アメリカ・イラン間の最悪シナリオ:地域戦争と世界的衝撃波
2026年2月6日
New Eastern Outlook
アメリカとイランの間で迫りくる軍事衝突は、突然の激化ではなく、大規模な地域的大惨事を引き起こしかねない長期的かつ計画的戦略の結果であるように思われる。
アメリカ・イラン間の最悪シナリオ:地域戦争と世界的衝撃波
米海軍の空母機動部隊が、再びイラン攻撃を目的に中東方面へ向かっているのは驚くべきことではない。あらゆる兆候が長らくその兆候を示していたためだ。しかし、メディア報道は、遙かに多くのことを示唆している。大々的宣伝もなく、その日の重要度が遙かに低いニュースが速報として伝えられる。結局、本当の狙いは、この地域における更に大きな地政学的動きを予兆し、国内問題や、ICE(移民税関捜査局)や、欧州やアメリカにおける潜在的金融危機を隠蔽する煙幕にすることだ。
一方、トルコはイランとの国境で軍を増強しており、イランはホルムズ湾で軍事演習を行うと発表した。世界で起きていることや、アメリカの国内問題や、西側諸国が経済危機に瀕していることを考えれば、これは驚くべきことではない。
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は、限定的作戦ではなく、野火のように急速に広がるより大規模な地域戦争を引き起こすだろう。
つまり、アメリカがイラン攻撃を開始した場合、最悪の結果は、短期間で抑えられる紛争ではなく、ワシントンの制御が急速に失われる多面的地域戦争になることだ。
これは本当に悲劇だ。イランの方々には心からお見舞い申し上げる。多くの好戦主義者が気づいていないのは、たとえ勝利宣言が出ても、いかなる行動にも必ず影響が出ることだ。ヨーロッパでも間もなく事態は不安定になるだろう。バルト海で起きていることを見れば一目瞭然だ。
まだ4~5ヶ月は平和が続くかもしれないが、状況は日に日に悪化している。アルメニアとアゼルバイジャンの間で締結された和平協定や、それに伴う輸送回廊といった大々的に宣伝された和平協定の最新見出し「アゼルバイジャン、イランに対抗してイスラエル支援を検討」を読めば、その「本当の」狙いを証明しているのは驚くべきことではない。
振り返ってみれば、2025年の共同攻撃がアメリカから派遣された長距離爆撃機に行われたことに誰も驚くことはないだろう。歴史的、外交的、安全保障上の報告書は、アゼルバイジャン・インフラをイランの脅威から守るために、アメリカが沿岸レーダー基地への資金提供や巡視艇提供など、多額の軍事支援を行ってきたことを示している。米イラン間のより広範な緊張関係において、アゼルバイジャンはイランを監視するための戦略拠点として頻繁に言及されてきた。
アゼルバイジャンがイスラエルにとってこの地域における最も戦略的な協力者なのは周知の事実だ。これは主に、アゼルバイジャンがイスラエルの主要石油供給源で、帳簿上でも、非帳簿上でも、その役割を果たしているためだ。氷山効果 2009年に漏洩されたとされるアメリカ外交電報には、2003年に父の後を継いだアリエフがイスラエルとの関係を「氷山のようで、水面下9分の1ほどだ」と表現したと記されている。
しかし、イランとの戦争支援は、彼の側近がきっぱりと否定している。アゼルバイジャンとアルメニアの「凍結された」紛争が不安定な要素の一つに過ぎず、トルコ、イラン、ロシアからアメリカ、西欧、そして中国まで大国が影響力を競い合っている地域では、軍事行動からより広範な影響を予測することも困難だろう。
イスラエルとアゼルバイジャンを巻き込むアメリカ・イラン対立
いま起きていることは、反射的反応ではない。米イラン対立の新たな激化は、突発的エスカレーションではなく、長年示唆されてきた戦略計画の集大成で、今や恣意的メディア報道により公然と隠蔽されている。報道されている米空母機動部隊の中東移動は、イランの行動への対応というより、戦争へのお決まりの前兆として報じられている。同時に、政情不安、移民税関捜査局(ICE)をめぐる論争や、差し迫る金融不安など、アメリカ内で高まる圧力を覆い隠すものでもある。
この危機は、米イラン間の直接的枢軸を超えて、バルト海から南コーカサスに至る、より広範かつ益々不安定化する地政学的チェス盤の中に位置づけられている。イランに対するいかなる軍事行動も、ヨーロッパとユーラシアに連鎖的影響を及ぼし、既に緊張状態にある地域を不安定化し、既存の断層線を更に悪化させるのは明らかだ。
この分析の中心となるのは、アゼルバイジャンの控えめながら戦略的な役割だ。アゼルバイジャンとイスラエルの間で、主に秘密裏に深く協力してきたという長年の報告を改めて検証する必要がある。こうした背景から、イランとの対立で、バクーがイスラエルを支援する可能性を示唆する最近の報道は、例外的事態ではなく、ワシントンが密かに進めてきた長年の軍事援助、情報協力とインフラ支援の論理的な延長として捉えられている。
イランとの戦争に参加する意図をアゼルバイジャン当局は公式には否定しているが、否定自体がこの取り決めの微妙さを浮き彫りにしている。ナゴルノ・カラバフ紛争をはじめとする近年の紛争に加え、トルコ、ロシア、イラン、アメリカ、更には中国といった利害が対立する地域で、事態のエスカレーションは予測不可能かつ広範囲にわたる結果をもたらすリスクがある。
最後の審判!
結局、この記事は、迫り来るアメリカとイランの対決を、最後の審判あるいは、別の戦略的に好都合な気晴らしとして描いている。本当の代償は主役たちが負うことにならないはずだ。
アメリカは数日以内にイランを攻撃する態勢を整えているようだ。攻撃対象となる可能性のある場所は概ね予測できるものの結果は予測できない。では、もし土壇場でテヘランと合意に至らず、ドナルド・トランプ大統領が米軍に攻撃命令を下した場合、どのような結果が考えられるだろう?
計画者たちの最良シナリオは、米空軍と海軍がイラン革命防衛隊(IRGC)とIRGC傘下の準軍事組織バシジ部隊の軍事基地、弾道ミサイル発射・保管施設と、核計画を狙う限定的で精密な攻撃を実施し、政府に対する民衆蜂起を引き起こすことだ。
欧米諸国によるイラクとリビアへの軍事介入が、円滑な民主主義への移行をもたらさなかったことを忘れてはならない。両国とも残忍な独裁政権を終結させたものの、その後、長年にわたる混乱と流血の時代を招いた。2024年にバッシャール・アル=アサド大統領を打倒し、独自の革命を起こしたとされるシリアも状況は同じだ。
地域的反動
一方、最悪の結末は、短期間で収束する紛争ではなく、ワシントンの統制を急速に逃れる多方面にわたる地域戦争だ。これはNATO加盟国の一部にとっては好ましい結果ではないだろう。彼らはイランが崩壊すれば、次は自分たちが攻撃されると分かっている。少なくともトルコに関しては、ほぼその通りだとネタニヤフ首相は明言している。
イランは非対称かつ即座に報復措置を講じる。イラク、シリア、湾岸諸国と、おそらくアゼルバイジャンに展開する米軍基地は、ミサイル攻撃と無人機攻撃の標的となる。ヒズボラはイスラエルに対し、これまでの衝突を遙かに凌駕する北部戦線を全面展開する。イスラエルの都市とインフラは継続的攻撃を受け、レバノン、ガザ、シリアへの大規模報復が始まる。
ホルムズ海峡が決定的火種となる。イランは機雷、高速艇、ドローン、ミサイルを組み合わせて海峡を封鎖し、世界の石油供給の約5分の1を遮断する。エネルギー価格は一夜にして急騰し、世界的な経済ショックを引き起こす。脆弱な経済、特に欧州は景気後退、あるいはそれ以上の事態に陥り、既存の金融不安を更に悪化させる。
イラン国内では、政権は崩壊するどころか、むしろ強硬化し、国民は結束を強める。民族主義が国内の反対意見を圧倒する。欧米諸国が望むような民主化への希望は、外国からの攻撃に国民が抵抗する中、たちまち消え去る。民間人犠牲者が増加し、弾圧は激化する。イランは残された核兵器保有制約を正式に放棄し、核兵器化を加速させ、体制の存続は、もはや抑止力にかかっていると結論づける。
紛争は拡大する
ロシアと中国が直接介入する必要はないだろうが、情報、武器、外交的援護を提供して、イランはいわば「肉挽き」代理作戦地域と化すだろう。その間、トルコは機を見据えて動き続けるだろう。アゼルバイジャンがイスラエルと静かに連携していることは、イランの北国境沿いの緊張を激化させ、南コーカサスを公然たる紛争に巻き込み、凍結された戦争を再燃させ、アルメニアの不安定化を招く恐れがある。
一方、アメリカは、明確な出口戦略もなく、莫大な財政赤字を抱え、国内の不安は高まり続け、国際社会からの支持も減少する、またしても終わりの見えない中東戦争に陥る。イランが長らく休眠状態にあったネットワークを活性化させるにつれ、欧米諸国の権益に対するテロ攻撃は世界中で増加する。
結論
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は、限定的軍事作戦ではなく、より大規模な地域戦争を引き起こし、野火のように急速に広がり、ホルムズ海峡を封鎖し、世界中に報復攻撃を広げ、主要経済を崩壊させ、核によるハルマゲドンを引き起こすことになる。
セス・フェリスは調査ジャーナリスト、政治学者、中東問題専門家
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/02/06/us-iran-worst-case-scenario-regional-war-and-global-shockwaves/
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