イラク

2017年1月20日 (金)

アメリカは、どうやって、ISISによるデリゾール占領を可能にしたのか

Moon Of Alabama
2017年1月17日

東シリアの都市デリゾール (デリゾール)は、イラクとシリアのイスラム国(ISIS)のタクフィール主義者の手に落ちる瀬戸際にある。100,000人以上のデリゾール住民と彼らを守っている数千人の兵士は、残虐なISIS部隊によって殺害される差し迫った危険に直面している。現在の状況は、アメリカ軍のSAAに対する行動と、ISISに対する行動が欠如している直接の結果だ。

デリゾールは、ISISによって、2015年9月以来、包囲されている。しかし、この都市は、シリア・アラブ軍(SAA)守備隊によってしっかり守られ、ISISによるあらゆる全面攻撃は撃退されてきた。都市への補給は、デリゾール空港経由、空輸で運ばれるか、シリアとロシア空軍による空からの投下によっている。デリゾールは、パルミラの西にある最寄りのSAA陣地から100キロ以上離れており、間にある砂漠は、ISIS支配下にあるので、地上軍による救援と地上補給は不可能だ。


グーグル地図 - 拡大

四日前、ISISによるデリゾールに対する新たな攻撃が仕掛けられ、今も継続中だ。ロシアとシリア空軍による空からの阻止にもかかわらず、ISISの強化と補給は何ヶ月も続いている。昨日、ISISは、現地SAA司令部と主要補給品が置かれている空港を、都市から切り離すことに成功した。ISISは、現在、全力であらゆる方面から攻撃をしている。悪天候のせいで、外部からの航空支援は、散発的な、困難なものとなっている。何か予想外のことが起きない限り、空港と都市がISISの手に落ちるのは時間の問題にすぎない。


Peto Lucemによる地図 - 拡大

アメリカは、(少なくとも)三つの手段で、ISISによる差し迫ったデリゾール奪取を、許している、および/あるいは、積極的に支援している。

  • 2016年9月の、アメリカによる対SAA部隊大規模空爆が、ISISが支配的な場所を奪うことと、SAA補給の遮断することを可能にした。
  • 1月のアメリカによる発電所攻撃が都市への最後の電力供給を止めた。
  • アメリカの不介入が、モスルと、西イラクから、東シリアのデリゾールへのISIS増強を可能にした

2016年9月16日の、空港の南、サーダ丘にあるSAA陣地に対する一時間ものアメリカが率いる空爆が、100人以上のSAA兵士を殺害し、SAAの補給用大型ダンプカーや、いくつかのSAA戦車と大砲を破壊した。アメリカ攻撃直後、ISISが丘を占拠し、それ以来、確保したままだ。この陣地が、デリゾール空港に対する射撃統制を可能にしている。

アメリカ軍は、攻撃は間違いだったと主張しているが、"間違い"の調査報告を徹底的に読み込むと、ISISと戦うアメリカ-ロシア協力協定の発表への政治的反対を印象づけるべく、アメリカ軍は意図的にSAAを標的に攻撃していたことがわかる。(デンマーク空軍F-16戦闘機と無人機が、アメリカの指揮の下、攻撃に参加していた。報告が発表された後、デンマーク政府は、全ての航空部隊を、対ISIS同盟参加から撤退した。)

9月のアメリカ攻撃以来、空からの本格的な補給は、デリゾールに届いていない。ヘリコプターの空港着陸さえ、夜しかできず、それも大きなリスクをおかしてだ。都市住民と、防衛部隊は、完全に遮断されている。

1月始めのアメリカ空軍攻撃が、デリゾール近くのオマール油田の発電所を破壊した
発電所は、デリゾールに電力を供給する最後のものだった。それ以来、わずかな軍用発電機と、減りつつある燃料は、医療と通信機器用にとりおかれている。

10月に、ISISが占領していたモスル奪還をイラク軍が策定し、開始した際、アメリカは、モスルからデリゾール方向に逃れようとするISIS部隊のため、西回廊を通れるようにしておくよう主張した。何千人ではないにせよ、何百人ものISIS戦士がこの回廊を利用した。アメリカが支配する北イラク内のクルド部隊は、ISISが、イラクからシリアに向かうのを許した。ISISが、デリゾールに向かって、モスルを脱出するのは、デリゾール陥落を意味することになるのを(正しくも)恐れ、ロシアとイランは、イラク政府とともに介入した。アメリカの要望に反して、イラクのアバーディ首相は、イラクの人民動員隊(PMU)に、西の脱出路を遮断するよう命じた。

モスル西部の脱出経路を封鎖するよう要求していた国はイランだけではない。もう一つのアサドの強力な同盟国ロシアも、戦士たちのシリア移動の可能性を阻止したがっていたと、ハシェミは述べた。ロシア国防省は、ロイターのコメント要求に対し、即答しなかった。

アサド最大の敵の一つ、フランスも、パリとブリュッセルでのテロ攻撃につながる数百人の戦士が脱出するのを懸念した。フランスは、モスル作戦で、地上支援と、航空支援で貢献している.

...しかし、ハイダル・アル=アバーディ首相が、10月末に人民動員隊の民兵を派遣することに同意するまで、戦闘計画はモスル西の道路封鎖まで予期していなかった。

脱出経路を遮断するためタッル・アファルに向かうPMUの南からの素早い進撃にもかかわらず、西イラクの多くのISIS戦士が、装備をそのままに国境を越え、デリゾールに向かって脱出することができた。彼らは、ISIS部隊を補強し、現在デリゾールを攻撃している。西イラクと東シリア上空で、圧倒的制空権を持っているアメリカは、一度たりとも大規模移動に干渉しようとしなかった。

もしISISがデリゾールを占領すれば(他の場合に、そうしたように)捕らえたSAA軍兵士全員と、彼らと協力したと連中が考える人々を殺害する可能性が高い。兵士はこれを知っている。彼らは最後の一発を撃ち尽くすまで戦うだろう。しかし、いかなる強化も補給も無しでは、見込みはほとんどない。

シリア政府が東アレッポでアルカイダ部隊を包囲した際には、"欧米" マスコミや様々な"シリア反政府派" プロパガンダ・マスコミが、包囲されたイスラム原理主義者を支持する全面キャンペーンを展開した。デリゾールの一般市民や兵士を支持する、そうしたキャンペーンは皆無だ。差し迫るデリゾール陥落に関するわずかな報道で "欧米"マスコミは、全くのウソまで駆使している。デイリー・テレグラフはこう主張している

アメリカが率いる連合とロシアは、デリゾールの聖戦士を、過去18カ月爆撃してきたが、連中を追い出せずにいる。

デリゾール周辺のISIS軍に対するアメリカの本格的空爆飛行は行われたことがない。地域でのアメリカによる攻撃飛行は、シリア政府軍か彼らのインフラに対するものだ。

戦場で見られる事実は、ISISとの戦いに関するアメリカ公式説明を裏付けていない。 アメリカ軍はISISを黙認しているだけでなく、都市に残る全員にとっての極端に高いリスクにもかかわらず、連中がデリゾール支配権を得るのを支援していると結論せざるをえない。

This likely to furtherより大きな長期的計画、いつでも都合の良い時に、シリアとイラク政府に対して発動できるアメリカ軍を、"ISISと戦う"ために地域に留めることが正当化できる、 "サラフィー主義国家"を西イラクと東シリアにしつらえる。アメリカのオバマ大統領とケリー国務長官の二人とも、まさにそうした政治目的のため、イラクとシリアにおいて、当初、ISISが拡大するのを許したことを認めている

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2017/01/how-the-us-enabled-isis-to-take-deir-ezzor.html#more

----------

世界中のマスコミなるものの偏向、筆者がされている通りひどいものだ。

藤永茂氏は、ブログ『私の闇の奥』で、シリアやウクライナに関し「ジャーナリストとコラムニストの責任は重大」という記事を書いておられる。小生、幸いにして、実名ををあげられている人々の発言、信じておらず、著作もほとんど読んでいない。

TPP違憲訴訟裁判の茶番状態を、植草氏が書いておられる。突然の審理打ち切り。大本営広報部大政翼賛会、一言でも、この裁判に触れたことがあるだろうか。

政治権力と一体化する司法権力の横暴 2017年1月17日

大本営広報部の紙媒体や電気紙芝居でニュースを見聞きする習慣、完全になくなった。洗脳されるのに時間やお金を使うのは止めたので。

今は日刊IWJガイドが頼り。 今朝のガイドの一部を引用させていただこう。

 一昨日18日、岩上さんが直撃質問した映画『スノーデン』のオリバー・ストーン監督。米国から発せられる情報には疑いを持って見てほしい、と呼びかけていました。その理由は、世界はすでに「サイバー戦争」の時代へと突入しており、その先頭に立つのは米国である、というのです。ロシアが米大統領選に介入し、サイバー攻撃をしかけたという、米国情報機関による報告も、何の証拠もないのだと強調しました。この点については、ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジが以下のように語っているということです。

・アサンジ氏によると、ロシアの諜報機関が米民主党のサーバーに侵入したという証拠は、報告書に一切含まれていない。
https://jp.sputniknews.com/politics/201701093221227/

 岩上さんとストーン監督の熱いやりとりの様子は現在、どなたでもご視聴いただけるように、1月末まで特別にフルオープンで公開しています!岩上さんの「ツイ録」も併せてご覧ください!

※【岩上安身のツイ録】「ここに目覚めた人がいる!」―― 映画「スノーデン」の監督オリバー・ストーンが岩上安身の質問にビビッドな反応!!スノーデンが明かした米国による無差別的大量盗聴の問題に迫る!! 2017.1.18
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/357309

※米国の同盟国をやめた瞬間に、CIAのマルウェアが日本中のインフラを崩壊させる!?スノーデン証言の真偽は!?――映画『スノーデン』のオリバー・ストーン監督に岩上安身が直撃質問! 2017.1.18
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/357253

※オリバー・ストーン氏「アメリカの大手のスタジオには全部断られた」―映画「スノーデン」ジャパンプレミアで制作裏話を披露!! 2017.1.18
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/357257

 こうした情報戦の真っただ中に置かれたまま、アメリカ国民は今、激しく「親トランプvs反トランプ」で二分されています。トランプ氏が繰り返し行ってきたヘイト発言に見られる白人至上主義は偽りない事実であり、また、大統領就任前から大手企業(日本のトヨタも含む)を名指しで批判し、経営方針を変えさせる強引なやり方に懸念を示す人々が、トランプ氏を「自由と民主主義」を重んじる国(たとえそれが建前であり、いまだ実現半ばの理念や理想であったとしても)のリーダーとしてふさわしくないと主張するのも、よく分かります。

 本日20日の就任式には約50人の民主党議員が就任式を欠席する見通しだといい、就任式前後には約100団体がデモを予定。反トランプの風は当分やみそうにありません。

・トランプ氏の就任式、50人欠席へ 民主議員、ボイコット加速(毎日新聞、2017年1月19日)
http://mainichi.jp/articles/20170119/ddm/002/030/071000c

半トランプ世論の高揚は、該当行動に参加する人々の増大を招き、それに対してトランプ政権が強権的な弾圧を加えれば、大きな混乱が生じるのではないかと、何歩も先を睨んだような発言をしている人物もいます。

 だれあろう、ロシアのプーチン大統領です。プーチン氏は、ウクライナの首都キエフで起きたマイダン―騒動のようなことが米国内で再現されるのではないかと、コメントしています。

※岩上安身ツイログより(1月10日 04:20:46)
http://twilog.org/iwakamiyasumi/10

2017年1月15日 (日)

女性と子供の戦犯殺りく者、オバマ

2017年1月11日
Paul Craig Roberts

アメリカ大統領バラク・オバマは、軍隊や諜報機関の幹部や、大半の下院と上院議員と同様に、戦犯であることは疑問の余地がない。

オバマは、8年間、政権の期間まるごと、アメリカを戦争させ続けた最初の大統領だ。2016年だけでも、アメリカは、7カ国で、結婚式、葬式、子供のサッカー試合、病院、学校、自宅や、道を歩いている人々、畑に灌水する農民に、26,171発の爆弾を投下した。イラク、シリア、アフガニスタン、リビア、イエメン、ソマリアとパキスタンだ。http://blogs.cfr.org/zenko/2017/01/05/bombs-dropped-in-2016/

どの国として、アメリカに対する危険ではなかったし、どれもアメリカは宣戦布告をしていない7カ国への8年間の違法な軍事介入で、政権は一体何の成果を上げたのだろう? テロはアメリカ侵略によって生み出されたものであり、勝った戦争など皆無で、中東は混乱と破壊で消耗してしまった。世界中のアメリカ合州国憎悪は、史上最高となった。アメリカは地球上で、最も嫌悪されている国だ。

これら犯罪の唯一の目的は、兵器産業を富ませ、アメリカの世界覇権という狂ったネオコン・イデオロギーを推進することだ。ごく少数の卑劣な連中が、アメリカ合州国の評判を破壊し、何百万人もの人々を殺害し、アメリカやヨーロッパに、大量の戦争難民を送り出すことに成功したのだ。

我々はこうしたものを“戦争”と呼ぶが、そうではない。大半は空からの、アフガニスタンとイラクでは地上軍による侵略だ。空と地上による侵略は、全てあくどい、あからさまなウソに基づいていた。侵略のための“理由”は何十回も変わった。

問題はこうだ。もしトランプが大統領になったら、人類に対するアメリカ政府の壮大な犯罪は続くのだろうか? もしそうであれば、アメリカ以外の世界は、アメリカ政府の途方もない悪に絶え続けるのだろうか?

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/01/11/obama-the-war-criminal-butcherer-of-women-and-children/
----------
猟奇的事件か、オリンピックか、都知事選しか報じない大本営広報部。オバマ大統領退任演説にふれたものもただのヨイショだった。自国の大統領に対する、この筆者のようなまっとうな論議をした大本営広報部・大政翼賛会皆無だったはずだ。

筆者は文章にある通り、レーガン政権で、元経済政策担当の財務次官補だった人物だ。

我々の生活に直結する重要事件でも、宗主国・傀儡与党に不都合であれば、決して触れない。典型が、沖縄の反基地運動。

故品川正治氏が指摘する沖縄マスコミと本土マスコミの違い、頭から離れない。
目覚めさせる沖縄マスコミと、眠らせる本土マスコミ。

激突の時代』の連続講座・第4回 第11章 日本のマスコミ から、ごく一部を引用させていただこう。225ページから、226ページ。太字は小生が加工したもの。

 国民に怒りを持たせない

 マスコミの現在の姿勢を言で言ってしまえば、とにかく国民に怒りを持たせない、あるいは怒りの的を外してゆこうというものです。そういう役割をご本人たちが意識しておられるかどうかは別として、私はその点を非常に問題視しています。
 私は沖縄で発行されている「琉球新報」と「沖縄タイムス」の二紙をとっていますが、この二紙は、国民の不満を「怒りにまではしない」という報道姿勢は持っていません。そこが日本のマスコミ全体と大きく違うところです。
 もちろん沖縄の問題では、事実関係を報じるものとしては、大手全国紙でもしばしば一面をにぎわせています。非常に大きな紙面形成になってもいます。けれども、沖縄の二紙と本土のマスコミとでは、どこが違うかというと、「怒りを起こさせない」という本土と、「そうではない。本当の事実を知らせないといかんという沖縄この違いが大きいでしょう
 沖縄の新聞を読み始めた頃、本土とどこか違うと感じたのですが、そのことはすぐに分かりました。それ以来、この点を非常に強く意識しています。

   占領支配と日本マスコミ

 それではなぜ、日本のマスコミは全体として「怒りを起こさせない」となってしまったのか。その本を正せば、第二次大戦での日本の敗戦と、その後の米軍を中心とする連合国の占領支配に遡ります。

以下略

54-55ページにでは、大略下記のような発言をしておられる。

政府の理不尽な行動に反対の声をあげる官邸前の原発再稼働反対や、オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会があっても、マスコミは触れたがらない。取り上げるにしても、むしろニュースとして、なにか珍奇なものを見るような形でしか報道しない。

今日の日刊IWJガイド日曜版冒頭をコピーさせていただこう。

 巻頭、岩上安身のツイ録をアップしましたので、全文ご紹介します。

======================

【岩上安身のツイ録】拷問解禁の底意にじむ自民党改憲草案の先取り!?長期勾留続く山城博治氏らの釈放を求め岩上安身も署名にサイン!「山城氏の釈放と手当、自民党改憲草案の白紙撤回のぞむ」

 遅ればせながら、沖縄で、病身の身でありながら不当勾留され、適切な手当も受けられずにいる山城博治さんの釈放を求める署名にサインしました。署名の募集サイトは以下の通りです。

※「山城博治さんらの釈放を!」署名はこちらから
https://www.change.org/p/%E5%B1%B1%E5%9F%8E%E5%8D%9A%E6%B2%BB%E3%81%95%E3%82%93%E3%82%89%E3%82%92%E6%95%91%E3%81%88

 署名の際に、コメント欄に以下のようにコメントしました。ここに再掲しておきます。ご一読いただき、拡散していただければ幸いです。誰にとっても「明日は我が身」です。 「山城さんの身に起きていることは、事実上の拷問です。

 憲法36条の「公務員による拷問および残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」という条項に違反する不当な勾留です。自民党のおぞましい改憲草案では、この36条の「絶対に」という文言が削除されています。

 必ずしも、拷問しないとは限らない、時にはやるぞ、という底意が感じられます。今回の山城さんの不当勾留は、この自民党改憲草案の先取りに他なりません。権力犯罪を見逃してはならない。

 山城さんの人権を守ることは、私たち、すべての日本国民の、明日の人権を守ることに直結します。私は、病身の山城さんが直ちに釈放され、適切な手当てが受けられるようにとりはかられることを日本政府に強く求めるとともに、危険な自民党改憲草案が白紙撤回されることも併せて強く望みます」

※【岩上安身のツイ録】拷問解禁の底意にじむ自民党改憲草案の先取り!?長期勾留続く山城博治氏らの釈放を求め岩上安身も署名にサイン!「山城氏の釈放と手当、自民党改憲草案の白紙撤回のぞむ」 2017.1.14
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/356608

2017年1月 5日 (木)

シリア戦争は始まりに過ぎない

2017年1月2日
Tony Cartalucci

北シリアの都市アレッポ解放で、ダマスカスのシリア政権は、約六年も続いた極めて破壊的な紛争を終わらせる途上にあるように見える。

しかし、シリア紛争が今にも解決しようとしていると決めてかかるのは、シリア紛争が地域、更には、世界的狙いと切り離された地政学的真空の中で戦われていると見なすも同然だ。

実際、欧米がシリアに仕掛ける代理戦争は、開始前から長年検討されており、計画・準備段階では、対イラン戦争や、ロシアの再登場と中国勃興を阻止するための、より大規模なグローバル紛争の前提条件に過ぎなかった。

勃興する超大国の抹殺を狙うアメリカ覇権

冷戦終了時、アメリカは世界唯一の超大国としての立場を確立し維持することを狙っていた。

ウェズリー・クラーク陸軍大将は、2007年“主導すべき時”と題するフローラTVのトーク番組で、1991年という早い時点での、当時アメリカ国防副長官ポール・ウォルフォウィッツとの会話に触れ、冷戦後の狙いをこう述べて明らかにした(強調は筆者による)

国防副長官に、デザート・ストームにおける軍隊の実績にはかなりご満足でしょうと言った。すると彼は言った。「そう」。しかし彼は本当には満足していないと言った。サダム・フセインを倒しておくべきだったのだが、そうしなかったからだと。しかも、我々が引き起こした91年3月のシーア派蜂起直後なのに、わが軍を傍観させたままにして、干渉しなかった。そして彼は言った。一つ学んだことがある。中東地域で、我々は軍隊を使用することが可能で、ソ連は我々を止めないことを学んだ。彼は言った。次の巨大超大国が我々に挑戦する前に、ソ連傀儡政権の全ての国々、シリア、イラン、イラクを一掃するのに、我々には五年から十年、猶予がある。

クラーク大将発言で暴露されていることは明白だ。デザート・ストーム、バルカン半島での紛争、アメリカによるアフガニスタン侵略と占領や、アメリカによるイラク侵略と占領、更に、2001年9月11日、ニューヨークと、ワシントンDCでの攻撃後のアメリカ軍“対テロ戦争”戦力展開の全体的な拡張から、冷戦後に始まった特異な計画は明らかだということだ。

アメリカの“政権転覆”騒ぎは、上記の戦争だけでなく、東ヨーロッパ中の一連のいわゆる“カラー革命”も含んでいる。これには、1998年から2004年までの、セルビアにおけるオトポール!の活動、2003年のジョージア“バラ革命”や、2004年-2005年のウクライナ“オレンジ革命”も含まれる。

アメリカが支援したこうした政権転覆作戦に関わったのは、アメリカ国内の国務省とアメリカ民間企業(商業マスコミや、フェイスブックやグーグルなどの巨大IT企業)や、2011年のアメリカが画策した“アラブの春”に先駆けた、2008年に始まったアラブ世界の反政府派指導者訓練で育てられた、各国の“活動家”たちだ。

アメリカ国務省自身、2008年のプレス・リリースで、“青年運動同盟サミット”を組織したことを認めてこう書いている。

既に、世界中の青年運動オンライン、携帯、デジタル・メディアを活用して、最良のやり方を、お互いに話し合っているという点で、この青年運動同盟の始まりは、組織的なものだ。国務省は、フェイスブック、ハウキャスト、グーグル、MTVやコロンビア・ロー・スクールなどの組織と結びつけ、この動きの立ち上げを支援するまとめ役として機能した。

プレス・リリースに述べられている内容は、エジプトやリビアから、シリアやイエメンに至るまでの必然的に暴力的な政権転覆作戦の隠れ蓑役を果たすのに使われた戦術そのものだ。アメリカ国務省の“青年運動同盟サミット”参加者を見れば、エジプトの4月6日青年運動を含み、中東に帰国するやいなや抗議行動の先頭に立った多くの集団がいる。

最終的に、“アメリカの各種集団がアラブ蜂起の養成を支援”と題する記事で、ニューヨーク・タイムズはこう認めている。

ここ数週間のインタビューやウィキリークスが入手したアメリカ外交電報によれば、地域で広がる反乱や改革には、国際共和研究所、全米民主国際研究所やフリーダム・ハウスなどの、ワシントンを本拠とする非営利人権団体などからの訓練と資金援助を受けた、エジプトの4月6日青年運動、バーレーン人権センターや、イエメンの青年指導者エンツァール・カディなどの草の根活動家を含む多数のグループや個人が直接関与している。

直接的な軍事介入とアメリカが画策する“カラー革命”双方の狙いは、クラーク大将が、冷戦終焉以来、アメリカ政策立案者たちが追い求めていると主張するもの、究極的にアメリカ世界覇権のライバルとなり得る独自に動いている国々の根絶を実現することだ。

途上の通過点に過ぎないシリア

イラク破壊、2006年 イスラエルの南レバノンのヒズボラに対する戦争、テヘラン政権を孤立化し、打倒する絶えざる取り組みは、全てこの並外れた計画の一環だ。長年にわたり、あらゆるアメリカ政策論文の中で、究極的なイラン打倒の重要な鍵はレバノンのヒズボラ破壊と、イラン同盟国としてのシリア絶滅であることが認められている。

2007年、ピューリッツァー賞受賞ジャーナリスト セイモア・ハーシュは記事“リディレクション(方向転換): 政権の新政策は対テロ戦争における我々の敵に恩恵を与えるのか?”でこう書いていた。(強調は筆者による):

シーア派が多数のイランを弱体化させるため、ブッシュ政権は、事実上、中東における優先事項再編を決定した。レバノンでは、政権は、イランが支援するシーア派組織ヒズボラを弱体化することを狙った秘密作戦で、スンナ派のサウジアラビア政府に協力した。アメリカは、イランと同盟国シリアを狙う秘密作戦にも参加した。こうした活動の副産物が、イスラム主義の戦闘的構想を奉じ、アメリカに対して敵対的で、アルカイダに共鳴するスンナ派過激派集団の強化だ。

2009年、アメリカの大企業-金融業界が資金提供する地政学的政策シンクタンク、ブルッキングス研究所が“ペルシャへの道はいずれか?: 対イラン・アメリカ新戦略のための選択肢” (PDF)と題する170ページの報告書を発表したが、そこで、アメリカ政府のために、イスラエルにイランを攻撃させることを含む、いくつかの選択肢を提案している。報告書にはこうある(強調は筆者による):

…イスラエルは、様々なことで、アメリカの支援を要請する可能性がある。イスラエルは、アメリカ合州国以上に、イランの報復と国際的非難を受けるリスクを負う覚悟がある可能性があるが、不死身というわげではなく、攻撃をする用意が調う前に、アメリカ合州国によるある種の確約を要求する可能性がある。たとえば、ヒズボラによる、また可能性として、ハマースの反撃をも緩和するのに役立つ、シリアとの和平協定が実現するまで(エルサレムが、それが実現可能だと考えているとして)イスラエルが先送りをしたがる可能性がある。その結果、彼らはアメリカ政府に、エルサレムと、ダマスカスの仲介を強く推進するよう希望する可能性がある。

いかなる“和平協定”も結ばれず、そのかわりに、国の大規模破壊が画策されていることは明らかだ。ブルッキングス報告書に書かれている、紛争を引き起こすことと、イラン政権転覆に関する提案の多くは代わりに、シリアに対して使われたのだ。

2011年、アメリカが率いたアルカイダとつながる戦士を活用したリビア破壊で、東リビアの都市ベンガジを、トルコ・シリア国境への兵站上の足場へと変え、シリアの都市部で、既に衝突が継続する最中、シリア代理侵略が始まった。

2012年、戦士たちがトルコ-シリア国境から殺到し、都市アレッポを侵略した。それに続く破壊的戦争が国を荒廃させ、シリアの同盟者、ヒズボラとイラン、更にはロシアまで引き込み、東方のイラン、更には、南ロシアにまで紛争を拡大する前に、連合を十分弱体化させている可能性がある。

イランとの戦争に備えて、だれが閣僚に入ったかを見よう

次期大統領ドナルド・トランプは、デイヴィッド・フリードマンのような親イスラエル派強硬派のみならず、ブライトバート・ニュースのスティーブン・バノンや、退役アメリカ海兵隊員ジェームズ・マティス大将を含む長年、イランとの戦争を主張してきた連中で、周囲を固めた。

似たような顔ぶれの政策立案者連中が、彼女が選挙に勝っていれば、2016年アメリカ大統領候補で、元アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンで、入閣していたであろうことは確実だ、彼女はアメリカ国務長官時代、まさにこの紛争の前提条件たるリビアとシリアの破壊に夢中だった。

要するに、アメリカ政府は、シリアにおける代理戦争が、まさに全過程を済ませたように見える中、イランとのより広範な紛争のための姿勢を確立しつつあり、2016年アメリカ大統領選挙に誰が勝とうと、この来る戦争のため姿勢をとり始めていたに違いないのだ。

おそらく、アメリカの政策立案者たちは、シリアを、もっと早く、経費も少なく、陥落できると踏んでいただろう。ロシアがシリアに大規模軍事駐留し、シリア軍が、極めて効果的な、経験を積んだ戦闘部隊へと進化し、イランとヒズボラ部隊が地域紛争で戦って経験を積んでいるので、紛争を、イラン国内に進めるのは容易な課題ではなない。

おそらく、このせいで、次期大統領トランプは、ロシアと“同盟”の可能性があるかのごとく演出され、ロシアによるアメリカ選挙“ハッキング”という非難は“偽ニュース”と戦うという装いのもと、代替メディアを萎縮させるために利用されているのだ。代替メディアを黙らせなければ、ブルッキングスの“ペルシャへの道はいずれか?”報告書が勧めているように - シリア紛争をイラン領にまで拡大し、そこにアメリカが関与するのを正当化するため、アメリカ政策立案者が、またもや大規模挑発を画策するのは困難なはずだ。

シリア紛争の間 - レバノンとシリア全体で、イスラエルは、ヒズボラ・インフラストラクチャーを組織的に攻撃してきたことにも留意すべきだ。イスラエルの政策立案者 連中と、アメリカが支援するイスラエルによる対イラン攻撃の後で、報復するだろう連中との間に緩衝地帯を維持する狙いである可能性が高い - ブルッキングスが、2009年に提案した通り。

選挙がアメリカ覇権を潰すことはなく、それを潰せるのは多極的な勢力均衡のみ

アメリカの既得権益集団は、冷戦終焉以来、彼らが世界覇権と考えるものに対するあらゆる脅威と対決し、抹殺することに夢中になってきた。ウェズリー・クラーク退役アメリカ陸軍大将が長年警告している通り、アメリカは、1990年年代以来、誰がホワイト・ハウスの主であろうと、どのような言辞が使われようと無関係に、世界覇権を徐々に実現し維持するために必要な無数の戦争や“カラー革命”を売り込む特異な計画を推進しているのだ。

ロシアと中国が、世界的な勢力の均衡をもたらし、アメリカによる侵略をはばみ、世界の舞台で、アメリカ覇権を、より釣り合った、多極的役割で押し返す中、アメリカは、モスクワと北京の両方への直接対決や、益々暴力化する代理戦争作戦や、世界中での政権転覆作戦で対処するようなりつつある。

大統領選挙が、この特異な長年の計画を頓挫させることができるという幻想は危険だ。現実には、アメリカ既得権益集団と世界覇権実現に対する唯一の障害は、競合する中核権力なのだ。そうしたものには、ロシアや中国のような国民国家や、代替メディアのような草の根運動や、このような運動が実現する権力と影響力の上に構築される代替の現行のものを阻止する経済モデルや政治運動がある。そのような代替物が、政治状勢を支配しているアメリカや大企業-金融業者独占体が現在享受している不当な権力や影響力を弱体化させることができるだろう。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2017/01/02/syrias-war-was-only-ever-the-beginning/

----------

NGOを活用したこうした計画については、以前、他に下記のようないくつかの記事を翻訳している。Otporという固有名詞も出てくる。日にちは翻訳記事の掲載日。原文はみな2011。

「非暴力革命のすすめ ~ジーン・シャープの提言~」: またはジーン・シャープの妄想
2016年3月23日

ウオール街占拠運動と"アメリカの秋":これは"カラー革命だろうか"?第一部
2011年12月31日

ウォール街占拠と“アラブの春”: 誰が抗議運動に資金提供しているのか? 誰が背後にいるのか? 2014年2月22日

 

2016年10月26日 (水)

オルバーン・ヴィクトルをノーベル平和賞に推薦する

F. William Engdahl
2016年10月10日

読者の皆様反応される前に、ノルウェー・ノーベル賞委員会が、ノーベル平和賞受賞者を、通常、世界支配主義者の狙いにかなうかどうかを根拠に決めており、連中はこれに毒されていると呼ぶむきもあることは私も重々承知している。連中は過去に、ヘンリー・キッシンジャー、バラク・オバマや欧州連合さえ含め、到底平和愛好といえない対象に賞を与えてきたのは私も承知している。それでも私としては、勇気あるハンガリー首相、オルバーン・ヴィクトルを受賞者として推薦したいと思う。私がそう思う理由を説明させて頂きたい ...

彼は、300万人以上の同胞ハンガリー人とともに、選挙で選ばれたわけではない、顔の見えない欧州連合の官僚による破壊的な要求に反対し、シリアや、どこか来るのかもわからない難民を、将来、強制的に、ハンガリーに押し付けるのを阻止したのだ。彼の姿勢は、ヨーロッパにおける国民国家の崩壊を止め、憎悪と破壊に逆上して、ヨーロッパをバラバラにする恐れのある社会紛争止めるきっかけとなる可能性がある。

注目に値する国民投票

私は以前、オルバーン・ヴィクトルと、ヨーロッパの政治家や首相としては稀な人材だと書いた。彼は実際、本物の民主主義者であり、明らかに、それこそが、欧州委員会や、実に多数の似非民主的EU指導者連中が、彼を悪魔化し、彼を全体主義者やら、その他ありとあらゆる呼び方をしている理由だ。今やこの記事をお読みの大半の方々がご承知の通り、10月2日、ハンガリー人は国民投票で投票した。ハンガリーは、ドイツや他のEU諸国とは違い、国民に、国民投票の形で意見を表明することを認めている。オルバーンは、重要な判断に対する十分な国民の支持を得ているかどうかを確認するために、過去にもこの手段を使ってきた。

10月2日の結果、362万人のハンガリー人が難民国民投票に投票した。そのうち何と95%、344万人が、ブリュッセルの強制的な国別難民割り当て計画に、ノーという投票をした。EU中の主要マスコミは、難民約2000人の義務割り当てに過ぎないと主張している。実際は、今後、EUが受け入れる、あらゆる全ての難民に対する強制的な割り当てだ。それゆえ、これは極めて危険なのだ。EU難民危機の背後で画策している連中は、これを国家主権を破壊し、国境や、国民国家や、国民性を根絶するのに利用しようとしているのだ。

ハンガリーの投票者数総数は有権者の43%だった。彼らが問われた質問は、言い換えればこうだ。“ハンガリー国民でない人々の、ハンガリー国内での義務的再定住を、国会の承認も無しに、欧州連合が命じることができるようにしたいと思いますか”。

結果が判明した直後の記者会見で、オルバーンはこう宣言した。“投票した人々に関して言えば、今日、十人中九人が、主権的に判断するハンガリーの権利を支持していた。我々は誇って良い、最初の欧州連合加盟国として、今のところは唯一だが、ハンガリー国民が移民問題に関する意見を述べる機会を得たことを誇りにできると思う。”彼は更にこう述べた。“… これは、今後何十年にもわたり、我々は一体誰と暮らすべきか、わが国の文化に何が起きるか。我々の生き方や、偉大な努力で復活した経済体制に何が起きるか、我々のキリスト教徒というルーツに一体何が起きるかという、ハンガリーの将来、我々の子供や孫たちの将来にとって、おそらく最も重要な問題だ。”

最後に、オルバーンは再三繰り返してきたブリュッセルと、欧州委員会の非民主的な性格を、再度指摘した。“世界中で、現代の民族大移動が進行中だ。この波は、ヨーロッパにも、壮大かつ痛ましいまでにやってきた。現在の問題は、欧州連合の対応が一体何かだ。EUの提案は、我々は移民を受け入れるべきであり、彼らを加盟諸国の間で強制的に配分すべきであり、ブリュッセルがこの配分を決定すべきだというものだ。”

ソロスの役割

ブリュッセル官僚と、ヘッジ・ファンド投機家のジョージ・ソロスは、ハンガリー内政の国民投票で、ボイコットするか、家にいるよう有権者を説得しようとして、ひどく汚い手を使っていた。ハンガリーの法律は、国民投票が有効であるには、50%以上を必要とすると規定している。投票率が、43%に終わったので、ブリュッセルと、大半が外国に所有されている連中の親EU派ハンガリー・マスコミが、オルバーンと、難民の流れを制限するため、EU内で国境をしっかり管理することを求めた人々にとっての大きな敗北だと主張する大合唱を推進している。

EU議会の社会・民主主義進歩連盟 (S&D)グループのイタリア人指導者ジァンニ・ピッテラは、奇妙にも 、これをヨーロッパにとっての‘勝利’と表現した。彼はこう述べた。 “全ヨーロッパが勝利した。ポピュリズムと、外国人嫌いは敗北した。オルバーンのウソは窮地に陥った。移民危機には、団結と責任分担に基づく長期的なヨーロッパの対応が必要だ。家にいると決め、本当に民主的に行動し、オルバーンの汚いゲームに参加しなかった大多数のハンガリー国民にお祝いを申し上げる。”

彼の正確な表現に注目しよう。“移民危機には、団結と責任分担に基づく長期的なヨーロッパの対応が必要だ。” 明らかに、非民主的なEU議会の議員中、二番目に大きな派閥の指導者の職掌上から、彼が不正確に“移民危機”と呼んでいるものが始まりつつある。

ジャンニ・ピッテラは、ジョージ・ソロスのヨーロッパ政策研究所EPIのハッキングされた電子メールを、DCLeaksが最近発表し、EU議会におけるソロスが“信頼できる同盟者”の一人であることが暴露された。

実際、50%の投票率を避けるため、有権者に家にいるよう奨励した、オルバーンの国民投票に反対する多くのハンガリー組織にはソロス偽装組織の足跡を帯びている。

ハンガリー国内の情報筋によれば、10月2日の投票前に、人々に家にいるようながす広告看板がハンガリー中に立てられた。広告看板には、“ヨーロッパにこれ以上の壁はいらない - EUWakeUp”という旗印のもと、ブリュッセルでデモを組織した、EU議会におけるジャンニ・ピッテラの社会・民主主義進歩連盟のS&Dグループが資金負担していると明記されていた。

ハンガリーでは、S&Dが資金提供した“家にいよう!”という広告看板が、民主連合、略称DKのために至る所に立てられた。DKは、数年前、大規模抗議行動で、辞職を強いられた元首相ジュルチャーニ・フェレンツが率いるネオリベラルの“自由市場支持”政党だ。最新のDK広告看板は、ソロスの“信頼できる同盟者”ジャンニ・ピッテラが率いるEU議会の集団“S&Dにより資金提供”されていると明記されていた。

ハンガリー国民投票ボイコット・キャンペーンで、卓越しているもう一つの別の組織は、ソロスが資金提供しているNGOのハンガリー・ヘルシンキ委員会だ。

オルバーン・ヴィクトルが、現在はアメリカ国民だが、ハンガリー生まれのソロスがハンガリー内政に干渉していると、あからさまに非難しているのは驚くべきことではない。“ソロスは政府に反対して… 移民問題に関するハンガリー政府の姿勢を押し返したがっている非政府組織を支援している”と、オルバーン・ヴィクトル首相は、ハンガリー国営放送コシュート・ラジオで述べた。

“難民回廊”

実際、ハッキングされたソロスのオーブン・ソサエティー財団(OSF)文書で、最近DCLeaksによって公表されたものが、ソロスの資金が、ソロスの配下連中が“難民回廊”と呼んでいるものを、ソロスのインターナショナル・マイグレーション・イニシアチブ(IMI) NGOを通して、世界中で調整する鍵にもなっていることを暴露した。

ソロスのOSFが、資金を集中的に投入すると決めた主要な“回廊”、実際は大量移民を促進するものは、三つある。2010年に、ソロスのオーブン・ソサエティー財団によって設立されて以来、IMIは、アジア-中東 (シリア、リビア、チュニジアなど)や中米-メキシコにおける違法な移民、あるいは難民の流れを、事実上促進するのに何百万ドルもの非課税助成金を注入してきた。2013年、ソロスは、連中が干渉する対象として、重大な移民問題の三つ目の“回廊”に、ロシアと中央アジアの共和国を加えた。

更にハッキングされた、2016年5月のソロスのIMI報告は、アメリカ合州国と欧州連合、そして今やロシアで増大しつつある難民危機、こういう言い方で表現している: “現在の危機を新たな常態として受け入れる…”この文章は声を出して再読するに値する。

更に、ハッキングされたソロス文書は“ シンクタンクや政策センターを通して移民政策に影響を与える”ことを語っている。報告はまた“OSFとマッカーサー財団が、世界レベルで、移民論議を形成するために進んで投資をしている唯一の民間財団である”と強調している。シカゴを本拠とするマッカーサー財団は、支援を停止したとしており、“世界レベルで移民論議を形成する”のはソロスのOSMのみとなっている。また、まさにブダペストにあるジョージ・ソロスの中央ヨーロッパ大学は、公共政策学部に「ヨーロッパという文脈における移民政策」と題する特別コースを設置した。

EU難民危機を形成する上での、このソロスの活動の活動には、ソロスが資金提供しているシンクタンク、ヨーロッパ・スタビリティー・イニシアチブが、メルケル計画と呼ばれる議論の的になっている論文をものしたという事実を加えることもできよう。ドイツ首相は、この論文を、2015年末に、彼女の政策として公式に取り入れた。このシンクタンクのトップ、オーストリア人学者ジェラルド・クナウスはソロスが資金を提供しているヨーロッパ外交問題評議会 (ECFR)のメンバーでもあり、ソロスの主要な財団手段である、オープン・ソサエティーの研究員でもある。

ハンガリーが、高い塀を、セルビア (非EU) 国境に築いてようやく戦争難民の流れが減速したことに留意すべきなのだ。ドイツのアンゲラ・メルケル首相さえもが、最近これを認めることを強いられた。

ハンガリーに対する難民暴動が画策されている?

今や、ハンガリーの国民投票後の状況で、新たな難民危機を強いて、国民投票後、ハンガリーの塀を破壊しようという実に醜悪なシナリオが進行中のように見える。

ブダペストの情報筋によれば、ソロスが支援する組織だとされるノー・ボーダーズが、ハンガリー国境の塀によって、EU入りを阻止されたセルビア国内の移民に、ハンガリー国境に向けて出発するよう駆り立てたと、セルビアの新聞が報じている。出発するのをいやがる人々は追い立てられ、家畜の殺到のように前進させるため、活動家たちに殴打されさえしたと報じられている。全員男性で、年齢が30歳程度、例外的に女性が二人まじった数百人の移民の集団が、ハンガリー国境に向かった。ノー・ボーダーズは、カレーでの難民トラブルにかかわっていた得体のしれない同じ組織だ。

ソロスのNGOと財団のネットワークが、何よりも国民国家の破壊も含むらしい隠された政治的な狙いのために、第二次世界大戦終了以来、ヨーロッパ最大の難民危機であるものを最大活用しようと躍起になっているのは明らかだ。

オルバーン・ヴィクトルは演説で、難民流入の原因、つまり、シリアや中東における戦争を終わらせることを要求し、EUは、通常の国境管理と、資格のある難民をふるいいにかけて選ぶ手順に復帰して、EUの国家主権を守りながら、戦争で荒廃した国々の再建支援に注力すべきだと主張している。

オルバーン・ヴィクトルは、ブリュッセルに反抗し、ヨーロッパの国民国家の未来に“国境を無くそう”と呼びかける難民ゲームに反抗した。国民に国民投票で問うというオルバーンの決断と、95%、つまり300万人以上のハンガリー人がブリュッセルに対し、ノーと言った事実が、ブリュッセルの反民主的な顔のない官僚に、本当に民主的な合図を送っている。こうしたことが、平和賞は実に稀な民主主義者、ブダペストにいる首相にこそふさわしいと私が感じる理由だ。国境は重要だ。人類にも、国民にも、実存的に必要なのだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:http://www.williamengdahl.com/englishNEO12Oct2016.php
----------
大本営広報部ではこの種の報道をしているのだろうか?

さすがに専門家はしっかり分析しておられる。

ハンガリーの国民投票結果をどう見るか

岩波新書の『ルボ 難民追跡 バルカンルートを行く』、一体どうなることかと、読み始めたらとまらなかった。

同書でも、オルバーン・ヴィクトルは機を見るに敏なポピュリストであるかのごとく表現されている。シリア問題の解決が重要としながら、アメリカとロシアが合意しなければという趣旨の文がある。

ロシアは、シリア政府に正式に依頼されて、参戦している。アメリカは、勝手に反政府派を送り込み、資金を提供し、兵器を提供している。まともに合意できるはずもないだろう。

まもなく、日本そのものが、まるごと戦場ならぬ、巨大資本の草刈り場になる略奪協定が強行批准される。

背後で画策している連中は、これを国家主権を破壊し、国境や、国民国家や、国民性を根絶するのに利用しようとしているのだ。

これは、今後何十年にもわたり、わが国の文化に何が起きるか、我々の生き方や、偉大な努力で復活した経済体制に何が起きるか、我々の仏教・神道教徒というルーツに一体何が起きるかという、日本の将来、我々の子供や孫たちの将来にとって、おそらく最も重要な問題だ。

TPPの悪辣さをかたらず、元女優の大麻問題を言い募る大本営広報部呆導に時間をついやすのは人生の無駄。

今日の日刊IWJガイドの冒頭を引用させていただこう。

■■■ 日刊IWJガイド「いよいよクライマックス!TPP承認案が10月28日にも強行採決か!? 岩上さんは本日21時から元農水相の山田正彦氏に緊急インタビューを敢行!さらに、北海道と宮崎で行われる地方公聴会も現地から中継!/高江での大阪府警機動隊員による許されざる『土人』『シナ人』差別発言も引き続き取材中!」2016.10.26日号~No.1503号~ ■■■
(2016.10.26 8時00分)

 おはようございます。IWJで主にテキスト関係の業務を担当している平山と申します。

 日本では緊急事態、異常事態がたて続けに続いています!

 ほとんどのマスコミは、危機感をもって伝えようとしていませんが、今国会で最大の焦点となっているのが、安倍政権が非常に強い意志をもって成立させようと目論むTPP承認案の行方です。

 TPP報道といえば、IWJです!IWJでは2010年、菅政権下で突如、TPPが持ち出されてきた時から、ずっと強い警戒心をもって監視し、報じ続けてきました。こんなに報道管制が徹底的に敷かれたテーマもありません!岩上さんは10年あまりにわたってレギュラーを続けていたフジテレビ系『とくダネ!』のコメンテーターを、TPP批判がきっかけで降板させられました。

※2011年6月の岩上さんのツイート
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/83605516886085632
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/83607116467802112
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/83615254554226689

 そうしたダメージを負ってでも、TPPの危険性について、多くの人々に伝えなくてはならない、という岩上さんの信念は変わらず、TPPについてIWJは全力で報じ続けてきました。

 衆議院TPP特別委員会は本日10月26日、採決の前提となる地方公聴会を北海道と宮崎県で開催。一部では、28日にも強行採決が行われるのではないかと取り沙汰されています。

 IWJでは、この非常に重要な地方公聴会の模様を、北海道と宮崎の現地からUstream中継を行います!会場の周辺では、TPPに反対する市民による抗議も行われると見られています。IWJでは、そうした市民の声も含めて中継しますので、ぜひ下記URLよりご視聴ください!

★TPP特別委員会 北海道地方公聴会
[日時]10月26日(水)13時15分~
[ご視聴]【IWJ_HOKKAIDO1】 http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=hokkaido1

★TPP特別委員会 宮崎地方公聴会
[日時]10月26日(水)13時15分~
[ご視聴]【IWJ_MIYAZAKI1】 http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=miyazaki1

 TPPは、農産品の関税が撤廃されるだけでなく、公共事業(政府調達)、知的財産権、医療や保険、さらには取引上のルールや言語といった「非関税障壁」に至るまで、日本のありとあらゆる「規制」を徹底的に開放し、日本の国富を、米国を中心とするグローバル大企業に差し出そうとするものです。「強行採決」によるTPP批准など、絶対に許してはなりません!TPPを許してしまったら、日本は国家としての骨格は溶解させられてしまうでしょう。

 この地方公聴会が行われた後、衆議院TPP特別委員会では10月27日には安倍総理が出席しての質疑が行われ、翌28日には野党側による一般質疑が行われます。そしてこの質疑の後、「強行採決」が行われるのではないか、と言われているのです。昨年夏の安保法制国会を思い出して下さい!あの時も、横浜での地方公聴会を終えた直後に強行採決が行われたのです!

 TPPがいよいよ「最終局面」を迎えるのではないか、と言われるなか(最終にさせてはいけないのですが!)、今週は週末までノンストップで「TPP断固阻止!崖っ淵ウィーク!」と銘打って、徹底的にこのTPP承認案強行採決の動きをお伝えします!! 岩上さんも緊急インタビューを連続して行います!

 さっそく本日10月26日(水)には、元農林水産大臣の山田正彦氏に、そして翌10月27日(木)には、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」共同代表である岩月浩二弁護士に緊急で岩上さんがお話をうかがいます!岩月弁護士のインタビューには、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」の原告である三雲崇正弁護士にも加わっていただき、徹底的にその危険性について議論を掘り下げますので、どうぞご注目ください!

★岩上安身による山田正彦元農水相インタビュー
[日時]10月26日(水)21時~
[ご視聴]【IWJ・Ch1】 http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

★岩上安身による岩月浩二弁護士・三雲崇正弁護士インタビュー
[日時]10月27日(木)18時30分~
[ご視聴]【IWJ・Ch1】 http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

 他にもIWJでは、本日は18時30分から「TPP批准阻止アクション実行委員会」主催で行われる抗議行動の模様の数々を中継します!また、「強行採決」が行われるのではないかと言われている10月28日には、衆議院第2議員会館前で山田正彦氏らが抗議の座り込みを行います。IWJではこの模様も中継する予定ですので、どうぞご注目ください!

★TPPを批准させない!水曜日行動 ~議員会館前抗議行動
[日時]10月26日(水)18時30分~
[ご視聴]【IWJ・Ch8】 http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=8

 IWJではこれまで、2010年11月13日に当時の菅直人総理が「平成の開国を目指す」としてTPP交渉への「協議開始」を表明して以降、他のどのメディアにも先行してTPPの危険性を徹底的に報じ続けてきました。

 山田氏や岩月氏の他にも、PARC(アジア太平洋資料センター)事務局長でTPP交渉をウォッチし続けてきた内田聖子氏、元農水官僚・東京大学教授で農業経済学が専門の鈴木宣弘氏、TPPと同じく危険な自由貿易協定である米韓FTAに詳しい立教大学経済学部教授の郭洋春氏など、岩上さんはこれまでに数多くの有識者の方々にインタビューを行ってきました。

※2014/10/13グローバル資本の論理に対して如何に抵抗するか 「TPPと国家戦略特区は憲法違反」~TPP交渉差止・違憲訴訟の会・山田正彦氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/174900

※2015/05/19 「TPPに反する法律は廃止され、将来にわたって立法できなくなる」 岩上安身による「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」弁護団共同代表・岩月浩二氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/246065

※2013/06/05「TPPが日本に何のメリットもないことを再認識した」 ペルー・リマでのTPP交渉会合に参加したPARC事務局長・内田聖子氏が明かす ~PARC事務局長 内田聖子氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/83292

※2014/07/14 IWJ×PARC どうなってるの? TPP 主席交渉官会合?年内大筋合意?秘密で勝手に決めないで! 3時間半ぶっとおし生放送!!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/154194

※2013/10/12 TPPで「聖域」撤廃か 自民党の「嘘」を鈴木宣弘教授が糾弾 「このままでは“限界列島”に」~岩上安身による東京大学・鈴木宣弘教授インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/106294

※2013/02/21「TPPは現代の植民地政策」 米韓FTAの惨状からTPPを考える ~岩上安身による郭洋春氏(立教大学経済学部教授)緊急インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/59749

 いずれの動画アーカイブも、安倍政権が危険極まりないTPPに向けて突き進んでいる今こそ必見の内容です!サポート会員にご登録いただければ、全編動画をご視聴いただけます!

※【特集】IWJが追ったTPP問題
http://iwj.co.jp/wj/open/tpp

 この機会にぜひ、IWJの定額会員にご登録ください!そしてマスメディアが決して伝えない情報を、どストレートでお伝えするIWJの取材活動を、どうか皆さん、お支え下さい!!

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 ちなみに、このTPPと軌を一にして安倍政権が進めているのが、小学校から大学に至る各種教育機関での「英語化」の流れです。先に述べたように、TPPにおいては、「日本語」が「非関税障壁」とみなされ、「公共調達」など、役所の入札の広報・実務が「英語化」されることが義務づけられていますが、官庁用語の「英語化」は、それにとどまらず、いずれ公用語全域が日本語から英語にとってかわられようとしています。日本人が日本人であることの基礎は母語である日本語です。日本語を忘れた日本人が、日本人であり続けられるでしょうか?

 安倍政権は事あるごとに日の丸をふりかざし、日本の伝統を強調し、愛国者であることをアピールしますが、彼は、偽装愛国者に過ぎません。日本という国まるごと、米国発のグローバル資本に売り渡し、さらに日本人が日本人としてのアイデンティティーを失う事態に向かって、積極的に手を貸している人物が日本と日本人を愛する愛国者であろうはずはありません。

 今月末に発行するメルマガ「岩上安身のIWJ特報!」では、『英語化は愚民化~日本の国力が地に落ちる』(集英社新書)が大きな話題を呼んだ九州大学准教授・施光恒氏への岩上さんによるインタビューを完全フルテキスト化してお届けします!メルマガの購読方法など、詳細は後段の<★お知らせ★>コーナーをお読みください!

 今回のTPP承認案に関する地方公聴会も、北海道へは青森在住の中継市民のしーずーさんこと外川鉄治さんが、宮崎へは東京から安道幹記者が取材・中継のために急きょ、現地へ向かいます。こうした地方での取材には、当然のことながら、交通費や宿泊費といった経費がかかります。

 それでも岩上さんが、こうした経費のかかる取材を決断して実行に移すのも、他の既存大手メディアが、この非常に重要な地方公聴会全体の模様や、周囲での市民による抗議の様子を、しっかりと報じないことが予想されるからです。TPPに関してはずっと、IWJは「ひとり旅」を続けてきました。今回も「ひとり旅」であることを覚悟しています。

 テレビや新聞といった既存大手メディアとは一線を画し、常に「真実」を追求するIWJのスポンサーは、市民の皆様一人ひとりです。IWJは依然として、厳しい財政状況が続いています。どうか、ご寄付・カンパで、IWJの活動をお支えください。

※IWJへのご寄付・カンパはこちらからお願いいたします。
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

2016年9月16日 (金)

クルド人の歴史は繰り返す: またしても‘勝手に’見捨てる欧米

Dmitry MININ
2016年9月12日
Strategic Culture Foundation

シリア紛争の奇妙に絡まった出来事が、突如として、到底論理的とは言い難い形で展開し始めたが、実際、シリア人口の約10%を占めるクルド人にとっての、この大規模逆転は、驚くべきことではない。彼らは一度たりとも戦闘で負けたことはなく、「イスラム国」 (IS)に対する戦いで、実際に進撃していたのに、突然彼らは、自分たちが解放したユーフラテス川東岸の広大な領土を放棄するよう強いられる羽目になった。

トルコがシリアに侵攻した今、クルド人に、クルド人が大いに望んでいる新シリア国内の分離した連邦地域という立場、まして、彼らの多くが秘密裏に夢見ている独立を認めるという交渉はもはやない。

アンカラの主要目的が、ISと戦うことではなく、クルド人を無力化することにあるのは明らかだ。10月始めに、一方的に連邦制度樹立を宣言するというクルド人の計画は遅きに失し、現実離れしているように見える。北シリア中の全てのクルド州を継ぎ目なく結びつけるという彼らの希望も、今や幻想のように見える。しかしながら、本当の問題はトルコではなく、ワシントンにいるクルド人の元保護者が、クルド人のあらゆる切望を決定的に潰した事実だ。

クルド人はまたしても、身勝手に利用され、何もない状態で取り残された。二枚舌と同盟者のまずい選択という、クルド人の歴史を苦しめているのろいは、あるいは十字軍を打ち破った、伝説に名高いクルド人軍司令官サラディン(サラーフ・アッ=ディーン)の時代にまでさかのぼるのかも知れない。

ワシントン・ポストの著名コラムニスト、ディヴィッド・イグナティウスの“裏切りの断層線に頼るアメリカのシリア政策”という示唆的な題名の記事は、シリア・クルド人は“「イスラム国」に対する最強の勢力”だと、つい最近まで、アメリカ軍が絶えず主張していたのを思い出させる

2014年-2015年の情け容赦ない戦いの間、クルド勢力は、主要都市アル-シャッダーやマンビジを含む広大な領土を解放し、ISの首都ラッカを遙か離れた郊外から戦略的に包囲した。イグナティウス自身、北シリアのアメリカ訓練キャンプを訪れ、そこでアメリカ人講師が、クルド戦士の勇気と大胆さを賞賛し、ラッカ攻撃の主力と見ていると書いている。

トルコ人は、クルド人に敵対的ながらも、しばらくの間この同盟を受け入れていた。ところが、トルコにおける軍事クーデター未遂後、全てが変わった。アメリカ人に訓練され、様々なシリアの派閥から賞賛された“代理の同盟者”が、今や戦線の反対側にたたされている。アメリカのジョー・バイデン副大統領がアンカラを訪問し、トルコ政府がとった措置を支持し、クルド人に、マンビジから撤退し、ユーフラテス川を越えて後退するよう要求して以来のことだ。

これが正真正銘の裏切り行為であることは言うまでもないが、一種恥ずべき伝統のようなものになっている。イグナティウスは、“欧米列強は、過去一世紀、連中の目的に合う間は利用し、近隣諸国が反対をすると、クルド戦士を見捨ててきた”と書いている。1918年に、クルド人に国を作るといったウッドロー・ウィルソン大統領の約束を、同盟諸国が無視した際にそれが起きた。1947年、イギリスは、イランが、イラン国境内に設立されたクルド共和国を殲滅するのを認めた。

1975年、イラク・クルド人を支持するという約束にもかかわらず、アメリカは、イランのシャーとともに、サダム・フセインが彼らの蜂起を残虐に壊滅するのを認めた。しかし、さほど遠くない昔、1973年、イラク・クルディスタン現大統領マスード・バルザニの父親で、当時のイラク・クルド人指導者ムスタファ・バルザニは、アメリカの礼節に希望を託し、“アメリカは余りに偉大な大国だから、クルド人のような、とるにたらない民族は裏切らない。”と述べた。しかしイグナティウスによれば、これは深刻な間違いだった。

現在のクルド人指導者たちが、父親たちの過ちを繰り返さないよう願いたくなる。1975年、クルド人を騙すことについて話し、ヘンリー・キッシンジャーが“秘密の行動を、布教活動と混同してはならないと、実に率直に述べていた”ことを想起するだけで十分だ。中東における、アメリカ政権による、現在のあらゆる行動は、この極めて功利主義的な勧告に、実に一致しているではないか?

デア・シュピーゲルも、シリアにおける出来事の新たな進展で、クルド人が最大の敗者だと考えている。最近まで、誰よりも多くの勝利をあげ、クルド人はシリア・ゲームにおける“最も抜け目ない当事者”のように見えていたが、最後に、彼らは余りに多くを危うくしている。アメリカは、戦っているトルコ人とクルド人間の仲介者として行動するのではなく、双方の同盟国になるという統合失調的な立場に立っていた。遅かれ早かれ、アメリカは、どちらをより好むかを選ばねばならず、アメリカは、より強力で、地政学的に重要なトルコを選ぶより他は無かったように見える。

クルド人とアメリカ合州国との関係は急激に悪化しつつある。ただし率直に言えば、彼らは決して交流していたわけではない。アメリカは、クルド人をパートナーと見なしたことは決してなく、ワシントンが、クルド人指導者に、あらゆる保障をしているにもかかわらず、彼らのことを、利用し見捨てるものと見なしていた。これは、クルド人にとってのみならず、中東の全ての人々にとっても、もう一つの教訓だ。地域における約束を守るということが何を意味するかを理解しているのは、アメリカではなく、他の国々なのだ。

同盟したクルド人を捨て去る取り組みで、アメリカが駆使している高度な手練手管も注目に値する。最初、彼らは、クルド人と、バッシャール・アル・アサドの間に恒久的な溝を作ろうとした。こうした計算は、完全に自立させられれば、クルド人は、自分たちが臆面もなく騙されていると知りながらも、自尊心を抑え、アメリカの命令を聞き続けざるをえなくなるという理論に基づいていたようだ。

トルコのジャラブルス侵略に先行した、8月、州と同名の州都ハサカにおける、クルド人とシリア政府軍間の衝突は、アメリカ人顧問の承知と奨励なしには起き得なかった。主として、クルド人民兵によって構成されるシリア民主軍の公式報道官タラル・シロは、こう認めた。“我々はアメリカとは同盟パートナーだ。彼らが判断をする。もちろん、我々は自由だが、もしアメリカのゴーサインが無いと攻撃できない。”被保護者のクルド人が、シリア国内のロシア人とは、いかなる接触をすることも、アメリカが禁じたと彼は述べた(“もし、ロシア人と連絡をとれば、あらゆる支援を失うのだ”[原文通り]。)

ハサカから追い出されたことに加え、ダマスカスにとって打撃となったのは、南からの聖戦士による突然の突破によって既に孤立させられていた都市の西側部分にいる政府軍に供給するカステロ道路という補給路が、アレッポのシェイク・マクスード地区からクルド人が同時に阻止した事実だった(現在は回復している)。

この戦争の歴史で初めて、シリア空軍がクルド人を爆撃した。こうした行動が、アンカラによって、初めて認められたのも驚くべきことではない。移行期間中、バッシャール・アル・アサドを権力の座においたままにするのを許容する話さえ出ており、彼らは、長らく計画していた侵略にとっての好機を、即座に利用したのだ。つまり、クルド人にとって、ハサカにおける局地的成功は、戦略的な意味で、悪影響をもたらすことになった。彼らは裏切られたのだ。アメリカが、トルコの意図に気づいていなかったとは考えにくい。アンカラでのバイデン副大統領は、全く驚いたようには見えず、作戦承認の発言は、到底、思いつきのものには聞こえない。

一方、最近の物事の変化は、決してシリア紛争を解決に近づけるものではない。クルド人民防衛隊(YPG)の司令官たちは、既にペンタゴンに“もしトルコが出て行かないなら”、クルド人は予定されているラッカ攻勢に参加しない可能性があると伝えている。シリアには“テロリストの首都”を手早く片づけられる、他のいかなる勢力も存在しない。

杭州でのG20サミットの際に成立した、ラッカを協力して攻撃するというアメリカとトルコ間の合意は、クルド人なくして、ほとんどあり得ない。彼らがいなければ、この作戦には、シリア領深く縦深するため、多数のトルコとアメリカの地上軍が必要になる。そして、それは多数の死傷者をもたらすのみならず、アメリカ合州国とトルコ国内でも、ロシアとイランを含む他の国々からも、激しい反対に直面する可能性が高い。

国連に議席を以前保持しているダマスカスも、これには反対するだろう。アンカラは、クルド人がおかした過ちを繰り返し、彼らのために用意された“油断のならない危険な道”を下りはじめかねない。トルコがおだてに乗せられて、修復に偉く苦労したモスクワとの協力関係を、再度損なうことがないよう願うばかりだ。

しかし、もし彼らが戦争の最終段階で、おびただしい“血の貢献”以外何ももたらさない、欺瞞的な依存関係や同盟を絶って、正しい選択をすることが出来れば、クルド人は、状況を乗り切ることが可能だ。彼らの当然の、そして本質的に、彼らにとって唯一の同盟者は 、戦争においてのみならず、シリア戦後、民族自決を実現する上でも、ダマスカスのバッシャール・アル・アサドの非宗教政権であることは、より明らかなように見える。

他のどの反政府勢力も、アメリカも、確実にトルコも、シリア・クルド人の国民としてのいかなる権利も、全く思いやっていない。彼らの現在のパートナーたち全員、クルド人を、単なる“同行者”としてしか見ていない。しかし、スンナ派原理主義に立ち向かうためには、民族的、宗教的少数派による支持が常に必要ゆえ、アサドには、クルド人と恒久的な合意を実現する客観的な関心がある。彼らの熱望を認識することが許されない限り、本物の同盟はありえない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/09/12/history-repeats-itself-for-kurds-west-once-again-forsaking-its-own.html
----------
ブログ『私の闇の奥』で、藤永茂氏が、9月14日に「ロジャバ革命を支持しよう」を書いておられる。これまでも、クルド人についての記事を多数かいておられる。

衆愚 2016/5/23

クルド人は蚊帳の外 2015/12/30

オジャラン(1)2015/8/19

オジャラン(2)2015/8/26

オジャラン(3)2015/9/2

オジャラン(4)2015/9/9

オジャラン(5)2015/9/16

オジャラン(6)2015/9/23

オジャラン(7)2015/9/30

オジャラン(8)2015/10/14

ロジャバ革命(1)2015/2/4

ロジャバ革命(2)2015/2/11

ロジャバ革命の扼殺 2016/9/8

非常に気がかりな話題と、心温まる話題を、日刊IWJガイドから引用させていただこう。

【3】稲田朋美防衛相がマラリア予防の副作用で急遽、南スーダン訪問をキャンセル!

 訪米中の稲田朋美防衛相が、体調不良のため急遽、南スーダンの訪問をキャンセルすることが明らかになりました。毎日新聞によると、事前に服用したマラリアの予防薬の副作用が原因だそうです。

※稲田防衛相 南スーダン訪問取りやめ 予防薬で体調崩す(2016年9月15日、毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160915/k00/00e/010/307000c

 稲田防衛相は、9月17日から南スーダンの首都ジュバを訪問して、PKO活動にあたる陸上自衛隊の様子などを視察する予定でした。

 昨年3月29日に施行された安保法をうけ、政府は新しく自衛隊に集団的自衛権に基づく「駆けつけ警護」の新任務を付与することができます。「警護」とは言いつつも、実際の任務においては戦闘行為に加わる可能性が極めて高く、2013年以降紛争状態にある南スーダンで新任務が付与されれば、自衛隊の現地でのリスクが非常に高まるおそれがあります。

 新任務を付与された自衛隊は、早ければ今年の11月にも南スーダンに派遣される予定です。こんな重大な問題について、真剣な議論がされないのは、大問題です。

【4】南スーダンPKOの自衛隊が「駆けつけ警護」の実働訓練を開始 兵士の性犯罪が相次ぐ南スーダンの実情に迫るIWJ追跡検証レポートを昨日アップしました!

 上のニュースに関連して、自衛隊が「駆けつけ警護」に関する実動訓練を始めたといいます。共同通信が防衛省関係者へ取材したことで明らかになりました。

※自衛隊、新任務の実動訓練開始 安保法の駆け付け警護(2016年9月15日、共同通信)
http://this.kiji.is/149077567425889787

 訓練は、11月に南スーダンへ派遣される予定の陸上自衛隊第5普通科連隊を中心とする部隊だそうで、新任務実施に向けた準備が本格化してきました。

 紛争下の南スーダンでは、今年7月11日に首都ジュバで兵士による外国人居住者らの襲撃があり、女性への性的暴行や暴力が深刻化しています。さらにこの襲撃の際には、近くに駐留する国連平和維持軍が要請を受けても出動せず、大きな問題となりました。自衛隊がそのような場所で戦闘行為に加われば、いったいどのようなことになるのか、よく考えてみる必要があります。

 IWJは昨日、「IWJ追跡検証レポート」と題し、この南スーダンという国の、内戦下で起きている深刻な性暴力の実態を検証し、記事化しました。以下のURLから、是非、ご覧下さい。

※【IWJ追跡検証レポート・前編】兵士の性犯罪が相次ぐ南スーダンで自衛隊が「駆けつけ警護」!国連平和維持軍は助けないどころか自らレイプ…これが戦地の現実!稲田朋美防衛相には見えていない?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/332104

【5】障害児を殺してしまう風習をもつ先住民族の脳性まひの少女が、リオパラリンピックで聖火ランナー「とても幸せな時間だった」

 リオで開催中のパラリンピックで、聖火ランナーを務めた12歳の少女イガナニ・スルワハさんに注目が集まります。

 9月14日の朝日新聞が伝えたところによると、イガナニさんは、脳性まひにより運動障害を持ちますが、イガナニさんの生まれたブラジルの先住民族のスルワハ族は、障害児を殺してしまう風習があります。そのため、イガナニさんは生後すぐに母に連れられて集落を抜けだしたそうです。

 イガナニさんは走り終えると、「緊張したけど、とても幸せな時間だった」と語り、イガナニさんの母ムワジさんは、「娘の幸せそうな笑顔を見ているだけで、ただうれしくて……」と、涙に言葉を詰まらせたといいます。

 スルワハ族以外にも、「一人で生きられない」ことを理由に、障害児を殺してしまう先住民族集落はあるといいます。こうした習慣は、子どもの生きる権利の侵害にあたるとして、ブラジルでは先住民を啓発する法案の審議も進んでいます。

※障害児を殺す風習残る集落に生まれて 聖火運んだ少女(2016年9月14日、朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9G21H7J9GUHBI007.html

 日本では、7月26日、相模原の障害者施設で19人が殺害される最悪のヘイトクライムが起こりました。障害者の生きる権利を奪った犯人の傲慢な思想に対し、同調する声がネット上で出回っていることは見のがせません。こうした「空気」が次第次第形成されることは、社会にうっすらと毒が回るようなものです。断じて許せません。こうした差別的思想には、断固として反論をすべきでしょう。

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 岩上さんは、8月の1ヶ月を社長業と編集長業に集中していましたが、その間にジャーナリストとして前面に立つ機会が減ってしまったためか、IWJの会員数は伸び悩み、9月14日にやっと6003名に達し、6000名を超えることができました。しかし、喜ぶのも束の間、昨日15日には会費が未納となっている会員の方の一時的な無効措置をとらせていただいたため、再び会員数は5787名に落ち込んでしまいました…。どうぞ、まだ会費を振り込んでいなかったという方は、お早めにお振り込みください!また、毎月うっかり振り込みを忘れてしまうという方には、自動引き落としがおすすめです!

※会費の自動引き落としに関するご案内はこちら
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/23819

 ジャーナリスト業に復帰する岩上さんは、9月19日に日本環境学会元会長の畑明郎氏に、20日には名古屋大学名誉教授の池内了氏に、そして26日には東京新聞記者の望月衣塑子氏にインタビューを行う予定です。

 久々の復帰インタビューをスタッフ一同楽しみにしている反面、まだ万全ではない岩上さんの体調が不安でもあります。しかし岩上さんは、先ほどのツイ録で見せた「覚悟」の通り、IWJのため、そして何より、危機に直面した日本のジャーナリズムのため、妥協することなく頑張っていきます。スタッフもそんな岩上さんに必死でついていくべく頑張りますので、どうか皆様のご寄付・カンパでIWJへのご支援をよろしくお願いいたします!!

※ご寄付・カンパをどうぞお願いいたします!
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

2016年9月12日 (月)

アメリカ-NATO-トルコによる北シリア侵略

CIAのトルコ・クーデター“未遂”は、より広範な中東戦争の下準備?
Prof Michel Chossudovsky
2016年8月29日
"Grobal Research"

7月中旬、エルドアン大統領は、アメリカ諜報機関CIAが、彼の政権を狙ったクーデター未遂を支援したと名指して非難した。トルコ当局者は、アメリカ政府がクーデター未遂の立案者とされる、フェトフッラー・ギュレンの送還を拒否した後、アメリカ-トルコ関係が悪化したと指摘している。

ベキル・ボズダー法務大臣は断定的だった。

    “もし、アメリカが(ギュレンを)引き渡さないのであれば、一人のテロリストのために、トルコとの関係を犠牲にすることになる”

世論は、アメリカとの関係が悪化したばかりでなく、エルドアンは“防衛部門での協力”を含め、モスクワとの“友好の枢軸”を復活させると誓った、というのを信じこまされている。これはでっちあげだったのだ。

トルコのシリア侵略

トルコ侵略の実行には、アメリカと、NATOとの日常的相談や、軍事兵站、諜報、通信システム、地上と空の作戦連係などの調整が必要だ。こうした軍事行動を効果的に行うには、まとまりのある“友好的な”アメリカ-トルコ関係が必要だ。

我々が目にしているのは断片的軍事活動ではない。対シリア戦争を究極的に支配しているペンタゴンによる積極的支援無しに、トルコの『ユーフラテスの盾作戦』はあり得なかった。

7月中旬から、8月中旬、アメリカ、NATOと、トルコ当局者が、対シリア戦争の次段階の計画、アメリカと、NATOに支援されたトルコ地上軍が率いる(違法)侵略に積極的に関与したというのが、ありそうな筋書きだ。



ユーフラテス川西岸で進行中の展開を示す、北アレッポ県でのトルコが率いる攻勢の地図。出典:Wikipedia

クーデター未遂が、地上侵略のお膳立てをした

  1. トルコ国軍と、政府内での大量粛清は、7月クーデターの直後に実施された。これは以前から、しっかり計画されていたのだ。 ”即座に逮捕されたのは、2,839人の軍人で、 2,745人の裁判官と検事が、拘留を命じられた… 一週間の内に、60,000人が解雇されるか、拘留され、2,300の機関が閉鎖された” … “   (Felicity Arbuthnot記事、Global Research、2016年8月2日を参照)
  2. クーデターは、失敗するよう意図されていた。エルドアンは、クーデターを事前に知っており、ワシントンも知っていたのだ。エルドアンに対する、CIAの陰謀などなかった。全く逆で、クーデター未遂は、エルドアンと協力して、 CIAが画策したのだ。エルドアン政権の強化と、大統領と、“民主主義の名における”その軍事的狙いを、トルコ国民に支持させるようにするのが狙いだった可能性が非常に高い。
  3. トルコ軍内部の粛清は、軍部内のシリア侵略に反対するメンバーを追い出すのが狙いだった。エルドアンが、逮捕なり、解雇なりする、軍当局者や裁判官や政府幹部のリスト作りを、CIAは支援したのだろうか? トルコのマスコミも、標的とされており、その多くが閉鎖させられた。
  4. エルドアンは、7月15日のクーデターを、ギュレン運動を支援しているかどで、ワシントンを非難するのに利用しながら、モスクワとのニセの和解を求めていた。8月9日、プーチン大統領との密室会談のため、彼はサンクトペテルブルクに飛んだ。アンカラとワシントンとの間の溝と対になった“わが友プーチン”発言シナリオは、オバマ政権の承認を得ていたことはほぼ確実だ。マスコミの偽情報と組み合わされた、入念に設計された諜報作戦の一環だったのだ。エルドアン大統領は、欧米マスコミ報道によれば “トルコと欧米との溝が広がる中、アンカラとモスクワ間の‘友好の枢軸’を復活させると誓った。”
  5. ロシアとの“関係を修復しながら”トルコ軍と諜報機関は、ワシントンとブリュッセルのNATO本部と協力し、北シリア侵略の計画を練っていたのだ。根底にある狙いは、究極的に、シリアの軍事同盟国と対決し弱体化することだ。ロシアとイランとヒズボラだ。

7月15日のクーデター未遂から間もなく、サンクトペテルブルクで、エルドアンは“親しい友人”ウラジーミル・プーチンに感謝した。

“プーチン大統領が、クーデター未遂の翌日に、電話をしてくれた事実は、実に強力な心理的要素だった”と共同記者会見で彼は述べた。“モスクワとアンカラの友情の枢軸は復活する”と彼は述べた。2016年8月7日、テレグラフ紙

秘密裏にCIAに支援されていたクーデター未遂が、失敗に終わるよう意図されていたことを、プーチンは知っていたのだろうか? ロシア情報機関は、この策謀に気がついており、トルコの侵略計画に関しても知らされていたという憶測もある。

    “国内政治の非常に困難な状況にもかかわらずの今日の訪問は、双方が対話を再開し、ロシアとトルコとの関係回復を望んでいることを示している”と、サンクトペテルブルクのコンスタンチン・パレスで、二人が会った際に、プーチン大統領は述べた。

    … 火曜日、プーチン大統領は、ロシアは経済制裁を“段階的に”解除するつもりだと語り… これに対し、エルドアン大統領は、トルコ初の原子力発電所や、ヨーロッパ向けガス・パイプライン の建設を含む、トルコ国内における主要なロシアのエネルギー・プロジェクトを支援すると約束をした。

    彼は両国は“国防部門における協力”を強化するとも述べたが、詳細は語らなかった。

プーチン-エルドアンのサンクトペテルブルク会談を、マスコミは、クーデター未遂へのCIAの関与とされるものに対応したモスクワとの和解だと解釈した。

ワシントン・ポストによれば、エルドアンの“友好的な” プーチンとの出会いにもかかわらず、アメリカ-NATO-トルコ関係の急変が起きたのだという。

水曜日、NATOは、今週、大統領がモスクワを訪問し、再三“親しい友人”と呼んだ人物ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と新たなレベルの協力をするトルコは、“貴重な同盟国”のままで、加盟資格“は問題になっていない。”と、わざわざ述べた。

ウェブサイトに掲載した声明で、これは“トルコでのクーデター未遂に対するNATOの姿勢と、トルコのNATO加盟資格に関する憶測的マスコミ報道”に応えるものだと言っている。

ばかげた報道だ。実際は、ペンタゴン、NATO、トルコ最高司令部とイスラエルは、永久的な協力関係にあるのだ。イスラエルは、事実上のNATO加盟国で、イスラエルは、トルコと、包括的な二国間軍事・諜報関係を結んでいる。

北シリア国境地域侵略と、トルコ戦車や装甲車両の殺到で、トルコ-ロシア関係は危機的状況にある。そしてそれはアメリカ外交政策の究極的目的だ。

ロシア軍は、同盟国シリアのために活動している。

アメリカ-トルコ-NATOによるシリア地上侵略に対して、クレムリンと、ロシア軍最高司令部はどう対応するのだろう?

彼らはトルコと連合軍にいかに対決するのだろう? ロシアは直接的な軍事的対立を避けるだろうという推測もある。

アメリカに次いで、トルコは、NATOのヘビー級だ。

これまでのところ、トルコの作戦は、狭い国境地域に限定されている。にもかかわらず、これは、シリア戦争の進展における画期的な事件だ。国際法から逸脱した主権国家侵略だ。ダマスカスの“政権転覆”という、ワシントンの最終段階は変わっていない。

今回の軍事行動は、アメリカ-NATOに支援されたトルコによる、更に大規模な軍事行動の前兆なのだろうか? 多くの点で、トルコはアメリカ代理として活動している。

WSJによれば、トルコの侵攻は、アメリカの航空援護、無人機と、埋め込まれた特殊部隊に支援されている。彼らがそこにいるのは、主として、ロシアとシリアが、侵略軍に対して、行動をとることさえ考えられなくさせるためだ。

トルコのシリア侵攻は、自国軍だけでなく、アルカイダ/ヌスラ/シャムと協力しているアメリカが支援するFSA旅団や、子どもの首を切った、先兵を組織したと報じられているアル・ゼンキを含む数千人の“反政府集団”と一緒だ。シリア領は、トルコ軍によって、あるテロリスト聖戦戦士集団(ISIS)から、よりマスコミが受け入れ易く、エルドアン政権、アメリカ、サウジアラビアとカタールのより直接の代理である他の集団へと支配を変えただけで、連中の手に、公然と渡されつつある。

それはさておき、ISISは、トルコの前進に全く抵抗していない - 単に“消え失せた” (あるいは、ある制服から、別の制服に着替えたのか?)(ムーン・オブ・アラバマ)

シリア軍は、ロシアとイランの支援無しに、トルコ地上軍と対決する軍事能力があるだろうか? トルコ軍の殺到に、テヘランはどう対応するのだろう? 同盟国シリアの救援に行くのだろうか?

“衝突”が、NATOが率いるより広範な戦争を正当化する口実に使われかねないのだ。北大西洋条約(NATOの基本文書)の第5条は“集団的防衛”の原則のもとでは、北大西洋同盟の一つの加盟国に対する攻撃(つまり、トルコ)は北大西洋条約の全加盟国への攻撃とみなすとある。

危険な岐路だ。トルコ地上軍の侵攻により、シリアの同盟国、つまりイランとロシアとの軍事的対立が、シリア国境を越えたエスカレーション・プロセスを招きかねない明らかな可能性となっている。

エルドアン-ジョー・バイデン会談

ワシントンから見れば、この地上侵略で、北シリア部分を、トルコが併合するための舞台準備ができたのだ。中央部と、南部シリアに向けたアメリカ-NATO地上軍作戦を展開するための扉も開いたことになる。

エルドアンは、北シリアにトルコ戦車が殺到した後の8月23日、バイデン副大統領と会談した。侵略は、大規模空軍援護を行ったアメリカと、入念に調整されているのだ。アンカラとワシントンの溝などなく、全く逆だ。

アメリカ軍が依然トルコに駐留し、シリア国内で、アメリカとの共同作戦を行いながら、つい先月の暴力的で失敗に終わったクーデターで、アメリカが国家指導部の首を切ろうとしていたと、トルコが本当に疑っているとは信じがたい。

アメリカ-トルコの仲たがいを装い、ロシアを引き込み、トルコが現在展開している侵攻急襲、国境越えのシリア侵略に反対しそうな、トルコ国軍内のあらゆる分子を、徹底的に粛清するの可能にするため、クーデターが仕組まれた可能性が極めて高い。(The New Atlas、Global Research、2016年8月24日を参照)

マスコミ報道は、未遂クーデターの立案者とされるギュレン送還を議論するため、バイデン-エルドアン会談が行われたという思い違いを伝えている。これは煙幕だ。1月にも、エルドアンと会っているジョー・バイデンは、ワシントンの名代として、シリアへのアメリカ-トルコ-NATO共同軍事侵攻の許可を与えたのだ。

クルド人問題

侵略は、アンカラに守られているダーイシュ (ISIS)に向けられたものではなく、“公式に”アメリカによって支援されているSAA軍と、クルドYPG軍との戦いに向けられていた。アメリカに支援されたISIS-ダーイシュと、アルカイダ系列の反政府派は、トルコ侵略軍とぐるになって活動している。

侵略は、アメリカ-NATO-トルコ軍事作戦を南方向、シリア中心地帯へと拡大するのに利用可能な、北シリア内に(上の地図を参照)“安全な避難場所”を作るという、トルコ長年のプロジェクトの一環でもある。

ワシントンは、同盟者のクルド人に、トルコ軍とは対決せぬよう警告した

トルコ国内のクルド人と協力し、国境回廊沿いの分離国家設立を意図していると、トルコが主張しているクルド人が、東に戻ると言った約束を守らないなら、いかなる状況下でも、アメリカの支持を“得ることはできず、得ることはない”とバイデンは述べた。

北シリアにおける、トルコの領土拡大プロジェクトに関しては、最終的には、ワシントンが、アンカラと衝突することは確実だ。ワシントンの積年の目標は、シリアとイラクの領土を分割するという枠組みの中で、北シリアに、クルド人国家を作ることだ。(下記のアメリカ国防大学地図を参照)。辛辣な皮肉は、この“新中東”プロジェクトは、想定されているクルド国家に、トルコの一部の併合をも含んでいることだ。言い換えれば、トルコの新オスマン領土拡大目標は、イラク、シリア、イランとトルコを細分化するというワシントンの設計とぶつかる。言い換えれば、アメリカの究極的な帝国設計は、地域勢力としてのトルコを、弱体化させることにあるのだ。

ペンタゴンは軍事ロードマップをこう規定している。“テヘランへの道はダマスカス経由。”北シリア侵略は、より広範な戦争の条件を生み出している。

しかも、アメリカの計画は、長年の目的、つまりイランに戦争をしかけることなのだ。この点で、アメリカの最も頑強な同盟国(トルコ、サウジアラビア、イスラエル)が、イランと対決し、間接的に、アメリカ権益のために行動する条件を作り出すというのが、アメリカの基本的軍事作戦だ。つまり“我々のために仕事をやってくれ”。

新中東地図

注: この地図はラルフ・ピーターズ中佐が作成したもの。地図は、2006年6月に、Armed Forces Journalに掲載されたもので、ピーターズは、アメリカ国防大学の退役中佐。(地図版権 ラルフ・ピーターズ中佐 2006年)。

地図は、ペンタゴンの方針を公式に反映したものではないが、軍幹部を対象とするNATO国防大学での訓練プログラムで使用されている。この地図は他の似たような地図と同様、国防大学や軍事計画関係者の間で利用されている可能性が高い。

クーデター未遂は、実際CIAに支援されていたが、失敗は、エルドアン大統領と調整されていた。失敗することを意図した、世論を欺くための諜報工作だったのだ。

ミシェル・チョスドフスキーは、受賞歴のある著述家で、オタワ大学経済学教授(名誉)で、モントリオールのCentre for Research on Globalization (CRG)の創設者、理事長で、Global Research編集者である。

Copyright  Prof Michel Chossudovsky、Global Research、2016年

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/us-nato-turkey-invasion-of-northern-syria-cia-failed-turkey-coup-lays-groundwork-for-broader-middle-east-war/554292

----------

「真実は小説より奇なり。」

文中の新中東地図に関する記事をいくつか翻訳掲載している。まとめて読むと、いずれも、突然起きた個別の戦争ではなく、長期にわたって周到に準備されたものであるように見えてくる。

中東国境描き直し計画: “新中東”プロジェクト 2015年2月13日

イエメンのミステリーとピーターズ中佐の地図 2015年4月27日

スーダンの小国分裂化: 中東と北アフリカ地図の書き換え 2011年9月26日

血の国境 より良い中東とはどんな姿なのか 2009年4月15日

この遠大な戦争を開始するうってつけの事件が、9/11だった。

大本営広報部、9/11について、本格的な番組や記事を報じたのだろうか?すんでのところで死ぬところだった、政府高官の話を、間もなく放送すると宣伝はしているようだが?

今度は、サウジアラビアが資金援助していたと、難癖をつけ、金をまきあげようとしている。サウジアラビア資金援助疑惑については、Paul Craig Roberts氏が適格な指摘をしておられる。

サウジアラビアがアメリカを攻撃したという、9/11偽情報

日刊IWJガイド冒頭を引用させていただこう。

■■■ 日刊IWJガイド「9.11同時多発テロから15年、米国でサウジ政府を提訴する『9/11法案』が下院を通過!オバマ大統領は拒否権を発動か!?/集団的自衛権を批判…自民党の『リベラル』派の代表格・加藤紘一元衆議院議員が死去/『安全性は確保されている』!?築地市場の移転先・豊洲の新市場用地で土壌汚染対策がされていなかった!」2016.9.12日号~No.1459号~ ■■■
(2016.9.12 8時00分)

 2001年9月11日のあの日は小学3年生だった、城石エマと申します。

 ハイジャックされた2機の旅客機がワールドトレードセンタービルに突入したのは、日本時間の11日夜。私は、リアルタイムで報道を観ていた記憶がありません。テレビで観たのは翌日以降だったと思います。米国の都会の真ん中からすっとそびえ立った2つの細長いビルが、砂のお城みたいに崩れるのを見て、不思議に思った覚えだけがあります。

 あれから15年が経ちました。日本人24人を含む約3000人が犠牲になったこのテロで、今も7000人以上がPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいるそうです。オバマ大統領は9月11日を迎えるにあたり、犠牲者の追悼を呼びかけました。

 犯人は国際テロ組織「アルカーイダ」であるとされつつも、このテロにはいまだ多くの謎が残ります。犯人探しをめぐっては11日を前に、米国で注目すべき大きな動きがあったようです。

 9月9日、米国下院議会は、9.11同時多発テロの被害者家族がサウジアラビアなどの外国政府を提訴できる「9/11法案」を可決したのです。

 テロの実行犯19人のうち、15人がサウジ出身だったことなどから、米国ではこのテロにサウジ政府が関わっていると見なす人々が少なくありません。今年1月に米上院で同法案が通過した際、サウジ政府は強く反発し、もし同法案が成立すれば、サウジが米国債など、米国に保有する資産最大7500億ドルを売却する、と米国側を脅していました。

 法案は、オバマ大統領が署名をすれば成立します。しかし、同盟国でもあるサウジとの関係悪化や「7500億ドルの米国債等の資産売却」による政府、国民、企業の法的リスクを懸念するオバマ大統領は、大統領拒否権を発動するものと見られるそうです。一方で議会の方も、大統領拒否権を覆せるだけの議決数を確保する見込みだそうです。目が離せません。

 「9/11法案」については、米国とサウジとの間の亀裂も含め、IWJは早くから注目、検証レポートを出しています。全文はサポート会員にご登録いただいた方のみ、お読みいただけます。ぜひ、この機会にIWJの会員にご登録いただき、IWJの豊富なコンテンツを御覧になってください!

---------------
※9.11同時多発テロ関与の疑いで、米議会がサウジアラビア政府や王族を米法廷に引き出す法案を審議!サウジは米国債など、7500億ドルの資産売却をつきつけて対抗!オバマ政権は火消しに奔走!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/297761

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
---------------

 9月11日は9.11同時多発テロからから15年であると同時に、3.11東日本大震災から5年半の節目でもありました。この間にも大規模災害は繰り返され、政府はそうした災害への対応を強化するどころか、災害を口実とした「緊急事態条項」の導入に向け、まもなく秋の臨時国会で改憲論議を始めようとしています。

 4月の熊本・大分大震災では、IWJからも3人の記者が被災地に駆けつけ、支援物資をお届けしながら取材をさせてもらいました。このときに現場に駆けつけた高橋敬明記者、安道幹記者、城石裕幸記者と、岩上さんが「取材&支援活動の総括」をした特別番組はご視聴いただけましたでしょうか?8月は仕事をセーブし、経営者と編集長としての仕事に集中していた岩上さんの1ヶ月ぶりの姿も見られます!見逃してしまった、という方はぜひ、連投ツイートのまとめ記事も、読んでみてください!

---------------
※【IWJよりご報告!】熊本・大分大地震、IWJ特派チーム取材&支援活動の総括!―出演:岩上安身、IWJ 安道幹記者・城石裕幸記者・高橋敬明記者?前編実況ツイートまとめ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/330916

※【IWJよりご報告!】熊本・大分大地震、IWJ特派チーム取材&支援活動の総括!―出演:岩上安身、IWJ 安道幹記者・城石裕幸記者・高橋敬明記者~後編実況ツイートまとめ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/331084
---------------

 災害はいつ、どこにやってくるか分かりません。突然の事態にもIWJが素早く動き、確かな情報と微力ながらも支援をお届けできればと思っております。しかし、そうした気持ちとは裏腹に、IWJの財政状況では、突然の事態に瞬時に対応できない可能性もあります。熊本・大分大地震の際には、連日みなさまに特別のご寄付のお願いをして、お助けいただきました。ありがとうございました!

 どうぞ、今後もIWJが本当に必要とされている活動を続けていくことができるよう、みなさまのご寄付・カンパでIWJをお支えください。よろしくお願いいたします!!

※ご寄付・カンパをどうぞお願いいたします!
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 現在IWJの会員数は5992名、あと8名で6000名です!しかし、毎月15日には会費が未納となっている方を一時的に無効とする措置をとっているため、15日を境に、またがくっと減ってしまうと予想されます。どうぞ、まだ会費の納入がお済みでない方は、今のうちにお支払いをお済ませください。また、毎月うっかり納入を忘れてしまう、という方には、自動引き落としがおすすめです!

※会費の自動引き落としに関するご案内はこちら
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/23819

2016年9月11日 (日)

ロシアとの戦争に関する、クリントン 対 トランプ

Eric ZUESSE
2016年9月6日

二大政党アメリカ大統領候補最大の違いは、ヒラリー・クリントンが、ロシアに対して敵対的でない国々(イラク、リビア、ウクライナや現在のシリア)における、オバマ政権による政権転覆政策を継続したいと思っているのに対し、ドナルド・トランプはそう思っていないことだ。トランプは、アメリカ国家安全保障政策の焦点を、(実際は、アメリカとサウジアラビア政府が、(1991年に崩壊した)ソ連を駄目にするため、1979年に、パキスタンと、アフガニスタンで始め、もたらした問題である)聖戦士の根絶に当てようとしている。トランプか、冷戦は終わったと言うのに対し、ヒラリーは“ロシアは代償を払わねばならない”と言っている。

ところが、どちらの候補者も、この問題については、中身のある立場を示していない。ヒラリー・クリントンは、公職にあった時の行動で、ロシアに対し、中立的だったり、はっきり友好的だったりする国家元首の打倒を、彼女が一貫して好んでいることを既に示しているので、そうする必要がないのだ。そのうち四つの例が、特に顕著だ。サダム・フセイン、ムアマル・カダフィ、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチと、バッシャール・アル・アサド。明らかに、ロシアとの戦いは、ヒラリー・クリントン外交政策の最高の優先順位だ。一方、ドナルド・トランプを評価するものは、彼の発言と、物事に対する、彼の発言の一貫性しかない。彼は一貫して、こう言っている。アメリカは、冷戦終焉以来、初めて、国家安全保障の焦点を、もはや、国際共産主義(いずれにせよ、もう終わってしまった)ではなく、唯一の敵、聖戦主義に絞るべきだ。

ヒラリー・クリントンが、世界中で聖戦士に資金提供しながら、ロシアに対しては敵対的な、サウジアラビア、カタール、UAEや、他の原理主義-スンナ派君主制国家の所有者に兵器を売るのに、常に熱心であるのに対して、ドナルド・トランプは、ひょっとすると、中東に対する兵器輸出を全て止めて、聖戦士に対する戦いで世界を率いている国ロシアとは友好的な関係を樹立したいとさえ思っている。これはつまり、NATOを終わらせるか、根本的に変容させることを意味している。(クリントン、NATOが反ロシア軍事クラブなので、NATOを強く支持している。)

どちらの候補者も、この件については、詳細を語っており、二人の候補者のそれぞれに対して、はっきりものをいう別人が、しっかり代理をしてくれている。ここで、引用するのは、クリントンを支持しているポール・ウォルフォウィッツと、トランプを支持しているフレッド・リードだ。

8月26日、ドイツのシュピーゲルで、“共和党は、トランプ反対: ブッシュ顧問のウォルフォウィッツ、クリントンに投票する可能性が高いと発言”。シリア戦争に関しては、ウォルフォウィッツは、ドナルド・トランプが、バッシャール・アル・アサド(ロシアの同盟者)打倒よりも、聖戦士打倒に、より高い優先度をおいていることを攻撃している。“欧米同盟は、[非宗教的な]アサド政権に反対するスンナ派反政府派[ほとんど、その全てが聖戦士]を最初から支持すべきだ”。シュピーゲルのインタビュアーはこう発言している。“共和党大統領指名候補のドナルド・トランプは、イラク戦争[ウォルフォウィッツも、ヒラリーも支持した]も批判しています。彼は'国造りと政権転覆という現在の政策' - まさにあなたか支援しておられる政策を止めたいと発言しています”。(“政権転覆”というのは、アメリカが、モスクワに対して敵対的ではない国家指導者を、ロシアに敵対的な指導者に置き換えることを言う。)

ウォルフォウィッツは答えている。“民主主義の推進を放棄するのは大きな過ちです”. (“民主主義の推進”というのは、反ロシアを意味する文句だ。これは、ソ連やそのワルシャワ条約や共産主義がいまだに存在していて、アメリカは依然民主主義で、単なる、むき出しの征服欲求ではなく、何か理にかなった民主的基準に基づいて、いまだにロシアに反対していることを想定している。) ウォルフォウィッツは、アメリカ兵器を、サウジアラビアや他の原理主義-スンナ派独裁者連中に輸出することに決して反対せず、常に支持してきた。(この点でも、彼の実績は、ヒラリーの実績と同じだ。)

ウォルフォウィッツが、G.W. ブッシュ政権時代のイラク侵略を支持し、ドナルド・ラムズフェルドの#2として、イラクを侵略し、イラク国民を虐殺することを、実に中心的に主張したことについて質問されると、彼は言った。“9/11後、サダムが、大量破壊兵器査察を阻止していた事実に、もっと厳しくすべき理由があると思うようになりました。彼はテロリストを匿っていた。”(サダムが、国連査察官を受けい入れることと、その事実が、イランを大胆にさせ、彼の政権の脆弱さにつけこみ、イラクを攻撃することになりかねないと恐れていたので、大量破壊兵器を保有していないことを公式に発表するのを嫌がっていたことを除いては、これはいずれも事実ではない。)

インタビュアーは言った。“今は、イラク戦争当時、彼が大量破壊兵器を保有していなかったことを我々は知っています”。

ウォルフォウィッツは答えた。“私は諜報機関の担当ではありませんでした。”(同様に、ヒラリーは、全ての諜報情報が、サダムは大量破壊兵器を持っていたと言っていたと主張した。) ヒラリーは、ロシアも中国もイラク侵略に反対していたので、イラク戦争決議に賛成さえしており、ウォルフォウィッツは、以前、公に以下の発言をしている。“[1990年のペルシャ湾岸戦争]で我々が学んだ一つのことは、この地域 - 中東で - 我々は武力を行使でき、ソ連は我々を止めないということだ。次の偉大な超大国が我々に挑戦する前に、旧来のソ連傀儡政権、シリア、イラン、イラクを片づけるには、約5年か10年かかるだろう。”ウォルフォウィッツは、ヒラリー・クリントン外交政策の強力な支持者だ。

次に、ロシアが、ウォルフォウィッツの話題になった。

シュピーゲル: トランプは、特にロシアを新たなパートナーにしたいと思っているようです。

ウォルフォウィッツ: プーチンは大変危険な振る舞い方をしています。トランプは、座視して、彼がそのやり方を続けるのを許すように聞こえます。そういうことをしたら、どうなるかを私は懸念しています。

シュピーゲル: ドナルド・トランプは、アメリカ合州国にとってのNATOの重要性も疑問視しています。この点について、彼を理解できますか?

ウォルフォウィッツ: いいえ。NATOは、いまだに我々にとって、極めて重要で、依然として、史上最も優れた同盟です。

さらにこうある。

シュピーゲル: 最近、50人の元共和党安全保障幹部が、ドナルド・トランプは、安全保障上のリスクだと発言しました。彼は安全保障上のリスクですか?

ウォルフォウィッツ: はい。彼はリスクです。

シュピーゲル: なぜですか?

ウォルフォウィッツ: 彼は、プーチンや、テロリストを殺していたサダム・フセインに敬服しており、天安門広場で断固としていたので、中国は素晴らしいと言っています。これは大いに心配です。[‘イラクの大量破壊兵器’にまつわるジョージ・W・ブッシュのウソは、ウォルフォウィッツにとって、全く気にならないのだが、ブッシュのイラク侵略は、アメリカが支援した天安門広場の中国人反政府派を粉砕して、中国指導者が行った、あるいは行ったかも知れないことよりも、遥かに巨大な害をなした。実際、あれは、当時の状況下では、特に回顧して見た場合、正しい措置だったのかも知れない。途切れることのない自己正当化と、今や陳腐化した彼の偏見を改めるのを拒否する以外、ウォルフォウィッツには、回顧というものはないのだ。]

ウォルフォウィッツは、トランプには投票しないことを明言している。“彼女には、大きな懸念をもっているが、私はヒラリー・クリントンに投票するしかないだろう”といって終わった。“大きな懸念”とは一体何か、彼は説明せず、質問もされなかった。とはいえ、外交政策については、彼はヒラリー・クリントンに100%同意しているように見えた。彼女は、アメリカ上院で、彼のイラク侵略に賛成票を投じたのみならず、彼女は、以来、民主党の超タカ派だ。

ヒラリー、トランプ、ロシアとの戦争: 私がこれまでワシントンに暮らしていて、聞いたものの中で最悪の愚かな考え”という見出し記事を書いたフレッド・リードは、全く逆の見解を述べている。彼はこう主張している。

トランプに投票すべき良い理由、彼の他の意図が何であれ、十分に良い理由は、彼がロシアとの戦争を望んでいないことだ。ヒラリーと、彼女のエリート腹話術師連中には、まさにそれをする恐れがある。反ロシア・ヒステリーは、彼女と、その小判鮫連中があおっていることに留意が必要だ。

そのような戦争は、裕福なインサイダー連中によるアメリカの完全支配のもう一つの例だろう。普通のアメリカ人がそのような戦争で得るものは全く皆無だ。しかも、普通のアメリカ人には、トランプに投票する以外、そのような戦争が起きるかどうかについて、全く何の影響力もない。軍はもっぱら責任を負わないエリートのオモチャとなっている。

リードは、ヒラリーが、アメリカの意思を、中国海岸沖の海域、南シナ海に押しつけることについて強硬発言をしていることにも触れている。“中国と戦争をして、何か利益を得る、エリート以外のアメリカ人の名前を一人でも挙げられるだろうか? エリートや、様々なロビーとは違う普通のアメリカ人が、9/11以降のアメリカによる戦争のどれかから一体何を得ただろう? ヒラリーと、彼女のネオコン徒党は、そうしたもの全てを支持したのだ”。

2016年2月29日、ザイド・ジランが“ネオコン、ドナルド・トランプに戦争宣言”という見出しの記事を書いたが、それ以来、この“戦争”に、事実上全てのネオコンが加わった。連中はたぶん、黒人有権者たちと同様に、強固なヒラリー・クリントン連合になっている。あるいは、より強固かも知れない。

軍に関するトランプとクリントンとの違いは、トランプが、焦点を聖戦士に置きたいと思っているのに対し、ヒラリーは焦点をロシアに置きたいと思っていることだ。焦点の当て方は、標的を決定するだけでなく、どこを同盟国にするかも決定する。あらゆる国際関係に影響するのだ。これは、彼女がアメリカ国務長官だった時期に、ヒラリー・クリントンの行動に大きく影響したし、2017年から、大統領執務室を占める人物のタイプにも、深く影響する。だから、これは、将来とわが国の性格に影響するのみならず、核戦争が起きるかどうかについても影響するのだ。

これは、ここが一体どういう種類の国なのかということだけでなく、冷戦を終わらせることに、我々がひどく狂ったように抵抗して、事態を(瀬戸際を越えるものではないにせよ)核対決の瀬戸際に押しやるのかどうかに関する実存的な問題で、この言葉の最も深い意味で“実存的”だ。それこそが今回の選挙で危機にさらされているのだ。存在そのものが危機にさらされているのだ。そして、この国の性格が危機にさらされている。我々は本当に“核の肝試し”ゲームをしたいのだろうか? ロシアは確実に、これを辞めたがっていて、ロシアの指導者ではなく、アメリカ指導者連中のウソがこれを引き起こしているにもかかわらず?

今回の選挙で、戦争/平和や、外交問題よりも、国内問題の優先している、あらゆるアメリカ人は、優先順序を、実際些細なことに置いて、間違えをしているように私には思える、NATOをロシア国境のすぐそばまで拡張するだけでは、ヒラリー・クリントンの熱望にとって、十分に攻撃的ではないので。これ以上、一体どこまで、ロシアは耐えることができるのだろうか? アメリカは、ロシアが‘うんざり’するまで、一体どこまでロシア包囲をし続け、アメリカ支配層による支配に降伏するか、アメリカが、ロシアを電撃攻撃できなくするため、アメリカを電撃攻撃するのだろうか? ロシアは、ロシア国境のすぐそばまでへのNATO拡張を耐えてきたように、これほどのアメリカによる攻勢に耐えなければならないのだろうか?

不幸なことに、ロシアとの核戦争が起きるのかどうかという問題は、ロシアの行動によっててはなく、過去数十年にわたる、アメリカ大統領の行動、アメリカ軍を、ロシア国境のすぐそばに配備する行為 - 1962年に、ジョン・フィザーランド・ケネディ大統領が受け入れることを拒否した、共産主義ソ連の、アメリカに対する脅威と、まさに全く同じ、ロシアに対する脅威によって起きているのだ。

次期アメリカ大統領は、それが、健全な政策なのかどうか;そして、それを継続すべきなのかどうか、それとも政策を翻すのかを決めなければならないことになる。もし政策を翻すことができないなら、核による全滅が、次の段階になるまで、一体どこまで更に推進できるのだろう? これを継続するのは、良い考えなのだろうか?

この問題こそ、現在のアメリカ大統領選挙の焦点となるべきではないだろうか? 1962年以来、このように本物の差し迫った核戦争危機は、これまでになかったし、これは確実に、実存的危機だ。唯一の違いは、今回は、侵略国は、アメリカで、イデオロギー的な理由はなく、ウソの口実と、実際の隠れた動機(それが何であれ、あるいは何だったのであれ)。

この問題は、全く無用なのだ、ロシアは、決してアメリカを侵略しておらず、侵略すると脅してもいないが、ソ連とワルシャワ条約の崩壊以来のアメリカ外交政策が、2016年に、悲劇的に、これを他の全てに勝る問題にしたのだ。もしアメリカ人有権者が懸命なら、マスコミが他の問題に焦点を当てているのは、本当に誠実なジャーナリズムではなく、重要問題から目をそらせようとしているものであることに気がつくはずだ。

もし国民が、この問題に関心を持たないなら、それは問題自体のせいではない。マスコミが、これに集中しないためだ。結局、大半の人々は核戦争を恐れているのだ。彼らは核戦争を望んではいない。特に、ずっと前に共産主義が消滅した、今になって。資本主義-対-共産主義対決など、とうの昔に終わったにもかかわらず、戦争が起きる危険が、今ほど高くなったことはなかったことを、国民は知らないのだ。もし国民が、このことについて知らなければ、もちろん、それは国民にとって、問題とはならない。だが、それは国民が悪いわけではない - これこそが重要問題なので、国民から隠している不誠実な‘ニュース’メディアが悪いのだ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/09/06/clinton-versus-trump-war-with-russia.html

---------

NHK Eテレ ETV特集「武器ではなく 命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~」をみた。

中村哲氏の偉業、著書を何冊か拝読しており、彼のプロジェクトの映像も、おそらく同じ局のものを、何度か拝見しているが、今回は特に圧巻。

大本営広報部電気洗脳箱、白痴製造装置と、いつも呼んでいるが、これは本格的な必見ドキュメンタリー。

水路建設をする人々の上空を、米軍ヘリコプターが飛んでゆく場面が象徴的。「彼らは人を殺しに空を飛んでゆく。我々は人々の生活のために地上で働いている。という趣旨のテロップがはいる。水路ができる前の風景と、水路完成後のみどりなす風景の差。

「水路建設の話をしたら、現地の人々は大喜びしたが、モスク・マドラサを建設するという話をしたあとの、彼らの喜びはそれ以上に大変なものだった」と言われた。素晴らしい、モスクと学校。今は、水路建設の技術を教える学校を建設予定とのこと。

「小説家の火野葦平は母方の叔父である(妹が中村の母)。」というので、火野葦平資料館を訪れたことがあるが、帰路、駅で、かしわめし弁当を食べたことしか記憶にない。

日野行介(毎日新聞特別報道グループ)×尾松亮(ロシア研究者)講演・対談 福島第一原発から5年「チェルノブイリ」の教訓は本当に活かされたのか? 2016.9.8

岩波書店の『世界』10月号には、尾松氏の「事故30年 チェルノブイリからの問い 第6回 教室で「放射線」を語れない——外国語に訳せないいくつかの理由 [
と、ともにNHKの原発ドキュメンタリーで素晴らしい番組を作っておられる七沢潔氏のチェルノブイリ・ルポ「永遠の一日 第1回──避難者たちの団地で」も載っている。

「TPP座談会 欧米の市民社会は自由貿易にNOと言う」も必読。

【IWJよりご報告!】熊本・大分大地震、IWJ特派チーム取材&支援活動の総括!―出演:岩上安身、IWJ 安道幹記者・城石裕幸記者・高橋敬明記者〜前編実況ツイートまとめ 2016.9.10

今ボクシングが熱い!井上尚弥vsロマゴン夢の対決へ!山中慎介は11度目の防衛戦!長谷川穂積も復帰戦!絶対王者・ゴロフキンの防衛戦も!注目カードの楽しみ方を一挙紹介(初心者編)! 2016.9.10

2016年9月 2日 (金)

もはやアルカイダを敵としていないと語るアメリカ政府

Eric ZUESSE
2016年8月29日
Strategic Culture Foundation

“我々は旧ヌスラ戦線[シリアのアルカイダ]には注目していない。我々はダーイシュ[ISIS]に注目している。そして、それが我々が戦っているものであり、それが我々が探し、標的としているものだ。”アメリカ国防省記者会見、2016年8月16日。

アメリカの対テロ戦争にとっての核心は、アルカイダを具体的標的とすることだったが、8月16日、アメリカ国防省広報官は、アルカイダは、もはやアメリカ合州国の敵ではなく、ISISのみが対テロ戦争におけるアメリカの敵だと述べた。ところが、議会は、対テロ戦争における敵として、アルカイダ以外の何も、決して承認していない。結果として、今や、もはやアルカイダを全く標的とはしないことによって、オバマ大統領は法律に違反しており、彼は法律を無視してもいる ISISを標的にして(長らく彼はそうしているが)議会に、そうすることの新たな承認、議会の民主党も共和党も、事実上、即座に認めるであろうことが確実な承認を要求せずにいる。この新たな戦争権限の承認は、元々の戦争権限承認の主要な欠点を改め、具体的に“聖戦主義”を、アメリカの敵として、名前を挙げて、特定のどの聖戦主義集団であるかにかかわらず、合法的に、殲滅の標的にできるようにするのに必要なのだ。既存の決議の下で標的にできるのは、究極的に、9/11を引き起こしたと判断された団体で、既存の戦争権限承認が、あの具体的な聖戦行為を犯した組織のみに限定されているため、アルカイダだけなのだ。(現在のように)アルカイダに対してのみならず、いかなる聖戦集団に対しても、アメリカ軍の行動が合法的に行えるようにすべく新たな戦争権限承認で、既存の権限承認を改訂するのではなく、置き換える必要がある。

2001年9月14日の議会決議は、アメリカ大統領に、9/11に対応して、戦争をする権限を与え、大統領が“2001年9月11日に起きたテロ攻撃を、計画し、承認し、実行し、あるいは支援したと、彼が判断した諸国、組織や、個人に対して、あらゆる必要かつ、適切な武力を用いる権限を与えた”と宣言した。これは後に、アルカイダを指しているものと解釈された。ブッシュは、2003年3月19日、イラクがアルカイダを支援していると言って、イラクを侵略した。ヒラリー・クリントンも含む議会も、アメリカ‘報道’機関も、その主張を受け入れ、決してこの点で、ブッシュに異議申し立てをせずに、12の理由で、ブッシュが侵略するのを許可した。そのうちの五つは下記の通りだ。

- 2001年9月11日に起きた攻撃を含む、アメリカ合州国、国民、その権益に対する攻撃の責任を負っている組織、アルカイダのメンバーが、イラクにいることがわかっている。

- イラクは 反アメリカ合州国テロ組織を含む“他の国際テロ組織の支援と、かくまうことを継続している”。

- イラクは、自爆犯の家族に、賞金を支払った。

- 議会と大統領による、テロリストと、彼らを支援したり、かくまったりした連中との戦いへ取り組み。

- 大統領が反アメリカ合州国テロと戦うことの、憲法と議会による承認。

言い換えれば、理由の一つは、イラクが“反アメリカ合州国テロ”の背後にいたことで、もう一つの理由は、アルカイダが“イラクにいることが分かっている”ことだったが、9/11の出来事に関しては、理由が全部で五つあった - ところが、この決議は、9/11ではなく、イラクに関係しているのだ。

だから、オバマが議会から、‘テロ’(イスラム・テロのみ、より正確には聖戦主義を意味する)に対して戦争する‘権限を与えられた’根本としている二つの決議は、具体的には、アルカイダに対してのものだ。彼はそれと戦う権限を与えられているのだ。イラク侵略決議は、より広範に“他の国際テロ組織”も含んでいたが、イラクだけに限定されたものだ(そして、ブッシュ大統領が対イラク戦争は終わったと宣言した。だから現在、イラクで、アメリカは、イラク政府による明確な許可を得てのみ、軍事的行動ができる。)

シリアでは、アルカイダは、ヌスラ戦線と呼ばれ、彼らは最近名前を変更し、時には“旧ヌスラ戦線”と呼ばれるが、名前が何であれ、彼らは、シリアのアルカイダだ。

ところがアメリカ国防省は、2016年8月16日に、シリアとイラク両国に関し、バグダッドで記者会見を行い、アメリカは、シリアでもイラクでも、アルカイダについては気にしておらず、“ISIL”、ISIS、「イラクとシリアのイスラム国」だけを意識していると断言した。サウド王家が、ダーイシュ (ISILのアラビア語の略語)と呼ぶので、彼もそうしたのだ。

“我々は旧ヌスラ戦線には注目していない。我々はダーイシュに着目している。それが我々が戦っている相手であり、我々が着目し、標的としているものだ”。

今や、アメリカの対‘テロ’戦争の唯一の標的は、(ジョージ・W・ブッシュと共に)9/11の背後にいた家族である、サウド王家を打倒し、置き換えたがっている聖戦主義組織だけとなった。

広報官発言と、3:25のところで、ジャーナリストヌスラ戦線のことを“アメリカ合州国が支援しているかも知れない勢力”と言ってペンタゴン広報官を怒らせたビデオがここにある(彼はこれが実際、シリアでは、ずっと事実だったことを知っているので、この言葉で、ジャーナリストは目を伏せる。アメリカは終始“ダーイシュ”を除く、現地のあらゆる聖戦戦士(つまり‘テロリスト’)集団、(特に、ヌスラ戦線) 彼らのいずれも、アサドを打倒しようとしているので(ダーイシュは、十分イスラム的ではないということで、サウド王家を打倒すると脅しているために)を支持してきたのだ。だから、ダーイシュ-ISISが、サウド王家にとっての脅威なので、アメリカは、対ISIS戦争努力を(対アサド戦争に加え)に注力し、シリアにおける、他の聖戦士を無視しているのだ。シリア国内の全ての聖戦士は、アサド打倒のために戦っており、それゆえ(サウド王家の敵、ISIS以外)、シリア国内のあらゆる聖戦士は、対アサド・アメリカ戦争にとって、実際、強力な資産だ。

ペンタゴン広報官は、個人的発言で対応してから、アメリカは、“ダーイシュ”以外の、ヌスラ戦線や、他のいかなる聖戦主義集団も気にしないと、単純に反復した。

実際、9/11決議は“2001年9月11日に起きたテロ攻撃を、計画し、承認し、実行し、あるいは支援したと、彼が判断した諸国、組織や、個人に対して、あらゆる必要かつ、適切な武力を用いる権限を与えた”のだから、オバマは“ダーイシュ”に対して、いかなる軍事作戦を行う権限を与えられていないのだ。しかも当時、ISISは存在さえしていなかった。我々はまだ彼らを作り出していなかったのだ。

議会は、アサドを打倒するためのいかなる軍事作戦をすることも、彼に許可していない。ISISを殺害するいかなる軍事作戦も許可してはいない。オバマは、ロシアを憎悪し、ロシアに好意的なあらゆる国の指導者(カダフィ、ヤヌーコヴィッチやアサドなど)を殺害したがっている変節したアメリカ大統領だ。議会とオバマを支配しているのと同じアメリカ支配層によって支配されている‘報道’機関の協力によって、既存の法律とは無関係に、彼は事実上、これをするためだけに、自由行動を認められている。

バラク・オバマは、反ロシアで頭が一杯で、アサドはロシアの同盟者なので、オバマは、彼や前任者たちが、ロシアに友好的だったり、同盟したりしている他の国の指導者たち、サダム・フセイン、ムアマル・カダフィや、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチを打倒したように、アサドを打倒したがっているというのが事実だ。オバマは、彼の頭の中では決して終わっておらず、ロシアそのものが包囲され、征服されるまで終わるはずのない冷戦ではなく、第三次世界大戦で勝利しようとしている。

オバマの友人で顧問のズビグニュー・ブレジンスキーが、1997年に著書The Grand Chessboard『ブレジンスキーの世界はこう動く―21世紀の地政戦略ゲーム』で主張したように、明らかにオバマも、これはロシアの‘王’(支配層エリート)が倒され、アメリカの‘王’(支配層エリート)が残っている状態で勝利する“チェス・ゲーム”だと思い込んでいる。アメリカ支配層(と‘報道’機関を含むその代理人と、アメリカ政府)の考え方も、そうなのだ。

アメリカ国民は、聖戦士を我々の敵と考えているが、アメリカ支配層は、聖戦士を問題とは思っていない。 連中の友人サウジアラビア支配層は、聖戦士とではなく、石油とガス市場で、ロシアと戦っている。

そして、アメリカ支配層は、アメリカ国民など、どうでも良いのだ。

そして、これが、アメリカ大統領が、アメリカの法律を破っても、何のおとがめもなく済んでしまい、 (代理人を通して)“我々は旧ヌスラ戦線には注目していない。我々はダーイシュに注目している。そして、それこそが我々が戦い、探し、標的にしているものなのだ”と言える理由だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/08/29/us-government-says-no-longer-against-al-qaeda.html

----------

ご都合主義の極み。ロシアやイランや中国を屈伏させる永久戦争のためには何でもあり。

大本営広報部、検索してみても、この話題の記事はみつからない。探し方がわるいのだろうか?人々の注意を散漫にして、まったくわけがわからない状態にしておくのがお仕事。

現地の状態を把握するには、下記講演は必見だろう。

特別講演会「シリア内戦」はどう理解してはいけないか? ―東京外国語大学・青山弘之教授×中東調査会上席研究員・高岡豊氏 対談講演会 2016.6.23

2016年8月11日 (木)

シリアの戦争について主流マスコミが報じようとしない10の事実

Darius Shahtahmasebi
2016年8月3日
"Anti Media"

商業マスコミは、地域で続いている紛争で、シリアのバッシャール・アル・アサド政権だけが悪いかのように頻繁に描こうとしている。マスコミは、この言説に矛盾する出来事はたとえまれにでも報じようとしないが、そうしたものをまとめると、報道されることが少ない詳細が、紛争を解きあかしてくれる。

10: バッシャール・アル・アサドの方が、バラク・オバマより支持率が高い

アサドは正当ではなく、辞任すべきだというオバマの主張にもかかわらず、2011年に紛争が勃発して以来、アサドは大多数の国民の支持を得ているのが事実だ。2014年の選挙で、国際監視団が違反はなかったという中で、アサドは圧勝した - アサドは深刻な人権侵害で非難されているとは言え、シリア国民の間では、そこそこ人気を保っている事実の証拠だ。

一方、オバマは、2012年、アメリカ国民のわずか53.6パーセントという投票率で選挙に勝った。投票者は、わずか総計1億2910万人だ。つまり、約1億8980万人のアメリカ国民はオバマに投票しなかったのだ。彼の現在の支持率は約50パーセントだ。

9: “穏健”反政府派は乗っ取られている

シリアには、かつてはあったとしても、“穏健”反政府派などというものは、もはや存在していない。いわゆる欧米が支援する自由シリア軍(FSA)は過激派に支配されて久しい。ニューヨーク・タイムズが、2012年に シリアに送られる大多数の兵器は聖戦士の手に落ちていると報じた事実にもかかわらず、アメリカはこの事実を知りながら、シリア反政府派を支持し続けている。2012年、機密のDIA報告書は、ISISの台頭を、こう予言していた。

“もし状況が展開すれば、東シリア(ハサカとデリゾール)に、宣言した、あるいは宣言しないサラフィー主義国を樹立する可能性があり、そして、これはシリア政権を孤立させるため、反政府派を支援している諸国がまさに望んでいることだ。”

更に、ある自由シリア軍FSA司令官は、戦士がヌスラ戦線(シリアのアルカイダ)と共同作戦を頻繁に行うのを認めたのみならず、シリアは、シャリア法で支配されるようになるのを見たいとまで公言した

どうやら「穏健」という単語には“アルカイダ系列の狂信者”の意味もあるようだ。

8: アサドは、自国民に対して、決して化学兵器を使用していない

2013年始め行われた最初の本格的化学兵器攻撃 - 欧米が即座にアサドのせいにした残虐行為に対する国連調査は - 攻撃はシリア反政府派によって行われた可能性がより高いことを証拠が示唆していると結論づけた。その後の国連調査も、2013年8月の攻撃は、アサドの軍を含め誰のせいだとも言っていない。2013年12月、ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリスト、セイモア・ハーシュが状況の扱う上での問題点を強調する記事を発表した

“攻撃の数カ月前、アルカイダにつながる聖戦集団ヌスラ戦線が、サリン製造手法を修得し、大量に製造することが可能だったという証拠を挙げ、アメリカ諜報機関が一連の極秘報告書を作成した。攻撃が行われた際には、ヌスラ戦線が容疑者とされるべきだったが、政権は、対アサド攻撃を正当化するため、都合の良い諜報情報だけ選び出したのだ。”

7: シリア政権打倒は、9/11後、間もなく採択された計画の一環だった

ウェズリー・クラーク元陸軍大将が明らかにしたメモによると、9/11から間もなく、ペンタゴンは、5年内に、7カ国の政府を打倒する計画を採択した。対象の国々は、イラク、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、シリアとイランだ。

イラクが2003年に侵略されたことは周知の事実だ。2006年に、アメリカ同盟国のイスラエル、レバノンをやっつける腕試しをした。2011年に、リビアは破壊された。この介入以前、リビアはアフリカのどの国よりも高い生活水準だった。2015年だけで、国連人間開発指数評価が、27位も落ちた。アメリカのドローンは、ソマリア上空を飛行し、アメリカ軍が南スーダンに駐留している - スーダンは残虐な内戦の後、分割された - そして、2011年以来、シリアは破壊的な戦争の現場だ。そこで残るは、イランのみとなり、それについては、以下で論じる。

6: イランとシリアは相互防衛条約を締結している

2005年以来、イランとシリアは相互防衛協定で結ばれている。イラン政府は、この協定をしっかり尊重する意思を示し、シリア政権に、軍隊、10億ドルの与信枠、訓練と助言を含む、あらゆる種類の支援をしている。しかしながら、この紛争を一層危険にするのは、ロシアと中国がイランとシリア側についていて、イランに対するいかなる攻撃も決して許さないとはっきり言っている事実だ。過去数カ月のシリアへのロシア軍事介入が、この発言がこけおどし脅威ではないことを証明している - 彼らは口で言うだけでなく行動で証明するのだ。

イランは、長い間、アメリカ支配層の外交政策によって照準が定められている。ジョージ・W・ブッシュは、任期中にイランを攻撃するのに必要な支持を作り損ねた  - 試みなかったわけではないが - 2012年以来、経済制裁が、大黒柱のスローガンだ。地域におけるイランの最も重要な同盟国を攻撃し、不安定化させることで、権力者連中は、地域において、影響力を広めるというイランの取り組みを損ね、究極的には、更にイランを弱体化することが可能になる。

5: 元アップルCEOはシリア難民の息子

アップル創設者の故スティーブ・ジョブスは、1950年代にアメリカ合州国に移民したシリア人の息子だった。大統領候補でさえ、外国人嫌い、イスラム教徒嫌い、人種差別や、難民や移民に対する憎悪が高まっていることを考えると、これは特に興味深い。ドナルド・トランプ大統領は、未来の技術的先駆者が決してアメリカ合州国に入国できないような条件を作るのだろうか? 彼の言辞は、それを示しているように見える。

4: ISISは、アメリカのイラク侵略の産物であって、シリア紛争の産物ではない

ISISは、以前はイラクのアルカイダとして知られており、2003年のアメリカ-イギリスが率いるイラク侵略後に、有名になったのだ。侵略される、イラクには、具体的なアルカイダの存在は皆無だったことは良く知られているが、これには理由がある。2003年5月に、ポール・ブレマーが大統領イラク特使の役割を与えられた際、彼は警察と軍を解体した。ブレマーは、1980年代にイラン-イラク戦争を戦った軍高官を含む約400,000人の軍人を解雇した。こうした将校たちが現在ISIS内で上層部にいるのだ。もしアメリカ合州国の行為がなければ、ISISは存在しなかった可能性が高い。

ISISは、かつては、アメリカ治安機関には、イラクのアルカイダ(AQI)として知られていたが、これら戦士は、最終的にリビアシリアでの政権転覆という欧米の狙いの中核となった。2014年に、シリア国境で、イラクやシリアの様々なアルカイダ系列集団が合併した際に、我々が現在直面している本格的テロ集団となったのだ。

3: トルコ、カタールとサウジアラビアは、シリア経由のパイプラインを建設したがったが、アサドはそれを拒否した

2009年、カタールは、サウジアラビアとガスを輸出するため、シリアとトルコを経由するパイプラインを提案した。アサドは提案を拒否し、代わりに、トルコ、サウジアラビアとカタールを、その経路から完全に締め出すことになるヨーロッパ市場向けパイプラインの建設で、イランとイラクと合意した。それ以来、トルコ、カタールとサウジアラビアは、アサド打倒を狙う反政府派の強力な支援者だ。彼らは一緒に、何十億ドルもの金を投入し、兵器を与え、狂信的イデオロギーの広がりを奨励し、各国の国境を越えて、戦士たちの密入国を支援した。

イラン-イラク パイプラインは、地域におけるイランの影響力を強化し、もう一つの主要OPEC産油国、ライバルのサウジアラビアを弱体化する。アメリカ同盟諸国を経由せずに、ガスをヨーロッパに送れる能力を得れば、イランは優位にたち、アメリカ・ドルを完全に締め出す契約を交渉できるようになる。

2: トルコが、ISIS戦士に高価な医療を提供していることを示す漏洩した会話

シリア政権と戦う強硬派イスラム主義者に対するトルコの支援は徹底的だ。実際、聖戦士連中は、トルコ国境を“聖戦のための出入り口”と呼んでいる。2016年5月、トルコはISIS戦士に高価な医療まで提供しているという報道まで現れはじめた。

トルコはNATO加盟国だ。これを十分ご理解願いたい。

1: この紛争の欧米マスコミの主要情報源は、イギリス、コベントリーのTシャツ屋

これは冗談ではない。もし皆様がニュースを読んでおられれば、誇張して“シリア人権監視団”(SOHR)と呼ばれている組織のものを大手マスコミが引用するのを見聞きされている可能性が高い。このいわゆる“監視団”なるものは - シリア紛争から何千キロも離れた - イギリス、コベントリーの自宅で、たった一人で運営しているものなのに、大いに知られた欧米マスコミ(例えば、BBCロイターガーディアンや、インターナショナル・ビジネス・タイムズ)が引用している。彼の信用を保証するものとして、街のTシャツ屋経営者で、現在のシリア大統領に異を唱える悪名高い人物だということがある。

***

本記事の大半の情報は、大手マスコミから得たものだという事実にもかかわらず、そうした情報を流す連中は、そうした話をまとめて、シリアで一体何が起きているのかについての正確な様相を大衆に提供するのを拒んでいる。

アサドは残虐かも知れない - そして、広範な人権侵害の申し立てに対する裁判を受けるべきなのかも知れない - しかし、この事実だけで、他の物事が真実でなくなったり、見当違いになったりするわけではない。中東における更なる戦争への道、結果的には更なるテロ攻撃や、ロシアや中国とのありうる紛争に引きずりこまれてしまう前に、人々はきちんと情報を得る権利があるのだ。

記事原文のurl:http://theantimedia.org/10-facts-war-syria/
----------
「新都知事、新党」という風な見出しを駅のタブロイドで見た。
思わず「ヌスラ戦線、アルカイダ離脱と改名を発表」を連想した。同じことだろう。

大本営広報部とひとくくりに言っているが、報道ステーションで、被曝体験を絵にしている高校生の話題を見た。偉い生徒もおられるものだ。

大本営広報部、100%インチキなわけでないのが巧妙というか、難題というか。

大本営広報部は報じない沖縄高江。

政府による高江での米軍ヘリパッド強行建設工事と市民による抗議・集会の模様 2016.8.10

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2016年8月 6日 (土)

蒼ざめた馬を見よ。これに乗るものの名は死。黄泉これに従う。

Paul Craig Roberts
2016年8月5日

オバマが、イラクとシリアにおけるISILの状況に関するアメリカ政府説明をするのを聞いたばかりだ。

オバマの説明では、アメリカ政府は、イラクでISILを打倒しているが、ロシアとアサドは、シリアでシリア国民を打倒している。オバマはロシアとシリアの政府を非難したが、同様に残虐だといって、ISIL非難はしなかった。メッセージは明らかだった。アメリカ政府は、いまだに、アサドを打倒し、シリアを、かつては安定し繁栄していた国々だったのに、今や絶えず戦争が荒れ狂っている、もう一つのリビアや、もう一つのイラクに変えようとしているのだ

ウソをつき、エセの現実を作り出すアメリカ大統領を見ていると気分が悪くなるので、テレビを消した。あれは記者会見だったと思うが、意味ある質問がなかったのは確実だ。

もしヘレン・トーマスが依然あの場にいれば、彼女なら、最高ウソつき指揮官に、イラクで、アメリカ政策の何がまずかったのか質問しただろう。三週間なり、六週間なりで、イラクに“自由と民主主義”をもたらす金のかからない“朝飯前の”戦争という約束だったのだ。一体どうして、それが、13年後、イラクは戦争と破壊の地獄なのだろう?

“自由と民主主義”と“朝飯前”に、一体何が起きたのですか?

売女マスコミの誰一人、オバマに、この質問をしなかったことだけは確実だ。

ロシアとシリアは、数カ月で、シリアの大半の部分からISILを追い出せたのに、アメリカが、イラクからISILを追い出すのに、数年間奮闘しているのは一体なぜかとは、誰も最高ウソつき指揮官に質問しなかった。アメリカ政府が、イラクからISILを追い出したがらなかったのは、アメリカ政府は、アサドをシリアから追い出すためにISILを利用するつもりだったという可能性はありうるだろうか?

そもそも、アメリカ政府は、一体なぜ、ISILをシリアとイラクに送り込んだのか、あるいは、一体なぜ、シリアとロシアが、ISILの補給廠で、アメリカ兵器を発見し続けているのか、あるいは、アメリカの同盟諸国は、一体なぜ、ISILがイラクから盗んでいる石油を購入して、ISILに資金供給しているのかは、誰も最高ウソつき指揮官に質問しなかった。

ISILというのは、アメリカ政府が、リビアでカダフィを打倒するために組織し、イギリス議会が、アメリカ政府のシリア侵略への参加を拒否し、ロシアがそれを止めた際、アサドを打倒するためにシリアに送り込んだ傭兵に端を発するものように見える。

中東における、あらゆる暴力、無数の命を奪い、今やアメリカのヨーロッパNATO傀儡諸国にあふれている何百万人もの戦争難民を生み出した暴力は、ISILや、アサドや、ロシアの責任ではなく、100パーセント、アメリカ政府の責任なのだ。アメリカが、アメリカだけが悪いのだ。

アメリカ政府が、この暴力を生み出したのだ。問うべき質問はどうなったのだろう。“大統領、アメリカ政府が、15年間のこの膨大な継続中の暴力を中東にもたらしておいて、我々にそれが他の誰かの責任だと、我々に信じろと言われるのですか?”

もしヘレン・トーマスがあそこにいれば、当を得た質問をしていただろう。しかし、アメリカ・マスコミ集団を構成する日和見連中は、アメリカ政府が紡ぎだすエセ現実を、質問もせずに受け入れて認めるだけの単なる聴衆なのだ。

一方、モスクワと北京はメッセージを理解した。ワシントンは戦争を意図している。戦争で勝つ以外には、アメリカ政府が服従させることができない二つの国に対する戦争に向けて、無頓着な欧米の人々を備えさせるのが、ワシントンのウソの狙いだ。

アメリカ政府に忠実に隷属して、ヨーロッパは死と破壊を世界にもたらしている。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/08/05/behold-a-pale-horse-and-its-riders-name-was-death-paul-craig-roberts/

----------

記事題名は、ヨハネ黙示録第6章8節の句。
五木寛之が1967年に著した小説『蒼ざめた馬を見よ』を思い出した。

アメリカ政府に忠実に隷属して、日本も死と破壊を世界にもたらしている。

■■■ 日刊IWJガイド・ウィークエンド版「IWJスタッフが再び高江入り!約1,000人が集まった抗議集会を現地から中継!/復刻版『TALK ABOUT DEMOCRACY』Tシャツ、大好評発売中!ぜひ、お買い求めください!『改憲への危機感』に関する寄稿も引き続き募集中!/内閣改造、小池百合子新都知事就任会見、『脱原発テント』会見・・・今週もIWJは全力投球!」2016.8.6日号~No.1422号~ ■■■
(2016.8.6 8時00分)

 おはようございます。IWJで主にテキスト関係の業務を担当している平山と申します。

 沖縄県東村(ひがしそん)・高江が、再び緊張感に包まれています。今日8月6日にも、米軍のヘリパッド建設に反対する市民が座り込みを行うために設置したテントが、防衛省沖縄防衛局によって強制撤去されるのではないかと言われています。

 IWJでは、7月末に続き、東京から記者とカメラマンを派遣しました。IWJの原佑介記者と阿部洋地カメラマン、さらに、「IWJ中継市民京都」としてこれまで関西地方のデモや集会を数多く中継してくださった北野ゆりさん、そして「IWJ中継市民沖縄」のKEN子さんの4人体制で、現地での取材を行っています。

 現場の様子は、ツイキャスのIWJ_OKINAWA1とIWJ_OKINAWA2の2チャンネルで中継しつつ、TwitterのIWJエリアCh1で写真入りのレポートを随時アップしています。ぜひ、以下のURLよりご覧ください。

※ツイキャスIWJ_OKINAWA1:http://twitcasting.tv/iwj_okinawa1

※ツイキャスIWJ_OKINAWA2:http://twitcasting.tv/iwj_okinawa2

※Twitter・IWJエリアCh1:https://twitter.com/IWJ_AreaCh1

 昨日は、高江N1ゲート裏で、ヘリパッド建設に抗議する市民約1,000人が集まり、集会を開催。社民党の福島みずほ参議院議員や日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員らが駆け付け、市民らを激励するとともに、「ヘリパッド建設を許してはならない」と抗議の声をあげました。

※集会で挨拶する社民党の福島みずほ参議院議員
https://twitter.com/IWJ_AreaCh1/status/761504205525757953

 IWJでは明日以降も、高江現地で精力的に取材を行い、ツイキャスやTwitterでリアルタイムに情報発信をしつつ、IWJのウェブサイトにレポート記事を随時掲載してゆく予定ですので、どうぞご注目ください!

 ここで、改めてお願いがございます。IWJの定額会員にご新規にご登録いただき、IWJの活動をお支えいただけないでしょうか。また、以前会員だったが、ここのところ御無沙汰になってしまっているという方々、ぜひ、この日本の大きな転換点に際して、既存大手メディアが伝えない情報をお伝えするIWJを、もう一度、会員となって支えていただけないでしょうか。

 高江の取材に関しては、言うまでもなく、3人も人を出しているので、交通費や宿泊費など、多くの経費がかかっています。Wi-Fiも新たに契約して回線を増やしました。それでも岩上さんは、今回の日本政府によるヘリパッド建設強行は、米国の顔色のみをうかがい、市民による抗議の声を無視するものとして問題視し、東京や京都からスタッフを派遣することを決断しました。

 NHKを中心に、既存大手メディアが、市民が本当に必要とする情報を報じない今、大企業による広告料に依存しない独立系メディアであるIWJに課せられた使命は、ますます大きくなっていると自負しています。

 IWJではこれまで、日米関係を中心に、原発、TPP、安保法制、歴史認識、憲法改正、ヘイトスピーチ問題、中東情勢、特定秘密保護法、消費税増税、地球温暖化問題、子宮頸がんワクチンの副反応被害などなど、非常に幅広い分野にわたる政治的トピックを扱ってきました。

 「市民のために、市民の皆さんの協力を得て、市民の声と真実を届けたい」――。IWJのスタッフは、皆、このような思いでカメラを回し、Ustreamやツイキャスでインターネット中継をし、原稿を執筆し、動画や記事を編集し、ウェブにアップしたり、配信したり、アーカイブ化をコツコツ行っています。

 政府や既存メディアによって隠されている事実や真実がある限り、伝えなければならない情報がこの世にある限り、市民の皆さんが声をあげ続ける限り、事実を、真実を、市民のその声を多くの方々に届けるため、IWJは活動を継続させてゆきたいと思っています。

 IWJの会員数は、8月4日(木)の時点で、6,025名様となっています。会員にご登録いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 しかしながら、IWJの現在の活動規模を維持するためには、会員が少なくとも8,000人台にまで届かないと、収支がトントンになりません。IWJが赤字の危機にさらされながら、それでも、これまで活動を維持し続けられたのは、ひとつには、創設者でオーナーであり、代表でもある岩上さんが、自宅を担保に入れ、私財を投げ出してきたからであり、さらに、会費とは別途、多くの皆さまから、ご寄付・カンパによるご支援をいただくことができたおかげです。カンパをいただけなければ、IWJは大赤字となり、岩上さんは破産をしていたことは間違いありません。

 どうぞ、市民による市民のためのメディアとして、これからもIWJをお支えいただけますよう、ご寄付・カンパもよろしくお願い申し上げます!今後も、7,000名、8,000名、そして10,000名へと会員を増やせるよう、IWJスタッフ一同精進してゆきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパをどうぞよろしくお願いいたします!
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

911・人質事件関連 | Andre Vltchek | Eric Zuesse | Finian Cunningham | GMO・遺伝子組み換え生物 | ISISなるもの | James Petras | John Pilger | Mahdi Darius Nazemroaya | Mike Whitney | NATO | NGO | Pepe Escobar | Peter Koenig | Stephen Lendman | Thierry Meyssan | Tony Cartalucci | TPP・TTIP・TiSA・FTA・ACTA | Wayne Madsen | WikiLeaks | William Engdahl | wsws | アフガニスタン・パキスタン | アメリカ | アメリカ軍・基地 | イスラエル | イラク | イラン | インターネット | インド | ウォール街占拠運動 | オバマ大統領 | オーウェル | カナダ | カラー革命・アラブの春 | ギリシャ | クリス・ヘッジズ | サウジアラビア・湾岸諸国 | シェール・ガス・石油 | ソマリア | ソロス | チベット | チュニジア・エジプト・リビア・シリア・アルジェリア | テロと報道されているものごと | トヨタ問題 | トルコ | ドナルド・トランプ | ノーベル平和賞 | パソコン関係 | ヒラリー・クリントン | ホンジュラス・クーデター | ポール・クレイグ・ロバーツ | マスコミ | ユダヤ・イスラム・キリスト教 | ロシア | 中南米 | 中国 | 中央アジア | 二大政党という虚構・選挙制度 | 伝染病という便利な話題 | 北朝鮮 | 地球温暖化詐欺 | 地震・津波・原発・核 | 宗教 | 憲法・安保・地位協定 | 授権法・国防権限法・緊急事態条項 | 新冷戦 | 新自由主義 | 日本版NSC・秘密保護法・集団的自衛権・戦争法案 | 旧ユーゴスラビア | 映画 | 書籍・雑誌 | 東ヨーロッパ・バルト諸国 | 東南アジア | 無人殺戮機 | 田中正造 | 英語教育 | 読書 | 通貨 | 選挙投票用装置 | 麻薬とされるマリファナについて

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

無料ブログはココログ