チュニジア・エジプト・リビア・シリア・アルジェリア

2018年6月10日 (日)

カタールはロシアのS-400購入を始めるだろうか?

2018年6月7日
Alexander Orlov

 最近、サウジアラビアが、モスクワとドーハの間で行われている、S-400ミサイル・システム購入交渉をめぐる懸念を表明した。フランス新聞ル・モンドによれば、サウジアラビア王国は、もしカタールが、S-400ミサイル・システムを購入したら、軍事的に報復すると威嚇した。サウジアラビアのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領に、カタールによるロシア・ミサイル防衛システム購入交渉に関する“深い懸念”を表明するメッセージを送った。カタール国内でのS-400システムの存在は、サウジアラビア領空の安全に対し悪影響があり、地域の緊張を高める危険性があると国王は考えている。

 フランス新聞ル・モンドの記事に対し、モスクワは、公式チャネルではなく、議会レベルで対応し、ロシア連邦院防衛・安全保障委員会副委員長アレクセイ・コンドラチェフが、リヤドの姿勢は、ドーハに、S-400ミサイル・システムを輸出するモスクワの計画とは無関係だと述べて対応した。コンドラチェフは更にこう述べた。“カタールへのS-400販売で、ロシアは、国家予算を補てんする資金を得ようとしている。サウジアラビアの見方は無関係で、ロシアは計画を変えるつもりはない。” カタールもしS-400を購入したら武力を行使するというサウジアラビア国王の声明は恐喝と同じだと彼は語った。“明らかに、リヤドが地域を支配しているが、ロシアのS-400システムの力で、カタールの軍事力が強化するのはドーハに有利だ。だから、サウジアラビアが味わう緊張は理解できる。”とコンドラチェフは述べた。カタールによるロシア・システム購入に対するリヤドの姿勢の背後には、ワシントンは、地域の兵器市場で“パイの一切れ”を失いたくないので、サウジアラビアに対して圧力をかけているアメリカの影響力があると彼は確信している。

 とはいえ、現実には、状況は説明とは若干異なり、詳細に見ると、明らかになる。2017年6月5日に、サウジアラビアが、エジプト、アラブ首長国連邦と、バーレーンとともに、カタールに貿易・政治的制裁を科したことは強調に値する。制裁で、カタール唯一の陸国境を封鎖し、食料や建材のカタールへの主要供給経路を絶ったのだ。さらに、この四国は、国内から、カタール国民を追放し、カタール国内に暮らす自国民に、出国を促した。しかも、彼らはカタール航空機が自国領空を利用するのを禁止し、政権に反対する亡命カタール人を積極的に支援し始めた。

 S-400ミサイル・システム購入に関しては、残念ながら、リヤドは、またもや、カタール による“ロシアの切り札”演技のわなにはまったのだ。現実は、カタール軍は伝統的に、欧米諸国からのみ機器を購入しており、カタールがS-400システムを、ロシア連邦から購入したがっているという話は、カタール空軍は、アメリカとイギリスとフランスの戦闘機のみで構成されている事実を考えれば、たわごとなのだが、不幸にして、サウジアラビア王国は真に受けている。2017年下期以来、つまりアラブ諸国が、カタールに経済制裁を科してから、ドーハは欧米軍事ハードウエアや武器購入の多数の契約に署名している。アメリカとの契約は、30機のF-15戦闘機購入で、120億ドルにのぼり、イギリスとの契約は、戦闘機24機の購入で、$50億ドルにのぼる。

 一体誰が、アメリカやイギリス製の戦闘機を、ロシア防空システムと共生するようにできるだろう? 全くばかばかしい考えだが、肝心なのはそこではない。

 カタールが、グローバル・テロリズムに直接関与しているのを、アメリカが“勘弁する”のと引き換えに、20年前、ドーハ指導部が、アメリカ最大の空軍基地の一つを、 (首都から34 kmの)アルウデイドに受け入れることに同意した事実はそのままだ。アメリカ合州国中央軍 (CENTCOM)と、アメリカ空軍中央軍 (第609航空作戦センター)、イギリス空軍の第83遠征航空集団と、アメリカ空軍の第379遠征航空集団の司令部がここに駐留している。これは、シリアにおけるアメリカ連合が作戦を調整するのに使用している空軍基地なのだ。必要とあらば、カタールを防衛するのが狙いの特殊部隊を含めて、ここには、総計約10,000人のアメリカ軍要員がいる。カタール軍指導部集団によってクーデターが企てられた際、それが起きたのだ(注 - 2012年4月17日夜、首長近衛兵が反乱を開始した。軍隊は、シャィフのハマド・ビン・ハリーファ・アール=サーニーの宮殿を占領しようとした。シャィフは皆に見捨てられたが、特殊部隊が彼の救出に向かった。アメリカ軍が反乱部隊を粉砕し、クーデターは失敗した。それでも、カタールのシャィフと、妻のモザー・ビント・ナセルは、“コマンド”に随伴され、アメリカ・ヘリコプターで宮殿を脱出した。)

 カタール空軍は主に、B-1B爆撃機と、KC-135R空中給油機とで構成されている。更に、3機のRC-135と、何機かの貨物機が配備されている。滑走路は、最大100機の戦闘機を収容できる。基地には最新の通信と管理システムが備わっている。基地の外れに配備された二基のパトリオット・ミサイル・システムが、軍事施設を防衛しているが、ミサイル発射装置は北と東に向けてある。そして、これが問題の核心なのだが、多くのアラブ人に“エクソン・モービルの燃料バーナー”と呼ばれているペルシャ湾の事実上のアメリカ属国、つまりカタールが、ロシア・ミサイル防衛システムを購入するのを、アメリカは決して許すまい。特に、それがパトリオット・ミサイル・システムよりも進んでいるので。さもないと、(少なくとも、S-400システム設置と、その後の、現地軍事要員訓練の間) アルウデイド空軍基地上空のみならず、石油が採掘されている地域を含めサウジアラビアとUAEの領空まで、ロシアの軍事要員が支配権を握ることになる。

 カタール指導部が日和見であっても、ドーハは愚者の巣窟ではなく、結局、国家安全保障とサーニー家が権力の座は、ロシアではなく、アメリカに依存している。もしカタールが、アメリカの規則にのっとって動くのを止めれば、カタール空軍は、わずか6,000人で、警官と治安部隊は5,000人に過ぎないので、政権は容易に置き換えられる。ワシントンに必要なのは、サウジアラビア軍の一部隊をカタールに進入させるだけで良いのだ。より単純な対策は、昔、2015年6月、現支配者の父親が自発的に退位し、息子に王座を譲った時のように、現在のシャィフを新たなシャィフに置き換えるソフトなクーデターだ。当面アメリカが、リヤドとアブダビが、現在のシャィフや閣僚を権力の座から追い出すのを阻止している唯一の障害だ。これまでの所、ホワイト・ハウスからは何の兆しもないが、特に、もしドーハが、S-400をロシアから購入する意図を発表すれば反応は予想できる。

 驚くべきことに、リヤドは、他のいくつかの国とともに、これが理解できない。 2010年、前シャィフ、ハマドや前首相ハマド・ビン・ジャーシム・ビン・ジャブル・アール=サーニーのロシア訪問時、ロシア経済に100億ドル以上投資すると約束して、カタールは、モスクワを何度もだましてきた。これまでのところ、カタールは、1セントたりとも送っていない。両国間の貿易量は、2017年、掲げられていた5億ドルではなく、かろうじて、6000万ドルだ。エクソン・モービルに圧力をかけられて、カタールは、ガスプロムがカタール・ガス田探査に参加するのを阻止し、同様に、ロシア石油会社は、カタール油田へのアクセスも認められていない。しかも、現在、ドーハは、液化天然ガス (LNG)で、世界ガス市場で ロシア最大のライバルで、GECF(ガス輸出国フォーラム; 注記:ガスのOPECに等しい)GECFに加盟する全てのガス生産国の活動を効果的に調整する取り組みを阻止していることは想起するに値する。おまけに、カタールは、シリアにおける戦争が、その唯一の障害物である、パイプラインで、ガスをイラン経由、トルコに、そして更にヨーロッパに供給する計画の一翼を担おうと常時準備が整った状況にある。実は、カタール・ガスのヨーロッパ向けの通過を認めるはずのダマスカス新政権を当て込んで、ドーハがこの戦争を起こしたのだ。

 S-400システムに対するリヤドの動きに対し、モスクワが公式声明発表を控えているのは、おそらくこれが理由だ。結局、このミサイル・システムを、サウジアラビアに輸出する契約は既に存在しているのだ。経済的見地から、石油を基にした協力という点で、ロシアにとって、何よりもまず“ガスの小人”カタール(注記 - 300,000人の人口と国の小ささにもかかわらず、地域におけるカタールの壮大な政治的野望ゆえに、アラブ人がカタールにこのあだ名をつけた)より、サウジアラビア王国の方がずっと重要なパートナーだ。結局、モスクワとリヤドの協力のおかげで、OPEC+合意がまとまり、石油価格の安定と、今年かなりの値上げする能力という結果になったのだ。こうしたこと全てが、S-400購入宣言で、ロシアとサウジアラビアを仲間割れさせようと決めている野心的なカタールをいらだたせている。

 2018年ワールドカップのため、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子がモスクワを訪問すれば、特にカタール政権の運命が危険にさらされているので、今ある誤解が解決する可能性は高い。アラブの国々から、経済制裁解除の前提条件として課された13の要求項目に、ドーハは、まだ応じていない。アラブの国々からのドーハに対する要求には、下記が含まれている。スンナ派運動のムスリム同胞団の財政支援停止。アラブ人から扇動的な放送局と見なされているアル・ジャジーラTVの閉鎖。カタール駐留トルコ軍基地の閉鎖、そして、サウジアラビア、エジプト、UAEとバーレーンのあからさまな敵であるシーア派イランとのつながりの縮小。長年、中東で猛威を振るっているスンナ派とシーア派間の残虐な紛争にもかかわらず、過激なスンナ派運動(例えば、ムスリム同胞団)や、シーア派イスラム教徒に対する指導者役を演じているイランと、カタールが密接なつながりを維持しているのも注目に値する。

 だから、この状況下でのロシアの選択は実にはっきりしている。

 アレクサンドル・オルロフは政治学者、東洋学専門家。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/06/07/will-qatar-start-buying-russia-s-s-400/

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昨日の岩上氏による孫崎享氏インタビュー、残念ながら外出していて、拝聴できていない。

日刊IWJガイド・番組表「<新記事紹介>【特別寄稿】新潟県知事選応援演説での女性差別発言であらわになった花角英世候補の「親子ギャップ」!? 柳瀬唯夫元首相補佐官と瓜二つの記憶喪失!? 「むすめ」のタスキをかけて隠蔽・改竄の父親を応援する花角氏の娘(ジャーナリスト・横田一)/<昨日の岩上安身のインタビュー報告>紆余曲折を経て米朝首脳会談の開催へ!北朝鮮外交でも中東問題でも米国に振り回される安倍政権!岩上安身による元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビュー!/
先日岩上さんによるインタビューをお届けした、元東京高裁判事・明治大学法科大学院・瀬木比呂志教授にご著書にサインを入れていただきました!数量限定ですので、ぜひIWJ書店よりお早めにお求めください!」2018.6.10日号~No.2096号~

2018年5月30日 (水)

プーチンの譲歩政策は成功するだろうか?

2018年5月29日
Paul Craig Roberts

 先週末、サンクトペテルブルク国際経済会議でのウラジーミル・プーチン・ロシア大統領演説は、ロシア政府が新自由主義経済政策の罠にはまっていることを示している。プーチンはグロバリズムと自由貿易を擁護し、グローバル体制の崩壊から、危機が生じると彼は警告した。

 実際は、危機は、グローバリズムと新自由主義経済学の結果だ。ロシアにとって、新自由主義経済学は、経済危機と政治危機の両方を意味する。https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/25/americas-fifth-column-will-destroy-russia/ 日本語訳  アメリカの第五列がロシアを破壊する

 製造業や、ソフトウエア技術のように移転可能な専門能力など、高生産性で高付加価値活動の雇用を、アメリカやイギリスやヨーロッパなどの先進国経済から、賃金がずっと安い場所の経済に向かわせる新自由主義経済学が、国内経済危機をもたらすのだ。新自由主義経済学は、経済的剰余を本当の投資から、債務返済へと向けさせる経済金融化の基盤でもある。新自由主義経済学のこうした破壊的影響があいまって、経済成長を潰す。給料の良い雇用が消滅する中、成長しているのは金融資産価格だけという、21世紀における欧米世界でのゼロ成長経験をご覧願いたい。

 新自由主義経済学が、金融化と、オリガルヒとグローバル企業の利益のために、国民を破滅させるための道具だという問題だけではない。より大きな問題は、ロシア政府の新自由主義経済学信奉で、ロシアが、ワシントンからの圧力に耐えることができなくなってしまうことだ。政府が、ロシアの経済的成功は、欧米経済体制への統合にかかっていると思い込んでいるので、ワシントンに、イスラエルに対してさえ、ロシアは立ち向かうことができない。門戸を開放し続けるため、ロシアは挑発を絶えず甘受しており、それが更なる挑発を誘発している。

 こういう態度が、政治家としてふさわしく、称賛すべき場合もあろうが、危機は経済学を超えるものゆえ、この場合は、そうではない。プーチンの慎重な外交は、ワシントンでは、弱さと見なされる。アメリカ政府を支配しているネオコンは、アメリカ覇権に没頭している。彼らは既に傲慢過剰状態だ。プーチンが身を引くのを目にする毎に、彼らは、更なる圧力で、ロシアを屈伏させることができるという確信を深めるのだ。

 例えば、ネオコンは、トランプの対シリア・ミサイル攻撃、明らかな偽ニュース事件を根拠にした攻撃を前にして、プーチンが身を引いたのを、意気地がないと解釈している。プーチンが、ワシントンによる攻撃を甘受したことで、ワシントン・ネオコンのロシアへの信頼性は大きく傷ついた。シリア国防のため、ロシアが国軍まで派兵している同盟国への攻撃を、プーチンが甘受するのを連中は目にしたのだ。シリアから、ofアメリカが支援する聖戦士を排除しておいて、次に、ワシントンとイスラエルにシリア攻撃を可能にするのに、一体何の意味があるだろう?

 プーチンが身を引いているのは、ヨーロッパに恐怖を与るような形で、ロシアが武力を行使しない限り、ワシントンによる攻勢が、ワシントンのヨーロッパ帝国を崩壊させるはずだという、彼の賭けだと私は説明している。言い換えれば、プーチンは軽率にではなく 慎重に行動しているのだ。特に、プーチンには、欧米には防ぎようのない超兵器があることからして、これは立派なことだ。

 もしプーチンの賭けが効果をもたらさなければ、そして、プーチンの自制の結果が、ロシアは、脅して屈伏させることができると、ネオコンに確信させたら一体どうなるかというのが私の懸念だ。私は、ロシアを脅して、屈伏させることができるとは思わないが、ネオコンは、ロシアを、戦うか、降伏するか、しかない窮地に立たせるだろう。ロシアは戦うだろうが、それは我々全員の終わりだ。

 言い換えれば、プーチンの称賛に値する戦略が失敗すれば、ヒトラーがドイツ国防軍をロシアに向けて行進させた時より既に傲慢さ過剰なネオコンは、戦争する極限まで、ロシアを追い詰めるだろう。

 だから私は別の戦略を示唆した。プーチンが断固譲らないことだ。例えば、彼は、アメリカとイスラエルによるシリア攻撃を受け入れるのを止めることができるはずだ。国際法の下で、これらの攻撃は違法だ。アメリカ自身が確立したニュルンベルク基準の下で、攻撃は戦犯行為だ。プーチンは、シリアに、S-300ミサイル防衛システムを提供できたはずなのに、ワシントンとイスラエルの要求で、契約を遂行せず、ネオコンにとって、プーチンに意気地がないもう一つの例だと誤解させ、ワシントンによる挑発を促してしまう。

 断固として譲らない戦略には、ヨーロッパに、ロシアの攻撃性をおびえさせる危険性があり、欧米の売女マスコミは、そう報じるだろう。しかし、この戦略には、傲慢なネオコンに、プーチンは弱虫だと思い込ませる危険はない。ワシントンに対する効果は前向きで、ワシントンを、アメリカがソ連を尊重していた時代に押し戻すかも知れない。ヨーロッパに対する効果は、ヨーロッパを脅かしているのはロシアの脅威ではなく、ワシントンが始めている紛争なのだと、ヨーロッパに気づかせる可能性だ。

 アメリカの世界覇権に対する短期的障害に過ぎないと、ロシアのことを、ネオコン軽視している証拠は明らかだ。プーチン外交戦略の利益になるような証拠のいくつかを検討してみよう。アメリカが占領しているシリア地域にフランス部隊を派兵しているワシントン傀儡、マクロン大統領は“ロシアをヨーロッパ一家にとどめる”任務で、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムに参加したことで、RTに絶賛された。 https://www.rt.com/news/427820-putin-macron-russia-europe/

 ワシントンが占領しているシリアにフランス軍を派兵しているマクロンが、ワシントンと絶交するだろうか、それとも、マクロンは、ヨーロッパは、ワシントンから離脱するという、プーチンの考え方を励まし、ロシアを“ヨーロッパ共通の家”に歓迎するといって、プーチンに調子を合わせて、プーチンからの更なる譲歩を働きかけているのだろうか。

 ロシア政府は、更なる譲歩をして、ロシアと同盟者たちではなく、ワシントンとイスラエルの狙いに役立つ更なる要求を受け入れるよう思い込まされてしまうのだろうか? ワシントンの最新の要求は、プーチンが、イランに部隊をシリアから撤退させるよう働きかけることだった。プーチンは要求された通りのことをしたが、アメリカやフランスやワシントンのお雇い聖戦士と違い、イランはシリアの要請で、シリアにいるという理由で、イランは拒否した。その結果、いずれもシリアを攻撃し続けているワシントンとイスラエルが、ロシアとイランとの間に緊張を生み出すのに成功した。http://tass.com/pressreview/1005664

 同盟国との亀裂を避けるため、ワシントンがシリアに配備している部隊を撤退させた後に、ロシアとイランは撤退すると、プーチンは、ワシントンに言えていたはずなのだ。ワシントンは早速この亀裂につけ込み、ジェット戦闘機とS-300防空システムをイランに提供するという契約を、ロシアが遂行するのを、ワシントンは認めないと、プーチンに伝えた。もし、プーチンが、このワシントン要求も受け入れれば、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃を、ずっと容易になるだろう。

 ワシントンはまたもや勝利した。ロシアとイランとの間の不和で、イランは、多数の評論家が準備中だと考えているアメリカ軍による攻撃に対し、より脆弱になっている。もしイランが不安定化すれば、ロシアを不安定化するのがより容易になる。

 またしてもワシントンに同意して、プーチンは一体何を得たのだろう? ワシントンとイスラエルによる、シリアへの更なる脅威だ。5月28日、ワシントンの支援を得て、シリア領土を占領している外国侵略者を、ダルアーから排除しようとすれば、シリアは、ワシントンの“断固とした対応”を受けることになると、ワシントンがシリア政府に伝えたのだ。https://sputniknews.com/middleeast/201805261064839163-syria-leaflets-reaction-daraa-ceasefire/ イスラエルは、シリア領空内で活動しているイスラエル航空機に対し、シリアが領土を守るため防空システムを使用することは許されないと、シリアに伝えたのだ。https://sptnkne.ws/hAhP

 言い換えれば、プーチンの譲歩に、ワシントンとイスラエルはシリアの自衛禁止で報いたのだ。

 ネオコン・ワシントン政権は、自分たちは、プーチンを、後退モードに追い込んでいて、シリアからのロシア撤退も交渉可能だと確信しているのだ。もし、そうなれば、ワシントンは、シリア政府を打倒するための戦争を再開するだろう。

 ロシアがあわてる中、ロシアが宙ぶらりんのままにしている分離したロシア共和国に対し、ワシントンが命じる、ウクライナによる攻撃と、旧ソ連中央アジア共和国を通した、ワシントンが組織したISISによるロシア攻撃を、プーチンは受けかねない。https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/24/putins-peace-efforts-coming-naught/  日本語訳 「水泡に帰したプーチンの平和への取り組み」 ロシア政府が、外交政策ではなく、ワールド・カップを主催する威信に注力するワールド・カップの間に、ウクライナ攻撃が起きかねない。

 ロシアが欧米経済に組み込まれるのは、属国としてだろう。

 しかし今ロシアは、フランス大統領の参加を含め、サンクトペテルブルク・フォーラムへの多数の参加者を挙げて、ロシアが孤立していない証拠だと慶賀し、ワールド・カップで得られる更なる威信を期待している。

 おそらく、ロシア政府内の誰かが、ソチ・オリンピックに注力していた時に、ウクライナがワシントンの手に落ちたのを覚えているだろう。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/29/will-putins-policy-concession-succeed/

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危機管理学部、超一流に思えてきた。モリ・カケ、防衛庁日報隠蔽問題を全て隠蔽し、アメフトだけに話題を集中させる手腕はなんとも見事。というより、大本営広報部のインチキさ、極まれりということか?

人事権を握り、忖度を活用し、自分の発言証拠を残さない日大監督の支配方法、与党、官僚、大本営広報部による属国支配のミニチュアそのもの。日大を、日本に、監督名を、彼氏の名前に変えれば、そのまま通じる、というより、頭の中で、置き換えて聞いている。

宗主国の交渉準備派遣団、またもや横田基地経由。主権がない属国・植民地傀儡、蚊帳の外もなにもないだろう。

日刊IWJガイド・番組表「<インタビュー報告>最大の転機は2014年4月28日!しかし昭恵夫人の関与が疑われる交渉記録は都合よく欠落!? 森友問題を先頭に立って追及し続ける日本共産党の辰巳孝太郎参議院議員にインタビュー!/『学園の言うことを信じたい』!? 加計学園の虚偽報告を容認する今治市の菅良二市長!/働き方改革関連法案、衆院採決先送り!しかし政府与党は国会会期を延長、法案成立をあくまで目指す!/財務省発表文書の黒塗りを外すと安倍総理の友人・葛西JR東海代表取締役名誉会長の名が!稲田元防衛相の夫や二階幹事長の名前だけではなかった!/
『PKO参加5原則が崩れているのではないか!?』南スーダン派遣の自衛隊員が語る言葉が宿営地での生々しい戦闘の様子を明らかに!! 自衛隊PKO活動は矛盾のまっただ中!?/『北朝鮮との間で不測の事態が起きたら、その経費を韓国と日本が喜んで引き受ける』のトランプ発言は事実!? 菅官房長官は会見でのらりくらりとかわすも否定せず!!~IWJが東京新聞・五味洋治論説委員に訊く!」2018.5.30日号~No.2085号~

2018年5月28日 (月)

アメリカは、シリアとイラクから、アフガニスタン経由で、ISISをロシアに再配置したと、信頼できる報告が主張

Eric ZUESSE
2018年5月26日
Strategic Culture Foundation

 外国による侵略やクーデターから、ロシア主権を擁護することに専念しているシンクタンク、Katehonが、5月15日“特殊部隊エージェント: 対ロシア攻撃が準備されている”という見出しで、こう報じている[カッコ内の編集上の説明やリンクは筆者による追加]:

 ロシアと中国の法執行機関によれば、戦士は、シリアとイラクから、パキスタンの都市カラチのカシム港からペシャワルという経路で海路で脱出し、アフガニスタン東部のナンガルハール州沿いに割り振られている。 …

 

 2017年末以来、「イスラム国」指導部は、シリアとイラクから、アフガニスタンに、20人以上の女性を含む更に500人の外国人戦士の移送に成功した。ロシアの法執行機関のある情報源は語っている。 "彼らはナンガルハール州にもいる。彼らは、スーダン、カザフスタン、チェコ共和国、ウズベキスタン、フランスなどの国民だ。"

 

 戦士の北部への移動は、二方向で行うよう計画されている。過激派は、タジキスタンには、ヌーリスターン州やバダフシャーン州経由で、トルクメニスタンに、ファラー州、ゴール州、サーレポル州やファーリヤーブ州経由で、潜入している。

 

 ナンガルハール州知事グラブ・マンガルは [ウイキペディアは彼についてこう書いてある。"2001年、アメリカ率いる侵略後、彼はパクティヤー州での憲法上のロヤ・ジルガの地域コーディネーターに任命され”]地域の戦闘活動をじきじきに監督している。 …

 

 マンガルには、アメリカ諜報機関との長年の関係がある。特に、彼はソ連のアフガニスタン作戦中、ソ連軍と戦っていた。2001年のアメリカ侵略直後、彼は所属する部族、パシュトゥーン族の地方政府の長に任命された。またマンガルは欧米マスコミに愛されている。アメリカとイギリス主要マスコミの大半の記事には、彼に関する非常に前向きな情報があり、BBCは、彼を、マンガルがかつて首長をつとめた"ヘルマンド州の希望"と呼んだ。

 

 アフガニスタン国防省によれば、近い将来「イスラム国」指導部、さらに1200人の過激派で拡大する計画だという。彼らの大半は、グラブ・マンガルと彼の部下の支配下にある州にも配置される。

 

 アフガニスタン国内の二つの巨大米軍基地が、ナンガルハール州のすぐ近くにあるのは、とうてい偶然とは言えないが、注目に値する。

 

 同時に、専門家のコミュニティーは、タジキスタンとトルクメニスタンに対する圧力は、ロシアに対する新たなハイブリッド攻撃のベクトルの一つに過ぎないと指摘している。政学専門家センターのワレリー・コローヴィン代表[ここに彼に関する詳細がある]は、モスクワは、全ての前線で、地政学的な敵国による大規模攻勢にそなえるべきだと確信している。ウクライナでは、おそらくアルメニア、さらに多数の他のソ連後の国々経由で[コローヴィンはこう述べている]:

 

 "…中央アジアにおける状況を不安定化することで、アメリカと同盟諸国は、いくつかの目標を一気に実現できる。第一に、このようにして、ワシントンは、モスクワとテヘランをシリアへの集中からそらすことができる。第二に、もし作戦が成功すれば、ユーラシアの経済・物流統合を強化すべく設計されている一帯一路プロジェクトの経路沿いに、不安定化の焦点が作りだされるだろう。アフガニスタンは、西でイランとも国境を接しており、テヘランに対する新たな戦線になる。… 新たな経済制裁による経済的圧力から始まり、ソ連後の空間で継続するだろう"カラー革命" と、アメリカ・ネットワークによる直接侵略で終わる。アメリカ合州国が、民主主義と市民社会を構築すべく、現地の軍事独裁政権をあやつって、アフガニスタン占拠したのではないのは明らかだ。これは、それを利用して、イランとロシアに対する攻撃をアメリカが準備するためのテロリスト・ネットワークを作り出すための跳躍台なのだ。"

 もしこれが本当であれば、共産主義とソ連とワルシャワ条約の終焉にもかかわらず、ブッシュの秘密計画が開始される一年前の、1989年に、ソ連がアフガニスタンから撤退したにもかかわらず、ロシアを占領するというジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュが、1990年2月24日夜に開始した計画を、トランプは貫徹しているのだ。

 Strategic Culture Fundationの同僚、Peter Korzunは "連中による最近の逆の主張にもかかわらず、アメリカは長い目で見れば、シリアに本腰を入れている”と主張している。He noted:“先月、アメリカ軍は、南東部のデリゾールのアル・オマール油田に新たな前哨基地を構築しているとも報じられている。アメリカ軍は、コノコとアル・ジャフレ油田周辺の陣地に配備されている。4月7日、デリゾール州の油田周辺の地域は、アメリカ率いるSDFにより、軍事地域と宣言された。この州を支配するための戦いで、この集団は、シリア軍と既に衝突している。”

 2017年6月25日に、私は、2016年12月、"アサドを打倒するためにISISを利用する連中(とサウド王家)の共同計画を完結させるため、オバマとトルコのエルドアンが、ISISをイラクのモスルから、シリアのデリゾールに再配置するための共同の取り組みを開始した”と報じた。またアメリカとサウド王家が、シリア全土からアサドを追い出すのに失敗した場合にそなえ、アメリカが支配する別の国として、シリアの産油地域を分割するため、アルカイダと、時にはシリアのISISさえ支持して、“トランプはオバマの政策を継続している”と報じた。

 おそらく、1991年にソ連側が冷戦を止めた際、明かに満足していなかったアメリカは、ロシアに対する武力に訴える戦争で勝利しようと、とことんやっているのだ。これほど激しく、これほど極端に、これほど長く、ロシアに圧力をかけて、ソ連共産主義が終わった際、実際終わったはずだった冷戦の‘復活’を正当化するため“プーチンはクリミアを盗み取った”というウソや他の同様なウソまで駆使しているので、まもなくロシアは、アメリカの戦争を、実際そうなのだが、ロシア国家主権に対する実存的脅威と受け止め、直接、軍事的な方法で、反撃することが必要になるかも知れないことを示唆している。もう一つの可能性は、ロシアがアメリカに屈することだが、たとえ対アメリカ戦争が地球規模の破壊という必然的な結果になろうとも、これはほとんどありそうにない。ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは何度も述べており、ロシア国民はこの点で彼を圧倒的に支持しているように見える - アメリカが、この方向をさらに押し進めれば、核戦争という結果を招く、だから、アメリカはこの事実を認めるべきなのだ。トランプは、これを認識していないように見える。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/05/26/credible-report-alleges-us-relocates-isis-from-syria-iraq-into-russia-via-afghanistan.html
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集中審議。見る気力がでない。秋田犬を抱いて喜ぶザギトワを見るのは嬉しいが、別の人々が、渡す前のマサルを抱いていた。勝る詐欺とは!

マスコミというものが、実は大本営広報部であることを証明したのが「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」というトップ発言。

国というもの、実は属国であることを証明したのが最近の政治家発言。「宗主国が右と言うことを左と言うわけにはいかない」というだけの右顧左眄で、全く意味不明。

(米朝首脳は)6月12日に会談する予定だったが、トランプ大統領は断った。会談を開くことが重要なのではない。核・ミサイル、拉致問題を前に進めていくことが重要だ。だから安倍晋三首相が、トランプ氏の決断を支持すると言った。たった1カ国です、世界でも。そしたらまた(トランプ氏が米朝会談について)やるかもしれない、良い感じにあるとツイートした。

私たちは選挙の時、日米、日米韓で協力して圧力をかけ、北朝鮮の政策を変えさせると言い続けた。批判もあったが、こうした政策によって、金正恩委員長が体制を保証してくれれば非核化すると言い始めた。
私どもが考えていた方向に物事が回り始めてきている。安倍首相の外交努力によって、トランプ氏を引き込んで、圧力をかけ続けてきた(結果だ)。これからが正念場だ。(自民党栃木県連大会のあいさつで)


堂々と右顧左眄する傀儡はすごいが、それを喜んで支持する人が30%もいるのがすごい。恥ずかしながら、小生の幼なじみ数人もそうだが、数年会っていない。
大本営広報でない下記インタビューを拝聴予定。

日刊IWJガイド・簡易版「<本日の岩上さんのインタビュー>本日午後4時より、『古代史上最大の敗戦「白村江の戦い」と「日本」「天皇」の誕生~「東夷の小帝国」意識の源泉をたどり、現代の嫌韓意識の根を探る! 岩上安身による国際日本文化研究センター教授 倉本一宏氏インタビュー(その4)』を配信します! 冒頭はフルオープンで公開、途中からは会員限定配信に切り替わります。/トランプ米大統領が米朝会談について『6月12日のシンガポールでの開催予定は変えていない』と発表!朝令暮改の米国なれど、右顧左眄の日本はどうする!? 米朝間の平和への対話は南北間ともども進行中!/
加計学園のFAX一枚のコメントに中村時広愛媛県知事が痛烈批判! 『偽りなら謝罪、説明し、責任者が記者会見するのが世の中の常識』/公明党は『自主投票』から一転『支持』へ~新潟県知事選は事実上の与野党激突!」2018.5.28日号~No.2083号~

2018年5月26日 (土)

水泡に帰したプーチンの平和への取り組み

2018年5月24日
Paul Craig Roberts

 トランプ政権は、シリア、イラン、ウクライナと北朝鮮における平和へのプーチンによる取り組みを妨害している。

 平和のため、プーチンは、シリア国内でのアメリカとイスラエルにる挑発に乗るのを避けてきた。プーチンは、戦犯で大量虐殺マニアのネタニヤフを、第二次世界大戦でのロシアの対ドイツ戦勝記念式典に招待さえした。ネタニヤフは招待を受けたものの、ロシア出国直前に、シリア軍陣地に対する違法なイスラエル軍事攻撃を命じ、プーチンに、誰がボスかを示したのだ。プーチンの平和への取り組みに対するワシントンの報酬は、アサドを打倒するために送り込んだワシントンの傭兵が依然占領しているシリアの地域をアメリカとフランス軍による占領と、アサド世俗政府打倒にワシントンが利用しているイスラム過激派への再補給だ。アメリカとフランスの軍隊が駐留しているので、プーチンは、シリアから全ての外国侵略者を掃討する攻勢を中止した。もしアメリカ人やフランス人が死亡すれば、ロシアの悪魔化は、新たな高みに至り、それを、ワシントンに対するヨーロッパの不満を和らげるのに、ワシントンが利用することがプーチンにはわかっているのだ。アメリカとイスラエルの意図を、ロシア政府が誤算し、プーチンが窮地に追い込まれていることが、アメリカ率いるシリア軍陣地攻撃継続を可能にしているのだ。以下を参照。https://www.rt.com/news/427601-us-coalition-strike-syria/?utm_source=browser&utm_medium=push_notifications&utm_campaign=push_notifications

 かつて、プーチンは、シリアの全ての化学兵器を、破壊するため、欧米に引き渡すよう手配して、アメリカによるシリア侵略計画を阻止した。公的化学兵器査察機関は、シリアには化学兵器はないと保障している。アメリカ政府幹部、アメリカ・マスコミ丸ごととワシントンの傀儡イギリスとフランスは、偽旗化学兵器攻撃を、ドゥーマの場合、起きていないことが証明されている偽化学兵器攻撃ニュースを、アサドの罪として、一貫して、なすり続けているのが、プーチンに対する報酬だ。

 トランプ政権は、イランで和平を実現するプーチンの努力も妨害した。イランは、兵器級の核物質は製造しない、つまり原子力発電に使用されるのに必要な低い水準以上にはウラン濃縮をしないという多国間合意をなし遂げて、プーチンは、ワシントンと、その売女マスコミが画策したエセ“イラン核”危機を終わらせた。公的機関は、イランは合意を遵守していると保証しているが、揺るぎない事実にもかかわらず、ワシントンと、その売女マスコミは、イランには核兵器計画があると主張し続けている。ネタニヤフの主張を受け、トランプは、イラン、アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスとドイツが調印した多国間合意から、アメリカを離脱させた。トランプは、ヨーロッパの事業に大きな影響と損害ももたらすであろう、より厳しい経済制裁をイランに再度課している。アメリカ以外のイラン合意調印国は合意を維持するつもりだと言っているが、トランプはイギリス、フランスとドイツを、もし彼らが調印した合意に固執すれば経済制裁すると威嚇した。

 中国とロシアは北朝鮮と韓国の和解に尽力し、核兵器実験を中止する北朝鮮の同意を確保した。二つの朝鮮間の和平は具体化しつつあったが、トランプは、この和平実現の努力も妨害した。

 売女マスコミ、別名ワシントン・プロパガンダ省は、和平合意の破壊を、アメリカと世界を、ならず者国家から守るために必要な行動だと、事実を歪曲して報じているが、ワシントンに合意している政府はイスラエルしかない。

 ワシントンとイスラエルが、プーチン外交を妨害した以上、プーチンの希望は、ロシアやシリアやイランや北朝鮮を世界の他の国々から孤立化させるのではなく、ワシントンを、そのヨーロッパとイギリスの傀儡諸国から孤立させる結果になることだ。ヨーロッパの指導者たちが、ワシントンの奴隷として扱われることに満喫しているという証拠はたっぷりある。連中が、ワシントンによる支配をかなぐり捨てる可能性はある。一方、ドゴール支配下のフランスを除いて、過去75年間、自立した外交政策や経済政策を行ったヨーロッパの国はないのだ。しかもヨーロッパの指導者連中は、トニー・ブレアの5000万ドルのように、ワシントンが、彼らに快適な引退後の生活を用意するのを頼りにするのに慣れており、もしトランプが彼らをアメリカ市場から遮断すればヨーロッパの事業権益が損なわれることになる。ヨーロッパの反乱がどれだけ本物かは現時点では不明だ。

 その時間を使って、プーチンの主導下、シリアで失ったものを、ワシントンが取り戻そうとするので、ロシアが、ヨーロッパの反乱を期待することには大きな危険がある。実質的に、ロシアはシリアでの勝利を棒に振ることになりかねないのだ。英米-シオニスト帝国が崩壊するかどうか、ロシア政府が見守っているうちに、カダフィとアサドに対してワシントンが利用した聖戦士を、タジキスタンやウズベキスタンなどの旧ソ連中央アジア共和国経由で、ロシアと中国に対する攻勢に備えて、ワシントンが組織中なのだ。アンドレイ・アファナーシェフの報告はここにある。http://www.informationclearinghouse.info/49471.htm

 この話をロシア内の情報源に確認した。ロシアと中国の不安定化のために聖戦士を利用するワシントンの計画が、4月のことと思うが、第7回モスクワ国際安全保障会議で表面化したのを私は知った。現在、セルゲイ・ショイグ国防相は、ウズベキスタンで、現地の軍・政治指導者たちと状況を見極めている。

 ロシア政府、国営TV局や体制派マスコミは、この情報を公表せずにいる。どうやら、ロシア政府は、政府が好む和平政策への国民の支持を損ないかねないので、この情報が明らかになるのを望んでいないようだ。とは言え、このニュースは、TzargradとNewsFrontとFerganaが報じている。

 中東におけるイスラエルの関心は拡張であり、平和とは両立しない。イスラエルが南レバノンを占領できるようにするには、ヒズボラへの供給国であるシリアとイランの紛争と不安定化が、イスラエルには必要なのだ。トランプ政権内にしっかり定着しているアメリカ・ネオコンは、事実上のイスラエル代理人だ。しかも連中は、自立した政府の打倒を必要とするアメリカ覇権にのめり込んでいる。

 中東におけるワシントンの覇権追求は、ヨーロッパにおけるワシントン覇権を犠牲にすることになるのにプーチンは賭けている。もしプーチンが、この賭に勝てなければ、彼はワシントンとイスラエルが直接ロシアを狙っている戦争の準備をするのが身のためだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/24/putins-peace-efforts-coming-naught/
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属国政治、宗主国政治の劣化版戯画。

日大卒業生総数は、116万人をこえるという。日本の人口は、1億人をこえる。
アメリカン・フットボール問題を、モリ・カケや、自衛隊日報隠蔽や過労死推進法案より重要扱いする大本営広報部、狂っているか、罪人か、その両方か、としか思えない。

日刊IWJガイド・番組表「不誠実な答弁を続ける加藤勝信厚労相の下で『働き方改革関連法案』採決は許さない!衆院で野党が加藤厚労相不信任案を提出するも否決!/籠池夫妻300日ぶりに保釈『これは国策勾留!』『「松井維新の党」による政治的カモフラージュ!』『私は国会の証人喚問で全く虚偽を言っていない』安倍総理は『本当のことを言うべき!!』~籠池夫妻会見で訴え/ 米国が突然米朝首脳会談を延期したことに対し怒りの記事で応じた中国! ICANの川崎哲氏も各国に粘り強い交渉を求める!」2018.5.26日号~No.2081号~

2018年5月25日 (金)

北朝鮮の頭に拳銃をつきつけるワシントン

Finian CUNNINGHAM
2018年5月22日

 ドナルド・トランプ大統領が、金正恩に対して異様な威嚇をした後、アメリカと北朝鮮との間の平和外交の見通しは突然打撃をこうむった。事実上、殺害の脅しだ。

 先週、トランプは、もし北朝鮮指導者が、ワシントンの完全非核化要求に従わなければ、金は“カダフィのような目にあう”と警告した。トランプは、もし核兵器を放棄しなければ、北朝鮮は“破壊される”とも言った。

 トランプの他国に対する暴力の言辞は、ほぼ間違いなく国際法と国連憲章違反だ。

 アメリカ大統領が北東アジアの国を犯罪的に恫喝したのは、これが初めてではない。昨年9月、彼は国連総会で、北朝鮮を“完全に破壊する”と演説していた。

 ところがアメリカ・マスコミは、更なる譲歩を引き出すため、腹黒く、“典型的なやり方で”交渉から後退していると北朝鮮を非難し、大統領の最新の騒ぎを歪曲している。

 ワシントンが北朝鮮の頭に拳銃をつきつけ、マフィア風に、“文句が言えないはずだと自分が考える提案”を平壌に押しつけている、火を見るよりも明らかな事実を、アメリカ・マスコミは無視している。

 6月12日、シンガポールで予定されている大いに期待されている、トランプ・金サミットが突然不透明になった。北朝鮮国営メディアが、もしアメリカが、平壌による一方的核軍縮を強く要求するなら、サミットはキャンセルすると警告した。

 トランプ政権は、シンガポール会談計画を継続していると言って対応した。だがサミットを順調に進めるため、北朝鮮の立場を保証するのに、アメリカと韓国当局者はおろおろしていると報じられている。トランプが彼の栄光の一瞬を奪われたくなくて躍起なのは確実だ。

 二つの進展が、ワシントンと交渉する北朝鮮の意欲を削いだのだ。トランプと金が、それまでの双方のけんか腰言辞をやめ、向かい合ってのサミットを行うことに合意した明らかに飛躍的前進した後、北朝鮮は冷めてしまった。

 ワシントンは、北朝鮮との交渉準備のガイドラインとして、“リビア・モデル”を考えていると言った国家安全保障問題担当補佐官ジョン・ボルトンの公的発言を平壌は引用した。ボルトンは、2003年-2004年、元リビア指導者ムアンマル・カダフィが、ジョージ・W ブッシュ政権をなだめるため、核兵器計画の一方的停止に同意したことを指していた。

 その七年後、カダフィ政権が違法なアメリカ-NATO戦争で、いかに打倒され、リビア指導者が街頭で殺害される結果になったのかを考えれば、これは陰険なタカ派ボルトンによる厚かましい基準点なのだ。

 北朝鮮は以前、保証無しに大量破壊兵器政策を放棄し、アメリカによる政権転覆攻撃にさらされることになった例として、リビアとイラクをあげていた。

 外交交渉のであるべきものを間近に、ブッシュ時代の悪名高い政権転覆立案者のジョン・ボルトンが、リビアを“モデル”だと、はっきり言及した以上、北朝鮮が、突然反発すると決めても、不思議はない。

 もう一つの展開は、今月行われた、アメリカ軍と同盟国韓国の年次軍事演習だ。現在、両国軍は北朝鮮国境近辺で、戦闘機と戦艦も参加しているとされる“マックス・サンダー”作戦を行っており、例によって、平壌にとっては、侵略準備のように見えている。一体どうして、それが北朝鮮にとって“信頼醸成”のはずがあるだろう?

 トランプとの会談は実現しないかもしれないと警告する中、進行中のアメリカ軍との共同演習をキャンセル理由として挙げ、先週突然、北朝鮮も韓国側との高水準の交渉をキャンセルした。軍事演習継続を巡り、北朝鮮は韓国は“愚かで無能だ”と酷評した。

 またしても、外交上のもう一つの劇的逆転だ。わずか数週間前、北朝鮮の金委員長は、朝鮮戦争(1950年-53年)終結以来、二国を分断している非武装地帯で、韓国の文在寅大統領と歴史的会談を行った。両指導者は、協力の新時代と、最終的に戦争を終結させるための正式な平和条約を調印する意図を明言した。

 北朝鮮の揺れに関する欧米マスコミの解釈は根拠がなく、不必要に身勝手だ。マスコミがほのめかしているように、平壌が心理戦を演じて譲歩を強要しているわけではない。

 これは、アメリカ合州国が、ワシントン側からのいかなる返礼も無しに、北朝鮮の一方的武装解除を期待するという本当に不届きな狙いをさらけ出していることの反映に過ぎない。つまり、降伏、投降を。

 この要求に加えて、北朝鮮が“安全”、つまり、無防備と見なされたら、ワシントンが政権転覆に向けて動くという極めて深刻な根本的な脅威がある。

 トランプが金委員長との“歴史的サミット”に熱心なのは、双方の和平合意を求めるためではない。不動産界の大物出身の大統領は、派手な見せ物と、虚栄心からの成功しか考えていない。自分がいかにノーベル平和賞に相応しいかとまで、彼は語っている。

 もちろん、世界中に放映される金との握手は、トランプのうぬぼれと、元リアリティーテレビ番組TVスターの視聴率への渇望に大いに役立つだろう。

 トランプが、先週、北朝鮮を安心させようとして、“アメリカは、リビア・モデルを使わない”と言って、ボルトンを、たたき返したように見えた理由はこれだ。

 ところがトランプは、同時に、北朝鮮は、核兵器を放棄しなければ、リビア同様の結果になるとまで、とっぴに言って、さらにへまをやらかした。

 道徳的にボロボロの戦争屋ジョン・ボルトンがいて、CIA拷問を支持するマイク・ポンペオが国務長官であることが、北朝鮮が、提案されている会談に背を向けつつあるように見える、極めて妥当な理由だ。

 更に、トランプが無知と粗野な本能をさらけ出しているのだから、これまた、平壌が警戒する、至極もっともな理由だ。

 朝鮮半島の平和は多国間の等式だ。北朝鮮による核兵器放棄は、等式の片側に過ぎない。式のもう一方の不可欠な側は、ワシントンによる軍隊撤退、平壌との平和保証調印、経済戦争を終わらせ、二つの朝鮮が干渉されずに和解を追求するのを可能にすることだ。

 しかし、このコラムで以前書いた通り、ロシアと中国に対し、兵力を維持するアジア-太平洋でワシントンの戦略的権益は極めて大きく、朝鮮半島における本当の和平合意への同意は、アメリカにとって、受け入れ難いものなのだ。

 上っ面のアメリカ外交の下にあるワシントンの真意はアメリカ政府に対する北朝鮮の降伏だ。

 “交渉しろ、さもないと”と北朝鮮に言うのは、頭に銃を突きつけるようなものだ。多少とも自尊心がある国なら応じるはずがない。

 ワシントンの不誠実さと、自分の義務に関する傲慢な無知に対して、平壌がワシントンに素っ気ない態度を取って至極当然だ。トランプが、イラン核合意で後戻りしたのも、北朝鮮にとって、もう一つの教訓的実例だ。

 だが不気味なことに、アメリカ政府は、自分の鼻をつねられた後、極めて汚らしいことをしようとしているようだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/05/22/washington-holds-gun-north-korea-head.html
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2018年5月8日に翻訳した記事「帝国の征服への道: 和平と軍縮協定」が気になっていた。「北朝鮮の言い方がひどかった」というような趣旨のことを大本営広報部解説者が言っていた。「帝国の征服への道: 和平と軍縮協定」のような指摘を決してしないのがお仕事。

話題の広報担当、通信社元論説委員長というのに驚いた。本当だろうか。
事実の解明ではなく、支配体制維持がお仕事という小生の偏見・被害妄想、本当かも?

日刊IWJガイド・番組表「【速報】トランプ大統領が金正恩委員長に米朝首脳会談の中止を通告!! 米国は金正恩委員長に宛てた書簡で『我々が保有する核の力』を誇示!?/米朝首脳会談が中止になる予兆があった!? 北朝鮮が宣言通りに核実験場を廃棄しながらも、米国は米朝首脳会談の中止を通告!/突然の会談中止通告に当惑しながらも、韓国・文在寅大統領は『問題解決のため努力してきた当事者たちの真心は変わっていない』/大新聞がろくに報じない! ポンぺオ米国務長官がイランに12カ条の要求! それを『ナンセンス』と評したロシアは一枚も二枚も上手!?/
財務省が提出した記録からは、籠池泰典氏が『いい土地ですから前に進めてください』という安倍昭恵氏の言葉を近畿財務局に伝えた日の記録が抜けている! 玉木雄一郎議員は『今回出てきていないもの』に意味があるとツイート!」2018.5.25日号~No.2080号~

2018年5月11日 (金)

(‘宥められた’レバノン経由の)イスラエルによる残虐な対シリア攻撃

2018年5月1日
Andre Vltchek

ホムスのシリアT-4空軍基地に対するイスラエル空軍によるきわめて残忍な攻撃で:少なくとも14人が死亡した。

4月9日、イスラエルのF-15戦闘機が、これまで何度もしてきたと同様、国際法を完全に無視してレバノン領空を飛行した。

イスラエルとレバノンは法的には戦争状態にあり、最近の行為は、すぐさま、もう一つの破廉恥な挑発と見なすことが可能だ。どうやら、サウジアラビアやイスラエルなどの欧米の同盟国が、どの様な恐怖を地域中で広めると決めようとも、連中の行動は常に罰されることがないようだ。

踏んだり蹴ったりで、欧米マスコミは、イスラエルを非難するどころか、案の定なさけない奴隷根性で、ダマスカス政府に向かってわめき始め、‘特派員’の中には、アサド大統領を“けもの”呼ばわりするものもいる(The Sun、2018年4月9日)。

過去何度か残虐なイスラエル侵略で苦しめられ、イスラエルが通常‘パレスチナ’と呼んでいるレバノンは、今回の領空侵犯に対し、余り大げさに抗議しないと決めた。シリア攻撃に反対するレバノン外務省声明と並んで、レバノンは国連安全保障理事会に訴えると主張する個別のレバノン政治家による声明がいくつかある。とは言え大半の声明はアラビア語のものしかない。人が期待するような断固とした対応は全くない。

レバノンのベイルートを本拠とする、イラク人教育者で、テレビ司会者のゼイナブ・アル-サッファル女史は、この件について、こう語ってくれた。

“こういうことは今回が初めてではありません。イスラエル軍はレバノンの領空や領土や領海を侵害してきました。[イスラエルによる]レバノン領侵害は、何か‘いつものこと’になっています。彼らはシリア領を攻撃するために、レバノン領空を利用していたのですから、今回起きたことは目に余る侵入であり、おとがめなしで済まされるべきではありません。国連は、報告を書いて、数値を記入すること以上の何かをするべき時だと思います。これは極めて深刻な状況です。第三国を攻撃するために、隣国領空利用は、あからさまな犯罪です。”

*

レバノンの抗議は一体なぜ、もっと大きな反響がないのだろうか?

理由はいくつかある。その一: レバノンは最近、‘パリ会議’で、大半が、欧米から110億ドル以上にのぼる融資で構成される大規模契約を‘手に入れた’のだ。

その二: レバノン‘エリート’のうち、かなりの部分が欧米の指図を受けるのに慣れている。欧米に彼らの別荘があり、親類が暮らし、永住権証明書が発行されている。

遥かに大規模な戦争が近づいているのかも知れない。アメリカもヨーロッパも、シリアを直接攻撃する準備ができている可能性が極めて高い。この重要な時期に、レバノン支配者は日和見的に、誰に忠誠を尽くすかを示している。荒廃した中東の人々にではなく、パリ、ロンドンやワシントンに。

だが最初の点、金に戻ろう。ロイターはこう報じている。

融資パッケージは、102億ドルの融資と、8億6000万ドルの助成金で構成されており、フランスの駐レバノン大使、ブルノ・フーシェは、ツイッターにこう書いた…

融資側は、引き換えに、レバノンには、長いこと停滞していた改革を約束して貰いたい。こうした要求を考慮して、サード・ハリーリー首相は、今後五年間で、GDPの率で、5パーセント予算の赤字を削減すると誓った。

記者会見で、マクロン大統領はハリーリー首相に、支援は、レバノンに新規まき直しの機会を与えることを狙ったものだと語り、これは、レバノン当局にレバノンで、改革を実行し、平和を維持するという“未曾有の責任”を負わせるものだとも述べた。

“今後、改革を継続することが重要だ”とマクロンは述べ、“我々は貴国の味方だ”と言った。

フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外務大臣は会議で述べた。“… レバノンは、構造的そして分野的な、大規模経済改革が必要だ。”

‘構造改革’が重要な単語だ。レバノンの手を更に縛るだろう、この破廉恥な融資は、レバノンの現状満足を確実にするだろう。欧米が、地域で軍事的猛攻撃の新たな波を始める用意が出来ているまさにその時期の、経済的、政治的服従だ。

レバノンには、ほとんど透明性は無いので、融資が、苦しんでいる国民の生活水準を改善するために使用される保証はほとんどない。レバノンにおける腐敗は蔓延しており - 制度化されていて - もはや‘腐敗’とさえ呼ばれないことが多いくらいだ。

社会事業はほとんど存在していない。ここでの対照は実にすさまじい。フェラーリ やランボルギーニや、法外に高価なヨットが、全くの窮乏と、少なくとも定期的ごみ収集のような社会事業の欠如と並んで共存しているのだ。

多くの欧米諸国のいわゆるテロリスト・リストに載っている組織、ヒズボラは、レバノンで唯一、頼れる社会事業の供給源であることが多い。

今や欧米は、益々多くのネオリベラル‘改革’を要求するだろう。社会目的のものは、ほぼ何も建設されるまい。資金は恥知らずのレバノン人‘エリート’や‘指導者連中’の懐に消えるだろう。レバノンの金持ち連中はほとんど税金を支払わないので、融資の利子を支払うよう期待されているのは、貧しい人々だ。

連中の戦利品と引き替えに、多くのレバノン人政治家は、ワシントンやフランス(レバノンの元宗主国)のシリアや地域の他の国々に対するネオリベラルで、益々新植民地主義的な政策を含め、地域に対する欧米の方針に更に従うことを余儀なくさせられる。

*

そして国境の向こうでは、戦争は依然猛威を振るっている。現在、ワシントンとロンドンは‘懲罰行動'を約束している。この小さいながら、強く誇り高い国への侵略、不安定化、そして最後には破壊を正当化するためだけに、明らかに、ねつ造された/でっちあげられたものに対して‘シリアを叱責するため’。

ベイルートとダマスカスの両方で暮らしている、あるシリア知識人が、この記事のために、彼の分析を聞かせてくれた。ただし、レバノンと欧米双方からの跳ね返りが恐ろしいので、匿名にしておくよう要求された。

攻撃は、シリア軍がダマスカス郊外でテロ集団に対する戦闘で勝利している時に、行われており、攻撃は、こうした勝利に対する、遠回しの答えだとも解釈可能だ。T4空軍基地は、シリア国内のISIS残党に対する戦闘に深く関与しているので、これは危険な動きでもある。この攻撃は主権国家に対する容認しがたい侵略で、国際法違反だ。これは、イスラエルが、シリア領で活動している様々なテロリスト集団を直接、間接に支援していることも示している。

*

ところが、欧米の主要マスコミが広めている注釈は、益々、あらゆる論理を無視している。連中は次第に、人種差別主義者、白人至上主義者になりつつあるのだ。そう、実際、今や連中は、過去何世紀ものヨーロッパによる、次に北アメリカによる植民地主義の間、常にそうであったものになっている。

ガーディアン記事をお読み願いたい - “シリアで、イスラエルは無数の攻撃を行った。目新しいのは、ロシアの対応だ”:

“主に、ゴラン高原でのイランが支援するヒズボラ軍や兵器の増強から国境を守るため、イスラエルは、シリア国内への多数の攻撃を行った。イスラエルは、原則として、シリア国内のアルカイダや「イスラム国」陣地は攻撃していない。

これまでの全ての攻撃で、2015年に、バッシャール・アル・アサド政権を守るため軍隊を派兵して以来、シリア領空を支配しているロシアは見て見ぬ振りをしている。シリア内のイスラエル権益は、主として、シリア南西部でのイランが支援する軍隊の駐留を制限することで、ロシアによって守られるという合意があるのだ。イスラエルの心配は、ゴラン高原のシリア側へのアクセスで、ヒズボラが、イスラエル国内を攻撃するのが可能になることだ。”

少なくとも、ガーディアンは、アサド大統領が自国民を毒ガス攻撃しているという欧米のでっち上げを信じている振りはしていない。

だが、記事は明らかに、独立国家に対する、イスラエルによるテロ攻撃を正当化し、論理を見いだそうとしている。

‘可哀想なイスラエル - ‘ゴラン高原のヒズボラ部隊と兵器’を心配しているのだ。

しかし、ゴラン高原は、国際法上、シリアの不可分の一部だ。繰り返そう。あらゆる国際規範上! 国連安全保障理事会国連決議497を含め。1981年の、いわゆる‘六日戦争’中、ゴラン高原は、イスラエルに攻撃され、占領され、無理矢理(しかも無期限のように見える)併合された。

私はゴラン高原を訪れた。5日ほど前、数日間、密かに、そこで仕事をした。私がそこで見たものは、本物の恐怖だ。古代からの村々は完全に破壊され、元々の住民の大半は自分の土地から追放され、イスラエルが雇ったスパイや工作員が、訪問者に手当たり次第近寄り詮索する。至る所、鉄条網と高いコンクリートの壁で守られた裕福なイスラエル農業企業が散在していた。南アフリカ・アパルトヘイト時代のアンゴラかナンビアで仕事をしているような感じだったが、あるいは、おそらく、それより酷い。分断されたコミュニティー、奪われた土地、電線と、遍在する恐怖と抑圧。

ところが現在‘心配し’‘治安’という名目のもと人々を殺害する権利を持っているのはイスラエルなのだ。欧米の主要定期刊行物が明らかに示唆しているのは、まさにこの調子なのだ。

1981年に、イスラエルは、1000キロ平方以上のシリア領を盗み取り、今や犠牲者を情け容赦なく爆撃しているのだ。レバノン領から、自分の‘安全と治安’を確保するため。イスラエル軍によって何度か侵略された国レバノン領から、イスラエルはこれを行っているのだ。

そして、欧米は喝采している。

*

もちろんイスラエルは、同盟国のアメリカ合州国、イギリスとマクロンのフランスから、支援も激励も享受しているので、全くとがめられることなく行動している。

レバノンはバニックになっている。レバノンの‘エリート連中’は、生き延び、欧米を怒らせないようにしている。

シリアは、鉄の神経を持っているように見えることが良くある。

彼らは懸念しているが、彼らの土地を一インチたりとも侵略者に与えまいと固く決意している。

この記事を投稿するわずか数時間前に、ダマスカスの私の友人がこう書いてきた。

“人々は心配し、絶えずニュースを確認しています。兄が皆で一ヶ月、より安全なサフィタに行こうと言います。我々がそうするかどうかわかりませんが、我々は状況をしっかりモニターしています。”

シリア現地の同僚や同志たちは怒っている。大いに怒っている。彼らは欧米が広めているウソを容易に見破れる。

ベテラン記者のヴァネッサ・ビーリーが、シリア政府が自国民に対して化学兵器を使用しているという非難を、はっきり否定している。私は彼女とその分析を完全に信じている。

イスラエルは勇敢なシリアを爆撃しようとしている。アメリカとヨーロッパも、間もなく、本当に間もなく、この記事が印刷に回る前にさえ、攻撃すると決めるかも知れない。

だが今は2018年で、何のおとがめも無しに、欧米が殺害し、強姦することができた、あの暗黒時代ではない。もし今、攻撃が行われれば、反撃があるだろう。完全に正当化され、断固とした強力なものだ。

そうなれば、ちっぽけなレバノンでさえ、立場を決めなければならなくなるだろう。

アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、革命的小説『Aurora』や他のを書いている。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/05/01/israels-murderous-strike-on-syria-via-pacified-lebanon/

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彼の記事、どなたか一流の翻訳者によるものを、マスコミで拝読したいと思いながら、ひどい翻訳をお目にかけている。

マレーシアの選挙結果にはびっくり。多少期待はしていたが。

またしても茶番の参考人招致。ウソのオンパレード。
額面通り受け取る人がいれば、正気とは言えまい。

解放された米国人を載せた飛行機は属国の基地で給油。

そして殺人事件。

対照的に、自衛隊幹部が国会議員を罵倒した話題を大きく扱う大本営広報部はない。扱わないのがお仕事だろう。

加藤周一『羊の歌』余聞 ちくま文庫をふと再読し、「それでもお前は日本人か」の内容が相似していることに驚いている。

「それでもお前は日本人か」同書135ページから、139ページ。一部引用させて頂こう。

  昔一九三〇年代の末から四五年まで、日本国では人を罵るのに、「それでもお前は日本人か」と言うことが流行っていた。「それでも」の「それ」は、相手の言葉や行動で、罵る側では「それ」を「日本人」の規格に合わないとみなしたのである。その規格は軍国日本の政府が作ったもので、戦争を行うのに好都合にできていた。<

中略

当時東大法学部の学生であった橋川文三とその同級生の一人が、白井─当時海軍軍令部に勤めていた─に食ってかかり、「きみ、それでも日本人か」と言いだした。そのきっかけはわからないが、白井は落ち着いて、「いや、まず人間だよ」と答えたという。そこで自分たちが、「まず日本人だ」という主張と「まず人間だ」という主張が対立して、問答がおよそ次のように続いた。
「まず人間とは何だい。ぼくたち、まず日本人じゃあないか」
「違うねえ、どこの国民でも、まず人間だよ」
「何て非国民!1まず日本人だぞ」
「馬鹿なことをいうなよ。何よりもさきに、人間なんだよ」
というところで、橋川とその友人の二人が殺気だち、「そんな非国民、たたききってやる」と叫ぶ。同席した友人たちが間に入って暴力の行使には到らなかったが、「これはいつまでも記憶に残って消えませんでした」と宗左近氏は書いている。

中略

今あらためて宗左近氏の本を読み、初めて知ったこの問答は、四五年以前の日本国において、実に典型的であった。「それでも日本人か」は修辞的質問にすぎず、実は「それならば日本人ではない」というのと同義である。すなわち「非国民」。相手を「非国民」と称ぶのはほとんど常に、「まず日本人」主義者であり、「まず人間」主義者ではなかった。また論争から暴力による威嚇または暴力の行使へ飛躍することが早いのも、前者の特徴で、後者の特徴ではなかった。

中略

  「まず日本人」主義者と「まず人間」主義者との多数・少数関係は、四五年八月を境として逆転した─ように見える。しかしほんとうに逆転したのだろうか。もしそのとき日本人が変ったのだとすれば、「それでもお前は日本人か」という科白をこの国で再び聞くことはないだろう。もしその変身が単なる見せかけにすぎなかったとすれば、あの懐しい昔の歌が再び聞こえてくるのも時間の問題だろう。あの懐しい歌!「それでもお前は日本人か」をくり返しながら、軍国日本は多数の外国人を殺し、多数の日本人を犠牲にし、国中を焼土として、崩壊した。その反省から成立したのが日本国憲法である。その憲法は人権を尊重する。人権は「まず人間」に備るので、「まず日本人」に備るのではない。国民の多数が「それでも日本人か」と言う代りに「それでも人間か」と言い出すであろうときに、はじめて、憲法は活かされ、人権は尊重され、この国は平和と民主主義への確かな道を見出すだろう。

スネ夫は、いつでも、ジャイアン様がたより。

日刊IWJガイド・番組表「相談や指示など総理の関与はなく、秘書官の独断で官邸での面会に応じた!? 自治体職員は発言しなかったので記憶に残っていなかった!? 柳瀬唯夫元総理秘書官が国会予算委へ参考人招致/米朝首脳会談に向けた一歩!北朝鮮が拘束していた米国人3人を解放 !トランプ夫妻が出迎え!他国頼みの安倍総理に金正恩委員長『なぜ日本は直接言ってこないのか!?』/<新記事紹介>中朝首脳会談は『外交ショー』!? 経済的な安定が金体制の維持につながる!?  それとも、もうひとつの衝撃のシナリオ、米中合意によるタフト・桂覚書バージョン2の実現で台湾と北朝鮮が『交換』される!?」2018.5.11日号~No.2066号~

2018年5月 6日 (日)

ロシアは何が起きているのか理解しているのだろうか?

2018年5月3日
Paul Craig Roberts

和平と理解の交渉をしようとロシアが躍起になっているワシントンの犯罪人のことを、ロシアは理解しているのだろうかと私は不思議に思っている。

“軍拡競争を協力して抑制するために”トランプ大統領がプーチン大統領をホワイト・ハウスに招待した、とロシアのラブロフ外務大臣は大喜びしている。https://www.rt.com/news/425699-lavrov-trump-meet-putin/

もちろんアメリカ軍安保複合体はロシアが30年先行している軍拡競争を抑制したいのだ。アメリカとその傀儡諸国に対する妄想と美化した見方のおかげで、ロシア政府はまたもやロシアが全滅に曝されてしまうことになる無意味な合意に呑み込まれてしまうのだろうか?

ロシアの目の前で、イランのウラン濃縮に関し、アメリカがイランと結んだ合意を、世界でただ一人、アメリカが破棄しつつあるのに、ワシントンなり、ヨーロッパのどこかの国なりとの合意に、何か意味があるなどと、どうしてロシアは期待できるのだろう? https://www.youtube.com/watch?v=fYOnXL6R-B8&feature=youtu.be

クリントン政権以来、ロシアと交渉した他のあらゆる合意と同様に、ワシントンが破棄するであろう、次のワシントンとの合意を、ラブロフ外務大臣は、一体なぜ交渉したがるのだろう。ロシア外務省は経験から学ぶことが困難なのだろうか?

ロシアには勝てる持ち札があるのに、それをどう活用すべきか分かっていないのだ。より断固とした政策なら、挑発を思いとどまらせるはずなのに、ロシア政府の慎重な動きが、更なる挑発を誘発しているのだ。

ワシントンは、ロシアの融和的な振る舞いを弱さだと解釈しており、今イスラエルという小国もそう解釈している。信じられないようなことだが、イスラエルがロシアに最後通告を発したのだ。通常兵器だけで消し去ることが可能なほど小さな国イスラエルが、世界の主要軍事大国に、今やシリアでのイスラエルによる違法軍事攻撃の邪魔をするなと命じたのだ。http://www.investmentwatchblog.com/israeli-defense-minister-asks-russia-to-stand-down-syria-air-defenses-or-they-will-be-attacked-too/

その軍隊が、ちっぽけなレバノン民兵に、二度も完敗し、徹底的に負かされたイスラエルに最後通告を出されてしまう国は、欧米では尊敬が得られない。これがロシアの問題だ。軍事的に無力なイギリスすらもが、まるで何の危険も伴わない事業であるかのごとく、ロシアと戦争することについて語っている。

極端な挑発への対応で、ロシア政府が優柔不断と弱さを示し続ける限り、挑発は世界を第三次世界大戦に追いやりつづけるだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/03/russia-know-whats/
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遅ればせながら、下記インタビューを拝聴。残念ながら今回は、時間切れで、ほとんどシリアの話題には触れられなかった。

「『板門店宣言』は思った以上に中身がなかった」!? 南北首脳会談に孫崎氏は厳しい指摘!国内政治に関しては「野党は分断を克服し共闘せよ!」~4.27岩上安身による孫崎享氏インタビュー 2018.4.27

2018年5月 5日 (土)

イランを不安定化させるのに通貨戦争を利用するワシントン

2018年4月21日
F. William Engdahl

アメリカ大統領を取り巻くネオコンタカ派、とりわけ新たな国家安全保障担当のトップ 、ジョン・ボルトンと、国務長官に指名されたマイク・ポンペオは、イランは、ワシントンにとって、政権転覆あるいは、少なくとも経済制裁や混乱の標的だと公言していることが知られている。言説は口先だけではない。アメリカの威嚇によって 他の調印国によって反対されたが、イランを到底耐えられない深刻な経済危機におち入れるはずの動きである、イラン核合意を5月に更新しない下地は準備されつつある。

ここ何週間、イラン通貨はつるべ落とし状態で、闇市場でのドル買いパニックを引き起こし 国内危機を悪化させている。トランプが5月にイラン核合意を更新しない、新たな公式経済制裁を始めると威嚇しているが、ワシントンの主要同盟国サウジアラビアとUAEによって、リアルを弱体化させる汚いゲームが行われていることを、証拠が示している。

2017年12月、国中で弱い経済と高い失業を問題にした抗議行動の波が起きた。そこで、当初、外国による介入のせいだと非難して(確かにそれはあった)、何千人も逮捕した後、政府は、経済不満は正当なもので、対処する必要があることを認めることを強いられた。アメリカが引き起こした2009年の緑の革命未遂以来、最大の抗議行動だった。欧米経済制裁解除にもかかわらず、2017年の14%という全面的インフレや、25%という若者の失業に、穏健派ハサン・ロウハーニーの政府は、この経済状況に対処すると誓った。

通貨戦争開始

抗議行動は次第に下火になった。しかしながら、現在起きていることは、イランの安定にとって遙かに危険だ。それは、ワシントンが仕掛ける見え透いた金融戦争だ。現時点では、1979年のホメイニ革命以来、リアルが最低に下落する中、ドルを得ようとする必死の取り組みで、リアルの投げ売りに走っているイラン国民のバニックを含む、通貨戦争という形をとっている。

最近のリアル下落の引き金になったのは、次の四半期毎の決定が行われる5月12日に、イランの核協定遵守を認定“したくない気分”だという、トランプ大統領による声明だった。1月に、トランプ大統領が核協定を署名承認した際、イランの弾道ミサイル計画や、シリア戦争における重要な勢力、ヒズボラ支持を止めることを含む、ヨーロッパとイラン間の根本的改善が合意されない限り、承認しないと彼は威嚇した。

2月に、リアルは、アメリカ・ドルに対し下落し始めた。その時点の報道は、ワシントンとサウジアラビアの親密な同盟国UAE内の銀行が、石油生産と輸出が、経済制裁の部分的解除以来、大幅に増加した事実にもかかわらず、イラン石油支払い処理を意図的に遅らせたというものだ。イランの貿易収支は黒字だ。昨年イランは、500億ドルの石油と400億ドルの石油以外のものを輸出し、500億ドルの商品とサービスを輸入した。石油生産は、経済制裁のピーク時、2012年の260万バレル/日から、380万バレル/日へと大幅に増加した。

最新の化学兵器使用という偽りの主張を巡るアメリカ-イギリス-フランスによる対シリア爆撃の数日前、イランの自由両替市場で、リアルは下落しつつあった。4月11日には、1ドル、60,000リアルだった。昨年9月には、1ドル、36,000リアルだった。現在、急激な下落を制御しようとする必死の動きで、ロウハニは、公定相場と私的相場の二重体制を終わらせるよう動き、相場を公式中央銀行相場とまとめて、1ドル、42,000リアル。リアルは、為替管理前の二週間で、20%下落した。

シリア爆撃

現時点では、4月14日のシリア標的 に対する違法なアメリカ-イギリス-フランス爆撃準備中の主要目的が、現在のロシア、シリアと特にイランとの関係の中に、状況を一気に変えるものを仕込むことだったことは明らかだ。現在、トランプの政策と、イスラエルでネタニヤフのリクード党政権を支配しているネオコンの狙いは、イランをシリアから追い出すことだ。爆撃の翌日、4月15日、アメリカ国連大使で、露骨なネオコンのニッキ・ヘイリーは、フォックス・ニューズに、アメリカは、以下の三条件が成立した場合に、シリアから撤退すると述べた。“化学兵器使用停止、ISISの完全打倒、イラン監視”。要するに、アメリカ軍は、現時点では、シリアでの長期駐留を計画しているのだ。

最近の爆撃にもかかわらず、今や、1999年のベオグラード作戦に沿って、いかなる時点でも、アメリカが支援するシリア国内のテロ集団が、新たな遥かに破壊的なシリア爆撃を正当化するための次の偽旗化学兵器攻撃を行う舞台が準備されたのだ。“イラン監視”という言葉で、彼女は一体何を意味していたのだろう?

ルサルや他のロシア企業に対する新たな過酷な経済制裁や、近年のルーブル下落や、スクリパリの神経ガス悪ふざけという欺瞞的なイギリス諜報情報、そして、それに続く同様に欺瞞的なホワイト・ヘルメットによる偽旗グータ化学兵器攻撃の主張との組み合わせによる明らかな結果の一つは、シリア内のイラン軍事駐留に対するロシアによる支持を“軟化させる”ことだった。4月13日、シリア空爆を国民に発表する演説の中で、トランプはこう宣言した。“今夜、犯罪的なアサド政権を支援し、機器を与え、財政援助をする上で、最も責任がある二つの政府にも言いたいことがある。イランとロシアにだ” 彼はそこで、ロシアに焦点を当てた。“ロシアは、この暗黒の道を下り続けるつもりなのか、それとも、安定と平和の勢力として文明諸国に加わるのかを決断しなければならない(原文のまま).”

エネルギー・ニュースレターのOilprice.comによれば、イランの通貨状況は、アメリカの主要同盟国サウジアラビアとUAEによる、イラン石油輸出によるドルの本国送金を妨害する意図的な措置で悪化しつつある。イラン中央銀行総裁のヴァリオッラ・セイフはこう述べた。“我が国境外の敵たちは、様々な姿で、この状況をあおり、国民にとって、状況を悪化させるため色々画策している。”

アメリカ財務省経済制裁再開?

どの標的が攻撃されたのか、されなかったのかとは無関係に、アメリカが率いたシリア爆撃画策で、新たな対イラン経済制裁の劇的なエスカレーションと、2009年には不可能だった、本格的な不安定化のプロパガンダ用の舞台は今や準備されている。

とにかく、ワシントン側で、姿を現しつつあるのは、対イラン経済・金融制裁の新たな波を解き放つ準備だ。

シリア攻撃二日前の4月12日、スティーヴン・マヌーチン財務長官は、アメリカは多国間イラン核合意から脱退しないと主張しながら、イランに対して経済制裁を再度課する可能性は存在するとアメリカ議会に述べた。下院聴聞会で、マヌーチンは述べた。“もし大統領が、あれ(権利放棄)に署名しないと決めても、必ずしも合意から離脱することを意味するわけではない。意味するのは、一次制裁と二次制裁が復活するということだ。”ヨーロッパ外交官が、たとえドイツやフランスやイギリスが合意に残ると決めても、アメリカによる経済制裁の威嚇ゆえに、欧米企業はイランから撤退するだろう”オフレコでロイターに述べた。これはイランを包囲する壊滅的経済防疫線だ。

マヌーチンは更に述べた。“極めて強力な”対イラン経済制裁が可能だ。“もし大統領が、承認に署名しなければ、経済制裁が復活する”とマヌーチンは述べた。“一次制裁と二次制裁はイラン経済に大きな影響があるはずと思うし、大統領は、決定に当たって、これを考慮、考量するだろう。” vii 近年 アメリカ財務省は、国家安全保障会議の一部となっており、“プーチン・オリガルヒ”と彼らの企業を標的にしたもののような”悪魔的な新“賢明な経済制裁”を語るようになっている。

マヌーチンは、議会に、財務省は、核合意とは全く独立に、経済制裁で動いていると語り、イランの核開発計画と全く無関係で、むしろ、イランそのものを、経済的に機能不全にしたり、不安定化したりする狙いという秘密を暴露した。主要ロシア企業に対するアメリカ財務省の最新の経済制裁を子細に見れば、ワシントンは、標的とした国に経済制裁を課すのに、もはや、いかなる真面目なやり方であれ、正当化する必要がないほど大胆になっているのは明らかだ。今や、良きトランプ氏と、お友達によって“この暗黒の道を下り続けるつもり”だと判断され、非難されるだけで犯罪とされるのに十分なのだ。

2012年、オバマ政権財務省は、欧州連合諸国に圧力をかけ、欧州連合が、ベルギーを本拠とするSWIFT、国際銀行間通信協会に、中央銀行を含めイラン銀行との全ての銀行間credit linesを切断させ、イランが石油や他の輸出品でドルを稼ぐ能力に壊滅的打撃を与えた。これは未曾有のことで、SWIFT回線が、2016年の核合意後に再度接続されるまで、四年間続いた。

アメリカ財務省が、一次制裁と二次制裁を今にも“パチンと”復活させるとを話している以上、ワシントンには、SWIFT回線を切断するため、EUに再び圧力をかける計画をしている連中がいることは明らかだ。ただし今回、“正当化の理由”は、アメリカやイギリスやフランスの駐留と違い、正当なシリア政府の要求を受けたイランのシリア駐留だ。

弱体化されたイラン経済の状態を考えると、イランの敵-ワシントン、サウジアラビアとイスラエルが、イラン経済に巨大な損害と混乱をもたらすには、いずれにせよ大変に困難な軍事攻撃は不要なはずだ。1989年に、ユーゴスラビアで、アメリカが経済危機引き起こした時のように、ワシントンが、イランを分裂させ、混乱を広めようとして、全米民主主義基金やソロス財団支配下の偽民主主義NGOを再度解き放つ可能性も高い。

現時点で明らかなことは、ワシントンとロンドンが、連中の戦争行為を正当化するための、国際的な法の支配順守の装いを、すっかりかなぐり捨ており、イランが、事実上の通貨戦争で、何カ月も、弱体化させられた後、壊滅的な新経済戦争に直面しつつあることだ。5月12日以降、中東の状況は実に醜いものになりかねない。これは、中国のユーラシア一帯一路構想、新経済シルク・ロードと、ロシアとの経済協力重要なリンクであるイランを標的にするものだ。もしこれが成功すれば、次は、ロシアや中国攻撃が視野に入るのは確実だ。もしこれらユーラシアの主要戦略的列強が、経済、政治と軍事のレベルで、相互協力を強化し損ねれば、ワシントンがライバルたちを打倒し、争う余地のない唯一の超大国覇権となるのが、樽の中の魚に網を投げるように簡単なことになりかねない。これは世界平和の見通しにとって、決して良いことではあるまい。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/04/21/washington-using-currency-war-to-destabilize-iran/

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「セクハラ罪という罪はない」とのたまう御仁、拝顔するたび「パワハラの権化」と勝手に思っている。

やはり、サウジアラビアも核合意離脱を支持。

日刊IWJガイド「<本日のインタビュー>本日14時30分より『子宮頸がんワクチン被害者と向き合う!「HANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)の問題は現在の医学・医療に対する告発だ」岩上安身による横浜市立大学名誉教授 横田俊平医師インタビュー』をお送りいたします/サウジアラビアもイラン核合意から離脱する米国を支持!シーア派抑圧の思惑でイランに向けて『圧力外交』が進行中!」2018.5.5日号~No.2060号~

2018年5月 4日 (金)

ダマスカスは、21世紀のサラエボ?

Finian Cunningham
2018年4月30日
Strategic Culture Foundation

アメリカ人歴史家ダニエル・ラザールが、最近のインタビューで警告したように、ダマスカスが21世紀のサラエボになる運命を避けられるよう願うばかりだ。

サラエボは、1914年、1000万人以上の死者をもたらした第一次世界大戦を引き起こしたきっかけと同義だ。これによって、大量破壊戦争という現代の悪魔が生まれたのだ。

4月14日のアメリカとフランスとイギリスによる空爆は“アメリカ軍による遥かに攻撃的な対シリア作戦の第一歩 ”に過ぎないと、ラザールは主張している

彼は更に書いている。“アメリカはシリアから撤退できない。アメリカは決して、シリアから撤退するまい。アメリカ軍による、より大規模な侵略が行われる… ダマスカスは21世紀のサラエボだ。”

歴史が、そのまま正確に繰り返すことは稀だ。しかし歴史は確かに、言ってみれば韻を踏む、つまりよく似たパターンの繰り返しは識別することが可能だ。

最初の世界規模、産業規模の戦争が1918年に終わって、きっかり一世紀、同様な戦争がシリアで勃発する本当の危険が存在している。ただし、もしそのようなことが起きれば、交戦国となる可能性がある国々が核兵器を保有していることを考えると、エスカレーションの危険はずっと大きい。

歴史が繰り返したり、韻を踏んだりすることが不可避だという訳ではない。シリアの7年にわたる戦争が国際的な戦争に発展することが不可避だという訳ではない。とは言え、危険は差し迫っている。

1914年のサラエボ同様、ライバル大国間で、配置は急に拡大しつつある。各国の軍隊が詰まった火薬だるに点火するには、火花一つで十分なのだ。

そうした火花の一つが、今月初めのアメリカ、フランスとイギリスによるシリア空爆だった。4月7日のダマスカス付近での化学兵器攻撃事件に報復するという口実とされるものが明らかに詐欺的なので、シリアと同盟国のロシアとイランは、この軍事攻撃を、侵略、国際法違反だと強く非難した。

シリアで迫り来る戦争の悲劇は、その結果が実に恐ろしいものになりかねないのがわかっているので、最終的に全面戦争になるのを望む政治家や国民はほとんど皆無なことだ。

シリアにおいて、いかなる偶発的衝突も避けるため、アメリカとロシアの軍司令部が緊密な連絡を維持しており、衝突を避けていると信じる十分な理由がある。

ロシア・マスコミの長いインタビューで、セルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワは、ワシントンに対し、シリア国内の“越えてはならない一線”について警告し、今月初めに空爆を行った際、アメリカ側がそれを順守したと述べた。犠牲者はなく、損害が最少だったことが、空爆が、何らかの実際の軍事目的というより、見せびらかすためのものだったことを示唆している。

ラブロフ外務大臣は、現在のアメリカとロシアの指導部が、シリアにおける対立のエスカレーションを許すはずがないと確信しているとも述べた。

外務大臣はこう述べた。“軍事的対立のリスクについて言えば、各国軍隊は、そういうことを許さないし、もちろんプーチン大統領もトランプ大統領も許さないと私は固く信じています。結局、彼らは、国民に選ばれ、国民気平和に責任を負う指導者なのです。”

とはいえ、サラエボの例えの話に戻ると、やっかいで複雑なのは、各軍隊の配置のおかげで、指導者たちが道理をわきまえて語っていることを、戦争の論理が覆しかねないことだ。1914年当時のヨーロッパ指導者たちは、出来事が、制御できない壊滅的な形で展開することを望んでも、予想してもいなかったと言っておくのが公正だろう。

現在、シリアでは、アメリカ、フランスとイギリス軍が、地上と空で活動している。アメリカ航空母艦戦闘群が、シリア攻撃可能距離の地中海に到着した。トルコを含むこれらNATO軍の全てが、違法にシリアを脅かしているのだ言わねばならない。

シリアを脅かしている最近のNATO軍事力強化は、7年間の戦争後、連中の代理テロ集団が、打ち破られた結果であることにほとんど疑念はないようだ。あの戦略的敗北は、ダマスカスの合法的な救援要求を受けた後、同盟国シリア側に立ってのロシアとイランの介入のおかげだったと言えよう。

トランプ大統領は最近シリアからのアメリカ軍撤退について語っている。ペンタゴンがまさに、その逆をすると固く決意していることからして、トランプの無意味な大言壮語という可能性がある。また、もしトランプが、アメリカ軍のシリア駐留を多少縮小できた場合、彼は、これら部隊を、サウジアラビアや他の湾岸アラブ諸国政権の軍部隊で置き換えたり、悪名高いブラックウオーター・アメリカ創設者であるお友達エリック・プリンス管理下の民間傭兵を契約したりしたいと述べている。

また、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、今週、イラン軍が、ダマスカスの要求の下、合法的にシリアに駐留している事実にもかかわらず、また、政権転覆のため、テロリスト代理軍を使った、欧米が支援する秘密戦争を、イランはロシアと共に打ち破るのを支援した事実にもかかわらず、イランの影響力が強化するのを欧米諸国は許さないと警告して、アメリカ軍のシリア駐留を維持するよう、トランプに強く促した。マクロンの全くの傲慢さ!

可燃混合気を更にあおっているのは、アメリカ率いる今後のあらゆるシリア空爆に進んで加わりたいと言っているサウジアラビアとイスラエルだ。

サウジアラビアとイスラエルが、自分たちの宿敵だと異常なまでに見なしているイランと戦争をしたくてうずうずしているのは明らかに見える。

4月14日のアメリカ率いる空爆の一週間前、4月8日、イスラエルが空中発射したミサイルが中央シリアのT-4空軍基地に命中するという遥かに危険な出来事が起きていた。死者の中には7人のイラン人顧問がいた。これも火薬だるに飛び散るもう一つの火花だった。

今週、イラン国家安全保障委員会委員長アリ・シャムハニは、イスラエルによる言語道断な戦争行為に対する“結果と報復措置”を警告した

イランによるこの正当な自己防衛の声明に応えて、イスラエルのアヴィグドール・リーベルマン国防相は “イスラエルは戦争を好まないが、もしイランがテルアビブを攻撃すれば、我々は テヘランを攻撃する。”と厚かましくも述べている

リーベルマンの傲慢な不合理さはさておき、彼の声明が意味するところは、シリアとイランに対する更なる侵略の口実をイスラエルに与えるための偽旗事件が強く要求されているということだ。

シリアにおける危険は、兵力が集中していることだけでなく、様々な可動部品の力学だ。イスラエルとイランが関わる出来事が、対立する同盟諸国軍隊に大きな影響を与える爆発の引火点になりかねない。

アメリカとロシアの政治家や軍幹部には全面戦争の意図は皆無かも知れない。彼らはそのようなシナリオを本気で忌み嫌ってさえいるかも知れない。

だがそれこそがダニエル・ラザールが引き合いに出したサラエボの比喩が当たっている理由だ。善意にもかかわらず、諸般の状況から不可避的に破滅的結果が生まれかねないのだ。

これこそが、幾つかの国連決議が要求している通り、シリア内の全ての軍隊が撤退し、自決という政治過程を、シリアに追求させることが必須な理由だ。

何よりもまず、法的、道徳的責任として、アメリカ、フランスとイギリスは軍部隊を撤退し、シリアへの介入を停止することだ。彼らは結局、違法駐留しているのだ。

ところが不気味にも、NATO同盟諸国は国際法を順守する気がないようだ。連中は無謀にも火薬だるを積み上げている。実に恥ずべきことに、国連も欧州連合も、ワシントンと、その同盟諸国のけんか腰を黙認し、意気地なく加担している。国連とEUは、NATO大国諸国に、シリアに対する連中の違法行為を止めるよう、はっきり要求すべきなのだ。ところが、そうはしない。臆病な沈黙だ。

この点で、恐ろしいことに、ダマスカスは益々1914年のサラエボのように見えてくる。

それにもかかわらず、初期キリスト教徒を大量殺害したユダヤ人のサウルが、ある時、神の正しさを示す“天からの光を見て”邪悪な行為を止め、平和を愛するパウロとなった物語の通り、このシリアの都市は“回心”と“悔悛”と同義でもあることを想起しよう。

しかしながら、アメリカが率いるNATO同盟中の傲慢で欺瞞的な大量殺人犯連中の、そのような時宜を得た回心はありそうもないようだ。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。20年以上、ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は編集者、著者として働いた。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/04/30/damascus-sarajevo-of-21-century.html
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タレントのセクハラ行為は大騒ぎするが、226や515を連想させる自衛隊幹部の暴言については、何の追求もしない大本営広報部の沈黙は不気味。

斉藤貴男著『戦争経済大国』にあるとおりの状況。

『戦争経済大国』168~169ページに、朝鮮戦争勃発の当時、保守系政治家がマッカーサーに送った手紙が引用されている。

 私の提案は義勇防衛軍を直ちに組織することを要請するものであります。隊員は日本人により構成され、米軍の指揮下で日本の国内の安定化にあたり、必要とあらば合衆国と国連に加担して共産主義との戦いに参加するというものです。
 合衆国の日本占領は世界史の中でも他に類を見ない独特の現象です。高度の理想と民主主義の伝統、更には自由な制度の教義に基づき被占領民に対しこのような同情と思いやりの上に立った占領方針の実施は、古今東西に類を見ないものであります。日本国民の間に湧き起ったマッカーサー元帥への大いなる賛美と尊敬の念、そして信頼感はそこに根づいています。
 今や隣の朝鮮に戦争が起こりました。日本に居た米軍団は朝鮮に投入され、共産主義の侵略に対して生命を犠牲にして戦っております。私たちにとってこのような事態を腕をこまぬき傍観者の立場から見ていることはとても耐えられません。(中略)
出来るだけ早く義勇軍を組織することを私が主張する理由の一つに、この制度の下では諜報活動が大いに改善されると考えていることがあります。この組織を日本政府のみならず、米国側でも利用することによって、反乱の危機を前もって察知し対処することが可能となるでしょう。(原文は英語。袖井林二郎訳)

日付は1950年7月28日。
手紙の主は世耕弘一。現在の自民党広報部長の祖父だ。

「あとがき」には、下記文章と、ラティモアの著書からの引用がある。

取材の過程で「読むといい」と教えていただいたアメリカの中国学者オーウェン・ラティモア(1900~89)が1948年に著した『アジアの情勢』(小川修訳、河出書房、1953年)にあった以下の分析通りの状況が、70年の時を隔てて、完全に的中してしまいつつあることに、堪らなくなったためだ。

 (アメリカの対日政策における)仮説の連鎖の第一環は、日本をアジアの工場とロシアに対する防壁とに仕立て上げることができる、という考えである。この仮説は、アメリカの政策の道具としての日本は、イギリスとドイツとネパール王国とがもつすべての価値を、一身に兼ね備えているというおどろくべき理論の上に立っているのだ。(中略)
 インドから独立しており、インドとイギリスに凶暴なグルカ人傭兵を供給しているネパール王国と同じように、うまれつき訓練された日本人は、「伝統的に反ロシア的」であるから、時とともに、独自の政治をもたず、自国の「作業場」をまかなってくれるアメリカに対して堅い忠誠を致すところの、新しい種類の植民地軍隊を供給する国となるだろう、と期待されているのである。

連休中の大本営広報部白痴製造装置、音声をけしたままでも、見るのがいやになってきた。

大本営広報部ではなく、下記インタビューを拝見したいと思う。

日刊IWJガイド「森友問題での告発を受け大阪地検特捜部が迫田英典・元国税庁長官を任意聴取!/トランプ大統領がイラン核合意から離脱する意思を固めた!? 朝鮮半島の緊張緩和ムードに水を差す中東情勢の緊張!/世界最大の軍事戦略研究所、CSISが子宮頸がんワクチン接種再開を求める不可解! 『HANS(子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群)の問題は,現在の医学・医療に対する告発だ! 子宮頸がんワクチン重篤副反応被害と向き合う』明日午後2時30分より、岩上安身による 小児科医・横浜市立大学名誉教授 横田俊平氏インタビューをお送りします!/
平和か戦争か!? 運命の前夜の韓国へIWJ記者を特派!10夜配信シリーズ特集・第三夜~『韓半島の平和と日本の平和憲法擁護のための韓日市民平和会議・第3セッション』を午後5時より録画配信!」2018.5.4日号~No.2059号~

2018年5月 2日 (水)

何ができるだろうか?

2018年4月30日
Paul Craig Roberts

核のハルマゲドンで地球が滅亡するか否かは、ヨーロッパにかかっている。

西欧は、第二次世界大戦終結以来、ワシントンの属国であることに慣れきっており、東欧と中欧は、ソ連崩壊以来、ワシントンの臣下という身分を受け入れているため、ヨーロッパ各国政府は、ワシントンの攻撃から、世界を救える自分たちの潜在力を理解していない。全ての代償を計算に入れさえしなければ、隷属状態は実入りが良い。

東欧と中欧はNATOに加盟し、ワシントンがアメリカ軍駐留を、ロシア国境まで進めることを可能にした。このロシア国境での軍駐留で、ワシントンは、ロシアも強要して属国状態にさせることが可能だという過度の確信を得てしまった。これまでに結集された二つの最高の軍隊-ナポレオンの大陸軍と、ナチス・ドイツの国防軍の悲惨な運命にもかかわらず-ワシントン は戦争の二大原則を学んでいない。(1) ロシアに向かって前進するな。(2) ロシアに向かって前進するな。

ヨーロッパがワシントンに隷従しているがゆえに、ワシントンがロシアに向かって前進する前に、ワシントンが教訓を学ぶ可能性は低い。

傲慢な愚かな考えで、ワシントンは既にウクライナでのクーデターや、シリア軍陣地攻撃で、この前進を少しずつ始めている。私が今朝先に書いた通り https://www.paulcraigroberts.org/2018/04/30/syrian-cisis-escalates/ (日本語訳はこちら)ワシントンは シリアにおける危機をエスカレートしている。

これが戦争へと爆発する前に、止めることができるのは、ワシントンによる侵略を可能にする者という立場から離脱するという東欧と中欧の決断だ。

ヨーロッパにとって、NATOに加盟している恩恵は皆無だ。ヨーロッパ人は、ロシアによる侵略によって脅かされているのではなく、ワシントンによる対ロシア侵略で脅かされているのだ. もしアメリカ・ネオコンと、その同盟イスラエルが戦争挑発に成功すれば、全ヨーロッパが破壊されるはずだ。永遠に。

連中が支配している国民と、この危険を冒すヨーロッパ人政治家の一体どこかおかしいのだろう?

ヨーロッパは依然、長年にわたり人間が作り上げてきた、建築物、美術、そして知的な美の在り処で、博物館は破壊されてはならない。ワシントンへの隷属から解放さえされれば、ヨーロッパは、創造的な生活にさえ戻れるだろう。

ワシントンによって、ヨーロッパに押しつけられているワシントンの違法な対ロシア経済制裁で、既に経済的に、また、イスラム教の人々に対するワシントンの違法な戦争、アメリカがイスラエルのために戦うことを強いられている戦争から逃れて、何百万人もの非ヨーロッパ人難民がヨーロッパ諸国に殺到して、ヨーロッパは苦しんでいる。

ワシントンの属国として、彼らに押しつけられる途方もない懲罰で、ヨーロッパ人は一体何を得るのだろう? ハルマゲドンの脅威以外、彼らは何も得られない。極少数のヨーロッパ“指導者”は、ワシントンの違法な策謀を可能にする代償として、ワシントンから膨大な助成金をもらう。イギリス首相に対する普通の報酬ではないトニー・ブレアの膨大な富をご覧願いたい。

“指導者”を含め、ヨーロッパ人は、ロシア/中国シルク・ロード・プロジェクトと結びついた方が遥かに得るものは多い。勃興しつつあるのは欧米ではなく、東だ。シルク・ロードはヨーロッパを勃興する東と結びつける。ロシアには、アメリカ合州国より広い資源豊富な未開発の地域、シベリアがある。購買力平価ベースでは、中国は既に、世界最大の経済だ。軍事的に、ロシア/中国同盟は、到底、ワシントンの手には負えない。

もしヨーロッパに何らかの常識があり、誰か指導者がいれば、ワシントンに別れを告げているはずなのだ。

ヨーロッパにとって、ワシントンの対世界覇権は一体どのような価値があるのだろう? ワシントンから大金の詰まった袋をもらえるごく少数の政治家と対照的に、ワシントンに隷属して、普通のヨーロッパ人に一体どのような恩恵があるのだろう? 一つたりとも、恩恵は思い当たらない。ワシントンを擁護する連中は、ヨーロッパはロシアに支配されるのを恐れているのだと言う。それなら、73年間のワシントンによる支配、特に、彼らをロシアとの軍事衝突へと導いている支配を、ヨーロッパ人は一体なぜ恐れないのだろう?

ヨーロッパ人やロシア人とは異なり、アメリカ人には、戦時の死傷者体験がほとんど無い。第一次世界大戦での、たった一つの戦い、ベルダンの戦いは、イギリスから独立するためのアメリカ革命戦争から始まって、アメリカ建国以来のあらゆる戦争で、アメリカが経験したより多い戦死者をもたらした。

アメリカ参戦前に起きた、第一次世界大戦のベルダンの戦いは人類史上、最長で最も犠牲の大きな戦争だ。2000年の推計では、死傷者数は総計714,231人で、フランス人が377,231人、ドイツ人が337,000人、月平均死傷者数は、70,000人だ。別の最近の推計では、ベルダンでの戦闘中の死傷者数は、976,000人で、負傷者は、1,250,000人に増えている。

対照的に、アメリカ参戦後の、第一次世界大戦におけるアメリカ人死傷者数は、戦死者が、53,402人で、致死的でない負傷者、200,000人だ。

アメリカ革命戦争から、 2017年8月時点での“グローバル対テロ戦争”によるアメリカ人戦死者一覧は下記の通りだ。

アメリカ革命戦争: 4,435人
1812年戦争: 2,260人
対アメリカ先住民戦争 (1817年-1898年) 1,000人
米墨戦争 1,733人
アメリカ南北戦争:
北軍: 104,414人
南軍: 74,524人
米西戦争 385人
第二次世界大戦 291,557人
朝鮮戦争 33,739人
ベトナム戦争 47,434人
湾岸戦争 148人

これで、戦死者は、561,629人だ。

2017年8月時点で世界対テロ戦争での戦死者、6,930人を足せば、全てのアメリカの戦争におけるアメリカ人戦死者は、568,559人だ。https://www.infoplease.com/us/american-wars/americas-wars-us-casualties-and-veteransを参照。
アメリカ兵が参加していなかった、第一次世界大戦中の一つの戦争における戦死者と、致命的でない負傷者や四肢損傷を、現時点では私は分けることができないが、714,231人の死傷者と比較願いたい。

言い換えれば、桁外れの北軍戦争犯罪に苦しんだ南部連合国とアメリカ先住民以外、アメリカ人には戦争体験がない。だからワシントンは易々と戦争を始めることができるのだ。だが次はハルマゲドンで、ワシントンは、もはや存在しなくなる。そして我々全員も。

第一次世界大戦時のアメリカ兵士の死者数が少ない理由は、最後になるまで、アメリカが参戦しなかったためだ。第二次世界大戦でも同じだ。日本は、海軍と空軍の損失と、アメリカ人がほとんど僅かしか戦死しない、東京や他の日本都市への焼夷弾爆撃によって敗北した。広島と長崎への原爆攻撃は、日本が降伏を申し出ようとしていた時に行われた不当なものだった。約200,000人の日本の一般市民が原爆攻撃で死亡したが、両都市で拘留されていた戦争捕虜を除き、アメリカ人死者はいない。ヨーロッパでは、第一次世界大戦時と同様、アメリカ最後にドイツ国防軍が、ソ連赤軍によって、既に粉砕され、打ち破られるまで、対ドイツ戦争に参戦しなかった。全てのドイツ軍がロシア戦線にいたので、ノルマンジー攻撃はほとんど反撃を受けなかった。

もし第三次世界大戦になれば、アメリカと全ての西欧世界は即座に破壊され、欧米と途方もない核能力を保有するロシアとの間には、全くの破壊の可能性以外何もなくなるだろう。もし中国がロシア側について参戦すれば、想像通り欧米世界全体が永遠に破壊されよう。

ヨーロッパは一体なぜ、このシナリオを可能にしているのだろう? ヨーロッパのどこにも、人間性も知性も存在しないのだろうか? ヨーロッパは、狂ったアメリカ・ネオコンの陰謀によって屠殺されるのを待っている家畜の集団に過ぎないのだろうか? 常識や品位の片鱗があるヨーロッパ人政治指導者は皆無なのだろうか?

もしそうなら、ワシントンには人間性も知性も皆無なのだから、我々にはもう希望はない。

ヨーロッパ、特に中欧が主導すべきなのだ。彼らはロシアによって、ナチスから解放され、21世紀に、モスクワによって経験させられているより遥かに酷い攻撃をワシントンの覇権追求によってかけている人々だ。

もしヨーロッパが、ワシントンによる支配から決別すれば、生命の希望はある。もしそうでなければ、我々は死んだも同然だ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/04/30/can-done-paul-craig-roberts/

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「外国人記者は見た」という番組に、村上誠一郎自民党衆議院議員がゲスト出演されていた。小選挙区制度のまずさを指摘されていた。

番組中で、紹介されていた古賀茂明氏との対談本、早速拝読。

断罪~政権の強権支配と霞が関の堕落を撃つ 次世代への日本再建論~

下記IWJインタビューを拝見して、村上誠一郎氏を知ったのだった。

【大義なき解散総選挙13】「たとえ一人でも、やらないといけない」集団的自衛権行使容認に反対した自民党・村上誠一郎衆院議員に岩上安身がインタビュー 時折涙を見せる場面も 2014.7.4

昨年のインタビューもある。

「安倍さんは武士(もののふ)として自ら進退を決めるべきだ」〜ミスター自民党がアベ政治をぶった斬る!「こんな財政状況で改憲の話している場合ではない」村上誠一郎議員に岩上安身が訊く! 2017.8.21

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