サウジアラビア・湾岸諸国

2026年4月 5日 (日)

イラン・アメリカ・UAE・パキスタンの謎



ペペ・エスコバル
2026年3月27日
Strategic Culture Foundation

 現在行われているのは世界的オペレーティング・システムOSの書き換えだ。そして新しいOSはペトロ元で動く。

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 地獄のエスカレーション機構は絶望の淵に達しつつある

 野蛮な国「我々は勝ち続けることにうんざりしている」ヒヒに雇われた「永遠の戦争長官」は、イランに「最後の打撃」を与えるためとされる壊滅的爆撃作戦と並行して、いくつかの「地上侵攻」シナリオを検討している。

 ハルグ島は陽動に過ぎない。戦闘から遠すぎる。ホルムズ海峡東側で船舶を拿捕するのは不可能だ。そのような作戦は必ず対艦ミサイルの集中砲火を受けることになる。

 残るシナリオは二つ。一つは、アラブ首長国連邦の北に位置するアブ・ムサ島と大小のトゥンブ島(アラブ首長国連邦が領有権を主張している)の占領。もう一つは、より大きなケシュム島の東に位置する戦略的に重要な小島ララク島の占領。ララク島は、ホルムズ海峡通行料を支払ったタンカーの航行をイラン革命防衛隊(IRGC)海軍が支配している海上回廊の一部だ。

 ララク島へ行く唯一の方法はケシュム島から行くことだ。

 ケシュム島は沖縄より大きい。第二次世界大戦中、沖縄攻略には3ヶ月、18万4000人の兵士と、少なくとも1万2500人の戦死者を要した。ケシュム島には数百キロにわたり崖や洞窟に埋め込まれた無数のイラン製対艦ミサイルやドローンが密集している。

 次にアラブ首長国連邦も領有権を主張しているイランの三つの島を見て行こう。

 アラブ首長国連邦(UAE)は、イランとの停戦の可能性さえ拒否している。ユセフ・アル・オタイバ駐米大使は、戦争の「決定的決着」、すなわち「イランの脅威」の排除を求める好戦的論説を執筆した。後に、アブダビがホルムズ海峡の再開(実際は閉鎖されておらず、イランに敵対する国々のみ通行を制限されている)を目指す「有志連合」を主導したいと考えていることを彼は確認した。

 本当に重要なのは「資金の流れを追う」視点だ。ユセフ・アル・オタイバは、エネルギー、AIインフラ、半導体、製造業など複数の分野における取り引きを含む、UAEによる「混沌の帝国」への1兆4000億ドルの投資約束を改めて表明した。

 地獄のようなエスカレーション装置がフル稼働している。テヘランは戦争勃発だけでなく、現在のエスカレーションにおけるUAEの直接関与のあらゆる事例を綿密に調査した。アブダビは米軍基地を擁しているだけでなく、イラン攻撃のためにアメリカが自国空軍基地の一部を使用するのを許可し、UAEのAIインフラを利用して敵勢力標的のデータ・ベースを作成するのを支援した。

 それは当然だ。アブダビは事実上、ペルシャ湾におけるシオニスト枢軸の重要同盟国なのだから。
 
テヘランはアブダビに地獄行き高速道路を示している

<  事実上、UAEは対イラン戦争に参戦している。そのためテヘランが既に致命的反撃のための五つの主要標的を特定しているのも不思議ではない。ファルス通信がそれを明らかにしている。

  1. ドバイにあるジェベル・アリ発電所および海水淡水化施設。
  2. アブダビにあるバラカ原子力発電所。
  3. アル・タウィーラ発電所。
  4. ドバイ・メトロの駅。
  5. ムハンマド・ビン・ラシード太陽光発電所。
 これら5つの確定標的を攻撃すれば、広範囲にわたる停電が発生し、海水淡水化施設が麻痺し、アラブ首長国連邦全土のデータ・センターが停止する。UAE領土から米海兵隊がホルムズ遠征を開始した場合に、地獄への確実な道筋をアブダビに事前に示す礼儀をテヘランは尽くしているのだ。

 一体何が攻撃したのかアブダビは理解できるまい。そして、もう一つの標的は、再びハブシャン・フジャイラ・パイプラインかもしれない。このパイプラインは、アブダビ油田とオマーン湾のフジャイラ港を結ぶ全長380kmの陸路パイプラインで、ホルムズ海峡を迂回し、日量340万バレルの総生産量のうち150万バレルを輸送する。

 「混沌の帝国」とアブダビが同盟を締結するのは、既に1兆4000億ドルもの資金が投入されていることを考えれば絶対必須事項だ。ジェベル・アリはフル稼働する必要がある。なぜなら、UAEは、現在活動停止状態にあるIMEC(インド・中東・欧州経済回廊)の重要な拠点であり、実際はUAEを利用した欧州とインドを結ぶイスラエル回廊だからだ。

 アブダビのADポーツ・グループは、ヨルダン唯一の貨物港、アカバ港の30年間の運営権を保有している。ドバイのDPワールドは、東地中海の要衝、シリアのタルトゥス港の30年間、8億ドルの運営権を保有している。これは、アラブ首長国連邦がアジアとヨーロッパを結ぶ主要航路において、重要な海運の当事者であることを意味する。

 現状で、事実上、UAEは既に問題を抱えているIMEC(インド・中東・欧州経済海上回廊)から排除されつつある。アジアとの間の貴重な貨物は、もはやジェベル・アリ港を経由せず、オマーンの港を経由してサウジアラビア(鉄道貨物輸送でヨルダンへ、そこからシリア、トルコ、ヨーロッパへ)やカタール(陸路でサウジアラビアへ)へ輸送される。全く別の物流経路が構築されたのだ。

 これまでジェベル・アリは、西アジア屈指の誰もが立ち寄れる積み替え拠点としての地位を確立して、年間1兆ドルに上る貿易から莫大な利益を搾取してきた。だが、このビジネス・モデルはドバイの派手なマネー・ロンダリング組織と同様崩壊しつつある。
 
パキスタンの曖昧な役割

 混沌の帝国は、テヘランがパキスタンによる戦争に関する間接的「交渉」を拒否するという予想通りの事態を利用して、次の「最終攻撃」爆撃を正当化しようと目論んでいたし、今もそう考えているかもしれない。

 こうしたことは、テヘランの綿密な計画を揺るがすものではなさそうだ。主目的は変わらず、西アジアにおける新たな地政学的・安全保障上のバランスを構築すること、戦火の中で獲得したイランの抑止力を維持すること、そして西アジアのアラブ石油君主国諸国と、死のカルトの両方に対する支配を確立することだ。

 UAEが戦争に参戦したい? テヘランの視点からすれば、それは素晴らしいことだ。彼らの主要インフラを全て破壊するための完璧で完全な正当化理由になるからだ。

 トランプ陣営の手下連中がパキスタン経由イランに提示した15項目計画が失敗に終わるのは十分予想できることだった。結局、それは押し付けられる降伏、つまり「交渉」を装った降伏文書だったのだから。

 まず、イラン外交官が裏切り者と評した哀れなウィトコフ=クシュナー両名(通称ヘッケルクとジャッケル)との対話をイランは一切拒否した。ジュネーブで提示され、オマーン外交官が片言の英語に翻訳したイランの寛大な提案さえこの二人は理解できなかったのだ。

 そのため、状況説明は即座に変更せざるを得なかった。ホワイトハウスの新たな非計画案は、JD・ヴァンス副大統領に主張され、理論上、今週末にイスラマバードでイラン議会のガリバフ議長と会談予定だ。

 そして全てが崩壊した。要するに現在のパキスタン軍事政権を信用するのが不可能なためだ。

 バルバリアのヒヒは、イランが原油を満載したタンカー8隻を彼に提供したと主張した。それらタンカーはパキスタン国旗を掲げて航行して、ホルムズ海峡を通過した。そして、その後になって、初めてアメリカに「提供」されたという。イランがホルムズ海峡を経由するパキスタン向け石油輸送を停止したのも当然だ。

 他に何か新しいことは? パキスタンにおけるラングレー最大の切り札は、陸軍参謀総長アシム・ムニール将軍だ。彼はイムラン・カーン前首相を失脚させ、投獄した政権転覆集団の一員だ。ムニール将軍はトランプ大統領と、すぐ連絡が取れる状態にある。

 彼らは最近イランについて詳細に話し合っていた。ムニールはテヘランとウィトコフ=クシュナー陣営の間の裏ルートを巧みに利用し、全て「交渉」という建前で覆い隠されていた。

 ムニールは筋金入りの反シーア派で、心の中ではほぼサラフィー・ジハード主義者で、サウジアラビアと非常に親密な関係にある。イランに対し徹底的な攻撃を仕掛けるようサウジアラビアはトランプ大統領に要求している。  
GCC諸国の今後の見通しは暗い

 これら全て、エプスタイン・シンジケートによるテヘラン政権転覆を目的とした「迅速な」戦争は、サウジアラビアに全面的に支援されており、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールから怪しい資金が拠出されているという検証済みの情報をロシア情報機関がイラン革命防衛隊(IRGC)に伝えた後に起きた。

 更に、エプスタイン・シンジケートが発射したミサイルの射程距離は320~480キロ程度だという事実も考慮に入れると、これらミサイルは全てGCC(湾岸協力会議)加盟国の産油君主諸国からイランに向けて発射されたことになる。

 そして、これはGCC諸国にとって極めて不利な未来を予見させるものとなるかもしれない。ただし、カタールとオマーンは例外かもしれない。両国は情勢を理解しており、既に基本的に中立で、イランへの攻撃拠点ではないと宣言しているからだ。

 クウェートは架空の存在だ。いずれサウジアラビアに併合されるか、あるいは(歴史的な因果応報として)イラクに併合されるかもしれない。それ以外、選択肢はない。

 バーレーンには大規模米軍基地があり、それがリアルタイムで破壊された。シーア派多数派がイランの支援を受けて行動を起こせば、最終的にイラン勢力圏に組み込まれる可能性がある。もう一つの選択肢は、サウジアラビアによる事実上の併合だ。

 シオニスト寄りのギャング、ムハンマド・ビン・ザイード率いるUAEは、もはや崩壊寸前の見せかけだけのプロジェクトだ。ドバイ・モデルは既に死滅している。港湾都市、金融詐欺の温床、マネーロンダリングの世界的中心地。最終的にはオマーンに吸収され、1971年の状況に逆戻りするかもしれない。

 イラン領だったバーレーンはいずれイランに返還され、クウェートはイラクに、アラブ首長国連邦はオマーンに返還され、その起源に戻り、サウジアラビアはカタールも併合するかもしれないと歴史に対する鋭い感覚を持つイラク学者たちは既に楽しそうに議論している。

 もちろん、サウジアラビアは切り札だ。アメリカ・イランの仲介役を担おうとしているトルコ、エジプト、パキスタン三国中にリヤドが含まれていないのは非常に示唆に富む。

 誇張されたプロパガンダはさておき、開戦前、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子はアメリカにイラン攻撃を促しており、現在も参戦を検討している可能性がある。もしそうなれば、イランはサウジアラビアのエネルギー・インフラ全体を破壊するだろう。同時に、フーシ派は紅海を封鎖し、サウジアラビアのエネルギー輸出を阻止するだろう。

 現状では、国際金融制度の崩壊で、GCC諸国が重要な役割を果たす可能性は十分ある。GCC諸国は、自らの不安定な存続に賭けるため、アメリカ市場から巨額資金を引き揚げなければならないためだ。

 上記の全てを固唾を中国は飲んで見守っている。北京は、アサド政権の崩壊によって、新シルクロード/一帯一路構想と東地中海を結ぶ極めて重要な陸路の要衝が断たれたことを十分に認識している。

 中国は、イラン、イラク、シリアを結ぶ三国間鉄道に大きく賭けていた。これは帝国海軍の要衝を迂回できる点で非常に有利なものになるはずだった。だがイランがホルムズ海峡を支配すれば、地政経済的反撃の始まりになるだろう。

 結局、イランはホルムズ海峡の料金所でペトロ人民元を決済方式として制度化したばかりだ。石油収入の80%は既にCIPSを通じて人民元で決済されていたが、この制度に輸送費も含まれるようになり、同時に米ドルや、アメリカ制裁や、SWIFTを迂回することになった。しかも、これは世界経済における最重要隘路での出来事だ。

 アラブ首長国連邦は、本当に重要な好機を逃している。現在進行中なのは、世界的なオペレーティングシステム(OS)の書き換えだ。そして、新しいOSは石油元で動く。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/03/27/iran-us-uae-pakistan-riddle/

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 文中の「ヘッケルクとジャッケル」若い方々はご存じないのでは?
 アメリカ・アニメで、二羽のカラスが主人公。かなり昔の番組。
 1957年10月4日から1958年6月27日までと
 1963年4月20日から同年9月28日まで日本のテレビで放送されたとある。

 植草一秀の『知られざる真実』
123便犠牲者遺族「魂の叫び」
 今朝の孫崎享氏のメルマガ題名
イラン戦争とりまとめ、国際法無視、1万2300個超え攻撃 cnn、4月3日 3,000人以上死亡(民間人1,300以上)、最高指導者等殺害。イラン攻撃能力保有「米情報機関、ミサイル発射装置半数無傷、ドローン数千機残存。沿岸防衛用ミサイル大部分無傷→ホルムズ海峡制御
 追記。いつも拝読している下記ブログにも同記事翻訳が掲載されている。  投稿日時: 2026年4月8日

 耕助のブログ

No. 2864 イラン・米国・UAE・パキスタンの謎

2026年3月30日 (月)

イランの大胆な戦略的動き―「占領地に対するミサイル優位」宣言と「核抑止力」警告

アラステア・クルック
2026年3月27日
Strategic Culture Foundation

 イランがホルムズ海峡の支配権を維持できればアジアの地政学は新たな戦略的現実に再構築される。

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戦争が始まって四週目に入ったが、今後一体どうなるのか?

 第一に、イランは激しい爆撃を受けているものの、その軍事的有効性は明白とは言えない。湾岸諸国におけるアメリカとイスラエルの権益に対する反撃能力をイランは益々強めており、意図的に選んだ不透明な体制(モザイク作戦と呼ばれる)で指導部は効果的に活動している。またイランはミサイルとドローンによる頻繁な攻撃を継続し、ミサイル攻撃の高度化を段階的に進めている。イラン国家に対する国民の支持は強固なものになっている。

 アメリカとイスラエルの爆撃は甚大な被害をイランに与えているが、これら攻撃が、イラン全土に分散し、地中深く埋められたミサイル「都市」を発見、あるいは破壊した証拠はほとんどない。むしろ、イランの隠された軍事インフラ破壊に失敗したアメリカとイスラエルは、レバノンやパレスチナで展開されているように、国民の士気を低下させるのを狙った民間目標に攻撃の矛先を変えたことを示唆する証拠がある。

 だが議論の余地がないのは、綿密に練られた戦略をイランが段階的に展開していることだ。一方、トランプには計画がなく、内容は日々変化している。イスラエルには計画があり、アメリカが提供したAIが検知できる限り多くのイラン指導部暗殺だ。更に、イスラエルの狙いは、イランを分断し、民族的・宗派的小国家に分割し、(シリアのような)弱体な無政府状態に陥らせることにある。

 今のところ、アメリカが表明している狙いは、経済インフラ(サウス・パルス・ガス施設)攻撃から、イラン核施設(ナタンズとイラン・ロシア共同運営のブシェール原子力発電所)のごく近隣への二度の重要な攻撃に至るまで、エスカレーションの脅威を断続的に示すものになっている。これら近距離ミサイル攻撃は、アメリカかイスラエルが核レベルにエスカレーションする可能性を示唆する「メッセージ」として意図されていると思われる。(だが、これに対し、イスラエルのディモナ核施設に近接するディモナ町へのミサイル攻撃でイランは応酬した。)

 ディモナ攻撃で甚大な被害が出た後、「ミサイル優位」を実現したと重要かつ明確な声明をイランは発表した。この主張は、イスラエルの最も厳重に警備された戦略的施設の一つをイランが攻撃した際、イスラエルが防空迎撃ミサイルを発射できなかった事実に基づいていた。

 戦争は「新たな局面」に入ったとイラン議会議長で軍指導者のモハマド・ガリバフは警告した。

 「イスラエルの空は無防備だ…我々が事前に計画していた次段階を実行する時が来たようだ…」

 軍事評論家ウィル・シュライバーによれば、米軍の弾薬庫(米軍の貯蔵施設)備蓄が枯渇に近づいており、整備の遅れと兵站支援能力の欠如により出撃能力が崩壊しているのはほぼ確実だという。米軍有人機は依然イラン領空深くには侵入していない。だが、自国の弾薬庫の備蓄は十分だとイランは主張している。

 ここ数日「48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければイランの民生用発電所を段階的に破壊する。まず最大規模の発電所からだ」という最後通牒をトランプ大統領はイランに突きつけ、事態を更にエスカレートさせた。(イラン最大の発電所は、イランとロシアが共同運営するブーシェフル原子力発電所だ。)イランの早い降伏をトランプ大統領は依然期待しているようだ。だがイランは既にこの最後通牒を拒否し、独自の最後通牒で応じている。  
アヤトラ・モジタバ・ハメネイ師によるトランプへの最後通牒

 綿密に構成された12分間の演説で、アヤトラ・イマーム・サイード・モジタバ・ハメネイ師は、おなじみの主張から、遙かに重大な事柄へ話を進めた。演説前半は予想通りの展開だったが、レバノンの評論家マルワ・オスマンの報告によると、

 「演説の途中で、論調は過去を振り返るものから戦略的なものへ変化した。ハメネイ師は、それぞれ明確な期限を定めた三つの具体的要求を示した。中東からの米軍の迅速な撤退と、60日以内の制裁の全面的撤回と、経済的損害に対する長期的な財政的補償だ。」

 「そして最後通牒が突きつけられた。従わなければ、イランは経済、軍事、可能性として核兵器面でエスカレートする。仮説ではなく作戦上で。ホルムズ海峡封鎖、ロシアおよび中国との防衛関係の正式化と、曖昧な態度から明確な核抑止力表明へ移行する。」

 外部の反応のタイミングも同様に意味深長だった。数時間内に、北京とモスクワは、ともに声明を発表し、言葉を慎重に選んだものの、新最高指導者発言内容と紛れもなく一致しており両者の連携を示唆していた。

 戦争は新局面を迎えている。11月の中間選挙を控えた国内情勢で、この戦争がどのような影響を与えるかトランプ大統領は注視している。アメリカ国民は、投票するかどうか、あるいはどう投票するかを、9月か10月までに考えを固める傾向がある。彼の陣営は、夏までに、トランプにとって、もっともらしい「勝利」を予測できるような戦争からの出口戦略を必死に模索しているが、そもそも勝利などあり得るのか。

 「イランのエネルギー網に対してトランプが行う可能性がある攻撃は、不安定化と注意をそらすためのもので、米海兵隊と第82空挺師団がカーグ島、あるいは他のイランの島々を占領するためのものだ」とSimpliciusは示唆している。地上部隊による作戦は依然非常に可能性が高いと「高官筋」は主張し続けている。

 エスカレーション段階でトランプに対抗する準備が明らかにイランはできている。イランの指導スタイルは新最高指導者就任により明らかに変化した。彼はもはや漸進的「駆け引き」に関心を示していない。西アジアの地政学的状況を変えるような決定的結果をイラン指導部は目指している。

 そしてホルムズ海峡がこれを実現する交渉材料になるとイランは考えている。

 承認され、革命防衛隊(IRGC)の審査を受けた船舶のみがホルムズ海峡を航行可能な厳選された安全な航路をイランは設けている。ただし、貨物代金は人民元で支払われ、手数料が課される。このようなスエズ運河型の規制制度により、イランは年間8000億ドルの手数料収入を得られる可能性があると推定される。

 理論上、これによりエネルギー市場への供給が可能になるが、トランプ大統領が最後通牒を実行に移した場合、イランは海峡を完全封鎖するという条件付きだ。

 イランの新たな要求は「欧米諸国には考えられないほど広範囲に及ぶ」とマイケル・ハドソン教授は指摘している。「アラブOPEC諸国は、アマゾン、マイクロソフト、グーグルが運営するアメリカのデータ・センターを皮切りに、アメリカとの緊密な経済関係を断ち切らなければならない。そして、1974年の石油ドル協定以来、アメリカの国際収支を支えてきた既存のオイルダラー資産を売却しなければならない」というものだ。

 「オイルダラー還流は、アメリカによる世界石油貿易の金融化と、兵器化と、アメリカ支配に基づく秩序(本物のルールでなく、単にアメリカの場当たり的要求)順守に抵抗する国々を孤立させる帝国主義戦略の基盤になっている」とハドソン教授は述べている。

 イランがホルムズ海峡を掌握し、更にフーシ派が紅海を支配すれば、エネルギーと、その価格決定権はアメリカから奪われる可能性があり、ウォール街へのオイルダラー流入がなくなれば、アメリカによる金融主導の世界支配は終焉を迎える。

 ここで問題になっているのは、米軍を中東から追い出そうとするイランの野望だけでなく、GCC諸国や(日本や韓国など)アジア諸国がホルムズ海峡の航行権を得るため、やむなくイランの「属国」にならざるを得ない地政学的変容でもある。そして、安全な航行を保証できるのはイランだけだ。

 事実上、イランがホルムズ海峡の支配権を維持できれば、アジアの地政学は新たな戦略的現実に再構築されるはずだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/03/27/iran-audacious-strategic-moves-declared-missile-dominance-over-occupied-territories-warning-of-nuclear-deterrence/

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Tel Aviv Is No Longer A Safe Zone; Iran Has Pointed A Gun At Its Heart. | Prof. John Mearsheimer 58:19
Trump Desperately Tries to Run Away - But It’s Already Too Late | Col Douglas Macgregor 28:05
 Arc Times
トランプ政権、地上戦「数週間」の危険/高市首相、集団的自衛権の行使を約束か?/高市官邸、安保法制で自衛隊派遣の本音じわり(布施祐仁❎尾形聡彦)【3/29(日) 18:15~ ライブ】 1:32:36
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
イラン戦争が長期化した時に日本のエネルギー事情はどうなるか(AI回答)2026年現在のデータ(原油、中東依存度約95%、備蓄:国家146日分+民間101日分等)。LNGホルムズ依存6.3%。今後100日(約3ヶ月):備蓄本格使用+代替調達開始、経済への打撃拡大供給状況

2026年3月13日 (金)

ペルシャ湾岸諸国の人々を守るのではなく攻撃するアメリカ軍基地



エドゥアルド・バスコ
2026年3月11日
Strategic Culture Foundation

 この本物の軍事占領に対して彼らが立ち上がるまでにどれくらい時間がかかるのか?

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 「我々の成功は、今後もアメリカの軍事力と、中東の同盟諸国やパートナーに対する我々の保証の信頼性にかかっている。」

 これは2013年12月、オバマ政権のチャック・ヘーゲル国防長官が湾岸協力会議(GCC)諸国に向けて述べた言葉だ。これはワシントンが傀儡諸国に与えてきた歴史的保証を補強するもので、アメリカが世界の安全保障の守護者だという欺瞞的プロパガンダを再確認するものとなった。

 このような約束は、民主党政権であれ共和党政権であれ、どの政権でもなされるものだ。12年後、ドナルド・トランプはカタールを具体的に取り上げ、この経文を再び強化した。「アメリカは、カタール領土(…)に対するいかなる武力攻撃も、アメリカの平和と安全に対する脅威とみなす」とトランプは述べた。トランプによれば、アメリカはカタールへの攻撃に対し「軍事力を含むあらゆる合法かつ適切な措置」で対応するという。

 イスラエルはハマス指導者を標的にドーハを爆撃したばかりだった。アメリカ大統領演説は全く空虚なものだった。2012年の合意で100億ドルで購入されたパトリオット、そして2019年に20億ドル以上をかけて新たに購入したパトリオットとNASAMSは、イスラエルの爆撃を阻止できなかった。アメリカはこの攻撃を「アメリカの平和と安全に対する脅威」と考えず、むしろ無視した。

 カタール政府が80億ドル以上を投じて建設したアル・ウデイド空軍基地に、米中央軍、米空軍、英空軍をカタールは受け入れている。だが、これらの措置は、いずれもカタール国民を守っていない。米イスラエルによる攻撃に対するイランの報復措置は、この基地(中東最大の米軍施設)自体脆弱な標的であることを露呈させた。基地は3日にミサイル攻撃を受け、米ミサイル防衛システムで最も重要なセンサーの一つ、約11億ドル相当のAN/FPS-132早期警戒レーダーが損傷か破壊された可能性が高い。衛星画像では、このレーダーに重大な損傷が見られ、遠距離からの弾道ミサイル探知能力に支障をきたす可能性がある。

 2017年、サウジアラビアはアメリカの軍事装備に1100億ドルを費やし、来年までに3500億ドル以上を支出する見通しの合意に達した。この合意にはパトリオットとTHAADシステムも含まれる。しかし、この巨額の支出は完全な安全保障を保証するものではないようだ。現在の戦争において重要な迎撃が行われたにもかかわらず、アメリカ政府は一部要員に、自衛のためサウジアラビアから脱出するよう指示した。これはアメリカ自身さえ、他国に販売している防衛能力を信頼していないことを実証している。実際、3日未明に、リヤドのアメリカ大使館が2機のドローン攻撃を受け、その2日前には米兵も攻撃を受けた。

 国防安全保障協力局(DSCA)、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のデータベースと、議会調査局(CRS)報告書によると、湾岸諸国は1990年以降、アメリカから兵器と防護システムの購入に約5,000億ドルを費やしてきた。アメリカによる防衛インフラ建設と維持は、ほぼ全額受け入れ国の資金で賄われる。しかし、イランによる正当な報復により、これら全て台無しになっている。

 アメリカが提供する防衛の無力さは、昨年の戦争で既に実証されていたが、ハマス、ヒズボラやフーシ派によるイスラエルへのミサイル発射によっても実証され、アイアンドームをめぐる神話は打ち砕かれた。ある意味、これら攻撃の多くが成功したことは、全能の米国軍需産業にとって屈辱的出来事だった。イエメン軍が撃墜したMQ-9リーパー無人機は、2億ドルの損失をもたらした。フーシ派が米軍機を撃墜するために使用した無人機の製造経費は、MQ-9リーパー製造経費のごく一部に過ぎない。

 アメリカ防衛の無力さは、アメリカの軍事複合体が生み出す製品の極めて低い品質を露呈している。この複合体は、ロッキード・マーティンやレイセオンといった少数独占企業に支配されている。これら企業は、競争相手もなく、アメリカ政府に従属する顧客を抱えているため、比類ない品質の兵器やシステムを製造するために最大限の努力を払う必要性を感じていない。更に、この分野では腐敗が蔓延しており、湾岸諸国のような劣等民族は、アメリカ向け製品と同じ品質の製品を購入する資格などない。彼らの政権は、何にでも高額を支払う用意があるようだ。

 40年以上にわたり攻撃に対処してきた経験を持つイランは、こうした脆弱性を巧みに利用してきた。米軍基地がこの地域で活動を続ける限り、中東和平は不可能だとイランの最高指導者たちは公然と主張している。「ペルシャ湾地域における米軍駐留に終止符を打つ以外に選択肢はない」とイランのサイード・ハティーブザーデ外務次官は述べた。こうした訴えは、近隣諸国において、一般市民だけでなく、軍や政治勢力の中にも確実に広がっている。

 ペルシャ国家は、軍事施設攻撃だけでなく、湾岸諸国経済の中枢であるエネルギー産業に影響を及ぼす戦略的目標も攻撃している。これは、アメリカとイスラエルによる自国石油インフラ爆撃への報復だ。イランによるこれら攻撃は、帝国主義の傀儡政権に、主君の攻撃を阻止するための行動を迫る一層の圧力になっている。明白な解決策は、自国領がイラン攻撃に利用されるのを阻止することで、それは必然的に軍事基地閉鎖を意味する。

 これらの国々はいずれも反体制派を弾圧する独裁国家だが、民間人の苦しみが増すにつれ、民衆の不満は抑えきれなくなる可能性がある。指導者連中はこのことを承知しており、潜在的に危険な状況から抜け出す安全な方法を模索し、既に知恵を絞っている。

 これらの国の人々は、アメリカとイスラエルの嘘産業に煽られた政権が、イランこそ侵略者で、攻撃の責任を負うと吹き込む偽プロパガンダを全て鵜呑みにするだろうか? しかし、なぜアメリカは住宅街のすぐ近くにミサイル発射基地を建設するのか? イスラエル軍同様、これは明らかに「道徳的」かつ「倫理的」な軍隊ではない。住宅街の人々はアメリカ兵用の人間の盾として存在しているのだ。防衛の論理は逆転している。サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールの人々を守るのはアメリカ対空システムではなく、占領軍を守るために命を落とさなければならないのは、こうした二級市民だ。

 更に、米軍基地には、地元住民に対する罪を犯した兵士が駐留していることがしばしばある。これはイラク戦争中に顕著になった。例えば、2004年にマフムディヤにある彼女の自宅に第101空挺師団の兵士が侵入し、アビール・カシム・ハムザ・アル・ジャナビという14歳の少女が強姦され、その後殺害され、家族も殺害された事件があげられる。また、イラク侵攻中に長年にわたり記録された強姦事件に加え、第4歩兵師団が使用していたバラド空軍基地などの米軍基地周辺地域で行われた性的搾取や売春行為も挙げられる。

 1日、米海兵隊はパキスタンのカラチにあるアメリカ領事館への襲撃を試みた少なくとも9人の抗議行動参加者を射殺した。彼らは、前日イランの学校で約150人の女子生徒が虐殺されたイランに対する犯罪的侵略に抗議していたのだ。中東、中央アジア、アフリカ、中南米諸国における帝国主義の存在は、まさにこれを目的としている。現地住民を守るためではなく、レイプ、殺害、そして自らを人間の盾として利用することだ。

 この真の軍事占領に対して彼らが立ち上がるまで、どれくらい時間がかかるのだろう? おそらく長くはかかるまい。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/03/11/american-bases-do-not-protect-they-attack-the-peoples-of-the-persian-gulf/

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 植草一秀の『知られざる真実』
「天に唾する」横暴国会運営

2026年2月 4日 (水)

アラブによる分析を歪曲してイラン攻撃を主張するシオニスト

2026年1月31日
Moon of Alabama

 ドナルド・トランプ大統領は対イラン戦争で恫喝して大きな間違いを犯した。

 イランにできない譲歩をイランから引き出すために彼はそうしたのだ。

 トランプは下記を要求している。
  1. イランの完全非核化
  2. イランのミサイル計画に対する厳しい制限
  3. ヒズボラ、ハマス、イラクやイエメンのシーア派民兵などの地域同盟者へのイラン支援廃止と
  4. 合法的国家イスラエルのイランによる承認。

 現在のイラン体制下では、そのような譲歩を主張したり、それに同意したりするような政治家は確実即座に正当性を失う。

 トランプは恫喝した。更に彼の望みが確実に叶わない条件を設定した。彼には今二つ選択肢がある。
  • 何か譲歩するまでイランを攻撃する。
  • 尻込みして艦隊をイラン沿岸から呼び戻す。
 どちらも良い選択ではない。

 いかなる攻撃に対しても、イスラエルと中東のアメリカ基地に大規模ミサイル発射で報復措置を取るとイランは発表した。また、ホルムズ海峡を封鎖し、世界的原油価格の高騰を引き起こすとも表明した。これは共和党にとっては、中間選挙での大きな敗北につながり、最終的にトランプ大統領に対する新たな弾劾手続きにつながる可能性が高い。

 尻込みするのも良い選択ではないはずだ。トランプの脅しに抵抗し、その後譲歩せずに、脅しを撤回させれば、将来のトランプ恫喝計画の標的が必ず追随する前例をイランが示すことになる。そうなれば、イランはより強く、トランプはより弱く見えるはずだ。

 こうした点を指摘しているのは決して私だけでない。

 Axioshは、こう報じている。  
金曜日、ワシントンで行われた非公開記者会見で、トランプ大統領がイランに対する脅しを実行に移さなければ、イラン政権はより強力になるとサウジのハリド・ビン・サルマン国防相(KBS)が述べたと、同席した4人の情報筋がAxiosに語った。

 情報筋の話として「現時点で、これが起きなければ、イラン政権を勢いづかせるだけだ」とハリド・ビン・サルマン国防相は述べた。

 金曜、別の記者会見で、この地域は、アメリカによるイラン攻撃が「悪い結果」を招くリスクがある状況に「陥っている」が、攻撃をしなければ「イランがこの状況から抜け出し、一層強くなる」とある湾岸諸国当局者が述べた。
 ハリド・ビン・サルマン王子は現実主義の見解で、この分析は正しい。

 だがシオニストの手先として良く知られているAxios記者バラク・ラビッドは、KBSが述べた現実主義的見解をイラン爆撃を支持するサウジアラビアの主張に変えようとしている。  
なぜ、それが問題なのか。これはエスカレーションを警告するサウジアラビアの公式見解や、三週間前にムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)がトランプ大統領に表明した深い懸念の反転だ。あの警告はトランプ大統領が攻撃延期を決断した理由の一つだった。
 いや。KBSが示した分析は、サウジアラビアの立場の反転ではない。依然エスカレーションにサウジアラビアは警告を発している。KBSがそこでしたのは、トランプが自ら招いた災難を指摘したに過ぎない。

 この発言を、イラン攻撃をサウジアラビアが正当化する根拠だと解釈するのは発言内容の故意の歪曲だ。これは、ありもしない「現実を作りだそう」とするシオニスト思想家の典型的な原始的取り組みだ。  
Esfandyar Batmanghelidj @yarbatman 2026年1月31日 10:39 UTC

 あるサウジアラビア高官に尋ねたところ、バラク記事はKBS発言を誤解しているようだ。サウジアラビアの政策は何も変わっていない。

 トランプ大統領がイランを爆撃しなければイラン政権は勢いづくとKBSは言ったが、当然のことを言ったまでだ。だが、サウジアラビアは引き続き慎重な姿勢を訴えており、戦争を望んではいない。
 (Esfandyar Batmanghelidjはジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)教授。彼はイスラム共和国の友人でも推進者でもない。)

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/01/zionist-distorts-arab-analysis-as-arguing-for-iran-attack.html

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 東京新聞 朝刊 特報面 本音のコラム

 熱狂型の選挙 斎藤美奈子さん 末尾を引用させて頂く。  
 自ら推し活選挙だと宣言したも同然だ。
 小泉時代、安倍時代に何が起きたか思い出すとゾッとする。
 植草一秀の『知られざる真実』
疑惑逃れ解散の先にある地獄

2025年12月 5日 (金)

新たなエネルギーの未来に大きく賭けるアラムコ

ヴァネッサ・セヴィドヴァ
2025年11月23日
New Eastern Outlook

 サウジアラビア東部では、今後数十年にわたる世界のエネルギー情勢を一変させる可能性のある戦略的転換が進行中だ。世界で最も収益性の高い石油会社であり、長らく原油の代名詞であったサウジアラムコは、その膨大な資源の大部分を、異なる燃料である天然ガスへと転換させている。

 

 これは単なる試行錯誤ではなく、本格的戦略転換だ。同社は2030年のガス生産量増加目標を、2021年比で80%増という驚異的な数字へと引き上げた。これは、従来の60%増という目標から大幅に引き上げられたものだ。原油価格の変動が激しく、エネルギー転換を求める世界的圧力が高まっている時代において、アラムコは後退しているのではなく、むしろ再構築を進めており、ガスが将来の回復力と成長の礎となると確信している。

 変化する石油市場を乗り切る

 アラムコのガス事業への取り組みは、同社が石油部門において継続的に展開している計算高い長期戦略を反映している。サウジアラビア、ひいてはアラムコは、比類のない強固な立場で事業を展開している。アミン・ナセルCEOが明らかにした通り、サウジアラビアの原油1バレルの生産コストはわずか2ドル、随伴ガスも原油換算1バレルあたりわずか1ドルだ。これは世界で最も低い生産コストで、この事実がサウジアラビアに計り知れない戦略的忍耐力を与えている。

 ここ数ヶ月のように原油価格が下落し、1バレル70ドル前後、あるいはそれを下回ると、高コスト生産者、特に米国のシェールオイル掘削業者は圧力を感じる。価格が70ドルを下回ると掘削・仕上げ経費が上昇するため、シェールオイル生産者の多くにとって収益性が悪化すると専門家は指摘している。リヤドにとって、原油価格の低迷期には二つの目的がある。それは、世界的原油需要の継続を確保すると同時に、競合他社に圧力をかけ、投資削減を迫ることだ。これにより、OPEC加盟諸国などのより低コスト生産者の市場シェア拡大につながる可能性がある。

 天然ガスはもはや単なる移行燃料ではなく、世界のエネルギー情勢において不可欠かつ恒久的な一部となっている。

 この戦略は、長期的な石油需要への揺るぎない自信に支えられている。サウジアラビアのエネルギー大臣アブドゥル・アズィーズ・ビン・サルマン王子は国際エネルギー機関(IEA)が主張する「ラ・ラ・ランド」シナリオを声高に批判してきた。IEAは石油需要のピークが差し迫っていると予測していた。王子は長年にわたり炭化水素は「今後も存在し続ける」と主張し、IEAは中立的な専門家から「政治的提唱者」に変貌を遂げたと主張してきた。

 この姿勢を顕著に裏付けるように、IEAは最近劇的な方向転換を見せた。最新の世界エネルギー見通しにおいて、IEAは世界の石油・ガス需要が2050年まで増加し続ける可能性があると認め、従来のピーク需要予測から大きく後退した。OPECはこれを「現実との邂逅」として歓迎した。この転換は、化石燃料の永続的な役割を強調するもので、サウジアラビアによる石油・ガス供給への継続的投資の必要性主張を正当化するものだ。

 ガスはもはや単なる移行燃料ではない

 石油市場の現実を背景に、アラムコのガス事業への積極的進出は、多角化の見事な一手と言える。しかし、これは単にクリーンな代替燃料の発見だけを狙ったものではない。ダーラのアラムコ本社内で、ガスをめぐる議論は根本的に変化した。

 「天然ガスはもはや単なる移行燃料とみなされておらず、世界のエネルギー情勢において不可欠かつ恒久的な一部になっている」と、アラムコの戦略・コーポレート開発担当執行副社長アシュラフ・アル・ガザウィが述べている。この発言は、言説と戦略の両面において重要な転換を示している。ガスは今やそれ自体重要な柱として認識されている。

 その要因は二つある。第一に、国内需要の逼迫だ。サウジアラビアは長年、天然ガスを発電や産業にもっと利用することを政策の目標としてきた。これにより、国内で消費する原油を何百万バレルも削減し、輸出に回せるようになる。これは直接的に国家歳入の増加につながる。

 第二に、そしておそらくより説得力があるのは世界的な需要の強力な新たな源泉たるデジタル経済の出現だ。「これは、人工知能(AI)とデータセンターに関連する需要の伸びを支える重要な要因だ」とアル=ガザウィは付け加えた。エネルギーを大量に消費するAIデータセンターの爆発的増加は、信頼性の高い電力に対する旺盛で継続的な需要を生み出しており、ガスはまさにその供給源として独自の地位を占めている。

 アミン・ナセルCEOは最近のCNBCインタビューで、現在、同社の資本投資の大部分がガス事業に集中していると肯定した。ナセルCEOは、アラムコが2027年までに初のリチウム抽出プラントの建設を計画していることを明らかにした。これは新技術とエネルギー貯蔵のエコシステムと連携する動きだが、ガス事業は依然として同社の中心的焦点だ。

 ジャフラ・ガス田

 このガス転換の原動力となっているのは、サウジアラビア最大で、世界でも最大級の非在来型ガスプロジェクト、ジャフラ・ガス田だ。ジャフラ・ガス田は、サウジアラビアが世界有数のガス生産国となるという野望の礎になっている。生産量目標の80%増産により、アラムコのガスおよび液体ガスの総生産量は、石油換算で日量約600万バレルに達すると予想されている。

 JPモルガンのアナリストは、これは「以前の見積もりと比較して、1日あたり50万バレル相当の実質的増加を意味する」と指摘し、同社の野望が明らかに加速していることを示している。

 財務的根拠も説得力がある。アラムコは、ガス事業拡大により、2020年代末までに年間営業キャッシュフローが120億ドルから150億ドル増加すると見積もっている。現在の市場では、ガスは単位当たりの収益性では石油より低いかもしれないが、安定的で確実な収入源となる。Middle East Economic Survey編集長ジェイミー・イングラムが指摘する通り、ガスは「価格が固定されており、現地市場が継続的に拡大しているため、確実で安定した収入源」となる。

 ガスとAI

 アラムコの戦略は興味深い相乗効果を生み出している。AI革命の推進力としてガスに賭けると同時に、AIを活用して自社のオペレーションを効率化しているのだ。同社は毎日100億以上のデータポイントと90年分の履歴データを活用し、パフォーマンスを分析・最適化している。ナセル氏は、これらデジタル化の取り組みにより、2023年から2024年の間に既に60億ドルの付加価値が生み出されていると述べている。

 つまり世界のエネルギー需要を押し上げている同じAIテクノロジーが、アラムコがそのエネルギーをより安価かつ効率的に抽出し供給するのにも役立ち、低コストの優位性を更に強化していることになる。

 新しいエネルギーの現実

 アラムコのガス転換、IEAの見通し修正、そして伝統的な産業と新技術の両方からの絶え間ない需要といったこれら要因が重なり合うことで、明確な未来像が浮かび上がってくる。世界は、単純な「再生可能エネルギーのみ」という物語が示唆するより、より複雑なエネルギー時代に入りつつあるのだ。

 サウジアラビアは、アラムコを通じて、この複雑な状況における主導権を握ろうとしている。低コストの石油を戦略的手段として活用し、市場支配力を維持すると同時に、巨大ガス企業を育成して財政的将来を確保し、次世代の技術成長の波を牽引しようとしている。ダーランからのメッセージは明確だ。エネルギーの未来は、古いものと新しいもののどちらかを選ぶのではなく、石油とガスと技術が深く絡み合った実用的で多様化されたポートフォリオなのだ。この新たな現実において、アラムコは選ばれるサプライヤーであり続けるつもりだ。

 ヴァネッサ・セヴィドヴァはモスクワ国際関係大学MGIMOの大学院生、中東・アフリカ研究者

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/11/23/aramco-betting-big-on-a-new-energy-future/

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 昔読んだSteve Waltenの小説「Shell Game」を思い出した。下記は2008年2月26日に掲載した書評翻訳。小説が翻訳されていないのが実に残念。

 『シェル・ゲーム』書評 キャロリン・ベーカー

 カリブ海銃撃虐殺事件で、戦争長官本人が戦争犯罪人というお粗末な一席。

 Judge Napolitano - Judging Freedom
[SPECIAL] - SCOTT RITTER: Pete Hegseth: The Self-Made War Criminal. 30:37
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
日米11社、米政権を提訴、住友化学、豊田通商、リコー、ウシオ電機、日本ガイシ、横浜ゴム、カワサキモーターズ、ヤマザキマザック、プロ手リアル、(3日日経)

2025年10月28日 (火)

世界を恐怖に陥れる一方、イスラム教徒を恐れよと我々に言うアメリカ帝国



我々が暮らしている帝国こそ、恐れるように我々が教え込まれてきた全てだ。我々自身の支配者こそ殺人者で、我々自身の支配者こそテロリストで、我々自身の支配者こそ暴君で、我々自身の支配者こそ問題なのだ。

ケイトリン・ジョンストン
2025年10月25日

 この英語記事の朗読を聞く(ティム・フォーリーによる朗読) 。

 先日「イスラエルを好きになってもらうより簡単なので、イスラム嫌悪を推進するシオニスト」と題する記事(英語原文へのリンクはこちら。)を私は発表した。これは激しいイスラエル支持者とイスラム教徒への憎悪を煽る人々との顕著な重なりに基づいている。

 読者たちが知らせてくれまで私は知らなかったのだが、イスラエル外務省が委託した世論調査報告書が漏れて、その報告書は、イスラム恐怖症を助長することが、世界中の世論がイスラエルに敵対する方向に傾いている現状と戦う最も効果的な方法だと結論づけているという記事を先月Drop Site Newsが出していた

 「調査によると、イスラエルがこれに対抗する最善の戦略は『過激イスラム』と『ジハード主義』への恐怖を煽ることだが、これらへの恐怖は依然強い」とDrop Siteのライアン・グリムは述べている。「女性の権利と同性愛者の権利をイスラエルが支持しているのを強調する一方、ハマスが『ユダヤ人を全員滅ぼし、ジハード主義を広めようとしている』という懸念を煽ることでイスラエル支持率は各国で平均20ポイント以上回復した。」

 つまり、これは実際に計画された戦術なのだ。最近イスラム教とイスラム教徒に対して見られる激しい非難は計算された戦略として意図的かつ組織的に煽られているのだ。


 この最新のイスラム恐怖症ヒステリーの波における愚かな点の一つは、アメリカとイスラエルと同盟諸国がイスラム世界全体を合わせたよりも遙かに残忍で暴君的なことだ。  現在、トランプ政権は世界最大の航空母艦と多数の軍艦を中南米沖に派遣し「麻薬テロリスト」とされる船舶への攻撃を益々頻繁に行うなど偽対テロ戦争を展開している。これが実際は、膨大な石油埋蔵量と資本主義世界の秩序に従わないのを理由にワシントンが長らく打倒を目指してきたベネズエラ政権転覆のための介入の準備だという事実を彼らは隠そうとさえしていない

 アメリカ権力同盟は、このようなことを絶えず行っている。戦争を仕掛け、諸国を爆撃し、飢餓制裁を課し、クーデターを起こし、代理戦争を支援し、外国選挙に干渉する。全て地球規模の完全支配が狙いだ。これはもはや当然の規範として受け入れられており、西側諸国メディアは、その濫用についてほとんど報道さえしない(今年トランプがソマリアを80回以上爆撃したのをご存知だろうか?)。しかし、だからといって、それが残忍で暴君的な行為であることに変わりはない。

 そして世界中に20億人もの人口を抱えながら、アメリカを中心とする権力同盟に比べれば遙かに暴力的でも破壊的でもないイスラム教徒を我々全員恐れるべきだと我々は毎日聞かされているのだ。


 いや、最も暴力的なイスラム諸国は、サウジアラビアやUAEといったアメリカの共犯者連中だ。彼らによるイエメンでの大量虐殺行為は、2015年から2022年にかけてアメリカと同盟諸国に支援されていた。UAEは今まさにこの瞬間もスーダンでの大量虐殺行為に資金提供している。アメリカを中心とする帝国は、世界で最も破壊的な権力構造で、最も破壊的なイスラム諸国は、まさにその欧米諸国の権力構造に支援されている。

 我々が暮らしている帝国が、我々が恐れるよう教え込まれてきた全てなのだ。我々自身の支配者こそ殺人者で、我々自身の支配者こそテロリストで、我々自身の支配者こそ暴君で、我々の支配者こそ問題なのだ。

 自分たちに対しては拳を振り上げないように、イスラム教徒や移民や反抗的な政府や他の反主流政党員に対して我々が拳を振り上げるようにしたいと支配者連中は望んでいる。

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 画像はAdobe Stockより。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/10/25/they-tell-us-to-fear-muslims-while-the-us-empire-terrorizes-the-world/

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 トランプは「ロシアは張り子の虎、ウクライナは領土を取り戻せる」と言った。ラリー・ジョンソンは違う。  
RUSSIA’S REVENGE — NATO’s “Power” Was a Myth | Larry C. Johnson 47:52
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
高市内閣高い支持率共同64.4%、読売71%、毎日65%、産経75・4%、だが自民党支持率はほぼ横ばい読売32(27)、共同31.4( -2.4)、産経 28・1%(前回比0・2ポイント増)。女性初等御祝儀で内閣支持率は上がるも自民党支持に結びついていない。

2025年9月30日 (火)

カタールの次はサウジアラビアか? サウジアラビア・パキスタン相互防衛協定は何を意味するのか?

Simon Chege Ndiritu
2025年9月28日
New Eastern Outlook

 2025年9月のイスラエルによるカタール攻撃は、侵略者による地域支配のための計画拡大の次段階では、中東のどの国も逃れられないことを裏付けるものとなるはずだ。

 

 最終段階?

 2025年9月のイスラエルによるカタール攻撃まで、中東全域におけるアメリカとイスラエルの攻撃を免れていたのは湾岸諸国君主制国家だけだった。しかし、2025年9月9日のイスラエルによるカタール攻撃は、今後数十年にわたり中東の国境、外交、軍事情勢を一変させるだろう一連の出来事のきっかけとなった。この出来事は、戦略的に重要な位置にあり、資源豊富な中東におけるアメリカの植民地支配を拡大するために、安全保障を装って、アメリカとイスラエルが軍事開発を怠ってきた残りの国々を破壊しようとする計画の最終段階を象徴するものだ。

 歴史的に、アメリカとイスラエルによる他のアラブ・イスラム諸国への破壊の影響を湾岸君主国諸国は受けないと誤解されてきたが、間もなく攻撃を受けるかもしれない。カタール攻撃に戻ると、その後、アメリカは、アラブ諸国にとって依然信頼できる防衛上の同盟国だと主張しながら、今回の攻撃を、イスラエルの一方的行動として描こうと精力的に試みたが、どちらの試みも失敗に終わった。これら試みの失敗は、その後サウジアラビアが、パキスタンとの戦略的相互防衛協定への署名を決定したことで明らかで、これはアメリカの防衛協力に対する信頼の喪失を反映している。同盟諸国に対してアメリカが、自らを安全保障の絶対基準だと偽って伝えていたほんの数ヶ月前には、このような動きは考えられなかっただろう。サウジアラビアのパキスタンへの移行は、一部アラブ諸国がアメリカに示していた壮大な善意が浸食されつつあることを示している。ワシントンは新植民地主義の野心のために、イスラエルを通じてを含め、終わりのない戦争と不安定化を常に引き起こすべく、この善意を悪用してきた。この新たな相互防衛協定は、イスラエルによるサウジアラビア爆撃を思いとどまらせ、アメリカによる代理戦争を阻止するだろう。しかし、アメリカは湾岸君主制諸国を直接攻撃し、更にはパキスタンを紛争に巻き込み、中東で行ったように、インド亜大陸を不安定化させることさえ選択できる。だが、このような必死の姿勢は、欧米諸国の衰退しつつある覇権を更に弱めることになるだろう。

 アメリカ米中央軍と大イスラエル

 アメリカが中東を中央軍管区に指定した理由は、アメリカがこの地域の領土を支配する計画を抱いているためだ。ワシントン支配層は、イスラエルを通してを含め、中東の資源を支配する意図があると語っており、一方イスラエルも、秘密裏の領土拡大計画を語っている。ワシントンとテルアビブは、既存国家とその国民の大部分を破壊することによってのみ計画を実行でき、両国は何十年にもわたり、この破壊活動を実施してきたが、これら活動は個別の出来事として宣伝されてきた。しかし大量破壊兵器開発との闘いやイスラエルへの脅威の排除など、それぞれ別の大義名分を付けられた、これら個別の出来事とされる活動は、中東の多くの国々を荒廃させる累積的影響をもたらしてきた。

 この地域におけるワシントンに最も緊密な同盟国をイスラエルが攻撃したことで、他のいわゆる同盟諸国は、自分も攻撃される可能性があり、米軍の存在は彼らの安全を守るのに役に立たないというメッセージを受け取ったのだ。

 北米の国アメリカが、中東を「中央軍管区」に指定して、この地域の安定した政府を組織的に壊滅させようとしてきたことは、この地域を植民地化しようとするアメリカの思惑に警鐘を鳴らすのに十分だったはずだ。例えば、ワシントンは様々な口実で過去30年以上にわたり、イラク爆撃を続けてきたが、その累積的結果は強大な国家を破壊し、安定した国家の形成を阻害してきた。またシリア、レバノン、イエメンへの爆撃も、数十年にわたり、直接あるいはイスラエルを通じて同様政策を維持してきた。一見矛盾した正当化の根拠を用いながら、領土と住民を守ることができる強力な軍隊を持つ正当な国家を破壊する同じ総体的結果を追求してきたのだ。一部のアラブ諸国やイスラム諸国は、爆撃された国は悪で、自国とは異なると誤解させられてきた。彼らは自国は爆撃を免れるだろうと誤って信じていたが、実際には彼ら自身も滅亡の危機に瀕している。この明確な結論に至らない者は、自らの危険を冒すことになる。

 カタール攻撃後の期間は、アメリカとイスラエルが一体である紛れもない兆候を明らかにした。この現実を最も顕著に示していたのは、イスラエルが2025年9月14日から18日にかけて、いわゆる「50の州、1つのイスラエル」サミットを主催し、アメリカ各州から250人の議員がイスラエルを訪れていたことだ。これほど多くのアメリカ政府関係者が自国業務を行っていないのは不可解で、これはアメリカ政府が、ワシントンの延長としてイスラエルを優先していることを示している。これら議員連中は、カタールと中国がアメリカとイスラエルの両国を包囲していると報じられているイスラエル首相の話に耳を傾けていた。驚くべきことに、ネタニヤフは、アメリカによる中東最大の軍事基地建設を認めた国を敵視し、感謝の念に欠け、権利意識が増長していることを示していた。

 そして、湾岸君主国諸国をアメリカは一体どう見ているのか?

 イスラエルによるカタールへの大胆な攻撃から距離を置こうとするワシントンの試みは、湾岸同盟諸国と、その能力に対するアメリカの見下した態度と、犯罪と加害者を結びつける情報処理能力を露呈している。証拠は、アメリカと同盟諸国がこの攻撃を知っており、しかも、それを幇助していたことを示している。報道によると、イギリス軍空中給油機がカタール基地から離陸し、カタール戦闘機と空中給油訓練を行っていたという。これは、イスラエルによる爆撃への対応から被害者の注意を逸らすために計画されたものだった可能性がある。注目すべきは、イギリスはイスラエルの緊密な軍事同盟国で、ユダヤ国家に兵器と諜報情報を提供しているため、差し迫った攻撃を知らなかったとは考えられないことだ。だが、イギリスはカタールの注意をそらすことを選んだ。また、アメリカはカタールから恩恵を得て、アラブ諸国やイスラム教徒に対する果てしない軍事冒険に利用していたにもかかわらず、防空システムは、この攻撃に対処せず、イスラエルからカタールを守る必要性を感じなかった。カタールは長年にわたり、この地域におけるアメリカの主要同盟国を装い、最近ではアメリカ大統領に4億ドル相当の航空機を贈呈するとともに、アメリカ経済への巨額投資を約束していた。しかし、こうしたカタールの温情ある働きかけも、アメリカがイスラエルに自国領土への爆撃を思いとどまらせる上では何の効果もなかった。イスラエルは行動に移り、カタールには通報したと主張し、負傷した民間人や破壊されたインフラすら確認できないとして、爆撃を正当化しようとした。この地域におけるアメリカの最も緊密な同盟国をイスラエルが攻撃したことで、他のいわゆる同盟諸国は、自分も攻撃される可能性があり、米軍の存在は安全保障に役立たないというメッセージを受け取ったのだ。

 Simon Chege Ndirituはアフリカ出身の政治評論家、調査分析専門家。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/09/28/is-saudi-arabia-next-after-qatar-what-does-the-saudi-pakistani-mutual-defense-deal-mean/

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 Daniel Davis / Deep Dive
Col Douglas Macgregor: Ukraine Organized Crime State/ CANNOT STARVE RUSSIAN WAR MACHINE 20:22
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
WSJ・特報「習近平は、貿易協定締結を目指す中で、トランプを説得して台湾独立に反対させることができると考えている。両首脳は、韓国で開催アジア太平洋サミットで会談予定で、トランプは2026年初頭に北京、習近平は同年12月に米国を訪問の可能性」

2025年9月22日 (月)

アラブ首脳会議:決意なき言説? アラブ連帯の限界、ドーハ2025

セス・フェリス
2025年9月20日
New Eastern Outlook

 ドーハのアラブ・イスラム緊急首脳会議は、イスラエルによるカタール攻撃を非難したが、意味ある行動はとれず、アラブ諸国とパレスチナの連帯における言論と現実の乖離が広がっていることを露呈した。



 ドーハで開催されたアラブ・イスラム緊急サミットでは「善意」や大胆な宣言や劇的声明が出されたにもかかわらず、イスラエルによるカタール領への致命的攻撃に対する彼らの反応は、少なくとも第一印象では、概ね象徴的なものにとどまっていた。この地獄への道が「善意」で舗装されているかどうかは、時が経てば分かるだろう。

 出席した代表者たちの強い非難と集団的連帯表明にもかかわらず、彼らは、イスラエルとアメリカに本当の圧力を「かけられる」、および/または「かけるべき」経済的、外交的、その他の具体的行動をとることはしなかった。

 卑劣な行為が空虚な言説を上回り続ける限り、パレスチナ人にとっても、より広い地域全体にとっても、言葉や宣言は無意味になる。

 アラブ・サミットはせいぜい口先だけのサービスだ!

 2025年9月15日、イスラエル攻撃の激化とカタール領への標的爆撃を受けて開催された緊急アラブ・イスラム首脳会議に、アラブおよびイスラム世界各国の指導者がドーハに集まった。

 こうした修辞的連帯の一例は、パキスタンのシェバズ・シャリフ首相によるものだ。彼はサミットでイスラエルの国連加盟資格停止を求め、唯一現実的な解決策は二国家共存だと主張した。彼はこれをカタールの主権侵害と呼び「カタールの姉妹国が攻撃を受けた…我々はこの攻撃を強く非難する」と宣言した。

 結局、ドーハ首脳会談は、アラブとイスラム世界における「言説と現実」の溝が広がっていることを露呈した。

 イスラエルの攻撃は、アメリカが支援する停戦案を協議するために会合していたハマス幹部を標的にした。この未曾有の侵略行為により、少なくとも六人が死亡した。内訳はハマス構成員五人とカタール治安部隊員一人だ。国際社会に加え、モサドでさえ、このような挑発的戦術に懸念を表明した。目的が手段を正当化しないというのではなく、この作戦は、より慎重に、地政学的現実と、より否定的な報道の可能性を考慮して実施されるべきだったというのだ。

 そして何が? だから何だ?

 しかし、高官級会合ではこうした発言が自由に飛び交っているものの、ガザで進行中のジェノサイドや、ネタニヤフ首相の「大イスラエル」構想を阻止するには程遠い。今後の展開は不吉だ。ヨルダン川西岸地区がまだ最悪の事態に見舞われてはいないとしても、次にイスラエル国籍を持つパレスチナ人がイスラエルの恐るべき戦争機構の怒りに晒される可能性は無視できない。

 多くのパレスチナ人にとって、言葉以上のものを望むのはもはや必要不可欠なものとなっている。なぜなら言葉はどれほど力強くても、爆弾、占領、飢餓、強制的な避難、そして民間人への意図的攻撃の前には無力だからだ。世界食糧計画(WFP)によると、ガザでは三人に一人が数日間何も食べておらず、推計によれば既に500人近くが餓死している。

 被迫害者が迫害者になる

 骸骨同然の子どもの写真が広く拡散しているにもかかわらず、イスラエルは自国の明白な大量飢餓撲滅作戦を否定し、過激な反ユダヤ主義に煽られた偽ニュースだと一蹴している。だが世界、特に若い世代は目覚めつつある。精密ミサイル攻撃で住宅が倒壊したり、食料配給所で人道支援活動員を装ったアメリカ軍事請負業者に男女子供が射殺されたりする映像が溢れかえる世界では、もはやイスラエルは無力な被害者だという見方を信じる人はいない。むしろ、イスラエルはしばしば被害者だと主張しているのと全く同じ種類の攻撃で、加害者となっている。

 前進するキリスト教兵士たち

 人々が次々と死んでゆく中「我々は心から侵略を拒否する」と言うのは、末期癌の子どもを見て、病気を非難するようなものだ。具体的行動に裏付けられていなければ、言葉はほとんど意味を持たない。イスラエルによるカタールと周辺地域への残忍な攻撃は、より広範な平和への展望を損ない続けており、最終目的は、アメリカを中東戦争に引きずり込むことだ。

 パレスチナ人は息を詰めて見守っている。ガザが「浄化」されれば、ヨルダン川西岸地区がイスラエルの次なる高級不動産開発の標的となるのを知っているからだ。イスラエルは既に、いわゆる「入植者」運動を開始し、違法入植地建設を猛スピードで進めている。世界の目がガザに向けられる中、ヨルダン川西岸地区では数千人ものパレスチナ人が銃を突きつけられ、家や土地を奪われている。

 「イスラエルの自衛権」と繰り返し唱える洗脳された欧米諸国をよそに、イスラエル財務大臣は使い古された二重表現を捨て去った。最近テルアビブで開催された都市再開発会議で、ベザレル・スモトリッチ財務大臣は得意げにこう主張した。「最も専門的な人々が作成した事業計画がトランプ大統領のテーブルに載っている…これがいかにして不動産ブームを巻き起こすだろう」

 誰か依然この戦争が土地と利益とパレスチナ人の完全絶滅以外の何かのためだと考えているなら、私はあなたにフロリダ州パームビーチの美しい海辺の不動産を売って差し上げる。

 答えのない根本的疑問は、意味ある連帯とはどのようなものか、そして短期的にも長期的にも、どれだけ費用がかかるのかということだ。ほとんどの人が答えたがらない疑問だ。

 アラブの連帯は、せいぜい口先だけの約束だ!

 真の影響を与えるには「心からの拒絶」だけでなく行動が必要だ。そうしなければ、暴力の連鎖がヨルダン川西岸、1948年の占領地、更にその先へと広がるのを防げる。歴史が示している通り、行動がなければ、子どもの末期症状は治療されないままになる。

 アラブとイスラムの非統一は常態化しており、湾岸諸国(UAEなど)がイスラエルと静かな関係を維持していることからもそれが明らかだ(例えば、サミット開催中にテルアビブにUAEの軍用機が着陸している)。一方、トルコなどは防衛技術の共有を提案しているものの、具体的な反イスラエル陣営は存在しない。

 「進行中のジェノサイド」を止めるには、サミットに欠けていたもの、すなわち統一経済ボイコットや軍事的抑止力(例えば、提案されているタスクフォースによるもの)や、ジェノサイドを助長するアメリカなどの国への圧力(例えば、更なる石油禁輸措置など)が必要になるだろう。これらが欠如している限り、ドーハ、イスラマバード、ワシントン、あるいは欧州各国首都から発せられる言葉は、どれほど響きが良くとも、爆弾や飢餓や子どもの頭部への銃撃から身を守れない。

 CNNでさえ、見出しで正確に時折的を射た報道をした。カタール首脳会談で、アラブ指導者らはイスラエルに対し強気な発言はしたが、行動はほとんど起こさなかった!

 無力で意気地もないOPEC

 カタール、サウジアラビア、UAEといった国々の大胆な発言にもかかわらず、これらの国々はイスラエルやその主要同盟国、アメリカに対し、停戦仲介を求める強い圧力をかけられない、あるいはかける意思がないように見える。こうした具体的措置の欠如は、1973年のヨム・キプール戦争において、石油輸出国機構(OPEC)が石油禁輸措置を強力な武器として世界各国に影響を与え、停戦を確保した際にアラブ諸国が示した統一戦線とは著しく対照的だ。

 1973年の禁輸措置は、中東の地政学における転換点となった。イスラエルを支持する国々への石油輸出を停止することで、アラブ諸国の指導者たちは、イスラエルに対して停戦を迫る圧力をかけることを余儀なくされた。

 パレスチナ問題は、かつてないほど切迫しているにもかかわらず、特に一部アラブ諸国において、今やその緊急性を失ってしまったようだ。経済的現実や裏取引やイスラエルや欧米諸国との共通利益が、かつてOPECやアラブ連盟に見られた決意を弱めてしまった。焦点は協調と利益に移り、パレスチナ人の窮状は脇に追いやられている。

 「二度と繰り返さない!」という権利を独占できる者はいない。

 ロサンゼルス・ホロコースト博物館が、かつてインスタグラムに投稿したものの、シオニストの反発を受けて突然削除された「二度と繰り返さない」という言葉は、ユダヤ人にたいして「二度と繰り返さない」だけを意味するものではない、としている。この二重基準は、1939年8月22日にアドルフ・ヒトラーが発した恐ろしい命令を想起させる。  
したがって、私は死の頭部隊を、今のところ東方のみに準備させ、ポーランド語(パレスチナ語)に由来し言語を話す男女子供を、容赦なく、情け容赦なく死に至らしめるよう命じた。こうして初めて、我々に必要な生存圏(レーベンスラウム)を獲得できるのだ。一体誰が今日、アルメニア人の絶滅について語っているだろう?
 この発言は1915年のアルメニア虐殺を直接的に指しており、勝利者に歴史を記させれば残虐行為は忘れ去られることを示唆している。この引用は、厳しい現実を浮き彫りにしている。断固たる行動を取らなければ、ガザ地区で今も続くジェノサイド(国連発表)と、ヨルダン川西岸地区で同時に起きている苦しみは、世界の集合意識から薄れてしまう危険性がある。イスラエルの残虐行為は、経済的・政治的現実と選択的記憶喪失により、まもなく覆い隠されるだろう。

 吠えるが噛まない!

 結局、ドーハ首脳会談は、アラブ・イスラム世界における「言説と現実」の溝が拡大していることを露呈した。指導者たちは憤りを表明したものの、決意や決意は示さなかった。強力な禁輸措置、協調的ボイコット、厳しい制裁の呼びかけ、信頼できる抑止力や、もちろん軍事行動といった交渉力を高める手段は一切示さなかった。

 パレスチナ人にとって現実は実存的だ。爆弾が落ち、飢餓が広がり、家族が死者を埋葬する一方、「連帯」の宣言は外交芝居に過ぎない。

 1973年の記憶は、アラブ諸国の団結した行動が短期間でどれほど成果を上げられるかを示すものだ。しかし同時に、忘れ去られたジェノサイドの記憶は、無作為が何をもたらすかを示している。集団の意志が最終的に言葉に結びつかない限り、パレスチナの悲劇はパレスチナ人土地収奪の単なる一章にとどまらず新たな章に化してしまう危険性がある。

 これは、最も気にかけていると主張する人々の不作為により、すぐさま歴史から消し去られるもう一つの警告になるだろう。

 セス・フェリスは調査ジャーナリスト、政治学者、中東問題専門家

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/09/20/arab-summit-rhetoric-without-resolve-the-limits-of-arab-solidarity-doha-2025/

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In What Way Will The Russia-Ukraine War End? | Col Douglas Macgregor 26:31
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
2009年環境保護庁(EPA)は地球温暖化を引き起こす温室効果ガスは公衆衛生と福祉に脅威をもたらすと結論、米政府は各種対応を実施。トランプ政権はこれを否定し各種規制を撤廃。この中全米科学・工学・医学アカデミーは温室効果ガスが実際危険という証拠を多く発見(NYT)、
 植草一秀の『知られざる真実』
UIチャンネル第600回記念放送
鳩山元総理が理事長を務める東アジア共同体研究所のYoutube番組である「UIチャンネル」が9月22日に第600回記念放送を行う。

この番組にお招きを賜った。

9月22日(月)午後8時放送のUIチャンネル
テーマは「混迷する日本政治と活路」
https://www.youtube.com/live/Uo2LJF52sJk
をぜひご高覧賜りたい。

2025年9月18日 (木)

イスラエルの孤立という神話:アラブ諸国がシオニズムに協力している現実



ルーカス・レイロス
2025年9月15日
Strategic Culture Foundation

 イスラエルはアラブ諸国の大多数から反対されているのではなく、支持されている。

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 シオニズム言説の構築は、根本的に二つの前提、すなわち歴史的被害者意識と、いわゆる地域的孤立という前提に依拠している。どちらもパレスチナ人をはじめとする中東先住民に対するイスラエルの組織的残虐行為を正当化するための修辞的武器だ。だが、この地域の現在の地政学的現実を少しでも誠実に分析すれば、どちらの物語も成立しない。「敵に囲まれた小さなイスラエル国家」という神話は、現代の欧米諸国プロパガンダにおける最大の捏造の一つだ。

 イスラエルは、アラブ諸国の敵意の海に浮かぶ孤立した砦だという考えは、今日全く根拠がない。ごくわずかな例外を除き、この地域の国々はイスラエルを容認するだけでなく、軍事面でも外交面でもシオニスト政権と積極的に協力している。この地域における抵抗とされていたものは、ここ数十年で消え去り、正常化政策と、多くの場合イスラエル権益への直接的服従に取って代わられた。

 最も象徴的な事例はシリアだ。アサド政権崩壊は欧米諸国にとっての執念となり、欧米諸国やイスラエルや湾岸石油王国からの兵站・軍事支援を受けたイスラム主義民兵により実現した。アルカイダの勝利後、テロリスト政権は、シオニストによるシリア領土への爆撃が続いているにもかかわらず、ほぼ即座にイスラエルとの交渉に臨んだ。今日、いわゆる「自由シリア」は事実上イスラエル同盟国だ。分裂と不安定化に陥ったシリアは、国家としての抵抗力を失っている。

 レバノンの状況も同様に曖昧だ。ヒズボラは断固反イスラエルの立場をとっているにもかかわらず、レバノン政府はテルアビブとの和解路線をとっている。ヒズボラの同意なしに締結された最近の停戦合意は、レバノンのエリート層が国家主権よりイスラエルとの融和を優先していることを明確に示している。ヒズボラの武装解除を求める政府の圧力も、この隠れた協力関係を示唆している。



 ヨルダン川西岸におけるパレスチナ人の正当な代表とされるパレスチナ自治政府さえ、シオニスト政権の暗黙のパートナーとして行動してきた。その役割は益々従順な仲介者へと変化し、民衆の抵抗を抑圧し、違法イスラエル入植地の安定を確保している。ヨルダン川西岸の地方自治体は、植民地主義の現状に挑戦する能力を全く持たず、真の解放計画を放棄しているように見える。

 傀儡君主制を敷くヨルダンも露骨な協力例だ。公式言説では、しばしば「パレスチナ人への正義」を謳うものの、実際ヨルダンは地域封じ込め体制の重要な構成要素として機能し、イスラエルの情報収集・監視活動を円滑に進めている。ヨルダンの君主制は、本質的にこの地域における英米政策の延長線上にあり、テルアビブの客観的同盟国でもある。

 湾岸諸国では状況は一層顕著だ。アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビア、カタールは多くの国がシオニスト国家イスラエルを正式承認していないにもかかわらず、経済的にも軍事的にもイスラエルと緊密な関係を維持している。ブラジル人評論家ロドルフォ・ラテルザが正しく指摘した通り、イスラエルの防空能力の有効性は、アイアン・ドームのようなシステムだけでなく、湾岸諸国の君主制国家が支える地域的に統合されたインフラによるものだ。これらの国々は、米軍駐留と上空飛行を許可するだけでなく、情報や脅威追跡情報を共有しており、イスラエルに大きな戦略的優位性を与えている。

 イスラエルによる最近のカタール爆撃は「アラブの覚醒」の可能性に関する議論を再燃させたが、具体的な進展がない限り、こうした「アラブの結束」は虚構で、空虚な言説に過ぎない。欧米諸国の軍事支援に全面的に依存し、内部の不安定化を恐れる湾岸諸国は、中東におけるシオニズムの最も有用な代理人の一つだ。この地域特有の戦略的曖昧性と相まって、各国政府は、代償を払わずに複数の連携を同時に維持できると考えている。

 結局、イスラエルに対抗する唯一本格的な国家はイランで、皮肉にもイランはアラブ諸国ですらない。孤立し、封鎖され、悪魔化されているイランは、イスラエルのアパルトヘイトに対して対決姿勢を取り続け、ヒズボラやハマスなどの抵抗運動の主要支援国であり続けている。戦争で荒廃し分断されたイエメンと並んで、イランはイスラエルの拡張主義的政策に公然と異議を唱える唯一の国家だ。

 欧米メディアに増幅されるテルアビブ・プロパガンダは、イスラエルを被害者として描き出そうとしている。だがシオニズムがほぼ全ての隣国を取り込み、買収しているのが真実だ。いわゆる「イスラエルの孤立」は虚構で、正当化できないことを正当化するため延々と繰り返される嘘、つまり植民地主義や、イスラエル至上主義や、ジェノサイド計画の継続を正当化するために繰り返される嘘なのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/09/15/myth-of-israel-isolation-reality-of-arab-collaboration-with-zionism/

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 遙々出向いたイギリスで、ロンドンでのデモや、ウインザー城のマッピング映像で赤恥をかかされるトランプ。

 ウィンザー城にトランプ氏とエプスタイン氏の画像投影、抗議の4人逮捕 By ロイター編集
2025年9月17日午後 12:04 GMT+921時間前更新

 The Chris Hedges Report
Death of the Holocaust Industry - Read by Eunice Wong 15:22
The genocide in Gaza has exposed the weaponization of the Holocaust as a vehicle not to prevent genocide, but to perpetuate it, not to examine the past, but to manipulate the present.

Chris Hedges and Eunice Wong
Sep 18, 2025

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
8月の対米輸出13.8%減で1兆3854億円。中国向けの輸出は0.5%減の1兆5007億円。欧州連合(EU)向け輸出は5.5%増の7804億円、中国からの輸入額は2.1%増の1兆9264億円。パソコンやスマートフォ。米国からは11.6%増の1兆614億円。航空機類など

2025年9月16日 (火)

危機に瀕している湾岸諸国:イスラエルが中東で望むもの

サルマン・ラフィ・シェイフ
2025年9月10日
New Eastern Outlook

 在ドーハのハマス指導部に対してイスラエルが行った未曾有の攻撃は、カタールの主権侵害というだけでなく、テルアビブの拡大政策に挑戦する地域のいかなる国も認めないという警告を湾岸諸国に与えている。

 危機に瀕している湾岸諸国:イスラエルが中東で望むもの

 湾岸諸国に赤恥をかかせたイスラエルによるカタール攻撃は、中東におけるイスラエルの野望の大きさを如実に物語っている。イスラエルは、ハマスであれ、いかなる主権国家であれ、いかなる代替的権力の拠点も容認しないのだ。この攻撃で、湾岸諸国全てがイスラエル・レーダーの対象になった。これは最終目標であるガザ地区とヨルダン川西岸地区の完全占領を推進する上で、ネタニヤフ政権が絶好の立場に立つことを意味する。

 今回の攻撃

 2025年9月9日、世界は静かに新たな地政学的分岐点を越えた。中東紛争のベテラン観察者でさえ驚愕する動きを見せたイスラエル軍は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いるイスラエル軍が、ドーハ在住ハマス指導部を標的とした攻撃を開始した。これは地域で最大級の軍事基地の一つを擁するアメリカ同盟国の領土奥深くで行われたカタールの主権に対する明白な侵害だった。

 ハマス指導部は攻撃を生き延びたと伝えられているが、本当の標的は生身の人間ではなかった。これは政治劇で、メッセージは明白であると同時に恥知らずなものだった。今やイスラエル軍事力は地理的、外交的、法的制限を受けない。攻撃が「必要」だとエルサレムが判断した暁には、アメリカ同盟の湾岸君主制国家でさえ、もはや聖域ではないのだ。

 それは、安全保障体制の多様化を含む本格的措置の検討を意味する。

 他の湾岸諸国と共にカタールは即座に非難を表明した。だが象徴的、戦略的被害は既に発生した。国家主権の伝統的規範や国際法や更にワシントンに最も近いアラブ諸国の意向にさえ、彼らの域外攻撃原則が制約されないことをネタニヤフ政権は公に示した。

 この大胆な攻撃は、イスラエル軍がガザ地区住民に避難命令を出したわずか数時間後に実行された。これは次なる爆撃への恐ろしい前兆だった。火曜日朝、ガザ地区の住民が目覚めたのは、ドローンや戦闘機の音ではなく、ハマス抵抗勢力を「一掃」するため、家を放棄するよう軍が民間人に促すビラがひらひら舞い落ちる音だった。

 従って、このカタール攻撃のタイミングは偶然ではない。これは計画的エスカレーションで、世界に向けて同期したネタニヤフ内閣のメッセージだった。「大イスラエル構想、すなわちガザ地区とヨルダン川西岸地区の併合は、もはや理論的野望ではなく、軍事計画だ」というメッセージだ。

 では、ワシントンはどうだろう? 注目すべきは、ドーハ攻撃の際、米軍の防空システムが作動しなかったことだ。これは特に過去のイランによる米軍施設への攻撃後、アメリカが通常通り過敏に反撃する状況を考えれば、奇妙な異常事態だ。米軍による反撃の不在は不安な疑問を抱かせる。この沈黙は、見落としだったのか、計算された決定だったのか、それとも暗黙の承認だったのか?

 いずれにせよ意味合いは極めて重大だ。この地域で何十年も何のお咎めも受けずにイスラエルは行動してきたが、常にある程度、否認の余地や戦略的曖昧さを伴っていた。もはや、それもない。これは曖昧さどころか、大胆かつ無制限な武力投射で、ハマスだけでなく(イランが行ったような)軍事的手段あるいは(カタールが過去二年間行ってきたような)外交的手段で、イスラエルの地域的思惑に挑戦しようとする国々全てに向けられたものだった。これは基本的に、特に中東において、イスラエル計画に反対するいかなる国もイスラエルの軍事的怒りに直面する可能性があることを意味する。これはUAEやサウジアラビアなどの国々に直接的な警告を送り、イスラエルと過度に緊密な同盟を結ぶことの代償を再評価せざるを得なくさせ、いわゆるアブラハム合意が、依然意味あるものなのかどうか疑問に思わせることとなった。

 この攻撃が裏目に出る可能性はどうだろう

 今回の攻撃の精密さと大胆さは、イスラエルの広範な軍事力を如実に示した。だが、この作戦は戦術的狙いは達成したかも知れないが、その広範な影響は、イスラエルだけでなくアメリカにとっても裏目に出かねない。この地政学的波紋の根底には湾岸諸国の首都にとって厄介な問題が潜んでいる。地域における米軍駐留は実際一体何を保証するのか。

 アメリカが管理する防空システムがイスラエルのカタール領攻撃を阻止できなかった、あるいは阻止を拒否した事実は、無視されたままでは済まない。これは湾岸諸国におけるアメリカ安全保障は、えり好みがきつく、イランまたはイランの支援を受ける集団からの脅威が生じた場合にのみ発動されるという広まりつつある認識を強めてしまう。この点を踏まえれば、今回の攻撃は不快な真実を浮き彫りにする。すなわち、この地域の米軍基地は、アラブ諸国をあらゆる脅威から守るために配備されているのではなく、ワシントンが対抗するとえり抜いた脅威だけから守るために配備されているのだ。この状況は、湾岸諸国を、極めて攻撃を受けやすい脆弱な立場に陥れる。

 この認識は、イスラエルとの国交正常化交渉の一環としてアメリカの防衛保証を積極的に交渉している状況で、特にリヤドにおいて本格的再考を促すに違いない。ドーハでの出来事は、正式保証でさえ、政治的に深く影響された視点から適用される可能性があるという厳しい警告を発している。

 だが、今回のイスラエル攻撃は、アメリカによる保護の限界を露呈しただけでなく、湾岸諸国にとって、より差し迫った政治課題を突きつけている。湾岸諸国は、長年、象徴的ながら支持してきた二国家共存の実現を今放棄すべきなのだろうか? イスラエルの領土拡大という思惑に屈服して、ガザ地区とヨルダン川西岸地区の占領は、もはや一時的なものでなく、恒久的なものとして受け入れるべきなのか?

 今年7月、フランスと共同でサウジアラビアは国連会議を主催し、二国家解決支持を再確認した。しかし、ガザでの軍事作戦から、今回のカタールでの暗殺未遂に至るまで、イスラエルの行動は、そのような結果を望む様子を全く示していない。むしろ、これらの動きは、パレスチナ政治指導者がどこにいようと完全に無力化する意志を反映している。

 湾岸諸国、とりわけサウジアラビアにとって、これはもはや単なる理論上の議論ではない。信頼性や、より根本的に、正当性の試金石なのだ。このような明白なエスカレーションに直面して沈黙していたり消極的だったりすれば、行動を起こさないことによって、アラブ諸国の主権には交渉の余地があり、パレスチナ国家は重要ではないという考えを認めるリスクを冒すことになる。

 象徴的な非難だけでは不十分だ。湾岸協力会議(GCC)とアラブ連盟は、言葉から行動に転換しなければならない。これは安全保障協力関係での多様化を含む本格的措置の検討を意味する。アメリカへの過度な依存を続けるのは戦略的に維持不可能で、代償がかかることさえ明らかになっているため、ロシアや中国やトルコといった台頭する大国との防衛対話は、もはや議題から外すべきではない。カタールとUAEとサウジアラビアが、アメリカへの一兆ドル以上の投資を約束したのは、ほんの数ヶ月前のことだ。これはトランプ政権をなだめ、双方の防衛関係を維持することを狙ったものだった。だが状況は今や完全に変化しており、湾岸諸国の戦略計算も変化すべきだ。

 自国主権が外部による拒否に影響されないために、アラブ諸国は独立した防衛能力に投資する必要がある。もし今彼らが行動を起こさなければ明白なメッセージになってしまう。イスラエルは何の罰も受けずに行動可能で、地域はひたすらそれに会わせるというメッセージだ。これはパレスチナだけの問題ではない。権力や抑止力や急速に変化する世界情勢におけるアラブ諸国の意思決定の将来に関わる問題だ。既にイスラエルは行動を起こしている。今湾岸諸国は屈服するか、それとも慎重に行動するか決断しなければならない。

 サルマン・ラフィ・シェイフは国際関係とパキスタンの外交・内政の調査分析専門家

記事原文のrl:https://journal-neo.su/2025/09/10/gulf-on-the-edge-what-israel-wants-in-the-middle-east/

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The Chris Hedges Report
Israel, Charlie Kirk, and the Weaponization of Murder (w/ Max Blumenthal) | The Chris Hedges Report 46:00
Max Blumenthal details the tension between Charlie Kirk and Israel in his final months, and what to expect from a new era of right-wing repression in response to his killing

Chris Hedges
Sep 16, 2025

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
A:米国暴力容認の流れ、WSJベビーブーマー世代の93%%が暴力は決して容認できないと回答、ジェネレーションZ(1997年から2012年に誕生)は58%。相手を説得すべき同胞でなく、無力化すべき脅威と扱うことを奨励する政治風土。自制と寛容のルールへの愛着が最も低い
 植草一秀の『知られざる真実』
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