アメリカ

2018年11月15日 (木)

軍産業複合体の狙いを隠すトランプ「貿易戦争」

2018年12月11日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 地政学な出来事が見かけ通りであることはまれだ。中でも中国とのものが最大のアメリカの膨大な年間貿易赤字を是正するという建前で、貿易戦争を装って、この春開始された奇異な「戦争」に注目する際、これは特にあてはまる。アメリカ国防産業基盤に関する新しい政府報告を通して見ると、他に説明がつかない中国に対するワシントン関税戦争攻撃の背後にある本当の駆動力が分かる。

 10月初旬に国防省率いるアメリカ政府機関間の特別委員会が、米軍に極めて重要な要素と原材料を供給するのに必要とされる国内産業基盤に関する一年間の研究の機密扱いでない部分を発表した。「アメリカの製造・防衛産業基盤強化とサプライチェーン回復力の評価報告」という題名の 政府機関間特別委員会文書は、余り注目されていない大統領令13806で一年前に委託されたものだ。

 報告は、近年における、米軍に重要な要素を供給する産業サプライチェーンの妥当性あるいは欠如についての、近年初めての詳細分析だ。

 300のギャップ

 機密指定から外された版の報告書は十分衝撃的だ。報告書はアメリカの軍事産業基盤における、300の「ギャップ」あるいは脆弱性のリストを挙げている。際立った詳細で、それが明らかにしているのは、国防に不可欠な部分を維持することがもはやできなくなっているのは、経済グローバリゼーションと海外移転の直接の結果なのだ。工作機械、溶接、エンジニアリングのような分野での熟練労働者の劇的な不足が詳述されている。数値制御工作機械のような重要な機械は、現在ワシントンとの関係が最善とは言えないドイツから輸入しなければならない。主要部品の単一供給元である小規模の専門的な供給元の多くは、近年の政府予算の不確実性に起因する破産の瀬戸際にあることが多い。アメリカの防衛産業は、ほとんど全ての希土類金属で中国に依存している。1980年代以来、供給元がはるかに安い資源を求めて中国に目を向けたため、アメリカ国内での金属採鉱は経済的理由で、事実上崩壊した。 今日軍装備品、超伝導体、スマートフォンや他のハイテク用途に必要な世界の希土類金属の81%が中国から来ている。

 脆弱性

 国防総省の防衛の産業基盤報告は、重要な部品を供給する、何十ものボーイングやレイセオンのような巨大な軍請負業者から、何万社ものより小さな企業の背後にある、戦争になった場合の脆弱さを判断するための試みだ。

 報告は「複数の事例で、国防省にとって、きわめて重要な品物の、唯一の残っている国内生産者は、そのアメリカ工場を閉鎖し、そうした企業を国内生産からやり追い出している同じ外国原産国からより安価な材料を輸入する瀬戸際だ」と指摘している。海軍艦船用プロペラ軸や戦車用砲塔やロケット用燃料や、ミサイル防衛用の宇宙における赤外線探知器などの「単一供給源」への依存という憂慮すべきボトルネックの可能性を浮き彫りにしている。

 報告は1950年代の冷戦用強化時期に開始された軍事産業基盤において最も徹底的な批判的検討だ。例の中には、現在国防総省の推進力システムで広く使われている化学物質の1つ、過塩素酸アンモニウムは国内に一社しか供給源がないという事実が挙げられている。 もう一つは、すべての電子装置に欠くことができないプリント回路基板メーカーが国内一社しかないという憂慮すべき事実だ。彼らは指摘している。「2000年以来、アメリカは世界生産のシェアが70%下落した。今日、アジアが世界のプリント回路基板の90%を生産しており、その生産の半分は中国で行われている。結果として、トップ20の世界的プリント回路基板製造業者の1社だけが、アメリカ本社だ。」

 もう一つ、それほど目に見えないが極めて重要な部品に、ASZM - TEDA1含浸炭素の製造がある。アメリカはたった1つの供給源に依存している。ASZM-TEDA1は、とりわけ有毒なガスと化学戦争攻撃から保護するためのものとして、国防総省の72種の化学・生物学・核ろ過システムで使われている。ピッツバーグのカルゴン・カーボンが現在唯一の供給元だ。

 もう一つの憂慮すべき(あるいはそれほど憂慮すできでないかは当人の立場次第だが)脆弱性は、極めて重要な電圧コントロールスイッチの信頼に足る供給だ。2017年、すべての国防総省ミサイルシステムで使われる電圧コントロールスイッチを作るために使われる半導体製造工場が閉鎖した。国防総省は、代わる供給業者を準備するのに間に合うよう連絡を受けず、アメリカのミサイルシステムを危険にさらすことになった。報告はアメリカ陸軍装甲車両のすべての大砲が、ニューヨークにある1813年創立の、老朽化したウォーターブリート・アーセナル製であることを指摘している。

 標的は中国

 アメリカの報告は、アメリカ兵器企業が、極めて重要な部品で、国防総省の最近の「防衛政策見直し」がアメリカの最も重要な戦略上の脅威として、ロシアとともに引き合いに出している国、中華人民共和国への外注に依存を主に批判している。

 中国供給元に対する希土類金属のほとんど完全な依存に加えて、ロッキード・マーティンのようなより大きい会社からの国防総省の兵器購入契約は、サプライチェーンを外注する最も効率的な供給源、しばしば中国に外注することになっている。報告書は「中国による希土類元素市場支配は、その戦略的産業政策によって方向付けられた中国による経済侵略と、アメリカの製造と国防産業基盤の脆弱性とギャップの間の、潜在的に危険な相互作用を浮き彫りにしている。」と述べている。

 見直しは、アメリカ防衛産業はその希土類資料の100パーセントを中国の製造業者に依存していると述べている。2016年の政府会計検査院報告は、それを「根本的な国家安全保障問題」と呼んだ。報告は別の部分で「不法な、不公平な取り引き慣行から解放されることなしでは、アメリカは、極めて重要な物質の外国供給者への国防総省依存を増大する危険に直面するだろう。」と指摘している。これは中国に対する明示的な言及だ。

 トランプ貿易戦争が中国の「不公正な貿易慣行」を焦点にしたのは決して偶然ではない。 貿易戦争戦略の責任者である政府高官ピーター・ナヴァロは、大統領によって国防総省の国防産業基盤報告書のとりまとめも任された。大統領補佐官(通商製造政策局長)ナヴァロは「ニューヨーク・タイムズ」で報告に関する論説を書いた。

 ナヴァロはアルミニウムや鉄鋼などに対するトランプ関税の紛らわしい狙いを、軍事産業基盤の危機と結びつけている。彼は基幹産業を強化する「鉄鋼とアルミニウム関税などの措置を挙げている。アメリカの知的財産と技術の中国による恥知らずな盗みと強制的移転対する断固とした防衛、軍事予算の大幅増加、政府調達のための「バイ・アメリカン」規則の拡大」。

 例えば、地上戦闘車両の装甲、海軍艦船を建造、軍用機建造するのに不可欠な要素である鍛造アルミニウム板は「将来、国防総省要求が急増した際、潜在的な生産ボトルネックになりうる危険があると、ナヴァロは、明示的に触れている。アルミニウムに関する輸入関税は国内のアルミニウム生産の復活を強制することを狙っているのだ。世界大戦時代の遺産として、ボーイングや他の航空機メーカーを勃興させ、1981年、アメリカは世界最大の主要なアルミニウム生産者で、世界供給の30%を生産していた。2016年までにアルコアに率いられた国内アメリカ産業は、世界生産のわずか3.5%を製造し、サウジアラビアのすぐ後、10番目に落ちている。中国は驚異的に大きい55%で世界のリーダーで、ロシアとカナダが続き、この三国は全て、ワシントンアルミニウム関税あるいは制裁の対象だ。

 国防総省政策が示唆するように、ロシアと中国との未来の可能性がある戦争で、アメリカの備えで、一体何が主要欠陥かをナヴァロは指摘している。「報告で認識されている最も大きい脆弱性の1つは、極めて重要な仕事に必要な熟練した労働者の欠乏だ。アメリカは、電子制御、核エンジニアリングやスペースのような部門で仕事を満たすのに十分な科学、技術、エンジニアリングと数学分野の労働者を生み出していない。また、我々は十分な機械工や溶接工や他の技術職労働者を、我々の艦船や戦闘車両や航空機を製造し、維持するように訓練していない。」

 近年外国や国際的な学生たちが、アメリカ大学大学院生と学部生登録者の大半を占めた。最近の研究で、アメリカの大学において、電気や石油エンジニアリング講座の全日制大学院生の81パーセントが外国人学生で、コンピュータサイエンスでは、79パーセントがそうであることが分かった。報告書は多くのアメリカ大学で、「専攻学科と大学院課程両方とも、外国人学生なしでは維持できない」と述べている。彼らの多くはアジア、特に中国出身だ。

 応急措置

 アメリカ政権は、ある特定の即刻の法案が主要なサプライチェーン・ギャップを埋め、国防授権法資金を海軍の未来の無人潜水艇用リチウム海水バッテリーや、最先端の燃料電池のような重要な国内の製造能力を拡大するために使うことを含め、300のギャップへの対処を計画している。それは、外国で製造される供給源が限定された戦略的で極めて重要な物資のための1939年の防衛備蓄計画をも復活させるだろう。

 報告の主な結論は「中国は、アメリカ国家安全保障上、戦略的で極めて重要とみなされる物資の供給にとって、極めて大きな危険となっている」ということだ。これは同じ中国に対して進行中のトランプ政権による貿易戦争の狙いが、これから数十年にわたって、先端的技術で、中国を最有力にすることを狙った、中国製造2025年計画を断念するよう圧力をかけることに実際集中しているかの説明にもなっている。

 より深いレベルでは、アメリカ防衛産業基盤を扱いながら、報告は、40年以上の自由貿易や、製造業の海外移転や、グローバリゼーション後の、全体的なアメリカ産業基盤の本当の状態の本格的暴露だ。良いニュースは、すべての武力威嚇にもかかわらず、第三次世界大戦が、近いうちにありそうではないことだ。 これは、アメリカの議論がはるかにより大きい問題に向き合うべき時期だ。全体的なアメリカ産業基盤を破壊した市場経済のグローバル化をどのように修正するべきか、戦争屋ネオコンが復活させることに興味皆無な民生経済をどのように復活させるべきか。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/11/12/trump-trade-war-hides-military-industrial-agenda/

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 パソコンを使わない大臣がセキュリティー担当。小生を首にした上司、パソコン電源をいれたのを一度も見たことがなかった。かなり後になって、彼が昔トップをつとめた部門は消滅した。

 今日の孫崎享氏のメルマガ題名は下記。歴史的事実を知らず、長年の政府洗脳に教化された見本の羅列のような、ネットでみられる多数の書き込みとは違う。

シンガポールで日ロ首脳会議。安倍首相は平和条約締結の意図。それは領土問題を最終的に決着させる意味を持つ。歯舞色丹を日本に返し、国後択捉をロシア領と認めることだ。選択はそれしかない。政府は誤魔化すのでなく正確に説明すべきだ。

 拝見しそこねていた下記IWJインタビュー後半を拝聴した。この記事の話題と直結するテーマ。日米二国間交渉に「毒薬条項」米国が迫る究極の二者択一「俺(米国)を取るか、中国を取るか今すぐ決めろ」by Donald John Trump~岩上安身による岩月浩二弁護士インタビュー 2018.11.2

 岩月弁護士のツイッターも妨害されている。「岩月浩二」と「Twitter」で、検索しても、表示されず、別人のものが出てくると言われた。試してみると、「このアカウントのツイートは非公開です。」Facebookでも、「このページはご利用いただけません」と出る。昨日、wsws、World Socialst Web Siteの、スリランカを話題にしたFacebook書き込みをt削除されたという記事を読んだばかり。どちらも、情報共有の場ではなく、情報検閲の場のようだ。

2018年11月14日 (水)

大量移民がローマ帝国を破壊した。大量移民がアメリカ帝国を破壊するだろうか?

John Wight
公開日時: 2018年11月1日  15:16
RT

 移民キャラバン中米から北へ、アメリカに向かっているのは、古い世界は死につつあり、新たな闘争が生まれようとしていることの更なる証拠だ。

 古代世界から我々が学べることは多い。そして、中でも最も顕著な教訓の一つは、紛争や社会崩壊、および/あるいは極端な貧困の産物である大量移民は、最も強力な帝国も破壊できるということだ。

 その軍団が、古代世界に1000年間巨像のようにそびえ立ち、その偉大で、残酷で、最も有名な名前 - カエサル、ポンペイウス、アウグストゥス、ネロ、ハドリアヌス、ウェスパシアヌス、コンスタンティヌスなどが - 千年も過ぎたにもかかわらず、いまだに畏怖と驚嘆を引き起こすローマをお考え願いたい。

 その絶頂期に、イタリア半島から、遥々西ヨーロッパを越え、北アフリカや中東にまで広がるこの帝国が、歴史のページから消し去られる可能性があると主張するのは愚の骨頂だったはずだ。

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 それでも、当時西ローマ帝国として知られていたものが、とうとう帝国国境を侵入するのに成功した、ゲルマン民族で構成される蛮族による継続的な侵略の後、屈伏し、その究極的終焉に至り、西暦476年に歴史から消えたのだ。

 ローマ権力の象徴 - 帝国の式服、王冠と紫の外套は - 当時の帝国東半分の権力の座、コンスタンチノープル(イスタンブール)に送られた。それにより、経済的、軍事的権力にかかわらず、永久に続く帝国は無いことを裏付けて、数百年の歴史に幕が下りた。

 実際は、ローマの終焉は長い時間をかけて起きたのだ。奴隷と、みつぎ物と、略奪を基盤に運営される帝国の矛盾は余りに大きく、その克服が不可能になるのは不可避だった。ローマ支配の下で、富とその誇示が余りに法外なエリート層を、何百万人もが貧困と不潔の中で暮らして維持することは、次第に継続不能になった。

 ここまでで、趣旨はご理解戴けたのではあるまいか。

 強制と支配と超搾取を基盤にして動くあらゆる経済体制は抵抗を生み出す。それを維持するために、更なる権力が用いられることになるが、それも、更なる抵抗を引き起こすことしかできず、それとともに不安定化する。この不安定化が、自国民や他国民の大量移動を生じさせる。

  その初期段階に、今の増大する移民危機が、ゆっくりと徐々に、欧米覇権の基盤を少しずつ崩していることで明らかなように、これが要するに、ローマを終わらせたものだ。2015年にヨーロッパを襲い、今も未解決のままの難民危機は、中米からメキシコを通って、アメリカ国境に向かって現在行進している上記の移民キャラバンは好例だ。

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共和党と民主党が吠え、噛み合っても、移民キャラバンは進む

 ここで、ちょっと寄り道して、意識の高まりではなく、狂気の高まりを示す、陰謀論を信じる人々の増加を考えてみよう。

 移民キャラバンが、ソロスが資金を出している芸当、および/または、アメリカ中間選挙に先駆けての民主党の策略だという考え方は、非常識でなくとも無意味だ。アメリカの軍国主義や経済的支配ゆえに中米の人々が何世代にもわたって受けた苦難は、今も途方もないものであり続けている。だから、その犠牲者たちの活動を否定することは、彼らの尊厳を否定するのに等しい。

 移民キャラバンの発生源、ホンジュラスは、2009年、民主的に選ばれたマヌエル・セラヤの左翼政権打倒に成功したクーデターの現場だった。

 クーデターはジョージア州フォート・ベニングにある(2001年に西半球安全保障協力研究所と改名された)悪名高いアメリカ陸軍米州学校卒業生のロメオ・ヴァスケス・ヴェラスケス将軍に率いられていた。中米とラテンアメリカの何千人もの軍や治安部隊要員が、第二次世界大戦以来、そこで拷問や暗殺や鎮圧の訓練を受けてきた。

 アメリカ外交政策専門家のスティーヴン・ズィネス教授によれば、ホンジュラス・クーデターは、オバマの監督下、ヒラリー・クリントン国務長官時代に起き、“とてつもない弾圧と、ウナギ上りの殺人率から、安全を求めて何万人もが難民として逃れる結果になる”時期を導いたのだ。

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 クーデターへのワシントンの直接関与は主張しないようズィネス教授は配慮しているが、その後、ホンジュラスの正統な大統領の復帰要求がはっきり拒否された事実が、何世紀にもわたり、この暗澹たる地域の様々な国々を、完全子会社と見なしてきた方針に関し、我々が知るべきあらゆることを物語っている。

 それで、移民キャラバンが北に向かって進む中、ワシントンではドナルド・トランプ大統領が、5,000人の兵士を国境に配備しながら、侵略と呼んでいる。ホワイト・ハウスのあらゆる住人は、大昔から不正に居直っていたが、トランプを見ているとローマ人哲学者セネカの言葉が奇妙にもよみがえる。「強欲にとって、あらゆる自然は少なすぎる。」

 トランプのあらゆる策略を突き動かし、決定している富や権力や地位や名声を求める飽くなき欲望は、彼がその産物である、病んだ社会と文化的価値観の象徴なのだ。こうした価値観こそが、移民キャラバンの原因であり、、こうした価値観こそが、ローマが当時占領していた、現代の世界を占領している帝国の没落を、やがて引き起こすのだ。

 極めて大規模な国家的プロパガンダが、いくら全く逆の報道をしようとも、貧しい虐げられたアメリカ国民は、アメリカ支配階級と共有しているかも知れないものより、移民キャラバンに参加している人々と、遥かに多くを共有していることは否定できない。アメリカ大陸でも世界全体でも、彼らが置かれ続けている危うい状態が、解放に至らないよう、彼らが決して、この事実を理解しないよう仕組まれているのだ。

ジョン・ライトは、Independent、Morning Star、Huffington Post、Counterpunch、London Progressive Journalや、Foreign Policy Journalなど様々な新聞やウェブサイトに寄稿している。

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 本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/442864-american-empire-migrant-caravan/

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 コストである年金や健康保険負担は国民にかぶせ、恩恵だけかすめとる大企業短期的利益のため、移民門戸開放に暴走する、国民には支持されておらず、宗主国支配層に維持されている亡国政権。必然的に、中期的には、ヨーロッパやアメリカの状態に、長期的には、ローマの状態に至るだろう。宗主国とともに。

不可侵のアメリカ-サウジアラビア関係はアメリカ帝国主義の根幹

Federico PIERACCINI
2018年11月4日
Strategic Culture Foundation

 過去数週間、イスタンブールのサウジアラビア領事館内におけるジャマル・カショギ殺人に関して、無数の記事や分析が生み出された。ところが、サウジアラビアとアメリカ合州国との関係は問われておらず、その理由も説明されていない。

 1971年のアメリカ合州国が金本位制から離脱するニクソンによる決定は人類の将来の方向に大きく影響を与えた。 1950年代中期以来、世界の国々が貿易にドルを使う必要がある結果、世界準備通貨となって、アメリカ・ドルの重要性は高まった。世界で最も消費される生活必需品の一つは石油で、その価格はOPECにより、アメリカ・ドルで設定されることが良く知られており、この組織はサウジアラビアに強く影響されている。

 それゆえ、オイルダラーの機能を理解するためには、リヤドを見なければならない。ドルが金本位制を離脱した後、ワシントンは、リヤドと、石油をドルのみで値付けする取り決めをした。見返りに、サウジアラビアは保護を受け、地域で自由に動くことが認められた。この決定は、他の国々に膨大な量のアメリカ・ドルを通貨準備として保有し、財務省証券購入するよう強いることになった。アメリカ・ドルと石油との間の関係が、この通貨に新しい生命を吹き込み、世界の金融と経済体制の中心に押し上げた。ドルが享受する、この特権的な役割が、アメリカ合州国が、その信頼性をもとに、他の国々に通貨バスケットに、財務省証券を貯め込むよう要求するオイルダラーに支援され、ただ不換紙幣を印刷するだけで、自国経済の資金調達をすることを可能にしているのだ。

 この仕組みは、無数の戦争(バルカン諸国、イラク、アフガニスタン)や、金融危機(1987年のブラック・マンデー、2000年のDotcomバブルと、2008年のリーマン・ブラザーズ・サブプライム危機)や、主権国家の破産(1998年のアルゼンチン)にもかかわらず継続している。この説明は、財務省長期証券購入者に返済する能力があるアメリカ・ドルとアメリカそのものへの信頼性に見出せよう。言い換えれば、アメリカが、ドルのおかげで、世界の金融・経済体制支配を維持し続ける限り、世界超大国としての優位を疑問視されることはまずない。通貨市場と特別引き出し権 (SDR)バスケットに対するこの影響力を維持するためには、石油をアメリカ・ドルで値付けすることが極めて重要だ。これが、少なくとも部分的には、ワシントンとリヤドとの関係縮小が不可能なことの説明になる。これがサウジアラビア-アメリカ関係が重要な唯一の理由だなどとは誰も信じ込むべきではない。ワシントンは、サウジアラビア・ロビーが降り注ぐお金の中で泳いでいるわけで、そのような気前の良さの受益者が、パーティーを止めたいと望むとは思えない。

 ワシントンとリヤドの間の合意は、リヤドがワシントンによる保護を受け、サウジアラビアが、黒い黄金をアメリカ・ドルでのみ売っている限り、王国内や地域でのリヤドの振る舞いを、ワシントンは見てみない振りをするという保障だ。この合意は、明らかに議論の的になるものであり、カショギの死や、リベラル主流マスコミが王国を攻撃している中でさえも、大衆から隠されている。だがこれはアメリカ-サウジアラビアの絆がこれほど固い唯一の理由ではない。サウジアラビアとアメリカとの当初の合意は、オイルダラーに関するものだった。しかし1979年、イランのイスラム革命(イランの民族主義者のムハンマド、モサデク首相は、1953年、アメリカとイギリスによって打倒されていた)以降、イスラエルの心からの同意を得て、リヤドとワシントンは、彼らの共通の敵に宣戦布告することに決めたのだ。1980年代、パキスタンとサウジアラビアとアメリカのシークレット・サービスによって聖戦士を徴募し、訓練し、武器を与えて利用する、アフガニスタンでのソ連に対する共同作戦を通して、リヤドとワシントンの協力は一層緊密になった。聖戦戦士テロの地政学的兵器としての利用はリヤドの経世策の主要な特長だ。

 サウジアラビアとアメリカとの間の関係は、単なる経済と保護の同意から、1980年代以来のジハードを戦略目標推進のために利用するという既存の協力を拡大して、ワシントンとテルアビブとリヤドの共通の敵に対する全面的協力へと進化した。イランとの状況が、アメリカの地域戦略にとって、一義的重要性を持つことになった。時間がたつと共に、リヤドは三役をこなしているのだ。つまり、オイルダラーの保証人、地政学的兵器としてのイスラム・テロ利用上の世話役、地域におけるイランへき対抗者だ。

 この関係は双方にとって有益だ。サウド家はワッハーブ主義の厳格な拘束に沿って、欧米の干渉無しに、自由に国家を運営している。またワシントンは、即座に他の国々が購入する財務省証券という形で、単に債務を印刷するだけで、無限の軍事支出能力を享受している(特に2008年危機と、量的緩和開始以来)。ワシントンは事実上、紙くずを印刷して、引き換えに消費財を手に入れ、アメリカ合州国が、イラクとアフガニスタンでの戦争で、6兆ドルも浪費しても、深刻な経済的影響に悩むこと無しに済んでいるのだ。

 ドナルド・トランプがホワイト・ハウス入りして以来、オバマ時代に始まった脱ドル化プロセスは加速するばかりだ。2012年のイランをSWIFT国際銀行制度から排除するという前例の無い動きで、作られた危険な前例は、他の国々への警報として機能した。アメリカ合州国は、ドルを地政学的敵国に対する武器として使って、支配的立場を進んで乱用する正体をさらけ出したのだ。

 この行為の影響は、今も感じられ続けている。欧米エリートの多くは、この過ちを認め、後悔している。ロシアと中国は次にまな板の上に載せられるのは自分たちなのを理解しており、ワシントンがモスクワと北京をSWIFT制度から排除しようとした場合に、バックアップ体制として機能するCIPSのような代替の支払制度創設に着手した。

 世界を更なる脱ドル化の方向に向かわせる上で、トランプはどの前任者より貢献している。経済制裁と関税が、アメリカ同盟諸国の信頼感を弱め、他の国々に代替案を探し始めるよう強いたのだ。商取引が、既に長年、ドル以外の通貨で行われているイランとロシアの例は教訓的だ。商取引でドルが使用されなくなったが何十もの他の例がある。だがより複雑なのは、ドルで行われていることが多い、民間あるいは公共企業の債務用資金調達だ。これは自国通貨がドルに対して、切り下がった場合、債権者に返済するために必要なアメリカ・ドルを入手するのが、より高価になり、主要国営企業が破産に直面する可能性をもたらし、産業を困難な状況に曝すことになる。2014年にルーブル攻撃でロシアが学んだように 自国の戦略的部門が、外国敵対勢力による経済的影響力にさらされる可能性は避けなければならない。

 金融取り引きでのドル使用を止める圧力は、次の金融危機がドル建ての世界の債務に影響しかねない恐怖からも由来している。金融危機は、アメリカ経済を破壊するのみならず、財務省証券を大量に保有する国々をも引きずり込むのだ。これは憶測や陰謀論ではなく、過去10年以上の、経済状況観測からの単なる結論だ。2008年、世界経済は、中央銀行による介入後、国民が持っていた信頼の結果救われたのだ。連邦準備制度理事会や、そのパートナー連中が作り出した腐食性の仕組みが何カ月かしてから明らかになった。中央銀行は、0%金利で、無限のお金の印刷を開始し、それを、サブプライム住宅ローン危機のような投機バブル崩壊で残された債務を補填するよう、銀行や金融機関に供給したのだ。

 普通の人々は、バーナンキとドラギが、TVで、"制度を救済するための未曾有の行為"について語るのを見て安心し、自分たちのお金は、銀行に預けたり、アメリカ・ドルで持っていたりしても安全だと感じたろう。次の金融危機 - 可能性としては、これまでになく大きいが - 連邦準備制度理事会や他の中央銀行による利上げか、無数の負債バブルの一つがはじけることによって、引き起こされる可能性が高い。肝心な点は、ドラギが言った通り、"[この量的緩和という兵器]は一度しか使えない"のだから、一般市民による制度への信頼の真価が問われることだ。何十億ドルもの金額の負債を抱えている銀行や投機組織には何の保護もなく、生き残れる可能性はない。

 ドルに基づく金融体制崩壊の可能性を考えて、いくつかの国々は保有する財務省証券を売って、危険性を減らし、金を買い集めている。これは中国とロシアだけの話ではなく、欧州連合もそうなのだ。

 そのような状況の中、特にこの地域が、テヘランから始まり、バグダッドとダマスカスを含み、ベイルートで終わる枢軸によって動かされているように見える現在、サウジアラビアとの関係の危機など、ワシントンには思いも寄らないものだ。リヤドは地域のイスラエル戦略にとって必要で、アメリカ・ドルに関する理由から、ワシントンもそれに続く。オイルダラーを維持する上でと、地域でイランに対抗するリヤドの重要性を考えれば、ワシントンのイスラエル・ロビーが、カショギ事件で、リヤドを罰することに熱心なアメリカ上院議員をなだめるために最善を尽くしていても驚くべきことではない。

 もしサウジアラビアが、カショギ事件でのMBSの潔白に本当に確信があるなら、この状況を、サウジアラビアの外交政策におけるワシントンの役割を弱め、自分に有利に利用することが可能なはずだ。東に向き、中国やロシアとの協力関係を強化すれば、地域全体に良い効果があるだろうし、世界におけるアメリカ合州国の重要性も低減されるだろう。サウジアラビアは何十年にもわたる分裂と確執で引き裂かれた巨大な家族に支配されている。MBSは自分の王国には興味がなく、自分の生き残りしか考えていない。彼はネタニヤフとトランプが、自分の支配を継続するための最良の策だと知っている。トランプも同様に、中間選挙と、2020年大統領選挙を考慮して、アメリカにおける自分の広報戦略での、MBSの重要性を周知している。サウジアラビアを取り込むトランプの交渉技術のおかげで、MBSはトランプにとって、巨大プロジェクトに資金を提供する金の卵を産むガチョウだ。もちろん、これは真実とはほど遠いが、重要なのは、この同盟にトランプが加えているひねりだ。

 皇太子は、進んで、公然とユダヤ人国家と外交関係を結び、両国間の関係を公表した初めてのサウジアラビア人君主なので、イスラエルはMBSの主要同盟国だ。アメリカ政府幹部、いわゆる陰の政府は、数週間、MBSを、トランプに対して利用しようとした。しかし、イスラエルが、アメリカ陰の政府の一部と共に、サウジアラビアとアメリカとの間の世界的な関係を縮小するのは危険だと考えた後、この戦略は終わった。MBSをわきへ押しやるのは非常に困難で、砂漠のダボス会議でみられた通り、王国内での彼の立場も、多くが想像するより堅固に見える。MBSと別れれば、アメリカの覇権的地位にとって、想像を絶する影響があるはずで、これは当面、ワシントンにはそうする余裕がないものだ。

 ワシントンの敵国に対する政治的、金融的兵器としてのジハードとオイルダラー利用は、ジャマル・カショギを早々と忘れ、サウジアラビアが行っている様々な虐待を無視する状態に戻る十分な理由だ。一極世界から多極世界へのこの移行過程で、アメリカと、地政学的敵に対して使える、兵器庫中の最も強力な兵器を放棄するわけには行かないのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/11/04/untouchable-us-saudi-relation-core-element-us-imperialism.html

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 ペンス副大統領も横田基地経由でおでましになられた。「お前たちは属国だ」と、FTA交渉推進を恫喝しに来られたのだ。傀儡が造語のTAG(物品)だと言っても、副大統領がはっきりサービスも対象(つまりFTA)とおっしゃっているのは大本営広報部でさえ隠せない。マッカーサーやトランプ大統領のように、基地経由でおいでになったことに、大本営広報部、触れたのだろうか?

 FTAをTAGと言い換えるのみならず、移民政策を入管法改正だと、呼吸するように強弁する傀儡売国奴。

 今日の孫崎享氏のメルマガ題名のほうが有象無象の虚報より説得力がある。

ペンス副大統領は何故訪日したか。?安倍首相の中国接近の動きに釘をさす。ペンスは10月4日ハドソン研究所で対中宥和政策の見直しの大演説。他方安倍首相は対中政策に「脅威ではなくパートナー」「自由で公正な貿易体制の発展」等提言?貿易交渉の厳しさ通知

 IWJガイドに、明日の田代秀敏氏インタビュー第三弾の知らせ。田代秀敏氏インタビュー拝聴をきっかけに、早速、中国関連本を数冊読んだ。知らないことばかり。

**2018.11.15 Thu.**

【IWJ_Youtube Live】14:00~「中国が新たな未来を切り開きつつある!? 対米追従路線を進む限り日本に未来はない! 21世紀人類最大のテーマ『米中覇権交代』!岩上安身による中国通エコノミスト田代秀敏氏インタビュー 第3弾」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

2018年11月13日 (火)

中間選挙こう着状態万歳! 民主党も共和党も戦争が大好き

Kurt Nimmo
2018年11月8日

 ありがたいことに“最近の記憶で最も重要な選挙”が終わり、結果は予想通りだった。

 民主党が今や下院を支配している。共和党は上院で何議席か稼いだ。持ちこたえることがトランプの仕事になる。民主党の攻撃をかわすのに、彼は大半の時間を費やすことになる。一方に偏った政治体制中の二大政党間の愚かなイデオロギー的縄張り争いが続く。こう着状態が、この国の状態だ。

 こう着状態は、今回の中間選挙で唯一肯定的なことだ。我々の自由を切り取り、新たな一群の過保護国家法制を押しつけるのに、国が更に苦労することを意味している。下院の民主党が上院に法律を送るが、それは共和党に拒否されるか、注記付きで返される。内輪の激しくつまらない口論と芝居染みた殴り合いが当たり前になる。法制定の中断は望ましい結果だ。

 だが頭が二つで一つ目の政党が共有しているものが一つある。果てしない戦争だ。

 民主党も共和党も戦争を愛している。戦争は、死の商人産業にいる社会病質者や本格的な精神病質者や、ウオール街や大きすぎて潰せない巨大銀行お仲間の膨大な利益源だ。政治家連中が付け入る賄賂の財源だ。

 トゥルシー・ギャバードやランド・ポールなどの例外を除き、議員のほぼ全員が、終わることのない戦争を支持している。選挙運動では不干渉主義者だったトランプが、非公式宣戦布告の丁寧表現である経済制裁でイランや中国やロシアを恫喝しており、この三国全てが、最後の対決となるはずのものに備えている。

 両“政党”とも、侵略と、宣戦布告なしの違法な戦争を支持しているということから、2018年中間選挙の結果は、どうでもよくなる。熱核兵器が種々雑多の格納庫やサイロから飛び立った後は、異なる人種や少数派の共生も取るに足らないことになるだろう。

 だが、こうしたことを語る人々はほとんどいない。長年の絶え間ないプロパガンダと、“娯楽”メディアによる社会的プログラミングのひっきりなしの累積で、アメリカ人はすっかり洗脳されている。中流階級や、医療費負担適正化法がスローモーションで消滅してゆくのに悩まされているにもかかわらず、ありもしない“民主主義”を、モスクワの破壊者ヴラドが骨抜きにするというたわごとを国民が進んで信じているので明らかな通り、敵となるものの茶番を受け入れ続けているのだ。

 社会的にも、経済的にも、我々は沸点に近づきつつある。ピカピカの資産バブルがすっかり焦げ付いて崩壊した後、数年おきに、赤ん坊に口づけし、シャッター・チャンスと集会を催しながら、皆様の最善の利益を考えていますと語る、うぬぼれた社会病質政治家連中以外、誰も望んでもいない最終戦争へと、ぐらつく不安定な国を導くだろう。

 滑稽にも代議制民主主義と呼んでいるこの歪んだ鏡の精神病院から本当に出たいのであれば、この国を去って、外国で安らぎを得る必要があると言われた。

 だが、もし私に家族に住みなれた土地を離れさせる経済的余裕があって、外国に向かったとしても、核の嵐に続く核の冬から我々を守ることはできない。

 隣人たちはそうではないが、私は本当にこれが気掛かりだ。たぶん駄目だろうが、これは避けられるかもしれない。この愚の骨頂を避ける唯一の方法は、洗脳や教化や無気力さの度合いを考えると、あり得ない民衆蜂起か、アメリカ合州国の規模を考えるとあり得ない外国軍隊による侵略と占領だ。

 差し当たりは、世界政府と世界単一通貨という最終段階に向かって活動している大企業ファシスト・エリート(アンティファが想像する「ふりをしているもの」でなく、本物のファシスト)が支配する、現状での立ち往生だ。

記事原文のurl:https://kurtnimmo.blog/2018/11/07/hurrah-for-midterm-gridlock/

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 大本営広報部、昼の中心話題は、ミッキーハウス女性の3億円横領容疑と、ジャパンライフ詐欺商法。取り上げるべき話題、水道民営化や、移民政策など山のようにあるだろうに。連中が、徴用工についてまともな取り上げ方をするわけもない。最近『スマホが学力を破壊する』という本を読んだ。たまたま会った多忙な知人も読んだというのに驚いた。使うのをやめれば、早くもとに戻るようだ。『テレビが知性を破壊する』という本ないのだろうか?おもしろおかしく、知性を破壊するこちらは、見るのをやめても、もとにもどるかどうかわからない。

 「街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋」から、下記最新記事をトラックバック戴いた。

醍醐總先生の外務省直撃インタビュー  韓国大法院徴用工(強制労働)訴訟判決に対する日本政府の対応について

 日刊IWJに、タイムリー再配信の下記知らせがあった。

【タイムリー再配信 289・IWJ_Youtube Live】20:00~「徴用工の歴史に目を背け、現代で再現しようとする安倍政権~11.2岩上安身による岩月浩二弁護士インタビュー」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定):https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): https://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 11月2日に収録した、岩上安身による岩月浩二弁護士インタビューから、徴用工に関する内容部分を冒頭のみフルオープン再配信、その後は会員限定で再配信します。岩月浩二弁護士に関する記事は以下のURLからご覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%B2%A9%E6%9C%88%E6%B5%A9%E4%BA%8C

2018年11月12日 (月)

ネタニヤフの中東プロジェクトは破綻しつつある

Alastair CROOKE
2018年11月5日
Strategic Culture Foundation

 5月に、イスラエルの有力評論家ナフム・バルネアが、イェディオト・アハロノト紙(ヘブライ語)で明確に書いていた。トランプ中東政策の背後にある‘取り引き’。バルネアはこう書いていた。 [5月8日]アメリカのJCPOA離脱後、トランプは‘炎と怒り’の雨をテヘランに降らせると威嚇し … イランがシリア領を使ってイスラエルを攻撃するのをプーチンが抑えると期待できるので、ネタニヤフは(先に同意したような、国境地域でのみならず)シリア国内のどこででも好きな時に、報復の恐れ無しに、イスラエルがイラン軍を攻撃し破壊できる新たな‘ゲームのルール’を自由に決めることができるようになる。

 これはネタニヤフ戦略の一つのレベルを表していた。イランの自制、プラス、シリア上空でのイスラエルの組織的な空爆作戦のロシアによる黙認。“[この取り引きについて]明らかでないことが一つだけある”、ネタニヤフに極めて近いあるイスラエル国防省関係幹部がベン・カスピットに語った。“つまり誰が誰のために働いているのかだ。ネタニヤフがトランプのために働いているのだろうか、それとも、トランプ大統領がネタニヤフに奉仕しているのだろうか ... 外から見れば … 二人は完全に一致していにように見える。内部から見ると、一層そのように見える。この種の協力は … 時に、二人は、実際、まるで一つの大きな事務所の用見える”。

 ここには、最初から、もう一つの段階もあったのだ。この‘逆さまのピラミッド’中東工作には、単一の出発点として、ムハンマド・ビン・サルマーン (MbS)がいた。“ムハンマドを、超保守派の石油豊富な君主国を現代へと導く態勢にある改革者として支持したのはジャレッド・クシュナーだった。昨年、ムハンマドこそが、中東和平計画をうまく作り上げるための鍵で、皇太子のお墨付きがあれば、アラブ世界の大半が続くだろうと個人的にクシュナーが何カ月も主張した”とワシントン・ポストは報じている。ポスト紙は、更に続ける。“当時の国務長官レックス・ティラーソンの反対や - ジム・マティス国防長官の警告に反して、大統領として、最初の外国訪問をリヤドにするよう義父に強く主張したのはクシュナーだった”。

 今やMbSは、何らかの形で、カショギ殺害に連座している。長年のサウジアラビア観察者で、元CIA &アメリカ国防省幹部だった、ブルッキングス研究所のブルース・リーデルは“50年間で初めて、王国は不安定化勢力になった”(地域の安定化ではなく)と述べ、ワシントンの側に今や明らかな‘買い手の後悔’的要素があると示唆している。

 イスラエル人幹部がカスピトに‘シームレスな業務プロセス’と言ったのは‘stovepiping(ストーブ煙突)’として知られているもののことで、ワシントン官僚を‘回路’から外し、あらゆるアメリカ政府による監督を回避し、官僚が内容に助言する機会を奪い、外国の政策主張や諜報情報が大統領の耳にそのまま伝えられることを意味している。そう、これが今カショギでの戦略的大失敗という結果になっている。しかも、これはもちろん、それ以前の戦略的‘失敗’の後に起きているのだ。イエメン戦争、カタール包囲、ハリーリ首相拉致、リッツ-カールトン・ホテルでの、王子たちに対する、ゆすり。

 この混乱を改めるため、これらの手に負えない事件に秩序を取り戻し、更なる向こう見ずな‘間違い’を防ぐべく、MbSの顧問連中に、一定のチェック・アンド・バランスを導入するため、欧米亡命中の‘叔父’(アハマド・ビン・アブドゥルアジズ王子)がリヤドに派遣された(アメリカとイギリスの諜報機関から安全保障を得て)。アメリカ議会も、アハマド王子が常に反対してきた(MbSの皇太子昇格にも反対したように)イエメン戦争は止めて欲しいように見える。(マティス大将は、30日以内の停戦を呼びかけた。) これは王国のイメージ修復に向けた一歩だ。

 MbSは、今の所、皇太子のままでいる。シーシ大統領もネタニヤフ首相もMbS支持を表明し“[カショギ殺害に対する]より断固とした対応をアメリカ幹部が静観する中、クシュナーは地域におけるアメリカ-サウジアラビア同盟の重要性を強調した”とワシントン・ポストは報じている。MbSの叔父(アブドゥルアズィーズ・イブン・サウード国王の息子として、伝統的な継承制度の下では彼自身が次の国王だ)が、サウド王家の名声、そして王国の名声に対する打撃を、ある程度修復しようと願っているのは確実だ。彼は成功するだろうか?  MbSが余りに多くの敵を作った権力の極端な集中を、アハマドが元に戻そうとするのに、そもそも実現するのに、MbSが応じるだろうか? サウド王家に意志はあるのだろうか、それとも、事件で狼狽しているのだろうか?

 エルドアン大統領は、もしワシントンが彼の要求に十分答えなければ、トルコが持っている証拠を更に漏洩し、この微妙な過程を台無しにしかねない。いまだに強いカードを隠し持っている可能性が高い(殺人部隊とリヤド間の電話傍受などの)エルドアンは、スンナ派世界に対するオスマンの指導力復活を売り込む用意があるように見える。だが、こうしたカードも、ニュース報道がアメリカ中間選挙に変わり、価値は減りつつある。

 時間がたてばわかるが、サウジアラビア内の‘不安定性’について述べた際、ブルース・リーデルは、この不安定な力学のつながりのことを言っていたのだ。だがここで問われている疑問は、こうしたことがネタニヤフとMbSの対イラン‘戦争’にどう影響するかだ。

 2018年5月は、今や遠い昔のように思える。トランプは、いまだに同じ‘トランプ’だが、プーチンは同じプーチンではない。ロシアの国防支配者集団は、シリア内のイラン軍を狙ったものとされるイスラエルのシリア空爆に対する不満を表明して大統領に意見を述べた。ロシア国防省は、ミサイルの帯と電子無力化システムをシリア領空全域に布陣した。政治的にも状況は変化した。ドイツとフランスが、シリア和平のためのアスタナ・プロセスに参加した。ヨーロッパは、シリア難民に帰国して欲しいと願っており、これはつまり、ヨーロッパはシリア国内の安定を要求しているのだ。一部の湾岸諸国も、とりあえず、シリアとの正常化を開始した。

 アメリカは依然シリア内にいる。しかし(アメリカ人牧師解放の後、トルコ諜報機関がまとめたあらゆるカショギ・カードをポケットに忍ばせて)新たに活気づいたエルドアンは、イスラエルとアメリカが支持している北と東シリアのクルド・プロジェクトを粉砕するつもりだ。アメリカとイスラエルのためにこのプロジェクトに資金提供していたMbSは関与を止めるだろう(カショギ殺害を巡りエルドアンが出した要求の一部として)。ワシントンも、イランの‘泥沼’として機能するのを狙っていたイエメン戦争は直ちに終わって欲しいのだ。ワシントンはカタールとの摩擦も終わって欲しいのだ。

 こうしたことはネタニヤフ中東プロジェクトの本格的崩壊を意味するが、最も重要なのは、二つのさらなる挫折だ。つまり、アメリカのあらゆる‘チェック・アンド・バランス’システムを回避した、ジャレッド・クシュナー経由の、トランプへのネタニヤフとMbSのストーブ煙突の喪失だ。クシュナーの‘ストーブ煙突’は、ワシントンに、迫る‘過ち’の事前警告もせず、クシュナーは、それを防ぐことも出来なかった。アメリカとイギリスの議会も諜報機関もこうした問題に既に強引に押し入っている。彼らはMbSのファンではない。ムハンマド・ビン・ナーイフ王子が彼らの意中の人物だったのは周知の事実だ(彼は依然‘宮殿軟禁’下にある)。

 トランプは依然‘イラン・プロジェク’とイスラエルとパレスチナとの「世紀の取り引き」(名目上、背後にスンナ派世界の群れを従えたサウジアラビアが率いるを続けたいと願っているだろう)。トランプはイランとの戦争を求めてはおらず、むしろ政府を転覆させるイラン国内での民衆蜂起を確信している。

 二つ目の挫折は、アハマド王子の明らかな狙いが、イラン内の不安定、またはイランとの衝突を除外していることだ。彼は王家の名声を回復し、スンナ派世界における指導部の信任を取り戻したいのだ、イエメンでの戦争で、そして今はトルコからの直接の新オスマン帝国秩序という挑戦の下でボロボロになった。サウド王家は、悲惨で金のかかる戦争(イエメン)を、別のもの - 巨大で強力な隣国イランとのより大きな紛争で、置き換える気は毛頭ないように思われる。今それは全く意味をなさない。おそらく、これが、パレスチナ人に対する何の改善も無しに、アラブの国の正常化をイスラエルが急いでいるのを我々が目にしている理由だ。

 イェディオト・アハロノト紙の5月記事で、ナフム・バルネアは、正確に述べていた。“トランプは[JCPOAからの]アメリカ脱退を宣言し、それだけで済ませることが出来たはずだ。しかし、ネタニヤフと彼の新チームの影響のもとで、彼は更に進むことを選んだ。対イラン経済制裁は、核合意が調印される前にそうだったより、ずっと厳しいものになるだろう。“連中の財布を攻撃することだ”とネタニヤフはトランプに助言したのだ。“連中の財布を攻撃すれば、連中は息が詰まる。連中の息が詰まれば、彼らはアヤトラ連中を追い出すだろう””.

 これも、アメリカ大統領に直接伝えられた、もう一つの‘ストーブ煙突’助言だった。彼の閣僚たちが、彼にそれは夢想だと助言できていたはずなのだ。経済制裁だけで国を転覆した例はない。アメリカは、その司法的支配権を執行用の仕組みとして使えていたはずなのに、イラン制裁で、事実上、自らを孤立させてしまった。ヨーロッパは、これ以上の不安定を望んでいない。ヨーロッパはこれ以上の難民がやって来るのを望んでいない。金正恩を交渉の席につかせたのは、トランプの強硬姿勢だったのだろうか?  あるいは、おそらく逆に、金正恩はトランプとの会談を単に朝鮮統一を推進するために支払わねばならない代償として見ているかも知れないではないか? トランプはイランは経済的苦痛を味わうだろうが、経済制裁にもかかわらず、耐えるだろうと警告しただろうが? していない。そう、これは主に‘ストーブ煙突’に耳を傾けるのに、ついて回る問題なのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/11/05/unraveling-netanyahu-project-for-middle-east.html

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 植草一秀の『知られざる真実』 で紹介されている集会、
株式会社経済から共同体共生経済への転換」所用で参加できなかったが、拝聴したかった方々が並んでいる。

 ついに!日刊IWJガイドを読んで本当にびっくり。当ブログの翻訳部分のみを転載する行為は、当方の意図を妨害する活動だと思っているが、今回はまさに適例だ。外国でおきている重要なことが、実は日本で起きているものとつながっていると思えばこそ、外国の記事を翻訳している。本文でなくとも、つながる重要な具体例を削除するのは、検閲とは言わずとも、妨害ではあるだろう。

 植村隆氏裁判の不当判決の実況をしていたIWJのツイッターアカウントがツイッター社により次々に6つも凍結!  IWJは対抗措置として凍結されたツイート内容をテキスト記事にしてアップします!2018.11.12日号

 20日ほど前に、下記で、Facebookとツイッター両方による組織的検閲に関する記事を翻訳したばかり。今回の彼らの検閲、宗主国で始めた動きと、完全に同期している。

 インターネット検閲は未曾有の飛躍をしたばかりだが、ほとんど誰も気づいていない
Catline Johnstone 10月13日

 今日の日刊ゲンダイDIGITALは秀逸。

専門家に聞く 日米FTAの行方と暴走するトランプへの対抗策

大本営広報部、昼の洗脳白痴化番組の話題は何だろう。日刊ゲンダイは、政府・大本営が何と呼ぼうと実質FTAの真実についてのビデオも提供している。

2018年11月11日 (日)

インフラに投資するロシアと中国;軍事に支出するアメリカ

Eric ZUESSE
2018年11月6日
Strategic Culture Foundation

 中国の“一帯一路構想”は国内インフラ投資の延長として有名だが、ロシアもインフラに大規模投資をしている。両国とも、それぞれの国民の将来を向上させるために、そうすることが必要で、両政府はインフラ構築と維持用の支払いで、大きな借金を負うことになる欧米開発モデルを避けていた。両国は、実際、非常に債務が少ない政府だ。

 エコノミストの“Global Debt Clock”(世界負債時計)によれば、中国のGDPに対する政府債務は17.7%で、ロシアは8.0%だ。比較すると、アメリカは93.6%だ。(他の国々は、ドイツが85.8%、スペインが91.2%、イタリアが122.6%、ギリシャが147.1%、インドが54.2%、パキスタンが47.0%で、ブラジルは55.0%だ。)

 アメリカ合州国は、インフラの構築や修復に資金供給するためにではなく、既に(遥かに)世界最大の(その経費という点であって、軍隊の人数ではない)軍の拡張に資金供給するために債務を負っているのだ。

 アメリカ政府は現在世界の軍事支出の約半分を使っておりロシアや中国や、(イランやシリアなど) これらの‘敵’と協力する全ての国々を征服することを計画している(ここに書いた主張の真実性に疑念をもたれたら、リンクをクリック願いたい)、ロシアと中国は、国家経済を押し上げ(主としてアメリカが引き起こす)地球温暖化の影響を最小化するために、インフラ強化を計画している。アメリカ支配層が征服標的にしている国々が、第二次世界大戦で、ヒトラーや他の枢軸国が、そうなろうとしていた世界ファシスト帝国を、アメリカ支配層の明らかな第一番の目標である、アメリカ支配者がとうとう達成する「世界中の支配と征服」実現には失敗すると予想しているがゆえに、こうした楽観的で、長期的支出のインフラ・プロジェクトが計画され、実行されているのだ。

 対照的に、アメリカ・インフラは朽ちつつある。最近のあらゆるアメリカ大統領はこの崩壊を止めると約束したが、誰も、アメリカのこの朽ちかけたインフラを修理するために、何ら本格的なことはしなかった - いつも口先だけのから約束だ。年間1兆ドル以上も‘国防’に使う国には、橋や道路など‘待てない’ものの修復のために使う資金はほとんど残らず - 修理は先のばしにされ、これまで以上の更なる資金が、F-35計画などの新兵器購入に当てられる。

 一方、ロシアと中国は両国の未来に備えており、それが戦争でないことを願っている。

 11月1日、ロシアのテレビは“ロシア、インドとイランは、スエズ運河の代替貿易経路開設を望んでいる  - 報告”という見出しで“海と鉄道を組み合わせた経路の7,200キロの回廊”について報じている。

 この経路で、貨物をインドからイランの港ハンダル・アッバースに輸送することが可能になる。更に商品は陸路でイランのカスピ海の港バンダレ・アンザリーに送られる。その後、商品はロシア南部の港アストラハンに出荷され、そこからヨーロッパに鉄道で運ばれる。新たな輸送動脈は、輸送時間と費用を、40パーセントも削減する可能性がある。

 “世界最北: 北極に、ロシア、世界最北の鉄道を建設”という見出しと、もう一つ“日本、シベリア横断鉄道でのロシア、中国と韓国との接続の可能性実験に向かう”という見出しのリンクされた記事がある。

 もし、アメリカ政府のロシア破壊計画が成功すれば、これらの新規、あるいは延長版インフラは皆、アメリカと、その同盟諸国に破壊されるか、乗っ取られるだろう。(乗っ取られる場合、たぶん、日本の支配層が、そうする新政権の一部になろう。) 結果として、こうした新インフラ構築と拡張は、ロシアの賭けで、破壊者による全面戦争は避けられるだろうことに賭けるという明らかな証拠だ。アメリカとその同盟諸国が征服したがっている国々は、征服や何らかの形の戦争ではなく、未来を期待しているのだ(アメリカ侵略に備えて、戦争に備える必要はあろうが)。現在、アメリカとNATO同盟諸国は、史上最大の軍事演習を行っており、ロシア侵略のこうした準備は、以前ソ連のワルシャワ条約軍事同盟だった国々、全てロシア国境付近か沿って行われている。アメリカと、その同盟諸国は、ロシアと中国が彼らを脅かしていると言うが、ロシア国境のこれら膨大な兵士や戦車や飛行機は、連中が主張しているような防衛的なものでは全くなく、侵略だ。もしロシアが、アメリカ国境沿いに、同じことをしたら、我々アメリカ人は一体どう感じるだろう? その場合、ロシアは自衛をしているのだと我々は感じるだろうか? ロシアがアメリカやその同盟諸国におびえるのは理にかなっている。アメリカからわずか数百マイルに、ソ連がミサイルキューバに配備した際、アメリカはソ連におびえた。この国は、そこで、こう恫喝した。お前がそうするなら、我々はお前に戦争をしかける。彼らに対するアメリカの脅威は、1962年、キューバ・ミサイル危機の際のアメリカに対する脅威よりもずっと大きいにもかかわらず、ロシアは同様な対応をしていない。

 現在、アメリカ政府が望んでいることと言えば  特にロシアや中国や、これら‘敵’と事業を行っている国々を意味する世界征服だ。アメリカ支配層の主要同盟者は、サウド王家とイスラエルで、いずれもが、イランを憎悪し、破壊を懇願しているので、イランもアメリカの主要標的だ。この三つの標的国家が、アメリカ政府によって征服されるのを避けたいと願ってはいるが、彼らの支出の大半は、アメリカや、その同盟諸国に対する防衛ではなく、自国内経済向けだ。(ところが、1991年以来、アメリカと同盟諸国は明らかに、一貫して攻撃者で、NATO同盟をロシア国境にまで拡張した。ロシアは、ワルシャワ条約同盟をアメリカ国境まで拡張せず、ワルシャワ条約を1991年に終わらせた。ロシア支出のどれも、アメリカと同盟諸国が今シリアやイエメンなどの国々で、そして、おそらく、間もなくイランでも、しようとしているような外国征服向けではない。だから、アメリカ政府、には、この件に関しては、全くの罪悪と、侵略以外、何の言い訳もあり得ない。)

 現在“西”と“東”には実際違いはあるが、民主主義と独裁制の間の違いというよりは、第二次世界大戦での枢軸国対連合国の間の違いに近い。そして実際、アメリカ政府は、民主主義か、そうではなく独裁制かを判定すべく、科学的に分析され、一貫して、こうした厳密な研究で、億万長者、支配層による国民に対する独裁制で、全く民主主義ではないと認められ続けている世界で唯一の政府なのだ。しかも、ある国が独裁制なのか、あるいは警察国家なのか、それとも、そうではなく国民によって支配されている民主主義なのかという程度を示す主な結果の圧倒的多数の指標は、アメリカは独裁制、あるいは警察国家でさえあり、アメリカが、その‘敵’と呼ぶ国々のほうが、ずっと“軍産複合体”の所有者のような少数の独占的エリートに対してでなく、それぞれの国民に奉仕する民主的な側であることを示している。(アメリカと同盟諸国による、逆に'民主主義'側だと称する、EUを構成するアメリカ属国のこの記事のようなアメリカ同盟諸国のプロパガンダは、明確な説明無しの‘民主主義’の形式だけに、民主主義そのものの本当の評価ではなく、その背後で、支配層がその国を支配している、単なる見せ掛けに過ぎないことが多い)それにまつわる形式のみの順位に常に基づいている。

 アメリカは、ウソと軍事力間の調整に最大限依拠する現代独裁制の典型と化した。これこそが、現在、支配層に役立つよう、世界の軍事費の半分を使って、善を悪、悪を善と呼び、支配層“ビッグ・ブラザー”のためになるよう、小説家のジョージ・オーウェルが後に“ニュースピーク”と呼んだものを‘ニュース’報道や注釈に押しつけるヨーゼフ・ゲッベルス体制完成させた理由なのだ。今はそうなっている。11月1日、Global Researchの『ボウソナロ: マスコミが作り出した怪物』という見出し記事で、今世界を悩ませている、ナチズムとして知られるイデオロギー、人種差別主義ファシズムを、アメリカと同盟諸国の“リベラルな”支配層がいかにして、生き返らせたかをジョナサン・クックが説明している。

 2014年5月28日、アメリカのニュースピークの巨匠バラク・オバマが、米国陸軍士官学校の士官候補卒業生に、アドルフ・ヒトラーお気に入りの“ドイツよ、すべてに冠たるドイツよ、この世のすべてに冠たる国”の新アメリカ版をこう説明した。

 アメリカ合州国は必要欠くべからざる国であり、そうであり続ける。[それゆえ、他の全ての国々は‘なくても困らない’。我々は、だから“アメリカよ、すべてに冠たるアメリカよ、この世のすべてに冠たる国”なのだ。] これは過去一世紀、事実であり、次の一世紀にも真実だ。… アメリカは、常に世界という舞台を率いなければならない。もし我々が率いなければ、他の誰も率いない。… 旧ソ連諸国に対するロシアの侵略が、ヨーロッパの首都をろうばいさせ、中国の経済と軍事的勢力範囲の拡大が、近隣諸国を懸念させている。ブラジルからインドに至るまで、増大する中流階級は我々と競合する。[彼はここで、この将来のアメリカ軍指導者たちに、彼らはアメリカ支配層のために戦うべきであり、支配層が抵抗するあらゆる国を打ち破るのを助けるべきだと語っているのだ。] … ロシアのウクライナにおける最近の行為は、ソ連戦車が東ヨーロッパになだれこんだ時代を想起させる。だが、これは冷戦ではない。世界世論を形成する我々の能力が、ロシアを孤立化させるのに役立っている。アメリカによる指導のおかげで、世界は即座にロシアの行動を非難した。ヨーロッパとG7は、我々に加わり経済制裁を課した。NATOは、東欧の同盟諸国に対する貢献を強化した。IMFはウクライナ経済安定化を支援している; 欧州安全保障協力機構の監視が、ウクライナの不安定な部分に世界の目を向けた。

 実際は彼の - オバマの - 政権が、2014年2月、ロシア隣国のウクライナを極めて残虐なクーデターで征服し人種差別-ファシスト反ロシア政権を据えたのだ。この傀儡政権は、今日まで、現地で権力を掌握できるようにするべく、十分な人数の親ロシア有権者を殲滅する人種浄化作戦を進めている。このクーデターはウクライナを破壊し、オバマが打倒した、民主的に選ばれたウクライナ大統領に75%以上が投票していたウクライナの地域を、すっかり離反させ、これら親ロシア地域はウクライナから別れた。アメリカ征服後、ウクライナに残ったものは、ナチスの混乱と、欧米納税者や銀行に借金を抱えて崩壊した国だ

 しかも、オバマは(サダム・フセインに関するブッシュの言葉を使えば)シリアでの“政権転覆”を主張した。シリア国民だけが、そうする権利を持っており、外部のどの国も、それを押しつける権利はないと、国連事務総長は、一日に二度も主張した。オバマは彼を無視し、自分の試みを継続した。実際、オバマは、シリア政府とシリアの同盟国ロシアによる爆撃に対して、アルカイダのシリア支部を守り、一方アメリカは、これら聖戦士が政府を打倒するのを防ごうとしているシリア軍を爆撃している。ムアンマル・カダフィ“政権転覆”のためにオバマはリビアを爆撃し、バッシャール・アル・アサド“政権転覆”のために、シリアを爆撃した。そこで“アメリカは爆弾を投下する。EUは難民と非難を受ける。これは正気と思えない。”トランプがオバマよりナチス風であることを除いて、オバマの後継者トランプは、ウクライナに関してのみならず、イエメンとシリアに関しても、他のことでも、オバマ政策を継続している。オバマからトランプへの変化は、ソフトなナチスからハードなナチスだ。それだけだ。トランプは羽目を外したアメリカ政権なのだ。

 毎日、アメリカ政権は外国で多数の人々を殺害している。この記事を執筆している現在、11月3日、シリアの状況について、例えばニューヨーク・タイムズより遥かに信頼できると私が思うシリア・ニュースが"新たなハジン爆撃で、アメリカ率いる連合軍、15人の一般市民を殺害”という見出し記事で“ISISと戦うという口実の下、アメリカと取り巻き連中が、いずれもアメリカからの支援を受けていて、時折[お互いに]戦闘しているISISとSDFが運用する事実上の障壁を、シリア-イラク国境に設置しようとしている”と報じている。侵略(と、それに関するウソ)は、アメリカ政府にとって、ごく当たり前のことだ。

 1月19日、ジェームズ・マティス‘国防’長官が“今やテロではなく、大国との競合が、アメリカ国家安全保障における最大の関心事だ”と述べた。これはつまり、アメリカによるロシア、中国両国に対する、おそらくイランに対する戦争も意味している。だが、もしヨーロッパの人々が、tこの計画に反対して立ち上がらなければ、アメリカの“政権転覆”爆撃による更なる難民を背負い込むのみならず、1991年にワルシャワ条約軍事同盟が終わった時に、終わっているべきだった同盟であるNATO軍事同盟を通して、アメリカ侵略の一環であることに対し、ヨーロッパそのものに報復するロシア爆撃も間もなく受けることになる。NATOを今終わらせるか、征服するために、世界に押しつけようと、明らかに、固く決心したアメリカ支配層による大虐殺に加わるかのいずれかだ。選択は実に単純なのだ。

 全世界を、連中の威圧的で経済制裁に満ちた‘自由市場’の奴隷にしようという、アメリカと同盟諸国の支配層の計画に対し、世界の人々が効果的に反撃できる唯一の方法は

(1) アメリカ・ブランド商品をボイコットし、できる限り、あらゆる国際取り引きをアメリカ・ドル以外のいずれかの通貨で行うこと。そして

(2) 2003年のイラク、2011年のリビア、2012年のシリアや、2015年のイエメンや、2014年にウクライナを征服しナチ政権を据えたクーデターを含むアメリカ・クーデターなどのアメリカ侵略を支持しているあらゆる政治家に反対票を投じること。そして、

(3) 可能ならば、諸国で占拠している、あらゆるアメリカ軍事基地に反対する行進を組織すること。該当国の国民が自国を支配するため、占領軍隊は追放されるべきなのだ。

 そうしなければ、アメリカ支配層が世界略奪を継続できるだけだ。巨大な政治力を持ったひと握りのアメリカ集団による、この世界的ファシズム復活鎮圧を、標的にされた国々に任せるだけでなく、世界の人々が自分のつとめを果たすべきだ。これは、アメリカと最も緊密に動いている二つの支配層、イスラエルとサウジアラビアも見捨てることも意味している(両国とも、ロシアと、その同盟諸国を標的にする以上に、イランと、その同盟国を標的にしている)。上に挙げた三つのステップが存続可能な世界に向かう唯一の道だ。ナチスを孤立化させ、公に辱めることだ。

 誠実でなければ、どのような進歩も不可能なのだから、ニュースピークも今すぐ終わらせなければならない。

 これらの措置は全て道徳的に正しいだけではない。現在の進路は深刻な不正だけでなく、忌まわしい世界の未来に向かっているので必要なのだ。

 不幸にして、国連はこの重要なことのどれも実行できない。できるのは世界の人々だけで、この地球に継続する生命、生きる価値ある生活をあらしめるために、そうするはずだ。

 追記: アメリカ人(筆者)が、ロシアをアメリカの主要同盟国と見なし、and views 最近のアメリカ大統領たち(1990年2月24日のジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュから始まって)をアメリカの裏切り者 - アメリカ人と、全世界の敵と見なすのは奇妙だと考える方は、以下の歴史的事実を考慮願いたい。

 ヤン・ルドヴィクの "The Poverty of Statistics: Military Power、Defence Expenditure and Strategic Balance”、2014年1月  Central European Journal of International and Security Studies によれば(157ページ)、第一次世界大戦で勝利するための相対的支出、ロシアが 24%、イギリスが 22%、アメリカが 21%、フランスが 20%で、イタリアは 13%だった。ロシアは連合国の中で一番費やした。第二次世界大戦では、勝利するための相対的支出は、ロシアが 58%、イギリスが 20%、アメリカが 12%で、フランスは10%だ。またもや - しかも、今度は圧倒的に - あらゆる同盟国の中で、ロシアが圧倒的に、連合軍総費用の58%を費やした。この戦争で、それより多く使った唯一の国はドイツで、もちろん敗者(“枢軸”)側で、この戦争で、ロシアが勝利のために使ったよりも37%余計に使って負けたのだ。第二次世界大戦中、ドイツは、枢軸側全体の75%を費やした。日本は17%費やし、イタリアは8%費やした。だから、第一次世界大戦は、主にロシアとドイツとの間のものだったし、第二次世界大戦も、そうだった。しかも、これは他の計算からも明らかだ。

 同じ情報源(159ページ)は、ロシアの軍隊は第一次世界大戦の勝利した側で戦ったものの46%で(#2はフランスで、20%)、第二次世界大戦で勝利した側で戦った軍隊の55%(第二次世界大戦でも、フランスはやはり#2位で、20%だ)だったことを示している。

 更に、第一次世界大戦では、ロシアの軍隊はドイツとオーストリアを合わせたよりも(人数の上で)38%多かった。そして、第二次世界大戦では、ロシアの軍隊はドイツと日本とイタリアを合わせたより4%少なかったが、ドイツの人数の倍だった。

 だから第二次世界大戦のみならず、第一次世界大戦でも、勝利の最大の貢献者は、いずれも圧倒的に同じ一つの国、ロシアだった。アメリカの貢献は、いずれの場合も、ずっと小さい。そして現在、アメリカ指導部も外国の同盟諸国もヒトラーの衣鉢後継者ナチスと化し、これらナチスの要求通りにするのを拒否しているがゆえに、ロシアを“敵”と呼んでいる。

 もちろん、それぞれの戦争で、それぞれの側に、もっと他の国があった(例えば、Wikipediaは十以上の“第一次世界大戦同盟諸国”を挙げている)が、ルドヴィクは、二つの大戦での、双方の側の主要なもののみを計算したのだ。

 だから、動ける全ての人は今、これに対して行動を起こすべきなのだ!

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/11/06/russia-and-china-invest-infrastructure-us-instead-spends-on-military.html

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日刊IWJガイドの記事にびっくり。玉城デニー沖縄県知事によるニューヨーク大学での講演が拝聴できるようだ。早朝の拝聴は厳しいが。

【IWJ・エリアCh6・NY】4:00~「玉城デニー沖縄県知事によるニューヨーク大学での講演」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach6

 玉城デニー沖縄県知事は、基地問題をはじめとする沖縄の実情や自身の考え方などについてアメリカに幅広く発信するため、11日から訪米します。沖縄県主催の、ニューヨーク大学での講演会を中継します。現地時間では11月11日(日)14:00からですが、14時間の時差があるため、日本では早朝になります。※現地の状況によっては録画収録になる可能性もあります。

 これまでIWJが報じた玉城デニー氏関連の記事は、以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%8E%89%E5%9F%8E%E3%83%87%E3%83%8B%E3%83%BC

2018年11月10日 (土)

習主席についでモディ首相と会談した安倍首相:アジア新‘協力圏’?

F. William Engdahl
2018年11月5日
New Eastern Outlook

 トランプ政権による中国と日本両国に対する貿易戦争の最も重要な結果の一つは、最近の北京における日本の安倍晋三首相と、中国の習近平主席との外交・経済会談だ。東シナ海の係争中の島嶼を巡り、関係が冷却して7年で初めての、日本首相によるそのような会談だっただけではない。アジア最大の経済圏で、新たな政治・経済戦略が始まるかもしれないことを示してもいる。北京を発った数時間後、東京で、安倍首相はインドのナレンドラ・モディ首相をもてなした。これは、新たな多極世界での新たな側面の前兆なのだろうか、それとも単に安倍首相の抜け目のない政治なのだろうか?

 北京での会談を、単なるシャッター・チャンスと見なしているわけではないことを示して、安倍首相は日本企業幹部約1,000人の財界代表団を帯同した。李克強首相が、会談中に、180億ドルの商談がまとまったとを発表した。両国は将来の通貨危機に備え、290億ドルの通貨スワップ再会にも合意した。両指導者は、将来、緊張状態になった場合に、通信するためのホットライン設置にも合意した。安倍首相が習主席を2019年の日本訪問に招待したのも大きな一歩だ。

 中国通貨の信頼性への極めて大きな後押しとなる、日本の外貨準備への中国人民元組み込みに日本が同意したことは、マスコミではさほど報じられていない。中国は、日本銀行による中国政府国債への直接を認めるだろう。

 中国でも日本でも、マスコミ報道で触れられていなかったのは、安倍総理から習主席に伝えられた天皇の歴史的な申し出だ。日本の情報筋によれば、1930年代の日本による中国侵略を、中国人に正式謝罪するため、明仁天皇が来年4月の退位前に中国訪問を希望していることを安倍首相は伝えた。同時に、天皇は習主席を日本訪問招待した。報道によれば、習主席は天皇の中国訪問決定とは関係無く招待を受けた。天皇のこうした動きを、北京と中国は、象徴にとどまらないものとして受け止めている。

 最近、マレーシアやパキスタンや他のパートナーから批判されている、中国の野心的な一帯一路構想インフラ・プロジェクトへの参加を日本が再考するよう、李首相が正式に促したのは注目に値する。アメリカと中国に次ぐ、世界三番目の産業経済である日本と積極的に協力する姿勢を示すことで、中国は他国の参加を促進することを狙っているのだ。最近まで発展が遅れていた国が、これほど多くの国々や文化にわたって、BRIで一連の多国間プロジェクトを進める中国のような国は歴史上存在していない。“借金漬け外交”や、現地事情に十分配慮しないという非難は、BRI、経済シルク・ロードに対するワシントンとEUの批判派が、大はしゃぎで、中国を攻撃する機会になっている。少なくとも日本との交渉から判断して、北京はその過ちかは、素早く学んでいるのは明らかだ。

 交渉時に、安倍首相が使ったキャッチフレーズは“競争から協調へ”だ。習主席は“二国間関係は元の鞘に戻り、前向きな動きが本格化している”と述べた。安倍は北京に第三国のインフラ投資での協力を依頼したが、タイやインドや他の国々で、インフラ契約のため激しく競争することが多かった両国にとって、これは大きな前進となり得る。更に、安倍首相と李首相は、最先端技術と知的財産権に関する“イノベーション対話”を始めることにも同意した。アジアの二大経済大国が多数のBRIプロジェクトへの参加に合意する中、一帯一路構想に日本が積極的に協力するよう李首相が安倍首相に依頼した。両国は、朝鮮半島の非核化を進める共通の願いも表明した。

 地政学的転換 - 日本・インド・ロシア

 安倍首相による、数カ月にわたり入念に準備されていたこの動きは、1945年後時代で、日本にとって注目すべき点だ。ズビグニュー・ブレジンスキーが言った通り、ワシントンで、日本はアメリカの単なる属国と見なされていた。1985年、ドル危機がワシントンを脅かすと、アメリカのジェイムズ・ベイカー財務長官は、アメリカ・ドルを円に対して切り下げるプラザ合意に同意するよう日本に無理強いした。二年以内に、ドルは50%以上も下落し、伝説的な日本の資産バブルが始まった。1990年バブル崩壊の影響は今も日本を悩ませている。日本は今に至るまで、忠実にアメリカ財務省証券を買い続け、中国とロシア両国を狙う挑発的なアメリカTHAADミサイル防衛システム配備に合意した 。

 アメリカ・ミサイル防衛兵器の日本国内配備に同意して、わずか数カ月前まで北京を怒らせていた日本が、北京との明らかな和解に至った動きには大きな可能性がある。両国とも非核化のさなか、二つの朝鮮間で、経済的、政治的つながりを回復する動きの出現に大きな関心を寄せている。1990年代末、筆者と話し合う中で、ある元アメリカ北京大使が言ったように、冷戦終了以来 北朝鮮に対してのみならず、中国に対しても、更に可能性としては日本に対しても、アメリカ海軍艦隊を日本海で維持するための口実となるよう、アメリカは朝鮮半島の状況を操り、再三危機を起こしてきた。

 北京帰国から、ほぼ数時間のうちに、安倍首相は東京でインドのナレンドラ・モディ首相と会談した。両者は国防大臣と外務大臣レベルで定期的対話を開始することに合意した。更に両国は、中国とBRIが活発な国々であるバングラデシュやミャンマーやスリランカでのインフラ・プロジェクトでも協力する。これは中国-日本の新たな“競合ではなく協調”宣言の極めて重要な試験となる可能性がある。もし日本とインドが、中国や関係諸国を建設的協力対話に含めれば、それが固定された“中国製”青写真ではなく、関係する全ての当事者が交渉できるダイナミックな骨子であることを浮き彫りににして、一帯一路構想を大きく後押しすることになる。

 中国との合意同様、日本はインド中央銀行とも二国間通貨スワップ協定を締結したが、こちらは750億ドルだ。将来の新たな金融上の暴風や、アメリカによる関税や経済制裁のリスクを、日本は明らかに予期しているのだ。ムンバイ-アフマダーバード間新幹線プロジェクトの80%を、0.1パーセント金利、支払い猶予期間15年間、50年以上の長期低利貸し付けで、日本は既に資金提供している。両国は朝鮮半島の非核化外交を支援することにも合意した。

 わずか数日前の安倍首相と習主席の友好的会談を考えれば、モディとの会談の明らかな狙いは、アジア全体にとって、確実に、より効果的な発展ができるような形で、二つの経済大国-中国とインド-と日本が深く関わり合うのを保障するためだ。ワシントンには歓迎されざるものであるのは明白だが。

 中国とインドとの協力を深めるのと同時に、日本は、もう一つの極東の大国で、この巨大な国との東部を経済発展に開放するのに熱心な国ロシアとの関係を深めつつある。日本は、既存のシベリア横断鉄道と、フェリー航路を利用して、貨物回廊として、ロシアと中国と日本と韓国を結ぶ物流試験を実施すると発表したばかりだ。フェリー航路で、中国の吉林省を、ロシアのウラジオストック、韓国の東海と日本の境港と結びつける。これは日本-ロシア貿易を大きく押し上げる可能性があり、ロシアの広大な大地に9297キロメートルにわたって伸びる現在のシベリア横断鉄道で進行中の改良への支援になる。これで現在の62日の航路を劇的に短縮し、運送費を推計40%削減できる可能性がある。

 こうした構想全てが、ワシントンの干渉無しで、彼ら自身に任された場合の、アジア大国や諸国の間における建設的関与の大きな可能性を示唆している。だがワシントンの物の見方は、石器時代の代物である“力は正義なり”、世界に冠たるワシントンであり続けている。退任までアメリカ合州国欧州陸軍(USAREUR)司令官だったベン・ホッジス退役中将が、昨年ワルシャワ安全保障フォーラムで最近講演し、こう述べた。“15年以内に - 必然的ではないが - 中国と戦争をする可能性が非常に高い。”彼は詳しくは語らなかった。2018年1月、国防省は、国防省新国家防衛戦略を公表した。中国とロシアをアメリカが今後直面する最大の潜在的脅威だとして挙げた。この情勢の2014年以来の劇的変化が、一体どうして起きたかは、NATOが支配する欧米主要マスコミに我々が再三聞かされ続けているものとは全く無関係だ。たとえ戦争が必要であろうとも唯一の超大国としてのワシントンの将来に関係しているのだ。これはかなり粗野で、結局のところ、実に愚かだ。未曾有のアジア成長構想に、多くの国の一つとして加わり、アメリカが再び偉大な経済大国として回復するという考えはどうだろう? 次のいまいましい戦争よりは良いだろう?

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/11/05/abe-meets-xi-then-modi-a-new-asia-cooperation-sphere/

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 大統領記者会見でのCNNジム・アコスタ記者と大統領とのやりとり、どの呆送局も延々流す大本営広報部。東京新聞の望月記者と菅官房長官のやりとりを同じだけの時間をかけて、正面から扱っただろうか?扱っているだろうか?

 筆者の言うような、器用な二股外交、一体可能なのだろうか?

 近刊『知ってはいけない 2 日本の主権はこうして失われた』の著者、矢部宏治氏による記事、えっ!? いまのままでは日本が世界平和に「貢献できない」ワケ は重い。二股外交、極めて困難に思えてくる。

 町の書店では、洗脳「日本スゴイ」本が山積みだが、最近、大型書店で『日本が売られる』が平積みになっているのに驚いた。 ,むき出しの売国政治を暴く本書、ベストセラーになって欲しいもの。手にとれば、バカエティ番組など見ている暇などなくなるはず。今国会で議論されている外国人労働者受け入れについては、「日本人の仕事が売られる」という見出しの章で、いよいよ本命「移民50万人」解禁だという小見出しで、158ページで触れられている。これは、「老後が売られる」という介護問題とも、つながってる。そして、今国会では、まだ、大きく議論されていない重要な水道民営化については「水が売られる」という最初の章で、触れられている。最近、発効について報じられたアメリカ抜きのTPPについても、もちろん触れられている。「牛乳が売られる」は、美味しいチーズが安くなるという大本営広報部の洗脳キャンペーンを粉砕する。「ギャンブルが売られる」では、外国人ではなく、日本人を標的にした宗主国カジノの話題。どの章も、庶民生活に直結する重要な問題ばかり。ベストセラーにならないことの方が不思議に思える。

 今日の日刊ゲンダイにも重要記事がある。ブレーキ役の環境省が…ゲノム編集作物を野放しにする理由

日刊IWJガイドの見出しにはびっくり。放置国家に暮らしているのを痛感させられる。

はじめに~ まさか、まさかの不当判決!! 自称ジャーナリストの櫻井よしこ氏に誹謗中傷されてきた元朝日新聞記者の植村隆氏が、櫻井氏らを名誉毀損で訴えた裁判で、札幌地裁は櫻井氏がまともな取材や事実の裏づけを行わず、デマを拡散していた事実を認定しながら、原告の請求を棄却!「正義が法廷で実現されていない!」しかも報告集会と、過去の植村氏インタビュー再配信のツイッターでの実況アカウント3つが、不当に凍結される「事件」も!! /本日午後2時30分より、岩上さんが植村隆氏と札幌訴訟弁護団事務局長の小野寺信勝弁護士にインタビューを行います! 緊急性と公共性に鑑みフルオープンで配信します! もちろん別アカウントで実況します!

また、

IWJは玉城知事の訪米に記者を一人派遣、同行取材を行います! どうかご支援ください!

ともある。日本外国特派員協会での知事会見を拝見すれば、訪米時の様子を知りたくなる。

田中龍作ジャーナル デニー知事訪米 「アメリカの皆さんに直に訴えたい」

2018年11月 9日 (金)

政治活動のためにジャーナリズムを放棄した売女マスコミ

2018年11月8日
Paul Craig Roberts

 トランプ大統領がジェフ・セッションズを司法長官に任命した際、売女マスコミはセッションズに反対し、彼はその職に適していないと言っていた。彼が更迭された今、売女マスコミは彼の擁護者だ。

 MSNBCのレイチェル・マドーがトランプによるセッションズ更迭を非難する今日の抗議行進を組織したという報道がある。https://news.grabien.com/story-msnbcs-maddow-organizing-street-marches-protest-sessions-fir

 CNNのジェイク・タッパーは、更迭は“暴力団員の手口”だと思うと語り、ウォーターゲート時代のジョン・ディーンに、セッションズ更迭は“殺人のように計画されもの”だと言わせた。https://www.cnn.com/videos/politics/2018/11/07/saturday-night-massacre-sessions-john-dean-jake-tapper-newsroom-intv-bts-vpx.cnn

 売女マスコミは、どこも同じだ。

 セッションズは、ロシアゲート捜査に関与せずに、マラーが権限を越えることを可能にしたので、セッションズが更迭されたことを、売女マスコミは怒っているのだ。例えば、マラーによるマナフォート起訴は、ロシアゲートとは全く無関係だ。トランプを憎悪している売女マスコミとトランプを憎悪している民主党は、二年たっても全く空振りの捜査を、いまだに、なんとか活かそうと願っているが、一方、司法長官は、何も見つけられず、無関係なことに迷い込むんでいる捜査を終了するだろう。

 マドーが示す通り、セッションズを巡るマドーであれ、ホンジュラスからのキャラバンをめぐるCNNのジム・アコスタであれ、売女マスコミは自分たちのメディアとしての立場を、報道のためではなく、トランプ反対運動のために利用する政治活動家になっている。https://www.breitbart.com/politics/2018/11/07/white-house-suspends-jim-acostas-press-pass-after-combative-briefing/

 “アメリカ最初の黒人大統領”が 民主的に選ばれた政権を打倒し、ワシントンが選んだ人物を据えた際、アコスタはホンジュラスについて何らかの懸念を示しただろうか?

 実際、CNNのホストを25年間つとめたラリー・キングが、CNNはトランプを報じるために、ニュース報道を止めたと語っている。https://thehill.com/homenews/media/415669-larry-king-hits-cnn-stopped-doing-news-to-focus-on-trump

 NPRも同じことをやっている。毎日、トランプ、トランプ、トランプだ。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/11/08/presstitutes-abandon-journalism-for-political-activism/

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 今日の日刊IWJガイドにあった下記会見を拝見した。理路整然。

【IWJ・Ch4】11:00~「日本外国特派員協会主催 玉城デニー沖縄県知事 記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 「日本外国特派員協会」主催の玉城デニー沖縄県知事 記者会見を中継します。これまでIWJが報じた玉城デニー氏関連の記事は、以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%8E%89%E5%9F%8E%E3%83%87%E3%83%8B%E3%83%BC

 

中間選挙をどう解釈すべきか?

2018年11月7日
Paul Craig Roberts

 中間選挙に対する私の考えを、読者の皆様が問うておられる。

 このCNN地図 https://www.cnn.com/election/2018/results/house を見れば、北東海岸と西海岸の人口密度の低い地域と、南西部と南部のヒスパニックと黒人居住地を除けば、アメリカ全体は圧倒的に共和党に投票している。

 “惨めな連中”たるアメリカ中央部の人々は、トランプを守りたかったがゆえに共和党に投票したのだと私は思う。彼らは二つの理由で彼を守りたかったのだ。一つは、アメリカ大企業が彼らの仕事を輸出して引き起こし、アメリカ労働人口と中流階級を貧窮化させた、彼らの経済的窮状をトランプが取り上げたことだ。もう一つは、民主党がアイデンティティ政治を採用して、民主党が白人を憎悪する党になったことだ。特に、少数派、同性愛者や女性の加害者として定義される白人異性愛男性を。白人を問題と見なす民主党に投票するのは全く愚かな白人だけだ。

 クリントン夫妻までは、民主党は労働者階級を代表していた。民主党が企業を代表する共和党を相殺していたのだ。それで物事のバランスはとれていた。だがクリントン夫妻支配下の民主党は、共和党が民主党支持有権者の仕事を海外移転することを認めてしまった。自分たちの支持者を裏切るのと引き換えに、クリントン夫妻は、共和党による民主党への資金提供を得たのだ。両党とも今は同じ大企業資金で動かされている。

 民主党に見捨てられた労働者階級が、今、共和党に投票しているのだ。

 民主党支持有権者に、もはや、よりどころのない労働者階級は含まれていない。民主党は憎悪に向かったのだ。彼らは今や憎悪の政党だ。民主党は、アイデンティティ政治上の“被害者集団”に憎悪するよう教える。この憎悪は、白人民主党員を被害者にする。民主党は白人票を失うが“被害者”票を得る。移民は最終的には、民主党のアイデンティティ政治による支配の下で、アメリカ白人が餌食にされる集団になる白人票よりも多い“被害者”票に確実になってくれる。実際、多くの民主党員が言っていることに注意を払えば、それが彼らの意図だとわかる。

 私が最後の数時間に聞いた報道によれば、75%の民主党員はトランプを弾劾したがっている。報道はなぜかは説明していない。唯一の理由は憎悪だと思う。トランプは女性の局部をわしづかみにする億万長者白人男性圧制者の典型なのだ。

 そういうことだ。

 トランプは共和党から出馬したのに、言っていたことは民主党だったのは驚くべきことだったと思う。彼はロシアとの和平を目指していた。彼は労働者階級の雇用を目指していた。平和と雇用は民主党のスローガンだ。だが民主党は、彼は圧制的白人男性の典型なので、彼を憎悪し、この理不尽な憎悪から、彼らは、そのような平和が連中の予算と権限を脅かすため、ロシアとの平和に強く反対する軍安保複合体と同盟した。民主党はh陰の政府と協力して動き、ロシアとの和平を阻止し、失われたアメリカ労働者階級票を穴埋めするために、第三世界からの移民の民主党票を得るため、労働者階級の経済生活を更に破壊する、膨大な第三世界からのアメリカ移民を擁護した。

 民主党は、不法在留外国人の雇用が、アメリカ労働人口中流階級の所得に依存していることを、どうやら理解していないのだ。こうした所得が消滅すれば、不法在留外国人 は、もはや、ありもしない雇用のためには、やって来なくなる。生計手段を失ったアメリカ人が支払っている福祉の恩恵を受けに彼らはやって来る。

 白人アメリカ人が罪悪感に屈して崩壊しない限り、民主党はおしまいだと思う。中間選挙は民主党最後の花道なのだ。

 これは将来がバラ色であることを意味するわけではない。民主党がトランプ に世界の他の国々に対して、攻撃的姿勢をとるよう強いたのだ。これは、アメリカには支えきれない攻撃だ。威張りちらす性格のトランプが引き下がれるのだろうか?

 トランプは、一体どうやって、イスラエル人係累から逃れられるのだろう?

 それが可能とは思えない。大使館移転や他の彼の決定や、彼とユダヤ人娘婿のネタニヤフとの緊密な関係を撤回しなければならなくなるが、これは外交上のみならず、トランプがイスラエルによる支配からのワシントンの独立を主張して、破綻すれば、家庭問題にもなってしまうだろう。

 それによって、彼が民主党ユダヤ人から政治的支持を得られないのだから、トランプがイスラエルに服従しているのは奇妙だ。トランプは、エルサレムをイスラエルの首都として認めた最初のアメリカ大統領であり、唯一の国家元首だと思うのだが、中間選挙で、大多数のユダヤ人は民主党に投票した。

 アメリカ下院の権力の座に就いたユダヤ人のアダム・シフは、トランプ大統領捜査を待ちきれないと言っている。シフは、トランプをやっつけることができると確信しているようだ。実際、アメリカ国民にほんのわずかしかいないユダヤ人が、今や5つの最も重要な下院委員会委員長になった。ジェロルド・ナドラーが司法委員会、エリオット・エンゲルが外交問題委員会、ニタ・ローイーが歳出委員会、アダム・シフが情報委員会、そしてジョン・ヤーマスが予算委員会だ。

 アメリカ史上最もユダヤ寄りの大統領、トランプがアメリカのユダヤ人の標的になっているのは、一体どのように説明できるだろう?

 パレスチナ人大虐殺というイスラエルの中東政策に対するトランプの全面的支持に対するより、ユダヤ人が被害妄想から、ユダヤ人にとっての脅威と見なしているユダヤ人以外の異教徒社会を崩壊させることに、ユダヤ人は興味を持っているというのが、おそらくその説明だ。

 ドナルド・トランプ以前には、ちっぽけで取るに足らない国イスラエルに対し、トランプがしたように、これほど完全に身を売るアメリカ大統領はいなかった。自国大統領がイスラエルの足元にひれ伏す中、誇り高いアメリカ人はどれほど“惨め”なことか?

 アメリカをイスラエルに従属させながら、トランプは一体どうやってアメリカを再び偉大にするのだろう?

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/11/07/what-do-we-make-of-the-midterm-election/

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 参院予算委 小池書記局長の質問と、政府側のひどい回答、みものだった。
「しんぶん赤旗」2018年11月8日の論戦ハイライト として載っている。
圧巻の追及 政府、答弁に窮す
暮らし・外交 深刻な実態ただす
参院予算委 小池書記局長の質問

 岩波書店の月刊誌『世界』12月号
今の時期の話題が並んでいる。電車の週刊誌中吊り広告やら、絶望的に浅薄な昼のバラエティ番組と大違い。

  • 特集1 移民社会への覚悟
  • 特集2 米国政治の変化と基層 さらに
  • 沖縄の選択

 中間選挙については、二つのブログ記事を拝読した。

植草一秀の『知られざる真実』
大勢判明中間選挙後の米国政治情勢

五十嵐仁の転成仁語
トランプ大統領の暴走へのブレーキを生み出した米中間選挙

今日の日刊IWJガイドによれば下記会見がある。

【IWJ・Ch4】11:00~「日本外国特派員協会主催 玉城デニー沖縄県知事 記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 「日本外国特派員協会」主催の玉城デニー沖縄県知事 記者会見を中継します。これまでIWJが報じた玉城デニー氏関連の記事は、以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%8E%89%E5%9F%8E%E3%83%87%E3%83%8B%E3%83%BC

2018年11月 7日 (水)

今回の選挙は一体何を問うものなのか

2018年11月5日
Paul Craig Roberts

 アメリカ人の無頓着さには驚き続けている。読者が支配者集団の候補者なのに、なぜトランプを支持したのかと問う電子メールを送って来られる。もしトランプが支配者集団の候補者だったら、支配者集団が一体なぜ彼を破壊しようと二年間も費やすのだろう?

 正しい結論を導きそこねているのは、驚くべきことだ。トランプは大統領選挙運動中も、就任演説でも、支配者集団に宣戦布告していたのだ。

 当時、私が書いた通り、トランプは大統領の権力を非常に過大評価していた。彼は支配者集団が、彼の従業員同様に、彼の意志をすぐに受け入れると期待しており、ワシントンを、彼の狙いを支援するため誰を任命すべきかを、知らなかった。彼はdefeatedロシアとの関係を正常化する彼の意図では完全に。そのかわり、我々はロシア、中国両国が戦争に備える状態に直面している。

 言い換えれば、ヒラリーが実現したであろうものと同じ結果なのだ。

 トランプは、支配者集団に悩まされる余り、理路整然と考えるのに苦労している。一体いつからのことか、初めての支配者集団ではない候補者として、“惨めな人々”によって、彼は選出されたのだ? 同じような大統領を探すには歴史をさかのぼらなければならない。おそらく、アンドリュー・ジャクソンだ。ジミー・カーターとロナルド・レーガンは民主党と共和党支配層の好みではなく、既存支配体制は、両方の大統領を束縛すしようと素早く動いた。民主党支配者集団は、カーターの予算長官と大統領首席補佐官の両方をはめて排除し、彼が狙っていることの実現に必要なある種の要素をカーターから奪った。共和党支配者集団が、レーガン政権の権力ある地位につけろと主張したブッシュ一派が、彼の改革的経済計画と、冷戦を終わらせる彼の決意を邪魔するのに成功した。レーガンのために、私はこの両方の戦いに加わり、今も傷が残っている。

 トランプは“の幹部と主要株主の利益のためだけに、アメリカ多国籍企業によって仕事が海外移転された惨めな”中流階級によって選ばれた部外者だ。ごく少数の人々がsold out縮小しつつあるアメリカ中流階級。

 世界中の他の国々で、トランプの本当の同盟者は、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグアの大統領、元エクアドル大統領、“アメリカで初めての黒大統領”に打倒され、その結果アメリカ国境に向かうキャラバンとなった元ホンジュラス大統領なのだ。支配者集団はトランプを徹底的に混乱させるのに成功したので、中南米の既存支配体制派ではない指導者たちに対して、彼は支配者集団の戦争を宣言した。

 すると、今回のアメリカ中間選挙は一体何を巡るものなのだろう?

 “惨めな人々”が支配者集団の売女マスコミに洗脳されて、下院と上院の選挙で、トランプを支持しそこねるかどうかなのだ。もしアイデンティティ政治が、その政治である民主党が、下院および/あるいは上院で多数派になれば、トランプは完全に無力になる。支配者集団は、将来のあらゆる大統領候補に、決して支配者集団の既得権益をさしおいて、国民に訴えかけてはいけないという教訓を叩き込みたがっているのだ。

 アメリカでは民主主義などはウソだ。少数独裁支配で、国民は少数独裁支配の下で、いくら苦しもうと、服従し、受け入れなければならない。国民を代表する大統領候補などもうたくさん。これが、支配者集団が、中間選挙で大衆に教えたがっている教訓なのだ。

 今回の選挙は、一体何が争点であるべきだろう? もしアメリカに自立したマスコミがあれば、選挙は、軍事的に強力な二国にアメリカとの戦争に備えさせている、ワシントンが作り出し危険な状況を巡るものだったはずだ。これは私の人生の中で、最も深刻な展開だ。軍安保複合体の権力と利益という物的権益のおかげで、レーガン大統領がそのために努力したもの全てが覆された。

 もしアメリカに自立したマスコミがあれば、選挙は、無頓着なアメリカ人が受け入れた、9/11のウソ、大量破壊兵器のウソ、化学兵器使用のウソ、イラン核兵器のウソ、ロシアによるウクライナ侵略のウソに基づくアメリカ警察国家を巡るものだったはずだ。大量の戦争犯罪を引き起こした、こうしたウソの責任がある連中は、その理由から、アメリカ政権に起訴されるべきなのに、尊敬され、裕福だ。私たちは市民的自由とプライバシーを失った。警察国家の邪魔になる人々は全てなぎ倒される。

 もしアメリカに自立したマスコミがあれば、選挙はアメリカ合州国の産業空洞化についてのものだったはずだ。現在、この記事が明らかにしている通り https://thesaker.is/the-pentagon-realised-what-it-has-done-the-chinese-put-the-us-army-on-its-knees/ アメリカ製造業や産業の海外移転で、アメリカ軍は中国供給業者に依存している。

 それなのに、トランプ政権は中国と面倒を起こし始めた!

 もしアメリカに自立したマスコミがあれば、セルビアや、アフガニスタン、イラク、ソマリア、リビア、パキスタン、シリアやイエメンに対する20年間にわたるアメリカとNATO/EUの戦争犯罪や、残ったパレスチナ人に対するイスラエルの戦争犯罪に対するアメリカとNATOの支持、“アメリカで初めての黒人大統領”オバマ政権が民主的に選ばれたウクライナ政府を、ワシントンが打倒し、ウクライナに据えたネオナチ政権の犠牲者になるのを住民が拒否して分離したロシア地方に対する戦争犯罪をネオナチ政権が行うのをアメリカとNATO/EUが支持していることに反対する選挙になっていたはずだ。

 もしアメリカに自立したマスコミがあれば、選挙はイランに対する画策された悪魔化に関するもののはずなのだ。トランプが任命した全くのたわけもの国務長官が(大ばかものは発言を許されるべきではない)イラン政府が普通の国のように振る舞うことに同意しない限り、ワシントンは、イランを潰すつもりだと宣言したばかりだ。

 “普通の国”で、ポンペオは一体何を意味しているのだろう。彼はワシントンから進軍命令を受ける国を意味しているのだ。イランはどこの国も侵略していない。今権力の座にある政府は、ワシントンとロンドンが民主的に選ばれたイラン政府を打倒した際に、ワシントンがイランに押しつけた独裁者シャーを打倒した政府の継続だ。

 卑劣なポンペオが実際言っているのは、イランはシリア同様、南部レバノンへのイスラエル拡張の邪魔なために、イランとシリアが、イスラエルによる南部レバノン侵略を二度打ち負かしたヒズボラ民兵に供給しているために、イランは取り除かねばならないということだ。称賛されているイスラエル軍は、非武装のガザ・ゲットーで女性や子供の殺害くらいしかできない。

 もしアメリカに自立したマスコミがあれば、ワシントンが一方的に、イラン核合意に調印したヨーロッパやロシアや中国の反対を前に、条約から離脱し、イスラエル以外、世界のどの国も支持していない経済制裁を課すことを正当化するような一体何をイランがしているのか正確に言うよう、誰かがポンペオに質問しているはずだ。

 だがもちろんアメリカには自立したマスコミはない。NPR、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、CNN、MSCBS、フォックス・ニューズなどの売女集団がいるだけだ。

 誠実で自立したマスコミ無しで、政府の責任追及はない。アメリカには誠実で自立したマスコミはない。それゆえアメリカでは政府の責任追及はあり得ない。

 “惨めな人々”はジレンマに陥っている。彼らが選んだ大統領は、既成支配体制に圧倒されてしまって、彼らを代表することができない。逆にトランプは、戦争屋ジョン・ボルトンを、国家安全保障問題担当補佐官として、戦争屋ポンペオを アメリカ国務長官として、支持者に与えたのだ。彼がアドルフ・ヒトラーを任命しているも同然だ。実際、ヒトラーはもっと理性的な人物だった。

 そこで、またもや重要なことは何も議論されない選挙がアメリカで行われる。

 アメリカ人が武装反乱に立ち上がらない限り、自由な国民としてはおしまいになるが、もちろん、武装反乱で立ち上がることはできない。警察や政府のあらゆる機関が軍隊化されているためというより、ユダヤ文化のマルクス主義と民主党のアイデンティティ政治が、アメリカ人を無秩序にし、お互いに争うようにしているためだ。文化的マルクス主義とアイデンティティ政治がアメリカ国民を被害者と加害者とに分裂させた。本当の加害者と本当の被害者は、イデオロギー的な狙いに役立つように作られた全体図の中には現れない。加害者は、少数独裁支配者ではなく、トランプに投票した白人男性なのだ。超億万長者ではなく、地域社会の隅に追いやられた、かつての製造業、産業の労働人口が圧政の源なのだ。このかつての労働人口は黒人と白人なのに、民主党のアイデンティティ政治が黒人と白人を争わせている。

 アメリカは絶望的だというのが私の結論だ。ごくわずかの例外を除いて、国民は生存し続けるのに十分なほど賢くはない。おそらく明日の選挙の結果で、私の考えは変わるだろう。もし票が支配者集団に入れば、全てが失われる。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/11/05/what-this-election-is-about/

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 衆院予算委国会中継でも、宗主国中間選挙の状況を示すグラフが表示される。
特設サイトまである。

 矢部宏治氏の新刊が11月14日に発売される。

 なぜ日本は、アメリカによる「核ミサイル配備」を拒否できないのか
理由は岸が結んだ「密約」にあった

 知ってはいけない2──日本の主権はこうして失われた
矢部宏治 著 講談社 現代新書 税込み950円 11月14日発売予定の講談社特別サイトで、3章の立ち読みができる。

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