アメリカ

2019年1月19日 (土)

国家安全保障局は犯罪組織だ

2019年1月17日
Paul Craig Roberts

 アメリカの法律と憲法に違反して、アメリカ国民を無差別にスパイしている国家安全保障局NSAは、実際は「国家不安定局」だという証拠をエドワード・スノーデンが示す何年も前に、NSAスパイ・プログラムを設計開発したウィリアム・ビニーが、非合法で違憲のスパイ行為を明らかにしていた。NSAが、そのプログラムを、アメリカ国民をスパイするために使っていたので、ビニーは内部告発者に転じた。アメリカ議会が良く知っている通り、ビニーは、主張の正しさを説明するのに、NSA書類が必要だとは考えていなかった。ところが、もっともらしい否認ができなくなるので「議会は決して私に耳を傾けようとしなかった。それは彼らにとって本当に極めて重要なものだった。世界中の全員に対して、彼らに権力を与える、この大規模スパイ活動プログラムを継続できるようにするには、もっともらしく否認できる必要があったのだ。連邦議会議員さえ[議会の]他の人々に対して力を持っている。彼らは最高裁判所裁判官、連邦判事全員に対し、権力を持っている。それが、彼らがそれほど恐れている理由だ。彼らに関する全てのデータを、CIAや、様々な諜報機関が持っているがゆえに、皆が恐れているのだ。それが、シューマー上院議員が、数カ月前、トランプ大統領に、彼らがあらゆる手を使って攻撃してくるから、諜報界は攻めるべきでないと警告した理由だ。それは、J・エドガー・フーバーを超強化したような状態にあるのだ。それは議員全員と、世界中の全政府に対し、強力な影響力を持っているのだ。」

 内部告発を阻止するため、NSAは、職場の同僚について「何か見ろ、何か言え」と呼ばれるプログラムを使っている。それは東ドイツ秘密警察がしたことだ。それが、私が[NSA]を新しい東ドイツ秘密警察政府機関と呼んでいる理由だ。彼らは東ドイツ秘密警察と、KGBと、ゲシュタポと、SSから、あらゆるテクニックを手に入れている。彼らは我々が知っている限り、アメリカ国内で強暴になっていないだけで、国外については、全く別の話だ。」

 ビニーがマスコミに示すべき文書を持っていなかったので、この内部告発は、NSAにとって、ほとんど影響がなかった。これが、NSAが法律と憲法両方に違反しているのを証明する文書をスノードンが発表した理由だが、堕落したアメリカ・マスコミは、違反をしているNSAではなく、「反逆者」として、スノードンに非難の焦点を向けたのだ。

 内部告発者は連邦法により守られている。それなのに、堕落したアメリカ政府は、率直な意見を述べたかどで、ビニーを起訴しようとしたが、彼が機密文書を持ち出していなかったので、彼を訴訟することはできなかった。

 ビニーは、NSAの侵害はディック「ダース」チェイニーの責任だとしている。NSAによる法律と憲法の違反は実に極端なので、政府上層部で処理されたに違いないと彼は言う。

 ビニーは、スパイ組織網は、外国の敵に対してだけ作戦行動するはずだったと説明し、それほど普遍的スパイ行為に使うと、データでシステムに負荷がかかり過ぎ、システムが、多くのテロ活動を発見し損ねるという。http://www.informationclearinghouse.info/50932.htm

 どうやら、国家安全保障局は、テロ攻撃を防ぐ以上に、国内、国外で、国民と政府職員を恐喝できることが大切だと考えているようだ。

 アメリカ人にとって不幸なことに、やみくもに政府を信頼し、我々を奴隷にする乱用を許してしまう多数のアメリカ国民がいるのだ。科学技術における業績の大半は、人々を解放するのではなく、人々を奴隷にするのに役立っている。既に科学者やエンジニアには、それは知らないと言い張る口実はない。それでも、連中は自由を破壊する手段の構築を頑固に続けているのだ。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/01/17/74380/

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 「消えた給付金」、ミスやプログラムの間違いで、こういうことは決して起きるまい。
腐敗した首脳部が指揮した組織犯罪だろう。アホノミクスの基盤がまた一つ崩壊。お役人が「なめられている」と発言したのにはびっくり。発言は正しいと思うが、後で懲罰されないだろうか?

 ひげを生やしたことで訴えられていた職員が無罪になったという報道、よくみると、きっかけは、あの弁護士が決めたルール。うそか本当か豪腕政治家が彼と会ったという記事をみかけた。野党再編ではなく、野党分断「ゆ党」再編の動きだろう。適菜収氏「あまりに危険な」と書いておられる。

 そして、日刊IWJガイド

日刊IWJガイド「橋下氏による不当なスラップ訴訟を闘う岩上さんは、民主主義を守るために大奮闘中! どうか皆様、会員数漸減で財政的に苦しいIWJへのご支援をよろしくお願いいたします!」2019.1.19日号~No.2319号~(2019.1.19 8時00分)

 によると、岩上氏に対する不当な訴訟の第6回口頭弁論が、3月27日だいう。大本営広報部、彼がまたもや政治家に舞い戻ることをはやしたてても、不当なスラップ訴訟をしかけていることは決して触れない。大本営広報部、マスコミは庶民の味方ではない証明。

2019年1月17日 (木)

ガス問題。宗主国アメリカの傲慢さに憤慨するドイツ

Finian Cunningham
2019年1月15日
Strategic Culture Foundation、

 歯に衣を着せずに物を言う駐ベルリン・アメリカ大使による今回の発言は酷すぎて、無視しておくわけに行かなくなった。アメリカ外交使節がノルト・ストリーム2プロジェクトに関係している企業に対し、あり得るアメリカ制裁について警告として送った手紙を、ドイツ政府は「挑発」だと非難した。

 伝えられるところによれば、ドイツ政府は、リチャード・グレネル大使から送られた書状を「無視する」ようプロジェクト関連企業に言った。

 ノルト・ストリーム2はロシアからドイツへの天然ガスの配送を大いに増やすはずのバルト海底に敷設される1,222キロのパイプラインだ。完成すれば、ドイツのロシア・ガス輸入は2倍になるだろう。だがトランプ政権は、ヨーロッパに対する過度の政治的影響力をモスクワが得ることになると繰り返し主張し、プロジェクト反対を声に出している。トランプはドイツとオーストリアの企業を含む参加企業に対する制裁を警告した。

 隠された目に余る狙いは、ずっと高価なアメリカ液化天然ガスをヨーロッパに売る目的で、ドイツ・ロシアのエネルギー貿易を、アメリカが損なおうとしているのだと見られている。アメリカ式自由市場資本主義など、もうたくさんだ!

 週末に受け取られたドイツ企業に対するグレネル書状は、ドイツ私企業の行為に対する前例のない恫喝と見なされている。アメリカ大使館は、書状は単に、制裁を課すというワシントン政策を述べているに過ぎないと言って、それが恫喝であることを否定した。

 それは、以前にドイツ内政に干渉して外交儀礼に違反し、訴えられたことがある型破りな外交使節関する最近の騒動に過ぎない。以前、ドイツ・マスコミは、反移民政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に対するあからさまな支援のかどで、グレネルはベルリンで「政権転覆」を狙っていると激しく非難していた。

 昨年5月、ベルリンの職に就いた際、グレネルは、イランと取り引きをしているドイツ企業は「事業を縮小」するべきで、さもなくば懲罰的なアメリカ制裁に直面するとツイッターで書いて、すぐさま政治的な激怒の嵐を引き起こした。それはトランプ大統領がイランとの国際核合意から離脱した時のことだった。「もし問題にならずにいたいと望むなら、受け入れ国に決して何をすべきかと言ってはならない」と元駐ワシントン大使、ウォルフガング・イシンガーがきつく述べていた。

 いかがわしいデビューから、わずか数週間後、グレネルは「ヨーロッパじゅうで他の保守主義者に権利を与える」ことを望んだと自慢して、トランプ寄りのメディア、ブライバートのインタビューに応じた。それはベルリンの既成支配体制に対する本格的挑戦者として出現した「ドイツのための選択肢(AfD)」是認するものと見なされた。

 社会民主党元党首のマーティン・シュルツは、当時グレネル解任を要求した数人の政界実力者の一人だ。

    「この男がしていることは国際外交上、前代未聞だ、彼は極右の植民地士官のように振る舞っている」とシュルツが述べていた。

    彼は、うまい指摘もした。「もしドイツ大使がワシントンで、民主党員を後押しするためにいるのだと言えば、彼はすぐさま追い出されるはずだ。」

 ドイツの政治とビジネスに対するメディアによるグレネルの極めて目立つ介入は、外交官が受け入れ国に対し、政策問題では、中立でいなければならないことを規定する1964年ウィーン条約の恥知らずな違反に思われる。公式には、大使の役割は、自国政府のために慎重にロビー活動をすること、常に目立たない姿勢をとることだ。

 もちろん、これはアメリカ大使館と外交使節が、受け入れ国で、初めて、ウィーン条約に違反したわけではない。ワシントンは、政権転覆を煽動するために、こうした出先機関を慣習的に使っている。

 しかしながら、リチャード・グレネルは公然とこれら基準を無視し、アンゲラ・メルケル首相のドイツ政権に対するトランプの軽蔑を繰り返し、恥ずかしげもないトランプの代弁者役を務めている。 その結果、デル・シュピーゲルによれば、グレネルはベルリンで政治的に孤立している。メルケルは「彼から距離を保っており」、AfD以外、大半の政治家が、彼との接触を避けている。

 ドイツ企業に警告状を書く最近の論争は、もはや、ベルリンの寛容にとって最後の一撃なのかもしれない。

 ドイツ・マスコミは「大西洋パートナーシップ」がトランプの下でいかに終了つつあるかに関して既に発言している。

 経済新聞ハンデルスブラットは、以前こう書いた。「大西洋両岸関係は、もはや何も通常ではない、ベルリンは大西洋両岸関係の常態という錯覚に余りに長年執着しすぎた。親密な結びつきの時代は終わっている」。

 しかも、ドイツ政治家とヨーロッパのマスコミの間で、ワシントンの政策に拘束されない、「戦略的に、自治権があるドイツとヨーロッパ」を要求する声が増大している。

 このような進展は、ずっと延び延びになっていたものであり、その必要性はトランプ登場にずっと先行していた。 第二次世界大戦終焉以来、ドイツは、アメリカ軍事力に占領されている、ワシントンの政治目的に従属している国のようなものだった。主目的は、以前はソ連、その後はロシア連邦との間で、モスクワとの自然な協力をドイツが育成するのを常に阻止することだった。

 ドイツ主権の絶対的無視は、トランプ政権というより、アメリカ諜報機関がメルケル首相の個人的電話を盗聴していたことが表面化したバラク・オバマ大統領任期中のほうが代表的だろう。それが宗主国の傲慢さでないのなら、一体何が宗主国の傲慢だろう?

 それでも、ドイツの政治・メディア既存支配体制は、ワシントンによるドイツ国家主権と指導者に対する侵害に、ほとんど抗議をしていない。

 トランプと、彼の取るに足りないベルリン外交使節がしたことは、傲慢さを、耐えられないほど公然のレベルに持って行くことだ。トランプは、「不公平な取り引き慣行」とされるもののかどでドイツに文句を言い、メルケルの難民対策に関し、彼女をけなし、NATO軍事予算を倍増するようベルリンを脅し、イランとロシアに対して、ワシントンの敵対的外交政策に従わないことで、ドイツ企業を厳しく非難している。

 トランプは粗野なやり方で、長い間そうだろうと推定されていた、ドイツに対するアメリカ覇権をさらけ出している。それは美しい光景ではない。ベルリンは恥じ入って、このアメリカのいじめに立ち向かう姿勢を見せなければならない状態にある。

 アメリカと、NATOの取り巻き連中が、欧米諸国の国内政治に対するロシアによる証明されていない干渉に対して、これまで2年間、口から泡を吹いて激怒してきたのは馬鹿げことだ。まばゆい現実は、いつもそうなのだが、同盟国とされている国、その実、明らかに属国を使って横車を通しているのは、アメリカなのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/01/15/its-gas-germany-outraged-by-us-colonial-arrogance.html

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 記事原文のurlを末尾に書いたが、実は、まだ原文を確認できていない。別のサイトに転載されている記事をもとに翻訳している。このサイト、特に読みたい記事に限って長時間読めないことが多い。一日中読めないことが再三ある。個人的に、宗主国か手先による妨害ではあるまいかと疑っている。

 国名を置き換えれば、そのままこの傀儡劣等。ただし、ドイツ政治家やマスコミのほうが、多少骨があるようで、そこは傀儡劣等と、残念ながら、大きく異なっている。メルケル電話盗聴騒ぎの時も、傀儡売国政治家連中、一切まともな発言をしていない。

 「何も言わない7分間」…仏メディア批判的報道、加計学園理事長記者会見を連想するが、彼ですら質問に答えていた。傀儡体制では、こういう輩が大きな顔をする。そこで

 植草一秀の『知られざる真実』
 2019年最大政治課題は安倍内閣の総辞職

2019年1月16日 (水)

果てしないシリア戦争を促進する合州国平和研究所USIP

2019年1月14日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

 「議会が設立した、激しい紛争がない世界は可能だという命題に専念する独立した国立研究所」は、戦争継続の呼びかけをするなどと、誰も想像しない組織のはずだ。

 だが、合州国平和研究所(USIP)はまさに、それを推進する組織なのだ。

 合州国平和研究所USIPウェブサイトに最近掲載された「アメリカ軍撤退は、シリアにとって、何を意味するか?」と題する論文で、USIP上級顧問は、シリアからのアメリカ軍撤退は「シリアと、より広範地域におけるアメリカ合州国の権益に悪影響を及ぼす」と主張している。

 記事は、こう主張する。

    アメリカ軍の急激な撤退は、シリアにおける、アメリカの極めて重要な権益に悪影響を及ぼすだろう。アメリカ軍駐留は、ISISの恒久的敗北や、シリアからのイラン撤退や、ジュネーブ和平策定プロセスの復活に熱心な新たに活気づいたアメリカの対シリア政策のために重要な前提条件の役を果たしている。

 合州国平和研究所USIPは、こうも主張している:

    現地のアメリカ軍は、イランとロシアに対する重要な拮抗勢力の役も演じた。特に、この派生的恩恵は、東シリアでの更なるイランの拡大に対処した。もしアメリカが撤退すれば、ロシアやアサド政権同様、イランは生まれる空間を活用する立場になるだろう。

 言い換えれば、アメリカ憲法に則って、議会によって認可されたわけでもなく、国連憲章による国際法にも違反している、シリア国内でのアメリカによる不法占領や軍事作戦の終わりは、国際的に認められたシリア主権政府に自らの領土支配を回復するのを許すがゆえに好ましくないと強く主張しているのだ。

 合州国平和研究所USIP論文は、同様に、アメリカ軍撤退が、「ジュネーブ和平策定プロセスを復活させる影響力」をアメリカから奪うと強く主張している。言い換えれば、戦争後に出現するシリア政府の姿を形づくるワシントンの能力を損なうというのだ。

 合州国「平和」研究所USIPは、シリアの国内政治に対し、ワシントンに、なぜ、この不当な権限があるのかは決して説明しない。

 合州国「平和」研究所は、同様に、アメリカ軍撤退で、シリアにおける平和に重要な必要条件であるシリア・クルド人がダマスカスと交渉する可能性があるが、それは望ましくないと主張しているのだ。

 論文はこう文句を言っている。

    クルド人は、以前より弱い条件の上ではあるが、政権と取り引きする以外に、選択肢がないと判断するかもしれない。

 欧米による広範囲な工業規模の人権詐欺同様、合州国平和研究所は、高尚な理想、この場合は「平和」という名目の背後で、隠されたワシントンの狙いを売りこむ道具に過ぎない。

 非合法侵略と占領を弁護する論文は、自国領土保全をはかるシリア自身の主権的権利を否定し、アメリカ権益と同じぐらいシリア内で対立している関係者間の交渉を引き合いにしている。これは合州国平和研究所USIPの基本理念とされるものの真っ向からの否定だ。

 平和に「ついての」研究所と、平和「のための」研究所との対比

 合州国平和研究所USIP論文に驚くべきことは何もない。シリアで、何年も「平和」を促進するという建前考の背後で、アメリカによる政権転覆を暗に含んでいた。それ以前にも、アメリカはリビアでも、アメリカが率いた他の多数の戦争でそうして来たのだ。

 2012年、合州国平和研究所USIPは、その前のリビアやイラクと同じやり方で、まもなく分割され破壊されるはずのシリアのために、計画と憲法さえ準備するのに多忙だった。

 フォーリン・ポリシーは「アサド後のシリアのために計画すべき静かな努力」と題する記事で、こう認めている。

    過去6カ月間、様々なシリア反政府派40人の主要代表者が、アサド後のシリア政府を設立する方法に備えて計画を立てるため、合州国平和研究所(USIP)指導の下、ドイツで密かに会合していた。

    アメリカ政府当局者は直接関与してはいないが、国務省が資金の一部を供給しているこのプロジェクトは、今月、シリアでの暴力の連鎖が増加し、制御できなくなり、穏やかな権力移行に対する希望が次第に消えつつある中、重要性を増している。プロジェクト・リーダーであるUSIPのシリア学識経験者、スティーブン・ハイデマンは、先月イスタンブールで会合している『シリアの友人たち』会議の際、計画について外国当局者と政府高官にブリーフィングした。

 平和を促進するという合州国平和研究所USIPの建前の任務からほど遠く、このプロジェクトは、逆に、欧米に支援される反政府派と共に行われた。アメリカ国務省や国防省や、諜報機関が、暴力的にシリア政府を打倒しようと努力したように、合州国平和研究所USIPは、シリア独立政権を、ワシントンに依存する、従順な連中に置き換える計画を推進するため反対派と共に働いてきた。

 この集団の取り組みの焦点は、政権崩壊直後に具体案を展開し、官庁、安全保障、経済混乱の危険を緩和することだ。プロジェクトは、アサド後のシリアに備えて、事前にできることを明らかにしている。記事は、こう認めている。

 合州国平和研究所USIPは、反政府派とシリア政府間の平和を促進する努力については一切言及していない。

 アメリカが支援する武力政権交代の取り組みに関係していないためのUSIP戦略に関する姿勢については、合州国平和研究所USIPのハイデマンは、こう認めている。

    我々は非常に意図的に、アサド政権の直接打倒に貢献するのを控えてきました。我々のプロジェクトは「事後」召集されるのです。事前に働く別の集団があるのです。

 もう一つの瞞着は、合州国平和研究所USIPが、アメリカ政府から独立しているふりをしていることだ。フォーリン・ポリシー誌は、こう認めている。

    これら会議で、オバマ政府高官がオブザーバーとしてさえ欠席しているのは意図的だった。

    「アメリカの役割が余りにも目立てば、非常に逆効果だ。アサド政権や、我々に反対する連中に、この過程の合法性を否定するする口実を与えることになる」とハイデマンは述べた。

 アメリカの役割が「目立つ」かどうかに関係なく、アメリカが、シリア政府を打倒し、戦争後登場する政権を具体化する努力をしているのは確実だ。

  USIPの努力を通して、暴力的にシリア政権を打倒し、その後に権力の座につけるべき傀儡政権を準備しているアメリカ政府の取り組みにもかかわらず、USIPのハイデマン自身、特に、見掛けそのものが酷いだけでなく、実際、きわめて犯罪的なので、この試みが目立たないようにしていたことを認めている。

 合州国平和研究所は、アメリカが支援する代理武装軍に直接関係していないかもしれないが、平和を実現しないよう暴力にてこ入れする点で直接的役割を果たしている。平和という名目の背後に隠れ、アメリカ軍による征服の行政面の対応に携わっているのだ。

 アメリカ軍事介入後、権力の座につくべき傀儡政権を準備していようが、絶え間ない、極めて非合法な戦争の正当化を唱えていようが、合州国平和研究所は、本当の平和を実現するための取り組みではなく、戦争を売りこみ、狙っていることを戦争で実現しようとして、平和という名目を利用する、平和「のための」ではなく、平和"についての"研究所以外の何物でもない。

 Tony Cartalucciはバンコクを本拠とする地政学研究者、作家。オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。

 記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/01/14/the-us-institute-of-peace-promotes-endless-syrian-war/

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 引退発表。

 植草一秀の『知られざる真実』の最新記事、孫崎享氏の今日のメルマガ題名と重なる。

 『国家はいつも嘘をつく』書評を森永卓郎氏掲載

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名は下記。歴史的事実を歪曲している国と、歴史的事実を語っている国が交渉して、まとまるはずはないだろう。ネットで、ロシア政府や日本政府を批判している方々、日露領土問題に関するまともな本を読んだ上で語っているのだろうか。大本営広報部の呆導だけを背景に議論しているのであれば、意味はないだろう。即座に、日露戦争講話後の日比谷公園焼討を連想する。

北方領土は「不法占拠」 菅長官「立場に変わりない」(朝日)。この認識は違う。?日本は桑港条約で千島(国後・択捉)を放棄。これの帰属は連合国の問題。ヤルタ協定で、「千島列島はソヴィエト連邦に引き渡さるべし」。従ってロシアが「不法占拠」の根拠なし。

 ジョージ・オーウェルの小説『1984年』は、SFではなく、ノンフィクション。

戦争は平和だ、自由は隷属だ、無知は力だ。宗主国と属国の現状そのまま。戦争で人の血を吸って生きる経済・政治体制の国が戦争をやめるための研究をさせるわけがない。

 日本の卑屈な態度に対する「モスコフスキー・コムソモーレツ」記事要約を日刊ゲンダイで見た。

 旧ソ連時代から人気の大衆紙「モスコフスキー・コムソモーレツ」は10日、日本についてこんな皮肉を記事にした。

 〈プーチン大統領は安倍首相の大好物をテーブルに置いて、安倍首相が食べようとしたところ、さっと持ち去った。ただ持ち去るだけではなく、氷水をぶっかけて持ち去った〉

 それで昔の翻訳記事を思い出した。反対の内容だ。

 北方四島は返却すべきだ(モスコフスキー・コムソモーレツ)の記事翻訳。2011年3月23日

 大方のロシア人と正反対の意見を公然と言えば、ロシアで町を安全に歩けないだろうと思って、翻訳記事の後に「本当に普通の主婦なのだろうか?」と書いたところ『「本当に普通の主婦なのだろうか?」は余計。』という書き込みをいただいた。小生の知り合いの女性、ほとんど主婦。中に主婦でない方もおられるが。いずれも素晴らしい見識の持ち主ばかり。『「主婦は知能指数が低い」とでも言いたそうですね。』という邪推まで書いておられる。小生の知人、まったく逆。どうすれば、そう曲解できるのか、今も不思議に思っている。

2019年1月15日 (火)

ピークオイルに一体何が起きたのか?

2018年12月31日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 ブッシュ-チェイニー政権初期の頃、無数の論文や、国際エネルギー機関や、様々な政府による公式声明でさえ、ピークオイルと呼ばれるものの開始を宣言していた。前ハリバートンCEO、ディック・チェイニー副大統領が、ホワイトハウスのエネルギー特別委員会を率いるべく指名された時のことだった。2003年3月のイラク戦争準備期間中、世界の石油埋蔵量のピークオイル、あるいは絶対的凋落は、G.W.ブッシュによるイラク侵略のための、正当化でないにせよ、まことしやかな説明に思われた。筆者自身も、当時それで石油戦争を説明することができると納得していた。ところが今日、我々はほとんどピークオイルについて耳にしない。なぜなのかが興味深い。

 ピークオイルは、彼らの石油の極端に高い価格を正当化するための巨大石油企業と、一部金融界連中の発明なのだ。彼らが高価格を正当化するため推進したピークオイル理論は、1950年代、ヒューストン在住の「シェル石油」のハバード・キングという名の奇抜な地質学専門家にさかのぼる。

 鐘形曲線のことなど

 テキサスでシェル石油で働いていた時に、有名になるのを好んでいたマリオン・キング・ハバート、略称キングは、1956年「アメリカ石油協会」の年次会合、現代で科学的でっち上げの最も重大な例の一つになるだろう催しに論文を提出するよう依頼された。

 ハバートは、アメリカが1970年に石油のピークに達するだろうということを含め、彼の1956年の結論を、石油が化石起源で、およそ5億年前の恐竜の残骸や藻や他の生命体起因してを作り出された生体化合物だという証明されていない仮定に基づいていた。ハバートは疑問を抱くことなく、化石理論を受け入れ、彼のこのような主張に不可欠な重要な部分を科学的に証明する明白な試みはしなかった。彼は絶対的真理として、ひたすら「石油は化石に由来する」と断言し、それを巡る新しいイデオロギー、迫り来る石油不足に直面しての緊縮策という新マルサス風イデオロギーを構築し始めた。彼は油田は、ガウス正規分布曲線に従っていると主張したが、それ自身恣意的推測だった。

 イギリスとアメリカの巨大石油企業と、彼らを支援する大手銀行にとって、彼らが世界経済の生命線として石油の有効性と価格を支配するのを可能にするには、不足の神話が必要だった。不足神話は一世紀以上の間、英米地政学権力の重要な要素だった。

 1989年、彼が亡くなる少し前、ハバート・キングは率直なインタビューで、回収可能なアメリカ全体の石油埋蔵量を計算するのに使った方法は到底科学的でなかったことを認めた。吹く風がどれぐらい強いか見るため、指を濡らして、かざすことに例えられるかもしれない。

インタビュアーに、ハバートはこう語っていた。

    そこで必要だったのは、生産可能な究極量の推計を、私が知っているか、あるいは持っている必要があることだった。私は究極的な量を知っており、私ができたのは、非常に狭い不確実性の範囲にその曲線を調整することだった。私はそれをしたのだ。それら曲線が描かれた。曲線を描き、二乗を計算し、もし少し多すぎたら曲線を下げ、あるいは余りにも少な過ぎれば、少し曲線を上げた。だが曲線は、曲線の下の積分面積、所与の時間の総生産量以外には、数学はほとんど使っていない(以下、数学の意味がわからないので翻訳できず、原文のまま。正解をご教示いただければ幸い。それでも大意は通じるのでは?)the integral pd dq by, at times, et, for accumulated production up to a given time。アメリカ石油の究極量で最も良い推計では。当時私自身の推計は、約1500億バレルだった。

 ハバートによる方法論の説明が厳格な科学的方法に聞こえないとすれば、そうでなかったからだ。

 ハバートは、事実上、石油が化石化した生物の残骸から生じるという証明されていない不正確な主張を、石油本来の不足と必然的減少という主張するための根拠に転換したのだ。「この知識は石油とガスの起源に関する抑えの効かない憶測に反対する強力な地質学基礎を我々に提供してくれる。当初の供給量は有限だ。再生の速度は取るに足りない。生成は地球でも、基盤岩石が厚い堆積物で覆われている地域に限定されている。」これが主に大手石油企業が支配するアメリカで教科書が書かれる世界の地質学で受け入れられる常識となれば、それら石油に富んだ地域を、政治的、あるいは必要とあらば、軍事的に支配するという問題になる。

 彼が1956年「有限の」「限定された」供給という切迫する推計をした頃、地球のごく僅かな部分しか石油掘削されていなかった。

 尊敬される石油地質学者でテキサスの石油技術者、マイケル・T・ハルボーティは1980年「ウォールストリート・ジャーナル」にこう書いていた。

    世界中に約600の見込みある石油盆地が存在している。これらのうち、160が商業生産可能で、240が部分的に、あるいは適度に探査されたが、残る200は本質的に探査されていない。掘削されている73パーセントがアメリカだ。それでもアメリカの見込みある石油盆地区域は世界全体のわずか10.7パーセントに過ぎず、大多数の世界の盆地はまだ十分に探査、掘削されていない。

 ハバートは150から2000億バレルのアメリカ全石油埋蔵量という推計に基づき、アメリカの石油生産が1970年代後期にピークに達し、正規分布曲線の加速的凋落が始まると予測した。それは、控え目な言い方をすれば、警鐘的光景だった。同様、偽でもあった。

主要な新石油発見

 私はここで、石油が極端な高温と圧力により、地球のマントル深くで常に生成されていて決して枯渇しないことを経験的に示した1950年代にさかのぼるロシアの科学的実証詳細には触れない。私は著書『Myths, Lies and Oil Wars(神話と嘘と石油戦争)』で詳細に説明した。ここで私はアメリカ地質調査局による最近の公報を引用したいと思う。

 11月28日、アメリカ内務省はアリゾナ州、西テキサス地域で、石油とガスの劇的な巨大な新しい埋蔵の確認を発表した。アメリカ地質調査所(USGS)による査定に従い、アメリカ地質調査局所により、アメリカ内務省は、ウルフキャンプ・ シェール地域と、テキサスとニューメキシコのパーミアン盆地州のデラウェア盆地地域を覆っているボーン・スプリング層が「463億バレルの石油、281兆立方フィートの天然ガスと200億バレルの液体天然ガスの推定平均」を含んでいると発表した。これは非在来型の石油資源で、未発見で、技術的に採掘可能な資源の推計だ。USGS所長ジム・レイリー博士は、地域と呼ばれる「常に発表された我々の最大の連続的な石油とガスの査定」から成り立つ。要するに、それはアメリカのエネルギー供給にとって、重要なニュースだ。

 報告書は、石油・ガス企業が伝統的な垂直の油井技術と横方向の掘削と、水圧抽出の両方をシェールオイルとガスを取り出すために使い、ここで現在石油を生産していると述べている。USGSはウルフキャンプ・ シェール地域とボーン・スプリング層のデラウェア盆地の評価は、中部地方盆地のそれより2倍以上大きいと付け加えている。

 シェールオイルとガスのこの主要な新発見前に、パーミアン盆地周囲のテキサス-アリゾナ地域で、アメリカは、推定シェールオイルを含め、推定で世界最大の原油埋蔵領だった。ノルウェーのコンサルタント、リスタド・エネルギーによる2018年7月の研究によれば、アメリカには2640億バレルの石油があり、その半分以上がシェールにある。その合計は、ロシアの2560億バレルと、サウジアラビアにある2120億バレルを超える。

 もし新しいUSGS推計を含めれば、アメリカ全体の石油埋蔵量は3100億バレルより遥かに多いだろう。1970年のハバート・キングによるアメリカ・ピークオイル予測が、ばかげていたことが分かったのだ。1970年に起きたのは、巨大石油企業が、国内アメリカ油田採掘から離れ、極端に安い中東の石油への移行を操作していたのだ。連中にとって、ピークオイル議論は1970年以降、アメリカの中東政策に強い地政学的影響を与える有用な政治的目くらましだった。テキサスとアリゾナでの新発見が、通常の石油と比べ、シェールオイル埋蔵量の一層速い枯渇が、アメリカ石油生産のより急速な枯渇を意味しないことを保証している。

 アメリカがロシアとサウジアラビア両国を凌ぐ世界最大の石油生産国として今日出現したことは地政学的に極めて重要な意味がある。これはアメリカ大統領がなぜ最近シリアからのアメリカ軍撤退を命令することが可能だと感じたかもを説明すできようる。ここ数年、壮大な地政学的変動が進行中なのだ。

 F. William Engdahlは戦略危険コンサルタントで、講師。彼はプリンストン大学の政治学位を所有している石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/12/31/whatever-happened-to-peak-oil/

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 文中にある、マリオン・キング・ハバートインタビューの書き起こしはこちらにある。

https://www.aip.org/history-programs/niels-bohr-library/oral-histories/5031-7

 大相撲、想像通りの展開、世代交代カウント・ダウンが始まったのだろうか?

 大本営広報部の北方領土についての呆導、どの局のものを何時間見ても意味がわからないのではなるまいか。連中全員、属国傀儡政府に忠実に協力して、属国状態の事実を隠蔽している以上、公式説明に無理があるのだ。ウソを聞かされれば、見ている方は混乱するしかない。属国状態の歴史的事実を書いた本を読めば意味は氷解するだろう。大手書店にゆけば、まともな関連書籍が多数並んでいる。

 今日の日刊IWJガイドの該当部分、かなり長いが転載させていただこう。

 【1】北方領土返還に関する日露交渉で失言、失態を重ねる安倍総理と河野外相!歴史の事実にもとづかない外交は国際社会で相手にされない!必携の『戦後史の正体』!!

 安倍晋三総理が4日の年頭記者会見で「北方領土には多数のロシア人が住んでいる。日本に帰属が変わることについて納得していただくことも必要だ」などと述べたことを受け、ロシア外務省は日本政府の態度を批判しています。1月9日、モルグロフ外務次官は、上月豊久駐ロシア大使を呼び出して注意を喚起したと発表しました。

※ロシアが日本に注意喚起 北方領土「帰属の変更発言」(朝日新聞、2019年1月10日)
https://www.asahi.com/articles/ASM1B1QSXM1BUHBI002.html

 北方領土に在住のロシア人に日露交渉の結果を「納得していただく」のは、日本政府の仕事ではありません。北方領土在住であろうとロシア国民は当然ながらロシア政府の管轄下にあり、特定地域のロシア国民への他国からの「働きかけ」は、国家主権にさわります。安倍総理の4日の発言に、ロシアの主権を侵害する意味合いが含まれていたために、ロシア側からの強い抗議につながったのだと思われます。

※安倍首相“暴走発言”にロシア激怒…北方領土交渉打つ手なし(日刊ゲンダイ、2019年1月12日)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245259/2

 また、第二次世界大戦中の米ソ間の取り決めや対日講和(サンフランシスコ講和条約)をめぐる国際法的解釈や、歴史認識についても、日本政府は不利な立場に立たされています。日本は北方領土を「固有の領土」として返還を求めており、大戦の結果、ロシア領になったとする「ロシアの主張は受け入れられない」(外務省幹部)として、「4島返還」の建前をとってきました。

※北方領土 日本に見解要求へ 露「大戦後、自国領」 あす外相会談(毎日新聞、2019年1月13日)
https://mainichi.jp/articles/20190113/ddm/001/010/119000c?pid=14517

 しかし、そうした日本側の解釈のほうに無理があることが、元外務省国際情報局長の孫崎享氏によって、明確に指摘されています。孫崎氏は『戦後史の正体 1945-2012』(創元社、2012年)(https://amzn.to/2PGk9Ke)で、「北方領土」とは後付けの概念であり、実際は「北海道の一部である歯舞島、色丹島」と「千島列島の南端である国後島、択捉島」に分かれていることを述べ、次のように指摘しています。

 「ルーズベルト大統領はテヘラン会談(1943年11月)でソ連の対日参戦を求め、ヤルタ会談(1945年2月)で『千島列島はソヴィエト連邦に引き渡されること』という内容を含むヤルタ協定を結びました」

 この米ソ間の取り決めは、米大統領がトルーマンに代わった後も引き継がれています。続けて孫崎氏は、1951年9月8日のサンフランシスコ講和条約で「日本国は千島列島に対するすべての権利、請求権を放棄する」とされている事実と、その意味について説明を加えています。

 孫崎氏は、サンフランシスコ講和条約に調印する直前の吉田茂総理が、「択捉、国後両島」を「千島南部」と認めたことを指摘します。つまり、その前提で日本政府は、講和条約に調印して「千島列島に対するすべての権利、請求権を放棄」したことがわかります。これが歴史的、国際法的な事実となっているのです。

 孫崎氏が『戦後史の正体』を上梓された際に、日本外国特派員協会(FCCJ)で会見を開いた際の模様は下記URLよりご視聴ください。「我が国の大手新聞・テレビが、私の『戦後史の正体』を無視している」と孫崎氏が外国人記者に訴え、笑いを誘ったシーンは必見です。

※日本外国特派員協会主催 孫崎享氏 記者会見 2012.10.15 (英語)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/35843

 なお、1956年10月の日ソ共同宣言調印にいたる交渉とその後の北方領土問題について、孫崎氏は『戦後史の正体』で次のように述べています。この内容は鳩山一郎内閣、とりわけ重光葵外相によって進められた「2島返還」路線がなぜ覆ったのか、という問題に関わります。

 「北方領土の北側二島、国後島、択捉島というのは第二次大戦末期に米国がソ連に対し、対日戦争に参加してもらう代償として与えた領土なのです。しかもその米国が冷戦の勃発後、今度は国後、択捉のソ連への引き渡しに反対し、わざと『北方領土問題』を解決できないようにしているのです。日本とソ連のあいだに紛争のタネをのこし、友好関係を作らせないためにです」

 こうした歴史的背景について、岩上さんは同書刊行直後に孫崎氏にインタビューしています。ぜひ下記のURLよりご視聴ください。

※「日本の国益を真剣に考えた人たちがいたことを伝えたかった」アメリカとの隷属関係を断ち切ろうと奔走した政治家とは? ~岩上安身による孫崎享氏インタビュー 2012.8.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/27537#idx-3

 このように、北方領土問題は米国の関与抜きに語れないのです。しかも、「ヤルタ協定」での取り決めのみならず、米ソ両軍の共同作戦があったことも、『戦後史の正体』刊行後に判明しました。北方4島占領のための軍事作戦において、米国艦隊が投入されていたのです。このことは、2015年から続く根室振興局北方領土対策課の「北方領土遺産発掘・継承事業」を通じて、2017年に明らかにされました。

 サンフランシスコ講和条約に調印した吉田総理は、この共同作戦を知っていたかどうかわかりませんが、この事実の上に「千島列島に対するすべての権利、請求権を放棄」したということになります。

※高橋浩祐(国際ジャーナリスト)「実はアメリカが軍事支援したソ連の北方4島占領 米ソの極秘作戦プロジェクト・フラはなぜ、長い間知られなかったのか?」(Web Ronza、2018年12月16日)
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2018121100006.html?page=3

 以上見てきたように、「4島返還」の建前と、「北海道の一部である歯舞島、色丹島」しか返還され得ないという矛盾を、日本政府は抱えています。安倍政権は国内の支持者向けには「4島返還」を諦めたことを明言できない一方で、ロシアに対して歴史的、国際法的な事実に反するような発言をすれば、冒頭のようにロシアからの強い抗議に遭ってしまうのです。根本的には米国の言いなりになって「4島返還」の看板を掲げ続けてしまったわけですが、その原因となった米国の干渉を日本政府が自ら明らかにしない限り、この矛盾を解消することはできません。

 そんななか、日露交渉に関する記者の質問に対して「次の質問どうぞ」を連発した河野太郎外相は、14日の日露外相会談後の共同記者会見の開催を拒否しました。「平和条約問題で情報の不安定な状況を作り出して人々を惑わす一方、協議の結果を記者会見で伝える意思はない」という日本政府の姿勢について、ロシア側は「奇妙で矛盾した行動だ」と批判しました。

※ロシア「日本が共同会見を拒否」 外相会談を前に批判(朝日新聞、2019年1月14日)
https://www.asahi.com/articles/ASM1G0S5YM1FUHBI01G.html

 昨日の日露外相会談については、やはり共同記者会見が行われたという報道はなく、会談内容は明かされていません。ただ、21日に予定されている安倍総理とプーチン大統領との会談を控え、北方領土問題交渉に米国がどのように関係していくのかが注目されます。追って、国内外の報道や外務省の発表を確認し、続報していきます。

※Peace treaty with Russia ? Japan's gift to U.S.?(CGTN、2019年1月14日)
https://news.cgtn.com/news/3d3d774d7941444d32457a6333566d54/share_p.html

※河野外務大臣のロシア訪問(平成31年1月12日~16日)(外務省ホームページ)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/rss/hoppo/page25_001780.html

2019年1月14日 (月)

ソルジェニーツィンは40年前アメリカの退廃的破たんを正確に予測していた - (ロシアTVニュース)

マイケル・クウィン
2019年1月6日日曜日

 本記事はRussian Insider初出。

 このTV映像は11月中旬のものだが、ソルジェニーツィンに関するニュースとして、我々は現在放映している。アメリカ中間選挙と、その調子が、どれほど無作法であるかの議論で始まり、次にソルジェニーツィンの非常に良い議論となっている。

 彼の有名な先見の明ある1978年のハーバード大学講演「引き裂かれた世界」は非常に正確に、現在の欧米での文化的衝突を予測していた。

 彼は未来の凋落と退廃を引き起こすものとして、過度に個人主義的な欧米イデオロギーをあげている。

「個人の権利の擁護が行き過ぎて、社会全体を無防備にしています。社会は人間の究極の退廃から自らを守る術をほとんど持っていないように思われます。」

この退廃はアメリカ中間選挙での卑劣な戦いの種々な動画で見られる。国の二大政党間で、協力ではなく、このような極端な憎悪が当たり前になっている時に、どのような民主政治が持続可能だろう?

書き起こしは以下の通り。

書き起こし:

   火曜日、アメリカで中間選挙が行なわれた。肝心な点はトランプ大統領がアメリカの議会上院における彼の立場を強くしたということだ。彼は上院の過半数を得た。それは弾劾されないことを意味する。トランプは大統領職を継けるだろう。

   だが議会下院では、トランプは足場を失った。今彼は下院で少数派になっている。下院は国の外交政策を決定する議会なので、重要問題についてトランプと合意することは明らかに不可能なことを意味する。トランプにとって、諮問機関に過ぎない。

   知事も選出された。興味深い事実は、アメリカの全ての知事に、この選挙後、一人も黒人知事がいないのだ。どう思われようと。 一人もいないのだ。

   下院の女性議員の数は増大した - フェミニストの動きのうねりで。インディアン部族初の公然レスビアンさえおり、アメリカ民主政治の偉大な実績だと思われる。同様、初のイスラム教議員もおり、並外れたこととして広く論じられている。

   アメリカ選挙運動の特徴は異常などう猛さと抑制のない無礼さだ。例をあげよう。CNNの政治評論家アンナ・ナヴァロは、放送で、トランプ大統領のことを気安く「人種差別主義の豚」と呼ぶが、これは普通のこととして、穏やかに受け取られている。

   とは言え、このスタイルは、アメリカの二大陣営、共和党と民主党の、お互い相容れない考えと深い憎悪さえ反映している。

   アメリカ・エリートの分裂の残虐さは選挙後も消えず、このような上流社会の態度からは、アメリカ人は何も良い結果には出会うまい。アメリカ人は内戦で胸をつかれるような経験をしたことがないのだ。

   抑制する動機は皆無だ。だが不快さは増大しつつある。皆が憎しみを抱き、皆が憎まれるというエリート状況がある。同時に政治闘争の文化はばらばらに壊れつつある。

   ここに重要な点がある - ニコライ・ベルジャーエフが社会の持続可能性のための文化の優位性について書いている。

    「社会生活で、精神的な優位は文化にある。社会の目標が達成されるのは政治や経済ではなく、文化によってだ。大衆の価値と質は、高品質の文化水準によって測られる。」

  つまり、文化の質が大衆の質を決定するのだ。これはハーバード大学での有名なソルジェニーツィンの講演を思い出させる。アレクサンドル・ソルジェニーツィン生誕百年祝賀も間近だ。

   記念日が近づく中、彼がよく知っていた欧米の象徴、彼が追放されていた期間、暮らしていたアメリカに関する彼の考えを語りたい。適切で、新鮮で、知性面で大胆に聞こえる40年前の言葉は予言だった。

  アレクサンドル・イサーエヴィッチは「優位性が見えないこと」と「勇気の衰え」は「終わりの兆し」だと語った。法的規制だけでは決して社会に十分ではなく、道義的基準が必要だと語った。当時、知的なアメリカ人は、彼の言葉に拍手喝采した。

  アレクサンドル・ソルジェニーツィン:「私は共産主義政権の下で私の全人生を生きてきたので、客観的な法的基準の一切ない社会がどんなに酷いものかお話できます。しかし法法的基準以外の基準が一切ない社会も、同様に人間の暮らしはふさわしくありません。」

  更に社会の利益と個人の利益の相互関係に触れ、人間中心主義に反対意見を述べている。

  アレクサンドル・ソルジェニーツィン:「個人の権利の擁護は社会全体を無防備にするほど極端になっています。破壊的な、責任を負わない自由に無限の空間が与えられています。社会は人間の究極の退廃から自らを守る術をほとんど持っていないように思われます。」

  ハーバードは息を殺して聞いたが、結局ソルジェニーツィンは、欧米民主政治という考えのまさしく核心について語っていたのだ。

   アレクサンドル・ソルジェニーツィン:「そういう考え方では、地球上のすべてを判断し評価する基準は人間です。利己心、ねたみ、虚栄心、その他多くの欠陥から決して自由ではない不完全な人間。我々は旅の初めに気付いていなかった過ちの結果を、今経験しているのです。

  ルネッサンスから今日に至るまで、我々の経験は豊かになりましたが、我々の熱情や我々の無責任さを抑制していた至高の全き存在という概念を失ってしまったのでず。政治的、社会的な改革にあまりに多くの希望を置きすぎ、結局は、我々の最も貴重な財産を失ったことに気がつくのです。我々の精神的生活です。」

  自制に光を当て、人生を始めた時より良い人間になって人生を終えられるよう向上するようにという呼びかけだった。ソルジェニーツィンは物質主義のアメリカと、実際人間に、次の段階に、彼の言葉で言えば「人類学上のレベル」に向上するよう呼びかけていたのだ。

  アレクサンドル・ソルジェニーツィン:「人間生活と人間社会の基本的な定義を修正するのを避けることはできません。人間が万物の長だというのは本当でしょうか? 人より至高の霊はないのでしょうか? 人間の生活と社会活動が、物質的な拡大だけを尺度に決定されることは正しいのでしょうか? 我々の精神的完全さを犠牲にして、このような拡大を促進することは許されるのでしょうか?」

  そう、このようなソルジェニーツィンの深い荘厳な考えに思いをいたし、我々自身を考えることは今日極めて有益だ。我々自身と、ソルジェニーツィンが40年前それほど力があるように聞こえたアメリカを、考えるために。

  本記事はRussian Insider初出。

  訳注:複写、頒布の自由等を明記したクリエイティブ・コモンズ・ライセンス英語文が最後にあるが、翻訳は省略させていただく。法律文書、数式など、意味がわからないものを訳す能力がないという単純な悲しい理由。

記事原文のurl:https://russia-insider.com/en/solzhenitsyn-correctly-predicted-decadent-collapse-america-40-years-ago-russian-tv-news/ri25686

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  ハーバード大学でのソルジェニーツィン講演日本語訳は『世界を動かした21の演説』クリス・アボット著 清川幸美訳 英治出版刊、125ページから146ページに掲載されている。

  ソ連の弾圧体制をするだけでなく、長年暮らした欧米資本主義文化の暗部を的確に指摘しているのは、さすが。この記事にはないが「マスコミ批判」もかなり鋭い。講演ビデオ(本人はロシア語で話しているが、英語同時通訳音声がかぶっている)と英語の書き起こしは、例えば下記で読める。

https://www.americanrhetoric.com/speeches/alexandersolzhenitsynharvard.htm

  本人ロシア語発言の原文書き起こしは、例えば下記で読める。

https://rg.ru/2018/06/08/garvardskaia-rech-solzhenicyna-v-chem-izian-zapadnoj-demokratii.html

  講演の中で、「日本も西欧の一員になったのかもしれないが、自分では判断しかねる。」といった趣旨の発言がある。日本のことには、残念ながら詳しくなかったのだろう。

  今朝の日刊IWJガイドにびっくり。宗主国が押しつける理不尽な憲法破壊・侵略戦争での傭兵化や、地位協定には一言も文句を言えないくせに、韓国のことになると、狂ったように吠えたてるポチ精神。属国傀儡政治家は、属国国民の象徴。

日刊IWJガイド「自民党長尾たかし衆議院議員が韓国への渡航禁止を呼びかける暴挙!! 徴用工問題の正しい歴史的事実を広めるため、ぜひ会員登録の上、岩月浩二弁護士によるご寄稿をご一読いただき、拡散を!」2019.1.14日号~No.2314号~(2019.1.14 8時00分)


2019年1月12日 (土)

アメリカ人には、アメリカ人を代表する議会が必要だ

2019年1月10日
Paul Craig Roberts

 マルコ・ルビオ上院議員はフロリダ州共和党の代表になりすましているが、彼は実はイスラエルの権益を代弁している。彼は、イスラエルによるパレスチナの人の大量虐殺に抗議する方法として、イスラエルをボイコットするアメリカ人を罰する法律の発起人なのだ。ルビオが修正第1条で残された僅かなもの全てを取り除くため最善を尽くしていることも、もはや修正第1条を守ることに興味がないフロリダ有権者や、売女マスコミは気にしないようだ。

 昨日(2019年1月9日)民主党議員が阻止したため、この法律は上院を通過しそこねた。しかし、これは本当ではない。民主党議員は法案に反対ではないのだ。本当に、両党上院議員は、イスラエル圧力団体から余りにたっぷり選挙献金を頂いているので、イスラエルが必要とする何ごとであれ、反対票など投じることはできない。さらに彼らは、もし彼らがイスラエルに反対すれば、次の選挙で、資金とマスコミの支持が、自分たちの競争相手に流れることを知っているのだ。民主党議員が法案の議会通過を阻止した理由は、トランプ大統領が壁の問題に関して譲歩し、政府再開に必要な資金の法案に署名するまで、どの法律も成立しないことを強調したいだけなのだ。

 アメリカ政府は、18カ月ごとに、トランプの壁を作るのに十分な金を、イスラエルに手渡している。イスラエルはアメリカ人の金を、パレスチナ人が、パレスチナに入らないようにする壁を作るために使うのにためらいを持っていない。イスラエル人が、他の人々が彼らの国に入らないようにする壁を建設する資金を、アメリカ人が資金提供することはアメリカ議会にとって問題はないが、トランプがアメリカの金を、不法入国者がアメリカに入らないようにするために使うことには問題があるのだ。

 これ以上、明白なことがあるだろうか? アメリカ議会は、アメリカ人ではなく、イスラエルを代表しているのだ。アメリカ議会は、イスラエルのために、アメリカ憲法さえ破壊するだろう。それでもアメリカは民主主義国家と呼べるのだろうか?

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/01/10/americans-need-a-congress-that-represents-americans/

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 郷原信郎氏のアゴラ記事をこれから拝読する。
竹田会長「訴追」で東京五輪の危機を招いた政府・JOCの「無策」

そもそも、病的な虚言癖人間が、2013年9月7日、アルゼンチン、ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会で真っ赤なウソをついて始まったこと。

 「東京は世界でもっとも安全な都市の一つ」「福島第一原発の状況はコントロールされている。東京にダメージを与えることはない」「汚染水の影響は原発の港湾内0・3平方㌔メートルの範囲内で完全にブロックされている」「健康問題については今までも、現在も、そして将来もまったく問題はない」

 今朝の日刊IWJガイド題名、予想通りというか、悲惨というか、属国完全メルトダウン状態を示している。狂気が

 「加計学園問題のキーパーソンの柳瀬唯夫・前経済産業審議官が東芝の関連会社に『天下り』!? 東芝は経産省の『植民地』か!?」2019.1.12日号~No.2312号~(2019.1.12 8時00分)

 これ以上、明白なことがあるだろうか? 日本の国会は、日本人ではなく、アメリカと日本の巨大資本を代表しているのだ。日本の国会は、アメリカと日本の巨大資本のために、日本国憲法さえ破壊するだろう。それでも日本は民主主義国家と呼べるのだろうか?

 

2019年1月10日 (木)

ヨーロッパに対するトランプ:あなた方は家臣だ、私は気にしない

2019年1月4日
Strategic Culture Foundation
論説

 「私はヨーロッパのことは気にしない」と今週ホワイトハウス閣僚新年初会談の際、ドナルド・トランプ大統領が宣言した。

 アメリカ大統領は、おそらくアメリカ-ヨーロッパ関係の本当の性格について、意図した以上に多くを明らかにしたのだ。

 トランプは、貿易や他の問題と同様、アメリカのヨーロッパへの軍事関与という文脈で話をしていた。彼は、ヨーロッパが軍事予算に更に多く使わないことで、ヨーロッパ同盟国にアメリカ「利用されて」いるのだという長たらしい呪文を繰り返したのだ。

 アメリカ大企業資本主義固有の軍の浪費を破壊的な悪徳としてではなく、同盟国や世界を「保護」しているとされる有徳の大義として描きだすのは、トランプのほとんど明瞭な間違った考えで、いつもの無駄話だった。要するに幻想的アメリカ例外主義だ。

 だがヨーロッパ同盟諸国に対するトランプのぶっきらぼうな軽蔑は顕著だった。彼がヨーロッパで不人気だとされることに関する皮肉で、大統領はヨーロッパ人が何を考えるか気にしていないと言った。数秒後、彼のとんでもない自己中心的精神状態を裏切って、トランプは方向転換し、もし彼がヨーロッパで選挙に立候補すれば人気は高いと主張した!

 だが皮肉にも、多分我々は彼の不作法な率直さに対しトランプに感謝すべきなのだ。このような軽蔑的な無視でヨーロッパを侮辱することで、彼は古い大陸とワシントン関係の本当の顔をむき出しにした。

 過去のアメリカ大統領は、太西洋両岸関係を、アメリカに指揮されるNATO軍による同盟としてはっきり示されているように、一般に信じられている「戦略的提携」として描くことに熟練していた。政策に関する反発で辞任したジェームズ・マティス前国防長官はこの太西洋関係論者の類型だった。マティスは繰り返し、同盟国と強いきずなを維持する重要性をほめそやしていた。

 だが、十年もの太西洋両岸に関する言説は、しばしばワシントンとヨーロッパ間の実際の関係を隠すのに役立ってきた。現実はヨーロッパはパートナーではない。彼らは家臣だ。

 次々のヨーロッパ政権と欧州連合は、絶えず彼らの国が、過去を含め、ロシアを狙う核兵器でアメリカ軍用の基地役をするのを許してきた。もしアメリカがそれとしての条約がトランプの下で、そうすると脅している中距離核戦力条約からアメリカが離脱するなら、それらミサイルはヨーロッパ領に戻るかもしれないのだ。

 従属的なヨーロッパ政府は、ワシントンの帝国主義戦争のために、多国間という擬似的法律上の隠れ蓑を提供して、アメリカの軍国主義を忠実に促進してきた。 例えば、ヨーロッパ諸国は、アフガニスタンとイラクに軍隊を派兵することで、犯罪的大量殺戮の冒険的事業にうわべの正当性を与えて、アメリカによる戦争を増大させたのだ。

 皮肉にも、今週彼の閣僚に対する発言で「わずか100部隊」をアフガニスタンとイラクに派兵していることに対し、トランプはヨーロッパ諸国をあざ笑った。彼は、極めて横柄なアメリカ犯罪がどれほどかを例示して、シリアにも言及した。

 それで、彼らの経済資源の更に多くを、アメリカの病的な軍国主義中毒と並ぶ位捧げないことに対し、トランプはヨーロッパをひどく叱った。欧州諸国が、アメリカ軍事占領に対して更に多くを支払わないことに対して。海外におけるアメリカの犯罪的侵略に参加するためにもっと多くの兵隊を送らないことに対して。

 ヨーロッパとワシントンの暴君的関係を隠す上で、これまでのアメリカ大統領はもう少し慎重だった。だがトランプは、余りにも自己中心的で、取り引きは不作法だ。アメリカ騎士道と保護という身勝手な見せかけ全体が、無意識のうちに、ずたずたになっている。

 今週、トランプはヨーロッパに、彼が大陸、アメリカ同盟国と想定されているもののことを一切気にかけないと言ったのだ。このような軽蔑をされたヨーロッパ諸国は、現実に目覚めて、ワシントンからの独立を狙い、特にロシアと大陸での本当の協力を追求する必要がある。

 もし彼らがロシアからのノルドストリーム2ガスパイプラインを建設し続ければ、制裁するとヨーロッパ諸国を恫喝するトランプ政権は、ワシントンの横柄さを最も著しく表現している。ロシアは、特にガスと燃料燃料の経済的な供給に関しては、ヨーロッパにとって自然の戦略的パートナーなのだ。

 エネルギー需要と供給の問題は、ヨーロッパとロシアとアメリカ間の関係について、何にも勝る象徴だ。アメリカはある種の詐欺師で、エネルギー貿易であれ、軍事であれ、他の国々に自国利己的な権益を押しつけているのだ。トランプに関しては、イランとの核協定を破り、その国際協定を守っているという理由で、ヨーロッパを罰しているの我々は目にしている。

 アメリカがヨーロッパの利害を無視している現実を、トランプはこれ以上あつかましく述べることはできまい。彼は全く気にしていないのだ

 去年の終わりに、欧州連合はさらに6カ月間、対ロシア経済封鎖を再開することを票決した。それら制裁は、ウクライナにおける紛争と、ロシアが選挙に干渉したという途方もないおとぎ話、主にたくさんの見せかけだけの問題に関してワシントンとそのNATOパートナーによってされた反ロシアのイデオロギー的主張に基づいている。ヨーロッパの属国的地位による対ロシア制裁から、自滅的な損害を受けたのは、アメリカ経済ではなく、またしてもヨーロッパ経済であるという事実によって明らかだ。

 ヨーロッパ政府はトランプの「アメリカ・ファースト」政策の一部を採用し、自国民の利益をファーストにする必要がある。ヨーロッパはロシアに対するワシントンの敵意と軍国主義を否認しなくてはならない。現ヨーロッパ政府の多くが、ワシントンから自立するのに必要な政治意志を見出す能力がないように思われる。それが、欧州連合や既成政治家に対する一般大衆の不満が、このような目を見張るように台頭している理由の一部だ。権力者連中は、国民の関心や必要に鈍感で、代表もしておらず、既成体制に対する更なる反発を引き起こしている。

 ヨーロッパはワシントンの従僕をやめる必要がある。今週のトランプによる、あからさまな軽蔑の後、ヨーロッパには、アメリカの家臣として卑屈になり続ける弁解も正当化もあり得ない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/01/04/trump-to-europe-youre-vassals-and-i-dont-care.html

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  ヨーロッパとは地理的に反対の位置にあっても、状況、ヨーロッパ以下の場所もある。厳しい事実、おまいりで解決することはないだろう。与党が神社を持ち出すのは、属国化推進の隠れ蓑。野党、あるいは「ゆ党」の集団参拝、当然、説明はまだないようだ。立川談四楼氏は、大石内蔵助説を唱えている。希望的観測だがと。IWJインタビューで、国家神道のレクチャーを拝聴しようと思う。

【「国家神道」のルーツを探る!島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビューシリーズ特集再配信 3・IWJ_Youtube Live】20:00~「『神道』理解のカギは室町時代にあり!吉田兼倶による神道理論の体系化、その意義とは?岩上安身による島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビュー2日目(中世・近世編)前半」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 2016年11月に収録した、岩上安身による島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビュー2日目(中世・近世編)前半を、冒頭のみフルオープン再配信、その後は会員限定で再配信します。IWJがこれまで報じてきた井上寛司氏に関する記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E4%BA%95%E4%B8%8A%E5%AF%9B%E5%8F%B8

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/352464

2019年1月 9日 (水)

プーチン/トランプ:2つの新年演説物語

Finian CUNNINGHAM
2019年1月7日
Strategic Culture Foundation

 ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、新年のため、すべてのロシア人への知的な、心からの思いやりのある演説をした。一見台本なしで、雄弁に詳細に語った彼の言葉には、智恵と独創的なひらめきがあった。

 対照的に、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、一部の国民に対し、対立と軍国主義的愛国心に満ち、わずかに名ばかり励ましの言葉折り込んだ党派的演説で、野卑で、利己的で、浅薄な挨拶をした。

 様式と内容のこの二人の対比が、2つの政治文化の全てを物語っている。ロシアの文化は成熟していて知的だ。アメリカの文化は、特にトランプの下で、公然と自己中心的で、皮相的で、攻撃的だ。

 まず第一に、プーチンは一言も場違いな言葉を言わず、ほぼ4分間、流ちょうにクレムリンからの全国放送テレビ演説をした。凍てつく空気に触れる彼の息を見ればわかるように、彼は戸外で話していた。

 トランプは実際は全国向け新年演説はしなかった。それに一番近いのは、自己憐憫的に、自分は大統領執務室で働いていると言いながら、皆が「パーティーを楽しむ」ことを願うというホワイトハウスの芝生からの20秒録画発言だ。

 後に、アメリカ大統領は、彼お気に入りのテレビ局フォックスニュースで、皆が楽しんでいるニューヨーク市タイムズスクエアから、ニュースキャスターが報じる電話インタビューをした。インタビューはほぼ9分間続いた。

 そこで、フォックスを見ていないアメリカ国民全員が大統領の新年の挨拶を聞かなかったと推論できるだろう。幸先良い新年の始まりとは言えまい。

 更にスタイルと内容と調子の問題がある。プーチンは全員を対照にする冒頭の言葉「ロシア国民の皆様、友人の皆様」で始めて、心から話をした。

 彼の演説は直接的で、親愛の情がこもり、情け深いものだ。「我々は希望に満ちて熱心に新年を待ち受けています」誠実に威厳を持って述べた。「家族が一緒に集まれる限り我々の心は暖まります。」 「人は誰も孤島ではないのですから、困窮している人々や、我々が傷つけた人々を助けましょう」と訴えた。「深い思いやりは親切を生み、交友の喜びをもたらします。」

 ロシア大統領は「業績」や自己中心的なスタンドプレーをくり返すことはしなかった。プーチンは国民がまとまり、強くなるよう促した。皆が自分の夢を追うことを願い、現実的には、政治的、経済的取り組みで、全てのロシア人の生活の質を改善するよう呼びかけ、前向きで、楽天的だった。

 冷笑家は、プーチンがいやに感傷的な言辞で、バラ色の絵を描いたと言うかもしれない。だが指導者というものは、確かに、人々を高揚させ、目的を統一しようと努力する人なのだ。彼の言葉を聞けば、ロシア指導者が、ロシア人のために、実際面で生活を一層良くすると固く決心しているのは疑いようがない。

 トランプの場合、スタイルと調子は全く異なっているというかか、耳障りとしか言えない。 フォックス・ニュースキャスターに、大晦日に何をしていたか尋ねられると、トランプは即座に底なしの自我に陥った。無私の献身的な最高司令官であると思われ、称賛を求めるかのように「そう、私はホワイトハウスであなたと話をしている」。

 次の9分間トランプは、ほとんどまとまらない発言で、とりとめのない大言壮語を語った。彼の最優先事項は、メキシコ国境への壁建設や、移民に対する治安があるが、彼は民主党員や他の彼の政治と意見が違う人々に打撃を与えることに抵抗できなかった。

 トランプは、彼が既に他のいかなる大統領より多くを達成したと言って、想定される業績について自慢した。彼の閣僚の下で想定される経済的成功について得意げに語った。彼は本気で、彼が「ISISを根絶し」たので、(不法に駐留している)シリアからのアメリカ軍隊を帰国させられるのだと主張した。

 「率直に言って私は私が言ったより多くを達成した[私はそうつもりだ]。私は単に[海外の戦争から]撤退できるだけではない、私は勝ったのだ。我々は本当にISISをほとんど絶滅させた。」

 彼は2020年大統領選挙について語り「私は大勝するつもりだ」と述べた。

 対立を引き起こす、好戦的大言壮語の最後に、トランプは全ての人々を包摂するように聞こえるよう努力し、彼は「我が国の大きな富」を望むと述べ、彼の大統領職おおかげで「アメリカ国民は大勝利者になっている」と述べた。

 「我が国の成功と繁栄と健康だけを私は望んでいる」とトランプは結論づけた。

 ここで極端にバラ色の絵を描いているのは一体誰だろう? 記録的な人数のアメリカ国民が、仕事がありながらの貧困、慢性不完全雇用、住宅や健康の危機で苦しんでいることを信頼性が高い多くの指標が示している。この大統領は、改善している社会情勢を改善する実際的な政策提供する関心がないように思われる。超大金持ちを豊かにする、彼のオリガルヒ政策は「アメリカを再び偉大にする」という妄想的な主張の実態だ。

 新年演説は伝統的に親善と平和に関するものだ。トランプのフォックス限定演説は軍国主義に満ちていた。彼は少なくとも5回「我々の偉大な軍を増強した」ことを自慢した。

 富を作る目的に関して、彼はそれが健康と教育の公的福祉を改善することだと言わなかった。トランプは言った。「我が国の大きな富は、我々の軍に我々が遥かに多くのことができるのを意味している。」

 明らかに、彼はある時点で「我々は決して軍を使わなくてもよいよう望んでいる」と言った。にもかかわらず彼の演説は熱狂的愛国心と攻撃で満ちていた。彼の世界観は典型的な強迫観念で、威嚇だ。「我々の軍は非常に強いので、我々は決してそれを使わなくてもよいだろう。」 意味することころは、我々は恐怖の統治で世界を支配するつもりだ。

 彼の新年演説で、ロシアのプーチン大統領は軍国主義に一切触れなかった。ロシアには、シリアで、アメリカが支援する、政権転覆を目指すテロ戦争を打ち破った勝利について誇るべき多くのことがあるにもかかわらず。

 プーチンは家族や友人や同国人を大切にし、全員の幸せのため、国民一丸となって働くことについて語った。

 それなのに、欧米政治家や無気力なマスコミは、ロシアを容赦なく侵略国として描いている!

 トランプは明らかに、大義や平和を熱望する礼儀作法皆無の、極端な煽動政治家だ。彼の演説は全て「私、私、私」、更に多くの「私」だ。自慢、やりたい放題、軍国主義、敵対的で冷酷だ。おまけに、雄弁とは歩と遠い。

 2つの新年演説物語は、どの国が将来栄える実際の力があるかを人々に語っている。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/01/07/putin-trump-tale-of-two-new-year-addresses.html

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 クリス・ヘッジズ氏のAMERICA: THE FAREWELL TOURの52ページで、トランプによる軍事支出増大話の後、フロイトのエロス・タナトスに触れている。生に向かおうとするのか、死に向かおうとするのか。二つの演説の根本的な差異。我々が暮らす劣等、宗主国の暴君そっくりの、いや劣化版虚言癖男が君臨している。年頭に何を言ったのか、言うのか興味皆無。死へ向かおうとすることにはを無限に無駄金使うが、生に向かう方向への努力は決してしない。子は親に似る。属国傀儡は宗主国を模倣する。

 大本営マスコミが助長した都民ラスト、ラストも間近なのだろうか。毎日緑のタヌキと一緒にボーット生きている風の議員ポスターをにらみながら通り過ぎる。

 世界最大の属国は、宗主国同様、病的な阿呆がのさばり、ウソが垂れ流される。国営放送は、強制徴税しておいて、許しがたいウソを大々的に垂れ流す。国営洗脳放送「ダーウィンが来た!」で辺野古珊瑚移植大作戦スペシャル!を放映するか「ボーっと生きてんじゃねーよ!!」と言うか、いずれかが不可欠。『琉球新報』にはお金を払っていないが、きちんと真実を報じてくれる。

辺野古埋め立て 首相が「あそこのサンゴは移植」と発言したが…実際は土砂投入海域の移植はゼロ

 昨日に続き、日刊IWJガイドに紹介されている下記IWJインタビューを拝聴予定。

【「国家神道」のルーツを探る!島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビューシリーズ特集再配信 2・IWJ_Youtube Live】20:00~「『神社』は7世紀後半につくられた!『古事記』『日本書紀』、そして伊勢神宮の祭神アマテラスの起源・・・『国家神道』のルーツを探る!岩上安身による島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビュー1日目(古代編)後半」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 2016年11月に収録した、岩上安身による島根大学名誉教授・井上寛司氏インタビュー1日目(古代編)の後半を、冒頭のみフルオープン再配信、その後は会員限定で再配信します。IWJがこれまで報じてきた井上寛司氏に関する記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E4%BA%95%E4%B8%8A%E5%AF%9B%E5%8F%B8

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/346982

2019年1月 4日 (金)

シリア戦況報告 - 軍が北東領域を奪還 - 政治的孤立の終わり

Moon of Alabama
2018年12月28日

 シリアから撤退するというトランプ大統領決定の余波は予想通りに進展している。

 トランプは、シリアからのアメリカ部隊の早い撤退を発表した。後に彼は、北東シリアでアメリカが占領している地域を、トルコへの引き継ぎを可能にする制御された過程について話した。その計画は、おそらくジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官が言い出したものだろうが、全く非現実的だ。多くの強力な勢力が抵抗するだろう、このような広範囲の占領はトルコの利益にならない。それでも、トルコのエルドアン大統領はアメリカが訓練し装備させたクルド人民防衛隊軍隊の解体を促進するため、トルコ侵略という恫喝を使うだろう。


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 今朝シリア・アラブ軍(赤)は、ユーフラテスの西、マンビジに入ったと発表した。トルコに支援された軍隊(緑)とアメリカに支援されたクルド人民防衛隊(黄色)間の境界線に位置を確保した。シリア国旗がマンビジで掲げられた。この動きは、アメリカ部隊と、その代理クルド軍隊が自発的に区域から撤退した後のものだ。マンビジはトルコ軍と、その聖戦代理軍に脅やかされていた。トルコの猛攻を防ぐため、アメリカ軍と協力した地元武装集団はシリア軍に引き継ぐよう求めたのだ。このパターンは他のところでも繰り返されるだろう。

 アメリカが占領していた北東州のハサカとカミシリをシリア政府軍が引き継ぐよう交渉するため、クルド代表団が現在ロシアにいる。クルド人は、シリア政府が彼らの軍隊維持を認める一定の自治を望んでいる。だがダマスカスも誰も、決してそれには同意するまい。シリアには唯一の軍隊、シリア・アラブ軍が存在することになる。だが若干のクルド人部隊が、その中に統合されることは可能だろう。

 トルコ代表団も同じくモスクワにおり、明日エルドアンも訪問するだろう。ロシアはトルコに、シリアの北東、あるいはその一部さえとらせるというアメリカ計画に反対意見を述べた。エルドアンのそのような動きに対しては、ロシアからも、イランからも支持を得られまい。さらに彼は、トルコが現在占拠しているシリアの他の地域からも撤退するよう強く求められるだろう。

 アメリカ軍は、当面、イスラム国残滓に対する戦いが継続しているユーフラテス付近の占領は続けるだろう。彼らはそう長くは留まるまい。トランプは、軍の願望に反対して、完全にシリアから撤退するよう成功裏に主張した。この動きに反対して議論する人々が、イスラム国の台頭を促進した同じ人々なのは偶然の一致ではない。マティス国防長官がこの問題に関して辞任した後、撤退を延期する軍による更なる努力は多分徒労だろう。


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 シリアから撤退に対処するため、アメリカ軍はイラクに新基地を2つ設置した。これらはレバントとイラン間の行き来を阻止するよう設計された陣地だ。アメリカがこの基地を長い間占拠することはありそうもない。既にイラク議会は再びイラクからの全てのアメリカ軍を拒否しようと動いている

 軍事行動はシリアを重要なアラブ国家として再確立する新たな政治的動きと同期する。

 昨日アラブ首長国連邦はダマスカス大使館を再開した。バーレーンが次に続くだろう。クウェートは1月に大使館を再開するだろう。オマーンは決してダマスカス大使館を閉じなかった。トルコと同盟している湾岸国カタールと、サウジアラビアも間もなくシリアとの関係の復活を発表するだろう。対シリア戦争が始まる前、UAEと他の湾岸諸国はシリアでいくつか大きな投資プロジェクトの資金供給をしていた。これらは復活し、シリア経済建て直しに役立つだろう。エジプトは湾岸スポンサーの動きに続くことが予想される。

 UAEの動きの背後にあるのは、トルコの新オスマン帝国という野心に対処する戦略だ。シリアは(再び)アラビア全体をトルコ略奪者から守る防波堤として見なされている。トルコによる、シリアの更なる部分を占領しようとするいかなる試みも、湾岸諸国が、あるいはエジプト軍さえ抵抗するという信号を送るだろう。エジプトはロシアと共に、クルド人とシリア政府の間を調停している

 このアラブの動きは、シリアに対するイランの影響力に対する対抗の動きと見られる。だが、これは失敗するだろう。シリアはイランの介入によって、全面攻撃から救出されたのだ。軍隊をシリアに派兵するようロシアを説得したのはイランのスレイマニ大将だった。湾岸アラブ諸国がシリアを潰そうとして、更に多くを使っている間、シリア政府を支えるために何十億も使ったのはイランだった。シリアは、敵が誰なのか、実際の友人が誰なのかを決して忘れるまい。

 ダマスカスとアラブ諸国間の航空交通が復活しつつある。先週チュニジアとの関係が復活した。1月、バーレーン国営航空会社ガルフ・エアが再びダマスカス便を提供するだろう。2012年にシリアを追い出したアラブ連盟は、再度招請するだろう。シリアは大きな代償と引き換えに、申し出を受け入れるだろう。

 12月26日のシリア軍に対するイスラエル空襲は、ほぼ失敗した。イスラエル戦闘機はレバノン空域から、およそ16発の遠隔爆弾を発射した。彼らは湾岸からヨーロッパに向かう2機の商用航空機の背後に臆病に隠れた。これで、シリアの航空防衛が、直接イスラエル戦闘機を攻撃するのを不可能にした。イスラエルの砲弾の大部分がシリアの短距離航空防衛によって破壊された。シリア・ミサイルがイスラエルに発射された。これは発表された通り新交戦規則が制定されたことの確認だった。対シリア攻撃は、対イスラエル直接攻撃によって反撃されるだろう。ミサイル攻撃はイスラエル攻撃を終わらせた。

 イスラエルは他の国々と同様、シリアに対する、それ以上のいかなる攻撃も徒労であることを知るばかりで、効果的報復を招くだけだ。シリアに対する戦争は、まだ終わっていないが衰えつつある。シリアの政治的孤立は終わった。それを継続することを強く主張する人々は結局負けるだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2018/12/syria-sitrep-army-to-regain-northeastern-territory-political-isolation-ends.html

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 孫崎享氏の今日のメルマガ題名は以下の通り。お説の通り。

公明党、真逆の行動をとっていながら、「政権の数の力で一辺倒に押し切るような国会運営は慎まなければならない」と街頭演説する公明党山口代表。公明党が何でも自民党のおっしゃる通りと国会審議で賛成するから自民党が数の力で押し切っているのでしょう!

2019年1月 3日 (木)

私が知っている世界は姿を消しつつある

2018年12月31日
Paul Craig Roberts

 数時間で、次の新年、2019年だ。私は1984が、暦の上でも、ジョージ・オーウェルが想像したディストピアとしても、ずっと先に思えたときのことを覚えているが、21世紀には、9/11事件とデジタル革命がもたらされた。今私は1984を35年超え、奇妙な国で、見知らぬ人を見ている。

 この休日中、2つの事件が今という時間の奇妙さを私に痛感させた。

 一つは友人で昔の同僚で中世の歴史家でウィリアムズ・カレッジ元学長フランシス・オークリーからの『From the Cast-Iron Shore』(ノートルダム大学出版局、2019年刊)という自叙伝を受け取ったこと。もう一つは日本人男性がホログラム https://www.cnn.com/2018/12/28/health/rise-of-digisexuals-intl/index.htmlと結婚したという報道だ。

 フェミニズムが女性たちを厄介にしたことに疑いようがないが、ホログラム優位というのは、実際、好みが、人よりも、ヴァーチャルなものに移行しているのを示している。若い世代の多くが、面と向かって一度も会ったことがない友人たちを持っている。彼らはインターネットゲームをするためにチームで一緒に参加したり、フェースブックで見知らぬ人の世界に自身を開示したりしている。何千マイルも離れての人々とのデジタルの相互作用が、スポーツチームや、男性と女性との面と向かってのやりとりのデートという、人間の相互作用を置き換えているように思われる。

 私は若い女性が、大学教育に、それがもし教育だとすれば、デジタル・セックスの仕事をして授業料を支払うという報道を読んだ。彼女らは、インターネットでアクセス可能な形で、裸で挑発的に様々な性的体位をとり、性的会話をするのだが、若者はこの種の性的交渉の方が、女性との直接接触より望ましいと思っている。「デートより安いし、将来への誓約が不要だ」と言う。

 海岸では魅力的な女性たちが二本の紐以外何も身につけずにいて、私が若い頃なら性欲で狂っていたはずなのに、男性は全く無視して、携帯電話に執着している。人は疑似体験を実際の人より好むのと同様、海岸に行くのをやめるのではないかと私は時々思う。

 フランシスの自叙伝は、彼と私が知っていた世界が終わってしまったこと、我々が受けた教育が、彼は私より受けたのだが、もはや得ることが叶わないことを思い起こさせる。

 自叙伝は、貧しいアイルランド少年が、イエズス会修道士による教育と、オックスフォード奨学金によって、最も権威ある大学の学長に出世したこと、私自身が、通常金融エリートメンバーにしか与えられないはずの地位アメリカ財務次官補に出世したが、そういうことはもう起きないことを思い出させる。出世のはしごは解体されてしまった。中産階級自身貧困に陥っている。

 フランシスは親類のアイルランド農場について語っている。家には水道がなく、屋外便所さえないものがあった。私自身の祖父母の農場には屋外便所はあったが、水道はなかった。水は外の井戸小屋に行き、井戸の中にバケツを下ろし、水が入ったらバケツを引き上げて得ていた。利用可能な唯一の熱湯は食事が料理される薪ストーブ上で暖めることで入手していた。台所の薪ストーブは通常、家の唯一の熱源だった。

 第二次世界大戦の後に続く10年にオックスフォードに通ったフランシスは、彼の部屋には水道がなかったと言っている。「オックスフォード大学内の労働者」と定義される用務員が、毎朝、部屋に磁器たらいと熱湯の水差しを持ってきたのだ。

 私が第二次世界大戦から二十年後、マートン大学の珍しい大学院生として、オックスフォードにいた時、私が前の教授と協力するために戻った際、夏の間(部屋は学期中、学部生のために予約されていた)部屋に滞在することができただけだった。もし記憶が正しければ、冷たい水道があったが、本格的な浴室設備は部屋の外にあった。浴室設備は寮の廊下の端にあり、ジョージア工科大での私の学部時代とさほど違っていなかった。

 もし時間と事情が許すなら、過去が困難にもかかわらず、今我々の周囲にいる誰よりも多くの、成功した、より高潔な人々を産み出したかについての情報に満ちているフランシスの自叙伝に戻りたいと思う。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/12/31/the-world-known-to-me-is-fading-away/

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 小生、ロバーツ氏とは違って、日本人氏の記事を読む気力が全くでない。というか読みたくない。『From the Cast-Iron Shore』なら読めるかも知れない。話は違うが、紅白歌合戦、もう何年も見たことがない。ナツメロもここ数年全く見ていない。

 安倍サマをかばいまくった御用ジャーナリスト大賞発表! 10位から6位に有働由美子、立川志らくなど新顔が続々

 「御用ジャーナリスト大賞」に輝いたのは誰だ? 田崎史郎と三浦瑠麗“自民党から高額講演料”の二人の戦いに

 一方、大本営広報部が決して本気で報道しない東大農学部鈴木教授のコラムがまとめて読めることを知った。
https://www.jacom.or.jp/column/cat647/

 大本営広報部、巨大資本に不都合な話題(TPPや農産品や水といった)を極力あつかわず、本当のことをいう学者・評論家は出さない。テレビ自体一種麻薬のようなもの。

 麻薬といえば、Chris Hedges氏のAMERICA: THE FAREWELL TOURの第二章はHEROIN
売春婦の常用者と、病気の痛み止めから麻薬常用者に転じて過剰摂取で亡くなったた若い女性の話。なんともすさまじい。中毒治療には膨大な費用がかかる。貧乏人は治療を受けられないが、最後に、ポルトガルでの麻薬対策成功例が書かれている。麻薬常用を犯罪ではなく、病気としてあつかうことで、劇的な効果があがるのだという。麻薬生産や流通や治療で膨大な費用をかせぐ仕組みの国に、それを期待するのは無理だろう。放火と消火で儲けるうまい仕組みだが、それを止める仕組みはない。今、第一章、Decayを読んでいる。こういう本の翻訳が出ないものだろうか。ベストセラーには決してならないだろうが、今考えるべき主題に満ちている。

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