人をだますのは露骨なプロパガンダではない
2023年7月19日
ケイトリン・ジョンストン
今私がTwitterで気に入ってフォローしているのは反帝国主義活動家が運営しているLeft I on the Newsというアカウントだ。
最近彼が取り上げた記事の一つは「ウクライナ南部でロシアが無人機とミサイルを発射」と題するニューヨーク・タイムズ記事で「火曜日早朝、ロシア軍は黒海からウクライナ南部の都市に無人機とミサイルを発射したとウクライナ当局者は述べた。」という文句で始まっている。
この文に何か面白いものを見つけられるだろうか? 一見それほど明白ではない。
「ロシアを非常に邪悪に見えるようにするために、NYTがこの小見出しをどう表現しているかご覧願いたい」とLeft Iは記事のスクリーンショットを載せてTweetした。「キーウがケルチ橋を攻撃した翌日ではなく、それをロシアが非難した翌日だ(まるでそれが単なる的外れの非難であるかのように)。留意願いたい。最も効果的なプロパガンダは最も微妙なのだ。
Look how the NYT phrases this subhead to make Russia sound extra evil. Not “a day after Kyiv attacked the Kerch Bridge”, but a day after Russia blamed them for doing it (as if it’s just some wild accusation). Remember — the most effective propaganda is the subtlest. pic.twitter.com/P8EO0Qnz6I
— Left I on the News (@leftiblog) July 18, 2023
「最も効果的なプロパガンダは最も微妙だ」は本当に真実なので覚えておくべき言葉だ。
あたかも、この橋をボリビアやネパールからの攻撃を受けやすい状態にモスクワがおき続けるべきであるかのように、ロシアによる野蛮な非難として、これを描こうとするのは確かにばかげている。攻撃したとウクライナ当局が公式に認めているとCNNは報じており、ほんの数日前、ウクライナ国防副大臣は、ウクライナが昨年全く同じ橋への攻撃の背後にいたのを公に認めた。ウクライナを支持している人々を含めウクライナが攻撃の背後にいたのを疑う真面目な人はいない。
しかし、この微妙な操作は最初見た時には余り目立たない。
以前論じたように、これら認識の微調整が、欧米人が日々ニュースを通じて摂取するプロパガンダの大多数を占めている。これは、本当に露骨で不器用なプロパガンダは効果的ではないためだ。効果的なのは人々の批判的思考能力にチェックされず滑り込む卑劣な小さなウソだ。
In 2014, the Washington Post, vicious anti-communist propaganda machine, published the far-right’s favorite celebrity defector @YeonmiParkNK & her stories about life in North Korea.
— Manolo De Los Santos (@manolo_realengo) July 17, 2023
Millions of dollars, two book deals later, & many lies later, the stories "don't add up" pic.twitter.com/1cpLrY9qyQ
上記の例を、北朝鮮に暮らすというのはどういうことかに関する風変わりで、誇張したプロパガンダ的ウソが彼女をインターネット・ミームに変えたパク・ヨンミに対する反応と比較願いたい。彼女は非常に広く嘲笑されるようになり、2014年に彼女がアメリカに到着した後、信頼できる脱北者としての彼女を広めるのを最初に支援したワシントンポストでさえ、今や公然と彼女の信頼性を疑問視している。
これは、人々の認知的警鐘を鳴らさない場合だけプロパガンダが機能するためだ。プロパガンダが批判的思考の咽頭反射を引き起こす場合、人々の喉には押し込めない。誰かの食べ物に毒物を入れたい場合、毒の味を感じたり毒が効く前に吐いたりしない場合にのみ、そういう行為ができる。
したがって、ほとんどのプロパガンダは、パク・ヨンミの「共産主義者は非常に貧しいので、泥を食べ、電気がないので電車を降りて押さなければならない」という類のものではない。もっと微妙なのだ。アメリカ同盟諸国がアメリカの敵より同情的に報道され、非同盟政府による主張が同盟諸国政府のものより遙かに精査され、懐疑的に報道され、アメリカに中央集権した権力構造内で起こる罪は見過ごされ、帝国外の人々の罪が増幅され非難されるのは、これら微調のせいだ。
水道のマイクロプラスチックのように、これら小さな操作を我々は一生摂取しているが、それらは我々の現実トンネルに蓄積して、世界で起きていることに関する我々の認識を大幅に歪めている。
そして、それが何年にもわたる非常に多くの小さな小さなウソだった事実は、それが起きていると気がついた後、我々の世界観から全ての知覚支配を摘出するのが遙かに難しいことを意味する。それがほんの僅か大きなウソだったら、それらを認識するだけで、かなり迅速に真実へ向きを変えられるが、非常に多くの小さな操作なので、その中で皆様が育った全ての歪みや誤った仮定から完全に解放されるには何年もの地道な作業が必要だ。
しかし個人について話しているのか人類全体について話しているのかにかかわらず、前向きな変化は、何が真実か認識することによってのみもたらされるので、これは実行する価値がある。人間としての我々の仕事は、可能な限り真実に基づく現実との関係に到達することで、それは、どれほど微妙であれ、事実と作り話を選り分け、一度に一つずつウソをあばく長くつらい仕事に恐れることなく真っ向から飛び込むことを意味する。
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Democracy Now! ウクライナで並外れた役割を演じているCIA `書き起こし英文あり。
William Arkin: CIA Is Playing "Outsize Role" in Ukraine Despite Biden Pledge Not to Send U.S. Forces 34:37
植草一秀の『知られざる真実』
デモクラシータイムス
「本日午後4時から、岩上安身による国際政治学者・六辻彰二氏インタビューをフルオープンで生配信します!」
はじめに~<本日の岩上安身によるインタビュー>ロシアに対する厳しい経済制裁で、逆に自分の首を絞めることになった欧州諸国で社会不安が増大! 極右が台頭! さらに、ウクライナへ支援した膨大な量の武器が闇ルートで拡散! フランスの暴動にも使用された!?~本日午後4時から、岩上安身による国際政治学者・六辻彰二氏インタビューをフルオープンで生配信します!
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