サウジアラビア・湾岸諸国

2019年3月26日 (火)

サウジアラビアのストレンジラブ博士に核爆弾を渡す

2019年3月3日
Chris Hedges
TruthDig

 トランプ政府の最も危険な外交政策決定と私はこれが大いに - きわめて機微な核技術をサウジアラビアと共有し、アメリカ企業にサウジアラビアで原子炉を建設する権限を与える決定だと言っているのを知っている。私は中東で7年を過ごした。私はニューヨーク・タイムズ中東局長として抑圧的な専制王国を報道していた。私は大半のアメリカのアラブ研究者と同様、無情で道徳規準のないムハンマド・ビン・サルマーン皇太子支配下で、サウジアラビアに核能力を与えれば、サウジアラビアが核兵器計画に着手し、最終的に、一連の過激聖戦戦士や、アメリカの不倶戴天の敵を含む、サウジアラビアの同盟者や代理人と兵器技術を共有するだろうことにほとんど疑いを持っていない。核保有国となったサウジアラビアは、中東、究極的には、アメリカに対する重大な実存的脅威だ。

 サウジアラビアで原子炉を作る動きは、大統領の愚かな義理の息子ジャレッド・クシュナーに率いられており、ホワイトハウスによれば、火曜、彼はサウジアラビアの首都リヤドで「経済投資を通して地域全体の条件を改善する方法」を論じるためサルマーンと会った。この経済計画に関係しているもののなかに、そうした取り引きで何百万ドルも儲ける立場にある゛数人の退役陸軍・海軍大将や他の連中に率いられたアメリカ企業コンソーシアム企業、IP3インターナショナルがあるのが目立っている。

 原子炉入札を要求しているサウジアラビア政府は、アメリカから装置とサービス購入を認可するようトランプ政権に圧力をかけるため、月に450,000ドル以上ロビー活動に費やしたと報じられている。ウェスティングハウス・エレクトリック社と他のアメリカ企業は、ウラン濃縮、再処理を可能にする施設を、サウジアラビアに建設する準備をしている。サウジアラビアに核装備を与える秘密の企みは途方もなく愚かなだけでなく、法律で要求されている通りの議会による精査なしで行われており、原子力法にも違反している。

 その精神病質の特徴がサダム・フセインを連想させるサルマーンは、2018年10月にイスタンブールのサウジアラビア領事館でのジャーナリスト、ジャマル・カショギ暗殺を命じたと広く信じられている。彼は反体制派分子を投獄し、ライバルを残酷に追放し、王室メンバーを拉致し、拷問にかけ、ゆすりで1000億ドル以上強奪し、近代史で無比の、抑圧社会の中で、常に恐怖を浸透させている。

 皇太子がワシントン・ポスト記者殺害と手足切断を命じたという「確信」を持っているというCIA宣言に直面してさえ、恥知らずにサルマーンを擁護するドナルド・トランプとクシュナーは殺人共犯者だ。驚くほどのこともないが、上院外交委員会がカショギ暗殺報告に対し設定した今月の期限を、ホワイトハウスは無視した。サウジアラビア指導者が「完全に支配下に置いている」と主張したと報じられているクシュナーは、先週の会談、暗殺以来、サルマンとの最初の会談で、カショギ殺人を取り上げたようには見えない。

 サルマーンは原子力発電所を兵器用に転用する可能性を排除しなかった。彼は2018年に述べていた。「もしイランが核爆弾を開発したら、我々は確実に、できるだけ早く同じことをするつもりだ。」彼は、ウラン濃縮、プルトニウム処理に関しても、いかなる制限も受け入れるのを拒否した。

 核兵器はウランあるいはプルトニウムから作られる。ウラン235同位体は、原子炉と核爆弾で使われる。しかしながら、それは天然成分の1パーセント以下で、原子炉内でつかえうためには、この比率を約5パーセントに増やさなければならない。そのための処理は濃縮と呼ばれている。核爆弾を作るには、約90パーセントに濃縮しなくてはならない。濃縮は、高速遠心分離機を使うことで行われている。これは民間用途で核核燃料を作り出す機械が、同様に核爆弾を作り出すのに使用可能であることを意味する。核兵器を持っている、あるいは、イランのような核兵器を生産しないことを約束した国の民間濃縮施設中の核物質がしっかり国際原子力機関(IAEA)に監視されるのはこの理由だ。

 一基の原子炉に燃料を供給するのに使われる濃縮プラントは、約300基の遠心分離機を使うことで、ウラン235を90パーセントのレベルに濃縮して、年に20発の核爆弾を作り出す能力を持っている。核爆弾は約55ポンドの高濃縮ウランを必要とする。より高速の遠心分離機を持っていれば、兵器級ウラニウムを、より速く生産することが可能だ。

 イスラエル諜報報告書を含め、逆のことを報じている、あらゆる諜報報告にもかかわらず、サルマーンとイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は秘密のイラン核兵器計画があると強く主張している。彼ら独自の現実のもとでは、今こそサウジアラビアが兵器計画を始めるべき時なのだ。イスラエルは何百発もの核備蓄を持っている。

 下院監督・政府改革委員会の委員長、エリヤ・E・カミングス下院議員は、核科学技術の差し迫った移転について警告する複数の内部告発者証言を載せた暫定スタッフ報告を公表した。それは年代順に詳細に、トランプ・ホワイトハウスによるサウジアラビアの原子炉購入と建設を容易にする、秘密裏の露骨に非合法な取り組みを説明している。

 サウジアラビアとアメリカによる取り組みは、トランプ就任前に始まっていた。ハーリド・アル=ファーリハ・エネルギー・産業・鉱物大臣を含むサウジアラビア当局者が、就任式前にニューヨークでクシュナーと会っていた。サウジアラビア代表団は、アメリカとの国防契約で、4年にわたり、500億ドル使うと約束した。

 IP3幹部のキース・アレクサンダー大将、ジャック・キーン大将、バッド・マクファーレンや、他の6社- エクセロン、東芝アメリカエネルギー・システムズ、ベクテル、セントラス・エネルギー、GEエネルギー・インフラストラクチャーとシーメンスUSAの最高経営責任者と、マイケル・ヒューイット海軍少将は、トランプ就任式3週間前に、サウジアラビアで原子炉を作る計画を提案するサルマーンへの手紙を送った。彼らはそれを「鉄橋プログラム」と呼び、それを「中東のための21世紀のマーシャル・プラン」だと特徴づけたと報告書にある。

 当時の次期国家安全保障補佐官で、このベンチャーの前共同経営者の一人マイケル・フリンが就任式の日に、核プロジェクトが「予定どおりに進んでいる」のを保証する文章を、ACUストラテジック・パートナーのアレックス・コプソンに送り「ものを適所に配置するよう知らせる」ためコプソンに同僚と連絡を取るよう提案したと報告書に書いてある。

 2017年1月27日、就任式の1週間後に、2017年1月から7月まで、国家安全保障会議で、中東と北アフリカ問題の上級部長だったデレク・ハービーが、ホワイトハウスで彼が招待したIP3の指導者の集団と会っていた。

 「会談直後、ハービーは、NSCスタッフに、トランプ大統領のサルマーン国王[皇子の父親で、サウジアラビア首相]との[予定されている電話会談]用のブリーフィング・パッケージにIP3の「40の原子力発電所の計画」に関する情報を加えるように指示したと報告書にある。「フリンが、トランプ大統領が、サルマーン国王との会談で「40の原子力発電所計画」の話題をだすよう望んでいて、これは大統領の移行の間に、フリンが作成し、承認された「エネルギー計画」だったとハービーは述べた。」

 NSCスタッフが、外国への核技術移転は、原子力法に従わなければならないことをハービーに知らせると、彼は、報告書の言葉によれば「核技術をサウジアラビアに移す決定は、既に大統領移行中にされており、フリンはトランプ大統領がサルマーン国王との電話会談で「原子力発電所」を話題にするよう望んでいた」と言って、この主張を却下した。

 2017年1月28日、「「中東のためのマーシャル・プラン開始」と題するメッセージで、IP3の共同創設者・取締役で、1988年、イラン・コントラもみ消しに関与したことで罪を認めた、元レーガン大統領国家安全保障補佐官だったマクファーレンから、フリンと、K.T.マクファーランド国家安全保障補佐官は、彼らの公式のホワイトハウス電子メールアカウントあてに、二通の文書を受け取った。」と報告書にある。

 文書には、フリンからトランプ宛の草稿に関するメモと、トランプ就任式委員会を運営し、トランプ用に資金を集めたトーマス・バラックを支援するよう政府機関トップに指示する「大統領が署名するための」覚書草稿があるが、彼の投資会社コロニー・ノーススターは、IP3計画の実行で、取り引きから利益を得るはずなのだ。

 「二番目の文書は、大統領から国務長官、国防省、財務省とエネルギー省、CIA長官、統合参謀本部議長に宛てた閣僚覚書の形だった」と報告書にある。「それはトランプ大統領が、中東マーシャル・プラン実行を監督するため、バラック氏を特別代表として任命したと述べていた。「私はトム・バラック特別代表に、この重要な構想を率いる役を当てた、今後30日にわたり、彼が諸君と対話し、我々の中東のためのマーシャル[原文のまま]計画のための情報と支援するよう諸君に要請する。」

 2017年3月14日、トランプは、クシュナーとともに、大統領執務室でムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と会った。彼らは「今後4年内で、直接、間接の投資で、エネルギー、産業、インフラと技術で、2000億ドル以上の価値の可能性がある、新しいアメリカ-サウジアラビア計画」を論じた。

 IP3の取締役会メンバーで、CBSの国家安全保障専門家で、ジョージ・W・ブッシュ大統領の国土安全保障担当補佐官だったフランシス・タウンゼントが、2017年3月28日に「中東マーシャル・プランについて、ホワイトハウスのトーマス・ボサート国土安全保障問題担当補佐官と連絡を取った」と報告書にある。

 「タウンゼンド女史は、その後NSCスタッフに数通の文書を送った。 (1)IP3に作成されたように思われる中東マーシャル・プランの概要。(2)2017年3月10日付けの「トランプ中東マーシャル・プラン(トム・バラックによる白書)」という題の書類。 (3)2017年3月17日の、IP3幹部、マクファーレン、キーン大将、ヒューイット海軍少将とアレクサンダー大将が、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン副王太子に宛てた手紙; そして(4)2017年1月1日、IP3幹部、アレクサンダー大将キーン大将、バッド・マクファーレンと、6社の最高経営責任者と、ヒューイット海軍少将: エクセロン社、東芝エネルギー、ベクテル社、セントラス社、GE力とシーメンスUSAが署名した、ムハンマド・ビン・サルマーン副王太子宛ての手紙。」

 バラックの白書は「トランプ大統領は中東マーシャル・プランの特別代表を、大使級の外交地位か、大統領特別顧問に任命するだろう。」とある。報告書には、特使はクシュナーを含めた政府当局者と「連携し、協力して働く」べきだともある。

 「白書は、大統領は、大統領行政命令によって、中東マーシャル・プランを実行すべきだと述べた」と報告書にある。「特使は「彼らの参加に対する、伝統的地域の規制上の障害を乗り越える上で促進役を務めて、アメリカ民間部門の指導者と長年の関係」と「GCC[湾岸協力会議]諸国、イスラエル、エジプト、ヨルダンとイラクの最高指導者との信頼関係」」を築いていると描写している。

 下院委員会スタッフレポートは、委員会に話をした内部告発者の大部分が、政権初期の数ヶ月間に開発を文書化することが可能だったと言う。核取り引きでは、ほとんどホワイトハウス内部からの最近の漏えいがなかった。リック・ペリー・エネルギー庁長官、クシュナーとIP3経営者が、現在プロジェクトを監督している。

 「2018年1月、ブルックフィールド・アセット・マネジメントの子会社、ブルックフィールド・ビジネス・パートナーが、ウェスティングハウス・エレクトリックを46億ドルで買収する計画を発表した」と報告書は指摘している。「ウェスティングハウス・エレクトリックは倒産している核事業企業で、サウジアラビアで原子炉を作るためIP3が提案したコンソーシアムの一員で、中東マーシャル・プランから利益を得る立場にある。2018年8月、ブルックフィールド・アセット・マネジメントは、五番街666のパートナーシップ持ち分、ジャレッド・クシュナーのファミリー企業が所有する建物を購入した。」

 「2018年2月27日、ゴールドマン・サックスは、サウジアラビア皇太子とジャレッド・クシュナーとムハンマド・ビン・サルマーンの関係を円滑にし、トランプ大統領の2017年のサウジアラビア訪問計画を手伝った前国務次官補ディナ・パウエルが、ゴールドマン・サックスのソブリン・ウエルス・グループに参加する予定だと発表した」と報告書にある。「ゴールドマン・サックスは内部メモで「ディナが世界中のソブリン顧客と同社との関係を高めることに注力するだろうと書いた。」伝えられるところによると、パウエル女史は「特にサウジアラビアの公共投資ファンドと、支配者一族に近い」。

 「2018年3月、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は「土壇場のニューヨーク訪問」を企て、報道によれば「四半期全体で」13パーセント「ホテル収入を引き上げるのに十分な」滞在として、マンハッタンのトランプインターナショナル・ホテルに彼のお付きを5日宿泊させた」と報告書にある。

 2019年2月12日、トランプはホワイトハウスで何人かの民間原子力業者と会った。報道によれば、会談は「IP3インターナショナルが音頭をとった」。

 「会談は「ヨルダンやサウジアラビアを含む中東諸国とアメリカ核技術を共有する合意を保証する」アメリカの取り組みに関する議論を含むと報じられた」と報告書にある。

 サウジアラビアへの核技術移転を止めるための残り時間はほとんどない。もしサウジアラビアが原子炉を作ったら、サウジアラビア不倶戴天の敵イランは、核兵器計画を始めること以外にどんな選択があるだろう。核兵器がサダム・フセインの最新版サルマンの、究極的には、サウジアラビア国内の有力者連中に支援され、資金供給される非国家主体の過激派聖戦戦士の手に入ると考えると恐ろしい。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/giving-the-bomb-to-saudi-arabias-dr-strangelove/

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 イスラエルが核を先制攻撃で使えば、反撃で国丸ごと消滅しかねないが、サウジアラビアが先制攻撃で使っても、国丸ごと消滅することはないだろう。狙われた相手は壊滅的打撃を受けるだろう。自分の手をよごさずに、宿敵を破壊できる。しかも、放射能がおさまったあと、壊滅したサウジアラビアの天然資源は使い放題になるだろう。という、かなりの長期的計画で、例外的で、必要欠くべからざる国二国は、サウジアラビア原発を推進しているのだろうという発想、妄想であってほしいものだと『二つの祖国』を見ながら考えた。二度も使った国だ。

 いよいよ明日、直接対峙。

 日刊IWJガイド「いよいよ明日! 大阪地裁大法廷で岩上安身と橋下徹氏が直接対峙! 橋下氏によるスラップ訴訟で直接・間接の被害額はすでに約1800万円超! 今期はこのままだと1000万円の赤字の見通しに! ボロボロの体調になりながらも言論の自由を守る戦い挑み続ける岩上安身とIWJをどうぞご支援ください!」 2019.3.26日号~No.2385号~(2019.3.26 8時00分)

 

2019年3月10日 (日)

ワシントンの対シリア戦争

エリアス・サモ
2019年3月5日
Strategic Culture Foundation

 私は最近、2019年2月6日に、ワシントンDCでの、非公開の招待者限定の会議に参加して、プレゼンテーションをするよう頼まれた。話題は「シリアに関する最近のアメリカの決定の戦略上の含意」だった。 私は会議に出席し、プレゼンテーションをした。以下は、私が話したことの要約だ。

 紹介で、私は生まれはシリア人で、自分で選んだのはアメリカ人という二重国籍であることを聴衆に知らせた。50年以上の学術研究で、私の二つの国、アメリカとシリア間の戦争の悪夢に常に悩まされた。不幸にも、これは最終的に現実になった。しかしながら、私は特定しなければならない。シリアとアメリカの間の対立はないのだから、シリアで進行中の戦争は、アメリカとシリア間のものではない。イスラエルと、いくつかの地域大国のために、ワシントンがシリアに対して行った戦争だ。ワシントンは、シリアに対し、代理戦争を行っているのだ。

 私は、シリアと、その歴史的、宗教的な重要性を手短に説明した。シリアは文明と、三つの一神教の発祥地で、そこで各宗教は始まったり、繁栄したりした。私は、聴衆に、シリアが考古学の宝庫であることも思い出させた。最古の絶えず人が住んでいる5都市のうち、3つがシリアにある。最古のアレッポ、三番目のダマスカスと、五番目のラタキアだ。この導入に続いて、2つの副題に分けて、会議の話題に移った。

    シリアにおけるアメリカの権益を維持するというトランプの決定;シリアに対する戦略上の意味。

1. トランプの決定

 トランプによってなされた最初の重要な決定は、彼の政権内での、アメリカ外交政策の策定に責任を持った5人の政府高官から構成されるシオニストの一団の設立だった。大統領政権上層部に、このようなシオニスト権力集中は、アメリカ史上、前例がない。シオニスト集団の先頭には、最高司令官トランプがいる。法律上、彼の息子で、上級顧問のジャレッド・クシュナーが続き、更にジョン・ボルトン国家安全保障補佐官、マイク・ポンペオ国務長官、駐イスラエル・アメリカ大使デイビッド・フリードマンが来て、最後が最近辞めたアメリカ国連大使「ニッキー」ヘイリーだ。このシオニストの一団の形成は、シリアに、更にアラブ人とイスラム教徒にも、否定的な意味合いで悪影響を与えている。

 シリアにおける特定のアメリカ権益に奉仕するという決定に関し、ホワイト・ハウスや様々なアメリカ当局者がシリアで進行中の危機における4つのアメリカの権益を強調している。テロとの戦い、クルド人保護、イランの押し戻し、イスラエルの安全保障だ。

 アメリカの「対テロ戦争」に関しては、世界中の人々がアメリカに懐疑的だ

 対テロ戦争を行うという主張。2011年3月に、シリアで蜂起が始まった時、アメリカと地域の同盟国は、世界中から何万というテロリストの群れがシリアに襲いかかるように、多くの潜伏細胞を活性化し、彼らの国境を開いた。シリアに入り込むと、彼らは組織され、装備を与えられ、「政権転覆」のための暴動任務を開始し、シリアを破綻国家にするため資金供給された。計画は失敗し、テロリストは余分となり、重荷になった。彼らは殲滅されなければならず、それで、シリアでのアメリカの対テロ戦争は間もなく終わるだろうとトランプが言うのだ。

 クルド人は、彼らはいずれかの時点で差別されたかもしれないシリア国民だ。シリアの蜂起で、クルド人の一部が、ワシントンに誘惑された。彼らとシリアとって不幸なことに、彼らはアメリカの餌に食いついた。ワシントンは最終的に彼らを放棄するだろう。彼らは既に、イスラエルの黙諾を得て、その過程を開始した。元来イスラエルは、アラブ地域に、地域におけるユダヤ人国家の存在を合法化する、自治権ある国家を設立するクルド計画を支持していた。しかしながら、イスラエルと一部のアラブ諸国間で進行中の正常化プロセスから判断して、クルド人国家は余分になったのだ。究極的に、クルド人は彼らが属する古巣のシリアに戻るだろう。クルド人の近代史は、部分的には彼ら自身の行為もあっての迫害だ。彼らは分裂していて、間違った決定や「手に余るような事をしようとする」傾向がある。私はシリア蜂起の始めに、政治的に活発なクルド人集団と行った会議を思い出す。短い紹介の後、グループのリーダーは、クルディスタンの地図を広げてテーブル上に置いた。私は地図を見て、その中身にショックを受けた。地図上のクルディスタンの西部、クルド人が少数派であるシリアのハサカ州、北東シリアの州は「西クルディスタン」と改名されていた。私は西クルディスタンが、シリアのハサカ州、シリア領だと言ったことを覚えている。リーダーの答えは「それはもうシリアではない」で、一部の、前世紀最初の数十年間のトルコによる虐待から逃れたシリアに比較的新参のクルド人は、シリア社会の構成要素だ。クルド人が統合された単一シリアで優遇されることは可能かもしれないが、分離や自治は空想だ。

 シリアにおける最後の二つのアメリカの仮想利害関係、イランの押し戻し、封じ込めと、イスラエルの安全保障は相互に結びついている。イラン押し戻しと制圧は、イランをイラク、シリアとレバノンと接続して、イランが地上回廊を設立するのを阻止するためのものだ。2004年にヨルダンのアブドラ国王は、このような廊下開発を、アラブ人に警告し、それに「シーア派の三日月地帯」という、どちらかと言えば不穏当で挑発的な宗派的概念の名を付けた。この地上回廊の大部分が、古代から肥沃な三日月地帯として知られていることは指摘されるべきだ。シーア派の三日月地帯の適切な名前は、レバント三日月地帯あるいは、もっと良いのは、共通の国内的、地域的、国際的脅威に直面しているイラン、イラク、シリアとレバノンの四国の協定として、湾岸協力会議に似たレバント協力会議にできたはずなのだ。

 誤った名前の「シーア派の三日月地帯」は、欧米の知識界、政界、軍部によって、良く論じられているが、もう一つ発展しつつある三日月地帯、シオニストの三日月地帯は、報道も、議論もされていない。シオニストの三日月地帯の本質は、イスラエルの周りで三日月地帯を形成し、イスラエルの安全保障に対する脅威となっている、歴史的な主要アラブ大国三国、イスラエルの西のエジプト、北のシリア、東のイラクの無力化だ。シオニストの三日月地帯、最初の部分エジプトは、1979年のイスラエルとの平和条約で無力にされた。二つ目の部分イラクは、2003年、アメリカの侵略で無力にされた。イスラエルは、三日月地帯最後の部分シリアが、シリア反乱の間に無力にされるのを願っていた。それは実現しない運命にあった。

 ワシントンは、イランの押し戻しと、イスラエルの安全保障は、アメリカにとって不可欠な権益だと主張していする。それはそうではない。それは、本質的にイスラエル権益だ。ワシントンは、イスラエルの権益を支援して、2003年のイラク侵略式に、対イラン戦争さえ行い得る、イスラエルに奉仕する道具に過ぎない。イランはアメリカに対する脅迫ではないが、おそらくイスラエルに対する脅迫ではあり得る。だがイスラエルとその背後のワシントンは、イランにとって、明確な現在の脅威だ。

2. シリアにとっての戦略的含意

 ワシントンと同盟国が狙った最初の計画は政権転覆で、もし成功していれば、宗教的、宗派的、民族的要素のモザイク、シリアは、スンニ派、アラウィー派、ドルーズ派、クルドという、戦争を続ける小国家に分割された破綻国家になっていただろう。それでシオニストの三日月地帯の三番目、最後の部分が完成したのだ。シリア指導部とシリア国民の忍耐力と、本物の同盟国ロシアとイランの援助のおかげで、計画は失敗した。シリアは存続しており、シオニストの三日月地帯の三番目部分は、今のところ空白だ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/03/05/washington-war-on-syria.html

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 岩波書店の月刊誌『世界』4月号を読んでいる。

 メディア批評【第136回】(1)日本外交のまなざし、(2)官邸による望月岸ハラスメントを読み解く を最初に拝読。巻末の新刊案内に『メディア、お前は戦っているのか』という書名で、4月24日刊とある。2008-2018分が、まとめて読めるのは嬉しい。

 同じく、世界4月号の 「都構想・万博・カジノ――分断都市大阪の民主主義
森 裕之(立命館大学)」を読むと、テレコ選挙、一層不思議に思えてくる。IWJで、興味深いシンポジウムが再配信される。

 日刊IWJガイド・日曜版「本日午後6時より、藤井聡・京都大学大学院教授らが登壇した『学者の会シンポジウム 「大阪都構想」の危険性を考える』をフルオープンで再配信! 」 2019.3.10日号~No.2369号~(2019.3.10 8時00分)

 ガイドによれば、興味深いインタビューが目白押し。

 ■ 3月13日は「アベノミクス偽装」で明石順平弁護士に、18日には「食料安全保障」で山田正彦元農水相へ、岩上安身がインタビュー! 黒川眞一・高エネルギー加速器研究機構名誉教授と、立憲民主党・無所属フォーラムの小川淳也衆議院議員へのインタビューも近日中に行う予定です! どうか、IWJと岩上安身へのご支援をお願いいたします!

2019年2月14日 (木)

ポンペオのカイロ演説:歴史の誤読

Elias SAMO
2019年2月10日

 2019年1月10日、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、カイロのアメリカン大学で演説した。彼は自分は、福音主義のキリスト教徒で、キリスト教徒シオニストでもあると言って演説を始め「私の事務所には、神と神の言葉と真実を思い出すため、机の上に聖書を開いて置いている」と言い、演説で、イスラエルを、どのアラブ諸国にも与えられない栄誉、「我々[アメリカの]同盟」と呼んだ。

 白人でキリスト教シオニストのアメリカ国務長官が、ムスリム同胞団が生まれた保守的なイスラム教国エジプトで、最も保守的なイスラム思想家たちの母校で、国際的に有名で広く認められたイスラム学問の中心アル・アズハル大学で演説をし、アメリカのイスラエルに対する特筆すべき支持を祝ったのだ。更に追い打ちをかけ、国務長官は誇らしげに述べた「トランプ大統領が、イスラエル政府所在地のエルサレムを首都として認めると選挙公約にしていました。5月に、我々は我々の大使館をそこに移転しました」。

 ポンペオは、アフリカ系、イスラム系最初のアメリカ大統領、オバマ大統領を激しく批判するのに、エジプトのこの「場」を更に活用した。彼はアメリカ外交政策と、中東での悪に責任があると彼を非難したのだ。

 催し自体、控えめに言っても、不適切だ。ブラック・ユーモアだ!

 ポンペオは我々に「世界のこの地域では、頻繁に話されない真実だが、中東では、アメリカが善を促進する力であるのは真実だ」と主張した。中東における、この高潔なアメリカの「善を促進する力」の例が、サウジアラビアやバーレーン、クウェートカタールと首長国連邦に配置された主要基地、アメリカ軍要員の駐留だ。彼らは受け入れ国に招かれて駐留している」と述べた。これは二つの論点を提起している。

第一に、アメリカ軍要員がなぜ湾岸諸国にいるのだろう? 2018年10月、トランプはミシシッピ州サウスヘブンの集会で、特にサウジアラビアに関して、この質問に答えていた。彼はサウジアラビアにおけるアメリカの役割を明確化してこう述べた「我々はサウジアラビアを守る。皆さんは彼らは金持ちだと言われるだろうか? 私は王を、サルマン国王を愛している。だが私は、国王に、我々があなたを守っていると言った。あなたは我々なしでは二週間も、もたないかもしれない。あなたは軍に対し支払わなければならない」。これは善を促進する力ではない。

 第二に、ポンペオは、アメリカ軍は、受け入れ国に招かれて湾岸諸国に駐留しているので、正当で合法的だと述べた。だがポンペオは「シリアでは、アメリカは外交により、イランの最後の一兵も残らず追いだすべく、パートナーと共に活動する」と宣言した。受け入れ国の政治制度を守るよう招かれ駐留するのは、アメリカにとっては合法だが、イランが受け入れ国の政治制度を守るよう招かれ、シリアに駐留しているのは合法ではないのだろうか?

 だから、中東のアメリカ軍は「善を促進する力」ではなく、一方で、圧制的、拡張主義の独裁政権を守り、他方で、受け入れ国の資源を搾取する勢力だ。

 ポンペオはもう一つ不思議な主張をした。「アメリカ撤退後に、しばしば混乱が続くことを我々は学んだ。」 ベトナムは、アメリカ侵略後、全体的混乱へと落ち込み、アメリカ撤退後に回復過程が始まった。イラクは、2003年のアメリカ侵略後、全体的混乱に落ち込み、最近の内戦時、アメリカとアメリカ同盟国が侵略した後の、シリアもそうだった。両国ともアメリカの軍事関与縮小で、回復途上にある。イスラエルと、その最も親しい同盟国アメリカが国際平和と安全を脅しているという概念が、中東でも、ある程度世界でも広がっている。

 演説の一部で、ポンペオは、アメリカが、同盟国、パートナーとともに「イスラム国カリフ領を粉砕し、イラク人、シリア人、アラブ人やクルド人を解放した」と述べた。だが彼は、アメリカとその同盟諸国が、シリアに送るべく、世界中で、テロリストを採用し、奨励し、これらテロリストがシリアに集合できるよう国境を開放した事実を無視した。いったんシリアに入国すると、これらテロリストは、イスラム国カリフ領を設立すべく、金と武器を提供されたのだ。

 知ってか知らずか、ポンペオは、イスラエルが対イラン戦争を行うことに承認を与えた。彼は「テヘランが、シリアを次のレバノンに変えるのを阻止するイスラエルの取り組みを我々は強く支持する」と言ったのだ。これはアメリカが「善を促進する力」ではなく、戦争と破壊のための力であるもう一つの例だ。

 ポンペオによるもう一つの不思議な主張。「アメリカは、常に占領軍ではなく、解放軍だったし、常にそうなのだ。」これは悲劇的なベトナム戦争とアメリカによるソンミ村虐殺事件を思い起こさせる。「町を救うためには、町を破壊することが必要だった」。

 ポンペオ演説にはひどい部分がいくつかあったが、真顔で彼がシリアで「サウジアラビアと湾岸諸国が安定化の取り組みに寄与した」と言ったのが最悪だ。この残酷なほど寒い冬に暖房用燃料や料理用燃料や電力の欠乏に直面しているシリア国民に言ってみろ。

 エイブラハム・リンカーン大統領は、こう言っていたことが知られている。「全ての人々を一時的に、一部の人々を常にだますことはできるが、常に全ての人々をだますことはできない。」 ポンペオや最近数十年の彼以外のアメリカ閣僚が、リンカーンの警告を忘れ、常に全ての人々をだまそうとしているのは実にはっきりしている。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/02/10/pompeo-cairo-speech-misreading-history.html

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 水泳選手の病気の報道に心ない発言をしたと五輪担当大臣が攻撃されているが、自治体の6割が自衛隊に非協力だといったトップはさほど批判もされず、のうのうとしている。珊瑚移植発言時とおなじ。何をいっても、しても、おとがめはない。「お父さん自衛隊は憲法違反なの」論議のビデオを末尾に貼り付けよう。支配層にとって、本物のUseful idiotは、変えがたい貴重なものなのだろう。

  岡田議員との悪夢論争で、興味深い発言があった。どうして党名「民主党」を変えたのか?我々は変えていないと豪語したのだ。ネットで「某野党が伸びないのは党名のせいだ。党名を変えれば伸びる。」という不思議な意見を時折見る。たわごとだ。変えて、おきるのは、せいぜい同じ嘲笑だ。

Chris HedgesのAmerica: The Farewell TourのFreedomの章をのろのろ読んでいる。

249ページには

政治学者のシェルドン・ウォリンが言った通り、アメリカには、本当に民主的と呼べる組織はもはや残っていない。

とあり、更に、重要な文章がある。

だがより不気味なのは、民主的変化の本当の原動力である積極的な運動が、共産主義者魔女狩りやマッカーシズムや、脱工業化、労働者の利益に反する法律や規制緩和、大企業による公的、私的機関支配など、様々な攻撃によって壊滅させられたことだ。おかげで我々は身を守るすべがなくなり、一から始めなければならなくなっているのだ。

少し前の247ページで、彼は書いている。

我々は大企業覇権に抵抗する、並行する新組織を構築しなければならない。それは決して容易ではない。それには時間がかかる。社会を再構築する根本的な動きを阻止するのを狙っている既成組織からの基金を受け取るわけには行かない。

そして、Micael Gecanという社会活動家の言葉を引用している。

まとまった人々と、まとまったお金が権力です。たいていの活動家は人々を組織することについて語りますが、お金をまきめるのを忘れています。組織活動家としては、この両方に力をいれなければなりません。

  そこで、日刊IWJの記事を引用させていただこう。

 IWJではこれまで、1年間の活動にかかる経費から計算して、年間のご寄付・カンパの目標額を1ヶ月500万円としていました。しかし、第8期にあたる昨期、最終的な決算報告で赤字となってしまったことから、昨年8月から始まった今期第9期は緊縮予算に改め、1ヶ月のご寄付・カンパの目標額を450万円に下げました。その分支出を切りつめなければいけません。

 しかし、人件費以外に大きな支出費目がないIWJとしては、この緊縮予算を実行するにあたり、「スタッフへの報酬を削るわけにはいかない」という岩上さんの決断で、岩上さん自身の役員報酬を50%カットしています。岩上さんは、文字どおり身銭を切ってIWJを支えていますが、個人の資力には限界があり、その限界が目前に迫っています。

◇<2月は達成率27% 第9期半年間では7割台にとどまっています!>

 緊縮予算で臨んでいる第9期ですが、スタート以来、8、9、10月と3ヶ月連続で月間目標額を達成することができませんでした。11月だけは目標額を達成することができましたが、12月、1月はやはり未達です。

 今月2月は1日から12日までご寄付・カンパは120万8568円と、2月の3分の1がすぎて月間目標額の27%の達成率になりました。

 ご寄付・カンパによるご支援をしていただいた皆様には、心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございます。

 しかし、まだまだ目標額には届いていません。第9期が始まってからの半年間で、ご寄付・カンパの目標達成ができた月はわずか1ヵ月のみです。ご寄付・カンパが現在のような状況が毎月続きますと、IWJの活動を維持していくことが困難となります。大げさではなく、IWJは会社としての存続も危ぶまれる状態が迫りつつあります。

 IWJの危急存亡の非常事態につき、改めて皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします。
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2019年2月 8日 (金)

サウジアラビア世継ぎとアラムコの絶望 - カショギ殺害の動機

Finian CUNNINGHAM
2019年2月3日
Strategic Culture Foundation

 サウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギの残忍な殺人の数週間前、彼の暗殺がなぜ命令されたかの鍵であり得る大きな出来事があった。その出来事とは、サウジ王国の国有石油会社アラムコ株の株式公開中止だった。

 この最近のドキュメンタリーで語られているように、世界最大の石油会社アラムコの新規株式公開IPOは、ムハンマド・ビン・サルマーン(MbS)皇太子の「発案」だった。彼が2017年早々王位継承者になった時に、若い皇子は国有資産の部分的売却を、超保守的な砂漠の王国を改革する彼の広範な計画の「基礎」にしたのだ。

 高齢のサルマーン国王お気に入りの息子MbSは、ほぼ完全な石油依存をやめて、サウジアラビア経済を近代化することを含め、主要政策決定の自由裁量権を与えられた。皇太子は「ビジョン2030」基本計画で、サウジアラビアを中東のハイテク・ビジネスハブとして徹底的に作り替える構想を描いた。広く欧米マスコミが「野心的な新たな始まり」と歓迎した計画には、女性により多くの権利を与え、映画館やスポーツ会場など取り締まりがより緩いレジャー施設を開発するなどの社会改革も含まれていた。若い皇族に対する欧米の称賛は、彼の自我と虚栄心に迎合していた。

 しかしながら、32歳の皇太子は、ジャマル・カショギのぞっとするような殺人を巡って、彼のかつての欧米支援者から好感を失った。10月2日、カショギは、皇太子MbSによって命じられた暗殺計画だったと多くの人々が信じているものにより、イスタンブールのサウジアラビア領事館で死んだ。サウド家は皇太子の関与を激しく否定し、殺人は、カショギを強制的に本国に返すため、イスタンブールに送られたサウジアラビア情報局員の「狂暴な作戦」によるものだと主張している。ほとんどの人々、特にドナルド・トランプ大統領は、MbSは無罪だというサウジアラビアの公式主張を信じていない。

 ここでは出来事の時期が重要だ。MbSが王位継承者になった数カ月後、カショギは、2017年9月に自ら亡命した。MbSの次期王位継は、多くの観察者によって、サウジ王国の継承規則違反と見られていた。MbSは、彼の父親の承認で、継承順位が、より上位だった他の継承者たちを飛び越えた。横柄で衝動的であることで知られている強引なMbSによる「権力略奪」だった。

 彼のアメリカ亡命中、カショギは、ワシントン・ポストの常連コラムニストと、様々な影響力があるシンクタンクでの、中東問題に関する著名な来賓講演者になった。この反体制派人物の主要な話題はMBS批判と深刻な政治的な過ちを強調することだった。カショギは、イエメンでのサウジアラビア戦争や、カタール封鎖や、レバノン内政に対する不安定化干渉、について批判的で、皇太子が反汚職の取り締まりだと主張している、他の皇族たちの一斉検挙と拷問というMbS独裁支配のより暗い面を暴露していた。そこで若い皇族の「改革主義者」イメージは、カショギという部内者の洞察によってそこなわれた。

 著名なアメリカ・マスコミによる、こうした全ててのマイナスイメージ報道は、アラムコ株の売却に関する戦略に強い影響を与えたことは疑いがない。アラムコ新規公開株(IPO)はこれまでで世界最大の株式上場だと言われていた。投資家連中がよだれを垂らしてまっていた。ニューヨークは、取り引きを扱おうとして、ロンドンと競っていた。

 この企業はサウジアラビア皇太子と顧問により2兆ドルと評価された。意図されていた企業株式5パーセントの売却は、1000億ドルを集めると算定された。その棚ぼたの大金は、当時MbSが、彼の評判とエゴをそれに賭けていた意欲的なビジョン2030を促進するために使われるはずだった。

 だが外国投資家は非現実的に高いと思い出し、2兆ドルというアラムコ評価額に対する信頼を失い始めた。第二に信頼性に足る支配者としてのMbSに対する疑いが増した。多いにもてはやされていた企業の株式公開の評判は2017年末から2018年始め弱まり始めた。投資家たちは、史上最も壮大な投資計画として推奨されたものに用心深くなった。

 アラムコの見込みが縮小するにつれ、サルマーン国王が最終的に介入し、概念全体を止めさせたと報じられている

 アルジャジーラはこう報じた。「国王が働きかけ、2兆ドルの夢は水泡に帰した。」ファイナンシャル・タイムズは当時こう書いた。「サウジ・アラムコIPO[売却]棚上げは、皇太子にとっては打撃。国王にとって、重要資産を売った人物として歴史に残ることがおそらく耐えられなかったのだ。」

 アラムコ株式上場計画の突然中止は、MbSに対する厳しい拒否となった。若い皇族は自らを世界的企業家と同類と見なしていることが知られている。彼が去年アメリカを2週間訪問した際、彼はシリコンバレーの連中や他の企業幹部とキスをした。彼が成功の「象徴」とみなしている人々の間で「彼自身の実力を証明しよう」としている、この過保護サウジアラビアお世継ぎの個人的不安感を誰でも容易に想像できる。

 アラムコ上場というMbS「発案」が中止され、彼のビジョン2030の全体改革「基本計画」も同様に混乱に投げこまれた。彼の世界は逆転し、彼の評判がひどく落ちたのは誇張ではない。この事態展開が「先見の明ある」皇族を、どれだけ傷つけたかを誇張するのは困難だ。

 ワシントン・ポスト報道によると、皇太子MbSのCIA査定は「優れたテクノクラート」だが横柄で衝動的な人物だとしている。「彼は、してはならないことがあるのを理解しているようには思われない。」とポストは書いた。

 欧米マスコミが、アラムコ株式上場計画が放棄されていたことを明らかにして、この驚天動地のニュースは2018年8月末に報じられた。おまけに、MbSのかつての明るいイメージが、父親にチェックされていたことも明らかになった。

 わずか5週間後、ジャマル・カショギが、サウジアラビア領事館で法的書類を受け取るため、偽りの口実でイスタンブールに呼び寄せられた。10月2日、彼は領事館内で拷問されて殺害され、遺体は、処分のため電動骨のこぎりで細かく刻まれたと信じられている。彼の遺骸は決して回収されていない。

 イスタンブールにカショギを誘い出する計画は、MbSがまとめたと言われている。マスコミで批判していたため、このジャーナリストは、サウジアラビアに帰国するのを恐れていた。MbSの弟でアメリカ大使としてワシントンに駐在しているハーリドが、イスタンブールに行っても彼が安全なのを保証するため、カショギに電話をかけたと報じられている。それは9月のいずれかの時点だったに違いない。サウジアラビア大使館は電話されたことを否定している。

 提案されていたアラムコ株式上場計画に関して、ジャマル・カショギが何らかの意見を表明したとは知られていない。しかし「改革主義」皇太子に関する彼の批判的記事と、皇太子に対する信頼性の欠如が、少なくとも間接的に、ベンチャー全体に対して、相当深刻な気が滅入る影響を与えたと推論して無理はあるまい。

 自分の夢が押しつぶされたことに対するMbSの傲慢な怒りから、ジャマル・カショギはおそらく皇太子の悩みの種になったのだ。5週間で、このジャーナリストの運命は、激怒と復讐の特徴を帯びた殺人計画によって閉じられた。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/02/03/saudi-heir-and-aramco-despair-motive-for-khashoggi-killing.html

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 今日の衆院予算委国会中継、立憲民主党議員の質問まで、すべて音声OFFにする。昨日の参院予算委国会中継、音声を出して聞いたのは、共産党の倉林明子議員と、井上哲士議員のお二人。井上議員は、宗主国からの無駄な兵器の爆買い構造を鋭く指摘。下記は国民全員にとほうもない影響をあたえる重要な話題毎勤統計不正と、国保制度問題についての倉林明子議員質問。

 IWJ岩上氏、ひさびさの復帰で矢部氏インタビュー、さすがに中身が濃い。なんとフルオープン、会員でない方々も拝聴できる企画。復帰はとても嬉しいが、健康第一でお願いしたいもの。ロシア政府関係の方々は、矢部宏治氏のご著書を読んでいるのだろうか?地位協定はとんでもない代物だが、日米安保もとんでもないしろもので、日本は永久に完全属国におかれるように作られている。『知ってはいけない 2 日本の主権はこうして失われた』(講談社現代新書)、刊行直後に購入、拝読したつもりだが、ご本人による核心の説明は,有り難い。ポイントがすっと頭に入る。これからのインタビューも見逃せない。

 日刊IWJガイド「お待たせしました!昨日、岩上さんがついにインタビューの最前線にカムバックしました!矢部宏治氏に続いての第2弾は田代秀敏氏、第3弾は明石順平氏に決定しています!」 2019.2.8日号~No.2339号~ (2019.2.8 8時00分)

 岩波書店の月刊誌『世界』3月号、新聞労連の南彰氏「記者の連帯がなぜ必要か」をまず拝読した。ガース氏への鋭い質問を封じようとしている官邸の動きを止める必要性ついて書かれている。

2019年2月 6日 (水)

ワシントンのベネズエラ・クーデター狂気の背後に石油があるのだろうか?

2019年2月3日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 1月23日、ペンス副大統領は、ワシントンが、選挙で選ばれたマドゥロ大統領ではなく、ベネズエラ国民議会の35歳の議長フアン・グアイドを、この問題を抱えた国の「合法的」大統領として認めるというツイッター・メッセージを送った。遅れを取り戻すことを強いられたとおぼしきアメリカ大統領ではなく、最初はペンスだったという事実が介入について多くを物語っている。疑問は、その理由が、ネオコン安全保障問題担当補佐官ジョン・ボルトンが主張したように石油なのか、あるいは他の何かだったのかだ。証拠は他の何かであることを示しているが、しかしそれは一体何だろう?

 ベネズエラの「正当な」大統領として、グアイドをワシントンが「認めた」のは単にあからさまな国際法違反というだけではない。それは我々が他国の内政に干渉するのを止めるというドナルド・トランプが繰り返した選挙公約を破っている。クーデターの策謀が同じ犯罪実行者によって現地で行われているが、連中を、ウクライナからリビアまで、繰り返されたアメリカ・カラー革命政権転覆作戦の背後にいたCANVASやCIA代理の全米民主主義基金を含め、闇の国と呼ぼう。チャベスとマドゥロ、20年の社会主義経済の後、今ワシントンはなぜこのような恥知らずな危険な措置をとっているのかと多くの人々が尋ねている。1つの説明は石油だが、もしそうであるなら、一部の人が考えるような単純な意味ではないだろう。

 グアイドが正当な暫定大統領だというアメリカ主張の後に続くフォックスニュースのインタビューで、ジョン・ボルトンは、ワシントンの動きの理由として、マドゥロが「権威主義だった」他に、石油が主な要因だったと述べた。ボルトンはフォックス・ニュースで「我々は今、石油資産…を見ている。主要なアメリカ企業と話し合っている」と言って続けた。それから彼は、アメリカは現在世界ナンバーワンの石油生産国であると主張して、このとっぴな発言をした。「もし我々がベネズエラでアメリカ石油企業が本当に石油能力に投資し、生産することができれば、それはアメリカ経済を多いに改善するだろう。」 それで、どうして「再びアメリカを偉大にする」のかについては彼は言わなかった。

世界最大の埋蔵量?

 公式に、ベネズエラに世界最大の石油埋蔵量があるというのは本当で、それは2010年の時点で、サウジアラビアか主張するより大きく、2970億バレルと推定される。それは見事な見出しになるが、紛らわしいものだ

 ワシントンのソフト・クーデターが、到底、現在アメリカにとっても、アメリカ大統領にとっても緊急優先事項ではあり得ないという事実は別として、それが石油についてのものだという主張はおおげさで、世界石油の価格を再び1バレル100ドル以上に上げる壮大な計画の一環でない限り、明らかにジョン・ボルトンや他の連中の詐欺だ。アメリカ湾岸の精製所で、バレロ・エナジーあるいはシェブロンに、ベネズエラ石油を精製させても、クーデター前のマルコ・ルビオ上院議員の主張に反して、アメリカのための主要な雇用増加の源にはなるまい。石油精製は労働投入量が非常に小さい大いに自動化された産業だ。

 だが、ベネズエラ石油埋蔵量の更に綿密な検討も必要だ。大半のベネズエラ石油資源はオリノコベルト、現在ウゴ・チャベスベルトとして知られている場所に位置している。1990年代、ベネズエラの推計「石油埋蔵量」は600億バレルで、今日の推計のわずか20%だった。チャベスが1999年に大統領の座について以降、ベネズエラは石油の莫大な新埋蔵を発見しただろうか? していない。1999年から2014年までの期間にわたり、世界石油価格が上昇する変化する経済的側面を発見したのだ。世界の石油価格が、長い期間、1バレル100ドルを上回りつづけている限り、カナダの重いアタバスカ・オイルサンド同様、ベネズエラの重いオリノコ原油が突然経済的になったのだ。

 我々は確定石油埋蔵量の定義を検討しなければならない。米証券取り引き委員会は「地球科学の分析と工学的データによって、合理的な確実性で、経済的に生産可能と推定される石油とガスの量」と定義している。1990年代、石油価格は、1バレル40ドルを下回っており、広大なオリノコ地域からベネズエラ石油を経済的に生産するのは不可能だった。石油はカナダのアタバスカ・オイルサンドに類似する重いタールのような等級だ。非在来型石油であるタール石油の巨大埋蔵は、経済的に生産可能ではなく、つまり標準的定義によるいかなる「確定石油埋蔵量」でもなかった。オリノコの重い石油を1バレル精製するには、多くをエネルギー投入が必要だ。それは特別な精製所で処理しなければならない。超重原油の石油を回収するのに必要な技術は、オリノコベルトについて、サウジアラビアあるいはロシアや、アメリカ・シェール油よりさえ、ずっと複雑で、高価なのだ。

 2014年、世界の石油価格が1バレル30ドル以下に下落した時、ベネズエラは石油埋蔵量を劇的に下方修正するべきだった。ベネズエラはそうしなかった。ベネズエラは「経済的に回収可能な埋蔵量」を減らすのを怠ったのだ。

 ウエスト・テキサス・インターメディエイトWTI石油の現在の価格は1バレル55ドルをうろついている。さらにアメリカ制裁が、ベネズエラの在来型石油生産をひどく減らし、その大部分、毎日500,000バレルが、アメリカに行く。

 今新しいアメリカ制裁は、国営石油企業、PDVSAに標的を定めている。アメリカ企業はPDVSAと商売することを禁止されている。アメリカ制裁は、石油販売からのあらゆる収入がフアン・グアイド「政権」に管理される資金入れられるよう条件づけており、マドゥロがそれらのアメリカ輸出を止め、アメリカ・ガソリン価格を押し上げることにつながる可能性が高い。

 さらに、ベネズエラ石油は極端に重いので、特別な希釈化学物質で薄めなくてはならない。パイプラインを経由して糖蜜のような重い石油を送るの可能にするには、そうした希釈あるいは薄め剤が欠くことができない。今週まで、PDVSAはアメリカの供給元から全ての希釈剤を購入していた。今それは禁止されてしまい、代用品を見いだす可能性は、カナダ内でさえ、ありそうにない

中国参入

 1988年、チャベス以前に、オリノコの重い埋蔵石油を商業燃料に加工するため、PDVSAはBPと共に、Orimulsionと呼ばれる同社自身の石油乳剤の特許を取った。この発明はベネズエラ重油が石炭と激しく競い合う価格で売られるのを可能にした。だが完全には明確ではない理由で、2007年、チャベス政権は、毎日100,000バレルの石油を生産していたOrimulsionプラントを中国に売却した。プラントは中国融資で建設されていた。チャベスのエネルギー大臣ラファエル・ラミレスは、その処理は「(原文のまま)ベネズエラの極端に重い原油の適切な使用」ではなかったと言って、PDVSAはOrimulsionの生産を終わらせたと発表した。彼は多分若干の債務救済のため、中国の石油会社にOrimulsion特許を与えた。

 現在マドゥロ政権は、残りの石油の大半を、債務返済の代わりに中国と、それほどではない債務返済(より少ない負債)代わりに、ロシアに輸出している。ベネズエラは中国からおよそ600億ドル借りている。その巨額の借金は、2007年、チャベスが最高50億ドルの融資に石油出荷で支払う中国-ベネズエラ共同基金を設立した後、劇的に増大した。

 これは、マドゥロ体制への中国の融資か、他の支援金の劇的増加がなければ、最新のアメリカ制裁で、一部では、年間60,000%と推計され、IMF予測によれば、100万パーセントよりはるかに高い超インフレのさなか、不可欠な交換可能通貨現金で、世界市場にベネズエラ石油を輸出する可能性がほとんどなくなっていることを意味する。

 トランプ財務省によるこうした最新の制裁によって遅れて生じた結果が、今石油価格の急上昇を引き起こし、2020年に好況にしたいトランプの希望を悩ませることになる可能性がある。ベネズエラでの二重権力戦争が長引くか、血まみれの内戦にエスカレートさえした場合、ひどい打撃を受けたPDVSAの残骸を再構築する可能性は、たとえエクソンモービルやシェブロンが、民有化された組織を買収するとしても、何年も先のことだ。今答えられていない疑問は、この最近のアメリカによる政権転覆の取り組みの黒幕連中、CIAや主要国際銀行や、同盟している国際石油資本が、連中によるベネズエラ・クーデター危機を、サウジアラビア王家に対する攻撃をエスカレートさせ、サウジアラビア石油生産の大幅削減を強制するのに使おうと意図していて、うまくタイミングを計った対イラン石油輸出制裁の免責と組み合わせようとしているのかどうかだ。そうした免責が、去年アメリカ中間選挙前に、100ドル以上の石油価格の急上昇を避け、トランプとアメリカの経済を助けた。マドゥロが聖人か否かの問題は脇に置くとして、ベネズエラへのアメリカ介入というボルトン-ペンスの主張を支持するトランプ大統領の決定は、トランプ大統領の致命的過ちということになるかもしれない。彼は、これで誰かが、文字通り、あるいは比喩的に、彼の頭に銃を突きつけているのかどうか悟らねばならない。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント・講師、プリンストン大学の政治学位を持っている石油と地政学にベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/02/03/is-oil-behind-washington-s-venezuela-coup-madness/

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 ポチはご主人に命じられた通りに吠える。

 河野外相、ベネズエラ・マドゥロ政権を非難

 参議院予算委員会、与党ゆ党の茶番問答は音声を消す。電気節約は微々たるものだが、精神衛生には多いに効果的。ところで、今日の日刊IWJガイド、見出しに驚愕。横田氏のレポートに納得。この代表に対する小生の不信感、妄想ではなかったようだ。

 日刊IWJガイド「スクープ!国民民主・自由両党は『ポスト安倍』にあの『橋下徹』氏を担ぐ!? 小沢氏が橋下氏に政界復帰を熱望!? 玉木雄一郎・国民民主党代表の『ぶっちゃけ』本音トーク全1時間を全部書く!」 2019.2.6日号~No.2337号~ (2019.2.6 8時00分)

2019年1月29日 (火)

カショギは本当に死んだのだろうか?

2019年1月23日
F. William Engdahl
New Estern Outlook

 2018年10月の諜報工作員ジャマル・カショギのぞっとする殺人に関するトルコやワシントン・ポストや他の筋による主張に私は納得していない。トルコのエルドアン大統領が様々説明し、欧米主要マスコミが大合唱したことには余りに多くの異様さがある。最近の調査は、おそらくカショギは、当日決してイスタンブールのサウジアラビア領事館にはおらず、実際は実に元気で隠れていることを示唆している。もしそうなら、事件の背後には、遥かに大きな話があることになる。以下ことを考慮に入れよう。

 これを概観する最も良い方法は、2017年末、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子、MbSによる多数の高位サウジアラビア人の突然の逮捕と拘留を巡る出来事にさかのぼることだ。2017年11月4日、MbSは国営テレビで、最も裕福な人々の一人、アル=ワリード・ビン・タラール王子を含め、多数の主要サウジアラビア人が汚職の罪で逮捕され、リヤドのリッツ・カールトン・ホテルに拘留されていると発表した。アル=ワリード王子は明らかに重要人物だ。

 トランプ大統領の義理の息子が、大規模逮捕の数日前、MbSとの非公式会談のために、非公表のリヤド訪問をしていたと報じられている。2018年、ジャレッド・クシュナーが大統領の代理として、MbSに、ライバルのサウジアラビア王族が皇太子排除をたくらんでいることを知らせていたことイギリスのメール紙が報じた。アル=ワリード王子は策謀者連中の中心だと報じられた。

 3カ月の投獄後、アル=ワリード王子は金銭的解決と報道されたもののあと、2018年1月27日に拘留から解放された。2018年3月、彼はフォーブス世界億万長者リストから脱落した。逮捕される前、アル=ワリード王子は、シティバンクの筆頭株主で、ツイッターの主要オーナーで、ゲイツ財団のワクチン計画のパートナーもつとめ、ヒラリー・クリントンのような選り抜きの民主党議員やクリントン財団への寛大な寄贈者だった。マスコミ報道によれば、ヒラリー側近のフーマ・アベディンの兄で、ムスリム同胞団メンバーのハッサン・アベディンは「欧米にイスラム教を広める」と呼ばれるプロジェクトでビン・タラル王子と働いていた。クリントンが大統領選立候補を準備していたとき、ビン・タラル王子や他のサウジアラビア筋は、クリントン財団に約2500万ドルを寄付した。ビン・タラル王子は、ドナルド・トランプの公然の敵でもあった。

 実際、カショギは一体何物だったのか?

 ジャマル・カショギは普通のジャーナリストではなかった。彼は実際はアル=ワリード・ビン・タラル王子のために働いていた。去年11月のガルフ・タイムズ・インタビューで、アル=ワリード王子はこう述べていた。「ジャマルは単なる友人ではなかった。彼は私と働いていた。実際、サウジアラビアでの彼の最後の仕事は私と一緒だった」ジャマルは、最近亡くなったCIAとつながる工作員で、サウジアラビアのBCCI銀行とイラン・コントラ事件に関与した極悪非道な武器ディーラー、アドナン・カショギの甥だったか甥なのだ。甥のジャマルは、ジョージ・W.が彼に「バンダル・ブッシュ」とあだ名をつけたほどブッシュ家に近い人物、当時のサウジアラビアの駐アメリカ大使バンダル王子のためにも働いていた。要するに、カショギはブッシュ-クリントン集団に近いサウジアラビア人サークルの一員だった。アブドラ国王が、王位継承者として、改革主義的見解ゆえに「赤い皇子」と呼ばれていたアル=ワリード・ビン・タラル王子の父親、タラール・ビン・アブドルアジーズ・アルサウード王子を飛び越すと決め、MbSの父サルマーンが後継者となり、アル=ワリード王子は、サルマーン国王と皇太子MbSのサウジアラビア権力の埒外になった。

 ブルッキングス研究所とサウジアラビア政府は、カショギがムスリム同胞団メンバーだったことを確認している。同胞団はオバマ-ヒラリー・クリントンによるアラブの春の後、2011年、サウジアラビアで禁止され、サウジアラビアのアブドラ国王とその周囲の連中は、王家自身が、エジプトやチュニジアと同様、同胞団による政権転覆のための潜在的な標的であることを悟ったのだ。

 「Manifest Destiny」で詳述した通り、オバマ政権はCIAと協力して、オバマ政権に「好意的な」ムスリム同胞団の政権を据えるために、イスラム世界全体で、劇的な一連の政権転覆を計画した。ヒラリー・クリントン国務長官側近フーマ・アベディンを含め、オバマ政権の主要メンバーが、アベディンの母親が暮らすムスリム同胞団のサウジアラビア支部との深い結びつきを持っていた。フーマの母親、フーマがその中で育ったサウジアラビアの学者フーマは、アルジャジーラや他のアラブ・マスコミの報道によれば、ムスリム同胞団女性組織の著名メンバーで、フーマの兄も、組織に関連していたと報じられている。注目すべきことに、ISISやアルカイダの主要メンバーとの結びつきが公式の記録に残っている故ジョン・マケインが、同僚の共和党ミッシェル・バックマン下院議員の評判を落とそうとして、アベディンのムスリム同胞団とのつながりを指摘した。これはカショギがつながっていたサウジアラビア内の派閥だ。

 大統領として、トランプ最初の外国訪問は、MbSとサウジアラビア国王に会うためのもので、民主党のナンシー・ペロシ下院議員によって厳しく非難された。オバマと、アブドラ国王支配下のサウジアラビア君主国家との間でほころびた関係を、トランプ大統領が、皇太子MbSの父サルマーン国王下と再構築しようとして、特にヒラリー・クリントンが負けた後、親オバマ派のアル=ワリード・ビン・タラル王子周辺の派閥は控え目な言い方をすれば人気を失っていた。2017年6月、アル=ワリード王子の元部下ジャマル・カショギは、政府が、サウジアラビアでの彼のツイッター・アカウントを禁止した後、以前に留学していたアメリカで自ら亡命して逃げた。

カショギは生きている?

 MbSが、アル=ワリード王子や多数の他の連中の逮捕に動くと、ヒラリー・クリントンやクリントン財団だけでなく、彼がサウジアラビアの大金で「支援して」いた他の民主党議員へのアル=ワリード王子からの金の流れが危うくなった。確認するのは困難だが、カショギのぞっとするような殺人と手足切断とされるものの後で、イスタンブールのBBCトルコ人ジャーナリストが、アラビア語新聞に、実際、ジャマル・カショギは、どこかに隠れていて、ぴんぴんしていると言ったと報じられている。

 元CIA長官で、現在国務長官のマイク・ポンペオが、当時のジェームズ国防長官とともに、マティスがアメリカ上院にブリーフィングをして、この犯罪とされているものの背後に、MbSがいたことを示唆する証拠はなかったと上院議員に言った事実だ。彼らは犯罪が起きたことさえ確認することができなかったと付け加えた! 元CIAロンドン支局長だったジーナ・ハスペルCIA長官だけが彼らの主張に異議を唱えた。遺体は切り刻まれ、更に痕跡を残さず酸に溶かされたというエルドアンの主張は「イスラム教の伝統にのっとって」オサマ・ビンラディンの遺体を海に投棄したと主張したオバマ政権のネイビーシールズ説明を思い起こさせる。好都合なことに、両方の事件とも科学捜査で確認すべき遺体がなかったのだ。

 実際、カショギ事件を巡る世界マスコミに対する主張は、繰り返して、殺人と主張されているもののトルコの秘密諜報録音だったと繰り返し約束しておいて、明らかにし損ねた、トルコのエルドアン大統領に完全に支配されている。エルドアンはムスリム同胞団の秘密メンバーではないにせよ、非常に近いと報じられているが、その理由の一つは、カタールによる経済テロ支援、実際はムスリム同胞団支援のかどで、MbSとサウジアラビア国王がカタール制裁を発表した後の、カタールに対する徹底的な支援だ。

 サウジアラビア金融資産の巨大な大きさという条件からして、アメリカと世界政治に大きな影響をもたらす可能性がある政治同盟の変化を目の当たりにしているのだ。カショギが離婚証明書届を受けとるため、トルコのサウジアラビア領事館に行くことに同意したと報じられているのも同じく奇異だ。更に、彼の婚約者と報じられているハティジェ・ジェンギズは、実際は、サウジアラビアの信用を失墜させるために使われているトルコ諜報機関工作員かどうか疑問を投じる向きも若干あり、同様に謎めいているように思われる。

 サウジアラビア人チームによるジャマル暗殺というエルドアンの主張は、Yahoo記者マイケル・イシコフに、カショギがビン・タラル王子や他の連中の逮捕を非難する彼の記事で、MbSの猛烈な敵になったのだと言った謎めいたハリド・サフリにより強化された。調べて見ると、カショギ殺人なるものを主張するマスコミ情報源サフリに、ムスリム同胞団の偽装団体、アメリカ・イスラム評議会や、何年も亡命している同胞団の受け入れ先カタールと親密なつながりがあるのは明らかだ。カタールのムスリム同胞団支持は、二年前にMbSとカタールが分裂した要因なのだ。

 サフリは、2004年以前に、G.W.ブッシュとヒラリー・クリントンの両人と会ったアルカイダ資金集め係で、影響力あるムスリム同胞団支持者アブドゥル・ラーマン・アラムーディの弟子でもある。アラムーディは、サウジアラビアの当時のアブドラ皇太子を暗殺するリビア/アルカイダ暗殺計画の資金調達担当者としての役割のかどで、2004年以来、アメリカ連邦刑務所にいる。要するに、カショギ殺人に関する偏見のない主要情報源など、ほとんどないのだ。

 現時点で憶測以上のことをするのは困難だ。明らかなのは、ジャマル・カショギが10月初旬から公の場から消えていることだ。だがトルコ政府か他の誰かが、アル=ワリード王子の元部下ジャマル・カショギはサウジアラビア人暗殺チーム、ビン・サルマン皇太子に指揮されたチームに殺されたという、本格的な法医学的証拠、人身保護令状を提出するまで、一層本格的な捜査があって当然だ。自社記者カショギの殺人と主張されていることのかどでMbSを攻撃するジェフ・ベゾスの「ワシントン・ポスト」のようなリベラル・マスコミが、それ以前のサウジアラビアの死刑執行も、それ以降のものも非難し損ねているのは不思議だ。

 カショギは本当にイスタンブール領事館で死んだのだろうか、それとも別の何かが起きたのだろうか? もしかするとアル=ワリード王子とワシントンにいるCIAの友人連中には、MbSの信用を失墜させる、あるいは打倒さえするため、カショギのエセ死刑演出が彼らの権限と金融的影響力を復活させるためのうまい方法に思われたのかもしれない。もしそうであれば、それは失敗したように思われる。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

 記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/01/23/did-khashoggi-really-die/

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 午後、外務大臣の演説のごく一端を、外出先で聞いてしまった。自宅だったら、テレビを消すところ。夜、野党が来る選挙での協力についてかたる番組を見たが、さっぱりわからなかった。最新の悲惨な知事選挙結果、今年の国政選挙の予兆にならないのだろうか。

 日刊IWJガイド「保守分裂の山梨県知事選で一つにまとまった与党新人候補が当選! 野党系候補は3人に分裂、これでは現職でも勝てるわけがない!!」 2019.1.29日号~No.2329号~ (2019.1.29 8時00分)

2019年1月 7日 (月)

シリアの平和か、地域安定化の要素としての新クルディスタンか

2019年1月4日
ピーター・ケーニッヒ
New Eastern Outlook

 アメリカはシリアから軍隊を撤退させるだろう。本当に? 議論を進めるため、トランプの発言を額面通り受け取ろう。だがRTは、アメリカ軍が撤退する中、エルドアンが「戦略上の調整」をするの可能にすべく、撤退は予想よりゆっくり進むかもしれないと報じている。クリスマスにイラクでのアメリカ兵士を華々しく訪問した際、トランプは既にいかなるアメリカ介入であれ - もし必要とあれば - イラクから開始されることを示していた。もちろんだ。

 地中海、カスピ海、黒海とペルシャ湾の4つの海にアクセスできる戦略上重要な国が、バッシャール・アル・アサド大統領が推進しているようにエネルギー・ネットワークにつながるのをアメリカは放置するまい。既に1990年代後期、ワシントンは最初にバッシャールの父親ハーフィズ・アル・アサドと「交渉しよう」と試みた際、ワシントンは中東の重要な国としてシリアの完全支配を思い描いており、彼の死後、2000年、秘密のワシントン専門家連中は、ハーフィズの息子で相続者バッシャールを恫喝し続けた。我々が知っているように、無駄だった。

 だから「シリアは再び「普通の」国になるのだろうか?」という疑問は、ほとんど答えを必要としない修辞疑問文に聞こえる。シリアは、もちろんトランプが王に即位するずっと前から、帝国により「崩壊す」べく決定されていた宿命的な国の一つなのだ。PNAC(アメリカ新世紀プロジェクト)の中で概説されていた他の国々には、イラク、リビア、アフガニスタン、スーダン、レバノンとイランがある。我々が見ている通り、計画はうまく進行しており、この計画中のいかなる「節目」も外すことをあり得ない。逸脱は認められない。それは、おそらくジェームズ「狂犬」マティスが、シリアから撤退するというトランプ発表後、国防長官を辞任した理由だ。国防総省には軍産複合体に与えられた負託があるのだ。

 だから、戦争あるいは平和(それは戦争だ)は決して干渉されない、全面的に国防総省の領域なのだ。テロあるいは世界をテロから救うこととは全く無関係だ。純粋に単純な戦争機構の利益計算、盗み没収する石油とガス、究極的には世界を全面支配するためだ。中東は永遠の混乱に陥れる必要がある帝国の要の一つだ。平和は決して選択肢にない。帝国が崩壊しない限りは。その時まで、中東は、多目的の「金の山」だ。資源、東西軍備競争の実験場、ほとんど果てしない破壊のための地形、再建、そしてヨーロッパへの難民という絶え間ない不安定化の流れの無限の供給源だ。全てが計画されている。人間の苦しみはこのプロジェクトを止めることができない。我々は、ロシアと中国がこれをはっきり見透かしているのを願い、彼らが、平和の口約束に、見せ掛けの撤退に、嘘といつわりにだまされないよう願うばかりだ。

 シリアは再び「普通の」国になれるのだろうか? 私はイエスを選びたい。だが帝国は崩壊しなくてはならない。帝国は崩壊するだろう。それは、時間と、多分戦略の問題だ。何百年も、クルド人は2500万から3500万人の民族だ。彼らはトルコ、イラク、シリア、イランの境界にまたがる山地と、アルメニアの極狭い地域に居住している。彼らは中東で4番目に大きい民族集団だが、一度も恒久的な民族国家を持ったことがない。一見明白なアメリカ軍撤退によるシリア内での権力再編は、一世紀もの歴史があるクルド「問題」解決の好機ではあるまいか?

 アサド大統領は、シリア内の現在のクルド人拠点マンビジ市に入るというクルド人による「招待」を受けて好機をつかむかもしれない。クルド人が、しばしばアメリカ/ NATO軍隊と共に、あるいはISISと共に、シリア軍に対して戦ったにもかかわらずだ。シリアから始め、中東で地政学を再考する時期なのだ。結局、マンビジはシリア領であり、トルコはシリアで土地の正当な権利は主張できない。あり得る領土交換を除いては。

 これらの理由から、シリアとイラク(イランもそうだ)領内に、現在既にクルディスタンと呼ばれているが、いつの日か完全に自治権があるクルド人の祖国になるかもしれないある種のクルド領を設立するため、トルコとイラクとイランと交渉を始めることを望むかもしれない。イスラエルが、既に70年前に地域を不安定化する特定目的で、外部勢力に指揮された人為的創造だったことを除けば、イスラエルがパレスチナから切り出されて作られたのとほぼ同様に。一方、クルディスタンは、地域の国々によって促進される自然過程の安定化要因だ。

 この和平策定過程に、もちろん大きな利害関係がある他の当事者がいる。ロシア、トルコとイラクや、逆説的に結び付いている、2つのならず者国家イスラエルとサウジアラビアだ。この二国はシリアに近よる権利さえないのだが。だが彼らは、アメリカからの支援を受けているので、一見明白なシリアからのアメリカ撤退にもかかわらず、あるいはそれゆえ、今アサドの合法的政権と戦う上でアメリカ代理の役を果たすことになろう。

 ロシアは、例えばマンビジ占領のような、シリアに対するトルコの干渉を好んでおらず、むしろ近隣諸国、特にトルコとイラクとの交渉による領土交換で、シリア領をシリアが支配し、最終的にクルド問題に解決をもたらすのを見たいはずだ。それはもちろん始まりに過ぎない。容易な部分だ。

 現在の準公式クルディスタンは、地域でも石油の最も豊富な領域の一つだ。現在、これら石油資源は、おおよそクルディスタン国境にそって、すなわち、イラン、イラク、シリアとトルコで分かれている。これらの国々とり、炭化水素は彼らの経済における鍵となる要因だ。そのため、クルディスタンと呼ばれるシリア、イラクとイランの中での自治地域の創造は、誠実なプロセスと石油の均等な分割のみならず、クルディスタンからのトルコ撤退、すなわち領土交換を必要とするかもしれない。独立クルディスタンに向かう進展は、現時点では、期限ついて全く示唆されていないが、クルドの譲歩を必要とするだろう。言い換えれば、平和と祖国には代償が伴うのだ。だが、この代償は、独立と平和の利益には遠く及ぶまい。

 現在、クルディスタンの石油埋蔵量は450億ガロンで、イラク全体の未利用ガソリン1500億ガロンの3分の1と推計される。クルド地域政府(KRG)は首都のイラク(人口900,000人)のエルビルと共に、もちろん独立国家になるのを好むだろう。だがそれは出し抜けに起きることはできない。そのためには、地域とクルドの祖国での平和は交渉された土地と石油使用権の価値を持っている。いつがこのような考えと交渉のためにNOWより良い瞬間だろうか?

 シリアが再び「普通の」国になる途上にある別の兆しもある。アラブ首長国連邦(UAE)大使館が再開するのは、シリアが、2011年、CIAに引き起こされたアサド政権に対する戦争の初めに除名されたアラブ連盟への、バッシャール・アル・アサド復帰歓迎に向けた重要な公的一歩と見なせるかもしれない。バーレーンもダマスカスと同様間もなく外交関係を再開すると発表した。UAEとバーレーンよるこの動きは新たな「アラブの団結」の第一歩なのだろうか? いずれにせよ、これはアサド大統領下のシリアの新たな承認を示している。

 シリアが再び完全に自治権のある主権国家になり、外交団が再開され、難民が国の再建を助けるため帰国すれば、新しいクルディスタンは、もっぱら平和と安定を地域にもたらす点に過ぎないかもしれない。だがそれは、いかなる大西洋主義者の干渉なしでのみ成功するかもしれない。ひたすら地域のプロジェクトとしてあつかわれた場合だけ。

 最後に、現在4カ国に広がっている法外な石油の富ゆえの、クルディスタンの政治的、経済的不安定さに信じられないといった面持ちで首を振っている方々に一言。ピークオイルは過去のものだと申し上げたい。炭化水素は、中東も同様にたっぷり持っているが、盗まれることがない代替エネルギー源、太陽エネルギーに、むしろ急速に、重要エネルギー供給源として置き換えられつつある。東洋、特に中国が、適切な貯蔵技術を用いて、太陽光を電気に変換する、より効率的な新たな方法を急速に開発しており、次世代中に、炭化水素の大半を追放することが可能になるかもしれない。

 だから、アメリカ軍が撤退する今こそ、安定化に役立つクルディスタンを作り、再びシリアを「普通の国にする好機な時なのだ。

 ピーター・ケーニッヒはエコノミスト、地政学アナリスト。30年以上、世界銀行で働いた後、直接の経験に基づき、経済スリラー『Implosion 内部崩壊』を書いた。オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/01/04/peace-for-syria-or-a-new-kurdistan-as-a-regional-stabilizing-factor/

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 日刊IWJガイドで、また驚いた。一部引用させていただこう。支離滅裂なものを、何か意味があるがごとく解釈するのは時間の無駄と思うので、こうした話題には、そもそも近寄る気力が起きない。そうとばかりも言っていられない。.一部を引用させていただこう。

 「サイン・コサイン・タンジェント、どこで使うの?」「維新はガラクタ製造機だ!」年末年始に相変わらず暴言・呆言を乱発する橋下徹氏!この人が新党結成で野党共闘の要!? は!?/3月27日には橋下氏による岩上安身へのスラップ訴訟で、元大阪府職員の大石晃子氏が岩上さん側の証人として出廷します! 被告・反訴原告の岩上さん、原告・反訴被告の橋下徹氏も出廷して尋問を受けますのでご注目を!

 今読んでいるChris Hedges氏のAmerica: The Farewell Tour 第一章 Decayの43ページにあるトランプに触れた文章を連想。Decayという章、かつて盛んだった産業都市の衰退した悲惨な現状を描いて強烈。

  Trump is the face of our collective idiocity. He is what lies behind the mask of our professed civility and rationality -- sputtering, narcistic, imbecilic megalomaniac. He wields armies and fleets against the wretched of the earth, blithely ignores the catastrophic human misery cause by global warming, pillages of behalf of global origarchs, and at night sits slack-jawed in front of a television set before opening his "beautiful" Twitter app.

2019年1月 4日 (金)

シリア戦況報告 - 軍が北東領域を奪還 - 政治的孤立の終わり

Moon of Alabama
2018年12月28日

 シリアから撤退するというトランプ大統領決定の余波は予想通りに進展している。

 トランプは、シリアからのアメリカ部隊の早い撤退を発表した。後に彼は、北東シリアでアメリカが占領している地域を、トルコへの引き継ぎを可能にする制御された過程について話した。その計画は、おそらくジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官が言い出したものだろうが、全く非現実的だ。多くの強力な勢力が抵抗するだろう、このような広範囲の占領はトルコの利益にならない。それでも、トルコのエルドアン大統領はアメリカが訓練し装備させたクルド人民防衛隊軍隊の解体を促進するため、トルコ侵略という恫喝を使うだろう。


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 今朝シリア・アラブ軍(赤)は、ユーフラテスの西、マンビジに入ったと発表した。トルコに支援された軍隊(緑)とアメリカに支援されたクルド人民防衛隊(黄色)間の境界線に位置を確保した。シリア国旗がマンビジで掲げられた。この動きは、アメリカ部隊と、その代理クルド軍隊が自発的に区域から撤退した後のものだ。マンビジはトルコ軍と、その聖戦代理軍に脅やかされていた。トルコの猛攻を防ぐため、アメリカ軍と協力した地元武装集団はシリア軍に引き継ぐよう求めたのだ。このパターンは他のところでも繰り返されるだろう。

 アメリカが占領していた北東州のハサカとカミシリをシリア政府軍が引き継ぐよう交渉するため、クルド代表団が現在ロシアにいる。クルド人は、シリア政府が彼らの軍隊維持を認める一定の自治を望んでいる。だがダマスカスも誰も、決してそれには同意するまい。シリアには唯一の軍隊、シリア・アラブ軍が存在することになる。だが若干のクルド人部隊が、その中に統合されることは可能だろう。

 トルコ代表団も同じくモスクワにおり、明日エルドアンも訪問するだろう。ロシアはトルコに、シリアの北東、あるいはその一部さえとらせるというアメリカ計画に反対意見を述べた。エルドアンのそのような動きに対しては、ロシアからも、イランからも支持を得られまい。さらに彼は、トルコが現在占拠しているシリアの他の地域からも撤退するよう強く求められるだろう。

 アメリカ軍は、当面、イスラム国残滓に対する戦いが継続しているユーフラテス付近の占領は続けるだろう。彼らはそう長くは留まるまい。トランプは、軍の願望に反対して、完全にシリアから撤退するよう成功裏に主張した。この動きに反対して議論する人々が、イスラム国の台頭を促進した同じ人々なのは偶然の一致ではない。マティス国防長官がこの問題に関して辞任した後、撤退を延期する軍による更なる努力は多分徒労だろう。


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 シリアから撤退に対処するため、アメリカ軍はイラクに新基地を2つ設置した。これらはレバントとイラン間の行き来を阻止するよう設計された陣地だ。アメリカがこの基地を長い間占拠することはありそうもない。既にイラク議会は再びイラクからの全てのアメリカ軍を拒否しようと動いている

 軍事行動はシリアを重要なアラブ国家として再確立する新たな政治的動きと同期する。

 昨日アラブ首長国連邦はダマスカス大使館を再開した。バーレーンが次に続くだろう。クウェートは1月に大使館を再開するだろう。オマーンは決してダマスカス大使館を閉じなかった。トルコと同盟している湾岸国カタールと、サウジアラビアも間もなくシリアとの関係の復活を発表するだろう。対シリア戦争が始まる前、UAEと他の湾岸諸国はシリアでいくつか大きな投資プロジェクトの資金供給をしていた。これらは復活し、シリア経済建て直しに役立つだろう。エジプトは湾岸スポンサーの動きに続くことが予想される。

 UAEの動きの背後にあるのは、トルコの新オスマン帝国という野心に対処する戦略だ。シリアは(再び)アラビア全体をトルコ略奪者から守る防波堤として見なされている。トルコによる、シリアの更なる部分を占領しようとするいかなる試みも、湾岸諸国が、あるいはエジプト軍さえ抵抗するという信号を送るだろう。エジプトはロシアと共に、クルド人とシリア政府の間を調停している

 このアラブの動きは、シリアに対するイランの影響力に対する対抗の動きと見られる。だが、これは失敗するだろう。シリアはイランの介入によって、全面攻撃から救出されたのだ。軍隊をシリアに派兵するようロシアを説得したのはイランのスレイマニ大将だった。湾岸アラブ諸国がシリアを潰そうとして、更に多くを使っている間、シリア政府を支えるために何十億も使ったのはイランだった。シリアは、敵が誰なのか、実際の友人が誰なのかを決して忘れるまい。

 ダマスカスとアラブ諸国間の航空交通が復活しつつある。先週チュニジアとの関係が復活した。1月、バーレーン国営航空会社ガルフ・エアが再びダマスカス便を提供するだろう。2012年にシリアを追い出したアラブ連盟は、再度招請するだろう。シリアは大きな代償と引き換えに、申し出を受け入れるだろう。

 12月26日のシリア軍に対するイスラエル空襲は、ほぼ失敗した。イスラエル戦闘機はレバノン空域から、およそ16発の遠隔爆弾を発射した。彼らは湾岸からヨーロッパに向かう2機の商用航空機の背後に臆病に隠れた。これで、シリアの航空防衛が、直接イスラエル戦闘機を攻撃するのを不可能にした。イスラエルの砲弾の大部分がシリアの短距離航空防衛によって破壊された。シリア・ミサイルがイスラエルに発射された。これは発表された通り新交戦規則が制定されたことの確認だった。対シリア攻撃は、対イスラエル直接攻撃によって反撃されるだろう。ミサイル攻撃はイスラエル攻撃を終わらせた。

 イスラエルは他の国々と同様、シリアに対する、それ以上のいかなる攻撃も徒労であることを知るばかりで、効果的報復を招くだけだ。シリアに対する戦争は、まだ終わっていないが衰えつつある。シリアの政治的孤立は終わった。それを継続することを強く主張する人々は結局負けるだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2018/12/syria-sitrep-army-to-regain-northeastern-territory-political-isolation-ends.html

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 孫崎享氏の今日のメルマガ題名は以下の通り。お説の通り。

公明党、真逆の行動をとっていながら、「政権の数の力で一辺倒に押し切るような国会運営は慎まなければならない」と街頭演説する公明党山口代表。公明党が何でも自民党のおっしゃる通りと国会審議で賛成するから自民党が数の力で押し切っているのでしょう!

2018年12月17日 (月)

サウジアラビアがアメリカ同盟国ではないと想像してみよう

ケイトリン・ジョンストン
2018年12月14日
medium.com

 サウジアラビアが主導する対イエメン戦争で、地球上で最もひどい人道的危機を終わらせるため起きる必要があるだろう多くの措置の第一歩として、アメリカ上院は、56対41の投票で、最終的にアメリカの参加を終わらせる法案を成立させた。

 合同決議は、アメリカ無人機がイエメン領空をパトロール飛行し、アルカイダに対する「対テロ戦争」で死の雨を降らせるのを可能にしており、下院共和党が無関係な農場法案に付属させた信じられないほど低俗な付帯条項のため、今年下院を通過することができない。アメリカは既に先月時点で、空爆作戦で、サウジアラビア戦闘機への燃料補給支援を終わらせているので、サウジアラビアとアラブ首長国連邦へのフーシ派反抗者に対する若干諜報と偵察援助の他には、戦争に対する実際のアメリカ参加に関して、決議が多くを変えるとは思われない。トランプはどんなイエメン決議も拒否権を行使すると予想されるが、上院決議は拒否権行使に対抗できる大多数の賛成で通過したわけではない

 それでも、一歩ではある。これまで法外なほど異議申し立てを受けていない行政府の戦争権限に、議会が若干の抑制と均衡を課すことに向かって、アメリカ政府を、アメリカの親密な同盟国サウジアラビアによって行われているイエメンに対する恥知らずな戦争犯罪への反対の方向に動かすことでも、正しい方向への歩みだ。最後の部分は、考えるのにほんの少し時間をかける価値があると私は思う。

 Armed Conflict Location and Event Data Projectの研究は、この戦争で、我々が(何年も、彼らがイエメンについて言及しようと感じたごく稀な機会に主流メディアから聞かされる、10,000人という数字の8倍、最高80,000人が亡くなっていることを示している。この数が、サウジアラビアによる冷酷な輸入封鎖と、農場、漁船、市場、食物貯蔵場所やコレラ治療センターを意図的に目標設定した空襲の結果、飢餓やコレラで亡くなった他の数えきれない何万人もの人々ではなく、軍の暴力による死のみであるのを指摘しておくのは重要だ。5歳以下の子供だけでも、飢餓による死亡者数で、およそ85,000人と信じられている。

 キャピトル・ヒルの官僚がのんびり退屈な書類作成をし、外交官が神政湾岸専制君主と友好関係を築いている間に、それが起きている。もしサウジアラビアがアメリカの同盟国でなければ、この問題は全く異なる扱いを受けるだろう。

 去年5月、当時のレックス・ティラーソン国務長官は、アシスタントで強烈な対イラン・タカ派のブライアン・フックからメモを受け取った。メモは、国務省操作のより微妙な点について苦闘している政治的新米ティラーソンを教育するように意図されており、ワシントンの同盟者と、敵と交渉するためのワシトンの標準的プロトコルを展開していた。アメリカの敵、具体的には、人権を侵害している中国、ロシア、北朝鮮とイランをあげ、人権を侵害しているアメリカ同盟者の例として、エジプト、フィリピンとサウジアラビアをあげて、人権問題は、同盟国ではなく、敵に圧力をかけるためのものだとフックは書いてた。

 「エジプトやサウジアラビアやフィリピンのようなアメリカ同盟国の場合、対テロ作戦を含め、人権に関する正直に困難なトレードオフに政権が立ち向かう中、色々重要な理由で良い関係を強調することは正当化される」フックは書いていた。「現実的な成功した外交政策のための一つの有用な指針は、同盟者を区別し、敵より良く扱われるべきなのだ。さもなければ、我々にあるのは、より多くの敵と、より少ない同盟者ということになる。アメリカ同盟国に関して、理想と利害関係の均衡を保つのはよくあるジレンマだ。我々の競争相手に関しては、ジレンマはより少ない。我々は海外でアメリカの敵を増強するつもりはない。我々は彼らに圧力をかけて従わせ、競争し、出し抜くよう期待している。この理由から、我々は、中国やロシアや北朝鮮やイランとのアメリカ関係に関し、人権を重要問題と考えるべきだ。これはそうした国の慣習道徳上の懸念のためだけではない。それは人権に関し、それら制度を押しつけることで、代償を課し、圧力をかけ、戦略上、彼らから主導権を取り戻すためだ。」

 実際これは、国務省のような公式政府機関のみならず、主流メディアを含め非公式なものでも、アメリカ政府で同様に見られる類の行動だ。残忍な警察の対応で、抗議参加者が大量逮捕され、目を撃ち抜かれ手を吹き飛ばされたのに、富豪に雇われた評論家連中が無視し、論評の一つのささやきもないのをご覧願いたい。もしこれがロシアで起きていたら全て口コミで素早く広がり、大衆の意識に無理やり押しつけられるのを知っている。

 もしサウジアラビアが「同盟国」ではなく「敵」陣にいれば、我々は、ほぼ4年間、イエメンでの殺戮に関する一定のマスコミ報道を見ていたはずだ。一年以上、イエメンに一度も言及しないMSNBCは、去年涙ぐんで、シリアで起きたとされる「独自で恐ろしい」サリン毒ガス攻撃を報道したのと同じ緊急性で、主流メディアを含め、死に瀕した子供たちを描写しており、定期的にそうしていたはずだ。イエメンの餓死しそうな子供たちは棚上げされるのでなく、欧米の意識の最前線にあって、それを止めさせようという要求が津々浦々で叫ばれていたはずだ。

 本当にそうなのだ。「協力者」陣営から「敵」陣営に移行するという一つの愚かで、思慮の無い変更で、イエメンの大虐殺に対する欧米世界の応答で、天と地の違いをもたらすだろう。サウジアラビアの皇族は中傷されるだろうし、その中傷は制裁に対する支持と世界の舞台からサウジアラビア王国を押し出す戦略をでっち上げるのに使われるだろう。不満の種を蒔くため、CIAの機密活動が実行され、不満の炎をかき立てるのを助けるため、飢餓制裁が、サウジアラビア一般国民を標的にするだろう。侵略か、計画されたクーデターによって、政権転覆が行われるだろうし、その後、静かに全てアメリカ・ドルでのサウジアラビア石油輸出にすぐさま移行する傀儡政権が据えられるはずだ。

 その間、サウジアラビアと仲良くし続けようとするほど彼が愚かなら、神に祈ろう。ロシアとの共謀以上に、サウジアラビアとの共謀の遥かに多くの証拠がある。全く中身の無いロシアゲートは、サウジアラビア政府との直接の金融的つながりに関する遥かに具体的で明白な物語、サウジアラビア皇太子の密使によるトランプの2016年当選を手伝うという申し出、トランプの義理の息子ジャレッド・クシュナーが「彼の支配下にある」というサウジアラビア皇太子ムハンマド・ビン・サルマーンによる発言に取って代わらているはずだ。トランプの身の毛がよだつような輝く球体の写真は、それだけで、主流のサウジアラビア・ゲート陰謀論者を難治性ヒステリーにするはずだ。

 もしサウジアラビアがアメリカ同盟国でなければ、9/11事件直後に侵略されただろうし、強制的に政権を変えられていたはずなのだから、もちろんこれのどれも決して起きる可能性はなかったろう。

 けれどもサウジアラビアは、アメリカ同盟国で、しかもに非常に緊密だ。オイル・ダラー取り引き、主要な要衝としての位置、社会病質的な狙いを推進する上で、膨大な富を、政府の不透明なベールの背後で自由に動かす能力は、アメリカで中央集権化した帝国の世界支配の容赦ない探求の上で値段のつけようがない資産になった。これは帝国がたまたまMbSで味わうかもしれないどんなつまらないことにもかかわらず、どのようなジャーナリストの不運な骨のこぎりとの遭遇にもかかわらず、事実であり続ける。

 中東を支配する争いは、この世界エリート権力の最重要優先事項の一つであり続けているので、彼らは死んだ子供たちの少数の山に、重要な同盟を妨げさせないため、できる限りすべてのことをしようとしているのだ。イエメンでの虐殺は現在、世界中で起きている最も悪いことの一つで、働いている力関係のせいで、我々は傷を癒やす上院の快い票決以上にもっと多くのことが必要だ。それは一歩だ。我々は前進し続けなければならない。

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記事原文のurl:https://medium.com/@caityjohnstone/imagine-if-saudi-arabia-was-not-a-us-ally-31ad56fe9876

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 石油が出ない同盟国、つまり属国は、かわりに、ありとあらゆるものをむしり取られる。畜産を含む農業、漁業、保険、水、国防という名目でのポンコツ戦闘機や、イージスアョアを含むがらくたの押しつけ、傭兵基地建設その他もろもろ。膨大な富を、政府の不透明なベールの背後で自由に動かす傀儡政府の能力は、アメリカで中央集権化した帝国の世界支配の容赦ない探求の上で値段のつけようがない資産になった。これは帝国がたまたま三代目連中で味わうかもしれない、どんなつまらないことにもかかわらず、事実であり続ける。

 たまには嬉しいニュースもある。
「日立、英原発計画を凍結へ 安倍政権輸出案件、全て暗礁に」という報道。
人の顔をした怪物以外には、日本の庶民にとっても、世界にとっても良い.話題。

 とはいえ現実は、日刊IWJガイドの最初にあるように、棄民政策着々進行中。
フランスと違い、世界最大の属国民は、ゆでがえる状態。大本営広報部洗脳によるものなのか、はじめから、ぼけているのか、素人には分からない。得票率と同じ支持率25%ならわかるが、倍近くある不思議。度し難い縁なき衆生?

 植草一秀の『知られざる真実』記事のように「消費税増税とともに消える安倍内閣」となって欲しいもの。以下は、日刊IWJガイドの引用。水道民営化がゆきつくところ。

 岩手県雫石(しずくいし)町の一部地域に水道を供給している民間会社が利用者に新たな料金負担を要求し、支払わなければ水道の供給を停止すると一方的に通知している問題で、本日17日が支払いの期限とされています。

※「新たな料金負担しなければ水停止」 雫石、業者通知で混乱(岩手日報、2018年12月9日)
https://www.iwate-np.co.jp/article/2018/12/9/30640

 雫石町長山岩手山の住宅やペンションなど35軒に水道を供給している宮城県仙台市の民間会社「イーテックジャパン」は12月8日、住民説明会を開き、井戸水を汲み上げるポンプの電気料金負担を住民に要求。同社は経営悪化のために9月、10月分の電気料金を滞納していますが、この電気料金負担を住民に押しつけるだけでなく、電気料金を支払えなければ井戸水を汲み上げるポンプは動かせないというのです。

 イーテック社は住民説明会で、「なんでこっちが頭を下げるのか。うちは水道供給を止めた方が赤字は減るんですよ」などと述べました。しかし、住民の中には、同社の身勝手な方針に屈することなく、「経営悪化を理由に料金を追加請求するのは不当」であると主張する人々もいるといいます。

※水道法改正の裏で…民間業者「水を止める」と住民“脅迫”(日刊ゲンダイ、2018年12月16日)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/243861

※住民有志、支払い拒否へ 雫石・民間水道料問題(岩手日報、2018年12月15日)
https://www.iwate-np.co.jp/article/2018/12/15/41137

 12月10日に閉会した臨時国会では、水道事業の管理・運営権を民間業者に「委託」する改正水道法が、強行採決を経て成立しました。水道事業が民営化されたことで、今後、雫石町のような事例が続出することが強く懸念されます。

 この雫石町の問題は、日本全国の住民の「命」にも関わる非常に大きな問題です。水道民営化の危険性を訴え続けてきたIWJは、本日17日から動画班の八重樫拓也記者を雫石町に派遣し、現地の状況をお伝えします。

2018年12月11日 (火)

「一人の死は悲劇、百万人の死は統計」にする欧米マスコミ

Finian CUNNINGHAM
2018年10月31日
Strategic Culture Foundation

 殺害されたサウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギに専念する欧米マスコミ報道は「一人の死は悲劇だが、百万人の死は単なる統計だ。」という冷笑的な格言を証明している。

 カショギがイスタンブールのサウジアラビア領事館で行方不明になって以来、四週間、事件は絶えず報道されている。これを過去四年間のイエメンにおける、サウジアラビアによる身の毛のよだつような戦争に関する、わずかな欧米マスコミ報道と比較願いたい。

 サウジアラビアと湾岸諸国パートナーが、アメリカやイギリスやフランスの極めて重要軍事支援を得て、イエメンに仕掛けている戦争の結果による飢餓で、1600万人のイエメン人が死に直面していると国連が最近も警告した。今にも起こりそうなこの死亡者数に、欧米マスコミや政府はほとんど反応していない。

 先週、アメリカが支援するサウジアラビア戦闘機による攻撃後、紅海のホデイダ港近くの野菜包装工場で、約21人のイエメン人労働者が殺された。またしても、欧米政府やマスコミからの激しい非難はほとんどない。

 確かに、最近アメリカとヨーロッパの一部政治家が、サウジアラビアが率いる戦争を巡り、軽蔑と、人類に対する犯罪への欧米政府の有責性を表明している。

 それでも、ジャマル・カショギ殺害に向けられる社会的関心と比べ、イエメンに関しては驚くほど冷淡だ。一人の人の運命が、これだけの感情や心配をかき立てられるのに、一方、イエメンの何百万人もの子供たちは“巻き添え被害”だと軽くあしらわれているように見えることが、どうしてあり得るのだろう。

 サウジアラビア暗殺部隊によるカショギ殺害の状況が、容易に思い浮かべられるというのも、理由の一つだ。ワシントン・ポストで働いているジャーナリストという彼のコネも、他のマスコミからの大きな関心をひくことになっている。59歳の反体制派サウジアラビア人の写真と、トルコ人婚約者との来るべき結婚のための公式書類を取得しようと、イスタンブール領事館を訪れたという身の上話も人間味を加え、世間の共感を集めたのだ。

 もう一つの要素は、サウジアラビア政権幹部の命令で活動していたように見えるサウジアラビア暗殺チームによる、彼を捕らえ、拷問し、遺体をバラバラにした背筋の凍るような策謀だ。カショギの遺体がまだ発見されていないことも、身の毛のよだつような話への興味を増している。

 こうした人間的側面が、イエメンが負わされている膨大な苦難では、欠けていることが遺憾にも余りに多い。空爆で殺害された何千人もの子供や、病気や飢餓で亡くなっている何百万もの人々には抽象的現実しかない。

 8月9日のスクールバスに対するサウジアラビア空爆で殺害された50人以上の子供たちのように、欧米マスコミが、まれな報道をする際も、依然、大衆は比較的無感覚だ。我々は犠牲者の名も知らされないし、ひどい運命の前の幸せな子供の写真を見せられることもない。

 一人の死と何百万人もの抽象的な死との対照は  両事件の犯人が同じであるがゆえに、一層顕著になるが  - それは、人の冷淡さだけが理由ではない。イエメンに関する報道のすさまじい欠如で、欧米大衆の感受性を、欧米マスコミが鈍らせる手口のせいだ。

 イエメン人の苦難に自分たちの政府が直接関与しているのだから、欧米マスコミには喫緊の義務がある。もし欧米マスコミが、犠牲者の人間的詳細を、適切にもっと報道していれば、イエメンを巡るずっと激しい大衆の怒りや、正義への要求があったはずだと想像して良いだろう。少なくとも、サウジアラビアに対する兵器輸出停止という形で。カショギ事件を巡っては、そのような呼びかけがされつつある。同じ経済制裁や外交制裁の要求がイエメンに関してもなされるべきなのは確実だ。人々の大きな苦しみを考えれば、実際、何桁も大きな要求が。

 過去四年間、欧米マスコミはイエメン大惨事報道では恥ずかしいほど職務怠慢をしている。最も卑劣な見出しの一つは、BBCのもので“忘れられた戦争”と書いていた。紛争は、BBCや他の欧米報道機関が、報道から常に外すと決めたがゆえに“忘れ去られた”に過ぎない。この怠慢は、ワシントンやロンドンやパリのサウジアラビア政権との美味しい武器貿易を駄目にしないためなされた“政治的”決定なのは疑いようもない。

 “一人の死は悲劇だが、百万人の死は統計だ”という逆説と、この逆説を作り出す上での欧米マスコミによる極悪非道な役割を検討するための、もう一つの方法は、サウジアラビアで死刑判決に直面している人々の運命を検討することだ。

 民主主義支持抗議行動参加者の女性、29歳のイスラー・ゴムガムの例を見よう。イスラーは、三年前、サウジアラビア君主制に反対する平和的抗議に参加したために逮捕された。彼女と夫のムサ・ハシェムは、いつ何時、斬首で死刑にされるか知れない。彼らの唯一の“罪”は、スンナ派王国に抑圧されているシーア派少数派の民主的権利を要求して、サウジアラビア東部州の都市カティフで、非暴力的街頭抗議行動に参加したことだ。

 もう一つの例は、ムジタバ・アル・スウェイカトだ。やはり、サウジアラビア絶対支配者に反対する民主主義支持の抗議行動に関与したため、彼も斬首刑に直面している。彼の件で、実に遺憾なのは、2012年、アメリカ合州国の西ミシガン大学に留学するため出国しようとしていて、法的に未成年の17歳で逮捕されたことだ。

 こうした人々が - そして、サウジアラビアの死刑囚監房にはもっと多くのそうした例があるが - カショギ殺害を巡る国際的非難を考慮して、サウジアラビア王政に赦免されるかどうかは明らかではない。彼らは一体いつ、公共広場にしょっ引かれ、頭を刀で切断されるかわからない。

 片やカショギ事件、そして片やイエメンの膨大な人々の惨状に対する欧米大衆による反応の断絶を説明しようとする際、一人の死と百万人の死についての皮肉な格言を引合に出したくなるかも知れない。だが、その場合、イスラー・ゴムガムや、その夫のムサ、あるいは学生のムジタバ・アル・スウェイカトなどの人々の差し迫る死を巡る社会的関心の明らかな欠如は、一体どのように説明できるだろう?

 人を鈍感にさせる抽象化の悲劇は圧倒的な人数のせいではない。それは主に、サウジアラビア政権の残虐さに関する、欧米マスコミによる意図的な省略や、より酷い虚報や、この政権がそうすることを可能にしている欧米政治と経済による決定的な支援のせいだ。

 明白な断絶は、欧米マスコミによる組織的歪曲のせいなのだ。これは単なる欠点ではない。それは犯罪的共謀だ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/10/31/western-media-make-one-death-tragedy-millions-statistic.html

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 いささか古い記事だが、ご寛恕願いたい。事態は全く変わっていない。

 2018年10月29日には、インドネシア人メイドが処刑されている。暴行しようとした主人を殺した自己防衛が犯罪になるのだから、偉い国だ。入管法改悪以前。

Tuti Tursilawati: Anger in Indonesia after Saudi Arabia goes ahead with execution of maid who killed employer 'in self-defence'

 パギやんという方の「アベ・イズ・オーバー」という替え歌があるのを先程知った。

 「元横綱夫妻が、参院選で激突」という日本劣等ぴったりの話題をみかけた。どちらも問題であっても、解答ではないだろう。維新を含む与党と一緒。

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