サウジアラビア・湾岸諸国

2019年11月13日 (水)

イエメン戦争の大詰めが始まった

2019年11月6日
M. K. BHADRAKUMAR
Indian Punchline

 2019年11月5日、リヤドで、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と、アブダビのモハンマド・ビン・ゼイド皇太子が、イエメン政府と南部暫定評議会のリヤド合意署名に立ち会った。

 11月5日にリヤドで署名された、アブド・ラッボ・マンスール・ハーディーが率い、サウジアラビアが支援するイエメンと、南部暫定評議会(STC)として知られるUAEが支援する南部の分離主義集団間の権限分担協定は、イエメンでの血まみれの戦争を終わらせるため、サウジアラビアのモハンマド・ビン・サルマーン皇太子が、政治的解決策に方向を変えつつあることを期待させる理由になっている。

 実際の協定は、明らかに非現実的な期限で、新政権を樹立するのに、STCが閣僚ポストの半分を占めること、STCが、今後15日以内に武器を引き渡すこと、政治的、軍事的指揮命令系統を一本化することなど、協定の条件は余りに野心的だ。

 それにもかかわらず際立っているのは、フーシ派勢力との、いかなる和平会談においても、南イエメンでの「戦争の中の戦争」をふせぐため、STCから公式に代表を出させ、閣内参加させ、この集団を、ぶち壊し屋でなく利害関係者にすることを狙った政治攻勢だ。

 それでもハーディとSTC間の信頼の欠如は、余りにも実に明白だ。ハーディも、STCのアイダルス・ズバイディ議長も、和平書類への署名を部下に委ね、握手さえせず、彼らは後に、サウジアラビア皇太子に個別に会った。

 サウジアラビアの衝動は、明らかに、主にイエメン介入連合の破綻から生じている。サウジアラビアにとって、戦争が重荷になったのだ。

 スーダンはUAEの先例に倣っており、フーシ派に対する戦争で大損失を被った後、イエメン内の部隊を引きあげている。2015年のサウジアラビア介入以来、4000人以上のスーダン戦士が死亡した。カタールとモロッコは既に二年前、イエメン戦争から手を引いた。

 大きな疑問は、イエメンでの敗北が、サウジアラビアとUAE指導部間の関係にどのように影響するかだ。UAEのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子は11月5日リヤドで調印式に出席したが、4ページの協議はUAEに一言も言及していない。

 イエメン戦争は、2015年に、サウジアラビアとUAEの皇太子の間で、もう1つのイランに対するもう一つの戦線として、こっそり考え出された共同事業として始まった。だが、ここ数カ月、UAEはイエメンでの縮小に路線訂正し、さらに関係を改善するためテヘランに代表団を送った。

 イラン外務省はリヤド合意に早速反応した。11月6日の声明で、外務省広報担当は、アデン市の治安はサウジアラビア軍が監督するが、ハディ指揮下の政府軍と、STC軍隊が、30日以内にアデンから撤退するという合意条項を指摘した。

 イランの広報担当は言った。「このような書類に署名しても、決してイエメン問題を解決する助けにはならず、それは直接、あるいは彼らの代理勢力を通した、サウジアラビアとその同盟国による、南イエメン占領安定化に貢献するはずだ。常に占領者と戦ってきた油断のないイエメンの人々は、イエメン南部を、彼らの敵や、人の不幸を願う連中が、外国勢力に支配占領させることを許すまい。」

 フーシ派に対するその影響力を損ね、いかなる和平策定過程からもイランを排除するアメリカやサウジアラビアの、あらゆる試みをテヘランは警戒している。フーシ派はイランの代理人だという宣伝にもかかわらず、実際はフーシ派には長い独立の歴史がある。

 確かに、テヘランはサウジアラビアの意図をしっかりと監視するだろう。UAEの軍事縮小後、ここ数週間、サウジアラビアは追加の軍、装甲車両、戦車や他の軍装備品を持ち込んで、南イエメンで軍事駐留を強化し、今月早々アデン支配も掌握した。

 それにもかかわらず、和平協定は、フーシ派との交渉で、交渉の切り札を作ることと比べて、同じ程度、戦争エスカレーションを狙っているようには思われない。リヤドでの合意署名後の発言で、サウジアラビア皇太子は「リヤド合意は、イエメンで戦争を終わらせるための政治的解決に向かう節目だ」と述べた。

 ワシントンとロンドン両方がリヤド合意を歓迎し、和平策定プロセスを励ました。トランプ大統領は合意署名は「非常に良い」手始めだと述べ、イエメンの全当事者に、最終合意に達する取り組みを続けるよう求めた。

 イギリス外務省は、声明で「イエメンでの包括的な政治的解決に達するための重要なステップとして、この文書を支持する」と述べた。国連イエメン特使のマーティン・グリフィスも声明でこう述べた。「この合意へ署名は、イエメンにおける紛争で、平和的解決を推進する我々の共同取り組みにとって重要な一歩だ」。

 南イエメンの和平協定が、最近アメリカとサウジアラビアが(ここと、ここ)フーシ派と協議中だという多数の報道を背景に起きていることを考慮しなければならない。興味深いことに、11月6日、リヤドは初めて、フーシ派と協議中であることを確認した。大詰めが本当に始まっているのだ。

記事原文のurl:https://indianpunchline.com/the-endgame-begins-in-yemens-war/

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 昨日は、岩上氏による共産党・田村智子参院議員のインタビューをしっかり拝聴した。

日刊IWJガイド「<岩上安身インタビュー報告>『桜を見る会』は税金で安倍晋三後援会慰労!? その前夜祭の参加費は格安で、その差額部分は有権者の買収!? 日本共産党・田村智子参院議員/本日野党追及チーム生中継」2019.11.13日号~No.2617号~(2019.11.13 8時00分)

 今日は、野党による、総理主催「桜を見る会」追及チーム生中継。

【IWJ・Ch4】17:00~
野党による、総理主催「桜を見る会」追及チーム ―内容:内閣府、内閣官房、総務省、文部科学省よりヒアリング
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 朝日新聞に、下記記事がある!

桜を見る会ツアー、首相事務所から案内 地元有権者語る

 総理の事務所が各位あてに「桜を見る会」のご案内 を送付していた。テレビ報道もある。案内状、はっきり読める。

 8日の参院予算委員会で、共産党の田村智子氏の質問に対し、「私は主催者としてあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめなどには関与していない」と答弁していたのは、問題ではないのだろうか?

 籠池被告による真相説明は衝撃的。

 長周新聞 籠池被告が語る森友事件の真相 何がおこなわれてきたのか 長崎市で講演会

2019年11月10日 (日)

抗議行動とデモが勢いを増す中、燃えているレバノン

2019年11月8日
ビクトル・ミーヒン
New Eastern Outlook

 サード・ハリーリは、政府を汚職と、レバノンで起きそうな経済崩壊の条件を作り出したと参加者たちが非難した二週間の大衆抗議活動の後、行き詰まり、レバノン首相の座を去ると発表した。サード・ハリーリは2016年12月以来、この職を勤めてきた。

 10月17日、タバコとインターネット通話アプリケーションへの増税をレバノン政府が、発表した際、強力なデモがに国中至るところで勃発した。これらの進展に促された大衆抗議活動参加者が、道路と高速道路を封鎖し、政府の辞職と、政治改革実行を要求した。だが、国家指導者が、多くの経済改革の開始と反汚職処置をとると発表した後、何千人もの抗議行動参加者が、このような行動を不十分とみなし、政府が健全な経済政策を実行する能力がなく、見境がない汚職と職権乱用の罪で政治家を告発して、全国至るところで再度街頭に繰り出した。

 興味深いことに、状況に関して、レバノン中の多くの政治家が(彼らの宗教的見解と党派関係を反映して)全く意見が異なっている。例えば、ミシェル・アウン大統領はレバノン国民がどれぐらい苦しんでいるか示すため国中いたる所の抗議に最近繰り出したデモ参加者との団結を表明した。だが、レバノンのマロン派教会総大司教ビシャラ・ブトロス・アル・ライは、全国的抗議をなだめるために採用された改革は、正しい「第一歩」だが、レバノン新内閣が、それを実施する必要があると述べた。テレビ演説で、ビシャラ・ブトロス・アル・ライはデモ参加者を支持すると言ったが、彼らに抑制するよう促した。

 他方、レバノン議会のナビ・ベリ議長は(サード・ハリーリ率いる)政府全閣僚の辞任は、レバノンの根深い社会経済危機を解決せず、状況を悪化させるだけだと述べた。レバノンの経済改革に弾みをつけることを目指す即座の処置をとるべきだと彼は考えているとレバノンの日刊新聞Al Joumhouriaが報じた。

 抗議行動参加者の一つの集団がメイン広場でテントを張り、他の集団が道路封鎖を続けた。その間、彼らは重要なスローガンの一つを大声で唱え続けている。「彼ら全員本気だ。」明らかに、それはレバノンの全ての政治組織と多数の政党のことを言っている。

 この全てが、デモ参加者が、多くのアラブ諸国から、戦略的、財政的支援を受けていると、あらゆるアラブ放送局が報道するよう刺激したのだ。これらの国が、物流コストや、運輸、傘、レバノン国旗のついたテント、仮設トイレ、食品や水の供給を含め他の経費を負担していると、消息筋がアル・アヘド・ニュースに語った。彼らは、どの日であれ、道路交通の正常な流れを妨害する者全員、それぞれ100ドルを受け取り、オーバーナイトでテント内か周囲で夜明かしした者は誰でも150ドルを受けとったとも言った。

 抗議行動参加者はサード・ハリーリ辞任を歓迎したが、何が次に起きるかは不明確だ。彼は当面、任務を続けるべく首相代行の役割に留まることができ、当面、これが危機から脱出する唯一の方法だ。サード・ハリーリ首相代行が他のいかなる政党代表者も含まないであろう専門技術者の内閣をまとめ上げることを約束した(とき・から・につれて・ように)、レバノン放送局がそれを報告した。

 一方国を巻き込む経済危機は悪化している。ロイターによれば、ベイルートの企業家たちが米ドルで取り引きを行い始めており、ガソリンスタンド所有者連合が、供給中断のため、数日分の燃料しかない残されていないと消費者に警告した。

 以前、レバノンが長期的危機を経験していることは良く知られている。複雑なシステムが異なったグループ間での権力分割を保証し、最高の職位には、シーア派信徒、スンニ派とキリスト教徒がついている。これまで、それは、この国が内戦に陥るのを阻止してはいるが、広範な利権ネットワークを生み出し、縁故主義をもたらし、政府が信頼できる形で重要な決定をしたり、公共サービスを提供したりするのを阻んでいる。ちなみに、抗議行動参加者は、レバノン国民を悩ませている多くの問題を解決することができる非宗教的政府を組織すべく、政治制度の全面的見直しを要求している。

 この場合、テヘランの観点と対応に焦点を合わせるのは確実に意味がある。かつて2017年11月、サード・ハリーリが、かなり奇妙な状況下で首相を辞任すると発表したことは良く知られている。彼はサウジアラビア訪問中、外国でこの発表をしたのだ。当時サード・ハリーリに近い情報筋、有力層、レバノン政府高官が、リヤドが首相を軟禁し、首相辞任を強いていたと指摘した。ミシェル・アウン大統領もレバノン首相が彼の意志に反してサウジアラビアに拘束されていると述べた。これは石油に富んだ王国と、レバノンと親密な結びつきを持っており、常にレバノンの多数の政党に影響力を及ぼしているイランとの当時の緊張激化のため、リヤドがサード・ハリーリに辞任を強いたという推測に導いた。

 イラン外務省のアッバス・ムサビ報道官は、レバノンの各派、党や人々全員の団結の必要を、テヘランが強調ていると述べた。レバノン首相サード・ハリーリが辞任した後、現在の慎重を要する状況を解決するため、各政党と政治家に、団結を維持し、相互理解を確保するようイラン外務省は促した。アッバス・ムサビ報道官は「レバノンの安全保障と安定性を維持し、レバノン国民の正当な要求を満たすべく、レバノンのあらゆる政治団体と関係者の団結」を要求した。

 この国の政治的、経済的危機に対処するため、一体どんな手段が使われるのか、それがレバノン国民の利益になる形で解決されるかどうかは時間がたたなければわからない。それでも、シリア情勢が改善している(政治対話が始まった)のと同時に、抗議行動がほぼ同時期に始まったレバノンとイラク両国の状況が一層悪化しているのは明白だ。レバノン内外の多くの勢力が、レバノンの困難な状況に巧みにつけこんで、この重要な地域で、自身の利益になるよう動いているというかなり明確な印象を我々は受ける。これは明白で、イラン最高指導者アヤトラ・セイイェド・アリー・ホセイニー・ハーメネイーも、はっきり、そう述べている。イラクやレバノンを含め地域の多くの国々における最近の大変動は、この地域に対するワシントンや、他のいくつかの西側諸国や反動政権による干渉の結果だとも彼は警告した。

 ビクトル・ミーヒンはロシア科学アカデミー客員。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/11/08/lebanon-on-fire-as-protests-and-demonstrations-rage-on/

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 孫崎享氏の今日のメルマガ題名は、

三鷹事件:1949年7月無人電車の暴走で複数の民家が全壊・半壊し、市民6名が死亡、20名が負傷。当初共産党、解雇に歓待する国鉄労組説が有力だったが、結局竹内被告の単独説の判決。単独で列車を走らせるようにするには技術的に無理。米国の影。

 そして、日刊IWJガイドは、

日刊IWJガイド・日曜版「京都市長選、共産党は弁護士の福山氏擁立!! また京都で自民、公明、旧民主など『与野党相乗り候補』と共産支援候補の闘いか!?」2019.11.10日号~No.2614号~(2019.11.10 8時00分)

 

2019年11月 6日 (水)

カタール 武器としての教育

2019年11月4日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 カタール人がその富を撒き散らすさまに限界はないように思える。住民260万人のこのごく小さな王国は、大半が実に悪趣味な、ばかげたほど豪華な金めっき宮殿だらけだ。ランボルギーニ・レーシングカーやロールスロイスリムジンに溢れ、今やとてつもなく不経済な空調が効いた歩道まである(35度の暑さの中へ、下から冷気が吹き出している)。

 サーニー家に支配されたカタール国は実に奇妙な場所だ。2017年早々行われた最新の国勢調査によれば総人口は260万で、内訳は313,000人はカタール国民と、230万人の「国外居住者」つまり低賃金出稼ぎ労働者と、気前よく報酬を支払われる欧米専門家だ。

 外国人が全てを行っている。床を掃除し、ごみを捨て、料理し、赤ん坊の世話をし、カタール航空飛行機を操縦し、手術をし、オフィスビルを建設している。肉体労働者は差別されている。打ちすえられ、だまされ、屈辱を味あわされている。多くの出稼ぎ労働者が「不可解な状況」の下で亡くなってきた。だが、ただカタールが、1人当たりGDPが128,702ドルという地球上最も豊かな国であることが主な理由で、何百もの様々な専門職に対する莫大な需要があるため彼らはまだやって来るのだ。特権は「現地人」にしかなく、外国人の最低賃金は1カ月わずか約200ドルだというのは、どうでもいいのだ。

 隣国との過酷な紛争で動きが取れなくなっているサウジアラビアやアラブ首長国連邦を含めて、カタールは最も良い同盟国アメリカやイギリスにますます近くに動いている。アルウデイド空軍基地は、米空軍、イギリス空軍や他の湾岸戦争連合諸国の航空機を100機以上受け入れている。アメリカ中央軍、イギリス空軍No.83遠征空軍部隊と第379航空遠征航空団を受け入れている。現在、少なくとも11,000人のアメリカ軍人がここで恒久的に駐留している。アルウデイド空軍基地は、シリアやアフガニスタンのような国での作戦に使われる、地域で最も重要な軍事空港と思われる。

 カタールはシリアや他の中東諸国を不安定にする上で、極めて重要な役割を果たしている。カタールは過激な資本主義の信条同様、原理主義の宗教的教義も広めてきた。

* **

 カタールはたっぷり金を持っており、欧米、特にアメリカとイギリスと緊密に結びついた種々の「教育プログラム」や、ワッハーブ派の宣伝機関のために資金の一部を使っている。欧米から雇われた国際専門家が学校民営化のような過激な概念を推進し、政府にはカリキュラムを開発させず、地域中にも外部にも親欧米、市場賛美の教義を広めている。

 カタールは「子供を救う」という隠れ蓑の下、カタールの財団やプログラムが、教育の商業化と同様、イスラム教原理主義を推進している。しかも、それはカタール国内のみならず、遥か彼方のソマリアや南スーダンやケニアに及んでいる。

 カタール大学にいた間、私は図書館さえ分離されているのに気が付いた(案の定、私はカタールに本拠を置く国連職員から、「男性用図書館」は、女性用とは比較にならないほど充実していると言われた)、退行的な哲学と固定観念をばらまくことで、カタールは地域における高等教育の指導者たらんと望んでいる。

 当然、主な狙いは地域の現状を維持することだ。

 質が高い教育という点では、カタール内でもうまくいってはいない。こうした全ての莫大な予算が燃やされたか、より正確に言えば、浪費されて、カタールは誇りに思うべきものはほとんどない。OECDによればこうだ。

 「2012年、カタールは、世界中で最高の一人当たり所得であるにもかかわらず、15歳と16歳の生徒のための数学知識、読解力と問題解決の学習到達度調査のPOISAテストに参加したOECDの65カ国中、コロンビアやアルバニアと同等の下から3番目だった。」

 以来、主題に関する統計が突然さほど広く利用可能でなくなったが事態は大して改善していない。

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 2019年10月末、私は紛争と人道研究センターが組織し、ドーハ大学院研究所が主催した会議に参加した。

 (欧米とその湾岸同盟諸国に破壊されたシリアや他の場所の現地で何年も働いた)一人の非常に有能な国連専門家以外、パネリストは、カタールに本拠を置き、ちやほやされている人々で構成されていた。

 ここでの話題の成り行きは予測可能だった。

 フランク・ハードマン教授が、基本的にどのように地域の国々が「弱体化した」か、民間部門が、いかにして教育改革の主導権をとり、推進するべきか説明した。

 だが最も驚くべき話は、 Education Above All Foundation(教育がなにより大事財団?)のProtection of Education in Insecurity and Conflict(PEIC)(不安と対立における教育の保護?)事務局長マレイハ・マリク教授のものだった。彼女は、紛争地域で、脆弱な学校と生徒を守ることの重要性と、学校と生徒を破壊している人々に法の裁きを受けさせるよう意図されて「今存在している」国際法上の機構について話をした。

 要するに、典型的な主流の「開発」とNGOの説教だ。

 カタールは、人が本心を話すことが自由な場所からはほど遠い。

 だが私には忍耐力は残っていなかった。私は世界中で無数の戦争と紛争地域で働いた。私がドーハ大学院研究所で目にしたのは学生と会議参加者双方の教化プロセス以外の何ものでもなかった。

 私は私に話をさせるよう要求した。マイクが私に渡された時、私は正確な答えが必要だと言った。

「マリク教授、私はあなたに質問があります。私は全世界で多数の、多分何百という紛争と戦争を報道してきました。私は何百という学校が燃えるのを見ました。私は何百という子供たちが死んでいるのを見ました。こうした残虐行為の大半は、アメリカに、ヨーロッパに、あるいはその双方に引き起こされたのです。もちろん、これは私が生まれるずっと前に全て始まっており、今に至るまで続いているのです」。

 私は主催者たちの顔に恐怖を見た。彼らは私を食い入るように見つめ、私に止めるよう懇願していた。こういうことは、これまでここで一度も起きたことがない可能性が極めて高い。全てが撮影され記録されていた。だが私は止める準備ができていなかった。

 講堂の中の学生は反応しなかった。明らかに、彼らは政権に敵対的な「分子」が行う講演に興奮しないよう条件づけられていた。

 私は続けた。

「マリク教授、私はあなたに質問しているのです。私は、あなたが言及された国際機関によって、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアや他のどこかの欧米諸国が裁判にかけられ、非難された例が一つでもあったのでしょうか。何百万人という子供たちを殺したかどで、あるいは、ベトナムやラオスやカンボジア、後にはイラクやアフガニスタンやシリアのような場所で、何千という学校をじゅうたん爆撃したかどで、糾弾されたのか知りたいと思います。なぜなら、まさに今ベネズエラで子供たちを飢えさせようとしているからです。子供を含め人々が薬を入手するのを阻止することに対して。」

それから私はフランク・ハードマンに向いた。

「ハードマン教授、あなたが言及し、「弱体化した」と定義した国々は、彼らが歴史的に帝国主義の諸国に、敵とされ、攻撃され、威嚇されているためにこのような状況なのではありませんか?」

 完全な沈黙。

 それから私はこう結論した。

「もし我々が最終的に欧米とその同盟国が世界中で何十もの国を破壊するのを確実にやめさせることができれば、学校と子供を守る最も効果的な方法ではないでしょうか?」

 会議議長サルタン・バラカート教授は被害をくい止めるべく即座に仕事を始めた。

「マリク教授、明らかに、問題はパレスチナで起きていることです。」

 だがマリク教授は、逆の立場ながらも、私同様タフな戦士だった。彼女は正確にそれが全てイスラエルとパレスチナを越えるものであることを知っていた。イスラエルとパレスチナはその一部だが、それはここで唯一の問題ではなかった。彼女はサルタン・バラカートをはねつけ、まっすぐ私を攻撃した。

「問題は欧米ではありません! 問題は国々の集団ではありません。国連安全保障会議全理事国に責任があります! シリアで残虐行為を犯しているロシアをご覧なさい。」

 そして口論は始まった。我々の個人的「ドーハ討論」だ。

 「どの残虐行為でしょう?」私は彼女に向かって叫んだ。「証明してください。」

 「我々には証拠があります。」

 「あなたに?」私はいぶかしく思った。「あなたはシリアに行ったことがありますか? それともあなたは、あなたのハンドラーから、いわゆる証拠を与えられたのですか? あなたは、シリアとベネズエラを救っている国ロシアを、世界のあらゆる所で何億人もの人々を殺している国と同水準に置くのですか?」

 この「会議」の間、一体何度USAIDが言及されたか思い出した。全て言及されるのは欧米だった。ここでアラブ諸国の人々は、IMFやEconomist誌のように話し考えていた。

 私は着席した。私には補足すべき何もなかった。

 管理された議論が何とか再開した。学生の表情は冷静なままだった。

 夜、夕食のため、アフガニスタンで一緒に働いていた友人と会った。ドーハは奇妙な場所だ。意外な遭遇の場所。

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 カタールは教育にしていることを、芸術にもしている。

 翌日私は、カタールがオンラインと広告で自慢している、いくつかの博物館を見学しようとした。かつて大衆に対しては無料だったが、今は15ドルの入場料を請求するイスラム芸術博物館以外は全て閉鎖していた。

 法外に断片化した国家と個人は、世界中から美術品手を購入して、今何十億ドルも投資している。それを自慢している。内容を操作している。カタールの「国際」映画スタジオで制作されているものも操作されている。

 ドーハを発ち、ベイルートまでカタール航空に搭乗して、乗務員にはカタール国民が一人も働いていないのに気がついた。パイロットはイギリス人とオーストラリア人で、フライト・アテンダントはフィリピン、インドとアフリカで採用されていた。

 離陸から数分後に、Education Above All Foundationの教育プログラムの一つである「エデュケート・ア・チャイルド(EAC)」を推進する攻撃的広告が始まった。

 カタールでは全てが相互に結びついているように思われる。破壊的な米軍事基地、「対外政策」、芸術、そして、そう教育や慈善さえも。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/11/04/qatar-education-as-a-weapon/

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 日本の英語教育論議も、洗脳の「武器としての教育」。道徳からほど遠い行動様式でのし上がった連中が押しつける道徳なるしろもの、臣民に押しつける奴隷の道徳。教育勅語現代版。

 最近、昼の白痴製造番組全く見ていないが、下記記事には驚かない。こういう愚劣な見せ物を飽きずに見る方々が多数おられるのを、いぶかしく思っている。「英語民間試験の延期は天下の愚策」と書く怪説委員までいるのには、あきれるしかない。天下の愚論。英語教育について真面目に考えたことがあるのだろうか。鳥飼玖美子立教大学名誉教授の多数のご本、たとえば『英語教育の危機』や、阿部准教授の『史上最悪の英語政策 ウソだらけの「4技能」看板』、猪浦氏の『TOEIC亡国論』、施九州大学大学院教授の『英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる』、寺島岐阜大学名誉教授の『英語で大学が亡びるとき 「英語力=グローバル人材」というイデオロギー』などを読んでから書いたのだろうか?

田崎史郎が萩生田文科相「身の丈」発言をエクストリーム擁護!「問題発言したから英語民間試験の導入を延期できた」

 今日の日刊IWJガイド、見出しは、あの映画にまつわるもの。

日刊IWJガイド「慰安婦論争を検証した映画『主戦場』の映画祭上映中止で紛糾!! 緊急シンポで明らかにされた『日本的検閲』に対処できるか!?」2019.11.6日号~No.2610号~(2019.11.6 8時00分)

 記事は、冒頭から、

はじめに~昨日IWJは萩生田光一文科相会見を中継! 英語民間検定試験は再来年度以降の導入に向けて動き出す!? 衆議院では参考人招致が行われ、欠陥を放置したままの導入推進を大学教授が猛批判!

 詳細は、日刊IWJガイドをお読み願いたい。

2019年11月 4日 (月)

ベイルートは燃えている。エリートに対する反乱が始まった

2019年10月24日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 タイヤが燃え、煙が空に立ち昇っている。今日、10月18日、かつて「東洋のパリ」として知られていた首都レバノンは煙で覆われている。

 腐敗した冷淡なエリートに支配された国は無限に、まとまってはいられないと私は何年も警告してきた。

 私がベイルートを本拠にしていた5年間、事態は悪化しつつあった。何も改善しなかった。公共輸送機関はほぼ皆無、電力不足、汚れた不規則な水道。周期的に、ゴミが道路や郊外道路に山積みになった。飛行機が着陸しドアが開いた途端、ゴミのひどい悪臭が、我々ベイルート住民の帰還を歓迎してくれる。

 ほとんど全員、この全てが永久に、このまま続くはずがないのを知っていた。

 この都市は第4世界の病気で苦しみながらも、同時に、ランドローバーSUV、マセラッティやポルシェのスポーツカーや、アルマーニスーツで溢れかえっている。

 ベイルートは、フランス語、アラビア語、英語の三言語で同時に会話できる極めてスマートな大いに教養を身につけた洗練されたエリートがいることは認めなければならないが、ほとんどジャカルタ・レベルにまで崩壊した。一流画廊、映画館、高級バーやナイトクラブもある。豪華なマリーナや全中東最良の書店。

 ベイルートには常に脳と消化器官があると一部の人々は言うが、その心に何かが起きたのだ。

 今ここでは何も本当に機能していない。だが何百万ドルも持っていれば、それは本当に重要ではない。ここでは何でも買うことができる。貧しくて困窮しているなら、あらゆる希望を断念すべきなのだ。ここの大多数の人々は今惨めなほど貧しい。人口調査は「宗教的バランスを乱さない」ために禁じられているので、正確に何人が困窮しているか誰も知りさえしない(長年、どういうわけか、この国に一体何人のキリスト教徒やイスラム教徒が住んでいるかを知らない方が良いと合意されていたのだ)。

 人々の大部分が金持ちではないのは確実だ。今や支配者や汚職政治家や、いわゆるエリートに激怒して国民は大声ではっきり言っている。ハラス、つまり「もうたくさんだ!」、政権打倒!

* **

 政府はWhatsApp通話に課税することに決めた。大した事ではないと一部の人々は言うだろう。だが、それはおおごとだった。そうなのだ。それは突如大事になった。おそらく搾取の「最後の一滴」だったのだ。

 都市は爆発した。バリケードが築かれた。タイヤが燃やされた。至る所で。貧しい地域も、最も裕福な地域も同様に。

「革命!」と人々は叫び始めた。

 レバノンには左翼の、更には共産党反乱の歴史さえある。宗教的右翼狂信者もかなりいる。どちらが勝つだろう? この全国的反乱で、だれが断固としているだろう?

 今いくつかの行進の背後には共産党がいる。だが今まで国内で最も堅固な社会勢力ヒズボラは、サード・ハリーリー政府が辞職するべきだとは、まだ確信していない。

ロイターによれば:

「レバノンのヒズボラ代表サイイド・ハサン・ナスラッラーは、広範囲な全国的抗議行動の中、ヒズボラは政府辞任を要求していないと述べた。

ナスラッラーはテレビ演説で政府を支持すると述べたが、新方針と「新精神」を要求し、進行中の抗議行動が新税を課すべきでないことを示していると付け加えた。」

貧しい人々に課されるいかなる税金に対しても、彼は支持者に街頭に出るよう呼びかけるつもりだとナスラッラーは言い足した。

 これまでのところ、反乱で無数の人々が怪我をしてしており、二人のシリア移民が命を失った。これは2015年のもの(ベイルートでの恐ろしいゴミ危機と悪化する社会的大惨事に発展した政治的・社会的運動「You Stink (お前は臭い)!」運動を含めて)最も深刻な蜂起だと一部の現地評論家が言っているが、著者を含め他の人々は、これが実際は1980年代以来レバノンが直面している最も深刻な政治的大惨事だと確信している。

 カフェでも地元の店でも、首都のありとあらゆるところで、怒りが聞こえる。

 「信頼は損なわれた!」

 どんな政治活動にも遠かった人々さえ、今抗議行動参加者を支援している。

 国連事務所現地スタッフのジャン女史はベイルートで造反側に立っている一人だ。

「ベイルートやレバノン中で起きているのは良いことです。我々が立ち上がるべき時期です。私も行きます。宗教とは無関係です。我々の粉々にされた生活の問題です。」

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 欧米の主流メディアを読んでいると、レバノンの主な問題が対外債務のようなものだと信じがちだ(レバノンは、一人当たり、世界で三番目に負債をかかえた国だ。負債はGDPの150%になっている)、極めてわずかの本物の準備金(100億米ドル)と、寄贈者や貸し主に対処する国のやりかた。IMFと、その「助言」が常に言及される。

 だがロイターのような通信社さえ、全体の混乱は構造的問題より遥かに大きいことを認めざるを得ない。

「ドルが干上がるにつれ、銀行は事実上、融資をやめ、もはや顧客のために基本的外国為替取り引きをすることができないと、ある銀行家が言った。」

「銀行の役割は、政府に資金調達し、通貨を守るため、中央銀行へ金を注ぐことです」と彼は言った。 「何かをすれば、収賄システムを混乱させることになるので、財政赤字に対して何もすることができないのです。」

 ここにキーワードがある。「収賄!」

 レバノンのエリートは恥知らずなほど腐敗している。国全体から富を剥奪する話になると、唯一インドネシアのような国しかレバノン穴居人一族とは競争できない。

 レバノンでは、ほとんど何も清浄だったり純粋だったりせず、それが利用可能な統計値がない理由でもある。

 お金は、西アフリカにおける天然資源の恐ろしい容赦ない搾取から来る。全員それを知っているが、それは決して公式には取り上げられない。私は西アフリカで働き、人種差別的なレバノン「実業家」がそこで何をしているか私は知っている。だがアフリカ人から盗まれた金がレバノンやその国民を豊かにしない。それはレバノンの銀行で止まり、豪華なヨットや、ヨーロッパの悪趣味で高すぎるスポーツカーや、首都の内部や周辺のとっぴな私的クラブ内で使われる。多くのレバノン人が飢餓の瀬戸際にいる一方、ニースやベニスやギリシャの島に飛ぶ飛行機は、いつも甘い生活を求める人々でいっぱいだ。

 特にベッカー高原で栽培し精製する麻薬で、レバノンは何十億ドルも稼いでいる。それら金持ちの消費用として、主にサウジアラビアに輸出されるか、イエメンとシリアに、いわゆる戦闘用麻薬として戦場に投入される。これも皆それを知っているが、それを止めるためには何も行われない。農民から政治家まで何百もの家族が、その貿易で大富豪になった。これが名高いベイルート・マリーナに、更に何隻かの超豪華ヨットを加えている。

 そして「対外援助」、「ヨーロッパのインフラ投資」、サウジアラビアとカタールの金がある。その大部分が、腐敗した当局者、いわゆる「政府」、そのお仲間や請負業者のポケットに直接注がれる。ほとんど何も建設されないが金は消えている。レバノンには、毎月の給料を受け取る鉄道従業員がいるが、もはや鉄道はない。駅は、ウオッカ・バーに転換されてしまった。地域じゅうから難民を受け入れできるよう、レバノンは金を嘆願しているが、金の多くは少数の金持ちの懐に入って終わる。難民や、低賃金の仕事を必死のシリア人やパレスチナ人と競争しなければならない貧しいレバノンの人々には、極めて僅かしか行かない。

 貧しい人々は一層貧しくなっている。それでも、エチオピア人、フィリピン人、ケニア人のメイドが金持ちの食料を引きずり、エリート一家に生まれた赤ん坊のよだれをぬぐい、トイレを掃除している。一部の人々は、主人に拷問され、多くが自殺している。フェニキア人やヨーロッパ人に見えない人々にとって、レバノンは厳しい場所なのだ。

 ベイルート南部のスラムは拡大している。北部のトリポリのようないくつかのレバノンの都市は全く途方もなく大きいスラムのように見える。

 ベイルート中心街のホテルのフロント係、アリはこう嘆く。

「私は14時間ここで受付係として働いても毎月540ドルしか収入がありません。生きて行くのに最小限700ドル必要です。アメリカに姉がいて、一週間だけ訪問したいのですがビザを入手する方法がありません。私はわずか24歳です。私はベイルートの街頭で抗議しているそれほど多くの人々のようには、この国の未来が見えません。」

 さまざまな推計によれば、レバノンは2020年2月という早い時期に崩壊するかもしれない。これ以上の金は略奪できない。終盤は近づきつつある。

 国が崩壊しても、金持ちはゴールデン・パラシュートがある。彼らには国外に家族がいる。オーストラリアやブラジルやフランスに。パスポートを二つ持っている人々がおり、世界の最も望ましい地域に家を持っている人々もいる。

 貧しい人々には、自身のエリートに略奪された国の脱け殻以外、絶対に何も残るまい。錆びて老朽化したフェラーリが至るところにあるだろうが、人は自動車の残骸を食べることはできない。汚染され破壊された海岸のすぐ横には、豪華ながら放棄されたスイミングプールが残るだろう。

 人々がそれを知っており、彼らは、もううんざりしているのだ。

 ベイルートのスターバックスカフェの店員モハメドは決意している。

「これはひどいものですが時間が重要です。我々はこれ以上我慢できません。我々は国を劇的に変える必要があります。今回は状況は異なっています。我々が誰を崇拝しているかではなく、我々の日常生活が問題なのです。」

 レバノンは、他の恥知らずな資本主義国家と比較すると人々の教育水準が高い。この国の人々はだませない。

 エリートに対する反乱は始まったばかりだ。人々は自分の国を取り戻したいと思っている。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/24/beirut-is-burning-rebellion-against-the-elites-has-commenced/

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 記事原文発表のすぐ後に翻訳すべきだっただろうが、残念ながら、そううまくはゆかない。なにしろ、

 エリートに対する反乱は始まる様子皆無だ。人々は自分の国を取り戻したいと思っていない。

 宗主国の戦闘機パイロットは属国民をなめきっている。とんでもパイロットの話題、昨日、東京新聞で読んだ。

日刊IWJガイド「パイロットが睡眠導入剤を服用!? 飛行中に自撮り!? 操縦桿から手放しで読書!? 岩国の米海兵隊で規律違反が横行!」2019.11.4日号~No.2608号~(2019.11.4 8時00分)

 ところで、11月3日は、小生にとって、田中正造誕生日(旧暦)。田中正造は1913年9月4日に亡くなり、雲龍寺での密葬後、佐野市の惣宗寺で本葬が行われ、多数の参列者が集まった。
 そこで以前、引用させていただいた芝居「明治の柩」のパンフレット中の文章を引用させていただこう。欠陥戦闘機を爆買いし、イージス・アショアを購入し、オマーンに海軍を派兵する一方、民間英語テストの大学入試導入を推進する傀儡政府。田中正造はお墓の中で寝返りを打っているかも知れない。彼は日清戦争時は、戦争支持だったが、日露戦争時には、非戦論、軍備全廃論に転じ、費用は留学に使うよう主張していた。文科相、田中正造の爪の垢を煎じて飲んでもらいたい。つける薬がないのはわかってはいるが。

「明治の柩」の中は、田中正造か今の我々か

赤上剛

 田中正造は、明治という時代の枠にとらわれた古い人間なのか、あるいはそこから突き抜けていた人物なのか。
 今、「文化の日」が「明治の日」に変えられようとしている。十一月三日は明治期の「天長節」、戦前の「明治節」、明治天皇の誕生日だ。平和憲法「発布日」のこの日を「憲法記念日」として再出発しようと国会で運動したのが作家山本有三たち。保守派の反対で「文化の日』とされた。なぜか。「憲法記念日」にすると明治天皇祝日に戻せなくなる。「憲法記念日」は「公布(施行)日」の五月三日にすり替えられた。それが動き出した。すでに「建国記念日」(神話の神武天皇即位日)は復活している。
 私は田中正造記念日としたい!十一月三日は田中正造の誕生日。(旧暦。天皇は新暦)最大の公害は「戦争」と「原発」だという。「戦争」について、正造は日清戦争に賛成したが日露戦争には反対した。また、「原発」につながる近代公害第一号が足尾銅山鉱毒事件。正造は被害民とともに真正面から戦った。その鉱毒事件・谷中村事件とは何であったのか。
 足尾銅山の鉱毒(煙害と毒水)によって渡良瀬川流域三十万人が苦しんだ。日清・日露戦争を勝ち抜き西洋列強に追いつかんとした明治政府は、鉱毒被害をほぼ無視し銅山を温存した。生命の危機まで追い詰められた被害民は、政府への請願「足尾銅山操業停止」運動(大押出し)を何度も行った。政府は、多数のリーダーを兇徒など刑事犯として監獄へぶち込んだ。正造は明治天皇へ直訴する。盛り上がった世論に政府がとった措置は、被害民運動をつぶすこと。鉱毒は洪水とともに押し寄せる。「渡良瀬川の改修工事と最下流の谷中村を遊水池にする」政府方針を出す。運動は分裂し谷中村は孤立した。日露戦争のさなか正造は谷中村へ移住し反対運動に専念。栃木県会は「臨時土木費」名目で谷中村買収を決議し土地買収で村民を追い出す。谷中村民の意思は無視され廃村、藤岡町に強制合併された。「土地収用法」を適用しても応じない村民の家屋を強制破壊。残留民十六戸は仮小屋を作り踏みとどまる。政府と県は早くから谷中村の堤防破損個所を修理せず放置して谷中村を水没させた。毒水攻め、食料攻めだ。些細な仮小屋工事も、死者の谷中村墓への埋葬も「河川法違反」。正造死後、正造の祠(ほこら)を庭に建てても違反。すべて、「法律」「勅令」等による措置だと。
 ことし、集団的自衛権が閣議決定変更で容認され、安保関連法が強行採決された。いずれも憲法学者こぞって立憲制の否定・憲法違反だと断じている。
 東電福島原発事故から四年、いまだ十一万人の避難者がありながら原因究明もなく、誰一人責任をとらず、原発再稼働と海外輸出に政府・業界はまっしぐらだ。
 なぜこうなったのか。政・官・業・学(現在は、司法・労組・マスコミまで拡大)の癒着による①原因究明の不作為・遅延②被害の矮小化・未調査③被害者切り捨て・棄民化④加害責任の否認・加害企業温存⑤経済あっての国家という構図である。根底には『戦争体認』がある。
 正造の戦いの武器は、大日本帝国憲法。亡くなる年の最後の演説会でも憲法発布勅語(前文)を大きく張り出した。「朕(天皇)は、臣民の権利及び財産の安全を貴重し及び之を保護し…」。
近代憲法である限り「人民の権利保障」が前提にある。
 憲法を無視し法律を矢玉に人民を的にした「亡国」の圧制は許せない。「日本を見んとせば谷中村を見よ』と正造はいう。谷中村を守ることは憲法をまもること。だが、人民は谷中村事件から何も学ばなかった。逆に政・官・業・学は悪政の指針を身につけた。今も解決に至らない「チッソ水俣病」等の公害地域や、「沖縄辺野古」への政府の棄民・分断政策が足尾銅山鉱毒事件・谷中村事件と見事に重なり合う。
 戦争は銅増産優先、鉱毒被害無視、被害民運動を弾圧する。戦争は弱者を切り捨てる。世界共通だ。この鉱害闘争の現場から正造は戦争反対、軍備全廃論にたどり着いた。軍備費を青年の留学費に変え外交によって戦争をなくせと。
 晩年の正造は明治国家と帝国憲法の限界に気づき、「今の憲法、法律、教育のすべてを全廃して、天神を基とする〝広き憲法〟を設けるべし」と主張した。私たちが手にした「平和憲法」がまさにそれだろう。
 だが、谷中村事件から学ばず、戦争責任も原発事故責任も未だあいまいなままに過ごしてきた我々。
 田中正造は明治時代の「古い戦い」をしたから『明治の枢』に入れられたのか。だが、平和憲法がありながら明治精神・戦争体制へ復帰せんとする勢力に押し負けている我々こそ「明治の枢」へ片足を突っ込んでいるのかもしれない。
 劇団東演の『明治の枢』を見て、誰が「正造を叱る言葉」をかけられるか。
 戦後最大の危機を百年前に見通していた正造はいう。
〝人民は、人民の経験を信じて一歩譲るべからず〟

(田中正造研究家)

 赤上剛氏の著書に、『田中正造とその周辺』がある。

 家の中にこもっていては災害の実態はわからない。佐野市も溢水にあっていた。昔歩いたアンダーパスには溢水の跡があり、町中も所々溢水による泥や枯れ草が残っていた。惣宗寺からほど遠からぬところにある橋も今回の豪雨で破壊された。古河による足尾銅山鉱毒と戦ったがゆえに、農民たちは、政府に家を強制破壊され、生活の場を追われた。彼らの暮らしていた場所は後に渡良瀬遊水池と化した。遊水池も今回豪雨で水没した。見に行った時点では、中に入れなかった。

Sanohashihoukai19

2019年10月20日 (日)

世界がひっくり返った

マーティン・シーフ
2019年10月13日
Strategic Culture Foundation

 1781年、ヨークタウンで、まだ当惑している伯爵チャールズ・コーンウォリス大将が、彼の軍をジョージ・ワシントンとドゥ・ロシャンボー侯爵に降伏させた時、伝説によれば、イギリス軍楽隊が「世界がひっくり返った」と呼ばれるバラードを演奏して屈辱を高めた。後に作曲家リン・マニュエル・ミランダが彼の称賛される現代ミュージカル「ハミルトン」のヒット曲として、この歌を再生した。

 光速通信や電信線やラジオやインターネットがなかった時代に、アメリカにおける大英帝国の敗北は、世界全体を揺り動かした。それは祝われて、クウェートの首長から、サンペテルブルグのロシヤ皇帝エカチェリーナ2世にまで歓迎された。

 だがイエメンの多くを支配するフーシ派反抗運動が、9月末、サウジアラビアの三旅団を壊滅し、最少2,500人の犠牲者をもたらした時、欧米メディアはそれを無視した。

 このウェブサイトの、あの出来事に関する比類ない評価を提供する上で、Frederico Pierraciniの顕著な分析は、事実上、傑出している。

 安全な過去ではなく、どこでも起き得て、アメリカが勝利したのではない限り、「決定的な戦い」を認めるのは、欧米解説者の間では流行ではない。だがナチス、ドイツ国防軍が1940年に、6週間の作戦で、伝説的なフランス軍を打倒した時、1942年秋、スターリングラードで、赤軍がナチ・エリート戦闘部隊を殲滅した時、それらの戦闘は本当に決定的だった、時計は決してそこから戻れなかった。

 フーシ派が、サウジアラビアに与えた屈辱的敗北は、それらと同等の画期的重要性を持っている。それは、これまでの四年にわたる、少なくとも100,000人の一般人を殺したイエメンの不必要に長期の内戦におけるフーシ派の勝利確認以上に、遥かに意義深い。フーシ派は今やサウジアラビア王国自身を轟音ともに壊滅させる態勢にあるのだ。

 この展開には暗い因果応報がある。サウド家は、それが登場した時と同様、若い、厳しいが、献身的な革命運動が、時の帝国主義大国に支援された価値のない古い反動主義政権に挑戦し、それを破壊する武力衝突で崩壊するだろう。

 サウジアラビア創始者アブドゥルアズィーズ・イブン・サウード国王は、それまでの、最有力ながら、生気を失った、ちゃちで腐敗したハーシム王朝からアラブを征服した、今日不気味にフーシ派の勃興を予想させる、活発なカリスマ的な若い部族指導者だった。

 ハーシム家は、イスラムの神聖な都市メッカとメディナの宗教的支配を享受していた。彼らは以前は、オスマントルコ帝国に仕えていたが、第一次世界大戦の間に、ハーシム家は、勃興して、確実に中東最有力帝国としてトルコに代わるだろうと正確に判断した大英帝国を熱心に奉じたのだ。

 ハーシム家の、この世界戦略の読みは正しかった。だが一つ克服できない問題があった。メッカのシャリーフ、フセインは一様に非常に嫌われており、不公平で思いやりがないとんでもない人物だったので、誰も指揮することができなかったが、彼の家族の大部分ももっと酷かったのだ。

 ウィンストン・チャーチル植民地大臣率いるイギリスは、1920年代にハーシム家を受け入れ、イラクの王座にシャリーフ・フセインの息子の一人、ファイサル王一世を据えた。イギリス軍の支援にもかかわらず、一家はそこでも嫌われた。1958年、イラクのハーシム家王室全員がバグダッドで大虐殺で機関銃で撃たれ、世界に衝撃を与えた。

 1920年代の半ばに、シャリーフ・フセイン自身、既にアブドゥルアズィーズとサウド家によってアラビアから追い出されていた。大英帝国の全ての力も、ウィンストン・チャーチルのあらゆる取り組みも、彼を救うことができなかった。

 そこで、アラビアの石油資源を探求する時期が到来した際、アブドゥルアズィーズはイギリスをはねつけ、代わりにアメリカ石油会社に重要な採掘特権を与えた。1933年5月、サウジアラビア政府は、ライバルのイギリス支配下にあるイラク石油の入札より、SoCal、スタンダード・オイル・オブ・カリフォルニアを好んで、採掘特権を与えた。それは現在巨大サウジ・アラムコ石油会社の前身だった。

 だが、過去80年の全ての伝説的なサウジアラビアの石油の富は、彼らによる、それまでのアラビア半島征服に基づいていた。中核となる軍事的教訓は明確だった。常に、ダイナミックで精力的なリーダーがいる勇敢で情熱的な軍隊が、疲れて、腐敗し、見下げはてた支配者が率いる、より裕福で、より大きく、より良い装備の軍隊を打ち負かすのだ。

 今歴史は、今回、サウジアラビア人が勝者ではなく、敗者であろうとしていることを除けば、同じことを繰り返しているのだ。

 フーシ派の勝利は、サウジアラビア人に、歯が立たない敵に会ったことを気付かせた。傲慢で無謀な若いサウジアラビア皇太子ムハンマド・ビン・サルマーンには、イエメンの人々に対する、これまで数年前にわたる獰猛で残酷で血まみれの空爆作戦を中止する時間が十分あったのだ。彼はそうはしなかったが、今や遅すぎる。

 つけがまわったのだ。そしてそれはサウジアラビアとイエメン国境では止まるまい。

 世界は再びひっくり返ろうとしている。 マーティン・シーフは、24年間、上級海外特派員としてワシントン・タイムズとUPI通信社で70以上の国から報道し、12の戦争を担当した。彼はアメリカとグローバル経済問題が専門。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/13/the-world-turned-upside-down/

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 宗主国の命令で、日本軍中東派遣が実現する。結果は素人でも想像できそう。偽旗友軍攻撃作戦?

 中東における宗主国の盟友イスラエルは、その狙い実現するためには、どんなことでもする実績がある。『アメリカ艦船リバティー号に対するイスラエルによる攻撃』不思議にも、というか、当然にも、検索エンジン、この記事を隠蔽している。

 そして宗主国は偽旗合州国だ。

 21日のインタビュー、すごいタイミング。台風による被害について、お二人の意見を是非伺いたいと思っていたところだった。

日刊IWJガイド・日曜版「明日21日から4連続インタビューが決定!! 21日はジャーナリスト・まさのあつこ氏と拓殖大学政経学部教授・関良基氏、22日は元外務省情報局長・孫崎享氏(続編)、23日(または24日)は国民民主党・森裕子参院議員、25日は立憲民主党・有田芳生参院議員と神原元弁護士にインタビューを行います!!」2019.10.20日号~No.2593号~

 

2019年10月15日 (火)

米ドルの世界準備通貨という地位を潰す上で、イランは中国の秘密兵器

Federico Pieraccini
2019年10月3日

 国際政治に影響を与えている強い変化の流れがある。それは単極から多極世界秩序への移行によって引き起こされる革命の始まりだ。実際、我々は、中国の輸出に対するアメリカ関税適用、イランに対するワシントンの制裁、アメリカのエネルギー自足、サウジアラビア産業施設の脆弱性、中国へのガスと石油の大量輸出と同様、アメリカの攻撃に抵抗するイランの能力を含め、いくつかの要因の組み合わせに直面している。全てが一つの要因、つまり世界準備通貨としての米ドルの衰退に収束する。

 最近我々は、ほとんど毎日単位で、中東でかなり重要な出来事を目撃している。ワシントンとテヘラン間の緊張は、何より、ワッハーブ派サウジアラビアとイスラエルのトランプへの融資家と完全な同一歩調で行進するネオコンと深く結びついたアメリカの連中をなだめるトランプ政権の必要性に拍車をかけられている。

 挑発と偽旗で構成される対テヘラン攻撃政策は、何年もの間起こるだろうと私が予想していた通り、最近、アメリカ軍産複合体にとっての広報大惨事をもたらした。

 イエメンのフーシ派による攻撃は、非常に高価なアメリカのパトリオット航空防衛システムの欠点を暴露して、サウジアラビア王国の二つの主要な石油施設を攻撃した。

 この攻撃は、わずか数千ドルの支出、低経費の非対称戦争手段が、あらゆる予想を超え、どのように何十億ドルにも相当する損害を与えることが可能か、どれほど効率的であり得るかを実証して世界中の政策当局に衝撃を与えた。フーシ派攻撃で起こされた損害の実際の程度は、アラムコが公式情報提供に苦闘する状態で未知のままだ。

 イラクからリヤドが、かなりの量の石油を輸入する必要があるかもしれないことを未確認情報が示唆しているが、攻撃により石油生産の50%以上が中断させられている。

 サウジアラビアの生き残り計画を複雑にするのに、このシナリオが十分ではないかのように、イスラエルとネオコンは、サウジアラビアが経費の大部分を負担することになるはずの対テヘラン武装攻撃を要求している。イランの軍事力に気付いたサウド家は、イランに対する彼らの闘争的な調子を軟化させたように思われる。

 制御不能な戦争のリスクがある、この極めて激しやすい中東で、サウジアラビアの危険は非常に明確で、おそらく彼らも良く知っているのだ。国民に提供している福祉のおかげで維持されているサウジアラビア王国は不安定な状態にある。もし戦争が死と破壊と貧困をもたらせば、ワシントンが指導するアラブの春型反乱で打倒されるまで、サウド家は、どれほど長い間持続できるだろう? サウジアラビアの重要性は、誰が国を支配しているかではなく、OPECを支配し、米ドルでの石油販売を押しつける能力により、世界準備通貨という概念のおかげで、世界経済におけるワシントンの重要性を保証していることであるのを理解しなくてはならない。

 イラン・イスラム共和国に280億から4000億米ドルの与信枠を与える北京の最近の決定は、近い将来のみならず、遠い将来にも目を配る広域スペクトル戦略の一環だ。

 イランは、アメリカの二次制裁による石油販売収益の欠如を埋め合わせるこの経済援助で確実に恩恵を得るだろう。北京は、経済と人口の目ざましい成長を経験している中国のため、未来の石油供給を保証する、油田、プラント、流通、港湾とエネルギー・ハブをイラン国有企業が発展させるのを支援して、イランのガスと石油市場に入るつもりだ。

 もし我々が中国の意図の背後に対する推論を拡張し、中東やアメリカの権益にそれを関連づければ、慎重に評価する必要がある興味深い構図が現れる。

 水圧破砕とシェールガスによりエネルギー自足を実現し、石油純輸出国に変わったのをワシントンが自慢しているのを我々は知っている。問題になっている油井の永続性には疑念があるが、現状は、アメリカが内需を満たすため、サウジアラビアと中東の石油への依存を大幅に減らしているのを確認するように思われる。

 したがって、外交問題評議会CFRの最近インタビューで説明したダンフォードやマティスなどの将官を含め、多くの政策当局者が、列強外交の復活を認識して、国防戦略変更で、よく知られている4+1の枠組み(中国、ロシア、イラン、朝鮮民主主義人民共和国 + イスラム・テロ)から、よりバランスのとれた2+3(中国、ロシア + 朝鮮民主主義人民共和国、イランとテロ)へと、焦点が、どのように変わったかを確認している。

 地理学用語で、これはペルシャ湾や中東や北アフリカから離れ、将来、極東への軍隊移動を暗示している。これは(軍事的、経済的、技術的に)ワシントンの主要競争、すなわち中国を封じ込め、包囲することを目的としている

 この包囲に対し、北京には取っておきの切り札がある。中国はその一帯一路構想(BRI)にとって極めて重要なイランを支援するだけでなく、より後の段階で、米ドルだけで石油を売るのをやめるようサウジアラビア(とOPEC)を説得に努めることで、米ドルの準備通貨という立場を置き換えることが狙えるのだ。モスクワは、OPECプラスを開発して、米ドル以外の通貨で表示された価格のLNG市場を形成し、同盟者中国を支援できる。現在、北京とモスクワは、SWIFT制度も米ドルも完全に迂回して炭化水素貿易をしている。

 中国は世界全体の経済展望を変えることが可能な十分練られた作戦を持っている。中国は、まずイランが輸出を開発するのを助け、同時に自国への未来の供給を保証し、両国がアメリカ経済テロから身を守ることを可能にする。当然、中国へのイラン石油販売は、SWIFTシステム外で行われ、それゆえ、アメリカのオイルダラー・カルテルの範囲外で行われる。

 この動きによって、北京は、既に北アフリカ(鉱物と原材料)と東のロシア(農業)でした投資を補完して、自国の継続発展を保証すべく、途方もなく増大する経済のために炭化水素の未来の販売を確保しようと努めているのだ。

 アメリカの経済覇権にとって、中国による本当の危険はサウジアラビアにある。もしワシントンが、石油輸入の上で、サウジアラビアへの依存が益々減少し、東南アジアに焦点を移せば、地域覇権国家として、イランが上昇するの、アメリカが阻止する理由は益々少なくなるだろう。そこで、リヤドは周囲に目を配り、地域地図上の自分の場所を再考するよう強いられるだろう。

 リヤドの悪夢は、中国を主要貿易相手国とし、ロシアが軍事パートナーのシーア派の弧が、地中海からペルシャ湾まで広がることだ。この全て、地域でバランスをとる拮抗力となるアメリカ同盟国皆無だ!

 イランに関する中国の戦略は、サウジアラビアに米ドル以外の通貨での石油販売を考えるよう圧力をかけることだ。現状では、北京はサウジアラビアから大量の原油を輸入している。これは中国が、石油輸入を、ドル以外の通貨あるいは人民元そのもので、石油に支払うイランに移行すれば、変えられるのだ。

 もしこの影響が(南パース/北ドーム・ガス田開発で根本的に重要なイランの経済パートナー)カタールや他の湾岸諸国に広がれば、サウジアラビアは、見返りという点では、ほとんど何もないサウジアラビアのビジョン2030年のような希望にあふれた計画を持つ、ガスと石油を輸出する経済大国としての地位が脅かされることになる。

 北京は、ドル以外の通貨、おそらく我々が住んでいる多極世界を、よりよく表す通貨バスケットを通してガスや石油を含む第1次産品を輸入するのを好んでいる。それは、海外市場や個別の国々の民間資金に対する連邦準備制度理事会の影響を制限できる、IMFのものを手本にしながら、米ドルの比率がより小さい(あるいは皆無の)バスケットであり得る。

 北京の戦略は、攻撃的であれ、穏やかであれ、アメリカの対応に合わせて変化させ、段階的に進めるよう意図されているように思われる。たとえ可能でも、決して実際には相手を打撃しないブラジルの格闘技ダンス、カポエイラのようなものだ。だが、このカポエイラの長期的狙いは、アメリカの収入と権力の主要源を傷つけることだ。つまり世界準備通貨としての米ドルに。

 この戦略の第一段階は、イランと、主にアメリカ制裁の結果、不安定なイランの経済状態に焦点を当てる。第一段階では、イランがアメリカの経済テロリズムをかわすなか、北京の与信枠は、イランを破産させずにおくのに役立つだろう。第二段階は、石油とガス田で中国国有企業がイラン企業と働くのを可能にするため、おそらく何らかのイラン法の変化を伴うだろう。第三段階では、おそらくドーハとテヘランが共有する世界最大のガス田開発に、カタールが関与するだろう。一方、一帯一路は拡大しつづけ、ペルシャの国の周辺に近づき、途中で多くの東南アジアの国々を巻き込み、それにより異なる地域間の貿易を拡大するだろう。

 この戦略が既に機能しているのを確認して、中国は、いかなる戦争の場合でも、海路のと通信線を守ろうと努めている。北京は強い海軍力を持つことがどれほど喫緊か悟り、この目標に向かって、しかるべく大いに投資している。

 このような地政学の文脈で、見返りに、十分な軍事的保護や、経済的利益を受けること無しに、もっぱら米ドルで石油を売って、サウジアラビアが、それほど無条件で、アメリカ権益に迎合し続けると想像するのは困難だ。中国-イラン-ロシアという代替案が誰にでも見える形で上昇しているにもかかわらず、経済的に世界を不安定にし続けながら、地域の同盟諸国の軍事的保護を無視しながら、米ドルを、世界的準備金として生き続けさせられると信じていたのであれば、ワシントンは大変な誤算をしていたのだ。

 オバマからトランプまでの間には、アラブの春、警告され、実行された戦争、経済の不安定化、財政テロ、同盟国への脅迫、時代遅れの兵器販売や単極から多極秩序への移行によって引き起こされた戦略変更(「アジア基軸」)があった。そのような変化する世界では、米ドルは、必然的に通貨バスケットで置き換えられ、ワシントンが、今そうである超大国になるのを可能にした無限の購買力を消滅させるはずだ。

 北京は何年も前にこのメカニズムを理解し、今イランを、画期的変化をもたらす触媒として見ている。イランは、BRIがその領土を通過するだけでなく、アメリカというオイルダラー覇権国を、経済的王手詰めするため、サウジアラビアに接近し、この王国を多極派集団に引き入れる上で、自身当て馬ともなるので有用なのだ。

 リヤドに対する北京の経済的、道義的提案は問題に遭遇するだろうし、オイルダラー覇権を維持する上でのサウジアラビアの重要性をアメリカは認識し、当然これに抵抗するだろう。ロシアは王国に防衛兵器を売ると申し出て、この地政学的変化に寄与している。

 あらゆる手を使って、北京の勃興を傷つけようとするオバマとトランプの取り組みは、この特権的で、不自然な取り決めの終局の幕を開けて、世界準備通貨として米ドルを維持するワシントンの能力に悪影響を及ぼしただけだ。


 Federico Pieracciniは国際問題、紛争、政治と戦略を専門とする独立したフリーライター

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

 記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/03/iran-is-chinas-secret-weapon-for-killing-off-the-us-dollars-global-reserve-status/

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 最近たまたま治水・利水関係の本を数冊読んだ。『江戸を造った男』もその一冊。カスリーン台風による利根川堤防決壊現場にもいったことはあるが、歴史上の逸話と思い込んでいて、似たような実際に起きるとは想像していなかった。何度か降りた駅前が冠水している映像を見て驚いた。

 Kekkaikou

 「まずまず」発言、正気だろうか? フランス料理の堪能も国民の代表の仕事。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名 教師イジメは報じるが、国民イジメは放置する大本営広報部、ほとんど種子法廃止にふれない。

山田正彦元農相の警鐘「私達の生る糧である米を安心、安全、安価で提供は、法律?種子法 で定めてた。安倍政権はこれを廃止。かつて野菜の種一粒2円程、今では40円、これを米等にするのが種子法廃止、誰の為か。多国籍アグリ企業が利益を得る為。これが安倍政権

 IWJも今日の見出しは「まずまず」

日刊IWJガイド「予想されていた過去最強クラスの台風19号! 遅すぎる『非常災害対策本部』の設置! 自民・二階氏は台風被害『まずまずで収まった』と発言!? 」2019.10.15日号~No.2588号~(2019.10.15 8時00分)

2019年10月14日 (月)

サウジアラビアは門戸を開きつつある。行ったら何が見られるだろう?

2019年10月7日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 サウジアラビア王国は世界に門戸を開きつつある。宗教巡礼者(つまり正式なイスラム教徒)か、NATO軍人か、現地企業かサウジアラビア政府に招かれた実業家男性か女性でなければ入国ビザを受けとることは絶対不可能だった。たとえビザを承認されたとしても、ビザには数百ドルもかかり、とんでもなく高価だった。唯一の逃げ道は、オマーンあるいはバーレーンからヨルダンまでドライブする人々向けの「通過ビザ」だった。

 観光は、サウジアラビア王国訪問の理由として認められていなかった。観光ビザは決して発行されなかった。以上、終わり。

 それが突然、全て、まさに2019年9月末に変化したのだ。サウジアラビア政府は、ロシア連邦と中華人民共和国(香港とマカオを含め)と、アメリカ、カナダ、欧州連合の全ての国民を含め、49国籍の人々向けに、e-ビザを導入したのだ。

 全てが簡素化された。リヤド(首都)やジッダやダンマームの、かつて粗雑だった国際空港は信じ難いほど改装された。今は愛想の良い女性(まだヘジャブをまとっている)が完ぺきな英語で、初めての訪問者を審査し、指紋を採取し、写真を撮り、サウジアラビアに歓迎している。審査ブースの壁には評価ボタンがある。「我々の対応はいかがでしょう?」素晴らしいから酷いまで。今リヤド空港は清潔で、明るく、快適だ。

 今首都中いたる所で、外国人女性は髪を完全に出して歩いている。空港、リヤドの全ての主要ホテル、オフィスビル、贅沢なショッピング・センターの中でさえ。

 王室は世界に明確なメッセージを送っている。事態は急速に変化している。サウジアラビアは数年前のものではない。今、女性は運転でき、外国人(少なくとも豊かな国の人々)は入国でき、女性の服装規定は益々緩和されている。

 何十年間もほとんど絶滅していた後、「芸術」や「文化」などの言葉が、現地の言葉に再び表れた。

 サウジアラビアには様々な問題がある。汚職や、中産階級の増大する不満や、貧しい人たちの大きな絶望や、石油価格や、イエメンのフーシ派による越境報復攻撃や、シリア内にいるサウジアラビア過激派同盟者の差し迫る敗北や、カタールとの長期対立や、石油輸出に基づいた、まだ多角化されていない経済の弱さなどがある。

 ちょうど一年前、ジャーナリストのジャマル・カショギを切り刻んだ後、サウジアラビア王国は突然世界のあらゆる場所から強い批判を受けた。

 何万人もの無辜のイエメン人の絶え間ない殺戮は世界中の進歩派の激怒を引き起こした。

 リヤドの支配者は多くの事を再考しなければならなかった。彼らは計算し、最善の行動は、国を開放して、基本的に、王国は多くの人々がそう思っているほど「酷く」ないことを実証するだという結論に至ったのだ。

 危険は大きい。この戦略は本当に機能するだろうか? それとも裏目に出るだろうか?

***

 政治は別として、サウジアラビアは「特異な場所」で、確かに万人向けではない。

 当然の功績を認めれば、サウジアラビアはナツメヤシの実や美味しい果物を生産し、いくつかの衝撃的な眺望や果てしない砂漠や砂丘とオアシスがある。サウジアラビアは城と要塞が沢山あり、もちろんイスラムの発祥地として、いくつか信じ難い史跡もある。

 数年前、中国、北京の国立博物館はサウジアラビア王国の何千という歴史的遺物や画像を展示した。見学した人々にとっては、途方もなく大きな発見だった。

 不幸にも、中国で見ることができたものが、リヤドやジッダやメッカやメディナで常に見ることが許されるというわけではない。

 サウジアラビアの過激なワッハーブ主義は、何十年間も、神聖と認められない全てのものと戦ってきた。音楽、映画、非宗教本、動物の画さえも。

 この宗教的過激主義は、世界のあらゆる場所に輸出された。逆説的で、奇怪なことに、それは欧米、特に北アメリカ「文化」と絡み合っている。極端な資本主義が王国中いたる所で繁栄している。更なる石油、更なるキッチュ。

 豪勢なショッピング・センターや、ひどい設計の高過ぎるホテルや、自動車文化や、マクドナルドやダンキン・ドーナッツやピザハットのような安いアメリカ・レストランに比べれば、巨大なイスラム教記念碑も小さく見える。

 隣接するドバイやドーハやマスカットと比べてさえ、ダンマームやジッダやリヤドのような大都市には、ほとんど何らの都市計画も接続性もない。

 インディペンデント紙によれば、

「初期イスラムと結び付いた場所の破壊は、特に聖都メッカとメディナの周辺、主に西サウジアラビアのヒジャーズ地方で進行中の現象だ。破壊は、イスラム預言者ムハンマドや、多くの初期イスラム創設者たちと結び付いたモスクや墓地や家に集中している。」

 大金持ち巡礼者向けの俗悪なショッピング・センターと5つ星ホテルが、今やメッカの最も神聖な場所を、文字通り包囲している。

 だが破壊されているのは、宗教的な場所だけではない。

 この最近の訪問の間に、私はリヤドから約20キロ、ユネスコに指定された、かつては衝撃的な世界遺産だったディルイーヤのトライフ地区にドライブした。この初代サウジアラビア王朝の場所は「改修中」だった。つまり伝統的な家や古の通りや広場や中庭の区域全体が「区画整理されていた」。破壊されていたのだ。近代的ショッピング・センターが建てられていた。間もなく、より多くの地域で、偽の建物が取って代わるだろうと言われた。既にトライフ地区は「サウジアラビアのビバリーヒルズ」とあだ名がついている。

 今後どうなるか誰も知らない。だが一つ確実なことがある。もしサウジアラビア支配者が、経済多角化のために、欧米やロシアや中国や日本からの観光客を引き付けようと望むなら、渋滞した道路やショッピング・センターや壊れた歩道や安っぽいホテルやレストラン以上のものを提示しなければなるまい。

***

 サウジアラビアは少なくとも理論上は(カタールほど金持ちではないが)極めて金持ちだ。だがサウジアラビアは、スラムから、彼らを食い物にするマフィアのために、より良い収入を生み出すよう、マイカー運転者の哀れみを呼び起こすために、若い時に腕を切断された乞食に至るまで、絶対の苦難に満ちている。

 多くの贅沢なショッピング・センターには、上流階級の夫人用のセクシーな、ほとんどポルノ的な下着店がある一方、主に亜大陸やアフリカやフィリピンからの何百万人という肉体労働者が、母国の状態と、さほど違わない貧困で暮らしている。

 政治的に、サウジアラビアは、イスラエルとともに、アメリカの友好国だ。

 そしてそれは目に見える。カタールの二倍の高いリヤドの有名な5つ星ホテルで、彼らは、ステレオタイプ的な西洋の「開発型」傲慢に、どんな恥ずかしさもなしで、公然と、支部に講義をしている。

 ビザ制限は緩和されたが、サウジアラビア王国での大規模観光事業は、まだ想像するのは困難だ。国は平均の予算に関して、歴史鑑識家のために、あるいは人々のために、文化志向のタイプのために準備ができていない。

 ここでは歩きようがない。語るべき公共輸送手段は、まだない。全てマイカーのために設計されているので、タクシーをつかまえることさえ困難だ。

 価格は驚異的で、サービス品質は非常に非常に低い。犯罪率は最高だ。

 外国人に来るよう説得するには、しばらく時間がかかるだろう。

***

 だが世界をサウジアラビア王国に呼び込む試みが行われている。変化の雰囲気が漂っている。

 リヤドの国立博物館はその扉を開いた。展示品は控え目に言っても、極めて貧弱だが、建物は立派だ。本の選択は非常に限定されているとは言え、新しい国立図書館は見事だ。様々な研究所は、主に王室の活動を強調している。新しい大量高速輸送システムが建設されているが、それがいつ使用可能になるかは誰も正確に知らない。

 私はこの複雑な国に関心がある。私は再訪し、更に多く理解したいと願っている。何年もの間、私はワッハーブ主義と、イギリスやアメリカとの破壊的な同盟について書いている。また正直に言って、私は砂漠と、そこに暮らす人々にずっと魅せられている。

 イランのPress TVへの頻繁な出演を含め、サウジアラビア王国の外交政策に対する私の厳しい批判を考え、この訪問を多少心配していたが、私は「e」ビザでなく「正式」ビザを得て、結局悪いことは何も起きなかった。会った人々は親切で率直だった。今私はコロンボ行きのスリランカ・トランス・パシフイック機内で元気でこの記事を書いている。

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 多角化はサウジアラビアの人々にとって、極めて好ましいものになり得る。ロシア・中国両国が今本格的に参入しており、観光事業や他の部門と同様、間もなく、両国からサウジアラビア石油産業に大規模投資がなされるだろう。中国とロシアの人々は好奇心旺盛で大胆だ。彼らはやって来る。多くの人がやって来る。サウジアラビア人はそれを知っている。

 リヤドの国立博物館で、受付係が、英語で、どこからきたのか尋ねた。「私はロシア人です」と答えた。彼は数秒ためらい、微笑みながら言った。「プリヴィエト! カク・ジェラ?」 (「こんにちは、お元気ですか?」)多分彼は、世界のあらゆる言語で挨拶するため、こうした数語を学ばなければならなかったのだ。あるいは多分そうではない。彼はロシア語を勉強していたのかも知れない。

 サウジアラビア王国の支配者は非常に隠し立てする人々だ。今後数年で、この国がどの方向に向かおうとしているのか誰も本当に知らない。サウジアラビア王国はいつか「中立」になれるのだろうか? 私にはわからない。

 だが一つ確実なことがある。何かが動いており、醸成しており、進展しているのだ。サウジアラビア王国は、五年前と同じ国ではない。将来、おそらく今から五年先には、サウジアラビアは、今とは似ても似つかないものになるかもしれない。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/07/saudi-arabia-is-opening-its-doors-but-what-will-you-see-once-there/

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 コンビニではなく、いつも行くスーパーに、牛乳を買いに行ったが、棚はからだった。

 大昔に熱心に拝読した新聞連載記事『アラビア遊牧民』『アメリカ合州国』『パプアニューギニア』を思い出した。

 この差別。

日刊IWJガイド「警戒レベル5の大雨特別警報が発令される中、避難所を訪れたホームレスを台東区が排除! 命の選別を区が決定!? 」2019.10.14日号~No.2587号~(2019.10.14 8時00分)

2019年10月10日 (木)

アメリカは本当にイランとの戦争準備をしているのだろうか?

2019年10月5日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 アメリカ大統領が危機を緩和するために望んでいたに違いない、アメリカ大統領との秘密会談をイランのロウハニ大統領が拒否したのを主流欧米メディアは大々的に報道する一方、アメリカ国防総省が最近行った極めて重要な軍事行動、アメリカとイラン間の重要な、全面的戦争ではないにせよ、直接の戦争行為に向かう可能性がある措置を示す動きについては、本格的、あるいは、わずかな報道さえなかった。主に核問題で、イランを屈伏させる能力が、アメリカにないために、イランとの緊張が高まるにつれ、アメリカは、中東指揮統制センターを、カタールからサウスカロライナのショー空軍基地へと、遥々11,200キロ、移転した。センターは、湾岸戦争時、1991年にサウジアラビアに設置され、これまで13年間カタールで活動していた。だが時代は変わった。イランがアメリカを攻撃する能力を持っているという事実は、このセンターは、軍事的対決が起きた際、容易に標的に定められて、アメリカの能力に障害を与えかねないことを意味している。

 「いざとなって全面紛争になった場合、それ[指揮統制センター]が優先目標の一つになると考えるのに、山のような想像力は不要で」防衛は不可能なのだと、ワシントン・ポストが報じた。司令センター全体を移動するというような大きな判断は、国が戦争を予想しているか、あるいは始めることを目指している時にしか行われない。アメリカ-イラン関係の緊張という文脈で、この移転が意味するのは、核問題が転換点に近づきつつあるということだ。

 アメリカが制裁を撤廃する兆しはなく、EUがその誓約を遵守する中、11月にイランが、2015年合意下の誓約からさらに離れる、もう一つの措置をとる、あらゆる可能性がある。EUにとって、11月7日にイランが行う予定の「次の措置」は、核合意の終わりを意味するかもしれず、EUは合意から離脱を強いられるかもしれない。

 だが、アメリカにとって、EUの離脱は、アメリカ大統領自身が、合意から離脱する決定をして以来、ずっと期待していたことを達成することになる。実際、アメリカによれば、サウジアラビアの石油施設に対する攻撃で示されたような中東で増大するイランの活動が、ヨーロッパを「目覚め」させて、政策を変える強い理由になるべきなのだ。

 イランを攻撃するアメリカの「秘密計画」が最近ようやく漏洩されたのは単なる偶然の一致ではない。Theatre Iran Near Term(差し迫るイラン戦場)(TIRANNT)という暗号名を付けられた戦争計画は、大規模な空軍力(飛行機とミサイル)で、地上侵略を避け、イランに対し、壊滅的、破壊攻撃を行う国防総省戦略だと言われている。もしこのような計画を実行する場合、アメリカは、アメリカを傷つけるための適当な目標をイランが決して見つけられないようにしたいと望むはずで、それ故、司令センターをカタールから移動動する決定となったのだ。

 だが、最悪の場合、アメリカはこのような攻撃をするかもしれないが、戦争によって最も影響を受ける国は、十分イラン弾道ミサイル射程の範囲内にある中東、特にサウジアラビアと、その同盟諸国だ。それが、これら攻撃を阻止する上で全く無能なサウジアラビア王国が、最近のイエメンによる空爆と地上攻撃後、なぜ戦争に、さほど熱狂的でないかを説明する。アメリカとイランが関与する大規模戦争は、究極的にサウジアラビアも巻き込み、王国は状況を制御することはできず、王国の崩壊をもたらしかねない。サウジアラビアは、今そうであるほど脆弱だったことが一度もないのだから。

 それが、最近のインタビューで、彼の国はイランとの戦争を求めていないと言った際、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が「道理をわきまえているように」聞こえた理由だ。イランとの戦争は壊滅的で、世界経済を崩壊させるだろう。同時に、サウジアラビアは、アメリカにイランに対し、更に厳しい立場を強要し続けている。MbSはインタビューで言った。「もし世界がイランを阻止するための強い、断固とした行動をとらなければ、我々は世界の利益を脅かす、それ以上のエスカレーションを見ることになるだろう。石油供給は混乱させられ、石油価格は想像も及ばないほど未曾有の高値に急上昇するだろう。」

 だが戦争は望ましくはなく、「政治的、平和解決の方が、軍事的解決より遥かに良いとMbSは結論を出した。もしサウジアラビアが戦争に気乗りがしないのであれば、アメリカもさほど熱狂的ではない。

 上記のアメリカの動きは、サウジアラビアへの、より多くの兵士とF-35戦闘機配備をともなっており、アメリカは彼らの安全保障源でありつづけると言って、同盟国を安心させることを意図している。イエメン攻撃を阻止しそこねたアメリカ防衛システム失敗のおかげで、頼れる安全保障パートナーとしてのアメリカの信頼性は深刻な疑問を投げかけられている。

 これは戦争が決して予想されないことを示唆するものではない。アメリカとサウジアラビアの戦争に気が進まない立場に関する、より妥当な説明は、大規模戦争は、サウジアラビアが、政治的にも、軍事的にも耐えることができない、遥かに大きな規模の破壊をもたらすという認識が増したことだ。一方、国防総省は、不測の場合のために、このような事前計画を続けている。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/05/is-the-us-really-preparing-for-war-with-iran/

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 岩波書店『世界』11月号 「メディア批評」第143回 (1)テレビよ、怒りをこめて振り返り、残された可能性に向かえ (2)内閣改造、警察国家と大政翼賛 いずれも、おっしゃる通り。
 一方、「〈逃亡犯〉たちの街 香港の今を歩く─私の取材記」、ヴルチェク氏の記事とは、かなり違う雰囲気。
 数日前、「証言ドキュメント辺野古」という番組を見た。政治ニュースとしょうする垂れ流し専門と思いきや、かなりまともなので驚いた。「共犯者たち」ではない方々も確実におられるのだろう。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名は

米国大統領候補、世論調査のトップにバイデン元副大統領に代わりエリザベス・ウォーレン。バイデン、サンダース、ハリスの支持率は各々過去最低レベル、ウォーレンは学生債務救済、富裕税、大企業への課税、環境保護政策等を提唱。大企業側に危機感→どう展開

 2014年5月、下記記事を翻訳した。ウクライナ・スキャンダルが話題の今、ウォーレン女史が優位になって当然と思える。

 参院埼玉選挙、対立候補は論外にせよ、本命が「憲法改正には前向き」とは悩ましい。

日刊IWJガイド「参院埼玉選挙区の補欠選挙はきょう告示! 議員辞職して鞍替え候補となるN国党・立花氏と一騎打ちする前埼玉県知事の上田清司氏は野党候補としてではなく『完全無所属』での立候補を表明!! 憲法改正には前向きで、新たな改憲勢力の一人となるのか!? IWJが上田氏の選挙事務所に電話取材!!」2019.10.10日号~No.2583号~(2019.10.10 8時00分)

2019年10月 6日 (日)

イスラエルがなくなったら、中東は生き残れるのだろうか?

2019年9月29日
ゴードン・ダフ
New Eastern Outlook

 イスラエルは虫の息だ。ミサイルの雨がイスラエルを破壊するわけではないので、ハマスやヒズボラは全く関係がない。イスラエルは、1990年代、リクード党の出現とともに始まった自壊サイクルにあるのだ。イスラエル住民が増加し、若い理想主義者ではなく、経済難民のユダヤ人が増えるにつれ過激化して、賽は投げられたのだ。Veterans Todayの編集者の一人、イアン・グリーンハルジはこう語る。

「90代半ばから、リクード党は、ロシア・マフィアのフロント組織以上の何ものでもありませんでした。ゴルバチョフが強制収容所を開放した1985年から、大量の最悪の、最も邪悪な、くず犯罪人連中が、どっと溢れ出たのですが、医者や教授等き教育水準の非常に高い人々や、複数の高級な学位を持った男性や、高位の職歴を持った男性が、生き残ろうと苦闘する崩壊するソ連邦になっているのに連中は気づいたのです。こうした失業学者連中は、すぐさまマフィアにリクルートされ(一例が、数学と経済学で非常に高い資格を持っていたボリス・ベレゾフスキーだ)、それまで見たこともない最も危険な暴力団を組織したのです。

これら犯罪者の多くは十分ユダヤ血統なので、イスラエル移住資格を持っており、イスラエルへと向かいました。彼らが、そこでリクード党を乗っ取り、和平策定プロセスを終わらせるためイザク・ラビンを殺害して、権力を掌握するのに、わずか数年しかかかりませんでした。連中はネタニヤフを表看板として選び、1995年、彼は首相に据えられました。ネタニヤフとリクード党は、今日に至るまで政権に留まっており、それがイスラエルが、このような交渉不可能な、血に飢えた制御できないならず者国家になっている理由です。トランプをホワイトハウス(この取り組みで、アデルソンは彼らの最大財政支援者だ)に送り込んだのは、まさに、このイスラエル-ロシア・マフィアで、連中は他の多くの国々の首脳にも支配力を及ぼしています。」

 イスラエルが一度も法的権利がない、多くの国連決議に違反して占拠している土地、パレスチナの祖国の多くである、西岸を「ユダヤ人だけ」の国家に取り込むというネタニヤフの公約を見ると、イスラエルに対するグリーンハルジの悲観的な見方は、現実に展開しているのだ。

 我々は、犯罪組織に支配されるリクードのイスラエルと、グリーンハルジが支持するような、過激主義がない政治過程から生まれ出たかも知れない国を明確に区別しなければならない。

 現在明確なのは、今「ネタニヤフ」という名前を巡って作られた、この「個人崇拝」犯罪組織が終止符を打ちつつあることだ。

 イスラエルには巨大な空軍があり、何百という核兵器と巨大な陸軍があるとされるとことを人は指摘するかもしれない。2006年以来、イスラエル国防軍が、二世代前の占領成功にあぐらをかいており、それさえアメリカが密かに1973年の戦争に参戦していたことを人々は指摘するかもしれない。

 もし本当の歴史を研究すれば、歴史は長い間検閲され、抹消されており、アメリカ合州国がアラブの石油通商停止で味わった経済崩壊は、現実には、アラブ世界に対する、ニクソンとキッシンジャーによる宣戦布告なしの戦争に対する反撃だったのだ。

 現在、このアラブ世界は、これまでと同様、宗教によって、ばらばらになり、分裂し、政府が「衝撃と畏怖」や、エセ「カラー革命」に打倒されて、いまだに欧米の影響の支配下にある。

 10年前は、イスラエルに対する恐れ、あるいは憎悪が地域を支配していた。現在、トルコ、イラン、サウジアラビアが、軍事大国として成長しており、シリア、リビア、アフガニスタンとイラクなどの他の国は、イスラエルの存続や、欧米の理想を推進するためではなく、商売のために、戦争のための戦争を擁護するイスラエルの影響によって促進されている欧米政策に耐えている。

 その商売、大規模石油盗難、人身売買、アフガニスタン麻薬帝国やペルシャ湾岸の軍国化は、もはや、イスラエルは関与していない。

 時折イスラエル国民は、たまのロケットから防空壕に隠れるよう要求されるが、実はイスラエルはもはや重要ではない。歴史がイスラエルを置き去りにしたのだ。その歴史の一部、重要な部分には、グリーンハルジが言及したアデルソン家の人々がからんでいる。

 我々が話題にするのは、「ジェフ・ベゾス」ほど、あるいは「ビル・ゲイツ」ほど裕福ではないが、彼らに近く裕福なイスラエル系アメリカ人夫婦だ。これは、マカオとラスベガスのカジノを所有し、シチズンズ・ユナイテッド対FEC裁判で、アメリカ最高裁判所が裕福で強力な人々に有利な裁定をして以来、最も影響力を持っているアメリカ人、シェルドン・アデルソンとミリアム・アデルソンだ。

 アデルソン夫妻は、州と全国レベルの両方で、共和党を支配している。候補者は彼らの金銭的援助なしで勝てない。もし誰かが彼らの願望に逆行すれば、マカオ・カジノ事業からの無限の現金で、アデルソン夫妻は、対抗者を溺死させる。

 アデルソン夫妻は「保守派」のままだが、裕福な腐敗した二人は益々全体主義化するアメリカへの支配力を増した。アデルソン夫妻は、アメリカの方針がイスラエルに有利にはたらくこと、不正な最高裁判所がアメリカを二人に引き渡すことだけを気にかけた。

 政治インサイダーは、これは民主政治の宿命と見たが、ある程度、彼らは正しかったのだろうか?

 結構。夫妻、お望みなら「ギャンブルのボス」と呼ぶことができるイスラエル人億万長者が、アメリカを乗っ取ったのだ。アメリカの武器と現金をイスラエルに注ぎこむという二人の約束に基づいて、夫妻は大統領官邸にばか者を送り込み、全くの不適格者と詐欺師を権力の座に押しこんだのだ。

 何年も後に、それが起きた。ある日、シェリーとミリアムは気がついたのだ。驚くなかれ、イスラエルは、二人が選んだ指導者、家族ぐるみの友人、ベニーとサラ・ネタニヤフ夫妻に運営されているのだ。

 だがネタニヤフ夫妻とは一体何者だろう? サラは児童心理学者だが、最近、彼女の健全さは繰り返し疑問視されている。ベニーは? カナダ人作家バリー・チャミッシュによれば、イスラエルを運営すべく、ギャングによって選び出される前、ネタニヤフは、テルアビブのリム家具会社で、年間15,000ドル、家具を販売していた。

 イスラエルは自らを破壊している悪い兆しがある。外国の敵ではなかったのだ、アラブの軍がユダヤ人を海の中に行進させているわけではないのだ。ベニーとサラ・ネタニヤフがイスラエルを殺したのだ。旗はまだ下りていないが、その時は非常に近づいており、最近他の変化と同様、世界は用意ができていない。最も金持ちのイスラエル女性で、アメリカでも最も力がある女性ミリアム・アデルソンが、ハーレツでこう語っている。

ミリアム・アデルソン医師は、サラが首相と働く人々を選んでいると警察に言った。「彼女は労働者、彼の周囲の人々、スタッフ、秘書を選ぶ。そして、彼女はそれ以降のことを全て知っている」と彼女が言った。サラ・ネタニヤフが閣僚任命に影響を与えるかどうか尋ねられると、アデルソンは言った。「それも、そうだと思います。」

証言で、ミリアム・アデルソンは「我々の家での晩餐で、彼女が余りにやかましく金切り声を上げ、ビビが彼女に帰ろうと言うほどでした。」と大統領夫人の怒りの爆発について語った。

何についてサラ・ネタニヤフが金切り声を上げたか尋ねられると、アデルソン医師は答えた。「私が彼女の血を吸っているというのです。恐ろしかったです。彼女は正気を失っていました。私は彼女を抱きしめて言いました。「サラレ、大丈夫よ。」」

アデルソン医師は、首相夫人は「健康ではなかった」と補足した。「私は医者として健康でない人々に同情を感じます。私は中毒者を治療しています。彼女は健康ではありません。」

 皆様がお読みになっているものの背後には色々あるのだ。アメリカのユダヤ人住民は一般に、良い教育を受けていて、政治的に抜け目がない。悲しいことに、年月とともに、ネタニヤフ夫妻の過激政策は、「ベニーとサラ」が二人でイスラエルを運営しているように思われるが、アデルソンの果てしない現金に支援されて、アメリカで勝利を収めたのだ。

 アデルソン夫妻は、アメリカ政治に、二位の最大政治寄贈者ジョージ・ソロスの金額の十倍寄付している。夫妻が自分たちは、イスラエルのための安全を買っていると思っているが、そうではなく、別のもの、イスラエルを守るものではなく、むしろネタニヤフの本当の支持者である兵器業者や石油業者や金融業の利益を生みだす、イスラエルを不断の戦争に縛りつけるコーシャ・ノストラ・シンジケートと強力なつながり確立しているご機嫌取りの腐敗した議会指導部を生み出しているのだ。ハーレツにはこうある。

 「彼女は完全に頭がおかしい」と日刊紙イスラエル・ハヨム発行人シェルドン・アデルソンが言った。「彼女自身の写真や、自分がどう見えるかについて彼女はゆずりません。彼女は「私は大統領夫人だ、私は心理学者だ、私は心理学を子供たちに教える。」と言うのです。彼女は私の妻に、もしイランが攻撃したら、それは妻のせいだ、我々が彼女の良い写真を出版しなかったからだと言うのですと「イスラエルにも、ユダヤの大義にも、共和党にも、主要な寄贈者であるアデルソンが」語ったとある。

結論

 現実は単純なのかも知れない。1400万人のユダヤ人がアメリカに住んでいる。大半が何らかの形でイスラエルを支持しているが、過半数はアデルソン夫妻が選ぶ連中以外の候補者を好んでいる。アメリカのユダヤ人は、ある程度イスラエルに関する問題を評価して投票するが、アメリカの国内問題が重要で、アデルソン夫妻が目覚めた現実、堕落した不安定な夫婦に支配されるイスラエルがアメリカ国内にも反映されることが多いのだ。

 イスラエル・ファーストにすべく、賭け事の利益で買収されたアメリカは、地球温暖化否定論者や「きれいな石炭」や、数年ごとにアメリカ経済を破壊する不正なウォール街ギャングから、巨大石油企業から、軍需産業からも金を得ているのだ。

 そこで我々の疑問は、二人の近視眼的な長年の政策が起こした破壊に目覚めたように見えるアメリカの本当の皇帝、アデルソン夫妻と、我々はここからどこに向かうのかだ。

 トルコとイランとサウジアラビアは、イスラエルの想像力を越える軍事大国だ。「ベニーとサラ」は、まさにイスラエルを破壊する理由を提供する以外はほとんど何もしないので、もしそうする理由があれば、このどれか、あるいは全てが、容易にイスラエルを消滅させられるだろう。

 本当の疑問、パレスチナ人のための公正と、ユダヤ人の安全保障は、20年間、論じられていたいのだ。唯一提案されている「計画」は、ドナルド・トランプの超軽量級の女婿ジャレッド・クシュナーによるものだ。

 そして、おそらく前代未聞の、何をするか分からない人物ドナルド・トランプという困難がある。アメリカのユダヤ人に憎まれながらも、アデルソン夫妻は、トランプは、イランから「ユダヤ人を救う」ため、地球につかわされた転生した聖書の人物だという無謀な、おそらく正気でない考えを支持して、依然トランプを支持している。

 だがイスラエルは「ユダヤ人」だろうか?

 明確なのは、何年ものアメリカの軍事的プレゼンスで、次から次の国にイスラエル政策を押しつけた後、中東におけるアメリカ軍への信頼は存在していないことだ。イラン、ベネズエラ、朝鮮民主主義人民共和国、おそらくアンドラさえも、アメリカに異議を唱える国がますます増えるだろう。

 シリアで、トルコとサウジアラビアが、イスラエルとアメリカに協力して、ジハード集団を密かに支援し、イスラエルのプロパガンダをオウム返した日々は過ぎた。

 イラクはイラン側につくよう思われる。トルコとロシアもそうするだろう。5年間「忘れていた」後、サウジアラビアは、パレスチナ人の苦難を覚えている。

 シリアは内戦で勝利し、ほとんど匹敵できる国がない歴戦の軍を持った国家内国家としてヒズボラは存在している。

 危機に瀕しているのは、リクード党が乗っ取った日に、国際社会のあらゆる党税の役割も放り出した、リーダー不在の、生来不公平なイスラエル国家だ。

 ゴードン・ダフは、ベトナム戦争の海兵隊退役軍人で、何十年も退役軍人と戦争捕虜問題に取り組み、安全保障問題で政府に助言もしているベテランズ・トゥデイ編集長、取締役会長。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/09/29/can-the-middle-east-survive-with-israel-gone/

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 「大富豪同心」再放送、小判がぎっしりの箱を渡す場面をみて、関西電力を連想した。

 日刊ゲンダイ DIGITAL 記事 

 関電だけじゃない 原発あるところに“第2の森山”必ずあり

 覆面禁止法制定。

日刊IWJガイド・日曜版「香港政府への抗議デモで参加者にマスクなどで顔を覆うことを禁じる『覆面禁止法』が制定!! この法律の制定が可能になったのは香港政府が発動した『緊急状況規則条例(緊急法)』!! 日本も他人事ではない!?」2019.10.6日号~No.2579号~(2019.10.6 8時00分)

2019年10月 5日 (土)

イエメンは今やサウジアラビアの「ベトナム戦争」

2019年10月1日火曜日
BRICS
Multipolarity research centres所長 Paul Antonopoulos

 サウジアラビアは何かがおかしいように見える。ワッハーブ派王国は、イエメンに対し、技術的、人口的、経済的に優位なのに、フーシ派が率いるアンサール・アッラー運動のイエメン人レジスタンスを完全に打ち破りそこねている。サウジアラビア王国が海も空も支配しているにもかかわらず、アンサール・アッラー運動は、サウジアラビアの前進に対し、守勢に立っだけでなく、サウジアラビア国内でも直接戦争している。

 9月14日、イエメン人レジスタンスが、サウジ・アラムコ石油施設を攻撃し、何十億ドルも損害を与えた、その完全修復には数カ月を要する。だが高官や傭兵を含む何千人ものサウジアラビア兵士が捕虜となって、サウジアラビアは彼らの「ベトナム戦争」を経験しているという考えは確固たるものになった。

 サウジアラビアは、ロシアやフランスやイギリスを上回る、世界で五番目に大きい軍事予算を持っているが、アンサール・アッラー運動を、権力の座から排除できずにいる。サウジアラビアが、モスクや市場、学校、病院、結婚式参列者や葬列を含め、イエメンで無差別に爆弾投下する中、イエメンは世界最大の人道的危機となった。1000万人以上のイエメン人が餓死するか飢餓の間際にある中、アンサール・アッラー指導者のアブドルマリク・アル・フーシさえ、この戦争で、かなり痩せている。

 サウジアラビア国家予算は石油を源にしており、アラムコ社は、ほぼデンマークのGDP、歳入約3500億ドルで、世界最大の6社の一つだ。イエメンは、あらゆる開発指数の上で、サウジアラビアからはほど遠いのに、サウジアラビアは、イエメンの首都サヌアからアンサール・アッラー運動を排除できずにいる。

 反抗してリヤドの要求に服従しないイエメンとそのインフラを攻撃するのに、サウジアラビアは、兵士約150,000人と、大半がスーダン人である傭兵を動員し、アメリカ兵器を装備した何百機というジェット戦闘機を使っている。サウジアラビア当局は、イエメンに対する戦争で、モロッコ、アラブ首長国連邦(UAE)とスーダンとも外交上連合している。これは、アンサール・アッラー運動もテヘランもそうでないと否定しているのに、リヤドがイラン代理人と考えている彼らを国境から排除しようという企てだ。

 サウジアラビア率いる連合が攻撃を始めて以来、アンサール・アッラーは受動的なままではおらず、王国がアメリカ製パトリオット・ミサイル防衛体制を所有しているにもかかわらず、サウジアラビア南部の直接攻撃に、ロケットと無人飛行機を利用した。サウジアラビアは空軍、海軍が優位にあるが、この支配力を地上での成功に転換することができず、アンサール・アッラー運動に対する戦争で傭兵に頼っている。

 人は金のために無用に死ぬつもりなどないが、死ぬ危険をおかすのをいとわないという人々もあり、大きな違いがある。土曜日、この理由ゆえに、アンサール・アッラー運動が、包囲し、待ち伏せで襲って、サウジアラビア連合の主として下級兵士とスーダン人傭兵と若干の高官も含め、1000人以上の兵士を捕虜にできたのだ。傭兵は金のためには戦うが、無駄死にするつもりはなく、それがアンサール・アッラー戦士に両側を挟撃されて、一団となって降伏した理由だ。

 今や、確実にベトナム戦争との比較が可能になっている。ゴリアテがダビに対するよりも、リヤドにとって、ずっと有利なはずなのだから、ダビデとゴリアテのたとえより、遥かに深い。

 サウジアラビアは、アラブ連盟と湾岸協力会議で、あらゆる政治的影響力を駆使し、介入する理由などない高価な戦争に何十億も投入し、劇的敗北を経験しているのだ。資源が限られ飢餓の間際のアンサール・アッラー運動は一体どのようにこれをすることができたのだろう? リヤドは、この当惑に対するの唯一の説明は、イランがアラムコに対する攻撃を画策し、何千という兵士たちを捕らえたのだと結論した。ベトナム人が彼らを打ち負かした際、アメリカがそれを否定し、ベトナムの勝利を、ベトナム人ではなく、ソ連と中国の功績にしたのに似ている。

 リヤドがアンサール・アッラー運動から注目を逸らすことで、彼らは、その勝利をライバルの反アメリカ、反イスラエルの地域大国イランの功績と認めることができ、自分の面目を立てるのに役に立つ。そのため、地政学的、神政主義的、経済的理由から、サウジアラビア-イラン関係が伝統的にまずいので、これはイエメンへのアメリカ介入を合法化する助けにもなる。

 もっと重要なのは、サウジアラビアが、対イラン軍事攻撃を正当化するよう、ワシントンを誘い込むことができるのだ。だがアメリカとイスラエルにとっては、彼らの介入を限定する上で、サウジアラビアとイラン間の「代理対立」をしかける可能性が望ましいだろう。サウジアラビアは世界的規模で原油の約15%を生産しており、世界経済に際立った影響を与え得るので、これは危険な冒険だ。

 アメリカがベトナム侵略で見舞われたような資源と人的資源を消耗させる果てしない戦争で動きがとれなくなるのを避けることがサウジアラビアのためになるはずなのだが、サウジアラビアが、アラブ世界の最貧国から撤退する兆候はほとんどない。

 サウジアラビアが続く挫折で身をもって学んでいる中、サウジアラビア、そして/あるいは、アメリカ軍事予算を、イエメンやイランの予算と比較するだけでは、この対立の最終結果を予測するのに十分ではない。捕虜になった1000人以上の兵士と傭兵が、リヤドの戦闘部隊には動機も、やる気もないことを示している。これは反帝国主義闘争に携わるのを確信しているアンサール・アッラー運動とは正反対だ。

 もしサウジアラビアが、これ以上の経済的リスクと軍事的な恥を避けたいなら、イエメンから撤退し、より広範なサウジアラビア-イランという地政学ライバル関係において、この戦線での敗北を受け入れるのがサウジアラビアの基本的利益だ。約60,000人のアメリカ兵士の死を招いた18年もの関与後、アメリカが最終的に正気を取り戻し、ベトナム撤退を決めたのと全く同様、今リヤドは、ベトナムに対するワシントン政策よりずっと早く正気を取り戻し、イエメンの状況は維持困難で、勝てないことを認めなければならない。

記事原文のurl:http://infobrics.org/post/29415/

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 サウジアラビアはともあれ、真っ赤なウソが堂々とまかり通るこの国、政治も大本営広報部も、すっかりおかしいように見える。

「日米の貿易協定が合意に至りました。昨年9月の日米共同声明に沿って、日米双方にウィンウィンとなる結論を得ることができました」

 植草一秀の『知られざる真実』の最新記事は、郵政幹部による大本営広報部恫喝の話題。真実は報道するな!

不正日本郵政側に立ちNHK制作現場叩くお門違い

 ウクライナでのスキャンダルで、候補者への支持が変わっているのだろうか。孫崎享氏の今日のメルマガ題名は

米国大統領選での民主党候補はエリザベス・ウォーレンの可能性が一段と増大。サンダースは動脈閉塞の手術を受け選挙活動当面休止。→ウォーレンの立場を強化。トランプは自己への弾劾の動きと関連しバイデンのウクライナ・中国関与を激しく攻撃、バイデンに?

 とうとう実弾使用。60年代末に、大本営広報部が称賛した「運動」、70年代に暴走したのを思い出す。

日刊IWJガイド・土曜版「 香港デモ、実弾で初の負傷者!18歳高校生が重体も、暴動罪などで起訴!この高校生があらかじめ武器を用意し警官を集団で攻撃していた動画も!? 香港デモはさらなる混迷へ!」2019.10.5日号~No.2578号~(2019.10.5 8時00分)

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