マスコミ

2018年11月 9日 (金)

政治活動のためにジャーナリズムを放棄した売女マスコミ

2018年11月8日
Paul Craig Roberts

 トランプ大統領がジェフ・セッションズを司法長官に任命した際、売女マスコミはセッションズに反対し、彼はその職に適していないと言っていた。彼が更迭された今、売女マスコミは彼の擁護者だ。

 MSNBCのレイチェル・マドーがトランプによるセッションズ更迭を非難する今日の抗議行進を組織したという報道がある。https://news.grabien.com/story-msnbcs-maddow-organizing-street-marches-protest-sessions-fir

 CNNのジェイク・タッパーは、更迭は“暴力団員の手口”だと思うと語り、ウォーターゲート時代のジョン・ディーンに、セッションズ更迭は“殺人のように計画されもの”だと言わせた。https://www.cnn.com/videos/politics/2018/11/07/saturday-night-massacre-sessions-john-dean-jake-tapper-newsroom-intv-bts-vpx.cnn

 売女マスコミは、どこも同じだ。

 セッションズは、ロシアゲート捜査に関与せずに、マラーが権限を越えることを可能にしたので、セッションズが更迭されたことを、売女マスコミは怒っているのだ。例えば、マラーによるマナフォート起訴は、ロシアゲートとは全く無関係だ。トランプを憎悪している売女マスコミとトランプを憎悪している民主党は、二年たっても全く空振りの捜査を、いまだに、なんとか活かそうと願っているが、一方、司法長官は、何も見つけられず、無関係なことに迷い込むんでいる捜査を終了するだろう。

 マドーが示す通り、セッションズを巡るマドーであれ、ホンジュラスからのキャラバンをめぐるCNNのジム・アコスタであれ、売女マスコミは自分たちのメディアとしての立場を、報道のためではなく、トランプ反対運動のために利用する政治活動家になっている。https://www.breitbart.com/politics/2018/11/07/white-house-suspends-jim-acostas-press-pass-after-combative-briefing/

 “アメリカ最初の黒人大統領”が 民主的に選ばれた政権を打倒し、ワシントンが選んだ人物を据えた際、アコスタはホンジュラスについて何らかの懸念を示しただろうか?

 実際、CNNのホストを25年間つとめたラリー・キングが、CNNはトランプを報じるために、ニュース報道を止めたと語っている。https://thehill.com/homenews/media/415669-larry-king-hits-cnn-stopped-doing-news-to-focus-on-trump

 NPRも同じことをやっている。毎日、トランプ、トランプ、トランプだ。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/11/08/presstitutes-abandon-journalism-for-political-activism/

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 今日の日刊IWJガイドにあった下記会見を拝見した。理路整然。

【IWJ・Ch4】11:00~「日本外国特派員協会主催 玉城デニー沖縄県知事 記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 「日本外国特派員協会」主催の玉城デニー沖縄県知事 記者会見を中継します。これまでIWJが報じた玉城デニー氏関連の記事は、以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%8E%89%E5%9F%8E%E3%83%87%E3%83%8B%E3%83%BC

 

2018年10月26日 (金)

欧米は敗北しつつあるが、中国とロシアへの欧米による文字通り‘左と右’の攻撃もそうだ

2018年10月14日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 欧米による反中国プロパガンダの狂気とあくどさは、私の何人かの中国人友人を深夜、泣かせたものだった。だが事態は変わりつつある。中国(と、もちろんロシア)について、アメリカとヨーロッパで言われたり、書かれたりすることの狂気のさたは、今や負け惜しみを言う連中の欲求不満と不作法な振る舞いを反映しているのは明らかだ。これほど猛烈に凶悪でさえなかったら、人は欧米帝国をほとんど哀れみたくなるかも知れない。

 帝国宣伝屋連中は誰も哀れまない - 連中はいかなる一貫した計画も無しに、今や狂人のように撃ちまくっている。

 様々な欧米‘専門家’やジャーナリスト連中は、実際、一番基本的なことで合意できていない。‘中国で、本当にまずいことは何か’。だが彼らは中国の巨大なタンスの中の新たな秘密に対しては、実にたっぷりもらえるので、常にお互いに競い、好奇心をそそる最も醜聞な話題を追い求めている。地球上で最も人口が多く、おまけに共産主義(もちろん‘中国の特徴を持った’)国では、完全にあらゆることに欠陥がある!と考えるのが引き合うように見えることが多い

 中国は2020年までには極貧を無くすだろうが、ベルリンやパリやロンドンやワシントンからの拍手喝采を期待してはならない。中国は、いわゆる‘環境に配慮する文明’構築の上で、地球上の全ての大国より遥かに先んじているが一体誰が進んで注意を払うだろう? 中国は世界最大の公園や板張り遊歩道や運動場を建設しているが、一体誰が気にかけるだろう? 中国政府は徹底的な教育改革を実施し、国中をコンサート・ホールや博物館や劇場だらけにしている。だが明らかに、それは触れるに値しないのだ!

 欧米の宣伝屋は文字通り‘左からも右からも’中国の信用を傷つけようとして時に余りに共産主義的だと非難するが、適切な場合‘十分共産主義的ではない’とさえ非難する。

 ニューヨーク・タイムズは、2018年10月5日、“中国指導部にとっての思いも寄らぬ敵: マルクス主義者”というカバーストーリーを掲載した。この極めて皮肉な記事のため、記者は中国の都市恵州を訪問し、そこで、物事を毛沢東時代当時と同じようにすることを要求している熱心すぎる若いマルクス主義者集団について書いている。

    “だが、恵州の活動家たちは、当局が予想しなかった脅威になっている。”

 本気だろうか? 脅威? 中国は、現在の指導部のもと、共産主義に向かって進んでいる。私は民主的、社会的志向の共産主義のことを言っているのだ。だが正式なアメリカ新聞とは議論するまい。同紙は決して共産主義寄りの刊行物ではないが、中国政府はもはや、それほど赤ではないことを示唆して、読者に疑念を広めるためだけに、ごく少数の熱心すぎる‘反政府派’マルクス主義者に多少共感を示したのだ(カバーストーリーを掲載して!)。

 翌日(2018年10月6-7日、土-日版)同じニューヨーク・タイムズは、中国に関する二つのカバーストーリーを掲載した。一つは、いつもの反中国、反ロシア陰謀説に沿ったもので“中国はアメリカ中間選挙でハッキングするだろうか?”、だが、もう一つは、基本的に前日のものと矛盾する、今回は民間企業の活動を制限するかどで、北京を非難するものだ。“北京は企業を押し返しつつある”で、副題は下記だ。

    “経済を作り上げた私企業の形成が不利になる中、政府は力を誇示。”

‘何であれ中国を傷つけることができるものは書け’というのが、何千人ものヨーロッパと北アメリカのジャーナリストの信条なのかも知れない。‘中国に関する、あるいは中国からのニュースは、ひどく、実際陰鬱で、否定的である限り何でも良いのだ!’

 共産主義的過ぎるか、全く共産主義的でない… 欧米に関する限り - 中国は決して正しく理解されることはないのだ! それは単にそれが中国で、アジアで、赤旗を振るためだ。

 つまりニューヨーク・タイムズは二つの全く矛盾する記事を掲載したのだ。編集上の失態だったのか、最大打撃を与えるべく‘左も右も’蹴飛ばす事前に仕組まれた企てか?

*

 もちろん、このプロパガンダの流れを‘安全な距離から’見ているのは面白い。(つまり: ‘それが言っていることを、一言も信じないで’)。だが起きていることは冗談ではない。行われつつあることは、実際致命的なものになりかねないのだ。これは、不意に、中国を本当に傷つける一連の出来事を引き起こしかねない。

 ‘爆発’は台湾や東南アジアや中華人民共和国本土でも起きかねない。

 ブラジルを、ベネズエラをご覧願いたい! こうしたカラー革命、雨傘革命、ヨーロッパから、アラブ諸国までの‘春’の全てをご覧願いたい。そして中国そのものをご覧願いたい。いわゆる天安門広場事件を一体誰が引き起こしたのか、誰が後援したのか? 今では、あれが何か自発的な学生反乱ではなかった明らかに十分な証拠がある。

 欧米は、フィリピンなどいくつかの国々を、率直に言って、真面目なフィリピン人歴史学者や政治学者のほぼ誰も(外国からたっぷり支払われていない限り)信じるはずがない様々な領土権の主張で、中国と対決すべきだと説得した。マニラで何人か最高の歴史学者や政治学者と直接話し、こうした領土権の主張の背後に、誰と何があるのかはっきり理解している。それについて以前書いたが、再度書くつもりだ。

 中国は外国からの危険な破壊活動を容認するには大きすぎる。指導部は十分承知している。中国が混乱すれば、何億人もの人々が苦しむのだ。中国の領土的一体性の確保は極めて重要だ。

*

 すると実際、中国は一体何なのだろう。要するに?

 中国は何千年もの偉大で、比較的平等主義的な歴史がある共産主義(読者は社会主義と呼ばれるかも知れない)国家だ。中国は混合経済だが、中央計画だ(政府が企業に、どうすべきかを命じるもので、その逆ではない)。国民のため、国民の利益のために働くということで言えば、中国は明らかに地球上で最も成功した国だ。中国は地球上で最も平和な巨大国家でもある。更に、二つより重要な点がある。中国は迫り来る生態学的大惨事から世界を救う最前線にいる。中国には植民地はなく、‘新’植民地もなく、本質的に‘国際主義’国家だ。

 中国の政治制度、経済、文化: 全てが、欧米のものとは正反対に違っている。

 この地球が、どのように統治されるべきか、どのように前進すべきか、本当の民主主義(人々による支配)とは一体何かについて、中国には何百万もの言い分がある。

 本当のところ、世界中で‘世論’を作り出す欧米主流マスコミは、多くの中国(中華人民共和国)人愛国者、共産主義者、思想家を、テレビ画面に登場させたり、論説を書かせたりしているだろうか?

 我々は答えを知っている。ほぼ独占的に(欧米支配者連中により)‘中国は一体何であり、何でないのかを定義する’とてつもない課題を委任された欧米人だ。そして、世界丸ごと、一体何であり、何でないのかを定義するのだ。

 もし中国が、それは‘中国的な特徴の社会主義だ’と言うと、彼らは完全なオックスフォード・アクセントで‘違う!’と言うのだ。地球上で、最も偉大な文明から、一体何が、実際そうなのか、そうでないのかを語る彼らの傲慢さ、彼らの大半が白人で、彼らが完全な英語を話すという事実ゆえに受け入れられている(逆説的なことに、少なくとも一部の世界では、それが依然、信頼性の御印籠だ)。

 欧米は中国人やロシア人が世界についてどう考えているかは決して聞こうとしない。一方、中国人とロシア人は欧米が彼らについて一体何を考えているかで、文字通り爆撃されている。

 中国人さえもが‘文明化した欧米’のそのような‘偽予言者’に耳を傾けたものだった。今彼らは良く分かっている。ロシア人が良く分かっているのと同様。中南米で多くの人が良く分かっているのと同様。

 欧米プロパガンダと教理の広がりは、かつては中国とロシア人の頭(心ではなないにせよ)を獲得するための戦い、イデオロギーの戦闘のように見えたものだった。あるいは、少なくとも、多くの純朴な信じやすい人々にとっては、そう見えた。

 今や全てがずっと単純で‘誰でも見られる状態だ’。戦いは続いているが、前線とゴールは移動したのだ。どのように?

 近頃起きているのは、欧米帝国主義プラス・プロパガンダ対 中国とロシア国民が選んだ自分たちの生き方をするという決意との間の壮大な衝突だ。あるいは単純に言えばこうだ。片や欧米帝国主義と、片や‘中国とロシアの特徴を持った’民主主義との間で戦争が荒れ狂っているのだ。

 欧米は文字通り‘左も右も’中国とロシアを攻撃している。だが欧米は全く勝利していないのだ!

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』を含む多数の本の著者でもある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/10/14/west-is-losing-and-so-it-is-bashing-china-and-russia-left-and-right-literally/

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 昼の白痴製造番組、ミスター東大ファイナリスト強制わいせつ事件を延々垂れ流す。一方、庶民を延々苦しめる条約を推進する売国政治家を非難することは決してない。大本営広報部は売国共犯。たとえば下記のような大問題には、一億総白痴製造団体の洗脳呆導番組は決して触れない。。

 ついに文春も取り上げた  TAG(日米FTA)の毒薬条項=「非市場国」条項

 とは言え、文中にある「環境に配慮する文明」と直結する話題、一昨日だか、大本営広報部が報じていた。中国の環境規制強化により2018年春から現地染料原料メーカーが相次ぎ操業停止となり、赤色の供給不足が長期化しているため、自動車のテールランプや、赤ペンがなくなるという。朱肉は染料ではなく、顔料なので、なくなることはないと。

 先日の【緊急集会】「明治150年礼賛式典」徹底批判!youtubeで見られる。中身は濃いが、時間もたっぷり。大本営広報部を見ている暇はない。

20181023 UPLAN【前半】【緊急集会】「明治150年礼賛式典」徹底批判!
再生時間:113:22

20181023 UPLAN【後半】【緊急集会】「明治150年礼賛式典」徹底批判!
再生時間:75:21

2018年10月18日 (木)

カショギはサウジアラビア政権の批判者ではなかった

2018年10月15日
Consortium News

 先週、イスタンブールのサウジアラビア領事館で失踪したサウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギは、欧米マスコミが言うほどサウジアラビア政権の批判者ではないと、アサード・アブハリルは書いている。

As`ad AbuKhalil
Consortium News特別寄稿

 先週、サウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギが、イスタンブールのサウジアラビア領事館で失踪したことは、世界的に大きく報道されているが、サウジアラビアが支配するアラブ・メディアではほとんど報じられていないのは驚くべきことではない。カショギが寄稿していたワシントン・ポストや他の欧米マスコミは話題を報じ続け、リヤドに事件での役割を説明するよう圧力を高めている。

 欧米マスコミで、カショギについて読むと奇妙だ。デヘヴィッド・ハーストは、ガーディアンで、カショギは“真実と民主主義と自由”といった絶対的なものしか気にしていなかったと主張した。ヒューマン・ライツ・ウォッチ理事長は、彼のことを“遠慮のない、批判的ジャーナリズム”の代表だと表現した。

 だが彼はサウジアラビアの王子たちのために働きながら、そうした絶対的なものを追求したのだろうか?

 カショギは、サウジアラビア・プロパガンダ機関の忠実な一員だった。王国ではジャーナリズムは全く許されていない。その意見ゆえに、堅固な政治的服従の壁を壊そうとして、迫害され、罰せられた勇敢なサウジアラビア人女性や男性がいるのだ。カショギはその一員ではなかった。

 カショギが、アル-ワタン新聞で、ボスだって時代に苦しんだ記者たちもいるのだ。カショギは書かれていることと違って、二年前、サウジアラビア皇太子ムハンマド・ビン・サルマーン(MbS)が、彼がツイートすることや、サウジアラビアのハリード・ビン・サルタン王子が所有するロンドンを本拠とする汎アラブ新聞アル-ハヤトに書くことを禁じて軽く罰されたのを除いて、決して政権に罰されたことはなかった。

 歴史的に対照的なのは、勇敢な非宗教的なアラブ民族主義作家で、王国を1956年に逃れ、カイロに、次にベイルートで暮らしたナシール・アッサイードだ。彼はサウド家の歴史について(タブロイド紙風ではあったが)膨大な記事を書いた。彼はサウジアラビア王家攻撃で容赦がなかった。

 そこでサウジアラビア政権は、アッサイードを処分するために、腐敗したベイルートのPLO指導者(ヨルダン諜報機関とつながっているアブ・アッザイム)を買収した。1979年に、彼が人出の多いベイルート街頭でアッサイードを拉致し、彼を現地のサウジアラビア大使館に送り込んだ。彼は拷問され、殺害されたと推定されている(彼の遺体はサウジアラビア砂漠の“空虚の地”上空で、飛行機から投下されたと言う人もいる)。それがこの政権の実績なのだ。

 適切な王子を見つけ出す

 カショギは、サウジアラビア・ジャーナリズムで出世するためには、プロ精神や勇気や倫理は不要なのを知っている若い野心的な記者だった。サウジアラビアでは適切な王子に近づく必要があるのだ。早い時期に、カショギは、そうした二人と親密になった。トゥルキ・アル・ファイサル王子(サウジアラビア諜報機関を指揮する)と、アル-ワタン(母国)紙を所有する彼の兄ハリード・アル・ファイサル王子で、アル-ワタンでカショギは最初の(アラビア語) 編集の仕事についたのだ。

 カショギは政府主流の連中を喜ばせる熱心さと、意見を合わせる名状しがたい能力で傑出していた。アフガニスタンや他の国々での反共産主義と狂信的聖戦推進の時代には、カショギは熱狂的信者だった。彼はオサマ・ビン・ラディンと共に戦い、ムジャヒディンの大義を推進した。

 ワシントン・ポストのディヴィッド・イグナティウスや他の連中は、ビン・ラディンの軍隊が、連中の戦争努力を報道するよう独立ジャーナリストを招いていたかのように、彼は“従軍”記者だったと示唆して、これを潤色したがっている。アフガニスタン・ムジャヒディンを報道し、サウジアラビア・マスコミで彼らを奨励するプロジェクト丸ごと、カショギの主要後援者王子であるサウジアラビア諜報機関長官トゥルキー王子のしわざだった。

 欧米マスコミのカショギの経歴報道(アラビア語を知らない人々による)は現実からほど遠い様子を描いている。彼らはサウジアラビア政権を怒らせた勇気ある調査ジャーナリストとして彼を描いている。これほど真実からほど遠いことはない。サウジアラビアには、ジャーナリズムは存在しない。あるのは露骨でむき出しのプロパガンダだけだ。

 編集者は長年の忠誠を示してきた信頼される人物だった。昨年カショギは、イスタンブールでのインタビューで、あるアラブ人記者に、サウジアラビアで、彼は編集者・検閲者兼業だったことを認めていた。サウジアラビア政権新聞編集者(王子や王の代弁人)は、政府支配を推進し、好ましからぬ記事を消すのだ。

 カショギは決して窮地で、サウジアラビアに、ものを言ったわけではない。彼はアル-ワタン編集者として、当時、彼自身ではなく、他の筆者が書いた、彼が支持していた保守派の宗教支配層を穏やかに批判した記事を掲載したため、二度、面倒なことになった。宗教当局から彼を隠すため、彼は他の政府メディアの仕事に配転された。

 政権にそうするよう任命されたカショギは王国を報道する欧米ジャーナリストにとってのお助け役だった。彼は記者たちと会話をするのを楽しんでいたかも知れないが、王家の正統性に疑問を抱いたことは決してなかった。ポスト紙に寄稿していたワシントンでの彼の短い一年の勤務期間もそうだ。

 反動主義者

 カショギは反動主義者だった。彼は地域のあらゆる君主制やサルタン統治を支持しており、彼らは“改革可能だ”と強く主張していた。彼にとっては、ウジアラビアと緊張した関係にあるイラクやシリアやリビアなどの宗教色がない国々だけが改革を拒否しており、打倒する必要があるのだ。アラブ政治をムスリム同胞団の主張に沿ってイスラム化するのを彼は支持していた。

 カショギが考えていた構想はサウジアラビア政権率いる“アラブの反乱”だ。彼のアラビア語の著作で、彼はMbSの“改革”や、地域や、もっと広い範囲で冷笑されている“汚職に対する戦い”さえ支持していた。彼の最後の支援者アル=ワリード・ビン・タラール王子が、この豪華ホテルに閉じ込められたにもかかわらず、MbSが王子たちをリッツ・ホテルに逮捕し閉じ込めたのは合法的だ(ポスト紙のコラムで、彼らを穏やかに批判したが)と彼は考えていた。カショギは彼を信じておらず、彼をはねつけたMbSの顧問になりたがってさえいた。

 ポストに寄稿して(アラビア語版で)いるカショギは、民主主義と改革を支持するリベラルな民主主義者として受け取られている。だが彼はサウジアラビア政権の正統性や欧米の中東政策に異議を申し立てたわけではない。主流ジャーナリストは、彼にほれ込んでいたのだ。彼らはカショギのことを、主流アメリカ・マスコミは専門的ジャーナリズムの典型と考えて、この地域についての彼らの報道を批判せず、称賛する人当たりの良いアラブ人と見なしていた。新聞にとって、本質的に、カショギはアラブ人を不正確に伝える残念な実績のアラブ語記事の象徴的筆者だった。

 アラビア語では、彼がイスラム主義者として、トルコとムスリム同胞団(イフワーン)に共感していたことは明白だ。欧米で忘れ去られているか、ほとんど知られていないのは、冷戦時代、エジプトのガマールアブドゥル=ナーセル率いる進歩的で、非宗教的な陣営に対する武器として、サウジアラビアが、ムスリム同胞団を支援し、資金を供与し、育成したことだ。イフワーンは、サウジアラビア教育制度を支配し、同胞団を敬うようサウジアラビア人学生を育てていた。ところが、9月11日が、サウジアラビアの思惑を変えたのだ。支配者連中には、イスラム過激主義を支援した自分たちの役割に対する身代わりが必要で、イフワーンがぴったりの標的になったのだ。それもカショギが疑われるようにしたのだ。

彼に反対する動きのヒント

 サウジアラビア報道機関の最近の記事は、政権が彼に敵対的に動く可能性を示唆していた。彼は後援者を失ったが、カショギがアラブの反対政党を立ち上げようとしていたという考え方は信用できない。本当の罪は、カショギが、イフワーン(イスラム同胞団)支持者だけ、つまりカタール政府とトルコ政府に支持されていたことだ。

 ジェッダの日刊紙「オカーズ」の筆者が、彼をニューヨークのフォー・シーズンズ・ホテルでカタールの首長と会っており、“地域、および国際的諜報機関”と繋がっていると非難した。もし事実であれば、それが彼の運命を決めた可能性がある。カタールは今や、おそらくイランより悪い、サウジアラビア政権にとっての不倶戴天の敵だ。

 カショギは離反者として扱われたが、人はサウジアラビア支配体制から離反することが許されないのだ。幹部が最後に離反したのは、タラル王子と、バドル王子が、エジプトで、ナセルの・アラブ民族運動に加わった1962年の昔のことだ。

 他の離反希望者の背筋をゾッとさせるようなやり方でカショギを罰する必要があったのだ。

 As’ad AbuKhalilは、カリフォルニア州立大学スタニスラウス校のレバノン系アメリカ人政治学教授。彼は『レバノン歴史事典』 (1998年)、『ビン・ラディン、イスラムとアメリカの新たな“対テロ戦争”』 (2002年)、や『サウジアラビアのための戦い』 (2004年)の著者。彼はThe Angry Arab News Serviceという人気ブログも運営している。

 本記事を良いと思われたら、このような記事をさらにご提供できるよう、Consortium Newsへの寄付を是非ご検討頂きたい。

記事原文のurl:https://consortiumnews.com/2018/10/15/khashoggi-was-no-critic-of-saudi-regime/

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 10年前に読んだ英語の政治スリラー『シェル・ゲーム』を思い出している。当ブログに翻訳を掲載したシェル・ゲーム書評を読んで興味を持ち、原書を読んだのだ。470ページを越える厚い本だが、ひきこまれて読み終えた。“空虚の地”と、とりあえず訳したEmpty Quarterも出てくる。拷問監獄も。サウジアラビアとアメリカを主題にした興味深い本、いつか訳されるのではと待っていたが、その気配皆無。The Shell Game ご一読をお勧めする。

 大本営広報部、壮大なトリックで、55億円だましとった地面師の呆導に異様に熱心。猫だましのような番組を見ているひまがあれば、「オールジャパン学習会」、20181015 UPLAN 「私たちの命の源が危ない~水・種子・食の安全を守ろう!~」録画の三人のご講演をこそ拝聴すべきだろう。水、種子、農産物、ありとあらゆるものを巨大資本に開放して、国民全員からだましとる詐欺が進行中なのに、地面師ニュースを聞いているひまはない。学習会で、植草一秀氏も『日本が売られる』に触れられたが、本の筆者の夫君、川田議員も、「宣伝」で申し訳ないが、購入を勧めておられた。本当に必読書だ。

 今日のIWJガイドによれば、インタビューは、孫崎享氏。これは拝聴しなければ。

 トランプ米大統領は10月13日、サウジによるカショギ氏殺害疑惑について、疑惑が事実であれば「サウジに『厳罰』を与える」と、当初は厳しい態度を見せました。しかし、15日、サウジのサルマン国王と電話会談をしたら、一転して、「行きずりの殺し屋による仕業ではないか」とサウジ政府の責任をぼかすような見方を示し、サウジに対する態度を180度変えました。

 複雑な様相を呈してきたカショギ氏殺害疑惑について、岩上さんは今日午後2時30分より、元外務省国際情報局長・孫崎享氏にインタビューを行い、詳しくお話をうかがいます。今日の孫崎氏インタビューでは他にも、ロス米商務長官が日本の自動車産業の「生産拠点を米国に移転させる」と発言したことや、「第4次アーミテージ・ナイレポート」をどう評価すべきかなど、様々なテーマについてお話をうかがっていきます。

 インタビューは冒頭のみフルオープンで配信し、その後は会員限定で配信します!ぜひ、以下のURLよりご覧ください!

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【IWJ_Youtube Live】14:30~「国内世論最優先のトランプ大統領と『改革開放』堅持の習近平国家主席!米中の覇権争いの激動の中で日本はどうなる!?岩上安身による元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビュー」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

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2018年10月12日 (金)

重要なディベートでジョン・ミアシャイマーとスティーヴン・コーエンが妄想的ネオコン-ネオリベ体制派と対決

Federico PIERACCINI
2018年10月10日
Strategic Culture Foundation

 2018年9月20日、ニューヨークで、世界という舞台で今我々が目にしている物の多くを理解するのに役立つ極めて重要なことに関する討論をIntelligence Squaredが主催した。

 討論は主要な三つの問題について行われた。一つ目はNATOの役割(“NATOは、もはや目的にかなっていない”)、二つ目はロシアについて(“ロシアの脅威は大げさだ”)、そして、三つ目はイランについて(“イランに対して強硬路線を取るべき時だ”)。

 こうした重要な問題を議論するため、5人の極めて特別なゲストが招かれた。つまりドイツ・マーシャル基金副総裁で元国防次官補のデレック・チョレット、ロシア研究・ロシア歴史のスティーヴン・F・コーエンニューヨーク大学名誉教授、民主主義防衛財団上級研究員で元CIAアナリストのリュエル・マーク・ゲレクト、アメリカ政治学者のジョン・J・ミアシャイマー・シカゴ大学政治学部教授と国際戦略研究所のコリ・シェイク次長だ。

 パネル・メンバーを見れば、アメリカ外交政策の介入主義を支持し、アメリカ合州国を必要欠くべからざる国と見ている他の三人に対し、議論に現実主義的な視点をもたらすべくコーエンとミアシャイマーが招かれたことにすぐ気がつく。ワシントンの覇権政策が、いかにアメリカの一極支配の終焉を促進し、世界に混乱を引き起こしているかを、アメリカ人や世界の人々に説明する上で、コーエンとミアシャイマーは、何十年ではないにせよ、何年も一緒に活動している。

 コーエンと、特にミアシャイマーは、純粋な現実主義者だ。攻撃的現実主義や防御的現実主義やオフショア・バランシングの差異詳細に立ち入ることなしに、二人はいったいなぜ、アメリカの行動が、ベルリンの壁崩壊以来、世界中で我々が目にしている結果を引き起こしたに関して首尾一貫した見解を示している。

 コーエンとミアシャイマーの活動をずっと見てきて、国際関係の分析で二人が現実主義者だと知っている人々にとって、この討論は見るに耐えず、いらだたしいが、現在の分裂を理解するには大いに有用だ。実際、他の三人のパネリストは入念な分析が必要だ。デレック・チョレットはオバマ政権で働いており、新自由主義陣営の一員だ。チョレットは、2003年、イラクでの大失敗後、他の手段を用いて、つまり、いわゆるアラブの春やカラー革命でなどにより画策されるクーデターで、主権国家を転覆させることを選んで、帝国主義者陣営に入った。民主主義を広めるという名目で、アメリカや同盟諸国の手によって、リビアやウクライナやシリアなどの国々は言語に絶する荒廃を被っている。

 アメリカ外交政策全般を代表すべく、ブッシュ時代彷彿とさせるネオコンの主張を繰り返す強硬論者として、元CIA職員リュエル・マーク・ゲレクトが招かれた。元G.W.ブッシュ顧問のコリ・シェイクは、NATOと、ヨーロッパで最もロシア嫌いで、イラン嫌いの国々立場を代表するネオコン-新自由主義の破壊的ささげ物だ。

 こうしたゲストと出された質問を見れば、全く正反対の立場が見られるのは明らかだ。コーエンとミアシャイマーは、事実上、共生関係で、少しだけ異なる視点からながら、同じ結論だ。ソ連崩壊と冷戦終了後、アメリカ合州国は自分が直接敵対する国がない唯一の超大国であることに気づいた。それ以降のワシントンの任務は、世界を自分のイメージと似たものに作り替え、世界の隅々に民主主義を輸出し、地政学的敵国をソフト・パワーやハード・パワーで攻撃することだった。ところが、こうした一連の行動が、皮肉にも、この一極支配の終焉を促進するのに役立っているだけだ。

 アメリカは、自身の愚かな考えと行動で、自らを損なうのに成功しているにすぎないことを、ミアシャイマーとコーエンワシントンはあらゆる答えで、繰り返そうとした。一番目のNATOについての疑問に対しては、ミアシャイマーもコーエンも、冷戦後のNATOの東方拡張が、ヨーロッパにおける不安定の主要因であることを強調した。三人の新自由主義-ネオコン連中は、便宜上“帝国主義者”と呼ぶことにするが、ロシアから自らを守る狙いで、ヨーロッパ内でのアメリカ駐留を要求したのは、実際、ヨーロッパ諸国だと応酬した。三人の帝国主義者は、ヨーロッパの同盟諸国は、自分たちの軍事支出を増やすのを避けるため、ヨーロッパ内のアメリカ駐留を望んだだけだという、オバマとトランプの選挙運動から借用した、単純で単刀直入、当意即妙のミアシャイマーの答えをはねつけるか無視した。ミアシャイマーが言ったことを、どうも聞いていないようで、三人は、ポーランドとバルト諸国が、アメリカ駐留を要求する限り、ワシントンは、それに答えざるを得ないと主張した。ロシア国境に向かってのNATO前進が、多くの戦線で、グローバル同盟国になるべき二国だと彼が考えているロシアとアメリカとの関係をいかに損なったか、今までに何度もしてきた説明をするのは、コーエンにとっても、もどかしかったろう。ミアシャイマーは、三人の帝国主義者連中に、モンロー主義を想起するよう促し、外国勢力が西半球に軍事的に根を下ろすなど、アメリカにとってどれだけ不愉快だろうとまで言った。彼は、ソ連によって、アメリカのすく近くにもたらされたキューバ・ミサイル危機も想起させた。

 不幸にして、三人の帝国主義者はコーエンとミアシャイマーの主張で窮地に追い込まれても、ただ無視したり、うまく言い抜けたりした。三人の中で、最も攻撃的な帝国主義者だったのは、当然ながら、ヨーロッパ内のアメリカ駐留は、ロシアを寄せ付けないためだけでなく、二つの世界大戦で起きたような、お互いが破壊しあう闘争というホッブズ的自然状態にヨーロッパが陥るのを防ぐためにも必要なのだと傲慢な主張した元CIA職員だ。

 ヨーロッパにおけるNATOに関して、元CIA職員が言った主張に、コリ・シェイクとデレック・チョレットが全面的に賛成したのは驚くべきことではない。コーエンが、会場の人々に、ウクライナ・クーデターは、欧米が画策し資金提供したものだったことを想起させても、ウソで、ばかげていると切って捨てられた。デレック・チョレットはこう断言した。 "マイダン運動の出現は自然発生的なもので、モスクワの手中にある独裁者を前にして、ヨーロッパへの近しさを訴えたものだ"。二つ目の疑問は、一つ目と関係しているロシアと、世界におけるその役割についての議論だ。またしても、コーエンもミアシャイマーも忍耐力を奮い起こし、一般大衆に、欧米による挑発に対して、プーチンがいつもどう行動しているかを説明せざるを得なかった。(ゴルバチョフに対する、NATOをドイツより先に広げないというブッシュの口約束にもかかわらず)NATOの東方拡張が、2008年のジョージアと、2014年のウクライナでの戦争原因なのだ。もちろん、三人の帝国主義者は、この主張を否定し、いわれのない攻撃だと、プーチンを非難し、国際的な舞台での悪役、ロシアに対抗するため、ヨーロッパ内のアメリカ駐留が必要な理由を確認した。ロシアと中国を分裂させるキッシンジャー戦略を、ミアシャイマーがまねて言っても、モスクワと北京に対する攻撃的姿勢は、アメリカ合州国を傷つけるだけで、一極支配の終焉を促進し、ワシントンを他の諸大国から孤立させることになる多極的現実の誕生を醸成することを、出席していた人々を説得できなかった。

 独裁者は、常にお互いに同盟を結ぶものなので、ロシアと中国とイランの間の協力は驚くにはあたらないと、三人の帝国主義者は認めた。おまけに連中は、アメリカには、複数の戦線で同時に対応する能力があるので、アメリカ合州国はこの状況でおびえるにはあたらないと言った。幸い、そのような妄想的な希望的観測を駄目にしたアフガニスタンやイラクやシリアやリビアの大惨事を想起させるコーエンの言葉が聴衆の笑いを引き起こした。そうした瞬間は、帝国主義者連中の主張が、いかにばかばかしいかを浮き彫りにするのに役立った。帝国主義者連中による主張に反対することに慣れていない聴衆の目を開けるのには、二、三のそうした議論で十分だ。

 二つのそうした教訓的な瞬間が傑出している。一つは、アメリカ合州国は、いかにしてそうしたことを成功させるか知っていると言って、イラン国内でのクーデターを主張した元CIA職員への反論だった。ところが、イラクやリビアやシリアやアフガニスタンでの失敗を想起させるミアシャイマーの反論が聴衆の大喝采を引き起こした。こうした主張が、オバマやトランプの選挙運動中、当選するために、どのように使われたかを、ミアシャイマーは思い出させた。もう一つ、一層効果的だったのは、イランについてのものだった。多くの近隣諸国(シリア、イラク、レバノン、イエメン)に対する影響力を高める狙いの、地域に対するイランの影響力とされるものゆえ、イランに対する更なる圧力を主張したコリ・シェイクに答えて、ミアシャイマーは、政権転覆と多国内政への介入という点では、アメリカ合州国が世界チャンピォンだという途方もない偽善を指摘した。その直後の大喝采が、この見解の議論の余地ない真実さを証明している。

 不幸なことに、討論は、聴衆の大半が、NATOは根本的に重要で、ロシアは悪役で、アメリカはイランに更に圧力をかける必要があると考え続けるだけに終わった。討論前と後で考え方を変えた人々の人数は重要だが(ミアシャイマーとコーエンは、最初の二つの疑問に関して、約10%の聴衆の考え方を変えた)、全体に比べれば、依然ごくわずかだ。

 オンライン観客として、私は違う感覚を味わった。私が一番いらだったのは、出席している三人の帝国主義者によって増幅され、繰り返される主流マスコミのありとあらゆるウソの山と、コーエンとミアシャイマーの主張が闘うという討論のダビデとゴリアテ的な性格にある。一般の人々は、帝国主義者の主張を聞くことにずっと慣れているのは確実だ。条件付けられた聴衆を説得するのに、コーエンとミアシャイマーに十分な時間があったとは言い難い。それでも、参加していた人々の一部は討論後、考え方を完全に変えた。NATOは必要不可欠で、ロシアは侵略的だという信念で会場に来た一部の人々は、NATOは今や陳腐化しており、ロシアは侵略者ではないという考えになって帰宅することとなった。

 この討論全体から、導きだせるのは、ミアシャイマーとコーエンの二人は、一般通念に対決し、分解し、破壊するのを恐れない素晴らしい人物だということだ。現在、我々の暮らしの上で、情報に通じていることはかかせない。適切に情報を得ていなければ、投票して、議員を選出する準備がで出来ているとは言えない。その場合、民主主義と思い込まされている中で、物事の成り行きを適切に方向づけたり、決定したりすることができなくなる。

 この討論は、アメリカ帝国主義者の世界が、現実世界から、どれほど遊離しているか、そして、特にこのネオコン-新自由主義の物の考え方が、どれほどの損害を実際にもたらしたかを示し、皮肉なことに、狙ったものと逆の、アメリカによる世界支配の終焉を促進させるのにしか役立たない結果を生み出すのに成功している。こうした情報が広がり、益々多くの人々に伝われば、ヨーロッパ-アメリカ支配体制の破滅的な行動についての理解が増すだろう。アメリカ合州国が向かっている方向は、世界におけるアメリカの役割にとって有害な結果しかもたらさないと警告して、コーエンとミアシャイマーは、国のために活動しているのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/10/10/john-mearsheimer-stephen-cohen-take-delusional-neocon-neoliberal-establishment-vital-debate.html

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 戦争への道をまっしぐらに進んでいると、常々感じている。違いは一つ。昔は、大本営によってだったが、今は、宗主国の戦争屋によって。宗主国の戦争屋が指揮した戦争が、この二人の碩学が指摘しているとおりの悲惨結果になっていることからして、次の戦争も、今の宗主国の侵略戦争と似たような結果になるだけだろう。

加藤周一はいかにして「加藤周一」となったか 『羊の歌』を読み直す』 を読んでいる。目からうろこ。

「まえがき」の8ページ

つまり、『羊の歌』に描かれる「戦前」に、今日の状況がきわめて似てきたということである。その意味では『羊の歌』を「いま」読みとくことは、「いま」を歴史の中で考えることにほかならない。

195ページ

「事件や出来事」と「馴化」の繰りかえしによって「既成事実の積み重ね」が進む。誰もが気づいたときには、はるかに遠くに来てしまっていて、取り返しがつかない。21世紀初めに日本社会で起きている趨勢もこういうことではなかろうか。

2018年10月10日 (水)

背筋の凍るようなサウジアラビア人行方不明事件‘改革者’皇太子という欧米マスコミ幻想を粉砕

Finian CUNNINGHAM
2018年10月8日
New Eastern Outlook

 在イスタンブール・サウジアラビア領事館訪問中、著名な評判の高いサウジアラビア人ジャーナリストが陰惨に殺害されたニュースは、全ての欧米マスコミに衝撃を与えた。

 背筋の凍るような事件は、サウジアラビア政権の専制的本質を強調するだけではない。欧米マスコミが“改革者”としてもてはやしてきたt石油王国の若き支配者皇太子に関する幻想も粉砕したのだ。

 先週10月2日火曜日、ジャマル・カショギは、予定している結婚に関する公式文書を入手するため、予約の上、在トルコ・サウジアラビア領事館に入館した。午後1時頃のことだった。彼の婚約者は外で彼を待っていた。しかし彼は決して現れなかった。四時間後、心配した婚約者が、領事館建物内で彼がサウジアラビア当局に拘留されているかも知れないと懸念して、カショギがそうするよう助言していた通り、トルコ当局に電話した。

 カショギは、マスコミの中でも、ワシントン・ポストやBBCの著名解説者だった。彼の行方不明は、先週国際的に見出し記事になった。サウジアラビア当局は、カショギは領事館を出たと言って、悪意を持った関与は一切していないと主張している。

 ところが奇妙なことに、老齢の父親の代わりにサウジアラビア王国の事実上の支配者であるムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が、ジャーナリストの行方不明は、自国役人の責任ではないとブルームバーグ通信社に語って論争に加わったのだ。実際、皇太子が、事件について、公的に発言する必要性を感じたというのは、奇妙に思える。

 ところが、四日後、行方不明は衝撃的な展開になった。

 現在、カショギは、暗殺のためサウジアラビアから派遣された暗殺部隊によってサウジアラビア領事館内で殺害されたと報じられている。15人の暗殺部隊が、捕虜を拷問し、たぶん彼の遺骸を構内から、外交特権で密かに持ち出すため遺体をバラバラにしたというトルコ警察筋の報告には、更にぞっとさせられる 。

 サウジアラビア当局は、カショギは、彼が訪問した日の10月2日に領事館の建物を出ていったという主張を繰り返して、依然、事件での潔白を主張している。しかし、この説明は、カショギの婚約者の主張と完全に矛盾している。

 更に、領事館の建物には無数のCCTV監視カメラがあるのに、サウジアラビアは、ジャーナリストが構内から歩いて出ていったのを示す映像公開を拒否している。

 トルコ警察が、サウジアラビア領事館の敷地内で犯罪行為が起きたという想定のもとで、犯罪捜査を開始したと報じられている。先に書いた通り、未確認のトルコ警察筋はカショギは、サウジアラビア工作員連中に残虐に殺害されたと考えている。

 殺人とされるもので特に衝撃的なのは、ジャマル・カショギが立派なジャーナリストとして世界的に有名なことだ。昨年サウジアラビアで、ムハンマド皇太子が権力の座について以来、カショギは彼が気まぐれな専制君主と見なす人物に対し益々批判的になった。

 カショギがかつてはサウド王家宮廷の身内と見なされていたがゆえに、彼の批判は、一層悪影響があった。彼は、元駐米、駐英大使だったトルキ・ファイサル王子のメディア顧問を勤めたこともある。

 2017年9月、ムハンマド皇太子が、サウド家の他の古参メンバーに対する徹底的粛清を始めると、カショギは自ら亡命した。逮捕され、拘留中に拷問されたと報じられている何百人もの人々の中には、超億万長者投資家で、カショギを、彼のアラブ・ニュース組織の編集長に任命したメディア界の大物アル=ワリード・ビン・タラール王子もいた。

  亡命中、ムハンマド皇太子の下での事実上のクーデターに、カショギは一層批判的な記事を書き始めた。彼はワシントン・ポストで定期コラム記事を書いて、サウジアラビアが率いるイエメンでの悲惨な戦争や、ペルシャ湾の隣国カタールに対する無益な封鎖を強調している。彼は皇太子指揮下の“改革”の魅力なるものは、現実というより、幻想だとも警告していた。

 重要なのは、このジャーナリストが、サウジアラビア国内で起きている変化について、ワシントン・ポストを含む欧米マスコミによる肯定的な報道と比較して全く異なる見解を表明していたことだ。

 彼が陰の支配者となって以来、欧米マスコミは、33歳のムハンマド皇太子を“改革者”として、もてはやしがちだった。敵に対する彼の弾圧を、彼の権力を強化するための“騙し討ち”という、現実的な説明をするのではなく、長年懸案だった腐敗や縁故主義粛清として報じていた。

 ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズやBBCなどは、カショギの批判的なコラム記事にもかかわらず、若い支配者を、サウジアラビア君主制の“古く保守的な”イメージからの胸のすくような離脱として描き出そうとしていた。

 皇太子は、アメリカのドナルド・トランプ大統領や、フランスのエマニュエル・マクロン大統領にもてはやされてきた。

 原理主義的なワッハーブ派王国サウジアラビアでの女性による自動車運転禁止や映画館開設という彼の国王令は、皇太子がいかにサウジアラビアを“近代化”しようとしている好例として称賛されてきた。

 トランプやマクロンやイギリスのメイやカナダのトルドーにとって本当に魅力があったのは、イエメンでの戦争を煽るための新たな武器契約での、サウジアラビア支配者による飽くなき支出だったのではあるまいかと疑いたくなる。

 それでも、鋭い批判者達は、“改革”を、単なる形ばかりの広報活動と見ていた。些細な変化は実施されつつあるが、サウジアラビア政権は、サウジアラビア東部州の少数派シーア派に対する残虐な弾圧を強化し、イエメンでの殺戮や大量虐殺的封鎖を継続している。政権は女性や他の人権活動家逮捕も継続している。そうした女性たちの中には、今、斬首による死刑を待っているイスラー・ゴムガムなどもいる。

 発言権がなく、サウジアラビアの監獄や拷問センターに投げ込まれている人々のために、カショギが彼の表現で言えば“異議を唱えている”のは評価できる。

 そうすることで、自分を危うい状態においていることを、59歳のジャーナリストは知っていた。サウジアラビア王家による説得や、身の安全の“保障”にもかかわらず、サウジアラビア帰国を、彼は拒否してきたと報じられている。

 これは、カショギが、新たな結婚に必要な離婚証明書を受け取るためにイスタンブールのサウジアラビア領事館を訪れた理由の説明になるだろう。彼は9月28日に領事館を訪れ、10月2日に、書類を受け取るため再度来訪するよう言われていたのだ。

 それによって、サウジアラビア支配者連中が、致命的なワナを準備する十分な時間が得られたように見える。15人の暗殺部隊は、10月2日にカショギを捕らえるために編成されたと報じられている。

 著名ジャーナリストが領事館の建物を訪れることすら安全ではないというのは時代の気味悪い兆候だ。現在のサウジアラビア支配者連中がどれほど国際法を軽蔑しているかの気味悪い兆候でもある。

 トランプやマクロン大統領などの欧米指導者による、へつらう甘やかしのおかげで、ムハンマド皇太子は、何であれ彼の専制的な気まぐれが望むことをしても、自分にはある種の免責特権があると思っているのは確実だ。この訴追免除、刑事免責されるという感覚は、改革する“魅力的な皇太子”というばかばかしい妄想を報じながら、サウジアラビアによる犯罪を見て見ないふりをしてきた欧米マスコミによって育てられたものでもある。

 自分たちの寄稿者の一人、ジャマル・カショギが“改革中の”サウド家の命令で残虐に殺害されたように思われるがゆえに、まさにこのおべっか使いの欧米マスコミ連中は、ショックを受けているのだ。

 これは粗野な、血も凍るような覚醒だ。サウジアラビアに関する欧米マスコミのウソが粉砕されただけではない。横暴なサウジアラビア政権を、どれほど卑劣なやり方であれ連中が好きに行動するよう、つけあがらせた欧米マスコミのやり方ゆえに、これまで実に多数のことで連中が共謀してきたと同様、そうしたウソで、連中は最新のサウジアラビア犯罪の共犯なのだ。

フィニアン・カニンガム

大手新聞社の元編集者・記者。国際問題について、広範囲に書いており、いくつかの言語で発表されている。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/10/08/macabre-saudi-disappearance-shatters-western-media-illusion-reforming-crown-prince.html

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 同じ筆者による別記事「US-Saudi Split Looming?」もある。ところで、アメリカ国連大使、突然辞任を発表した。

  「驚きの愛媛県知事会見」こそ「いつまでもモヤモヤ感は払拭はできない」。

 会場からの、適切な対応。

菅氏は、安倍首相の追悼の辞を代読。「基地負担の軽減に向けて一つ一つ確実に結果を出していく決意だ。県民の気持ちに寄り添いながら沖縄の振興・発展に全力を尽くす」と読み上げた。会場からは「うそつき」「帰れ」などの声が上がった。

 孫崎享氏のメルマガで知った映画。『モルゲン、明日』。

第二次世界大戦での自国の行いを深く反省し、1968年の学生運動をきっかけに芽生えた反原発・環境保護の意識と情熱を政治に反映し、次世代につなげようとしている彼らの姿は、世界は市民の手で変えられると教えてくれる。

日本で知の巨人と呼ばれた人物の言葉は「反原発」で猿になる。彼はオウムも擁護した。

2018年10月 8日 (月)

“革命的な国々”においてさえ、依然、右翼の手中にあるマスコミ

2018年10月4日
Andre Vltchek

 マスコミや教育を通して、北アメリカとヨーロッパの教義と世界観によって、国民が徹底的に条件付けされていたら、欧米帝国主義に対する戦いで、国は一体どうすれば勝てるのだろう。一体どのようにすれば、本当に独立できるのだろう?

 この世界のどこで働き苦闘していても、欧米の洗脳手段がいかに強力で、そのプロパガンダがいかに効果的かに私は常に驚かされ、衝撃さえ受ける。

 何百万人もの命という途方もない犠牲を払って、共産主義が勝利したと誰もが考えるだろうベトナムのような国においてさえ、人々は欧米によって益々洗脳されつつある。彼らは無関心で、世界について徐々に無知になっている。そう、もちろん公式には、ベトナムは世界の中の悪戦苦闘し、虐げられた実に多くの人々と団結しているが、ハノイ街頭で普通の人々に、アフリカで、あるいはインドネシアで、多国籍企業が行っている身の毛もよだつようなことで何を知っているか尋ねてみよう。圧倒的大多数が、ほとんど何も知らないと言うはずだ。そして、もし更にしつこく聞けば、彼らは、実際全くどうでも良いと答える可能性が高い。それは、欧米の公式言説が既に、ソーシャル・メディアからNGOに至るまで、現地のありとあらあるものに侵入し、入り込んでいるためだ。それは芸術、テレビや教育に対しても影響し始めるのだ。

 イデオロギー戦争は続いており、それは本物なのだ。情け容赦なく、無慈悲で、通常兵器によって戦われる戦争よりも破壊的なことが多いのだ。

 この戦争の被害者は、人の頭脳、人の心、文化、そして時に政治体制丸ごとだ。

 あなたの国が‘イデオロギーの戦い’に破れ、さらにその次のに破れると間もなく、自分にも自国民にも全く異質の、自分たちの歴史や伝統や願望とは異質の体制の中で暮らしていることに気づくことになる。

*

 メキシコの都市プエブラで、このエッセイを書いている。メキシコ国民は、つい最近選挙をし、圧倒的多数で、左翼大統領候補のアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールを選んだことはご存じだろう。

 三週間、私はメキシコ中を旅した。何百人もの人々と話した。彼らの多くは希望にあふれていた。彼らの大半は、本能的に社会主義に憧れている。通常、彼らはそれを‘社会主義’とは言わない、あらゆる前向きな文脈でこの言葉を使わないよう何十年も言われてきたためだが、それでも夢見る時に彼らが描くものは明らかに一種の社会主義だ。

 だが、世界における自国の立場や、自国内での自分自身の立場を、彼らは一体どのように定義することができるだろう? テレビをつければ、見られるのはスペイン語のCNN(‘メキシコ版’)か、極右FOXか、大企業が所有している現地TV局しかない。メキシコの新聞のほとんど全ての国際ニュースは、欧米報道機関から得たものだ。

 こうした欧米による洗脳、偽情報体制を基に社会主義が構築できるのだろう?

 Telesurは、大半のケーブル・テレビでさえ見ることができない、するとどうやって?

*

 またしても、これは決して何も新しいことではない。たとえば、ベネズエラにおけるボリバール革命の開始以来、主流マスコミは、右翼連中と巨大企業の手にしっかり掌握されている。全てではないがl、その大半だ。

 それは、実に奇怪だったが、今もそうだ。大半のジャーナリストが、チャベスを、そして後には、マドゥロを支持しているのに、仕事を失うのを恐れて、政府に関して、前向きなことは何も書けないほど恐れている。

 金を貰って、連中が繰り返している革命体制に対する侮辱(やウソ)は、アメリカ合州国や、過酷な名誉毀損法がある国イギリスでなら確実に容易に投獄されているはずのものだ。ベネズエラでは、彼らの大半が、がらくたや全くのウソを書くことを許されている 。敵対的な表現が無検閲であればあるほど、ベネズエラのマスコミ環境は、益々‘不自由’だと欧米は呼ぶのだ。プロパガンダのいつものこと、いつも論理だ。黒は白で、猫はネズミだ。何千回も繰り返せば、何百万人もが信じるのだ。

 革命的なボリビアは同じ問題に直面しており、前の社会主義政権時代のエクアドルもそうだった(今エクアドルは‘通常どおりの業務’状態で、欧米マスコミが、ほぼ無競争で、公然と国内で活動している)。

 ブラジルは、ディルマと大いに成功した彼女のPT (社会主義) 政府に対し、右翼支配体制が行った、大雑把に‘合法的クーデター’とでも呼べるものの余波を切り抜けつつある。外国勢力に全面的に支援され、煽られたクーデターは、ブラジル・マスコミが、中道左派政権のあらゆる素晴らしい実績を絶えず中傷し、当事者たちを詳細に調査し、中南米中の右翼諸国では言うまでもなく、ヨーロッパやアメリカ合州国であれば完全に許されているはずのものを‘汚職’と表現しているがゆえに可能だった。

 アルゼンチンでのクリスティーナに対する組織的中傷も報われる極右の狂気の好例だ。

 だが、もしほぼ全ての情報源が、もっぱら、たった一つの右翼陣営だったら、人々は一体どのようにして、これを知ることができるだろうか?

 彼らは何かが起きつつあるのを感じている。彼らはそれを本能的に感じているが、自分たちが感じているものを正確に明確に説明するのは、彼らには極めて困難なのだ。

 私はこれを中南米至る所、アフリカ、アジア太平洋、インドや中東至る所で見ている。

 これは、どこか遥か離れたところで作り出されている混乱、不健康な混乱だ。

*

 事実に直面しよう。これは実に奇想天外の状況だ。

 欧米大衆は、非欧米諸国発の新しい強力なメディアを‘発見しつつある’。今、ロンドンやニューヨークの多くの人々が、RT、CGTN、Press TVやTelesurに夢中になっている。多くの人々が、NEO (New Eastern Outlook、ロシアで編集されている)やCountercurrents (インド)などの雑誌を読んでいる。

 だが、欧米の介入と残虐な新植民地主義政策の明らかな犠牲者であるこうした国々では、得られるほとんど全ての情報源は、欧米に、現在の世界秩序のまさに中心に由来する。

*

 何ができるだろう?

 代替メディアでは、少なくとも、欧米では、最近‘貧しい我々’やら‘彼らは結局我々だ’という発言が多い。

 もちろん、そうだ!

 そう、同志よ、戦争は戦争なのだ、たとえイデオロギー的なものであっても!

 あなたは何を期待されただろう? 文字通り何世紀も世界略奪してきた体制を我々が攻撃し始めると、静かに死んだり消え去ったりするだろうか? それは現実的ではない。

 最近我々に実際届くニュースは非常に好ましい。

 欧米公式言説に反対する多くの強力なメディアが既に存在しているか、登場しつつある。

 非欧米世界には、上記のRTやPressTVやCGTNやAl-MayadeenやTelesurがある。New Eastern Outlook (NEO)やスプートニクやTASS、Countercurrentsがあり、願わくは、間もなく、Prensa Latinaも復活するだろう。

 こうしたものは皆放送中で、既に活動しており、fully functional地球上の最も優れたライターや思想家の一部を寄稿者としてあてにできている。

 すると、次は何だろう?

 極めて重要なことだが、我々は非欧米諸国の人々に手を差し伸べなければならない。

 ニューメディアの一部は、完全に反帝国主義で、虐げられた世界を支持していても、依然、それで報道の信憑性が増すかのように、イギリスやアメリカのアクセントの人々ばかりインタビューするといった‘古い手法’を使っている。

 それに、欧米報道に重点が置かれすぎており、アフリカや中南米やアジアや中東における出来事についての報道が少なすぎる。

 アフリカの人々は、ヨーロッパ人や北アメリカ人たちが、彼らに‘自分たちが本当は一体何なのか’、何をすべきなのか語るのにうんざりしている。彼らは自分自身の生活や自国について、語るべきことが多くあるのだ。アジアの人々についても同じことが言える。

 アフリカ人、アフリカ人思想家、革命家、そしてもちろん、一般人に手を差し伸べるためには、語りかけなければならない。彼らに我々の説教を聞かせるのではなく、“公表して”語りかけることだ。

 我々のメディアは違っているべきだ。本当にグローバルだが、何より‘国際主義者’だ。

 中国のCGTNは、まさにこの哲学を採用しており、驚くほどの効果を発揮している。人々は見ている - アフリカ中や、アジア中で。RTは、スペイン語放送で素晴らしい仕事をしている。NEOの最大の強みは、地球上最大の大陸、アジアについての掘り下げた報道だ。

 何よりも、世界中のできるだけ多くの占領され、虐げられた人々に手を差し伸べなければならない。もし(RTやCGTVのように)かなりの予算のあるいくつかの大手テレビ局が広告する余裕があるなら、広告すべきだ。そして、もし彼らが、中南米やアジアやアフリカのケーブルや衛星プロバイダーに、彼らの番組を放送するよう説得できなければ、私が今、メキシコでしているように、何百万人の人々に彼らの番組をインターネットでオンラインで見るよう説得することに注力すべきだ。

*

 献身と熱意とプロ精神があれば、物事は変えることが可能だ。

 ロシアと中国とイランは好例だ。ゴルバチョフとエリツィンの時代、ソ連のマスコミは徹底的に屈辱を受け、屈伏を強いられた。何年かの暗い年月の間、欧米が言ったり書いたりしているあらゆることが、何百万人もの人々に純金であるかのように見なされるようロシアでも、旧ソ連共和国でも、期待されていた。ところが欧米はオリーブの枝を差し出して、ロシアにやって来たわけではなかった。欧米言説への依存が、ソ連の更にはロシア自身が事実上崩壊した主要な理由の一つだった可能性が高い。欧米プロパガンダはロシア国民を屈服させることを狙っていた。それは明らかに敵意と破壊の手段だった。

 だがロシアは間もなく再編成した。ロシアは状況から立ち直った。そしてメディアも完全かつ素晴らしく、徹底的に自己改革した。今、ロシアのメディアは強く勇敢で、知的にも最高だ。

 中国も‘教育のある人々全員’が欧米の教義をおうむ返しにするよう期待される時期を通り抜けた。中国の大学やメディアは外国から侵入された。ヨーロッパや北アメリカの大学を卒業する中国人学生には共産主義に対する敵意が絶えず注入された。欧米の主な狙いは常に中国社会主義体制を頓挫させ、中国を欧米に従属させることだった。結局、そうはならなかった。中国は素早く破壊活動を見て取り、そして以来、適切な措置をとっている。中国のマスコミも改革された。かつては時代遅れだったCCTVは、洗練された、魅力的で、得るところの多い、明らかに左翼的なCGTNへと変わった。中国の新聞も良くなった。

 現在、ロシアや中国やベネズエラとイランの国際(そして国際主義の)マスコミは正しい路線を進んでいる。彼らは様々な言語で放送し、非欧米の反帝国主義代案を提示している。しかしながら、こうした意見の流通は依然、ニュース速報の後塵を拝している。

 私は世界でジャーナリストが誰も行かないような‘地球の隅々’でも働く。そしてこれは私の友人としての‘警告’だ。出来事に対する我々の解釈、我々の世界観、世界の出来事に関する我々の報道はそうした報道が切実に必要とされている多くの場所に届いていない。

至る所ではないが、そういうことが多い。国が貧しければ貧しいほど、一層、欧米プロパガンダの言いなりになるのだ。

 最も苦しんでいる人々に手を差し伸べるのは我々の義務、我々国際主義者の任務だ。

 我々は、ゆっくりながら確実にイデオロギー戦争で勝利しつつある。今、最も貧しい、最も破滅的な打撃を受けた場所や最も洗脳された地域の同胞たちに手を差し伸べようではないか。もし、そうしないのなら、我々は何のために戦っているのだろう? だから、手を差し伸べよう。

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』を含む多数の本の著者でもある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/10/04/even-in-revolutionary-countries-mass-media-is-still-in-the-hands-of-the-right/

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 井上尚也、1回70秒KO。沖縄知事選での開票直後の玉城氏当確を思い出した。ヌルマゴメドフは、マクレガーに勝利したものの、両者セコンドの乱闘騒ぎになったという。

 『街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋』ブログの最新記事は衝撃的。
「ISDSの終焉  ISDSを葬り去る新NAFTA( USMCA )協定」
http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2018/10/naftaumca-a4ce.html
トラック・バックを戴いてから拝読した。

 『私の闇の奥』では、最新記事「ノーム・チョムスキーのこと」で、当ブログの「アメリカの偽りの歴史」についての海坊主様のコメントに触れられている。

 この上記の他のブログから戴いたトラッバック、あるいは、言及で、ひとつ考えたことがある。大本営広報部には洗脳以外期待していないが、ネットのブログにもさほど期待はしていないという小生の考えだ。当ブログの翻訳記事だけ引用するブログがあるが、そういうブログを読む人々は、小生が翻訳記事の後に書いている、こうした貴重なトラックバックや言及についての情報を知らずに終わってしまうことになる。不謹慎ながら、「縁なき衆生は度し難し」という言葉を思い出す。ある歴史研究者の方から「記事の後のコメントを読んで、吹き出すことが多い」というお言葉を戴いた。「笑ってはいけませんね」といわれたが。ありがたい。

 翻訳記事の後に、しつこくIWJの報道、インタビューに触れているのも、翻訳記事部分だけ読む人々は、全く知らずに終わってしまう。
“属国”においては、ブログさえ右翼の手中にある
とは言わないが。翻訳記事だけ引用するブログ、貴重な情報が広がるのを阻止することはあっても、決して助けてくれてはいない。

 大本営広報部、市場移転問題、本質を一切報道せず、閉鎖の時点で、ナツメロ呆導。IWJインタビューを再度拝見予定。以下、7日のIWJガイドの一部をコピーさせて戴く。

 今日午後8時からは、岩上さんによる建築エコノミスト・森山高至氏、一級建築士・水谷和子氏、築地女将さん会・山口タイ氏、新井眞沙子氏インタビュー第一部を再配信します!インタビュー中では、築地市場に帰ることは十分に実現可能であることがたびたび指摘されていて、「築地女将さん会」の山口氏と新井氏も、築地を守り抜くことを強調しています。

 インタビューは、今日7日から明後日9日までの3日間にわたって、全編フルオープンで再配信します。インタビュー第一部の詳細は、ぜひ以下のURLよりご覧ください!

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【タイムリー再配信 253・IWJ_Youtube Live】20:00~「地中の汚染水が地上に噴出!! 11日開場予定の豊洲は問題だらけ!岩上安身による建築エコノミスト・森山高至氏、一級建築士・水谷和子氏、築地女将さん会・山口タイ氏、新井眞沙子氏インタビュー (第一部)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
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 IWJは、豊洲市場への移転に反対し、築地を守るために立ち上がった人たちの声を取り上げ続けてきました。ぜひ、以下の関連記事もご覧ください。

※雨の中、約300名の市民らが築地市場の豊洲移転に9.29抗議!築地・仲卸業者の方「新築マンション買って鍵渡す時に、たまにトイレ逆流しますとか、ちょっと壁ヒビ入ってるけど想定内です、とか言って鍵を渡しませんよね?」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/432632

※都への反論に国は同意! 都は憲法29条違反!? 東卸(とうおろし)組合役員はなぜ豊洲移転に賛成なのか!?
~小池都知事あて要望書の提出報告、認可条件に至らない豊洲新市場の実態9.5築地市場営業権組合による記者会見 2018.9.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/430853

 豊洲市場への移転強行は、日本の食料安全保障という観点でも大きな問題があります。日本政府は9月26日、TAG(日米物品貿易協定)という事実上のFTAの締結に向けた交渉を約束してしまったため、日本の食料安全保障は未曾有の危機に瀕しているといえます。こんなときだからこそ、築地市場は守り抜かなければならなりません。

2018年10月 6日 (土)

アメリカ・マスコミはいかに破壊されたか

2018年10月1日
Paul Craig Roberts

 9月24日のコラム“Truth Is Evaporating Before Our Eyes” https://www.paulcraigroberts.org/2018/09/24/truth-is-evaporating-before-our-eyes/で、いかに非難だけで相手を破壊できるかを実証するため、アブグレイブの拷問と、ジョージ・W・ブッシュ大統領のテキサス州兵航空隊の任務不履行を報じた、CBSニュース・チームや、ピーボディー賞受賞者で、26年もニュースの仕事をしたベテランCBSプロデューサー、メアリー・メイプスや、定評あるニュース・アンカー、ダン・ラザーを破壊した例をあげた。

 90パーセントのアメリカ・マスコミが、エンタテインメントや他の事業が専門で、報道が専門でない6つの巨大企業に集中されるの許し、独立したアメリカ・マスコミを破壊したのは、ビル・クリントン大統領だったことを私は何度も書いている。この未曾有のマスコミの集中は、アメリカのあらゆる伝統に反しており、政府に国民に対する責任を持たせ続けるべく、建国の始祖が出版・報道の自由に託した信頼を破壊したのだ。

 メアリー・メイプスの『Truth and Duty 』(2005年、St. Martin’s Press)(『大統領の疑惑』2016年、稲垣みどり訳、キノブックス刊)を読むまで、シャーマン反トラスト法とアメリカの伝統に反する、このマスコミ独占が、誠実な報道をどれだけ破壊したかに私は気づいていなかった。

 起きたのは、こういうことだ。テキサス州兵航空隊はベトナム戦争の徴兵を逃れるためにエリート連中が息子を入れておく場所だった。ジョージ・W・ブッシュが、戦争から逃れるのを狙って、入隊待ちの長いリストを飛び越え入隊できたことや、州兵航空隊の要求事項違反や、無許可で他州に転属したことについて、ジェリー・B・キリアン中佐書いた書類の写しをCBSが入手した。CBSチームは、書類を、本物か、そうでないか判断するために何カ月も作業した。書類中の情報は、テキサス州兵パイロットの時代にジョージ・W・ブッシュと知り合った人々のインタビューと辻褄が合うことが分かった。

 これは入念に準備された報道で、やっつけ仕事ではなく、ブッシュの義務不履行に関して、現在我々が知っているあらゆる情報と一致している。

 CBSニュース・チームにとっての問題は、当時彼らは気づいていなかったのかも知れないが、その書類が専門家が疑問の余地ない本物だと確認できる原本でなく、コピーだったことだ。そのため書類は他の人々の証言と首尾一貫していたが、原本ならできていたはずの、書類が本物だという確認が、専門家たちはできなかったのだ。

 共和党はこの弱点に付けこみ、CBSの『60ミニッツ』報道が真実かどうかから、写しが偽物かどうかへと話題をそらせた。

 CBSには他にも二つ問題があった。一つは同社オーナー、ヴァイアコムが報道事業ではなく、法的特権や規制上の許可で儲けようとして、ワシントンでロビー事業をしている会社だったことだ。ブッシュ政権が否定する鼻先で、アメリカのによる拷問を暴露し、ブッシュに強い特権があり、テキサス州防衛隊から罪を問われなかったことを示すCBSの本当のニュース報道は、大金をかけたヴァイアコム・ロビー活動の邪魔だった。

 極右ブロガー連中がCBSを追求すると、ヴァイアコム幹部は厄介なCBSニュース・チームを処分する方法に気がついた。ヴァイアコム経営幹部は、同社の記者たちを支持するのを拒否し、ブッシュがテキサス州防衛隊の任務を遵守し損ねたことに関する『60ミニッツ』報道に対し、共和党支持者で構成される、つるし上げ用“調査委員会”を雇ったのだ。

 ヴァイアコムが、自社のロビー活動の邪魔になる自立したニュースを片づけたいと望んでいたのに、メアリー・メイプスと彼女の弁護士は、真実に何か意味があり、最後は勝利すると思い込んでいた。そこで、彼女は自分の経歴と品位が組織的に破壊されてゆくのを見守る破壊過程にさらされることになったのだ。

 CBSのもう一つの問題は、それが正当化できるか、できないかに関係なく、保守的な共和党連中によって、CBSとダン・ラザーが、共産主義者に等しい呼称である、リベラルと見なされたことだ。何百万人ものアメリカ人にとっての問題は、リベラルなCBSが、ジョージ・W・ブッシュを傷つけ、国民をイスラム・テロにさらけ出したままにしようとしていたことだったのだ。ブッシュがワールド・トレード・センターとペンタゴンを吹き飛ばしたイスラム・テロリストからアメリカを守ろうとしているのに、CBSはブッシュ大統領を中傷しようとしているというのが極右の考えだった。

 メアリー・メイプスとダン・ラザーとCBSニュース・チームは報道に専念し過ぎ、自分たちが、その中で活動している危険な状況に考えが及ばなかった。それで彼らは、ハリバートンとイスラエルのためになる、ディック・チェイニーの中東戦争に役立つ罠と“リベラル”ニュースに対する保守派の憎悪に役立つ罠にはまってしまったのだ。

 アメリカ・マスコミは一体なぜ、CBSの入念な報道を擁護しなかったのだろう? 答えは、それが、TVニュース・メディアが死につつある時期だったからだ。インターネットが勝利しつつあった。同社以外のマスコミは、CBSの崩壊に、この市場を奪い、寿命を伸ばす好機を見て取ったのだ。

 そこで、同社以外のマスコミは『60ミニッツ』が偽書類に基づく報道をしたという偽ニュースを報じた。マスコミは、自分たちの死刑執行令状に署名していることに気がついていなかったのだ。共和党がCBSにけしかけた極右ブロガー連中もそうだった。現在、そうしたブロガー連中自身、いかなる真実を表現できる状態から遮断されている。

 アメリカにおける真実は根絶されつつあり、CBSニュースの破壊は出発点だった。メアリー・メイプスが著書で書いている通り、ヴァイアコムはスタッフ全員を首にし『60ミニッツ』を完全に一掃するやいなや、翌日ヴァイアコムは意気揚々と年次株主総会を開催した。サムナー・レッドストーン会長は、2004年に5600万ドルの給与を得た。最高執行責任者のレスリー・ ムーンべスとトム・フレストンは“それぞれ法外な年収5200万ドルを手に入れた。”

 一方CBSニュース・チームの人々は住宅ローンも自動車ローンも医療保険も支払えなくなった。

 メイプスはこう書いている。“数年前まで、大企業幹部へのこうした大盤振る舞いなど聞いたことなどなかった。今では、こうしたマスコミの支配者連中が公共電波を牛耳っており、彼らが果たすべき責任は一つだけ、儲けることだ。”調査報道から、政府と大企業広告主守る必要がある巨大企業でさえも。

 その結果、現在アメリカ・マスコミは全く信頼できない。読者はいかなる報道も、ニューヨーク・タイムズの死亡記事すらも信じることができない。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/10/01/how-the-american-media-was-destroyed/

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 このメイプスによる本『大統領の疑惑』をもとに、映画『ニュースの真相』が制作されている。映画は見ていないが、『大統領の疑惑』は読み始めたらとまらない。決意をもって書かれた作品 太田愛著 『天上の葦』(KADOKAWA)  ネタバレ注意
の記事で知って、テレビ報道番組にまつわる策謀についてのミステリー『天上の葦』を拝読したばかり。

 昨日は以下のインタビューを拝聴した。この二冊の本と直接つながる出来事のご本人。その出来事からも、「現在日本のマスコミは全く信頼できない。読者はいかなる報道も、新聞の死亡記事すらも信じることができない」と思っている。

上層部からの圧力か!? 森友問題でスクープを連発した元NHK記者の「考査室への異動」の真相に迫る! 岩上安身による大阪日日新聞論説委員・相澤冬樹氏インタビュー 2018.10.2

 いじめ問題についても追求したいとおっしゃっている。是非拝読したいものだ。

2018年9月30日 (日)

第三次世界大戦への道

イスラエルの危険な行為は全員を脅かしている
フィリップ・ジェラルディ
2018年9月25日
The Unz Review

 先週月曜日、シリア沖でのロシア偵察機撃墜に対する最小限のアメリカ・マスコミ報道は、もちろん、関心の欠如と、出来事にイスラエルが関与していたことの反映だ。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストを撃墜の翌朝に読んだり、朝のニュースを見ていたりすれば、人はこの話題に全く気がつかないはずだ。商業マスコミは、既存の外交政策言説を維持しながら、あらゆる代償を払ってもイスラエルを守るという願いは、アメリカ・テレビ・ニュースの特徴でもあり、誰もこれまで聞いたことのない病気のために薬を服用するよう大衆を促す巨大製薬会社のコマーシャルは五分に一度流される。

 もちろんイスラエルは、ロシア軍機を撃墜したのはシリアで、“そこから兵器製造システムがイランとヒズボラに送られると思われている”シリア軍施設をイスラエル・ジェット機は正当に標的にしていたのだから無罪だと主張している。引き起こした面倒を多少修復しようとして、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にすぐさま電話し哀悼の意を表した。木曜日、彼はイスラエルから見て一体何が起きたのかの詳細報告をさせるため、空軍トップをロシアに派遣もした。

 だがその話は、どのように構成されようとも、必然的に全体の一部に過ぎない。何が起きたかという説明は既にはっきりしている。ロシア偵察機は、シリア沖の地中海上空で、フランス戦艦と、少なくとも一機の英国空軍戦闘機の活動を監視する任務を終えて基地に帰還するところだった。通常の情報収集任務にあたっていた大型で比較的低速のプロペラ推進の飛行機イリューシン 20には、その存在を隠す理由は皆無だった。apparently飛行機は、出来事が起きた際、シリアのフメイミムにある航空基地に着陸する準備をしていた。シリア防空部隊に、“友軍機”であることを知らせるはずのトランスポンダーを作動させていたのか、いなかったのかはわからない。

 イスラエルが前日、ダマスカス近くの標的を攻撃したので、シリア防空部隊は厳戒態勢にあった。その際は、兵器を輸送していたとイスラエルが主張する駐機中のボーイング747が標的だった。ついでに、シリア内で一体何を標的にしているのかに関するイスラエルの主張は、決して、単独で検証可能なものではないことにも留意すべきだ。

 イスラエル側は、ロシアが使用している航空基地に近いラタキア近くのいくつかの場所に夜間奇襲をおこなうのに四機のF-16戦闘爆撃機を使用していた。彼らは地中海からやって来て、イリューシン 20は、防空レーダーで、ずっと大きな断面積になるはずなので、自分たちの接近を隠蔽するため、明らかにロシア偵察機を利用していた。F-16のレーダー・システムもロシア偵察機をはっきり見えていたはずだ。

 シリアは、少なくとも、そのうちの一機が同盟国ロシアのものだと知っているので、近づく飛行機に向けて発射することはないだろうとイスラエルは予想していたかも知れない。そう予想していたのであれば、それは間違いで、実際、誘導システムで、より大きな標的に向けられたシリアのS-200地対空ミサイルが偵察機を撃墜し、乗組員14人を殺害したのだ。イスラエルは爆撃飛行を完了し、基地に帰還した。この応酬中に、沖にいたフランスのフリゲート艦が、何発かのミサイルを発射したという報道もあるが、確認されてはおらずイギリス軍機も領域内とはいえ、この件の範囲外で旋回していたという報道もある。

 これには背景もあった。イスラエルとロシア軍は、まさにより大規模な紛争にエスカレートしかねないイリューシン撃墜のような出来事を避けることを狙って、シリア内のアメリカ軍司令部と使用しているものとよく似たホットラインを設置していた。イスラエルは、ホットラインを使用したが、出来事が起きるわずか一分前で、ロシア軍機が回避行動をする時間的余裕がなかったと報じられている。

 ロシア国防省は激怒した。国防省は、イスラエルによる偵察機の利用を、意図的な危険性の高い戦略と見なしている。ロシア国防省は“我々はイスラエルによるこの挑発的な行動を敵対的なものと見なす。イスラエル軍による無責任な行動のために、15人のロシア軍人が死亡した。これは、ロシア-イスラエル・パートナーシップの精神に全く反している。我々は適切に対応する権利を留保する”と警告した

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はより融和的に、事件は“一連の悲劇的状況”だと述べた。彼は、これを、2015年の計画的で意図的なものだったトルコによるロシア戦闘機撃墜と比較し、イスラエルは実際にイリューシンを攻撃したわけではないとした。控え目に言っても、プーチン発言は、明らかにロシアのイスラエルとの関係は微妙なことを認めているが、だからと言って彼が何もしないだろうことを意味するわけではない。

 イスラエル人の多くはロシアからの移住者で、両国の間には密接なつながりがあるが、そうした人々のシリアに対する見方は実に様々だ。プーチンは、イスラエルを、激しい、かなりの方法で反撃したいと望んでいるだろうが、ロシア軍兵力が集中している周辺の防空を格上げ、強化し、今度“奇襲”攻撃したら反撃すると警告するだけとなる可能性が高い。残念ながら、現地では、トルコは言うまでもなく、アメリカやフランスやイギリスやイスラエルの方が火力が遥かにまさっており、紛争をエスカレートさせかねない強烈な反撃は自分の利益にはならないことを彼は知っているのだ。彼は同様に、トルコの手荒な介入を防ぐため、アンカラと協定をまとめようとする中、同盟国シリアと協調して、テロリストが支配しているイドリブ県を奪還する企てを延期した。

 しかし、この話には、国際的メディアが、ほとんど無視することを選んだもう一つの側面がある。それは戦争状態にはなく、いかなる形でも攻撃されたり、脅かされたりしていない国イスラエルが、現在ほぼ毎日シリア空襲をおこなっており、過去18カ月で、200回以上にのぼっていることだ。イスラエルは、攻撃は、シリア自身ではなく、イランやヒズボラに対するものだと主張して、攻撃を正当化している。バッシャール・アル・アサド政府を終わらせ、より“民主的”なものに置き換えることも要求しているアメリカ合州国も繰り返している要求であるイランの完全排除が、シリアにおける平和的解決には必要だと、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は主張している。

 第二次世界大戦後のニュルンベルク裁判によって、威嚇していない国に向けられた侵略戦争は、究極的な戦争犯罪だと規定されているが、イスラエルだけが、イランとつながっていると往々にして主張する標的に対する奇襲攻撃で、イスラエルが一般市民や兵士を殺害しても、アメリカ合州国と、そのポチ、イギリスとフランスは大してわめかない。シリア国内に違法に駐留し、標的を年中爆撃し、二回の大規模巡航ミサイル攻撃を含め、少なくとも一度は、わなを仕掛けシリア政府側で戦っている多数のロシア人兵士殺害に成功していると報じられているワシントンは自分の過ちを省みず、真っ先に非難するような立場にはないはずだ。

 近隣諸国へのイスラエルの干渉、シリア国内とイラン国内で活動しているテロ集団をイスラエルが支援している秘密の戦争というもう一つの側面もある。ネタニヤフ政府には、シリア国内で活動する武装テロリストがおり、負傷した場合、イスラエルの病院で治療さえしている。一度ISISがゴラン高原のイスラエル占領地域をうっかり砲撃した際、後に謝罪した。だから、一体誰がテロを支援しているのかという疑問に対する答えは、真っ先にイスラエルのはずなのだが、ちなみに、やはりテロリストを守っているワシントンによる保護のおかげで、イスラエルは何のおとがめもなしに、そうすることができている。

 もちろんイスラエルの行動に対する別の説明がある。イスラエルが、ロシア軍機を隠れ蓑にして、何のおとがめも無しの攻撃が可能になっても、逆にイスラエル政府を支援するため、必然的にアメリカが参入した後、アメリカ合州国との武力戦争を招く可能性が高いモスクワからの報復を招く出来事を生み出しても、どちらでも利益になるとネタニヤフが考えた可能性がある。いずれの場合でも、イスラエルが望むシリア国内の混乱は続き、悪化さえするが、その結果、戦争が地域的、あるいはより広範なものとして拡大する可能性という危険性があるのだ。

 いつものことだ。ワシントンによる支援のおかげで、イスラエルは何の報いも受けないことを知っているので、近隣諸国攻撃のような危険なことを実行するのだ。イスラエルの計略によるロシア軍機撃墜は、モスクワとワシントンを巻き込む戦争に容易にエスカレートしかねなかった状況を生み出した。国境周辺の至る所で混乱を生み出そうとする際、イスラエルが本当は一体何を考えているのかは誰にもわからないが、こうした過程が継続するのを許しても、誰の利益にもならないのは確実だ。シリアでのアメリカの関与をやめ、中東における、一見果てしない戦争の連鎖を終わらせるという選挙公約をドナルド・トランプが実行する時期はとっくに過ぎている。

 Philip M. Giraldi、Ph.D.は、中東におけるりよ国益に基づくアメリカ外交政策を求める501(c)3課税控除の教育財団Council for National Interestの事務局長。ウェブサイトは、www.councilforthenationalinterest.org、住所は、P.O。Box 2157、Purcellville VA 20134、電子メールは inform@cnionline.org.

記事原文のurl:http://www.unz.com/pgiraldi/the-path-to-world-war-iii/

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 東京の雨は今はやんでいる。これからIWJ下記記事を拝読予定。

 そんな台風の最中、沖縄では本日県知事選の投開票がおこなわれます。ジャーナリストの横田一氏より沖縄現地から最終予測詳報が届きました。ぜひご一読ください。

※【特別寄稿】投開票日直前!沖縄現地から最終予測詳報!「台風24号接近で投票率が下がれば、玉城票が減る」!?「投票率60%を下回るのなら佐喜真候補が勝利」の声も~沖縄県知事選最終盤「どちらが勝っても不思議ではない」大接戦に!!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/432643

2018年9月23日 (日)

欧米では、もはや反体制派は許されない

2018年9月21日
ロシアは気づくだろうか?

Paul Craig Roberts

https://www.paulcraigroberts.org/2018/09/21/europe-descends-into-tyranny/の更新版

 フランス裁判所は反政府政党党首マリーヌ・ルペンに精神鑑定を命じた。

 欧米“民主主義”はもはやこれまで。欧米で、民主主義ほど歓迎されないものはない。

 マリーヌ・ルペンの下での、フランス大統領シャルル・ド・ゴールのフランス民族主義復活を、ワシントンが許容しないことは、ヨーロッパでは以前から理解されていた。ド・ゴールはワシントンに従順ではなかったが、ワシントンは、もう一人の従順でないフランス民族主義者を望んでいないのだ。

 フランス愛国者のマリーヌ・ルペンはジャンヌ・ダルクと同じ運命になる定めのようだ。フランスの既存支配体制は長い間ルペンを狙っていた。彼女は既にツイートのかどで、議員免責特権を剥奪されており、フランス主権を擁護する言論の自由にもとづく発言のかどで、彼女の敵に有罪にされれば禁固三年となる。ダーイシュが人々を処刑する画像をツイッターに投稿したかどで、彼女は面倒なことになっている。

 選挙で脅かされているフランス支配体制は、命じたルペンの精神鑑定で、連中が望むどのような結果でも捏造できる。完全にでっちあげの“判定”を根拠に、精神病院に監禁することで、ルペンを追放できるのだ。https://sputniknews.com/europe/201809201068194429-marine-le-pen-court-psychiatric-expertise/

 ワシントンの支配からヨーロッパを離脱されるのに、プーチンはヨーロッパ主権の復活に頼っている。非抵抗の、侮辱や挑発に甘んじる政策で、ロシアがヨーロッパを味方にできるというのは甘い考えだ。EU自体がヨーロッパ主権の勃興を阻止しているのだ。ワシントンはヨーロッパの主権を抑圧し、ヨーロッパ諸国を、主権国家という考え方がもはや存在しないEUの中に沈没させた。フランスでは、フランス人は自分の国を持つに値するというルペンの信念は精神異常の兆しと見なされている。

 フランス人は、他のヨーロッパ人同様、洗脳されて、言論の自由を、人種差別や女性蔑視や同性愛差別や移民に対するヘイト・クライムと同一視している。

 ワシントンは、ヨーロッパや属国イギリスに決して好きなようにさせるつもりはない。ワシントンは決して自立したロシア国家を受け入れるつもりもなく、許すのはエリツィン支配下のロシアのような属国だけだ。それ以外あり得ない。アメリカは例外的な、必要欠くべからざる国だ。他のいかなる国も重要ではない。中でもロシアは。

 ヨーロッパ中で、愛国者は人種差別主義者として片づけられる。フランス、ドイツ、イタリア、イギリスなどの民族的国民性を抹殺する移民流入を生み出す国境開放の邪魔をするかどで、愛国者のことを、侮蔑的な言葉で、憎悪されるべき人々と規定するのだ。

 ヨーロッパは、共通基盤皆無の“多文化主義”の多様性へと溶解しつつある。ジャン・ラスパイユが、この過程を『聖人のキャンプ』で描いている。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

 記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/09/21/dissent-is-no-longer-permissible-in-the-west/

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 そう、最長不当政権。

 「沖縄戦で首里攻防戦に15歳で従軍した故・翁長雄志沖縄県知事の叔母・安子さんへの岩上安身氏によるインタビューの前編を拝聴した。壮絶。今日は、8時から後編を拝聴する。

【録画配信・IWJ_Youtube Live】20:00~「『洗脳教育され、人間ではなくて「立派な国民」だった!』沖縄戦で首里攻防戦に15歳で従軍した凄絶な戦争体験と平和への思い!故・翁長雄志沖縄県知事の叔母・安子さんへの岩上安身によるインタビュー(後編)」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 9月8日に収録した、故・翁長雄志沖縄県知事の親戚・安子さんへの岩上安身によるインタビューの後編を、公共性に鑑みフルオープンで録画配信します。岩上安身は9月3日から1週間ほど沖縄を訪れ、連日インタビューをおこなってきました。

 沖縄戦がおこなわれた昭和20年、まだ15歳だった安子さんは、御本人いわく「軍国少女」だった、といいます。「洗脳」から解放されたのは、戦後に戦没者の遺骨収集をした時だったそうです。安子さんは長い時間をかけて、米軍に投降した時の様子、父親との別れ、収容所での暮らし、家族との再開など、悲惨で壮絶な戦争体験をお話しくださいました。

 このインタビューは、安子さんに語っていただいた場所の名前など、わかりやすくテロップ入れの作業をおこない、ようやく配信の運びとなりました。他では見ることのできない貴重なインタビューをぜひご覧ください。

 これまでIWJが報じてきた沖縄戦関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%B2%96%E7%B8%84%E6%88%A6

 当ブログの大半の記事をお読みだと言われたが、「緊急事態条項は知らない」と言われた読者の方は是非この機会に下記インタビューを見ていただきたいと思う。

 ■緊急事態条項新設が現実味を帯びてきた!? 民放連が憲法改正の賛否を問う広告について自主規制をしないことを決定! 改憲CMを大量に流して「洗脳」か!? 今日午後6時より、岩上さんによるノンフィクション作家・元博報堂社員本間龍氏インタビューを、公共性に鑑みてフルオープンで再配信します!

【タイムリー再配信 244・IWJ_Youtube Live】18:00~「広告宣伝の制限なし!『異常に自由』な国民投票制度―― 憲法改正国民投票は改憲派に有利!! 岩上安身によるノンフィクション作家・元博報堂社員本間龍氏インタビュー!(ダイジェスト版)」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 2017年10月21日に収録した、岩上安身によるノンフィクション作家・元博報堂社員本間龍氏へのインタビューを再配信します。

 テーマは憲法改正国民投票制度の問題点。先の自民党総裁選で安倍総理が3選を果たしたことにより、緊急事態条項を含む憲法改正の国民投票が現実味を帯びてきました。本間氏はインタビューのなかで、国民投票に潜む制度的な問題点を指摘し、いまのままの制度設計では公平・公正な投票運動が歪められると警鐘を鳴らしています。重要性に鑑みフルオープンで再配信をおこないますのでぜひご覧ください。

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/402623

2018年9月17日 (月)

シリアまたは東南アジア - 欧米はウソをついたし、ついているし、常につくだろう

2018年9月15日
Andre Vltchek

 シンガポール国立図書館の壮大なビルの中で、照度を落とした部屋で、マイクロフィルムをハイテク装置に挿入しながら私は座っている。私は1965年10月にさかのぼるいくつかの古いマレーシア新聞を見つめ、映画撮影し、写真撮影しているのだ。

 こうした報道は、基本的に、進歩的なスカルノ大統領を打倒し、当時世界で三番目に大きな共産党、PKI(パルタイ・コムニス・インドネシア)を根絶したインドネシアでのhorrible 1965年軍事クーデター直後に掲載されたものだ。100万人から300万人のインドネシア国民が命を失った、二十世紀の最も恐るべき大虐殺だ。社会主義(間もなく共産主義になるはずの)国インドネシアは、今日の超資本主義、宗教的で極端な右翼熱狂に落ちぶれた。

 アメリカ合州国やイギリスやオーストラリアやオランダや他のいくつかの欧米諸国が直接、クーデターを支援し、しょっぱなから大量虐殺の最前線にいた、軍内部の欧米寄りの背信的派閥と、宗教指導者を指揮していた。

 こうした情報の全ては、もちろん、CIAとアメリカ国務省両方の機密解除されたアーカイブで容易に入手可能だ。手に入れ、分析し、コピーすることが可能だ。私自身、この出来事に関する映画を制作したし、他の監督たちも制作している。

 だが、これは人類の記憶の一部ではない。東南アジアでは、それはわずか一握りの知識人しか知らない。

 マレーシアやシンガポールやタイでは、インドネシアの1965年後のファシズムはタブーの話題だ。それは決して議論されない。当地の“進歩的”知識人は、他のあらゆる欧米‘属’国でと同様、決して、世界のこの地域を、実に極端に、実に否定的に形作っている本質的諸問題(欧米帝国主義、新植民地主義、残酷で奇怪な姿の資本主義、現地の天然資源や環境の略奪や、虚報や、大衆の記憶喪失がともなう強制的に注入されている無知)ではなく、自分の性的嗜好やジェンダー問題や個人的‘自由’に没頭するよう雇われている。

 インドネシア国内では、共産党は禁止されており、大衆は共産党を犠牲者ではなく、犯人と見なしている。

 洗脳された被害者の背後で欧米が笑っている。もうかりすぎて笑いが止まらないのだ。

 ウソは明らかに効果をもたらしている。

 第二次世界大戦後、おそらく、アフリカと中東という二つの例外を除き、東南アジアほど、欧米帝国主義に苦しめられた地域は世界でも他にあるまい。

 いわゆるインドシナ、ベトナム、カンボジアとラオスで、無差別爆撃作戦や、他の形のテロで、欧米はほぼ1000万人殺害した。上記のインドネシア・クーデターは少なくとも100万人の命を奪った。東チモール住民の30%は、欧米が全面的に支持していたインドネシア占領で絶滅された。欧米に徹底的に服従しているタイ政権は北部と首都の左翼を無差別に殺害した。地域全体が、欧米自身とアラブ湾岸の欧米同盟諸国が資金提供する過激宗教の移植で苦しめられている。

 だが、ここでは欧米は、ほとんど宗教的な熱狂で、称賛されている。

 アメリカ、イギリスとフランスの報道機関と‘文化センター’は卑屈な‘エリート’が所有する現地マスコミを通して虚報を流布している。現地‘教育’はdevotedly shaped欧米の説教くさい概念で。マレーシアやインドネシアや更にはタイのような国々では世界のこの部分を植民地化していた国々の大学を卒業することが最高の偉業なのだ。

 犠牲になった国々は裁判所で補償を求める代わりに、欧米を実際称賛し盗用し、自分たちを過去そして現在苦しめている連中から財政的支援を得ようとし、懇願までしている。

 今や従順に服従し、無気力で、かつての革命的左翼イデオロギーをはぎ取られた東南アジアでは、欧米の洗脳とプロパガンダが疑う余地のない勝利を収めたのだ。

*

 同じ日、ホテルの部屋で、テレビを点け、欧米が支援するテロリストのシリア内最後のとりで、イドリブの状況に関する欧米報道を見た。

 ロシアは緊急国連安全保障理事会会議を呼びかけ、テロリストが化学兵器攻撃をしかけ、欧米とともに、バッシャール・アル・アサド大統領の軍隊にその罪をなすりつけかねないと警告している。

 NATO戦艦が地域に配備されている。‘古き良き’ヨーロッパ/北アメリカ・シナリオが、またしても機能していることに疑いの余地はない。‘懲罰として、我々はお前を攻撃し、国民を殺害し、爆撃する’。

 帝国主義の悪党連中は、それから被害者(この場合はシリア) と、彼らを守ろうとしている人々(ロシア、イラン、ヒズボラ、中国)を非難する。幼稚園や小学校でと同じだ。覚えておられるだろうか? 男の子が誰かを後ろから叩いて、誰かを指さして叫ぶ。“あの子だ、あの子だ!”驚くべきことに、今に至るまで、もちろんあらゆる大陸で、何十億人も犠牲にし、欧米はこの‘戦略’で常に何の罰も受けずに済んできた。

 何世紀も、そうだったし、今も、それが機能している。そのようなテロとギャング行為が止められるまで、これは続くだろう。

*

 もう何十年も、世界は今益々相互に繋がっており、警戒怠りないマスコミの目や‘市民社会’に即座に気づかれ、報じられることなしには、極めて重要なことは起こり得ないと言われて来た。

 ところが、何千も重大なことが起きているのに、誰も気がつかない。

 わずか過去20年間で、北アメリカとヨーロッパによって、いくつもの国々が特定され、禁輸と経済制裁により、最終的に攻撃され、バラバラに粉砕される前に、ほぼ餓死状態にされた。アフガニスタン、イラク、リビアが、その一例だ。いくつかの左翼諸国の政府は、外部から、あるいは自国内の、現地の卑屈なエリートとマスコミによって打倒された。ブラジル、ホンジュラスとパラグアイはその例だ。無数の欧米企業と現地の相棒連中が、ボルネオ/カリマンタンやコンゴ民主共和国(DRC)などで、とどまる所を知らない天然資源略奪を実行して、熱帯雨林を完全に破壊し、何百種もの生き物を殺戮している。

 我々は、惑星として、本当にお互いに結びついているのだろうか? 人々はお互いに、あるいは、様々な大陸の同胞たちに何かがなされているのかどれほど知っているだろう?

 私は約160の国々で働いたが、いささかのためらいもなく証言できる。‘ほぼ何も’。しかも‘益々減りつつある!’

 欧米帝国と、そのウソが、これまで知られていなかったほど極端にまで世界を分断するのに成功している。その全てが‘誰にでも見られる状態で’、世界から丸見えで、行われているのに、その生存にとって最も喫緊の脅威が、どういう訳か、見破り特定することができないのだ。マスコミ・プロパガンダ企業は洗脳手段として機能しており、欧米の文化・‘教育’機関や、欧米の概念によって形作られた現地機関もそうだ。これには大学やインターネット・トラフィックを操作する連中や、検閲者や、自主検閲する個人や、ソーシャル・メディアや、広告代理店や、ポップ・カルチャー‘アーチスト’など実に広範な‘手先’が含まれる。

*

 欧米植民地主義者と新植民地主義者の蛮行とウソには明らかなパターンがある。

 ‘インドネシアのスカルノ大統領と彼の最も緊密な同盟者、インドネシア共産党(PKI)は、進歩的な自給自足の国を築こうとしていた。それゆえ、彼らは阻止されなければならず、政権は打倒され、共産党員は皆殺しにされ、PKI自体が禁止され、国丸ごと私有化され、外国権益に売り渡された。圧倒的大多数のインドネシア国民は、現地と欧米のプロパガンダに徹底的に洗脳されていて、CIAのアーカイブに何が書いてあろうと、1965年クーデターを、いまだに、共産主義者のせいにしている。’

 イランのモサデクも、同じ進歩的な路を進めでいた。それで、彼もスカルノと同じ目に会って終わった。しかも、そこで世界中が、欧米によって権力の座に据えられた 虐殺者、シャーと彼の浪費癖のある妻に魅せられたのだ。

 1973年には、チリで、そしてそれ以降も、同じ致命的パターが起きており、欧米がいかに自由を愛し、民主的かの更なる証拠だ。

 コンゴのパトリス・ルムンバは、天然資源を国有化し、偉大な国民たちを食べさせ、教育しようとした。その結果? 彼は打倒され殺害された。犠牲: 約800万人が、過去20年間に大量虐殺されたが、あるいは、それよりずっと多いかも知れない(私の映画『Ruwanda Gambit』をご覧願いたい)。誰もこれを知らず、あるいは全員が知らないふりをしている。

 シリア! この国の最大の‘犯罪’は、少なくとも欧米の目から見れば、国民に質の高い生活を提供しようとし、汎アラブ主義を推進していることだ。その結果は我々全員が知っている(いや本当に知っているだろうか?)。欧米が支援する残虐な過激派に何十万人も殺害され、何百万人もが亡命し、何百万人もが国内難民にされている。そして欧米は当然、それをシリア大統領のせいにして、もし彼が戦争に勝利したら‘彼を懲罰する’用意ができている。

 不条理だろうか? だが地球規模のファシズムが理にかなうはずがあるだろうか?

 欧米が流布するウソは高く積み上がっている。そうしたウソは重複し、お互い矛盾することも多々ある。だが、世界中の大衆は、もはや真実を探求するように訓練されていない。大衆は、潜在意識で、ウソをつかれていると感じているが、真実は実に空恐ろしいので、圧倒的多数の人々は、人類の生存のために戦うより、ただ自撮りし、自分の性的嗜好を分析し、耳にイヤホンを突っ込み、空虚なポップ音楽を聴く方を好んでいる。この話題で私は、1,000ページ近い本を書いた。“Exposing Lies Of The Empire”だ。

 このエッセイは、シンガポール国立図書館の暗い部屋で、プロジェクターの前に座りながら、思いついた一連の考えに過ぎない。

 答えを必要としない疑問が現れ続ける。“こんなことが起き得るのだろうか?”“何世紀も世界中でおかしているこうした全ての犯罪に対し欧米はただで済むのだろうか?”

 答えは明快だ。‘もちろん、止められない限りは!”

 そして、A luta continua!(戦いは続く!)

 アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、『Revolutionary Optimism, Western Nihilism』を含む多数の本の著者でもある。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/09/15/syria-or-southeast-asia-the-west-lied-lies-and-always-will/

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 樹木希林が辺野古に現れた日! 米軍基地反対の座り込みをするおばあの手を握って…

恥ずかしながら、小生、辺野古と高江には一度しか行っていない。

 呼吸するようにウソをつく人物、見るだけで悪寒。わざわざ街頭宣伝車上の実物を見に行く人々の気が知れない。対立候補の団扇を持った叔母様、マイクを向けられ、支持者ですかと聞かれ「違います。暑いので遠慮なくもらいました。」と嬉しそうなのに、あきれた。ウソしか言わない人物を信じる頭の中、一体どうなっているのだろう。

日露戦争での軍国美談は軍トップの失策の責任回避のためにつくられた!? 一方でイギリスの支援なしには戦えなかった現実は都合よく忘却!~9.12 岩上安身による明治大学・山田朗教授インタビュー第2弾 2018.9.12

先日、興味深く拝聴したが、徹夜後ゆえ途中で眠ってしまった。これから再度拝聴。ご著書のうち二冊は購入しているが、ご本人のお話を伺っておけば再読が楽だろう。

世界史の中の日露戦争 (戦争の日本史)

これだけは知っておきたい日露戦争の真実―日本陸海軍の「成功」と「失敗」

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