アメリカ

2026年8月10日 (月)

タッカーを大統領に MAGA反乱軍、イスラエルからの独立を宣言

アメリカ右派の分裂が拡大し、トランプの旧支持層が公然と反対派へと変貌しつつあり、亀裂の中心にはイスラエルがある。

公開日:2026年8月8日 15:25 | 更新日:2026年8月8日 15:26
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 タリク・シリル・アマルはドイツ出身の歴史家で、イスタンブールのコチ大学に勤務。専門はロシア、ウクライナ、東欧、第二次世界大戦史、文化冷戦、記憶の政治。

 タッカーを大統領に MAGA反乱軍がイスラエルからの独立を宣言


© クリス・アンガー / ゲッティイメージズ

 ドナルド・トランプ大統領が二期目で、最後の任期を開始して以来、彼を二度も権力の座に押し上げた運動は分裂し始めていた。そして今「アメリカを再び偉大にする(MAGA)」支持者の間で完全な分裂が起きている。

 本質は単純だ。トランプをMAGAと同一視し続ける人々がいる一方、溝は広がりつつあり、MAGAへの忠誠心は持ちつつも、トランプはそうではないと考える人々もいる。反逆者たちは、トランプは大義を裏切ったと主張し、MAGA、ひいてはアメリカをトランプから救い出したいと考えている。

 MAGA反対派が自らの運動と呼ぶものに、まだ正式な組織構造は存在しないが、事実上の指導者はいる。人気ジャーナリストでポッドキャスト司会者でもあるタッカー・カールソンだ。MAGAの分裂が正式に発覚したのは、メイン州にあるタッカーの実に典型的なアメリカ邸宅だった。そこで、トランプに反対するMAGA集団の主要人物数名が集まり、事実上、反乱の旗印を掲げたのだ。

 文字通りではないが、元アメリカ下院議員マージョリー・テイラー・グリーン(フォロワー数540万人)によるX投稿の形で、それが示された。投稿には、グリーン自身に加え、トランプ政権下でテロ対策責任者を務めたジョー・ケントや、長年トランプに反対してきた保守派のトーマス・マッシー下院議員や、テーブルの最上座に座るカールソンなど、陽気な反逆者集団を写した入念に構成された写真が掲載されていた。

 投稿から数日後、カールソンは自身のソーシャル・メディア「タッカー・カールソン・ネットワーク」(YouTube登録者数520万人)で「It’s Time to Save America(アメリカを救う時が来た)」と題する動画マニフェストを公開した。公開から僅か一日で、YouTubeだけで100万回以上の再生回数を記録した。

 ポッドキャスト時代における修辞の達人カールソンは、現在のアメリカを、並外れた退廃と堕落の行き詰まり、支配体制における現実感覚の喪失と「麻痺と略奪」状態として描き出した。

 また彼は、核戦争か制御不能なAIによる「世界の終焉」をアメリカ人が避けたいなら、変化は避けられないと予測した。更に、時宜を得た政治的行動で、この終末を阻止したとしても、大きな暴力、すなわち革命を引き起こす可能性があると警告した。そして最後に、世界の終焉と激しい混乱の両方に対する代替案を簡潔な10項目で提示した。

 「公平性」から「団結」まで、多岐にわたる彼の10項目は、具体的政策概要というより、国家再生への力強い呼びかけで、彼自身も認めている通り、幅広い合意形成を可能にする一般的な目標を掲げている。

 彼が挙げた10項目の多くは、トランプ抜きのMAGA 2.0のようだと観察者たちは指摘した。身体的および精神的健康、経済が、監視技術や兵器や金融トリックだけでなく実際に役立つものを作る必要性、修復が必要なアメリカの美しい風景と建築物といった問題について、カールソンの情熱的訴えは、MAGA現象の根底にある保守主義を反映している。

 最終的に重要なのは、意見の相違点だ。カールソンの主張の一つは、主権、つまり彼が定義した「外部からの影響からの自由」に関するものだった。この点が、他のあらゆる主張の鍵になる。10項目は、本質的には独立宣言で、あらゆる外部からの影響からの独立だけでなく、イスラエルと、その強力なアメリカ・ロビーからの独立宣言でもある。カールソンは、これらがアメリカにとって最悪問題の一つだと直接指摘した。

 まず、彼は単に、法や倫理のルールを超越した王様のように振る舞う利己的な上流階級を攻撃しただけではなかった。彼はそれを「エプスタイン階級」と呼んだ。これは有罪判決を受けた小児性愛者で、自殺したとされ、自称ロスチャイルド家代表で、イスラエル人強姦犯諜報機関関係者と親しい関係にあった故エプスタインを指している。

 また、対イラン戦争(最近別の現実的なアメリカ人が述べた通り、ベトナム戦争より酷い「戦略的大失敗」)を「イスラエルによる賄賂か脅迫、あるいはその両方」とカールソンは正しく結びつけた。同様に説得力ある主張として、ナチス・ドイツのようにイスラエルがジェノサイドをしていると彼は非難し、アメリカの継続的支援に抗議した。最後に、イスラエルだけでなく、イスラエルのロビー活動が主導している現状は、「代表民主主義の理念を覆す」とカールソンは述べている。ロビイストが意思決定を行う場所では、有権者は意思決定を行えないためだ。

 要するに、カールソンは、アメリカが近年稀に見る最悪の軍事的敗北を喫したこと、進行中のジェノサイドを支援(そして事実上加担)したこと、主権と民主主義を失ったことは、全て、あるいは大部分が、アメリカ支配体制による、イスラエルとの歪んだ、極めて非愛国的な関係に起因すると指摘したのだ。政治的には、これはシオニスト国家の攻撃的な影響力工作に対する、おそらく長らく待たれていた宣戦布告に等しいと言える。

 そしてメッセージは伝わった。イスラエルの「リベラル」系有力紙ハアレツ紙は、急遽、長いカールソンに関する論説を掲載し、驚くべきことに彼を「反ユダヤ主義」だと非難した。これはばかげた中傷だが、予想通りだ。ジェノサイドをするアパルトヘイト国家イスラエルへの批判を、ユダヤ人への憎悪だと組織的に歪曲するのは、古く陳腐なシオニストの戦術だ。カールソンは決して世間知らずではない。10項目の論点で、彼は「ナチス」と呼ばれることを予期し、それを軽く受け流した。

 だがハアレツは一つだけ正しいことを指摘している。カールソンと彼が率いる勢力にとって「イスラエルと彼らのアメリカ人支持者は、トランプによる[MAGA]運動裏切りの中心原因でもある」。言い換えれば、小さくとも極めて破壊的で暴力的ならず者国家への狂気じみたアメリカの依存を特定し、名指し、攻撃する勇気を持ったアメリカ保守主義をカールソンは体現している。

 カールソンが描くアメリカ史や西洋像には、確かに理想化や郷愁が色濃く反映されている。この超保守的人物について意識を高めたいと願う人々にとって、格好の材料になるだろう。だが、それは無益で退屈なことだ。なぜなら、そこが重要な点ではないからだ。重要なのは、アメリカの世論調査が、一貫して、イスラエルに対する未曾有の大きな反発を示していることだ。最近、イスラエルのアメリカ・ロビーに関する新刊が出版され、大きな話題を呼んでいる。潮目は変わりつつある。

 タッカーを大統領に擁立する選択肢もあると同じくMAGA支持派反逆者のジョー・ケントは漏らした。第三党というのは困難な課題だ。しかしハアレツ紙は懸念を示しており、シオニズムの観点からすれば、それは当然だ。そして、それは非常に良いニュースだ。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/644017-maga-rebels-tucker-israel/

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 東京新聞 朝刊 一面  
 長崎原爆の日 81年

 世界へ 核は絶対悪

 首相、三原則 また明言せず
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
NYT[イランをめぐる軍事行動で米国の兵器在庫が枯渇、露と中国が注視。イランへの爆撃で数百万ドル規模のミサイルが数千発も消費。1,500発以上の地対空迎撃ミサイル「パトリオット使用。陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)や精密打撃ミサイル(PrSM)の備蓄をほぼ使い果たした。

2026年8月 9日 (日)

持てる者と持たざる者



ジョージ・オースターフィールド
2026年8月6日
Strattgic Culture Foundation

 学校が崩壊し、職業訓練が不足する一方、ドイツは国防費に資金を振り向けているが、兵器を製造する技術者が不足している。

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 人類の「始まり」について(かなり大まかだが)少々推測してみると、基本的に人類は二つの集団に分けられるはずだ。臆病な者と、そうでない者。あるいは、自信がある者と、そうではない者。これは遺伝的なもので、ある種の「モデル」に特有のものと言える。北半球に暮らす「モデル」は、南半球に暮らす「モデル」とは違っていた。東半球と西半球でも違っていた。いずれにせよ、違う人類「モデル」は概して移動性が高く互いに混じり合っていた。

 この分類は現代社会にも見られる。実際、異文化交流は決して時代遅れになったことはなく、その程度は、移動手段や容易さや、言語能力や、学習意欲や能力に左右される。メディアやソーシャル・メディアが、自宅にいながらにして外国や異文化に関する情報や印象を得る一種の遠隔学習を可能にした。

 原点に立ち返ると、小規模社会集団では、現代の複雑な社会構造より、相互扶助の意識がより強く存在していたと考えられる。より広い視点で見れば、臆病で自信のない人々は、より勇敢な仲間に助けや保護を求めていたはずだ。多様な才能が、このような関係性を可能にし、全ての人にとって有益だった。

 内気な親たちは、自分自身の欠点だと感じている部分を克服すべく、子どもを成長させようと努力したが、どういうわけか、それは自信のある親たちにも当てはまった。こうして、集団間の差異は維持された。それぞれの範疇の人数はほぼ一定に保たれ、親たちは皆、自分の子どもをできる限り成長させようと努めた。

 家畜飼育や耕作が定着した瞬間、集団構造は劇的に変化した。狩猟に長けた者は、家畜を飼育し土地を耕作できる者に次ぐ第二の地位に就いた。これは必ずしも狩猟者に価値がなかったことを意味するのではなく、単に優先順位が変わっただけだ。より勇敢な狩猟者は新たな職業分野を見つけなければならず、必要に応じて集団を守るために立ち上がったことから一種の軍隊に発展していった。防衛の必要性は必ずしも戦争を意味するものではなく、主に動物や自然の力に対するものだった。

 各集団は最も熟練した優秀な狩人に従うようになる。理由は明白だが、報酬が不明だったため、敬意が正当な報酬形態になった可能性もある。社会が部族へ変化すると、他の部族員より遙かに高い特権を享受する指導者層が生まれた。彼らが秘教的・宗教的活動に深く関わるほど、権力は増大した。一度権力を握ると、これら特権を次世代に引き継ぐ傾向が強まり、指導者の地位は世襲制になり、支配階級が形成された。

 当初の二つの集団(前述通り、これは非常に大まかな分類だ)は、より裕福な指導者と、そうでない部下へ徐々に分かれていった。より現代的な言い方をすれば、富裕層と貧困層、つまり持てる者と持たざる者という構図だ。この単純化された分類は、あらゆる社会モデルにおける紛争の主な原因の一つを示す例と見なせる。従って、社会が機能するためには、持てる者と持たざる者の間の格差をできる限り小さく保つことが不可欠だ。

 均質な社会とは、全員平等で、全員同じ機会を与えられ、生活水準を向上させる機会も平等だという考え方等を意味する。もしこの均質性が社会の全ての構成員に当てはまるなら、何らかの形の「共産主義」の必要性が示唆される。こうして、持てる者と持たざる者の問題は解決される。

 過去100年間に出現した様々な形態の「共産主義」を見てみると、それらを特徴づける上で二点が際立つ。一つ目は「共産主義」体制は機能しない事実だ。

 これが「共産主義」という言葉を私が引用符で囲んだ理由の一つだ。もう一つの理由は、様々な国の哲学者たちとの議論に基づけば、普遍的な共産主義社会形態は存在しないというのが私の見解だからだ。ソ連の人々さえ、自らの社会を共産主義とは考えていなかった。むしろ、社会主義から共産主義への移行期であり、共産主義は全てがうまくいった場合に達成されるべき国家形態だと考えていたのだ。だから、持つ者と持たざる者の問題は、おそらく消えることはないだろう。

 二つ目の顕著な特徴は教育に対する重視の程度だ。この点、いわゆる共産圏諸国は傑出していた。ドイツで講師、教育者として働いていた時、これを身をもって私は体験した。ロシアからの移民は、ドイツ人とは全く違う学習態度だった。前者は知識を欲しがっていたのに対し、後者は基本的に試験に合格するために必要なこと以外は興味がなかった。ソ連の学校で得られる知識の水準は、ドイツの学生の水準を遙かに上回っていた。もちろん制度や、その意図を公平に比較するのは困難だが、結果の違いは否定できない。持てる者と持たざる者の問題も、結局、解決可能なようだ。教育=能力=持てる。

 欧米社会、特に未来に対し、軍国主義的姿勢を提唱する社会を見ると、教育分野における欠点が否応なく目に付く。ドイツに暮らし、働いていると、事態は深刻化している。経済のあらゆる分野が、文字通り熟練労働者を切実に求めている(「大声で叫んでいた」のは過去の話だ)。

 第二次世界大戦直後、復興に必要な肉体労働のために膨大な労働力が必要とされたのは確実に事実だ。だが国が発展するにつれ、多様な労働者の需要が生まれ、焦点は事務職へ移っていった。事務職は、一方では、拡大し続ける官僚機構や事務処理部門を支え、他方では、広告、販売、経営部門を支えるために必要とされた。これにより、職人の育成から、ホワイトカラー労働者向けの、より高度な教育に重点が移った。このような変化は、活力に満ちた絶えず変化し続ける全ての社会に共通する現象だと言える。

 歴代政権は、子どもと、その教育こそ国の資本で、未来を保証するものだと繰り返し述べてきた。だが、それが必ず自動的に改善や変化をもたらすとは限らない。教育への資金供給は、もはや失われた技術になりつつある。資金が増加しているとすれば、それは試験的プロジェクトや、学術研究に限られる。

 金が絡むと、伝統的教育における初等・中等教育はほとんど無視される。職業教育は後回しにされ、学校は文字通り崩壊寸前だ。生徒だけでなく教師にとっても学校の雰囲気や学習環境は悲惨で、教師たちは目標達成のため、まるで勝ち目のない戦いを強いられているかのようだ。授業は教師不足、あるいは多くの場合、教材不足のため中止される。

 益々デジタル化が進む世界では、残念ながら、学生が適切に対応できるように教育するための資金が不足している。学校が、STEM、Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Mathematics(数学)分野の能力を備えた学生を育成できないため、工学分野は衰退の一途を辿っている。STEM科目を軽視し、その魅力を低下させ、「ジェンダー研究」などの「人文科学」に修士課程を設けて資金投入しても、国の産業基盤や競争力や生産性が停滞している現状では何の助けにもならない。社会は「贅沢な研究」に資金を投入できる余裕を持たなければならないが、少なくともドイツは今のところそれができない状況にある。

 こうした事柄に加えて、既に過重な負担を抱えている制度に、見えない人種差別に基づく計算違いの杜撰な移民政策が、更なる重圧を与えている。傲慢さから移民の資格を認めなかった結果、シリアやイラク出身の看護師や医師が清掃員として働く以外に、医療分野で働く機会がない事態が生じている。

 均質で機能的な社会を望むことと、それを構築して維持するのは全く別問題だ。教育資金を捻出し、必要な能力を持つ人材が不足している分野に資金を振り向けるのは、まさにその資金の振り向け方が原因で、持続可能な政策とは言えない。特に、ここ数ヶ月、ドイツ政府が繰り返し表明してきたような目標を掲げる場合なおさらだ。政府が重要視する軍事計画を遂行するために、ドイツは技術者を必要としているが、技術者育成用必要資金を、教育省から、技術者を必要な国防省へと振り向ける計画に着手できない状況にある。

 上記状況の肯定的側面は(歴史的に見て、均質な社会だけが繁栄する傾向がある事実を無視すれば)確実に平和維持策であることだ。「ジェンダー研究」修士号を取得したからといってミサイルやドローンが作れるわけではない。ささやかな恩恵に感謝すべきだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/08/06/have-and-have-nots/

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 耕助のブログ
No. 2992 なぜトランプはグリーンランドが欲しいのか

2026年8月 5日 (水)

対イラン戦争:もう一つのTACO(直前におじけづくトランプの方針転換) イランはエスカレーションする必要

2026年8月3日
Moon of Alabama

 またしても、イランを徹底的に爆撃するとアメリカ大統領が脅迫した。またしても、脅迫を彼は撤回し、同時にイランが交渉を懇願していると主張したが、それをイランは、またしても否定した。

 月曜日に、ようこそ。

 イラン爆撃に関して、トランプがTACO(おじけづいて方針転換)したのはこれで5度目だ

 先週土曜日、米軍が(再び)イラン爆撃準備を進めている最中、イランのアッバス・アラグチ外相は電話を取り、アラブ湾岸諸国の同僚たちに電話をかけた。そしてトランプ大統領が一度でも約束を実行したら、イランが破壊する各国標的のリストを読み上げた。

 湾岸諸国は互いに協議した。外交的言い回しで、トランプに「 黙れ」と伝える役目にサウジアラビアのムハンマド・ビン・スルタン国王が選ばれた。  
事態の悪化を防ぐため、対話を優先する必要性と、外交的解決への道を開き、地域の安全と安定を維持し、地域および国際的安全と安定に影響を与えるようなより広範な紛争を防ぐべく、平穏を実現するため、あらゆる努力を尽くす重要性を皇太子は強調した。
 石油を輸出しなければ、サウジアラビアはアメリカ兵器を輸入できない。生活費を賄うためサウジアラビアは国債を売却せざるを得なくなる。

 こうした二次的影響を説明したことが、トランプを動かした 可能性があるのかもしれない。  
事情に詳しい関係者によると、イランに対するアメリカ戦略と計画されている攻撃に関してもサルマン皇太子が明確な説明を求めたという。

 事情に詳しい関係者によると、戦争が長期化する中、自国がイランによる頻繁な攻撃にさらされている状況に対して、アメリカには明確な戦略が欠けていると見なして、湾岸諸国は水面下で不満を募らせているという。
 まだ全員が正気に戻ったわけではない。  
全ての湾岸諸国が緊張緩和を求めているわけではない。協議に詳しい湾岸諸国高官によると、ここ数日、イランに対し、より断固とした措置を取るよう、アラブ首長国連邦など一部の国がトランプ大統領に働きかけているという。事態をアメリカがエスカレートさせて、海峡の支配権を掌握し、場合によっては、地上作戦を検討するまで、イランの強力なイスラム革命防衛隊は妥協しないと、これら高官たちは示唆している。
 アラブ首長国連邦自身、イスラエル製兵器を山ほど大量購入したにもかかわらず、自国を守れていない。首長国連邦指導者連中は相当な懲罰を受ける必要がありそうだ。

 海峡をアメリカは制圧できない。現地作戦に必要な人員が不足している。もはや米軍には打つ手がない。  
水曜日「我々はイランに圧力をかけ、罰するための新しい創造的で型破りな方法を探している」と幅広い軍事専門家の集団に送ったメッセージで米中央軍情報部将校が書いたと、メッセージを知る情報筋が明らかにした。別の情報筋によると、先週、米軍高官が、イランへの対処方法に関する新しい発想を募るメッセージを送ったという。

 CNN報道によると、アメリカが行っている爆撃では、イランの交渉姿勢が変わる可能性は低いと最近中央情報局と国防情報局は評価している。

 爆撃だけではトランプ大統領がこれまで述べてきた戦争の目的を全て実現するのは困難だと大統領最上級軍事顧問の統合参謀本部議長ダン・ケイン大将は公式に認めている。

 先月「航空戦力には限界がある」とケイン大将は議員たちに語った。
 エスカレーションの主導権を握っているのはイランだ。アメリカはイラクのクルド人地域から撤退し、クウェートとバーレーンからも撤退した。イランは一部の米軍部隊が移動したヨルダンを既に攻撃している。次は、イスラエルに移動した米軍部隊が攻撃の標的になる。

 和平合意を、もはやイランは信じていない。敵対的戦略をアメリカが根本的に変えるまで、現状維持の継続でイランは満足なのだ

 だがイランがアメリカの次の攻撃を待つ可能性は低い。むしろ間もなく自らエスカレーションを開始するだろう。アメリカ艦船や施設を、更なる「驚き」が待ち受けている。

 ホルムズ海峡は閉鎖されたままになるだろう。更に紅海からのサウジアラビア輸出はバブ・エル・マンデブ海峡でも禁止される。ドナルド・トランプ自身の国で経済的影響がより切実に感じられるようになるまで、この状態をイランは維持するだろう。

 「タンクの最低残量」にはまだ達していないので、まだ暫く時間がかかりそうだ。  
タンクの最低残量論は、二つの重要要素を見誤っている。第一に、中国が過去10年間で蓄積した膨大な石油備蓄を軽視している。備蓄は現在、かなりの緩衝材になっている。戦争が始まる前、北京は14億バレル以上の戦略的備蓄を保有していた。以来、おそらく一億バレル程度しか引き出していない。中国は輸入量を戦前の水準以下に抑えるのに十分な備蓄を依然保有している。

 タンクの最低量論の二つ目の問題点は、富裕な国が保有する戦略的備蓄の枯渇を誇張していることだ。…混乱が続く場合に備えて、連中は、依然10億バレル程度の備蓄を保有している。特に日本と韓国は豊富な在庫を保有している。
 とはいえ備蓄をゼロにしてしまうのは避けたい。

 しかも、備蓄のない、さほど裕福でない国々が、このことで一番打撃を受ける。

 これが一体いつ、どう終わるのか予測は不可能だ。一週間か二週間後、同じことが繰り返されるかもしれない。トランプによる新たな脅迫、新たな対抗策、またしてもTACO騒動だ。

 ホワイトハウスにいるあの子供じみた男は、もはや打つ手がないにもかかわらず、頑固すぎて折れる気もないのだ。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/08/war-on-iran-another-taco-irans-need-to-escalate.html

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 東京新聞 朝刊 19面 特報 本音のコラム 斎藤美奈子氏 末尾部分を引用させて頂く。  
首相の被災地訪問
 劣悪な避難所にこそ行きなさいよ。かくて浮上したヤラセ視察疑惑。接待視察といったほうが正確かな。

2026年8月 3日 (月)

トランプは和平協定を引き継いだが、それを破棄して更なる戦争へ突き進んだ、他


中東和平の可能性を目の前にして、彼はそれを積極的に焼き尽くした。

ケイトリン・ジョンストン
2026年7月30日

 ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。



 ここ数日だけでも、更なるアメリカによる対イラン空爆や、イラクでのアメリカ・サウジ共同攻撃や、イエメンとサウジアラビアの軍事的緊張の高まりや、イスラエルのレバノンでのドローン攻撃など、中東は益々火薬庫のような状態になりつつあり、これら全て容易に回避できたはずの事態だ。

 トランプは、一期目に、完全に機能するイラン核合意を、二期目に、イエメンとサウジアラビア、イスラエルとヒズボラ間の停戦を引き継いだ。中東和平の可能性はまさに目の前にあったにもかかわらず、彼はそれを積極的に焼き尽くした。



 ボーイ・ジョージが、ガザでのイスラエルの行動を擁護する「We Will Dance Again」という衝撃的にひどいレゲエ・ソングを発表した。歌詞冒頭は「お前はジェノサイドと言うが、俺は戦争だと言う/攻撃されたら、それが軍隊の役目だ/醜いものになるかって? もちろんそうなる/俺が知る限り、お前たちは俺たち全員を殺したいんだ」とある。

2026年にだ。これが2026年7月にリリースされたのだ。

 2023年にこれを公開するだけでも最低だが、爆撃で破壊された病院や組織的に破壊された民間インフラなど、ガザの荒廃した光景を目の当たりにしておいて、2026年にこれを公開するとは、正真正銘の精神病質者としか言いようがない。



 最近、アメリカでのイスラエル支持率の劇的変化について論じる番組をCNNの主任データ・アナリスト、ハリー・エンテンが放送し「僅か八年でイスラエルに対する支持率が67ポイントも低下した」と指摘した。

 「かつてイスラエル問題はアメリカ政治では共通認識がある問題で、それは親イスラエルの立場だった。だが今やその共通認識は変化し、一般有権者の間ではマイナス要因になっている」とエンテンは述べた。

 まさにこれが最近我々が「反ユダヤ主義」に関して大量のデマを押し付けられる理由だ。ユダヤ人への憎悪が危険なほど爆発的に高まっていると言われるのは、実際は、非常に健全な形でイスラエル憎悪が爆発的に高まっている事実を隠蔽するためだ。



 福音派キリスト教徒がユダヤ人とイスラエルを異常なほど崇拝するのは実に不気味だ。現代イスラエルを、彼らはまるで魔法のファンタジー世界のように扱い、ユダヤ人を妖精のように語る。そういった言葉がたまたま古代の作り話集に出てくるためだ。

 今日のイスラエルで大量虐殺を行うアパルトヘイト植民地主義者を、彼らは聖書のイスラエル人と見なし、ニューヨーク市の歯科医を旧約聖書「出エジプト記」に登場する架空の人物と同じような人間だと考えているのだ。まるで誰かがニュージーランドを占領して「中つ国」と名付けて、ニュージーランド人全員を「ホビット」と呼び始めたら、トールキン・オタク連中がこぞって感嘆し、ガンダルフとフロドがかつて歩いた土地を見に行くために高額旅行を計画して、「ゴンドール」(旧ウェリントン)の外交政策上の権益を推進するためにロビー団体や組織票を作り始めるようなものだ。

 そして、現代イスラエルは、まさにこのようなフェティシズムを促進するために築かれたのだ。彼らは、何世紀にもわたり地球上のどこでも日常会話では話されていなかった死語を復活させ、リラから「シェケル」に通貨名を変更した。聖書ごっこを助長して、彼らの真新しい民族国家が、ユダヤ人とキリスト教徒が古代の聖典で読んできた国家と同じだという幻想を植え付けるためだ。全て欧米政治体制が、西側諸国政府に戦争兵器を投入させ、このばかげたアパルトヘイト国家を維持するために必要な絶え間ない暴力を容認させるためだ。

 本当に狂っている。「ああ、魔法のイエスの預言が実現して、全員永遠の楽園に行けるように、魔法のユダヤ王国に爆弾と攻撃ヘリコプターを送らなきゃ!」

 クソ変態ども。こんなことはやめろ。



 世界を救う映画を我々は作っているが、現実世界は生態系の崩壊へ突き進んでいる。

 邪悪な悪党を倒す映画を我々は作っているが、本物の邪悪な悪党に世界を支配させている。

 英雄的行為を称賛する映画を我々が作る一方、本物の英雄たちは投獄されている。

 悪者と戦って地球を救う物語は、どういうわけか映画の世界にしか存在しない。現実の勝利の代わりに我々は架空の勝利を与えられるのだ。

 そして問題は余りに多くの人がこれで満足してしまっていることだ。ペプシコのパンとロバート・ダウニー・Jr主演のサーカスがあれば、それで十分だと思っているのだ。

 このままではいけない。本物の英雄精神を発揮する必要がある。世界は危機に瀕しており、その救済を映画の中の華々しい演出で終わらせてはならない。

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 画像:ホワイトハウス —https://www.flickr.com/photos/202101414@N05/54822870395/、パブリックドメイン、https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=182655873

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2026/07/30/trump-inherited-peace-deals-but-torched-them-for-more-war-and-other-notes/

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 東京新聞 朝刊 一面  
 イオン熊本爆発

 会社指示で館内戻る

 雑貨店 2人死亡 遺族に幹部謝罪
 デモクラシータイムス
解散総選挙から半年 「高市早苗」で日本はどこへ (菅沼堅吾 / 雨宮処凛 / 布施祐仁 / 司会:山田厚史) ウィークエンドニュース 2026年8月1日 1:50:55

2026年8月 1日 (土)

殺人をしても逃げおおせられる:トランプ政権下では誰も責任の所在を問われない



026年7月27日
Strattgic Culture Foundation

 ジョン&ニシャ・ホワイトヘッド

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 国防総省の資金が枯渇しつつある。我々の税金が。

 ワシントン・ポストによると、対イラン戦争を主原因とする深刻な予算不足に国防総省は直面しており、重要な資金源の一部が数週間以内に枯渇する見込みだという。トランプ大統領がエスカレートさせる紛争を維持しようと政府が苦慮する中、訓練、維持管理、その他の軍事優先事項が圧迫されていると報じられている。

 政府は再び、納税者負担による救済策をアメリカ国民に要求している。今回その額は670億ドルに上る。

 670億ドルの緊急資金注入は、これで終わりというわけでもない。

 トランプの2027会計年度予算案は、未曾有の1兆5000億ドルの国防費を要求している。これは途方もない増額で、現在の戦争費用を正直に説明できず、既存の優先事項を維持できず、納税者に再び救済を求めるのを避けられない軍事機構に更に多額の資金を注ぎ込むことになる。

 問題は、戦争機構がどれだけ費用を消費するかというだけではない。問題は、支出に伴う説明責任がほとんどないことだ。

 政府は戦争を開始し、軍事資源を使い果たし、その全費用を隠蔽し、更に数十億ドルの予算を議会に要求しても、責任者は誰も過ちを認めたり、方針転換したり、失われた命について説明責任を負ったりする必要がないのだ。

 それはドナルド・トランプ政権下でよく見られるパターンになりつつある。

 彼が決定を下し、他の人々が酷い結果を負担する。

 彼が戦争を開始し、兵士が犠牲を払い、納税者が費用を負担する。

 対イラン戦争は、単なる政府の無駄遣いの例にとどまらない。もちろん費用は既に莫大なものになっている。戦争費用は既に800億ドルから1000億ドルと推定されているが、長期的経済影響、将来の退役軍人への支出、損傷した軍事基地の修復費用は含まれていない。アメリカの各家庭への負担は最終的に、一世帯あたり最大1000ドルに達しかねないと評論家たちは推定している 。

 だが、本当の経費はドルだけで測れるものではない。

 トランプ大統領が、議会の十分な承認も、終結に向けた信頼できる計画も、犠牲の費用に関する正直な説明もないまま始めた戦争で、アメリカ軍兵士が命を落としている。

 紛争を継続させるために、国防総省は、訓練、整備、兵器開発計画から資源を吸い上げている。議会で更に数十億ドルの予算が要求されている。そして既に債務、インフレ、経済不安の重圧に苦しんでいるアメリカ国民は何の疑問も抱かず負担を強いられている。

 これは説明責任を負わない政府だ。

 トランプの決定により、アメリカ国民の命が失われ、軍備蓄が枯渇し、数十億ドルもの税金が浪費されてもトランプは決して責任を問われない。責任は我々国民に押し付けられる一方、トランプは自分の決定による人的・経済的影響から明らかに隔絶されたままだ。

 こうした責任逃れは、トランプ政権内の指導力として通用する、尊大で虚勢を張った態度と相まって成り立っている。

 例えば、自称「戦争長官」のピート・ヘグセスは、戦争と平和という重大な責任を託された民間人というよりも、アクション映画で脅迫状を突きつける登場人物のように話す。

 「アメリカ人を殺したら、 我々は必ずお前達を追い詰める」とヘグセスは警告した。

 トランプ政権は、この恫喝を国家の決意表明として受け入れた。つまり、アメリカ人を殺害した者は誰であれ、追跡され、報いを受けることになる、というものだ。

 もちろん、アメリカ人が自国政府に殺されない限りはの話だ。

 彼らが、大統領が憲法上の権限なしに開始し、終結させることができないように見える先制攻撃戦争で死ぬために派遣された軍人である場合を除く。

 テロや抵抗や武器の存在自体を殺害の許可証とみなすように訓練された警察官や移民局職員に射殺されない限り。

 政府による拘留中に死亡しない限り。

 大量解雇、予算削減、政治的干渉、行政の無能さによって弱体化した公衆衛生上の安全対策の犠牲者にならない限り。

 そういった場合、誰も追及されることはなく、権力者は誰も責任を問われることはなく、誰も責任を問われることはない。

 これが、アメリカ警察国家において正義と称される二重基準だ。

 数十年にわたり、両党の大統領は行政権を拡大し、憲法上の抑制を放棄し、政府職員を実質的な責任追及から保護し、公的な暴力行為を、安全保障のための避けられない代償として受け入れるよう国民を仕向けてきた。

 トランプはその仕組みを継承した。

 また彼は、その最も恐ろしい力をも受け入れ、その濫用を加速させ、 責任の排除を支配原則にした

 対イラン戦争は、その最新の最も目立つ例に過ぎない。

 トランプ大統領がどんなに反対のことを主張しようと、アメリカ兵たちは、アメリカをより安全にするどころか、むしろアメリカに害を及ぼす戦争で命を落としている。

 報道によると、この戦争で17人のアメリカ兵士が死亡し400人以上が負傷した。トランプ大統領は、これらの死を戦争の甚大な犠牲と戦略的失敗の証拠として捉えるのではなく、更なるエスカレーションを正当化するために利用し、アメリカ人の命が失われるたびにイランは「何倍もの代償を払うことになる」と警告する。

 だが対イラン戦争は政府が長年続けてきた説明責任を巡る戦いの一戦線に過ぎない。

 大統領が憲法違反の戦争に対する責任を免れるのと同じ免責文化は、政府機関の職員が襲撃、拘束、武力行使により負傷者や死者を出した場合に、彼らを実質的精査から守る役割も果たしている。

 トランプがこの体制を作ったわけではない。

 警察の軍事化、限定的免責、連邦政府による攻撃的法執行と、組織的自己防衛は、彼が復職するずっと前からしっかり根付いていた。

 トランプがしたのは、そうした傾向を強め、制約を除去し、攻撃性を奨励し、説明責任を求める要求を法執行機関自体への攻撃とみなすことだった。

 被害が戦場で発生しようと、移民摘発の際に発生しようと、警察との遭遇で発生しようと、あるいは公共の安全を守る責任を負う機関の不備で発生しようと、パターンは同じだ。

 名前や政党は変わろうと、免責の仕組みは変わらない。

 トランプを特徴づけているのは、彼がこの仕組みを作り出したことではなく、それをあからさまに利用する厚かましさだ。彼は監視を妨害行為、批判を不忠、憲法上の制約を不便なもの、そして公職を私的権力と利益のための手段とみなしている。

 トランプ政権下で、責任の所在は誰も問われない。

 権力を持つ者は誰も個人的代償を払わない。誰も過ちを認めない。誰も辞任しない。誰も起訴されない。誰も責任を問われない。

 同様に、アメリカ警察国家では、権力者は守られ、権力を持たない者が、結果を負わされる。

 そして、政府機構は説明責任を問われることなく動き続ける。

 私の著書『Battlefield America: The War on the American People(戦場アメリカ:アメリカ国民に対する戦争)』と、フィクション版『The Erik Blair Diaries(エリック・ブレア日記』で明らかにしている通り、こうして、アメリカ警察国家は殺人からも逃げおおせられるのだ。

元記事:www.rutherford.org

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/27/getting-away-with-murder-under-trump-the-buck-stops-nowhere/

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 日刊ゲンダイDIGITAL
 副首都法案賛成「チームみらい」に野党カンカン! 修正協議で“デジタル活用”の一言になびくモロさ

 チームみらいは「チームけらい」

2026年7月27日 (月)

アメリカの戦略的石油備蓄 ― 見出しが示唆するよりも遙かに脆弱!

ヘンリー・カメンズ
2026年7月25日
New Eastern Outlook

 アメリカの戦略的石油備蓄(SPR)は報道されているより脆弱な状態にある。老朽化した岩塩坑インフラ、報告されている在庫量に対する実際の供給能力の不確実性と、公式数値と実際の状況間の乖離拡大などがその要因だ。

 

 雑音を排除して、歴代政権における政策決定、すなわち低価格期に補充する機会を逸したことや、短期的救済策として大量放出したこと、そしてフォートノックスにおける現物金保有に関する長年の疑念との類似点を検証して、アメリカの経験をより広範な世界的変化の中に位置づけてみよう。

 見出しが示唆するよりも脆弱

 なぜ突然、アメリカの戦略的石油備蓄(SPR)を巡る騒ぎが始まったのだろう? 中東における地政学的緊張の高まり、ホルムズ海峡への脅威や不安定な原油市場といった状況の中、SPRは再び注目を集めている。だが、世論は依然、政治的な見せかけやガソリン価格や選挙時期といった点にばかり焦点を当て、根本的問題はほとんど顧みられていない。

 過去の混乱を経てエネルギー転換と供給源の多様化という課題に既に取り組んでいる西欧諸国は貯蔵能力を再評価している。

 アメリカの戦略石油備蓄に対する政治的注目が再び高まったことで、明確な結論よりも多くの議論が巻き起こっている。見出しでは、備蓄を再び利用すべきかどうか、実際どれだけの石油が残っているのか、原油はまだ使用可能な品質か、数十年前の岩塩層を掘削して作られた老朽化した地下貯蔵庫が、度重なる引き出しと補充の後も安定して稼働し続けられるのかといった疑問が投げかけられている。

 より大きな問題の兆候!

 だが戦略的石油備蓄(SPR)を巡る議論は孤立したものではない。イランとイスラエルを巡る地政学的緊張、ホルムズ海峡の航行問題、ガザ地区での虐殺といった問題と切り離せない関係にある。更に、地域紛争により世界石油供給のかなりの部分が混乱するリスクも常に存在している。事態がエスカレートするたびに同じ疑問が浮上する。本物の供給ショックに対して依然信頼できる戦略的緩衝をアメリカは維持しているのか?

 差し迫った政治的懸念は容易に理解できる。アメリカのガソリン・スタンドでのガソリン価格、根強いインフレとエネルギー価格の上昇が選挙に与える影響だ。これらの要因は、ワシントンで行われる決定に必然的に影響を与える。だが、これらは唯一の問題ではなく、おそらく最も重要な問題でもない。

 老朽化するインフラ、エネルギー問題!

 大規模緊急事態が発生した場合、戦略的石油備蓄(SPR)は実際どれほどの速さで石油を供給できるのか? 老朽化したインフラを維持するには、どんな投資が必要なのか? 繰り返しの取り出しや補充は岩塩坑の健全性や運用能力に影響を与える可能性があるのか?

 そして、おそらく最も重要なのは、地政学的リスクが減少するどころか増加している世界で、一体どの程度の準備があれば十分なのかだ。

 この論争は、最近の政策決定に対する相反する解釈を反映している。新型コロナウイルス感染症パンデミック初期に、原油価格が暴落した際、戦略的石油備蓄(SPR)を補充・拡大するため、トランプ政権は追加原油購入を提案した。これはトランプ政権の功績と言えるだろう。だが議会はこの提案に十分資金を拠出せず、主な理由は民主党の反対で、結果的に備蓄量は潜在能力を下回る水準にとどまった。

 あるアメリカ在住エネルギー政策アドバイザーが私に説明したところによると「アメリカが犯した大きな間違いは、新型コロナウイルス感染症が流行し原油価格が低迷した際、トランプが戦略備蓄を補充するため石油購入を提案したことだ。だが民主党がそれを阻止した。その後、バイデンは政治的理由から更に多くの石油を放出した。そのため、アメリカだけでなく、他国でも備蓄量が減少した。各国が備蓄を補充する間、原油価格はしばらく高止まりすると考える人もいる。」

 二重基準

 その後、皮肉なことに、ウクライナでのロシアによる特殊軍事作戦後の燃料供給途絶を相殺し、価格を緩和するため、戦略的石油備蓄(SPR)から過去最大規模の放出をバイデン政権は承認した。この放出は異常なエネルギー危機における備蓄の正当な使用だと支持者たちは主張したが、戦略備蓄を不必要に減らし、高値での補充をより困難にするものだと批判者たちは主張した。

 政治的立場がどうであれ、一つの結果は否定しがたい。石油備蓄量が大幅に減少し、いずれ補充しなければならないことだ。この補充自体が世界石油需要を支え、長期的には価格に影響を与える可能性がある。だが現在、同じ石油資源を巡る競争が激化している。

 おそらく最も重要な問題は、最も議論されていない問題でもある。比較的少数のエネルギー専門家を除けば、実際の備蓄の運用状況を知っているアメリカ人はほとんどいない。公表されている在庫数は残っている原油のバレル数を示しているが、供給能力、インフラの耐性、保守作業の遅れ、あるいは大規模国際危機発生時に、原油が市場に届くまでの速度といった疑問に完全に答えるものではない。

 戦略的石油備蓄は深刻な供給途絶に対する保険として創設されたもので、経済や政治運営の日常的手段として創設されたものではない。従って、本当に議論すべきは、地下にどれだけの石油が残っているかということだけではない。次の本物の緊急事態が発生した際、アメリカが本来の目的を果たせる戦略的資産を維持しているかどうかであるべきだ。

 エネルギー安全保障と地政学的現実

 不確実性が続く中、各国政府はエネルギー供給を確保するため、備蓄を拡大、補充、あるいは新たに創設するよう益々強い圧力を受けている。

 見落とされがちな重要な懸念事項の一つは、公式備蓄量と実際に使用可能な石油量との差だ。アメリカでは、かつては世界のエネルギー安定の柱だった戦略石油備蓄が、短期的需要を満たすために繰り返し利用されてきた。

 イランでの戦闘緩和のニュースを受けて、原油価格は一時的に下落し、一時的平穏がもたらされた。だが安堵感は長くは続かず、アメリカは再びイランを攻撃し、イランは警告通り再び海峡を封鎖した。現在、多くの国々が備蓄補充や増強のために原油を購入しており、需要は増加する見込みで、原油価格は当面高止まりするだろう。

 危機解決のための緊急手段として始まったものが国家安全保障戦略の恒久的要素になりつつある。見出しは日々の価格変動に注目が集まるが、世界的備蓄構築へのより深い移行は、今後何年にもわたりエネルギー市場と経済の安定性を形成することになる。

 中東での地政学的緊張の変動に伴い、地政学的な不確実性を理由に世界的圧力が高まり、備蓄量が増加している。そのため、世界各国の戦略的石油備蓄(SPR)の十分性と即応性に改めて注目が集まっている。

 ここに、より深く、しばしば十分に検討されていない懸念事項が存在している。公式に報告されている備蓄量と実際の供給量との間に潜在的差違が存在することで、持続的変動の時代におけるエネルギー安全保障の枠組みの有効性に疑問を投げかけるものだ。

 各国政府に対し、戦略的備蓄の強化、補充、あるいは新たな備蓄構築を求める圧力が高まっているのは決して偶然ではない。近年、短期的市場混乱への対応や、日本など他国への支援のため公式備蓄は取り崩されてきた。だからこそ現在のガソリン・スタンド価格は一時的なもので、今後急激に上昇する可能性が高いことを国民はもっと意識すべきだ。

 実際フォートノックスに、どれだけ金塊が保管されているのかという未だに解明されていない疑問など過去の事例を例に挙げて考えてみる必要がある。申告された資産は時に疑問視され、どのアメリカ政府も在庫調査をしようとしていない。こうした状況を踏まえれば、戦略的石油備蓄(SPR)は既に限界に達しており、しかも長期間にわたり、その状態が続いている可能性がある。

 この状況は孤立したものではない。過去の混乱を経てエネルギー転換と供給源の多様化という課題に既に取り組んでいる西欧諸国は貯蔵能力見直しを進めている。同様に、グローバル・サウス諸国や新興国(多くは、これまで大規模戦略備蓄を不必要な贅沢品と考えていた)も将来の衝撃への備えが不十分なことのリスクを認識し始めている。

 世界のサプライチェーンが紛争や制裁や生産中断に対して脆弱だという認識が、エネルギー貯蔵における自給自足の強化に向けた静かながら重要な政策転換を促している。枯渇した備蓄を各国が補充したり、新たな備蓄を開始したりするにつれ、持続的な需要圧力が価格下落傾向を相殺し、中期的に石油製品価格の高騰を支える可能性がある。

 かつて危機管理のための事後対応的手段だったものが、国家安全保障にとって不可欠な事前対策に進化しつつある。議論の多くは依然表面的な価格変動に集中しており、根本的な備蓄の健全性や国際的備蓄努力といった側面は軽視されているため、エネルギー市場と経済の安定に及ぼす影響の全容は、政策立案者と業界関係者の双方による綿密な検討を必要とする課題だ。

 戦略的石油備蓄の増強、補充、あるいは新たな予備備蓄の確立といった圧力に関し、議論されていない点が多々存在している。そして近い将来、一体何が起きたのか、多くの人々は戸惑うことになるだろう。今下される決断の結果は、今後何年にもわたり、消費者、産業界と、経済に影響を与えることになるのだ。

 その間、エネルギー安全保障における世界的パラダイムシフトが起きつつあるにもかかわらず、ほとんどの議論は表面的なものにとどまり、次の危機が訪れる前にこの問題に正面から取り組む人はほとんどいない。既に我々はそのような危機の真っ只中にいるが、それは甚だしい無能さを隠すための薄っぺらな口実として軽視されている。

 ヘンリー・カメンズはコラムニスト、中央アジアとコーカサス地方専門家

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/07/25/americas-strategic-petroleum-reserve-more-fragile-than-headlines-suggest/

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 ≪櫻井ジャーナル≫
戦略石油備蓄が底をつく前に事態を好転させようと米政権は必死
 植草一秀の『知られざる真実』 巧みな命名に座布団十枚!
同種同根チームけらいと国民民主

2026年7月22日 (水)

トランプの考えを読むのは、まるで本を読むようなものだ。しかも子ども向けの本を。



マーティン・ジェイ
2026年7月20日
Strattgic Culture Foundation

 イランはアメリカの攻撃に十分備えているどころか、むしろそれを望んでいる。トランプ大統領は「侵攻」計画が進行中の時点で、一体どれほど常軌を逸した思考回路を持っているのだろう?

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 トランプの主治医を含むアメリカの医師たちがソーシャルメディアに投稿した「トランプは正気を失いつつある」という内容は、どうやら真実のようだ。全世界にとって新たな現実とは、ホワイトハウスにいる大統領が、中東における米軍の能力について、あらゆる感性と現実感覚を失ってしまったことだ。そして今、その極みとして、対イランのより広範で長期にわたる戦争という新たな脅威が浮上している。

 つい最近、アメリカが60機以上の空中給油機をイスラエルに派遣し、うち33機をベン・グリオン空港に配備したと報じられた。またトランプ大統領が対イラン軍事作戦をエスカレートさせる見込みであることから、米軍基地にも空輸機が大規模派遣された。トランプ大統領は今後数日中に、現在の攻撃より大規模な爆撃作戦を命じることを検討しており、発電所やエネルギー・インフラなどのイラン・インフラ施設爆撃や、イラン核施設への追加攻撃も含まれる。

 だがイスラエルは神経質になっており、計画を保留するようトランプに忠告できるのは彼らだけかもしれない。イスラエルに蓄積されている膨大な量の軍事装備は、イスラエルという国を容易かつ明白な標的にしている。だが、シオニスト国家の懸念はさておき、トランプの計画は、晩年に精神疾患を患った男の狂気としか言いようがない。このようなインフラ爆撃を増せばイランの姿勢が軟化するという考えは、実際は、この行為は、覚書が新たな戦争が始まるまでの時間稼ぎの策略に過ぎなかったことをイランの強硬派に確信させるだけだ。トランプは決して難解なことを言うタイプではなく、イランは覚書の本当の意味を既に理解していた。これはタイムズ紙のクロスワードパズルとは全く違う。

 だが、アメリカは軍事的にどれほどの打撃に耐えられるのだろう? ここ数日、イランはGCC諸国で更に多くの基地を破壊し、地域全体に基地はほとんど残っていない。民間企業の倉庫さえ、中の在庫ごと爆破されている。トランプ大統領がイランに対抗するには、残された弾薬はごく僅かで、現在の備蓄補充の取り組みは、いかなる地上侵攻にも必要レベルには到底及ばない。

 専門家の間でも意見が分かれている。市場操作でトランプ一家が巨額利益を上げているために地上侵攻が遅れていると考える者もいれば、いずれ避けられないと考える者もいる。だが主要港湾や軍事施設を占領し、戦略的に重要な島々を奪取する限定的な沿岸侵攻になるのか、それともイラクから始まり、ほぼ確実に(ほぼ間違いなくUAEも含まれる)アラブ諸国連合軍による大規模現地侵攻になるのかでは意見が一致していない。

 だが、これら計画は全て、トランプの精神状態の深刻さを露呈しているに過ぎない。彼には、率直な意見を言ってくれる本物の軍事専門家が周囲に一人もおらず、彼は自分の言いなりになるゴマすり連中の言うことしか聞いていない。取り巻きを除けば、イランの強さや、準備の周到さや、アメリカに奇襲の要素が全くないことや、米兵がこうした介入でいかに実績が乏しいかを考えれば、いくら想像力をたくましくしても、アメリカが勝利できると信じている軍事専門家は、アメリカ国内にも中東にも皆無だ。アメリカの損失が余に大きいため、アメリカ・メディアが本当の数字を報道しないように、トランプは並々ならぬ努力をしなければなるまい。おそらく彼はそれを成し遂げるだろう。だが虐殺が始まれば、多くの米軍将軍が命令に背き、米兵が次々倒れていくのを見て、大規模反乱が起き、真実は必ず明らかになるだろう。トランプと歴代アメリカ大統領との違いは、オバマに植え付けられた劣等感を抱えながら、尊敬されたい欲求を満たすためだけに、何千人ものアメリカ人の命が失われるのを全く問題視しない点にある。だが、第一次世界大戦で、イギリスがトルコ侵攻を試み、同盟国とともに、ガリポリで10万人以上を失った時以来の最も狂気じみた侵攻をアメリカ軍は敢行するのか? 祖国を守るためだけにオスマン帝国は、20万人近くの兵士を失った。

 もちろん、トランプは本を読まず、驚くほど無知だ。そして彼はチャーチルとは似ても似つかない。だが、彼の常軌を逸した行動を阻止する安全装置が、国防総省にもホワイトハウスにも存在しない事実は憂慮すべきだ。対イラン戦争の失敗で、アメリカ経済は史上最低の石油在庫しかないが、世界秩序丸ごと混乱に陥るだろう。彼の途方もない傲慢さが、ガリポリの戦いのような事態を引き起こし、自ら招いた深淵へ突き進むにつれ、トランプは、アメリカ国内だけでなく、国際社会でも忌み嫌われる存在になりつつある。だがチャーチルと違い、歴史は彼には寛容ではないだろう。

 最近のイランの重要インフラに対する攻撃は、軍事専門家やテレビの評論家全員が一つの結論を示している。何らかの「地上部隊」による作戦が計画されていることだ。今のところ、展開可能な部隊は空挺部隊のみで、人数は非常に限られている。そのため、トランプ大統領が検討しているシナリオの一つは沿岸部要所の制圧だ。だが、そのような無謀な計画を支える誘導ミサイルを彼は持っておらず、更に時間も彼の味方ではない。暑さのため、そのような「侵攻」を開始できるのは、早くても12月になる。

 これら拠点を防衛する軍事力をイランが持っていないと考えるのは、最近、制裁でイランの銀行部門を破壊するとトランプ大統領が脅迫したのと同じくらい信じがたいことだ。数年前にイランはドルを完全放棄し、SWIFTから去り、仮想通貨と金を購入している。2015年に欧米諸国と合意が成立した時でさえ、彼らが追い出されるのは時間の問題だと十分承知していたからだ。そして、彼らは正しかった。

 アメリカ国民が懸念すべきは、トランプの狂気が彼を対イラン戦争へ駆り立て、それがアメリカ軍にとって確実に敗北になることだ。実際、アメリカ軍は、これまで戦争で勝利したことは一度もなく、敗北の長い実績しかない。中間選挙に向けてトランプが企んでいるのはアメリカの混乱で、既に彼は選挙敗北に対する弁明(嘘)を用意している。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/20/reading-trumps-mind-is-like-reading-a-book-a-childrens-book/

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 東京新聞 21日 夕刊 一面  
 イランに何倍も代償。

 米兵死亡でトランプ氏警告
 東京新聞 21日 夕刊 六面  
 中国、好感度で米抜く。

 トランプ政権の評価悪化

 米調査機関
 海外旅行を楽しむ経済的余裕など皆無だが、ウクライナ戦争が終わったらキーウに行きたいと夢想している。

 昨年、思いついて中国語ラジオ講座を聞き始めた。奮発して辞典も購入した。ところが今やラジオ中国語講座、深夜一時放送。タコ一嫌中政権への忖度だろうか。ストリーミングなるものを使うべきなのか?

2026年7月19日 (日)

トランプは大勝利を収めた。…戦争犯罪人として



フィニアン・カニンガム
2026年7月17日
Strattgic Culture Foundation

 人間性を奪う搾取と容赦ない戦争扇動という腐敗した体制全体を、人類を滅亡させる前に、訴追し、打倒しなければならない。

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ: info@strategic-culture.su

 戦争犯罪者のワールドカップがあるとすれば、トランプは「大勝利」を収めるはずだ(彼の自慢げな言葉を借りれば)。イランに対する彼の5ヶ月にわたる攻撃は、まさに自滅行為の連続だ。

 (戦争屋)故リンジー・グラム上院議員は次点候補と言えるかもしれない。

 トランプ大統領は、ホルムズ海峡再開をイランに迫り、石油貿易にとって極めて重要なこの航路を、2月の戦争開始前状態に戻すのに失敗した後、今度は民間インフラを壊滅する「大規模攻撃」で恫喝している。つまり彼は国家テロで「勝利」しようとしているのだ。

 原油価格は再び上昇し、彼の取り巻き連中は株式市場不正取り引きで更に富を蓄えている。イランの人々が死に、食料価格高騰が深刻な飢餓を引き起こす様子を世界は恐怖に震えながら見守っている。トランプのホワイトハウス犯罪組織ほど忌まわしいものがあるだろうか?

 先月交渉された紛争終結に向けた暫定的覚書は、アメリカとイランの銃撃戦により完全に頓挫した。この覚書は、トランプ大統領がイランに提示する勝利条件になるはずだった。だがトランプ大統領が妄想の中で思い描いた覚書の内容をイランは理解していなかったようだ。イランは、この精神病質者が出会う全員に期待するような屈服や譲歩をするつもりはない。

 そして「交渉の達人」を自称する事業の天才トランプは、銃を突きつけながら交渉の席に着くようイランに要求していると考えている。

 「来週は彼らにとって本当に悪い週になる」とトランプは述べた。「彼らが交渉の席に着かない限り、我々は連中の発電所を全て破壊し、橋も全部破壊するつもりだ。」

 だが待て、彼は既に戦争に勝っているのではないのか? トランプは勝利が大好きで、過去5ヶ月間で、対イラン勝利を32回も宣言している。32回もだ。妄想的な嘘をつく天才とはまさに彼のことだ。

 今週、連日のイラン爆撃を再開し、7時間ごとに空爆を繰り返すのは、おそらくトランプ大統領が「再び勝利したい」と考えているためだ。

 裕福な家庭に生まれ、不動産王として財を成し、ベトナム戦争の徴兵を逃れたトランプは、まるで『不思議の国のアリス』のマッドハッターのようだ。彼にとっての現実とは、彼が言う通りのものなのだ。

 いまだに一部が伏せられているエプスタイン文書で、彼は性的捕食者で、故小児性愛者ジェフリー・エプスタインの友人として名前が挙げられている。だが、それは全て「偽ニュース」なのだ。そして、このスキャンダルは、彼が再選時に終わらせると約束した、もう一つの「終わりのない戦争」イラン攻撃で都合良く世間の関心から遠ざけられた。

 今週、トランプは、30年前の性的暴行事件で、作家のE・ジーン・キャロルに損害賠償500万ドルを支払うよう連邦裁判所に命じられた。しかし、トランプはそれを全てでっち上げだとして、対イラン勝利に再び注力している。

 トランプの対イラン攻撃は、いわれもない、イランの核の脅威に関する嘘に基づいていた。2025年7月、彼はイランの民生用核開発計画に対する12日間の「素晴らしい」爆撃作戦を命じ、全て「塵芥」に帰したと主張した。そして今年2月28日、イランは依然、核の脅威だと主張して再攻撃に出た際、彼は再び勝利を収めようとした。その際、彼はイランの宗教指導者セイエド・アリ・ハメネイ師と家族を殺害した。同じ日に、アメリカとイスラエル軍機は学校への意図的な複数回攻撃で160人の女生徒を殺害した。

 トランプはイランに対して核兵器を使用すると繰り返し脅迫し「一つの文明が丸ごと消滅する」と警告してきた。

 トランプをマフィアのボスに例えるのは組織犯罪に対する侮辱だ。彼は敵を片っ端から始末するギャングのボスではない。トランプは大量殺戮を行う国家テロ組織の首領なのだ。

 発電所、橋梁、海水淡水化施設を破壊するという彼の脅迫は、国際法に対する明白な違反だ。1949年のジュネーブ条約は、民間インフラの破壊を禁じている。トランプは自らを戦争犯罪人として告発しているのだ。

 大量虐殺をしたことを自慢するのは、このアメリカ大統領の道徳的、精神的退廃を示す指標だ。

 だが実際は、過去100年間の全てのアメリカ大統領が戦争犯罪の責任を問われるべきであり、アメリカ合衆国の比類なき好戦性と国家テロの実績がそれを証明している。

 トランプを特に忌まわしい存在にしているのは、彼の自己愛と認知能力の欠如だ。彼は正真正銘の狂人だ。

 彼は個人に対して行うのと同様、国家さえ蹂躙し破壊する。それにもかかわらず、常に自らを「勝者」だと宣言する。

 遅かれ早かれ、彼の限界という客観的現実が彼に突きつけられる。11月に控える中間選挙を「不正選挙」という主張や「国民は本当に私を愛している」という断言で覆せると彼は考えているに違いない。

 だがホルムズ海峡の最終的支配者イランの軍事力と地理的優位性という厳しい現実が、ドナルド・トランプが妄想に取り憑かれていようと、彼の運命を決定づけている。彼はイランを爆撃して屈服させることはできない。アメリカと世界経済への損害を回避することもできない。イランを封鎖することも、国際海上輸送に20%の通行料を課す保護主義的手段を講じることもできない。

 ベトナム戦争でアメリカ人5万8000人のとベトナム人300万人が命を落としたにもかかわらず、裕福な家庭に育ったトランプは足の病気を偽って徴兵から逃れた。

 80歳にもなる生粋の詐欺師の彼が、どれだけ嘘や妄想を並べ立てようと、イランとの戦争から抜け出せないのは皮肉な運命と言える。彼は別の医学的疾患、つまり精神異常によって、首まで戦争に浸かっているのだ。

 トランプ失脚は、ある程度は喜ばしいことだが、アメリカ国民と世界は、この問題がこの忌まわしい大統領よりも根深いことを理解しなければならない。戦争とホワイトハウスにいる戦争犯罪者を生み出しているのはアメリカ資本主義体制だ。トランプは、卑劣な政治経済病の単なる忌まわしい症状に過ぎない。(今週亡くなった戦争屋リンジー・グラムも、その症状の一つだった。)

 トランプを犯罪者として訴追するのは当然だ。しかし、人間性を奪う搾取と、容赦ない戦争扇動という腐敗した体制丸ごと訴追し、打倒しなければならない。さもないと、人類は滅亡してしまう。

 私益ではなく、正義と平和と人々の必要性に応えることを基盤とする世界は実現可能だ。だがトランプのような人物や彼を生み出す体制が容認されている限り実現するまい。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/17/trump-wins-bigly-as-a-war-criminal/

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 しんぶん赤旗 7月18日 土曜 五面  
 トランプ氏演説 異例の放送拒否

 選挙不正の主張 全国ネット2社とCNN

 トランプ米大統領は16日夜に国民向けの演説を行いましたが、米三大ネットワークのうちABCとNBCの二社とCNNは中継しませんでした。トランプ氏は、地震が敗北した大統領選で不正が行われたと従来の主張を散り返しました。

2026年7月17日 (金)

トランプに対してリベラル派は警戒心を緩めている。トランプが戦争を継続してくれると連中が信じているためだ



彼がイランを爆撃する大統領になった今、欧米政治家やメディア関係者全員、彼に好意的だ。

ケイトリン・ジョンストン
2026年7月16日

 ティム・フォーリーによる英文記事朗読を聞く。

 リベラル派の支配体制が、トランプの二期目に対して、一期目ほど感情的になったり憤慨したりしていないことにお気づきだろうか? イランを爆撃した大統領になった今、欧米の政治家やメディア関係者は皆、彼に寛容だ。

 「トランプ錯乱症候群」という言葉は、トランプ大統領を批判から守るための包括的蔑称として、MAGA支持者に常に使われてきたが、トランプ一期目の任期中は、全く不当というわけではなかった。民主党員は、トランプが独裁者や暴君と親密になるなど、他のアメリカ大統領が常にやってきたことをしただけで、大声で叫び立てていた。トランプがシリアからの軍隊撤退について話すといった比較的まともなことにも彼らは激怒した。ロシアゲート事件は、狂った陰謀論にリベラル派が激昂し、ロシアに対するエスカレーションを推進し、ウクライナ戦争を最終的に引き起こした一因だった。

 トランプの二期目には、そういったものは一切見られない。あの耳障りな感情的な騒ぎは皆無だ。今回はロシア・ゲートもなければ、マドーズのような感情的支持者もいない。民主党員はトランプを嫌っているが、それは共和党の大統領に対する嫌悪感と同程度だ。二期目の大統領に対する感情的反応は、一期目とは全く、全く違っている。

 正気の沙汰ではない。なぜなら、今回は明らかに以前よりもずっとひどいからだ。彼の国内政策は遙かに専制的だ。ホワイトハウス史上、これほど邪悪な戦争屋は見たことがない。彼はあまりに腐敗していて、シオニスト・オリガルヒに買収され、支配されているのを公然と認めながら、大統領の権力を使って彼の一族に莫大な富をもたらしている。再選を心配する必要がなくなった今、彼は実に露骨に残虐行為を働いている。

 そして、恐ろしいのは、それだからこそリベラル派の既存支配体制は彼に対して遙かに寛容になっていることだ。もはや彼が「孤立主義」的外交政策を推進し、アメリカの戦争機構を後退させるのではないかなど彼らは心配していない。彼が対イラン戦争をしたので、今や彼を好んでいる。なぜなら、連中は彼が完全に従順なことを知っているからだ。

 帝国主義的な政治・メディア層で見られる反トランプ的な激しい非難は、トランプが本当にディープステートと戦い、腐敗した政治体制を浄化している証拠だとトランプ支持者の多くが私に言ったが、実際はそうではなかった。トランプの一期目の任期以来、私が主張してきた通り、オリガルヒや帝国の支配者連中は、トランプが自分たちに反対していると思ったから反対したわけではない。むしろ、彼らは単にトランプを不適切な帝国管理者と見なしていたに過ぎない。現状維持のために、トランプが、必要な形で帝国の歯車を回し続けられると、彼らは信用していなかった。

 明らかに状況は変わった。彼らは今、彼を信頼している。彼が爆弾投下を続け、資本主義を前進させ続け、権力の中枢を現状維持してくれると彼らは知っている。

 今や彼らは彼を仲間の一人と見なしている。彼が亡くなれば、一期目の任期中に彼を「第二のヒトラー」と呼んだ同じリベラルな諸機関が、愛情を込めて彼を追悼するだろう。アメリカ合衆国大統領の座が、偶然まともな人間に与えられたのではないことを、トランプは彼らを十分に納得させたのだ。

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画像はホワイトハウスより(パブリックドメイン)。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2026/07/16/liberals-have-relaxed-about-trump-because-they-trust-him-to-keep-the-wars-going/

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 耕助のブログ  Pepe Escobar記事翻訳
No. 2969 覚書の猫は死んだか、生きているか、それとも昏睡状態か?
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米国調査機関PEW世界主要国の世論調査、「多くの国で、人々は米国よりも中国を好意的に見ている、高感度(%)2026年米国36%、中国46%。」

2026年7月16日 (木)

アメリカ建国250周年に乗じてライバルへの攻勢に転じるトランプ

モハメド・アメール
2026年7月10日
New Eastern Outlook

 ドナルド・トランプは、アメリカ合衆国建国250周年を、自身の功績を強調するだけでなく、政敵に対する攻勢を仕掛けるためにも利用している。

 

 同時に、80歳のトランプは、飛行機、電車、車、更には馬に乗って全米を駆け巡り、アメリカの発展における自身の役割を世に知らしめようと努めている。彼はガソリン価格の高騰を食い止め、様々な企業株価の持続的上昇を実現したことを常に強調している。

 トランプは、持ち前の「謙虚さ」を装いながら、アメリカ共和国が二世紀半にわたり人類史上最高の成果であり続けてきたことと、彼自身がアメリカ史上最高の大統領だというメッセージを繰り返し強調している。

 アメリカ合衆国建国250周年を記念する一連の行事を通して、トランプは、自身の政権発足により、アメリカの「黄金時代」が始まったという考えを繰り返し主張した。

 トランプはイランとの紛争に多くの時間を費やしてはいるものの、11月3日に予定されている議会選挙を見失ってはいない。彼は民主党攻撃を著しく強め、あらゆる悪事を民主党のせいにしている。更に、左派の反対派は全員マルクス主義者や共産主義者だと強調し、共産主義こそ、アメリカにとって最大の脅威だと宣言するなど「共産主義という怪物」を再び持ち出した。だが、彼が言及していたのは中国、ベトナム、ソ連ではなく、明らかに勢力を拡大している民主党左派だ。

 先日、JD・ヴァンス副大統領は、左派指導者の一人、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員が2028年大統領選挙で民主党最有力候補になるという見解を述べた

 6月30日、トランプ大統領は、大統領任期途中で共和党全国大会を開催すると発表し、再びアメリカ国民を驚かせた。通常、共和党全国大会は大統領選挙前に開催されるため、これは極めて異例だ。しかし、中間選挙を前に、党の立場を強化するため、共和党全国大会を9月9日と10日に開催すると大統領は発表した

 個人ブランドで儲けるトランプと家族

 同時に、2025年のトランプ大統領復帰以来、仮想通貨関連プロジェクトから少なくとも23億ドルトランプ一家が稼いだと民主党に忠実なアメリカ新聞は報じている。

 多くの新聞が報じている通り、トランプ大統領の資産は不動産投資や従来の事業にとどまらず、数百万ドル規模の事業へ彼が成功裏に発展させた型破りな収入源にも及んでいる。高級時計、香水、スニーカーから書籍、ギター、更には仮想通貨まで、範囲は多岐にわたる。最新の財務報告は、政治的影響力と個人ブランドを組み合わせるモデルに基づき、自分の名前とブランド・イメージを巧みに活用して莫大な利益を生み出す彼の並外れた能力を示している。

 大統領反対派も手をこまねいていたわけではない。6月30日、ガーディアンはジェフリー・エプスタイン事件に関わった女性の証言を報じた。1980年代、13歳から15歳の間、ドナルド・トランプから性的暴行を受けたと彼女は主張している。ホワイトハウスは直ちに、彼女の証言は全く根拠がなく、何の証拠にも裏付けられていないと否定した。

 民主党による攻撃は的を射ていなかった

 民主党支持者たちは、アメリカ大統領攻撃で欧州諸国と連携している。7月5日、フィナンシャル・タイムズは世論調査を引用し、アメリカ有権者の大多数が対イラン戦争は費用に見合わないと考えていると報じた。ホワイトハウスが軍事費として議会に要求した670億ドルは、紛争で達成された目標に比べて過剰に高額だと見なされている。アメリカ人の58%は、戦争が経済的に見合う成果を上げていないと考えており、40%は、戦争で、アメリカの立場が弱体化したと答えている。回答者の約66%は、アメリカ・イラン間の覚書は中東和平の実現にほとんど影響しないと考えている。

 「戦場におけるアメリカの優位性は深刻な脅威にさらされている」と題する記事をブルームバーグが複数掲載している。ある記事では、米軍が年間5万機のドローンを購入しているのに対し、ウクライナは年間400万機を生産しており、3億ドル相当のE-3セントリー早期警戒機を破壊したイラン・ミサイルは、僅か数百ドルだったと指摘している。

 数日前の6月23日、大統領に対イラン戦争を終結させるよう事実上求める決議案を上院が多数決で可決した。だが、僅か二日後、上院は新たな決議案を可決し、以前合意した文書を完全否定した。今回は、大統領の行動を制限するのに、上院議員50人が反対票を投じ、賛成票は僅か47票だった。

 これは民主党にとって敗北を意味した。トランプは公私にわたり、6月23日の決議に賛成票を投じた4人の共和党議員を激しく攻撃し、彼らは「敵に援助と慰めを与えた」とソーシャルメディアに書き込んだ。

 トランプは、自らの政治路線を精力的に擁護し、真の闘士であることを証明した。2月28日にアメリカとイスラエルが対イラン戦争を開始したことは、アメリカ社会で広く非難され、大統領の行動も厳しい批判にさらされたが、テヘランとの停戦合意は概ね好意的に受け止められた。ガソリン価格が当初1ガロン、4.50ドルにまで上昇した後、4ドルを下回ったことも、この好意的な受け止め方を後押しした。イランとの戦争終結後、すぐ燃料価格を引き下げるとトランプは繰り返し約束していた。

 概してトランプ支持者たちは、一貫して彼をアメリカの国益を守る指導者と評しており、目標を追求する中、イスラエルのネタニヤフ首相と対立することさえ彼は厭わなかった。

 対イラン戦争で敗北し、友人も失ったビビ

 アラブ・メディアは、アメリカ・イラン合意はネタニヤフ首相にとって打撃だという見解を示した。イスラエル首相の元顧問発言を引用し、ネタニヤフ首相は「イランとの戦争に敗れただけでなく、友人としてのトランプを失った。今後国際舞台で孤立するだけでなく、トランプとの重大な対立に巻き込まれることになる」と同メディアは主張している。

 アメリカ合衆国建国250周年を記念する一連の行事を通して、自身の政権発足で、アメリカの「黄金時代」が始まったという考え方をトランプは繰り返し主張した。

 7月6日、ドナルド・トランプの親しい友人の話として、今秋の中間選挙で、事実上の連邦政府による支配を確立する試みが期待通りの結果をもたらさない場合、大統領は、いわゆる外国による干渉を理由に、国家非常事態宣言に訴える可能性があるという見方をCNNが報じた。

 ムハンマド・アメルはシリア人政治評論家、世界および地域政治における時事問題専門家。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/07/10/trump-uses-us-250th-anniversary-to-go-over-to-the-offensive-against-his-rivals/

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 耕助のブログ
No. 2968 西側にレッドカード
投稿日時: 2026年7月16日

Red Card for the West

「ルールに基づく秩序」のルールは、そのシステムの設計者たちにとって有利でなくなった瞬間に捨て去られる

Hua Bin

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