中国

2019年7月14日 (日)

グローバル軍事結社を弱体化させるS-400

2019年7月12日
ジーン・ペリエ
New Eastern Outlook

 アンカラとニューデリーの両方に、ワシントンが前代未聞の政治圧力をかけたにもかかわらず、ロシアの最先端S-400対空システム購入を進めるというインドとトルコ両国の決定に、非常に多くのアナリストが注目している。本質的に、この決定は、アメリカ軍事支配に対する国際的な闘いの転換点だ。ある時点で、インド、トルコ両国がワシントン同盟国だったのに、両国は、そのための兵器販売の収益が全てアメリカ軍事産業の懐に入る、多数の国に軍事インフラを確立するあらゆる取り組みを進めている英米帝国から膨大な圧力を受けていたことは述べておくに値する。

 最近ベルギーのあるマスコミがこう報じた。「喧嘩腰で覇権主義的姿勢のワシントン・オリガルヒの、比類ない強欲のための軍装備品や兵器の売り込みとなると、アメリカの営業担当者(ポンペオのたぐい)の振る舞いは全く破廉恥で失礼なものだ。彼らは、常に「最新版」を購入する以外に選択肢がない立場に顧客を置く流通機構を確立しようとしている。全てが、いくら速く走ろうとも、決して逃れられないタコの触手や泥沼に似ている。

 これに加えて、アンカラに、ワシントンのパトリオット・ミサイルの代わりに、ロシアのS-400システムを購入するようにさせた理由をより良く理解するには、NATOが課しているワシントンの集団防衛と共通安全保障政策は一体何であり、一体誰がそれで恩恵を受けているかを思い起こさなくてはならない。

 たとえアンカラが、NATO経由でパトリオット・ミサイルを購入すると決めたとしても、引き渡し後はペンタゴンに委任されて交替勤務するNATO要員が配備されるだけで、トルコ軍はシステムの直接運用にかかわらないはずだ。過去のワシントンからの兵器購入で、トルコは既にこの種の経験をしており、どこかの時点で、この構造はトルコの国防目的で設計されておらず、国家安全を保障しないのをトルコ指導部は悟ったのだ。本質的に、アンカラは購入した武器のいずれも、国防総省が使って良いと言った時しか使うことができなかったのだ。

 2016年、先のトルコ・クーデター未遂の際、タイップ・エルドアンがワシントンの家臣としてのトルコの役割にうんざりして、自ら率いる国に有益な自立した政策を追求し始めるにつれ、欧米がエルドアンを何とかしようとする中、トルコ軍の一部が彼の命令に服従していないのを素早く知ったのだ。暴徒から逃れるためエルドアンがヘリコプターに乗った際、軍隊が最高指揮官に反抗し、国防総省の命令に従っていたので、トルコ全土に配備されたNATO防空システムで、トルコ空軍にヘリコプターが撃墜されかねないことを知らされたのだ。

 アラブのマスコミが明らかにしたように、軍事クーデターを始動する暗号化された命令をロシア諜報機関が傍聴し、何が起きようとしているかトルコ国家情報機構に警告したおかげで、エルドアンは、かろうじて死を逃れたのだ。さらに傍聴されたメッセージの中には、その時点でタイップ・エルドアンが宿泊していたマラマリスのホテルを目指して飛行する軍用ヘリコプターからの通信があった。アルジャジーラは、ヘリコプターがホテルに発砲する数分前、トルコ大統領はかろうじてホテルから逃れたと報じている。

 この点に関し、「全能の」NSAを含めアメリカ諜報機関は監視施設を世界中に配備していて、完全に暗殺未遂に気付いていたはずなのに、トルコに何の警告もせず、黙って見ていることを選んだことに大いに注目すべきだ。

 主としてこうした苦い記憶のおかげで、アンカラが支払ったアメリカ製兵器システムに要員を配置している部隊の裏切りによって、彼自身の安全と彼が率いる国家の安全保障の両方が、二度と危険にさらされないようにするとエルドアンは固く決心しているのだ。ロシアの対空システムが、アメリカが構築されたシステム対する唯一の代案であることにはほとんど何のも秘密もない。さらに好意を示そうとして、モスクワは、兵器システムの出荷と共に、S-400システム製造に必要な技術を部分的に移す意図を発表した。さらに、5月に、タイップ・エルドアンが明らかにしたように、S-500対空システムの共同製造でトルコが役割を演じる可能性を論じ始めた。これは、モスクワがアンカラを信頼しており、S-400の出荷が、単なる貿易取り引きを大きく越えるものであることを示している。

 他の国々も気がつかないわけがなく、彼らがそうするのを阻止するため、ワシントンがあらゆる術策を駆使したので、S-400を手に入れるため共にあらゆる苦難を体験したトルコとインドの例に、まず確実に従うにつれ、この進展で、今や彼らが国際武器市場でロシアに最有力の地位を奪われる危険があるため、アメリカ軍需産業内部に大規模なパニックを引き起こした。

 S-400のようなロシアの新世代レーダーと防空体制の購入が、アメリカの単極支配体制全体を破壊するのは確実だ。2015年、中国は最高高度36キロ、最長400キロの距離で、超音速迎撃が可能なS-400に賭けた。S-400を入手する機会を待っている国々のリストには、カタール、サウジアラビア、エジプト、アルジェリア、モロッコ、ベトナムや他の多くの国々がある。

 トルコのテレビ局T24が明らかにしたように、アメリカとトルコ間に、このような緊張をひき起こしたS-400システムは、中東政治の世界で形勢を一変させるものに思われる。S-400は、ワシントンへの属国服従を離脱する抵抗枢軸の象徴になったように思われる。

 ジーン・ペリエは独立研究者、アナリスト、有名な近東・中東専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/07/12/s-400-undermines-the-global-military-cabal/

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 クーデターについては、Engdahl氏記事を翻訳した。グラハム・E・フラーよ、7月15日の晩、あなたはどこにいた?

 金を払わされた上で自分の命を狙われるのはトルコだけではない。欠陥戦闘機爆買い。宗主国のためのイージス・アショアの自前購入。Mr.ステルスのたわごと、正しい解釈「宗主国の要求通り、不沈空母をハワイとグアムの醜の御楯にし、自分の地位と命を守り抜く上でイージス・アショアはどうしても必要だ。いうなりになる第三者と御用専門家を入れ、徹底的に調査をしたふりをしていく」ということだろう。

 呼吸するようにウソをつく、破壊された頭脳、あきれるしかない。

日刊IWJガイド・日曜版「7.21参院選の前に必見! 本日午後8時より、『韓国大法院判決に対する安倍政権の反発と韓国への経済制裁は外交史に残る失敗! 2007年、日本の最高裁は徴用工個人の請求権を認めている!! 徴用工を酷使した暗い歴史に目を背け、反韓ナショナリズムを煽って政治利用し、現代において奴隷的外国人労働者の搾取を再現しようとする安倍政権~岩上安身による岩月浩二弁護士インタビュー』を再配信!」 2019.7.14日号~No.2495号~(2019.7.14 8時00分)

 

2019年7月 8日 (月)

人々が知りたいとは思わない新駐ウズベキスタン・アメリカ大使

2019年6月2日
マーティン・バーガー
New Eastern Outlook

 中央アジアにおいて常に増大しつつあるロシアと中国の影響力が、アメリカをかなり興奮状態に保っている。十分予想された通り、過去2年間、地域を支配する取り組みで、ワシントンは経済的、軍事的措置を目立って強化している。

 この文脈で、アメリカがウズベキスタンとの結びつきを発展させようと力を入れているのは特段の言及に値する。二国間関係を深めるために投入された努力は、しばしば陰のCIAと呼ばれるアメリカ企業ストラトフォーによって、かなり詳細に評価されている。予想通り、旧ソ連圏全ての国の中で、ウズベキスタンが遥かに最強なのだから、この全ての精力的な動きは無駄におこなわれたわけではない。それがまさに、ワシントンができるだけ早急に、モスクワと北京両方をこの共和国から追いだしたいと思っている理由だ。ウズベキスタンの経済開発のため、ロシアと中国により行われている投資の件数が常に増大しているにもかかわらず、アメリカは、タシケントとの経済的な結びつきを復活させようとしていると言われている。同時に、ストラトフォーは、アメリカがまたしても、アメリカの外交政策には役立たない、地域じゅうの、あらゆる協定や組合や連合を台無しにさせようとしている事実を全く隠そうとしていない。

 アメリカが一帯一路(OBOR)構想を急停止させることが望める唯一の方法は、中央アジアを不安定化することで、それはかなりの大業だが、北京は完全にこの事実を知っている。加えて、もしワシントンが多くの国々の首都で足場を得るのに成功すれば、中国のイスラム教徒人口が多い新疆ウイグル自治区の状況に、より強い支配力を行使することが可能になるだろう。そして、もしアメリカが現地住民を過激化する試みに成功すれば、ロシアは、ビザ制限がないため、頻繁に中央アジアに旅行する大規模なイスラム教徒の共同体を抱えており、モスクワ自身、特に脆弱なことに気がつくだろう。

 ウズベキスタンを欧米影響力の大黒柱に変えるワシントンの取り組みは、地域の国の全てと国境を共有する人口の多いイスラム教国であるという事実が、アメリカが世界のこの地域で、長期的外政策目標を確保する助けになるかもしれない事実から規定される。

 去る2月、国防総省が中央アジアと南アジア両方の高位将官の会談を要求して、ウズベキスタン-アメリカ協議の更にもう一回の会合がタシケントで開かれた。アフガニスタンとの対立解決を目指す交渉で調停者の役割を果たすよう、ウズベキスタンをアメリカが応援していることが最近明らかにされた。

 ウズベキスタンとアメリカ間の軍事協力が、9/11テロ事後、ピークに達したことに留意すべきだ。当時、アメリカは、アフガニスタンでのワシントンの作戦を促進するために使われるであろう軍事基地をこの共和国に置くつもりだった。しかしながら、当時の状況のへの対処で、タシケントを非難するほど十分大胆にワシントンが思ったアンディジャン事件の余波の中、状況は変化した。ウズベク当局は自尊心を抑えようとはせず、彼らは駐留するアメリカ軍に、荷物をまとめ撤退するよう要求した。だが近年、アメリカウズベキスタン間の二国間関係が次第に改善し始め、両国が共同で様々な軍事活動を行うことに対する興味を見いだしており、これはウズベキスタン首都へのアメリカ軍事使節の頻繁な訪問で明白だ。

 この背景に対し、ワシントンは、タシケントで種々の地位を占めるべく経験豊かなベテランを派遣し、この国の大使館を早急に強化しようとするはずだ。そのため、ウズベキスタンの状況をじっくり見てきた人々にとって、ダニエル・ローゼンブルムがタシケントの新アメリカ大使に任命された発表は驚きではない。

 この決定は、アメリカ大使がしばしば変わる今の傾向と、彼らの一部、特に最近中央アジアに派遣される人々に一致しているように思われる。それら紳士、特にウィリアム・メーザーや、ジョン・ポマーシャイムは有名なトラブル・メーカーという評判を享受している。だがダニエル・ローゼンブルム任命はこの傾向と一致しない。結局、彼は正規の下院議員やもう一人大統領選運動スポンサーではなく、経験豊かな専門家なのだ。

 ダニエル・ローゼンブルムはエール大学卒業生で、ソ連時代の研究と国際経済学の学位を持っている歴史家だ。実際、彼は南アジアと中央アジア担当国務次官補だ。さらにこのポストの前任者とは異なり、彼は単なる専門家ではなく何年も現場で働いた人物だ。

 ローゼンブルム大使が、NGOや公共団体の管理で広範な経験を持っている外交官なのは奇妙だ。さらに彼の父親はソ連からの移住を促進するユダヤ組織の枠組みを使って、ソビエト社会主義共和国連邦を傷つける取り組みで数十年を費やしていた。ローゼンブルム・ジュニアは、米国国際開発庁から、独立国家共同体CIS中の非政府組織の資金調達をして、アメリカ外交政策を進め、彼が標的に定めた国々の一部に、不安定化やクーデターを経験するようにさせて、その伝統を受け継ぐはずだ。

 だから、ダニエル・ローゼンブルムの任命は、中央アジア地域がアメリカ外交政策の基礎になった証拠なのだ。タジキスタンとカザフスタンでの任命同様、この地域をロシアと中国から離れさせるという最終目的を達成する窮余の動きで、ウズベキスタンや中央アジア全体での政治プロセスの発展に影響を与えるため、経験豊かなトラブル・メーカーが、長年蓄積した経験を活用するのを、ワシントンは期待しているのだ。

 マーティン・バーガーはフリージャーナリストで地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/06/02/new-us-ambassador-to-uzbekistan-you-just-dont-wanna-know/

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 演劇『みすてられた島』を見た。「終戦後の一時期、日本から切り離されようとした伊豆大島で「大島大誓言」と呼ばれる「暫定憲法」が作られた実話をもとにしたもの。前文で平和主義を謳っているとは驚き。実際は、結局、分離されずに終わったので、独立に向かう動きの部分はユートピア。笑いと涙満載ながら、経済市場主義の今と逆の、人間をおもいやる世界の建設をめざすお話。土日の二日だけの上演は残念。

 近々『新聞記者』を見る予定。近くで森羅万障ステルス氏の出現予定がわかれば一緒に「やめろ」といいたいもの。

日刊IWJガイド「安倍総理が中野で街頭演説、自慢話と民主党政権批判の繰り返しに飛び交う『安倍やめろ』の怒号!」 2019.7.8日号~No.2489号~(2019.7.8 8時00分)

 

2019年7月 2日 (火)

一帯一路構想:批判者と新メンバー

2019年6月20日
ニーナ・レベデワ
New Eastern Outlook

 北京での第2回BRF -2019サミットは、2016年に、以前の名、「一帯一路One Belt, One Road (OBOR)」を「Belt Road Initiative帯路構想(BRI)」に変えたこのインフラ・プロジェクトの実績を示す画期的な催しとなった。「帯」は陸上経路、一方「路」は海上航路を表すが、無数の異なる側枝が作成されたので「一、一」は名前から取り除かれた。

 サミット主催者として、中国は以下の6つのカテゴリーに細分された283の成果案件を含む、実質的な成果と参加者に対する討論用の疑問と提案のリストを提供した。「1)中国に提案されたか、着手された構想; 2)2回目のBRFの前、あるいは、すぐに署名された二国間、多国間の文書;3) BRF枠組みの下での多国間協力メカニズム;4)投資プロジェクトとプロジェクト・リスト;5)資金調達プロジェクト;6)地方自治体と企業によるプロジェクト」。これらの協定には、赤道ギニア、リベリア、ルクセンブルグ、ジャマイカ、ペルー、イタリア、バルバドス、キプロス、イエメンと、セルビア、ジブチ、パプアニューギニア、アフリカ連合と一緒の行動計画、国際連合人間居住計画(国連ハビタット)、国連アフリカ経済委員会や他のものに署名された覚書が含まれている。明らかに、このような業績は強い印象を与えざるを得ない。

 中国国家主席を始めとした高官は(一斉に)全員成功について語った。OBORに関する前のNew Eastern Outlook記事で強調したように、習近平は演説で、多くのプロジェクトにまつわる間違いや危険があったことを初めて認め、将来「共に利益になる」手法に従うことを約束した。同様に、王毅外務大臣も、BRIは「国々が落ち込みかねない「借金地獄」ではなく、現地に恩恵をもたらす「経済的なパイ」」であることを聴衆に納得させようとした。2019年サミット中、中華人民共和国の劉昆財務大臣は「リスクを防ぎ、解決するための債務の持続可能性の枠組み」構築計画を発表した。

 習近平主席が、グローバルなメディアによって強化することを意図している中国の宣伝機関が、常に構想の背後にある原動力だったのは確実だ。まさしくこの目的で、2017年に一帯一路ニュースネットワーク(BRNN)が設立された。それは86カ国の182以上の印刷媒体を含んでいる。彼らの目的は批判に対処し、不都合な事実は軽く扱い、構想の立場を高め、それに関する肯定的なニュース記事を出版することだ。これを達成するため、ジャーナリストが北京での研修に招かれた。

 中国が他国に、自身の装置や材料や労働者を持ち込み、現地資源を利用したり、雇用を生んだりしかった事実に不賛成を表明する人々の数が減らないので、それは適切な措置だった。建設工事を管理し、その後、現場を経営する基準も非常に低かった。多くの例で、まともな土地が現地から没収された。あちこちで北京は多少の譲歩をし、マハティール・ビン・モハマド首相が厳しい声明を出した後、マレーシアでの140億ドル大プロジェクト経費は3分の1切り下げられた。パキスタンやタイやラオスなどとの協定が再交渉され、負債レベルを引き下げる処置がとられた。

 習近平国家主席は、2019年のサミットに、37人の外国の国家指導者を招待したが、更に多くの人々が次の催しに出席すると予想している。彼は全ての国の中でも、日本がBRIへの参加希望を表明することに、まだ希望を待ち続けている。一方、東京の戦略立案者たちはBRIについては複雑な心境だ。一面では、一帯一路構想は、日本の権益と、日本の主要同盟国アメリカの権益を犠牲にして、北京の世界的立場を強化するプロジェクトと見なされている。また一面では、日本は二つの重要なパートナーの間で引き裂かれている。中国は重要な貿易相手国だが、アメリカは安全の重要な保証人だ。公式には東京はBRIの一部ではないが、2018年10月、長い歴史がある輸送企業日新が、シノトランス社(中国対外貿易運輸総公司)とヨーロッパでの商品輸送路線試験運用を始動した。このような協力は多くの例がある。アメリカの他の同盟国やパートナー諸国と同様、日本はユーラシア統合の取り組みに将来性を見ている。BRIの背後にある原則を一貫して長い間拒絶していたインドさえ、中国が設立したアジア・インフラ投資銀行(AIIB)の大きい融資を組んだ。

 2回目のBRFで、「現代のマルコ・ポーロ」が3月、ローマで23の覚書と、約30の他の異なったタイプの文書に署名したイタリアに、習近平主席は最も暖かな挨拶をした。イタリアは公式に中国の大プロジェクトを支持する、7カ国グループ(G7)で最初の先進西欧国となった。イタリアが協定を準備するため外交努力を続けるにつれ、大陸の近隣諸国に「ドミノ効果」を持ち得る、確立された秩序(評論家たちによれば)の転覆に既に成功したのだ。皮肉にも一日前(3月22日に)、欧州理事会(EC)は、中国に対するEUの全体戦略を論じるため会合した。新しい欧州連合(EU)の取り組みで、北京はヨーロッパの「体制的ライバル」として初めて言及された。中国と3つのヨーロッパの国、ドイツとフランスとイギリス間の貿易量が目立って増加したにもかかわらず、これが起きた。ユーロスタットデータによれば、2018年、ドイツは中国に938億ユーロ(1060億ドル)の商品を輸出した、イギリスの輸出は234億ユーロ、フランス208億ユーロで、イタリアは(4位で)131.7億ユーロドルだ。

 EUが中国に対する旧い2016年戦略を置き換えるため、様々な展望を策定していた間に、中華人民共和国は「ゆっくりとEUの「柔らかい」中央と南周辺を突き崩した」。2012年から、それは「16 + 1″プラットホームを経由して11の新たなEU加盟国の支持と5つの潜在的なEU候補を獲得した。後にギリシャ(2018年8月)とポルトガル(2019年1月)がBRIの一部になった。

 イタリアはBRIからどんな形で恩恵を得ようと期待しているのだろう? 意欲的な覚書は物流分野、輸送インフラ、人的交流、貿易障壁の引き下げ、環境保護、財政、投資障壁の撤廃で協力を深めるイタリアと中国の意図を概説している。中華人民共和国の海のシルクロード構想(BRIの不可欠な一部)の枠組みで、イタリアは中国にとって、ヨーロッパにおける重要な戦略パートナーだ。ずっと前に考え出され、現在実行されている「5つの港」概念によれば、北京は北アドリア海港湾協会を通して、スロベニアのコペルと、クロアチアでリエカ(元イタリア領フューメ)と同様、ベニス、トリエステ、ラベンナとの結びつきを確立するだろう。

 近年、経済成長がかなり緩慢なイタリアは、BRI加盟のおかげで、中国との貿易が増加することを期待している。結果として、上記ヨーロッパ諸国に、イタリアが追いつくことが可能になり、例えば、中国の巨大複合企業から何億ドルも受ける予定のトリエステのように、港湾インフラへの投資を引き付ける機会が増す。一方、中国は、時間とともにイタリア経由で他の主要西欧諸国へのアクセスを得ることを望んでいる。

 マッテオ・サルヴィーニ副首相は(おそらく彼は、BRIに突きつけられた批判を覚えているのだ)北京とのどんな協定の契約条件であれ、イタリア政府は手ごわく交渉すると強調した。彼は「我々は誰とでも話をする用意があるが、もし外国企業イタリアを植民地化する話題なら、我々は決してそうする用意はない」と述べた。マッテオ・サルヴィーニは、戦略上重要な部門が損なわれないことを保証するため、出資を受ける分野を監視することは重要だとを警告した、すなわち「イタリアの機微な情報は、イタリアの手中になければならない」と。

 イタリアにとって、金融と負債の「罠」になりかねない中国大規模プロジェクトの一部になることを思いとどまらせる機会を、ワシントンは見逃さなかった。ヨーロッパの首都からも類似の警告が当然おこなわれ、北京とのより親密な結びつきを求めるのは、欧州連合の枠組みを通してのみ(中国に対するEUの2016年戦略に従ってもしほかに何もなければ)可能であることをローマに想起させた。しかしながら、ジョージ・C ・マーシャル安全保障ヨーロッパセンターの戦略イニシアチブ部門の議長イタリア人政治学者ヴァルボナ・ゼネリによれば「イタリアは、ヨーロッパで最も重要な経済的、政治的当事者の一つで、イタリアを排除する、あらゆるEU対応は、不完全で、成功しない」。彼女の意見に同意するのが合理的だろう。

 ローマの運命に対する海の反対側からと、ヨーロッパからの警告をローマは無視することに決めたのだ。だから我々は、この結果を 1)中国対アメリカのサッカー試合の得点は、1 - 0 2)イタリアからの「軽い警告」、あるいは 3)現在の世界秩序の中で、時代の流れに乗らないのは危険であるという有効な指標だと見なすことができる。

 アメリカの専門家連中さえこの傾向を把握し始めた。ランド研究所の専門家たちが行った「中国一帯一路構想:国際貿易に対する輸送接続性改善の影響を測定する」(2018年8月)という題の包括的な分析は、世界経済のこの部門に対するプロジェクトの増大する影響に関するBRF-2019の際の、習近平主席の言葉を文字通りおうむ返しにしている。もう一つの有名なアメリカの機関シティグループのGPSが、2018年12月に「五年目の中国の一帯一路」進捗報告を出版した。文書は書類情報や様々なの数値やグラフを用いて、一帯一路構想が、どのように(すでに)次第に中華人民共和国中心の「1対多」モデルから、より多面的で包括的な「多数対多数」に変わりつつあるかについて概説している。

 2018年11月、APECサミットでの演説で、(とりわけ)マイク・ペンス副大統領が、アメリカが中国より「良い進路」を提示しているという意見を公式に広め続けた。彼はアメリカ企業が雇用を生み出し、ハイテク部門が地域に繁栄をもたらすと言って、この選択肢を手短に説明した。それでも、アジアの何百万人もの人々は、言葉の約束だけでなく、実際に物理的インフラを必要としているように見える。

 それ故、一帯一路構想は、話題の興味深い論争の的のままだ。だが、この構想の支援者を中傷者から切り離す傾向は依然存在するものの、最近、懐疑論者の数が益々減少し、参加者の数が増加し続けていることを認めずにいるのは困難だ。

 ニーナ・レベデワは歴史学修士、ロシア科学アカデミー東洋研究所インド研究センター主任研究員。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/06/20/obor-initiative-critics-and-new-members/

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 宗主国も属国も、外交ではなく、害行が得意。

日刊IWJガイド「板門店での米北韓首脳の歴史的再会の裏で『ぼっち』の日本は韓国への半導体原材料の輸出規制強化を発表! 『徴用工問題への対抗措置ではない』と言いながら、G20で掲げた自由貿易の理念へのダブルスタンダード!? 韓国はWTOへの提訴検討を発表!」 2019.7.2日号~No.2483号~(2019.7.2 8時00分)

 

2019年6月28日 (金)

G20ではロシア-インド-中国が目玉

2019年6月27日
The Saker

 全ては6月5日、モスクワでのウラジーミル・プーチン-習近平サミットで始まった。単なる二国間関係からはほど遠く、この会談は、ユーラシア統合プロセスを、もう一つ上のレベルに格上げした。ロシアと中国の大統領は、新シルクロードとユーラシア経済連合、特に中央アジアの内部や周囲との革新的相互連絡から、朝鮮半島の共同戦略に至るまで、全てを論じた。

 キルギスタン、ビシュケクで、上海協力機構(SCO)の国家元首評議会セッション前の会議の際に、お互い抱擁するロシアのウラジーミル・プーチン大統領とインドのナレンドラ・モディ首相(左)。写真:AFP /グリゴリー・シソエフ /スプートニク

 ある話題が際立っていた。彼らは古代のシルクロードにおけるペルシャの連結役が、新シルクロード、あるいは一帯一路構想(BRI)において、どのように、イランによって再現できるか論じた。それは確定済みだ。特に、モスクワ・サミットの一カ月以下前に、ロシア-中国戦略的提携が、政権転覆は全く受け入れられないという合図を出して、テヘランに明示的な支援を与えた後はと、外交筋は言う。

 プーチンと習は、サンペテルブルグ経済フォーラムで工程表を固めた。すぐ後に、ビシュケクでの上海協力機構(SCO)サミットで、大ユーラシア相互接続が、重要な二つの対話者を含めて織り続けられた。インドと、BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)とSCOメンバーと、SCOオブザーバーのイラン。

 SCOサミットでは、プーチン、習、ナレンドラ・モディ、イムラン・カーンとイランのハッサン・ロウハニ大統領が同じテーブルに座った。同心のダモクレス剣のように、会議の上に差し迫っていたのは、アメリカ-中国貿易戦争、対ロシア制裁とペルシャ湾の爆発的状況だった。

 ロウハニは強力だった。イランに対するアメリカ経済封鎖の効果の仕組みを説明する際、手中のカードを巧妙に使った。モディと中央アジア「スタン諸国」のリーダーをロシア-中国のユーラシア・ロードマップにより綿密な注意を払うよう仕向けた。習が中央アジアじゅうの無数のBRIプロジェクトで、中国投資が飛躍的に増大することを明らかにして、これが起きた。

 ロシア-中国は、ビシュケクで外交的に起きたことを「世界秩序を作り直す上で肝要だ」と解釈した。極めて重要なのは、RIC - ロシア-インド-中国 - が単に三国間会談を行ったのみならず、大阪でのG-20サミットでも再演を予定していることだ。外交官たちは、プーチンと習とモディの相性が驚くべきものをもたらしたと言っている。

 RICフォーマットは1990年代後期の熟練の東洋学戦略家エフゲニー・プリマコフに遡る。それは21世紀の多極世界の礎石と解釈されるべきで、ワシントンがそれをどのように解釈するかは疑いようがない。

 インド洋-太平洋戦略中の不可欠な歯車インドは、地政学戦略の始祖ハルフォード・マッキンダーが、1904年に「The geographical pivot of history」を発表して以来恐れていた「実存上の脅威」ロシア-中国という「競争相手」と仲良くなり、とうとうユーラシアに出現したのだ。

 RICは、BRICSという集団が成立した基礎でもある。モスクワと北京は、外交上そう発言するのを思いとどまっている。だがブラジルのヤイル・ボルソナーロがトランプ政権の道具に過ぎないと見られているので、大阪でのRICサミットから、ブラジルが除外されたのは全く不思議ではない。金曜日、G20開幕直前に形式的なBRICS会談があるだろうが、本命はRICだ。

仲人に注目

 RIC内部を三角測量するのは極めて複雑だ。例えば、SCOサミットで、モディは「主権の尊重」と「地域の一体性」にだけに基づいて、インドは接続プロジェクトを支持すると述べた。 それは一帯一路構想を鼻であしらう婉曲表現だ。特にカシミールを違法に縦断するとニューデリーが主張している、最も重要な中国-パキスタン経済回廊にとって。それでもインドは、最終のビシュケク宣言は阻止しなかった。

 重要なのは、SCOでの習- モディ対話が実に幸先がよかったので、インドのビジェイ・ゴーカレー外務大臣が「インドで政府が形成されて以来、双方から、より大きな文脈で、21世紀のアジア太平洋地域におけるインド-中国関係を扱う我々の役割の始まりだ」と描写するに至ったことだ。10月インドで習- モディ非公式サミットが予定されている。彼らは11月、ブラジルでのBRICSサミットで再会する。

 プーチンは仲人として卓越していた。彼は、9月初旬、ウラジオストクでの東洋経済フォーラムに、モディを主賓として招いた。この攻勢の眼目は、インドがアメリカ製プロジェクトの支援役を演じるのではなく、より大きなユーラシア統合プロセスに積極的に参加する利益をモディに示すことだ。

 それはロシア北極海航路と一帯一路構想の接続を意味する、北極圏での極地シルクロードを開発する三国間提携さえ含むかもしれない。中国遠洋海運集団有限公司(Cosco)は、既にシベリアから天然ガスを東と西に搬出しているロシア企業PAOソフコムフロートのパートナーだ。

 習は、もう一つの主要な一帯一路の可能性、バングラデシュ-中国-インド-ミャンマー(BCMI)回廊や、チベットからネパールからインドまでの接続性改良再開に対するモディの注目を得ようとし始めている。

 もちろん、帰属問題で係争中のヒマラヤ国境から、例えば、動きのゆっくりした東アジア地域包括的経済連携(RCEP)まで、障害は山積している。潰れた環太平洋経済連携協定TPPの理論的な後継者の16カ国は、北京はRCEPが過熱状態に入らなくてはならないと断固主張し、ニューデリーを積み残す用意さえ整えている。

 これ以上のアメリカ制裁免責がないことを考えると、モディが行うべき重要な決定の一つはイラン石油を輸入し続けるかどうかだ。もしEU-3が特別支払い機構実施を引き伸ばし続ければ、ロシアは、イランやインドのようなアジア顧客を助ける準備ができている。

 インドはイラン石油の主要顧客だ。もしインドのミニ・シルクロードがアフガニスタン経由で中央アジアにつながれば、イランのチャーバハール港は絶対不可欠だ。ロシアのS-400防空システム購入という動きに対し、アメリカのドナルド・トランプ大統領政権の、ニューデリー制裁で、インドがアメリカとの貿易上の優先的立場を失い、一帯一路橋により近づく中、石油供給源のイランを主要ベクトルとするのは見逃せない経済機会だ。

 モスクワやサンペテルブルグやビシュケクでのサミット後、ロシア-中国戦略的提携のロード・マップが強化される中、今RCが重視しているのは、インドを本格的なRICに参加させることだ。ロシア-インドは、戦略的提携として既に開花しつつある。習- モディは波長が合っているように思われる。大阪は、RICを恒久的に強化する地政学上の岐路になるかもしれない。

記事原文のurl:https://thesaker.is/russia-india-china-will-be-the-big-g20-hit/

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 見なければ良いのに、昨日はイギリスの、今日はアメリカの外務省の活動のドキュメンタリーというプロパガンダ番組を国営放送で見た。もちろん、翻訳しながら、横目で。プロパガンダに対する感想は「つまらなかった」一言。

 植草一秀の『知られざる真実』
 外交成果皆無の大阪G20会合と最重要の参院選

中国の自動車は次の不況を引き起こすのだろうか?

2019年6月16日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 5月、現在世界最大の自動車市場、中国における新車販売が、劇的に16.4%も急落し、比較的新しい中国自動車産業史上最悪の月となった。中国汽車工業協会(CAAM)によれば、悲惨な5月の売り上げは、4月の14.6%、3月の5.2%の下落後に起きた。これがアメリカ-中国貿易戦争に起因するものかどうかは疑わしい。だが、中国車販売の不振は、外国の自動車メーカー、特にドイツに深刻な影響を与えている。この中国の変化は、本格的な新たな世界的不景気、あるいはもっと悪いものの前兆なのだろうか?

 アメリカの貿易戦争が主な原因ではないという一つの兆候は、2019年5月が、中国で自動車販売台数の連続凋落で、12カ月目にあたるという事実だ。中国の自動車メーカーと車のディーラー間の売上高は44%減った。しかも、中国ブランド自動車の国内販売は、5月に26%と大きく減少した。中国ブランドの宝駿と東豊とTrumpchiは今年これまでに、40%減った。日本のホンダとトヨタだけが販売増加を示している。明らかに、何か本格的な、良くないことが世界で2番目に大きい経済、中国で進行中なのだ。

 中国汽車工業協会CAAMの許海東秘書長助理が、一体何が急落を起こしているかの手がかりを示した。「低・中所得層の購買力凋落と、購入を促進する政府刺激策への期待」が主な原因だと彼は言った。

消費者負債

「低・中所得層の購買力下落」が意味することは気掛かりだ。私が以前の記事で報じたように、中国繁栄の時代は、欧米においてとほとんど同様、特に2008年の世界金融危機以来、金融緩和に促進されていた。

 中国は2009年に世界最大の自動車生産国になった。多くはアメリカあるいは日本、あるいはEUブランドの中国製だ。10年で、中国で製造される自動車は、EU全体のそれと同様、アメリカと日本での製造を合計したものを超えた。2010年までに、中国は史上あらゆる国で最大、毎年約1400万台の車を生産しており、大部分が中国「低・中収入」国内市場向けだった。中国の中所得者は自動車保有を不可欠と考え、銀行やノンバンクや影の金融が熱心に貸すようになった。2009年に中国で登録された自動車とバンとトラックは、6200万台に達した。2020年までには2億台を超えるだろう。それは自動車保有市場が、飽和していないにせよ、少なくとも世帯債務負担能力の限界に直面していることを意味する。

 過去10年間、収入が上昇している自動車を持っている中国のより若い家族が、初めて自身のアパートや家の本格的な購入に向かっている。2018年までに、その多くが規制されていない、世帯や他の負債の爆発が、北京や中国人民銀行の不安を呼び起こし始めた。簿外債務、つまり影の金融ローンで、驚くべき15兆ドルが未払いだと推定されている。そのうち少なくとも3.8兆ドルが、地方政府プロジェクトや住宅建設に投資するため普通の中国市民の貯金を引き出す、いわゆる信託基金だった。世銀は中国の影の金融総計が、2005年のGDPの7%から、2016年の31%にまで拡大していると推定した。バーゼルの国際決済銀行BISはそのうちの7兆ドルが債務不履行のリストがあると計算している。

 現在の消費者ブームは、世界金融危機の2008年後に、北京政府が雇用と収入の上昇を維持しようとして、経済へのパニックに近い低金利融資注入と多くの人々が見なす行為をして引き起こされた。規制当局が問題をよりうまく制御しようとし始めると、突然不動産価値が2桁の膨張を止めるにつれ、何百万という中間所得の中国人家族が、これまで20年続いていた経済天国が、突然、債務者刑務所になるのに気が付いた。困難なのは、正確な政府経済データを入手することだ。揺るぎないように見える公式の6%強のGDP増大に反し、中国人エコノミストの一部は、それが約1%、あるいはマイナスでさえあるかも知れないことを示唆している。

 この状況で、中国自動車販売の最近の凋落は、憂慮すべきどころではない。それは世界的に、とりわけドイツに大きな影響を与える。中国で生産しているドイツのVWは、2017年に300万台以上で、中国で最も良く売れている自動車だ。

世界的な衝撃

 ここ数カ月、主に中国自動車販売の凋落が継続した結果、グローバル自動車業界は新たな危機的段階に入った。それはディーゼル大気汚染物質スキャンダルのような問題に加えて、産業にとって良いニュースではない。ドイツの自動車研究センターは、2019年のグローバルな自動車生産は、少なくとも400万台減少し、強い衝撃になると推定している。大半の欧米専門家は、中国自動車販売の厳しい急落が起きると予想していなかった。

 5月、ドイツのダイムラーCEOディーター・ツェッチェは、彼が「未曾有の」産業崩壊と呼ぶものに備えるため「全面的コスト削減」を進めていると述べた。ボッシュのようなドイツ自動車部品メーカーや何千という小・中部品企業が、1970年代のオイル・ショック以来最悪の問題について語っている。2019年最初の6カ月間、ドイツからイタリアまで、アメリカと中国まで、世界中の自動車メーカーが、世界的下方転換に対応して、約38,000の雇用を削減した。「我々が大幅な下方転換になるだろうと考えている暗い先行きを業界は凝視しています。中国での減少の速度は本当に驚きです」とバンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチの自動車アナリスト、ジョン・マーフィーが述べた。

 ドイツ自動車メーカーにとって、中国市場崩壊の時期は最悪だ。現在のガソリンやディーゼル車より遥かに高価だと考えられていて、生存可能になるのもまだ何年も先の次世代電気自動車開発に何十億も注いでいるまさに同時期に、過酷で恣意的なEU大気汚染物質要求と不確実さ打撃を与えられているのだ。

 もしワシントンが今ドイツや他のEU自動車輸入に新たな関税を課せば、それは経済領域に、非常な悪影響を与えかねない。2000年以来、中国を世界の工場にした工業生産グローバリゼーションは今グローバリストの基盤に巨大な地質構造のひびを見せ始めている。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/06/16/will-china-autos-trigger-next-economic-downturn/

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 昨日岩上氏の坂本雅子・名古屋経済大学名誉教授インタビュー一回目を拝見。必見。この記事の中国の自動車産業の話題と直結する話題もあった。

 森嶋通夫著『なぜ日本は没落するか』を何度か読んだ。政治や教育のひどさを指摘していた記憶があるが、属国ゆえ、まともな産業政策を実施できないと書いてはいなかったような記憶がある。「半導体摩擦」時、おしつけられた決着に、憤慨したものだが。

 属国には、独自の産業政策はありえない。欠陥商品原発セールスしかない。
 属国には、独自の外交政策はありえない。地球不完全害行しかない。
 属国には、独自の国防政策はありえない。集団的自衛権という名目で侵略戦争に行くしかない。重要な武器の自製は許されず、ブラックボックス兵器の爆買しかない。

日刊IWJガイド「『尊敬する政治家は石井紘基! 議員になったら国政調査権を行使して日本社会の財政構造を解明したい!』れいわ新選組二人目の参院選公認予定候補者は安冨歩東大教授! 」2019.6.28日号~No.2479号~(2019.6.28 8時00分)

 

岩上安身によるインタビュー今後の日程・配信予定~ 米国のイラン敵視政策の背後にはイスラエルの存在が! 放送大学名誉教授の高橋和夫氏へもインタビュー予定! 2日かけて録画収録した坂本雅子・名古屋経済大学名誉教授インタビューは、6月27日、28日に配信します! なぜ日本の経済力が低下したのか!? どうして景気が好転しないのか!? 問題は金融ではなく産業政策にあった! 必見の内容です!

 

 安冨歩東大教授の本は何冊か拝読している。「生きる技法」は、必要があって、再度購入したばかり。

 原発危機と「東大話法」が初めて拝読した本。
 「ハラスメントは連鎖する 「しつけ」「教育」という呪縛」、今、巨大書店で、とんでもない高値。

2019年6月27日 (木)

中国のOBOR構想はどこに向かっているのだろう、どう進展しているのだろう?

2019年6月9日
ニーナ・レベデワ
New Eastern Outlook

 北京での2019年一帯一路フォーラムの討論と会議と宴会が、とうとう終わった。150以上の代表団がこの催しに参加した。現段階で、我々はこのプロジェクトをどのように考えることができるだろう? 昨年、5周年を祝った中国の世界的構想に、新たな懐疑論者や反対者や擁護者が誰か現れたのだろうか?

 もし我々が再度、OBOR(一帯一路)に対して浴びせられた批判から始めるとすれば、シンクタンクが作成し、2019年1月30日に日本の防衛研究所が公表した年次報告書「中国安全保障レポート」が、まず我々の注意を引きつける。それはやはり、プロジェクトの現在と未来の費用や問題や、世界秩序に対する構想の悪影響に焦点を当てている。概して言えば、報告書は使い古された同じ問題を論じ、例として同じ不満、つまり「借金地獄」や南東アジアや南アジアや他の地域の国で、OBORに対し増大している不信が脅威として使われている。文書はマレーシアやパキスタンやスリランカに言及しているが、ラオス、モルディブ諸島、ミャンマー、モンゴル、ジブチや他の国々も挙げてリストを続けるのが合理的だろう。これらの国々は(ワシントンDCの)Center for Global Development「世界開発センター」が公表した2018年報告によれば(中国からの)負債が高い危険範囲にある。

 アメリカにならって、日本は厳しいOBORの批判を公式に発表した。だが2014年、特に2018年から、アメリカとの「貿易戦争」から生じる変化から、中華人民共和国が益々多くの圧力を経験する中、東京と北京間(政治分野ではさほどではないが、経済や投資や融資分野)の関係が改善し始めた。この環境で、日本政府は中国と競争し、OBOR提出議案を批判し続ける一方、2017年のインド構想、すなわちアジア-アフリカ成長回廊を支持した。提案された構想は、北京の真珠の首飾り戦と、21世紀の海のシルクロード(MSR)戦略への本格的な挑戦と見なされた。日本はOBORに代わる選択肢である「質が高いインフラ」計画の枠組みとして、積極的にこの構想を促進していた。2018年11月、日本とアメリカとオーストラリアはアジアに対する三国間インフラ投資提携協定に署名した。

 他方、雪解けによる中国と日本の関係で、安倍晋三首相は、彼のアベノミクス計画の一環として、中国との協力が有益なことに気がついた。だが最初に、彼は、このような協力のために私企業や国家が支援する銀行に許可を与えていた。OBORの枠組み内のものを含め、利益あるプロジェクトの一部になろうと日本企業が努力することで、北京との関係の雪解けを容易にした。加えて、東京と北京は、共同で第三国のインフラ計画の資金調達をする仕組みを開始した。そうすることで、日本は中国プロジェクトの品質基準を向上させることを狙っている。二国間の協力とライバル関係のいくつかの例として、タイの三つの主要空港と、インドネシアで(中国が建設した)ジャカルタ-バンドン鉄道をスラバヤに延伸する日本のプロジェクトがある。この協力がどの方向に向かっているか言うのは困難だが、2019年5月、スリランカでの中国プロジェクトは深刻な障害に遭遇した。

 スリランカ政府は、2013年末、OBOR構想に「誘惑された」最初の国の一つだった。中国は島の南にハンバントタ港を作り、経費14億ドルの81%の資金調達をした。港町はシンガポールとドバイ間のかなり大きな積み替えハブになるよう意図されていたが、それに対する要求は極めて過大に見積もられていた。年間60,000隻の船が、必要なコンテナ輸送能力と基本装置が欠如しているハンバントタ港を通り過ぎて、インド洋を横切って航行している。スリランカは建設に使われた巨大な融資を返済することができず、負債の大きさを減らすのと引き換えに、港を99年リースで中国に委ねることを強いられた。加えて、中華人民共和国は、マッタラに年百万人の乗客を扱う収容能力の巨大空港建設資金調達(2億ドル)を支援した。だが実際は、それはほとんど使われず(世界で最も空っぽの空港の一つだ)、現在ターミナルの大半が米の貯蔵に使われている。結局、これらのプロジェクトは両方ともOBOR戦略の目に余る失敗の例となった。

 似たような性質の困難な状態が、裕福な観光客のための天国モルディブ共和国で生じた。当時のモルディブ大統領アブドゥラ・ヤミーンは、二つの大きな島をつなぐ二キロの中国モルディブ友好橋建設のような、財政的に必ずしも健全というわけではなかったプロジェクトのために(しばしば高金利で)中国から資金を借り入れた。主要空港への新鉄道、先にインドが提言していた構想より三倍も費用がかかった病院や他の多くのもの。結局、モルディブ共和国は種々のOBORプロジェクトの結果(国のGDPの20%に等しい)負債の山を築いた。中国支持派のアブドゥラ・ヤミーン大統領が2018年11月、再選に失敗した後、イブラヒム・アミール財務大臣が、インドに、二億ドルの融資を求め、皆で国の「インド・ファースト」政策を支持し、中国の「無理強い」策略を終わらせるよう促した。

 パキスタンのある地域で行われていた略奪的貸し付けの慣行にいら立った軍人が、2018年11月、カラチの中国領事館を攻撃し、7人を殺害した。

 しかしながら、アジアは緊急なインフラ開発プロジェクトが必要だ。アジア開発銀行(ADB)は、天文学的な金額の26兆ドルが、今後10年、アジアでの道路と高速鉄道の建設のために必要とされると推計している。ドイツのマーシャルファンドのアジア・プログラム欧米関係上級研究員アンドリュー・スモールは、OBORの進展評価として、構想は設立後最初の5年間、将来的には実行可能でない、実施の速度と規模だけに焦点を当てたと結論した。中国幹部の何人かは(静かに匿名で)実施時の、いくつかの建設計画の低品質や、厳しい融資条件や、これらが、中国の世界的立場や評判にもたらす損害の話をし始めた。

 この全てが中華人民共和国が提案する一部のプロジェクトに対し、批判や疑念を表明する一層厳しい意見があるだろうことを示唆している。これが、2019年の第2回OBORフォーラムで、北京に異例な処置をとるよう駆り立てたのだ。フォーラム初日の演説で、習近平主席が(おそらく完全に心からではなく)若干の間違いがなされ、将来は、プロジェクト実行に際して、より透明な手段が求められなければならず、いかなる汚職に対してもより厳しくすべきことを認めた。確かに、彼の演説のこの部分は、世界的なOBOR手法に大きい広がる批判に対する彼の答えだった。

 インフラ開発計画に対し、融資や投資を速く受けようとする、最初の(そう言って良いだろう)炯眼からは程遠い取り組みや実施にまつわる折々の苦い経験から、とりわけ裕福ではないアジア諸国の政府は、北京の申し出を選ぶかどうか選択をする際に、一層用心深くなり、より多くの可能な選択肢を捜し始めた。それ故、中国当局は、様々な契約条件や品質基準の再検討やコスト削減に、進んで焦点をあてるように強いられた。しかも彼らは、より透明な手法を使うライバルに、最近はより頻繁に出会うのだ。

 結果的に、ライバルのインドと日本と、現地当局が、スリランカに、より多くの船と商業利益をもたらすべく、コロンボ港に新ターミナルを建設することに関し、2019年6月、覚書(MoU)署名を計画するにつれ、北京にとってスリランカでの条件は悪化した。インドと日本は「手早く簡単な」長期融資で、かなり合理的な(中国と対照的な)条件を申し出るはずだ。スリランカは、プロジェクトで51%を出資し、パートナーは共同で49%を出資する。多くの観察者が、中国の構想に代わる選択肢である三国間連携協定は、中華人民共和国に対するかなりの打撃だと直ぐさま表現した。インドや日本や他の多くの国々は、異なる投資方法、より高い品質基準、透明性と正当な契約条件により、21世紀のMSRに沿って積極的に地歩を築こうとしている。これは、ライバルをただ批判するだけでなく、ライバルを凌ぐという手法の一例だ。

 アメリカは、その権益のために行動する際に、似たような手法を使った。去年11月、ワシントンは、600億ドルの予算で融資を提供する新たな政府の開発金融機関を作る予定だと発表した。この政府機関は既にパプアニューギニア(新貸し付けプランを使って行われる最初の融資になるだろう)に送電網を作る17億ドルの計画の資金調達をすると誓った。それでも、2027年までに、1.3兆ドルの予算というOBORには、アメリカの構想が及びもつかないことを認めずにいるのは不可能だ。

 OBORにとって、この構想と関連した良い結果やリスクからほど遠いものの中に、今のところ、世界的規模ではさほど注目を受けていない、更にもう一つ否定的な局面がある。政治分野だ。より頻繁に、より厳しい批判の対象となった中国は、アジアやアフリカ各地の選挙過程と、その結果についての情報を集め始めた。目的は、これらの要因が一部のOBORプロジェクトが成功するか失敗するかどうかを決定するかもしれないので、高い地位を目指す現地候補者が、負債や他のOBORに関連するリスクに対する大衆の懸念や、中国の全体的な政策のような話題を、選挙運動で、どのように使うか研究することと、これらの国々の反中国ムードや親中国ムードの度合いを測るることだ。中国と彼らの過度に親密なつながりゆえ、これらの国々の選挙中、重要な問題に関し激しい討論や戦いがあるかもしれないので、インドネシア、ケニア、ザンビアやタイが、この文脈で言及されている。

 OBORについて、北京が批判を避けるのは不可能だが(このような規模のどんなプロジェクトでも問題や支出が生じるだろう)2019年4月の時点で、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、オセアニア、中南米の126の国と29の国際組織が構想に参加している。これは進歩しており、あらゆる障害にもかかわらず進展していることを意味する。

 しかし当然、いくつか疑問が生ずる。中国政府は前進するにつれて、過去の過ちや失敗を考慮に入れたのだろうか? 構想の新しい支援者や中傷者はいるのだろうか? OBORに参加する最初の西ヨーロッパの国になる決定でイタリアはどんな権益を追求するのだろう? これに対するアメリカとEUの反応はどうだろう? 他のヨーロッパ諸国も後に続くだろうか? 韓国やアフリカのいくつかの国は、OBORに参加を決めるのだろうか?

 これらの問いの答えは、必ず出るだろう。

 ニーナ・レベデワは歴史学修士、ロシア科学アカデミー東洋研究所インド研究センター主任研究員。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/06/09/what-direction-is-china-s-initiative-one-belt-one-road-moving-in-and-how-is-it-progressing/

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 植草一秀の『知られざる真実』
 官邸ポリス発闇営業ネタ電波ジャックにご用心

 “日本メディア 独立性に懸念” 国連特別報告者 日本は反論

国連の特別報告者でアメリカ・カリフォルニア大学教授のデービッド・ケイ氏は26日、スイスのジュネーブで開かれている国連人権理事会に出席し、日本のメディアの独立性に懸念を示す報告書を提出しました。

 IWJにも、デイビッド・ケイ氏に関連したものがある。

「報道機関は政府の影響下ではなく、独立した無党派でなければならない」〜国連特別報告者デイビッド・ケイ氏が来日!「会社に忠誠を誓い、ジャーナリスト同士の連帯はない」と懸念! 2017.6.2

 

 

2019年6月25日 (火)

ボルトンはイスラエルで対イラン・アメリカ攻撃を引き起こす方法をネタニヤフと相談中

2019年6月23日
Paul Craig Roberts

 6月22日に掲載したように( https://www.paulcraigroberts.org/2019/06/22/as-we-face-armageddon-the-western-world-is-leaderless/  日本語訳はこちら)、ネタニヤフの代理人として、ワシントンがイランを攻撃する危険に世界は依然、直面している。イスラエル代理人ジョン・ボルトンは既にイスラエルにおり、ネタニヤフと相談している。イラン攻撃で面子を立てるようトランプに強いる一層重大な偽旗攻撃が計画されているのは間違いない。https://www.rt.com/news/462505-bolton-army-ready-action/

 もしイスラエルとその手先のアメリカ・ネオコンが中東に火をつけるのに成功すれば、それはロシアと中国指導体制の落ち度でもある。ロシアと中国はイランとのNATO風連合を発表し、イランに軍隊を派兵し、もし戦争が起きれば、イスラエルが最初になることを犯罪人ネタニヤフに知らせることで、状況を安定させられるはずだ。

 イランを守って世界を救うのは、ロシアと中国の責任ではないという主張を私は知っている。この見解の問題点は、もし戦争が起きれば、ロシア、中国いずれもその結果から逃れられないことだ。戦争に対応しなければならない事態に直面させられるより、両国政府が一体となって先を見越した措置をとるほうが遥かに賢明だろう。

 アメリカ議会はずっと前に、現在、ボルトンとネタニヤフの手中にある戦争権限を放棄することで、責任を回避することに決めている。ヨーロッパ政治家はワシントンの何も考えない傀儡だ。世界の指導力にとって唯一の可能性はロシアと中国の政府にある。両者とも、彼らの無為が命取りの行動様式であることを理解すべきだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/06/23/bolton-is-in-israel-confering-with-netanyahu-how-to-provoke-us-attack-on-iran/

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 うっかり夜のニュースを見て元女優のすさまじい発言を聞かされた。どちらが愚か者で恥を知るべきなのだろう。

『政権交代から6年余り。民主党政権の負の遺産のしりぬぐいをしてきた安倍総理に、感謝こそすれ、問責決議案を提出するなど、まったくの常識はずれ、愚か者の所業とのそしりは免れません!野党の皆さん、もう一度改めて申し上げます。恥を知りなさい。』

 植草一秀の『知られざる真実』
 まだ残存する消費税増税延期・衆参ダブル選可能性

 そして、日刊IWJニュースのインタビュー、この記事とつながっているテーマ!

日刊IWJガイド「シオニズムの起源とは!? ヨーロッパ・キリスト教国民国家の『建国』が生んだ『他者』~岩上安身による『近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム』著者・パレスチナの平和を考える会事務局長 役重善洋氏インタビューを冒頭以降は会員限定で配信します!」 2019.6.25日号~No.2476号~(2019.6.25 8時00分)

2019年6月21日 (金)

イランの長いゲーム:アメリカとの対立が迫る中、ロシアと中国への依存を避ける

アメリカを寄せつけないため4つの措置を勧めるアヤトラ・ハメネイ

Elijah J. Magnier
2019年6月14日
Russian Insider

 イラン指導部秘密会議で、セイイェド・アリ・ハメネイ革命代表が、アメリカ制裁とアメリカの恫喝に対抗する4段階計画を勧めた。

 セイイェド・アリ・ハメネイが示唆した最初の措置は、イランが資源を開発し、今後数年間で、輸入品を最低水準に減らすことだ。イラン輸入は年に400億から650億ドルまで変動する(2010年は516億ドルだったが、2017年、イラン輸入は654億ドルに達した)。これらの輸入は、主に機械、コンピュータや電話装置、薬や医療機器、電気機械、麦、穀物やトウモロコシ、米と大豆、輸送車両、鉄や圧延平鋼や有機化学薬品だ。アラブ首長国連邦と中国は、韓国、トルコとドイツとともに、イランの主な輸入パートナーだ。イランへのEU輸出は、年間約100億ドルだ。

 2018年4月テヘランでのイラン・イスラム共和国軍創設記念日に出席したロウハニ大統領

 2つ目の勧告は、忠実な確固とした友人はいないという前提で、イランが振る舞うことだ。革命指導者は、国々との関係は、戦略というより、むしろ相互利益に基づくべきであることを示した。イランは孤立することなく、その存在と連続性を守る能力を当てにすべきだ。国々は共通の恩恵や権益のため、イランを支持するかもしれないが、このような同盟は当然のものと考えるより、状況や機会に結びついていると考えるべきなのだ。

 3つ目の勧告は、改革派(メフディー・キャッルービー、ミール・ホセイン・ムーサビー、ザフラー・ラフサンジャーニ)を含め全ての政党に対する国内圧力を和らげることだ。イラン指導部は、ドナルド・トランプが再選された場合、更に5年続くかもしれない重要な時期に、国の結束が最重要だと考えている。更に、イランはアメリカ制裁に対して統一見解をとっている。ハッサン・ロウハニ大統領やジャヴァード・ザリーフ外務大臣のような穏健主義者がイラン革命防衛隊のものに類似した強硬姿勢をとっている。

 最高指導者、大アーヤトッラー、アリ・ハメネイの4番目の勧告は、イランが将来、石油輸出収入への依存を大幅に減らすことだ。イランの年間原油輸出は、世界市場占有率の4.3%に相当し、210億ドルから270億ドルだ。イラン指導者は、イランが、主に、とはいえ周辺諸国だけに限らず、輸出できる他の国産品を増やし、多様化するよう提案した。この措置は、トランプ政権下のみならず、以前のアメリカ各政権下で「イスラム革命」(1979)以来、終始実施されてきたイラン・エネルギー輸出に対するアメリカ制裁の効果を緩和することを意図している。

 アメリカは、本気でイランを酷く弱めるのを狙ってはおらず、むしろ、イランを敵と見なしている中東のアメリカ同盟諸国への兵器売り上げを増やすため、テヘランの増大する軍事力を、売り込み文句として利用しているとイラン指導部は考えている。

 二つの主要な戦略的通商、軍事パートナーとして、中国とロシアと、イランが完全に同盟するのをアメリカは嬉しく思わないうれだろうとも考えられている。アメリカは、それより、市場と外交関係で、シェアを得るため、イランとの包括的合意を求めるだろう。

 テヘランが交渉テーブルについて、シリアでのイランのプレゼンスや、他の中東の国々(すなわち、アフガニスタン、イラク、レバノンとイエメン)への影響力の問題に取り組む、というアメリカの要請受け入れに、イラン指導部が最終的に同意するのは疑いがない。だがトランプが制裁を解除し、核合意を認めるまでは何も起き得ない。

 だが、イランは、選挙が理由で、トランプが決定から引き下がれないのを知っている。アメリカ大統領は木に登ったものの降りる方法がわからないのだ。イランが現在3000万立方フィート以上のガスをイラクに売っていることに対してしているのと同じように、もしイランが毎日200万バレルの石油を売るのを、彼が見てみないふりをすれば、イランはトランプに手を貸すことができる。イランのリーダーは鄧小平の格言に従っている。「白い猫でも黒い猫でもねずみを取る猫がいい猫だ」。もしトランプがそれも認めないなら、イランはトランプが2020年に二期目を勝ち取るのを支援せず、代わりに彼の落選に貢献するだろう。

 現在のレベルの緊張を交渉して、緩和するというイランの意志にもかかわらず、それには譲れない一線があるように思われる。ミサイル能力を発展させ続ける能力と、レバノン、シリア、イラク、イエメンとアフガニスタンでパートナーを支援する義務だ。

 二隻のタンカーが6月13日、オマーン湾で被弾した。予想通りアメリカはイランを非難している。

 7月7日で、60日間の警告期間は終わり、イランは既に次第に核合意から次第に離脱する準備をしている。これまでのところ、ヨーロッパは介入して、アメリカ覇権と制裁に立ち向かう用意はないように思われる。旧大陸の指導者たちが、イランとの100億ドルに相当する商取引と引き換えに、アメリカの反感を買う決断をするのはありそうにない。だが問題には金融より多くのものが絡んでいる。アメリカと異なり、法律規範や司法の遵守を明言している欧州諸国が自身が作り出し、彼らの指導者が署名した国際協定を侮辱し、無効にするのは前例がない。さらに、アメリカ制裁に直面して、ヨーロッパ・イラン間貿易を容易にするためのヨーロッパの貿易取引支援機関(INSTEX)は実施されていない。ヨーロッパの責任の欠如にイランは不満を表明した。

 天野之弥国際原子力機関 ( IAEA) 事務局長は、イランが濃縮ウランの生産量を増やしていると発表し、イランは同意した。アメリカ制裁が、イランに遠心分離機(輸出権が欠如しているため)を蓄積するように仕向けている。イランは、それをIR1からIR6にアップグレードしており、「IR8カスケード」にすると脅している。アメリカは核合意に無関心だと主張し、他の署名国を不快にさせながら一方的に離脱し、中東に軍事的緊張を引き起こしたにもかかわらず、駐ウィーン・アメリカ大使ジャッキー・ウォルコットは「合意に違反し、我々全てに大きな懸念をもたらした」とイランをあつかましく非難した。

 戦争はありそうもないように思えるが、全てが中東の夏が暑いだろうことを示している。高いままでいるために期待される、どちら側も、身を引いて、緊張を緩和しようとしないので、アメリカとイランの間のアームレスリングは大きな課題であり続ける可能性が高い。7月7日はそう遠くはなく、更に驚くようなことが起きるのは確実だ。イランが主導権を持っており、トランプとネオコン連中は次のステップを待つことができるだけだ。

記事原文のurl:https://russia-insider.com/en/politics/iranian-long-game-avoid-dependence-russia-china-conflict-us-looms/ri27254

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 書店で本をみるたびに誰が買うのかと不思議に思う有名人がいる。一方まともな方々は次々大本営広報部から消える。

日刊IWJガイド「『老後資金2000万円必要』問題はじめ安倍晋三政権の問題を果敢に批判してきたTBSの番組『上田晋也のサタデージャーナル』が参院選直前に終了へ! 番組MCの上田晋也氏とは対照的に、堀江貴文氏は『年金デモ』参加者を『税金泥棒』と罵倒! 岩上安身が堀江氏のツイートを猛批判すると、続々と賛同の声が上がる!」 2019.6.21日号~No.2472号~(2019.6.21 8時00分)

 昨日のインタビュー、超長時間。お説の通りと思うのだが、そういう言説が大本営広報部では決して聞けない不思議。

<昨日の岩上安身によるインタビュー>米国の対中国・イラン強硬姿勢に追従したら日本の外交と経済は崩壊!? 米国は開戦の口実に嘘の発表ばかりしてきた!? 岩上安身による軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏インタビュー

2019年6月18日 (火)

グワーダルとチャーバハールの地政学港湾政治

2019年6月8日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 木曜日(5月23日)、大いに驚くべき動きで、イラン外務大臣は、予定外の発表されていなかったパキスタン訪問で、パキスタンのグワーダル港とイランのチャーバハール港とを結ぶ提案を発表した。この発表はアメリカとイラン間で緊張が高まる中、地域で地政学の構造的転換が起きていることを示している。アメリカは既に、南アジアにおけるアメリカ最高の同盟国インドに、彼らが最近戦略的提携に入ったと主張する国イランからの石油輸入をやめるよう強いるのに成功した。アメリカは何らかの理由で、制裁対象からチャーバハールを除外したが、アメリカに従うインドの決定は、イラン経済に壊滅的打撃を与え、イランを大規模政治的崩壊と、終局的に政権交代へと追いやるアメリカ政策への参加を意味している。明らかに、イランがインドの決定の帰結的意味に無頓着なはずはない。

 アメリカ制裁がこの港には適用されないにもかかわらず、チャーバハールをグワーダルと結ぶというイランの提案は、インドに裏切られたというテヘランで広まっている強い思いと、孤立化を避けるための対抗策を示している。イランは明らかに、港の残った建設に対して、平和的で制裁の無いシナリオ時にそうだったほど、インドが堅固に献身的だとは期待していない。イランは十分論理的に、既に深く中国と同盟し、地域の接続性を増やすためイランに中国・パキスタン経済回廊を拡大することを目指す隣国との絆を強化している。チャーバハールとグワーダルがつながれば、イランは地域の二つの主要国、つまりパキスタンと中国を味方にでき、中国の拡張地域の接続性プログラムで今以上に良い立場に立つだろう。ザリーフの接続性提案自体が全てを物語っている。彼の言葉を引用しよう。

 「我々はチャーバハールとグワーダルがお互いを補完できると信じている。我々はチャーバハールとグワーダルを結び、それを通して、グワーダルを我々の全部の鉄道システムに、トルクメニスタンとカザフスタンを通して、イランから北廊下に、アゼルバイジャンを通して、ロシアやトルコにまで接続することができる。」

 アメリカ-イランの緊張に関しては、インドと異なり、既にパキスタンは対立の一方に加担しないと言っている。進行中のシナリオでは、パキスタンの中立は、もし本当にそうするなら、アメリカにとってより、テヘランにとって、遥かに有り難い。

 二つの港を結ぶというテヘランの提案が、事実上パキスタンで港を運営している中国と事前協議済みであることは否定しようがない。だから、パキスタン訪問前に、ザリーフは中国で、中国外務大臣と会って、確実にこの提案を論じて、チャーバハールを通して、中国外務大臣に一帯一路構想(BRI)の共同構築に積極的に参加する「イラン大歓迎」させたのだ。

 中国はイランに対する支持も再確認した。「中国は、アメリカがイランに課している一方的制裁と、いわゆる「ロング・アーム管轄権」に反対する」と王外相は、包括的共同作業計画を支持し、国際連合の権限と国際関係を統括する基本規範を守ると誓った。

 中国の主要政策支持表明は、数日前に、アメリカ制裁を無視し、事実上、アメリカ一極主義に挑戦して、中国石油タンカー「パシフィック・ブラボー」がイラン軽質原油200万バレルを積載してペルシャ湾を出発し後のことだった。

 「パシフィック・ブラボー」は中国国営石油会社CNPCが所有する金融機関崑崙銀行が所有している。長期間、崑崙銀行は、中国-イランの二国間貿易の中心にある金融機関だった。その役割から、オバマ政権時に制裁対象にされた。既に指名されていたにもかかわらず、崑崙銀行は、石油禁輸が復活した際、5月初旬にイラン関連の活動を終えていた。だがブラーボの現在の動きは中国の政策変更を示している。重要なのは、(グワーダルとチャーバハールを結ぶことで)イランのBRI参加を論じるザリーフが北京に到着し、中国外務大臣に会ったのと同じ日に、ブラボーがペルシャ湾から出航したことだ。

 今イランがこの基本的転換をする中で、明らかなのは、イランの本格的外国政策転換は、イラン指導部が、アメリカと彼らの関係は、長期間、良い方向に向かう可能性がありそうにないので、しかるべき外交政策修正が絶対必要だという了解に到達して起きたということだ。実際、イラン最高指導者がイラン外交政策を批判し、外交政策の路線を変えることがなぜ最重要かについて示唆したのはわずか数日前のことだ。

 もちろん主要な表明は、BRI参加により、パキスタンとイランの関係の方向転換だ。アメリカ制裁はイランの港には適用されないのだから、パキスタンは、グワーダルをチャーバハールと接続することに対するアメリカの反応について、ほとんど心配していないだろう。2つの港の結びつきが無事成功した暁には、この港の地政学的重要性が大きな変化を遂げ、中国が大きな役割を果たすようになるという事実で、最終的には、制裁をこの港に適用すべく「強制される」ことを、アメリカは感じるかもしれない。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題の専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/06/08/the-geo-port-politics-of-gwadar-and-chabahar/

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 各局の報道を一日中見て時間計算をしているわけではないが、警官襲撃事件に当てられる時間、長すぎように思える。どの局も同じ警察発表を繰り返すばかり。政府が悪法を通す時や、政府の悪行がばれた際、大本営広報部は、全く別の話題に途方もなく長い時間を割り当てるのは、おきまりのパターン。さすがに、夜には各党代表による年金問題の討論番組もあった。

日刊IWJガイド「『2000万円も用意できない!』『42年働いてもやっと食べていける年金しかない !』IWJ記者のマイクに『年金返せデモ』参加者から届けられた怒りの声! 生保会社のアンケートでは1959年生まれ、現在60歳の4人に1人は貯蓄100万円未満!?」 2019.6.18日号~No.2469号~(2019.6.18 8時00分)

 6月20日には急遽、軍事ジャーナリスト田岡俊次氏のインタビューが決定!とあるのは、F-35問題が話題なのだろうか?オマーン湾タンカー攻撃が話題なのだろうか?

 

 

2019年6月14日 (金)

ファーウェイに対するアメリカの戦争は技術主権に対する戦争

2019年6月4日
Ulson Gunnar
New Eastern Outlook

 中国の巨大通信機器メーカー、ファーウェイと互角に競争することができないので、代わりに、アメリカという国と、国内海外の政策に影響力がある企業は、チップ製造や携帯電話のオペレーティング・システムを含めた多くの独占商品を、ファーウェイへの供給を停止することに決めた。

 だがファーウェイが既に、かなりアメリカの技術独占の地位を奪う途上にある時点で、アメリカは、この措置をとったのだ。アメリカの措置は、ファーウェイ(や多くの他の企業や国)を、更に現在のアメリカ技術独占に対する代替物を作り、アメリカ支配から永続的な技術的な主権を確立しようと努めるように刺激する可能性がある。

 競争相手の力を奪うをため、アメリカはウソの口実を引き合いに出している。

 アメリカ商務省は、こう主張している

ファーウェイは、アメリカの国家安全保障や外交政策の利益に相反する活動に携わっている。この情報は、国際非常時経済権限法(IEEPA)違反とされていること、禁止された金融サービスをイランに提供することで、IEEPAに違反する共謀と、アメリカ制裁違反とされていることの捜査に関連した司法妨害を含め、ファーウェイの法務省の公開優先起訴状で主張された活動を含める。

 (大半のアメリカの主張がそうであるように)証拠はないが、ファーウェイに「アメリカ技術の販売あるいは移転」を禁止するアメリカの施策は、それでも、自由で公正な国際マーケットでファーウェイと競争できないアメリカ・ハイテク企業を偶然にも後押しするものだ。

 「ファーウェイはグーグルとマイクロソフトと、フェアプレーをしたいと望んでいるが、「奥の手」を用意できている」という記事で、フォーチュンは、この禁止令がファーウェイに対して意味することを更に詳しく述べている。

 マイクロソフトはファーウェイ・ラップトップをオンラインストアから外し、他方クアルコム、インテル、エヌビディア、ラティスやARMを含め、チップ製造業者はファーウェイの流れ作業ラインへの供給を止める用意ができている。

 報道によれば、グーグルもファーウェイへのアンドロイド携帯電話オペレーティング・システムを停止する準備をしている。アンドロイドとアップルのiOSは、いずれもアメリカが本拠で、現在市場を支配しており、いずれかを利用できなければ、ファーウェイは本格的な難題に直面し、アメリカ・ハイテク企業が追いつく機会を与えるだろう。これは、どんなあいまいな「安全保障上の脅威」よりも、アメリカ商務省の動機を説明する。

 無意味な戦いのさなかの自ら招いた傷

 ファーウェイを標的にするアメリカ禁止令は関係するアメリカ企業に痛みをもたらすだろう。ファーウェイは、スマートフォン市場でサムソンのすぐ次で、現在二位を占めている。ファーウェイからアメリカ製部品を奪えば、少なくとも短期的には、アメリカ企業から関連利益を奪うだろう。もし穴が開いた場合、ファーウェイの後に残された穴を、どの他企業がすぐに埋めるのか予測するのは困難だ。もしアメリカ企業がアメリカ企業やアメリカに友好的な国々や各国通信業界が穴埋めするのを当てにしているなら的外れだ。

 もしファーウェイが中国政府と親密につながっているという、アメリカによる非難が本当なら、ファーウェイには、マイクロソフトやアメリカの集積回路設計やグーグルのアンドロイド・オペレーティング・システムに対する代替策を展開するのに必要な支援や資源や推進力を持っているのは明確だ。長期的に、アメリカ企業が、今度は、彼ら自身、スマートフォンに関してだけではなく、スマートフォンの中身や、それ以外の全てに関して、新たに起こる競争に直面するのに気がつくことになる可能性がある。

 「ファーウェイはアメリカ部品なしで電話を作れるだろうか?」や「アンドロイドやWindows使用を禁止された場合に備え、ファーウェイは自身のオペレーティング・システムを開発した」のような記事が、ファーウェイが既に持っていて自由に使える全ての選択肢や、アメリカ禁止令を緩和できる将来のあり得る選択肢に関し詳細に書いている。

 悪意をもって競争相手を標的にし、排除することを目指すアメリカの禁止令は、長い目で見れば、これらの競争相手を一層強くするだろう。中国ハイテク企業を狙ったアメリカの禁止令は、他の産業や他の国々の企業に、何であれ、アメリカに依存するという考えをちゅうちょするだろう。これはアメリカ商務省やアメリカ企業が行う他の予想できない動きに備える防衛策の世界的動きの始まりかもしれない。

 それは、より大きな世界的技術主権に向かう動きの始まりなのかもしれない。

 技術主権

 国の経済と安全保障にとって、技術は非常に重要だが、製造業者と使用で、外国企業に依存するのは、無謀で無責任なことに思われる。

 この認識が、多くの国に、自国の選択肢を強化し、外国企業への技術インフラ依存を減らすよう促した。

 たとえば、ロシアには、オーロラと呼ばれるロシア国産の携帯電話オペレーティング・システムがある。ロシアは、ロシア国内で完全に自立して動くことが可能なインターネットを構築する法律を通過させた。ロシアは、グーグルに代わるヤンデックスと言う自前の選択肢も、アメリカに本拠があるFacebookに代わる選択肢として、自前のソーシャル・メディア・ネットワークVKもある。

 ロシア人ジャーナリストのドミトリー・キセリョーフ(ビデオ)は、自国技術を開発し、導入する国の能力を、トイレの外、あるいは中に、電灯のスイッチをつけることに例えている。トイレの外にあれば、誰でも、悪意を含め、どのような理由であれ、中の人を無力なまま暗やみに放置して電灯のスイッチを切ることができる。電灯のスイッチがトイレ内にあれば、中にいる人は思い通りにできる。

 この要点が、まさしく技術主権の核心だ。

 ロシアの動きは、自国領土や防衛産業を扱うのと同じぐらいの本気度で自国の情報スペースと技術能力を扱う傾向の例証だ。

 アメリカの措置はハイテク技術の世界的リーダーとしての中国の勃興を一時的に遅らせるだけの可能性が高いが、中国と中国企業にとって、この過程は本格化している。それどころか、それは中国の技術的優位性が、より完璧で、アメリカへの依存も低下させる道をお膳立てするのを助ける可能性が極めて高い。

 アメリカは、その技術を、世界的規模で使われる技術を、アメリカの影響力を確保することや、建設的で永続的な提携を構築する手段として使う機会があるのに、そうではなくの、その優位を強要の手段として使おうとしているのだ。

 アメリカが中国に対し「トイレの電灯を消した」のは、アメリカの悪意の標的になりかねない世界中の全員にとっても警告だ。中国を禁止するアメリカ禁止令に協力する国々は、アメリカが将来他のどの国にでも標的を定めるのをより容易にするにすぎない。なぜなら、技術は極めて重要だが、アメリカが誰にも邪魔されずに、このような力を行使し続けるの放置しておく余裕がある大きな国も小さな国もないのだから。

 ファーウェイに対するアメリカの戦争は、技術主権に対する、より広範なアメリカ戦争の火蓋を切る一斉射撃なのだ。それは世界が勝利しなければならない戦争であり、現在のアメリカ一極の国際秩序に対し、多極主義を確立するための重要な構成要素だ。

 Ulson Gunnarはニューヨークを本拠とする地政学評論家、ライター。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/06/04/us-war-on-huawei-is-a-war-on-tech-sovereignty/

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 初めてのお使いにあわせて、日本の船舶が被弾するという何とも好都合なお話。宗主国、理不尽な戦争を仕掛けるときに、船舶が攻撃されたという自演をくりかえしてきたのを連想する。「メイン号を忘れるな

日刊IWJガイド「岩上安身からのお知らせです。6月30日開催の『IWJファンドレイジングシンポジウム・2019 改憲か否か!? 運命の夏』が近づいてまいりました。あと8名様で満席となりますので、参加ご希望の方はぜひお早めにお申し込みください! 今期1000万円超の赤字の危機にあるIWJを、どうかご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます! 」 2019.6.14日号~No.2465号~(2019.6.14 8時00分)

 昨日のインタビュー、「死んだふり解散」再来?かと気になった。連中のウソの実績からみてありえなくはないだろう。

<昨日の岩上安身によるインタビュー>逢坂誠二議員が「衆参ダブルの芽は消えていない」と警戒! 与党は予算委員会開催を拒否し続けて選挙の争点を隠し、ダブル選となだれ込むのか!? 岩上安身による立憲民主党・衆院予算委員会野党筆頭理事・逢坂誠二衆院議員インタビュー

 今日のインタビューも興味深い。

<本日のインタビュー配信>本日午後8時より、「帝国日本で生まれ、ナチス・ドイツで人間の兵器化に用いられた覚醒剤! ヒトラーも薬物に溺れていた! 『ヒトラーとドラッグ――第三帝国における薬物依存』~岩上安身によるジャーナリスト ノーマン・オーラー氏インタビュー」を冒頭以降は会員限定で配信します。録画ですが、初公開のインタビューです!

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