ロシア

2019年11月 8日 (金)

アメリカ・シェール・エネルギーに関するロシアの指摘は正しいのか?

F. William Engdahl
2019年11月6日
New Eastern Outlook

 最近のペンシルベニア・シェール生産者大会での発言で、ドナルド・トランプ大統領は、シェールオイル同様、シェールガスのこれまで10年間にわたる壮大な成長を指摘して、非在来型シェール・エネルギーが「アメリカを世界史上最も偉大なエネルギー超大国」にしたと述べた。一見すると、この業績は本当に印象的だ。2011年以来、アメリカはロシアを越えて、天然ガスの世界最大の生産国になった。2018年までにアメリカはロシアとサウジアラビアを追い越して、世界最大の石油生産国になった。それはもっぱら、アメリカの非在来型シェールオイルとガスによるものだ。だが成功は短命かもしれない。

 シェールエネルギーの勃興と、西テキサスやノースダコタや他の場所の好ましい地質学的条件が、中東やベネズエラ政策でのみならず、アメリカに世界政治で明確な地政学的手段を与えたのだ。ロシア・ガスが主要な供給元であるEUでも。アメリカは、ガスと石油における主導的役割に基づいて、政策を続けることができるのだろうかか、それとも、これは、出現した時と同じぐらい突然に終わる一時的急上昇にすぎないのだろうか?

 勝ち誇ったトランプがピッツバーグでシェール産業に演説していたのと、まさに同じ時、ロシアのノヴァク・エネルギー大臣が、アメリカの重要な地域におけるシェールオイル生産増加が最近減速していることを指摘していた。「もし予想が正しければ、近い将来、生産は頭打ちになるだろう。」彼はここ数カ月のシェールオイル掘削の大幅減少と、2020年シェールオイルの大幅減速が増すというウォール街による予測を示した。アメリカ・シェールガスの見通しは、現在の国内供給過剰にもかかわらず、肯定的なものとはほど遠い。LNG輸出ターミナルのインフラは増えているが、アメリカが、ロシアのガスと競合して、EUへの主要供給元になるのに十分なものからはほど遠い。しかもウォール街からの金も干上がりつつある。

 EUでのトランプ敗北

 トランプ政権は、供給の多様性を主張して、ロシアの従来形天然ガスの代わりに、アメリカ・シェールガスを買うよう、EUや世界の他の地域を説得する上で大きな政治的努力を払った。今それは決して実現しそうもないように見える。ロシアからバルト海を横切ってドイツに至る、能力を倍増し、ウクライナ・パイプラインへの依存を減らすヨーロッパ・ノルドストリーム2ガスパイプラインを中止させようとするアメリカの強い圧力にもかかわらず、最後のEU障壁デンマークは、領海を通るガスプロム・ルートを承認すると発表した。何カ月にもわたるワシントンによる圧力後のデンマークの決定は、アメリカ・シェールガスを液化LNGとして、ロシア・パイプライン・ガスの代用にするというトランプのエネルギー地政学戦略の明確な敗北だ。ガスプロムは、2020年始めまでに、ガス輸送能力を倍増するノルドストリームの二本目の完成を計画している。

 最近の2018年7月、ワシントンでの欧州委員会ユンケル委員長との会談で、トランプは、欧州連合(EU)が間もなくアメリカ液化天然ガス(LNG)の「大規模バイヤー」になると発表していた。二年前の最低水準からすれば輸出は増えているが、それはまだ起きていない。ロシアのガスを阻止するアメリカ失敗はその希望に対する大打撃だ。

 今日までのアメリカLNG供給元とポーランド間の限定された契約は別として、ノルドストリーム2をEUが承認した今、来年の対EU市場アメリカLNG大量輸出の見込みはほとんどない。

 ノルウェーに頼るポーランド

 アメリカ・シェール液化天然ガスのEU輸出成功例の一つ、すなわちポーランドさえ、ほかのところで、非ロシア・ガスを探している。2018年、アメリカ・シェールガス会社とのガス契約調印に続いて、ポーランドはノルウェー・ガスに頼った。ポーランド国営ガス企業の社長ピョートル・ヴォジニャクは「2022年から、100億立方メートルの計画容量のバルト・パイプ経由で、我々はノルウェーの大陸棚上で我々自身が採掘する約250万立方メートルの天然ガスを輸入するつもりだ。我々はノルウェー市場から残りの燃料を買う予定だ。」と発表したばかりだ。より高価なアメリカ供給元からの膨大なポーランド・ガス購入の夢は、もはやこれまでだ。

 アメリカLNGの輸出は、ガスを積載して出荷するためのガスを液化するための高価なインフラや特殊な港湾施設やタンカー建設に依存している。最近の非常に安いアメリカ国内ガス価格と高い投資コストから、主要輸出施設の完成が遅れている。2018年、その多くがシェール抽出によるアメリカ天然ガスの生産が、ガス供給過剰を引き起こし、アメリカのガス価格を25年の最低にした。今年のガス生産は去年より10%多い

 二番目に大きいアメリカガス生産者チェサピーク・エナジーは更なるガスに対する投資を急激に削減し、資産を売って、負債を減らそうとしている。2008年に、同社は豊穣なヘインズビル鉱区を発見したが、かつて「アメリカで最も収益があるガス田」と呼ばれた北ルイジアナと東テキサス鉱区での生産を、低価格のために減らしている。同社はシェールガスブームをフルに利用するため、連邦準備銀行がゼロ金利維持した2010年の後、大規模借金をした。今やガスは溢れ、連邦準備銀行政策がきつい状態で、同社も他社も巨額の借金と、下落するガス価格を押しつけられている。

 彼らは倒産することができ、エクソンモービルのようなより大きな競争相手が、安く彼らのガス埋蔵を買うことができるが、EUや中国へのアメリカLNG輸出に対する将来投資の経済的側面は明るくない。ワシントンの貿易戦争は、アメリカLNG輸出業者がインフラを拡大していた、まさにその時に、安定したLNG輸入を求めてロシア、オーストラリア、カタールや他のものに中国が目を向けるよう仕向けたのだ。アメリカ関税に報復するため、中国はアメリカLNGに25%の輸入関税を課して、効果的にアメリカ・ガスの可能性を潰したのだ。アメリカ・ガスは、EUでもアジアでも、いくつかの他の生産者との厳しい競合に直面しなくてはならないのが現実だ。

 アメリカ・シェールオイルの凋落?

 現在、アメリカ・シェールガスが世界的主要勢力となる見込みは大きくないが、近年、アメリカ・シェール掘削の主要な焦点であるシェールオイルの展望は全く違う問題に直面している。世界的な景気下降の不安を前に、益々多くのウォール街企業がリスクを減らすにつれ、シェールオイル・プロジェクトへの投資は大幅に削減されている。

 アメリカの非在来型シェールオイル生産は、これまで10年間ほどににわたり、多くの人々にとって驚くべきものだった。米国エネルギー情報局によれば、アメリカ原油生産高は2018年、一日1096万バレルの記録に達した。日産約650万バレル、原油全体のほぼ60%が、主としてテキサス西部の巨大なパーミアン盆地のシェール資源だ。だが増加のペースは、際立って鈍化しており、シェールオイルの死のスパイラルは確実だと一部の人々が予測している。

 アメリカ・シェール石油が年率180万バレル増加した、2018年末のピークの成長から、今四半期には、その半分に減るとRystad Energyは推定している。彼らは「2017-2018年の重要な油井活動の拡張」は「基盤のより急速な下落を犠牲」で実現したと指摘している。いわゆる若い井戸が始めの数四半期に大量の石油を産出し、生産高は急速に減少する

 世界石油価格は50ドルの範囲で立ち往生しており、ベネズエラ、イラン、サウジアラビアでの地政学ショックにもかかわらず、シェールオイルの経済はストレスに直面している。大半の小規模シェール企業が赤字操業しており、もしこれが間もなく変化しなければ、アメリカ・シェールオイル破産の速度は雪だるま式に加速しかねない。

 問題はアメリカのシェールオイル経済の大半が不透明なことだ。 近年、シェールオイル企業への大量の投資は、石油埋蔵量が増加するという企業見積もりに基づいていた。しかしながら、この数値は主要な利益相反の影響を受けるのだ。2008年以来、証券取引委員会は、石油会社が埋蔵量を決定するために、開示の対象とならない「独自の方法」を使うことを許してきた。生産高がブームになり、金が豊富な限り、誰もたいして気にしなかった。今それは変化している。最近パーミアン盆地で最大企業の一社Pioneer Natural ResourcesのCEOスコット・シェフィールドは、シェール油のための最良の場が石油産業に不足していることを認めた。それは「スイートスポット」と呼ばれるもので、利益を得るため経費が十分低い。わずか二年前、パーミアン盆地のシェール埋蔵量をサウジアラビアに例えたシェフィールドにとって、大きな転換だ。

 ここで、ありそうなのは、アメリカ・シェールオイル部門の生産率の更なる下落と、それゆえアメリカ石油全体の下落だ。シェールブームは、従来の井戸より遥かに速く、最大産出量に達し、枯渇する油井に依存することが知られていた。技術がその効果を緩和するのを助けたが、金が安く借りられ、石油価格が上がっている限りのことだった。2018年から石油価格が下がった。2018年10月、ウエスト・テキサス・インターメディエイト石油は1バレル75ドル以上の値段だった。今日価格は、56ドル付近で、大半のシェールオイル会社にとって、危険なほど損益分岐点に近い。

 S&P Global Plattsのシン・キムは「業界が考えているより速く、シェールに失望する可能性」を見ている。「アメリカ・シェールの日産100万あるいは150万バレルという、一貫したレベルの、生産伸び率に見合うものは他に何もありません。」と彼女は言う。

 アメリカ・シェールオイルの急速な衰退の地政学的結果は、アメリカ対外政策の選択肢に重大な影響を与え、アメリカの油田投資が低下すれば、アメリカ経済にも影響し、トランプ再選にとっても良いニュースではない。一つの不吉な兆しは、以前のシェール低迷の際は、シェールオイル採取業者が、需要復活を待って使わない装置をそのままにしていたのに対し、今回は装置が部品に解体されたり、スクラップとして売られたりしている事実だ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/11/06/is-russia-right-about-us-shale-energy/

----------

 昨日は、昼から、バラエティーやら呆導番組やらを、音を消して、翻訳しながら、時々ながめてみた。森田知事の行動はしつこく報じていたが、国会討論での下劣野次問題や入試問題に触れたものは皆無だった。民間企業による大学入試導入は既定事項なのだから、決して触れるなと全ての局に通達が回っているのだろうか。TPPの時と同様に。そして検閲は更に強化されつつある。

日刊IWJガイド「外務省が『検閲』!? ウィーンの芸術展公認取り消しの理由は『「両国の相互理解を深め、友好を促進するという要件に合致しない』から!?」2019.11.8日号~No.2612号~

2019年11月 5日 (火)

シリア:終盤の勝利者は誰か?

2019年10月31日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 ISIS指導者を殺害して、シリア危機に対するアメリカの関与の証明だというアメリカ大統領の主張にもかかわらず、アメリカに有利な終盤を形成するには、現地の現実に影響を与えるアメリカの能力は限定されている。この暗殺は、トランプが大統領選挙運動を強化するのを可能にするかもしれないが、バクダディの死が、ロシアが主導する和平策定過程で、アメリカが議席を獲得する可能性はありそうにない。同様に、トルコの軍事作戦と、シリアに「安全地帯」を確立することに関する最近のトルコ-アメリカ協議と決定にもかかわらず、トルコとロシアの協定は、終盤を形成する上で、遥かに大きな可能性を持っている。二つの協定の決定的な相違を作り出しているものは、シリアにおける両国の物理的駐留規模だ。アメリカは既に、シリアからイラクへと軍隊の大部分を移動させたのに対し、ロシア軍は積極的にシリアに駐留しており、シリア軍の重要なパートナーだ。

 実際、トルコ内へのクルド人民防衛隊/PKKの潜入を防ぐため、ロシアが共同でシリアトルコ国境を管理する点で、トルコ-ロシア合意の実施は主にロシア軍に依存する。協定はロシアとトルコ双方にとり「お互い満足」だ。トルコにとっては、奥行き10キロの国境地帯共同パトロールは、トルコが最近の軍事行動で得たものの強化に役立つ。これは国境の残る地域のほぼ全てで、奥行き30キロで、クルド人民防衛隊(YPG)撤退に関する合意の中の条項に加えてだ。ロシアにとって、トルコの軍事駐留は問題で、正当性に欠けるが、共同パトロールは、シリアにおいて、トルコのロシアに対する依存を増し、NATO大国をロシア側に惹きつけておき、ブリュッセルから相対的に引き離すための重要な糸になる。

 またロシアにとっては、シリアにおける長期的なトルコ軍事駐留を認めておらず、シリアの領土的分裂を目指さないという点で、合意は「お互いに満足」だ。実際、合意は正当にシリアの政治的統一と領土保全を犠牲にせずに、トルコの国益を確保することを規定している。それで「安全地帯」というアメリカ政策は、少なくとも今のところ事実上停止状態にある。

 同様に、シリアからのアメリカ撤退は全面的ではなく、アメリカはシリア油井を支配下に保持することを決めており、今アメリカの支配領域が縮小し、ロシアとシリアの支配下の領域が多種多様に増加している。これはシリアでは、これ以上軍事侵攻しないというロシアとトルコの合意のせいだけでなく、アメリカ部隊撤退のおかげもある。これはつまり、アメリカの突然の撤退によってもたらされた真空が、それらの地域にトルコ戦力がいない場合、ロシア軍の助けを借りたシリア軍に埋められていることを意味している。

 とは言え、トルコがシリア内で更に侵攻はしないにせよ、最近のイドリブ訪問時に、シリア領土を盗むのに熱中している「泥棒」とエルドアンを批判して歯に衣着せずに言わったアサドにとって、シリア内のトルコ軍事駐留は大きな問題のままだ。シリア体制に、シリアに対するトルコの軍事駐留について実情を打ち明けたというモスクワの主張にもかかわらずの、アサドの批判なのだ。

 ロシアにとって、トルコに対するシリアの批判は厄介ではない。一つには、シリア北部国境のほとんど3分の2を支配している事実から、トルコはシリアの最終的解決に向かって非常に強い立場にあるが、もしエルドアンがシリアの統一と領土保全に対する支援を確認し続けるなら、トルコはシリア領域のこのような広範囲を無期限に占拠することはできないことだ。

 だがロシアにとって、これは重大な問題ではない。シリア危機を終わらせる上で、地域の当事者間の一括交渉が平和への鍵になるはずなのだから。

 アメリカ軍駐留と、アメリカによるシリア油田「支配」は正当性に欠け、国際法の下で承認されていない。しかも、シリア軍は、アメリカ軍のシリアでの永久、あるいは更なる長期駐留を決して受け入れまいし、ロシアもそうだろう。アメリカ駐留は既に過去3年から4年の間にかなり縮小し、シリアの食物や農業やエネルギーの源を奪還しようとするシリア軍の全国的な動きを考えれば、米軍駐留は減り続けるだろう。

 結局「アサド辞任」という邪悪な計画を挫折させたのみならず、シリアでの「政権転覆」支援から、シリアの「領土保全」と「統一」を守ると誓うまで、政策コースを変えるようNATO諸国を成功裏に説得した点でも、勝利するのはシリアとロシアだ。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/31/syria-who-is-winning-the-end-game/

----------

 「石が流れて木の葉が沈む」今やお隣の国を遥かにこえる酷い状態。

日刊IWJガイド「名古屋市が『あいちトリエンナーレ2019』芸術監督の津田大介氏に法的措置を検討!? 民事・刑事両面で!?」2019.11.5日号~No.2609号~(2019.11.5 8時00分)

 IWJガイドには

はじめに~日本国憲法公布を記念した「文化の日」を植民地支配や侵略を肯定する「明治の日」に!? 賛同署名に100万筆が集まる右傾化日本の現実!

 とある。昨日転載させていただいた記事のように「田中正造の日」にして欲しいもの。

 昨日拝見したIWJ岩上氏による河かおる氏インタビューで示された写真で、韓国の方々の抗議集会の頻度・規模の多さ、大きさに感嘆。実際、権力者を何度も打倒している。韓国の方々の爪の垢を煎じてのまなければならないようだ。

2019年11月 3日 (日)

アメリカ帝国主義の本当の顔を見せた最近のトランプ中東策略

2019年10月30日
ジェームズ・オニール
New Eastern Outlook

 2019年10月最後の週、トランプ大統領が発表したシリアからの米軍撤退を欧米新聞はたっぷり報じた。彼の主張は、彼自身の将官に支持されたのでなく、実際ひどく弱められ、現地における実際の出来事で否定されたことをメディアはほとんど注目しなかった。

 トランプのエセ発表を巡るあらゆるメディア誇大宣伝の中には、下記に述べる理由から、発表され、即座に弱められたアメリカ計画を巡り完全に欠如している一つの不可欠な要素があった。その要素は、一連のアメリカやオーストラリア指導者が目につく例であると欧米政治家による宣言で、しばしば触れ、彼らが喜んで「ルールに基づく国際秩序」と呼ぶものの役割だ。

 欧米指導者が引用を繰り返し(そして無視)しているにもかかわらず、ここで問題となっている主体は拍子抜けするほど単純だ。国際法は、他国に対する戦争を行う国家の権利に言及している。二つの状態しか国際法で認められていない。実際、あるいは差し迫った軍事攻撃の被害者であれば、国は自己防衛行動ができるのだ。

 あるいは、そのような行動が国連安全保障理事会によって承認された場合。

 アメリカとその様々な同盟国による軍事行動に関して、彼らはイラクあるいはシリアによる明白な実際あるいは差し迫った軍事攻撃の標的ではなかった。同様に明らかなのは、アメリカや同盟国のいずれの軍事行動も国際連合安全保障理事会決議は認可していなかったことだ。アメリカとイギリス(もう一つの、より目立たない犯罪者)いずれも彼らのそのような動きが中国とロシアの拒否権に会うのを避けられないのを知っていて、国際連合安全保障理事会承認を求めなかったのだ。

 彼らがともあれ先に進んだことこそ、「ルールに基づく国際秩序」に対する欧米の本当の誓約に関するトラック1台分の欧米指導者演説より多くを物語る目ざましい事実だ。

 イラクとシリアの欧米侵略は最近の現象ではない。イラクの場合、国境のイラク石油資源のクウェートによる窃盗とされるものに対し、隣国クウェートとの戦争をアメリカが支持してくれると信じるよう仕向けられたことが、今きちんと文書化されている。

 クウェートに対するサダム・フセインの軍事行動はアメリカに率いられた大規模軍事反撃に出くわした。イラクは、その過程で衝撃的な軍事損失をこうむり、撤退してイラクに戻るよう強いられた後、彼らはそれから10年、経済的、政治的制裁を受けた。

 ジョージ・W・ブッシュ下のアメリカが、10年後、2003年にイラク侵略を決めた時、イラク軍は10年の制裁によって大いに弱められていた。当面の目的にとって重要なことは、2003年侵略が基本的な嘘に基づいていたことだ。イラクが「大量虐殺兵器」を所有しているということだ。

 オーストラリアのようなアメリカ同盟国の支持を得るため、この正当化が利用されたのを我々は知っている。それが嘘だったという事実は一度も真面目に議論されたことがなく、16年以上たった今、アメリカ部隊(と彼らの同盟国)が依然イラクを占領し、イラク政府の権利と願望をほとんど完全に無視して行動している。シリアの中を行ったり来たりする米軍の最近の動きは、こうしたこと単純な実証に過ぎない。

 その特色が欧米による国際法の完全な無視だった2003年の大失敗から、欧米は何か学んでもよかろうと期待したくもなる。

 それどころか同じ嘘が、今回は国際的に認められた合法的なシリア統治者に対し、アメリカとオーストラリアのような同盟国によって持ち出されたのだ。欧米メディアは、微妙とは言えない侮辱で「シリア政権」と呼んでいる。今回は、サダム・フセインの大量虐殺兵器とされたものは、「自国民を殺している」というシリアのアサド大統領について繰り返される虚偽の主張に置き換えられている。

 イラクと同様、アメリカとその同盟国軍隊は、シリア領を侵略し、軍事基地を設置し、国際的に認められた合法シリア独立政府の暴力的征服を狙う作戦を行っているのだ。

 2015年のロシア軍事介入とイランとヒズボラからの進行中の強い軍事支援がなければ成功した可能性が高い。彼らの介入は軍事情勢を根本的に変え、4年後の現在、シリア政府は今にも自身の領土の支配を取り戻そうとしている。

 そこで、アメリカが「ISISを打ち破り」、兵隊を撤退させるというトランプによる前述の主張に立ち返ることになる。アメリカは「ISISを打ち破っていない」のが事実だ。アメリカは、彼らや複数の他のテロ集団を、シリア軍や彼らの同盟国と戦い、シリア石油資源の組織的窃盗に従事する同盟者として使うのを一度もやめたことがないのだ。

 いわゆるアメリカ撤退の完全に欺瞞的本質は、その正当な所有者シリア政府を含め、全員からシリア油田を確保することをトランプが公然と語り、迅速に暴露された。

 スプートニク・ニュース報道によれば、アメリカのマーク・エスパー国防長官はシリア油田は「現在の撤退段階にない」ことを認めた。実際撤退どころか、現在のアメリカ計画は、油田に近いシリアの基地にイラクから追加の戦車と関連する兵隊を配備することだ。おそらく付け加える必要はあるまいが、国際連合やシリア政府の同意は求められも、得られてもいない。

 その正当な所有者シリア政府からを含め、シリア油田を確保することに関するトランプの発表は、この地域全体におけるアメリカ政策の主要目的の一つを典型的に無遠慮な形で明らかにした。シリア天然資源の生産、流通、利益の支配だ。アメリカにとって唯一の当惑は、トランプがシリア「民主政治をもたらす」やら、アメリカが当面の敵に歓迎されない意図を押しつける時に使う他のいかなる無意味な表現のお馴染みアメリカ詭弁で、露骨な資源簒奪を隠そうとしないことだ。

 シリア資源の盗みと傀儡政権の樹立を別として、欧米メディアがほとんど注目しない、この地域におけるアメリカ政策のもう一つの局面がある。

 きわめて貴重なペペ・エスコバールは地域におけるアメリカ政策の肝要な要素に対して、終始注意を喚起しているわずかな著者の一人だ。イランとイラクとシリアは、ずっと以前2012年に、三国全ての主要天然資源、すなわち石油とガスの輸出用ガスパイプライン共同開発覚書に署名している。

 イラクとシリアで進行中の戦争と、イランに対するアメリカのハイブリッド戦争と不変の悪魔化が三国全てに明白な恩恵がある、このプロジェクト開発を妨害しているのだ。

 これまでの数日の進展で極めて重要なのは、地域における破壊的で明白に虫のいいアメリカ駐留をシリアから排除するという、あいまいな余地を残さないシリアとロシアの強い決心だ。

 エスコバールが指摘するように、最近の開発の大きい運命のいたずらの1つがトルコが、おそらく上記の2012年パイプライン計画の締約国となって、アメリカとの関係冷却を更に深めることだ。

 そうした場合、トルコが、一帯一路構想と、インドが開発している北南経済回廊における役割を更に強化する意図を示すことになる。地域における急進的な変化が進行中だ。大きな疑問は、アメリカが、これらの変化を認識して、行動を修正するか、それとも、より可能性が高いが、利己的な軍事介入を続け、それら地域構想的を傷つける試みを続けるかどうかだ。筆者の考えでは、少なくとも短期的には、後者が遥かにありそうな選択だ。シリアでの最近の進展が明らかにしているのは、シリアでのアメリカの行動がロシアの我慢の限界に達したという、ロシアによる疑う余地のない警告を与えられたということだ。

 ジェームズ・オニールは、オーストラリアを本拠とする法廷弁護士で地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/30/trump-s-latest-middle-east-gambit-shows-the-true-face-of-american-imperialism/

----------

 植草一秀の『知られざる真実』最新記事のような主張を大本営広報部はしているのだろうか?

民間英語試験利用は延期でなく中止すべし

安倍内閣の早期総辞職が求められている

 スポーツには個人的にほとんど興味ないが、熱中症リスクは無関心ではいられない。

日刊IWJガイド・日曜版「2020年東京五輪のマラソン・競歩は、札幌市開催が決定!! 小池都知事は「合意なき決定」と負け惜しみ!? が、他の屋外競技も熱中症リスクは依然存在!?」2019.11.3日号~No.2607号

2019年11月 2日 (土)

真実を語ることは反米行為になった

2019年10月30日
Paul Craig Roberts

 スティーヴン・コーエンと私は、現在のアメリカとロシア間の緊張状態は、冷戦時代のアメリカとソ連間の緊張より一層危険であることを強調している。コーエンも私も、現在の緊張の状態で高まっている核戦争の危険に注意を払う必要性を主張していることで、アメリカ軍安保複合体の集団から資金供給されている疑いがあるウェブサイトPropOrNotから「ロシアの手先/スパイ」と呼ばれている。

 コーエンと私は、冷戦時代、両国が緊張を緩和し信頼を築こうと動いていたことを強調している。ジョン・F・ケネディ大統領は危険なキューバミサイル危機を沈静化させるためフルシチョフと協力した。リチャード・ニクソン大統領はジミー・カーター大統領と同様、ソ連リーダーと軍縮協定を締結した。ロナルド・レーガン大統領とゴルバチョフは冷戦を終わらせるために協力した。ジョージ・H・W・ブッシュ大統領政権はゴルバチョフに、もしソ連がドイツ再統一に同意すれば、アメリカはNATOを一インチも東に拡大しないと保証した。

 これらの業績は全てクリントン、ジョージ・W・ブッシュとオバマのネオコン政権によって破壊された。アメリカ/ロシアの関係を正常化するドナルド・トランプ大統領の意図は、アメリカ軍安保複合体と売女メディアと民主党によって阻止された。
ロシアゲート・ペテンと現在の違法な弾劾プロセスは、核保有二大国間の緊張の危険な状態を、何らかの形で緩和するのを阻止するのに成功した。

 冷戦時代を生き抜き、戦った我々は、飛来するICBMの誤警報や、他の極めて緊張の高い瞬間が核アルマゲドンを招きかねなかったのを周知している。

 元CIA分析のレイ・マクガヴァンは、1962年10月27日、キューバ・ミサイル危機の頂点に、一人のソ連の海軍潜水艦艦長ワシーリー・アレクサンドロヴィッチ・アルヒーポフが核戦争の発生を防いだことを指摘している。アルヒーポフはソ連潜水艦B-59の二人艦長の一人だった。B-59が合衆国軍艦の爆雷に何時間も攻撃された後、もう一人の艦長バレンティン・グリゴーリエヴィッチ・サヴィツキーは、ランドルフ空母部隊を丸ごと潰滅できる10キロトン核兵器の発射を準備した。アルヒーポフが居合わせて、命令を取り消し、ソ連潜水艦を浮上させたので、それは起きなかった。レイ・マクガヴァンがこの記事で言っており、https://www.zerohedge.com/geopolitical/most-dangerous-moment-human-history ダニエル・エルズバーグの本、The Doomsday Machineでそれを読むことができる。記事の本当に恐ろしい部分は、アメリカ諜報機関が非常に無能なため、アメリカ海軍が爆雷攻撃をしている戦場にいるソ連潜水艦に核兵器が搭載されているという考えをワシントンは持っていなかったことだ。高級将校連中が、潜水艦を沈没させることで、ソ連に教訓を与えることができると考え、すんでのところでアメリカが破壊される直前だったのだ。

 核戦争を防いだもう一人のソ連英雄は、ソ連軍の規則に服従せず、飛来するアメリカICBMに関するの報告を上げなかったスタニスラフ・イェフグラフォヴィッチ・ペトロフだ。 彼は軍事的/政治的に、このような攻撃をする理由があるとは思わず、ソ連人工衛星警告システムの故障だと結論したのだが、その通りだった。

 アメリカもソ連も、判断を元に何度も警告を無視してきたのだ。私の同僚ズビグネフ・ブレジンスキーが飛来するソ連ICBMに関する報告で午前2時に目覚めさせられる話を私にしたことがある。攻撃シミュレーションが、何らかの方法で、警告システムに入り、本物として報告されたことが分かったのだ。それは非常に危機一髪の出来事だった。ブレジンスキーが大統領を起こす前に、誰かが、それを大いに疑い不具合を検出する十分な時間があったのだ。

 現在、緊張は実に高まっており、双方が相手を信頼していないので、公式の警告システムに対し、人間の判断が優先する可能性はずっと低い。

 長年私はレーガン大統領の軍事力増強/スター・ウォー誇大報道や、マルクス主義者、あるいは単なる左翼改革運動に対するグラナダとニカラグアへの敵意の広範な誤解と虚報を修正しようとしてきた。彼の経済プログラムが実施され、スタグフレーションが落ち着きはじめた状態で、レーガンの計画は、軍備競争出費で彼らの破綻した経済を恫喝してソ連を交渉に引き込むことだった。計画は、中米や沖合の島で、いかなるマルクス主義者の前進も阻止する狙いもあった。共産主義拡大の見込みは皆無で、破綻した経済のために、資源を使えるようにするためには、本気で平和に取り組むしかないとソ連に理解させなければならなかったのだ。

 ベン・マッキンタイヤーのイギリスのMI6スパイ、KBG大佐オレグ・ゴルディエフスキーの話「The Spy and The Traitor」を読んで、レーガンの計画がどれぐらい危険だったか私は初めて気が付いた。アメリカ諜報機関は余りに的外れだったため、ソ連を脅かして、平和に至らせようと意図された計画が、そうではなく、ソ連に、アメリカが全面的な核攻撃を用意していると確信させたことを、ワシントンは気づかなかったのだ。

 当時ソ連のトップは前KGB長官ユーリ・アンドローポフだった。1983年11月始めの「エイブル・アーチャー」NATO軍事演習は、ソ連に対する紛争がエスカレートし、核攻撃にいたるもののシミュレーションだった。ソ連はそれを軍事演習とは見なかった。アメリカによる本物の攻撃準備と見なしたのだ。ソ連先制的な動きを防いだのは、ソ連の懸念をアメリカが限界にまで引き上げているという、MI6へのゴルディエフスキー報告だった。これが彼らが好戦的な言葉と行為で作りだしていた脅威に、レーガンとマーガレット・サッチャーを目覚めさせたのだ。CIAは後にこう告白した。「ゴルディエフスキーの情報はレーガン大統領にとって、突然のひらめきだった。MI6によるワシントンに対するゴルディエフスキーの時宜を得た警告だけが、事態があまりにも行き過ぎるのを阻止したのだ。」

 私やスティーヴン・コーエンの年季の入った意見からすれば、ロシア大統領に「新ヒトラー」と烙印を押したヒラリーが、あわや大統領に選ばれそうになり、絶え間ない挑発、ロシアとロシア大統領の悪魔化、核兵器搭載可能ミサイルのロシア国境配備、画策されたロシアゲート、アメリカ治安機関がトランプ大統領の関係正常化を阻止して、事態は既に行き過ぎている。上述したような誤警報や計算違いが、これまでのどの時期より命取りの結果をもたらす可能性は一層高い。

 実際そういう意図のように思われる。そうでなくて、いずれの側も相手を信頼しない時に、このような緊張の危険について、スティーヴン・コーエンや私のような人々が真実を語り心から正確な警告をすると、なぜ「ロシアのスパイ」と烙印を押されるのだろう?

 スティーヴン・コーエンや私のような誠実な人々を「ロシア・スパイ」として悪者にするのは無謀で無責任だ。真実を語ることが、不実なアメリカ人であるマークになるとき、一体どんな希望があるだろう?

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/30/telling-the-truth-has-become-an-anti-american-act/

----------

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名:

「安倍政権「辞任ドミノ」で11月20日解散・12月15日選挙説後退、安倍政権に打撃を 与えるか?第一次安倍政権と異なり野党弱体化、?これまでの閣僚辞任劇のほとんどが「野 党やマスコミが騒いでも、一過性、他方菅官房長官の権力拡大への党内攻撃材料へ。

 英語民間検定試験の大学入学共通テストへの導入中止を発表なら納得するが。

日刊IWJガイド・土曜版「萩生田光一文科相が英語民間検定試験の大学入学共通テストへの導入延期を発表!」2019.11.2日号~No.2606号~(2019.11.2 8時00分)

 

2019年11月 1日 (金)

日露LNG貿易の可能性

2019年10月25日
ドミトリー・ボカレフ
New Eastern Outlook

 液化天然ガス(LNG)は、炭化水素製品として現在、市場で最も有望な種類だ。燃える天然ガスは、大気に放出する汚染物質がより少ないため、伝統的な炭化水素燃料に代わるより清浄な選択肢として人気が高まっており、パイプライン敷設不要で、液化された状態で世界のどんな場所にでも容易に輸送できる。

 最近2009年、ロシアはようやく世界的LNG供給国になった。ロシアはLNG生産に関して世界中で既に6番目に位置している。だがロシアは、その膨大な石油とガス資源、先進的な技術で、世界のトップのLNG消費国、日本と中国と韓国への地理的な近さから、より大きな可能性を持っている。

 日本は世界最大のLNG消費国だ。日本は存続するために膨大なエネルギー必要とする富裕で、環境に配慮する国だが、島国として、パイプラインを経由して日本にエネルギーを供給するのは困難だ。過去日本は最大の原子力発電国家の一つだったが、2011年のマグニチュード9.0の地震が福島第一原発で悲惨なメルトダウンを引き起こした後、日出づる国は途方もない数の原子力発電所閉鎖を開始して、LNG輸入を飛躍的に増大させた。

 ロシアは日本にとって最も好都合なLNG供給国だ。2009年に営業開始したロシア最初のLNGプラントはサハリン島棚に膨大な量の石油とガス鉱床があるサハリン島にある。サハリン島は日本から、わずか43キロだ。日本企業はこのプラント建設で重要な役職を果たし、大いにサハリン鉱床を開発し、LNGを生産するサハリン-2プロジェクトに寄付している。

 サハリンエネルギー、サハリン-2プロジェクトを開発しているコンソーシアムの株主は日本企業二社(ロシア企業ガスプロムは筆頭株主)がある。(三井の子会社)三井・サハリンホールディングスB.V.が25%を所有し、三菱は20%を所有している。

 サハリンプラントが営業を始める前に、日本側は、三井によって建造されるLNG輸送用タンカー数隻を含むロシアのLNGプロジェクトに、30億ドル以上を迅速に投資した。投資は成果をあげた。工場の生産能力は年間960万トンのLNGで、日本は工場稼働初年度に約800万トンのLNGを受け取った。

 日本とロシアは続く10年間協力し続けた。2018年、ロシアは日本に33億ドル以上の価値、6.6千トン以上の天然ガスを供給し、オーストラリア、マレーシアとカタールに続いて、4番目に大きい日本へのLNG供給国になった。

 2019年の結果はまだ不明だが、2019年6月、日本は2017年に商業運転を始めた新しいロシア工場、ヤマル半島のヤマルLNGから最初のLNG送達を受けた。ヤマル半島はサハリンより日本からずっと遠く、ヤマルから日本へのLNG輸送の始まりで、完全に賄うには十分大きくないサハリン・プラントを凌ぎ、日露間貿易の大幅増加をもたらすことが想定される。LNGは北極海航路(NSR)を経由してタンカーで出荷される。

 簡単に触れておくと、NSRというのは大西洋を太平洋と結びユーラシア北海岸に沿って走る出荷航路だ。ロシア北極鉱床の製品を輸送、輸出するのに最も好都合な航路だ。

 2019年9月26日、LNG生産者・消費者年次会議が東京で開催された。LNG人気が高まり続け、世界LNG市場が急速に成長していることが会議で発表された。LNG関連プロジェクトに対する日本投資が世界で100億ドル達した日、ロシア企業NOVATEK(ヤマルLNGの最大株主)と日本の商船三井(上述した三井の一部)が、ロシアのカムチャッカとムルマンスク地域、すなわちNSRの最東端と最西端に、海上LNG積み替え複合コンプレックス建設のために協力することを確認して協力協定に署名した。LNGをヤマルから輸送するのは、ヤマルが北極圏にあるため困難で、普通のタンカーは適当ではない。極氷を突破可能な特殊な砕氷LNG油送船が輸送に必要だ。こうした船の操作と維持管理は非常に高価なので、理想的には、氷で覆われた危険な水域をこの船が通り抜けた途端、LNGは通常タンカーに移されるべきなのだ。LNGを移す積み替え地点建設は、ヤマルLNGのヨーロッパや、日本へのLNG輸送を含めアジア太平洋への出荷を遥かに容易にし、NSRの開発に寄与するだろう。

 ロシアのエネルギー・ウイーク国際フォーラム2019は、10月2-5日にモスクワで開催された。ウラジーミル・プーチン大統領がイベント参加者に演説した。彼が言ったことの一つは、LNGに対する増大する世界需要を評価し、それがロシアが北極圏で資源基盤を開発している理由だということだった。プーチン大統領は、現在ロシアは、世界LNG市場の約9%を占めており、シェアが常に増大しているとも述べた。ロシア大統領は、今後10年間、LNG部門は、世界ガス貿易の約50%を占めると考えている。ロシアはこれを考慮に入れて、北極エネルギー資源を開発し、北海海航路を発展させ、貨物船団を近代化し、エネルギー輸出に可能な供給経路の模索に尽力している。

 ヤマルLNGプロジェクトと、ロシアが、フランスや中国や日本と取り組んでいるArctic LNG 2プロジェクトのおかげで、世界LNG市場でのロシア・シェアが、2倍以上になったとプーチン大統領は述べた。ロシア大統領によれば、Arctic LNG 2プロジェクトは、年間更に2000万トンのLNGを生産することになっている。ロシアは2035年までに、年間最高1億4000万トンのLNGを生産することを目指している。

 締めくくりの言葉で、ウラジーミル・プーチン大統領は、低コストのガス生産と、都合な物流のおかげで、ロシアのLNGプロジェクトは世界で最も競争力があるものの一つであり、ロシアはLNG市場のその株の長期の増大を予想していると述べた。市場は、この製品を消費する国の数が増えるとともに成長している。

 LNGは世界的な石油・ガス市場で、最も将来性のある有望な部門で、ロシアはLNG市場リーダーの1つになる十分な可能性がある。これを実現する上で、日本との協力が重要な役職を果たすはずだ。

 ドミトリー・ボカレフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/25/opportunities-for-lng-trade-between-japan-and-russia/

----------

 連続辞任。口先「任命責任」連発。

2019年10月30日 (水)

シリアでトルコをロシアと戦わせようとするアメリカの手口

2019年10月28日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 エルドアンとトランプの電話会話が、北シリアからの米軍撤退とそれ続くシリア内のクルド民兵に対するトルコ襲撃の道を開いたが、シリアにおけるトルコ作戦の余波が、トルコを「なだめる」アメリカの取り組みの核心は、単にこれまでのアメリカ政策の償いをするだけでなく、シリアにおけるトルコ-ロシア関係を困難にし、シリアや、より広範な中東での弱い地政学的立場を修正するためアメリカが利用したがっている利害の衝突を引き起こす出来事を招くことだったように見える。これこそまさにマイク・ペンスの最近のトルコ訪問と、シリアの領土保全を守り、尊重するという誓約に反し、トルコの長年の要求であるシリア内にトルコ軍が支配する「安全地帯」の設置に対するアメリカ誓約の目的だったのだ。

 こうして、シリア国境からイラク国境に至る440キロにわたる、ほぼギリシャの大きさの「安全地帯」拡張に対し全てを要求し妥協しようとしないトルコの食欲をそそり、シリアをできるだけ早くシリアの指揮統制下に再統合しようと望む当事者と「抵抗の軸」を壊すためシリア分割を目指す当事者との間に、アメリカが紛争の種をまいたのだ。

 従って、ペンス訪問後に発表された「両国は、トルコの国家安全保障問題に対処するための安全地帯の継続的な重要性と機能性について合意し」「安全地帯は、主としてトルコ軍によって実施され、両国はその実施の全ての次元で相互協力を強化するという」アメリカ・トルコ共同声明は、トルコ軍事駐留の共同管理で、アメリカ自身が、シリアに関与し続ける意図を示しているが、重要なロシア代表団との対談で、「不法にシリア領内に駐留するトルコやアメリカや他の全ての軍隊」をシリアから排除する必要性について、アサドははっきりしていた。全領土に対するシリア支配を再確立する彼らの取り組みを妨害する狙いで配備されるトルコのシリア無期限軍事駐留を、シリアとロシアの当局は明らかに認めそうにない。

 だがロシアからトルコを引き離すのに熱心なアメリカ当局者は「安全地帯」政治で、トルコとロシア間に亀裂を生じさせるのに懸命だ。それゆえ、アメリカは、広大な「安全地帯」に対するトルコの欲望を刺激しながら、このような地域の創設への同意をロシアとシリアに委ねている。言い換えれば、ペンス-エルドアン合意が示す通り、アメリカは、シリア内の巨大安全地帯創設に反対しないが、ロシアとシリアに、このような地帯の創設に同意するよう説得するのはトルコ次第なのだ。シリアは、もちろん全ての不法駐留する部隊をシリアから排除したいと望んでおり、ましてトルコに無期限、長期軍事駐留を認めるなどありえない。

 従って、エルドアンは、シリアに対するトルコの最大限要求の狙いを、ロシアのプーチンができるだけ早く具体化するよう期待しているように思われる。10月19日、エルドアンは声明で、トランプ大統領と会談した後、プーチン大統領との会談に焦点を合わせると述べた。彼の言葉を引用すれば「作戦地域[コバニを意味する]には、ロシアに守られた[シリアのバッシャール・アル・アサド大統領]政権部隊がいる。我々はプーチン大統領と問題に取り組むつもりで」さらに、特定のシリア地域に関し、ロシアの同意が得られない状況となれば「トルコは自身の計画を実行するつもりだ」と付け加えた。

 計画が何であれ、ここで明白なのは、シリアのみならず、中東全体に関し、それら計画を設計し実行する上で、アメリカは果たすべき重要な役割を持っていることだ。

 既にトルコはF-35プログラムへの復帰を期待しており、「安全地帯」のトルコ軍支配に関するアメリカの保証で、地域におけるトルコの野望、エルドアンの新オスマントルコの夢が成就するかもしれないと期待している。

 地域におけるアメリカの立場を考えると、トルコが「地域大国」として行動するのを多少の手助けをするのは、ロシアの地域における影響を制限し、シリアとイラク両方で、イランに対抗することを含め多くの目的にかなうはずだ。そもそもアメリカが、クルド人を見捨てると決め、単にクルド人民防衛隊を押し返すだけでなく、彼らを非武装化するためアンカラと合意したのは、まさにこれが理由だ。

 更に西のトルコが支配する飛び地と、トルコが先週占領した東部の、より小さな地域の間にある戦略上重要なコバニに、現在シリア軍がしっかり駐留しており、トルコ部隊をシリアから押し出すと固く決めているシリアの間で緊張は増す可能性が高い。これは、アメリカがシリアの終盤に関与し続け、地域を勢力「圏」にする事実上の領土再分配に影響を与える取り組みで、二番目に大きいNATO軍への「支援」を拡張し続けるのを可能にする、アメリカにとって最も好ましいシナリオだ。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/28/how-the-us-is-trying-to-play-turkey-against-russia-in-syria-2/

----------

 昨夜は、台風15、19号の直後に記録的豪雨!「八ッ場ダム無双」デマと国交省がお蔵入りにした堤防強化策! 岩上安身による関良基・拓殖大学教授インタビュー 続編を拝聴した。インタビュー画像の横にあるTweetのコラム?で、極めて低劣なネトウヨが愚劣な茶々を入れていたが、他の皆様による強烈な反論のおかげで退散した。

 見終わってから、たまたま某著名ブログを拝読したところ「八ッ場ダム無双」説を延々主張していた。現実を素直に評価しない!と「左翼」批判しているのにびっくり。

 ところが、貴重な報道、インタビューをするジャーナリズムは資金難という悲しい現実。年金生活者ゆえ、蟻の涙のカンパをさせていただこう。

日刊IWJガイド「10月も残り本日と明日のみ! ご寄付・カンパはいまだ月間目標額のわずか59%! IWJへのご支援をよろしくお願いいたします!」2019.10.30日号~No.2603号~(2019.10.30 8時00分)

 

2019年10月28日 (月)

トランプとNYタイムズ、シリアでのアメリカ帝国主義戦争を認める

Finian Cunningham
2019年10月25日
Strategic Culture Foundation

 アメリカのドナルド・トランプ大統領とニューヨーク・タイムズ、それぞれが異例にも率直に認めた以上、米軍が本当は何のためシリアに派遣されているか錯覚などあり得ない。シリア政府に対する不法占拠であり、特にこのアラブの国からの石油資源奪取だ。

 それに続いて、今週、国防総省がデリゾール付近の油田にエイブラムス戦車や他の重機を配備予定だと報じられている。こうした新配備にまつわる部隊は、トランプ大統領が「帰国する」と言った1,000人程度の兵士を遥かに上回るはずだ。

 シリアの油田は、主にイラクと国境を接する東部の州にある。それらの地域は(国の約3分の1)最後に残ったダマスカス政府支配外の領域だ。シリアはほぼ8年の戦争後、国の再建資金のため、油田を取り戻す必要があるのだ。

 先週末、トランプはTweetで言った。「アメリカ軍兵士は戦闘地域や停戦地域にはいない。我々は石油を確保した[原文のまま]。兵士たちを国に戻す!」

 大統領は、彼が先週トルコと企て、アメリカが同盟者クルド人を見捨て、トルコが北東シリアに対する致命的攻撃を開始する結果となった疑わしい取り引きに言及した。彼のアメリカ部隊撤退に対する、共和党と民主党両方から、軍事専門家や評論家から多くの批判を受けた後、もっともなことだが、トランプは彼の動きを正当化しようとしている。

 それ故、彼はイスラム国家(ISあるいはISIS)ジハード・テロ・ネットワークに「100パーセント」勝って、「兵士を帰国させる」ことを自慢しているのだ。後者は「果てしない戦争を終わらせ」、外国への介入からアメリカ兵を帰国させるというトランプの2016年選挙公約の明白な実現だ。

 すると「石油を確保する」ことに関するトランプの謎めいた言及は一体何だろう? シリアの資源に関する彼の言及における戦略的なものを示している「石油」と書く際に、大文字Oを使っていることにも注目願いたい。テロと称されるものを打ち破り、兵隊を帰国させるのは、明らかに、話の全体ではない。行間から石油がしみ出ている。

 月曜、NYタイムズ報道が、その局面に、より多くの光をあてた。アメリカ諜報機関との深いつながりと、それが発表するほとんど全てで歪曲している痛烈な反トランプ志向を考えれば、タイムズは、明らかに、ほとんど信頼しがたい。それでも、この問題に関して、トランプとNYタイムズが一貫しているように見えるのであれば、彼らの承認が本物であることを示唆している。

 東シリアに留まるアメリカ特殊部隊の小分遣隊の約200人に、大統領が承認を与えていると匿名のトランプ政権幹部と国防総省情報筋が言っている言葉をタイムズは引用している。それは全てのアメリカ部隊をシリアから撤退させるというトランプのウソを暴露している。彼が大声でわめき続けているように「兵士を帰国させる」わけではないのだ。

 先週末、アフガニスタン訪問途上、マーク・エスパー国防長官も記者団に対し、アメリカ軍がシリアからイラクに移動し、シリア国境近くに止まることを確認した。エスパー国防長官は、米軍は「イラクを防衛し」、ISISの復活を防ぐため派兵されていると述べた。いずれにせよ、それは、ありきたりの公式根拠だ。

 だがシリアに残留するアメリカ特殊部隊の問題に関し、NYタイムズはこう報じている。「日曜、イスラム国家と戦い、シリア政府とロシアの軍隊が地域の皆が欲しがる石油を求めて前進するのを阻止するため、約200人のアメリカ軍の小分遣隊を東シリアに配備する新国防総省新計画の賛成にトランプ大統領は傾いていると政権当局幹部が述べた。」

 これは驚くべき自認だ。「テロリストとの戦い」など無関係で、アメリカ軍シリア配備の本当の目的は、主に東部の州にあるシリア石油資源を支配するため、アメリカはこれまで5年間、シリアのクルド民兵と協力していたのだ。この提携は建前上「ISISを打倒する」ということになっていた。

 アンカラがテロリストと見なしているシリアのクルド人を攻撃するというトルコの要求をトランプが黙認し、クルド人を無頓着に見捨てるのは、クルド人とのワシントンの狙いがISISと戦うこととは実際は全く関係で、シリア領土、特に石油が豊富な東部地域を分割するため、彼らを代理人として使ったことの明確な証明なのだ。

 「果てしない戦争を終わらせる」ことに関するトランプの自画自賛は、2020年再選可能性を高めることを狙った、肚黒い口先の決まり文句だ。

 大統領は、これまで一年間シリアからアメリカ軍を撤退させると言ってきたのに、戦闘機や推計1,000人がまだ残っている。国防総省は、イラク国境近くの東シリアと南シリアに基地と飛行場を建設した。シリアから撤退する軍隊は隣接するイラクに陣取り、暴動鎮圧作戦を行う体制にあり、望む時にシリア内に襲撃するつもりなのは確実だ。

 そのキャンプが、Maghawir al-Thawraとして知られる何千人というジハード過激派戦士の訓練拠点である南シリアのアル・タンフ米軍基地に兵士150人を維持することにトランプは同意した。Maghawir al-Thawraは、国防総省が主張するように、ISISと戦っているわけではない。より正確には、彼らは、ISISやクルド人などの極悪非道な分業にまつわる、アメリカ権益のもう一つの代理に過ぎない。

 NTタイムズが報じているように、アル・タンフの戦士は、200人のアメリカ特殊部隊と、おそらく「地域の誰もが欲しがる油田へのシリア政府とロシア軍の進撃を阻止する」べく割り当てられた残りのクルド人傭兵とも連帯することが予想される。

 トランプがシリアで「石油を確保する」とほのめかしたとき、これを意味していたのは疑いようがない。その意味で、シリアに駐留するアメリカ軍は、帝国の征服のためだという本当の目的をトランプ大統領とNYタイムズは認めているのだ。

 2011年の昔に、アメリカとNATO同盟諸国が密かに開始した戦争から国を再建するため、シリアが石油を支配する必要があるというのは残酷な皮肉だ。今、胸が悪くなるような復讐心で、東シリアの無期限非合法軍事占領を計画して、アメリカは、シリアが復興のため自身の重要な石油資源を利用するのを妨げることに懸命なようだ。

 8年間シリアを見つめてきた多くの鋭敏な観察者は、ワシントンの狙いが常に政権転覆であり、対テロという主張は詐欺的口実なのを知っていた。今アメリカ大統領とアメリカ主要新聞が、石油のためのシリア領土の犯罪占領と土地奪取を白状しているのだ。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/25/trump-and-ny-times-admit-us-imperialist-war-in-syria/

----------

 大本営広報部、事実を認めるまいが、こうした帝国主義戦争への参加の第一歩として、宗主国に命じられて、海軍を付近に出動させるのだろう。その一環としての「臭いものに蓋」作戦。LITERA記事がある。

しんゆり映画祭で慰安婦を扱う『主戦場』が上映中止になった理由! 極右論客の訴訟、川崎市が伝えた懸念、あいトリ事件の影響も

 北海道開拓、屯田兵と移住された農民の方々によるものと思っていた。そうではないと知ったのは、つい最近。「網走監獄」ウェブも、なかなか詳しい。たとえば、監獄秘話

74年に起きた佐賀の乱から77年の西南戦争まで、士族による反政府行動で逮捕された国事犯を収容する施設が不足したためだ。さらに内務卿伊藤博文は79年9月17日、太政大臣三条実美に宛て「徒刑・流刑の囚徒の労働力を活用して北海道開拓に当たらせ、出獄後は北海道に安住させ、自立更生せしめる」との伺書を提出。月形が道内を回って適地を定め、全国3番目となる樺戸集治監が建設されたのだった。

太政官大書記官の金子堅太郎が道内巡視の結果をまとめた復命書に添えられた「北海道巡視意見書」にこういう文章がある。(朝日新聞デジタル 集治監、過酷な受刑者労働決めた意見書

《彼等ハ固ヨリ暴戻ノ悪徒ナレハ、其苦役ニ堪ヘス斃死スルモ、尋常ノ工夫カ妻子ヲ遣シテ骨ヲ山野ニ埋ムルノ惨情ト異ナリ、又今日ノ如ク重罪犯人多クシテ徒ラニ国庫支出ノ監獄費ヲ増加スルノ際ナレハ、囚徒ヲシテ是等必要ノ工事ニ服従セシメ、若シ之ニ堪ヘス斃レ死シテ、其人員ヲ減少スルハ監獄費支出ノ困難ヲ告クル今日ニ於テ万已(ばんや)ム得サル政略ナリ》

     *

 要約すれば「囚人は悪党であるから、苦役させれば工事費が安く上がり、たとえ死んでも監獄費の節約になる」という乱暴な内容。だがこの復命書が内務省の方針となり、受刑者たちは上川道路(国道12号)建設や幌内炭鉱の採炭作業に使役され、多くの犠牲者を出すことになる。

現代人は90歳まで働くことになる」という珍説を見て、現代版金子堅太郎登場と納得。金子堅太郎は政府に逆らった政治犯を死ぬまで酷使したが、政商納言は従順な国民全員永久に酷使すると宣言したのだ。金子堅太郎も墓の中で驚いているだろう。

 囚人労働についての小説『赤い人』を読み終え、『鎖塚』を読んでいる。タコ部屋という言葉、囚人労働に由来するとは知らなかった。硫黄鉱山や炭坑での囚人労働が廃止された後、だまして採用して、低賃金労働者が酷使される。

2019年10月26日 (土)

アメリカとロシア間のより良い関係はありそうにない

2019年10月23日
Paul Craig Roberts

 今頃ロシアは切望するアメリカとのより良い関係などあり得るのか疑問に思っているに違いない。最近の和平調停者、ハワイ選出民主党下院議員トゥルシー・ギャバードはヒラリーと民主党全国委員会と売女マスコミに「ロシアのスパイ」と非難されている。

 民主党や売女マスコミや彼らの傀儡師たる軍安保複合体は、ロシアを爆撃し、石器時代に戻したいと望まない限り、全員ロシア・スパイにでっちあげてしまう。

 そういう状況で、アメリカ指導者が、一体どうして、ロシアとの危険な緊張を終わらせようと主張できるだろう?

 「ロシアとの関係を正常化する」意図を宣言した時に、トランプに一体何が起きたかお考え願いたい。することを必要とするいっそう深刻な何もない、しかしそれは起きることができない。

 二つの動かせない山が進路を阻んでいる。

 一つは軍安保複合体が、軍安保複合体の年間1兆ドル予算と、それに伴う権力を正当化するために、敵を必要としていることだ。58年前に、アメリカ国民への退任演説で、ドワイト・アイゼンハワー大統領がそれを警告した「政府委員会等において、意図されたものであろうとなかろうと、軍産複合体による不当な影響力の獲得を我々は排除しなければなりません。誤って与えられた権力の出現がもたらすかも知れない悲劇の可能性は存在し、また存在し続けるでしょう。誤って与えられた権力の出現がもたらすかも知れない悲劇の可能性は存在し、存在し続けるでしょう。この軍産複合体の影響力が、我々の自由や民主主義的プロセスを決して危険にさらすことがないようにしなければなりません。何ごとも当たり前のものとして受け止めてはなりません。注意怠りない見識ある市民だけが、安全と自由が共に発展するよう、巨大な国防軍産機構に、平和的手段と目的に合致するよう強いることができるのです。」

 アイクの警告は見過ごされ、半世紀以上たった今、軍安保複合体がアメリカを支配している。

 もう一つの動かせない山は、クリントン政権以来アメリカ外交政策を支配しているネオコンのアメリカ世界覇権イデオロギーだ。ネオコンはアメリカが世界の他の国々にその意志と方針を押しつける権利を持った「必要欠くべからざる例外的な」国だと宣言している。

 ソ連崩壊は、ワシントンの単独覇権主義に対する全ての制約を無くした。ワシントンの邪魔をする世界大国がなくなったのだ。この状態を維持するため、ネオコン国防次官ポール・ウォルフォウィッツが、ウォルフォウィッツ・ドクトリンを立案した。この教義は、アメリカの外交、軍事政策の「最大目的」は、アメリカの一方的行動を阻止することができる、ロシアや、いかなる国の台頭も防ぐことだと述べている。エリツィン下、アメリカ属国化したロシアの立場から、ロシア主権を復活させたウラジーミル・プーチンに不意をつかれて、ネオコンと、その売女欧米メディアは、マイダン革命でウクライナに起きたように、現在アメリカが中国に対し、香港で試みているように、悪者にし、孤立化させ、のけ者にし、おそらくアメリカが資金提供するNGOによって打倒するため、ロシアに対する大規模プロパガンダ攻撃を開始したのだ。

 ネオコンの覇権イデオロギーと、敵を必要とする軍安保複合体が、ロシアとの関係のどのような正常化も阻止している。

 私とスティーヴン・コーンが強調したように、二大核保有超大国間の現在の緊張は冷戦時代より遥か危険だ。冷戦時代には、全てのアメリカ大統領が、緊張を緩和するためソ連指導者と協力していた。ジョン・F・ケネディとフルシチョフは、キューバミサイル危機を沈静化させ、アメリカ・ミサイルをトルコから撤去した。JFKの報酬は、共産主義とアメリカ国家安全保障に対する脅威についてJFKは弱気だと結論したCIAと統合参謀本部に暗殺されることだった。

 リチャード・ニクソン大統領は中国と国交を回復し、レオニード・ブレジネフと第一次戦略兵器制限交渉SALT Iと弾道弾迎撃ミサイル制限条約をまとめた。ニクソンの報酬はウォーターゲート画策で政治的に暗殺され、辞任を強いられることだった。

 カーター大統領とブレジネフはSALT II条約に署名し、カーターは、軍安保複合体が、反共産主義者レーガンに資金を投入するという報酬を与えられた。

 レーガン大統領は軍安保複合体を出し抜いて勝利し、彼とゴルバチョフが冷戦を終わらせた。

 ジョージ・H・W・ブッシュ政権は、ソ連がドイツ再統一を認めれば、アメリカはNATOに旧ワルシャワ条約諸国を取りこんだり、NATOを一インチも東に移動したりしないとゴルバチョフに保証した。

 クリントン政権はアメリカ政府の約束を破り、NATOをロシア国境に拡張した。

 それ以降のアメリカ政権、ジョージ・W・ブッシュ、オバマ、トランプは残っている条約と協定から離脱して、核保有超大国間の緊張をケネディ以前の時代にまで高めた。

 この進展の危険は好ましいものではない。飛来する核ICBM警告システムは誤報で悪名が高い。冷戦時代には、双方とも、飛来する攻撃の誤報を受けたが、今まで、アメリカ、ソ連いずれも警告に応えてボタンを押すことはなかった。

 なぜだろう? 理由は両国が緊張を緩和し、信頼を築くために働いているのを理解していたことだ。双方とも、この雰囲気で、警報は誤報に違いないことを理解していた。

 現在、状況は非常に異なっている。ロシアと、その指導部は欧米政治家とメディアによって悪者にされ、糾弾されている。アメリカと、ヨーロッパ属国諸国は、ロシアを憎悪し、恐れることを教えられている。ロシア政府は、外交問題で、かつて一度も経験したことのない濡れ衣を経験している。いずれの側も相手を信頼できないのだ。これに加えて、反撃時間は、今や数分しかなく、誤警報以外の何ものでもないもののために、世界が破壊されるかねないことを理解しなければならない。

 イデオロギーで凝り固まったネオコンと、強欲に支配された腐敗したアメリカ軍安保複合体が、地球上の生命を、この種のリスク下に置いているのは、ネオコンも軍事産業も、生命そのものを、彼らの私利より優先できないことを示している。

 普通なら、アメリカの侮辱や挑発的行動に対するロシアのウラジーミル・プーチン大統領とセルゲイ・ラブロフ外務大臣の抑制された、けんか腰でない対応は称賛に値するはずだ。だがアメリカがいじめっ子役を演じる状態で、いじめに対するロシアの受け身の対応はいじめを更に促進する。私の世代の子供が学んだように、いじめっ子に直面した際は即座に立ち向かうことだ。さもないと、いじめっ子は相手は自尊と決心に欠けていると見て、いじめをひどくする。戦いを回避する唯一の方法は即座に相手に立ち向かうことだ。

 ワシントンのいじめに、ロシア政府が立ち向かい損ねていることが一層多くのいじめを招くのだ。遅かれ早かれ、いじめは一線を越え、ロシアは戦わなければなるまい。

 それほど受け身でないロシア政府の方が、平和のため、より多くをなし得るはずだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/23/better-relations-between-the-us-and-russia-are-not-in-the-cards/

----------

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

二子玉川に見る台風認識、産経新聞「堤防整備に反対する声強い昨年、国の交渉の場でも、 住民側から「何百年に一度起こるかどうか分からない河川氾濫を心配しすぎるのはおかし い」の声。地球規模の気温上昇で海面温度上がり、ハリケーン・台風の規模、頻度拡大

 イクラで辞任する人物がいる一方、平然と居座り続ける人物も。

日刊IWJガイド・土曜版「籠池泰典氏が講演『当然安倍晋三首相から強いバックアップをいただいたつもりでやってきた』! 本日午後8時より10月12日に収録した『市民の力で 社会を変えよう!第8期連続市民講座 「森友問題を終わらせない」―講師:籠池泰典氏(学校法人森友学園元理事長)』を録画配信します!」2019.10.26日号~No.2599号~(2019.10.26 8時00分)

 ガイドには五代友厚がからんだ開拓使官有物払下げ事件を思い出す下記話題もある。スポーツの祭典というのは隠れ蓑、実態は壮大なグローバル・ローカル金儲けの構造。宗主国テレビの都合で、真夏に開催する事態その証明。

五輪選手村に都有地が9割引で売却されていた!? 本日午後2時より9月28に収録した、マスコミが決して報じない「第2回『2020オリンピック晴海選手村』問題を考える学習会」を録画配信します!を思い出した。
五輪選手村に都有地が9割引で売却されていた!? 本日午後2時より9月28に収録した、マスコミが決して報じない「第2回『2020オリンピック晴海選手村』問題を考える学習会」を録画配信します!

2019年10月23日 (水)

ロシアと中国が団結している理由

2019年10月13日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 資本主義世界は退廃している。欧米は腐敗している。国民がお互い仲が良くなく、いらだっている帝国主義帝国から怒りと虚無主義が流れ出ている。

 新植民地主義者、歴史的帝国主義国家から流れ出る価値観のひどい劣化を、思想家や指導者たちが暴露しているので、帝国主義の北米やヨーロッパは、ベネズエラやキューバのような国に激怒している。

 だが、欧米諸国と彼らの宣伝屋による悪意の最前線に立っているのは中国とロシアだ。今それは全てグロテスクだ。ナチズムから世界を救い、多数の国を非植民地化するのを手助けしたロシアは、今ヨーロッパで「一番好きでない国」だ。何百万人ものユダヤ人やジプシーやスラブ人や他の人々を殺したドイツが最も好かれている。無防備な国から彼らの富を剥奪するために、産業や銀行の力を駆使して、ドイツがまだベネズエラのような国を略奪しているのを、欧米では誰も気にかけていないように思われる。

 力強い共産主義国家中国は(あるいは「中国的特徴を持った社会主義国」と呼ぼう)、欧米プロパガンダに馬鹿にされ、侮辱されている。ヨーロッパと北米の洗脳屋や、いわゆる中道から右翼の大部分の従順なエセ知識人はとどまるところを知らない。彼らの大部分が不治の優越感を患っている。彼らは自分たちに中国を判断する権利があると思っている。中国のために、それが「本当に」共産党なのかどうか、正しい進路上にあるのかどうかをか判断する権利を。

 中国は冷静で、臆病な国だとさえ言う向きもあろう。中国は、どれほど力強くなったかにかかわらず、中国は、自称敵たちとの全ての対立を平和的に解決しようとしている。中国は攻撃せず、挑発しない。歴史的に、中国はその周辺や遥か彼方の国々の福祉さえ気にかけている。千年にわたり、智恵はこういうものだった。「隣人が幸福になれば、中国自身も幸福になる」。

 中国の指導者と中国人は、世界全体が繁栄すれば、結果的に中国が利益を得られることを確信している。それがしばしば「新シルクロード」と定義されるBRI(一帯一路構想)の本質だ。

 もちろん、それはこれほど単純ではないが、本質的にはそうだ。新シルクロードは中国国際主義の最も重要なものだ。私はアフリカやオセアニアのような場所で「活動中の」中国を見た、私は大いに感銘を受けた。私は反帝国主義者で国際主義者なので、私は決定的に中国を支持する!

***

 私は益々私自身を「マルクス主義者」ではなく、共産党員と国際主義者だと思う。カール・マルクスは歴史的なヨーロッパ人で、古い初期資本主義体制の良き分析者で批判者だった。彼は植民地政策と帝国主義攻撃には多くのエネルギーを使わず、主にヨーロッパ体制に没頭していた。過去、数百年間、最も恐ろしい問題は、欧米による世界略奪だった。マルクスはそれには多くの注意を払わなかった。

 唯一の正当な比較は、ナチズム/ファシズムと、ヨーロッパと北米植民地政策、より正確には新植民地主義者と帝国主義なのに、無防備な人々を擁護してきたソ連や中華人民共和国のような国は、ロンドンやパリやベルリンやワシントンに、首尾一貫して、非常に専門的に悪者にされ、非常識にも「ファシストに等しい」と中傷される。

 自身の社会主義制度を完ぺきにしながら、中国はソ連がおかした間違いを大いに学んだ。中国はそれを繰り返すまい。中国社会科学院や中国の一流大学やマスコミに近い人々は、ソ連と、いわゆる東欧圏がおかした間違いを説明すべく最善を尽くしている。自身の過去や、他の社会主義国の分析に基づいて、中国は世界の存続と自国民の生活水準向上のために戦っている。

 私は中国のやり方が好きだ。私はその「過程」の一部であるのを誇りに思っている。もし中国が失敗すれば、もし中国が欧米帝国主義者に破壊されたら、我々人類に対する全ての希望の終わりなのを私は知っているので、私は全身全霊で中国を支援する。もし何十億という人間の人生に対して、無競争の支配を続けることが許されたら、欧米が世界に何をするかを既に明示している。

 団結し同盟して、中国とロシアは独立国家の強力なブロックを構成している。彼らは欧米に反感を買われ、残忍に取り扱われ、威嚇さえされながら、この良い両国を直接的にも間接的にも守っている。両国は一緒に働くことから利益を受けている。今、全大陸の多くの国も利益を得ている。

 私は見ているものが好きだ。希望が漂っている。それは美しい。それは楽観主義に満ちている。それが私が支持している理由だ。それが、私が中華人民共和国70周年記念日を祝っている理由だ!

***

 中国が、ほとんど全ての西側諸国と、彼らの属国に、脅迫され挑発されているのは言うまでもない。

 実際、中国を攻撃することは、世界中のマスメディアで働く凡庸なジャーナリストにとって、資金が窮乏している個人にとって、最も儲かる仕事へと変わりつつあるのだ。

 これらの攻撃の理由を理解するのは余りにも容易だ。中華人民共和国は、帝国主義と残忍な資本主義両方に関して、明らかに、全ての分野、部門で勝っている。イデオロギー的に、知的に、そして社会的に。

 一人当たりGDPのほんのわずかの額で(欧米と比較して)、中国は極端な貧困を根絶しつつある。現在、中国のインフラは、欧米のそれよりずっと良い。エコロジー分野の中国の進歩には、世界の他のいかなる地域もかなうことができない。文化と科学分野で中国の創造力は膨大だ。中国人の生活は劇的に良くなっている。中国と協力している国々でも、人々の生活が同様ずっと良くなっていることに気付かないのは非常に困難だ。

 この全てが、世界中の人々にとって一層明らかになるにつれ、伝統的な植民地主義や帝国主義の国々が、益々おびえているのだ。連中の経済と文化は、何世紀もの間、略奪に基づいているので、彼らは世界に何も提供できないのだ。彼らは止まって、改革すること、世界を救うため努力することができないのだ。それで彼らが現状が優勢であり続けることを保証するために出来るのは、ずっと良い世界のために執拗に働くと固く決めた両国、中国とロシアを中傷することなのだ。

 中国は何十年間も、欧米と妥協しよう、なだめようとしてきた。中国は、直接あるいは間接的な対立を避けるため、ありとあらゆることをしてきた。ようやく最近、欧米が受け入れる唯一の結果は、中国がひざまずき、降伏し、「中国の特徴を持った社会主義」体制を断念することだと悟ったのだ。

 そしてこれは北京政府にも、中国国民にも受け入れられない。

 それが、天安門広場、2019年10月1日のパレードの理由だ。それが欧米への明確なメッセージだった理由だ。中国体制が売り物ではない理由だ。中国は屈伏しないだろう。それが、中華人民共和国をあえて攻撃する連中は誰であれ撃退するよう設計された新兵器が紹介された理由だ。

 ロシアにはこういう諺がある。剣を持ってやって来る者は、剣で死ぬ。

 中国はこの自明の理の智恵を明らかに理解している。

 もちろん中国は両手を広げて友人を歓迎する。中国は困窮している人々を助ける。中国は、より良い世界を築こうとしている。

 だが中国は、攻撃や、脅しや、むき出しの人種差別を二度と許さない。過去、中国は占領され、残忍に取り扱われ、屈辱を受けた。今、共産党指導体制の下での、70年後の途方もなく大きな飛躍の後が、中国は自信を持ち、強く、誇り高い。

 私はこの自信が好きだ。中国が国内、国外でしていることを私は称賛する。

 それが私が中国人と共に彼らの社会主義の祖国70周年記念日を祝う理由だ。それが私が世界に地球上の最も人口ちゅう密な国の偉大な全ての業績を見せるため昼も夜も働いている理由だ。

 私は中国とロシアの連合は、我々人類に対する最後の希望だとも信じている。私は全大陸の人々の苦難を目撃している。欧米帝国主義の被害者を。「あらゆる国は同じで、彼らが十分に強ければ、ヨーロッパと北アメリカが何世紀もやってきたような野蛮さで、世界を略奪するはずだ」というプロパガンダを、私は一秒たりとも買わない。

 私は、中国に関する欧米人の果てしない分析を読んだり聞いたりするのに余り興味はない。私は中国人の自国についての言い分に興味がある!

 今、勝利から70年後、中国は今までに以上に団結した状態にある。欧米に全てを奪われた国々は、多くの世代で初めて、今あえて希望を持っている。

 それが、世界を変えつつあり、70周年でも、それほど若く親切で楽観に満ちているように見え、そう感じられる国を私が誉めたたえる理由だ!

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/13/why-russia-and-china-stand-together/

----------

 ロシアのことわざ?下記のものらしいが、マタイの福音書にも、そっくりな言葉がある。

 Кто с мечом к нам придет, от меча и погибнет!

 Who come to us with sword will die from sword.

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

鳩山由紀夫氏(元首相)の最近のツイート、反応の大きい順5?台風、老朽化した橋梁、道 路、河川の堤防などの総点検を、?香港の行政長官が緊急法を発動して覆面を禁止する法律 を制定、?今回の台風の際に台東区の避難所にホームレスが断られた

 今日は下記インタビューを拝聴予定。

日刊IWJガイド「本日午後8時より『シリーズ「政治権力vsメディア」慰安婦は普遍的人権問題! 河野談話を露骨に否定!? 世界中で被害者を不当に黙らせようとする日本政府! 岩上安身による滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)インタビュー(第3回「慰安婦」問題編)』を冒頭のみオープンで、その後は会員限定で配信します!」2019.10.23日号~No.2596号~(2019.10.23 8時00分)

 

 

2019年10月21日 (月)

シリアにおけるロシアの妙技:全員ウイン

Federico Pieraccini
2019年10月16日
Strategic Culture Foundation

 「モスクワとダマスカスは、常に、いかなる形の分割にも、シリアにおける違法な外国軍駐留にも反対だと主張している。」

 分割と違法な外国軍駐留に反対する姿勢にもかかわらず、モスクワは紛争の全当事者との接触を維持するのに成功している。モスクワの強い要請で、イランとトルコとロシア間の三者会議がアスタナで開催された。プーチンは、シリアの未来を議論するためシリア政府と反対派をソチに集めるのに成功した。ジュネーブで、シリアを、アメリカや他の敵によるインチキ外交から守り、モスクワはダマスカスと国際社会の間を調停した。

 シリアでの敗北の結果、トルコは、今モスクワとテヘランと積極的対話をしている。アンカラが、ワシントンや他のヨーロッパ首都との関係を悪化させる中、モスクワはトルコを、ダマスカスとより緊密にさせる機会を見出した。

 ロシアの作戦は複雑で、多くの忍耐力が必要だった。だがロシアが監督する交渉と、シリア兵士の勇敢さと勇気のおかげで、シリアに散在するテロリスト拠点のほぼ全てが着実に制覇されつつある。

 イドリブ州以外の、ダマスカスにとっての主要問題は「ダーイシュとの戦い」と「アサド政権」からクルド人(SDF)を守るという口実でのアメリカによるシリア北東部の占領だ。

 崩壊しつつある経済に圧迫され、同盟諸国(ロシアのS-400システムの購入はワシントンとNATO加盟諸国の多くをいらだたせた)に脅迫され、エルドアンは身動きできずにいる。彼は是が非でも何らかの勝利を支持基盤に示す必要がある。

 これが、シリア・トルコ国境に緩衝地帯を作って、「任務は達成された」と宣言して、支持率を押し上げるため、クルド人民防衛隊がPKKとつながったテロ組織だという口実で、シリアに侵入するエルドアンの決定の背後にある主な理由かもしれない。

 トランプの場合は、(エセ)弾劾手続きから注意を逸らすのに必死で、彼も同様に支持基盤に何らかの勝利を見せる必要がある。耳にたこができるほどダーイシュに対する勝利を語り、シリアからアメリカ部隊をミニ撤退させ、クルド人を運命に任せる(SDFは政敵民主党により関係が深いので、トランプは彼ら全く関心がない)よりうまい方法があるだろうか?

 トランプは、国防総省の「常軌を逸した出費」とアメリカの過去の戦争に対する、ひと握りのTweetをして、「アメリカ・ファースト」教義への彼の誓約に関して、彼と彼の支持者たちは、お互いにハイタッチして成功を喜び合っている。

 (ホワイトハウスからの高圧的発言にもかかわらず)エルドアンとトランプは、個人的な関係を再確立して、NATO内でのトルコとアメリカ間の厄介な抗争を解決したのだ。

 クルド人(SDF)とダマスカス間の合意は、モスクワが大いに画策している出来事の当然の結果に過ぎない。トルコ国境へのシリアとロシア軍の配備は、クレムリンがこの外交的名人芸の初めに望んでいた結果であるシリア全領土奪回の前兆だ。

 ワシントンにもアンカラにも、ダマスカスがシリアを再統合するのを阻止する機会は一度もをなかった。シリアでの敗北に直面して、ワシントンとアンカラは、それぞれの支持基盤には勝利を宣言しながら、遅かれ早かれ正しい出口戦略を求めるだろうとモスクワは想定していたのだ。これこそ、まさに、プーチンとラブロフが、これまでの数週間に生み出して、トランプとエルドアンにシリア問題の解決策を提示したものなのだ。

 トランプは、アメリカから11,200キロも離れた国にはほとんど興味がないと言うだろう。エルドアンは(多少渋々ながら)トルコとシリアの間の国境が、シリア軍に確保されれば、クルド人の安全を保障するだろう。

 プーチンが、アサドとクルド人に、シリア共通の利益のため対話を始めるように助言したのは確実だ。彼は、エルドアンとトランプも、この計画を受け入れる必要性を説得したに違いない。

 ダマスカスとモスクワが報われる合意は、クルド人を救い、国内・世界の聴衆に説明するのが困難な状況にあるエルドアンとトランプにうわべの威厳を維持するのを可能にする。

 アンカラとダマスカス間のいかなる軍事衝突も防ぐことを目的として、トルコとの国境で、モスクワはシリア軍と共同パトロールを始めた。アンカラが今後数日中に軍事行動を止めれば、ダマスカスは油田の支配を取り戻すだろう。

 7年におよぶシリア紛争の終焉を一層早めるのに貢献する、これまで考えられたものの中で最も素晴らしい外交的妙技の一つを世界は目にしているのだ。

 Federico Pieracciniは国際問題、紛争、政治と戦略が専門の独立フリーライター

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/16/the-russian-masterpiece-in-syria-everyone-wins/

----------

 幸いなことに、ほとんどテレビをみていない。大本営広報は下記二つの話題、一体どう報じているのだろう。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

転載、沖縄タイムス社説[政令恩赦決定]合理性も説得力もない。「政令恩赦」。恩赦は慶弔 時の慣例とはいえ、三権分立の原則を揺るがしかねない、合理性のない制度。共同通信社世 論調査で、恩赦への反対が60・2%、賛成24・8%。公職選挙法違反者も430名。

 そして『八ッ場ダム』。八ッ場称賛のびっくりコメント、公開せずいる。

日刊IWJガイド「『八ッ場ダム無双』『スーパー堤防礼賛』デマ宣伝を一蹴する!! 本日午後8時より岩上安身によるジャーナリスト・まさのあつこ氏、拓殖大学政経学部教授・関良基氏インタビューを公共性に鑑みフルオープンで、生配信します!」2019.10.21日号~No.2594号~(2019.10.21 8時00分)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

911事件関連 Andre Vltchek Caitlin Johnstone Eric Zuesse Finian Cunningham GMO・遺伝子組み換え生物 ISISなるもの James Petras John Pilger Mahdi Darius Nazemroaya Mike Whitney Moon of Alabama NATO NGO Pepe Escobar Peter Koenig Prof Michel Chossudovsky Saker Stephen Lendman Thierry Meyssan Tony Cartalucci TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA Wayne Madsen WikiLeaks William Engdahl wsws アフガニスタン・パキスタン アメリカ アメリカ軍・基地 イスラエル イラク イラン インターネット インド ウォール街占拠運動 オバマ大統領 オーウェル カジノ カナダ カラー革命・アラブの春 ギリシャ クリス・ヘッジズ サウジアラビア・湾岸諸国 シェール・ガス・石油 シリア ジーン・シャープ ソマリア ソロス チベット チュニジア・エジプト・リビア・アルジェリア テロと報道されているものごと トヨタ問題 トランプ大統領 トルコ ノーベル平和賞 パソコン関係 ヒラリー・クリントン ベネズエラ ホンジュラス・クーデター ボリビア ポール・クレイグ・ロバーツ マスコミ ユダヤ・イスラム・キリスト教 ロシア 中南米 中国 中央アジア 二大政党という虚構・選挙制度 伝染病という便利な話題 北朝鮮・韓国 地球温暖化詐欺 地震・津波・原発・核 宗教 憲法・安保・地位協定 授権法・国防権限法・緊急事態条項 文化・芸術 新冷戦 新自由主義 日本版NSC・秘密保護法・集団的自衛権・戦争法案・共謀罪 旧ユーゴスラビア 映画 書籍・雑誌 東ヨーロッパ・バルト諸国 東南アジア 民営化 無人殺戮機 田中正造 英語教育 読書 通貨 選挙投票用装置 難民危機 麻薬 麻薬とされるマリファナについて

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ