トルコ

2026年6月29日 (月)

対イラン戦争:海峡航路を巡る新たな衝突-新たな内戦を引き起こすレバノン降伏

2026年6月27日
Moon of Alabama

 ここ数日、レバノンとイランで二つの出来事があり、これらが戦争を再燃させて、より大規模な紛争へ発展させる可能性が高い。

 イランはホルムズ海峡の支配権を主張しているが、少なくとも海峡の半分はオマーンの管轄下にある。

 オマーンはイランとは異なり、国連海洋法条約加盟国で、そのために海峡情勢に関する国際法の解釈が違っている。またオマーンは(かつて)イギリスとアメリカの属国だった。伝統的に中立を保ってきたオマーンを自国側に引き込もうとするイランの試みは失敗に終わっている。

 木曜日、ペルシャ湾で数週間立ち往生していた船舶の船団がオマーン沿岸すぐそばを通る海峡を航行できるよう国連国際海事機関(IMO)が手配した。イランはこれを(誤って)アメリカとの覚書違反で(正しく)自国の影響力を弱める試みとみなした。  
国連国際海事機関と協力し、オマーンはペルシャ湾からの船舶避難を目的とする回廊を開設した。しかし、オマーン側で一方通行航行が正規化された以上、それがすぐ双方向通行となり、イランによるホルムズ海峡の支配権が損なわれるのは容易に想像できる。また海峡の南側はオマーン領海であるため、イランがそこで船舶航行を妨害した場合、法的根拠は、レバノン侵攻の際、イスラエルが主張したものと酷似し、安全保障上のリスクという信憑性のない主張に基づいてオマーンの主権を踏みにじれるという主張になるだろう。
 これに対し、IMOが組織した護送船団を利用してペルシャ湾から自力で脱出したシンガポール船籍のコンテナ船を、イランが(大損害を与えない)ドローンで攻撃した。IMO事務局長は記者会見で次のように発表した。  
本日、オマーン湾において、ホルムズ海峡を通過した船舶が攻撃を受けたとの報告を受けた。この船舶はIMOの避難枠組みの対象外だった。私がこれまでも繰り返し述べてきた通り、船員の安全は最優先事項だ。従って、連携する対応と航行の安全を確保するため、状況が更に明確になるまで避難計画は一時停止する。…」
 ドローン攻撃による負傷者はいなかった。船の損傷も軽微だった。

 だが、アメリカはこれまで関与していなかったこの事件を利用して事態をエスカレートさせた。ホルムズ海峡に近いイラン南部の港湾都市シリク近郊のイラン・レーダー施設に複数米軍機がスタンドオフ・ミサイル攻撃を行った。

 昨夜、報復攻撃を行ったとイランが発表した。  
イスラム革命防衛隊(IRGC)海軍は、イラン沿岸地域に対する以前の攻撃への報復として、同地域の米軍標的を攻撃した。

 金曜日に発表した声明で、報復攻撃は「この地域における米軍テロリスト部隊の展開拠点を標的とした」と同部隊は述べた。

 同報告書は、今回の報復は、アメリカがイラン沿岸地域に対し空爆を行った後に行われたもので、これはアメリカが「約束を破る変わらないパターン」の一環だと指摘した。

 声明によると、攻撃を行うにあたりワシントンは「ホルムズ海峡における非準拠船舶の無許可航路通過など様々な口実を用いた」という。
 イラン軍が、どの米軍施設を攻撃したのか、また攻撃によってどのような被害が出たのかはまだ分かっていない。

 被害が軽微なら、アメリカは当面(再び)報復措置を停止するかもしれない。事態は一時的に沈静化する可能性がある。

 だがレバノンでの情勢の推移は事態がかなり急速に再燃する可能性を示唆している。

 簡単に背景を説明すると、パレスチナ人住民追放と避難によるパレスチナ人の大惨事ナクバと、1968年のアラブ戦争でのイスラエルに対する敗北後、多くのパレスチナ人がレバノンに逃れた。これにより、それまでキリスト教徒が多数を占めていたレバノンの人口構成が変化した。レバノンは、キリスト教徒、ドゥルーズ派、スンニ派、シーア派といった様々なイスラム教徒の派閥間内戦に陥った。

 パレスチナ解放機構(PLO)は拠点を築き、レバノン南部をイスラエルへの攻撃拠点として利用した。1983年、イスラエルはレバノンに侵攻し、ベイルートを占領した。狙いはPLOを打倒し追放することだったが、即座に多宗教国家レバノン国民の大多数から憎まれることとなった。南部で多数派を占めていた貧困にあえぐシーア派は、イスラエルに友好的だった立場から、たちまち最大の敵へ転じた。

 アメリカが介入し、マロン派キリスト教徒側につく「平和維持部隊」を派遣した。アメリカ、フランスや他の「平和維持部隊」兵舎は自爆テロの標的になった。アメリカは撤退した。イスラエルは独自代理勢力を派遣したが、勢力を拡大するシーア派抵抗勢力に敗北した。2000年になって、シーア派抵抗勢力の強い圧力の下、ようやくイスラエルは南レバノンの拠点を撤退した。

 内戦は終結した。政治権力は分裂し、各勢力がそれぞれ一部を掌握した。移住により大幅に勢力を縮小していたキリスト教徒勢力は依然支配的地位を維持したが、現在多数派になっているシーア派は過小評価されたままになった。

 近年、シーア派のアマル派とイランと同盟関係にあるシーア派ヒズボラ間の些細な対立からマロン派キリスト教徒の元将軍ジョセフ・アウンの下、代表性がない政府が樹立された。

 対イラン戦争と並行して、レバノン南部をイスラエルは再侵攻した。イランは覚書を通じて、ホルムズ海峡再開の条件としてイスラエルのレバノンからの撤退を定めたが、レバノン政府はアメリカ制裁の圧力下、アメリカとイスラエルに身を売ることで独自の解決策を見出そうとした。

 昨日、レバノン政府は、アメリカ、イスラエルとの三者協定に署名した。この協定により、イスラエルはシーア派住民を一掃した約60の町を含むレバノン南部を支配し続けることが可能となる。またレバノン政府は、ヒズボラの武装解除を義務付けられているが、これは実現不可能で、一方、イスラエルは無期限駐留を続けることが認められる。

 この合意(およびレバノン法における違法性)に関するより詳細な分析は、こちらこちら、そして特に、こちらをご覧願いたい。  
レバノンは、国内主要勢力に対し、外部勢力が容易に安全保障体制を押し付けられる場所ではない。1983年当時も不可能だったし、今日も不可能だ。

 1983年5月17日の合意は、正当性を欠き、占領と結びついており、また受け入れると予想されていた人々が拒否する能力を持っていたため葬り去られた。ワシントンの枠組みは、全く同じではないかもしれないが、同じ弱点を抱えている。ヒズボラの同意なしに、ヒズボラ武装解除に依存している。レバノンの政治的合意なしに、レバノン軍による強制執行に依存している。アメリカの偏向にもかかわらず、アメリカの仲介に依存している。撤退を遅らせる権限をイスラエルに与えながら、イスラエル撤退に依存している。

 それは和平過程ではない。管理された危機だ。
 それだけではない。ここでのイスラエルの明確な意図は、レバノン内戦を再燃させることで、実際、成功する可能性が高い。
Elijah J. Magnier 🇪🇺 @ejmalrai – 2026年6月27日 8:54 UTC

 イスラエル占領軍がレバノン南部占領地域に長期駐留するのをレバノン抵抗勢力は決して容認しない。その対応がいつなされるにせよ、権限を持っていないにもかかわらずジョセフ・アウン大統領が、イスラエルとの敵対状態を解除し、60近くの村の住民が自宅に戻るのを阻止する、いわゆる「緩衝地帯」を受け入れた決定で引き起こされた、正当性の危機を浮き彫りにすることになろう。
 レバノンに関する合意は、1980年代の状況の再来を招くだろう。1983年と同様、これは住民の意思に反して紛争を解決しようとする、残忍だが無益な試みになるだろう。内戦が勃発し、米軍の介入が続く。おそらく数年後、ヒズボラに敗北し、イスラエル軍撤退で終結するだろう。

 この合意が、レバノンだけでなく、より広範な中東地域における更なる戦争につながる可能性が高いことをアメリカとイスラエルの観察者たちが認めている。  
これはまさに平和とは正反対のものだ。

 対イラン戦争終結に向けた交渉がまさに進行中で、イランとの60日間の停戦合意(成功すればレバノンでの戦闘は終結する)の最中に、この合意を介入させることで、我々は今日ワシントンで署名したこれらの文書により、停戦を維持し最終的解決に達するのをほぼ不可能にし、結果として戦争の可能性を高めることになる。
 イスラエルはレバノン内戦を再開させ、アメリカを通じて対イラン戦争を再び激化させる一方、既に次の標的に照準を定めている。  
イスラエル科学技術大臣、ギラ・ガムリエル

 「イラン政権が崩壊した後、オスマン帝国の野望が立ちはだかり、彼らは勢力拡大と影響力拡大を目指すだろう。」

 国境を越えて勢力を拡大し、独自の構想に基づいて地域を先導しようという野心を持つトルコが、イスラエル国民にとって将来的に本物の脅威になるのは疑いの余地がない。

 イスラエルは常にあらゆる脅威に備えており、トルコが将来的に脅威となり得る戦線になりつつあることに疑いの余地がない。
 これに対し、スンニ派のNATO加盟国トルコは、さりげなくシーア派神学を尊重して応じている。  
今週のエルドアン大統領

 「カルバラーの殉教者たちを私は慈悲と敬意をもって追悼する。我々は、我々の師フサイン・イブン・アリーと仲間が殉教した悲しみを、あの日とまったく同じように、丸14世紀にわたって感じ続けてきた。」
 将来、ヒズボラの兵站がトルコを経由するニュースが報じられても驚かないように。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/06/war-on-iran-new-clash-over-strait-passage-lebanons-capitulation-ignites-new-civil-war.html

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 植草一秀の『知られざる真実』
杉並市長選で自民大惨敗

2026年5月 8日 (金)

エネルギーを巡る激震:ウクライナと対イラン紛争がヨーロッパの未来をどのように変えたのか



ロレンツォ・マリア・パチーニ
2026年5月6日
Strategic Culture Foundation

 根本的な問題は、ヨーロッパが産業基盤と国際経済システムにおける地位を永久に失うことなく、エネルギー危機を乗り越えられるかどうかだ。

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全身性エネルギー・ショックの解剖学的構造

 2021年から2024年にかけて、欧州のエネルギー・システムは、戦後大陸の経済史において未曾有の急速かつ衝撃的な変革を遂げた。2022年2月のロシアによるウクライナへの特別軍事作戦、それに伴う制裁措置、モスクワによるエネルギー面での報復と、中東の海上輸送ルートにおける構造的緊張が重なり、いわば二重の地政学的・エネルギー的ショックが発生した。すなわち、欧州の主要化石燃料供給経路である東側のロシア回廊と、南東側のペルシャ湾回廊が同時に寸断されたのだ。

 この危機の規模を理解するためには、まず危機以前の状況を明確に把握する必要がある。2021年、欧州連合はロシアから約1,550億立方m(Bcm)の天然ガスを輸入し、これは総需要の45%を占めた(ユーロスタット、2022年)。ロシアからの原油輸入量は1日あたり約270万バレルで、総輸入量の27%を占めた。ロシア産石炭は欧州の輸入量の46%を占めた。合計すると、ロシアはEUの一次エネルギー消費量の約24%を供給していたと推定され、これは現代世界において、他のどの同盟体制にも見られない依存度だ。

 同時に、欧州の液化天然ガス(LNG)輸入量のかなりの部分、そして増加傾向にある部分は、ペルシャ湾岸地域、特にカタールから来ており、現在もその傾向は続いている。これらの供給は、欧州の再ガス化港に到達する前に、ホルムズ海峡と紅海を経由しなければならない。2023年末に始まったイエメン危機と紅海におけるフーシ派の作戦は、数十年間、理論上の問題にとどまっていた脆弱性を具体的現実に変えてしまった。

 ロシアやイランからのエネルギー供給ルートに代わる、ヨーロッパのエネルギー供給ルートの現状はどのようなものか。こうした代替経路への強制的移行がもたらす本当の代償は、価格面だけでなく、産業競争力、インフレ、社会安定性といった面で、どのようなものか。そして、今後10年から15年間に、ヨーロッパのエネルギー・システムの構造的回復力に関して、具体的見通しはどうなっているのか。
 
主要な事実

 2021年、ロシアは欧州連合が輸入するガスの45%、石油の27%、石炭の46%を供給していた。これらの供給がほぼ同時に途絶えたことは、1973年以来、欧州大陸史上最大のエネルギー供給ショックとなった。
 
2. ヨーロッパのエネルギー輸送経路の地理と内訳

2.1 2022年以前のシステムの構造

 1990年から2020年までの30年間に構築された欧州のエネルギー供給システムは、戦略的多様化より経済的安定と費用削減を優先するロシアとのインフラ統合という論理に基づいていた。ロシア・ガスは、主に3つの回廊を中心としたパイプライン網を通じて欧州に供給されていた。

 北ヨーロッパ回廊(ノルドストリーム1号線と2号線、総容量110Gmc/年)、ウクライナ送電システムを経由するウクライナ回廊(近年は約40~45Gmc/年)、およびトルクストリームとバルカンシステムを経由する南部回廊(約30Gmc/年)。

 このシステムには明確な経済的利点があった。危機以前のロシア・パイプラインガスの価格は1メガワット時(MWh)あたり5~10ユーロだったのに対し、中東やアメリカからのスポットLNGは10~15ユーロだった。統合は深く、長期契約(通常15~25年)によって欧州の買い手には予測可能性が保証され、ロシアの予算には安定収入が確保された。このシステムの論理は、国際関係論者が「複雑な相互依存」と呼ぶものだった。相互依存の関係にあるため、紛争は双方にとって、経済的に非合理的なものになるはずだった。
 
ロシア回廊の崩壊:その力学とタイミング

 崩壊は瞬時に起きたのではなく、徐々にエスカレートする過程をたどり、欧州の対応を更に困難にした。ロシア特別軍事作戦数ヶ月前の2021年夏には、ガスプロムは自社の貯蔵備蓄を低く抑えつつ、欧州への供給量を削減していた。多くの専門家(Pirani、2022年、Oxford Institute for Energy Studies、2022年)は、これを冬に備えて価格をつり上げ、欧州の備蓄を弱体化させるための意図的な戦略だと解釈していた。2022年2月~3月に制裁が始まると、供給量は徐々に減少した。ノルド・ストリーム1は2022年6月に容量の40%に、7月には20%に削減され、2022年8月には完全に停止した。公式にはタービンに関する技術的紛争が原因とされているが、事実上、制裁への対応だった。

 決定的な出来事は、2022年8月にノルドストリーム1号線と2号線のパイプラインが破壊されたことで、これは破壊行為で、責任は国際調査の対象になっているが、これにより、これら回廊の喪失は短期から中期的に物理的に不可逆となった。ウクライナ回廊は別の輸送協定の下で運用が続けられたが、この協定は2024年12月31日に期限切れとなり、ウクライナは更新しないことを選択した。トルコ・ストリームは引き続き稼働しているが、主にバルカン半島とトルコの市場に供給している。全体的影響として、ロシアからEUへのガス供給量は2021年の155 Gmcから2023年には約25 Gmcに減少し、僅か2年間で130 Gmcの純損失となった(IEA、2024年)。  
ペルシャ湾ルートの脆弱性

 ホルムズ海峡は、航行可能な最小水路幅が約33キロで、世界のエネルギー・システムにおいて最も重要な輸送拠点だ。

 ホルムズ海峡は、1日あたり約2,000万~2,100万バレルの石油および精製製品が通過し、世界の石油消費量の約21%を占めるとともに、世界LNG貿易の相当部分を占めている(EIA、2023年)。ヨーロッパにとって、ホルムズ海峡の重要性は2022年以降劇的に高まっている。ロシア産ガスを、カタール産LNG(カタールは世界第2位のLNG輸出国)に置き換えることで、ヨーロッパはエネルギー依存の一部を、地政学的にリスクの高い東側回廊から、地政学的に脆弱な南東側の別回廊へ移した。

 2023年11月にガザ紛争への対応としてフーシ派が海上交通を攻撃したことから始まった紅海危機は、この理論上の脆弱性を具体的運用上の問題へと変えた。危機のピーク時にはスエズ運河の交通量が40~50%減少した(Kpler、2024年)。そのため、多くの船舶が喜望峰を迂回する航路を取らざるを得なくなった。この代替航路は航海に10~14日余計にかかるため、輸送費、保険料、設備投資費用が増加する。

 2022年以前、ロシア産ガスの欧州における価格は5~10ユーロ/MWhだった。代替品として用いられるアメリカ産またはカタール産LNGは、通常の市場状況下では10~20ユーロ/MWhで安定しており、2022年8月には投機的高騰で340ユーロ/MWhに達した。この構造的価格差こそが、欧州の競争力問題の根源だ。
 
代替エネルギー経路:現実、可能性と限界

 2022年から2023年にかけて、アメリカは欧州へのLNGの主要供給国となり、欧州大陸への輸出量は危機以前の期間と比べて2倍以上に増加した。2021年の約22Gmcから2023年には56Gmc以上になった(アメリカ・エネルギー情報局、2024年)。この増加には、ルイジアナ州とテキサス州で承認された新施設によるアメリカの液化能力拡大と、欧州での再ガス化ターミナルの建設またはチャーターを急ぐことが必要だった。2021年にはLNGターミナルがなかったドイツは、2022年12月から2023年半ばにかけて4基の浮体式ターミナル(FSRU)を稼働させ、総容量は約20Gmc/年となった。

 だがアメリカ産LNGには構造的制約があり、ロシア産ガスを完全に代替するのは困難だ。まず価格の問題だ。アメリカ産LNGには液化、大西洋横断輸送、保険、再ガス化の費用が含まれるため、パイプラインガスより構造的に高価になる。

 第二に、契約の柔軟性の欠如:アメリカ産LNGの長期契約のほとんどは「仕向け地指定なし」条項を課しているものの、価格決定メカニズムはアメリカのヘンリーハブ市場に連動しており、欧州のニーズとのずれを生じさせている。第三に、輸送能力:世界のLNGタンカー船隊は、これまでパイプラインで輸送されていた量を完全に代替できるほど十分な規模ではなく、船隊を急速に拡大するには、1隻あたり3~5年の建造期間が必要になる。

 カタールは2022年から2023年にかけて、ドイツ、フランス、ベルギー、イタリアを含む複数欧州諸国と長期契約を締結した。これらの契約は通常15年から27年間続き、ある程度の予測可能性をもたらす一方、2つの根本的問題を抱えている。1つ目は地理的な集中だ。カタールのLNG輸出は全てホルムズ海峡を経由しなければならず、本来軽減されるはずだった地政学的脆弱性がそのまま残ってしまう。海峡での軍事危機や(テヘランが頻繁に発動する抑止措置)イランによる封鎖は、カタールのLNGと湾岸諸国の石油の欧州供給を同時に混乱させるだろう。

 2つ目の問題は、カタールLNGを巡るアジア市場との競争だ。中国、日本、韓国は伝統的にペルシャ湾からの輸出の大部分を吸収しており、カタールの拡張能力(2027年までに輸出能力を年間7700万トンから1億2600万トンに増加させるノースフィールド拡張プロジェクト)は、ウクライナ危機以前に締結された契約を通じて、既に一部がアジア市場に先行販売されている(カタール・エネルギー、2023年)。

 ノルウェーは2022年以降、ヨーロッパへのパイプライン・ガスの主要供給国となり、輸出量は2021年の約113億立方mから2023年には122億立方m以上に増加した(NPD、2024年)。しかし、ノルウェーのガス田は既に最大生産能力に近づいており、新たなパイプライン建設には時間と投資が必要で、短期的には不足分を補えない。アルジェリアは、メドガス(スペイン)とトランスメド(イタリア)のパイプラインを経由してヨーロッパにガスを供給しており、量は年間約30~35億立方メートルで安定している。ここでも拡張能力は地質的制約と、新たなガス田の開発に多額の投資が必要なことから制限されている。

 南部ガス回廊は、アゼルバイジャンのカスピ海ガス田と、TAP(トランスアドリア海パイプライン)を経由してジョージア、トルコ、ギリシャ・イタリアを結び、ヨーロッパと繋がっている。

— 2021年に年間約100億立方mのフル稼働能力に達した。2022年7月、アゼルバイジャンはEUと、2027年までに輸出量を年間200億立方mに倍増し、更に300億~350億立方mまで拡大する協定を締結した。この回廊は、ロシアやホルムズ海峡に依存しない利点があるが、その能力は欧州の需要やロシアの供給不足に比べると依然限定的だ。  
欧州産業にとってのエネルギー・ショックの本当の費用

 天然ガスの欧州における主要指標TTF(Title Transfer Facility)指数は、2022年に未曾有の変動を経験した。1月には約75ユーロ/MWh(過去の平均の4倍)で始まり、2022年8月には340ユーロ/MWhのピークに達したが、貯蔵施設の満杯、暖冬、産業需要の減少といった要因が重なり、徐々に下落した。2023年には、TTFは35~60ユーロ/MWhの範囲で安定したが、それでも危機前の水準の2~3倍で、欧州の生産コストに恒久的影響を与えている。

 電力に関しては、欧州市場の構造が影響を増幅させた。欧州市場では「限界価格設定」メカニズムが採用されており、電力価格はピーク需要時に稼働する限界発電所(通常はガス火力発電所)により決定される。その結果、産業用電力価格は2022~2023年に欧州のいくつかの国で300~400ユーロ/MWhまで上昇した(ユーロスタット、2023年)。これは危機前の平均60~100ユーロ/MWhと比較して大幅な上昇だ。

 エネルギー危機の影響を最も受けているのは、エネルギー集約型産業で、エネルギー費用が総生産費用のかなりの割合(通常15~40%)を占めている。欧州鉄鋼業界は、鉄鋼生産量を2021年の1億5200万トンから2023年には1億2900万トンに削減し、生産能力の約15%を失った(WorldSteel、2024年)。一次アルミニウム生産量は、ドイツ、フランス、スペインの多数の電解工場が一時的または恒久的に閉鎖されたことにより、約25%減少した(European Aluminium、2023年)。

 化学産業は、ドイツを中心地とし、同国のGDPの3%以上を占めているが、2022年には生産量が12%減少し、2023年には更に8%減少した(VCI、2023年)。特に深刻なのは、窒素肥料の原料となるアンモニアの生産だ。ヨーロッパのほとんどの工場は原料として天然ガスを使用しており、コスト上昇により、ヨーロッパの生産は中東やアメリカに比べて競争力を失っている。多くの肥料メーカーが生産量を削減したり、海外からアンモニアを輸入したりしており、農業サプライチェーンに波及効果をもたらしている。

 イタリア、ドイツ、スペインが世界をリードするセラミックス・ガラス産業は、生産工程のエネルギー集約度(窯の温度が1200~1700℃)の高さから壊滅的影響を受けている。イタリアの業界団体(Confindustria Ceramica)は、2022~2023年の期間に、トルコ、中国、インドの生産者に対する競争力が30~40%低下すると予測している(Confindustria Ceramica、2023年)。

 エネルギー危機の影響は製造業にとどまらず、インフレを通じて経済全体に波及した。ユーロ圏の総合消費者物価指数は2022年10月に10.6%のピークに達し(ECB、2022年)、単一通貨導入以来の最高水準となった。このインフレのほぼ半分はエネルギー関連要因によるものだったが、食料、輸送、サービスなどの価格上昇といった二次的影響は経済全体に広がった。

 家計の購買力低下は、経済的影響だけでなく、政治的、社会的な影響も及ぼし、ロシアへのエネルギー依存モデルを構築・擁護してきた欧州機関や各国の政治エリートに対する不満を煽った。エネルギー分析において、しばしば見落とされがちな社会的結束という側面は、あらゆるレジリエンス戦略の長期的な政治的持続可能性を理解する上で極めて重要だ。脆弱な家計や、最も影響を受けやすい産業部門に対する適切な補償制度がなければ、エネルギー転換の資金調達に必要な合意形成が損なわれる恐れがある。

 2023年における欧州と中国の産業用電力費用の差は約5対1だった。欧州と(IRAとシェールガスの恩恵を受けている)アメリカの差は約3.5対1だった。この構造的格差により、欧州製造業の多くの分野が国際比較において競争力が欠如している。
 
レジリエンスの可能性:新たな欧州エネルギー・システムに向けて

 ロシアとイランの二重ショックに対する長期的構造的対応策は、再生可能エネルギーへの移行を加速させて、化石燃料輸入への依存度を低減すること以外にあり得ない。これは理想論的な目標ではなく、国家安全保障のあらゆる面において必要不可欠なことだ。2035年までに欧州が電力の70~80%を再生可能エネルギー源から発電するようになれば、化石燃料の輸入への依存度は2021年と比較して60~70%減少し、エネルギー供給ルートの危機に対する構造的な脆弱性が効果的に解消されると国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は推定している(IRENA、2024年)。

 この方向での進展は既に著しい。2023年には、史上初めて再生可能エネルギー源(風力、太陽光、水力)が欧州の電力生産量の44%以上を占め、ドイツ、スペイン、デンマークではピーク時に50%を超えた(Ember、2024年)。EUにおける太陽光発電設備の設置容量は、2023年だけで約56GW増加し、これは過去最大の年間増加量となった。洋上風力発電は、コストが急速に低下しており、2030年までに北欧諸国や沿岸諸国で主要な発電源となる見込みだ。

 しかし、再生可能エネルギーへの移行には、依然として部分的にしか解決されていない2つの根本的な問題、すなわち断続性(太陽光発電は日中のみ、風力発電は風がある時のみ発電する)と季節規模のエネルギー貯蔵に対する解決策が必要だ。リチウム・イオン電池は日々の変動を管理するには十分だが、エネルギー需要が最も高く太陽光発電量が最も低い冬季の再生可能エネルギー生産不足を補うには不十分だ。グリーン水素(再生可能電力を用いた水の電気分解により生成される)は、季節的エネルギー貯蔵と高温を必要とする産業プロセスの脱炭素化にとって最も有望な解決策のように見えるが、産業規模での導入には依然多額の投資と技術革新が必要だ。

 2022年以降の欧州のエネルギー情勢における最も重要な展開の一つは、低排出で信頼性の高いエネルギー源としての原子力発電の再評価だ。2011年の福島原発事故以降、ベルギー、ドイツ、スイスなど欧州諸国のエネルギー政策を支配していた反原発パラダイムは、エネルギー危機により根本的に覆された。ドイツは、原子力発電所、最後の3基の運転期間を2023年4月まで延長した(その後、物議を醸す決定で、更なる延長の選択肢を放棄した)。ベルギーは2023年に、原子炉の閉鎖を10年間延期すると決定した。通常、国内電力生産の70~75%を賄う56基の原子炉を保有するフランスは、新たに6基のEPR2型原子炉を建設する計画を開始した。

 欧州レベルでは、いわゆる小型モジュール式原子炉(SMR)への関心が高まっている。SMRは、従来の大型原子炉に比べて建設コストが低く、建設期間も短い小型のモジュール式原子炉だ。ポーランド、チェコ共和国、ルーマニア、スウェーデンなど、いくつかの欧州諸国は、2030年から2035年までにSMRを建設するための評価プロセスや商業契約を開始している。原子力発電が、安定した信頼性の高い低排出電力供給基盤を提供できるのであれば、欧州のエネルギー・レジリエンス戦略において不可欠な柱になるだろう。

 エネルギー効率化による需要削減は、再生可能エネルギーの拡大と並んで、2022年の危機に対する最も迅速に実施された対応策だった。EUにおける天然ガス需要は、2022年に13%、2023年にさらに7%減少し、合計で2021年より約55GMc減少した。この減少は、ロシアからの供給なしで冬を乗り切るために必要な量を上回るものだった(IEA、2024年)。この減少は、個人の行動(建物の暖房を減らす、サーモスタットの設定温度を下げる)、産業対策(ガスを他のエネルギー源に置き換える、生産量を減らす)、および公共政策(啓発活動、建物の改修に対する税制優遇措置)の組み合わせによって達成された。

 更なる効率向上の可能性は非常に大きい。欧州の建物の約75%がエネルギー効率が悪いとされているが、これらの建物のエネルギー改修により、暖房用エネルギー消費量を40~60%削減できると推定されている(欧州委員会、2023年)。2022年5月に採択されたREPowerEU計画では、エネルギー転換を加速するために3,000億ユーロが割り当てられ、そのかなりの部分が建物と産業の効率化に充てられている。

 今回の危機は、欧州エネルギー体制のインフラ面における脆弱性だけではなく、エネルギー安全保障ガバナンスにおける制度的弱点も浮き彫りにした。エネルギー政策は、これまで各国の専権事項で、欧州レベルでの調整は域内市場の一般原則に限られていた。その結果、各国はそれぞれ異なるエネルギー依存度を抱え、脆弱性のレベルも大きく異なっている。例えば、ドイツはガス輸入の55%をロシアに依存している一方、スペインはLNGターミナルのおかげで、ほぼ完全にエネルギー源を多様化している。

 今回の危機への対応は、緊急事態下における協調能力(2022年夏にガス消費量を15%自主的に削減するという欧州の合意は維持された)と、分断されたガバナンス限界の両方を示した。自動的な連帯メカニズム、共有の戦略的貯蔵、LNGの一元的契約といった、本当の共通欧州エネルギー政策は、将来の危機発生時の集団的脆弱性を大幅に軽減できるだろう。国際エネルギー機関(IEA)と同様の権限を持ち、加盟国に対して拘束力を持つ欧州エネルギー機関(EEA)設立案は、欧州大陸の政治議論に再び力強く浮上しており、真剣に検討されるべきだ。

 欧州が現在のペースで再生可能エネルギーの拡大を維持し、REPowerEUで概説されているエネルギー効率化計画を実施すれば、2035年までにガス輸入への依存度は年間300GMc(2021年)から年間100GMc未満に低下し、エネルギー供給経路の危機に対する脆弱性の大部分を構造的に解消できる可能性がある。
 
2035年までの欧州のエネルギー安全保障に関する3つのシナリオ
 
シナリオA ― 回復力の加速

 最初のシナリオでは、欧州は2023年に記録した再生可能エネルギー拡大のペースを維持し、建物の改修プログラムを加速させ、蓄電(バッテリー、水素、揚水発電)に多額の投資を行い、原子力発電容量を維持または拡大する。このシナリオでは、2035年までに、化石燃料は欧州の一次エネルギー構成の30%未満を占めることになる。ガス輸入への依存度は年間80~100 GMcに低下し、その全てがロシア以外の供給源(ノルウェー、アルジェリア、アメリカLNG、アゼルバイジャン)で賄われる。中東の供給経路における危機に対する脆弱性は大幅に軽減され、再生可能エネルギーのコスト低下により、産業用エネルギー費用は、アメリカと同等の競争力を持つようになる。
 
シナリオB ― 段階的移行と残存する脆弱性

 2番目のシナリオ(現在の傾向に基づくと最も可能性が高いシナリオ)では、欧州は化石燃料への依存度を低減するものの、そのペースは当初の目標より遅くなる。官僚的障害、加盟国間の規制上の対立、新規風力発電所に対する地域住民の反対、送電網投資の遅れなどが移行を遅らせる。ガス輸入への依存度は2035年までに年間150~180 GMcの範囲にとどまり、そのかなりの部分が脆弱な航路(ホルムズ海峡、紅海)を経由して輸送される。欧州は、2022年より対応手段は発達しているものの、依然エネルギー危機に繰り返し直面することになる。  
シナリオC ― 断片化と後退

 3つ目のシナリオでは、移行コスト、インフレ圧力、共通エネルギー政策に反対する民族主義勢力の台頭によって引き起こされる国内政治危機が、欧州のエネルギー政策の分断を招く。各国は代替供給国と二国間協定を締結し(ウクライナでの停戦時にはロシアからの供給を部分的に再開する可能性もある)、欧州の協調体制を放棄する。このシナリオでは、集団的脆弱性は依然高く、供給国に対する欧州の交渉力は大幅に低下する。  
ヨーロッパのエネルギー存続は可能だが保証されているわけではない

 2022年から2024年にかけて、欧州は1973年の石油危機以来最も深刻なエネルギーショックに見舞われた。これは、30年以上にわたるロシア・エネルギー供給依存により生じた構造的脆弱性の下で起きた。だが供給源の多様化、LNGインフラの建設加速、需要削減、再生可能エネルギーの拡大といった迅速な対応により、多くの人が懸念していた大規模な配給制や産業停電を回避できた。これは決して小さな成果ではなく、欧州経済と諸機関が圧下で迅速に適応できる能力を示したものだ。

 だが、急激な衝撃を乗り越えたからといって、構造的問題が解決するわけではない。欧州は、一つの依存(パイプライン経由のロシア産ガス依存)を、部分的に異なる複数の依存(アメリカ産LNG、カタール産LNG、総需要を満たすには不十分な再生可能エネルギー)に置き換えたが、その中にはホルムズ海峡や紅海といった地政学的に脆弱な航路を通るものもある。

 アジアやアメリカの企業とのエネルギー費用差は依然大きく、戦略的分野における静かな脱工業化につながるリスクがある。

 長期的回復力の可能性は存在し、具体的に達成可能だが、そのためには当然とは考えられないいくつかの要素が揃う必要がある。すなわち現在のペースより高い割合で再生可能エネルギーへの投資を継続すること、季節的蓄電問題を解決すること、原子力発電能力を維持すること、本物の共通政策に向けた欧州のエネルギーガバナンス改革と、移行を政治的に持続させるために必要な社会的結束を維持する家計や脆弱な部門への支援体制だ。

 根本的な問題は、ヨーロッパがエネルギー危機を乗り越えられるかどうかではない。乗り越えられるのは確実だ。問題は、産業基盤と国際経済体制における地位を永久に失うことなく乗り越えられるかどうかだ。答えは、今後3年から5年の間に欧州機関と各国政府が下さなければならない政策選択にかかっている。歴史は、この好機をいつまでも維持してくれるとは限らない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/05/06/the-energy-smash-how-ukrainian-and-iranian-conflicts-have-reshaped-the-european-future/

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 東京新聞 夕刊 一面  
 米イラン 海峡で攻撃応酬

 トランプ氏「停戦継続」

2026年4月23日 (木)

イスラエルの安全保障ドクトリンはなぜトルコを標的にし始めたのか?



ロレンツォ・マリア・パチーニ
2026年4月20日
Strategic Culture Foundation

 イスラエルとトルコの対立を単なる偶発的紛争と解釈するのは誤解を招く。

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予防の論理

 トルコがイスラエルにとって戦略的に重要な存在として認識されるようになった理由を理解するには、まず方法論的な前提から始める必要がある。中東における安全保障ドクトリンは、差し迫った脅威への対応のみに基づいて策定されるのではなく、主に将来の勢力均衡を見据えて策定される。この観点からすると、安全保障とは単なる国境防衛ではなく、イスラエルの行動の自由を制限したり、既存の戦略的均衡を覆したりする可能性のある地域勢力の出現を阻止する能力を意味する。

 今日、イスラエルの言説の一部では、トルコは単なる複雑な隣国としてではなく、自律的な野心を持つ台頭する地域大国として捉えられている。この進展は重要だ。なぜなら、イスラエルの安全保障の論理において、ある主体が脅威となるのは、直接的敵意を示した時だけではなく、イスラエルの作戦上の余地を制限するのに十分な軍事力、地政学的影響力、戦略的深みを獲得した時にも脅威となり得るためだ。

 イスラエルの安全保障ドクトリンは、歴史的に予防的な姿勢と結びついており、脅威が本格的な敵対行為に発展する前に無力化する必要性に基づいている。この枠組みは、様々な戦域や敵対勢力に対して長年にわたり適用されてきたが、他国の勢力拡大は、たとえそれが直接的かつ差し迫った脅威にまだ至っていない場合でも、潜在的な長期的リスクとみなされる傾向がある。

 この文脈で、問題となるのは、ある主体が現在何をしているかだけでなく、その能力をさらに強化した場合に将来何をする可能性があるかという点だ。従って、イスラエルにとって、戦略分析は、意図の評価だけでなく、潜在能力の評価も含む。そのため、地域における勢力均衡に影響を与えたり、代替的な同盟関係を支援したり、イスラエルの軍事的優位性を制限したりできる国家や組織に注目が集まるのだ。

 トルコは、決定的な地理的位置、高度な軍事機構、そして益々強硬な外交政策という3つの重要な要素を兼ね備えているため、この枠組みに益々適合しつつある。レバント、東地中海、黒海、そしてコーカサスにおいて同時に活動できる能力を持つトルコは、単一の二国間関係に還元できない地政学的アクターとなっている。
 
イランからトルコへ

 長年にわたり、イランはイスラエルにとって戦略的脅威の主要なモデルとして位置づけられてきた。しかし、イスラエルの言説においてトルコの重要性が高まっていることは、単純なイランの代替を意味するのではなく、むしろ体制的な自律性を構築できると認識されている別の地域当事国に対する、同じ封じ込め論理の延長線上にあると言える。

 ナフタリ・ベネット発言とされる「新たなトルコの脅威」が出現しており、イスラエルはテヘランとアンカラ両方に対して同時に行動を起こすべきだという声明は、修辞的価値よりも、つい最近まで他の地域的敵対国に限定されていた安全保障用語にトルコが加わったことを示唆する点で重要だ。同様に、イスラエルの評論家やメディア関係者が提示する解釈は、特にアンカラが軍事力を強化し、代替的な地域協力関係を固めている現状において、トルコの潜在力を過小評価してはならない必要性を強調している。

 したがって、最も重要な変化は概念的なものだ。トルコはもはや目先の行動だけでなく、地域秩序の変革における潜在的構造的要因として捉えられるようになった。この観点から見ると、イスラエルとトルコの緊張関係は外交上の問題ではなく、より広範な地域覇権争いの反映だと言える。
 
東地中海とシリア

 この対立の主要な舞台の一つが東地中海だ。イスラエルはギリシャおよびキプロスとの協力を段階的に強化し、トルコの地域における活動に起因する懸念にも対処する安全保障軸の形成に貢献してきた。エネルギー問題、海上航路の支配、排他的経済水域の画定といった問題は、東地中海を、政治的利害関係の大きい戦略的競争の場へと変貌させた。

しかし、シリア情勢は依然として最も微妙な問題だ。2024年12月のアサド政権崩壊後、国内勢力図は急速に変化し、トルコとイスラエルの作戦の重複は誤算のリスクを高めている。一方で、アンカラは自国の存在感を強化し、南部国境沿いに敵対勢力が出現するのを阻止しようとしてきた。他方、イスラエルは制空権の維持と、敵対的とみなされるインフラへの攻撃能力の確保を求めてきた。

 このシナリオにおける問題は、単に二国間の相違ではなく、相容れない二つの安全保障構想の衝突にある。トルコは、安定と影響力を発揮できる戦略的深みを目指している一方、イスラエルは、自国の活動領域に影響を与えるほど勢力を統合できる勢力が存在しない、分断された周辺環境を好む傾向がある。

 トルコがイスラエルの戦略的注目の的となるかどうかは軍事力の進化にも左右される。トルコ軍の近代化、ミサイル開発、ドローンの広範な使用や自律的地域投射能力獲得への意欲は、アンカラを現状変更勢力、あるいは少なくともイスラエルの国益に沿わない勢力とみなす見方を強めている。

 認識という点で決定的なのは、トルコがもはや単なる扱いにくい相手や曖昧なNATO同盟国としてではなく、レバント地域と東地中海の安全保障体制に影響を与えうる勢力として認識されるようになったことだ。イスラエル関係者が「新たなトルコの脅威」について語る理由や、政治的言説においてアンカラがイランに与えられている、より確立された範疇に近い位置づけにされ始めた理由は、まさにここにある。

 この認識は、トルコのパレスチナ問題に対する姿勢や、イスラム主義勢力や反イスラエル勢力との関係によっても助長されている。戦略的に見ると、これはトルコが単なる地域仲介者ではなく、代替的連合を形成し、イスラエルに敵対する勢力に政治的支援を提供できる主体だという認識を強化するものだ。
 
対立の常態化

 現在の状況において最も重要な側面の一つは、紛争を煽るような言葉遣いが常態化していることだ。元首相、評論家、メディア、戦略関係者などが繰り返し脅威を口にすると、それはもはや遠い可能性ではなくなり、公の場での議論における精神的に実行可能な選択肢になる。これは紛争が避けられないという意味ではなく、将来のエスカレーションを現実味のあるものにするような言説的・心理的条件が整いつつあるということだ。

 国際関係史において、この論理はよく知られている。衝突が軍事的に顕在化する前に、それは安全保障に関する言説や予防戦略や敵国のイメージの中に根付くのだ。「新たな脅威」や「二正面作戦の必要性」について語ることは、政治エリートが利用可能な選択肢を解釈する際の認識枠組みを再定義するのに役立つ。

 この点、トルコの事例は特に重要だ。外交上の競争から、より深い戦略的競争への移行を示しているためだ。トルコは単に特定の外交政策上の決定を批判されているだけでなく、イスラエルの安全保障に対する潜在的構造的障害として扱われるようになっているのだ。

 イスラエルの安全保障ドクトリンが、トルコを標的にするようになった理由は、トルコの地政学的自律性や、軍備増強や、東地中海における競争や、シリアにおける利害の重複や、アンカラとテルアビブ間の政治的距離の拡大といった構造的要因の組み合わせに求めなければならない。イスラエルの視点からすれば、問題はトルコが現在どのような国であるかということだけでなく、自国権益に合致する地域勢力圏を確立することに成功した場合、トルコがどのような国になり得るかということだ。

 こうした状況で、イスラエルはトルコに対しても、他の国々に対して既に適用してきたと同じ予防的論理を適用しているように見える。すなわち将来的にイスラエルの行動の自由を制限したり、戦略的優位性を脅かしたりする可能性がある事態を早期に封じ込めようとしているのだ。従って、この問題は単なる二国間問題ではなく、中東全体の勢力構造に関わるものだと言える。

 このため、イスラエルとトルコの対立を単なる偶発的紛争と解釈するのは誤りだ。むしろ、地域秩序のより広範な変革の表れとして理解されるべきで、自律的野心と増大する能力を持つ国家は潜在的脅威とみなされるようになるのだ。トルコがイスラエルの戦略的レーダーに捉えられるようになったのは、まさにこの論理に基づいている。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/04/20/why-has-israels-security-doctrine-begun-targeting-turkey/

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 The Chris Hedges Report
Trump the God - Read by Eunice Wong 15:06
Trump’s portrayal of himself as Jesus, or anointed by Jesus, is typical of cult leaders.
Chris Hedges and Eunice Wong
Apr 23, 2026

 デモクラシータイムス
<敗色トランプ 籠る 高市> イラン応じず/米中会談/ガソリン/武器輸出/再審【山田厚史の週ナカ生ニュース】 1:31:10
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
石油不足は確実に訪れる。高市政権の深刻な問題はホルムズ海峡情勢を真剣に考えていない事。日本原油の93%はこの海峡経由。WS紙「ホルムズ海峡の機雷除去には6ヶ月かかる可能性」「機雷除去は米イラン戦争が終結まで実施される可能性は低い」どうするのだ日本は。

2026年4月11日 (土)

キーウからベオグラード、更にブダペストへ:戦争は拡大しつつあるのか?



ホアキン・フローレス
2026年4月9日
Strategic Culture Foundation

 中欧とバルカン半島における危機は深刻化する兆しを見せており、この問題には十分な注意を払う必要がある。

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 イラン・アメリカ間の不安定な停戦に世界の注目が集まっているが、中欧とバルカン半島の危機が激化しているようで、これにも十分注意を向ける必要がある。キーウ軍事政権がロシアとのより公然とした紛争にヨーロッパ全体を引き込もうとしているのは明らかだ。このような事態を我々は予想していたので、実際起きた時も驚きはしなかった。だが、予想していたからといって、それが最終的に公になった時の反応が落ち着くわけではない。4月5日朝、セルビア北部(バルカン・ストリーム)のトルコ・ストリーム沿いで複数爆発物が発見されたことをセルビア当局が明らかにした。カンジザ市でのこの事件を「ハンガリーの主権に対する攻撃」とブダペストは見なしているとハンガリーのペーテル・シヤルト外相は述べた。ロシア・ガスの大部分はこのパイプラインを通って輸送されているためだ。強力な爆薬を詰め、起爆装置を取り付けた二つのバックパックが重要パイプライン・インフラの影響範囲内に意図的に配置されていたとセルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領は述べた。すると我々はそれを一体どう解釈すれば良いのだろう?

 このテロ未遂事件は、関連性がある複数の動的要素が絡み合っている。
 
  1. EUとNATOの両方に加盟しているにもかかわらず、(どちらにも加盟していない)キーウを絶えず支援しているEUとNATOにブダペストは概して反対している。
  2. ドルージバ石油パイプラインをキーウは遮断している。
  3. 戦争継続のためキーウに900億ユーロの相互債務を贈与することにブダペストは反対している。
  4. 欧州委員会のドルージバ・パイプライン検査官がウクライナで行方不明になっている。
  5. 今年3月にウクライナ軍がロシアのエネルギー施設を攻撃した
  6. ハンガリー選挙を巡り、ブリュッセルとキーウ双方の干渉をオルバン首相は非難している。
  7. クロアチア・アルバニア軍事同盟はセルビアに対抗するために結成された
  8. ベオグラードとブダペスト間の良好な関係の重要性
 「また、戦争と戦争のうわさとを聞くであろう。注意していなさい、あわててはいけない。それは起らねばならないが、まだ終りではない。」 ? マタイによる福音書 24:6

 西ウクライナのポンプ場が「攻撃」されたという話の後、ハンガリーとスロバキアへのドルージバ・パイプライン経由石油輸送が今年1月27日から停止されている。だが予備調査ではパイプラインに損傷は見られなかった。ブダペストの強い要請により、ECは調査員を派遣し、実際の状況を自ら評価させた。本稿執筆時点では、調査員は報告書を提出していない。3月31日までに、キーウが現場への立ち入りを許可していないと調査員は不満を述べた。それ以来、EC代表アンナ=カイサ・イコネンによると、ECはウクライナにいるドルージバ・パイプライン評価調査員との連絡が途絶えているようで、調査員の現在の所在に関する情報はないと伝えざるを得なかった。これは深刻な事態だ。

 阻止されたバルカン・ストリーム破壊計画に関し、爆発物が爆発していたら、ハンガリーとセルビア北部全域のガス供給が途絶えていたはずだとベオグラードのアレクサンダル・ヴチッチ首相は述べ、直ちにブダペストのヴィクトル・オルバン首相に状況を報告したと付け加えた。

 欧州・イギリスの金融利権に支えらるゼレンスキー政権にとって崩壊しつつある権力と失敗に終わった戦争努力から「抜け出す」唯一の方法は、ウクライナ国境を越えて戦争を拡大することなのは誰も否定できない。旧ウクライナ領がロシア領として認められる可能性を示唆するような発言をゼレンスキーがすれば、ロンドン金融街と欧州中央銀行は巨額損失を被ることになる。彼らはこれら損失を帳消しにせざるを得なくなり、彼らのエバーグリーニング(債務の永久化)と再担保化計画が崩壊するためだ。

 ロシアの意思を挫く手段として、またヨーロッパとの長期的エネルギー・経済プロジェクトを断ち切る手段として、ウクライナがテロに益々依存するようになったのは、避けられないだけでなく、既に確立された手法だった。2022年9月26日にノルド・ストリームIIパイプラインを機能停止させたテロ攻撃を見れば、背景にある全てが理解できるはずだ。そして、テロは彼らの武器庫に広く存在していた。ウクライナがケルチ橋を破壊しようとした試みを想起してほしい。もちろん、ベルゴロド、発電所、更にはダリア・ドゥギナ暗殺など攻撃リストは更に長い。この紛争がロシア、ウクライナ(と、その旧領土)領内に限定されている限り、完全な敗北を喫するのは時間の問題だとキーウは理解している。

 
「ウクライナがドルージバ・パイプラインを封鎖している状況で、第二のエネルギー源攻撃はハンガリーにとって壊滅的事態になりかねない。」©RT

 本稿執筆時点では、このトルコ・ストリーム爆破未遂事件の犯人の国籍や組織に関する最終的結論は出ていない。問題のパイプライン区間は、ロシア産ガスをセルビア経由でハンガリーへ輸送するトルコ・ストリームのバルカン・ストリーム延長線の一部だ。ウクライナがハンガリーに対して非常に敵対的な姿勢を取っているのは明らかだ。

 ベオグラード軍事保安庁(VBA)長官のジュロ・ヨヴァニッチによると、週末に発見された爆発物はアメリカで製造されたものだが「製造者が破壊工作の首謀者で、実行者であるという意味では決してない」と彼は強調した。これは妥当な助言であると同時に、事態の複雑で微妙な性質を示している。ベオグラードはトランプ政権下でアメリカと良好な、あるいは友好的関係を築いているが、多数のCIA作戦を政権が統制しているのかどうかについては大きな疑問が残る。CIAは文民政権の交代に関係なく政策の継続性を重視しているように見えるため、いわゆる「ディープステート」の主要部分とみなされることが多い。同時に、アメリカ製爆発物は世界の兵器市場に広く出回っており、実際はどんな人物でも入手できた可能性がある。

 少なくとも現時点で、ヴィクトル・オルバン首相はウクライナを法的に正式に非難しているわけではないが、今回の事件を、ロシアからヨーロッパへのエネルギーの流れを妨害しようとするウクライナの長年の試みと一致するものと捉えている。ハンガリー指導者にとって確かなことは、これが破壊工作の試みだったことだ。犯人が誰なのかは正確にはまだ分からないかもしれないが、既に脅迫行為を行った者、同様のテロ行為や破壊工作を行った者という観点からこの問題に取り組めば、誰もがキーウを直接見据えることになる。結局、いかなる調査も「一体誰が得をするのか?」という問いから始まるべきなのだ。

 これは、以前のウクライナによるトルコ・ストリーム攻撃と関連しているため「時期尚早な」結論を出さずにはいられない。トルコ・ストリームに接続されたエネルギー・インフラが、つい先日の2026年3月11日にも既に空爆またはドローン攻撃を受けていたとガスプロムは述べている。これらは、ロシア南部のインフラ、特にヨーロッパに向かうトルコ・ストリーム海底動脈に天然ガスを供給する重要拠点であるルスカヤ揚水場を標的とした、ウクライナによる失敗に終わった空爆だ。

 ガスプロム自身の発表によると、攻撃のペースは持続的かつエスカレートしており、トルコ・ストリームとブルー・ストリーム両方のシステムに関連する施設がわずか2週間の間に12回も攻撃を受けている。これは、ロシアのガス輸出の重要回廊に対する作戦的攻撃だと結論づけざるを得ない。

 展開中のこの圧力作戦は、石油精製所や物流拠点を含むロシアのエネルギー・インフラへの攻撃を激化させているキーウの広範な方針転換と一致している。緊張はインフラだけに留まらず、人口密集地にも明らかに波及しており、黒海沿岸のリゾート都市ソチのアンドレイ・プロシュニン市長は、今年2月中旬に24時間以上連続して発生した未曾有のドローン攻撃の波について語った。

 こうした状況は全て戦略的に狭まる領域中で起きている。現在、トルコはロシア産ガスをヨーロッパへ輸送する唯一の残された輸送経路となっており、このボトルネックは依存と脆弱性の両方を単一の地理的経路に集中させている。この経路が寸断されれば、影響は近隣地域を遙かに超えて及ぶ。

 これらの数字は、ロシアからヨーロッパへのパイプラインによるガス輸出量が2025年には44%減少し、約180億立方メートルにまで落ち込むという、1970年代半ば以来の低水準となる流れを裏付けている。これは、欧州連合がロシアからのエネルギー供給への依存を段階的に解消し続け、大陸のエネルギー戦略を再構築すると同時に、現在も稼働しているパイプラインを巡る利害関係を強めているためだ。

 脅威にさらされているネットワークの中で、セルビア、ハンガリー、スロバキアといった国々は、トルコとともにトルコ・ストリームを通じて供給されるガスの下流受け入れ国として存続しており、益々争いの的となり、益々危険にさらされ、紛争から隔離されるどころか、紛争に益々引き込まれていく制度の安定性または不安定性に直接結びついている

 そしてモスクワは、ウクライナによるガス輸出ルート全般への攻撃が増加していると既に警告していた。セルビアとハンガリーの国境で最近発生したこの事件は、既存作戦の一環だ

 さて、セルビア諜報機関から多くの情報が伝わってくる。移民で訓練を受けた人物が関与する可能性があるエネルギー・インフラに対する何らかの破壊工作の企みの事前警告をセルビア情報機関が受けていたという主張が報じられている。だが同時に、セルビア当局は、ウクライナや外国の国家主体との関連は確認されておらず、流布している主張の一部は誤報だと明言することには慎重だ。つまり、セルビアは事実上、地政学的なマクロコスモスの縮図とも言える二つの立場を同時に取っているのだ。何らかの事前警告は受けていたものの、国家支援を示す証拠はまだない、というわけだ。実際、これはセルビアの微妙な立場と一致している。一方では、現実の状況を認識しつつ、少なくとも建前上はいつか加盟したいとセルビアが主張する欧州連合との外交において、穏健な姿勢を取る必要があるのだ。

 ウクライナは予想通り関与を真っ向から否定し、これは偽旗作戦か政治的意図に基づくもので、実際、ウクライナの作戦ではないと反論している。

 ハンガリーの野党候補ペーテル・マジャールなどの人物は更に踏み込んで、この事件自体が仕組まれたもの、あるいは誇張されたもので、政治的効果を狙ってハンガリー指導部と外部勢力との間で調整された可能性があると示唆している。これは、同様発言をしたキーウと連携したメッセージとも解釈できる。

 ウクライナの報道はハンガリーだけでなくロンドンの報道とも一致しており、この壮大なゲームにおける本当の地政学的境界線がどこにあるのかを示している。ガーディアンは、この件が選挙前の安全保障上でっち上げ策略である可能性を指摘し、今回の発見が緊急措置の正当化、未決定層の世論操作、あるいはゼレンスキー大統領への批判強化に利用される可能性があると報じている。

 そして最後の部分が重要なのは、タイミングが極めて重要だからだ。これはヴィクトル・オルバン首相が関わるハンガリー総選挙直前に起きているため、多くの解釈が国内の政治的思惑を通して行われている。確かにそうだが、同時にEUがウクライナへの巨額融資を強行しようとしている最中に起きているのだ。ブダペストはこれに抵抗している。したがって、こうしたテロの脅威は、ブダペストが圧力に屈するのを見たいと願うあらゆる勢力から発せられている可能性もある。

 これはロシアのガス・インフラを破壊しようとするウクライナの実際の企ての一環で、以前の警告や攻撃とも一致するとブダペストは主張している。一方、ベオグラードは、これは正体不明の人物による破壊工作の試みで、セルビア情報機関が事前に察知していた可能性があり、国家との関連性は証明されてはいないが、セルビアの広範な地政学的志向を反映したものだと述べている。キーウとロンドンは、ウクライナの主張は根拠がなく、偽情報の一部であり、事件全体がハンガリーの選挙に関連した政治的目的のために仕組まれた可能性があると述べている。

 3月6日金曜日、8200万ドル相当の現金と金をハンガリー当局が押収し、7人を逮捕したとの報道が国際メディアで流れた。逮捕された7人はウクライナ国営オシャドバンク従業員で、オーストリアとウクライナ間で現金と金を運んでいた二台の装甲車に乗っていたところを逮捕された。来月の重要な選挙を前に、ウクライナへの批判を強めつつ、モスクワとの関係を維持しているハンガリーのヴィクトル・オルバン首相は、ハンガリーは今やウクライナを敵対国と見なしていると述べ、4月12日の選挙に影響を与えるためにゼレンスキー大統領がエネルギー危機を引き起こそうとしていると説明した。これは奇妙なことに、セルビアで最近阻止された攻撃を予兆していた。

 背景として、アルバニア、「コソボ」、クロアチアはセルビアに対する軍事協定を結んでいる。ザグレブでは、セルビアとその関連問題に対する対抗勢力を構築するという考え方が繰り返し浮上しており、ティラナやプリシュティナに注目が集まっているように、セルビア側に立っていると見なされる協力者との連携が自然と促されている。当局者はこの解釈を公然と支持することはない。代わりに、彼らは一貫してNATO加盟国であることと、同盟の責任に対する明示的関係を通じて、こうした動きを正当化している。クロアチア、アルバニア、コソボが参加する新たな三国間協定は、2025年3月18日にティラナで署名され、軍事訓練の拡大、共同演習、情報共有、調整を通じて防衛協力を深化させることを目的とした共同宣言で、セルビアとハンガリーに対する露骨な反対姿勢で、ウクライナを支持する姿勢であるように見える。

 これに対し、クロアチア、コソボ、アルバニアの三国間合意を受けて、セルビアとハンガリー、そして場合によってはスロバキアの安全保障同盟に関する憶測が政界で高まっていることを受け、セルビアのマルコ・ジュリッチ外相はハンガリーとの軍事関係強化に前向きな見解を示した。特に、歴史的、イデオロギー的、経済的側面でザグレブとブダペストの間に根強い緊張関係があることを背景に、正式な同盟の可能性について問われたジュリッチ外相は「国際舞台でセルビアが独立して行動する能力を強化するものは全て、セルビアにとって有益だと信じている。 […]我々は、多くの人が反セルビア枢軸と呼ぶ同盟の挑戦に対し、尊厳をもって対応してきた。 […]我々の目標は議論に勝つことではなく、問題を解決することだ」と述べた。

 結論としては、セルビアでのトルコ・ストリームに対するテロ攻撃未遂事件後、国防力強化が、軍拡競争や同盟競争の激化を招くリスクがないのが明らかだ。むしろ、好機を狙う侵略を抑止するための明確な境界線を確立する。セルビアがハンガリーと慎重かつ毅然と連携を取っていることは、挑発的姿勢を避けつつ、同盟国や国民を安心させる点で、この姿勢を体現している。予防的抑止力は、対立を激化させるのではなく、敵対勢力に機会を与えないことで機能し、彼らが限界を試そうとする前に考え直させるようにするものだ。キーウ政権は末期状態にあり、追い詰められた狂犬のようなこの政権の無謀な行動に誰も驚くべきではない。ロンドンとブリュッセルは、ウクライナ傀儡政権の扱い方を再考すべきなのだ。

 ホアキンをフォローするには、Telegramで@NewResistance、またはX/Twitterで@XoaquinFloresをフォローしてください。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/04/09/from-kiev-belgrade-and-budapest-is-the-war-spreading/

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The Chris Hedges Report
America’s Suez Crisis (w/ Alastair Crooke) | The Chris Hedges Report 50:22
Amidst the US-Iran negotiations, Alastair Crooke says, Iran is not incentivized to end the war. Instead, it seeks to upend America's hegemonic dominance of the region — and "break the paradigm."

Chris Hedges
Apr 12, 2026

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ヘグセス国防長官はイランの発射機とミサイル枯渇、壊滅的打撃を受け、ほぼ完全に無力化と発言。だが米情報機関分析によると、イランは依然数千発の弾道ミサイルを保有、地下貯蔵施設からの発射機回収で、それらを使用できる可能性がある。

2025年12月30日 (火)

ヨーロッパはトルコを何に巻き込んでいるのか:ロシア・ウクライナ紛争か交渉か?

アレクサンドル・スヴァランツ
2025年12月26日
New Eastern Outlook

 ウクライナ危機をはじめとする現在の紛争解決に向けた外交努力にトルコは積極的に関与している。同時にアンカラは黒海地域での軍事的エスカレーションには関心がない。

 ロシア・ウクライナ紛争におけるトルコ

 ウクライナで進行中の軍事紛争は、キエフ政権と主要ヨーロッパ諸国(イギリス、フランス、ドイツ)の破壊的な政策の結果だ。

 ドナルド・トランプ大統領率いるアメリカ政権の政策は、キエフ政権の敗北という客観的現実を認識し、ロシアの利益を尊重しつつ、紛争を停止し、ウクライナ危機を平和的に解決することを目指しているが、これはハンガリーとスロバキアを除くほとんどの欧州諸国にとっては明らかに不本位だ。だが、一部EU諸国に対し、新たな和平案の採択と、欧州の銀行に保有されている凍結されたロシア金融資産(約2,300億ドル相当)を没収するEUの投機的政策を阻止するよう求めるアメリカの圧力は、ベルギー、ブルガリア、イタリア、マルタ、チェコ共和国やポーランド大統領の姿勢を徐々に変えつつある。

 ロシアはヨーロッパの不安定さは魅力的ではないと認識しており、ロシアの利益を考慮しない限り、イギリスとフランスがトルコを通じて自国の政策や和平条件を押し付けるのを認める可能性は低い。

 欧州連合(EU)内で重大な意見の相違が生じている。一方で、欧州委員会がベルギーの預金機関ユーロクリアに保管されているロシア資金をウクライナへの融資に活用することを提唱している。他方で、ロシア資金没収反対派が、そのような決定が深刻な訴訟や、ロシア連邦による報復措置や、ウクライナ紛争解決の複雑化など、法的・政治的波紋を引き起こすことを懸念している。ロシア資産の主要保有者であるベルギーは、EUの目標を実現するため特定多数決(SPV)を利用する可能性を複雑化させている。

 大規模汚職スキャンダルにより政治的・法的正当性と国民の支持を失ったV・ゼレンスキー政権は、欧州「トリオ」(イギリス、フランス、ドイツ)首脳と連携し、ロシアの同意を得たアメリカの和平構想を妨害する路線を継続している。この破壊的政策の主な手段は、交渉プロセスの長期化と軍事的エスカレーションの激化だ。

 このような状況下で、アメリカはEUとイギリスの指導者をロシアとの直接交渉に招こうとしていない。紛争継続という欧州の賭けは平和に寄与しないからだ。イギリスは交渉プロセスへの自国参加は無駄だと認識し、挑発的手段を用いて黒海流域、特にトルコ領海にまで敵対行為を拡大し、軍事紛争の領域を拡大しようとしている。

 ロンドンは、トルコをロシアとの軍事紛争に引きずり込むか、あるいはトルコを米ロ協議におけるEU代表に仕立て上げる計画を立てているように見受けられる。こうした計画の存在を示唆するのは、2025年11月から12月にかけて黒海海域で、ウクライナ特殊部隊がイギリス諜報機関と協力し、ロシアの物を輸送する民間船舶に対して行った一連の集中的破壊活動(いわゆる「タンカー戦争」)で、特にトルコ民間船舶(例えば、セネガル沖のタンカー「メルシン」号やチョルノモルスク港のタンカー「チェンク・ローロー」号)への破壊工作が顕著だった。

 オデッサ地域の港湾で発生したトルコ民間船舶への破壊行為は、ロシアのタンカー「ミドヴォルガ2号」がトルコ領海で行方不明になったことに対するロシアの報復行為ではないかと一部専門家は示唆している(トルコは、自国の責任海域におけるロシア船舶の安全航行を確保できなかったとされている)。だが、ロシアはトルコとの協力関係を重視している。ロシアとトルコの利害が衝突した状況(例えば、リビア、カラバフ、シリア)において、モスクワは戦争より外交を優先した事例が数多くある。更に、トルコはロシアにとって依然重要な経済的協力相手で、輸送経路でもある。

 同時に、トルコとロシアの関係を悪化させることを目的とした破壊活動を組織する第三国(特にイギリス)が利益を得る状況が発生する可能性を排除すべきではない。

 ウクライナのドローンと欧米情報機関の役割:トルコ人専門家による解説

 元トルコ駐モスクワ貿易代表のアイドゥン・セゼルによると、ウクライナの無人海上艇(カミカゼ・ボート)は、宇宙ベースの偵察機の支援なしに単独で標的への破壊工作攻撃を実行する能力がない。ウクライナ情報機関にはそのような能力がないため、こうした作戦の計画、調整、支援はイギリスかフランスの情報機関に行われている可能性が高い。

 黒海情勢の激化に対するトルコの反応

 黒海海峡を支配し、強力な海軍力を有するトルコは、自国の利害関係地域における緊張の高まりを傍観できない。トルコ民間船舶に対する破壊工作を直ちに非難し、ウクライナ紛争当事者に特に民間船舶に対する海戦拡大を抑止するようトルコ外務省は求めた。

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、黒海における脅威は容認できないと警告した。トルコの日刊紙デイリー・サバハの報道によると、トルコ政府はこの件に関し紛争の両陣営に明確な警告を発したとエルドアン大統領は述べた。

 これに対し、港湾や海上インフラ攻撃を停止し、敵対行為を終結するようトルコ外務省は交戦国に要求した。テレビNETで、黒海における航行の安全を確保し、エネルギー施設への攻撃を控えることを目的とした、ロシアとウクライナ間の限定的な合意締結をハカン・フィダン外相は提案した。

 言説の変化とトルコの仲介努力

 だが、トルコ・メディアによる非難は長くは続かなかった。アシガバートでロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談した際、レジェップ・タイイップ・エルドアンはウクライナ危機の解決に多大な関心を払い、アメリカの和平構想を支持し、交渉における「イスタンブール・プラットフォーム」の重要性を改めて強調した。

 多くの欧州諸国と異なり、ロシアとウクライナ両国と協力関係を維持しているトルコは仲介努力を進める意欲を示している。アンカラは、将来の和平協定における安全保障の保証人として行動し、戦線に平和維持部隊を派遣する意向を隠していない。「イスタンブール・プラットフォーム」における交渉プロセスに欧州代表としてトルコが直接参加する可能性もある。ウクライナの運命に関する和平協定にイスタンブールで署名するのは、トルコ外交にとって明らかに最優先事項だ。

 ウクライナ問題におけるトルコの和平努力に対しロシアは繰り返し感謝の意を表し、肯定的評価をしてきた。モスクワにとって、イスタンブールでの交渉はパリやロンドンでの交渉より望ましい。だが露米交渉へのトルコ参加は、モスクワだけでなくワシントンの立場にも左右される。ロシアは欧州の不安定化を好ましく思っておらず、英国とフランスがロシアの利益を考慮しない限り、トルコを通じて自国の政策や和平条件を押し付けることを認める可能性は低い。交渉の場は確かに重要だが、決定的要因ではない。周知の通り、アメリカとロシアの大統領は既にアンカレッジの米軍基地で会談を行っている。

 アレクサンダー・スヴァランツは政治学博士、教授、トルコ研究と中東諸国の専門家

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/12/26/what-is-europe-dragging-turkey-into-the-russian-ukrainian-conflict-or-negotiations/

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2025年7月20日 (日)

イスラエルのダマスカス爆撃はトルコが狙い

2025年7月16日
Moon of Alabama

 本日、イスラエル空軍がシリアの首都ダマスカスを爆撃した。

 2024年11月下旬、シリアのアルカイダは、元ISIS指導者アブ・モハメド・アル・ジュラーニ(別名アフメド・アル・シャラー)率いる組織がシリア政府打倒に向けて動き出した。彼はカタール(資金)、トルコ(軍事)、アメリカ(諜報活動)と、イスラエル(プロパガンダ)の支援を受けていた。

 11年以上にわたる戦争後、シリア軍は劣悪な状態にあった。制裁下で物価が高騰する一方、給与は低く抑えられていた。多くの将校がカタールから賄賂を受け取り、シリアに留まるか、あるいは寝返るかのどちらかを迫られていた。

 ロシア空軍はジハード主義者の猛攻に介入したが、地上部隊がなかったため、彼らの進撃を阻止できなかった。イランがイラクから派遣したシーア派民兵は国境を越えようとしていたところを米軍機の爆撃を受けた。最終的に、指揮できる軍隊が残っていないことをアサド大統領は悟り、亡命した。シリア政府は崩壊し、ジハード主義者がダマスカスを制圧し、以来国を支配している。

 シリアによるイスラエルへの抵抗は停止した。イスラエルはその後、残存するシリア軍の重装備とミサイル部隊を爆撃した。シリアはもはや自国を防衛できない。

 シリアとダマスカス南東とイスラエル占領下のゴラン高原には約70万人のドゥルーズ派が居住している。ドゥルーズ派はシーア派イスラム教の分派だが、一般的にはイスラム教徒として認められていない。
 


 アルカイダがシリアで政権を握った後、イスラエル軍はゴラン高原付近のシリア領土を更に奪取した。イスラエルはドゥルーズ派を味方に引き入れようと試みてきた。  
アサド政権崩壊後、クネイトラ県ハデルに住むドゥルーズ派住民がイスラエルの支配を望んでいるというニュースがソーシャルメディア上で拡散された。この情報は、ある人物が集会で意見を表明する様子を映した未確認動画に基づいており、主流メディアにより繰り返し報道された。2024年12月13日に現地指導者たちは集団声明を発表し、これら主張を否定し、イスラエルによる村の占領を非難した。シリアのドゥルーズ派指導者、シェイク・ヒクマト・アル=ヒジュリは、イスラエルによるシリア侵攻を非難し、シリアの「社会的・領土的統一」への支持を維持する必要性を強調した。
 先週、シリア政府軍のジハード主義勢力とドゥルーズ派民兵の間の争いが激化した。双方に損害が出た。シリア政府が戦線に近づけようとした大型兵器を爆撃してイスラエル軍が介入した。

 ドゥルーズ派とジハード主義者の争いは、イスラエルがシリアとレバノンでより多くの領土を奪取する戦略的計画を進めるため引き起こしたものであるのは疑う余地がない。
マイケル・A・ホロウィッツ @michaelh992 - ・ 2025年7月16日 12:22 UTC

イスラエル国防相
「ダマスカスの発信は終わった。これから手痛い打撃が来る」

 「イスラエル国防軍は、ドゥルーズ派を攻撃した勢力が完全に撤退するまで、スウェイダで強力な作戦を継続し、彼らを壊滅させるつもりだ。」

 「イスラエルのドゥルーズ派の兄弟よ、イスラエル国防軍はシリアにいる兄弟を守ると信頼いただける。ネタニヤフ首相と私は国防大臣として約束を交わし、それを守る。」
 本日、イスラエル空軍はシリア国防省と大統領官邸付近とダマスカス中心部のウマイヤド広場爆弾を投下した。
Yossi Melman @yossi_melman - 2025年7月16日 14:05 UTC

Grokによるヘブライ語からの翻訳

私の記憶の限りでは、空軍がシリア軍参謀本部を最後に攻撃したのは、1973年のヨムキプール戦争の時だった。今日の二重攻撃は極めて強力だ。

 イスラエルがなぜシリアにこれほど深く介入しているのか理解は困難だ。イスラエル国内のドゥルーズ派社会には敬意を表すが、彼らは政権軍とドゥルーズ派の衝突に憤慨している。ちなみに、イスラエルがこの問題に介入すべきかどうかについてドゥルーズ派自身も意見が分かれている。

 イスラエルは近所のいじめっ子のように振る舞えるし、実際そうしている事実に答えがあるのかもしれない。もちろん、これはネタニヤフやカッツやリクードやベン・グヴィルやスモトリッチによる永遠戦争という概念を強める。
 イスラエル政府の本当の狙いは、ドゥルーズ派の保護でも、シリアのジハード主義政権を屈服させることでもない。

 これは、シオニスト国家とトルコという対立勢力間戦争の手始めなのだ。  
この地域での勢力分布が変化し、イランが相対的な力を失い、イスラエルとトルコが頂点に立つなか、テルアビブとアンカラの対立激化は、起きるかどうかの問題ではなく、どのように起きるかの問題だ。彼らが対立を選ぶかどうかではなく、対決か、平和的管理で、それにどう対応するかの問題だ。

…  自国に挑戦する可能性がある全隣国(その意図があるかどうかにかかわらず、そうする能力がある国)を軍事的に支配することによってのみ自国の安全が確保できるとイスラエルが考えている限り、トルコがこの地域で大国として台頭すれば、好むと好まざるとにかかわらず、トルコはイスラエルの標的になる。

 地政学的な力は排除できない。せいぜい抑制しかできない。
 今日、イスラエルは、トルコとの対立を管理する好ましい方法はその同盟国を爆撃することだと主張した。

 アンカラはこれに満足していない。

Ragıp Soylu @ragipsoylu - 12:49 UTC ・ 2025年7月16日
トルコ外務省:
「イスラエルによるダマスカス中心部攻撃は、シリアによる平和と安定と安全保障の確立に向けた努力を妨害する試みだ。 この機会を支持する全関係者は、シリア政府の平和確立に向けた努力に貢献すべきだ。」
 現在のシリアはトルコの属国で、アル・ジュラニはトルコ支配下の摂政だ。

 トルコのスルタン志望者エルドアンは、ガザでのイスラエルによる大量虐殺に公然と反対を唱えてはいるが、石油や他の物資を提供して、黙って協力している。

 おそらく彼は、トルコとイスラエル両国が追求しているレバントへの戦略的拡大によって引き起こされる対立を無視しながら、その関係から利益を得られると考えたのだろう。

 今日のダマスカス攻撃は、彼の計算を変えるかもしれない。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2025/07/israels-bombing-of-damascus-is-targeting-turkey.html#more

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 Real Scott Ritter
Ritter's Rant 030: Our Journey 6:24
I officially kicked off the Project 38 campaign with a fundraiser held at the Quaker Friend's Meeting House in Albany, NY. It is the first step of a longer journey to extend the New START treaty.

Scott Ritter
Jul 20, 2025

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
参院選:自公の状況日毎に悪化「与党過半数割れ可能性が高まり、1週間前の調査より更に厳しい状況」、自民一人区苦戦、一人区「野党系リード:10選挙区(序盤より1増)自民リード:4選挙区(序盤の12から大幅減)」等、日経は自公過半数割れのシナリオ記載

2025年5月 8日 (木)

シリアでは、まずアラウィー派とキリスト教徒を殺し、今ドルーズ派を殺している。次は誰の番?



ソニア・ファン・デン・エンデ
2025年5月4日
Strategic Culture Foundation

 オスマン帝国がしたと同様、かつてのヨーロッパ植民地勢力は混乱や宗派間分裂や不安を引き起こした。

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ:info@strategic-culture.su

 今旧シリアと私が呼ぶ地域で起きている出来事に関し世界も政治家もメディアも沈黙を守っている。完全に沈黙している。シリアはバルカン化されつつある。更に悪いことに、パレスチナと同様、民族浄化が進んでいる。少なくとも、それが狙いだ。

 2024年12月、アサド大統領政権崩壊以降、暴力や民族浄化や殺人や報復の連鎖が続いている。欧米メディアや、アルジャジーラやアルアラビーヤなどのスンニ派の視点が支配的なアラブ系メディアは沈黙を守り、あるいは民族浄化をアサド前大統領政権の抵抗勢力残党との単なる戦いとして片付けている。

 もちろん彼らは真実を明らかにしていない。ハヤト・タハリール・アル・シャム(旧アルカイダ)と称され、現在シリアを支配しているいわゆる反政府勢力は実はISISだ。確かにISISは戻ってきた。彼らはイドリブから完全撤退したわけではない。そしてイスラエルでシオニスト入植者(多くはアメリカからの移民)がしているのと同様に彼らはスンニ派信仰をテロの武器として振り回している。

 宗教を武器として、また口実として利用して、彼らは異教徒や反対する者や反体制派など、あらゆる人々を抹殺しようとしている。彼らは過激化し洗脳された集団で、対話は不可能だ。残された選択肢は、根絶するか、自分たちが根絶されるか、どちらかだ。シリアでも、そして以前アフガニスタンやリビアでも、この状況は既に目の当たりにしてきた。アッラーや神やヤハウェの名の下で、しばしば一般市民を標的とした攻撃が、世界中で残忍で中世的残虐行為で行われるのを我々は目撃してきた。

 アラウィー派の民族浄化キリスト教徒追放は、今年3月8日にマアルーラやセドナヤなどの地域で始まり、現在もいわゆる「キリスト教徒の谷」で続いている。アラウィー派は大量解雇や非人道的生活環境(失業、無一文、飢餓、そして最終的には死の危機)に抗議した。これに対し、ダマスカスのテロリスト、アル=ジュラーニ(その後、彼はギャング団と共に大統領官邸を占拠した)率いるテロリスト連中は「治安機関」を装ってアラウィー派を組織的に殺害し始めた。

 念のために、キルギス安全保障会議のマラト・イマンクロフ書記長の調査結果を引用しよう。2月に「一部推計によると、最大2万人の外国人武装勢力がシリア治安部隊に加わっている」と同書記長は述べている。この数字は控えめなものだ。現在、世界中からテロリストが旧シリアに流入し、現地住民の民族浄化を助長している。全て、トルコの支援を得て、中世イデオロギーに根ざす新たなカリフ制国家を樹立するためだ。

 中東は数世紀も前の時代へ逆戻りしようとしている。もしヨーロッパをはじめとする世界がこの癌の蔓延を許せば、間もなく新たなカリフ制国家に対抗する武装を迫られることになるだろう。コルドバ首長国(929年にコルドバ・カリフ国となった)のように、このアラブ・イスラム国家は756年から1031年までウマイヤ朝に支配され、かつて南スペインを支配していた。彼らはポワティエの門で阻止されたが、今日新たなカリフ制国家の支持者たちは、既にヨーロッパ全土に潜伏している。その門は2015年に突破された

 今ドゥルーズ派は民族浄化に直面している。アル=ジュラーニ率いるISIS政権はアラウィー派を虐殺し、多くをレバノンに逃亡させた後(そこで彼らはキリスト教徒の同胞と共にヨーロッパ・ビザを待っている)今週、ダマスカス郊外のドゥルーズ派の都市ジャラマナに攻撃を仕掛けた。著名なドゥルーズ派のシャイフたちは政権の治安部隊に(主に外国人)処刑された。ドゥルーズ派の村サウラ・カビラやシリアのドゥルーズ派共同体の中心地スワイダ県全域で、攻撃により数千人の若者やシャイフや女性や子どもが死亡した。

 HTS-ISISによる砲撃で、アス・スワイダ県全域のドゥルーズ派の村々の家屋が壊滅的被害を受けた。現地筋によると、住宅地への迫撃砲や砲撃により、住民が避難を余儀なくされ、甚大な被害が出ている。公式死傷者数は未確認だが、多くの民間人が死亡し、広範囲にパニックが広がっていることが示唆されている。サフナヤ市長のフサム・ワルワルと息子ハイダルなどの重要人物は、アル・ジュラーニ率いるISIS治安部隊に戦地銃殺刑に処された。

 ソーシャル・メディアで拡散されている映像には、スカイブルーのシャツを着たワルワル市長が公の場で治安総軍を歓迎し、交渉を試みる様子が映っている。市長はシリアのテレビにも出演し、住民に対し、安定と新勢力との協力を約束した。しかし、それから24時間も経たないうちに、彼と息子はISIS-HTS政権に処刑され、死亡した。

 一方、アル=ジュラーニ部隊は、ホムスから40キロ離れたファヒル村のようなアラウィー派、ドゥルーズ派、キリスト教徒が住む村々を襲撃した。彼らのやり方は一貫している。インターネットと電気を遮断し、住民全員虐殺するのだ。これは毎日行われているが、主流メディアは報じない。恥ずべき怠慢だ。

 一方ISISが支配する国営メディアSANAは「治安と安定を強化するため」「治安部隊」がアル・スーラ・アル・クブラに配備されたと主張している。だが彼ら自身の映像が虚偽を暴露している。ISISの紋章をつけたテロリストが、いわゆる治安部隊として活動している。

 だが世界の政治家やエリート連中は、シリアの金と権力の匂いを嗅ぎつけている。今欧米諸国(や他の国々)は、ダマスカスの宮殿でテロリストのアル・ジュラーニと接触し、彼の足元にひざまずき(男性のみ)握手し、自撮り写真を撮り、彼の「包括的」指導力を称賛している。植民地事業に常に熱心なフランスは既に合意に達している。シリア陸海港湾総局(旧政府組織を維持)は、ラタキアのコンテナ・ターミナル管理に関しフランス企業CMA CGMと契約を締結した。ラタキアは再びフランスの手に渡った。

 あるいは間もなく新カリフ制国家で休暇を過ごすことになるイタリア人を考えてみよう。彼らは虐殺が繰り広げられているアラウィー派やキリスト教徒やドゥルーズ派の村々を訪問するのだろうか? 女性は義務としてベールを被るだろうか? それとも1936年にヒトラーがしたように迫り来る大量虐殺の証拠を全て消し去り、同調するのだろうか?

 言うまでもなく、トルコはシリアにおける代理ISISに無条件支援をしている。無人機や欧米やトルコやイスラエル兵器を用いて旧シリア軍を24時間で壊滅させた「電撃戦」を可能にしたのはイスラエルと連携したトルコだった。なぜシリア人は抵抗できなかったのか? 1933年から1945年にかけて、処刑される前にユダヤ人が全てを奪われたのと同じだ。

 トルコにとって、これはクルド人「問題」解決にもつながる。アンカラの指示により、クルド人はアル・ジュラーニの次の標的になっている。クルド人の自決はトルコにとって選択肢ではなかった。歴史がそれを証明している。では西側諸国の援助はどうだろう? アメリカはクルド人を繰り返し裏切ってきた。故キッシンジャーが言った通り「アメリカの敵であることは危険かもしれないが、アメリカの友であることは致命的だ」。

 近い将来、我々はクルド人根絶の試みを目撃する可能性が高い。トルコ国内でも、彼らは長らく標的とされてきた。トルコ国内では不穏な空気がくすぶっており、トルコ・メディアはそれを抑えている。だが抗議活動は依然続いており、クルド人、世俗主義者を問わず、数百人が刑務所へと消えつつある。

 これが中東と西アジアの悲劇的現実だ。かつてのヨーロッパ植民地勢力は、混乱や宗派間分裂や不安を撒き散らした。オスマン帝国も同様だ。オスマン帝国は第一次世界大戦でドイツと同盟を結び、その後第二次世界大戦では、中立を装いながらナチスと秘密裏に交渉した。今日トルコの二面性は露呈している。ヨーロッパと1945年以降のアメリカの植民地主義的イデオロギーは今も生き残り、中東で数え切れないほどの命を奪っている。全て優位と資源略奪のためだ。今やかつてシリアだった地域を支配する欧米諸国と狂信的宗教勢力に粉砕された世俗主義は束の間の夢だった。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/05/04/first-they-kill-alawites-and-christians-now-druze-who-next-syria/

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 The Chris Hedges Report
The Dark Money Game (w/ Alex Gibney) | The Chris Hedges Report 48:34
Chris Hedges speaks with filmmaker Alex Gibney about his new documentary series, which tracks just two examples within the “labyrinth of mirrors” of untraceable corruption that fuels American politics

Chris Hedges
May 08, 2025

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
日本は自動車、鉄鋼関税を米国との間に抱える。EUも同じ。EUと米国の交渉は日本に影響与える。対EU上乗せは10%。米政権は別に鉄鋼とアルミニウム、自動車・自動車部品に25%追加関税。EUはトランプ関税に屈服せず 1000億ユーロ相当の米国製品を関税標的に-交渉決裂なら

2025年3月23日 (日)

仲介外交を継続するトルコ

アレクサンドル・スヴァランツ
2025年3月9日
New Eastern Outlook

 ロシア・ウクライナ間で進行中の軍事的・政治的危機は、敵対行為の終結と平和的解決を要求している。トルコは仲介役として積極的に取り組んでいる。



 「トルコの傘」

 ドナルド・トランプ大統領政権発足により、ロシア・ウクライナ危機に対するワシントンの姿勢は劇的に変化した。敵対行為の終結とそれに関する合意締結を目指す和平構想をトランプ大統領は打ち出した。

 「アメリカの盾」でさえゼレンスキーを助けられるないなら「トルコの傘」がゼレンスキーを助ける可能性は低い。

 ウクライナ紛争解決におけるアメリカ「平和維持任務」の停滞

 もはや負け戦とみられる紛争に、何十億ドルもつぎ込むつもりはアメリカにはない。キーウ政権との有利な事業契約を通じて投資した資金を回収し、残ったウクライナで原材料(特に希土類金属)を入手し、ロシアとの本格的関係を回復したいとトランプは望んでいる。

 トランプ大統領とプーチン大統領の最近の電話協議およびリヤドとイスタンブールでのアメリカとロシア代表団による二回の交渉は、ウクライナ問題に関する前向きな結果とアメリカロシア関係再構築への期待を支えている。

 周知のとおり、キーウ政権トップと、ほとんどのヨーロッパ諸国指導者は、アメリカの新たな姿勢に曖昧な反応を示し、ウクライナに対する追加的安全保障を主張している。これには、アメリカの支援を受ける大ヨーロッパ諸国(トルコを含む)の平和維持(連合)部隊のウクライナ領派遣が含まれる。

 欧州を巻き込む停戦合意後の米軍が参加しない危機解決の様々な形をドナルド・トランプは排除していない。ロシアとウクライナ間に平和を確立するだけでなく、第三次世界大戦の脅威を排除することを、このアメリカ大統領は目指している。これは(2021年12月のロシア提案をジョー・バイデン前政権が真剣に受け止めなかったためウクライナ紛争のきっかけとなった)NATOの積極的東方拡大の抑制を必要とする。

 フランスとイギリスの指導者が最近アメリカを訪問したことは、トランプの経済的実利主義、特に対EU貿易関税引き上げに欧州が不満を抱き、アメリカ政策との矛盾を深めるため「ウクライナ・カード」を使おうとしていることを示している。エマニュエル・マクロンとキール・スターマーは相次いで欧州首脳会議を招集し、大陸軍事圏の形成とロシアとの紛争におけるウクライナへの軍事的・政治的支援について議論した。

 このような背景から、2月28日にワシントンで予定されていたゼレンスキー大統領とトランプ大統領会談では、軍事紛争の終結と和平協定の選択肢協議に関するアメリカとウクライナの連携が明確になると期待されていた。だがゼレンスキー大統領のアメリカ訪問は、大統領執務室での悲惨な応酬を暴露する歴史的出来事になった。ゼレンスキー大統領の感情的崩壊により、投資契約の締結とアメリカ参加による停戦実現は失敗に終わった。

 この交渉戦術の背後に何があるのか? ゼレンスキーの視点から見ると、ウクライナ軍(AFU)は軍事技術資源の深刻な不足に悩まされており、主にアメリカからの軍事援助がなければ、ウクライナは紛争を継続できない。従って、トランプが撤退し、キーウへの軍事援助を拒否した場合、ゼレンスキーは統一された大ヨーロッパに希望を託している。

 陰謀説によれば、第三の関係者である大ヨーロッパが介入しない限り和平努力は無益なことをロシアに示すためゼレンスキーとの公開交渉をトランプ大統領とJD・ヴァンス副大統領が画策したという(和平協定締結後、安全保障の保証人としてウクライナに入るヨーロッパの平和維持軍を含む)。だが、この見解はほとんど信じがたい。一体なぜアメリカが、ロシアと世界の目から見て、その役割を縮小するのだろう?

 それにもかかわらず、2月28日のアメリカ・ウクライナ交渉の結果は、キーウ政権の立場のせいで紛争が継続していることを示した。

 「有志連合」はウクライナを救えるか?

 3月2日にロンドンで行われた欧州首脳会議で、「厳しい現実」を受け入れ、「永続的平和」とウクライナの安全保障を確保するため防衛費を増額するようイギリス首相が欧州各国指導者に求めた。キール・スターマー、エマニュエル・マクロン、ジョルジア・メローニの三人で構成される「有志連合」は、ウクライナへの軍事支援を継続し、ロシアへの経済的圧力を強化し、「力による平和」を実現すると誓った。

 ヨーロッパは、本質的に、ロシアに対抗するために必要な支援をAFUに提供できる統合された政治勢力ではない。EUでは、現在のハンガリーとスロバキアの指導者ビクトル・オルバーンとロベルト・フィツォ(サミットに招待されなかった)や他国の何人かの右派保守政治勢力が、ロシアとの軍事紛争継続に反対し、対ロシア制裁を拒否し、トランプ大統領の平和志向政策を支持している。

 ロシアとウクライナの和平実現に向けたトルコの積極的仲介努力

 ウクライナ紛争の解決に向けたレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の積極的外交は、2022年3月から4月の失敗に終わった「イスタンブール交渉」を超えて広がっている。自国の実利(第三国からロシアへの商品再輸出による経済的利益、ガスと石油の優遇価格、トルコ経由のヨーロッパへのロシア・ガス輸送の増加、観光業の成長、ロシアでの建設契約、「穀物取り引き」、「ガス・ハブ」創設、原子力発電所建設など)を維持しながら、アンカラはこの問題に強い関心を示し続けている。

 更に、紛争の結果としてロシアとウクライナ両国を弱体化させること、クリミアをトルコ化し半島をトルコ支配下に戻すこと、ヨーロッパの経済と軍事の安全保障に対するトルコの影響力を高めること、黒海地域での海軍力強化などの政治的野心も抱いている。

 最近のゼレンスキー大統領アンカラ訪問とエルドアン大統領との会談は、トルコがウクライナの領土保全と主権を公的に擁護し続けていること、ウクライナ軍への軍事物資供給を拒否していないこと、ウクライナの将来のNATO加盟を否定していないことを改めて証明した。トルコ外交のこうした側面はロシアを満足させておらず、特に協力関係に合致しない。だが、ロシアとウクライナの和平交渉のため「イスタンブール・プラットフォーム」の復活をトルコは執拗に追求している。

 リヤドでの米ロ交渉の開始をアンカラは明らかに嫉妬の念を持って受け止めた。これら交渉と同時期に、エルドアン大統領がトルコでゼレンスキー大統領と会談した事実は、アンカラが外交的潜在力を発揮したい願望を間接的に示している。特にリヤド首脳会談後、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相がトルコを訪問し、ハカン・フィダン外相およびエルドアン大統領と建設的会談を行ったことは注目に値する。

 ロシアが第三国と交渉するのにイスタンブールは都合良く好ましい場所であり続けている。その結果、リヤドに続き、イスタンブールのアメリカ領事館で、二国間の「刺激物」に対処し、外交使節団を復活させるための6時間に及ぶ米ロ交渉が行われた。これら会談はウクライナ紛争解決に直接関係するものではないかもしれないが、米ロ外交関係の完全復活と世界の二大国間の活発な対話はウクライナ問題の解決確実に貢献するだろう。

 トルコの仲介について、ロシア連邦評議会のコンスタンチン・コサチェフ副議長が次のように適切に述べている。「我々トルコの同僚は常に、より多くのことを望んでおり、仲介者になりたがっている。当然、彼らに我々は問いたい。ロシアとウクライナの紛争においてトルコは中立的な立場ではなく、政治的にも軍事的にも、装備や武器供給を通じてキーウを支援していると理解しているからだ。私の個人的意見では、この点で、トルコの可能性は著しく限られている。

 一方、ゼレンスキー大統領のアメリカ訪問が失敗に終わり、ホワイトハウスがウクライナへの軍事援助停止を発表したことを受け、キーウ駐在トルコ大使館は、ゼレンスキー大統領の最近のアンカラ訪問時に撮影された政治的に挑発的な写真を公開した。そこには、キーウ政権指導者の頭上に傘を差すエルドアン大統領の姿が映っている。ゼレンスキー大統領は、トルコの軍事援助とトルコ軍の平和維持活動への参加を引き続き期待している。希望は最後まで消えない。だが、紛争を長引かせ、トルコ、フランス、イギリスのいずれの軍であれNATO軍をウクライナに派遣する停戦シナリオをロシアは断固拒否している。

 2月28日の大統領執務室スキャンダルから得られた悲惨な教訓の一つは、キーウ政権指導者が交渉相手の意見に耳を傾けようとしないことだ。このようなやり方では戦争は失敗し、和平交渉は失敗する。したがって「アメリカの盾」でさえゼレンスキーを助けられなかったなら「トルコの傘」がゼレンスキーを助ける可能性は低い。

 アレクサンダー・スヴァランツは政治学博士、教授。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/03/09/turkey-continues-its-mediation-diplomacy/

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 The Chris Hedges Report

The Last Chapter of the Genocide
Israel has begun the final stage of its genocide. The Palestinians will be forced to choose between death or deportation. There are no other options.
Chris Hedges
Mar 23, 2025

 植草一秀の『知られざる真実』
〈ゆ党〉でなく〈野党〉強化最重要

2025年3月15日 (土)

シリアの新たな流血はアメリカ政策の失敗で引き起こされた。トランプは今後どうするのか?



マーティン・ジェイ
2025年3月10日
Strategic Culture Foundation

 元シリア大統領バッシャール・アル・アサドに忠誠を誓うアラウィー派を中心とする民間人の虐殺はアメリカにとっての警鐘だ。

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 元シリア大統領バッシャール・アル・アサドに忠誠を誓うアラウィー派を中心とする民間人の虐殺は、アメリカにとっての警鐘で、トランプがHTS戦闘員による凶悪な殺戮を支持するのか、つまりネタニヤフを支持するのか、それともこの集団と、その野蛮な支配様式を抑制する重要性を理解するのかに注目が集まるだろう。

 トランプと政府高官が、家族全員虐殺されるおぞましい映像を見れば、シリアとイラクにおける自分の功績の皮肉から逃れることはあるまい。そして、この地域におけるアメリカ外交政策の一貫性のなさが、ここでの反発の本当の原因だと多くの人が言うだろう。トランプが就任した2017年1月に、米軍を使って彼が殺害していたISIS戦闘員は、現在シリアを支配して、同盟者になっている同じ連中だ。

 もちろん、多くの人は慌ててバイデン政権を指さし、ダマスカスに進軍しアサドを打倒するための資金をHTS集団に与えた土壇場での決定を非難するだろう。それは、もっぱらネタニヤフが下した決定だったのか、それともバイデンにも相談したのか? そもそもトランプはそれについて何か知っていたのだろうか?

 更に明らかなのは、テロ組織を支援してきたアメリカの歴史は大きな代償を伴っていることで、HTSが西側諸国が協力できる「穏健な」イスラム政府という要求されている姿に「変身」できないのは確実だ。

 90年代初頭、ジョージ・H・W・ブッシュは、タリバン幹部をアメリカに招き、彼らと知り合う機会とした。アメリカ全土に広がるカリフォルニアのエネルギー集団に何兆ドルもの利益をもたらす大規模ガス・パイプライン契約に署名してもらうためだ。もちろん彼らは民族衣装で現れ、お茶を飲み、ブッシュとその一味と戯れた。パイプラインが完成すれば、それを守るためだけに年間1億ドルという法外な要求を彼らは曲げなかったため、契約は結局締結されなかった。当時、タリバンは女性を石打ちで殺すなど、最も野蛮な行為を行っていた。こうしたことは、契約やアメリカ政権が連中とうまくやっていけるかどうかに全く関係ないようだった。

 だが、これら過激派には何かあったのだ。トランプが好んで言うように、彼らには切り札があった。だが現在のシリア政権の場合、変身したテロ集団が政府に転じるという構想が何であれ、彼らがトランプ政権に何を提供できるのか見当もつかない。彼らの側にはイスラエルがおり、また残虐行為後に、HTSの手下に攻撃を開始したのはアラウィ派だと非難する最もばかげた声明を出したEUもいる。彼らが支配しているシリアの大部分には鉱物や石油がないため、今後しばらく好意的ではない可能性が高いトランプの反応を前にして、ネタニヤフとEU当局両方の政治的支援に大きく依存しなければなるまい。長期的にHTS政府にかけることを既に示唆しているので、ウクライナで見られたEUの反抗が繰り返されるように見える。これは、イスラエルのロビー活動の資金と権力が、これまで考えられていたより深くブリュッセル権力に浸透していることを示しているのかもしれない。

 ジョウラニと取り巻きがこのような蛮行を遂行するのはイスラエルにとって、強硬派とネタニヤフ首相にとって、まさに好都合だ。それは無知なアメリカ人の間で憎悪をかき立てるためイスラエルが育てたいと願っている決まり文句を強化し、テヘランに至るまでの抵抗枢軸を打破しているとイスラエルが感じる歓喜に更なる見せかけをもたらす。

 今大きな問題は、特に就任数日後に、トランプがソーシャルメディアに書いた、イスラエル首相と彼のイランとの戦争願望に不満を抱いていることを示唆する投稿を受け、評論家連中が苦慮しているトランプとネタニヤフの関係だ。ネタニヤフを従わせる必要があるのだろうか? 北部のクルド人を武装させ、HTSに対する内戦を許すことが、いずれにせよ在任日数が限られているイスラエル首相に対する影響力になるとトランプは考えているのかもしれない。あるいは、HTSとひげを生やした指導者に対し、より厳しい対応を取り、野蛮な連中を監視するため平和維持活動としてシリアに駐留する計画の一環として米軍を派遣することも可能だ。これはイラクで見られるのと同じような考え方だ。一部の人にとっては、これは火に油を注ぐようなものだと思われるかもしれない。結局、オバマ政権のイラク統治におけるもう一つの失敗が、現在ダマスカスで権力を掌握しているテロ集団の誕生につながったのだから。もちろん問題は、そのようなテロ集団と正面から戦えば、より大きな敵たる抵抗枢軸をあおってしまうことだ。トランプにとって難しい選択だ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/03/10/syria-new-bloodbath-was-created-by-failed-us-policies-what-now-from-trump/

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 Alex Christoforou Youtube
PUTIN, no Minsk 3. Lukashenko, EU is done. Trump, annex Greenland. Starmer, Russia menace UK streets 45:30
 上記番組最後で、欧州人権裁判所ECHRが2014年5月2日のオデッサ労働会館でのファシストによる虐殺を放置したかどでウクライナ政府に有罪判決と彼は語っている。
 2014年5月7日、当ブログも、このオデッサ労働会館虐殺事件について書いた。
キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!)
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ウクライナ戦争で米国・ウクライナは30日停戦案を提示。プーチン大統領は理論的には提案を支持するとしながらも、戦況優位を背景に、厳しい条件・従来路線をを提示。合意は難しいであろう。

2025年3月13日 (木)

シリアで虐殺が激化

ヴァネッサ・セヴィドヴァ
2025年3月10日
New Eastern Outlook

 3月6日と7日に、ラタキアとその周辺での暴力行為を撮影したビデオが公開され、武装した男がピックアップトラックで街をパトロールする様子や、他のより不穏な光景が映し出された。これは、12月のクーデター以来、シリア情勢の最も致命的な激化だ。

 シリアで虐殺が激化



 シリアの最新ニュース

 3月6日以来、シリア沿岸のラタキア、ラタキア県、タルトゥース県で激しい衝突が報告されている。シリア国内外の様々な報道筋によると、木曜日にアラウィー派が軍の拠点やインフラを攻撃し、ダマスカス政府治安部隊と政府支持派の戦闘員が激しい対応をとったと広く報じられている。沿岸地域に通じる道路は封鎖され、反乱鎮圧のため政府軍増援部隊が派遣された。

 アハメド・アル・シャラーの過去を考えれば、シリアにおける少数民族への迫害が続いているのは驚くに当たらない。

 3月8日の戦闘以来初の公式声明として、事前録音された演説の中で、暫定大統領アハメド・アル・シャラーは、政府軍は「崩壊した政権の残党を追跡し続ける」と述べた。アサド支持者らに「手遅れになる前に」武器を捨てるよう彼は求めた。

 ルダウは3月8日、衝突が始まって以来、少なくともアラウィー派340人の現場処刑が既に記録されており、戦闘員の死者は合計120人と報告されていると報告した。しかし、実際の死者数は遙かに多く、1,000人以上と推定されている。

 衝突により、アラウィ派やキリスト教徒を中心に数千人が命の危険を感じて家から逃げた。女性、子ども、高齢者を中心に数百人がロシアのフメイミム軍事基地に避難した。

 アラウィー派イスラム教徒はシリアの現在の人口の約10%を占め、そのほとんどは沿岸地域(主にラタキア県とタルトゥース県)に集中しているが、ダマスカス、ホムス県、ハマ県にも相当数の人々が居住している。特にバッシャール・アル=アサドはラタキア県の山岳地帯にあるアラウィー派が住民の大半を占める町アル=カルダハ出身だ。

 宗派間暴力は驚くべきことではない

 アハメド・アル・シャラー(戦闘名はムハンマド・アル・ジョラニ)の過去と、アルカイダ*から派生したヌスラ戦線*から派生したタハリール・アル・シャム*を考慮すると、シリアにおける少数派(まず第一に、アラウィー派、キリスト教徒、ドルーズ派)への継続的迫害は驚くに当たらない。シリア戦争中(つまり2011年以降)、スンニ派過激派によるキリスト教徒とアラウィー派への大規模迫害が報告され、文書化されており、処刑や拷問や性的奴隷や聖地の破壊などが含まれる。戦争中のこの暴力行為の最も悪名高い加害者はヌスラ戦線*とISIL*だ。シリアの現暫定大統領アハメド・アル・シャラーは以前ヌスラ戦線*指導者(首長)であったことを読者には想起願いたい(彼はアメリカ侵攻前にイラクでアルカイダ*に参加し、2012年頃にアルカイダ*の支援を受けてヌスラ戦線*を創設した)。彼のひげが剃られ軍服がスーツに変わった事実が、この不条理な事実を消し去るものではない。

 クーデター後、シリア国内では宗派間分裂に対する抗議として、物理的にもネット上でも不満の波が何度も押し寄せた。その一例が、クリスマス・ツリーが燃やされる動画だ。この動画はすぐにネット上で広まり、激しい批判や抗議活動の噴出やキリスト教徒や他の少数派迫害の恐れを招いた。それ以来、この事件の真相や実際に何が起きたのかをめぐって議論が続いているが、一つだけ確かなのは、一本の短い動画がシリアにおける少数派迫害や差別への深い恐れをかき立てるのに十分だったことだ。教会が略奪される動画も複数ある。

 アルジャジーラ、ガーディアン、CNNなど多くの情報源が衝突はアサド支持派と政権治安部隊の間で起きていると報じている。これは部分的には真実かもしれないが、一方側の代表者全員を「アサド支持派」と呼ぶのは無理がある。特に、シリア史の顕著な特徴として、集団全体に対する差別や、殺害された若い民間人の数が多いことを考慮するとなおさらだ。シリアではアラウィー派が少数派なのは周知の事実だ。更に、アラウィー派は、かなりの数のアラウィー派を周囲に擁していた父親ハーフィズと息子バシャール・アル・アサドとのつながりを理由に、現在全面的に非難されている。

 また、衝突に参加したのは政権の治安部隊だけでなかった可能性もある。2011年以来シリアで活動している多数の国家および非国家武装勢力を考慮すると、シリア人は時として「自らの手で問題を解決する」ことに慣れてしまっている。多くのスンニ派はアハメド・アル・シャラーを強く支持しており、程度の差こそあれアラウィー派に対する偏見が存在するのは当然だ。

 中東のキリスト教徒:忘れられがちな集団

 シリアや他の中東諸国のキリスト教徒に対する差別、さらには大量移住は、大きな問題であるにもかかわらず、ほとんど報道されていない。キリスト教徒の移住率は、レバントの他の集団と比較して不釣り合いに高く、この傾向は数十年(むしろ一世紀以上)にわたって見られる。これには多くの理由があり、様々な形の迫害(民族浄化を含む)や宗教に基づく差別などがあり、紛争により更に悪化している。現在アメリカ、カナダ、ヨーロッパには、かなりの数のアラブ系キリスト教徒海外居住者が存在している。一例を挙げれば、2011年にシリアで戦闘が勃発する前は、キリスト教徒の推定数は150万~200万人(全人口の約10%)だった。2020年までにキリスト教徒の数は45万人ほどに減少し、そのほとんどは北米やヨーロッパに逃れた。正確な数字を出すのは困難だが、現時点では300,000人程度に減る可能性もある。

 アラウィー派とキリスト教徒に対する現在の虐殺(まさに虐殺だ)を「反体制の破壊工作員を根絶するための勇敢な作戦」と呼ぶのは言語道断だ。

 言うまでもなく、中東はイスラム教より600年以上前に出現したキリスト教発祥の地だ。イスラムの侵略と征服以前は、中東住民(コプト人、アッシリア人、カルデア人、アルメニア人、ヌビア人、アラム人など)の大半はキリスト教徒だった。どういうわけか、この事実は、キリスト教徒の迫害と特定過激派集団の反キリスト教言説的の文脈で忘れられているようだ。中東には、レバノンのように、異なる宗教や宗派が共存している場所がいくつかある。だが、このバランスは非常に脆弱だ。この国の内戦(1975-1990)中に異なる集団がお互いを虐殺したことを思い出すだけで十分だ。このようなことは簡単に忘れられるものではなく、新しい世代を悩ませ続けている。残念ながら、民族・宗派の問題は常にレバントにとって中心的な問題で、(全てをスンニ派とシーア派の対立のせいにする弱い正当化に限定するのでなく)注意深く研究されなければならない。

***

最後に、現状の皮肉を指摘したい。2011年から2012年にかけてのいわゆる「アラブの春」の初めに政府が抗議活動を取り締まる厳しい対応を取ったことを含め、バッシャール・アル・アサド大統領が民間人に対し不当に暴力を振るったことを批判し、非難する機会を逃さなかったシリア新政権は、まさに同じことをしている。偽善は明らかだ。

* ロシア連邦で禁止されている組織

 ヴァネッサ・セヴィドヴァはモスクワ国際関係大学大学院生、中東・アフリカ研究者

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/03/10/massacres-in-syria-escalate/

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 Judging Freedom ナポリターノ氏、モスクワから帰国。
Prof. Jeffrey Sachs : Ceasefire or Surrender? What’s Really Happening in Gaza 29:17
 ≪櫻井ジャーナル≫
アサド政権崩壊後のシリアでは住民の虐殺が拡大、凄惨な状況になっている
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
総合的に、GDPへの影響はマイナスが支配的、報復が加わると度合い増。プラス効果(国内産業保護)は短期的ながら、長期ではコスト増や貿易縮小が上回ると見られる。MRIの試算では、対中60%・他国20%関税の場合、米国GDPはベースライン比で▲1.7%ポイント下押し

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