中国

2018年9月20日 (木)

ロシア東方経済フォーラムで大恥をかいた安倍首相

 日本は敵対的なアメリカの軍事的衛星国だという、ロシアの極めて現実的な懸念を無視して、千島列島と引き換えに、わずかばかりの経済投資の可能性をちらつかせる、彼のロシア政策丸ごと冗談だったのだ

Gilbert Doctorow
2018年9月15日 土曜
Russia Insider

 第4回東方経済フォーラムは、9月12日水曜日に全体会議を行い、主催者のウラジーミル・プーチンや、様々な北東アジア指導者の重要な演説があったが、世界のマスコミからはほとんど注目されず、経済、地政学、国防分野における分析材料の宝庫のごくわずかな部分だけを強調している。

 演説後の質疑応答で、スクリパリ事件について発言し、一週間前イギリスのテリーザ・メイ首相が、軍諜報機関(GRU)工作員として名前を挙げたロシア人容疑者は、自ら現れており、犯罪人ではなく、普通の市民に過ぎないと述べたウラジーミル・プーチンのうまく仕組まれた発言を取り上げたものもある。近くのロシア極東で、ソ連時代以来見られない規模で、中国とモンゴルの部隊も初めて参加して行われているヴォストーク-18軍事演習に注目したものもある。専門家間では、ロシアがあげた兵力数(兵士300,000人、航空機、1,000機、戦車と装甲兵員輸送車、36,000輌)を巡り、水増しではないか、あるいは演習は、短時間で、7,000 kmのロシア連邦を横断するロシアの戦力投射能力を実証しているのか議論されている。フィナンシャル・タイムズなど、ごくわずかが、フォーラムがその真価とする経済的重要性を検討している。FTは、ロシア極東とロシア連邦全般に対する継続中の中国投資の背後にあるリスク計算にまつわる記事を掲載した。

 私の知る限り、主要評論家は、誰も北東アジア指導者間の力学を検討していない。

 フォーラム正式開催の前日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、主要賓客、中国国家主席習近平と二国間会談を行った。日本の安倍晋三首相とも会った。いずれの場合も、会談後、マスコミに対して、重要で価値ある長い声明が出された。

 だが、より興味深いのは、全体会議で、五カ国の指導者全員演壇に上がったことだった。ロシア、中国とモンゴルの大統領、日本と韓国の首相が一緒に座り、お互いの演説を聴き、質問に答える姿を見るのはまれなことだった。

 質疑応答は、ロシアの経済政治フォーラムの最近の伝統を破って、司会が、遠慮がちな質問や、クレムリンで、権威主義的連中に立ち向かい、欧米聴衆を喜ばせるためのいじめ質問をするNBCやブルームバーグの人間ではなく、ロシアで最も有能で、最も視聴率の高いテレビ・ジャーナリストの一人、セルゲイ・ブリリョフ(ロシヤ-1)だったことから、一層興味深いものになった。彼の質問は事前にクレムリンと調整されている可能性が高く、これまで、このようなフォーラムで見てきたどれより徹底して示唆に富むものだった。

 それ以降のことに関しては、同僚ジャーナリストの目を引かなかったように見える議事の極めて重要で、明白な特徴に注力したい。指導者たちの演説と公的会談が、安倍晋三と地域における日本の政治的位置について一体何を語っているかだ。

 完全なライブ報道、解説無しの、全体会議演説、フォーラム開催に先立つ二国間会談後のウラジーミル・プーチンと賓客たちの記者会見や、フォーラム内や周囲での他の重要な場面を、ロシア国営テレビが、世界中の聴衆に報じてくれるおかげで、こっそり聞き耳を立てる特権的監視所のような立場を利用して、私はこれをしている。時差のため、北アメリカの、私の同僚たちはぐっすり眠っていたかも知れないが、ヨーロッパでは、極東からのロシア放送は朝食時間か、それより遅い時間に当たるので、興味をそそられる画像や演説を新鮮な気分で見ることが可能だ。

 最初に、安倍首相は仲間外れだったことを指摘せねばならない。彼は全体会議での演説を主に、この世代のうちに、彼自身とウラジーミル・プーチンの任期中に、ロシアとの平和条約を締結しようという嘆願に割いた。対照的に、他の外国指導者全員が、彼らのロシアと極東地域における、進行中および計画中の大規模投資活動を生き生きと語った。安倍には、ロシアとの他の国々の協力に匹敵するようなものがほとんどなく、ロシアにおける取るに足らない日本の取り組みに人間的な顔をかぶせるはずのビデオを上映して補おうとした。映画は、二年前に、全て、二国間関係を新たな高みへと導くため、安倍が提示し、ロシアが受け入れ、日本がロシアで実施している150のプロジェクト中の様々な医療関連やハイテク関係のプロジェクト(交通管理、廃棄物処理)の概要だ。

 日本のプロジェクトは皆安上がりだ。全てが規模の上で実にささやかで、東京が言う通りにロシアが平和条約を調印さえすれば、つまり南千島四島の日本主権への返還に同意すれば、人々の生活向上のため日本がロシアに授けることができる偉大な支援を示唆するよう仕組まれている。

 ロシアにおける日本の協力プロジェクトにまつわるビデオと詳説の効果は、安倍が意図していたであろうものと真逆だ。だが、それは現在のロシアと日本の交渉上の相対的立場に対する彼の全く時代後れの理解と完全に一致している。映画編集上の偏向は全く一方的だ。豊かで技術的に優れた日本が、感謝に満ちたロシアに手を差し伸べるのだ。これは、全ての参加国が、いかに開発計画の緊密な協調や、相互の貿易と投資でお互いに助け合うかと言って、フォーラムで語る他の外国指導者たちの全体的主題と矛盾する。

 液化天然ガス輸出用のロシア向けの高度な船舶の主要輸出国でありながら、ウラジオストック近くのロシア最大の造船複合体建設(ズヴェズダ)への韓国の参加に触れた韓国首相のプレゼンは、このバランスのとれた、双方共に利益を得られる取り組み方に見える。北朝鮮との関係が正常化され次第、トランス-シベリア経由、更にはヨーロッパへの鉄道輸送を実施したいという韓国の熱意だ。スエズ運河経由、あるいは海上輸送で、アフリカの角を周回する航路の代替としてロシアが開発したがっている北海航路インフラへの韓国参加もそうだ。

 ロシアとの共同エネルギー・プロジェクト、ロシアの鉄道と港湾インフラ経由での石炭出荷拡大の既存と計画中両方の計画/希望を説明するモンゴル大統領の演説でもこれを見た。

 ロシアに対する安倍晋三の手法は、日本が力強いアジアの虎として、世界的尊敬と羨望を享受し、アメリカ合州国の不動産をあちこちで買い占めており、ソ連が、景気衰退ではないにせよ、深刻な景気停滞にあり、エネルギー資源の新たな買い手と新たな投資家を探している時期の1970年代と1980年代にさかのぼる。

 現在中国は、日本が40年前に、そう装っていた戦略的パートナーの地位を占めている。中国はロシアの主要な融資家で、投資家で、顧客だ。中国は日本が昔そうであり、今もそうであるような、ハイテク供給者として、高い位置にはないかも知れないが、民間航空分野などのハイテク共同開発で、中国はロシアと対等のパートナーだ。

 現在の中国貿易と投資の重要性は、フォーラムで目立つメッセージの一つだった。二国間交渉後の記者会見で、ウラジーミル・プーチンは、中国との二国間貿易は今年20%以上伸びて、1000億ドルを上回ることを認めた。一方、全体会議での演説で、1000億ドルという数値が再び現れた。今度は、極東やバイカル地域に対する中国-ロシア共同投資プロジェクトの価値の数値化だ。

 この背景に対し、日本の投資規模と安倍の150の協力プロジェクト全体は二桁小さい。こうした“ニンジン”で、日本の条件に同意し、平和条約締結するようロシアを動かせるという考えは全く非現実的だ。

 安倍は、主権放棄にロシアが抵抗している点を意図的に無視して、南千島の共同統治のための鼻薬を提案した。本当の問題点を、全体会議中のウラジーミル・プーチンへの質問で、セルゲイ・ブリリョフが直接提起した。北方諸島が、もし日本主権になれば、アメリカ軍事基地の更なる駐留基地、特に弾道弾迎撃ミサイル装置配備地になるというロシアの懸念を二人の指導者は話し合わなかったのか。プーチンは話したと言ったが、安倍は平和条約締結への障害として、無視することを選んだ。

 求められている平和条約を実現するための“ふとおもいついた”提案だと言って、プーチンは演壇で、二国は“前提条件無しに”年末までに平和条約調印を進めようと提案した。そこで、友人となってから、両国はより強い相互信頼で、北方諸島のような厄介な問題に取り組むことができるだろう。この提案を、後に安倍は始めて聞いたと認めたが、後で同席していた日本人外交官が実行不能だと切り捨てた。

 言い換えれば、ロシアが日本を、アメリカ合州国とペンタゴンの「隠れ馬」と見なしている限り、ロシアは主権の譲渡に同意しない。しかも、フォーラムでの彼の振る舞いで、またしても安倍は、ロシアといかなる協定を結ぶよりも、核の傘のため、ワシントンのご主人への服従が、彼にとって、より重要であることを示したのだ。演壇の5人の指導者中で彼だけ、ドナルド・トランプの名を挙げた。斬新かつ大胆に北朝鮮に手を差し伸べ、金正恩とサミット会談をしたと、度を超したトランプ称賛をした。最初に、更に再度、南北朝鮮間や、アメリカと北朝鮮間の会談を建設的大団円に導いた韓国指導者文在寅の取り組みに、彼は全く触れなかった。

 フォーラムで明らかになった、そしてそれを更に遥かに超える地域の戦略的、大規模経済統合の地図のどこにも日本の姿はない。他の結束力は、中国の一帯一路構想とユーラシア経済連合だ。安倍晋三の日本は、北東アジアにおける日本の地理的、事業的環境からほとんど切り離された、アメリカ前哨基地のままだ。日本は地域全体を活性化している活力に満ちた過程を見逃している。フォーラムで、中国は2,000人を超える実業家と政府の代表団を擁する最大の参加国だった。フォーラムで明らかになった安倍晋三のような生気がなく、小心なリーダーシップの下、日本は日の沈む国となる運命にある。

記事原文のurl:https://russia-insider.com/en/japans-abe-made-mighty-fool-himself-russias-eastern-economic-forum/ri24761

----------

 大本営広報部は決して載せない論説。ロシア側にたって考えれば、こういう見方になるだろう。

 大本営広報部ではなく、ブログ街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋では、プーチン提案を評価する下記記事を書いておられる。ワメく連中のでたらめより遥かに論理的。

プーチンの提案を歓迎する そして、大本営広報部が必死に隠蔽している地位協定についても、沖縄県の『地位協定ポータルサイト』がすごい!!  という記事を書いておられる。

 

 芝居『キネマの神様』を見た。開演前には『ニュー・シネマ・パラダイス』の音楽や『スティング』のスコット・ジョプリンのラグタイムが流れていた。原作の小説は読んでいないが、三時間、あっというまに過ぎた。

 話題の秋葉原演説会場、知っていたら、行きたかった。

 今日は、IWJ、岩上氏による梅田正己氏のインタビュー(第四弾)を拝聴する。

■今日午後2時半より、著書『日本ナショナリズムの歴史』(全4巻)でJCJ賞を受賞した梅田正己氏に岩上さんがインタビュー(第四弾)!冒頭のみフルオープンで中継します!

以下、この演説も中継されているIWJの今日のガイドの一部、といっても長いが、コピーさせていただこう。

大本営広報部がしっかり揃って隠蔽している「緊急事態条項」、IWJ報道をご覧になっていない人は全くご存じないのではあるまいか。何とも恐ろしい現状。

コピー開始。

----------

■はじめに~今日20日は、究極の二択が迫られる自民党総裁選の投開票日!

 今日20日は自民党総裁選の投開票日です。立候補者は3選を目指す安倍晋三総理と、元幹事長の石破茂衆議院議員。9月15日、16日におこなわれたANNの世論調査によると、自民党支持層では、安倍総理支持が44パーセントで、石破議員支持が28パーセントと、安倍総理支持が大差をつけて支持を集めています。

※“次の自民党総裁”は安倍総理が1位 ANN世論調査(テレ朝NEWS、2018年9月17日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000136381.html

 他方で、自民党支持層に限らなければ、安倍総理支持が44パーセント、石破議員支持が42パーセントと拮抗しています。石破議員が「正直、公正」というスローガンを掲げただけでいちゃもんをつける安倍総理の「不正直、不公正」ぶりは、マスコミに圧力をかけて自分に有利な報道をしようとも、すでに多くの国民が気づいている事実だからこそ、このような世論調査の結果になったのでしょう。

 もっとも、「正直、公正」が期待される石破議員も、憲法改正については、9条改正よりも緊急事態条項の新設の方が優先度が高いとしています。基本的人権を制約し、半永久的な独裁をもたらす危険な条項が、緊急事態条項です。緊急事態条項については、ぜひ以下の岩上さんによるインタビューをご覧ください!

※いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー 2018.5.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421982

※参院3分の2議席で日本でも現実に! 安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か? 絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証! ~ 岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー(前編) 2016.7.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/313466

※参院3分の2議席で日本でも現実に! 安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か? 絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証! ~ 岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー(後編) 2016.7.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/323391

 安倍総理は昨日19日に秋葉原で街頭演説をおこない、IWJは中継しました。

 安倍総理が演説した街宣車の周りは黒塗りの自動車で厳重な警備がなされており、街宣車と党員専用スペースとの間も距離がとられていました。それを取り巻くかたちで「安倍やめろ!」「恥を知れ!」とのコールが沸き起こっていました。まるでヘイトデモに対するカウンター行動がおこなわれているような光景でした。配信した動画は現在、ツイキャスのライブ履歴で公開中なので、ぜひ、以下のURLよりご覧ください。なぜ安倍総理のような人物が長期間も総理を続けられたのか、なぜそれを許してしまったのか、という問題を分析していく材料となれば幸いです。

※安倍晋三総理 自民党総裁選 街頭演説会(秋葉原)
https://twitcasting.tv/iwj_ch4/movie/494178738

※石破茂元幹事長 自民党総裁選 街頭演説会(渋谷区)
https://twitcasting.tv/iwj_ch7/movie/494190673

----------

コピー終了。

2018年9月13日 (木)

中国を敵に回すアメリカ率いる訓練に‘堂々と’参加するインドネシア

2018年9月7日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 インドネシア (RI)は、世界で4番目に人口が多く、イスラム教徒の人数が世界最大の国で、1965年のアメリカが画策した反共産主義クーデター以来、アジアでは最も過激なほど親欧米で、反社会主義的な場所だ。

 自分は共産主義者であるとか、単に無神論者だと公言するだけで監獄行きになりかねない国だ。しかも、この国では欧米ポップ音楽や、ジャンク・フードや、残酷なほど無意味なハリウッドの大ヒット映画が、アメリカやイギリスや他の欧米諸国による直接の関与を得て流布されたサウジアラビア風イスラム教解釈、ワッハーブ主義と肩を並べている。

 インドネシアが不寛容になればなるほど、同盟者でパトロンの欧米から一層‘寛容’になったと言われる。インドネシアの大衆が益々惨めになり、保護されなくなればなるほど、インドネシアは益々‘民主主義’だといわれるようになる。

 中国人(そして実際、あらゆる中国的なもの)に対するインドネシアの差別は有名で、ワシントンやロンドンやキャンベラが、それを常に歓迎し、奨励している。

 1965年以降、アブドゥルラフマン・ワヒド大統領(2001年の憲法クーデター中に退陣させられた進歩的なイスラム教指導者)までの数十年間、インドネシアでは、漢字、中国語、書籍、映画や、赤い灯篭やお菓子や龍まで含め、あらゆる中国的なものは禁止された。決して直接規定されてはいないが、ソ連やロシアのものごとも同じだ。

 欧米はインドネシアで大勝利を得た。欧米はベトナムとラオスを‘失った’が、1965年以来、今に至るまで、容赦なく絶えず略奪している天然資源にあふれる群島をまるごと手に入れたのだ。インドネシアを、絶望的に腐敗した、まともな教育を受けず、宗教的、イデオロギー的に(欧米と極端な資本主義教条によって)洗脳され、大いに困窮している国民の大半を犠牲にして、自分自身の利益にしか興味の無い卑屈なエリートに支配されるようにするのに、欧米は寄与した。
*

 革命後、かなりの人数の宗教‘亡命’中国人、特にスラバヤなどの都市に定住し、欧米の支援と資金供給に頼り、反中国の反共産主義プロパガンダを流布し続ける右翼キリスト教聖職者や伝道者をインドネシアは‘受け入れた’。

 絶えざる右翼の政治的洗脳と、宗教的‘爆撃’の後、欧米との協力が、内省もためらいも皆無で、大多数のインドネシア国民に受け入れられているのも何ら不思議ではない。ジャカルタは、アメリカ、イギリス、オーストラリアや他の欧米諸国(日本とも)と、特に政治、外交だけでなく、経済や軍事で、公然と、堂々と‘協力している’。

 欧米からは当然のことと見なされているが、この事実は左翼評論家たちから見過ごされがちだ。だが、このインドネシアの攻撃的/卑屈な姿勢は、インドネシア国内でも、外国でも(東チモール、約30%の現地住民を殺害したインドネシア軍による集団虐殺、パプアの占領した地域で進行中の集団虐殺で、更に何十万)何千万人もの命を奪ったのだ。

*

 2018年8月31日、“インドネシア共和国、アメリカ率いる演習に参加”と題する一面記事を掲載したインドネシア‘公式’の英語親欧米、反左翼日刊新聞“ジャカルタ・ポスト”のおべっか言説は注目に値する。

“インドネシアは、いくつかの南アジアと東南アジア諸国とともに、アメリカ合州国が率いる協力を強化するための演習と、地域におけるアメリカ外交政策目標を推進することにもなる、海の安全保障の課題に対処する訓練に参加している。”

 酷い語法は問題ではない。ジャカルタ・ポストは、9月7日まで行われる予定の演習を実際に堂々と説明している。

“演習は、国家を超えた犯罪に対する地域のパートナー間での情報共有を向上させるのが狙いだが、アメリカは、自由で開かれたインド-太平洋戦略を推進するための手段の一つだともアメリカは言っている”。

 要するに、中国を敵に回し、挑発し続けるということだ。

 更に、一つの有用な情報が書かれている。

“アンドレア・トンプソン国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)が、アメリカは演習が“アメリカの外交政策目標を実現する上でも、アメリカのインド-太平洋地域のパートナーとの関係強化でも極めて重要”だと思っており、アメリカの直接の商談と、対外有償軍事援助の防衛貿易の合計、23億ドルを挙げて、アメリカとインドネシア間の防衛協力はこれまでになく強力だと、トンプソンは述べた。”

 もちろん、インドネシアは、こうした演習に参加している地域における唯一の国ではない。タイやマレーシアやシンガポールなど欧米に忠実な他の同盟諸国も参加している。

 だがインドネシアは、少なくとも人口と天然資源と地理的な位置の上では大国だ。しかもまさに戦略的航路、マラッカ海峡に位置している。

 もちろん、インドネシアは、欧米が‘属’国はそうあって欲しいと望んでいるとおりに、貧しく、孤立し、徹底的に洗脳されている。

 インドネシアは、欧米が必要としているどこにでも(彼らがソ連に対して戦ったアフガニスタンから、シリアや、昨年の南フィリピンに至るまで)聖戦戦士を輸出し、‘自由貿易’と無制限な資本主義を支持し、外国列強のために、自国民から略奪している。こうした身勝手で、あこぎなインドネシア人‘エリート’だけが、この状況から恩恵を受けているのだ。連中は、オランダ人入植者に、さらに日本に熱心に仕えた。現在、連中は哀れな国民を強圧的に支配しながら、自らと国を欧米全般に売り渡している。

 インドネシアは自国の天然資源を略奪して得た金で兵器を購入している。そして、インドネシアは中国を大いに嫌い、中道左派のあらゆるものをどう猛に攻撃している。欧米は当然インドネシアに総立ちで拍手喝采している。

 世界がふたたび、帝国主義の欧米(プラス、その属領)と、自らの自由を守る用意ができている国々とに二極化しつつある中、インドネシアは、世界の舞台で益々重要な役割を演じることが期待されている。

 少なくとも、欧米と、死をもたらすその帝国主義と対決する用意がある勇敢な国々の視点からすれば、この役割は不幸にして、極端に後ろ向きだ。

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』を含む多数の本の著者でもある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/09/07/indonesia-proudly-joins-us-led-exercises-to-antagonize-china/

----------

 プーチン大統領が、「前提条件なしの平和条約締結」という提案をした。それに対する政権幹部の対応で、同じ筆者の記事「端島 - 残虐な歴史と、世界で最も霊にとりつかれた島」の一節を連想した。宗主国はは日本がソ連/ロシアや中国と友好関係を結ぶことを決して許さないのだから、まともな外交の選択肢皆無だ。あるのは、外交を装ったバラマキ。

“現代日本に外交政策はない”東京を本拠とするアイルランド人の学者で、政治評論家のデイヴィッド・マクニールから聞いたことがある。“日本は、アメリカの命令に厳密に従っている。国際的な出来事に関するマスコミ報道もそうだ。”

そう。

現在、連中は哀れな国民を強圧的に支配しながら、自らと国を欧米全般に売り渡している。

2018年9月11日 (火)

アメリカの対中国貿易戦争の本当の狙い

2018年9月3日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 中国に、ワシントンがしかけている奇怪で高まりつつある“貿易戦争”は貿易黒字のバランスとは全く無関係だ。どうやら中国も、最近そう結論をだしたようだ。これは、技術的に欧米と同等、おそらく、より進んだ先進的自給自足の主要経済になるための中国戦略に対する総攻撃だ。それが習近平の「中国製造:2025年」国家経済戦略の基本的内容なのだ。

 世界の支配的超大国としてのアメリカ合州国は決してこれを許さない。イギリス帝国が、ドイツ超大国という潜在的脅威を破壊するため、第一次世界大戦を画策したのと同様に、今ワシントンは中国という経済巨像と直面して、選択肢を比較検討しているのだ。現時点では、ありそうもないアメリカが引き下がらない限り、この衝突は今後、極めて醜悪になる可能性が高い。

 中国国務院発展研究センターの隆国強副所長は、中国政府と共産党の現在の見方を反映する最近の声明で、彼が正確に“戦略的封じ込め”と呼んでいる貿易戦争は、アメリカの中核的な狙いだと主張した。アメリカ覇権を維持するために、中国“国家資本主義”発展モデルを攻撃する狙いで、市場開放を強いるために、貿易戦争で恫喝したり、実際に実施したりする、“権益の強要”によって行われつつあると彼は主張している。

 1997年、韓国やマレーシアやシンガポールや香港や他の急速に発展するアジア経済、アジアの“虎経済”を破壊するため、ワシントンは民間ヘッジ・ファンドを利用して同様な攻撃をしかけた。投機攻撃と、それで生じた通貨危機の結果が、IMF、いわゆるワシントン・コンセンサスからの要求で、国が主導する経済モデルの改造を強いた。その前の破廉恥なドル-円プラザ合意から始まり、日本の壮大な経済発展を支配するため、ワシントンは、日本の不動産と株式市場バブルと、それに続く日本銀行による長期の経済デフレを仕組んだ。世界覇権のウオール街と、そのワシントンの米国連邦準備制度理事会とIMFと財務省代理人には、競合する同等な国家は嬉しくないのだ。

 今回、現在の貿易黒字のほとんどを、アップルやGMや無数の他のアメリカとEU企業のために、ライセンスを得て、再輸出用に製造して得ている中国が、できるだけ早く、コンピューター・プロセッサーなどの極めて重要なアメリカ技術の利用に依存しない自給自足のハイテク経済になると固く決めているのだ。特に、最近の、主要中国エレクトロニクス企業の華為技術やZTEに対する壊滅的打撃を与える経済制裁を考えれば無理もなく、中国は、ワシントン手描き、より正確には、万里の長城に書かれた政治的落書きに、不吉な前兆を読み取ったはずだ。最近、マレーシアのマハティール首相が、北京で、マレーシア内の何十億ドルもの中国インフラ・プロジェクトのキャンセルに関する交渉後、前首相が合意した条件の“徹底的見直しの結果がでるまで”と強調したように、中国が“面目を保てる”ようにしたのが重要だ。現在のワシントン戦略は、むしろ中国の“顔”を引き剥がし、もう一つのワシントンお気に入りの傀儡属国に変えようとするものだ。

 中国-日本の和解

 中国の最初の対応は、貿易に関してのみならず、NATO拠出をも巡るワシントンとEU間の緊張の激化につけ込もうとすることだった。7月、中国はまず、EUと、反ワシントン貿易戦線を形成する提案をした。中国の李克強首相が欧州連合と中国の両方で、アメリカ貿易戦争行動に反対する協力を提案したが、にべもなく拒否されてしまった。欧州委員会委員長ジャン=クロード・ユンケルは、EU-中国交渉共通の自由貿易協定に関する“短期的な可能性皆無”だと思うと無遠慮に宣言し、“もし中国が開放したいのであれば、開放できる”といやみを言った

 EUが統一戦線を無遠慮に拒否した後、中国は最近の経済的、政治的なアジアのライバル日本に方向転換した。既に、4月、アジアの主要経済三カ国、中国と日本と韓国の政府の間で、下位レベルの貿易交渉が始まっていた。最近、中国と日本間の二国間交渉は重要性を増している。2011年に、中国では釣魚と呼ばれている尖閣諸島を巡る、結果が分かりきっている領土紛争を燃え立たせるようワシントンが日本に強いて、2012年9月に日本が国有化して、緊張が劇的にエスカレートし始めて以来、北京での安倍首相と習近平主席の驚くべき会談の準備がまとまりつつあり、まずは日本首相の中国訪問だ。

 アメリカ金融戦争のありそうなエスカレーションに対する共同防衛の進化を示して、日本と中国は、元々、アジア危機の後、投機攻撃に対しより良く防衛すべく、2002年に設定された二国間の通貨スワップ協定を復活させることに同意した。日本と中国間の緊張が頂点に達した2013年に、スワップは打ち切られていた。日本の鉄鋼とアルミニウムに対するアメリカ経済制裁や、日本自動車輸入に対するアメリカ関税という新たな脅威で、日本は憤慨している。日本は、EU-日本自由貿易協定を締結して対応し、今アジアで最大のライバル、中国との関係修復に向けて動いている。

 アメリカの長期戦争戦略

 アメリカの地政学戦略の深部を支配している人目を避けている権力者は、今、経済制裁や、辱めや、新疆での人権に対する圧力や金融戦争や、軍事的脅威まで駆使して、できる限りのあらゆる手段で、文字通り中国を破壊しようとしている。故ズビグニュー・ブレジンスキーが主張していた通り、もしアメリカがユーラシアに対する支配権を失えば、唯一の超大国は、おしまいなのだ。それを防ぐには、中国を破壊しなければならない。控え目に言っても、これはうさんくさい取り組みだ。それは戦争を招きかねず、その結果は人類にとって壊滅的だ。

 中国に対するアメリカ金融戦争には、一つ大きな障害がある。1980年代の日本と違って、中国の負債は圧倒的に、国営中央銀行、中国人民銀行が支配している主に国営銀行が抱えている中国国内の負債だ。だから目を見張る36兆ドルの負債は目玉が飛び出るような数値だが、日本と違い、中国の大半のものと同様、依然国が管理している。ワシントンが現時点で、中国を効果的に支配するためには、紙幣の発行の国家管理を破壊し、連中の傀儡ボリス・エリツィンに、独立したロシア中央銀行の創設を命じて、ワシントンが1990年代に、ロシア連邦で行ったことを行わねばならない。お金の神々が中国人民銀行に対する国家支配の破壊に成功するまで、紙幣の発行を支配する私有中央銀行があるトルコやアルゼンチンや他の大半の国々と違い、中国にはドルの恫喝からほとんど独自に債務に対処する手段があるのだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/09/03/the-real-stakes-of-the-usa-china-trade-wars/
----------

 読者と会話したところ、沖縄知事選を大いに懸念しているとのことだった。同感。ところが「緊急事態条項」のことを全くご存じなかった。ほとんどの当ブログ記事を読んでいるとい言われる読者が「緊急事態条項」を全く知らないのに愕然。大本営広報部が徹底的に隠蔽しているのが効いているのだろう。IWJの下記再配信を見ていただけることを祈るばかり。

日刊IWJガイド「<台風21・22号>大阪府庁の危機管理室災害対策課と政策企画部秘書課職員に直接取材!松井大阪府知事は「停電に苦しむ大阪府民よりも、カジノ誘致の鍵を握る外国要人とのアポを優先」!?/<昨日の岩上さんインタビュー報告>子どもの貧困問題も辺野古基地建設強行も元凶は沖縄振興体制!? 辺野古の海に「公有水面埋立法」を適用するのは構造的な暴力!~岩上さんが琉球大学・島袋純教授に再びインタビュー!/<本日の再配信>【なぜ緊急事態条項は絶対にダメなのか?シリーズ特集】「『災害をダシにして憲法を変えてはいけない!』――災害対策のプロ・永井幸寿弁護士が『急事態条項』テーマに超党派の議員と市民の勉強会で講演~安倍政権をナチスになぞらえる指摘も」を再配信します!/
自民党内でまともな論戦ができない安倍総理が日露首脳会談のため訪露!? 内政・外交とも空虚な「アベ政治」を許さない!/北海道地震で発生した停電が乳業に大打撃!揺れに弱く、災害時に電力を欲しがる原発は「発電所」と呼ぶに値するのか!! 一刻も早い核燃料の乾式保存へ!!/中国政府がイスラム教徒のウイグル族を弾圧!米国では対中批判が強まる!/農水省が豊洲新市場を認可!なし崩し的な決定を許すな!/IWJでは現在、テキスト班の新メンバーを1~2名ほど緊急大募集中! 事務・ハドル班、ウェブ動画班はそれぞれ1名ずつ新メンバーを募集しています!/【動画班からお知らせ】地方チャンネルの中継が「ユーストリーム」から「ツイキャス」に替わりました!」2018.9.11日号~No.2189号~

2018年8月31日 (金)

EUを反中国貿易戦線に引き入れたワシントン

2018年8月10日
F. William Engdahl

 最近の、ユンケル欧州委員会委員長とトランプ政権のワシントン貿易関税会談の明らかな成功に、EUの多くの人々が安堵のため息をついているが、現実は、ワシントンが、EU、特にドイツに、貿易と経済の発展における中国との協力へのあらゆる可能性の扉を閉ざすよう、巧みにあやつったように思える。中国経済政策には問題があるものの、最近の進展は、アメリカと、中国に敵対的な日本との、中国発展に反対する同盟を支持して、中国を本拠とするユーラシア経済空間の膨大な可能性に背を向けることにEUが合意したことを示している。これはEU経済の先行きを大きく損ないかねない。

 最近のワシントン-EU会談前の数週間に、当初、EUと中国製品の輸入関税に対する最近の一方的なアメリカ宣言に対する、合法的なWTOや、他の異議申し立てを提示して、北京は共同戦線を模索していた。7月16日の北京での中国-EUサミット前、中国当局は様々なEUの相手方と交渉していた。彼らは、ワシントンに対する共同戦線と引き換えに、EU企業に対して、中国国内市場を開放する大幅な譲歩を進んでしたと言われている。政府公式の新華社通信は、中国とヨーロッパは“協力して保護貿易主義に抵抗すべきだ。中国とヨーロッパ諸国は、最適のパートナーだ”と報じた。“彼らは自由貿易は、世界の経済成長のための強力なエンジンだと固く信じている。”

 中国の新経済シルク・ロードと呼ばれることが多い一帯一路構想の戦略目標の一つは、最終的に、中国貿易を、巨大なEU市場と直接結ぶ輸送インフラの陸-海ネットワークを作ることだ。これまで、ブリュッセルは反対してきたが、個々のEU諸国、特にハンガリー、ギリシャやチェコ共和国などのEUの東部地域は、中国インフラ投資を受け入れようとしていた。ここ数週間、トランプが、EU諸国からのアルミニウムと鉄鋼製品に対する一方的な貿易関税を打ち出し、同時に、ワシントンは中国に対する一連の厳しい関税経済制裁と、予定している更なる威嚇を開始し、ドイツや集団としてのEUとのより大規模な協定の余地が中国には、ほとんどなくなった。ワシントンが中国とEUの両方を同時に標的にしていた事実が、中国が、ワシントンに対抗して、EUと緊密な協力を始められるという素朴な北京の希望をかきたてた。

 中国のハイテクが本当の標的

 アメリカ大統領が、アメリカ-中国貿易赤字の規模に関する果てしない数のメッセージをツイートし、更に2000億ドルの中国からの輸入に新たな関税を課すという威嚇を投稿しているが、実際のアメリカ戦略は、アメリカ通商代表ロバート・ライトハイザーの事務所で、精密に開発されている。レーガン政権時代にさかのぼる年季の入った貿易交渉専門家ライトハイザーは、3月 301条に関するUSTR報告書の起草を監督した。

 ライトハイザーのグループは、2015年、中国が出した「中国製造2025年」政策文書に挙げられている 10の産業分野を標的にしている。この戦争は、貿易ドルを巡るものではなく、主要技術での世界支配を巡るものだ。

 中国は、当然のことながら、その技術基盤を、世界最先端の水準的に強化しようとしているが、主要アメリカ・ハイテク企業に支援されて、ワシントンは、その挑戦を阻止したがっている。関税戦争は、それをするために使われている策略だ。

 興味深い目立つ事実は、いわゆる2016年選挙での、トランプのためと想定されているロシアによる干渉を言い立てるアメリカ諜報界が繰り出すおそまつな声明や非難や文書との対比だ。こうしたアメリカ政府による非難で、ロシアとロシア企業に対する、アメリカの厳しい経済制裁をもたらした主要な容疑は、動機が全く不明な退職したイギリス MI6職員が、ジョン・マケイン上院議員に手渡したうさんくさい、曖昧な文書に基づいていた。アメリカ諜報界のトランプに対する戦いは トランプ-中国戦争とは、全く性格が異なっている。後者はアメリカの党派政治ではなく、アメリカ各組織の戦略的合意なのだ。中国は、アメリカに対し、産業上、同等な立場に上昇することが許されないのだ。

「中国 2025年」は優先項目として、人工知能や量子計算、工作機械やロボット、航空宇宙や、航行装置、ハイテク海運、最新輸送機器、新エネルギーの乗り物、発電装置、農業機器、新素材、(GMOを含む)バイオ医薬品や、先進的医薬を含む十の主要技術分野を挙げている。

 ニューヨークの外交問題評議会は「中国: 2025年」に関する最近の報告で、こう警告した。“「中国製造2025年」による中国の狙いは、ドイツやアメリカ合州国や韓国や日本などのハイテク経済に仲間入りしようというより、その全てに置き換わることだ。”

 第二次世界大戦以来、初めての本格的な産業技術の挑戦の目ざましい高まりに直面して、ワシントン今しようとしていることは、ある意味、未曾有で、往々にして誤解されている理由の一つだ。ズビグニュー・ブレジンスキーが、著作で指摘したように、NATOや他の手段で、両国はワシントンに依存する属国の立場に置かれ続けているため、ドイツと日本は、アメリカ超大国覇権にたいする本当の挑戦者ではない。現在の中国は、明らかに、自らをワシントン属国とは考えていない。しかも、中国が、ロシア、イラン、ASEANや、可能性としては、インドさえも含め、ユーラシアの大半を、緊密な経済協力に引き込みつつある事実が、「中国: 2025年」の挑戦を、ワシントンとウオール街にとって、つぼみのうちに摘み取るべき実存的死活の優先事項にしているのだ。問題はそれが機能しないことだ。中国ほどの大国であっても、自国産業の技術的現代化は、あらゆる国の本分なのだ。

 アメリカとEU対「中国 2025年」

 勃興する中国に乗り越えられつつある恐怖が、ワシントンと、CFRのような主要民間戦略シンクタンクが、中国に対抗するため開発したグローバル共同戦線構築のメッセージなのだ。あるレベルにおいては、それは成果をもたらしつつある。ワシントンの交渉戦術は、明らかに、欧州連合の中でも、最も親密なNATO同盟諸国を制裁し、恫喝して、反中国経済戦線に参加するよう追いやることだった。典型的な、あめとむち手法の変種だ。アメリカ大統領による、EUの鉄鋼と、アルミニウムに経済制裁を課するという恫喝の後、ワシントンはドイツ産業の中核であるヨーロッパの自動車も追加する可能性を言い始めた。トランプは、EUは貿易では敵になったとまでツイートした。会談後、トランプは、アメリカとEUの間には“愛”があるとまでツイートし、ワシントンは明らかに望んでいたものを手にしたのだ。EUは、ワシントンの貿易戦争に反対して中国の側に付くのではなく、中国に反対し、ワシントンにつくことに合意した。古典的なイギリス式勢力均衡地政学だ。

 トランプの経済顧問ラリー・クドローは、フォックス・ビジネスとのインタビューでこの策略を認めこう述べた。“欧州連合とともに協定をまとめるところで、我々は中国に対する共同戦線になる”。更にクドローは、NAFTAがまとまれば、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、メキシコと日本はアメリカ合州国と一体化し、中国を孤立化させることになると述べ、意地の悪い辛辣な言葉を付け足した。“弱体な経済のまま中国は一層孤立化する”

ドイツ政府は素早く行動した。8月1日、ドイツ政府は中国投資家によるドイツ・ハイテク企業、ライフェルト・メタル・スピニングAG買収計画を阻止すると発表した。ドイツの経済技術省は、中国による航空機部品メーカー、コテサ買収提案も見直している。これは政策の大きな転換だ。今年早々、中国自動車メーカー吉利が、ドイツ・ダイムラーの株、9%を保有していると発表し、別の中国企業美的集団が、ドイツの先進的工作機械メーカー、クーカを買収した際、ドイツ政府は干渉するのを拒否していた。

ドイツ-日本のつながり強化

 攻撃的なアメリカ関税戦争に反対するための協力戦線という中国提案を進める代わりに、ドイツとEUを反中国連合に更につなげるべく、EUは、中国に対抗するアジア同盟構築を暗黙のうちに狙った日本と包括的自由貿易条約を締結した。

 間もなく、ドイツのハイコ・マース外務大臣が、ベルリンは日本と詳細不明の“新国際秩序”にむけ“緊密な協力関係”を生み出すための“戦略対話”始めたと発表した。

 5月、中国の李克強首相が東京を訪問し、アメリカ貿易制裁に対し、中国と協力するよう、日本を促し、中国の一帯一路構想、新経済シルク・ロードへの参加を日本に呼びかけた。日本の対応は冷淡で明確で、続いてEUとの自由貿易協定を締結した。2017年以来トランプ政権は、中国の増大しつつある経済的影響力への暗黙の対抗として、日本、インド、オーストラリアとアメリカのアジア“四カ国戦略対話”復活を静かに奨励していた。「四カ国戦略対話」はアジア-太平洋地域において、中国の増大しつつある影響力に対抗しようとして、十年前に安倍首相が始めたものだった。

 グローバル地政学の巨大な構造プレートが移動しており、その結果が大陸漂流なのか、激しい衝突なのか、現時点では明らかではない。ワシントンとしては、そういうものの実現を認める興味は皆無で、中国もロシアも、EUとの関係修復を明白な理由で心から願っているはずだ。2013年の新経済シルク・ロード・グローバル・インフラ大計画と、二年後の「中国製造2025年」を公表したことで、中国は敵、特にワシントンに、日本であれEUであれ、潜在的同盟国の恐怖につけ込む余地を与えたのだ。EUとユーラシアの間での拡大する差異が、分裂に変わるのを防ぐには、中国による高度で開かれた経済外交が必要だ。それはEUにとっても、中国やロシアにとっても損失のはずだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。本記事は“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/08/10/washington-has-lured-eu-into-anti-china-trade-front/

----------

 きちんと仕事をするジャーナリストもおられるのだ。

 東京新聞 本紙が入手 打ち合わせ「発言録不要」  経産省が文書で指示
「四月以降、政治家の発言や省庁間でのやりとりは一切記録に残すなと指示された」
オーウェルの小説『1984年』顔負けの過激な情報管理。

 “左遷”の森友スクープ記者「記者続けたい」とNHKを退職へ


インタビューを拝聴している梅田正己氏の『日本ナショナリズムの歴史 全4巻』「JCJ賞」を受賞。

日刊IWJガイド「自民党総裁選、緊急事態条項に前のめりな石破茂氏が本日記者会見。IWJは本日中に録画配信する予定です。 #ヤバすぎる緊急事態条項/公明党・山口那津男代表が辺野古新基地建設は『争点になりにくい』と苦し紛れの発言!? IWJは沖縄県知事選関連のコンテンツも充実しています! #玉木より玉城/6月の日米首脳会談でトランプ大統領が安倍総理に『真珠湾を忘れない』と恫喝外交!? 安倍総理の助言は完全無視! #ケチって火炎瓶/書籍編集者で前高文研代表・梅田正己氏の『日本ナショナリズムの歴史 全4巻』が、JCJ賞を受賞!おめでとうございます!/
メルマガ『岩上安身のIWJ特報!』を発行しました!8月の第2弾はトランプ米大統領の中東政策をテーマにした『岩上安身による放送大学 高橋和夫名誉教授インタビュー』です!#シオニズムの正体/IWJの第9期が始まったばかりですが、さっそく財政がピンチに! 8月29日までのご寄付・カンパが目標額の5分の1どまりと非常に厳しいスタートとなっています! どうか緊急のご支援をよろしくお願いいたします!」2018.8.31日号~No.2178号~



2018年8月29日 (水)

欧米はなぜ『中国製造2025』を恐れるのか

2018年8月3日
F. William Engdahl

 トランプ政権は、“メイド・イン・チャイナ2025”あるいはより簡単に『中国製造2025』という中国産業転換戦略を、中華人民共和国に対する現在の貿易戦争攻勢の明確な標的にした。ドイツを含め欧米の主要工業諸国は、もっともながら驚いた。彼らは十年遅れなだけで、いまだに愚かにも、新経済シルク・ロード、つまり一帯一路構想を含む主要な開発で、中国への協力を拒否している。中国が一体何をしているかをここで手短にお示ししたい。今後の記事で、中国産業戦略のいくつかの基本的欠点を論じる予定だ。ここでは、『中国製造2025』が欧米産業支配に一体何を伝えたかを理解することが重要だ。

 政権を握ると、習近平中国主席は、中国から始まり、アジアやユーラシアを横切り、中東や欧州連合に至る、新しいインフラ・プロジェクトの包括的ネットワーク、現在の一帯一路構想提案へと動いた。2013年、カザフスタンでの会合で、習主席は一帯一路構想を提案した。更に、2015年、その職について二年後、習近平は、包括的国家産業政策『中国製造2025』を承認した。「中国 2025年」は、ロバート・ゼーリックの下で、世界銀行とアメリカと共に作成された以前の文書を置き換えるものだ。

 2008年以来、無数の訪中と中国での議論を経る中で直接見聞きしたことから私が高く評価するようになった一つの特徴は、並外れた決意、国家戦略合意がまとまった時に、中国各機関と国民がそれを実現するための、実に断固とした決意だ。世界で最も貧しい農民経済の一つから世界最大の工業生産国に、急いでなろうとする際、には間違いもあった。品質管理は往々にして、二の次だった。とは言え、1979年の鄧による“中国独自の社会主義”政策変換以来、一歩ずつ中国は文字通り世界の工場として登場した。今に至るまで、VWやGMのビュイック、iPhonesやMacBooksなどの欧米多国籍企業や、他の無数の製品を、製造認可を得て、欧米多国籍企業のために製造している。

 “中国製造業の活性化”

 今、中国は、それを変えつつある。1952年以降、日本がしたように、更に後に韓国が日本の例に習ったように、またより関連性がある1871年後のドイツのように、中国は彼らが“中国製造業の活性化”と呼ぶものを推進している。これは言い換えれば、Appleなどの巨大外国企業のための部品組み立て工場であり続けるのではなく、中国は自国製AppleやBMWやG5を開発するつもりなのだ。彼らは、彼ら自身の世界トップレベル産業開発の新たな段階を開始したのだ。今や、「中国 2025年」に書いてある通り、中国の産業も、それを支援する政府機関も、“中国製から、中国創造へ、中国の速度から、中国の品質へ、中国製品から、中国ブランドへの転換中”なのだ。「中国 2025年」の広範な概念は、一部の人々が第4次産業革命と呼んでいるドイツの“Industry 4.0”戦略を手本にしている。それは人工知能、インターネット・オブ・シングスIOT、機械学習、クラウド・システム、サイバー・セキュリティー、適応ロボットなどの先進的な主要技術を活用して、組織のビジネスプロセスに根本的な変革を引き起こすことを狙っている。中国は、現在、そのような概念を、中国の将来の経済的発展における国家の戦略的優先事項にしているのだ。これは些細なことではない。トランプの顧問連中が、貿易戦争行為で、依然、アメリカ製チップや、他の機微な技術に依存している、中国の巨大通信企業、ファーウェイ華為や、ZTEテレコミュニケーションズなどの、主要な脆弱性や、欧米技術へのリンクをまさに標的にしている理由はそこにある。

 ‘脱工業化’ アメリカ

 1970年代の初めから アメリカの主要多国籍企業には、低賃金労働、低コストを求めて、製造を海外に移転するという意図的戦略があった。アメリカ・シンクタンクや雑誌は、欧米が“脱工業化時代”に入ったという馬鹿げた考えを称賛し、鉄鋼や自動車などの“汚れる”製造業雇用の代わりに、将来、サービス経済という涅槃を約束した。現実には、アメリカ製造基盤の海外移転だった。

 特に1990年代、WTO加盟交渉で、欧米産業“クラブ”に参加するための中国の交渉から始まって、アメリカ大企業や銀行家たちが、世界で最も人口が多く低賃金の国の一つ中国に殺到した。30年以上、GEからナイキからAppleに至るまでのアメリカ企業が、この中国生産に基づいて膨大な利益を積み上げた事実を、今ワシントンは都合よく無視している。

 中国はこの外国による投資を、世界最大の巨大産業国を構築するのに利用した。とはいえ彼が言う通り、もし中国が、欧米や日本の多国籍企業のための単なるネジ回し組み立てではなく、“世界的競合国”になるつもりであれば、急務は本格的転換だ。『中国製造2025』の公式前書きにある通り“中国製造業は新たな課題に直面している。資源や環境の制限が増し、労賃と製造材料経費は上昇し、投資と輸出の成長は鈍化しつつあり、拡大が駆動力である資源と集中的発展というモデルは継続不可能だ。

 我々は即座に開発構造を調整し、開発品質を向上させなければならない。製造業は新たな中国経済を駆動するエンジンなのだ。”

 政策文書が正しく指摘している通り“18世紀中期の産業文明開始以来、世界列強の盛衰で、再三証明されているように、強力な製造業無しに、国家繁栄はあり得ない。”彼らが導き出した結論は“国際的に競争力のある製造業の構築が、中国が、その力を強化し、国家の安全を守り、世界大国となるための唯一の方法だ。”

 中国国務院の政策計画は、3D印刷、クラウド・コンピューティング、ビッグデータ、バイオエンジニアリングや、新素材、サイバーと実際のシステムに基づく工場のような知的製造を含む発展で、欧米巨大企業が製造を革命的に変化させた2008年金融危機後のグローバル製造の大規模転換を正しく指摘している。これこそが「中国 2025年」の狙いであり、公式政策文書が述べている通り“新たな競争環境の中で、製造で優位な立場を確保する”ことなのだ。

 中国の現在の製造能力について彼らは率直だ。“中国製造業は巨大だが、まだ強くはない。独自のイノベーション能力は薄弱で、主要技術や先進的機器についての外部依存度は高い。企業率いる製造イノベーション・システムは、まだ完成していない。製品品質は高くなく、世界で有名な中国ブランドはわずかだ。資源とエネルギー効率は低いままで、環境汚染は深刻だ。産業構造も、産業サービスも未熟のままだ。”

 北京は現在の課題をこう記述している。彼らは準植民地的な外国企業のための組み立て工業基地のままでいるつもりはない。彼らは今世界に通用する工業的競争相手として競合するための自国版、中国製を作ろうとしている。これが欧米中で警報を鳴らしているのだ。

 三つのステップ

 三つの明確な段階を詳細に書いている。2025年まで、2035年まで、そして2049年の中華人民共和国中国建国百周年。「中国2025年」着手から十年後の2025年までに、中国は“主要製造大国”となる計画をしている。この計画のために、中国は、製造能力を強化し、製造のデジタル化を高め、中核技術を修得し、中国が既に世界的リーダーである高速鉄道や他の分野で、製造品質も高めながら競争力の高いものになるのだ。エネルギー利用や、汚染物質レベルも先進工業国の水準に達する。

 2035年までの、ステップ2では、中国製造業は“世界の工業大国諸国の中で中級レベル”に達し、イノベーション能力も大いに強化し、“全体的な競争力を大いに強化して”重要なブレークスルーをなし遂げる。

 更に、ステップ3で、建国百周年の2049年までに、中国は“世界の製造大国中のリーダーになる。中国は、イノベーションを主導する能力を有し、主要製造分野で競争上の優位性を持ち、先進的技術や産業システムを開発する。”

 しかも彼らは本気だ。38ページの青写真は、この国家的優先事項を実現するために専念する支援機関や資金調達組織の複合体を説明している。四十年以上、中国のエリートたちは、アメリカやヨーロッパ最高のエンジニアリングや科学の大学に息子や娘を留学させてきた。今科学やITやエンジニアリングで博士号を取得した卒業生が、現在アメリカやEUで見られる何よりも遥かに大きな大規模産業転換が約束されている中国に帰国しつつある。

 国は、中国 2025年を実現させるための支援体制を構築中だ。それには、研究支援中国科学技術計画による、優先度の高い研究の支援も含まれている。政府、製造、教育、研究と経営の間での“イノベーション連合”構築。更に“次世代IT、知的製造、3D製造、新素材や生物学的医薬品”などの主要分野で、基本的研究と訓練のための産業技術研究基地を作り出しつつある。

 2020年までに、15のそのような産業技術研究基地ができ、2025年までには、国中に40のそうしたセンターができる。これらのセンターは、産業転換の主要部品“高性能の、デジタル制御の工作機械、奥行き認知や、自動意志決定やオートメーション機能のある産業ロボットや3D製造装置”などを開発する予定だ

 国家計画にある通り“2025年までに、主要な製造分野は、完全にデジタル化されよう。実証試験プロジェクトの運用コストは50%減少する。生産サイクルは50%減少し 欠陥製品の率は50%減少する。”しかも転換丸ごと、中国の野心的な新シルク・ロード、一帯一路構想の発展とつながっている。

要するに、中国は、北アメリカやヨーロッパに再輸出する欧米企業のための組み立てから、“中国製”自国製品を輸出するよう転換しようと本気なのだ。

 ワシントンの基本的地政学は、20年前、アメリカが唯一の超大国として揺るぎなかった頃、故ズビグニュー・ブレジンスキーがはっきり認めていた通り、ユーラシアの経済的挑戦の勃興を阻止することだ。彼はこう書いていた。“ユーラシアを支配し、アメリカにも挑戦するようなユーラシアの挑戦者を決して出現させないことが肝要だ。”

 1997年に、ブレジンスキーは著書『ブレジンスキーの世界はこう動く(原題Grand Chess Board)』でこう書いた。“ユーラシアを支配する大国は、世界の三つの最も進んだ、経済的に生産的な地域の二つを支配することになる… ユーラシアの支配は、ほぼ自動的に、アフリカの服従を意味し、西半球とオセアニア(オーストラリア)を地政学的に、世界の中心大陸に対する周辺にするだろう。世界の人々の約75パーセントがユーラシアで暮らしており、事業であれ、その地下であれ、世界の物理的な富の大半もそこにある。ユーラシアは世界で既知のエネルギー資源の約四分の三を占めている。”

 現在のワシントン戦略は、皮肉にも、過去十年間の不手際なアメリカ地政学の結果である中国とロシアとイラン間の協力強化と、特に中国製造業の偉大な産業“活性化”の両方を標的にすることだ。問題は『中国製造2025』が、将来の生存のための中国戦略のまさに基盤であることだ。北京は、これを選択肢ではなく、計画として考えているのだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。本記事はオンライン誌“New Eastern Outlook”独占。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/08/03/why-west-fears-made-in-china-2025/

----------

 「#ケチって火炎瓶」という言葉をネット掲示版で最近良く見るが、意味がわからずにいた。何のことはない、暴力団に対立候補への中傷ビラまきを頼んでおいて、謝礼をケチって、火炎瓶を投げ込まれた事件のこと。ヨイショ本が出ているというが、読む人の気がしれない。幼稚園学芸会の水準にもおとる茶番以外に知るべきことは山ほどあるだろう。

 たとえば、下記のインタビュー。

日刊IWJガイド「今日午後7時より、『「サタンの国」日本の役割は「メシヤが再臨した国」韓国に貢ぐこと!? 日本の「保守」とはズブズブの関係!? 「多国籍企業」のような宗教組織 統一教会 岩上安身による北海道大学大学院文学研究科・文学部 櫻井義秀教授インタビュー』を録画配信します! #ヤバすぎる緊急事態条項/<昨日の岩上さんのインタビュー>日清・日露戦争で蒔き尽くされた近代日本〈失敗〉の種は今なお増殖を続けている!? ~岩上さんが明治大学・山田朗教授にインタビュー #ヤバすぎる緊急事態条項 #関東大震災 #朝鮮人虐殺 #明治150年/
最高検が袴田事件の再審請求棄却を求める意見書を提出! 袴田巖氏の再収監にまで言及する非情! 弁護団は10月メドに、再審開始決定のやり直しを求める補充書の準備急ぐ!/築地問題は『無謀の上に無謀を重ねる都の移転計画と、卸売市場政策の国による「改悪」』と中澤氏が喝破! 本間氏は「我々のために役割を果たしてくれる科学者を、どんどんつくっていく必要がある」と強調!!? 8.28築地市場の豊洲市場移転に伴う食の安全・安心について考える学習会/
火薬・核兵器に次ぐ第三の軍事革命と呼ばれるAI兵器『キラーロボット』の規制のための国際会議が開催! 通常兵器では米国の圧倒的優位が揺るがない中、AI技術ではまだ差が小さいので、各国は今が勝負時と見ている!? 片や川崎市の公営施設「とどろきアリーナ」で、イスラエルの武器見本市が本日開催!/
IWJの第9期が始まったばかりですが、さっそくピンチに! 8月23日までのご寄付・カンパが目標額の5分の1どまりと非常に厳しいスタートとなっています! どうか緊急のご支援をよろしくお願いいたします!/【動画班からお知らせ】9月1日(土)より地方チャンネルの中継が『ユーストリーム』から『ツイキャス』に替わります!(一部地域では現在でもツイキャスで中継をおこなっています)」2018.8.29日号~No.2176号~

2018年8月25日 (土)

端島 - 残虐な歴史と、世界で最も霊にとりつかれた島

2018年8月7日
Andre Vltchek

 歴史的な日本の港湾都市長崎から高速ボートで、わずか30分の場所にある、おそらく世界で最も薄気味悪い島 - 端島(軍艦島としても知られている)をご覧になりたいだろうか? 今、それが可能だ。オンラインで、40ドルにあたる金額で予約し、軍艦島コンシェルジュか、他の会社所有のしゃれたピカピカの船に乗船するだけだ。

 それだけで、見捨てられた奇怪な難破船、沈没した幽霊船のように見える島をご覧になれる。

 島の周囲を回れる。上陸し、数百メートル仕切られた道を歩くことさえ可能だ。ガイド/番人が、何枚か、スナップ写真をとらせてくれる。

 だが、それが全てだ。道から決して左右に外れてはいけない。集団の先に行ってはいけない。遅れてもいけない。そして‘挑発的な’質問はしないよう!

 島がどれほど‘幽霊が出そうな’状態で、 過去に、どれほど‘活気があった’かだけを語って‘楽しませるよう’ガイドは良く訓練されている。

 彼らは常に愛想よく微笑んでいる。

 ところが文書化されている、または文書化されていない規則に逆らおうものなら、彼らはたちまち飛んでくる。大声で叱ることさえある。突然彼らは極めて粗野になる。

 彼らは一体何を恐れているのだろう? 彼らは一体何を隠しているのだろう? この島では、実際一体何が起きていたのだろう?

 過去の本当の恐怖は、決して伝えられることはない。それは全て第二次世界大戦にまつわるもので、日本は未だに現実から目を背けている。

 日本人ツアー・ガイド(日本語話者観光客向け)も、入念に準備された英語話者向けの電子録音も、島の地理と、歴史上の議論の対象にならないような詳細を無数説明してくれるが、第二次世界大戦中、朝鮮人と中国人が強いられた奴隷労働については、ほとんど皆無に等しい。

*

 2015年7月6日、ガーディアンはこう報じた。

    “第二次世界大戦前と、大戦中、その一部が、朝鮮人強制労働者を使っていたことを認めるのに日本の当局者が同意した後、UNESCOは、日本の20以上の古い産業史跡を世界遺産として認めると決定した。

    明治時代(1868年-1912年)の23の史跡には、封建制から成功した最新経済へと変身するのに貢献したと日本が主張する炭鉱や造船所がふくまれている。

    ところが韓国は、史跡のうち、炭鉱の島、軍艦島を含む7つで、1910年-1945年、日本による朝鮮半島の植民地支配時代、推計60,000人の強制労働者を利用していたことにはっきり言及しない限り、世界遺産認定申請をすることに反対していた。”

 中国 (中華人民共和国)も反対を表明していた。

 強制労働の問題と、それを東京が頑固に認めるのを拒否していたことが、UNESCOによる遺産認定を遅らせていた。ところが、2015年、日本は折れ、UNESCOへの日本代表団がこう宣言した。

    “日本は、1940年代、遺産の一部では、多数の韓国人や他の人々が意思に反して連れてこられ、過酷な条件の下で労働を強いられたことを理解するのを可能にする措置を講じる用意がある”。

 これら遺産は、悪名高い端島/軍艦島を含め、最終的に世界遺産に認定された。それと引き替えに、韓国も中国も、占領中と第二次世界大戦中両国民の苦難を、日本が明記するよう期待した。強制労働者が留め置かれていた遺産は、はっきり標識で示し、詳細説明をするはずになっていた。ところが暗い歴史にまつわる他の非常に多くの場合と同様、日本は協定上の約束を守ることはほとんど何もしなかった。世界遺産指定を受け、望んでいることを得たものの、それと引き替えに、ほぼ何もしていない。

*

 5月、友人で優れた左翼オーストラリア人歴史家のジェフリー・ガンを訪ね、長崎で三日過ごした。

 長年、日本とアジアの複雑な過去にまつわる無数の疑問の答えを探して、私はこの都市を訪れてきた。

 長崎の過去にはあらゆるものがある。偉大な古い日本文化、キリスト教徒とその迫害、オランダ貿易商とその居住地、活気に満ちた少数派の中国人。長崎は、選択によるなり、強制によるなり、常に日本で最も‘開かれた’都市の一つだった。だが、ここは軍の艦船が建造された場所であり、占領した地域から多数の奴隷労働者がつれてこられた場所であり、第二次世界大戦の終わりにアメリカが二発目の原子爆弾を爆発させた場所でもある。

 壮大な長崎県立美術館の屋上から見ると、長崎湾には今も第二次世界大戦の‘名残’が点在している。海の近くには巨大なクレーンがあるが、これもUNESCO世界産業遺産の一部だ。クレーンは、何十年にもわたり、長年、日本の軍艦を作り、修理してきた三菱造船所のものだ。

 “公式には日本に軍隊はない”と私は皮肉をこめて言った。“しかしご覧なさい。日本は、湾の反対側に繋留しているこれら巨大戦艦を保有しています。”

 “君は運が良い。戦艦は来たばかりだ”とジェフリーが言った。“この造船所は過去、極めて重要な役割を演じた。軍艦島炭鉱も三菱のものだった。彼らは、あそこで石炭を堀り、ここ長崎で、最も巨大な戦艦の何隻かをここで造船した。”

 その晩、我々は、日本政府と国民が、過去のことを認めるのを奇妙にも拒否していることについて話あった。戦争が終わってから70年以上たった今でさえ、こうした問題はタブーだ。中国人の大量虐殺や、朝鮮人に対する恐るべき犯罪。

 過去の話を持ち出されると、丁寧さで有名な日本人が、突然、防御的、攻撃的にさえなることが多い。

*

 2015年、国際連合教育科学文化機関UNESCOが1937年に、南京虐殺文書を“世界記憶遺産”に登録した後、日本は一時的に負担金の支払いを差し止めて、UNESCOを文字通り、恐喝しはじめた。負担金は最終的に支払われたが、意図するところは、実にはっきり伝えられた。

 過去のおぞましい事に向き合うのを、こうしてかたくなに拒んでいることで、日本は益々、欧米、特にアメリカ合州国による死の抱擁にとりこまれ、他の北アジアの国々、特に中国との間で可能なはずの友好的な関係から益々遠ざかっている。

 第二次世界大戦後、アメリカが監督したいわゆる東京裁判(極東国際軍事裁判(IMTFE)としても知られている)は、明らかに、欧米の権益に役立つよう、日本の産業、事業、政治体制を、元々の形で保存しながら、わずかな人数の個人だけを罰するよう仕組まれていた。裁判の後、日本は、再建と、アジア太平洋に対する攻撃的政策により、欧米に参加することを許された。欧米が何百万人のも朝鮮の一般市民を虐殺した残虐な朝鮮戦争で、日本は重要な役割を演じた。

 “現代日本に外交政策はない”東京を本拠とするアイルランド人の学者で、政治評論家のデイヴィッド・マクニールから聞いたことがある。“日本は、アメリカの命令に厳密に従っている。国際的な出来事に関するマスコミ報道もそうだ。”

 マクニールは、日本自身による歴史の見方について、全く幻想を持っていない。

    “連中は教科書を書き換えつつある。8ページしかさかず、第二次世界大戦の部分をかなり省略している… 民族主義が勃興しつつある… 現在、日本のマスコミは、大いに自主検閲している。政府は、何であれ‘広がりやすい’こと… 歴史に関係するあらゆることを、どう扱うかについて、たとえば、いわゆる‘オレンジ・ブック’のような‘指針’を発行している。そこには、筆者や翻訳者に対する指示がある。たとえば‘外国人専門家を引用する時以外は、南京虐殺のような言葉は決して使ってはならない’。あるいは‘靖国神社に関連して - “議論の的になっている”という言葉は決して使わないこと。’第二次世界大戦時の‘慰安婦’については書いてはいけない。”

 自国の過去について、無知になればなるほど、日本は、かつての被害者 - 中国と朝鮮を益々嫌いになるようだ。ピュー・リサーチ・センターの世論調査によれば(2017年)、83%の日本人が、中国には好意的でない見方をしている。韓国とて、より良いわけではない。両国(中華人民共和国と大韓民国)は今や明らかに日本を追い越しつつあり、経済では、韓国の場合、生活水準もだ。東京の反応は、中国と北朝鮮の二つの共産主義国家に対し、益々攻撃的政策をとりながら、欧米に益々近寄りつつある。

*

 軍艦島に戻ろう… 料金を支払って、乗船する。そもそも最初から、船が長崎から出航する前から、言語道断のプロパガンダで攻め立てられる。日本と長崎中の“サムライ精神”について。

 最初から、絶えず管理される。席で立ち上がると、すぐさま誰かがやって来る。どこに行くのですか? 席を変えたいのですか? だめです。ここには座れません…”ガイド(というより番人と呼ぼう)の調子は極端に粗野だ。彼らの英語は稚拙で、あらゆる規則や規制への彼らの執着は原理主義的だ。

 宣伝屋役を演じるために、そこにいるのが明らかなおやじが、絶えず、マイクで物事を説明する。声は拡声され、演技はじきに、煩わしく絶え間ない言葉の垂れ流しへと変化する。熟慮する間もない - 感じたり、休んだりする間もなく、まして何か真面目な質問をする時間はない。

 彼が話を止めると、安手のビデオが画面に映し出される。更に、キリン・ビールの広告が流れる。

 何千人もの人々を奴隷労働者として収容し、多くの人々が亡くなり、女性が慰安婦にされた場所に向かって船は航行している。だがサーカスは続く。なんの反省も悔悛の念も無い。

 島で私は集団について行くのを拒んだ。大きな騒音と人の群れを避けようとして、私は遅れた。もちろん、すぐに、私を群れに押し戻そうとする二人の“ガイド”と対決させられた。

 私は連中を無視して、撮影を続けた。

 連中は攻撃的になった。一人が叫んだ。“ここは日本だ。我々の規則に従え!”

 私は撮影を続けた。

 私は愛されたくて、やって来たわけではない。私の旅の理由は単純だった。日本政府が、UNESCOと朝鮮と中国合意を守っているかどうか - 強制労働者たちが、非人間的存在と労働に押し込まれ、彼らの一部が亡くなった場所に、日本が表示をし、追悼しているのかどうかを見極めるためだ。

 そうしたものは全く見つからなかった。情報皆無、追悼皆無!

 長崎に戻ってから、過去の歴史を説明するパンフレットを要求した。そういうパンフレットは皆無だった。島観光を企画している連中は、私が要求しているものが何か全く考えてもいなかった。

 翌日、ガン教授が、日本が朝鮮人や中国人に対して行った恐ろしい物事を展示している地元の韓国人が運営している小さな民営博物館に連れて行ってくれた。

 少なくとも、ここは、世界で‘最も霊にとりつかれた島’に関する真実を見いだせる場だ。この小さな博物館を見つけられればの話だが…

 軍艦島は - 少なくとも遠くからは、強力な駆逐艦に見える幽霊島だ。今では窓もドアも失われた高い建物が点在する島だ。一部は自発的な、一部は強制された何千人もの炭坑夫たちが、深いシャフトを降りていた島だ。島 - 軍艦島 - は、多くの人々が暮らし、多くの人が亡くなった場所だ。実に神秘的で、実に独特で、それなりに美しいが、象徴的で、ぞっとするような場所だ。

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、『大10月社会主義革命』を含む多数の本の著者でもある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/08/07/hashima-brutal-history-and-the-most-haunted-island-on-earth/

----------

 足尾銅山には、中国人殉難烈士慰霊塔と、朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑がある。前者の写真は下記記事のあとがきに掲載した。

ロシアがウクライナを侵略したかどうか判断する方法(元記事)

2018/8/31追記:Kazanグローカル研究所に、2018年8月12日の翻訳記事があったのを知らず、屋上屋を架してしまったことを反省。

2018年8月15日 (水)

自ら進んで無能力なロシアと中国の政府

2018年8月12日
Paul Craig Roberts

 ロシアと中国の政府は当惑している。両国は制裁戦争の切り札を全部持っているのに、それをどう活用するか全く何の知恵もないまま座視している。

 国民から欧米製消費財をロシア政府が奪いたくないことを強調して、問題を覆い隠す欧米マスコミからロシアは何の助力も得られないが、まさにそれがワシントン経済制裁がしようとしていることなのだ。

 ロシアと中国は、資本主義が勝利したと考え、アメリカ権益のためにのみ役立つプロパガンダ装置であるアメリカ新自由主義経済学を早速採用したため、ロシアと中国の政府は、ワシントンの掌中にある。

 NASAは、長年、ロシア製ロケット・エンジン無しでは機能することができない状態だ。あらゆる経済制裁や侮辱や軍事的挑発にもかかわらず、ロシア政府は、いまだに、NASAにロケット・エンジンを供給している。一体なぜだろう? ロシア人経済学者が、政府に、ロシアの発展には外貨が必要不可欠だと言うためだ。

 ヨーロッパは工場を稼働し、冬季には暖房するためにロシア・エネルギーに依存している。ところが、ロシア人経済学者が、政府に、ロシアの発展には外貨が必要不可欠だと言うために、ロシアは、ワシントンによる経済制裁に、ヨーロッパが参加したことに対して、エネルギー供給を止めない。

 マイケル・ハドソンと私が何度もご説明している通り、これはたわごとだ。ロシアの発展は、外貨取得には、全く依存していない。

 ロシア経済から利益を流出されるのにしか役立たない外国投資が必要だとロシアは思い込んでもいる。

 ロシアは、自国通貨を自由に取り引きすべきだとも思い込んでいて、ルーブルを外国為替市場での操作対象にしている。もし、ワシントンが、ロシアで通貨危機を引き起こしたいと思った場合、連邦準備金制度理事会、その傀儡の日本とEUとイギリス中央銀行が実行するのことは、ルーブルを空売りするだけで良いのだ。ヘッジ・ファンドと投機家連中も、利益を求めて参加する。

 新自由主義経済など、でっちあげなのに、ロシア人は、それにだまされている。

 中国もそうだ。

 ロシアに対する、こうしたあらゆる非難、例えば、スクリパリ親子攻撃とされるものが始まった際、プーチンが立ち上がり、こう言ったと仮定しよう。“イギリス政府は白々しいうそをついており、このウソをおうむ返しにしているワシントン政府を含むあらゆる政府もそうだ。ロシアは、このウソは極めて挑発的で、欧米諸国民を対ロシア軍事攻撃に備えさせるための宣伝攻勢の一環だと見なす。いわれのないウソの絶えざる流れや、我々の国境での軍事演習で、ロシアは、欧米が戦争を意図していると確信した。アメリカ合州国と、その傀儡の全面破壊が、その帰結だ。”

 それで、いわれのない挑発と軍事演習と経済制裁は終わるはずなのだ。

 ところが、我々が耳にするのは我々の“アメリカ・パートナー”の“誤解”というばかりで、それが更なるウソと、更なる挑発を勢いづかせるのだ。

 あるいは、より穏健な対応として、プーチンは、こう発表できたはずなのだ。“ワシントンと、その卑屈なヨーロッパ傀儡が、我々を制裁したので、我々は、ロケット・エンジンや、ヨーロッパ向けのあらゆるエネルギーや、アメリカの飛行機製造会社用チタン輸出を停止し、アメリカの貨物機と旅客機の上空通過を禁止し、ロシアで活動しているあらゆるアメリカ企業に制裁措置を行う。”

 ロシアがこれをしない理由の一つは、おそらくロシアには欧米の資金と善意が必要だというロシアの誤った考え方に加え、ロシアのヨーロッパ・エネルギー市場と、天然ガスのヨーロッパ向け輸出を、ワシントンが横取りすると、ロシアが誤って考えていることだ。そのようなインフラは存在しない。インフラ開発には数年かかるはずだ。それまでに、ヨーロッパは大量失業になり、何回かの冬に、凍えるはずなのだ。

 中国はどうだろう? 中国は、世界最大の資本を持つ企業Appleを含め多数のアメリカ主要企業を受け入れている。南アフリカが欧米のいかなる抗議も無しに、白人の南アフリカ農民に対して、しているように、中国で活動しているあらゆるグローバル企業を補償なしに、中国は国有化できるのだ。ワシントンは、中国に対するあらゆる制裁解除と、ワシントンの中国政府への完全服従を要求するグローバル企業に圧倒されるはずなのだ。

 あるいは、更に、中国は保有する1.2兆ドルのアメリカ国債全てを投げ売りできるはずだ。連邦準備金制度理事会は、国債価格が崩壊しないよう、国債を購入するためを早速印刷するはずだ。そこで、中国は国債を償還するための連邦準備金制度理事会が印刷したドルを投げ売りできるはずだ。連邦準備金制度理事会は、FED、ドルを購入するための外国通貨は印刷できない。ワシントンが、傀儡の日本とイギリスとEUの外国中央銀行に、ドルを購入するため、彼らのお札を印刷するよう命令しない限り、ドルは急落し、ベネズエラ・ボリバールほどの価値も無くなるはずなのだ。これは、たとえ各国が応じても、“欧米同盟”と呼ばれる、実はワシントン帝国であるものの内部で、大変なストレスが生じるはずだ。

 ロシアと中国は、一体なぜ、楽勝できる手を使わないのだろう? どちらの政府にも新自由主義に洗脳されていない顧問が誰もいないのが、その理由だ。エリツィン時代に、アメリカがロシアに施した洗脳が、ロシア諸機関内部で慣習化しているのだ。この箱の中に閉じ込められている限り、ロシアはワシントンにとって、いいカモだ。

 トルコは、ロシアと中国にとって、援助を申し出て、NATOから引き離す絶好の機会だ。両国は、トルコにBRICS加盟や貿易協定や相互安全保障条約を申し出ることが可能なはずだ。中国はトルコ通貨を、外国為替市場で容易に買い占められるはずだ。同じことを、イランにもできるだろう。ところが、ロシアも中国も、決然とした行動が出来ないように見える。二国いずれもトルコ同様、ワシントンから攻撃されながら、座視して指しゃぶりしている。https://www.zerohedge.com/news/2018-08-11/us-risks-completely-losing-turkey-erdogan-vows-defy-us-threats-over-pastor-brunson

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/08/12/the-self-imposed-impotence-of-the-russian-and-chinese-governments/

----------

 当ブログ記事をほとんど全部読んでいる方から、IWJガイドを掲載するのは、いかがなものかというご意見を頂いた。IWJの購読者ではなく、記事も読んでいないという。読んでいないで、いかがなものかというのが、そもそも不思議だ。孫崎享氏番組の購読者だと言われる。とりあえず、こうお答えした。「大本営広報部の虚報を読んでいても、頭が混乱すると言うだけでは、不足だと思う。たとえば、TPPや、緊急事態条項など重要な問題について、貴重な情報、インタビューを見られる代替案として提示している。他に良い情報源があるならご教示頂きたい。」その読者の方からのご提案を、お待ちしている。

日刊IWJガイド「<再配信・核兵器と戦争を考える>本日午後7時、岩上さんによる緊急談話を生配信!その後『いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!?危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項~岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー(前編)』を、公共性に鑑み、全編フルオープンで再配信!/
<録画配信>本日午後4時『トランプ政権下の米国は、パックスアメリカーナから撤退するのに軍事力強化!? 自らの血筋を誇るドイツ系米国人大統領の真意とは!? 異例の大統領を徹底研究!! 岩上安身による在米国際コンサルタント トーマス・カトウ氏インタビュー(第三部・前編)』を冒頭のみフルオープンで録画配信!/他」2018.8.15日号~No.2162号~

2018年6月17日 (日)

大西洋体制が崩壊する中、岐路に立つヨーロッパ

2018年6月15日

F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 ここ数日間の世界の出来事は、G7先進工業国内部の明らかな分裂を遥かに超える重要なものだ。もし、世界を巨大な電気の力場だと想像した場合、1945年以降のドルに基づく世界体制が混乱した終末段階に至る中、磁力線は劇的な再配列中だ。現在、ヨーロッパの政治エリートは合理と不合理の間で分かれている。とは言え、東方への発展は、益々多くの力を引き寄せつつあり、EU内における西から東への地政学的極性反転とでも呼ぶべきものの初期段階を我々は目の当たりにしているのだ。貿易戦争であれ、経済制裁戦争であれ、テロ戦争であれ、動的戦争であれ、ワシントンには戦争しかできない中で、中東やイランや、何よりロシアと中国間を含むユーラシアでの最近の進展は重要性を増している。

 長年のNATO同盟国で、国境を接する国、カナダの首相を“不正直で弱い”とあからさまに呼ばわりし、カナダから輸入される自動車への新たな輸入関税で威嚇するアメリカ大統領のツイートの光景は、どう見ても、一貫性のないアメリカ大統領の気まぐれというよりも、アメリカの同盟諸国全てを動揺させるための計算ずくの戦略だ。それもワシントンが一方的にイラン核合意を粉砕して、ヨーロッパや、ロシアや中国やイランを落胆させた後の話だ。それに加え、アメリカは、WTO協定に、あからさまに違反して、アルミニウムと鉄鋼で、EUに対する新たな関税貿易戦争も発表した。

 良い人役はもうおわりだ

 こうした振る舞いが、何かより深いものの症状だとすれば、私が先に書いた通りのアメリカの爆発的な債務水準を見るだけでよい。最新のトランプ税法で、現在の21兆ドルという連邦債務に加え、今後十年、1兆ドルという連邦の年間財政赤字が加わると予想される。家計の私的債務は、2007年の金融危機以前より高い水準にある。ジャンクボンド、つまり“投資不適格”債務 を含む企業債務は、十年にわたる連邦準備制度理事会のほぼゼロ金利のおかげで、途方もなく大きい。

 実際のアメリカ経済状況には、ほとんど言及されていない別の要素もある。アメリカ消費者金融保護局による最近の研究によれば、他の多くの国々と比較して、1世帯当たりの平均収入は名目上高く見えるが、食料や住宅や強制医療保険などの固定費という現実で、新種の貧困が生まれている。調査は、約50%のアメリカ人が、毎月の請求書支払いが困難で、三分の一もが、時に食べ物や、まともな住居や医療のお金が不足していると結論づけている。ある最近の研究は、四人家族の医療費だけでも、年間28,000ドル以上、平均収入の半分もかかると推計している。

 アメリカ国内の厳しい見通しに加え、メディケア保険資金の運営委員会が、信託基金は、8年で枯渇すると発表したばかりだ。社会保障信託基金も、引退する多数の戦後ベビー・ブーマー世代と、払い込む若い労働者数の減少のおかげで、出生率も人口成長も減少しているので、1982年以来、今年初めて赤字に転落する。また、ニュージャージー州は、財政破綻が迫るなか、あらゆる歳出を凍結した。連邦準備制度理事会が金利を上げると、企業と家計の債務不履行の連鎖反応が、あらかじめプログラムされている。

 要するに、アメリカ経済は、わずか1%の富裕層に失血させられ、限界点に至っているのだ。アメリカ株式市場は、十年間の低利資金のおかげで、現在過去最高を享受しているが、アメリカ合州国の根本的な経済的現実は、控え目に言っても、不安定だ。唯一の超大国による世界支配を維持するという点では、権力者にとって、二つの道が開きつつある。戦争か、あるいは2008年のものより酷い新たなグローバル金融危機を引き起こし、危機を世界資本の流れに対する支配を再び取り戻すのに利用するかだ。

 世間的に確立したG7同盟諸国に対する貿易戦争のような戦術を、アメリカ大統領が始めるのを余儀なくされている事実が、窮余の策が予定されていることを示唆している。現実には、戦いこそが、EU、特にドイツの未来なのだ。

 対照的なユーラシア

 この点で、注目に値するのは、最近のドイツのメルケル首相による、ロシアのプーチン大統領と、中国習近平主席との会談のための訪問だ。たぶん、イラン核合意以上のことが話し合われたのだ。対ロシア経済制裁を、ドイツ政府が公式に支持しながら、同時に、ドイツが、ある分野では、ロシアを同盟国として必要としているという合図を送っている矛盾が、現在のEUのある種政治的統合失調症を実証している。とりわけ、中国率いる高速ユーラシア横断鉄道と深水港のリンクという壮大な一帯一路構想と、ロシアとイランの巨大な潜在的経済力で、経済的に成長市場が東方にあることが益々明らかになりつつある。

 ロシアは、ワシントンによる新たな過酷な経済制裁を課されているにもかかわらず、記録的な人数の政府首長や産業界指導者が参加し経済協力を話あった最も成功した年次サンクトペテルブルク国際経済サミットを終えたばかりだ。SPIEF会議の文脈での一例として、ロシア国有鉄道CEOが、ロシアは、ペルシャ湾南端沿いに、クウェートからオマーンを結ぶアラビア横断鉄道建設への参加を計画していると発表した。もし実現すれば、ロシア、サウジアラビアと中国は、より緊密な経済関係になる。サウジアラビアへの投資プロジェクトに、中国は既に約1300億ドル確保しており、彼には様々な欠点があるにせよ、ビン・サルマーン皇太子は、サウジアラビアを、三大陸のアフリカ- ユーラシア経済の中心に本気でしたがっているように見える。

 ロシアでのSPIEF会議のすぐ後、北京でのプーチンと習近平の別会合が続き、そこで、中国主席がプーチンに、外国人に対する中国最高の栄誉、金の“友情メダル”を授与し、ロシア大統領は“最高の最も親しい友人”だと宣言した。パキスタンとインドが初めてSCO正式加盟国として、またイラン議決権を有しない参加者として加わった青島での拡大上海協力機構が続いた。今やSCO加盟国には、パキスタン、インド、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、ロシアや中国が含まれている。

 ロシアと中国とモンゴルの指導者の3者が参加する会談で、プーチンは、ウラーンバートル ロシア-モンゴル鉄道と隣接区間の改良で、2020年までに、2億6000万ドル費やす計画を発表した。中国-モンゴル-ロシア経路でのヨーロッパ向けコンテナ輸送量は、2012年から17年の間に2.7倍に増え、今年初めの三カ月で四倍になったと彼は述べた。

 こうしたこと全て、G7の衝突と緊張は実に対照的だった。プーチンが述べた通り、G7は“この創造的おしゃべりを止めて、本物の協力に関わる具体的問題に移る”べきなのだ。プーチンが、トランプが呼びかけたG7へのロシア再復帰に興味を示さなかったのが、世界の経済と政治の重心が、東に移ったことの更なる印だ。

 ユーラシアの潜在的経済力が、負債で膨れ上がって崩壊しつつある大西洋両岸のドル本位体制への実現可能な代案として出現しつつある。ロシアも中国も経済制裁を受けやすいドルではなく、自国通貨を使って、空前の速度で、中央銀行金準備を蓄積しており、多極化の新たな可能性が現れつつある。一帯一路インフラ・プロジェクトの拡大が、感じられ始めつつある。オランダ ING Bankの新たな研究は、一帯一路は、世界貿易のレベルを、12%あるいはそれ以上、増加させ得ると予測している。エコノミストのJoanna Koningsは、こう述べている。“アジアとヨーロッパ間の貿易は…世界貿易の28%を占めており、こうした貿易の流れをより容易にすることには、大きな潜在的効果がある。”

 ユーロが重大な段階にあり、EUの金融危機は未解決で、イタリアから、ポルトガルからギリシャに至るまで、大半のEU外縁部の国々で景気が後退する中、新たな経済空間、ユーラシア中のEU製品向け新市場構築への参加可能性が、アメリカとの貿易戦争や金融戦争や、もっと悪いものに対する唯一現実的な代案だ。磁力線が、劇的にはっきり見え始め、EUの国々も間もなく、大西洋両岸体制か、新たに出現しつつあるユーラシアという代案のいずれかを選択しなければならない。ワシントンからの強烈な圧力が、その決断の一層の前倒しを強いている。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。本記事はオンライン誌“New Eastern Outlook”独占。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/06/15/europe-faces-crossroads-as-atlantic-system-crumbles/
-----------
米朝対話で、地位協定・安保体制が崩壊する中、岐路に立つ属国

朝鮮国連軍後方司令部は、横田基地にある。
日本国内にある国連軍司令部後方基地は座間基地,横田空軍司令部基地,横須賀海軍基地,佐世保海軍基地,嘉手納空軍基地,普天間海兵隊基地,ホワイト・ビーチ地区の計8ヶ所。

親分は辛辣。
「私が(日本に)メキシコ人を2500万人送れば、君はすぐ退陣することになるぞ」と話したと報じられている。

「日米基軸」幻想』の対談内容と、この記事、ぴったり重なっている。今、『増補「戦後」の墓碑銘 』の第5章 平成政治の転換点 を拝読中。文庫版あとがきは、朝鮮半島問題にも触れている。

日刊IWJガイド・番組表「岩上さんが橋下徹元大阪府知事から名誉毀損で訴えられたスラップ訴訟。6月21日の第二回口頭弁論まであと4日!第二回口頭弁論の案内用紙を作成しましたので、ぜひ、ダウンロードして印刷し、お知りあいにお配りください!/<本日の再配信>トラブルが発生したばかりの玄海原発4号機が再稼働!本日午後8時より、『広島高裁の決定が今後の原発訴訟を変える!? 火砕流の危険にさらされているのは伊方原発だけではない!岩上安身による脱原発弁護団全国連絡会共同代表・海渡雄一弁護士インタビュー』を再配信!/
IWJの財政がピンチです! 6月に入ってから上旬までのご寄付・カンパは目標額の1割にも届かず! 第8期も期末まで残り1ヶ月半。このままでは赤字転落の可能性が濃厚です! 崖っぷちに立たされたIWJがつぶれてしまわないよう、なにとぞご支援をよろしくお願いいたします!」2018.6.17日号~No.2103号~

IWJ寄付・カンパのお願い

2018年6月14日 (木)

二サミット物語

Finian Cunningham
2018年6月12日
Strategic Culture Foundation

 世界秩序が我々の目の前で変化するのを見るのはほとんど超現実的な見ものだ。週末、欧米のG7サミットがとげとげしく崩壊する光景は、同時期に中国で開催された、前向きで、まばゆい上海協力機構会議とは著しい対照だった。

 週末にかけての、二つのサミットの物語が、世界秩序のこれまでにない歴史的変化をまざまざと実証している。主に中国とロシアが率いる新たな多国間パラダイムに道を譲って、アメリカ率いる欧米秩序は明らかに解体しつつある。可能性として、後者の軌道は、覇権と一極主義の野望が特徴の、必然的に紛争を醸成する古いアメリカが率いる秩序とは対照的に、本当の協力と、平和的関係が特徴だ。

 アメリカのドナルド・トランプ大統領の、突然かつ逆なでするような、カナダG7サミット離脱が多くを物語っている。週末にかけ、トランプは、他の欧米の指導者と日本の安倍首相様々な貿易紛争を巡って口論した。そしてトランプは、主催者であるカナダのジャスティン・トルドー首相を鼻であしらい、当てつけに、北朝鮮指導者の金正恩と会うべく、シンガポールに向かうため、会議から早めに去った。

 象徴的意味は包括的だ。まるで、アメリカ大統領が、遥かに重要な問題を追及しながら、無力なフォーラムを軽蔑しているかのようだった。トランプと金のシンガポールでの出会いも、新たな地政学的エネルギーという東方の勢いを物語っている。

 トランプは、北朝鮮指導者と会う初の現役アメリカ大統領だ。厳密に言えば、両国は、1950年-53年の戦争を終わらせる平和条約を決して調印していないので、依然戦争状態にある。この敵意も、今週もし二人の指導者が、朝鮮半島の兵力の段階的縮小をもたらせるような気が合う関係を作れれば、すっかり変わり得る。

 金は、予定されていた火曜日のトランプとの歴史的会談二日前にシンガポールに到着した。トランプは一日前に到着した。金は - 北朝鮮指導者として三度目と言われる - 極めてまれな海外旅行で、北京政府の好意で中国国際航空747に搭乗した。またもや象徴的意味は反響している。中国が二つの敵対国同士のこの極めて重要な出会いを実際上、促進していたのだ。

 G7サミットで、トランプが去った後に残ったのは厄介な大混乱だ。多国間合意に対するアメリカ大統領の高圧的な拒絶により、イギリス、ドイツ、フランス、カナダの指導者と欧州連合幹部は激怒していた。トランプは、アメリカ“同盟国’であるはずの国々を“不公平な”貿易関税に関する文句で粗野に威嚇した。貿易紛争で、一体誰が正しいのか知るのは困難だ。だか一つ明らかなことがある。約43年前に設定された、欧米諸国プラス日本のG7グループは、深い不満から、全くの混乱状態にあった。

 ケベック到着前、ワシントン出発時に、ロシアをG7に復帰させるべきだと発言して、トランプの好戦的な姿勢がサミットに悪影響を与えた。かつてのG8から、モスクワがウクライナの主権に干渉していることに関する当時の欧米による主張を巡り、2014年にロシアは追放された。

 他のG7加盟諸国、特にイギリスのテリーザ・メイ首相は、トランプのロシア招請提案に憤慨した。ローマの新政権がロシアとのヨーロッパの関係を回復したがっていることと首尾一貫して、イタリアの新人ポピュリスト首相ジュゼッペ・コンテだけが、トランプの立場に同意した。もう一つの明らかな兆しは、国際政治における東方に向かう動きだ。

 アメリカ大統領がG7サミットでにのんびり歩いていった際に出迎えたカナダのトルドー首相のボディ・ランゲージは、不本意と気まずさを示していた。週末は、口論と侮辱的言動へと成り下がった。トランプはトルドーを“不正直”で“弱い”とまで言った。一方、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、トランプに対し、以前にしたようなへつらうような男同士のかたい友情を見せなかった。マクロンは、アメリカ“覇権”抜きの新たなG6構造さえ主張した。

 中国におけるSCOサミットの展開との対照は実に大きい。習近平主席が、ロシア大統領のウラジーミル・プーチンやインドやパキスタンやカザフスタンやキルギスタンやタジキスタンやウズベキスタンやイランの指導者を温かく歓迎した。これら指導者の陽気なまとまりは、G7での不和と激論とは実に対照的だ。

 何十年もの戦争や紛争の後、インドとパキスタンがSCOの新たな二国として参加、同席したのは、新たな地政学的パラダイムが、東で立ち上がりつつあることを証明する強力な証拠だ。

 SCO加盟諸国は、経済発展と相互安全保障での提携の取り組みを倍加すると誓った。新世界秩序は、アメリカ率いる秩序の場合のように、一つの大国が、他の国々に対し、覇権を行使するのではなく、協力に基づくものを手招きしていると習主席は述べた。

 イランのハサン・ロウハーニー大統領は、習とプーチンが多国間の尊重に基づく新たな世界構造を構築する道を拓いていることに感謝の意を表した。イラン指導者は、トランプが一方的なアメリカ離脱で壊そうとしている国際核合意に対する不変の支持を中国とロシアに感謝した。ヨーロッパが核合意をしっかり支えるかどうかは見てみないとわからないが、今回のG7サミットで、トランプに抵抗する上での彼らの無力さが、彼らが誓った通りに献身する根性などないことを示唆している。

 SCO会議中の公式声明で、習とプーチンは、今週シンガポールでのトランプ-金会談は、二人が以前から支持していた、アメリカと北朝鮮間の平和的対話路線に沿ったものであることを適切に再認識させた。昨年、トランプと金が、核戦争で威嚇する激しい言葉のやりとりをした際、平和な対話こそ唯一の道だと忠告したのは中国とロシアだった。

 70年以上優勢だった第二次世界大戦後の欧米秩序は、明らかに衰えつつある。アメリカに支配されていたこの秩序は常に一種の幻想だった。互恵関係や高尚で高潔な主張からほど遠く、アメリカ率いる秩序は常にアメリカ資本主義と帝国主義の狙いの優勢が目的だ。

 ヨーロッパは決して本当の同盟国ではない。彼らはアメリカ権力の付属物だった。アメリカの権威が衰退している今、欧米内でのライバル関係が激化しつつある。アメリカの覇権支配願望は衰えつつある力により限定されており、ワシントンは、自分たちの本当の役割が属国に過ぎないことに今頃気づいた同盟諸国であるはずの国々に対し、一層あからさまな弱いものいじめ戦術を用いている。

 だがアメリカ一極“例外主義”は、グローバルな相互関連と、平等と外交の原則に対する自覚がある現代の世界では忌み嫌われている。

 中国とロシアは、習近平とウラジーミル・プーチンの指導の下、アメリカとそのお仲間欧米のおべっか使いのそれを越える政治的認識の進化段階にある。

 SCOサミットは、協力による進歩と平和のための新世界秩序を見事に実証している。小競り合いし、中傷しあうG7は、旧秩序の廃墟だ。

 とは言え、これが世界平和が勝利することを保証するわけではない。構想は確かに存在しており、中国とロシアや東半球の他の国々のおかげで成長しつつある。死につつある、アメリカ率いる資本主義覇権と帝国主義の欧米帝国を、いかにすれば、安全に平和な多国間互恵的関係に変えられるかが、非常に重要な課題だ。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、新聞ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。彼はほぼ20年以上、ミラー、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデントなどの大手マスコミで、編集者、著者として働いた。

 記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/06/11/trump-meets-kim-amid-shifting-world-order.html
----------
「日米基軸」幻想 (詩想社新書)を読んでいる。それで思いだしたのが、筆者のお一人、進藤榮一氏の「アジア力の世紀――どう生き抜くのか」 (岩波新書)の一節。アメリカン・フットボールと相撲を対比して、日米の外交戦略違いを浮き彫りにしておられるくだり。どちらも、現在、不祥事で注目されているのはただの偶然だろう。

国家の殺し方 オーストラリアがアメリカと結んだ破滅的な貿易協定』書評という記事翻訳のあとがきに、上記対比の一部を引用させて頂いた。お読み頂ければ幸い。

『国家の殺し方』、破滅的な貿易協定について書かれたものだが、今、まさに、その代表的なものが成立した。TPP11。こういうとんでもない法律については、一切論じないで、くだらない話題でゲラゲラ笑う大本営広報部痴呆番組洪水を見ていると、国まるごと「ナイアガラの滝壺に向かう遊覧船の中で、酒をのみながら、じゃれあっている観光客集団」に見えてくる。

ミサイルはもう飛んでこないと、ミサイルをあおった当人が言う一方、慎重にみきわめなければならないといって、イージス・アショア配備に邁進する戦争省幹部。マッチ・ポンプ属国。

日刊IWJガイド「TPP11が13日可決!関税収入激減の埋め合わせで増税!?/本日午後4時山田正彦氏らによるパネルディスカッション『水道法改正で何が起こるのか?公共インフラの民間委託は良いことなのか!? 水道法改正・PPP(公民連携)、PFI(民間資金活用)推進施策の問題点を指摘!』を再配信!/IR実施法案の採決は15日以降にずれ込む見込み! IR実施法の危険性は国内にとどまらない!? シオニスト養成にも関与!/本日と明日午後8時『カジノ構想で悪化する格差と貧困、依存症問題~カジノ・ギャンブル問題に詳しい新里宏二弁護士への岩上安身によるインタビュー』を2夜連続で再配信!/
<新記事紹介>【岩上安身のツイ録】非核化コスト200兆円は日韓が負担する!? 戦費の場合は900兆円!? 蚊帳の外に置かれたまま請求書を突きつけられた安倍総理以下日本政府は、なぜだんまりなのか!?」2018.6.14日号~No.2100号~

2018年5月28日 (月)

アメリカは、シリアとイラクから、アフガニスタン経由で、ISISをロシアに再配置したと、信頼できる報告が主張

Eric ZUESSE
2018年5月26日
Strategic Culture Foundation

 外国による侵略やクーデターから、ロシア主権を擁護することに専念しているシンクタンク、Katehonが、5月15日“特殊部隊エージェント: 対ロシア攻撃が準備されている”という見出しで、こう報じている[カッコ内の編集上の説明やリンクは筆者による追加]:

 ロシアと中国の法執行機関によれば、戦士は、シリアとイラクから、パキスタンの都市カラチのカシム港からペシャワルという経路で海路で脱出し、アフガニスタン東部のナンガルハール州沿いに割り振られている。 …

 

 2017年末以来、「イスラム国」指導部は、シリアとイラクから、アフガニスタンに、20人以上の女性を含む更に500人の外国人戦士の移送に成功した。ロシアの法執行機関のある情報源は語っている。 "彼らはナンガルハール州にもいる。彼らは、スーダン、カザフスタン、チェコ共和国、ウズベキスタン、フランスなどの国民だ。"

 

 戦士の北部への移動は、二方向で行うよう計画されている。過激派は、タジキスタンには、ヌーリスターン州やバダフシャーン州経由で、トルクメニスタンに、ファラー州、ゴール州、サーレポル州やファーリヤーブ州経由で、潜入している。

 

 ナンガルハール州知事グラブ・マンガルは [ウイキペディアは彼についてこう書いてある。"2001年、アメリカ率いる侵略後、彼はパクティヤー州での憲法上のロヤ・ジルガの地域コーディネーターに任命され”]地域の戦闘活動をじきじきに監督している。 …

 

 マンガルには、アメリカ諜報機関との長年の関係がある。特に、彼はソ連のアフガニスタン作戦中、ソ連軍と戦っていた。2001年のアメリカ侵略直後、彼は所属する部族、パシュトゥーン族の地方政府の長に任命された。またマンガルは欧米マスコミに愛されている。アメリカとイギリス主要マスコミの大半の記事には、彼に関する非常に前向きな情報があり、BBCは、彼を、マンガルがかつて首長をつとめた"ヘルマンド州の希望"と呼んだ。

 

 アフガニスタン国防省によれば、近い将来「イスラム国」指導部、さらに1200人の過激派で拡大する計画だという。彼らの大半は、グラブ・マンガルと彼の部下の支配下にある州にも配置される。

 

 アフガニスタン国内の二つの巨大米軍基地が、ナンガルハール州のすぐ近くにあるのは、とうてい偶然とは言えないが、注目に値する。

 

 同時に、専門家のコミュニティーは、タジキスタンとトルクメニスタンに対する圧力は、ロシアに対する新たなハイブリッド攻撃のベクトルの一つに過ぎないと指摘している。政学専門家センターのワレリー・コローヴィン代表[ここに彼に関する詳細がある]は、モスクワは、全ての前線で、地政学的な敵国による大規模攻勢にそなえるべきだと確信している。ウクライナでは、おそらくアルメニア、さらに多数の他のソ連後の国々経由で[コローヴィンはこう述べている]:

 

 "…中央アジアにおける状況を不安定化することで、アメリカと同盟諸国は、いくつかの目標を一気に実現できる。第一に、このようにして、ワシントンは、モスクワとテヘランをシリアへの集中からそらすことができる。第二に、もし作戦が成功すれば、ユーラシアの経済・物流統合を強化すべく設計されている一帯一路プロジェクトの経路沿いに、不安定化の焦点が作りだされるだろう。アフガニスタンは、西でイランとも国境を接しており、テヘランに対する新たな戦線になる。… 新たな経済制裁による経済的圧力から始まり、ソ連後の空間で継続するだろう"カラー革命" と、アメリカ・ネットワークによる直接侵略で終わる。アメリカ合州国が、民主主義と市民社会を構築すべく、現地の軍事独裁政権をあやつって、アフガニスタン占拠したのではないのは明らかだ。これは、それを利用して、イランとロシアに対する攻撃をアメリカが準備するためのテロリスト・ネットワークを作り出すための跳躍台なのだ。"

 もしこれが本当であれば、共産主義とソ連とワルシャワ条約の終焉にもかかわらず、ブッシュの秘密計画が開始される一年前の、1989年に、ソ連がアフガニスタンから撤退したにもかかわらず、ロシアを占領するというジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュが、1990年2月24日夜に開始した計画を、トランプは貫徹しているのだ。

 Strategic Culture Fundationの同僚、Peter Korzunは "連中による最近の逆の主張にもかかわらず、アメリカは長い目で見れば、シリアに本腰を入れている”と主張している。He noted:“先月、アメリカ軍は、南東部のデリゾールのアル・オマール油田に新たな前哨基地を構築しているとも報じられている。アメリカ軍は、コノコとアル・ジャフレ油田周辺の陣地に配備されている。4月7日、デリゾール州の油田周辺の地域は、アメリカ率いるSDFにより、軍事地域と宣言された。この州を支配するための戦いで、この集団は、シリア軍と既に衝突している。”

 2017年6月25日に、私は、2016年12月、"アサドを打倒するためにISISを利用する連中(とサウド王家)の共同計画を完結させるため、オバマとトルコのエルドアンが、ISISをイラクのモスルから、シリアのデリゾールに再配置するための共同の取り組みを開始した”と報じた。またアメリカとサウド王家が、シリア全土からアサドを追い出すのに失敗した場合にそなえ、アメリカが支配する別の国として、シリアの産油地域を分割するため、アルカイダと、時にはシリアのISISさえ支持して、“トランプはオバマの政策を継続している”と報じた。

 おそらく、1991年にソ連側が冷戦を止めた際、明かに満足していなかったアメリカは、ロシアに対する武力に訴える戦争で勝利しようと、とことんやっているのだ。これほど激しく、これほど極端に、これほど長く、ロシアに圧力をかけて、ソ連共産主義が終わった際、実際終わったはずだった冷戦の‘復活’を正当化するため“プーチンはクリミアを盗み取った”というウソや他の同様なウソまで駆使しているので、まもなくロシアは、アメリカの戦争を、実際そうなのだが、ロシア国家主権に対する実存的脅威と受け止め、直接、軍事的な方法で、反撃することが必要になるかも知れないことを示唆している。もう一つの可能性は、ロシアがアメリカに屈することだが、たとえ対アメリカ戦争が地球規模の破壊という必然的な結果になろうとも、これはほとんどありそうにない。ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは何度も述べており、ロシア国民はこの点で彼を圧倒的に支持しているように見える - アメリカが、この方向をさらに押し進めれば、核戦争という結果を招く、だから、アメリカはこの事実を認めるべきなのだ。トランプは、これを認識していないように見える。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/05/26/credible-report-alleges-us-relocates-isis-from-syria-iraq-into-russia-via-afghanistan.html
----------

集中審議。見る気力がでない。秋田犬を抱いて喜ぶザギトワを見るのは嬉しいが、別の人々が、渡す前のマサルを抱いていた。勝る詐欺とは!

マスコミというものが、実は大本営広報部であることを証明したのが「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」というトップ発言。

国というもの、実は属国であることを証明したのが最近の政治家発言。「宗主国が右と言うことを左と言うわけにはいかない」というだけの右顧左眄で、全く意味不明。

(米朝首脳は)6月12日に会談する予定だったが、トランプ大統領は断った。会談を開くことが重要なのではない。核・ミサイル、拉致問題を前に進めていくことが重要だ。だから安倍晋三首相が、トランプ氏の決断を支持すると言った。たった1カ国です、世界でも。そしたらまた(トランプ氏が米朝会談について)やるかもしれない、良い感じにあるとツイートした。

私たちは選挙の時、日米、日米韓で協力して圧力をかけ、北朝鮮の政策を変えさせると言い続けた。批判もあったが、こうした政策によって、金正恩委員長が体制を保証してくれれば非核化すると言い始めた。
私どもが考えていた方向に物事が回り始めてきている。安倍首相の外交努力によって、トランプ氏を引き込んで、圧力をかけ続けてきた(結果だ)。これからが正念場だ。(自民党栃木県連大会のあいさつで)


堂々と右顧左眄する傀儡はすごいが、それを喜んで支持する人が30%もいるのがすごい。恥ずかしながら、小生の幼なじみ数人もそうだが、数年会っていない。
大本営広報でない下記インタビューを拝聴予定。

日刊IWJガイド・簡易版「<本日の岩上さんのインタビュー>本日午後4時より、『古代史上最大の敗戦「白村江の戦い」と「日本」「天皇」の誕生~「東夷の小帝国」意識の源泉をたどり、現代の嫌韓意識の根を探る! 岩上安身による国際日本文化研究センター教授 倉本一宏氏インタビュー(その4)』を配信します! 冒頭はフルオープンで公開、途中からは会員限定配信に切り替わります。/トランプ米大統領が米朝会談について『6月12日のシンガポールでの開催予定は変えていない』と発表!朝令暮改の米国なれど、右顧左眄の日本はどうする!? 米朝間の平和への対話は南北間ともども進行中!/
加計学園のFAX一枚のコメントに中村時広愛媛県知事が痛烈批判! 『偽りなら謝罪、説明し、責任者が記者会見するのが世の中の常識』/公明党は『自主投票』から一転『支持』へ~新潟県知事選は事実上の与野党激突!」2018.5.28日号~No.2083号~

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

911事件関連 | Andre Vltchek | Eric Zuesse | Finian Cunningham | GMO・遺伝子組み換え生物 | ISISなるもの | James Petras | John Pilger | Mahdi Darius Nazemroaya | Mike Whitney | Moon of Alabama | NATO | NGO | Pepe Escobar | Peter Koenig | Prof Michel Chossudovsky | Saker | Stephen Lendman | Thierry Meyssan | Tony Cartalucci | TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA | Wayne Madsen | WikiLeaks | William Engdahl | wsws | アフガニスタン・パキスタン | アメリカ | アメリカ軍・基地 | イスラエル | イラク | イラン | インターネット | インド | ウォール街占拠運動 | オバマ大統領 | オーウェル | カナダ | カラー革命・アラブの春 | ギリシャ | クリス・ヘッジズ | サウジアラビア・湾岸諸国 | シェール・ガス・石油 | ソマリア | ソロス | チベット | チュニジア・エジプト・リビア・シリア・アルジェリア | テロと報道されているものごと | トヨタ問題 | トランプ大統領 | トルコ | ノーベル平和賞 | パソコン関係 | ヒラリー・クリントン | ホンジュラス・クーデター | ポール・クレイグ・ロバーツ | マスコミ | ユダヤ・イスラム・キリスト教 | ロシア | 中南米 | 中国 | 中央アジア | 二大政党という虚構・選挙制度 | 伝染病という便利な話題 | 北朝鮮・韓国 | 地球温暖化詐欺 | 地震・津波・原発・核 | 宗教 | 憲法・安保・地位協定 | 授権法・国防権限法・緊急事態条項 | 新冷戦 | 新自由主義 | 日本版NSC・秘密保護法・集団的自衛権・戦争法案・共謀罪 | 旧ユーゴスラビア | 映画 | 書籍・雑誌 | 東ヨーロッパ・バルト諸国 | 東南アジア | 無人殺戮機 | 田中正造 | 英語教育 | 読書 | 通貨 | 選挙投票用装置 | 難民危機 | 麻薬とされるマリファナについて

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

無料ブログはココログ