
シオニストたちは言説支配を失いつつあり、彼ら自身もそれを自覚している。彼らはそれを快く受け止めてはいない。
ケイトリン・ジョンストン
2025年5月1日
この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。
この悪夢が世界中の情報機器の画面上で、人々の目の前で繰り広げられていることから、イスラエルによるガザでの大量虐殺を、アムネスティ・インターナショナルは「
ライブストリーミングされた大量虐殺」と呼んでおり、アメリカではイスラエルに対する世論の支持が
急落しつつある。
シオニストたちは言説支配を失いつつあり、彼ら自身もそれを自覚している。そして、彼らはそれを快く受け止めてはいない。
今週初め、ユダヤ・ニュース・シンジケートが主催した
サミットでの演説で、ユダヤ人は「宇宙の支配者」であり「デジタル戦争」に勝つために、シリコンバレーの権力を使ってオンライン情報を支配すべきだと元アメリカ上院議員のノーム・コールマンが述べた。
月曜日、ユダヤ人であるコールマンは
次のような発言をした。
「Z世代の大多数はイスラエルに対して好ましくない印象を持っている。その理由は我々がデジタル戦争に負けているからだと思う。彼らはTikTokから情報を得ている…そして我々はその戦争に負けている。」
考えてみれば、宇宙の支配者はユダヤ人だ! OpenAIのアルトマンがいる、Facebook創業者マーク・ザッカーバーグがいる、Google創業者セルゲイ・ブリンがいる。あらゆる分野にユダヤ人がいる。ヤン・クームはWhatsApp創設者だ。彼もユダヤ人だ。
「そして、我々はデジタル戦争に勝つ方法を見つけなければならない。真実が嘘に打ち勝てるよう、我々はデジタル・スニーカーを履かなければならない。そうすればイスラエルの未来はより強固なものになる。アメリカ国民の大多数がイスラエルを支持するようになるからだ。我々はそれを実現するつもりだ。我々はそれを実現せねばならない。」
ユダヤ人がシリコンバレーを支配し、イスラエルの利益のために世論に影響を与えていると著名な反シオニストが主張したら、欧米諸国のあらゆる政治メディアから狂信的反ユダヤ主義者として激しく非難されるはずだ。だが、ユダヤ人政治家が、ユダヤ人はシリコンバレーの支配力を利用して、イスラエルに関する世論に影響を与えなければならないと主張しても、同じ政治メディアは無視する。
興味深いことに、同じ催しで、FacebookやInstagramなどのMetaプラットフォームが「シオニストが世界を支配している、あるいはメディアを支配していると主張する書き込みを禁止している」と、Metaの「Jewish Diaspora」責任者ジョーダナ・カトラーが
指摘した。カトラー自身のガイドラインによれば、Jewish News Syndicate国際政策サミットでなくFacebook上で行われた場合、この発言は禁止されたはずだ。
言説支配を失ったことについてイスラエル支持者たちは数ヶ月にわたり不平を言い続けている。
2月、
テルアビブでの催しで、アラブ世界で「イスラエルは地上戦では勝利したが、テレビでは敗北している」とリンジー・グラハム上院議員が
記者団に述べ「朝昼晩を問わず、人々が目にするのはパレスチナ人への攻撃ばかりだ」と嘆いた。
パレスチナの人々に対する朝昼晩の攻撃をアラブ世界は目の当たりにしている。なぜなら、それが起きているからだ。そして、それを世界中が目の当たりにしているのだ。
昨年、マケイン研究所での講演で、人々の世論をイスラエルに反対させる情報をTikTokは共有しているため、議会はTikTok禁止を支持していると述べ、そのような情報は「世論に非常に強い影響を及ぼす」と当時上院議員だったミット・ロムニーが当時の国務長官アントニー・ブリンケンに
言った。
イスラエルによるガザ攻撃に関する「広報」が成功していないことを嘆いた後、だからこそ「TikTokやその種他組織の閉鎖を求める我々の意見が圧倒的に支持されたのだ」とロムニーは、はっきり述べた。ここで言う「我々」とは、彼自身と連邦議会の同僚議員連中を指している。
「この言説が、どのように進展してきたのかというのは非常に良い質問だ」とブリンケンは答え、自身のワシントンでの経歴初期には、全員テレビやニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、ワシントン・ポストなどの紙の新聞から情報を得ていたと述べた。
「今、当然ながら、新たな刺激、毎ミリ秒ごとの入力という情報の静脈注射を我々は受けている」とブリンケンは続けた。「そして、もちろん、ソーシャルメディア上でのこの出来事の展開が、言説を支配してきた。そしてソーシャルメディア生態系環境においては、文脈や歴史や事実が見失われ、感情や画像の影響力が支配的になっている。我々はそれを無視することはできず、これは言説に、非常に、非常に、非常に、非常に深刻な影響を与えていると思う」
彼が「narrative(言説)」という単語を三回も使っているのにお気づきだろうか? 彼らはあらゆる物事をこのように考えているため、帝国経営者連中全員このような言い方をする。全て言説支配が狙いだ。起きていることについて人々がどう考えるかを支配できる限り、何が起ころうと構わないのだ。
昨年、大学での抗議活動の際、この問題に関する議論で、抗議活動者側が勝利すれば欧米諸国は戦争を行う能力を失うとパランティアCEOのアレックス・カープが明言した。
「特に大学キャンパスで起きているこうした出来事を、我々はただの余興だと思っているが、そうではない。むしろ、それこそ肝
なのだ」とカープはわめき散らしながら言った。「もしこの知的議論に負ければ、我々は永遠に西欧に軍隊を派遣できなくなるからだ。」
2023年にテヘラン・タイムズが公開した音声録音では、「我々は本当にTikTok問題を抱えている」と反名誉毀損連盟(ADL)CEOのジョナサン・グリーンブラットが発言し、イスラエルに関する若者の世論を支配するため、オンライン上で、より積極的な言論活動を求める様子が収録されている。
ADLに信憑性が確認された音声録音の中で、グリーンブラットは次のように述べている。
「世代間で我々が実に大きな問題を抱えていること一つ指摘しておきたい。私がこれまで見てきたADL世論調査やICC世論調査や独立系世論調査は、どれも、これが左派か右派かという問題ではないことを示している。アメリカにおけるイスラエル支持問題は、左派か右派かではなく、若者か高齢者かの問題だ。そして、ハマスによる殺害は正当だと考える若者の数は驚くほど、恐ろしいほど多い。つまり、まさにTikTok問題、つまりZ世代問題を我々は抱えているのだ。抗がん剤タグリッソを生み出したと同じ頭脳や他の素晴らしいイノベーションを生み出したと同じ頭脳を、社会は、この問題に早急に投入する必要がある。なぜなら我々はこれまで左右の分断を追い求めてきたからだ。これは間違ったゲームだ。本当のゲームは次世代で、ハマスと共犯者連中、つまり欧米諸国の都合の良い愚か者連中は、恐ろしい形で彼らの言うことに従おうとしている。
目の前にあるものを見ていないと人々に思わせる広報活動には限界があるため、イスラエル支援者たちは言説を支配できなくなっている。もし私の目の前で、あなたが誰かを絞め殺しているなら、どれほど巧みな操作力を持っていても、誰かが絞め殺されているのを私が見ていないと説得する言葉などあり得ない。
行動は言葉より雄弁だ。言葉は軽い。一枚の写真は千の言葉に値する。こうした格言が存在するのは理由がある。目の前で繰り広げられる史上初の大量虐殺を、人々がライブストリーミングで目撃している現状では、いくら言葉を重ねても限界がある。
言説を制する者は世界を制する。平均的人間の人生は心の中の言説に支配されている。だから今起きていることに関して人々が語る言説を支配できれば人間を支配できる。
言説支配を失うのは本当の権力を失うのと同じだ。だからこそ、イスラエル支持者たちは益々不安を募らせているのだ。
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画像はGage Skidmoreより(CC BY-SA 2.0)
記事原文のurl:
https://caitlinjohnstone.com.au/2025/05/01/israels-backers-keep-whining-that-theyre-losing-control-of-the-narrative/----------
Sabby Sabs アメリカ人Brian Berleticがタイで暮らす理由を説明
日本の基地での勤務経験もあり米兵性犯罪の多さも知っている。
US Wants To ISOLATE China And Russia w/Brian Berletic 57:53
Sabby Sabs ラリー・ジョンソンとも対談している。
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