クリス・ヘッジズ

2020年3月19日 (木)

一つしか選択がない選挙

2020年3月9日
Chris Hedges
TDオリジナル

 この選挙で、選択は一つしかない。ジョー・バイデン下の寡頭支配集団か、ドナルド・トランプ下の寡頭支配集団かだ。トランプなり、バイデンなりと寡頭支配層が、再び勝つのだ。我々が負けるのだ。もしバーニー・サンダースが奇跡的に民主党被指名者になったら、彼を押しつぶすため、共和党に協力することを寡頭支配層は極めてはっきりさせた。もしサンダースが被指名者になったら、民主党支配層は、トランプから悪魔や圧政嗜好を即座に消し去るだろう。金曜日「バーニー・サンダースが、より親密なつながりを推進する中、ソ連は好機を見い出した」という記事で、ニューヨーク・タイムズが意地悪く書いたように、サンダースは赤狩りの標的になり、愚弄と嘲笑の対象にされた。寡頭支配層は、我々にヒラリー・クリントンやバイデンを押しつけようと試みる際は、よりましをと説教するが、彼ら自身はそれを無視している。連中はトランプよりは、バイデンが好きだが、どちらとでも、やれるのだ。

 寡頭支配層にとって、重要なものは一つしかない。民主主義ではない。真実ではない。支配される人々の同意ではない。収入の不平等ではない。監視状態ではない。果てしない戦争ではない。仕事ではない。地球温暖化ではない。大企業権力の優位と、彼らの富の継続的増加と強化だ。民主主義を消滅させ、労働者階級の大部分を窮乏状態にした寡頭支配層の覇権を、体制の枠内で、粉砕したり、有意義な改革を取り入れたりするのは不可能だ。本物の変化は、フランスの黄色いベストや、イギリスを本拠とするエクスティンクション・リベリオンのような持続的な市民的不服従や大量動員なしには、実現しない。インチキ選挙で、長い間だまさればだまされる程、我々は益々力を奪われてしまう。

 2016年の民主党大会で、何百人ものサンダース代議員が会場から退出した際、フィラデルフィアの、その名もふさわしいウェルズ・ファーゴ・センターの外に、私も抗議行動参加者といた。「民主主義がどのようなものか示せ!」と出口からなだれ出た際、バーニーのプラカードを掲げながら、彼らは唱和した。「民主主義はこういうものだ!」

 サンダース最大の戦術的失敗は、彼らに加わらなかったことだ。彼は大企業支配国家の強力な祭壇の前で頭を下げたのだ。指名プロセスを尊重し、混乱せず、クリントンを支援しようという、大半がクリントン選挙運動メンバーが書いたメッセージを彼の名で繰り返し送って、支持者と代議員による反乱を必死に食い止めようとした。サンダースは彼の不機嫌な支持者に、クリントン選挙運動を支持させようとする忠実な牧羊犬だった。彼がクリントン指名動議を提起し、棄教した瞬間、何百人もの彼の代議員が退席した。

 2016年の民主党全国大会後、サンダースは、彼が反抗分子として立候補した際に引き寄せていたものと比較して、哀れなほど少数の群衆の集会をクリントンのために開催した。大企業とウォール街からの何千万ドルもの資金を、選出された民主党候補者につぎ込む能力ゆえに権力を握っているチャック・シューマー上院院内総務を支持して、上院に戻った。彼に対する予備選挙の不正操作について、民主党全国委員会に対して起こされた訴訟支援をサンダースは拒否した。彼は彼が反対すると主張する新自由主義経済の政治的立場を奉じる民主党候補者を支持したのだ。自身無所属と呼ぶサンダースは民主党員として参加した。民主党は上院での彼の職務を決めた。もし民主党が上院の主導権を握ったら、シューマーはサンダースを上院予算委員会委員長にすると申し出た。サンダースは党官僚になった。

 民主党支配層に、十分追従的にすれば、彼らは、2016年に否定した機会を、2020年には、与えてくれると、どうやらサンダースは信じたのだ。政治とは、妥協と実務的なものだ、と彼は主張するだろう。これは本当だ。だが、民主的でない制度で、政治をするのは、政治茶番の共犯だ。サンダースは、大企業支配国家のどろ沼の生き物、民主党指導部を読み損ねたのだ。彼は大企業の蜃気楼である民主党を読み違えたのだ。連中は、せいぜい、前もって承認した候補を選択し、集会や演出された党大会で、小道具役を務めることができるだけだ。民主党支持者の、党活動や党方針に対する影響力は皆無だ。サンダースの純朴さと、おそらく、政治的勇気の欠如が、最も献身的な若い支持者を離反させた。これら支持者は、彼の裏切りを許さなかった。彼らは予備選挙で必要な得票を得られるだけの人数が、投票しないと決めたのだ。彼らは正しい。彼は間違っている。我々は、この体制を懐柔するのではなく、ひっくり返す必要があるのだ。

 サンダースは傷を負っている。寡頭支配層は、とどめをさしにかかるだろう。彼はフランクリン・デラノ・ルーズベルト以来、支配層を本格的に脅かすのに成功した、たった二人の進歩的大統領候補、1948年のヘンリー・ウォレス、1972年のジョージ・マクガヴァンに向けられた商業マスコミの茶坊主に幇助されたと同じ人身攻撃をするはずだ。無気力なリベラル階級は、容易におびえて、既にサンダースを捨て、おぞましい独り善がりで、サンダース支持者を厳しく非難し、政治的救済者としてバイデンを擁護している。

 トランプとバイデンは、老いて、認知的に衰えて、道義心にかけた実に不快な人物だ。トランプはバイデンより危険だろうか? そう。トランプは、より無能で、より不正直か? そう。トランプは、開かれた社会に対して、より大きな脅迫か? そう。バイデンは解決策だろうか? そうではない。

 バイデンは古い新自由主義秩序を代表している。彼はあらゆる政治思想の支配層に対する深い憎悪をひき起こした、民主党による働く男女の裏切りの権化なのだ。彼は、少なくとも、これらエリート連中が憎まれているのを理解しているトランプのような扇動政治家、詐欺師に対する贈り物だ。バイデンは、まことしやかな変更を実現できない。彼は同じことを更に提供できるだけだ。大半のアメリカ人は更に多くの同じことを望んでいない。無関心あるいは嫌悪から投票しないアメリカ最大有権者年齢層、一億人強の国民は、再び家に留まるだろう。選挙民のこの道徳退廃は、意図的なものだ。それで、私が思うに、トランプは、もう一期任期を得るだろう。

 バイデンに投票するのは、虐待者と対決したアニタ・ヒルのような勇敢な女性の屈辱の承認だ。中東での果てしない戦争の構築者の賛成票だ。イスラエル・アパルトヘイトの承認だ。政府諜報機関による国民への全面的監視や、適法手続きや人身保護令の廃止への賛成票だ。福祉と社会保障の削減や破壊を含め、緊縮経済計画への賛成票だ。NAFTA、自由貿易協定、産業空洞化、賃金下落、中国やベトナムの労働搾取工場で働く、不十分な賃金の労働者に対する何十万という製造業と雇用の海外移転による損失への賛成票だ。公教育に対する攻撃と、営利的キリスト教チャータースクールへの連邦資金振り向けへの賛成票だ。アメリカの刑務所人口を二倍にすること、有罪判決を三倍、四倍にし、死刑に値する犯罪を拡張することへの賛成票だ。罰せられずに、貧しい有色人種を射殺する軍隊化した警察への賛成票だ。グリーンニューディールと移住改革への反対票だ。女性の妊娠中絶の権利や生殖の自己決定権制限への賛成票だ。裕福な人々が教育の機会を得て、貧しい有色人種は機会を拒否される、人種別公立学校制度への賛成票だ。懲罰にも等しい学生ローンや、自己破産によって債務から自らを解放できなくなることへの賛成票だ。銀行とグラス- スティーガル法の廃止に対する規制緩和への賛成票だ。国民皆保険制度に反対し、営利保険会社や製薬企業への賛成票だ。肥大化した防衛予算への賛成票だ。アメリカの選挙を買収すため、寡頭支配層、大企業資金の無制限使用への賛成票だ。上院議員時代、デラウェアに本部を置き、バイデンの息子ハンターも雇用している最大の独立クレジットカード企業MBNAの権益に卑屈に奉仕した政治家への賛成票だ。

 民主党と共和党には、大きな政治的相違はない。我々は、参加民主主義だと錯覚しているだけだ。民主党員と彼らのリベラルな擁護者は、人種、宗教、移住、女性の権利と性的アイデンティティーに関して、寛大な見解を採用して、それが政治であるふりをしている。右翼は社会の片隅に追われた人々を、いけにえに使っている。文化戦争は現実を覆い隠す。両政党は、アメリカ社会を、一種の新封建制に再構成する上での全面協力しているのだ。人々が、どちらの衣装を好むか次第だ。

 彼らの権益を優先事項にできる「という錯覚を、無力な階級内で促進することで」民主党は「彼らをなだめ、裏返された全体主義システムでの野党のスタイルを定義している」と政治哲学者シェルダン・ウォーリンが書いている。

 民主党は、実際には、大企業全体主義への行進を阻止するために、ごくわずか、あるいは何もせず、再度、不本意ながら他よりましな代替物を演じている。大衆が欲し、それを得てしかるべきものは、またもや大企業ロビイストが要求するもののために無視されるだろう我々が、国民の大部分になされた社会的、経済的破壊に素早く対処しなければ、大企業専制の勃興とキリスト教ファシズムを阻止することはできないだろう。

 我々は隅に押しやられた人々を社会に再統合し、破断した社会的きずなを修復し、労働者に、威厳、地位向上と保護を与える必要がある。我々は、グローバルな世界的大流行に向かって疾走する中、特に国民皆保険制度が必要だ。我々は持続可能な賃金、仕事保護と年金を雇用に提供するプログラムを必要とする。我々は全てのアメリカ人のための品質公教育を必要とする。我々はインフラを再建し、我々の資源を戦争で浪費するのを終わらせる必要がある。我々は大企業略奪を止め、ウォール街と大企業を規制する必要がある。我々は炭素排出を抑制するため、根本的な迅速な措置で対処し、我々自身を生態系破壊と絶滅から救う必要がある。我々にはトランプとバイデンの「パンチとジュディー」ショーなど不要だ。だがそれは、大企業の圧制的権力行使と同様、我々が街頭に繰り出して既存体制を打倒しない限り、得るよう運命づけられているものなのだ。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/the-one-choice-election/

----------

 電源喪失による最悪事態警告を無視した連中が「呪われた五輪」!

 安倍首相「改ざんはあってはならない」 森友問題で自殺職員の遺書巡り

 森羅万象男が何を言っても驚かない。覆工オリンピックを目指していたのだろうか。

 「操縦席に猿」発言、座ぷとん十枚。上野動物園のお猿の電車を思い出す。

 植草一秀の『知られざる真実』

安倍・検察・財務省癒着の超巨大犯罪握り潰し

 日刊ゲンダイDIGITAL

森友問題で自殺の財務省職員手記「許せないリスト」の中身

 山尾議員、離党届け。

 日刊IWJガイド「国と佐川元理財局長を自殺した財務省職員の妻が1億1千万円超で提訴!! 『佐川さん、どうか改竄の経緯を、本当のことを話してください』!IWJは『「森友文書」改竄事件で自殺した、財務省職員遺族の代理人弁護士による会見』を録画配信しました!!」2020.3.19日号~No.2744号

2020年2月27日 (木)

ゲームの新しい規則

2020年2月17日
Chris Hedges
Truthdig

 悪いものの中から一番ましなものを選ぶ、あるいは、企業権力に奉仕する大統領候補に投票するよう、いかに大衆を怖がらせるかの4年毎の政治ゲームは、今シーズン、新たな展開を示している。もし彼がピート・ブティジェッジ、ジョー・バイデン、エイミー・クロブチャーあるいはマイケル・ブルームバーグと対決するなら、ドナルド・トランプは、アドルフ・ヒトラー、アル・カポネと反キリストの融合のままだろう。だが、もしバーニー・サンダースが民主党エリートが彼にしかける罠や計略や地雷敷設地帯を避けるのに成功すれば、もし彼が奇跡的に党指名候補になれば、悪いものの中で一番ましなものを選ぶゲームは根本的に変化するはずだ。トランプに住み着いた全ての恐るべき悪魔は瞬時に追い払われるだろう。だが聖書の、悪魔たちを豚の群れにへと追いやったイエスの話とは違って、悪魔はバーモントの上院議員に放たれるだろう。トランプは支配体制にとって、気が進まない悪いものの中で一番ましな選択肢になるだろう。サンダースは世間から、のけ者にされるだろう。彼らが1972年の大統領選挙でしたように、民主党と共和党の支配層は協力して、彼らが50の州の49で負けたジョージ・マクガヴァンにしたことを、サンダースにするだろう。

 「もし民主党員がサンダースを指名したら、最も巧妙にアメリカをだいなしにするには、誰のために働くべきかロシアは再考しなければなるまい。サンダースはトランプと同じぐらい意見の対立を招き、アメリカ経済を台無しにするだろうし、アメリカ軍のことは気にしない」と元ゴールドマン・サックスCEO、ロイド・ブランクファイン(資産11億ドル)がTwitterで書いた。「もし私がロシア人なら、今回はサンダースを支持する。」

 メディケアやメディケイド社会保障削減を主張し、2013年、三回の講演のためにヒラリー・クリントンに、675,000ドル支払った時、ゴールドマン・サックスを率いていたブランクファインは、民主党を支配している億万長者階級の姿勢を語ったのだ。ニューヨーク・タイムズが、ゴールドマン・サックス出身者で、仮想通貨マーチャントバンク「ギャラクシー・デジタル社」のCEO、マイケル・ノヴォグラッツが、サンダースの反抗的な性格が「余りに多くの友人たち」に、11月には、彼には反対投票すると言わしめたと言ったと報じた。「しかも彼らはトランプを憎んでいる」と彼は言った。」

 「誰も彼を好きではない、誰も彼と働きたいと思わない、彼には何も実績がない。彼は職業政治家だった。全てたわごとに過ぎない、私は人々がそれに飲み込まれているの」がとても不愉快だと、ヒラリー・クリントンは、間もなく公開されるテレビ・ドキュメンタリーでサンダースについて述べた。

 サンダースのニューハンプシャーの勝利を、大企業に支持された他の連中の勝利であるかのように、哀れにも歪曲しようしているマスコミのおべっか使い連中は銃殺隊の一員だ。「トランプに反対して出馬しているサンダースは狂気の沙汰だ」が、ニューヨーク誌のジョナサン・チェイト記事の見出しだ。「1964年の共和党、バリー・ゴールドウォーターを例外として、サンダース候補公認がもたらすような損失を被るリスクがある大統領候補を、政党が指名したことはない。サンダース指名は正気ではない」と彼は書いた。今ジョージ・W・ブッシュ支持者からトランプ批判者へと変わった多くの共和党員のような民主党エリートのお気に入りデーヴィド・フラムは、バーニーは勝てないとアトランティック誌で、
宣言した。「サンダースは時間に忘れられた国の弁証法的唯物論の旧弊マルクス主義者だ」とフラムは書いた。「階級関係が基本だ。他の全ては付随現象だ。」

 ワシントン・ポストでジェニファー・ルービンは、サンダース指名は「民主党にとって大惨事」だと宣言した。「サンダースの選挙運動は、全ての予備選選挙運動と同様、大統領選挙戦、もし当選したら、彼が率いる政権の予告編だ」とルービンは書いた。「個人的にあらゆる懐疑派やマスコミ攻撃を強く主張する被指名者が、共和党にとっては手本かもしれないが、民主党は、彼ら自身のドナルド・トランプ、特に背水の陣を敷いて、自身の党内で憤慨をかき立てた人では勝てないだろう。」

 民主党世界の変幻自在な最新救済者ブルームバーグを支持するコラムで、トーマス・フリードマンは、サンダースについて書いた。約1億5000万人のアメリカ人の私営医療保険を奪い去り、それを試されたことがない、不法入国者にも申し出るだろう巨大なメディケア皆保険で置き換えることを望む、公然の「社会主義者」が、今年トランプを打倒しようとしているのは「銀河内の一体どの惑星だろう」? それはサンダースにチェ・ゲバラ役を振り当てることになろう、それはさほど困難でさえあるまい。」

 MSNBC解説者のクリス・マシューズは、ブランクファインが使った赤狩りにまで身を落として、「もしカストロと赤が冷戦に勝っていたら、セントラルパークで処刑があったろうし、私は処刑される人々の一人だったかもしれない。他の連中はそこで歓声をあげるだろう。」と言った

 マシューズやフリードマンのような大企業茶坊主の過度な騒ぎ立てにもかかわらず、サンダースの民主社会主義は、本質的にニューディール民主党のそれだ。彼の政治的意見は、民主社会主義が受容される政治的見解であるフランスやドイツでは主流の一部で、年中、共産主義者や急進的社会主義者から、余りに妥協的だと年中異議を唱えられている。サンダースは、我々の外国戦争の終了、軍事予算縮小、死刑や必要的最低量刑や私営刑務所の廃止、グラス-スティーガル法復活、裕福な人々の税金引き上げ、最低賃金を1時間15ドル、学生負債を帳消し、選挙人団排除、水圧破砕禁止、農業関連産業分割、「メディケア皆保険」を要求している。これは革命政策には当たらない。

 多くの急進的社会主義者とは違って、サンダースは銀行や化石燃料や軍需産業の国営化を提案していない。彼は世界経済を破壊した金融エリートや、ウソをついて中東の多くに壊滅的打撃を与え、何十万人もの死者や何百万人もの難民や強制移住者をもたらし、5兆ドルから7兆ドルの費用がかかった国際法の下での犯罪的な侵略戦争とされる先制的戦争を開始した政治家や将官の刑事訴追を要求していない。彼は工場や企業の労働者所有を主張していない。彼は政府の大衆の大規模監視を止めると約束していない。彼は海外に製造を移転した企業を罰するつもりはない。最も重要なのは、私はそうではないが、彼は、民主党を含め、政治組織が中から改革できると信じている。彼は、人類を滅亡させるおそれがある気候緊急事態を止める上で我々が持っている唯一の望みである、体制を停止させるための大規模で持続的な市民不服従運動を支持していない。政界で、彼は、せいぜいの所、賢明な穏健派だ。彼に反対するエリートによる悪意ある攻撃は、わが国の政治がどれほど貧困で、枯渇しているかの兆しだ。

 民主党は再度、我々に、彼らが事前に選択した大企業候補者連中を揃えた。我々は、オリガルヒ権力に奉仕する、トランプよりは礼儀作法がある候補者に投票するか、トランプが我々に押しつけられるのを見るか、できる。それが選択だ。だから、悪いものの中から一番ましなものの選択肢というのは詐欺で、企業権力を強化するために繰り返し使われる仕組みなのだ。サンダースにとっては名誉なことだが、エリート連中は、バーニー・サンダースではなく、ヒラリー・クリントンやバラク・オバマやジョン・ケリーのような連中の手中にいる方が安全なことを知っているのだ。

 毎回の大統領選挙での「悪いものの中の一番ましなものの」という呪文への屈伏は、貧困、大量監禁と警察の暴力と戦う組織や集団とともに、労働者の要求を去勢した。市民権、女性の権利、環境公正や、消費者の権利運動の言説は、好ましい民主党を支持することを強いたが、その行動は、彼らの大義に不利なので脇へ投げやられる。次々の選挙で、政治的影響力は戦わずして放棄される。我々全員「悪いものの中の一番ましなもの」の祭壇前にひざまずかせられる。それと引き換えに我々は何も得られない。「悪いものの中のら一番ましなものの」選択肢は、民主主義の絶えざる崩壊の処方箋であることが証明済みだ。特に2000年のラルフ・ネイダーの大統領選出馬後、民主党は、党内外の革新派対して、多数の障害を築いてきた。彼らは、有色人種の人々が投票所に行くのを困難か、不可能にしている。彼らは、しばしば第三政党の候補者や、デニス・クシニッチのような民主党革新主義者を大統領選選挙運動討論から閉め出す。彼らは選挙運動を、何十億ドルも費用がかかる二年にわたる見せ物に変えた。彼らは選挙を経ない代議員を、指名プロセスを修正するために使っている。彼らは、第三政党や進歩的政治運動の本来の同盟者であるはずの人々を取り込むため、おどし戦法を使っている。

 ヨーロッパであれば極右政党と見なされる民主党を支持するリベラル階層が繰り返し示す臆病さ、自らの信頼性を浪費している。連中の論理は空虚だ。連中の道徳的姿勢は茶番的行為だった。何の役にも立たなかった。勤労階級に対する次々の攻撃で、彼らは共謀していた。もし勤労階級の権益を擁護するはずの党や団体の支援者のリベラル派が、ビル・クリントン大統領が1994年の北米自由貿易協定を押し通した後、民主党を見捨てていれば、トランプはホワイトハウスにいなかっただろう。クリントンとバイデンを含め民主党指導部が、NAFTAを通過させた時、リベラル派が民主党から立ち去らなかった理由は何だったのだろう?彼らは、クリントン政権が福祉を破壊したとき、なぜ立ち去らなかったのだろう?彼らは、クリントンが、2008年に世界経済を破壊した銀行危機を防ぐよう意図されていた1933年のグラス・スティーガル法を廃止して、1999年の金融サービス近代化法を無理やり成立させた時、なぜ立ち去らなかったのだろう?民主党が年々アメリカの果てしない戦争に資金を供給して、拡大したとき、彼らは、なぜ立ち去らなかったのだろう?民主党が適法手続きと人身保護令阻止に同意したとき、彼らは、なぜ立ち去らなかったのだろう?民主党が令状なし盗聴や、アメリカ国民の監視承認を助けたとき、彼らは、なぜ立ち去らなかったのだろう? 党執行部が、戦争犯罪のかどで、イスラエルに制裁を課すことや、深刻な環境の、健康監護を制定せず、ウォール街を改革や規制を拒否したとき、リベラル派はなぜ立ち去らなかったのだろう? リベラル派は一体どの時点で「いい加減にしろ」と言うのだろう?彼らは一体どの時点で反撃するのだろう?

 毎回の「悪いものの中の一番ましなものの」選挙に屈伏することで、リベラル派には我慢の限界点がないことが証明された。一度も譲れない一線を示したことがない。連中の何に対しても戦わないのだ。

 トランプのように、億万長者階級が働く男女に押しつけている暗い現実を認めたから、2016年に、バーニー・サンダースは政治勢力として立ち上がったのだ。この現実、支配層によって無視されている現実が、はっきりと語られたのだ。エリートに責任があったのだ。民主党エリートは、緊急発進し、サンダースに2016年の指名を与えるのを、まんまと拒否した。共和党エリートは彼らの間で言い争い、トランプが指名候補者になるのを阻止し損ねた。

 2016年のチェス盤が再び現れたが、今回は民主党予備選挙でだ。共和党の既成支配体制エリートがトランプに怯えたのと同じぐらいサンダースにおびえている民主党支配組織は赤の脅威を打ち破る政治的救済者を見いだそうとして必死になっている。連中がアイオワ予備選挙で潰滅して、連中の無能さと、サンダースの主な長所が露呈した。連中は、2016年の共和党エリートのように、彼らは、自分たちが裏切り、もはや理解できていな大衆を説得しようと試みたが、いたましいほどが彼らの有権者から切断されていた。

 たとえば、長年のアメリカ大企業の手先ジョー・バイデンは、アイオワとニューハンプシャーという主に白人の州での敗北後、彼自身を貧しい有色人種の擁護者として表現しようと半狂乱になっている。だが、元副大統領は、共和党から「法と秩序」問題を取り戻す戦略の影の原動力の一人だった。彼とビル・クリントンは、刑務所人口を二倍にすること、警察の軍国化、必要的最低量刑、少年新兵訓練所、麻薬裁判所、学校の警備と「犯罪人外国人」の国外退去加速を計画した。彼が1973年から、オバマの副大統領になった2009年まで勤めたバイデン指導下の上院は、ほぼ同一期間に、議会は、92の死刑にあたる犯罪を承認した。これら民主党の「法と秩序」政策は、貧しい有色人種の社会に、ハンマーの一撃のように落ちて、無数の不幸や言語道断な不正行為をもたらした。今、彼が張り付けにした人々にくぎを打ち込んでいたバイデンが、彼の被害者に、自身を彼らの救済者に見せようと必死だ。それは民主党の破産にとって、悲しい比喩だ。

 だがバイデンは、もはや民主党支配層エリートの時の人ではない。この衣鉢は、かつて無差別の、主にアフリカ系アメリカ人とラテン系アメリカ人に警察官が路上で制止して、行う所持品検査のいやがらせが違憲だと裁定された共和党元ニューヨーク市長でルディー・ジュリアーニのお仲間のブルームバーグに引き継がれた。純資産618億ドルと推定されるブルームバーグは、ニューヨーク・タイムズが「現金の滝」と呼んだ彼の選挙運動に自身の金10億ドルを使う用意があると述べた。彼は民主党支配層の多くの忠誠を買収した。彼は今、議会で24人の候補者を支援するため、2018年だけで、例えば1億1000万ドル使った。彼は放送局をコマーシャルで一杯にしている。彼は膨大な選挙運動スタッフに高い給料と役得を惜しまず与えている。サンダースや、億万長者階級に反抗する他の誰でも財政的に競争できない。民主党支配体制の最後のあえぎは、選挙を買収することだ買う。ブルームバーグは願いに応える用意ができている。結局、ブルームバーグの金は、彼が市長として三期目の任期を勤めることができるようにするため、ニューヨーク市の任期期限をくつがえすため支持者を寄せ集める上で奇跡をもたらした。

 だが、それは機能するだろうか? 民主党エリートとブルームバーグが非常に多くの金で民主党予備選挙を制圧できるから、サンダースは締め出されるのだろうか?

 「2016年の共和党と同様、2020民主党レースの決定的な特徴は、手に負えない競技場の広さだった」とマット・タイビが書いている。「共和党のピエロ自動車の下に隠れていたのと同じアイデンティティーの危機が、今年の民主党選挙戦を苦しめている。なぜなら寄贈者も党幹部も評論家も、一体どういう立場のふりをすべきか分かっておらず、彼らはどの候補者を巡っても一致できなかったからだ。ピートだ!エイミーだ! マイク・ブルームバーグを呼び出せ! という、この「勢い」の極めて移り気な変化が、民主党指導部が大統領候補を選ぶ力を弱めたのだ。こうした勢いが中から党を食い、そうし続ける用意ができているように思える。」

 もしサンダースが指名を得るとすれば、それは民主党指導部のキーストン・コップスの警官隊ドタバタ喜劇のような無能さのせいで、タイビが指摘している、2016年共和党エリートの無能さの繰り返しだ。だが今回は重要な相違がある。エリートの大半がクリントンを好みながらも、トランプとヒラリー・クリントンの間で分裂していたが、支配層はサンダースに対抗して団結するだろう。彼らは「悪いものの中の一番ましなものの」トランプを支持するだろう。商業マスコミは、トランプに向けた敵意を、今度は、サンダースに向けるだろう。民主党の仮面は外れるだろう。彼らと我々の戦闘状態になるだろう。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/the-new-rules-of-the-game/

----------

 彼氏の記事には、いつも見事な風刺画がある。原文でご覧願いたい。

 個人的に、もともとスポーツが苦手なので、オリンピックには興味皆無。開催されても見にゆかない。テレビも見ないだろう。だが、勝手なことに、相撲は気になる。どうなるのだろう。歌番組のように、観客なしで強行するのだろうか?防護服の上に回しをしめて取り組むのだろうか?呼び出しや行司、イラン保健次官のようなことになりはすまいか?東電福島原発事故の放射性物質も、コロナウイルスも、与党政治家には一切忖度しない。放射性物質は、物理的微粒子ゆえ、人人伝染で広がることはないが、コロナウイルスは、人人伝染で、地域の違いを簡単に乗り越えて広がることは、大本営広報でもわかる。

 孫崎氏の今日のメルマガ題名:

オリンピック開催の是非が政権の責任問題と自民総務会長が発言するまでに発展。古参IOCメンバーが今夏の東京オリンピックはコロナウイルス勃発で、あまりに危険と発言。決定は制御下にあると言えるか。問題は日本の制御と、全世界の拡散の度合いの二つ。

 植草一秀の『知られざる真実』

安倍内閣が検査を忌避する「特殊な事情」

 日刊ゲンダイDIGITAL

丸投げの安倍政権 新型コロナ基本方針は“国は何もしない”

 何かのスポーツ催しのマスク姿観覧席を見て、マスク姿の香港デモを連想した。政府閣僚が、短時間会議で、後手後手の、検査を受けさせない実質「棄民」政策を発表し、不要不急な催しにでかけるなと言いながら、自分たちは集会や宴会に参加しても、庶民は、伝染病対策貧困反対で、あるいは異様な検察人事反対で、マスクをして国会前に大勢集り「政府はヤメロ」と叫ぶわけにゆかないだろう。予防効果の有無はともかく、そもそもドラッグ・ストアで、マスクは見当たらない。連中はそれにつけこんでいる?敵はサルもの、ひっかくもの。培養監獄になっているクルーズ船乗員の方々は、お気の毒だ。大本営広報部は報じているのだろうか?「おもてなし」ではなく「おもてなしなし」。

日刊IWJガイド「スクープ! IWJにSOS! クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』クルーから助けを求めるコンタクトが!『16日間隔離され続けています!』『先が見えない、助けて!』『発狂しそう!』」2020.2.27日号~No.2723号

2020年2月18日 (火)

アサンジに起きていることは我々全員に起きる

2020年2月10日
TDオリジナル
Chris Hedges

 スペインの民間警備会社アンダーカバー・グローバルの起訴されている所有者デイビッド・モラレスは、ウィキリークス創設者・発行人のジュリアン・アサンジがロンドンのエクアドル大使館にいた時に、彼の弁護士や他の訪問者とした会談の音声と映像記録をCIAに提供したかどで、スペイン高等裁判所に調査されている。警備会社は、報道によれば、アサンジ訪問者全員のパスポート写真を撮った。同社は、大使館では認められていないのに、訪問者の電話をとって、電話を傍受する取り組みで、会話を開いたかどで非難されている。同社は、報道によれば、全て大使館受け付けにあずける必要があるとされるラップトップや電子タブレットやUSBスティックからデータを盗んだ。報道によれば、同社はアサンジの会談と訪問者との会話の全てについて、詳細な報告書を編集した。アサンジを訪問した幼児がアサンジの隠し子かどうかを確定するためのDNAテストをするために、同社は赤ん坊のおむつを盗むことさえ計画したと言われている。報道によれば、アンダーカバー・グローバルは、どうやらCIAの要請で、ロンドン大使館で働くエクアドル外交官を秘密に調査した。

 国家裁判所アウディエンシア・ナシオナルによる、UCグローバルの活動の調査と、スペインの新聞エル・パイスと、イタリアの新聞ラ・レプブリカに発表されたや、漏れた映像や、声明や、文書は、新たな世界規模の安全保障国家を覗く窓になる。ここで法による統治は無関係だ。ここでは、プライバシーも弁護士依頼人秘匿特権も存在しない。ここでは、人々は24時間、一日中監視下で暮らしている。ここでは、暴君的権力の犯罪をあばこうと試みる全員が追い詰められ、捕まえられ、誘拐され、投獄され、破壊される。この世界規模の安全保障国家は、大企業と政府の恐るべき組み合わせだ。そして、連中は、アサンジにしたことを、我々の全員に対してもするだろう。

 アメリカ合州国で、機密文書の公表は、まだ犯罪ではない。もしアサンジが引き渡され、有罪判決されれば、それは犯罪になる。アサンジはアメリカ国民ではない。彼が設立したウィキリークスはアメリカを本拠とする出版社ではない。アサンジの犯人引き渡しは、権力の内部機構に対するジャーナリズムによる調査の終わりを意味するだろう。その下では国境も国籍も法律も何の意味もない、大企業による恐るべき世界的専制支配を確固たるものににする。このような判例が確立した途端、機密資料を公表するどの企業も、ニューヨーク・タイムズから代替ウェブサイトに至るまで起訴され沈黙させられるだろう。

 アサンジ迫害における法律と国際協約に対する、はなはだしい反抗的態度は無数ある。2019年4月、エクアドルのレニン・モレノ大統領は、政治亡命者としてのアサンジの身分にもかかわらず、彼が年過ごしたロンドン大使館で、恣意的にアサンジの亡命権を終了させた。モレノは、エクアドルに帰化した市民権所有者を逮捕するため、外交上容認された独立の領域、大使館に、イギリス警察が入る権限を与えた。(アサンジはオーストラリア市民権を保持している。)イギリス警察は一度も犯罪をしたことがないアサンジを差し押さえ、イギリス政府は、表向き保釈金違反のかどで彼を投獄したままにしている。

 アサンジは悪名高い高度警備のベルマーシ刑務所に拘留されている。彼は隔離され、多くの時間を過ごし、しばしば大量の鎮静剤を与えられ、様々な病気の医学的治療をするのを拒否されている。彼の弁護士は、定期的にクライアントにアクセスするのを拒否されていると言う。二人の医者と一緒にアサンジを調べた、拷問に関する国連特別報告者ニルス・メルツァーは、アサンジが長期の心理的な苦悩を経験していると述べた。メルツァーは、スウェーデンにアサンジを引き渡そうとする取り組みで、性的暴行事件に関する捜査を引き延ばした、イギリス、アメリカ、エクアドルとスウェーデンによるアサンジへの「司法迫害」と彼が呼ぶものを批判した。アサンジは、この事件は、アメリカに彼を引き渡すための口実だったと言っている。アサンジがイギリス警察に逮捕された途端、性的暴行の告訴は取り下げられた。

 イラクとアフガニスタンでのアメリカ戦争犯罪を暴露する秘密の軍と外交公電、文書や映像を公表する上での彼の役割のかどで、防諜法下の17の容疑に直面すべく、引き渡されれば、アサンジは、アメリカ合州国で政治化された見せしめ裁判に会うとメルツァーは言う。告訴のそれぞれが10年の量刑の可能性があり、アサンジが政府コンピュータに不法アクセスしようと企んだ追加告訴では5年の最大刑だ。彼がアメリカ合州国に引き渡されるかどうか決定する聴聞が、2月24日、ロンドンのウーリッジ刑事法院で始まる。それは約一週間続き、次に5月18日に再開し、更に3週間予定されている。

 ウィキリークスは、アフガニスタンとイラクの米軍の戦争ログ、250,000通の外交公電のキャッシュと、800のグアンタナモ湾抑留者評価要約と、2007年の「巻き添え殺人」映像を公表したが、この映像では、バグダッドの通りで、子供二人とロイター記者を含め、一般人を撃ち倒す際、米軍ヘリコプター・パイロットが冗談を言っていた。資料は米軍の下級諜報専門家チェルシー・マニング、当時のブラッドリー・マニングにより、2010年にウィキリークスに与えられた。アサンジは激怒するアメリカ諜報関係者により「アメリカ合州国機密情報史上最大漏洩の一つ」を起こしたと非難された。マニングは2013年8月、スパイ活動のかどで有罪判決され、35年の軍刑務所拘留を宣告された。2017年1月、彼女はバラク・オバマ大統領により恩赦された。大陪審で、ウィキリークス事件について証言するのを拒否した後、マニングは去年刑務所に戻るよう命じられ服役中だ。ウィキリークスが文書化した戦争犯罪のかどで、今まで誰も告訴されていない。

 アサンジは、民主党全国委員会と民主党当局幹部に帰属する70,000の不法アクセスされた電子メールを公開することで、民主党支配層の敵意を買った。電子メールはヒラリー・クリントン選挙対策責任者ジョン・ポデスタのアカウントから複写された。ポデスタ電子メールは、イスラム国の主要出資者二国、サウジアラビアとカタールによる、クリントン財団への何百万ドルもの寄付を示していた。電子メールは、講演のために、ヒラリー・クリントンにゴールドマン・サックスが払った657,000ドルが賄賂としか思えないほど大きい金額なのを暴露した。電子メールはクリントンの繰り返されるウソを暴露した。例えば彼女は、電子メールで、金融エリートに「貿易を解放し、国境を開放」したいと言い、経済を運営する上で、ウォール街経営者は最も良い立場にあると思うと、彼女の選挙運動での発言と矛盾する発言をしているのがばれた。電子メールは、ドナルド・トランプが確実に共和党指名候補になるようにするため、共和党予備選挙に影響を与えるクリントン選挙運動の取り組みを暴露した。電子メールは、クリントンが、予備選挙討論の質問内容を事前に知っていたことを暴露した。電子メールは、クリントンがリビア戦争、彼女が大統領候補としての資格を磨くだろうと信じた戦争の主任建築家であることを暴露した。

 ジャーナリストは、このような情報、戦争のログは隠れたままにしておくべきだったと主張することができるが、彼らは以後自身をジャーナリストとは呼べない。

 民主党と共和党の指導部は、アサンジを引き渡させ、判決を下す運動で団結している。トランプに破れたのを、ロシアのせいにしようとした民主党は、ロシア政府のハッカーがポデスタ電子メールを入手したと非難した。だが元FBI長官ジェームズ・コミーは、電子メールがおそらく仲介者によってウィキリークスに渡されたのを認めており、アサンジは電子メールは「国家機関」に提供されたものではないと言っている。

 アメリカ帝国の職権乱用と犯罪を暴露する上で、ウィキリークスは、他のあらゆる報道機関より遥かに多くをなしとげた。戦争のログやポデスタ電子メールに加え、ウィキリークスは、フランス選挙を含め、CIAと国家安全保障局に使われているハッキングツールや、外国選挙に対する彼らの干渉を公表した。ウィキリークスは、労働者党下院議員による、イギリス労働党党首ジェレミー・コービンに対する内部陰謀を明らかにした。アメリカ諜報機関によるアメリカ大衆の大規模監視を公表したエドワード・スノーデンが香港からモスクワまで逃亡するのを支援し、アメリカ合州国への犯人引き渡しから救うため、ウィキリークスは介入した。(スノーデン漏洩も、アサンジがアメリカの「犯人追跡標的リストに」載っていたことを明らかにした。)

 スペイン裁判所による調査は、彼のプライバシーと顧客-弁護士機密の権利に違反したとして、モラレスとUCGlobalを告訴した、アサンジが提出した刑事告発の結果だ。ウィキリークス創設者は、同社が横領、贈収賄と不正資金浄化のかどで有罪だと言う。

 エル・パイスによれば、モラレスは「彼の多くの従業員に、当時のエクアドルのラファエル・コレア大統領政府に雇われていたにもかかわらず、彼はこのオーストラリア人活動家が大使館で開催する会談の文書、映像と音声を送っているとされる「アメリカのために」働いていると、口頭と文書でのべていた」。

 "南部の都市ヘレス・デ・ラ・フロンテーラに本社があるこのスペイン企業は、エクアドル諜報機関セナインに雇われているにもかかわらず、モラレスはアメリカ諜報局と彼の関係を秘密にしておくよう数回彼の従業員に要求した」とエル・パイスは報じている。

 エル・パイスによれば「彼らがアサンジ他国に連れて行くため、外交パスポートを使って、エクアドル大使館からのアサンジ脱出を計画していた時、エクアドル諜報機関のトップ、ロミー・バエホーとアサンジの会談をスパイするようUCGlobal S.L所有者は命じた」。「この新聞に相談された企業に近い情報筋によれば、陰謀理論に拍車をかける「敗北」だとアサンジが考えたという理由で、この構想は最終的に拒絶された。モラレスは彼の従業員にアメリカ諜報機関と彼の関係を秘密にしておくこよう要求した。」

 アサンジの弁護士を含むバエホー-アサンジ会談は2017年12月21日に行われた。警備会社は大使館に設置したマイクとカメラで音声と映像を記録した。エル・パイスによれば、CIAはおそらく大使館に設置された「外部ストリーミング・アクセスポイント」を通してすぐ計画を知った。翌日アメリカ合州国はアサンジに対する国際逮捕状を発付した。

 マイクはアサンジの弁護士が記録されるのを避けようとする取り組みで、顧客と閉じこもるだろう消火器と女性トイレに埋め込まれていた。大使館の窓は、CIAが外で使うレーザー・マイクに、より良い音声の品質を提供するよう加工されていたと新聞が報じた。

 大使館へのアサンジ亡命を認めていたラファエル・コレアに代わりモレノがエクアドル大統領に選ばれた時、大使館から発行人を追い出す強力な作戦が開始された。それには、毎日のいやがらせ、インターネット・アクセス遮断や、ほとんど全ての訪問終了が含まれる。

 カジノの大物シェルダン・アデルソンのボディガードをし、彼の企業ラスベガスサンズ警備をしているUC Globalは、トランプ政権と当時のCIA長官マイク・ポンペオに、アサンジを優先標的にするよう圧力をかけるため、トランプ大統領の友人で、共和党への最大寄贈者の一人アデルソンを、どうやら使ったようだ。

 ラ・レプブリカは、エル・パイス同様、大使館でのUCグローバルの監視から生じた重要なファイルや記録や他の情報を得た。情報には、大使館内のアサンジの写真や、彼が医者やジャーナリストや政治家や名士や弁護団メンバーとした会話記録が含まれている。

 「ラ・レプブリカが入手した映像と音声記録は、ジュリアン・アサンジやウィキリークスのジャーナリストたちや弁護士や医者や記者が、大使館内で受けた、極端なプライバシー侵害を明らかにし、このような敵対的な環境では、ジャーナリズムの情報源や資料を守ることが不可能であることを示す衝撃的なケーススタディだ」とイタリア新聞は書いた。「アサンジが亡命で守られていたと我々が考えていたのに、こうして集められた情報が、アフガニスタンからイラク、グアンタナモに至るまでの、戦争犯罪と拷問を明らかにする合衆国政府秘密文書公表のかどによる、アメリカによる引き渡し要求や、現在告訴されている、175年の禁固刑のリスクがある犯罪のかどで、彼を刑務所に入れる裏付けに使われると考えると、このスパイ活動作戦は特に衝撃的だ。」

 Chris Hedgesは海外特派員として中米、中東、アフリカとバルカンでほぼ20年過ごした。50以上の国から報道し、15年間海外特派員としてクリスチャン・サイエンスモニター、National Public Radio、ダラス・モーニング・ニューズとニューヨーク・タイムズで働いた。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/what-is-happening-to-assange-will-happen-to-the-rest-of-us/

----------

 昨日の国会中継も迫力の追求。今日は中継しないようだ。不都合なのだろうか?与党は既に後釜を検討中?インターネット国会中継、野党抜きの、見るに耐えない醜悪な茶番。

 日刊ゲンダイDIGITAL

ここがおかしい 小林節が斬る!
検察官の定年延長は違法で違憲 法治国家否定の首相の暴論

 LITERA

安倍首相が辻元清美に「桜前夜祭」問題の決定的な嘘を暴かれ窮地! コロナ対応でも馬脚「桜やってる場合か」の野党攻撃も説得力ゼロ

 植草一秀の『知られざる真実』

消費税増税で大不況に突入した日本経済

 気になるニュースを見た。三日前の記事。

5 U.S. cities to start testing patients with flu-like symptoms for coronavirus
The tests will only be given to patients who test negative for the flu.

 アメリカ五都市、インフルエンザ風症状の患者のコロナウイルス検査を開始 検査でインフルエンザではないのが明らかな患者に対してのみ行う

2020年1月 6日 (月)

対イラン戦争

2020年1月3日
TDオリジナル
Chris Hedges

 バグダッド空港近くでのアメリカ合州国による、イランのエリート・クッズ軍司令官ガーセム・ソレイマーニー大将暗殺は、イラクの過半数を占めるシーア派信徒の、アメリカ標的に対し広範囲にわたる報復攻撃に火をつけるだろう。レバノンとシリアで、中東全体で、イランに後援される民兵と反抗分子を始動させるだろう。既存の大混乱、暴力、破綻国家と戦争、地域でのほぼ20年のアメリカ大失敗と計算違いの結果は更により広い、一層危険な大火になるだろう。結果は不吉だ。アメリカは、すぐに自身イラクの包囲攻撃下にあるのに気づくだけでなく、多分イラクから追い立てられる。イラクには、わずか5,200人のアメリカ部隊の戦力しかなく、イラク内のアメリカ国民は全員「即」出国するよう言われ、大使館と領事業務は閉鎖されたが、状況は我々も直接イランとの戦争に巻き込みかねない。アメリカ帝国は、すすり泣きでなく、華々しい音をたてて死ぬように見える。

 彼がバグダッド空港を出ようとしていた時に、軍用車列にミサイルを発射したMQ-9リーパー無人機によって殺害されたソレイマーニーを標的にすることで、人民動員隊として知られるイランに支援されるイラク民兵軍司令官代理アブ・マハディ・アル・ムハンディスや、他のイラク・シーア派民兵指導者の生命も奪った。攻撃は、窮地に立たされた二人の暗殺計画者ドナルド・トランプとイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の政治的生命を一時的に強化するかもしれないが、それはアメリカ合州国による帝国の自殺行為だ。肯定的結果はあり得ない。それはキリスト教右派過激派が喜ぶハルマゲドン風のシナリオの可能性に道を開くものだ。

 イランとの戦争では、中国が供給した空対地ミサイルや機雷や沿岸の大砲を、世界石油供給の20%の回廊であるホルムズ海峡を封鎖するために使うのを見ることになろう。石油価格は、二倍、おそらくは三倍になり、世界経済を破壊するだろう。イランによる、イスラエルに対する報復攻撃は、イラクのアメリカ軍施設攻撃と同様、何百人もの、多分何千人ものも死亡者をもたらすだろう。サウジアラビアからパキスタンにまで至る地域のシーア派信徒は、イランに対する攻撃をシーア派に対する宗教戦争として見るだろう。サウジアラビアの200万人のシーア派信徒は石油に富んだ東部の州に集中しており、イラクの大多数のシーア派と、バーレーン、パキスタンやトルコのシーア派の共同体は激怒し、アメリカと、数が減りつつある同盟諸国を攻撃するだろう。アメリカ本土を含め、テロ攻撃が増大し、ペルシャ湾では、石油生産に対して広範囲にわたる妨害工作が行われるだろう。南レバノンのヒズボラは、北部イスラエルに対する攻撃を再開するだろう。イランとの戦争は、それが終わった時には、アメリカ帝国が終焉し、後に、死体の山と、くすぶる残骸を残る、長い広範な地域紛争を引き起こすだろう。奇跡が、このストレンジラブ博士の焼身自殺から、我々を引き戻してくれるよう願おう。

 2018年、アメリカが一方的にイラン核合意から離脱した際、「厳しい報復」を誓ったイランは、トランプ政権に課された害が大きい経済封鎖の下で既にぐらついている。アメリカと、シーア派が多数派のイラクとの緊張もエスカレートしていた。12月27日、カチューシャ・ロケットが、米軍が配備されているキルクークの軍事基地に発射された。アメリカ民間請負業者が殺害され、アメリカ軍人数人が負傷した。アメリカは12月29日に、イランに支援されたカタイブ・ヒズボラ民兵軍に属する建物を爆撃して、反撃した。二日後、イランに支援された民兵が、バグダッドの米国大使館を攻撃し、建物の一部を襲撃し、破壊し、閉鎖させた。だが、この攻撃はまもなく子供の遊びのように見えるだろう。

 2003年のアメリカ侵略と占領後、統一された国家としてのイラクは破滅させられた。かつての近代的インフラは荒廃状態だ。電気、水道は、せいぜいで不安定だ。高い失業率と広範囲にわたる政府の腐敗に不満があり、血まみれの路上抗議をもたらした。競い合う民兵部隊と民族派閥が、競合し、敵対する飛び地を切り開いた。同時に、アフガニスタンでの戦争は、ワシントン・ポストが公表した細部にわたるアフガニスタン・ペーパーの通り、敗北している。リビアは破綻国家だ。5年のたゆまないサウジアラビア空爆と封鎖後のイエメンは、世界最悪の人災の一つに耐えている。我々が5億ドルの経費で資金供給し、武装させたシリアの「穏健」反政府派は、恐怖の違法な統治を引き起こした後、打ちすえられ、国外に追いだされた。この軍の愚行、アメリカ史上最大の戦略上の大失敗経費は、5兆ドルから7兆ドルの間だ。

 すると、なぜイランと戦争をするのだろう? なぜイランが違反しなかった核合意から離脱するのだろう? なぜアルカイダとイスラム国家を含めて、他のジハード集団とともに、タリバーンの不倶戴天の敵である政府を悪者にするのだろう? なぜ我々は、イラクやアフガニスタンにイランとの事実上の同盟を粉々にするのだろう? なぜ既に極めて激しやすい地域を、一層不安定にするのだろう?

 これらの戦争を開始し、実行した将官や政治家連中は、彼らが作り出した泥沼に対する責任をとろうとしていない。彼らにはスケープゴートが必要なのだ。それがイランだ。少なくとも200,000人の一般人を含め、何十万人もの死者や体を不自由にされた人々や、家から追い立てられ、難民キャンプに追いやられた何百万人もの人々は、我々の失敗した見当違いの政策の結果であるはずがないと彼らは強く主張するのだ。我々が初めに、その多くを訓練して、武装させた、急進ジハード集団や民兵の拡散は、継続的な世界のテロ攻撃とともに、他の誰かのせいでなければならないのだ。将官、CIA、これらの戦争で豊かになった民間請負業者や武器製造業者や、ジョージ・W・ブッシュやバラク・オバマやドナルド・トランプのような政治家や、果てしない戦争の応援団を勤める全ての「専門家」や名士連中とともに、イランが我々の大災厄の責任があると彼ら自身確信し、我々も説得したいと望んでいるのだ。

 我々が中東で、特にイラクとアフガニスタンで解き放った混乱と不安定は、イランを地域の支配的な国にした。ワシントンは仇敵に力を与えたのだ。ワシントンは、イランを攻撃すること以外、どのようにすれば、その失敗を反転できるか分かっていないのだ。

 トランプもネタニヤフも、サウジアラビア皇太子モハンメッド・ビン・サルマン同様、スキャンダルに陥っている。彼らは新しい戦争が、彼らの外国、国内の危機から、注意の流れを変えられるだろうと信じている。だが、彼らは、アフガニスタンやイラク、リビア、イエメンとシリアで、戦争のためにしたよりも合理的な、イランとの戦争戦略がないのだ。もしアメリカがイランと戦争すれば、トランプがイランとの核合意を離脱した際、疎遠にしたヨーロッパ同盟諸国は、ワシントンに協力しないだろう。国防総省はイランを攻撃し、占領するために必要な何十万という軍隊が欠如している。対イラン戦争で、サダム・フセインと共に戦い、大半のイラン人に裏切り者と見なされている連中が構成する、取るに足りない、信頼を失ったイラン人反政府集団ムジャーヒド-エ-ハルクMEK)がイラン政府に対する、意味ある兵力だというトランプ政権の見方はばかげている。

 国際法と、イラン国民8000万人の権利は、アフガニスタンや、イラク、リビア、イエメンとシリアの国民の権利が無視されたのと全く同様、無視されている。イラン人は彼らの専制政権について、どう感じているにせよ、アメリカ合州国を、同盟者や解放者としては見るまい。彼らは占領されることを望んでいない。彼らは抵抗するだろう。

 対イラン戦争は地域全体で、シーア派に対する戦争と見なされるだろう。だが、これは、戦争の手段に関して、支配しようとしている文化や人々について、ほとんど知らない観念論者には到底理解できない計算だ。イラン攻撃は、2006年、ヒズボラを打倒し損ね、この武装集団に大半のレバノン人を結び付けた、対レバノン・イスラエル空襲以上に成功することはあるまい。イスラエル爆撃は、400万人のレバノンを制圧できなかった。領土がフランスの三倍、人口8000万人の国を、我々が攻撃し始めたら何が起きるだろう?

 アメリカ合州国は、イスラエル同様、国際法をズタズタに切り裂き、違反し、欠席するのけものになったのだ。我々は先制戦争を開始するが、それは国際法の下では、でっち上げの証拠に基づく「侵略犯罪」と定義されるものだ。我々は国民として、我々の政府に、これら犯罪の責任をとらせなければならない。もし我々がそうしなければ、我々は、恐るべき結果をもたらすはずの新世界秩序を法典化する共犯者だ。それは条約や法規や法律なしの世界だ。ならずもの核保有国から巨大帝国に至るまで、どんな国であれ、他の人々への義務を無効にするため、国内法を発動できる世界だ。このような新秩序は、大半がアメリカ合州国によって導入された50年にわたる国際協力を取り消して、我々をホッブズ風の悪夢に押し込むだろう。外交や広範囲の協力や条約や法則や世界共同体を文明化するよう設計された全ての機構が、凶暴性に取って代わられるだろう。

 アラビア語も話すChris Hedgesはニューヨーク・タイムズ元中東支局長。イランを含め、この地域を7年報道した。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/war-with-iran/

-----------

 昨夜、報道番組と称するもので、イラン問題の部分をちらり見た。無茶なことは言っていなかったが。奥歯にものがはさまった雰囲気だった。今、この事件を考えていて、思いついた。オウム・カルト。超大国そのものがオウム状態と考えると、世界の不思議なことが氷解するのではと思えてきた。オウムは理不尽なポアをしても、さすがに外部には公表しなかった。勝手にポアして、平然と公表するおぞましい人々が支配しているのが宗主国。価値観外交はオウムが支配する国への完全服従を意味するだろう。

 新刊購入は無理かもしれないがブログ「私の闇の奥」筆者、藤永茂様の著書『アメリカン・ドリームという悪夢―建国神話の偽善と二つの原罪』を再読したいと考えている。この本や『アメリカインディアン悲史』、ベストセラーになっていて当然と思うのだが。そういう本が売れない不思議な社会。ご本の趣旨にあいそうな下記記事も翻訳している。

アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の、239年中、222年間が戦争

 2019年4月16日、下記のMoon of Alabamaによる記事を翻訳掲載している。

トランプはなぜイラン革命防衛隊軍団を外国テロ組織に指定したのか?

 日刊ゲンダイDIGITAL、現代イスラム研究センター理事長宮田律氏の記事を拝読した。この方、あまり大本営広報部で見かけない。

緊急寄稿 「米国に死を!」中東海域に向かう自衛隊の今後

 御著書は何冊か拝読している。例えば、下記。いずれも皆様にもお勧めしたい本。

2019年12月 6日 (金)

寡頭政治による死

Chris Hedges
2019年11月11日
Truthdig

 オリガルヒは、思い上がりと富と権力で目がくらんでいる。彼らは鼻につく特権意識で、最も生ぬるい批判や最も穏やかな改革にさえ憤慨する。連中のごく小さなエリート・サークル外の人々にしていることに対する後悔や罪悪感や共感や深い思いやりが、彼らには欠けている。特権は、人間に対して奇妙で不快なことをするものだ。奨学生として、寄宿制私立進学校で、ハーバード大学で、全てのエリート校同様、金権政治を永続させるよう設計された組織で、金持ちの同級生に私はこうした歪みを見出した。特権を持って暮らすと、幸薄き人々には、無神経さ、残酷さえ生まれ、底なしの貪欲が養われるのだ。

 金持ちの不愉快な特徴は、弁護士や広報係や従順で脅かされているマスコミの軍団や、慈善活動の良い礼儀や隠蔽物に巧みに覆い隠されている。ジェフ・ベゾスジェイミー・ダイモンビル・ゲイツジミー・ウェールズピーター・ティールジョン・マッケイや故スティーブ・ジョブズデイビッド・コッホは、慎重に作り上げられた連中の公的イメージが何であれ、労働者階級にとっての新たな形の農奴制を作り出し、オリガルヒの手に、富と権力を集中するよう設計された経済、社会モデルを擁護しているか、していたのだ。社会が寡頭政治階級による死の支配に陥った場合、結果は常に壊滅的だ。

 オリガルヒは彼らの底なしのナルシシズムと快楽主義を満足させる、こびへつら侍従連中に囲まれた絶縁された暮らしをしているため、空想に基づいて権力を行使する。彼らは新自由主義や、経済的に合理的ではないが、彼らの権利を正当化する、知的にも道徳的にも破綻しているアイン・ランドの著作のような支配イデオロギーを広める。連中のスローガンは、最初、悪名高い連続殺人犯が口にし、ランドが熱狂的に受け入れたものだ。「私にとって良いものは正しい。」 虐げられた一般市民が生き残ろうと苦闘し、増大する激怒と、いらだちで沸き返る中、我々のあらゆる組織、報道機関や司法や立法や行政や学界が、寡頭制支配者の狭い利己的な利益に奉仕するよう悪用されているのだ。過去数十年にわたり支配しているオリガルヒが画策した大企業クーデターが我々にドナルド・トランプを与えたのだ。もしこのクーデターを覆さなければ、遥かに悪いことが続くだろう。

 オリガルヒは彼らの道徳的墜落の結果をほとんど理解できない。体制を自己破壊から救えるバーニー・サンダースやエリザベス・ウォーレンのような政治的改革者は、ウラジミール・レーニンの下で、暴君的ボリシェビキへの道を開いた社会主義革命家アレクサンドル・ケレンスキーメンシェビキをロシア・オリガルヒが悪者にしたのと同じように、悪者にされるのだ。終わりは来るのだが、終わりが来た時、我々の場合、キリスト教ファシストに押しつけられる専制政治になる可能性が高いが、オリガルヒは、革命直前の愚かなフランスやロシアの上流階級のように、連中の宮殿のような邸宅や巨大ヨットでたらふく食べて、知らぬが仏で気付くまい。

 「我々は大規模な世界的、政治的、経済的、社会的、文化的移行の真っ只中にいるが、我々はどの方向に向かっているのかわからない」と『Mean Girl: Ayn Rand and the Culture of Greed』でリサ・ダガンが書いている「保守派福音主義信者が連中の糸を引き、政治家やビジネス・エリートが、ブライトバート・オルタナ右翼で有利な立場を得ようと画策する中、トランプ政権の一貫性のなさは混乱の徴候を示している。これらを統一しているのは無慈悲と貪欲だ、この寄せ集めの精神がアイン・ランドだ。」

 粗悪な精神は極右も極左も堕落させる。対応するファシスト連中と異り、アメリカ合州国の極左は、ごく劣勢で、まとまりが悪く、イデオロギー的に破産した無力な政治勢力だが、粗悪な精神がアンティファやブラック・ブロックの多くを定義し、キリスト教ファシストやオルタナ右翼をも定義する。社会が二極化するにつれ、混乱を止め、益々暴力で表現される増大する憎悪や敵意を静め、民主的規範を救出しようとするサンダースやウォーレンのような改革者や穏健主義者の試みは徒労に帰する。オリガルヒは彼らの呼びかけには答えず、最終的に、権利を奪われた人々は穏健主義者の無力さに忍耐を失う。

 過酷さと法と恐怖によるレーニンの支配は、チェカー(反革命・サボタージュ取締全ロシア非常委員会)が運営する暗殺団によって行われたが、ロシア上流階級とオフラーナ(ロシア帝国内務省警察部警備局)が駆使した無慈悲と恐怖を反映していた。フランス革命の際、1793年9月から1794年7月まで独裁権力を振るった公共の安全のための委員会は、フランス貴族が駆使した無慈悲とテロを反映していた。過激派は政治方針が何であるにせよ、ひとたび権力の座につくと驚くほど酷似している。破綻した民主主義で権力を受け継ぐのは、ほとんど常に過激派だ。

 2016年に、サンダースに民主党指名を与えるのを拒否し、ホワイトハウスにヒラリー・クリントンを送り込むため10億ドル使ったオリガルヒは、大失敗から何も学ばなかった。もし彼らがジョー・バイデンを我々に無理やり押しつけることができなければ、ピート・ブーテジェッジやマイケル・ブルームバーグではどうだろう? 万が一、オリガルヒが阻止しようと躍起になっているウォーレンかサンダースが奇跡的に民主党候補者になったら、彼らはいやいやながらトランプを支持するだろう。トランプは教養がなく、不正で、適性がないかもしれず、彼はアメリカ合州国を国際的のけものに変えたかもしれないが、彼はオリガルヒの金銭的利益に奴隷のように奉仕する。

 オリガルヒとっては、利益を蓄積するためのどんな戦いも小さすぎることはない。シアトル市議会選挙では、世界で最も金持ちの男ベゾスが、彼の関連企業に奉仕させるべく、議会をひっくり返すために150万ドル使った。ベゾスは、昨2018年、連邦所得税を支払わなかったアマゾンや他の企業に、シアトルの11,000人のホームレスに住宅を提供するのを助けるべく課税する議会決定に立腹したのだ。アマゾンはシアトルの税金が一カ月以内に無効にされるようにした。この選挙でベゾスは、彼の天敵で、ありがたいことに再選された社会主義女性議員カシャマ・サワントを標的にして、大企業支持派の議員候補を押した。今回ベゾスは議会の支配を掌握し損ねた。次回の選挙では、彼が投資を三倍か、四倍にするのは確実だ。2016年の選挙には65億ドルかかったが、ハミルトン・ノーランがガーディアンで指摘しているように「4兆ドル以上の連邦予算全体を支配する集団にとって、これは本当の掘り出し物だ」)。

 オリガルヒは監督や規制から自由で、彼らを維持している政治制度と、経済制度を不当に略奪する。彼らは富裕層に対する税を減税し、政府赤字を莫大に増やす。これで資金不足の政府に銀行から借金させ、更にオリガルヒを富ませ、大衆に懲罰的緊縮経済計画を押し付けるよう強いるのだ。彼らは、何十億ドルも儲けるために、公益事業、諜報収集、軍や警察の大部分や、刑務所制度や教育を含め、伝統的な政府事業を民営化する。彼らは個人住宅ローンや学生ローンの高利率を保証する複雑な金融のメカニズムを作る。彼らは不正会計を合法化し、大衆を深刻な借金返済奴隷労働に閉じ込めておくため、賃金を抑制する。彼らの投機バブルが崩壊すると、彼らは税金を何兆ドルも略奪する。

 資本主義者を、生産手段から金を生み出す人々と定義すれば、彼らはもはや資本主義者ではない。彼らは株主を含め、全員から盗むよう法律を書き変え金融投機犯罪階級だ。彼らは産業資本主義の死体から栄養を摂取する寄生虫だ。彼らは何も生み出さない。彼らは何も稼がない。彼らは金を操作する。この賭博体制と、金融資本による政治的権力奪取が、アメリカの最も裕福な1%の家族が、国の富の40%を支配している理由だ。

 JPモルガン・チェースの最高経営責任者で、推定14億ドルの財産を持っているダイモンは大企業の強欲と犯罪のイメージキャラクターだ。彼は2008年金融崩壊前の数年のうちに、JPモルガン・チェースに詐欺的な有価証券を引き受けるよう指示した。彼は住宅ローンと住宅ローンの借り換え取り引きで、軍人に過剰請求した。彼は顧客に当座貸越料に対し過剰請求した。彼はカリフォルニアと中西部電力市場の入札を不正操作した。彼は住宅所有者に洪水保険で過剰請求した。彼は実在しないクレジットカード監視サービスに対し、顧客に請求書を送った。彼は住宅ローンで、少数人種に対して、白人の借り手が支払うよりも高い金利と料金を請求した。彼は社員に超過勤務手当を払い損ねた。そう、JPモルガン・チェースはアメリカ国内ので他のどの金融機関より多くの罰金を支払わなければならなかったが、利益は、同社の詐欺的、犯罪活動を埋め合わせる以上のものだった。

 お仲間のオリガルヒ、ゲイツと、億万長者投資家レオン・クーパーマンと一緒に、最近ウォーレン攻撃を率いたのはダイモンだ。「富裕税」計画と、「成功した人々」をけなしたとされることに対し、ダイモンは彼女を叱責した。アメリカン・ドリームを破壊しようとしたと言って、クーパーマンはウォーレンを非難した。もし彼が富裕税を支払わされることになっても、彼はまだ60億ドルの資産を保有するだろうが、ゲイツも彼女の富裕税計画を非難した。ゲイツは、もしウォーレンが民主党指名候補になったら、彼がトランプを支援するかどうか質問されると、答えるのを拒否した。

 強欲は底なしだ。それは金持ちの病気だ。オリガルヒは、貯めれば貯めるほど、益々多くを欲するのだ。これは人間性の暗い面だ。それは常に人類とともにあった。全ての社会が社会の不平等に悩まされているが、社会ピラミッドの最下層と中位の人々が、彼らの発言権と代表を失った時、社会がもっぱら金持ちの貪欲に奉仕するためにだけに存在する時、収入の不均等がアメリカ合州国で達したレベルに達すると、社会組織はばらばらに引き裂かれ、社会がそれ自身を破壊する。アリストテレスは、ほぼ2,500年前に寡頭政治の危険について警告した。我々は全権力を掌握したオリガルヒが我々に与えた、社会的、政治的崩壊の瀬戸際に立っている。支配するオリガルヒはあらゆる改革の試みを妨害するだろう。これが危機を不可避にする。ひとたび我々がこの危機に入ってしまえば、オリガルヒは最も強力な専制政治推進者にるだろう。

 Chris Hedgesは海外特派員として中米、中東、アフリカとバルカンでほぼ20年過ごした。50以上の国から報道し、15年間海外特派員としてクリスチャン・サイエンスモニター、National Public Radio、ダラス・モーニング・ニューズとニューヨーク・タイムズで働いた。https://www.truthdig.com/author/chris_hedges/

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/death-by-oligarchy/

-----------

 強欲で傲慢なオリガルヒ、連中のサイコパス風振る舞いに国境の違いはないようだ。連日の驚くほど稚拙なウソ。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名にびっくり。スパイ暴露で有名になったアメリカ外交官、孫崎享氏の知人だった。誠実さと、寿命とは反比例するのだろうかと、考えたくなる。

旧知ジョゼフ・ウィルソン69歳で死亡。ブッシュ政権はイラクが核兵器開発としてイラク戦争へ。これにWはNYT紙にイラクの核兵器開発はないと寄稿。これにWの妻がCIA工作員と暴露される。Wは元副大統領等を訴え。その後職も不順、妻とも離婚。そして死。

 『長州レジーム』から日本を取り戻す!IWJインタビュー、再配信を復習として見たいと思う。

「桜を見る会」で明らかになった「長州偏重政治」!? 本日午後8時より、「『長州レジーム』から日本を取り戻す! 歴史から消された思想家・赤松小三郎の『近代立憲主義構想』を葬った明治維新の闇~ 岩上安身によるインタビュー 第750回 ゲスト 拓殖大学教授 関良基氏(その1)」を再配信!

 関良基教授『赤松小三郎ともう一つの明治維新』に続き、別のご本を執筆中と伺っている。

2019年11月 7日 (木)

内部の敵

Chris Hedges
2019年11月4日
Truthdig

 我々の民主主義は危機に曝されてはいない。我々は民主主義国家で暮らしていない。我々の民主主義のイメージが大きな危険にあるのだ。闇の国家、つまり将官、銀行家、大企業支配主義者、ロビイスト、諜報機関幹部、官僚とテクノクラートたちはブランド回復に余念がない。ドナルド・トランプが、支離滅裂に自分に関するたわごとを話し、人種差別的暴力を刺激し、伝統的な同盟者である司法やマスコミや議会を侮辱し、つづりが間違った愚劣な発言をTwitter投稿し、超党派の国内政策、海外政策を衝動的に非難したり、破壊したりする状態では、自分が自由の擁護者だと吹聴するのは困難だ。だが、闇の国家から見て、トランプの最も許せない罪は、彼が撤退を監督する知的、組織的能力が欠如しているとは言え、帝国の果てしない戦争を批判していることだ。

 アフガニスタンとイラクを侵略、占領した時に、闇の国家は、アメリカ史上最大の戦略上の大失敗を犯したのだ。あらゆる今はない諸帝国の特徴である、このような致命的な軍事上の大失敗は「マイクロ軍国主義」行為と呼ばれる。歴史的に、死につつある帝国は、彼らが崩壊するまで、徒労で、手に負えず、勝ち得ない紛争に、手持ち最後の経済的、政治的、軍事的資本を浪費するのだ。彼らは、こうしたマイクロ軍国主義行為で、かつての優位や失われた地位を取り戻そうと努める。大惨事には大惨事が続く。だが帝国の死の連鎖の設計者連中には手がつけられない。帝国の混乱と財政崩壊を拡大することしかできない愚かな将官と政治家連中は、自分たちを永続させることだけに成功している。誰も責任をとらない。卑屈なマスコミは、この幹部連中を、ほとんど宗教的崇拝で扱う。その多くが罷免されるか裁判にかけられるべきだった将官や政治家は引退すると、これらの戦争が連中にとって非常に儲かる兵器製造業者の取締役会で高給の席を与えられる。連中が引き起こした混乱を、彼らが大衆に分析説明するよう、媚びへつらうマスコミがお願いする。連中は品格や無私の奉仕や愛国心の手本として奉られるのだ。

 ほぼ20年後、中東で我々の戦争を正当化するために使われたあらゆる目的とされるものがひっくり返された。アフガニスタンの侵略はアルカイダを消滅させるはずだった。それどころか、イラク、シリア、リビアとイエメンでの戦争で闇の国家が作った権力の空白を満たすため、アルカイダは移動した。アフガニスタンでの戦争は、今やアフガニスタンの大部分を支配し、我々がカブールで支えている腐敗した政権を脅かしているタリバーンとの戦争へと変身した。闇の国家は、9/11事件の攻撃に何の関係もなかったイラク侵略を画策した。闇の国家は自信を持って、欧米風民主主義国家を築き、地域でイランの影響力を弱めることができると予言した。それどころか、統一国家としてのイラクを破滅させ、民族的、宗教的な派閥の各派をお互いに敵対させたのだ。バグダッドで支配的なシーア派政府に密接に結びついているイランは、益々強くなった。闇の国家は、バッシャール・アサド大統領を打倒する取り組みで、シリア「穏健」反政府派を武装させたが、武器と支援で約5億ドルを与えたジハード戦士を制御することができないと悟ったとき、闇の国家は彼らを爆撃し、彼らと戦うため、クルド人反政府勢力を武装させ始めた。これらクルド人は後にトランプに裏切られることになる。「対テロ戦争」はアフガニスタン、イラク、シリアとリビアから、5年にわたる戦争後、世界最悪の災厄の一つをこうむっているイエメンまで伝染病のように広がった。この窮乏と死のためにかかった費用は5兆ドルから8兆ドルの間だ。人的犠牲は何十万人もの死者、負傷者をもたらし、市、町とインフラを破壊し、何百万人もの難民をうんだ。

 野放しの軍国主義の愚かさを彼があえて指摘した時、トランプは政治的異端の罪を犯したのだ。彼はその報いを受けるはずだ。闇の国家は、彼を誰か、多分、道徳的、知的には彼と同じくらい空疎だが、何であれ言われた通りにするマイク・ペンスで置き換えるつもりなのだ。これがアメリカ大統領の役割だ。帝国の化身となり、帝国に人間性を与えるのだ。威厳と尊厳をもって、そうするのだ。国外で、テロリストと見なされた誰であれ、アメリカ国民さえ暗殺する権利を行政府に与えるよう、2001年の「テロリストに対する武力行使権限授与決議」を、もっともらしく解釈し直したバラク・オバマは、このゲームで卓越していた。

 トランプを大統領の座から追放しても企業権力は脅かされないはずだ。プライバシーの権利や適法手続きを含め、我々の市民的自由は復活されまい。警察を非武装化したり、勤労階級の権利を擁護したりするまい。化石燃料産業や銀行業の利益は妨げまい。気候の緊急事態には対処するまい。令状なしの大衆の監視は中断されるまい。囚人特例引き渡しや、国家の敵と見なされた人々の世界中での拉致は終わるまい。武装無人飛行機による暗殺は止まるまい。親から子供を引き離し、子供たちを不潔な、過密状態で隔離することを止まるまい。巨大な政治力を有するひと握りの連中が富と権力を集中し、一般市民が益々窮乏化する状態は改善するまい。刑務所体制全体や、世界中にある拷問をするための施設、秘密軍事施設の拡大や、都市の荒廃地帯での貧しい非武装市民の射殺は続くだろう。最も重要なことは、一連の破綻国家をもたらし、納税者の何兆ドルも浪費した大惨事たる外国での戦争は、二大与党の、闇の国家の操り人形である指導者連中に熱狂的に受け入れられ、神聖で犯すことのできないままのはずだ。

 リベラル・エリートの熱狂にもかかわらず、トランプ弾劾は、ほとんど見かけ倒しだ。あらゆる政治、政府体制は腐敗している。ガス産業での訓練や経験がないのに、ウクライナのガス企業ブリスマ・ホールディングスの理事会の一員であるおかげで、ハンター・バイデンは報道によれば月50,000ドルを支払われていた。以前、ジョー・バイデンがデラウェア選出上院議員だったとき、最大選挙運動貢献者の一つだったクレジットカード会社MBNAで、彼は働いていた。ハンター・バイデンは、彼がMBNAに雇われたのと同じ理由で、ブリスマ・ホールディングスに雇われた。長年、大企業権力と軍産複合体、要するに闇の国家の手先である、彼の父親は上院議員で、後に副大統領だった。ジョー・バイデンや、クリントン夫妻や民主党指導部は、彼らのライバル共和党を定義する合法化された贈収賄の権化だ。二大与党の企業候補者が事前に選ばれ、資金供給され、選出されるのだ。もし彼らが大企業の権益を守り、帝国の運営を司る闇の国家の要求に従わなければ、彼らは排除される。それを意味する単語さえある。primaryingだ。企業ロビイストが法律を書いているのだ。司法がそれを強制する。アメリカの政治制度には、ゴールドマン・サックス、シティグループ、AT&T、アマゾン、マイクロソフト、ウォルマート、アルファベット、Facebook、アップル、エクソン・モービル、ロッキード・マーティン、ユナイテッドヘルスグループやノースロップグラマンの権益に反対投票する方法はない。

 我々アメリカ大衆は観客だ。聴衆だ。椅子取りゲームが止まった時、座れるのは誰だろう? トランプは権力を維持し続けることが可能だろうか? ペンスは新大統領になるだろうか? それとも、闇の国家は、バイデンや、ピート・ブティジェッジや、エイミー・クロブチャーやカメイラ・ハリスなどの新自由主義擁護の雇われ政治家を、ホワイトハウスに押し上げるのだろうか? マイケル・ブルームバーグや、ジョン・ケリー、シャーロッド・ブラウン、あるいは、そんなことがあってはたまらないが、ヒラリー・クリントンを担ぎだすのだろうか? もし闇の国家が失敗したらどうだろう? もし共和党、あるいはグレン・フォードがトランプの「白人男性の党」と呼ぶものの腐敗が非常に深刻で、アメリカ史上最も無能な大統領の政治的絶滅の支持を表明しなかったらどうだろう? バーニー・サンダースやエリザベス・ウォーレンが民主党指名されることの阻止を含む権力闘争は、何カ月も、素晴らしいテレビの見物と、何十億もの広告収入を生み出すだろう。

 彼が当選した瞬間、闇の国家とトランプの戦争は始まった。今やいずれもニュースケーブル・テレビのお雇い解説者となった前CIA長官ジョン・ブレナンと前国家情報部長ジェームズ・クラッパーは、前FBI長官ジェームズ・コミーと共に、早速、トランプはモスクワの手先だと言って非難した。諜報機関は「小便ビデオ」に関するわいせつな話を漏洩し、ロシア諜報機関との「再三の接触」について恫喝し、報じた。ブレナンとクラッパーとコミーに、マイケル・ヘイドンやマイケル・モレルやアンドリュー・マッケーブを含む、他の元諜報関係高官連中が早々と合流した。彼らの攻撃は更に、ウィリアム・マクレイヴン、ジェームズ・マティス、H.R.マクマスター、ジョン・ケリー、ジェームズ・ストラブリディスやバリー・マキャフリーを含む、元軍幹部連中によって増幅された。

 マラー報告公表後、ロシア共謀論は偽物であることが分かった。だが、ウクライナ政府にバイデンを調査するよう圧力をかけたトランプの決定によって、闇の国家関係者連中は再度元気づけられた。今回トランプは、彼の敵である闇の国家に、彼の首をつるのに十分なロープを与えたように思われる。

 トランプ弾劾は、アメリカ政治の新しい恐ろしい章だ。闇の国家は、その顔を曝した。闇の国家は、トランプの異義表明は言葉だけで、移り気で、効果がないが、異義表明は許さないと公開宣言したのだ。トランプを弾劾する取り組みは、アメリカ左翼に不吉なメッセージを送っている。闇の国家は単に、力を達成することから、2016年に、バーニー・サンダースや他のどの進歩的民主党員も権力の座につくのを阻止したように、阻止するだけでなく、帝国の維持管理と拡大を問題にしようと試みるどんな政治家も破滅させるという信号を送ったのだ。左翼に対する敵意は、トランプに対する敵意より遥かに顕著だ。しかも、左翼を破壊するための資源はほとんど無尽蔵だ。

 政治哲学者シェルダン・ウォーリンは「Democracy Incorporated: Managed Democracy and the Specter of Inverted Totalitarianism 民主主義株式会社:管理された民主主義と逆さま全体主義の亡霊」という2008年の本で全てを見通していた。彼はこう書いた。

企業権力の政治的役割、ロビー産業による、政治、議員選出過程の腐敗、憲法による制限を犠牲にした行政権の拡大や、マスコミが促進した政治対話の退廃は、体制への付着物ではなく、体制の基本なのだ。たとえ民主党が過半数を達成したとしても、体制はそのまま変わるまい。もしそうした事情が生ずれば、現在の民主党提案の臆病さが徴候を示しているように、体制は、歓迎されない変化に対して、厳しい限界を設定するだろう。アメリカの体制の極めて称賛されている安定性と保守主義は、いかなる高尚な理想によるものではなく、全て腐敗に満ちていて、主に裕福な大企業寄付者からの寄付にどっぷり漬かっているという論破できない事実によっている。下院候補者や判事には、最小限百万ドルが必要で、徴兵されない連中が愛国心を称揚し、一般市民が軍に服務する時に、我々が今知っている政治が、その存在に欠くことができない悪を奇跡的にただしてくれると主張するのは不誠実な行動だ。

 闇の国家に対しては、内部にも外部にも歯止めはない。権力の行使に対して、かつて市民に声と発言権を与えていた報道機関を含め民主的な組織は去勢されてしまった。闇の国家は、大企業による富と権力の集積を推進させ、アメリカ人の半数を貧困あるい、貧困に近い状態に押し込んだ社会の不均等を拡大し、我々から僅かに残った自由を剥奪し、軍や軍需産業の強欲な食欲を満たすだろう。連邦負債超過額がふくれ上がるにつれ、国家資源は浪費されるだろう。トランプ当選に貢献した権利を奪われ無視された一般市民のいらだちと停滞感は一層増すだろう。

 これまで数日間、レバノンとチリであったように最後の審判の一瞬が来るだろう。社会不安は避けられない。どんな国民も、ここまで押しこめられはしない。改革はできず、権力保持の決意が強い闇の国家は、大衆反乱の脅威の下で、大企業ファシズムに変身するはずだ。瞬時でアメリカを警察国家に変えることができる自由に使える法律的、物理的手段を闇の国家は持っている。これがトランプを弾劾しようとしている闇の国家キャンペーンの背後にある本当の危険だ。言うことを聞かなければ、沈黙させるという露骨なメッセージだ。結局、トランプは問題ではない。我々が問題なのだ。闇の国家がトランプ排除に失敗すれば、闇の国家は、いやいやながらにせよ、人のいやがる仕事を実行させるため彼を利用するだろう。トランプは、もし権力の座への生き残りに成功すれば、閲兵式ができるだろう。トランプの有無にかかわらず、我々は専制政治を得るだろう。

 Chris Hedgesは海外特派員として中米、中東、アフリカとバルカンでほぼ20年過ごした。50以上の国から報道し、15年間海外特派員としてクリスチャン・サイエンスモニター、National Public Radio、ダラス・モーニング・ニューズとニューヨーク・タイムズで働いた。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/the-enemy-within/

----------

 〇〇の有無にかかわらず、我々は専制政治を得るだろう。

 国会討論、与党茶番は音声を消して聞いていないが、野党の追求はするどかった。民間試験導入問題、本質は加計問題の繰り返し。今度は福武。問題は英語入試だけではない。国語や数学の記述問題も深刻だ。塾経営者だった前文部大臣が深く関与していたのだ。縁者や知人を含めれば、この入試改悪に影響を受けない国民皆無だろう。タレントの覚醒剤取締法違反をあげつらっている時ではない。ジャーナリズムであれば。

 今井雅人議員に対する人間性も知性の片鱗もないトップの野次。それを注意しない棚橋泰文委員長のデタラメ運営。学級崩壊ではなく国会崩壊。大本営広報部、集中して報じるべきだろう。もちろん隠蔽するだろうが。

安倍首相、錯乱!「総理のご意向」文書を追及した野党議員に「あなたがつくったんじゃないの」と逆ギレフェイク野次

 リアルタイムで見られなかった河かおる氏IWJインタビュー第三回目を拝見して、韓国の「打破」報道の徹底ぶりに感心。シリアの石油を盗んでいる違法侵略米軍について、日本の大本営広報部何か言っただろうか? 夕方、女性タレントをかもにした国営放送洗脳呆導番組をみながら、テレビに向かってはしたなく叫んでしまった。見ない主義だが、こわいもの見たさで消し損ねた。

日刊IWJガイド「シリアから米軍が石油を盗み出している!? 米軍によるISの指導者バグダディ氏の殺害やシリア撤退は大きく報道するのに、米軍の石油窃盗行為は報じない日本・欧米のメディア! 弾劾調査の報復に政府機関閉鎖!? トランプに都合の悪いことは何も報道できない!?」2019.11.7日号~No.2611号~

2019年9月24日 (火)

資本家は恐れている

2019年9月9日
オピニオン

TDオリジナル

フィッシュ
Truthdig
Chris Hedges

 資本家は利益を最大にし、減らそうと努める。これが資本主義の核心の要約だ。資本主義はこの不変の目的によって定義される。それは民主主義ではない。それは良く主張されているような、労働者階級のための富の創出ではない。それは自由とは何の関係もない。レイオフで、利益と減少を労働経費引き上げることが可能じゃない、特に大企業においては、組合を破壊し、仕事を海外移転し、外注し、自動化し、人件費を削減しない資本家は交代させられる。個人的な倫理は無関係だ。資本家は取得し搾取するのだ。

 資本家は資本主義の本質についてウソをつくためには、どんな馬鹿らしい努力も惜しまない。三社いずれも2018年の連邦所得税を支払っていないアマゾンやゼネラル・モーターズやシェブロンのトップを含む181人の主力CEOが署名したビジネス・ラウンドテーブルの最新版コーポレート・ガバナンス原則が、20世紀最悪の全体主義体制の故意にあいまいな言い方に等しい理由だ。

 もし利益を最大にすることが大洋を酸欠海域に変え、大気を炭素排出と毒素で満たし、気候を人に不適切にし、化学物質やゴミを、土壌、水、空気や食料に注ぎ込んでガンを蔓延させ、選挙で選ばれた議員や判事を買収して、資本の独占的利権のために働かせ、大衆から暴利をむさぼるため、医療、運輸、教育や公共事業を含め社会福祉を民営化することを意味するなら、それは事業の代償なのだ。もし人件費を減らすことが、労働者に未組織のままでいることを強いて、仕事や健康や安全規制を廃止することを意味するなら、外国人労働者に19世紀の農奴のように労役を強いるため産業の海外移転を意味するなら、国内賃金を抑制して、貧困に陥った住民を強制的に債務奴隷に追い込むことを意味するなら、それは事業の代償なのだ。

 1920年代以来、現在アメリカが最悪の所得不平等になっているのは偶然ではない。これは資本家階級が設計したものだ。だがビジネス・ラウンドテーブルの8月19日声明が明らかにしているのは、資本家は彼らが見つかったのを心配しているということだ。外部の制約が無く、内部の制約もがない資本主義は、国民が激怒して立ち上がるまで、逃げることができない国民を略奪し搾取する。それは今日の資本家が恐れている差し迫る噴火だ。

 資本主義は、このように社会的に破壊的な勢力なので、大衆に誤った情報を伝え、操るための広告でメディアを満たす。資本主義はその莫大な富を、マスコミを買収し、大学や非営利団体やシンクタンクを飼いならし、資本主義を批判する人々を悪者にし、黙らせるために使う。資本主義は、支配するするひと握りの集団.の手中へと富を譲渡することが、社会に有益だという考え方、新自由主義イデオロギーを、たゆみなく普及させる擬似知識人や擬似経済学者に精力的に資金を供給する。資本主義は大衆を犠牲にするグローバル独占企業を組織する。資本主義は利益追求のために、果てしない戦争を行う。資本主義は反資本主義者の扇動を、テロと同等に扱い、例えば炭素排出の主要因であるアメリカの産業的農業の凶暴性や残酷さの写真を撮ったり、映画を撮影したりしようとする誰でも、対テロ法案のもとで告訴されかねない。ネズミ講や詐欺や金融バブルが崩壊すると、連中は国庫を略奪し、納税者に請求書を回すのだ。(2008年のアメリカ経済危機時には、企業は4.6兆ドルの公的資金を食いつくした。)

 規制されず、拘束を受けなければ、カール・マルクスが理解した通り、資本主義は革命的な力だ。カール・ポランニーが書いたように、それは最初にマフィア経済を、次にマフィア政府を作り出す。我々の都市を崩れ落ちそうな残骸にし、国の半分以上を貧しくしたのは資本家階級の強欲だった。我々を環境汚染による生態系破壊の道に置いたのは資本家階級の強欲だった。レジスタンスを阻止するため、アメリカの国内植民地の狂暴な準軍事部隊として機能する警察や、国民の大規模監視や、非常に拡張された大量投獄制度を含む国内制圧機構や、大衆を秘密に捜査する国家安全保障局や国土安全保障省やFBIを含む政府機関を創設したのは資本家階級の強欲だった。アメリカの民主的組織を解体したのは資本家階級の貪欲だった。我々にドナルド・トランプを与えたのは資本家階級の強欲だった。公益と民主主に対するこの蔑視ゆえに、この資本家連中は反逆者になる。

 JPモルガン・チェースの会長兼最高経営責任者で、ビジネス・ラウンドテーブル会長のジェームズ・ダイモンは「企業の目的についての声明」を含む報道発表で「アメリカン・ドリームは健在だが、ほころびている」ことを認めた。だが彼は「長期的に成功するための唯一の方法であるのを知っているので、大手雇用者は、その労働者と共同体に投資している。これらの近代化原則は、全てのアメリカ人に奉仕する割経済を要求し続けるという財界の揺るぎない決意を反映している。」と我々に請け合った。

 ジョンソン・エンド・ジョンソンの取締役会長と最高経営責任者でビジネス・ラウンドテーブルのコーポレート・ガバナンス委員会委員長アレックス・ゴルスキーは、声明は「社会を改善する上で、企業が果たせる不可欠な役割を確認している」と付け加えた。

 フォード財団理事長ダレン・ウォーカーは声明を「ものすごいニュース」と呼び、それは「企業と社会両方に共有される繁栄と持続可能性をもたらす」だろうと述べた。

声明の大げさな表現の多い自画自賛の節は冒頭の段落に要約されている。

アメリカ人は各人勤勉と創造性を通して成功し、意味と威厳のある生活を送ることを可能にする経済に値する。我々は自由市場制度が、良い仕事、強く持続可能な経済、イノベーション、健康な環境と全員にとっての経済的機会を与える最善の方法だと信じる。

企業は、仕事を作り、イノベーションを促進し、必需品とサービスを提供することにより、経済において極めて重要な役割を演じている。企業は消費財を作り、販売する。装置や車を生産する。国防を支持する。食品を育て生産する。医療を提供する。エネルギーを生成し、配給する。経済成長を支える金融や通信や他のサービスを提供する。

 アメリカの誰より多くの法定罰金を支払ったダイモン(純資産14億ドル)や、オクラホマのオピオイド危機に拍車をかけるのを助けたかどで告発され、損害賠償で5億7200万ドルの支払いを命じられたゴルスキーは、機能している民主主義国家なら、刑務所に入れらているはずだ。連邦政府によれば、ジョンソン・エンド・ジョンソンやパーデュー製薬やファイザーやマッケソンも、2016年と2017年、アメリカでの、オピオイド関連ドラッグの使用過多による何千人ものアメリカ人の死、一日130人以上の死に責任がある。

 ダイモンの金融犯罪だけでも多額で悪名が高い。犯罪には、2008年の金融崩壊前の数年に詐欺の有価証券を引き受け、住宅ローンや、住宅ローンの借り換えでの軍人への過剰請求、過剰引き出し料に対しての顧客への過剰請求、カリフォルニアと中西部の電力市場入札での不正操作、水害保険に対して自宅の所有者への過剰請求、ありもしないクレジットカード監視サービスに対する顧客への請求書送付、住宅ローンでの、白人の借り手が支払うより高い金利や料金を少数人種への請求、社員への超過勤務手当の払い損ねが含まれる。

 すると、シカゴではギャングが慈悲深い社会を運営しているとアル・カポネが強く主張するのに等しいこの文書は一体何だろう?

 資本家連中が怖がって、走っているのだ。彼らは支配的な新自由主義のイデオロギー観がもはや信頼性がないことを知っているのだ。嘘は暴露したのだ。政府の立法、行政、司法部門を含め、支配組織が機能不全に陥っていて、嫌われていることを知っているのだ。彼らは、メディアやウォール街や大銀行が信用されておらず、憎まれているのを知っているのだ。彼らは貧困を違法として、企業の不正を合法化する刑法制度がにせであることを知っているのだ。彼らは社会的流動性が、結果的に実在しないことを知っているのだ。そして最も重要なことに、限界利子率で政府から彼らに貸された何兆ドルもの上げ底の上に構築された金融システムが持続可能ではなく、不況ではないにせよ、もう一つの景気後退を引き起こすのを彼らは知っているのだ。彼らは自分たちが悪いことも知っている。

 資本家は自分たちの富を守ると固く決めている。彼らは左寄りの候補者エリザベス・ウォーレンやバーニー・サンダースが民主党大統領候補指名を得るのを阻止すると固く決めており、おそらく可能だ。だが彼らは、ヒラリー・クリントンやナンシー・ペロシやチャック・シューマーやジョー・バイデンのような、大企業権力のために人生を費やした政治家たちを有権者に売りこむことが益々困難になっているのを知っている。民主党の虚偽と偽善は、2008金融危機後、部外者、改革者として立候補したバラク・オバマの大統領職で明白だ。コーネル・ウェストが「ウォール街の黒人マスコット」と呼んだオバマは、民主党の支持基盤を無神経に裏切った。2008年の金融破綻後の、彼やクリントンや他の民主党幹部による行動が、ペテン師で、根っからのうそつきでありながら、有権者、特に白人労働者階級が聞きたいことを言うのに抜け目がなかった扇動家ドナルド・トランプに道を空けたのだ。

 ビジネス・ラウンドテーブルの8月声明は、社会における資本家の役割を再構成し、これらの業ペテン師に、より穏やかな、より優しい顔を与えるための痛ましい試みだ。それは機能するまい。資本家は破壊する力は持っているが、もはや作り出す力はない。そして彼らが止めることができない、彼らの容赦ない破壊から、社会不安と、ドナルド・トランプより遥かに恐るべき巨大な怪物が出現するだろう。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/the-capitalists-are-afraid/

----------

 見ているほうが恥ずかしくなるステーキ・パフォーマンス。芸能人と思えば納得。大本営広報部大活躍。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名 納得。

鳩山由紀夫氏の過去一か月ツイートで反応の大きい順。?なぜ米国のトウモロコシを買うか、?元東電社員の木村氏が文藝春秋で津波の前に地震で配管が破損して起きたことを膨大なデータにより証言。?地震説は1号機入り映像を撮った川内博史議員もこれまで主張。

 今度は、是非、腰を据えて。

日刊IWJガイド「津田大介氏があいちトリエンナーレで中止になった『表現の不自由展・その後』を『再開したいと思っている』と明言! 市民の後押しを要望!」2019.9.24日号~No.2567号~(2019.9.24 8時00分)

 

2019年6月23日 (日)

思想警察がやって来る

2019年6月11日
Chris Hedges
trudhdig

フィッシュ

 6月11日火曜日、ロンドンで行われたジュリアン・アサンジ支援の催しで、クリス・ヘッジズはこの講演を行った。

 2004年7月31日にバグダッドで砲弾の破片に殺された15歳のサビハ・ハメド・サリフと、16歳のアシワク・ハメド・サリフのイラク人の親に、彼らがジュリアン・アサンジについてどう思うか尋ねてください。

 2005年7月22日に、ファルージャでアメリカ海兵隊員に砲撃された自動車の中で、妻で母親が誰に射殺されるのを見て、彼ら自身も傷つけられた男性と、彼の2人の若い娘に、彼らがジュリアン・アサンジについてどう思うか尋ねてください。

 2006年6月2日に、イラクのディヤラ州で、アメリカ兵に撃ち殺された18歳の少女フダ・ハリームと、5歳の少年ラグハド・ムハマッド・ハリームの親に、彼らがジュリアン・アサンジについてどう思うか尋ねてください。

 2006年8月10日に、ラマディで、アメリカ海兵隊員にワイヤーで窒息させられてから、射殺された15歳の少年の親に、彼らがジュリアン・アサンジについてどう思うか尋ねてください。

 2006年11月27日に、モスル近くの結婚披露宴でアメリカ兵士に攻撃され、4人が負傷し、射殺されたアーメド・サラーム・モハマドの親類に、彼らがジュリアン・アサンジについてどう思うか尋ねてください。

 2007年7月、東バグダッドで、アメリカのアパッチ・ヘリコプターの「死んだ野郎」や「やつらを照らせ」や「銃撃し続けろ、銃撃し続けろ」と言って笑っているのが聞こえる、冗談を言いあう乗組員に、50口径の機関銃で射殺された、二人のジャーナリストロイター記者ナミール・ヌール・エルディーンや運転手のサイード・チャマグを含む一ダース以上の虐殺犠牲者の家族に、彼らがジュリアン・アサンジについてどう思うか尋ねてください。彼がバグダッドの街路で負傷した男性の一人を助けようと試みた際に、43歳の父親サレハが空から射殺され、共に傷を負った当時10歳のサジャド・ムタシャールと5歳の妹ドアハに、彼らがジュリアン・アサンジについてどう思うか尋ねてください。

 皆さんの道義的明快さを高めるための、首の上の圧制者のブーツもありません。

 これら戦争犯罪や、更に何百ものアメリカ軍に報告されたが、決して調査されなかったもののいずれも、ジュリアン、チェルシー・マニングやウィキリークスなしでは公表されていなかったはずです。つまり、我々なしでは発言権がないだろう人々に発言権を与え、権力者に責任をとらせ、忘れられたり悪者にされたりした人々に公正な結果をもたらし、真実を語るジャーナリストの役割なのです。

 2013年、ロンドン、エクアドル大使館での、クリス・ヘッジズによるジュリアン・アサンジ・インタビューを聴く

 我々は報道の自由と、政府の虐待やウソにさらされる人々のための法的な保護が、政府による大規模監視や、漏洩の違法化や、こうした秘密を公開したかどでのジュリアンへの迫害で、完全に破壊されるのを過去10年見守ってきました。報道機関は、アメリカでは、ほとんど骨抜きにされています。特にオバマ政権下で、内部告発者を告訴し、判決を下すために、諜報活動取締法が繰り返し使用されたことが、権力の内部機構や、帝国の中に光をあてる我々の能力を封じました。良心を持った政府当局者は、彼らの全ての通信が諜報機関に監視され、補足され、保存されることを知っていて、記者に連絡を取るには余りにもおびえています。最終防衛線は、安全保障、監視国家内に潜入する技能と、それを公にする勇気を持ったエドワード・スノーデンや、チェルシー・マニングや、ストラテジック・フォアキャスト社や、テキサスに本拠を置く民間警備会社ストラトフォーをハッキングしたことに対し、ジェレミー・ハモンドは、アメリカで、10年の懲役刑に服している状態です。抵抗の代償は、彼らのみならず、この情報を発表することをいとわないジュリアンのような人々にとっても大きなものです。サラ・ハリソンが指摘したように「これは我々のデータ、我々の情報、我々の歴史です。我々はそれを所有するため戦わなくてはなりません。」

 ジュリアンが、実際はそうではありませんが、たとえおぞましい人物だったとしても、彼はしていませんが、たとえ彼が性犯罪をしていても、実際そうではありませんが、たとえ彼が迷惑な客だったとしても、これも、ほぼ7年の自宅軟禁のため狭い部屋に閉じ込められた人物には奇妙な単語ですが、それで何の相違も生じません。ジュリアンは彼の悪徳のために迫害されているのではありません。彼は彼の美徳ゆえ迫害されているのです。

 彼の逮捕は法による統治や出版の自由の権利というあらゆる見せかけを骨抜きにします。二カ月前、ロンドンのエクアドル大使館でのジュリアン逮捕で、エクアドルと、イギリスとアメリカ政府が行った違法行為は不吉です。これは、内部の働き、虐待、汚職、ウソや犯罪、特に世界的な支配層エリートに実行された戦争犯罪が、大衆から覆い隠されるだろう世界の前兆です。彼らは、彼ら国籍が何であれ、権力の誤用をあばく勇気と品位を持った人々が、世界中で追い詰められて捕まえられ、拷問にかけられ、偽の裁判を受けさせられ、終身懲役刑を宣告されるだろう世界の前兆です。彼らは我々を国家によって、我々の敵として悪魔扱いされる人々を我々が嫌うようにするためジャーナリズムが不法とされ、宣伝や些事や娯楽や洗脳で置き換えられるオーウェルのディストピアの前兆です。

 ジュリアンの逮捕は、企業全体主義と、まもなく我々の生活を規定するだろう、中国で今遥かに進んでいる絶え間ない国家監視の公式の開始を示しています。我々が目にしている法規によるあらゆる保護の破壊は権威主義、あるいは全体主義国家を確立するのに不可欠です。

 BBCの中国特派員スティーヴン・マクドネルは、1989年6月、北京天安門広場の抗議運動の学生が中国兵士に撃ち倒された時から30周年を記念する香港でロウソクを灯して行う徹夜の祈りの写真を載せた後、数日前に中国のWeChatから締め出されました。

 「中国の友人たちがWeChatで、何の事件だったか尋ね始めた」と彼は書いています。「人々はなぜ集まっていたのか? それはどこでのことか? このような質問が、ここで若い専門家にされるのは、中国で1989年天安門の知識が消された程度を示しています。私は質問の一部に、むしろ謎めいて答えると、突然私はWeChatから締め出されました。」

 WeChatに戻るために、彼は「悪意あるうわさ」を広めるのに責任があったことに同意し、フェイス・プリントと呼ばれるものを提供しなければなりませんでした。

 「私は「カメラに真っ直ぐ対面する」よう電話を持ち、人の頭の画像を見るよう指示されました。それから「北京官話中国語で、声を出して数字を読みあげる」よう言われました。カメラが私の顔をスキャンするのと同時に、私の声がアプリケーションに取り込まれました。」

 彼は政府によるWeChat乱用で「共産党は、この国の国民と外国人のおおかた全員の生活マップを得ることができる。最近、天安門弾圧記念日に言及することに対し、停職処分にされた皆の顔と声をキャプチャーするのは、問題を起こしかねいない誰であれ監視するのを望む人たちにとって、非常に役立つと考えられよう。」と言っています。

 これはほぼ確実に我々の未来、ジュリアンが阻止しようと勇敢に戦った未来です。

 首縄が締まりつつあるもう一つの兆しで、オーストラリア国営放送局オーストラリア放送会社事務所が、先週水曜日、連邦警察に緊急捜索されました。襲撃は、放送局が、アフガニスタンで、子供を含め、武装していない人々を殺したオーストラリア特殊部隊の詳細を報じたがゆえに行われたのです。その話題は部分的に、何百という機密軍文書の漏洩によって作成されました。生の映像と何千というファイル、電子メールや内部文書の警察の手入れと捜査は、確実に逮捕され投獄されるだろう情報提供者捜索の一部のように思われます。

 エクアドルのレニン・モレノ大統領は、一体どのような法律の下で、政治亡命者としてのジュリアンの亡命権を気まぐれに無効にしたのでしょう? モレノは、一体どのような法律で、イギリス警察がエクアドル国民になった市民を逮捕するため、外交上容認された独立領土であるエクアドル大使館に入るのを認可したのでしょう。テリーザ・メイ首相は一体どんな法律の下で、一度も罪を犯したことがないジュリアンを逮捕するようイギリス警察に命じたのでしょう? ドナルド・トランプは、アメリカ国民ではなく、その報道機関がアメリカに本拠を置かないジュリアンの犯人引き渡しを、一体どんな法律の下で要求したのでしょう?

 拷問と扱いに関して国際連合特別報告者ニルス・メルツァーが文書化したジュリアンに対する心理上の拷問は、小説『1984年』の終わりに、反体制派分子のウィンストン・スミスの破壊にそっくりです。ゲシュタポは骨を折り、東ドイツ秘密警察シュタージは精神を破壊したと言われます。今日、同じように我々はゲシュタポ拷問の、より粗野な形式を洗練したのです。我々は、体と同様、精神も破壊するのです。それはいっそう有効です。これが肉体的、心理的健康が深刻に衰えたジュリアンが刑務所病院に移送された理由です。我々全員、従順、無害にされるため、ジョージ・オーウェルの恐れられている部屋101に連れて行かれかねないのです。これら「特別行政措置」で、ジュリアンの心理的拷問で、世界中の秘密軍事施設で何千という抑留者を破滅させアメリカ諜報工作員がイギリス人を支援しているのは確実です。長期独房監禁を含めこれら技術は、最も虐げられた政治的に鋭敏な下層階級-アフリカ系アメリカ人に対して大企業国家が戦争をしているアメリカ最高警備の刑務所における支配の不可欠な要素なのです。

 ジュリアンに対し、まさにウィキリークス資料を公にした報道機関に増幅されている、アメリカ思想警察による組織的中傷工作が行われています。この工作の詳細は、2008年3月8日付のサイバー防諜評価局が作成して、漏洩された国防総省文書に書かれています。文書はジュリアンの評判を破壊し、ウィキリークスの「重心」である「信頼感」を根絶させるよう主張しています。

 ウィキリークスが、ヒラリー・クリントン選挙運動委員長ジョン・ポデスタのアカウントからコピーされた70,000の不法アクセスされた電子メールを公にした後、が民主党支配層が、この誹謗中傷を提唱したのです。ポデスタ電子メールは、イスラム国の主要出資者二国、サウジアラビアとカタールからのクリントン財団への何百万ドルもの寄付を暴露しました。ゴールドマン・サックスが講演料として、ヒラリー・クリントンに支払った657,000ドル、賄賂としか思われなきほど大きな金額を暴露しました。クリントンが繰り返したウソを暴露しました。たとえば、彼女は、金融エリートに「開かれた貿易と開かれた国境」を望んでおり、経済を管理する上で、ウォール街幹部が最適の位置にあると信じているという、彼女の選挙運動声明と矛盾する発言を電子メールに書いたのをばらしました。トランプが共和党指名候補になることを保証すべく、共和党予備選挙に影響を与える、クリントン選挙運動の取り組みを暴露しました。主要候補討論で、クリントンが事前に質問を知っていたことを暴露しました。クリントンが、大統領候補としての資格に磨きをかけるだろうと信じた戦争、リビアでの戦争の主任建築家であることをと暴露しました。チェルシー・マニングがウィキリークスに提供した戦争記録のような情報は隠されたままであるべきだったし、大衆は知る権利を持っていないとジャーナリストは主張することが可能ですが、その場合彼らは自身をジャーナリストと呼ぶことはできません。

 ウィキリークスは、アメリカ帝国の職権乱用と犯罪を暴露する上で、他のいかなる報道機関より遥かに多くのことをしました。戦争記録やポデスタ電子メールに加え、フランス選挙を含め、CIAや国家安全保障局に使われているハッキングツールや外国選挙に対する彼らの干渉を公にしました。労働者党下院議員によるイギリス労働党党首ジェレミー・コービンに対する国内陰謀を明らかにしました。彼が我々の諜報機関によるアメリカ国民の大規模監視を公にした後、彼が香港からモスクワまで逃げるのを手伝って、アメリカへの引き渡しからスノーデンを救うために介入しました。スノーデン漏洩も、ジュリアンがアメリカ「犯人追跡標的リストに」載っていたことを明らかにしました。

 我々はイギリス政府にジュリアンの引き渡しや司法リンチを止めることを強いる大衆運動を構築しなければなりません。我々はオーストラリア政府に、ジュリアンのために介入するよう強いるため大衆運動を構築しなければなりません。我々は民主主義奪還と法による支配を要求するため、大衆運動を構築しなければなりません。もしジュリアンが引き渡され、裁かれれば、それが権力者に説明責任を負わせるために、ドナルド・トランプが「民衆の敵」といって攻撃している報道機関の能力を終わらせる前例となるでしょう。戦争と金融の犯罪、反体制派分子や少数人種や移民の迫害や、企業利益を膨張させ、世界的オリガルヒの政権掌握を強固にするための生態系の略奪や、働く男女の無情な貧困化とい犯罪は、もはや公開討論の一部ではなくなります。最初はジュリアン。次は我々なのです

 Chris HedgesはTruthdigコラムニストで、ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリスト、「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー作家で、ニュージャージー州の囚人に行っているラトガース大学教育課程程の教授

 フィッシュは、ドウェイン・ブースとしても知られており、主にTruthdig.comとHarpers.com向けに描いている漫画家。フィッシュの作品は、ロサンゼルス・タイムズ、ビレッジ・ボイス、ヴァニティーにも掲載されている。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/first-assange-then-us/

----------

 昨日、第55回ギャラクシー賞優秀賞、第34回ATP賞奨励賞受賞 100分de名著スペシャルの「100分deメディア論」再放送を見た。マスコミがウソを広める役割を指摘する内容が秀逸であるだけに実にシュールで痛烈なブラック・ユーモア。

  • リップマン「世論」を堤未果氏
  • 山本七平「『空気』の研究」を大澤真幸氏
  • サイード「イスラム報道」を中島岳志氏
  • オーウェル「一九八四年」を高橋源一郎氏
    が解説。伊集院光氏が興味深いことをいって終わった。

 そして、テレ朝が“忖度”人事か…安倍政権追及の経済部長を更迭 日刊ゲンダイDigital

 今日の日刊IWJガイド、目を疑う話題の見出し。あの二国ならやりかねない。

日刊IWJガイド・日曜版「本日午後8時より、『新疑惑イスラエルゲート!? トランプ陣営が安保理で「イスラエルの入植地批判決議を行わせない」ようにロシアへ協力要請!? 岩上安身による「近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム」著者・役重善洋氏インタビュー第3弾』の前編を再配信!」 2019.6.23日号~No.2474号~(2019.6.23 8時00分)

 

2019年6月11日 (火)

ロシアとの戦争をでっちあげる

2019年6月3日
Chris Hedges
truthdig

 ドナルド・トランプと彼の選挙運動は、2016年大統領選挙戦の際にロシアと共謀していないというロバート・マラー報告の結論にもかかわらず、モスクワとの新冷戦は和らぐ兆しをほとんど示していない。それはアメリカ武器製造業者にとって、何十億ドルもの利益となる、NATOのロシア国境までの拡大を正当化するのに使われている。それは外国大国の手先だとして、国内の批判者や代替メディアを悪者にするのに使われている。それは民主党の労働者階級に対する卑屈な裏切りと、大企業権力への屈伏を取り繕うために使われている。それは世界の二大核保有国間の緊張緩和をくつがえすために使われている。それは - 含みアメリカ国内での市民的自由の削減や、海外で、シリアやベネズエラのような国でアメリカの介入を正当化するために使われている。この新冷戦はトランプ大統領選挙運動に先行している。それは10年以上前、ロシアとの対立に拍車をかけることにより、自分たちの権力を強固にし、利益を増やすことができるのを理解した軍需産業と諜報関係界に作り出されたものだ。(諜報活動の70パーセントが世界の最も利益があるスパイ工作と呼ばれているブーズ・アレン・ハミルトンのような私企業に行なわれている。)

 「これはトランプと「ロシアゲート」のずっと前に始まったのです」と私のテレビ番組「On Contact」でインタビューした際、スティーヴン・F・コーエンが言った。コーエンはロシア研究プログラムの部長をつとめたプリンストン大学政治学名誉教授で、ニューヨーク大学のロシア研究と歴史の名誉教授だ。「人々は、なぜワシントンが、ソビエト共産主義指導者と生産的外交をするのに何の問題もなかったのか自問しなければなりません。リチャード・ニクソンとレオニード・ブレジネフを覚えていますか? もう、いちゃつきでした。彼らは一緒に[ソ連で]狩りに行きました。ところが共産主義者でないのみならず、反共産主義者を公言するソ連後の指導者ウラジーミル・プーチンが登場したのです。ワシントンは2003年、2004年からずっと彼に憎しみを抱いています。それは若干説明が必要です。我々はなぜロシアの反共産主義指導者よりも、ロシアの共産主義指導者の方が好きなのでしょうか? それはなぞです。」

 新刊書“War With Russia? From Putin & Ukraine to Trump & Russiagate.”「ロシアとの戦争? プーチン&ウクライナからトランプ&ロシアゲートまで」の著者コーエンが「もしワシントンの支配層が、どのように憎悪を抱き、悪者にして、プーチンを扱ってきたか説明しようと思うならば、プーチン以前の1990年代に遡らなければなりません」と言った。ソ連後の最初の指導者はボリス・エリツィンでした。アメリカではクリントンが大統領でした。そして本質的にクリントン政権は、ロシアが崩壊していた事実につけこみながら、彼らはニセの擬似協力と友情のふりをしたのです。ロシアはほとんど主権を失いました。私は90年代、そこに住んでいました。中産階級の人々は仕事を失いました。高齢者は年金を失いました。私はロシアの1990年代の工業生産が、アメリカの「大恐慌」時期より一層落ちたと言って正しいと思います。それは平和時で、これまで最悪の経済、社会の不況でした。それはロシアにとって大惨事でした。」

 1993年9月、国営企業が豊富なリベートと賄賂と引き換えに、ロシアのオリガルヒや外国企業に二束三文で売られる見境ない腐敗や、国内総生産が50%に下がり、ハイパーインフレで国が激しく揺れ動かされた経済崩壊に抗議するためロシア人は街頭に出た。食品と燃料欠乏。賃金と年金の不払い。医療を含めた基本的サービスの欠如。平均寿命の短縮。暴力犯罪の爆発。そしてエリツィンの激化する独裁主義とチェチェン共和国との彼の不人気な戦争。

 1993年10月、エリツィンは議会を解散した後、民主的な抗議者に占拠されていたロシア議会ビルを砲撃するため軍戦車の出動を命じた。攻撃で2,000人が死んだ。それでも、彼の大統領任期中、エリツィンはワシントンに溢れんばかりに称賛され支援された。これには、彼の1996年再選運動の際、ロシアへの102億ドルの国際通貨基金融資に対するアメリカの支援も含まれる。融資は、往々にして小切手が選挙直前に届くという形で、エリツィン政権が何百万というロシア人の未払い賃金や年金に莫大な金額を支払うことを可能にした。また融資のうち推計15億ドルがエリツィン大統領選挙運動に直接資金供給するため使われた。だがエリツィンが、1999年12月大統領の座から無理やり追い出された時までに彼の支持率は、2%に下がっていた。ワシントンはエリツィンを失い、別の御しやすいロシア指導者を探し求め、最初そういう人物としてプーチンを見いだしたと考えたのだ。

 「プーチンはテキサスに行きました」とコーエンは言った。「彼はブッシュ、息子ブッシュと一緒にバーベキューを食べました。ブッシュは「彼の目を見つめて、善人とわかった」と言いました。そういう新婚旅行があったのです。彼らはなぜプーチンに敵対したのでしょう? 彼はエリツィンではないことが分かったからです。ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ニコラス・クリストフが、これについて非常に興味深い発言をしています。2003年だと思いますが「プーチンに幻滅したのは、彼が「しらふのエリツィン」ではないことが分かったためだった。ワシントンが望んでいたのは、従順で、嘆願するソ連後のロシア指導者で、ただし、より若く、より健康で、飲兵衛ではない人物だ。彼らは、プーチンがそういう人物だと思ったのだ。エリツィン、あるいは少なくともエリツィン周囲の連中が、プーチンを権力の座につけたのだ。」と彼が書いたのです

 「プーチンが、ロシアの主権、世界情勢におけるロシア独自の進路について語り始めた時、彼らは仰天しました」とコーエンは、ワシントン・エリートについて言った。「これは彼らが予想したことではありません。当時は最悪の競争相手が出番を待っていたのですから、1990年代の後に我々がプーチンを得たのは、かなり運がよかったというのが私自身の考えです。私は彼らの何人かを知っていました。私は名前をあげたいとは思いません。けれどもこれら連中の一部は本当に厳しい人々でした。プーチンは、ロシアにとっても、ロシア国際関係にとっても、適時の適材でした。」

 「我々は、これまで3年間これを続けています」とコーエンはロシアゲートについて言った。「我々はこの主張の本質を見失っています。ロシアゲートを作った人々は、アメリカ大統領がロシアの手先だとか、彼はクレムリンに屈したと文字通りに言い、ほぼ3年言い続けています。それが余りに現実離れしているので、我々はニヤリと笑います。ところがワシントン支配層、主に民主党は、彼らだけではありませんが、これを本気で受けとめています。」

 「アメリカ史で今までこのようなことがあったかどうか私は知りません」とコーエンは言った。「このような非難は、アメリカ自身の制度に、大統領職に、アメリカ選挙制度に、議会に、アメリカ主流メディアに、アメリカ-ロシア関係に与えた損害は言うまでもなく、現在エリート・ロシア人と若いロシア人両方のロシア人のアメリカに対する見方に損害を与えています。このロシアゲート丸ごと単に不正なだけでなく、大災厄でした。」

 「20世紀の緊張緩和では、三つの主要エピソードがありました」とコーエンは言った。 「最初のものは、冷戦が非常に危険だった時期、スターリンの死後でした。それは共和党大統領ドワイト・アイゼンハワーに実行されました。二番目は、ヘンリー・キッシンジャーの助言で、リチャード・ニクソンによるもので、それは「ブレジネフとのニクソン緊張緩和」と呼ばれました。三番目は我々が最も成功したと考えたミハイル・ゴルバチョフとロナルド・レーガンによるものでした。レーガンとゴルバチョフによる緊張緩和は実に成功したので、レーガン後継者父親ブッシュは冷戦は永久に終わったと言いました。」

 「壁は崩れていました」と1989年の東ドイツ崩壊とベルリンの壁崩壊についてコーエンは言った。「ドイツは再統一しつつありました。問題は「統一したドイツがどこに行くか?」でした。欧米はNATOでドイツを必要としていました。ゴルバチョフにとって、これはとうてい乗れない話でした。第二次世界大戦時、対ドイツ戦争の東部戦線で、2750万人のソ連国民が死んだのです。我々が聞かされている、たわごととは逆で、アメリカがノルマンディーに上陸してナチスドイツを倒したのではありません。ナチス・ドイツの敗北は、主にソビエト軍によるものなのです。ゴルバチョフが国に帰って、どうしてこう言えたでしょう。「ドイツは統一する。素晴らしい。そしてドイツはNATOに入る。」 それは不可能でした。彼らはゴルバチョフに言いました「我々はもしあなたが統一ドイツがNATOに入ることに同意するなら、NATOは1インチたりとも東に拡大しないと約束すると、ジェームズ・ベーカー国務長官が言ったのです。言い換えれば、NATOはドイツからロシアに向かって近寄らないと言ったのです。ところがNATOはそうしたのです。」

 「私がお話している今、NATOはロシア国境にあります」とコーエンは言った。「バルトからウクライナから、旧ソ連共和国のジョージアまで。一体何が起きたのでしょう? 後に、彼らはゴルバチョフが嘘をついたか、誤解したと言いました。決して約束はされなかったと。けれどもワシントンの国家安全保障アーカイブは、1990年の議論のあらゆる文書を作成しました。ブッシュ[ジョージ・H.W.大統領]だけではなく、フランス大統領フランソワ・ミッテラン、イギリスのマーガレット・サッチャーもでした。欧米の全ての指導者が、ゴルバチョフに、NATOが東方に拡大しないことを約束したのです。」

 「今はどういう状況でしょう?」と彼が尋ねた。「裏切りです。今日、どのようなロシア-アメリカ関係についての議論でも、情報に通じたロシア人は「我々はあなたが再び我々を裏切ることが心配です。」と言うでしょう、…プーチンは、彼が権力の座についた時、自分は欧米について幻想を持っていたと言いました。」

 「トランプは2016年に降って湧いたように現れて「私はアメリカはロシアに協力するべきだと思う」と言いました」とコーエンは言った。「これは緊張緩和の声明です。それで私は彼に注目したのです。トランプがクレムリンの手先だという話が始まったのは、その時です。私には証明することができませんが、人は疑い、論理的に考えなければなりません。この[主張]は緊張緩和志向の大統領を必要としない人々によって、どこかアメリカの上層部で始まったのでしょうか? [彼ら]は、どれほどちっぽけに見えようとも、トランプが勝利しかねず、彼らは本当にこのロシアとの協力の話が好きではなかったのです。そこで、我々がロシアゲートと呼ぶ、これらのことを開始したのです。」

 「緊張緩和の先祖は共和党でした」とコーエンは言った。「緊張緩和時期の民主党の振る舞い方は矛盾していました。ヘンリー・ジャクソン派と呼ばれるものがありました。これは非常に強硬路線で、緊張緩和を信じない民主党イデオロギーの一派でした。一部の民主党員は信じていました。私は、ソ連とソ連後の両方で、長年モスクワで暮らしていました。ロシアやソ連の政策立案者と話をすれば、彼らは概して共和党大統領候補の方が好きです。」

 民主党員はよりイデオロギー的だとロシア支配者から見られているとコーエンは言った。

 「共和党員はロシアで事業することを望む実業家の傾向があります」と彼は言った。「1970年代に作られた最も重要な緊張緩和志向の圧力団体は、American Committee for East-West Accordと呼ばれていました。ソ連で事業をすることを望むアメリカのCEOに作られました。」

 「アメリカが持っている唯一最重要な関係はロシアとのものです」とコーエンは続けた。「核兵器だけのためではありません。ロシアは世界最大領土の国です。ロシアは我々が懸念しているすべての地域と隣接しています。ロシアとのパートナーシップではなく、友情ではなく、同盟ではなく、緊張緩和で対立を減少させることが不可欠です。それでも2016年に、何かが起きたのです。」

 クレムリンがトランプを支配しているとされることや、ロシアがアメリカの選挙で不正を働いたという、元国家安全保障局局長ジェームズ・クラッパーと元CIA長官ジョン・ブレナンが繰り返す非難は、実に気掛かりだとコーエンは言った。クラッパーとブレナンはトランプをクレムリンの「手先」と言った。フィンランドでのロシア大統領との共同記者会見におけるトランプの行為を、ブレナンは「反逆罪以外の何ものでもない」と言った。

 彼の自叙伝Facts and Fears: Hard Truths From a Life in Intelligence”「事実と恐怖:諜報機関での人生で得た受け入れ難い真実」でクラッパーは、2016年大統領選挙に対するトランプのためのプーチンの干渉は「驚異的だった」と主張している。

 「もちろんロシアの取り組みは結果に影響を与えた」とクラッパーは書いている。「彼ら自身さえ驚いたことに、彼らは選挙の流れをトランプの勝利に変えた。そうでないと結論するのは、論理と常識と信じたい気持ちを極限まで誇張することになる。3つの重要な州での8万未満の票が選挙を変えた。ロシアによるこの大規模な取り組みによって、それより多くの票が影響を与えられたことに私は疑いを持っていない。」

 ブレナンとクラッパーは、大衆に嘘をつくのが何度もばれている。例えば、ブレナンは、上院職員が拷問についての報告書を準備するために使っていたコンピュータを、CIAが監視していたのを偽って、否定した。上院諜報委員会委員長ダイアン・ファインスタインが、彼女の委員会による政府機関の拷問の使用に関する調査を、秘密に調べ、妨害しようとする試みで、ブレナンとCIAが、アメリカ憲法に違反している可能性と、犯罪行動を告発するため、上院で発言した。彼女は政治的監督にとって、この状況は「決定的瞬間」だと説明した。ブレナンはドローン暗殺プログラムで「巻き添え殺害は一件も」なかったと主張し、パキスタンでアメリカの急襲で撃ち倒される前、オサマ・ビンラディンが、妻を人間の盾として使ったと主張し、拷問、あるいは婉曲的に「強化された尋問」と呼ばれるものが貴重な情報をもたらしたと主張した。これらの陳述のいずれも本当ではない。

 アメリカによるイラク侵略の時点で、クラッパーは、スパイ衛星写真や空中粒子や土壌サンプルのような諜報情報の解釈を担当し、サダム・フセインのありもしない大量虐殺兵器物語をでっちあげ、その計画を実証する書類を侵略直前、シリアに運んだ国防総省部隊、国家地球空間情報局の局長だった。彼は上院で、アメリカ国民の国内監視プログラムについて質問されると、見えすいた偽証罪を犯した。「NSA[国家安全保障局]は、何百万人もの、あるいは何億人ものアメリカ人の何らかの形のデータを集めているか?」と彼は尋ねられた。クラッパーが「いいえ、故意にではありません」と答えた。それは、クラッパー自身がよく知っている通り、嘘だった

 闇の国家が奉じる狙いを押し通すための情報を捏造する諜報関係高官や彼らの機関を監督したり、制御したりする能力が我々にないことが、民主主義の死を示している。嘘をつく権限を与えられたかに見える諜報機関の高官ブレナンとクラッパーは、とりわけ不吉なことに、彼らを批判する人々を効果的に沈黙させられる、監視、脅迫、強要の手段を握っており、政府内でさえ、批判する人々の活動を無遠慮に調査し、連中と連中の機関が責任を負わずにすむようにしていることだ。

 「アメリカ・メディアに気味悪く漂っているスティール文書があります」とコーエンが、クリストファー・スティールが編集した報告書について言った。

 報告書はフュージョンGPSに依頼され、ヒラリー・クリントン大統領選挙運動と民主党全国委員会に支払われた。ロシア選挙干渉の諜報機関評価に、スティール調査書類を含めるよう、ブレナンが圧力をかけたとボブ・ウッドワードは報じた

 「彼[スティール]は新聞からそれを得たのです」とコーエンは言った。「私は彼がロシアに一つも情報源があったとは思いません。スティールはこの調査書類を持って現れ「私はレベルが高い情報源からの情報を持っている。」と言ったのです。クリントン選挙運動はこの工作に資金を供給していました。だがスティールは非常に重要です。彼は元イギリス諜報局員だ。もし彼が本当に前にロシアで働き、ロシアの案件を扱っていたなら。彼は、トランプが売春婦とはしゃいでいることについて、調査書類でこの情報があると言うのです。トランプについて何十年も前に堕落していた情報。彼は「レベルが高い」クレムリン源からそれを得た。これは不合理です。それは非論理的です。」

 「プーチンがトランプを大統領にするのを死物狂いで望んでいたというのです」とコーエンは言った。「プーチン周辺のクレムリンの連中がスティールと呼ばれる男にトランプのゴシップを与えていた。たとえボスが望んでいたにせよ、全く意味不明でしょう?」

 「なぜこれが重要なのでしょうか?」コーエンは尋ねた。「現在、右翼のアメリカ・メディア、特にフォックス・ニュースが、このロシアゲート全体をロシアのせいにしています。彼らはアメリカ体制にそれを注ぎ込み、ロシアゲートをもたらしたスティールに、ロシアがこの誤った情報を提供したと言っています。これは本当ではありません。」

 「スティール工作を含めて?一体誰がこの全ての背後にいるのでしょう? 」 コーエンは尋ねた。「私は正統な答えより、良い質問が好きです。私は教条的ではありません。私は証拠を持っていません。けれども全ての表面的情報は、ブレナンとCIAから、これが発したことを示唆しています。アメリカでおきる、おそらくずっと前、早ければ2015年末に。今のアメリカの問題の一つは、皆がFBIを叩いていることです。電子メールを送った恋人たち。けれどもFBIはだらしない組織で、誰もFBIを恐れていません。それは、かつてJ・エドガー・フーバーの指揮下にあったものとは違います。ジェームズ・コミーをご覧ください。彼はカモです。ブレナンとクラッパーがコミーを手玉にとったのです。彼らは彼に色々押しつけたのです。コミーはクリントン夫人電子メールを取り扱うことさえできませんでした。彼は全てを混乱状態にしました。狡猾な男たちは誰だったでしょう? ブレナンとクラッパーでした。CIA長官[ブレナン]。これらの政府機関を監督するはずの国家情報[長官]クラッパーです。」

 「トランプとプーチンに対するこれらロシアゲートの主張に何らかの現実があるでしょうか?」彼が尋ねた。「これはアメリカの諜報局が思いついたものでしょうか? 現在、アメリカ司法長官によるものを含め、捜査が約束されています。彼ら全員、FBIを調査することを望んでいます。しかし、彼らは、ブレナンとCIAがしたことを捜査する必要があります。これはアメリカ史上で最悪のスキャンダルです。それは少なくとも、南北戦争以来最悪です。我々はこれが一体どのように始まったか知る必要があります。もし、彼らが最初に大統領候補を、次に、大統領を破滅させることができるほどまで、アメリカ諜報機関がすっかり赦免されるのであれば、私はそれがトランプかどうかは気にしませんが、次はハリー・スミスかも、女性かも知れませんから。彼らがそれをすることができるかどうか、我々はそれを知る必要があります。」

 「息子ブッシュは2002年に対弾道弾ミサイル条約を離脱しました」とコーエンが言った。「それは非常に重要な条約でした。それはミサイル防衛の発展を阻止していました。もし誰かが、しっかり機能するミサイル防衛を手に入れたら、彼らは自分には先制攻撃[オプション]があると思いかねません。ロシアやアメリカが相手からの報復なし、相手を攻撃できるのです。ブッシュが条約を離脱した途端、アメリカはロシア周辺にミサイル防衛を配備し始めました。それは非常に危険でした。」

 「我々が去年知った新ミサイル計画をロシアは開始しました」と彼は言った。極超音速ミサイルだ。ロシアは今あらゆるミサイル防衛システムでも切り抜け、避けて通ることができる核弾頭ミサイルを持っています。我々は50年の核軍備競争における新たな、一層危険な場にいます。プーチンは言っています。「我々はあなた方がしたことゆえに、これを開発したのだ。我々はお互いを破滅させることができる。」 今や本格的な新しい軍備管理協定の時期です。我々は何を得たでしょう? ロシアゲートです。ロシアゲートは国家安全保障に対する最も大きい脅威の一つです。私は著書の中で五つ列挙しました。ロシアと中国はそこにありません。ロシアゲートがナンバー1です。」

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/manufacturing-war-with-russia/
----------

 田辺聖子さん逝去。古典の現代語訳やカモカのおっちゃんシリーズなど多くの作品を楽しませていただいた。

 秋田のイージス・アショアは、雲行きが怪しくなっているようだが。宗主国戦闘機墜落は、予定通りパイロットの「空間識失調」による墜落したとする推定原因。これで計画通り、無事、爆買いと空母化が推進できる。

 異様な判決がなぜでるのか知りたくて、昨日のIWJインタビューを拝聴した。

<昨日のインタビュー>未成年の娘へ性行為を続けてきた実の父親に対し、無罪判決! 理不尽な判決の原因は刑法の「抗拒不能」という文言にあり! 刑法再改正を訴えるヒューマンライツ・ナウ事務局長 伊藤和子弁護士に岩上安身がインタビュー

 拝聴後テレビをつけると小池晃参議院議員が「老後二千万」年金問題を追求中。どちらが正論で、どちらが時間潰しごまかし答弁かは明白。「100年安心」というのは、支配層にとって「年金制度」が安心なだけ。受給者にとっては不安だらけ。リテラ記事で様子がわかる。

安倍首相が「老後2000万円」問題追及に逆ギレして「年金100年安心は確保されている」とインチキ強弁!

 今日も見逃せないインタビュー。

日刊IWJガイド「本日午後3時半より、『「#ケチって火炎瓶」報道が関係している!? 山岡氏が警察に逮捕されるかも!? ~岩上安身によるジャーナリスト・山岡俊介氏への緊急インタビュー』を冒頭のみオープン、その後は会員限定で中継します!」 2019.6.11日号~No.2462号~(2019.6.11 8時00分)

 

2019年3月26日 (火)

サウジアラビアのストレンジラブ博士に核爆弾を渡す

2019年3月3日
Chris Hedges
TruthDig

 トランプ政府の最も危険な外交政策決定と私はこれが大いに - きわめて機微な核技術をサウジアラビアと共有し、アメリカ企業にサウジアラビアで原子炉を建設する権限を与える決定だと言っているのを知っている。私は中東で7年を過ごした。私はニューヨーク・タイムズ中東局長として抑圧的な専制王国を報道していた。私は大半のアメリカのアラブ研究者と同様、無情で道徳規準のないムハンマド・ビン・サルマーン皇太子支配下で、サウジアラビアに核能力を与えれば、サウジアラビアが核兵器計画に着手し、最終的に、一連の過激聖戦戦士や、アメリカの不倶戴天の敵を含む、サウジアラビアの同盟者や代理人と兵器技術を共有するだろうことにほとんど疑いを持っていない。核保有国となったサウジアラビアは、中東、究極的には、アメリカに対する重大な実存的脅威だ。

 サウジアラビアで原子炉を作る動きは、大統領の愚かな義理の息子ジャレッド・クシュナーに率いられており、ホワイトハウスによれば、火曜、彼はサウジアラビアの首都リヤドで「経済投資を通して地域全体の条件を改善する方法」を論じるためサルマーンと会った。この経済計画に関係しているもののなかに、そうした取り引きで何百万ドルも儲ける立場にある゛数人の退役陸軍・海軍大将や他の連中に率いられたアメリカ企業コンソーシアム企業、IP3インターナショナルがあるのが目立っている。

 原子炉入札を要求しているサウジアラビア政府は、アメリカから装置とサービス購入を認可するようトランプ政権に圧力をかけるため、月に450,000ドル以上ロビー活動に費やしたと報じられている。ウェスティングハウス・エレクトリック社と他のアメリカ企業は、ウラン濃縮、再処理を可能にする施設を、サウジアラビアに建設する準備をしている。サウジアラビアに核装備を与える秘密の企みは途方もなく愚かなだけでなく、法律で要求されている通りの議会による精査なしで行われており、原子力法にも違反している。

 その精神病質の特徴がサダム・フセインを連想させるサルマーンは、2018年10月にイスタンブールのサウジアラビア領事館でのジャーナリスト、ジャマル・カショギ暗殺を命じたと広く信じられている。彼は反体制派分子を投獄し、ライバルを残酷に追放し、王室メンバーを拉致し、拷問にかけ、ゆすりで1000億ドル以上強奪し、近代史で無比の、抑圧社会の中で、常に恐怖を浸透させている。

 皇太子がワシントン・ポスト記者殺害と手足切断を命じたという「確信」を持っているというCIA宣言に直面してさえ、恥知らずにサルマーンを擁護するドナルド・トランプとクシュナーは殺人共犯者だ。驚くほどのこともないが、上院外交委員会がカショギ暗殺報告に対し設定した今月の期限を、ホワイトハウスは無視した。サウジアラビア指導者が「完全に支配下に置いている」と主張したと報じられているクシュナーは、先週の会談、暗殺以来、サルマンとの最初の会談で、カショギ殺人を取り上げたようには見えない。

 サルマーンは原子力発電所を兵器用に転用する可能性を排除しなかった。彼は2018年に述べていた。「もしイランが核爆弾を開発したら、我々は確実に、できるだけ早く同じことをするつもりだ。」彼は、ウラン濃縮、プルトニウム処理に関しても、いかなる制限も受け入れるのを拒否した。

 核兵器はウランあるいはプルトニウムから作られる。ウラン235同位体は、原子炉と核爆弾で使われる。しかしながら、それは天然成分の1パーセント以下で、原子炉内でつかえうためには、この比率を約5パーセントに増やさなければならない。そのための処理は濃縮と呼ばれている。核爆弾を作るには、約90パーセントに濃縮しなくてはならない。濃縮は、高速遠心分離機を使うことで行われている。これは民間用途で核核燃料を作り出す機械が、同様に核爆弾を作り出すのに使用可能であることを意味する。核兵器を持っている、あるいは、イランのような核兵器を生産しないことを約束した国の民間濃縮施設中の核物質がしっかり国際原子力機関(IAEA)に監視されるのはこの理由だ。

 一基の原子炉に燃料を供給するのに使われる濃縮プラントは、約300基の遠心分離機を使うことで、ウラン235を90パーセントのレベルに濃縮して、年に20発の核爆弾を作り出す能力を持っている。核爆弾は約55ポンドの高濃縮ウランを必要とする。より高速の遠心分離機を持っていれば、兵器級ウラニウムを、より速く生産することが可能だ。

 イスラエル諜報報告書を含め、逆のことを報じている、あらゆる諜報報告にもかかわらず、サルマーンとイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は秘密のイラン核兵器計画があると強く主張している。彼ら独自の現実のもとでは、今こそサウジアラビアが兵器計画を始めるべき時なのだ。イスラエルは何百発もの核備蓄を持っている。

 下院監督・政府改革委員会の委員長、エリヤ・E・カミングス下院議員は、核科学技術の差し迫った移転について警告する複数の内部告発者証言を載せた暫定スタッフ報告を公表した。それは年代順に詳細に、トランプ・ホワイトハウスによるサウジアラビアの原子炉購入と建設を容易にする、秘密裏の露骨に非合法な取り組みを説明している。

 サウジアラビアとアメリカによる取り組みは、トランプ就任前に始まっていた。ハーリド・アル=ファーリハ・エネルギー・産業・鉱物大臣を含むサウジアラビア当局者が、就任式前にニューヨークでクシュナーと会っていた。サウジアラビア代表団は、アメリカとの国防契約で、4年にわたり、500億ドル使うと約束した。

 IP3幹部のキース・アレクサンダー大将、ジャック・キーン大将、バッド・マクファーレンや、他の6社- エクセロン、東芝アメリカエネルギー・システムズ、ベクテル、セントラス・エネルギー、GEエネルギー・インフラストラクチャーとシーメンスUSAの最高経営責任者と、マイケル・ヒューイット海軍少将は、トランプ就任式3週間前に、サウジアラビアで原子炉を作る計画を提案するサルマーンへの手紙を送った。彼らはそれを「鉄橋プログラム」と呼び、それを「中東のための21世紀のマーシャル・プラン」だと特徴づけたと報告書にある。

 当時の次期国家安全保障補佐官で、このベンチャーの前共同経営者の一人マイケル・フリンが就任式の日に、核プロジェクトが「予定どおりに進んでいる」のを保証する文章を、ACUストラテジック・パートナーのアレックス・コプソンに送り「ものを適所に配置するよう知らせる」ためコプソンに同僚と連絡を取るよう提案したと報告書に書いてある。

 2017年1月27日、就任式の1週間後に、2017年1月から7月まで、国家安全保障会議で、中東と北アフリカ問題の上級部長だったデレク・ハービーが、ホワイトハウスで彼が招待したIP3の指導者の集団と会っていた。

 「会談直後、ハービーは、NSCスタッフに、トランプ大統領のサルマーン国王[皇子の父親で、サウジアラビア首相]との[予定されている電話会談]用のブリーフィング・パッケージにIP3の「40の原子力発電所の計画」に関する情報を加えるように指示したと報告書にある。「フリンが、トランプ大統領が、サルマーン国王との会談で「40の原子力発電所計画」の話題をだすよう望んでいて、これは大統領の移行の間に、フリンが作成し、承認された「エネルギー計画」だったとハービーは述べた。」

 NSCスタッフが、外国への核技術移転は、原子力法に従わなければならないことをハービーに知らせると、彼は、報告書の言葉によれば「核技術をサウジアラビアに移す決定は、既に大統領移行中にされており、フリンはトランプ大統領がサルマーン国王との電話会談で「原子力発電所」を話題にするよう望んでいた」と言って、この主張を却下した。

 2017年1月28日、「「中東のためのマーシャル・プラン開始」と題するメッセージで、IP3の共同創設者・取締役で、1988年、イラン・コントラもみ消しに関与したことで罪を認めた、元レーガン大統領国家安全保障補佐官だったマクファーレンから、フリンと、K.T.マクファーランド国家安全保障補佐官は、彼らの公式のホワイトハウス電子メールアカウントあてに、二通の文書を受け取った。」と報告書にある。

 文書には、フリンからトランプ宛の草稿に関するメモと、トランプ就任式委員会を運営し、トランプ用に資金を集めたトーマス・バラックを支援するよう政府機関トップに指示する「大統領が署名するための」覚書草稿があるが、彼の投資会社コロニー・ノーススターは、IP3計画の実行で、取り引きから利益を得るはずなのだ。

 「二番目の文書は、大統領から国務長官、国防省、財務省とエネルギー省、CIA長官、統合参謀本部議長に宛てた閣僚覚書の形だった」と報告書にある。「それはトランプ大統領が、中東マーシャル・プラン実行を監督するため、バラック氏を特別代表として任命したと述べていた。「私はトム・バラック特別代表に、この重要な構想を率いる役を当てた、今後30日にわたり、彼が諸君と対話し、我々の中東のためのマーシャル[原文のまま]計画のための情報と支援するよう諸君に要請する。」

 2017年3月14日、トランプは、クシュナーとともに、大統領執務室でムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と会った。彼らは「今後4年内で、直接、間接の投資で、エネルギー、産業、インフラと技術で、2000億ドル以上の価値の可能性がある、新しいアメリカ-サウジアラビア計画」を論じた。

 IP3の取締役会メンバーで、CBSの国家安全保障専門家で、ジョージ・W・ブッシュ大統領の国土安全保障担当補佐官だったフランシス・タウンゼントが、2017年3月28日に「中東マーシャル・プランについて、ホワイトハウスのトーマス・ボサート国土安全保障問題担当補佐官と連絡を取った」と報告書にある。

 「タウンゼンド女史は、その後NSCスタッフに数通の文書を送った。 (1)IP3に作成されたように思われる中東マーシャル・プランの概要。(2)2017年3月10日付けの「トランプ中東マーシャル・プラン(トム・バラックによる白書)」という題の書類。 (3)2017年3月17日の、IP3幹部、マクファーレン、キーン大将、ヒューイット海軍少将とアレクサンダー大将が、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン副王太子に宛てた手紙; そして(4)2017年1月1日、IP3幹部、アレクサンダー大将キーン大将、バッド・マクファーレンと、6社の最高経営責任者と、ヒューイット海軍少将: エクセロン社、東芝エネルギー、ベクテル社、セントラス社、GE力とシーメンスUSAが署名した、ムハンマド・ビン・サルマーン副王太子宛ての手紙。」

 バラックの白書は「トランプ大統領は中東マーシャル・プランの特別代表を、大使級の外交地位か、大統領特別顧問に任命するだろう。」とある。報告書には、特使はクシュナーを含めた政府当局者と「連携し、協力して働く」べきだともある。

 「白書は、大統領は、大統領行政命令によって、中東マーシャル・プランを実行すべきだと述べた」と報告書にある。「特使は「彼らの参加に対する、伝統的地域の規制上の障害を乗り越える上で促進役を務めて、アメリカ民間部門の指導者と長年の関係」と「GCC[湾岸協力会議]諸国、イスラエル、エジプト、ヨルダンとイラクの最高指導者との信頼関係」」を築いていると描写している。

 下院委員会スタッフレポートは、委員会に話をした内部告発者の大部分が、政権初期の数ヶ月間に開発を文書化することが可能だったと言う。核取り引きでは、ほとんどホワイトハウス内部からの最近の漏えいがなかった。リック・ペリー・エネルギー庁長官、クシュナーとIP3経営者が、現在プロジェクトを監督している。

 「2018年1月、ブルックフィールド・アセット・マネジメントの子会社、ブルックフィールド・ビジネス・パートナーが、ウェスティングハウス・エレクトリックを46億ドルで買収する計画を発表した」と報告書は指摘している。「ウェスティングハウス・エレクトリックは倒産している核事業企業で、サウジアラビアで原子炉を作るためIP3が提案したコンソーシアムの一員で、中東マーシャル・プランから利益を得る立場にある。2018年8月、ブルックフィールド・アセット・マネジメントは、五番街666のパートナーシップ持ち分、ジャレッド・クシュナーのファミリー企業が所有する建物を購入した。」

 「2018年2月27日、ゴールドマン・サックスは、サウジアラビア皇太子とジャレッド・クシュナーとムハンマド・ビン・サルマーンの関係を円滑にし、トランプ大統領の2017年のサウジアラビア訪問計画を手伝った前国務次官補ディナ・パウエルが、ゴールドマン・サックスのソブリン・ウエルス・グループに参加する予定だと発表した」と報告書にある。「ゴールドマン・サックスは内部メモで「ディナが世界中のソブリン顧客と同社との関係を高めることに注力するだろうと書いた。」伝えられるところによると、パウエル女史は「特にサウジアラビアの公共投資ファンドと、支配者一族に近い」。

 「2018年3月、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は「土壇場のニューヨーク訪問」を企て、報道によれば「四半期全体で」13パーセント「ホテル収入を引き上げるのに十分な」滞在として、マンハッタンのトランプインターナショナル・ホテルに彼のお付きを5日宿泊させた」と報告書にある。

 2019年2月12日、トランプはホワイトハウスで何人かの民間原子力業者と会った。報道によれば、会談は「IP3インターナショナルが音頭をとった」。

 「会談は「ヨルダンやサウジアラビアを含む中東諸国とアメリカ核技術を共有する合意を保証する」アメリカの取り組みに関する議論を含むと報じられた」と報告書にある。

 サウジアラビアへの核技術移転を止めるための残り時間はほとんどない。もしサウジアラビアが原子炉を作ったら、サウジアラビア不倶戴天の敵イランは、核兵器計画を始めること以外にどんな選択があるだろう。核兵器がサダム・フセインの最新版サルマンの、究極的には、サウジアラビア国内の有力者連中に支援され、資金供給される非国家主体の過激派聖戦戦士の手に入ると考えると恐ろしい。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/giving-the-bomb-to-saudi-arabias-dr-strangelove/

-----------

 イスラエルが核を先制攻撃で使えば、反撃で国丸ごと消滅しかねないが、サウジアラビアが先制攻撃で使っても、国丸ごと消滅することはないだろう。狙われた相手は壊滅的打撃を受けるだろう。自分の手をよごさずに、宿敵を破壊できる。しかも、放射能がおさまったあと、壊滅したサウジアラビアの天然資源は使い放題になるだろう。という、かなりの長期的計画で、例外的で、必要欠くべからざる国二国は、サウジアラビア原発を推進しているのだろうという発想、妄想であってほしいものだと『二つの祖国』を見ながら考えた。二度も使った国だ。

 いよいよ明日、直接対峙。

 日刊IWJガイド「いよいよ明日! 大阪地裁大法廷で岩上安身と橋下徹氏が直接対峙! 橋下氏によるスラップ訴訟で直接・間接の被害額はすでに約1800万円超! 今期はこのままだと1000万円の赤字の見通しに! ボロボロの体調になりながらも言論の自由を守る戦い挑み続ける岩上安身とIWJをどうぞご支援ください!」 2019.3.26日号~No.2385号~(2019.3.26 8時00分)

 

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

911事件関連 Andre Vltchek Caitlin Johnstone Eric Zuesse Finian Cunningham GMO・遺伝子組み換え生物 ISISなるもの James Petras John Pilger Mahdi Darius Nazemroaya Mike Whitney Moon of Alabama NATO NGO Pepe Escobar Peter Koenig Prof Michel Chossudovsky Saker Stephen Lendman Thierry Meyssan Tony Cartalucci TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA Wayne Madsen WikiLeaks William Engdahl wsws アフガニスタン・パキスタン アメリカ アメリカ軍・基地 イスラエル イラク イラン インターネット インド ウォール街占拠運動 オバマ大統領 オーウェル カジノ カナダ カラー革命・アラブの春 ギリシャ クリス・ヘッジズ サウジアラビア・湾岸諸国 シェール・ガス・石油 シリア ジーン・シャープ ソマリア ソロス チベット チュニジア・エジプト・リビア・アルジェリア テロと報道されているものごと トヨタ問題 トランプ大統領 トルコ ノーベル平和賞 パソコン関係 ヒラリー・クリントン ベネズエラ ホンジュラス・クーデター ボリビア ポール・クレイグ・ロバーツ マスコミ ユダヤ・イスラム・キリスト教 ロシア 中南米 中国 中央アジア 二大政党という虚構・選挙制度 伝染病という便利な話題 北朝鮮・韓国 地球温暖化詐欺 地震・津波・原発・核 宗教 憲法・安保・地位協定 授権法・国防権限法・緊急事態条項 文化・芸術 新冷戦 新自由主義 日本版NSC・秘密保護法・集団的自衛権・戦争法案・共謀罪 旧ユーゴスラビア 映画 東ヨーロッパ・バルト諸国 東南アジア 民営化 無人殺戮機 田中正造 英語教育 読書 通貨 選挙投票用装置 難民危機 麻薬 麻薬とされるマリファナについて

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ