パナマが屈服する中、トランプ大統領の無法者世界戦術は成功するのか?

デクラン・ヘイズ
2025年2月7日
Strategic Culture Foundation
パナマ運河の管理権をワシントン政権に直ちに譲渡させるため、トランプは、中国やデンマークや、ならず者国家カナダに実際挑戦状を叩きつけた。
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パナマ運河の管理権をワシントン政権に即時譲渡させるために、中国やデンマークや、ならず者国家カナダに、トランプは、まさに挑戦状を叩きつけた。トランプによれば、パナマ運河はアメリカが2万5000人の命を犠牲にして建設したものだ。
死者数について私が言及したのは、ここ、ここ、ここ、ここ、そしてここの権威ある記事によれば、亡くなった人のほとんどはアメリカ人ではなく、主にバルバドスやその他のアメリカ準植民地出身の「有色人種」西インド諸島人だったためだ。運河建設で亡くなった同胞の白人アメリカ人は約150人しかいないので、この件だけでなく、他の多くの件についても、トランプは記録を改めるべきだ。
だが、グリーンランドについてはそうではない。トランプがデンマークに圧力をかけ続ければ、グリーンランドもフェロー諸島同様、アメリカが手に入れることになる。これらデンマーク植民地は第二次世界大戦中に併合された前例があるだけでなく、1917年の協定もまだ有効で、第二次世界大戦中にフェロー諸島を奪い、そこに停泊していた(中立の)スウェーデン船を押収したイギリスには、グリーンランドを売却するとデンマークが決めた場合、優先的に購入する権利がある。
この件に関し、ジェフリー・エプスタインの主要協力者で、新たに善王トランプの宮廷にイギリス大使として任命されたピーター・マンデルソン卿の言葉の宙返りを聞けば、切り身のクラゲよりもイギリス人の意志は弱いとわかる。バイデンが権力を掌握し、支持率で絶好調だった時にトランプに浴びせた根拠のない侮辱をマンデルソン卿は撤回しようとしているのだ。
BRICSの張り子の虎に関して言えば、南アフリカが今や完全にトランプ大統領の標的にされていることや、中国が厄介な関税を課されたことだけでなく、こうした見せかけの行動の多くは、パナマ運河や南シナ海やグリーンランドやフェロー諸島が重要となる可能性がある北極航路を通る中国の輸送経路を締め付け、中国を打倒するのを意図したものであることに留意すべきだ。
半ば忘れ去られたアメリカ大統領にちなんでアラスカの山々を改名したり、メキシコ湾をアメリカ湾とGoogleに呼ばせたり、イギリス海峡をジョージ・ワシントン海峡に改名すべきだとイーロン・マスクが冗談を言ったりするのは、全て、アメリカ政府が今や頂点に立っているというトランプの言い分に調子を合わせているのだ。
こうした芝居の演技でトランプは明らかにアカデミー賞に値するが、それを考えると、ゲイリー・クーパーとカール・マイの「Old Shatterhand(訳注:映画アパッチで知られている)」が私の頭から離れない。マイはドイツの三文小説家で、カウボーイの「Old Shatterhand」などの架空ヒーローはヒトラーやドイツ皇帝の第一次世界大戦の兵士に非常に人気があった。それはそれで良いのだが、ヒトラーは「Old Shatterhand」の子供じみた戦術(グンター、敵を山道で阻止しろ)を悪用してドイツ国防軍を惨敗に導いた。
トランプの戦術は似たものばかりだが、彼は映画「真昼の決闘」のゲイリー・クーパーに似ており、最愛の妻メラニアは美しいグレース・ケリーを彷彿とさせる。ドナルドとメラニア夫人は、ハリウッドで重要な身長差という点でゲイリー・クーパーとグレース・ケリーに匹敵するだけでなく、映画「真昼の決闘」でゲイリー・クーパーがしたように悪党連中と対峙している(あらすじネタバレ:クエーカー・グレースは、二番目の悪党を殺し、映画最大の悪党フランク・ミラーを殺すのを手伝った後、ゲイリーとともに夕日に向かって走り去るだけでなく、後にモナコに逃亡した。ドナルドが言う通り、モナコはアメリカを非常にひどく扱っており、間もなくアメリカから多額制裁を受けるはずだ)。
『真昼の決闘』は素晴らしい映画だが、製作されたのは1952年で、ドナルド・トランプが6歳、中華人民共和国が3歳だった時だ。中国で最も興行収入の高い映画のリストを見れば、圧倒的に中国映画が多く、ゲイリー・クーパーもトランプのハリウッド代理人連中の誰もそれを変えることはできない。トランプのハリウッド関係者の一人、メル・ギブソンですら、ハリウッドが競争力を失ったことを認めている。ハリウッドの力強いロッキーやランボーの道化師や、メル・ギブソンの祖母がガリポリでトルコ軍を叩きのめしたり、スコットランドやペンシルベニアでイギリス軍と戦ったりしても、中国人が中国人ヒーローを好む世界では、ハリウッドは絶対に競争できない。
そして、他のほとんどの産業にもほぼ同じことが当てはまる。日本は自動車生産において圧倒的に世界首位で、マクドナルドがハンバーガーを作るのと同じ効率で自動車を製造しており、制裁や関税や他のトランプの策略をもってしても、この状況は変わらないだろう。たまたま現在、日本は記録的な量の自動車を輸出しているが、主にアメリカ政府の不公平な慣行のせいで、未曾有の赤字を抱えている。また日本はアメリカの悪意が実に明白な中国との破壊的な関税戦争に巻き込まれている。
一方、鉄鋼生産で中国はアメリカを圧倒しており、深刻な水資源問題を抱えているにもかかわらず、世界最大のリンゴの輸出国で、アメリカを遙かに上回っている。リンゴに関して中国は自然の優位性を持っているが、鉄鋼やその他無数の先進産業でもアメリカが中国と競争できるはずがない。
基本に立ち返って、新興産業保護や利益が見込める他分野に関税を限定すべきだと経済学者たちはトランプに助言しているが、それはトランプの狙いではなく、マスクや他の追随者連中の狙いでもない。連中の狙いは、他国を犠牲にして、アメリカを再び偉大にすることで、世界覇権から生じる権益は幼稚園経済学の観点からは理にかなっているものの、「友達は多ければ多いほど良い」という古い格言に反する。だがアメリカが望んでいるのは友達ではなく属国だけで、デンマークやカナダなど、一部の国はトランプに応える可能性が高いが、中国などの他の国々はそうするわけがない。それは国民が中国と/あるいはアメリカのアップルパイの一切れを期待していることと矛盾するためだ。
アメリカにこれほど多くの不法移民がいるのは、アメリカン・ドリーム(それは、まさに夢だ)追求のためで、アメリカが荒廃させた国から逃げてくる、これら移民を好まない人もいるかもしれないが、若い母親が自分の子供には、最悪の日のスターリングラードに相当する場所で暮らしてほしくない理由を少なくとも理解するべきだ。
フェンタニルや他の死をもたらす違法薬物がアメリカに流入するのを中国やメキシコやカナダのせいにしていることに対する解決策は、アメリカの麻薬密売人や使用者を大量投獄して需要側を取り締まることだ。供給側での進展も良いだろうが、中南米の大部分が依然悪の巣窟である限り、供給や供給業者が不足することはあるまい。最近コロンビアのニュースが盛んに取り上げられているが、アメリカが麻薬カルテルと戦うため訓練したコロンビア軍が、現在メキシコ軍と戦う方法でメキシコ麻薬カルテルを訓練しているのは注目すべきだ。トランプがこれに歯止めをかけたいなら、第一次世界大戦でカール・マイがヒトラー伍長を騙した戦術より高度な戦術が必要になるだろう。
ゲイリー・クーパー(とサウス カロライナ出身のグレース・ケリー)が架空のフランク・ミラーに立ち向かったやり方に皆感心するが、中国の習近平国家主席はヒックスビル行きの真昼の列車に乗ってやって来るわけではない。アメリカが関税を課して習主席が中国の14億人の国民にベーコンを与えられなくなったら、中国の14億人の国民とやりとりするよりもトランプにとってずっとマシな取り引きになる。ドナルド、メラニア(そして陰気な巨漢バロンも忘れてはならない)が真昼の決闘で、ひらめきを得ようと腰を落ち着けている時、ゲイリー・クーパーがフランク・ミラーとの銃撃戦を望んだのではなく、ミラーが彼を狙ったことも忘れてはならない。現状中国は銃をほとんどホルスターに収めており、ゲイリー・クーパー/ドナルド・トランプはそのままにしておくべきだ。さもないと、アメリカは外交、経済、軍事面で非常に嬉しからぬ驚きを味合わされることになる。
そして、もう少し『真昼の決闘』を見続ければ、ヒックスビル通りは清潔で、住民は概して行儀よく、そういった点でケンジントン・アベニューやロサンゼルスのスキッド・ロウよりも北京や上海に似ているのがわかる。そうであれば、ドナルドとメラニアは、南極とグリーンランドの間にある、あらゆる村やスラム街で法を順守する住民を脅す前に、即口を閉じて、銃をホルスターに収め、麻薬まみれの自分の裏庭を一掃すべきだ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/02/07/as-panama-folds-can-trumps-global-bullboy-tactics-succeed/
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