イラン

2018年1月12日 (金)

緊急会合で、ばつの悪い目にあったヘイリー大使

パトリック・J・ブキャナン
2018年1月9日 12:01 AM

イランに向かって“アメリカは、あなたがたが何をするか注目している”と、金曜日、ニッキ・ヘイリー国連大使がイラン国内での暴動に関する安全保障理事会の緊急会議で述べた。会議後、彼女もアメリカも、ぶざまだった。
フランス大使は、各国が自国内の混乱に、どのように対処するかは理事会の関心事項ではないとヘイリーに諭した。ロシア大使は、国連は、アメリカのオキュパイ・ウオール街粉砕や、ミズーリ州警官のファーガソン事件への対処方法を検討するべきだと提案した。

50年前、マーチン・ルーサー・キング暗殺後、100のアメリカ都市が火に包まれた。軍隊が出動した。1992年、ロサンゼルスは、ロドニー・キングを殴りつけたLAの警官たちがシミ・バレーで無罪放免された後、二十世紀最悪のアメリカ暴動に苦しんだ。

こうした暴動に対する我々の対応は、国連の業務対象なのだろうか?

1946年の設立以来、国連はわが国の主権問題に干渉しないよう保守派は要求していた。今我々は、国連には加盟諸国内の国内騒乱を監督する権限があると認めるのだろうか?

金曜日の会議は、イラン大使が、安全保障理事会は、イスラエル-パレスチナ問題や、アメリカが支援するサウジアラビアの対イエメン戦争で引き起こされた人道的危機を取り上げてもよいのではと提案した後、立ち消えになった。

このエピソードはexposes malady ofアメリカ外交政策。政策は、整合性、一貫性、道徳的な明快さに欠け、友好国と敵国を別の基準で処遇し、反射的な介入主義者だ。

こうして、アメリカは、冷戦終結時に享受していたほぼ普遍的な称賛と尊敬のほとんどを失ってしまった。

この驕慢な世代が全てを蹴り飛ばしたのだ。

お考え願いたい。イランのこの混乱への対応は、トランプ大統領が“信じられないほど素晴らしい仕事”をしていると評した、わが国の同盟者フィリピンロドリゴ・ドゥテルテに責任があるとされている何千件もの麻薬密売人の裁判なしの殺害よりひどいだろうか?

これは、2012年のアブドルファッターフ・アッ=シーシー将軍による選挙で選ばれた大統領エジプト、ムハンマド・ムルシー暴力的な打倒や、シーシーがムスリム同胞団団員を何千人も投獄していることと比較して、どうなのだろう?

現在、イランは本当に中東で最悪の状態にあるのだろうか?

ハサン・ロウハーニーは、57パーセントの票で当選した大統領だ。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーンを、誰が皇太子と将来の国王として選んだだろう?

ウラジーミル・プーチンも、我々の同盟者であれば許されるもので、民主主義に対する犯罪だと非難されている。

ロシアでは、キリスト教は栄えており、プーチンに反対する候補者が立候補している。ロシア・マスコミの中には、年中彼を批判しているものがある。

サウジアラビアやアフガニスタンで、キリスト教はどうなっているのだろう?

プーチン政権は何人かのジャーナリストの死に責任があるとされている。しかし、我がNATO同盟国トルコでは、世界のどの国より遥かに多数のジャーナリストが刑務所に投獄されている。

マグニツキー法は、一体いつトルコに適用されただろう?

アメリカは、その“価値観”に逆らう罪のかどで敵国を激しく非難するが、我々にに従えば、同盟諸国は寛大に赦免するのを世界は余りにも頻繁に目にしている。

18月間というもの、民主党全国委員会とジョン・ポデスタ電子メールをハッキングして、クレムリンが“わが国の民主主義”に対して攻撃したことを巡るエリート連中の激怒を我々が見聞きしない日は一日とてない。

2015年、中国が過去、現在のアメリカ政府職員、そして志望者の何百万人もの個人ファイルをハッキングしたことが明らかになったのを一体どれだけの人が覚えているだろう?

中国はキリスト教徒を迫害しているが、70年間のレーニン主義者支配の後、ロシアはキリスト教復活を支持した。

プーチンのロシアでは、共産党が彼に対する候補を立てている。中国では、共産党が政治権力を絶対的に独占しており、誰も習近平に対抗して立候補しない。

中国が西沙諸島と南沙諸島と南シナ海全体を併合しても、いくじなく抗議しただけなのに、ロシアは、ロマノフ王朝ではロシア領として認められていたクリミア半島を、無血で取り返したことで果てし無く厳しく非難されている。

ロシア経済の数倍で、人口は10倍の中国は、唯一の超大国というアメリカの立場にとって、遥かに大きな挑戦者だ。すると、この中国寄りの理由は一体何だろう?

アメリカ外交政策が一貫性と道徳的な明快さに欠ける理由の中には、我々アメリカ人には、もはや、一体何が我々の死活にかかわる権益か、一体誰が我々の本当の敵なのか、一体何が我々価値観なのか、あるいは、良き神聖な国はどのようであるべきかについて合意がないことがある。

JFKのアメリカはオバマのアメリカより良い国だったのだろうか?

第二次世界大戦と冷戦で、我々は明快な道徳を得た。ヒトラーに立ち向かうかぎり、ヨシフ・スターリンのような道徳上の怪物であっても、我々は手を組んだ。

1946年のウィンストン・チャーチルの“鉄のカーテン”演説から、冷戦終焉までは、レーガンの表現によれば“悪の帝国”に、我々とともに立ち向かう限り、たとえピノチェト将軍やシャーのような独裁者であっても、聖人のキャンプで歓迎だ。

しかし、世界中を民主主義に変えることが、もはや世界におけるアメリカの任務ではない今、わが国の任務は一体なんなのだろう?

1962年、ディーン・アチソンは言った。“イギリスは帝国を失った”“しかし、いまだその役割を見出していない。”

同じようなことが、今、我々に対して言われて然るべきだ。

パトリック・J・ブキャナンは、新刊書『ニクソンのホワイト・ハウス戦争: 大統領を生み出し、破壊し、アメリカを永遠に分裂させた戦い』の著者。

記事原文のurl:http://www.theamericanconservative.com/buchanan/haley-calls-embarrassing-emergency-meeting-at-the-u-n/
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知りたいことは報じず、興味がないことを報じる大本営広報呆導、昨夜は見なかった。

びいとるさいとう様がコメントで書いておられるように、おかしな連中が「劇場」を演じているのは、より重要なことを隠す行動だろう。某掲示板、絶賛の書き込みに満ち、疑念を呈するコメントは罵倒されている異様な状態。

キオスクで見るタブロイド紙の見出し、残念ながら、購入する気力がなかなかでない。一紙は、そもそも買うつもりはない。

日刊IWJガイド「『新興国が核兵器を持とうとする今、「予防薬」が必要だ』~核兵器禁止条約でノーベル平和賞を受賞した『ICAN』の川崎哲氏に岩上安身がインタビュー!/【本日】弁護士生命を賭けた『美濃加茂市長』事件~元特捜検事が斬る『冤罪』『スパコン疑惑』『リニア談合』――岩上安身による郷原信郎弁護士インタビュー/【超緊急!】IWJスタッフ大募集!志ある方、是非一緒に働きましょう!」2018.1.12日号~No.1946号~

2018年1月 7日 (日)

2018年のイラン

Paul Craig Roberts
2018年1月5日

1953年 ワシントンとイギリスは、民主的に選ばれたモハンマド・モサッデグ政権を打倒し、ワシントンとイギリスのためになるようイランを支配する独裁者を据えた。機密解除された文書で、CIAはイラン政府打倒における役割を認めている。打倒のパターンは、いつも同じだ。ワシントンが抗議行動参加者を雇い、次に暴力事件を引き起こし、言説を支配し、政権を失脚させるのだ。

ワシントンが据えた独裁者を打倒した1979年のイラン革命以来、ワシントンはイラン支配を取り戻そうとしている。2009年、ワシントンは、アフマディネジャド政権打倒の取り組みとして“緑の革命”に資金提供した。

現在ワシントンはまたもやイラン国民に対して仕事中だ。ワシントンが組織した抗議行動が、ホンジュラスやリビアやウクライナやシリアでしたこと、2009年にイランでしようとしたこと、現在ベネズエラでしようとしていることを見た後は、イラン人を信じるのは難しいが、政府に反対し、善意で街頭に出ている可能性もある。これらのイラン抗議行動参加者たちは全く愚かなのか、それとも自国に反逆するよう雇われているのだろうか?

イランは一体なぜ、過去のウクライナや、今のベネズエラのように、政権不安定化を企む外国が資金提供する工作員連中を容認しているのだろう? これらの政権は、欧米に徹底的に洗脳されていて、民主主義というのは政府打倒を企む外国工作員を容認することだと考えているのだろうか?

政府は、欧米売女マスコミにおびえる余り、外国から金をもらっている工作員連中から自らを守るのは困難だと思っているのだろうか?

イランで暴力的抗議行動を引き起こすのに成功し、ワシントンは今、更なる対イラン介入をお膳立てするため、国連安全保障理事会のイランに関する特別会合を利用しようとしている。ワシントンが引き起こした暴力行動は、イラン“人権問題”にすり替えられたのだ。ワシントンは、おとがめなしで済んでしまうのだろうか?

イランの運命はロシアと中国にかかっている。もしワシントンがイラン不安定化に成功すれば、次はロシアと中国だ。ロシアはこれを理解しているように見える。ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は昨日こう述べた。“イラン・イスラム共和国に対する内政干渉の企みをしないようアメリカに警告する”

ロシアはワシントンによるシリア不安定化を容認できないとロシア政府が理解したのと同様、イラン不安定化は容認できないとロシアは理解している。

トルコ大統領もロシアと足並みを揃え、“外国の連中が状況を挑発しているのは明らかだ”と発言した。

これは“彼らの”政府と、CNNやニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストやBBCなどの売女マスコミ・ウソ製造工場によって絶えずだまされているアメリカ人以外の誰にとっても明らかだ。

トランプとヘイリーは、世界に対するワシントンの権力と影響力を台無しにする可能性が高い、大口たたきだ。二人は“逆らう国をメモし”外国指導者連中への収賄を認め、あきれはてた威嚇をしている。もしこれで世界が目覚めなければ、他に目覚めさせるものなど皆無だ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/01/05/iran-2018-paul-craig-roberts/
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尊敬する先輩からの賀状に西郷人気を喜ぶ添え書きがあり、がっかり。彼の出身地を忘れていた。

『竜馬がゆく』『花燃ゆ』。そして今年、明治150年慶賀番組?一度も見たことがない大河ドラマ、今回も見ない。

傀儡に忖度する官僚、大本営広報部が跋扈し、傀儡自身は宗主国支配層への忖度に夢中。有名芸人の太鼓持ちが酷い(全く見ていないので伝聞による)が、傀儡と公然と対立し、無理やり投獄監禁され、家族とも面会できなくなっている方々もいる。

大本営広報部ではなく、下記インタビューを拝見しようと思っている。

日刊IWJガイド・日曜版「本日14時30分より、日本の芸人は『忖度のエンジェル』?人工知能の『シンギュラリティ』は来るのか!? 岩上安身による茂木健一郎氏インタビューを中継配信!」 2018.1.7日号~No.1941号~

2018年1月 4日 (木)

主要テロ支援国家はどこか?

Philip Giraldi
Strategic Culture Foundation
2017年12月28日

2017年が終わろうとする中、新年に一体何が起きるだろうかについて楽観的になるのは困難だ。勝利の得票差が、確実に不要な戦争を避けるという公約に基づいていたはずのアメリカ大統領が、アフガニスタンで倍賭けし、ISISが打ち破られたにもかかわらず、シリアからの撤退を拒み、精神病質的で予測不可能な平壌政権と、深刻な瀬戸際政策を演じている。ホワイト・ハウスは、ロシアに関するほとんどでっち上げの支配的言辞を受け入れ、ウクライナに攻撃用兵器を提供することを決定し、既に、モスクワから激しい反応が起きる結果になっており、来年は二大国間のいかなる緊張緩和も全く不可能だろう。

しかし私が先に書いた通り、最も明るく点滅し続けている赤い警告灯は、昨年、不必要に劇的に悪化し、ロシアとトルコとの付加的な問題を招き、遥かに広範な紛争を引き起こしかねないワシントンとイランとの関係についてのものだ。私が「不必要な」と言うのは、こうして取られた関係を悪化させる措置の全てが、テヘラン発ではなく、ワシントン発のものだからだ。トランプ政権は、イランが、2015年に交渉した核合意を順守しているかどうかを確認することを拒否し、特に国連で、テヘラン政権は、世界におけるテロの主要源で、国境から地中海まで、西に向かって広がる様々な国々の弧に対する覇権を目指していると主張しているという罵詈雑言をエスカレートしている。

なされている主張唯一の問題は、そのどれもが真実ではなく、しかも、限られた軍事資源しかないイランは、近隣諸国に対する支配力を得たり、アメリカ合州国やヨーロッパを攻撃したりする深刻な脅威ではないことだ。イラン罵倒は、ほとんど、彼ら自身、地域における覇権の野望を抱いている、イスラエルとサウジアラビアに由来する。アメリカ議会内のイスラエルの友人たち、メディアとホワイト・ハウスが、繰り返し取り上げ、軍事行動を強く要求しているのも驚くべきことではない。イスラエルは、隣国シリア内のイランのあらゆる恒久的施設を爆撃するとまで威嚇している。

元アメリカ諜報機関職員たちによる最新の詳細報告は、イランが世界で主要なテロ支援国だという主張はほとんど完全にでっち上げであることを実証している。分析はこれら偽りの言辞が、いかにでっちあげで、いかにワシントンの背景雑音の一部になっているかを説明している。ホワイト・ハウスの2018年最新国家安全保障戦略報告は “世界の主要テロ支援国家イランは不安定さにつけこんで、パートナーや代理を通して影響力を拡張し、兵器拡散と資金提供をしている”と述べている。ところが、他のアメリカ政府報告書、2016年・年次テロ国家報告には、その年、イランが起こした実際のテロ事件は載っていない。実際、テヘランが行ったとされる最新のテロ事件は2012年のもので、当時イランの科学者や技術者を暗殺し、イランのコンピューター・システムを攻撃していたイスラエルに対する報復だった。

アメリカ国連大使ニッキ・ヘイリーが最近“中東でイランの関与が明白でないテロ集団”を見出すのは困難だと主張した。しかし現実には、ISISやアルカイダやヌスラ戦線を含め、地域テロ集団の圧倒的多数はイランのシーア派は異端だと考えるスンナ派イスラム教徒で、カタール、サウジアラビアとアメリカ合州国につながっており、資金提供されている。ムジャヒディーン-エ-ハルク(MEK)は確かに民族的にはイラン人テロ集団だが、イラン国内で攻撃を実行すべく、ワシントンとテルアビブに支援され、資金提供されている。

国連によって“一般大衆の間に恐怖状態を引き起こすよう意図され、あるいは計算された犯罪的行動”と定義されているテロは、イランではなく、アメリカ合州国と、その同盟国イスラエルとサウジアラビアの国家レベルで最も使われているのが現実だ。これらの国々全てが、アフガニスタンやイラクやシリアやイエメンやレバノンのような場所で、一般市民に対して向けられる暴力を利用し、この三国とも、テロリストの定義に当てはまる組織を支持している。イランは、世界の大半が認めない行動をして、実際罪を犯しているのかもしれないが、言われているような世界の中で主要なテロ支援国家ではない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/12/28/who-are-leading-state-sponsors-terrorism.html
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宗主国のテロ支援、「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの」の裏返し。
「お前のものはお前のもの、俺のものもお前のもの」。

イラン反政府暴動も、背後に宗主国の姿がありそうに見える。

孫崎享氏の今日のメルマガ題名。

歓迎!野党第一党やっと国民の意志を尊重へ、国民原発再稼働に反対、かつて民主党は連合に配慮し再稼働反対出せず、今、立憲民主党通常国会で提出する方針の「原発ゼロ基本法案」で「速やかに全ての商用原発を廃止する」提示予定

原発推進の第二人事部組織「連合」と、どう折り合ったのだろう。

「連合、民進再結集を模索=展望見えず分断懸念も」というニュース題名に、大本営広報部体質を思う。「懸念」どころか「期待」だ。

IWJが代表年頭ぶらさがり中継予定。用事があるが、せめて冒頭は拝聴したい。

日刊IWJガイド・年始版「15時からCh4で立憲民主党代表年頭ぶらさがりを中継! 【IWJ重大ニュース振り返り再配信】17時から~社民党・福島みずほ参院議員が語る『緊急事態条項』岩上安身インタビューを再配信! 岡真理京大教授らによる『占領と人権』パレスチナ長期占領の意味と課題は19時から再配信スタート」2018.1.4日号~No.1938号~

2017年12月19日 (火)

ヘイリー大使、イエメン・ミサイルの証拠を挙げる説明に失敗、サウジアラビア戦争犯罪を無視

Moon of Alabama

2017年12月15日

昨日、アメリカのニッキ・ヘイリー国連大使が、国防情報局にでかけ、ちょっとしたショーを演じた。侵略者サウジアラビアに対する戦争で、イエメン部隊が使用した兵器の違法な供給源はイランだという暴露を彼女は主張したのだ。

ディック・チェイニー副大統領がCIAを訪れ、専門家たちに、 "サダムの大量破壊兵器について一体何を書くべきか語ったのを思い出す。

ヘイリー大使は記者会見で、国防情報局に彼女がした助言について語った。彼女の小道具は、どこかで、なんらかの時点で回収されたミサイル部品とされるものだった。彼女は、それはサウジアラビアとUAEから提供されたもので、 イエメンから発射されたミサイルの残骸だと主張した。ヘイリー大使は、更にそのような譲渡を禁じる国連決議2231に違反して、イランは、そのようなミサイルを、イエメンに提供しているとも主張した。

そのようなミサイルを、フーシ派と、彼らの当時の同盟者イエメン軍が一体どこから手に入れたかについて、いくつのか説明があり得る。しかし、たとえイランがそうしたものを提供したという説を受け入れたにせよ、そのような引き渡しが何時行われたのかは不明だ。国連決議がそのような引き渡しを制限する何年も前に行われた可能性がある。ヘイリー大使のショーは、いかなる違反に関しても、何も証明していない。

ヘイリー大使は、展示されているミサイル破片は、イランのQiamミサイルのものだと国連が発見したと主張した。しかし国連は、そのような発見はしていない。国連は破片とQiamミサイルには "構造上、製造上の特徴が似ている"と述べているだけだ。イランQiamミサイルは

イランが設計し製造した短距離弾道ミサイルだ。いずれもソ連スカッドCミサイルの変種である北朝鮮の火星6号のライセンス製造でイランのシャハブ-2を基に開発されたものだ。

様々な国で製造されているソ連のスカッド・シリーズ(A、B、C)には様々な変種があり、当然いずれも"同様な構造上、製造上の特徴がある。"

イエメン軍は、ソ連のスカッド(pdf)を購入し、スカッドは、北と南イエメン間の以前の紛争時に使用された。イエメン軍は、北朝鮮から直接、北朝鮮の火星5号を購入しており、火星6ミサイルも購入している可能性がある。イエメン軍は、そうしたミサイルで、30年以上の経験があり、必要とあられんば改造する資格がある要員を擁している。

ヘイリーは国連の所見についてウソを言っている。国連は彼女が主張しているようなことは言っていない。実際国連の委員会は、発見された類似は、原産国を証明するわけではないと認めている。

委員会はミサイルの“仲介者や供給者を特定する証拠はまだない”と述べている

ヘイリー大使は、イラン企業のロゴがあるミサイルの破片だとされるものの一つを示した 。国連委員会が、ミサイル部品として、アメリカ製ハードウエアも発見したことを、彼女は指摘するのを怠った。どちらもミサイルがどこのものかを証明するわけではない。

シオニスト・ロビーはアメリカに対イラン戦争をさせたがっており、ニッキ・ヘイリーは連中に抱き込まれている。非常に裕福な極右シオニストのシェルドン・アデルソンは、彼女の政治家人生最大のスポンサーだ。

イエメン・ミサイルは、サウジアラビアで誰一人殺害していないが、アメリカ製の爆弾とミサイルで、サウジアラビアが何万人ものイエメン人一般市民を殺害していることを、ヘイリーは、指摘するのを怠った。イエメンを経済封鎖して、極めて大規模な飢饉を引き起こしているのは、サウジアラビアだ。最近、サウジアラビアは封鎖を解除したと主張しているが、米国国際開発庁すら、経済封鎖が変わった兆しは皆無だと言っている。イエメンでは毎日何百人もの人々が食料や単純な医薬品の欠如で亡くなっている。

そのような大惨事を目にすると、サウジアラビアに大量虐殺政策を止めるよう強いるため、イランが何百基ものミサイルをイエメンに提供すればよいと願いたくもなる。

ヘイリー大使のショーは受けが良くなかった。彼女は、もちろん、サウジアラビアは説得したが、アメリカ・マスコミもヨーロッパ各国政府も彼女のショーを鵜呑みにしていない。NYタイムズが正しく書いている。

彼女がアナコスティア・ボーリング統合基地で披露した証拠は、彼女の主張を証明するには不十分だった。

ロイターはこう報じた

アメリカ合州国は、兵器が正確に何時フーシ派に譲渡されたのかは不明で、場合によっては、何時使用されたかもわからないことを認めた。兵器がどこで製造されたのか、使用されたのかを、単独で簡単に証明する方法はない。

トランプ政権は更なる対イラン経済制裁を推進する口実を探している。特にEUに、復活した制裁体制に参加して欲しがっているのだ。"弾道ミサイルの脅威" は、それを実現する方法かも知れない。フランスとドイツは、アメリカがイランとの核合意破棄を棚上げにすれば、弾道ミサイルに関する反イラン路線で、アメリカに追随する申し出ている

ヘイリー大使の離れ技は、これが極めて愚かな行動だったことを示している。ある国が、アメリカBが証明されたら、政策Aに追随すると、アメリカに言うと、アメリカはウソをつき、Bは存在すると主張する証拠をでっちあげるだけなのだ。

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2017/12/haley-fails-to-make-case-about-yemeni-missiles-ignores-saudi-war-crimes.html
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サダムの大量破壊兵器の夢よもう一度。殺戮で生きている宗主国茶番の一つ。

大本営広報部、呆導したのだろうか?

日刊IWJガイド「26日(火)作家でタレントの室井佑月氏インタビューが決定! 本日は岩上さんまたもインタビュー2本立て!『朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか』著者・五味洋治氏と広島高裁による伊方原発・運転禁止仮処分の真相を海渡雄一弁護士に訊く!/NNN世論調査で内閣支持率が4ヶ月ぶりに3割台に!森友問題の政府答弁に『納得してない』80.7%」2017.12.19日号~No.1922号~

2017年12月 5日 (火)

恐れられていた'テヘランからベイルートへのランドブリッジ'が実現する中、ナスラッラー、"ダーイシュとの共謀"のかどでアメリカを非難

Tyler Durden
2017年11月23日
ZeroHedge

過去十年間のワシントンのシリア政策は、いわゆる "シーア派の三日月" 、つまり連続した勢力圏の円弧で、テヘランを地中海と結ぶであろうイラン・ランドブリッジに対する恐怖に駆られてきた。イラクとシリアで事態が急速に進展する中、真っ先に挙げられるべ
きものに、ISISの敗北と、お互いの国境での、シリアとイラク国軍のつながりによって、ランドブリッジが今や近年の歴史上、初めて実現したことがある。

シリア政府を弱体化させる計画は、2000年代中期という早い時期に、ダマスカスが、2003年のイラク侵略後、アメリカに、"次はお前だ" と通知されて現れた。実際、2005年のインタビューで、CNNのクリスティアン・アマンプールが、撮影時に直接、アサドに彼が政権転覆の標的にされているのを伝えたことは、外交界で良く知られ、あけすけに語られている。彼女はこう言ったのだ。"大統領、アメリカ合州国から、政権転覆の言説が、あなたに向かっているのをご存じでしょうか。彼らは積極的に新たなシリア指導者を探しています。彼らはビザを与えられ、シリアの野党政治家を訪問しています。連中は外交的に、あなたを孤立化させ、更におそらくクーデターで、あなたの政権を崩壊させることを話し合っています。"

決して忘れるな。2005年。戦争の何年も前にアマンプールがアメリカがシリアで"クーデター'政権転覆" を企んでいるとあからさまに言っていた。pic.twitter.com/SlWWG8vv01
- Alan (@AFK_10) 2017年3月30日

現在の中東戦争を動かしている地政学は、セイモア・ハーシュが2007年に報じた通り、ブッシュ政権の下で立案され、始動されたのだ。

大多数がシーア派のイランを弱体化させるため、ブッシュ政権は、事実上、中東における優先順位の変更を決定した。レバノンでは政権が、イランに支援されているシーア派組織ヒズボラを弱体化させることを狙った秘密作戦で、スンナ派のサウジアラビア政府と協力していた。アメリカも、イランと、その同盟国シリアを狙った秘密作戦に参加していた。こうした活動の副産物が、イスラム教の戦闘的な解釈を奉じ、アメリカに敵対的で、アルカイダに親和的なスンナ派過激派集団支援だ。

しかし、2017年も終わろうとしている今、勝利しているのは、シリア-ヒズボラ-イラン同盟で、崩壊し、大混乱に陥っているのは、サウド家と、アメリカが支援する同盟のように見える。ハーシュが、2007年の昔に予言したことに一致して、アメリカは長年、"シーア派(イラクとイラン)拡張の戦略的深奥と見なされているシリア政権を孤立化させる"ため、シリア国内の聖戦戦士回廊を維持して来た。

今週、ヒズボラ議長のハッサン・ナスラッラーは、またしても、シリア国内で、ISISを支援しているかどで、アメリカ合州国と同盟国を非難した。最近のアブ・カマル奪取の戦いに関する月曜日にテレビ放映された発言で、ナスラッラーはこう述べた。“町をダーイシュから解放すべく戦っている部隊と直接交戦こそしないものの、アメリカはアブ・カマルでできる限りのことをして、ダーイシュを支援した。”さらに彼は、シリア東部で、ISISテロリストに上空掩護を行い、進撃するシリア軍からの連中の脱出を幇助したかどでアメリカを非難した。 

だがナスラッラーが"ダーイシュ陰謀"と呼ぶものの背後にある真実は一体何だろう? 現在のシリア戦場の地政学と、ユーフラテス川東岸におけるアメリカ政策と権益は、現実にはアメリカ軍には、シリア軍に圧力をかけ、最近のBBCによる爆弾調査報道が裏付けているように、時にダーイシュの脱出を許すあらゆる動機がある。しかしアメリカの政策と戦略が展開している、こみいった内容を理解するには、今月起きた歴史的な "イラン・ランドブリッジ"実現の重要さを図解することが重要だ。

下記は、現在この地域の現場におり、紛争に関与している複数の高官をインタビューしたAl Rai Mediaの、中東を本拠とする主要な戦争特派員イライジャ・マグニエがものし、投稿した特電だ

北東シリアのアメリカ緩衝地域とテヘランからベイルートへのランドブリッジ。地図出典: Stratfor

シリア軍と、その同盟が“シリア北東の町アブ・カマルの「イスラム国」”集団に勝利した後、1979年にイラン・イスラム共和国が宣言して以来、テヘラン、バグダッド、ダマスカスとベイルート間で、四カ国の首都とその国々の支配者にとって、安全で敵意のない道路が初めて開通した。

アメリカ合州国はテヘランとベイルートとの間の道路を、クルド部隊に半狂乱の競争を強いて、アブ・カマルで阻止しようとしたが、ワシントンはその狙いを実現し損ねた。

シリア軍は同盟部隊(レバノンのヒズボラ、イラン革命防衛隊とイラクのハラカト・アル・ヌジャバ)とともに都市を解放し、アルカイム検問所で、イラクとの国境を開いた。ISIS戦士は、イラクのアンバル砂漠と、アメリカ軍とクルド軍が活動しているユーフラテス川東岸に逃走した。

アメリカ合州国は、ユーフラテス川東岸で、新たな交戦規則を作り、アメリカは、いかなる地上軍(シリア軍と同盟者)も、ユーフラテス川東岸に入ることを認めず、たとえ地上軍の目的がISISを追うことであろうとも、川の東岸に近づくあらゆる標的をアメリカは爆撃するとロシア軍に伝えた。

かくしてアメリカは、それがユーフラテス川東岸のISIS部隊のためになり、テロリストに一種の保護を与えていることの否定に気遣いすることもなく、新たな宣言なしの飛行禁止空域を設定している。更に、アメリカが率いる国際同盟の対ISIS空爆も著しく減った。

#ナスラッラー: ダーイシュは#アブ・カマルを攻撃する部隊を砲撃する際にアメリカ無人機が提供する座標を利用していた。アメリカは、ダーイシュと戦っている勢力の無線周波数を妨害した。敗北後、アメリカはダーイシュ部隊の#シリア、ユーフラテス川東岸のSDF地域へ撤退する手助けをした  pic.twitter.com/A4662IVEWG

- Walid (@walid970721) 2017年11月22日

このアメリカの警告で、ワシントンはシリア国内の占領軍駐留を宣言したが、特に連合軍の駐留が、以前発表されていたISISとの戦いとつながっているのは明らかだ。2014年7月以来、イラクで、そしてこの日時の前にシリアで占領していた全ての都市を、現在、ISISは失った。従ってアメリカ軍のレバント地域駐留には何の法的理由もない。

占領軍となることによって、アメリカ部隊の指揮下で活動していた代理のクルド人と共に、アメリカ部隊は、イラクで、そして、1982年、イスラエル侵略の際、レバノンで、同じ相手を攻撃している正体を現した。

二国の主権に関わることなので、イラク-シリア道路(アルカイム-アブ・カマル)をアメリカ合州国はもはや阻止することは出来ない。しかし、だからといって、テヘランがこの経路を、バグダッドとダマスカスを通ってレバノンのヒズボラに武器を送付するために利用することを意味しない。理由は二つある。第一に、イラクには主権があり、特にあらゆる都市でのISIS敗北後、イラク国軍が治安維持の責任を負うので、ハイダル・アル=アバーディ首相は、いかなるイラクの武装集団にも武器保持を認めていない。アバーディ首相の次の措置は、2018年までに、一番高い可能性として、5月の選挙後、イラクのあらゆる運動団体の武装解除だろう。消息筋によれば、イランとナジャフにあるシーア派の最高機関マルジャイヤは(および大半のイラク政党も)アバディがもう一期に再選されることを期待している。

ISIS殲滅に参加したものであろうとも、非国家主体に資金提供するために領土が利用されることを、イラクは認めるまい。アバーディ首相は、兵器がイラクを横断して、ヒズボラなど、イラク軍ともに戦った同盟者に送付されることも許すまい。彼は彼はアメリカ合州国や地域の国々に反対の立場ではないのだから。これはイラクの戦争ではないのだ。

第二に、テヘランとの海路と空路がシリア経由で通じており、そこからレバノンにつながっているので、ヒズボラには、テヘランからベイルートという陸路は不要だ。しかも特に、あり得るあらゆる将来のイスラエル戦争に対して、レバノン-シリア戦線が統合されたので、ヒズボラはレバノン内で、更なる兵器はもはや不要だ。

シリアについては、政治交渉へ道を切り開くための、困難で複雑な一連の交渉を開始する準備がロシアのソチで始まった。トルコ同様、シリア北部に極めて長期間居すわる意図を示して、アメリカ合州国が要求しているので、当然こうした交渉は困難だ。

この文脈で、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領は新憲法に備える準備ができており、作業は数ヶ月前に始まった。シリアと国際人権専門家と法律専門家が、様々な集団と、武装解除し、シリアの将来のための交渉に参加するよう無数の反ダマスカス政党を招くことを目指し、いかにしてシリア新憲法の基盤を確立するかを議論している。

唯一残されている問題は、Bilad al-Shamにいるアルカイダと、トルコ-シリア交渉の結果を待っているイドリブの何千人もの外人戦士だ。主に同盟相手が頻繁に変わるため、戦争は長く複雑だった。しかし、報復や貪欲な領土への欲望に由来する将来の戦争を避けるためには、平和構築も、それと同様に複雑だろう。

記事原文のurl:http://www.zerohedge.com/news/2017-11-23/nasrallah-accuses-us-daesh-conspiracy-feared-tehran-beirut-land-bridge-established
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内部からの必然性から憲法論議をするのと、外部からの、宗主国の指示で、砲弾の餌食として侵略戦争に参戦するため憲法を破壊するのとでは、雲泥の差。

国会討論、傀儡与党質疑、ほとんど聞いたことがない。野党という名の別動隊質疑も。
「大本営広報部生放送」に時間や電気代を費やすのは無駄。

主権なき平和国家』を拝読しているが、腹が立ってなかなか進まない。
もちろん二人の筆者が悪いわけではない。描きだされる、余りに情けない属国状態。
同じ敗戦国のドイツも、イタリアも、はるかにましな地位協定へと改訂した。
宗主国さまさまと、金科玉条として異常な地位協定を奉じているのは日本だけ。
壊憲以前に、地位協定見直し。もちろん傀儡属国大本営広報部は触れない。

日刊IWJガイド「本日11時半から! 加計学園獣医学部『認可』は『総理のお友だちにだけ特権を与える不公正な行政行為』と話した前川氏が自民党改憲案を徹底批判!! 岩上さんが前川喜平・前文科事務次官にインタビュー!/『「排除発言」は私が進言した』~岩上安身がNO BORDER代表・上杉隆氏にインタビューしました!/新たな野党共闘の第一歩? 立憲民主党が共謀罪法廃止法案の共同提出を5野党に呼びかけ、枝野代表は改憲私案を撤回!」2017.12.5日号~No.1908号~

2017年11月22日 (水)

フランスのマクロン、サウジアラビアによる侵害を隠蔽

Finian CUNNINGHAM
2017年11月20日

窮地に立っているレバノン首相サード・ハリリと家族に“パリで数日間”過ごすようにというフランスの招待は、サウジアラビアとレバノンの間の緊張を解決すべく、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が巧みなソフト・パワーで介入したものとみなされている。

厳しく言えば、マクロンが実際行っているのは、サウジアラビア支配層によるレバノンに対する途方もない侵害行為、レバノンの主権への侵害に対し、身勝手な隠れ蓑を与えることだ。

フランス訪問中、ハリリの子供二人はサウジアラビアの首都リヤド週末に残された。ハリリに、サウジアラビアによる事態歪曲を支持し続けさせるべく、彼らはサウジアラビアによって人質として利用されているのだろうか? 確かに、このお膳立ては、疑いを抱かせるが、フランス大統領は、“正常”で、何もおかしなことはないという見かけの振りをしようとしていた。

先週、レバノン大統領ミシェル・アウンは、ハリリを彼の意思に反して、リヤドに留め置いているとサウジアラビアを公に非難した。ハリリを拘留し、レバノン首相として辞任を強いて、サウジアラビア支配者国際法に違反しているとアウン大統領は述べたのだ。そのような行為は、侵略に等しいと、アウン大統領は述べた。

とろが、マクロンはサウジアラビアの干渉について一言も触れていない。彼は逆に現実をあべこべにして、地域での“侵略”のかどで、イランを激しく非難して、結局、イランがイエメンに弾道ミサイルを提供したというサウジアラビアの主張を支持している。イランはマクロンは“地域の緊張をかき立てている”と素早く非難した。

称賛されるべきは、この状態をそのまま、多くのレバノン国民や世界中の多くの他の観測者が結論している通りに、率直に、堂々と発言したアウン大統領だ。この大混乱丸ごと、サウジアラビア支配層による、レバノンと国際法に対するとんでもない侮辱、ハリリが急にサウジアラビア の首都リヤドに今月始めに呼び出され、その後のサウジアラビアTVで放送された辞任演説をし、そこに長逗留していることを考えれば。更に卑劣なのは、レバノンの主権問題へのサウジアラビアの干渉が、小さな地中海の国での内戦再開を、更に悪い可能性として、イランとの中東全体での戦争を招く恐れがあることだ。

ハリリは、サウジアラビアで行われた後のマスコミ・インタビューや、レバノンにいる家族や友人とのやり取りと報じられているものの中で、サウジアラビア滞在は強制されたわけではないと主張している。ハリリの突然の辞任と、ほぼ二週間に及ぶ長いサウジアラビア滞在という奇怪な現状を考えれば、この主張は信じがたい。

ともあれ、レバノンのミシェル・アウン大統領は、この話には何か酷い欠陥があると結論し、サウジアラビア支配層をレバノンの主権侵害ではっきり非難した。

それゆえ、何らかの原則なり、国際法を順守するのであれば、サウジアラビアの行動は、国際社会、国連、欧州連合や、特に1943年に独立するまで、元宗主国としてレバノンとの歴史的関係があるフランスによって、断固非難されるべきなのだ。

ところが、そうではない。現実にあるのは、逆に、ワシントンの恥ずべき沈黙や、EUの当たり障りのない声明だけだ。欧州連合外務・安全保障政策上級代表フェデリカ・モゲリーニは、レバノンの内政への“外国の干渉”を警告する曖昧な声明を発表した。一体何という臆病で回りくどい表現だろう?

レバノン首相サード・ハリリは、事実上サウジアラビアによって拘留され、最後通告として、首相辞表を提出するよう強いられたのだ。ワッハブ派サウジアラビア支配層は、シーア派集団ヒズボラが、ベイルートの連立政権の一部であることに憤慨していたという信じるべき報道がある。ハリリは、ヒズボラに、そして延長として、イランに敵意を持ったサウジアラビアに支援されるスンナ派政治家だ。だが明らかに、サウジアラビア支援者の目から見て、彼は十分敵対的ではなかったのだ。そこで、ハリリはリヤドに呼びだされ、11月4日に辞任するよう命じられたのだ。(サウジアラビアが支援する秘密テロ戦争のシリアにおける敗北も、この時期となった一つの要素なのは確実だ。)

マクロン大統領は、サウジアラビア専制君主に迎合し、便宜をはかるという極めて厄介なゲームをしているのだ。

ワシントン・ポストのWorldView要約は、先週こう報じた。“フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ハリリがサウジアラビアの囚人だという意味合いを払拭することが重要だと記者団に語った。”

新聞は、むしろ空疎なマクロン発言まで引用している。“自由に発言できる指導者が必要だ。[ハリリ]が今後、レバノンの政治プロセスを進められることが重要だ.”

こういう疑問が問われるべきだ。“ハリリがサウジアラビアの囚人だという意味合いを払拭することが”マクロンにとって一体なぜ重要なのか?

彼の意見が一番重要なはずのレバノン大統領ミシェル・アウンのものも含め、あらゆる説が、ハリリはサウジアラビアによって囚人にされていると言っている。

彼がリヤドに呼び出され、11月4日に、ハリリ がヒズボラと、その同盟イランによる暗殺策謀の対象として危険な状態にあるという信じがたいドラマを主張する辞任演説台本を読まされる三日前、ハリリはベイルートで、フランス文化相と夕食をとっていた。食事中、彼に電話がかかった。彼の表情が暗くなり、リヤドに飛ぶべく、直ちにテーブルを立ったと報じられている。側近連中もなしに到着したハリリは、サウジアラビア職員と会い、職員が彼の携帯電話を没収した。慣例的な外交儀礼であるハンマド・ビン・サルマーン皇太子などのサウジアラビア高官による出迎えは無かった。

以後の二週間、ハリリのサウジアラビア滞在に関する全てが、彼の意思に反した、事実上の拘留であることを示唆している。確かに、その間、彼はアラブ首長国連邦にも飛行しており、それが彼の自由な行動の証拠だとサウジアラビアは主張している。UAE支配者はサウド家と密に提携しており、しかもハリリは間もなく、リヤドの自宅に戻り、そこから友人たちに、自分は“大丈夫だ”とツイートし続けている。

これは偽りに過ぎない。サウジアラビアが、あつかましく、首相に辞任を強いてレバノン内政に干渉したのが赤裸々な事実だ。更に、サウジアラビア支配層は、イエメンのフーシ派反政府派を支持したとして、レバノンを“戦争行為”のかどで非難している。サウジアラビアは、サウジアラビア国民にレバノンを出国するよう命令した。またサウジアラビアが現在、ベイルートをアラブ連盟の資格を保留にしようとしているという報道も現れている。これはサウジアラビア支配層の無謀で煽動的な振る舞いだ。

我々は驚くべきなのだろうか? ほぼ三年に及ぶアメリカとイギリスが支援するサウジアラビアの対イエメン戦争によって生じた必需品の欠乏で、今年50,000人の子供が死亡する可能性があると人道支援団体が警告しているイエメン爆撃と大量虐殺経済封鎖を巡って、サウジアラビアは、国際法の全く犯罪的な軽視を見せている。

サウジアラビア君主制は、“反汚職推進”を装った大胆不敵な権力奪取で、自国の政府閣僚や実業家の逮捕という国内での暴挙にも出ている。しかも、サウジアラビア支配層は、カタールがイランの傀儡で、テロリストを一人で支援しているという捏造された主張(これは、シリア政府打倒のためのテロリスト代理勢力に資金供給をしているサウジアラビアの言いぐさなのだ。)を巡ってのカタールに対する法律的に疑わしい貿易・外交封鎖を組織する上で、大いに関与していた。

サウジアラビアの犯罪性と、ならず者行為は多く、あつかましく大胆不敵だ。

いわゆる“国際社会”、国連、ワシントン、欧州連合や、特にフランスが手厳しい非難に値するのはそれが理由だ。レバノンに対するサウジアラビアの違法行為に対する連中の当たり障りのない消極的な声明は、面汚しだ。連中はサウジアラビア専制君主に迎合して、理不尽な無法に凶暴しているのだ。

だがフランスのエマニュエル・マクロンが最大の面汚しとして出現した。サード・ハリリと彼の家族に、フランスに来るように招待したのは、サウジアラビア専制君主に隠れ蓑を与える身勝手な動きだ。招待発表時、マクロンが“亡命するよう申し出たわけではない”と言ったのが多くを物語っている。マクロンはこうして、この件を素敵なものにしようとしている。

金曜日、ハリリがパリに到着する前日、マクロンは実際、イランを“侵略”で非難し、弾道ミサイル防衛計画に対し、イランの経済制裁を呼びかけた。だから、目に余る干渉と攻撃のかどで、リヤドを非難するのではなく、マクロンは、こそこそと、サウジアラビアの主張を援助し、イランを非難しているのだ。

ハリリをパリに招いて、マクロンは、現実には、過去二週間にわたる、サウジアラビアによる浅ましい不正行為は、国際法と隣国の主権に対する、法外で極めて重大な侵害に等しいのに、サウジアラビア-ハリリの全て“正常”という見え透いた言い訳を甘やかしているのだ。

この種の身勝手な“外交”で、マクロンは、フランスが、中東や世界において、いかなる指導的役割や道徳的権威を持つことから程遠いことを示している。

もちろん、武器輸出から、エネルギーやインフラ計画に至る、サウジアラビア専制君主とのフランスの既得経済権益が、マクロンのご都合主義の計算ずくの中核だ。

グローバル大国としてのフランスのある種の再興を生み出そうというマクロンの野望は、無駄な単なる虚栄心に過ぎない。サウジアラビアのレバノン攻撃を目の前にしてのフランス大統領の臆病さが、マクロンと彼の“グローバル大国”という見せ掛けは、安物おしろいの粉煙であることを示している。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/11/20/france-macron-covers-for-saudi-aggression.html
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「マクロン仏大統領、私と似ている。」「私は日本のマクロン」いった政治家がいるようだ。自ら尻尾をだしたというところだろうか?

ファーストやら絶望やらの見せ掛けは、安物おしろいの粉煙であることを示している。

大本営広報部は、重要な話題を避けて、連日相撲一辺倒。キオスクで見たタブロイドの見出しも、とうてい信じがたいのだが。

孫崎享氏の今朝のメルマガ題名

森友学園、値引きは根拠不十分 会計検査院が国会に報告へ。当然ながら今後、売却額に何ら問題もなかったとしてきた政府、特に財務省の責任、更に値引きの根拠を示す資料を隠蔽した財務省の責任が厳しく追及されるべきである。

日刊IWJガイド「本日19時よりイタリアで最大野党『五つ星運動』リーダーのリカルド・フラカーロ下院議員 来日直前プレ企画! コーディネーター・佐々木重人氏に岩上さんがインタビュー!/IWJ新人記者が民進党・大塚耕平代表に直撃!『緊急事態条項』は『改憲の論点になれば議論していく』!? 遅いっ!! 『原発へのミサイル対策』は『狙われないように努める』!? 意味不明っ!!/『IWJ設立7周年記念・年末ファンドレイジング・トークイベント』の会場と日時が決定!! 今年はイブイブ12月23日!」2017.11.22日号~No.1895号~

2017年11月21日 (火)

イランとサウジアラビアの武力威嚇: 全面戦争では、どちらが優勢か?

公開日時: 11月14日 2017年 20:15
編集日時: 11月14日 2017年 20:23
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リヤドがテヘランの同盟者ヒズボラを標的にして、サウジアラビアと、地域の大敵イランとの間の緊張は常になく高い。もし二国間で実際の軍事衝突が起きた場合、どちらが優勢になる可能性が高いだろう?

狭いペルシャ湾で地理的に隔てられている両国間の地域的紛争は、宗派的、政治的、経済的競合に深く根差している。サウジアラビアとイランは、長年の暴力を伴ったイスラム教の二大ライバル宗派を奉じている。両国は、現在不安定なエネルギー市場で競合しているが、テヘランは、リヤドを後援するアメリカが課した経済制裁のおかげで失ったシェアを巡って、根に持っている。両国は、バーレーン、イエメンやレバノンのような場所で、暴力的な代理戦争をしている。

最近の紛争は、ライバルに対するいわゆる反汚職作戦によって、またサウジアラビア版イスラム教を現代化し、革新的プロジェクトに莫大な投資をするという約束で、諸外国の支持を訴えて、多くの専門家から、サウジアラビアの事実上の支配者と見なされているサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が権力を固めていることに起因している。

更に読む
サウジアラビア v イラン: 中東大国間の激しい反目の背後に一体何があるのだろう?

サウジアラビアの国内闘争は、一連の外交政策の失敗に由来している可能性がある。イランと提携するフーシ派反政府勢力に対処すべく、2015年に華々しく開始されたリヤドのイエメン軍事介入は泥沼と化した。皇太子は、大規模な人道主義の危機をもたらしたが、軍事的勝利のないこの決定をした主要人物の一人だ。

今年のカタールとの亀裂と、この小さなアラブの王国経済封鎖は、ドーハからの素早い譲歩を引き出すのに失敗した。それどころか、カタールをよりイランに接近させ、イランとこの地域で自らの役割を主張したがっているトルコが物流支援を行っている。

シリアでは、サウジアラビアが支援するイスラム主義過激集団は、ダマスカス政府打倒に失敗した。ロシアの上空掩護に支援され、地上では、シーア派民兵やイランの軍事教官によって強化されて、シリア軍が紛争では実質的に優勢だ。

イランに対し、現在リヤドは、120,000人の命を奪った15年の内戦後、宗派の境界線に沿って分けられた国レバノン内で問題をかき立てようとしているように見える。この戦争の主要な進展の一つは、現在レバノン国内で最も強力な部隊の一つで、2016年の権限分担協定の下で形成された政府の一環でもあるシーア派武闘派の運動ヒズボラの出現だった。

更に読む: サウジアラビアレバノンに '宣戦布告' 、ハリリ首相辞任を強制され、拘留されている' - ヒズボラ議長

今月、リヤドで発表した、レバノン・スンナ派指導者サード・ハリリ首相辞任と、サウジアラビアのカタール風経済封鎖という間接的脅威が、レバノン内戦のかつての亡霊を呼び覚ましている。ヒズボラは、サウジアラビアは、ハリリを強制的に拘束しており、その行動は宣戦布告にも等しいと考えており、サウジアラビア政府は、イランとの対立で、イスラエルの支援を求めていると報じられている。

非難が飛び交い、緊張が高まり、反イラン感情がアメリカ政府内で広がり、サウジアラビアとイラン間の深刻な衝突の可能性は高まっている。

数の計算

統計だけを基にあり得る戦争の結果を予想するのは無意味だ。例えば、2006年のイスラエルとヒズボラとの紛争は、イスラエル国防軍の方が遥かに多くの資金を得ており、装備も勝っていたにもかかわらず、引き分けだった。それでも、数値はエスカレーションした場合に、テヘランとリヤドが一体何を使用する可能性があるかを考える参考にはなる。

各国軍隊の相対的な強さを比較しているウェブサイトGlobal Firepower Indexでの二国の順位は近い。サウジアラビアは世界で24番目に強い国と推測されており、対するイランは21位だ。

イランはサウジアラビアの三倍人口があり、サウジアラビアの1400万人に対し、3900万人を動員できる。軍事要員総計は、934,000人と推計され、サウジアラビアの3.6倍だ。

軍事予算の点では状況は逆だ。テヘランは、毎年の防衛費に63億ドル費やしているが、リヤドの予算は、560億ドルだ。サウジアラビアが兵器の大半を、アメリカ合州国から法外な価格で購入しているのに対し、イランは国産可能なものは何であれ自製するのが誇りだということに配慮するまでは、差異は現実以上に大きく見えかねない。イランがロケット工学分野で成功しているのは明らかだ。

国が違えば、商品もサービスも、それぞれの市場で値段が違うので、同じ支出でも、得られるものは異なるという事実もある。ウェブサイトは、イランの国防予算は、購買力で調整すると、1.459兆ドル、これに対し、サウジアラビアは1.731兆ドルと推計している。

ハードウエアの点で、戦闘機と攻撃機の数では、サウジアラビアがイランを圧倒する(177機と245機 対 137機と137機)。イラン航空機の一部は、シャー時代から引き継いだF-4ファントムIIなどの旧式アメリカ・モデルで、他は1980年代末から1990年代初期に引き渡されたソ連と中国の航空機だ。サウジアラビア空軍は、最新のアメリカ・モデルや、一部ヨーロッパ・モデルが山積み状態だ。戦争となった場合、テヘランは、長年開発して来た地対空ミサイルで、それを撃墜することを願っている。

二国の海軍力では、ほぼ間違いなくイランが有利だ。艦船の数の大きな違いは(398 対 55)主として、230隻の哨戒艇からなるイランのモスキート艦隊のせいだが、ペルシャ人は、アラブ人がないものも保有している。潜水艦だ。イランは、小型な排水量10トンのアル-サベハト15輸送潜水艇から、1990年に引き渡された三隻のロシアのキロ型攻撃潜水艦に至るまで、33隻の潜水艦を保有している。もし、アメリカが関与しなければ(a big if)、イランは、少なくとも、全てのサウジアラビア艦船のペルシャ湾航行を阻止しよう。

大規模地上戦となると、イラン側がより多くのハードウエアを保有している。歩兵戦闘車ではサウジアラビアより数が劣るが、戦車部隊の力では上回り、あらゆる種類の火砲で圧倒的に上回っている。だが、またしても、イランがこの優位を十分に生かせるかどうかは、空を守れるか否か次第だろう。

死と破壊

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石油市場を変える戦争

もちろん、もしイランとサウジアラビアが実際やりあうことになれば、両国にも、世界の他の国々にも大きな損害を引き起こすだろう。イエメンからの散発的なミサイル発射とは異なり、イランの弾道ミサイルは、サウジアラビアの防衛を圧倒するのに十分だ。しかし、それも非軍事標的に命中するのを避けるほど、十分精度が高くない可能性がある。イエメンでのサウジアラビアによる一般市民殺害の実績からして、イランに対する戦争で、コウジアラビアがより配慮をするだろうと願う余地はほとんどない。

特に石油輸出の大きな部分が、ペルシャ湾経由ルートに依存しているので、二大原油産出国がかかわる紛争は、石油価格を急騰させるだろう。サウジアラビア王家の粛清報道の高まりは、今後何が起きるかの一種の予告編として利用できよう。

そして、もし両国が衝突すれば、他の国々が座視している可能性は低い。いつもの代理勢力が担ぎだされるだろう。ほとんど得るもののない本物の大混乱が予想できる以上、そういうことにならぬよう願いたいものだ。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/409875-iran-saudi-arabia-military/
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相撲の暴力問題くらい熱心に「日米地位協定」「基地問題」を扱えば、大本営広報と呼べなくなる。もちろん、そういう日はこないだろう。

孫崎享氏のメルマガ・タイトル

日本の教育投資は今や悲惨。幼児教育だけでない。深刻さは大学教育。OECD参加34カ国中、国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合は最下位。これをどう是正するか最重要。大学ランク、シンガポール、中国の大学が東大、京大の上。

戦争予算をどんどん積み上げる一方、教育投資をどんどん削る国に未来はない。

日刊IWJガイド「立憲民主党が国会デビューで枝野幸男代表『今ある憲法を守ってから言え!』今日は共産党・志位和夫委員長が代表質問!/希望の党結党と民進党解党に上杉隆氏の影、朝日新聞がスクープ続編!前原氏『共産党と組んだら死んでも死にきれない』!?/豊臣秀吉も吉田松陰も影響を受けていた~ 古代に遡り、日本と朝鮮との関係に大きな影響を与え続けている「三韓征伐」神話の成り立ちに迫る! 国際日本文化研究センター教授・倉本一宏氏インタビュー!」2017.11.21日号~No.1894号~

2017年11月12日 (日)

サウジアラビアでの粛正が一体なぜ戦時体制の兆しなのか

Finian CUNNINGHAM
2017年11月10日
Strategic Culture Foundation

暗殺の恐怖のさなか、主要王族の大量逮捕は、サウジアラビアで起きていることが、遠大な粛正であることを示している。欧米マスコミと、アメリカのドナルド・トランプ大統領が推進している“汚職捜査”といううわべは、信用できる口実とはほど遠い。

これはサウジアラビア支配者による砂漠の王国内部における情け容赦ない権力簒奪のみならず、更なる紛争、そしてイランとの全面戦争の可能性さえあるという、中東地域全体への通知でもある再編成の口実でもある。イスラエルとトランプ政権が熱心にけしかけてきた戦争だ。

対イラン戦争に向けたこの動きで、一体なぜサウジアラビア王家が、先月、画期的なモスクワ訪問をしたのかが説明可能だろう。イランに関し、サウジアラビアが好きにできるようにすべく、石油と武器取り引きでロシアを買収しようとしたのだろうか?

典型的な断片的な形で、欧米マスコミは、先週末、サルマーン国王と継承者のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の命令のもとで行われた、王家の王子たちや、閣僚や財界首脳の大量逮捕を、汚職と事業上の不正行為に対する取り締まりとして報じた

マスコミ報道で省略されているのは、イエメンからのミサイル攻撃をイランが支援したと主張して、イランとレバノンがサウジアラビアに“宣戦布告”したという人騒がせな主張までして、サウジアラビア支配者が、同時に地域の政治家たちに対し政治支配力を行使して動いているという遙かに広い文脈だ。

先週末、レバノンのサード・ハリリ首相が、サウジアラビアの首都リヤドに呼びつけられ、強制的に退任させられたことが、イランと、 レバノンの同盟者ヒズボラが、レバノンを不安定化させており、実際、ハリリ暗殺を企んでいるというサウジアラビアの主張にとって都合の良い実体になっているようだ。

ところが、ハリリは、サウジアラビアが圧力をかけているとされる何人かの地域政治家の一人に過ぎない。元イエメン大統領マンスール・ハディが亡命先リヤドの自宅で軟禁されているという報道も現れた。シリア反政府派の人物もリヤドで拘留されているという報道もあった。また、パレスチナ指導者マフムード・アッバースはサウジアラビア首都出頭を命じられた。これはサウジアラビアが、地域合唱隊を演出していることを示唆している。

しかも、イランとヒズボラに対するミサイルをフーシ派反政府部隊に提供して、イエメンから戦争行為をしたというサウジアラビアの非難支持で、テルアビブのベンヤミン・ネタニヤフ政権がサウジアラビアと協調しているという信頼できるイスラエル・メディア報道もある。

ワシントンも、サウジアラビア主張の支持に乗り出し、国連安全保障理事会決議に違反して、イランはフーシ派に武器を供給してると言い出した。先週日曜日の、リヤド国際空港に対するミサイル攻撃に触れて、トランプ大統領は“イランはサウジアラビアを攻撃した”と述べた。するとアメリカ国連大使ニッキ・ヘイリーも週末、サウジアラビアの“証拠”を引用して、対テヘラン経済制裁を呼びかけた。イランはそのようなあらゆる武器供給を阻止するため、サウジアラビアによるイエメンの空路、海路、陸路封鎖を指摘し、この主張は根拠がないと切り捨てた

サウジアラビア王位の背後の権力として、老いゆくサルマーン国王 (82)の息子、32歳のムハンマド・ビン・サルマーン(MbS)が、イランに対しても強い敵意を抱いている野心を抱いた専制君主として登場した。いくつかのマスコミ・インタビューで、皇太子はイラン破壊へのこだわりを明らかにした。これは、サウジアラビア指導部のシーア派イランに対する、いつもの宗派的なワッハーブ派の嫌悪を遙かに超えている。

MbS皇太子は、一定程度、巧みに演じている。サウジアラビアを原理主義の保守主義社会から、一見より洗練された社会にする“改革”を、彼はマスコミで大宣伝している。皇太子は、サウジアラビア女性に、自動車運転や、男性保護者無しでの旅行や、競技場に入る権利を与える改革を推進した。男女同権の上からは、到底抜本的進歩とはいえないものだ。にもかかわらず、MbSは、欧米マスコミの支援を得て、自らを進歩的改革者であるかのごとく巧みに描き出している。

こうした変化は、情け容赦ない野望と、超専制的なサウド家内部の権力簒奪を隠す見せかけに過ぎない。“汚職捜査”とされているものは、遥かに邪悪な展開を隠すためのうわべ飾りの一塗りだ。

イギリスのガーディアン紙は、今週、サウジアラビア王家主要メンバーや閣僚の大量逮捕を巡り、この展開を、女性の権利のちょっとした自由化という文脈中において、改革者を志望する皇太子が行っている“革命”として表現して称賛した。

一方、ニューヨーク・タイムズは“汚職は余りに蔓延しているので、革命的変化には至らないようなあらゆる措置は、恣意的な起訴に見えてしまう可能性がある。”と言って、“サウジアラビア汚職取り締まり”を擁護した。

そのような報道は、本当の権力行動や、この地域における重大な含意から目をそらすものとして機能する。

そもそも拘留されている王子や現および元政府閣僚の人数は何十人にものぼる。逮捕された人々の特徴は、汚職とされるものより、ライバルになる可能性がある人々の抹殺とより関係が深いパターンを示している。

最も邪悪な可能性があるのは、大量逮捕の同じ日に、サウジアラビア王位継承の競争相手が、ヘリコプター墜落事故で亡くなったことだ。イエメン国境近くの南部のアシール州で、彼らのヘリコプターが墜落した際に亡くなった高官8人の中に、マンスール・ビン・ムクリン王子(42歳)がいた。サウジアラビア・マスコミは、墜落の原因に関する詳細を全く報じていない。サウジアラビアが、これをフーシ派反政府勢力のせい、そして、その延長で、イランのせいにしそうなものだ。しかし、そうではない。サウド家もマスコミも、この重要な王家メンバーの死についてほとんど何も語っていない。また重要なことに、フーシ派反政府勢力や彼らのメディアも、事故についてほとんど何も言っていない。もし、関与している反政府派にとって好機なのであれば、2015年3月以来、戦争をしてきたサウジアラビアに対する目を見晴らせる打撃だと主張して、プロパガンダを早速始めても良さそうなものだ。

ヘリコプター事故の犠牲者マンスール王子は、サウジアラビア王国の創設者イブン・サウドの生存している息子の一人である72歳のムクリン王子の息子だった。(ムクリン王子はサルマーン現国王の異母弟だ。)

ムクリン王子は、2015年1月、兄のアブドゥッラー国王の逝去に伴い、皇太子に任命されるまで、国家諜報機関のサウジアラビア総合情報庁元長官でもあった(2005年-2012年)。サウジアラビアの権力継承という難解な世界では、王位は常に、イブン・サウドの息子たちの間で、兄弟から兄弟へと継承されてきた。ブドゥッラー国王が2015年1月に亡くなった際には、次の番は彼らの兄弟サルマーン(現在の国王)だった。サルマーンの次は、伝統的な継承規則によれば、次の王位継承者は、2015年1月、実際、皇太子となったマクリンのはずだった。ところが三カ月後、サルマーン国王は、マクリンを法定推定相続人から外した。国王の息子、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の登場に道を譲るべく、彼は外されたのだ。これは、サウジアラビア王家伝統からの未曾有の決裂であり、サウド家を構成する氏族の間に煮えくり返る恨みを残したのは確実だ。

ムクリン王子と彼の血統の息子六人は、それゆえムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の野望にとって、危険なライバルと見なされたのだ。彼自身の父親サルマーン国王の健康が悪化する中、次の番の人物が宮廷から王位継承の競争相手を粛清しているように見える。

先週末マンスール王子を乗せていたヘリコプターに実際何が起きたのかはまだ分かっていない。だが墜落が、何人かの他の主要王家メンバーの大量逮捕と同じ日に起きたのは、偶然の一致以上のものがありそうだ。逮捕者の中の二人、アブドゥッラー・ビン・ムタイブ王子と、トゥルキー・ビン・アブドゥッラー王子。二人は亡くなったアブドゥッラー国王の息子で、マンスール王子同様、二人はMbS皇太子のいとこで、それゆえ、彼の王位継承に挑戦する可能性があったのだ。

逮捕は、国家安全保障、国家警備隊と海軍のトップや、二十世紀フォックス、ニューズ・コーポレーション、アップル、ツイッターや、TV衛星企業の主要株主である欧米とつながるサウジアラビア・メディア界の大立て者アル=ワリード・ビン・タラール王子と、ワリード・ビン・イブラヒム王子も標的にしていた。こうした逮捕は、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が、サウジアラビアの治安機構内部からのあらゆる反動を押さえ、不都合なマスコミ報道を遮断しようとしていることを示唆している。

ドナルド・トランプは即座に、サウジアラビアでの出来事を、歓迎すべき汚職粛清だと称賛した。彼はこの連中は “長年サウジアラビアを搾取してきた”と述べた。

サウジアラビア支配層が、概して収賄にまみれていることに、ほとんど疑いの余地はない。サウド家や、サウジアラビアの途方もなく裕福な石油産業は、汚職や、賄賂や違法行為蔓延の典型だ。(例えば、サッチャー政権下、1980年のイギリスにおける600億ドル、アルヤママ武器商談と賄賂にまつわるスキャンダルを想起されたい。)

だから、トランプと一部の欧米マスコミが、改革派皇太子が蔓延する国家的不祥事を徹底的に見直しているという考えにふけるのは、信じられないほど幼稚だ。

サウジアラビア支配者が、いかに、MbS皇太子と彼の反イラン妄執を支えて、あらゆる権力を統合し、レバノンを通したイランとの地域戦争のために準備をしているかという点も完全に把握しそこねている。

トランプと実業界の大物、義理の息子ジャレッド・クシュナーは、膨大なアメリカ兵器販売と、アメリカ経済へのサウジアラビア投資を求めて、早い段階からMbS皇太子に引き寄せられていた。サウジアラビア粛清のわずか数日前、クシュナーはリヤドを目立たぬよう訪問し、サウジアラビア支配者と会談していた。先週、トランプも、サウジアラビアに、大いに期待されている、2兆ドルにもなろうと予想されている、サウジアラビア国営石油会社アラムコ株の売却のため、アメリカ株式市場を選ぶよう訴えた。

イエメンにおけるサウジアラビア虐殺の黒幕、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は、イランとの対決という彼の妄想を推進するため全権を掌握している。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフとトランプ政権と共に、対イラン戦線を形成するのは、いとも容易なことだ。またトランプには、サウジアラビア専制君主の歓心を買うことで、ウオール街に金を振りまけるという更なる動機もある。

記事原文のur:https://www.strategic-culture.org/news/2017/11/10/why-saudi-purge-signals-war-footing.html
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海外のマスコミ、当面、サウジアラビアでの出来事を美化するのがお仕事。
日本のマスコミ、当面、TPPを美化するのがお仕事。
マスコミを信じなくなった理由は、小選挙区制をこぞって推進したことだった。

知りたいことは隠し、まったく関心がないことだけを押しつけるのが彼らの仕事。

というわけで、知りたいことを報じてくださる番組を拝見したいと思う。

日刊IWJガイド・日曜版「本日20時より、自由人権協会JCLU 70周年記念シンポジウム デジタル時代の監視とプライバシー ―市民によるコントロールのために(後編)― 登壇者:ジョセフ・カナタチ氏(プライバシー権に関する国連特別報告者)スティーブン・シャピロ 氏(弁護士)、出口かおり氏(JCLU会員・弁護士)を録画配信!お見逃しなく!」2017.11.12日号~No.1885号~

下記も拝聴予定。

【IWJ_YouTube Live】17:30~「岩上安身による政治経済学者・植草一秀氏インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 岩上安身が政治経済学者・植草一秀氏へインタビューします。

2017年8月 7日 (月)

トランプは今や戦争大統領

2017年8月3日
Paul Craig Roberts

トランプ大統領は、軍安保複合体に敗北させられ、ロシアとの仕組まれた危険な緊張の継続を強いられている。トランプの敗北は、ロシア人に、私が長年彼らに教えようとしていた教訓を与えたが、それは、ロシアは、ワシントンにとっては、友達としてよりも、敵として、遥かに価値があるということだ。

ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相と同様に、トランプはぼろぼろになって“全く無力”だと結論すれば良いのだろうか。私はそう思わない。トランプは生来の指導者なのだ。彼はトップに立っていたがっており、それは彼の個性が彼にそうさせているのだ。軍安保複合体、アメリカ二大政党、売女マスコミ、リベラル-進歩派-左翼と、ヨーロッバのワシントン属国諸国によって、平和の指導者としてトップに立つのを阻止されたトランプは、今や戦争の指導者になっている。これだけが、CIAと兵器産業が彼に許す役割だ。

和平の機会を失えば、我々全員の命を失うことになりかねない。ロシアと中国が、ワシントンには、世界の舞台を、彼らと分け合う気がないことを見てとった以上、ロシアと中国は、ワシントンが両国を除け者にするのを防ぐため、ワシントンに対して、より挑戦的にならざるを得ない。両国の権益を守るため、戦争準備が中核になるだろう。状況は、冷戦のどの時期よりも、遥かに危険だ。

愚かなアメリカのリベラル-進歩派-左翼は、アイデンティティー政治に夢中になり、“トランプを支持するみじめな連中”への憎悪で、軍安保複合体のトランプ攻撃に加わった。トランプ攻撃の結果が、ロシアとの対立のエスカレーション、ヨーロッパの事業と安全保障の利益にはならない紛争だということがわかる十分な知性を誰一人持たない欧米マスコミを装う男娼売女や、ヨローッパのワシントン傀儡諸国も。そうだ

ワシントンは、既に暴力の閾値を上げた。ワシントンが、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、イラン、セルビアやロシアについて言ったのと同じウソそが、今ベネズエラについて、言われている。ウド・ウルフコッテと、セイモア・ハーシュがまさに指摘した通り、アメリカ売女マスコミは、CIAに手渡されたウソを忠実に報じている。こうしたウソは、ベネズエラの民主的政府に対する来るべきアメリカによるクーデターと、アメリカ大企業によるベネズエラ搾取再開を認めるワシントンに従順な政府への置き換えを受け入れさせるよう、欧米諸国民を条件づけるプロパガンダなのだ。

アメリカ資本主義の生産的な部分が剥がれ落ちるにつれ、搾取的な要素が本質となった。ベネズエラの後には、更に南米の犠牲が続こう。ロシアとの緊張緩和の可能性はもはやないのだから、アメリカが、シリア政府と、更にはイラン政府を打倒するという、アメリカとイスラエルの決意を放棄する理由はない。

イラク、リビア、ソマリアに対する容易な戦争の後には、遥かに危険なイラン、ロシアと中国との対立が続く。

ジョン・ブレナンが、トランプ大統領を打ち負かした結果がこれだ。

更新: ロシアとの対立のエスカレーションが始まった。マイク・ペンス副大統領が、昨日(8月2日)モンテネグロで、NATOに加盟させるた、モンテネグロ人をパニックに陥れるのを計算して、ロシアに対する虚偽の主張をした。ワシントンによる、そうはしないという約束にもかかわらず、NATO東進が二十年間続いたことが、ロシアに、ワシントンとの間のどのような協定も決して信頼できないという教訓を与えたに違いない。それなのに、なぜロシアは、ワシントンとの協定を求め続けているのだろう? https://sputniknews.com/politics/201708021056112385-pence-russia-montenegro-prime-minister/

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/03/trump-will-now-become-war-president/
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「日本郵政、民営化失敗の可能性…深刻な業績不振、国の株売却計画が頓挫」と「JR北 資金ショートの可能性」という見出し記事を見た。何を今頃。『あらかじめ裏切られた民営化』。
これはIWJの岩上安身氏の渾身ルポ『あらかじめ裏切られた革命』をもじったもの。
実に残念なことに、この本、絶版のようで、古書で5000円を超える。

郵政民営化は、宗主国の指示だった。オスプレイ導入もそうだろう。

大本営広報部を朝から晩まで、一年読み続け、見続けても、なぜ日本は唯々諾々と、世界最大の属国でありつづけているのかはわからない。彼らの仕事は、真実を報じることではなく、事実を隠蔽することなのだから。

そこで、今朝の「日刊IWJガイド」の一部をコピーさせていただこう。

時を同じくして、またもや、オスプレイの墜落事故が発生しました。

 8月5日、オーストラリア北東部沖のショールウォーター湾で、米軍普天間飛行場に駐留する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落しました。搭乗していた26人のうち、23人は救助されたものの、3人が行方不明となっております。米海兵隊は6日未明、3人の捜索打ち切りを発表しました。

 墜落した同機は、7月下旬までショールウォーター湾で実施されていた米豪の合同軍事演習「タリスマン・セーバー」に参加していたものと見られます。

 昨年12月13日には、今回の墜落機と同じ米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイが、名護市の約80メートル沖の浅瀬に墜落、胴体と翼が分離し大破しました。墜落当時の事故現場には、IWJからも記者が取材に行っています。その時は奇跡的に、搭乗していた米軍人にも、地元住民にも死者は出なかったものの、今回は残念ながら、3人の米兵が犠牲となってしまいました。

 構造的欠陥のあるオスプレイを使い続けることで、一番の犠牲者となるのは米軍の兵士であり、その家族です。このオスプレイのために一体何人の未亡人が生まれたか。これから先、何人が未亡人として嘆き悲しむことになるのか。

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※米海軍オスプレイが沖縄沖で墜落、大破…米軍幹部の「被害がなくて感謝されるべき」発言で明らかになる米の「植民地意識」 日本政府は1機200億円の桁違いの高額で17機を購入・配備予定 2016.12.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/352476

※「感謝しろ」だと!? 米軍幹部が露わにした植民地意識!「新基地建設を認めれば『あんたたちが招いた事故だろ』と言われる」~オスプレイ墜落現場を地元・名護市議の東恩納琢磨氏と歩く 2016.12.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/352506

※【IWJルポルタージュ】あっさり奪われた日本の「主権」!米軍の支配下に置かれた「異様」な光景~写真でみるオスプレイ墜落の事故現場、大破した機体の残骸が散る沖縄の海 2016.12.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/352462
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 オスプレイの問題が沖縄だけの問題でないことは、先日岩上さんがインタビューをした作家・編集者の矢部宏治氏が明らかにしてきました。矢部氏は新刊『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』の中で、米軍が日本全土の上空にいつでもどこでも優先空域を設定できる権利を持っていると書いています。

 そして米軍の特権の期限は朝鮮戦争にあります。矢部さんはこれを「朝鮮戦争レジーム」と呼んでいますが、もともとの名付け親はなんと!岩上さんなのだそうです。

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※日本が「基地」も「原発」もやめられないのは「朝鮮戦争」に起源があった!? 岩上安身による『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』著者・矢部宏治氏インタビュー 2017.8.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/394226

※「戦後再発見双書」プロデューサーが語る、日米関係に隠された「闇の奥」~岩上安身による『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』著者・矢部宏治氏インタビュー 2014.10.13
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/181723

※国際社会の「敵国」であることを自ら望む日本の病 ~岩上安身による『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』著者・矢部宏治氏インタビュー第2弾 2014.11.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/201949

※岩上安身による『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』著者・矢部宏治氏インタビュー 2016.5.20
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/302909
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 このような事故が起きてもなお、日本の防衛省は2018年度に佐賀県・佐賀空港へMV22を17機配備する方針を変えていません。

 さらに、8月10日から28日に予定されている、北海道大演習場での米海兵隊と陸上自衛隊での日米共同訓練でも、MV22オスプレイ6機と、CH53大型ヘリ4機、UH1ヘリ4機、AH1攻撃ヘリ4機が訓練に参加する予定です。

・海兵隊2000人“参戦” 北海道 来月に日米演習 過去最大 オスプレイも6機 戦争法具体化(しんぶん赤旗、2017年7月30日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-30/2017073001_04_1.html

・小野寺防衛相、米に飛行自粛要請=北海道訓練参加も-オスプレイ事故(時事通信、2017年8月6日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080600238&g=pol

 小野寺五典新防衛相は、この演習へのオスプレイの参加を取りやめるよう、米側と調整する考えも示しているとのことですが、実際に日本の上空からオスプレイを完全に締め出すことなど、安倍政権にできるとは到底思えません。

 自民党の他の政権にも、民進党政権にもできません。日米安保があり、さらに日米間に密約がある限り、それは不可能なのです。日本の政治はまるごと米太平洋軍の司令官のもとにあるのです。

 その「指令」を日本のオール官僚が具体化させる仕組みが、日米合同委員会です。

 「『日米合同委員会』の研究」を書いたジャーナリストの吉田敏浩氏への岩上さんのインタビュー等を通じて、IWJは日本が米軍の半軍事植民地状態にあることを明らかにしてきました!

2017年7月 2日 (日)

ワシントンが16年間戦争をしているのはなぜか?

2017年6月29日
Paul Craig Roberts

アメリカは、16年間、中東と北アフリカで、戦争をし続けて、何兆ドルも経費がかさみ、計り知れない戦争犯罪をおかし、何百万人もの戦争難民を送り込んで、ヨーロッパに重荷を負わせ、同時に、ワシントンには、社会保障やメディケアの義務を守る余裕がなく、あらゆる文明国にある国民皆保険の資金がないと主張している。

こうした巧妙に仕組まれた戦争の膨大な経費のおかげで実現されない膨大な社会的要求を考えれば、こうした戦争の目的について、アメリカ国民が、疑問を投じていて当然だろうと思いたくなる。このような膨大な経費で、一体何が実現されつつあるのだろう? 軍安保複合体が戦争による利益で肥え太れるようにすべく、国内ニーズは無視されている。

全くウソに基づいていることが証明済みのこうした戦争の目的について、アメリカ国民、マスコミや議会側に全く関心が欠如しているのは、驚くべきことだ。この沈黙の共謀、お金と命の浪費への、この驚くべき無関心は一体どのように説明できるのだろう?

大半のアメリカ国民は、9/11への政府の反撃として、こうした巧妙に仕組まれた戦争を、なんとなく受け入れているように見える。これは、イラク、リビア、シリア、イエメン、アフガニスタンもイランも(イランは威嚇と経済制裁を除けば、まだ実際には攻撃されていない)9/11と無関係だという事実の不思議さを深めるものだ。しかし、これらの国々には、イスラム教徒の国民がおり、ブッシュ政権と売女マスコミは、9/11をイスラム教徒全般と結びつけるのに成功した。

もしアメリカ国民と議会にいるその“代議員”が、戦争が実際は一体何なのかを理解すれば、おそらく、反対して決起するだろう。そこで、シリアに対するワシントンの戦争と、ワシントンが意図しているイランに対する戦争は一体何かをご説明しよう。ご用意は良いだろうか?

ワシントンはアメリカではないのでアメリカの戦争ではなく、シリアに対するワシントンの戦争には理由が三つある。最初の理由は軍安保複合体の利益に関係している。

軍安保複合体とは、多くの国々のGDPを越える年次予算を正当化する脅威を必要とする強力な私益や政府権益の連合だ。戦争は、この私益、国家権益の連合に、その重荷が実質世帯平均所得が何十年も上がっておらず、生活水準を維持するための負債が増えているアメリカ納税者の肩にかかる膨大な予算の正当化をもたらすのだ。

二つ目の理由は、アメリカ世界覇権というネオコン・イデオロギーだ。どう表現しても保守派ではあり得ないのが確実なネオコンによれば、共産主義と社会主義の崩壊は、民主的でも、資本主義でもない“民主的な資本主義”を、世界の社会-経済-政治体制として歴史が選んだことを意味しており、世界中に、アメリカ式を押しつけるのがワシントンの責務なのだ。ロシア、中国、シリアやイランのような、アメリカ覇権を拒否する国々は、アメリカ 単独行動主義の邪魔なので不安定化して破壊しなければならない。

三つ目の理由は、イスラエルが南レバノンの水資源を必要としていることだ。イスラエルは、二度、大げさに称賛されているイスラエル軍を、南レバノンを占領しようと派兵したが、二度とも、大げさに称賛されているイスラエル軍は、シリアとイランが支援している民兵ヒズボラに追い出された。

率直に言えば、イスラエルは、ヒズボラに、軍事的、経済的支援をしているシリアとイランの政府を殲滅するのに、アメリカを利用しているのだ。もしヒズボラを支援している国々をアメリカによって殲滅できれば、イスラエル軍は、パレスチナとシリアの一部盗み取ったように、南レバノンを盗み取ることができるのだ。

事実はこうだ。16年間、無頓着なアメリカ国民が、ワシントンの腐敗した政府が、国内で必要な何兆ドルを浪費して、アメリカ世界覇権というネオコン・イデオロギーと、イスラエルのために、軍安保複合体の利益に振り向けるのを許してきたのだ。

明らかにアメリカ民主主義は欺瞞だ。アメリカ国民以外の連中のために働いている。

アメリカの利益でないものにアメリカ政府が仕えたあげくのありそうな結果は一体なんだろう?

最善の前向きな結果は99パーセントの貧困だ。最悪の結果は核のハルマゲドンだ。

軍安保複合体、ネオコン・イデオロギー、イスラエルに対するワシントンの貢献は、圧倒的な事実を全く無視している。

シリアとイランを打倒しようというイスラエルの関心は、聖戦主義がロシア連邦や中央アジアに輸入されるのを防ごうとするロシアの関心とは全く矛盾する。だから、イスラエルは、アメリカをロシアとの直接軍事紛争に押しやっているのだ。

ロシアをミサイル基地で包囲するアメリカ軍安保複合体の財務上の利益は、ネオコンによるアメリカ世界覇権強調と同様、ロシア主権とは合致しない。

トランプ大統領はワシントンを支配してはいない。ワシントンは、軍安保複合体によって(アメリカ民主主義に対する脅威としての軍安保複合体についてのアイゼンハワー大統領演説をyoutubeでご覧願いたい)イスラエル・ロビーによって、そして、ネオコンによって支配されている。この三つの既得権益団体が、無力で、自分たちの未来に関する決定には関与しないアメリカ国民より優位に立っているのだ。

イスラエルに反対して立ち上がる全てのアメリカ下院・上院議員は、再選挙運動でイスラエルに敗北させられた。これこそが、何であれ、イスラエルが上下両議会を通過させようとすると、満場一致になる理由だ。海軍作戦部長で統合参謀本部議長のトーマス・モーラー海軍大将はこう公言した。“イスラエルに抵抗できるアメリカ大統領はいない。”アメリカにとって、どのような結果になろうとも、イスラエルは望むものを手にいれる。

モーラー大将は正しかった。毎年アメリカは、イスラエルに、アメリカ政府を買収するのに十分な資金を与えている。そして、イスラエルは実際、アメリカ政府を買収している。アメリカ政府は、アメリカより、イスラエルに、遥かに責任を負っている。下院と上院での評決がこれを証明している。

小さなイスラエルにさえ立ち向かえないワシントンが、ロシアと中国を威圧できると思っているのだ。ワシントンが、ロシアと中国挑発を継続するのは狂気の兆しだ。知性があるべき所に見えるのは、阿呆の証したる不遜と傲慢だ。

地球と、そこに棲む生き物が何よりも必要としているのは、聡明で、道徳意識があり、真実を尊重し、連中の権限の限界を理解することができる欧米指導者だ。

だが欧米世界には、そのような人材は皆無だ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/06/29/washington-war-16-years/
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最初の理由、軍安保複合体の利益の巨大化は、動き出せば止まらない。その方向に進む危険性を、『科学者と戦争』『科学者は戦争で何をしたか』そして、あの鋭い官邸質問をされた記者による『武器輸出と日本企業』を読めば感じざるを得ないはずだ。憲法破壊は、もちろん、宗主国による侵略戦争参戦が目的で、共謀罪は反戦運動弾圧法だ。

日本が、宗主国のいう通りに、中国挑発を継続するのは狂気の兆しだ。知性があるべき所に見えるのは、阿呆の証したる不遜と傲慢だ。

地球と、そこに棲む生き物が何よりも必要としているのは、聡明で、道徳意識があり、真実を尊重し、連中の権限の限界を理解することができる指導者だ。

だが日本には、そのような人材を選ぶ人々は極めてまれだ。

今日東京でも証明される。コウモリ・ファーストと与党と大本営広報部の共謀で。
あるいは、人力で票を数えない、コンピューター集計のせいなのだろうか?

必ず拝読しているブログ、「トラックバック」できなくなっている。いずれもlivedoor。反自民・公明、ファーストの団結?を阻止する目的だろうか。まさか、偶然の事故ではあるまい。先程確認したところ、予定の通り、無用な?機能を廃止したということのようだ。

視聴料を強制徴収する大本営広報部大政翼賛会、秋葉原での演説混乱を完全に無視していた。民放は流したが。

日本白痴放送には、香港の人々が中国支配に反対するのを報じる自由がある。
日本白痴放送には、日本人が属国傀儡支配に反対するのを報じない自由がある。

日刊IWJガイド・日曜版から、一部コピーさせていただこう。

※都議選前日ようやく表に姿を現した安倍総理を待っていたのは「やめろ!」「帰れ!」の嵐!怒れる聴衆の中には森友・籠池氏の姿も!安倍総理は有権者を指差し「こんな人たちに負けない」と逆上! 2017.7.1
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/387185

 秋葉原での安倍総理の街宣の様子を中継したIWJのライブストリーミングは、最大で5500人オーバーの同時視聴者数が集まりました。のべ人数はわかりませんが、何万人にもなると思われます。現場には行けずとも思いを共有したい市民が全国にたくさんいたのでしょう。ちなみにNHKの7時のニュースは、安倍総理への怒りのコールを完全に消して報道。いわゆるカッコつきの「公共放送」は、現場のリアルをまったく報じませんでした。

 自民党がここまで露骨な逆風に晒された選挙は、近年では珍しいかと思います。「いつも自民党だけど、今回は自民党には入れないぞ」という方も多いかもしれません。しかし、その結果、小池百合子東京都知事の都民ファーストに票が流れてしまうのは、様々な観点から問題だと考えます。

 IWJはこの間の取材で、小池知事がいまだに自民党に籍を置き続けていること、さらに、「古い政治をあたらしく!」というスローガンの都民ファーストの候補者の多くがもともとは自民党所属議員だったことを突き止め、「都民ファーストは第2自民党である」と指摘し続けてきました。まだ投票に行かれていない方は、ぜひこうした視点も踏まえて、貴重な一票を投じてはいかがでしょうか?

※速報! 都民ファーストの小池都知事は、自民党を離党していなかったことを、IWJが自らの取材で確認! 2017.6.29
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/386325

※【岩上安身のツイ録】「古い政治をあたらしく!」というスローガンの都民ファースト、一枚めくると元自民党だらけ。小池氏も、側近も極右!日本会議の副幹事長!都民ファーストは第2自民党! 2017.6.30
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/386579

 さて、本日13時30分からは、岩上さんが「今治加計獣医学部を考える会」共同代表で市民運動を展開する黒川敦彦氏にインタビューをします!

 都議会選で自民党の陣頭指揮をとる下村博文・都連会長が、加計学園から200万円の違法献金を受け取っていた疑いが報じられるなど、加計学園問題は、贈収賄事件へ発展する可能性が出てきました。黒川氏は、獣医学部の施設の坪単価が150万円と、通常より大幅に高いことに着眼し、建設費を水増しした「補助金詐欺の疑い」を訴えています。

 この問題で安倍総理を追及し続ける野党議員らにも資料提供してきた黒川氏へのインタビュー、ぜひ、お見逃しなく!

★「加計学園」から新たな疑惑浮上! 建設費水増しで補助金詐欺!? 岩上安身による「今治加計獣医学部を考える会」共同代表・黒川敦彦氏インタビュー
[日時] 2017年7月2日(日)13:30~
[YouTube Live]https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?view=2&flow=grid
[ツイキャス]http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

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