地震・津波・原発・核

2022年3月 5日 (土)

ウクライナと核兵器

2022年3月3日
スティーブン・スター
コンソーシアムニュースへの特別寄稿

 核兵器に関して、プーチンとゼレンスキーが言い、行動したことをニューヨーク・タイムズ記者が甚だしく歪めた後、スティーブン・スターは、その記録を修正し、欧米メディア全般が誤った情報を伝え、世界全体を危険な方向に導くのを遺憾に思っている。


 2月28日、集団防衛の文脈で史上初めて動員されたNATO即応部隊に加わるためニュルンベルグ国際空港に到着したアメリカ部隊。(NATO)

 最近ニューヨーク・タイムズが「プーチンはウクライナが核兵器製造に向かっていると陰謀論を説いている」という題のデイビッド・サンガーによる記事を掲載した。不幸にして、大いに歪曲しているサンガー自身で、読者に、ロシアとウクライナの大統領が言い、行動したことの極端にゆがんだ彼の自説を報じているのだ。

 最近のミュンヘン会議におけるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー声明は、1994年のブダペスト覚書を中心に展開されたが、覚書はソ連が領土に残した核兵器をロシアに返却するウクライナの決定に関連し、核拡散防止条約(NPT)へのウクライナ加盟を歓迎するものだった。

 換言すれば、ブダペスト覚書はウクライナが核兵器を放棄し、将来核保有国にならないことに関するものだ。ミュンヘンでのゼレンスキー演説はウクライナがブダペスト覚書を否定しようとしているのを明らかにした。ゼレンスキーは本質的にウクライナはNATO加盟国にならなければならない、さもなくばウクライナは核兵器を獲得するつもりだと述べたのだ。

 ゼレンスキーはこう言ったのだ(強調は筆者)。

 「私は北大西洋条約と第5条の方がブダペスト覚書よりも効果的だと信じたい。

 世界第三位の核保有[すなわちウクライナは冷戦中ウクライナに置かれていたソ連核兵器を手放した]を断念することに対しウクライナは安全保障を得た。我々はその兵器を持っていない。それゆえ我々はあるものを持っている。宥和政策から、安全と平和保証への移行を要求する権利だ。

 2014年以来、ウクライナはブダペスト覚書の保証国との協議を三度召集しようとした。三回とも成功しなかった・・・私はブダペスト覚書の枠組みで協議を始めている。外務大臣は、それを召集するよう委任されている。もしそれが再び行われないか、それらの結果が我が国に安全を保証しないなら、ブダペスト覚書は機能しておらず、1994年の全ての決定は疑わしいと信じるあらゆる権利をウクライナは持っているはずだ。

 私はブダペスト覚書の枠組みで協議を始めている。外務大臣は協議を召集するよう委任された。もし協議が再び行われないか、それらの結果が我が国の安全を保証しないなら、ブダペスト覚書が機能しておらず、1994年の全パッケージ決定が疑わしいと信じるあらゆる権利をウクライナは持っている。」

 サンガーのタイムズ記事は、ゼレンスキーがウクライナの核兵器獲得を主張したのは「陰謀論」だとをほのめかしている。サンガーがブダペスト覚書の意味について知らないはずはなく、むしろ彼は意図的にそれを無視することに決め事実を誤り伝えたのだ。

 ウラジーミル・プーチン大統領は、大多数のロシア人同様、多数の歴史的な理由から、ニューヨーク・タイムズやサンガーのようなイデオローグが無視すると決めた、このような脅威を無視できなかったのだ。それが欧米主流メディアでは報じられなかったから、大半のアメリカ人がそれに気が付いていないので、それら事実の一部を列記するのは重要だ。話の一部を書き落とせば、プーチンを、介入の、いかなる理由もなしに征服の決意を抱く狂人に変えてしまう。

 まず、ドンバス地域のドネツク州とルガンスク州両方が、その年2月、選挙で選ばれたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領を打倒した、アメリカに支援されたクーデターに抵抗して、2014年にウクライナからの独立に賛成投票した。この独立賛成投票は、ネオ・ナチがオデッサで多数のロシア人を焼き殺した、わずか8日後のことだった。その後、彼らの独立への挑戦を鎮圧するため、アメリカに任命された新ウクライナ政府は、クーデターに参加していたネオ・ナチ・アゾフ大隊の支援を得て、両州に対する「反テロ」戦争を開始した。それは8年後依然続いている戦争、ロシアがまさに参加した戦争だ。

 最近記者会見で、この数値を提供したドネツク人民共和国指導者によれば、この8年間、ウクライナ軍とアゾフ大隊は砲兵隊や狙撃兵や暗殺チームを、組織的にドネツク人民共和国の5,000人以上の人々(更に8,000人が負傷した)主に一般人を虐殺するために使った。ルガンスク人民共和国では、更に2,000人の一般人が死亡し、3,365人が負傷した。2014年以来、ドンバスで、殺され、負傷させられた人々の合計数は18,000人以上だ。

 これをニューヨーク・タイムズは実に表面的な報道しかしていない。ワシントンの公式言説に合わないので、ウクライナが、ドンバスの人々に対する絶えず攻撃し「反テロ活動」を推進しているのを欧米商業メディアは報道していない。それどころか、8年間、この戦争は、現在のロシア介入のずっと前から、ロシア「侵略」と描写されてきた。

 同様に、ニューヨーク・タイムズは全体的報道で、ウクライナ軍が2022年始めまでに、ドンバスとのその境界に、軍の半数、約125,000人の兵士を配備していたことを報告しないと決めていた。

 ウクライナ政府内におけるネオ・ナチ右派セクターの政治家連中や、ウクライナ軍にとっての(アゾフ大隊などの)ネオ・ナチ民兵の重要性も主流商業メディアは報じない。アゾフ大隊はナチの旗を掲げている。彼らはアメリカ軍事顧問チームに訓練され最近Facebookで称賛されている。2014年、アゾフ大隊は内務省指揮下のウクライナ国家警備隊に組み込まれた。

 ナチは第二次世界大戦中、約2700万人のソ連人/ロシア人を殺した(アメリカは404,000人失った)。ロシアは忘れておらず、ネオ・ナチから来る、いかなる脅威や暴力にも極めて敏感だ。アメリカは一度も侵略されたことがないので、アメリカ人は一般に、これがロシアにとって何を意味するか理解できない。

 だから、ウクライナ大統領が本質的に核兵器を取得すると脅せば、これは確実に、ロシアは、実存的脅威と考える。それがプーチンがロシアのウクライナ侵略に先行する演説で、これに焦点を当てた理由だ。サンガーとニューヨーク・タイムズはウクライナの核の脅威を無視しなければならない。連中は何年間も、これに関するニュースを組織的に排除しているがゆえに、逃げ切ることができるのだ。

 「現在ウクライナは核燃料を製造するための基本インフラさえ持っていない。」と書いて、サンガーは非常に誤解を与えかねない発言をしている。

 ウクライナは核燃料を作ることに関心はなく、ウクライナは核燃料を既にアメリカから輸入している。ウクライナは、現在、通常核兵器製造に使われているプルトニウムを大量に持っている。8年前、ウクライナは使用済み燃料アセンブリーで50トン以上のプルトニウムを、多くの原子力発電所で保管していた(原子炉が稼働して、使用済み燃料を作り出し続けているので、現在おそらくもっとある)。プルトニウムは再処理され/使用済み核燃料から分離された途端、武器として使用可能だ。プーチンはウクライナは既に核弾頭を搭載可能なミサイルを持っており、彼らには確実に再処理施設建設と核兵器開発が可能な科学者がいると指摘した。

 2月21日のテレビ演説で、プーチンはウクライナが爆弾を作るためのソ連時代のインフラの残り物があると述べた。彼はこう言った。

 「我々が知っているように、ウクライナは自身の核兵器を作るつもりで、これは単なる自慢ではないと既に今日述べた。

 ウクライナは、ソ連時代に作られた核技術と、航空機や、射程距離100キロ以上のソ連が設計したトーチカ高精度戦術的ミサイルを含め、運搬手段を持っている。

 だが彼らは更に多くすることが可能だ。それは時間の問題に過ぎない。彼らはソ連時代以来、このための基礎を持っている。

 換言すれば、戦術核兵器の獲得は、このような研究を行っているが、ここで私が言及するつもりがない、いくつかの国々より、ウクライナにとって遙かに容易だろう。特に、もしキエフが外国から技術支援を受ければ。我々はこの可能性も排除できない。

 もしウクライナが大量破壊兵器を獲得すれば、世界とヨーロッパの状況は劇的に変化するだろう、特に我々ロシアにとって。我々はこの本物の危険に対応し、益々私は繰り返さざるを得ない。欧米のウクライナ支援諸国は、我が国に対して更に、もう一つの脅威を作るため、これら武器取得を支援するかもしれない。」

 拘束力ある核条約を拒否するNATO-アメリカ

 タイムズ記事で、サンガーは「アメリカ当局者は繰り返し核兵器をウクライナに置く計画はないと言った。」と述べている。

 だがアメリカとNATOは、ロシアと、このような主旨の法的拘束力がある条約に署名するのを拒否している。実際は、アメリカは、ウクライナをNATOの事実上の加盟国にして、軍隊を訓練し、武器供給し、ウクライナ領で共同訓練を行っている。アメリカは、なぜ核兵器をウクライナに置かないのだろう。彼らは既に他のヨーロッパNATO加盟諸国五カ国国境内の軍事基地に配備している。これは実際、NPTの精神に反するが、ロシアがアメリカに核兵器をヨーロッパのNATO加盟国から撤去するよう要求したことをサンガーが指摘する際、避けているもう一つの問題だ。

 イランがアメリカに届く核兵器やミサイルを持っていないのに、アメリカは何年間も、ルーマニアとポーランドのロシア国境に配備している弾道ミサイル防衛システム(BMD)は「イランの脅威」から防衛するためだと公言している。だがイージス・アショアーで使われている二重の弾道ミサイル防衛システムMark 41発射システムは、トマホーク巡航ミサイルを発射するため使用することも可能で、核弾頭を装着したSM-6ミサイルを装填すれば、5分から6分でモスクワに命中できるだろう。2016年、プーチンはこの危険について記者団にはっきりと警告した。昨年12月、アメリカとNATOに提出した起草条約にロシアはルーマニアとポーランドのアメリカ弾道ミサイル防衛システムの撤去も含めていた。

 もしロシアがカナダかメキシコ国境にミサイル発射施設を設置したら、アメリカの対応はどうかサンガーは考えたことがあるのだろうか?アメリカはそれを脅威と思うだろうか、アメリカはロシアがそれらを撤去するよう要求するだろうか、あるいはアメリカはそうするために軍事的手段を使うだろうか?

 30年前

 今日ロシアが取っている姿勢は「モスクワがロシア核科学者が平和目的のために彼らの技能を使うよう自発的に再教育されていた時、30年前に受けていた口調と全く異なっている」とサンガーは言う。

 30年前には、NATOはロシア国境まで拡大しておらず、何百トンもの武器でウクライナを溢れさせていなかったし、反ロシア政権を据え付けるため、アメリカがキエフ政権を打倒していなかったとロシアは答えるはずだ。

 タイムズは依然アメリカの「公式記録新聞」とみなされているが、これまでの数十年間で、それはワシントンが発する公式言説の主要代弁者に変化している。

 出版・報道の自由が、反対意見をもみ消し検閲する商業マスコミで置き換えられる時、国にとって本物の脅威がある。我々に今あるのは出版・報道の自由ではなく、ホワイトハウス最新命令の反響室として機能するプロパガンダ省だ。連邦政府の目的に奉仕すべく商業メディアに作られたエセ言説の組織的でっちあげのおかげで、世界の出来事についてアメリカ国民に誤った情報を伝え、ロシアと戦争する準備ができていると思わせている。

 おそらく全ての国々や国民を破壊する核戦争で終わるだろうから、これはアメリカとEUにとってのみならず、文明全体にとっての自殺路線だ。

 スティーブン・スターは元ミズーリ大学臨床研究室科学プログラム責任者、元「社会的責任を果たすための物理学者」委員会メンバー。彼の論文は原子力科学者会報、アメリカ科学者連盟と物理学とモスクワ物理技術研究所の戦略兵器削減ウェブサイトのブレティンに出版された。彼はNuclear Famine(核飢饉)ウェブサイトを維持している。

 表明された意見は著者のものであり、必ずしもコンソーシアムニュースのものを反映するものではない。

記事原文のurl:https://consortiumnews.com/2022/03/03/ukraine-nukes/

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 英語元記事がデーターを全て削除してしまったため重要な画像が見られなくなっていた、2014年のウクライナ・ナチスによる、ロシア系住民虐殺の画像を並べた「キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!)」魚拓ページをご教示いただいた方から、またしてもご教示いただいた記事の翻訳。

https://web.archive.org/web/20140515000559/http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-4bc4.html

 ちなみにConsortium News記事は、これまで多々翻訳している。日本だけでなく世界中のメディアや投稿が異口同音に「原発を攻撃した」とロシアを非難している。この記事は事実が全く逆であることを理路整然説明している。この記事に対する説得力ある反論を拝見したいものだ。

 これまで、まともと思っていたほとんど全てのブログが、欧米商業メディアの一斉砲撃を鵜呑みにして、一斉にプーチンは狂ったと叫んでいる。狂っているのはプーチンなのだろうか。小生が拝読しているブログの中でプロパガンダに同調しない例外は『私の闇の奥』しかないように思われる。

2022年3月 1日 (火)

福島原発の水の海中放水を検査するIAEA

2022年2月25日
ウラジーミル・ダニーロフ
New Eastern Outlook

 破壊した福島第一原子力発電所からの化学的処理されたが、依然放射能を含む水の放水の準備段階は、日本の近隣諸国の多くから、またしても注目を集めている。

 日本当局は10年以上続く廃止プロセスを推進するため、昨年4月、福島の水を放出すると決定した。読者は思い出すかもしれないが、2011年、マグニチュード9.0の大規模地震が日本の北東海岸沿いに、18,000人以上の人々が亡くなった巨大津波を引き起こした。津波は、福島第一原子力発電所に激突し、バックアップ電力供給を破壊し、原子炉3基の炉心溶融をもたらし、大気中に大量の放射能を放出した。150,000人以上の人々が彼らの家からの退去を強いられた。原発に最も近い共同体の避難命令が最近やっと部分的に解除された。

 原子力発電所大惨事のほぼ直後、政府と発電所を運用している企業東京電力にとって、放射能汚染水は深刻な頭痛になった。政府計画は何百万トンもの化学的に処理されたが依然放射能を含む水を、2023年に開始し、何段階かで30年で海に放出することを思い描いている。

 環境への影響は専門家が恐れたほど有害ではないと分かったが、福島第一原子力発電所でのこの事故は、チェルノブイリ以来、世界で最もひどい核災害だった。大惨事直後、日本政府は44種の魚の販売を禁止したが、2020年までに、これら全ての制約を解除した。農産物の超過放射能も益々まれになっている。その理由で、2月初旬、台湾は、今安全とみなされるので、北日本からの食料品、農産品の輸入禁止を撤廃すると発表した。

 それにもかかわらず放射能汚染水処分問題は政府と東京電力の課題として、依然大きくのしかかっているように見える。去年の時点で、150トンの放射能汚染水が、雨と地下水が原子炉を冷却するために使われる水と混ざって毎日原子力発電所から流出している。

 今のところ、この放射能汚染水は処理されてはいるが、水素の放射性同位体トリチウムと他の一部の元素は除去できない。全ての放射能汚染水が1,061基のタンクに貯蔵され、東京電力によれば、2023年春までに満杯になる。当局は結局ずらり並ぶタンクに新たに追加するのは困難かもしれないと恐れており、水の放出問題は緊急を要するのだ。

 しかしながら、海水で薄めればトリチウムのレベルが十分低くなることを保証すべく、放水前に一時的タンクとして使用される貯蔵場所が建設されている。日本当局のプロジェクトは、水を原発から1キロの距離で海中に放出する水中トンネル建設を開始した。トンネル建設は今年早々軌道に乗ると期待されてい。だが作業は、そのような取り組みへの国内、海外の同意の欠如や、コロナウイルス大流行に誘発された最近の遅れのため、多くの当局者がトンネルが間に合って準備できるのを疑うに中、6月まで延期された。

 一部の環境保護専門家や原子物理学者は、水の放出は、太平洋の海水が放射能を人に無害にするのに役立つだろうから、まだましな悪と考えている。同時に、大惨事後、顧客に見捨てられた地元漁師は、この動きを「絶対受け入れられない」と激しく批判している。

 その水域が日本の水域と接する韓国政府は計画に猛反対している。2月4日、ロシアと、中国指導部が、隣国や国際組織と日本の協定に基づき、責任ある適切な方法で水が処分されるべきだと言って、福島第一原子力発電所からの汚染水を海洋に放出する日本の計画についての懸念を主張する共同声明を発表した。

 東京電力は清浄化技術が少量なら無害なトリチウム以外ほとんど全ての放射性元素を水から除去するのを可能にしていると主張する。東電は海水で薄めた水の緩やかな放出は人の健康や海洋環境に対する脅威にならないと言う。だが2020年、グリーンピースは水がトリチウム以外の汚染物質を依然含んでおり再処理されなければならないと言っている。

 この状態で、日本政府は国際原子力機関(IAEA)に福島を訪問し、信用できる国際機関の賛同が国内、国外で批判者たちとの討論で強力な議論として使えるという考えで、処理された放射能汚染水の安全を調べるよう依頼した。最初、水放出に最も強硬な反対者である中国、韓国やロシアを含め、11の国の研究者チームが12月に日本訪問すると期待されたが、訪問はコロナウイルスの新たな波のためキャンセルされた。

 日本政府も同様に原子力発電所から化学的に処理された水を放出する計画に関して漁師と大衆から支持を得ようと苦闘している。漁師は、その海域に放射能汚染水を放出することの反対で特に強固だ。

 彼らの恐れは日本政府が福島から遠からぬ場所で捕獲されたメバルの販売をしばらく見合わせた先月の出来事によって正当化された。法的許容されたレベルより魚の放射能が14倍高いと専門家が見い出した後、これが起きた。日本の厚生労働省によれば、魚は安全レベルの1キログラム100ベクレルと比較して、1キログラムに1,400ベクレルの放射能を含んでいた。このニュースは、「タイムズ」が報じているように、破壊された発電所からの汚染水を海中に放出する当局の計画に反対する地元住民の不安を増した。

 2月14日、IAEA専門家の集団が「物議をかもしている」福島第一からの125万トン以上の汚染水の海中放出計画を再検討するため日本に到着した。IAEAグループは4月下旬にその調査結果を報告すると約束した。

 だが「ガーディアン」が報じているように、グリーンピース東アジア上級核専門家ショーン・バーニーは、IAEAがその報告で、安全と環境問題を徹底的に調査し、対処するとは信じないと述べた。彼は「IAEAが核問題で独立機関ではないことを指摘した。規定下での任務は原子力の推進だ。それは放射能の海洋汚染を影響がない、安全だと正当化しようと努めている。だがIAEAは環境や人の健康や、あるいは人権を放射能の危険から守ることはできない。それは彼らの仕事ではない。」

 ウラジーミル・ダニーロフは政治評論家、オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/02/25/iaea-to-check-the-release-of-fukushima-water-into-ocean/

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 『私の闇の奥』に気になる話題が書かれている。

原子科学者会報(BAS)も駄目になってしまった

 そして、日本のハチャメチャな原子力政策の現状を「西谷文和 路上のラジオ」で小出氏が語っておられる。

Vol.80 小出裕章さん「日米原子力マフィアの最後の悪あがき?アメリカの高速炉に技術協力」と西谷文和による「アフガン・カブールからの緊急報告」

 日本外務省、アメリカ合州国国務省日本支部と思っているが、もちろん、まともな人もおられた。
 大本営広報部、そうした方々を決して登場させず、宗主国走狗ばかり重用する。下記番組の東郷氏の意見を踏まえずに、ロシア・ウクラロイナ問題を論じる連中の暴論、耳を傾ける意味はない。東郷氏のご意見の大半、大賛成だが、日本が対ロシア外交で、彼のおっしゃるような行動をするとは100%思わない。アメリカにのみ忖度する連中しか、あの機関の中では出世できない。日本社会全体もそうだ。属国は根深い。

 UIチャンネル 1時間16分

ウクライナ情勢を徹底解説 鳩山友紀夫×東郷和彦(静岡県立大学グローバル地域センター客員教授,静岡県対外関係補佐官)

2022年2月 8日 (火)

NATO諸国は、なぜエネルギー切腹をするのだろう?

2022年1月12日
F・ウィリアム・エングダール
New Eastern Outlook

 EUのNATO諸国同様、アメリカ合州国の明らかに自殺的なグリーン(環境重視)経済政策あわせて考えると、ロシアと中国に対して益々攻撃的なアメリカとNATOの軍事姿勢には大きなパラドックスがある。世界で最も進歩した産業経済の驚くべき転換が進行中で、勢いを増している。転換の中心はエネルギーなのだが、2050年まで、あるいはそれ以前に「ゼロ炭素」エネルギーにするという、ばかばかしい要求だ。エネルギー産業から炭素を排除するのは現在、あるいは、おそらくは永久に不可能だ。だがそれを推進することは、世界で最も生産的な経済を、ばらばらにすることを意味するだろう。持続可能な産業エネルギー・インフラがなければ、NATO諸国は、オモチャの軍隊だ。太陽光や風力や蓄電池は「再生可能」エネルギーとは言えない。「頼りにならない」エネルギーと呼ばなければならない。それは歴史上最大の科学的妄想の一つだ。

 12月31日、ドイツの新連立政権は、残っている6つの原子力発電所の3つを永久閉鎖した。彼らは厳しい冬を迎えて、天然ガス備蓄が極めて少なく、激しい寒冷前線がくれば停電になりかねない時期にそうしたのだ。二本目のロシア・ガスパイプラインでの輸入、ノルド・ストリーム2の承認をドイツが拒否しているため、2021年1月と比較して、ドイツでは電気のスポット価格が500%も上がっている。

 事前に計画されEUエネルギー危機

 2011年にメルケル首相が、17の原子力発電所が安定的に全電力の25%を供給していた原発を段階的に廃止し、再生可能資源にする、原子力の早期に辞めるという悪名高いEnergiewende(エネルギー転換)を宣言した。残っている3つの原発は2022年末までに停止しなければならない。同時に2016年以来の、政府のグリーン・エネルギー政策で、2022年1月時点で15.8ギガワットの石炭火力発電所が閉鎖された。熱烈なプロパガンダにもかかわらず、太陽光と風力発電では、ギャップを埋められない事実に対し、穴埋めをするため、ドイツの配電網は、EUの近隣諸国フランスとチェコ共和国から相当の電力を輸入しなければならないが、それらの多くが原子力発電所のもの。Energiewendeの結果、ドイツは今日全ての工業国中で電力コストが最も高い。

 今フランスの原発からの供給には問題がある。12月に、フランス電力庁EDFが、腐食損害が発見された後、点検と修理のため合計4基の原子炉を停止すると発表した。4月の選挙に直面しているマクロン大統領は、ドイツの強い原子力発電反対の立場に対して、EUで原子力発電のチャンピオン役を演じようとしている。だが原子力発電は脆弱で、最近の主張にもかかわらず、原子力発電への新規大規模投資はありそうになく、フランスは、石炭火力発電とともに、今後数年で12基の原子炉を閉鎖する計画で、フランス、ドイツ両国とも将来エネルギー不足になりかねないままの状態だ。マクロンのフランス2030計画は、小型原子力発電技術に、わずか12億ドルの投資を主張している。

 だが原子力発電問題は、EUエネルギーの唯一の問題ではない。現在のEUエネルギー計画のあらゆる局面が近代的な産業経済を破壊するよう意図されており、ドイツのポツダム研究所のようなグリーン派シンクタンクに気前良く資金供給する、その設計者連中はそれを知っている。石炭とガスと原子力発電を置き換えるため、風力と太陽光という、たった二つの本格的選択肢の導入では、率直に言って、不可能だ。

 風車と群衆の狂気

 最適な日光が少ない国ドイツにとっては、風力が主な選択肢だ。風力における一つの問題は、2021年の冬に劇的に示されたように、風は常に吹くわけではなく、予測不能なのだ。それは停電、あるいは原子力は強制的に排除されたので、石炭や天然ガスなどの信頼できる予備が必要なことを意味する。再生可能資源の進歩を得意げに言いたいドイツのような国では、風力発電は理論的容量が誤解を招く恐れがあるほど過大評価されている。

 実際重要なのは、長期間に生産される実際の電力、設備利用率、あるい負荷率と呼ばれるものだ。太陽光発電では、負荷率は典型的に、わずか約25%だ。北ヨーロッパや北アメリカでは太陽は1日24時間輝いていない。空は常に晴れ渡っているわけではない。同様に風は常時吹くわけではなく、とうてい頼りにならない。ドイツは45%の総再生可能エネルギーを得意げに言うが、現実を隠しているのだ。フラウンホーファー研究機構が2021年の研究で、ドイツが2045年の100%無炭素の目標を実現するためには、太陽光発電の現在の少なくとも6から8倍設置しなければならないと推定したが、政府はその費用を見積もるのを拒否しているが、私的な諸推計は何兆にものぼる。報告書は現在の54GWの総太陽光発電容量から、2045年までには544GWが必要だと言う。それは面積3,568,000エーカー、140万ヘクタール、全国に16,000平方キロ以上のソーラーパネルを意味する。それに主要な風力発電所が加わる。それは自殺の処方箋だ。

 無炭素への合理的選択肢としての風力と太陽光の詐欺は理解され始めている。1月5日、政府が猛然と風力と太陽光発電所を建設している、カナダのアルバータ州で、温度がマイナス42度近くまで下がった酷く寒い日、電力網に接続された13の太陽光発電施設が、定格736メガワットだが、電力網に送電したのは58メガワットだった。26の風力発電施設は、総計定格は2,269メガワットの容量だが、電力網に18メガワットしか送電しなかった。グリーンで再生可能エネルギーとされるものの理論的な3,005メガワットからの再生可能エネルギー合計は取るに足りない76メガワットだった。2021年2月のひどい雪の間テキサスはドイツ同様太陽光と風力で類似問題を生じた。降雪時も太陽光発電所は無価値だ。

 同様に再生可能資源からゼロカーボンを実現するため、莫大な土地面積をソーラーパネルで覆うか、風力発電施設に捧げなければならない。ある推計では、アメリカで構想された46,480の太陽光発電所を受け入れるのに必要な土地面積は1,041,152平方キロで、アメリカ本土の、ほぼ20%の面積だ。これはテキサス州、カリフォルニア州、アリゾナ州とネバダ州を合わせた面積だ。バージニア州の新しいグリーン法、バージニア・クリーン経済法(VCEA)は太陽光プロジェクト応募の急増を引き起こし、これまでで、1248平方キロのソーラー・パネルになる。David Wojickが指摘しているように、それは破壊、約2,023,000平方キロメートルの農地や森林が破壊され、約500の個別プロジェクトで、バージニアの田舎の大半を覆う、驚異的な1億6000万枚の主に中国の何百トンもの有毒廃棄物になる定めのソーラーパネルを必要とする。

 何百万もの雇用?

 バイデン政権と再生可能エネルギーの皇帝ジョン・ケリーは、彼らの環境重視の取り組み、「より良い再建」は何百万もの新しい雇用を意味すると虚偽の主張をしている。彼らは、その雇用が、10年前に助成金を支給された中国で作られた安いパネルで、アメリカとEUの競争相手を破壊した後、ほぼ完全独占で遙かに大量のソーラーパネルを製造する中国内のものだと言うのを省略している。同様に風力発電機の大部分が中国企業により中国で作られる。一方中国は記録的な大量の石炭を使っており、ゼロカーボンの誓約を欧州連合とアメリカよりも十年先、2060に延期している。彼らはCO2が地球を破壊するというニセ・データとウソに基づく気候理論に、彼らの産業優位を危険にさらすつもりはないのだ。最近、ドイツ労働組合総同盟DGBは、2011年以来、中国製ソーラーパネルがドイツの主要ソーラー企業を破壊したため、主に再生可能エネルギー部門だけで、約150,000の雇用を失ったと推定した。しかもドイツは最もグリーンに夢中なEU加盟国なのだ。そもそもエネルギー密度が低い再生可能源の風力や太陽光は、基本的な電力コストを遙かに高く押し上げるので、彼らは経済全般で、今までに増やしたより多くの雇用を失っている。

 NATOの産業崩壊

 太陽光と風力は、現実には、従来の炭化水素や原子力発電より遙かに高価で、これが産業にとって、電力の全体的コストを押し上げ、企業が閉鎖するか、他のところ移るよう強いている。公式統計の詐欺だけがこれを隠蔽している。予想される何百万ものソーラーパネルあるいは風力発電所を作るために、ヨーロッパと北アメリカは膨大な鉄鋼とコンクリートを必要とするだろう。それには莫大な量の従来の石炭や原子力発電が必要だ。4700万台のドイツの電気自動車を家で充電するために、一体いくつの電気自動車の充電所が必要だろうか?どれだけ多くの電力が必要なのだろう?

 アメリカの主要グリーン・エネルギー・シンクタンクRethinkXが、2021年に、Rethinking Energy 2020-2030(2020-2030のエネルギーを再考する:100%太陽光、風力と蓄電池は始まりに過ぎない)という題の再生可能エネルギーのためのプロパガンダ研究を発表した。太陽光と風力の低設備利用率という問題への彼らの答えは、25%の低い設備利用率を埋め合わせるため、考えられているより500%あるいは1000%多く作ることだ。彼らはこのばかばかしい主張を、具体的証拠なしに「我々の分析は、2030年までに、太陽光と風力と蓄電池(SWB)の組み合わせによる100%がクリーンな電気が、アメリカ本土や世界の大多数の地域でも、物理的に可能で、経済的に妥当な価格で(我々がスーパーパワーと呼ぶ)クリーン・エネルギーのこの過剰生産は、一年の多くを通じ、ゼロに近い限界費用で入手可能だ」と主張する。この声明はデータや具体的で科学的な実行可能性の検討は皆無で、独断的な主張でしかない。

 国連アジェンダ21の設計者で、デイヴィッド・ロックフェラーの億万長者オイル親友のカナダ人、故モーリス・ストロングは国連合事務次長で、1972年6月のストックホルム地球デー会議の事務総長だった。彼はロックフェラー財団の理事でもあった。彼は、おそらく他の誰より、ゼロカーボン「持続可能な経済」産業空洞化計画に責任がある。1992年の国連リオ地球サミットで、ゲイツやシュワブのような急進的優生学提唱者の狙いを彼は露骨に言った。「工業化した文明社会の崩壊が地球にとって唯一の希望ではないか?それをもたらすのは我々の責任ではないか?」その狙いこそ現在のグレート・リセットだ。

 今戦争?

 ヨーロッパのNATO加盟諸国と、アメリカという先進的エネルギー集約的経済が、この自殺的路線を継続すれば、納得できる軍事防衛や攻撃を開始する能力は蜃気楼になるだろう。最近、腐敗したドイツ人の欧州委員会委員ウルスラフォン・デア・ライエンは、ドイツのハイテク防衛産業と、そのサプライヤーは「グリーン」あるいは十分「持続可能」ではないから、銀行融資を受け取るべきではないと宣言した。銀行は既にメッセージを受けとったと伝えられていくる。石油とガスとともに、今や防衛生産が標的に定められている。ドイツ防衛大臣としてのフォン・デア・ライエンは、ドイツ国防が壊滅的状態に崩壊するのを可能にしたとして広く非難されていた。

 狂ったアジェンダ2030と、ゼロ・カーボン・アジェンダの一方的な追求で、バイデン政権とEUは、この10年が終わるずっと前に破壊させる意図的な道に彼らの産業を置いている。それで、ウクライナ、ベラルーシ、アルメニアと今カザフスタンでロシアに対して今度は現在のNATOアジェンダを推進しているのだろうか?NATO諸大国が近い将来、基本的な軍産インフラが欠如するのを知っているなら、彼らは脱産業化という狙い対し抵抗する可能性があるものを排除するため、今ロシアとの戦争を引き起こす方が良いと考えるだろうか?もし挑発されたら、中国以外では、NATOに衝撃的な打撃を与える可能性があるのはロシアだけだ。

 Mass Formation Psychosisと、集団狂気

 1852年にイギリスの歴史家チャールズ・マッケイは『狂気とバブル―なぜ人は集団になると愚行に走るのか』という名作を書き、12世紀の十字軍や、魔女狩りや、オランダのチューリップ・バブルや多くの他の大衆妄想の背後にある集団ヒステリーについて、ほとんど知られていなかった見識をもたらした。経済的、政治的自殺に向かう世界中の非合理的な殺到を理解するには適切な本だ。

 ビル・ゲイツやフランシスコ教皇を含め、証明されていない実験的な遺伝子組み替えワクチンの大量COVIDワクチン接種命令と世界的規模封鎖の黒幕の同じ主要人物は、世界に未曾有の過酷な経済措置を受け入れるようにさせるためのクラウス・シュワブの世界経済フォーラムのグレート・リセットと、国連アジェンダ2030年のグリーン・ゼロ・カーボン狂気の黒幕でもある。

 こうしたものに無理矢理追い込むには、ベルギーの心理学教授マティアス・デスメット博士とロバート・マローン博士が、Mass Formation Psychosis、群衆精神病、理性を無視する一種の集団催眠と呼ぶ、従順で肉体的に弱い民衆が必要だ。地球温暖化の神話とコロナ流行計画の両方とも、このような集団催眠、「途方もない大衆妄想」を必要とするのは明確だ。COVID恐怖ヒステリーがなければ、我々は決して、環境重視の取り組みで、配電網を停電の瀬戸際に、経済が崩壊間際になるほど自由にさせていなかったはずだ。COVID WHO大流行と環境重視の取り組み両方の最終目的は、ブラックロックやGoogle-Alphabetなど一握りひと握りのグローバル企業による大企業独裁制の利益のため、世界経済全体のシュワブ・ディストピア・グレート・リセットへ向かう行進なのだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/01/12/why-do-nato-states-commit-energy-hara-kiri/

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 この件については是非下記をご覧頂きたいと思う。大変なマラソン講演。

【IWJ_YouTube Live】14:00~「たんぽぽ舎講演会『二酸化炭素による地球温暖化説の非科学』―講師:広瀬隆氏(ノンフィクション作家)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 コロナ対策で、自称専門家連中のデタラメぶりを、最初から的確に指摘しておられる岡田晴恵教授の著書多々拝読している。例えば

 著書を拝読し、発言を拝聴するたび思う。「無理が通れば道理が引っ込む。」

 日刊ゲンダイDIGITAL

注目の人 直撃インタビュー
岡田晴恵さんに聞く「政府の新型コロナ対策はどこから間違えたのか」

 北朝鮮では、おばさまが、強い調子で語る。
 日本では、美男美女が、楽しそうに語る。
 表現こそ違え、大本営広報。下記はTBSのもの。驚嘆する。マスクで産着というゆ党。かいわれ栽培という呆導。

大量在庫に希望者殺到の“アベノマスク” 意外な活用法提案で盛り上がり

2021年8月 3日 (火)

中国の核兵器強化を恐れるアメリカ ソ連ミサイル・ギャップ誇大宣伝の繰り返し

Finian Cunningham
2021年7月31日
Strategic Culture Foundation

 中国は、軍国主義に依存するアメリカ資本主義経済を維持するための、ソ連の「ミサイルギャップ」に相当する人騒がせネタにされている。

 今週、ヨーロッパ報道機関も繰り返しているが、アメリカ・メディア報道が、中国が核兵器発射のため地下サイロの大規模強化に着手している懸念を強調した。

 商業衛星データを引用するアメリカ・メディアが、西部地域の新彊と甘粛で何百ものサイロが建設中だと報道している。アメリカ軍当局者と国務省の外交官が、中国の核兵器備蓄の拡大とされるものを「深く憂慮している」と言ったとされている。

 北京は新たな核サイロに関する報道について、まだ発言していない。いくつかの中国メディア報道は、掘削は全く別のもののためかもしれないと言う。大規模風力発電施設建設。環球時報は、アメリカの主張を「偽物」と、はねつけた

 文脈が極めて重要だ。当初、アメリカの見出しは、曖昧で、極めて限定されており、この情報が決定的からほど遠いことを示していた。

 ウォールストリート・ジャーナルはこう報じていた。「中国は核弾頭ミサイルのため新たなサイロを作っているように思われると研究者たちが言う」。

 CNNは、こう大見出しを付けていた。「中国は核能力を拡大しているように思われると、新報告書でアメリカ研究者が述べる。」

 確かな情報が欠如しているにもかかわらず、国防総省と外務官僚が「深く憂慮する」と言うのをやめることはなく、推測報道に、事実の外見を付け足したのだ。

 別の考え方もある。中国が新たなサイロで核備蓄を拡大していたら、それが何だろう?中華人民共和国は350発に達する核弾頭備蓄を持っている。ストックホルム国際平和研究所によれば、アメリカは、およそ5,550の弾頭を備蓄している。

 アメリカの核攻撃能力は中国の15倍だ。だから国防総省が言うように、たとえ中国が核兵器備蓄を二倍にすることを計画しても、その増加は、アメリカの破壊能力の、ごくわずに過ぎない。

 北京は核備蓄を減少する責任はワシントンにあると主張している。今週アメリカとロシアは、トランプ政権以来、ワシントンが保留した取り組みである軍縮協議をジュネーブで再開した。ワシントンとモスクワは、世界全体の核弾頭の90パーセント以上を保有しており、イギリスやフランスのような他の小規模核保有国とともに中国が議論に参加する前に、軍備縮小義務を継続する必要がある。

 この文脈で、もう一つ配慮すべきなのは、アメリカ合州国の中国に対する敵意が増大していることだ。バイデン政権は、前任者トランプとオバマの攻撃的政策を続けている。反抗的な中国領の島、台湾の武装、南シナ海への軍艦航行、人権侵害、大量虐殺、貿易上の悪質行為、サイバー攻撃、Covid-19流行を巡り、メディアによって、中国を中傷している。この全てが、中国との戦争を受け入れさせるため、中国との対決をかき立てて、アメリカ世論を煽りたてているのを物語っている。

 議会聴聞会で、国防総省当局者たちは、近い将来、中国との戦争は十分あり得ると思うと述べた

 この文脈を考えれば、戦争を考えるアメリカの計算を転換させるため、中国が核防御を拡大しようとするのは合理的だ。問題は中国の軍事力増強とされていることではない。戦争のリスクを煽っているのは、北京に対する敵意というワシントンの犯罪的政策だ。

 だが、もう一つ鍵となる要因がある。アメリカは1兆ドルの核兵器備蓄強化を進めているのだ。それはオバマ下で始まり、トランプと、今バイデンの下で続けられている。これは中国の核能力拡大とされているものを、大局的に見ることを可能にする。アメリカは既に中国の核能力を小さく見せる核を保有しているのに、アメリカは中国に対する挑発的脅威を拡張しているのだ。

 更に、潜水艦発射弾道ミサイル、サイロ発射大陸間弾道ミサイル、核搭載戦略爆撃機というワシントン核戦力三本柱の強化は財政的に制御できない状態で突き進んでいる。

 無党派の連邦議会予算事務局による最近の報告書が、1兆ドルの核兵器強化は「仰天するほど高価な」予算超過でふくれ上がっていると警告した。わずか2年で、経費は予算を1400億ドル超過しているが、核兵器強化計画は合計30年続く予定だ。

 涙がこぼれるような税金の浪費は、一部のアメリカ議員を核兵器出費の大幅削減を要求するようにさせた。エド・マーキー上院議員や他の人々は「アメリカの膨張した核兵器予算」を非難した。アメリカ民間インフラのぼろぼろ状態を考えれば、法外な軍事出費に対する大衆の反対は、国防総省や産業複合体にとって、大きな政治問題になりかねない。

 中国のサイロ拡大とされていることに対するアメリカ・メディアの誇大宣伝は、冷戦中のソ連との「ミサイル・ギャップ」とされるものの繰り返しを見ているようだ。1950年代と60代、ワシントンと従順な商業メディアは、核弾頭ミサイル数で、ソ連がアメリカを抜いたことを示すと主張するCIAデータで活気づいた。後に「ミサイル・ギャップ」は実在しないことが分かった。だが、それが引き起こした恐怖は、今日に至るまで、ワシントンによる構造的、習慣的な莫大な軍事支出を、国民に受け入れさせている。財源の、この歪められた割り当ては、アメリカ社会の寄生的枯渇だ。いかなる合理的、民主的精神も、この奇怪な優先度を忌み嫌うはずだ。

 現在、中国は、軍国主義に依存するアメリカ資本主義経済を維持するための、ソ連「ミサイル・ギャップ」に相当する人騒がせネタになっている。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/07/31/us-fears-of-china-nuclear-expansion-deja-vu-of-soviet-missile-gap-hype/

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 コロナによる死者が1万5000人を超え、止まらない。

 長年死刑執行人に投票し続けた結果。

 LITERA

救急搬送困難続出で菅首相が「重症・重症化リスク以外は入院させない」の棄民方針!入れ込む抗体カクテル療法も使えない可能性大

2021年4月22日 (木)

福島第一原発放射能汚染水放出問題と日本の夏季オリンピック

2021年4月18日
ウラジーミル・オディンツォフ
New Eastern Outlook

 日本の閣議は、緊急事態にある福島第一原子力発電所の敷地に溜めた膨大な水を放出する公式決定した。現在、福島第一原発の敷地に、浄化しても分離できない放射性トリチウム同位元素で依然汚染されている125万トン以上の水を溜めたタンクが並んでいる。トリチウムを除去した方が良いのだが、その作業は信じられないほど困難で、非常に高価だ。部分的に、日本はこの技術を実験したが、決してそれを実行しなかった。

 日本当局によると、福島第一原発から水を放出する地域の年間放射能レベルは、海水で1.3マイクロシーベルト以下、大気中で0.62マイクロシーベルトで、「最大許容濃度」という概念にあてはまる。

 だが福島第一原子力発電所事故による放射性物質の環境への浸透は、この水の放出なしで既に否定的結果が発見されている。2018年、カリフォルニアのアメリカ・ワインが福島原子力発電所事故の放射性粒子を含んでいることが判明した。少量のヨードとセシウム放射性同位元素が韓国や日本の沖で捕獲された魚や栽培された野菜で検出されている。

 専門家によれば、緊急事態にある福島第一原子力発電所の放射能汚染水は、部分的に浄化されていとは言え、魚を食べた結果として、人体に入れば、外部被ばくより何倍も有害な追加の内部被ばくを起こす。日本当局の論理は明らかに誤っており、あらゆる原子力産業企業にとって、よくあるもので、太平洋が巨大で、薄められれば、タンクに溜められている放射性核種の濃度は下がるというのだ。だが人間にとって、環境のこのような放射性核種は、食物連鎖に入り、大きな脅威となり、究極的に、人体で内部被ばくを起こす。それは様々な病気の原因になる。日本が海中に放射能汚染水を放出した後、日本のみならず、地球での生活は更に一層危険になるのだ。そもそも、この国の国民は、既に米空軍による広島と長崎の原爆攻撃と、その後、国と環境の放射能汚染の結果苦しんだのだから、これを知っているはずだ。

 海流の構造によれば、原子力発電所の地域での放射能汚染水放出後、魚を獲り、国際食料品市場にそれを供給する日本の漁師のみならず、漁業水域は確実に影響を受ける。

 福島県住民、特に全国漁業協同組合連合会は、国当局の「安心させる声明」にもかかわらず、この汚染水放出に反対している。この問題に関する深い懸念を、日本の近隣諸国、特に中国、韓国、ロシアが表明した。

 4月12日、具潤哲(ク・ユンチョル)国務調整室長は記者会見で特にこう述べた。

「福島第一原子力発電所汚染水を海に放出する決定は周辺諸国の安全や海の環境を危険にさらすのみならず、近隣諸国として我が国が当然認められるべき議論や承認なしの日本による一方的決定だ。我々の議会、市民社会、地方自治体と地方議会は全て汚染水放出決定に反対だ。日本国内でさえ、漁師のみならず、専門家や団体も強く反対している。」

 韓国は長い間、福島近隣八県の海産物輸入を禁止しており、一般に全海産物の徹底的検査を行っていると彼は述べた。ここ数カ月で、放射性産品輸入の検証手順と追跡対策が強化され、今韓国は更に、全ての輸入海産物産地を監視、放射能レベルを検査する予定だ。具潤哲室長は韓国は、IAEAやWTOなどの国際組織と、この問題に関する調整を強化する計画だと強調した。

 福島第一原発処理水を放出する日本の決定に対する中国当局の極めて否定的な反応は4月12日、中国外務省により文書で表明された。「このような行為は極端な無責任の証明で、健康への重大な被害を起こし、近隣諸国の住民の安全を脅かす。」 中国外務省が強調しているように、日本による、このような一方的行動は「太平洋水域の放射能汚染をもたらし、遺伝性疾患を招きかねない」。

 日本のメディアは長い間、日本でのオリンピック大会開始前にさえ、これをする時間を得るため、福島第一原子力発電所の処理水の迅速な放出に関する決定を準備する日本当局について報じてきた。

 この点、福島第一原子力発電所事故後の状況は日本政府にコントロールされていると保証した、当時の(安倍晋三)首相が日本でのオリンピック大会を開催し、2021年夏まで、延期する決断をしたことを思い出すのは適切だ。現状で、放射能汚染水を太平洋に放出しなければならないと述べるのは、少なくとも東京オリンピックのため訪日する選手の健康について論争を招くから、現在極めてまずい選択だろう。例えば、サーファーは福島の南250キロ、太平洋の釣ヶ崎海岸でメダルを目指して競争する計画で、他の一部の競技は、原子力発電所から60キロ以内で行う想定だ。

 東京オリンピックは、周知の通り、コロナウイルス流行のため2020年夏から2021年に延期された。競技は2021年7月23日から8月8日まで日本で開催される計画だ。

 だが、東京オリンピック開催について、最近、国民の世論調査を行った「共同」によれば、大半の日本国民が2021年の実施に反対だ。調査された日本人の39%が大会中止に賛成で、約33%がオリンピック延期に賛成だった。世界中からの何千人もの選手が2021年夏日本の首都に来る事に賛成なのは、日本国民の、わずか24.5%だ。

 この状態で、日本政府は、国民の雰囲気にバランスをとり、オリンピック大会を中止する客観的な理由を見いだし、「面目を失わずに」それを報じるため、数カ月間機会を探っていた。最終的に、信頼できる筋を引用したイギリス「タイムズ」報道によると、日本政府は、2032年にオリンピックを開催する権利を獲得する狙いで、「Covid-19流行のため」東京でのオリンピック夏季大会中止を決定したいと暗黙のうちに考えている。

 オリンピック大会のホストを務めるのを拒否する決定がされつつある以上、日本政府代表は福島第一原子力発電所貯蔵タンクから水を放出する決定を長時間待たなかったのだ。

 だが、もう一つ問題が残っている。これら二つの決定後、日本人自身や東京オリンピック大会選手や国際社会が、現在の日本政府をどのように記憶するかだ。

 ウラジーミル・オディンツォフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/18/fukushima-daiichi-radioactive-dumping-and-the-summer-olympics-in-japan-in-question/

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 自民党にも、まともな人がいる?

福島第1原発の処理水は長期保管を
山本拓・自民党総合エネルギー戦略調査会・会長代理

 昨日の東京新聞朝刊「本音のコラム」斎藤美奈子氏 台湾有事前夜 傀儡首相の愚劣外交を批判しておられる。

 反対する官僚は「異動してもらう」と言うのが持論の政治家は、宗主国支配層に、『反対する首相は「異動してもらう」と言われないよう、無茶な要求を丸飲み。

 大本営広報部は悲惨な訪米結果のヨタ記事しか書かないが、訪米目的は下記インタビューでわかる。狂気。

【Newsweek独占】訪米中の菅首相が単独取材で答えた「日米関係」「中国問題」「東京五輪の行方」

 このインタビュー内容は今日の日刊IWJガイドの記事と、ぴったり重なる。一部引用させていただこう。

 ナチスの聖火リレーをやめない自民党と公明党の菅政権は、その裏で、あろうことかナチスドイツのヒトラーの独裁体制を樹立した授権法(全権委任法)に匹敵する緊急事態条項を含んだ、改憲案を容易に成立させられるようにする国民投票法の改悪を可決しようとしています! しかもコロナ禍で国民が苦しんでいるただ中においてです。

 6年前を思い起こしてください。2015年のことです。

 米国が戦争を起こすと、戦争放棄の平和憲法9条があろうと、それを飛び越えて、日本が自動参戦しなくてはならなくなる集団的自衛権行使容認を、安倍政権は、解釈改憲で認めてしまいました。その戦争をスムーズに遂行する関連法制である安保法制を、国民と野党の反対があったのに、強行裁決したのは、2015年です。

 こんな無理強いが行われたのは、すべては台頭する中国に対して米国がこれまで通りの覇権を維持していくためであり、集団的自衛権行使容認も安保法制も、日本を「対中戦線」動員するための仕掛けにほかなりません。

 米国は中国との正面衝突は避けて、自国の本土に中国のミサイルが飛来して米国人犠牲者が出る事態を回避するために、日本を筆頭とした同盟諸国を動員して、東アジアで、局地的な代理戦争を行い、日本を中国への「打撃力」として使うのが、その当時からの思惑でした。こうした米国の思惑に沿って、のちのち、日本から敵基地攻撃論まででてくるようになりました。自分から喜んで「鉄砲玉」になろうとするのですから、もはや骨がらみの「自発的隷従」であるといっていいだろうと思われます。

 福島第一原発事故についての、待望の(朝日新聞出版)『いないことにされる私たち』を読み終えた。講談社現代新書『地図から消される街 3.11後の言ってはいけない真実』の著者青木美希氏によるもの。第一章は「消される避難者」。第二章は「少年は死を選んだ」
 チェルノブイリ原発事故以降のソ連政府の対応とは対極の日本の対応。組織的、体系的に原発事故をなかったことにする「政官業学メディア」の五角形が作る原子村が今も原発を推進中。力作を書いていただけるのは有り難いが、折角の本が売れなければ効果はない。

 原発といえば、公費での自己PRに余念がない都知事批判をした芸人、瞬間感心したが、今度はトリチウム放出反対論を批判しているのにあきれる。掲載されているのは朝日新聞のAERAdot.。原発事故対策の問題点を的確に指摘する本を出版したり、原発推進記事を載せたり。忙しいことだ。「政官業学メディア」は「政官業学タレント・メディア」六角形に進化している?

 ところで、4月19日のThe Saker記事「重要な声明」がある。

Important announcement by the Saker!

 アメリカ財務省新声明が、ロシア諜報機関に支配されるニセ情報メディアを標的にすると明言し、その中で、下記メディアが該当すると書いている。

  • SouthFront
  • NewsFront
  • The Strategic Culture Foundation
  • InfoRos

 The Saker氏は、個人的に、こうしたサイトには全く問題ないと考えているが、外国人居住者としては、この声明に従うしかないという苦渋の決断をお詫びするという。今後上記サイト記事は掲載しないという。当ブログの多くの翻訳記事が、検索エンジンによって、しっかり隠蔽されているのは、こうした公式指示によるものだろう。

 IT media NEWSに、これにあたる記事がある。各社のロゴ画像もある。

米バイデン政権、ロシアに制裁 SolarWinds悪用サイバー攻撃や大統領選干渉で

 逆に、アメリカ財務省が「ロシア諜報機関に支配されるニセ情報メディア」と指定していないものは「アメリカ諜報機関に支配される情報メディア」だと想像したくなる。欧米メディアの人々がアメリカの走狗だと、ドイツ人ジャーナリストの故ウルフコッテ氏が著書で書いている。残念ながら、ドイツ語版のみ、英語版は手に入らない。

 2014年10月24日に下記翻訳記事を掲載した。もちろん『検索エンジン』には表示されない。

大手マスコミの主立った連中は皆CIAの手の者

 残念ながら、彼は2017年に亡くなっている。

ヨーロッパの勇敢なジャーナリスト逝く 2017年1月17日

“ドイツ政治家はアメリカ傀儡”ドイツ人ジャーナリストはアメリカ支持記事を書くよう強いられている 2014年11月10日

 The Saker氏と違って、「れっきとした属国民」として、アメリカ入国予定皆無なので入国拒否されてかまわない。属国ゆえに、Strategic Culture Foundation記事翻訳さえ、間もなく禁止されても不思議はない。ご興味ある記事をお読みいただける期間、もはや、いくばくもないかも知れない。今のうちに、お読みいただいたほうが良いかも。

2021年3月11日 (木)

アジア回帰:何がイギリスをつき動かしているのか?

2021年3月5日
ピョートル・コノワロフ
New Eastern Outlook


 インド洋と太平洋の、インド-太平洋地域(IPR)という単一戦略地政学的地域への合流と、地域の主要当事国、中国とインド間で増大する競合が、インド-太平洋地域の問題に、イギリスを含め新しい国々の関与を促進した。2020年、EU脱退後、ロンドンは外交関係を多様化し、新市場を探し、EU外の世界中の国々と関係を再構築しようとしている。

 イギリスが、商業的、経済的、地政学的権益を、過去数十年、世界経済成長のエンジンだったアジア諸国との関係発展に向けているのは驚くべきことではない。同時に、ロンドンは、オランダやドイツと異なり、インド-太平洋戦略を、まだ策定していない。今のところ、ブレグジット後時代におけるイギリス権益を促進する基礎は、当時の首相テリーザ・メイが2016年に発表した「グローバル・ブリテン」の概念だ。この概念は、EU離脱の有用性を証明することと、世界中で、政治的、経済的な重要性を増したいというイギリスの願望に基づいている。

 インド-太平洋地域におけるイギリスの特殊な地政学的立場は、歴史的結びつきのみならず、軍事基地の存在によって可能になっている。半世紀前の「スエズ以東」領土からの撤退にもかかわらず、ロンドンの戦略は、依然、軍事施設、地中海から東南アジアとオセアニアに至る兵站中枢や、地域の防衛パートナーの数を増やすことに精力を傾けている。これらの施設には、バーレーン海軍基地、インド洋のディエゴガルシア基地(アメリカと共有)や、シンガポールとブルネイの軍駐屯地がある。

 近い将来、イギリスは、広大な排他的経済水域(約830,000km2)と南太平洋における通商路の有利な位置にある(ニュージーランドが管理し、フランス海軍が哨戒する)ピトケルン島海外領土のおかげで、イギリス軍艦の邪魔されない航海が可能なオセアニアにおける海軍駐留を強化する可能性がある。1971年の5か国防衛取極(イギリス、オーストラリア、マレーシア、ニュージーランドとシンガポール)や、ロンドンとオセアニア間の防衛・安全保障協定を、2020年の200億ドルのロンドン防衛費増加同様、念頭におくべきだ。

 近年イギリスは、インド-太平洋地域における海軍の存在を強化している。例えば、2018年。中国は南シナ海の西沙諸島を通過するイギリス揚陸艦アルビオン航海を非難し、このような反生産的行動、中華人民共和国の権益に挑戦する試みは自由貿易地帯を設立する両国の作業進展に疑問を呈しかねないとロンドンに警告した。だが、このような警告はイギリスの戦略家を思いとどまらせることはできない。2019年、当時のイギリス国防長官ガビン・ウィリアムソンは、グローバル・ブリテンという概念は、「法律を踏みにじる国々に反対して行動する」ようロンドンに要求していると述べた。2021年、イギリスは、まさにこの目的で、太平洋と、おそらく南シナ海で最新航空母艦クインーエリザベスを活動させることを計画している。

 既に述べたとおり、イギリスのEU離脱で、ロンドンはインド-太平洋地域を含め、世界中の対話機構へのアクセスを失い、イギリスは今の現実に対応する地域の当事者と新しい繋がりを作る必要がある。2019年、アジア諸国がイギリスの輸出と輸入両方の20%を占めたことを指摘すべきだ。アジアでのイギリス最大貿易相手国の地位は中国に帰属する。2019年、両国間の貿易取引高は1110億ドルだった。地域のもう一つの主柱インドとのイギリス貿易は88億ドルだ。アジアへのイギリス輸出の基盤は、車、石油と石油製品、薬、電気機械と装置、貴金属などだ。

 だが最近、イギリスと中国の関係は特に劇的に進展、(あるいは、むしろ悪化)し、他方、それは主としてアジアとの貿易結びつきを確立するというイギリスの野心の実現を決めるのは北京側なのだ。一方、消費者10億人の巨大で名声ある中国市場は、ブレグジット後時代に、ロンドンが貿易を多角化する稀な好機だ。他方、両国の否定的なイデオロギー的、政治的言説が、彼らの協力成功を妨げている。2019年-2021年、5Gネットワーク建設に対し、イギリスは中国通信企業ファーウェイの装置使用を禁止し、中国の衛星テレビ局CGTNの放送許可を無効にし、香港抗議行動参加者に対する中国の動きを積極的に批判した。これら全ての行動は、アジアにおけるイギリスの権益に否定的影響を与えかねない。

 ロンドンの目標の一つは、Covid-19流行で損害を受けた経済の再構築なので、世界で最も重要な消費者市場の一つとの関係を損なうのは、明らかに反生産的だ。だが、イギリスは、中国との関係を悪化させる路線を転換しないように思われる。だから、ブレグジット後の困難な時期に、ロンドンは輸入依存を解消するため、中華人民共和国からの供給削減を決めたが、これはこの地域でのイギリスの地理経済的立場を複雑にするだろう。

 インド-太平洋地域における権益を推進するために、イギリスは、日本とオーストラリアの調停に頼るよう強いられるだろう。2020年10月、日本は既にイギリスとの経済連携協定に署名し、他方、オーストラリアは、2020年夏から、イギリスと自由貿易協定を交渉している。2021年1月末、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定への加盟を申し込んだが、そこで日本は特に重要な役割を果たしている。

 同時に、オーストラリアとイギリスは、ファイブ・アイズ諜報連合メンバーで、それは両国間の、経済のみならず、諜報協調の基盤だ。この諜報同盟に、日本を包摂する可能性について何年も議論が行われており、インド-太平洋地域にロンドンを関与させるための東京の支援は、日本にとって無駄ではないかもしれない。

 昨年2020年、イギリスに多くの難題をもたらしたが、同時に、インド-太平洋地域におけるその役割に関する議論も強化した。だが世界で最も活力に満ちた発展中の地域の一つへのロンドン回帰は、地域の国々との生産的な経済的結びつきのみならず、中国に対抗する試みが特徴で、それは実際、この地域におけるイギリスの立場を複雑にするだけだ。

 現代の世界秩序は、アメリカを中心とする概念から離れつつあり、最近数十年にわたり発展した同盟や統合組織が永遠ではないのは明確だ。イギリス自身、EU離脱でこれを示している。だから、インド-太平洋地域で重要な当事者になろうと望むヨーロッパの国は、例外なしに、地域の全ての主要諸国と絆を築く、現実的で適切な戦略が必要だ。

ピョートル・コノワロフは政治評論家、オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/03/05/returning-to-asia-whats-moving-britain/

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 櫻井ジャーナル 2021.3.10

東電福島第一原発のメルトダウン事故から10年を経ても先は見えない

 廃炉作業は全く進まない。チェルノブイリでも、溶け落ちた核燃料の取り出しはできていない。チェルノブイリは水冷却せずに済んでいるため石棺で覆うことができた。福島は、今後どうするのだろう。

 岩波書店の月刊誌『世界』4月号「誰が廃炉にするのか」無責任なお寒い現状を鋭く指摘している。東京新聞の昨日の朝刊特報面も。ゴール示さぬ「廃炉」作業。文中、原子力資料情報室の伴英幸共同代表はゴールは石棺だと考えておられる。地元では強く反対されているという。

 ナチスのゲッペルスが始めた聖火、出発式は無観客。

 福島原発事故に関する記事、多数翻訳している。

 右側コラムにあるカテゴリーの 地震・津波・原発・核 をクリック頂ければ、該当カテゴリー記事をお読み頂ける。

 自動的に記事の下に該当カテゴリー記事が表示されるが、重要と思えても古い記事は見事に無視してくれる。たとえば下記記事は決して表示されない。検索してみると、検索エンジンも、こうした記事のほとんどを隠蔽している。

 3/11掲載翻訳記事の末尾に、下記メモを書いた。

福島原発、冷却水用の非常電源が全て動かないという。メルト・ダウンと無縁だろうか?

前日読んだ新潮文庫、小川未明童話集の一話「赤いろうそくと人魚」を思い出している。あの主題、今の日本を連想させるのだ。最後の文のみ引用しておこう。

幾年もたたずして、そのふもとの町はほろびて、なくなってしまいました。

2021年2月25日 (木)

大惨事を招きつつあるアメリカの老朽化した原子力業界

Finian Cunningham
2021年1月20日
Strategic Culture Foundation

 設計年数を遥かに超えて老朽化した原発を稼働するのは、アメリカで、チェルノブイリや福島規模の大惨事のお膳立てをしているようなものだ。

 カール・グロスマン教授はアメリカ原子力産業に批判的な有名な専門家だ。Strategic Culture Foundationとの下記インタビューで、彼はアメリカ中の原発の本来稼働寿命40年で設計された老朽化する原子炉稼働許可を、現在最高100年稼働するよう延長するという規制当局が提案している動きへの懸念を強調している。この動きは、原発の益々維持不能な経済的側面を回復する方法として、原子力業界圧力団体が推進しているとグロスマンは言う。民間原発企業や産業を規制するはずの政府当局間の「回転ドア」関係もあると彼は指摘する。それは公共の安全の問題が、利潤促進のために無視されていることを意味する。設計年数を遥かに超えて老朽化した原発を稼働するのは、アメリカで、チェルノブイリや福島規模の大惨事のお膳立てをしているようなものだとグロスマンは警告する。

 カール・グロスマンは経歴として、ニューヨーク州立大学/ウェストベリー大学のジャーナリズム正教授も経験している。彼は受賞した映画製作者、著者、宇宙兵器化の有名な国際専門家で、この主題で国連会議や他のフォーラムで講演している。彼は宇宙への兵器と原子力配備に反対するグローバルネットワーク(Global Network Against Weapons &Nuclear Power in Space)の(1992年)創設者、理事長。グロスマンは画期的な本「Weapons in Space 宇宙の武器」の著者。彼はメディア監視団体Fairness and Accuracy in Reporting (FAIR)の会員。

インタビュー

質問:アメリカには、いくつ原子力発電所がありますか?アメリカのエネルギー供給全体で、原子力は貢献者として衰退しつつあるのですか?

カール・グロスマン:アメリカの原子力発電所の数は最高129から今94まで減っています。原子力はエネルギー源として衰退しています。これについての核情報資料サービス: Nuclear Information and Resource Serviceの飼料がここにあります。

質問:大半の原子力発電所は、稼働年数(40年)の末期で、提案された最高100年延長の資格があるのでしょうか?

カール・グロスマン:全てのアメリカの原子力発電所は40年認可されています。大部分が、60年稼働するよう、今更に20年延長を認められています。これまでのところ、ごくわずかが、80年間拡張の延長認可を受けています。それらに100年稼働を許すアメリカ原子力規制委員会(NRC)の考えはまだ採用されておらず、それで原発は、現時点で、100年間稼働する正式許可は与えられませんでした。

質問:規制当局の原子力規制委員会は、なぜ稼働認可を延長する処置をとっているのですか?事業者の利益ですか?儲かるNRCロビー活動ですか?回転ドア関係ですか?

カール・グロスマン:アメリカ原子力規制委員会は、実際は、アメリカ原子力承認委員会と呼ばれるべきです。それは原子力業界と、アメリカ政府の原発支持者が望むことなら何でもします。原子力規制委員会は、アメリカで、原子力を推進し、規制するため、1946年に作られたアメリカ原子力委員会(AEC)が起源です。原子力規制委員会がウェブサイトでその歴史をここで説明しています。

(AECとして知られている)連邦機関は、原子力(核)エネルギー開発と、軍・民間利用のための使用と管理のため、1946年に設立された。AECは、その後、1974年のエネルギー再編成法により廃止され、エネルギー研究開発庁(現在は、アメリカ・エネルギー省の一部)とアメリカ原子力規制委員会に継承された。関連情報は、我々の歴史を参照のこと。

 この説明に含まれないのは、原子力委員会が廃止された理由です。原子力を促進し、規制するという二重の役割は利益相反だとアメリカ議会が結論を出しました。(ちなみに、国際原子力機関はAECをモデルに作られ、原子力の利益相反を引き継いでいる。)

 それで、原子力規制委員会が規制のために設立され、最初に、エネルギー研究開発庁(ERDA)が推進のために設立されました。数年後の1977年、エネルギー省が設立され、ERDAはそれに吸収されました。

 けれども、推進というAECの考え方は原子力規制委員会でも続いています。

 私がしたように原子力規制委員会認可聴聞に行くだけで、これを見ることができます。「審判官」は、例外は極めてまれで、公正な客観的裁判官ではなく、承認手続きは核のイカサマ裁判です。

 原子力発電所に、100年、それのために原子力をアメリカに入らせておく努力を操作することを許すであろう提案について。今アメリカで建設中のたった2つの原子力発電所、Vogtle3と4は二人に対して280億ドルの費用がかかっている、価格は上昇し続ける。

 アメリカの原子力産業は、断末魔の苦しみにあり、しかも、これは最近の気候危機に対処するためには、原子力が必要だという、たわごとにもかかわらです。原子力ピノキオは、原子力発電所は、いかに温室ガスを放出しないか言います。彼らが言いたがらないのは、核燃料サイクル-採鉱、粉砕、燃料濃縮などが、炭素集約だということです。原子力発電所自身、炭素、放射性炭素を発散します。炭素-14。

 そこで、戦略は、業界をどうにか生き延びさせるために、これら老朽化した原子力発電所を稼働し続けることなのです。私は最近の論文で、原子力規制委員会が延長許可でしているのは、原発が「出力を高める」のを許すことだと指摘しました。より多く発電するため、原発をより激しく、より熱くします。これは大惨事を招きがちです。誰が100年ものの自動車で、誰が時速130キロや、140キロで走りたいと思うでしょうか?

質問:提案された数十年もの延長を正当化する詳細な専門研究があったのですか?それとも、公的管轄を超える異様な判断、挑戦なのでしょうか?

カール・グロスマン:私が知っている唯一の研究は記事で参照したパシフィックノースウェスト国立研究所のものですが、Beyond Nuclearのポール・ギュンダーが言うように彼が原子力規制委員会の会議から引用した後、政府ウェブサイトから「消去されました」。

質問:バイデン政権が、原子力規制委員会の動きに異議を申し立てる兆しはありますか?バイデンは再生可能エネルギーの増大を語りました。彼の政権は、原子力規制委員会による延長と原発産業全体に対して、不安を感じるべきではありませんか?

カール・グロスマン:まだわかりません。バイデンは原子力発電所のための「新しい改良された」原発支持者の現在の用語で「進歩した原子力」に賛成です。特に今推進されているのは「高度小型モジュール式原子炉」と呼ばれているものです。

 これらに関する原発推進者の全くのでたらめにもかかわらず、まだ安全上の問題があります。それらは致命的な核廃棄物を生産し続けているのです。

 原子力についての大きな疑問は、こういうことです。原子力がどのように汚く、危険で、高価かについての真実に、バイデンが気付くことができるかどうかです。

 大統領は原子力規制委員会メンバーを任命します。バイデンはどんな選択をするでしょうか?トランプ被任命者の現在の人は今月末に退任するので、彼は新委員長を任命することが可能でしょう。

 原子力規制委員会がここで認めているように「委員会は大統領に任命され、上院に承認された五人のメンバーで構成されており、その一人が大統領に委員長に指名される」。

 ここに原子力工学の長い経歴を明らかにする現在の原子力規制委員会会長履歴がある。

現在のクリスティーン・スヴィニツキ委員長は、2017年1月23日、ドナルド・J・トランプ大統領によってアメリカ原子力規制委員会委員長に指名された。彼女は現在、2022年6月30日に終わる三期目の任期を勤めている。彼女は2008年に委員会の仕事を始めた。スヴィニツキ委員長は、州と連邦政府で、立法部と行政部両方で働き、原子力工学と政策顧問として顕著な実績を持っている。原子力規制委員会に入る前、スヴィニツキは、広範囲な国家安全保障や科学と技術や関係する政策や構想とエネルギーと環境保護を推進するアメリカ上院職員として10年以上過ごした。彼女は、上院軍事委員会で専門職員として勤め、核兵器、核安全保障と環境保護プログラムを含め、防衛科学、技術計画や政策の職務のため、アメリカ・エネルギー省の原子力防衛活動の責任者だった。以前、スヴィニツキはアメリカエネルギー省で原子力工学技術者として働いた。

質問:最悪の場合、安全性が陳腐化した結果、事故になった原子力発電所の影響はどうでしょう?チェルノブイリの様な大惨事でしょうか?最悪の場合、本当の危険でしょうか?

カール・グロスマン:はい、チェルノブイリや福島の大惨事は原子力発電所を100年間稼働させようする結果の好例でしょう。チェルノブイリはソ連の設計でした。福島原発はゼネラル・エレクトリック製のものでした。(世界的に大多数の原子力発電所はGEかウェスティングハウスに製造か、設計だ。)

 原子力発電所大惨事の結果は、二つの最大事故は、核暴走あるいは炉心溶融ですがて、膨大です。

 チェルノブイリに関しては、私がチェルノブイリ大惨事に関する最良の本の編集者ジャネット・シャーマンにインタビューしたテレビ番組「チェルノブイリ:百万人の犠牲者」がここにあります。

質問:ここ数週間、原子力発電所を含めアメリカ・インフラにロシアがサイバー攻撃を始めているというアメリカ・メディアと諜報機関の主張が新たに報じられています。アメリカ本来の問題、ロシアのサイバー攻撃と全く無関係な原子力発電所事故のためにロシアが好都合なスケープゴートにされている気がします。それについて何かお考えは?

カール・グロスマン:もし古い原子力発電所を100年稼働させて事故が起きれば、「ロスケ」がアメリカ原子力業界に非難されるかもしれません。これらの連中は、呼吸するように、ウソをつくことを考えれば、それは想像力を越えるものではありません。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/01/20/america-decrepit-nuclear-industry-is-inviting-disaster/

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 衆院予算委国会中継を見ている。

 宗主国の状況は人ごとではない。最近の地震で福島原発格納容器の水位が下がるなど問題が起きている。アンダーコントロールとウソつき男はいったが、今まさに、アウト・オブ・コントロール (制御不能)状態にあることが改めて露呈している。

 自称復興五輪の聖火、あの原発事故発生時の事故対策拠点、Jヴィレッジから始まる。見聞きする被災者の方々の声は復興とはほど遠い。

 東京新聞

「差別は人ごとでない」福島の聖火ランナー抗議の辞退 「走りたい」葛藤も<森会長発言> 2月10日

 東京新聞

福島の魚から2年ぶり基準値超え クロソイ、国が出荷制限へ 2月22日

東電が地震計の故障を半年以上放置、福島第一原発3号機で 13日の地震記録できず 2月22日

原子炉格納容器の水位30センチ以上低下 福島第一原発1、3号機で 震度6弱の地震の影響か 2月19日

 東京新聞、昨日の朝刊「こちら特報部」は「定額サービス」の続く料金引き落とし。人が亡くなった後、遺族が解約に苦労する話。身につまされる。「本音のコラム」は斎藤美奈子氏の(総務省)「抜け道人事」毎回ながら鋭い指摘。

 デモクラシータイムス

菅、忖度官僚の無残【山田厚史の週ナカ生ニュース】

 日刊IWJガイド 論理的な懸念が指摘されている。

<IWJ取材報告1>IWJ記者の質問に田村厚労大臣は、ワクチン接種による「感染予防効果は実証されてない」と明確に認める! ワクチンは発症予防効果があるのみ! 検査・隔離対策を怠れば無症状者を増やし感染が再拡大の恐れも!? 2.24田村憲久厚生労働大臣定例会見

2021年1月10日 (日)

福島第一原子力発電所と放射能汚染水問題

2020年10月12日
コンスタンチン・アスモロフ
New Eastern Outlook

 韓国メディアや、彼らと関係する環境保護活動家が、福島第一原子力発電所大惨事後の何千トンもの放射能汚染水を、日本当局が海に放出した場合に起こる差し迫った世界的環境破壊問題を時折提起する。水が間もなく放出されるが、ソウルの姿勢だけが、東京が恐ろしい決断をするのを阻止しているという断続的ニュースで興奮は拍車をかけられる。

 この問題の本質について簡単に復習しよう。2011年の福島第一原発惨事以来、放射性物質の漏洩をもたらす地下水浸透のせいで、毎日、放射性水素同位元素トリチウムや他のものを含む約170トンの放射能汚染水が生産されている。まず第一に、元々原子炉回路にあった水がある。第二に、プラント残骸と残った核燃料の冷却に使われる水がある。地下水源から流れ出て、海に向かって敷地を通過するかなりの量の水も汚染されている。水は大半の放射性物質を抽出するため処理される。だがトリチウムや他の物質は、そのまま水中に残り、膨大な量の汚染水が約千の巨大貯水タンクに保管されている。

 現在、約170万トンの物質が水タンクの中で保管されているが、2022年末までに(あるいは最悪の場合、夏までに)空いた収納スペースがなくなる。爆発した三基の原子炉は解体からほど遠く、破損した原子力発電所の所有者、東京電力は、汚染水問題に早急に対処するよう要求している。

 (トリチウムを除く)62種の放射性物質の閾値を下まわるよう処理されているので、日本政府は保管された水を「処理水」と呼んでいるが、2018年9月、890,000トンの処理水の研究が行われ、まだ80%以上が閾値を超える放射性物質を含んでいることが判明した。

 日本の専門家は、水中の放射能量は、韓国月城原子力発電所の放射能量の1パーセント以下しかないと安倍前首相が、
主張したのを引用している。韓国人科学者はこの声明に懐疑的だ。福島第一原子力発電所と韓国の原子力発電所の汚染レベルを比較するには、檀国大学校の原子力工学のMoon Zhu-hyun教授によれば、水サンプルが採取される場所を明確化するべきなのだ。異なるサンプリングの場所からの数値を一見した後、我々は汚染レベルの正確な比較ができるのだ。

 KAIST大学原子力及び量子工学科のChoi Sung Min教授は、ソウルと東京は、この問題で、科学的な裏付けがない意見を言うのを控え、慎重にするべきだと言っている。

 ウラジーミル・オディンツォフはNezavisimoye Voyennoye Obozreniye(独立軍事レビュー)記事で、2017年-18年に表面化した多数の環境問題の例を挙げている。原発からかなり離れた砂浜でのセシウム137沈着や、福島第一惨事後に生産されたカリフォルニア・ワインで微片が発見された。放射性沃素同位元素やセシウムは、日本の沖で獲った魚や、韓国で栽培された野菜でも発見されている。

 東京電力は2019年8月にこれを発表し、破壊した福島第一原子力発電所から太平洋へ汚染水を放出する提案をした。東京電力幹部によれば、問題を解決する他の全ての方法が、余りにも困難だ。

 2019年10月、イギリスでの国際海事機関会議で、韓国は、水管理問題について近隣諸国と意見を一致させる努力をするよう日本に要求した。

 2019年12月24日、2016年に、汚染水を無くする措置を論じるため日本の経済産業省に作られた小委員会が、福島から水を無くす、三つのあり得る計画を発表した。海中への放出、蒸発させ、大気に放出すること、あるいは両方を同時に利用することだ。

 全過程は少なくとも10年を要するだろう。専門家によれば、両方の方法が非常に実行可能で、それらは環境と人間の健康にほとんど影響を与えず、類似の先例が既にあり、環境の必要条件を含め、様々な必要条件を満たす。だが、放射能汚染水の海への放出で生みだされる悪いうわさは、大きな社会的影響を与えかねない。

 韓国のメディアお気に入りのショーン・バーニーは、うわさを広める好例だ。グリーンピース・ドイツの、1997年から福島に本拠を置くこの上級核専門家は、彼らが核エネルギーの危険を理解し、環境のことを深く気にかけているので、この問題は韓国人にとって明らかに重要だと主張する。彼の意見では、福島は、日本のみならず、アジア太平洋全体の地域の環境に対する脅威であり続けている。「これは決して終わらない核災害であり、韓国人は、率直な意見を述べ、良くない決定に反対することによってのみ、環境保護の上で、進歩が実現できることを理解している。」

 バーニーは、被曝には専門的に安全レベルはなく、放出される汚染水は、海洋生態系と人の健康に対する直接の脅威となると考えている。(割り引いて受けとるべきだが)彼によれば、トリチウムは、人や人以外のDNAに損害を与える可能性があり、たとえ汚染水処理が成功しているにせよ、莫大な量のストロンチウムなど他の放射性核種を残したま放出される。「明確な選択肢、つまり放射性核種を取り除くための長期貯蔵や処理があるのに、このどれも環境の見地から正当化できない。」

 2020年2月、日本当局が福島原子力発電所の百万トン以上の放射能汚染水を太平洋に放出するつもりだという情報を多くの放送局が流した後、パニックが起きた。一部の専門家によれば、海は、汚染された水を薄めることが可能なので、人間にとって、それを安全にするのだからして、この方法はより小さな悪だ。2020年2月4日、日本当局が、彼らの計画の利点について、説得しようとして、韓国大使館当局者と会談を行った。

 3月25日、トリチウム含有量を40分の1レベルにするため海水で薄め、国の安全基準で認められ、放射能汚染水を放出する計画が判明した。これは30年間にわたり、おこなわれる。

 3月26日、韓国大統領府は、日本は、水放出計画が韓国国民の健康と安全と海洋生態系に影響を与えないことを保証する措置をとるべきだという国務調整室声明で、日本の計画への懸念を表明した。

 しかし、その後、コロナ流行のため、オリンピックは延期され、ソウルの行動は、環境問題というより、日本側を粉砕する狙いで拍車をかけられたものだったため、重要なピークは突然消散した。この声明後、活動家と当局の動きはずっと散発的になった。

 この声明は、9月21日から25日まで、ビデオ会議形式で、ウィーンで開催された国際原子力機関一般会議(IAEA)の第64回総会で行われた。科学技術情報通信部の鄭炳善(チョン・ビョンソン)第一次官は、日本が極めて汚染した水を海に放出する可能性を考慮していることに再度懸念を表明し、放射能汚染水廃棄物が環境にもたらしかねない損害を慎重に分析する必要性を強調した。彼は国際法に従って、日本は汚染水処分問題に関し、国際社会と広く対話しなければならないことを指摘し、この問題に対して、より積極的な姿勢をとるよう、IAEAに呼びかけた。

 もちろん、遅かれ早かれ、貯蔵タンクはあふれるが、パニック的なうわさを、事実に基づく恐怖と分離し、問題を政治化する企みを無視して、この問題に対処しなければなるまい。その間、ソウルは虚報で人々を驚かせる可能性が高いが、こうした叫び声の強さは、政治情勢と密接に関係している。

  コンスタンチン・アスモロフは歴史学博士、ロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮研究センター主任研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/10/12/the-fukushima-daiichi-npp-and-its-radioactive-water-problem/

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 休場だらけの大相撲開始。途中中止ということはないのだろうか。全員、15日間隔離して生活させるのだろうか。

 汚染水問題を放置して不幸オリンピック強硬方針。与党も大本営も暴徒同様。宗主国では暴徒が国会に乱入した。属国では、暴徒が常時国会を支配している。

 今日の孫崎氏のメルマガ題名 悲しい現実に座布団十枚!

転載:日刊ゲンダイ「くじ引きで決める首相の方が菅首相より立派になるのでは。日本の司法制度に「裁判員裁判制度」。この際、首相もくじ引きで選んで決めたらどうだろうか。考えて!。くじ引きで選んだ首相の方が、菅首相よりあるべき姿に近い政治をするだろう。

 呼吸するように易々とウソをつく男が、アンダーコントロールという真っ赤なウソをついて、不幸オリンピックを引き寄せた。原発事故自体、緊急電源対策を無視した彼と東電の人為的失敗が遠因。汚染水問題、アンダーコントロールどころではないことの証明。これについては、過去再三書いている。

 2006年3月1日の国会質問に全てが凝縮されている。驚くほど的確な共産党吉井英勝議員の質問と、いい加減な寺坂信昭のでたらめ回答にご留意願いたい。こういう場面、毎日繰り返して放送してもらいたいくらい。

吉井「最悪の場合は炉心溶融ですね。最悪の場合」
寺坂「最悪といいますか、あの(笑)。そもそもそういった事態が起こらないように工学上の設計がなされておりまして」

 原発事故 吉井議員質問ダイジェスト

 質問趣意書もある。日本人には、こういう基本的な文書を読む能力がないのだろうか。

 巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書

 衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書

 日本がコロナに負けた証明の無観客アジア大会なら開催可能。メダル大量獲得国アメリカもロシアも参加できまい。中国一人勝ち。悲惨なオリンピック又はオリンピック中止後の衆議院選挙どういう結果になるだろう。そもそもオリンピックが開催されれば、コロナは一層大爆発する。選挙そのものが不可能になるかも知れない。庶民にとって最良の結果は五輪中止。昔都民ファーストの熱狂的支持者から五輪バッジをもらった。捨ててはいないが行方不明。

 最近思うが、自民党・公明党・異神売国政権と忖度官僚コロナ対策、決して失敗でも馬鹿でもない。コロナ爆発に渾身の力を振るっている。ぼろぼろにしてから、アトキンソンや竹中を代理とするアメリカ巨大資本に売り飛ばすのだ。

 いささか古い記事を翻訳しようと思った理由は単純。岩波書店の月刊誌『世界』2月号で「廃炉への現実的道筋を提起する 上 汚染水の海洋放出は必要ない」を読んだため。雑誌をお買い求めの上お読みいただきたい。無料で吹き込まれるテレビ洗脳情報しか見なければ、だまされつづける。極力テレビの洗脳番組を見ず、有償か、時間をかけるかして、まともな情報源から情報を得ない限り。

2020年3月15日 (日)

福島第一原発汚染水の大洋放出は、よりましな悪か

2020年3月12日
ウラジーミル・オディンツォフ
New Eastern Outlook

 今年二月、日本政府は福島第一原子力発電所の百万トン以上の放射能汚染水を太平洋に放出するつもりだと多くのマスコミが報じた。一部の専門家によれば、海は汚染された水を人々にとって、安全に薄めることができるので、この方法は、よりましな悪なのだ。

 それにもかかわらず、この提案は日本でも近隣諸国でも既に不満を引き起こしている。

 まだ日本政府はこの計画を公式発表していないが、この提案を支持して当局が開始した福島の汚染水を大洋に放出するマスコミ・キャンペーンを考えると、この考えを断固やり抜くという安倍政権の意図は益々明確になりつつある。

 福島第一原発事故から九年が過ぎたが、破壊された三基の原子炉は、解体から、ほど遠いのを読者は想起願いたい。福島第一原子力発電所の所有者、東京電力は、放射能汚染水の問題を迅速に解決するよう要求する最後通牒を日本政府に送っている。毎日、福島第一原子力発電所の溶融した原子炉を冷却すると、150立方メートルのトリチウム(水素の放射性同位元素)や他の化学物質を含む汚染水が生じる。大惨事の際、原子炉の冷却回路で使われた水、破壊された原発と残った燃料を冷却した水の問題がある。地下水源から流れ出て海に向かう大量の水も汚染されている。全部で、東京電力は原子力発電所の敷地に、同社推計に基づけば、現在110万立方メートルの放射能汚染水を、千台の特殊タンクに保存しており、2022年の夏までに、汚染水の場所が足りなくなる。2019年8月に、東京電力は、これを発表し、汚染された水を、破損した福島第一原子力発電所から太平洋へ放出するという提案をした。

 これまでのところ、東京電力は、福島第一原発からの水を大洋に放出するが最良の解決であると地元の漁師と住民を説得するのに失敗している。東京電力経営幹部によれば、問題を解決する他の全ての方法は困難だ。

 日本政府は、政治的理由のみならず、福島第一事故後、日本政府が状況をアンダーコントロール(制御)しているという安倍首相の保証で、日本で開催するよう予定されている来る2020年オリンピック大会に配慮して、東京電力の最後通牒にまだ答えていない。現在の環境で、放射能汚染水を太平洋に放出しなければならないと述べるのは、少なくとも、来る東京オリンピックのため訪日する選手の健康に関する激論を招くだろうから、現在は極めて不適切な選択肢だ。例えば、サーファーたちは、福島の250キロ南にある太平洋の釣ヶ崎海岸でメダルを目指して競うのだ。

 福島原発からの海中への漏水が既に重大な環境問題、つまり原発からかなりの距離にある海岸の砂にセシウム137の堆積をもたらしたのは秘密ではない。それは海流によってそこに運ばれたのだ。これは2017年9月(すなわち核事故から六年半後)に発見され、当時、アメリカのウッズホール海洋研究所の研究者が、原発周辺の広大な地域の土壌サンプルを研究した。唯一の救いは、対象地域が無人で、放射能被曝のリスクがなかったという事実だった。

 2018年に、福島第一原子力発電所の所有者、東京電力が、海に放出する水を濾過するのに使うシステムが、全ての有害物質を除去できないのを認めた後、謝ることを強いられたのは、日本の当局にとって、もう一つの不快な事件だった。

 2018年、カリフォルニアのアメリカ・ワインが、七年前の福島第一原発事故の放射性粒子を含んでいることが判明した。これは2009-2012年に収獲されたブドウからのカリフォルニアの赤とロゼ・ワインのバッチを調査していたフランス国立科学研究センター(CNRS)の科学者ミシェル・パヴィコフ、クリスティーン・マルケとフィリップ・ユベールが、その中に放射性セシウムとしても知られているセシウム137微片を発見して報告された。これは原子炉と核兵器での核分裂によって形成される合成同位元素だ。福島第一原発事故後に生産されたワインでは、放射性粒子のレベルは大惨事以前より高かった。

 ヨードとセシウムの少量の放射性同位元素が、韓国で栽培された野菜や、日本の海岸沖で捕獲された魚にも発見された。これは長く続いている韓国産業に危機をもたらした。海産物貿易だ。分析に基づいて、茨城(福島第一原発の北にある同名県の首都)から一キロで捕獲された魚の四匹に一匹が許容量より少し高いセシウムを含有していることが判明した。業者によれば、海に漏出している放射能に関する報道が海産物売り上げの50%減を招いた。結果として、韓国政府は福島第一原発を取り巻く地域からの産物輸入を禁止した。当局は日本からの全ての魚加工品を徹底的に検査すると繰り返し述べた。

 これらは、地元や国際マスコミに報道された件の一部に過ぎない。

 その前のチェルノブイリ事故と同様、福島大惨事から生じる結果の大きな規模からして、それから生じる問題は、世界最高の専門家たちの関与なしには、効果的に、完全に解決できないだろう。さもないと、正しくない決定が、望ましくない環境結果をもたらし、地域で人々の健康に悪影響を与えるだけでなく、原子力産業に対する信頼にも悪影響を及ぼす可能性がある。現在日本政府は、依然、原子力を信頼しており、2030年までに、原子力発電所で生産されるエネルギー量を20-22%増やしたいと望んでいる。

 2020年2月4日、日本の当局は、福島の貯蔵場所から放射能汚染水を放出する計画の利点を説得しようとして、各国大使館当局者との会議を開催した。

 東京電力や日本政府や個々の専門家が、無期限に延期するより、できるだけ早く、汚染水問題を解決したいと望んでいるのは、ある程度理解できる。だが目下の問題に対する彼らの対処方法を支持するのは困難だ。透明性度の欠如と、本質的に、この問題解決の上で、日本政府が国際社会との全面的協力を嫌がっているのは皆にとって有益ではない。

 福島第一原発からの放射能汚染水が、最終的にどうなるかはまだ不明だ。これまでのところ、日本政府は問題への対処で、より広範な専門家集団を関与させると決めた。

 ウラジーミル・オディンツォフは政治学者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/03/12/dumping-contaminated-water-from-fukushima-plant-into-ocean-the-lesser-evil/

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 日本と比較すれば、ほとんど地震がなく、核廃棄物を棄てる場所に困らない?原発大国の評論家、原発そのものを批判することはないのだろうか。

 さきほど、渡辺崋山の画を紹介する番組をたまたま見た。日曜美術館「真を写す眼 渡辺崋山」。密かに書いていた『慎機論』が自宅で見つかってしまい、蟄居を命じられたという。文章がすごい。今とかわらない政府?

日本とて例外ではなく、今それを偉い人に責め訴えようにも貴族育ちの坊ちゃんばかり、国の実権を握るものは成り上がりの汚職役人、儒学者は心だけあって現実に動こうとはしない。「今夫れ此の如くなれば、ただ束手して寇を待むか」我々は手をこまねいているほかないのか

 特措法「速記者会見」、全く見る気力がおきなかったが。岩上氏が重要な質問。

日刊IWJガイド「安倍総理会見で岩上安身が直撃質問!『特措法で国民を慣らし、改憲で緊急事態条項を導入?』総理の回答は『安倍独裁』否定せず!!」2020.3.15日号~No.2740号

 

2019年11月11日 (月)

ボルソナーロのブラジルで、ダムはカチカチいう時限爆弾

Tchenna Maso
2019年11月5日
New Internationalist

 4年前の今日、ブラジルは最悪の環境災害の一つを経験した。人権活動家Tchenna Masoが、鉱滓ダムによる人的損失と、それ以来変化したことを考察する。

 今日はブラジル南東部ミナスジェライス州の町マリアナのフンダン鉱滓ダム大惨事4周年だ。フンダン鉱滓ダムと、これの大本のサマルコと呼ばれる鉄鉱石鉱山は、イギリス-オーストラリア企業BHPとブラジル採掘大手ヴァーレが所有する同名の採掘企業に運営されている。

 2015年11月5日、鉱山の有毒廃棄物を堆積していたダムの倒壊で、4870万立方メートルの有毒ヘドロ放出で、19人が死亡し、長さ850キロのリオ・ドセの全流路に壊滅的打撃を与え、ダムから595キロ以上離れた大西洋地域に影響を与えた。

 広くブラジル最悪の環境災害と呼ばれたサマルコ大惨事は、川沿いの村に暮らしていた約140万人の人々を強制退去させた。4年後も衝撃的影響はまだ感じられるが、サマルコは、一軒たりとも再建していない。

 今年一月、もう一つの鉱滓ダムが、ブルマジーニョ町の近くで決壊した。それもミナスジェライス州のフンダン鉱滓ダム崩壊から、わずか120キロだ。今回、コレゴ・ド・フェイジャオン鉄鉱石鉱山とダムはヴァーレの単独所有だった。主に崩壊が起きた時に、ダム上流の社員易食堂にいた労働者約270人が死亡した。

 サマルコとブルマジーニョの両方で起きたことは悲劇ではなく、凶暴な採掘、共通の生態学的公益を搾取する植民地的、破壊的なやり方の結果だった。二つの事件で被害に会った共同体は深刻な痛手を受けた。彼らは公正、説明責任と賠償金を求めている。

 事業に開放

 10月、国連の拘束力ある協定に関する交渉のため、私はジュネーブに出かけた。この提案は、国際的な人権法の下で、各国政府に、多国籍企業の、世界中での暴走に対し、法的拘束力がある法規を制定させることを求めるものだ。

 ジュネーブの後、マリアナでのダム決壊から四年後、コミュニティーで起きていることを明らかにするため、ロンドンでのBHP年次総会に私は出席した。だが、この場所では、あらゆることが暴力的で、私が発言したような、被害を受けた人々が賠償金交渉過程や、決壊の環境影響に関する研究に完全に参加するなどの共同体の要求に異議を唱える準備を役員会は既にしていたのだ。

 ブラジルのヤイル・ボルソナーロ大統領は、企業自身が問題を解決すると信じており、修復の取り組みを監督する役割の政府大臣を置かず、代わりに、本当の影響力や権力のない人々を任命した。彼の政府は、あらゆる権力を企業に任せており、ブラジルでは、国はこのような事業に対して監督しないのだ。

 ブラジル・ダム崩壊:責任がある巨大民間企業ヴァーレは規則軽視の実績がある

 採掘主義モデル

 ブラジルは、山林伐採、農業関連産業や巨大ダムを含め、今別の形の採掘を推進している。農業関連産業と採鉱の猛烈な拡大に対して「アマゾンを開放する」ボルソナーロの目的は、山林伐採を招き、メガプロジェクトにエネルギーを供給するためにせき止められつつあるアマゾンの川に大きな悪影響を与えている。アマゾンで起きていることは、火災と生態系の破壊で、地域への大企業権力の到着に完全に結びついている。アマゾン資源の支配や他の形での横領ができるように、ボルソナーロ政権は現地で暮らす先住民の共同体を追放しようとしている。

 多数の異なる鉱物がブラジルで発見され、鉄鉱床や他の鉱物を利用するために新技術が開発された。それで企業は、鉱山を更に深く掘り、それは、より多くの有毒廃棄物をもたらし、鉱物を洗浄するための更に大量の水と採掘のための更なる肉体労働者が必要になる。採掘し、鉱滓をダムに堆積する、このモデルは、これまで何年もの間ブラジルで行われてきたが、もう多くの国では行われていない技術だ。それは大量のエネルギーと水消費に基づいており、社会指標の低い地域で行われている。

 皆にとってより安全にするには、地理的に、どこに鉱滓ダムの場を見つけるべきかを採掘企業は十分評価しないことが多い。その代わり、彼らは、より容易で、より安いダムを建設する。だがこうした選択肢は、ダムが決壊した場合、企業は地域の地震制御の研究を行わなっていないので安くない。サマルコは、不十分な排水設備と、鉱滓を堆積させたまま放置した失敗が、ダムを非常に不安定化し、わずか三つの小規模地震衝撃が崩壊を起こしたのだ。

 時限爆弾

 ボルソナーロ政権は、景気を刺激し国家規模を縮小するため環境法規を一層柔軟にした。この自由は、企業がいっそう容易に土地と労働者を利用し、彼らの利益率を引き上げることを可能にした。

 ブラジルでは、既に九つ以上の鉱滓ダムが崩壊した。2002年から、2年ごとに鉱滓ダムが崩壊している。それにもかかわらず、これら決壊を防ぐため危険管理を実行する当局者が僅かしかおらず、担当者がいても、公共の安全を増すことができる持続可能な技術に対する投資はほとんどない。これら汚染が大きい鉱滓ダムの全てが、危険なことに、人口の多い町の上にあるのだ。

 これらの犯罪により被害を受けている共同体にとって最も重要な要求は、司法制度の利用だ。企業と共同体の間には、権力の大きな非対称が存在している。二つ目は、国際的枠組み、あるいは人権の国際基準と一致する賠償金だ。

 私が働いている組織、ダム被害を受ける人々の運動(MAB)は、被害を受けた人々のため、立法の枠組みを変え、共同体の社会的発展や、権利行使のためのニーズを認識させるためのロビー運動をしている。こうした点は、巨大プロジェクト建設の前に認識される必要があるのだ。

 
(ヴァーレ社とBHPビリトン社が所有する)ダム決壊後、泥流で覆われたベント・ロドリゲス地方の町立学校校長エリエネ・アルメイダ。強制退去させられた村人を収容するブラジル、マリアナのホテルで子供を抱いている所を撮影。2015年11月9日。

 女性たちが取り組みを率いている

 我々MABは大いに女性と働いており、これらの場合、主な戦いは、人々が被害を受けていることを認知される必要があることで、女性たちの場合、彼女らの多くが非公式の仕事をしており、家父長制の支配下にいるために、それがいっそう難しいのだ。

 採掘企業と常に、家族の長、通常男性に賠償金を支払い、女性の財政的自立を制限している。同時に、女性は金銭賠償を越えた補償政策を見ている。彼女らは健康や汚染された水などの他の被害や、被害を受けた人々全員の福祉を保証するため、共同体がこれらの問題にどのように対処できるかを考えている。

 一般に、ブラジル社会は、女性のリーダーには反対だ。近年、最も攻撃を受けたMABの擁護者は女性だった。ダム惨事は、しばしば立ち退きや、生計手段の喪失や、土地収奪や、生態学的衝撃の後に、アルコール中毒や、薬物乱用や、家庭内暴力のより高い率を含め、社会的脆弱性を増すのだ。

 今年3月22日、世界水の日に、同志のディルマ・フェレイラ・シルバが、警察によれば、違法伐採に関与していた大土地所有者に殺された。彼女は何年も前に巨大ダムによる被害を受け、32,000人のブラジル人が強制退去させられたパラ州トゥクルイの地方の孤立した入植地に住んでいた。ディルマは彼女のコミュニティーの公共サービス利用を改善しようと戦っていた。

 我々は、人権と土地所有権擁護者を守り、世界中で繰り返され、最近では、10月19日、シベリアで金山の廃滓ダムが崩壊したが、サマルコやブルマジーニョ大惨事が決して再び起きるのを許さない拘束力がある法律を制定させなくてはならない。

*

 Tchenna Masoは共同体弁護士で、先住民共同体、アフリカ系ブラジル人共同体や農業労働者を含め、被害を受けた共同体で構成される、草の根のダム被害を受けた人々の運動(MAB)調整メンバー。

記事原文のurl:https://newint.org/features/2019/11/05/bolsanaro-brazil-dams-are-ticking-time-bombs

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 この話題、決して我々と無関係ではない。2011年3月11日の震災時、足尾の鉱滓堆積場の土砂が流出していた。下記は田中正造大学にあるスクラップ記事。田中正造が戦った鉱害、決して終わってはおらず、今も続いている。

 2011年3月11日の震災により再び源五郎沢堆積場の土砂が流出

 それ以前の大規模決壊に触れている『八ッ場あしたの会』の2017年11月12日記事、渡良瀬川鉱毒根絶同盟会、足尾銅山の「山元調査」の一部を引用させていただこう。今年も足尾銅山「山元調査」は行われているはずだ。「鉱滓ダムが、危険なことに、人口の多い町の上にある」画像も下記リンクでご覧いただける。

わが国の公害運動の原点となった足尾鉱毒の問題は終わっていません。
 1958年(昭和33)には足尾銅山の鉱滓堆積場が決壊して、群馬県毛里田村(現・太田市)を中心に大規模な鉱毒被害が発生しました。3年前にお亡くなりになった板橋明治さんを筆頭代理人とした被害農民達(太田市毛里田地区鉱毒根絶期成同盟会)971名は1972年、(株)古河鉱業(現・古河機械金属株式会社)を相手とし、総理府中央公害審査委員会に提訴。2年後の1974年、調停を成立させ、100年公害と言われたこの事件の加害責任を認めさせました。しかし、鉱滓堆積場の問題は今も続いています。
 板橋さんの遺志を受け継いだ渡良瀬川鉱毒根絶太田期成同盟会は、足尾の実地調査と古河機械金属への働きかけを続けています。

中略

鉱滓ダム「簀子橋堆積場」の写真や動画をこちらのページでご覧いただけます。
https://matome.naver.jp/odai/2139622934544934701
https://www.youtube.com/watch?v=xaCb9fLJseU

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