東南アジア

2018年10月17日 (水)

何千人ものインドネシア人を殺したものは何か - 地震か困窮か?

2018年10月10日
Andre Vltchek

 メキシコ・シティーから、ヴァンクーヴァーへのエア・カナダ便に乗って、スラウェシ島で、数日間展開している恐怖についてのグローバル・アンド・メイル紙の報道を読みながら、二つの強力で、矛盾する感情を抱いていた。私はすぐさまそこに行きたかった。‘現地’、パルで、撮影し、人々と話し、できるあらゆる人助けをして… また同時に、前に何度も、スラウェシでのような悪夢が起きているどこであれ、インドネシア群島の至る所に、私は‘既にそこに’いたようにも感じていた。

 そして、私は彼らについて書き、それを記録し、警告したが、何もなされなかった。政府 (というより‘インドネシア政権’と言った方が良いだろう)は何にも耳をかさず、何もせず、あらゆる痛烈な批判を無視する専門家だ。同じことがインドネシア人エリートにも言える。奪い取り、盗め、インドネシア国民の福祉のためには、全く何もしないで済む限り、彼らは目が見えず、耳も聞こえないのだ。

 2004年、私は現地にいた、津波がアチェを襲った直後。現地に到着するの数日かかった。200,000人以上が亡くなった! 同じものだった。強烈な地震、そして津波。そう、誰も実際には、一体何人が不明になったのか知らないが、最小240,000人だ! 25万人! 9-11で、ニューヨークで亡くなった人々の数の100倍だ。

 バンダ・アチェでは、わずか数日前、冠水して、二人の子供、つまり二人の少女が亡くなった部屋の小さな家で暮らした。至る所に動物のぬいぐるみがあり、あらぬる所が濡れ、びしょ濡れだった。子供たちの亡骸は取り去ってあった。毎晩、子供たちの声 -私に話しかけ、私に懇願する声を聞いたと思ったと断言する。日が沈むと、一家は私を家の中に閉じ込めて鍵をかけた。もっぱら、私と家を略奪者から守るため。

 インドネシア国家は、国民を助けることを何もしなかった。アチェでも、どこであれ、自然災害が見舞った至る所で、救援作戦は、即座に巨大な商業作戦になった。‘思いやり’? 連帯? 現実に目を向けよう! 現実に目を向けて頂きたい。あらゆるものが‘商品’になる。遺骸の発掘さえも。遺体の埋葬さえも、有料で行われるのだ - 信じられないほど高い費用で。結局、インドネシアは世界で最も超資本主義国の一つなのだ。死は良い商売になる。あらゆるものが。自然災害が大きければ大きいほど、より多くの遺体が得られる - それは全て、即座に膨大な商売に転化する。少なくとも、一部の連中にとって。

 写真をご覧にいれることができるが、気の弱い方はもどすか気絶されるので、そうしない方が良いだろう。穴の中、熱帯の暑さの中、何日間か腐敗するにまかせたら、遺体がどんな風になるかご存じだろうか? 聞かないほうが良いだろう。だがなぜ遺骸がそこにあったかご存じだろうか? 埋葬してもらうためのワイロを家族が払えなかったからだ!

 アチェでは、国連を含め、あらゆるものが無関心だ。インドネシアは欧米によって批判される立場にない - ワシントンやキャンベラやロンドンの大切な仲間で完全に腐敗した資本主義者、反共産主義者や反中国主義者だ。欧米は自分以外のことなど気にしない。

 インドネシア警察と軍が、拠点拠点を回り、現地NGOのテントから次のテントを回って、被害者用の飲料水容器を破壊しないための金やワイロを要求するのを御存じだろうか。海外から送られた飲料水。ワイロを払わないと、連中はナイフで、フラスチック容器を切り裂くのだ。

 人々が渇きと飢えで死につつあったのに。

 当時、インドネシア副大統領ユスフ・カラは、イスラム教幹部の間で、自分の人気を上げるため、巨大なハーキュリーズ輸送機から、何十人ものインドネシア人医師やボランティアを追い出した。東ジャカルタのハリム空港でエンジンは動いていた。医者や彼らの道具の代わりに、彼は飛行機に、数百人の熱狂的信者を詰め込んだ。そして、彼らはバンダ・アチェに着陸し、遺骸を見て、自撮りをとり、吐いて、最後は首都に舞い戻った。

 更に続けるべきか、それとも要点をご理解戴けただろうか?

 今、スラウェシで、アチェで、あらゆる警報が‘驚くべきことに’失敗した。そして、国の救援物質は決して十分ではなかった。

 なぜか御存じだろうか? インドネシアが破綻国家だからだ。そこでは何も機能しないからだ。(正確に言えば、どんな金額であれ)金と宗教儀式以外誰も気にかけないからだ。

 だが皆様がそういうことをグローブ・アンド・メイルやニューヨーク・タイムズで読むことは決してあるまい。

 インドネシアの大災害を見たし、‘宗派的’、宗教的殺人を見たし、東チモールからアチェ、中央ジャワに至るまで、ロンボクからアンボンで大量虐殺も見た。だからしばしば、これ以上同じことには耐えられないと感じるのだが、状況が余りに酷いので、結局、私は常に何度も何度も、舞い戻り、撮影し、記録する。それが私の‘国際主義者’としての義務だから、来なければならないと感じるためだ。もし私が来なければ、実際、畜生め、一体誰が来るだろう?

*

 だが繰り返そう。一体なぜこうした恐ろしいことが起きるのだろう?

 インドネシアは、国連によれば最も‘災害の起こりやすい国’だ。

 だが一体なぜだろう? 本当に、自然のせいだろうか、インドネシアが有名な‘環太平洋火山帯’上に位置しているためだろうか?

 いや、もちろん、そうではない!

 基本的にはこういうことだ。統計がいかに‘改竄’されていようとも、インドネシア当局が提供する痛々しいほど歪曲されたデータを国連がどう評価しようとも国は極端に貧しい。そこの大半の人々は哀れなほど貧しい。しかも彼らが‘中流階級’と呼ぶもの、あるいは少なくとも、その大半は、他のどこの国でも到底中流階級とは言えない代物だ。

 こうした全てが、各州都の5つ星、4つ星ホテルや、ジャカルタやバリの怪物のように贅沢なホテルで隠蔽されている。加えて、大量生産ションピング・モールが至るところに建設されている。更に、サウジアラビア/ワッハーブ派の資金が湯水のように注がれた大理石で造られた場違いなとてつもなく大きいモスク。

 だがジャカルタや、もちろんインドネシアのあらゆる島には、貧しい人々、極端に貧しい人々が暮らしている。インドネシア人の大多数は極貧の中で暮らしているが、彼らは実際自分たちが、どれだけ貧しく哀れか知らない(彼らに情報を知らせる反対派マスコミは存在せず、彼らの状態について教えるまっとうな学校も存在しない)。あらゆるものが見せ掛け、あるいは通俗的、あるいは、他のお好きな呼び方のものなのだ。

 ボルネオでもスラバヤでも、人々が川に排便し、その水を歯磨きや食器洗いに使うのを撮影した(私はこうした全てを映画の中で記録している)が、彼らに窮状について質問すると、全く洗脳されていて、ある種のビアサ(普通の)暮らしをしていると信じ込んでいるので機嫌を損ね、攻撃してくることもある。彼らは周囲の世界について何も知らず、よそとは比較ができないように条件付けられているのだ。中国やボリビアは、彼らにとって、違う惑星なのだ。

 アチェでも、スラウェシでも、中央ジャワでさえ、現地のカンプン(地方と都会の村)は、まるでクソのようだが、実際クソでできており、あらゆるものが容易に買収できるので、あるいは何かを監督するのを好むような人間はいないので(働くより、金を盗む方が容易だ)政府の監督はほぼ皆無だ。

 インドネシアの住宅の圧倒的多数は、人が住むには全く適していない!

 これを証明したい人なら、誰でも簡単にできる。これや似た話題で、何千人もの博士論文が書けるはずだが、インドネシア学界(とマスコミ)は金を握らされ、脅かされて沈黙し、‘学者’も(‘政府公務員’でもあることが多い)、徹底的に貧しく、自分たちの状態について、どうしようもないほど無知なインドネシア国民のために働く代わりに、異様なものを書いている。

 そのような従順さ、そのような臆病は、人を駄目にする。

 だが欧米がインドネシアは‘普通の’‘民主的’国家だと言い書いている限り、誰も気にしない。

 インドネシア人エリートは天然資源の略奪と貧しい人々からの収奪で生きている。インドネシアは、かつては信じがたいほど豊かで、とてつもなく裕福だった。石油のおかげでいまでも比較的裕福な(だが社会格差や不正に満ちている)もう一つの破綻国家、サウジアラビアと良く似ていた。インドネシアには、あらゆるものが、地上にも、地下にもあったが、今やその大半は消えた! 欧米は、1965年反共産主義クーデターを引き起こすのを支援し、それ以来、あらゆるものが奪いとられ、現地暴力団の懐に消えた - 腐敗し、愛国心のないニューリッチ、外国企業、政府幹部職をつとめる召し使い。

 大衆は守られていない。共産主義と社会主義は基本的に禁じられており、神の存在の否定もそうだ。左派的な元ジャカルタ知事のように誰かが彼の都市とインドネシア国民の暮らしを良くしようとすると、投獄される。彼の場合は‘イスラム教を侮辱した’かどで。

 それで、自然災害が襲うたびに、大半のインドネシア国民が暮らしている掘っ建て小屋や他のすさまじい住宅と共に、あらゆるウソがたちまち崩壊する。だがウソが崩壊するのは国内の条件を重々承知している連中にとってであり、決して大衆にとってではない。

 だが、そうした状況はその通りには決して報じられなかった。国が国民を守り損ねた‘客観的’あるいは‘科学的’理由は、いつだってたっぷりあるのだ。

 早期津波警報装置? 耐震になるよう巧みに計画された村? インドネシアの各地域の地震条件や地理的条件に合うような高度な設計や資材の利用。そのような‘軽薄な’設計にあてるべき資金は、オーストラリアやシンガポールのような場所で見られる可能性が最も高い。インドネシア人政府幹部や‘実業家’の巨大ビラや、ジャカルタで無数のスラムの端を高速で図々しく通り過ぎる豪華な自動車にも見出せよう。

 スラウェシ住民の窮状をもとに、一体どれだけの品のない宮殿が既に建設されただろう? そして、一体いくつの宮殿が、この後、建設されるのだろう?

 最近バンダ・アチェで、都市計画者たちが、津波‘遺産’をどうやって、広島や長崎とよく似た観光名所に変えるかを全国会議で真顔で議論した。ここはそうなるべきだが、堕落、人間の品性の完全崩壊と強欲の記念碑であるべきだ。

 今インドネシア政府は、外国からの支援を受け入れる用意があると言っている。何と素晴らしい仁愛! 笑うべきか、嘔吐すべきか分からない! インドネシア政権の身勝手さには際限がないのだろうか? アチェ災害の時と全てそっくりだ!

 政府幹部の妻にプラダ・スカート、あるいは新たなバロックもどきの宮殿を買うのに使う国家予算を振り向けるのではなく(資金はたっぷりあるのだ、特にボルネオ/カリマンタン、パプア、スマトラや、そうスラウェシそのものからの天然資源の略奪で!)、外国人に来て貰い、貧しい人々を救って貰おう’。

 アチェで、シンガポール人や日本人や他の人々が泥の中から亡骸を掘り出している中、無数の現地‘クルー’や‘救援活動者’が近くでうずくまり、クレテックを吸いながら、外国人たちを指さし、彼らが‘余り懸命に働いている’と笑っていたのを覚えている。

 だがそれで‘万事結構なのだ’。ビアサなのだ。

*

 だから、これが結論だ。スラウェシで最近なくなった何千人もの人々、あるいは今も行方不明の人々がいるのは地震や津波のせいではない。彼らがなくなったのは、彼らが貧しいため、彼らの支配者連中に道徳観念が皆無だから、そして社会が彼らを見捨て、基本的に既に崩壊していたためなのだ。

 インドネシアは国民と資源の両方を失いつつある。だが、大多数が貧しい国民は、自分たちの状況を全く理解していない。

 アチェでは、津波後、完全な廃墟の真っ只中で、ある大モスクが全く無事だった事実を、ある種の天の配剤があった証拠として利用していた。現実は違っていた。モスクは湾岸諸国が何百万ドルも、それにつぎ込んだがゆえに耐えたのだ。モスクは大理石と花崗岩でできていたが、周辺の‘家々’は泥と糞で出来ていた。

 アチェでも、スラウェシでも、貧しい人々が亡くなったのは、単にインドネシア中で、貧しい人々(ここで私は繰り返さなければならない - 貧しい人々が、国民の大多数を占めている)あらゆるものを奪われているためなのだ。彼らが闘い方を学ばない限り。いかにして自分の身を守るのか学ばない限り、更に多くの人々があてどなく死に続ける。

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』を含む多数の本の著者でもある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/10/10/what-killed-thousands-of-indonesians-the-quake-or-the-misery/

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 インドネシアを題材にした彼の小説『Aurora』を思い出す。

 昼の呆導バラエティ、紀州ドンファン蒸し返しに驚いた。大本営広報部は軽減税率の複雑さ解説にも余念がない。真顔で「ドンファン」論議する諸氏、正気だろうか?と見直した。音声を消しスイッチもすぐ消した。

 宗主国、サウジアラビア支配層に対しては「疑わしきは罰せず」で終わるのだろうか。

2018年9月17日 (月)

シリアまたは東南アジア - 欧米はウソをついたし、ついているし、常につくだろう

2018年9月15日
Andre Vltchek

 シンガポール国立図書館の壮大なビルの中で、照度を落とした部屋で、マイクロフィルムをハイテク装置に挿入しながら私は座っている。私は1965年10月にさかのぼるいくつかの古いマレーシア新聞を見つめ、映画撮影し、写真撮影しているのだ。

 こうした報道は、基本的に、進歩的なスカルノ大統領を打倒し、当時世界で三番目に大きな共産党、PKI(パルタイ・コムニス・インドネシア)を根絶したインドネシアでのhorrible 1965年軍事クーデター直後に掲載されたものだ。100万人から300万人のインドネシア国民が命を失った、二十世紀の最も恐るべき大虐殺だ。社会主義(間もなく共産主義になるはずの)国インドネシアは、今日の超資本主義、宗教的で極端な右翼熱狂に落ちぶれた。

 アメリカ合州国やイギリスやオーストラリアやオランダや他のいくつかの欧米諸国が直接、クーデターを支援し、しょっぱなから大量虐殺の最前線にいた、軍内部の欧米寄りの背信的派閥と、宗教指導者を指揮していた。

 こうした情報の全ては、もちろん、CIAとアメリカ国務省両方の機密解除されたアーカイブで容易に入手可能だ。手に入れ、分析し、コピーすることが可能だ。私自身、この出来事に関する映画を制作したし、他の監督たちも制作している。

 だが、これは人類の記憶の一部ではない。東南アジアでは、それはわずか一握りの知識人しか知らない。

 マレーシアやシンガポールやタイでは、インドネシアの1965年後のファシズムはタブーの話題だ。それは決して議論されない。当地の“進歩的”知識人は、他のあらゆる欧米‘属’国でと同様、決して、世界のこの地域を、実に極端に、実に否定的に形作っている本質的諸問題(欧米帝国主義、新植民地主義、残酷で奇怪な姿の資本主義、現地の天然資源や環境の略奪や、虚報や、大衆の記憶喪失がともなう強制的に注入されている無知)ではなく、自分の性的嗜好やジェンダー問題や個人的‘自由’に没頭するよう雇われている。

 インドネシア国内では、共産党は禁止されており、大衆は共産党を犠牲者ではなく、犯人と見なしている。

 洗脳された被害者の背後で欧米が笑っている。もうかりすぎて笑いが止まらないのだ。

 ウソは明らかに効果をもたらしている。

 第二次世界大戦後、おそらく、アフリカと中東という二つの例外を除き、東南アジアほど、欧米帝国主義に苦しめられた地域は世界でも他にあるまい。

 いわゆるインドシナ、ベトナム、カンボジアとラオスで、無差別爆撃作戦や、他の形のテロで、欧米はほぼ1000万人殺害した。上記のインドネシア・クーデターは少なくとも100万人の命を奪った。東チモール住民の30%は、欧米が全面的に支持していたインドネシア占領で絶滅された。欧米に徹底的に服従しているタイ政権は北部と首都の左翼を無差別に殺害した。地域全体が、欧米自身とアラブ湾岸の欧米同盟諸国が資金提供する過激宗教の移植で苦しめられている。

 だが、ここでは欧米は、ほとんど宗教的な熱狂で、称賛されている。

 アメリカ、イギリスとフランスの報道機関と‘文化センター’は卑屈な‘エリート’が所有する現地マスコミを通して虚報を流布している。現地‘教育’はdevotedly shaped欧米の説教くさい概念で。マレーシアやインドネシアや更にはタイのような国々では世界のこの部分を植民地化していた国々の大学を卒業することが最高の偉業なのだ。

 犠牲になった国々は裁判所で補償を求める代わりに、欧米を実際称賛し盗用し、自分たちを過去そして現在苦しめている連中から財政的支援を得ようとし、懇願までしている。

 今や従順に服従し、無気力で、かつての革命的左翼イデオロギーをはぎ取られた東南アジアでは、欧米の洗脳とプロパガンダが疑う余地のない勝利を収めたのだ。

*

 同じ日、ホテルの部屋で、テレビを点け、欧米が支援するテロリストのシリア内最後のとりで、イドリブの状況に関する欧米報道を見た。

 ロシアは緊急国連安全保障理事会会議を呼びかけ、テロリストが化学兵器攻撃をしかけ、欧米とともに、バッシャール・アル・アサド大統領の軍隊にその罪をなすりつけかねないと警告している。

 NATO戦艦が地域に配備されている。‘古き良き’ヨーロッパ/北アメリカ・シナリオが、またしても機能していることに疑いの余地はない。‘懲罰として、我々はお前を攻撃し、国民を殺害し、爆撃する’。

 帝国主義の悪党連中は、それから被害者(この場合はシリア) と、彼らを守ろうとしている人々(ロシア、イラン、ヒズボラ、中国)を非難する。幼稚園や小学校でと同じだ。覚えておられるだろうか? 男の子が誰かを後ろから叩いて、誰かを指さして叫ぶ。“あの子だ、あの子だ!”驚くべきことに、今に至るまで、もちろんあらゆる大陸で、何十億人も犠牲にし、欧米はこの‘戦略’で常に何の罰も受けずに済んできた。

 何世紀も、そうだったし、今も、それが機能している。そのようなテロとギャング行為が止められるまで、これは続くだろう。

*

 もう何十年も、世界は今益々相互に繋がっており、警戒怠りないマスコミの目や‘市民社会’に即座に気づかれ、報じられることなしには、極めて重要なことは起こり得ないと言われて来た。

 ところが、何千も重大なことが起きているのに、誰も気がつかない。

 わずか過去20年間で、北アメリカとヨーロッパによって、いくつもの国々が特定され、禁輸と経済制裁により、最終的に攻撃され、バラバラに粉砕される前に、ほぼ餓死状態にされた。アフガニスタン、イラク、リビアが、その一例だ。いくつかの左翼諸国の政府は、外部から、あるいは自国内の、現地の卑屈なエリートとマスコミによって打倒された。ブラジル、ホンジュラスとパラグアイはその例だ。無数の欧米企業と現地の相棒連中が、ボルネオ/カリマンタンやコンゴ民主共和国(DRC)などで、とどまる所を知らない天然資源略奪を実行して、熱帯雨林を完全に破壊し、何百種もの生き物を殺戮している。

 我々は、惑星として、本当にお互いに結びついているのだろうか? 人々はお互いに、あるいは、様々な大陸の同胞たちに何かがなされているのかどれほど知っているだろう?

 私は約160の国々で働いたが、いささかのためらいもなく証言できる。‘ほぼ何も’。しかも‘益々減りつつある!’

 欧米帝国と、そのウソが、これまで知られていなかったほど極端にまで世界を分断するのに成功している。その全てが‘誰にでも見られる状態で’、世界から丸見えで、行われているのに、その生存にとって最も喫緊の脅威が、どういう訳か、見破り特定することができないのだ。マスコミ・プロパガンダ企業は洗脳手段として機能しており、欧米の文化・‘教育’機関や、欧米の概念によって形作られた現地機関もそうだ。これには大学やインターネット・トラフィックを操作する連中や、検閲者や、自主検閲する個人や、ソーシャル・メディアや、広告代理店や、ポップ・カルチャー‘アーチスト’など実に広範な‘手先’が含まれる。

*

 欧米植民地主義者と新植民地主義者の蛮行とウソには明らかなパターンがある。

 ‘インドネシアのスカルノ大統領と彼の最も緊密な同盟者、インドネシア共産党(PKI)は、進歩的な自給自足の国を築こうとしていた。それゆえ、彼らは阻止されなければならず、政権は打倒され、共産党員は皆殺しにされ、PKI自体が禁止され、国丸ごと私有化され、外国権益に売り渡された。圧倒的大多数のインドネシア国民は、現地と欧米のプロパガンダに徹底的に洗脳されていて、CIAのアーカイブに何が書いてあろうと、1965年クーデターを、いまだに、共産主義者のせいにしている。’

 イランのモサデクも、同じ進歩的な路を進めでいた。それで、彼もスカルノと同じ目に会って終わった。しかも、そこで世界中が、欧米によって権力の座に据えられた 虐殺者、シャーと彼の浪費癖のある妻に魅せられたのだ。

 1973年には、チリで、そしてそれ以降も、同じ致命的パターが起きており、欧米がいかに自由を愛し、民主的かの更なる証拠だ。

 コンゴのパトリス・ルムンバは、天然資源を国有化し、偉大な国民たちを食べさせ、教育しようとした。その結果? 彼は打倒され殺害された。犠牲: 約800万人が、過去20年間に大量虐殺されたが、あるいは、それよりずっと多いかも知れない(私の映画『Ruwanda Gambit』をご覧願いたい)。誰もこれを知らず、あるいは全員が知らないふりをしている。

 シリア! この国の最大の‘犯罪’は、少なくとも欧米の目から見れば、国民に質の高い生活を提供しようとし、汎アラブ主義を推進していることだ。その結果は我々全員が知っている(いや本当に知っているだろうか?)。欧米が支援する残虐な過激派に何十万人も殺害され、何百万人もが亡命し、何百万人もが国内難民にされている。そして欧米は当然、それをシリア大統領のせいにして、もし彼が戦争に勝利したら‘彼を懲罰する’用意ができている。

 不条理だろうか? だが地球規模のファシズムが理にかなうはずがあるだろうか?

 欧米が流布するウソは高く積み上がっている。そうしたウソは重複し、お互い矛盾することも多々ある。だが、世界中の大衆は、もはや真実を探求するように訓練されていない。大衆は、潜在意識で、ウソをつかれていると感じているが、真実は実に空恐ろしいので、圧倒的多数の人々は、人類の生存のために戦うより、ただ自撮りし、自分の性的嗜好を分析し、耳にイヤホンを突っ込み、空虚なポップ音楽を聴く方を好んでいる。この話題で私は、1,000ページ近い本を書いた。“Exposing Lies Of The Empire”だ。

 このエッセイは、シンガポール国立図書館の暗い部屋で、プロジェクターの前に座りながら、思いついた一連の考えに過ぎない。

 答えを必要としない疑問が現れ続ける。“こんなことが起き得るのだろうか?”“何世紀も世界中でおかしているこうした全ての犯罪に対し欧米はただで済むのだろうか?”

 答えは明快だ。‘もちろん、止められない限りは!”

 そして、A luta continua!(戦いは続く!)

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』を含む多数の本の著者でもある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/09/15/syria-or-southeast-asia-the-west-lied-lies-and-always-will/

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 樹木希林が辺野古に現れた日! 米軍基地反対の座り込みをするおばあの手を握って…

恥ずかしながら、小生、辺野古と高江には一度しか行っていない。

 呼吸するようにウソをつく人物、見るだけで悪寒。わざわざ街頭宣伝車上の実物を見に行く人々の気が知れない。対立候補の団扇を持った叔母様、マイクを向けられ、支持者ですかと聞かれ「違います。暑いので遠慮なくもらいました。」と嬉しそうなのに、あきれた。ウソしか言わない人物を信じる頭の中、一体どうなっているのだろう。

日露戦争での軍国美談は軍トップの失策の責任回避のためにつくられた!? 一方でイギリスの支援なしには戦えなかった現実は都合よく忘却!~9.12 岩上安身による明治大学・山田朗教授インタビュー第2弾 2018.9.12

先日、興味深く拝聴したが、徹夜後ゆえ途中で眠ってしまった。これから再度拝聴。ご著書のうち二冊は購入しているが、ご本人のお話を伺っておけば再読が楽だろう。

世界史の中の日露戦争 (戦争の日本史)

これだけは知っておきたい日露戦争の真実―日本陸海軍の「成功」と「失敗」

2018年9月13日 (木)

中国を敵に回すアメリカ率いる訓練に‘堂々と’参加するインドネシア

2018年9月7日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 インドネシア (RI)は、世界で4番目に人口が多く、イスラム教徒の人数が世界最大の国で、1965年のアメリカが画策した反共産主義クーデター以来、アジアでは最も過激なほど親欧米で、反社会主義的な場所だ。

 自分は共産主義者であるとか、単に無神論者だと公言するだけで監獄行きになりかねない国だ。しかも、この国では欧米ポップ音楽や、ジャンク・フードや、残酷なほど無意味なハリウッドの大ヒット映画が、アメリカやイギリスや他の欧米諸国による直接の関与を得て流布されたサウジアラビア風イスラム教解釈、ワッハーブ主義と肩を並べている。

 インドネシアが不寛容になればなるほど、同盟者でパトロンの欧米から一層‘寛容’になったと言われる。インドネシアの大衆が益々惨めになり、保護されなくなればなるほど、インドネシアは益々‘民主主義’だといわれるようになる。

 中国人(そして実際、あらゆる中国的なもの)に対するインドネシアの差別は有名で、ワシントンやロンドンやキャンベラが、それを常に歓迎し、奨励している。

 1965年以降、アブドゥルラフマン・ワヒド大統領(2001年の憲法クーデター中に退陣させられた進歩的なイスラム教指導者)までの数十年間、インドネシアでは、漢字、中国語、書籍、映画や、赤い灯篭やお菓子や龍まで含め、あらゆる中国的なものは禁止された。決して直接規定されてはいないが、ソ連やロシアのものごとも同じだ。

 欧米はインドネシアで大勝利を得た。欧米はベトナムとラオスを‘失った’が、1965年以来、今に至るまで、容赦なく絶えず略奪している天然資源にあふれる群島をまるごと手に入れたのだ。インドネシアを、絶望的に腐敗した、まともな教育を受けず、宗教的、イデオロギー的に(欧米と極端な資本主義教条によって)洗脳され、大いに困窮している国民の大半を犠牲にして、自分自身の利益にしか興味の無い卑屈なエリートに支配されるようにするのに、欧米は寄与した。
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 革命後、かなりの人数の宗教‘亡命’中国人、特にスラバヤなどの都市に定住し、欧米の支援と資金供給に頼り、反中国の反共産主義プロパガンダを流布し続ける右翼キリスト教聖職者や伝道者をインドネシアは‘受け入れた’。

 絶えざる右翼の政治的洗脳と、宗教的‘爆撃’の後、欧米との協力が、内省もためらいも皆無で、大多数のインドネシア国民に受け入れられているのも何ら不思議ではない。ジャカルタは、アメリカ、イギリス、オーストラリアや他の欧米諸国(日本とも)と、特に政治、外交だけでなく、経済や軍事で、公然と、堂々と‘協力している’。

 欧米からは当然のことと見なされているが、この事実は左翼評論家たちから見過ごされがちだ。だが、このインドネシアの攻撃的/卑屈な姿勢は、インドネシア国内でも、外国でも(東チモール、約30%の現地住民を殺害したインドネシア軍による集団虐殺、パプアの占領した地域で進行中の集団虐殺で、更に何十万)何千万人もの命を奪ったのだ。

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 2018年8月31日、“インドネシア共和国、アメリカ率いる演習に参加”と題する一面記事を掲載したインドネシア‘公式’の英語親欧米、反左翼日刊新聞“ジャカルタ・ポスト”のおべっか言説は注目に値する。

“インドネシアは、いくつかの南アジアと東南アジア諸国とともに、アメリカ合州国が率いる協力を強化するための演習と、地域におけるアメリカ外交政策目標を推進することにもなる、海の安全保障の課題に対処する訓練に参加している。”

 酷い語法は問題ではない。ジャカルタ・ポストは、9月7日まで行われる予定の演習を実際に堂々と説明している。

“演習は、国家を超えた犯罪に対する地域のパートナー間での情報共有を向上させるのが狙いだが、アメリカは、自由で開かれたインド-太平洋戦略を推進するための手段の一つだともアメリカは言っている”。

 要するに、中国を敵に回し、挑発し続けるということだ。

 更に、一つの有用な情報が書かれている。

“アンドレア・トンプソン国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)が、アメリカは演習が“アメリカの外交政策目標を実現する上でも、アメリカのインド-太平洋地域のパートナーとの関係強化でも極めて重要”だと思っており、アメリカの直接の商談と、対外有償軍事援助の防衛貿易の合計、23億ドルを挙げて、アメリカとインドネシア間の防衛協力はこれまでになく強力だと、トンプソンは述べた。”

 もちろん、インドネシアは、こうした演習に参加している地域における唯一の国ではない。タイやマレーシアやシンガポールなど欧米に忠実な他の同盟諸国も参加している。

 だがインドネシアは、少なくとも人口と天然資源と地理的な位置の上では大国だ。しかもまさに戦略的航路、マラッカ海峡に位置している。

 もちろん、インドネシアは、欧米が‘属’国はそうあって欲しいと望んでいるとおりに、貧しく、孤立し、徹底的に洗脳されている。

 インドネシアは、欧米が必要としているどこにでも(彼らがソ連に対して戦ったアフガニスタンから、シリアや、昨年の南フィリピンに至るまで)聖戦戦士を輸出し、‘自由貿易’と無制限な資本主義を支持し、外国列強のために、自国民から略奪している。こうした身勝手で、あこぎなインドネシア人‘エリート’だけが、この状況から恩恵を受けているのだ。連中は、オランダ人入植者に、さらに日本に熱心に仕えた。現在、連中は哀れな国民を強圧的に支配しながら、自らと国を欧米全般に売り渡している。

 インドネシアは自国の天然資源を略奪して得た金で兵器を購入している。そして、インドネシアは中国を大いに嫌い、中道左派のあらゆるものをどう猛に攻撃している。欧米は当然インドネシアに総立ちで拍手喝采している。

 世界がふたたび、帝国主義の欧米(プラス、その属領)と、自らの自由を守る用意ができている国々とに二極化しつつある中、インドネシアは、世界の舞台で益々重要な役割を演じることが期待されている。

 少なくとも、欧米と、死をもたらすその帝国主義と対決する用意がある勇敢な国々の視点からすれば、この役割は不幸にして、極端に後ろ向きだ。

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』を含む多数の本の著者でもある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/09/07/indonesia-proudly-joins-us-led-exercises-to-antagonize-china/

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 プーチン大統領が、「前提条件なしの平和条約締結」という提案をした。それに対する政権幹部の対応で、同じ筆者の記事「端島 - 残虐な歴史と、世界で最も霊にとりつかれた島」の一節を連想した。宗主国はは日本がソ連/ロシアや中国と友好関係を結ぶことを決して許さないのだから、まともな外交の選択肢皆無だ。あるのは、外交を装ったバラマキ。

“現代日本に外交政策はない”東京を本拠とするアイルランド人の学者で、政治評論家のデイヴィッド・マクニールから聞いたことがある。“日本は、アメリカの命令に厳密に従っている。国際的な出来事に関するマスコミ報道もそうだ。”

そう。

現在、連中は哀れな国民を強圧的に支配しながら、自らと国を欧米全般に売り渡している。

2018年7月 8日 (日)

人々の最善と最悪を浮き彫りにするタイの洞窟救援活動

2018年7月7日
Tony Cartalucci
Strategic Culture Foundation

 生徒12人とサッカー・コーチがタイ北部チエンラーイ県ルアン洞窟で行方不明になった際、多くの人々が最悪の事態を予想した。だがタイ政府と軍とタイ国内と海外のボランティアが9日間費やし、水位上昇で隔離された洞窟空間で彼らが生きている場所を特定した。

 良いこと

 救援作業は依然継続中だ。行わねばならない難しい判断が多々ある。生徒たちと、コーチの居場所との行き来は、スキューバダイビングだ。閉じ込められている生徒たちを洞窟から救出するには、彼らを閉じ込めている水を何とかして排水するか、洞窟からスキューバダイビングで脱出できるよう、彼らを訓練するか、どちらかが必要だ。

 洞窟から汲み出された水は、救援作業を支援するために、自分たちの畑に水を流すのを進んで受け入れている多くの現地農民の土地に排水されている。それでも政府は、それによる被害に対し、農民に補償している。

 政府は自らの資源も、他の国々から申し出があった資源も動員している。政府は洞窟周辺のサイトにアクセスするのに、新たに購入したロシア製Mi-17ヘリコプターを活用している。アメリカは、洞窟から脱出可能な出口を探す取り組み用の技術を提供しており、行方不明になってから、9日後にようやく生徒を発見したのは、タイ・ネイビー・シールズと活動していた民間のイギリス人ダイバー・チームだった。アジア中や、それ以外の国々からの他のダイバーたちや洞窟探検家が、専門技術を提供しにやってきている。

 救助の取り組みに危険がないわけではない。閉じ込められた生徒たちとの間を行き来する中で、タイ・ネイビー・シールズ隊員の一人が既に亡くなっている。

 これは、少なくとも一つの提案されている救出策の選択肢にまつわる危険を明らかにしている。生徒とコーチを、スキューバ・ダイビングで洞窟から脱出するよう訓練することだ。生徒たちを安全に救出するまでには数週間、あるいは数カ月かかるので、辛抱するよう救助隊は訴えている。

 醜悪なこと

 タイのものも、外国のものも、大半のマスコミは救援作業を積極的に支援して、大衆に情報を伝え、必要な様々な補給品や人材の寄付やボランティアを募る上で、重要な役割を演じている。大規模で積極的なマスコミ報道は、近隣や遥か遠くから支援を集結させて、手助けになっている。

 とは言え、事件を売名に利用している人々もいる。タイ国内のアメリカやイギリスやEU政府や現タイ政権に反対する連中に支援されている多くの親欧米マスコミは、あらゆる機会を捕らえ、この出来事を、タイ政府を攻撃し、傷つけるのに利用している。

 反政府新聞カーウ・ソットは、コーチが既に容疑に直面していると主張して、政府やタイ警察を中傷する露骨な偽りの見出しまで用いている。“ついクリックしたくなる”見出し、“コーチは少年たちを洞窟に連れていったかどで容疑を受けている”の記事本文で、生徒救出にもっぱら注力しているので、告訴の可能性など考えてもいないという警察談話を載せている。

 ドイツを本拠とするドイチェ・プレッセ・アゲントゥール(DPA)のタイ人記者、Hathai Techakitteranunのように、組織的救援活動を前に、国の結束を傷つけて、彼女と、彼女の外国スポンサーの政治的な狙いを推進するために、必死の救援活動を利用して、事あるごとに、タイ政府を、どじで無能に描き出そうとする連中もいる。

 カーウ・ソット紙記者で、複数のアメリカやイギリスの賞や奨励金の受賞者で、アメリカが支援するバンコクの政治運動家の有名な支持者であるプラビット・ロジャナブルックは、アメリカが支援する政権転覆を救援活動に結びつけようとして、(タイ語からの翻訳)洞窟内の生徒を発見するのは困難だが、タイで“民主主義”を見出すのは、もっと難しいと主張している。

 タイを本拠にするフランス人“政治漫画家”ステファヌ“Stephff”ペレは、さもなければ、無視されて目立たないことが多い彼の“作品”にクリックと注目を得ようとして、プラビットの主張をおうむ返しにしている。

 地方自治体や個人や世界中からの人々の貢献をまとめる困難な救援活動をしているタイ政府を攻撃しようという企みは、非難さるべきおぞましさだ。

 結果を出すよう政府に圧力をかけても、救援活動を率いている人々の判断を損なうことにしかならず、生徒のみならず、洞窟から安全に救出するため、休みなく活動している多くのボランティアの命を危険に追いやるだけだ。

 個人的利益を追求するため、悲劇を利用しようとしている連中が一体何を考えているのか理解するのは困難だ。タイ全土や世界中から支援のためにやってきた人々が示している至高の姿に対する、不穏な後ろ向きの対照でしかないだけでなく、救援活動を直接傷つけることにもなっている。

 こうした出来事の連中による利己的で危険な利用は、“ジャーナリズム”であれ“民主主義”であれ、連中がどのような隠れ蓑をまとっていようと、連中がいかに危険で、命を救うため専門技術を提供している献身的で勇敢な人々とは対照的に、自身の欠点ゆえにはまっている、お門違いな無名という深みから這い上がるため、他人の行いにしがみつこうとする身勝手な自己陶酔した自己中心的な連中が存在しているのを思い出させてくれる。

 何よりもタイ洞窟救助活動が、いかに人類至高のものが、 国籍や政治傾向とは無関係にまとまり、我々全員を前進させてくれるかという好例となるよう願おう。

 死活にかかわる状況に直面すると、多くの人々は、小異を捨て、前向きな結果に向け、献身的に貢献することができるもののようだ。

 これを、命を救うための高貴な取り組みを乗っ取ろうとしている悪意に満ちた個人や権益集団に対して、身を守り、連中の個人的、政治的利益を阻止する必要性の好例と警告にしよう。

 救援活動は人類の最善と人類の最悪の見本だ。これを、我々全員にとって、我々が一体どちら側にいて、人類に可能な最善を推進し、実現させるための努力で、我々は一体何をする必要があるのかを内省する好機にしよう。

 Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/07/07/thai-cave-rescue-highlights-the-best-worst-in-people/
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 死刑執行ごとに、シールを貼っていった放送局があるという。

 前日、法務大臣と並んで祝賀の宴を持った御仁もいる。

 人々の最悪を浮き彫りにする属国による死刑執行。

実に長時間のインタビューを拝聴。大本営広報部が決して触れない話題満載。

失敗したアベノミクス・異次元金融緩和の副作用!? 人口減少にも関わらずバブル化する不動産市場・サブリース契約の地獄!~日銀が発表した英語論文の謎に迫る!岩上安身が田代秀敏氏に7.1インタビュー第2弾! 2018.7.1

2018年6月11日 (月)

“サウジアラビア人が触れようとしない物さえ食べる”インドネシア人イスラム教徒

2018年5月27日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 ワシントン・ポストのインタビューで、ワッハーブ主義を世界の全ての国々に広めるよう彼の国に働きかけたのは、実は欧米だったと、サウジアラビア皇太子が発言した際、欧米のほとんど全てのみならず、エジプトやインドネシアなどの国々のマスコミもじっと沈黙していた。

 声明を読んだ人々は、リヤドからの断固とした非難を予想した。非難はなかった。空は落ちなかった。稲妻は皇太子にもポストにも落ちなかった。

 明らかに、皇太子が言ったこと全てが、ワシントン・ポストに掲載されたわけではなかったが、実際にした事は、インドネシアやマレーシアやブルネイなどの場所の政権全てを打倒するに十分なはずだ。というより、少なくとも‘普通の状況’のもとであれば十分なはずだ。つまり、もし現地の国民が、既にどうしようもないほど徹底的に洗脳されておらず、プログラムされておらず、もしこれらの国々の支配者たちが、最も攻撃的で狂信的で、儀式を重んじる(知的、精神的なものとは対照的な)形の宗教に同意したり、容認したりしていなければ。

 行間を読むと、サウジアラビア皇太子は、実際には、ソ連や他の社会主義国に対する‘イデオロギー戦争’を戦う中で、イスラム教徒が多数派の国々における、ほぼ全ての進歩的、反帝国主義、平等主義的への強い願望を破壊するための同盟者として、欧米が、イスラム教の超伝統的過激派 - ワッハーブ主義を精選したと示唆していたのだ。

 RTは、2018年3月28日ではこう報じている。

“サウジアラビアが資金提供するワッハーブ主義の布教は、冷戦中、欧米の国々が、ソ連に対抗するのを支援して欲しいとリヤドに働きかけた結果始まったと、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子がワシントン・ポストに語った。

同紙に答えて、サウジアラビアの欧米同盟諸国が、イスラム教諸国へのソ連の浸食を阻止する取り組みとして、冷戦中、外国のモスクやマドラサ(学校)に投資するよう、サウジアラビアに促したのだと、ビン・サルマーンは述べた。

皇太子インタビューは、当初‘非公開’とされていた。ところが、サウジアラビア大使館が、後にワシントン・ポストが会談の特定部分を公表することに同意した。”

 ワッハーブ主義の流布が始まって以来、1965年以降のインドネシアや、欧米侵略後のイラクなど各国国民が、(欧米介入以前の時代)に戻り、同時に、そう遠くない昔には彼らの文化にとって非常に自然だったもの - 社会主義や、少なくとも寛容な非宗教主義に向かって前進することを妨げている無知や狂信的熱情や恐怖によって破壊され、次から次に国々がその手に落ちた。

*

 実際は、ワッハーブ主義はイスラム教とさほど関係がない。より正確に言えば、ワッハーブ主義は、世界の平等主義的なあり方や、社会主義に向けた奮闘というイスラムの自然な発展を遮り、頓挫させるのだ。

 イギリス人が、この運動生誕の黒幕だった。イギリス人と、それまでで最も過激で原理主義的で退行的な説教師の一人 - ムハンマド・イブン・アブドゥルワッハーブだ。

 ワッハーブ派/イギリス同盟の本質と教義は、過去も現在も極端に単純だ。“宗教指導者が、人々に、ひどい理不尽な恐怖と、その結果としての服従を強いるのだ。この宗教のいかなる批判も許されない。教義の核心や、特にクルアーンの保守的で古めかしい解釈を疑うようなことはしないのだ。一度そういう形で条件付けされてしまうと、人々は、まずは封建思想の、そして後には、資本主義の圧制を、疑ったり批判したりするのを止める。彼らは、自国や外国のご主人たちによる、自分たちの天然資源の略奪も、まばたきもせず受け入れた。社会主義的で、平等主義的社会を構築しようというあらゆる取り組みは‘イスラムの名において’‘神の名において、容赦なく阻止される’”。

 もちろんその結果、ワッハーブ派と欧米の教理で支配されている国々で、困窮し、だまされている何百万人もの人々を犠牲に、欧米帝国主義者と、現地の卑屈な‘エリート’は、がっぽりもうけて笑いが止まらない。

 うちひしがれ植民地化された国々のごく僅かの人々だけが、ワッハーブ主義が神や人々のために仕えていないことに本当に気がついている。ワッハーブ主義は欧米権益と強欲を手助けしているのだ。

 これこそ、今まさに、インドネシアや、イラクやアフガニスタンを含め欧米に征服された他のいくつかの国々で起きていることだ。

 シリアが犠牲になるようなことになれば、この歴史的に非宗教的で、社会志向の国が同様な恐ろしい方向に向かうよう強いられる。シリアの人々は十分教育を受けているので、これを良く理解している。彼らはリビアやイラクに一体何が起きたかも目にしており、彼らはなんとしても彼らのような羽目になりたくないのだ。欧米と、その従僕のサウジアラビアなどが、シリア国家と国民に対してけしかけたのがワッハーブ派テロ戦士だ。

*

 植民地向けではなく、主として自国内用にでっち上げられた偽善的非宗教的言説にもかかわらず、自分たちの残虐で‘反民衆的’産物、サウジアラビア王国もインドネシアも既に荒廃させ、破壊した概念を、欧米は賛美したり、少なくとも、あからさまに批判したりするのを拒んでいる。実際、欧米は、世界を、この二国が‘正常’で、インドネシアの場合は‘民主的’で‘寛容’だと説得しようとしている。同時に彼らは、シリア(これまでの所)のような圧倒的多数の国民が、イスラム教徒である、ほぼ全ての世俗的、あるいは比較的世俗的な国々や、アフガニスタン、イラン(1953年のクーデター以前)、イラクとリビアなども、これらの国々が徹底的かつ残酷に破壊される前に、常に反感をかっている。

 サウジアラビア王国やインドネシアや現在のアフガニスタンで見られる現状は、欧米による介入と洗脳の直接の結果なのだ。(魚が持ち込まれてから、有料で魚釣りをするアジアの釣り堀と良く似た概念の)いわゆる‘対テロ戦争’のために何兆ドルもの‘国防費’を正当化しながら、吹き込まれたワッハーブ派教義が、この欧米‘プロジェクト’にイスラム教の香味を与えているのだ。

 従順、服従さえもが、欧米が多くの理由で、その‘属’国や新植民地に、そうあって欲しいと願っているものだ。サウジアラビア王国は、石油と地域における戦略的位置ゆえに貴重な戦利品だ。サウジアラビア支配者は、もっとも攻撃的な親欧米外交政策を実施して、ロンドンとワシントンにいる連中のご主人を喜ばせるために尽力することが多い、。アフガニスタンは欧米が、イランとパキスタン両国を威嚇し、最終的には、過激イスラム運動を、中国やロシアや旧ソ連中央アジア共和国に送り込んで侵略することさえ可能にする、その地理的位置ゆえに‘評価’されている。1965年-66年、当初、際限のない(今や急速に減少しつつあるが) 天然資源が、途切れることなく、多くは課税されずに、北米やヨーロッパや日本やオーストラリアなどの場所に流れるようにするのを保障すべく、腐敗した超資本主義徒党を権力の座につけるため、100万人から、300万人のインドネシア人が大虐殺‘されなければならなかった’。

 率直に言って、インドネシアやサウジアラビア王国のような国々には‘普通’なものは皆無だ。少なくとも、ある種、名目的な‘平常’に戻すには、実際何十年もかかろう。何世代もかかる可能性が高い。たとえ、すぐにその過程が始まったとしても、欧米は、それが終わる頃には、これらの国々の天然資源はほとんど全て無くなることを願っている。

 だが、この過程は始まってさえいない。知的停滞と抵抗の欠如の主な理由は明白だ。インドネシアやサウジアラビア王国のような国の国民は、自分たちを取り巻く残酷な現実が見えないように条件付けをされている。彼らは洗脳され‘宣撫されている’。社会主義は、無神論に等しく、無神論は悪で違法で‘罪深い’と彼らは教え込まれている。

 それ故に、イスラム教は欧米とサウジアラビアのデマゴーグによって改変され、進歩と公正と平等主義的な世界のあり方に対する‘戦闘に派兵’されているのだ。

 この変種の宗教は、欧米帝国主義、残酷な資本主義や、インドネシアを含め、それが吹き込まれた国々の知性や想像力の崩壊を悪びれることなく擁護している。欧米は、これと引き換えに、徹底的な腐敗、社会福祉の奇怪な欠如、最初はインドネシア人自身に対し、そして次に、東チモールの人々に対して、そして今日まで、無防備なパプアの男性、女性や子供に対して行われた大虐殺やホロコーストを容認している。欧米は‘寛容’なだけではない - 欧米はこうした虐殺や絶滅作戦に直接参加し、最も卑劣な形のワッハーブ派テロと教義を世界の全ての国々に広めるのにも参加している。それも全て、何千万人ものワッハーブ主義信者が、毎日モスクを満たし、深く考えたり、内省したりせずに、機械的な儀礼を行っている間に。

 ワッハーブ主義は機能する - ロンドンとニューヨークに本社を置く採掘企業や銀行のために機能する。支配者と‘属’国内のインドネシア‘エリート’のためにも非常に効果的に機能する。

*

 パキスタン出身のロンドンを本拠とする優れたイスラム学者ジアウッディン・サルダルは‘イスラム原理主義’が、かなりの程度、欧米帝国主義と植民地主義の結果であることに何の疑問も持っていない。

 我々が数年前にした会話の中で、彼はこう説明した。

“イスラム教徒と欧米との間の信頼関係は実際、破壊されました… 植民地主義は、イスラム諸国や文化の破壊だけでなく、遥かに大きな損害を与えたことを認識しなければなりません。それは、イスラム文化の知識と学習、思想と創造性の弾圧と最終的な消滅の上で、重要な役割を演じたのです。植民地化の出会いは、‘ヨーロッパ・ルネッサンス’と‘啓蒙主義’の基盤となり、この知識と学習を、イスラム社会からも歴史そのものからも根絶することで終わったイスラム知識と学習の横領から始まりました。物理的根絶 - 学びの場を破壊し、閉鎖し、ある種の先住民族の知識を禁じ、自国の思想家や学者を皆殺しにするのと - 欧米文明の歴史に、他の文明のあらゆる些細な歴史が包含されるよう歴史を書き換えの両方で、連中はそうしたのです。”

“その結果、イスラム文化は自分たち自身の歴史から切り離され、多くの深刻な結果を招きました。例えば、イスラム科学に対する植民地的弾圧により、イスラム社会から科学文化が排除されることになりました。全て、宗主国に対する依存と遵守と服従を伝授するように作られた政権、法律、教育や経済の新体制を導入することで行われたのです。イスラム科学と学習の衰退は、イスラム社会の全般的な経済的、政治的腐敗と退廃の一面です。イスラム教は、ダイナミックな文化や全人的な生き方から、ただの言辞に変えられてしまいました。イスラム教教育は袋小路、のけものへの片道切符となりました。これがイスラム文明の概念的な衰退を招いたのです。つまり、イスラム社会を形作り、方向性を与えていた概念が、実際のイスラム教徒の日常生活から切り離され、我々が現代のイスラム社会で見るような一種の知的行き詰まりに至ったと私は言っているのです。欧米の新植民地主義が、この体制を永続させています。”

*

 インドネシアでは、1965年の欧米が支援した軍事クーデター後、インドネシア共産党(PKI)を破壊し、過激な市場本位の親欧米政権を権力の座につけ、事態は恐ろしい予測可能性と一貫性と速度で悪化しつつある。

 1965年以後、欧米が据えたファシスト独裁者スハルトは‘イスラム教には懐疑的’だと言われ、彼は実際彼の群島全ての主要宗教を、極めて正確に、致命的効果をあげて利用した。彼の市場本位専制中、全ての左翼運動や ‘-主義’は禁止され、大半の進歩的な形の芸術や思想も禁じられた。中国語は非合法化された。無神論も禁止された。インドネシアは急速に地球上最も信心深い国の一つとなった。

 PKI党員を含め、少なくとも百万人が残虐に大量虐殺された。二十世紀の最も恐ろしい大虐殺の一つだ。

 PKI党員を含め、スハルト将軍のファシスト独裁は、政治目的のため、イスラム教カードを良く利用していた。John Pilgerの著書“The New Rulers of The World”にはこうある。

“1965年-66年大虐殺で、スハルトの将軍たちは共産主義者や誰であれ邪魔になる人々を攻撃するのにイスラム主義者集団を使うことが多かった。パターはこうだ。軍が政治権力を行使したい時には、宗派抗争のせいにして、軍による避けられない‘弾圧’を正当化するのに、いつでも、イスラム主義者の暴力行為や妨害を利用するのだ”

 残忍な右翼独裁制と過激イスラム教間の協力の‘好例’。

 スハルト辞任後、一神教宗教の奇怪な原理主義的解釈に向かう傾向は続いた。サウジアラビアと欧米が支持し、後援するワッハーブ主義は、益々重要な役割を演じている。過激右翼の共産主義中国元亡命者や連中の子孫が説教するキリスト教もそうだ。主にスラバヤで、しかし他の場所でも。

 インドネシアは、スカルノ大統領指導下の非宗教的で進歩的な国から、次第に益々過激に時代遅れで頑迷なワッハーブ派風/キリスト教ペンテコステ派国家に成り下がった。

 多くの人々が憲法クーデターと考えている時期に、インドネシア大統領として辞任を強いられた進歩的イスラム聖職者で、明らかに隠れ社会主義者の、アブドゥルラフマン・ワヒド(インドネシアでは、あだ名のグス・ドゥールで知られている)が公表を前提に、考え方を聞かせてくれた。

“最近、大半のインドネシア国民は神のことを考えたり気にかけたりしません。彼らは儀式に従っているだけです。もし神が降りてこられ、彼らにそのイスラム解釈は間違っていると言っても、彼らはこの形のイスラム教を守り続け、神を無視するでしょう。”

 ‘グス・ドゥールは、軍と親欧米エリートによるとあらゆるトリックも、しっかり見抜いている。数ある中でも、2003年、ジャカルタのマリオット・ホテル爆撃は、インドネシア治安部隊が組織し、後に、今に至るまで‘複数政党民主主義’に見せかけられている親欧米軍事政権の政治ボスに与えられた命令を実際実行しただけのイスラム主義者のせいにされたものだと彼は教えてくれた。

 インドネシアでは宗教に対する極端な絶対服従がファシスト資本主義体制や欧米帝国主義や、そのプロパガンダへの盲従をもたらしている。創造性と知的多元主義は徹底的に一掃された。

 世界で四番目に人口の多い国インドネシアに、現在国際的立場にある科学者、建築家、哲学者や芸術家は皆無だ。経済は、もっぱら、インドネシアの、スマトラやインドネシア・ボルネオ(カリマンタン)や残虐に占領されたパプア西部などの広大で、かつて原始のままだった部分の天然資源の抑制されない略奪によって支えられている。環境破壊の規模は途方もない。まさにこれを私は二本のドキュメンタリー映画と本にまとめようとしている。

 被害者の間でさえ、事態の認識は最小か、全く存在していない。

 その富、個性、文化や未来が奪われた国では、今や宗教が最も重要な役割を演じている。大多数の人々にとっては他に何も残されていない。虚無主義や冷笑や腐敗や暴行が、敵対するものがないまま支配している。都市には劇場も画廊も映画館も無く、公共交通も歩道さえもなく、緑樹や公園がほとんどない‘市場’に捨て去られた巨大な都心では宗教が難なく空洞を埋める。市場本位志向で強欲で、それ自体後退的なので、結果は容易に予想できる。

 スラバヤで、南米のテレビ局TeleSur向けに制作していた私のドキュメンタリー映画(資本主義に生きたまま食われるスラバヤ)用の場面撮影中、モールで、何千人もの人々が、全くの催眠状態で、叫び、目を天井に向けているプロテスタント・キリスト教徒の巨大な集会に出くわした。女性の説教師がマイクに叫んでいた。

“神は裕福な人々を愛します、それが彼らが裕福な理由です! 神は貧しい人々を嫌います、それが彼らが貧しい理由です!”

 フリードリヒ・ハイエク、フリードマン、ロックフェラー、ワッハブやロイド・ジョージを足し合わせても、彼らの‘理想’をより正確な形で定義できまい。

*

 サウジアラビア皇太子は、ワシントン・ポストの素晴らしい画期的インタビューで、正確には一体何を言ったのだろう? そして、それがインドネシアのような場所に、一体なぜそれほど関係があるのだろう?

 要するに、彼は欧米が、サウジアラビアに、イスラム神学校とモスクを建設して、‘属’国を益々信心深くするよう頼んだと言ったのだ。彼はこうも言った。

“イスラム教は良識があり、イスラム教は単純だと私は思うが、人々がそれを乗っ取ろうとしている。”

 人々? サウジアラビア国民自身? インドネシアのような場所の聖職者? 欧米支配者?

 イランのテヘランで無数の宗教指導者と様々な問題を話し合っていた際、再三こう言われた。

“欧米は全く新しい奇妙な宗教を作り出すのに成功し、それを様々な国々に吹き込んだ。連中はそれをイスラム教と呼ぶが、我々には認められない… あれはイスラム教ではない、全くイスラム教ではない。”

*

 2018年5月、インドネシアで、非合法化されたテロ集団のメンバーが刑務所で暴動を起こし、人質をとり、看守を残虐に殺害した。反乱か鎮圧された後、いくつかの爆発が東ジャワを襲った。教会や警察署が炎に包まれた。人々が亡くなった。

 攻撃を実行するのに、殺人者たちは、自分たちの家族、子供たちまで利用した。犯人連中は実際は、逮捕され、ダマスカスにより、自分たちの巨大で混乱した国に強制送還されたシリアに送り込まれたインドネシア人戦士 - テロリストや殺人者に触発されていた。

 シリア国内で戦った多くのインドネシア人テロリストたちは今や本拠地に戻り、国民同胞を刺激し、‘触発’している。過去 - アフガニスタン親ソ連政府に対して戦ったインドネシア人聖戦幹部が後に帰国し、ポソやアンボンやインドネシアの他場所で、何百人も何千人も殺害した過去と同じ状況だ。

 インドネシア人過激派は、アフガニスタンで、シリアで、フィリピンで、さらに他の場所で欧米の戦争を、外国人部隊兵士として戦って、世界的に有名になりつつある。

 彼らの国内での影響力も増大しつつある。いかなる社会改革、まして社会主義改革など、公に言及することは今や不可能だ。集会は解散させられ、参加者は殴打され、国民の代表(国会議員)さえ、共産主義が依然政権によって禁止されている国で、“共産主義者”だと非難され、脅されている。

 進歩派で非常に人気の高いジャカルタ州知事アホックは、まず選挙で負け、次にあきらかに、でっちあげ容疑の“イスラムを侮辱した”かどで、裁判にかけられ、投獄された。彼の主な罪は - ジャカルタの汚染した河川を清浄化し、公共交通ネットワークを構築し、普通の人々の暮らしを良くしたことだった。少なくとも、ワッハーブ主義や欧米グローバル政権の視点からみて、これは明らかに‘非イスラム’だ。

 過激派インドネシア人イスラム教徒は、今では恐れられている。対抗する相手は皆無だ。ほぼ誰も、あからさまに、あえて批判しようとしないので彼らは勢いを得ている。彼らは間もなく、社会全体を制圧し、抑圧するだろう。

 欧米では‘政治的公正’が利用される。当今では、国民やその‘文化’を‘尊重して’インドネシアやサウジアラビア風の‘イスラム教’を批判するのは‘失礼’なのだ。実際には‘守られている’のは、サウジアラビアやインドネシア国民ではない。守られているのは、欧米と、その帝国主義政策だ。人々と、イスラム教の本質とに対して使われている政策と操作だ。

*

 ワッハーブ派/欧米の教義が益々強くなる中、インドネシアに残された森は燃えつつある。インドネシアは、欧米の多国籍企業や、自国の腐敗したエリートによって、文字通り、略奪されつつあった。

 インドネシアの宗教的ファシスト政権と欧米帝国主義は手を携えて前進している。しかし前進は - どこに向けてなのか? インドネシア国家の完全崩壊に向かう可能性が一番高い。あらゆるものが伐採され採掘され尽くした後、間もなくやってくる窮状に向かって。

 ワッハーブ主義がイギリス帝国主義者や略奪者と協力して行進していた時と変わらない。Exceptサウジアラビアはfound巨大油田、自らを(というか、貧者は依然現地で惨めな生活をしているので、少なくとも彼らのエリートと中流階級を)維持するための豊富な石油と 連中のbizarre、イギリスが着想を与え、資金提供をしているイスラム教解釈。

 この教義の犠牲になったインドネシアや他の国々は現在も未来もそう‘幸運’ではあるまい。

 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が公式に発言し、状況を明らかにしたのは素晴らしいことだ。だが一体誰が耳を傾けるだろう?

 インドネシア国民にとって、彼の声明は遅すぎた。彼らの多くは、目を開かず、反乱も、革命もおこさない。彼が一体何を言ったのかを理解するためには、少なくとも、インドネシア史、世界史両方の多少の基本的知識が必要で、少なくとも論理的に考える多少の能力も必要だ。破壊的な帝国主義の抱擁によって押しつぶされたことに気がついた国々では、この全てが酷く欠けている。

 元インドネシア大統領アブドゥルラフマン・ワヒドは正しい。“もし神が現れ、語っても… 人々は神に従うまい”

 インドネシアはワッハーブと資本主義教理と‘この全てを手配した’欧米帝国主義に従い続けるだろう。彼らは、この先ずっと、正しいと感じ、沈黙を満たし、周囲で一体何が起きているのか考えないため、疑問を抱かないため、聞き慣れた北米の言説をがなり立て続けるだろう。何の疑問もないだろう。何の変化も、何の覚醒も、何の革命もないだろう。

 最後の木が倒されるまで、最後の川や小川が汚染されるまで、人々に残されたものが何もなくなるまで。完全に、絶対的に服従するまで。あらゆるものが黒と灰色に焼き尽くされるまで。あるいはそうなれば、ごく僅かの小さくささやかな覚醒や抵抗の根が育ち始めるだろう。

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、革命小説『Aurora』や他のを書いている。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/05/27/indonesian-islam-eat-what-even-saudis-would-not-touch-anymore/

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数カ月前、「Aurora」を拝読した。モーツァルトやブレヒトが出てくる不思議な話。舞台は明らかに現代インドネシア。その小説と直結しているこの記事が気になっていた。

インドネシアは、大昔、数日間訪れ、サテとナシゴレンを食べた記憶があるだけ。これを機会に本を読んでみたいと思う。たとえば

グローバル資本にみつぐのに役立つ別のカルト、県知事選挙でも活躍しているだろう。再選の追い風。昨夜、たまたま、大本営広報部で、「ウォーターゲート事件」をちらり見た。官邸での電話録音記録が決めてになった。この国では、不都合な記録は皆消えたり、改竄されたりするが、当事者はおとがめ無しですんでしまう。宗主国にもまともな部分はあったのだ。

今日の孫崎享氏メルマガも、同じ話題!

日本を覆う陰鬱な空気:原発、被災地、憲法、そういう問題を飲み会等の集まりで話す事はタブーだ。先ず会社員等組織で働く男性、大学生。私は主婦等は発言で制裁を受ける訳でなく、話さるのでないだろうかと思ってきたが、話せば白い目。ここも今や話せない。

間もなく昔の職場仲間と実に久しぶりに会う。そういう話題をあえて出して反応をためそうと思っている。いやがり、二度と会わないといわれてもかまわない。そういう相手なら会う必要皆無。

大本営広報部が、決して報じることなく、徹底的に隠蔽しているTPP11の凶暴さ、下記の鈴木宣弘教授のインタビューで拝聴予定。

膨大な数のTPP関連記事を訳してあるが、TPP11については、訳していない。TPP関連記事を読むだけでも、通常のIQがある方なら、恐ろしくなるはずと思うのだが。

日刊IWJガイド「接戦の新潟県知事選~花角英世氏が当選、池田千賀子氏が37102票差と惜敗!!/本日午後2時30分『「食料は武器、標的は日本」TPP11・日米FTA・日欧EPAで日本農業は壊滅!岩上安身による東京大学大学院農学生命科学研究科教授・鈴木宣弘氏インタビュー』配信!/<新記事>5.18にTPP11いよいよ強行採決か!? 種苗の自家増殖『原則禁止』へ種苗法が転換!! 次は水道法改定!?/G7で首脳宣言発表直後、トランプ米大統領が『認めない』とツイート!? 米の一国ワガママ主義の前にG7は崩壊!?/
『公権力とは潔く距離を保つ!』カンヌ国際映画祭で『パルムドール』授賞の是枝裕和監督が林芳正文科相の祝意を辞退!」2018.6.11日号~No.2097号~

2017年10月16日 (月)

東南アジアにおける欧米プロパガンダ - 本物の“サクセス・ストーリー”

Andre Vltchek
2017年9月25日
New Eastern Outlook

全てが実にあつかましい形でおこなわれている。世界のこの場所にいない人々には、これほど‘完璧な’設計など到底想像できまい。

所属クラブに、私の場合はタイ外国人記者クラブ(FCCT)に入るやいなや、洗脳の長い腕が伸びて来る。

居心地の良い長椅子に座るとすぐ、しっかり世話をしてくれる。一体何を考え、考え方をいかに形成し、変更するか、指示され、命令されるのだ。

時折、中国における“腐敗と不品行”に関する映画を見せられる。とりわけフィリピンの反欧米大統領を中傷するような公開討論に参加するよう奨励される。

最近のことではあるが、中東、特にシリアも、注目を浴びるようになった。

もちろん、FCCTのような場所で提供されるほぼ全て、欧米の見解というか、より正確には保守派から‘リベラル’に至るまでの一連の欧米の見解だ。クラブはアジアでも東南アジアの中心にありながら、欧米の思考方法に熟達したごく少数のタイ人を除いて、きわめて少数のアジア人しか招かれない。あるいは、ダライ・ラマのような欧米の代理人、もちろん、このような人々は何時でも大歓迎だ! ‘反対側’の話をきくことなどあきらめて頂きたい- 中国本土からの共産主義思想家や作家、フィリピンの親ドゥテルテ派の学者や活動家のような講演者たちに出くわすことは決してない。

FCCTで見受けられるタイ人の大半は、実際、欧米主要マスコミの権威者に支援業務を提供する人々だ。通訳、フィクサー、ウエーターや数人の業務担当者だ。

ここは、アジア人が欧米人に、アジアに関して講義をする場ではない。ここは、欧米人がアジア人に、概して、どのように考えるべきか、とりわけ、自分たちの国について何を考えるべきかを教える場なのだ。

FCCTと同じ階の絨毯を敷いた狭い廊下の先には、BBC、NBCや、いくつかの他の主要欧米マスコミ事務所がある。バンコクの‘ペントハウス’マニヤー・センター・ビルディングは、実際、自給自足可能なプロパガンダ総合施設なのだ。

そして今晩、シリア国境からわずか数キロの場所で、約80,000人の難民を収容しているヨルダン’の巨大なザータリ難民キャンプに関する「サラーム・隣人」と題するアメリカ・ドキュメンタリー映画の無料上映(我々のような会員向けに)が行われる。

FCCTのビラには、あからさまに、こうある。“在バンコク・アメリカ大使館とアメリカ・フィルム・ショーケースの協力“

アメリカ大使館職員が映画を紹介する。(あからさまに)アメリカ国務省が後援している映画だ。

FCCTは混雑している。皆ビールを飲んでいる。冒頭のあらゆる演説に、人々は従順に拍手する。帝国の外務省が東南アジアでも最も重要な都市の外国人記者クラブで催しを主催する皮肉には誰も気がついてないように見える。冗談が飛び交うこともなく、風刺は皆無だ。欧米マスコミ連中は、きちんとしつけられている。オリバー・ストーンの“サルバドル”など期待してはならない - 全く違う時代のものなのだ。

生ぬるい当惑に満ちている。ここでは激烈なイデオロギー対決を目にすることは決してない。人は場所をわきまえている。彼らは、一体何を言うべきか、どう振る舞うべきかを十分承知している。しかし最も重要なのは、連中が何を書くべきかを知っていることだ。

*

映画は短く、わずか75分ほどで、実際はなから分かりきっていた。全く酷いというものではない。映画技法は立派で、おそらく、ごく僅かな事実しか提示していないせいで、事実上の間違いは非常に少ない。映画制作者たちは‘政治的に正しい’のだ。連中は時に、特に難民の子供たちとやりとりする際、感情を抑えきれず涙ぐむ。

“キャンプ住民は我々に心を開き、家も見せてくれた”などの陳腐なきまり文句に満ちている。

だがFCCTのあらゆる場所にあるモニター画面に冷ややかに規則的に現れる、いくつか当然予想できる場面もあった。たとえばこういうものだ。子供たちは暴力的な戦争ビデオ・ゲームで遊んでいる。ある子供が突然こう言う。

“ああ、これはアサド政権の旗だ… この人たちが僕に弾や武器をくれるんだ。”

ソフトで‘善意で’うまく撮影されたプロパガンダを吹き込まれたのだ。シリア戦争における欧米の重要で、恐ろしい役割に関して、一言たりとも発せられない。ザータリ難民んキャンプが、最も過激な親欧米、親湾岸諸国テロ組織の訓練キャンプの一つであることに一言も触れない。

映画が終わった後、Q/Aコーナーにも参加することにした。

アメリカ納税者の負担でタイまでやってきた二人の映画監督を、いささか皮肉に称賛した。私もケニヤ-ソマリア国境の悪名高い残虐なダダーブも含め、難民キャンプ内で何本か映画を撮ったと言った。そこで、私は単刀直入に聞いた。

“シリア難民は一方の側だけの話ししかすることが許されていないのはご存じですか? 私はザータリ難民キャンプを良く知っています。そこでは、イラクのクルド地域にあるシリア難民キャンプ同様、シリア人はふるいにかけられ、アサド大統領に反対だと言わない限り、対応してもらえず、支援を得られないのです。”

練達の欧米プロパガンダ制作者の当惑した顔が私をじっと見据えた。アメリカ大使館官僚連中は冷静さを保っている。連中はプロで、うろたえるようなことはまずない。

だがマスコミ連中は憤慨した。ロシア語なまりを誇張して、私が映画を制作している放送局の一つとして南米のテレスールの名前をあげた。よく言うよ。何と身の程知らず。非欧米人が、欧米の世論を形成する連中に、世界について説教を垂れるとは!

私はこう結論づけた。

“大半のシリア難民はシリア政府から逃れているのではありません。彼らは欧米や湾岸やあちこちの同盟諸国が始め、支持している戦争の恐怖から逃れているのです。”

沈黙は完璧になった。

すると、上流中産階級出身で、欧米で育ったことが明らかな現地タイ人の若い女性がマイクに近づき、可愛らしく笑いながら言った。

“ザータリ・キャンプを来年早々訪問したいと思います。中東については何も知らないので、なぜだかわかりませんが… 難民に何かできるかもしれませんね? 私は何かを学べるかも知れません?”

“何枚か自取りを撮影するかも”と私は思った。

すぐに私は気分が悪くなり、文字通り、そこから逃げ出した。

*

東南アジア丸ごとが、欧米や日本の親欧米プロパガンダという、きつい拘束衣に閉じ込められているのだ。とは言え主要マスコミや、連中が欧米プロパガンダを流布する手口が、拘束衣が機能する仕方の唯一の例というわけではない。

ほぼ全ての真面目な大手書店(少なくとも英語本を販売している店)は、日本の巨大書店、紀伊国屋に、既に‘打ち負かされている’。東南アジアにおいて、書籍販売における紀伊国屋は、食品小売りにおけるカルフールにあたる。インドネシア、マレーシア、タイとシンガポールで営業しており、店舗は上品で、洗練されている。だが何か売れ筋の本を買いたいのでない限り、棚に見る(見つからない)ものに失望し、衝撃さえ受けるかも知れない。

こうした書店で、ノーベル文学賞受賞者のスヴェトラーナ・アレクシェェヴィッチ作品などの何百冊もの酷い反ソ連プロパガンダ本を見つけられるのは言うまでもない。だがエレナ・ポニアトウスカのような偉大な代表的メキシコ人左翼作家の本を探そうとしても、一冊も見つからない! ジョゼ・サラマーゴ、ダリオ・フォのような(だが共産主義の)思想家やハロルド・ピンター(この作家三人全員ノーベル文学賞を受章しているが、政権には大いに嫌われている)の大半の作品をそこで見つけることなどあきらめていただきたい。運が良ければ彼らの著作の一冊か二冊は見つけられるかも知れないが、それ以上は無理だ。

おそらくベルトルト・ブレヒトの戯曲の一編や二編なら見つけられるかも知れない。私はバンコクで探して、一冊しか見つからなかった。ガリレオだ。

東南アジアの書店では、反中国、反共産主義プロパガンダなら“食べ放題”だが、莫言を除いて、本当に偉大な現代中国共産主義の小説家や詩人の本は一冊もない。

もちろん、何か“好ましからぬもの”を見つけ出そうなどしてはならない。「好ましからぬ」という表現で、私は、欧米がこの地域に植えつけ、支持している、宗教や、新植民地主義や君主制や、‘文化’といった言葉の陰に隠れていることが多い現地の封建構造などのあらゆるものに対する皮肉っぽい批判を意味している。

インドネシアでは状況は最も途方もない。スハルト退陣後、急激に増えたあらゆるまともな書店は文字通り消滅した。以後、紀伊国屋はジャカルタの商売を‘模様替えし’、現在は大衆小説や、若干のペンギン・クラシックや似たような主流作品しか売っていない。

ジャカルタのプラザ・スナヤンにある紀伊国屋のマーケティング担当者アリフがこう説明してくれた。

“棚の配列はシンガポール店と同じはずですが、ここでは、インドネシア人経営層が何を売るか決めます。”

確かに彼らは決めている! 想像通り、アドルフ・ヒトラー (インドネシアでは、非常に人気の高い歴史上の人物)や、彼の‘ベスト・セラー’ (少なくともジャカルタでは) “我が闘争”を含む多数の本だ。そのすぐ隣には、最低の反共産主義プロパガンダに満ちた棚がいくつかある。

国民洗脳の点で、インドネシアは、1965年以来、常に東南アジアの先達だ。

もちろん、もっぱら東南アジア言語の本を売る現地書店チェーンもあるとは言える。とはいえ、それは極めて限定されている。率直に言って、世界でも、この地域では、高品質翻訳の本という文化がなく 現地言語で刊行されている書籍の数は比較的少ない。最も傑出したインドネシア人小説家プラムディヤ・アナンタ・トゥールでさえ、マクシム・ゴリキーの“母”を、バハサ・インドネシアに翻訳する際(“イブンダ”)、作業に、元のロシア文章をスクロールしながら(彼はさほどロシア語は話せないと認めている)オランダ語訳と彼の‘直感’を使ったと私に告白したことがある。

*

何十年もの大変な努力で、欧米による東南アジアの知的洗脳は今やほぼ完成している。

洗脳は、学生に奨学金を支出し、インドネシア人、タイ人、マレーシア人や他の‘学者’や教授に条件付きの資金供与をして部分的に‘教育’によって行われている。

欧米プロパガンダは‘文化’を通しても‘首尾よく’流布されている。欧米‘文化センター’は、大半の地方都市で、‘高尚な芸術’を提供する(奇妙にも)唯一の場所であることが多いのだが、明らかに、ヨーロッパと北アメリカの帝国主義的狙い(最新小説“Aurora”で私が鮮やかに描写した通り)を推進している。

現地エリートは、ほぼ完全に外国の企業権益と政治権益にこびへつらっている。愛国心などただのはやり言葉にすぎず、何の実態もない。

欧米帝国主義に対するイデオロギー的、物理的反対から、東南アジアほど隔離されている場所は、世界に他にない。

欧米による完璧な洗脳の結果は壊滅的だ。巨大な東南アジアが、偉大な思想家、作家、映画監督や科学者を生み出すことができないのだ。タイ(重要な小説家チャート・コープチッティ)や、インドネシア(オーストラリア人の友人で画家のジョージ・バーチェットが、‘ディエゴ・リベラとピカソの現地版の爆発的融合’と表現するスハルト・ファシスト政権時代の元政治囚だった政治画家ジョコ・ペキック)は、ごく僅かな例外だ。

ナイジェリアからレバノン、イランからメキシコに至るまで、世界の他の貧しい、荒廃させられた、複雑な場所は、文字通り、大量の素晴らしい作家、映画監督や知識人を生み出している。

*

ベトナム (そして、ある程度は、ラオス)を除き、欧米は、全ての共産主義と社会主義的な考え方や国際主義を、文字通り根絶した。それは、大虐殺と粛清の画策によって、残忍に行われた。インドネシアだけで、何十万人、おそらく、何百万人もの左翼が、1965年のクーデター後に殺害された。東チモールでは、左翼FRETILIN運動が、ポルトガルからの独立を獲得し、公正で明快な選挙で、権力の座についた後、住民の30%が、スハルトの軍によって殺された。タイでは、共産主義者は、石油樽の中で、生きたまま焼かれた。マレーシア、シンガポールとフィリピンでは、共産主義者の殺害や失踪が起きた。

インドネシアを含む幾つかの国々で、‘共産主義イデオロギー’は依然、公式に禁止されている。

国際主義、反帝国主義や共産主義や知的追求が破壊された後、東南アジアには、外国から保守的な形の宗教や、大量消費主義、‘伝統的な家族の価値’や、グロテスクなほど極端な個人主義が注入された。

同時に、既に何年も、何十年も、この地域は、買春ツアーと、安く、安易な生き方を探し求めている多数の‘国外在住者’とで、有名、いや悪名まで高くなった。その過程で、彼らは現地‘文化’を形成し、この地域脱知性化してしまった。北京や東京は、磁石のように、無数の偉大な外国人学者、思想家や創造力ある人材を惹きつけているが、概して、東南アジアは、控えめに言っても、大いに異なる種類の外国人たちが殺到している。連中は、一体なぜここが居心地良いのだろう?年齢や功績と無関係に、白人だと言うだけで、東南アジアで享受できる‘大いなる尊敬’のおかげだ。この尊敬は、欧米文化は優れており、実際、世界最高だという何千回も繰り返される(大半は間接的に)明白なウソによる、現地人の洗脳に由来している。

ヨーロッパ人や北アメリカ人が、更に居心地がよくなるものがある。東南アジアでは、欧米プロパガンダによって広められるほぼ全ての基本原理、最もprimitive grain資本主義と右翼イデオロギーが歴史的に受け入れられ、大目に見られ、うやうやしく複製さえされている。

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現地の学界の連中にとって、欧米(あるいは日本)のお墨付きだけが重要なのだ。その結果、東南アジアは、愛国的な自立思考が、実際一体どのように構成されるものかを忘れてしまったのだ。

大半の東南アジアの新聞は、遠い国々に‘海外特派員’を置いていない。彼らのほぼ全ての国際ニュース報道が、ロイター、AFPやAPなどの欧米主要通信社から直接送られている。それを通って、少なくとも、多少の異なる反対の情報が入り、大衆に影響を与えられるような抜け穴は、全くなさそうに見える。

バンコクやジャカルタやクアラルンプールの街頭で‘南-南’協力について質問をすると、相手はぽかんとする。何か新しい携帯電話用アプリかファスト・フード・レストラン・チェーンについて話をしているのではと思われるだろう。BRICSって何、石工?

書店は基本的に終わっており、商業映画は極めて入念に選ばれた(空虚であればあるほど良い)ハリウッド ‘ブロックバスター’や現地ホラー映画を提供している。

ジャワ歌舞劇の伝統的政治劇(ケトプラック)を含む、現地の芸術は最近は‘時代遅れ’、つまり、脇に追いやられ、全く意味のないものにされ、沈黙させられたのだ。

Scarce芸術映画クラブ、バンコクのリバー・シティーにある、アメリカやヨーロッパの文化施設 (“スポンサー”)ステッカーが玄関を飾っている。

リバー・シティー映画クラブ近くの画廊の一つにある行儀の悪い画商が、股から二基の醜悪なミサイルがぶら下がっているオバマの絵をつい最近無謀にも展示した。だが、どうやら、トルコ大使館が後援し、何人かの欧米外交官が出席する公式上映直前に挑発的な芸術作品を取り除くよう依頼されたようだ。“倉庫に一緒に行きましょう、ご覧にいれますよ”と、何か違法ポルノや麻薬の類をあっせんするかのように、彼は私にささやいた。

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たぶん、“いかに物事がおこなわれるか”の最も分かりやすい例は、数年前にジャカルタのゲーテ・インスティテュート構内で私が出くわしたものだ。学芸員たちは、グダニスクでのある抗議行動中に、治安部隊が、抗議行動参加者に向けて発砲した際のポーランドの‘連帯’時代の何枚かの古い写真を展示することに決めたのだ。

展示は‘共産主義’が公然と禁じられ、1965年、アメリカが支援したクーデターの際、何百万人もが虐殺され、巨大な群島全体が、多国籍や現地の採掘や、伐採カルテルによって、取り返しがつかないほど略奪され破壊されたインドネシアの首都でぬけぬけと、開催された。悪夢のような超過激資本主義が、何十年間もインドネシアを支配し、破壊しているのに、ドイツがインドネシア国民に見せることにしたのはグダニスクなのだ!

何十年か昔、ポーランドで殺害された一握りの共産主義者が追悼され、インドネシア国民に紹介されるのだ。もちろんドイツの文化施設は、インドネシアの親欧米虐殺部隊による共産主義者の大量虐殺を追悼する展示をしようなどとは夢想だにしなかった。

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今東南アジアの人々は、ロシアについて、ほとんど何も知らず、中国についても、ほとんど何も知らない(欧米の民衆扇動家連中が、民衆に知って欲しいと思っていること以外は)。南アフリカを含むアフリカはよその惑星にあり、中南米もそうだ。現地エリートだけが遠隔の地まで旅行する余裕があり、この連中は、欧米のご主人たちや、公式教義に忠実だ。彼らは決して真実をかたらず、決して偽情報に波風をたてることはない。

この地域の人々は、たいてい近隣諸国のことより、北アメリカのポピュラー音楽やヨーロッパのサッカーのことを良く知っている。東南アジアの貧しい人々は、公正で平等主義の社会を構築しようとしている中南米に関して、ほとんど無知のままにされている。彼らは、キューバ、ボリビア、ベネズエラやエクアドルについては、ほとんど何も知らない。

もちろん、東南アジアで、最近のアンゴラでのMPLA再選(アンゴラは、人類に対する欧米植民地主義犯罪と、新植民地的略奪の象徴の一つなので、世界にとって極めて重要な意味を持つ出来事)が論じられる可能性は全くない。東南アジアでは、キューバや、その国際主義についてや、欧米帝国主義に対し、今誇らしく、断固として立ち上がっている国々の連合についてさえ論議することは決してない。

中東についてはどうだろう? 話題は、パレスチナ問題のみに限定されており、それすら、大部分がイスラム教徒のインドネシアとマレーシアにおいてしか議論されていない。他の中東の‘つながり’は、余りに‘非宗教的’で、余りに‘社会主義者’だと非難されている、不自然に注入された、アサド大統領憎悪だ(もちろん、こうしたものは、こちらでは大変な‘犯罪’で、明らかに称賛にはならない)。

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東南アジアでは、欧米が明らかに勝ち誇っている。欧米はこの巨大な(そして過去には多様だった)地域を、まんまと‘無力化し’、‘鎮定し’、洗脳し、知的に奴隷化した。

この状況が永遠に続かなければ、それも余り長時間続かなければ良いのだが。

フィリピンとベトナムは急速に正気を取り戻し、欧米の命令に従わない意思を固めつつある。

だが、インドネシアは、‘イスラム教を侮辱した’という全く不合理で異様な非難(非難が余りに奇怪なので、現地の言語学者たちすら彼の支持に回ったが、判決は‘政治的’で、公正とは無関係だった)で中傷され、投獄されたジャカルタの進歩的州知事‘アホック’に対する伝統的な形の‘法的クーデター’の後、大きな挫折を味わった。彼の本当の‘罪’はこうだ。アホックが、この依然絶望的なファシスト国家において、少なくとも多少は社会主義的な要素を導入しようとしたことなのだ。彼は倒れた。間もなく、他の人々が新たな試みをするかも知れない。

一方、中国もロシアも、この地域に本格的に入り込もうとしている。現地の‘最上流連中’は注視している。東南アジア・エリートの大半は、もちろん北ベトナムの人々を除いて、何世紀もずっと売り物だった。

反帝国主義連合が、より強力でより豊かになるにつれ、実際、近い将来、いくつかの東南アジア諸国トップの本格的な心変わりもあり得る。共産主義さえ、最終的には再度合法化される可能性があるが、多少の資金提供や奨学金や相当な助成金を広めるのに成功できたらの話に過ぎない。

もしそうなれば、バンコクFCCTでの画一的な論議も、最終的に、活気に満ちた多様なものとなり得よう。

もちろん、欧米はそういうことが起きるのを阻止すべく、全力を尽くすだろう。

アンドレ・ヴルチェクは、哲学者、小説家、映画製作者で、調査ジャーナリスト。彼は数十ヶ国で、戦争や紛争を報道してきた。彼の新刊書、三冊には、革命小説“オーロラ”と、政治ノンフィクション・ベストラーの二冊 “帝国の嘘を暴く”と“欧米帝国主義と闘う”がある。他の著書は、ここで見ることができる。彼は、テレスールと、アル・マヤディーンTVに映画を制作している。ルワンダと、コンゴ民主共和国に関する彼の画期的ドキュメンタリー「ルワンダ・ギャンビット」を見る。中南米やオセアニアで暮らした後、ヴルチェクは現在、東アジアと中東に暮らし、世界中で働いている。ウェブサイトとツイッターで、彼に連絡ができる。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/09/23/western-propaganda-in-southeast-asia-a-true-success-story/

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人ごととは思えない。地元書店の一番目立つ棚、嫌韓、 嫌中本や他の売国本が並んでいる。大手書店でさえそう。緑のタヌキ本が並んでいるのには幻滅した。写真集まで。

この国こそ、宗主国プロパガンダの本物の“サクセス・ストーリー”。

日刊IWJガイド「本日!岩上安身が福岡でトークライブ&交流会!『不可解な突然の政局と解散総選挙、背後には北朝鮮への米軍の武力行使に日本を動員する思惑が!~「原発を抱えたまま核ミサイルを持つ国との戦争へ突っ込んでゆく」のか!?』ぜひ、ご参加ください!/苦戦する希望の党の面々から『懺悔』の言葉が次々と!マスコミと独裁者による『政治的詐欺』には要注意!」2017.10.16日号~No.1858号~

2017年10月15日 (日)

タイは地域の指導者になれるのだろうか?

2017年9月16日
Andre Vltchek

タイ人がどうしても外国語を学ぼうとしないことの代償を計算するのは難しい。しかしながら、大胆な推計の中には、損失が年間何百億ドルにのぼる可能性があると計算しているものもある。しかも状況は決して良くなってはいない。

バンコクは東南アジアの中心になりたがっていて、多くの基準で既に目標を実現している。スワンナプーム国際空港は地域で二番目ににぎわっている。国際報道機関のほぼ全てが、ジャカルタやクアラルンプールではなく、バンコクにある。いくつかの国連機関がバンコクに事務所を設けており、巨大モールや、ビルマ、カンボジア、ラオスや、遥か彼方、中東の人々を主な対象とする最高の民間医療機関もある。

もう何十年も、タイは売り込みに余念がなく、世界中の何百万人もの人々の関心をとらえている。

既に行っている以上に、本当に良くすることが可能なのか疑問視するむきもある。フォーブスによれば、バンコクは最近、世界最も旅行者の多い場所だ。

“マスターカードのGlobal Destination Cities Indexによれば、2016年、タイの首都で少なくとも一泊した旅行者は2150万人だった。比較すると、昨年ロンドンで一晩以上滞在した人々は1990万人で、パリは1800万人だった。ニューヨークは、それよりずっとリストの下位で、1280万人だ。”

2016年だけでも、3259万人の外国観光客がタイを訪れ、数値は減っていない。

統計は様々だが、今や旅行と観光は、タイGDPの約20パーセントを占めている。これは大きい。地域の他の国々より遥かに多い。

*

タイにとって、これは皆良いニュース、あるいは少なくとも理論的にはそうだ。

しかし、国際的な雰囲気にもかかわらず、バンコクは比較的閉じられ、隔離された社会のままだ。

現在、バンコク中心部には伝統的なタイ・レストランより日本食堂の方が多いように見える。ところが、そうした店のどれかで、例えばアイス・ティーを、タイ語以外の言語で注文しようとしてみると、ひどく驚かされることになる。スタッフが外国語を決して話さない可能性が高いのだ。

しかももっと深刻なことがある。少なくとも理論的には外国人顧客に対応するはずの銀行で働いている人々が、タイ語以外ほとんど話せない。‘観光警官’さえ、被害に会ったことを報告しても、理解できない。

先日、バンコクで、何らかの理由で、送金にウエスタン・ユニオンを使っている外国雑誌社から、かなりの額の支払いを引き出そうとした。ウエスタン・ユニオンはタイでは大手のアユタヤ銀行(クルンシイ)と提携している。その支店の一つで、ベイルートやナイロビでさえ普通2分しかかからないはずの単純な手続きを終えるのに、屈辱的に90分もかけさせられた。銀行職員たちの無能さは、悪意に満ちた表情と無遠慮な無礼さ(欧米ではなく、アジアの基準で)で覆い隠された。何やらややこしい印刷物を示して、益々新しい‘追加情報’が加虐的に要求された。関係者六人の中の誰一人タイ語以外話さなかった。

*

概して、多くのタイ人は、外国人観光客や国外で暮らしている人々のおかげで、まずまずの収入を得られるのは自分たちの生来の権利だと思っている。高いレベルの知識や、外国語の流ちょうさや、質のよいサービスを提供する必要はないと考えられている。

現地通訳がかつて私にこう言った。

“皆タイに来たがります、皆ここが好きです、だから彼らは、タイ王国の流儀を受け入れるべきです。”

最近、プロ用ビデオ機器用品をバンコクのSONYショールームで買おうとして、店員たちが外国語を全くはなせないことに気がついた。スタジオで痛んだHDVテープ二本取り出そうとして、同じ経験をしたことがある。

何年も前、タイが世界で最も物価のやすい場所で、バックパッカーや冒険心ある人々にとっての安息の地だった時代なら、こうしたことも全く問題なかった。以来あらゆることが変わったのだ。タイは高級顧客向けサービスを提供しようと必死になっている。しかし同等なサービスや商品は、今ではロンドンやパリや東京の方が、バンコクより安いことが多い。スーパーマーケットの食べ物もそうだ。それでもなお外国語に達者になってはいない。

旅慣れた日本人が最近こう指摘した。

“2ドルという形ばかりの値段なら、不作法で外国語を話さないウエイトレスが出す煮すぎたまずいパスタも我慢できた。もしサービスが依然お粗末で、全員タイ語以外話さず、値段がベニスの洒落たレストランのうまいスパゲッティ料理の倍もする場合‘気前よく’しているなど到底無理だ”

*

ところが、タイは大勢の人々がやって来続けると確信している。

無数の欧米マスコミによる、極端に肯定的なプロパガンダというのも、その理由の一つだ。万一タイに何らかの批判があったとしても、そうしたものは、非常に穏やかで‘優しい’のだ。欧米の定説のあらゆる基本的要素 - タイがどれほど素晴らしく、くつろげて、安全で、快適か - が、そうした記事で擁護されているのだ。

何の不思議でもない! どの政権が実権を握ろうと、タイはアジアにおけるアメリカの筋金入り同盟国の一つであり続けている。

タイは、欧米が推進する経済体制を全面的に導入した。冷戦中、何千人ものタイ人共産主義者や左翼を殺害し、拷問し、少なくとも投獄した(介入不要だ)。

過去に、王国は(中国で)敗北し、大量虐殺をした蒋介石軍の兵士を多数快く受け入れた。タイはベトナムやラオスやカンボジアでの野蛮な爆撃作戦に参加し、しばしば自国パイロットまで貸し出し、パタヤや他の軍事空港に勤務するアメリカ人や、オーストラリア人や他の国々のパイロットや技術者のために、売春婦として働くように、地方から貧しい若い女性たちを集めた。

タイはあらゆる批判、欧米によってタイに注入されたほとんど全ての基本的権力要素に触れることさえ禁じる厳しい法律を採択している。

以来、この報酬は大きい。

現地人と外国人観光客とのやりとりが不作法なことが頻繁にあろうとも、タイは依然‘微笑みの国’という評判を保っている。

タイの殺人率の方が、アメリカ合州国より高いのに、タイ王国は依然比較的安全な場所だと見なされている。

欧米の主要マスコミは、民主的に選ばれた政府を倒す果てしない軍事クーデターを概して受け入れ、何度か見出しになった後、無視される。

事実上ありとあらゆる海岸線が不可逆的なほど過度に営利化され、破壊さえされているのに、タイは‘熱帯の楽園’として知られている。

*

実は完全な英語を話すタイ人集団が一つ存在する - エリートだ。彼らの大半はアメリカ合州国やイギリスやオーストラリアで教育を受けている。彼らの一部は、ジェット族で、国際人の暮らしをし、世界のあちこちにいくつもの資産を所有している。

だが、外国人は二週間のバケーション中に、こうした人々とひょっこり出くわすことはない。私はこうした人々の何人かと、様々な機会に出会ったことがあり、彼らの外国語、特に英語の流ちょうさは素晴らしいと“証言”できる。

*

率直正直に言って、私はバンコクが実際大好きだ。バンコクは無秩序で、大きくなりすぎたが、実に複雑で、わくわくする都市だ。私は全大陸の約160カ国で働いた事かあるが、バンコクは依然、地球上のお気に入り場所の一つだ。タイは私を混乱させ、私を打ちのめすことが多いが、タイ無しの人生は想像できない。タイは私がそれについて考え、ものを書くために訪れる場所の一つだ。

だがバンコクは決して親しみ易い場所ではなく、安くもない。バンコクは決してくつろいだ心地よい都市ではない。それがバンコクだ。私にとって、タイは素晴らしいが、他の多くの人々にとって、そうではない。しかし、タイは決して欧米の肯定的プロパガンダが描き出しているものではない。

タイは変われるはずだ。もしタイ国民が毎年何千万人もの外国人観光客を活用し、アメリカ合州国、ヨーロッパや日本だけではなく、もっと多くの他の場所について学べれば、大幅に進歩できるはずだ。タイにやってくるのは、欧米の人々だけではない。中国、インド、ロシアや中南米やアフリカからさえ観光客はやってきている。

また凶暴な資本主義しか選べる経済体制がないわけではない。欧米の“真実”も、もはや独占的なものではない。

タイにとって最善なのは、何百万人もの観光客たちから何か新しいことを学ぶため交流することだろう。交流や、様々な言語を学ぶことを通して学ぶよりも、良い方法が他にあるだろうか。

バンコクは今や世界都市で、国際色ある大都市だが、心根は偏狭だ。こうしたものは変われるし、変わるべきなのだ。外国人訪問者のためではなく、タイ国民のために!

アンドレ・ヴルチェクは、哲学者、小説家、映画製作者で、調査ジャーナリスト。「Vltchek’s World in Word and Images」の制作者で、革命小説『オーロラ』や、他に何冊かの本の作家。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/09/16/can-thailand-evlove-into-a-regional-leader/
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遠い昔、シンガポールとバンコクで、製品のプレゼンをしたことがある。
シンガポールでは、大講堂で一時間ほど説明した後、適切な質問・批判の嵐。
バンコクでは、同規模講堂で行ったプレゼン後、質問皆無なのに驚いた。

パタヤ出張時、ナイト・クラブで女性と話した際は、さすがに英語はそれなり通じた。
ドリアンが懐かしい。

三つ巴の戦いのようなことをいう大本営広報部呆導、見る気にならない。
一方、タブロイドの一紙、購入したくなってきた。もう一紙は決して買わない。

孫崎享氏による『新聞記者』 (角川新書)の紹介を今日のメルマガで拝読。
巨大書店では、おかしな連中がくさしている。つまり良い本だという証明のようなもの。

日刊IWJガイド・日曜版「選挙後の『民進党再結集』説浮上に前原誠司代表が『絶対にやってはならない』と狼狽!?/大阪では自民党・二階俊博幹事長が有権者からの野次に『黙っておれ!』と暴言!/吉祥寺、新宿、池袋では立憲民主党が街頭演説会『東京大作戦』を大展開!小林よしのり氏も登壇!」2017.10.15日号~No.1857号~

2017年9月 7日 (木)

ミャンマーのロヒンギャ - サウジアラビア聖戦士が戦う英・中代理戦争の駒

Moon Of Alabama
2017年9月4日

ミャンマー、旧ビルマにおける、ちょっとした民族紛争に、マスコミが注目している。"欧米"マスコミの報道は、イスラム教徒ロヒンギャが、仏教徒の暴徒や、バングラデシュ国境に近いラカイン州内の軍により、不当に非難され、追い出され、殺害されているというものだ。 ヒューマン・ライツ・ウォッチのような"リベラル人道介入主義者" が、トルコのエルドアン大統領のようなイスラム主義者と連帯して、ロヒンギャの窮状を大声で悲嘆している。

この奇妙な連携はリビアとシリアに対する戦争中にもあった。これは今や一種の危険信号だ。ミャンマー国内の単なる一地方の問題ではなく、更に裏があるのだろうか? 誰かが、紛争をかきたてているのだろうか?

そうなのだ。

ラカイン州内の民族紛争の歴史は極めて古いが、ここ数年でサウジアラビアに資金供給され率いられる聖戦戦士ゲリラ戦争に変身したのだ。この地域は地政学的に重要なのだ

ラカイン州は[中国の一帯一路構想]OBORで重要な役割を占めている。インド洋への出が口で、何十億ドルの中国プロジェクで予定されているラムリー島経済特区の場所で、雲南省の昆明市につながる石油と天然ガス・パイプラインがあるチャウピュ深水港がある。

ミャンマー西海岸から東方向、中国に向かうパイプラインで、隘路のマラッカ海峡や紛争の対象である南シナ海を避け、ペルシャ湾からの炭化水素輸入を中国に送ることが可能だ。


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ミャンマーにおける中国によるプロジェクト妨害は"欧米の利益"になる。ラカイン州内で、聖戦をあおれば、それが実現するかも知れない。ビルマにおける、そうした代理戦争には歴史的な前例がある。第二次世界大戦中、大英帝国軍がラカイン州のイスラム教ロヒンギャをあおり、日本の帝国主義者と連携するビルマ民族主義仏教徒と戦わせたのだ。


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ロヒンギャは、ミャンマーの旧アラカン州、現在のラカイン州の北部に、16世紀以来移民してきた。二百年ほど昔のイギリス植民地占領時代に大移動があった。バングラデシュからの違法移民は、過去何十年にもわたって続いている。総計約110万人のイスラム教ロヒンギャがミャンマーで暮らしている。ロヒンギャの出生率は、先住のアラカン仏教徒の出生率より高いと言われている。こうした人々は自国内で圧力を感じている。

こうした住民たちは、一部の町では混住しているが、100%どちらかだけという村は多い。概して、ミャンマー国内では、ロヒンギャはほとんど融合していない 。大半は公式には国民として認められていない。何世紀も、そして過去数十年の間に、移民と先住民との間の紛争が何度もあった。最近イスラム教徒-仏教徒紛争が猛威を振るったのは2012年だ。

それ以来、地域でイスラム主義反政府部隊が構築されたのは明らかだ。アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)という名称のもと、 パキスタン出身の聖戦戦士アタウッラー・アブ・アンマル・ジュンジュニの指揮下で活動している。(ARSAは以前は、Harakah al-Yakin、つまり信仰運動。) アタウッラーは、パキスタンはカラチの大きなロヒンギャ・コミュニティーで生まれた。彼はサウジアラビアで育ち教育を受けた。彼はパキスタン国内で軍事訓練を受け、ミャンマーに来る前は、サウジアラビアでワッハーブ派のイマームとして働いていた。以来、彼は約1,000人のタクフィール主義者の現地ゲリラ軍を洗脳し、雇い、訓練してきた。

2015年のパキスタン新聞ドーンのある記事によれば、カラチには500,000人以上のロヒンギャがいる。彼らは、1970年代と1980年代、ジア=ウル=ハク大将の軍事政権とCIAの命令で、ソ連とアフガニスタン政府と戦うため、バングラデシュからやって来た。

[カラチの]ロヒンギャ・コミュニティーは宗教心が強く、彼らは子供をイスラム神学校のマドラサにやる。多くの宗教政党、特にAhle Sunnat Wal Jamaat、JIやJamiat Ulema-i-Islam-Fazlが、ビルマ地域隣国に組織を設置している主な理由だ。
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“アラカンで暮らす多数のロヒンギャたちは、2012年6月のミャンマー仏教徒暴徒の襲撃で近親者を失っている”と現地のJI活動家、モハンマド・ファジルは言う。

カラチのロヒンギャは定期的に寄付ザカートや、いけにえの動物の革を集め、退去させられた家族を支援するため、それをミャンマーやバングラデシュに送っている。

ロイターは、2016年末、聖戦戦士集団は、パキスタンとサウジアラビアに訓練され、率いられ、資金提供されていると報じた

10月、ミャンマー国境警備隊を攻撃したロヒンギャ・イスラム教徒集団はサウジアラビアとパキスタンとつながる連中に率いられていたと、International Crisis Group (ICG)が、木曜、集団メンバーの発言を引用して報じた。
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“確認はされていないが[アタウッラー]がパキスタンあるいは他の場所に行き、現代ゲリラ戦の実地訓練を受けた兆しがある”と集団は述べた。アタウッラーは、ラカイン州における集団の作戦を率いているサウジアラビアから来た20人のロヒンギャの一人だ。

また別に、メッカに本部を擁するロヒンギャ海外移住者集団の20人の幹部委員会、ICGはこう言っている。

ARSA聖戦士は、政府軍だけを攻撃していると主張するが、一般のラカイン州の仏教徒たちも待ち伏せ攻撃され、殺害された。仏教徒の村落も焼き払われた。

アタウッラーと彼の集団は独立した「イスラム国」を宣言したがっているとミャンマー政府は主張している。10月2016年、彼の集団は、地域の警察や他の政府部隊に対する攻撃を開始した。今年8月25日、彼の集団が、30の警察署や軍の前哨基地を襲撃し、約12人の警官を殺害した。軍と警察は、この種の紛争で良くあることだが、ゲリラ部隊が隠れていると疑われるロヒンギャ居住区を焼き払って反撃した。

暴力行為の増大から逃れるため、多くの現地ラカイン州の仏教徒たちは、自分たちの村を捨てラカイン州の首都に向かって逃れた。イスラム教徒のロヒンギャは、国境を越え、バングラデシュに逃れた。ようやく最近になって難民が国際的注目を集めるようになったようだ。

ミャンマー軍がこの国を何十年も支配してきた。経済的圧力のもとで、名目的に"欧米"に門戸を開き、"民主主義"を導入した。ミャンマー国内で"欧米" のお気に入りは、アウン・サン・スー・チーだ。彼女の党が選挙に勝ち、彼女は政府内で支配的役割を演じている。だがアウン・サン・スー・チーは抜きんでた民族主義者であり、本当の権力は、依然将軍たちが掌握している。

アウン・サン・スー・チーは、民主的偶像として持ち上げられてはいるが、ビルマ独立義勇軍(BIA)の著名な指導者で "国の父"アウン・サンの娘であるということ以外、ほとんどとりえはない。1940年、アウン・サンは、宗主国イギリス軍と、中国内の反日本勢力のためのイギリス補給路にゲリラ戦争をしかけるべく、大日本帝国軍に採用された

若いアウン・サンは日本の伝統的な衣服を着、日本語を話すようになり、日本名さえつけた。歴史学者Thant Myint-Uの著書“The River of Lost Footsteps”の中で、アウン・サンは“どうやら、彼を取り巻くファシスト陶酔感に押し流されていた”と表現しているが、彼はあくまでもミャンマー独立のために献身していたと書いている。

ラカイン州における民族紛争はビルマを巡るイギリス-日本紛争でも大きな役を演じた。

1942年4月、日本軍は旧アラカン州内に進撃し、当時の英国領インド、現在のバングラデシュ国境に近いマウンドーに至った。イギリスがインドに撤退すると、ラカイン州は前線となった。

現地旧アラカン州の仏教徒は、BIAと日本軍に協力したが、イギリスは地域のイスラム教徒を採用して、日本に対抗した。

“イギリスと日本の両軍は、それぞれの軍事的目標を推進すべく、現地住民間しての不和や敵意を利用した”と学者のMoshe Yegarは書いている。

イギリスが日本に勝利すると、アウン・サンはくら替えし、大英帝国によるビルマ支配を終わらせるよう交渉した。1947年、イギリス将校らの支援で、彼は暗殺された。後にミャンマーと名を変えたビルマは、それ以来、軍部の競合する派閥に支配されてきた。

アウン・サンの娘アウン・サン・スー・チーはイギリスで教育を受け、ミャンマーで役割を演じるべく育てられた。1980年代と90年代、彼女は軍事政権と争った。彼女はノーベル平和賞を受賞し、"欧米の"知識階級によって、人権の進歩的擁護者として宣伝された。だが彼女も彼女が率いる国民民主連盟(NLD)も常に対極にいた。サフラン色の仏教の袈裟をまとった極右ファシストなのだ。偽善者連中は、現在、彼女がロヒンギャを支持して堂々と発言しないと失望している。だがそんなことをすれば、彼女は、父親がそのために戦った有名なものの反対の立場に立つことになる。そうすれば、彼女は、ロヒンギャや、ロヒンギャの聖戦の戦いにほとんど共感していない大半のミャンマー国民とは反対の立場になってしまうのだ。

しかも- 中国のOBORプロジェクトは、ミャンマーとって大きな恩恵で、経済発展に役立つのだ。サウジアラビアとパキスタンは、ミャンマー国内で聖戦を煽り立てるべく、ロヒンギャにゲリラ司令官と資金を送っている。これは、アフガニスタンにおけるソ連の影響力に対するCIA作戦の歴史的再現だ。しかしアフガニスタンとは違い、ミャンマー国民はイスラム教徒ではなく、彼らがミャンマー内におけるあらゆる聖戦に参加せず、反対して戦うのは確実だ。今やロヒンギャは、グレート・ゲームにおける将棋の駒で、それによって苦しむことになるだろう。

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2017/09/the-rohingya-of-myanmar-pawns-in-an-anglo-chinese-proxy-war-fought-by-saudi-jihadists.html#more
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案の定、彼女の動きが不満だというブログ記事を一つ拝読した。

昼のバラエティーだけでなく、夜の「ニュース」番組も見なかった。全く興味がない洗脳報道は聞き流しているだけでも疲れる。

今日は下記インタビューを拝見予定。

【IWJ_YouTube live】15:00~「岩上安身による『偽りの経済政策 ―格差と停滞のアベノミクス』著者・服部茂幸氏インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 岩上安身による服部茂幸氏インタビューを中継します。

その前に、見落としていた下記の前回インタビューを拝聴しておこう。

大義なき解散総選挙19】「消費の停滞は増税以外の要因もある」 ~安倍政権に不都合な経済データ呈示 『アベノミクスの終焉』著者・服部茂幸氏に岩上安身が聞く 2014.12.5

2017年8月 9日 (水)

タイで欧米が政権転覆の素地を準備中

Tony Cartalucci
2017年8月4日
Land Destroyer Report

写真: “アメリカによる政権転覆の二人の騎手”アメリカ上院議員ジョン・マケインとジョゼフ・リーバーマンが、主権国家を不安定化させ、打倒するための、アメリカが支援するあらゆる企みに先立ち、選んだアメリカ代理人連中の前に現れ取り囲む。ここで二人は、2014年予想されていた権力の座からの追放に先立ち、インラック・シナワトラを支持している。彼女と彼女が代表する政党を再び権力の座に戻す取り組みが現在進行中だ。(出典: Land Destroyer Report)

タイでの極めて重要な裁判に先立ち、アメリカの既得権益集団は、政治的にも、マスコミでも、外国が支援する次の不安定化の素地を準備中だ。

アメリカの代理を、タイで再び権力の座に就ける取り組みは、地域に対するアメリカの“卓越”を回復する企てで、東南アジアを勃興する中国に対する統一戦線に転換するという、より大きな取り組みの一環だ。シナワット家へのアメリカによる支援は、タクシン・シナワットが、今日に至るまで続いている、アメリカを本拠とする株式投資会社カーライル・グループの顧問となった時にまでさかのぼる。

更に読む: An enumerated list of Shinawatra's US backing.

追放されたタイ首相インラック・シナワトラは、2011年の選挙中、もし彼女の政党タイ貢献党を権力の座につけてくれたら、市場価格を超えるものを農民に約束するとした、米買い取り制度による選挙買収にまつわる職務怠慢の嫌疑を受けている。

何十年も米の生産と輸出の世界的リーダとしてのタイ市場は、あっと言う間に混乱し、資金は間もなく枯渇し、品質は急落し、代わりに、地域の競合諸国がタイの伝統的な貿易相手国から恩恵を受ける結果になった。

2014年、シナワトラが何ヶ月もの街頭抗議行動と軍事クーデターでとうとう打倒された際、政府の倉庫は、カビの生えた売れない米で溢れていた。

この計画で、何十億ドルも失われ、権力を握った暫定軍事政府は、以来長年、農民に返金し、タイ農業を修復しようとつとめている。

疑いの余地のない選挙買収計画は、タイの米農家を一層政治的補助金に依存させ、f国内、国際経済の現実に対してより脆弱にする結果となった汚職と無能さにまみれていた。

欧米が言っていること: ウソ

こうした事実にもかかわらず、欧米は様々なロビイストや、連中を使うマスコミを通して、現在のこの政治的岐路を、全く異なる観点で描こうと企んでいる。


写真:ビン・チャチャバルポンプンは、偏りのない“学者”を装っているが、実際には、アメリカに支援されたタイ反政府派の長年のメンバーで、シナワット家の近しい友人だ。ここでは、ビン・チャチャバルポンプンは、有罪判決を受けた犯罪人、逃亡者、大量殺人のタクシン・シナワットと食事している。

京都大学東南アジア研究所を本拠とする偏りのない“学者”を装い、欧米マスコミによって、そう描かれている、反政府派ロビイストで、シナワットの親友、パビン・チャチャバルポンプンが、アメリカとヨーロッパの既得権益団体と、タイ国内の連中の代理政治集団が使っている最新主張の要約を最近投稿した。

インラック裁判は、タイにとって深刻な危機の火付け役になる”と題するロイターが発表し、ジャパン・タイムズが再掲載した論説で、こう主張している。

2001年から、2006年まで権力の座にあった兄のタクシン政権から受け継いだ彼女の党のポピュリスト綱領に乗って、インラックは、2011年選挙で圧勝した。タクシンは、北部と北東部の地方住民に権限を与えるように作られた政策を実施した。彼らは後に、タクシンの党の強力な権力基盤として機能した。インラックは、農民から、米を、市場価格を超える価格で買う結果となり、世界価格を歪めた米担保融資制度を始めた。これは地方各県内の彼女の支持者たちには大いに好評だった。

彼はこうも主張している。

それゆえ、暫定軍事政権が、彼女を法的手段で追放しようと決めても、街頭抗議行動になる可能性があり、政治的暴力は不可避かも知れない。だが、インラック投獄は、政治ゲームの終わりにはならない。彼女の支持者たちは既に、彼女を、20年間のうち14年間を軟禁状態で暮らさざるを得なかったミャンマーの民主主義志向リーダー、アウン・サン・スー・チーと比較している。スー・チー幽閉で、彼女は民主的な偶像という肩書きを獲得し、彼女はミャンマーにおける軍支配に対する戦いの象徴となった。

パビンは計画が世界価格を歪めたことを認めているが、事実上他の全ても意図的な、周到に準備されたウソだ。

彼がインラック・シナワトラと、ミャンマーのアウン・サン・スー・チーを比較しようとしているのは適切だ。パビンが意図しているものと異なるとは言え。スー・チーは、シナワトラ同様、何十年にもわたりアメリカとヨーロッパの政治的支援を受けており、彼女の政党や非政府組織(NGO)を装う欧米が資金提供するフロント組織は、外国権益の延長として機能している。

彼女の“健全”イメージは長年の欧米プロパガンダにより入念に作り上げられており、余りに巧みで、彼女が共謀して統轄したミャンマーの少数派ロヒンギャ虐殺さえも、どうやらパビンも含め、多くの人々の目から見た、彼女のイメージを傷つけられないほどだ。

欧米が言わないこと: 真実

2011年タイ選挙は“圧勝”とは程遠かった。現実には、全有権者のわずか35%しか、シナワットのタイ貢献党(PTP)に投票しておらず、投票したタイ国民の間でも、PTPは人気を獲得しそこねた。

2011年の選挙中、インラック・シナワトラが、賄賂のかどで、2年の実刑判決を逃れ有罪判決を受け、海外に逃亡した犯罪人、兄のタクシン・シナワットのあからさまな代理として出馬したことをパビンは省いている。タイ貢献党の2011年選挙スローガンは、文字通り、“タクシンが考え、タイ貢献党が実行する”で、実際、人々が票を投じるタイにいる連中ではなく、有罪判決を受けた犯罪人で、逃亡者がアラブ首長国連邦、ドバイのホテルの一室から、タイ貢献党を動かしていることをあからさまに認めていた。


2011年、タイ貢献党の選挙運動看板にはこうあった。“タクシン Kit.. タイ貢献党 Tom,”翻訳すれば“タクシンが考え、タイ貢献党が実行する”で、2年の実刑判決を逃げている有罪判決を受けた犯罪人逃亡者が、法律に真っ向から矛盾し、野党を動かしていることをあからさまに認めているのだ。シナワットの膨大な財産と外国による支援のおかげで、彼と支持者連中は、こうした言語道断な行為に何のおとがめもない状況を長年享受している。

パビンは2001年から2006年までの間、タクシン・シナワットの政権が“地方住民に権限を与えた”とも主張している。実際、それは政治的支持と引き換えに与えられた維持不能な補助金で、唯一本当に“権限委譲された”のはタイ東北地方のシナワット政治装置だ。

わずか90日の間に、約3,000人の無辜の人々が街頭で大量虐殺された、2003年のシナワットによる“麻薬との闘い”も、パビンは都合良く省いている。2001年から2006年までの、シナワットの政敵の拉致や脅迫や暗殺を含む組織的虐待も彼は省いている。


選挙買収“ポピュリズム”は、タイが何十年にもわたって築き上げた国際的評判も含めタイの米産業を破壊した。タイが損傷を修復しようとする中、この損害に責任がある連中が欧米の支援を得て、またしても権力の座を取り戻そうとしているのだ。

2006年に、シナワットと欧米の支援者が、権力の座から追放された後に作り出した“反独裁民主戦線” (UDDあるいは“赤シャツ) - 2006年から今日に至るまで - 攻撃、殺人、テロや、大規模な武装反乱や暴動さえ実行してきた連中、街頭の暴徒についても、長たらしい論説からパビンは省いている。


2010年、全国規模で、リビアあるいはシリア風紛争を引き起こす企みで、アラブの春風暴力を実行した連中“赤シャツ”により、タイは、アメリカが支援する“平和な民主主義志向活動”を経験した。タイにとって幸いなことに、こうした企みは失敗した。

こうしたものの中には、2010年 約100人の命を奪い、最後はバンコク市内至る所での放火に至った暴動、2013年-2014年、反シナワット抗議行動参加者たちに対して行われ、女性や子供を含む20人以上が亡くなったテロや、病院も含む今年の爆撃騒ぎがある。

更に読む: The Truth Behind Thailand's 2010 Violence

もし読者が、インラック・シナワトラ裁判の本当の文脈や、彼がそのためにロビー活動をしている“反政府派”の本性を理解すれば、もし欧米のどこかで連中の犯罪を実行していれば、反政府派はとうの昔にテロと烙印を押され、反政府派は裁判所の決定により、また、もし必要であれば、軍により根絶されることになっているはずの反政府派と、タイの現在の政治体制が、どれほど妥協しようとしているのか読者が理解してしまうので、パビンはこうしたことを全て無視している。

パビンは、論説の最後で 2010年のものに似た街頭での抗議行動、あるいは暴力行為にさえなりかねないシナリオを思い描いている。これはアメリカとヨーロッパの既得権益集団がベネズエラで実行しようとしており、既にリビアやシリアやイエメンで既に点火し、燃えるに任せているシナリオと同じようなものだ。

金を払ってマスコミに掲載させる不正な記事に加え、アメリカ大使館や他の連中は、タイ現地での活動、つまり、偏りのない権利擁護団体を装ってはいるが実際は、アメリカが支援する傀儡政権が再度権力の座に就くのを守り、推進している、プラチャタイ、人権のためのタイ 弁護士(TLHR)、タイ・ネチズン、新民主主義運動その他諸々を含む、支援団体の陰で活動する、NGOを装うフロント組織に資金提供し指揮するのにおおわらわだ。

更に読む: How the US funds and controls Thailand's "opposition."

北アフリカや中東中で、アメリカが画策した“アラブの春”が“湧き出す”前も、同じ取り組みが進行していた。残虐な戦争が世界中で見出しになる前に、シリアなどの場所で秘かに用いられていたのと同じ類の仕組まれた破壊やプロパガンダが、今タイで広められつつある。

それがタイで展開するのを見つめていれば、後に大見出しになる可能性のある衝突で、評論家の誰もびっくり仰天させられることなく、一体何が、実際に、これから勃発しかねない大規模衝突をもたらすのか明確に把握することが可能になるだろう。

記事原文のurl:http://landdestroyer.blogspot.jp/2017/08/thailand-west-prepares-ground-for.html
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同じ筆者による「NGOの悪用」に関する詳しい記事に、
帝国の両刃の剣: グローバル軍 + NGO」がある。

「失言大臣」と大本営広報部はくさすが、自民党に、まともな政治家がいるのに驚いた。「地位協定の見直しが必要」。鳩山元首相の「少なくとも県外」クラスの正論。

「報道ステーション」では、この発想、沖縄の人々、そして本土の人々の多くの願いだと指摘。これにも驚いた。

「米国は儲からない原発ビジネスを見切り、日本に押しつけた」〜「東芝崩壊」に見る日本電機メーカーの危機!『東芝解体電機メーカーが消える日』著者 ジャーナリスト 大西康之氏に 岩上安身が訊く! 2017.7.21

をやっと拝聴した。大本営広報部のバラエティー番組では決して触れない重要な話題。
まじめなドキュメンタリーでも、触れることができない驚愕の真実。上層部ほど腐っているこの国。与党だけではない。企業も。米つきばった社会の「忖度する人間しか出世しない組織」が、「実力者が指揮する組織」と戦えるなど、そもそもあり得ない。忖度文化が永続するはずがない。大属国、服従してきたがゆえにの大崩壊中ということが良くわかる。

東芝解体 電機メーカーが消える日』は拝読したが、『東芝 原子力敗戦』は拝読していない。こちらも必読書のようだ。次回インタビューが楽しみ。

今日は長崎に原爆が投下された日。以前に訳した記事を一つあげておく。

長崎原爆投下70周年 : 教会と国家にとって歓迎されざる真実

翻訳記事の後で触れた、天主堂を消し去った理不尽な行為について、8月12日午後9:00に、ドキュメンタリーが放送されるようだ。ようやく。

BS1スペシャル「幻の原爆ドーム ナガサキ 戦後13年目の選択

 

2017年7月31日 (月)

欧米に支援された‘聖戦’の冷酷な力が反抗的なフィリピンに届く

2017年7月22日
Andre Vltchek

一カ月前、欧米が支援するアジアでのテロの複雑なネットワークを暴露する記事を書いた(“ワシントン聖戦エクスプレス: インドネシア、アフガニスタン、シリアとフィリピン”)。1980年代、東南アジア版の過激反共産主義を吹き込まれたインドネシア人とマレーシア人の聖戦士が、ソ連破壊という究極的目的を持って、カルマルの、次にムハンマド・ナジーブッラーの社会主義政権と戦うべく、アフガニスタンに行ったと私は書いた。鍛えられ、更に洗脳されて、彼らは東南アジアの自国に戻り、いくつかの部族間紛争や虐殺(アンボンやポソでのものを含め)に参加し、更に‘世代間のギャップを埋める’べく、結局、シリアで、最近ではフィリピンでの戦闘に参加しておわる若い世代のテロリスト育成に乗り出した。

私の記事は事実満載で、東南アジアの学者、思想家や現在ジャカルタで暮らす現役の著名‘聖戦戦士’に至るまで様々な証言を盛り込んだ。

インドネシアのバンドン市で(パジャジャラン大学- UNPAD)社会・政治学部のイマン・ソレ教授が、欧米が現在、一体なぜ、フィリピンと、現在の反抗的な政権を不安定化させ、中傷するのにとりつかれているのかに関する彼の解釈を語ってくれた。

“第二次世界大戦以来、アメリカは、いわゆる‘ドミノ効果’を恐れていました。ドゥテルテ大統領の下で、フィリピンで起きていることの中には、政府による多国籍採掘コングロマリットの活動制限があり、欧米はそれが許せないのです。フィリピンは、環境への配慮を、短期的利益より優先しているのです! インドネシア国内と東南アジア中の何百万人もの左翼活動家にとって、ドゥテルテ大統領はお手本です。”

欧米が、そのような‘まずい模範’を残虐かつ断固懲罰するのは誰でも知っている。

ソレ教授はこう続ける。

“こうしたことが起きているのは、フィリピンを‘不安定化’するためだけでなく、フィリピンには‘助長’が可能な紛争地域があるせいでもあると思います。好例は、イスラム教徒が圧倒的多数のミンダナオ島、対 それ以外のカトリック教徒が圧倒的多数の国、フィリピンです。”

聖戦戦士連中は、カリフ領の設立を夢想しており、‘カラー革命’風政治家、いくつかの‘果てしない紛争’、‘活気ある市民社会’や欧米の支払い台帳に載っているNGO。(何十年間も欧米の従順な植民地)フィリピンにはそれが全部揃っている。連中の唯一の目的は、フィリピンを不安定化し、マニラ・マラカニヤン宮殿の現政権を打倒することだ。

*

長たらしく細々と説明した後で、最終的に、いまだに戦争で破壊されたマラウィ市を訪れる許可を得た。

軍の護衛隊を提供されて、前線に急送される前、私はサギランの軍基地に、ほぼ12時間、拘留され、軍内部の親米/反ドゥテルテ派に訊問された。テキスト・メッセージで、マニラの連絡相手から、すぐに知らされた。軍幹部の誰かが、包囲された都市で実際に起きていることを私に目撃されたくなかったのは明白だった。

私がようやくマラウィに到着して、反ドゥテルテ派の人々が私を止めたがった理由がはっきりわかった。現地のほとんどあらゆることが、欧米や、現地の従順なマスコミが大衆に見せたがっていることはまさに正反対だった。

事態は私が予想していたよりも、遥かに、遥かに良かった。

地域に課された戒厳令は‘穏健で’合理的だ。軍幹部からの行政に対する干渉はほとんどなかった。何万人もの国内難民を助ける救援作戦は、良く組織されており、困難な状況を考えれば、きわめて効率的だ。

軍は市の中心部約一平方キロに立てこもったテロリストと戦うのに集中していた。それ以外のマラウィは解放され、ほとんど無傷だ。家の約20-30パーセントが破壊されたか損傷されたというのが私の推測だが、無数の膨大なマスコミ報道は“市全体”あるいは“市の大半”が廃墟と化したと語っている。

私は現地に行き、戦闘の中心部まで見たので、私はこの全てを証言できるし、私がここで主張していることを実証する写真証拠を私は持っている。

何人かの国内難民(IDP)と話し、依然マラウィや周辺地域で暮らしている一般市民とも話した。ラミロ・レイ准将(ラナオ統合任務部隊のトップ)や、ジョー-アル・ヘレラ中佐を含む軍高官と会い、戦場の状況に関する質問責めにした。私は一般の兵士と移動し、病院や救援センターを訪問した。

レイ准将は(現在、戦場の司令部にもなっている)マラウィ市役所での会談で、こう説明してくれた。

“ISISは、ミンダナオ島に彼らの国家を樹立したがっています - イスラム・カリフ領 - まさに、ここ南ラナオ州に。”

”5月23日に、テロリストの隠れ家があるという報告がありました。我が軍が攻撃し、銃撃戦となった際、テロリストが既に地域全体を占領しているのを知って驚きました。後に、証拠を検証し、ビデオを見て、テロリストが、実際、マラウィ全体を、5月26日、ラマダン開始までに占領する計画だったことが分かりました。戦闘は、23日終日続きました。あの日、我々が失敗していれば、状況は遥かに悪くなっていたでしょう。しかし、わが軍はマラウィの大半を解放し、テロリスト部隊はアグス川の東に撤退せざるを得ませんでした。”

戦争は残虐だ。テロリストによる殺人が行われている。国内で退去させられた人々が、ISISが、検問所を設置し、住民をイスラム教徒と異教徒に分けたと言った。非イスラム教徒は即座に殺害されたか、人質にとられ、今も人間の盾として、使われている。

“マラウィの至る所に犠牲者の遺骸があり、焼ける太陽にさらされて腐敗していました”とイマ・ミンバラワグが語ってくれた。“犬に食べられているものもありました。”

5月23日以後、事態は急激に悪化し、何万人もの現地住民が、ミンダナオ島や国内で、安全な避難場所を求めて、家からの脱出を強いられた。

“テロリストは、捕らえた女性たちを性奴隷として使い始めました”と、サギアランの仮設軍事基地の前に立って、マルヴィン・リグタン少佐が説明し、丘を超えて、マラウィ市内のテロリスト陣地に向けて、耳をつんざくような榴弾砲の一斉射撃が行われていた。

マラウィ戦争のあらゆる悲惨さにもかかわらず、様々な現地市民が、明らかに誤算して、紛争が始まる前、ISISとつながるテロリストに対し、本格的な支援をしていたことが分かった後でも、軍は残虐な戦術を使うのを拒否している。

ジョン・マーク・シルヴァ・オニピグ大尉はこう説明してくれた。

“ISISに所属している連中は、テロリストというだけでなく、犯罪人なのです。連中は麻薬を売買しています… しかも、一部の現地人は知っていたのです… 実際、現地人は非常に多く知っていたのです。彼らは、これが始まるずっと前から、地域でのテロリストの存在を知っていたのですが、当局には決して報告しなかったのです。”

“一体どうやって、それだけ多くの兵器を入手したのですか?”私は知りたかった。

“フィリピンでは、金を持っている連中は闇市場で好きなだけ兵器が買えます.”

*

マラウィの戦いに、外国人戦士が関与していることを、何人かの軍幹部が、公表前提、あるいはオフレコで、確認した。

“隠れ家の一つで、インドネシア、マレーシアと、いくつかのアラブ諸国が発行したパスポートを発見しました。”

ミンダナオ島出身の、教育者で、著名なソーシャル・メディア・ジャーナリストで、親ドゥテルテ活動家の、ドレイ・トレド氏は、マレーシアとアメリカ合州国を非難している。

“マレーシアは、ミンダナオ島中に、カリフ領を広げ/復興することで、自らの利益に役立たせることを狙っているのです。マレーシアは、ミンダナオ島を果てしない混乱に陥れるために、1968年以来、不安定化に直接資金を提供しています。それは我々が、石油が豊富なサバ州を取り戻すことが決してできないことを意味しますから、マレーシアは、ミンダナオ島が恒久的な混乱・紛争状態にあることで恩恵を得られるのです。”

“アメリカ合州国にとっての主な関心は、中国の‘一帯一路’(OBOR)体制が間もなく最終的に完成するので、フィリピンと領海の支配を維持することです。フィリピンは最終かつ最も重要な積み替え地点なのです。”

アメリカにとっては、あらゆる手段で、いかなる代償を払っても支配力を維持するのが狙いだ。マレーシアの一部の連中にとっては、ミンダナオ島でのカリフ領樹立だ。無数のインドネシア反共産主義聖戦士にとっては、この地域のあらゆる左翼に対する果てしない戦いだ。

その結果が、マラウィ、実際には、ミンダナオ島至る所での大変な苦難なのだ。何十万人もの男性、女性や子供が家を追われ、何百人もの人々が殺害され、残虐で耐えない貧困に苦しんでいる。

わずか一年少し前に政権を握ったに過ぎないドゥテルテ大統領は、貧者側に立って、大きな変化を実現することに成功した。だが、彼は現在、大変な圧力を受けている。

彼は、初めから、マルクス主義ゲリラや、ミンダナオ島での更なる自治を要求しているイスラム教徒や、そして、もちろん中国との和平合意に達しようとしていた。

この戦争は、彼の善意に対する大きな試練になっている。だが欧米や現地の反政府宣伝屋が何を言おうと、彼が成功裏に切り抜けるのは疑いようもない。

軍トラックの後部に乗っていたので、大人や子供が、何の恐れもなく、手を振り、敬礼しているのを見た。現地の人たちと打ち明けて話したが、 彼ら全員、軍が聖戦士に勝利することを願っていた。

事実上、軍事作戦を担当しているレイ准将は、私にこう説明した。

“この戒厳令と、フェルディナンド・マルコス統治時代に課された戒厳令の違いは、現在、軍隊が主に、実戦に携わり、一般市民を支援している。地方当局幹部の仕事には全く干渉しません。彼らには、これまで通り仕事をするよう奨めており、私の支援が必要な時にだけ、私に連絡するように言っています。私はこの地域を支配してはいませんし、支配するつもりもありません。”

現地当局者たちに確認したが、准将の言葉を裏付けるものだった。

何人かの救援ボランティアにも確認し、マニラは支援のためにできる限りのことをしていると聞いた、支援し損ねている場合は、善意の欠如ではなく、単に資源が足りないためだ。

発射されるものと、飛来するもの、両方の榴弾砲と、空軍による聖戦戦士の陣地への爆撃を目撃したが、いずれも明らかに、標的を狙ったものだった。

これは本物の戦争で、戦争というものは、決して100%パーセント“きれい”ではない。だが、この戦争は、可能な限りきれいだと、世界中のあらゆる場所で何十もの戦争を目撃し、報道した経験から、私は自信をもって言える。

これと逆の主張は、あからさまな反政府プロパガンダを広めるか、無知の印か、その両方だ。だが、プロパガンダこそ、まさに欧米や、親欧米の現地マスコミやNGOがフィリピンと世界中に振りまいているものなのだ。

*

私は、マラウィに入りこめ、戦闘の影響を自分の目で見た極めて稀な外国人の一人だ。ところが、市の近くにさえ行ったことがない何百人もの欧米の記者連中が、状況について、絶えず自分の目で見た報道であるかのように話し、書いている。連中の敵対的な意図は明々白々だ。

現地と外国人の聖戦戦士は、フィリピンという国にも、この都市にも既に大変な損害を与えてしまった。一部の専門家は、マラウィとフィリピンの状況を、外国が火をつけたシリア紛争の初期段階になぞらえている。

だが、マラウィはアレッポではない。ここでは、軍は断固として行動し、過激派は素早く、一つの狭い地区に封じ込められた。

前線近くで、ある軍幹部から、こう聞いた。

“わずか一日で都市奪還は可能ですが、一般市民が、テロリストによって、人間の盾として利用されているので大変な数の一般市民の死傷者がでるでしょう。この地域の家は非常に頑丈です。家々は2-3階建てで、ここでは、’リド’と呼ばれる、何世紀にもわたって続いている残虐な家族間の確執が絶えないので、要塞化されています。”

軍が正面から攻撃すれば、何千人もの一般市民が命を失うことになろう。マニラ内にも、マラウィ現地にも、そのような大虐殺を望んでなどいない。だから、戦争が長引いている。テロリストの陣地は爆撃されている。脱出し、川を渡ることだできた人質たちは素早く避難所に連れて行かれる。テロリストが支配している地域は、完全に封鎖されている。ISISとつながる過激派が、弾薬や食糧や両方が早々に尽きることが希望だ。

マラウィは、その大半、欧米帝国主義が直接あるいは間接に引き起こした残虐な宗教テロ行為という恐怖の既に長大な本の新たな一章に過ぎない。非宗教的な社会主義イスラム政権との戦いの第一波で、欧米は、イラン、エジプトとインドネシアを不安定化した。次がアフガニスタンの‘策略’、更に、イラクとリビアの超残虐的破壊が続いた。次はシリアの番だった。

‘聖戦’は、ロシアや中国や旧中央アジアのソ連共和国に対し、一貫して利用されている。

私の840ページの著書“帝国のウソを暴く”でこうしたことを全て書いたが、欧米が行う犯罪に完全に追いついていられるほど十分素早く書くのは不可能だ。

特にアフガニスタンやシリアのような場所の宗教紛争への欧米の関与を指摘する方が容易なことが多い。フィリピンの場合は、つながりは依然間接的で、うまく隠されているが、確実に存在しているのだ。

欧米の帝国に逆らうのは、常に代償の高い、殺伐たる行為だ。ワシントン、ロンドンやパリが後援するクーデターや、直接の軍事紛争、介入や、全面戦争にさえ至ることが多い。

だが今や、フィリピン国民は‘我慢の限界’なのだ。彼らは従順でいるのには、もううんざりなのだ。沈黙したまま、略奪されるのはもう沢山なのだ。彼らは大統領を支持して集まっている。ドゥテルテの支持率は、いまだに75%付近だ。軍が、鍛えられた現地や外国の聖戦士に対して勝利しつつあるのが明らかだ。救援活動は効果的で、良く組織されている。事態はうまく行っている。

わずか一年で、フィリピンは正反対に変わった。何十年もの中で初めて、大きな希望があらわれている。解放された大衆の意思を挫き、フィリピン国民にんを強制して再び跪かせるのは困難で、たとえ聖戦テロが残虐にしかけられたとて、おそらく、ほぼ不可能だ。

アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、革命小説『Aurora』や他の本を書いている。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/07/22/cold-arm-of-jihad-sponsored-by-the-west-is-reaching-rebellios-philippines/
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植草一秀の『知られざる真実』横浜市長選与党勝利に最大大貢献したゆ党民進党

日刊IWJガイドの一部を引用させて頂こう。

 民進党は自主投票にまわりましたが、7月27日、林候補の選挙カーの上に立つ弁士、山尾志桜里衆議院議員の写真がSNSにアップされると、これを見た人たちは騒然、「山尾ショック!」とも言うべき衝撃が広がりました。

 山尾議員と言えば、国会で「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログを取り上げ、待機児童の問題を広く世の中に知らしめた功労者。山尾議員が事務局長を務めた「民進党待機児童対策プロジェクトチーム」では、「隠れ」待機児童数を含めた実態把握に務めるため、全国統一の基準で集計するべきだと政府に訴えてきました。

 横浜市では2010年に待機児童が全国最多の1552人となりましたが、林市長は従来の「待機児童」の定義を変更することで待機児童数「ゼロ」を達成したと発表。この数字の裏には、「育休中」や「求職活動休止中」などの「隠れ」待機児童数を含めると、その数は3259人にまで膨れ上がるという「カラクリ」があることがわかっています。

 山尾議員が、こうした「カラクリ」で市民の目をごまかす林市長の応援に入ったことは、山尾議員に期待を寄せていた若いママさんたち、特に保育園に子供を預けることができない子育て中の親御さんたちに大きなショックを与えたに違いありません。

 「山尾ショック!」の大きさは、待機児童問題だけではありません。林市長は、選挙前までカジノ誘致に積極姿勢を見せ、「育鵬社」の教科書採択を推進、全国的に中学校給食が当たり前になりつつある中、「家庭弁当」を基本とする決定をして、中学校給食の導入には消極的な姿勢を見せてきました。

 横浜市は、安倍政権きってのカジノ推進派である菅義偉官房長官の地元でもあります。その安倍政権が「加計学園」問題で信頼を失墜して、菅官房長官自身がマイクを握れずにいる中、なぜ、民進党の山尾議員が応援に駆けつけたのか、甚だ疑問です。

 IWJは7月29日、横浜駅で演説を行った伊藤候補の選対部長を務める民進党・真山勇一議員を直撃。真山議員は、自身も山尾議員の行動にとてもショックと怒りでいっぱいであるという胸の内を明かし、愛知県出身の山尾議員は、トヨタなど労働組合の関係で連合との関係が強いのが一つの要因ではないかと分析。さらに、「伊藤候補の応援演説を依頼したのに、山尾議員から断られていた」という事実も明かしました。

 真山議員への直撃インタビューは、以下の記事にまとめていますのでぜひ、ご一読ください。

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※横浜市長選で林文子氏の応援に駆けつけた民進・山尾志桜里議員の「山尾ショック!」について伊藤大貴候補選対本部長・真山勇一参議院議員を直撃!~「こんな党じゃ政権なんて取れない」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/393958

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