授権法・国防権限法・緊急事態条項

2017年10月29日 (日)

安倍首相はうまくやってのけたが、涙に終わるだろう

安倍晋三の選挙勝利は再軍国化という日本が行き詰まる道を加速するだけ
Tim Beal

Zoom in Korea
2017年10月24日

ヒステリーを利用し、目を逸らした突然解散選挙

散々喧伝された‘北朝鮮の脅威’を巡る懸念とヒステリーを利用した突然解散選挙をするという首相の賭けは、広く想定されていた通り成功した。政治的成果は大変なものだ。わずか数ヶ月前、事態は安倍と自由民主党にとって、好ましいものではなかった。ニューヨーク・タイムズは、‘安倍のなぞ’と表現している。

安倍首相の支持率は、一連のスキャンダルに悩まされて、夏の間に30パーセント以下に下がり、選挙運動中に行われた世論調査では、安倍首相の対北朝鮮タカ派戦略を支持する人より、反対する有権者の方が多かった。

“ここに安倍のなぞがあります”キングストン教授[東京にあるテンプル大学アジア研究科ディレクター]は語った。“基本的に、有権者に不人気で、政策がとりわけ人気があるわけでもなく、指導者として、高得点というわけでもない人物が、それでも、一体どうして、選挙に勝ち続けるのでしょう?”

彼は多少運も良かったかった - 台風のおかげで、一部の有権者は投票せず、野党は分裂していたが- 日本の上空を飛行した最近の火星-12号ミサイル実験後の北朝鮮を巡るヒステリーこそ、彼の切り札だった。有権者は安倍の北朝鮮政策や、再軍国化計画を支持しはしなかったかも知れないが、十分な人数の国民を脅かせたように見える。

日本政府とマスコミは、8月28日と9月15日の火星-12号実験を巡って大騒ぎした。実験は、日本に対する意図的な威嚇として描かれ、当局は、携帯電話や拡声器で緊急警報を送信して、ヒステリーを強化した。

2017年8月28日の火星-12号の推定飛行経路


写真出典: 憂慮する科学者同盟

実験の現実は、実際はアメリカに対する抑止力開発が狙いで、日本上空の飛行は主として地理学の問題だ。もし北朝鮮が、長距離ミサイルを標準的な(通常よりも高い角度の)軌道で実験するつもりなら、無人の北太平洋に落下するはずで、そうなれば、日本の上空を飛行せざるを得ない。憂慮する科学者同盟のディヴィッド・ライトはこう説明している。

1998年と2009年、衛星を軌道に乗せようとした失敗した試みで北朝鮮は日本上空を飛んだロケットを打ち上げたとは言え、昨日の打ち上げで、北朝鮮は初めて弾道ミサイルを日本領上飛行させた。日本上空の飛行を避けるため、日本海に着水するよう、通常よりも高い角度の軌道で、実験ミサイルを打ち上げる労も惜しまなかったのだ。更に、ロケットが地球の回転から速度を得られるので、日本の上を越える、東に向けて打ち上げる方が好ましいにもかかわらず、より最近の衛星打ち上げは、南方へ向けた。

火星-12号ミサイルを、グアム近くに発射すると威嚇した後、北朝鮮が、このミサイルをグアムの方向ではなく、短距離であるにもかかわらず、攻撃と解釈されかねない東の方向に発射したことは興味深い。ミサイルは日本の人口稠密地域上を通過しない方向に飛行したようにも見える。

図で分かる通り、ミサイルは、本州と北海道間の津軽海峡上を経由したように見え、二機目のミサイルも同様と思われる。日本領空上を通過する際、いずれも日本の空域のはるか上、多くの衛星より高空だ。基本的に、長距離ミサイルは遠距離の標的用に設計されており、火星-12号のような中距離弾道ミサイルも、火星-14号のような大陸間弾道ミサイルも、日本にとってとりたてて危険なわけではない。

しかし感じ方の方が現実よりも重要で、安倍は圧勝し、憲法改訂と再軍国化を推進する方向にある。

    ロイター: 選挙勝利後、安倍は日本の平和憲法改訂に邁進

    ワシントン・ポスト: 日本の選挙で圧倒的多数を確保した安倍は、憲法改訂を推進する可能性

    インデペンデント: 日本の選挙結果: 安倍晋三、連合与党政権の大勝利をおさめ、平和憲法の改訂を誓う

そして、これは悪いニュースだ - 日本にとっても、この地域にとっても。

安倍の家系 - 岸信介‘アメリカお気に入りの戦犯’

安倍一族は、政治的才覚の血統だ。最高幹部としての政治は、彼にとっての天性だ。‘安倍は日本で最も著名な政治家系の一家出身だ。彼の父親も祖父も高位の職を勤めた。’実際、祖父二人もそうだが、留意すべきは母方の祖父、信介だ。岸は、アメリカや、様々なヨーロッパ諸国、そして最後にソ連との太平洋戦争に至った、1930年代と1940年代、日本の対中国戦争立案者の一人だった。彼はとりわけ、そこで昭和の妖怪として知られていた、傀儡国家、満州国(満州、現在は中国の北東諸州)を支配していたことで悪名が高かった。満州国における彼の手下の一人は誰あろう、傀儡軍にいて、日本支配に抵抗する中国人と朝鮮人を探し出す仕事をしていた朴正煕だ。二人が相まみえる機会はなかったが、後者の一人が金日成だった。

戦後、彼はアメリカによって、A級戦犯として召還され、三年間投獄された。しかし時代は変わる。友人は敵となり、敵は友となる。アメリカは‘中国を失う’過程にあり、岸の中国での殺戮は、勇敢な同盟者たちの凶悪な虐殺から、赤い中国に対して、アメリカを守るむしろ先見の明ある行動へと転換した。岸は、マイケル・シャラーの言葉で言う、アメリカお気に入りの戦犯となった。トランプ大統領のゴルフ愛好を考えると、政治家としてのキャリアで、岸がこのスポーツをいかに利用したのかを挙げるのは意味深い。彼は戦前のアメリカ駐日大使ジョセフ・C・グルーとの友情を築きあげていた。グルーが真珠湾後に拘留されていた際、岸は彼が外出し、ゴルフをする機会をもうけたのだ。この好意は、1957年に岸がアメリカを訪問した際に、CIAからの資金供与手配と、普通は、白人専用のゴルフ・クラブでのアイゼンハワー大統領とのゴルフ設定という形で報いられた。その頃までに、メンバーに元大使のグルーも含むロビーのおかげで、岸は首相の地位についていた。このロビーは、産業が空洞化し、武装解除された日本を作るというアメリカの戦争目的を、ソ連と中国に対抗すべく、再軍備と産業復興の方向へと反転させるのに貢献した。これが安倍の血統で、それこそが、彼とその再軍国化が、覇権を維持し、拡大するというアメリカ戦略と合致する理由なのだ。

しかしながら、歴史は、その後に歓迎せざる遺産も残しかねず、そうしたものの一つが、安倍の観点からは、日本の‘平和憲法’とりわけ第九条なのだ。

1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

起源の詳細については議論があるものの、連合軍最高司令官、SCAP、マッカーサー将軍のアメリカ人スタッフが基本的に草稿を書いたと広く見なされている。軍国主義は、1945年、日本に壊滅的な敗北をもたらし - 日本中の都市における原子爆弾や焼夷弾爆撃の死傷者のみならず、(朝鮮などの)解放された植民地から帰国させられた何百万人もの兵士や民間人を考慮に入れると-平和と戦争放棄というの理想は現在と同様、当時の日本でも、広範な国民の支持を得た。もちろん全員が同じ見解だったわけではない。岸や安倍や、日本の軍事能力をソ連と中国に対して活用したがっているアメリカの戦略担当者たちはそうではなかった。彼らにとって幸いなことに、九条は、実際には、訓練を受けていない人々が思うような意味ではないと主張する法律家を、神が作りたもうたのだ。最初に‘これを保持しない’‘陸海空軍は’は名称が変えられた。大日本帝国軍と、その構成要素は、日本自衛隊になった。‘再解釈’と呼ばれるこの過程は、別のもの-憲法修正の代用だ。言い換えれば、単語を変えるか、単語の意味を変えるかのいずれかなのだが、意味を変える方が出くわす抵抗が少ないので、これが主な流れとなっている。かくして、安倍はここ数年、憲法は日本が核兵器保有することを禁じるものではないと主張している。更に、彼は、軍事支出増加や海外での軍事作戦は憲法九条によって禁じられている‘交戦権’と全く無関係で、 むしろ‘積極的平和主義’の好例だとも主張している。しかも、これは誤植ではない。

安倍の‘積極的平和主義’に関してのニューヨーク・タイムズ記事


画像の出典: ニューヨーク・タイムズ | Heng

日本再軍国化の促進剤としての‘北朝鮮の脅威’

大いに喧伝された‘北朝鮮の脅威’と、僅かに違った形での‘中国の脅威’は、明らかで、一見したところ、日本再軍国化のための天与の正当化のようだ。軍国化の擁護者連中でさえ‘武力の最小限の行使さえ懸念し続けている日本国民が、[再軍国化に対する]もう一つの抑制要因だと’認めている。これらの脅威は、実際は、天与のものどころではなく、様々な形で、大半、目的に役立つよう作り上げられたものなのだ。

いずれも人種差別を基礎に作り上げている。植民地主義/帝国主義と人種差別は、共存し、お互い強化しあう。彼らが劣っていて、おそらく、人間以下でさえあり、彼らに対する我々の支配は、我々の方が優れているという証明だと我々が思えばこそ、我々は外国国民を支配するのだ。朝鮮半島と中国の大半は大日本帝国の一部だったわけで、ドイツのように徹底的な形で、過去を清算したわけではないため、こうした態度が、現在を堕落させてしまう。この点、日本だけが特別というわけでなく、世界中で、アメリカで、イギリスで、そして、現在あるいは過去の植民地関係がある国ならどこででも、こうしたものの変種を目にできる。人種差別の一つの重要な側面は、それにより、人々が他者に関し、合理的かつ現実的に考える能力を歪め弱めてしまうことだ。本質的に、他者に対する非人間的な振る舞いである不合理な考えに帰することで、慰めにはなるかも知れないが、偽りの状況理解に至るのだ。人種差別主義者は妄想の犠牲者となる。それが、例えば‘ロケット・マン[金正恩]は、本人と政権の自爆作戦を進めている’というドナルド・トランプの主張を生み出すことになる。トランプがそうしがちだとされている行為である、合理性を放棄し、空想を受け入れない限り、そのようなたわごとは信じられない。

支配層エリートのレベルでは、北朝鮮と中国に対するこうした敵意は悔しさの思いによって、つのらされる。一世紀前には、日本は両国を支配していたのだ。現在日本は、依然として、ガヴァン・マコーマックの言うように、アメリカの属国だが、中国は、経済的、軍事的に日本より大きく、国連安全保障理事会常任理事国だ。北朝鮮でさえ、ずっと小さく、貧しいとは言え、独立国家だ。外国人の将軍連中やアメリカや中国が‘助言’を与えているわけではない。

明らかに、中国は様々な点で日本の競争相手で、中国には本格的な増強しつつある軍事力がある。中国は、おそらく将来、日本の脅威になる可能性があり得よう。北朝鮮は明らかに違う。人口は日本の1/5で、経済はずっと小規模だ。また日本は平和憲法にもかかわらず、2016年の軍事予算は、国際戦略研究所IISSによれば、470億ドルだった。これは国務省の数値を使えば、北朝鮮の13倍で、2013年の大韓民国国会で引用された推計を使えば、50倍だ。北朝鮮には日本を攻撃する能力はなく、攻撃する理由も無く、これまで威嚇したようにも見えない。日本にとっての危険は、もしアメリカが北朝鮮を攻撃すれば、アジアで、主要アメリカ前進基地を受け入れている国として、日本は朝鮮による報復の標的となることだ。それが一体どういう事態を意味するかは、正確にはわからないが、最近の推計ではソウルと東京に対する核攻撃でのあり得る死者数は、最大380万人だ。

安倍は、再軍国化を推進する上で、そのような危険も値すると考えているように見えるが、そのいずれも不可避ではないことを想起すべきなのだ。日本は、1950年に(これこそ、CIAが岸信介に資金を注いだ理由だ) 、また2002年9月の昔、小泉純一郎首相が平壌を訪問した際に中立主義的な道を進められたはずだ。その結果の日本 - 朝鮮民主主義人民共和国平壌宣言は、あらゆる種類の良いことを約束したが、ごく僅かしか実現していない。ジョージ・W・ブッシュ政権が、東京-平壌和解は、アメリカの東アジア戦略に衝撃を与えるだろうと、大いに懸念し、和平が実現するのを阻止する手段を講じたのように見える。クリントン政権が調印した米朝枠組み合意は廃棄され、日本には圧力がかけられた。極めて感情的ながら、極めて疑わしい拉致問題が、更なる交渉にもかかわらず、平壌と東京との間の関係を依然悩ませ続けている。おそらく、事は日本の政治家たちが解決するには、余りに荷が重すぎるのだ。中国封じ込め戦略の一環として、また日本の隷属関係(‘アメリカ-日本同盟’)強化のための日本と北朝鮮との間の緊張緩和に対するアメリカの敵意と、反北朝鮮感情、あるいは、おそらく単なる反朝鮮感情をかきたてることで、日本人政治家が、大衆の関心を引きつけられる利点などが相まって、日本のリベラル派の関係正常化という実現できそうにない希望は、少なくとも近未来においては阻止されるであろうことを示唆している。

日本の再軍国化という行き詰まりの道

再軍国化は明らかに、日本のアメリカとの属国関係に対する対応だ。平和憲法は、日本の敗北の結果と、アメリカだけに限定されないが、主にアメリカ合州国によりもたらされたのだ。この敗北と、その結果を清める一つの方法は、1945年以前の状態に戻って、戦勝国(ドイツさえ)と同じ交戦権を有する‘普通の国’となろうとする取り組みだろう。これは無理もないが、方向が間違っている。軍国主義は日本と近隣諸国に大変な被害をもたらしたことを認め、放棄されるべきなのだ。公平に言って、偽善と二重基準に満ちた世界では、これは難しい。戦勝国がしないことを、打ち負かされた国がすべき理由などあるだろうか。一例を挙げれば、アメリカ合州国は、一体いつ過去の行いを詫び、交戦権を放棄しただろう? しかし、この厄介な倫理問題に加え、日本は、再軍国化すべきではなく、ソフト・パワーが、ハード・パワーにとって代わる最初の平和主義国家という先駆者としての道を進むべき実利的な理由があるのだ。

第一に、日本再軍国化は、アメリカだけに限定されないが、主として、中国封じ込めと、分割の可能性に注力しているアメリカの東アジア戦略という子宮の内部で懐胎しているのだ。もしアメリカが中国に対して戦争をする場合、北朝鮮攻撃による可能性が最も高く、日本はほぼ確実に巻き込まれる。結果は日本にとっては壊滅的で、全面的な核の応酬が無い限り、アメリカにとって、それほど酷くはなかろうし、もし、中国に対する戦勝があるとすれば、恩恵は日本のものではなく、アメリカのものとなろう。もし戦利品があったにせよ、アメリカが分けてくれる可能性は低い。

第二に、人類に対する、倫理的配慮と、長期的なる結果を別とすれば、軍事力は、ある国々にとっては意味があり、他の国々にとっては意味がない。遥かに強力な敵国に脅かされている北朝鮮や中国などの国々にとっては、抑止力として意味がある。維持すべき世界帝国を持っているアメリカにとっても意味はある。例えば、確かな敵とは直面していない、オランダやニュージーランドにとって、ほとんど意味がなく、危険な帝国主義の郷愁を奨励しているイギリスにさえ、さほど意味はなく、そして日本にとっても意味はない。たとえ正式なアメリカ-日本同盟(隷属関係)などなくとも、北朝鮮や中国による日本攻撃を、実利的な力の均衡という理由からして、アメリカは容認するまい。

‘軍事力に意味があるのか’という問題は、歴史で見られる。時には、それには意味があり、別の時には意味がない。1868年の明治維新から75年後の日本を考えて見よう。当時、帝国は大流行で、自分が帝国にならなければ、どこかの国の一部にされてしまうことは、ほぼ確実だった。イギリスがそうであり、フランスも、オランダも、ロシアもそうだった。ドイツも行動に参加しようとしており、アメリカ合州国もそうで、部分的には、強制や脅し(誤解を招きかねない‘外交’と表現されることが多い)に基づくが、フィリピンでのように、やはり冷酷な武力による新たなスタイルの帝国主義を導入していた。こうした状況で、日本にも、自らの帝国を切り開くことには意味があったのだ。

日本とアメリカ帝国には、二つの重要な交差点があった。二つ目が、1941年の真珠湾だが 、それ以前に、ブルース・カミングスの言葉によれば、‘ フィリピンと朝鮮の交換を認め、日本は、アメリカの植民地における権利を問題とせず、アメリカ合州国も、日本の新たな保護領に異議を申し立てることをしない’1905年の桂タフト協定があったのだ。タフトも桂も、40年後に、アメリカが日本全土と、朝鮮の半分を得ることになるなど知るよしもなかった。

日本の朝鮮併合、満州傀儡国支配と、それ以前の1895年、台湾占領の全て、経済的には意味があった。植民地から原料、閉ざされた市場、労働力、日本の余剰人口の捌け口、更に、帝国の一部が将来の青写真となるような、おそらく日本にとって独特なものが得られたのだ。‘例えば、南満州鉄道調査部の立案者たちは、大きな欠陥のある本国経済と彼らが見なすしものを乗り越えるため、植民地における先端経済を主張した。’そういう時期は過去のものであって、取り戻すことは不可能だ。

現代日本は、勃興する中国と衰退するアメリカという二つのビヒモスに挟まれている。日本が、核兵器や、その運搬方式を含む、あらゆる兵器を持った主要軍事大国になることへの大きな技術的障害は皆無だ。しかし、その軍事力で一体何ができるだろう? 中国は余りに巨大で強力だ。もはや台湾や満州を占領することもできない。アメリカは、日本は中国に対して利用可能な飼い馴らした獣だという自信があるからこそ、日本の再軍国化を奨励しているのだ。しかし、パーマストンが、19世紀の昔に指摘した通り、国には永久の友も、敵もなく、あるのは永遠の国益のみだ。日本とアメリカも不和になりかねず、日本は1941年に試みたように、アメリカをアジアから排除したいと願うことになるかも知れない。しかし、それはばかげた夢でしかない。

短期的には、日本の再軍国化は、北東アジアにおける危機を悪化させる。主張を正当化するため、朝鮮半島と地域の危機をあおるのだ。 北朝鮮に対するアメリカの非妥協的態度を強化し、平和的解決の可能性を減らすだろう。朝鮮における戦争を、介入し、外国での軍事的冒険に対する制約を打破する好機と見なしているのだ。

しかし長期的には、再軍国化は日本とこの地域の両方を行き詰まらせることになる。そこには、繁栄や安全にたいする希望が皆無なのだ。

ニュージーランドを本拠とする退職した学者のTim Bealは、朝鮮問題とアメリカのグローバル政策に関する著書二冊と無数の記事を書いている。彼はAsia-Pacific Journalの寄稿編集者で、NK NewsとZoom in Korea にも寄稿している。彼はAsian Geopoliticsというウェブサイトを運営している。

記事原文のurl:http://www.zoominkorea.org/abe-pulls-it-off-but-it-will-end-in-tears/
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ガバン・マコーマック氏の『属国』は日本語翻訳がある。何度も拝読している。

外出中、自分が選んでいなくとも、トンデモ大本営広報部番組が耳に入ることがある。
排除発言を引き出した横田氏の質問を無視したというアナウンサーの声が聞こえた。
昨夜のことだが、これは徹底しているようだ。IWJ記事を引用させていただこう。

◆昨日アップした記事はこちらです◆

「わたしたちは国民じゃないかもしれない!しかし同じ国に住んで働いている生活者です!」~どれだけ叫べばいいのだろう?奪われ続けた声がある~朝鮮学校「高校無償化裁判」全国集会
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/403485

希望の党、首班指名は「日本会議」所属の渡辺周氏へ!「排除発言」引き出したジャーナリスト・横田一氏の質問を希望の党「完全無視」!――希望の党
両院議員総会と総会後の囲み取材
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/403820

「とにかく福島に来てみてください。来てみて初めて被害を受けたという気持ちがわかります」~福島を視察した市民が現地の悲痛な声を紹介――再稼働反対!首相官邸前抗議
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/403825

希望の党の公約が政府を刺激した!? 都選出の4人の国会議員が国との連携を加速!? ~小池百合子都知事 定例会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/403818

◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆

235人中185人が落選した希望の党! 「マイナスを乗り越えていける地力がな
かった」~樽床伸二代表代行・細野豪志氏が敗戦の弁!
重苦しい空気に包まれた開票センターをレポート!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/402970

2017年10月 4日 (水)

歴史の抹殺

John Pilger
2017年9月21日
johnpilger.com

アメリカ・テレビ界で、最も大宣伝されている“イベント”の一つ『ベトナム戦争』が、PBSで始まった。監督はケン・バーンズとリン・ノヴィックだ。南北戦争、大恐慌や、ジャズの歴史のドキュメンタリーで称賛されているバーンズは自分のベトナム映画について、“ベトナム戦争について、わが国に、全く新しい形で、語り、考え始めさせるものだ”と語っている。

歴史的記憶を失い、アメリカ“例外主義”プロパガンダのとりこになっていることが多い国で、バーンズの“全く新たな”『ベトナム戦争』は“壮大な歴史的事業”として提示されている。気前の良い宣伝活動では、1971年、カリフォルニア州サンタ・バーバラで、憎悪されていたベトナム戦争の象徴として、学生に焼き討ちされた、この映画最大の支援者、バンク・オブ・アメリカを宣伝している。

バーンズは“わが国の退役軍人を長年支援している”“バンク・オブ・アメリカの全員”に深く感謝すると述べている。バンク・オブ・アメリカは、おそらく400万人ものベトナム人を殺害し、かつては豊かな土地を荒廃させ、汚染した侵略の支援企業だ。58,000人以上のアメリカ兵士が死亡し、ほぼ同数の人々が自ら命を絶ったと推測されている。

第一話をニューヨークで見た。冒頭から意図は明らかだ。ナレーターは、戦争は“重大な誤解、アメリカの自信過剰、冷戦の誤解から、まっとうな人々により、誠意で始められた”と語る。

この発言の不誠実さは、驚くべきものではない。ベトナム侵略へと招いた身勝手な“偽旗事件”のでっちあげ、記録に残る事実 - バーンズが真実だとする、1964年のトンキン湾“事件”は、その一つに過ぎない。ウソが大量の公式文書、特に、偉大な内部告発者ダニエル・エルズバーグが、1971年に暴露したペンタゴン・ペーパーを満たしている。

誠意などなかった。誠意は腐敗し、不治のものになっていた。私にとって - 多くのアメリカ人にとっても、そうに違いないが - 映画の“赤の危険”地図の寄せ集めや、インタビューされる正体不明の人々や、不適切に切り取られた公文書や感傷的なアメリカの戦闘場面を見続けるのは困難だ。

イギリスでの、このシリーズのプレスリリースは -- BBCがこれを放映する -- アメリカ人死者にだけふれ、ベトナム人死者への言及皆無だ。“この恐ろしい悲劇の中で、我々全員何らかの意味を探っています”とノヴィックが言ったとされている。何ともポスト・モダンなことだ。

アメリカ・マスコミや、巨大大衆文化企業が、20世紀後半をいかに修正し、提供しているかを見てきた人々にとって、これは皆お馴染みだ。『グリーンベレー』や『ディア・ハンター』から『ランボー』に至るまで、そして、そうすることで、続く侵略戦争を正当化した。歴史修正主義は決して止まることはなく、血は決して乾くことはない。侵略者は哀れまれ、罪を清められ、“この恐ろしい悲劇に何らかの意味を捜そうとする”。ボブ・ディランを思い出す。“どこに行っていたのか、青い目の息子よ?”

ベトナムでの若い記者としての自分自身の直接体験を思いだしながら“品位”と“誠意”について考えた。ナパーム弾攻撃を受けた農民の子供たちの皮膚が、古い羊皮紙のようにはがれ落ち、次々と投下される爆弾で、人肉を貼り付けたまま、木々を石化するのを催眠術にかかったように見つめていた。アメリカ司令官のウィリアム・ウェストモーランド大将は、ベトナムの人々を“シロアリ”と呼んだ。

1970年始め、ソンミ村で、347人から、500人の男性、女性や幼児がアメリカ軍に殺害された(バーンズは“殺人 killings”という表現を好んでいる)クアンガイ省に私は行った。当時、これを逸脱行為と装っていた。“アメリカの悲劇”(Newsweek )。この一省だけでも、アメリカの“自由発砲地帯”だった時代に、50,000人が虐殺されたと推計されている。大量殺人。これはニュースにならなかった。

北のクアンチ省には、第二次世界大戦中にドイツ全土に投下されたよりも多くの爆弾が投下された。大半アメリカが“守る”と主張した“南ベトナム”で1975年以来、不発弾で、40,000人以上の死者を出しているが、フランスが、唯一の帝国主義策謀と見なされている。
ベトナム戦争の“意味”は、アメリカ先住民に対する大量虐殺作戦、フィリピンにおける植民地主義虐殺、日本への原爆投下、北朝鮮のあらゆる都市を真っ平らにしたことの意味と何らかわらない。その狙いを、グレアム・グリーンが『おとなしいアメリカ人』の主人公で依拠した有名なCIA職員、エドワード・ランスデール中佐が語っている。

Robert TaberのThe War of the Fleaを引用して、ランスデールはこう言った。“降伏しようとしない武装反抗勢力連中を打ち負かす手段は一つだけで、皆殺しだ。レジスタンス勢力を匿っている領土を支配する手段は一つだけで、そこを砂漠に変えることだ。”
何一つ変わっていない。9月19日に、ドナルド・トランプが、 - 人類を“戦争の災い”から救うべく設立された機関 - 国連で演説した際、彼は北朝鮮と、その2500万人の国民を“完全に破壊する”“用意があり、進んで、実行が可能だ”と宣言した。聴衆は息をのんだが、トランプ発言は聞き慣れないものではない。
大統領選挙での彼のライバル、ヒラリー・クリントンは、人口が8000万人以上の国イランを“跡形もなく破壊する”用意があると自慢した。これがアメリカのやり方だ。今回足りないのは婉曲表現だけだ。

アメリカに戻って、街頭でも、ジャーナリズムでも、芸術でも、かつては“主要マスコミ”でも許されていた反対意見が、反体制派に退行したかのように、沈黙と反対派の不在に衝撃を受けた。地下運動も同然だ。

おぞましき人物、“ファシスト”トランプについては、がやがやわやわや、すさまじいが、トランプ現象や、征服と過激主義の体制永続という下手なマンガ状態に対しては、がやがやわやわやも、ほとんど皆無だ。

1970年、ワシントンを埋め尽くした偉大な大規模反戦抗議行動の亡霊はどこに行ったのだろう? 1980年、マンハッタンの街頭を埋め、レーガン大統領に、ヨーロッパから戦術核兵器を撤去するよう要求した核兵器凍結運動のようなものはどこに行ったのだろう?
これら偉大な運動のエネルギーと道徳的なこだわりは、かなり成功した。1987年、レーガンは、ミハイル・ゴルバチョフと、中距離核戦力全廃条約(INF)をとりまとめ、それで事実上、冷戦は終わった。
最近、ドイツ新聞ジュートドイッチェ・ツァイトゥング(南ドイツ新聞)が入手した秘密NATO文書によれば、この重要な協定は、“核標的計画が増強された暁には”廃棄される可能性が高い。ドイツ外務大臣シグマール・ガブリエルは、こう警告した。“冷戦の過ちを繰り返すこと … ゴルバチョフとレーガンによる素晴らしい軍縮協定は、ことごとく深刻な危機にある。ヨーロッパはまたしても核兵器用軍事教練場となる脅威にさらされている。我々はこれに反対の声をあげねばならない。”

アメリカでは、そうではない。昨年の大統領選挙戦で、バーニー・サンダース上院議員の“革命”に参加した何千人もの人々は、これらの危機に団体で沈黙している。世界中でのアメリカによる暴力の大半が、共和党やらトランプのような突然変異体やらによってではなく、リベラルな民主党によって行われている事実は、タブーのままだ。
バラク・オバマは、近代国家リビアの破壊を含め、七つの同時並行する戦争で、大統領記録の極致を示した。選挙で選ばれたウクライナ政府を、オバマが打倒し、望んでいた結果を得た。1941年、そこを経由し、ナチスが侵略したロシア西国境地域の国へのアメリカが率いるNATO軍の集中だ。
2011年のオバマによる“アジア基軸”は、中国と対決し、挑発する以外の何の目的もなしに、アメリカ海軍と空軍の大半をアジア太平洋に移行する合図だった。ノーベル平和賞受賞者による世界中での暗殺作戦は、まず間違いなく、9/11以来最大規模のテロ作戦だ。

アメリカで“左翼”として知られているものは、実質的に、組織権力最悪の深奥部、つまり、何の証拠もなく、2016年大統領選挙への介入とされるものを理由に、トランプとウラジーミル・プーチンとの間の平和協定を見送らせ、ロシアを敵として復活させたペンタゴンとCIAと組んでいる。
本当のスキャンダルは、アメリカ人の誰も投票していない、戦争を起こす邪悪な既得権益による陰険な権力掌握だ。オバマのもとで、ペンタゴンと監視機関が、急に支配力を掌握したのは、ワシントンにおける歴史的な権限移行だ。ダニエル・エルズバーグは、適切にも、これをクーデターと呼んだ。トランプを動かしている三人の将軍が証人だ。
ルシアナ・ボーネが印象的に述べたように、こうしたことの全て“アイデンティティ政治というホルムアルデヒドにすっかり漬かったリベラル連中の脳味噌”には貫通し損ねている。性や肌の色とは無関係に所属する階級ではなく、商品化され、マーケティング実験済みの“多様性”が、リベラル派の新ブランドだ。全ての戦争を終わらせるための残虐な戦争を止める全員の責任ではなく。
ブロードウエイでの、トランプをビッグ・ブラザーとして描いた背景幕前で演じる、不満を抱く人々向けのヴォードビル・ショー、Terms of My Surrender(私の降伏条件)で“一体どうして、こんなことになったのだろう?”とマイケル・ムーアは言った。

彼の故郷、ミシガン州フリントの経済的、社会的破綻に関する『ロジャー&ミー』や、アメリカ医療の堕落を探る『シッコ』などのムーアの映画には敬服している。

私が彼のショーを見た夜、喜んで乗る観客たちは、彼が“我々は多数派だ!”と請けあい“ウソツキで、ファシストのトランプ弾劾!”を呼びかけると大喝采した。彼が言いたいのは、もし鼻をつまんで、ヒラリー・クリントンに投票していたら、人生は先が読めていたはずだということのようだ。

彼は正しいのかも知れない。トランプがしているように世界に向かって暴言を吐く代わりに、偉大な絶滅屋だったら、イランを攻撃し、彼女がヒトラーになぞらえたプーチンにミサイルを撃ちこんでいた可能性がある。ヒトラー侵略で亡くなった2700万人のロシア人のことを考えれば、とんでもない不敬だ。

“聞いて欲しい”ムーアは言った。“わが政府がしていることは別として、アメリカ人は、実際世界に愛されている!”

客席は静まり返った。

記事原文のurl:http://johnpilger.com/articles/the-killing-of-history
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マイケル・ムーア監督で、今の時点で思い出すのは、『ボウリング・フォー・コロンバイン』。

孫崎享氏の今朝のメルマガ・タイトル、今行われていることの的確な要約。

衆議院選挙で「希望の党」に担わされた課題。「リベラル」潰し。立憲民主党が立ち上げメンバーには対立候補。野田、岡田、安住、江田の選挙区には、候補者立てず。要するに改憲反対派を潰す役割を希望の党が実施

本文も一部コピーさせていただこう。

9:日刊スポーツは、「百合子氏のホントの腹は「自民と連立組む」/地獄耳」という記事を掲載した。たぶんそういうことであろう。

10:「希望の党」の動きを見れば米国の影が見える。

11:集団的自衛権、つまり米軍戦略のために自衛隊を海外に派遣するシステムに対して、共産党以外の議員は徹底的に排除しようとしていtる。反対勢力が共産党にだけなれば、「共産党がり」はそう難しい事でない。

決して大本営広報部が歪曲して呆導する、モリカケ対、緑のタヌキ 対、リベラルの三項対立ではない。大本営広報部、本当に罪深い組織。かつて、太平洋戦争をあおり、今、宗主国侵略戦争派兵を推進する。

IWJの岩上安身氏による福島瑞穂氏インタビュー、「希望の党」はリベラル派排除し「大政翼賛会」を作ろうとしている!? 改憲による「緊急事態条項」絶対阻止!「共闘」で3分の1議席数を!~岩上安身による社民党 福島みずほ参議院議員インタビュー! 2017.10.2もうおっしゃる通り。必見。
大本営広報部の歪曲呆導と全く違う。大本営広報部歪曲呆導にあらわれるファシストの有象無象のウソ発言、音を消しても字幕がでたりするので、テレビに向かって怒鳴っているが、このインタビュー、じっと同意するばかり。

「リベラル」潰しの狙いは、大本営広報部大政翼賛会が決して言及しない今回の選挙の本当のテーマ、「緊急事態条項」導入と直接つながる。

そこで、IWJ岩上安身氏による早稲田大学教授長谷部恭男氏インタビューがある。

自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で「ナチスの手口」がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学教授 長谷部恭男氏インタビュー 2017.9.25

こちらも必見。良く理解するためには、ご著書の事前拝読をお勧めする。
ナチスの「手口」と緊急事態条項 (集英社新書) 長谷部恭男、石田勇治著

この緊急事態条項、岩上氏は、以前から問題を指摘しておられる。
前夜[増補改訂版] 梓澤和幸, 岩上安身, 澤藤統一郎 (著)

今日は下記にあるインタビューを拝見予定。

日刊IWJガイド「本日15時から『「日米指揮権密約」の研究 自衛隊はなぜ、海外へ派兵されるのか』著者・末浪靖司氏インタビュー! 自衛隊の指揮権が米軍にあるという『指揮権密約』の実態に迫る!/日本に戦争をさせたい米国にとっては安倍も小池も同じ!? 『緊急事態条項』阻止のための勝敗ラインは156議席!!/川内博史氏、辻元清美氏、池田まき氏ら『立憲民主党』参加表明者が続々!! ツイッター公式アカウントは24時間でフォロワー6万人突破!!IWJの枝野代表街宣中継はサーバーダウン寸前!?」2017.10.4日号~No.1846号~

2017年9月26日 (火)

アイデンティティ政治はホロコーストを引き起こすのか?

2017年9月20日

ここは皆様のウェブサイトだ。ご支持願いたい。

Paul Craig Roberts

アメリカ崩壊の兆しは至る所にある。どうやら誰も気がつかないようだ。国連で、世界はアメリカに賛成投票を続けている。ロシアと中国ですら、対北朝鮮で、ワシントンに賛成投票をしてアメリカ外交政策の侍女をつとめるのでは、例外的な、必要欠くべからざる国アメリカというイメージ作戦は、ワシントンから最も脅威にさらされている敵国にさえ成功プロパガンダとなったようだ。ロシアと中国がワシントンの主導に従えば、ワシントンの指導力の代案が存在しないのを世界に示すことになる。

20兆ドルの公的債務と、それより大きな民間債務を抱え、労働人口は借金で首が回らず、第三世界並みの低賃金国内サービス業で働き、株式市場は連邦準備金制度理事会の流動性で不合理に押し上げられ、大企業は利益を自社株買い戻しに使い、軍は、16年間、少数の軽武装イスラム教徒に縛りつけられたままで、マスコミならぬプロパガンダ省が、結果として無知な大衆をもたらし、公的・私的組織では道徳規範が崩壊し、勇気も消滅している国が、それでもなお、世界中を言いなりにさせることができている。ワシントンはオズの魔法使いだ。

ワシントンは過去16年間、7カ国丸ごとあるいは一部を破壊し、何百万人も、殺害し、四肢を奪い、孤児を生み、未亡人を生み、立ち退かせて来た。ところがワシントンは、自らを人権、民主主義と、あらゆる良きものの偉大な擁護者だと言う。“自分たちの”政府がおかした人類に対する膨大な犯罪に抗議して、アメリカ人が声をあげることはほとんどない。

国連は、他の国々に対する終わりのない侵略、恐るべき戦争犯罪や違法な介入のかどで、アメリカ合州国政府を非難する決議を行わない。

ワシントンは、外交ではなく、威嚇に頼っているが、世界はそれを容認している。国連はアメリカから資金を得ているので、アメリカ承認協会として機能している。

治安機関は警察国家機関と化し、連中は、戦争犯罪を報告すべしというアメリカ軍法の義務を、実刑判決という結果を招く反逆罪に変えてしまった。アメリカ軍法は、アメリカ憲法や法律と同様、空文化し、無視され、施行されないのだ。

ブラドリー/チェルシー・マニング事件を検討しよう。ブラッドリー・マニングは、アメリカ軍兵士たちが、ジャーナリスト、通行人、良きサマリア人とその子たちを、まるでビデオ・ゲームであるかのように殺害している様子を示す映像を公表した。こうした殺人は戦争犯罪だ。ところが罰せられたのは、犯罪をおこなった連中ではなく、犯罪を明らかにしたマニングだった。

監獄から釈放された後、チェルシー・マニングは、最近、ハーバード大学ケネディ行政大学院に客員研究員として招かれた。ハーバードは、不法に有罪とされ、重罪にされた真実を語る人への支持ではなく、性転換者への支持を示すために招請した可能性が高い。その結果、大騒動になった。真実を語る人を招請するハーバードは、なんと大胆なのかと私は本気で思う。マニングは『マトリックス』を丸ごと崩壊させかねなかったのだ。

それを防ぐべく、CIA元副長官、元長官代行のマイク・モレルが、“有罪判決を受けた重罪犯で、機密情報漏洩者を称賛する組織の一員ではいられない”という理由でハーバード上席研究員を辞任した。モレルは、真実を語る人たるマニングに反対するのは平気なのだ。モレルは、性転換者に対して偏見を持っていると見られかねないことだけ心配していた。モレルは辞任状にこう書き加えた。“私は、わが国で、アメリカ軍務に服する権利を含め、性転換アメリカ人としてのマニング女史の権利は全面的に支持することを明記することは重要だ” http://ijr.com/the-declaration/2017/09/974664-ex-cia-chief-delivers-blistering-quit-harvard-latest-hire-convicted-leaker-manning/?utm_campaign=Conservative%20Daily&utm_source=hs_email&utm_medium=email&utm_content=56364361&_hsenc=p2ANqtz-90FWYOJKtzTJE_i-iTjvCJMl3zW9G7Hkuo1svylTWfC2zw4FHp1ccdUmUO6HY0J1VlaYW9VPzQDIczEfhw7578dcDDew&_hsmi=56364361

モレルは、チャーリー・ローズTVショーで、「メッセージを送るため、アメリカは、ロシア人殺害を始めるべきだ」と発言した、狂った不道徳な人物であるのを想起されたい。モレルほど狂った人物がCIAのトップになれることをアメリカ人は死ぬほど恐れるべきなのだ。

もちろんハーバードは、CIAの圧力に屈伏して、マニング採用を取り消した。

モレルの採用に関して、ハーバードに苦情を言った人はいるのだろうか? モレルは、マニングとは違って、有罪判決こそ受けてはいないが正真正銘の重罪人だ。CIA幹部として、モレルは、アメリカ法でも国際法でも重罪にあたるCIA拷問プログラムに関与している。ハーバードとモレルは、拷問はかまわないが、それについて真実を語るのは禁物なのだ。モレルが考えている通り、マニングが、それに関して誰にも言わない限り、戦争犯罪を行ってもアメリカにとっては不利にはならないのだ。

情報を機密にする唯一の理由は、政府の果てしない犯罪が暴露されないよう守ることだ。ところが法律を支えるはずのアメリカ政府、法科大学院、裁判所丸ごとが、政府犯罪を発見できなくして、そうしなければ発見され得ない犯罪を暴露する内部告発者を非難する政策に関して沈黙している。

すると、我々はハーバードの勇気をどう評価すべきだろう? Fマイナス評価が十分に酷い点数だろうか? 私が通っていた頃は、大学は政府犯罪の表向きの看板役を演じる見下げ果てた臆病者ではなかった。

これはアメリカにとって、実になさけないことなので、一体何が最も興味深い要素なのか考えよう。モレルは、アメリカ戦争犯罪を暴露して真実を語る人を弾圧するのは悪いことだとは思っていないが、アイデンティティ政治と反目するのはまずいと思っているのだ。性転換者に反対していると見なされることを彼は恐れている。

言い換えれば、アイデンティティ政治が真実を打ち負かしてしまうということで、この点はいくら強調してもしすぎることはない。像撤去から、ヒラリー・クリントンと民主党全国委員会によって、人種差別主義者、性差別論者、同性愛嫌い、白人男性銃マニアと定義された労働者階級に対する民主党による攻撃に至るまで、我々は至る所でそれを目にしている。現在、アメリカ二大政党の両党は、兵器産業や雇用を海外移転する大企業や巨大銀行やウオール街を代表している。アメリカ国民を代表する政党は存在していない。

実際、人々は様々な集団に分断され、お互いに戦わされている。それがアイデンティティ政治の狙いだ。白人異性愛男性を除く、あらゆる集団が犠牲者集団で、女性、黒人、ヒスパニック、同性愛者や性転換者は、兵器産業や雇用を海外移転する大企業や金融部門やワシントンが彼らの敵なのではなく、アイデンティティ政治で労働者階級とひとまとめにされている集団の白人異性愛男性が敵だと教えられる。もちろん女性も黒人もヒスパニックも同性愛者も労働者階級のメンバーなのだが、彼らはもはやそういう風な見方をしない。女性、黒人、ヒスパニック、同性愛者として、彼らは自分は、政府や、政府がそれに仕えている強力な既得権益団体の犠牲者ではなく、白人男性の犠牲者だと考えている。そして“南北戦争”像の。

南部連合国の首都、バージニア州リッチモンドのロバート・E・リーの像を巡る論議が、またもやニュースになっている。像攻撃は、リベラル/進歩派/左翼が憎悪を教え込む方法の一つだ。まず憎悪は、生命のない物体、像に向かった。南部連合国兵士像が引き倒されるビデオを見ると、公的建造物を冒涜する連中は、まるで人であるかのように、像に唾を吐きかけ、蹴っていた。

生命のない物体は、無知な烏合の衆にとって、“奴隷制維持のために戦った”と思いこんでいる人種差別主義者の白人南部男性の代役なのだ。憎悪はそこでは止まらない。憲法を書いた建国の始祖たちにまで広がっている。無知な烏合の衆、大学生や一体誰の金なのか分からないバスで送り込まれた連中が、逃亡財産(奴隷)を元の所有者に返すことを憲法が要求しているので、憲法を人種差別主義者が書いた人種差別主義文書と見なしているのは確実だ。烏合の衆は、18世紀には、奴隷制は合法で、多くの社会の一部だったことが理解できない。無知な烏合の衆奴隷制は労働力の欠如の産物ではなく、白人による肌の色の濃い人々に対する憎悪の産物だと思いこんでいる。リベラル/進歩派/左翼は、白人は人種差別主義者なので、黒人を奴隷にしたと教えるのだ。

ロジャー・D・マグラスが、Chroniclesの2017年6月号で、社会主義者のカール・ポランニーなどの無数の歴史学者も、あらゆる人種が奴隷にされていたことを明らかにしている。北アメリカでは、アイルランド人が売買されていた。だが憎悪を売り歩くイデオローグ連中は、事実などおかまいなしだ。憎悪を広めることが連中の狙いであり、真実などとんでもないのだ。リベラル/進歩派/左翼は主に白人なので、彼らが説く憎悪は自分たちに巡り巡って、熱いお灸をすえることになる。それもひどく。

アメリカ、イギリス、ヨーロッパやカナダの白人人口が非白人の大量移民と出生率の大きな差異のおかげで少数派になることを考えると、憎悪される迫害者として描かれる白人の将来は一体どうなるのだろう? 憎悪を教え込んでおいて、それが政治行動で表現されないよう期待するのは不可能だ。白人は、自国内で、ナチス・ドイツのユダヤ人のようになるのだろうか?

フランス人作家のジャン・ラスパイユは、この問題を、1973年に「The Camp of the Saints」で検討した。44年前、本はベストセラーになった。今なら、この本を読んだり、書名をあげたりするだけでも人種差別主義者の証明と見なされてしまうのではあるまいか。現在は議論して良いものについて多くの制限があり、そこで暮らす人々にとっては、現代を認識することが許されないのだ。

9月12日、大きなアカガシの木を拙宅に吹き寄せたハリケーン・イルマに悩まされ、道路が封鎖され、三日間電話もなしに、山間の地域に閉じ込められていた間に、クリス、ロバーツ(姻戚関係はない)が、オンラインUnz Reviewに書いた記事で、非白人移民の前にフランス国家が崩壊するこの予言的な物語を思い出させてくれた。http://www.unz.com/article/the-camp-of-the-saints-this-centurys-1984/

これはまさに、フランスのみならず欧米世界全体でおきていることだ。おそらく白人の自業自得なのだ。たぶん進歩なのだ。だが、それに関しては、誰も何も言うことを許されていないのが現実だ。マリーヌ・ルペンは、フランスは、アフリカや中東のためではなく、フランス人のためにあると言い、彼女も彼女の政党もフランスはフランス人のためにあると言ったがゆえに、人種差別主義者、ファシスト、ナチスだと言われている。

これはほぼ半世紀前に、ジャン・ラスパイユが起きると言っていたことだ。白人は、心理的に圧倒的な軍事力と経済力を持っているにもかかわらず自らを守ることは出来まい。

欧米への膨大な非白人移民を考えて見よう。ドイツ企業はトルコ人を労働力として欲しがっている。アメリカのアグリビジネスや屠殺場や建設業はメキシコ人を労働力として欲しがっている。カナダは人を欲しがっている。イギリスとヨーロッパの植民地大国は、植民地の人々に国籍を与えて、植民地主義を正当化した。言い換えれば、帝国が侵略の逆流をもたらしているのだ。21世紀、欧米は、ワシントンの終わりのない戦争と欧米による経済略奪によって家を追われた人々の膨大な移民を味わっている。我々は彼らを現地で殺害し、こちらにやってくるようにしているのだ。

多数の非白人移民と、ユダヤ文化のマルクス主義者による産物で、欧米リベラル/進歩派/左翼の公式イデオロギーとなったアイデンティティ政治が合体すると、結果は、白人がホロコーストに会う可能性ということになる。自らを白人異教徒とは違うと考えているユダヤ人は、世界から、白人、しかもその最悪連中と見なされている。アイデンティティ政治を作り出した連中自身が自分たち自身の主義の犠牲者となるだろう。

実際、アイデンティティ政治、ごくわずかな人々だけは悟るするにせよ、ホロコーストを招きうる政治原則の犠牲者になりかねないという自分たちの運命に抗議するよう白人が悟るのを妨げている。

欧米は統合失調になっている。一方で、ワシントンは、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリアやイギリスの支援を得て、肌の色の濃い人々を虐殺し続け、欧米世界が、非白人の人々を殺害し、略奪して罪をおかしていることを証明している。一方で、欧米各国政府は、欧米による戦争と経済的迫害から逃れる難民を温かく迎え入れている。アイデンティティ政治が、欧米政府が非白人に対する更なる罪をおこない、移民人口の増大を確実にする中、欧米の諸国民が、罪にひれ伏すのを確実にする。

非白人は復讐するだろう。愚かな白人の身から出た錆でないと誰が言えるだろう?

活動中のアイデンティティ政治: http://www.nationalreview.com/node/451391/print

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

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会社の品格を信じていない、あるいはその政治傾向に反対なので、PayPalを使いたくないという方々は、Stripeを使われるか、私ではなく、Institute for Political Economyを受取人とする小切手を下記宛てにお送り頂ける。
Wells Fargo, 23046 Panama City Beach Parkway, Panama City Beach, FL 32413.

外国の方々で、国際的にStripeがお使いになれない場合には、Institute for Political Economyを受取人とする郵便局の為替証書を、上記銀行住所宛てにお送り頂ける。PayPalを信じないということが、このウェブサイトをご支援されない口実にはなるまい。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/09/20/identity-politics-brewing-holocaust/
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一読者様から、この記事に関して、コメントを頂いた。ロバーツ氏は、条件を満足しないコメントは受け付けないと言っておられるので、恐縮ながら非公開のままにさせていただく。詳細は下記記事に書かれている。

北朝鮮“危機”とは一体何なのか

クルド問題が風雲急を告げている。『私の闇の奥』ロジャバ革命の命運(3)

とうとう「〇×に刃物解散」。

昨夜、大本営広報部ニュース番組とされるものを見て驚いた。国難男と国難女による電波ジャック。延々二人の言いたい放題。別の局にかえても、国難男と国難女による電波ジャック。延々二人の言いたい放題。

呼吸をするように自由にウソを言う人々の独演、時間と頭の無駄なので、音声を消し、テレビではなく、時計を眺めていた。

東京都議選再演。郵政破壊選挙再選。緑のタヌキがネズミと会談するわけだ。

大本営広報部、「野合与党と絶望ファシストの対決」として、今回の国難選挙を描き出すというシナリオが決まっているのだろう。おなじみの支配層のためのアジェンダ・セッティング。こういうヨイショ一辺倒の大本営広報部があればこそ、安心して解散できるのだ。

今朝の日刊IWJガイドの一部をコピーさせて頂こう。

 記者会見で安倍総理は、「生産性革命、人づくり革命はアベノミクス最大の勝負」であると強調。「森友・加計学園」問題では「閉会中審査に出席するなど丁寧に説明する努力を重ねてまいりました。今後もその考え方には変わりはありません」などと臨時国会を開かずにいたことを棚に上げて自己弁護を展開し、北朝鮮情勢に触れながら「この解散は『国難突破解散』であります」と意気込みました。

 しかし、この間、アベノミクスの失敗により日本経済は長期にわたってデフレを脱却できていません。こちらに関しては9月7日、ご著書「アベノミクスの終焉」(http://amzn.to/2wfKt47)で、アベノミクスを雨乞いにたとえ、「根拠のない雨乞いをして、本当に雨が降ってくれば自分の手柄にする。降らなければ、雨乞いが足りないと言う」と、そのまやかしの手口を喝破した同志社大学教授・服部茂幸氏に岩上さんがインタビューを行っていますので、ぜひご確認ください!

※アベノミクスの「まやかしの成果」を暴く!!「偽りの経済政策―格差と停滞のアベノミクス」著者・同志社大学商学部教授・服部茂幸氏に岩上安身が訊く! 2017.9.7
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/397575

 その反省もない安倍総理の「生産性革命」「人づくり革命」という言葉は、中身が空っぽです。何より、「森友・加計学園」問題への丁寧な説明がされたことは一度もありませんし、もし、その気があるのであれば、臨時国会冒頭で解散などせず、しっかりと野党の追及を受けるべきでしょう。解散の大義など、どこにも見あたりません。

 北朝鮮情勢の高まりの中で安倍政権は、Jアラートで国民の恐怖を煽り、国民に畑で頭を抱える訓練をさせる一方で、原発へのミサイル着弾リスクについては見て見ぬふり。安倍総理の語る「国難突破」もまた、ただのスローガンに過ぎません。

 そんな中、昨日は官邸前で多くの市民が集まり、「安倍晋三は議員を辞めろ!」と声をあげました。IWJも中継をしたのでぜひ、アーカイブをご視聴ください。

※「加計隠し解散」に怒りの官邸前抗議!「幼稚なファシスト安倍はやめろ!独裁政治は今すぐやめろ!」~0925官邸前に押し掛けよう
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/398904

 昨日は他にも大きな動きがありました。昨日午後、小池百合子東京都知事が臨時記者会見を開き、若狭勝衆議院議員と民進党を離党した細野豪志元環境相らが結成する国政新党の代表に就任する考えを表明。党名を「希望の党」とし、「しがらみのない政治」「行政改革、徹底した情報公開」を政策として挙げ、自民党の支持率を急落させた森友・加計疑惑を逆手に取り、自民党への受け皿をアピールしました。知事の職務も続けていくといいます。

・『希望の党』 小池百合子知事が代表に就任 「都政にとってもプラス」(ハフポスト、2017年9月25日)
http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/25/kibou-party_a_23221556/

 思い出すのは先の都議選です。選挙期間中だけ代表を努め、都議選で圧勝した直後に「都民ファーストの会」の代表から退き、運営責任を放り投げ。新人議員の「育児放棄」ともいわれました。今度はどうでしょうか。選挙期間中だけ「希望の党」の顔となり、自身の人気で票を集め、議席を確保した後は党代表を再び退き、新党の運営は、ぽいっと丸投げするのかもしれません。

孫崎享氏のメルマガの一部もコピーさせていただこう。

6:北朝鮮のミサイルは襟裳岬2000キロメートル先に着弾した。 

 ある人が次のツイートをした。

襟裳岬から2000キロって、2000キロってだいたいこれぐらいの距離

東京から北京
稚内から鹿児島
ベルリンからバグダッド
パリからカイロ
ソウルから香港

これをあたかも日本周辺に着水したかのように扱う。

飛行ルートと全く関係のない長野県で、Jアラートを発動する。

「ショック・ドクトリン――惨事便乗型資本主義の正体を暴く」の世界だ。

ハワード・ジン「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」を語るの世界だ。

彼はゲーリングに、ヒットラー、ナチスがドイツ人を一体どうやってあのように馬鹿げた戦争と侵略の破滅的な政策を支持するようにできたのか尋ねたのです?で、手元にそのノートがたまたまあるのですが。我々はいつも言うのですね。「たまたま、これが手元にありまして。」

ゲーリングは言っています。「もちろん国民は戦争を望んではいない。なぜ畑にいる貧しいまぬけが、自分の命を戦争にさらそうなどと望むだろう?だが、結局、政策を決定するのは国家指導者だ。国民はいつでも指導者達の命令に従わせることができる。連中に、我々は攻撃されているのだと言って、平和主義者は愛国心に欠けると非難するだけで良いのだ。これはどこの国でも同様に機能する。」

2017年8月28日 (月)

クリストファー・ノーランの『ダンケルク』: 歴史も政治も抜きの第二次世界大戦勃発

David Walsh
2017年7月26日

“どうしようもない程、目の見えない人々だけが、イギリスとフランスの将軍や提督連中が、ファシズムに対して戦争すると信じることができる!” - レオン・トロツキー、1940年5月

イギリス人監督クリストファー・ノーランの新作映画『ダンケルク』は、1940年5月-6月のイギリスとフランス軍の多数の兵士を北フランスから救出した有名な作戦の話だ。

5月10日に始まった英仏海峡西方へのドイツ軍による素早い進撃の後、イギリス海外派遣軍(BEF)と、その同盟軍が、フランスとベルギー海岸線の細長い地域で遮断され、包囲されることになった。5月26日から6月4日にわたる“ダイナモ作戦”で、約340,000人の兵士がイギリスに脱出した。イギリス南部から英仏海峡を横断し、ベルギー国境から10kmにあるダンケルクの海岸と防波堤から、兵士たちを大型船に運んだり、イギリスの港まで直接運んだりして、救出で、多くの小型船舶が重要な役割を演じた。


『ダンケルク』

ノーランの映画は長さは異なるが(それぞれ一週間、一日、一時間)重複している“陸”“海”と“空”の三部構成だ。

“陸”では、トミー(フィン・ホワイトヘッド)が、ダンケルクの街で見えないドイツ軍に銃撃されるイギリス軍部隊の若い兵士だ。彼だけ生き残り、海岸へと向かうと、何万人もの兵士が立ち往生している。彼は後でフランス人とわかる“ギブソン”(アナイリン・バーナード)とアレックス( ハリー・スタイルズ)と組むことになる。映画のこの部分は彼らを危機から救う船を捜そうとするトミーと仲間の様々な益々必死の努力を描いている。

“海”では、ドーソン(マーク・ライランス)が、脱出作戦の一環として、英国海軍に徴発された小型船を持っている。ところが、彼と息子のピーター(トム・グリン=カーニー)と17歳の甲板員ジョージ( バリー・コーガン)は、海軍船員にやってもらうのでなく、自分たちで英仏海峡横断すると決める。途中で、ドイツのUボートで船が沈没させられ、砲撃でストレス状態になったイギリス人兵士(キリアン・マーフィー)を救いあげる。ドーソンが船を沈没現場から遠くないダンケルクに向けて進めていると知ると兵士が暴れる。

“空”部分は、ダンケルク上空でドイツ戦闘機と交戦する二人の英国空軍パイロット、ファリアー(トム・ハーディ)とコリンズ(ジャック・ロウデン)を追う。ドイツ空軍は比較的自由に行動して、イギリス艦船やボートを攻撃し、海岸にいる兵士たちも爆撃する。ファリアーとコリンズの任務は地上軍を掩護することだ。コリンズは飛行機を不時着水せざるを得なくなり、最善の結果を期待する。ファリアーは戦い続けるが、燃料がわずかだ。


『ダンケルク』のマーク・ライアンス

ノーランの『ダンケルク』には、いくつか視覚的に目を奪われる場面がある。空中戦場面は確かに印象的だ。映画撮影は総じて壮麗で、カメラは自然や人々の詳細を深くとらえている。

ある種劇的な展開(ライランスの抑えた知的な演技も含め)があるので、ドーソン-ライランスの場面が、映画の中で最も印象に残る。ジョージの運命には実に悲劇的なものがある。兵士たちのダンケルク救出支援を志願する若者なのに、自身重傷を負った兵士の一人によって、致命傷を負ってしまうのだ。

それを別とすれば、他にはほとんど何もない。“陸”と“空”での対話は最小限で、ともあれ印象的なものは皆無だ。映画が進むにつれ、“陸”部分は、段々と(しかも、うんざりするほど)登場人物たちが、致命的な結果になりそうな状況を次々と切り抜けるのを強いられる型にはまったパニック映画に見えてくる。

映画の全体的雰囲気は一貫性がない。テレンス・マリックの映画に敬服しているとノーランは語っている。残念なことに、ノーランは、マリックの最高作品、特に『シン・レッド・ライン』(1998年)のいくつかの場面から触発されたのではなく、陰鬱なハイデッガー風宇宙の中を、登場人物があてもなくさまよい歩く、同じアメリカ人映画監督の最新作から触発されたようだ。ノーランの新作映画の一部は、その種の雰囲気を再現している。そこで突如音楽が高まり、イギリス人の“勇気”や勇敢な行動が土壇場で成功をもたらすのだ。どうしても納得が行かない。

『ダンケルク』はいかなる伝統的な意味でも戦争ドラマではないのは、対象となっている1940年の出来事が、戦闘あるいは一連の戦闘というものではなく、歴史的な敗北、壮大な撤退だったがゆえだけではない。


トム・ハーディ

第二次世界大戦に関する無数のアメリカやイギリス映画は、よかれ悪しかれ、概して国民の人種や階級の“代表例”である少規模部隊に焦点を当てている。そうした作品では、最初は身勝手というか個人主義で、恐怖で身をすくませるが、戦闘の過程で、言い換えれば実に運命的な条件の下で、“大義”のために、集団の必要性を優先し、必要とあらば、自己犠牲の必要性を学ぶ登場人物(あるいは複数の登場人物)が多い。戦争中あるいは直後に制作された映画は、“民主主義”や専制への反対を、究極的に、そのために戦って死ぬに値するを主な要因にして、ファシズムや独裁制に対する大衆の圧倒的な反感を考慮しており、多くの場合、共有もしていた。

ノーランは、戦争や、その原因や、正当性などに関する議論を避けて、そうした重荷から逃げている。主人公たちは若いかも知れないが、大恐慌や、他の衝撃的な出来事を生き抜いてきたのだ。彼らには何らかの政治的意見があったはずだ。わずか二十年程前の第一次世界大戦で勝ち誇ったはずのイギリス軍に与えられた大惨事の規模や原因について、登場人物の誰一人、疑問を投じない。実際、誰も意味ある発言をしない。

エルストン・トレヴァーの(1955年)「The Big Pick-Up」を部分的に基にしたレスリー・ノーマンの『激戦ダンケルク』(1958年)は、脱出についての、堅苦しい紋切り型の愛国的映画で、ジョン・ミルズ、リチャード・アッテンボロー、バーナード・リーやロバート・アーカートを含む多数の著名な、頼もしい当時のイギリス人俳優が出演している。とは言え、極度の制約にもかかわらず、ノーマンの映画は、少なくとも、冒頭場面から終始、(映画があからさまに馬鹿にしている当時の政府やマスコミの主張に反して)油断とダンケルク大惨事の規模を指摘する義務を感じている。

最初の『ダンケルク』は別として、1950年代と1960年代の戦争映画(『暁の出撃』、『The Man Who Never Was』、『戦場にかける橋』、『愛欲と戦場』、『攻撃』、『愛する時と死する時』、『若き獅子たち』、『ビスマルク号を撃沈せよ!』、『ナヴァロンの要塞』、『Hell to Eternity』、『史上最大の作戦』、『Merrill ’ s Marauders』、『大脱走』、『シン・レッド・ライン』、『大列車作戦』などの作品)は、成功の度合いこそ異なれ、第二次世界大戦を、政治的、軍事的、心理的に理解しようとつとめていた。

あいにく現代の映画監督たちは、もはや歴史的な出来事を、引用符中に置かれることが多い言葉の一つである“説明する”ような俗事にかかずらうことはしない。連中はほとんど、そうした俗事を超越しているのだ。

1940年5月-6月、イギリス海外派遣軍に対するドイツ軍の勝利と、それに続くフランス第三共和国崩壊と、敵に協力的な連中によるビシー政権樹立は些細なことではない。


フィン・ホワイトヘッド

1939年9月1日、ドイツによるポーランド侵略後、そして二日後のイギリスとフランスによる対ヒトラー政権への宣戦布告後、1940年5月に、ドイツ軍がフランス、ベルギーとオランダを攻撃するまで、ヨーロッパでは、いかなる主要作戦も行われなかった。イギリスとフランスの軍は、八カ月も受動的に待ち続けていた。フランス軍には“敗北主義”がはびこっており、イギリス既成支配体制は分裂でばらばらだった。ナチス“宥和”に最も責任があったはずの人物ネビル・チェンバレンが、1940年5月10日、ウィンストン・チャーチルにとって変わられるまで首相の座に居座り続けた。

一方、1940年春のヒトラー軍隊の勝利は、レオン・トロツキーの言葉によれば“自らの任務という側面でさえの帝国主義民主主義の堕落”を実証していた。イギリスとフランスの支配エリート層は(退位したイギリス国王エドワード8世を含め)ヒトラー主義を、ボルシェビキ思想と社会革命に対する最強の防衛と見なす親ナチス分子だらけだった。

トロツキーは説明していた。フランスの降伏は“単なる軍隊の出来事ではない。ヨーロッパの破滅的状況の一部なのだ。… ヒトラーは事故ではない。彼は我々の文明全てを粉砕する脅威を与えている帝国主義の最も徹底的で、最も凶暴な表現であるにすぎない。”

一方、ドイツの軍事的勝利は、ヨーロッパや世界の労働者階級に対するスターリン主義者による裏切りの悲惨な結果を実証していた。五年間“人民戦線”を宣伝し、様々な“民主主義”の幻想を生み出した後、1939年に、ソ連政権はヒトラー側に転じ、欧米列強の“軍事力を麻痺させた”と、トロツキーは書いていた。“破壊用のあらゆる機構にもかかわらず、精神的要素が、戦争における決定的重要性を保持している。ヨーロッパ大衆の士気を阻喪させ、ヨーロッパにおいてのみならず、ヒトラーに仕えて、スターリンは挑発の手先役を演じたのだ。フランス降伏はそうした政治の結果の一つに過ぎない。”

トロツキーの冷静で正確な論評だけでなく、多少真摯なあらゆる取り組みによって、二度目の、悲惨な帝国主義戦争勃発に関する、大半の今日の作家や監督たちにとっては、決着済みの問題であることは言うまでもない。

歴史的問題に関するノーランの沈黙、あるいは“自制主義”は、ノーランによる取り組みの前進ではなく、複雑な疑問を前にしての無能を現すに過ぎない。

映画監督は『ダンケルク』から歴史と政治を排除し、上述の通り、凡庸な“災害映画”のレベルにおとしめるのが意識的な決断であることを示す様々な発言をしている。

あるフランスの雑誌に、例えば、“これは戦争映画というより、生き残りがテーマのサスペンス。… 登場人物への共感は、彼らの物語とは無関係だ。対話で、登場人物の物語を語りたくはなかった。問題は、彼らが誰であるかではないし、彼らが誰のふりをしているかではないし、彼らがどこから来たかではない。私が興味があった唯一の疑問はこうだ。彼らは脱出できるのだろうか? 防波堤に行こうとする際に、次の爆弾で殺されるのだろうか? それとも海を渡っている間に潜水艦にやられるだろうか?”と語っている。

登場人物への共感は“彼らの話とは無関係だ”ろうか? 問題は“彼らが誰なのかではない”のだろうか? すると人は、パラディやヴォルムートの虐殺をやらかしたばかりで、移送を待っているナチス親衛隊兵士に対しても、大恐慌やイギリス帝国主義の世界的野望の犠牲者である、イギリス人やスコットランド人の青年たちに対して感じるのと同じ状況で、同じように感じるべきなのだろうか? ノーランは“唯一私に興味があった疑問は、 彼らは脱出できるか?”だと言ったのを恥ずかしく感じるべきなのだが、彼はたぶんそう感じるまい。

ジョシュア・レヴィンの『Dunkirk: The History Behind the Major Motion Picture』が、ノーランの映画封切りにあわせて刊行された。助監督のニロ・オテロが“クリス[ノーラン]が歴史の教訓を与えないことを選び、ダンケルク物語を、サバイバル映画として描いた事実が、インパクトを強めている。‘後に歴史になるものの真っ只中にいると、それが歴史だとはわからないものだ。’と考えている”とレヴィンは説明している。

レヴィンはこう書いている。“クリスは、歴史を観客にとっての個人的経験に煎じつめることで、映画がロールシャッハ・テストのようなものになることを期待していた。彼は政治的解釈を観客に押しつけたくはないのだ。彼はそういうことには興味がない … 彼は我々を主人公の視点にたたせる普遍的な映画を作りたいのだ。そうすることによって、‘観客は『ダンケルク』の中で、彼らが見出したいものを見出せるのだ’と彼は言う。 ”本当の『ダンケルク』発見とは一体何だろう?

もちろん、ダンケルクのドラマに参加した人々の多くは、自分たちが何をしているのかを知っていたか、多少は理解していた。 政府と既成支配体制が全体として、危険を軽視する中、普通のイギリス人の多くが、ヒトラーとファシズム脅威に反応していたのだ。結局、1930年代中、自国の支配階級の手によって、ひどく苦しめられ、 栄養失調にさせられたイギリス労働者階級は、反抗的で、敵意を持っていたのだ。

実際、ダンケルクのエピソードに関して決して十分回答されていない一つの疑問は、一体なぜヒトラーは、イギリス軍を絶滅できていた可能性が極めて高い戦車攻撃を、数日間中止するよう命じたのかだ。ロンドンと和解に至る希望を彼がまだ持っており、イギリスにおける社会革命の可能性を彼が恐れていたため、イギリス陸軍を殲滅するのは長期的にはナチスの利益にならないと、ファシスト指導者は感じていたためだと主張するむきもある。

「テレグラフ」で、ノーランはこう語っている。 “現在の観客に直接関係しない、古びたものと片づけられるような映画は作りたくないと思っていた。… まずは、状況の政治にはまりこんでしまうのを即座に排除することだった。室内で、地図上で色々動かしている将軍たちは登場しない。チャーチルは登場しない。敵はおぼろげにしか見えない。”

またしても、驚きで、目をこすらずにはいられない。フランスの戦いは、第二次世界大戦初期の極めて重大な出来事の一つで、二十世紀の重要な政治的出来事だ。戦争に関するもっとも良く知られている格言の一つで、広く公理として受け入れられている、プロイセン王国の将軍カール・フォン・クラウゼヴィッツによる“戦争は別の手段による外交の継続である”がある が、ノーランにとっては、戦争はいかなるものの継続でもなく、別の世界に存在するものなのだ。

歴史に関する真剣さの欠如と知識の欠如が結びつき、現実に対する個々の主観的認識が可能だという理由で、全てが正当化される。

著書の中で、レヴィンはこう書いている。“[ダンケルクで]海岸や防波堤に立っていた、あるいは牛にしがみついて撤退した各個人にとって、異なる現実が存在していた。並べて見ると、こうした現実は、お互いに矛盾することが多い。”ノーランはこう付け加えている。“映画は、客観的現実を規定する個々人の主観的な経験の紛らわしい性格に、大いに基づいていると私は思う。それが私が制作した全ての映画全てを貫く糸だ。全てが個人的経験に関するもので、客観的現実と矛盾する可能性があるので、映画には無限の数の経験とお互いに矛盾するだろう物語りや、様々な形のコメントと思われるものに対する余裕を是非残すようにしている。”

言い換えれば、歴史を語ることは、それぞれ他の全てと矛盾する可能性がある個々の経験、あるいは物語の要約なのだ。それぞれ同様に妥当であり、たぶん、妥当でないのだ。特定時点では、誰一人として、自分が歴史を作っているとは知ることができず、政治的、歴史的に、一体自分が、どういう場に位置しているのかさえも知ることができない。特定のイデオロギーを押しつけることによって、“歴史”は後で形成されるのだ。客観的な歴史を書こうという取り組みは、実際その生活も感情も無視される“普通の人々”に対して意地悪い物となることが多い。もっとも深遠な手法は、個々の経験をできるだけ正確かつ誠実に描いた逸話による歴史なのだ。

“時間を超越する”手法は、必然的に、抽象的であいまいな人々や出来事を生み出す結果になっている。これは、ドラマの概して微温的で、退屈な性格の説明としても役にたつ。あらゆることが失敗し、観客が興味を失うかも知れないと監督が感じる場合には、少なくとも下級兵士における人間不信と暴力に彼は頼っている。一方、ケネス・ブラナー演じる、脱出時に“桟橋長”を務めるボルトン海軍中佐は、終始冷静で落ち着いており、映画の最後の瞬間に、残ったフランス軍兵士の出発を監督する自分の場に居続けると誓約する。

徹底的な月並みだ。当今の主観主義という映画の“革新的”特徴は、実際、極めて体制順応的で国粋主義的な見方と、ぬくぬくと共存している。彼らがあたかもエイリアンで、これがホラー映画であるかのように、ドイツ軍兵士を出さないという決定にさえ及んでいる。

要するに『ダンケルク』は、第二次世界大戦勃発に関して、それからほとんど何も学ぶことができない映画だ。人類が直面している最も深刻な脅威、第三次世界大戦が勃発しかねない途方もない世界的緊張の時期に、これが撮影され、上映されているのだ。これは知的に無責任と思えないだろうか?

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記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2017/07/26/dunk-j26.html
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この映画、ネットでは絶賛記事だらけだが見てlいない。

米軍が最も恐れた男~その名はカメジロー』を見にゆく予定。

2017年7月 8日 (土)

『ヒトラーへの285枚の葉書』ナチスに抵抗した労働者階級の夫婦

Bernd Reinhardt
2016年3月7日
wsws.org

手書き葉書という手段で第二次世界大戦とヒトラー反対を呼びかけたベルリン労働者階級の夫婦に関する(著者の死後、1947年に出版された)ハンス・ファラダの小説『ベルリンに一人死す』は(1960年代と1970年代、東西両ドイツで)何度か映画とテレビに翻案された。

ファラダの小説は、2009年に英語に翻訳されると再び脚光を浴びた。2010年、訳本は“予想外のイギリス・ベストセラー”として大成功し、何十万部も売れたことは、ファシズム時代と歴史の真実への強い関心を反映している。

著者の狙いは、1943年にナチスによって処刑されたベルリン・ヴェディング自治区住民オットーとエリーゼ・ハンペル夫妻の実像を再現することではなかった。二人の驚くべき話を、色々な境遇の様々な登場人物の姿を描きだす、ヒトラー支配下ドイツ首都の社会ポートレート用枠組みとして使ったのだ。ナチスに対する見方や姿勢はそれぞれ独特だ。


『ヒトラーへの285枚の葉書』のブレンダン・グリーソンとエマ・トンプソン

実際のハンペル夫妻は、本と映画では、虚構のオットー・(ブレンダン・グリーソン)と、アンナ(エマ・トンプソン)・クヴァンゲルになっている。他の登場人物には、社会的没落を味わい、意図的にナチスのためにはたらくようになった人々を含め、プチブル出身者が多い。

例えば、破産した酒場経営者で、ナチス党のおかげで立ち直ったペルシケ(Uwe Preuss)がいる。二人の息子は、SS(ナチス親衛隊) [残虐なナチス準軍事組織にいる。一番下の息子バルドゥール (サミー・シェウリッツェル)は、若いファシスト・リーダーのエリート学校、ナポラ[National Political Institute of Education]志願者だ。 エヴァ・クルーゲ(カトリン・ポリット)の息子の郵便局員もSS隊員だ。ところが、前線で彼がユダヤ人の子供たちの殺害に関与していることを知ると、彼女は彼を勘当する。もはや息子ではない。

クルーゲ夫人は、とうの昔に夫エンノ(ラルス・ルドルフ)を追い出していた。彼は、仕事に定着できずに、妻の金を競馬ですってしまう。彼は政治には全く関わろうとしない。しかし、彼は、恐怖から、誰でも欲しがる人に、病気診断書を書くユダヤ人医師を知っている。工場では大変なスピードアップが行われている。“究極的勝利”(“Endsieg”)のために全エネルギーをささげていないという印象を与える連中は、すぐさま強制収容所に送り込まれてしまう。

人々を冷酷にゆすり、ゲシュタポに売るのを恐れない、ちゃちな犯罪人失業者、エミール・バルクハウゼン(レイナー・エッガー)は、不安の原因に気がついている。“現在、大半の人々、基本的に全員が何らかの形で、禁じられていることに関係しているので、誰かが、それをかぎつけるのではないかと心配して、おそれている”。オットー・クヴァンゲルが息子の戦士を知って、バルクハウゼンに悲嘆を述べると、彼は即座に、強制収容所送りになると脅し、ゆすろうとする。

ファラダによる、第三帝国における日々の生活の微妙な描写は、ドイツ国民全員が一様にヒトラーと、ユダヤ人絶滅を支持していたとするダニエル・ゴールドハーゲンと彼の支持者による主張の誤りを示している。最新の再映画化『ヒトラーへの285枚の葉書』(スイス人俳優ヴァンサン・ペレーズ監督)も集団有罪説は否定している。“遍在するこの恐怖を提示したかったのです。実に分厚くて、ナイフで切れるほどです”と監督は述べた。

ゲシュタポ警部エッシェリヒ (ダニエル・ブリュール)は、反ヒトラー・スローガンのしろうと臭い葉書を書いている人物を見つけだすのに時間をかける。葉書は決して、人に手渡されてはいないと彼は確信している。総統に対する忠誠というよりも、恐怖心から、全員が葉書を警察に届けているのだ。映画の終わり近くで、ギロチンが象徴的に目につく(ハンペル夫妻は斬首された)。次の場面では、無数の人気の無い窓のアパートが現れる。


ダニエル・ブリュールとグリーソン

小説では、この恐怖には、いきさつがある。ワイマール共和国時代(1919年-33)のほとんど全ての大人が、後にナチス政権下で“国民の敵”と見なされた人々と接触があった。ドイツ共産党 (KPD) と社会民主党 (SPD)は、多くのユダヤ人を含む、労働者、職人、知識人、ジャーナリストや芸術家の何百万人もの党員や支持者がいる政党だった。ユダヤ人は社会のあらゆる分野にいた。事実上、あらゆる大人が、その人の過去を深く探れば、ナチス時代のどこかの時点で、政府による迫害の対象になり得たはずなのだ。

ファラダの本で、有名な映画俳優と弁護士の場面は多くを物語っている。俳優は、これまでの監督の多くがユダヤ人だった事実にもかかわらず、ヒトラーのもとで役者を続けられるのを有り難く思っている。彼は反戦映画にも出演していた。弁護士は学生時代からの旧友だ。 映画スターがクヴァンゲル夫妻の葉書を玄関で見つけ、それを弁護士に見せると、突然に疑惑が起きる。お互いに罠をしかけられたのではと恐れるのだ。二人は葉書をナチス役人に渡し、二人の怒りは、反ヒトラー文書を書く人々に向けられる。

小説中の恐怖とリアリズムと精巧さという具体的な社会構造が映画では失われている。映画はグリーソンとトンプソンが見事に演じるクヴァンゲル夫妻のカップルが中心だ。彼らの周囲環境は後景に退いていて、迫力に欠け、舞台装置のようだ。小説中の多くの重要なエピソードが消えている。様々な人物が削除されたり、うやむやになったりしている。ファラダが登場人物の何人かを配した環境である共産党地下レジスタンスは、映画から入念に取り除かれている。

ペルシケの示唆に富む話は、むしろ歪曲されている。小説中での彼の総統賛美には、彼より弱い人々全員に対する深い社会的侮辱が伴っている。バルドゥールの人物像もよろしくない。ペレーズは、狂信的なヒトラー青年団リーダーを、ユダヤ人老人のローゼンタール夫人(モニク・ ショーメット)が、子供時代には彼女のケーキが好きだったのを思い出させると当惑する、青年団の制服を着た無害な若者に描いている。

エッシェリヒの性格は興味深い。彼を、ワイマール共和国時代の犯罪学者だと考えることも可能だ。ファラダは、彼の社会的無関心、狩人という性格が、ナチスでの出世にとって極めて重要であることを明らかにしている。感情を表さず、忍耐強く、彼の“獲物”である、正体不明の葉書筆者を追いかける。

ペレーズの映画では、皆に恐れられている身勝手なゲシュタポ将校が、暴力の犠牲者に変えられている。残虐な上司を恐れるあまり、彼は乱暴に振る舞っているというのだ。必死の行動をする前に、彼は事務所の開いた窓からクヴァンゲル夫妻の葉書を外に投げる。この映像で映画が終わる、外でひらひらする葉書(この場面は小説にはない)は、エッシェリヒの良心の呵責を示しているのだろうか?

先行するファラダ小説の映画化作品は、必然的にある種のツァイトガイスト[時代精神]を反映している。1975年 西ドイツ映画(アルフレッド・フォーラー監督)、アンナはもっと強い人物で、当時の女性運動精神に基づく、葉書抗議行動の創始者だ。1970年に東ドイツで製作された ( ハンス・ヨアヒム・カスプルジク監督)5時間、三部作のテレビ・シリーズは、スターリン主義国家の検閲に譲歩している。オットー・クヴァンゲルは、スターリン主義の共産党という反対政党に入党せず、政治に無関心な一匹狼として行動したので、政治的に未熟だと描かれていた。


『ヒトラーへの285枚の葉書』

極右運動、フランスの「国民戦線」や、 ドイツの「ペギーダ」や「ドイツのための選択肢」が勃興し、益々国家の暴力が日々の生活を支配する時代に、新たなフランス-ドイツ作品が現れた。映画がそうしたものを懸念しているのは明らかだ。現代の青年は、クヴァンゲル夫妻の話を知っているべきだと、主演のダニエル・ブリュールは主張する。同時に、現在我々は、社会的不平等が大いに激化しているのを目にしている。

『ヒトラーへの285枚の葉書』の中で注目すべきものに、ナチス国家の経済的不平等の指摘がある。ナチス女性同盟の一員であるアンナ・クヴァンゲルは、裕福な“国民の同志”(カタリーナ・シュットラー)を彼女の豪華なアパートを訪れ、誰にも頼んでいるように、仕事をするという一般的義務に服するようにと頼む。彼女は横柄さに憤りを感じる。ナチス幹部である彼女の夫は、アンナは女性同盟から排除されると請け合う。

強固なナチスを売り物にしていないので、映画は画期的だと、ブリュールが言うのは、やや驚きだ。実際、ファラダの小説でも、不合理な“支配民族”を主張する良くある典型的ナチスは登場しないし、人々を拷問する加虐的欲望の人物もいない。

今ペギーダや国民戦線に参加している人々を連想させる、ナチス青年バルドゥール・ペルシケと、他のプチブル連中を識別するものは、1933年に、ナチスが権力を掌握してまもなく書かれたレオン・トロツキーの見事な論文“国家社会主義とは何か?”が、うまく皮肉に表現している。“事態を改善するために何がなされなければならないか?まず何より、自分たちより下にいる者を絞め殺すことである”という社会的態度だ。

映画で、新しい社会的疑問と強調が検討されていることが感じられる。クヴァンゲル夫妻のように考えた人々は、おそらく他にも多数いただろう。残念ながら、ファラダの現実的で、多面的な小説を、個人の道徳的勇気による反戦活動に再構築しようというペレーズの取り組みは、説得力に欠けている。

記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2016/03/07/ber3-m07.html
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チーズやワインが安くなると宣伝する大本営広報部大政翼賛会。共謀罪やTPPやモリ・カケなど国民のためにならないことしかしない連中が、良いことをするはずがないだろう。日本農業壊滅。食糧安保放棄。

翻訳のおかしな部分は原文をご確認願いたい。
『ヒトラーへの285枚の葉書』今日から上映。まだ見ていない。
この記事は余り肯定的ではないが、是非見たいと思う。小説も。

岩波書店の月刊誌『世界』8月号に「ナチスの恐怖支配に抵抗した名もなきベルリン市民の信念」という監督インタビューがある。

『世界』8月号、興味深い記事満載。例えば下記。

「国家戦略特区という欺瞞」郭洋春 奈須りえ 内田聖子 藤田英典
「フィリピンで戒厳令」加治康男
「加計学園問題の本質は何か」藤田英典
「トランプ王国の現場から」伊東光晴京都大学名誉教授 金成隆一 朝日新聞

2017年5月25日 (木)

共和国の死

Chris Hedges
2017年5月22日
Truthdig

2017年のアメリカ合州国とよく似た、肥大化した軍隊と、巨大な政治力を有するひと握りの腐敗した連中とに支配された古代ローマの陰の政府による、虚栄心が強い大ばかなコンモドゥス皇帝を浴室で絞殺するという192年の決定も、ローマ帝国の増大する混乱と急激な衰退は止められなかった。

多くの他のローマ皇帝たちやトランプ大統領と同様、コンモドゥスは無能で、虚栄心で頭が一杯だった。彼はヘラクレスに擬した彼の像を無数に造らせたが、治世にはほとんど無関心だった。彼は国家元首としての地位を、見せ物でスターになるのに利用した。アリーナでの八百長試合で、闘士として勝ち誇って戦ったものだった。コンモドゥスにとっての権力は、トランプの場合と同様、主として、その計り知れない自己愛、快楽主義と富への渇望を満たすためのものだった。彼は公職を金で売ったので、古代のベッツィ・デヴォススティーヴン・マヌーチンに等しい連中が、大規模な盗賊政治を画策できた。

コンモドゥスは、当時のバーニー・サンダースたる改革者、ペルティナックスにとって変わられ、ペルティナックスは、古代版軍産複合体たる近衛兵の力を削ごうと、むなしい取り組みをした。この取り組みの結果、権力の座について、わずか三カ月で、ペルティナックスは近衛兵に暗殺された。近衛兵は、皇帝の座を一番高値で売る競売にかけた。次の皇帝ディディウス・ユリアヌスは、たった66日しかもたなかった。コンモドゥス暗殺の翌年、A.D. 193年、皇帝は五人も変わった。トランプと、我々の腐敗した帝国には不吉な歴史的前例があるのだ。もし陰の政府が、無能さと愚かさが帝国を当惑させているトランプを置き換えても、その行為とて、コンモドゥスを置き換えても、ローマの民主主義が回復しなかったのと同様、民主主義が回復することはあるまい。我が共和国は死んでいる。

かつては開かれ、民主的伝統があった社会は、民主主義の敵にとって格好の餌食だ。これら扇動政治家連中は、かつての民主的政治制度の愛国的な理想や儀式や慣行や形式を、破壊しながら、敬意を払うふりをする。自らを“第一番の市民”と称したローマ皇帝アウグストゥスが共和国を去勢した際、彼はかつての共和国の形式を維持するよう配慮した。レーニンとボリシェビキも、権力を掌握した際に同じことをし、自治ソビエトを粉砕した。ナチスやスターリン主義者さえもが、彼らは民主的国家を支配していると主張した。トーマス・ペインは、専制政府は腐敗した市民社会から生えるカビだと書いていた。これが、かつてのこうした民主主義に起きたのだ。それが我々に対して起きている。

我々の憲法上の権利である、適正手続き、人身保護令状、プライバシー、公正な裁判、搾取からの自由、公正選挙や異議を唱える権利は、司法の専断により、我々から剥奪されている。こうした権利は、名目上しか存在していない。国家の価値観とされるものと、現実との間の余りの断絶ゆえに、政治論議はばかばかしいものとなっている。

大企業は連邦予算を食い物にし、自ら搾取し強奪する権限を合法的に付与している。ゴールドマン・サックスやエクソン・モービルの権益に反対して投票するのは不可能だ。医薬品と保険業界が、病気の子供を人質にし、息子や娘を救おうとして両親は破産する。学生ローンの重荷を負った人々は、破産宣告しても、借金は決して消し去ることができない。多くの州で、病気の家畜が屠殺のために倉庫に入れられる巨大な工場式畜産場の状態を広く知らせようとする人々は、刑事犯罪で告訴されかねない。大企業は合法的に脱税している。大企業は、小農や小企業を破壊し、アメリカ産業を空洞化させる自由貿易協定を画策した。空気や水や食品の汚染や高利の債権者や貸し手から国民を保護するために設けられた労働組合や政府機関は無力化されてしまった。ジョージ・オーウェル並みの権利の逆転で、最高裁は、政治運動似対する無制限の大企業献金を、政府に対する請願権やら、言論の自由の一形態だと定義している。大企業が所有するマスコミの大多数は、エリートのための音響室だ。州営企業や市営企業や公共事業は、料金を引き上げ、貧しい人々へのサービス提供を拒否する大企業に売却されている。教育制度は徐々に民営化され、一種の職業訓練へと変えられつつある。

賃金は横ばいか下落している。偽造された統計で隠された失業や過少雇用が、国民の半数を慢性的貧困に追い込んでいる。社会福祉は、緊縮政策という名目で廃止されている。文化と芸術は、性的商品化や陳腐な娯楽や生々しい暴力描写に置き換えられてしまった。無視されて資金不足のインフラは崩壊しつつある。破産や差し押さえ、逮捕、食糧不足や治療しないままの病気放置が早過ぎる死をもたらし、苦しむ最下層階級を悩ませている。絶望した人々は、薬物や犯罪や人身売買が蔓延する地下経済に、逃げ込んでいる。国家は、こうした経済的困窮に対処せず、警察を軍隊化し、非武装の一般市民に対し、殺傷力の高い武器を使用する権限を警察に与えている。警察は、刑務所を230万人の国民で一杯にしているが、そのうちの極少数の人々しか裁判を受けていない。刑務所内で、100万人の囚人が、企業のために現代の奴隷として働かされている。

国民を暴政から守ることを目指している憲法修正は無意味だ。例えば、修正第4条にはこうある。“不合理な捜索及び逮捕・押収から、その身体・家屋・書類及び所有物の安全を保障される人民の権利は、これを侵してはならない。宣誓または確約によって証拠づけられた相当の理由に基づくものであって、捜索すべき場所及び逮捕すべき人または押収すべき物件を特定して記載するものでなければ、いかなる令状も発してはならない。”現実には、我々の電話会話、電子メール、テキスト、財政、司法や医療記録は、我々が見るあらゆるウェブサイトや移動とともに、追跡され、記録され、政府コンピューター・データベースに永久保存される。

国家による拷問は、アフガニスタンのバグラム空軍基地やグアンタナモ湾にあるような秘密軍事施設のみならず、コロラド州フローレンスにある、囚人が長期の独房監禁で精神衰弱をわずらうスーパーマックADX [最大監視]施設などでも行われている。囚人は国民なのに、24時間態勢で電子監視され、一日のうち23時間閉じ込められるのに耐えさせられている。彼らは極端な感覚遮断を味わっている。囚人は殴打にも耐えさせられている。彼らはカメラ監視下で、シャワーを浴び、風呂に入らなければならない。彼らは、週に一人の親族に、一通の手紙を三枚の紙でしか書けない。彼らは新鮮な空気を味わう、ハツカネズミの踏み車に似た巨大な檻での一日一時間のレクリエーションを妨げられることも良くある。

囚人から法的権利を剥奪するため、国は“特別行政措置”略称SAMsとして知られているものを利用している。SAMsは囚人の外部世界との通信を制限する。囚人は弁護士以外の誰とも、電話、手紙、面会ができなくなり、家族との接触も厳しく制限される。SAMのもとでは、機密情報刑事手続き法CIPAと呼ばれる法律のおかげで、囚人は自分に不利なほとんどの証拠を見ることが許されない。レーガン政権時代に始まったCIPAは、裁判での証拠が機密扱いされ、起訴されている人々に見せるのを控えることが許される。フランツ・カフカの小説“審判”のヨーゼフ・Kのように、自分が有罪になった証拠も全く見ずに裁判され、有罪判決を受ける可能性があるのだ。SAMsのもとでは、弁護士を含め、囚人と接触した人が、囚人の肉体的、心理的状態について話すと違法になる。

また囚人が釈放された場合には、投票権や公的支援を受ける権利を失い、罰金を支払う負担を負わされ、支払えなければ、牢獄に戻される。彼らは恣意的な捜査と逮捕の対象にされる。彼らは余生を、膨大な犯罪人カーストの一員としてのけ者にされて暮らすのだ。

行政府は、自らにアメリカ国民を暗殺する権限を与えた。国防権限法第1021条のもとで、行政府が、大衆暴動を鎮圧するために軍隊を街に出動させることができるようになり、軍隊を国内警察部隊としての活動禁止が終わってしまった。行政府は、テロリストである、あるいはテロリストと関係していると見なしたアメリカ国民を逮捕するよう、軍隊に命令できる。これは“特例引き渡し”と呼ばれている。軍隊によって拘留された人々は、適正手続きや、人身保護令の権利を否定され、軍施設に無期限拘留されかねない。かつては憲法修正第一項で、権利が守られていた活動家や反体制の人々は、無期限投獄に会いかねない。
憲法で守られている言論、信仰や集会は非合法化される。国家は、人々が行ったことに対してでなく、しようと計画していることでさえなく、煽動的だと見なす宗教、政治信条を持っているだけで、人々を拘留し起訴する権限を持っている。最初に標的にされたのは忠実なイスラム教徒だったが、彼らが最後の標的というわけではない。

民主的参加、投票、競合する政党、司法による監視や司法的立法といった外観は無意味な見せ物だ。絶えざる監視下で暮らし、どこでも、いつでも拘留される可能性があり、会話、メッセージ、集会参加、性癖や習慣が記録され、蓄積され、分析される、大企業の搾取を前にした無力な人々を、自由と表現するのは不可能だ。国家と、常時監視されている市民の関係は、主人と奴隷との関係だ。しかも、たとえトランプが消えたとて、手かせ足かせが外されることはないのだ。

クリス・ヘッジズは、中米、中東、アフリカやバルカン半島で、約二十年間、海外特派員として過ごした。彼は50カ国以上から報道し、クリスチャン・サイエンス・モニター、ナショナル・パブリック・ラジオ、ダラス・モーニング・ニューズや、ニューヨーク・タイムズで働き、15年間、海外特派員をつとめた。

記事原文のurl:http://www.truthdig.com/report/item/the_death_of_the_republic_20170521
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国連特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏による共謀罪批判を、分かりやすく書いて頂いたようなもの?

岩波ブックレット No.966『共謀罪の何が問題か』高山佳奈子著をこれから拝読する。

表紙にこうある。

「テロ対策のため」「オリンピックのため」「国際条約のため」「組織的犯罪集団に限定し、構成要件を厳しくした」・・・・・
→全部ウソです。
危険性・問題点が一冊でわかる

今日の日刊IWJガイドから、転記させていただこう。

【全文掲載】「日本政府の『抗議』は怒りの言葉が並んでいるだけで中身はなかった」~共謀罪に懸念示した国連特別報告者が怒りの反論! 海渡弁護士は菅長官を「驚くべき無知の産物」と糾弾!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/379992

今日は、大逆事件が始まった日だったという。足尾鉱毒事件解決のために戦う田中正造の直訴状を書いた幸徳秋水を、冤罪で死刑にしたデッチアゲ事件。あの明治体制状態にするのが、共謀罪の狙い。

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わとはぷ~What happened today?~本日は明治最大の冤罪・思想弾圧事件「大逆事件」が始まった日!
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 おはようございます。IWJテキスト班の林俊成です。

 今日は明治最大の冤罪・思想弾圧事件である大逆事件が始まった日です。1910年5月25日、社会主義者の宮下太吉が「爆発物取締罰則違反」で逮捕されました。宮下は明治天皇の暗殺を企て、爆発物を用意したとされます。

 5月31日、政府は「この事件には大逆罪を適用すべきである」という方針のもと、当時の社会主義運動の中心だった幸徳秋水ら7名を逮捕。幸徳は計画に関与していないにもかかわらず、政府は社会主義者を一掃するため、幸徳をリーダーに仕立て上げて意図的に事件を拡大させ、26名を逮捕・起訴し、うち24名に死刑判決を出し、最終的に12名が死刑に処されました。

 大逆罪というのは「天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ対シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ処ス」というものです。対象犯罪を皇族暗殺に限定した共謀罪と言えるでしょうか。大逆事件では、この「加えんとしたる者」という文言を元に、多くの無実の社会主義者が罪に問われました。

 その一人が、真宗大谷派の僧侶、高木顕明です。高木は浄土真宗の教えに基づき、差別に反対し、非戦を訴えたため、全く無実であったにもかかわらず、大逆事件に連座し、死刑判決を受けました。直後に無期懲役に減刑され、獄中で亡くなりました。

 先日のニュース・フラッシュでもお伝えしましたが、真宗大谷派は、高木が大逆事件で弾圧された歴史を踏まえ、共謀罪法案に反対する声明を発表しました。なお、大逆事件当時の真宗大谷派は、国家に忠誠を尽くす姿勢を示すため、高木を除籍(追放)処分にしました。その後1996年、高木に対する処分を取り消し、以後顕彰活動をしています。高木の死から85年後のことでした。

・「テロ等組織犯罪準備罪(共謀罪)法案に反対する声明」を発表(真宗大谷派東本願寺、2017.5.18)
http://www.higashihonganji.or.jp/news/important-info/19796/

 大逆事件に巻き込まれた社会主義者には、唯物論者だけではなく、多くの宗教者・信徒が含まれています。彼らは平和と平等を説く宗教に忠実であったが故に、当時の帝国主義に反対し、弾圧されました。仏教徒では臨済宗僧侶の峯尾節堂、曹洞宗僧侶の内山愚童のほか、浄土真宗門徒の成石平四郎・勘三郎、キリスト教徒では大石誠之助、古河力作などです。

 古河力作は主犯の一人とされ、獄中で次の一文を残して26歳で刑死しました。

 「僕は無政府共産主義者です。しかし、ドグマに囚われてもいない。自由を束縛されるのはいやだ。貧困、生存競争、弱肉強食の社会よりも、自由、平等、博愛、相互扶助の社会を欲す。戦争なく牢獄なく、永遠の平和、四海兄弟の実現を望む」

 IWJはこれまでに、大逆事件に関連する集会の取材をしています。2013年には、社民党の福島みずほ参議院議員らによる大逆事件に関する院内集会が開かれました。

 集会では、大逆事件を研究している明治大学大学院教授の山泉進氏が講演。山泉氏は「大逆事件は、ナショナリズム、天皇中心主義を、国民に煽るためのショーとして機能した」と指摘しました。

 その後に講演した伊藤真弁護士は「大逆事件は、国家権力が乱用されるととんでもないことになるという証である」とし、「102年前と同じ過ちを繰り返さないために、憲法の価値を見出すことが重要だ」と指摘。憲法9条(戦争放棄)、13条(個人の尊重)、99条(憲法擁護義務)などをあげて、自民党改憲草案を批判しました。

※院内集会「102年後に大逆事件を問う」 2013.1.24
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/54856

 自民党改憲草案の問題点を知るためには、『前夜増補改訂版』もオススメです。岩上さんが梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士とともに、一条ずつ逐一解説しています。こちらもぜひご一読ください。

※【増補改訂版・岩上安身サイン入り】前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171

 また、安田浩一氏による講演の模様も取材しています。安田氏は大逆事件と現代のヘイトスピーチ問題を合わせて解説しました。こちらもぜひご覧ください。

※「ヘイトスピーチは確実に人を壊し、社会を壊す。戦争と同じ」 100年の時を越えて重なる「弾圧」と「沈黙」の社会気流――「大逆事件とヘイトスピーチ」ジャーナリスト安田浩一氏が講演 2015.1.26
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/227870

 大逆事件から107年。現代の日本は、戦後の平和国家としての歩みから外れ、戦前のような息苦しい社会に向かっていると言わざるを得ません。先日23日、内心の自由に踏み込むおそれが指摘されている共謀罪法案が衆議院を通過しました。

 しかし、参議院の審議入りは来週になり、国連からも書簡が届き、さらに加計学園問題でも新証拠が飛び出すなど、与党の計画は狂いつつあります。

2017年5月20日 (土)

対トランプ攻撃

2017年5月18日
Paul Craig Roberts

我々が目にしているのは、安保公安国家と、手先のリベラル・メディアによる、アメリカ大統領への未曾有の攻撃だ。

反逆罪的、あるいは違法な、ロシアとのつながりという途方もない立証されない非難が、トランプ大統領選挙運動以来、ニュースの中心だ。こうした非難は、安保公安国家と手先のリベラル・メディアによる弾劾運動の動きまで出て、それを民主党、“トランプを支持する哀れな連中”だとして労働者階級に背を向けたアメリカ左翼や、ハーバード法学教授ラリー・トライブなどの名士が支持する状態にまで至っている。トランプ大統領とロシア外務大臣ラブロフの会談に居合わせていなかったワシントン・ポストが、トランプ大統領がラブロフ外務大臣にアメリカの国家安全保障情報を漏らしたのを知っていると主張している。

ロシア政府は、売女マスコミに、会談の書き起こしを提供すると言ったが、もちろん売女マスコミは興味がない。

最新の話題は、コミーFBI長官を首にする前に、トランプが“ロシア捜査”の一環として、トランプを捜査しないように買収しようとしたというものだ。アメリカ・マスコミに何の知性も残っていないのは明らかだ。大統領は首にできる人間を買収する必要はない。

アメリカにとっての第一の脅威として連中が決めた、極めて重要な“ロシアの脅威”役を維持するという安保公安国家の固い決意を今我々は見せられている。1950年代以来、CIAの所有物になっているリベラル・メディアは、この狙いに添っている。

アメリカ・メディアは、安保公安国家の奴隷状態に慣れきっているので、結果については考えもしない。しかし、スティーヴン・コーエン教授は考えている。国家安全保障に対する最大の脅威は“トランプ大統領に対するこの攻撃だ”という彼の意見に同意する。http://www.informationclearinghouse.info/47076.htm

コーエン教授は、政府には、行政府と議会によるアメリカ外国政策運営を妨害する諜報機関という四番目の権力の府があると言う。

一例として、彼は“2016年、オバマ大統領が、ロシアのプーチン大統領と、シリアでの軍事協力の話をまとめたことを指摘している。少し前まで、トランプがロシア協力するはずだったのと同様に、彼は諜報情報をロシアと共有するつもりだと述べたのだ。国防省は諜報情報を共有するつもりはないと言った。そして数日後、アメリカ軍は合意に違反して、シリア軍兵士を殺害し、それで話は終わりになった。だから、我々の疑問は、現在、ワシントンで外交政策を決めているのは一体誰なのだろう?”

1960年代、ジョン・F・ケネディ大統領は、自分が責任者だと考え、その信念ゆえに暗殺された。JFKは、ノースウッド計画というキューバ侵略や、対ソ連先制核攻撃を阻止し、冷戦の終了について語っていた。

1970年代、自分が外交政策の責任者だと考えたがゆえに、ニクソン大統領は大統領の座を追われた。ケネディ同様、ニクソンは、安保公安国家にとっての脅威だったのだ。ニクソンは、第一次戦略兵器制限交渉と、弾道弾迎撃ミサイル制限条約を推し進め、中国と国交を回復し、緊張を緩和した。軍安保複合体は、脅威が減少すれば、予算減少することに気がついていた。ニクソンは、ベトナムからの撤退も決めていたが、安保公安国家に拘束されていた。外交問題に最も精通した大統領であるニクソンは、平和のための彼の取り組みが、軍安保複合体の権限と利益にとっての脅威だったがゆえにその座を追われたのだ。

ワシントン・ポスト“調査”中に、ニクソンの罪を示す証拠は皆無だったのを理解しておくことは重要だ。ウォーターゲート侵入を、実際に知った日より後の日に知ったと言ったのが“犯罪”であるニクソンを中傷するほのめかしの寄せ集めを、ポスト紙の記者たちは単にまとめたに過ぎない。ニクソンは、CIAの手先、ワシントン・ポストが、それを彼の再選を阻止する取り組みに利用することを知っていたので、再選されるまで、侵入のことを黙っていたのだ。

ニクソン排除された原因となった本当の“犯罪”は、ロシアと中国と、より平和で安定した関係の確立に成功したことなのだ。

不動産とエンタテインメント業界の人間であるトランプは、ロシアとの関係を正常化し、NATOの目的を再考するするべき頃合いだと発言した際に、踏んだ地雷に気づいていなかった。

アメリカ軍安保複合体は、大いに困窮したアメリカ納税者から絞り取る毎年1兆ドルの予算の上でふんぞりかえっている。この膨大な予算を正当化するために作りだされた敵との関係を正常化すると脅かしたがゆえに、トランプは、アメリカ安保公安国家の権限と利益に対する主要な脅威として描かれている。

これが、アメリカ大統領としてのトランプが潰され、そして/あるいは解任される理由だ。

アメリカにおける民主主義が無力であることが、またしても証明されつつある。ワシントンには、トランプを助けられる人間は皆無だ。私のように彼を助けられそうな人々は、すっかり軍安保複合体、ウオール街とイスラエル・ロビーの所有物と化している上院の指名承認公聴会には呼ばれない。

トランプは、苦しむアメリカ人を政府と結びつけようとしたことは、政治家たちに将来、国民に対し、ポピュリスト的発言をしないようにさせるため、トランプを見せしめにしようとしている、巨大な政治力を持ったひと握りの集団に対する反逆行為なのだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/05/18/the-assault-on-trump/
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首相の首が飛ぶ文書の存在は、好都合にも確認されなかった。共有ファイルしか調べない不思議。権力者はやりたい放題。

京都産業大学の申請書類が20ページであったのに対して加計学園はわずか2ページ。しかもその書類中ではMERSを、MARSと間違えていた。道理はひっこみ、それでも通る。

「異神の怪」が採決を求め、自民党別動隊に過ぎないという確信が証明された共謀罪。
強行採決を提案した異神の怪議員の言い分に驚愕。ファシズムは既に始まっている。

共謀罪、宗主国アメリカに命じられて、属国傀儡が、あわてて制定する、日本人の独立を目指す動きを弾圧する為の対策、現代版治安維持法にほかならないだろう。自民・公明・異神と、同類の連中以外全て監視対象。

拝読しているブログ「dendrodium」最新記事「権力機構の都合によって活きたり死んだりする日米の法律」の末尾に、このRoberts氏の文章と直接つながる、まさ小生が考えている内容と同じことが書かれていた。利用させて頂こうと思う。

9/11直前に任用され、12年もつとめあげたこと自体、どれほどうさんくさい権力の走狗であるか、バレバレだろうと素人は思うのだが、ウソをいって生活の糧にしている提灯持ち専門家諸氏は、決してそう言わないだろう。

アメリカではトランプ大統領がロシアとの繋がりを云々されて、指弾されている。
今回トランプ大統領の弾劾を実行するのはロバート・モラーというトランプ大統領に解任されたコミー前FBI長官の前任者で、
2001年9月4日 - 2013年9月4日の12年間もFBI長官をやっていた人だそうである。

2001年9月4日 というと、9・11事件の直前である。
9.11を起こす事に決めた支配層が。確実に言いなりになる法律家を求めて、特に選んだ可能性の高い時期に、FBI長官に選ばれた人物である。
しかもアメリカの違法な戦争であった事が確定したブッシュのイラク侵攻(2003年3月20日 - 2011年12月15日)の間中、FBI長官として政府の違法な戦争を見逃し続けた人物である。
( 2005・12・14 ブッシュ米大統領はイラク開戦理由の一つである大量破壊兵器の情報に誤りがあったことを認めた。)

今朝のニュースの解説者はロバート・モラー氏を、12年間もFBI長官を務めた大物中の大物として紹介していたが、何のことはない、権力機構の法律違反を握り潰す為にFBI長官に選ばれて、期待通りの法律無視を続けた為、12年間も便利使いされた法律を守らない(政府に守らせない)法律家だったと言えるのではないだろうか?

こんな法律家が弾劾するという事は、
本当に悪いのは弾劾されるトランプ大統領なのか、
弾劾したがっている権力機構なのか分かったものではないだろう。

2016年11月21日 (月)

日本の首相、トランプ次期大統領と会談

Nick Beams
2016年11月18日
wsws

アメリカ大統領として、ドナルド・トランプが選出されたことで、日本支配層の間では、ちょっとしたパニック反応が起き、安倍晋三首相は、昨日のニューヨークにおける次期大統領との会談を企画した。

マンハッタンのトランプ・タワーで行われた会談は90分だったが、安倍首相が会談は非公式なのでと語り、事実上、詳細は何もわからない。首相は、話し合いは“率直”なもので“暖かい雰囲気”の中で行われ、ランプは信頼できる指導者だと語り、二人は再開して“より広範で深い”話し合いをすることに合意したと述べた。

彼の発言の調子はbeliedトランプの勝利を巡る安倍政権の強い懸念。、選挙翌日、安倍首相からのトランプへの電話で、会談が急遽行われた様子は、会談が行われる前日でも、時間、場所、出席者などの基本的詳細が、“未定”だとされていた事実でも例証されていた。
日本首相や、既存支配勢力総体の主な懸念は、日本の主要新聞の一紙、朝日新聞記事によれば、トランプの勝利は“政治的戦後の国際秩序を揺るがす激震である”ことだ。

関わっている問題には、経済関係、日本-アメリカ安全保障条約の将来、アメリカ軍の日本駐留経費や、アメリカが、東シナ海において中国と争点になっている領土紛争で日本を支持し続け、南シナ海で、中国は必ず押し戻されるかどうかがある。

安倍のニューヨーク訪問は、週末、ペルーのリマで開催される、環太平洋連携協定(TPP)断念が主要議題の一つである、アジア太平洋経済協力会議 (APEC) サミット会議出席の一環として、計画された。

中国を排除したTPPは、オバマ政権による反中国“アジア基軸”の経済的な要だ。それが今や暗礁に乗り上げている。トランプは、1月20日の就任後、推進するつもりはないと言っており、オバマは、トランプが権力の座につく前に、“レームダック”議会で押し通すつもりだという以前の誓約を反故にし、日本や他のTPP調印国を見捨てた。

オバマ政権にせきたてられて、安倍はTPPに本格的に肩入れし、今週、国内での多少の反対にもかかわらず、衆議院で批准を強行した。ところが彼の政権の戦略は崩壊し、地域における主要ライバル、中国に好機をもたらした。

火曜日、参議院TPP特別委員会で、安倍首相は、中国が推進する、アメリカ合州国を排除する自由貿易協定が注目される可能性があると述べた。

“(TPPが未発効の場合は)軸足は東アジア地域包括的経済連携(RECP)に移る”と彼は述べた。“RCEPは米国が入っていない。最大の国内総生産(GDP)は中国だ。”

TPPが失敗して、地域中の他の国々が中国との経済的つながりの強化を検討することになるのを日本は懸念している。マレーシアのオン・カー チュアン第2貿易相は、トランプ当選後、マレーシアは、RECPの締結に注力すると述べた。

“TPPの現状では、焦点はRECPに向かう。TPPが撤廃となった場合の悪影響が、RCEPで相殺できることを願っている”オン第2貿易相は、この協定を迅速に締結したいという希望を表明して、述べた。

TPP交渉で、シンガポール政府は、アメリカで貿易協定の成立が確保できなければ、貿易立国の島国は、他の選択肢を求めることを強いられると、いくつか警告をしていた。
アジア-太平洋地域で、日本と共にアメリカ同盟の基盤を形成するオーストラリア政府は、TPPが駄目になったので、他のものに目を向ける可能性があることを示唆している。

今週、フィナンシャル・タイムズのインタビューで、スティーブン・チオボー貿易相は、貿易と経済成長を促進するあらゆる動きは“正しい方向への前進”なので、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)提案の推進を、オーストラリアは支持するつもりだと語った。

2010年以来、APEC内で議論されているFTAAPは、正式にアメリカを含んだものだ。しかしながら、貿易協定に対するトランプ政権の反対からして、アメリカが調印する可能性は極めて低い。つまりは、中国が主導的な役割を演じることとなろう。オーストラリアン・フィナンシャル・レヴューに掲載された発言で、チオボーは、オーストラリアは、RECPに対し、パートナー諸国と協力して動くつもりだと述べた。

貿易と経済問題は、安倍政権と日本支配階級の全般的な懸念の一部に過ぎない。戦後合意の一環として、地域とグローバルな経済的、戦略的権益を、日本はアメリカ同盟という枠組みの中で追求してきた。近年、安倍政権は、とりわけ、自らの権益に対する最大の脅威と見なしている中国の、経済的、軍事的勃興に対応して、日本の世界的、地域的役割を、一層明確に推進してきた。

日本の支配層が、その中で経済・外交政策を進めてきたアメリカ-日本同盟に基づく枠組み全体が、トランプが大統領となることで、疑問視されている。
選挙運動中、様々な機会に、トランプは貿易のライバルとして日本を非難し、既に負担している約66億ドルの経費に加え、年間57億ドル以上と推計される日本に駐留するアメリカ軍の全経費を、東京が支払うよう要求している。トランプは、二国間の安全保障条約は一方的だと言い、日本は“我々に費用を支払う”か、自衛を考えるべきだと警告した。

ドル以上の重大なことが問題になっている。日本支配層の懸念を掻き立てたはずの、8月のデモインでの集会での発言で、トランプはこう述べた。“日本との間には条約があり、もし日本が攻撃されたら、我々はアメリカ合州国のあらゆる兵力を使わなければならない。もし我々が攻撃されても、日本は何もする必要がない。彼らは家でソニーのテレビを見ていられる”、同盟は“双方向的”でなければならないと主張した。

世界中の他の政府同様、安倍政権は、トランプ勝利の可能性を本気で検討していなかった。9月のアメリカ訪問時、安倍首相は、オバマ政権の国務長官として“アジア基軸”の主要発起人のクリントンとは会談したが、トランプとは会わなかった。この誤算ゆえに、昨日の会談という大慌ての要求となったのだ。

東京出発直前、記者団に対し、安倍首相は、日米同盟は“日本の外交・安全保障の基軸であり”“信頼があってはじめて同盟には血が通う”とし、トランプ次期大統領とは、信頼関係を構築していきたいと述べた。

アメリカ-日本関係における緊急課題は、詳細な点では異なるものの、1920年代の状況と共通している部分がある。

第一次世界大戦終結時、対ドイツ戦争で、イギリスとアメリカと組んだ日本は、益々、アメリカの経済的、軍事的優位性の高まりが明らかになる戦後の枠組みの中で、増大する日本の経済的、戦略的権益を推進しようとした。
ところが、この戦略は、1929年のウオール街崩壊で、アメリカが経済的ナショナリズムと保護主義に向かい、世界貿易が崩壊し、粉砕された。

政治、軍事支配層内での激しい闘争の後、日本は、1931年の満州侵略を手始めに、更にに、1941年のアメリカとの戦争勃発をもたらすことになった、1937年の全面的中国侵略という形で、軍事的手段で権益を推進する方向に動いたのだった。

現在、主要な戦略的同盟における亀裂の可能性や、経済的ナショナリズムの高まりや、中国という形でのライバルの成長に、日本が直面する中、初期には、地政学的緊張を高め、最終的には、戦争に至った、あらゆる矛盾が復活しつつある。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2016/11/18/japa-n18.html
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この件、大本営広報部ヨイショ報道、紙媒体は読んでおらず、洗脳放送は音声を消すか、ほとんど見ずにいる。

軍事的手段で権益を推進する方向の重大な動き。

奥さんは耐え切れずにハンカチで涙を拭き、家族3人が抱き合った」ついに自衛隊が「駆けつけ警護」の新任務を負って南スーダンへ 隊員たちの生命は守られるのか――!? 2016.11.20

命令する人物、、夫名義で、戦争産業の株を持っているという露骨な構図。

海外派兵の動き、策謀を見るたびに、下記の古い記事を思い出している。

北大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキー 2009年2月15日

2016年10月14日 (金)

南スーダン反政府派が救援活動従事者を強姦した際‘持ち場放棄’した国連平和維持軍

公開日時: 2016年10月6日  08:38
編集日時: 2016年10月6日  14:14
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国際連合南スーダン派遣団(UNMISS)に派遣されて、ジュバの国連文民保護(PoC)サイト敷地外をパトロールする中国平和維持部隊。2016年10月4日。アルベルト・ゴンザレス・ファラン / AFP

7月、南スーダンで国連平和維持軍の一部が“持ち場を完全に放棄し”文民を世話し“保護するの任務に従って行動”し損ねたと人権団体は述べている。反政府派が、少なくとも5人の救援活動従事者を強姦した際、平和維持軍は助けるのを拒否したとも報じている。

7月11日、最大100人の反政府派兵士が、ジュバのテレイン・ホテル構内を攻撃し、連中は“少なくとも、5人の国際救援活動従事者を強姦、輪姦し、少なくとも更に何十人も肉体的、あるいは性的に襲い、ヌエル族であるという理由で、南スーダン人ジャーナリストを処刑した”と、ワシントンを本拠とする紛争地域民間人センター(Center for Civilians in Conflict)(略称Civic)の報告にある。

UNMISS内のいくつかの部門は、攻撃が起きて間もなく、情報を受けて、緊急対応部隊(QRF)は対応を命じられたが、“ところが緊急対応部隊は国連基地の門から出ようとせず、少なくとも中国とエチオピアの大隊は出撃を拒否した”と報告書にある。

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Justin Lynch Up to南スーダンで、272人死亡、国連公館近くを迫撃砲や携行式ロケット弾攻撃

人権団体は更に報じている。UNMISSは南スーダン当局から、路上のスーダン人民解放軍陣地をQRFが通り抜ける支援を確保したが“部隊は、それでも介入するのをいやがった。”

ジュバのある文民保護サイトでは、中国平和維持軍は“持ち場を完全に放棄し、国連基地に撤退した”と報告は明らかにしている。

“文民保護サイト内部には砲火から逃れる場所はなく、平和維持軍による保護も皆無のため、約5,000人の民間人が、塀と鉄条網を越えて、国連平和維持軍基地に逃げ込んだ。そこで、UNMISS 軍は、状況に対処しようと苦闘した。

7人の目撃者の説明によると、7月12日朝、UNMISSは、ほとんど、あるいは全く警告せずに、一般市民に向けて、催涙弾を発砲した。”

文民保護サイト内での平和維持軍の行動は様々で“UNMISSに外部を守る能力は存在しない”と報告書は指摘している。

7月8日に戦闘が始まって以来、国連任務は“ほとんど完全に、その基地に限定されており、外部の誰にでも保護を提供する能力は全く存在していない。更に、緊急時対策のまずさと、ミッションに関する、危機前の、交戦規則の普及や実地演習が不十分なのがあいまって、UNMISSは、一般市民に対する脅威に対応するには準備不足だった。”

“7月のジュバにおける衝突時に、国連平和維持ミッションは、大変に困難な環境に直面したが、基地の中と外の文民保護は不十分だった”と、Civicの事務局長フェデリコ・ボレジョは報道発表に書いている。

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“そのような問題が決して再発しないようにするためには、何がまずかったのかについて国連は透明性を高め、保護の任務に従って行動しそこねた、あらゆる個人や部隊の責任を問うことが重要です”と彼は述べた。

Civicは、暴力で直接被害を受けた、約27人の南スーダン民間人女性と、32人の南スーダン民間人の男性、21人の民間人と、UNMISS軍人、南スーダンにいる人道支援団体代表、22人、7月11日の攻撃時に構内に居合わせた4人、南スーダンにいる現地の市民運動代表、政府官僚と外交官にインタビューしたという。

しかしながら、7月の不手際は驚くべきことではないと人権団体は言う。この団体は、以前、政府兵士が、北部の町マラカルの民間人保護サイトを攻撃し、少なくとも30人の一般市民が死亡し、100人が負傷した際に、エチオピアとインドとルワンダの平和維持軍が居合わせた、2月の別の出来事を調査したことがあった。

暴力が進展する中、準備から実行に至る“平和維持軍の対応は、重大な諸問題に悩まされている”とCivicは述べた。後に国連も、攻撃された際の平和維持部隊の“怠慢、持ち場放棄と、戦闘拒否”を認めた。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/361767-un-peacekeepers-sudan-rape/
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大本営広報部の紙媒体は購読をしておらず、電気洗脳白痴製造装置の虚報は真面目に見ていないので、この話題が報道されたのかどうか、全く知らない。

なんとしても犠牲者を出し、侵略戦争への永久派兵を強引に「常識」にしようとしているとしか思われない属国傀儡与党。衝突であって、内戦状態ではない、不思議な世界。

ボート・レースの会場を検討しているという二人の知事。どちらも、開発特区推進派。つまりTPP推進派。

都知事になって、抜けた議席に、立候補した人物を、自民党が推薦している。露骨な茶番。分裂と見せかけて、実は、分派による補強に過ぎない。女性版小泉劇場。

昨日も、今日も、大本営広報部洗脳報道を見る時間がないのを嬉しく思っている。

植草一秀の『知られざる真実』
日本文明の墓場行きTPPバスに絶対乗らない! 2016年10月14日 (金)

2016年8月 9日 (火)

トルコ・クーデター未遂はCui Bono(誰の利益になるのか)? [仕組まれた]アラーの贈り物?

Felicity Arbuthnot
Global Research
2016年8月2日

“人には、余りに途方もない陰謀に直面すると、そういうものが実在するとは信じられないという障害がある。”

(J. エドガー・フーバー、Elks Magazine、1956年8月)

5月23日、Sean Adl-Tabatabaiが、今にしてみれば、確かに予言的な記事を書いていた。 “トルコにおける軍事クーデターに備えるエルドアン”。

筆者はこう警告していた

“レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、手がつけられない状態に見える。彼は、反対派を投獄し、マスコミを差し押さえて、反対派を取り締まっている… トルコ指導者は憲法裁判所を解体すると脅した。”“一連のテロの中、治安問題が悪化している”時期に。

更に:

“様々な出来事の結果、エルドアン‘皇帝’支配下で、長年隅に追いやられていた後、トルコ軍が、再び政治の場に登場するこ とになった。トルコ軍とエルドアンとの間の不和には長い歴史があるが、現在は、トルコ内外の騒々しい出来事によって、それが一層強調されている。たとえ ば、北シリアでの緩衝地帯設定や、トルコ軍部隊のシリア・イラク派兵の計画は、軍幹部から反対された。”(強調は筆者。)

“トルコ軍は長らく、自らを現代トルコ共和国の創設者ムスタファ・ケマル・アタチュルクが作った断固たる世俗国家‘トルコ民主主義の守護者’だとしてきた”

“関連する出来事”: 軍事クーデター準備は”クーデター未遂”になるのか

5月5日、エルドアンかアフメト・ダウトオール首相を首にすると、日刊紙ヒュリエットに、Murat Yetkinは書いた。“エルドアンが大統領でいる限り、誰が首相かは重要ではない。”

トルコ憲法を改訂し、アメリカ(不十分だと考えるむきもあるが)や他の大統領制民主主義には存在している、大統領権限を抑える憲法上の予防措置無しの、アメリカ風大統領制度を導入するというエルドアンの計画を支持するのに、ダウトオールは乗り気でないように見えた。

5月24日、エルドアンは、側近の元運輸大臣ビナリ・ユルドゥルムを、ダウトオールの代わりに首相に据えた。ユルドゥルムは政府による検閲と国家監視強化も担当していた。何千ものウェブサイトの取り締まりで、Cyber-Rights.Orgは“インターネットのコンテンツを支配する現在のトルコ法は、手続き上も、本質的にも欠陥はあるが、政治的発言を検閲し、沈黙させるように作られている。”と述べた。

いかがわしい経済取り引きという主張に悩まされていることとは別に、ユルドゥルムは、隔離主義者だとして批判もされており、妻は公式晩餐では離れて座ると報じられている。男女の学生が校庭で一緒にいるのを見た後、これでは間違った道を進んでしまうと言って、ある大学にゆくのをやめたとも言われている。

ユルドゥルムが首相となった二日後、トルコ国民議会のイスマイル・カフラマン議長は、エルドアン大統領が実現を望んでいる新憲法について語って、抗議デモを引き起こした。トルコのマスコミによれば“なんとしても、新憲法は非宗教主義であってはならない”と彼は述べた。

“憲法は宗教を論じなければならない … 非宗教的であってはならない。新憲法は、宗教的憲法でなければならない。”

政治的にイスラム教に根差しているエルドアンのAK党は、それゆえ、なんとしても現行憲法を、シャリア法に置き換えようとしているのだ。議長として、カフラマンは新憲法文章起草の取り組みを監督している。彼の発言は、大統領に代わって、政界のようすを伺うことを意図したものだと、広く見なされている。

この文脈で、主要イスラム教国における、シャリア法に対する態度に関する最新のピュー・リサーチ・センター(2013年4月)包括的調査で、シャリア法をトルコの公式な法にするのに賛成しているトルコ国民は、わずか12%しかいないことが判明している。

結局のところ、NATO加盟国であり、EU加盟を希望しているトルコは、クーデターの前には、政治的に波だった海を航海しており、無数の疑問符に取り囲まれていたのだ。

エルドアン大統領は、トルコ南西部の地中海沿岸にある思わず息をのむほど美しい港町マルマリスで休暇を過ごしていた7月15日、金曜日に危機をしらされた。悪党が、彼を殺害するためホテルを急襲するわずか数分前に、大統領は逃れたのだと聞かされている。

ちなみに、マルマリスは、劇的なものと、歴史的に決して無縁ではなく、ここからの避難は何度もあった。この場所がある地域は、紀元前334年、アレクサンダー大王に侵略され、15世紀中頃、オスマン帝国皇帝「征服者」メフメト2世に征服され、1798年、エジプトでの地中海作戦で、ナポレオン艦隊を打ち破る途上、ネルソン海軍提督“と彼の全艦隊がここの港に避難した。” 1958年、政治的地震ではなく、実際の地震によって、街はほぼ完全に破壊された。(Wikipedia.)

エルドアンがホテルを出て数分後: CNNチュルクによれば“ヘリコプタに搭乗していた約25人の兵士が降りて、彼を捕らえようとして、銃撃した”。

そこで彼を見つけられなかったのだが、奇妙なことに、ヘリコプターで輸送された兵士たちは、車で一時間半かかる最寄りの空港ダラマンに向かう彼の自動車を捜すことはどうやら思いつかなかったようだ。

更に離陸後: ‘出来事について知っている元軍幹部がこう主張している。

    “少なくとも二機のF-16が、イスタンブールに向かって飛行中のエルドアン機を威嚇した.

    “二機はレーダーを彼の飛行機にロック・オンし、他の二機のF-16が彼を守った。

    “一体なぜ、連中が攻撃しなかったのかは謎だ。” まさにその通り。

大統領官邸は激しく損傷し、議事堂も破壊され、残骸が散乱し、既に265人が死亡し、1,440人が負傷しているところに戻ったエルドアン大統領は、クーデター未遂についてこう発言したとされている。“アラーの贈り物”。

2,839人の軍人が即座に逮捕され、共謀者として非難される人々の粛清が始まると、2,745人の裁判官や検事が拘留を命じられた。

一週間のうちに、60,000人が解雇されたり、拘留されたりし、2,300の機関がエルドアンの命令で閉鎖された。それ以来、唯一存続している報道機関である可能性がある国営アナドル通信によれば、最新の数値は、マスコミ、医療、教育や司法を含む、粛清あるいは強制収容者の人数は、70,000人にものぼる。“今週だけで、少なくとも131の新聞、テレビや、ラジオ局、雑誌、出版社、通信社”か閉鎖を命じられた。”(Independent、2016年7月31日)

NATO同盟国で、欧州連合加盟希望の大統領は、明らかに、熱狂的な言論の自由の支持者ではない。クーデター未遂の前でさえ - 2014年以来 - 1,845人のジャーナリスト、評論家、作家が大統領侮辱のかどで告訴されており - 実刑判決をうける可能性があると報じられている。

Zero Hedgeで、Tyler Durdenが書いている最近の取り締まり(2)は仰天するほどだ。

“最初の‘緊急権限’命令で … エルドアンは、1,043の私立学校、1,229の慈善団体や財団、19の労働組合、15の大学と、35の病院の閉鎖を許可した … 政府は、こうした学校、大学や民間組織全ての資産を差し押さえるとも発表した。”

“うまい儲け話”とい言い方があるが、これは実際確実に、史上最大の不動産強奪の一つだ。スタンダード・アンド・プアが世界格付けで、こう発表したわずか二日後に、この没収が行われたことは興味深い。“ クーデター未遂がトルコの経済と投資環境をだめにして… トルコの信用格付けは大きく格下げされ、ジャンクの領域となった。”

“信用格付けは、現在BBで、見通しは、弱気で、更なる格下げの可能性もあることを示してる。”(ウオール・ストリート・ジャーナル、7月20日)

困難な時代には、最高級の不動産ほど頼るのに最適なものはない。

不動産強奪の合法性? おそらく、裁判官が絶滅危惧種になってしまい、人権や法律そのものが保留状態なのだ。

更なる粛清の数値はchilling。Independent紙によれば、2016年7月21日までに

      9,000人の警官が首にされた。

      6,000人の軍人が逮捕された。

      15,200人の教師と教育関係者が解雇された。

      6,500人の文部省職員が停職になった。

      1,577人の大学学長が辞職を命じられた。

      8,777人の内務省職員が解雇された。

      1,500人の財務省職員が解雇された

ヨーロッパで四番目に大きな航空会社トルコ航空では、事務と管理職を含め、250人の職員が解雇された。

30パーセント国有の電話会社チュルク・テレコムは“治安部隊と協力して”従業員を首にし、一部の管理職は、検事に召喚されたと報じられている。

更に、50,000通のパスポートが無効にされた。

アムネスティー・インターナショナルは既に恐怖を抱かせる報告書(3)を発行して、こう言っている。

“ … アンカラとイスタンブールのトルコ警察は、被拘禁者を48時間も無理な姿勢をさせ、食べ物、水や医療の提供を拒否しているという信じるべき報告があり … 最悪の場合、激しい殴打や強姦を含む拷問を受けた人々もいる。

“… 我々が記録した虐待の残酷な詳細は、拘留場所で起きている可能性のあるもののごく一部に過ぎません”と、アムネスティー・インターナショナルのヨーロッパ・ディレクターのJohn Dalhuisenは語る。

更に:

“被拘禁者たちが、スポーツ・センターや厩舎など正式ではない場所に収容されているという複数の報告がある。少なくとも三人の裁判官を含む何人かの被拘禁者が裁判所の廊下に収容されている。”

更に:

“ … 650-800人の男性兵士がアンカラ警察本部体育館に収容されている。少なくとも300人の被拘禁者には殴打された痕があった。被拘禁者の一部には、目立つあざや、切り傷や骨折があった。約40人は、ひどく怪我をしていて歩けなかった 。二人、立ち上がれない人がいた。そこの別施設に拘留された一人に女性は顔と胸にあざがあった。”

“訊問の為、検事のところに連れ出される人々が、血まみれのシャツを着ている様子を弁護士が説明している。”NATO同盟国で、EU加盟希望している国に関する詳細報告の内容は、NATO加盟国や、EU各国のほぼ沈黙状態同様に衝撃的だ。“自国民を拷問し、殺害する”独裁者と見なされる連中を巡って、欧米は偉くえり好みが強いのだ。

他の残虐行為とされるものに下記がある。

“対「イスラム国」トルコ作戦責任者であるテロ対策高官が、のアンカラの大統領官邸での‘会談’にでかけた。別の幹部によれば、彼は後に、両手を背中で縛られ、首を撃たれた姿で発見された” (4)

皮肉にも、トルコは欧州評議会のメンバーでもあり、欧州人権条約に制約される。トルコは国連の拷問等禁止条約の調印国でもある。

エルドアンは、トルコ諜報機関と軍参謀総長を、直接彼の指揮下におく憲法改訂実施を狙っているとも報じられている。クーデターとされるものから、わずか四日後、告訴も、裁判もされていない恐るべき8,777人にk死刑を復活させると彼は語っている。

“一体どうして私が、連中をこれから何年も刑務所において、食べさせなければならないのかね?”と彼は発言したとされている。(5)

クーデター未遂で不意をつかれた、大統領と彼の支持者連中が、これほど短期間に、70,000人もの人々を逮捕し、検挙し、解雇する段取りを一体どうやって整えられたのかが問われるべきだ。

氏名、住所、勤務先をリスト化し、彼らを逮捕するチームを組織し、首にしろという手紙を書いたり、出かけていって、首にしろといったりするのだ。これほどの規模の作戦は、準備に、何カ月ではないにせよ、確実に何週間もかかるはずだ。

抜け目がなく、政治的に精通したトルコ人実業家と色々話したところ、彼の見解はこうだ。“いや、彼がこれを計画したわけではないが、これによって彼は望んでいたもの全てを手にいれた - またしても - 一体誰が彼をこういう支配的立場においたのだろう …?

ところで、辞書の“cui bono”定義はこうだ。“ある行為や出来事で、その責任がありそうなのは、何らかの利益を得られる連中だという原則”(Merriam Webster.)

1.     http://www.dailymail.co.uk/news/article-3694546/At-height-Turkish-coup-bid-rebel-jets-Erdogans-plane-sights.html

2.     http://www.zerohedge.com/news/2016-07-23/first-emergency-decree-erdogan-shuts-down-thousands-hospitals-schools-charities

3.     https://www.amnesty.org/en/latest/news/2016/07/turkey-independent-monitors-must-be-allowed-to-access-detainees-amid-torture-allegations/

4.     http://www.moonofalabama.org/2016/07/the-after-coup-purges-in-turkey-continue-the-erdogan-administration-is-firing-any-public-servant-who-might-just-might-not.html#more

5.     http://www.middleeasteye.net/news/turkey-pm-warns-against-feeling-revenge-after-coup-496420178

The original source of this article is Global Research
Copyright Felicity Arbuthnot、Global Research、2016

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/turkeys-attempted-coup-cui-bono-an-organized-gift-from-allah/5539362
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こういう出来事なしに、着々と日本永久植民地化政策が進められるボンボンを、アルドアン、うらやましく思っているに違いない。

日本の庶民は、このトルコの惨状をうらやましくおもうことはない。憲法破壊で、緊急事態条項が実現するので、我々もすぐおいつける。

広島、長崎の名前が語られる季節。関連記事の一部を下記に列記した。ご一読いただければ幸い。

IWJ「報道の自由」を確保するには、まず経済的問題の解決が先決という深刻な状態。

■■■ 日刊IWJガイド「天皇陛下がビデオメッセージで『お気持ち』表明~『生前退位』の意向を強く/小池新都知事、初回の定例会見で『ここは東京であり、日本でございます』発言!/岩上安身によるアメリカン大学教授・ピーター・カズニック氏・乗松聡子氏インタビュー、谷口稜曄(すみてる)長崎原爆被災者協議会会長インタビューを再配信!」2016.8.9日号~No.1425号~ ■■■
(2016.8.9 8時00分)

 おはようございます。IWJで記者をしているぎぎまきです。

 昨日は、午後3時から天皇陛下がお気持ちを表明したことで話題が持ち切りとなりました。今生天皇がビデオメッセージでお気持ちを伝えるのは、2011年の東日本大震災以来、2回目のことだといいます。高齢を理由に「生前退位」の意向を色濃くにじませたビデオメッセージについては、後段で平山茂樹記者が詳しく解説しています。

 今日も盛りだくさんの内容で届けする本ガイドですが、その前に、昨日に引き続き、IWJの「裏方リーダー」谷口直哉スタッフより、改めて、重要なお知らせとお願いをさせていただきます!

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■『沖縄の強烈な日差しとスコールにも負けず、中継を続けるIWJ! しかし、機材の損耗も深刻化!!』

 日刊IWJガイドをお読みのみなさん、おはようございます。IWJスタッフの谷口直哉と申します。

 普段はインタビューのアポ取りや動画の編集、中継取材からキッチンの清掃まで、雑多な業務を担当しており、言わば「IWJの裏方業務」にたずさわっております。

 導入機材の選定やメンテナンスも担当している関係から、この日刊IWJガイドでは、何度か機材に関するご報告をさせていただいています。昨日もIWJの映像素材を保存するためのハードディスクが不足してきた現状をご報告させていただきました。

 本日は、IWJの過酷な取材のため、さまざまな機材の損耗が激しい現状を、皆さんに知っていただきたいと思い、記事を書かせていただきます。

 現在IWJからは、沖縄・高江の現場に原記者、阿部カメラマン、中継市民のKEN子さんの3名を派遣し、米軍ヘリパッド建設に反対する市民の抗議行動を中継し続けていますが、高江の現場は、沖縄特有のスコールに連日見舞われています。

 「やんばるの森」と呼ばれる熱帯雨林の中に位置する高江には、突然、どしゃぶりの雨が降ることがあります。スコールなのでしばらくすると止むのですが、バケツをひっくり返したような強烈な雨はまさにゲリラ豪雨。

 スコールがくると、ブルーシートを木々の間に張っただけの簡易テント内で抗議行動は行われますが、猛烈な雨はテントの中にも容赦なく入り込み、全てをびしょ濡れにしてしまいます。

 そんな時、阿部カメラマンは、ウエストポーチから大きなビニール袋をさっと取り出し、カメラや中継用機材を手際よく覆い、レンズとマイクだけをビニール袋に開けた穴からつき出して、雨から機材を守りながら中継を続けています。

 ビデオカメラ専用の防水フードを使ってもいいのですが、阿部カメラマン考案の「ビニール袋作戦」は、取り扱いやすく、コストパフォーマンスが抜群にいいので、IWJでは定番の防水対策になりました。

 IWJの中継スタッフはみな、こうした創意工夫を凝らして機材を守りながら、中継を行っていますが、毎日のように酷使される機材は、どうしてもいろいろな部分にガタが出てきてしまいます。接続不良をおこすカメラ、脚が外れてしまった三脚、起動しなくなったノートパソコン、断線したケーブル、充電できなくなったバッテリーなど、ありとあらゆる機材が日々故障していきます。

 こうした機材トラブルのために、大切な取材ができなくなって、会員の皆さまにご迷惑をお掛けするわけにはいかないので、日々機材をメンテナンスし、修理に出し、足りないものは購入しなければなりません。

 今回はこうした日々の損耗のため、購入しなければならなくなった機材のリストをご報告させていただきます。これは今すぐ購入の必要な緊急の備品だけにしぼったリストです。

●NAS用3.5インチハードディスク8TB(NAS増量用HDD)/単価¥36,498/8本/¥291,984

●3.5インチハードディスク3TB(アーカイブ用HDD)/単価¥14,666/20本 /¥293,320

●SONY密閉型スタジオモニターヘッドホン/単価¥19,224/1個/¥19,224

●Extra Battery for TVUPack PHYLION AN-2000D(TVU用バッテリー)/単価¥30,780/2個/¥61,560

●PHYLION AN-2000D Battery Charger(充電器)/単価¥52,704/1個/¥52,704

●Liveshell2(中継用機器)/単価¥44,290/2個/¥88,580

●EasyAcc 20000mAh(モバイルバッテリー)/単価¥4,299/2個/¥8,598

●センチュリー 3.5インチHDD専用収納BOX/単価¥1,264/5個/¥6,320

●MacBook Pro 13インチ 2.5GHz(ノートPC)/単価¥136,944/1個/¥136,944

●MacBook Air 11インチ 1.6GHz(ノートPC)/単価¥136,944/1個/¥136,944

●MacBook Pro 15インチ 2.5GHz(ノートPC)/単価¥305,424/1個/¥305,424

●Microsoft Office Mac Home Business 2016 Multi Pack(PCソフト)/単価¥37,584/1個/¥37,584

●Apple Thunderbolt - ギガビットEthernetアダプタ(ネットワーク機器)/単価¥3,780/1個/¥3,780

●Apple USB Ethernet アダプタ(ネットワーク機器)/単価¥3,780/1個/¥3,780

●TOMOCA 8パラボックス 4-FM(音声分配装置)/単価¥7,350/1個/¥7,350

●ステレオ標準 - ステレオミニ AT519CS(変換プラグ)/単価¥1,220/2個 /¥2,440

●HDMIケーブル片側(C側)L型コネクター 50cm(映像用ケーブル)/単価¥1,596/3個/¥4,788

●HDMI-Miniケーブル(A-C) 0.7m(映像用ケーブル)/単価¥709/2個/¥1,418

●HDMI-Microケーブル(A-D) 3.0m(映像用ケーブル)/単価¥1,473/1個/¥1,473

 なんと!総額¥1,464,215!!

 この見積書を代表である岩上さんに出した時には、岩上さんの目が白黒し、血圧と心拍が一気に上がった模様でした。「これはやはり会員だけでなく広く多くの皆さまに、具体的にこの現状を知っていただき、IWJの機材のピンチをどうか助けてくださいとお願いしなければ」と岩上さんに言われ、この文章を書いている次第です!

 北海道から沖縄まで、日本全国から日々リアルな報道を、皆さまにお伝えするために、どうしても必要不可欠な機材の補充だけで、これだけの予算がかかってしまうという現実を、どうかご理解いただければと存じます。

 そして会員の方も、会員ではないが無償の情報はチラ見しているという方も、どうかこのピンチにご寄付・カンパによってご支援をいただければと存じます!どうぞよろしくお願い致します!

 今後もあくまでも市民サイドに立ち、市民による、市民のメディアとして、大手マスメディアでは報道されない情報を取材、発信してまいりますので、何とぞ、市民の皆さんのお力でIWJをお支え下さいますよう、お願い申し上げます。

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから
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