タッカーを大統領に MAGA反乱軍、イスラエルからの独立を宣言
公開日:2026年8月8日 15:25 | 更新日:2026年8月8日 15:26
RT
タリク・シリル・アマルはドイツ出身の歴史家で、イスタンブールのコチ大学に勤務。専門はロシア、ウクライナ、東欧、第二次世界大戦史、文化冷戦、記憶の政治。
タッカーを大統領に MAGA反乱軍がイスラエルからの独立を宣言

© クリス・アンガー / ゲッティイメージズ
ドナルド・トランプ大統領が二期目で、最後の任期を開始して以来、彼を二度も権力の座に押し上げた運動は分裂し始めていた。そして今「アメリカを再び偉大にする(MAGA)」支持者の間で完全な分裂が起きている。
本質は単純だ。トランプをMAGAと同一視し続ける人々がいる一方、溝は広がりつつあり、MAGAへの忠誠心は持ちつつも、トランプはそうではないと考える人々もいる。反逆者たちは、トランプは大義を裏切ったと主張し、MAGA、ひいてはアメリカをトランプから救い出したいと考えている。
MAGA反対派が自らの運動と呼ぶものに、まだ正式な組織構造は存在しないが、事実上の指導者はいる。人気ジャーナリストでポッドキャスト司会者でもあるタッカー・カールソンだ。MAGAの分裂が正式に発覚したのは、メイン州にあるタッカーの実に典型的なアメリカ邸宅だった。そこで、トランプに反対するMAGA集団の主要人物数名が集まり、事実上、反乱の旗印を掲げたのだ。
文字通りではないが、元アメリカ下院議員マージョリー・テイラー・グリーン(フォロワー数540万人)によるX投稿の形で、それが示された。投稿には、グリーン自身に加え、トランプ政権下でテロ対策責任者を務めたジョー・ケントや、長年トランプに反対してきた保守派のトーマス・マッシー下院議員や、テーブルの最上座に座るカールソンなど、陽気な反逆者集団を写した入念に構成された写真が掲載されていた。
投稿から数日後、カールソンは自身のソーシャル・メディア「タッカー・カールソン・ネットワーク」(YouTube登録者数520万人)で「It’s Time to Save America(アメリカを救う時が来た)」と題する動画マニフェストを公開した。公開から僅か一日で、YouTubeだけで100万回以上の再生回数を記録した。
ポッドキャスト時代における修辞の達人カールソンは、現在のアメリカを、並外れた退廃と堕落の行き詰まり、支配体制における現実感覚の喪失と「麻痺と略奪」状態として描き出した。
また彼は、核戦争か制御不能なAIによる「世界の終焉」をアメリカ人が避けたいなら、変化は避けられないと予測した。更に、時宜を得た政治的行動で、この終末を阻止したとしても、大きな暴力、すなわち革命を引き起こす可能性があると警告した。そして最後に、世界の終焉と激しい混乱の両方に対する代替案を簡潔な10項目で提示した。
「公平性」から「団結」まで、多岐にわたる彼の10項目は、具体的政策概要というより、国家再生への力強い呼びかけで、彼自身も認めている通り、幅広い合意形成を可能にする一般的な目標を掲げている。
彼が挙げた10項目の多くは、トランプ抜きのMAGA 2.0のようだと観察者たちは指摘した。身体的および精神的健康、経済が、監視技術や兵器や金融トリックだけでなく実際に役立つものを作る必要性、修復が必要なアメリカの美しい風景と建築物といった問題について、カールソンの情熱的訴えは、MAGA現象の根底にある保守主義を反映している。
最終的に重要なのは、意見の相違点だ。カールソンの主張の一つは、主権、つまり彼が定義した「外部からの影響からの自由」に関するものだった。この点が、他のあらゆる主張の鍵になる。10項目は、本質的には独立宣言で、あらゆる外部からの影響からの独立だけでなく、イスラエルと、その強力なアメリカ・ロビーからの独立宣言でもある。カールソンは、これらがアメリカにとって最悪問題の一つだと直接指摘した。
まず、彼は単に、法や倫理のルールを超越した王様のように振る舞う利己的な上流階級を攻撃しただけではなかった。彼はそれを「エプスタイン階級」と呼んだ。これは有罪判決を受けた小児性愛者で、自殺したとされ、自称ロスチャイルド家代表で、イスラエル人強姦犯や諜報機関関係者と親しい関係にあった故エプスタインを指している。
また、対イラン戦争(最近別の現実的なアメリカ人が述べた通り、ベトナム戦争より酷い「戦略的大失敗」)を「イスラエルによる賄賂か脅迫、あるいはその両方」とカールソンは正しく結びつけた。同様に説得力ある主張として、ナチス・ドイツのようにイスラエルがジェノサイドをしていると彼は非難し、アメリカの継続的支援に抗議した。最後に、イスラエルだけでなく、イスラエルのロビー活動が主導している現状は、「代表民主主義の理念を覆す」とカールソンは述べている。ロビイストが意思決定を行う場所では、有権者は意思決定を行えないためだ。
要するに、カールソンは、アメリカが近年稀に見る最悪の軍事的敗北を喫したこと、進行中のジェノサイドを支援(そして事実上加担)したこと、主権と民主主義を失ったことは、全て、あるいは大部分が、アメリカ支配体制による、イスラエルとの歪んだ、極めて非愛国的な関係に起因すると指摘したのだ。政治的には、これはシオニスト国家の攻撃的な影響力工作に対する、おそらく長らく待たれていた宣戦布告に等しいと言える。
そしてメッセージは伝わった。イスラエルの「リベラル」系有力紙ハアレツ紙は、急遽、長いカールソンに関する論説を掲載し、驚くべきことに彼を「反ユダヤ主義」だと非難した。これはばかげた中傷だが、予想通りだ。ジェノサイドをするアパルトヘイト国家イスラエルへの批判を、ユダヤ人への憎悪だと組織的に歪曲するのは、古く陳腐なシオニストの戦術だ。カールソンは決して世間知らずではない。10項目の論点で、彼は「ナチス」と呼ばれることを予期し、それを軽く受け流した。
だがハアレツは一つだけ正しいことを指摘している。カールソンと彼が率いる勢力にとって「イスラエルと彼らのアメリカ人支持者は、トランプによる[MAGA]運動裏切りの中心原因でもある」。言い換えれば、小さくとも極めて破壊的で暴力的ならず者国家への狂気じみたアメリカの依存を特定し、名指し、攻撃する勇気を持ったアメリカ保守主義をカールソンは体現している。
カールソンが描くアメリカ史や西洋像には、確かに理想化や郷愁が色濃く反映されている。この超保守的人物について意識を高めたいと願う人々にとって、格好の材料になるだろう。だが、それは無益で退屈なことだ。なぜなら、そこが重要な点ではないからだ。重要なのは、アメリカの世論調査が、一貫して、イスラエルに対する未曾有の大きな反発を示していることだ。最近、イスラエルのアメリカ・ロビーに関する新刊が出版され、大きな話題を呼んでいる。潮目は変わりつつある。
タッカーを大統領に擁立する選択肢もあると同じくMAGA支持派反逆者のジョー・ケントは漏らした。第三党というのは困難な課題だ。しかしハアレツ紙は懸念を示しており、シオニズムの観点からすれば、それは当然だ。そして、それは非常に良いニュースだ。
記事原文のurl:https://www.rt.com/news/644017-maga-rebels-tucker-israel/
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