新自由主義

2019年3月 1日 (金)

西安市や中国の新シルクロードが欧米を怖がらせる理由

2019年2月20日
Andre Vltchek

 雪が歴史的な西安市の広い歩道上に降っているが、人々は厳しい寒さに苦しんでいるようには見えない。

 中国で最も古い都市の一つ西安は、今活気に溢れ、楽天的で、驚くほど美しい。歩道は高価な石で舗装され、歩行者や電動自転車や植物や木やバス待合所に必要以上の空間がある。

 中国を「生態文明」に変えようという共産党の試みは、あらゆる段階で目に見える。木は大切にされ、保護され、快適な歩行が奨励され、他方丈夫で、効率的な、素晴らしい近代的公共輸送機関は極めて安く、環境に良い。地下鉄と電気バス。全てのスクーターは電動で、地下鉄駅の間で乗客を輸送する三輪車もそうだ。

 大半のアジア都市やアメリカやヨーロッパの都市と比較しても、西安を含め中国の都市は言わば未来の都市地域のように見える。だが都市は「人間味のない」ものではなく、分断化されてもいない。都市は人間に反対するものでなく、人々のために作られている。

 西安は中国をインドや中央アジアや中東と結びつける旧シルクロードの起点だった。

 西安は中国史上特別な重要性と深い象徴的意味があり、中国の現在と未来に欠かせない。

 古代の首都四つ中で、西安は最も古く、秦の始皇帝の兵馬俑がある場所だ。このものすごい世界の文化・環境遺跡は、忠誠、忍耐力と楽天主義の巨大な象徴だ。伝説によれば、途方もなく巨大な軍全員が、彼を守り、彼のために戦い、必要とあらば、指揮官に従って、究極の犠牲となる覚悟ができていた。それは本当は何を意味しているのだろう? これら勇敢な戦士が顔に微笑を浮かべて、命を犠牲にする覚悟ができているのは皇帝のためだけだろうか? それとも国、あるいは多分彼らが守ると決意した人類全体だろうか?

 それが何であるにせよ、それは巨大で遺跡の規模の巨大さを見るだけで体が震えてくる。

*

 約50キロ離れた西安北駅では、地球上最高速の列車の群れが無数のプラットホームに整列している。これらの美しい新幹線は、西安を北京や上海や、まもなく香港と結ぶ。彼らの一部が、北西部中国の一角カシュガルに向かって更に続く鉄道新シルクロード最初の駅である張掖に向かって既に速度をあげている。カシュガルはキルギスタン国境から150キロ、タジキスタンから、わずか100キロだ。

 もし中国が北アジアの国で、他の国々から遠く離れていると思うなら、もう一度よく考えるべきだ。西安の中心には、中東のどの賑やかな都市でも見られるものによく似た活気ある街がある。巨大モスク、市場や変化に富んだ露店の果てしない列、宝石店、レストランやハラル・ストランがある。多くの女性は、ここでは鮮やかな服を着て、スカーフを被っており、男性は頭を帽子で覆っている。

 中国の西部は、中央アジア同様、北の文化の活気に溢れた混合だ。中国の古い首都、西安は、多文化的アイデンティティーで有名で、称賛されている。旧ソ連同様、共産中国は巨大で、多様な国家なのだ。

*

 そして欧米は、この光景が好きではないのだ。

 欧米は素晴らしい高速列車が嫌いだ、それは、安く、楽に、ものすごい速度で、何千キロメートルもの距離を結んでいる。欧米はその行く先を憎んでいる。旧ソ連邦中央アジアの共和国に、まもなく、望むらくは、アフガニスタン、パキスタン、イラン、ロシア、そして、ある日、おそらくインドにさえ向かう。

 欧米は、中国の賢明で斬新な環境政策同様、西安の人々の楽天的精神を憎んでいる。

 欧米は西安のような都市に、スラムがなく、ホームレスがおらず、ほとんど乞食がいないのが嫌なのだ。広告の代わりに、平等、愛国心、お互いへの敬意、民主主義と自由を含めメッセージが社会主義の美徳を強調し、美しい絵があるのがいやなのだ。欧米は、中国人の大部分が、断固としていて、健康で、楽しそうで、楽天的に見えるのが嫌なのだ。

 欧米は、中国が、中央計画経済で、本質的に共産主義で、大成功した社会政策(2020年までに、中国は最後の極端な貧困地域を無くす予定だ)で、生態文明を実現しようと努力しているいう事実を激しく憎んでいる。

 中国は、あらゆる社会主義社会が単調で、同一で、非常に退屈だと人々の脳に叩き込んでいる欧米プロパガンダに挑戦している。西安のような都市と比較すると、ヨーロッパの首都さえ、単調で、憂うつで、汚く、遅れているように見える。

 それでも中国はまだ金持ちではない。少なくとも紙の上では(つまり、主に諸国や、ワシントンやロンドンやパリに支配された機関に作られる、操作された統計を使って)、中国のHDI(国連開発計画UNDPが編集する人間開発指数)はタイと同じだ。二国間の対照は衝撃的だ。ベトナム戦争時の確固とした支持のため、反共産主義傾向のため、欧米に賛美されている封建社会のタイは、崩壊したインフラ(バンコクの外には公共輸送機関がなく、空港や交通システムはひどい)、恐ろしい、ほとんど「インドネシア風」都市計画(というか計画の欠如)で、都市のスラム、果てしない交通渋滞や、基本的に政府による企業に対する制御なしのため苦しんでいる。タイでは至るところ不満だらけで、殺人率はアメリカより高いほどだ(インターポールによる一人当たりのデータ)、他方中国のそれは、地球上最も低いものの一つだ。

 だが、欧米は、世界に対する中国の影響力が、特にヨーロッパと北アメリカ企業と政府に何世紀も残忍に扱われ、略奪された国で増大しているのを何よりも憎んでいる。そうした国々が、最終的に、中国があらゆる形の帝国主義を止め、世界のあらゆる場所での貧困を絶滅する強い決意を完全に理解するのを心配している。

*

 西安は新旧シルク・ロードの出発点だ。新しいものは一帯一路構想(BRI)と呼ばれ、まもなくそれは何万キロメートルもの鉄道と道路で、アジア、アフリカとヨーロッパを縦横に交差して結び、何十億人という男性、女性、子供を窮乏から救い出すだろう。完成すれば、全員が恩恵を受けるだろう。

 だがそれは、欧米が好むものではない。「全員が恩恵を受ける」という概念は、少なくとも欧米の首都では、まったく異質で、敵対的でさえある。これまでのところ、欧米と「選ばれた」少数の大いに従順な国(日本、韓国とシンガポールを含む)だけが厳密な「予約者限定」諸国クラブを形成し、栄えることが可能だった。

 中国は皆が金持ちになるか、あるいは、少なくと貧しくないことを望んでいる。

 たいていのアジア人は、この考えが好きだ。アフリカ人は、もっと好きだ。ケニアはナイロビの新しい優雅な駅は、新しいシンボルで、より良い未来の約束だ。アジスアベバの市街電車や、ラオスを通過する高速列車路線建設など、全て、わずか数年前には想像できなかった驚異だ。

 欧米植民地政策(第二次世界大戦直後、非常にうまく始まったが、書面上以外では、決して完了しなかった「プロジェクト」)を最終的に破壊しようという、主として中国とロシアの決然とした努力のおかげで世界は変化しつつある。

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 西安は勃興している。中国にでの暮らしは良くなっているが、北京、上海と広東だけだと欧米では言ったものだった。

 後に彼らは、そう、太平洋沿岸は暮らしが良くなったが、より西の、西安、成都、昆明や他の都市が追いかけていると言った。

 それから宣伝屋は体勢を立て直した。「中国の都市は順調に行っているが、地方は苦しんでいる」。そこで習主席の発案が登場した。「生態文明」と、地球上で最も人口の多い国のいたる所で、生活水準と生活の質改善を狙った断固とした改革だ。2018年、近代史で初めて、中国の都市から、地方への逆移住が起きたのだ。

 脳にしっかりしみ込むまで、何度も繰り返さなければならない。2020年以降、中国では極端な貧困がなくなるだろう。

 私と哲学者のジョン・カブ Jrの対話の「China and Ecological Civilization(中国と生態文明)」という新刊書で、環境と教育の問題で、中国政府と密接に取り組んでいたジョンが、こう説明している。

「自然環境と貧しい国民の福祉に大きく注目する中国の成功を、ヨーロッパ諸国のそれと比較する際、私が中国に賭ける理由は、中国が、金融業や企業全般に対する政府支配を維持できると確信しているためだ。もし政府がそうすれば、同様にマスコミも支配できる。それで、金融業や産業に、自分たちのためにではなく、国民が感じることができるような国民の幸福のために奉仕させる可能性があるのだ。中央集権の度合いが低い国家は、その短期的利益が公益と対立するかもしれない金融業や他の企業を、それほど支配することができない。」

 それが、欧米が、おびえ、中国に敵対しようとしている主な理由かもしれない。もし中国が成功すれば、植民地政策は崩壊し、おとぎ話の怪物のように、目に見えるものすべてを滅ぼす大企業支配も崩壊するだろう。

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 何千という決然とした素焼きの兵士と対面して、私は中国の巨大さを感じた。

 私は中国のみならず、外国で国家建設をしている何億人もの男性や女性、何百万もの工事現場を想像した。私がアフリカで暮らした時代のナイロビの隣人たちを思い出した。当時、毎晩一緒に早足で歩いたものだった、楽天的で、気立ては良いが、タフな中国人技術者たち。彼らの考え方が私は好きで、敬服していた。

 私にとって、彼らは現代の素焼き兵士のようだった。勇敢で、決然として、忠実。皇帝にではなく、人類に忠実なのだ。軍人ではなく、世界のあらゆる場所で、しばしば彼ら自身の手で、ずっと良い世界を建設し、作り出す人々。欧米が彼らに対して投げかける辛らつな悪意や身勝手さにもかかわらず。

 西安で、何世紀も前、古いシルクロードの全てが始まった古い門の前に私は立っていた。今、全てが壮大に一巡りして、戻ってきたのだ。 新たな始まりだ。

 寒かった。雪が降り始めていた。だが私はここにいるのがとてもうれしかった。私は生きていて、人類の将来への楽観的希望に満ちているように感じていた。

 私は何歩か象徴的に踏み出した。何百万人もの人々が私の前にそうした。まもなく何百万人もの人々が再びそうするだろう。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌 「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/02/20/city-of-xi-an-and-why-the-new-chinese-silk-road-terrifies-the-west/

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 厚労省特別隠蔽委員会。

 昨日の国会中継、またでまかせ呆言。「わたしが国家ですよ。私が総理大臣ですよ。」
 「森羅万象すべて担当。」つける薬なし。大本営広報部がなんともてはやそうと悪夢。

 支配者はいいかげんなごまかしの統計数字を持ち出して自分たちが行う支配が立派であるかのようにいっている。

 この文章の出典、一体何だと思われるだろう。

 「週刊金曜日」2/22日号の22ページ。3.1独立宣言の日本語訳。

日刊IWJガイド「『「アベノミクス偽装」を隠蔽する「ソノタノミクス」!岩上安身による弁護士「データが語る日本財政の未来」著者・明石順平氏インタビュー』を本日午後1時半より冒頭のみフルオープン、大事な部分は会員限定で配信します!」 2019.3.1日号~No.2360号~(2019.3.1 8時00分) 

2018年12月20日 (木)

もしフランスの黄色いベストが勝利したら何が起きるだろう?

2018年12月17日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 もしパリの抗議行動参加者が勝利し、フランス政府が彼らのすべての要求に屈服したらどうだろう?

 もし税金が減らされ、賃金が上がり、マクロン大統領が退任したらどうだろう?

 私はただ燃料税について話をしているのではない。それを課す試みは既に断念された。1カ月に100ユーロという最低賃金の増加 - 既に政府が上げるのに同意していることの話をしているのではない。

 私が話をしているのは、実際、多くの抗議行動参加者が切望しているように思われる根本的変化だ。大多数のフランス国民のための大きな減税、気前が良い賃金上昇と、全員のための社会的便益の拡張。

 それで、もし黄色いベストが、このすべてを勝ち取ることに成功したら、それから何が起きるだろう? 誰が利益を得るだろう? 同様に、誰が損をするのだろうか?

*

 最近、読者の一人が、フランスは軍事予算を減らすべきで、節約された何十億というユーロから容易に抗議行動参加者に必要な資金調達をすることが可能だと書いて来られた。

 もう一人の読者が、フランス(あるいは彼らを「エリート」と呼ぼう)の最も金持ちの国民が重く課税されるべきで、このようにして蓄えられた金は、貧しい人々や、下流中産階級の間で再配分することが可能だと書いて来られた。

 「合理的」に聞こえるだろうか? そう確かに。合理的で論理的だ。 唯一ごく小さな欠陥は次のことだ。我々全員決してそのようなことが起きないだろうとを知っている。

 マクロン大統領は、まさにこれらいわゆるエリートによって王座に引き上げられたのだ。お返しに、金持ち連中は、その特典が保証され、さらに肥大するのを期待する。

 NATO加盟国(この場合フランス)が突然、軍事予算を削り、節約されたものから、貧しい人たちと中産階級のために、様々な新しい社会福祉プログラムの資金調達を始めると想像するのは、非現実的で、子供っぽくさえある。

 もしフランス政府が本当に「根本的な」何かをすることに決めたら、資金は一体どこから来るのだろう。少なくとも我々の超資本主義時代の標準から見て、急進的なこと。自国民に耳をかたむけたら?

 遠回しに言うのはやめ、率直に具体的に私の質問をさせて戴こう。「もし黄色いベストのあらゆる要求が満たされたらどうだろう。誰がツケを支払うだろう?」

*

 このすべてを関連づけてまとめるため、私はハノイ、社会主義ベトナムの首都でこのエッセイを書いている。

 しばらく前、私はこの都市に住んでいたことがある。私はここでほぼ3年過ごし、当時、まだ貧しく、人々は戦争を覚えており、フランス植民地政策さえ覚えている人もいた。

 到着直後、最も私に衝撃だったのは、ベトナムの人々が、アメリカを「許す」ように思われる一方、彼らはフランスの植民地主義者を許すようには見えないことだった。

 「なぜ?」 私は友人たちに尋ねた。「それはどうして可能なのか? (欧米で「ベトナム戦争」として知られている)「アメリカの戦争」中、アメリカ爆撃の壊滅的に激しい作戦は、何百万人ものベトナム人やカンボジア人やラオス人の生命を奪う状態で、ひどく残忍ではなかっただろうか?」

 「もちろん、そうだった」私は簡単に説明された。 「けれども我々は戦い、ひどい損失と困難にもかかわらず、我々は比較的短時間にアメリカを破った。それは単にアメリカだけではない。連合メンバー諸国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、タイと、もちろんフランスとも。」

 そして物語は続いた。

「フランス人は、ずっと長く我々を占領し、ひどく苦しめた。彼らは同じく、連続的に、我々を屈辱的な目にあわせていた。彼らは我々を奴隷にし、拷問にかけ、女性たちを連行し、レイプし、彼らは我々が持っていたすべてを盗んでいった。」

 私が暮らしていた場所の近くに、ギロチン、拷問部屋、隔離独房が設置されている悪名高い「中央刑務所」があった。今そこでは、フランス人入植者によって捕らえられたベトナム愛国者の女性たちを拷問にかけ、レイプするために使われた怪物のような道具が展示されている:ビールびん、電線、つえ。

 植民地化されたインドシナが何を持っていたにせよ、壮大な劇場、鉄道、地下鉄、公園や大学建設の資金調達のため、盗まれて、フランスに持ち去られた。そう、今黄色いベストが正しくも言っている通り、その名が知れ渡ったフランス社会制度の形成に助成金を支給するために、フランスの「エリート」と、彼らが完全に支配している政治制度によって解体されつつあるのだ。

 ベトナムの人々は、勇敢にフランス人と戦い、ディエンビエンフーでの象徴的な戦いで、最終的に彼らを打ち破った。だが勝利した共産党勢力が相続したベトナムは、荒らされ、分割され、その資源や芸術作品(有名な作家で、後のドゴール政権の文化大臣となったをアンドレ・マルローを含め、数人のフランスの知識人が、そこで若者として生活したとき、「インドシナ」から芸術作品を盗んだことを告白した)さえも剥奪された国を受け継いだのだ。

 言うまでもなく、これまで、フランス企業は、採鉱や他の新植民地主義プロジェクトを通して、東南アジアの多くの地域を残酷に略奪しており、アフリカや中東やラテンアメリカの様々な地域でも同様だ。

 今ハノイや、プノンペンやビエンチャンで、「インドシナ」の人々に(なんと侮辱的で奇異な名前だろうか、植民地時代に、フランス人によって世界のこの部分に与えられた!)がパリで黄色いベストを支持しているかどうか尋ねてみよう。もし彼らがパリで譲歩を勝ち取れたら、アジアのに生活を改善するだろうと思うかどうか尋ねてみよう。

 あなたは答えは何か、想像されているだろうか?

*

 パリ街頭で戦っている人々の要求が間違っているとは私は言わない。間違ってはいない。 彼らは絶対に正当だ。

 フランスのエリートは残忍で、利己的で、しかも変態的だ。アメリカ大統領全員が、もっぱら破壊的な軍事コングロマリットを含め、巨大企業に奉仕しているように)、現在のフランス政府も、もっぱら彼らに奉仕している。「彼らは去るべきだ」、彼らは姿を消し、論理的な人間進化のパターンに譲歩するべきなのだ。社会主義、平等主義の社会。

 だが連中は去る準備ができていない。逆だ。連中は何世紀も、地球中を略奪しており、今連中は、連中自身の(これまで強奪品を分け合うのに慣れていた)国民を略奪するまでに至ったのだ。

 フランス国民は略奪されるのに慣れていない。何世紀もの間、彼らは良い生活をしてきて、過去数十年の間は、彼らは「極めて良い」暮らしをしていた。 彼らは世界中のどこより、最も惜しみない恩恵を享受していた。

 誰がそれに対して支払っただろう? それは、今まで、パリで、他の大都市で、あるいは地方の人々人に重要だっただろうか? 彼らが過剰な量の食物とワインを生産していたとき、だが、同様に、彼らが、政府から、何も多く生産しないように求められたとき、フランスの農民は、なぜ彼らが気前良い助成金を得られるのか考えていただろうか? 彼らはいくつかの旧フランス植民地で、これらの助成金がどのように徹底的に農業部門を破壊したか調査するため、セネガルに、あるいは西アフリカの他のところに、しばしば旅行しただろうか? 彼らはそこの何百万人もの生活が完全に破壊されていたことを気にかけただろうか? あるいはインドネシアやブラジルに関して、フランス企業が、積極的に、食品と飲料生産を乗っ取り、結果的に、現地の収入が、場合によっては、フランスの収入のたった10%のままなのに、多くの貧しい国での食品価格がパリの二倍、あるいは三倍に急上昇したことに対しては?

 食物は一例に過ぎない。だがこの文章は、少し違ったことについてのものであるべきだった。黄色いベストについて、もし彼らのすべての要求が満たされたら何が起きるであろうかについて。

*

 もし、フランスを、欧米全体を、その植民地と新植民地の多くを支配している体制が、本当に怪物のようで、ひねくれて、残忍であることに我々が同意するなら、我々はその体制は、普通のフランス国民のより低い税金と、より高い賃金と、より良い医療と教育のつけを支払わないだろう、という論理的結論に到達せざるを得ない。

 もし抗議行動参加者の要求が満たされれば、請求書に対して支払いをするよう強いられるだろう他の誰かがいるはずだ。可能性として高いのは、何千万人も、あるいは何億人もが「重荷を課される」だろう。彼らはフランス、あるいは欧州連合に暮らしてはいないだろうし、あるいはどこか近辺でさえないだろう。

 黄色いベスト運動の抗議行動参加者はこれについて考えているだろうか? 彼らにとって、それはほんの少しでも重要だろうか?

 それは過去にも、考えてはいなかった。ジャン・ポール・サルトルのようなわずかな人々がまだ生きていた頃は、これらの疑問は定期的に問われていた。しかし最近はそうではない。今はそうではない。シャンゼリゼでの、この反乱の間も。

 フランスの人々は、フランスの都市や地方における生活の質を改善するために、一体何百万の人々が死ななければならないか疑っているだろうか?

 あるいは多分、「埋め合わせるため」、社会支出をカバーするため、どこかの国が侵略され「ねばならない」のだろうか? それはイランだろうか? それとも、ベネズエラ?

 「ニューヨーク・タイムズ」はフランスの地方に関する記事の一つで、人々が晩餐のために妻をレストランに連れて行く余裕さえないと不平を言っていると報じた。それは本当に重大だが、それがイランやベネズエラに対する戦争や、その結果としての略奪を正当化するだろうか、あるいは数十万もの西パプア人の大虐殺の口実になるだろうか?

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 私は、略奪された世界中いたる所の人々同様、正真正銘の国際主義者に、黄色いベスト運動が、単に、世界中のに多くの他の人々を犠牲にして、自己本位に、フランス国民の生活を改善する利益のために戦っているわけでないことを確信させるのを助けるようなことを提案したい。

 彼らは以下のことを理解しているのを示すべきだ。彼らは他の人たちに、無関心でないことを示すべきだ。彼らが資本主義と帝国主義に反対で、絶対的に地球のあらゆる地域での植民地政策と人々と彼らの資源を略奪すること反対だと、はっきり言うべきだ!

 フランス人だけでなく、全ての人の自由と平等と友愛のためだと彼らは言うべきだ!

 より多くの賃金、より低い税金と、もっぱらフランスに暮らす人々のためのより良い利益のためだけでなく、これは本当の革命、世界を良くするための本当の戦いだと言うべきだ!

 それが残された貧しい植民地化された国々の略奪から来るのであれば、彼らは決してどんな恩恵も、余分の金も受けとらないと言うべきだ。

 もし彼らがこのすべてを語り、彼らが本当に心からそう思っていることを実際に示せば、私は「革命万歳!」と大声で言い、抗議行動参加者に心から加わらねばなるまい。

 しかし彼らがそうするまでは、彼らの勝利が、他の人々、何百万もの他の人々を傷つけないことを私が確信するまでは、フランスの地方の誰かが妻を晩餐のためレストランに連れて行く余裕があるかどうかについてより、ベトナムやパプアの人々について、イラン、アフリカ、シリア、あるいは中東全てについて、私はずっと懸念し続けるだろう。

Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者と調査ジャーナリスト。 彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者、革命小説Auroraと数冊の他のの著者。 彼の最新の本はRevolutionary Optimism, Western NihilismThe Great October Socialist Revolution。オンライン誌 「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/12/17/what-happens-if-the-french-yellow-vests-win/

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 孫崎享氏の今日のメルマガは

トランプ、米軍、シリア撤退を発表、国防長官、中央軍司令官、安全保障担当補佐官等の反対押し切り発表。シリアからの撤兵はトランプの選挙公約。議員らも強い反対表明。米軍シリア駐留の最大目的はアサド大統領を脅威と見、その排斥図るイスラエル擁護

 2018年12月1日The Asia-Pacific Journal Japan Focusに下記の記事が掲載された。『属国』の続編に思える新刊The State of the Japanese State Contested Identity, direction and role抜粋だろうか。 沖縄についての記述が多い。内容は実に悲しい事実だが、日本政治について常々思っていることが、立派な学者により英語で書かれ、偏屈な老人の妄想ではなかった証明ではあるだろうと苦い満足感を感じている。日本語版を期待している。The Asia-Pacific Journal Japan Focusも寄付金募集の時期。

 Grappling with Clientelism: The Japanese State and Okinawa under Abe Shinzo

 なお「Japan’s Client State (Zokkoku) Problem 日本の属国問題」で

 前の本『属国』の概念が主流の見解から極端にかけ離れていたが、五年後、元高級官僚の孫崎享氏の『戦後史の正体』の中で確認されたこと、何とも苦い満足感を覚えると筆者は書いておられる。記事は英語だが、クリックすると日本語本pdfが読める。

2018年12月16日 (日)

エマヌエル・マクロン失墜

Ivan DARAKTCHIEV
2018年12月12日
LawRockwell.com

 18カ月前「国際エリート層の苦闘:プロジェクト「エマヌエル・マクロン」、ひどく信頼を失い致命的に傷ついたEUという発想の避けられない崩壊を延期する国際エリート層最後のチャンス」という題名の記事を私が書いて発表した。今日、上記題名では多くの単語で語ったことを簡潔に発表する時が来た。エマヌエル・マクロン失墜!

 組織的行動につけこんで、店を略奪し、自動車に放火し、機動隊とさえ戦い、その過程で血を流す非行者連中による暴力を非難しながら「黄色いベスト」とレッテルが貼られた何週間もの自然発生的街頭抗議運動に大衆は同情的だったが、フランス大統領は姿をあらわさないことで悪名が高かった(無視に等しいが、ジュピター(木星)での優先度の高いことで忙しかったのだ、と言う向きもある)。

 そして今日、彼は芝居がかった演技をして、地球に戻って来た。ハンサムで、雄弁で、謙虚で、おこぼれで、わずかな要求に対応すると約束しているが、金がなく、政府債務が約2兆ユーロで、対GDPで110と120%の間で、赤字予算がECが要求する上限を超え、つまり、更なる借款、すなわち、エリート層が避けると約束していたせん状悪化を、すべての予算計画のたびごとに繰り返して計画し続けるだろうことを、皆知っているのだ。

 あまりにもわずかで、あまりにも遅過ぎる。フランス全体に広がる多くの抗議集団は、テレビで抗議を続ける述べた! だが、たとえ彼らが屈伏し、この波が最終的に引いても、政治の天才として売りこまれた操り人形には、あらゆる打撃が加えられたのに、治療法が存在しないのだ。

 マクロンは彼の態度が適切ではなかったことを認めさえした。多くの人々によれば、彼の行動は、まさに大統領職の始めから、ずっとごう慢で横柄だったが、今日彼は急転換している。彼のボディーランゲージは一部国民の怒りをおさめるだろうが、今日の演説は少なくとも罪の一部だ。野党は既に非難を定式化している。彼は前任者たちの政策を変え、かつての良い生活をとり戻すと約束したが、逆に彼の政策は状況を悪化させ、金持ちは一層速く更に金持ちになり、貧しい人々は前より速く、明かに更に貧しくなった。

 フランス大統領は「社会経済緊急事態」を宣言した。結構だが、十分結構ではない。(i)もしこのような緊急事態を、マクロン以前の数人の大統領が発表していれば、フランスの役に立っていただろう。そして(ii)金がないのだ!

 上記は、自身の繭の中で暮らすエリート層が、自国の一般市民(まして世界の他の場所の人々は言うまでもなく)の日常生活についての手がかりを持っていないことを思い出すきっかけ用メモだ。同様に、エリート層は、彼らがわからないものを、いかに改善すべきるか見当がついていないこと、そして、大衆をなだめるのに最小限いくらかかるのか分からないことを意味している。フランスは今日、意欲的指導者のシャルル・ドゴール将軍が似たような街頭活動や暴力の後辞職しなければならなかった、まさに半世紀前と同じ状態にある。大きな疑問は、そこで類似が、終わるのか、それとも、我々は、ルイ16世や、ニコライ2世に対する大衆の怒りについても検討するべきかだ。

 「黄色いベスト」による反乱は、エリート層が降参したという事実だけでも、大成功をおさめた。この本当に人気が高い、自然発生的な、政治以前の、イデオロギー以前の運動(本物の「我々人民」)が今後更に進展するのか、あるいは鎮静化させられるのかは分からないが、私の考えでは、これは既に21世紀のフランス革命の始まりを示しており、単に私だけの夢想ではない。国営テレビで、コメントした二、三人の最も有能で最も経験豊かな数人の評論家が、抗議運動報道官を「トランプ主義者」と呼んだ。現在、未曾有の反大統領選キャンペーンを推進しているマスコミと立法府の卑屈な共同戦線に応援されて、彼の前任者たちが適切に従ってきた陰の国家の方針に逆らって、(言い替えれば)「国民の利益が第一だ」と言ったドナルド・トランプの革命的態度を意味している。我々ヨーロッパの反体制派は、ドナルド・トランプが、なぜ21世紀アメリカ革命の創始者で実行者と見なされるべきか説明した。フランス抗議参加者と共鳴する彼の革命方針の主な特性は愛国心だ。「黄色いベスト」は流入する移民が益々気前良く扱われる一方、彼らの苦境は何年間も全く無視されていたと不平を言う(暗黙のうちに、彼らの費用負担を意味し、暗黙のうちに、もしEU政策に逆らい、移民の流れを止めれば、「自国民」用に、もっと多くの金があるはずなのを意味している)。最近、EUを代表して、ヨーロッパ人がどれほど(アメリカ大統領の)民族主義に賛成でないかを語ったのは、国民が(「民族主義」マリーヌ・ル・ペンの代わりに)大統領として選んだ、この未熟な男エマヌエル・マクロンだった。彼らは確かに「民族主義者」ではなく「愛国者」だろう。それで今街頭の人々は、この二語がお互い同意語で、単に誰かの宣伝をする必要がある連中により、「民族主義」には否定的な意味が刷り込まれているだけである事実を良く理解しているように思える。彼らは「トランプ主義者」であることを誇りに思っている - すなわちフランスの愛国者も民族主義者も同時に、移民に資金供給するため、彼らから益々多く資金を奪っているヨーロッパの指令を無視することを含め、もっと彼らに注意を払うよう要求しているのだ。マクロンは、EUや、政策や指令や共通の目的や、あらゆる新移民に対しても永続する暖かい歓迎には、一度も言及しなかった。

 欧州連合のひび割れはますます増え、更に広がっている。

 Ivan Daraktchiev [彼にメールを送る]は、マイクロエレクトロニクス技術専攻で、長年エレクトロニクス、マイクロエレクトロニクス産業で、科学者、科学研究マネージャーを、後に、アメリカ、ベルギー、スイス企業の幹部つとめた。2004年以来、社会政治問題、社会経済理論、変革マネージメント、政治評論についてのコンサルテーション、執筆、講演を行っている。

 記事原文のurl:https://www.lewrockwell.com/2018/12/no_author/emmanuel-macrons-free-fall/

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 彼のことを、ジュピターのようだと褒めそやす宣伝があるらしい。モーツァルトの交響曲第41番に失礼だろうに。それで「失墜」という表現になるのだろうか。原文は自由落下。

 彼我のトップの大きな違い、学歴だけかも知れないとつくづく思う。政策や態度はうり二つ。

 田中龍作氏の最新報道を拝読すると、悪辣さが良くわかる。
【パリ発】3千人拘束、「最賃上げる」もウソ 第5波デモ封じ込めたマクロンの冷酷

 自由落下しているのは、マクロンではなく、庶民の方ではと思える。

 豊洲を訪れ、豊洲市場を訪れない「ブラタモリ」。大本営広報部ここにあり。

2018年12月14日 (金)

TVでのマクロンの「私の過失」声明にもかかわらず、決戦へと向かうフランス

Finian CUNNINGHAM
2018年12月12日
Strategic Culture Foundation

 テレビ放送での謙虚さと共感の見かけにもかかわらず、エマヌエル・マクロン大統領は広範囲の経済不満に対する国民の怒りの気分を鎮め損ねたように見える。

 首都パリと他の主要フランス都市は、抗議の連続5回目の週末 - あるいはデモ参加者の言い方では「第5幕」の予定になっている。

 マクロンのテレビ演説のほぼ24時間後、東部の都市ストラスブールで、銃撃犯が3人を殺害し、多数を負傷させ、フランス当局に緊急事態宣言を強いた。今週末、マクロン政府に対する抗議デモが計画されている時に、最大の保安部隊が派遣され、フランス中の緊張は高まっている。

 民間の不満増大に何週間も沈黙を続けた後、最終的に、マクロンは月曜日夜、あらかじめ録画された14分の演説で全国に語った。彼はよそよそしい言葉と態度で、彼が国民の「感情を害して」いたことを認め、悔恨し、謙虚にさえ聞こえた。

 大統領は具体的譲歩も発表した:1カ月100ユーロの最低賃金増加、低収入年金受給者に対する課税中止、超過勤務手当の課税免除だ。

 けれどもいわゆる黄色いベスト運動の抗議者が表明した合意は軽蔑だった。彼らはテレビで放送されたマクロンの譲歩は「おこぼれ」で、「あまりにわずかで、あまりに遅過ぎた」と言った。デモが再び他の大都市と同様、この週末フランスの首都で開催されるだろう結果になった。週に1度の交叉点での交通渋滞はフランス経済を危機に至らせている。

 火曜夜、人命が奪われたストラスブールでの銃撃事件は、治安上の緊張と更なる暴力への恐れから、週末の抗議を大混乱に陥れるかもしれない。多くの抗議者が問うている質問はこれだ。ストラスブール殺害のタイミングで利益を得るのは一体誰だろう?

 さらにマクロン政府を不機嫌にしているのは、疑いなく、大衆抗議が、社会の様々な部門に広がっているように思われることだ。公共部門労働者と学生たちが大義への参加を計画している。出現しているのは、チャールズ・ドゴール大統領の現行政権を少なくとも一時的には倒した、桁外れの1968年革命を思い出させる全般的大衆蜂起だ。

 抗議行動は、最初11月初旬にフランス政府が計画した燃料税引き上げを潰した。法律上の安全対策として、良く目立つ黄色いベストを車に搭載しなければならないフランスの運転手たちが街頭に出た最初だった。だが燃料税特定の問題として始まったものが拡大し、マクロンのネオリベ資本主義政策に反対する広範囲の民衆反乱の流れを引き出した。

 マクロンの問題は、彼がエリート主義で不誠実に聞こえずにいられないことだ。彼のTV「私の過失」の間に、彼は賃金と税金については譲歩したかもしれないが、暴力を使うことに対して、抗議者をひどく叱るのに、大統領は全国的演説の大部分を費やした。彼は国民の怒りは「深く、多くの意味で正当だ」が「暴力は正当化」できないと言った。多くのフランス国民と他の観察者の見方は、公的抗議の権利を抑圧するために過度の暴力を使っているのはフランス国家だ。

 先週末、最高90,000人のフランス機動隊と軍隊が、デモを封じ込めるために、全国的に配備された。何百という抗議者が逮捕され、「先制的に」保護された。穏やかな抗議者に、催涙ガスと放水銃が使われ、警察による不当な暴力場面があった。

 マクロンが「暴力は正当化できない」と説教するが、フランス国家が自身に使うことを認めた不必要なレベルの暴力を考えれば、彼の言葉は陳腐で、偽善に聞こえる。

 しかも、益々多くのフランス国民が、労働者と彼らの家族から、適切な暮らしを奪う経済政策は、ある種の国家によって課された暴力だと見なしている。人々を強制的に貧困と退廃に追い込む政策選択は、暴力のシステムだ。

 TVでの彼の「私の過失」演説で、非常に裕福なフランス人に対する税金は回復させないとマクロンはふてぶてしく言った。以前の、この税金をやめるという彼の決定が彼に「裕福な人たちの大統領」のあだ名をもたらしたのだ。そうした金持ちへの迎合と相まっての燃料税が、大多数の労働者に最も激しい打撃を与え、現在の反乱をひき起こしたのだ。

 (マクロンが抗議者への譲歩として断念した)提案された燃料徴収は、フランス社会の「生態学的変化」に対し支払うべき財政資金を増やす必要性として正当化された。マクロンは国際的に、気候変化との戦いで、彼自身を擁護者としてうまく提示した。若干のいわゆる「リベラル左翼」アメリカ政治評論家が、「反トランプ」の人物として、マクロンを歓迎した。彼は確かに「再び惑星を偉大にする」ことを望んでおり(トランプに対する当てこすり)、「惑星に代案ない」のだから、気候変化を避けるため緊急行動をとる必要があると言って、「環境配慮型」言説を語るのだ。

 しかしながら、マクロンの外見上明白な進歩的生態学の言説は経済の現状について極めて保守的な政治家をさらけ出している。非常に裕福な人たちが、より多くの富を蓄積する一方、数十年にわたり益々多くの労働者が貧困になる現状だ。これはフランスのみならず全ての資本主義国家の社会情勢だが、フランス人はそれについて何かをしているのだ。

 マクロンが、今や廃止した燃料税制案で見せたものは、大多数の社会を犠牲にする貴族の満足だった。彼は、既に裕福な人たちに大きく豊かな予想外の授かりものを与える一方、普通の労働者の背中に生態学的変化の財政負担を負わせるつもりだったのだ。

 元ロスチャイルド投資銀行家は、確かに革新主義者ではない - 彼の見えを張った言説にもかかわらず。 もし彼が本当に「再び地球を偉大にする」ことを望んでいるなら、マクロンは、市街地の家を買ったり賃借したりする余裕がないため、毎日何百キロメートルもドライブしなければならない非熟練労働者ではなく、裕福な人々や企業に課税していたはずなのだ。もしマクロンが本当に進歩的な考えを持っていたなら、彼の政府は、全ての労働者が、週4日間、給与全額で働き、1日の非通勤日で汚染を抑える取り組みのために、資金を供給できていたはずだ。

 社会を生態学的に、より持続可能な存在に向かって進める間、普通の人々の生活を改善するために始めることが可能な無数の進歩的政策がある。マクロンは 「環境への優しさ」という見せかけの下、彼の金持ち階級仲間の利益のために、普通の人々に、さらにひどい仕打ちをするのを望んでいる富豪だ。

 テレビ放送に相応しいマクロンの補償の「おこぼれ」を見破ったフランスの抗議行動参加者は正しい。資本主義の不正行為や、人間性のはく奪や、犯罪的軍国主義は、最低賃金の増加や、何か他の絆創膏処置で、軽減されるにはあまりにも行き過ぎている。

 それが、フランスの首都や他の都市がこれからの何週間にも更に多くの大変動に向かっている理由だ。同じく重要なのは、他のヨーロッパ諸国の大衆が、フランス人により、同じく路上で彼らの自然な公正を要求するよう奮い立たせられていることだ。

 不吉にも、マクロンの一見気持ちをなだめる言葉には、もし抗議者が彼の「申し出」を受け入れなければ、更なる公式の暴力だという暗い恫喝が織り込まれていた。最近、不人気なビシー政権指導者で、ナチ協力者、フィリッペ・ペタンを称賛した大統領が、彼のテレビ演説のある時点で、抗議行動について言った。「暴力が解き放たれれば、自由は終わる」。

 ストラスブールで、24日火曜夜、マクロン演説の数時間後、人命が失われた銃撃は、社会全体を武装化し、この週末首都で計画されている抗議を阻止するため、フランス治安機関が仕組んだ、意図的な挑発という疑念を引き起した。銃撃犯は伝えられるところによればフランス当局に国家安全保障上の危険として知られていた。銃による襲撃とされていることの前に、ストラスブールの彼の家は何時間も緊急捜索されたが、容疑者は逮捕を逃れた。3人が殺された銃撃着後、フランスは国家的緊急事態を、当局が街頭により多くの部隊を派遣し、都市部の一時封鎖を宣言し、令状なしで人々を逮捕できることを意味する最高レベルに上げた。

 フランスは、歴史的決着に向け、様子を整えている。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/12/12/despite-macron-tv-mea-culpa-france-set-for-showdown.html

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 『安倍官邸 vs. NHK』を拝読中。相澤記者が吉田松陰を尊敬しておられるのには驚いているが、読み始めたら止まらない。

フランスの教訓

Finian Cunningham
2018年12月9日
スプートニク

 フランスの人々が権利を守るために立ち上がり、資本主義の不正行為にうんざりしている世界中の他の多くの人々を代弁している。ごく少数のエリートが、これまで一層法外に裕福になる間、西欧諸国の人々は、何十年もの経済緊縮に苦しまなければならなかったのだから、なおさらだ。

 資本主義がもたらす非合理で有害な富の分配に加え、西欧諸国の寡頭支配者に仕える政治家は、軍国主義と、犯罪戦争を行うために過度の財源を使い、浪費している。

 4度目の週末、フランスの大衆は、経済的公正を要求すべく、パリと他の大都市の街頭に出た。
 彼らは、エマヌエル・マクロン大統領の辞職も望んでいる。マクロンは、これまでのところ、腹を立てている国民をなだめるのを、エドワード・フィリッペ首相にまかせ、抗議に関して、いつものよそよそしい沈黙を守っている。

 輸送網と燃料供給を阻止することで、国をほとんど停止状態にし、フランス人は「民衆の力」と、我々の権利のために組織化すれば、何を達成することができるかを示した。

 マクロン政権は屈服し、輸送燃料増税計画を放棄した。提案された増税が、普通の人々の激怒を引き起こし、フランスの全ての運転手が安全目的で車に搭載しなければならない、今象徴的な「黄色いベスト」を身につけさせたのだ。

 フランス大衆は、新税は彼らの暮らしに打撃を与えると言う。
 マクロンは、新しい燃料課税は、生態学的に持続可能な社会への移行に使う政府資金を集めるためだったと主張した。

 だが、一般市民が(「金持ちのための大統領」と軽蔑している)マクロンは、最近非常に裕福な人々のための税金を廃止したことを指摘している。その無料贈呈品は、その代わりに、政府がいかなる環境保全プロジェクトを計画しているとしても、政府の資金供給に使えていたはずだ。

 マクロン政権は同様に大企業のための大規模減税を計画している。またしても、この動きはこの大統領と閣僚のエリート主義優先順序を示している。エリゼ宮殿は、社会変化に対し、容易に支払える金持ち階級ではなく、大多数の労働者に負担させるのに懸命だ。

 加えて、フランス国家は軍に年間およそ500億ドル使っている。もしこの出費が例えば半減されれば、公共事業や福祉で緊縮や恣意的削減の必要はないはずだ。

 軍に対するフランスの浪費は、あらゆる西洋諸国やNATO加盟国の典型だ。もし彼らが、軍国主義を削減すれば、ロシアや中国のような他の国々が、同じく西欧諸国の攻撃的姿勢に起因する防御姿勢の必要上維持される軍事予算を減らすことが可能だろう。

 フランスの黄色いベスト運動は重大な転換点にあるように思われる。それは二つの重要な方向のいずれか行くことが可能だ。

 既に、マクロン政権は一般市民に対する恥知らずな税負担で、屈服した。エリート主義の大統領と閣僚は、権力の座を維持できかるかどうかの瀬戸際でぐらついていように感じられる。フランス人にとって、彼らの抗議運動は燃料税を越えたのだ。
 彼らはあらゆるネオリベ資本主義制度と、彼らが何十年も、経済搾取と圧迫に耐えさせられた理由を問うているのだ。

 さらに、黄色いベスト運動は、他のヨーロッパ諸国の大衆も同様に街頭に出させ、最終的に寡頭政治体制に責任をとらせるよう奮い立たせている兆がある。隣接するベルギーで行われている類似の団体抗議に関する報道がある。ヨーロッパ中の政府が、民衆の力という津波を警戒しているのは確実だ。

 同じく一層実に不吉な方向がある。先週、教育改革に抗議する集会をしている多数の高校生をフランス機動隊が逮捕し、両手を頭の上にあげさせ、土下座させたことに、その前兆が見られた。一部の学生は、壁に顔をつけ、ひざまずくよう強いられた。

 この光景は、フランスの、更に遠く離れた多くの人々を恐れさせた。そこには警察国家独裁の動きと、法的権利廃止の兆しが見える。一部の解説者は、武装警官の前で震え上がる拘留された学生たちは、模擬処刑シナリオのように見えるとさえ述べた。

 この週末パリで計画された抗議行動に先行して、デモに参加するため首都に旅していた何百という人々が、警察に先制的に逮捕され、拘留された。フランス当局は彼ら「トラブルメーカー」が暴力を刺激するのを阻止したと主張している。

 多くのフランス市民は、実際に起きていることが、言論の自由と集会の自由という民主的権利に対する、国家による抑圧的取り締まりの始まりであることを恐れている。

 わずか数週間前、第一次世界大戦記念式典の際、マクロン大統領が、フィリップ・ペタン元帥を、戦場での勇敢さで称賛して、非難の叫びをひき起こした様子も想起願いたい。ペタンは後に第二次世界大戦中、ドイツ第三帝国と協力したヴィシー政権フランスの主席になった。不名誉にも、フランス国家は、何万もの市民を一斉検挙し、ナチの死の収容所に送り、ファシスト政権として機能したのだ。

 おそらく、資本主義は、常に寡頭政治、軍国主義とファシズムに向かう傾向を持った非合理的な、反民主的システムなのだ。経済が比較的順調に行っている時は、体制は「自由民主主義」の形を大目に見る。しかし体制がガス欠状態になると、落ち着かない大衆を支配するために一層極度の権力が行使される。

 何十年もの西欧諸国の経済緊縮と大量貧窮が、資本主義が、もはやそれ自身、自由民主主義のふりをできないことを示している。人々は、人権のため、当然、落ち着かず、腹を立てているのだ。まっとうな仕事と給料と公共事業を維持するために。

 反抗的なフランス人は、全ての人々に、彼らの自然の権利を要求し、資本主義の不正を覆すよう奮い立たせているのだ。それは、フランスのみならず、歴史的に進歩的な方向で、全ての西欧の寡頭政治諸国に当てはまる。

 そこで再び、権力側は、彼らの特権と富を維持するため、捨て鉢で、全面的ファシズムに進むかもしれない。西欧民主主義国家の自由主義の仮面はずり落ち、下にある暴力を暴露しているように思われる。

 我々は歴史的転機にあるように思われる。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。20年以上、ミラーやアイリッシュ・タイムズやインデペンデント等の大手マスコミ企業で、編集者、著者として働いた。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201812091070530273-france-protests-macron/

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 アメリカ上院、サルマーン王子の事件関与非難決議。

 フランス、テロ犯人は射殺された。欧米のテロ、毎回決まって、治安当局が把握していた対象が犯人で、最後は射殺される不思議。

 原文はわずか数日前。黄色いベストにまつわる、いささか古い内容になってしまうが、もちろん筆者が悪いわけではない。.遅い翻訳と、タイミングの悪い掲載のせいだ。一方、日本経済・政治、ブログ、植草一秀の『知られざる真実』最新記事、以前出された本の電子版化によせて、書いておられる。チェルノブィリ原発事故のあと、何度も引合にだされた新約聖書「ヨハネの黙示録」をもじって。ロバーツ氏のアメリカの雇用状況について書かれる記事を連想。

 いざなぎ景気は超えていない

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名、おっしゃる通り。

戦闘機だけ持っても全体見なければ意味ない。中国は日本を射程に収める中距離暖冬ミサイル、短距離弾道ミサイル、クルーズミサイルを1200保有(2017年)。滑走路を壊されれば戦闘機は飛べない。無駄な、国家のおもちゃです。

 だが、属国政府、本気で戦力として配備するわけではないだろう。宗主国の命令通り、国際収支を良くし、双方の軍産複合体を儲けさせ、キックバックを自分の懐に入れるのが主目的だろう。戦略そのものが、全て、宗主国の命令で決められているに違いないのだ。中東の代理テロ部隊のように、いつか自爆聖戦攻撃させられるのかもしれない、と思うのは妄想か?

 納豆や豆腐を見るたびに、いつから宗主国の遺伝子組み換えを食べさせられるのか考えさせられる。大本営広報部では、ほとんど扱わない話題。日刊IWJガイドにあった中継を拝聴しよう。

【IWJ・Ch6】16:00~「アメリカを変えたママが来る!『ゼンさんと考える日本の食』」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

 米国で遺伝子組み換え(GM)食品やモンサントの除草剤ラウンドアップ(グリホサート)の禁止を訴え、世界中に運動を広げているMoms Across Americaの創設者ゼン・ハニーカット氏を迎えて開催される学習会を中継します。「日本の食を変えたい実行委員会」主催。これまでIWJが報じてきたモンサント関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/monsanto

2018年12月 5日 (水)

新自由主義のファシズムへの暗い道

2018年11月26日
TDオリジナル
Chris Hedges

 経済理論としての新自由主義は常にばかげたことだった。それは王の神権や、ファシズムの超人に対する信念のような、過去の支配的イデオロギーと同じぐらい強い正当性を持っていた。その自慢の約束のいずれも、可能とはほど遠かった。世界の少数独裁のエリート8家族の手中に、世界の富の50パーセントが集中し、政府による、管理と規制の撤廃が、常に大きな収入の不平等と、独占権力をもたらし、政治的過激主義に拍車をかけ、民主主義を破壊している。これを理解するために、トーマス・ピケティの『21世紀の資本』577ページを苦労して読み通す必要はない。だが経済的合理性は決して重要ではなかった。重要なのは、階級権力の復活だった。

 支配的イデオロギーとして、新自由主義は素晴らしい成功だった。1970年代に始まり、それに対するケインズ派の主流批判者たちは、学界や国際通貨基金(IMF)や世界銀行のような公的機関やメディアから締め出され、金融組織から押し出された。従順な侍従とミルトン・フリードマンのような知識人気取りが、シカゴ大学のような場所で育まれ、目立つ居場所と豊富な企業資金を与えられた。彼らは、フリードリッヒ・ハイエクや、三流著者のアイン・ランドが通俗化した、非主流派の信ぴょう性のない経済理論という公式呪文を広めた。我々が市場の命令の前にひざまずき、政府規制を撤廃し、金持ちのための税金を削減し、国境を越えた金の流れを認め、組合を破壊し、中国の搾取工場に仕事を移転する貿易協定に署名した途端、世界はより楽しい、より自由な、そしてより裕福な場所になるというのだ。それはまやかしだった。だがそれは機能した。

 我々がニューヨークで話をした際「資本家階級が、非常に困難で、労働者が高度に組織されて、押し返し始めていた、1970年代に起こった、このプロジェクトの階級的起源を認識することが重要だ」と『新自由主義――その歴史的展開と現在』の著者デヴィッド・ハーヴェイは言った。「あらゆる支配階級と同様、彼らも支配的な考えを必要としていた。支配的思想は、自由市場、民営化、起業家精神、個人の自由その他もろもろが新社会秩序の支配的考えであるべきだというもので、それが1980年代と1990年代に導入された秩序だった。」

 「政治プロジェクトとして、それは非常に抜け目がなかった」と彼は言った。「個人の自由、選択の自由について語ったので、非常に多くの同意が得られた。彼らが自由について語る際、それは市場の自由だった。新自由主義プロジェクトは、68年世代にこう言ったのだ。「結構、君たちは自由が欲しいか? それが学生運動の目的だな。我々は君たちにそれを与えるが、それは市場の自由だ。君たちが求めている他のこと、社会正義は忘れることだ。それで我々は君たちに個人の自由を与えよう。だが君たちは社会正義を忘れろ。組織化はするな。」 狙いは、労働者階級の団体組織、特に組合で、大衆の福祉を気づかうことを主張する政党を徐々に排除することだった。」

 「市場の自由で重要な点は、それは平等主義であるように見えるが、同等でないものを等しく取り扱うことより、一層不平等なものは無いということだ」とハーヴェイは続けた。「それは待遇の平等を約束するが、もしあなたが大金持ちなら、それはあなたがもっと金持ちになれることを意味する。もしあなたが非常に貧しければ、もっと貧しくなる可能性がより高い。マルクスが「資本論」第一巻で見事に示したのは、市場の自由は、益々大きな水準の社会不平等を作り出すということだ。」

 新自由主義イデオロギーの普及は、団結した資本家階級により大いに組織化された。資本主義エリートは観念を大衆に売りこむビジネス円卓会議や商工会議所や、ヘリテイジ財団のようなシンクタンクなどの組織に資金を供給した。支配的イデオロギーに大学が忠誠を払う限り、(彼らは大学に、たっぷり寄付をした。彼らは、彼らの影響力と富みを、メディア組織の所有権と同様に、報道機関を彼らの代弁者に変えるために使った。そして彼らはどんな異端者も沈黙させるか、職探しを困難にした。生産よりむしろ急騰する株価が、経済の新基準になった。全ての物、全ての人が金融化され、商品化された。

 「何であれ市場で実現する価格によって、価値が決められる」とハーヴェイが言った。「彼女は、250,000ドルで、ゴールドマン・サックス講演をしたので、ヒラリー・クリントンは非常に貴重だ。もし私が中心街の小集団に講義をして、50ドルもらえば、彼女は明らかに、私より遥かに多くの価値がある。人の中身、人の価値は、彼らがどれだけ市場で、得られるかによって評価される。」

 「それが新自由主義の背後にある哲学だ」と彼は続けた。「我々は物に価格をつけなければならない。それが本当は、商品として扱われるべきものでなくとも。例えば、医療が商品になる。皆のための住宅が商品になる。教育が商品になる。それで、学生は、将来彼らが仕事を手に入れるであろう教育を受けるため、借金しなければならない。それは詐欺だ。基本的に、もしあなたが企業家なら、もしあなたがそこに行き、あなた自身を訓練するなら、あなたは、あなたの公正な報酬を得るだろうと言うのだ。もしあなたが公正な報酬を得ないなら、それはあなたがあなた自身を正しく訓練しなかったからなのだ。あなたは間違った科目をとったのだ。どのように労働を搾取するべきかについて学ぶため、あなたは経営能力の科目をとらずに、哲学や古典科目をとったからだ。」

 新自由主義の詐欺行為は、あらゆる政治志向にわたって今広く理解されている。莫大な公共助成金(例えば、アマゾンは最近ニューヨーク州とバージニア州に配送センターを設立するため、州から数十億ドルの税額控除を要求し、得た)に対するその需要を含めて、捕食性性格を隠すことは益々困難になっている。これは支配層に、大衆の増大する激怒といらだちを、エリートから逸らし、弱い人たちに向ける向けるために人種差別、イスラム嫌悪、ホモ嫌悪、偏見や女性差別という下劣な使う右翼扇動家との同盟を強いた。こうした扇動家は、働く男性や女性を保護することを約束しながら、世界のエリートによる略奪を加速していする。例えば、ドナルド・トランプ政権は、温室効果ガスの排出から、ネットワーク中立性まで、多数の規制を廃止し、最も裕福な個人と会社のため税金を削減して、今後10年にわたる政府収入を、推定1.5兆ドル消滅させ、権威主義的な言説と支配方法を奉じている。

 新自由主義はほとんど富を生み出さない。そうではなく、上方に向けて支配層の手中に富を再配布するのだ。ハーヴェイはこれを「略奪による蓄積」と呼んでいる。

 「略奪による蓄積という主張の要は、人々がものを作ったり、サービスを提供する能力を使い果たした場合、連中は、他の人々から富を絞り出す仕組みを作り上げるという考えに基づいている」とハーヴェイが言った。「そこで、搾取は彼らの活動の中心になる。その搾取が可能になる方法の一つは、以前一つもなかった新しい商品市場を作ることだ。例えば、私がもっと若かった頃、ヨーロッパの高等教育は本質的に公共財だった。[これや他のサービス]は益々私的活動になった。医療サービス。普通の感覚では、商品でないと思える分野の多くが商品になる。収入が少ない住民のための住宅は、社会的義務として見なされることが多かった。今は全てが市場を通さなければならない。市場に開放されるべきでない分野に、市場論理を押しつけている。」

 「私が子供だった頃、イギリスの水は公共財として提供されていた」とハーヴェイが言った。「それから、もちろん水は民有化された。人は水道料金を支払い始めた。[イギリスで]彼らは交通機関を民有化した。バス・システムは混沌としている。ここも、あそこも至る所で私企業が運営している。人が本当に必要としているシステムはない。同じことは鉄道にも起きている。現在イギリスで面白いことの一つは、労働党が「民営化は全く正気でなく、正気でない結果をもたらし、全くうまく機能していないのだから、我々は全てを公的所有に戻すつもりだ。」と言っていることだ。住民の大多数はそれに同意している。」

 新自由主義の下で「略奪による蓄積」のプロセスは金融化に付随して起きる。

 「規制緩和は、投機や略奪や詐欺や盗みを通して、金融システムが再配分活動の中心の一つになることを可能にした」とハーヴェイは、おそらく新自由主義の歴史の最も良い、最も簡潔な記述である彼の著書で書いている。「株の促進、ねずみ講詐欺、インフレーションを通した構造化された資産破壊、合併・買収を通した資産はく奪、進歩した資本主義国家でさえ国民全体を債務奴隷に落としめる負債責任水準の強化。企業の不正は言うまでもなく、資産略奪、年金基金攻撃、株による彼ら多数の殺害とクレジットによる企業崩壊や株価操作、これらすべてが資本主義金融システムの中心的特性になった。」

 新自由主義は、途方もなく大きい金融の力を行使して、経済危機を作り出、に資産価値を押し下げ、次にそれを差し押さえることが可能なのだ。

 「危機を画策する方法の一つは、クレジットの流れを断絶することだ」と彼は言った。「これが、1997年と1998年、東アジアと東南アジアで行われた。突然、流動性がなくなった。主要機関は金を貸そうとしなかった。それまでインドネシアへの大きい外資の流れがあった。彼らは蛇口を止めた。外資が流出した。全ての企業が倒産すると、それらが買い占められ、再び機能するよう戻されたのが理由の一部で、彼らは蛇口を止めたのだ。我々はここ[アメリカ]でも住宅危機の際、同じことがあった。住宅差し押さえは、非常に安く拾い上げられる多数の住宅を残した。ブラックストーンが割り込み、全ての住宅を買い上げ、今やアメリカで最大の家主だ。同社は200,000ほどの不動産を持っている。市場の方向が変わるのを待っているのだ。市場の方向が変われば、事実、短期間そうなるのだが、売り払うか貸すかして、大儲けできる。ブラックストンは皆が損した抵当流れ危機(サブプライム住宅ローン危機)で大儲けした。それは富の大規模移転だった。」

 ハーヴェイは、個人の自由と社会正義が必ずしも共存できないことを警告している。社会正義は、社会の団結と「個々の必要、例えば、個人的欲求やニーズや願望より、社会的平等や環境的公正など、一般的な大義を優先するという自発的意志」が必要だと彼は書いている。個人の自由を強調することで、新自由主義の言説は「リバタリアニズム、アイデンティティ政治、多文化主義、最終的に、利己主義的な消費者保護運動を 国家権力の征服を通して社会正義を追い求める社会勢力から、効果的に切り離すことができる。」

 経済学者カール・ポランニーは二種類の自由があることを理解していた。生態系や民主的組織に対してなされることを含め、我々の周囲のものを搾取し、公共財への配慮無しに、莫大な利益を引き出す良くない自由がある。これら良くない自由で、製薬業界がそうであるのと同様に、不当な価格を支払うことができない人たちの生命を独占権が危険に陥らせられるのを意味する時でさえ、企業は、莫大な利益を生むため、技術と科学的進歩を独占する。良心、言論の自由、集会の自由、結社の自由と、自分の職業選択の自由言った良い自由は、最終的に、良くない自由の優位性によって消滅させられた。

 「計画と制御は、自由の否認として攻撃される」とポランニーは書いた。「自由企業体制と個人の所有権が、自由にとって必要不可欠だと宣言される。あらる他の基礎を基に築かれた社会は、自由であると呼ばれるのに値しない。規則が生み出す自由は自由の束縛だと非難される。それが提供する公正、自由と福利は、奴隷制度の隠蔽として非難される。」

 自由の理念は「自由企業体制の単なる擁護へと劣化する」つまり「収入やレジャーや安全保障が、強化を必要としていない人々のための自由の充足と、民主主義の権利を、資産所有者の権力からの避難所を得るため虚しく利用しようとする人々にとってのごくわずかの自由」を意味する」とハーヴェイは、ポランニーの言葉を引用して書いている。「だがもし、いつもそうであるように「力と強制が欠如していたり、権力が機能を持っていない世界が社会としてありえない」なら、このリベラルなユートピア構想が持続し得る唯一の方法は、力、暴力と独裁主義によってだ。ポランニーの考えでは、自由主義あるいは新自由主義の夢想的社会は、独裁主義、あるいは徹底的なファシズムに悩まされる定めにある。良い自由は失われ、良くないものが乗っ取るのだ。」

 新自由主義は、多くの人々ための自由を、少数のための自由に転換する。その論理的結果は、新ファシズムだ。新ファシズムは国家安全保障の名のもとに市民的自由を廃止し、グループ全体に、売国奴と敵という烙印を押す。それは支配層エリートによる支配を維持し、社会を分割し、ばらばらに引き裂き、略奪と社会の不均等を加速するのに使われる軍隊化の手段だ。崩壊しつつある、もはや信用できない支配的イデオロギーは、軍用長靴に取って代わられる。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/neoliberalisms-dark-path-to-fascism/

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 Paul Craig Roberts氏、Thank you for your sympathy for my loss of Boyで、ネコのボーイを失って悲しんでおられる彼に、なぐさめのメールを送った読者の方々に感謝。

 そこにマーク・トゥエインの言葉が引用されている。与党諸氏を思い出す明言。

 人とネコを掛け合わせることができたら、人は進歩するだろうが、ネコは劣化する。

 大本営広報部呆導には興味皆無。日刊IWJガイドが頼り。「水道法改正案が参議院厚生労働委員会で可決!『すさまじい利益相反で、立法理由が歪みきっている』! IWJは福島みずほ参院議員に直撃取材!」2018.12.5日号~No.2274号~(2018.12.5 8時00分

 一部引用させていただこう。

 昨日の委員会質疑では、福島議員がさらにこの点を追及。2018年6月12日の参院内閣府委員会でのPPP推進法案の審議の際、伊藤氏が梶山弘志地方創生大臣の後ろで補佐をしていた事実を指摘し、「すさまじい利益相反で、立法理由が歪みきっている!」と批判しました。

 また、福島議員は、11月27日の日刊IWJガイドで浜松市の下水道事業の運営民営化への関与が疑われていると報じた、菅義偉官房長官の補佐官だった福田隆之氏についても追及しました。

※11月27日の日刊IWJガイド
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/38096

 福田氏は菅官房長官の補佐官として、パリのヴェオリア社、スエズ社、テムズ社に視察に行っていました。しかし、民営化によって設備更新の滞りや、漏水など、給水効率の低下が起き、水道料金が2.25倍に急上昇するなどして民営化のマイナス点が誰の目にも明らかになり、その後再公営化してコスト削減に成功したパリ市の水道局(市営公社)は視察していません。

 そして、この水道法改正案が先の国会において衆議院で審議される中で、「なぜパリ市の水道局には行かなかったのか」と追及された後の2018年10月に、パリへ3回目の視察に行き、初めてパリ市の副市長と水道公社の総裁と意見交換を行っています。

 しかし、今国会の参議院厚労委員会での審議に際し、内閣府は福田氏がこの意見交換で聞き取った、民営化の問題点と再公営化について書かれた資料を委員会に提出していませんでした。内閣府といい、委員会を運営している与党(参院厚労委の委員長は自民党の石田昌宏議員)といい、確信犯的なデタラメぶりです。

 福島議員は内閣府が法案を出す前に問題点についてきちんと調査しておらず、調査後も報告していないことを厳しく批判し、さらに再公営化するためにヴェオリア社に1660億円も払ったベルリン市を視察していないことも追及しました。

 IWJは昨日、国会散会後に福島議員を議員事務所に訪ね、取材しました。「世界から10週遅れの水道民営化」と断じた福島議員への取材の録画は、ぜひ、以下のURLからご覧ください。

※大都市の水道は売り飛ばされ、過疎地は切り捨てられる!? 水道法改正案が参院厚労働委員会で可決!IWJは福島みずほ参院議員を直撃取材!「すさまじい利益相反、立法理由が歪みきっている」! 2018.12.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/437095

2018年11月 8日 (木)

ボウソナロ: マスコミが作り出した怪物

Jonathan Cook
Global Research
2018年11月1日

 週末、ブラジル大統領選挙でのジャイール・ボウソナロの勝利で、欧米エリート支配層の中の悲観論者がまたもや、勢いよく活動している。彼の成功は、ドナルド・トランプの成功と同様、長年の偏見を強固にした。民衆を信じることはできない。力を与えられると、彼らは原始的衝動で突き動かされる群衆のように振る舞うのだ。今や、無知な大衆が、入念に作り上げられた文明の壁を破壊する恐れがあるのだ。

 現状の守護者連中は、トランプ当選の教訓から学ぶことを拒否しているが、ボウソナロについても拒否するだろう。自分たちの専門領域だと主張する知的分野で活動するのではなく、欧米“評論家”や“専門家”連中は、またしても、一体何が、我々の民主主義とされるものを、新人デマゴーグ連中が跋扈する暗闇に追いやりつつあるのかを理解する助けになるような、あらゆるものから目を背けている。その代わり、相変わらず、もっぱら、ソーシャル・メディアのせいにされている。

 明らかに、ソーシャル・メディアと偽ニュースが、ボウソナロが投票箱で勝利した理由だ。“出版・報道の自由”の利用を制限する門番がいない、億万長者や世界的大企業にとっての守るべきブランドと利益があるおもちゃで、烏合の衆が、生来の偏見を自由に表現できるようになったのだと言われている。

 タイムズ・オブ・ロンドン元編集者で、現在ガーディアンにコラムを書いているイギリスのベテラン門番シモン・ジェンキンズが、ボウソナロについてご高説を垂れている。

“開かれた民主主義の擁護者たちにとっての教訓は明白だ。その価値観を当然のものとして受け入れることはできない。議論が管理されたマスコミや裁判所や組織を通さなくなると、政治は暴徒化する。かつて世界協調の媒介として称賛されたソーシャル・メディアが、ウソと怒りと憎悪の広め役になっている。そのアルゴリズムが世論を二極化させている。そのエセ情報が議論を極端へと押しやっている。”

右翼の権化であれ、リベラル-左翼を装うガーディアンのような変種であれ、これが今や、商業マスコミの基本的合意だ。人々は愚かで、我々は、連中の粗野や本能から守られる必要がある。ソーシャル・メディアが、人類の本能的衝動の源、イドを解き放ったのだと主張されている。

金権支配を売り込む

 ジェンキンズの主張には、たとえ、それが彼が意図したものでないにせよ、ある種の真実がある。ソーシャル・メディアは、実際、普通の人々を解放した。現代史上で初めて。人々は、公式の、政府公認情報の単なる受け手ではなくなった。目上の人々から言いつけられるだけでなく、口答えできるようになった - しかも、かならずしも、マスコミが期待しているほど、うやうやしくはなく。

 古い特権にしがみついているジェンキンズや彼のお仲間は正当にも狼狽している。彼らには失うべきものが多々あるのだ。

 だがそれは、彼らが現在の政治的舞台の冷静な観察者からはほど遠いことも意味している。彼らは現状に、地球を支配している大企業のための報酬の高い廷臣として、彼らを雇い続けている既存の権力構造に極めて多大な投資をしているのだ。

 トランプ同様、ボウソナロは現在の新自由主義秩序を破壊するものではない。彼は新自由主義秩序最悪の衝動を強化したもの、又はエスカレーションだ。彼は論理的帰結だ。

 我々の社会を支配している富豪連中は、その背後に説明責任を負わない自分たちの権力を隠すことができる、お飾り指導者が必要なのだ。利益第一の行為ではなく、死と破壊の戦争や人道的介入、経済が成長する中の天然資源の継続不可能な略奪、自由市場の公正な結果としてオフショアのタックス・ヘイヴンに隠される膨大な富の蓄積、経済危機をくい止めるため一般納税者の懐から資金を出す緊急援助、必要な緊縮政策として連中が画策したもの、その他色々を売り込める調子のいい営業マンを、これまで連中は好んできた。

 特に、肌の色やジェンダーに基づくゲットー風の独自性の方が、階級より遥かに重要だという自分勝手な主張で、支配層エリートが我々を言いくるめた時代においては、口の達者なバラク・オバマやヒラリー・クリントンが、お気に入りの販売員だった。これは権限委譲を装う「分割して支配せよ」だった。今、ジェンキンズが嘆き悲しんでいる二極化は、実は、彼が実に忠実に仕えている、まさに商業マスコミそのものがかき立て、正当化したのだ。

 ドミノ効果の恐怖

 更に読む。目覚めるべき時: 新自由主義秩序は死につつある

 懸念を公言してはいるものの、富豪と連中のマスコミ広報担当者は、トランプやボウソナロのような極右ポピュリストを、本物左翼のポピュリスト指導者より、遥かに好んでいる。支配層エリート権力の本当の基盤である階級特権を縮小したがっている社会主義者の一体化を主張する発言よりも、ボウソナロのようなネオファシストがあおる社会的分裂、連中の富と特権を守る分裂を連中は好むのだ。

 ブラジル、ベネズエラ、イギリスやアメリカのどこであれ、本当の左翼は、警察や軍や金融業界、石油業界、兵器メーカーや商業マスコミを支配していない。まさにこうした産業と組織が、ブラジルでボウソナロを、ハンガリーでオルバーン・ヴィクトルを、そしてアメリカでトランプを権力の座につける地ならしをしたのだ。

 ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァやベネズエラのウゴ・チャベスなどのかつての社会主義指導者たちが失敗する運命にあったのは、個人としての彼らの欠点ゆえにではなく、強力な既得権益集団が彼らの支配する権利を拒否したためなのだ。これらの社会主義者たちは、重要な権力のテコ、主要資源を決して支配できていなかった。当選した瞬間から、彼らの取り組みは内部からも、外部からも妨害されていた。

 社会主義をアメリカに近づける種をまきかねない、大いに恐れているドミノ効果を阻止する手段として、連中の裏庭でのあらゆる社会主義実験を必ず失敗させると固く決めているアメリカエリート支配層と、中南米諸国のエリート支配層は密接につながっている。

 マスコミや金融エリートや国軍は、中南米を改革しようと苦闘してきた社会主義政権の従僕であったことは決してない。大企業は、スラムの代わりの適切な住宅の建設にも、ボウソナロが更なる暴力で粉砕すると主張している麻薬密売犯罪組織に油を注ぐ貧困から大衆を引き上げることにも、興味皆無だ。
ボウソナロは、ルーラ・ダ・シルヴァやチャベスが克服しなければならなかったような、どのような組織的障害物とも決して直面しない。彼が“改革”を実施する際、彼の邪魔をする権力をもった人間は皆無なのだ。彼がブラジルの富のおいしいところを、大企業のお友達のために食い荒らすのを止める者は誰もいない。ピノチェトのチリでと同様、ボウソナロは、彼式の新ファシズムは、新自由主義と素晴らしい調和で暮らせると、安心していられるのだ。

 免疫システム

 もし皆様が、ジェンキンズや他のマスコミ門番による自己欺瞞の深さを理解したいのであれば、ボウソナロの政治的出世を、イギリス労働党の穏健な社会民主主義指導者ジェレミー・コービンのそれと対比願いたい。ソーシャル・メディアの役割、つまり、皆様方、大衆を嘆いているジェンキンズのような連中は、ボウソナロのような指導者を売り込む中でare also党官僚が彼のような人物を権力の座から遠ざけるために用意していた防衛手段を、彼が、はからずも、すり抜けてしまって以来、来る日も来る日も、逐一、三年間、コービンを傷つけてきたマスコミの合唱。

 リベラルとされる守護者連中がこの攻撃を率いている。右翼マスコミ同様、あらゆる代償を払い、あらゆる口実を使い、コービンを阻止するという彼らの絶対的決意を示している。

 コービンが労働党委員長当選した数日後、イギリス支配体制の声である、タイムズ紙が、イギリス軍司令官たちがコービン体制に妨害工作を行うことに同意したと警告する、名前を明かすのを拒否している将軍発言を引用する記事を載せた。この将軍は、まず軍事クーデターが起きるだろうと強く示唆した。

 欧米民主主義の仮面を引きちぎるような、恫喝を行う必要な段階に至るとは、想定されていなかった。我々の見せ掛けの民主主義は、コービンのような脅威をずっと早くに殲滅するために防衛力が組織化されている免疫システムによって作られているのだ。

 ところが、彼が権力の座に近づくや、右翼商業マスコミは、左翼指導者に対して利用される常套手段を使うことを強いられた。彼は無能で、非愛国的で、反逆的でさえある。

 だが人体には、成功の可能性を高めるために様々な免疫細胞があるのと同様、商業マスコミにも、右翼の防衛を補完するためのガーディアンのようなエセ-リベラル-左翼工作員があるのだ。ガーディアンは、現代左翼の弁慶の泣きどころ、アイデンティティ政治を通して、コービンを傷つけようとした。反ユダヤ主義に関する絶え間ないでっちあげ非難は、コービンが、人種差別反対活動で何十年にもわたり、苦労しながら蓄積した功績をむしばむことを狙うものだった。

 焼き畑式政治

 コービンは一体なぜそれほど危険なのか? 彼が気品ある暮らしをする労働者の権利を支持し、大企業権力を受け入れるのを拒否しているためであり、我々の社会を他の形に組み換えることが可能であることを彼がほのめかしているためだ。彼が主張している計画は控え目で臆病でさえあるが、そうであっても、我々を支配している富豪階級や、そのプロパガンダ装置として機能している商業マスコミにとって、余りに過激すぎるのだ。

 ジェンキンズやこれら大企業の速記者連中が無視している真実は、もしチャベスや、ルーラ・デ・シルヴァや、コービンやバーニー・サンダースの計画を阻止し続ければ、現れるのは、ボウソナロやトランプやオルバンだということだ。

 大衆が民主主義に対する脅威なのではない。自らの富を更に増やすため、グローバル大企業エリートが体制を不正操作していることを益々多くの有権者が理解している。我々の社会を二極化しているのはソーシャル・メディアではない。むしろ、はぎ取る資産が皆無になるまで地球を略奪する支配層エリートの決意が、憤りをあおり、希望を破壊したのだ。下層階級の人々の本能を解き放ったのは偽ニュースではない。変化が不可能で、権力の座にある誰も耳を傾けたり配慮したりしてくれないと感じている人々の欲求不満だ。

 ソーシャル・メディアは普通の人々に力を与えた。ソーシャル・メディアが、普通の人々に、指導者は信じることができず、権力は正義に勝り、エリート支配層が儲けるためには、庶民の貧困が必要なことを示したのだ。彼らはこう結論を出したのだ。金持ちが世界に対する焼き畑式政治をできるのであれば、唯一の奥の手として、グローバル・エリートに対する焼き畑式政治をすることができるのだと。

 トランプやボウソナロを選出した彼らは賢明だったのだろうか? そうではない。だが現状のリベラル守護者はそれを判断する立場にはない。本当の解決策を提示できていたはずの、権利を獲得し、前進させることができていたはずの、混乱し、自暴自棄で、幻滅している大衆に、道徳的指針を提示できていたはずの本物の左翼を弱体化させるのを、あらゆる商業マスコミが、何十年間も幇助してきたのだ。

 ジェンキンズは、大衆にその倒錯した選択について説教したがっているが、彼や彼が書いている新聞こそが、大衆の福祉を気にかける政治家、より公正な社会のために戦う人々、破壊されたものを修理することを優先する人々から、大衆を遠ざけているのだ。

 既存の道徳とされるものの守護者としての自分たちの資質を強化するための絶望的で身勝手な望みから、欧米支配層エリートはボウソナロを非難するだろう。だが連中が彼を作り上げたのだ。ボウソナロは連中の怪物だ。

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 本記事を皆様のメールリストで送付願いたい。ご自分のブログ、インターネット・フォーラムなどに投稿願いたい。

Jonathan Cookは、マーサ・ゲルホーン・ジャーナリズム特別賞受賞者。著書には“Israel and the Clash of Civilisations: Iraq, Iran and the Plan to Remake the Middle East” (Pluto Press) や“Disappearing Palestine: Israel’s Experiments in Human Despair” (Zed Books)がある。彼のウェブサイトはwww.jonathan-cook.net。彼はGlobal Researchの常連寄稿者。

写真出典はTranscend Media Service.
本記事の初出はGlobal Research
Copyright Jonathan Cook、Global Research、2018年

記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/bolsonaro-monster-engineered-media/5658597

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 与党のやらせ質疑は音声を消しているが、入管法をそぐる答弁のひどさ。いつもの通り、いけしゃあしゃあと、デタラメをられるするあの人物。指さしは失礼だと、鬼気せまる形相で怒る御仁。

 宗主国議会選挙の結果をじっと眺めながら、どのような結果がこの属国にとって、一番良いのかを巡って論じ続ける属国大本営広報部諸氏、学者先生。それを拝聴する小生。

 宗主国による理不尽な対イラン制裁に対して、ヨーロッパ諸国のように、非を指摘し、対策をとる国と違い、180日の輸入猶予をありがたがる大本営広報部。

 今日のIWJガイド、「岩上さんが10月30日に狭心症の発作に見舞われました。『それでもやるべき取材がある』と札幌行きを決意した岩上さんを、どうかご支援ください」という。何とも気掛かりなこと。

2018年11月 2日 (金)

魔法の帝国主義とアメリカの万里の長城

2018年10月28日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 「哀れなメキシコよ、神からあまりに遠く、アメリカ合州国にあまりにも近い」という言い方は皆様御存じだろう。

 世界でも誇り高く、美しく、深遠な地域は、最初はヨーロッパ人 (スペイン人もフランス人も)、次に北アメリカ人に、何世紀にもわたり略奪され、強奪され、屈辱を受けた。

 征服の下品さと残忍さは、現実と思えないほど奇怪で、非現実的で、ばかげていることが良くあり - 私がそれに“魔法の帝国主義”(あるいは、お望みなら‘魔法の植民地主義’と呼ぼう)と名付けることにするほどだ

 マヤ族やアステカ族や他の先住民が生み出した偉大な文化、ヨーロッパ人の文化より遥かに進んでいた文化は粉砕され、たぶらかされ、裏切られ、最終的に屈伏させられた。地元の神々は‘永久追放され’死や拷問や両方の威嚇の下、カトリック信仰が全員に強制された。

 そうなのだ。欧米植民地主義と、実に奇怪で、シュールな形をとることが多い。‘魔法の帝国主義’を具体的に説明するには、どのような例を挙げたら良いだろう? 例えばこれだ。プエブラに近いチョルーラで、スペイン人は、世界最大(容量の上で)のピラミッド頂上に教会をどんと載せた。トラチウアルテペトルだ。私がこのエッセイを書いている今も、教会はそこに鎮座している。教会はピラミッドの頂上に悪びれることなく鎮座している。地方自治体は、その存在が自慢でさえあって、‘主要観光地’として売り込んでいる。ユネスコが文化的破壊行為の象徴として、いつの日かこれを“世界記憶遺産”リストに載せるのを私は願っている。

 現地の博物館で、学芸員のエリカさんを呼んで、この愚行について質問した。彼女は根気よく説明してくれた。

“我々は過去の残虐さについて話すことをしないよう強く指示されているのです。自国の歴史に対するメキシコの姿勢は、実際、統合失調症的です。スペイン人入植者によって、フランス人によって、そしてアメリカ人によって、わが国が略奪され、強奪され、虐待されたことを我々は知っています。 けれども、我々学者や教師や学芸員は、文字通り、それを無視し、‘前向きになり’、我々に対してなされたこと、我々が受け継いだものの‘良い面に目を向ける’ように命じられているのです。”

 明らかにエリカさんはうんざりしていた。彼女はあからさまに熱心に語ってくれた。

“昔、教会に何度か雷が落ちて、酷く破損し、現地住民は、自分たちの居場所で芸術的傑作 - ピラミッドの冒涜に抗議する地元の神々の怒りで、そうなったと信じています。ところが、建物は、教会と国家当局によって、すぐさま修復されたのです。教会がいまだに風景を支配していて、遥か彼方のプエブラからさえ見えますが、壮大なピラミッドは樹林で覆われた丘でしかないかのように侮辱され、軽んじられています。”

*

 メキシコは何世紀も苦しめられたが、今も苦しめられている。

 メキシコは世界でも偉大な国の一つだ。実際、メキシコは単なる国ではなく‘中国宇宙’や‘インド宇宙’や‘ロシア宇宙’など他の偉大な国々によって作り出された‘宇宙’と良く似た一つの宇宙だ。メキシコは古くからあり深遠で、上記の通り、自給自足で、彼らを攻撃し、略奪し、奴隷化しにきた連中の文化より遥かに進んだ、いくつかの桁外れの文明を生み出した。

 ところが、そうした文明は、侵略者により、その独自性を奪われ、強制的にキリスト教徒にされ、更に自らの土地における‘少数派’にまでおとしめられた。先住民は奴隷労働を強いられ、すぐさま遥か遠方に出荷され、最初はヨーロッパを、後に北アメリカを豊かにした自分たちの銀や他の原料を採掘するのに使われた。

 元々、こうしたことは全て外国から来た入植者によって行われたが、後に欧米の代理の現地エリートによって行われるようになった。

 同じ話は中南米至る所で見られる。同じ話は世界の実に多くの場所でも見られる。

 こうしたこと全てが真顔で行われた。欧米は、決して、反省や罪悪感の発作で有名なわけではない。何の正当化もされなかった。結局、想像上の‘文明の旗の下’(当然、欧米の文明だ)メキシコと名付けられた国の上に十字架が立ったのだ。

 この古くからの美しい世界の完全破壊は、ほとんど‘詩的な’形で行われたので、こうしたこと全てを‘魔法の国主義’と私は呼んでいる。宗教上の教理や、軍隊と拡張主義理論や、人種的、文化的、宗教的優位の神話の上に構築された。

 こうした全てが植民地時代に起きた。そして‘自由市場原理主義’時代の今も起きている。

 “こうしたことは、メキシコ人にとって良いことなのか悪い事なのか?”Who cares! そのような疑問は許されない。単に、欧米は世界で最も進んだ部分であり、‘よりよく分かっている’ので、メキシコ人は、欧米に耳を傾け、受け入れ、従うべきものと考えられている。‘優れた’という単語はほとんど使われない(‘政治的に不適切’なので)が、それが前提だ。

*

 今メキシコは沸騰している。メキシコは、子供扱い、奴隷扱い、世界の劣った部分扱いされるのに、うんざりしているのだ。

 今回私は三週間‘なじみの場所’再訪して全国を旅した。人々が考えている言い分を聞きたいのだ。

 約20年前、私は丸一年この国で暮らしていた。心の底では私は決して去っていない。

 今回、あらゆることが見覚えがあるようにも、同時に、見たことがないようにも感じられた。メキシコ・シティーやプエブラ、グアダラハラ、テキーラ、トラスカラ、ティフアナ、メリダ、オアハカの人々と話し、奥深い田舎にもいった。どこでも、私は人々の恐怖心を感じた。人々の不安を感じた、大変な不安だ。

 そう、恐怖は見られたが、あらゆるものを変え、ゼロから始めるという固い決意もある。

 私は“メキシコ - ゼロ年”という仮題のキュメンタリーを撮影していた。拘束力がある題名ではなかった、私はそれに慣れてきた。どこかピッタリだったので。

 (AMLOとして知られている)左翼政治家アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールが大統領選挙に勝利した。メキシコ中の二州を除く全てで、大きな支持を得たのだ。

 もしオブラドールが戦い、もし彼が固く決意していて、もし彼がメキシコ国民の利益のために尽くせば、全面的見直し、本当の変化、新たな始まりになりえるのだ。あるいは、もし彼がためらい、勇気をなくし、惰性に屈伏すれば何もおきず、ほぼゼロだ。

 メキシコの色々な所で私は少なくとも100人と話した。おそらくもっと多くの人と。一人も、本当に誰も、この国がうまくやっているとは言わなかった! ありとあらゆる前向きな指標にもかかわらず、人間開発指数(HDI)上での良い位置にもかかわらず、そしてメキシコは、結局OECD加盟国で、世界で15番目に大きな経済だという事実にもかかわらず。

 ‘魔法の帝国主義’が、この偉大な国を屈伏させたのだ。

 この国のありとあらゆるものが矛盾に満ちている。

 メキシコには、アメリカ合州国よりも、ずっと偉大な文化と、生活様式があったが、今は北に従属している。輸出の90%は、真っ直ぐ北米(アメリカとカナダ)向けだ。メキシコ人の世界観は、スペイン語版CNNやFOXなどのマスコミでメキシコを文字通り、あふれさせている洗脳右翼プロパガンダによって完全に形成されている。

 北米の振る舞いに激怒しながらも、それでもメキシコは、世界を、大変ないじめっこの目で見るよう強いられている。RTやCGTNやPressTVや、Telesurさえもが、インターネットでしか見られない。

 これは変わらなければいけない。誰もが、何らかの形で変わるべきなのをを知っている。だが、いかにして? 今のところ、何の計画もない。Is次期大統領が、何か案を実行するつもりだろうか? もし彼が実行した場合、居続けられるだろうか、それとも、チャベスやディルマを含め他の多くの人々がそうなったように、恫喝されたり、座を追われたり、殺害されたりするのだろうか?

 どれか中南米の国は、欧米によるグローバル独裁から本当の独立ができるのだろうか? キューバは独立した! あるいは、「これまでのところ、キューバだけだ」と書くべきか。ベネズエラも、かなりの程度。だが両国は、すさまじい代償を支払っている。

*

 メキシコの至る所に、欧米による‘関与’を思い出させるもの、あるいは‘蛮行記念碑’と呼ぶべきか、が残っている。そうしたものを見つけるには、探さなければならず、行間を読む必要さえあることが多い。

 スペインによる征服、審問、土地、天然資源の大規模窃盗、そして大虐殺に次ぐ大虐殺、拷問…

 2016年2月7日、テレスールはこう報じた。

‘メキシコ、ミチョアカン州先住民最高会議は、2400万人以上の先住民殺害に加担したかどで、カトリック教会を非難した。

メキシコ、ミチョアカン州の約30の先住民コミュニティーが、16世紀のスペインによるアメリカ大陸侵略中、カトリック教会の共犯で、彼らの先祖にたいしておこなった集団虐殺に謝罪するよう、フランシスコ教皇に要求する声明を公表した。

“500年以上、アメリカ大陸先住民は家を荒らされ、略奪され、殺害され、搾取され、差別され、迫害された”ミチョアカン州先住民最高会議は声明で、こう述べた。’

 さてフランシスコ教皇、何かご意見は。少なくとも正義について語る多少のご希望は?

 アメリカ合州国侵略と、メキシコの広大な領土の奪取:

“…米墨戦争は、アメリカ合州国の地理的境界を形成することに寄与した。この戦争の結果として、現在のテキサス州、アリゾナ州、ニュー・メキシコ州、カリフォルニア州と、コロラド州、ワイオミング州、ユタ州と、ネヴァダ州の一部を含め、アメリカは約100万平方マイルの領土を増やした”

 上記を読めば、この説明の後には、無数のメキシコ人の命を奪い、とてつもない領土を盗み取る結果となった戦慄の話が続くと思いたくなるはずだ。だが、そうではない。もちろん、そうではない! 冊子(メキシコ占領 1846年5月 - 1848年7月)に、軍事史主任ジョン・S・ブラウンが書いた序文からのこの引用は“アメリカ陸軍軍事史センター、スティーブン・A・カーニーによりプロデュースされた”と書かれている。謝罪と憤りではなく、この先の引用は、こうなっている。

“…米墨戦争は、最初の交戦から、アメリカ軍撤退まで、約26カ月続いた。戦闘は北メキシコから、メキシコ・シティーや、ニュー・メキシコ州や、カリフォルニア州まで、何千マイルにわたって起きた。戦争中、アメリカ陸軍は、一連の決定的に重要な通常戦闘に勝利したが、全てが何度となくアメリカの勝利のお膳立てをした陸軍士官学校卒業生の価値を浮き彫りにしている。米墨戦争には、いまだに我々が学ぶべきものがある。戦力投射、現地住民と比べて小さく見える小部隊での敵地での作戦実行、市街戦、占領の困難さ、個々の兵士の勇気と忍耐力…”

 冊子と、その序文の自画自賛のほとんど詩的な言葉は、全く、まるで魔法の帝国主義リアリズムにしっくり合うようにしているかのように聞こえる。だがそうではない。歴史は、このような形で、アメリカ合州国やヨーロッパで、不幸なことに、過去も現在も、植民地化されている国々の多くの学校でも教えられているのだ。

 更にフランスは、メキシコ・シティーや、1846年-1848年のアメリカ侵略後も、メキシコ側に残された領土の至る所で大虐殺した。フランスはメキシコに、二度‘介入した’。1838年から1839年までと、1862年から1867年までの衝突で少なくとも12,000人のメキシコ人が殺害された。フランスは、臆面もなく、情け容赦なく、殺害し、略奪し、命令を押しつけたが、まさに同じか、もっと酷いことを、アフリカ、アジア、中東、カリブ海やオセアニア至るところでしていたので、それは実際‘何か例外的なもの’ではなかった。

*

 現在、巨大な都市ティフアナの北部に、アメリカ当局と請け負い業者が、巨大な壁を建設している。それは占領されたゴラン高原とシリア本土の間にイスラエルが建てた‘perimeter’(防御線)と似ていなくもない。それにしても、多くのものが、疑わしいほど似ているようにおもえる、今日この頃だ。

 この壁は、帝国主義者の全くの狂気の明らかな表現だ。この土地丸ごと、1846年の侵略、あるいは‘公式’に米墨戦争と呼ばれているものの前、メキシコに属していた。両国は一つの大陸の一部だ。国境の両側には、基本的に同じ人々が暮らしている。何百万人ものメキシコ人がカリフォルニア州で暮らしており、国境の南 - メキシコで - 退職者村か、たとえば、ずっと学費が安く、より良いメキシコ大学の学生、あるいは芸術家として、より良い生活を求めている何百万人もの北アメリカ人がいる。北アメリカ人は、歯の治療のためメキシコに出かけ、メキシコ人は、より給料の高い仕事を求めて北に行く。国境地域は基本的に、独自の音楽、伝統、歴史や民間伝承を持った同化した地域だ。それ自身の魔法と、そう、そのリアリズムがあるはずで、昔はあったのが私には分かる。

 そうしたものは、すっかり破壊されて、なくなった。

 しかし、ガブリエル・ガルシア・マルケスの小説の中でのように、このあらゆる埃と狂気を通して、人は魔法を感じることができる。ここで、私はまだ中南米の中、その端、最後の縁にいる。壁に穴をあけろ!

 柵越しに、私はアメリカ業者に向かって叫んだ。もし彼が何か考えているのなら、一体どう考えているのか知りたかったのだ。彼は正直に、冷静に答えた。“これについて話すことは禁じられている。”

 私はメキシコ人女性と顔が合った。彼女はアメリカが建設した壁を背にしていた。彼女の家は、perimeter(防御線)からわずか一メートルだ。もし彼女が柵の間に指を差し込めば、彼女は法律上、アメリカ合州国にいることになる。彼女の名前はラティシアだ。

 彼女は政治は気にしていない。彼女の最大の恐怖は、この地域で暮らしている生き物が傷つくだろうことだ。

“彼らはこの地域の水の自然な流れを断っています。これは良い結果にはなりません。もう動物も移動てきません。これは残酷です。私は今の暮らしで幸せで、家族もそうです。こちら側で、私は問題ありません。でも、生き物は違います - 移動する必要があるのです…”

 彼女のおかげで、私はすんでのところで涙が出るところだった。私を壁に連れてきて、‘国境の現実’と、ここの麻薬カルテルが、どのように動いているかを説明していた麻薬売人、‘小物の売人’が、突然、短く、大きく、泣きじゃくった。結局、彼はラテンアメリカ人なのだ。彼は暴力団員かも知れないが、彼には心があるのだ。

 塀を乗り越えようとしている人々の大半はメキシコ人ではないことを知っている。メキシコ人の大多数は中流階級で、中流階級は、常にストレスに苦しみ、働き過ぎのアメリカよりも、メキシコでより良い暮らしをしているのだ。中米からの、生活を危険にさらして、縦断しているのは - グアテマラ、ホンジュラスから必死の人々だ - その政権がワシントンによって打倒された人々、国が破壊された人々だ。暴力団と麻薬マフィアに苦しんでいる人々 - 欧米が引き起こした内戦の直接の結果だ。

 こうした人々は“ラ・ベスティア”、“けもの”と呼ばれる怪物のようなメキシコ貨物列車に乗って旅している。屋根から線路に落ちると四肢が切断されてしまう。私は彼らを追い、撮影し、話をした。彼らはアメリカ国境に向かって、メキシコ南部国境の町から遥々北へと移動しているのだ。彼らには他に選択肢がないのだ。そしてワシントンは、それを知っている。ワシントンは彼らから社会主義を取り上げた - ホンジュラスやグアテマラでそうしたのだ。そして、見返りに、この忌ま忌ましい壁を彼らに与えたのだ。

 魔法の帝国主義!

 中米は荒廃している。地球上でも偉大な国の一つとなく可能性があるメキシコは沈滞し、恐怖の中で暮らし、腐敗や犯罪と(欧米に対して)卑屈で従順なエリートに苦しんでいる。この混乱丸ごと、新自由主義と北の利己的なわがままによって引き起こされたのだ。

 そこに、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール登場だ。

 メキシコ人は疲れている。もはや、自分自身を信じてはいないが、はっきりと、誇り高く投票した。希望したいのだ。信じたいのだ。生きたいのだ。試すのだ。

 人々は話し、人々は投票した。

 次に何か起こるか彼らには全く見当がつかない。彼らが投票した人物は本当に味方なのだろうか?

 メキシコ国立自治大学UNAMのラディカルな知識人たちは、そう考えはていない。彼らは私に言った。だが、この国の中核である貧しいマヤ族やアステカ族の村では、彼を支持している。国民は彼を信じている。彼らは願っている。彼には彼らを裏切る権利はない。

 “彼が大失敗すれば内戦になるでしょう。彼は最後の希望です。” 私はティファナでそう聞いた。

 偉大な南米作家で思想家の一人、エドゥアルド・ガレアーノに言われたことを私は何度となく思い出していた。

 “貧しい人々にあるのは希望だけだ。だから同志よ、決して希望をおもちゃにしてはいけない!”

 もしオブラドールが成功すれば、もし彼が約束したことの半分でも実現できれば、メキシコは劇的に変わるだろう。中米全体が変わるだろう。おそらく中南米全体が。ここはスペイン語話者人口が一番多い国で、実に長い年月、痛ましい何十年も眠っていた文化的、知的原動力なのだ。

 ここで魔法のリアリズムが、欧米によって輸入され実施されたあの魔法の帝国主義と触れ合うのだ。

 象徴的に、9月14日、メキシコ独立記念日が歴史的に祝われる夜に私は到着した。私は眠らなかった。私は群衆を見に、ソカロ広場に行った。スペインの大聖堂が偉大な先住民文明の廃墟の上に建てられている都市の空を、壮大な花火が飾ってかいた。貧乏人も金持ちも立って、色鮮やかなショーを見つめ、巨大な国旗を見ている。

 翌日、私は世界で最も美しい劇場の一つ、壮麗なベジャス・アルテス宮殿を撮影していた。そこでは、ソ連で教育された指揮者が、かつて貧しかった困窮社会出身の少年少女で構成される優れた‘青年オーケストラ’に向かい合っていた。舞台上では、有名なバジェットゥ・フォルクロリコ・デ・メヒコが演じていた。誇り高い民族的テーマで、若い女性たちがライフルを抱え、赤い革命に向かって行進する。聴衆は大声で叫んだ。見知らぬ同士の人々が抱き合い、握手していた。涙が、喜びの涙があった。

 おー メキシコ! 2018年。ゼロ年、と呼ぼう。そう私の映画の名前はこれにする。

 ゼロ年。革命、望むらくは。新たな始まり。独立。望むらくは。

 そう、私は書いた。もちろん、そうした。“人々は不承不承で、懐疑的だ。”だが彼らはその両方だ - 不承不承で、希望に満ちている。グアダラハラで、やむを得ない事情で、タクシー運転士をすることを強いられていた会計士に、こう言われた。

“選挙運動中に彼が約束したことが実現できるとは信じていなかったので、私はオブラドールに投票しませんでした。でも、彼は本気だと願いたいです。もし彼が本気だと分かったら、全てを投げ打って、彼を支持するため、私の人生を捧げます。”

 メキシコを救うためには、新自由主義と欧米依存をやめ、グローバル独裁と戦っている国々に加わることだ。実現可能だろうか? 実現するだろうか?

 私はオブラドールを信じている。私に他の選択肢は無い。私は、私が依然、深く愛している国まで遥々やってきた。私はできる手助けをするために、ここまで旅してきたのだ。私は‘偏らない観客’ではない。今は、そういう連中の出る幕ではない。

 数カ月のうちに、ユカタンやチアパス州のつつましい村々の運命が決められる。中南米全体が注目している。

 メキシコを変えることは不可能な課題のように見える。だが遂行されねばならない。本当の革命は、メキシコ国民第一であるべきで、何世紀もの酷い略奪と、侮辱、恐怖は最後尾におくべきだ。

 魔法の帝国主義なぞくそ食らえ。あらゆる帝国主義はくそ食らえ!

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、小説家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作している。彼は革命的小説『Aurora』や他のの著者。彼の新刊には『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』や『The Great October1 Socialist Revolution』がある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/10/28/magic-imperialism-and-the-great-american-wall/

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白痴製造洗脳箱は、しつこく韓国の裁判ばかりいっている。国民は、ああした愚劣な扇動など見ずに、今日の孫崎享氏メルマガ題名を考えるべき。

韓国が条約守らないと大騒ぎの日本国民は、今日本政府が沖縄に何をしているかを直視したらいい。法律に基づく埋め立て承認撤回処分の効力を、本来政府の行為から国民を救済する行政不服審査法を使ってその効力を剥奪する、限りなく恥ずかしい行為から目そらすな

 「衆院 予算委員会 質疑」与党の間は音声を消している。真面目な野党の質問の時には音を聞く。入管法をめぐる長妻議員の質問に、聞かれていないことを延々語る法務大臣。ひどいもの。「米軍マニュアル」と称するエセ極秘文書についての追求は興味深い。

 とんでもない条約、TPP翼賛を垂れ流す大本営広報部が、政府と一緒に、韓国の裁判結果を批判している。ということは、逆に、韓国の裁判結果がまともであることを意味するのではと思っていたところ、「街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋」から、最新記事
民族と被害  再び」のトラックバックを戴いた。大本営広報部とは全く違う。しかも、嬉しいことに、岩月浩二弁護士、IWJに出演予定とのこと。

11月2日にIWJに出演予定です(^.^)

11月2日(金)午後1時30分から午後5時30分の予定でIWJで岩上安身さんのインタビューを受けることになりました。
テーマはもちろん「日米FTA(貿易条項)の毒薬条項」です。
平日の昼間で、申し訳ありませんが、存分に語らせて頂きますので、よろしくお願い申し上げますm(__)m

今朝の「日刊IWJガイド」タイトルがそのもの。必見。

日刊IWJガイド「今世紀は米中覇権交代の世紀!? 米国が通商交渉で仕掛けた『毒薬条項』について岩月浩二弁護士にインタビュー」2018.11.2日号~No.2241号~(2018.11.2 8時00分)

2018年11月 1日 (木)

中南米軍事独裁者の再来

Wayne MADSEN
2018年10月29日

 中南米の“社会主義の春”は終わりだ。十年以上、縁故主義より、国民を優先する進歩派社会主義大統領が続いた後、中南米オリガルヒは、裁判所や議会や選挙制度を悪用することにより、地域中軍事独裁者を権力の座につけている。民主的に選ばれた大統領を打倒するため、現地の中央情報局(CIA)支局長による黙認を得て、現地の将軍たちが戦車と軍隊を出動させた、過去とは違い、ソーシャル・メディアを発見した現代のファシスト指導者は、腐敗した裁判官や議員たちとともに、本質的に、実質ソフトな“合法的クーデター”をしかけるのだ。

 中南米の社会主義の春で、多くの国々が、ワシントンからの命令から自由に、独自の外交政策を行った。アメリカ合州国がアフガニスタンとイラクでの軍事的泥沼にはまり込む中、中南米がワシントンとつながれていた政治、金融、軍事の鎖から自由になったのだ。中南米が新たに見出した自由は、アメリカ合州国のネオコンと軍幹部、特にジョージ・W・ブッシュの上院で承認されなかった国連大使ジョン・ボルトンと、マイアミのアメリカ南方軍司令官ジョン・F・ケリーを苛立たせた。ドナルド・トランプ国家安全保障補佐官のボルトンも、トランプ首席補佐官のケリーも、今や進歩派指導者やその政党に復讐して、中南米での軍事独裁者の勃興を支援し、ほう助するする立場にある。

 新植民地主義で、アメリカが支配する米州機構(OAS)に対する代替案として機能する中南米とカリブ海諸国のブロックを、ベネズエラ大統領ウゴ・チャベスが率い、それが地域の他の進歩派指導者たちに刺激を与えた頃が、中南米の進歩派社会主義者による春の絶頂だったは。そうした人々には、アルゼンチンのネストル・キルチネル大統領や、後に大統領に選ばれた彼の未亡人、クリスティーナ・エリザベット・フェルナンデス・デ・キルチネル、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ(“ルーラ”)とジルマ・ルセフ大統領、チリのミシェル・バチェレ大統領、エクアドルのラファエル・コレア大統領、ボリビアのエボ・モラレス大統領、パラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領、ハイチのジャン=ベルトラン・アリスティド大統領、ホンジュラスのマヌエル・セラヤ大統領、ウルグアイのホセ(ペペ)ムヒカや、タバレ・バスケス大統領、アルヴァロ・コロンや、ドミニカ共和国、エルサルバドル、ペルー、セントビンセント・グレナディーン、ドミニカやセントルシアの中道左派指導者たち。中南米の春を批判する右翼たちは、この傾向を、軽蔑的に“赤潮”と呼んだ。

 チャベスはアメリカに支配されない米州ボリバル同盟(ALBA)とラテンアメリカ・カリブ諸国共同体 (CELAC)創設の陰の発案者だった。

 アメリカ合州国が - 主に中央情報局(CIA)と南方軍によって、典型的な軍事クーデターを、ハイチとホンジュラスで、エクアドルで軍事クーデター未遂、パラグアイ、そして最終的に、ブラジルでの“合法クーデター”を画策した後、中南米における社会主義の春の解体が始まった。チャベスが侵攻性のガンと診断された後、彼のボリバル主義ブロックは、ワシントンによって包囲された。現在、ベネズエラ、ニカラグア、ボリビアとウルグアイだけが進歩派ブロックの痕跡として残っており、この全ての国々が、ワシントンと、コロンビア、ブラジル、アルゼンチン、チリとペルーのそれに従順な“縁故資本主義”政権によって、様々な度合いで包囲されている。

 不適切な名称の自由社会党(PSL)極右政治家ジャイール・ボウソナロのブラジル大統領当選は、ワシントン“砲艦外交”時代の、軍が支援する軍事独裁者と、西半球における“バナナ共和国”の押しつけの日々への回帰を示している。

 アドルフ・ヒトラーやベニート・ムッソリーニや過去のブラジル軍事独裁政権の自称崇拝者ボウソナロは、既に大統領に当選する前から、過去の中南米軍事独裁者の極右版としての地位を確立し始めた。ボウソナロは、トランプ政権の国家主義で人種差別主義の政策にこびへつらう中南米諸国の右翼ブロックを率いる意欲を公言している。ボウソナロは - 父親が親ナチス独裁者アルフレド・ストロエスネル大統領の個人秘書をつとめたパラグアイの右翼大統領マリオ・アブドベニテスに - ブラジリアとアスンシオンとの間で、より親密なつながりを築くことを約束して接触した。

 コロンビアの右翼大統領イヴァン・ドゥケも、トランプ大統領も参加する可能性の高い将来の「アメリカ保守派サミット」で成立するであろう中南米諸国の極右ブロックへの参加を念頭に置いて、ボウソナロと話し合った。“ムーブメント”という名のブリュッセル事務局下での「極右ヨーロッパ政党サミット」計画で多忙な元ホワイト・ハウス首席戦略官スティーブン・バノンは、ウソナロと彼の野心的な息子、ブラジル議員エドゥアルド・ボウソナロに助言をしている。

 ボウソナロは、中南米で新右翼同盟を形成することを予想して、かつてトランプのビジネス・パートナーだったアルゼンチン右翼大統領マウリシオ・マクリとも会談した。ボウソナロは、チリ大統領セバスティアン・ピニェラの独立民主連合(UDI)の過去のアウグスト・ピノチェト将軍による残虐な独裁制をいとおしく思っている右翼チリ上院議員ジャクリーン・バン・レイッセルベルゲとホセ・ドゥラナの二人と面談した。

 ボウソナロと、ブリュッセルを本拠とするバノンの "ムーブメント"メンバーは、エボ・モラレスを大統領の座から追放することを狙っているラス・カジェス反政府連合指導者のマリア・アネリン・スアレスが率いるボリビア極右勢力にも助言を与えている。ボウソナロは、スアレス、ラス・カジェスやバノンのお仲間と共に、2018年10月10日反モラレス "全国行進" を組織すべく同党議員の一人カルラ・ザンベリをボリビアに派遣した。ボウソナロは、ボリビアでモラレス反対を醸成する上で、彼の反モラレスの取り組みは、アルゼンチンのマクリとチリのピニェラによる支援を得ていると言った。

 ボウソナロは、ブラジル大統領としての自分と、アルゼンチンのマクリとチリのピニェラでボリビアとベネズエラの"社会主義"を打倒すると語った。ボウソナロは“熱帯のトランプ”と呼ばれている。ボウソナロは、ブラジル先住部族の土地を取り上げ、民間実業家に、搾取するよう引き渡すと約束した。彼はアフリカ系ブラジル人を "太りすぎで怠惰"、ハイチやアフリカやアラブ中東からの人々を "人間のクズ”と呼んだ。ボウソナロはブラジル野党指導部に二つの選択肢を提示している。亡命か処刑か。

 ボウソナロ、マクリ、ピニェラ、アブドベニテスとドゥケが、1968年から1989年まで存在していた、中南米軍事独裁政権の秘密警察と諜報機関のCIAが奨励した連合「コンドル作戦」の復活を狙っている可能性が非常に高い。アメリカ国務長官で、国家安全保障担当大統領補佐官であるヘンリー・キッシンジャーのお墨付きを得たCONDORは、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、エクアドル、パラグアイ、ペルー、アメリカ合州国やウルグアイに逃れた左翼指導者たちを追跡し暗殺するのが仕事だった。

 ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、チリの右翼政府と、ワシントンに従順なペルーに包囲されたボリビアは、2019年、モラレス大統領四期目を潰すために高まる政治的、経済的、軍事的圧力に直面することになる。トランプ政権が課した経済制裁で既に麻痺しているベネズエラは、ブラジルとコロンビアが、その国境地域を、チャベスが選んだ後継者ニコラス・マドゥロ大統領政権に対するCIAが支援する準軍事作戦のために使うのを目にすることになろう。

 ニカラグアのオルテガ政府も、ブラジルのボウソナロ政権が支援し、CIAがしかける不安定化の取り組みにさらされ続けることになるだろう。

 これから就任するメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)進歩派左翼政権とキューバしか、西半球にわずかに残った左翼ポピュリズム地域の存続を支援できない。間もなく、中南米の労働者、農民、先住民、学生、福音派ではない聖職者の権利は、軍事独裁者と軍事政権とCONDORの時代以来、目にしたことの無いような形の攻撃を受けることになる。ブラジルで最も人気のある政治指導者であり続けている“ルーラ”は右翼裁判官と司法機関によって捏造された容疑で、12年間、監獄に投獄されている。

 ファシストによる差し迫った猛攻撃から、ボリビアとベネズエラとニカラグア指導者たちを救うため、西半球は今やAMLOや、キューバのカストロ後のミゲル・ディアス=カネル大統領や、ウルグアイ元大統領ムヒカや、他のカリブ海諸国の英語を話す進歩派首相たちに頼らなければならない。ボウソナロ当選は、ドイツでヒトラーが選ばれた際の、良く似た精神構造を示していると、ムヒカは警告した。ムヒカはブラジル選挙直前“人間の記憶力は足りない。変化を強く求めて、悪い方にかわりかねない”と語った。中南米とアメリカ合州国のトランプ反対派は、ボウソナロ、トランプ、マクリ、ドゥケが率い、グアテマラの喜劇俳優出身ファシスト大統領 - ジミー・モラレス - やホンジュラス・バナナ共和国独裁者フアン・オルランド・エルナンデスなどが支持する新ファシスト枢軸風協定に対する警戒を怠ってはならない。

写真:Brazil Magazine

記事原文url:https://www.strategic-culture.org/news/2018/10/29/return-of-latin-american-caudillos.html

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 日本は一歩先を行っている?

 TPP発効を祝う大本営広報部。オーストラリアやニュージーランドの酪農製品や、アメリカの肉が安く買えて何が嬉しいのかわからない。食の安全や食料安保という発想には決して触れない外国巨大資本がスポンサーの大本営広報部が主導する南京陥落提灯行列。フェイク・ニュースの極致。真実を説明してくださる方々がおられ、下記のような本もあるのに、ゾンビー、スマホは見るが、本は読まない。

 アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!

 食の戦争 米国の罠に落ちる日本

下記は、このブログにあるTPP関連主要記事リスト。

 TPP関連主要記事リスト

2018年10月31日 (水)

超富豪による支配は暴政か革命

2018年10月22日
TD originals
Chris Hedges


Mr. Fish / Truthdig

 10歳の時に、私は奨学生として、マサチューセッツ州にある超富豪向け全寮制学校に送られた。それから8年間、私は最も裕福なアメリカ人の間で暮らした。私は彼らの偏見を耳にし、閉口するほどの彼らの権利意識感覚を目にした。彼らは自分たちは、より頭が良く、より才能があるので、特権があり、豊かなのだと主張した。彼らは、物質的、社会的地位が彼らより下位の人々を、あざ笑うように蔑視していた。超富豪の大半には共感や思いやりの能力が欠如している。彼らは連中にへつらう世界に逆らったり、合わなかったりして、彼らに順応しない人々全てをからかい、いじめ、あざけるエリート徒党を組んでいた。

 大半の超富豪の息子たちと、私は友情を築くことができなかった。彼らにとっての友情は「私にとって何のとくになる?」で定義されていた。彼らは子宮から生まれ出た瞬間から、彼らの欲求や必要に応える人々に囲まれていた。彼らは、苦しんでいる他者に手を差し伸べるということができなかった。何であれ、彼らが当面抱えている、けちな思いつきやら問題が彼らの宇宙を支配しており、彼ら自身の家族内の人々さえ含め、他者の苦難に優先していた。彼らは、いかにして奪うかしか知らない。彼らは人に与えることができない。彼らは奇形化した抑えられない利己主義に支配されているとても不幸な人々だった。

 超富豪の病理を理解することが極めて重要だ。完全な政治権力を掌握した。こうした病理がドナルド・トランプや、彼の子供たちや、ブレット・カバノーや、彼の政権を運営している億万長者を特徴付けている。超富豪は、他の誰の視点でもなく、自分自身の視点でしか世界を見ることができない。彼らの周囲の人々は、資格のある男性たちが食い物にする女性を含め、束の間の欲望を満たしたり、操られたりするために造られた対象だった。超富豪はほとんど常に道徳規準をもたない。正しい。誤り。真実。ウソ。公正。不正。こうした概念は彼らの理解を超えているのだ。何であれ彼らのためになるか、よろこばしいものは良いのだ。そうでないものは、破壊しなければならない。

 超富豪の病理こそが、トランプや彼の未熟な娘婿ジャレッド・クシュナーが、無制限な資格授与と縁故主義のもう一人の産物、事実上のサウジアラビア支配者ムハンマド・ビン・サルマーンと、私が中東で一緒に働いたことがあるジャーナリストのジャマル・カショギ殺害の隠蔽を共謀するのを可能にしているのだ。超富豪は、彼らの人生を、連中が相続した富や、富が及ぼす権力や、超富豪友愛会の他メンバーや、連中の弁護士や広報担当者含む助長者の軍団によって守られて過ごす。彼らが失敗や、他者への虐待や、酷使や犯罪をしても、まず何の影響もないのだ。これがサウジアラビア皇太子とクシュナーがきずなを深めた理由だ。二人は超富豪が決まって生み出す小人なのだ。

 超富豪による支配は、この理由で恐ろしいのだ。彼らは限界を知らない。彼らは決して社会規範に拘束されておらず、将来もそうなのだ。我々は税金を払うが、彼らは払わない。エリート大学に入学したり、仕事についたりするため、我々は一生懸命やるが、彼らはそういうことはしない。我々は失敗すれば代償を払わねばならないが、彼らはそうではない。犯罪をおかせば、我々は起訴されるが、彼らはそうならない。

 超富豪は、人造の泡型構造物、我々の現実と切り離されたフランケンマンションや自家用ジェット機がある場所、リッチスタンと呼ばれる国で暮らしている。富は、それ自体が永続するだけでなく、新たな富創出の機会を独占するのには使われていると私は思う。貧乏人や労働者階級にとっての社会的流動性など、ほとんど神話だ。超富豪は、トランプやクシュナーやジョージ・W・ブッシュのような凡庸な白人男性を財閥の連中を権力の立場へと教育する育てるエリート学校に押し込んで、究極的な形の少数派優遇措置を行使しているのだ。超富豪は決して成長するようには強いられない。連中は一生、幼児期状態に保たれていることが多く、欲しいものがあるとわめき声をたて、ほぼ常に、それを手に入れる。そして、これが連中を実に実に危険にするのだ。

 アリストテレスやカール・マルクスからシェルドン・ウォリンに至るまでの政治理論学者が超富豪による支配を警告している。超富豪が権力を握ってしまえば、アリストテレスが書いているように、唯一の選択肢は暴政と革命だ。連中は、いかに育てるかやら、いかに作り上げるかを知らないのだ。彼らは底無しの強欲を満たす方法しか知らない。超富豪には滑稽なところがある。連中は何十億ドル所有していようとも彼らは決して満足しない。彼らは仏教でいう餓鬼だ。連中は、権力や金や品物の収集を通して、達成不能な幸福を追い求めるのだ。こうした際限のない欲望の人生は、超富豪が妻や子供たちと疎遠になり、本当の友人を失って、寂しく終わることが多い。そして、彼らが亡くなると、チャールズ・ディケンズが“クリスマス・キャロル”で書いた通り、大半の人々は連中とおさらばしたことを喜ぶのだ。

 超富豪の病理研究で最も優れている本の一冊『パワー・エリート』で、C. ライト・ミルズは、こう書いている。

    彼らは国家の資源を搾取し、連中同士で経済戦争をし、同盟し、公有財産を利用して個人的財産を作り、自分たちの狙いを実現するため、ありとあらゆる手段を講じる。連中はリベートを得るため鉄道会社と談合する。彼らは新聞社を買収し、編集者を買収する。連中は競合する自立した企業を潰し、自分たちの権利を維持し、特権を確保するため、腕利き弁護士や評判の政治家を雇う。こうした大御所の形成には、何か悪魔的なものがある。彼らを泥棒貴族と呼ぶのは単なる修辞ではない。

 我々の民主主義を破壊した大企業資本主義は超富豪に抑制のない権力を与えてしまった。これら少数独裁エリートの病理さえ理解すれば、我々の未来を想像するのは容易だ。超富豪が支配する国家機関は、今やもっぱら連中の権益のために尽くしている。連中には、よりどころのない人々の叫び声は聞こえない。連中は国民を抑圧しつづける機関、国内支配のための治安・監視体制や軍隊化した警察や国土安全保障省や軍に権限を与え、公教育、医療、福祉、社会保障、公平な税制、食料配給券、公共交通やインフラ、そして裁判所などの、社会的、経済的、政治的不平等を和らげる組織やプログラムを、骨抜きにするか、減らす。超富豪は、連中が着実に貧困化させている人々から、益々大変な額の金を搾り取る。国民が反対したり、抗議したりすると、連中は民衆を鎮圧するか殺害する。

 超富豪は自分のイメージに異常なほど気をつかう。彼らは自分を見ることにとりつかれている。彼らは彼ら自身の宇宙の中心だ。ありもしない徳や特性で一杯の架空人格を作り出すためには、彼らはどんな苦労も費用もおしまない。これが超富豪が広く報道される慈善行為をする理由だ。慈善は、超富豪が断片的道徳に携わることを可能にするのだ。彼らは、超富豪が貧乏人の災いだと主張する頽廃や放蕩の類が特徴であることが多い自分たちの生活の道徳的堕落を無視しし、ささやかな慈善行為によって、思いやりがあり、情け深いふりをする。カショギがサルマーンに対してしたように、このイメージを台無しにする連中は、特に忌み嫌われる。そして、これが、トランプがあらゆる超富豪同様、批判的なマスコミを敵と見なす理由だ。それがトランプやクシュナーのカショギ殺害隠蔽を幇助する共謀への熱心さが不気味な理由だ。彼の中に、自分たちに欠けていて、得たいと熱望している、全能を見ている支持者に対するトランプの扇動や、批判する人々に対する暴力行為の実行は、カショギを電動骨ノコでバラバラにした皇太子の暴漢からわずか数歩しか離れていない。マスコミには、暴力的に対処すべきだと彼が言う際、トランプは冗談を言っているのだと、もし思われるのであれば、超富豪について、読者は何も分かっておられない。何の罰も受けないで済むことなら、彼は殺人さえするだろう。彼は大半の超富豪同様、良心が欠如しているのだ。

 より賢明な超富豪、イヴァンカやジャレドが、かつてはしゃぎ回っていた世界、イースト・ハンプトンズやアッパー・イースト・サイドの超富豪は大統領を粗雑で下品と見ている。だがこの違いはスタイルだけで、中身ではない。ドナルド・トランプと、ゴールドマン・サックスの裕福なハーバードやプリンストン卒業生にとっては困りものかも知れないが、彼はバラク・オバマや民主党がしているのと同様、一生懸命超富豪に尽くしているのだ。これが、オバマ夫妻が、クリントン夫妻同様、超富豪に殿堂入りした理由だ。それが、チェルシー・クリントンとイヴァンカ・トランプが親しい友人でいる理由だ。彼らは同じカースト出身なのだ。

 支配機構内には超富豪による国や生態系の略奪を止める勢力は皆無だ。超富豪には、大企業に支配されているマスコミや、彼らが資金を与えて選出される議員連中や彼らが掌握した司法制度には何も恐れるべきものはない。大学は大企業の情けない取り巻きだ。彼らは、その階級権力を復活させるため超富豪によって考案された新自由主義という支配的イデオロギーに異議申し立てをして、主要寄贈者連中を怒らせる知識人批判者を沈黙させるか追放した。超富豪は、かつては労働者が権力と戦うのを可能にしていた改革のための民主的機構とともに、労働組合を含め大衆運動を破壊した。世界は今や連中の遊び場だ。

 『ポストモダンの条件』で、哲学者のジャン=フランソワ・リオタールは、“一時的契約”が“職業や感情や性や文化や家族や国際関係や政治問題における恒久的機構”に取ってかわる将来の新自由主義秩序の姿を描いていた。人、もの、組織や自然世界に対するこの一時的関係は、集団自殺を保証する。超富豪にとっては、何ものにも固有の価値はない。人間や社会機関や自然世界は、枯渇するか崩壊するまで、個人の利益用に搾取するための商品だ。統治される人々の同意のような公益は、概念として死んでいる。この一時的関係は、超富豪の根本的病理の具体化なのだ。

 カール・ポランニーが書いた通り、超富豪は、最悪の自由、つまり“自分の仲間を搾取する自由や、比例するサービスを共同体に提供せずに、計り知れない利益を得る自由や、技術的発明を公益のための利用を阻止する自由や、私利私欲のために密かに仕組んだ人々の被災から利益を得る自由”を称賛する。同時に、ポランニーが述べている通り、超富豪は“良心の自由、言論の自由、集会の自由、結社の自由、職業選択の自由”に戦争をしかけるのだ。

 大衆文化やマスコミがもてはやす超富豪の暗い病理は、我々自身のものとなっている。我々は彼らの毒を摂取してしまったのだ。超富豪によって、我々は、ひどい自由を褒めたたえ、良い自由をけなすよう教えられている。トランプ集会をどれかご覧頂きたい。リアリティー・テレビ番組をどれかご覧頂きたい。地球の状態を検討願いたい。我々がこうした病理を拒否し、超富豪を権力の座から排除するため団結しなければ、彼らが我々を、既にそうだと考えているもの、つまり連中の手助け役に変えてしまうだろう。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/the-rule-of-the-uber-rich-means-tyranny-or-revolution/

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 大昔、平凡社刊「オーウェル評論集 1 象を撃つ」で読んだ『あの楽しかりし日々』を思い出した。同じような年齢で、寄宿制学校、聖シプリアン校における暮らしの自伝。

 ネット検索してみたところ
『実験記録 No.02』【日本語訳】ジョージ・オーウェル評論集に、『あの楽しかりし日々』の翻訳まであるのに驚いた!思わず再読させて戴いた。

 超富豪にも、例外、あるのかも知れない。

 植草一秀の『知られざる真実』の最新記事は『日中友好継承発展会』創設記念講演会
そこで、
丹羽宇一郎氏が「激動する国際情勢と日中関係のこれから」という演題で
植草一秀氏が、「近年の日中経済情勢と今後の課題」という演題で、講演されたという。

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