アメリカ

2019年11月16日 (土)

「出版・報道の自由」など存在していない

2019年11月13日
Paul Craig Roberts

 ウド・ウルフコッテの驚くべき本、Gekaufte Journalisten(買収さたジャーナリズム)は2014年にコップ・フェアラークにより刊行された。本は大評判となり、ドイツで1,500,000部売れたが、アメリカの主要出版社は英語訳を出版したがらなかった。最終的に、先月、小出版社Progressive Press『Presstitutes Embedded in the Pay of the CIA(CIAに雇われて埋め込まれた売女ジャーナリスト)』という題の英語版を出版した。

 ウルフコッテの本は、欧米のどこかに独立マスコミがあるという錯覚/妄想を破壊する。ウルフコッテは、エリートによる、ジャーナリストの認識の独占を詳細に説明している。ジャーナリストは、諜報機関や、大企業や、ロビー団体や、政治家やアメリカ外交政策の宣伝屋と広報代理人役を果たしている。ジャーナリズムの機能は、エリートの権益とワシントンの外交政策を支持する言説を人々に伝えることだ。このメッセージは非常にドイツの人々に効果的に送られているので、主要ドイツ新聞の読者数は崩壊した。

 ジャーナリストが、どのようにして、まだ学生のうちにリクルートされ、真実ではなく、他の権益に恩義を感じ、仕えることに依存するようになっているのに気がつくかという様子をウルフコッテは描いている。最下位の記者から最高位の編集者、果てはオーナーに至るまで報道機関の全員、エリートが言説を支配できるようにするのに巻き込まれている。ウルフコッテは、ジャーナリストと、諜報機関や、それに関係するシンクタンクや、大企業や政治家や外交政策組織との間をとりもつ組織の名前とリストを挙げている。ジャーナリストと大企業や政治家やアメリカ外交政策目標の近親相姦的関係は余りに蔓延しているので誰もそのことについて考えない。困難に陥る唯一の人々は、従わない人々だ。

 ウルフコッテの本はドイツ人向けに書かれている。アメリカ人はドイツの詳細を退屈に思うかもしれないが、いかにして、ジャーナリストを諜報機関や政治家や大企業の手先に変えるかという微妙な過程の詳細が描かれている。本の始めは穏やかだ。ウルフコッテは、いきなり恐ろしい話を始めれば読者が不信感を持つのが分かっている。それで彼は、「情報源」や、イランに対するイラクのドイツ毒ガス使用のような本当のニュースの検閲や見返りを受け入れる話から始めている。

 興味深い話の一つは、ブルガリアとルーマニアからドイツへの移民の波を、ドイツ報道機関がどのように対処したかだ。ドイツ政府は、移民のことを、勤勉で、決して失業していない「バルカンのプロシア人」として描くようマスコミに協力させ、本来のドイツ人を水増しすることを選んだのだ。ブルガリアやルーマニア移民の失業率の数値はドイツ人のものより低いというウソの主張がされた。エセ言説が検証なしで際限なく繰り返された。移民がドイツに取り込まれた途端、事実が現れた。福祉対象の移民の数は「大幅に増大し」続け、「前年比で60%増加した」。こうなることを警告していた専門家は「民族主義者」「ナチス」として悪者にされた。こうしてメディアは真実を締め出し、フェイク・ニュースを維持するのに奉仕した。

 入念に紡がれた管理された言説のマトリックスが、なぜトランプや、マリーヌ・ル・ペンや本当の変化をめざす他の意見が、エリート支配に対する大きな脅迫と見なされるかを説明している。マリーヌ・ル・ペンは絶え間ない起訴の脅威に直面しており、CIA/FBI/DNCが画策したペテンが、トランプを大統領の座から追いだすために売女マスコミに使われる。欧米メディアが買収されているのだから、民主主義や説明責任ある政府はありあえない。これを明らかにしたのがウルフコッテの功績だ。

 これがウルフコッテが暴露した面白い話題の一部だ。

 我々のスポンサー、エリート・ネットワークと諜報機関による「真実」の大安売り

 ジャーナリストは、トスカーナで、どのように別荘代を支払っているか?

 同調し、従順で、決して質問しないマスコミ

 諜報機関に締め付けられて

 オバマのあらし屋:アメリカの第五列

 ロックフェラーの亡霊:三極委員会

 ビルダーバーグの権力:陰謀論か現実か?

 ジャーナリストの3人に2人は買収されている

 より高い目標:ドイツのアイデンティティーの切断

 メルケルのおとぎ話の時間:ドイツ政府が、いかにして国民に嘘をついているか

 ウルフコッテは、報復から守るべき子供や家族がいないので本を書くことができたと言っていた。本の終わりに、この本は三冊シリーズの一冊だとウルフコッテは言っていた。本が出版されて間もなく、ウルフコッテは心臓発作で亡くなった。56歳での彼の死は、心臓発作が本物だったのか誘発されたのかについて疑念を引き起こした。

 ウィキペディアのウルフコッテ経歴は彼が正体をあばいた連中が書いている。ウィキペディアは支配マトリックスの一部だ。独立した情報提供者ではない。ウィキペディアの主要機能は真実を語る人々を中傷することなのだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/11/13/there-is-no-such-thing-as-a-free-press/

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 先日、観光でやってきた外国の知人が、家族で東御苑に行きたいというので案内した。知人の友人を昨年案内した旧江戸城本丸跡に行くつもりだった。何か建設中で、ものものしい警備。本丸跡には近寄れなかった。最近の報道で理由がわかった。

日刊IWJガイド「政教分離に反する『大嘗祭』に24億円以上の国費! 明治以降の『つくられた伝統』を称揚する政権が目指すのは、戦前回帰!? 」2019.11.16日号~No.2620号~

 日米FTAについて、大本営広報部、何か報じているのだろうか?TPPを絶賛するだけの大本営広報部には、もともと全く何も期待していない。政府広報の自由は、立派に存在している。

植草一秀の『知られざる真実』 熱気沸騰「いま消費税を問う!」緊急院内集会

2019年11月14日 (木)

ボリビア報道で「クーデター」という単語を頑固に避ける主流マスコミ

2019年11月11日
ケイトリン・ジョンストン
CaitlinJohnstone.com

 ボリビアで強暴な右翼暴徒アメリカ政府に支援された軍事クーデターがおきたが、主流メディアの大見出しのどれからも、ほとんどこれを知ることはできない。

「ボリビアのエボ・モラレス大統領は不正選挙非難の後、退任」とCNNが主張する

「激化する抗議行動、ボリビアのモラレスは選挙の批判的報道の中、辞任」とワシントン・ポストが報じる

「ボリビア大統領エボ・モラレス辞任」とニューヨーク・タイムズが言う

「ボリビアのエボ・モラレス大統領、不正投票抗議の中で辞職」とBBCが断言する

「ボリビア大統領、投票操作の主張のさなか退任」と我々はテレグラフに知らされる

「ボリビアのモラレス大統領 疑惑選挙の激しい反発後に辞職」とシドニー・モーニングヘラルドが言う

 そういうわけだ。たまたま(スマートフォンや、ラップトップや、ハイブリッド自動車や電気自動車用の電力供給のための重要なエネルギー源として、ある日石油に置き換わるかもしれない)世界最大のリチウム埋蔵を有し、アメリカ政府による政権転覆の標的に定められていた事実が大量文書化されている国で、膨大な人々を圧倒的な貧困から見事に救い上げた南米の社会主義政府の先住民大統領が、「選挙疑惑」に関するある種スキャンダルだけで辞任したのだ。右翼暴徒が、この大統領の家族を脅していたことや、国軍が文字通り、彼に退任するよう命じ現在彼を逮捕すべく捜しているという事実、覆面兵士に、追放された官僚が駆り集められ、捕虜として抑留されるに至っている事実とは全く無関係なのだ。

 全てまったく正常で、全てまったく疑わしくないのだ。

国民の本当の代表を選ぶ民主的過程を保証するため#ボリビアでの新選挙を勧める@OAS_公式報告調査結果を全面的に支持する。選挙制度の信頼性は回復するに違いない。

- ポンペオ国務長官(@SecPompeo) 2019年11月10日

 いつも通り、この話題に関するマスコミ報道は、モラレスの強制辞任直前に、マイク・ポンペオ国務長官がTweetで「選挙疑惑」の話題を語ったアメリカ国務省と完全に一致している。ポンペオは、先月のモラレス再選の際、いかがわしい投票集計があったという、ワシントンに本拠を置く米州機構(OAS)の証拠の無い、信用に値しないとされている主張を引き合いに出していた。経済政策研究センターCEPRのマーク・ワイスブロットが、ネイション誌の最近記事で説明しているように、OASはワシントンからその資金の60パーセントを得ており、この中立のはずの国際機関に対して、アメリカは途方もなく大きい影響力を持っている。これは興味深いことに、化学兵器禁止機関OPCWへの不釣り合いな金銭的援助を、中立のはずの国際機関に、アメリカ方針に従うよう強いる影響力として利用しているという、我々が以前論じたワシントンの周知の実績とつながっている。

 言説支配の範囲は益々拡大しつつある。

10月20日の選挙で、彼らは不正行為の証拠を決して発見できなかったが、メディアは、この「真実後の世界」で、それが「真実になる」ほど頻繁にこの主張を繰り返した。スレッド:https://t.co/8oWFNKNebT

- マーク・ワイスブロット (@MarkWeisbrot) 2019年11月10日

 アメリカに集中した帝国は、言う通りにしない政府には、成功するまで、クーデターの企てをしかけ続ける。2002年、ベネズエラでのクーデターは失敗し、2019年にも、失敗したが、連中は成功するまで試み続けるだろう。キックボクサーは、訓練された相手では、大半の攻撃が当たらないか、最小限のダメージにしかならないと考えて、打撃を組み合わせるが、最終的に、一発が効いて、ノックアウトする。帝国主義者の政権交代策も同じ「パンチ連打」原理を使っている。攻撃し続け、あらゆる機会に徐々に弱らせ、最終的に、何かが効果をあげるのだ。

 帝国には、これをする余裕がある。全ての権力と資源を持っている場合、今日、独立国政府を倒す試みが失敗しても、常に、明日があると、機が熟すのを待てるのだ。

 去年、国連安全保障理事会の会議で、世界におけるアメリカの役割の本質を、モラレスは非常に正確に要約したが、結局、実に先見の明があったのだ。

 「ここで皆様に率直に公然と申し上げたいと思いますが、アメリカ合州国は民主主義の擁護には全く興味がありません」とモラレスは言った。「もしそれが事実なら、アメリカはクーデターに資金供与したり、独裁者支援をしたりしないはずです。ベネズエラでしたように、アメリカは軍事介入で民主的に選出された政府を脅さなかったはずです。アメリカ合州国は人権や公正には全く何の関心もありません。もしそうなら、アメリカは人権を守る国際協定や条約に署名しているはずです。アメリカは国際刑事裁判所の調査メカニズムを脅かさなかったはずで、アメリカは拷問使用も奨励しないはずで、アメリカは人権理事会を離脱しなかったはずです。移民の子供たちを家族から離して檻に入れはしなかったはずです。」

 「アメリカ合州国は多国間協調主義には興味がありません」とモラレスは続けた。「もしアメリカが多国間協調主義に興味があれば、アメリカはパリ協定から脱退したり、移住に関するグローバル・コンパクトを冷たくあしらわなかったはずで、一方的攻撃をしかけたり、エルサレムをイスラエルの首都と宣言するような不法な決定をしたりはしなかったはずです。多国間協調主義に対するこの蔑視は、政治的支配と、天然資源占有へのアメリカ合州国の渇望が、その動機です。」

 「アメリカ合州国が、他国を侵略したり、ミサイルを発射したり、政権転覆の資金調達をするたびに、公正、自由と民主主義のために、人権の大義や人道的理由でアメリカは行動しているという絶え間ないメッセージを繰り返す宣伝攻勢の陰でそうしているのです」ともモラレスは言った。

 「我々の世代の責任は、より公正な、より安全な世界を、次世代に渡すことです」とモラレスは結論した。「この夢は、我々が協力し、国際連合に対するあらゆる脅威から守られ、尊敬される共通の規則を持った世界、多国間協調主義を強化することでのみ実現できるでしょう。」

 実際、アメリカの言う通りにしない政府に対する政権転覆政策の果てしない作戦実行が可能な唯一の理由は、アメリカが支配する一極世界秩序が、そうする権力、資源、余裕を許しているためだ。多極世界は、ワシントンDCの内や周辺にいる少数の社会病質者に命令されない形で、世界中の一般市民が、彼らに起こることに対する発言権を持つことを可能にするだろう。一極世界が君主制への道であるのと同様、多極世界が民主主義への道なのだ。世界中の人々は、この一極体制に反対するべきだ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2019/11/11/msm-adamantly-avoids-the-word-coup-in-bolivia-reporting/

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 「サクラサク」という電報を待ったのは大昔の思い出。いよいよサクラチルのだろうか。

日刊IWJガイド「菅義偉官房長官が来年度の『桜を見る会』の中止を発表!! 菅官房長官は事実上の招待枠があったことも明らかに!! 安倍内閣、『桜とともに散りぬ』か!?」2019.11.14日号~No.2618号~

 昨夜、NHK歴史秘話ヒストリア「網走監獄 最果ての苦闘」を見た。最近『鎖塚』と吉村昭の『赤い人』を読んだばかりだった。北海道は屯田兵が開拓したのだと思っていたが、金子堅太郎の意見書通り、政治囚などを、死んでも監獄費の節約と送り込んで開拓させたのだ。強行建設の中で亡くなった囚人を埋葬したものが鎖塚として残されている。

 朝日新聞の記事「集治監、過酷な受刑者労働決めた意見書」にも書かれている。

《彼等ハ固ヨリ暴戻ノ悪徒ナレハ、其苦役ニ堪ヘス斃死スルモ、尋常ノ工夫カ妻子ヲ遣シテ骨ヲ山野ニ埋ムルノ惨情ト異ナリ、又今日ノ如ク重罪犯人多クシテ徒ラニ国庫支出ノ監獄費ヲ増加スルノ際ナレハ、囚徒ヲシテ是等必要ノ工事ニ服従セシメ、若シ之ニ堪ヘス斃レ死シテ、其人員ヲ減少スルハ監獄費支出ノ困難ヲ告クル今日ニ於テ万已(ばんや)ム得サル政略ナリ》

 受刑者労働は、歴史秘話ヒストリアで説明された網走・旭川道路建設だけでなく、炭坑や硫黄、鉱山採掘にも使われた。北海道の硫黄山では、安田善次郎が受刑者労働を活用した。足尾銅山でも受刑者が酷使された。炭坑や鉱山では、受刑者だけでなく、中国や朝鮮から強制連行された人々が、徴用工として酷使された。旧麻生鉱業において外国人捕虜が強制労働させられていたのも歴史的事実だ。

 最近の元徴用工記事を、念のため読んでみた。

元徴用工訴訟、新たに日本企業二社を提訴。
原告団によると、新たに提訴されたのは、熊谷組と古河機械金属の2社。とある。

 後者は田中正造が谷中の人々とともに戦った足尾鉱毒問題を引き起こした古河市兵衛の企業の後継。

 足尾には、銅山で働かされた朝鮮人強制連行犠牲(徴用工)者慰霊碑がある。下記記事を見ると、設置や維持は韓国ではなく、北朝鮮系の方々がされているようだ。

 栃木同胞サンタルギ通信 足尾朝鮮人強制連行犠牲者追悼式

 足尾には、同様に強制連行され、足尾銅山で酷使された中国人殉難烈士慰霊塔がある。その場所、規模、朝鮮人慰霊碑とは比較にならない。「中国人殉難烈士慰霊塔 足尾の画像」で検索すれば、多数の写真がみられる。

2019年11月12日 (火)

アメリカは社会主義の用意ができているのだろうか?

Finian Cunningham
2019年10月13日
Strategic Culture Foundation

 一部の民主党政治家の間で、一見より左翼的な政策が現れていることと、社会的、経済的平等に関する普通のアメリカ国民の一層急進的な意識に関して、Strategic Culture Foundationは、アメリカのコリン・S・キャヴェル政治学教授と下記インタビューを行った。

 社会主義に向かって生じている、大衆の方向転換に対するアメリカ支配階級の不安を漏らすかのように、共和党のドナルド・トランプ大統領は「悪い社会主義」という演説で、頻繁に非難している。

 バーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレンやトゥルシー・ギャバードのような民主党大統領候補たちは、何十年もの新自由主義政策を反転させて、裕福なアメリカ人や企業に対する累進課税を公然と要求している。アメリカの有権者は、ひと握りの億万長者が今や全人口の2分の1(1億6000万)より多くの富を持っているアメリカにおける、より急進的な富再分配と、とどまるところを知らない不均等に異議を申し立てる呼びかけに結集している。

 キャヴェル教授は、アメリカ社会における社会主義運動に関する歴史的な観点から、アメリカ政治における現在の進展に関する意見を述べている。だが彼は、政治支配層と資本主義擁護の商業マスコミが、より公正な民主的社会に向かう、どんな運動でも妨害するべく熱心に活動していることを警告する。彼は冷戦時代の遺産が、アメリカにおける社会主義の発展を阻止していると言うが、この有害な反共産主義遺産が克服されつつある兆しもある。

インタビュー

質問: 民主党大統領候補バーニー・サンダースは、国民皆保険制度政策と金持ちの累進課税で労働者階級のアメリカ人から多くの支持を受けているように思われます。あなたはこれが普通のアメリカ人の間での社会主義政府に対する目覚めの前兆と思われますか?

キャヴェル: 新聞や文章や主流メディアの多くの調査に描写されている平均的な見方に対する私の理解では、大半のアメリカ国民は、社会主義が一体何かを、ほとんど理解しておらず、腹黒い資本主義政治家が語るものからの恐怖しかありません。

質問: なぜそうなのでしょうか?

キャヴェル: 資本主義国家とその支持者によって、一世紀、反共産主義と反社会主義プロパガンダされてきた後、大半のアメリカ市民の心中で、「社会主義」は邪悪な悪魔のような独裁者が、国民全員に損害を与え、個人の自由と個人的幸福を縮小させて、彼の個人的要求に合わせて、絶え間なく奴隷のように働くよう命令する、大変な責め苦の全体主義地獄なのです。

質問:アメリカ国民の間での、社会主義に関する世間一般の誤解に、あなたは何か変化をみておられますか?

キャヴェル: 100年間、絶え間なくこのようなたわごとを永続させた後、アメリカ国内のアメリカ人は、過去数十年間、1970年代以来の、他のものごとの逆転や、彼らの賃金や生活状況の低迷状態から、この煙幕を見破り始め、資本主義の有益さにまつわって繰り返される主張は、大多数の一般市民ではなく、資本家階級はいう小さな部分に役立つだけだとで結論したのです。それ故、彼らは全員のためのメディケア、つまり国民皆保険制度の実施、伝統的に、過去のアメリカ大統領や政治家に「社会医療制度」として軽蔑されてきたものを要求するサンダースや他の一層左翼の民主党員のような声を受け入れています。この用語に賛成の大半のアメリカ国民が理解しているのは、医療費が減るか、あるいは無料になるだろうということです。

質問: より広範な社会主義経済のための政策はいかがでしょう?

キャヴェル: 学生ローン累積債務危機が現在1.5兆ドル以上あり、少なくともアメリカ国民の6分の1、約4300万人の成人に影響を与えるのですから、高等教育機関の無料化、つまり大学教育を受けることに対しては、一般に強い支持がありますが、経済を「社会化する」ことに関する他のいかなる面についても、よく理解していません。まだ多くの人々の心の中では、より多くの教育が「より良い仕事」つまり、より多くの給料と福利の見込みを約束していることを考えれば、より多くの正式の教育と学位の獲得を通して自分自身を向上させようする傾向があります。

質問: 社会階級という概念はいかがでしょう。アメリカ人は、自分たちの社会・経済の不平等について、階級という言葉で考えているのでしょうか?

キャヴェル: 少なくとも公的メディアでは、めったに明確に表現されませんが、階級意識は、たいていの市民の中に存在しています。ところがアメリカは、まだ能力があって、一生懸命働く人々全員が出世し、「自助努力でやりとげることが」可能なことを保証する、階級から自由な国だと言われています。さらに大半のアメリカ市民は圧倒的多数が毎月の給料を使いきる生活をしており、緊急時の貯金がわずかか皆無なのにかかわらず、自分は「中産階級」メンバーだと信じています。だから、いいえです。自身の存在、機能、強さや力に気が付いた労働者階級は存在しないのです。もし本当の自由の感覚を享受したいのであれば、強制的に資本主義をひっくり返す自分たちの歴史的な役割に気が付いた労働者階級は存在していないのです。商品の消費者として享受するものを、彼らの自由と同一視しているのです。例えば、携帯電話、自動車、アパート、服、道具、ある種の食物。ローマ人が「パンとサーカス」と表現したもので、資本主義者が大衆を十分満足させることが可能である限り、彼らの支配は守られます。それで、現在の瞬間、普通のアメリカ市民が全員のためのメディケア(国民皆保険制度)の可能性と、全員のための大学教育(すなわち無料教育)を進んで受け入れます。それより先は、十分な仕事(つまり、5%以上の失業率)を提供しそこねているアメリカの経済の失敗だけが、平均的なアメリカ国民を、社会主義政府や社会主義社会を受け入れようにするでしょう。

質問:何十年以上前のアメリカ社会主義の先例、例えばユージン・デブスやヘイマーケット殉教者は一体何だったのでしょう?

キャヴェル: ユートピア社会主義コミュニティーは、19世紀早々アメリカに存在しましたが、1886年5月4日のイリノイ州シカゴでの抗議集会で、8人の無政府主義者が陰謀のかどで有罪宜告され、7人の労働者が死刑を宣告されて終わりました。このヘイマーケット殉教者が、労働者の力、無視できない力を呼び起こしました。この平和な労働者組織に対する攻撃を、国際労働の日として記念すべく、一日8時間就労という法律を実現するプロレタリアート階級的要求のため、世界中で、毎年5月1日、国際労働の日、あるいは国際労働者の日になったのです。

質問:それに続いた弾圧にもかかわらず、アメリカでは、国際社会主義にとって、なかなか注目に値するアメリカ遺産ですね。一世紀以上前に自称社会主義候補として大統領職に立候補したユージン・デブスの遺産はどうでしょう?

キャヴェル:1900年に、社会主義候補者ユージーン・V・デブスは、社会党大統領候補として立候補しました。デブスは、1904年、1908年、1912年と1920年、アメリカ社会党の大統領職候補者として立候補し続け、1920年の選挙運動では、デブスは当時刑務所で服役中でしたが、デブスは、ほぼ百万票を獲得したのです。1919年までに、アメリカ共産党(CPUSA)はマルクス主義志向の共産党の主要綱領を採用し、1950年-1954年、資本家連中が組織的に開始したマッカーシズム弾圧が、ゆっくりながら着実に、共産党とその支持者全員を弾圧し、1955年にAFLとのCIOの合併で終わるまで、労働組合CIOの労働争議で主役を演じました。社会主義の考えは、1950年代から1990年代まで、労働者や政治運動家に知識を与えてはいましたが、主にアメリカ社会の中で一定の自由を持っていた僅かな部分の一つ、学界に維持されました。現在、専門紙やジャーナルやウェブサイトが、多くの労働者指向の政党に維持されていますが、資本主義の主流マスコミが、彼らの言説や主張が、国民的な政治議論に、決して現れないようしているのです。

質問:言論の自由や独立メディアというアメリカご自慢の主張はもはやこれまでですね。あなたはアメリカ人が社会主義に賛成投票する近未来の可能性を想像されますか?

キャヴェル:私の願望は、このような可能性が現実になることですが、アメリカ政治とそれを行っている権力が、私がそのような可能性を楽しむのを思いとどまらせるというのが私の率直な評価です。資本主義階級が前世紀に何か実証していたとすれば、資本主義に代わるいかなる社会主義や共産主義の選択肢も鎮圧する準備があり、いとわないことです。

質問:バーニー・サンダースは有望な社会主義大統領候補でしょうか? バーニーでなければ、他にトゥルシー・ギャバードやエリザベス・ウォーレンの誰でしょう?

キャヴェル:私の意見では、もし大統領選挙が、いつもの、民主党、共和党両方、主流メディアなどの妨害や障害なしで今日アメリカで行われれば、バーニー・サンダースが楽勝でしょう。しかしながら、資本主義階級とそのあらゆる機構が、バーニーが決して民主党指名至らないようにするでしょうから、2020年の大統領職本選挙の候補者にはならないでしょうから、これは決して起こらないでしょう。

 メモ:コリン・S・キャヴェルはウェストバージニアのブルーフィールド州立大学の終身在職権を与えられた政治学正教授。彼は2001年、アムハーストのマサチューセッツ大学から政治学で哲学博士号を取得。彼はかつて全米と国際的に、いくつかの高等教育機関で教えた。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/13/is-america-ready-for-socialism/

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 相撲は大波瀾。それが、一層興味深い。

 公費で堂々と選挙違反行為をしている連中の屁理屈、通るのだろうか?夕方、相撲は録画し、下記田村議員インタビューを拝見する。

日刊IWJガイド「本日午後5時より岩上安身による日本共産党・田村智子参議院議員緊急インタビューを公共性に鑑み全編フルオープンで生中継!」2019.11.12日号~No.2616号~(2019.11.12 8時00分)

  ただで見るのは申し訳ない 雀の涙を考えている。IWJ「ご寄付・カンパのお願い

 

2019年11月 9日 (土)

トランプに対するクーデターが成功すれば、アメリカ民主主義が破壊される

2019年11月7日
Paul Craig Roberts

 トランプ大統領は魔女狩りと呼んでいるが、本当はアメリカ民主主義に対するクーデターだ。トランプが弾劾されるのを望んでいる民主党員はこれが分かっていない。彼らはトランプが好きではないので、弾劾されるのを期待しているにすぎない。もし選挙で選ばれた大統領に対するクーデターが成功したら、将来のあらゆる大統領は、「沼地をさらおう」としたり、支配層エリートに受け入れがたい何らかの変化を実現しようとしたりすれば、自分も破壊されるのを悟ることを、トランプ弾劾を主張する人々は分かっていない。本当の変化を望む有権者も同じメッセージを受けとり、有権者に対応する大統領や下院、上院議員を選ぼうとするのをやめるだろう。それは民主主義、説明責任がある政府の終わりを意味するだろう。闇の国家と、それと手を結んだエリートによる制約を受けない支配が民主主義にとってかわるだろう。

 進歩派がこれを理解していないのは残念だ。進歩派は、本当の変化と、トランプ弾劾を望んでいるが、この二つの願望は、お互いに矛盾している。

 トランプ弾劾を要求する群衆の中には、失敗したでっちあげロシアゲートに代わって、トランプに対してでっちあげられた主張に注意を払っている人々は、いるとしてごくわずかだ。彼らは主張が一体何なのか、あるいはそれがでっちあげなのかどうかには全く何の関心もない。トランプ嫌いだけで十分なのだ。

 とは言え、でっちあげられた主張を検討しよう。

 そもそも、内部告発者とされている人物は正当な内部告発者ではない。彼は、出来事を画策する一カ月前に、下院情報特別委員長アダム・シフと会っていた受け売りの告発をしているCIA職員エリック・チャラメラだ。ジョー・バイデン副大統領がウクライナとの交渉代表者だった時、チャラメラはオバマのスタッフを勤めていた。チャラメラは「ロシアゲート」の設計者であるジョン・ブレナンCIA長官や、ウクライナ当局者にトランプ大統領の醜聞を見つけ出すよう奨励した民主党全国委員会の工作員とも働いていた。

 こうした全てや、更に多くのことから「内部告発者」は証言するのを辞めたのだ。

 必死で代わりの人物を探した民主党は、ウクライナへの軍事援助と対ロシア強行路線を好む経歴に傷のある官僚たちを思いついた。欧州連合大使ゴードン・ソンドランドが、ウクライナへのアメリカ軍事援助は、ジョー・バイデン副大統領が終了していたウクライナ企業ブリスマの調査を、ウクライナが再開するのを条件としていたと言ったと、ウィリアム・テイラー駐ウクライナ代理大使が主張している。ブリスマはバイデンと彼の息子に約175万ドル払った企業だ。

 テイラーは、もう一人の官僚ティム・モリソンが、ソンドランドがゼレンスキーの補佐に「見返り」を伝えたと彼に言ったと主張している。

 ソンドランドはテイラーとモリソンの主張を否定している。

 国家安全保障会議に勤める、ウクライナ生まれの狂信的反ロシアの陸軍中佐アレクサンダー・ヴィンドマンも、ほとんど無価値の、信ぴょう性が確認できない見返りの主張をしている。トランプ大統領のウクライナ政策が、ヴィンドマンが好むものと違いがちなのが、彼の動機のように思われる。

 これがトランプに反対する主張の程度だ。ウクライナのゼレンスキー大統領が見返りはなかったと公的に述べており、公表されたトランプ- ゼレンスキー会話の記録にも、何の見返りもないことを考えると、驚くほど薄弱だ。

 次は、見返りとされているものの問題だ。議論の双方全員が、全く再考することなく、もし見返りがあれば、当然弾劾を正当化するのに十分不快な犯罪行為があったのだ考えているように見える。これはまったく無知なたわごとだ。

 見返りはアメリカ外交政策に特有で、常にそうだった。アメリカ政府はジュリアン・アサンジ亡命を無効にするのと引き換えに、レニン・モレノ・エクアドル大統領に42億ドルのIMF融資を申し出た。モレノは取り引きに応じた。https://www.globalresearch.ca/assange-bought-4-2-billion-former-ecuadorian-president-confirms-imf-loan-exchange-assange/5674374

 ワシントンはベネズエラ軍にマドゥロ大統領を打倒する資金を提供した。軍は申し出を拒絶した。

 多くの例がすぐ頭に浮かぶ。研究すれば本にするほど大量のものが見つかるはずだ。

 アメリカ大統領が諸国に課する制裁とは何だとお考えだろう? ワシントンの取り決めを受け入れないことに対して、ワシントンが課す処罰だ。

 アメリカの行政府とウクライナ大統領との間の見返り取り引きについては、バイデンの息子ハンターを役員会に入れて、アメリカによる保護を買った企業ブリスマの汚職を調査していたウクライナ人検察官を解雇させたとジョー・バイデン副大統領が自慢しているのだ。検察官を解雇するか、それともアメリカ援助10億ドルを失うかを決めるのに、ウクライナ大統領に6時間の猶予を与えたことを、ジョー・バイデンは外交問題評議会CFRで自慢しているのだ。https://www.youtube.com/watch?v=KCF9My1vBP4

https://www.dailywire.com/news/ukraine-prosecutor-that-biden-got-fired-says-he-was-told-to-back-off-investigation-report-says?utm_medium=email&utm_campaign=Actengage

https://thehill.com/opinion/campaign/463307-solomon-these-once-secret-memos-cast-doubt-on-joe-bidens-ukraine-story

 当時バイデンはアメリカ副大統領で、現在、民主党アメリカ大統領候補者指名の主要候補なのだから、トランプが訴えられているもののかどで、彼は明らかに有罪だ。なぜトランプだけ調査対象になるのだろう? 単に疑われたり主張されたりしているだけの犯罪が、大統領を弾劾するのに十分なら、なぜ、既知の、自認し、自慢した犯罪が、バイデンが大統領になるのを不適格とする理由にならないのだろう?

 これほど明白な問題は討論の話題になるはずだと思いたくなる。だが売女マスコミや民主党や共和党からは一言もない。

 最後に、内部告発者法の問題がある。信頼できる筋から私に送られたこの解釈が、もし正しければ、内部告発者の主張とされているものには法律的に根拠が存在しないのだ。

https://www.paulcraigroberts.org/2019/09/30/the-whistleblower-complaint-is-an-orchestration-not-in-compliance-with-whistleblower-law/

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/11/07/a-successful-coup-against-trump-will-murder-american-democracy/

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 8日、共産党の田村智子議員が参院予算委員会で、毎年春安倍首相主催で開く「 桜を見る会」参加者数と支出額増加を批判。実態は、政権の「サクラと幇間」を見る会。出席者のCDも本も決してかわない。
 まさにいわばいわゆる🐴🦌、杉尾議員を指さして「共産党」。人格・知能崩壊の極み。「アカ」と弾圧した時代と異なり、人をほめる言葉に変わったのかも知れない? 高知県知事選で共産党高知県常任委員の松本顕治氏が野党統一候補。

 入試、癒着の典型。【施 光恒】ビジネスと政治の癒着に厳しい目を

日刊IWJガイド・土曜版「大学入学共通テストの国語と数学の『記述式』も『試験の体を成していない』と立憲民主党・川内博史議員が糾弾!」2019.11.9日号~No.2613号~(2019.11.9 8時00分)

2019年11月 8日 (金)

アメリカ・シェール・エネルギーに関するロシアの指摘は正しいのか?

F. William Engdahl
2019年11月6日
New Eastern Outlook

 最近のペンシルベニア・シェール生産者大会での発言で、ドナルド・トランプ大統領は、シェールオイル同様、シェールガスのこれまで10年間にわたる壮大な成長を指摘して、非在来型シェール・エネルギーが「アメリカを世界史上最も偉大なエネルギー超大国」にしたと述べた。一見すると、この業績は本当に印象的だ。2011年以来、アメリカはロシアを越えて、天然ガスの世界最大の生産国になった。2018年までにアメリカはロシアとサウジアラビアを追い越して、世界最大の石油生産国になった。それはもっぱら、アメリカの非在来型シェールオイルとガスによるものだ。だが成功は短命かもしれない。

 シェールエネルギーの勃興と、西テキサスやノースダコタや他の場所の好ましい地質学的条件が、中東やベネズエラ政策でのみならず、アメリカに世界政治で明確な地政学的手段を与えたのだ。ロシア・ガスが主要な供給元であるEUでも。アメリカは、ガスと石油における主導的役割に基づいて、政策を続けることができるのだろうかか、それとも、これは、出現した時と同じぐらい突然に終わる一時的急上昇にすぎないのだろうか?

 勝ち誇ったトランプがピッツバーグでシェール産業に演説していたのと、まさに同じ時、ロシアのノヴァク・エネルギー大臣が、アメリカの重要な地域におけるシェールオイル生産増加が最近減速していることを指摘していた。「もし予想が正しければ、近い将来、生産は頭打ちになるだろう。」彼はここ数カ月のシェールオイル掘削の大幅減少と、2020年シェールオイルの大幅減速が増すというウォール街による予測を示した。アメリカ・シェールガスの見通しは、現在の国内供給過剰にもかかわらず、肯定的なものとはほど遠い。LNG輸出ターミナルのインフラは増えているが、アメリカが、ロシアのガスと競合して、EUへの主要供給元になるのに十分なものからはほど遠い。しかもウォール街からの金も干上がりつつある。

 EUでのトランプ敗北

 トランプ政権は、供給の多様性を主張して、ロシアの従来形天然ガスの代わりに、アメリカ・シェールガスを買うよう、EUや世界の他の地域を説得する上で大きな政治的努力を払った。今それは決して実現しそうもないように見える。ロシアからバルト海を横切ってドイツに至る、能力を倍増し、ウクライナ・パイプラインへの依存を減らすヨーロッパ・ノルドストリーム2ガスパイプラインを中止させようとするアメリカの強い圧力にもかかわらず、最後のEU障壁デンマークは、領海を通るガスプロム・ルートを承認すると発表した。何カ月にもわたるワシントンによる圧力後のデンマークの決定は、アメリカ・シェールガスを液化LNGとして、ロシア・パイプライン・ガスの代用にするというトランプのエネルギー地政学戦略の明確な敗北だ。ガスプロムは、2020年始めまでに、ガス輸送能力を倍増するノルドストリームの二本目の完成を計画している。

 最近の2018年7月、ワシントンでの欧州委員会ユンケル委員長との会談で、トランプは、欧州連合(EU)が間もなくアメリカ液化天然ガス(LNG)の「大規模バイヤー」になると発表していた。二年前の最低水準からすれば輸出は増えているが、それはまだ起きていない。ロシアのガスを阻止するアメリカ失敗はその希望に対する大打撃だ。

 今日までのアメリカLNG供給元とポーランド間の限定された契約は別として、ノルドストリーム2をEUが承認した今、来年の対EU市場アメリカLNG大量輸出の見込みはほとんどない。

 ノルウェーに頼るポーランド

 アメリカ・シェール液化天然ガスのEU輸出成功例の一つ、すなわちポーランドさえ、ほかのところで、非ロシア・ガスを探している。2018年、アメリカ・シェールガス会社とのガス契約調印に続いて、ポーランドはノルウェー・ガスに頼った。ポーランド国営ガス企業の社長ピョートル・ヴォジニャクは「2022年から、100億立方メートルの計画容量のバルト・パイプ経由で、我々はノルウェーの大陸棚上で我々自身が採掘する約250万立方メートルの天然ガスを輸入するつもりだ。我々はノルウェー市場から残りの燃料を買う予定だ。」と発表したばかりだ。より高価なアメリカ供給元からの膨大なポーランド・ガス購入の夢は、もはやこれまでだ。

 アメリカLNGの輸出は、ガスを積載して出荷するためのガスを液化するための高価なインフラや特殊な港湾施設やタンカー建設に依存している。最近の非常に安いアメリカ国内ガス価格と高い投資コストから、主要輸出施設の完成が遅れている。2018年、その多くがシェール抽出によるアメリカ天然ガスの生産が、ガス供給過剰を引き起こし、アメリカのガス価格を25年の最低にした。今年のガス生産は去年より10%多い

 二番目に大きいアメリカガス生産者チェサピーク・エナジーは更なるガスに対する投資を急激に削減し、資産を売って、負債を減らそうとしている。2008年に、同社は豊穣なヘインズビル鉱区を発見したが、かつて「アメリカで最も収益があるガス田」と呼ばれた北ルイジアナと東テキサス鉱区での生産を、低価格のために減らしている。同社はシェールガスブームをフルに利用するため、連邦準備銀行がゼロ金利維持した2010年の後、大規模借金をした。今やガスは溢れ、連邦準備銀行政策がきつい状態で、同社も他社も巨額の借金と、下落するガス価格を押しつけられている。

 彼らは倒産することができ、エクソンモービルのようなより大きな競争相手が、安く彼らのガス埋蔵を買うことができるが、EUや中国へのアメリカLNG輸出に対する将来投資の経済的側面は明るくない。ワシントンの貿易戦争は、アメリカLNG輸出業者がインフラを拡大していた、まさにその時に、安定したLNG輸入を求めてロシア、オーストラリア、カタールや他のものに中国が目を向けるよう仕向けたのだ。アメリカ関税に報復するため、中国はアメリカLNGに25%の輸入関税を課して、効果的にアメリカ・ガスの可能性を潰したのだ。アメリカ・ガスは、EUでもアジアでも、いくつかの他の生産者との厳しい競合に直面しなくてはならないのが現実だ。

 アメリカ・シェールオイルの凋落?

 現在、アメリカ・シェールガスが世界的主要勢力となる見込みは大きくないが、近年、アメリカ・シェール掘削の主要な焦点であるシェールオイルの展望は全く違う問題に直面している。世界的な景気下降の不安を前に、益々多くのウォール街企業がリスクを減らすにつれ、シェールオイル・プロジェクトへの投資は大幅に削減されている。

 アメリカの非在来型シェールオイル生産は、これまで10年間ほどににわたり、多くの人々にとって驚くべきものだった。米国エネルギー情報局によれば、アメリカ原油生産高は2018年、一日1096万バレルの記録に達した。日産約650万バレル、原油全体のほぼ60%が、主としてテキサス西部の巨大なパーミアン盆地のシェール資源だ。だが増加のペースは、際立って鈍化しており、シェールオイルの死のスパイラルは確実だと一部の人々が予測している。

 アメリカ・シェール石油が年率180万バレル増加した、2018年末のピークの成長から、今四半期には、その半分に減るとRystad Energyは推定している。彼らは「2017-2018年の重要な油井活動の拡張」は「基盤のより急速な下落を犠牲」で実現したと指摘している。いわゆる若い井戸が始めの数四半期に大量の石油を産出し、生産高は急速に減少する

 世界石油価格は50ドルの範囲で立ち往生しており、ベネズエラ、イラン、サウジアラビアでの地政学ショックにもかかわらず、シェールオイルの経済はストレスに直面している。大半の小規模シェール企業が赤字操業しており、もしこれが間もなく変化しなければ、アメリカ・シェールオイル破産の速度は雪だるま式に加速しかねない。

 問題はアメリカのシェールオイル経済の大半が不透明なことだ。 近年、シェールオイル企業への大量の投資は、石油埋蔵量が増加するという企業見積もりに基づいていた。しかしながら、この数値は主要な利益相反の影響を受けるのだ。2008年以来、証券取引委員会は、石油会社が埋蔵量を決定するために、開示の対象とならない「独自の方法」を使うことを許してきた。生産高がブームになり、金が豊富な限り、誰もたいして気にしなかった。今それは変化している。最近パーミアン盆地で最大企業の一社Pioneer Natural ResourcesのCEOスコット・シェフィールドは、シェール油のための最良の場が石油産業に不足していることを認めた。それは「スイートスポット」と呼ばれるもので、利益を得るため経費が十分低い。わずか二年前、パーミアン盆地のシェール埋蔵量をサウジアラビアに例えたシェフィールドにとって、大きな転換だ。

 ここで、ありそうなのは、アメリカ・シェールオイル部門の生産率の更なる下落と、それゆえアメリカ石油全体の下落だ。シェールブームは、従来の井戸より遥かに速く、最大産出量に達し、枯渇する油井に依存することが知られていた。技術がその効果を緩和するのを助けたが、金が安く借りられ、石油価格が上がっている限りのことだった。2018年から石油価格が下がった。2018年10月、ウエスト・テキサス・インターメディエイト石油は1バレル75ドル以上の値段だった。今日価格は、56ドル付近で、大半のシェールオイル会社にとって、危険なほど損益分岐点に近い。

 S&P Global Plattsのシン・キムは「業界が考えているより速く、シェールに失望する可能性」を見ている。「アメリカ・シェールの日産100万あるいは150万バレルという、一貫したレベルの、生産伸び率に見合うものは他に何もありません。」と彼女は言う。

 アメリカ・シェールオイルの急速な衰退の地政学的結果は、アメリカ対外政策の選択肢に重大な影響を与え、アメリカの油田投資が低下すれば、アメリカ経済にも影響し、トランプ再選にとっても良いニュースではない。一つの不吉な兆しは、以前のシェール低迷の際は、シェールオイル採取業者が、需要復活を待って使わない装置をそのままにしていたのに対し、今回は装置が部品に解体されたり、スクラップとして売られたりしている事実だ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/11/06/is-russia-right-about-us-shale-energy/

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 昨日は、昼から、バラエティーやら呆導番組やらを、音を消して、翻訳しながら、時々ながめてみた。森田知事の行動はしつこく報じていたが、国会討論での下劣野次問題や入試問題に触れたものは皆無だった。民間企業による大学入試導入は既定事項なのだから、決して触れるなと全ての局に通達が回っているのだろうか。TPPの時と同様に。そして検閲は更に強化されつつある。

日刊IWJガイド「外務省が『検閲』!? ウィーンの芸術展公認取り消しの理由は『「両国の相互理解を深め、友好を促進するという要件に合致しない』から!?」2019.11.8日号~No.2612号~

2019年11月 7日 (木)

内部の敵

Chris Hedges
2019年11月4日
Truthdig

 我々の民主主義は危機に曝されてはいない。我々は民主主義国家で暮らしていない。我々の民主主義のイメージが大きな危険にあるのだ。闇の国家、つまり将官、銀行家、大企業支配主義者、ロビイスト、諜報機関幹部、官僚とテクノクラートたちはブランド回復に余念がない。ドナルド・トランプが、支離滅裂に自分に関するたわごとを話し、人種差別的暴力を刺激し、伝統的な同盟者である司法やマスコミや議会を侮辱し、つづりが間違った愚劣な発言をTwitter投稿し、超党派の国内政策、海外政策を衝動的に非難したり、破壊したりする状態では、自分が自由の擁護者だと吹聴するのは困難だ。だが、闇の国家から見て、トランプの最も許せない罪は、彼が撤退を監督する知的、組織的能力が欠如しているとは言え、帝国の果てしない戦争を批判していることだ。

 アフガニスタンとイラクを侵略、占領した時に、闇の国家は、アメリカ史上最大の戦略上の大失敗を犯したのだ。あらゆる今はない諸帝国の特徴である、このような致命的な軍事上の大失敗は「マイクロ軍国主義」行為と呼ばれる。歴史的に、死につつある帝国は、彼らが崩壊するまで、徒労で、手に負えず、勝ち得ない紛争に、手持ち最後の経済的、政治的、軍事的資本を浪費するのだ。彼らは、こうしたマイクロ軍国主義行為で、かつての優位や失われた地位を取り戻そうと努める。大惨事には大惨事が続く。だが帝国の死の連鎖の設計者連中には手がつけられない。帝国の混乱と財政崩壊を拡大することしかできない愚かな将官と政治家連中は、自分たちを永続させることだけに成功している。誰も責任をとらない。卑屈なマスコミは、この幹部連中を、ほとんど宗教的崇拝で扱う。その多くが罷免されるか裁判にかけられるべきだった将官や政治家は引退すると、これらの戦争が連中にとって非常に儲かる兵器製造業者の取締役会で高給の席を与えられる。連中が引き起こした混乱を、彼らが大衆に分析説明するよう、媚びへつらうマスコミがお願いする。連中は品格や無私の奉仕や愛国心の手本として奉られるのだ。

 ほぼ20年後、中東で我々の戦争を正当化するために使われたあらゆる目的とされるものがひっくり返された。アフガニスタンの侵略はアルカイダを消滅させるはずだった。それどころか、イラク、シリア、リビアとイエメンでの戦争で闇の国家が作った権力の空白を満たすため、アルカイダは移動した。アフガニスタンでの戦争は、今やアフガニスタンの大部分を支配し、我々がカブールで支えている腐敗した政権を脅かしているタリバーンとの戦争へと変身した。闇の国家は、9/11事件の攻撃に何の関係もなかったイラク侵略を画策した。闇の国家は自信を持って、欧米風民主主義国家を築き、地域でイランの影響力を弱めることができると予言した。それどころか、統一国家としてのイラクを破滅させ、民族的、宗教的な派閥の各派をお互いに敵対させたのだ。バグダッドで支配的なシーア派政府に密接に結びついているイランは、益々強くなった。闇の国家は、バッシャール・アサド大統領を打倒する取り組みで、シリア「穏健」反政府派を武装させたが、武器と支援で約5億ドルを与えたジハード戦士を制御することができないと悟ったとき、闇の国家は彼らを爆撃し、彼らと戦うため、クルド人反政府勢力を武装させ始めた。これらクルド人は後にトランプに裏切られることになる。「対テロ戦争」はアフガニスタン、イラク、シリアとリビアから、5年にわたる戦争後、世界最悪の災厄の一つをこうむっているイエメンまで伝染病のように広がった。この窮乏と死のためにかかった費用は5兆ドルから8兆ドルの間だ。人的犠牲は何十万人もの死者、負傷者をもたらし、市、町とインフラを破壊し、何百万人もの難民をうんだ。

 野放しの軍国主義の愚かさを彼があえて指摘した時、トランプは政治的異端の罪を犯したのだ。彼はその報いを受けるはずだ。闇の国家は、彼を誰か、多分、道徳的、知的には彼と同じくらい空疎だが、何であれ言われた通りにするマイク・ペンスで置き換えるつもりなのだ。これがアメリカ大統領の役割だ。帝国の化身となり、帝国に人間性を与えるのだ。威厳と尊厳をもって、そうするのだ。国外で、テロリストと見なされた誰であれ、アメリカ国民さえ暗殺する権利を行政府に与えるよう、2001年の「テロリストに対する武力行使権限授与決議」を、もっともらしく解釈し直したバラク・オバマは、このゲームで卓越していた。

 トランプを大統領の座から追放しても企業権力は脅かされないはずだ。プライバシーの権利や適法手続きを含め、我々の市民的自由は復活されまい。警察を非武装化したり、勤労階級の権利を擁護したりするまい。化石燃料産業や銀行業の利益は妨げまい。気候の緊急事態には対処するまい。令状なしの大衆の監視は中断されるまい。囚人特例引き渡しや、国家の敵と見なされた人々の世界中での拉致は終わるまい。武装無人飛行機による暗殺は止まるまい。親から子供を引き離し、子供たちを不潔な、過密状態で隔離することを止まるまい。巨大な政治力を有するひと握りの連中が富と権力を集中し、一般市民が益々窮乏化する状態は改善するまい。刑務所体制全体や、世界中にある拷問をするための施設、秘密軍事施設の拡大や、都市の荒廃地帯での貧しい非武装市民の射殺は続くだろう。最も重要なことは、一連の破綻国家をもたらし、納税者の何兆ドルも浪費した大惨事たる外国での戦争は、二大与党の、闇の国家の操り人形である指導者連中に熱狂的に受け入れられ、神聖で犯すことのできないままのはずだ。

 リベラル・エリートの熱狂にもかかわらず、トランプ弾劾は、ほとんど見かけ倒しだ。あらゆる政治、政府体制は腐敗している。ガス産業での訓練や経験がないのに、ウクライナのガス企業ブリスマ・ホールディングスの理事会の一員であるおかげで、ハンター・バイデンは報道によれば月50,000ドルを支払われていた。以前、ジョー・バイデンがデラウェア選出上院議員だったとき、最大選挙運動貢献者の一つだったクレジットカード会社MBNAで、彼は働いていた。ハンター・バイデンは、彼がMBNAに雇われたのと同じ理由で、ブリスマ・ホールディングスに雇われた。長年、大企業権力と軍産複合体、要するに闇の国家の手先である、彼の父親は上院議員で、後に副大統領だった。ジョー・バイデンや、クリントン夫妻や民主党指導部は、彼らのライバル共和党を定義する合法化された贈収賄の権化だ。二大与党の企業候補者が事前に選ばれ、資金供給され、選出されるのだ。もし彼らが大企業の権益を守り、帝国の運営を司る闇の国家の要求に従わなければ、彼らは排除される。それを意味する単語さえある。primaryingだ。企業ロビイストが法律を書いているのだ。司法がそれを強制する。アメリカの政治制度には、ゴールドマン・サックス、シティグループ、AT&T、アマゾン、マイクロソフト、ウォルマート、アルファベット、Facebook、アップル、エクソン・モービル、ロッキード・マーティン、ユナイテッドヘルスグループやノースロップグラマンの権益に反対投票する方法はない。

 我々アメリカ大衆は観客だ。聴衆だ。椅子取りゲームが止まった時、座れるのは誰だろう? トランプは権力を維持し続けることが可能だろうか? ペンスは新大統領になるだろうか? それとも、闇の国家は、バイデンや、ピート・ブティジェッジや、エイミー・クロブチャーやカメイラ・ハリスなどの新自由主義擁護の雇われ政治家を、ホワイトハウスに押し上げるのだろうか? マイケル・ブルームバーグや、ジョン・ケリー、シャーロッド・ブラウン、あるいは、そんなことがあってはたまらないが、ヒラリー・クリントンを担ぎだすのだろうか? もし闇の国家が失敗したらどうだろう? もし共和党、あるいはグレン・フォードがトランプの「白人男性の党」と呼ぶものの腐敗が非常に深刻で、アメリカ史上最も無能な大統領の政治的絶滅の支持を表明しなかったらどうだろう? バーニー・サンダースやエリザベス・ウォーレンが民主党指名されることの阻止を含む権力闘争は、何カ月も、素晴らしいテレビの見物と、何十億もの広告収入を生み出すだろう。

 彼が当選した瞬間、闇の国家とトランプの戦争は始まった。今やいずれもニュースケーブル・テレビのお雇い解説者となった前CIA長官ジョン・ブレナンと前国家情報部長ジェームズ・クラッパーは、前FBI長官ジェームズ・コミーと共に、早速、トランプはモスクワの手先だと言って非難した。諜報機関は「小便ビデオ」に関するわいせつな話を漏洩し、ロシア諜報機関との「再三の接触」について恫喝し、報じた。ブレナンとクラッパーとコミーに、マイケル・ヘイドンやマイケル・モレルやアンドリュー・マッケーブを含む、他の元諜報関係高官連中が早々と合流した。彼らの攻撃は更に、ウィリアム・マクレイヴン、ジェームズ・マティス、H.R.マクマスター、ジョン・ケリー、ジェームズ・ストラブリディスやバリー・マキャフリーを含む、元軍幹部連中によって増幅された。

 マラー報告公表後、ロシア共謀論は偽物であることが分かった。だが、ウクライナ政府にバイデンを調査するよう圧力をかけたトランプの決定によって、闇の国家関係者連中は再度元気づけられた。今回トランプは、彼の敵である闇の国家に、彼の首をつるのに十分なロープを与えたように思われる。

 トランプ弾劾は、アメリカ政治の新しい恐ろしい章だ。闇の国家は、その顔を曝した。闇の国家は、トランプの異義表明は言葉だけで、移り気で、効果がないが、異義表明は許さないと公開宣言したのだ。トランプを弾劾する取り組みは、アメリカ左翼に不吉なメッセージを送っている。闇の国家は単に、力を達成することから、2016年に、バーニー・サンダースや他のどの進歩的民主党員も権力の座につくのを阻止したように、阻止するだけでなく、帝国の維持管理と拡大を問題にしようと試みるどんな政治家も破滅させるという信号を送ったのだ。左翼に対する敵意は、トランプに対する敵意より遥かに顕著だ。しかも、左翼を破壊するための資源はほとんど無尽蔵だ。

 政治哲学者シェルダン・ウォーリンは「Democracy Incorporated: Managed Democracy and the Specter of Inverted Totalitarianism 民主主義株式会社:管理された民主主義と逆さま全体主義の亡霊」という2008年の本で全てを見通していた。彼はこう書いた。

企業権力の政治的役割、ロビー産業による、政治、議員選出過程の腐敗、憲法による制限を犠牲にした行政権の拡大や、マスコミが促進した政治対話の退廃は、体制への付着物ではなく、体制の基本なのだ。たとえ民主党が過半数を達成したとしても、体制はそのまま変わるまい。もしそうした事情が生ずれば、現在の民主党提案の臆病さが徴候を示しているように、体制は、歓迎されない変化に対して、厳しい限界を設定するだろう。アメリカの体制の極めて称賛されている安定性と保守主義は、いかなる高尚な理想によるものではなく、全て腐敗に満ちていて、主に裕福な大企業寄付者からの寄付にどっぷり漬かっているという論破できない事実によっている。下院候補者や判事には、最小限百万ドルが必要で、徴兵されない連中が愛国心を称揚し、一般市民が軍に服務する時に、我々が今知っている政治が、その存在に欠くことができない悪を奇跡的にただしてくれると主張するのは不誠実な行動だ。

 闇の国家に対しては、内部にも外部にも歯止めはない。権力の行使に対して、かつて市民に声と発言権を与えていた報道機関を含め民主的な組織は去勢されてしまった。闇の国家は、大企業による富と権力の集積を推進させ、アメリカ人の半数を貧困あるい、貧困に近い状態に押し込んだ社会の不均等を拡大し、我々から僅かに残った自由を剥奪し、軍や軍需産業の強欲な食欲を満たすだろう。連邦負債超過額がふくれ上がるにつれ、国家資源は浪費されるだろう。トランプ当選に貢献した権利を奪われ無視された一般市民のいらだちと停滞感は一層増すだろう。

 これまで数日間、レバノンとチリであったように最後の審判の一瞬が来るだろう。社会不安は避けられない。どんな国民も、ここまで押しこめられはしない。改革はできず、権力保持の決意が強い闇の国家は、大衆反乱の脅威の下で、大企業ファシズムに変身するはずだ。瞬時でアメリカを警察国家に変えることができる自由に使える法律的、物理的手段を闇の国家は持っている。これがトランプを弾劾しようとしている闇の国家キャンペーンの背後にある本当の危険だ。言うことを聞かなければ、沈黙させるという露骨なメッセージだ。結局、トランプは問題ではない。我々が問題なのだ。闇の国家がトランプ排除に失敗すれば、闇の国家は、いやいやながらにせよ、人のいやがる仕事を実行させるため彼を利用するだろう。トランプは、もし権力の座への生き残りに成功すれば、閲兵式ができるだろう。トランプの有無にかかわらず、我々は専制政治を得るだろう。

 Chris Hedgesは海外特派員として中米、中東、アフリカとバルカンでほぼ20年過ごした。50以上の国から報道し、15年間海外特派員としてクリスチャン・サイエンスモニター、National Public Radio、ダラス・モーニング・ニューズとニューヨーク・タイムズで働いた。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/the-enemy-within/

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 〇〇の有無にかかわらず、我々は専制政治を得るだろう。

 国会討論、与党茶番は音声を消して聞いていないが、野党の追求はするどかった。民間試験導入問題、本質は加計問題の繰り返し。今度は福武。問題は英語入試だけではない。国語や数学の記述問題も深刻だ。塾経営者だった前文部大臣が深く関与していたのだ。縁者や知人を含めれば、この入試改悪に影響を受けない国民皆無だろう。タレントの覚醒剤取締法違反をあげつらっている時ではない。ジャーナリズムであれば。

 今井雅人議員に対する人間性も知性の片鱗もないトップの野次。それを注意しない棚橋泰文委員長のデタラメ運営。学級崩壊ではなく国会崩壊。大本営広報部、集中して報じるべきだろう。もちろん隠蔽するだろうが。

安倍首相、錯乱!「総理のご意向」文書を追及した野党議員に「あなたがつくったんじゃないの」と逆ギレフェイク野次

 リアルタイムで見られなかった河かおる氏IWJインタビュー第三回目を拝見して、韓国の「打破」報道の徹底ぶりに感心。シリアの石油を盗んでいる違法侵略米軍について、日本の大本営広報部何か言っただろうか? 夕方、女性タレントをかもにした国営放送洗脳呆導番組をみながら、テレビに向かってはしたなく叫んでしまった。見ない主義だが、こわいもの見たさで消し損ねた。

日刊IWJガイド「シリアから米軍が石油を盗み出している!? 米軍によるISの指導者バグダディ氏の殺害やシリア撤退は大きく報道するのに、米軍の石油窃盗行為は報じない日本・欧米のメディア! 弾劾調査の報復に政府機関閉鎖!? トランプに都合の悪いことは何も報道できない!?」2019.11.7日号~No.2611号~

2019年10月29日 (火)

説明責任ある政府の終焉は差し迫っている

2019年10月27日
Paul Craig Roberts

 約70年間、CIAは出版・報道の自由を傷つけている。それは対共産主義の冷戦作戦オペレーション・モッキングバードから始まった。CIAはプロパガンダ・ネットワークに、ジャーナリストをリクルートしている。CIAは、偽記事を書いたり、この諜報機関の狙いに役立つよう、言説を支配するため、CIAが書いた記事を掲載したりするようジャーナリストに金を払っている。学生団体や文化団体やEncounterのような知的雑誌が、CIAのプロパガンダ・ネットワークに買収された。ドイツ人ジャーナリスト、ウド・ウルフコッテのおかげで、あらゆる主要なヨーロッパ人ジャーナリストがCIAの手先なのを我々は知っている。1977年、ウォーターゲートで有名なカール・バーンスタインがローリング・ストーン誌で、CIAが「CIA要員に素晴らしい隠れ蓑を提供した英語、外国語両方の多数の外国報道機関、定期刊行物や新聞に密かに資金を出した」と書いた。他のほとんどの人々同様、欧米ジャーナリスト全員、品位を金と引き換えに進んで売り渡した。そうしない少数の人々は服従するよう脅された。

 残ったごく少数の正直なジャーナリストは、「主流」あるいは売女マスコミ媒体からインターネット・ウェブサイトへと追放された。ウィキリークスは現代、遥かに最良の報道機関だ。この組織をワシントンに屈伏させるため、属国のスウェーデン、イギリス、エクアドルを使って、何年もの間ウィキリークス創始者ジュリアン・アサンジを迫害してきた。ニューヨーク・タイムズやガーディアンを含むCIAに隷属するメディアは、いずれもウィキリークスに漏らされた資料を掲載したくせに、世界最良、最も正直なジャーナリストの迫害に全身全霊で参加して、アサンジを破滅させるため利用されている。

 現在アサンジは、濡れ衣で、アメリカへの犯人引き渡しを待って、最高警備のイギリス刑務所に独房監禁されて、明らかに死に至るような拷問をうけている。CIAが連邦判事全員に偽証させることが確実ではないので、もしアサンジがイギリス刑務所で死んでも、ワシントンは、現在のアメリカ法の下では、彼に対して有効な論拠がないので、十分満足なのだ。アメリカで、法による支配を見いだすのが非常に困難な中、有効な論拠の欠如は重要ではない。

 アサンジに対する有効な論拠の欠如が、アサンジ迫害を、スターリン主義者の見せしめ裁判だと著名なドキュメンタリー映画作者ジョン・ピルジャーが言っている理由だ。

  CIAによるジュリアン・アサンジ破壊で驚くべきことは、アメリカの法科大学院や弁護士会の沈黙、大学の沈黙、学生団体や労働組合による抗議の欠如、法廷に対するアサンジの権利のあらゆる保護の欠如、政府に、その犯罪の責任をとらせる気力も能力もあるはずの報道機関が、法科大学院、知識人、弁護士会、裁判所や、印刷・TVメディアに丸見えで公然と破壊されていることだ。

 言説に対するCIAの支配はジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』中でビッグ・ブラザーが持っている支配力と同じぐらい完全だ。しかも、これをアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、ヨーロッパ国民は苦にしない。ごく少数の人々だけがアサンジのために率直な意見を述べ、次に彼らが悪者にされる。

 今や専制政治の時代が欧米を襲っている。

 ジュリアン・アサンジの強制送還裁判は見せしめ裁判だ。

ジョン・ピルジャー

http://www.informationclearinghouse.info/52445.htm

初出はこちら。 https://consortiumnews.com/2019/10/25/john-pilger-did-this-happen-in-the-home-of-the-magna-carta/

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/27/the-end-of-accountable-government-is-close-at-hand/

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 「謝罪」で済む発言だろうか。

 萩生田文科相、受験「身の丈」発言を陳謝 「説明不足だった」

 与党幹部による大学教授ツイート「名誉毀損」スラップ訴訟。岩上安身氏に対するあのスラップ訴訟を連想する。岩上安身氏に対するスラップ訴訟や東京電力幹部に対する裁判の到底正気とは思われない判決を考えると、三権統一状態でこそ可能な言論弾圧だろう。スターリン・ソ連時代の異端派に対する見せしめ裁判そのものに思える。
 孫崎享氏、岩上氏のインタビューで、「今の体制で出世する方法は、正義の実践ではなく、トップへの忖度なのだから、裁判に公正などありえない。」という趣旨のことをいっておられる。さりとて放置するわけにもゆかないだろう。記憶は定かではないが「狂犬にかまれたようなものです」というようなことをおっしゃった。狂犬でなく「権力の座にある犯罪人」。説明責任ある傀儡政府は既に終焉している。

 IWJインタビューに登場されて、新幹線車両基地水没の背景についても語られたまさのあつこ氏、週刊金曜日にも書いておられる。多摩川の問題を解説される様子は「ぶらまさのあつこ」。大本営広報部テレビや新聞、どれだけこうした事実を報じているのだろう。昼の呆導バラエティは全く見ていないのでわからない。夜のニュース番組では、佐野の若いイチゴ農家を支援する農家の皆様の様子が写っていた。今夜は、全体的な治水策についての関良基・拓殖大学教授インタビューを拝聴予定。

日刊IWJガイド「本日午後8時より『岩上安身による 関良基・拓殖大学教授 インタビュー』続編をフルオープン配信!」2019.10.29日号~No.2602号~(2019.10.29 8時00分)

 前回のインタビューは下記のもの。

「八ッ場ダム無双」「スーパー堤防礼賛」デマを一蹴する!! 台風19号であらわになった日本の治水事業の根本的な誤りと、真に国民の安全を守る方策の提言!! 岩上安身による関良基教授(拓殖大学政経学部)まさのあつこ氏(ジャーナリスト)インタビュー 2019.10.21

 原発訴訟についてのインタビューは下記。

「司法の歴史に汚点を残す判決だ!」福島原発刑事訴訟 東電元経営陣3名「全員無罪」?! 岩上安身による福島原発告訴団弁護士・海渡雄一氏インタビュー 2019.9.28

2019年10月26日 (土)

アメリカとロシア間のより良い関係はありそうにない

2019年10月23日
Paul Craig Roberts

 今頃ロシアは切望するアメリカとのより良い関係などあり得るのか疑問に思っているに違いない。最近の和平調停者、ハワイ選出民主党下院議員トゥルシー・ギャバードはヒラリーと民主党全国委員会と売女マスコミに「ロシアのスパイ」と非難されている。

 民主党や売女マスコミや彼らの傀儡師たる軍安保複合体は、ロシアを爆撃し、石器時代に戻したいと望まない限り、全員ロシア・スパイにでっちあげてしまう。

 そういう状況で、アメリカ指導者が、一体どうして、ロシアとの危険な緊張を終わらせようと主張できるだろう?

 「ロシアとの関係を正常化する」意図を宣言した時に、トランプに一体何が起きたかお考え願いたい。することを必要とするいっそう深刻な何もない、しかしそれは起きることができない。

 二つの動かせない山が進路を阻んでいる。

 一つは軍安保複合体が、軍安保複合体の年間1兆ドル予算と、それに伴う権力を正当化するために、敵を必要としていることだ。58年前に、アメリカ国民への退任演説で、ドワイト・アイゼンハワー大統領がそれを警告した「政府委員会等において、意図されたものであろうとなかろうと、軍産複合体による不当な影響力の獲得を我々は排除しなければなりません。誤って与えられた権力の出現がもたらすかも知れない悲劇の可能性は存在し、また存在し続けるでしょう。誤って与えられた権力の出現がもたらすかも知れない悲劇の可能性は存在し、存在し続けるでしょう。この軍産複合体の影響力が、我々の自由や民主主義的プロセスを決して危険にさらすことがないようにしなければなりません。何ごとも当たり前のものとして受け止めてはなりません。注意怠りない見識ある市民だけが、安全と自由が共に発展するよう、巨大な国防軍産機構に、平和的手段と目的に合致するよう強いることができるのです。」

 アイクの警告は見過ごされ、半世紀以上たった今、軍安保複合体がアメリカを支配している。

 もう一つの動かせない山は、クリントン政権以来アメリカ外交政策を支配しているネオコンのアメリカ世界覇権イデオロギーだ。ネオコンはアメリカが世界の他の国々にその意志と方針を押しつける権利を持った「必要欠くべからざる例外的な」国だと宣言している。

 ソ連崩壊は、ワシントンの単独覇権主義に対する全ての制約を無くした。ワシントンの邪魔をする世界大国がなくなったのだ。この状態を維持するため、ネオコン国防次官ポール・ウォルフォウィッツが、ウォルフォウィッツ・ドクトリンを立案した。この教義は、アメリカの外交、軍事政策の「最大目的」は、アメリカの一方的行動を阻止することができる、ロシアや、いかなる国の台頭も防ぐことだと述べている。エリツィン下、アメリカ属国化したロシアの立場から、ロシア主権を復活させたウラジーミル・プーチンに不意をつかれて、ネオコンと、その売女欧米メディアは、マイダン革命でウクライナに起きたように、現在アメリカが中国に対し、香港で試みているように、悪者にし、孤立化させ、のけ者にし、おそらくアメリカが資金提供するNGOによって打倒するため、ロシアに対する大規模プロパガンダ攻撃を開始したのだ。

 ネオコンの覇権イデオロギーと、敵を必要とする軍安保複合体が、ロシアとの関係のどのような正常化も阻止している。

 私とスティーヴン・コーンが強調したように、二大核保有超大国間の現在の緊張は冷戦時代より遥か危険だ。冷戦時代には、全てのアメリカ大統領が、緊張を緩和するためソ連指導者と協力していた。ジョン・F・ケネディとフルシチョフは、キューバミサイル危機を沈静化させ、アメリカ・ミサイルをトルコから撤去した。JFKの報酬は、共産主義とアメリカ国家安全保障に対する脅威についてJFKは弱気だと結論したCIAと統合参謀本部に暗殺されることだった。

 リチャード・ニクソン大統領は中国と国交を回復し、レオニード・ブレジネフと第一次戦略兵器制限交渉SALT Iと弾道弾迎撃ミサイル制限条約をまとめた。ニクソンの報酬はウォーターゲート画策で政治的に暗殺され、辞任を強いられることだった。

 カーター大統領とブレジネフはSALT II条約に署名し、カーターは、軍安保複合体が、反共産主義者レーガンに資金を投入するという報酬を与えられた。

 レーガン大統領は軍安保複合体を出し抜いて勝利し、彼とゴルバチョフが冷戦を終わらせた。

 ジョージ・H・W・ブッシュ政権は、ソ連がドイツ再統一を認めれば、アメリカはNATOに旧ワルシャワ条約諸国を取りこんだり、NATOを一インチも東に移動したりしないとゴルバチョフに保証した。

 クリントン政権はアメリカ政府の約束を破り、NATOをロシア国境に拡張した。

 それ以降のアメリカ政権、ジョージ・W・ブッシュ、オバマ、トランプは残っている条約と協定から離脱して、核保有超大国間の緊張をケネディ以前の時代にまで高めた。

 この進展の危険は好ましいものではない。飛来する核ICBM警告システムは誤報で悪名が高い。冷戦時代には、双方とも、飛来する攻撃の誤報を受けたが、今まで、アメリカ、ソ連いずれも警告に応えてボタンを押すことはなかった。

 なぜだろう? 理由は両国が緊張を緩和し、信頼を築くために働いているのを理解していたことだ。双方とも、この雰囲気で、警報は誤報に違いないことを理解していた。

 現在、状況は非常に異なっている。ロシアと、その指導部は欧米政治家とメディアによって悪者にされ、糾弾されている。アメリカと、ヨーロッパ属国諸国は、ロシアを憎悪し、恐れることを教えられている。ロシア政府は、外交問題で、かつて一度も経験したことのない濡れ衣を経験している。いずれの側も相手を信頼できないのだ。これに加えて、反撃時間は、今や数分しかなく、誤警報以外の何ものでもないもののために、世界が破壊されるかねないことを理解しなければならない。

 イデオロギーで凝り固まったネオコンと、強欲に支配された腐敗したアメリカ軍安保複合体が、地球上の生命を、この種のリスク下に置いているのは、ネオコンも軍事産業も、生命そのものを、彼らの私利より優先できないことを示している。

 普通なら、アメリカの侮辱や挑発的行動に対するロシアのウラジーミル・プーチン大統領とセルゲイ・ラブロフ外務大臣の抑制された、けんか腰でない対応は称賛に値するはずだ。だがアメリカがいじめっ子役を演じる状態で、いじめに対するロシアの受け身の対応はいじめを更に促進する。私の世代の子供が学んだように、いじめっ子に直面した際は即座に立ち向かうことだ。さもないと、いじめっ子は相手は自尊と決心に欠けていると見て、いじめをひどくする。戦いを回避する唯一の方法は即座に相手に立ち向かうことだ。

 ワシントンのいじめに、ロシア政府が立ち向かい損ねていることが一層多くのいじめを招くのだ。遅かれ早かれ、いじめは一線を越え、ロシアは戦わなければなるまい。

 それほど受け身でないロシア政府の方が、平和のため、より多くをなし得るはずだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/23/better-relations-between-the-us-and-russia-are-not-in-the-cards/

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 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

二子玉川に見る台風認識、産経新聞「堤防整備に反対する声強い昨年、国の交渉の場でも、 住民側から「何百年に一度起こるかどうか分からない河川氾濫を心配しすぎるのはおかし い」の声。地球規模の気温上昇で海面温度上がり、ハリケーン・台風の規模、頻度拡大

 イクラで辞任する人物がいる一方、平然と居座り続ける人物も。

日刊IWJガイド・土曜版「籠池泰典氏が講演『当然安倍晋三首相から強いバックアップをいただいたつもりでやってきた』! 本日午後8時より10月12日に収録した『市民の力で 社会を変えよう!第8期連続市民講座 「森友問題を終わらせない」―講師:籠池泰典氏(学校法人森友学園元理事長)』を録画配信します!」2019.10.26日号~No.2599号~(2019.10.26 8時00分)

 ガイドには五代友厚がからんだ開拓使官有物払下げ事件を思い出す下記話題もある。スポーツの祭典というのは隠れ蓑、実態は壮大なグローバル・ローカル金儲けの構造。宗主国テレビの都合で、真夏に開催する事態その証明。

五輪選手村に都有地が9割引で売却されていた!? 本日午後2時より9月28に収録した、マスコミが決して報じない「第2回『2020オリンピック晴海選手村』問題を考える学習会」を録画配信します!を思い出した。
五輪選手村に都有地が9割引で売却されていた!? 本日午後2時より9月28に収録した、マスコミが決して報じない「第2回『2020オリンピック晴海選手村』問題を考える学習会」を録画配信します!

2019年10月23日 (水)

ロシアと中国が団結している理由

2019年10月13日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 資本主義世界は退廃している。欧米は腐敗している。国民がお互い仲が良くなく、いらだっている帝国主義帝国から怒りと虚無主義が流れ出ている。

 新植民地主義者、歴史的帝国主義国家から流れ出る価値観のひどい劣化を、思想家や指導者たちが暴露しているので、帝国主義の北米やヨーロッパは、ベネズエラやキューバのような国に激怒している。

 だが、欧米諸国と彼らの宣伝屋による悪意の最前線に立っているのは中国とロシアだ。今それは全てグロテスクだ。ナチズムから世界を救い、多数の国を非植民地化するのを手助けしたロシアは、今ヨーロッパで「一番好きでない国」だ。何百万人ものユダヤ人やジプシーやスラブ人や他の人々を殺したドイツが最も好かれている。無防備な国から彼らの富を剥奪するために、産業や銀行の力を駆使して、ドイツがまだベネズエラのような国を略奪しているのを、欧米では誰も気にかけていないように思われる。

 力強い共産主義国家中国は(あるいは「中国的特徴を持った社会主義国」と呼ぼう)、欧米プロパガンダに馬鹿にされ、侮辱されている。ヨーロッパと北米の洗脳屋や、いわゆる中道から右翼の大部分の従順なエセ知識人はとどまるところを知らない。彼らの大部分が不治の優越感を患っている。彼らは自分たちに中国を判断する権利があると思っている。中国のために、それが「本当に」共産党なのかどうか、正しい進路上にあるのかどうかをか判断する権利を。

 中国は冷静で、臆病な国だとさえ言う向きもあろう。中国は、どれほど力強くなったかにかかわらず、中国は、自称敵たちとの全ての対立を平和的に解決しようとしている。中国は攻撃せず、挑発しない。歴史的に、中国はその周辺や遥か彼方の国々の福祉さえ気にかけている。千年にわたり、智恵はこういうものだった。「隣人が幸福になれば、中国自身も幸福になる」。

 中国の指導者と中国人は、世界全体が繁栄すれば、結果的に中国が利益を得られることを確信している。それがしばしば「新シルクロード」と定義されるBRI(一帯一路構想)の本質だ。

 もちろん、それはこれほど単純ではないが、本質的にはそうだ。新シルクロードは中国国際主義の最も重要なものだ。私はアフリカやオセアニアのような場所で「活動中の」中国を見た、私は大いに感銘を受けた。私は反帝国主義者で国際主義者なので、私は決定的に中国を支持する!

***

 私は益々私自身を「マルクス主義者」ではなく、共産党員と国際主義者だと思う。カール・マルクスは歴史的なヨーロッパ人で、古い初期資本主義体制の良き分析者で批判者だった。彼は植民地政策と帝国主義攻撃には多くのエネルギーを使わず、主にヨーロッパ体制に没頭していた。過去、数百年間、最も恐ろしい問題は、欧米による世界略奪だった。マルクスはそれには多くの注意を払わなかった。

 唯一の正当な比較は、ナチズム/ファシズムと、ヨーロッパと北米植民地政策、より正確には新植民地主義者と帝国主義なのに、無防備な人々を擁護してきたソ連や中華人民共和国のような国は、ロンドンやパリやベルリンやワシントンに、首尾一貫して、非常に専門的に悪者にされ、非常識にも「ファシストに等しい」と中傷される。

 自身の社会主義制度を完ぺきにしながら、中国はソ連がおかした間違いを大いに学んだ。中国はそれを繰り返すまい。中国社会科学院や中国の一流大学やマスコミに近い人々は、ソ連と、いわゆる東欧圏がおかした間違いを説明すべく最善を尽くしている。自身の過去や、他の社会主義国の分析に基づいて、中国は世界の存続と自国民の生活水準向上のために戦っている。

 私は中国のやり方が好きだ。私はその「過程」の一部であるのを誇りに思っている。もし中国が失敗すれば、もし中国が欧米帝国主義者に破壊されたら、我々人類に対する全ての希望の終わりなのを私は知っているので、私は全身全霊で中国を支援する。もし何十億という人間の人生に対して、無競争の支配を続けることが許されたら、欧米が世界に何をするかを既に明示している。

 団結し同盟して、中国とロシアは独立国家の強力なブロックを構成している。彼らは欧米に反感を買われ、残忍に取り扱われ、威嚇さえされながら、この良い両国を直接的にも間接的にも守っている。両国は一緒に働くことから利益を受けている。今、全大陸の多くの国も利益を得ている。

 私は見ているものが好きだ。希望が漂っている。それは美しい。それは楽観主義に満ちている。それが私が支持している理由だ。それが、私が中華人民共和国70周年記念日を祝っている理由だ!

***

 中国が、ほとんど全ての西側諸国と、彼らの属国に、脅迫され挑発されているのは言うまでもない。

 実際、中国を攻撃することは、世界中のマスメディアで働く凡庸なジャーナリストにとって、資金が窮乏している個人にとって、最も儲かる仕事へと変わりつつあるのだ。

 これらの攻撃の理由を理解するのは余りにも容易だ。中華人民共和国は、帝国主義と残忍な資本主義両方に関して、明らかに、全ての分野、部門で勝っている。イデオロギー的に、知的に、そして社会的に。

 一人当たりGDPのほんのわずかの額で(欧米と比較して)、中国は極端な貧困を根絶しつつある。現在、中国のインフラは、欧米のそれよりずっと良い。エコロジー分野の中国の進歩には、世界の他のいかなる地域もかなうことができない。文化と科学分野で中国の創造力は膨大だ。中国人の生活は劇的に良くなっている。中国と協力している国々でも、人々の生活が同様ずっと良くなっていることに気付かないのは非常に困難だ。

 この全てが、世界中の人々にとって一層明らかになるにつれ、伝統的な植民地主義や帝国主義の国々が、益々おびえているのだ。連中の経済と文化は、何世紀もの間、略奪に基づいているので、彼らは世界に何も提供できないのだ。彼らは止まって、改革すること、世界を救うため努力することができないのだ。それで彼らが現状が優勢であり続けることを保証するために出来るのは、ずっと良い世界のために執拗に働くと固く決めた両国、中国とロシアを中傷することなのだ。

 中国は何十年間も、欧米と妥協しよう、なだめようとしてきた。中国は、直接あるいは間接的な対立を避けるため、ありとあらゆることをしてきた。ようやく最近、欧米が受け入れる唯一の結果は、中国がひざまずき、降伏し、「中国の特徴を持った社会主義」体制を断念することだと悟ったのだ。

 そしてこれは北京政府にも、中国国民にも受け入れられない。

 それが、天安門広場、2019年10月1日のパレードの理由だ。それが欧米への明確なメッセージだった理由だ。中国体制が売り物ではない理由だ。中国は屈伏しないだろう。それが、中華人民共和国をあえて攻撃する連中は誰であれ撃退するよう設計された新兵器が紹介された理由だ。

 ロシアにはこういう諺がある。剣を持ってやって来る者は、剣で死ぬ。

 中国はこの自明の理の智恵を明らかに理解している。

 もちろん中国は両手を広げて友人を歓迎する。中国は困窮している人々を助ける。中国は、より良い世界を築こうとしている。

 だが中国は、攻撃や、脅しや、むき出しの人種差別を二度と許さない。過去、中国は占領され、残忍に取り扱われ、屈辱を受けた。今、共産党指導体制の下での、70年後の途方もなく大きな飛躍の後が、中国は自信を持ち、強く、誇り高い。

 私はこの自信が好きだ。中国が国内、国外でしていることを私は称賛する。

 それが私が中国人と共に彼らの社会主義の祖国70周年記念日を祝う理由だ。それが私が世界に地球上の最も人口ちゅう密な国の偉大な全ての業績を見せるため昼も夜も働いている理由だ。

 私は中国とロシアの連合は、我々人類に対する最後の希望だとも信じている。私は全大陸の人々の苦難を目撃している。欧米帝国主義の被害者を。「あらゆる国は同じで、彼らが十分に強ければ、ヨーロッパと北アメリカが何世紀もやってきたような野蛮さで、世界を略奪するはずだ」というプロパガンダを、私は一秒たりとも買わない。

 私は、中国に関する欧米人の果てしない分析を読んだり聞いたりするのに余り興味はない。私は中国人の自国についての言い分に興味がある!

 今、勝利から70年後、中国は今までに以上に団結した状態にある。欧米に全てを奪われた国々は、多くの世代で初めて、今あえて希望を持っている。

 それが、世界を変えつつあり、70周年でも、それほど若く親切で楽観に満ちているように見え、そう感じられる国を私が誉めたたえる理由だ!

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/13/why-russia-and-china-stand-together/

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 ロシアのことわざ?下記のものらしいが、マタイの福音書にも、そっくりな言葉がある。

 Кто с мечом к нам придет, от меча и погибнет!

 Who come to us with sword will die from sword.

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

鳩山由紀夫氏(元首相)の最近のツイート、反応の大きい順5?台風、老朽化した橋梁、道 路、河川の堤防などの総点検を、?香港の行政長官が緊急法を発動して覆面を禁止する法律 を制定、?今回の台風の際に台東区の避難所にホームレスが断られた

 今日は下記インタビューを拝聴予定。

日刊IWJガイド「本日午後8時より『シリーズ「政治権力vsメディア」慰安婦は普遍的人権問題! 河野談話を露骨に否定!? 世界中で被害者を不当に黙らせようとする日本政府! 岩上安身による滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)インタビュー(第3回「慰安婦」問題編)』を冒頭のみオープンで、その後は会員限定で配信します!」2019.10.23日号~No.2596号~(2019.10.23 8時00分)

 

 

2019年10月22日 (火)

ファーウェイはグーグルなしで行くのだろうか?

2019年10月17日
Ulson Gunnar
New Eastern Outlook

 ファーウェイの最新機種スマートフォン、Mate 30とMate 30 Proは、中国企業に対する(そして特にファーウェイ自身に対する)アメリカによる規制のため、グーグル製品が利用可能でない状態のまま発表された。

 多くの人々の予想に反し、ファーウェイは同社の電話に「自社オペレーティング・システム」を開発せず、代わりにグーグルのAndroidのオープンソース版を使用している。これは、ファーウェイ・ユーザーがまだAndroidアプリケーションを入手可能なことを意味し、ユーザーは電話を普通に利用するが、Google Play経由ではなく、ファーウェイのAppGalleryを通して、アプリケーションを入手しなければならない。

 CNETによる「ファーウェイMate 30プロはグーグルアプリケーションを捨て、Android維持。それがなぜ問題か」という題の最近の記事はこう説明している。

電話は、4つの背面のカメラを含む最新技術のハードウェアだが、Androidを完全にサポートせずに出荷される。Mate 30電話は、Androidオープンソースに基づいており、まだAndroidのように機能することを意味している。だが、それらには、グーグルサービスやアプリケーションがない。Google MapsもGoogle Chromeも、最も重要なことに、Google Play Storeがないのだ。

その代わり、ユーザーはファーウェイブラウザでWebを巡り、ファーウェイAppGalleryからアプリケーションをダウンロードする。ファーウェイによれば、AppGalleryには、Google Playの推定270万と比較すると、約45,000のアプリケーションがある。グーグルは、電話メーカーの使用に向け、現在はAndroidの最新版、Android10のライセンスを与えている。Mate 30電話は、その代わりに、オープンソースAndroidで駆動され、グーグルのAndroid10に似せたファーウェイのユーザインタフェースEMUI10で動く。

 ファーウェイの最近の電話は中国国内市場では、良く売れると予想されるが、中国国境外での未来は疑問だ。

 ユーザーは、グーグルのおなじみのサービスを使うことができない電話を買うだろうか? 欧米世界の技術刊行物は、アメリカによる制約と、迫っている貿易戦争を考慮して、ファーウェイの将来の見通しと、この質問を熟考している。

 より広範な文脈で、ファーウェイにとって、この一見重要な転機は、世界シェアや中国での事業にどのように影響するだろう?

 グーグルを振り切る

 ファーウェイのビジネスグループ専務・CEO、リチャード・ユーは、ファーウェイとグーグルの提携を強力だが、現在ファーウェイが直面し、増大している複雑な問題は、アメリカ政府による行動の直接の結果だと述べた。フォーブスはこう報じている。

 ファーウェイにとって、同社の電話でグーグルのAndroidオペレーティング・システムを使い続けることと、グーグルとの協力が可能なことは、同社にとって、少なくとも短期的には最も有益なのは明白だ。長期的に、ファーウェイは、最終的に、直接グーグルと競争するか、人気が高いグーグル製品を自社機種で最終的に追い越す用意ができているのかもしれない。

 多くのアナリストは、そもそもこれが、アメリカの制限を促進させている刺激だと信じているように思われる。アメリカ企業は、中国の競合企業と真っ向から戦うことができず、アメリカは、その経済的優位を、できるだけ長い間、中国経済の上昇(そして特定中国企業のそれ)を阻止するために使っているのだ。

 ファーウェイ経営者がグーグルについて本当に何を考えているか、あるいはグーグルが彼らをどう考えているかにかかわらず、ファーウェイが、現在世界中の大衆がグーグルに頼っているAndroidや電子メールやマップ・アプリケーションや他の機能に対するグーグルの支配に、少なくとも近い将来挑戦することになるのは避けられないように見える。

 アメリカは、グーグルサービスへのファーウェイのアクセスを制限し、中国巨大ハイテク企業に急速に、代替案に投資し、開発し、促進するよう強いて、その日の到来を早めているようにしか思われない。短期的に同社版Androidがどんな欠点に直面しようとも、ファーウェイは、近い将来、自身のセキュリティー・アップデートやハードウェアサポートをするために必要なとデベロッパーを雇う資源を確実に持っている。

 またファーウェイの5G技術は、中国企業、特にファーウェイに対してボイコットしろというをアメリカの圧力を無視した世界中の国々に既に広く採用されている。ファーウェイのスマートフォンも、既に世界中の市場に深く浸透しており、一夜にして消滅することのない人気を得ている。

 アメリカ政府が課している現在の妨害は避けられないものを遅らせているに過ぎず、もしかするとグーグルのようなアメリカ・ハイテク企業の終焉に自ら課した致命的打撃になるのかもしれない。

 中国 = アメリカ + 10億

 アメリカによる制限は、中国内で売られるファーウェイハンドセットには影響を与えない。中国国内の企業が、オンライン検索エンジンや電子メールや、ソーシャル・メディアネットワークやメディア共有サイトの全てを供給する状態で、中国消費者はグーグルサービスを広範に採用することはなかった。

 海外で同社製品に対するアメリカの規制を相殺し、最終的に克服するまで、ファーウェイは生き残れる可能性が高い。

 ご存じない方々のために申し上げるが、中国人口はアメリカ人口プラス10億人だ。

 習近平中国国家主席はかつてこう言った。「中国経済は池ではなく海だ。嵐は池は破壊できるが、海は決して破壊できない。」

 この考え方はファーウェイの現在の挑戦にもあてはまる。世界規模でファーウェイ販売に損害を与えようとするアメリカの取り組みは、限定された短期的影響を与えるだけだろう。ファーウェイは中国自身の巨大国内市場の「海」の中で生き残り、繁栄するだろう。アメリカによる規制を回避し、直接グーグルと競争する多数の代替案を持って世界的規模で再登場するまで、ファーウェイは順応し、進化するだろう。

 アメリカの規制を回避する能力は、いつの日か自分もファーウェイと同じ立場になりかねないと想像できる、ほとんど全てのアメリカ以外の主要スマートフォン・メーカー(他産業の潜在的企業も同様)にとって魅力的選択肢だ。アメリカの巨大ハイテク企業から自立したオペレーティング・システムとアプリケーションストアとサービスを採用すれば、これら事業が将来アメリカ取り引き慣行に攻撃されるのを阻止するだけでなく、グーグルや他の巨大アメリカ・ハイテク企業が長年囲い込んでいた富を共有するのを助けるだろう。

 中国との貿易戦争で、アメリカは手に余ることを企てたのかも知れない。ライバルを潰すために、必要とあればどんな手段もいとわないという本能が、その優位性が、もはや論理的でも持続可能でもなくなった変化する世界経済に潔く適応する必要性を、アメリカに見えなくにしたのかもしれない。

 ファーウェイに課された制限は、ファーウェイが参入している国際市場で、アメリカに本拠をおく企業に優位と幅をきかせる機会を与えるよう意図されている。実際は、これらの制限は、ファーウェイや他の企業が、アメリカ企業を必然的に上回るのを遅らせているに過ぎない。

 ファーウェイや他の企業は、アメリカ企業を追い越すだけではなく、アメリカの取り引き慣行ゆえに、これら企業は、いかなる本格的な形でも再びアメリカ企業と協力するのをためらうだろう。

 だから、アメリカは世界経済の未来の姿に影響を与える機会を失い、逆に、Androidオペレーティング・システムと、その上で動く多くの人気が高いアプリケーションを含めたアメリカ独占を根絶し、交替させる必要性を実証したのだ。

 ファーウェイに対するアメリカの攻撃は、究極的にアメリカ権力の証明ではない。逆に、それは、現在世界の舞台に直接勃興しつつある外国ライバルとの競争におけるアメリカ企業の能力欠如の実証だ。それは、いずれ他企業に標的を定めかねないアメリカ取り引き慣行による脅威の実証なのだ。

 ファーウェイが、同社スマートフォン用のオンラインアプリケーション店(Google Playに代わる選択肢)やプロセッサを含めたハードウェアに大いに投資するにつれ、アメリカの規制がファーウェイに影響を与える能力は弱まるだろう。

 ファーウェイを倒産させる以外の何であれ、ファーウェイが、現在のアメリカによる規制に対して猛烈に復活するのを阻止できまい。

 この最も残念な点は、グーグルとファーウェイに取り込まれた有能な人々の大集団の間に、意地悪く、不和がもたらされたことだ。両社にとって、儲かる協力になりえたはずのものが、そうではなく、両社を後退させる威圧的で醜悪な争いになったのだ。アメリカ-中国貿易戦争において進行中のこの出来事は、グーグルだけでなく、アメリカと、アメリカ企業と事業をしようとしている外国企業間の信頼を損なうだろう。

 この紛争は、どれほど酷く破壊的であろうとも、長い目で見れば、究極的には肯定的な結果をもたらすかもしれない。自社が依存している重要なサービスや要素技術を独占できないと悟った企業は、個別の国家経済だけでなく、我々が今目にしているような破壊的貿易戦争に影響されかねない個人や企業のためにも、経済的安定に寄与する国別の自足に一層注力するはずだ。

 Ulson Gunnarはニューヨークを本拠とする地政学専門家、ライター。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/17/huawei-moving-on-without-google/

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 「防災より国防」という見出しを見た。「防災より戦災」の印刷ミスでは?

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

9月韓国向け輸出額15%超減、対中向けは6.7%減。徴用工問題は個人の請求権を担保する国連人権規約無視が安倍政権の間違い。対中国に関してもファーウェイ5G導入を拒否しているがドイツは導入の方向。外交の間違いが輸出という日本の基幹部分に悪影響。

 今日のIWJインタビューは拝聴したいが、外出予定で、生配信は拝見できない。

日刊IWJガイド「本日午後4時から、元外務省情報局長・孫崎享氏にインタビュー(続編)を冒頭のみオープンで、その後は会員限定で生配信します!」2019.10.22日号~No.2595号~(2019.10.22 8時00分)

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