アメリカ軍・基地

2019年2月22日 (金)

ベネズエラに武器を密輸したアメリカ航空貨物企業はCIA「秘密軍事施設」移送に関連

 アメリカの「人道支援」を受け入れるのをマドゥロが拒絶していることに関して、アメリカ主流メディアと著名政治家が発言している最近の「暴挙」なるものによれば、コントラスキャンダルと今のベネズエラとの類似点は顕著だ。

Whitney WEBB
2019年2月13日

 ノーロキャロライナ、グリーンズボロ

 先週ベネズエラに武器を密輸入して捕まったアメリカ航空機をチャーターした企業の幹部二人が、テロリストとされた人々を尋問するための「秘密軍事施設」センター移送でCIAに協力している航空貨物会社とつながっていた。アメリカが支援する反政府派を武装させるための武器を含んでいる可能性がある懸念から、ニコラス・マドゥロ大統領がアメリカの「人道援助」車列を拒否している中、この厄介な出来事は発覚した。

 先週火曜、ライフル銃19丁、弾倉118個、無線機90台とiPhone6台が、マイアミから発ったアメリカ飛行機によりベネズエラに密輸されていたとベネズエラ当局が発表した。マドゥロ率いる現政権を倒すため、アメリカに資金供給されたベネズエラの反政府派を武装させようとしたと当局は非難し、禁制貨物はアメリカ政府に責任があるとした。

 明らかに密輸に責任がある飛行機が、これまで数週間にわたり異常に多い回数、ベネズエラに隣接するコロンビアに飛行をしていたのを示す情報を暴露したにもかかわらず、McClatchyDCが行った隠匿武器輸出した飛行機についての調査は、メディアからごくわずかしか注目されていない。

 オタワを本拠とする専門家ステファン・ワトキンスは電話インタビューで、McClatchyに、アメリカの航空貨物会社21エアが運用する飛行機が、去年「中間でフィラデルフィアとマイアミ間、この地域のすべて、アメリカ本土だけを飛んで」いたと言った。だが、ワトキンスは、「突然1月に、ことが変化し」飛行機が、毎日のように、時には一日複数回、コロンビアとベネズエラへの飛行を始めたことを指摘した。

 ワトキンスの分析によれば、この飛行機は、マイアミ国際空港からベネズエラのカラカスと、密輸された武器が発見されたバレンシアまで、およびコロンビアのボゴタとメデリンに、これまでの一カ月間で40便の往復飛行をしていた。

 公的に利用可能な飛行レーダー情報で、飛行機が、禁制貨物の発見後、ベネズエラには戻っていないが、ごく最近この前の月曜日も、コロンビアのメデリンに飛行をしたことを示している。

CIAとの複数のつながり

 生じたフライトパターンの劇的な突然の変化のほかに、マイク・ペンス副大統領がベネズエラ野党議員フアン・グアイドに、自身「暫定大統領」と宣言するように思わせるちょうど数週間前、McClatchyのフォローアップ調査が、問題の飛行機を所有する会社の2人のトップ経営者が、以前、論争の的のCIA「秘密軍事施設」に関係する企業とも働いていた事実を発見した。

 実際、21エアー会長で過半数株の所有者アドルフ・モレノと、21エアー品質管理部長マイケル・スタインケは、共に、以前アムネスティー・インターナショナルにより、CIAの引き渡しプログラムに関係する航空機チャーター・サービス企業の一社とされた会社ジェミニ航空貨物との「偶然の一致か直接の結びつき」がある。このCIAプログラムは、テロ容疑をかけられた個人が諜報機関に誘拐され、その後、外国での拷問、公式に「強化尋問」と呼ばれるものが年中行われる第三国の秘密「秘密軍事施設」に連行された。

 McClatchyに引用された2016年の運輸省書類によれば、スタインケは1996年から1997年まで、ジェミニ貨物空輸で働いた。モレノはジェミニでは働かなかったが、CIA引き渡しプログラムが機能していた間に、後にジェミニ空輸貨物が登録されたマイアミの住所に、2つの企業を登録していた。McClatchyは、この場所でモレノが最初に登録した企業は1987年に設立され、2社目は2001年に引き起こされた間に含まれたと指摘した。ジェミニ空輸貨物の子会社ジェミニ貨物ロジスティクスは2005年、同じ場所で、その後登録された。

 21エアは、同社が運用している飛行機内で発見された兵器輸出に対するいかなる責任も否定しており、代わりに、禁制貨物関して、GPS-エアとして知られる請負業者の責任だとした。GPS-エアのマネージャー、セザール・メネセスは、彼の政府を被害者として表現するためにMcClatchyに兵器出荷は、マドゥロに率いられる政府に「でっち上げられた」と述べた。メネセスは同じく「貨物は21エアーのものではなく、GPS-エアにも属さず」その正体を明らかにするのを拒否した第三者に供給されたと述べた。

帰ってきたコントラ?

 兵器をベネズエラに密輸入して捕まった飛行機を運用する企業が過去に物議をかもしたCIAプログラムと関係があるという意外な事実は、中南米東南アジアや世界中の他の紛争地域で、アメリカに支援される反体制戦士に兵器を注ぎ込む数十年にわたるCIAの歴史を考えれば、多くの観察者を驚かせることは、ありそうにない。

 アメリカに後援される準軍事集団に武器を密輸する最も良く知られた定期航空便を使ったCIAの例の一つは、レーガン政権が左翼サンディニスタ運動を打倒するため、コントラ(親米反政府民兵)に武器を送ったイラン・コントラ疑惑として知られるようになった1980年代に起きたものだ。それらの武器の多くがニカラグアへの「人道支援」と主張する貨物便に隠されていた

 アメリカの「人道支援」物資のベネズエラ送付に対するマドゥロの拒絶について、アメリカ主流マスコミや著名政治家が発言している最近の「激怒」によれば、コントラ・スキャンダルの様相と今のベネズエラ状況の類似点は顕著だ。彼が支援を拒否しているのは、一部には、支援が、2011年、シリアのCIAに武装させられた「反政府派」部隊のような、戦いに備える反対勢力を作るのを狙う兵器や備品を含む可能性があるという懸念から生じているとマドゥロは説明していた。

 マスコミはマドゥロの懸念を根拠がないと切り捨てているが、トランプ政権が最近任命したベネズエラ政策に責任を持つ特使エリオット・エイブラムスが「人道支援」物資送付へのそうした武器隠蔽を含め、ニカラグア・コントラへの武器送付で活躍した事実を考えれば、決してそうとは言えない。スキャンダルが1980年代に発覚した後の議会証言で、まさにこの方法で反政府派に武器を注ぎ込んだのをエイブラムス自身が認めている

 今前に機密活動でCIAと共に働いた企業に関連していた、アメリカからベネズエラまでの最近カバーがかけられていない不正な武器出荷で「人道援助」論争に対するマドゥロの対応益々正当だ。彼にとって不幸なことに、アメリカに支援される「暫定大統領」フアン・グアイドは、彼の平行政府がベネズエラで初めて「外部」からの「人道援助」物資を受け取ったが、発送元、内容を発表せず、ベネズエラに入った方法も同様だと月曜に発表した

 Whitney Webbは MintPress Newsのスタッフライターで、複数の自立、代替メディアに寄稿している。彼女の報道は、Global ResearchやRon Paul Instituteや21st Century Wireなどに掲載されている。彼女はラジオやテレビにも出演して、政治問題を論じている。現在、家族と南チリに在住。

記事原文のurl:https://www.mintpressnews.com/us-company-that-smuggled-weapons-into-venezuela-linked-to-cia-renditions/255049/

----------

  自立ジャーナリスト風人物が、はるばるベネズエラにでかけて、信じられない大本営記事を書いている。まともな発言と思われるものを何度か引用させていただいたことがあるので、驚くばかり。

 どうも、うまく貼り付けられないのだが、記事本文の中に画像があり、「Facebook, Google, Twitterが(検閲で)潰そうとしている。ここで寄付をお願いする。」と書かれている。

 筆者は女性記者。日本では、特定の記者をめがけて途方もない無茶苦茶なしめつけがおこなわれている。彼女への攻撃は、国民への攻撃そのものなのに。官邸記者クラブの人々は何をしているのだろう。下記のIWJガイドを拝読すると、「マスコミ」は、大本営広報部、大政制翼賛会である実態があきらか。

 日刊IWJガイド「神奈川新聞がスクープ! 共同通信も記者クラブも官邸に完全に『服従』したのか!? 官邸による東京新聞・望月衣塑子記者の質問制限問題に関して、共同通信が記事の一部を削除! 官邸と記者クラブの顔色をうかがったのか!?」 2019.2.22日号~No.2353号~(2019.2.22 8時00分)

2019年2月18日 (月)

政府は一体誰に奉仕しているのか?

2019年2月14日

 ペロシが医療を売り渡し、ポンペオが平和を売り渡す時、一体誰の権益が守られるのだろう?

Paul Craig Roberts

 アメリカ医療制度は、世界で最も費用が高く、機能しない医療制度だ。理由はそれが民営化されていることだ。アメリカ以外の欧米文明では、医療制度は社会化されている。

 文明国での医療が社会化される理由は、支払う余裕がない市民に医療を提供するだけでなく、コスト低減だ。民営化された制度では、全分野で利益をあげなければならない。一般開業医、専門医、画像診断施設、救急会社、緊急治療室、病院、ホスピス、健康保険会社。これら全ての分野の利益がコストを上げる。

 アメリカが悩まされているハイブリッド制度では、規制が経費を押し上げる。メディケアとメディケイドの政府規制のみならず、私企業の保険会社に制定された私的規則もある。世界中でアメリカだけが、医療は文書業務の二の次なのだ。

 医療クリニックで働く医者は、公共であれ、私営であれ診療請求書支払人を満足させるため、診断、治療など診察した患者の結果を十分詳しく記述しなければならない。口述時間は医者の治療時間に食い込む。言い換えれば、文書業務の必要条件が、医者が患者を診察する時間を減らすのだ。文書業務で、看護師も書類を整理編集するよう要求される。だが、これで終わりではないのだ。

 メディケアや、メディケイドや、私営保険会社が、請求可能な医療証拠として受け入れられだけ、医師が十分詳しく説明するのを確認するため、医者を監視する人員を、医療企業は雇用している。

 経費の上に経費が積みあがるアメリカ医療制度には、リバタリアン経済学者でさえ、私企業制度のおかげの経済性を見いだすことができない。

 社会化された医療制度では、多くの分野いずれも、稼働し続けるために利益を必要としない。私企業による、メディケアやメディケイドや私営保険会社の支払い請求がないので、詐欺を防ぐための高い経費が必要ないのだ。看護師と医者は、文書業務の代わりに、患者の治療看護に専念できる。もちろん、どのような制度においても、コスト節減の規制がコストを産み出す官僚主義に肥大する可能性はあり、いかなる制度も、医療従事者側に共感と責任ある態度を植えつける美徳なしには、うまく機能するまい。

 もしアメリカに、利益や文書業務や必要ない社会化された医療だけする医療制度があれば、アメリカの医療経費が劇的に減少することに疑いない。そしてこれこそが、そういうことが起きない理由なのだ。

 アメリカの制度では、医療は私益が儲かるのだ。彼らは人々に対する医療経費ではなく、自らの利益に専念している。あらゆる詐欺防止機関や公的機関、私的機関、官僚制度に利益がある。私営医療企業が大口献金者主要なので、アメリカ上院・下院議員に利益がある。

 もしあなたがこれを疑うなら、民主党員や彼らの多くが、利益や規制用の経費がない社会化された医療制度を意味する単一支払い健康保険制度に賛成だと言っていることをお考え願いたい。だがナンシー・ペロシ下院議長の健康保険顧問が保険会社経営者に明らかにしたように、彼らは本当にこのような制度に賛成ではないのだ。ペロシ民主党議員の医療問題顧問、ウェンデル・プリマス、単一支払い健康保険制度に反対する戦いで、保険業界支持を誓約。https://theintercept.com/2019/02/05/nancy-pelosi-medicare-for-all/?utm_source=The+Intercept+Newsletter&utm_campaign=0df09bdfa1-EMAIL_CAMPAIGN_2019_02_09&utm_medium=email&utm_term=0_e00a5122d3-0df09bdfa1-131966649

 ペロシの計画は、オバマの適正価格医療保険法によって「全員加入健康保険制度」を実現することだ。この誤った名前の法律は、健康保険として私営保険証書購入することを義務づけて、アメリカ人の健康保険適用を実現している。控除免責金額や自己負担額も保険の掛け金も非常に高いので、ほとんどの人が保険契約を使う余裕がないので、多くのアメリカ人は購入しなかった。健康保険企業にとって完ぺきな契約は、控除免責金額や自己負担額がそれを使うには余りに高価な保険契約の保険料を集めることだ。

 我々が自問すべきことはこれだ。我々アメリカ人は、なぜ手の届く価格の医療を受けることができないのだろう? 社会化された制度では、医者と看護師に、彼らの献身を確保できるだけ給料を払うことができる。彼らの教育には助成金が支給可能だ。製薬会社は国有化が可能だ。治療法発見にひたむきな科学者たちは、自分が誰のために働いているのか気にしない。起業家精神論議は目をそらす、おとりなのだ。

 政府は市民に奉仕しないというのが答えだ。政府は、上院議員、下院議員や大統領に在職できるように選挙献金する人々に奉仕する私的事業に過ぎない。政府は公益団体ではなく、資本主義の事業と同じ、私的活動であることを、リベラル派や保守主義者やリバタリアンは理解できないのだ。

 政府は一つの民営部門に過ぎない。政府は金を支払ってくれる人々に奉仕する。医療を必要とする人々は大して支払えないので、制度は私営保険企業の手中にあるのだ。
アメリカにいつかできるだろう単一「医療制度改革」は医療費を更に高く押し上げる改革でしかない。

 ペロシの保険会社への売り渡しは「公共財」つまり、政府による国民に対する財・サービスと提供の概念の再考が必要だという更なる証拠だ。例えば国防を考えて頂きたい。助成金を求めるごく少数の私企業に対する納税者から供出される利益と対照して、アメリカの膨大な軍安保複合体予算は一体どんな意味で「公共財」だろう? アメリカ外交政策が、兵器会社や石油会社やイスラエル圧力団体に対するものと比べて、一体どんな意味で、国民に役立っているだろう? アメリカ政府予算を見れば、強力なロビーを持った私的権益団体を食わせているのを見ずにはいられない。

 外交政策と軍/保全予算間の共生関係をお考え願いたい。大規模な国防総省予算や、CIAとNSAの大規模な権限は、危険な敵を必要としているのだ。それでアメリカの外交政策が「ロシアの脅迫」「中国の脅威」「イランの脅威」「アルカイダの脅威」「ISIS の脅威」「サダム・フセインの脅威」「カダフィの脅威」「アサドの脅威」や、今の「マドゥロの脅威」を作り出しているのだ。利益を最大にするため、軍安保複合体は戦争の危険を増すのだ。換言すれば、納税者に課される予算より大きな出費でこそ、利益が得られるのだ。ロシアとの戦争の場合、その代償は地球生活の破壊だ。

 独裁国でと同様に、宣伝は、民主主義国家でも役割を果たしている。大衆は、自身より他の連中に役立つ狙いを受け入れさせるため、だまさなければならない。大衆の愛国心とだまされやすさが、宣伝成功への道を開いている。現在、マイク・ポンペオ国務長官とジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官は、キューバがベネズエラの治安部隊の支配権を掌握し、ヒズボラとイランがベネズエラで活動し、その活動細胞があるという誤った主張で、ベネズエラへのアメリカ軍事介入に国民を備えさせている。ベネズエラでも「地球全体で」も、アメリカにとっての危険と主張されているものは「打倒」されなればならないというのだ。

https://www.blacklistednews.com/article/70923/pompeo-attempts-to-link-iran-hezbollah-to-crisis-in.html

 欧米中いたる所で、政府によって、大衆は売りとばされている。それでもフランスでのみ効果的な抗議運動がある。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/02/14/who-does-government-serve/

-----------

 国営大本営広報部で、とうとう真面目なドキュメンタリー制作部門まで解体されるようだ。先日、アンケートと称する人々がやってきた際、「ドキュメンタリーは素晴らしいが、ニュースという名の宣伝番組は何ですか。あなたがたは戦争中の大本営広報部と同じ犯罪をしていますよ。」といっておいたが、それからわずか数週間。

 手元に『経済学入門』という本がある。昭和37年、西暦1962年初版。227ページに、「アメリカの医療制度は日本に劣る」という小見出しがある。社会主義さえアカとされ、排撃される悪夢の宗主国。

229-230ページを引用させていただこう。

 なぜアメリカほどの国で健康保険制度がしけないのかといえば、資本主義が進んだアメリカでは、資本主義が進みすぎて、利益があがる部面にはどこでも資本が進出して、医療保険もその対象になってしまったためである。だから、新しく社会保障として、国家や労働組合が健康保険制度をしくとなると、この保険会社の現存の利益に抵触する。アメリカは、資本主義をたてまえとし、世界における、そのチャンピオンであり、擁護者である。だから資本の利益をそこなうことはできない。そこなうような制度はアカであり、危険思想だということになっているから。

 『経済学入門』の著者は『アベノミクス批判 四本の矢を折る』の著者。

 うれしくしくおもうことも、うらやむこともない。宗主国既得権益団体に奉仕する属国政府を構成する傀儡連中の努力のおかげで、日本の医療制度も間もなく宗主国並になるのは確実。

 昨日の岩上氏による『知ってはいけない2』著者・矢部宏治氏インタビュー、しっかり拝聴した。矢部氏が「ストックホルム症候群」といわれた。御意。今日のインタビューも必見。閣議決定までする売国「一狂」政権。

 日刊IWJガイド「本日午後4時より、『岩上安身による伊波洋一参議院議員インタビュー』を全編フルオープンで生中継! 東京新聞・望月衣塑子記者を「事実誤認」と主張する官邸の嘘を暴きます! 」 2019.2.18日号~No.2349号~(2019.2.18 8時00分)

2019年2月17日 (日)

リビアの「来た。見た。彼は死んだ。」がベネズエラで繰り返されるのだろうか?

Brian CLOUGHLEY
2019年2月12日
Strategic Culture Foundation

 昨年9月、ウォールストリート・ジャーナルが「今年、この北アフリカの国における一ダース以上の攻撃は自分たちによると主張し、イスラム国家が混沌としたリビアで復活を演じ、世界最重要供給国の一つから石油の流れを混乱させると脅している」と報じたように、様々な集団が、国家支配のために、お互い戦う状態で、リビアは無秩序な混乱状態にある。ウォールストリート・ジャーナルのような主流マスコミにとって、結局は外国人に過ぎない、それほど多くの罪がない人々の大虐殺をもたらす残忍なIS攻撃より、石油の供給が混乱させられる事実のほうが、ずっと重要だ。

 国連安全保障理事会はイスラム国家による「2018年12月25日のトリポリにおける極悪、卑怯なテロ攻撃」に遺憾の意を表し「犠牲者のご家族に、最も深い同情とお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々の速い完全回復をお祈りする」と述べた。

 安全保障理事会がこのような意見を表明するのは称賛に値するが、もしリビアが6年の内戦で破壊されていなければ、誰の同情の必要もなかったはずなのだ。

 リビア大惨事の原因は、反政府派の動きを支援し、打倒すると欧米が固く決めたムアマル・カダフィに支配される不運な国に、何千という爆弾やロケットを雨あられのごとく降らせた、2011年3月から10月までの7カ月間のアメリカ- NATO大空爆だった。カダフィのリビアでは、世界保健機構WHOが詳述しているように、政府は「プライマリ・ヘルスケア組織を通して、全ての国民に対する無料の、予防的、治癒能力があるリハビリテーション・サービス、医療センターや地区病院を含め、包括的医療」を提供していた。平均寿命は(インドの66歳;エジプトの71歳、南アフリカの59歳に対して)75歳で、CIA世界ファクトブックはマレーシアやメキシコやサウジアラビアより高い94.2%の職字率だったと指摘した。

 カダフィは聖人からはほど遠かった。彼は最も残忍な形で敵と交渉し、人間性に反する多数の犯罪で有罪だった。だが、アメリカによる制裁、あるいはアメリカ- NATOの飛行機とミサイルによる7カ月の攻撃を受けなかった(今も受けていない)世界中の多くの他の国々も同じようなものだ。

 アメリカ- NATO大空爆は成功し、カダフィは反乱軍に打倒され、捕らえられ、その上、報道されたように「自暴自棄で、おびえる69歳のカダフィは、白い自動車のボンネット前に投げ出され、血まみれの頭は民兵のひざでしめつけられた。彼はボンネットからすべり落ち、絶え間ない打撃に対処することができなかった。」 それから、特に恐ろしいビデオで見られる通り、無慈悲に打ちすえられ、銃剣を肛門に挿入され、殺された。

 彼女がこれを知らされると、このニュースで、アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンはくすくす笑い、笑いながら言った「我々は来た、見た。彼は死んだ。」

 トランプはアメリカ史で最悪の大統領だが、少なくとも我々は誰かが殺されていたと聞かされて、歓喜でカラカラ笑う人物による世界支配からは免れている。

 ともあれ、今のところベネズエラで起きているのと全く同様に、リビアはクリントン夫人のカラカラ笑いの中、混乱状態に陥れられたのだった。マドゥロ大統領は無情で、横柄で、多くの点でカダフィと変わらず、ベネズエラが彼の政権下で苦しんだことには疑いがない。だがリビアで起きたのと全く同様、ワシントンに課された邪悪な制裁のため、それ以上に苦しんでいるのだ。

 苦しむのは、常に普通の人々、特に貧しい、恵まれない、病気の、不自由な、トランプが愛すると言う全ての人々だという制裁の否定的側面を指摘しているというだけの理由で、国際連合人権理事会は、ワシントンの制裁者連中からは好意的に見られていない。2月7日、ホワイトハウスでの朝食を兼ねた祈とう会で、彼は「アメリカは贖罪を信じる国だ」、信仰が「生活を変え、共同体を治し、忘れられた人たちを救い出す」と宣言したが、彼が言う殆ど全てと同様、おおいに偽善的なたわごとだ。

 これらアメリカ制裁は無数の苦しみをひき起こした。アルジャジーラが2月8日に報じたように)、「病院が、アメーバ症、汚染された食物や水によって伝染したある種の赤痢を発症した後、14人の子供が今週亡くなったと言った。病気に感染した多数の他の子供たちが医療用品の欠如のため適切な治療を受けることができない。」 長年の間、同様に不快な制裁を経験したリビアや、侵入前のイラクでそうだように、それ継続している。

 アントニオ・グテレス国連事務総長は、ベネズエラ危機に関係する全員「緊張を下げて」、お互い話を始めるよう強く促したが、マドゥロ打倒に熱中している全員、誰も彼に耳をかたむける可能性が毛頭なかった。人権を侵害する一方的、強制的弾圧措置の悪影響に関する国連特別報告者、イドリス ・ジャザイリ(称賛に値する大いに知的な人物)は、1月31日、アメリカ(特に名をあげずに)による「強要」は「国際法のあらゆる基準違反」だと述べた。彼はきっぱり述べた「ベネズエラでの経済そして人道的危機を促進し、飢餓や医療の欠乏をもたらす制裁は、紛争の平和的解決の基礎ではない」。

 だがワシントンは少なくとも今のところ、ベネズエラ紛争の平和的解決を全く望んでいない。アメリカが生活必需品を奪った人たちによって、マドゥロが打倒されるよう、苦しみが続くのを望んでいるのだ。アメリカはその手の者が頂点にいることも望んでいる。

 そこで、ベネズエラ議会の二流政治家、フアン・グアイド登場だ。

 1月25日のウォールストリート・ジャーナルによれば「野党指導者フアン・グアイドが自身をベネズエラ暫定大統領だと宣言する前夜、マイク・ペンス副大統領から電話を受けた。ペンス副大統領が、もし彼がベネズエラ憲法の条項に訴えて、ニコラス・マドゥロから政府支配を奪えば、アメリカはグアイドを支持するとを誓ったと政府高官が述べた。」

 2月8日「石油制裁は、人権侵害に対してマドゥロを罰し、正当なベネズエラ大統領としてアメリカが認めた野党リーダーフアン・グアイドに権力を譲るよう、彼に強いるのを意図したものだとトランプ大統領は述べた」とニューヨーク・タイムズが報じた

 「革命」全体はワシントンが画策したが、少なくとも今回彼らはロケットと爆弾でやってこなかった。ワシントンが勝利し、なんらかの形でマドゥロが去るだろうことは疑いない。

 彼に対する私の助言は以下の通り。諦めて出国するのを余りぐずぐずせぬように。さもなくば、マドゥロよ、彼らは来るだろう。彼らは見るだろう、あなたは死ぬだろう。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/02/12/in-libya-we-came-saw-he-died-will-there-repeat-in-venezuela.html

----------

 『孟子』を読んでいて、157-158ページに目が止まった

さて今や、天下の諸侯を見渡すのに、その領土といいその徳といい、大抵似たり寄ったりで、誰一人として傑出しているものがいないのは、外の理由でもありません。ただ自分が教えてやれるような詰まらぬ人物ばかり家来にしたがって、自分が教えてもらえるような人材を家来にしたがらぬからです。

 「新聞記者の会見で閣議決定」という記事にあきれる。問題は鋭い質問をする記者ではなく、「そのような指摘は当たらない」「全く問題ない」という発言を黙々ノートパソコンに打ち込んでいる他社「記者」連中。確かに良く見ると「速記者」には「記者」の漢字が入っている。

 今夜のIWJインタビュー、見逃せない。

 日刊IWJガイド・日曜版「本日午後7時より、岩上さんによる矢部宏治氏インタビュー続編を全編フルオープンで生中継!」 2019.2.17日号~No.2348号~(2019.2.17 8時00分)

2019年2月16日 (土)

マドゥロが勝利し、北朝鮮が核を保持するのを私が願っている理由

ケイトリン・ジョンストン
2019年2月8日

 報道によれば、アメリカと北朝鮮の2度目の首脳会談が、月末ベトナムで行われる予定だ。この交渉がどこに向かっているかについての専門家意見は、本質をついたものから、信じられないほど無知なものまで及ぶが、主流マスコミを鵜呑みにしている人々は、圧倒的に後者だ。トランプ支持者は、大統領が「交渉の妙技」で、平壌を完全に非核化するよう魔法のように説得してくれると信じており、主流民主党員は、トランプは愚かで、邪悪な独裁者の極悪非道な狙いを手助けしていると信じている。最近のアメリカ外交政策問題のほぼ全てで起きているのと同様、この全体像は、トランプに過度に固執するマスコミが完全に曖昧にしている。

 リビアが核開発計画を放棄して間もなくの、アメリカによる政権転覆干渉の直接の結果、ムアマル・カダフィが街頭で殺害される世界で、大きな動機がないのだから、北朝鮮は決して非核化しないだろうと、事情を熟知した人々は言う。欧米による制裁は実に酷いものだが、リビアで起きたことと比べれば何ほどのことでもない。

 文とトランプが、どれほど魅力的、あるいは脅迫的になろうとも、我々が知っている平壌が決して非核化しないだろうと私は思う。二つの朝鮮間に平和は確かにあり得るが、我々が知っている平壌が、簡単に朝鮮民主主義人民共和国の核兵器を断念するというのは、子供たちと愚か者向けのおとぎ話だ。だが「我々が知っている平壌」というのはキーワードだ。近いうちに、北朝鮮が自発的に核兵器を放棄し、制裁が解除され、一極世界秩序により、普通の国として扱われ得る状況がある。だがそれは、我々の誰も望まない状況だ。

    北朝鮮は非核化せず、そうしいられるべきでもない。朝鮮民主主義人民共和国が核兵器を保有しているのは、アメリカ帝国主義の自然の結果に過ぎない。北朝鮮が非核化する唯一の方法は、北朝鮮が脅されて、帝国の塊に参加させられた場合だが、誰もそれを望むべきではない。

      @caitoz

 私が見るところ、可能性は三つしかない。

  1. 北朝鮮は、核兵器を政権転覆干渉に対する有効な抑止力として保持する
  2. アメリカと全てのライバルが核兵器を放棄し、北朝鮮は核兵器を放棄する、または
  3. 北朝鮮が、アメリカに集中している権力同盟に入り、核兵器を放棄する

 北朝鮮が一極世界秩序によって普通に扱われる唯一の方法は、北朝鮮が一極世界秩序に参加することだ。もし北朝鮮が、アメリカに集中した帝国に吸収されるのを認めればだ。もし北朝鮮が非核化すれば、それが起きたことになるが、それは常に北朝鮮にかけられる圧力の最終目的だった。もし金正恩が彼の前任者と十分に違っていて、もし彼がアメと鞭の適切な組み合わせを与えられれば、どうなるかわからない。北朝鮮には10兆ドルの価値に相当する天然資源があるが、制裁のため、採掘したり輸出したりできず、東西両方に、その富を自分の懐に入れようと、平壌の機嫌を伺う有力な人々がいるのは確実だ。おそらく金の支持基盤は、これまでの(私の国ニュージーランドを含め)実に多くの国々同様、朝鮮民主主義人民共和国の主権放棄に同意し、圧力を和らげるため、一極の塊に加わるよう説得される可能性がある。

 だがこれは正確には一体何を意味するのだろう? それは国家主権を強く主張要求しようとしたもう一つの国が、いじめられ、飢えさせられて、生き残るため、アメリカに集中した帝国に加わったことを意味するだろう。帝国にもう一つ国が増え、残る吸収されない多極主義諸国政権が一つ減ることになる。

 アメリカと、帝国として機能する同盟国の緊密なネットワークの一極世界支配に抵抗せずに、本当に反戦あるのは不可能だというのが現実だ。この帝国は、軍事的暴力の恫喝と実行なしでは、最優勢勢力であり続けることは不可能だ。軍事同盟というアメと軍事攻撃という鞭は、帝国がばらばらにならないよう保つ接着剤なのだ。これが続いている限り、世界は決して平和にはなれない。もしアメリカによる世界支配継続を支持するなら、おそらく、いくつかの戦争に、個別に反対だと主張できるが、反戦や介入主義反対だと主張することはできない。

    おそらくベネズエラに関してこれまで最も愚劣な見出し。どの国のどの指導者であれ、侵略軍の兵士を殺すと恫喝するのは確実だ https://t.co/XRFXVntfBBvenezuela

      2019年2月8日、ホィットニー・ウェッブ(@_whitneywebb)

 ベネズエラも、北朝鮮と同じだ。アメリカに集中した権力同盟は、戦略上重要な地域の、言うことを聞かない国を、連中の塊に吸収されることに同意させようと果てしない暴力で脅している。もちろん私は彼らの意志に従って国作りをするベネズエラ国民の主権的権利を完全に支持するが、トランプ政権による政権転覆干渉は、ベネズエラ国民の意志とは全く無関係だ。アメリカが据えつけようと画策しているグアイドの想像上の政府は、ジョン・ボルトンが認めているように、石油権益と大いに関係があり、アメリカに忠実なベネズエラを確保すべく、とことん帝国主義設計者連中が築いたものなのだ。

 もしアメリカが、ベネズエラ軍が姿勢を変え、切羽詰まって、マドゥロを追い出すまで、国民生活を大混乱させるのに成功すれば、制裁は終わるだろうし、多分は一部の(大半より白く、より裕福な)ベネズエラ人のためにはずっと良いだろうが、その究極的結果は、もう一つの主権国家を脅して、主権を放棄させるのに成功した帝国だ。

 イランも同じだ。もしボルトン配下が、テヘランでの政権転覆に成功すれば、主流マスコミ言説は、自由と民主主義やら、女性の髪の露出なのだろうが、アメリカを中心とする帝国が、中東での地域支配を強化し、イスラエルと湾岸同盟諸国を補強するため、もう一つの大産油国の政府打倒と、傀儡政権据えつけの成功が本当の意味なのだ。そうなれば、シリアも同じ運命を経験することになるかもしれない。

 戦争は悪いと思う人々全員が、あらゆる手段で、これに反対すべきだ。一極主義の塊の継続的な拡大は、平和と国家主権の世界から離れ、朝鮮やベトナムやイラクやリビアやシリアに容赦ない恐怖を与えたのと同じ凶悪犯が、邪悪な意志を多くの国々に押しつけようとする果てしない軍事暴力の世界に向かう動きなのだ。

    元アフガニスタン駐留将官が、現在、戦争は敗北しており、取り組みが無意味なのを認めている。https://t.co/cORKlJHCfH

     マイケル・トレーシー(@mtracey)

 北朝鮮との核戦争を防ぐ方法は、北朝鮮をそっとしておき、制裁をやめ、脅迫をやめることだ。ベネズエラ国民を支援する方法は、彼らを飢えさせている制裁を終わらせることだ。イラン国民を支援する方法は、CIAの秘密活動飢餓制裁を終わらせ、イランに決して余計な手出しをしないことだ。シリア国民を支援する方法は、ダマスカスを打倒しようとする過激派民兵に武器を与え、保護するのを止め、制裁を止め、不法占拠を止め、シリアの主権を尊重することだ。平和を推進する方法は、世界中の誰よりも平和を損なってきた組織、つまり、アメリカ帝国に反対することだ。

 もちろん我々は、圧制から全員が自由であるよう望むべきで、もちろん我々は、世界に核兵器がないようを望むべきだ。悲惨な政権転覆干渉の一貫した実績が疑う余地ない勢力による外国政府の打倒を、我々は支援するべきでなく、残虐な扱いを逃れるため、主権を放棄するよう独立国家を脅す勢力を我々は支持するべきではない。それは我々が作り出そうとしている世界ではない。戦争挑発帝国の塊は、大きくなればなるほど、益々強力になる。もし平和と調和に満ちた世界をお望みなら、平和と調和を阻止する上で一番責任がある勢力による悪質活動への反対に注力願いたい。
_____________________________

  お読みいただいたことに感謝! インターネット検閲を回避し、私が公開する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトで、メーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて、電子メールで通知が行く。私の記事は全て読者の支持によるものなので、本記事を良いと思われたら、共有し、 Facebookで「いいね」評価し、私のTwitterをフォローし、私のpodcastをチェックし、PatreonPaypalに投げ銭し、新刊『Rogue Nation: Psychonautical Adventures With Caitlin Johnstone』や前の著書『Woke: A Field Guide for Utopia Preppers』を購入頂くようお願いしたい。

Bitcoin donations:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

記事原文のurl:https://medium.com/@caityjohnstone/why-i-hope-maduro-wins-and-north-korea-keeps-its-nukes-83ce4ec8df1f

----------

 悪夢の政権支配が続く中、植草一秀の『知られざる真実』の2月14日記事を拝読。
たしかに鳩山内閣は悪夢の民主党政権だった

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名にびっくり。類は友を呼ぶ。

エプリル・フール???でないらしい。こんなことが起こってる。ノーベル賞に「安倍氏から推薦」=トランプ米大統領が会見で言及、Tは15日記者会見で、安倍首相からノーベル平和賞選考機関に送ったとされる「推薦状」のコピーを受け取ったと明らかにした。

2019年2月15日 (金)

ベネズエラの白人優越主義がトランプ・クーデターの鍵

2019年2月8日
グレッグ・パラスト
Truthoutのために

 1月23日、ドナルド・トランプからの電話のすぐ後、前ベネズエラ国民議会議長フアン・グアイドが、自ら大統領だと宣言した。投票なしで。ドナルドから公式に承認される時、誰が選挙を必要とするだろう?

 はぁ?

 ベネズエラで何が起こっているか、私は3枚の写真で説明することができる。

 一枚目、ニューヨーク・タイムズに堂々と掲載された、妻と子供と一緒のベネズエラの自称(そしてトランプも宣言した)大統領フアン・グアイドの写真がある。

 二枚目、国民議会、グアイドの党の集合写真、雪のように白い議員たち

 特に、彼らと政治的に反対の、当選したニコラス・マドゥロ大統領を支援する議員たちの3枚目と比較すれば。マドゥロ支援者、ほぼ全員、肌の色がもっと濃い。

これがニューヨーク・タイムズ記事が、アメリカの他の体制派マスコミも語らない、ベネズエラの黒と白の物語だ。今年のいわゆる大衆反乱には、その核心に、貧しい(混血の)より多数派のメスティーソが、彼らに置き換わっていることに対する、より白い(そしてより裕福な)ベネズエラ人の激怒の反発があるのだ。

 自分の祖先はヨーロッパ人だと考える人々による4世紀にわたるベネズエラの白人優越主義は、過半数のメスティーソによる圧倒的支持で勝ったウゴ・チャベスの1998年の当選で終わった。白人優越主義からのこの転換は選挙で選ばれたチャベス後継者マドゥロの下で続いている。

 2002年に始まったBBCのチャベスと私のインタビューで、彼が堂々と誇らしげに身につけているレッテルである見るからに「ニグロでインディオ」の肌色が濃い人間に追い出されるのを目にした白人支配階級の激怒についてユーモアたっぷりに語った。

 貧しい人々はなぜチャベスを愛したのだろう? (愛は余り強い言葉ではないが。)驚くほど誠実なアメリカCIAのワールド・ファクトブックさえこう述べている。

「チャベス政権時代のベネズエラに対する社会的投資が、1999年のほぼ50%から、2011年の約27%まで貧困を減らし、就学率を高め、幼児、子供の死亡率を大きく減少し、社会的投資を通して、飲料に適した水の利用と公衆衛生を改善した。」

 加えるべきは、アメリカより、更に人種と貧困が結びついていることだ。

 だが2013年に、マドゥロが大統領に就任すると、石油価格は崩壊を始め、石油で支払っていた膨大な社会福祉プログラムは、借金と札の印刷で支払わなければならず、途方もないインフレーションを起こしている。経済的衰退は、今ベネズエラのための国連報告者が「中世の包囲攻撃」になぞらえたものにより、もっと極端に悪くされる。トランプ政権は、ベネズエラを、最大顧客アメリカからの石油輸出収益から切り離した

 皆が経済的に傷ついているが、特権階級の銀行預金口座はほぼ無価値になった。混血の人々の大多数は、彼らの偉大な白人の希望グアイドを選ばないことを知っている腹を立てた白人の金持ちは街頭に繰り出した - しばしば武装して。(そう双方が武装している。)

 私はこの映画を前に見ている。ベネズエラ左翼政府のいわゆる「独裁」に反対する大規模デモの現在のニュース報道を見ると、BBCテレビ用報道で、私が初めてカラカスに入った2002年に酷似している。

 当時、ニューヨーク・タイムズやNPRやアメリカの他の主流マスコミが、何万というベネズエラ人がチャベス辞任を要求しているのを見せ、チャベス政府に反対する行進と報じた。だが私がBBC写真班を引き連れて、これら抗議参加者と一緒に行進した際、彼らは明らかに色白の少数人種だった。彼らは裕福な人たちでもあり、彼らは人がそれを知るよう望んでいた。女性の多くがハイヒールで行進し、男性は彼らの特権階級のユニフォーム、ビジネススーツを誇らしげに見せびらかしていた。

 チャベス支持者は愛国的な黄、青、そして赤のTシャツ、スニーカー、ジーンズを身につけていた。

 人種は政治哲学と同じぐらい極めて重要だ。私が反政府デモ参加者と一緒に行進した時、彼らは「チャベス、猿!」やら、もっと酷いことを叫んでいた。

 2002年、BBCのために、チャベス支持派デモを撮影するパラスト。

 アメリカ報道機関は自身の人種的偏見を認めないので、ベネズエラでのこの人種戦争(戦争はそういうものだ)の物語をアメリカ人の多くは一度も聞いたことがない。2002年も、今日と同様、白人ベネズエラ人の大規模デモが、チャベスが非常に人気がない証拠として報じられた。それぞれの反チャベス行進の翌日、アメリカのマスコミでは、わずか、あるいは、ほとんど報道されない、圧倒的に貧しいメスティーソの大群、約50万の行進参加者でカラカスを溢れさせたチャベス支持デモを私は目撃し、撮影していた

 この偏見は継続している。ニューヨーク・タイムズは、これまでの一週間、マドゥロ支持派デモの写真を掲載しなかった。だが見つけにくい写真や現地の同僚からの報道では、チャベス主義派のデモはより大きく、カラカスの高級住宅地だけでなく、いくつかの都市でも多数が参加している。

いくつの欧米報道機関が今日アメリカが支援するクーデターに抗議するベネズエラでの大規模行進を報じただろう- # HandsOffVenezuela pic.twitter.com/YBQpqbdEfl

      2019年2月2日、アビー・マーティン(@AbbyMartin)

 なぜ貧しい人々はマドゥロ支持行進をするのだろう? 混血の過半数が現在苦しんでいるが彼らは事実上のアパルトヘイト、チャベス以前の日々に後戻りすることはあるまい。

 我々は、これがアメリカ政府がベネズエラで選出された政府を打倒しようとした初めてのことではないことを想起しなくてはならない。

 2002年、ジョージ・W・ブッシュの国務省はクーデター応援団になった。計画者はチャベスを誘拐し、人質として抑留した。クーデターは、石油産業指導者で商工会議所会長で、ベネズエラのホワイトハウスを掌握したペドロ・カルモナに率いられており、彼は今日のグアイドのように自身を大統領と宣言していた。ベネズエラ・エリートに開催され、ブッシュの大使が出席した、おしゃれな就任舞踏会について、カルモナは誇らしげに私に語った。

 だが肌の色がより濃いベネズエラ人の百万人が首都を満たし、人気がないことにされている彼らの英雄チャベスを、ミラフロレス大統領官邸に戻すよう計画者に強いて、ブッシュ/カルモナ・クーデターは失敗した。カルモナ「大統領」は逃亡した。

 現在グアイド支持者は、カルモナ支持者同様、新たに権利を与えられた混血の過半数の圧倒的な事実という条件のもとでは、自分たちが選挙で勝つことができないのを知っている。それでグアイドは、大統領選出馬を、ベネズエラ国民からは得られないトランプと同盟者による「承認」で置き換え、選挙という考えを完全に省略したのだ。

 今反チャベス・デモ参加者の画像を見て、ヒュプレヒコールを聞くと、昨年11月、ジョージア州マコンでのトランプ集会で見たものを思い出す。大統領は国境を「侵略して」いる人々から国を取り戻す必要があると、白人優越主義者が圧倒的に多い聴衆に語るため、大統領専用機から抜け出した。トランプは、彼女が「ジョージアをベネズエラに変える」だろうと語り、黒人知事候補ステイシー・エイブラムスを恐れるように言ったのだ。

 チャベスがベネズエラにしたように、国民皆保険制度をジョージアにもたらそうとしているエイブラムスのプログラムについて、トランプが話をしたとは思われない。

 アメリカ報道機関はトランプ集会で示される人種間憎悪を直ぐさま非難する。だが我々がベネズエラからの3枚の写真で見られるものを、アメリカの報道機関で、私はまだ聞いたり読んだりしていない。「彼らの国を取り戻す」ことを望んでいる白人蜂起を。

 留意願いたい。裕福な国際的に結びついている少数派によるベネズエラ反乱は、返り咲いたネオコン、トランプの国家安全保障担当補佐官ジョン・ボルトンに立案された政権転覆計画にそって運営されている。さらに注目を願いたい。ボルトンがあからさまに誇らしげに公言しているように、ベネズエラとその石油を支配する計画なのだ。

 そう石油。常に石油だ。ベネズエラには差し押さえるべきものが多いにある。世界最大の石油埋蔵

 第2部でそれを語ろう。

 注:グレッグ・パラストは、チャベス大統領の任期中、BBCテレビNewsnightとガーディアンのためにベネズエラを報道した。パラストの調査財団に寄付するか、無料で、パラストのBBC報告、ウゴ・チャベス暗殺の映画をダウンロードされたい。本記事は、ウィリアム・カマカロによるカラカスに追加報道を取り入れている。

記事原文のurl:https://www.gregpalast.com/in-venezuela-white-supremacy-is-a-key-to-trump-coup/

----------

 数日前「プレミアムカフェ 世界で一番標高の高い街~ボリビア・エルアルト~」を見た。番組の中か後か、日本人のことをどう思っているのか俳優の大高洋夫氏が識者に訪ねた際の「国を征服した白人を一番尊敬しています。」という趣旨の答えが何とも印象的だった。現在のボリビア大統領は、ボリビア史上初の先住民出身者エボ・モラレス。

 紀伊国屋サザンシアターで『正造の石』を見た。脚本家お二人のうち一人はテレビ・ドラマ「足尾から来た女」の作者。田中正造ではなく、田中正造に紹介されて、女性人権活動先駆者、福田英子の家事手伝いになった谷中村出身女性を主人公に設定した思いもよらない視点。谷中を出る時、正造から石ころをもらい、いつも持っている。彼女は、兄にいわれて、当初、警察のスパイとして、福田英子の家に訪れる幸徳秋水や石川三四郎ら社会主義者やアナキストの会話内容を報告させられる。福田英子の著書や、伝記、昔は書店でよくみかけたものだが、今では高い古書しかないようだ。終幕で、福田英子は警察の弾圧・スパイには慣れていると語る。クリス・ヘッジズのAmerica: The Farewell Tourの中のWorkという章に社会主義者Eugene Debsの話が出てくるのを連想した。彼も幸徳秋水同様、反戦だ。それをかどに投獄されてしまう。家が博物館になっているDebsの家をヘッジズは訪れるが、訪問者は年間約700人だとある。人数の少なさに驚いて、思わず読み直した。学生団体はめったに来ない。と109ページにある。マッカーシズムによる徹底弾圧で、息の根を止められているのだろう。前回選挙で登場した女性議員の中に、社会主義に言及する人があらわれてはいる。ところで、田中正造旧宅はいまもあり、見学できる。博物館ではないが、田中正造記念館が館林にある。それぞれ年間訪問者数はどうなのだろう。

 今晩は下記再配信を拝聴しよう。

 日刊IWJガイド「『別人の身長を比較して、身長が伸びたと言っている』と明石順平氏が指摘する1月22日野党合同ヒアリングの模様を本日午後6時より再配信します!」 2019.2.15日号~No.2346号~(2019.2.15 8時00分)

2019年2月14日 (木)

私が知っているズビグニュー・ブレジンスキー(再掲載)

 「ロシア代理人」や「反ユダヤ主義者」や「陰謀論者」と呼ばれるものから情報を聞く際は、彼らに耳をかたむけた方が良い。こうした人々は、真実を語るため、批判的言辞を受け入れる覚悟をした事情に詳しい人々なのだ。」

 私はいくつかの理由で、この記事を本欄に再掲載することを決めた。一つはネオコンとしてのブレジンスキーによる歪曲した説明が、我々の時代を特徴づけている、真実に対する無頓着な態度を例証していることだ。欧米における、真実よりずっと有効な勢力としての公然の非難の勃興は、欧米の存続にとって悪い兆しだ。
 「ロシア代理人」や「反ユダヤ主義者」や「陰謀論者」と呼ばれるものから情報を聞く際は、彼らに耳をかたむけた方が良い。こうした人々は、真実を語るため、批判的言辞を受け入れる覚悟をした事情に詳しい人々なのだ。」

 私はいくつかの理由で、この記事を本欄に再掲載することを決めた。一つはネオコンとしてのブレジンスキーによる歪曲した説明が、我々の時代を特徴づけている、真実に対する無頓着な態度を例証だからだ。欧米における、真実よりずっと有効な勢力としての公然の非難の勃興は、欧米の存続にとって悪い兆しだ。

 欧米全体で、罵倒が論証的な討論に代わっている。イスラエルのパレスチナ人への対応や、アメリカ政府に対するイスラエルロビーの影響や、学界の地位任命を批判する人々は、批判する人々の信用を失墜させるためにイスラエルロビーが使う名前である「反ユダヤ主義者」というレッテルを貼りつけられる。

 ロシアに対する無謀で無責任な非難が、戦争を招きかねないことを指摘する人は「ロシアの代理人」だとレッテルを貼られる。

 トンキン湾事件、マーティン・ルーサー・キングやジョンやロバート・ケネディ暗殺、9/11事件、アメリカ戦艦リバティー号の公式説明を、余りににも熟知していて信じられない人々は「陰謀論者」と言われる。言い換えれば、もし人が全てが厳しい事実により誤っていることを証明される公式説明を受け入れなければ、信用を失墜させられるのだ。

 欧米では、事実はもはや重要ではない。もし人が当局と意見を異にするいずれかの専門家の分析を報じれば、その人はエキスパートとともに、報告者として、陰謀論者、ロシアの代理人、あるいは反ユダヤ主義者というレッテルを貼られる。もし専門家を信じていなければ、彼が何と言ったか報じていないはずだという考え方なのだ。言説がトランプ大統領によるものでない限り、印刷物やTVニュースが、公式説明との不一致を避けるのも不思議なことではない。

 欧米全体で、事実は好ましくないもの(ペルソナ・ノングラータ)なのだ。

 その結果、欧米は自らを現実から隔離して、錯覚と妄想の中に住んでいる。従って欧米が生き残れる可能性は最小だ。

Paul Craig Roberts
2017年6月2日

ブレジンスキーが89歳で亡くなり、いずれも、既得権益集団のどれかや、人々が満足する神話に役立つ、大量のプロパガンダや偽情報が産み出された。私はブレジンスキーの専門家ではなく、本記事は彼を弁明するためのものでもない。ソ連時代、ワシントンの誰もが本質的にそうであったように、彼は冷戦戦士だった。

私がウィリアム・E・サイモン名称政治経済学教授職にあった戦略国際問題研究所CSISで、ブレジンスキーは、12年間同僚だった。私がその職に任命された際、CSISはジョージタウン大学の一部だった。ところが、ジョージタウン大学学長は、やはり我々の同僚だったヘンリー・キッシンジャーを憎悪するリベラルの一人で、ジョージタウン大学学長は、彼が良く知らないはずの、ロナルド・レーガンも、その行動ゆえにではなく、発言で、憎悪していた。だから私は歓迎されなかった。CSISに対する私の価値がどうであれ、キッシンジャーは、もっと価値があり、CSISはヘンリー・キッシンジャーを手放そうとしなかった。
そこで、戦略国際問題研究所は、ジョージタウン大学と袂を分かった。ブレジンスキーはCSISに残った。

ソ連科学アカデミー経済研究所内で、長年謄写版複製で秘密裏に出回っていた1971年刊の私の著書『Alienation and the Soviet Economy』が、カリフォルニア大学バークレー校、アーロン・ワイルダスキー教授の序文を添えて、1990年に再版された際、ブレジンスキーは、ロバート・コンクェストや二人のソ連科学アカデミー会員と並んで、表紙に推薦のことばを寄せてくれた。ブレジンスキーはこう書いていた。 “ロバーツ教授によるソ連経済発展解説は時宜にかなっており、既存文献の大きな空白を埋めてくれる。その中でソ連経済が成長し衰退した、マルクス主義の理論的枠組みを理解しようとする専門家にとっても、一般人にとっても、本書は有益だ。”

二つの理由から、私は彼の推薦のことばを引用した。一つは、ブレジンスキーに対する私の見方が偏っている可能性を前もって明らかにするためだ。もう一つは、ブレジンスキーも私も、ソ連を長期的な脅威とは見なしていなかったことを、はっきりさせるためだ。私は、ソ連経済は破綻すると予想しており、実際破綻したが、ブレジンスキーは、ソ連は、民族の境界に沿って分裂すると予想しており、実際、ワシントン監督下で分裂した。我々はいずれも冷戦戦士だったが-私はCommittee on Present Dangerのメンバーで-二人とも、戦争や紛争ではなく、平和的な冷戦解決を好んでいた。ブレジンスキーは、アメリカ単独行動主義に対し制約になっているロシアを潰すと固く決意しているネオコンでは決してなかった。ブレジンスキーは、カーター大統領の国家安全保障顧問として、アメリカ上院が批准を拒否したにもかかわらず、カーター政権が認めたSALT 2を阻止しなかった。

ブレジンスキーは、ポーランドのワルシャワで、1928年に生まれた。彼の父親はドイツとソ連に赴任したポーランド外交官だった。1938年に、ブレジンスキーの父親は、カナダのモントリオールに、総領事として赴任した。モロトフ=リッベントロップ協定と、チャーチルと、フランクリン・D・ルーズヴェルトのヤルタ会談で、ポーランドが“ソ連勢力圏”に組み込まれた結果、ブレジンスキーは、カナダで教育を受け育つことになった。後に彼はハーバード大学で博士号を得て、ハーバード教授になった。ブレジンスキーには、あらゆる陰謀の刻印がある。彼は外交問題評議会とビルダーバーグのメンバーだった。私にとって幸いなことに、私が外交問題評議会メンバーに推薦された際、私は反対投票で落とされた。

ブレジンスキーがポーランド人で、彼の妻も東欧の人であることで、彼がロシアに対し強い憎しみを抱いている理由は明らかだ。とは言え、ブレジンスキーは主戦論者ではなかった。彼はヒューバート・ハンフリーの大統領選挙運動の顧問となり、アメリカのベトナム戦争介入段階的縮小を主張し、ワシントンがベトナム戦争を拡大したことに抗議して、アメリカ国務省の職を辞した。

同時に、彼はジョージ・マクガヴァンの反戦論に反対した。

重要なのは、ブレジンスキーは、ソ連が内的矛盾で崩壊するまで十分長期間、アメリカをもたせるようにしたかった、というのが私の考えだ。ブレジンスキーは、アメリカの世界覇権を押しつけることを狙ってはいなかった。これはネオコンの目標であり、冷戦戦士の目標ではない。レーガン大統領が強調した通り、冷戦で“勝利する”要点は、それを終わらせることにあり、相手に対する覇権を実現することではなかった。国家安全保障顧問として、ソ連をアフガニスタンに誘い込むブレジンスキーの戦略は、ソ連を弱体化させ、それにより冷戦終結を早めることだった。

これは、私自身が実際に経験した事実だ。もし私が正しければ、ブレジンスキーを、ソ連の破壊を願う悪であるのみならず、ブレジンスキーが国家安全保障顧問の座につく三十年前に始まった戦争、冷戦を作り出した冷戦戦士でもあるとして描き出すロシアと欧米両方のマスコミから聞かされているものと、真実は異なっている。

ソ連に対するブレジンスキーの手法が、現在の欧米に対するロシアの手法と同じだというのは、皮肉なことだ。ブレジンスキーは、ニクソン/キッシンジャーの緊張緩和の代わりに、国際法と人権を強調することを好んだ。これは現在、ワシントンや、ワシントン傀儡のNATO諸国に対する、プーチンの手法だ。

映画『Vフォー・ヴェンデッタ』の主人公“V”のように、ブレジンスキーは、ソ連に対して、軍事力ではなく、想像力を使いたがっていたのではないかと思う。もし記憶が正しければ、これが、ブレジンスキーと、武力を好む軍治安複合体や、軍縮を好むサイラス・ヴァンス国務長官との違いだ。

私は『マトリックス』世界に生まれでた。そこから脱出するには、何十年もの、政府部内者としての経験や、思いがけない経験が必要だった。ブレジンスキーも、思いがけない出来事の一つだったのかも知れない。国家安全保障顧問として、数百のソ連ICBMがアメリカに向けて飛行中という知らせで、真夜中に起こされた経験を話してくれたのを覚えている。彼の頭がはっきりする前に、今度は数千のICBMがアメリカ破壊の途上にあると言われた。反撃しても無駄だと思いついたところに、全て、演習情報が、どういうわけか、早期警報ネットワークに送り込まれた間違いだったという三番目の知らせが届いた。

言い換えれば、ブレジンスキーは、核のホロコーストを開始する間違いをどれだけ簡単にしてしまうかを理解していた。ロナルド・レーガンが冷戦を終わらせたがっていたのと全く同じ理由で、彼は冷戦を終わらせたがっていた。ワシントンが対ロシア核先制攻撃を準備しているとロシアに確信させた、本当の元凶は、クリントン、ジョージ・W・ブッシュやオバマ政権なのに、左翼がしているように、ブレジンスキーと、レーガンを元凶にするのは、一種のイデオロギー的愚行だ。

だが、欧米の愚行をこそ、我々は甘受している。我々はこの愚行に、一体いつまで生き延びられるのかこそが疑問だ。

冷戦の基盤である“ソ連の脅威”はでっちあげだったと私は思う。アイゼンハワー大統領が、それについて警告しても全く効果がなかった軍治安複合体によって作り出されたものだった。愛国的な戦争映画や、日本やドイツからの脅威など決して受けておらず、自国政府からのみ脅威を受けている“我々の自由を守るため”亡くなった人々に対する、5月最終月曜日の愛国的な戦没将兵追悼記念日や、7月4日の独立記念日の感情的な感謝が、国家安全保障顧問さえ洗脳するのに成功した。今のアメリカ国民が無頓着なのに何の不思議もない。

冷戦は軍治安複合体が画策したものだったが、犠牲者は多い。ブレジンスキーも彼の人生も、冷戦の犠牲だった。そのために命を失ったJFKは犠牲者だ。何百万人ものベトナム人死者は犠牲者だった。アメリカのナパーム弾を恐れて道路を逃げる裸のベトナム人少女の写真が、冷戦が一体どれほどの無辜の犠牲者をもたらすか気づかせてくれた。アフガニスタンに派兵されたソ連軍兵士たちも、アフガニスタン国民同様に犠牲者だった。

共産党の強硬派連中が、ソ連大統領ゴルバチョフを軟禁し、ソ連の脅威を自ら取り除いた。この準備不十分な介入がソ連を崩壊させた。ソ連の脅威がなくなり、アメリカ軍治安複合体は、膨大な予算を正当化する口実をもはや失ってしまった。

アメリカ人納税者を搾り取るための新たな正当化の口実を探して、足踏みしながら、軍治安複合体は、クリントン大統領に、アメリカは世界の警察官だと宣言させ、“人権”の名において、ユーゴスラビアを破壊させた。 イスラエルとネオコンの入れ知恵で、軍治安複合体は“イスラム教徒テロリストの脅威”を作り出すのに、9/11を利用した。このでっちあげは、今や七カ国で、何百万人ものイスラム教徒を殺害し、四肢を傷つけ、財産を奪い、強制退去させている。

北アフリカから、イラク、シリア、イエメンやアフガニスタンにまで及ぶ国々に対するワシントンによる16年間におよび戦争にもかかわらず、“イスラムの脅威”は、1.1兆ドルものアメリカの軍/治安年間予算を正当化するには不十分だ。結果として、ロシアの脅威が甦らされたのだ。

イスラムの脅威は、アメリカにとって決して危険なものではなかった。ワシントンによる戦争からの何百万人ものイスラム教徒難民を受け入れざるを得なかったワシントン傀儡のヨーロッパ諸国にとってのみ危険なのだ。ところが、あらたに作り出されたロシアの脅威は、あらゆるアメリカ国民にとっても、あらゆるヨーロッパ人にとっても脅威だ。

ロシアは反撃が可能だ。四半世紀、ロシアは、ワシントンが、立ちすくませるような対ロシア核攻撃を準備するのを見つめてきた。最近、ロシア最高司令部は、ワシントンが対ロシア奇襲核攻撃を意図しているとロシア軍が結論付けたと発表した。

このロシアの恐ろしい発表を欧米マスコミは全く報じない。トランプを含め、どの欧米政府高官も、プーチンに電話して、そのような対ロシア攻撃計画は皆無だと保証しようとしていない。

だから、次にブレジンスキーが受け取ったような誤警報をモスクワの相手方やアメリカの国家安全保障会議が受信した際はどうなるだろう? 悪のアメリカ軍治安複合体がよみがえらせた敵意のおかげで、ロシアかアメリカが誤警報を信じ込む結果になるのだろうか?

閣僚を含め無頓着な欧米諸国民は、核による破壊の崖っぷちに自分たちが暮らしていることが理解できない。

皆様に警告する私のように、ごくわずかな人々は“ロシアの毛先”“反ユダヤ主義”や“陰謀論者”と切り捨てられる。“ロシアの手先”“反ユダヤ主義”や“陰謀論者”と呼ばれる情報を耳にしたら、耳を傾けられたほうが良い。こうした人々は、人々に真実を語るためには、迫害されるのも辞さない人々なのだ。

欧米マスコミからも、いかなる欧米政府からも、決して真実は得ることはできない。(http://www.paulcraigroberts.org/2017/06/02/israels-slaughter-us-sailors/を参照(日本語訳はこちら「イスラエルによるアメリカ海軍軍人虐殺」。))

儲けを流れ込み続けさせるために、アメリカ軍治安複合体が敵を必要としているという極めて不安定な状態に、世界中が暮らしているというのが、現在最も重要な真実だ。残虐な事実はこうなのだ。自分たちの利益のため、アメリカ軍治安複合体が、全世界を、核のハルマゲドンの危機に曝しているのだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

最初の掲載時の原文url:http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-46c3.html

再掲載時の原文url:https://www.paulcraigroberts.org/2019/02/12/zbigniew-brzezinski-as-i-knew-him/

----------

 筆者が再掲載されたので、新規の導入部分を訳して、再度掲載させていただく。

 児童虐待を救えない失態や五輪担当大臣の失言を大本営広報部は執拗に報じるが、大本山は放置。五輪担当大臣の任命は適切かという質問も無意味。そもそも命する本人が不適切。マスコミも、担当官庁も、国民の長年の虐待、一層の植民地化に一切抵抗せず、逆に全力で促進している世界最大の属国。役人の昇進だけでなく、採用まで、政府が行うことになるという。世も末。

 『著作権侵害、スクショもNG 「全面的に違法」方針決定』 という記事をちらりみた。有料というので詳細は読んでいない。このブログも標的だろうか。発表の場のない翻訳はやめ、沈黙老人生活を強いられるのだろうか。しょせん、ごまめの歯ぎしり。

ポンペオのカイロ演説:歴史の誤読

Elias SAMO
2019年2月10日

 2019年1月10日、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、カイロのアメリカン大学で演説した。彼は自分は、福音主義のキリスト教徒で、キリスト教徒シオニストでもあると言って演説を始め「私の事務所には、神と神の言葉と真実を思い出すため、机の上に聖書を開いて置いている」と言い、演説で、イスラエルを、どのアラブ諸国にも与えられない栄誉、「我々[アメリカの]同盟」と呼んだ。

 白人でキリスト教シオニストのアメリカ国務長官が、ムスリム同胞団が生まれた保守的なイスラム教国エジプトで、最も保守的なイスラム思想家たちの母校で、国際的に有名で広く認められたイスラム学問の中心アル・アズハル大学で演説をし、アメリカのイスラエルに対する特筆すべき支持を祝ったのだ。更に追い打ちをかけ、国務長官は誇らしげに述べた「トランプ大統領が、イスラエル政府所在地のエルサレムを首都として認めると選挙公約にしていました。5月に、我々は我々の大使館をそこに移転しました」。

 ポンペオは、アフリカ系、イスラム系最初のアメリカ大統領、オバマ大統領を激しく批判するのに、エジプトのこの「場」を更に活用した。彼はアメリカ外交政策と、中東での悪に責任があると彼を非難したのだ。

 催し自体、控えめに言っても、不適切だ。ブラック・ユーモアだ!

 ポンペオは我々に「世界のこの地域では、頻繁に話されない真実だが、中東では、アメリカが善を促進する力であるのは真実だ」と主張した。中東における、この高潔なアメリカの「善を促進する力」の例が、サウジアラビアやバーレーン、クウェートカタールと首長国連邦に配置された主要基地、アメリカ軍要員の駐留だ。彼らは受け入れ国に招かれて駐留している」と述べた。これは二つの論点を提起している。

第一に、アメリカ軍要員がなぜ湾岸諸国にいるのだろう? 2018年10月、トランプはミシシッピ州サウスヘブンの集会で、特にサウジアラビアに関して、この質問に答えていた。彼はサウジアラビアにおけるアメリカの役割を明確化してこう述べた「我々はサウジアラビアを守る。皆さんは彼らは金持ちだと言われるだろうか? 私は王を、サルマン国王を愛している。だが私は、国王に、我々があなたを守っていると言った。あなたは我々なしでは二週間も、もたないかもしれない。あなたは軍に対し支払わなければならない」。これは善を促進する力ではない。

 第二に、ポンペオは、アメリカ軍は、受け入れ国に招かれて湾岸諸国に駐留しているので、正当で合法的だと述べた。だがポンペオは「シリアでは、アメリカは外交により、イランの最後の一兵も残らず追いだすべく、パートナーと共に活動する」と宣言した。受け入れ国の政治制度を守るよう招かれ駐留するのは、アメリカにとっては合法だが、イランが受け入れ国の政治制度を守るよう招かれ、シリアに駐留しているのは合法ではないのだろうか?

 だから、中東のアメリカ軍は「善を促進する力」ではなく、一方で、圧制的、拡張主義の独裁政権を守り、他方で、受け入れ国の資源を搾取する勢力だ。

 ポンペオはもう一つ不思議な主張をした。「アメリカ撤退後に、しばしば混乱が続くことを我々は学んだ。」 ベトナムは、アメリカ侵略後、全体的混乱へと落ち込み、アメリカ撤退後に回復過程が始まった。イラクは、2003年のアメリカ侵略後、全体的混乱に落ち込み、最近の内戦時、アメリカとアメリカ同盟国が侵略した後の、シリアもそうだった。両国ともアメリカの軍事関与縮小で、回復途上にある。イスラエルと、その最も親しい同盟国アメリカが国際平和と安全を脅しているという概念が、中東でも、ある程度世界でも広がっている。

 演説の一部で、ポンペオは、アメリカが、同盟国、パートナーとともに「イスラム国カリフ領を粉砕し、イラク人、シリア人、アラブ人やクルド人を解放した」と述べた。だが彼は、アメリカとその同盟諸国が、シリアに送るべく、世界中で、テロリストを採用し、奨励し、これらテロリストがシリアに集合できるよう国境を開放した事実を無視した。いったんシリアに入国すると、これらテロリストは、イスラム国カリフ領を設立すべく、金と武器を提供されたのだ。

 知ってか知らずか、ポンペオは、イスラエルが対イラン戦争を行うことに承認を与えた。彼は「テヘランが、シリアを次のレバノンに変えるのを阻止するイスラエルの取り組みを我々は強く支持する」と言ったのだ。これはアメリカが「善を促進する力」ではなく、戦争と破壊のための力であるもう一つの例だ。

 ポンペオによるもう一つの不思議な主張。「アメリカは、常に占領軍ではなく、解放軍だったし、常にそうなのだ。」これは悲劇的なベトナム戦争とアメリカによるソンミ村虐殺事件を思い起こさせる。「町を救うためには、町を破壊することが必要だった」。

 ポンペオ演説にはひどい部分がいくつかあったが、真顔で彼がシリアで「サウジアラビアと湾岸諸国が安定化の取り組みに寄与した」と言ったのが最悪だ。この残酷なほど寒い冬に暖房用燃料や料理用燃料や電力の欠乏に直面しているシリア国民に言ってみろ。

 エイブラハム・リンカーン大統領は、こう言っていたことが知られている。「全ての人々を一時的に、一部の人々を常にだますことはできるが、常に全ての人々をだますことはできない。」 ポンペオや最近数十年の彼以外のアメリカ閣僚が、リンカーンの警告を忘れ、常に全ての人々をだまそうとしているのは実にはっきりしている。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/02/10/pompeo-cairo-speech-misreading-history.html

----------

 水泳選手の病気の報道に心ない発言をしたと五輪担当大臣が攻撃されているが、自治体の6割が自衛隊に非協力だといったトップはさほど批判もされず、のうのうとしている。珊瑚移植発言時とおなじ。何をいっても、しても、おとがめはない。「お父さん自衛隊は憲法違反なの」論議のビデオを末尾に貼り付けよう。支配層にとって、本物のUseful idiotは、変えがたい貴重なものなのだろう。

  岡田議員との悪夢論争で、興味深い発言があった。どうして党名「民主党」を変えたのか?我々は変えていないと豪語したのだ。ネットで「某野党が伸びないのは党名のせいだ。党名を変えれば伸びる。」という不思議な意見を時折見る。たわごとだ。変えて、おきるのは、せいぜい同じ嘲笑だ。

Chris HedgesのAmerica: The Farewell TourのFreedomの章をのろのろ読んでいる。

249ページには

政治学者のシェルドン・ウォリンが言った通り、アメリカには、本当に民主的と呼べる組織はもはや残っていない。

とあり、更に、重要な文章がある。

だがより不気味なのは、民主的変化の本当の原動力である積極的な運動が、共産主義者魔女狩りやマッカーシズムや、脱工業化、労働者の利益に反する法律や規制緩和、大企業による公的、私的機関支配など、様々な攻撃によって壊滅させられたことだ。おかげで我々は身を守るすべがなくなり、一から始めなければならなくなっているのだ。

少し前の247ページで、彼は書いている。

我々は大企業覇権に抵抗する、並行する新組織を構築しなければならない。それは決して容易ではない。それには時間がかかる。社会を再構築する根本的な動きを阻止するのを狙っている既成組織からの基金を受け取るわけには行かない。

そして、Micael Gecanという社会活動家の言葉を引用している。

まとまった人々と、まとまったお金が権力です。たいていの活動家は人々を組織することについて語りますが、お金をまきめるのを忘れています。組織活動家としては、この両方に力をいれなければなりません。

  そこで、日刊IWJの記事を引用させていただこう。

 IWJではこれまで、1年間の活動にかかる経費から計算して、年間のご寄付・カンパの目標額を1ヶ月500万円としていました。しかし、第8期にあたる昨期、最終的な決算報告で赤字となってしまったことから、昨年8月から始まった今期第9期は緊縮予算に改め、1ヶ月のご寄付・カンパの目標額を450万円に下げました。その分支出を切りつめなければいけません。

 しかし、人件費以外に大きな支出費目がないIWJとしては、この緊縮予算を実行するにあたり、「スタッフへの報酬を削るわけにはいかない」という岩上さんの決断で、岩上さん自身の役員報酬を50%カットしています。岩上さんは、文字どおり身銭を切ってIWJを支えていますが、個人の資力には限界があり、その限界が目前に迫っています。

◇<2月は達成率27% 第9期半年間では7割台にとどまっています!>

 緊縮予算で臨んでいる第9期ですが、スタート以来、8、9、10月と3ヶ月連続で月間目標額を達成することができませんでした。11月だけは目標額を達成することができましたが、12月、1月はやはり未達です。

 今月2月は1日から12日までご寄付・カンパは120万8568円と、2月の3分の1がすぎて月間目標額の27%の達成率になりました。

 ご寄付・カンパによるご支援をしていただいた皆様には、心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございます。

 しかし、まだまだ目標額には届いていません。第9期が始まってからの半年間で、ご寄付・カンパの目標達成ができた月はわずか1ヵ月のみです。ご寄付・カンパが現在のような状況が毎月続きますと、IWJの活動を維持していくことが困難となります。大げさではなく、IWJは会社としての存続も危ぶまれる状態が迫りつつあります。

 IWJの危急存亡の非常事態につき、改めて皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

◇<全編動画ご視聴いただくためには会員登録が必要です!年間一括のお支払いですと2ヶ月分お得です!>

 また、IWJの会員になっていただくことは、IWJの活動を支えてくださる最も安定したご支援となります。一時は6000名だった会員数が徐々に減少しており、2月12日時点で5458名と、厳しい状態が続いています。

 この日刊IWJガイドをお読みの方で、まだ会員登録がお済みでない方は、ぜひこの機会にご登録をご検討ください。また、まわりにまだ会員でない方がいらっしゃったら、ぜひIWJ会員へのご登録をお勧めしてください!

 一般会員にご登録していただくと、岩上安身インタビューなどの独自動画コンテンツを公開後一ヶ月間、アーカイブでご都合のよい時にご覧いただけます!入会金は無料。会費は月々1,000円ですが、1年分まとめてお支払いいただければ1万円と、年額にすると2ヶ月分お得になっています!

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

2019年2月12日 (火)

トランプのシリア「撤退」はイランを狙う攻勢

Finian CUNNINGHAM
2019年2月9日
Strategic Culture Foundation

 今週、再びドナルド・トランプ大統領は、シリアから軍隊を撤退する彼の計画を「勝利の帰郷」と「果てしない戦争の終わり」と描写した。そこでマイク・ポンペオ国務長官がしゃしゃり出て、何が本当に起きているのかを明かにした。イランに照準を定めるための「戦術的変更」だ。

 トランプが自画自賛して吹聴していた撤退と称されるものは、アメリカ軍の中東からの帰国ではない。それは、イランに対する本格的な攻撃力強化のための、特に戦略上肝要な地域におけるアメリカ軍事力の再構成だ。

 今週、議会での一般教書演説で、トランプは、シリアからの「我々の勇敢な兵士に、温かくお帰りなさい」を言うことについて話した。建前上、それはシリアでのISISテロ集団を打ち破る上で、アメリカにとって「なし遂げた任務」だった。

 それらの国々で、内密及び公然の犯罪的なアメリカ軍事介入がなければ、ISISは、シリアやイラクに存在しなかったはずなのだということを指摘しなければならない。

 いずれにせよ、彼は(不法駐留している)2,000人程度の軍隊がシリアを撤退するという12月に与えた彼の命令の続報として、トランプはアメリカが「勝利した」ので、今や頃合いだと主張した。

 全国向け演説の翌日、トランプは、ワシントンDCで行なわれたISIS打倒のための世界連合フォーラムで、輝かしい撤退という主題を繰り返した。これは(サウジアラビアやトルコのような、連合諸国の多くが、密かに支援していた)テロリストを攻撃するという名目で、シリア領を攻撃していた多数のアメリカ同盟国の二日間の会合だった。

 「我々は、兵士を温かく歓迎するのを楽しみにしている」とトランプは、ISISカリフ領が事実上アメリカ軍とパートナーによって破壊されたことを知らせた後、再び代表者たちに語った。

 しかしながら、マイク・ポンペオ国務長官は、アメリカは依然「テロに対する戦いを率いて」おり、シリアからの撤退計画は「戦略」に過ぎないと出席者に請け合った。彼は地域のパートナーがアメリカに代わり、軍事行動をもっと引き受けるのをワシントンは望んでいると述べた。

 12月19日、トランプが最初にシリアからの軍隊撤退を発表した際、ワシントンの国防総省軍人や政治家から即刻抵抗があった。トランプによるアフガニスタンでのアメリカ軍削減提案と共に、大統領は地域からの全面撤退を示唆していると受け取られている。

 トランプによる「驚くべき」発表以後、共和党議員たちは、シリアあるいはアフガニスタンからの、いかなる撤退も阻止するため活動を強化した。今週、アメリカ上院は、トランプの主張に反し、ISISは敗北しておらず、依然、国家安全保障の脅威だと主張して、いかなる突然の撤退も阻止する法律を投票で成立させた。

 もしアメリカ軍が撤退すれば、シリアとイラクのISISが「復活」するとも国防総省は警告していた。今週発表された国防省文書は、ポンペオの言葉を引用した。「2018年12月の、シリアから軍隊を撤退させるという大統領の発表後、マイク・ポンペオ国務長官はISISを破り、イランを阻止するという政策目標は変化していないと述べた。

 換言すれば、国防総省は撤退のためでなく、地域での強化を合理化するのに多忙だ。

 先月の中東9カ国歴訪時、ポンペオはアラブのアメリカ傀儡政権に、シリアからのトランプの撤退は全面撤退ではなく、軍隊再編であることを強調しようと苦心した。歴訪中、最優先項目がイラン封じ込めなので、ポンペオは、この地域に「アラブNATO」を作るワシントンのプロジェクトを再開し、ラジオ・フリー・ヨーロッパによれば、「アメリカはイランに圧力を与える取り組みを強めている」と彼は述べた。

 来週、イランに対する国際的圧力強化に向け、アメリカは、ポーランドで開催される会議を計画している。サミットがテヘランとの緊張をかき立てるので、EUがイランとの核協定を救おうと努力する中、欧州連合幹部が出席しない可能性がある。

 だが、ポーランドでの会議は、イランを国際的に孤立させ、政権転覆するため、イランで不安定を引き起こすというワシントンの取り組みの強化を宣言している。去年、国際的に支持されている核協定をトランプが離脱して以来、ポンペオも、ジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官も、閣僚はイランに対する攻撃的言説を強化している。

 イランと対決するという強迫観念が、トランプのシリアとアフガニスタンからの撤退計画とされるものの重要性を説明している。アメリカ帝国主義にとって、両国とも大失敗だった。トランプがとうとうと語る自画自賛のたわごとにもかかわらず、両国は丸損だ。

 ホワイトハウスは、地域の軍隊を、行き詰まった大義から、イランに対する一層攻撃的な姿勢へと必死に向け直しているように見える。ポンペオの「浄化」はトランプの軍力撤退について起きていることが地域でアメリカ軍事大国が縮小ではなく、再編成であることを明確にしている。

 トランプ自身も、それを示した。最近のCBSインタビューで、トランプは、アメリカ軍は、シリアから、国防総省がいくつか巨大軍事基地を有するイラクに再配備されると言った。イラクのアメリカ軍は「イラン」と、より広範な地域の監視に使われると彼は明示的に述べた。

 ほら吹きトランプは、イラクで、すぐさま窮地に陥った。イラクのバルハム・サリフ大統領は、5,000人程のイラク駐留アメリカ兵は、厳密に、テロとの戦いのために駐留しているのであり、のいかなる隣国との戦いや「イラン監視」を目的としているわけではないと激しく非難した。他のイラク議員はトランプ発言に非常に激怒しており、アメリカ軍駐留を終えるよう要求している。

 だから、シリアとアフガニスタンからのトランプの軍撤退と称されるものに関する国防総省や、ワシントンや若干の超党派戦争政党の懸念はお門違いだ。トランプは、アメリカ帝国主義と、その戦争経済機構を食べさせる「果てしない戦争」を終わらせているわけではないのだ。

 それからはほど遠い。不動産王は、計画している対イラン侵略を、もっと良く見えるようにすべく、国防総省の不動産を、地域の周りで動かしているのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/02/09/trump-syria-pullout-aimed-at-aggressing-iran.html

----------

 孫崎享氏の今日のメルマガで、昨日がイラン革命40周年だったと知った。属国の「建国記念日」と重なっているのは皮肉。

イラン、革命40年で記念式典 「反米」で国威発揚図る、イラン国民は大変な親日。イラン革命で占拠した米国大使館を一般公開するが2000年頃第一室は長崎、広島への原爆投下写真、市民にG8中どの国が信頼できるかの世論調査で、トップが日本。

 日刊IWJガイド「IWJの危急存亡の秋、岩上さんは復帰したばかりですが国内外の経済や外交にわたりインタビューを続けます!」 2019.2.12日号~No.2343号~(2019.2.12 8時00分)

そのインタビューは直近では下記が予定されている。

 米中両政府は11日、北京市内で次官級の貿易協議を開催、知財保護や中国の市場開放の行方は如何? 本日の再配信は中国通エコノミストの田代秀敏氏インタビューの米中貿易摩擦パート!13日午後2時半からは新たにインタビューします!

 19日の午後7時から野党ヒアリングで活躍中の明石順平弁護士に岩上安身がインタビューします!

それで明石順平弁護士の新刊、『データが語る日本財政の未来』を読み始めた。並行して、『横田空域 日米合同委員会でつくられた空の壁』も。不動産王が、羽田空港ではなく、マッカーサーのように米軍基地から出入りしていることも書かれている。

日本の空の主権が米軍によって侵害されているのだ。世界的にも異例な、独立国としてあるまじき状態が長年続いている。

とある。「独立国とはいえない植民地状態が長年続いている。」という表現がより適切では?著者の吉田敏浩氏、別のご本に関して、IWJインタビューがある。「横田空域」の話題になると、韓国軍によるレーダー照射なるものでは大騒ぎする「与党・ゆ党、大本営広報部」は、突然、借りてきた猫、あるいはスピッツそのものと化する背景がわかるご本。

「米軍の占領体制は今も継続されている」――謎の権力機関「日米合同委員会」の知られざる実像とは!? 「戦後最大のタブー」について岩上安身がジャーナリスト・吉田敏浩氏に訊く! 2016.12.2

2019年2月10日 (日)

支援体制が欠如した戦争計画、アメリカのベネズエラ支援作戦失敗

Moon of Alabama
2019年2月7日

ベネズエラでのアメリカ・クーデターの企てから一日後、アメリカの作戦計画は既に非常に明白だった。

    ベネズエラ反政府派は、おそらく兵器を購入し、傭兵軍を作る「凍結された」資金を入手して、政権とその支持者に対する「内戦」のために使うだろう。シリアでと同様、アメリカ特殊部隊、あるいは若干のCIA「請負業者」が支援するのを強く望むだろう。このような戦争のための兵站線はコロンビアを経由する可能性が最も高い。もし2011年のシリアのように地上戦が計画されているなら、おそらく国境近くの都市で始まるだろう。


拡大する

 アメリカは作戦を推進し、政権を傷つけ、兵站線を設立するのに、コロンビアからベネズエラへの「人道支援」という口実を使っている。それはクーデター計画者側に軍を引き寄せるもう一つの試みでもある。

もしトラックが入り込めれば、野党は自身を、ベネズエラの慢性的苦難として示すことができ、他方マドゥロは国境の支配力を失ったと思われるだろう。それは与党と軍からの離脱を促進しかねない。

カラカスの政治学者ディミトリス・パントウラスは反政府派への支援物資輸送計画を、いちかばちかの賭けと呼んだ。
    ・・・。
「これは99パーセントが軍事関係で、人道的なものは1パーセントだ」と彼は言った。「野党は、マドゥロを支持する彼らの代償を引き上げ、軍の忠誠を試しているのだ。彼らはマドゥロ支持なのか、そうでないのかを? 彼らは支援を拒絶するだろうか? もし答えがノーであれば、マドゥロに残された時間はごく僅かだ。」

 メキシコの前外務大臣、右翼のホルヘ・G・カスタニエダによる「ニューヨーク・タイムズ」論説が、あり得るエスカレーションを詳述している

グアイド氏と他の情報提供者によれば、今週、アメリカの医薬品と食糧、2000万ドルがベネズエラ領土外の、コロンビア・ククタと、ベネズエラ海岸の近くのブラジルとカリブの島、アルバあるいはキュラソーに荷卸しされる。

亡命生活をしているベネズエラ軍当局者と兵士が、これらの物資をベネズエラに搬送し、そこでもしすべてがうまく行けば、まだマドゥロ氏に忠実な陸軍が、彼らの通行を止めたり発砲したりない。もし彼らがそうすれば、ブラジルとコロンビアの政府は反マドゥロ兵士の支持をいとわないかもしれない。隣国との射撃戦という脅威が、現実の戦闘を不必要にし、ベネズエラ軍にマドゥロを見捨てさせるのに必要な誘因かもしれない

 若干の追加の挑発ない関連してない限り、このエスカレーション戦略はうまくいきそうもない。ベネズエラ政府は、コロンビアのククタとベネズエラのサンクリストバル間の国境橋を閉塞した。軍は国境のいかなる侵害も止める準備ができている状態にある。

 アメリカは、道路閉鎖に、殊勝ぶったツイートで応えた。

ポンペオ長官@SecPompeo - utc16時55分 - 2019年2月6

ベネズエラ国民は絶望的に人道支援を必要としている。アメリカや他の国々が助けようとしているが、マドゥロの命令下#ベネズエラ軍がトラックや輸送船阻止している。マドゥロ政権は支援を餓死しそうな国民に届けさせねばならない。# EstamosUnidosVE

 アメリカ政府は降伏させるため、イエメン国民を積極的に飢えさせておいて、これまで誰も飢餓では死んでいないベネズエラについて心配しているのだろうか? この女性は信じるまい。

 ベネズエラ軍は忠誠を変える興味の兆しを示していない。エセ支援は拒絶されるだろう。

 ベネズエラ政府は政治的干渉なしの支援は拒絶しない。去年、アメリカ制裁のために主としてベネズエラが断ち切られていた医療用品のささやかな国連支援物資を受けとった。国連はベネズエラ人のおよそ12パーセントが栄養不良だと主張した。このような主張は何年も聞かされているが、ベネズエラからの報告(ビデオ)は特定製品の若干の不足しか確認していない。ベネズエラには、即刻介入が必要な飢饉はない。

 極めて政治的だということで、国際赤十字、カトリック教会の支援組織、国際カリタスと国連は、現在計画された「支援」送付の支援というアメリカ要請を拒絶した。

「人道支援は、政治的、軍事的、あるいは他の目的から独立している必要がある」、とステファン・ドゥジャリク国連報道官は、水曜、ニューヨークで記者団に語った。
    ・・・。
「重要なのは人道支援が政治色が薄く、人々の必要から、いつ、どのように人道支援が使われるかの条件が明らかであるべきだ」とドゥジャリク国連報道官が付け加えた。

 政治的理由から支援を拒絶するのは異常ではない。ハリケーン・カトリーナが2005年にアメリカ湾岸沿いに莫大な損害を起こした際、多くの国が人道的、技術的支援を提供した。アメリカ大統領ブッシュはいくつかの国々からの支援を受け入れたが、他の国々からの支援を拒絶した。

人権活動家ジェシー・ジャクソンによれば、2つの移動病院ユニット、120人の救出・応急手当専門家と50トンの食糧を含む、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領からの支援の申し出が拒絶された。

ジャクソン氏は彼が最近会ったベネズエラ大統領からの申し出は、浄水プラント10基、発電装置18基と、20トンのボトル入り飲料水を含んでいたと語った。

 ベネズエラ内に「人道支援」補給線を設立するアメリカの意志には第二の狙いがある。このような支援は武器供給の理想的隠れ蓑だ。1980年代、ニカラグア向けに指定された「人道支援」便は武器を満載していた。そうした便の命令は、現在トランプのベネズエラ特使であるエリオット・エイブラムスが与えれものだ。

 コロンビアからのトラックが国境で阻止されているが、アメリカからの他の「人道的援助」がベネズエラに届いている

ベネズエラ当局は、隠蔽した高性能ライフルと弾薬を、ニコラス・マドゥロ大統領反対派の手に入るよう、商用貨物専用機で、マイアミから送ったとアメリカを非難した。

バレンシアのアルトゥーロ・ミチェレーナ国際空港に飛行機が到着した二日後、国家税関徴税統合庁[SENIAT]とベネズエラ国家警備軍[GNB]メンバーが衝撃的発見をした。

検査官が、日曜午後に到着したフライトを調査しているうちに、19丁のライフル銃、118の弾倉と90台の無線機を発見した。月曜日の手入れで、同じく4つのライフル銃架、ライフル銃照準3個と6台のiPhoneを捕らえた。

 写真は歩兵隊に十分な装備を示している。15丁のAR -15ライフル(5.56mm銃)、ドラム弾倉つき分隊支援火器(7.62mm銃)1丁と、7.62mmコルト狙撃銃とアクセサリーだ。銃弾は見つかっていない。

 そのような兵器輸送が一件発見されたのであれば、複数のものが、うまく持ち込めた可能性がありそうだ。だが、対政府戦争を行うには、純粋な兵器供給は十分ではない。アメリカは重く、かさばる弾薬のため、絶え間ない補給線を設立しなければなるまい。そこで「人道支援」車列の登場だ。

 ベネズエラ軍の大部分が立場を変えない限り、ベネズエラ政府を無理矢理打倒するいかなる試みも、おそらく失敗する定めだ。アメリカは全ての軍事力を、ベネズエラ軍を破壊するために使うことは可能だ。だが、アメリカ上院は、ベネズエラにおける、アメリカ軍使用の可能性について既に論争している。民主党員はそれを強く拒絶している。

問題に取り組んでいる補佐役や上院議員によれば、ベネズエラ反政府勢力指導者フアン・グアイドを支持する上院決議が、満場一致の支持を受けることが予想されていたが、武力行使についての意見の相違により駄目になった。
    ・・・。
「私は、上院が、グアイド暫定大統領を支持し、人道支援を支持し、ベネズエラでの民主主義支持を表明することが重要だと思う。だが私は同様に、支持が、いかなる形の軍事介入にまでは至らないことは実際非常に明確であるべきだ」と思うと[ニュージャージー州選出・民主党のボブ・メネンデス上院議員]がNBCニュースに述べた。

 トランプが超党派的の支持なしで、軍事介入を命令することはありそうもない。

 ベネズエラ内に金目当ての「ゲリラ」勢力を密かに送り込むのは確かに可能だ。小規模な補給線を秘密の手段で設立することは可能だ。だが、対シリア戦争が示すように、このような計画は、国民が反政府勢力を歓迎しないかぎり成功し得ない。

 現政府下で、大半のベネズエラ国民は、チャベス政府下でより生活は楽だ。この講義や、このスレッドは、ベネズエラ経済史とチャベスとマドゥロの下で成し遂げられた壮大な進歩を説明している。経済状態が一層難しくなるだろう時でさえ、国民はそれを忘れるまい。彼らは今大統領を自称する馬の骨グアイドの背後で誰が糸を引いているかを知っている。彼らは、こうした金持ち連中が、彼らの苦境を改良することなどありそうにないのを知っている。

 ベネズエラに関して、アメリカ政治家は、イラクとシリアでの政権転覆戦争と同じ間違いをしている。連中は、全ての人々が、彼ら同様に、腐敗し、虚無的だと思っている。彼らは、他の人々が、自身のためや、その生活様式のためには戦はないと信じている。彼らは、再び、間違っていることを証明されるだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2019/02/venezuela-us-aid-gambit-fails-war-plans-lack-support.html

----------

 国会中継で見る、御用学者の鏡、樋口特別委委員長の答弁拒否連発は立派。第三者どころか、政府・与党と完全一体化。

 連中は、全ての人々が、彼ら同様に、腐敗し、虚無的だと思っている。彼らは、他の人々が、自身のためや、その生活様式のためには戦はないと信じている。世界最大の属国を牛耳る彼らは、永遠に間違っていることを証明されないのだろう。

 植草一秀の『知られざる真実』2019年2月9日記事にある2月8日の催し、参加しそこねた。
命の源=水・種子・食の安全が脅かされている

2019年2月 7日 (木)

ロシアとの交渉で、ワシントン権益を推進する東京の仲介者

ティム・カービー
2019年1月30日
Strategic Culture Foundation

 第二次世界大戦をいよいよ終わらせようと、ロシアと日本の外交官が努力する中、ロシア・マスコミに差し迫る暗い雲は、何年もの中で初めて、ドンバス/ウクライナから離れ、ロシアの反対側に移った。信じることは非常に困難だが、この二大国間の戦争は決して正式に終わっていないのだ。だが疑問は「一体なぜか?」だ。なぜ70数年後の今「交渉時期なの」か?日本は本当に自身の国益のために動いているのだろうか、それとも公式占領されている国が向きを変え、ワシントンの権益のため取り引きしているのだろうか?

 交渉で鍵となる要因は、マスコミが書いているように、1855年に日本がロシア帝国との合意で獲得した南千島列島だ。しかしながらソ連は、第二次世界大戦の終わり近くに島を取り戻した。現在の島の運命と、日本とソ連間の対立が正式に終わっていないのは、人類史最大の戦争の最後の数カ月におおいに関係している。

 欧米で言及されることは少ないが、連合軍の義務の一部として、ソ連はドイツ降伏後、東に軍隊を送り、11日以内に、満州で全ての日本軍を押しつぶすことが可能だった。赤軍は約二週間でサハリン島の南半分を解放することに成功した。

 降伏と、その後のアメリカによる占領後、日本は国際舞台で、もはや本当の当事者でなくなった。彼らが降伏した瞬間、東京の権力は即座にアメリカのものとなった。これはつまり交渉が、実際は弱った暫定政府の背後に控えるアメリカとソ連間のものであったことを意味している。

 公式の「降伏」の一部として、通常負けた側は契約をまとめるために領土の類を犠牲にしなければならない。戦争で敗北した国は領土を失うのだ。第一次世界大戦後のトルコやオーストリア=ハンガリー帝国やドイツや戦争から脱落したロシアが好例だ。

 日本を占領するために多くの人員と機械を失い、原爆の優位があったアメリカが、共産党にかなりの戦利品を手放すような条約に、どうして署名できるはずがあるだろう? アメリカはそうすることができず、それで「日本」はロシアとの戦争を正式に終わらせることができなかった。それでソ連の勝利に対し彼らには何も与えることができなかった。

 今の日本はアメリカに降状した日と同様、まさに全く同じ非当事者状態にある。日本はいまだにマッカーサー将軍が書いた/監督した憲法の官僚的くびきの下にあり、小さな国は、50,000人以上のアメリカ兵で、アメリカに占領されている。

 だが日本は長い間ゆっくりと、主権を、特に軍事的に復活させようとしてきた。彼らは第二次世界大戦以来初めて(少数ではあるが)海兵隊(水陸機動団)を再編した。彼らは大戦争での大敗北以来初めて国外で水陸両用車両を使用した。航空母艦同様、水陸両用揚陸艇は攻撃でのみ使用するものなので留意が必要だ。日本は憲法上、小さな「防衛軍」しか持てない。戦略的に言って、自国領に対して水陸両用揚陸艇で攻撃する必要はなく、攻撃してくる敵軍を迂回できるわけでもない。在日米軍基地に対する多数の抗議行動もある。今日本は、(おおざっぱに)1946年に書類上そうだったのと全く同じで、国家主権の現実はずっと濃淡がグレーの写真だ。最近ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が「日本はモスクワとの和平会談にアメリカを含めようとするのはやめねばならず、もし前に進みたいなら、領土権の主張を放棄しなければならない」と述べた。彼が文字通りに話をしていたとすれば、これは、日本が実際主権国家ではあるが、有利なようにアメリカを利用しようとする弱い当事者であることを意味している。しかしながら、我々が論じたように、主権に向かって日本が成し遂げた前進にもかかわらず、日本と結ばれるあらゆる協定は同様にアメリカと結ばれるものなのだから、ロシアは日本に関し、東京という仲介人なしで、直接ワシントンと交渉するほうが容易かもしれない。

 上述の通り、日本側にとって交渉の最重点は、ロシアによる「不法占拠」下にあると日本が感じている南千島列島だ。だがマスコミが無視している一つのことに、日本は第二次世界大戦前の領土の大部分を維持していることだ。だが、何らかの理由で、日本は、本当に、もっぱら千島列島に専念しているように思われる。

 パラオ島とヤップ島は、1914年から日本の支配下にあった。これらの島は、ロシアや日本が、サハリンや千島を併合したのとほとんど同様の形で、現地部族から奪われた。しかしながら、雌鹿がパラオを運んで専心しているように思われなかった「何らかの理由」のため日本は、パラオ島とヤップ島を取り戻そうと思っていないように見える。

 占領状態の日本は、彼らを占領している国が嫌っている国に支配されている旧領土だけを対象にしているように見える。パラオ島やヤップ島が、もしロシアに支配されていたら、本当に問題だったろう。こうした、えり好みで激怒するのは、主権ある当事者としての東京の弱さの更なる証拠だ。狙いは、日本のためではなく、反ロシアなのだ。

 注:筆者は、日本が立ち上がり、その文化と、かつての栄光を復活させようすることには何の反感もない。同様に、日本人に対する個人的わだかまりもない。日本人は占領されている立場を恥じる必要はないが、それを終わらせる必要はある。

Tim Kirbyは、独立ジャーナリスト、TVおよびラジオ番組司会者。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/01/30/tokyo-middlemen-serve-washington-interests-negotiating-with-russia.html

----------

 今日のNHKニュース
“2島引き渡し 平和条約交渉急ぐ” 旧ソビエト機密文書

 日刊ゲンダイには、高野孟氏の下記記事がある。
北方領土は「我が国固有の領土」と言わない安倍政権

 昨日の国会討論で、この地域の呼び方についての国民民主党議員が質問した。答弁を聞きながら、この記事を思い出した。彼は地位協定にも言及したが、しり切れとんぼ。国民民主党足立信也議員の勤労統計問題にかかわる質問で、とうとう神のようなで宣言をした。 「総理大臣でございますから、森羅万象全て担当しておりますので、日々様々な報告書がございますから、その全てを精読する時間はとてもございません。」

 夜の某呆導番組、官房長官会見で東京新聞記者の質問制限にまつわる官邸の申し入れに新聞労連が抗議した件にふれたのには驚いた。報じないと思っていたので。だが、そもそも、父親に虐待された少女の話題の時間の方が、勤労統計問題より遥かに長いのだから、忖度の極み。

 今日のIWJガイドは、十分ニュースになる話題。

 日刊IWJガイド「自由党・小沢一郎代表が『政権を取ることが最優先』と橋下徹氏を高く評価!その一方で『ニュースにするほどの話ではありません』!?」 2019.2.7日号~No.2338号~ (2019.2.7 8時00分)

 そして、孫崎享氏の今日のメルマガに多いに納得。

マスコミ国民、自民中心の野党共闘にしきりに言及、世論調査で支持率は国民1・2%、自由0・8%程度。社民1・1%程度。これが中核になることはあり得ない。共闘追うなら、立憲8・6%、共産3・8%中心に動くのが筋。野党一本化の阻害勢力の可能性

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

911事件関連 | Andre Vltchek | Caitlin Johnstone | Eric Zuesse | Finian Cunningham | GMO・遺伝子組み換え生物 | ISISなるもの | James Petras | John Pilger | Mahdi Darius Nazemroaya | Mike Whitney | Moon of Alabama | NATO | NGO | Pepe Escobar | Peter Koenig | Prof Michel Chossudovsky | Saker | Stephen Lendman | Thierry Meyssan | Tony Cartalucci | TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA | Wayne Madsen | WikiLeaks | William Engdahl | wsws | アフガニスタン・パキスタン | アメリカ | アメリカ軍・基地 | イスラエル | イラク | イラン | インターネット | インド | ウォール街占拠運動 | オバマ大統領 | オーウェル | カジノ | カナダ | カラー革命・アラブの春 | ギリシャ | クリス・ヘッジズ | サウジアラビア・湾岸諸国 | シェール・ガス・石油 | シリア | ジーン・シャープ | ソマリア | ソロス | チベット | チュニジア・エジプト・リビア・アルジェリア | テロと報道されているものごと | トヨタ問題 | トランプ大統領 | トルコ | ノーベル平和賞 | パソコン関係 | ヒラリー・クリントン | ベネズエラ | ホンジュラス・クーデター | ポール・クレイグ・ロバーツ | マスコミ | ユダヤ・イスラム・キリスト教 | ロシア | 中南米 | 中国 | 中央アジア | 二大政党という虚構・選挙制度 | 伝染病という便利な話題 | 北朝鮮・韓国 | 地球温暖化詐欺 | 地震・津波・原発・核 | 宗教 | 憲法・安保・地位協定 | 授権法・国防権限法・緊急事態条項 | 新冷戦 | 新自由主義 | 日本版NSC・秘密保護法・集団的自衛権・戦争法案・共謀罪 | 旧ユーゴスラビア | 映画 | 書籍・雑誌 | 東ヨーロッパ・バルト諸国 | 東南アジア | 民営化 | 無人殺戮機 | 田中正造 | 英語教育 | 読書 | 通貨 | 選挙投票用装置 | 難民危機 | 麻薬 | 麻薬とされるマリファナについて

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ