読書

2020年5月16日 (土)

米軍は、キエフで、いつ権力を奪取するのか?

2020年5月11日
ウラジミール・プラートフ
New Eastern Outlook

 最近、筆者は、アメリカの新ベラルーシ大使ジュリー・フィッシャーという形の、ホワイトハウスの「国王の贈り物」について記事を書き、彼女の任命は、軍事的・戦略的分野や、クーデターを行う上で、かなり経験豊富な人物で、大使館の指導力を「強化する」というワシントンの最近の政策と一致していることを指摘した。

 そして、とうとうウクライナの番が来た。結局、ウクライナは繰り返し、ドナルド・トランプ大統領とマイク・ポンペオ国務長官(二月のキエフ訪問の際も)に、結局、ウクライナよりも、ホワイトハウスに有益な「良い」大使を送るよう求めていた。

 ワシントンにとって、ウクライナは、長い間「手に負えない子ども」であることを指摘する価値はあるまいが、その結果、ホワイトハウスのウクライナに対する扱いは、「いたずらな子供に対する父親」に似てきている。ワシントンは、ウクライナに対する関与について、これまで、オープンだった、2015年2月1日のCNNインタビューで、当時のアメリカ大統領バラク・オバマは「ロシアにもっと多くの圧力を加えて、ウクライナを強化する」といった。2014年12月2日、ウクライナ議会が、ウクライナ財務大臣として、ウクライナ系のアメリカ国民、ナタリー・ヤレシコを任命投票したことは読者に想起いただく価値がある。この決定は、今日に至るまで、ウクライナ財政に悪影響を与えている。当時、もし(IMFが承認した改革を実行し損ねて、ワシントンを失望させた)アルセニー・ヤツェニュークが彼のポストを去れば、ナタリー・ヤレシコが、ウクライナ首相として彼にとって変わりかねないことの、しつこいうわさがあった。

 優先事項が、アメリカの「父としての関心事」に直接依存していたビクトル・ユシチェンコやペトロ・ポロシェンコのようなウクライナ大統領が続いたのを想起することも重要だ。結局、マイダン(市民反乱)後、ウクライナに「秩序をもたらす」ことを、ワシントンは引き受けたのだ。例えば、アメリカは様々な金融機関経由で、ウクライナ政府に金を与えてきた。本質的に、キエフ指導部が従うべき政策の設定や、適切な人々が職位につくのを確実にするためのロビー活動だ。ワシントンが、ほとんど全ての権限を掌握しているので、ウクライナ企業が、アメリカ人「顧問」に向かって示す過度に卑屈な態度は驚くべきではない。経済援助の提供、ウクライナ軍への命令から、諜報局のための人員雇用、防衛大臣、閣僚や大統領補佐官の任命に至るまで。

 マスコミも、一度ならず、キエフでの意志決定過程に対するアメリカの影響について報じている。ウクライナ検察官総長を解任するようペトロ・ポロシェンコに強要したことについての、ジョー・バイデン元副大統領による高慢な声明についての記事を思い出しさえすれば十分だ。以前(欧州・ユーラシア担当)米国務省国務次官補ビクトリア・ヌーランドが、ウクライナで民主主義を促進するため、1991年以来、アメリカは50億ドル以上投資したと言った。アメリカ国際開発局(USAID)と全米民主主義基金(CIAとのつながりがあると疑われている組織)も最大投資者の一部だった。彼らはウクライナ政治家、非営利組織(NGO)やマスコミを「支援する」ことを目指す多数の構想に資金調達した。

 その結果、アメリカに助言を頼る人々が、かなり長期間ウクライナにいる。最終的に、ウクライナへの新アメリカ大使を任命する時が来た。ドナルド・トランプによれば、米陸軍を退職したキース・デイトン中将が間もなく、この役割を引き受けることができる。彼は1949年3月7日に生まれた。1970年、バージニア州ウィリアムズバーグで、ウィリアム・アンド・メアリー大学を卒業した。キース・デイトンはケンブリッジ大学で歴史学士号を、南カリフォルニア大学で国際関係修士号を受けている。彼はロシア語と少しのドイツ語を話す。

 キース・デイトンはドイツのガルミッシュ=パルテンキルヒェンにある米軍ロシア研究所(USARI)でロシア/ソビエト研究を専攻した。彼は1991年に出版されたNATOの未来に関する本「The Future of NATO: Facing an Unreliable Enemy in an Uncertain Environment NATOの未来:不確実な環境で信用できない敵との対決」の共著者の一人でもある。

 米軍での、ほぼ40年間の勤務の間、キース・デイトン大将は、ワシントンD.C.国防情報局のヒューマンインテリジェンス担当部長や、サダム・フセイン政権崩壊をもたらしたイラク自由作戦のイラク調査グループ部長をつとめた。彼は(国防省内の)陸軍部で戦略計画・政策部門を率いていた。

 キース・デイトンは、ロシアでアメリカ駐在武官を勤めた。

 2010年12月に、彼は引退した。

 現在彼は(アメリカ国防省とドイツ連邦国防省研究所の二国間施設)ジョージ・C・ マーシャル安全保障ヨーロッパセンター所長だ。2018年11月、当時の国防長官ジェームズ・N・マティスが、キース・デイトンをウクライナで上級アメリカ顧問として勤めるよう指名した。

 それ故、ホワイトハウスは、アメリカがその手法を続ける中、軍事・戦略上の分野での十分な経験を持っていて、この地域でワシントンにとって望ましい指導部を確保できるようなアメリカ大使をソビエト後の地域に任命すべく、キース・デイトンを候補者として選んだのだ。

 現在、ウクライナは、アメリカにとって特に関心があるように思われ、それが、退職中将がなぜこの国へのアメリカ大使候補として選ばれたかを説明する。結局、ワシントンは元米軍人が、その「巧みな腕で」軍隊風秩序をウクライナにもたらせるよう願っているのだ。実際、短期間に、アメリカは、訓練センターを含め、ウクライナに、先進的軍事施設建設を計画している。デジタル・セキュリティー監視体制の配備。そこで、15のアメリカ提携パートナー諸国の生物学研究所実験室推進、この半島を未来の米軍基地に換えるためのクリミアのウクライナ返還。(キエフ州)ウズィーン市飛行場で、技術や装置やと専門家をウクライナに移すために使われる重要な軍輸送ハブの仕事を始める準備は、ほぼ完全だ。周囲をゲートとフェンスで囲った住宅地が首都周辺に作られている。だが、キエフでの住宅市場の全体的な下落を考えると、このようなプロジェクトは時宜に適ったものではないように思われる。それでも、住宅地域建設は驚くべきことではない。結局、アメリカ軍人は、現地人がいない、快適で安全な地域で暮らすのに慣れているのだ。民主主義の「促進」は簡単に済む過程ではないので、彼らは長期間ウクライナに住むことを計画している。例えば、ベトナムでは、それは何十年も続いたし、イラクやアフガニスタンで、その過程は、まだ進行中だ。

 だが、マイダンで始まったウクライナ内政に対するアメリカによる干渉は、国民の一部の間で、益々否定的に見られている。アメリカが無料でウクライナに与えると申し出た二隻の「アイランド」級の艦船が、なぜまだ送付されないのか、ウクライナが、なぜかなり高価な石炭を購入する必要があるかに関する理解不足が、一部のウクライナ人の間で増大している。この国は不利な状況に置かれているように思われる。アメリカはウクライナ正教会、キエフ総主教庁に、積極的に独立するよう奨励しており、教会内での分裂をもたらしている。それでも総主教庁は、ウクライナ社会で、注目を得られずにいる。加えて、ワシントンに積極的に促進されたウクライナの反ロシア姿勢が、キエフに大いに必要とされるロシアとの経済的結びつきに弊害を与えないわけにはいかない。それ故、時折、ウクライナはアメリカ同盟国であるように思われず、むしろ、アメリカの地政学的関心のために利用される手段だ。

 それでも、ワシントンは、軍事戦略分野での豊富な経験から、退職中将キース・デイトンを駐ウクライナ・アメリカ大使として任命して、近い将来これら全ての問題を終わらせたい望んでいるのだ。

 時間と、奴隷化する試みにもかかわらず、これまで何世紀も決意が揺らがなかったウクライナ国民だけが、こうした計画が実際に成就にするかどうかを決めるだろう。

 ウラジーミル・プラートフは中東専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/05/11/when-will-us-military-take-over-power-in-kyiv/

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 晋裸万障一狂体制。

 国会前でサイレント・デモをしている方々がおられる。年寄りなので、重症化が気になって参加できない。

 LITERA

検察庁法改正問題で松尾元検事総長らが安倍首相を「ルイ14世」「中世の亡霊」と批判! 小泉今日子、オカモトレイジ、浜野謙太らも抗議を続行

 バラエティ番組で、最近苛立つのは異神礼賛。カジノ優先、医療切り捨て、自民別動隊を称賛するのは許せない。

 日刊ゲンダイDIGITAL

安倍からシフト 情報弱者を洗脳する維新礼賛パンデミック

2020年5月15日 (金)

アメリカの不幸をさらすパンデミック

2020年5月8日
ウラジーミル・オディンツォフ
New Eastern Outlook

 コロナウイルス流行は、既に、あらゆる国々に打撃を与えている。多くの国々が直面する主要問題の一つは、出現した脅威に対処する能力が政治エリートに欠如していることだった。その結果、世界的なCovid-19流行が始まった日から、多くの人々が亡くなった。国家経済は破滅した。共通の脅威に直面して、団結への信頼が消滅し、最近まで強力な経済や金融部門があった国々でさえ、国民が貧窮化したり、飢えたりする可能性が差し迫っているように見える。多くの企業が閉鎖しただけでなく倒産し、大量失業をもたらした。

 それゆえ、このような状況で、最近多くの国々や人々が、この困難な時期に少なくとも多少の支援と、何をすべきかについて、世界的強国から多少の助言を得ようと願って(自身を「世界の指導者、世界の安全保障の保証人」と称している国)アメリカを当てにしたのは驚くべきことではない。

 だが、ホワイトハウスは、またもや、アメリカがファーストであることを世界に示して、他の国々からマスクや他の医療機器を大慌てで奪い始めた。ワシントンは、Covid-19流行に対する団結した戦いを率いるどころか、中国やWHOに根拠がない非難を浴びせ、流行発生を彼らのせいにして、政治問題化し始めたのだ。

 「世界の指導者」によるこのような未曾有の行動は、この流行ゆえ、アメリカに降りかかった、あらゆる不幸だけのせいにするわけにはゆかない。結局こうした問題の多くは元々存在していたのだが、アメリカ指導部は、国民の注意を、そこから意図的に逸らし、アメリカを偉大にすることではなく、何よりもまず自分たちを豊かにすることに注力したのだ。

 4月19日、アメリカ・マスコミに掲載された、フィラデルフィアで「地元病院から検死局行き」トラックの荷台で運ばれる七人の遺体写真が、アメリカで亡くなった庶民を扱う、あからさまに失礼な様子で衝撃を呼び起こした。だが自身は高価な家や高級医療センターの壁の背後に隠れているアメリカ指導部が、アメリカ医療制度の状態や、平均的アメリカ人が暮らす状態を知らないことがあり得るだろうか?

 ニューヨーク・タイムズのようなアメリカ・マスコミが、コロナウイルス流行が、またしても、(世紀丸ごとではないにせよ)何十年間も、この国を悩ませているアメリカ社会の長年続く構造的不平等を浮き彫りにしたと指摘した。英国放送協会(BBC)も、いまだに存在している、アメリカにおける人種による貧富の差を非難した。BBC報道は、利用可能な統計に基づいて、コロナウイルスに感染した、あるいはCovid-19のために死んだアフリカ系アメリカ人の数が、白人アメリカ人の対応する数字より、不釣り合いに高いことを強調した。フォックス・ニュースによれば、どうやら民主党が「人種的分裂をかき立てるアイデンティティ政治のような、全く無関係な政治的優先順位」で議会を「いっぱいにして」いるので、アメリカ議会は、コロナウイルス議案を通過させるのに苦闘している。例えば、民主党の法案は、コロナウイルス支援金を得た全ての企業が「最低五年間、多様性と包摂条項専門の担当者と予算をもうけるよう」要求している。CBSとロサンゼルス・タイムズは、加害者たちが、コロナウイルス蔓延はアジア人のせいだといううわさを信じて、アジア人襲撃や、いやがらせや、ヘイトクライムに関する報道が増加した事実を書いた。

 ビジネス・インサイダーによれば、何千人ものアメリカ人が、Covid-19流行のために仕事を失い、結果として、困窮者に食糧を提供する慈善団体が増大する圧力に直面している。そうした団体、サンアントニオ・フード・バンクのCEOエリック・クーパーが、食糧のための、これほど長蛇の列は見たことがないと述べた。最近、記録的な一万台もの自動車が彼の組織の緊急食糧支援を何時間も待った。そうした支援組織の団体フイーディング・アメリカは、更に1710万人の人々がアメリカで食料不足を経験すると推測している。

 Covid-19流行は元来多くの専門家が予想するより遥かに大きく、ずっと広範囲に、アメリカ経済に影響を与えている。コロナウイルス発生はアメリカ経済にとって、本物の「ストレステスト」になった。実際、ホワイトハウス経済顧問ケビン・ハセットは、アメリカの失業率は(90年前の)大恐慌レベルに達し得ると公式に認めた。

 2020年第一四半期のアメリカGDPの4.8%減少は、来るべき最悪の予兆にすぎない。見たところではナビゲータ・プリンシパル・インベスターズ(投資顧問会社)の社長カイル・ショスタクは、今年第二四半期、減少は、ほぼ10倍になり得ると述べた。

 最近、アメリカ政府債務が最高記録に達し、過剰債務に陥るリスクが高まるので、ドルに依存する国々は既にパニックを起こしており、これは世界経済に大規模な打撃を与えるだろう。「休みなしに」米ドルを印刷する能力は、どうやら、アメリカの切り札になったようだ。アメリカは資金を余分に必要とする時は常に、益々多くのお冊を発行し始めるが、インフレーションを招きかねない。中国のインターネット・サービス企業、捜狐(そうふ)の専門家が、アメリカが、お金を「印刷し」続ければ、米ドルは年末までに崩壊するかもしれないという意見を述べた。彼らは、もしより多くの国々がこれを理解し、ドルを見捨て始めれば、アメリカ通貨の世界経済に対する影響は弱まるだろうと述べた。

 CNNによれば、4月22日「ミッチ・マコーネル上院多数党院内総務は「「コロナウイルス発生後、国や地方自治体に対するより多く財政的支援に反対する」強硬路線をとった。ヒュー・ヒューイット・アソシエイツとのラジオインタビューで彼は述べた。「州が破産ルートを使えるようにすることに私は確かに賛成だ」。

 トランプ政権は、事実上無制限の金融ツールを使って、アメリカ経済を救うための本格的措置を必要としているが、現段階では、手に負えない官僚のおかげで、不十分で、大幅に遅れているように思われ、これらの措置は、実際は、大統領選挙運動の戦略要素へと変わっている。

 それゆえ、現時点で、ワシントンが「アメリカ・ファースト!」政策を推進し、いつも、そうしているように、他の国々を自身の目標達成のために利用し始めなければ、アメリカの状況が良くなると期待するのは非現実的だろう。実際、4月29日、マイク・ポンペオ国務長官記者会見の際、ホワイトハウスは、よりきつい調子を使った。彼は現在の危機の中、いかなる国や個人が、もう不当にアメリカ人を拘留し、彼らが感染して死ねば、アメリカは、彼らの死に、該当政府は完全に責任があると考えると述べたのだ。

 ウラジーミル・オディンツォフは政治学者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/05/08/pandemic-exposes-usa-s-misfortunes/

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 100歳の誕生日にコロナ感染後に無事退院されるロシアのおばあさまのニュースをみた。早期に対処したことが良かったようだ。

 先日、偶然、北朝鮮指導者死亡説を得々と語る大学教授のyoutubeを見て、てっきり本当かと思いこんだ恥ずかしい経験がある。知人にまで、ご紹介してしまった。「韓国の文大統領は北の傀儡」というような趣旨の著書がある教授なので、おかしいとは思ったのだが。不思議に思って検索してみると、その教授が執筆している雑誌の号が出てきた。同じ号の執筆者を見て納得。コロナで最近亡くなった外交評論家と売り出し中の若手女性外交評論家の対談があった。スシロウの女性版のような元官僚女性の対談もあった。昼のバラエティ番組で体制擁護発言をする不思議な人物と思っていた。結局、全員同じ雑誌のお仲間。その雑誌、購入した記憶はなく、書店でみかけても表紙も見ないので諸氏の出身母体全く知らなかった。

 LITERA

検察庁法改正案が抗議の声を無視し強行採決へ! 安倍首相は会見で「黒川さんの人事はまだ決めてない」と国民を舐めきった嘘八百

三浦瑠麗の〈#検察庁法改正案に抗議します〉攻撃の恥ずかしすぎる間違いとスリカエ詐術を徹底検証! 不勉強なのは安倍応援団のほうだ

 幻冬舎文庫『隠されたパンデミック』『H5N1 強毒性新型インフルエンザウイルス日本上陸のシナリオ』を拝読して、ずっと昔に的確なシミュレーションをしておられたことに驚嘆。新刊岩波ブックレット『どうする!? 新型コロナ』も購入したばかり。忖度専門家会議の先生方、このような研究をしておられたのだろうか?寡聞にして知らない。

 小松左京の『復活の日』は壮大なSF。高嶋哲夫『首都感染』も、現実とはまったく反対の実に素晴らしい首相と厚生大臣が大活躍する姿に、うらやましくなるお話。

 ウイルスとワクチンという話題の小説では『ナニワ・モンスター』『スカラムーシュ・ムーン』が最も衝撃的。『スカラムーシュ・ムーン』で一番納得した「厚生労働破壊省の正確な描写」と読める部分をコピーさせていただこう。

「人というのは間違える生き物です。気づいた時に正さなければ間違いは増幅される。でも官僚は先輩の誤りを矯正できない。結果官僚組織はシステムエラーを拡大再生産してしまう。そんな官僚が導く日本が衰退するのは当然です。官僚は度量が小さく、自分を凌駕する人物を登用できず、七掛けの人物を後継者にします。七掛けが二代続け0.7×0.7=0.49で能力は半減します。こうして戦後の官僚組織は矮小化し能力が二代で半減する一方、欲望は倍々で肥大する。そんな官僚が自らのプライドを守るため躍起になる姿が露わになるのが今冬なのです」

 ウイルスと戦うという話題もさることながら、医療関係の世界、検察、警察内部の激しい暗躍の描写に驚く。弱みを握られ、あやつられる検事総長まで出てくるのにビックリ。余りに衝撃的な予言。もっと驚くのは、巨大書店で、紙の文庫の在庫がないこと。入荷未定とある。巣籠もりを強いられている今、これほど、うってつけな小説はないと思うのだが。当面、Kindle版で我慢するしかないようだ。

【自著を語る】『スカラムーシュ・ムーン』を書き終えて

デイリー新潮のニュース記事があるが、なぜか『ナニワ・モンスター』を取り上げながら『スカラムーシュ・ムーン』について、ほとんど触れない不思議。舞台がナニワで、医療とカジノ立国を目指すという設定が愉快。ギャンブル依存症専門医療だろう。この党派の行方が的確。コロナ不況でサンズがカジノ進出を当面あきらめたのは、とりあえず朗報だが。

【新型コロナ】チーム・バチスタの著者が10年前に予見した「パンデミックの現状」が話題

 

2020年4月28日 (火)

地下鉄がニューヨーク市でのコロナウイルス大流行の種を蒔いた

地下鉄がニューヨーク市でのコロナウイルス大流行の種を蒔いた

論文pdf最後のページ、結論だけを翻訳してみた。

MIT 人文科学・社会科学部
偉大なアイデアが世界を変える

ジェフリー・E・ハリス*
経済学部
マサチューセッツ工科大学
ケンブリッジ MA02139 USA
jeffrey@mit.edu
2020年4月24日更新

 最近の他の主要都市でのコロナウイルス蔓延における地下鉄や公共交通システム全般の役割研究は注目に値する。都市交通システムは、設計や、年代が異なり、きわめて様々だ。一部のシステムには多くの地上の駅があり、他方他のものには、ニューヨーク市のように主に地下に駅がある。近代化された信号システムが、列車の本数を増し、混雑度を下げるのを可能にしている。一部のシステムは局地的サービスに焦点を合わせているが、ニューヨーク市のような他のシステムは、端から中心に向かって走り、更に別の端に向かって戻り効果的な交通混合機役を演じている。特に興味があるのは、中国、武漢(Xu 2020年)でのCovid-19発生後の地下鉄閉鎖時期に関する今後の評価だ。いくつかの証拠が、2020年3月の最初の二週間、ニューヨーク市におけるコロナウイルス流行の最初の急激な増加の際に、地下鉄網が、第一の感染源ではないにせよ、コロナウイルス感染の大きな伝播装置であることを示している。その後、大衆のリスク認識が高まり、地下鉄利用が著しく減少し、ウイルス蔓延も減少し、地下鉄が主要媒体だった証拠となり、結論を裏付けている。それにもかかわらず、証拠が観察によるものなので、一部の科学評論家たちが、因果関係を証明するのは困難だと結論するだろうと我々は想像できる。それでも我々は、公衆衛生の実践者たちが、我々が今知っている事実を基に行動するのを嫌がるとは思えない。

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 博士が、テレビ番組で、日本に警告しておられたのを見て、この論文に気がついた。至極当然な結論。だが、PCR検査を極端に絞っている世界のガラパゴスでは、信頼できる十分な客観的データが欠如しており、同様な研究も考察も全く不可能。パチンコ屋をたたく暇があったら、通勤電車問題を論じろと素人は思う。

 間引き運転は、混雑を招くので、間引きはしないようにとも言っておられた。ニューヨーク市のサービス業で暮らす人々や、地下鉄以外の手段を選べない階層の人々が感染しやすいという、経済格差も指摘しておられた。

 日刊ゲンダイDIGITAL

PCR検査費1日1500件のア然…“1日2万件”は予算案から消え

 コロナ対策の上で、この国の官僚、政治家の感動するほど見事な迷走を見ていて、またMIT大学のモットー「great ideas change the world 偉大なアイデアが世界を変える 」を読んで、思い出した本がある。

 『人材は不良社員から探せ』天外伺朗著

 天外伺朗著とあるが、実際は、ソニーで画期的なワークステーションNEWSや、CD規格や、アイボ開発にかかわったソニーの上席常務までつとめた土井利忠氏によるものだ。
 上司の機嫌を気にする忖度社会では決して画期的新製品、解決策を打ち出せないことを自らの経験をもとに論じている。次々大成功の実績をあげた本人の説明には説得力がある。成功の秘訣はともあれ、失敗の理由には身につまされる。実に残念ながら、大本の講談社ブルーバックスは今はなく、再刊された講談社+α文庫版も入手困難なようだ。

 幸い、下記ブログに、素晴らしい要約紹介があるので、転載させていただこう。

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
「個」と「組織」のよりよい関係を築くために考えていること

まず「失敗要件」を要約してみよう。

 ① 協調精神、② 「良い子」の存在、③ サロン化、④ 不明瞭な雰囲気、⑤ 船頭が多すぎる、⑥ マネジャーが邪魔をする、⑦ 上を向いて仕事をしている。

 組織風土としては良く見えるものも、実はプロジェクー遂行の上で阻害要因となっている場合があることが分かる。

 次に「成功要件」を見てみよう。ただし、これらはあくまでプロジェクト成功の必要条件であって、これをやればうまくいくという意味での十分条件ではない。

 まず、個人的な条件として必要なのは、① プロのセンス、② 戦略眼、③ 強力な推進力・達成意欲、④ 感激する心、⑤ 頭の柔らかさ、⑥ 好奇心、⑦ 茶目っけ、⑧ 行動力、⑨ 問題提示能力、⑩ 問題(とくにトラブル)解決能力、⑪ その分野の専門知識、⑫ 向上意欲・積極性である。

 そして、プロジェクーを遂行するチームにとっての必要条件は、次のとおりだ。

① 目標は単純明快、センスが良く画期的で、ユニークであり、短期間で達成可能なこと。
② 人材たちの魂の底からほとばしる目標であり(高い志)、成功の直感がすること。
③ 一定レベル以上の人間集団(感受性、心の広さ、頭の柔らかさ、感激する心、好奇心、積極性、戦略の理解力)であること。
④ リーダーとフォロワーがはっきりしており感情的な抗争がない。また、専門が適度に分散している。
⑤ チームとして自律的に動ける。
⑥ 全体のムードは、ほどよく楽観的、ほどよく過激。力んでおらず、目がつりあがっていない。
⑦ 大問題が発生しても、ビックりしたりあわてたりしない。着実に解決策を出す。

 このように列挙してみると、すぐにでもできるような気もしてくるが、これがなかなか難しいことはプロジェクー経験(技術開発に限らない)のある方ならお分かりのことと思う。また、たとえ成功条件をクリアしたとしてもあらゆる方向(特に内部)から邪魔が入ってくる。第14章で D博士自身がいうように、「‥‥だから(画期的プロジェクトは)あまり人には勧められないのですヨ。だいたいはうまくいかないケースが多いですからナ。徒労が多く、消耗するのがオチです。もし、うまくいきそうになったとしても確実に背後から鉄砲で撃たれる」 のである。

2019年12月15日 (日)

オーウェルからハックスリーまで:真実を語ることの先行きは暗い

2019年11月5日
Henry Kamens
New Eastern Outlook

 NEOのウェブサイトをスクロールすれば、世界が日々直面している問題を我々が正直に報じてきたことがご理解いただけよう。記事は単刀直入だ。本当の問題、本物の人々、本当の洞察。

 報道をする上で我々はゆるがないが、益々多くのジャーナリストが実に厳しい検閲を受け、中には権力者の憤怒を避けるため、自己検閲さえする者もいる。官憲のそうした強い圧力は、うわべだけ自由な、どのメディアにとっても、正面攻撃以外何ものでもない。

 事態は更に劣化し、最近主流メディアに書かれたり報じられたりする全てに、人々は概して実に懐疑的だ。主流メディアが報じることを人々が一切信じないほどまでに事態は悪化しているが、不幸なことに、益々多くの独立メディアが政府の公式方針に歩調を合わせつつあり、今や主流メディアと独立メディアの違いさえ、ぼんやりし始めている。

 全てプロパガンダなのだから、どんなニュースも見たり読んだりしないという遠い親戚が一人いるが、この不満の感情は広く浸透しつつある。

 マーク・トゥエインは、かつて言った。「新聞を読まなければ人は無知だ。新聞を読めばウソを知らされる。」 だが賢明なマーク・トゥエインさえ、大半のニュースが愚かな娯楽に変えられているため、唯一の選択肢は何も読まず何も信頼しないことだという、我々が現在暮らしているディストピア世界を想像することはできなかった。

 我々は何がジュリアン・アサンジに起こっているか知っているが、それは少なくとも大半の視聴者と主流メディアにとっては、もはや本当のニュースではない。彼の苦難、保釈中の出廷を拒否した後の大使館で拘束され、その後イギリス当局に引き渡されたのは、もう一つの恐怖物語の始めに過ぎなかった。彼の健康状態の悪化を考えれば、収監は彼の命を危険にさらしており、国連の人権問題専門家さえ彼の合併症を警告している。

 今起きている全てが、昔の作家たちが予言していたものだ。将来に何を予期すべきか、警告されていなかったふりをするのではなく、不穏な作品を多少再検討すべき時期だ。

 『1984年』対『すばらしい新世界』どちらが勝ったのか?

 何年も前、BBCは『すばらしい新世界』の優れた脚色番組を放送した。それがテープに残っているとは思えない(ビデオが普及する数年前のことだった)。オルダス・ハックスリに近いものの一つで、アメリカにおける自由の敵を説明している、50年代後期のマイク・ウォレスのインタビューを見つけることができた。

 そこで言われている全てが今日の文脈でさえ実にあてはまるように思えたので、私の最初の反応は驚きだった。様々な官僚や技術やプロパガンダ手法が巧妙に提携して、ニセ言説を作り、本物の、より喫緊の問題から人々の注意をそらすか実に正確に説明してくれていた。彼の説明から、今日我々の注意をそらすために使われている手法はヒトラーが使ったものと同じなのは明確で、現在それらは一層効果的になっているだけなのだ。

 ジョージ・オーウェルの『1984年』とオルダス・ハックスリーの『すばらしい新世界』を比較対比すると、彼らいずれも、ディストピア未来の異なる光景を予測していた。今出現しているものは、未来がどうなるか二人が考えたものの組み合わせか、少なくとも現時点で見えている状況だ。

 人々は、我々はオーウェルよりハックスリーに近いと言うが、少なくともジャーナリストと内部告発者にとっては、多少のオーウェル式手法がある。オーウェルは、恐怖が使われる世界を構想したのに対し、ハックスリーは、我々が進んで効果的にあやつられる世界を構想した!

 それは余りに真実で、ジュリアン・アサンジに対する拷問で、真実は反逆罪になっている。権力者は彼をジャーナリストだと我々に思わせたくないのだ。どんな犠牲を払っても、アメリカ建国の父たちの原則を犠牲にしてさえ真実を隠すことを願う政府に、真実は、一度も歓迎されたことはない。だが現在、状況は日ごとに厳しくなっている。

 すると、我々は一体どういう状態にあるのだろう?

 他の人々への教訓は明白だ。グローバル・アメリカ軍事帝国に挑戦すればお前は破滅させられる。

 どうやらジョージ・オーウェルが予測した通り、政治家は、いじめっ子として振る舞っている。人々が様々な策略や、おそらくは多少の実際の薬によって、どのように薬物の影響下にあるかに関し、ハックスリーの「ソーマ」薬物は寓意的だ。

 『自由の敵』で、ハックスリーは、人間の理性的側面である、自由選択が、どのようにして避けられるか、民主的プロセスがどのように回避されるか、知識を得た上での自由選択を排除する取り組みが行われているか暴露している。ハックスリーは、電子機器や人口過剰や実利主義を含め、自由を取り去る勢力を深く検討している。

 だが最も重要な脅威は、社会組織を巡るものと「考える存在」の欠如だ。体制は、教育をどう割り当てるかを含め、最も疑問を抱く人々には最も僅かしか学習環境を与えなくする。

手法の中の狂気

 だがもっと良い方法がある、例えば嫌悪条件付けは『すばらしい新世界』のほうが『1984年』より優れている。低い教育水準、携帯電話やコンピュータゲームや、様々な形の現代の「ソーマ」など全てが、国民を注意散漫にし、静かで愚かなままにするための政府の道具だ。ハックスリーが恐れていたのは、本を読みたいと望む人々や、そういう好みや暇がある人々は極わずかしか残らないので、本を禁止する理由がなくなることだった。

 ビデオゲームやスマートフォンを持っていられる限り、若い人々は事実上あらゆる権利も特典も放棄するよう操られ続ける。『すばらしい新世界』は我々の現代社会にの偶然の類似ではなく、遥かに似た社会を描いている(もっと良く理解するには、CNNやアンダーソン・クーパーをご覧願いたい)。

 だが「権力者」は我々が『1984年』の社会に暮らすのを望んでおり、我々を暗闇にどっぷり漬けるため、不都合な真実を語るジャーナリストを攻撃して最善を尽くしている。

 ハックスリーは実にうまくそれを要約した。

「一層効果的なマインド・コントロール手法を使って、民主主義は、その本質を変えるだろう。古風で趣のある形式、選挙や議会や最高裁判所は残る。民主政治や自由は、あらゆる放送と論説の話題になる。

一方、巨大な政治力を有するひと握りの支配者集団と良く訓練されたエリート兵士や警官や思想制作業者やマインド・コントロール専門家が適切と考える形で采配を振るうのだ。」

 ラジオやテレビや「新装置」や彼が予想した全て、番組や映画のサブリミナル効果と比べて頂きたい。何かに効用があるとわかった途端、そうした技術は着実に改良される。

 考え方だけでなく、政治家選挙でさえ「理性的選択」レベル以下で我々が説得されてしまう時代に、我々は一体どのように人としての品格を維持することができるだろう。もはや自分の利益のために知的な選択をするという問題ではなく、[主流メディア]による操作とマディソン・アベニュー宣伝による消費者操作の餌食になっているのだ。

 民主政治は、いかなる状況においても、十分な理解に基づく、私利と見なすものを知的合理的に選択する個々の有権者に依存する。だが表面下で、合理的選択レベル以下で、無意識の力で興味をそそり、「合理的選択」を回避させる企みが行われているのだ。

 そういうことはすぐには起きないが、少なくとも我々には、宣伝やマインド・コントロールや新世代処方薬という現代版ソーマがある。ソーマは宗教とさえ競争できる。ソーマは良くない経験を取り去り、我々全員を幸せにし、満足させるのだ。

 小説として書かれた全てが今や現実で、遺伝子組み換え赤ん坊やら決して終わらない消費に社会は駆動されている。最新機器を追い求めて、人々は存在しない現実に夢中だ。

 誰であれ賛成しない人を不寛容だと描写するのは、無知で乱交に夢中な下層カースト世代だ。社会は「非常に知的な管理者階級から、つまらない仕事と副作用なしで即座に至福になれる薬ソーマを好むようプログラムされた愚かな農奴の下位集団にいたるまで、前もって定められたカースト制度」に変えられてしまっている。

 薬は多くの異なる姿をしており、主なものは「無知」だが、操られたメディアと腐敗した広告主に配布される。

 本を燃やしたり制限したりすることが、なぜもう必要でないのか忘れぬようにしよう。レイ・ブラッドベリの『華氏451度』新作映画で学んだように、我々の中の極少数しか、実際に、本や本当のニュースを読む興味を持っておらず、いずれにせよ、より少人数しか、そうしたものの本当の意味を理解する批判的思考能力を持っていないのだ。

「我々は平等に生まれないのだから、火で平等にしなければならない!」

 Henry Kamensはコラムニストで、中央アジアとコーカサス専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/11/05/from-orwell-to-huxley-grim-prospects-of-truth-telling/

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 いささか前の記事。内容、そのまま通じるだろう。

 レイ・ブラッドベリ、今の日本にいたら書名は『華氏451度』ではなく『シュレッダー』か『シンクライアント』にしていただろうか。

 Henry Kamensという人物を検索したところ「NEO執筆者の一部は他のどこにも書いていない幽霊ジャーナリストだ」という記事があるユーロマイダン関連サイトが表示された。そのユーロマイダン関連サイトの記事、どれも読む気力が全く起きない愚劣なプロパガンダとしか思えない。どなたか翻訳してくださったら瞬間拝読させていただくが。お金をもらっても翻訳したくないしろもの。そこでサイト名もアドレスも書かない。

 

2018年12月25日 (火)

もし真実が、物質的な狙いに勝利できないなら、我々の命運は尽きている

2018年12月22日
Paul Craig Roberts

 長い冷戦の間、プリンストン大学とニューヨーク大学のロシア研究者スティーヴン・コーエン教授は理性の声だった。愛国心から、冷戦にワシントンが寄与していることには目をつぶり、ソ連の寄与だけを批判するのを拒否していた。コーエンの関心は、敵を非難せず、核戦争の脅威を取り除く相互理解に向けて活動することだった。レーガンの最優先課題が冷戦を終わらせることだったから、民主党員で左寄りのコーエンも、レーガン政権には馴染んでいたはずだ。私は冷戦を終わらせる取り組みの一員だったので、これを知っている。パット・ブキャナンも同じことを言うだろう。

 1974年に悪名高い冷戦戦士アルバート・ウォルステッターが、ソビエトの脅迫を過小評価したと言って、ばかばかしいことにCIAを非難した。予算と権限の理由からして、CIAには、ソ連の脅迫、今日で言えば「ロシアの脅威」を過大に見積もるあらゆる誘因を持っていたのだから、ウォルステッターの非難は全く意味をなしていなかった。だが彼は懸念を刺激することに十分成功したので、ジョージ・H・W・ブッシュCIA長官、後の副大統領、大統領は、ロシア嫌いのハーバード教授リチャード・パイプスに率いられたBチームに、CIA評価を調査させることに同意した。Bチームは、ソ連が、核戦争に勝つことができ、アメリカを攻撃する力を作りあげたと考えていると結論した。

 報告はほとんどナンセンスで、スティーヴン・コーエンは、Bチームが、交渉に対して引き起こした妨害を懸念したに違いない。

 現在、核戦争に勝てると思っているのはアメリカだ、とコーエンは強調している。ワシントンは「低出力」核兵器使用を公然と語り、ロシアを悪魔化し、中傷するプロパガンダ攻勢で、ロシアとのあらゆる和平交渉を意図的に阻止し、ロシア国境にミサイル基地を設置し、旧ロシア地域をNATOに取りこむことをに語り、あからさまな嘘をついているのだ。私が大いに勧める彼の最新刊『War with Russia ロシアとの戦争』で、ワシントンが戦争を求めている、という説得力ある主張をコーエンはしている。

 ロシアが脅威なら、それは単にアメリカがロシアを脅やかしているせいだという点で、私はコーエンに同意する。ロシアに対する政策が愚かなのは「ロシアの脅威」を作りだしていることだ。プーチンはこれを強調し続けている。プーチンを言い替えれば「あなたは我々が脅威だと宣言し、果てしなく繰り返し、事実を無視し、事実を、アメリカのプロパガンダ・メディアが、事実だとしている画策した意見で置き換えて、ロシアを脅威にしている」のだ。

 冷戦中、全てのアメリカ大統領が、特に共和党の緊張を静めようと努力していたというコーエンは正しい。クリントン政権以来、全てのアメリカ大統領が、緊張を引き起こそうと努力してきた。手法のこの危険な変化を、一体何で説明できるだろう?

 冷戦のおかげで、何十年も予算と権力を思うままにしてきた軍安保複合体にとって冷戦終結は不利だった。軍安保複合体に、この富と威信を与えた敵が突然姿を消したのだ。

 新冷戦は、軍安保複合体の敵を復活させた結果だ。独立したマスコミや学者がいる民主主義国家なら、これは可能ではなかったろう。だがクリントン政権は、独占禁止法に違反し、アメリカ・メディアの90%を6つの超巨大企業に集中させることを認め、言説を支配するため、CIAがマスコミの手先を利用して既に損なっていたマスコミの独立を破壊したのだ。英語版が直ぐに回収され焼却されたウド・ウルフコッテの『Bought Journalism 買収されたジャーナリズム』を含め、CIAのマスコミ利用については多くの本が書かれている。

 ロシアの悪魔化は、「トランプを支持する惨めな連中」のおかげで、ヒラリーが大統領選挙に敗北したことによる、トランプに対する民主党員の憎悪と怒りにも助長されている。民主党員は、大統領選挙に対するプーチンの干渉によってトランプが就任したと思うと主張している。この間違った思い込みは民主党員には感情的に重要で、手放せないのだ。

 プリンストンとニューヨーク大学の教授としてのコーエンは、コーエンの学問がその狙いに奉仕しない軍安保複合体から資金供給されるアメリカのロシア研究や戦略研究の類をする機会が決してなかったわけではない。私が十年ほど、独自に資金を得て研究職をつとめていた戦略国際研究所CSISでは、同僚の大部分が軍安保複合体の交付金に依存していた。私が30年間上級研究員だったスタンフォード大学フーバー研究所では、この研究所の反ソ連姿勢は、この団体に資金を供給する連中の狙いの反映だった。

 私は給与支払い名簿に載っていた同僚が売春婦だったと言ってるのではない。任命された人々は、そう見られるべきだと軍安保複合体が思っている通りにソ連を見がちな人々だったと言っているのだ。

 スティーヴン・コーエンが気付いている通り、かつての冷戦では、全ての言説が支配されていわけではなかったので、多少均衡がとれていた。第二次世界大戦により多くの国民を失ったソ連は、平和に対する関心を持っており、それゆえ、核戦争の可能性を避け、合意が達成可能なことを指摘できる自立した学者がいたのだ。

 レーガン大統領のソ連大使ジャック・マトロック同様、彼はアメリカの現場にわずかに残った理性ある専門家の声であるように思われるが、スティーヴン・コーエンはそうした思慮ある人々の中の若手だったに違いない。

 あなた方がその下で暮らしている喫緊の脅威、スティーヴン・コーエンのようなごく少数の人々だけが取り除こうとしている脅威を理解したいとお望みなら彼の本をお読み願いたい。

 買収されたアメリカ・マスコミが、あなた方の存在に与えている緊急の脅迫を理解することを望むなら、コーエンによる彼らの卑劣な嘘の説明をお読み願いたい。アメリカにあるのは、嘘と同義語のマスコミだ。

 アメリカの大学が、金目当てで、組織としてどれほど腐敗しているか、組織として真実がどれほど重要ではないか理解したいとお望みならコーエンの本をお読み願いたい。

 なぜ地球温暖化現象にやられる前に、皆様が死にかねないのか理解したいとお望みならコーエンの本をお読み願いたい。

 これだけ言えば十分だ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/12/22/if-truth-cannot-prevail-over-material-agendas-we-are-doomed/

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 日本にあるのは、嘘と同義語のマスコミではないのだろうか?

 日刊IWJの一部をコピーさせていただこう。

 IWJからのクリスマスプレゼントは元外務省国際情報局長・孫崎享氏のインタビューです!

 IWJテキスト班の川上正晃記者と小野坂 元(はじめ)記者は21日、「ピンチヒッター企画」として、孫崎享氏にインタビューを行いました。

 冒頭、日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の長期勾留の問題についてうかがった後、フランス国内の話題に移りました。孫崎氏は、マクロン政権の危機とも言える「黄色いベスト運動の一番の特徴は何だと思う?」と小野坂記者に逆に問いを投げかけました。

 返答に窮した小野坂記者は、これまでの抗議運動を担ってきたのは労働組合や社会主義政党のはずだが、そうした既存勢力ほど近年の社会問題に対応できていないのではないか、と考え、「背景に組織が存在していないのでは」と、なんとか応じました。

 岩上さんよりオーウェン・ジョーンズ著、依田卓巳訳『エスタブリッシュメント――彼らはこうして富と権力を独占する』(海と月社、2018年)(https://amzn.to/2EGiHFX)(※)を読むよう宿題を出されていたことも、この回答につながるヒントとなりました。

※同書は冒頭から、イギリスにおける生活保護バッシング、極端な規制緩和、権力と一体化し統治機構の一部と化したマスメディアによる「弱者たたき」に切り込み、実のところ右派も左派も、財界とべったりであることを明らかにしています。

 その答えは、孫崎氏と一致するところした。ホッとした小野坂記者でしたが、川上記者はすかさず、マクロン政権と安倍政権とに共通する、富裕層に手厚く弱者に厳しい経済政策の問題を孫崎氏にうかがっていきました。

※「黄色いベスト運動」についてはパリ在住のIWJ会員 村岡和美氏から、現地からの貴重なリポートをいだだきました。下記URLよりご覧ください。
パリは燃えているか!?(1)パリ在住IWJ会員からの現地レポート! 「黄色いベスト運動」はマクロン大統領退陣まで続くのか!? 「抗議しなければ、僕たちはいつまでも羊のままじゃないか!」 2018.12.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/437412

2018年10月 6日 (土)

アメリカ・マスコミはいかに破壊されたか

2018年10月1日
Paul Craig Roberts

 9月24日のコラム“Truth Is Evaporating Before Our Eyes” https://www.paulcraigroberts.org/2018/09/24/truth-is-evaporating-before-our-eyes/で、いかに非難だけで相手を破壊できるかを実証するため、アブグレイブの拷問と、ジョージ・W・ブッシュ大統領のテキサス州兵航空隊の任務不履行を報じた、CBSニュース・チームや、ピーボディー賞受賞者で、26年もニュースの仕事をしたベテランCBSプロデューサー、メアリー・メイプスや、定評あるニュース・アンカー、ダン・ラザーを破壊した例をあげた。

 90パーセントのアメリカ・マスコミが、エンタテインメントや他の事業が専門で、報道が専門でない6つの巨大企業に集中されるの許し、独立したアメリカ・マスコミを破壊したのは、ビル・クリントン大統領だったことを私は何度も書いている。この未曾有のマスコミの集中は、アメリカのあらゆる伝統に反しており、政府に国民に対する責任を持たせ続けるべく、建国の始祖が出版・報道の自由に託した信頼を破壊したのだ。

 メアリー・メイプスの『Truth and Duty 』(2005年、St. Martin’s Press)(『大統領の疑惑』2016年、稲垣みどり訳、キノブックス刊)を読むまで、シャーマン反トラスト法とアメリカの伝統に反する、このマスコミ独占が、誠実な報道をどれだけ破壊したかに私は気づいていなかった。

 起きたのは、こういうことだ。テキサス州兵航空隊はベトナム戦争の徴兵を逃れるためにエリート連中が息子を入れておく場所だった。ジョージ・W・ブッシュが、戦争から逃れるのを狙って、入隊待ちの長いリストを飛び越え入隊できたことや、州兵航空隊の要求事項違反や、無許可で他州に転属したことについて、ジェリー・B・キリアン中佐書いた書類の写しをCBSが入手した。CBSチームは、書類を、本物か、そうでないか判断するために何カ月も作業した。書類中の情報は、テキサス州兵パイロットの時代にジョージ・W・ブッシュと知り合った人々のインタビューと辻褄が合うことが分かった。

 これは入念に準備された報道で、やっつけ仕事ではなく、ブッシュの義務不履行に関して、現在我々が知っているあらゆる情報と一致している。

 CBSニュース・チームにとっての問題は、当時彼らは気づいていなかったのかも知れないが、その書類が専門家が疑問の余地ない本物だと確認できる原本でなく、コピーだったことだ。そのため書類は他の人々の証言と首尾一貫していたが、原本ならできていたはずの、書類が本物だという確認が、専門家たちはできなかったのだ。

 共和党はこの弱点に付けこみ、CBSの『60ミニッツ』報道が真実かどうかから、写しが偽物かどうかへと話題をそらせた。

 CBSには他にも二つ問題があった。一つは同社オーナー、ヴァイアコムが報道事業ではなく、法的特権や規制上の許可で儲けようとして、ワシントンでロビー事業をしている会社だったことだ。ブッシュ政権が否定する鼻先で、アメリカのによる拷問を暴露し、ブッシュに強い特権があり、テキサス州防衛隊から罪を問われなかったことを示すCBSの本当のニュース報道は、大金をかけたヴァイアコム・ロビー活動の邪魔だった。

 極右ブロガー連中がCBSを追求すると、ヴァイアコム幹部は厄介なCBSニュース・チームを処分する方法に気がついた。ヴァイアコム経営幹部は、同社の記者たちを支持するのを拒否し、ブッシュがテキサス州防衛隊の任務を遵守し損ねたことに関する『60ミニッツ』報道に対し、共和党支持者で構成される、つるし上げ用“調査委員会”を雇ったのだ。

 ヴァイアコムが、自社のロビー活動の邪魔になる自立したニュースを片づけたいと望んでいたのに、メアリー・メイプスと彼女の弁護士は、真実に何か意味があり、最後は勝利すると思い込んでいた。そこで、彼女は自分の経歴と品位が組織的に破壊されてゆくのを見守る破壊過程にさらされることになったのだ。

 CBSのもう一つの問題は、それが正当化できるか、できないかに関係なく、保守的な共和党連中によって、CBSとダン・ラザーが、共産主義者に等しい呼称である、リベラルと見なされたことだ。何百万人ものアメリカ人にとっての問題は、リベラルなCBSが、ジョージ・W・ブッシュを傷つけ、国民をイスラム・テロにさらけ出したままにしようとしていたことだったのだ。ブッシュがワールド・トレード・センターとペンタゴンを吹き飛ばしたイスラム・テロリストからアメリカを守ろうとしているのに、CBSはブッシュ大統領を中傷しようとしているというのが極右の考えだった。

 メアリー・メイプスとダン・ラザーとCBSニュース・チームは報道に専念し過ぎ、自分たちが、その中で活動している危険な状況に考えが及ばなかった。それで彼らは、ハリバートンとイスラエルのためになる、ディック・チェイニーの中東戦争に役立つ罠と“リベラル”ニュースに対する保守派の憎悪に役立つ罠にはまってしまったのだ。

 アメリカ・マスコミは一体なぜ、CBSの入念な報道を擁護しなかったのだろう? 答えは、それが、TVニュース・メディアが死につつある時期だったからだ。インターネットが勝利しつつあった。同社以外のマスコミは、CBSの崩壊に、この市場を奪い、寿命を伸ばす好機を見て取ったのだ。

 そこで、同社以外のマスコミは『60ミニッツ』が偽書類に基づく報道をしたという偽ニュースを報じた。マスコミは、自分たちの死刑執行令状に署名していることに気がついていなかったのだ。共和党がCBSにけしかけた極右ブロガー連中もそうだった。現在、そうしたブロガー連中自身、いかなる真実を表現できる状態から遮断されている。

 アメリカにおける真実は根絶されつつあり、CBSニュースの破壊は出発点だった。メアリー・メイプスが著書で書いている通り、ヴァイアコムはスタッフ全員を首にし『60ミニッツ』を完全に一掃するやいなや、翌日ヴァイアコムは意気揚々と年次株主総会を開催した。サムナー・レッドストーン会長は、2004年に5600万ドルの給与を得た。最高執行責任者のレスリー・ ムーンべスとトム・フレストンは“それぞれ法外な年収5200万ドルを手に入れた。”

 一方CBSニュース・チームの人々は住宅ローンも自動車ローンも医療保険も支払えなくなった。

 メイプスはこう書いている。“数年前まで、大企業幹部へのこうした大盤振る舞いなど聞いたことなどなかった。今では、こうしたマスコミの支配者連中が公共電波を牛耳っており、彼らが果たすべき責任は一つだけ、儲けることだ。”調査報道から、政府と大企業広告主守る必要がある巨大企業でさえも。

 その結果、現在アメリカ・マスコミは全く信頼できない。読者はいかなる報道も、ニューヨーク・タイムズの死亡記事すらも信じることができない。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/10/01/how-the-american-media-was-destroyed/

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 このメイプスによる本『大統領の疑惑』をもとに、映画『ニュースの真相』が制作されている。映画は見ていないが、『大統領の疑惑』は読み始めたらとまらない。決意をもって書かれた作品 太田愛著 『天上の葦』(KADOKAWA)  ネタバレ注意
の記事で知って、テレビ報道番組にまつわる策謀についてのミステリー『天上の葦』を拝読したばかり。

 昨日は以下のインタビューを拝聴した。この二冊の本と直接つながる出来事のご本人。その出来事からも、「現在日本のマスコミは全く信頼できない。読者はいかなる報道も、新聞の死亡記事すらも信じることができない」と思っている。

上層部からの圧力か!? 森友問題でスクープを連発した元NHK記者の「考査室への異動」の真相に迫る! 岩上安身による大阪日日新聞論説委員・相澤冬樹氏インタビュー 2018.10.2

 いじめ問題についても追求したいとおっしゃっている。是非拝読したいものだ。

2018年7月28日 (土)

自明の運命説とオーウェルの二重思考: “認知的不協和としての民主主義” 新刊書

F. William Engdahl
Global Research、
2018年7月22日

 はじめに

 自由は隷属だ。民主主義の名における国の破壊

 1945年、イギリス人作家で社会評論家のジョージ・オーウェルが、虚構の全体主義社会をテーマに『1984年』と題する本を書いた。出版史上最も成功した一つであるこの本は、世界核戦争後、世界が三つの国に分けられている時期を描いている。一つの国、オセアニアは、首都がロンドンで、国民の心を完全に掌握しているイングソック(イングランド社会主義党)に支配されている。国民を、卑屈で従順な精神の奴隷に留めておくために使われる中心的なマインド・コントロール・プログラムは“二重思考”と呼ばれる。二重思考で、臣民は、心理学者が“認知的不協和”と呼ぶ、いずれも正しいものとして同時に受け入れなければならない、二つの矛盾する概念にさらされる。そこで、オセアニアは常に戦争状態にあるにもかかわらず、国民は平和でもあるかのごとく振る舞っている。二重思考の本質は、オーウェルによって、小説冒頭で、こう要約されている。

戦争は平和だ。
自由は隷属だ。
無知は力だ。1

 以下で、実際“認知的不協和としての民主主義”と呼ぶことが可能なオーウェルの二重思考の翻案を年代順に記録する。スターリンのソ連やヒトラーのゲッペルスが率いた第三帝国さえ含め、あらゆる現代国家の、諜報機関による最も破壊的で、最も効果的な作戦の一つの年代記だ。アメリカによるグローバル支配に対する断固たる敵、フランスのシャルル・ド・ゴール大統領を打倒した1968年5月のCIA学生ストライキにさかのぼる、何十年にもわたるアメリカ諜報機関が開発した壮大なプロジェクトの年代記だ。

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 NATO諸国とソ連同盟諸国間の冷戦は約半世紀続いた。最終的に、消耗し経済的に大変な苦境にあった、ミハイル・ゴルバチョフ指揮下のソ連、モスクワがベルリンの壁が破壊されるにまかせ、1989年11月に降伏の白旗を掲げた。壁は、ワシントン・プロパガンダ が好んで繰り返した1946年のミズーリ州フルトンでの有名な演説で、ウィンストン・チャーチルが欧米“自由世界”をモスクワに支配された共産主義世界から隔てる鉄のカーテンと呼んだものの象徴になった。

 アメリカCIA、国務省やペンタゴン幹部の少数の仲間や、アメリカン・エンタープライズ研究所やニューヨーク外交問題評議会などの特定のワシントン・シンクタンクの同盟者以外は、東ヨーロッパ中の旧共産主義諸国や、ウクライナや、新たに形成されたロシア連邦自体に対し、まさに政権転覆を狙った実に念入りな取り組みをワシントンがしかけようとしていることは極めて僅かな人々しか知らなかった。スローガンは“アメリカ風民主主義、自由、人権、新自由主義自由市場の導入”だった。 それはやがて、独裁政治となるのだが、ウクライナの場合など、ソ連政権下で経験したあらゆるものより遥かに酷い。

更に読む: アメリカによる帝国の遂行。ワシントンの冷戦後覇権プロジェクト

 それぞれの不安定化に、マディソン街がふりつけたカラー・テーマ、つまりウクライナのオレンジ革命、ジョージアのバラ革命、イランのグリーン革命等々から、ワシントン政権転覆工作は“カラー革命”と呼ばれることになった。連中は、デイヴィッド・ロックフェラーが、彼の回顧録で、ワン・ワールド政府と呼び、ビル・クリントンが、1990年代に、無害なように聞こえる言葉ながら、さほど無害でないプロセス、大企業グローバリゼーションと読ばれるものの邪魔になる重要な国を必ず標的にした。2

 実際は、こうしたワシントンによるカラー革命政権転覆介入は、かつての共産党指導者を、それぞれの国の大切な財産や国民を、億万長者の投機家ジョージ・ソロスや欧米銀行家や多国籍企業などの特定の欧米金融捕食業者に進んで売り飛ばす、厳選された、ワシントンが抱き込んだ政治指導者に置き換える取り組みだった。

 アメリカ権力のオーラ

 皮肉なことに、ワシントンやペンタゴンやCIAや議員と大統領を連中の資金で支配している強力な軍産・金融ロビー集団に直面した難題は、1989年末のactive冷戦の終焉だった。膨大なアメリカ軍支出やNATO存続を正当化する“敵”が突然存在しなくなったのだ。

 元アメリカ国防長官で、後にCIA長官になったジェームズ・R・シュレジンガーは、ジレンマをこう説明している。

    “アメリカの政策立案者は、アメリカの権力構造と将来の軍事支出を決定する基盤は、単なる個別の脅威に対する対応ではなく、アメリカ権力の総体的なオーラを維持するのに必要なものであるべきだということを念頭に置かなければならない”3

 1980年代末、アメリカの経済と金融体制は、大恐慌以来最も深刻な危機の真っただ中にあった。ウオール街の最大の銀行-シティー・グループ、バンク・オブ・アメリカや他の銀行は事実上、破産していた。アメリカの貯蓄・融資銀行の規制緩和が、1980年代末に崩壊した不動産投機バブルを招き、同時の世界石油価格の劇的下落が、アメリカ国内石油業界中で破産の波を引き起こした。

 この何十億ドルを、急速に崩壊しつつあるアメリカ経済インフラ更新に使える“平和の配当”を作り出すのではなく、何千億ドルもの税金を、もはや特定することが不可能な敵のために、高い水準の国防費の無駄遣いを続けるようアメリカ納税者に要求するのは、アメリカ軍や諜報機関にとって困難な課題だった。1991年4月、コリン・パウエル統合参謀本部議長がArmy Timesにこう語っている。

    “良く考えて頂きたい、私は悪魔の種がきれつつある。悪役の種がきれつつある。カストロと金日成しか残っていない。”4

 このジレンマは間もなく解決されることとなった。連中のグローバルな狙いの推進に、もっぱら公然の軍事力に頼るのではなく、ワシントンは劇的な新兵器を公表した。ソ連崩壊後の世界の戦略的地域で密かにワシントン寄り政権を作り出すために使われる“エセ民主主義”非政府組織 (NGO)だ。民主的自由が、新たな独裁制をもたらすための信じられないような旗印だ。“自由”市場は実際は、崩壊した共産主義世界の膨大な国有資源を略奪する、ウオール街やヨーロッパのグローバル銀行や、欧米多国籍企業に支配されている。

 人権を武器として利用する

 1990年代、ユーゴスラビアでのワシントンの戦争という残虐な例外は別として、あからさまな軍事的対立に代わって、世界中で、アメリカが操るエセ民主主義政権転覆で、劇的に効果のある新兵器となったものが本格的に利用されるようになった。

 億万長者投機家ジョージ・ソロスが資金提供するヒューマン・ライツ・ウォッチや、フリーダム・ハウス、国際共和研究所 (IRI)、アムネスティー・インターナショナル・アメリカや、民間組織ということになっているアメリカ政府の全米民主主義基金(NED)などのいわゆる“人権” NGOは、旧共産主義東ヨーロッパの新たに独立した国々やロシアをも変身させるための政権転覆用ワシントン主要兵器となった。後にワシントンの“エセ民主主義”カラー革命は、中国や中央アジアや、最も劇的には石油の豊富な中東諸国に、いわゆるアラブの春としてもちこまれることとなった。

 目標は、狙った国々を一連の政権転覆カラー革命により、アメリカの経済的総督管轄領、つまり属国に変えることだった。アメリカによる“民主主義”輸出の名目で、自国とその経済に対し、一体何が行われているのか、標的にされた疑うことを知らない国民が気がつくにはしばらく時間がかかるのだった。

 成功した最初のエセ民主主義カラー革命政権転覆は、1999年にセルビア、ヴォイヴォディナ、コソボと、モンテネグロとなった旧ユーゴスラビアの当時の大統領スロボダン・ミロシェヴィッチが標的だった。

 1980年代初期、レーガン大統領のCIA長官ビル・ケーシーらによって、ひっそりと設立されたワシントンのNGO誕生の記述で、我々の調査を始めた。それはNED、全米民主主義基金という名前だった。ワシントンによる冷戦後新グローバリゼーション秩序とは一致しない政策を推進する政府を標的にするワシントンが支援するあらゆる政権の不安定化で、このNEDが中心的役割を演じたのだ。

*

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。Global Researchにしばしば寄稿している。

1. ジョージ・オーウェル、『1984年』、https://www.brainyquote.com/quotes/quotes/g/georgeorwe141783.html

2. デイヴィッド・ロックフェラー、『ロックフェラー回顧録』、405ページ(翻訳書では517ページ)、http://opengov.ideascale.com/a/dtd/David-Rockefeller-s-book-Memoirs-admits-secretly-conspiring-for-a-NWO/4007-4049. “なかには我々が[ロックフェラー家]アメリカ合州国の国益に反する秘密結社の一部で、私の一族と私を‘国際主義者’で、世界中の他の人々とともに、より統合的なグローバルな政治経済構造 - 言うなればワン・ワールドを構築しようとたくらんでいるとして描くむきもある。もし、それが罪であるならば、私は有罪であり、それを誇りに思う。”

3. Joe Stork、New Enemies for a New World Order、MER176、http://www.merip.org/mer/mer176/new-enemies-new-world-order?ip_login_no_cache=e4b-596febb56c8ddb4c739f2806fd833.

4. William W. Kaufmann and John D. Steinbruner、Decisions for Defense (ワシントンD.C.: ブルッキングス研究所、1991年)、p. 45.

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。Global Researchにしばしば寄稿している。

 本記事初出は、Global Research。
Copyright  F. William Engdahl、Global Research、2018年

 記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/manifest-destiny-and-orwells-doublethink-democracy-as-cognitive-dissonance/5648111
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 新刊書、購入したいものだが、画像をクリックした先の販売元は巨大書店。
あそから購入する気になれない。困ったものだ。

 この国、『1984年』を地で行くとんでもない社会になってしまったが、スローガンの項目がもう一つ増える。

戦争は平和だ。
自由は隷属だ。
無知は力だ。
過労死はゼロだ。

 「街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋」の下記記事をお読み頂きたい。

残業代ゼロ法が描く『過労死ゼロ』社会

 記事末尾の文章、頭の中で「いるようで」を削除して読ませて頂いた。

それにしても、労災担当官の削減を取り上げているのが中日(東京)新聞だけで後追いの記事も出ないという事実は、メディアが『過労死認定ゼロ』に加担しているようで、いやなものである。

 下記のような多くの記事・映像を、IWJ「過労死」で見られる。

「4年前成立の『過労死防止法』と真逆の法案が可決するとは!」~「高プロ」参院本会議成立後、過労死弁護団、遺族らが失意と抗議の6.29記者会見!「間違いなく過労死は増える!国は責任を取れるのか!?」 2018.6.29

日刊IWJガイド「<本日の再配信>『なぜ、続けて死刑を執行しなければならなかったのか』~ 今日午後8時より、『岩上安身による松本サリン事件の誤報被害者・河野義行さんインタビュー』を再配信します!/西日本豪雨による農林水産関係の被害額1,695億円を超える!2015年9月の鬼怒川氾濫は『国の河川管理に不備があった』として常総市民ら集団提訴へ!/翁長知事が、辺野古新基地建設にともなう埋め立て承認の撤回を表明! 埋め立ての賛否を問う県民投票条例で、必要署名数を大きく上回る約7万7000筆もの署名が集まる!! ~7.27翁長雄志 沖縄県知事 記者会見
自民党・杉田水脈(みお)衆院議員に続き、同じく自民党の小野田紀美参院議員のツイート『義務を果たしていれば権利を主張して良い』に非難殺到!『深刻なのは基本的人権否定の考えが自民党のスタンダード』であること!/他」2018.7.28日号~No.2144号~

2016年3月 5日 (土)

エコノミック・ヒットマン新版から 「退職者ができる6つのこと」

退職者ができる6つのこと

1. 解雇されることはないのだから声をあげよう。かつては不安に感じていたような活動に参加しよう。“とんでもない”という程まで、自分の意見を恐れずに発言しよう。

2. 行動しよう。自分の心に従って、自分の本心に訴える大義に加わろう。自分の最盛期を終わってしまったとか、世界にとって何か意味のあることをすることができないと思い込む誘惑や、没頭する活動に気を取られてしまうことは避けよう。ゴルフ、トランプ、テニス、帆走、TVなどのレジャーを楽しみながらも、大義のために、人生で学んだことを伝え、将来の世代のための、より良い世界を作り出すことで、より大きな喜びが得られることを理解しよう。

3. 若者を指導しよう。あなた方は人さまに提供できることを大いにお持ちなのだ。大工、教師、医療労働者、庭師、企業幹部、あるいは他の何の職業をしていたのであれ、自分の経験は貴重で、自分より若い人々を支援できることを理解しよう。土着社会では、長老は、伝統的に、その智恵を尊ばれてきた。自らを長老として尊重し、若者に、あらゆる仕事、あらゆる活動で、生命と「生の経済」を育てるように教えよう。

4. 責任ある投資を要求しよう。年金、投資信託や他の基金には、公共の利益のために働き、環境的に維持可能で、資源再生的で、社会的に公正な世界を作り出すことに力を注ぐように主張しよう。基金や株主になっている企業には、彼らには成功して欲しいと思っていて、これが「生の経済」を生み出すことへの参加を意味していることを伝えよう。

5. 政府や政治や企業政策に影響を与えることができるような組織的運動に参加するか、立ち上げるかしよう。立候補するか、そういうことをしている候補者に投票し、消費者運動に参加するか、何らかの民主的過程の本格的参加者になれる道を選ぼう。これは民主主義を本気で擁護するための一環にすぎないというだけではない。大いにやりがいがあり、楽しいことでもある。

6. 自分の経験を共有しよう。他の人々、特に若者に、自分の人生や自分が育った世界について - どのように動いていたのか、どこで失敗したのか、柔軟で、全ての命を大切にする社会を作り出すためには、今何をすべきなのかを語ろう。家族や地域の小さな集まりでも、社会奉仕クラブのような大きな組織でも、こういう活動をし、著述、映画、絵、音楽なりなんなり、あなたにとって最善の手段で実行しよう。自分独自の能力・才能を活用しよう。
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ジョン・パーキンス氏に大変申し訳ないが、『新版エコノミック・ヒットマン』The New Confession of an Economic Hit Man 第47章にある、
「なすべきこと」のリスト 6つ
「我々全員ができる11のこと」
「学生ができる9つのこと」
「退職者ができる6つのこと」
「学生と退職者の間の人々ができる9つのこと」
「企業ができる11のこと(そして、消費者が、企業にそうするよう主張できること)」
「起業家ができる5つのこと」
のうち、「退職者ができる6つのこと」を勝手に翻訳させて頂いた。

「我々全員ができる11のこと」の中から、4番目も追加しておこう。

4. あなたの情熱に最も強く訴える主題を選んで、定期的に支援しよう。これで、モンサント、シェブロンや、ウォルマートなどの企業を変えられるかも知れない。あるいは運動や、ラジオ局、ブロガー、非利益、非政府組織を宣伝しよう。時間やエネルギー(たとえわずか数分でも)あるいはお金という形で、毎日そうしたものに注意を払おう。ソーシャル・メディアを使って、友人全員に自分がしていることを知らせよう。あなたが関わっている主題に関する電子メールやレターを書き、それを頻繁に、ソーシャル・メディアの連絡先に配布し、それを、彼らのソーシャル・メディアの連絡先など全てに配布するよう依頼しよう。

この、できることリストを見て、「TPP: 一体何がめでたいのか?」記事翻訳末尾で触れた加藤周一講演、老青同盟の一節を思い出した。

ポール・クレーグ・ロバーツ氏がこの新版については、コラム記事で詳しく紹介しておられる。 世界を死の経済で支配する悪の帝国

辺野古訴訟、国と沖縄県和解という報道について、電気洗脳箱、与党と仲の良い有名「学者」が、「首相の余裕ですよ」と。

学者先生の自信に満ちた様子から、砂川裁判を思い出して、暗澹とした気分になった。属国では、宗主国と組んだ国が負けるはずはないだろう。移設方針は変わらないのだから、属国裁判所が反対の判決を出すはずがない、と素人は思う。

 

Futenmaospray1f

普天間基地

Henokogmf

辺野古

2016/03/03 「英語化」と「グローバル化」を警戒せよ! 大切なのは「翻訳」と「土着化」を通じた国づくり~岩上安身による『英語化は愚民化』著者・施光恒氏インタビュー 第2弾(動画)

実に長い!が実にもっとも。大本営広報部電気洗脳箱から自立するのに不可欠な話ばかり。そこで再度、繰り返そう。

4.
あなたの情熱に最も強く訴える主題を選んで、定期的に支援しよう。これで、モンサント、シェブロンや、ウォルマートなどの企業を変えられるかも知れない。
あるいは運動や、ラジオ局、ブロガー、非利益、非政府組織を宣伝しよう。時間やエネルギー(たとえわずか数分でも)あるいはお金という形で、毎日そうした
ものに注意を払おう。ソーシャル・メディアを使って、友人全員に自分がしていることを知らせよう。あなたが関わっている主題に関する電子メールやレターを
書き、それを頻繁に、ソーシャル・メディアの連絡先に配布し、それを、彼らのソーシャル・メディアの連絡先など全てに配布するよう依頼しよう。

2014年10月14日 (火)

不完全なように見える対エボラ安全手順

Paul Craig Roberts
2014年10月12日

ダラスのエボラ患者を看護していた看護婦が、エボラにかかってしまった。

アメリカ疾病管理予防センターCDCは、CDCが規定した他の服装と共に、看護婦がつけていたマスクを指定していた。マスク着用は、ウイルスは空気感染しないという仮説に基づいている。

おそらく、自らをかばおうとして、CDCのトム・フリーデン医師は、看護婦の感染を“安全手順違反”のせいにしている。実際、問題は、普通のマスクの代わりに、防毒マスクが必要だということなのではあるまいか。

もし、CDCが病気の特性を誤解していて、その誤解に固執すれば、エボラはアメリカ国内で手に負えなくなる可能性がある。

CDC基準通りに防御されていたのに、看護していたエボラ患者から感染した看護婦についての情報はここにある。http://www.weather.com/health/american-nurse-tests-positive-ebola-20141012

現在のエボラ菌は過去のものと違う方法で感染する可能性は十分にあり得る。過ちを認めることができない官僚の無能さが、アメリカでの蔓延をもたらすことになりかねない。

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四半期毎のご寄附のお願い

多くの皆様が御承知の通り、数年前に私が引退しようとした際に、読者の皆様は、それを受けいれてくださらなかった。私は、協賛各紙に同時に掲載され
るコラムを降りて、皆様にお別れをつげた。皆様が、何千通もの電子メールで、小生の経験と知識を頼りにしておられ、それが現代の出来事を客観的に理解する
のに役立っていると言ってこられたのだ。皆様の御意見には説得力があった。私は引退を止め、このウェブサイトを開設したが、皆様から強固なご指示頂いてい
る。

これは皆様のウェブサイトだ。皆様に支持を頂ける限りは継続する。

 

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2014/10/12/ebola-safety-protocol-appears-defective-paul-craig-roberts/
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日清・日露戦争で派兵された日本軍兵士の多くが脚気で倒れた事実を数年前に知った。そして、その原因は、森鴎外だったことを。

海軍軍医の高木兼寛は、脚気対策で、先覚的な業績を上げた。
海軍での兵食改革は(洋食+麦飯)だった。
高木兼寛の処方を実践していた間、脚気による患者、死者は劇的に減少した。

ドイツ・コッホ研究所帰りの森林太郎(森鴎外)は、頑固に病原菌説を唱えた。
陸軍での兵食は白米だった。
日清・日露戦役で、3万数千人の脚気による戦病死者を出した。

過ちを認めることができない官僚の無能さが、日本軍での脚気蔓延をもたらした。

『新装版 白い航跡』という吉村昭著の文庫や
『鴎外最大の悲劇』(新潮選書)という本(現在は品切れ)や
『鴎外 森林太郎と脚気紛争』という本まである。

大本営広報部は、台風襲来の報道一色。台風は自然のもので、一過性。

TPPは、宗主国による人為的なのもので、永続的。

大本営広報部、TPPに触れる場合は、「交渉難航の恐れ」ばかり、「TPPそのもの恐ろしさ」には絶対に触れない。

TPP、現代の日本人囲い込み。北米先住民が、移民によって追いやられ、悲惨な境遇に陥ったのと同じ状況に、これから陥る。歴史的蟻地獄。
台風、TPP、どちらが深刻か、わからずに報道していれば、知的に深刻な問題があるだろう。実態をわかっていて、報道をしているのであれば、倫理的に深刻な問題があるだろう。

対エボラ安全手順、不完全なように見えるという。
対TPP報道基準、TPP実現の為、意図的に全く不完全。かくして
「それでも、日本人はTPPを選んだ」
「それでも、日本人は原発再稼働を選んだ」
「それでも、日本人は集団的自衛権を選んだ」ことになり、
猿の惑星のような世界で暮らす後世の日本人、先祖を大いに恨むに違いない。

過ちを認めることをしない大本営そして大本営広報部の無能さが、日本の主権喪失をもたらしている。

ウクライナ・ゲート ネオコンの情報操作と野望』塩原俊彦著 社会評論社 本体2400円+税
報道されない中東の真実』国枝昌樹著 朝日新聞社 本体1700円+税
を読み始めた。大本営広報から離れる為、いずれも必読書。

IWJで、国枝昌樹氏インタビューが見られる。

IWJ Webサイトの記事はこちら→http://iwj.co.jp/wj/open/archives/181134
会員登録はこちらから→ http://iwj.co.jp/join/

2014年6月25日 (水)

オーウェル『1984年』のページから: 対ユーラシア非正規戦争

Wayne MADSEN
公開日時 2014年6月23日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

‘オセアニアはユーラシアと戦争状態にある。それゆえオセアニアはいつもユーラシアと戦争をしてきた。当面の敵は、常に絶対悪であり、従って、その相手とは、いかなる過去、あるいは将来の、協定は不可能だというものだった’。これは、ジョージ・オーウェルの空想的小説で、地政学から、プライバシーの喪失、監視国家の勃興に至るまで、未来の出来事の薄気味悪いほど正確な予言である『1984年』からの一節だ。オセアニアは虚構的に、イギリス諸島、北アメリカと南アメリカ、南アフリカとオーストラレーシアで構成されていた。オーウェルの世界では、ユーラシアは、ロシアとヨーロッパで構成され、他の大国イースタシアは、中国、韓国と日本を含んでいた。

現代、ワシントン、ロンドン、ベルリンやパリを中心とするオセアニア軍が、ユーラシアを決して侵略しないようにする為、ロシアと中国が益々経済的、政治的、軍事的に協力につれて、オーウェルの反ユートピア的な未来の世界地図を改変した形のものが現実と化しつつある。

先月のロシア国防省が後援したモスクワでの実力者会議、第三回Military and Political Aspects of European Securityで、第一国防次官兼参謀総長のワレリー・ゲラシモフ将軍は、ウクライナで二度、グルジアで一度実施された類の、欧米が資金援助し、組織した‘カラー革命’は、ユーラシアに対する一種の非正規戦争だと述べた。オーウェルのオセアニアによく似た北大西洋条約機構(NATO)諸国が、ユーラシアに対する非正規戦争の開始したという、ゲラシモフの発言は『1984年』のページからはぎ取ったものであってもおかしくないものだ。情報戦、経済制裁や‘欧米の非正規戦争の一環としての代理犯罪組織’や、過激派集団の支援を、ゲラシモフは、ユーラシアに対して向けられて構築されたものとして言及した。

ゲラシモフは、カラー革命は、非軍事的作戦が実施された後、政権転覆をなし遂げる為に、続いて軍事力が利用されることが多いので、欧米の対ユーラシア軍事戦略のかなめだとも述べている。これは現在、東ウクライナの連邦主義者に対する、NATOが支援するウクライナ政府の軍事攻勢や、シリアのバシャール・アル-アサド大統領政権に反対して戦っているイスラム教原理主義叛徒へのNATOの支援にもあてはまる。東リビアで、イスラム教原理主義者の蜂起の後、最終的に、リビアの指導者ムアマル・カダフィを権力から追い落としたNATOによって、空爆を含む軍事介入も行われた。

ゲラシモフのカラー革命に関する発言を、他ならぬ中央情報局(CIA)やアメリカ国務省の見解を反映することが多い非営利的シンク・タンク、戦略・国際問題研究センター(CSIS)の、アンソニー・コーズマンが支持している。コーズマンは、欧米が資金援助するカラー革命は、ロシアと中国に対する新種の戦争だと述べている。

ベラルーシ国防相ユーリー・ジャドビンは‘ゴッドファザー’ジョージ・ソロスと、ボストンのアルバート・アインシュタイン研究所所長、ジーン・シャープを、ヨーロッパや中東で見られた、CIAが資金援助した色や花の名を付けられた蜂起・革命の主要な要因だとして挙げた。ロシア、中国とベラルーシの国軍は、現在、カラー革命を利用した、欧米による政権転覆支援を、アメリカ合州国とNATOの軍事教義の一環と見なしている。モスクワ、北京とミンスクの軍事立案者達は、旧ブラックウオーター、現アカデミ等の、欧米民間軍事契約業者、傭兵を、カラー革命が起きた後の、欧米の政権転覆シナリオの一環と見なしている。

ユーラシアに対する欧米のカラー革命と政権転覆プロジェクトの理由は明確だ。ロシアと中国が、天然ガスや、いにしえのシルク・ロードの記憶を呼び起こす新たな輸送経路を含む、新たなユーラシア・エネルギー・スキームを開発する最前線にいるので、欧米は、ダイナミックな新市場を持ったユーラシアの登場は、単なるライバルであるのみならず、欧州連合や、ワシントンが提案している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が失墜させられる脅威を感じているのだ。

新たなユーラシアというものの独自性登場が、事実上のオセアニアの政治指導者達を警戒させた。ユーラシアは、ポップ・カルチャー、同性愛、社会的セーフティー・ネットの破壊、宗教軽視、伝統的な家族の破壊、過酷な緊縮財政を推進する放逸なハゲタカ資本主義を強調するロシア、中国、カザフスタン、ベラルーシや、地域内の他の国々で多くの人々が欧米‘文化’と見なしているものよりも、経済発展と伝統の尊重を重視する。

モスクワでの安全保障会議とほぼ同時期に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席は、上海で開催された第四回アジア信頼醸成措置会議(CICA)で会合した。そこで、習主席は、アジアが21世紀に入った今、冷戦感情は廃棄されるべきだと強調した。アジアの各代表団が、バラク・オバマ大統領による軍事的冷戦‘アジア回帰’や、安倍晋三首相の、東アジアにおける、失地回復論者的軍事力増強を容赦なく否定するのを日本やアメリカ合州国からのオブザーバー達は傍観していた。多くの点で、アメリカ合州国の太平洋軍と、日本、フィリピンと、韓国は、オセアニアと一時的に連合を組む組織である『1984年』の軍事的‘イースタシア’と良く似ている。

上海で合意された通り、2018年に、天然ガスをシベリアから中国へ送り出す‘シベリアの威力’天然ガス・パイプラインのみならず、かつてのシルク・ロードを復活させ、中国とヨーロッパを、主要なトランス・ユーラシア・ハイウェイ、トランス・シベリア・ハイウエイとヨーロッパのE-30ハイウエイで結びつけるという計画がある。最終的に、アムステルダムと北京を、アジア・ハイウエイ・ネットワークで、A級自動車専用道路が結びつけるのだ。この現代ハイウェー・ネットワークは、アジア古代のシルク・ロードを復活し、商品や乗客をユーラシア中移動させ、その過程で、ユーラシア・ハートランドのはるか僻地に、新たなインフラストラクチャーを建設する。こうした展望を、金融宝くじから締め出されてしまうことになる為、ヨーロッパとアメリカの銀行は懸念している。

プーチン大統領や習主席から、イランのハッサン・ロハニ大統領やアフガニスタンのハミド・カルザイ大統領に至るまでのユーラシアの指導者達は、ウクライナ、グルジアやキルギスタンを破壊したカラー革命は、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー研究所と財団によって資金援助されており、しかもソロスのヘッジ・ファンド帝国など、ロスチャイルド金融カルテル国際組織の隠れ蓑にすぎないことを十分承知している。ソロスとロスチャイルド家の権益を代表するNATOとオバマ政権は、ユーラシア構想を破壊する為なら、どんなことでもやりかねない。欧州連合との連帯を拒否し、ユーラシアとの絆を築く用意があるように見えたウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領の‘ユーロマイダン’による、打倒は、欧米の(あるいは‘オセアニア’の)最初の対ユーラシアの軍事力による間接的侵略の一環だ。

ユーラシアの指導者達の一部は、欧米が発展しつつあるユーラシア連合を挫折させようとしていることに気がついている。カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は、アジア信頼醸成措置会議CICAを、ユーラシアにおけるNATOの等価物に極めて近い、新たなアジア安全保障開発機構(OSDA)へと転換することを提案した。ユーラシアが欧米の‘価値観’を拒否することを強調して、ナザルバエフは、OSDAはアジアの‘伝統と価値観’の上に構築されることになろうと述べた。ナザルバエフは、ロシア、ウクライナや、他の国々における宗教崇拝の代わりの、‘プッシー・ライオットやFEMENによる、下品さや、いわれのない裸体の表出で見られるような、欧米文化の下卑た寛大さを否定するユーラシア指導者達の多くを代表して演説しているように見えた。

アメリカ版オセアニアに対する新たな競争相手が、オーウェルのユーラシア中に今や登場しつつある。ハルフォード・ジョン・マッキンダーの論文‘Geographical Pivot of History’で信奉されている‘ハートランド理論’は、ヴォルガ河と揚子江と、北極海とヒマラヤに囲まれたユーラシアのハートランドを支配する大国が、世界の運命を支配すると主張していた。もしユーラシア連合が政治的・経済的連合として成功すれば、アメリカ合州国、イギリス、西ヨーロッパと日本は、僅かに残された資産が、ウオール街、ロンドンのシティーや、フランクフルトの銀行という飢えたジャッカルによって争われる、経済的に活力がなく、社会的衰退に向かいつつある、沿岸‘リムランド’に閉じ込められることになる。シリア、ウクライナやイラクにおける戦争の勃発は、‘オセアニア’と‘ユーラシア’間で差し迫っている戦争の最初の一発にすぎない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2014/06/23/from-pages-of-orwell-and-1984-irregular-warfare-against-eurasia.html

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芝居を見終わって外に出るとにわか雨。傘もなく濡れて帰ったが、雹でないだけまし?

ナチス発言氏のいじめ発言。こういう痴性連中が日本を支配している。金目男。セクハラ男。三代目。ナチス・イジメ男。

アジアの別の属国から、ボンボン政治家が侵略戦争参戦を慶賀にやってきた。

宗主国支配層や、アジアの別の属国傀儡から評価される解釈変更、属国庶民にとって為になることは永遠にないだろう。属国庶民に、子々孫々まで、大いに害をなすだろう。

夢の国から悪夢の国へ』/増田悦佐著/東洋経済新報社/2300円+税
を、森永卓郎氏が、日本の正確な未来予想図と評しておられる。

小生も一読、「これはたまらない」と思った。増田悦佐氏の力作を「たまらない」と思ったのではなlい。描かれている宗主国の実態だ。

外部に対しては侵略戦争、不平等条約の押しつけ、自国民に対しては略奪・貧困化推進という、宗主国支配者の新自由主義政策の何に、属国傀儡政治家・経営者は魅力を感じるのだろうと思うのだが。

米国の金融資本が一番望んでいるシナリオは、戦争を起こすことによる戦時インフレと、その後のバブル発生だという著者の予言で、納得。

属国支配層も全く同じことを計画しているがゆえの、参戦、砲弾の餌食提供推進だ。

両与党、そして一見、野党を装い、憲法解釈変更を容認する別動隊連中、人の顔をした悪魔だと本気で思う。

そして、彼等に投票をする皆様も。

マドリッド、プラド美術館で見た『我が子を食らうサトルヌス』を思いだした。そして、ヒェロニムス・ボッシュの地獄絵図。

日本なら、人ごみのなかで観覧することになるだろうが、ボッシュの部屋、誰もいなかった。ということで、現実世界のひどさ加減に目を向けよう。

2014/06/22 【京都】Xバンドレーダー基地建設工事をただちに中止せよ!10月レーダー搬入反対!6.22京都集会(動画)

2014/06/20 「集団的自衛権と新自由主義はリンクする」 99%の民衆がテロリスト扱いに!?~岩上安身による孫崎享氏インタビュー (動画)

2014/06/20 集団的自衛権行使容認をめぐる安倍総理の「嘘」 米艦による邦人輸送を米国は想定せず ~岩上安身による辻元清美・衆院議員インタビュー ※ 公共性に鑑み、非会員の方にも、6月26日まで特別公開!

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