不快な西洋エリート主義と現実世界からの乖離の象徴、パリ・オリンピック
2024年8月2日
Strategic Culture Foundation
論説
セーヌ川から排出される悪臭は、おそらく世界最大の開放型下水道で、欧米の二枚舌と虚栄心に嘆き悲しむ現実の吐露だ。
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パリ夏季オリンピックは先週金曜に開幕し、主催者はドラァグクイーンに囲まれたイエス・キリスト(イスラム教で崇拝されている預言者)の冒涜的描写により、世界中の何十億ものキリスト教徒とイスラム教徒を怒らせたと非難され世界的論争を巻き起こした。
ダヴィンチの有名な絵画「最後の晩餐」が不道徳に貶められただけではない。第33回オリンピック開会式全体が、安っぽいゲイ・プライド・イベントに成り下がったかのようなキッチュな見世物だった。パリ2024主催者は、テーマは「包括性」と人道的寛容さを伝えるためのものだと主張したが、後に主催者らは、過失があったことを示すかのように、不快な思いをさせたことに対し卑屈な謝罪を行った。
論争は、このスポーツ大会最初の週も続き、セーヌ川でのトライアスロン水泳競技は当初、汚染レベルが危険だったため中止となり、その後、参加者の安全に対する懸念にもかかわらず実施するよう命じられた。広報上の大失敗でフランス主催者が面目を失うのを避けるため、下水とネズミがはびこる水中を泳ぐよう強制されたと選手たちは不満を述べた。
この大気汚染の大失敗は、西側諸国のエリート政治家がいかに今日の世界の現実を見失っているかを示す比喩と言えるだろう。どれだけ高級なフランス製香水を使っても、オリンピックの安っぽい政治化の背後にある悪臭を隠すことはできない。
浄化のため15億ドル以上を費やしたにもかかわらず、セーヌ川は、1世紀前に公衆浴場が禁止されて以来、汚染により有毒なままだ。
同様に、欧米諸国の政治も自由主義の欺瞞的茶番劇とパロディになっている。西側諸国の首都から発せられる嘘と腐敗の膨大な残骸は、どんなにごまかしても隠すことはできない。一方、政治家たちは民主主義とルールに基づく秩序の崇高な価値について語り、他方で、弾頭に虹色の旗を描いて民間人に爆弾を投下する。あるいはゲイ・プライドのロゴを身につけたウクライナ・ネオナチ殺人犯を支援している。
スポーツを通じて人類を団結させることは、フランス人ピエール・ド・クーベルタンの構想により1896年にギリシャで初めて開催された近代オリンピックの理念とされている。何十年にもわたり、世界最高峰のスポーツ大会は戦争や地政学的要因により混乱をきたしてきた。特に1980年と1984年にオリンピックがボイコットされた冷戦時代はそうだった。長年にわたる不安定さにもかかわらず国際政治において常に中立の姿勢が保たれていた。
もはやそうではない。現在のパリオリンピックは、あからさまに政治化されている。欧米が主導する国際オリンピック委員会が「ウクライナとの連帯」を宣言した後、ロシアとベラルーシはウクライナ紛争のため参加禁止となった。
これはIOCとオリンピックにとって完全なる不名誉だ。偽善はひどいものだ。アメリカとNATO同盟諸国が関与した多くの違法な戦争、イラクやアフガニスタンへの侵略と占領、その他の侵略行為を理由に、彼らを禁止することは一度も検討されなかった。
ウクライナ戦争は、アメリカとNATO同盟諸国がロシアに対して仕掛けた代理戦争だと言っても過言ではない。紛争の歴史は、欧米諸国の責任と計算された挑発を示している。紛争の原因を「ロシアの侵略」のみと定義するのは、疑わしい政治的立場で、欧米諸国が唱えているが、他の多くの国々はそうは考えていない。
IOCがウクライナ戦争に関して党派的な立場を取るのは、その資格の濫用だ。
イスラエルが公式の留保なしに自国代表団をオリンピックに派遣する自由があることを考えると、この二重基準は厚かましい。しかし、イスラエルのガザでの敵対行為は大量虐殺に当たるとの判決を国際司法裁判所は下した。イスラエル人選手が制限なく参加できる一方、同国は過去9か月の容赦ない暴力行為で4万人以上のパレスチナ人、主に女性と子どもを殺害しているのは、みっともない光景だ。欧米諸国の首都は、この大量虐殺を行うためイスラエル政権に外交的保護と重要な軍事支援を与えた。ガザの難民キャンプ爆破や冷酷な家族全員の虐殺など、オリンピックが世界中でテレビ中継される間も、恐ろしい虐殺は止むことなく続いている。
「多様性と寛容」を掲げるオリンピックの真っ最中に、欧米が許したガザでの蛮行が並置されているのは言葉では言い表せないほど不快で倒錯的だ。実際、ガザでの大量殺戮の忌まわしさを考えれば、パリ・オリンピックは道徳的に堕落していると何の疑いもなく言えるだろう。
パリ大会主催者が、洗練された包摂と人道主義の見せかけで自分たちの行事を隠そうとしているのは二重に卑猥だ。道徳的退廃は、宗教的信仰に対する冒涜的侮辱に表れている。西洋エリート主義の観念以外に、神聖なものは何もないようだ。批判は、偏見と「トランスフォビア」という不機嫌な非難を招くことなく許されない。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、パリ大会は「クレイジーなアイデアが現実のものとなった」と自慢している。これをもう一度、完全な軽蔑をもって言うこともできる。
マクロンや欧米諸国政治指導者連中は、自分たちが「自由民主主義」の崇高な価値観を代表しているという自己中心的考えにとらわれている。
マクロン大統領と欧米諸国のお仲間は、ウクライナとガザでの虐殺を無謀にも煽りながら、ロシアとベラルーシのオリンピック参加を禁止する厚かましさを見せている。
オリンピックの啓発的概念は、西洋の美徳の見せかけ推進を目的とした派手なプロパガンダショーに堕落した。
しかし、現実は、いわゆる寛容と包括性の実証ではなく、むしろ歪んだ西洋エリート・イデオロギーを人類の大多数に押し付けているに過ぎない。
キリスト教とイスラム教に対する侮辱が、フランスの芸術的自由に対する不幸な誤った解釈であったかどうかについては議論の余地があるかもしれない。
しかし、議論の余地がないのは、欧米諸国が容認したガザでの大量虐殺と、ウクライナに対するロシアの制裁に関して示された極悪非道な偽善だ。
世界中の多くの人々が「オリンピック競技大会」への通常の関心を失っているのも不思議ではない。安っぽくて汚い政治化のせいで、パリ大会は地球上の多くの人々から疎んじられている。
セーヌ川から排出される悪臭は、おそらく世界最大の開放型下水道で、西洋の二枚舌と虚栄心に嘆き悲しむ現実の吐露だ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/08/02/paris-olympics-epitomize-toxic-western-elitism-and-disconnect-from-real-world/
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スコット・リッターが、RT、Sputnikから報酬を貰ってロシア工作員として活動した嫌疑でFBIに家宅捜査された。携帯電話もパソコンも没収された。露骨な濡れ衣。サンクトペテルブルグ経済フォーラムに参加して講演予定のためアメリカを出発しようとした際も、理由無く飛行機を下ろされていた。真摯な政策批判に対する萎縮効果を狙った言論の自由の迫害。
「kill the messenger」の典型。
Dialogue Works
Scott Ritter's SHOCKING Day 3:19
Judging Freedom
Scott Ritter Statement Following FBI Raid on his home 2:35
この件、アメリカ・メディアも報じている。
FOX news
FBI raids New York home of ex-UN weapons inspector
New York Post
FBI raids NY home of ex-UN weapons inspector Scott Ritter
植草一秀の『知られざる真実』 森永卓郎氏も新刊で主張している。
123便墜落原因再調査不可欠
日刊IWJガイド
「世界同時株暴落!『円キャリートレード』を維持できないと、いつでも世界同時株暴落が起きる可能性がある!」;
■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】;
■【第1弾! 移民2世の少年が英国人の子供を3人刺殺したサウスポート事件を契機として、英全土で右派による移民排斥暴動が勃発! その要因は「フェイクニュース」!?】英国の2022年移民流入数は76万4000人、出生数は60万5479人! 暴動拡大の背景にあるのは「本当の英国人とは何か」という問題!(『BBC』、2024年7月30日ほか)
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