アメリカ軍・軍事産業

2026年9月10日 (木)

対イラン戦争:原油価格が1バレル100ドルに迫る中、依然勝利を願っているトランプ

2026年9月8日
Moon of Alabama

 イエメンのアンサルッラーによる新たな攻撃により、サウジアラビアの石油生産施設3カ所が被害を受けた。日量40万バレルの生産能力を持つジザンのアラムコ製油所は操業停止となった。原油価格は上昇した。

 ロイター通信によると、グリニッジ標準時午前8時までに、ブレント原油先物価格は2ドル(2.06%)上昇し、1バレルあたり99ドルに達した。  
一方、アメリカ産WTI原油は1バレルあたり94.41ドルで取引され、2.93ドル(3.2%)上昇した。

 立ち会い序盤、ブレント原油は7月24日以来の高値となる1バレル99.22ドルを記録し、WTI原油も6月8日以来の高値となる1バレル94.60ドルに達した。

 イエメンのアンサル・アッラー政権(主要集団の一つ、フーシ派にちなみフーシ派と呼ばれることが多い)は、国土の僅か33%しか支配していないが、イエメン国民の80%を掌握している。サウジアラビアは現地の反政府派に武器供与や支援を行っている。反政府派ががフーシ派との戦いに勝利する可能性は低い。
 サウジアラビアの減産は原油価格に決定的打撃を与える引き金になるかもしれない。

 アメリカとイスラエルによる対イラン攻撃にもかかわらず、原油価格はこれまで心理的な節目の1バレル100ドルを突破していなかった。国家備蓄の活用と中国の原油輸入削減により、価格は不自然なほど低く抑えられていた。だが、現在では備蓄量も減少しており、中国の輸入業者も市場に復帰している。そのため、イランによるホルムズ海峡封鎖による原油生産量の減少が、ついに影響を及ぼし始めている。

 石油製品価格は既に大幅に上昇している。製油所オーナーは記録的利益を上げている。アメリカ消費者は、エネルギーに更に1000億ドルを支払う必要がある。

 ドナルド・トランプ大統領は、ついにこの問題を認めた。対イラン戦争は勝利からは程遠いと彼は認めた。  
月曜日、対イラン戦争にアメリカが勝利すれば原油価格は「急激に下落する」とドナルド・トランプ大統領は主張した。

 「対イラン戦争に勝利すれば、他のあらゆるものが下落しているように(しかもそれ以上に!)、原油価格は急激に下落する」とソーシャルメディアへの投稿で大統領は述べた。「1ガロン3ドルだが、最終的には2ドル以下になる。すべて、あっという間に起き、イランは決して核兵器を持つことはない。MAGA!」
 石油トレーダーは原油価格下落を予想していない(アーカイブ
 
ゴールドマン・サックス・グループによると、中東での船舶攻撃が増加すれば、原油価格は1バレル120ドルまで上昇する可能性がある。同社は、利益を得る方法として、天然ガスとディーゼルへの投資を推奨している。

 6か月以上続いた戦争の膠着状態により、広汎なエネルギー価格が上昇しており、天然ガスと石油製品の上昇率は原油を上回っている。工業用燃料ディーゼルは今年に入って2倍以上に上昇した。
 ホルムズ海峡周辺の支配地域を拡大し、アメリカの封鎖に対する措置を強化するとイランは発表した。  
アメリカによる制裁措置によって生じた経済への打撃に対処するため、取り組みを強化するとイランは表明した。

 だが、イランの石油輸出を封鎖し、制裁回避を阻止して、イラン経済を締め付けようとするアメリカ攻勢は益々抵抗しがたいものになりつつあるとイラン高官筋3人が述べた。

 日曜日、イラン議会のモハマド・バゲル・ガリバフ議長は、ゲームのルールが変わったことをアメリカは「手遅れになる前に」理解すべきだと述べた。

 「今後、イランの国益と安全保障に対するいかなる攻撃に対しても、より迅速で、より重く、より痛烈な報復を行う」と彼はテレグラムチャンネルで公開した演説で述べた。
 アメリカはイラン経済を締め付けようとしている。だが、イランはこれへの対策を講じている。(アーカイブ)  
経済状況は、イランの戦争遂行能力にまだ影響を与えていない。長年の制裁経験のおかげで、様々な物資の備蓄は依然豊富だ。そして、強力な抑圧手段を持つイラン政府は、自らの必要性を満たしつつ、経済的苦痛の多くを一般国民に押し付ける方法を編み出してきた。つまり、トランプのやり方は、確かにイラン国民の大多数を困窮させることはできる。だが、イスラム共和国そのものを窒息させることはできない。
 現在、原油価格の高騰で、イランがアメリカに与える経済的損害と、アメリカが対イラン封鎖措置でイランに与える経済的困難との間で、どちらがより深刻かという競争が繰り広げられている。

 今のところ、イランはイエメンをはじめとする同盟諸国の支援を受け、この戦いで勝利する運命にあるように見える。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/09/war-on-iran-crude-price-nears-100-barrel-while-trump-still-hopes-to-win.html

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 植草一秀の『知られざる真実』
中道というまやかし

2026年9月 7日 (月)

アメリカはイランに対し戦術核兵器を準備しているのか?



マーティン・ジェイ
2026年9月6日
Strategic Culture Foundation

 トランプはイラン戦争に敗れ、今や核攻撃という選択肢が常態化しつつある。

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 トランプと陰謀団にとって、エスカレーションの罠は更に悪化している。かつて実存主義(核攻撃という選択肢)と結びついていた議論が、今やあらゆる種類の軍事的選択肢で切り捨てられている。単なる巨大爆弾だ。トランプが敗れれば敗れるほど、イランは中東のアメリカ施設や同盟諸国に打撃を与え、海峡閉鎖は長く続き、アメリカのガソリンやディーゼル価格が高くなればなるほど、イランに対し「戦術的」核兵器を投下する発想は、より一般的になり、更に好まれるようになる。

 だがトランプは次第に怒りをあらわにしている。彼は文字通り正気を失いつつあり、大統領の任期二期目以降、状態は悪化し、あらゆる現実と接点を失っている。2月28日以前は、アメリカ経済は悪い状態ではなかった。多くの基本的要素が持ちこたえていた。だが今や全てが制御不能に陥りつつあり、ガソリン価格が4ドルを大きく上回っているのとは別に、ディーゼル燃料が値上げされている。これは運送会社が費用を生産者に転嫁し、生産者が、それを消費者に転嫁することを意味する。

 事態が制御不能になり始める中、一体誰がトランプを支配しているのか、そして、もし核兵器が使われた場合、一体誰が利益を得るのか一瞥しよう。9・11から逃れて、双方が傷つくまで笑い続けたのと同じ連中だ。イスラエルだ。現在シオニスト連中は、戦術的攻撃の選択肢を推進している。誰が殺されようと、誰が水で滅ぼされようと、地域での、いかなるエスカレートも連中の懸念ではない。最近、イランが核兵器を製造している可能性についてネタニヤフの同僚が更に主張している。これはトランプが頼れる機関のIAEAが、イランに入国して査察を行えないためだ。従って、当然の結論は、アメリカ大統領は再び圧力に屈し、イランを攻撃する壊滅的判断ミスを犯すことになる。

 シオニスト連中は、大西洋両側で忙しく過ごしてきた。イギリスで、彼らの資金が現在、ナイジェル・ファラージ率いる極右政党に届いているのを見逃すのは困難だ。またファラージは別の資金スキャンダルにも見舞われており、この党首は、あらゆる信条の政治道徳に欠如しており自分の懐を汚い現金で賄うのを好む存在だ。イギリス・メディアをシオニストが支配しており、汚職スキャンダルが彼を葬ったにもかかわらず、いかに気楽な時代をファラージが迎えるのかが注目されている。アメリカも似たような話だ。しばらくの間、国際的にも国内的にも、シオニストがアメリカ政治を形成している点をJ.D.ヴァンスは非常に批判しており、アメリカがイランでどのように前進すべきかについて、常に漠然としていた。だが今やイスラエル・ロビーの枠を越えた連中が彼の味方になっている。

 最近、イスラエルに対して明確な立場を示さなかった元サウスカロライナ州知事のニッキー・ヘイリーが彼を批判し「二股かけている」と非難した。

 正しいことは正しい。間違っていることは間違っている。人生で、人はどちらかの側を選ばなければならない。アメリカで、あなたは、タッカー・カールソン派に属しているのか、それとも親イスラエル派に所属しているか、いずれかだ」と彼女はソーシャルメディアに投稿した。両方にはなれない。

 IQがさほど高くない元共和党大統領候補ヘイリーは、彼女に誰が指示を出して、ヴァンスを攻撃する参考資料まで提供していたのかさえ隠しきれなかった。そのために、彼女のソーシャル・メディア投稿はイスラエル・ロビー団体が代筆しているのではないかと疑う声さえ上がっている。

 1986年の受賞演説で「我々は常に味方しなければならない」と述べたノーベル賞作家でホロコースト生存者のエリー・ウィーゼルの名言を彼女は次々引用して投稿を続けた。中立は抑圧者を助けるが、決して被害者は助けない。

 一方、世界のアメリカへの信頼は、ほぼ失われてしまったようだ。最近、かつてアメリカに保有していた金準備をオランダがようやく引き出した。数週間前、ドイツも同様の動きをした。EU指導者たちは、トランプを信用しておらず、アメリカ債務が積み上がり続ける一方、脱ドル傾向が進展するのを目の当たりにしている。もちろんトランプは何もできない。支配に関する彼の未熟な考えが、国の利益にかなうものでなく、単に逆効果になる一連の政策を生み出してきたからだ。多くの成功した起業家のように、失敗した事業は一つや二つではないが、彼の業績が芳しくないことを多くの人に想起させる。これは、事業を彼が全く理解していないことを示している。彼は、核兵器使用が中東情勢でのやり直しとなり、おそらく自国の悲惨な実情から人々の目を大きくそらせられると考えているのかもしれない。だが、それがロシアや中国に対する先例になれば、イランは地域で現在以上に大きな勝者になるだけだ。自分が一体何をしているのかトランプは全く理解しておらず、彼に助言する人々は全員解雇されてしまった。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/09/06/is-america-preparing-a-tactical-nuke-for-iran/

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
「28卒学生が選ぶ就職人気企業ランキング」の中間結果(産経);文系:伊藤忠、三井物産、三菱商事、三菱UFJ銀行、住友商事、三井住友銀行、丸紅、味の素、損保ジャパン、サントリー、理系:トヨタ、味の素、富士通。NTT、ソニー、旭化成、花王、伊藤忠、資生堂、三菱重工
【IWJジャーナル号外】本日午後7時より「【1】岩上安身による放送大学名誉教授・高橋和夫氏インタビュー<イラン編>」を撮りおろし初配信します!

■<岩上安身によるインタビュー初配信>本日午後7時より「【1】石油価格暴騰を抑えていた中国の備蓄も先が見え、米国は石油輸出を禁止する可能性も!? 岩上安身によるインタビュー第1231回ゲスト 放送大学名誉教授・先端技術安全保障研究所会長 高橋和夫氏<イラン編>」のエッセンス版を撮りおろし初配信します! 完全版は会員向けアーカイブで公開しますので、ぜひとも会員となって全編御覧ください!!

 岩上安身は8月24日、膠着しているイラン戦争について、放送大学名誉教授で先端技術安全保障研究所会長の高橋和夫氏に、インタビューを行いました。

 このインタビューを2分割し、そのエッセンス版を、本日と明日の午後7時から、IWJのYouTubeチャンネルで撮りおろし初配信いたします。リアルタイムでお見逃しになった方も、御覧になれますので、ぜひ、御覧になってください。

 また、IWJ会員向けサイトのアーカイブにて、IWJ会員の方のみが御覧いただける会員版として、ここでしか見られない完全版動画を公開します。完全版は、エッセンス版の約3倍の充実した内容となっています。

 会員にまだなっていない方は、この機会にぜひ、会員登録をお願いします! 休会している方も、会費さえお支払いいただければ、いつでも再開できますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。

2026年9月 6日 (日)

アメリカはイランで結婚式を爆撃した。これは初めてのことではない。



2026年9月4日
Strategic Culture Foundation

メディア・ベンジャミン

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お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 9月1日、ホルムズ海峡沿いのイランの小さな漁村クヘスタクで、アメリカ・ミサイルが 民家に着弾した。当時、漁師の娘の結婚式を祝うために数十人が集まっていた。


写真:イラン赤新月社

 少なくとも4人が死亡し、その中には4歳のアミラリ・カリミと16歳のモハマド・マラヒも含まれる。60人以上が負傷した。現場の映像には、屋根に大きな穴が開き、コンクリートの壁が穴だらけになり、ドアが粉々に砕け、天井が崩れ落ち、瓦礫の中に女性や子どもの靴が散乱している様子が映っていた。爆弾は、結婚式で女性のために用意されていた区画を直撃したため、負傷者のほとんどは女性と子どもだ。イラン・メディアは、近くのミナブの病院で重傷を負った子供たちが治療を受けている様子を報じた。ミナブは、戦争初日アメリカが小学校を爆撃し、168人が死亡し、そのほとんどが子供だった同じ都市だ。

 イラン赤新月社は、米軍攻撃について調査するよう国際刑事裁判所に要請した。結婚式場が民間施設で、攻撃が戦争法を遵守していない場合、戦争犯罪に該当する可能性があると述べている。

 アメリカ中央軍報道官のティム・ホーキンス大尉は、今回の攻撃について質問されると、「米軍はイラン革命防衛隊とは異なり、民間人を標的にすることは決してない」と答えた。しかし、米軍は精密兵器を使用しているとも主張している。精密兵器とは、軍が意図した標的を正確に攻撃できる兵器だ。

 米軍はミサイルが結婚式に命中した理由をまだ説明していない。しかし、ミナブ小学校爆撃で何が問題だったのかは既に分かっている。あの攻撃は、どうやらアメリカ「精密」兵器の失敗ではなかったようだ。アメリカ情報機関の失敗だったのだ。報道によると、中央軍は時代遅れの標的データを使用し、イラン革命防衛隊の施設から10年ほど離れた学校を依然軍事目標として扱っていたという。

 ミナブ爆撃後、民主党上院議員46人が、ヘグセス国防長官に、下記質問への回答を要求した 。標的はどこだったのか? なぜ学校が攻撃されたのか? 誰が攻撃を承認したのか? どのような兵器が使用されたのか? 建物の特定にはどのような情報が用いられたのか? 民間人の犠牲を防ぐためにどのような予防措置が取られたのか? 彼らは3月18日を期限としたが、ヘグセス長官は回答しなかった。国防総省は4月に独自調査を完了したと報じられているが、まだその調査結果を議会や国民に公表していない。

 それからわずか6か月後、アメリカ・ミサイルがイランの結婚式を攻撃したことで、標的選定、情報収集、民間人保護に関する同じ疑問が再び投げかけられている。そして、クヘスタクでの悲劇は、更に長い、より憂慮すべきパターンの一部だ。アメリカは、結婚式を何度も惨劇の場に変えてきたのだ。

 実際、2001年以降、アメリカ軍は少なくとも8件の結婚式や結婚行列を爆撃している。

 2013年に『ザ・ネイション』誌が発表した歴史的検証によると、2001年から2013年の間に、アメリカは少なくとも8件の結婚式や結婚式行列への攻撃を実施した。内訳はアフガニスタンで6件、イラクで1件、イエメンで1件だ。これらの8件の攻撃による死者数は推定300人近くに上る。

 最も悪名高い攻撃の一つは、2002年7月にアフガニスタンで発生した。米軍機がウルズガン州で行われていた結婚式を攻撃したのだ。数十人の民間人が死亡したとアフガニスタン当局は発表した。2008年にも、アフガニスタンで結婚式が空爆被害に遭い、花嫁を含む47人の民間人が死亡したと報じられている。

 アメリカはイエメンでも結婚式を攻撃している。2013年12月12日、アメリカ無人機がラダ市近郊で、11台の車両からなる結婚式車にヘルファイア・ミサイル4発を発射した。少なくとも15人死亡し、15人が負傷した。花嫁自身も破片に当たった。

 ヒューマン・ライツ・ウォッチはこの攻撃について徹底的な調査を行った。目撃者によると、新婚夫婦を乗せた50人から60人の祝祭車列にミサイルが突然命中したという。ある生存者はその恐怖を簡潔にこう要約した。「私たちは結婚式に出席していたのに、突然葬式になってしまったのです。」

 当時、CODEPINKは真相究明と、アメリカ政府による被害者への謝罪と賠償を求める活動を展開した。私たちはホワイトハウス前で結婚式の衣装を着て模擬結婚式を行い、ドローン攻撃を再現し、喜びにあふれる家族の祝宴が突然惨劇の場へと変貌するとはどういうことかをアメリカ国民に示した。

 民間人を標的にしていないと米軍は主張している。だが世界で最も高度な監視システムと精密誘導兵器を保有する国が、結婚式で家族を殺害したり、学校で子供たちを殺害したりといった事件を戦争につきものの避けられない混乱だと片付けることはできない。

 米軍がクヘスタクで何を標的にしていたのか正確に把握していたなら公表すべきだ。近くの通信塔が標的だったのか? 近くに他に軍事目標とみなされた場所があったのか? なぜ結婚式参列者でいっぱいの家のすぐ近くにミサイルが発射されたのか? 事前にどのような偵察が行われたのか? そして、そこに民間人が集まっているのを指揮官たちは知っていたのか?

 ミナブ小学校爆撃の事例と同様、独立調査が行われるべきで、保有する監視映像や標的に関する情報を国防総省は全て公開すべきだ。

 アフガニスタン、イラク、イエメン、そして今やイラン、アメリカ国民はこう問うべきだ。「一体いくつの結婚式が葬式に変わったら、我々は自国に民間人殺害をやめるよう要求するのか?」そして、更に大きな疑問がある。なぜアメリカ軍は、そもそも我々に何の脅威も与えていない人々に対して何度も何度も戦争を仕掛けるのか?

元の記事:medeabenjamin.substack.com

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/09/04/the-u-s-bombed-a-wedding-in-iran-its-not-the-first-time/

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
NYT[6ヶ月に及ぶ紛争経て、自信を深めるイラン] イランは中東地域の標的攻撃能力に自信、米国疲弊に今後数ヶ月間紛争を継続すとみられる。イラン少なくとも中間選挙まで紛争長引かせる意図。イラン依然サイルやドローンの備蓄を維持。ホルムズ海峡軍事情勢把握

2026年9月 4日 (金)

対イラン軍事作戦失敗の証:40兆ドルの債務から史上最も厳しい制裁まで

Simon Chege Ndiritu
2026年8月30日
New Eastern Outlook

 イランに対する厳しい制裁をアメリカは再導入して、何十年も失敗を繰り返してきた、もはや時代遅れの政策に逆戻りしようとしている。資源豊富な国々を何十年にもわたり略奪してきたにもかかわらず、40兆ドルもの債務をアメリカが抱えている事実は、強固な経済を構築するための別の方法をワシントンが模索する必要があることを示している。

 

 債務総額、40兆ドルの大台突破

 アメリカ財務省の数字によると、2026年8月18日に史上初めてアメリカの国家債務が40兆ドルを超えた。IMFは今年のアメリカの債務対GDP比を約125%と推定している。興味深いことに、アメリカのGDP値には既に推定要素が含まれているため、実際の比率はもっと高い可能性がある。例えば、連邦準備制度経済データ(FRED)は、2022年の持ち家住宅の値がアメリカGDPの7.1%に相当すると報告している。これは一つの要素にすぎないため、他の推定要素を含めると、それらの合計割合は2桁の%になる可能性がある。従って、アメリカの名目GDPは提示されているよりも小さく、債務対GDP比は更に高くなる可能性がある。だが、スコット・ベッセント財務長官が8月20日に発表した通り、急増する債務に直面したアメリカ財務省の優先事項は、イラン政府を経済的に孤立させ、最終的に崩壊させることだった。ベッセントは、アメリカはイランに最も厳しい制裁を課すと発表したが、この決定がイランの莫大な石油資源を理由としたものかどうかは明らかにしなかった。だが彼が同じく石油資源が豊富なベネズエラを例に挙げたことと、ワシントンが過去他の産油国に対して行った戦争や制裁措置は無視できない。多くの国が厳しい経済状況に直面し、経済生産の増加、効率性の向上、国民の保護といった対策を選択する一方、ワシントンは産油国の政府を不安定化させ、その資源を支配する動きを強めているように見える。

 厳しい経済状況に直面しているほとんどの国が経済生産量を増やす措置を選択する一方、ワシントンは石油資源が豊富な国の政府を不安定化させ、資源を支配する動きを強めている。

 金の掛かる戦争と悪化する財政状況

 アメリカが対イラン戦争を仕掛けなければ、約1000億ドルの税金が節約できたはずだ。また、対イラン攻撃のために政権が約876億ドルの追加資金を要求したこと、そして、その資金の大部分がイラン爆撃に使われたイスラエルへの250億ドルに加えて、国家債務が40兆ドルにまで膨れ上がるのも遅れさせられたかもしれない。2026年初頭、イランの政権転覆が狙いだとドナルド・トランプ大統領とベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相は公然と自慢した。サウジアラビアやイラクのような傀儡政権の樹立を意味している。それが実現していれば、戦前のイラン原油販売による1日330万バレル以上の収益は米連邦準備銀行に送られ、米国債や国債の資金調達に使われた可能性もある。イランに樹立された傀儡政権はオイル・ダラー協定に署名し、イランの富をアメリカ国債支援に充てるはずだった。だが、それは実現せず、不安定な米国金融市場という結果は誰の目にも明らかだ。

 表向き、ベッセントがイランに対する厳しい制裁をちらつかせ、政権転覆の試みが失敗に終わったのを示唆した一方、危機に瀕していたイラン経済と通貨の管理という、より繊細な問題にも彼は取り組んでいた。2007年の金融危機時の水準を上回った米国債利回り問題にも彼は対処していた。2026年8月18日、アメリカの10年国債債利回りは4.75%、30年債利回りは5.34%に達し、国の借り入れ費用が大幅に上昇した。一方、インフレ率は連邦準備制度理事会の目標2%を上回っていた。これは、政府と企業が、軍事力拡大、AIインフラ構築、製造業の国内回帰のために借り入れを増やしていた重要な時期に起きていた。借り入れの加速は、債務が5ヶ月で1兆ドル増加したことからも明らかだ。更に、連邦予算は2兆1000億ドル、GDPの5.8%に相当する赤字となり、債務の更なる増加を示唆した。

 年間平均1兆ドルという巨額債務に対して、財務省は多額の利息を支払わなければならない。そのため、拡大する財政赤字を補填するためだけでなく、費用の上昇にもかかわらず債務と利息を支払うためにも財務省は借り入れを行っている。借り入れ費用を下げるため、ベッセント財務長官は、短期国債売却で得た資金を使って、満期が10年から30年の証券の購入を毎週40億ドルに倍増すると発表した。この介入で課題が解決する可能性は低い。予想通り、ベッセント長官の発表は利回りを僅かに低下させただけで、この動きは「見せかけ」だと一部専門家は評している。戦争と略奪で、資源を得る中世的な姿勢をワシントンは維持し続けているが、今日の財務省は財宝で満たされているのではなく、益々長い間隔で、より高い金利で履行しなければならない財政上の義務を記録した帳簿で満杯だ。厳しい対イラン制裁は、イランの資源をアメリカ財務省の帳簿に加えることを狙う中世式封鎖に等しい。だが経済的締め付けへの回帰は、何十億ドルも無駄な努力に費やしたにもかかわらず、軍事戦略が失敗に終わったことを意味する。それにもかかわらず、軍事と制裁を組み合わせた封鎖がベネズエラ政府を崩壊させた成功例をベッセントは持ち出し、イランでも同じことが起きると推測した。他国の資源を利用して自国のずさんな財政状況を改善しようというワシントンの狙いで、これほど明白な例はない。

 窃盗で経済の悪弊を解決できるのか?

 ベネズエラの膨大な原油埋蔵量を活用して、悪化する財政状況を好転させることをワシントンは未だ実現できていない。略奪だけで経済を活性化させることはできない。2026年1月にベネズエラ政府を転覆し、世界最大の3030億バレルの原油埋蔵量を事実上掌握したにもかかわらず、アメリカの国家債務は以来1兆ドル以上増加している。ベネズエラ原油だけでも、1バレル50ドル以上で売却すればアメリカに15兆ドル以上の収入をもたらすが、これほど大量の原油を短期的または中期的に売却すれば、価格はゼロに暴落する。また、ワシントン経済は原油採掘を拡大できないため、当局はイラン原油を盗もうと躍起になっている。イランは採掘インフラが十分整備されているためだ。だが1万1000キロ以上離れた人種差別主義国家に自国資源を奪われるのをイラン国民は望んでいない。40兆ドルの債務の穴から抜け出すためワシントンは他国資源を盗む以上のことをする必要があるのだ。

 他国政府や国民に軍事的・経済的圧力をかけるというスコット・ベッセント発言は、21世紀に、国家が体現しうる最悪の強欲と偽善を象徴している。トランプが、当初武器を供給し、その後、子どもやインフラを爆撃して「支援」しようとしたイラン人が、今後、過酷な制裁により、生活必需品への入手が更に制限されることになるのは今や明らかだ。アメリカ政権は、過去47年、何の成果も上げずに維持してきたイラン制裁という陳腐な政策に逆戻りせざるを得なくなった。今日、状況は大きく異なっている。イランはホルムズ海峡を封鎖する能力という対抗手段を習得しており、これは欧米諸国の消費者物価上昇に加え、ドル建て国際貿易を減少させ、ワシントンの収入を制限し債務問題を悪化させる。

 Simon Chege Ndirituはアフリカ出身の政治評論家、リサーチ・アナリスト。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/30/signs-of-military-failure-in-iran-from-40-trillion-in-debt-to-toughest-sanctions-in-history/

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
CNN:戦争が「お金の調達コスト(金利)」を押し上げ、これは世界経済にとって懸念材料、世界で最も重要な市場である米国債市場で、警戒信号が点滅。米国、40兆ドルに上る巨額の債務。債券市場逼迫は、消費者―住宅ローンコスト、企業―借入コスト、政府―資金調達コスト押し上げ。

2026年9月 3日 (木)

おい、アメリカ人! イランと戦争して借金から逃れよう!



現代のディストピアでは、兵役志願と引き換えに債務免除を若いアメリカ人に与えることで、対イラン地上侵攻に必要な兵力をアメリカは確保できると戦争専門家たちが示唆し始めている。

ケイトリン・ジョンストン
2026年9月3日

 ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。

 現代のディストピアでは、兵役志願と引き換えに債務免除を若いアメリカ人に与えることで、対イラン地上侵攻に必要な兵力をアメリカは確保できると戦争専門家連中が示唆し始めている。

 まあ、時間の問題だったのだ。

 “The war with Iran will not be won through airstrikes, so what’s left?”「イランとの戦争は空爆では勝てない。すると他に何が残されているのか?」と題する記事で、エルサレム・ポストのAJ・ジャフは下記のように書いている。  
「対イラン地上侵攻に必要な兵力数に比べて、米兵の応募数は依然少ない。イランの31の地方司令部とモザイク防衛教義に対する地上作戦を成功させるには、75万人から150万人の米軍兵士が必要だと推定されている。現在の米軍兵力は約45万2000人だ。明らかに計算が合わない。」
 
「だが、アメリカの歴史に基づけば前進の道はある。第一次世界大戦時代の徴兵制や強制徴募ではなく『債務免除プログラム』による入隊だ。」
 
「18歳から34歳のアメリカ人には、平均、学生ローン、クレジットカード残高、自動車ローン、個人ローンなどを含め、住宅ローン以外の負債が4万ドル以上あり、中には10万ドルにも達するという試算もある。」
 
「これこそ国防総省が必要としている人材層だ。連邦政府が運営する債務免除入隊プログラムで、24ヶ月または36ヶ月の兵役後に学生ローン、クレジット・カード、その他のローン残高を全額免除し、GI法を延長すれば、大規模志願入隊が実現する。」
 
「これは理論上の話ではない。」
 
「これは、アメリカ政府が自力で確保できない人材が必要になった際、これまで常に行ってきたことを実行するに過ぎない。第二次世界大戦では、GI法が制定され、ベトナム戦争では、大学入学猶予が与えられた。9.11後の戦争では、契約一時金や市民権取得への道が提供された。対イラン戦争では、債務救済が必要になるだろう。借金を抱えた20代、30代のアメリカ人の経済状況を考えれば、これは国防総省とトランプ政権にとって最も効率的な人材採用手段だ。」
 
「これに対する倫理的解釈は不快なものだが、各国は自国国民に有効な誘因で、必要な兵士を確保している。」

 今月初めに同じ主題でツイッターに投稿した文章で、AJ・ジャフはより率直な言葉遣いをしていた。  
「4万5000ドル以上の借金に何十年も縛られるのか、数年間の兵役で借金が帳消しになり、新たなスタートを切れるかの二択なら、多くの絶望的な若者は前者を選ぶだろう。それは『戦争を支持している』からではない。まるで檻のように借金が彼らを縛り付けており、兵役こそが、そこから抜け出す唯一の道だからだ。」
 エルサレム・ポストによると、ジャフはカナダ人で、現在名前が明かされていない「多国籍組織」のセキュリティ責任者を務めており、著者経歴紹介では「カナダ軍退役将校で、国際安全保障、危機管理、地政学的リスクに関する著名専門家」と紹介されている。

 これ以外、ジャフに関する情報はほとんど公開されていないにもかかわらず、イスラエル最大級の英字新聞の一つが彼を大きく取り上げている。従って、この考えは、今後他の場所でも再び浮上してくると予想される。

 これはまさに、アメリカ帝国の醜悪な側面全てを一つにまとめたようなものではなかろうか? 生まれた惑星で暮らす「特権」のために、人々に借金を背負わせるディストピアに生き、山のような借金に苦しむアメリカ国民は、いつかは経済的に息をつけるようになるの夢見て、海外での帝国主義的侵略戦争に志願して、人を殺しにゆくのだ。

 おそらくこれまで人々が思いついたもの中でも最もアメリカ的な発想だ。

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 植草一秀の『知られざる真実』
沖縄の近未来を定める選挙
 「日本の近未来をも定める選挙」ではと素人は愚考する。

対イラン戦争:アメリカの海峡機雷除去計画を革命防衛隊が阻止

2026年8月31日
Moon of Alabama

 先週金曜、8月28日、米中央軍はホルムズ海峡から全ての機雷を除去したと発表した。  
米中央軍(CENTCOM)は、米軍がホルムズ海峡の国際的に認められた航路からイランの機雷を除去し、航路は商業船舶に開放されたと発表した。

 この発表は、ドナルド・トランプ大統領が米軍が海峡の国際水域で機雷を除去または爆破したと先に述べたことを受けてのものだ。クーパーの最新映像は、航路分離計画がクリアされたことをCENTCOMが正式に作戦上確認した内容となっている。
 アメリカの立場からすれば、これはもちろん朗報だった。

 一つ小さな問題があった。誰もそれを信じてくれなかったのだ。  
アメリカ同盟諸国は、一部機雷が除去されていない可能性があると非公式に評価している。国際海事機関や業界団体による以前の推定では、歴史的な航路に存在する機雷の数は約80個とされていたが、一部の評価では、もっと多いとされていた。

 また、海流によって機雷が移動する可能性があり、主要監視航路の外側にも残留リスクが残る可能性があると連合国当局は警告している。

 国際海事機関(IMO)および海事情報センターは、引き続き船舶に対し、当該海域では最大限の注意を払うよう勧告している。海運会社および保険会社も、それぞれ独自のリスク評価を実施している。
 イランは、船舶に対し自国が指定した航路以外一切使用しないよう警告を続けた。

 (ただし、実際地雷が敷設された証拠は今のところ見つかっていない。)

 日曜日、アメリカがホルムズ海峡北端に位置するララク島のイラン軍陣地を攻撃したとイランは発表した。これは、比較的平穏な状態が1か月続いた後の初めての攻撃だった。この攻撃により、イラン兵数名が死傷した。

 米中央軍は後にこの攻撃を確認した。  
米中央軍(CENTCOM)によると、米軍は日曜日、ホルムズ海峡の島にあるイランのロケット発射台二基を攻撃した。これは数週間ぶりに公式に確認された対イラン攻撃だ。

 TIME誌への声明で、CENTCOM報道官、ティム・ホーキンス大尉は、ララク島の発射台攻撃を確認した上で、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が「海底機雷を搭載したロケットを海峡に向けて発射する準備をしているのが確認された」と付け加えた。
 イランは、最大100キロの距離まで機雷敷設できるFajr-5ミサイルを保有している。ララク島から発射された機雷は、海峡全域とアラブ首長国連邦の東西海岸沿いに敷設される可能性がある。

 イラン革命防衛隊(IRGC)は米軍攻撃に対する報復を誓い、数時間後にヨルダンにある米軍基地に向けてミサイルを発射した。  
月曜朝に発表した声明で、「侵略者への懲罰」と名付けられたミサイルとドローンを組み合わせた作戦が、米軍が駐留するキング・フセイン基地とアル・アズラク基地を標的としたとイラン革命防衛隊は述べた。

 この作戦は「技術・修理インフラ、および敵戦闘機の配備拠点」を攻撃し、侵略者の軍事資産に甚大な損害を与えた。
 ヨルダンからの映像には、複数防空ミサイル発射が映っていた。イランの攻撃による被害の報告は今のところない。

 イランは追加的報復として、アラブ首長国連邦にある米軍拠点を標的とするドローンを発射した。  
月曜朝の声明で、今回の攻撃には数十機の自爆ドローンが使用され、ドバイの南約24キロに位置するアル・ミンハド空軍基地にある米軍ヘリコプターと人員駐留施設が攻撃されたと軍は発表した。
 アラブ首長国連邦は、自国の防空システムが一部ドローンを迎撃したと発表したが、その結果や影響は明らかにしなかった。

 イランはその後、アメリカ兵器に対する三度目の攻撃を発表した。  
イスラム革命防衛隊(IRGC)は、ホルムズ海峡上空でアメリカのMQ-9長距離無人航空機を撃墜したと発表した。

 月曜日の声明で、当該ドローンは同部隊の最新鋭防空部隊からのミサイル攻撃を受け、ペルシャ湾の海域に墜落したとイラン革命防衛隊は発表した。
 紛争中、イランは、1機3000万ドルのMQ-9ドローンを合計50機以上撃墜した。

 アメリカの拠点や施設に対する三回の攻撃は、アメリカの攻撃に対する意図的な不均衡な反撃だ。

 イラン・イスラム共和国は追加発表で、海峡で大型タンカーが機雷二個に接触したと報告した。  
イスラム革命防衛隊(IRGC)海軍によると、ホルムズ海峡で許可されていない航路を航行しようとした大型タンカーが機雷二個に接触し、船内で大規模火災が発生し完全停止した。

 イラン革命防衛隊海軍は月曜日に発表した声明で、当該タンカーがイスラム共和国の海上安全保障規則で認められていない航路を通ろうとしたと述べた。
 船舶の損傷に関して、独立した情報源による確認はまだ得られていないものの、イランの公式声明は真実だと考えるのが妥当だ。

 かくして、海峡を再開するため全ての機雷が除去されたと宣言する中央軍の計画は失敗に終わった。

 海峡を完全に支配しているのは、明らかに、依然イランだ。

 石油輸送タンカーの中には通過を許されているものもあるが、それらタンカーの中にはイラン産石油を積んでいるものもあり、それによりアメリカが課したイラン封鎖を回避しているという噂もある。

 上記小競り合いの結果、ブレント原油価格は2%上昇した。

 一方、米軍は報道機関にイラン作戦全体を非難する報告を「漏洩」し続けている。  
ピート・ヘグセス国防長官のために作成された最近の評価報告書に詳しい関係者によると、対イラン大規模作戦の長期化は持続不可能で、アメリカ本土を含む他地域での脅威に対処する能力を弱める危険性があると複数米軍幹部がヘグセス長官に助言したという。

 陸軍、海軍、空軍の各司令官と、ヨーロッパ、アジア、中南米全域での米軍作戦を統括する四つ星将軍らがヘグセス国防長官に詳細に伝えた警告は、8月14日版の国防長官命令書(SDOB)に掲載されていると関係者らは述べた。文書は機密扱いなため、匿名を条件に彼らはワシントン・ポストにその評価内容を説明した。
 今回の情報漏洩は、弾薬不足や米軍兵器の長期配備に対する懸念を訴える声が上がった後に起きた。

 国防長官の決定に国防総省内部が相当不快感を抱いているのは明らかだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/08/war-on-iran-irgc-defeats-u-s-strait-clearing-scheme.html

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 植草一秀の『知られざる真実』
金利上昇株価下落円安の背景

2026年9月 2日 (水)

トランプは次は一体どの国を「くじ」で当選させるのか?

ヘンリー・カメンズ
2026年9月1日
New Eastern Outlook

 現代の地政学は、益々「くじ」に似てきている。アメリカが番号を引き、当選した国は賞品ではなく石つぶてを浴びせられる。群衆は拍手喝采を送るが、なぜ石を投げつけるのかは決して問わない。

 

 「くじ」には様々な意味があるが、1950年代後半から1960年代前半に生まれた私たち、そしてそれを認める人たちにとって、この言葉は今でもシャーリー・ジャクスンの同名の短編小説『くじ』を想起させる。静かなアメリカの村で毎年人々が集まり、黒い箱からくじを引き、トウモロコシの収穫が平年通りになるよう「当選者」を石打ちで殺害するのだ。

 劇的展開も反抗もなく、ただ伝統と隣人同士の笑顔と、のんきな石集めがあるだけだ。

 若い読者は、むしろ映画の『ハンガー・ゲーム』を思い浮かべるだろう。そこでは、首都が各地区から貢ぎ物を選び出し、殺戮を華やかな儀式で飾り立て、娯楽として放送する。暴力は演劇的で、不平等は明白で、見世物自体が目的だ。

 今日でも、この儀式は全く同じ論理で続けられている。「これは外交政策だ」「約束を守らなければならない」という理由で、私たちは国民全体を粉砕機に投入する。そして群衆は、なぜポケットに石を入れているのかと問えば、非愛国的だとレッテルを貼られることを恐れ、ただ頷くだけだ。

 ジャクスンの短編小説「くじ」は、より古く、より冷酷な恐怖だった。群衆は儀式自体には疑問を抱かない。なぜなら、儀式こそ共同体そのものだからだ。今日の舞台は、その現代版と言える。国家権力がプライムタイムの商品へと変貌し、企業スポンサー、ファッションと、統制されたメディアを通じて巧妙に管理された怒りまで備えている。

 今日の地政学的視点から見ると、どちらの物語もフィクション小説というより、操作マニュアルのように感じられる。片方の物語は「昔から我々はこうやってきた」という理由で石を投げ続ける、思考停止した村の様子を描いている。

 もう一方の作品は、犠牲を必要不可欠で、魅力的で、避けられないものとして売り込む、洗練された演出を示している。

 現実世界で、依然賭けは行われ、競技場は開かれ、観客は依然観戦している。ただ、今やトウモロコシは契約、影響力、四半期ごとの収益で測られるようになっただけだ。

 ああ、現代の「くじ」では、大当たりは数百万ドルではなく、その週の地政学的生贄になるための全額自己負担切符だ。

 現代にシャーリー・ジャクスンが執筆していたら、村の広場や不在通知の箱を創作する必要はなかっただろう。ホワイトハウスの記者会見を見たり、24時間ニュースネットワークをつけたり、ドナルド・トランプ、あるいは「平和を愛する文明的な欧米諸国」指導者が国際介入という名の回転マトを回す様子を眺めたりすればよかったのだ。

 現代版宝「くじ」の当選者たち

 パレスチナ様:おめでとうございます! 延延続く「人道介入」くじが当たりました!

 あなたの景品は? 悪夢のような現実を生きながら、何十年にもわたり言葉のピンポン玉のように扱われること。その間、「ジェノサイド」という言葉が晩餐の席での会話に不適切かどうかを議論するため欧米諸国の指導者たちは列をなしている。

 ウクライナ様:どうぞ、肉挽き装置へお入り下さい!

 ここでいう当選は、歯車を回し続けるのに十分な兵器を手に入れ、食糧供給を維持し、防衛関連企業の株価を上昇させ続けることで、全て「民主主義を守る」という崇高な旗印の下で行われる。

 次の幸運な挑戦者:次に投石の標的になるのは誰だろう? 台湾か? イランか? それとも中東の別の地域か? このシステムの魅力は、まさにそのスリルにある。

 この「くじ」の素晴らしいところは、常に石が用意されていて、投げるボランティアや参加者に事欠かない点だ。

 故ヘンリー・キッシンジャーが実に巧みに指摘した通り、アメリカの敵になるのは危険だが、アメリカの友人になるのは命取りになりかねない。

 湾岸諸国の様々な勢力は、この教訓を痛いほど思い知らされている。基地を誘致し、豪華な贈り物を贈れば、揺るぎない無条件の忠誠をアメリカから得られたと思い込む。だが、細かい条項をよく読んでみると「揺るぎない」というのは、次期政権の気分、原油価格、次の選挙、あるいはレイセオン社の次期四半期決算報告によって変わる、いわば、ある季節だけの約束に過ぎないことがわかる。

 この宝くじでは全員が当選者だ。ただ、賞品によって、他の賞品より多く度爆弾バン団の破片が伴うだけだ。

 フィクション小説は警告だった

 本当にすごいことではないか。ベビーブーマー世代は60年代と70年代に教室に座り、ジャクスンの『くじ』を読み、オーウェルの『1984年』をざっと読み、ハクスリーの『すばらしい新世界』をめくり、こう考える。  
「ああ、これは無思慮な同調や国家による統制や人為的に作り出された同意の恐ろしさに関する明確な警告だ。」
 だが、どういうわけか、国家機関は同じ本を手に取り、設計図を見て「これを書き留めておけ!」と言ったのだ。

 当時、批判的思考とは、ジャクスンの話の本当の恐ろしさは石を投げることではなく、なぜ石を投げるのか誰も疑問に思わなかったこと、つまり「6月は宝くじの時期だし、トウモロコシが豊作になる時期だ」という理由だけだったのに気づくことだった。

 今日でも、この儀式は全く同じ論理で続けられている。「これは外交政策だ」「約束を守らなければならない」という理由で、国民全体を粉砕機に送り込む。そして群衆は、なぜポケットに石を入れているのかと問えば、非愛国的だとレッテルを貼られることを恐れ、ただ頷いているだけだ。

 「トラウマ」に関する世代間の巨大な変化

 もちろん、現代の視聴者層に触れずに「くじ」について語ることはできない。

 昔は『くじ』のような物語は健全で爽快な衝撃を与えてくれた。胃の奥底から湧き上がるような不安感は、権威に疑問を抱かせ、群衆を恐れさせるものだった。ところが今日では、少しばかり心を乱すような文章を読むだけでも、トリガー警告、安全な場所と架空の登場人物が経験する想像上の運命による精神的苦痛から回復するために三日必要になる。

 一方、現代の若者が不快な文章をフィルタリングするまさに同じ画面上で、ガザ、イラン、ヨルダン川西岸、ドネツクなどから、アメリカの税金で賄われた高画質のホラー映像がライブ配信される。

 私たちは実に驚くべき社会を作り上げてしまった。古典文学により深いトラウマを負う一方、実際の戦争には全く無感覚な社会だ。シャーリー・ジャクスンは時代を先取りしていただけでなく、村人たちがどれほど熱心に石を集めるかを控えめに表現していたのだ。

 次に呼ばれる国は一体どこだろう? 引き続きニュースをご覧ください。「くじ」抽選は生中継で行われます。

 話題を呼ぶ方法は様々だが、例えば「アメリカの研究所には生物兵器が隠されているのか?」という見出しを次に掲げるのは、強力なフックだが、非常に具体的な事実上の意味合いを含んでいる。つまり、アメリカが資金提供する研究所に実際にどのような生物兵器が隠されているのか、そしてその理由は何なのかだ。

 中には、ただ傷を負わせるだけで、苦痛の中でゆっくりと死に至らしめ、集団墓地に投げ込まれる前に他の人に感染させるような石もある。

 「くじ」の回転マトに注目。

 トランプ、あるいは『オズの魔法使い』のように幕の裏でレバーを握っている人物が、まもなく別の番号を発表し、群衆は合図に合わせて歓声を上げ、別の国が、この特定の宝くじで「当選する」ことは、まず石を投げつけられ、後から報道発表を受け取ることを意味するのだと気づくことになる。

 シャーリー・ジャクスンは一つの村で十分だった。そのモデルを我々は地球全体に広げて、生中継、防衛産業の後援、そして実際の死者数よりも、短編小説の内容に憤慨する大衆まで含め、規模を拡大したのだ。

 トランプがしている名称変更は『素晴らしき哉、人生!』でポッターが町をポッターズビルと改名するのと同じ話だ。トランプはワシントンDCを「トランプ地区」と改名するつもりだ。

 儀式は続く。

 似たような主題だが、異教徒たちは、豊作を祈願して精霊に「生贄」を捧げるため、外部から無防備な人物、つまりウィッカーマンを自分たちのキャンプに誘い込む。

 映画『ウィッカーマン』も同様で、豊作を祈願し、人間を生贄に捧げる異教の儀式を描いている。例えば、ネバダ州で毎年開催されるバーニングマン・フェスティバルは、人間を生贄に捧げる部分を除けば、この儀式を再現している。

 バーニングマンは正式な宗教や人身御供を伴わない催しだが、頂点は古代収穫祭の伝統を彷彿とさせる。何階建てもの高さの巨大な「男」が燃え尽きるのを参加者たちは見守り、この催しを儀式的浄化、一時的共同体の祝祭、火を通じた象徴的再生として捉えるのだ。

 昔よく言われたように、もうすぐトウモロコシが実り始める!

 次に箱から引き出された紙片にあなたの国の名前が書いてあっても驚かないで頂きたい。このゲームで本当の敗者は、宝くじが公平だと信じ、自分の番号が当たるはずがないと信じている人々だけだ。

 ヘンリー・カメンズはコラムニスト、中央アジアおよびコーカサス地方の専門家

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/09/01/which-country-will-trump-let-win-the-lottery-next/

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 一行追加したくなった。

 日本の皆様: おめでとうございます。アメリカ専用ATM役と最前線不沈空母役に当たりました。

 東京新聞 夕刊 二面  
 ガザの少女と救助隊殺害 全容再現

 ハニア監督 インタビュー

 4日から映画を全国公開

 ガザの少女殺害、救急車も破壊…「娘の死を世界に届けて」 映画監督に託された母親の願い

2026年9月 1日 (火)

彼らは何が起きるか知りながら、ロシアを追い詰めた。

フィル・バトラー
2026年8月29日
New Eastern Outlook

 ヨーロッパはウクライナ戦争をロシアの突発的侵略として描き続けているが、それはNATOの30年にわたる東方拡大の結果であり、ウクライナが戦場となるまでそれを無視することを欧米諸国は選んだのだ。

 

 ウクライナ戦争に関するヨーロッパの議論には、特異な不誠実さが潜んでいる。4年以上にわたる破壊、数百万人の避難民、数十万人の死傷者、そして認識できないほど変貌したヨーロッパの安全保障秩序を経てなお、主流の政治的言説は、ロシアの軍事介入を、まるで歴史的空白から突然現れたかのように扱っている。その言説はこうだ。モスクワが侵攻し、ウクライナが攻撃され、ヨーロッパが対応した。これが、一般的に語られる物語の始まりであり終わりだ。

 歴史はそういう風には進まない。戦争は2022年2月にロシアの戦車がウクライナ国境を越えた時に始まったのではない。その時始まったのは、数十年にわたり積み重なってきた対立が、壊滅的な軍事的展開を迎えたことで、その結果は、最も直接的に関わってきた人々によって公に、繰り返し語られてきたのだ。

 いわゆる侵略は、侵略行為への対応なのだ。確かに、この作戦はウクライナの主権を侵害し、いかなる戦略的不満も帳消しにできない人的犠牲をもたらした。これら事実は変わらない。しかし、だからといって、NATOと欧州連合が、ロシアの突然の西進を傍観していたという虚構を正当化するものではない。

 誰かが移動した。問題は、誰が誰の場所に移動するのかだ。

 同盟軍は東へ進軍した

 欧州は、根本的な疑問に答えを出せていない。一方の側が、主権国家としての立場を自由に選択することが、他方の側に、存亡に関わる軍事的脅威とみなされる場合、いかにして永続的安全保障秩序を構築するか、という疑問だ。

 ヨーロッパの半分を占領していたソ連軍に対抗する防衛同盟として、1949年にNATOが設立された。ソ連崩壊後も、同盟は解散も凍結もせず、拡大を続けた。1999年にはポーランド、ハンガリー、チェコ共和国が加盟。2004年にはバルト三国、ルーマニア、ブルガリア、スロバキア、スロベニアが続いた。2009年にはアルバニアとクロアチア、2017年にはモンテネグロ、2020年には北マケドニア、そして2022年以降にはフィンランドとスウェーデンが加盟した。これら加盟はいずれも、加盟国による主権的選択だった。また、いずれも欧米諸国の軍事体制で、インフラ、基準、訓練、計画を残されたロシアの戦略的深度に近づけるものだった。

 ロシアはポーランドを併合しなかった。戦闘旅団をエストニアに駐留させなかった。冷戦後の秩序の前提条件として、リトアニア沖で海軍演習を実施しなかった。欧米軍事体制の物理的移動は東方へと向かった。これはロシアの主張ではなく、地図上の事実だ。

 地図上の最先端にウクライナは位置していた。セヴァストポリは抽象的な象徴ではなかった。そこはロシア黒海艦隊の主要基地で、トルコ海峡を経由してロシアと地中海を結ぶ南の海上玄関口だった。クリミア半島の軍事地理を支配する者は、黒海北部で圧倒的優位性を得る。モスクワにとって、ウクライナは単なる隣国ではなかった。南西国境に設けられた戦略的緩衝地帯と、その国境に面して位置する敵対的同盟の軍事インフラとの決定的な違いだった。

 プーチンの歴史観、国家としてのウクライナの地位に関する主張、あるいは彼の政治体制を欧米諸国は受け入れる必要はなかった。ただ一つ信じるべきことは、ウクライナを欧米の軍事拠点に変えることを、ロシア指導者たちが存亡に関わる問題だと訴えた時、彼らが本気でそう思っていたことだけだった。そうした警告を単なる主張として扱うのは、賢明な判断とは言えず、むしろ賭けだった。

 ヨーロッパは賭けに出た。

 警告は方針だった

 NATO拡大は続いた。ウクライナと欧米諸国の軍事協力は深まった。ウクライナ軍はNATO体制との相互運用性が益々高まった。加盟はちらつかされ、約束され、延期され、再び約束された。2008年のブカレストは、ウクライナが「加盟国になる」と宣言した。2023年のヴィリニュスは加盟行動計画の要件を撤回し、その道は「不可逆的」だと述べた。2024年のワシントンは同じ定式を繰り返した。2026年のアンカラは、2026年までに700億ユーロの軍事装備、支援、訓練を約束し、共同産業プログラムを創設したが、それでもウクライナを第5条の対象外とした。

 最後の点は、しばしば弁護として用いられる。ウクライナはNATOに加盟していない。従って、NATOはウクライナに拡大していない。この弁護は見た目ほど強力ではない。正式加盟はその手段の一つだ。相互運用性、兵器供給経路、情報融合、訓練、長距離攻撃兵器の共同生産、キーウでのNATO・ウクライナ理事会会合などがその手段だ。2026年6月3日、ウクライナの地で初のNATO・ウクライナ理事会会合が開催された。7月、フィンランドのアレクサンダー・スタブ大統領は、現在の形式を「32プラス1」と表現した。現在ロンドン駐在大使のヴァレリー・ザルジニーは、実際の加盟の現実的な見込みはないと述べた。結果として、抑止理論にとって最悪の事態が生じている。ウクライナは、その地位を明確にする条約上の保証がないまま、事実上、欧米体制の軍事構成要素として扱われている。モスクワからすれば、「同盟国」と「メンバー」の区別はそもそも問題ではなかった。要点は、欧米の軍事力が、かつてソ連の西側軍事拠点だった地域に到達したことだった。

 時間を稼いだだけで、平和を買ったわけではないミンスク合意。

 ミンスク合意は、ドンバスでの戦闘を終結させようとした失敗に終わった試みとして記憶されている。それは技術的には正しいが、戦略的には不完全だ。またミンスク合意は、より大規模な戦争を防ぐ可能性があった政治的解決を目指したヨーロッパ最後の主要な試みでもあった。後に、アンゲラ・メルケル首相はこの合意により、ウクライナが軍隊を強化する時間を得られたと述べた。主要立案者の一人が、ミンスク合意を、一方の側を武装させる一時的な休戦と理解していたのであれば、当時の外交史は誠意ある解決の物語ではなく、引き延ばしの物語だ。休戦期間中、訓練は拡大し、武器が到着し、情報協力は深まった。ウクライナ軍はより有能になり、NATO軍との連携もより緊密になった。ロシアの視点から見れば、戦略時計は逆方向に動いていた。モスクワが待てば待つほど、欧米諸国と連携するウクライナ軍は強くなった。これはロシアが侵攻を余儀なくされたという意味ではない。国家は常に選択肢を保持している。これはロシアが利用できる選択肢が時間とともに狭まっていったことを意味する。

 外交は、相容れない二つの安全保障構想を調和させるためではなく、どちらか一方が自らの望む現実を押し付けるほど強力になるまでの期間を乗り切るために益々利用されるようになっていった。2022年2月は不可解な断絶ではなかった。それは、欧州安全保障体制に蓄積された矛盾がもはや抑えきれなくなった瞬間だったのだ。

 かつて否定していたものを、今になって構築しているヨーロッパ。

 2026年8月24日、ウクライナは独立回復35周年を迎えた。欧州理事会議長のアントニオ・コスタはキーウに立った。イギリスのアンディ・バーナム首相は首相就任後初の外遊先としてウクライナを訪れた。北欧諸国とバルト諸国の首脳は前日ウクライナに到着し、ウクライナはEUとNATOに属するべきだと宣言した。欧州委員会は防空、ミサイル、弾薬、レーダーのために更に61億ユーロを承認した。イギリスは、ウクライナが長距離ミサイルを国内で組み立てられるよう、ストームシャドウ/SCALPファミリーのイギリス製部品に関する機密情報を公開することに同意した。有志連合も同日会合を開いた。

 EU自身の数字によれば、ロシア侵攻以来の支援総額は2200億ユーロを超えている。2026年から2027年にかけての900億ユーロのウクライナ支援融資のうち、約600億ユーロが軍事目的、300億ユーロが財政支援に充てられる。アンカラで2026年の軍事援助として700億ユーロをNATO加盟国は約束した。これはもはや緊急応急処置ではない。恒久的軍事関係の構築だ。ここに痛烈な皮肉があり、それを容赦なく述べなければならない。ヨーロッパは今、公然と、産業規模で、モスクワが長年受け入れないと言い続けてきたウクライナと欧米諸国との戦略的関係を構築している。これはウクライナの国家性について、ロシアが正しいということを意味するものではない。戦争の道義的責任がクレムリンにあることを意味するものでもない。予測は正当化ではない。だが、警告は想像上のものではなかったことを意味する。

 欧米諸国は自陣に留まらなかった。条約の拡大、協力関係の構築、そしてウクライナを欧州防衛システムの生産拠点として東方に進出した。ロシアは武力で応じた。これらの動きのうち、一つは主権選択の原則に基づく合法的なものだった。もう一つは侵略戦争だった。どちらも確かに動きだった。片方だけが出発点から動いたと装おって、欧州は同じ試練に何度も失敗し続けているのだ。

 決して答えられなかった問い

 ロシアの警告を無視する当初の論拠は、モスクワには近隣諸国の同盟関係に正当な拒否権はないというものだった。現在、ウクライナ関係の軍事化を正当化するために用いられている論拠は、ロシアが二度とこのような形でヨーロッパを脅かすのを許してはならないというものだ。どちらの論拠にも、現実的な懸念が含まれている。だが両者を合わせると、ヨーロッパの失敗が明らかになる。ヨーロッパは、一方の主権に基づく同盟関係の自由が、他方からは存亡に関わる軍事的脅威とみなされる状況で、いかにして永続的安全保障秩序を構築するかという根本的問いに決して答えを出さなかった。その代わり、ロシアの認識は願望だけで、消し去れると想定していた。だが現実はそう簡単にはいかなかった。

 主権は地理的制約をなくすものではない。道徳的確信は軍事的現実を消し去るものではない。国家は同盟に参加する権利を持ちながら、別の核保有国が最後の緩衝地帯とみなす地域に依然存在し得る。この二つの事実を同時に受け入れようとしない政策は、原則に基づかない不完全な政策だ。ウクライナの独立は現実のものだ。ウクライナ国民はそれを維持するために並外れた犠牲を払ってきた。それは無条件に認められるべきだ。いずれにせよ、その独立を取り巻く戦略的環境は変化した。1991年のウクライナは、権力中枢の間に位置していた。2026年のウクライナは、ヨーロッパの戦争産業、防空、長距離攻撃兵器の生産と、政治的アイデンティティに組み込まれつつある。独立記念日にキーウに集まったヨーロッパ指導者たちは、単に国家の記念日を祝っていただけではない。ウクライナの安全保障がヨーロッパ自身の安全保障に吸収されたことを彼らは確認していたのだ。それがモスクワが描いた目的地だ。ヨーロッパはその描写を拒否し、その後、より長く血なまぐさい道のりを経てそこにたどり着いた。

 問題は、それら警告が道徳的に魅力的だったかどうかではない。戦略的に現実的なものだったかどうかだ。もしそうだったとすれば、この戦争はロシアによる侵攻とウクライナの抵抗の物語にとどまらない。それはまた、30年間東へと進軍し、東へ進軍することに何ら悪影響はないと自らに言い聞かせ、今や自らが占める地位を守るため血と財産を費やしている欧米安全保障体制の物語でもある。

 どちらがどちらに陣取ったのか?

 同盟は東へと移動した。ロシアは侵攻で応じた。ウクライナは、両者の決断の代償を払う地域になっている。欧米諸国はロシアに屈服する必要はなかった。地図を理解する必要があったのだ。そこには違いがある。そして、その違いこそが、ヨーロッパが書き留めることを拒んできた最も高くついた教訓なのだ。

 フィル・バトラーは政策研究者、評論家、政治学者、東ヨーロッパ専門家で、最近のベストセラー、Putin’s Praetorians(プーチンの近衛兵)」などの著書がある。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/29/they-backed-russia-into-the-corner-knowing-what-would-happen/

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 東京新聞 朝刊 特報面 こちら特報部  
 迎撃ドローン納入支援で「楽天離れ」

 戦争の流れに飲み込まれない

 平和の価値観守る◆小さな選択肢の積み重ね

 軍事技術と民間「表裏一体」

 過ち犯そうとする企業
 止められる消費者

 米中にAI・宇宙分野で後れ、焦り
 UIチャンネル 東アジア共同体研究所
時事放談(2026年8月) 孫崎享 × 鳩山友紀夫 1:09:25
 後半で孫崎氏が北方領土に関する国際法上の事実を解説されている。

2026年8月31日 (月)

35年間の従属を経て、欧米諸国の代理勢力として破壊されたウクライナ



2026年8月28日
Strategic Culture Foundation

 ウクライナは炎ではない。ウクライナは欧米諸国が焼き尽くした焼け殻で、連中の卑劣な駆け引きが終わりを告げれば、やがて捨て去られることになる。

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 今週キーウで行われた「独立記念日」行事は、まさに不条理劇だった。記念式典は、おぞましい嘘とプロパガンダに基づいていた。キーウの国民は、独立や主権や民主主義と何の関係もない欧米帝国主義の野望に操られた腐敗したエリート連中に残忍な人権侵害を受けてきたのが真実だ。

 8月24日(月)、ウクライナの首都に欧州各国当局者が集まり、1991年のソビエト連邦崩壊の中、ウクライナが国家として独立を宣言して以来お35年を祝った。

 この出来事を何か肯定的で意義深いものに見せかけようとするありきたりな努力にもかかわらず、悲しい現実として、祝うべきことなど皆無だ。ロシアという兄弟国と対立させることにより、ある国とその国民が意図的に破壊されたのが恐ろしい真実だ。

 注目すべきことに、象徴的なことに、今週キーウに集まった外国要人の出席状況は今ひとつで、この日に華やかさと厳粛さを与えようとする下手な試みを裏切るものだった。

 催しの進行は空虚で形式的なものに感じられ、実質も信憑性も欠けていた。報道では、トランプ政権を代表するアメリカ当局者は出席しておらず、欧州の出席者も二流だった。EUの最高位代表は欧州理事会議長のアントニオ・コスタ(アントニオって誰?)だった。欧州委員会委員長のウルズラ・フォン・デア・ライエンとEU外務・安全保障政策上級代表のカヤ・カッラスは欠席。フランスのエマニュエル・マクロン大統領とドイツのフリードリヒ・メルツ外相も姿を見せなかった。これらの政治家は、通常、連帯を示すためキーウ訪問に熱心だ。このような重大な機会に彼らが欠席したことは、対ロシア代理戦争としてのウクライナへの敗北主義の匂いが漂っている。

 今週キーウで最も注目を集めたのは、イギリスのアンディ・バーナム首相だった。彼は聖ソフィア大聖堂の外で群衆を前に演説し、選挙で選ばれていないウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の隣に立った。ゼレンスキー大統領は2024年5月に任期が満了して以来、選挙実施を拒否し続けているが、腐敗した彼の政権は、ヨーロッパの民主主義として称賛されている。

 バーナム首相にとって初の海外訪問で、演説は国際的印象を与える絶好の機会になるはずだった。だが首相は、まるで小学生のように、ウクライナの誇大妄想的成果を称賛する原稿を丸暗記して読み上げるだけだった。演説は陳腐な誇張表現の寄せ集めで、約束していた国内経済問題への優先的取り組みを怠ったかどで多くのイギリス国民から嘲笑を浴びた。

 結果的に、キーウに集まった無名の面々は、過去35年、ウクライナの本当の薄っぺらな意義を反映するのに、むしろふさわしいものだったと言える。

 ウクライナの超国家主義者や欧米諸国の寛容さといった言説とは裏腹に、「国家」としてのウクライナの地位は、比較的最近になって人為的に作られたものだ。ソ連から分離した後、1991年に作られた国境は、主張されているように何世紀も前のものではなく、むしろソ連指導部が過去数十年にわたって行ったゲリマンダーリングや駆け引きの結果だ。例えば、クリミアは、ロシア嫌いの超国家主義者に対抗する手段として、1954年にクレムリンの命令でウクライナ・ソビエト共和国の一部になった。クリミア半島やウクライナの他の地域は、何世紀にもわたりロシア帝国の一部だった。ウクライナ自体(ロシア語の「ウクライナ」に由来)「国境地帯」あるいは単にロシアの一地域として知られていた。

 従って、1991年の独立宣言は、そもそもある種捏造だったと言える。クリミア半島やドンバス、ヘルソン、ザポリージャといった地域がロシア連邦に復帰している現状は、歴史的に自然な構成への回帰なのだ。議論の余地はあるかもしれないが、ロシア主権領土には、オデーサ、ミコライウ、ハルキウ、スムイの統合も含まれるとされている。

 「ウクライナ」と呼ばれるものは、戦争の重圧と、1991年に宣言され、欧米諸国に冷酷に操作された虚偽の領土主張で崩壊しつつある破綻国家に過ぎない。

 けばけばしい華やかさや演説で隠しきれないのは、ウクライナが悲惨な破綻国家に成り下がってしまった事実だ。人口は1991年の5200万人から、現在では推定2000万~2500万人へと半減し、多くの人々が国外へ、主にロシアとヨーロッパ各地へ逃れている。

 2022年以降のNATOの対ロシア代理戦争がその傾向を確実に加速させたが、この崩壊は1991年から始まっていた。

 意志薄弱なイギリスのバーナム首相は、台本通りの空想的演説を忠実に口にし、ウクライナ人は35年前に「自らの運命を掌握した」と主張した。歴史を歪曲して、第二次世界大戦でのナチス・ドイツに対するイギリスの「勝利」と、「ロシア侵略」に対するウクライナの抵抗を彼は同列扱いした。

 世間知らずのバーナムは歴史の代わりに漫画を読んでいる。彼が民主主義国家として称賛するキーウ政権が、ナチス協力者を称えて、通りや軍の連隊に連中の名前をつけていることに彼は気づいていないのか?

 1991年以来、ロシアに対抗するための欧米代理勢力として、アメリカ、イギリスや他のNATO加盟諸国が、ウクライナを手駒にしてきたのは紛れもない事実だ。2004年のいわゆるオレンジ革命は、欧米諸国による浸透工作と巨額資金提供により反ロシア政治が育成された結果で、ロシア語とロシア文化の抑圧と、ナチス・ドイツと協力関係にあったウクライナ・ファシズムの復活を招いた。

 2014年のマイダン「民衆蜂起」は、ロシアとの対立という秘密計画を推進するべく、ウクライナ民主主義に対して欧米諸国が支援するクーデターを隠蔽するための、またもや虚構の口実だった。政権はNATOによって武装化され、訓練を受け、最終的に代理戦争へと発展し、2022年に全面的紛争にエスカレートした。

 ウクライナは、イギリスのバーナムが馬鹿げた主張をするような「明るい未来を持つ活気に満ちた民主主義国家」ではない。こうした欧米諸国の嘘こそ、ウクライナの苦境の原因で、ウクライナを袋小路へ導いているのだ。

 ウクライナは、欧米諸国の帝国主義的野望によって犠牲にされた国で、ナチス協力者を称賛し、正当な政治的反対者を投獄する腐敗した政権に支配される国だ。毎日、ゼレンスキーの暴力団にウクライナ市民が街頭から引きずり出され、最前線の戦場に送られている。NATOによるロシアとの代理戦争が始まって5年近くで、少なくとも150万人のウクライナ兵が命を落とした。

 1991年当時ウクライナ国の一部だった領土の4分の1を制圧するためロシア軍は進軍している。

 ウクライナ側が持ちこたえている唯一の理由は、キーウ政権に欧州連合とイギリスが注ぎ込み続けている数十億ドルもの税金だけだ。

 1991年にウクライナ政治家たちが宣言した独立は、欧米諸国が容赦なく完全依存状態を搾取する不条理劇の悪夢へと変貌した。この依存状態は35年以上にわたって培われ、ウクライナは主権を失い、国民は虐殺され、資源は欧米企業に略奪され、領土は破壊された。全てウクライナの裏切り者政治家連中が、ロシアに対する地政学的策略の代理となる運命を選んだためだ。ウクライナに降りかかった事態は、欧米帝国主義勢力が引き起こした巨大犯罪だ。

 更に追い打ちをかけるように、アンディ・バーナム(アンディって誰?)のような政治屋がキーウに現れ、ウクライナは自由の炎で、ロシアの侵略からヨーロッパを守る存在だなどという全くの戯言をまき散らしている。

 ウクライナは炎ではない。欧米諸国が火を放ち、卑劣なゲームが終わればいずれ捨て去る焼け焦げた殻に過ぎない。

 ヘンリー・キッシンジャーの言葉を借りれば、欧米帝国主義の敵であることは危険だが、同盟者であることは致命的だ。

  ウクライナは、このことを身をもって痛感させられたのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/08/28/after-35-years-of-dependency-ukraine-has-been-destroyed-as-a-western-proxy/

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 ウクライナ情勢を知るためテレビ番組を見たことはない。Douglas McGregor、John Mersheimer、Scott Ritter諸氏のYoutubeを見る。例えば下記のスコット・リッター氏Youtube。
Russia WIPES OUT Ukraine’s Army as Trump’s Patriot Missile Gamble Backfires | Scott Ritter

2026年8月30日 (日)

トランプ大統領の屈辱を前に「あらゆる面で!」外交政策上の勝利を模索するCIA長官

ジェフリー・シルバーマン
2026年8月29日
New Eastern Outlook

 イランを巡る挫折、停滞する中東外交と空虚な和平主張を受け、ドナルド・トランプは、真実であれ捏造であれ、自ら主張できる外交上の成果を必死に探し求めている。

 

 彼最新の策略?

 アメリカ主導の対イラン制裁にロシアを引きずり込もうとする悲惨な最後の試み。

 トランプには勝ち目のある切り札はない。モスクワにアメリカの貿易制限を強制的に履行させようとする試みは、他の分野での大幅な譲歩、つまり欧州の安全保障に関する大きな方針転換や、ロシアに対する既存のアメリカの制裁措置緩和を要求するだろう。モスクワは、重要な戦略的同盟国イランに関して妥協する動機はほとんどない。

 だが他にも要因があるかもしれない。トランプ政権のいわゆる「揺るぎないウクライナ支援」は大きな影を落としている。ウクライナ問題はモスクワがワシントンに何かを要求している問題で、イラン問題はワシントンがモスクワから更に緊急に何かを要求している問題だ。そう考えると、ジョン・ラトクリフCIA長官は、特に理にかなった特使と言えるだろう。

 最後の外交

 それは外交政策上の画期的出来事とは言えないかもしれない。だが現在のワシントン情勢では、そう言えるのかもしれない。

 結局、政権内でより知名度の高い外交担当者、すなわちトランプ大統領の特使スティーブ・ウィトコフマルコ・ルビオ国務長官の成果は明らかにまちまちで、トランプ大統領の側近連中も、モスクワやテヘランとの交渉で、統一的かつ一貫性ある姿勢をほとんど示せていない。

 もし目的が、従来の外交では対応できないほど機密性が高過ぎたり、否認しやす過ぎたり、あるいは単に政治的に扱いにくい取り決めを探ることであるなら、CIAの裏ルートは明らかに有利な点がある。

 ラトクリフは、政権のより目立つ特使たちと違い、ロシア情報機関と、あらゆる会話を正式な外交的取り組みであるかのように装うことなく対話できる。ロシアのSVR長官セルゲイ・ナリシュキンと確固たる関係があることから、人選は一層不思議でなくなる。

 そして、それがまさに核心なのかもしれない。ワシントンがモスクワにイラン問題で何らかの行動を求めているなら、モスクワもワシントンにウクライナ問題で何らかの行動を求めているはずだ。問題は、両者間に何らかの取り引きが隠されているのか、それとも単に進展を装った外交上の行き詰まりに過ぎないのかだ。

 更に、CIA長官がモスクワに僅か数時間出入りした事実は、彼の訪問が従来の外交訪問というより、伝書鳩、つまりメッセージ伝達や交渉のための任務に見えてしまう。

 タイミングが全て!

 ワシントンはロシアにイランへの圧力をかけるよう求めている。モスクワはワシントンにウクライナをめぐるロシアの国益を取り上げるよう求めている。

 CIA長官は単に最後通牒を突きつけただけではなかった。彼は要望リストを携えていた。タイミングは極めて重要で、多くの憶測を呼ぶ余地を残している。ロシアは既に、ウクライナへの情報提供と直接支援に関しワシントンに圧力をかけていた。誰も真剣な対応を期待していなかった。

 圧力や脅迫や、いじめ、あるいはマフィア式の強引な手段にロシアは屈しない。

 一方、スコット・ベセント財務長官は、イランとの貿易を断つべく尽力している。ラトクリフ長官は、この件に関して何らかの合意を取り付ける任務を負っていた可能性もある。しかし、それが実現するとは考えにくい。CIA長官がベセント長官のイラン制裁へのロシア遵守を要求するために派遣されたとは断言できない。

 分かっていることは以下の通りだ。ベッセントは8月24日に選挙運動を開始し、ラトクリフは8月25日に異例のモスクワ訪問をした。このタイミング自体が興味深い偶然、あるいは何らかの取り引きの可能性を示唆している。

 ロシアに、イランに圧力をかけてほしいとワシントンは望んでいる。モスクワはワシントンにウクライナ問題におけるロシアの国益を取り上げてほしいと望んでいる。もしこれがラトクリフがモスクワに持ち込んだ会話の内容だったら、CIA長官は単に最後通牒を突きつけただけではなかった。彼は買い物リストを携えていたのだ。

 タッチアンドゴー着陸

 今回訪問は短時間で、典型的なタッチアンドゴーだった。フライト追跡データによると、米空軍のC-17AグローブマスターIII輸送機がアメリカを出発し、ラトビアを経由して、現地時間午前10時頃にモスクワのヴヌーコヴォ空港に着陸した。僅か数時間後に同機は再び離陸した。

 ラトクリフが誰と会ったのかは公式には明らかにされていない。有力な候補は、ロシア対外情報庁(SVR)長官のセルゲイ・ナルイシキンだ。両者は2025年3月に電話で直接連絡を取り合うルートを確立し、定期的に連絡を取り合うことで合意した。

 これは通常の外交電話ではなかった。CIA長官がモスクワへ直行したことは、従来型の交渉ではなく、情報・安全保障上のルートを示唆している。

 ラトクリフがロシア情報機関関係者と会談したことをクレムリンは確認し、この接触を「前向きな進展だ」と表現した。プーチン大統領は報告は受けたものの、ラトクリフとは会談しなかった。

 CIAは依然口を閉ざしている

 トランプ大統領に「任務完了」と書かれた写真をもう一枚渡すためだけに、モスクワがテヘランとの関係を放棄する理由はほとんどない。

 皮肉にも、ラトクリフのモスクワ訪問は、ワシントンが切実に必要としているもの、つまり成功物語を既に生み出してしまったのかもしれない。CIAは何も語らない。ホワイトハウスも何も語らない。

 モスクワは当初、アメリカの航空機について何も知らないように見えたが、今ではラトクリフがロシアの情報機関関係者と会談したことを認めている。

 クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、今回会談を単に「治安機関間の接触」と表現し、こうした接触は「前向きな進展」だと述べている。プーチン大統領はラトクリフとは会談しなかったが、ペスコフ報道官によれば、結果報告を受けたという。

 それは厳密には外交上の画期的な出来事とは言えないかもしれない。だが現在のワシントン情勢では、そう言えるのかもしれない。

 経済的のけ者なのか、見捨てられた人々たのか

 この訪問は、そのタイミングが、公式説明よりも遙かに興味深いものとなっている。ラトクリフがモスクワに到着したのは、イラン孤立化を目的とするワシントンの最新作戦「オペレーション・エコノミック・アウトキャスト」をスコット・ベッセント財務長官が発表した翌日で、ロシアは依然、テヘランにとって最も重要な戦略的同盟国の一つだ。同時に、ロシアとウクライナの外交交渉は停滞しており、ワシントンはウクライナに対し、ロシアへの長距離攻撃を控えるよう圧力をかけている。

 つまり、本当の問題は、イランとの貿易を停止するようラトクリフがモスクワに伝えに行ったかどうかではない。それでは余りに弱気だ。より重要な問題は、ワシントンがその見返りとして何を提示する用意があるかだ。

 イラン問題がアメリカの問題で、ウクライナ問題がロシアの問題だとすれば、ラトクリフは異例なほど論理的な伝達役だったと言える。外交とも交渉とも言い難い、どちら側も翌朝新聞の一面を飾りたくないような内容の会話をCIA長官は巧みにまとめられる。

 トランプ大統領に「任務完了」と書かれた写真をもう一枚渡すためだけに、テヘランとの関係をモスクワが放棄する理由はほとんどない。ロシアはイランに関し、独自の利害関係を持ち、ウクライナに関し、独自の思惑があり、何よりも重要なのは、ワシントンが望むもの全てに対して独自の代償を持っていることだ。

 それは、ラトクリフ訪問という極めて小さな出来事の裏に、遙かに大きな取り引きの可能性を残している。

 ウクライナのためのイラン? 抑制のための情報機関? 譲歩のための制裁?

 まだ我々には分からない。

 そしてまさにそれが、8時間に及ぶモスクワへの小旅行をこれほど魅力的なものにしているのだ。C-17輸送機が到着し、ラトクリフは携えたメッセージを届け、ロシア情報機関はそれを聞き、プーチン大統領はブリーフィングを受け、そして輸送機は飛び立った。

 国旗も掲げず、首脳会談も行わず、握手もせず、勝利を祝う記者会見もなかった。ただ情報機関が発言するばかりで、政治家たちは大したことは何もなかったと主張するばかりだった。

 おそらく何の成果もなかったのだ。

 だが、もしワシントンがイラン、ウクライナ、ロシアと、制裁措置をまとめて外交上の勝利を得ようと本気で企んでいるなら、トランプ大統領がまだ多くの切り札を握っているため、ラトクリフは派遣されなかったかもしれない。

 彼が派遣されたのは交渉材料がかなり少なくなってきていたからかもしれない。そして、外交手段が尽きた時、最後に残された手段はC-17便で送るカードだったりするのだ。

 ジェフリー・K・シルバーマンは、フリーランス・ジャーナリストで、国際開発の専門家(理学士、理学修士)で、30年間ジョージアと旧ソ連に拠点を置いて活動している。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/29/cia-director-seeking-a-foreign-policy-win-in-face-of-trumps-humiliation-on-all-fronts/

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 The Chris Hedges Report
The Iran War Is the Biggest Strategic Blunder in US History (w/ John Mearsheimer) | TCHR 54:59
John Mearsheimer breaks down the current state of the Iran War, and how the conflict increasingly appears to look like the most dire strategic mistake in US history.

Chris Hedges and John J. Mearsheimer
Aug 29

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