惑星間例外主義の時代

ペペ・エスコバル
2025年1月22日
Strategic Culture Foundation
大量虐殺を「素晴らしい立地」における卓越した不動産事業機会に衣替えできるのはアメリカだけだ。
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まず重要な点から始めよう。Manifest Destiny(明白な天命)は文字通り星に到達する。
地球上で最も偉大な見世物であるトランプ2.0は(ビッグ)バンで始まった。「我々は星々に向かって我々の明白な天命を追求する。」そして、それは火星にアメリカ国旗を立てることを意味する。本物だ。Netflix映画ではない。大富豪の相棒、SpaceXのCEOイーロン・マスクが即座に歓喜に沸いたのも不思議ではない。
惑星間例外主義へようこそ。文字通り。自由の国、勇者の故郷である、この新しい黄金時代は「かつてないほど例外的」なものになるだろう。帝国の衰退は終わった。新しい、残忍なほど優しい帝国を受け入れよ。さもないと。
実際、全て予想通り、サイケデリックな渦のような一連の大統領令から始まった。
違法移民の「侵入」を阻止するため南部国境(エルパソは既に封鎖されている)に軍隊を配備し、麻薬カルテルはテロ組織だと宣言し、メキシコ湾を「アメリカ湾」に改名する時が来たのだ。
更に、エネルギー生産を増やすため非常事態を宣言する。「我々は非常事態権限を使って、国や起業家や大金持ちの人々が大きな計画、AI計画を立てられるようにするつもりだ。我々には現在の二倍のエネルギーが必要だ。」
これは、帝国が必然的に、AIとエネルギーを大量消費する大規模AIデータ・センターを完全支配するためのコードだ。
その間、トランプ2.0は、全ての「対外援助」計画を90日間停止し、「アメリカの国益および外交政策の目標との一貫性」を評価する(訳:キーウよ、逃げろ)。
トランプ2.0は男性と女性二性のみ認め「ウォークネスを軍隊から直ちに排除し、以前のようにする」そして「パナマ運河を取り戻す」(「アメリカ運河」など、どうか?)
そして大規模貿易戦争の兆候も忘れてはならない。交渉を強制するため、2月1日からカナダとメキシコに25%の関税が課される可能性がある。更に将来、EUが標的になるだろう。ブリュッセルは既にパニック状態だ。
Tik Tok、一体何者だ?
国内で、最も興味深い策略の一つはTik Tok文書だ。「アメリカ・Tik Tok取り引きは一兆ドルの価値があるかもしれない」と大統領は述べた。Tik Tokの50%買収は合弁事業になるかもしれない。トランプの息子バロンの重要な貢献もあって、事実上、トランプと共和党が若者の投票の36%以上を獲得するのにTik Tokは貢献した。
Tik Tokとのあり得る取り引きは、実質的に所有権の50%をアメリカ人株主と分割するよう中国に強制するもので、アメリカでTik Tok広告を販売し続ける可能性がある。これは全て広告関連の金銭的利益が狙いだ。
Tik Tokの株式構成は非常に興味深い。20%は創業者の張一鳴が保有している。残りの20%は世界中のTik Tok従業員が保有している。残りの60%は3つのアメリカ・ファンドが保有している。つまり、アメリカは実際は長年、株式の50%以上保有しているのだ。
今の違いは、創業者張一鳴に株式売却を強制したいとトランプ大統領とアメリカ政府が考えていることだ。
さて、ブリュッセルが、YouTubeまたはXの50%をヨーロッパのオリガルヒに買収させて、ヨーロッパで事業をするのを許可するパラレルワールドを想像願いたい (実際、いつか、これが実現するかも知れない)。
さて、外交政策を論じよう。
ウクライナ。トランプは曖昧な態度を取った。ウクライナ代理戦争の解決に向けて、あり得る線表は、プーチンとの今後の電話会談(「近々」)で話し合われる可能性がある。対ロシア制裁の継続に関し、「関税」とトランプは定義した。
NATO。費用を支払わねばならない。ずっと多く。「NATOは5%支払わなければならない。ウクライナ戦争で我々はNATOより2000億ドル多く支払っている。NATOに遙かに大きな影響があるのに、これはばかげている。NATOと我々の間には海がある。だが我々はNATOより2000億ドル多くウクライナに費やしている。だからNATOは均等に負担せねばならない。」
既に就任式前からNATO事務総長、オランダのルッテはメッセージを受け取っているようだ。既にヨーロッパ市民全員に5%の軍事予算を狂犬のように彼は宣伝している。医療や社会福祉の削減が必要だとしたらどうだろう。(帝国の)大義のためだ。
EU。EUに言及すらしなかったのはトランプの穏やかなメッセージだった。これらポチ連中はアメリカ勢力圏に属しているのだ。トランプは帝国主義的に彼らを無視した。
一つ驚くべき例外があった。「スペインのような国」に100%関税を課す可能性について尋ねられたトランプの答えは真珠のようなものだった。「BRICS諸国としてイエスだ」
誰かがマドリードに、彼らがBRICSに加盟しているのを伝えるのを忘れたようだ。だが重要な点は変わらない。トランプは脱ドル化の道を進むBRICS諸国全てに100%の関税を課すと脅している。ちなみにロシア・中国間支払いの95%は現在ルーブルと人民元で行われている。
ミサイル防衛。トランプ:「巨大なアイアンドーム・ミサイル防衛シールド建設を開始するよう私は軍に指示する。これは全てアメリカ製だ」 さて、国防総省はフーシ派に何らかの意見を求めるべきだ。
ベネズエラ。興味深い展開だ。トランプ特使のリック・グレネルがカラカスとの直接交渉を準備している。ベネズエラのディオスダド・カベジョ内務大臣は「再起動」関係を奨励している。司法長官は犯罪組織の撲滅に向けた協力を再開する用意がある。引き渡しもその一つだ。
だからといって政権転覆が放棄されるわけではない。残忍なまでに温和な帝国は、石油や鉱物資源を切実に必要としているのだ。
キューバ。再び「テロ支援国家」リストに戻る。ハバナはもともと2021年のトランプ政権1.0のときにこのリストに載った。そして今、マルコ・ルビオが国務省に就任し、見通しは暗い。ハバナは常に抵抗するだろう。
ガザ。ガザ停戦についてどの程度自信があるかと問われたトランプ大統領は「自信はない。これは我々の戦争ではなく、彼らの戦争だ」と答えた。
だが、最高のものは最後に残されていた。「ガザは大規模解体現場のようなものだ。あの場所は、本当に別の形で再建されねばならない[…] ガザは興味深い。素晴らしい場所だ。海に面し、天気も最高だ[…] 何か美しいものが作れそうな気がする。」
今年のモデルを決して過小評価しないよう願いたい。黄金の、例外的な、残酷なほどに優しい帝国だ。他のいかなる組織も、大量虐殺を「驚異的な場所」での素晴らしい不動産機会には衣替えできない。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/01/22/the-age-of-interplanetary-exceptionalism/
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戦機で選ばれてもいないマスクに国家情報を管理させるのはこども動物園に虎を放つようなものという表現も見たアメリカほ放送局では反対デモ報道が多々ある。
Lawrence: Trump letting Musk intrude into Treasury is biggest, most important data breach ever 16:39今朝の孫崎享氏メルマガ題名
トランプの関税引き上げの真の狙いは何か、今後検証する必要がある。その中韓国紙「中央日報」が米国政府の財政に焦点を当てた論評「トランプ氏「関税戦争」の裏には空っぽの米国国庫がある」を掲載
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