緊張の三角関係:ウクライナ戦争で同盟崩壊

ソニア・ファン・デン・エンデ
2025年9月3日
Strategic Culture Foundation
EUでは不安と革命を伴う激動の時代が我々を待っているとソニア・ファン・デン・エンデは書いている。
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ウクライナとハンガリーの間で、ここしばらく緊張関係が続いている。ハンガリーがドンバスにおけるロシアに対する欧州の代理戦争の主要反対国なのは周知の事実だ。こうした理由に加え、LGBTQ問題への対応を拒否し、EUが難民と呼ぶ移民の受け入れを拒否するなど、ハンガリーのオルバーン首相はEUの「悪党」と呼ばれている。だが、この代理戦争に抗議しているのはハンガリーだけではない。アメリカはそれを阻止したと主張しているが、この戦争は今や欧州規模の大戦争、あるいは第三次世界大戦に発展する寸前だ。
ここ数週間、事態はさらに悪化している。ポーランドの極右保守政党「法と正義」(PiS)の指導下、ハンガリーとポーランドの関係は依然比較的良好だった。しかし2023年にポーランドがドナルド・トゥスクを新首相に選出し、右派政党による支配が終焉を迎えたことで状況は一変した。トゥスクは2014年から2019年まで欧州理事会議長、2019年から2022年まで欧州人民党党首を務めた。彼は真の欧州愛好家で、言うまでもなく、ウクライナにおける対ロシア代理戦争の強力な支持者でもある。しかしキーウとワルシャワの関係もかなり冷え込んでいる。だが、まずはポーランドとハンガリーの悪化した関係について触れておきたい。
現在ポーランドで親欧州派が政権を握っている事実は、ハンガリー・ポーランド関係が冷え込んでいる理由の一つに過ぎない。最近ハンガリーのペーテル・シーヤールトー外相とポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相の間で大きな衝突がXで発生した。この衝突の原因は、ハンガリーで起きた破壊工作、というより、むしろテロ攻撃だった。この行為で間接的に民間人が被害を受けたためだ。ドルジバ石油パイプラインへの攻撃によりハンガリーでは電力供給が停止し、ハンガリーへの石油供給が途絶えた。
ノルドストリーム・パイプラインを巡る論争で、誰が犯人かの判断に至るまで様々な非難が飛び交った。この紛争におけるハンガリーの役割を調査したと、ポーランドのシコルスキ大臣が発言したことで事態は更にエスカレートした。ウクライナではなく、ハンガリーを破壊行為の罪で彼は告発した。シコルスキ大臣はXにこう投稿した。「ところで、ロシアの石油ポンプ場攻撃はハンガリーが実行したようだ。我々の自由と、あなたの自由のために!万歳!」これは明らかに不評で、ウクライナがドルジバ(友好)・パイプラインを破壊したとオルバーン首相は声明で非難した。
もう一つの問題は、おそらく最大のものではないものの、ハンガリーとポーランド間の多くの問題の背景に影響を及ぼしているPiS党所属の元ポーランド法務副大臣の政治亡命を認める決定だ。刑事犯罪で告発され、最近国際指名手配リストに掲載されたマルチン・ロマノフスキの亡命をハンガリーは認めたのだ。
ハンガリーとウクライナの対立は目新しいものではない。ハンガリーは対ロシア代理戦争に反対しているが、両国間の対立は激化している。2025年5月初旬、ウクライナとハンガリーは、スパイの嫌疑を受けた報復措置として、それぞれ外交官二名を国外追放した。ウクライナ保安庁(SBU)は、ハンガリー国家スパイ網が防衛情報を収集していたことを明らかにした。この結果、ハンガリー外交官二名が国外追放された。ハンガリーはこれに対し、ウクライナ外交官二名を国外追放し、ウクライナの非難を「プロパガンダ」と断定した。
ハンガリーによると、もう一つの問題は、ウクライナに住むハンガリー系少数民族の扱いだ。彼らは差別を受け、彼らの言語の権利など多くの権利を否定されているとされている。これはロシア語話者が全く同じ理由で差別され、紛争のきっかけの一つになったドンバス紛争の既視感だ。これは、ウクライナでの欧州代理戦争にハンガリーが反対する理由の一つでもあると考えられる。
次に、ここ数週間で変化が見られるポーランドとウクライナの関係だ。第二次世界大戦にまで遡る痛みと相違は、もちろん既に存在していた。それらはくすぶっており、ポーランドが対ロシア代理戦争に参加したことで、抑圧されていた。PiS党指導下、ロシアとの関係は、控えめに言っても悪化していた。これは、ロシアによるテロ計画とポーランドが呼んだある出来事が原因だった。
ロシアのスモレンスクで発生した航空機墜落事故で、ポーランド元大統領レフ・カチンスキと95名が死亡した。2010年4月10日、この航空機は濃霧の中墜落した。テロ容疑ですぐさまロシアが非難され、ウクライナでの対ロシア代理戦争で、ポーランドが極めて熱狂的で、今もなおそうあり続けている主な理由の一つになった可能性が高いと思われる。
ウクライナでの戦争(ロシアによる侵略、または戦争とヨーロッパは呼んでいる)により、ポーランドは多くのウクライナ難民を受け入れており、その多くは動員から逃れてきた人々だ。ポーランドでは深刻な麻薬問題も発生している。現在最も恐ろしい薬物がポーランドで生産されており、多くのウクライナ人(とおそらくポーランド人も)を中毒に陥れている。例えば「バスソルト」と呼ばれる新薬物がポーランドで大量生産されているのが明らかになり、今やポーランドはオランダに次ぐ合成麻薬カルテルの「メッカ」になっている。
軍務に就いているウクライナ人男性の多くが(まだ殺されていない場合)難民としてポーランドに滞在している家族を訪ねるためポーランドにやって来る。彼らの多くは「バスソルト」別名クリスタルメス中毒になっており、合成麻薬の生産拠点を擁することで、ポーランドはメスによる収益を得ている。
だが、ウクライナとポーランドの関係を緊張させているのはそれだけではない。第二次世界大戦中にウクライナ民族主義者が使用したシンボルを禁止する法律改正をポーランド大統領が提案した。これはウクライナ蜂起軍(UPA)とウクライナ民族主義者組織(OUN)のステパン・バンデラ派が使用した赤黒旗に関するものだった。UPAは1943年から1945年にかけてドイツ占領下ポーランドで行われたヴォルィーニ虐殺、つまりポーランド人大量虐殺に関与した。現在のウクライナ西部にあたる地域で約10万人のポーランド人が殺害されたのだ。
だが、この改正案は、既に緊張状態にあるワルシャワとキーウの関係を更に悪化させる可能性があるだけではない。最近、ポーランドに滞在するウクライナ難民の子どもたちへの支援を拡大する法案が否決された。紛争開始後、約160万人のウクライナ人がポーランドに移住した。ポーランドの社会保障制度を彼らは利用していたが、現在、その費用が手に負えなくなっために、支援が受けられなくなっている。
ポーランドのこの二つの改正への報復として、青年の出国を認める新たな法律をウクライナが可決した。三年の戦争中、18歳を超える青年の出国をウクライナは禁止しており、10代青年の大量脱出をもたらしていた。今回、ウクライナは年齢を23歳に引き上げる。これには一部、政治的動機もある。若いウクライナ人が大量に国外に逃がれ、ポーランド国境で大規模脱出が発生したのだ。
三カ国間関係は控えめに言っても複雑だ。ウクライナ紛争や難民受け入れをめぐり、内外ともに多くの問題を抱えている。政治的相違も影響している。ハンガリーとポーランドは、いずれもEU加盟国だ。ポーランドで親欧州派首相を任命させるのにEUは成功したが、ハンガリーはロシアとの和平を望んでおり、これはEUの狙いではないため、依然EUにとって問題になっている。ハンガリーのキリスト教理念と反LGBTQ感情も、EUにとって大問題になっている。
ここ数ヶ月、ルーマニア、セルビア、ジョージア、モルドバで既に「カラー革命」を目にしている。EUの思い通りに事が運べば、次はハンガリーだ。ハンガリーで親ウクライナ・親戦争派政党と大統領、あるいは首相を誕生させなければならない! こうしてEUは、過去(と現在)アメリカが主導した数々のカラー革命の例に倣うことになるだろう。EUでは、不安と革命を伴う激動の時代が我々を待ち受けている。これはEUの「戦争の思惑」にとって決してプラスにはならないが、EUエリートが過激化しているため、残念ながら、彼らがこの思惑を強化し、あらゆる邪魔者を排除する可能性が高い。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/09/03/a-triangle-of-tension-alliances-crumble-over-ukraine-war/
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Sabby Sabs
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「インドは米国の高関税に中指を立てた! 本日午後7時より『岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー 第4弾 前編1』を初配信!」2025.9.15号 【目次】
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■【中継番組表】
■【本日のニュースの連撃! 4連弾!】
■【第1弾! イスラエルによるカタール爆撃を、英国の給油機と米国の偵察機が支援していた! さらに、サウジもヨルダンも、自国の領空をイスラエルに開放してサポートし、カタール自身もイスラエルによる自国の攻撃を知っていた!!】(『i3インスティテュート』、2025年9月12日)
■【第2弾! イスラエルは「危険なならず者国家」!「恒久的な停戦を求めるハマスの交渉担当者を殺害することで、交渉を潰している」と、ジェフリー・サックス教授が指摘!】(『ファイナンシャル・ワイズ』、2025年9月12日)
■【第3弾! イスラエルによるカタール爆撃で、「米国は湾岸諸国、そして世界のほかの同盟国からも、安全保障提供国、真の同盟国としての価値を問われている」! カタールの国際紛争解決の専門家、ドーハ大学のイブラヒム・フライハット教授が、米『CNN』で「米国の裏切り」を指摘!】(『イブラヒム・フライハット』、2025年9月11日)
■【第4弾! 国連総会で、パレスチナ国家樹立による「2国家共存」の実施を求める「ニューヨーク宣言」が、日本を含めた142ヶ国の賛成で採択! 12ヶ国が棄権、パレスチナ国家樹立に反対したのは、イスラエルや米国など10ヶ国!】一方、パレスチナ国家承認をめぐり、米国が日本政府に「承認すれば、日米関係に重要な影響が出る」と脅しともいえる圧力をかけていたことが明らかに!(『日本経済新聞、2025年9月13日)
















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