イラン

2018年12月15日 (土)

国全体を動員して、勝利したシリア

2018年12月11日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 そう、アレッポ近隣の一部ホムス、ダマスカスの郊外には、瓦礫が、実際全くの破壊がある。

 そう、国の一部に、イドリブや、いくつかのより小さな地域に、テロリストや「外国勢力」がいる。

 そう、何十万もの人々が生命を失い、何百万人もが難民にされたり国内難民になったりしている。

 だがシリアの国はしっかり存在している。リビアやイラクがそうなったようには、シリアは崩壊しなかった。シリアは決して降伏しなかった。シリアは降伏を決して選択と考えさえしなかった。シリアは砲火や想像できない痛みで、大変な苦痛を味わったが、結局勝った。シリアはほぼ勝っている。勝利は、2019年に決定的となる可能性が極めて高い。

 比較的小さいにもかかわらず、ゲリラ戦を戦った「小さい国」のような勝利ではない。 それは大きな強い国のように勝っている。すべての予想に反し、公然と正面から誇らしく戦った。公正と自由の名のもと、途方もなく大きい勇気と強さで侵略者と対決した。

 なぜなら唯一の選択肢は奴隷制度と卑屈で、それはここの人々の語彙にないので、シリアは勝っている。彼らが勝つか、さもなくば彼らの国の避けられない終焉と、アラブ全体の祖国という彼らの夢の崩壊に直面せねばならなかったので、シリアの人々は勝った。

 シリアは勝っており、望むらくは、中東で、再び同じことにはなるまい。アラブ人の屈辱の長い数十年は終わりだ。今「近隣の」皆が見守っている。今皆が知っている。欧米とその同盟国とは戦い、止めることができるのだ。彼らは無敵ではない。極めて残忍で無情だが、無敵ではない。同じく、最も邪悪な原理主義の宗教的な植えつけは打ち壊すことができる。私は前にも言ったが、再びここで繰り返そう。アレッポは中東のスターリングラードだった。アレッポとホムスと他の偉大な勇敢なシリアの都市。ここでファシズムと対決し、全力で、そして大きな犠牲で戦われて、最終的に阻止されたのだ。

*

 私はシリアのアフタン・アーマド大将のオフィスに座っている。我々はロシア語で話す。私は既に知っているが、ダマスカスの治安情勢について彼に尋ねる。いくつかの夕方と夜、私は古い都市の狭い曲がりくねった道を横切って歩いた。人類発祥の地の一つ。女性、若い少女たちさえ同様に歩いていた。都市は安全だ。

 「安全だ」と誇らしげに、アフタン・アーマド大将が微笑する。 「あなたは安全であることを知っているだろう?」

 私はうなずく。彼はシリア諜報機関の長官だ。私はさらに多く、はるかに多くを求めるべきだった。より詳細を。だが私は今現在じゃない細部を知ることを望まない。私は繰り返してダマスカスが、私の友人たちから、通行人から、彼から、安全だということを耳にすることを望む。

 「状況は今非常に良い。 夜外に出られる」

 私は彼に既にそうしたと言う。到着したときから、そうしていたことを。

「誰も、もう恐れていない」と彼は続ける。「テロ集団が活動していた場所でさえ、生活が正常に戻っている…、シリア政府が今、水と電気を供給している。人々は解放された地域に戻っている。東グータはほんの5カ月前に解放され、今あなたは、そこで、次々に店が開いているのを見ることができる。」

 私はいくつかの許可証に署名をもらった。私は大将の写真を撮る。私は彼と一緒に写真に撮られる。彼は隠すべき何も持っていない。彼は恐れない。

 私は彼に、2019年1月末、あるいは遅くとも2月、イドリブ、あるいは少なくとも市の郊外に旅行するのを望むんでいると言う。かまわない。私は数日前に彼らに知らせなければならない。パルミラ、結構だ。 アレッポ、問題ない。

 我々は握手する。彼らは私を信頼する。私は彼らを信頼する。それが唯一進むべき道だ これはまだ戦争なのだ。酷く残忍な戦争。ダマスカスが今自由で安全であるにもかかわらず。

*

 大将のオフィス去ってから、我々はダマスカス周辺のジョバルにドライブする。それからアイン・タルマに。

 そこは全くの狂気だ。

 ジョバルは主に工業地帯で、アイン・タルマは住宅地だった。両方の場所は、ほとんど完全に瓦礫と化した。ジョバルで、ラーマン旅団、そして他のグループ、アル・ヌスラ戦線と直接つながる集団やテロリストに使われていたトンネル内で映画を撮影するのを許された。

 現場は不気味だ。以前これらの工場は首都の人々に何万という仕事を与えていた。 今はここでは何も動いていない。 死のような静寂、ただほこりと残骸。

 私が残骸を登り越えるとき、アリ中尉が私に同行した。私は彼に、何がここで行われたか尋ねた。彼は私の通訳を通して答える:

「この場所は、2018年4月に解放されたばかりだ。テロリストから奪還した最後の場所の一つだった。6年間、一部が「反抗者」によって、別の部分が軍によって支配された。敵はトンネルを堀、彼らを打ち破ることは非常に難しかった。彼らは、学校を含め、彼らの手に入れることができたすべての構造を使った。 ここから、一般人の大部分が逃げることに成功した。」

 シリアの友人たちがこの地域に住んでいて、私に彼らの詳細な物語を話してくれたので、私は答えを知っていたが、破壊について彼に尋ねた。アリ中尉が確認した:

「欧米は、これがシリア軍によって起こされた破壊だったと言って世界中で宣伝した。実際、彼らがダマスカスを攻撃した時だけ、シリア軍は反政府派と交戦した。最終的に、反政府派は、ロシアが後援した政府との協議後、ここから撤退した。」

*

 数キロ東、アイン・タルマでは事態は全く異なっている。戦争前、ここは住宅地だった。人々はここで主に多層住宅に住んでいた。ここでテロリストは一般人を激しく攻撃した。数カ月あるいは何年間も、家族はひどい恐怖と貧困の中で、暮らさねばならなかった。

 我々は野菜を売っている質素な店で止まった。ここで年配の婦人に接近し、彼女が同意した後、映画を撮影し始めた。

 彼女は話をし、次に彼女は、カメラに、まっすぐ手を振って叫んだ。

「我々は家畜のようにここで暮らしていました。テロリストは我々を動物のように扱いました。我々は怖くて、空腹で、侮辱されたように感じていました。女性たちを、テロリストが、若い少女と成人女性を強制的にいわゆる結婚に追い込み、4-5人の妻を連れて行きました。我々は何も持ってません。何も残っていません!」

「そして今は?」 私は尋ねた。

「今? ごらんなさい! 我々は再び生きています。我々には未来があります。ありがとう;ありがとう、バッシャール!」

 彼女は大統領を名で呼んでいる。彼女は手の平で心臓を指し、キスした後、再び手を振る。

 尋ねるべきことは本当に何もない。私はただ映画を撮影する。彼女は2分ですべてを語る。

 我々が去るとき、彼女がさほど年がいっていないのに気がついた。決して年寄りではなかった。けれどもここで起きたことが彼女をぽっきり折ったのだ。今彼女は生きている。彼女は生きていて、再び希望を持っている。

 私は運転手にゆっくり走るように頼み、壊れていて、ほこりまみれながらも、トラフィックに満ちている道路を撮影し始める。歩いている人々、穴を切り抜けて通り過ぎる自転車と自動車。 横町で、人々が、再建し、落ちた梁を切断し、瓦礫をきれいにし、懸命に働いている。電気は復活している。ガラスパネルが、傷ついた木製フレームにはまっている。生活。勝利。実に多くが破壊されたので、実に多くの人々が亡くなったのだ。ほろ苦い。けれども、あらゆることにも関わらず、再びの生活だ。 そして希望。たくさんの希望。

*

 私は友人たち、ヤメンとフィダと一緒にハバナと呼ばれるクラシックな古いダマスカスのカフェで座っている。それは古い、本物の場所で、不穏な日々に、バース党メンバーが会合した場所だ。バッシャール・アル・アサド大統領の写真が目立つように置かれている。

 教育者のヤメンは最近の何年かの間に、彼が何度か、どのように、あるアパートから別のアパートへ移動しなければならなかったか思い出す。

「私の家族はジョバルのすぐ隣に住んでいました。あの辺りのすべてが破壊されました。 我々は引っ越さなければなりませんでした。それから新しい場所で、小さい息子と一緒に歩いていると、迫撃砲が我々の近くに落ちました。私は炎に包まれた建築も見ました。私の息子はぞっとして泣いていました。我々の横の女性が炎に飛び込もうとして、わめいていました。「息子が中にいる、私には息子が必要だ、私に息子をおくれ!」過去、我々は危険がどこから来るか、いつか予測できませんでした。私は数人の親類、家族を失いました。 我々は皆そうでした。」

 ヤメンの同僚フィダは、仕事から帰ると、高齢の母親の世話をしている。生活はまだ厳しいが、友人たちは正真正銘の愛国者だ、そしてこれは彼らが毎日の難題に対処するのを助けている。

 濃いアラブ・コーヒーを一杯飲みながら、フィダは説明する:

「あなたは我々が笑って、冗談を言っているのを見ますが、心の奥深くで、我々のほとんどすべてが深刻な心理的トラウマで苦しんでいます。ここで行われたのは厳しいことでした。我々はあらゆるひどいものを見たのです、我々は愛する家族を失いました。このすべては、このあと何年もの間我々の元に留まりまする。シリアにはこの状態に対処するのに十分な専門の心理学者と精神科医がいません。それほど多くの生活が破綻しました。私はまだ怖いです。 毎日。 多くの人々がひどく動揺しています。」

「私は兄の子供たちを気の毒に思います。彼らはこの危機の中に生まれました。我々が迫撃砲攻撃にあった途端に、私の幼い甥は怖がりました。子供たちは本当にひどく影響を受けています! 個人的に、私は殺されることを恐れていません。腕、あるいは脚を失ったり、あるいは、もし彼女が病気になったら、ママを病院に連れて行けないのを恐れています。少なくとも私の先祖の都市サフィタは、紛争の最悪の日々でさえ、常に安全でした。」

 「私のサラミヤじゃない」、ヤメンが悲嘆する:

「サラミヤはひどいものでした。多くの村が避難せざるをえなかった…多くの人々がそこで亡くなりました。市の東にヌスラ戦線の陣地があり、西はISISに占領されていました」。

そう、何十万人ものシリア人が殺されました。戦いとともにやって来る貧困と同様、テロリストと紛争の両方から逃れ、何百万人もが国を去ることを強いられました。何百万人もが国内難民になりました。国全体が動いています。

 前日、アイン・タルマを去った後、我々はザマルカとハラスタの近くでドライブした。 巨大な地域全体、まっ平らになっているか、少なくともひどく損害を被っていた。

 ダマスカス東郊外で、弾の穴が柱に点在している壁も窓もない幽霊ビルを見ると、すべてを見たような気分になる。破壊はそれほど壮大だ。大都市全体が粉々に爆破されたように見える。この不気味な風景が、少なくとも15キロは変わらないと言う。 悪夢は、どんな妨害もなしに続いている。

 それで、すべてを見たと思いがちだが、実際はそうではない。それはアレッポも、ホムスも訪問していなかったからだ。

*

 数年間、私はシリアのために戦っていた。私は周辺で戦っていた。

 私はイスラエルに占領されたゴラン高原に入りこみ、占領について野蛮で身勝手な態度について報道するのに成功した。

 何年もの間、私は難民キャンプ、そして「彼らの周りの」生活を報道した。若干のキャンプは本物だったが、他のものは、後にNATOにより、シリア国内に送り込まれたテロリスト用の訓練要塞として使われていた。かつて私は、トルコのハタイ市(アタキヤ)からほど遠くないアパヤディンに建てられているこのような「施設」の一つを撮影している間に、ほとんど姿を消すところだった。

 私は「ほとんど」姿を消すところだったが、他の人々は実際に死んだ。欧米と同盟国がシリアに何をしていたかを扱うのはシリア内で戦争を報道するのと同じぐらい危険なのだ。

 私はヨルダンで働き、難民に対する、欧米とのヨルダンの身勝手な協力ついて書いた。私はイラクで働き、エルビル近くのキャンプでは、シリアの人々は、もし少なくとも若干の基本的サービスを受けることを望んだ場合、非政府組織と国連スタッフの両方から、アサド大統領を非難するようを強いられていた。そしてもちろん、百万人以上のシリアの人々が、しばしば、差別(多くが今戻っている)と同様、想像も及ばないほどひどい状態に直面して、滞在していたレバノンでも私は働いた。

 そして、とうとう私が最終的にシリアに入った今、全て何か超現実的な感じがしたが、それは正しく思われた。

 シリアは私がそうだと予想していた通りであるように思われた。英雄にふさわしく、勇敢で、決然として、明らかに社会主義で。

*

 ホムス。私がそこに行く前、何ものでも私は驚かないと思った。 私はアフガニスタン、イラク、スリランカ、東ティモール、いたる所で働いた。けれども、私はホムスを訪問する前に、まだ何も見ていなかったことを悟った。

 市の地域のいくつかの破壊は非常に激しいため、何か破滅的なホラー映画の別の惑星の表面、あるいは破片に似ている。

 残骸を登っている人々、かつて自分たちのアパートだったものを訪れている年配のカップル、道路の中央で見たほこりで覆われた少女のくつ。 そこからすべての4つの道路が、恐ろしい残骸に向かっている交差点の真ん中に立っている椅子。

 ホムスは紛争が始まった場所だ。

 私の友人ヤメンは、我々が中心に向かってドライブしていたとき、私に説明した:

「ここでメディアが憎悪に火をつけました。主として欧米マスコミが。けれども湾岸諸国の局もありました。サウジアラビアのテレビやラジオ局やアルジャジーラも。反政府派指導者のアドナン・アル・アルールは、週に2回、人々に、鍋・フライパンをたたいて街に出るように言うテレビ番組に出演していました。政府に反対して戦うために。」

 ホムスは、2011年に反政府反乱が始まったところだ。外国からの反アサド宣伝はまもなく頂点に達した。反政府派はイデオロギー的に、欧米と、その同盟国に支援された。急速に支援は具体的になり、何千というジハードの戦士と同様、武器や弾薬を含んでいた。

 かつて寛大な近代的な市(非宗教的な国で)ホムスが宗教団体の間で分割されて変化を与え始めた。分裂の後、過激化が続いた。

 今シリアとレバノン両方に住んでいる良き友人のシリア人は彼の体験を話してくれた。

「蜂起が始まったとき、私は非常に若かった。我々の若干が、特定の妥当な不満を持っていて、我々は、より良い方向にことが変化することができるのを希望して、抗議し始めました。だが我々の多くが、間もなく我々の抗議が、外国に文字通り乗っ取られたのを悟りまし。我々は一連の積極的な変化を望んだが、シリア国外の若干のリーダーは、我々の政府を打ち倒すことを望んだのです。その結果、私は運動を去りました。」

彼はそれから、最も苦痛を伴う秘密を明かしてくれた。

「かつてホムスは極めて寛大な都市でした。私は穏健なイスラム教徒で、私の婚約者は穏健なキリスト教徒でした。我々は非常に親密でした。だが都市の状況は、2011年の後、急速に変化しました。急進主義が急増したのです。私は繰り返し彼女に、イスラム教の地域を通る際、彼女の髪を覆うように頼みましだ。私は明らかに何が我々の周りに起きていたか見始めていたので、それは恐れからでした。彼女は拒否しました。ある日、彼女は道路の真ん中で撃たれました。彼らは彼女を殺しました。生活は再び決して同じでありませんは。」

 欧米では、都市の破壊に対し、シリア政府が、少なくとも部分的に責任があったとしばしば言う。だが、このような非難の論理は全く間違っている。スターリングラードを想像願いたい。外国侵略;いくつかの敵対的なファシスト勢力によって支持された侵略を想像頂きたい。市は抗戦し、政府は敵の部隊の前進を止めようとする。ひどい戦いと国の生存のための叙事詩的な争いが続く。誰が悪いのだろうか? 侵略者あるいは、自身の祖国を守っている政府軍? ドイツのナチによって攻撃された自分たちの市の道路で戦うソビエトの部隊を誰か訴えることができようか?

 多分欧米宣伝はこのような「分析」が可能だろうが、決して理性的な人間ではない。

 スターリングラードと同じ論理が同じくホムスやアレッポやいくつかの他のシリアの市に当てはまるはずだ。文字通り欧米により火をつけられた世界中の何十もの紛争をカバーして(私の840ページの長い本『Exposing Lies Of The Empire帝国の嘘をあばく』に詳細に書かれた)破壊に対する全責任は侵略者のにあることに私は疑いを持っていない。

*

 私はジュリア・パレスと呼ばれるいにしえのレストランでハヤット・アワド夫人と対面する。ここはテロリストのとりでだった。彼らは古いホムス市の中心にあるこの美しい場所を占拠した。今少なくとも、市のいくつかの地域で、事態はゆっくりと生活に戻っている。古い市場は機能しており、大学は開いていて、いくつかの庁舎とホテルもそうだ。 けれどもハヤット夫人は過去と未来両方で暮らしている。

 ハヤット夫人は戦中、彼女の息子マフモードを失った。彼の肖像画は、彼女が胸の上に身につけているペンダントに彫られ、常に彼女と一緒だ。

「彼はわずか21歳で、まだ学生に過ぎず、シリア軍に入隊することに決めたのです。彼は私にシリアは母親のようだと言いました。彼が私を愛するように、彼は国を愛する。彼はアル・ヌスラ戦線に反対して戦っており、戦いは非常に厳しいものでした。日の終わりに彼は、状況が良くなかったと言うために私に電話しました。彼の最後の電話で、彼は私に彼を許すよう頼みました。彼は言いました。「多分私は戻って来られない。どうか私を許して欲しい。 私はあなたを愛している!"

 ホムスには、彼女のような息子を失った多くの母親がいるのだろうか?

「はい、私は息子を失った多くの女性を知っています。中には一人だけでなく、二人、三人の息子を失った人を。この戦争は我々からすべてを奪いました。我々の子供たちだけではありません。シリアに注入された過激イデオロギーを支持した国々、アメリカやヨーロッパの国々を私は非難します。」

 私が映画を撮影し終わった後、彼女はロシアの支持に対して感謝した。彼女は困難な年の間に、シリアの味方をしたすべての国に感謝している。

 ジュリア・パレスからほど遠からぬ場所で、復興作業が最高潮にある。わずか数歩離れているという場所に、改修されたモスクが再び開いている。人々が、祝って踊っている。預言者ムハンマドの誕生日だ。ホムスの知事は市当局メンバーと一緒に、祝祭の催し物に向かって行進している。彼らの周りには、ほとんど警備担当がいない。

 もし欧米が、この人々に対して、更にもう一つの恐怖のうねりを放出しなければ、ホムスは問題ないはずなのだ。今すぐではなく、そう間もなくではないが、ロシア、中国、イラン、そして他の僚友の決心の固い手助けによって。シリア自身は強く決意している。その同盟国は力強い。

 最も酷い年は終わっていると信じたいと願う。シリアは既に勝利したと信じたいと願う。

 だが私はまだイドリブがあるのを知っている、トルコと欧米の軍隊により占領された同じような地域がある。それはまだ終わっていない。テロリストは完全には打ち破れていない。欧米がミサイルを発射するだろう。イスラエルはシリアを残忍に扱うために空軍を送るだろう。マスコミは、欧米と湾岸諸国から、メディア戦争を戦い、人々を扇動し、シリア国民の特定の部分を混乱させ続けるだろう。

 それでもホムスをさる際、店やブティックさえ瓦礫の真ん中で開いているのを見る。若干の人々が、その強さを、過去を背後に忘れ去り、もう一度普通の生活を送る意志の強さを示すため、再び優雅に着飾っている。

*

 ダマスカスに戻ると、高速道路は完ぺきな状態にあり、同じく、ハッシアの工業地帯は再生され、拡大されている。イランに支援された巨大発電所があると言われた。戦争にもかかわらず、シリアはまだ隣接するレバノンに電気を供給している。

 ヤメンは120km/hで運転し、スピード違反監視所らしきものにおびえた途端、狙撃兵の代わりに、我々が国の状況は劇的に良くなっているのが分かると冗談を言う。

 ロシアの軍用車列がサービスエリアに駐車している。兵士たちがコーヒーを飲んでいる。恐れがない。シリア人は彼らが自国民であるかのように対応している。

 私は、砂漠で、実に壮観な日没を見る。

 それから、もう一度、我々はハラスタを通過する。今回は夜。

 悪態を付きたい。私はそうしない。悪態を付くのはあまりに容易だ。私は早くコンピュータに触る必要がある。私は書いて、働かなければならない。できだけ多く。

*

 シリアでくつろぐのは容易だ。多分ロシア語が私の母国語だから、あるいは、多分人々は、私がここで、常に彼らの国の味方をしたのを知っているから。

 若干の官僚的な妨害は、速やかに解決された。

 私は退任する文部大臣で小説家のハズワン・アル・ワズ博士に会った。我々は彼の『愛と戦争』という彼の最新作について話した。彼は私が革命家小説家として、常に何を知っていたか確認した:

  「戦争中は、すべてが政治的だ、愛さえも。」

 そして、私が決して忘れないであろう言葉。

  「私の文部省は、実際、国防省だった」。

 昨夜ダマスカスで、早朝まで古い都市を歩いた。ある時点で、私は、そのすぐ後ろにサラディンの壮大な廟がある、壮観なウマイヤド・モスク近くに到着した。

 私は入れなかった。深夜の時間、錠がかかっていた。だが私は門の鉄棒を通して容易にそれを見ることができた。

 欧米侵略者、十字軍の巨大な軍と戦い、ほとんど全ての戦闘に勝ったこの勇敢な司令官、指導者は、ダマスカスに、平和と最終の眠りの地を見いだしている。

 私はこの古代の国際主義者に賛辞を捧げ、真夜中、近くの店の濃いコーヒーで思いをめぐらせた。「シリアの国が、外国の野蛮人の大群に対して戦ったこの最近の叙事詩的戦いに、サラディンは参加していたのだろうか?」

 多分彼の魂は参加したのだ。というより、いくつかの戦いがおこなわれた際、彼の名を口にして勝利した可能性が高い。

 「私は帰ってくる」と真夜中数分過ぎ、ホテルに向かって歩きながら口に出した。毛がふさふさした2匹の大きな猫が最初の角までついてきた。「私はもうすぐ帰ってくる」。

 シリアは立っている。それは本当に重要なことだ。シリアは決して屈伏しなかった。シリアは決してそうするまい。我々はシリア陥落を可能にするまい。

 そして、くたばれ帝国主義!

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、Revolutionary Optimism, Western Nihilismを含め多くの本の作家。「New Eastern Outlook」というオンライン誌独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/12/11/in-syria-the-entire-nation-mobilized-and-won/

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 選挙のたびに憂鬱になると何度も書いているが、今やニュースのたびに憂鬱になるほど露骨な植民地状態。

 今日の日刊IWJガイドでは並んで書かれている。辺野古沿岸部で土砂投入、日本郵政、米アフラックに3000億円出資。ゆうつの余り、下手な翻訳を続ける気力、なえつつある。

<ニュース・フラッシュ>
┠―【1】沖縄県民が猛反発する中、政府は辺野古沿岸部でついに土砂投入強行! 民意無視に埋め立て強行で、辺野古の海は原状回復が困難に!?
┠―【2】「日本が植民地であることが、否応無く、目前で展開されている!少しは怒れよ、日本人!」~ 日本郵政、米アフラックに3000億円出資へ

 フランスでは、理不尽なネオリベ政策連続に、国民が反乱を起こした。同じような政治に対する対応の差異、自尊心ある国民と、羊のような属国住民の違いなのだろうか。

 加藤周一 青春と戦争『青春ノート』を読むが刊行された。.没後に発見されたノートをもとに、NHKのETV特集で番組になっていた話題の書籍化。ノートには、真珠湾攻撃の日の記述もある。加藤の留学先はフランスだった。1968年、ザルツブルグ旅行中に、プラハ侵攻を知り『言葉と戦車』を書いた。当時、プラハの地下放送は、独立を訴えていた。東京は、戦車を投入せずとも良い完全属国状態。独立を訴える地下放送はほとんど聞こえない。

2018年10月23日 (火)

対イラン戦争計画のため、トランプとサウジアラビアはカショギ殺害糊塗で協力

Finian CUNNINGHAM
2018年10月21日
Strategic Culture Foundation

 世界の大半がだまし討ちだと疑っている事件からほぼ三週間後、とうとうサウジアラビア政権が、ジャマル・カショギが、トルコの在イスタンブール領事館内で殺害されたことを公式に認めた。サウジアラビアが、これまでのウソを糊塗する最新のウソを発表するやいなや、トランプ大統領は、この粉飾にホワイト・ハウスの威光を差し出した。

 何が起きたかについてのサウジアラビアの遅ればせながらの説明は“信頼できる”とトランプは述べた。彼はサウジアラビアが18人を逮捕し、何人かの高官を首にしたのは“良い第一歩”だと歓迎もした。

 サウジアラビアによるカショギの死についての“説明”は到底信じがたい。サウジアラビアは、彼は領事館内で殴り合いが起きた後、殺害されたと言っている。サウジアラビアは、王国の事実上の支配者、ムハンマド・ビン・サルマーン(MbS)皇太子は、殺人については計画も結果も全く何も知らなかったとも主張している。MbSが、10月5日、ブルームバーグのインタビューで、カショギは、やって来たのと同じ日、領事館から歩いて出て言ったと主張したのを想起願いたい。

 今、皇太子は、彼の父親、老いたサルマーン国王によって、宮廷諜報機関の見直しを監督する委員会を指揮するよう任命されている。諜報機関の元副長官、アフメド・アル・アッシリは首にされ、罪を着せられることになっている側近幹部の一人だ。

 言い換えれば、王位継承者MbSはスキャンダルのあらゆる責任を免除されているのだ。首にされた側近と、カショギを捕らえるためイスタンブールに出かけた15人のチームを含むと考えられている逮捕された連中は、いけにえにされつつある。

 いつものサウジアラビアの裏切りが機能しているのだ。皇太子の護衛を含む15人のチームが、最高支配者が知って、許可すること無しに、カショギ拉致と殺害を実行することなど決してあり得ない。

 アメリカ諜報機関による傍受は、MbSがカショギ悲運の計画に実際に関与していたことを示していると言われている。15人の暗殺部隊が“ならずもの”となり、彼ら自身の発意で殺害を実行したなどというのはばかげている。

 だが、トランプ大統領とマイク・ポンペオ国務長官は、33歳の未来の国王用アリバイ作りで、サウド家に協力しているように見える。

 先週“ならずもの殺人者”が犯人だという考えを持ち出したのはトランプだった。ポンペオが、そこでリヤドに飛び、現地で、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と、サルマーン王と親しげな写真撮影をした。イスタンブールで起きたことの“透明性のある捜査”へのサウジアラビア“献身”をアメリカのトップ外交官が滑稽にもほめたのだ。

 今や、サウジアラビアが皇太子の関与を否定しながらも、ようやく殺害を認めると、トランプは、そうした真っ赤なうそを“信頼できる”と言ったのだ。

 更に、サウド家内の背信で、カショギに対する策謀を決して口外しないようにすべく、いけにえも殺害する可能性が高い。

 15人の暗殺部隊の一人は、既に先週、リヤドでのうさんくさい交通事故で死亡している。マシャル・サアド・ボスタニサウジアラビア空軍中尉(31)は、トルコ諜報機関によって、領事館でカショギを待ち構えていた集団の中にいることが特定されている。トルコ・マスコミは、サウド家が証拠や証人になりうる人々の破壊を始めたと憶測している。特にイスタンブール元総領事、ムハンマド・アル・オタイビの運命は注目の的だ。

 領事館内で喧嘩になり、カショギの死に至ったというサウジアラビアの考え方は、15人のチームは電動骨のこぎりを持参していたという報道と一致しない。トルコ諜報機関筋は、領事館に入ってすぐ、カショギは即座に攻撃され、最後に斬首されバラバラにされる前に、指切断で拷問されたことを示す録音テープを持っていると主張している。

 サウジアラビアの“説明”を認めるとすれば、カショギの遺体は一体どこにあるのだろう? もし彼の死が何らかの事故であれば、サウジアラビアは彼の遺骸を提示できるはずだ。だが、彼らは提示しようとはしない。遥かに説得力のある説明は、カショギの遺骸が拷問と切断を証明してしまうためだ。

 サウド家、特に新皇太子の下での裏切りの、いつもの性格に留意しよう。2017年に、彼が王位継承者になった際、当時のムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子は、だしぬけに脇に追いやられた。それはサウジアラビアの王位継承規則を破る権力奪取だった。当時のビデオ映像は、追放された年上のいとこ、ビン・ナーイフに対し、MbSが謙虚さと悔恨の振る舞いを装っているのを示している。度量の大きさの誇示に見える形で、MbSがひざまずいて、あわれな元皇太子の足にキスする様子が写っている。

 追放から数週間後、ビン・ナーイフはMbSにより武装衛兵付きの自宅監禁に置かれていると報じられた。この動きは反クーデターが決して起きないようにするためのものだ。

 次に新皇太子は、他の一部のサウド家幹部連中の一斉逮捕と拘留を命じた。彼らの一部は拷問され、釈放の代償に何十億ドルも巻き上げられたと報じられている。

 MbSの拉致したがる傾向は海外にまでおよび、彼はレバノンのサード・ハリーリー首相拉致を命じた。ハリーリーは、リヤドに拘留されている間、奇怪なTVインタビューで、“辞任”を発表するよう強制される前に、痛めつけられたと報じられている。MbSと友好的関係にあるフランスのエマニュエル・マクロン大統領が介入して、ハリーリー解放実現に成功したが、レバノンに帰国すると、彼は辞任の意を翻した。

 こうしたものは、自分は何のおとがめもなく行動できると考えている精神病質の専制君主たるサウジアラビア皇太子の性格のわずかな例に過ぎない。“改革者”君主というイメージは、欧米マスコミやマクロンやトランプのような指導者によって作り上げられたのだ。だが、そのイメージは、カショギの残虐な殺害の後、今や欧米マスコミが徐々に認めることを強いられている通り、現実とは全く対立している。

 アメリカ・マスコミや多くの共和党や民主党議員は、カショギの死にかかわる最新のサウジアラビアの“説明”については懐疑的だ。

 他の欧米政府も態度を硬化させているように見え、イギリスとフランスとドイツは、外交関係を絶っている。

 サウジアラビアが領事館内でのカショギの死を認めた後、トランプも“厳しい結果になる”と述べた。しかし、儲かる何十万ドルの武器取り引きは、何らかの経済制裁が課されようとも、トランプにとっては聖域なのだ。

 ホワイト・ハウスの真面目くさった言説も、ばかげたサウジアラビアの対応に“信用できる”とトランプが進んで威厳をつけたことで、ウソなのはあきらかになっている。疑う余地のないカショギ処刑立案者、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の免責は、トランプ政権により、極めて重要な取り繕いを与えられている。

 儲かる武器輸出と、サウド家との長年の不動産事業によるトランプの個人的な儲けは別として、アメリカにとって、もう一つの重要な利益は、イランとの来る戦争のためのサウジアラビアへの依存だ。トランプ自身、サウジアラビアに経済制裁を課さない言い逃れをしようとして、サウジアラビアは“イランに対する重要な対抗勢力”だと述べていた。

 あと数週間で、トランプ政権はイランの原油輸出に対する世界的石油禁輸を課する予定だ。経済戦争を成功させるため、予想されるイランの不足分を穴埋めし、世界市場価格の急騰を防ぐには、石油供給を増やすのに、ワシントンにはサウジアラビア必要なのだ。

 イランに対するトランプによるアメリカ攻勢の重要性上、彼は、もっぱら必要性から、サウド家を支えなければならない。それはつまりspinning皇太子を放免するための糊塗。しかし、カショギ殺害を巡るMbSに対する、のっぴきならぬ証拠が余りに多いので、トランプによるサウジアラビアのためのマスコミ向けの見え透いた言い訳は、崩壊する可能性がある。中東における平和のために、そうなるよう我々も期待していする。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/10/21/war-plans-iran-means-trump-saudis-coordinating-cover-up-khashoggi-killing.html

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 大本営広報部は意図して、手痛い敗北に触れずにいるが、さすがに、植草一秀の『知られざる真実』の昨日の記事は、那覇市長選結果から、政党支持率について、詳細に検討されている。

2019参院選前哨戦の沖縄選挙で連戦連勝!

2018年10月 5日 (金)

イランとの貿易を巡り、アメリカを殴ったEU

2018年10月3日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 NEOのこのコラム記事で、以前分析した通り、対イラン経済制裁というアメリカ政策は、アメリカの外交的孤立化を招き、第二次世界大戦以来、最も信頼できる同盟者、ヨーロッパを、敵対的な立場に追いやった。この地政学的距離の理由は、トランプ政権が行った、一連の離脱と、政策逆転にあるが、イランが突出しているのは、主にアメリカ中東政策全体が、今やイランに集中していること、つまり、イスラエルとサウド家に有利なように、イランの全面降伏を強いる命令だ。だがEUは、イランの条約違反に関するアメリカ-イスラエルの言説を信じていないためだけでなく、イランとの生産的な関係を維持したいこともあって、アメリカ単独覇権主義の流れを止めようとしているのだ。イラン石油の輸入と、イランの巨大市場を有利に開拓することだ。そこで、EUは貿易を促進し、イランがアメリカ経済制裁を回避するのを支援する新たな法的枠組みを設定すると決定したのだ。

 ニューヨークでの国連年次総会に合わせて、欧州連合外務・安全保障政策上級代表フェデリカ・モゲリーニとイラン外務大臣モハンマド・ジャヴァード・ザリーフが“特別目的事業体”(SPV)を発表して、この画期的進展が起きた。EU代表はSPVについてこう説明した。“実際には、これは、EU加盟諸国が、イランとの合法的な金融取り引きを促進するための法人を設立することを意味し、これでヨーロッパ企業が欧州連合の法律に従って、イランとの貿易を続けることが可能になり、世界の他のパートナーに対しても開放される可能性がある。” 極めて重要なことは、この事業体が、石油を含むイラン輸出に関する支払いを促進することだ”とモゲリーニは述べた。

 言うまでもなく、この仕組みの創設で、JCPOAも損なわれずに維持される。より大規模な地政学的領域で、今やEUは、イランとのあらゆる取り引きや貿易のためのアメリカ経済制裁を回避する必要性に関し、ロシアと中国と完全に一致することになった。ここで、法的な枠組みを実施することで、今やEUが、常にアメリカの脇役を演じる、これまでの立場から変わり、自立した当事者として、グローバル地政学に、しっかり復帰したことはいくら強調してもし過ぎることはない。

 そこで、アメリカ経済制裁政策に対する態度を明確にするということになると、EUはもはや歯に衣を着せない。欧州委員会は、アメリカがヨーロッパ企業に対して課する‘二次的経済制裁’は違法と見なすと既に発言している。2018年8月に施行された新たな規則によれば、ヨーロッパ企業、特にイランと貿易をしていて、アメリカによって制裁されたものは、ヨーロッパの裁判所で、アメリカ経済制裁に異議申し立てし、アメリカ政府やアメリカ企業からの補償を要求する権利があるのだ。障壁規則、EU企業を保護する枠組みが、ここで初めて登場したわけではないことを忘れてはならない。1996年、アメリカが、イランとキューバに対し、二次的経済制裁をした際、この法律が発令された。当時は、この法律の発令だけで、アメリカが経済制裁をやめるよう強いたのだ。イランを制裁し、イラン経済を損なわせるサウジアラビアとイスラエルの圧倒的な圧力からして、トランプ政権に、そのような逆転が期待できるかどうか推測するのは困難ではない。我々が予想できるのは、イランを巡るEU-アメリカ間のはっきり目に見える制度的分裂だ。

 だがSPVによ、この締めつけも、イランを激しく攻撃するのにもはや十分強いものには見えない。これで、イランは、EU市場向けに、少なくとも40%の石油輸出を維持することが可能になり、EUの巨大エネルギー企業はイラン経済に投資できるのだ。インドなどの、イランとの貿易は継続したいが、アメリカの圧力に屈している国々にとっても容易な逃げ道を切り開くことになる。

 同様に重要なのは、SPVが、ベルギーを本拠とするSWIFTシステムを回避し、アメリカの干渉を阻止する可能性と、相応しいと考えられる時期に、最終的に、ドルの威力を失わせる結果になるだろうことだ。

 この制度は、もし十分早く、完全に機能するようになれば、アメリカの影響力や干渉から独立した金融システムの構築を目指しているロシアと中国の施策とぴったり一致する。このシステムの成功は、それゆえ、ロシアと中国をその軌道に誘いこむ可能性が高く、EUと、ロシアや中国や地域の他の消極的な国々との間の金融協調という新時代の下地を作ることになる。一つは、SPVがドルの代わりに、ユーロを主要貿易・準備通貨とすることで、もう一つは、それがユーロがグローバル金融システムにおいて、より積極的な役割を演じる下地を作ることにもなる。EUが、こうして自分たちの通貨を兵器化した以上、通貨戦争は、もはや中国とアメリカ間でのみ演じられるものではなくなろう。

 そう、これはアメリカが、ヨーロッパから予想できたはずのものだ。イランと事業を行うEU企業が経済制裁から免除されるのを、ワシントンが認めるのを拒否した後の全面的反撃だ。この反撃は極めて巨大で、EUのアメリカとの合意や、アメリカの主要競争相手、ロシアや中国を含む他の国々に、EUがどう対処するかを完全に書き換える可能性がある。既に中国との貿易戦争の真っ只中にあるアメリカとEUとの間の‘消耗戦’は反米諸国を結束させるに違いない。

 サルマン・ラフィ・シェイフは国際関係とパキスタンの外交と内政評論家、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/10/03/eu-punches-the-us-in-the-face-over-trade-with-iran/

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 『日本が売られる』(堤未香著)を読みはじめた。途中で投げ出したくなるような、恐ろしい内容。しかし、恐ろしくとも、読まざるを得ない。

 第一章 日本人の資産が売られる 1 水が売られる の中にある、オウム真理教の死刑でかき消された「水道民営化法案」という見出しに納得。大本営広報部は「オウム真理教の死刑」にのみ集中し、決して「水道民営化法案」には触れなかった。大本営広報部の仕事ぶりは常に完璧。今も、モリカケや市場移転問題ではなく、逃亡犯人やら相撲協会問題に全力を注いでいる。居並ぶ連中、解決ではなく、問題の一部としか思えない。

2018年10月 1日 (月)

アメリカのやり方しか無い。国連安保理事会で世界をアメリカの足台扱いするトランプ

Finian Cunningham
2018年9月27日
RT

 今週、ドナルド・トランプは国連安全保障理事会で議長をつとめ、世界に対し、イランに対するアメリカの命令に従え、さもなくば、ワシントンの命令に従わないかどで報復するぞと、殺し屋のような最後通告をした。
世界の安全保障と平和を維持するための世界最高の場所が、こうして、ずうずうしい犯罪的なアメリカの主張の舞台と化した。

 今週ニューヨークでの第73回国連総会は、頭がクラクラするほどのアメリカによるいじめと傲慢さの見もので、トランプのばかばかしいほど独り善がりの演説のある場面では、各国代表が笑いをこらえられなくなったほどだ。

 総会での演説で、“世界最大のテロ・スポンサー”というイランに対する使い古された非難をトランプは繰り返した。何の新味もないが、このアメリカ大統領がしているのは、降伏しないと暴力的侵略の目に会うぞというイランに対する通告だ。

 トランプの国家安全保障問題担当補佐官ジョン・ボルトンはニューヨークでの別の演説で、ワシントンの根拠のない非難を巡り、イランに“大変な結果になる”と警告した。

 ワシントンは、イランの極めて重要な石油貿易の全面禁輸を課し、アメリカが支配する国際銀行制度からテヘランを遮断すると恫喝を強化した。これは、イランを更なる対立へ押しやる経済戦争行為だと考えられる。

 更に、トランプが安全保障理事会会議議長をつとめた際、もしアメリカ経済制裁に逆らってイランとの貿易を継続すれば“重大な結果”に直面すると諸国に挑発的に警告した。

 一日前、2015年の包括的共同作業計画(JCPOA)として知られている協定の支持を再確認するため、イランとの国際核合意の他の署名国全てが会合した。欧州連合は、ロシアや中国と協力して、アメリカの経済制裁と金融規制を回避する新たな決済機構を設立しようとしている。

 ところが、ここでトランプは各国に“そんなものを試そうとするな!”と言ったのだ。大統領はアメリカのやり方以外ないと言っているのだ。

 同盟諸国とされるものを含め全ての国々に対するワシントン権益の一方的押しつけは、必然的に紛争に至る緊張を引き起こす暴君の振る舞いだ。

 イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、アメリカが安全保障理事会を“悪用している”と正しく述べている。トランプはワシントンの独裁的政策を主張する場として利用していた。世界秩序と平和の維持を目指すためのものと考えられている場がアメリカ“指導”の下、アメリカ攻勢の共鳴板として利用されるのは皮肉なことだ。

 今週安全保障理事会の議題は、名目上、核兵器や他の大量破壊兵器の不拡散だった。前日の彼の総会演説をとりとめなく繰り返し、“[弾道] ミサイルを中東中に拡散している”テロリスト政権として、再度イランを悪者扱いするのに、安全保障理事会を利用して、トランプは二時間の委員会を始めた。

 今年5月のイラン核合意からのトランプの一方的離脱は、JCPOAが、決議2231で、安全保障理事会によって批准されていたことからして、国際法違反に当たる。

 ところが、トランプは、イランへの根拠ない非難で正当化して、このアメリカによる国際協定放棄を悪用しようとした。トランプが、イランに向けている“ならずもの国家”というあだ名は、実際、アメリカにこそ相応しい。

 安全保障理事会会議の議長をつとめる大統領は軽い調子で喜劇のようだった。時に、トランプは、まるで彼のリアリティアTV番組、The Apprenticeの再放送をしているかのように、彼の想像上の偉大さを自慢した。

 アメリカ国連大使ニッキー・ヘイリーは、人々の注目を集めるために叩く大統領のおもちゃのように、トランプの前に小槌を置いた。そして会議の途中、おそらく退屈して、大統領は護衛たちとともに歩き去り、ヘイリーに後を任せた。

 国連安全保障理事会の他の全常任理事国フランスとイギリスとロシアと中国は次々にイラン核合意が“ひどいもの”だというアメリカの立場を否定した。それぞれが、それは核兵器の不拡散により、世界をより安全にする持続可能な機能している条約だと述べた。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、代表団は無数の検査で、イランがJCPOAを完全に遵守していることを示していることを指摘し、トランプの協定からの離脱は不当で、間違っており、中東における緊張と不安定さを高めているとした。

 “JCPOAからのアメリカの一方的離脱は国際的不拡散体制にとっての重大な脅威だ”とラブロフは述べた。

 そこで何という逆説か。トランプが、核兵器拡散防止が議題の世界最高の安全保障委員会の議長をつとめたのだ。だが国際的に合意されている見解は、アメリカは安全保障を無責任に危険にさらしているというものだ。

 今週の議事について、世界で孤立しつつあるのは、イランではなくアメリカだと言ったイランのハサン・ロウハーニー大統領に同意せずにいるのは困難だ。

 だが状況は気がかりだ。トランプと彼のタカ派政権幹部は他の国々が何を考えているか全く気にしていない。全員間違いで、アメリカが正しいというのが連中の見解だ。

 イランに関する明白な国際法違反にもかかわらず、アメリカの独善を称賛する好機として、安全保障理事会で議長をつとめるというトランプの臆面もないうぬぼれで、これは十分明らかにされた。

 国連でのアメリカの主張は常に、うぬぼれと虫のいいウソの饗宴だ。だが今年、トランプは、紛れもなく、たくさんの途方もない矛盾を提示した。

 安全保障理事会で、いかに“アメリカが戦争の恐怖を美しい平和の約束で置き換えることが可能か”彼は熱心に説いた。この気の抜けた自慢のわずか数分前、トランプは、イランをの首を絞めろというアメリカの命令に従わないなら、アメリカによる懲罰を覚悟しろと世界に通告していたのだ。

 今回の総会演説で、トランプは彼の世界構想基本における理念として国家“主権”に夢中だった。ところが明らかに、現実世界で、このアメリカ大統領は前任者たち同様、国々がワシントンの命令に、あえて異議を唱えれば、他国の主権を全く軽視するだけだ。

 もう一つの目に余る矛盾は、アメリカは決して、アメリカ法を越える国際的規則によって責任を問われることはないと主張して、トランプが“グローバル官僚”をこきおろすことだ、。彼の“アメリカ・ファースト”論は無法状態の受け入れだ。それが常にアメリカのやり方だ。トランプは、この教義を明確にしているだけなのだ。

 だがトランプはアメリカ主権が抑制されない最高権力であることを望みながら、ワシントンの命令を他国に押しつけるためなら国連の“グローバル官僚”や、多国間主義を利用するのもいとわない。これは勝手な良い所取りだ。

 アメリカは“世界の警察官”だと主張して、その帝国主義を自負してきた。トランプ下のアメリカ権力は“世界の悪党”のようだ。

 アメリカの主張と現実との矛盾はあまりにばかばかしくなっていて、礼儀正しい外交官すら真顔でいるのは困難だ。

 Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。北アイルランド、ベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。20年以上、ミラーやアイリッシュ・タイムズやインデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は編集者、著者として働いた。現在は、東アフリカを本拠とするフリーランス・ジャーナリストで、RT、スプートニク、Strategic Culture Foundationや、Press TVにコラム記事を書いている。

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 本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/439660-trump-diktat-iran-unsc/

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沖縄知事選挙結果を知ってぐっすり眠れるはずだった。猛烈な風さえなければ。中学英語教科書にあったCan you sleep on windy nights?という文章を思い出しながら強烈な風の音を聞いていた。

沖縄まで宣伝にでかけた知事のおかげで、今も偉い目にあっているので、明日は下記インタビューを拝聴。

10月2日午後2時半から、建築エコノミストの森山高至氏、一級建築士の水谷和子氏、築地女将さん会会長の山口タイ氏、女将さん会の新井眞沙子氏に、岩上さんが大座談会インタビュー!同日夜9時半には、森友スクープを連発した相澤冬樹氏にもインタビューをWヘッダーでおこないます!相澤氏への質問も大募集中!/本日は午後2時から「シンポジウム『築地市場の行方』第二弾 ~築地を守り、豊洲を生かす!」を、午後7時より「『森友学園問題』を考える会主催『モリカケ・カウントダウンフェス』トークライブ」 を、午後8時より「岩上さんによる森山高至氏・水谷和子氏・中澤誠氏へのインタビュー」をタイムリー再配信します!

2018年9月15日 (土)

The Sakerに同意する

2018年9月7日
Paul Craig Roberts

 The Sakerが、私の疑問に答えてくれた。 http://thesaker.is/reply-to-paul-craig-roberts-crucial-question/ シリアにおいて、アメリカ軍部隊がロシアに対して優勢だという彼の考えと、“ほかの頬を差し出す”という私の表現が、誤解されかねない入念に計画された戦略ではなく、ロシアのいくじのなさを暗示すると彼が誤読している可能性を除いて、私は彼に同意する。

 もし違いがあるとすれば、“挑発”という表現で、シリア/イランとウクライナにおける軍事対立でのより広範な可能性を私が言っていることだ。例えば、仕組まれた“致死性の神経ガス”による“スクリパリ毒ガス攻撃”も私の懸念の対象だ。この話は、いかなる証拠も全く欠如しているにもかかわらず-実際逆の証拠はたっぷりある-益々ばかげた非難で進展し続けている。この話の目的は、ロシアとその大統領を最悪の形で描きだし、それによって、ロシアに罪をなすりつける次の偽旗攻撃を信じる雰囲気を醸成することだ。

 疑問はこうだ。ワシントンと、そのとるに足らないヨーロッパの傀儡連中は、欧米が現実的で、責任ある態度で、ロシアに対処するのが不可能になるまで、一体どこまでロシアを悪魔化できるのだろう? ヒラリー・クリントンをホワイト・ハウスに送り込むために、ウソをつき、だまし、かすめとった際、極めて大胆な仮説の可能性が高いが、連中に思考が可能だと想定して、民主党と売女マスコミは一体何を考えていたのだろう? アメリカ合州国にとって、ロシア大統領は“新ヒトラー”だと宣言して、事前にアメリカとロシアの政府間のあらゆる交渉と、あらゆる信頼を排除する大統領を戴くことは、危険な緊張のエスカレーションを保障するのみならず、それを緩和することが不可能なことを保障する。破局的結果を招きかねないのは、シリアにおけるアメリカとロシア軍間のあり得る衝突以上に、この種のエスカレーションなのだ。

 現在最も恐ろしい事実は、アメリカとロシア間の平和的関係に最も献身的な二人-ドナルド・トランプとウラジーミル・プーチン-が地球上で最も悪魔化されている二人だということだ。トランプとプーチンを悪魔化するのがアメリカ・マスコミと民主党の主要活動だ。

 悪魔化は連日、終日続いている。例えば、昨日は、匿名“トランプ高官”ではなく、NY Time自身が書いた偽のばかげたNY Times論説が、NPRの焦点の的だった。NPR報道に公平さは皆無だった。NPRの売女ジャーナリストは、トランプは職に不向きで、排除が必要だという結論に追加できる見つけられ限りのあらゆるトランプ反対の、悪魔化推進屋連中をかき集めた。

 前日、プーチンはNPRの標的だった。NPRは、ロシア嫌悪団体“オープン・ロシア”の副会長に、“プーチンのロシア”に関する実に下劣なウソと非難を、まるで壊れた消火栓のように吐きださせていた。対立する意見は皆無だった。NPR司会者は全てを正確な事実として扱った。言い換えれば、ニュース報道ではなく、プロパガンダ番組だった。こうした巧妙に仕組まれた悪魔化の狙いは一体何なのだろう? 平和の推進が目的だろうか? 理解? 緊張緩和? 核大国間のより良い関係? 明らかに、そのいずれでもない。

 アメリカ・マスコミは、もし危機が勃発した場合、二つの核大国の指導者が、信頼感皆無で、お互い話あえない状況を作り出すほど、一体どうして、これほど愚かで、無責任になれるのだろう? 売女マスコミ、民主党、アメリカの軍安保複合体、ネオコン、ジョン・マケインが作り出した狂った共和党によるプーチン憎悪/トランプ憎悪の雰囲気以上に、世界にとってより危険なものは一体何だろう?

 事実はこうだ。アメリカ合州国とイギリスにおいては、政治とマスコミの言説は、二大国間の責任ある関係を不可能にするためのあらゆることをしている。戦争という結果をもたらすのに、これ以上確実なものが他に一体あるだろうか?

 マルチャノフ氏とThe Saker氏と私との今回やりとりを掲載してくれたロン・アンス氏に厚くお礼申し上げる。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/09/07/i-agree-with-the-saker-as-far-as-he-goes/

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 五十歩百歩の「討論」一部を我慢してみた。時間の無駄。緊急事態条項の危険さを、大本営広報部は徹底隠蔽の統一方針なのだろう。異神創始者の無責任さには驚かない。

日刊IWJガイド「今日午後7時より、『安倍事務所の関与はあった!? 1999年・下関での選挙妨害疑惑! #ケチって火炎瓶 安倍晋三氏宅放火未遂事件の闇!岩上安身によるジャーナリスト 山岡俊介氏・寺澤有氏インタビュー』を、冒頭のみフルオープンで再配信します!/プーチン露大統領のアドリブの平和条約提案に対し、愛想笑いでうなずくしか反応できない安倍総理!自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長が訪露予定!? シビリアン・コントロールを失い、大国にへつらう『外交の安倍』!
/ロシアW杯決勝で乱入した『プッシー・ライオット』主要メンバー、ピュートル・ヴェルジロフ氏、毒殺未遂で入院か!?/『トリクルダウンと言ったことはない』!?『拉致問題を解決できるのは安倍政権だけとは言っていない』!? 安倍総理が公開討論会で無責任発言を連発!卑怯という以外に形容する言葉なし!/今日15日に沖縄県でラスト・ライブをおこなう安室奈美恵さんに、自民党幹部が発言の『自粛』を要請!? 事実なら表現の自由への『圧力』以外の何ものでもない! /『ゆ党』維新の会の生みの親である橋下徹氏が『維新、失敗だった』とはなんという無責任!! 岩上さんが橋下氏によるスラップ訴訟を闘い抜き、言論の自由を守るためにも、どうかさらなるご支援をよろしくお願いいたします!」2018.9.15日号~No.2193号~

2018年8月30日 (木)

アングロシオニストによる対イラン攻撃の選択肢

2018年8月3日
The Saker

[本分析はUnz Review向けに書いたもの]

 ここ数日、インターネットは、対イラン攻撃準備で、アメリカがオーストラリアの支援をせがんでいるというなんともばかげた噂で溢れている。言うまでもなく、記事はオーストラリアが、一体どのようなアメリカに欠けている能力を持っているのかを説明していないが、それはどうでも良い。とは言え記事は余りに多くの場所で取り上げられており(ここと、ここと、ここ)無視できない。そうした記事の一つで、エリック・マーゴリス は、そのようなアメリカ攻撃はどのようなものになりうるかを説明している。彼の文章は丸々引用に値する。

 アングロシオニストによるあり得る対イラン攻撃の概要

    広大で、山が多く、1980年に始まったイラクとの8年間の戦争で、百万人もの戦争死傷者に耐えた国イランに対する、大規模で高くつく地上戦を、アメリカとイスラエルは確実に避けるだろう。あの陰惨な戦争は、イランの新たな人気あるイスラム政権を打倒するため、アメリカとイギリスとクウェートとサウジアラビアがけしかけたものだ。

    ペンタゴンは、イスラエルとサウジアラビアが参加する可能性が極めて高い強力な対イラン空爆戦争を計画している。計画では、イランの戦略的標的。軍用飛行場や海軍基地、兵器と石油、石油や潤滑油貯蔵庫、通信ノード、レーダー、工場、軍司令部、港湾、給水設備、空港、ミサイル基地や革命防衛隊部隊に対する2,300回以上の空爆が必要だ。

    イランの防空は、貧弱から、全く存在しない、まで多岐にわたっている。アメリカ率いる対イラン軍事、商業禁輸措置で、アメリカが2003年に侵略した際のイラク同様、イランは老朽化し衰弱している。兵器としては、イランの70年年代物戦車は、ゆがんでいて、まっすぐ撃てず、古ぼけたイギリスとソ連のAAミサイルは大半使えず、古びたMiGと中国戦闘機は、博物館行きの状態だ。特に、骨董品のアメリカ製F-14トムキャット、中国がコピーした陳腐化したMiG-21や、ごく少数のかろうじて動いているベトナム戦争時代のF-4ファントム。

    航空戦指揮司令部もお粗末だ。イランが保有するあらゆる電子装置は、アメリカによる攻撃の最初の数時間で、焼かれるか、吹き飛ばされる。イランのちっぽけな海軍最初の攻撃で沈没する。アメリカの対イラン戦後計画次第で、イランの石油産業は破壊されるか、一部残される。

    テヘランがしっぺ返しする唯一の方法は、中東にある何ら決定的価値のないアメリカ軍施設への特殊部隊による孤立した攻撃をしかけること、そして、もちろん、中東石油輸出の三分の二が通る狭いホルムズ海峡の封鎖だ。近くのバーレーンに基地があるアメリカ海軍は、この脅威と戦うべく、何十年も演習してきた。

 この説明には多数の興味深い内容があり、各部毎に検討する価値があると思う。

 第一に、アメリカもイスラエルも、対イラン地上戦は望んでいないことで、マーゴリスに同意せざるを得ない。国が大きすぎ、イランは、しっかり準備しており、そのような作戦に必要な軍隊の規模は、帝国が現在召集できるものを遙かに超えている。

 第二に、イランには、アングロシオニストが固く決めた(ミサイルと航空機)攻撃を阻止する手段がないと、マーゴリスが言うのも全く正しい。イランには多少の近代的防空能力があり、攻撃側も多数の損失をこうむるだろうが、この時点で、規模の相違はあまりに大きく、アングロシオニストは、かなり早く制空権を制圧し、何であれ連中が爆撃したがるものを爆撃する機会を得るだろう(詳細は後ほど)。

    [補足: とは言え、イランの防空を評価するのは、単にミサイルと発射装置の数を数えるだけの話ではなく、他にも色々あるのだ。あるロシアの情報源によれば、イランには4基の長距離対空ミサイル S-300PMU-2システム(48Н6Е2 マッハ6,6の迎撃ミサイル)、29基の対空自己推進ミサイル・コンプレックスTor-M1や、Bavar-373バッシブ電子走査アレイ・レーダー(照射、誘導システムが最新の中国エレクトロニクスを使っているのはほぼ確実だ)のようなかなり先進的な対空ミサイル施設や、ロシアや中国やイラン製のかなりの数の早期警戒レーダー・システムがある。こうしたものの中には、高性能の長距離レーダー探知、標的指定Najm-802レーダー(5120の受信・送信モジュールがあり、デシメートル Sレンジで動き、弾道標的や高精度兵器の小さな物体を探知するよう設計されている)のようなシステムや、固定アレイ・レーダーの先進的な早期警戒制御システムのロシアのメートル波レーダー “Nebo-SVU”や、メートル・レンジの早期警戒レーダー“Ghadir”がある。 最も重要なことは、これらのレーダーは全て、イランのネットワーク化されたミサイル防衛システムに統合されている。例えば“ガディール”レーダーは、アメリカ空軍やサウジ王国空軍やイスラエルの戦術戦闘機のみならず、(約1100 km先の)発射直後の弾道ミサイルも探知できる。その結果、西方向に(ペルシャ湾)マルチバンド・レーダー探知施設でのイランの無線部隊駐留によって、イランは高強度ミサイル攻撃に対して防衛する柔軟な梯形防空を準備することができる。とは言え、イランが防空をどれほど強化しようとも、非常に多くのミサイル(新しい高度なAGM-158 JASSM (統合空対地スタンドオフ・ミサイル)や、B-1B爆撃機から発射されるステルス性のスタンドオフ型空中発射ミサイルを含む)が、イランの防空は必然的に、あらゆる大規模攻撃によって圧倒されることを意味している。]

 だから、私は、イラン石油産業は、アメリカ/イスラエルが固く決心した攻撃から守れないというマーゴリスに同意する。実際、イランのインフラ全て攻撃に弱いのだ。

 とは言え、マーゴリスの最後の段落は、イランには信頼に足りる報復措置がないように聞こえるが、私はこれに大いに反対だ。

 例一: ホルムズ海峡におけるイランの能力

 一例を挙げれば、ホルムズ海峡問題は“アメリカ海軍が長年この脅威と戦うべく訓練したもの”より遥かに複雑だ。この狭い海峡経由で輸送するのを事実上不可能にするための非常に多様な選択肢がイランにあるのが現実だ。その選択肢は、機雷から、高速艇攻撃、対艦船ミサイル、沿岸防衛砲台砲撃他と多岐にわたる。

    [補足: ここには大きな危険がある。イスラエルと、あるいは、アメリカは、ホルムズ海峡内のあらゆる船に対する偽旗攻撃を極めて容易に仕掛け、イランのせいにでき、そこで、あらゆるアングロシオニスト諜報機関が、いつもの“大いにあり得る”というあやしい専門用語を言い立て、御覧じろ、帝国はイラン攻撃の口実を得ることになる。]

 実際、この狭い海峡経由での船舶輸送を脅迫する事実だけで、保険会社に、どの船舶にも、保険適用するのを思い止まらせ、それだけで輸送を停止できる可能性がある。それが不十分な場合には、イランは限られた数の機雷をいつでも敷設でき、それだけで十分なのだ(米海軍は機雷除去作業を行おうとすることは可能だが、イラン沖でそうすれば米海軍掃海挺を極端な攻撃の危険に曝すことになる点に留意願いたい)

 マーゴリスは、これに触れていない。

    イランはアラブ諸国からの石油輸出の一部を阻止し、海上保険料を急騰させられるかも知れないが、サウジアラビアと湾岸諸国の主要石油ターミナルを地上軍で攻撃しない限り、大量の石油輸出を阻止できる可能性は少ない。イラン-イラク戦争中、どちら側も相手の石油輸出を完全に阻止することはできなかった。

 しかしながら、この文脈で、イランの能力をひどく過小評価していると私は思う。一例として、イラン潜水艦戦力を見てみよう。

イラン潜水艦戦力は極めて特化したものだ。2018年版のIISSミリタリー・バランスによれば、イランは現在21隻の潜水艦を配備している。

  • 3隻のタレク級ディーゼル・エレクトリック方式潜水艦(ロシアのキロ級Project-877EKM)
  • 1隻のファタ級沿岸潜水艦
  • 16隻のガディール級小型潜水艦
  • 1隻のナハンド級小型潜水艦

 “ディーゼル・エレクトリック方式”と聞くと、大半の人々は古いディーゼル・トラックを思い浮かべて、感銘しない。特に、こうした潜水艦を、うわさの“先進的”攻撃型原子力潜水艦と対照した場合。ところが、潜水艦は、それが活動するよう設計されている環境の中でのみ評価できるので、これは非常に誤った意見だ。海の地形は、普通、三つに分類される。ブルーウォーター(外洋)、グリーンウォーター (大陸棚)と、ブラウンウォーター(沿岸地域)だ。攻撃型原子力潜水艦は、自立性、速度、潜行深度、兵器搭載能力、高度なソナーなどが極めて重要なブルーウォーター環境においてのみ優位なのだ。比較すると、ディーゼル・エレクトリック方式潜水艦は、より遅く、バッテリーを再充電するために浮上する必要があり、典型的により小型で、搭載兵器もより少ないが、グリーンウォーター作戦には、より適している。浅いブラウンウォーターでは、攻撃型原子力潜水艦は決してそのような環境で活動するように設計されていないので、小型潜水艦が君臨する。ホルムズ海峡の環境をざっと見てみよう。

 オマーン湾とアラビア海奥深く入った際のブラウンウォーターとグリーンウォーター型の環境で、極めて浅かったり、浅い海の興味深い組み合わせが典型的だ。これを念頭に置いて、どのような種類の潜水艦部隊をイランが入手/開発したか見よう。

 ブラウンウォーター作戦(ペルシャ湾とホルムズ海峡)用に、イランは比較的大規模で、有力な小型潜水艦艦隊がある。グリーンウォーター作戦(オマーン湾とアラビア海)用に、イランは三隻の手ごわいタレク/キロ級潜水艦がある(自立性、速度、兵器やソナーが、攻撃型原子力潜水艦よりずっと劣るとは言え、限定されたブルーウォーター作戦さえ可能だ)。“ディーゼル・エレクトリック方式”と同様、“小型”潜水艦という言葉で、我々は、おもちやか、良くて、せいぜい麻薬を密輸するのに使える第三世界の原始的ボロ船を思い浮かべる。ところが実際は、イラン“小型潜水艦”は、キロ級と同じ、重量級の魚雷(533 mm)を、より少数ながらも搭載可能だ。これは、つまり同じミサイルや機雷も搭載できることを意味している。実際、イランのガディール級“小型”潜水艦は、ペルシャ湾においては、最新型の攻撃型原子力潜水艦より、遥かに手ごわい脅威なのだと私は言いたい。

    [補足:典型的な(航空母艦を中心とする)外洋海軍を擁する覇権大国として、グリーンウォーター(沿岸)能力は必要ないと考えたため、アメリカは何年も前に、ディーゼル・エレクトリック方式潜水艦の建造を停止した。他の国々(ロシア、ドイツ、スウェーデン他)は、これらの潜水艦が、ずっと安価で、沿岸防衛作戦に、より適しているのを正しく理解しているので、ディーゼル・エレクトリック方式潜水艦計画(いわゆる“非大気依存推進” - AIP - のものを含め)を積極的に推進している。ディーゼル・エレクトリック方式潜水艦を放棄したのは、アメリカ軍計画者連中による大失敗の一つだ。この話題のこの記事をお読み願いたい。新しい沿海域戦闘艦(LCS)と、ズムウォルト級誘導ミサイル駆逐艦が、このグリーンと、ブラウン作戦能力の欠如を部分的に緩和するはずだったが、どちらも大失敗となった]

 
ガディール級潜水艦

 ロシアのキロ級潜水艦は、最も静かながら、重武装の潜水艦で、イランに対するアメリカ海軍作戦に対する主要な脅威となり得る。ところが、米海軍は彼らを24時間年中無休で追跡しており、キロ級潜水艦は、あらゆるアングロシオニスト攻撃の最初に第一の標的(港内であれ、洋上であれ)になるはずなのは確実だ。だが米海軍は、ずっと小型(で無数の)イラン小型潜水艦を追跡し続けることが可能だろうか? 私もわからないが、これらの比較的小型の潜水艦は隠れるのが実に容易なので、そうはゆくまいと個人的に思っている。このガディ級潜水艦を写真をご覧になって、それを隠したり、代案として、実物そっくりのデコイを作ったりするのが、いかに容易か想像願いたい。ところが、この小型潜水艦の魚雷は、ペルシャ湾内のあらゆる船を、一発で沈没させられるのだ。

 アメリカは確実に、これらの脅威を見つけ出し、破壊しようとする多数の極めて有力な偵察・諜報能力を保有しているが、イランは何十年もこのシナリオに準備をしており、彼らはロシアの軍事用語でいうマスキロフカの真の達人であることも分かっている。偽装、隠匿、欺瞞と、誤った方向への誘導の組み合わせだ。実際、レバノンのヒズボラにこの術を訓練したのはイランで、イスラエルが、自信満々、軽い足どりで、南レバノンを侵攻した際、イスラエルのあらゆる偵察/諜報能力をもってしても、比較的素朴な(技術的に言って)ヒズボラ・ミサイル能力にさえ対処することができないことを思い知らされたのを我々は良く知っている。散々愛国心を煽りたてようとも、もしイランがホルムズ海峡を封鎖しようと決めれば、アメリカに残された唯一の選択肢は、イランの岸に部隊を上陸させ、限定的ではあっても、依然極めて危険な地上攻撃作戦を行うしかないのが真実だ。この時点で、この狭い隘路で非常に多くの戦闘が行われ、誰もそこを船で通そうと考える人はいるまいから、この反撃が成功かどうかは重要ではない。

 イランが出来ることと言えば“中東のたいした重要性のないアメリカ軍施設に対する、特殊部隊による個別攻撃“をしかけることだろうというマーゴリスも間違っていると思う。一つの現実的なイランの選択肢は、アメリカの標的(中東にはたっぷりある)を様々なミサイルで攻撃することだろう。しかも、イランは、アメリカ同盟諸国(イスラエルやサウジ空軍)や権益 (サウジアラビア油田)に向けて、ミサイルを発射することが可能だ。

 二つ目の例: イランのミサイル能力

 CSISの筆者が言うこと全てを信じるつもりはないが(控え目に言っても、彼らは非常に偏向している)、このページに、現在のイラン・ミサイル能力のかなり良い要約を掲載している。

同じページに、CSISは現在と開発済イラン・ミサイルのより詳細リストを載せている。

(このWikipediaページで、CSISのイラン・ミサイル情報と比較することができる。)

 重要な疑問は、イランに有力なミサイルがあるか否かではなく、一体何発開発されたのかだ。明らかかつ、当然の理由で、イランは意図的に、非常にあいまいにしているので、誰もこれを本当に知ってはいない。だが、ヒズボラの例から判断して、イランは、これらのミサイルも十分大量な数保有しており、極めて信頼できる抑止能力になっているのは確実だ。そのようなミサイル兵器は、強力な戦争抑止力であるのみならず、極めて有用な戦闘用でもあると言いたい。地域のアメリカ基地(特に空軍基地や海軍施設)が断続的なイラン・ミサイル攻撃にさらされたら一体何が起きるか想像できるだろうか? 第一次湾岸戦争中のイスラエルの経験から、更には最近のサウジアラビアのフーシ派ミサイルでの経験から判断して、アメリカのパトリオットは、イラン・ミサイルに対する防衛として、役に立たないのはほぼ確実だ。

 確かに、アメリカが第一次湾岸戦争中に行い、イスラエルが2006年に行ったように、アングロシオニストはイラン・ミサイル基地の大掛かりな捜索を開始するだろうが、最近のあらゆる戦争から判断して、こうした捜索は十分成功することはなく、イランはミサイル攻撃をかなり長期間継続することができるだろう。たとえば、地域のアメリカ基地に対する2-3日に一発のミサイル攻撃が、作戦や士気にどのように影響するかご想像願いたい!

 現実性チェック:アメリカは中東中で攻撃されやすい

 以上、私は二つの具体的な能力(潜水艦とミサイル)だけ挙げたが、イランの小型高速モーターボートの群れや、電子戦争能力や、サイバー戦争についても、同様な分析が可能だろう。しかし、イランの最も手ごわい資産は、“大魔王”の攻撃に何十年にもわたって備えていて、自らと、自国を(おそらく不可避の) アングロシオニスト攻撃に対して守るため様々な非対称的選択肢を開発している極めて教養があり、高度の教育を受けた国民だ。

 中東のアメリカ軍施設を示す少なくとも一枚の地図をおそらくご覧になっているだろう(もしご覧でなければ、ここか、ここか、ここをご覧願いたい)。率直に言って、イランがアメリカ軍と基地に包囲されている事実はイランにとって重大な脅威だ。だがその逆も事実だ。これらアメリカ軍施設全てが標的で、極めて脆弱なことが多いのだ。しかも、こうしたどの標的の攻撃にも、イランは地域の代理部隊/同盟者を利用可能だ。このファクト・シートをダウンロードし、リストにあるそれぞれの施設が、イランによる攻撃の標的になる可能性を考えながら読まれるよう強くお勧めする。

 こうした議論に対して、私が良く聞くいつもの答えは、もしイランが実際に、あえてミサイルを使用したり、地域のアメリカ基地を攻撃したりすれば、アメリカによる報復は実に恐ろしいもののはずだ。ところが、エリック・マーゴリスによれば、アメリカ-イスラエルのイラン攻撃の当初の、そして主目的は“イランのインフラ、通信と輸送(石油を含め)を完全に破壊し、この重要な人口8000万人の国をマヒさせ、革命前の時代に戻すことだ”。ここで簡単な質問をさせて頂きたい。もしマーゴリスが正しければ - 私は個人的に彼は正しいと思っているが - すると、その結果は、イランが反撃した場合、アメリカが計画していると思われる“実に恐ろしい”報復と一体どう違うのだろう?  違う言い方をすれば - もしイランが、アングロシオニストが自分たちの国を荒廃させたがっていることを理解した場合、(たとえば、2006年に、イスラエルがレバノンに対してしたように)、一体どのような更なる可能なエスカレーションが、彼らが使える手段で反撃するのを防げるのだろう?

 この疑問に答えるには、アングロシオニストにとっての“イラン問題”の本質を良く見る必要がある。

 アングロシオニストによるイラン攻撃の本当の目的

 何よりまず、イランに何らかの軍用核計画がある証拠は皆無だ。イスラエルが長年これを世界に向かって叫んできた事実があるとて、真実になるわけではない。イランには、いかなる種類の核兵器を開発する論理的な理由など全くないはずであることを強く示唆する常識も加えたい。この点を議論する時間と余地がない(過去、何度も議論してきた)ので、イランは“核兵器計画を中止し”そのままになっているという国家情報評価の結論に触れるだけにしたい。

    [補足: イランにかつて核兵器計画があったとは思わないが、それは重要ではない。たとえもしあったとしても、そのような能力を開発するため何らかの初期的措置を講じたが、あきらめた他の多くの国と同じ水準になるだけだ。重要なのは、イランには現在、軍事核開発計画がないというのが、アメリカの公式の立場だ。]

 イランの本当の問題は実に単純だ。イランは下記に当てはまる世界で唯一の国なのだ。

  1. イスラム教で、サウジアラビア/ダーイシュ/ISIS/アルカイダ/他のタクフィール主義イデオロギーと、連中が推進するテロに対する戦いを率いている
  2. あからさまな反シオニストで、反帝国主義で、保守的な宗教的価値観と進歩的社会政策を組み合わせている
  3. 政治的、経済的、軍事的に成功していて、地域におけるイスラエルによる権力独占を脅かしている

こうした特徴のいずれも、それ自体、帝国の観点からすれば、その政府と、あえてそういうものを支持する国民を抹殺するという冷酷な決断によって対処されるに十分値する犯罪的思想で、全くの憎悪、恐怖対象のゆゆしき問題なのだ。この三つを組み合わせれば、イランが、アングロシオニストによって、それほど憎悪されているのも不思議ではない。

 イラン核計画に関する作り話丸ごと、嫌がらせと、あり得る対イラン攻撃の口実にすぎない。現実には、アングロシオニストの狙いはイランの武装解除でなく、まさにマーゴリスが言う通りだ。この“反抗的な”国と国民を爆撃して“革命前の時代に戻す”のだ。

 重要なことがある。イランはそれを完全に理解しているのだ。明らかな結論はこうだ。もしアングロシオニスト攻撃の目的が、イランを爆撃し、革命前の時代に戻すことであれば、イランが自制して、できる限り最大限の抵抗をせずにいる理由などあるだろうか?

 アメリカによる報復核攻撃脅威のためだろうか?

 アメリカにる核攻撃の選択肢 - 現実には、たいした選択肢はない

 ここでもまた、核兵器使用は敵に即座に戦闘をあきらめさせ、無条件降伏させるある種魔法の万能薬だと考えるだけでなく、文脈を考える必要がある。これは真実からほど遠いの。

 そもそも核兵器は、引き合う標的に対して使用された際にのみ効果的だ。アメリカが日本でしたように一般国民を殺戮するのは、目的が敵国軍を打ち破ることである場合、全く役にたたない。敵の“貴重な”標的を核攻撃することは、とことん戦うという敵の決意を強めることにしかならない。第一次湾岸戦争の際と同様、アメリカは既に、イラン国内で攻撃したいものの典型的な標的リストを作成していると私は確信している。主要政府庁舎や施設や、多数の軍隊や施設の組み合わせだ。ところが、大半の場合、そうしたものは通常(非核)兵器で破壊可能なのだ。しかもイランは何十年もこのシナリオにそなえて来たのだから(1979年革命以来、アメリカは常にイランに狙いを定めてきた)、あらゆる平時の施設は、戦時に備えて複製されているのはまず確実だ。だから多くの目立つ標的が破壊されても、その戦時用の複製施設が瞬時に受け継ぐだろう。地中深くにある標的を破壊するのに核兵器が使えると人は考えるだろうし、これは部分的には正しいが、一部の標的は(核爆発によってさえ)破壊するには深すぎる場所に建設されており、他の施設は何カ所にも複製されている(たとえば、平時の軍司令部、1箇所に対し、4、5、あるいは6箇所もの隠され、深く埋められたものがあるはずだ)。そのそれぞれを狙うには、更なる核兵器使用が必要となり、それはそのような核攻撃作戦の政治的代償という疑問を提起する。

 政治的意味で、アメリカが、誰であれ敵に核兵器を使用した日、アメリカは、そこから決して覇権が回復できない政治的自殺をすることになるのだ。大多数のアメリカ人は“勝てば官軍”で、“国連などどうでもいい”と考えるかも知れないが、世界の他の国々にとっては、核兵器先制使用(報復の反撃とは対照的に)思いも寄らない、実に不快なもので、犯罪で、特に違法な侵略行為だ(国連安全保障理事会は、決してアメリカのイラン攻撃を認めるまい)。たとえホワイト・ハウスが“核武装したアヤトラ”に対し“世界を守るために”核を使用“せざるを得なかった”と宣言しても、世界の圧倒的多数は、大憤激で対応するだろう(特にイラク大量破壊兵器という作り話の後では!)。しかも、どのようなアメリカ核攻撃も、イランを、悪役から被害者へと、瞬時に変えるだろう。アメリカにとって何の大きな利点ももたらさない標的に核兵器を使用するためだけに、そのような途方もない政治的代償を支払うと、アメリカが一体なぜ決断するだろう? 正常な状況の下であれば、この種の挑発されたわけではない核兵器使用は、全く想像もできず、不合理だと私は思う。ところが、アメリカの現在の政治的文脈では、実際、私を震え上がらせる可能性があるのだ。

 トランプはネオコンにとって“使い捨て大統領”なのか?

 ネオコンはトランプを憎悪しているが、彼を抑え込んでもいる。この種の“抑え込み”の最高の例は、信じがたいほど愚かな行動ながら、イスラエル・ロビーが要求していた大使館をエルサレムに移転するというアメリカの決定だ。アメリカによる包括的共同作業計画の破棄や、さらに言えば、現在のイランに対する一連の威嚇もそうだ。ネオコンには、こんな感じの基本戦略があるように思える。“我々はトランプと、彼が代表するあらゆるものを憎悪しているが、我々は彼を支配してもいる。正気のアメリカ大統領なら決してしないだろう、あらゆる狂ったことをするのに彼を利用し、そうした狂った決定に対するまずい余波を活用して、それをすべてトランプのせいにしてやろう。そうすれば我々は望むこと全てを得ることができ、その過程で、適切な時期にトランプを潰し、“我々のタマ”の一人に置き換える作業に取りかかるのだ”。繰り返すが、イラン攻撃の本当の狙いは、イランを爆撃して、革命以前の時代に戻し、アングロシオニスト帝国に大胆にも反抗する“間違った”政権を支持したかどで、イラン国民を懲罰することのはずだ。ネオコンは、イスラエルの最も重要な政治目標の一つである、イランを廃墟にすることを達成しながら、混乱と政治的大惨事を起こしたかどで非難できる“使い捨て大統領”としてトランプを利用できるだろう。ネオコンにとって、これはどうころんでも有利な状況だ。もしことがうまく行けば(いくらその可能性が低かろうとも)、連中は全てを自分の手柄にして、トランプを操り人形のように支配し続けられるし、もしことがうまくゆかなかったら、イランは廃墟になり、トランプは愚かで狂った戦争のかどで非難され、クリントン集団は、権力の座にもどる容易ができているだろう。

 そういうシナリオで、最大の敗者は、もちろんイラン国民だろう。だがアメリカ軍とて順調というわけに行かない。一例をあげれば、イランを“荒廃させる”だけという計画には、アメリカ軍は長期間紛争を好んでいない(アフガニスタンとイラクは十分酷い)のだが、実行可能な出口戦略、特に短期的なものがない。しかも、アメリカが破壊できる大半のものを破壊してしまえば、主導権はイランの手にわたり、時間もイランに味方する。2006年、イスラエルは、わずか33日後に打ち切らざるを得なかったが、勝利を宣言して、撤退するのに、アメリカにはどれだけ必要だろう? もし戦争が、たとえばサウジアラビアやイラクやシリアに広がったら、アメリカに撤退する選択肢があるのだろうか? イスラエルはどうだろう - ミサイルがイスラエルに命中し始めたら(イラン・ミサイルのみならず、おそらくはレバノンからのヒズボラ・ミサイルも!)彼らに一体どんな選択肢があるのだろう?

 対イラン軍事攻撃は“私が耳にしたものの中で最も愚かしい”と述べた元モサド長官メイール・ダガンは全く正しかった。悲しいかな、ネオコンは決して聡明だったことはなく、連中は愚劣なことをしでかす可能性が極めて高い。アメリカで誰かが連中を止める方法を見つけ出し、人の道に外れた、残虐で無用で、可能性として極めて危険な戦争を回避するよう祈るばかりだ。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/anglozionist-attack-options-against-iran/

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 大本営広報部の昼番組、最近全く見なくなった。(聞かなくなった。)何を扱っているのか全く興味がなくなった。夜も、トップダウンで方針転換と話題の番組も全く見なくなった。洗脳におつきあいする時間はない。

日刊IWJガイド「本日午前10時より、『福島第一原発・汚染水タンク撤去後の放射性物質トリチウムを含む処理水の取扱いに関する説明・公聴会(富岡会場)』をライブ配信!/本日午後5時より『7.28草の実アカデミー「安倍首相・重大スキャンダル~安倍晋三氏は、本当に選挙妨害を暴力団関係者に発注したのか」!? ―講師:山岡俊介氏、寺澤有氏』を再配信! #ケチって火炎瓶/本日午後8時より2016年11月17日収録、岩上さんによる『関東大震災朝鮮人虐殺の記録: 東京地区別1100の証言』著者で『ほうせんか』理事・西崎雅夫氏インタビュー前編を再配信!/今日、メルマガ『岩上安身のIWJ特報!』を発行します!8月号は『「市民レベルの追及はやり尽くした」財務省強制捜査と昭恵総理夫人の証人喚問を!岩上安身による木村真豊中市議インタビュー(後編)』および『イラン核合意から離脱し、エルサレムに大使館を移したトランプ政権の「異常」な中東政策は、キリスト教福音派の預言成就願望とユダヤロビーに答えたもの!? 岩上安身による放送大学 高橋和夫名誉教授インタビュー』です!/米国でリベラル派からも英雄視された共和党のジョン・マケイン上院議員が死去!『アメリカでは人類に対する犯罪に関与すると英雄になれる』!?/佐賀県が地元漁協の頭越しに20年100億円でオスプレイ配備の受け入れ表明! この裏には山口祥義知事再選への思惑か!? IWJは防衛省に直撃取材!/IWJの第9期が始まったばかりですが、さっそくピンチに! 8月29日までのご寄付・カンパが目標額の5分の1どまりと非常に厳しいスタートとなっています! どうか緊急のご支援をよろしくお願いいたします!」2018.8.30日号~No.2177号~

2018年8月13日 (月)

中東戦略同盟(MESA):同盟か、アメリカにとっての宝の山か?

2018年8月10日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 アメリカが意図的にイランとの戦いを持ち出している時期に、中東戦略同盟(MESA)が、‘アラブ版NATO’として公表されるのは単なる偶然ではない。もちろん、MESAのような同盟は、まとまった力とされるものにより対抗すべき敵がいない限り、必要とされるはずがない。それこそが、同盟創設という行為の背後にある論理だ。ソ連が‘自由世界の敵’として描かれた時代のNATOから始まって、MESA設立に至る軍事同盟は、こうした同盟が、安全保障というエセ感覚をもたらすがゆえのみではなく、これら同盟が、軍産複合体にとって、大いに儲かる事業活動であるがゆえに繁栄してきたのだ。ドナルド・トランプ大統領は、先月開催された最近のNATOサミットで、この点を十分明快にし、彼らが、要求通り、そのGDPの4パーセントを同盟のために使うつもりであれば、NATO加盟諸国がアメリカ製兵器を購入するのをアメリカは喜んで支援したいと述べた。だから、軍事同盟は単なる戦略ではない。それは、国防の政治経済を大いに強化する商売でもある。

 MESA創設も、このパターンに則っている。まずは、厳しい駆け引きで、しっかり交渉したイラン核合意から、アメリカが撤退し、“信頼”できない敵で、実際ライバル諸国を破壊しようとしている並外れたものとして、イランを役替えさせる。そこで、アメリカは、イランにより、増大する安全保障上の脅威に対抗すべく、イランのライバル諸国で構成される同盟という考え方を繰り出すわけだ。以上終わりだ。(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーン、バーレーン、クウェート、カタール、エジプトとヨルダン) 自前の国防産業皆無で、中には、適切な常備軍すらない国々で構成されるこの同盟が、イランから自国をどのように防衛するのだろう?というのが、基本的な疑問だ。アメリカ製兵器を購入することで、そうするのはまず確実だ。MESAは、だから、アメリカ軍産複合体にとっての宝の山となり、アメリカ大統領トランプの“バイ・アメリカ”計画にとっての本物の後押しになる。

 MESA創設は、中東に新たな軍事化の波を送ることになり、新たな軍拡競争を引き起こすことは確実だが、アメリカは、それによって一層恩恵を受ける立場にある。

 たとえばシリアの次に、依然、地域における主な未解決の紛争は、イランがフーシ派を支援していると、サウジアラビアが考えているイエメンだ。サウジ率いるアラブのイエメン攻撃は既に最悪の人道的危機を引き起こしているが、MESAが早急に対応する必要があるのはイエメンで、“イランの陰謀”を打ち破ることが必須だ。そこで兵器が差し迫って必要になるわけだ。

 既にホワイト・ハウスは、アメリカが、サウジアラビア軍‘近代化’の任務を負っていることを確認している。近代化には独自の政治がある。例えば、アメリカは、連中に無用な兵器で、サウジから既に何千億ドルも搾り取っているが、サウジアラビアには、そうした兵器使用に必要な専門能力も無く、訓練が必要だ。そこで近代化計画なのだ。

 1100億ドルを超える武器商談に調印して、トランプ大統領は、アメリカ軍産複合体にとっての兵器市場としてのサウジアラビアの可能性を拡大させた。たとえ、それが十分でないにせよ、十年にわたり、アメリカに3800億ドルももたらす可能性がある史上最大の武器輸出は称賛に値する。

 それでも、武器商談だけが、サウジアラビアと他の湾岸諸国の資金でアメリカが膨大な恩恵を受ける唯一の分野というわけではない。湾岸諸国、特にサウジアラビアは、何十億ドルもの価値の投資も、アメリカにするつもりだ。

 報道によれば、サウド家はアメリカに2500億ドルの商業投資をして、トランプ政権に、何千もの大いに必要としている新規雇用を与え、旅客機を購入し、アメリカのインフラ・プロジェクトに投資する予定だ。

 他のMESA加盟希望諸国も同じことだ。湾岸諸国と最近まとまったの商談の中には、アラブ首長国連邦に対する、パトリオット・ミサイル防衛システム、20億ドルの輸出や、サウジアラビアに対する、終末段階高高度地域防衛システムTHAADと支援機器150億ドルの輸出がある。3月、アメリカ国防省は、ボーイング社が、クウェート政府向けの28 F/A-18スーパーホーネットで、12億ドル契約に成功したと発表した。昨年秋、バーレーンは、ロッキード・マーチンから、改良型F-16ファイティング・ファルコン16機を推計23億ドルで購入することに調印した。

 また、純粋な商業活動という点で、UAEはアメリカ製品と投資の最大の相手国でもある。2016年、アメリカは、UAEで、190億ドルの輸出黒字を得ており、アメリカにとって、世界で三番目に大きな貿易黒字だ。しかもUAEは、ボーイング航空機の世界的に最大の購入者でもあることは疑いようがない。この他にも、このちっぽけなアラブ国家はアメリカに何十億ドルも投資してきた。一例をあげれば、AMDと、アブダビのアドヴァンスト・テクノロジー・インヴェストメント・カンパニー(ATIC)との間のジョイント・ベンチャー、グローバルファウンドリーズは、アメリカに、約170億ドル投資し、約7000件雇用して活動している。

 この関与の深さを考えれば、アメリカが中東から抜け出すというアメリカ大統領選挙運動時の言説は、軍事協力やMESAのような軍事同盟の創設によって、絆を一層強化するものへと転換したように見え、アメリカは出口戦略ではなく、定着戦略を推進していることを裏付けている。

 この文脈で、兵器輸出を正当化し、軍産複合体経済を破綻させずにおくため、イランを挑発し、一層敵対的な関係にしようとし続けるだろうが、MESAは、この狙いを更に追求するばかりで、イランに反撃することなど到底できまい。

 サルマン・ラフィ・シェイフは、国際関係とパキスタンの内政、外交問題評論家、本記事は、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/08/10/mesa-an-alliance-or-a-gold-mine-for-america-to-dig/

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 「中東同盟」、そのままこの属国に置き換えられそう。憲法を破壊して、侵略戦争に参戦するのも間近。そのためには「緊急事態条項」が必須。当然、大本営広報部は全く触れない。

 ドキュメンタリー『“駅の子”の闘い ~語り始めた戦争孤児~』を見た。壮絶。「今も孤独な子供たちがいるのです。思いやってください。」という趣旨のことを、一人の方が、子供たちへの講演でおっしゃっていた。「戦争は絶対にいけません。」と何人もがいわれた。アフガニスタン、イエメン、シリア。彼らの国々、日本と違い、自分から戦争を仕掛けて、敗戦したわけではなく、いわれなく、一方的に侵略されている。

日刊IWJガイド「本日午後7時録画配信~来日中の国際コンサルタント・トーマス・カトウ氏に岩上さんが緊急インタビュー!緊急事態条項は日米両国できちんと報じられていないことは大問題!/<今日の再配信・核兵器と戦争を考えるシリーズ特集>午後4時『「1943年5月の段階で、原爆は白人国家のドイツではなく、日本に投下すると決まっていた」 ~オリバー・ストーン監督、ピーター・カズニック教授記者会見』、そして午後5時『緊急集会「被爆者は核兵器禁止条約を求める」』を再配信!/他」2018.8.13日号~No.2160号~

2018年8月12日 (日)

イランを孤立化させるというトランプ発言は、むしろアメリカの世界的孤立化

Finian CUNNINGHAM
2018年8月8日
Strategic Culture Foundation

 今週、トランプ政権がイランに対し厳しい経済制裁を再度課したが、この動きは、世界の目から見れば、テヘランではなく、ワシントンが、更に孤立化する危険がある。

 ドナルド・トランプ大統領は、ワシントンが再度課した徹底的な経済制裁に伴う声明を発した。“イラン政権は選択しなければならない”彼は言った。“威嚇的な不安定化の振る舞いを改め、グローバル経済に復帰するか、経済的孤立化の道を継続するか。”

 皮肉にも、トランプが発した言葉そのものは、アメリカ合州国に、よりぴったり当てはまる。

 益々錯乱したこのアメリカ政権は“威嚇的な不安定化の振る舞い”を撤回し、他の国々のように、多国間規則の尊重を始める必要がある。さもないと、アメリカとその一方的ないじめは、“経済的孤立化の道を継続する”ことになる。

 トランプは今週“誰であれイランと事業を行っているものは、アメリカとは事業ができなくなる”とも警告した。ドナルド、願い事には気をつけろ! イランを巡るその警告そのものが、自国にとってずっと悪い結果になりかねない。

 アメリカ大統領は、無謀に、強く出すぎている恐れがある。イランを経済的に孤立化させるアメリカの取り組みに、世界の他の国々にも加われという彼の攻撃的な要求は、ひどく裏目に出る可能性が高い。

 特にトランプは、準備通貨としてのアメリカ・ドル依存から、国際貿易関係を離れさせようとして、ロシアや中国や他の国々が進行中の歴史的方向を強化しつつあるのだ。準備通貨としてのこの特権的立場が無ければ、アメリカ・ドルは暴落するはずで、終わりのない責任を負わないドル札印刷に依拠しているアメリカ経済も丸ごとそうなるはずなのだ。

 ロシアと中国とインドは、イランとの事業上のつながりを切れというワシントンの高圧的要求に従うつもりはないことが知られている。

 イラン石油産業にとって、最大の輸出市場である中国もインドも、トランプ経済制裁に従うつもりはないと言っている。

 アメリカの絶対的命令への抵抗は、必然的に、他の国々に、貿易をする際の新たな資金調達の仕組み考え出させることになる。これが更に、アメリカ・ドルの国際的地位の崩壊を促進する。

 今週、国際核合意を破棄し、不当にイランに敵対するトランプ政策に、欧州連合ですら反撃した。

 欧州連合外務・安全保障政策上級代表フェデリカ・モゲリーニは、イギリス、フランスとドイツの外務大臣も署名した声明で“イランと正当な事業を行っているヨーロッパ企業を我々は断固保護する”と述べた。

 28カ国が加盟するEUは、テヘランとの事業を継続している国々に対する攻撃で、トランプ政権が計画しているいわゆる“二次的経済制裁”から、イランとの商業的つながりを法的に保護することを可能にする障壁規則を導入しつつある。

 今週、ワシントンにより再度課された経済制裁は、アメリカ・ドル支払いを使用した国際貿易をするイランの能力を断ち切るのが狙いだ。だが、もし他の国々がイランの経済的なつながりに断固とした態度をとれば、彼らは必然的に、ユーロ、人民元、ルピーやルーブルによる二国間通貨取引を使って、アメリカの制限を回避するだろう。

 これは、ロシア-中国の二国間関係の戦略的重要性の増大、中国の世界的経済構想である一帯一路構想、ユーラシア経済統合、多極世界を形成する上での、BRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の重要性の増大を含むいくつか重なる要因のおかげで、既に進行中の移行なのだ。

 BRICSは世界経済の約40パーセントを占めており、グループには、トルコやイランなどの新たな参加国が入りつつある。

 これは必然的に、かつて国際貿易を支配していたアメリカ・ドルの強力な優位が、衰えつつあることを意味している。ドルの余命はいくばくもないのだ。一方的に経済制裁を行使することによるイランや他の国々に対するトランプのいじめは、世界準備通貨としてのアメリカ・ドルを放棄する世界的な方向を促進するに過ぎない。

 一国の通貨は、他の国々からの尊敬、あるいは信頼を受ける能力が全てだ。トランプの下で、ワシントンは急速に、こうした価値を浪費しつつある。

 トランプ大統領の対イラン政策には正当な基盤がない。これは国際法や国連憲章に違反し、政権転覆のため、イランを不安定化させようとする露骨な企てだ。世界の他の国々は、ワシントンの下劣な仮面と、その尊大な物言いの本質を見抜けるのだ。彼らが見ているのは、ことを進める際、身勝手かつに恣意的に自分のルールをでっち上げる凶悪政権だ。

 アメリカ権力は実に無節操で、偽善で分裂している。イランを中東での“悪質な振る舞い”で非難するのは、違法な戦争で、国々を丸ごと、何百万人もの無辜の人々の命も破壊してきた近年の実績を考えれば、ワシントンがばからしく見える。汚れ仕事をやらせるための、テロリスト聖戦士支援もそうだ。

 5月、国連が支持しているイランとの国際的核合意からトランプが脱退して、アメリカが経済制裁を再び課すお膳立てとなったのは、ワシントンが自らの一方的事故満足を優先して、多国間の規範を拒絶する典型例だ。EUやロシアや中国を含む2015年核合意の調印者全員、合意の支持を表明している。

 国連監視員たちは、ほぼ何十もの報告で、イランが核兵器開発を制限する合意の条件を完全に遵守しているのを確認している。合意の自分の義務を遵守していることから、イランは、核合意が定めている経済制裁緩和を受ける資格が十分ある。

 アメリカによる合意拒絶は、もっぱら、イランの“悪意ある行動”だとする根拠の無い侮辱的主張に基づいている。これは、ロシアを“選挙干渉”で、中国を“軍事拡張主義”で非難するのと同じアメリカのゆがんだ宣伝的精神構造だ。

 しかし、特に軽蔑に値するのは、イランに関するトランプ政権自身の不備な主張の中にさえ、原理原則が全く欠如していることだ。イランを世界ののけ者と非難しながら、トランプは、首尾一貫せずに、イラン指導部との交渉まで申し出た。

 新たな経済制裁が発効する中での発言で、トランプの国家安全保障問題担当補佐官ジョン・ボルトンは、フォックス・ニューズにこう語った。“彼ら[イラン指導者]は、イランの弾道ミサイルと核兵器計画を、完全かつ、本当に検証可能な形で放棄すべく彼らと交渉するという大統領提案を受けられるはずだ。”

 トランプの論理の一体どこに原理原則があるだろう? トランプ政権が、うろんに主張しているように、もし“イラン政権”が“世界最大のテロ支援国家”で、それゆえ核合意破棄が正当化できるなら、そうしたのこものとされる国に、交渉を持ちかけることが、一体どうして倫理的に容認可能なのだろう?

 明らかに、トランプ政権には、イランと交渉することに理にかなった反対がないのだ。核合意自体への理にかなった反対が無かったのと全く同様だ。イランは“弾道サイル計画を放棄”しなければならないというボルトンの主張は、元々の核交渉に決して無かった追加要求だ。イラン“は核兵器計画を完全かつ検証可能な形で放棄しなければならない”というボルトン二つ目の主張は単に事実無根の主張、つまりアメリカ・プロパガンダだ。

 核合意の他の調印国全員と、優秀な国連の専門監視員たちが、イランが過去三年間完全に遵守していることを確認している。

 トランプのイランに対する明らかな不誠実さとウソと、国際社会に対し、主権国の事業を、どのように行えという法外な命令で、ワシントンが、ならずもの国家として、国際的規範や外交の常識をはずれたものと見なされ、更に孤立するのは確実だ。アメリカの世界的な地位は歯止めなく落下しつつあるが、ドルの地位も、まもなくそれに続くだろう。

 トランプ政権がイランに対して強気な態度をとっているのは、ボールを手にした駄々っ子が、足を踏み鳴らし、他の連中に、帰るからなと脅しているようなものだ。アメリカの場合、他の連中はこう言っている。“行きな、せいせいするよ。”

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/08/08/trump-talk-isolating-iran-speaks-more-us-global-isolation.html

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 この記事を翻訳したところで目にしたのは、スクリパリ事件を理由にした、対ロシア経済制裁を発表。既にルーブル下落が起きている。属国売国政権はひどいが、さすがに、宗主国による悪行のひどさは桁違い。属国売国政権は、自国民を売り飛ばし、危害を加えるが、宗主国は、自国民のみならず、他国民にも途方もない危害を加える。人が、妄想から殺傷事件をおこすことがあるが、常時妄想で、凶行をはたらくならずもの国家というところか。

 宗主国の論理に、一体どこに原理原則があるだろう?

 Nagasaki: Life After Nuclear Warの著者と、その中で書かれた被爆者の方々を取りあげたドキュメンタリーをみた。夜11時。
ETV特集 シリーズ アメリカと被爆者 第2回「“赤い背中”が残したもの」
良い番組を作ろうとすれば作れるのだ。16日深夜に、再放送。きちんと、多くの人が見ない時間での放送するよう配慮しているところが忖度。

日刊IWJガイド「<今日の再配信・核兵器と戦争を考えるシリーズ特集>今日午後7時より、『「核」のプロフェッショナルが「沖縄発の核戦争が勃発する直前だった!」というスクープの裏側を語る!~岩上安身による共同通信編集委員・太田昌克氏インタビュー(前編)』を再配信します!/<配信準備中の岩上さんのインタビュー>『トランプとプーチンが共謀』!? 『プーチンは乗り気』!? 来日中のトーマス・カトウ氏に岩上さんが緊急インタビュー!/【IWJグッズ】限定商品(IWJひょうたんランプ)再販のお知らせ!/他」2018.8.12日号~No.2159号~

2018年8月10日 (金)

トランプの一方的イラン経済制裁はイランの責任だというワシントン・ポスト

Moon of Alabama
2018年8月4日

 トランプ政権によるイランとの核合意撤回は誰の責任だろう? その一部が今日発効するトランプ政権が一方的にイランに課す経済制裁は誰の責任だろう?

 ジェイソン・レザイアンによれば、それはイラン政府なのだ。

 ジェイソン・レザイアンはワシントン・ポストのテヘラン支局長だった。2014年7月、彼はテヘランで、スパイのかどで逮捕され、懲役判決を受けた。2016年、核合意の裏取引でアメリカ合州国にとらわれていたイラン人と引き換えに、彼は解放された。

 今レザイアンは、ワシントン・ポストのグローバル・オピニオン・コラムを書いている。最新記事は「私は経済制裁下のイランで暮らした。こんな感じだ。」と題するものだ。

    私は当時テヘランに住み、経済制裁の影響を広範囲に報じていた。

    もし、あの経験が、イランの人々を一体何が見舞おうとしているかの予兆となるものとすれば、以下が、これから普通のイラン人がどのような目に会うかの予告だ。

 彼は経済制裁が引き起こす様々な問題を列記している。リアルは更に下落するだろう、一部の薬品は入手困難になるだろう、他のものも不足するだろう、闇市場が再び現れ、少数の連中がそれで儲けるだろう。

    この小さいとはいえ、取るに足りないわけではない一部国民は、2012年と2013年にそうだったように、その富が膨れ上がることになろう。テヘランの絶え間ない交通の中、世界で最も高価な高級車が不相応な数走ることになろう。

 ロンドンかニューヨークの話のようだ。実際ある評論家はこの論説にこう言っている

    この記事の多くは、多数のアメリカ人の日常生活のようで、アメリカ国民の大半が経済制裁されているかのようだ。イラン人には、いつかこうした経済制裁が解除される日がくるだろうが、このアメリカ人たちは、そうならない可能性が高い。余りに多くの人々が、自分たちを迫害する連中に投票し続けているのが、その理由の一つだ。

 レザイアンはこう続ける。

    間もなく、有力なコネがある役人連中や闇市場にアクセスできる家族は、政府内の連中のお仲間が作り出すのを促進した逆境に冷淡につけ込んで商品を輸入し、法外な価格で売り始めるだろう。

 イラン政府内の"お仲間"が一体どのように新たな経済制裁"作り出すのを促進した"のだろう? イランはJCPOA合意の下での義務を全て果たしていた。他の調印国全てが抗議したにもかかわらず国連が支持した合意を破棄したのは、もっぱらドナルド・トランプだ。

 レザイアンはイラン国民を気づかうふりをしているが、見当違いの相手を非難し続けている。

    テヘラン政権は明日静かに崩壊するかも知れない - 素晴らしいことではないだろうか? - だが、ワシントンに楯突くだけのために、実に当然な国民の懸念への対処をほとんど何もしないまま進む可能性の方が高い。
    ...
    フィデル・カストロのキューバやニコラス・マドゥロのベネズエラや他の多くの反米政権同様、イランの支配階級も頑固だ
    ...
    のけ者国家と烙印を押されていることで引き起こされる永久の闇の下で暮らす社会の全身倦怠感は悪化するばかりだ。

 ジェイソン・レザイアンが一体どこの惑星に住んでいるのか判別するのは困難だ。そこは、ワシントンDCで偉そうに大口をたたく連中の理不尽な気まぐれに、あらゆる国々と人々が屈服する所に違いない。そこは地球ではない。イランは"頑固"なのではない。JCPOAの下での権利を要求しているだけだ。イランは"のけ者国家"ではなく、アメリカ合州国がそうなのだ。一方的に核合意を破棄したのはアメリカだ。

 ロシアやトルコやインドや中国や他の多くの国々は、アメリカによる一方的なイラン経済制裁を遵守するまい。もしアメリカが二次経済制裁を課そうとしても、両国はそれに屈伏することをあるまい。

 トランプ "取り巻き連中"はアジアを訪問し、イラン石油の最大輸入国二国、中国とインドにイラン石油購入を止めるよう要求した。両国とも拒否した。トランプ取り巻き連中は、そこで、11月に経済制裁が発効した時に、イラン顧客の一部が購入を停止し、より多くのイラン石油が市場に出た際、中国とインドに輸入を増やさないよう懇願した。

 こうした交渉は数カ月前に行われ、両国とも問題を検討するための時間を要求した。中国は原則的にトランプの要求に同意しているが - 必要な準備をしたあとのことだ。

    交渉に詳しい二人の当局者によれば、アメリカは、中国にイラン石油輸入を削減するよう説得できなかった

    当局者によれば、しかしながら北京はイラン原油購入を増やさないことに同意した
    ...
    世界最大の原油輸入国で、イランの一番の顧客である中国は、以前、一方的な経済制裁には反対すると言っていた。イランからの毎月の石油輸入を、7月、26パーセント増やした。ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによれば、これは先月のイラン輸出の35パーセントを占める。

 インドも同じ考えかたをしているようだ。

    インドの毎月のイランからの石油輸入は、11月のアメリカ経済制裁に先立ち、国営精油所の取入れ量が増加して、7月、約30パーセント急増し、記録的な 一日768,000バレル(バレル/日)となったのを、ロイターが入手した仮のタンカー到着データが示している。
    ...
    7月の量は、約415,000バレル/日という一年前の出荷より、約85パーセント多かったことをデータは示している。

 11月、イラン石油購入者に対する厳格な石油制裁が発効すれば インドと中国は現在の量を維持することを主張するだろう。両国とも既にイランからの購入量を増やしている。既に輸入量を非常に大量に増やしたので、両国は、今ならトランプに、イランからの輸入を増やさないと約束できる。イランは毎日220万から280万バレル輸出している。少なくともその半分は二大顧客に流れ続ける。それによって、経済制裁措置は既に破綻している。

 トランプは、こうした貿易を止めるのに、アメリカ・ドルに対する管轄権を利用することさえできない。インドと中国との取引は二国間契約で、元建てで、上海で売り買いできる現地通貨と先物契約だ。

 経済制裁に加えて、トランプ政権は、イランに対し、多数のいかがわしいものや、あからさまに残虐な構想やらをしかけている。ヨーロッパに人を派遣し、イランは、ヨーロッパにおけるいくつかのテロ策謀の黒幕で、それが合意を終わらせる十分な理由だと主張させている。だが "イランは策謀の黒幕だというのに懐疑的なヨーロッパ幹部は、核合意は地域に恩恵をもたらすと言っている。" それでも、ヨーロッパ指導者の中には意気地が無く、アメリカの圧力に屈するものもいる。

 イラン国内での圧力を高める、アメリカ-イスラエル共同作戦の準備が整っている。イラン国内で、抗議行動参加者に影響を与え、テロを引き起こそうとするだろう。これは、この構想の初期兆候である可能性が高い。

    高射砲、7000発の大砲砲弾、73mm対戦車砲や、他の兵器を含む大量の兵器貨物が #イラン東部で発見された。ケルマーン検事総長は、反政府集団のものだと言っている。

 イランは決して圧力には屈するまい。イランは決して屈したことがない。核合意を望み、必要としていたのはオバマ政権だった。オバマ政権は、テヘランとの交渉にオマーンの良い事務所を利用した。トランプを同じことをしようとするかも(あるいは既に実際、イランと話しているかも)知れない。だがこの政権は、イランが履行できず、するはずのない理不尽な要求をしている。

 トランプの無条件会談提案は歓迎されていない

 私が話したあらゆるイラン人幹部はこう言った。“このアメリカ支配体制は全く信頼しておらず”“イランは、いかなる対話を始める前に、実質的な証拠が必要だ。”“JCPOA署名時、アメリカ側につくのをテヘランが受け入れることを期待して、アメリカは、イランをロシアと中国から孤立化させようとした。ロシアと中国は、安定した信頼できるパートナーなので、これは間違ったやり方だが、我々は確かに、アメリカには同じことが言えない。トランプは無条件で話し合いたがっている。彼が譲歩しない限り、彼と話し合うつもりはない。彼の圧力のかけ方は、イランを惹きつけるものではない。逆に、我々を遥かに遠ざける最善の方法だ。一つ明らかなことがある。我々のミサイル製造と能力と、中東内の我々の同盟者に対する我々の支援を、交渉で放棄するつもりはない。もし、彼がそれを望むなら、彼は現状のままいれば良い。”

 妥協し、JCPOA合意を元に戻さなければならないのはトランプだ。彼がそうしない限り、イランは彼と交渉しようとするまい。現在の問題は、トランプの背後のシオニストが、彼がそうするのを許さないことだ。連中は、ことを軍事衝突に向けて押し進めるよう主張するだろう。それは、アメリカが負け続けているものの一つになるだろう。

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2018/08/washington-post-blames-iran-for-trumps-unilateral-sanctions-against-it.html

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 2013年8月11日に掲載した翻訳記事「ワシントン・ポスト新オーナー、いかにCIAを支援し、WikiLeaksを妨害し、書籍業界を壊滅させたか」を思い出した。

 猛暑復活、辞任、三選と、興味のないことは延々伝えてくれる広報部。よその国のグテーレス事務局長の方が、売国政治家よりまとも。

 日刊IWJガイド「<8.9長崎平和記念式典>この1年で核廃絶・平和運動のリーダー2人を失った長崎! 田上市長はこの2人の言葉を引き、『「平和の文化」を、市民社会の力で広げていこう』と全世界に宣言! 国連のグテーレス事務局長は「長崎を核兵器で苦しんだ地球最後の場所に」との強い決意を述べる!!/<今日のタイムリー再配信>午後8時『「核と人類は共存できない。核には、きれいな核も、汚い核もない」~岩上安身による谷口稜曄(すみてる)長崎原爆被災者協議会会長インタビュー 2013.8.9』を公共性に鑑みフルオープンで再配信します!/他」2018.8.10日号~No.2157号~

2018年7月31日 (火)

ポール・クレーグ・ロバーツ博士:“対テロ戦争は実際はワシントンとイスラエルから自立した外交政策のイスラム教諸国に対する戦争です”

2018年6月27日
American Herald Tribune

 American Herald Tribune: ワシントンとのいかなる協定も信頼することはできないと考えておられますね。この点で、我々にとって歴史の教訓は何でしょう?

 Paul Craig Roberts: こういうTシャツがあります。“確かに政府は信頼できる - インディアンに聞いてみろ。" 政権の中にも、より信頼できるものがあります。例えば、レーガンは、スタグフレーションを終わらせるつもりだと言い、我々は終わらせました。レーガンは冷戦を終わらせたいと言い、我々は終わらせました。アイゼンハワーは我々に軍産複合体による民主主義の危険を警告してくれましたが、我々は無視しました。

 権力者にとって大きな利益を得る好機があり、公言していない狙いを持った連中の手中に政府がある場合、そうした狙いは国民をだますことで押しつけられるようです。例えば、“対テロ戦争”は実際はワシントンとイスラエルから自立した外交政策のイスラム教諸国に対する戦争です。それはアメリカの市民的自由に対する戦争で、イスラエル領土拡大の邪魔になる中東の国々に対する戦争です。ところがワシントンは、それが“民主主義のための戦争”“テロから自由になるための戦争”などのような振りをしています。

 ワシントンのあらゆる協定は無意味だということを、ロシア人は学んだか、学んでいるべきです。ロシアがドイツ再統一に同意した際、NATOは一インチたりとも東進しないとロシアは約束されたのですが、クリントン政権はNATOをロシア国境に配備しました。ブッシュ政権が弾道弾迎撃ミサイル制限条約を水に流し、ロシアは現在、国境の弾道弾迎撃ミサイル施設で脅されています。

 ワシントンの約束が大半の場合、無価値であるのを理解するのに苦労は不要です。

 EU諸国をアメリカ属国諸国と呼ばれるのはなぜでしょう? ヨーロッパにとっての代償は一体何でしょう?

 全ヨーロッパ、カナダ、イギリス、オーストラリア、日本や韓国はワシントンの属国です。彼らは自立した外交政策や経済政策を許されていません。例えば、ヨーロッパは、ロシアとの対立に全く何の利益もありませんが、ワシントンにより、対立するよう強いられています。ソ連消滅以来、もはや何の目標も存在しないNATO、北大西洋条約機構は、中東や、セルビアや、北アフリカでのワシントンによる戦争犯罪の隠れ蓑として機能しています。シャルル・ドゴールを除くヨーロッパ指導者は、自国民ではなく、ワシントンに仕えているのです。ワシントンの傀儡諸国の一つたりとも、主権国家ではありません。例えば、もしフランスが主権国家なら、フランスの銀行がイランと事業をする企業に融資するか否かはフランスが判断するはずです。ところが、フランスは主権国家ではなく、大手フランス銀行はイランと事業をしている企業に融資したかどで、ワシントンに何十億ドルもの支払いを強いられました。もう一つの例は、フランス造船会社がロシアとの契約で、軍艦を建造し、ワシントンがフランス造船会社の引き渡しを阻止したものです。一週間ほど前、ロシアからのノルド 2 ガス・パイプライン建設に参加すれば、ドイツは経済制裁されるとドイツ政府は、ワシントンから通知を受けました。

 こうした例は数えきれません。

 ワシントンに譲歩しようしていると再三ロシアを批判しておられます。ロシアは一体なぜ妥協しようとしていると、お考えですか?

 ワシントンと合意をしようとして、ロシアがもう一方の頬を差し出していることを批判しているわけではありません。ロシアの戦争を避けるための取り組みを私は尊敬しています。この取り組みが、戦争を避けるのか、戦争を招くのかという疑問を私は投じているのです。プーチンが侮辱と挑発にじっと耐えていることが、更なる同じ行動を誘発し、ロシアには戦争以外の選択肢が無くなってしまうのではという懸念を言っているのです。おそらく、ロシアが断固として譲らなければ、ワシントンの攻勢を巡って警戒させるメッセージをヨーロッパに送ることになり、戦争の可能性を減らす自立した対ロシア政策をヨーロッパに採用させることになるだろうと提案したのです。

 シリアで、ロシアはイランとイスラエルの間をうまく綱渡りできるでしょうか?

 もしロシア政府が、ワシントンの中東政策がイスラエルによって決定されていることを理解していなければ、ロシア政府は正気を失っています。この二国が、二度もイスラエルによる南レバノン占領の企みを阻止したレバノン民兵ヒズボラに補給をしているので、イスラエルは、シリアとイランを不安定化したいのです。イスラエルは、そこにある水資源が欲しいのです。もし邪魔な敵を一掃するのに、イスラエルがアメリカ軍を利用できれば、イスラエルは、邪魔されずにことを進めることができます。

 ロシア政府は確かに、ロシアにとって、不安定化されたイランが不安定化されたシリア以上に脅威であることを理解しています。

 あなたのこの言葉は有名です。“ロシアはワシントン覇権に降伏した場合のみ、欧米の一員になれる” これを詳しく説明して頂けますか?

 ローマ同様、アメリカ合州国は、独立した国家に対する寛容がほとんどない帝国です。21世紀のアメリカ外交政策の基本は、1991年、ペンタゴン幹部ポール・ウォルフォウィッツによって公表されました。“ウォルフォウィッツ・ドクトリン”(オンラインで読める)として知られているものは、アメリカ政策の主要目標は、ワシントンの単独覇権主義の抑止役として機能しかねない、いかなる他国の、特にロシアは名前をあげて、勃興を阻止することだと定義しています。ウォルフォウィッツ・ドクトリンは全面的に実行されており、それがオバマが意図したシリア侵略とイラン爆撃をロシアが阻止して以来、ロシアとロシア大統領が実に法外なウソや濡れ衣で悪魔として描かれている理由です。ロシア(中国も)が、世界のあらゆる国の中で、二国だけが、ワシントンの意志に従わずにいられる十分な大国となったことに、ネオコンは激怒したのです。

 アメリカに対処する最善の方法は何でしょう?

 ロシアや中国やイランや北朝鮮にとって、ワシントンに対処する最善の方法は、ワシントンを無視して、それぞれ自分の道を行くことです。彼らはSWIFT決済機構、アメリカを本拠とするインターネット、取り引きでのアメリカ・ドル使用、欧米銀行での金融資産残高、欧米が資金提供する非政府組織の国内承認、外国による自国マスコミ所有の承認、経済への欧米資本や欧米銀行の承認など、彼らを支配するために利用されている欧米の体制から完全に縁を切るべきです。こうしたことの大半がロシアと中国にあてはまります。北朝鮮は閉鎖されていますが、数年前のアメリカが資金供給した“グリーン革命”未遂 で明らかなようにイランは部分的に開放されています。

 真実がわかれば、アメリカ・プロパガンダは、第二次世界大戦以来、世界で最も成功した勢力です。おそらく北朝鮮を除き、あらゆる国に、アメリカ・プロパガンダを信じている国民や政治家がいるのです。彼ら全員、アメリカ・プロパガンダが描いているような成功者になりたいと願っています。

 以前こうお書きになっています“ワシントンにとって、イランの問題は、決してイランの核エネルギー計画ではない。”すると一体何が問題なのでしょう?

 イランは二つの点で、ワシントンにとって問題です。一つはイランは意見がアメリカ政策と違う主権国家だということです。もう一つは、イランがイスラエルの邪魔だということです。イランはヒズボラを支持しており、ヒズボラはイスラエルが南レバノンを併合するのを阻止しています。

 イラン核合意調印の一週間前に、あなたはこうお書きになりました。“人為的な核問題は、イランの独立を打倒するワシントンの狙いの隠れ蓑として機能する。ところがイラン政府とイラン・マスコミは、ワシントンと売女マスコミに追随し、この人為的問題を、実際の問題として受け入れた。もしイランが生き残ることができれば奇跡だ。”イランは合意に署名して間違いをしたと、いまでもお考えですか? 以来何か変わったでしょうか?

 イランが合意に署名して間違いをしたとは言ってはいません。実際、イランには他の選択肢はありませんでした。もしイランが合意に署名しなければ、イランはロシアが与えている保護を犠牲にしなければならなかったでしょう。ワシントンは協定を守らないし、できるだけ早く離脱するだろうと私はイランに警告しただけです。明らかに私は正しかったのです。トランプ大統領が一番初めにしたことの一つは、多数の国が調印したイラン核合意からの撤退で、もし他の合意調印国合意を破棄しなければ、彼らを経済制裁すると脅すことでした

 トランプにとって、イランは、トランプがその掌中にあるイスラエルの問題なのです。世界中の情報に通じた人全員、イランには核兵器計画がないことを知っており、CIAによれば、そのような計画追求を、もう何年も前に放棄したのです。イランは調印した核合意を守っています。協定の遵守を拒否しているのはアメリカです。問題はイギリスとフランスとドイツが合意を遵守するのか、それともワシントンに離脱を強いられるかです。明らかにロシアと中国は、両国政府が突然狂気に見舞われない限り合意を遵守するでしょう。

 アメリカの合意離脱に対処する具体的な措置として、イランに何を提案されますか?

 この質問に対する私の答えは、基本的に6番目の質問と同じです。イランは欧米とは完全に縁を切るべきです。

 イランはロシア-中国同盟との安全保障条約を目指すべきです。イランは石油の富を、自国民の基本的福祉体制や、ロシアや中国への投資や、中国と協力して他のアジア経済に使うべきです。イランは、イランの宗教思想は自国向けのものであり、輸出すべきものではないのを認識すべきで、イランを成功した国家にするよう注力すべきです。ワシントンとイスラエルによる攻撃下にあるイランは、国民の支持が必要で、つまりイランは、アメリカのような形で統治し、金持ちと良い立場にある人々だけが恩恵を受けるような政策をとる余裕はないのです。

 イランはロシア同様、欧米の放蕩に影響されない高潔な国民にしようとしています。

 問題は、ロシアとイランが欧米の放蕩に抵抗し、未来を切り開くことが出来るかどうかです。

 Paul Craig Roberts博士は、元経済政策担当財務省次官補で、元ウオール・ストリート・ジャーナル共同編集者。彼はBusiness Week、Scripps Howard News ServiceやCreators Syndicateのコラムニストだった。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムには世界的に支持者がいる。Roberts氏の最新著書に、「The Failure of Laissez Faire Capitalism」「Economic Dissolution of the West」、「How America Was Lost、「The Neoconservatives Threat to World Order」がある。

記事原文のurl:https://ahtribune.com/world/2317-paul-craig-roberts.html

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 売国カルトに毒されていることをたなにあげ、憲法教という新興宗教に毒されているとのたまう属国の象徴。

 「広島で仮設住宅の建設始まる、今も1042人が避難所生活」という。時々、豪雨被害の様子を伝える呆導を見るが、その原因を深く追求するものを見た記憶皆無。原発村同様、強力なダム村の実情に大本営広報部が触れるはずがない。天災ではなく人災!?という下記インタビュー、目からうろこ。

 日刊IWJガイド「本日午後7時より『問題だらけの治水事業! 西日本豪雨被害は天災ではなく人災!?大都市圏を豪雨が襲うリスクに迫る!岩上安身による拓殖大関良基教授+ジャーナリストまさのあつこ氏インタビュー(その2)』を再配信します!/稲田元政調会長は『法曹界は「憲法教という新興宗教」に毒されている』!? 谷川とむ衆院議員、小林ゆみ杉並区議は『性的指向は「趣味」』! 杉田衆院議員は『自民党思想』の優等生か!?/
IWJの第8期は7月末で期末を迎えますが、皆様からのご支援のおかげで赤字転落を回避できそうです! IWJをご支援いただき、本当にありがとうございます!/他」2018.7.31日号~No.2147号~

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