北朝鮮・韓国

2018年11月 4日 (日)

韓国: “彼らは我々の承認無しには何もしない!”

2018年10月27日
Konstantin Asmolov
New Eastern Outlook

 2018年10月10日、韓国の康京和外務大臣は、外務省活動についての議会調査中、ソウルは、2010年5月24日、黄海での韓国巡視艇天安沈没に対して北朝鮮に課された一方的経済制裁解除の可能性を検討していると述べた。経済制裁解除は、重要な象徴的措置になり得ると彼女は述べた。

 公式説明に対しては多くの批判があったが、これら経済制裁は、コルベット艦が、北朝鮮潜水艦により魚雷攻撃されたという当時の大統領李明博による発表後に課され、当時ロシア大統領だったドミトリー・メドベージェフにより調査のため派遣されたロシア専門家の報告書はいまだ機密扱いのままだ。経済制裁は、北朝鮮との韓国貿易や経済投資を禁止し、韓国と朝鮮との通信を制限し、開城工業地区訪問を除き、北朝鮮訪問を禁じている。

 2010年5月24日に課した経済制裁解除の可能性は、何度か取り上げられている問題だが、指導部の交代や、韓国諜報機関の仕事に関する一連のスキャンダルの後の事実を考えると今や一層意味があり、この悲劇は現在実にあからさまに違った形で提示されつつある。“コルベット艦沈没は、北朝鮮による魚雷攻撃か、機雷との接触のいずれかによって起きた爆発の結果だ。”後者の説は、筆者が確認できる限り、ロシアによる事故調査の所見と辻褄が合っており、北朝鮮を、あらゆる非難から解放するものだ。

 北朝鮮と韓国間の現在の関係改善からして、この問題は注目を集めている。これが、ソウルが他のどの国とも相談せずに、課したり、解除したりできる一方的経済制裁だというのは真実だが、これらの経済制裁解除は、前例にもなり得るのだ。結局、2010年に課した制裁は、より最近課された国際経済制裁との共通点が多いのだ。

 実際小生が複数の記事で書いている通り、沈没の公式説明は、単にまとめられただけでなく、まったくのでっちあげで、ロシア専門家の結論は全く違う構図を明らかにした。コルベット艦が浅瀬に座礁し、脱出しようとしてた船のプロペラが漁網にからみ、その漁網にひっかかっていた朝鮮戦争時代の機雷と接触してしまったのだ。こうした文書に基づき、文在寅は親善の意思表示ではなく、新たな捜査の結果として経済制裁を解除することが可能で、彼の政治的ライバルによる証拠偽造を暴露するという更なる利点もある。

 この外務大臣の声明が大変な議論を引き起こしたのは驚くべきことではない、特に保守派野党議員が、両朝鮮間の軍事協定に極めて批判的な“激怒した”アメリカ国務長官との電話会話は非常に大変だったというのは本当かどうか質問した後に。この会話は日本経済新聞を含め、多数のマスコミによって報じられている。

 康京和外務大臣は、それは本当で、マイク・ポンペオは“適切な情報を知らなかったので多数の疑問”をしたと答えた。議員の一人が、韓国とアメリカは、軍事協定に関して十分事前に情報共有をしていたのかどうか質問すると、彼女は“明確に十分相談していた”と答えた。

 野党の攻撃から自分を守るため、彼女は、経済制裁解除の交渉は、まだ両国閣僚間の議論という段階には達していないと述べた。ところが、その晩、ドナルド・トランプが韓国議会での論議について発言した。ジャーナリストからの質問に答えて、アメリカ大統領は言った。“彼らは、我々の承認無しに、そうすることはない。彼らは我々の承認無しでは、何もしない。”

 ドナルド・トランプは、非核化が完了するまで“最大の圧力”をかける彼の政府政策の一環として、対北朝鮮経済制裁を支持するよう、アメリカ同盟諸国に呼びかけた。

 翌日、10月11日、韓国統一部の趙明均大臣も、ジャーナリストへの発表で、韓国政府は、2010年5月24日に課した経済制裁の解除は考えていないと述べた。二つの朝鮮間関係改善を考慮し、平壌に対する関係の大幅な柔軟性の可能性は排除しないが、経済制裁は極めて重要な手段だと述べた。

 同日、アメリカ国務省報道官が、対北朝鮮経済制裁解除には北朝鮮の非核化が必要で、それがより早く実現すれば、それだけ早く経済制裁が解除されると再度述べた。彼はソウルとワシントンは、北朝鮮に関し、単一の政策を必ず共有すべく、お互いの緊密な協力に注力するとも述べた。

 10月15日、アメリカ国務省の別の報道官が、最近韓国の文在寅大統領が、北朝鮮と韓国の間の関係改善問題は、北朝鮮の核問題解決と切り離すことはできないことを確認したと繰り返した。ソウルと平壌との間で結ばれた合意には、それゆえ経済制裁適用の可能性を排除しない。

 そのような発言は、“韓国のアメリカとの協力状態に関する恐怖”を含め、韓国国民の間で多くの懸念を巻き起こし、マスコミは“現在の状況はアメリカ政府内の誤解によるものだ”と急遽主張し、ことを静めようとした。

 だがこれは国民を安心させ損ねた。懸念の主要理由の一つは、問題の経済制裁が北朝鮮の核計画に関係して国際的に認められた経済制裁ではなく、コルベット艦沈没に関する全く一方的な経済制裁だということだ。頻繁に強固な意見を述べる国家安全保障担当特別補佐官の、国民の懸念に触れた。彼の見解では、韓国は独立国で、その決定には、いかなる外国の承認も不要なのだ。韓国とアメリカとの関係は二つの主権国家のもので、“承認”という単語の代わりに、彼は“協議と合意”と言うべきだった。もちろん、おそらくドナルド・トランプは単に衝動的なので、彼は思う通りのこと言ったのだ。

 国内の怒りの雰囲気はおいておき、益々厳格になりつつある経済制裁を見てみよう。北朝鮮とアメリカ間の交渉が行き詰まった後、北朝鮮との許可されていない取り引きに関与した他の国の組織や個人に向けられた措置を含め、アメリカは何度かの経済制裁を課した。

 10月4日、アメリカ財務相が、法人一社と個人三人 - その一人は北朝鮮人が - 経済制裁対象の人々のリストに追加されたと発表した。経済制裁はトルコ企業シア・ファルコン・インターナショナル・グループと、いずれもトルコ国民の同社幹部二名に拡張された。彼らは経済制裁を回避しようとして奢侈品や武器を北朝鮮に送ったとされている。経済制裁は事件に関与していた在モンゴル北朝鮮大使館館員リ・ソン・ウンにも課された。

 平壌が、人道支援を何らかの形で、核兵器開発やミサイル計画に利用するかも知れないことを恐れて、アメリカ国務省が、過去数週間、少なくとも5つのアメリカ人道NGOによる特別旅券の要求を拒否しているという報道がある。

 2018年10月15日、アメリカ財務相は、外国資産管理局のウェブページに、北朝鮮と事業を行っている第三者や企業に課される可能性がある二次的経済制裁のリスク警告に関する声明を追加した。この警告は、太字で、人々が、制裁対象のあらゆる人物や企業と仕事をする気分を削ぐものだ。誰もが読めるような形で公開された初めての警告だ。

 アメリカと韓国間の関係については、双方とも開城への単一の連絡事務所設置と、北朝鮮と韓国の鉄道を接続する提案に関する差異を理解しており、北朝鮮の鉄道軌条を検査するはずの特別列車が国境を越えるのを拒否したのは国連軍だった。

 9月20-21日に行われた北朝鮮と韓国のサミット直後、アメリカ財務省代表は、北朝鮮とのあり得る共同プロジェクトの議論に何らかの形で参加した、あるいは韓国がそのようなプロジェクトに資金供給し、支持するのを手伝った全ての韓国銀行に電話をかけたと、韓国金融機関と韓国議会を引用して、ロシア新聞ロシースカヤ・ガゼータが報じた。金融、経済制裁実施、テロへの資金提供を阻止する戦いの情報を集めているアメリカ人専門家が韓国銀行家に、北朝鮮との彼らの協力計画について質問し、彼らに、経済制裁を遵守する厳格な義務があることを指摘想起させた。これは異例の措置だ。この種の“要求”は通常、直接ではなく、外交チャンネル経由で銀行家に伝えられる。

 朝鮮日報も、日本にあるアメリカ軍基地の親類を訪問したいと希望した場合、追加の極めて厳格な尋問を受けなければいけない(ロシア、中国、北朝鮮、イラン、アフガニスタンを含む50カ国の)人々のリストに、何百人もの韓国国民が含まれていると報じた。

 10月5日、ラジオ局のボイス・オブ・アメリカが、過去と現在、総計466の経済制裁が、北朝鮮に課されており、こうしたものの236件が、二年間のトランプ政権下で、個人や法人に課されていると報じた。2017年に124件、2018年に122件だ。

 4月から7月の間の暖かな対話期間中、北朝鮮に対し、いかなる経済制裁も課されなかった事実にもかかわらず、今年、総計8回の経済制裁が課されている。1月と2月に、それぞれ一件、8月末から今日までで、6件の経済制裁だ。

 更に第三国も経済制裁を避けようとして、北朝鮮と事業をすれば“第二次ボイコット”対象になると恫喝されている。ロシアと中国を含む第三国の多くの国々や個人が、経済制裁リストに載せられている。

 中国が、一環して、この政策に批判的なのは驚くべきことではない。例えば、北朝鮮国連の金星大使は、10月9日の国連総会第二委員会会合で演説し、国連安全保障理事会が課している経済制裁は、北朝鮮国民の生存権や発展に対する深刻な侵害だと述べた。金星は、経済制裁は、北朝鮮の女性や子供が緊急に必要としている医薬やX線装置の輸入を阻止しており - 朝鮮半島での急速な変化にもかかわらず、北朝鮮は維持可能な発展目標を達成するのに大きな困難があり、依然、危機的状況にあると強調した。10月12日、第6次委員会の会合中に、キム・インチョル国連駐在北朝鮮大使館書記官は、在韓国国連軍を“怪物”と呼び、解体を要求した。国連軍の行動は国連憲章に違反しており、国連の行動とは何の共通点もないと彼は主張した。

 10月21日、北朝鮮の公式新聞労働新聞に掲載された意見も、似たような意志を表明していた。北朝鮮は“アメリカ議会の11月中間選挙に向かう中、ホワイト・ハウスの困難な立場”を十分承知しており、“アメリカにおける政治的状況は、極めて複雑”なことも理解している。それでもアメリカは、一つのことを理解する必要がある。もし平壌での会談中に行ったアメリカの発言と、今ワシントンから聞こえてくる言説の間に何らかの矛盾があれば、大変な努力で作りあげられた相互信頼の塔は一瞬で崩壊しかねない.”アメリカは国際社会の見方に耳を傾ける必要がある. “国連セッションで、ロシアは、経済制裁は外交の代わりにはなり得ず、ロシアは北朝鮮に圧力を加えることに反対だと述べ、中国はもっぱら強い立場から押しつけられる行為は悲劇的結果をもたらしかねないと警告した。”

 結論を言えば、アメリカには、単に、どの措置が、経済制裁上、許容されるのかを決めるだけで、いつでも北朝鮮と韓国間の対話の行方に影響を与える力があるのだ。

 コンスタンチン・アスモロフは、歴史学博士、ロシア科学アカデミー、極東研究所、朝鮮研究センター上席研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事

 記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/10/27/they-do-nothing-without-our-approval/

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 題名は国名を入れ換えれば、そのまま。

 植草一秀の『知られざる真実』 2018年11月 3日の記事を拝読して、一層そう思える。
ハゲタカ資本の利益しか追求しない安倍内閣

 11月3日は、1946年(昭和21年)日本国憲法が公布された日。とは知らなかった。憲法記念日として知っているのは1947年(昭和22年)5月3日に施行された日。

 壊憲を推進する大本営広報部、報じたのだろうか? ビールかけについては熱心に報じていたが。不勉強を反省して、下記にある再配信を拝聴しよう。

日刊IWJガイド・日曜版「岩上さんによる日本国憲法制定史研究の第一人者の古関彰一教授へのインタビューを再配信!#ヤバすぎる緊急事態条項」2018.11.4日号~No.2243号~(2018.11.4 8時00分) 

 古関教授が暴いた、「戦争になったら自衛隊は米軍の指揮下に入る」という「統一指揮権密約」については、IWJでお馴染みの矢部宏治氏が『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(集英社インターナショナル、2016年)(https://amzn.to/2Fdab2j)でこの発見の意義を強調しています。

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【タイムリー再配信 280・IWJ_Youtube Live】17:00~「『戦争はしません。でも、事変はやります』  ――自民党改憲草案の問題点と日本国憲法の制定過程について獨協大学教授・古関彰一氏に岩上安身が訊く」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
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2018年9月20日 (木)

ロシア東方経済フォーラムで大恥をかいた安倍首相

 日本は敵対的なアメリカの軍事的衛星国だという、ロシアの極めて現実的な懸念を無視して、千島列島と引き換えに、わずかばかりの経済投資の可能性をちらつかせる、彼のロシア政策丸ごと冗談だったのだ

Gilbert Doctorow
2018年9月15日 土曜
Russia Insider

 第4回東方経済フォーラムは、9月12日水曜日に全体会議を行い、主催者のウラジーミル・プーチンや、様々な北東アジア指導者の重要な演説があったが、世界のマスコミからはほとんど注目されず、経済、地政学、国防分野における分析材料の宝庫のごくわずかな部分だけを強調している。

 演説後の質疑応答で、スクリパリ事件について発言し、一週間前イギリスのテリーザ・メイ首相が、軍諜報機関(GRU)工作員として名前を挙げたロシア人容疑者は、自ら現れており、犯罪人ではなく、普通の市民に過ぎないと述べたウラジーミル・プーチンのうまく仕組まれた発言を取り上げたものもある。近くのロシア極東で、ソ連時代以来見られない規模で、中国とモンゴルの部隊も初めて参加して行われているヴォストーク-18軍事演習に注目したものもある。専門家間では、ロシアがあげた兵力数(兵士300,000人、航空機、1,000機、戦車と装甲兵員輸送車、36,000輌)を巡り、水増しではないか、あるいは演習は、短時間で、7,000 kmのロシア連邦を横断するロシアの戦力投射能力を実証しているのか議論されている。フィナンシャル・タイムズなど、ごくわずかが、フォーラムがその真価とする経済的重要性を検討している。FTは、ロシア極東とロシア連邦全般に対する継続中の中国投資の背後にあるリスク計算にまつわる記事を掲載した。

 私の知る限り、主要評論家は、誰も北東アジア指導者間の力学を検討していない。

 フォーラム正式開催の前日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、主要賓客、中国国家主席習近平と二国間会談を行った。日本の安倍晋三首相とも会った。いずれの場合も、会談後、マスコミに対して、重要で価値ある長い声明が出された。

 だが、より興味深いのは、全体会議で、五カ国の指導者全員演壇に上がったことだった。ロシア、中国とモンゴルの大統領、日本と韓国の首相が一緒に座り、お互いの演説を聴き、質問に答える姿を見るのはまれなことだった。

 質疑応答は、ロシアの経済政治フォーラムの最近の伝統を破って、司会が、遠慮がちな質問や、クレムリンで、権威主義的連中に立ち向かい、欧米聴衆を喜ばせるためのいじめ質問をするNBCやブルームバーグの人間ではなく、ロシアで最も有能で、最も視聴率の高いテレビ・ジャーナリストの一人、セルゲイ・ブリリョフ(ロシヤ-1)だったことから、一層興味深いものになった。彼の質問は事前にクレムリンと調整されている可能性が高く、これまで、このようなフォーラムで見てきたどれより徹底して示唆に富むものだった。

 それ以降のことに関しては、同僚ジャーナリストの目を引かなかったように見える議事の極めて重要で、明白な特徴に注力したい。指導者たちの演説と公的会談が、安倍晋三と地域における日本の政治的位置について一体何を語っているかだ。

 完全なライブ報道、解説無しの、全体会議演説、フォーラム開催に先立つ二国間会談後のウラジーミル・プーチンと賓客たちの記者会見や、フォーラム内や周囲での他の重要な場面を、ロシア国営テレビが、世界中の聴衆に報じてくれるおかげで、こっそり聞き耳を立てる特権的監視所のような立場を利用して、私はこれをしている。時差のため、北アメリカの、私の同僚たちはぐっすり眠っていたかも知れないが、ヨーロッパでは、極東からのロシア放送は朝食時間か、それより遅い時間に当たるので、興味をそそられる画像や演説を新鮮な気分で見ることが可能だ。

 最初に、安倍首相は仲間外れだったことを指摘せねばならない。彼は全体会議での演説を主に、この世代のうちに、彼自身とウラジーミル・プーチンの任期中に、ロシアとの平和条約を締結しようという嘆願に割いた。対照的に、他の外国指導者全員が、彼らのロシアと極東地域における、進行中および計画中の大規模投資活動を生き生きと語った。安倍には、ロシアとの他の国々の協力に匹敵するようなものがほとんどなく、ロシアにおける取るに足らない日本の取り組みに人間的な顔をかぶせるはずのビデオを上映して補おうとした。映画は、二年前に、全て、二国間関係を新たな高みへと導くため、安倍が提示し、ロシアが受け入れ、日本がロシアで実施している150のプロジェクト中の様々な医療関連やハイテク関係のプロジェクト(交通管理、廃棄物処理)の概要だ。

 日本のプロジェクトは皆安上がりだ。全てが規模の上で実にささやかで、東京が言う通りにロシアが平和条約を調印さえすれば、つまり南千島四島の日本主権への返還に同意すれば、人々の生活向上のため日本がロシアに授けることができる偉大な支援を示唆するよう仕組まれている。

 ロシアにおける日本の協力プロジェクトにまつわるビデオと詳説の効果は、安倍が意図していたであろうものと真逆だ。だが、それは現在のロシアと日本の交渉上の相対的立場に対する彼の全く時代後れの理解と完全に一致している。映画編集上の偏向は全く一方的だ。豊かで技術的に優れた日本が、感謝に満ちたロシアに手を差し伸べるのだ。これは、全ての参加国が、いかに開発計画の緊密な協調や、相互の貿易と投資でお互いに助け合うかと言って、フォーラムで語る他の外国指導者たちの全体的主題と矛盾する。

 液化天然ガス輸出用のロシア向けの高度な船舶の主要輸出国でありながら、ウラジオストック近くのロシア最大の造船複合体建設(ズヴェズダ)への韓国の参加に触れた韓国首相のプレゼンは、このバランスのとれた、双方共に利益を得られる取り組み方に見える。北朝鮮との関係が正常化され次第、トランス-シベリア経由、更にはヨーロッパへの鉄道輸送を実施したいという韓国の熱意だ。スエズ運河経由、あるいは海上輸送で、アフリカの角を周回する航路の代替としてロシアが開発したがっている北海航路インフラへの韓国参加もそうだ。

 ロシアとの共同エネルギー・プロジェクト、ロシアの鉄道と港湾インフラ経由での石炭出荷拡大の既存と計画中両方の計画/希望を説明するモンゴル大統領の演説でもこれを見た。

 ロシアに対する安倍晋三の手法は、日本が力強いアジアの虎として、世界的尊敬と羨望を享受し、アメリカ合州国の不動産をあちこちで買い占めており、ソ連が、景気衰退ではないにせよ、深刻な景気停滞にあり、エネルギー資源の新たな買い手と新たな投資家を探している時期の1970年代と1980年代にさかのぼる。

 現在中国は、日本が40年前に、そう装っていた戦略的パートナーの地位を占めている。中国はロシアの主要な融資家で、投資家で、顧客だ。中国は日本が昔そうであり、今もそうであるような、ハイテク供給者として、高い位置にはないかも知れないが、民間航空分野などのハイテク共同開発で、中国はロシアと対等のパートナーだ。

 現在の中国貿易と投資の重要性は、フォーラムで目立つメッセージの一つだった。二国間交渉後の記者会見で、ウラジーミル・プーチンは、中国との二国間貿易は今年20%以上伸びて、1000億ドルを上回ることを認めた。一方、全体会議での演説で、1000億ドルという数値が再び現れた。今度は、極東やバイカル地域に対する中国-ロシア共同投資プロジェクトの価値の数値化だ。

 この背景に対し、日本の投資規模と安倍の150の協力プロジェクト全体は二桁小さい。こうした“ニンジン”で、日本の条件に同意し、平和条約締結するようロシアを動かせるという考えは全く非現実的だ。

 安倍は、主権放棄にロシアが抵抗している点を意図的に無視して、南千島の共同統治のための鼻薬を提案した。本当の問題点を、全体会議中のウラジーミル・プーチンへの質問で、セルゲイ・ブリリョフが直接提起した。北方諸島が、もし日本主権になれば、アメリカ軍事基地の更なる駐留基地、特に弾道弾迎撃ミサイル装置配備地になるというロシアの懸念を二人の指導者は話し合わなかったのか。プーチンは話したと言ったが、安倍は平和条約締結への障害として、無視することを選んだ。

 求められている平和条約を実現するための“ふとおもいついた”提案だと言って、プーチンは演壇で、二国は“前提条件無しに”年末までに平和条約調印を進めようと提案した。そこで、友人となってから、両国はより強い相互信頼で、北方諸島のような厄介な問題に取り組むことができるだろう。この提案を、後に安倍は始めて聞いたと認めたが、後で同席していた日本人外交官が実行不能だと切り捨てた。

 言い換えれば、ロシアが日本を、アメリカ合州国とペンタゴンの「隠れ馬」と見なしている限り、ロシアは主権の譲渡に同意しない。しかも、フォーラムでの彼の振る舞いで、またしても安倍は、ロシアといかなる協定を結ぶよりも、核の傘のため、ワシントンのご主人への服従が、彼にとって、より重要であることを示したのだ。演壇の5人の指導者中で彼だけ、ドナルド・トランプの名を挙げた。斬新かつ大胆に北朝鮮に手を差し伸べ、金正恩とサミット会談をしたと、度を超したトランプ称賛をした。最初に、更に再度、南北朝鮮間や、アメリカと北朝鮮間の会談を建設的大団円に導いた韓国指導者文在寅の取り組みに、彼は全く触れなかった。

 フォーラムで明らかになった、そしてそれを更に遥かに超える地域の戦略的、大規模経済統合の地図のどこにも日本の姿はない。他の結束力は、中国の一帯一路構想とユーラシア経済連合だ。安倍晋三の日本は、北東アジアにおける日本の地理的、事業的環境からほとんど切り離された、アメリカ前哨基地のままだ。日本は地域全体を活性化している活力に満ちた過程を見逃している。フォーラムで、中国は2,000人を超える実業家と政府の代表団を擁する最大の参加国だった。フォーラムで明らかになった安倍晋三のような生気がなく、小心なリーダーシップの下、日本は日の沈む国となる運命にある。

記事原文のurl:https://russia-insider.com/en/japans-abe-made-mighty-fool-himself-russias-eastern-economic-forum/ri24761

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 大本営広報部は決して載せない論説。ロシア側にたって考えれば、こういう見方になるだろう。

 大本営広報部ではなく、ブログ街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋では、プーチン提案を評価する下記記事を書いておられる。ワメく連中のでたらめより遥かに論理的。

プーチンの提案を歓迎する そして、大本営広報部が必死に隠蔽している地位協定についても、沖縄県の『地位協定ポータルサイト』がすごい!!  という記事を書いておられる。

 

 芝居『キネマの神様』を見た。開演前には『ニュー・シネマ・パラダイス』の音楽や『スティング』のスコット・ジョプリンのラグタイムが流れていた。原作の小説は読んでいないが、三時間、あっというまに過ぎた。

 話題の秋葉原演説会場、知っていたら、行きたかった。

 今日は、IWJ、岩上氏による梅田正己氏のインタビュー(第四弾)を拝聴する。

■今日午後2時半より、著書『日本ナショナリズムの歴史』(全4巻)でJCJ賞を受賞した梅田正己氏に岩上さんがインタビュー(第四弾)!冒頭のみフルオープンで中継します!

以下、この演説も中継されているIWJの今日のガイドの一部、といっても長いが、コピーさせていただこう。

大本営広報部がしっかり揃って隠蔽している「緊急事態条項」、IWJ報道をご覧になっていない人は全くご存じないのではあるまいか。何とも恐ろしい現状。

コピー開始。

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■はじめに~今日20日は、究極の二択が迫られる自民党総裁選の投開票日!

 今日20日は自民党総裁選の投開票日です。立候補者は3選を目指す安倍晋三総理と、元幹事長の石破茂衆議院議員。9月15日、16日におこなわれたANNの世論調査によると、自民党支持層では、安倍総理支持が44パーセントで、石破議員支持が28パーセントと、安倍総理支持が大差をつけて支持を集めています。

※“次の自民党総裁”は安倍総理が1位 ANN世論調査(テレ朝NEWS、2018年9月17日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000136381.html

 他方で、自民党支持層に限らなければ、安倍総理支持が44パーセント、石破議員支持が42パーセントと拮抗しています。石破議員が「正直、公正」というスローガンを掲げただけでいちゃもんをつける安倍総理の「不正直、不公正」ぶりは、マスコミに圧力をかけて自分に有利な報道をしようとも、すでに多くの国民が気づいている事実だからこそ、このような世論調査の結果になったのでしょう。

 もっとも、「正直、公正」が期待される石破議員も、憲法改正については、9条改正よりも緊急事態条項の新設の方が優先度が高いとしています。基本的人権を制約し、半永久的な独裁をもたらす危険な条項が、緊急事態条項です。緊急事態条項については、ぜひ以下の岩上さんによるインタビューをご覧ください!

※いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー 2018.5.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/421982

※参院3分の2議席で日本でも現実に! 安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か? 絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証! ~ 岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー(前編) 2016.7.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/313466

※参院3分の2議席で日本でも現実に! 安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か? 絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証! ~ 岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー(後編) 2016.7.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/323391

 安倍総理は昨日19日に秋葉原で街頭演説をおこない、IWJは中継しました。

 安倍総理が演説した街宣車の周りは黒塗りの自動車で厳重な警備がなされており、街宣車と党員専用スペースとの間も距離がとられていました。それを取り巻くかたちで「安倍やめろ!」「恥を知れ!」とのコールが沸き起こっていました。まるでヘイトデモに対するカウンター行動がおこなわれているような光景でした。配信した動画は現在、ツイキャスのライブ履歴で公開中なので、ぜひ、以下のURLよりご覧ください。なぜ安倍総理のような人物が長期間も総理を続けられたのか、なぜそれを許してしまったのか、という問題を分析していく材料となれば幸いです。

※安倍晋三総理 自民党総裁選 街頭演説会(秋葉原)
https://twitcasting.tv/iwj_ch4/movie/494178738

※石破茂元幹事長 自民党総裁選 街頭演説会(渋谷区)
https://twitcasting.tv/iwj_ch7/movie/494190673

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コピー終了。

2018年8月25日 (土)

端島 - 残虐な歴史と、世界で最も霊にとりつかれた島

2018年8月7日
Andre Vltchek

 歴史的な日本の港湾都市長崎から高速ボートで、わずか30分の場所にある、おそらく世界で最も薄気味悪い島 - 端島(軍艦島としても知られている)をご覧になりたいだろうか? 今、それが可能だ。オンラインで、40ドルにあたる金額で予約し、軍艦島コンシェルジュか、他の会社所有のしゃれたピカピカの船に乗船するだけだ。

 それだけで、見捨てられた奇怪な難破船、沈没した幽霊船のように見える島をご覧になれる。

 島の周囲を回れる。上陸し、数百メートル仕切られた道を歩くことさえ可能だ。ガイド/番人が、何枚か、スナップ写真をとらせてくれる。

 だが、それが全てだ。道から決して左右に外れてはいけない。集団の先に行ってはいけない。遅れてもいけない。そして‘挑発的な’質問はしないよう!

 島がどれほど‘幽霊が出そうな’状態で、 過去に、どれほど‘活気があった’かだけを語って‘楽しませるよう’ガイドは良く訓練されている。

 彼らは常に愛想よく微笑んでいる。

 ところが文書化されている、または文書化されていない規則に逆らおうものなら、彼らはたちまち飛んでくる。大声で叱ることさえある。突然彼らは極めて粗野になる。

 彼らは一体何を恐れているのだろう? 彼らは一体何を隠しているのだろう? この島では、実際一体何が起きていたのだろう?

 過去の本当の恐怖は、決して伝えられることはない。それは全て第二次世界大戦にまつわるもので、日本は未だに現実から目を背けている。

 日本人ツアー・ガイド(日本語話者観光客向け)も、入念に準備された英語話者向けの電子録音も、島の地理と、歴史上の議論の対象にならないような詳細を無数説明してくれるが、第二次世界大戦中、朝鮮人と中国人が強いられた奴隷労働については、ほとんど皆無に等しい。

*

 2015年7月6日、ガーディアンはこう報じた。

    “第二次世界大戦前と、大戦中、その一部が、朝鮮人強制労働者を使っていたことを認めるのに日本の当局者が同意した後、UNESCOは、日本の20以上の古い産業史跡を世界遺産として認めると決定した。

    明治時代(1868年-1912年)の23の史跡には、封建制から成功した最新経済へと変身するのに貢献したと日本が主張する炭鉱や造船所がふくまれている。

    ところが韓国は、史跡のうち、炭鉱の島、軍艦島を含む7つで、1910年-1945年、日本による朝鮮半島の植民地支配時代、推計60,000人の強制労働者を利用していたことにはっきり言及しない限り、世界遺産認定申請をすることに反対していた。”

 中国 (中華人民共和国)も反対を表明していた。

 強制労働の問題と、それを東京が頑固に認めるのを拒否していたことが、UNESCOによる遺産認定を遅らせていた。ところが、2015年、日本は折れ、UNESCOへの日本代表団がこう宣言した。

    “日本は、1940年代、遺産の一部では、多数の韓国人や他の人々が意思に反して連れてこられ、過酷な条件の下で労働を強いられたことを理解するのを可能にする措置を講じる用意がある”。

 これら遺産は、悪名高い端島/軍艦島を含め、最終的に世界遺産に認定された。それと引き替えに、韓国も中国も、占領中と第二次世界大戦中両国民の苦難を、日本が明記するよう期待した。強制労働者が留め置かれていた遺産は、はっきり標識で示し、詳細説明をするはずになっていた。ところが暗い歴史にまつわる他の非常に多くの場合と同様、日本は協定上の約束を守ることはほとんど何もしなかった。世界遺産指定を受け、望んでいることを得たものの、それと引き替えに、ほぼ何もしていない。

*

 5月、友人で優れた左翼オーストラリア人歴史家のジェフリー・ガンを訪ね、長崎で三日過ごした。

 長年、日本とアジアの複雑な過去にまつわる無数の疑問の答えを探して、私はこの都市を訪れてきた。

 長崎の過去にはあらゆるものがある。偉大な古い日本文化、キリスト教徒とその迫害、オランダ貿易商とその居住地、活気に満ちた少数派の中国人。長崎は、選択によるなり、強制によるなり、常に日本で最も‘開かれた’都市の一つだった。だが、ここは軍の艦船が建造された場所であり、占領した地域から多数の奴隷労働者がつれてこられた場所であり、第二次世界大戦の終わりにアメリカが二発目の原子爆弾を爆発させた場所でもある。

 壮大な長崎県立美術館の屋上から見ると、長崎湾には今も第二次世界大戦の‘名残’が点在している。海の近くには巨大なクレーンがあるが、これもUNESCO世界産業遺産の一部だ。クレーンは、何十年にもわたり、長年、日本の軍艦を作り、修理してきた三菱造船所のものだ。

 “公式には日本に軍隊はない”と私は皮肉をこめて言った。“しかしご覧なさい。日本は、湾の反対側に繋留しているこれら巨大戦艦を保有しています。”

 “君は運が良い。戦艦は来たばかりだ”とジェフリーが言った。“この造船所は過去、極めて重要な役割を演じた。軍艦島炭鉱も三菱のものだった。彼らは、あそこで石炭を堀り、ここ長崎で、最も巨大な戦艦の何隻かをここで造船した。”

 その晩、我々は、日本政府と国民が、過去のことを認めるのを奇妙にも拒否していることについて話あった。戦争が終わってから70年以上たった今でさえ、こうした問題はタブーだ。中国人の大量虐殺や、朝鮮人に対する恐るべき犯罪。

 過去の話を持ち出されると、丁寧さで有名な日本人が、突然、防御的、攻撃的にさえなることが多い。

*

 2015年、国際連合教育科学文化機関UNESCOが1937年に、南京虐殺文書を“世界記憶遺産”に登録した後、日本は一時的に負担金の支払いを差し止めて、UNESCOを文字通り、恐喝しはじめた。負担金は最終的に支払われたが、意図するところは、実にはっきり伝えられた。

 過去のおぞましい事に向き合うのを、こうしてかたくなに拒んでいることで、日本は益々、欧米、特にアメリカ合州国による死の抱擁にとりこまれ、他の北アジアの国々、特に中国との間で可能なはずの友好的な関係から益々遠ざかっている。

 第二次世界大戦後、アメリカが監督したいわゆる東京裁判(極東国際軍事裁判(IMTFE)としても知られている)は、明らかに、欧米の権益に役立つよう、日本の産業、事業、政治体制を、元々の形で保存しながら、わずかな人数の個人だけを罰するよう仕組まれていた。裁判の後、日本は、再建と、アジア太平洋に対する攻撃的政策により、欧米に参加することを許された。欧米が何百万人のも朝鮮の一般市民を虐殺した残虐な朝鮮戦争で、日本は重要な役割を演じた。

 “現代日本に外交政策はない”東京を本拠とするアイルランド人の学者で、政治評論家のデイヴィッド・マクニールから聞いたことがある。“日本は、アメリカの命令に厳密に従っている。国際的な出来事に関するマスコミ報道もそうだ。”

 マクニールは、日本自身による歴史の見方について、全く幻想を持っていない。

    “連中は教科書を書き換えつつある。8ページしかさかず、第二次世界大戦の部分をかなり省略している… 民族主義が勃興しつつある… 現在、日本のマスコミは、大いに自主検閲している。政府は、何であれ‘広がりやすい’こと… 歴史に関係するあらゆることを、どう扱うかについて、たとえば、いわゆる‘オレンジ・ブック’のような‘指針’を発行している。そこには、筆者や翻訳者に対する指示がある。たとえば‘外国人専門家を引用する時以外は、南京虐殺のような言葉は決して使ってはならない’。あるいは‘靖国神社に関連して - “議論の的になっている”という言葉は決して使わないこと。’第二次世界大戦時の‘慰安婦’については書いてはいけない。”

 自国の過去について、無知になればなるほど、日本は、かつての被害者 - 中国と朝鮮を益々嫌いになるようだ。ピュー・リサーチ・センターの世論調査によれば(2017年)、83%の日本人が、中国には好意的でない見方をしている。韓国とて、より良いわけではない。両国(中華人民共和国と大韓民国)は今や明らかに日本を追い越しつつあり、経済では、韓国の場合、生活水準もだ。東京の反応は、中国と北朝鮮の二つの共産主義国家に対し、益々攻撃的政策をとりながら、欧米に益々近寄りつつある。

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 軍艦島に戻ろう… 料金を支払って、乗船する。そもそも最初から、船が長崎から出航する前から、言語道断のプロパガンダで攻め立てられる。日本と長崎中の“サムライ精神”について。

 最初から、絶えず管理される。席で立ち上がると、すぐさま誰かがやって来る。どこに行くのですか? 席を変えたいのですか? だめです。ここには座れません…”ガイド(というより番人と呼ぼう)の調子は極端に粗野だ。彼らの英語は稚拙で、あらゆる規則や規制への彼らの執着は原理主義的だ。

 宣伝屋役を演じるために、そこにいるのが明らかなおやじが、絶えず、マイクで物事を説明する。声は拡声され、演技はじきに、煩わしく絶え間ない言葉の垂れ流しへと変化する。熟慮する間もない - 感じたり、休んだりする間もなく、まして何か真面目な質問をする時間はない。

 彼が話を止めると、安手のビデオが画面に映し出される。更に、キリン・ビールの広告が流れる。

 何千人もの人々を奴隷労働者として収容し、多くの人々が亡くなり、女性が慰安婦にされた場所に向かって船は航行している。だがサーカスは続く。なんの反省も悔悛の念も無い。

 島で私は集団について行くのを拒んだ。大きな騒音と人の群れを避けようとして、私は遅れた。もちろん、すぐに、私を群れに押し戻そうとする二人の“ガイド”と対決させられた。

 私は連中を無視して、撮影を続けた。

 連中は攻撃的になった。一人が叫んだ。“ここは日本だ。我々の規則に従え!”

 私は撮影を続けた。

 私は愛されたくて、やって来たわけではない。私の旅の理由は単純だった。日本政府が、UNESCOと朝鮮と中国合意を守っているかどうか - 強制労働者たちが、非人間的存在と労働に押し込まれ、彼らの一部が亡くなった場所に、日本が表示をし、追悼しているのかどうかを見極めるためだ。

 そうしたものは全く見つからなかった。情報皆無、追悼皆無!

 長崎に戻ってから、過去の歴史を説明するパンフレットを要求した。そういうパンフレットは皆無だった。島観光を企画している連中は、私が要求しているものが何か全く考えてもいなかった。

 翌日、ガン教授が、日本が朝鮮人や中国人に対して行った恐ろしい物事を展示している地元の韓国人が運営している小さな民営博物館に連れて行ってくれた。

 少なくとも、ここは、世界で‘最も霊にとりつかれた島’に関する真実を見いだせる場だ。この小さな博物館を見つけられればの話だが…

 軍艦島は - 少なくとも遠くからは、強力な駆逐艦に見える幽霊島だ。今では窓もドアも失われた高い建物が点在する島だ。一部は自発的な、一部は強制された何千人もの炭坑夫たちが、深いシャフトを降りていた島だ。島 - 軍艦島 - は、多くの人々が暮らし、多くの人が亡くなった場所だ。実に神秘的で、実に独特で、それなりに美しいが、象徴的で、ぞっとするような場所だ。

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、『大10月社会主義革命』を含む多数の本の著者でもある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/08/07/hashima-brutal-history-and-the-most-haunted-island-on-earth/

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 足尾銅山には、中国人殉難烈士慰霊塔と、朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑がある。前者の写真は下記記事のあとがきに掲載した。

ロシアがウクライナを侵略したかどうか判断する方法(元記事)

2018/8/31追記:Kazanグローカル研究所に、2018年8月12日の翻訳記事があったのを知らず、屋上屋を架してしまったことを反省。

2018年7月30日 (月)

北朝鮮ドキュメンター映画を読者に公開

2018年7月27日
Andre Vltchek

 これは北朝鮮に関する私の短編映画だ。映画は長引かせる必要はなく、引き延ばす必要もない。ただ皆様にご覧頂きたい。

 北朝鮮の顔

 これは私が比較的最近訪れた国、朝鮮民主主義人民共和国 (北朝鮮)についての25分の作品だ。訪問し、愛し、感銘を受け、率直に言って、敬服した。

 これを‘ドキュメンタリー’と呼べるかどうか私は本当にわからない。たぶん違う。単純な話だ。平壌のローラースケート場で、私は小さな繊細な少女に会った。あの子はいくつだろう? わからない。おそらく四歳か五歳だ。あの子は最初、母親にすがりついていたが、更に韓国人の鄭己烈(Chung Kiyul)教授、ラムゼイ・クラーク元司法長官にまで。それから、無邪気に手を振り、時折私や私たちを、あるいはただ振り返りながら、あの子はスケートしながら去っていった。

 突然私はあの子のことが心配になった。ほとんど、ある種の身の危険のようなものだった。たぶんパニックのような不合理なものだが、良くわからない。

 彼女には何か悪いことが起きて欲しくはなかった。アメリカの核兵器が彼女の周囲に落下し始めて欲しくはなかった。彼女には、哀れなベトナムや、イラクやアフガニスタンの子供たち、欧米による暴虐の犠牲者のような最期になって欲しくはなかった。化学兵器、劣化ウランやクラスター爆弾。“他者”をただ憎悪する執念深い狂人連中が国連経由で押し通す狂気の経済制裁のおかげで、彼女が飢えて欲しくはなかった。

 そこで北朝鮮で見たものについての短い映画を制作した。平壌のローラースケート場のあの幼い少女のために制作し、捧げる映画だ。

 朝鮮民主主義人民共和国で映像を撮っていた撮影時、欧米や日本や韓国による戦争や攻撃、あり得るし、可能性が高そうだった。

 しばらくしてベイルートで、レバノン人編集者と編集していた時、アメリカのドナルド・トランプ大統領が“北朝鮮を始末する”と威嚇した。彼が意味していることは明らかだ。トランプは‘正直な人物だ’。映画の中で私は彼を‘マネージャー’と呼んでいる。彼はアインシュタインではないかも知れないが、いつも、それぞれの時点で、彼は思っていることを言っている。ヤクザ・スタイルで。

 500年以上の残虐な植民地主義戦争や十字軍の後、欧米を本気で信じてはいないが、今この拙作を公開する時期、シンガポール・サミット後、事態はより明るく見える。‘マネージャー’が金委員長が好きだというのは、おそらく正直なのだろうが、またしても明日にはまた‘正直’になって気が変わり、彼の手をへし折りたいと宣言するかも知れない。

 急ぐべき時だと思う。急いで、北朝鮮がいかに美しく、その国民がどれほどりりしいかをできるだけ多くの人々に見せるべき時だ。

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 映像を“売ったり”“権利を売ったり”して、私の他の国際プロジェクトのために多少お金を稼げるかも知れないが、そうなると、ずっと時間がかかり、ごく限られた数の人々しか見られなくなるだろう。

 世界の中でも私の好きなメディアの一つ - New Eastern Outlookでこのように公開することで、映画では何も稼げずゼロだが、こういう形で公開するのは私の義務だと思う。作品が多くの人々に見られて、欧米や日本に対する圧力、既に途方もないほど苦しんできた人々を威嚇するのを止めさせる圧力が高まるといいのだが!

 進行中の作品(現在、二本の長編ドキュメンタリーを制作中で、一本は、ほぼ二十年のNATO占領後のアフガニスタン、もう一本は、カリマンタン/ボルネオでの、ほとんど徹底的な環境破壊に関するものだ)を含め、私の映画をどなたかがご支援されるのであれば、ここでできるだろう。だが無理にはお願いしない。この映画や、私が間もなく徐々に公開する他の映画をお楽しみ頂きたい。

*

 その間も、北朝鮮は存続している。

 欧米は次に何をするか計算している。こうしたことに私は良い感じがしていない。私が間違っているよう願う。これが真剣な和平プロセスの始まりであるよう願う。

 だが私は、都市や国々や大陸丸ごとの、余りに多くの廃墟を見てきたような気がする。その大半は、様々な‘和平プロセス’の後、爆撃され、がれきと化した。大半は何らかの妥当な合意に達し、調印した後、爆弾やミサイルが飛び始めたのだ。

 北朝鮮に同じことが起きて欲しくはない。ローラースケート場で出会ったこの少女が消滅して欲しくはない。

 私が今回していることはたいしたことではないが何事かではある。この危険な状態では、ほとんどあらゆることが重要だ。たとえごく些細なことでも全員“何か”をしよう。雨は水滴でできているが大きな火事を止められる。今回は狂気を止めるべくやってみよう。

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、『大10月社会主義革命』を含む多数の本の著者でもある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/07/27/releasing-my-north-korean-documentary-film-to-my-readers/

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 夜のある呆導番組、最近の劣化のひどさにおどろいていたが、リテラの記事で納得。
見ていた番組の司会者たちが、ことごとく下ろされ、提灯持ち連中に交代したのはしばらく前の話。完全な大本営広報部と化したあの呆導番組、もう見ることはない。

 "LGBTは生産性がない"発言を擁護するような御用タレントしか大本営広報部は使わない。

日刊IWJガイド「【ワイルドサイドを行こう!~IWJファンドレイジング in Hot Summer 2018】昨日29日は台風が心配されましたが、無事にIWJファンドレイジングイベントを開催することができました!/<本日の再配信>本日午後8時より、『問題だらけの治水事業! 西日本豪雨被害は天災ではなく人災!? 大都市圏を豪雨が襲うリスクに迫る!岩上安身による拓殖大関良基教授+ジャーナリストまさのあつこ氏インタビュー(その1)』を冒頭のみフルオープンで再配信します!/他」2018.7.30日号~No.2146号~

2018年7月10日 (火)

ポンペオは約束に背いていると見なしている北朝鮮

2018年7月7日
Paul Craig Roberts

 マイク・ ポンペオ国務長官との高官レベル会談時のアメリカの態度に平壌は遺憾を表明し、一方的で強制的な北朝鮮の非核化を求めていると、ワシントンを非難した。

 “再会と交渉の上で信頼醸成に役立つ前向きな措置をアメリカが考え出すのを我々は期待していた。ところが、アメリカの態度は実に遺憾だった”と朝鮮中央通信が報じた声明にある。”

 これは、ワシントンとのどんな合意も信じられないという、プーチンにとって、もう一つ必要そうな教訓にするべきだ。アサドが最近言った通り、ワシントンの約束には何の意味もないのだから、ワシントンと話し合うのは時間の無駄だ。ワシントンは、言うことと、することが違うのだ。

 プーチンにとっては、トランプがイランとの核合意を破棄した例もある。どうやら今度は北朝鮮だ。ワシントンを愚かにも信じた惨めな経験は、ロシア自身多々ある。“NATOは一インチたりとも東に拡大しない。”弾道弾迎撃ミサイル制限条約、等々。

 もし、夢想的なロシア大西洋統合主義者連中に制約されて、数日中のトランプとの会談時にプーチンが警戒を怠れば、ロシアは、またしても惨めな経験を味わうことになる。プーチンがワシントンに、しようとしている譲歩について、欧米を崇拝する大西洋統合主義者連中は既にマスコミに吹き込んでいる。

 何らかの譲歩をする必要などプーチンにあるだろうか? 問題はロシアではなく、ワシントンの覇権イデオロギーなのだ。プーチンは何の譲歩もすべきではない。彼が譲歩しても、何の見返りもえられまい。

 ロシアがこの教訓を得るのに、一体いつまでかかるのだろう?

https://www.rt.com/news/432096-nkorea-pompeo-talks-regrattable/

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

 

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/07/07/north-korea-thinks-pompeo-has-reneged-on-the-deal/

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タイ洞窟では救援活動が進んでいる。西日本の豪雨被害、時間とともに拡大している。「パンがなければ、お菓子を食べればいいじゃない」と言いそうな人物とのフランス革命記念日行進見物、さすがに、あきらめたようだ。

支持率上昇という本当かウソかわからない呆導を聞いて、属国も革命が必要だろうと妄想する。

日刊IWJガイド「<本日のインタビュー>本日午後7時『西日本では豪雨災害、同時に千葉県沖でも震度5弱の地震が発生! 南海トラフと首都圏直下型地震に原発は耐えられるのか!? 岩上安身による関西学院大学 災害復興制度研究所客員研究員・青木正美氏インタビュー』を冒頭のみフルオープンでお送りします!/安倍総理が外遊予定の取りやめを決定/気象庁が西日本豪雨を『平成30年7月豪雨』と命名。日を追うごとに明らかになる被害の大きさと官邸の無能・無責任ぶり/
7月29日(日)【IWJファンドレイジング in Hot Summer 2018】開催まで残り19日!予約は参加予約受付フォームよりお早めにどうぞ!/特別企画!今期合計3万円以上ご寄付・カンパをいただいた方全員に前回12月のファンドレイジングイベントの新作DVDをプレゼント!」2018.7.10日号~No.2126号~

2018年6月16日 (土)

トランプによる北朝鮮との問題解決の最大障害は国内の政敵

Finian Cunningham
2018年6月14日
RT

 今週、ドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮に対する平和的意図のしるしとして、朝鮮半島での“軍事演習”を中止すると発表し、全員に不意討ちをくらわせたように見える。
 もしトランプが、この約束を守れば、それは、北朝鮮が核兵器廃棄の誓約を果たすという具体的な結果で、何十年にもわたる対立解決に成功するための鍵になるだろう。

 北朝鮮指導者金正恩との会談後、トランプがアメリカと韓国軍による年次合同軍事演習は平和的交流という新たな文脈には“挑発的”で“不適切”だと言及したのは意義深い。

 最近まで、トランプ政権は - それ以前のアメリカ政権同様 - 北朝鮮の核軍縮と引き換えの、朝鮮半島での軍事演習中止という互恵的な動きを検討することを拒否していた。

 今週、二人の指導者が、シンガポールのセントーサ島で歴史的な直接会談を行った際、トランプが、金委員長に対する個人的で自発的な友好のしるしとして、政策を放棄したように見える。

ペンタゴンさえ、アメリカ同盟国の日本や韓国同様、寝耳に水だったように見える。

マイク・ポンペオ国務長官は、その後、韓国と日本の外務大臣を訪問し、両者にアメリカの防衛協定“絶対的だ”と“保証”した。

しかしながら、年内に行う予定の共同軍事演習を中止するというトランプの声明から、ポンペオが、しり込みしなかったのは注目に値する。

 続く北京訪問では、朝鮮半島の非核化過程をやり遂げる上で、北朝鮮の“安全保障”が不可欠だという中国の王毅外務大臣が表明した立場を、ポンペオは受け入れた。

 これは要するに、トランプ政権が、事実上、中国とロシアが考え出した“お互いが凍結する”交換条件という処方箋を採用したことを意味している。

 この一年、北京とモスクワは、北朝鮮による核兵器廃棄の約束に、アメリカが軍隊を削減して応える、アメリカと北朝鮮との間の外交交渉の段階的手順を一貫して呼びかけていた。

 特に、年次合同軍事演習の問題は、長年北朝鮮要求の重要な核心だった。実際、北朝鮮にとってのみならず、隣国たる中国とロシアにとっても。

 朝鮮戦争(1950年-53年)終結以来、毎年、アメリカは“防衛演習”と称するもので、何万人もの兵士や戦艦や戦闘機を動員してきた。軍事演習は、年二回、 韓国軍と日本とともに行われてきた。

 朝鮮戦争が、平和条約によって、決して正式に終わったわけではなく、停戦協定しかないことを考えれば、北朝鮮側がこうした大規模作戦に不安を感じるのはもっともなのだ。演習では、爆撃演習出撃に、核兵器搭載可能な戦闘機が配備される。更に挑発的なのは、アメリカ率いる軍隊が、北朝鮮指導部を絶滅させることを狙った対北朝鮮“斬首攻撃”リハーサルを行っていることだ。

 北朝鮮の視点で見れば、この執拗な威嚇と脅迫という背景が、自衛と生き残りの問題として、北朝鮮が秘密の核兵器計画に乗り出す主なきっかけだったのだ。

 もしアメリカが、実存的脅威として受け取られている、アメリカの巨大軍事駐留を北朝鮮国境から取り除けば、北朝鮮にとって、核軍縮を本気で検討する機会になる。

 特に非核化過程での北朝鮮との信頼構築という現在の文脈で、こうした軍事演習がどれだけかく乱的か、トランプ大統領が遅ればせながらも気がついたのは立派なことだ。

 以前、1990年代、クリントン政権が、北朝鮮に核兵器開発やめさせようとして、アメリカ軍事演習が中止された。元国務省幹部ローレンス・ウィルカーソンによれば、次のGWブッシュ政権中に、アメリカが、平壌に対する財政的、技術的支援に関するある種の約束を撤回した。それが、北朝鮮が現在の指導者金正恩の下で核爆弾を製造する結果になった核開発計画を再開した大きな要因だった。

 公言した軍事演習中止を、トランプがやり通すかどうかはまだわからない。

 韓国駐留のあるアメリカ軍広報官が“演習中止指示を何も受けておらず、秋に計画されている共同演習は、違う指示が無い限り進める”と述べた言葉が引用されている。

 シンガポールにおけるトランプの突然の声明後、ペンタゴンは演習を中止する提案の相談を受けていなかったように見える。トランプに、ワシントンの軍事計画者連中に対し、彼の北朝鮮への提案を実行するだけの十分、実質的権限があるかどうかはまだわからない。

 ワシントンに圧力をかける地域のアメリカ同盟国という問題もある。シンガポール・サミット直後に、日本の小野寺五典防衛大臣は、アメリカ共同演習は“東アジアの安全保障に極めて重要だ”と述べて懸念を表明した。

 韓国は、より実際的な取り組み方をした。ペンタゴンと日本同様、ソウルもトランプの計画中止で不意打ちを食らったように見えた。だが文在寅大統領は、以来、韓国が“対話を推進する”ために、軍事演習の一時中止に賛同する用意があることを示唆している。

 トランプによる北朝鮮との取り組みで、最大の障害は、おそらく国内の政敵たちだ。彼と金との会談に対する、民主党と、反トランプ・マスコミの大部分の反応は否定的だった。大統領は、金に譲歩しすぎ、北朝鮮に“プロパガンダの勝利”を可能にしたかどで厳しい批判を浴びた。

 今後数カ月“北朝鮮の攻勢”に直面して“わが国の同盟諸国への支持”を実証する方法として、トランプに朝鮮半島での軍事演習を再開させるよう、マスコミ・キャンペーンが煽り立てられることが予想される。

 これは皮肉にも、互恵的和平協定を実現するために、トランプと金が一体なぜ密接に協力する必要があるのかを明確に示している。もし北朝鮮が、測定可能な軍備縮小過程を開始するという約束を果たし、トランプが安全保障で報いれば、過程全体は成功裏に前進が可能だ。

 韓国の文在寅大統領にも、演じるべき重要な役割がある。文大統領は、二つの分裂した朝鮮間の包括的和平合意と、半島の最終的な非核化に専心している。韓国大統領は、北朝鮮が安全保障を必要としており、それに値することを重々承知している。

 だから、韓国指導部が、軍事演習を中止するというトランプの分別ある呼びかけを支持することが予想できる。

 持続可能な和平合意に至る唯一の方法は、全当事者が敵意なくすことだというのは客観的な観察者なら誰でも容易に理解可能だ。

 その武力が、どういうわけか“防衛的”で“無害”だというのは、アメリカのうぬぼれた考えに過ぎない。もし平和のための建設的関与をしたいのであれば、アメリカは北朝鮮の不満が一体何なのかに耳を傾けねばならない。最大の不満のたねは、国境沿いで壮大な規模で活動するアメリカ軍による威嚇だ。

 トランプは本質を見抜いたようだ。大統領は北朝鮮側の一方的譲歩を要求する高圧的で横柄な姿勢を控えた。そういうやり方は役に立たず、爆発寸前の緊張に満ちている。

 北朝鮮に関しては二人いないとタンゴが踊れないのをトランプはとうとう理解したのだ。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、新聞ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。彼はほぼ20年以上、ミラー、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデントなどの大手マスコミで、編集者、著者として働いた。

 友人もご興味を持たれるだろうか? 記事を共有願いたい!

 本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/429776-trump-north-korea-deal/
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属国の証明をまた見せられた。宗主国大統領最大スポンサーのためのカジノ法案成立。

連中の政治に国民のためのものは何一つない。全て連中のスポンサーのため。
北朝鮮は信頼できないと、軍需産業しか見ない戦争大臣。

日刊IWJガイド「『瞬決』!ギャンブルを促進するカジノ法案が15日の衆議院内閣委員会で質疑を経ないまま可決!強行採決を超える『一瞬採決』!/政府予算の膨張には無関心の黒田東彦日銀総裁は、外国人労働者受け入れ拡大の政府方針を大歓迎!中央銀行の政府に対する自立性はどこへ!?」2018.6.16日号~No.2102号~

2018年6月 6日 (水)

アメリカ軍韓国撤退の可能性はどの程度か?

2018年6月4日
Konstantin Asmolov
New Eastern Outlook

 2018年5月4日、多数の異なる情報源を引用して、ニューヨーク・タイムズは、ドナルド・トランプが、ペンタゴンに韓国でのアメリカ軍事駐留削減の可能性に関する計画を立てるよう命じたと報じた。もちろん、これは、金への譲歩という問題ではなく、匿名ながら、情報通の人々によれば、韓国と朝鮮民主主義人民共和国間との間の平和条約調印は、半島に28,500人の兵士を維持する必要性を低下させるはずだ。

 確かに、記事は匿名発言に基づいており、アメリカ“諜報の失敗”に関する報道からも明らかなように、新聞は反トランプ志向を公言しており、彼の悪い面を強調する好機は決して見逃さないことには留意すべきだ。

 これは、ソウルで“文 対 文”スキャンダルが勃発したのと同時に起きた。当時アメリカ訪問中の鄭義溶韓国国家安全保障室長が、アメリカのジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官に記事について質問し、ボルトンは、それは“全くばかげたことだ”と答えた。更に、5月4日、記者会見で、ドナルド・トランプ本人が、そのような話題は、アメリカと朝鮮民主主義人民共和国間の来るサミットの議題ではないと述べたが、北朝鮮が、アメリカ軍事駐留削減の議論を提案していないのだから、なおさらだ。

 とは言え、それで、そのような問題は、ドナルド・トランプと金正恩とのサミットにおける話し合いの対象だといううわさが止まるには至らず、トランプ大統領が、何か狡猾なことを用意していると一部の人々は既に考えている。おそらくアメリカ大統領は、財政的理由か、あるいは、イラン間で、ありうる戦争の場合に使えるようにしておくためか、実際、少なくとも軍隊の一部の撤退を望んでいると彼らは言っている。この決定は、北朝鮮が核計画を凍結するのと引き換えに、北朝鮮の“非核化の希望”の見返りとして、特にこの場合、両者は、撤退を、両国民に対し、偉大な外交的勝利として見せることができるので、朝鮮民主主義人民共和国に対する歩み寄りに見えるよう行われているはずなのだ。おまけに、軍隊撤退は、北朝鮮の軍備縮小の過程で、延々と続く段階的なものとなる可能性があり、しかも関連インフラ解体の話は全くされていないので、必要であれば、両方の過程は簡単に逆転可能だ。

 率直に言って、これは魅力的な考えだ。しかし、そういうことが起きる可能性はどの程度かを理解するためには、より広い文脈で見るほうが役にたつだろう。1953年10月1日、アメリカと韓国は、米韓相互防衛条約を調印し、それにより、アメリカは朝鮮に関する国連決議だけに基づくのではなく、両国間の条約の下で、 陸軍と海軍と空軍の要員を韓国に配備することが可能になっている。1954年11月17日、韓国とアメリカ間の軍事・経済問題交渉の議定書が調印され、その下で、国連が韓国防衛の責任を負っている限り、韓国国軍は国連の指揮下におかれ続けることになっている。そういう経緯で、韓国軍はアメリカ司令官に指揮されることになっているのだ。かなりの程度これは、大いに嫌われていた李承晩が、許可無しに戦争を決して始められないようするためのものだった。

 現在、28,500人の米軍兵士が韓国に駐留しており、これには支払いが必要だ。正確に、一体どのようにするかは、1991年に、アメリカと韓国間で調印され、以来、定期的に更新されている費用負担協定に規定されている。現在有効なものは、2014年2月に調印され、2018年末に更新される予定の、第9次協定だ。

 当初、在韓米軍地位協定 (SOFA)の下で、アメリカ軍の韓国駐留に関わる全ての経費はアメリカが負担し、韓国は必要な施設と用地のみを提供することになっていた。しかしながら、1990年以来 韓国は経済的負担をしており、その支払いは通常、アメリカ軍事基地に雇用されている韓国人補助職員への給与に使われている。支払いは建設作業や物資や技術支援提供にも使われている。

 2016年、アメリカ軍駐留を維持するための韓国負担は、総計8億8930万ドルで、2017年の数値は、インフレ調整すると、為替レートによって、8億7900から8億9800万ドルの間だ。2018年の数値は、1兆ウォン、10億ドルを初めて超える可能性が高い。

 しかし、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、各国の国家安全を保障すべく、軍事駐留を維持するためのアメリカ同盟国による費用負担増加の重要性を何度も強調しており、アメリカは、第9次協定交渉中に、韓国にもっと支払うよう要求するつもりであることを明らかにした。

 2018年1月29日 、エルブリッジ・コルビー国防省次官補代理は、半島でアメリカ軍を維持するアメリカと韓国間の経費負担問題は、公正に基づいて解決されるべきだと述べた。1950年、韓国の一人当たりGDPは、わずか2ドルだったが、今では、韓国は世界でも最も急速に発展している国の一つだ。アメリカは、現在GDPの3%以上を国防に使っている。支出のかなりの部分が、同盟諸国を支援するため、海外での軍事駐留を維持するのに使われている。この状況では、アメリカの同盟諸国は、その負担を増やす必要がある。

 第10次協定の条件を話し合う一回目の会談が、2018年3月7日に、ホノルルで始まった。韓国代表団は、この問題に対処すべく任命された外務省代表Chang Won-samに率いられていた。アメリカ国務省のティモシー・ベッツ国務副次官補代理がアメリカ代表だ。アメリカは、ソウルにアメリカ駐留を維持するための費用負担増のみならず(ソウルからの、どの部隊の撤退の費用も含め) 韓国に配備したTHAAD迎撃ミサイル・システムの運用経費負担を要求した。

 特にドナルド・トランプが、交渉が始まる前に、半島における総勢30,000人の軍事駐留維持のおかげで、アメリカは、韓国からの貿易収入を失っていると述べており、彼が、アメリカが会談結果に満足しなければ、部隊撤退という問題を蒸し返しかねない可能性があるので、交渉がきびしいものになっても、誰も驚かない。

 3月15日、ホワイト・ハウスでの晩餐会で、韓国との交渉で進展が何もなければ (つまり、もしソウルに大幅な譲歩を強いることができなければ) アメリカ軍を韓国から撤退させるとドナルド・トランプは、再度述べた。

4月13日 韓国国防省は、半島の南部に駐留しているアメリカ軍維持に対する支払いは、アメリカのTHAADミサイル迎撃システムの維持費にも使用可能だと発表した。一年前には、THAADの経費は、全てアメリカが負担すべきだと主張していたのだから、これは韓国側の譲歩だ。

 そのような発表が行われる度に、筆者はいつもこう自問している。新軍事政策において、アメリカの韓国駐留は一体どのような役割を演じるのだろう? 一方で、アメリカの軍事戦略は“基地より場所”策をとっている。現代の戦争の現実では、 常勤軍要員がいる“現地”軍事基地は、彼らが何かをすることができる以上に、先制攻撃による犠牲になってしまう可能性が高いのだ。必要とあらば、アメリカ兵站が、大規模部隊を迅速に派遣できるインフラ拠点としては、基地は重要だ。一方で、特に、アメリカの韓国駐留が、中国とロシアと北朝鮮に向けられているものと考えれば、現地に配備された軍隊は、諜報情報を収集し、観察するのに、良い位置にある。

 すると、28,500人のアメリカ兵士と、約650,000人の韓国軍兵士が、朝鮮半島の南部に駐留しているのだ。韓国軍は、規模の点で、世界6位か、7位で、軍事予算は北朝鮮の25倍だ。言い換えれば、韓国軍は、朝鮮戦争中、一般市民に対する攻撃しか実行できず、他のあらゆる対決から逃げた軍隊とは全く違うのだ。ところが、アメリカの軍事専門家全員が、韓国軍は、益々自立的になっており、既に陸上での軍事作戦を遂行することが可能だとは言え、依然、航空支援と、海上支援が必要だという点で同意している。

 そして、それはつまり、安全保障の保証人として、あるいは、あり得るいかなる“朝鮮統一”を鎮圧するために、アメリカ軍が統一した朝鮮に残る本当の可能性があるということだ。そして、筆者が知る限り、4月に行われたある安全保障会議で、この疑問が問われた際、アメリカと韓国は、朝鮮が統一した場合、アメリカは、韓国での軍事駐留を維持するだけでなく、アメリカ軍隊は、38度線の北に駐留しないと、中国に保障できないと答えたのだ。

 そこで、全アメリカ軍が韓国から撤退するためには、一定の根本的な地政学的変化が地域で起きる必要があろうが、これはt現在の傾向を考えてさえ、控えめに言っても、可能性は極めて低い。

 コンスタンチン・アスモロフは、歴史学博士、ロシア科学アカデミー、極東研究所、朝鮮研究センター上席研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/06/04/how-likely-is-it-that-us-troops-will-be-withdrawn-from-south-korea/
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日米地位協定と、韓米地位協定、何という違い、というより、何という国の違い。

琉球新報「韓米地位協定 政府は恥ずかしくないか」という記事がある。

「朝鮮半島での平和協定実現で、在韓米軍は、どうなるか」という疑問を主題に、こうした文章が書かれても、「朝鮮半島での平和協定実現で、在日米軍は、どうなるか」という話題、属国大本営広報部は全く扱わない。外資が多くの株を握っている民間組織が、ご主人を噛むわけがない。国営組織がご主人様に吠えるわけもない。

【特集】IWJ日米地位協定スペシャル

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』著者の著者、沖縄国際大学大学院教授の前泊博盛氏へのインタビュー他が拝聴できる。

昨日は、【シリーズ『パレスチナの民族浄化』を読む第4弾!】民族浄化を開始したのは第一次中東戦争よりも前!1947年11月末の国連による「分割決議」直後から! 岩上安身による東京経済大学 早尾貴紀准教授インタビュー 2018.6.4 を拝聴した。

話の中で、医療関係者の女性の話題が取り上げられた。昨日、下記英語記事を見たばかり。

In Memory of Razan al-Najjar

大本営広報部、自然災害の噴火で多数の人々が亡くなったことは繰り返し垂れ流すが、意図的なイスラエルによるパレスチナ人虐殺、本当に全く報じない。

日刊IWJガイド「10日に投開票がおこなわれる新潟知事選、与野党大激戦! 与党候補がわずかにリードしているものの、過去には野党候補が接戦を制した経験も!/<本日の録画配信>本日午後8時より『日本の司法の根幹にある「統治と支配」と「人権軽視」! 日本の司法水準は近代以前! ~岩上安身による元東京高裁判事・明治大学法科大学院・瀬木比呂志教授インタビュー(後半)』を録画初配信します!/中川環境大臣に直撃質問! 何のための除染だったのか!? 除染土を農地利用に、実証事業の実施決まる!? 園芸作物限定って、本当にそれだけですむの?」2018.6.6日号~No.2092号~

2018年5月25日 (金)

北朝鮮の頭に拳銃をつきつけるワシントン

Finian CUNNINGHAM
2018年5月22日

 ドナルド・トランプ大統領が、金正恩に対して異様な威嚇をした後、アメリカと北朝鮮との間の平和外交の見通しは突然打撃をこうむった。事実上、殺害の脅しだ。

 先週、トランプは、もし北朝鮮指導者が、ワシントンの完全非核化要求に従わなければ、金は“カダフィのような目にあう”と警告した。トランプは、もし核兵器を放棄しなければ、北朝鮮は“破壊される”とも言った。

 トランプの他国に対する暴力の言辞は、ほぼ間違いなく国際法と国連憲章違反だ。

 アメリカ大統領が北東アジアの国を犯罪的に恫喝したのは、これが初めてではない。昨年9月、彼は国連総会で、北朝鮮を“完全に破壊する”と演説していた。

 ところがアメリカ・マスコミは、更なる譲歩を引き出すため、腹黒く、“典型的なやり方で”交渉から後退していると北朝鮮を非難し、大統領の最新の騒ぎを歪曲している。

 ワシントンが北朝鮮の頭に拳銃をつきつけ、マフィア風に、“文句が言えないはずだと自分が考える提案”を平壌に押しつけている、火を見るよりも明らかな事実を、アメリカ・マスコミは無視している。

 6月12日、シンガポールで予定されている大いに期待されている、トランプ・金サミットが突然不透明になった。北朝鮮国営メディアが、もしアメリカが、平壌による一方的核軍縮を強く要求するなら、サミットはキャンセルすると警告した。

 トランプ政権は、シンガポール会談計画を継続していると言って対応した。だがサミットを順調に進めるため、北朝鮮の立場を保証するのに、アメリカと韓国当局者はおろおろしていると報じられている。トランプが彼の栄光の一瞬を奪われたくなくて躍起なのは確実だ。

 二つの進展が、ワシントンと交渉する北朝鮮の意欲を削いだのだ。トランプと金が、それまでの双方のけんか腰言辞をやめ、向かい合ってのサミットを行うことに合意した明らかに飛躍的前進した後、北朝鮮は冷めてしまった。

 ワシントンは、北朝鮮との交渉準備のガイドラインとして、“リビア・モデル”を考えていると言った国家安全保障問題担当補佐官ジョン・ボルトンの公的発言を平壌は引用した。ボルトンは、2003年-2004年、元リビア指導者ムアンマル・カダフィが、ジョージ・W ブッシュ政権をなだめるため、核兵器計画の一方的停止に同意したことを指していた。

 その七年後、カダフィ政権が違法なアメリカ-NATO戦争で、いかに打倒され、リビア指導者が街頭で殺害される結果になったのかを考えれば、これは陰険なタカ派ボルトンによる厚かましい基準点なのだ。

 北朝鮮は以前、保証無しに大量破壊兵器政策を放棄し、アメリカによる政権転覆攻撃にさらされることになった例として、リビアとイラクをあげていた。

 外交交渉のであるべきものを間近に、ブッシュ時代の悪名高い政権転覆立案者のジョン・ボルトンが、リビアを“モデル”だと、はっきり言及した以上、北朝鮮が、突然反発すると決めても、不思議はない。

 もう一つの展開は、今月行われた、アメリカ軍と同盟国韓国の年次軍事演習だ。現在、両国軍は北朝鮮国境近辺で、戦闘機と戦艦も参加しているとされる“マックス・サンダー”作戦を行っており、例によって、平壌にとっては、侵略準備のように見えている。一体どうして、それが北朝鮮にとって“信頼醸成”のはずがあるだろう?

 トランプとの会談は実現しないかもしれないと警告する中、進行中のアメリカ軍との共同演習をキャンセル理由として挙げ、先週突然、北朝鮮も韓国側との高水準の交渉をキャンセルした。軍事演習継続を巡り、北朝鮮は韓国は“愚かで無能だ”と酷評した。

 またしても、外交上のもう一つの劇的逆転だ。わずか数週間前、北朝鮮の金委員長は、朝鮮戦争(1950年-53年)終結以来、二国を分断している非武装地帯で、韓国の文在寅大統領と歴史的会談を行った。両指導者は、協力の新時代と、最終的に戦争を終結させるための正式な平和条約を調印する意図を明言した。

 北朝鮮の揺れに関する欧米マスコミの解釈は根拠がなく、不必要に身勝手だ。マスコミがほのめかしているように、平壌が心理戦を演じて譲歩を強要しているわけではない。

 これは、アメリカ合州国が、ワシントン側からのいかなる返礼も無しに、北朝鮮の一方的武装解除を期待するという本当に不届きな狙いをさらけ出していることの反映に過ぎない。つまり、降伏、投降を。

 この要求に加えて、北朝鮮が“安全”、つまり、無防備と見なされたら、ワシントンが政権転覆に向けて動くという極めて深刻な根本的な脅威がある。

 トランプが金委員長との“歴史的サミット”に熱心なのは、双方の和平合意を求めるためではない。不動産界の大物出身の大統領は、派手な見せ物と、虚栄心からの成功しか考えていない。自分がいかにノーベル平和賞に相応しいかとまで、彼は語っている。

 もちろん、世界中に放映される金との握手は、トランプのうぬぼれと、元リアリティーテレビ番組TVスターの視聴率への渇望に大いに役立つだろう。

 トランプが、先週、北朝鮮を安心させようとして、“アメリカは、リビア・モデルを使わない”と言って、ボルトンを、たたき返したように見えた理由はこれだ。

 ところがトランプは、同時に、北朝鮮は、核兵器を放棄しなければ、リビア同様の結果になるとまで、とっぴに言って、さらにへまをやらかした。

 道徳的にボロボロの戦争屋ジョン・ボルトンがいて、CIA拷問を支持するマイク・ポンペオが国務長官であることが、北朝鮮が、提案されている会談に背を向けつつあるように見える、極めて妥当な理由だ。

 更に、トランプが無知と粗野な本能をさらけ出しているのだから、これまた、平壌が警戒する、至極もっともな理由だ。

 朝鮮半島の平和は多国間の等式だ。北朝鮮による核兵器放棄は、等式の片側に過ぎない。式のもう一方の不可欠な側は、ワシントンによる軍隊撤退、平壌との平和保証調印、経済戦争を終わらせ、二つの朝鮮が干渉されずに和解を追求するのを可能にすることだ。

 しかし、このコラムで以前書いた通り、ロシアと中国に対し、兵力を維持するアジア-太平洋でワシントンの戦略的権益は極めて大きく、朝鮮半島における本当の和平合意への同意は、アメリカにとって、受け入れ難いものなのだ。

 上っ面のアメリカ外交の下にあるワシントンの真意はアメリカ政府に対する北朝鮮の降伏だ。

 “交渉しろ、さもないと”と北朝鮮に言うのは、頭に銃を突きつけるようなものだ。多少とも自尊心がある国なら応じるはずがない。

 ワシントンの不誠実さと、自分の義務に関する傲慢な無知に対して、平壌がワシントンに素っ気ない態度を取って至極当然だ。トランプが、イラン核合意で後戻りしたのも、北朝鮮にとって、もう一つの教訓的実例だ。

 だが不気味なことに、アメリカ政府は、自分の鼻をつねられた後、極めて汚らしいことをしようとしているようだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/05/22/washington-holds-gun-north-korea-head.html
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2018年5月8日に翻訳した記事「帝国の征服への道: 和平と軍縮協定」が気になっていた。「北朝鮮の言い方がひどかった」というような趣旨のことを大本営広報部解説者が言っていた。「帝国の征服への道: 和平と軍縮協定」のような指摘を決してしないのがお仕事。

話題の広報担当、通信社元論説委員長というのに驚いた。本当だろうか。
事実の解明ではなく、支配体制維持がお仕事という小生の偏見・被害妄想、本当かも?

日刊IWJガイド・番組表「【速報】トランプ大統領が金正恩委員長に米朝首脳会談の中止を通告!! 米国は金正恩委員長に宛てた書簡で『我々が保有する核の力』を誇示!?/米朝首脳会談が中止になる予兆があった!? 北朝鮮が宣言通りに核実験場を廃棄しながらも、米国は米朝首脳会談の中止を通告!/突然の会談中止通告に当惑しながらも、韓国・文在寅大統領は『問題解決のため努力してきた当事者たちの真心は変わっていない』/大新聞がろくに報じない! ポンぺオ米国務長官がイランに12カ条の要求! それを『ナンセンス』と評したロシアは一枚も二枚も上手!?/
財務省が提出した記録からは、籠池泰典氏が『いい土地ですから前に進めてください』という安倍昭恵氏の言葉を近畿財務局に伝えた日の記録が抜けている! 玉木雄一郎議員は『今回出てきていないもの』に意味があるとツイート!」2018.5.25日号~No.2080号~

2018年5月24日 (木)

朝鮮半島における和平の可能性を、つぼみのうちに摘み取ろうとしているアメリカ

2018年5月18日
Arkady SAVITSKY
Strategic Culture Foundation

 人は公平な見方をするべきだ。平壌は自分の役目を果たし、大規模な譲歩をした。トランプ-金サミットに先立ち、わずか数日前、実験をやめるという約束を守って、平壌は、核実験場を解体する意図を発表した。観測・研究施設も撤去される。その過程に立ち会うため、を外国ジャーナリストが招待されている。ミサイル実験は中止された。マイク・ポンペオ国務長官の最近の平壌訪問は画期的な出来事だった。

 これまでの所、二つの朝鮮間で再開された対話は、将来への大きな希望を支える成功だ。差し迫った安全保障問題に解決策を見いだすための困難な道のりの上で、多くの進展があった。生まれつつある緊張緩和を、まさに挫折させようとする、ぶち壊し屋として、アメリカが行動するまで、未来は明るく見えた。

 アメリカと韓国が半島で共同軍事演習を行っているので、大いに待ち望まれている6月12日、シンガポールでのトランプ-金サミットを、今や平壌は疑問視している。二週間にわたる年次マックス・サンダー演習が、5月11日に開始され、5月25日まで行われる。演習には、グアムからの8機のF-22ステルス戦闘機とB-52爆撃機を含む飛行機約100機が参加する。3月と4月にも共同演習が行われたが、マックス・サンダーの規模と爆撃機参加ゆえに、平壌は、それを挑発と見なしたのだ。

 これに対応して、平壌は、板門店の非武装地帯の南側で、5月16日に実施が予定されていた韓国側との高官会談をキャンセルした。シンガポール会談がキャンセルされる可能性は見え見えの威嚇に見える。

 外交を優先して、戦争を避ける見通しを切り開くことを考慮すれば、アメリカは演習を中止するか、延期することができたはずなのだ。もう一つの選択肢は、規模を縮小し、爆撃機を遠ざけておくことだった。実に長年の無駄な努力の後、本当の進歩がおぼろげに姿を見せる今、この演習を行うことは本当に非常に重要なのだろうか?

 正常化のプロセスは始まったばかりだが、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当補佐官は既に強硬姿勢をとって、最後通告のような言葉を語っている。彼によれば、北朝鮮が、アメリカが、全ての核兵器と核分裂性物質を、テネシー州オークリッジの処理センターに持ち帰ることを認めなければ、いかなる前進も不可能だ。完全な非核化が、アメリカの民間企業を北朝鮮市場に参入させ、北朝鮮を裕福にするための経済制裁緩和の前提条件だと彼は考えている。アメリカは、核兵器データ全ての破壊と、推計10,000人の核科学者の海外移住を要求している。

 遵守した場合、経済的報酬を約束されている事実にもかかわらず、首脳会談のためのこの前提条件に、平壌は抵抗していると報じられている。科学者に一体どう考えているか誰か質問しただろうか? 彼らは移住を望むだろうか? 10,000人の科学者たちはパッと気を付けの姿勢を取り、おお急ぎで命令を実行するべきなのだろうか? 一体なぜ、核物質は、他のどこでもなく、アメリカに送られるべきなのだろう? 適切な再処理用インフラを持っている他の国々もある。たとえば物質をロシアに送れば、大洋をわたる必要が無いので、時間も経費も節約できるはずだ。アメリカは遵守を自分で検証するつもりなのか、それとも国際原子力機関の何らかの役割が想定されているのだろうか?

 ボルトンの言い方は、新兵を大変な大声で怒鳴りつけるぶっきらぼうな陸軍軍曹のようだ。交渉過程が始まる前から、彼はそうしている。そのような“瀬戸物屋で暴れる牛”手法は外交とは全く無縁だ。対話者は、単に不当な扱いを受けたという理由で、交渉から立ち去りかねないのだ。

 国際問題に対する威張りちらすやり口は、イラン合意を一方的に破棄したアメリカを、既に窮地に追いやっている。世界という舞台で、アメリカは孤立し、合意の他の当事者たちは、合意を有効のまま維持すると誓っている。もしアメリカが、誰にも相談することなく、自分がした国際協定をそれほど簡単に破棄するなら、予定されているアメリカ-北朝鮮の取引がイランとの核合意と同じ運命にならないと、一体誰が保証できるだろう? そして、関与する他の国々はどうなのだろう?

 北朝鮮問題は、六カ国協議という進め方で取り組まれてきた。中国、ロシア、韓国は隣国で、日本は北朝鮮の領海に近い。これらの国々全てが問題解決に死活的な関心を持っており、貢献する用意がある。アメリカ-北朝鮮二国間サミットは良い考えだ。もし会談が具体的結果をもたらせば素晴らしいことだ。しかし、特に自分が合意した国際協定を無視し、自分の意志を押しつけるアメリカの傾向を考えれば、国際的な進め方に立ち返るのは、道理にかなっている。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/05/18/us-about-to-nip-in-bud-prospects-for-peace-korean-peninsula.html
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危機管理学部というもの、一体何が目的の組織なのだろう。危機悪化、あるいは、世間の注目逸らしが目的なのかと素人は思いそうになる。

雲隠れしたり、意味の通じないことを言ったり。支配体制を危機から守るためならなんでもする様子が、モリ・カケに関連している高級官僚、与党幹部そっくり。

植草一秀の『知られざる真実』も「際立つ安倍麻生内田の醜悪な生きざま」と書いておられる。

「働かせホーダイ」改悪法案強行採決!? 高プロ制度の危険性、そして加藤勝信厚労大臣による「ご飯論法」の詭弁を暴く!5.22 岩上安身による法政大学・上西充子教授緊急インタビュー!
を昨日拝聴し、「厚生労働破壊省」というのが実態だと理解した。

今日は、下記のアダム・バクリ氏インタビューを拝聴予定。

日刊IWJガイド・番組表「財務省が森友学園との交渉文書を衆・参両院の予算委員会に提出!その量900ページ超!?/『働き方改革関連法案』強行採決延期!安倍総理は『全国過労死を考える家族の会』とは頑なに面会拒否!?/高プロ、モリカケの陰でこっそり採決!? TPP11関連法案が衆院内閣委員会で可決!今国会で成立か?/日大アメフト部内田前監督が記者会見で反則指示を否定!? この問題は、日本の権力構造の縮図であるモリカケ問題と瓜二つ!/森友学園前理事長の籠池泰典氏と妻の諄子氏がようやく保釈決定!しかし大阪地検は決定に不服!?/

本日午後8時より『立ちふさがる分離壁!パレスチナの若者の現実!~岩上安身による映画「オマールの壁」主演俳優アダム・バクリ氏インタビュー〈予告編付き〉』を再配信!」2018.5.24日号~No.2079号~

2018年5月 8日 (火)

帝国の征服への道: 和平と軍縮協定

Prof. James Petras

2018年5月1日

はじめに

近年、アメリカ帝国戦略は独立国家を打ち破り打倒する経費の削減をはかっている。

手段と手法は、かなり単刀直入だ。敵対国を悪者として描く世界的プロパガンダ・キャンペーン。ヨーロッパと地域の同盟諸国(イギリス、フランス、サウジアラビアとイスラエル)の援助・協力獲得。“反政府派”、やら‘民主派’と呼ばれる現地人と外国人傭兵の徴募、雇用契約、訓練と武器供与。国内の社会的緊張や政権の政治的不安定を引き起こすための経済制裁。和解交渉の提案。経済制裁を止める約束、外交的承認や平和的共存と引き替えの戦略的兵器の変更を含む非互恵的譲歩を要求する交渉。

戦略的目標は、打倒、占領、政権転覆を実現し、更にその後の軍事的、政治的介入を促進するための武装解除だ。経済資源の略奪と、軍事基地の確保、アメリカ帝国との国際的提携や、更なる近隣諸国や自立した敵対諸国征服のための軍事的踏み台化を推進するための‘従属政権’の押しつけだ。

特に、北アフリカ (リビア)、中東 (イラク、パレスチナ、シリアとイラン)、アジア(北朝鮮)と中南米(コロンビアのFARC)に焦点を当てて、様々な地域における最近と現在の アメリカの戦術的、戦略的帝国構築の例に、このモデルを当てはめて見たい。

ケース 1: リビア

地方部族や君主制主義武装テロリストや国際経済制裁による、人気の高いムアンマル・カダフィのリビア政府打倒の取り組みに数十年失敗した後、アメリカは、交渉と妥協の政策を提案した。


リビア反政府派とヒラリー・クリントン

アメリカは経済制裁を終わらせる交渉を始め、カダフィが軍を解体し、長距離弾道ミサイルや他の効果的な抑止力を含めリビアの戦略的兵器を放棄するのと引き換えに、外交的承認や‘国際社会’への受け入れを申し出た。アメリカは、トリポリを狙って常時準備が出来ている軍事基地を縮小しなかった。

2003年、カダフィはジョージ・W・ブッシュ政権との協定に調印した。大型のアメリカ・リビア石油協定や、外交的合意が調印された。アメリカ軍の支援が武装したアメリカの子分連中に注ぎこまれる中、アメリカの安全保障顧問コンドリーザ・ライスが、平和と友好の象徴として、カダフィを訪問した。

2011年2月、オバマ大統領ヒラリー・クリントン国務長官が率いるアメリカが、EU同盟諸国(フランス、イギリス . . .)と共に、リビア - インフラ 、港湾、交通のセンター、石油施設、病院や学校を爆撃し… アメリカとEUが支援するテロリスト連中が主要都市の支配権を掌握し、カダフィ大佐を捕獲し、拷問し、殺害した。200万人以上の移民労働者がヨーロッパや中東への逃亡や、中央アフリカへの帰還を強いられた。

ケース 2: イラク

サダム・フセイン支配下のイラクは、イランを攻撃し、侵略するため、ワシントンから武器援助を受けた。この事実上の合意が、民族主義のイラクと帝国主義ワシントンとの協力は、両者共通の政策的狙いを反映するものだとイラク指導者が思い込むよう自信づけた。後にバグダッドは、クウェートとの領土紛争で、自分たちはアメリカによる暗黙の支持を得たと信じるようになった。サダムが侵略した際、アメリカはイラクを爆撃し、荒廃させ、侵略し、占領し、分割した。

アメリカは、クルド人による北部領土占領を支援し、飛行禁止空域を課した。 後に、ウィリアム・クリントン大統領は、何度か爆撃攻撃を行ったが、それで、サダム・フセインを排除することはできなかった。

G. W. ブッシュ大統領の下で、アメリカは、全面戦争をしかけ、侵略し、占領し、数十万人のイラク人を殺害し、イラク丸ごと疎外した。アメリカは、現代的非宗教国家や、その重要な機関を組織的に解体し、シーア派とスンナ派イラク人の間の最も残虐な宗教的、民族的戦争を醸成した。

1980年代、民族主義の隣国イランに対して、ワシントンに協力しようとしたイラクの取り組みが、イラクの侵略、破壊、サダム・フセインを含む何千人もの非宗教的指導者や、非宗教的、科学関係知識人の殺害、イラクの帝国の無力な属国への変身をもたらした。

ケース 3: シリア

カダフィやフセインとは違い、シリアのバッシャール・アサド大統領は、アメリカのレバノン侵攻や、アメリカによる、シリアの主に少数派キリスト教徒や親欧米反政府派支援に妥協しようとしながら、ワシントンの提案から、一定程度の独立を維持した。


2017年8月9日、北シリア、シリア民主軍卒業式の女性訓練生。(出典:Sgt. Mitchell Ryan for US Army)

2011年、アメリカは暗黙の合意を破り、手先である、シリアの地方のイスラム主義者が蜂起するのに兵器提供と財政支援を行い、連中が大半の地方や、ダマスカスの半分を含め主要都市の支配権を掌握した。幸いにも、アサドは、ロシア、イランとレバノンのヒズボラ戦士の支援を得ることができた。その後の7年間、アメリカ、EU、イスラエル、サウジアラビアとトルコからの膨大な軍事、財政、兵站支援にもかかわらず、アメリカ-EUが支援するテロリストは打ち破られ、退却を強いられた。

シリアは生き延び、国の大半を奪還し、リビアとイラクがそうし損ねたが、シリアは戦略的同盟国との武装同盟を形成することができ、国内武装反抗勢力を無力化することに成功した。

ケース 4: FARC (コロンビア革命軍)

FARCは、1960年代初期に、主として農民軍として編成され、主として地方で、200人から、約30,000人の戦士と、何百万人もの支持者にまで成長した。事実上、二重権力体制が主要都市の外部を支配していた。

FARCは、コロンビアの少数独裁政権との和平合意交渉を何度か試みた。1970年代末の、暫定合意でled FARCの一部が武器を放棄し、政党、愛国同盟を形成し、選挙に参加した。選挙で多少議席を得た後、少数独裁者突然合意を破り、テロ作戦を開始し、5,000人の党活動家と、数人の大統領や議員候補者や議員を暗殺した。FARCは武装闘争に戻った。

それに続く、1980年-81年の交渉中、少数独裁者政権は交渉を絶ち、FARC代表暗殺を狙って、会談場所を急襲したが、代表は捕獲を無事免れた。再三の失敗にもかかわらず、2016年、FARCは、2001年-2010年、地方や都市スラムでの殲滅作戦で軍隊を率いていた元国防相フアン・マヌエル・サントス大統領のコロンビア政権と‘和平交渉’に入ることに合意した。ところがFARC内部で大きな政治的変化が起きていたのだ。それまでの十年間で、FARCの歴史的指導者たちが殺害されたり、死亡したりして、再三交渉を阻止し、いわゆる‘和平合意’を取り消してきた信用できない少数支配者政権の万一の場合に備え、兵器を維持しながら、公正に平和を推進する合意を確保する経験にも熱意にも欠ける新世代に置き換えられていた。

やみくもに平和を追求する余り、FARCは革命軍を解体し、武装解除することに同意した。FARCは、土地改革を含む社会-経済改革に対する支配力を確保し損ねた。FARCは、治安維持を、地主、7つのアメリカ軍事基地と、麻薬暗殺部隊とつながる政権の軍隊に任せてしまった。

‘和平合意’はFARCを破壊した。武装解除するやいなや、政権は合意を取り消した。何十人ものFARC戦闘員が暗殺されたり、逃亡を強いられたりした。少数独裁者が、追い立てられた農民に対し、土地、天然資源、公的資金の完全支配を維持し、エリート層が選挙を支配した。FARC指導部や活動家は投獄され、死の恫喝を受け、敵対的な公営、民営マスコミ・プロパガンダによる絶えない集中攻撃にさらされた。

FARCの悲惨な和平合意は内部分裂、分離と孤立化を招いた。2017年末、FARCは崩壊した。各派は我が道を行った。一部は縮小したゲリラ集団に再度加わった。闘争を放棄し、雇用を求めた人々もいた。政権に協力したり、コカ栽培者になったりする機会を求めた人々もいた。

少数独裁者とアメリカは、40年の軍事戦争で実現し損ねていたFARCの降伏と打倒を交渉によって実現したのだ。

ケース 5: イラン: 核合意

2016年、イランは、七つの調印国: アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、中国、ロシアと欧州連合との和平合意に署名した。合意は、イランが、民生用と軍用のデュアル・ユースが可能な濃縮ウラン製造能力を制限し、 国外搬出するよう規定していた。イランは欧米による核施設査察を認め、テヘランが完全に遵守していることが認められた。

それと引き替えに、アメリカと協力諸国が、経済制裁とイラン資産凍結を停止し、貿易、金融と投資への制限を停止することに同意した。

イランは完全に遵守した。ウラン濃縮施設は製造を停止し、残っていた在庫は国外に搬出されたs。査察では、イラン施設への完全なアクセスが認められた。

対照的に、オバマ政権は完全遵守したわけではない。一部の経済制裁は解除されたが、他の制裁は強化され、イランの金融市場へのアクセスは酷く制限された - 明らかな合意違反。それでも、イランは、自分たちの側の合意内容を守りつづけた。

ドナルド・トランプ当選で、アメリカは合意を否定し(‘それは’これまでで最悪の合意だ’)イスラエルのB. ネタニヤフ首相の軍事的狙いに従って、完全な経済制裁復活と、イランの全国防の解体と、中東において、イランが、アメリカ、イスラエルとサウジアラビアの命令に服従することを要求した。

言い換えれば、トランプ大統領は、ヨーロッパとアジアの全ての主要諸国に反対し、孤立化し、武装解除し、イランを攻撃し、テヘランに傀儡政権を押しつけるというイスラエルの要求に有利なように、合意を放棄したのだ。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、イランの新たな軍事的譲歩を確保するため、イランが(1)地域の同盟者(シリア、イラク、イエメン、パレスチナ、レバノン-ヒズボラとイスラム教大衆運動を放棄)、(2) 大陸間弾道ミサイル防衛システムの解体、終焉(3) アメリカ(イスラエル)による、全ての軍事基地と科学施設の監督と査察受け入れを含む、トランプ要求の一部を盛り込むよう合意を‘修正’(原文通り)しようとしていた。

マクロン大統領の姿勢は、内容を破壊し、‘合意’の形式だけ‘維持’するというものだった。彼はトランプの目標を共有していたが、既存合意の‘修正’に基づく段階的な手法を狙ったのだ。トランプはイスラエル方式を選んだ。もしイランが譲歩を拒否し、ワシントンの要求を受け入れることを拒んだら、軍事攻撃をするというあからさまな威嚇を伴う、真っ向からの合意丸ごとの拒絶だ。

ケース 6: パレスチナ

アメリカは、1967年以前の領土的、歴史的権利に基づく双方が合意した二国解決にのっとって、イスラエルがパレスチナを認め、入植を止め、和平調停を狙うイスラエルとパレスチナ間の和平合意を仲介するふりをした。クリントン大統領下、アメリカ合州国は入植に喝采し、更にイスラエルの現在と将来のありとあらゆる違反を支持するにい至っている。600,000人以上のイスラエル人入植者が土地を占領し、何万人ものパレスチナ人を追放した。イスラエルは年中ヨルダン川西岸を侵略し 何万人ものパレスチナ人を暗殺し、投獄してきた。イスラエルはエルサレムを完全支配している。イスラエルによる段階的民族浄化とパレスチナのユダヤ化を、アメリカは是認し、武器を供与し、財政支援してきた。

ケース 7: 北朝鮮

アメリカは最近、北朝鮮の金正恩が提唱した交渉による合意を支持すると述べている。平壌は、半島の非核化と、韓国内のアメリカ軍部隊維持を含む恒久的平和条約交渉のために核計画と実験を停止すると申し出ている。

トランプ大統領は、経済制裁を強化し、韓国内での継続中の軍事演習を行いながら、交渉を‘支持する’戦略を推進している。交渉の準備段階で、アメリカは何ら互恵的譲歩をしていない。トランプは、もし北朝鮮が、武装解除し、国防を解体するというワシントンの主張に従わなければ、交渉は止めると、公然と威嚇している。

言い換えれば、トランプ大統領は、朝鮮を、アメリカに、イラク、リビアとFARCの侵略と軍事征服と破壊の成功をもたらした政策に従わせたいのだ。

ワシントンの朝鮮平和協定交渉は、最近駄目になったイランとの‘核合意’同じ道をたどるだろう。テヘランの一方的武装解除と、それに続く、合意破棄だ。

この全てのケース・スタディーが実証している通り、アメリカのような帝国建設者にとって、交渉は、弱体化させ、攻撃するべく独立国家を武装解除させるための戦術的陽動作戦なのだ。

結論

我々の研究で、ワシントンが帝国構築を強化するために‘交渉’と‘和平プロセス’を戦術的兵器として、どのように利用しているのかを明らかにした。敵対国の武装解除と動員解除によって、政権転覆のような戦略目標追求を促進するのだ。

帝国建設者が不誠実な敵がと分かっていることが、和平プロセスや交渉を拒否すべきことを意味する訳ではない - そうすれば、ワシントンに、プロパガンダ兵器を与えてしまうので。そうではなく、帝国に敵対する国は、下記指針に従うのが良い。

交渉は、一方的、特に非互恵的な兵器計画の縮小ではなく、互譲的なものにするべきだ。

交渉は、決して、脆弱性を増し、電撃作戦を可能にしてしまう武装解除と国防軍動員解除であってはならない。交渉では、帝国の違反や、特に軍事的・経済的同意の突然の破棄に対して高い代償を課すことができる自国の能力を維持すべきなのだ。帝国の違反者は、人的、国家的代償が高くつき、政治的に不人気な場合、侵略をためらうのだ。

帝国に敵対する諸国は、孤立したままであってはならない。軍事的同盟国を確保すべきだ。シリアの場合が明らかだ。アサドは、ロシア、イランとヒズボラとの連合を構築し、それがアメリカ-EU-イスラエル- トルコとサウジアラビアが支援する テロリスト‘反政府派’に効果的に反撃した。

イランは、核能力を廃棄することには合意したが、イスラエルやアメリカによる奇襲攻撃に報復できるICBM計画は維持している。ほぼ確実に、イスラエルは、テルアビブに有利なよう、アメリカが中東戦争の苦痛を負担するよう主張するだろう。

北朝鮮は、アメリカに対して、既に一方的な非互恵的譲歩をし、韓国に対して、より小規模に譲歩をしている。もし北朝鮮が同盟国(中国とロシアのような )を確保することができずに、核抑止力を止めてしまえば、更なる譲歩への圧力を招く。

経済制裁解除に返礼するのは良いが、戦略的軍事防衛を危うくすることであってはならない。

基本原則は、互恵主義と、戦略的防衛と、戦術的経済的柔軟性だ。永久の同盟国は存在せず、あるのは永久の権益だけだというのが指針となる考え方だ。イラク、リビアやパレスチナの場合で明らかで、またシリアでは致命的に近かったように、欧米帝国主義の高尚な‘価値観’への見当違いな信頼や、帝国権益に関する現実的でない認識can自立した指導者たちにとって致命的、国民にとって破壊的なものになりかねない。最新の例はイランの場合だ。アメリカは、2016年に和平合意に署名し、2017年に破棄した。

北朝鮮はイランの経験から学ぶべきなのだ。

協定を破棄する帝国の時間枠は色々だ。リビアは、アメリカとの武装解除協定に、2003年に署名し、ワシントンは、2011年にリビアを爆撃した。

どの場合も、原則は同じだ。紙片の契約に従って帝国権力が権益を放棄した歴史的な例は存在しない。帝国は、他に選択肢が無い場合にのみ協定を守るのだ。

James Petrasは、ニューヨーク、ビンガムトン大学の社会学のBartle Professor (名誉)教授。

本記事初出はGlobal Research
Copyright Prof. James Petras, Global Research, 2018

記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/imperial-road-to-conquest-peace-and-disarmament-agreements/5638573

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孫崎享氏の今朝のメルマガ題名をコピーさせていただこう。

改憲、原発等重要政策激しく対立の中、足して二を国民は望んでない。マスコミ冷たい反応。産経「支持率0%同士がくっついても0%でしかない」日経「規模を優先、政策は曖昧」朝日「続々不参加」、毎日「変な名前」不参加の遠因?」東京「不参加続出」

下記の不穏な壊憲策動、大本営広報部は報じているのだろうか?

日刊IWJガイド・番組表「自衛隊会議室で退職者と予備自衛官の団体が憲法改正運動!? 繰り返される軍事ファシズム!/進水はしたものの…希望に満ちて民とともに進めるか?国民民主党のこれからの航路は?/『平和か戦争か!? 運命の前夜の韓国へIWJ記者を特派!10夜配信シリーズ特集・第四夜~「米国の軍事主義と韓半島の平和」~パク・インギュ氏(元京郷新聞ワシントン支局長)講演会』を午後6時から配信します!/
<新記事紹介>TPP11と日欧EPAが超危険!! 食料自給率が20%を切る!? 種子法廃止で有機栽培できる土地が消える!? 遺伝子組み換え食品ばかりが食卓に?」2018.5.8日号~No.2063号~

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