アメリカ

2024年12月10日 (火)

アメイジング・グレース(素晴らしき神の恩寵)!バイデンの許しの奇跡



ロレンツォ・マリア・パチーニ
2024年12月5日
Strategic Culture Foundation

 父親ジョーは息子ハンターを許し、クリスマスは救われた。

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ:info@strategic-culture.su

素晴らしき神の恩寵、なんと甘美な響き
私のような惨めな者を救ってくださった

(アメイジング・グレイス、ジョン・ニュートン、1772)

 サンタクロースが町にやって来て、目立つようにホワイトハウスの煙突の下に素敵なプレゼントを置いていった。パパのジョーは息子ハンターを許し、クリスマスは救われた。

 飛行機のタラップで

 クリスマス・カルトの一場面のようだが、実際こんなことが起きたのだ。アンゴラに初めて向かう飛行機のタラップで、脱税と武器購入の罪で有罪判決を受けた息子ハンターの全面恩赦を命じる文書に退任するジョー・バイデン大統領が署名した。ハンターの麻薬中毒の過去は伏せられていた。判決は12月12日から16日の間に言い渡されるはずだったが、キリスト教的価値観と善良な心で息子を刑務所から救うと善良なジョーは決断した。

 今年もまたクリスマスは救われ、善行が行われ、世界はより良い場所になる。結局、誰でも二度目の機会を得る権利があるのではなかろうか?

 選挙の100日前にジョー・バイデンは党から辞任を強いられ、選挙に出馬している副党首カマラ・ハリスにその座を譲った。無視するような態度に失望した彼は、思慮深く父親としての愛情を十分に示して埋め合わせをした。発令された恩赦は、法廷で罪を認める司法取り引きに応じた息子に対する全ての刑事責任を完全かつ無条件に取り消すもので、バイデンを「偽善者」と呼ぶドナルド・トランプの憤慨を招いた。トランプが抱えている34件の有罪判決は言うまでもないが、選挙に勝ったため無期限に延期されている。告発された偽善は、2020年1月6日の国会議事堂襲撃と関連付けられており、この襲撃に関わった「アメリカ人愛国者」の一部は今も刑務所に収監されており、ジョーから恩赦を受けてはいないが、選挙公約に従ってドナルドから恩赦を受けるかもしれない。土壇場での恩赦はアメリカで定番だ。2020年、前日パリの新大使に提案されたジャレッド・クシュナーの父チャールズをトランプ大統領は恩赦した。当時、チャールズは売春婦を雇って夫を誘惑させ、その後セックステープを送りつけて証人を脅迫した罪で投獄されていたが、証人はチャールズの妹だった。チャールズはこれからフランスに飛ぶ。ジャレッドがイヴァンカ・トランプの娘の夫で、特使として中東に派遣され、サウジアラビアの金庫から約20億ドルを受け取って投資会社を設立したことはほとんど問題ではない。だがアメリカ歴史書は、フォードがニクソンを恩赦したことや、クリントンが兄ロジャーの履歴書をきれいにしたことなど、他の例が満載だ。

 つまり、アメリカ人は心の底では善良なのだ。

 民主主義の漫画

 この事件は陳腐ではあるが、私たちに考えさせるものだ。この事件について「これは民主主義の漫画だ」とうまくマリア・ザハロワは表現した。再び危機に瀕しているのは、法の支配(あるいはわずかに残された法の支配)で、それは、少しの感傷と個人的利益の保護のために売り渡され、法律と国家を構成する権力の均衡そのものに違反している。

 法の支配(Rule of Law)は、アメリカ法などのコモン・ローシステムと大陸法システム両方の基本原則だ。一般的に、それは全ての人(個人、政府、公的機関、私的機関)が法の対象となり、法により平等に保護されることを意味する。アメリカの文脈で、法の支配は特定の特徴を帯びている。まず第一に、憲法は最高法で、全てそれを尊重しなければならない。最高裁判所は憲法解釈者の役割を果たし、法律や行為が憲法に定められた基本的権利を侵害しないことを保証する。法の支配は、立法権は議会、行政権は大統領と連邦政府機関、司法権は連邦および州の裁判所という古典的な三権分立によって保証されている。これら三つの権力のバランスをとることで権力の集中と乱用が防止されるのだ。

 確かに、ハンター・バイデンを巻き込んだ一連の出来事や決断や噂話の破壊的寓話は、そうする「権限」があるうちに拭い去らなければならない汚点であり、後では決して拭い去れない。実際、ハンターがウクライナや中国企業の役員会に参加したこと、アメリカ外交と対立したこと、父親の大統領職を乱用したことなど、他の「犯罪」(引用符が必要)や利益相反には何も言及されていない。

 アメリカ政治のわずかな構造的確実性を破壊する過程は、今始まったわけではない。バイデンに関する、この事実は、数ある事実の一つで、最もスキャンダラスな事実でもない。全員大笑いして彼の任期は終わるだろう。結局、そこには共和党と民主党のどちらにも当てはまる非常にアメリカ的なものがあるからだ。ビジネスはビジネスで、正義があっても、自力で成功した男は、常に自らの名誉を回復できなければならない。そのような場合、全ての政党が目をつぶる。

 行政国家の解体は、FBI長官に任命されたカシュ・パテルが実行することになる。パテルは、法機関が政府の延長である「帝国」大統領制の熱心な支持者だ。彼の計画には、大統領の権威主義的権力への復讐と強化の装置としての法制度の全面的再構築がある。司法の独立性(もし以前あったとすれば)は、これで終わりだ。

 赦しも、また関心事なのは周知の事実だ。ジョーは飛行機に乗るため、ほんの数歩歩いただけで息子を赦免した。これは、2021年に、関与した何千人もの学生と家族の5万ドルの学生ローン債務を「そうする権限がなかった」という理由で免除しないと宣言した時とは違う。ホワイトハウスは、この声明を直ちに否定し、現行法の下での彼の権限を強調した。おそらく、売春婦とのパーティーや、乱交パーティーでのハンターの素敵な写真は、大統領である父親の今や低下した認知機能にとって、より刺激的なのだ。

 重要なのは、クリスマスにふさわしい行為をしたかどうかだ。それが、困っている人々に対して行われたのか、それとも何度も罪を犯した放蕩者の家族の一員に対して行われたのかは問題ではない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/12/05/amazing-grace-miracle-biden-forgiveness/

----------

 Daniel Davis /Deep Dive サウジアラビア駐在を経験したアメリカ人元外交官「パンドラの箱を開けた」と表現。
The NEW Middle East Begins, Now that Assad is Gone w/fmr Amb Chas Freeman 44:00
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
シリア;アサド政権の急速な崩壊は外部の人間はほとんど予想できず。であれば今後の展開も予想しうる能力はない。中東情勢に多大な影響を持つシリア情勢で、今度の政変には米、英、仏、露、中のいずれもが関与せず。米国は大シリア解放機構(HTS)をテロ集団とし首謀者の首に報奨金をかけてきた。

2024年12月 8日 (日)

アメリカ製ミサイルをウクライナがロシアに発射するのをバイデンが許可した理由

Salman Rafi Sheikh
2024年12月5日
New Eastern Outlook

 ロシアへのミサイル発射をウクライナに許可したワシントン(とロンドン)の決定は明らかに緊張を高めるが、決定の背後にある謎のほとんどはタイミングで説明できる。

 アメリカ製ミサイルをウクライナがロシアに発射するのをバイデンが許可した理由

 バイデンが無謀だというだけではない。単なる狂気でもない。これは世界的地政学の要素を帯びた政治なのだ。

 大統領選挙と議会選挙の両方で共和党に敗れたバイデン政権は焦土作戦をとっているようだ。2025年に、トランプが就任して、交渉によるロシア・ウクライナ(NATO)軍事紛争解決に向かう前に、退任する政権は、問題を現在より遙かに複雑、致命的にするつもりのようだ。この計算されたエスカレーションの中心にあるのは、トランプの成功と、彼がNATOをウクライナから撤退させ、アメリカ覇権を覆す可能性に不満を抱く、アメリカの「ディープステート」だ。トランプは選挙運動中、戦争を終わらせると主張していた。

 アメリカの「ディープステート」は少なくとも彼に簡単にそうさせたくないのだ。

 NATOの失敗は欧州諸国が独自外交政策の方向性を決める新たな機会を生み出すだろう

 タイミング

 アメリカ製ミサイルをウクライナがロシア領内に発射するのを許可することにバイデン政権は長い間抵抗してきた。今回の発射は、モスクワにとって進行中の紛争の「新たな局面」を意味する。モスクワには、おそらくこれ以外には、物事を見る方法がない。民主党支持派の反応は、この決定は、今後の交渉の可能性を受けて、ロシアに対するウクライナの立場を強化したいというバイデン政権の願望が動機となっているというものだ。だが、これが本当に主な意図なら、なぜバイデン政権は大統領職の絶頂期、つまり例えば1年前に同じ結論に達しなかったのだろう? バイデン政権は、ロシアが交渉の席に着くことを期待して、同じエスカレーションができたはずだ。ただし、バイデン政権がそのような決定を下さなかったのには、一つ、主な理由がある。

 モスクワの対応が、より致命的なものとなり、ワシントンとNATOが対処できる範囲を超えて戦争が激化すると彼らは理解していたのだ。バイデン政権は、致命的な激化は選挙での敗北につながると主張した。彼らは既に選挙に負けており、今更どうすることもできないため、トランプ政権を潰すために意図的に戦争を激化させているのだ。戦争が激化すれば、トランプ政権がロシアと交渉するのが難しくなる。また、トランプ政権がヨーロッパの同盟諸国と交渉するのも難しくなる。問題が複雑になるほど、解決策を見つけるのに時間がかかる。全体として、これで紛争を迅速に終わらせることができなかった責任をトランプ政権に転嫁する政治的機会を民主党に与えることになる。民主党にとって、これは中間選挙で提起できる重要な論点の一つになる可能性がある。

 この決定の背後にある政治を、バイデン政権の主要関係者は間接的に認めた。国務省のマシュー・ミラー報道官は、この決定を擁護し「アメリカ国民はジョー・バイデンを3年10カ月ではなく4年の任期で選んだ。任期中は、毎日アメリカ国民の利益になると信じる外交政策の利益を追求する」と記者会見で述べた。ただし、ここで問題となるのは民主党の利益だけだという点に注意が必要だ。

 反応

 この政治をトランプ政権は理解している。Xへの投稿で、この変更は「父が平和をもたらし、人命を救う機会を得る前に、第三次世界大戦を始める」ことが狙いだとドナルド・トランプ・ジュニアは述べた。これは「エスカレーションの階段をもう一歩上ったもので、これがどこに向かうのか誰にも分からない」とトランプ大統領が国家安全保障問題担当大統領補佐官に指名したマイク・ウォルツ下院議員がフォックス・ニュースで語った。「移行期間中にウクライナでの戦争をエスカレートさせる」動きをバイデンが見せていると元トランプ政権の閣僚リチャード・グレネルも非難した。「まるで彼は全く新しい戦争を始めようとしているかのようだ。全て変わった。これまでの計算は全て無効だ」と彼は付け加えた。

 この反応は当然だ。なぜなら、ウクライナはATACMSシステムを数十基しか受け取っていないからだ。ウクライナの立場をバイデン政権が本当に強化したいかなら、まず必要なのはこの装置の十分な供給確保だったはずだ。ウクライナが備蓄の全てを余りに早く発射し、意味ある影響を及ぼさない可能性が高いとすれば、このエスカレーションが意味するものは、交渉による紛争終結を遙かに複雑にするだけだ。1月にトランプが政権を握る前に更にエスカレーションが起きれば、そしてエスカレーションは十分あり得るが、今後数ヶ月間、紛争が激化することになる。

 大詰め

 トランプ政権が紛争を終わらせると、ほとんどの人が理解している。第一に、トランプにはアメリカの外交政策上の利益を推進するために軍事紛争を利用するつもりはない。第二に、トランプ政治の中心は「アメリカ第一主義」政策だ。軍事紛争がトランプ陣営にいかに不適合かを理解しているのは、民主党員だけでなく、ウクライナ大統領自身も含まれる。二週間前、トランプが勝利した今、紛争は「より早く」終わるだろうと彼は公言している。

 アメリカ「ディープステート」内の反ロシア陣営にとって、この予想は非常に不安だ。これ以上NATOがヨーロッパに拡大できなくなることを意味するのだ。NATOが失敗すれば、ヨーロッパ諸国がロシアとの関係を含め、独自外交政策の方向性を決める新たな機会を生み出すだろう。実際、これは既に起きている。最近ドイツ首相がロシア大統領と会談したのは、単に紛争終結の可能性について話すためだけでなく、紛争後の二国間関係を把握するためでもあった。更に重要なのは、ドイツが電話会談を開始したことだ。従って、ドイツはロシアからのガス供給を再開する可能性がある。実際、両首脳はエネルギー貿易における「協力」の可能性について話し合った。

 この電話がきっかけで他のヨーロッパ指導者たちが電話をかけてウラジミール・プーチン大統領と話すようになるのではないかとワシントンは恐れている。それはワシントンが状況を制御できなくなることを意味する。そんなことが起きるのをワシントンの連中は望んでいない。従って、紛争を激化させる主な地政学的理由は、既にかなり近づいている終戦を阻止することだ。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交・内政専門家。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/12/05/why-biden-allowed-ukraine-to-fire-us-missiles-into-russia/

---------

 India & Global Left 長年の中東過激派、名こそ頻繁に変わるが宗教無関係。実態はNATO、アメリカ、イギリス、トルコ、イスラエルが連中の狙いのために仕組む暴力組織とMohammad Marandi教授は切り捨てる。
Mohammad Marandi: Syrian Civil War, Erdogan, Netanyahu, Turkey, Israel, Russia, US, Iran, Palestine.  1:00:28
 デモクラシータイムス
この1年を振り返る WeN20241207

2024年12月 7日 (土)

ビビにとって、テヘランへの道はダマスカス経由



マイク・ホイットニー
2024年12月1日
The Unz Review

 シリアは、イスラエルの中東再編の野心的計画に欠かせない一部だ。シリアは中東地域の中心に位置し、イランから同盟諸国への武器や歩兵の輸送に不可欠な陸橋であると同時に、イスラエルの拡張に対する武装抵抗の地政学的中心地でもある。イスラエルがこの地域を本当に支配するには、ダマスカス政府を打倒し、ヨルダンやエジプトと同様の傀儡政権を樹立する必要がある。ワシントンが(自国よりも)イスラエルの利益を「無条件に」支持するよう説得された今、テルアビブの包括的計画を実現する可能性が最も高い変化を起こすのにこれ以上の時はない。南部から地上戦を開始し、シリア軍を半分に分割して成功の見通しを大幅に改善する二正面戦争を起こす準備がベンヤミン・ネタニヤフ首相はできている。同時に、アメリカが支援するジハード主義者が、シリア北部で暴れ回り続け、シリアのぼろぼろになった防衛を徐々に蝕み、シリアの産業首都アレッポの安全を更に確保するだろう。 もしダマスカスが陥落し、アサドが権力の座から退けば、イスラエルの地域覇権の夢は手の届くところにあり、おそらく実現可能になるだろう。ただし我々が想定している通り、見返りとしてイランとの戦争を開始するとトランプ大統領がホワイトハウスに押し込んだ強力なロビイスト連中に約束した場合だ。だが、まずはシリアが鎮圧され、シリア軍が敗北し、現支配者が追放されなければならない。それが、同盟諸国やパートナーからイランを効果的に切り離し、今後の恐ろしい猛攻撃に備える唯一の方法だ。

 現在イスラエルの血に飢えた十字軍に終止符を打てる人物は世界に一人しかいない。



 プーチンが迅速に行動し、アサドに緊急援助を提供しなければ、現在の事態は取り返しがつかなくなる可能性が高い。これは、アメリカが支援するテロ攻撃や(間もなく起こるだろう)南部の挑発を阻止するためロシア戦闘部隊を派遣することを意味する可能性もある。要するに、主権国家シリアは今や存亡の危機に直面しており、プーチンがいつもの慎重な姿勢を捨て、蛮族を撃退するために必要な手段をシリアに提供しなければ、地域全体と世界に悪影響を及ぼすことになるだろう。

 日曜版のタイムズ・オブ・イスラエルで、イスラエルの戦争計画者連中が既にシリア南部から侵攻する口実を決めていることがわかる。「 Rebels’ advances in Syria spell short-term benefits, potential trouble for Israel, intel chiefs said to tell PM(反政府勢力のシリア侵攻はイスラエルの短期的利益と、潜在的な問題を意味すると情報機関幹部が首相に伝えたとされる)」と題された記事の抜粋をご覧願いたい。  
シリアにおけるジハード主義反政府勢力の侵攻をイスラエルはかなり警戒して見守っており、シリア政治階層の動向が最終的にイスラエルにとって問題となる可能性があると諜報機関責任者たちは語っているとチャンネル12が報じている。「アサド政権を守るため、今後ヒズボラの注意はシリアに移り、ヒズボラの軍もシリアに移るだろう」とネタニヤフ首相が言ったと報じられている。

 「アサド政権崩壊は混乱を引き起こし、イスラエルに対する軍事的脅威が高まりかねないはずだ」と情報機関責任者らは警告している。

 更に、金曜日の安全保障協議で、アサド政権の「戦略能力」がジハード主義者の手に渡る可能性があるという懸念が提起されたとチャンネル12は報じている。最大の懸念は「化学兵器の残骸」に関するものだと同報道は述べている。

 イスラエルが行動を迫られるシナリオに、イスラエル国防軍は備えていると言われているが、報道は詳細を明らかにしていない。

 国の安定を図るため、シリアは相当数のイラン軍兵士に門戸を開く可能性があるという評価もあると報告書は述べている。Rebels’ advances in Syria spell short-term benefits, potential trouble for Israel, intel chiefs said to tell PM,(反政府勢力のシリア侵攻は、短期的にはイスラエルにとって利益だが、潜在的な問題になると諜報機関幹部が首相に伝えた)と報じられている。タイムズ・オブ・イスラエル
 ここでシリア侵攻の正当性は白黒はっきりしている。イスラエルには「化学兵器」から「イラン軍」、政権転覆後の「混乱」や「アサド政権を守る」ヒズボラ軍まで、言い訳はいくらでもある。あらゆる場面で、あらゆる事態にイスラエルがいかに備えているかわかる。この計画は何年も、いやそれ以上前から練られてきた。そしてもちろん、この戦略は大団円である1月の就任式に向けて戦場を準備するため迅速に実行されなければならない。就任式で、アメリカ史上最も親シオニスト大統領が即位し、イスラエルが熱望するイランとの戦争で報いを受けることになる。何も成り行きに任せるわけには行かない。



ビデオ—「テロリストは欧米の新軍隊だ」とシリアのアサド大統領が説明 3分

 驚くべきことに、アレッポ情勢についてエルサレムポスト紙の連中は、より率直な見解を述べている。実際、ある賢明な評論家は、狂信的な首切り屋連中の手によるシリアの産業首都の降伏は「良いニュース」だと率直に認めている。何だって? 記事の抜粋は以下の通り。  
土曜日のX/Twitterへの投稿で、イスラム主義者によるアレッポ攻撃は「表面上イスラエルにとって良いニュースだ」とエルサレム戦略安全保障研究所のダニエル・ラコフ上級研究員は述べた。「シリア北部が反政府勢力の手に落ちたことで、イランとヒズボラのインフラが損なわれ、ヒズボラ再建に向けた取り組みは困難になるだろう」と彼は述べた。

 また、ロシア国営メディアはアレッポでの紛争をほとんど無視する一方、世界紛争に関するロシアの評論家は、シリアの都市の防衛失敗についてモスクワは責任を負わず、ロシアはそこにほとんど兵力を配備しておらず、この事件はアサド政権にとって大きな失敗だったと述べているとイスラエルの研究者は主張している。

 イスラエルにとってシリア攻撃の好機?

 更に、アサド政権が示した弱さにより、イスラエルがシリアを攻撃する機会があるという考えをラコフは抱いている。

 「アサド大統領がアレッポを失ったことで、旧ソ連圏外に影響力を発揮できる大国としてのロシアのイメージが損なわれ、プーチン大統領の重要な戦略的資産であるシリアの基地が脅かされる」と彼は書いている。「これはまた、この地域におけるロシアのイメージに悪影響を及ぼす」

 「クルスクでのウクライナ軍の攻勢からわかる通り、ロシアはヒステリックに急ぐつもりはないが、アレッポ陥落の速さを考えれば、迅速な対応が求められるだろう」と彼は書いている。

 JISSの研究者は、シリア情勢の不安定化によりアサドとロシアがイラン軍の進入をより強力に容認する可能性がある一方、アサド政権崩壊によりイスラエルに対する重大な軍事的脅威が増大するシナリオが生まれる可能性があると述べて記事を締めくくった。Attacks in Aleppo ‘ostensibly good news for Israel,’ JISS researcher says, (アレッポでの攻撃は「イスラエルにとって表面上良いニュースだ」とJISS研究者は語る)エルサレム・ポスト
 繰り返す。「イスラエルがシリアを攻撃する好機」?

 確かにそうだが、同様に興味深いのは「中東からロシアを追い出す」ことは(イスラエルの観点から)アサド政権打倒と同じくらい重要なことだ。また、プーチン大統領が「窮地に陥り」、時宜を得た対応ができず、これがイスラエルにとって非常に有利になるとラコフが考えているのも明らかだ。だが、もちろん、ラコフの全体評価で最も衝撃的なのは、安定した合理的な体制を専制的な宗教独裁政治に置き換えようとする狂った野蛮人の手によって繁栄する都市が破壊されることから彼が得る純粋な喜びだ。だが大量虐殺が成功の基準なら、我々にとって何も驚くべきことではないだろう。



 これは、シリア現地の極めて不安定な状況に関する日曜日の最新情報だ。  
土曜日に、反政府勢力がアレッポ国際空港を制圧したと主張し、ハマへ進軍する中、ロシアとシリア政府軍の空爆はアレッポ中心部を激しく攻撃した。シリア反政府勢力が同市から追放された2016年以来、アレッポを標的とした空爆は今回が初めてだ。

 しかし土曜日に、同盟集団(一部はトルコ支援を受けている)とハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS)率いる反政府勢力は、驚くべき成果を上げたと主張した。彼らは、アレッポ国際空港とイドリブ南部の戦略都市ハーン・シャイフンを制圧したと主張した。イドリブ県の行政境界は完全に彼らの支配下にあると彼らは付け加えた。

 彼らはまた、ハマに向けて進軍を開始し、シリア中央部と北部を結ぶ重要な幹線道路沿いにあるモレクを含む、地方の6つの町と村を占領することに成功したと主張した。

 攻撃は水曜日、反政府勢力がシリア北西部の反政府勢力支配地域からアレッポに向けて脱出したことから始まった。二日間で反政府勢力は数十の町や村を制圧し、戦略上重要なM5高速道路の一部を制圧し、ダマスカスへの補給路を遮断した。反政府勢力はその後もいくつか軍事基地や要塞化された陣地を制圧しており、ほとんど抵抗には遭わなかった。

 政府軍戦線の崩壊

 SOHRによると、政府軍はイドリブとアレッポで崩壊した。これによりシリア第二の都市アレッポは1946年の同国独立以来初めて政府管理下から外れたと監視団体は述べた。

 モスクワ通信によると、事態が急速に進展する中、シリア問題における主要な利害関係国であるトルコとロシアの外相は土曜日に電話会談し、シリア安定化に向けた取り組みを調整することで合意した。

 「アレッポ県とイドリブ県での軍事的緊張の高まりに関連して、シリア・アラブ共和国における状況の危険な展開に双方は深刻な懸念を表明した」とロシア外務省は述べた。

 イドリブ県の大半は、かつてのアルカイダ系組織HTSが掌握し文民政権が樹立された。北部の他地域ではトルコが支援するシリア国民軍連合の反政府勢力が勢力を維持している。

 だが、ロシアがウクライナ戦争に気をとられ、アサド政権軍がイスラエルの頻繁な攻撃で弱体化しているにもかかわらず、シリアとロシアの軍用機は2023年8月以降、反政府勢力支配地域への空爆を強化している。 Syria: Deadly strikes hit Aleppo as rebels seize airport, push towards Hama(シリア:アレッポで致命的攻撃、反政府勢力が空港を占拠、ハマへ進撃) ミドル・イースト・アイ
ビデオ:トルコが支援するテロリストがアレッポの大統領別荘に侵入

 ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)や他のいわゆる「反政府集団」が主にアルカイダ関連組織で、イスラエルの拡大と中​​東再編に反対する勢力に対する代理戦争を遂行するため、アメリカ、カタール、トルコに採用、武装、訓練されているのを読者は知っておくべきだ。作家で評論家のマックス・ブルーメンソールは、これら集団の起源についてかなり研究を行い、その調査結果を「シリア北部へのトルコの残忍な侵攻を率いる28の「狂った」民兵のうち21をアメリカは支援している」と題する最新記事で発表した。以下は彼の記事の短い宣伝文だ。  
シリア北部でクルド人を処刑し斬首したとして、トルコ傭兵部隊「アラブ民兵」を元職および現職のアメリカ当局者は激しく非難した。トルコの新たなデータは、これら民兵のほぼ全員が過去にCIAと国防総省により武装され訓練されていたことを明らかにした。

 今年10月に親政府系トルコ・シンクタンクSETAが発表した研究論文によると「トルコ傭兵部隊の28派閥のうち、21は以前アメリカから支援を受けており、そのうち3つは国防総省の対DAESHプログラムを通じて支援を受けていた。これら派閥のうち18は、武装反政府勢力を支援する「シリアの友人」の合同情報作戦室たるトルコのMOM作戦室を通じてCIAから支援を受けていた。28のうち14の派閥は、アメリカから供給されるTOW対戦車誘導ミサイルの受領者でもあった。」

 言い換えれば、オバマ政権下で武装・装備された反アサド反乱軍のほぼ全組織が、トルコ軍により北シリアへの残忍な侵攻の先鋒として再利用されたのだ。この部隊の指導者は、現在トルコが支援するシリア「暫定政府」の「国防大臣」サリム・イドリスだ。彼は故ジョン・マケイン上院議員が2013年にシリアに悪名高い侵攻を行った際に、マケインを接待した人物と同じ人物だ。

 このハッカー集団(メディア)が、地球上最も残忍な狂信者連中を革命家や「穏健な反逆者」として売り込み、地域全体を不安定化させ、血みどろの詐欺を国民に押し付けていたことが今やすっかり暴露された。かつて彼らが喧伝した過激派連中同様、どういうわけか大半は責任を逃れ、雇用され続けている。 The US has backed 21 of the 28 ‘crazy’ militias leading Turkey’s brutal invasion of northern Syria(シリア北部へのトルコの残忍な侵攻を率いる28の「狂った」民兵集団のうち21をアメリカは支援している)マックス・ブルーメンソール、グレイゾーン
 では、世界最大のテロ支援者は一体誰だろう?

 ご想像通り、アメリカ政府だ。

 最後に、最近見つけたブロガーの言葉を引用して終わりにするが、彼女の主張のほとんど全てに私は同意する。他の読者も同じように感じるかどうか知りたいものだ。  
アメリカ、イスラエル、アルカイダ、トルコが支援するシリアに対する今回の作戦は、様々な代理組織やテロリスト集団を使って、シリア軍の勢力をそらし、不安定化させ、過剰に手を広げさせて、南からイスラエルが侵攻できるようにして、イランからイラク、シリア、そしてレバノンへとヒズボラへの武器流入を阻止するため長年計画されていたものだ。戦争は続いているが、連中は戦場をわずかに移動させたに過ぎない。

 だからこそ、この「停戦」直前に、シリアとレバノン国境をイスラエルが攻撃し、その後も攻撃を続けたのだ。停戦のおかげで、弱体化したイスラエルは回復する時間を得て、最もシオニスト的政権が誕生するまで、ワシントンと戦略を練る時間があるのだ。シリアに関してビビが望んでいることを、トランプは確実に実行するだろう。シリアは、大イスラエル計画の邪魔になる巨大抵抗勢力なので、今やシリアが焦点となるのだ。

 トルコと裏表ある詐欺師エルドアンは、北(シリア)支配を望んでおり、ガザでのビビを非難しながらイスラエルと欧米に身を売るつもりだ。NATO事務総長マーク・ルッテはトルコに行き、この攻撃直前にワシントンとトルコにF35を供与する合意をまとめた。彼は、その数日前の11月23日にはワシントンでトランプとも会談した。

 これらはどれも偶然ではない。基本的にイスラエルはこの停戦を履行するつもりはない。本質的に無意味だ。テルアビブを含む西側諸国は、国家主権を握るべく戦う相手と既に戦争状態にある。彼らはイラン、ロシア、シリアが協力して彼らの拡張主義と戦争の野望を阻止するのを止めたいのだ。フィオレッラ・イザベル@FiorellaIsabelM
 一流の分析だ。メディア報道の背後で何が起きているのかを説明するのに役に立つ。



記事原文のurl:https://www.unz.com/mwhitney/for-bibi-the-road-to-tehran-goes-through-damascus/

----------

 Dialogue Works
Larry C. Johnson: Hama Falls, Syria in Chaos, Turkey Backing HTS against Iran & Russia 55:36
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
フォーリンアフェアーズ誌論評「トランプ政権の中国への挑戦」。対中対決志向グループの対中政策提言。①米国は中国に凌駕される瀬戸際。②米国一国で中国の台頭を押えられず、同盟を構築し対抗、トランプは最初関税等「競争アプローチ」取るが、彼には「取引アプローチ」取る危険性存在。
 日刊IWJガイド
「尹錫悦政権は、親米・親日姿勢で、北朝鮮との対立を高めてきた!ウクライナに殺傷性のある兵器を供与し、専門家を派遣する寸前だった!」2024.12.7号

はじめに~韓国政局急変(その2)! 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、親米・親日姿勢で、北朝鮮との対立を高めてきた!「非常戒厳」を起草した金龍顯(キム・ヨンヒョン)国防部長官のもとで、「北朝鮮軍がロシアに派遣されている」という情報が出され、韓国はウクライナに殺傷性のある兵器を供与し、専門家を派遣する一歩手前まで来ていた! ユン大統領は、ウクライナ支援で韓国政府内で孤立!? バイデン大統領や岸田政権など、西側でもウクライナ支援に関わった政権は次々崩壊! ウクライナ支援をすると政権が崩壊するジンクスでもあるのか!? ユン政権もそれに続くのか?

韓国政局急変(その3)! 北朝鮮との対立が激化した直接のきっかけは、韓国の活動家による「反北朝鮮体制のプロパガンダ風船」! ユン政権は昨年「プロパガンダ風船」を合法化していた!

2024年12月 6日 (金)

トランプ大統領の対中国「貿易戦争2.0」は過酷なものになるだろう

サルマン・ラフィ・シェイク
2024年11月30日
New Eastern Outlook

 論争を巻き起こした長い選挙運動中に、アメリカ次期大統領ドナルド・トランプは対外貿易政策に関して、いくつか公約した。

 トランプ大統領の対中国「貿易戦争2.0」は過酷なものになるだろう

 世界中からのアメリカ輸入品に10~20%の「一律関税」を課すと彼は言った。だが、中国に関しては、トランプは関税を60%引き上げたいようだ。このように、中国と世界の他の国々に対するトランプの見方には既に大きな違いがある。彼にとって、中国は「特別」扱いを必要とする遙かに大きな問題なのだ。だがトランプの「貿易戦争1.0」とは違い、ワシントンに反撃して自国を守るための(合法的)報復手段を中国は遙かに良く備えている。言い換えれば、2016年から2020年の間に経験しなかったことをトランプ政権は経験することになりそうだ。言い換えれば、経済戦争をトランプが起こしたとしても(彼はそうするだろうが)、その経費を負担可能かどうかという疑問が残る。経費を負担できなければ、アメリカ経済は致命的打撃を被ることになる。中国は言うまでもなく、他の国々よりアメリカ経済自体が良い状況ではないのだ。

 中国は、あらゆる現実的理由から、今日世界で最重要な経済大国だ。

 戦時内閣

 ジョン・ラットクリフ(CIA長官)、ピート・ヘグゼス国防長官、フロリダ州選出のマイケル・ウォルツ下院議員(国家安全保障問題担当)といった非常に著名な対中強硬派を既にトランプ大統領は任命しているが、ロバート・ライトハイザーを通商代表として閣僚ポストに選ぶ可能性も今後大きな違いを生むだろう。ライトハイザーはトランプ大統領の「第1次貿易戦争」で重要な役割を果たし、3,800億ドル相当の中国製品への関税策定に協力した。アメリカ主要メディアの報道によれば、ライトハイザーたちは既にトランプ大統領の60%関税計画を実際実現するための計画を準備している。2023年に、ライトハイザーは著書「No Trade Is Free: Changing Course, Taking on China, and Helping America's Workers」を出版しており、これがトランプ大統領の戦争第2段階の青写真となったようだ。著書を出版した同じ年に、下院特別委員会で「中国は我が国が直面する最も危険な脅威だと私は信じている …実際、中国は我々がこれまでに直面した中で最も危険な敵かもしれない」ともライトハイザーは語っていた。

 ポリティコ報道によれば、トランプが現在行っているのは、中国に恒久関税を課すための法案作成だ。これまで関税のほとんどは大統領令の形で発動され、どの大統領でも撤回できるものだった。しかし、大統領選挙での勝利と上下両院での優位性により、新関税を法案でトランプ政権が支持すれば、議会の過半数の支持なしには、その後の大統領は関税を撤回できない。トランプ政権は、ワシントンを中国との恒久戦争に閉じ込めることになるだろう。

 中国はどう対応するのか

 あらゆる現実的理由から、今日の世界で中国は最重要経済だ。電気自動車の生産規模など生産能力の規模の大きさを考えれば、アメリカを含むほとんどの国は、たとえ関税により価格が上昇したとしても、少なくとも自国で商品を生産できるようになるまでは、依然中国製品を購入するだろう。従って中国は、まずトランプ政権と交渉を試みるだろう。

 しかし、これより重要なのは中国の報復能力だ。トランプ政権が去った後の2021年に可決された「対外制裁法」を武器に、2016年より遙かに大規模に中国はアメリカ企業に制裁を課せる。輸出管理法の拡大は、北京が現代技術に不可欠なレアアースやリチウムなど数十の資源供給における世界的優位性を武器にすることも可能なことを意味する。それでも、この法律により、中国は外国制裁の実施に関与した個人や組織を資産差し押さえなどの対抗手段で標的にでき、中国での外国投資家の事業を困難な立場に置く可能性がある。

 一部専門家が指摘している通り、この法律に基づいて中国が禁止命令を出した場合、アメリカ銀行の子会社や中国に拠点を置く企業であっても、アメリカの制裁に従うのは違法になる。この命令に従わない場合、資産の差し押さえにつながる可能性がある。最近の出来事は、アメリカ企業に制裁を課すため、このような法的手段を中国が益々利用していることを示している。

 それでもトランプ大統領が60%の関税を課せば、中国からのアメリカ輸入は2023年の14%から4%に減少するだろう。中国経済が打撃を受けることは否定できないが、前述のように中国は報復できるし報復するだろう。だが中国は輸出多様化もできるし、そうするだろう。

 アメリカ以外の中国の選択肢

 トランプが「貿易戦争1.0」を開始して以来、中国からのアメリカ輸入は減少したが、2018年以降、中国の他国への輸出は増加している。従って、アメリカ関税の純粋な効果は、必ずしも他国へのアメリカ輸出増加につながっていない。それゆえ、中国に対するワシントンの「貿易戦争」の究極の狙いが中国の成長を制限することなら、それは大失敗している。「貿易戦争2.0」が再び失敗することは否定できない。

 トランプは世界中で関税を課すと予想されているため、これは比較的安価な自国製品を喜んで購入する相手を中国が見つけるのに役立つだけだ。従って、新たな買い手を北京が見つけるのは、アメリカの政策立案者やメディア評論家が現在考えているほど困難ではないだろう。トランプが始め、バイデンが維持している「貿易戦争」にもかかわらず、中国の世界輸出への総貢献は17%で、トランプ政権時代の12%から増加しているのだ。

 これら輸出はどこへ向かうのか? もちろん世界の他の国々へだ。今後数ヶ月で、中国は更に南半球での輸出拡大に熱心になるだろう。中国の巨大電気自動車メーカーBYDは最近パキスタンで事業を開始した。これはワシントンが攻撃して阻止する能力を遙かに超えた、遙かに広範なパターンの一例にすぎない。

 従ってトランプ政権は「貿易戦争 2.0」を開始することはできるが、その即時の過酷な影響がアメリカ消費者にも等しく降りかかり、彼らは遙かに高価な製品を買わざるを得なくなることは否定できない。アメリカと異なり、北京は既に国民の消費増加を支援する措置を講じており、輸出への影響を相殺するのに役立つだろう。中国が最近発表した1.4兆ドルのパッケージは、地方政府が債務に対処し、結果として消費者支出を増やすのに役立つ重要な措置だ。国内消費の増加は、長期的には輸出への依存度が低くなることを意味する。言い換えれば、北京は戦争準備ができている。アメリカ政府と消費者が準備ができている兆候はない。

 サルマン・ラフィ・シェイクは国際関係とパキスタンの外交・内政研究者

 記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/11/30/trumps-trade-war-2-0-on-china-will-be-brutal/

----------

 Judging Freedom
COL. Douglas Macgregor : Is the IDF fighting in Syria ?  3:48
 耕助のブログ 最新記事 ミアシャイマー教授対談の翻訳。何とも愚劣なゴルカ発言に触れている。こういう狂った側近発言をたしなめないトランプは、本音をゴルカに代弁させているにすぎない。
No. 2354 危険を承知でプーチンを無視する
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
韓国戒厳令の動き=二極化の結果。露学者の評:ほぼ全員を大統領から遠ざけたこの失敗は政治的自殺に等しい。尹氏が権力にしがみつくほど、支持率はさらに低下するだろう。私たちに言えるのは、近い将来、韓国の政治生活は非常に波乱に富んだものになるだろう、ということだけだ。

2024年11月30日 (土)

欧米帝国主義は常に嘘の溜まり場だったが、今やメディア・トイレは詰まっている



フィニアン・カニンガム
2024年11月25日
Strategic Culture Foundation

 今や欧米メディアは信頼性も権威も失っている。欧米諸国の汚水溜めは完全に詰まっている。

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ:info@strategic-culture.su

 ウクライナで繰り広げられている、アメリカ主導の帝国主義諸国とロシアとの戦争は、単なる代理戦争ではない。それは、好意的に「欧米」と呼ばれているアメリカ覇権体制の存亡をかけた対決だ。

 この紛争の危険性の高さが、この紛争が第三次世界大戦の核戦争にエスカレートするのではないかという明白な懸念があるほど極度の地政学的緊張を招いている理由を説明している。

 この悲惨な危険に我々が陥ったのは、欧米帝国主義諸国の責任を隠すため、主に欧米が支配しているメディアが、紛争を歪曲し、嘘をついてきたためだ。

 これまで通り、偽りの主張や歪曲された歴史を広め、欧米諸国政権が表面上美徳を装って犯罪行為を行えるようにするためのプロパガンダ装置として欧米メディアは機能してきた。

 ロシアによる「いわれのない侵略」からウクライナの主権と民主主義を守っているとアメリカとNATO同盟諸国の帝国主義仲間は主張している。この主張を、欧米メディアは絶え間なく繰り返し、他の視点を徹底的に排除してきた。

 欧米メディア情報だけに頼っていては紛争原因を理解するのは不可能だ。なぜなら、その「情報」は、本質的に、ロシア国境での挑発的軍事攻勢の許可をアメリカとNATO同盟諸国に与えることを目的とするプロパガンダ言説だからだ。アメリカ元大統領連中が反対を表明しているにもかかわらず、冷戦終結以来、NATOが容赦なく拡大していることに対するロシアの根深い懸念を欧米メディアは軽視している。

 2014年にCIAがキーウでクーデターを起こし、選挙で選ばれた大統領を打倒してネオナチ政権を樹立したことについて欧米メディアは読者に報じようとしていない。欧米メディアはそれを民主化運動と呼んだのだ。その後10年にわたりNATO諸国がキーウ政権を武器化し、ウクライナのロシア語圏の人々に対し低強度侵略戦争を仕掛け、2022年2月にロシアの軍事介入に至ったことについて、欧米メディアは読者に伝えようとはしない。

 ロシアや旧ソ連を不安定化させるための手段として、常にウクライナがアメリカとNATO同盟諸国の陰謀の対象となってきたことを欧米メディアは読者に伝えようとしない。

 ロシアや他の国々の不安定化は、歴史を通じて、特に1945年以降、欧米帝国主義勢力が行ってきたが、そのような外国への干渉は国連憲章や国際法違反だ。第二次世界大戦終結以来、選挙操作や非正規戦による妨害や、代理武力紛争の煽動などを通じて、アメリカが他国を侵略または干渉した事例は少なくとも100件あると故ウィリアム・ブルムなど一部の独立系歴史家は推定している。

 1945年6月に国家の主権を守るための国連憲章が制定されるやいなや、スラブ民族の絶滅でナチスドイツに協力したウクライナ・ファシストをアメリカやイギリスや他の欧米帝国主義諸国は徴募し始めた。第二次世界大戦中、ナチス帝国主義により、ソ連が2,700万人から3,000万人失ったことを想起願いたい。戦時中にソ連とアメリカ、イギリス間で結ばれた一時的同盟は、ワシントンとロンドンにより、すぐさま否定され、冷戦に取って代わられた。ソ連に対する欧米帝国主義者によるナチス残党再配置は驚くべき裏切り行為だった。

 冷戦の数十年間、欧米帝国主義の犯罪行為を隠蔽し、当たり前化するために欧米メディアは重要な役割を果たした。冷戦紛争を「高貴な欧米」対「邪悪な共産主義」の紛争として彼らは描写した。

 朝鮮やベトナムや東南アジア全域、更には中南米やアフリカで欧米帝国主義者連中が大量虐殺戦争を繰り広げていた時でさえ、欧米メディアは何度も同じ役割を果たした。乱暴に言えば、トイレの組織的水洗装置として連中は機能していたのだ。欧米政権の腐敗した汚物と犯罪を連中は忠実に一掃し、欧米国民や他の国々が嘘や、とんでもない虚偽をあまり詳しく調べることができないようにした。

 秘密裏および公然の侵略を通じて、大量虐殺戦争や国連憲章の複数違反で罰を免れられた点で、特にアメリカ帝国主義政権は目覚ましい成果を上げてきた。だが、その限りない騒乱と悪意の全てを経たのに、自国が並外れて高潔で、「自由世界」の指導者で、「不可欠な国家」で、「ルールに基づく世界秩序」の守護者だなどという驚くべきたわ言をアメリカ政治指導者やメディアは、堂々と宣言している。

 どうして連中は、このような嘘や偽りを吐き出せるのだろう? 欧米メディアは、嘘の汚れた汚れと悪臭を一掃する清掃夫なのだ。ガザでの恐ろしい大量虐殺で、ある程度連中の効果は薄れながら、今もこれが起きているのを我々は見ている。イスラエル政権による民間人大量虐殺を欧米諸国が毎日支援し続け、国連安全保障理事会で停戦に5回もアメリカが拒否権を発動し続けることが、どうして可能なのか? ある程度、大量虐殺をあたりまえ化し、イスラエル政権を支援していることに対する非難から欧米諸国政府を守るために欧米メディアは行動してきた。ガザでの大量虐殺は、欧米メディアと欧米帝国主義政権の犯罪行為が致命的に暴露された理由の一つだ。もう一つの重大な暴露は、ウクライナでロシアに対して行われている非常に危険な戦争だ。

 確かに、外交や戦争における自国政府の犯罪や不正行為を欧米諸国メディアが報じることもある。ベトナム戦争における帝国主義的犯罪行為を暴露した1970年代初頭のペンタゴン・ペーパーズ報道を挙げることができる。だが、このような画期的行為も、嘘と偽情報の一枚岩の体制に入った小さなヒビのようなものだ。

 ほとんどの場合、欧米メディアの基本的役割は、自国政府の犯罪をごまかし、謝罪し、隠蔽することだ。そのため、ベトナム人虐殺ではなくベトナムでの「共産主義との戦い」や、中東での欧米による略奪ではなく、イラクでの「大量破壊兵器の根絶」など正当な口実を装って、国民を犯罪に誘導し、帝国主義の犯罪に欧米メディアは加担している。

 ベトナム戦争やイラク戦争のような帝国主義犯罪を可能にした嘘を報道したことで、アメリカやイギリスのメディアが検察から責任を問われたことがあるだろうか?

 数十年にわたり、欧米帝国主義のプロパガンダ機関として欧米メディアは効果的に機能してきた。もちろん国民の中には、嘘や歪曲を見抜く健全な懐疑論者や批判者もいた。だが一般的に「欧米ニュースメディア」として知られるプロパガンダ組織は国民に受け入れられ、信頼を得られる傾向があった。多くの曲を奏でて、それに合わせて人々を歌い踊らせる欧米メディアを、「強力なウーリッツァー・オルガン」とCIAは呼んだ。

 代替ニュースメディアとグローバル情報の時代に、欧米主流メディアは情報操作の独占権を失い、致命的不名誉に陥った。「フェイクニュース」というドナルド・トランプの嘲笑的な言葉は、彼の支持者だけでなく世界中で広く反響を呼んだ。連中が流布する嘘と戦争を煽る正当化のせいで、欧米メディアは軽蔑と嘲笑の対象となった。

 イラク戦争を巡る嘘は大きな暴露となった。より最近では、トランプを巡るロシアゲートのたわ言や、ガザでの虐殺や、ウクライナにおける狂気の対ロシア代理戦争も、欧米帝国主義の戦争と嘘の機構を致命的に弱体化させた。アメリカにおけるトランプ選出は、体制メディアと投票方法に関する連中の指図を拒否したものと見ることができる。

 ウクライナ代理戦争において、アメリカと共犯の帝国主義勢力は歴史的行き詰まりに陥った。彼らは自分の嘘に巻き込まれたのだ。

 あらゆる大陸における戦争犯罪や人道に対する罪を巡り、欧米諸国政権は常に嘘と汚物の溜まり場だった。

 覇権を維持しようと必死の欧米帝国主義諸国は、ロシアとの紛争を核戦争を煽るところまで押し進めている。ロシアは引き下がらない。ロシアには反抗できる軍事力があり、ロシアの政治家は歴史に精通しており、欧米政権には騙されない。欧米政権の嘘はもはや維持できず、彼らの犯罪的侵略はもはや認められない。

 かつて共謀するメディアにより、嘘が忠実に洗浄され、隠蔽されていたため、酷い大虐殺を行っても欧米諸国の政権は罰せられなかった。だが今や、欧米諸国のメディアはもはや信頼性も権威もない。欧米諸国の汚水溜めは詰まっている。

 著者を触発してくれたポール・マッカータンの素晴らしいアイデアに感謝。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/11/25/western-imperialism-has-always-been-a-cesspool-of-lies-but-now-its-media-flush-is-busted/

----------

 文中の「ウィリアム・ブルム」の著書翻訳『アメリカの国家犯罪全書』なぜか手許にある。

 ウクライナでの敗北の恨みをシリアで返すアメリカ? Rachel Blevins
Russia, Syria Target The West's 'Syrian Rebels' and Their Islamist Offensive Near Aleppo, Idlib 15:09
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
トランプ次期大統領のウクライナ新顧問ケロッグ退役中将、ロシアへの領土割譲、ウクライナのNATO加盟を長期間延期を提案すべきだを示唆(.axios.)。米国支援でも、兵力差でロシアを国境線まで追い戻すことはあり得ない。和平しかない。次期トランプ政権がその方向に動くことを示唆

2024年11月27日 (水)

ネタニヤフに対するICC逮捕令状はアメリカの政策と共謀に対する告発でもある

 結局、これはイスラエル・ロビーがいかにしてアメリカを弱体化させ、中東を破壊し、一連の国際人道に対する罪を引き起こしたかという物語だ。

ジェフリー・D・サックス
2024年11月21日
Common Dreams

 今や、これは公になっている。最も緊密なアメリカ同盟国で、数か月前にアメリカ議会で50回以上の総立ち拍手喝采を受けたイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、人道に対する罪と戦争犯罪で国際刑事裁判所から起訴された。アメリカは留意しなければならない。ネタニヤフの戦争犯罪にアメリカ政府は加担しており、中東全域でネタニヤフの戦争暴力に全面的に協力してきたのだ。

 30年間、イスラエル・ロビーがアメリカを唆して、パレスチナ国家出現を阻止すべくイスラエルのための戦争を戦わせてきた。1996年に初めて政権に就き、以来17年首相を務めるネタニヤフは、アメリカが支援する中東戦争の主唱者だ。結果はアメリカにとって大惨事で、パレスチナの人々だけでなく中東全体にとって血なまぐさい大惨事となっている。

 これはイスラエルを守るための戦争ではなく、パレスチナ人抑圧に反対する政府を打倒するためのイスラエルによる戦争だ。国際法やアラブ和平イニシアチブや、G20、BRICS、OIC、国連総会が求める二国家解決にイスラエルは激しく反対している。占領開始以来、イスラエルの強硬姿勢とパレスチナ人の残忍な抑圧は、いくつか過激な抵抗運動を引き起こしてきた。これら運動は、地域のいくつかの国々に支援されている。

 イスラエル・パレスチナ危機の明白な解決策は、二国家解決を実施し、その実施過程の一環として過激派集団を非武装化することだ。

 イスラエル支配に反対する外国政府を打倒し、パレスチナ国家のない「新中東」地図を描き直すことがイスラエルの姿勢、特にネタニヤフ政権の姿勢だ。平和を構築するどころか、終わりのない戦争をネタニヤフは続けている。

 衝撃的なのは、悲惨な戦争のために、アメリカ軍事費と連邦予算を、ワシントンがネタニヤフに引き渡したことだ。イスラエル・ロビーがワシントンを完全に乗っ取った歴史は、イラン・パペの注目の新著『Lobbying for Zionism on Both Sides of the Atlantic(シオニズムのための大西洋両岸でのロビー活動)』で知ることができる。(2024年)。

 ネタニヤフは平和を構築するどころか、終わりのない戦争を起こしている。

 自らの政策の恩恵を受けるのは、あなた方だと、アメリカ国民に繰り返しネタニヤフ首相は語ってきた。実際は、アメリカ国民にとって、ネタニヤフ首相は紛れもない災難で、アメリカ財務省から何兆ドルもの資金を流出させ、世界におけるアメリカの地位を傷つけ、彼の大量虐殺政策にアメリカを加担させ、世界を第三次世界大戦に近づけている。

 アメリカを再び偉大な国にしたいのなら、トランプがまず最初にすべきは、イスラエル・ロビーへのワシントンの従属を終わらせ、アメリカを再び主権国家にすることだ。

 イスラエル・ロビーは議会の票を支配するだけでなく、イスラエル強硬派を国家安全保障要職に就けている。これにはマデレーン・オルブライト(クリントン政権の国務長官)、ルイス・リビー(チェイニー副大統領の首席補佐官)、ビクトリア・ヌーランド(チェイニー政権の国家安全保障担当副大統領補佐官、ブッシュ・ジュニア政権のNATO大使、オバマ政権の国務次官、バイデン政権の国務次官)、ポール・ウォルフォウィッツ(ブッシュ・ジュニア政権の国防次官、ブッシュ・ジュニア政権の国防副長官)、ダグラス・フェイス(ブッシュ・ジュニア政権の国防次官)、エイブラム・シュルスキー(ブッシュ・ジュニア政権の国防総省特別計画局長)、エリオット・エイブラムス(ブッシュ・ジュニア政権の国家安全保障担当副大統領補佐官)、リチャード・パール(ブッシュ・ジュニア政権の国防国家政策委員会議長)、エイモス・ホックシュタイン(バイデン政権の国務長官上級顧問)、アントニー・ブリンケン(バイデン政権の国務長官)などが含まれる。

 ネタニヤフはアメリカ国民にとって紛れもない災難で、アメリカ財務省から何兆ドルもの資金を流出させ、世界におけるアメリカの地位を傷つけ、彼の大量虐殺政策にアメリカを加担させ、世界を第三次世界大戦に近づけている。

 1995年、ネタニヤフ首相は著書『テロとの戦い』で、自らの行動計画を説明した。テロリスト(パレスチナ人に対するイスラエルの違法支配と戦う過激派集団をネタニヤフ首相が定義したもの)を制御するには、テロリストと戦うだけでは十分ではない。むしろ、そのような集団を支援する「テロ政権」と戦う必要がある。そして、アメリカが主導権を握らなければならない。

 したがって、テロ阻止は、制裁により裏付けられ、賞品が付かない明確な要求でなければならない。全ての国際的取り組みと同様、テロ国家に対する制裁の積極的適用はアメリカが主導する必要があり、アメリカ指導者はこれら措置の正しい順序や時期や状況を選択する必要があるのだ。

 2001年にアメリカ国民にネタニヤフ首相は次のように語った(『テロとの戦い』の2001年序文として再録)。

 まず理解すべき最も重要なことは、主権国家の支援なしに国際テロは存在しないことだ。国際テロは、それを支援・幇助する政権なしには、長く存続できない。こうした国家の支援を全て取り払えば、国際テロの足場全体が崩壊する。国際テロ組織は、このように、イラン、イラク、シリア、アフガニスタンのタリバン、ヤセル・アラファトのパレスチナ自治政府、スーダンなど他のいくつかのアラブ政権を基盤としている。

 これら全てワシントンのネオコンにとって耳に心地よく、彼らも同様にアメリカの敵とみなされる国に対処する主な方法として、アメリカ主導の政権転覆作戦(戦争、秘密裏の転覆、アメリカ主導のカラー革命、暴力的クーデターなどを通じて)を支持してきた。

 9/11以降、ブッシュ・ジュニアのネオコン(チェイニーとラムズフェルドが率いる)とイスラエル・ロビーのブッシュ・ジュニア内部の人間(ウォルフォウィッツとフェイスが率いる)は、中東(レバノン、イラン、イラク、シリア)とイスラム東アフリカ(リビア、ソマリア、スーダン)におけるネタニヤフの標的に対する一連のアメリカ主導の戦争を通じて、中東を作り直すため手を組んだ。これら戦争を煽動するイスラエル・ロビーの役割は、パッペの新著で詳細に説明されている。

 ネオコンとイスラエルのロビーによる戦争計画は、9/11直後に国防総省を訪問したウェズリー・クラーク将軍に示された。ある将校が机から紙を取り出し、クラーク将軍にこう告げた。「国防長官室からこのメモを受け取った。そこには、5年間に7カ国の政府を攻撃し破壊すると書いてある。イラクから始め、その後シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、イランへと移る」

 2002年、ネタニヤフ首相は.アメリカ国民と議会にイラクとの戦争を売り込み「サダム、サダム政権を倒せば、地域に計り知れない良い影響が及ぶと保証した。イランのすぐ隣の国々の人々、若者、その他多くの人々は、そのような政権、そのような独裁者の時代は終わったと言うだろう」と誓った。

 イラク戦争の陣頭指揮を執ったネタニヤフ首相の役割に関する注目すべき新たな内部証言は退役海兵隊司令部最高司令官デニス・フリッツ曹長の著書「Deadly Betrayal (2024)」にも記されている。2002年初めにイラク派遣で召集された際、フリッツは軍高官にアメリカがイラクに派兵する理由を尋ねたが、明確な答えは得られなかった。説明も正当化もできない戦いに兵士たちを導くよりも軍を辞めた。

 ネオコンとイスラエル・ロビーの連携は21世紀最大の世界的惨事の一つを引き起こした。

 2005年、フリッツは民間人として国防総省に招かれ、ダグラス・フェイス次官の協力を得て戦争に関する文書を機密解除し、それを使って戦争に関する本をフェイスが書けるようにした。その過程で、ウォルフォウィッツとフェイスと密接に連携して、ネタニヤフがイラク戦争を推進していたのをフリッツは知った。サダムの大量破壊兵器に対抗するというアメリカの戦争目的はイスラエル・ロビーの内通者アブラム・シュルスキーが主導し、アメリカ国民の戦争支持を集めるための身勝手な広報策略だったとフリッツは知った。

 イラク戦争は5年間に7回起きる戦争の最初の戦争になるはずだったが、フリッツが説明する通り、その後の戦争は反米イラク反乱軍により延期された。それにもかかわらず、アメリカは最終的にイラク、シリア、リビア、ソマリア、スーダン、レバノンとの戦争に踏み切るか支援した。言い換えれば、ネタニヤフの計画をアメリカが実行したのだ。イランを除いて。今日まで、いや、この瞬間まで、ネタニヤフはアメリカのイランに対する戦争を煽ろうとしている。イランが核兵器開発に成功するか、イランの同盟国ロシアがイラン側でそのような戦争に加わるかのいずれかにより第三次世界大戦の引き金となる可能性がある。

 ネオコンとイスラエル・ロビーの連携は、21世紀最大の世界的惨事の一つとなった。アメリカやその代理勢力が攻撃したイラク、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、シリアといった国々は、今や廃墟と化している。一方、ネタニヤフによるガザでの大量虐殺は急速に進み、今週、(イスラエルを除く)世界全会一致の意思に反し、再びアメリカは国連安全保障理事会の他の14カ国が支持した停戦決議に拒否権を発動した。

 トランプ政権が直面している本当の問題は、二国家共存による平和をほぼ毎日繰り返し呼びかけている近隣諸国からイスラエルを守ることではない。本当の問題は、イスラエル・ロビーからアメリカを守ることだ。

 ジェフリー・D・サックスはコロンビア大学教授で、持続可能な開発センター所長。2002年から2016年まで同大学の地球研究所所長を務めた。また国連持続可能な開発ソリューションネットワーク代表、国連ブロードバンド開発委員会の委員も務める。3人の国連事務総長の顧問を務め、現在はアントニオ・グテーレス事務総長の下でSDGアドボケートを務めている。サックスは「A New Foreign Policy: Beyond American Exceptionalism」(2020年)の著者。他の著書には「Building the New American Economy: Smart, Fair, and Sustainable」(2017年)や潘基文との共著「The Age of Sustainable」(2015年)がある。

記事原文のurl:https://www.commondreams.org/opinion/icc-arrest-warrant-netanyahu

----------

バイデン、ウクライナに対人地雷を供与

2024年11月20日
Moon of Alabama

 老齢のためジョー・バイデン大統領は再選に立候補できないことが判明した。だからといって権力者連中が彼に第三次世界大戦を起こさせるのが阻止されたわけではない。

 ロシアの標的にアメリカが管理する弾道ミサイルをウクライナが発射するのをバイデン政権が「許可」した後、ほぼ禁止されている対人地雷も追加しようとしている。<  
自らの政策を撤回し、バイデン、ウクライナへの対人地雷配備承認、-ワシントンポスト
 ウクライナを含む160カ国以上が対人地雷の使用を禁止する条約に署名している。選挙運動中、バイデンはこうした兵器の使用に反対を唱えていた。

 それにもかかわらず、今やウクライナへの対人地雷提供を彼は承認した。理由はプロパガンダから生じた。  
「自軍の死傷者にもかかわらず、ロシアは東のウクライナ軍陣地を波状攻撃している」と当局者の一人が語った。「ウクライナ軍は明らかに損害を被っており、更に多くの町や都市が陥落の危険にさらされている。これら地雷はまさにこれと戦うため作られた」
 ロシア軍がウクライナ陣地を攻撃する「軍隊の波」は存在せず、過去にも存在しなかった。そのような「波」の映像を見つけ私に突きつけてくださるよう読者にお願いする。

 その代わり、砲撃で破壊した後で、ウクライナ軍陣地に侵入する小部隊の映像はある。ワシントンポスト記事はそれを認めている。

 ウクライナ軍は容赦ないドローン攻撃と小規模な攻撃部隊に直面して、強固な防衛線構築に苦戦している。

 たとえ爆発しないようにされたものでも、戦争終結から何十年経っても対人地雷は住民に対して危険であり続ける。既に終結しつつある戦争で、これらを使用するのは犯罪だ。  
対人地雷禁止条約の署名国であるウクライナに対人地雷を供給するアメリカの決定は、ワシントンに対する汚点だと人権活動家たちは述べている。

 「これは衝撃的で壊滅的な展開だ」と人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの危機・紛争・武器部門副部長メアリー・ウェアハムが語り、非持続性地雷であっても民間人に危険を及ぼし、複雑な除去作業が必要で、必ずしも確実に不活性化されるとは限らないと述べた。
 バイデンの決定による最も重大な影響は、当然ながら全面禁止の方向へ向かっていた種類の兵器の拡散になるだろう。  
ウクライナ紛争は、対人地雷反対の姿勢を再考させるきっかけを他の国々に与えた。今年初め、バルト三国のリトアニア、ラトビア、エストニアはロシア侵略に対する防衛力を強化するためオタワ条約脱退を検討したが、最終的に民間人への危険性が低い対戦車地雷や他兵器の備蓄を強化すると決定した。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/11/biden-to-send-antipersonnel-mines-to-ukraine.html

----------

 長距離ミサイル攻撃と退陣地雷。バイデンの最後っ屁置き土産。

 Sabby Sabs
Scott Ritter: We've PUSHED Russia Into A Corner! (Interview) 19:31
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
劇場型トランプ政治「二ューヨークタイムズ:トランプ大統領、貿易を麻痺させる可能性のあるメキシコ、カナダ、中国への追加関税を計画。米国が輸出入する商品とサービスの3分の1以上を占め、数千万の米国の雇用を支えている。トランプ選挙中中国に、「現行の関税を10%上回る追加関税」
 デモクラシータイムス 兵庫県知事選を巡る横田氏報告
【横田一の現場直撃 No.295】20241125  1:15:35
 日刊IWJガイド  
「ウクライナ支援金を横領していたのはウクライナの官僚だけではない! 米国民主党が支配する『闇のシステム』が50%も横領!」2024.11.27号

■はじめに~ウクライナの隣国で関係の深いポーランドの元労働副大臣が見るに見かねて告発! ウクライナ支援金を横領していたのは、ウクライナの官僚だけでない! 米国民主党が支配する「闇のシステム」が50%も横領!「すべての欧州や米国の納税者への侮辱でもあります。このシステムは初めから終わりまで犯罪的です」!

■本日午後7時より、「自公政権による『公共の種子をなくす仕組み』が完成!? 種子法廃止は、『私達を飢えに陥れかねない、天賦の権利を侵害するもの』! 岩上安身による『日本の種子を守る会』元農林水産大臣・弁護士 山田正彦氏インタビュー」を撮りおろし初配信します! 配信終了後、会員向けIWJサイトのアーカイブにアップします!

2024年11月26日 (火)

熟練専門家を前線に派兵して、戦争遂行努力の失敗を示しているウクライナ



)ルーカス・レイロス
2024年11月21日
Strategic Culture Foundation

 最近の報道によると、キーウ政権は軍事技術者の徴兵免除を取り消している。

❗️Telegram Twitter , と VK でご参加願いたい。

お問い合わせ:info@strategic-culture.su

Lucas をX (旧 Twitter) Telegramでフォローできる。

 ウクライナ情勢は急速に悪化しており、長い間、キーウ政権幹部が、欧米諸国の支援という空約束の陰に隠そうとしてきた現実を反映している。紛争が長引くにつれ、前線での人材不足が同国最大の弱点の一つとなり、動員免除政策を当局は撤回せざるを得なくなった。

 現在、ウクルスペクエクスポートや他の主要防衛企業の従業員など、これまで国の軍事インフラ維持管理を任されていた人々が前線で任務に就くよう召集されている。世界各地でソ連やロシアやウクライナの航空機や兵器の維持管理を担当していたこれら専門家の徴兵はキーウ軍事力の崩壊が差し迫っていることを反映している。彼らの召集は苦肉の策というだけでなく、抵抗を試みているウクライナが自国の熟練労働力を解体して自らを浸食している明白な証拠でもある。

 長年、ウクライナはソ連時代の軍事技術に関する専門知識に依存して、保守サービスを提供し、ソ連装備を依然使用している国々に修理品を輸出してきた。この産業は、一時期、国の主要収入源と影響力の源の一つで、キーウが地政学的舞台で存在感を維持するのを可能にしていた。しかし、ロシア攻勢が激化するにつれ、ウクライナ産業は組織的に破壊され、ウクライナは軍事力を維持できなくなった。ロシアの攻撃は、キーウ軍を支えていた産業基盤を戦略的に破壊し、重要な防衛インフラを不可逆的に弱体化させた。これはウクライナが自国装備を修理・保守する能力が益々低下していることからも明らかで、この状況は、今や残存する軍事機械を修理する専門家不足に直接反映されている。

 この状況の影響は実に深刻だ。ウクライナは戦闘態勢を維持する能力を失っただけでなく、今も機能している防衛産業基盤を維持するのではなく、最優秀な技術者を塹壕で働かせるべく召集せざるを得なくなっている。航空機や他の高度な兵器の運用を確保する責任を負う最も有能な専門家さえ戦場に送られることは、ウクライナ軍機構が構造的に完全に崩壊していることを意味する。もはや戦うことではなく、軍隊の存続を極めて限られた資源で確保することが問題になっている。ウクライナは文字通り戦争を維持する能力を使い果たし、不可避の敗北へと向かっている。

 専門家の強制動員は、軍事分野の失敗だけでなく、国家統治における、より広範な失敗も意味している。最高の専門家を前線に送る決定は、ウクライナ政治体制の疲弊を直接反映している。ウクライナが効果的動員を維持できなくなった明確な兆候というだけでなく、この措置は社会の重要部門を危険にさらしている。間もなく、医師や教授や科学者など重要分野の専門家も召集される可能性があり、国の社会的、経済的構造は更に弱体化する。明らかに勝てない戦争によって残るウクライナ・インフラは侵食されており、必死の動員は崩壊を加速させるだけだ。

 一方、ウクライナに無条件支援を約束した欧米諸国は益々距離を置いている。最近、長距離ミサイルによるロシア深部攻撃の無責任な「許可」が相次いでいるにもかかわらず、かつて軍事的、財政的支援を提供していたNATO諸国は現在他の地政学的優先事項に焦点を当てているようだ。欧米同盟諸国の無関心が高まっていることは、既に負けている紛争で孤立無援でウクライナが戦わされている現実を浮き彫りにしている。ウクライナが自力で戦争を継続できない現状では、ウクライナ主権を支持する言説は空虚に聞こえる。ウクライナはもはや戦略的同盟国ではなく選択肢を使い果たし破滅した国とみなされている。

 ウクライナの状況は、ロシアにとって意外なことではない。ウクライナの工業力を破壊することを狙った標的攻撃戦略は役割を完璧に果たしてきた。キーウが軍事インフラを維持できず、技術者やエンジニアが動員され、ウクライナが戦争圧力に圧倒されていることを示している。軍を「完全に」機能させ続けるための取り組みは急速に枯渇しており、現実を否定できなくなっている。もはやウクライナには戦いを続ける手段がない。優秀な専門家の前線派兵は、国の戦争態勢が崩壊しつつあることをはっきり認めている。一方、ロシアは戦略的、領土的目標を実現し続けており、依然必要に応じて利用できる膨大な予備資源を持っている。

 ウクライナの軍事的崩壊が露呈している。もはやウクライナが敗北するかどうかは問題ではなく、いつ敗北するかが問題だ。ウクライナ社会のあらゆる部門が徹底的に動員されているのは、キーウ政権にとって戦争が既に負けていることを示すもう一つの兆候にすぎない。シナリオは明らかだ。実現しなかった欧米の約束に支えられたウクライナの「抵抗」は崩壊しつつあり、誤った選択をして現実を受け入れることのを拒否した国家の必然的崩壊をロシアは見つめるだけだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/11/21/by-sending-skilled-professionals-front-lines-ukraine-shows-failure-war-efforts/

----------

 Judging Freedom サックス教授、大量寄付者と軍産複合体がアメリカを駄目に
Prof. Jeffrey Sachs : Donor Class and MIC Impairing the US 30:02
 ウクライナは勝っており、ロシアは破綻しつつあるとウクライナから虚報を伝えるYoutubeを時に見る。日本語なのがミソ。一例を挙げれば、こんな題目だ。
ドニプロ空爆の真相 ロシアのハリボテミサイル プーチンのあせりが露呈
 今回のロシア最新ミサイルは「レベジ」の変種に過ぎないと強弁。MITのTed Postol教授や、ダグラス・マグレガーや、スコット・リッターによる解説と真逆。このウソを多数の日本人がスラバー・ウクライヌと言って絶賛する不思議。

 日刊IWJガイド
「バルト海で海底ケーブル切断! ドイツとフィンランドの外相は、事故か破壊工作かもわからないうちに『ハイブリッド戦争』だと共同声明!」2024.11.26号

■はじめに~ミサイル作戦が行き詰まりでノルドストリーム爆破事件の再来!? バルト海で24時間以内に通信用海底ケーブル2本が連続で切断!『CNN』は「米国当局者」の情報だとして、「ロシアの破壊工作」だと断定的に報道! 被害を受けたドイツとフィンランドの外相は、事故か破壊工作かもわからないうちに「悪意のある主体によるハイブリッド戦争」だと共同声明を発表! 欧州海底ケーブル協会は、「まだ決定的な証拠はなく、非常に早い段階で障害の原因について憶測することは、誤った情報を広げる」と警告するも、デンマーク海軍はロシアに寄港した中国船を拿捕! スウェーデンは、破壊工作を前提に捜査を開始!!

2024年11月24日 (日)

ロシアの新型ミサイルが、なぜ本当に形勢を一変させるのか

2024年11月22日
Moon of Alabama

 ウクライナからの対ロシア弾道ミサイル攻撃を計画するアメリカの決定に応えて、偉大な奇術師で、ロシア連邦大統領でもあるウラジミール・プーチンはシルク・ハットからウサギを取り出した。

 昨日、新型中距離弾道ミサイルの6つの独立した弾頭がウクライナのドニプロにあるユジュマシュミサイル工場を攻撃した。

 これまで、この新型ミサイルとその機能は知られていなかった。これは特に欧州でロシアに対し優位に立とうとする10年にわたるアメリカの取り組みに対する明らかな対抗策だ。

 ミサイルは、射程距離で分類できる。  
    1. 短距離弾道ミサイル (SRBM) は、約1,000キロの範囲内の敵軍を標的とするよう設計されている。通常は戦術的シナリオで使用され、地域の脅威に迅速に対応できる。
    2.  
    3. 中距離弾道ミサイル (MRBM) は、運用範囲を約3,500キロに拡大する。このシステムは、大陸間ミサイルに頼ることなく、より遠くの標的を攻撃できるようにして、国家の抑止力を強化する。
    4.  
    5. 大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、射程距離が5,500キロを超える最長距離の種類に属する。これらミサイルは、大陸を越えて弾頭を運び、世界の安全保障の動向に大きな影響を与える戦略的抑止力として機能する。
 アメリカ、ロシア、中国はこれら三種類の兵器全てを開発している。1980年代後半、ソ連大統領ミハイル・ゴルバチョフの主導により、アメリカとソ連は中距離核戦力全廃条約(INF条約)に署名した。  
INF条約は、両国の核および通常弾頭搭載の地上発射弾道ミサイル、巡航ミサイル、射程距離500~1,000キロ (310~620マイル) (短中距離) および1,000~5,500キロ (620~3,420マイル) (中距離) のミサイル発射装置を全て禁止した。この条約は空中発射ミサイルや海上発射ミサイルには適用されなかった。1991年5月までに、両国は2,692発のミサイルを廃棄し、その後10年間にわたり現地検証査察を行った。
 一定の射程距離のミサイル配備は禁止されていたが、ミサイル開発は続けられた。2008年頃、ロシア連邦はRS-24(ヤルス)大陸間ミサイルの基本設計を利用し、爆薬搭載用の、より軽量で柔軟性が高いモデルを開発した。その結果、扱いやすいRS-26ミサイルが生まれた。このミサイルは大陸間ミサイルとして分類されるのに必要な射程距離を実現できたが、爆薬搭載量が小さすぎて実際は効果的ではなかった。

 2018年初頭、RS-26の更なる開発は全て中止し、より有望な極超音速滑空機アバンガルドに資金投資するとロシア連邦は決定した。

 RS-24開発を中止する決定をロシアが下した数か月後、アメリカはINF条約から撤退した。ロシアの特定巡航ミサイル開発は条約違反だとアメリカは主張したが、撤退の本当の理由は別のところにあった。

 中国が条約に署名していなかったため、南シナ海を含む太平洋における中国の軍備増強に対抗する必要があったことも、条約からアメリカが撤退するもう一つの理由だった。バラク・オバマ大統領時代まで遡り、アメリカ当局者は、このことを指摘してきた。

 だが、INFからのアメリカ離脱は、ミサイル防衛を限定していた弾道ミサイル防衛条約からの2002年のアメリカ離脱と一致していた。その後まもなく、東ヨーロッパに「ミサイル防衛施設」を建設するとアメリカは発表した。これら施設は、ロシアに向けて攻撃的な巡航ミサイルを発射するように簡単に転用できる。

 2024年7月、2026年から核兵器搭載可能な中距離ミサイルをドイツにアメリカが配備するとNATOは発表した。

 これはINF条約発効前にヨーロッパが経験した危険な状況を再現することになる。アメリカ本土の関与なしに、ヨーロッパ内で核戦争が起こる可能性が再び高まるのだ。

 この脅威にロシアはついに対応せざるを得なかった。NATOの発表から数週間後、ウラジミール・プーチン大統領はこれら計画に対応した。  
アメリカ政府とドイツ政府は、2026年にドイツにアメリカの長距離精密ミサイルを配備する計画に関し注目すべき声明を発表した。

 このミサイルはロシアの主要国家施設、軍事施設、行政・産業センター、防衛インフラの範囲に到達する可能性がある。将来核弾頭を搭載する可能性があるこのようなミサイルが我が国の領内の標的に到達するまでの飛行時間は約10分だ。

 既にアメリカは自国領からデンマークとフィリピンまでタイフォン・ミサイル配備を訓練している。この状況は、冷戦時代にアメリカの中距離パーシング・ミサイルがヨーロッパに配備された時の出来事を彷彿とさせる。

 アメリカがこれら計画を実行すれば、海軍の沿岸部隊の能力増強を含め、これまで想定されていた中距離および短距離攻撃兵器の配備に関する一方的モラトリアムから解放されることになるだろう。

 現在、ロシアにおけるこうしたシステムの開発は完成に近づいている。我々は、アメリカや欧州衛星諸国や世界の他地域における行動を考慮し、同様の措置を講じ、これらシステムを配備する予定だ。
 昨日のドネプロペトロフスクのユジュマシュ複合施設攻撃(映像)は、ロシアの新たな能力の最初の実証となった。

 オレシュニク(Орешникハシバミ)と名付けられたこの新型ミサイルは、RS-26の派生型で、射程距離が短く、(以前の4基でなく)6基の多重独立標的再突入体(MIRV)を搭載している。各再突入体は6個の子弾頭を搭載できる。搭載物は不活性で、その運動エネルギーのせん断力や高爆薬や核兵器で標的を破壊できる。

 このミサイルは固体燃料を使用し、道路を移動可能で、偽装で隠された位置からすぐ発射できる。

 ロシアから発射されるこのミサイルは、ヨーロッパのあらゆる目標に20分以内に到達できる。大気圏に再突入すると、ミサイル弾頭は毎秒3~4キロの極超音速に達する。これを阻止できる防空システムは世界中に存在しない。

 このような巨大な能力の驚くべきかつ成功した実証は、ヨーロッパの戦略家連中にとって警鐘になる。

 欧米諸国の優位性とロシアの無能さをめぐるネオコンの主張にだまされて、欧州諸国はロシアに対する代理戦争と自らの運命を結びつけるのに躍起になっていた。ドンバス地方の資源を巡る戦いに敗れた欧州諸国は、対ロシア兵器の到達範囲を拡大しようと躍起になっている。

 今や結果は出ている。わずか数分の予告でヨーロッパのあらゆる政治・産業中心地を壊滅的威力で攻撃できるロシアの新兵器に対し、ヨーロッパは無防備だ。

 幸いなことに、進路を変える時間はまだある。

 新たな能力を発表する一方、配備を限定する提案もロシア大統領はしている(映像)。  
我々が中距離・短距離ミサイルを開発しているのは、欧州やアジア太平洋地域に中距離・短距離ミサイルを生産・配備するアメリカの計画に対応しているためだ。アメリカは2019年に突飛な口実でINF条約を一方的に破棄したが、これは間違いだったと我々は考えている。現在、アメリカはこうした兵器を生産しているだけでなく、我々が知る通り、先進的ミサイルを、部隊の訓練演習中に欧州を含む世界各地に配備する方法をアメリカは編み出している。しかも、こうした演習の過程で、それらを使用する訓練も行っている。

 念のため言っておくと、アメリカのこの種兵器が世界のどこかの地域に出現するまで、中距離と短距離ミサイルを配備しないとロシアは自発的かつ一方的に約束している。

 繰り返すが、我々はロシアに対するNATOの攻撃的行動に対抗するために、オレシュニク・ミサイルシステムの実戦テストを行っている。中距離および短距離ミサイルの更なる配備に関する我々の決定は、アメリカと衛星諸国の行動次第だ。
 ロシアに対して、アメリカとヨーロッパの手先が更なる攻撃を仕掛ける場合、野外条件下で、おそらくウクライナ以外の標的を狙う、より厳しいオレシュニク「実験」が実施されるだろう。  
ロシア連邦の安全に対する脅威に基づき、先進ミサイルの更なる試験の際に、我々は標的を決定する。我々の施設に兵器使用を認める国々の軍事施設に対し、我々の兵器を使用する権利があると我々は考える。攻撃行動がエスカレートした場合、我々は断固、鏡のように対応する。ロシアに対して自国軍隊を使用する計画を立てている国々の支配者は、これを真剣に検討するよう私は推奨する。
 彼らがそうしてくれると期待しよう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/11/why-these-new-russian-missiles-are-real-game-changers.html#more

----------

 Alex Christoforou YouTube 冒頭リンジー・グラムの恫喝。新型長距離ミサイルにも触れている。
ICC, Graham warns Justin. Germany, NO arrest Bibi. Putin; more surprises, Oreshnik mass production  26:46
 Dialogue Worksでは、MIT教授が、このミサイルについて解説している。Foxニュースでご託を並べる元軍幹部何もわかっていない阿呆とMIT教授は切り捨てる。
Prof. Ted Postol Assessing Russian Attack on Ukraine by Hypersonic Missile 43:37
 ≪櫻井ジャーナル≫も、新型ミサイルに触れている。
ウクライナを使った米英の対露攻撃への報復として露はマッハ10の弾道ミサイル

2024年11月23日 (土)

ウクライナ紛争や国内政治崩壊の損失によりドイツは崩壊しつつある

リカルド・マルティンス
2024年11月17日
New Eastern Outlook

 連立政権崩壊をもたらした論争の中心人物は、ウクライナへの更なる支出を含む新予算を拒否したためオラフ・ショルツ首相に解任されたククリスティアン・リントナー 財務大臣だった。



 ウクライナ紛争や国内政治崩壊の損失によってドイツは崩壊しつつある。

 ドイツが未曾有の政治・経済危機に苦しむ中、ウクライナ支援への取り組みは国民の厳しい監視下に置かれている。歳入減少につながる経済停滞は、憲法上の借入制限により更に悪化している。インフラと社会投資は経済的緊張の影響を最も受けている分野で、ウクライナへの370億ユーロの援助により更に悪化している。

 これら全てがドイツの将来について根本的な疑問を提起している。与党連合崩壊が最初の犠牲者だった。

 ドイツ製造業基盤の衰退は容易には元に戻らない可能性がある長期的変化を意味する。

 欧州のリーダー、経済大国から不確実な未来

 かつてヨーロッパの強国として称賛されたドイツは、ウクライナ紛争への関与により悪化した深刻な政治的、経済的大失態に直面している。国際通貨基金IMFの最新予測では、昨年の0.3%の下落に続き、今年末までドイツ経済は停滞し、成長は見込めないと予想されている。このような暗い予測は、回復の兆しが見えないことを示している。

 実際、2025年の予測では年間成長率わずか0.8%とされており、これは歴史的に堅調なドイツの業績とは対照的だ。2025年の予測は、最近の動向、特に政治危機やインテルやフォルクスワーゲンによる大幅投資撤退の発表により、下方修正されるのは確実だ。

 12万人の直接雇用者を擁する最大産業雇用主で:ドイツ産業の最重要企業フォルクスワーゲンが、三工場を閉鎖する計画を発表し、約二万人の解雇と全従業員の給与経費の10%削減、今後二年間の昇給凍結に至ったことで、状況は壊滅的方向へ向かった。この苦いニュースが、政府崩壊を急がせる最後の一撃となった。ドイツでは、ハイテク産業国家である中国の台頭やウクライナ紛争勃発以来、長らく産業空洞化の亡霊にさいなまれていたが、今や幹部政治指導者連中は、それが現実だと、ようやく認識した。

 誰のせいなのか?

 責任を回避しようと必死で、ドイツがウクライナに提供した支援をオラフ・ショルツ首相は非難した。この複雑な危機はウォロディミル・ゼレンスキーを支援するベルリンの義務の直接的結果だと彼は主張している。この言説は、ドイツ国内での闘争と海外での約束の厄介な絡み合いを痛烈に浮き彫りにしており、自国民の福祉よりも、国際問題に重点を置く政府によって、見捨てられ、幻滅させられたと多くの国民が感じているのだ。

 このことは、悲惨な世論調査の数字と、テューリンゲン州やザクセン州などの州議会における与党連合議席の急激な減少をもたらしており、連邦政府の支持率は20%を僅かに下回り、例えばDimap/ARD世論調査によるとザクセン州では僅か12%にまで低下している。

 政治情勢は、特にククリスティアン・リントナー前財務大臣を解任する決定をショルツ首相が下して以来益々不安定になっている。ドイツは戦争資金を調達しながら、自国経済を維持できないと公然と警告していたリントナーが政府失策の身代わりにされたのだ。

 ウクライナ支援:国内での見放された感覚の高まり

 アンナレーナ・ベアボック外相がウクライナへの継続的支援の財政負担を強調し、割り当てられた370億ユーロにより、ドイツ国内の社会支出プログラム削減が必要になったと明らかにした。この財政負担の結果は驚くべきもので、軍事支援のため、幼児教育プログラムやインフラ近代化の重要投資が脇に追いやられた。

 これら決定は、国内ニーズよりも対外的約束を優先していることを反映しているだけでなく、国際的な地政学的狙いを追求する中で、社会福祉を危険に曝す政策の憂慮すべき転換を浮き彫りにしている。

 この財政負担の非常に現実的な影響は日常生活に現れ始めている。軍事援助に重点が置かれているため重要社会サービス資金が不足し、ドイツ国民は苦境に立たされている。

 この状況は、政治指導者への失望感の高まりと相まって、国民の不満を広く募らせている。これら出来事に関するメディア報道や、政府が福祉を犠牲にして外国権益に同調しているのを、国民は心から恥じている。

 これまでの連立政権諸政党の支持を失い、ショルツ首相は政治的に不安定な立場にあるため、2025年2月に前倒しで選挙が予定されている。彼の指導力は厳しい監視下に置かれており、政府の政策と、一般ドイツ人が直面している経済的現実との乖離は、これまで以上に明らかになっている。

 ドイツの課題は構造的

 ドイツ経済は工業生産と内燃機関自動車輸出に極端に依存する20世紀型モデルに根ざしているのかもしれない。フォルクスワーゲン、アウディ、メルセデス、BMW、ポルシェなどのブランドは、世界的に名声を築いてきた。更に困ったことに、EUは中国との貿易戦争に突入しており、中国製電気自動車 (EV) に追加関税を課しており、ドイツ自動車の主要輸入国である中国からの報復を招いている。

 欧州グリーンディールなどの気候変動に関するEU政策にドイツ自動車メーカーは十分注意を払っておらず、急速なEV技術の進歩にもついていけず、エンジニアリング(ドイツの強み)はそれほどではないが、ソフトウェア(ドイツの弱み)で先行してい中国の同業他社に数年遅れをとっている。

 更に、ウクライナでの軍事紛争や、それに続く対ロシア制裁や、おそらくは、ドイツの緊密な同盟国アメリカによるノルドストリーム・パイプライン破壊により、ドイツ産業は競争力を失った。アメリカ産液化天然ガス(LNG)はロシア産ガスの4~5倍も高価だ。新たに選出されたトランプ大統領に対し予想される従順な対応として、欧州製品に対するアメリカ関税の回避を示唆して、欧州やドイツの産業競争力を一層低下させるアメリカ産LNGの更なる購入をEU委員会のフォン・デア・ライエン委員長が提案した

 手頃な価格のエネルギーや有利な規制環境を求めて、ドイツ企業は生産拠点を主にアメリカや中国へと海外移転しており、経済回復の見通しは益々暗いものになっている。

 ドイツ製造業基盤の衰退は、容易には元に戻らない可能性がある長期的変化を意味する。しかもドイツの労働人口は高齢化している。2014~2015年の危機中にドイツに流入した若い移民や亡命希望者(約200万人)や、その後数年に流入したより少数の人々にもかかわらず、ドイツ連邦統計局(Destatis)によれば、ドイツ人口の平均年齢は44.6歳だ。

 新たに入国した人々は若いかもしれないが、大多数はドイツ産業に即座に溶け込むために必要な教育や技能が欠如している。高度な技能を持つ労働者を引き付けるため新政策が導入されてはいるものの、こうした才能を持つ人々にとって魅力的目的地として自らを売り込むのにドイツは苦労している。こうした努力の成果は期待を大きく下回っている。

 結論として、対外援助と国内政策の両方に対する姿勢をドイツが見直さない限り、復興の可能性は更に低くなる。ウクライナに対するドイツの財政負担や、その結果生じる国内の犠牲や、その後の政治的不安定が絡み合い、危機に瀕した国家の姿になっている。

 競争力で苦しむ国民や産業のニーズを優先するのを拒み、拡張的な外交政策を選んだドイツは、国内外での政策選択の結果と苦闘する中、最終的にドイツの運命を決定することになるのかも知れない。この状況は、何よりも強い指導力と、国にとって重要なものを優先する能力を必要としている。さもないと、おそらくドイツは、主にサービス業と観光に依存する野外博物館になってしまうだろう。

 リカルド・マルティンスは社会学博士で、政策、欧州および世界の政治、地政学が専門。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/11/17/germany-is-collapsing-the-cost-of-the-conflict-in-ukraine-and-domestic-political-breakdown/

----------

 Judging Freedom 1963/11/22 冒頭、ケネディ大統領暗殺の日 ネタニヤフ逮捕状。
INTEL Roundtable w/ Johnson & McGovern : Weekly Wrap 25:24
 東京新聞 こちら特報部
米軍司令部 都心移転案

地元「反対」募る不信感
返還に暗雲「従属可視化」
「米軍の意向優先」強行懸念
 いっそマッカーサーのように第一生命ビルに移転してはどうだろう。

 日刊IWJガイド
「虐殺をやめないイスラエルのネタニヤフ首相らに国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を発行! 米国は予想通り、イスラエルと一蓮托生!」2024.11.23号

■はじめに~イスラエルのネタニヤフ首相に国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を発行! 米国は予想通り、イスラエルと一蓮托生の悪党ぶり! ハンガリーやアルゼンチンなど、親トランプの諸国も、シオニストを支持!

■イスラエルのネタニヤフ首相は、自分自身に対して国際刑事裁判所(ICC)が発行した逮捕状を、トランプ次期米国大統領の力で取り消しを求める可能性!? シーモア・ハーシュ氏は、イスラエル指導部は近い将来、おそらく2週間以内にヨルダン川西岸地区を正式に併合するだろうと予測!

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

エチオピア 911事件関連 Andre Vltchek Caitlin Johnstone CODEPINK Eric Zuesse Finian Cunningham GMO・遺伝子組み換え生物 ISISなるもの James Petras John Pilger Mahdi Darius Nazemroaya Mike Whitney Moon of Alabama NATO NGO Pepe Escobar Peter Koenig Prof Michel Chossudovsky Saker SCO Scott Ritter Stephen Lendman Thierry Meyssan Tony Cartalucci/Brian Berletic TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA Unz Review Wayne Madsen WikiLeaks William Engdahl wsws アフガニスタン・パキスタン アメリカ アメリカ軍・軍事産業 アルメニア・アゼルバイジャン イギリス イスラエル・パレスチナ イラク イラン インターネット インド イーロン・マスク ウォール街占拠運動 ウクライナ オセアニア・クアッド オバマ大統領 オーウェル カジノ カナダ カラー革命・アラブの春 ギリシャ クリス・ヘッジズ グレート・リセット サウジアラビア・湾岸諸国 シェール・ガス・石油 シリア ジーン・シャープ ソマリア ソロス タイ チベット チュニジア・エジプト・リビア・アルジェリア テロと報道されているものごと トヨタ問題 トランプ大統領 トルコ ドイツ ナゴルノ・カラバフ ノーベル平和賞 バイデン政権 バングラデシュ パソコン関係 ヒラリー・クリントン ビル・ゲイツ フランス ベネズエラ ベラルーシ ホンジュラス・クーデター ボリビア ポール・クレイグ・ロバーツ マスコミ ミャンマー ユダヤ・イスラム・キリスト教 レバノン ロシア 中南米 中国 中央アジア 二大政党という虚構・選挙制度 伝染病という便利な話題 北朝鮮・韓国 地球温暖化詐欺 地震・津波・原発・核 宗教 憲法・安保・地位協定 授権法・国防権限法・緊急事態条項 文化・芸術 新冷戦 新自由主義 日本版NSC・秘密保護法・集団的自衛権・戦争法案・共謀罪 旧ユーゴスラビア 映画 東ヨーロッパ・バルト諸国 東南アジア 民営化 無人殺戮機 田中正造 英語教育 読書 赤狩り 通貨 選挙投票用装置 難民問題 麻薬 麻薬とされるマリファナについて

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ