シェール・ガス・石油

2026年1月13日 (火)

アメリカの蛮行を隠蔽するためのロシアと中国に対する中傷



フィニアン・カニンガム
2026年1月10日
Strategic Culture Foundation

 いつものこと、つまりアメリカの犯罪的侵略を軽視し隠蔽することだけを欧米メディアは実行している。

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お問い合わせ:info@strategic-culture.su

 いつものこと、つまりアメリカの犯罪的侵略を軽視し隠蔽することのみ欧米メディアは実行している。

 トランプ大統領による露骨に違法なベネズエラ軍事攻撃、大統領拉致、外国人殺害と、同国の膨大な石油資源の窃盗、これらが構成する数々の重大犯罪は、いまだに指摘されていない。アメリカが行った侵略行為は、ニュルンベルク裁判で「最高犯罪」とされる基準に該当する。

 だが、アメリカや欧州企業の支配下にある報道機関は、こうした事態について一切報道も発言もしていない。イギリスBBCは、記者に「拉致」という言葉の使用を禁止した

 欧米メディアは、トランプ大統領による国連憲章と国際法の度重なる違反を率直に非難する代わりに、ロシアと中国に対する偽の誹謗中傷で注意を逸らそうとしている。

 「トランプ大統領によるベネズエラへの大胆な夜間攻撃は以下のようなメッセージを送った。『もし十分な武力があれば、国を攻撃し、指導者を倒し、ひょっとしたら狙っている資源を入手できるかもしれない。』中国とロシアの指導者たちは、大国が支配する勢力圏に世界を分割する構想を長年共有してきたが、いずれ独自の結論を導き出すだろう。」とアメリカの、いわゆる公式新聞ニューヨーク・タイムズは主張した

 世論の目を逸らすとは一体どういうことだろう? アメリカは戦争犯罪をおこない、国際秩序で、評判を極めて露骨に落としたばかりなのに、ニューヨーク・タイムズは、ロシアと中国がしているとされる行為に人々の関心を集めようとしている。

 デイリー・ビーストとガーディアンの両紙は「アメリカ外交政策のプーチン化」という表現を使った。

 現在ロシアのウラジーミル・プーチン大統領をトランプ大統領が「模倣」していると彼らは主張しているのだ。

 これら欧米メディアは、ロシアや中国を偽って同一視し、アメリカの犯罪行為を軽視しようとしている。

 つまり、ロシアのプーチンがウクライナでしたことを、トランプは繰り返しており、一方、中国指導者の習近平は今や台湾侵攻を実行しようとしているという推測だ。

 欧米メディアの歪曲報道はアメリカのベネズエラ侵略と国連憲章違反を激しく非難するモスクワと北京に否定されている。

 トランプが手本としているのは歴代アメリカ大統領全員だ。彼ら全員が中南米諸国や世界の国々を繰り返し侵略し、政府を転覆させ、天然資源を奪ってきたのだ。

 アメリカ合衆国の犯罪歴は他のどの国とも比べものにならないほど深刻だ。第二次世界大戦以降だけでも、アメリカは100カ国以上で政権転覆工作を行い、あらゆる大陸で数え切れないほどの違法な戦争や代理戦争を仕掛けてきた。

 過去80年間のこの騒乱と野蛮行為の「アメリカ例外主義」の中、欧米メディアは、冷戦、共産主義からの自由世界防衛、人権保護、民主主義の促進、大量破壊兵器の除去などの口実を並べて犯罪行為を隠蔽してきた。

 今回のベネズエラ侵略の前兆は、麻薬テロ対策に関するトランプ大統領の不条理な主張を、アメリカと欧米諸国のメディアが5ヶ月間煽り立てたことだった。犯罪的侵略が行われた今、ベネズエラの石油産業を掌握したとトランプ大統領が豪語する中、根拠のない戦争プロパガンダは忠実に放置された。

 むき出しのアメリカ帝国主義が全世界の目にさらされている。だが卑屈な欧米メディアは「王様は裸だ」と叫ぶ代わりに、プロパガンダへの共謀から目を逸らすために、トランプがプーチンと習近平を模倣している、あるいはロシアと中国が「勢力圏」における、いわゆる「自由な影響力」を享受していると主張して論調をそらさなければならない。

 これは欧米メディアの作り話に過ぎない。ウクライナにロシアが介入しているのは、アメリカ主導のNATOが数十年にわたって引き起こしてきた代理戦争のためだ。中国にとって、台湾は国際法上、中国が主権を有する領土の一部だ。緊張は、主に台湾への大量兵器売却によるアメリカの執拗な中国内政干渉に煽られている。

 国連憲章の尊重と国際法の遵守に基づく平和的な多極世界秩序をモスクワと北京は繰り返し主張してきた。

 帝国主義的な狙いを追求し、諸国を意のままに侵害して国際法を蝕み、混乱を引き起こしたのはアメリカと追従的西欧諸国なのだ。

 トランプは、力こそ正義だと決めつけ、砲艦外交に訴える点で、他の歴代アメリカ大統領と本質的に何ら変わらない。歴代大統領は、犯罪行為を隠蔽するために、身勝手な口実を用いる政治的義務を負っていた。そして、支配されたプロパガンダ装置である欧米メディアは、常にそうした隠蔽工作に加担してきた。

 トランプは、見せかけの言い訳など捨て、野蛮な行為を露骨に実行に移そうと躍起になっている。これは露骨な帝国主義的暴力だ。おべっか使いメディアは困惑している。醜い真実は明白だ。だが彼らはそれを報道できない。そこで彼らは卑劣な共謀を隠すために、奇術のようなトリックを使う。ロシアと中国への中傷だ。

 フィニアン・カニンガムは『Killing Democracy: Western Imperialism’s Legacy of Regime Change and Media Manipulation(民主主義を殺す:西洋帝国主義の政権転覆とメディア操作の遺産)』の共著者。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/01/10/whitewashing-us-barbarism-by-smearing-russia-and-china/

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; 初めてカマラ・ハリスのYoutubeを見た。
JUST IN: Trump LOSES IT as Congress Drops BOMBSHELL Demand | Kamala Harris 14:09
 植草一秀の『知られざる真実』
高市内閣弱体化大作戦

2026年1月11日 (日)

ベネズエラの暗い穴で崩壊しかねないトランプの調子よい石油の夢



ペペ・エスコバル
2026年1月8日
Strategic Culture Foundation

 つまり、ベネズエラ石油大手を巡る状況はトランプ2.0ギャング容疑者より遙かに複雑だ。

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 まず、ネオ・カリグラが現在所有していると主張する帝国太守領に対する新勅令から始めよう。勅令というより、デルシー・ロドリゲス暫定大統領に対する露骨な脅迫だ。
 
  1. 「麻薬密売の流れ」を取り締まるべきだ。いや、これは実際には、アメリカの大口バイヤーと共謀しているコロンビアとメキシコの密輸業者に向けられるべきだ。

  2. カラカスが石油生産量を増やすのを許可される前に、イラン人、キューバ人、その他「ワシントンに敵対する工作員」を追放する。そんなことは起きない。
  3.  
  4. 「アメリカの敵国」への石油販売停止する。そんなことは起きない。
 従って、ネオ・カリグラが再度ベネズエラを爆撃する可能性はほぼ確実だ。

 別の口撃で、ベネズエラ石油事業を補助金で、ある程度改革したい意向もネオ・カリグラは明らかにした。「18ヶ月もかからないかもしれない」と言い、その後「もっと早くできるかもしれないが、多額の費用がかかる」と言い換え、最終的には「莫大な資金が必要になるだろうし、石油会社はそれを支払うだろう」と言い換えた。

 いや、そうはいかない。そう主張する「業界関係者」もいる。ネオ・カリグラが2800万人の国民を相手に反逆的政府を樹立すれば、完全な混乱に陥る可能性がある国に巨額投資をすることにアメリカのエネルギー大手は、ためらいを感じている。

 Rystad Energy Analysisによれば、ベネズエラが1日わずか300万バレルの石油を生産するためには、少なくとも16年の歳月と1,830億ドルの費用がかかるという。

 ネオ・カリグラ究極の夢は、世界の原油価格を1バレル最大50ドルまで引き下げることだ。この狙いのために、トランプ2.0の帝国主義的計画は、PDVSAの石油生産のほぼ全ての買収と売却を含め、PDVSAを完全に支配することになる。

 ゴールドマン・サックスのエネルギー会議でアメリカのエネルギー長官クリス・ライトが石油に関する秘密を漏らした。

 「我々はベネズエラ産原油を市場に出すつもりだ。まず貯蔵されている原油(最大5000万バレル)を売り、その後は無制限にベネズエラ産石油産物を市場に売るつもりだ」

 つまり本質的に、ネオ・カリグラの計画はPDVSAから原油販売を奪い、実際に盗み出すことで、その金は理論上「ベネズエラ国民の利益のため」にアメリカが管理するオフショア口座に預けられることになる。

 デルシー・ロドリゲス暫定政権が、事実上の窃盗とも言うべき行為を受け入れるはずがない。スティーブン・ミラー国土安全保障担当補佐官は、アメリカはベネズエラ支配を維持するために「軍事的脅威」を用いると自慢しているが、本当に支配しているなら、脅しをかける必要はない。  
すると中国はどうか?

 中国はベネズエラから1日あたり約74万6000バレルの原油を輸入していた。これはそれほど多くない。北京は既にイランからの輸入に切り替えようとしている。中国は基本的にベネズエラ産原油に依存していない。イラン以外にも、ロシアやサウジアラビアからも原油を調達している可能性がある。

 西半球と西アジアにおける帝国主義的暴走が石油だけの問題ではなく、石油ドルでエネルギーを購入させることも狙っていることを中国政府は明白に理解している。ロシア、ペルシャ湾と、それ以外の国々にとって、もはや石油元が全てなのだ。

 中国はエネルギー自給率が80%だ。ベネズエラは事実上、中国の輸入量20%の僅か2%でしかない。これはアメリカ政府自身の数字によるものだ

 中国とベネズエラのエネルギー関係は、安価なアメリカ方式を遙かに超えている。ここで「中国とベネズエラの石油協定は、事実上、拘束力ある金融契約で、返済メカニズム、担保構造、違約金条項とデリバティブ取引の連携が国際金融に深く根付いていることがわかる。(中略)これらの協定は、直接的にも間接的にも、西側諸国の金融機関、商品取引業者、保険会社と、ウォール街と結びついた組織を含む決済システムと結びついている。これらの契約が破棄されたとしても、中国が『損失を被る』結果にはならない。それは連鎖的事象だ。債務不履行が相手のエクスポージャーを引き起こし、デリバティブ価格が再調整され、法域を越えた法的紛争が発生し、信頼感の衝撃が外へと広がる。ある時点で、これはベネズエラの問題ではなく、世界的な制度的問題になるのだ。」と解説されている。

 更に「過去20年間、中国はベネズエラ石油産業の運営の中核となってきた。単なる買い手としてではなく、建設者としても。中国は製油所技術、重質原油の精製システム、インフラ設計、制御ソフトウェア、スペアパーツ物流を提供してきた。(中略)中国のエンジニアを排除せよ。制御ロジックを理解する技術者を排除せよ。メンテナンスのサプライチェーンを排除せよ。ソフトウェアサポートを排除せよ。残るのは『解放』を待つ機能的石油産業ではなく、機能しない殻だけだ。」

 結論:「ベネズエラの中国製石油部門をアメリカ製に転換するには最短でも3~5年はかかる。」

 金融アナリストのルーカス・エクワメが要点を解説している。ベネズエラはタールのように粘度の高い超重質油を産出している。原油はただ流れ出るのではなく、地表にくみ上げるには溶かす必要があり、採掘後に再び固まるため希釈剤が必要になる。輸出1バレルに対し、少なくとも0.3バレルの希釈剤を輸入する必要があるのだ。

 これに、ベネズエラのエネルギー・インフラが中国によって整備され、同時に2000年代初頭のイラクに対するものより酷い長年にわたるアメリカ制裁に苦しんでいることを加えると、ネオ・カリグラの誤った石油「戦略」が明らかになる。

 もちろん、だからといって、帝国ヘッジファンドのハゲタカ連中がベネズエラの死骸を短期的に食い物にすることに変わりはない。始まりは、億万長者のシオニスト・ヘッジファンド・マネージャーで、MAGAスーパーPAC寄付者(2024年には4200万ドル)でもある恐ろしいポール・シンガーだ。彼が経営するエリオット・マネジメントは、11月にヒューストンに拠点を置くCITGOの子会社を59億ドルで買収したが、これはベネズエラ石油輸入禁止措置により、時価総額180億ドルの3分の1にも満たない額だ。

 投機筋は債券市場で最大1,700億ドルを儲けることになるだろう。債務不履行となったPDVSA債券だけでも600億ドル以上の価値がある。

 つまり、ベネズエラにおける石油業界の状況は、トランプ2.0のギャングが疑うより遙かに複雑だ。もちろん、今後、ベネズエラ総督、マルコ・ルビオという名の悪党がカラカスから上海への石油供給を遮断する事態に直面するかもしれない。ルビオの戦略的「専門知識」を考えれば、今すぐ弁護士の大群を組織化すべきだろう。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/01/08/how-trumps-oily-dreams-may-collapse-in-a-venezuelan-dark-pit/

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 東京新聞 特報面 本音のコラム 前川喜平氏  
戦争犯罪者との握手
 自民党の小野寺五典が、両国国旗の前でネタニヤフと握手する写真を見た。
 小野寺五典を団長とする議員団がイスラエルを訪問したのだという。
 「イスラエルによるパレスチナ人ジェノサイドを日本は支持する」意思表示だ。

   同行した「れいわ」の多ケ谷亮記者会見を見た。支離滅裂。こういう議員を擁する党など信じられない。

 ジェノサイドを止めるよう説得したかったと言っていた。
 ネタニヤフには国際刑事裁判所から戦争犯罪容疑で逮捕状が出されている。
 日本の無名政治家が言えばやめるようなタマではあるまいに。

   思いついて、アメリカ入国規定を検索した所、SNS、メールアドレスを問われるとあった。
米国、観光客のSNS情報提出義務付けへ 「ESTA」日本人も対象
 宗主国を褒める記事を書いた記憶がない小生、入国拒否される可能性を思った。
 もちろん全く心配していない。そもそもアメリカ旅行資金などない。

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
元経済諮問委員会委員長の予測「昨年トランプは経済に新たなルールを課し、ほとんどの人、機関が従った。だがすぐに過去の出来事になる可能性。26年トランプ支配のピークは去るだろう。最高裁、連邦準備制度理事会(FRB)、議会がトランプの意向を無視する動きを強める。

2026年1月10日 (土)

「力こそ正義」が我々全員にとって危険な理由

2026年1月6日
Moon of Alabama

 最近、欧州連合から制裁を受けたジャック・ボーは、Youtube番組のDialogue Worksで「 世界は無法時代に入りつつある」と嘆いている(動画)。

 もちろん彼は正しいが手遅れだ。

 何世紀にもわたり発展してきた国際法は、制定されて以来、アメリカや他の帝国主義勢力に破られてきた。

 だが第二次世界大戦後、そのような違反は、たとえ明白なものでも、それぞれ、より高次の価値観の強制だと主張するプロパガンダに覆われた。悪党と戦い、独裁者に対抗し、邪悪な共産主義者が国民から盗むのを阻止しなければならなかった。新旧ネオコンは、この点で達人だった。イラクとアフガニスタンへの露骨な帝国主義的攻撃は、これらの国々で虐げられ抑圧された貧しい人々に民主主義をもたらす善良な人々の使命だと宣伝された。我々は彼らの女性を解放しなければなさなかった。

 民主主義推進の名の下で、残忍な征服戦争を覆い隠すプロパガンダは、しばらくの間は存続した。それは二つの目的を果たした。

 アメリカ属国諸国は帝国主義者との協力を正当化できた。また「西側」の人々のかなりの部分が、依然自国に好感を抱くこともできた。戦争が南下し、損失が増大すると、彼らは戦争を遂行したのは悪かったことを認めた。だが少なくとも「我々は善意だった」という慰めの気持ちがあった。イラクを略奪していた帝国主義者の一人が自身の回顧録に題名をつけたように。

 しばらくの間は、一部の人々にとっては効果があった。イラク戦争はヨーロッパで抗議を呼び、ドイツとフランスは戦争に反対し、議会はフライド・ポテトを「フリーダム・フライ」と改名した。

 しかし、それ以来、彼らの道徳的優位性も更に悪化した。

 10年にわたるシリアに対する汚い戦争は、NATO加盟国全てから支持された。2014年のキエフでのナチスによるクーデターと、それに続くドンバス地方の人々に対する戦争は隠蔽された。西側諸国のプロパガンダは、あらゆる抗議をかき消した。しかし、これらの戦争に対する疑念は消えなかった。プロパガンダは余にも露骨になりつつあったのだ。

 ガザで進行中のジェノサイド戦争が転換点になった。戦争を正当化するために用いられたシオニスト・プロパガンダはもはや効果を発揮しなくなった。

 それが起きると、権力者は弾圧に転じた。イスラエルによるパレスチナ人の大量虐殺に対する抗議は犯罪とみなされた。

 ジャック・ボーは欧米諸国の情報源だけに基づいてウクライナ戦争について正しい分析を行ったが、その結果、EUは彼を検閲する不合理な措置を取った。

 ジョー・バイデンはノルドストリーム・パイプラインを爆破した。ドイツとEUは、自国経済に対する露骨な攻撃に抗議すらしなかった。ドイツ政府はこの問題を、いかだに乗っている6人のウクライナ人という信じ難い話で隠蔽した。誰もそれを信じなかった。

 帝国主義者をあらゆる法律から解放するための最後の一歩をドナルド・トランプは踏み出した。

 彼はベネズエラへの違法攻撃をプロパガンダで正当化しようとさえしていない。民主主義の押し付けなど、いかなる道徳的正当化も語っていない。これはマフィア流石油強奪に過ぎず、結果や世間体など全く考慮していない。マドゥロ起訴は滑稽極まりない。正気の法律家なら誰も訴訟を起こさないはずだ。

 欧州の弱虫連中はこれを非難しなかった。これは連中の弱腰と正しく解釈され、結果的に彼らが次の標的になるだろう。彼らはグリーンランドをアメリカの侵攻から守るために軍隊を派遣することもできる。しかし、彼らはそうしないだろう。トランプはためらうことなくそれを受け入れるだろう。

 道徳的正当性の完全な欠如と国際法の明白な違反を隠蔽するプロパガンダは、二つの危険な結果をもたらす。

 法の遵守と道徳的透明性の欠如は、国際関係から国内問題にまで浸透するだろう。

 「『力こそ正義』の世界の到来を我々は後悔することになるだろう」(アーカイブ)とトーマス・ファジはテレグラフ紙で警告している。  
国外での法的、道徳的制約を西側諸国のエリート連中が放棄するにつれ、連中は国内でも、そうすることが益々正当だと感じるようになり、憲法上の保障や市民の自由の侵害が加速するだろう。

 この過程は既にかなり進行している。もはや問題は、いわゆるルールに基づく秩序が崩壊したかどうかではなく、エリート層によって解き放たれた無法の帰結を西側社会が認識せざるを得なくなるまでに、国内外で一体どれほどの破壊がもたらされるかだ。
 二つ目の悪い結果、つまり内部の一貫性の喪失についてアルノー・ベルトランは警告している

 指導者たちがあらゆる道徳と法律を公然と無視している時、アメリカ国民が偽善的に依然自分たちに抱いている理想の「丘の上の輝く都市」に一体何が残るのだろう?

 自分の理想を全て無視することが、自分自身の中で起きたらどんな感じがするかとベルトランは問うている。  
おそらくあなたには不十分な点もあるだろう ― 誰にでもあることだ ― だが、理想は依然あなたの行動を形成する。理想は、目指すべきものをあなたに与え、批判を受けるための条件を与えてくれる ― あなた自身の内なる対話を通しても。理想は、あなたが明日、より良い行動をとることを可能にする。

 偽善――理想と現実のギャップ――は問題ではない。それは、想がまだあなたを捕らえていること、そしてあなたがまだ理想に呼び戻される可能性がある証拠だ。諺にあるように、偽善とは悪が美徳に捧げる賛辞だ。

 そこで、これら全てを放棄したと想像願いたい。理想を完全に捨て去り、最悪の自分を認め、悪癖を許容するという意味において、偽善者であることをやめると想像願いたい。配偶者を裏切り、それが気にならないふりをするのをやめよう。子供たちをないがしろにし、それを受け入れよう。

 こうして、あなたは「爽快なほど正直」になっただろうか? もしかしたらそうかもしれない。だが、あなたは内面では死んでしまっている。あなたは酷く壊れた何かになってしまった。恥も魅力も感じられないほどに。道徳的な人生を可能にする内面構造を失ってしまった。「こんな自分はなりたくない」と告げていた小さな光は消えてしまった。

 それがアメリカが自らにしたことだ。

 率直に言って、この結果は恐ろしい。国家が自らに「善良であるべきだ」と言い聞かせることをやめたら、一体何が起きるだろう?
 社会が道徳観念を失えば、無政府状態に陥る。政治家が自分の行為を正当化する必要を感じなくなると、残忍な手段で支配するようになる。アメリカを筆頭とする欧米社会は、今まさにその未来へと歩みを進めている。

 それを防ぐために一体何ができるのだろう?

 彼らを非難し、道徳的透明性を主張することが急務だ。同じ道を歩もうとする内なる衝動を拒絶し、黄金律に従って生き、自分が他人にしてもらいたいように他人に接しよう。このブログに見られるように、これを国際関係にも当てはめよう。

 それに従わなければ、うまく行かないだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/01/why-might-makes-right-is-dangerous-for-all-of-us.html

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 FINLAND'S SELF-INFLICTED CRISES 10:54
Finland's Economy is Dying – Now Paying Heavy Price! Finland After Russia
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名 道徳観!?
トランプ大統領はニューヨーク・タイムズ記者達とインタビュー。トランプ大統領は自らの権限の制限は国際法や条約ではなく、自ら(「私自身の道徳観」)が決定権を持つと明言。国際法その他の制約を無視。米国覇権に軍事力、経済力、政治力等全手段を用いる自由を自らに認めた

2026年1月 9日 (金)

マドゥロ大統領を拉致したのに何も得られなかったトランプ大統領

2026年1月5日
Moon of Alabama

 トランプ大統領のベネズエラ攻撃に関する前回記事で、計画には欠けている部分があると私は指摘した。  
アメリカが次にどんな措置を取るつもりなのか疑問に思う。ベネズエラに侵攻するだけの兵力はない。また、ベネズエラを封鎖しても、政権転覆にはつながらない。国内革命が成功する可能性は低い。

 アメリカ人のノーム連中が下着を盗んだ。次は第二段階だ。そして儲けだ。良い計画に思える。

 だが、今のところ第二段階が一体何か誰も知らないようだ。
 この下着窃盗妖精の事業計画第二段階は前と同じことをすると判明した(アーカイブ)。  
アメリカはベネズエラを一体どのように支配するつもりかという質問に対し、ルビオは、イラク戦争中にジョージ・W・ブッシュ政権がバグダッドに置いたようなアメリカ占領当局の計画は示さず、代わりに、投獄されているニコラス・マドゥロ大統領の同盟者が運営するベネズエラ政府に政策の変更を強制する考えを語った。

 国営石油産業を政府が外国投資に開放し、おそらくアメリカ企業を優先して他の改革を実施するまで、アメリカ制裁リストに載っている石油タンカーの出入港を米軍は阻止し続けるとCBSニュースの「Face the Nation」で彼は語った。

 「状況は維持され、それは非常に大きな影響力で、変化が見られるまで我々は継続する。それは単にアメリカの国益(最優先事項)を推進するためだけでなく、ベネズエラ国民にとっても、より良い未来につながる変化をもたらすためでもある。」と彼は語った。
 何も変わっていない。ベネズエラはボリバル革命を信奉するチャベス主義者に統治され続けている。アメリカ企業による石油採掘を許可するよう圧力を受け続けている。マドゥロ大統領を含むチャベス主義者はそれを認める用意はあるが、いくつかの条件を付けている。それらは変わっていないし、これからも変わらないと私は考えている。

 この大げさな行動全体、バーチャル戦争だった。  
本来なら空域で極めて激しく行われるが、敵防空網制圧作戦も最小限、あるいはほとんど行われなかったこの襲撃は、ベネズエラ軍が撤退命令を受けていた場合のみ可能だったはずだ。2024年以来、アメリカと権力移譲を巡り交渉を続けてきたマドゥロ大統領は、ベネズエラの権力構造全体から裏切られたか、あるいは自ら降伏したのかのどちらかで、襲撃当時「要塞」にいたようには見えない。
 すると、この作戦全体に一体何の意味があったのかと問う人もいるかもしれない。いや、おそらく何もなかったのだ。  
ペンタゴンが作戦名に「Absolute Resolve(絶対的決意)」と名付けたこの作戦には、未だ多くの疑問が残されている。ベネズエラとトランプ大統領が交わした取り引きの正確な内容は一体何だったのか? ロドリゲスとアメリカの間に協力関係があったのか? トランプ大統領が約束したアメリカによる石油産業の買収と、ベネズエラへの「数十億ドル」規模の投資は果たして現実のものだったのか? 現在入手可能な情報に基づく限り、この出来事が架空の出来事なら、これらの疑問に明確な答えが出されることは決してないかもしれない。むしろ、この出来事は単に忘れ去られ、永遠に不可解で、計り知れず、解釈不可能な状態のまま大部分忘れ去られることになるだろう。
 あるいは他国にトランプ政権が何をするのかを誇示するのが狙いだったかもしれない。  
1992年、アメリカの保守派作家マイケル・レディーンは次のように語ったと伝えられている。「アメリカは、およそ10年に一度は、小さな、くだらない国を拾い上げて壁にぶつけて、我々は本気だとを世界に示す必要がある。」

 実際、このような根拠のがない誇示は、アメリカの世界的権力が衰退しつつある恐怖を露呈しているのかも知れない。自分の強さを証明するために弱い相手を殴り倒すのは、自信がないいじめっ子の行動だ。
 投資に意欲的なアメリカ石油企業をベネズエラは歓迎する可能性が高い。だが、それはトランプが思い描いているような大儲けからは程遠いだろう。ベネズエラ原油は重く、回収費用も高い。地表にくみ出して市場に輸送するには希釈液か蒸気が必要だ。世界の原油価格が1バレル50ドル前後で推移すると予想される中、数十億ドル規模の投資を正当化する誘因は僅かだ。

 今週末の行動後に何も変わらないと私は予想している。ベネズエラをアメリカは支配したくないのだ。地上部隊を派遣したくないのだ。封鎖は戦争行為として、しばらくは続くだろうが、いずれ船舶は母港に戻らざるを得なくなる。これでは何も得るものがないため、トランプ政権は次の標的へ向かうだろう。

 一方、イスラエルは対イランの新たな攻撃準備を進めている。アメリカは中東に部隊を再配置し、イランは全力で反撃する準備を進めている。

 一週間後にはベネズエラはニュースから消え、いつも通りの仕事が続くだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/01/trump-abducted-maduro-but-gained-not-a-thing.html

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 Ben NortonのGeopolitical Economy Report  マルコ・ルビオはナルコ・ルビオ 自分の犯罪を他人に投影。
Bombshell: USA admits Maduro didn't lead cartel - but CIA did traffic drugs in Venezuela 29:54
 東京新聞 朝刊 社説
グリーンランド 常識逸した米国の恫喝
 今朝の孫崎享氏のメルマガ
中国は高市答弁に反発、輸出制限発表、中にレアアースが入る可能性。その際の日本経済への打撃の推定(レアアース総輸入量の約63-70%が中国)。代替(10-20%高い傾向)、米中間:中国は世界の生産(約85%)と加工(最大95%)米国経済は短中期に重大な混乱の可能性
 

2026年1月 8日 (木)

アメリカ帝国はトランプのような人物が必要なのだ



帝国にはオバマのような巧みな雄弁家や擁護者が必要だが、トランプのような鉄拳制裁の露骨な暴君も必要だ。

ケイトリン・ジョンストン
2026年1月6日

 ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。

 アメリカの権力機構が、トランプの今回の大統領就任に対し、前回よりずっと冷静だったのはなぜだろうと疑問に思っていたなら、今こそ理由が明らかだ。トランプがマドゥロ誘拐、イラン爆撃、パレスチナ問題の最終的解決といった長年の帝国主義的計画を実行すると確信し、その計画を遂行すると権力者連中が彼を信頼していたのだ。

 ディープステートと戦っているので支配体制はトランプを嫌っているというMAGA言説は決して真実ではない。アメリカ帝国の権力構造内にはトランプを嫌う派閥もあるが、それは彼がヒラリー・クリントンのような実績ある人物でなく、信用できる帝国管理者として信頼されていなかったからに過ぎない。トランプは一期目任期を通して、長年にわたる沼地の怪物の思惑推進上、信頼できる人物であることを証明し、大統領の座を離れていた間、再選されたら更に多く行うと帝国仲間の管理者連中を確信させるだけ十分な実績を残した。

 帝国には、オバマのような巧みな弁論家や擁護者が必要だが、トランプのような鉄拳制裁の露骨な暴君も必要だ。世界的な合意を形成し、アメリカのソフトパワーを拡大するためには、良き警官のような大統領が必要だ。そして良き警官ではできないハードパワーの濫用を働かせるには、悪しき警官のような大統領も必要だ。どちらも帝国という機械の運営には不可欠な要素だ。


 例えばキューバは、何世代にもわたり、アメリカ沖に浮かぶ社会主義の島国であり続けている。アメリカが通常手段でキューバ政権を転覆させられるなかったためだ。CIAによる暗殺作戦、代理戦争、経済封鎖といった常套手段は全て失敗に終わり、軍事的脅威のない小国に地上部隊を派遣して政権転覆を謀ることに国内外の支持は得られていない。だがトランプのような「悪徳警官」大統領には、良質な警官である大統領には考えられないような選択肢が選べる。

 アメリカ帝国の経営者連中は、このことについて公然と議論している。

 マドゥロ逮捕後「もし私がハバナに暮らして、政府にいたら、少なくとも少しは心配するだろう」とマルコ・ルビオ国務長官は言った

 日曜日「キューバは今にも陥落しそうだ」と喜びに浸るリンジー・グラムの横でトランプ大統領は記者団に語った。「キューバは今にも陥落しそうだ。持ちこたえられるかどうか分からない。だが、今キューバには収入がない。収入の全てをベネズエラ、ベネズエラの石油から得ていた。だが今や何も得られない。キューバは文字通り今にも陥落しそうだ」


 「キューバの件を待つしかない」とグラムは付け加えた。「キューバは共産主義独裁国家で、司祭や修道女を殺害し、自国民を食い物にしてきた。彼らの日々は残り少ない。いつか我々は目覚める。2026年には、我々の裏庭で、アメリカと商売をする同盟者がこれらの国々にいて、アメリカ国民を殺害する麻薬テロリスト独裁者でなくなっているよう願う」

 「ドナルド・トランプは、1950年代以来アメリカが成し遂げられなかったことを成し遂げることになるだろう。フロリダ沖90マイルの共産主義独裁政権に対処できるのだ」とグラムはFOXニュースで述べた。「その日が来るのが待ちきれない。フロリダとアメリカ全土のキューバ人の友人たちよ、祖国解放は間近だ」

 トランプがベネズエラに攻撃を仕掛けるずっと前から、ワシントンのワシントンD.C.の人々は、このことを言っていた。10月、リック・スコット上院議員は、マドゥロ大統領が排除されれば「キューバは終わりだ」と「 60 Minutes」で述べ「アメリカは南半球を守り、自由と民主主義を確保する」と強調した。

 ベネズエラにおけるトランプの国際法無視の露骨な拉致行為は、アメリカ帝国をいい人の顔にしようと努める大統領にはできなかっただろうが、ワールド・レスリング・エンターテインメントWWEでヒール役を演じるのに抵抗がない、リアリティー番組の裕福なスターが、帝国主義者連中が何十年も避けてきた権力掌握の可能性を開いたのだ。


 トランプがカラカスを攻撃したニュースが報じられた時、イランに対する彼の好戦的姿勢に関する記事を私は執筆中だったが、新たな展開に集中するため中断せざるを得なかった。もしイランで抗議活動をしている人々が殺害されたら「アメリカ合衆国が救援に駆けつける」と大統領はTruth Socialで宣言し「我々は準備万端で、いつでも出動できる」と付け加えていた。

 これに先立ち、ベンヤミン・ネタニヤフ首相との共同記者会見で、イランがミサイル計画を再構築しようとすればアメリカは攻撃するとトランプ大統領は報道陣に認め「イランが再びミサイル増強を試みないよう願う。もしそうすれば、我々はその増強を速やかに排除する以外選択肢はない」と言っている。

 誤解のないよう、はっきり言っておくが、イランが核施設再建や核兵器の開発を試みた場合に攻撃するなど大統領は言っていない。大統領が言っているのは、イランの通常弾道ミサイル計画についてだ。アメリカは、イランがいかなる方法、形であれ自衛するのは許されず、イランが自衛能力再建を試みれば再び攻撃をすると言っているのだ。

 つまり、連中は明らかにイランを爆撃する口実をでっち上げて、何かがうまくいくのを待っているだけだ。

 最近、リンゼー・グラム上院議員は、「イランを再び偉大に」と書かれた帽子を手にする大統領と笑顔で写った自身の写真をツイートした。リンゼー・グラム議員の表情を見れば、アメリカ帝国が日々どれほど好戦的かほぼ分かる。そして最近、彼は実に恍惚とした表情をしている。

 トランプはかつてグラムのような好戦主義者を厳しく批判し、2016年の大統領選では、彼らの破滅的外交政策と自らを対比させることに重点を置いた。再選を目前に控えた今、彼ら親友たちにアピールする余地はなくなり、「適切な人間を殺し、税金を下げている」から「トランプは私のお気に入り大統領だ」とグラムは主張している

 2029年1月はまだ遠い先のことだが、トランプが今後何年もリンゼー・グラムを笑顔にし続けるだろう兆候はあらゆるところで見受けられる。

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 画像はLindsey Grahamより。(パブリックドメイン)

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2026/01/06/the-us-empire-needs-men-like-trump/

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 2015年2月27日、当ブログで、下記翻訳記事を公開した。
アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の239年中222年間が戦争
 Judge Napolitano - Judging Freedom
COL. Douglas Macgregor: Trump Is Sleepwalking Into Another War 28:20
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
グリーンランド人口約5万7千、(ワシントンポスト)ホワイトハウスがグリーンランドへの軍事介入を浮揚、デンマークとNATO動揺。ミラー副首席補佐官「グリーンランドは米国の一部であるべきが政権発足以来の正式な立場」。デンマークでの米軍をATO管轄から米北方軍に移管
 東京新聞 朝刊 特報面  
 米の国際法違反は明確 日本の選ぶ道は

 ベネズエラ攻撃 武力行使伴う内政干渉・主権侵害

 圧倒的軍事力誇っても西半球にこだわる弱さ

 ロシアのウクライナ侵攻 正当化の恐れ

 侵略行為は断固批判すべきだ

2026年1月 6日 (火)

想像以上に酷いトランプ外交政策の狂気



マーティン・ジェイ
2026年1月5日
Strategic Culture Foundation

 彼の愚かなお仲間には対ベネズエラ奇策が麻薬密売に関するものだと本気で信じている人がいるのだろうか?

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ:info@strategic-culture.su

 最近ベンヤミン・ネタニヤフ首相がトランプのねぐらを訪問したことで、トランプ就任以来六度目の一対一会談になる。これは様々な意味で示唆に富む事実だ。肝心なのは、アメリカとイスラエルはイランと戦争する必要があるとビビがトランプを説得するのに苦戦している点だ。トランプはこの動きに抵抗している。中東における新たな「永遠戦争」にアメリカを引きずり込むシナリオは、世界中で外交政策の失策が裏目に出て、幾度となく窮地に追い込まれているトランプにとって魅力的ではない。ベネズエラを出港した石油タンカーを拿捕するトランプの非道な公海海賊行為を受けて、既に複数戦線で新たな紛争が勃発していると指摘する評論家もいる。

 対イラン戦争はアメリカにとって全く意味をなさない。おそらく敗者になるだろう。イラン政策の失敗で任期を終えたジミー・カーター大統領と同じ運命をトランプは辿りたくないのだ。これはまた、昨年6月、イラン核施設爆撃開始が成功したというトランプ自身の妄想的主張の維持にも繋がる。もしイスラエルのイラン攻撃を、たとえ間接的であれ、例えば空中給油といった形で支援するのに彼が同意すれば、メディアの激しい反発は計り知れないものになるだろう。それは、今トランプにとっては最も避けたい事態だ。

 興味深いのは、トランプが米軍を中東に派遣したくないことだ。中東は、普段から彼は全く無知で、何とも理解が及ばない分野だ。やや滑稽なことに、これは他の地域で米軍の力を誇示するのを彼が望まないという意味ではない。これは、彼のいわゆる「反戦」姿勢について我々が信じ込まされてきたイメージとは正反対だ。

 ベネズエラにおけるトランプ大統領の現在の動きは特に懸念される。中国行きベネズエラ産石油タンカーの拿捕は、火遊び以外何物でもないとしか思えない。これはトランプ大統領にとって、これまでで最も大胆かつ危険な策略と言える。中国が黙って受け入れるはずはなく、昨年の関税脅迫への対応と同様、報復措置に出ても驚くべきではない。アメリカあるいは同盟国のタンカーを中国が拿捕するなど同様報復措置に出ることは容易に想像できる。中国にはそのための手段と技術と軍事装備がある。そうしない理由などあるだろうか?

 問題はトランプの脆弱な自尊心だ。以前中国が関税引き上げをちらつかせ、ドル安を加速させ、アメリカによる希土類元素購入を制限した際、譲歩したのは当然の選択だった。だが中国がアメリカの石油タンカーを拿捕すれば、メディアの注目は高まり、トランプが静かに撤退するのは遙かに困難になる。虚栄心と感情次第で一日も経たないうちに変わることもある気まぐれで子供じみた意思決定は、中国との対立では余りに危険すぎる。

 トランプは横暴な男だ。インドや、南米諸国などの小国に喧嘩を売るのが好きで、抵抗がほとんどないと思われる場所で影響力を行使する。だが中国は違う。急成長を続ける経済が燃料安全保障にかかっている新興超大国だ。その計画に水を差すのは正気の沙汰ではない。そして彼が有能な人物から助言を受けていないことも露呈している。マルコ・ルビオはホワイトハウス高官の中でも最も無能で滑稽な外交政策のまぬけと言えるだろう。

 本当の懸念は、これまで同様、誤算と、それに続くエスカレーションの悪循環で、それは取り返しがつかないものだ。1970年代と80年代には、ニクソンやカーターやレーガンといった大統領でさえ、この地域に経験豊富な外交官を派遣し、衝動的発言をする大統領連中を安全策として支えていた。今日、外交はジャーナリズムより効果が低い場合が多く、最近イギリス政府は、十代の若者をモロッコの新大使に任命した。外交官たちはソーシャルメディアに夢中で、存在感を維持するのに苦労する役人になっている。つい先日、トランプ大統領は自身の政治的見解に沿わない外交官を30人解雇した。これは特使がもはや重要なパイプ役ではなく、単なる取り巻きやイエスマンになっていることを示している。

 トランプの問題は、国際外交が彼の救いの手になり得たにもかかわらず「トランプ第一、イスラエル第二、アメリカ第三」という彼の姿勢が注目され始め、悲惨な結果を招いていることだ。例えば、最近日本は米国債の売却を開始した。一般のソーシャルメディア・ユーザーでさえ点と点を結びつけている。トランプのベネズエラ、ナイジェリア、グリーンランド介入は、いずれも石油や鉱物資源が豊富な地域を標的としている。このパターンを見抜のに天才である必要はない。

 ベネズエラでの策略が本当に麻薬密売対策のためだと信じている人などいるだろうか? イランに対してネタニヤフ首相は石油カードを切っているのかもしれないが、ビビがアメリカを戦争に引きずり込むには汚い手を使う必要があるのは明らかだ。おそらくイランにイスラエルを攻撃させて、親イスラエルの闇の国家がトランプに牙をむくのを傍観する形で。トランプにとっては、ベッドの下にサソリを潜めて寝る方が、彼が好んで主張する偽の勇ましさでロビー団体と対峙するよりもましなのかもしれない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/01/05/madness-of-trump-foreign-policy-its-worse-than-you-think/

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 属国傀儡、伊勢神宮は参拝しても、宗主国の極悪非道には口をつぐむ。
 物言えば唇寒し冬の風

 植草一秀の『知られざる真実』
米国の侵略論評できない首相
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
トランプの奔放を止めるのは何か。米国自身。11月中間選挙。現在 民主党支持46.2%、共和党42.2%。この傾向継続なら民主党は下院過半数達成。共和党は微差で上院過半数維持。選挙民にとり最大課題は経済(雇用含む)。これに対しトランプ批判が支持を上回る。

2026年1月 4日 (日)

マドゥロ拉致後、次のアメリカの行動は何か?

2026年1月3日
Moon of Alabama

 昨夜、アメリカはベネズエラの複数の場所を爆撃した。爆撃は防空システムを狙ったものとみられる。だが標的となったのは、もっぱら行政機関施設で、ウゴ・チャベスの遺体が安置された霊廟もその一つだった。

 防空軍の攻撃が失敗に終わったため、米軍特殊部隊はニコラス・マドゥロ大統領とシリア・フローレス夫人の住居付近にヘリコプターで着陸した。二人は国外に拉致されたとされている。マドゥロ大統領は居住地を頻繁に変更することで知られていた。CIA情報筋が関与していたとニューヨーク・タイムズは報じているアーカイブ)。  
作戦について説明を受けた人物によると、ベネズエラ政府内のCIA情報筋は、ニコラス・マドゥロ大統領が米軍特殊部隊に捕らえられる数日前から直前まで同大統領の位置を監視していたという。

 関係者によると、アメリカ諜報機関は、ベネズエラの情報源から提供された情報に加え、ベネズエラ上空をほぼ常時監視するステルス・ドローン部隊でマドゥロ大統領の位置と動きを監視し、マドゥロ大統領の拘束につながる情報を得たという。
 人間が情報源の主張はもっともらしい。(ステルス・ドローン艦隊はそうではない。)

 だがマドゥロ大統領を24時間体制で守るはずだったボディーガードは一体どこにいたのか? なぜ米軍ヘリコプターは一機も撃墜されなかったのか? これは大失敗か反逆行為かのどちらかだ。軍に発砲を控えるよう命令したのは一体誰なのか?

 マドゥロはアメリカに連行され投獄される。今のところ彼は表舞台から姿を消している。

 たが、ベネズエラでは依然チャベス派が支配している。ベネズエラのデルシー・ロドリゲス副大統領が大統領職を務め、ディオスダド・カベジョ国防相もその職に就いている。政府は厳しい声明を発表した。  
この攻撃の狙いは、ベネズエラの戦略的資源、特に石油と鉱物資源を奪取し、国家の政治的独立を強制的に破壊すること以外にない。だが彼らは成功しないだろう。独立から200年以上が経った今も、国民とその正当な政府は、主権と自らの運命を決定する奪うことのできない権利を揺るぎなく守り続けている。ファシスト・オリガルヒと結託して共和制国家を破壊し「政権交代」を強制するため植民地戦争を仕掛けようとする試みは、これまでの試みと同様に失敗するだろう。
 彼らは国民に国を守るよう呼びかけた。

 次にアメリカが一体どんな措置を取るつもりなのか疑問に思う。ベネズエラに侵攻する兵力はない。またベネズエラを封鎖しても政権転覆にはつながらない。国内革命が成功する可能性は低い。

 アメリカ人専門家連中が下着を盗んだ。次は第二段階だ。そして儲けだ。良い計画に思える。

 だが、今のところ第二段階が一体何かは誰も知らないようだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/01/whats-the-u-s-follow-up-action-after-taking-maduro-out.html

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 The Duran 41:46 最新Youtube ベネズエラ軍は事前にアメリカに買収されていたと二人は言う。

 東京新聞 朝刊 一面  
 首都に大規模攻撃

 トランプ氏発表 「夫妻を国外連行」

 日本政府、米支持か対応難題
 どう考えても対応は難題ではありえない。宗主国による侵略と大統領拉致の無条件支持一択。支持しなければ、次は自分だと、属国傀儡は知っている。

2025年12月28日 (日)

トランプと植民地主義の遺産:なぜ彼はベネズエラ資源をアメリカの財産とみなしている

Simon Chege Ndiritu
2025年12月25日
New Eastern Outlook

 トランプは、21世紀において植民地時代の支配を臆面もなく強制しようとしている。つまり、20世紀に植民地および準植民地的手段を通じて獲得した鉱物資源の権利は今日も強制可能だという植民地勢力の信念を強制しようとしているのだ。

 ベネズエラに対するアメリカの攻撃

 トランプの考え方:「土地や石油や他の資産は彼らが我々から盗んだもの」

 2025年12月17日、ドナルド・トランプはベネズエラに対する脅迫をエスカレートさせ、アメリカから盗んだと主張する土地や石油や他の資産を返還しなければ、この中南米の国を攻撃すると脅した。ベネズエラはアメリカから何も盗んだことはなく、武力行使の恫喝は、加盟国が他者に対し武力行使の恫喝をすることを禁じている国連安全保障理事会決議2(4)に違反しているため、トランプ発言は不合理だ。また、トランプ発言は、当初麻薬密売を阻止するためと述べた数ヶ月に及ぶベネズエラ周辺での軍の態勢が、実際は軍事封鎖をすることを意図したもので、国連海洋法条約(UNCLOS)に違反していたのを認めることになった。既にトランプの動きは、米海軍により民間人の船が沈没し、数十人の民間人が超法規的に殺害される事態につながっている。国連も西側諸国もこの侵略を非難していない。

 ベネズエラに対するアメリカの攻撃京太に対する国連の沈黙と控えめな対応は現代の植民地主義の承認に等しい。

 トランプ大統領によるベネズエラ非難は、2007年にベネズエラがアメリカ、イギリス、ノルウェー、フランスの多国籍企業に所有されていたベネズエラの油田を国有化した行為を歪曲している。これら多国籍企業は、砲艦外交を含む植民地主義的慣行を通じてこれら石油権益を獲得したのだ。アメリカと同盟諸国は、政治的独立と土地と資源の支配権を切り離して、グローバルサウス諸国の主権を損なおうとしている。西側諸国は、独立したグローバルサウス諸国が土地と鉱物資源を植民地支配国の企業に譲渡し、国連憲章で宣言された権利が旧植民地に関して西側諸国の利益を増進させる結果を望んでいるのだ。

 …そして国連は一体何と言っているのか? 何も言っていない

 ベネズエラに対するトランプ大統領の最後通牒によって浮き彫りになった態度は、西側中心の世界統治機構により暗黙のうちに助長されているため危険だ。この官僚機構は、2025年9月初旬から、国連の承認や独立した司法手続きもないまま、数十人の民間人の殺害を助長してきた。これら民間人は、トランプ政権により「麻薬密売船」に乗っていると非難された後、カリブ海を航行中に米軍の標的になった。その後、トランプ大統領は目標を変更し、ベネズエラがアメリカから盗んだと主張する土地や石油や他の資産を返還するまで、米海軍がベネズエラ周辺で活動し、石油封鎖を実施すると宣言した。また2025年12月17日、加盟国による他国への脅迫を明確に禁じている国連安全保障理事会決議2(4)に対する軍事的脅威をトランプ大統領は強化した。この脅威は、ベネズエラからアメリカへ原油を輸送していた石油タンカーを米海軍がハイジャック・接収した数日後に発生した。このタンカー没収は国連の承認も得ていない。ワシントンによる民間人殺害や、国連海洋法条約(UNCLOS)違反や、国連安保理決議2(4)違反は、国際統治機関から意味ある抵抗を受けることなく続いており、植民地主義の論理が今日の国際関係においていかに根強く残っているかを示している。これらの機関はこれまで、21世紀における植民地略奪を擁護しようとするトランプの試みを幇助するかのように行動してきた。

 トランプが強制したい植民地の石油権益

 2007年にベネズエラ政府に石油権を奪われた西側諸国の石油企業は、公正かつ競争的な手段でこれらの権利を獲得したわけではない。植民地支配から脱却したばかりの政治的に弱体な政府を操り、西側諸国の植民地政府が強制的に譲歩を強いたのだ。1920年代、ベネズエラを含む中南米諸国政府は、西側諸国の絶え間ない干渉に直面し、権威主義体制の発展につながった。ベネズエラを含むこれら独裁者連中は、主権を外交的保護と外資の約束と引き換えにした。だが、この「外資」は石油採掘と輸出のみに向けられ、ベネズエラは石油国家へと変貌を遂げ、経済の他分野は未発達のままだった。(オランダ、イギリス、アメリカを含む)欧米諸国の石油企業は、ベネズエラ石油を採掘しながら、最低限のロイヤルティを支払い、法的監視を無視し、利益を本国に送金していた。これは本質的に植民地主義的な採掘行為だった。それから数十年後の1970年代、ベネズエラ政府はこれら企業との収益分配について再交渉を試み、最終的に1975年から1976年にかけて最初の国有化に至ったが、望んでいた経済発展は得られなかった。

 1922年から2000年代にかけて、ベネズエラは満足のいく社会経済発展を遂げることなく、植民地支配による搾取を目の当たりにしてきた。そのため政府が国民の利益のために原油を管理するのは予測可能で、2007年の国有化においても同様の試みがなされた。その後、アメリカはベネズエラに原油備蓄を放棄させるため、幾度となく経済活動と秘密裏の軍事行動を実施してきたが、トランプ大統領は公然と武力行使に踏み切る構えを見せている。ベネズエラへのトランプ大統領による最近の脅迫と非難は、21世紀における西洋植民地主義の帰結だ。トランプ大統領をはじめとする西洋植民地主義者連中は、地球上のあらゆる資源を自分たちの所有物とみなし、要求に応じていつでもこれら資源を譲り渡すべきだと考えているようだ。

 グローバル・ガバナンスを担う官僚機構が植民地主義を黙認しているため、トランプの態度はグローバル・サウスにとって永続的課題となっている。更に、アメリカ政治家の大半は、軍隊を使って植民地搾取を推進することを支持している。2025年12月17日に指摘されているように、下院はトランプのベネズエラへのあり得る軍事侵攻を制限する法案を圧倒的多数で否決した。既に米海軍にベネズエラからの石油輸送を阻止するようトランプは指示しており、軍はそれを実行し、ベネズエラ原油を輸送していたタンカーを拿捕した。国連安全保障理事会の一部メンバーはこの件について間接的な発言しかしておらず、実質的にワシントンが21世紀に植民地主義を強制するのを容認している。ベネズエラに対するアメリカ攻撃の激化に対する国連の沈黙と曖昧な対応は、現代の植民地主義を承認するものだ。全ての国の平等や軍事的脅威の禁止などの条項を含む国連憲章は、アメリカに関しては単なる提案に過ぎないようだ。

 露骨な植民地主義と国連の無力さの露呈

 ベネズエラに対する現在のアメリカの攻撃や、シリア、リビア、イラク、イエメンなどにおける過去の壊滅的状況から、国連のメカニズムがグローバルサウス諸国を近代植民地主義から守ることは決してできないことは明らかだ。西側諸国の安保理メンバーは、アメリカと同盟諸国が各国を侵略し資源を奪うたびに「懸念を表明する」といった偽善的声明を出すだけだ。正式な併合や植民地総督の不在が、このような残忍な介入を「民主的」なものにしていると西側諸国と主流メディアは称賛し、こうした策略を美化している。これら勢力は、数十年にわたり、民間人に危害を加えた残忍な制裁体制を美化し、アメリカの制裁の影響を組織的にベネズエラ政権のせいにしてきた。情報筋によると、トランプ大統領による2017年のベネズエラ制裁は2年間で4万人以上の死者を出したにもかかわらず、国連も西側諸国もアメリカ政府の責任追及を試みていない。ワシントンは長年にわたり制裁によってベネズエラ国民を殺害してきたが、今や宣戦布告や司法手続きを経ずに爆弾を使用し始めている。これは全て21世紀の植民地主義の再現として、ベネズエラ石油を搾取するためだ。

 欧米諸国が植民地的手段で獲得したベネズエラの土地と石油の権利をトランプが公然と要求していることは欧米諸国の植民地主義イデオロギーがいかに大胆になり、もはや「テロとの戦い」や「大量破壊兵器発見」といった詭弁の陰に隠れていないことを示している。

 Simon Chege Ndirituはアフリカ出身の政治評論家、調査分析専門家。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/12/25/trump-and-the-legacy-of-colonialism-why-he-considers-venezuelan-resources-us-property/

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2025年12月27日 (土)

石油専門家と話すと、アメリカやヨーロッパの主張よりも多くのことが明らかになる

Henry Kamens
2025年12月25日
New Eastern Outlook

 複雑なエネルギー政策世界では、単純な物語だけでは、欧米諸国の制裁がロシア経済に与える影響などを実際の動きを捉えきれないことが多い。

 石油専門家と話すと、アメリカやヨーロッパの主張より多くのこがを明らかになる。

 特にウクライナ紛争の継続からみて、外部の圧力や制裁や国際市場でのエネルギーの自由な販売が不可能なことなどから、ロシア経済は壊滅的打撃を受けているという考えに西側諸国の政策立案者の多くは固執している。

 だが石油業界専門家との徹底的な話し合いで遙かに微妙な現実が明らかになった。

 30年以上にわたり、欧州連合(EU)はロシアの石油とガスに大きく依存してきた。この関係は広範なインフラを通して複雑に絡み合っており、容易に解消できるものではない。ロシアの経済的回復力と多様化したエネルギー部門がもたらす広範な影響について、いくつかの誤解を考察しよう。これは地政学的緊張と経済政策が世界のエネルギー情勢を左右し続ける未来を示唆している。

 特に、いわゆる厳しい制裁で支えられている状況では、オランダ病でロシア経済が「それほど深刻な」打撃を受けていない事実をほとんどの欧米政治家は認めようとしない。特に、いわゆる「苛烈な制裁」で強化されている現状ではなおさらだ。今にして思えば、欧米諸国にとって非常に残念なことに、とっくの昔に大々的宣伝もせずにロシアが経済基盤の多様化を進めていたのは明らかだ。

 長期的には、この経済ショック療法期間は、ロシアにとって思わぬ利益になり、より回復力と能力がある大国に変貌する可能性がある。

 しかも、それはウクライナでのSMOがニュースになるずっと前のことだった。大きな理由は、2014年以降、ウクライナ東部におけるロシア系住民に対するジェノサイドにロシアが介入した場合、ロシアを制裁で屈服させると欧米諸国が繰り返し喧伝していたことだ。

 戦争時にはそうだが、あらゆる政府は経済統計に関して嘘をつく傾向があるのを忘れてはならない。ウクライナにおけるSMOがロシアの政治・経済目標や経済成長目標にとって大きな後退となると考えるのは希望的観測に過ぎない。

 石油産業について人々が気づいていない事

 30年以上、EUはロシアからの石油とガス購入量を増やしてきた。これは前首相アンゲラ・メルケルよるところが大きい。実際ドイツの繁栄はロシアの安価なエネルギーとアメリカによる防衛費負担という二つの要素の上に築かれたと言って過言ではない。

 最終結果は、冷戦中に建設されたものやノルドストリーム1と2などの比較的新しいものを含む石油とガスのエネルギー供給パイプラインの大規模ネットワークだった。

 だが現在、石油とガスの輸送には、製品に加えて次のものが必要だ。
  • 貯蔵ターミナル
  • ガス化および液化プラント
  • 専用船舶
  • 製品専用の保険
  • 特定種類の石油を扱うために特別に建設された製油所
 これらのことを人々は忘れているか全く理解していない。つまり、電灯のスイッチのようには、ある種の石油から別の石油に切り替えられないのだ。物理的に不可能なのだ。上記の施設には再構成するのに何年もかかるものもある。

 より価値ある統計は、本格的な特別軍事作戦以前と現在、ロシアの石油とガスがどれだけ購入されていたのか、どれだけ購入されているのか見ることだ。
  • 2022年2月以前、3,960億ドル 。
  • 2024年、970億ドル。
  • 2027年までの予測、0ドル。(ハンガリーとスロバキア (オルバン/フィツォ)を除く)。
 オランダ病と、ロシアの特別軍事作戦!

 特別軍事作戦(SMO)以前から、石油・ガス採掘を含む採掘部門はロシア外貨獲得の柱だった。戦争勃発に伴うロシアからの国際企業撤退は、これら収入に確実に影響を与えたが、この減少は他の経済部門によって部分的に補われてきた。

 一見、暗雲に見えるものも、実は明るい兆しだった。オランダ病という概念は、もともとオランダの採掘部門の巨額収入流入と結び付けられ、経済のあらゆる面を一つの籠に詰め込むことと関連付けられてきた。この概念は、収入源が危機に瀕している状況での多様化の必要性を浮き彫りにしている。

 現在これら部門のロシアの収入は、石油・ガス価格の変動によって、戦争がなければ得られていただろう水準に達していない。「オランダ病」という言葉を生み出したオランダなどの国と違い、り得る衰退に対し、ロシア経済と生活水準は耐性を示している。

 これは主に経済多様化に向けた継続的取り組みによるものだ。欧米諸国による制裁下でも、ロシアはエネルギー部門から多額の収入を得続けているが、事業運営は2022年以前の水準から大きく変化している。当初ロシアは、中国やインドといったアジアの大口購入者へ輸出先を変更し、世界的な価格高騰を有利に利用し、値引きを相殺していた。

 キーウでの出来事とNATOの積極的拡大の中、2014年以来の紛争を予期して、ロシアは、ほぼ10年前から現在の状況に備えていたことが明らかになった。この先見の明は、巡航ミサイルや様々な兵器が今も尽きることなく供給されている理由を説明している。これら兵器は早々枯渇すると欧米諸国の専門家は予測していたが、これはロシアの能力に関する本格的分析というより、むしろ予想に過ぎなかった可能性が高い。

 繁栄か衰退か

 対照的に、他の旧ソ連諸国の経済は、制裁による経済関係の変化から恩恵を受ける起業家の流入に支えられて好景気を経験している。長期的に、このショック経済療法はロシアにとって思わぬ利益となり、より強靭で有能な大国に変貌を遂げる可能性がある。だが本当の試練は、寒冷な気温と経済的圧力の長期的な影響に一体誰が耐えられるかだろう。

 輸入関税は貧困層と中流階級に不均衡に負担をかける逆進税として機能し、更に最近差し迫っている、あり得る石油紛争を前に、燃料価格が上昇していることから、休暇シーズンと新年を迎えるにあたり、アメリカ人は不確実な見通しに直面している。

 一方、NATOは、ウクライナ政府、特にゼレンスキーを支援し続けるだろう。口先だけの恫喝に過ぎないかのように振る舞いながら、少なくとも道義的支援の約束は反故にしていないと主張するには十分な姿勢を示し、ウクライナへの新たな支援約束をNATOは検討していると強調している。

 最新ニュース速報

 世界市場におけるエネルギーの流れと価格に関する最新の譲歩を踏まえると、石油・ガス供給の動きが流動的なのは明らかだ。地政学的緊張、制裁効力の変化、アメリカによる、イランや、最近ではベネズエラ・タンカーのハイジャックや消費者行動の変化といった要因が重なり、最近のエネルギー価格変動は、状況の複雑さを浮き彫りにしている。

 ロシアのエネルギー収入に関する予測は悲惨に見えるかもしれないが、サプライチェーンを適応させ再構成するロシアの能力は侮れない。

 アメリカが自国の経済課題に対処し、行動で恫喝を裏付けようとする中、アメリカの消費者は高インフレと政治的不確実性に苦しんでいる。それは現実逃避のようなもので、情報に基づいた政策立案には正確で誠実な統計データに基づくことが極めて重要だ。最終的には、益々不安定化する環境下で、各国が経済の安定化を目指す上では、世界のエネルギー依存の複雑なネットワークを理解することが不可欠だ。

 ベネズエラに対するアメリカの恫喝や、イスラエルによるイランへの更なる攻撃を示唆する動きにより、この不安定さは更に悪化している。これらの恫喝を、両国の政権転覆を望んでいることで知られるトランプ大統領の国務長官マルコ・ルビオが支持している。特に皮肉なのは、ルビオの義兄オルランド・シシリアがコカイン密売で有罪判決を受けているのに、ベネズエラのマドゥロ大統領は麻薬密売人だと主張している点だ。いずれにせよ「麻薬密売対策」という話丸ごと、ベネズエラの膨大な石油埋蔵量を乗っ取るための口実に過ぎないのは明白で、ベネズエラ石油へのアメリカによる投資と採掘を認めるとマドゥロが申し出ている事実を考慮すれば、この話は更に理不尽だ。

 Henry Kamensは中央アジアとコーカサスの専門家、コラムニスト

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/12/25/talking-to-oil-experts-is-more-revealing-than-american-and-european-rhetoric/

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米国経済:WP動向を見る10の指標、1. インフレ(波乱)、2. 雇用市場(冷え込んでいる)、3. AI関連投資(活性化)、4:借入コスト(高止まり)、6. 製造業(縮小)7GDP(7-9月高い成長)、8.ガス価格9. 株式市場(過去最高値を記録)10. 消費者支出(鈍化予測)

2025年12月18日 (木)

ブダペスト、暖房を確保:バクーとのガス協定とブリュッセルとの法廷闘争



ロレンツォ・マリア・パチーニ
2025年12月16日
Strategic Culture Foundation

 アゼルバイジャン産ガスはロシア産ガスを完全に置き換えられるのか? 答えはノーだ。

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解決策が必要だ

 欧州機関が期限、制約、政治的ドグマについて議論する一方、ブダペストは具体的契約に署名して行動を起こしている。ハンガリーのエネルギー安全保障は、西側諸国全体からの挑発、不和、嘲笑の対象であり続けることはできない。だからこそ、オルバン政権は行動を起こすと決意したのだ。

 ハンガリーのペーテル・シーヤールトー外相は、今後2年間アゼルバイジャンからの天然ガス供給に関する主要協定を締結したと発表した。この事業は商業的計画を遙かに超え、明確な政治的意味合いを帯びており、ハンガリー政府が強く反対している最近のEU指令と明らかに衝突することになる。

 外交筋によると、ハンガリーは合計8億立方メートルのガスを受け取る予定だ。この合意は、アゼルバイジャン国営エネルギー会社SOCARのRovshan Najaf社長とハンガリーのエネルギー集団MVMのKároly MátraiCEOとの会談後に正式締結された。

 2026年1月1日に発効するこの協定は「戦略的エネルギー協力」と定義されるものを統合するものだ。ハンガリーのような内陸国にとって、ガス・パイプライン供給の多様化は選択肢ではなく、経済と生産の安定にとって不可欠な条件だ。

 契約では、SOCARが8億立方メートルの供給者となり、MVM ONEnergyが買い手となり、契約期間は2026年1月1日から2年間となることが規定されている。

 時間的要素は明らかに重要だ。ハンガリーがバクーとの関係を強化する一方、欧州連合(EU)は12月3日、2027年までにロシアからのガス輸入を完全に廃止すると決定し、液化天然ガス(LNG)とパイプライン輸送されるガスの両方について、段階的かつ強制的に削減すると規定した。

 ハンガリー政府は即座に反応した。ヴィクトル・オルバーン首相とシーヤールトー大臣は、欧州司法裁判所への上訴の意向を表明した。根拠は現実的だ。ブダペストにとって、これら決定の実施と適用は到底不可能だ。東側からの供給がなければ、国家経済は崩壊の危機に瀕する。こうした状況下、ハンガリーとスロバキアはEUの他の国々とは一線を画し、モスクワとのエネルギー関係を維持している。理由は単純明快だ。地理的制約は、政治が法令で覆せない制約を課しているのだ。

 ここで、この事件のより技術的な、そしてある意味、逆説的な側面が浮上する。欧州のエネルギー転換における曖昧さを象徴しているのだ。ハンガリー向けガスがカスピ海油田からのみ産出されるのかという疑問は当然だ。  
市場における役割ゲーム

 ヨーロッパでは、活力ある生き残りは危険なゲームになりつつある。ハンガリーの選択は、いかに危険に見えても、国家と地域の安定にとって決定的意味を持つ。

 これは明らかに地経学的策略だ。エネルギー市場では、分子に原産地表示がないのは周知の事実だ。アゼルバイジャンは採掘能力が限られており、国内需要は拡大している。欧州への輸出義務を果たすため、バクーは自国需要を満たすためにロシア産ガスを購入して不足分を補填し、西側諸国への輸出量を捻出してきた。

 経済的、物流的観点から見れば、この仕組みはスワップのようなもので、アゼルバイジャンは国内消費用にガスプロムからガスを購入し、正式に「アゼルバイジャン産」と表示されたガスをヨーロッパに輸出している。

 最終結果は明白だ。エネルギーの流れは継続し、金融資源は循環する。ハンガリーは供給の安定性を確保し、アゼルバイジャンは歳入と地政学的威信の恩恵を受け、ブリュッセルは政治的に容認可能なガス供給という主張を支持し続けられる。これは行政上「偽善」の実践ではあるが、暖房と生産の継続性は確保している。ケインズ経済学の観点から、これを解釈するなら、重要なのは総需要と産業生産能力の維持で、ガスの名目上の原産地は実体経済とは無関係だ。

 影響は主に安定化に寄与するだろう。二年間の契約期間で8億立方メートルの供給が可能になることで、2027年が近づくにつれ高まると予想されるスポット市場の変動性による影響が軽減される。家計や企業にとって、これは経費の予測可能性の向上を意味し、これは持続的インフレ状況において決定的要因になる。

 欧州連合(EU)自体がモスクワへの依存度削減上の戦略的パートナーとみなしているアゼルバイジャンとの二国間協定を、ブリュッセルが直接阻止する可能性は低い。紛争は、ガスの流れがロシア起源だと証明された場合にのみ発生する可能性があるが、統合されたガス・ネットワークにおけるガスの出所を物理的に追跡するは極めて困難だ。ハンガリーは、自国のエネルギー自立を守るため、あらゆる法的抜け穴を利用する用意がある。

 ここで疑問が浮かび上がる。アゼルバイジャン産ガスはロシア産ガスを完全に代替できるのか? 答えはノーだ。想定される供給量は相当なものの、年間数十億立方メートルに及ぶハンガリーの需要全体をカバーするには至らない。この合意は、一種の多様化とセーフティネットであり、決定的解決策ではない。東側諸国からのガス供給への構造的依存は依然残っており、だからこそ、深刻な経済的影響を及ぼさずに2027年までにロシア産ガスを完全に放棄するのは非現実的だとオルバン政権は考えているのだ。インフラ整備も必要な代替供給量も不足しているためだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/12/16/budapest-secures-heating-gas-agreement-with-baku-and-legal-battle-with-brussels/

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