...
しかし、火曜日、ペンタゴンは、クルド人が率いる軍隊を作るという判断を支持するという声明を発表した。

NATOのトルコとの関係を論じて、何人かの欧米の "専門家"は現在の状況がNATO にとって打撃なのには合意しているが、誰一人トルコが同盟を離脱するとは予想していない。

NATOはトルコが必要で、トルコを更にロシアの腕の中に追いやるわけには行かない。エルドアンもNATOが必要だ。彼はシリア国内と、クルド人との戦いで、強く出過ぎて、EU中で孤立している。彼のモスクワとの関係は問題が多く、彼はNATO加盟国という立場無しで、プーチンに立ち向かいたくはないのだ。これは本物の戦略的権益に基づいた同盟であり、エルドアンが去った後も長く続くのだ。

そうかも知れない。私はそれほど確信がない。

EUが今一番やりたくない、あるいは必要としていないのはトルコ加盟だ。アメリカは対エルドアン・クーデターを引き起こし、アメリカのクルド・プロジェクトは、トルコの戦略的権益を脅かしている。トランプが、イスラエル-パレスチナ交渉で、エルサレム問題を "話題から外"そうとしていることは、 全てのイスラム教徒にとって侮辱だ。益々イスラム化するトルコは、それを受け入れるまい。トルコの天然ガス供給はロシアとイランに依存している。ロシアはトルコに原子力発電所を建設し、アメリカによる攻撃を防げる防空システムを輸出する予定だ。ロシアやイランや中央アジアやその先の中国はトルコ製品の市場だ。

エルドアンの立場になって考えた場合、私なら、NATOを離脱し、ロシア、中国とイランとの同盟に加わりたい気になる。アメリカが方針を変え、クルド人とばかなまねをするのを止めない限り、トルコは、古い同盟から離脱しようとし続けよう。これまでの所、トルコ軍はNATO離脱を阻止してきたが、筋金入りの反エルドアン派将校たちさえ、今や彼の側に立っている

もしアメリカが、トルコに実のある提案をし、新たな姿勢をとれば、トルコを振り向かせ、NATOの仲間に引き戻せるかも知れない。トランプ・ホワイト・ハウスは、親イスラエル/親クルド勢力に逆らって、そういう現実主義的観点に立ち戻れるだろうか?

もしアメリカがそうできないなら、"誰がトルコを失った?"という疑問の本当の答えは明らかだ。

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2018/01/who-lost-turkey-the-us-kurdish-project-in-syria-endangers-nato-.html
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「砂川事件 60年後の問いかけ」再放送も見てしまった。こういう番組が多ければ、料金を払うのに抵抗はないのだが、砂金のようなもので、圧倒的に少ない。

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