イラン

2023年6月 3日 (土)

2023年選挙におけるエルドアン成功の秘訣

スティーブン・サヒオニー
2023年5月30日
Strategic Culture Foundation

 エルドアンの下で、アンカラは独立したり「アメリカ製」でない軍事製品を購入したりするのを恐れていないとスティーブン・サヒオニーは書いている。

 レジェップ・タイイップ・エルドアンはトルコ大統領として三期目を勝ち取り、権力の座を四半世紀に延長する。この権威主義的指導者はインフレ率が年間44%上昇し、トルコリラが切り下げられた経済的苦境の海で苦労する船の舵取りを更に5年勝ち取ったのだ。経済専門家は、経済政策に従って金利を上げるのを拒否したエルドアンの全面的責任を指摘している。

 エルドアンは、5月28日の第二回決選投票で6党連合を代表するため選ばれた野党候補ケマル・クルチダルオールに対し、投票の52%強を獲得した。

 選挙は接戦で、つまりトルコはエルドアン支持者と、変化を切望し、国の状態に不満を感じ、どこに向かっているのか恐れている残り半分の人々で半々に分かれているのだ。エルドアンが支配するマスコミは、エルドアン選挙広告を見せつけ大きな役割を果たしたが、野党には放送時間はほとんど与えなかった。

 エルドアン成功の秘訣

 エルドアンは過小評価されている集団に焦点を当てると決めた。トルコは大きな国で、いくつか大規模で重要な大都市がある。イスタンブール、アンカラ、イズミルなど。しかし、この国には何千もの小さな村があり、村人たちは一般的に教育を受けていないイスラム原理主義者で、保守的価値観を持っており、彼らの声はアンカラでは聞かれていないと感じている。

 エルドアンは若い頃から宗教的で、地方に暮らす信心深い人々と一体化するのは容易だった。妻と娘がスカーフを着用しているため、人々は疎外されていると感じており、これは政府機関で禁止されていた。

 同様の戦術が2016年ドナルド・トランプに巧妙に採用された。教育を受けておらず原理主義的なキリスト教価値観を持つ農村部の支持者に彼は
焦点を当てたのだ。

 ムスタファ・ケマル・アタチュルクは現代トルコの父と考えられている。トルコのオスマン帝国400年の治世が第一次世界大戦の終わりに崩壊した後、アタチュルクは指導力を発揮し、崩壊した国に対する新しい構想を持っていた。彼はスカーフを禁止し、文書でのアラビア語アルファベット使用を禁止し、代わりにヨーロッパのように英語アルファベットで左から右に書かせた。アタチュルクは、トルコが西洋を見て、ヨーロッパに習い、アジアや中東の古いやり方に背を向けるのを望んでいた。彼には先見の明があり、トルコを世俗的で近代的な西洋風の国に変えた。

 しかし、トルコの村人たちは、トルコが奉じるようになった世俗的な考えを完全には受け入れなかった。99%がイスラム教徒だが、世俗的な民主主義として組織されている。エルドアン支持の基盤である村人たちは、現代の進歩には満足だったが、名誉のバッジとして原理主義の宗教的信念に固執した。エルドアンは彼らの票を集める方法を知っており、彼らは彼を28年間権力の座に保ち、彼らは彼を2023年5月28日に再選させた。

 エルドアンに対する多くの批判者は、ISISと同じ目標を支持するグローバル組織であるムスリム同胞団への彼の支持を指摘している。全ての政府を解体し、コーランを唯一の憲法として制定すること。イスラム教は宗教的信念というだけでなく、市民統治も含む生命システムでもある。

 エジプト、シリア、ロシア、サウジアラビア、UAEはすべて、ムスリム同胞団をテロ組織として禁止している。テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員はワシントンDCでこの集団を禁止する法案を可決しようと2度試みたが、両党の激しい反対に直面した。

 ムスリム同胞団は非常に強力で、ワシントンDC、ロンドン、ベルリンの政府とつながっている。トルコとカタールはどちらもムスリム同胞団イデオロギーと関係があり、これにより、オバマ政権のシリア攻撃のパートナーとして両国が団結したのだ。

 シリア紛争参戦

 アメリカのオバマ・バイデン政権は2011年、政権転覆を目指してシリアで武力紛争を開始した。武器はリビアのアメリカの備蓄から来て、トルコに出荷され、トルコが今日も占領しているイドリブの国境を越えて送付された。トルコは、ダマスカスの世俗的政府を変えるプロジェクトでアメリカと提携した。オバマはムスリム同胞団の力を見て、シリアで政府を打倒するためそれらを使用する計画を策定した。武器と訓練は、トルコのCIAプログラム、ティンバーシカモアに管理された。

 トルコのエルドアン支持者たちはシリア国民がエルドアンのようなイスラム主義指導者を欲しがっているという考えを売り込まれ、シリアの「自由戦士」を支援する考えに賛成した。しかし、このプロジェクトはトルコに費用がかかった。彼らは3万人のシリア難民を受け入れざるを得ず、シリアに対するアメリカ-NATO攻撃が失敗したため、彼らは6年以上長居している。計画を失敗させたのは、シリアのムスリム同胞団への支援欠如だった。自由シリア軍は解散しアルカイダとISISがそれに取って代わった。

 エルドアンもクルチダルオールも全てのシリア難民をシリアに送り返すと支持者に約束した。難民は非常に低い賃金で働くのをいとわず、賃金を高く設定する組合を持っているトルコ人労働者から仕事を奪っている。シリア人とトルコ人はイスラム教を共有しているかもしれないが、言語を共有しておらず、彼らの文化は非常に異なっている。

 野党が選挙戦に負けた理由

 エルドアンに対する反対派は彼を権力から排除するため団結した6政党の連立で形成されていた。政党の中には若く知的でカリスマ的な指導者が何人かいた。イスタンブール市長のエクレム・イマモグルはエルドアンを排除する有力候補者だったが、エルドアンは、イマモグルが候補者として立候補するのを妨げる訴訟を画策した。評論家はアンカラ市長のマンスール・ヤバスと政治家アリ・ババカンが選挙でエルドアンを打ち負かせると指摘したが、野党連合は代わりに年配の会計士ケマル・クルチダルオールを支持候補とし、彼は負けた。

 だが彼が負けたのは年齢と外見のせいだろうか? それとも彼が有権者にアメリカと完全に協力し、アメリカのあらゆる対トルコ計画や命令に従うと約束したせいだろうか? トルコの有権者は、トルコに利益をもたらさず、彼らの経済的崩壊の重要な要因だと証明されたシリア攻撃への参加を強要し、トルコの家族が慣れ親しんだものを買う余裕がないため、ほとんどの日を肉や鶏肉なしで暮らさなければならない一因となったことでアメリカを非難している。

 エルドアンは、ワシントンのポチであることから背を向け、ロシアやイランと同盟を結んだ。アンカラは独立していることを恐れたり、「アメリカ製」でない軍事製品を購入したりするのを恐れない。この成功した選挙で、エルドアンは「反米」候補者として立候補する勝利戦略で、アメリカと野党に支持されてきたトルコのLGBTQコミュニティを大いに攻撃した。アメリカの選挙干渉は、バイデン米大統領がエルドアンに負けてほしいと公に言ったほどで、その一言こそエルドアン成功の秘訣だったのかもしれない。

記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2023/05/30/secret-erdogan-success-in-2023-election/

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 スコット・リッター氏youtube番組

Scott Ritter Extra Ep. 70: Ask the Inspector (Just back from Russia!) 2:25:28

 スコット・リッター氏の今朝のニュース・レターは今回の書籍刊行記念ロシア都市歴訪実現の裏話。ロシア新聞社コムソモリスカヤ・プラウダから突然の費用全額負担招待状。

Waging Peace: In Search of the Russian Soul

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

米中関係:米国で「トゥキディデスの罠」で対中敵視政策を強調する流れ(日本等を引き連れ対中包囲網)と、細いが協調する流れーマクロン仏大統領、イーロン・マスク、「JPモルガンのダイモン。このせめぎあいの中広島サミット・コミュニケは対中非難と協調の混在

 日刊IWJガイド・非会員版

「仰天! 米軍がウクライナ紛争で使用する155ミリ砲弾が足りずに、砲弾生産に使用するTNT火薬の調達を日本に泣きついてきた!」

 そして

 【IWJ号外・会員版】

対露制裁はまったく効果なし!! ロシアを現地視察してきた元国連兵器査察官のスコット・リッター氏「ロシアは経済的な復活を遂げつつある」、対露制裁は逆に米国の覇権崩壊を加速!

2023年5月20日 (土)

イスラエルと「新しい」中東

2023年5月18日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 2020年、アメリカの支援を受けたイスラエルがUAEや他の中東諸国とアブラハム合意に署名した際、イスラエル政府は中東和平プロセス軌道を進んでいるように見えた。3年後、中国によるイラン・サウジアラビア和解仲介成功が、中東地政学の現地および国際的動態を大幅に変えたため、もはやアメリカやイスラエルによって和平はもたらされない。現地では今や益々多くのアラブ諸国が「正常化」を追求している。国際的にワシントンではなく北京が主導的役割を果たしている。明らかな理由から北京を介して間接的にさえこれら進展に影響を与えられないため、イスラエルにとって問題は積み上がる。同時に、アブラハム合意の根底にある論理が、アラブ世界におけるイスラエルの影響力を拡大し、イランをさらに孤立させることだった場合、これはもはや不可能だ。

 イラン・サウジアラビア和解は政治に影響を与えず、アブラハム合意延長の可能性に影響を与えないとアメリカとイスラエルの当局者は述べているが様々な協議にもかかわらず、合意は依然実現していない。主な理由の一つはアメリカの政権交代で、バイデン政権は中東和平と、サウジアラビアとの深い関係の両方に対するトランプ政権の熱意を共有していないが、サウジアラビアもこの合意に熱心ではない。言い換えれば、中国が主導する中東における「新しい」和平プロセスは、イスラエルにとって後退に他ならない。

 これはイスラエルとの交渉に対するサウジアラビアの立場が過去数ヶ月程度で硬化した方法から最も明白だ。アメリカ主流メディアも報じている通り、サウジアラビアはワシントンに追加の安全保障を要求しているだけでなく、原子力発電所計画を進展させる支援も求めている。これはアメリカに対するサウジアラビア向け武器販売制限緩和というサウジアラビアの要求に加えてのものだ。これら要求はサウジアラビアの「パレスチナ人の独立願望に対処するため何かをする」というイスラエルに対する永続的要求への追加だ。

 アメリカとイスラエルの観点からは、サウジアラビアは「正常化」と引き換えに、彼らから最大限の譲歩を引き出すためこのシナリオを利用しているだけだ。彼らの観点からは、中国の支援下、他の国々が政治的正常化を追求し続ける可能性が最も高い以上、イスラエルを当事者として排除する中東和平プロセスが最終的にこの地域でイスラエルの孤立につながることを考えると、彼らは最終的にサウジアラビア要求のいくつかに対処する必要があるかもしれない。皮肉なことにアメリカの立場を更に複雑にする可能性があるため、中国は最近、現実的な和平計画を策定すべく、イスラエル・パレスチナ間仲介を申し出た。アメリカがサウジアラビアを説得し損ねた場合、孤立化が悪化するのを恐れるイスラエルは、最終的に新しい和平プロセスで中国に頼る可能性がある。

 これまでのところ、アメリカはこの方向、つまりイスラエル・サウジアラビアの和平プロセスに向けて前進できていない。実際サウジの要求に対処しそこねたことが、サウジを反対方向に押しやっている。アメリカ主流メディアで再び報道されているように、イスラエルに抵抗し、アメリカに「テロ集団」と指定されているパレスチナ民兵のハマスとの関係を正常化、効率化すべくサウジアラビアは動いている。ウォールストリート・ジャーナルが報じたように、サウジアラビアの動きは

 「ハマスとの王国の和解努力は地域の当事者がシリアとの関係を再確立し、中国やロシアなどの国々が、不安定な地域での影響力を求めてアメリカに挑戦するにつれ、皇太子の外交的影響力を示すためのより大きな動きの一部だ。」

 この動きは二つの基本的な理由からイスラエルにとって大きな後退だ。第一に、それはサウジアラビアがイスラエルとの交渉を無思慮に追求しているわけではないことを示している。実際サウジアラビアの動きは、イスラエルに困難な選択を強いるためイスラエルの地域スペースを押しつぶすのを目的としている。第二に、報道はサウジアラビアが中東でアメリカに積極的に対抗していることを示している。少なくとも明らかにワシントンとエルサレムがそう見なしているのと同様にサウジアラビアがハマスをテロ集団と見なさない以上、ハマスとの関係確立はアメリカと直接対峙する。

 イスラエルの観点からは、これは重大な複雑化要因だ。以前アブラハム合意が交渉された際、根底にあった論理は、全ての「スンニ派アラブ諸国」とイスラエルの共通の敵としてのイランだった。中国外交はアラブ諸国のイランに対する見方を変えた。イランは依然ライバル国だが、これらアラブ諸国は、イランの地域的および核的な野心を抑制するため中国を間に挟んでいる。その結果、アラブ諸国は2020年に追求しようとしていたほど熱心にイスラエルとの関係を発展させる必要がなくなった。

 最近アブラハム合意署名国であるUAE政府がイスラエルとの防衛協定を延期する決定から、これが明らかになった。この決定は先月イスラエル政府によるアル・アクサ・モスク襲撃、パレスチナの町への入植者による攻撃およびイスラエル財務大臣ベザレル・スモトリッチのフワラ町殲滅発言への対応として行われた。これらの事件はパレスチナ問題の重要性が続いていることを示しているかもしれないが首長国指導部がイスラエルから離れる、より決定的な理由は、かつてのライバルのイランやシリアやハマスなどとの関係を正常化する地政学的動態の変化に関係している。今や明らかに「新たな常態」だ。

 イスラエルにとって、これは困難な状況だ。伝統的な地政学手法に固執し、積極的に利益を追求し、より広範な紛争のリスクを冒したり、「新しい」和平プロセスで中国に頼ったりすることが可能だ。しかし後者の選択肢は中東におけるアメリカの立場をさらに弱体化させるだろう。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/05/18/israel-and-the-new-middle-east/

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 スコット・リッター氏、ロシア講演。最新はボルゴグラード。ママエフ・クルガン 母なる祖国像で有名。

Scott Ritter Extra Ep. 68: Ask the Inspector (Live from Volgograd) 1:22:08

 サミット会場の宇品、中国との戦争を議論する場所として相応しい。Wikipediaにある

宇品港には続々と兵員が輸送され、この地区は大陸進出の前進基地とみなされた

 孫崎享氏のメルマガ題名で、下記記事の一節を思い出した。政府が「敵」を押しつける手口を。

ハワード・ジン「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」を語る

ゲーリングは言っています。「もちろん国民は戦争を望んではいない。なぜ畑にいる貧しいまぬけが、自分の命を戦争にさらそうなどと望むだろう?だが、結局、政策を決定するのは国家指導者だ。国民はいつでも指導者達の命令に従わせることができる。連中に、我々は攻撃されているのだと言って、平和主義者は愛国心に欠けると非難するだけで良いのだ。これはどこの国でも同様に機能する。」

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

ギャラップ社は2023年「米国の最大の敵国はどこか-%-」中国50、ロシア32、北朝鮮7、イラン2、アフガニスタン1、イラク1以下。ウクライナでロシアを敵に大々的武器支援。にもかかわらず、中国の脅威が露より大。世論自然にできるのでなく政権側の働きかけ

 日刊IWJガイド

「ゼレンスキー大統領が来日して21日のG7会議に参加! 不正蓄財の天才ゼレンスキーにさらなる支援をしてドブに金を捨てるのか!?」

※【IWJ号外】G7広島サミットの招待国、インドのモディ首相が、来日直前インタビューで「民主主義(G7中心)と権威主義(中露中心)の二極」のどちらにつくのか、という選択を拒否!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516087

2023年4月 9日 (日)

アメリカはなぜシリアを空爆しているのか?

2023年4月6日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 中国が仲介したイランとサウジアラビアの和平協定が発表された直後にアメリカがシリアへ空爆を開始したのは偶然だろうか? この協定発表に続いて、サウジアラビアは関係を正常化するためシリアとも話し合っていることが明らかになった。中国はアメリカが、この地域の地政学を有利に操作する余地をほとんど、または全く残さない形で中東を再形成しているようだ。アメリカは依然シリア領土のほぼ三分の一を支配下に置いている。ほぼ900人の兵士、説明がつかない特殊部隊と請負業者がシリアで活動して、アメリカは過去何年にもわたりシリアの統一を阻止している。だがもしサウジアラビアとシリアの関係が正常化し、トルコもそれに倣って軍隊を撤退させれば、アメリカがシリア占領を維持する余地を更に圧迫するだろう。シリアからの軍事撤退は地政学的な意味で、アメリカを中東から更に追い出す可能性がある。そこで正常化を妨害するため紛争の炎を再燃させようとアメリカは努めているのだ。

 アメリカはシリアにかなりの軍事的存在を維持しており、最近ワシントンがイランが支援するシリアの集団を攻撃するために使用したカタール空軍基地を含め、この地域に広がる空軍基地を通じてそれを維持している。アメリカはイスラム国(ロシアで禁止されているISIS)の「帰還」を防ぐためだと、シリアでの軍事駐留を公式に正当化している。しかしアメリカが実際その存在を利用しているのは、a)戦争で荒廃した国が長年の戦争から回復するのを防ぐべく、シリア石油のかなり部分を支配下に置いておくため、そしてb)イランがシリアでの地位を強化し、イスラエルに地政学的圧力をかけるのを防ぐためだ。

 しかし、これら目標は両方とも中国(とロシア)が作り出そうとしている再編された中東では実現するのが遙かに困難になる可能性がある。大きな突破口は北京が湾岸協力会議とイランの会議を主催する今年後半に起きる可能性がある。イランとGCCの関係が正常化すれば、イスラエルとアメリカがイランを中東への「脅威」として描いたり、アラブ諸国に実存的問題をもたらすイラン核計画を売りこんだりするのは極めて困難になるだろう。おそらく中国を介したイランとGCC間のいかなる和解も、イランの核開発の野心、つまり核兵器を作る意志に関する包括的和解なしには不完全だろう。

 GCC諸国にとって、トランプ政権がJCPOAから一方的に撤退し、その後ジョー・バイデン政権がこの合意を刷新できなかった後、中国は、アメリカ、EU、イスラエルを排除し、イランとGCC間で実行可能な合意を考案する最適な地政学的当事者だ。もしイランとGCCの関係が正常化し、イランがもはや敵と見なされなくなったら、アメリカは本格的な軍事駐留を維持するための地域の伝統的同盟諸国の支持を失うだろう。それゆえシリアでのイランが支援する民兵組織に対するアメリカ空爆は、イランを地域の"本当の"敵、トラブルメーカーとして描き出すためだ。

 バイデン政権が送ったメッセージは次のように書かれている。イランが米軍を攻撃できるなら、それが他の国を攻撃するのを防ぐのは何か? しかしGCCが中国(およびイラン)から受け取っているメッセージは全く違う。中国には一帯一路構想を実現するため安定した中東が必要だ。イランは、他の多くのGCC諸国と同様、投資の見返りに石油を販売するなど様々な理由で中国を必要としている。したがってイランがGCC諸国を直接または間接に(たとえばイエメンに拠点を置くフーシ派を介して)「攻撃」して不安定を生み出し、北京の利益を危険にさらし、北京に関連する重要な経済的利益を危うくするのは全く意味がない。

 イランは、サウジアラビアとアメリカの関係が理想からかけ離れているのを理解している。サウジアラビアは石油の大半を中国に販売しており、価格を下げるため石油生産を増やすというアメリカの「要求」を繰り返し拒否している。リヤドはアメリカへの過度の依存から断固離れ、中国と連携するという政治的意志があるようだ。したがってイランもGCC諸国が持っていると同じレベルの中国への信頼を持っている。

 ワシントンにとって、これは非常に深刻な進展で、外交的に元に戻す手段はない。非常に関係が悪いためワシントンはサウジアラビアに影響を与えられず、サウジアラビアはGCCの最強力国家で、ワシントンはこの集団にも影響を与えられない。アメリカは影響力を行使するために必要な外交ルートが欠如しているため、現地で持っている唯一の手段である軍に頼らざるを得ない。

 それは成功するだろうか? 単なる軍事攻撃は、アメリカがより大きな地政学的正常化プロセスに影響を与えるのに十分ではないかもしれない。したがってアメリカは古い資産、つまりジハード民兵を再活性化する必要があるかもしれない。実際メディア報道が示すように、これら集団は既にシリア支配下の領土に侵入しようとしている。先週金曜「シリア反体制政党和解のためのロシア・センター」のオレグ・グリノフ副所長は(ロシアで禁止されている)「ハヤト・タハリール・アル・シャーム過激派・テロ集団がアレッポ県のウルム・アル・スグラ入植地近くの政府支配地域に侵入しようとした」と述べた。

 古い戦略からヒントを得て、ワシントンは地域の不安定を作り出し、自分たちの妥当性を投影できる条件を再現しようとしているのだ。ワシントンにとって重要な問題はシリア戦争ピーク時にこれら民兵を直接間接支援した、地域諸国の支援を見つける可能性が低いことだ。従って中国主導の過程の妨害でワシントンが意味のある成功ができる可能性は低い。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/04/06/whys-the-us-doing-air-strikes-on-syria/

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 The Jimmy Dore Show フランスの抗議行動、BlackRockパリ本社を襲撃

French Protesters STORM BlackRock’s Paris Headquarters! 9:54

 デモクラシータイムス

気がつけば、臨戦体制 WeN20230408 1:42:39

 植草一秀の『知られざる真実』

野党分断中央突破目論む岸田首相

 今朝の孫崎享氏のメルマガ題名

米国株式と」債権の比較を行う論評(WSJ)[2007年以来、株式はこれほどまでに魅力的ではなかかったことはない]S&P 500の収益利回りと10年物国債の収益利回りの差=株式のリスク プレミアムは、約1.59%、2007年10月以来の低水準、バリュー株には魅力

 日刊IWJガイド

「欧州と中国が急接近! 欧州と米国に亀裂! 中仏声明『一つの中国の遵守』『ウクライナの平和を回復』に、米国は『停戦はありえない』と反発!」

はじめに~日本の主要メディアが伝えない! 急速に進む欧州と中国の接近! 欧州と米国の亀裂! 中国とフランスが共同声明!「一つの中国の遵守」「国連を世界の中核とする多国間国際システム」「ウクライナの平和を回復」などが盛り込まれ、国交樹立60周年を記念して幅広い両国の関係強化を明記! ブリンケン国務長官は「ロシア・ウクライナ間の停戦交渉の可能性はない」と反発、中露、中欧が関係を強化し、ウクライナ紛争の持続に固執する米国が孤立へ!? バフムートではロシア軍が前進、制圧間近か?

2023年4月 8日 (土)

壮大なユーラシア・チェス盤上の「始めから最短手数で詰みにいたる手順、フールズ・メイト」ゲーム

ロン・アンス
2023年4月3日
The Unz Review

 少なくとも一世代以上の間、アメリカ国際政策は益々「プロパガンダ省」に支配され、とうとうツケを払う時期になりつつあるのかもしれない。

 先週水曜日ウォールストリート・ジャーナルがサウジアラビアが中国の上海協力機構に加盟すると報じたが、これは中国の支援で北京で開催された交渉の後、宿敵イランとの外交関係再構築の発表からわずか数週間後に決定された。石油が豊富なこの王国は三世代にわたりアメリカの最重要アラブ同盟国で、ジャーナル記事要旨は、この劇的進展が中東における我が国の影響力衰退を反映していると強調している。

 同じ日、ロシア・ウクライナ戦争を終わらせる中国の取り組みを支援するため大統領が中国指導者と会う予定だという以前の声明に続いて、最大貿易相手国中国との取り引きにおけるドル使用を廃止するとブラジルが宣言した。地政学ドミノは急速に崩壊し、アメリカの影響力を奪いつつあるようだ。

 我が国の恐ろしい財政赤字と貿易赤字を考えると、アメリカの生活水準は特に石油販売のためのドルの国際使用に大きく依存しているため、これは非常に脅威的な進展だ。何十年間も我々は我が国の札を世界中の商品と自由に交換してきたが、それが困難になれば我々の世界的立場は悲惨なものになる可能性がある。1956年スエズ危機はイギリス・ポンド崩壊の危機で、世界舞台におけるイギリスの影響力の終焉を示したが、アメリカは自身の「スエズの瞬間」に急速に近づいている可能性がある。

 我が国の多大な努力と欧米マスコミの強い支持にもかかわらず従順な属国以外に我々の命令に従ってロシアに経済制裁を課すのをいとわない国はほとんどなく、我が国の国際的影響力が大幅に低下している更なる証拠になっている。

 1980年代以来、地政学的権力の中国への地殻変動は中国発展のほぼ必然的結果だと私は見ており、既に長年見えていたこれら強い傾向について10年以上前に説明した。

 しかし事実は今や露骨に明らかになった。数か月前、フランスを代表する学術機関の一つEHESSの研究理事長を務めるジャック・サピールは驚くべき経済統計を述べる短い記事を発表した。

 名目為替レートによるとロシア経済はフランスの半分、スペインとほぼ同じ小さな経済であるため、ウクライナ戦争勃発後課された未曾有の欧米制裁の波に対して非常に脆弱なように見えたと彼は説明した。だがロシアはほとんど無傷で生き残り、逆に深刻なエネルギー不足や深刻なインフレや、その他深刻な経済的ストレスに苦しんでいるのは欧米で、これら比較は単なる幻想だったと示唆している。

 対照的に遙かに現実的な購買力平価(PPP)指標によると、ロシア経済は実際は遙かに大きく、ドイツ経済に匹敵する。だがその基準さえ国際的な力の本当のバランスを大きく過小評価している。

 欧米諸国では経済活動全体においてサービスが圧倒的割合を占めており、これら統計は遙かに操作されやすい。麻薬取り引きや売春や他の犯罪行為も合計に含めるべきで、我が国の繁栄尺度とされるものを押し上げられるとさえ一部経済学者は主張している。

 対照的に、激しい国際紛争の時期には、GDPの生産部門(産業、鉱業、農業、建設)はおそらく相対的に経済力の遙かに優れた尺度で、ロシアはその範疇では遙かに強力だ。したがってロシアの名目GDPはフランスの半分に過ぎないが、実質生産経済は2倍以上で、相対的経済力は、ほぼ5倍違う。これはロシア経済を不自由にすると予想されていた欧米制裁を、なぜそれほど簡単に乗り越えたか説明するのに役に立つ。

 サピールが同じ分析を他国に拡張すると結果は一層顕著になる。我々の不誠実な主流メディアは常に中国を世界第2位の経済大国と表現するが、CIAのワールド・ファクト・ブックを参照すれば誰でも確認できる通り、実際は数年前、実質的にアメリカを上回っていた。だが中国の近代的経済の44%はサービスで構成されるが、アメリカのサービス部門(広告、小売り販売、教育、個人的サービス、ダイバーシティ・コンサルティング)は全体の80%近くに達し、本当の生産高は残りのわずかな部分でしかない。

 サピールの表の1つは、2019年の昔に中国の実質生産経済は既にアメリカの三倍の大きさだったことを示している。

 実際2017年までに中国の実質生産部門はアメリカ、欧州連合、日本の合計を上回っていた

 アメリカを支援する連中は技術や技術革新における我々の優位とされるものにしばしば慰めを見いだすが、過去我々の優位は巨大だったが現在や将来、さほど真実ではなさそうだ。2018年までに世界全体のほぼゼロから60%以上に増加し、アメリカのシェアのほぼ5倍になった過去40年間、中国特許出願の驚異的成長を示す図をサピールは示している。

 これら公式統計が現実世界に影響を与えるいくつかの経験的証拠がある。アメリカ企業は世界の消費者にとって非常に重要なソーシャルメディアやスマートフォンという生態系を作りだし、完全支配し、何年も彼らの立場は難攻不落に見えた。しかし最近のWSJ記事によると現在アメリカで最も人気のスマートフォン・アプリ5つのうち4つは中国製で、Facebookは5位だ。我々の超党派政治支配層の主な反応は、かつて衰退しつつあるソ連のノーメンクラトゥーラが西洋のブルージーンズとロック音楽を必死に禁止しようとしたのと同様に、我々の若者の間で非常に人気のあるTikTok禁止で脅かすことだった。

 技術と経済競争力における中国のこの急速な台頭は驚くべきことではない。物理学者のスティーブ・スーが2008年に指摘したように、国際心理測定データによると、アメリカの人口にはおそらくIQが160以上の約10,000人の個人がいるが、中国の合計は約300,000人で、30倍だ。

 中国最大の戦略的脆弱性は巨大な産業基盤を養うため輸入エネルギーと原材料に依存していることで、国際的な紛争の間、アメリカはそのような重要な供給を阻止するため海の支配を利用する可能性がある。しかしロシアはそのような資源の世界最大の宝庫を持っており、我々の絶え間ない敵意は、最近モスクワ・サミットで強調されたように、ロシアは隣国中国をしっかり抱きしめている。

 このように我々自身の行動は、アメリカを支配的な世界的地位から排除する可能性が高いと思われる強力な中国・ロシア同盟を構築した。そのような結果は、30年前のソビエト連邦崩壊に匹敵する歴史的規模の出来事になるはずだ。

 ハーバード大学のグレアム・アリソンは私が高校在学中その地位を引き受けたケネディ行政大学院の初代院長で、彼の影響力ある2017年のベストセラー『米中戦争前夜――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ』で「ツキジデスの罠」という言葉を造語し、台頭する中国と世界を支配するアメリカ間のほぼ避けられない紛争を彼は恐れていた。しかしロシアに対する我々の不合理な敵意は今や地政学的景観を変え、先週彼はForeign Policyのページで中国-ロシア同盟は、おそらく我々自身を上回っていると主張した。

 彼の最後の段落は全文引用する価値がある。

 国際関係論入門講義の初歩的命題は「私の敵の敵は私の友人だ」と述べている。中国とロシア両国と同時に対立することで、アメリカ合州国は元アメリカ国家安全保障問題担当補佐官ズビグニュー・ブレジンスキーが「苦しむ人々の同盟」と呼んだものを作り出すのを助けてしまった。これにより習主席は、冷戦でのアメリカの勝利に大きく貢献した方法で、中国とアメリカの主敵であるソビエト連邦との間のギャップを拡大した1970年代のワシントンの成功した「三国間外交」を逆転できたのだ。今日、中国とロシアは、習主席の言葉を借りれば、同盟国より緊密だ。

 習とプーチンは両国の現大統領であるだけでなく事実上任期の満期がない指導者であるため、アメリカは世界で最も重大な宣言されない同盟に直面していることを理解する必要がある。

 アリソンによれば、現在我々は、30年以上前のソビエト連邦の崩壊に続く、アメリカの揺るぎない世界支配の終わりを目撃しているのだ。したがって冷戦紛争勝利後期に我が国の成功した戦略の主要設計者だったポーランド生まれの政治学者ズビグニュー・ブレジンスキーの見解を引用したのは非常に適切だった。

 ハーバード大学とコロンビア大学両方で長年「現実主義」派学者であるブレジンスキーは、1973年の三極委員会の主要主催者で、1976年にカーター政権の国家安全保障顧問に任命され、ライバルのサイラス・ヴァンス国務長官に対し、より強硬な見解で徐々に優勢になった。彼は特に自身の母国ポーランドの強力な連帯運動を含む東ヨーロッパの反体制活動を強く支持し、ソビエトが支配するアフガニスタンのイスラム教反政府勢力への大規模軍事援助も組織した。これらの努力は、おそらくソ連を致命的に弱体化させる上で重要な役割を果たした。

 確かにブレジンスキーは社会民主主義的傾向が強い民主党員だったが、外交政策の立場は共和党保守派に非常に賞賛され、1980年のカーター敗北後もロナルド・レーガンが同じ役割にとどまるように彼に頼んだと後に主張さえされた

 1980年代半ばまでに、ブレジンスキーはソビエト共産主義が末期的に衰退していると確信するようになり、1989年に彼は「20世紀における共産主義の誕生と終焉」という予言的副題を付けた『大いなる失敗』を出版した。この作品はベルリンの壁崩壊が時代の終わりを示すほぼ一年前に印刷された。

 鉄のカーテン崩壊は、分断から二世代後に、ヨーロッパの切断された半分を再結合させ、これに続き二年後、ソビエト連邦の衝撃的崩壊と崩壊が起きた。モスクワは即座に何世紀にもわたり支配してきた領土を失い、後継国ロシア国境のほとんどは1682年ピョートル大帝治世前の状態に押し戻された。

 突然のソ連消滅は地政学的景観を完全に変え、世界史上唯一の状況である世界支配を実現させて、アメリカを世界唯一の超大国にした。

 ブレジンスキーは世界的激変の結果を検討し、1997年に我々の未曾有の国際的立場を要約し、題名の「グランドチェス盤」を構成する地域であるユーラシア大陸での我々の新たな支配を強化するための地政学的政策を概説した短いが影響力のある本The Grand Chessboard『地政学で世界を読む――21世紀のユーラシア覇権ゲーム』を出版した。

 何年にもわたり、ブレジンスキーは恒久的アメリカ世界覇権戦略を提唱しているという非難を頻繁に目にしたが、そのような批判者は彼の考えを全く違うイデオロギーの道をたどったネオコンが支持する粗雑な勝利主義と混同していたと私は思う。私はとうとう数年前彼の本を読み、アメリカがユーラシア大陸で直面する危険と機会に関して、著者が我々の世界支配は一時的状態にすぎず、恒久的に維持するのは不可能だと繰り返し強調する非常に思慮深く穏健な分析に遭遇した。

 アメリカは彼の国で、彼は確かに我々のグローバルな地位を強化拡大するための同盟やその他の措置を提案していたが、彼は挑発的や急な行動は避け、中国、ロシア、日本、そしてより大きなヨーロッパ諸国などの他の大国の正当な地政学的利益に適切に対応し、合理的かつ抑制された方法でそうしようとしていた。

 彼の本はアメリカの威信と影響力の絶対的頂点近くに現れ、数年後の9/11攻撃の余波、ブレジンスキーは、中東の安定を破壊し、我が国の信頼性を浪費し、何兆ドルも費用がかった悲惨な過ち、ネオコンの影響を受けたブッシュ政権のイラク戦争計画に対する強力な批判者になった。1970年代半ば以来、彼の最も近い同盟・協力者は後に3つ星将軍として1980年代半ばにロナルド・レーガンのためNSAを運営した元軍事補佐官ウィリアム・オドムで二人は後にイランとの即時戦略的和解とイラクからの撤退を促した。

 我々が最近経験している劇的地政学的変化が、私にブレジンスキーの1997年の短い本を読み直すよう促し、そうすることで私の記憶を完全に確認できた。早い段階で彼はアメリカ世界支配の主な理由を述べ、それらのほとんどが少なくとも一世代、おそらく更に長く続と期待していた。

 要するにアメリカは四つの決定的領域で世界的に優位にある。軍事的に比類のない世界的広がりを持っている。経済的には日本とドイツ(どちらもグローバル大国の他の属性を享受していない)によっていくつかの点で挑戦されたにせよ、世界成長の主要機関車であり続ける。技術的にはイノベーションの最先端分野で全体的優勢を維持している。そして文化的に、いくらかの粗雑さにもかかわらず特に世界の若者の間で比類のない魅力を享受しており、その全てが他の国が匹敵できないほどの政治的影響力をアメリカに与えている。アメリカを唯一包括的世界超大国にしているのは、この四つ全ての組み合わせだ。

 ポーランド生まれの著者は確かに祖国の伝統的敵ロシアに対し、いくらか深い個人的敵意を持ち、彼の本はロシア国家衰退のどん底近くで書かれたが、そのような敵意の痕跡しか見えず、彼は復活したロシアが、拡大ヨーロッパ、かつてミハイル・ゴルバチョフが奉じた「共通のヨーロッパの家」に首尾よく統合する可能性を十分に考慮していた。彼はイスラム世界の不安定さについて多少懸念を表明していたが、9/11後の悲惨な中東戦争は想像を絶する無謀さと愚かさの行為に見えたはずだ。

 彼のユーラシア分析の最後から二番目、最長の章は「極東のアンカー」と題され、彼はその地域を「人間の進歩で匹敵するもののない経済的成功」を経験していると説明した。彼は工業化離陸段階でイギリスとアメリカはそれぞれ生産量を二倍にするのに約半世紀要したが、中国と韓国両国はわずか10年で同じ結果を達成したと述べた。ブレジンスキーは不幸な状況がない限り中国は必ず世界を率いる経済大国に成長すると確信しており「中国の歴史は国家の偉大さの一つだ」と適切に認識しながら、自国が構築した世界システムに中国を組み込むことを目指すべきだと信じていた。

 中国の可能性に対するブレジンスキーの評価は非常に好意的だったが、1997年の分析は実際は予測上非常に慎重だった。彼は「異様に並ならぬ効果的な国家指導部の組み合わせ」や他の多くの有利な条件が必要で、中国の目覚ましい経済成長率が更に数十年続くかどうか疑っており、「これら全ての肯定的要因の長期にわたる組み合わせは疑わしい」と主張していた。

 その代わりに彼は2017年頃までに中国の総GDPが日本よりかなり大きくなる可能性があるという従来の予測に傾き、中国を「アメリカやヨーロッパとほぼ同等のグローバルパワー」だとした。しかし現実には、その年までに中国の実質GDP日本の四倍以上になり実質工業生産はアメリカと欧州連合を合わせたものより大きかった。

 したがって今日の世界における中国の経済的重みはブレジンスキーの1997年の予想を遙かに上回っており、その違いは我が国の政治指導部が完全に無視している彼の戦略的警告の重要性を強調しててる。本で彼は繰り返しアメリカが直面する最大の危険は我々が不必要に主要なユーラシア諸国に敵対し、彼等が我々に対し団結するかもしれない場合だと繰り返し強調していた。

 最後に将来の政治連携を含む、いくつか潜在的な不測の事態にも注意する必要がある...アメリカ合州国は、アメリカをユーラシアから追い出そうとする地域連合にどう対処するか決定しなければならないかもしれない。潜在的に最も危険なシナリオは、中国、ロシア、そしておそらくイランの大連立、イデオロギーではなく、相互に補完的な不満で団結した「反覇権」連合だ...この不測の事態を回避するためには、どれほど遠く離れていてもユーラシアの西、東、南の国境でアメリカの地政学的手腕を同時に示す必要がある。

 しかしロシアを中国とイラン両方と同盟させる連合は、アメリカが中国とイランを同時に敵対するのに十分なほど近視眼的な場合にのみ発展可能だ。

 最近の出来事を考えると彼の予言的警告は完全に無視された。その代わり我が国の政治指導部は彼の提案をまさに逆転させるのを選び、彼が想像したより遙かに中国が強くなったにもかかわらず、彼らはそうしている。

 ブレジンスキーはこれら重要な進展のいくつかを認識しており、2017年に亡くなる前年分析を更新し、アメリカ支配の時代は既に終わりに近づいており、我々はその現実を認識すべきだと宣言した。

  • グローバル再編に向けて
    世界支配の時代が終わるにつれ、アメリカは世界の権力構造再編を主導する必要がある。
    ズビグネフ・ブレジンスキー •American Interest •2016年4月17日

 彼の懸念に耳を傾け、それに応じて政策を調整するのではなく、我々の政府は不可能なアメリカ世界覇権を維持しようとする粗雑な戦略を強化している。

 我々の指導者連中は壮大なユーラシア・チェス盤で「開始状態から最短手数で詰みにいたる手順のフールズ・メイト」ゲームすると決めたようだ。

記事原文のurl:https://www.unz.com/runz/playing-a-game-of-fools-mate-on-the-grand-eurasian-chessboard/

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 Alexander Mercouris イギリス国防省、悲観的な報告。バフムートでロシア前進。

UK MoD Admits Bakhmut Crisis, Russia Storms Pervomaiskoyev, Encircling Avdeyevka; Macron Fails 41:55

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

転載:政権批判すると「飛ばされる」 放送法解釈変更、TV局萎縮の実態(毎日/4/7 放送法の「政治的公平」:「(15年の)あの時期に、局内のスタッフだけでなく、骨太な政治の話題をずっとやってきた外部スタッフも交代させられたり、」

 日刊IWJガイド

「仏マクロン大統領、EUのフォン・デア・ライエン欧州委員長が訪中! 李強総理は、中国と欧州で手を結ぼうと大胆な提案!」

はじめに~中国が今、世界史を動かしている! 習近平国家主席はフランスのマクロン大統領、欧州連合(EU)のフォン・デア・ライエン欧州委員長と3者会談を行う。李強総理は欧州を米国と切り離して一つの「文明圏」と見なし、中国という文明圏と手を結ぼう、と大胆な提案! 同時に、イランとサウジアラビアの外相が、この同日、中国の北京において会談し、それぞれの国の大使館と領事館を再開することに合意!

2023年3月31日 (金)

シリア人にはアメリカ占領者を攻撃するあらゆる権利がある:物語のマトリックスの端からのメモ

2023年3月25日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く。

 欧米世界は全く同じ類のマスメディア過誤を繰り返しながら、やみくもにアメリカに従って更に多くの紛争や軍国主義に従事し、厳粛にイラク侵略20周年を記念している。

 もし皆様が、中国がアメリカの世界支配を脅かし始めたまさにその時に、欧米世界が突然 極端に中国の人権実績に興味を持ったのは偶然の一致だと思われるなら、皆様は人前で恥をかかせられるのに値するおべっか使いの馬鹿だ。

 漏洩した2017年国務省メモが、中国やロシアや北朝鮮やイランなどの国々で人権侵害を攻撃しながら、アメリカと連携する国の人権侵害は無視するのはアメリカ政府の政策だとはっきり認めている。こんな演技を受け入れるのはやめなさい。

 中国は中国の内部問題を解決するのに何千年もかけてきた。社会病質的な少数が、戦車隊員がそう言うと考えるからといって、彼らは突然ワシントンやロンドンやキャンベラの1群のもったいぶった白人連中の手助けを必要としない。中国の問題の対処は中国人に任せろ。

 中東に住んでいる人々には駐留に反対する占領軍を攻撃するあらゆる権利を持っており、それら占領軍には報復する正当な権利はない。

 

 それら米軍占領に反対する人々によって殺されたり負傷させられたりした全てのアメリカ人は、アメリカ帝国が彼らを派兵したから殺されたり負傷されたりしたのだ。彼らに起きたことは、敵対的占領に合法的に抵抗する人々の過ちではなく、帝国の過ちだ。

 シリアのアメリカ占領者に対する攻撃がイランに「支援されている」という主張は決してやみくもに信じるべきではないが、はっきり言っておくと、イランがこの紛争に関与するのは完全に合法的だ。イランはシリアの同盟国でシリア政府の許可を得てシリアにいる。これらのいずれもアメリカにはあてはまらない。多分もっと重要なことにイランは中東にあり、従って非常に中東に関与するのに、アメリカより多くの正当性がある。

 たとえアメリカ人評論家や政治家がTikTokについて言っている全てが真実(もちろんそうではない)だとしても、それはアメリカ政府がアメリカのソフトウェアで我々にしていることの恐ろしさよりずっと少なく、ホワイトハウスに大規模な新たな検閲権力を与えるより恐ろしさはずっと少ない。もし皆様がアメリカ帝国の支配下の場所で暮らしておられるなら、アメリカ政府が皆様に対して実際の権力を持っているから、どんな情報収集でも、アメリカ政府が自身のために準備する検閲政策は皆様の生活に本当に関連しているのだ。中国政府はそうではない。これは脳みそがスープではない誰にとっても明らかだ。

 修正第1条が言論の自由あるいは報道の自由を要約して「議会が法律を作るべきじゃない」とはっきり言っているのに、全てのアメリカ人TikTokユーザーに文字通り、まさにそれをする準備を議会がしているのは狂っている。

 シャベルより先進的な技術を理解せず、インターネットが魔法の豆から来ると思っているアメリカ下院議員が全員に影響を与えるオンライン・プラットホームについて決定をしているのも狂っている。

 

 オーストラリアの腐敗したメディアが、中国との戦争でわが国はアメリカに従わなければならないと言っているのは問題ではなく、連中がほぼ確実に正しいのが問題なのだ。これは我々オーストラリア人が直ぐさま、これをもたらすアメリカと我々の同盟を終了するよう要求しなければならないことを意味する。もしアメリカが中国に対する戦争をするなら我々は後に続かなければならないと言う時は連中は不正直ではなく、連中が即座に「よし、それなら我々はどうすれば、これほど非常に支離滅裂な狂気状況から即座に脱出できるのか?」と尋ね損なっているのが連中の不正直さなのだ。

 それがワシントンやアーリントンやラングレーででっち上げられる様々な愚かな狙いを推進するため、主要貿易相手国と我が国が戦わなければならないことに気がついた時の唯一健全な対応なのだから。我々はこの状況から脱出するためにはどうすべきか考えよう。我々は何をする必要があるのか? どんな同盟を廃棄する必要があるのか? 我々は誰の事務所を襲撃する必要があるのか、我々は誰の机の上を叩く必要があるのか? これら質問をし損なうのは職業的怠慢だ。なぜなら中国と戦争すれば我が国は破壊されるから。絶対それを阻止しよう。そんなことは起きようがない

 アメリカが我々を想像できない恐怖の戦争に引きずり込むと我々に言っても、オーストラリア・メディアは犯罪的ではないが、それを受け入れる必要があり、その考え方に慣れろと我々に言うのは、オーストラリア・メディアの犯罪だ。ばか野郎。そうではない。すぐさま、この第三次世界大戦の罠から我々を救出しろ。

 史上まさに今ほどオーストラリアで強力な戦うジャーナリズムが必要なことはなく、史上オーストラリア・メディアは今ほど仕事に相応しくないこともなかった。

 もし皆様が私が通常そうしているように、アメリカの帝国の中枢に焦点を合わせる代わりに、なぜ最近自国についてそれほど多く書いているのかと思われるなら、それが理由だ。彼らがそうすることが最も緊急に重要なのに、我々の無価値なゴマすり報道機関が連中の仕事をきちんとしていないせいだ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2023/03/25/syrians-have-every-right-to-attack-us-occupiers-notes-from-the-edge-of-the-narrative-matrix/

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 The Jimmy Dore Show 中国人にシリアでのアメリカ兵駐留について問われ、支離滅裂な回答をする国連報道官。「国連」の本質がわかる。そもそも「国連」という翻訳は誤解を招く。第二次世界大戦時の「連合国」の実態は変わっていない。。

UN Spokesman Claims U.S. Soldiers Are Not In Syria – Gets IMMEDIATELY Owned! 6:09

 植草一秀の『知られざる真実』

日本政治を刷新する方法

 日刊IWJガイド

「忘れてはいけない、統一教会の『正体』! 自民党と統一教会との癒着報道が下火になる中、統一地方選が始まる!」

2023年3月29日 (水)

アメリカ・NATOによる攻撃と破壊を生き延びたイラクとシリア

Steven Sahiounie
2023年3月24日
Strategic Culture Foundation

 2003年3月と2011年3月には大いに共通点があるが、それは物語の始まりではないとSteven Sahiounieは言う。

 政権転覆のためのアメリカによる対イラク攻撃20周年記念日は政権転覆のためのアメリカによる対シリア攻撃の12周年記念日と重なる。2003年3月と2011年3月には大いに共通点があるが、それは物語の始まりではない。

 中東で隣接する二国の破壊は1996年に「イラク戦争の設計者」として知られる男が書いた「A Clean Break 決別」と呼ばれる戦略論文から始まった。

 ニューヨーク出身のアメリカ・ユダヤ人リチャード・T・パールが「A Clean Break 決別」の一部を書いている。この話題で、ユダヤ人として生まれたことは最重要ではないが、イスラエル工作員であることは重要だ。機微で極秘のアメリカ計画で働く場合には試験があり、本人の忠誠心が世界のどこかの他国ではなく、アメリカに対するものだという宣誓だ。パールはアメリカ人だったが彼の忠誠心は別の国にある。

 パールはちょうどイスラエル首相に選出されたベンヤミン・ネタニヤフにこの論文を送った。この論文はアメリカがイラクとシリアを攻撃し破壊する理由を提示している。ビル・クリントン大統領の就任後、この論文を実行するよう彼に渡されたが彼は拒否した。だが2001年9/11、ニューヨークWTC爆撃の頃には、この論文の埃を払う機が熟し、パールと仲間はジョージ・W・ブッシュ大統領が熱心な協力者であることに気がついた。

 パールはアメリカが他の国々を攻撃する理由を作り上げる責任を負う防衛政策協議会委員長だった。国防総省は方針は決めず、計画された攻撃が成功裏に実行できるかどうか報告するよう依頼されるだけだ。こういう格言がある「軍人の仕事はなぜか疑わないことだ。軍人の仕事は戦うか死ぬかだ」。アメリカによる戦争や攻撃でペンタゴンを非難するべきではなく、大統領執務室や国務省やCIAや防衛政策協議会をこそ非難するべきだ。

 9/11攻撃はアメリカに何百人もの信奉者がいるムスリム同胞団と同じイデオロギー、過激イスラム政治イデオロギーを奉じるテロ集団アルカイダ指導者であるアフガニスタンに暮らすサウジアラビア国民オサマ・ビンラディンの命令で実行された。

 ブッシュ政権がいかにしてアルカイダをイラク指導者サダム・フセインと結びつけられるかが「ごまかし」だった。CIA長官ジョージ・テネットはブッシュに繰り返し、つながりはないと言った。

 ブッシュ政権の二番目の戦略はサダム・フセインが「大量破壊兵器(WMD)」を持っていることを理由にイラク侵略を正当化することだった。CIAは、いかなる事実にも基づかず、フセインがWMDを持っているかもしれないという考えに基づいてその前提を支持することが可能だった。大量破壊兵器について尋ねられて、テネットは「我々がそこに行けば、それを見つけるだろう。」と答えた。WMDが今までイラクのありとあらゆる場所を捜索した何千人もの大いに熟練した武装アメリカ兵が発見できなかったので、長年の夢想だと判明した。

 するとアメリカ国民や議会は一体どうしてブッシュ政権のウソを信じるようになったのだろう? アメリカの主流メディアが実現したのだ。ブッシュ政権は最も評判が良い放送局の主要ジャーナリストに誤情報を手取り足取り教えたのだ。ジャーナリスト連中は自分ではWMDに関する情報を実証できず、アメリカ政府高官という連中の情報源を開示するのを拒否した。メディアの共犯がなければイラク戦争正当化は決して信じられなかったはずだ。

 バグダッドへの最初の爆撃の日に至る出来事は実に急速に進展したため、疑念の「警告」が見過ごされた。ブッシュが世界にテレビで彼が24時間で爆撃開始を命令すると発表したとき、ハンス・ブリックスはバグダッドのホテルに戻っていた。ブリックスは、ホテル入り口で、顔にマイクを突きつけられて盲点を突かれた。最初彼はブッシュの命令を信じず、フセインはWMDを持っておらず、兵器は既に破壊されたとイラクの多数の場所への訪問結果を繰り返した。

 だがそれは爆撃が時間通りに始まるのを決して阻止しなかった。爆弾がバグダッドじゅうに投下されていた時には、ブリックスはNYCに戻って、ブッシュ攻撃はウソに基づいているという彼の詳細なレポートを国連事務総長潘基文に送っていた。この全てはメディアで報道されたが、戦争機構を止めるには遅すぎた。

 アメリカは孤独ではなかった。イギリスや多くのNATO同盟諸国がブッシュのイラク戦争に参戦した。彼ら全員に何百万人もの命を犠牲にした正当と認められない戦争参戦に責任がある。アメリカ同盟諸国は、参戦決定は彼らがアメリカ諜報情報を信じ、ウソを信じた事実のせいにしている。アメリカの指揮に従うというもう一つの決定要因はアメリカが唯一の「超大国」だという事実だった。国際社会が新しい多極世界を認めるにつれ、それらの日々は終わっている。

 1996年にパールがイスラエル指導者のために「A Clean Break 決別」を書いた時「一つ買えば、もう一つおまけ」という類いの発想で対シリア攻撃も含まれていた。同時にイラクとシリア両方を破壊しろ、そうすればイスラエルはより安全な場所になる。ドナルド・ラムズフェルドが2003年の対イラク攻撃計画に関与した際、彼はシリアを含めないよう勧めた。二国の破壊は達成するにはあまりに大きな目標と分かっていたことに基づいて彼の決定をしたのだ。彼はイラクにのみ破壊の焦点をあてると決めたのだ。

 シリアは攻撃されず、隣国での戦争は国境外にあふれ出なかった。シリアは200万人のイラク難民を受け入れ、2009年にアンジェリナ・ジョリーとブラッド・ピットは彼のイラク難民に対する門戸開放政策のためにダマスカスを訪問し、アサド大統領と会った。

 シリア破壊計画は1996年のパール論文で始まり、2011年3月までに既にオバマ大統領政権が「新中東」を作る計画を始動し、オバマはリビア攻撃、侵略と占領を支援するためNATOを利用した。リビアに対するアメリカ・NATO攻撃は違法とされるムスリム同胞団のシリア人支持者を使い、後にアルカイダ、最終的にISISのような過激イスラムを奉じる国際テロリストに置き換えられた対シリア攻撃の前兆だった。

 現在イラクは破壊されたままだ。一度も再建されたことがない。広い地域に依然水道や電気や医療がない。イラクのインフラは壊れている。イラク憲法は侵略者に立案され、派閥、民族の割当制の議会を設置した。アメリカで宗教や民族に基盤に議員を決めることなど考えられないが、アメリカ侵略者が、人の両親が誰か、どこに住んでいるかに基づく実行不可能な制度で国を腐敗に縛りつけるイラク憲法を起草したのだ。アメリカはイラクの政府形態は議会制だと主張したが、これはアメリカの大統領制と異なり物事を実行できる中核となる指導者がいないため国を混乱に陥れたままにしている。

 シリアはアメリカ・NATO攻撃に抵抗し、国民も抗戦した。12年後の今、シリア国民の未来には、明るい日々の可能性と再建の希望が存在している。イラクでも、一般人に残虐行為を犯した残忍な侵略者の手にかかって彼らが耐えた苦しみも歴史のページのかなたに消え、安全と繁栄の新しい章が始まる希望がある。

記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2023/03/24/iraq-and-syria-survived-the-u-s-nato-attack-and-the-destruction/

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 Democracy Now 未曾有の大規模全国的抗議行動を報じている。さすがのネタニヤフも司法制度改悪を延期。

Palestinians to Pay the Price as Netanyahu Pauses Judicial Overhaul While Further Empowering Far Right 35:50

 孫崎享氏講演 IWJによる中継! 参加者の方々とのやりとりもかみ合っている。

ライブ配信 【3/28. 19時~】たんぽぽ舎・新ちょぼゼミシリーズ「オルタナティブな日本を目指して」~台湾有事と日米軍事同盟」―登壇:孫崎享氏(元外務省国際情報局長) 2:12:22

 日刊IWJガイド

「本日午後3時半から、岩上安身による経済産業研究所コンサルティングフェロー・藤和彦氏インタビューをフルオープンで生配信します!」

はじめに~<本日の岩上安身によるインタビュー>ノルドストリーム爆破事件の教訓、米国は誠実な同盟国と言えるのか?「自国の国益のためには同盟国の利益をも犠牲にする」国際政治の厳しい現実に日本も目を向けよ!~本日午後3時半から岩上安身による経済産業研究所コンサルティングフェロー・藤和彦氏インタビューをフルオープンで生配信します!

本日【IWJ号外】を発行します! シーモア・ハーシュ氏の続報の第2弾!「隠蔽」を仮訳! 副題は「ノルドストリーム・パイプライン破壊の責任を隠し続けるバイデン政権」! 情報操作が成功するのは、その受け手が、「望ましくない真実を矮小化したり、置き換えたりできるストーリーを必死に求めている場合だけ」! 捏造記事を書いた『ニューヨーク・タイムズ』の記者たちは見事にこの条件にあてはまった!

2023年3月21日 (火)

アメリカを置き去りにする地政学の地響き

2023年3月20日
Moon of Alabama

 先月、我々は驚くべき地政学的発展を見た。

 2月、中国はアメリカ覇権を公に非難し、世界的安全保障構想を発表し、ウクライナ和平計画を提示した

 3月10日、中国はサウジアラビアとイランの国交回復合意を仲介した

 3月15日、モスクワはシリアのバッシャール・アルアサド大統領を盛大に歓迎した

 昨日、アル・アサドと妻アスマはシェイク・モハメッドとの会談のためUAEを訪問した

 また昨日、イランとイラクはCIAが支援するクルド人の対イラン活動を止める安全保障協力協定に署名した。

 また昨日、サウジアラビアのサルマン国王はイラン大統領をリヤド訪問に招待した。

 過去30年アメリカは中東を裏庭と見なしていた。20年前アメリカはイラクを違法に侵略し、10万人の死と数十年の混乱を引き起こした。現在中国は平和的手段により、わずか一か月以内に中東のバランスを変えた。

 本日、中国の習主席はロシアのプーチン大統領との3日間会談のためモスクワに到着した。プーチン大統領による文章が人民日報に掲載され、ロシア・メディアは習主席の署名入り文章を掲載した

 アメリカはウクライナに対する中国の和平提案が確実な地歩を得るのを恐れている。アメリカは停戦和平交渉に公然と反対している。それはウクライナが決めるものだと私は思っていたが?

 プーチンは中国の和平計画を公式に支持する可能性が高いが、アメリカは実際和平が実現するかもしれないと疑心暗鬼だサウジアラビア・イラン合意を破壊したいとすら思っているかもしれない。

 ちなみに中国の人々は世界で最も幸せだ。

 習主席とプーチン氏は現在、多国間グローバル・ショーを展開している。バイデンと彼の周囲の不幸な「一極覇権主義」連中は取り残されている。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2023/03/geopolitical-rumblings-leave-us-behind.html

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 「簡にして要を得る」の見本。この記事にある中国が発表した覇権主義批判文US Hegemony and Its Perilsを読む予定。ブルームバーグが簡単に報じているだけ。属国大本営広報部は完全無視するのだろうか? 大政翼賛会番組を一ヶ月見るより遙かにためになるだろうに。

2023年3月17日 (金)

イラン-イスラエル「影の戦争」

2023年3月11日
ビクトル・ミーヒン
New Eastern Outlook


 2023年が始まってからわずか2か月しか経っていないが、隠すことなく絶えず間イラン領攻撃準備をしているテルアビブのせいで、いつ何時勃発しかねないイスラエル・イラン間で進行中の潜在的な紛争で、既に波乱に富んでいることが分かっている。

 シリアの首都ダマスカスでのイスラエル空爆で5人死亡し、何棟かのビルが損害を受けたばかりだ。ロイター通信社が引用した欧米の諜報局員二人が、攻撃目標はイランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が運営する物流センターだったと述べた。

 このシリアの首都中心での攻撃は1月の二つの「注目に値する」事件に続くものだ。1月28日夜、イラン中央部の都市イスファハンで無人飛行機が軍事施設を攻撃した。これに翌日夜速くイラクからシリアに入ったイラン軍用トラック車隊に対する別の空爆が続いた。これら全ての機密活動はイスラエルが実行した可能性が高いと専門家は考えている。

 これまで10年間にわたり、IRGCが近代的兵器をレバノン地域の民兵、特にヒズボラに移転するのを阻止するためイスラエルは頻繁に空爆作戦を行ってきた。シリアではIRGCから軍の足場を奪おうとした。実際1月29日のイラクとシリア間のカーイム国境検問所攻撃現場はこのような攻撃を頻繁に受ける地域だ。イスラエルはイランの無人飛行機とミサイル生産施設や核開発計画に対する一連の秘密攻撃と破壊工作の背後にいると見なされている。加えてイスラエルは主要イラン核科学者たち、特に2020年11月テヘラン付近の道路待ち伏せによるモフセン・ファクリザデ殺人容疑者でもある。2023年に盛んになった攻撃が地政学的優先事項を変える時期に、イスラエルがこれら並行作戦を加速強化している兆しかもしれない。

 制裁緩和と引き換えにイランのウラン濃縮制限を目指した公式には包括的共同行動計画として知られる2015年のイラン核合意は、テヘランの最善の努力にもかかわらず事実上機能を失っている。国際原子力機関IAEA長官ラファエル・マリアノ・グロッシによれば、アメリカが挑戦的に合意から撤退した後、テヘランは核開発計画を制限しなかっただけでなく「何発かの」核兵器を製造できるほどウラン濃縮度を高めた。グロッシは濃縮レベルがイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相が2012年に警告したレベルを「とっくの昔に越えた」と指摘した。当時ネタニヤフはイランが核兵器を作れる前にどれだけ高濃縮ウランが必要か例示するため有名な爆弾を描写する漫画ポスターを国連で展示した。イランは核兵器を製造し、今日でなくとも明日イスラエルを破壊しかねないと彼は国連加盟諸国を脅迫した。その時から11年過ぎたがイランは最高指導者のファトワに忠実で核兵器を製造しなかった。誰かが中東で戦争を引き起こしているとすれば、それはまず第一に、ほぼ毎日シリアに爆弾投下し、イラン領に対し、いわれない秘密攻撃をし、毎日文字通りパレスチナのアラブ人を破壊しているイスラエルだ。

 この文脈とネタニヤフが極右有派を擁する不安定な連立政権連合のトップに返り咲いたことを考えると、今後数週間から数か月の間に、イランや、より広い地域でさらなるイスラエル攻撃が行われる可能性が高い。「両方の攻撃はイランがシリアとヒズボラを軍備強化し核兵器獲得を阻止するためのイスラエルの長距離阻止作戦の継続だと思う」とワシントン近東政策研究所」の防衛・安全保障アナリストでアソシエイトフェローのファルジン・ナディミがサウジアラビア・メディア、アラブ・ニュースのインタビューで言った。「タイミングは偶然選ばれたのかもしれない。これは前イスラエル政権の政策で、現在と未来のイスラエル政府の優先事項であり続けるだろう。」

 「イラン政権が将来あらゆる攻撃的抑止力計画を加速するとを予想される」のでこれら攻撃はおそらく「規模と回数」が増加するとナディミは予想する。「いつ何時エスカレーションする危険が常に存在する」にもかかわらず、2023年にイスラエルとイラン間の総力戦があり得るかどうか彼は不確かだ。

 ワシントンを本拠にするニュー・ラインズ研究所の戦略・イノベーション担当専務理事ニコラス・ヘラスはイランが核兵器を生産しようとすれば軍事対決が避けられないと考えている。「イランとイスラエルとアメリカ間の地域規模戦争が起きる前の真夜中に我々は近づいている。」アメリカに支援されているイスラエルは、イランが核兵器を作ると決めれば、イランとの交渉席上、イラン領に対する戦争を始める軍事的選択があるという明確なシグナルを送っていると多くの政治評論家が言う。「ヨルダン川西岸で継続中の不安定とネタニヤフの連立相手がパレスチナ併合を要求する状態で、ネタニヤフはイランに対してイスラエル国内の政治同盟者を再集中しようとしている」とヘラスは述べた。イランとイランの兵器計画、特に人工知能と近代的ミサイルをイスラエルに対する戦略上の脅威とネタニヤフが見なしていると彼は指摘した。換言すれば、テルアビブは科学開発さえ制限し、イランにおける科学的進歩を遅くさせようと努めているのだ。

 この文脈で誰が核兵器を持てるか・持てないかを決定するのは国連ではなくイスラエルだと言える。だがイスラエルは何らかの方法で密かに欧米の助けを借りて国連の許可なしに核兵器を製造したのが自分たちだったのを忘れ今地域で核の指揮棒を振っている。

 イスラエルとイランとシリア空爆作戦が拡大する中、独立した中東評論家カイル・オルトンは最近の攻撃を低レベル戦争の「新しい標準」の一部と見なしている。「イスファハンでのイスラエル作戦は、実際は象徴的なもので、主に国民向けのイスラエル新政府の声明だ」とアラブ・ニュースで彼は言った。オルトンはイスラエルがシリアで取るに足りない効果で、複数回、多くの同じ標的を攻撃したことを指摘し、イスラエルの作戦がイランや代理人に重大な、あるいは永続的損害を与えたかどうか疑問視している。「イスラエル攻撃の焦点は物理的インフラで、時折、核開発計画のIRGC当局者や科学者に対するものなので、イラン政権は容易に失われたものを復活できる」と彼は言う。一方、それがIRGCの外国での活動を無力化し、イラン国内で活動範囲を広げ、イスラエルはイラン情報機関に広範に潜入した。それにもかかわらず「戦略レベルで」負け続けているとオルトンは言う。

 シリアにおけるイランの立場強化だけがイスラエルに対し挑戦している唯一の地域ではない。2月10日、イラン無人機と思われるものがアラビア海でイスラエルに関連する商業タンカーを攻撃した。リベリア国旗を掲げたイスラエル人億万長者エーヤル・オフェルにつながる石油タンカーへの攻撃は軽度の被害をもたらし「影の戦争」の観察者によりイランの攻撃と見なされた。多くの政治アナリストによると、イランはイラク、レバノン、ガザ、イエメンでも優勢を続けており、バーレーン、アフガニスタン、西アフリカでは脅威的なイスラム革命の前哨基地が拡大している。

 レバノンやシリアとガザで、IRGCは代理勢力に供給する兵器システムの量と品質を高めている。たとえば、IRGC は精密弾薬プログラムの一環として、レバノンにあるヒズボラのミサイル巨大兵器庫を強化し、この集団が特定のイスラエル標的を正確に攻撃できるようにしている。オルトンによれば、結果として、これら集団はイラン核開発計画に対する空爆への報復としてイスラエルに「壊滅的損害を与える」ことが可能だ。「どこかの時点で、これはイスラエルがこのような攻撃を考えさえするのを阻止するのに十分な抑止力となる可能性が高い」と彼は言った。

 明らかにイランが核兵器を獲得するのをイスラエルが軍事的に阻止できた瞬間はおそらく既に過ぎたのだ。イランが公式に核兵器の閾値を越えなかったのは技術的な理由ためというより政治的な理由で、つまり彼らは核実験をしていない。

 ビクトル・ミーヒンは、ロシア自然科学アカデミー客員。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/03/11/iran-israel-shadow-war/

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 ひごろ「大本営広報部」と呼ぶ小生の見方が証明されるのは決して喜ばしくない。連中わかっていて見せつけているのだろう。

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どこまでズブズブ!岸田首相と大メディア上層部が“談合”会食…「放送法解釈変更」炎上中に

 The Jimmy Dore Show IMFさえロシアの経済成長を予測!

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 話題のマスコミ支配で味を占めて、連中は学界も屈服させようとしている。

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憲法も黒歴史もものかは なぜいま学術会議法改定 隠岐さや香さん+木村草太さん 池田香代子の世界を変える100人の働き人81人目+α 1:02:55

何に使う?爆買いトマホーク 【半田滋の眼 No74】20230315

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韓国指導者が12年ぶりに日本訪問、先週韓国は、日本の直接の関与を必要としない補償計画を発表、紛争解決に向け前進。動きは米国主導。米日韓過去 1 年間種々のレベルで 40 以上の 3 カ国会議。去五年間合計より多。中国、北朝鮮を意図

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「ワクチン! 日本はファイザーからぼったくられていた!? シーモア・ハーシュ氏がノルドストリーム爆破事件の『続報』はIWJ『号外』で!」

<岩上安身によるインタビューが決定!>3月23日、岩上安身によるJOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏インタビューの4回目が決定しました! 4月3日には食料安全保障問題について東京大学農学部鈴木宣弘教授へのインタビューを、4月6日には『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク 田崎基氏インタビュー第3回を予定しています!

2023年2月25日 (土)

多極世界の土台を築く中国とイランとロシア

2023年2月17日
ワレリー・クリコフ
New Eastern Outlook

 2022年末に在ウィーン国際機関常駐ロシア代表ミハイル・ウリヤノフが中国とイランとロシアによる国際外交の新たな三国間関係の創造を指摘した後、この政治構成に特別な注意が払われた。この状況に対する関心が12月にウィーンで開催された「相互利益の問題に関する」中国、イランとロシアの生産的な三国間協議後、一層増加した。

 原則的に、自分の「規則」を押しつけて覇権と世界支配を強化するワシントンの試みからから遠ざかる必要性を世界が既に悟り、諸国は現在積極的に多極世界に移行しつつあるので、この統合過程は非常に論理的で不可逆的だ。加えてモスクワと北京とテヘランは、独立国家に対し違法な制裁を通して世界を支配するアメリカ覇権への抵抗から始まり、アフガニスタンで秩序を復活させる必要性に終わる大半の問題に関しお互い緊密な関係を長年維持している。さらにこの協力は言葉だけでなく行動でも示される。そして多くの国が多国間協力を支持するのでこの形の協力は容易に広がる。

 50億人以上の人々(世界住民の70%以上)がユーラシア大陸に暮らしており、そのうち約10億人がアジアにいる。そのため人類の未来が主としてユーラシアの状況に依存するのは非常に明らかで、それがイラン、ロシアと中国がなぜ巨大な大陸の共同開発のため団結すると決めたかの説明だ。

 近年ユーラシアで実行されている大規模プロジェクトが中国とロシアとイランの積極的参加をはっきり示している。特にシルクロード経路、西東輸送回廊と南北輸送回廊創造、ユーラシア経済開発のための商品輸送と基幹インフラの拡大。欧米がロシアとイランの以前からよく知られた西部通商路を切断しようとした後、ユーラシアにおけるこれら輸送陸路の開発は特に重要だ。NATO支配外の新たなユーラシア通商路を作る必要性が明白になった。これらプロジェクトの独自性は彼らにとっての互恵、関係各国が宣言した大きな関心、プロジェクト参加者が所有する必要資源の有効性にある。だからここ数年これら回廊は実際中央アジアにとって本当に緊密な世界生産と貿易システムへの統合の「最後の希望」プロジェクトなのだ。

 完全に長期「国際制裁」を味わっているイランは遅かれ早かれ海上貿易は発展した海軍が必要なのでユーラシアには輸送陸路が必要なことを最初に悟った国の一つだった。そして中国にとって「欧米パートナー」による海路に対する脅威が主に近年本物になったとすればイランは何十年もこの状態で暮らしていたのだ。そのためこれら輸送路の発達は犯罪的なキーウ政権を非ナチ化するモスクワの特別軍事作戦によって引き起こされたアメリカと西洋の攻撃的政策と欧米のヒステリーを背景にした脅迫に対するロシアとイランと中国の直接の反応なのだ。

 だが外圧を及ぼし違法制裁政策を推進するワシントンとその西洋同盟諸国による試みは三国間協力を妨げない。それどころか、それは三国間関係を強化し、相互に有益な協力構築に貢献する。これはこの三国間貿易の成長ではっきり確認される。ロシア・イラン間貿易総取引高は、ほとんど50億ドルに達し、2022年の終わりまでに20%以上増加した。三国の企業には利益がある商品と生産地があり彼らは物流と支払いと決済インフラに磨きをかけている。

 貿易や、経済的、政治的統合に加えて、ロシアと中国とイランはユーラシア、特に中東とペルシャ湾岸の問題を抱えた地域で平和強化の努力をしている。コーカサス、アフガニスタン、パキスタンと中央アジアで紛争の出現を阻止し、テロを絶滅することが強調されているに。ユーラシアの人口や人口増や経済成長を考慮すれば数年のうちに世界経済がここを中心に積極的に発展するのは極めて明らかだ。作られつつある陸路と海路は生産のみならず貿易と消費のリーダーとしてのユーラシアの確立に寄与するだろう。

 中国とロシアとイランは三国間協力の成功している進展のほかにグローバル協力の過程を促進するために必要な努力をしており、今日特にユーラシア外の適切な当事者が彼らのプロジェクトに参加する機会を提供している。この連合は多極世界の基盤で、この過程を阻止するワシントンの試みにもかかわらず西欧は必然的に参加を強いられるだろう。

 「タカ派」のアメリカ政治家だけでなく軍代表も公然と中国とイランとロシア間の協力の発展に関する懸念を表明している。それで2月10日、国際防衛問題担当アメリカ国防次官補セレステ・ウォランダーは、中東諸国にこれに反撃すべきだと直接述べた。2月13日メリカ空軍・宇宙軍協会での講演で、中央空軍(AFCENT)司令官アレクサス・G・グリンケウィッチ中将も中国とロシアとイラン間軍事協力の強化ついての「懸念」を明言し、シリア、そして中東全般で、より大きな「当事諸国の結合」を見るというアメリカの懸念を強調した。

 だがモスクワとテヘランと北京間の和睦を止め国際外交でこの新三国関係に対する世界中の感謝表明を制限しようとするワシントンの試みは完全に徒労だ。これは公然とロシア憎悪で親米のポーランド当局でさえ大半のEU加盟国と異なり、最近駐テヘラン大使マチェイ・ファルコウスキーをイスラム革命44周年記念祝典でイランのエブラーヒーム・ライースィー大統領による公式歓迎会に行かせた事実によっても確認される。ポーランド大使がお辞儀しライースィの手を握り、公式式典でイランのライースィ大統領とホセイン・アミール・アブドラヒアン外務大臣の背後に座る写真をイラン・メディアは公表した。

 ここ数ヶ月の出来事でも分かるように単極世界の存在は終わっている。それはイラン、ロシアと中国間の協力が着実に発達し益々強くなっている多極世界に置き換えられつつある。この鮮やかな確認は中国主席習近平の招待によるイランのエブラーヒーム・ライースィー大統領と大イラン代表団の公式中国訪問だ。

 ワレリー・クリコフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/02/17/china-iran-and-russia-lay-the-foundations-for-a-multipolar-world/

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 The Jimmy Dore Show

U.S. Pushes For Ukraine War Escalation Into Crimea! 10:07

 櫻井ジャーナル

ウクライナで劣勢のアメリカはトランスニストリアへ戦線を拡大させる可能性

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

給料上昇は追い付かない。年金受給も追い付かない。日本の多くの人の生活環境は厳しくなる。「1月の消費者物価上昇は4.2%上昇、41年4か月ぶり水準。生鮮食品を含む総合は4.3%。生鮮除く食料7.4%、都市ガス35.2%、電気代20.2%

 日刊IWJガイド

「岩上安身が岸田総理に対して会見で質問! 岸田総理『今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない』!?」

はじめに~岩上安身が岸田総理に対して会見で質問!「ノルドストリームの爆破を行なったのは、米国のバイデン政権とノルウェーというスクープ記事が事実なら、同盟国ドイツへの重大な背信行為! 米国は誠実な同盟国なのか!? 自衛隊の指揮権まで渡していいのか!?」との質問に対し、岸田総理は「多くの国々が関与を明確に否定している」と、独立した国際調査を要求するロシアを無視する一方的な欧米支持! さらに「自衛隊と米軍は独立した指揮系統に従って行動をする」と主張! 本当だろうか!?

2022年12月24日 (土)

帝国が標的にした国の反政府抗議参加者を「支援」するのは本当の支援にならない

2022年12月20日
ケイトリン・ジョンストン

この記事の英語音声を聞く。



 最近Truthoutは「左翼はアメリカ帝国主義のサクラになることなく中国の抗議行動参加者を支援可能だ」という見出し記事、副題「中国人労働者とウイグル人は世界中の左翼の連帯を必要としている」と主張し、この題名の主張のどちらも全く擁護しようとしていない。

 この記事は、ニューヨーク大学のレベッカ・E・カール発言を特集し「異性愛を規範とする家父長制」や「白人権力の覇権的支配」などの左翼的表現に満ちているが、そこにないのは左翼が米国帝国主義のサクラになることなく中国の抗議行動参加者を支援できるという主張や世界中の左翼の連帯が必要だという主張を立証する試みだ。

 これは、それらの主張が全く根拠がないためだ。私はいつもそのような主張に遭遇するとしばしばそれに異議を唱え、アメリカに中央集権化した帝国に政権転覆の標的にされている中国やイランのような国の抗議行動参加者に対する「支持」や「連帯」を示す英語圏左翼が得られるものを論理的かつ首尾一貫して説明できた人は一人もいない。帝国が標的にした政府に対するプロパガンダに利用される物語の背後で、左翼がそれらプロパガンダキャンペーンを支援せずに、そうしたものを支援できるのか私に良い説明をしてくれた人は一人もいない。

 これは、適切な説明が存在しないためだ。

 

 私はこのためにTruthoutだけ糾弾するつもりはない。帝国の標的にされた政府を非難するのを支援するよう左翼を追いやることは欧米左翼と左翼メディアが常に行っている。先月Jacobin誌はイラン抗議行動参加者と「国際左翼は効果的に連帯を表現する方法を策定しなければならない」と主張する記事を掲載し『ショック・ドクトリン』の著者ナオミ・クラインは最近中国の抗議行動参加者についても同じ主張をした。帝国が標的にした国で抗議行動がある時は常に、公式左翼が彼らを応援する主流論争に我々の声を加えなければならないと忠告する。

 そして、それは常に不明確で明確に議論されていない理由による。それは一般的に「連帯」などのような左翼的専門用語で提示され、左翼は本質的に真実と想定すべきものとして組み立てられているが、欧米の連帯表明によって、帝国が標的にした政府に反対する抗議行動参加者にどのような実際の具体的利益がもたらされるのか、またはそれらの利益が、侵略に対する同意を帝国がでっちあげようとしている政府の非難を増幅するのに役立つという否定的欠点をどう上回るかを明確に説明する人は誰もいない。

 彼らは一般的に「連帯」が一体何を意味するかさえ説明しない。おそらく彼らはそれらの国に飛び彼らに直接支援提供することを意味しないか、彼らはそう言ったかも知れないが、彼らはどういう意味だろう? 関連するハッシュタグで皆様の支持をツイートするのだろうか? 皆様の感傷的な部分で連帯感を抱くのだろうか? 人々が自分の声やインターネットで「連帯」を表明し、感傷的な心で連帯感を抱けば何か良いことが起きるという主張だろうか? 起きる良いこととは何だろう? 得られる物的利益とは具体的に何だろう? 彼らは決して言わない。

 十分注目されていない問題に関して話をする場合、こういう議論を見られる。たとえばパレスチナ人の権利は何世代にもわたり無視され、否定的にプロパガンダされてきた問題で、その問題に脚光を当てようとする草の根の努力のおかげでイスラエル・アパルトヘイトが今後それを継続するのに必要な支援を得るのは遙かに困難になっている。

 しかし帝国が標的にしたイランや中国のような政府への抗議について話す時、皆様は既に英語圏の最も強力な全てのメディアや政府機関が最大の報道をしている問題について話しているのだ。これはアメリカが好む国々での抗議行動と比較して、アメリカが好まない国々での抗議行動に対して非常に不釣り合いな報道を欧米マスコミがしているためだ。

 

 これらプロパガンダ・キャンペーンが問題でないかのように行動することはできない。もし皆様がアメリカに中央集権した権力同盟加盟国の一つに暮らしているなら皆様の支持と連帯の表現が、中南米、アジアまたはアフリカの誰かから来るものと同じことを意味するふりをすることはできない。皆様は同じではない。皆様はこれまで存在した中で最強力な帝国の中から話しており、その帝国の世界征服作戦とそれを円滑に進めるためのプロパガンダ作戦と皆様は常に何らかの関係があるのだ。

 そして皆様はその関係に責任を持つ必要がある。もし皆様がアメリカやイギリス、EU、オーストラリアやカナダのような帝国加盟国に暮らしているなら帝国が標的にした国々の抗議行動参加者の大義に声を貸すのは、それら抗議行動に関する帝国プロパガンダ・キャンペーンを促進することなしには不可能だ。それはできない。皆様はこの現実と責任ある関係を持っているか、無責任な関係を持っているかのいずれかだ。

 進行中の帝国プロパガンダ作戦の一部である抗議行動を増幅するのに尽力する欧米左翼は、現実に対して無責任な関係を持っている。連中はそれらの国の人々を実際助けることは何もしていないが、絶対に彼らを傷つける可能性があることをしているのだ。そして彼らが本当に自身に正直なら彼らはそれを知っている。プロパガンダで錯乱した左翼の友人や信奉者の前で見栄えが良いので彼らはとにかくそうしているのだ。

 連中は爆弾を落とす前に物語を落とす。連中はミサイルを発射する前にプロパガンダ・キャンペーンを開始する。制裁を展開する前に認識支配を展開する。もし皆様が彼らのプロパガンダ・キャンペーンに参加し、彼らがこれを実行するのを支援すると決めるなら皆様はそれを実行する軍人と同じように結果に加担していることになる。左翼のように聞こえる正当化が何であれ、皆様はなぜそうしたか自分で話をでっちあげるかもしれない。

 これはとんでもないゲームではない。世界はおしゃれな左翼的「連帯」表現を気取り、いいねやリツイートを獲得するためのファッションショー舞台ではない。皆様が帝国に暮らしているなら皆様はそのプロパガンダとの関係に責任を持つ必要がある。そうでなければ皆様は自身に関してぶりっ子物語を持ったありきたりの帝国主義者にすぎない。

 帝国が標的にした国での蜂起を「支援」する欧米人は、未処理下水にまみれた人物が皆様の家にやって来て皆様の掃除を手伝うようなものだ。あんた手伝うのはやめて自分のクソを洗ってこい。

 「左翼はアメリカ帝国主義のサクラになることなく中国の抗議行動参加者を支援できる。」いや、できない。いい加減にして欲しい。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/12/20/youre-not-actually-helping-when-you-support-protesters-in-empire-targeted-governments/

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 最近のダグラス・マグレガー氏による解説は、プーチンの戦略転換の簡潔な説明。
 NATOやアメリカと交渉可能と思い込んで周囲が言う全面攻撃を抑えていたが、やっとNATOもアメリカもウソばかりで言ったことを決して守らないことを理解し、論理が通じない相手に理解させるための唯一の方法として本格的実力行使に切り替えたと。

Douglas Macgregor: End this war is for Russia to be forced out of Ukraine!

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

日本の消費者物価、11月3.7%上昇 40年11カ月ぶり水準、・エネルギー13.3%(都市ガス28.9%、電気代20.1%)、・生鮮除く食料6.8%(牛乳9.5%)、・家庭用耐久品10.7%(エアコン12.7%)

 植草一秀の『知られざる真実』

金融大波乱進行と2023年世界情勢

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 早野透氏が急逝されて2ジジになっていたところに前川氏登場 ジジではなく、レギュラーでもないと固持されている。

爆走トークに前川参戦!【 平野貞夫×佐高信×前川喜平 3ジジ放談】20221223 1:01:49

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「ゼレンスキー大統領の訪米のタイミングは今しかなかった! なんと米国が供与する自慢のパトリオット・システムはたったの1基!」

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