サウジアラビア・湾岸諸国

2026年9月10日 (木)

対イラン戦争:原油価格が1バレル100ドルに迫る中、依然勝利を願っているトランプ

2026年9月8日
Moon of Alabama

 イエメンのアンサルッラーによる新たな攻撃により、サウジアラビアの石油生産施設3カ所が被害を受けた。日量40万バレルの生産能力を持つジザンのアラムコ製油所は操業停止となった。原油価格は上昇した。

 ロイター通信によると、グリニッジ標準時午前8時までに、ブレント原油先物価格は2ドル(2.06%)上昇し、1バレルあたり99ドルに達した。  
一方、アメリカ産WTI原油は1バレルあたり94.41ドルで取引され、2.93ドル(3.2%)上昇した。

 立ち会い序盤、ブレント原油は7月24日以来の高値となる1バレル99.22ドルを記録し、WTI原油も6月8日以来の高値となる1バレル94.60ドルに達した。

 イエメンのアンサル・アッラー政権(主要集団の一つ、フーシ派にちなみフーシ派と呼ばれることが多い)は、国土の僅か33%しか支配していないが、イエメン国民の80%を掌握している。サウジアラビアは現地の反政府派に武器供与や支援を行っている。反政府派ががフーシ派との戦いに勝利する可能性は低い。
 サウジアラビアの減産は原油価格に決定的打撃を与える引き金になるかもしれない。

 アメリカとイスラエルによる対イラン攻撃にもかかわらず、原油価格はこれまで心理的な節目の1バレル100ドルを突破していなかった。国家備蓄の活用と中国の原油輸入削減により、価格は不自然なほど低く抑えられていた。だが、現在では備蓄量も減少しており、中国の輸入業者も市場に復帰している。そのため、イランによるホルムズ海峡封鎖による原油生産量の減少が、ついに影響を及ぼし始めている。

 石油製品価格は既に大幅に上昇している。製油所オーナーは記録的利益を上げている。アメリカ消費者は、エネルギーに更に1000億ドルを支払う必要がある。

 ドナルド・トランプ大統領は、ついにこの問題を認めた。対イラン戦争は勝利からは程遠いと彼は認めた。  
月曜日、対イラン戦争にアメリカが勝利すれば原油価格は「急激に下落する」とドナルド・トランプ大統領は主張した。

 「対イラン戦争に勝利すれば、他のあらゆるものが下落しているように(しかもそれ以上に!)、原油価格は急激に下落する」とソーシャルメディアへの投稿で大統領は述べた。「1ガロン3ドルだが、最終的には2ドル以下になる。すべて、あっという間に起き、イランは決して核兵器を持つことはない。MAGA!」
 石油トレーダーは原油価格下落を予想していない(アーカイブ
 
ゴールドマン・サックス・グループによると、中東での船舶攻撃が増加すれば、原油価格は1バレル120ドルまで上昇する可能性がある。同社は、利益を得る方法として、天然ガスとディーゼルへの投資を推奨している。

 6か月以上続いた戦争の膠着状態により、広汎なエネルギー価格が上昇しており、天然ガスと石油製品の上昇率は原油を上回っている。工業用燃料ディーゼルは今年に入って2倍以上に上昇した。
 ホルムズ海峡周辺の支配地域を拡大し、アメリカの封鎖に対する措置を強化するとイランは発表した。  
アメリカによる制裁措置によって生じた経済への打撃に対処するため、取り組みを強化するとイランは表明した。

 だが、イランの石油輸出を封鎖し、制裁回避を阻止して、イラン経済を締め付けようとするアメリカ攻勢は益々抵抗しがたいものになりつつあるとイラン高官筋3人が述べた。

 日曜日、イラン議会のモハマド・バゲル・ガリバフ議長は、ゲームのルールが変わったことをアメリカは「手遅れになる前に」理解すべきだと述べた。

 「今後、イランの国益と安全保障に対するいかなる攻撃に対しても、より迅速で、より重く、より痛烈な報復を行う」と彼はテレグラムチャンネルで公開した演説で述べた。
 アメリカはイラン経済を締め付けようとしている。だが、イランはこれへの対策を講じている。(アーカイブ)  
経済状況は、イランの戦争遂行能力にまだ影響を与えていない。長年の制裁経験のおかげで、様々な物資の備蓄は依然豊富だ。そして、強力な抑圧手段を持つイラン政府は、自らの必要性を満たしつつ、経済的苦痛の多くを一般国民に押し付ける方法を編み出してきた。つまり、トランプのやり方は、確かにイラン国民の大多数を困窮させることはできる。だが、イスラム共和国そのものを窒息させることはできない。
 現在、原油価格の高騰で、イランがアメリカに与える経済的損害と、アメリカが対イラン封鎖措置でイランに与える経済的困難との間で、どちらがより深刻かという競争が繰り広げられている。

 今のところ、イランはイエメンをはじめとする同盟諸国の支援を受け、この戦いで勝利する運命にあるように見える。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/09/war-on-iran-crude-price-nears-100-barrel-while-trump-still-hopes-to-win.html

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 植草一秀の『知られざる真実』
中道というまやかし

2026年8月25日 (火)

フーシ派はトランプを中間選挙で敗北させるだろうか?



マーティン・ジェイ
2026年8月19日
Strategic Culture Foundation

 トランプの対イラン戦争は裏目に出て、今やフーシ派が彼に中間選挙での敗北をもたらしつつある。

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 トランプ大統領によるいわゆるホルムズ海峡封鎖や、そもそも2月28日にイランを攻撃する大失策で、両国の経済が日々疲弊している現状を鑑みると、サウジアラビアとUAEは、ワシントンの名目上の同盟国として、あと一体どれほど持ちこたえられるのか?

 ここ数週間、アメリカが安全保障の保証人である既存体制は終わったことを示唆する、サウジアラビア外相の辛辣な発言が見られた。指摘されている通り、アメリカがこの地域で自国さえ守れないことが明らかになったのだから、受け入れ国を守ることなどできるはずがない。だが、ここ数日、フーシ派によるサウジアラビア船舶攻撃と、より重要なことに、サウジアラビアのタンカー数隻が、紅海とスエズ運河を完全に避け、喜望峰を回るより長い航路を選択したことは、サウジアラビアとアラブ首長国連邦両方にとって、これまで見たことのない石油危機が起きていることを示している。対イラン戦争に踏み切ったものの、その後見事に敗北する結果をもたらした、この地域でのトランプの愚行が招いた予期せぬ結果として、フーシ派がイランを支持するようになり、封鎖を解除してホルムズ海峡を開放し、支配権を完全にイランに委ねるようトランプに迫っている。

 最近海運業界が発表した、サウジアラビア・タンカー数隻がアフリカ大陸南端を周航しているという報告は、失敗に終わったトランプ政権戦争の新たな深刻な節目だ。しかも、中国が巨額の金を購入し、脱ドル化を主導している時期に、このような事態が発生しているのだ。更に、アメリカ経済の債務が40兆ドルに達し、第二次世界大戦後初めてGDPを上回る事態も全てトランプ政権下で起きている。

 だがタンカーの航路変更は、GCC諸国に一線を越えさせ、アメリカを地域から完全排除する新たな地域情勢に直面させることになるだろう。そしておそらく、アメリカ兵器メーカーが再び勢力を拡大するのも阻止するだろう。イランが支配的勢力として位置づけられ、GCC諸国が「友達のふりをする敵」として和平条件に合意し、地域経済が再び機能できるようになる全く新しい地域勢力図の再編が目前に迫っている。

 2月28日以降、アラブ首長国連邦とサウジアラビアは経済危機を回避するために石油輸出を利用するべく、アラビア半島のペルシャ湾側からサウジアラビア紅海沿岸の港へ、1日あたり約700万バレルの石油を輸送し始めた。UAEの場合、石油はフジャイラ港から輸送される予定だったが、この港自体イランが望めば攻撃される可能性がある。サウジアラビアは既にパイプラインを建設していたものの、紅海でフーシ派がこれほどの支配力を持つとは誰も想像できなかった。その結果、現在見られるような輸送経路の変更が行われたのだ。

 一方、これまでホワイトハウス記者連中が見たことがないほど相変わらずトランプは頑迷で現実離れしている。アメリカがホルムズ海峡を支配していると彼が記者団に述べたすぐ後で、アメリカが、この海峡の支配権を掌握する案を支持すると彼は言った。最近、彼はMAGA支持者を前に、ガソリン代として支払う四ドルは、イランが核兵器を手に入れられないようにするための僅かな代償に過ぎないとアメリカ国民に語った。だがイランは戦争で圧倒的勝利を収め、今や主導権を握っているため、いつでも核兵器を開発できることを考えれば、これは驚くべき嘘だ。

 トランプが記者や支持者に語っていないのは、経済が急降下しており、アメリカの戦略石油備蓄が使われ、かつてないほど枯渇している事実だ。サウジアラビアとアラブ首長国連邦の石油タンカーが原油を輸出できなくなっている新たな危機により、世界的価格上昇は避けられず、それはアメリカ国民にも影響を及ぼすことになる。まさに自分たちの経済状況をトランプが好転させてくれると信じて彼に投票したアメリカ国民に。トランプ政権下のアメリカは、中東で起きている出来事に無関心な超大国のように振る舞っているが、実際は大規模で深刻な世界経済危機が襲い、物価が急上昇し、世界中の工場で人員削減が始まる前に、トランプに残された時間はほとんどない。イランは長期的戦略を立てる時間があり、非常に安定した状態にある。イラン経済も300%のインフレと闘っているかどうかはともあれ、彼の二期目任期中に貧しくなったアメリカ国民に嘘を売りつけることしかできないままトランプは中間選挙に向かっている。そして、彼の棺桶に最後の釘を打ち込んだのはフーシ派なのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/08/19/will-houthis-sink-trump-at-midterms/

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 植草一秀の『知られざる真実』
米国に媚び隷従するだけの首相
 彼女の積極的な効果にも是非触れておきたい。

 彼女を一目見れば
 日本がアメリカの属国であること
 日本支配層はアメリカ傀儡であることを
 彼女ほど日本の実態を世界に広報する人物はいないので十分高給に値する。彼女の発言・振る舞いを見て日本に期待する人などいるだろうか?

 自民、公明、国民、異神、酸性、(逆の名の)過去集団、中道など、与党ゆ党の発言・行動も同様。これが実力・実態。

【古賀茂明】円買い介入でも米国を利する高市政権は「軍事だけでなく経済でも米国の奴隷になってきた」!【ONEPOINT日刊ゲンダイ】 33:15

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
WP|長寿から脳の健康まで――科学が裏付けるお茶の5つの健康効果、お茶に含まれる成分が血管を保護し、炎症を抑え、リラックス効果をもたらし、さらには腸内細菌叢(マイクロバイオーム)を良好に保つ可能性があることを明らかにしている。

2026年8月16日 (日)

オイルなしのドル:ホルムズ海峡と紅海の二重封鎖でサウジアラビア・アメリカ原油輸出はゼロ

Simon Chege Ndiritu
2026年8月12日
New Eastern Outlook

 2026年7月、1985年以来初めて、アメリカのサウジアラビアからの原油輸入はゼロだった。オイル・ダラー体制を強化するために始まった対イラン戦争は、正反対の効果をもたらし、アメリカ金融力の根幹を揺るがしている。

 

 戦争は続き、封鎖は強化される

 2026年8月9日時点で、イランがホルムズ海峡の封鎖を維持し、イエメンの同盟者フーシ派がジャザンのサウジアラビア石油インフラを爆撃し、紅海からのサウジアラビア石油輸出を封鎖したため、米イラン戦争の終結は見通せない。その結果、オイルダラー体制を通じてアメリカが金融帝国を維持するのを可能にした中東原油輸出は、当面の間制限される可能性が高く、ワシントンにとって重大な経済的影響をもたらす。これは、ワシントンの無謀な軍事冒険が、国内で悪影響をもたらした数少ない事例の一つだ。表向き、イスラエルのために戦われているアメリカの対イラン戦争は、特に1970年代初頭から、アメリカの世界的権力の基盤になってきたオイルダラー体制をはじめとする中東資源に対するワシントンの支配力を弱める動きを生み出している。

 僅か数ヶ月の紛争後、アメリカはイランの資源獲得に失敗しただけでなく、ホルムズ海峡封鎖と紅海封鎖により、イラクからの資源の流れやドル建て原油の供給も失ってしまった。

 (公式名称はアメリカ・サウジアラビア経済協力合同委員会で)1974年6月に署名されたオイルダラー協定は、アラビア諸国に、石油を米ドルで販売し、米国債を購入することを義務付け、当時拡大していたサウジアラビアの石油の富を、アメリカの金融体制に再循環させることを促した。サウジアラビアには、とりわけ、米軍駐留による保護、幾重にも重なる防衛協定と、今や不十分で、効果がないことが証明されている高価なアメリカ製兵器の際限のない購入が約束された。この合意は、米ドルに対する恒久的需要を生み出し、大まかに言えば、金本位制から離脱した米ドルが、活況を呈する石油貿易に裏付けられるようになったことを意味する。また、この合意により、アメリカの銀行は他国との貿易から利益を得られ、アメリカは低金利で資金を借り入れ、巨額貿易赤字を維持できたが、アメリカの対イラン戦争が続けば、これは次第に不可能になる。

 ドルを失うのは戦争に負けるのと同じだ ― トランプ

 アメリカの対イラン戦争は、おそらくアメリカ史上かつてない結果をもたらした。アフガニスタン、イラク、シリアなど、ワシントンがこれまで行ってきた戦争のほとんどは、鉱物資源や原油の入手や、これら資源の輸出による収益の支配など、経済的にプラスの結果をもたらしたが、対イラン戦争は、中東の原油貿易に対するワシントンの支配を制限した。例えば、2003年の米英による偽りの口実に基づくイラク侵攻は、両侵略国にイラク原油入手を可能にし、ワシントンはイラク原油販売による収益を支配できるようになった。この収益は現在もニューヨーク連邦準備銀行の口座に振り込まれている。ワシントンは依然、これら資金の支出を管理し、イランから電力や天然ガスなどのエネルギーをイラクが輸入するのを制限している

 2024年9月、当時大統領選の共和党有力候補だったドナルド・トランプは、アメリカが「世界標準通貨」としてのドルを失うのを懸念し、それは戦争に負けるのと同じくらい悲惨なことで、アメリカを第三世界の地位にまで引き下げる可能性があると述べた。2026年8月の時点で、トランプの予測が正しければ、アメリカは世界標準としてのドルの地位と戦争の両方を失い、第三世界の国になる道を歩んでいると言っても差し支えあるまい。先に述べた通り、ホルムズ海峡と紅海を通る石油貿易の中断は、米ドルがもはや中東の原油貿易に裏付けられていないことを意味する。重要なのは、アメリカの戦略的石油備蓄(SPR)が大幅に枯渇しており、ドルを更に支えるために使える可能性が低下していることだ。戦前の水準で需要がなくなった世界市場におけるドル過剰供給の悪影響は、アメリカで徐々に顕在化し、悪化してゆくだろう。

 一方、ワシントンが軍事力を用いてオイルダラーを強化する能力は複雑化しつつある。西側の著名オピニオンリーダーたちは、イランに対するアメリカの冒険を既に敗北だと評しており、中にはベトナム戦争より大きな戦略的敗北だと言う者もいる。その理由の一つは、アメリカが撤退して別の石油資源国を攻撃できないためだ。2026年7月下旬に米欧州軍司令官に就任したアレクサス・グリンケヴィッチ将軍は、海軍駆逐艦の数が限られているため、アメリカ本土を防衛しながら、イランの攻撃からイスラエルを守ることはできないと警告していた。この警告は、ワシントンが軍事力を用いて中東の原油を支配する際の戦略的限界をうかがわせる。グリンケヴィッチ将軍の言う「イスラエル」とは、この地域におけるアメリカの地政学的・地経学的権益の投影を指している。

 中東の前哨基地

 グリンケウィッチ、ジョー・バイデン、RFケネディらが使う「イスラエル」という言葉は、ワシントンが名ばかりの入植植民地で、指導者もまがい物であることを意味する。1986年、当時上院議員だったバイデンは、当時30億ドルだったイスラエルへのアメリカ年間予算配分は、受給国が、この地域におけるアメリカ権益のために作られたものであるため、最良の投資だと述べた。2023年に大統領になったバイデンは、同様見解を繰り返した。同様に、2023年のインタビューで、ケネディは、イスラエルは中東におけるアメリカの存在感(防壁)で、石油を含む資源の入手をワシントンが守るのを可能にすると述べた。彼は更に、イスラエルがなければ、中東の主権国家に属する石油資源は、中国とロシアに支配されるという、いつもの脅し文句を付け加えた。従って、グリンケウィッチ、バイデン、ケネディらの見解から、アメリカによる対イラン戦争は、この地域の石油に対するワシントンの支配を拡大し、オイルダラーを強化するために開始されたとさえ主張可能だ。戦争はイスラエルを守るためのものだという説明は欺瞞だ。イラン産原油をドル建てで取り引きし、イラク戦争のように米連邦準備銀行口座を経由して支払いをするなど、中東石油に対するアメリカ支配力を拡大するため仕組まれた戦争は正反対の結果を生み出した。

 ただの資源はありえない

 イランの石油を奪うワシントンの計画は、オイルダラーシステムを大きく強化し、イランの資源を自動的にアメリカの国民総所得(GNI)に組み込む可能性があった。ペルシャ湾からの原油輸出制限の一部は、既にアメリカGNIの構成要素だったり、米ドルで価格設定されていたりして、オイルダラー帝国を支えていた。だが、わずか数ヶ月の紛争後、アメリカはイラン資源を獲得できなかっただけでなく、ホルムズ海峡の封鎖と紅海の封鎖で、イラクからの資源やドル建て原油の流れに対する支配権も失った。現状がしばらく続けば、アメリカ金融帝国は深刻な打撃を受ける。ドナルド・トランプの強気な発言にもかかわらず、ワシントン勢力は、国際決済制度としてのドルを支える他の方法を模索したり、アメリカの公的債務が40兆ドルに達した時期に、低経費借り入れの利用が困難厳になる状況にどう対処するか準備したりしている。

 Simon Chege Ndirituはアフリカ出身の政治評論家、リサーチアナリスト。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/12/the-dollar-without-petro-dual-hormuz-red-sea-blockade-cuts-saudi-us-crude-oil-exports-to-zero/

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 Alex Christoforou Youtube 昨日の題名「Kuril Islands Fury」
Black Sea Truce Offered to Russia as CIA Downplays Air Force One Threat 29:52
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
WP 「3分間の運動で13種類のがんのリスクを低減の可能性、駅まで急ぐ如き「激しい運動」は効果。毎日3分間激しい運動は90分間の軽い運動と同程度がんのリスク軽減。筋肉は収縮時、生化学物質を放出。その中には、がんの発生や進行を抑制する生理学的プロセスを活性化
 東京新聞 朝刊 二面 総合  
 「歴史の教訓」消える

 高市首相 式辞に自論反映

 東京新聞 朝刊 三面 総合

 ホルムズ「近く米領宣言」

 トランプ氏、イランへ圧力か

 港湾封鎖継続の考え
 東京新聞 朝刊 四面 社説  
 「反省」なき国の行く先

 戦後の歴史観に敵対心

 「戦前回帰」色濃い政策

2026年8月 6日 (木)

イエメン対サウジアラビア:締め付けと非対称対応戦略

ムハンマド・イブン・ファイサル・アル=ラシード
2026年8月1日
Strattgic Culture Foundation

 イエメン紛争は20年目に突入し、新たな極めて危険な局面を迎えている。最近の情勢を見ると、サヌアは防衛から積極的抑止へと転換し、非対称的能力を活用して、強大な隣国の生命線を攻撃しようとしていることがわかる。

 

 かつてはアラビア半島周辺部における局地的小競り合いと思われていた事態は、今やサウジアラビア王国のエネルギー安全保障と地域全体の安定に対する直接の脅威に変貌を遂げた。この事態の悪化は「抵抗枢軸」(イラン、フーシ派、ヒズボラ)と、アメリカ・イスラエル主導陣営間の緊張の高まりを背景に展開しており、イエメン危機は、サナア・リヤド二国間関係を遙かに超える地政学的側面を帯びている。

 事態悪化の引き金となったホデイダ爆撃

 事態が急激に悪化した直接のきっかけは、ホデイダ州の通信インフラや、戦略的に重要なカマラン島を含む標的にサウジアラビアが空爆をしたことだった。リヤドはこれを、武力誇示と、フーシ派の勢力拡大に対する先制攻撃として位置づけたが、これは明白な主権侵害と侵略行為だとイエメンは解釈した。サウジアラビア主導の連合軍は、敵の軍事力を弱体化させるのを期待していたが、結果は正反対だった。翌日の7月25日、イエメン軍はサウジアラビアの「エネルギー源」を標的とする二つの大規模作戦実行を発表した。この電光石火の対応は、フーシ派の高い戦闘準備態勢を示すだけでなく、「目には目を」の原則に基づき、敵地にまで戦争を持ち込む彼らの決意も示している。

 だが一つ明らかなことがある。この地域の勢力バランスは不可逆的に変化しており、イエメンに圧力をかける従来の方法はもはや効果がないことだ。

 報復攻撃は、ジザンとヤンブーの都市にあるサウジ・アラムコの戦略的な施設を標的にした。報道によると、攻撃には数十発の弾道ミサイル、巡航ミサイルと多数のドローンが使用された。ソーシャルメディアで拡散された映像には、ジザン製油所複合施設上空に立ち上る煙が捉えられており、衛星画像と地域の情報筋は、直撃を確認している。標的選択は、サウジアラビアの経済的脆弱性を深く分析した非常に精密な戦略的行動を示している。ヤンブーは、脆弱なホルムズ海峡を迂回するため特別に建設された紅海経由のサウジアラビアの石油輸出にとって重要拠点だ。イエメンは、ヤンブーとジザンを攻撃することで、サウジアラビア経済の「西側の脱出路」を効果的に攻撃し、1000キロ離れた場所まで戦力を投射できる能力を示している。

 これらの攻撃は、サウジアラビア防空網の明白な欠陥も露呈させた。アメリカのパトリオット・ミサイルを含む欧米諸国の高価な防空システムは、安価ながら効果的な兵器を用いる組織的かつ集中的な攻撃に対しては脆弱なことが明らかになった。これは非対称戦争の典型例で、使用される攻撃用兵器の価格は、迎撃用の費用や、被る損害に比べて圧倒的に低い。このような戦術の費用対効果の高さは、リヤドに苦渋のジレンマを突きつけている。高額な迎撃を続けるか、あるいは頻繁な攻撃による損害を受け入れるかの、どちらを選んでもサウジは莫大な財政的損失を被り、この地域の投資魅力が損なわれる。

 海上封鎖:「封鎖には封鎖」という等式

 イエメン新戦略の中心的な要素は、サウジアラビアに対する海上封鎖実施だ。7月20日、サウジアラビア国旗を掲げる船舶の航行、およびサウジアラビア港湾に向かう貨物輸送を禁止するとフーシ派が発表した。この封鎖はバブ・エル・マンデブ海峡を通る国際航行には適用されず、サウジアラビアのみを対象にすると同派は繰り返し強調した。フーシ派のモハメド・アブドゥル・サラム報道官は、海峡閉鎖の報道を否定し、この措置はイエメンに対する長年の封鎖に対する正当な対応だと述べた。イエメンのアブドゥルワヒド・アブ・ラス外務副大臣は、この決定は「封鎖には封鎖で」という等式を確立するもので、国際規範の下で保障される自衛権だと述べた。

 この動きは交戦規則を根本的に変える。サウジアラビア主導の連合軍は、10年以上にわたりイエメンに対する空路、海路、陸路封鎖を続け、壊滅的な人道危機や飢饉や疫病を引き起こしてきた。サヌアが同様戦術を採用したことで、長年イエメン国民の苦しみに沈黙を守ってきた欧米諸国が、突如深い懸念を表明した。この状況は国際法における明白な二重基準を露呈している。航行の自由の権利は、欧米同盟諸国の権益が脅かされた時だけ突然神聖不可侵になる。この対抗封鎖は、軍事的側面だけでなく、強力な政治的・経済的影響力も持ち合わせており、サウジアラビアの紅海経由の石油輸出能力を直接脅かし、エネルギー安全保障を危うくしている。

 総動員と内部統合

 海軍とミサイルによる作戦と並行して、イエメンは国内での政治的動員を強化している。アンサール・アッラー指導者のアブドゥル・マリク・アル・フーシは総動員令を発布し、数十万人の部族民と正規軍部隊を戦闘態勢に置いた。北部諸州では大規模集会が開かれ、社会の結束と長期戦への備えが示された。報道によると、イランのバシジ民兵組織をモデルにした新たな内部組織「総動員部隊」が結成され、長期計画と、多層的防衛・攻撃能力の構築を目指す野心がうかがえる。こうした市民社会の軍事化は、住民全員が戦闘員になり得る「要塞」へとイエメンを変貌させており、サウジアラビア主導の連合軍にとって、占領や地上侵攻は極めて危険な試みになる。

 イエメン紛争は、抵抗枢軸と、欧米諸国が支援する陣営間の広範な地域的紛争と益々密接に絡み合っている。このエスカレーションは、アメリカとイラン間の緊張と、ガザ地区での戦争が続く中で発生している。サウジアラビアによる攻撃に対して、イエメン議会は軍の行動を全面的に支持し、不当な封鎖に対する必然的対応だと説明している。

 新たな現実と対決の可能性

 かくして、現在の紛争は局地紛争の域を遙かに超えている。イエメンは非対称抑止戦略を用いて主導権を握り、長年にわたる封鎖を、サウジアラビアに対する強力な圧力手段に転換させた。石油施設攻撃と対抗封鎖の実施は新たな現実を示している。つまり、サウジアラビアによる侵略行為が免責される時代は終わったのだ。リヤドによる更なるエスカレーションは、サウジアラビア自身の経済とエネルギー安全保障に壊滅的結果をもたらす。更に技術的に高度なサウジアラビア軍に立ち向かうフーシ派の成功は、地域の他の代理勢力にとって刺激的手本になっている。

 事態は沸点に達しつつあり、両陣営の次の動きを世界は固唾を飲んで見守っている。国連の仲介による外交関係再開から、外部勢力を巻き込んだ全面的地域戦争まで、様々なシナリオが考えられる。だが、一つ確実なことがある。この地域の勢力バランスが不可逆的に変化し、イエメンへの圧力という従来の手段がもはや通用しなくなったことだ。サウジアラビアは、紛争の軍事的な解決は不可能で、戦争継続の経済的代償が法外に高くなっているのを認識し、戦略の見直しを迫られるだろう。安価な石油と、罰せられずに済む空爆の時代は過去のものとなり、複雑な交渉と相互抑止の時代へ移行したのだ。

 ムハンマド・イブン・ファイサル・アル=ラシードは政治学者、アラブ世界専門家

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/01/yemen-vs-saudi-arabia-a-strategy-of-strangulation-and-asymmetric-response/

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
トランプの脅し、世界はもう無視。①テヘランに翻弄される姿、②中国は、100%の関税を課すというトランプ氏の脅しに、一歩も引かない姿勢。さらに、レアアース(希土類)の供給を事実上独占している強みや米国産大豆の購入停止といった手段を講ず。世界は混乱にうんざり(WP)

2026年8月 5日 (水)

対イラン戦争:もう一つのTACO(直前におじけづくトランプの方針転換) イランはエスカレーションする必要

2026年8月3日
Moon of Alabama

 またしても、イランを徹底的に爆撃するとアメリカ大統領が脅迫した。またしても、脅迫を彼は撤回し、同時にイランが交渉を懇願していると主張したが、それをイランは、またしても否定した。

 月曜日に、ようこそ。

 イラン爆撃に関して、トランプがTACO(おじけづいて方針転換)したのはこれで5度目だ

 先週土曜日、米軍が(再び)イラン爆撃準備を進めている最中、イランのアッバス・アラグチ外相は電話を取り、アラブ湾岸諸国の同僚たちに電話をかけた。そしてトランプ大統領が一度でも約束を実行したら、イランが破壊する各国標的のリストを読み上げた。

 湾岸諸国は互いに協議した。外交的言い回しで、トランプに「 黙れ」と伝える役目にサウジアラビアのムハンマド・ビン・スルタン国王が選ばれた。  
事態の悪化を防ぐため、対話を優先する必要性と、外交的解決への道を開き、地域の安全と安定を維持し、地域および国際的安全と安定に影響を与えるようなより広範な紛争を防ぐべく、平穏を実現するため、あらゆる努力を尽くす重要性を皇太子は強調した。
 石油を輸出しなければ、サウジアラビアはアメリカ兵器を輸入できない。生活費を賄うためサウジアラビアは国債を売却せざるを得なくなる。

 こうした二次的影響を説明したことが、トランプを動かした 可能性があるのかもしれない。  
事情に詳しい関係者によると、イランに対するアメリカ戦略と計画されている攻撃に関してもサルマン皇太子が明確な説明を求めたという。

 事情に詳しい関係者によると、戦争が長期化する中、自国がイランによる頻繁な攻撃にさらされている状況に対して、アメリカには明確な戦略が欠けていると見なして、湾岸諸国は水面下で不満を募らせているという。
 まだ全員が正気に戻ったわけではない。  
全ての湾岸諸国が緊張緩和を求めているわけではない。協議に詳しい湾岸諸国高官によると、ここ数日、イランに対し、より断固とした措置を取るよう、アラブ首長国連邦など一部の国がトランプ大統領に働きかけているという。事態をアメリカがエスカレートさせて、海峡の支配権を掌握し、場合によっては、地上作戦を検討するまで、イランの強力なイスラム革命防衛隊は妥協しないと、これら高官たちは示唆している。
 アラブ首長国連邦自身、イスラエル製兵器を山ほど大量購入したにもかかわらず、自国を守れていない。首長国連邦指導者連中は相当な懲罰を受ける必要がありそうだ。

 海峡をアメリカは制圧できない。現地作戦に必要な人員が不足している。もはや米軍には打つ手がない。  
水曜日「我々はイランに圧力をかけ、罰するための新しい創造的で型破りな方法を探している」と幅広い軍事専門家の集団に送ったメッセージで米中央軍情報部将校が書いたと、メッセージを知る情報筋が明らかにした。別の情報筋によると、先週、米軍高官が、イランへの対処方法に関する新しい発想を募るメッセージを送ったという。

 CNN報道によると、アメリカが行っている爆撃では、イランの交渉姿勢が変わる可能性は低いと最近中央情報局と国防情報局は評価している。

 爆撃だけではトランプ大統領がこれまで述べてきた戦争の目的を全て実現するのは困難だと大統領最上級軍事顧問の統合参謀本部議長ダン・ケイン大将は公式に認めている。

 先月「航空戦力には限界がある」とケイン大将は議員たちに語った。
 エスカレーションの主導権を握っているのはイランだ。アメリカはイラクのクルド人地域から撤退し、クウェートとバーレーンからも撤退した。イランは一部の米軍部隊が移動したヨルダンを既に攻撃している。次は、イスラエルに移動した米軍部隊が攻撃の標的になる。

 和平合意を、もはやイランは信じていない。敵対的戦略をアメリカが根本的に変えるまで、現状維持の継続でイランは満足なのだ

 だがイランがアメリカの次の攻撃を待つ可能性は低い。むしろ間もなく自らエスカレーションを開始するだろう。アメリカ艦船や施設を、更なる「驚き」が待ち受けている。

 ホルムズ海峡は閉鎖されたままになるだろう。更に紅海からのサウジアラビア輸出はバブ・エル・マンデブ海峡でも禁止される。ドナルド・トランプ自身の国で経済的影響がより切実に感じられるようになるまで、この状態をイランは維持するだろう。

 「タンクの最低残量」にはまだ達していないので、まだ暫く時間がかかりそうだ。  
タンクの最低残量論は、二つの重要要素を見誤っている。第一に、中国が過去10年間で蓄積した膨大な石油備蓄を軽視している。備蓄は現在、かなりの緩衝材になっている。戦争が始まる前、北京は14億バレル以上の戦略的備蓄を保有していた。以来、おそらく一億バレル程度しか引き出していない。中国は輸入量を戦前の水準以下に抑えるのに十分な備蓄を依然保有している。

 タンクの最低量論の二つ目の問題点は、富裕な国が保有する戦略的備蓄の枯渇を誇張していることだ。…混乱が続く場合に備えて、連中は、依然10億バレル程度の備蓄を保有している。特に日本と韓国は豊富な在庫を保有している。
 とはいえ備蓄をゼロにしてしまうのは避けたい。

 しかも、備蓄のない、さほど裕福でない国々が、このことで一番打撃を受ける。

 これが一体いつ、どう終わるのか予測は不可能だ。一週間か二週間後、同じことが繰り返されるかもしれない。トランプによる新たな脅迫、新たな対抗策、またしてもTACO騒動だ。

 ホワイトハウスにいるあの子供じみた男は、もはや打つ手がないにもかかわらず、頑固すぎて折れる気もないのだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/08/war-on-iran-another-taco-irans-need-to-escalate.html

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 東京新聞 朝刊 19面 特報 本音のコラム 斎藤美奈子氏 末尾部分を引用させて頂く。  
首相の被災地訪問
 劣悪な避難所にこそ行きなさいよ。かくて浮上したヤラセ視察疑惑。接待視察といったほうが正確かな。

2026年8月 2日 (日)

世界的茶番劇:ホルムズ海峡のアメリカ覇権をトランプの帝国主義的野望がいかに葬り去ったのか

ムハンマド・ハミド・アッディン
2026年8月31日
New Eastern Outlook

 ドナルド・トランプ政権は、気まぐれな家主のような横柄な態度で、既に多くの評論家が「帝国主義的な自殺行為」と呼んでいる政策を論理的な結論へ導いた。

 

 アメリカの中東政策を巡る果てしない物語は、最も滑稽な茶番劇という形でクライマックスを迎えたようだ。世界が今目の当たりにしているのは、単なる外交的失敗ではなく、アメリカが何十年もかけて築き上げてきた体制の完全崩壊だ。

 この茶番劇の最新の出来事は、ホルムズ海峡を舞台に繰り広げられた。8月18日と22日、トランプ大統領は自身のソーシャルメディア「Truth Social」に、この重要な海上交通の要衝の地図を「新たなアメリカ領土」という説明付きで投稿した。マートル・ビーチでの集会で、「ホルムズ海峡は今やアメリカ領土だ」と大統領は宣言し、ワシントンは海峡周辺地域全体を「完全に支配している」と述べた。まるで子どもが、学校の地図に境界線を書き直すようなこの行為は、数ヶ月にわたる攻撃的越権行為の集大成で、グリーンランド併合やカナダ領土への支配権主張といった彼の物議を醸す願望と驚くほど似ている。

 超大国が現実より支配力の誇示を優先する時、いかなる和平交渉の試みも単なる見せかけに過ぎず、解決策になり得ないことが保証される。

 帝国主義的盲目と戦略的麻痺

 この状況全体が、ワシントンを苦しめている「帝国主義的難聴症候群」の完璧な例だと言える。分析によれば、アメリカは一極支配を確立して以来、結果を顧みずに行動してきた。イラク、リビア、シリア、数々の介入と同盟国への無条件支援は、壊滅的結果をもたらした。建設的な外交や国家建設の代わりに、最終的に覇権国自身に跳ね返ってくる混乱の種を蒔くのを我々は目撃してきたのだ。

 「2008年以降の構造的現実」これは専門家がこの地域におけるアメリカ戦略の変容を説明するために用いる用語だ。2008年の金融危機とイラクおよびアフガニスタンでの戦争疲れにより、ワシントンは支配力を維持しながら直接的軍事支出を削減する方法を模索せざるを得なくなった。評論家のケイハン・ヴァラドバイギがThe New Arab記事で指摘している通り、これは「低経費の覇権管理」戦略を生み出し、その戦略は、体系的な経済的強制(制裁)と「負担転嫁」、軍事的リスクを地域の同盟国に移転することという二つの手段に基づいている。

 イエメン戦争は、この戦略の決定的試金石となったが、結果失敗に終わった。ヴァラドバイギが記している通り「リヤドとアブダビの利害は時間とともに乖離し、戦線は統一された地域戦線ではなく、互いに競合する地域的思惑に分裂した」。このことは、アラブ君主諸国は政治的に分裂しすぎ、軍事的にも弱体化しているため、イランとの直接対決に対応できないことをワシントンに示した。

 トランプが地図を描いている間も、世界の石油市場は独自の動きを続けていたが、その動きはアメリカ経済にとって悪夢に変わった。イランがホルムズ海峡を封鎖すると脅迫したことで、たとえそれが完全に実行されなかったにせよ、タンカー保険料は5年ぶりの高水準に急騰した。ホルムズ海峡を通過する石油量の3分の1以上を占める中国とインドは、ドル決済システムを迂回し、契約を人民元とルピー決済に緊急に切り替え始めた。

 だが、ワシントンにとって最大の驚きは、自国経済からもたらされた。アメリカのガソリン価格は7月から8月にかけて22%も急騰し、激戦州におけるトランプ大統領の支持率に即座に打撃を与えた。こうして、この帝国主義的振る舞いは、軍事外交上の大失敗に終わっただけでなく、経済面でも完全な失敗になった。アメリカは、制裁でイランを締め付けようとしたが、結局自国のガソリン価格という影響力で自ら窮地に陥った。皮肉にも、全面封鎖をちらつかせることで、ワシントンは自らの脆弱性を露呈してしまった。海峡も、世界の価格も、自国インフレさえもアメリカは制御できない。これはまさに、圧力手段がブーメランと化し、打撃が投げた本人を直撃する典型事例だ。

 信頼の喪失: 同盟諸国が背を向ける時

 アメリカ覇権の崩壊を示す最も顕著な兆候の一つは、湾岸の伝統的同盟諸国の行動変化だ。かつて当然のようにアメリカの国益に協調していた国々が、今や中国とロシアへ現実的方向転換を図っている。そしてこれは偶然ではなく、近年のアメリカ政策の直接的な結果だ。

 特に注目すべきは、2026年6月17日にトランプ大統領がイランと署名した覚書を巡る状況だ。戦争終結を目的としたとされるこの合意は、アラブ諸国の利益に大きな打撃を与えた。Defence24が指摘する通り「トランプ大統領が覚書に署名したことで状況は悪化した。アラブ諸国の利益が全く考慮されていなかったためだ」。イランは復興のため3000億ドルを受け取る予定だったが「アラブ諸国は自国の破壊と損失を放置されただけでなく、イラン復興開発基金に資金提供するのはアラブ諸国であるべきだとトランプ大統領は示唆した」。

 アラブ諸国はこれを「鵜呑み」にし、新たな現実への適応さえ始めた。ところが突然、トランプ大統領が「自分が一体何に署名しているのか分かっていなかったか、あるいは最初からイランに対する約束を守るつもりがなかった」のに気づいたのだ。その結果、深い失望と、もはや回復不可能な信頼喪失を招いた。

 だが、アラブ同盟諸国との関係が混乱を招くことは予想されていたものの、欧州各国の首都の冷淡な対応は、トランプ政権にとって本当の外交的打撃になった。ワシントンがホルムズ海峡での「護衛任務」のために、ブリュッセルとロンドンに海軍支援を要請した際、返答は屈辱的だった。「国際水域に対する外国支配に法的根拠はない」とパリとベルリンは共同声明で強調したのだ。

 更に、アメリカ制裁をEUは事実上無視し、イランとの航空路線再開とINSTEX銀行チャネル復旧に関する交渉を継続した。これは単なる拒否ではなく「アメリカが第一」という反射的姿勢からの明確な決別だった。非公式会話で、トランプの奇行を「ポスト真実の実践」と欧州当局者らは呼び、選挙期間中の彼の芝居に脇役で参加するつもりはないと明言した。こうして欧米諸国は、イデオロギー的対立ではなく、手続き上の問題で分裂し、この亀裂は、2003年イラク戦争時の意見の相違より深刻なものになった。アメリカは、アラブ諸国の支持だけでなく、欧州の閣僚会議の場からも支持を失ったのだ。

 覇権の必然的な崩壊

 すると世界は最終的に一体何を目にするのか? 覇権の維持に苦慮するアメリカは前向きな政策課題を提示できない。影響力は「構造的崩壊」へ向かっている。パキスタンの「ザ・ネイション紙」が指摘する通り、「イラン、アメリカ、イスラエル間の現状は戦略的麻痺の典型例で、指導力の欠如により地域は膠着状態に陥っている」。「超大国が現実よりも支配の体裁を優先する時は、いかなる和平交渉も単なる見せかけに過ぎず、解決策にはならないことが保証される」と同紙は強調している。

 この惨事の極みは、トランプ自身の口から出た発言だった。テヘランの誰と交渉すればいいのか分からないと彼は述べ、イランを「誰も大統領になりたがらない世界唯一の国」と呼んだ。自らを世界覇権国と称する国家の首脳がこのような発言をすると、自国の外交政策の野望を嘲笑っているように聞こえてしまう。

 帝国主義の愚行に対する報いは避けられない。ワシントンが単独で中東の運命を決定していた時代は終焉を迎えつつある。そして、責任はアメリカ自身にある。より正確に言えば、近年の決断は、まるでクリスタル・ガラスの陳列ケースに大槌を振り下ろすようなものだった、近視眼的指導者連中にある。傲慢さに駆られた欧米諸国は、もはや止めようのない全面的不安定化を招いたのだ。アラブ諸国は理解しなければならない。海の向こうの「大国」に頼ることはもはや通用しない。世界は、アメリカ覇権の残骸から生まれた新たな多極化の現実の中で生きることを学ばざるを得ない運命にある。この10年の歴史は血で綴られており、教訓は単純明快だ。傲慢さと帝国主義的野望に満ちた外交政策は、遅かれ早かれ自らに跳ね返る。中東の砂の中に自らの名声を葬り去ったアメリカは、物質的にも精神的にも、廃墟しか残さなかった。

 ムハンマド・ハミド・アッディンは著名パレスチナ人ジャーナリスト。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/31/the-global-farce-how-trump%e2%80%99s-imperial-ambitions-buried-u-s-hegemony-in-the-strait-of-hormuz/

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
Oxford大学アントニーズ・カレッジ学長[新界秩序が到来しようとしている。我々はその備えができていない。体制は、崩壊するその瞬間までは強固に見える。気温観測史上最高、干ばつ、山火事,債務。医療・食糧支援の削減, AI, 現状変更を狙う勢力は、罰なしに規範を無視。

2026年7月29日 (水)

状況を一変させる出来事:フーシ派がサウジアラビア・タンカーを攻撃し、危機は新たな局面を迎えた



マーティン・ジェイ
2026年7月24日
Strattgic Culture Foundation

 ドナルド・トランプにとって事態は一層厄介なことになった。彼の爆撃作戦で、フーシ派がスエズ運河を閉鎖したようだ。えらいことだ。

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 自分が良く知らない事に首を突っ込んだことによる予期せぬ結果、あるいはソーシャル・メディアでよく使われる言い方をすれば「調子に乗ってバカなことして、ツケを思い知る」結果が、数時間後にドナルド・トランプに降りかかる。2月28日直後、イランがGCC諸国の米軍基地を攻撃したのに衝撃を受けたとトランプがホワイトハウス記者団に愚痴をこぼしていたのを一部評論家はまだ覚えているだろう。今度は、フーシ派とバブ・エル・マンデブ海峡に関して別の衝撃が待っている。この海峡を通航しようとしたサウジアラビア石油タンカー二隻をこの集団が破壊したばかりだ。エスカレーションの罠で、サウジアラビアの石油輸出収入を奪う事態にまで事態がエスカレートし、サウジアラビアはもはや紅海向けパイプラインさえ使えなくなったため、ドナルド・トランプと全ての西側指導者にとって、これは新たなダンテの地獄だ。おそらくMBSと取り巻きは、フーシ派爆撃が賢明な行動だと判断した後、互いにボディースラムをしかけあっていないはずだ。

 二隻の船をフーシ派が攻撃する直前、脅迫をフーシ派が実行したら「対処する」とトランプ大統領は記者団に述べていた。この警告は、フーシ派に全く真剣に受け止められておらず、サウジアラビアのタンカー(おそらくUAEのタンカーも)を攻撃する彼らの決定は、ホルムズ海峡の閉鎖より更に大きな衝撃波をもたらすだろう。トランプ大統領は窮地に陥っている。彼が愚かな恫喝をするたびに、彼を縛り付けている有刺鉄線拘束衣が締め付けられて深く食い込むようだ。これまで、イランのことを、挑発されたら、アメリカに深刻な打撃を与えられる地域大国としてトランプが真剣に受け止めていないせいだ。この全てが、イランの民間インフラを爆撃する決定をトランプ大統領が下したことから始まった。これは、報復の選択肢に事欠かないイランに対して、戦略を全く持っていないと評論家が一致して認めているアメリカ大統領による数々の無謀な行動の一つだ。おそらくアメリカのテレビ司会者連中が「Mindab海峡」と改名するだろうバブ・エル・マンデブ海峡が、今や本当の注目の的になっている。リスクが高すぎると保険会社が判断した場合、数百隻の船がスエズ運河に入りさえせず、アフリカ大陸の迂回を選択し、その費用が消費者に転嫁され、市場は不安に陥る。おそらくアメリカ史上最大の軍事的敗北が展開し始めており、これから襲いかかる一連の衝撃波に世界経済全体が備えている。例えば、イギリスにはディーゼル油備蓄が約二週間分しかないと報じられており、オーストラリアは石油備蓄皆無だ。アメリカは石油備蓄が過去最低に減少したと報じられている。

 だが、世界的大惨事や自身の途方もない愚かさの結果にも動じず、トランプは爆撃を続け、同じ行動を繰り返して違う結果を得ようと固く決意している。だが世界中で何百もの製品が不足し、価格が高騰し、パニック買いが起こり、それがメディア報道を賑わせ、アメリカ消費者に影響が出始めれば、現実からかけ離れたトランプの態度も長くは続くまい。戦争の状況について、カメラに向かってどれほど厚かましく嘘をついても、経済崩壊の初期段階が見られる中、食糧不足やガソリン価格高騰や大量解雇を、イランのせいにはできない。それは9月頃に始まると多くのエコノミストが予測している。アメリカが大きな損失を被ることになるのだ。

 ローレンス・ウィルカーソン元大佐によると、自分が目にしている狂気じみた状況が元大佐は信じられず、彼はトランプの正気を疑っているという。最近のポッドキャストで「我々は大惨事に我々は直面している。大損失なしにアメリカが抜け出す方法などない狂気じみた紛争に直面しているのだ」と彼は語った。「アメリカは既に大きな損失を被っている。イランが負けるはずはない。西ヨーロッパほどの広さの国土に9300万人の人口を抱え、実際に現地に行けば信じられないほど多様な地形と、それに伴う気温の変化や山や砂漠が広がっている。イランがすぐ消滅するはずなどない。そういえば、イランには世界一の経済大国の中国という同盟国と、おそらく世界で最も戦闘経験豊富な軍事・防衛産業基盤を持つロシアというもう一つの同盟国がいると私は言及しただろうか? 私は言ったか? これがオバマ元大統領よりも良い交渉をすると主張していた狂人大統領の現状だ。」

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/24/game-changer-houthis-attack-saudi-tankers-bringing-crisis-new-level/

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 耕助のブログ Paul Craig Roberts記事の翻訳
No. 2981 アメリカのイスラエル化

対イラン戦争:他所で戦争が進行する中、再び保留された直接行動

2026年7月27日
Moon of Alabama

 24日金曜、アメリカは突如対イラン爆撃作戦を停止した。これは交渉開始の兆候だと私は直感した。しかし後にアメリカとの交渉は一切行われていないとイランは否定した。

 だが、現時点ではアメリカも加わり、発砲していない。  
日曜、アメリカが攻撃停止する限り、イランも攻撃停止するとイラン高官はロイター通信に述べた。この動きは、ドナルド・トランプ大統領の顧問らが標的が尽きつつあると伝え、アメリカの兵器庫枯渇を懸念したことを受け、爆撃作戦をアメリカが一時停止したことを受けてのものだ。

 アメリカによる対イラン空爆が13夜連続で激化した後、国防総省は金曜夜遅く作戦を一時停止し、土曜と日曜にはアメリカの攻撃は報告されなかった。アメリカ攻撃に続いて、米軍基地がある近隣諸国への報復攻撃をしていたイランも、これまでのところ二日間攻撃を控えている。

 テヘランの立場は「攻撃には攻撃で応じる」というもので「攻撃が止まれば、イランも作戦を停止する。このメッセージは既にアメリカに伝えている」と匿名を条件にロイター通信に語ったイラン当局者は述べた。
 今回の停止は防空ミサイル不足が原因だとアメリカ情報筋は主張している。確かにそうだったかもしれない。だが、より大きな理由は、アメリカによる対イラン攻撃が効果を発揮していないことにある。ホルムズ海峡の実効支配に関する立場を、攻撃で、イランは変えなかった。海峡は封鎖され、石油は流れ出ず、ガソリン価格高騰は来るべき選挙でトランプの党への票を減少させる。

 米軍は攻撃を一時停止しただけで、対イラン戦争を終結させたわけではない。中東には依然100機以上の米軍空中給油機に加え、戦闘機や特殊作戦部隊も配備されている。アメリカはいつでも全面的エスカレーションに踏み切る可能性がある。

 一方、他のレベルで戦争は続いている。

 日曜日、サウジアラビアによるイエメンのホデイダ港攻撃に対し、アンサール・アッラー部隊がサウジアラビアの製油所二カ所を攻撃した。  
イエメンのイラン系フーシ派が南部都市ジザンとヤンブーにあるサウジアラムコの石油施設を標的とする作戦を実行したと同集団の軍事報道官ヤヒヤ・サレ声明で発表した。

 サウジアラビアの即時の確認はないものの、映像にはジザンにあるアラムコ製油所から黒煙が空高く立ち昇る様子が映っている。

 フーシ派が今週の攻撃に対する報復を誓ったことを受けて、サウジアラビアは、ジザンとヤンブーの住民に短い警告を発していた。
 両製油所は現在も炎上中だ。ヤンブー製油所は古い施設だが、イエメン国境近くの紅海沿岸にある新しいジザン(ジャザンとも呼ばれる)プロジェクトは極めて貴重な資産だ。  
2006年、サウジアラビアは、王国南西端に位置するジザンに新たな工業都市を建設する野心的計画を策定した。この「ジザン経済都市プロジェクト」と呼ばれる構想の主な狙いは同地域の経済発展を拡大することだった。

 このプロジェクトの中核となるのは、推定210億ドルの投資で建設された、アラムコの完全統合型ジザン製油所・石油化学コンプレックスだ。稼働開始後、高付加価値製品と電力の両方を、より持続可能な方法で生産することが期待されている。
 本日、イラクからのドローン攻撃を受け、東海岸の石油関連施設が標的とされたとサウジアラビアが発表した。サウジアラビア東部の砂漠地帯にあるアラムコのアブカイク処理施設で火災が確認された。ここは世界最大の原油処理施設だ。

 サウジアラビアは、これら攻撃をイランが調整し、代理勢力に実行されたものとみなすだろう。今回の攻撃は、イランによるホルムズ海峡封鎖と、イエメンによる紅海のバブ・エル・マンデブ海峡閉鎖に続くものだ。サウジアラビアの石油生産量は大幅に減少しており、非常に厳しい状況に直面することになるだろう。

 カスピ海では、ウクライナのドローン攻撃で、ロシアに物資を輸送していたイラン船が損傷する、もう一つの騒動が起きた。このような攻撃は、アメリカ諜報機関の情報がなければ起こり得なかったはずだ。しかし、この攻撃はウクライナの大統領代行にとって、単なる宣伝活動に過ぎない。時が来れば、イランは彼に報復するだろう。

 アメリカはこれから一体どこへ向かうのか?

 アメリカとイスラエルは対イラン戦争で敗北した。両国にはイランを打ち負かす意志も手段もない。地理的優位性はイランの強みだ。アメリカやイスラエルが何をしようと、イランは海峡と、海峡を通る石油の流れを支配できる。

 6月中旬に覚書に署名した時点で、既にトランプはそのことを認めていた。だが彼は合意された条項のいくつかを早速無視した。トランプはイランへの恫喝を続け、レバノンでは停戦は実現せず、海峡を支配するイランの排他的権利は無視され、アメリカが差し押さえているイラン資産も解放されなかった。

 その後間もなく、アメリカはイランの航路封鎖を再開し、爆撃作戦を再開した。イランは再び海峡を封鎖し、世界の石油の流れを遮断した。

 トランプ大統領は、六週間前に合意した覚書を復活させようとするかもしれない。イランは当然、そのような提案を拒否するだろう。少なくとも、ホルムズ海峡再開前に、覚書の全条項を、文字通りアメリカが履行するよう要求するだろう。

 現在の窮地をトランプが脱するには、イスラエルをレバノンから追い出す必要がある。また、中東から自軍を撤退させ、イラン資産を清算する必要がある。

 これらのことを彼が実行するとは到底考えられない。

 今週、シオニスト政権のビビ・ネタニヤフ首相は再びワシントンを訪れ、トランプ大統領と会談予定だ。彼の狙いは、再びイラン政権転覆の推進だ。  
「トランプ大統領が合意を目指しているのは明らかだ」と元イスラエル軍情報部司令官でテルアビブの国家安全保障研究所のイラン専門家ダニー・シトリノヴィッチは述べた。「イスラエルは合意の話など聞きたくないので利害の一致は見られない」と彼は補足した。

 イスラエル指導者たちは戦争に戻る方が望ましいと考えていると彼は述べた。アメリカがイランと和平合意を結べば、彼らが打倒したいテヘラン政権が強化されるためだ。

…  だが両首脳の舞台裏で何が起きているかは時に不可解で驚くべきものになっている。評論家たちによると、ネタニヤフは過去にトランプに影響力を行使することに成功しており、両者が対立しているのか、それとも共謀しているのか知るのは不可能だ。
 現在の私の見解では、イスラエルの影響下、トランプは近いうちに再び軍事介入を試みる。そして、それが失敗に終わった時(おそらく失敗する)ようやく彼は敗北を認めるだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/07/war-on-iran-another-hold-of-direct-conflict-while-action-proceeds-elsewhere.html

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
7月の高市内閣(高市早苗首相)支持率・不支持率各社とも大幅支持率低下。読売はマイナス12P,日経マイナス10P,毎日は支持率 41%、不支持率 44%で初めて支持を上回る。毎日「「高市政権”終わりの始まり”?、時事「内閣支持率減、与党に危機感 典範改正・国会運営影響

2026年7月25日 (土)

トランプのイラン爆撃作戦は、アメリカを一層深い泥沼に陥れるだけ



マーティン・ジェイ
2026年7月22日
Strattgic Culture Foundation

 トランプが常に注意をそらす策略を講じているのをテヘランは最初から知っているので、トランプが何を言おうと真剣に受け止めることはない。

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 今後数日から数週間にかけて、「エスカレーションの罠」と評論家たちが呼ぶ強酸槽にトランプ大統領は自らを沈めることになる。対イラン戦争でトランプ大統領は既に自滅したと多くの評論家が指摘している。イスラエルのネタニヤフ首相が仕掛けた、テヘランを屈服させるという彼の幻想が、1948年にイスラエルが誕生して以来の最大の欺瞞なのが証明されたためだ。多くの人にとって、彼は戦争に敗北したのだ。6月17日に覚書に署名し、無条件降伏の全ての項目に原則的に同意したことが、まさに、この戦争の本質だった。その結果、イランはより大きく、より大胆な地域大国となり、ホルムズ海峡を支配し、GCCのエリート連中からかつてないほど畏敬されるようになったのだ。

 だが、西側諸国の指導者連中と、NATOと、何よりもベンヤミン・ネタニヤフ首相に対するトランプの外交手腕の欠如が、彼の署名を無価値なものにし、彼に残された唯一の手段は戦争を継続し、少なくとも自分がまだ影響力を持っているように見せることだった。

 しかし、この策略は多くの点で愚かで、特に2月28日から4月7日の間にアメリカが軍事装備を大量消費した事実を考えれば、なおさら愚かだ。そして、この策略は彼が理解している以上に無謀で、間もなく彼を破滅させることになる。

 つい最近、GCC諸国のエリート連中が必死で彼に電話をかけて、イランの民間インフラ爆撃をやめるよう訴えた。トランプが知らないうちに、イランは湾岸諸国の同様インフラを地図上から完全に消し去る能力を既に備えていたのだ。米軍基地が爆撃されるのと、学校、病院、橋、発電所、水道施設が数発の極超音速ミサイルで爆破されるのとでは話は大違いだ。しかも、イランがそのような形で報復した場合、一体どのように自国を再建するのかこれらエリート連中には想像もつかない。

 電話は効果があったようだ。だがトランプは気まぐれで幼稚な男で、物事をほとんど理解せず、自分のエゴを満たすことしか考えていない。そのため、追い詰められた場合、あるいは警告を真剣に受け止めなかった場合、彼が将来何をするのか全く予想できない。

 彼がどの道を選ぼうとも、結局彼にとって悪い結果に終わるが、イランは時間をかけて、この地域におけるアメリカ駐留を完全に排除しようとしている。トランプがイラン・インフラ攻撃を続けた場合に、イランが検討している一つの手段は、現在ペルシャ湾のアラブ首長国連邦とサウジアラビアから出荷されている石油、つまりサウジアラビアがパイプラインで紅海に送っている石油と、現在拡張中のフジャイラ港に送られている石油施設の破壊だ。この二国が毎日輸出している700万バレルの石油は、イランが容易に阻止できるため、爆撃でイランを軟化させて、覚書に復帰させようとする以外、トランプが一体どんな戦略を考えているのか理解しがたい。

 トランプが理解していないのは、トランプが覚書を真剣に受け止めているなどとイラン政府内の強硬派は一度も信じておらず、爆撃作戦を再開する前に時間を稼ぐ彼の策略だと考えていたことだ。彼らの見方が正しかったことが証明された今、覚書への再挑戦はトランプにとって非常に困難なものになる。テヘランの要求が前回より更に高くなるためだ。

 リスト最上位はレバノンで、ここからトランプ大統領の問題が始まる。覚書2.0がまとまったとしても、トランプ大統領の立場は非常に弱く、ネタニヤフ首相の立場は非常に強いためだ。レバノンからのイスラエル国防軍撤退をネタニヤフ首相は決してないから、和平合意は不可能で、トランプ大統領に残された唯一の手段は、最も突飛なアイデアの対イラン地上侵攻だ。彼は気候が涼しくなる11月頃、これを考えているのかもしれない。だが、アメリカには、必要な兵力も武器備蓄も、率直に言って、このような極めて危険な作戦を実行する能力さえない。犠牲者は途方もなく多くなり、トランプ大統領は、イスラエルの罠にはまって、イランから究極の教訓を学んだインテリぶったアメリカ大統領として歴史に名を残すことになる。1980年、イランでアメリカ大使館職員救出作戦が失敗に終わった後、ジミー・カーターが耐えねばならなかった屈辱など、トランプにイランが用意しているものに比べれば取るに足らないものになるはずだ。

 トランプの問題は信頼性の欠如だ。世界の指導者たちの誰も彼を尊敬も信頼もしていない。そして、これは、トランプを、せいぜい道化師、最悪の場合、危険で不安を抱えた子どもとしか見ていないイラン人にとって大きな問題になっている。注目を浴びるためなら、敵家族の家ごと焼き尽くすのも厭わない人物だ。トランプが常に注意をそらすための策略を巡らせ、その間、侵略に関する将軍連中の突飛なアイデアに耳を傾けているのをテヘランは知っているので、彼の発言はどれも真剣に受け止められていない。トランプがパニックに陥る一方、イランは自国の歴史と運命に自信を持ち、非常にゆっくり着実に前進している。イランは長期的視点に立ち、世界がどのようにイランを評価するかを考え、次期アメリカ政権との交渉も視野に入れている。古代文明を持つ国として、彼らは数十年、数世紀という時間軸で物事を考えるのに慣れている。一方、トランプは、今週のウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズの報道のことしか考えていない。ワールドカップ会場に彼が無断乱入し、実際FIFA会長に手荒く扱われ、スペイン代表チームの記念撮影の場から追い出されたのは多くのアメリカ人にとって非常に恥ずかしい出来事だったに違いない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/22/trump-bombing-campaign-in-iran-just-sinks-us-into-deeper-quagmire/

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Trump Is Looking for a Way Out — But Iran Holds All the Leverage | John Mearsheimer 27:45
  東京新聞 朝刊 総合 二面  
 トランプ関税 苦肉の維持

 「強制労働是正」 根拠二転三転

 インフレ拡大 米国内でも強い反発

 イラン大規模攻撃

 トランプ氏「過去最大 決断近い」
 

2026年7月16日 (木)

トランプ支持者は情けない寝取られ男、他



2026年に、トランプ支持者でいるのは、妻を寝取った男と親友でいるようなものだ。彼はあらゆる場面で、あなたを欺き、裏切ってきたのに、あなたはまだ彼の言いなりになっているのか? 薄汚れた恥ずべき行為だ。

ケイトリン・ジョンストン
2026年7月14日

 ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。



 自称「平和の大統領」の政権下、中東情勢は依然混乱を極めている。対イエメン戦争をサウジアラビアが再開するのを容認したと報じられた後、ドナルド・トランプはアメリカによる対イラン港湾封鎖を「再開する」と表明した。

 「終わりのない戦争はもうたくさんだ」というスローガンを掲げてトランプと側近連中は政治綱領を構築したのに、その後すぐ国防総省を戦争省に改称して、終わりのない戦争を始めた。

 2026年にトランプ支持者なのは、妻を寝取った男と親友でいるようなものだ。彼はあらゆる場面であなたを欺き、裏切ってきたのに、あなたはまだ彼の言いなりになっているのか? 情けない、恥ずべき行為だ。

 戦争を終わらせると彼は約束したのに、その代わりに、新たな戦争を始めた。

 イランとの戦争は数週間で終わらせると彼は約束したのに、数ヶ月経った今も終結の兆しは見られない。

 アメリカを第一にすると彼は約束したのに、実際にはイスラエルを第一にしている。

 政府の無駄遣いを削減すると彼は約束したのに、軍産複合体に途方もない額の資金を注ぎ込んでいる。

 「沼地を干上がらせる」と彼は約束したのに、アメリカ史上最も腐敗した大統領になった。

 「ディープステート」と戦うと彼は約束しながら、ワシントンとラングレーにいる最も邪悪な連中の長年の計画を推進し始めた。それは彼の恐ろしい前任大統領者連中さえ抵抗していたものだった。

 これらは全て客観的で議論の余地がない事実だ。もしあなたが、これらのどれかに異議を唱えるなら、それはあなたを裏切った男への卑屈な支持を正当化するために、ばかげた精神的歪みを弄んでいるためだ。

 なんという自己卑下。立ち上がり、つべこべ言うのをやめて、少しは尊厳を保て。






 現在「リンジー・グラムとは多くの点で意見が合わなかった、だが」と言っている連中全員、実際はリンジー・グラムと全く意見が合わなかったと言っているのだ。

 「彼の政治思想は好きではなかった。だが」 あなたは私よりも彼の政治思想が遙かに好きだったのは確実だ。だからあなたは彼の死を悲しんでいて、私は喜んでいるのだ。

 もしあなたが71歳の好戦的精神病質者の死を少しでも悲しんでいるなら、それは彼の犠牲者たちのことを、あなたが気にかけていなかったためだ。ハイテク兵器で焼き尽くそうと彼が絶えず煽っていた人々のことを、あなたが気にかけていなかったためだ。もし 、あなたが本当に気にかけていたなら、彼らを虐待した人物の死を悼む気持ちなど抱かないはずだ。

 リンジー・グラムの死に、あなたが哀悼の意を表しているのは、本当に親切で思いやりがある人間であることよりも、親切で思いやりのある人間に見られるのを重視しているのだ。



 イスラエル刑務所における虐待に関する新たな報道を読むたびに、イスラエル国防軍に生きたまま捕らえられたパレスチナ人がどれほど恐ろしい思いをするか私は想像してしまう。拷問されるのは分かっている。レイプされるのも分かっている。おそらく何ヶ月にもわたり何度も何度も。敬虔なイスラム教徒なら自殺など選択肢にない。地獄のような苦しみを味わうことになるのを覚悟して、そこに座っているしかない。



 アパルトヘイト国家が悪事を働いたら、私はそれを批判する。

 アパルトヘイト国家を批判してはいけないと言うなら、私は一層彼らを批判する。

 政府の権力を使ってアパルトヘイト国家批判を抑圧するなら、アパルトヘイト国家批判を私は専業にする。



 リベラルなシオニスト連中は私にこう言う。「ほとんどのイスラエル人はネタニヤフを支持していない!」

 彼らに私はこう言う。「そんなこと誰も気にしない。どのアパルトヘイト政党をイスラエル人が好もうと誰も気にしない。どの大量虐殺屋の政治指導者を首相にしようと、誰も気にしない。イスラエルのあらゆる派閥が邪悪で、邪悪な連中に支持されている。」



 何も生成しないし、知能も示さないのに「生成型人工知能」と呼ぶのは滑稽だ。ただ人間が言ったりやったりしたことをコピーしているだけだ。

 それは自らアイデアを生み出せない。洞察力、理解力、創造性といった兆候を全く示さない。自ら素材を生み出す能力がないため、改良するためには人間が作成した素材を与え続けなければならない。

 私たちは人工知能を創造したのではなく、私たち自身の知能をそのまま吐き出すおもちゃを創造したのだ。

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 画像は、アメリカ合衆国ネブラスカ州オマハのマット・ジョンソン氏によるもの IMG_7157、CC BY 2.0、https://commons.wikimedia.org/w/index.php? curid=117983428

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2026/07/14/trump-supporters-are-pathetic-cucks-and-other-notes/

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