イラン

2018年8月13日 (月)

中東戦略同盟(MESA):同盟か、アメリカにとっての宝の山か?

2018年8月10日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 アメリカが意図的にイランとの戦いを持ち出している時期に、中東戦略同盟(MESA)が、‘アラブ版NATO’として公表されるのは単なる偶然ではない。もちろん、MESAのような同盟は、まとまった力とされるものにより対抗すべき敵がいない限り、必要とされるはずがない。それこそが、同盟創設という行為の背後にある論理だ。ソ連が‘自由世界の敵’として描かれた時代のNATOから始まって、MESA設立に至る軍事同盟は、こうした同盟が、安全保障というエセ感覚をもたらすがゆえのみではなく、これら同盟が、軍産複合体にとって、大いに儲かる事業活動であるがゆえに繁栄してきたのだ。ドナルド・トランプ大統領は、先月開催された最近のNATOサミットで、この点を十分明快にし、彼らが、要求通り、そのGDPの4パーセントを同盟のために使うつもりであれば、NATO加盟諸国がアメリカ製兵器を購入するのをアメリカは喜んで支援したいと述べた。だから、軍事同盟は単なる戦略ではない。それは、国防の政治経済を大いに強化する商売でもある。

 MESA創設も、このパターンに則っている。まずは、厳しい駆け引きで、しっかり交渉したイラン核合意から、アメリカが撤退し、“信頼”できない敵で、実際ライバル諸国を破壊しようとしている並外れたものとして、イランを役替えさせる。そこで、アメリカは、イランにより、増大する安全保障上の脅威に対抗すべく、イランのライバル諸国で構成される同盟という考え方を繰り出すわけだ。以上終わりだ。(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーン、バーレーン、クウェート、カタール、エジプトとヨルダン) 自前の国防産業皆無で、中には、適切な常備軍すらない国々で構成されるこの同盟が、イランから自国をどのように防衛するのだろう?というのが、基本的な疑問だ。アメリカ製兵器を購入することで、そうするのはまず確実だ。MESAは、だから、アメリカ軍産複合体にとっての宝の山となり、アメリカ大統領トランプの“バイ・アメリカ”計画にとっての本物の後押しになる。

 MESA創設は、中東に新たな軍事化の波を送ることになり、新たな軍拡競争を引き起こすことは確実だが、アメリカは、それによって一層恩恵を受ける立場にある。

 たとえばシリアの次に、依然、地域における主な未解決の紛争は、イランがフーシ派を支援していると、サウジアラビアが考えているイエメンだ。サウジ率いるアラブのイエメン攻撃は既に最悪の人道的危機を引き起こしているが、MESAが早急に対応する必要があるのはイエメンで、“イランの陰謀”を打ち破ることが必須だ。そこで兵器が差し迫って必要になるわけだ。

 既にホワイト・ハウスは、アメリカが、サウジアラビア軍‘近代化’の任務を負っていることを確認している。近代化には独自の政治がある。例えば、アメリカは、連中に無用な兵器で、サウジから既に何千億ドルも搾り取っているが、サウジアラビアには、そうした兵器使用に必要な専門能力も無く、訓練が必要だ。そこで近代化計画なのだ。

 1100億ドルを超える武器商談に調印して、トランプ大統領は、アメリカ軍産複合体にとっての兵器市場としてのサウジアラビアの可能性を拡大させた。たとえ、それが十分でないにせよ、十年にわたり、アメリカに3800億ドルももたらす可能性がある史上最大の武器輸出は称賛に値する。

 それでも、武器商談だけが、サウジアラビアと他の湾岸諸国の資金でアメリカが膨大な恩恵を受ける唯一の分野というわけではない。湾岸諸国、特にサウジアラビアは、何十億ドルもの価値の投資も、アメリカにするつもりだ。

 報道によれば、サウド家はアメリカに2500億ドルの商業投資をして、トランプ政権に、何千もの大いに必要としている新規雇用を与え、旅客機を購入し、アメリカのインフラ・プロジェクトに投資する予定だ。

 他のMESA加盟希望諸国も同じことだ。湾岸諸国と最近まとまったの商談の中には、アラブ首長国連邦に対する、パトリオット・ミサイル防衛システム、20億ドルの輸出や、サウジアラビアに対する、終末段階高高度地域防衛システムTHAADと支援機器150億ドルの輸出がある。3月、アメリカ国防省は、ボーイング社が、クウェート政府向けの28 F/A-18スーパーホーネットで、12億ドル契約に成功したと発表した。昨年秋、バーレーンは、ロッキード・マーチンから、改良型F-16ファイティング・ファルコン16機を推計23億ドルで購入することに調印した。

 また、純粋な商業活動という点で、UAEはアメリカ製品と投資の最大の相手国でもある。2016年、アメリカは、UAEで、190億ドルの輸出黒字を得ており、アメリカにとって、世界で三番目に大きな貿易黒字だ。しかもUAEは、ボーイング航空機の世界的に最大の購入者でもあることは疑いようがない。この他にも、このちっぽけなアラブ国家はアメリカに何十億ドルも投資してきた。一例をあげれば、AMDと、アブダビのアドヴァンスト・テクノロジー・インヴェストメント・カンパニー(ATIC)との間のジョイント・ベンチャー、グローバルファウンドリーズは、アメリカに、約170億ドル投資し、約7000件雇用して活動している。

 この関与の深さを考えれば、アメリカが中東から抜け出すというアメリカ大統領選挙運動時の言説は、軍事協力やMESAのような軍事同盟の創設によって、絆を一層強化するものへと転換したように見え、アメリカは出口戦略ではなく、定着戦略を推進していることを裏付けている。

 この文脈で、兵器輸出を正当化し、軍産複合体経済を破綻させずにおくため、イランを挑発し、一層敵対的な関係にしようとし続けるだろうが、MESAは、この狙いを更に追求するばかりで、イランに反撃することなど到底できまい。

 サルマン・ラフィ・シェイフは、国際関係とパキスタンの内政、外交問題評論家、本記事は、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/08/10/mesa-an-alliance-or-a-gold-mine-for-america-to-dig/

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 「中東同盟」、そのままこの属国に置き換えられそう。憲法を破壊して、侵略戦争に参戦するのも間近。そのためには「緊急事態条項」が必須。当然、大本営広報部は全く触れない。

 ドキュメンタリー『“駅の子”の闘い ~語り始めた戦争孤児~』を見た。壮絶。「今も孤独な子供たちがいるのです。思いやってください。」という趣旨のことを、一人の方が、子供たちへの講演でおっしゃっていた。「戦争は絶対にいけません。」と何人もがいわれた。アフガニスタン、イエメン、シリア。彼らの国々、日本と違い、自分から戦争を仕掛けて、敗戦したわけではなく、いわれなく、一方的に侵略されている。

日刊IWJガイド「本日午後7時録画配信~来日中の国際コンサルタント・トーマス・カトウ氏に岩上さんが緊急インタビュー!緊急事態条項は日米両国できちんと報じられていないことは大問題!/<今日の再配信・核兵器と戦争を考えるシリーズ特集>午後4時『「1943年5月の段階で、原爆は白人国家のドイツではなく、日本に投下すると決まっていた」 ~オリバー・ストーン監督、ピーター・カズニック教授記者会見』、そして午後5時『緊急集会「被爆者は核兵器禁止条約を求める」』を再配信!/他」2018.8.13日号~No.2160号~

2018年8月12日 (日)

イランを孤立化させるというトランプ発言は、むしろアメリカの世界的孤立化

Finian CUNNINGHAM
2018年8月8日
Strategic Culture Foundation

 今週、トランプ政権がイランに対し厳しい経済制裁を再度課したが、この動きは、世界の目から見れば、テヘランではなく、ワシントンが、更に孤立化する危険がある。

 ドナルド・トランプ大統領は、ワシントンが再度課した徹底的な経済制裁に伴う声明を発した。“イラン政権は選択しなければならない”彼は言った。“威嚇的な不安定化の振る舞いを改め、グローバル経済に復帰するか、経済的孤立化の道を継続するか。”

 皮肉にも、トランプが発した言葉そのものは、アメリカ合州国に、よりぴったり当てはまる。

 益々錯乱したこのアメリカ政権は“威嚇的な不安定化の振る舞い”を撤回し、他の国々のように、多国間規則の尊重を始める必要がある。さもないと、アメリカとその一方的ないじめは、“経済的孤立化の道を継続する”ことになる。

 トランプは今週“誰であれイランと事業を行っているものは、アメリカとは事業ができなくなる”とも警告した。ドナルド、願い事には気をつけろ! イランを巡るその警告そのものが、自国にとってずっと悪い結果になりかねない。

 アメリカ大統領は、無謀に、強く出すぎている恐れがある。イランを経済的に孤立化させるアメリカの取り組みに、世界の他の国々にも加われという彼の攻撃的な要求は、ひどく裏目に出る可能性が高い。

 特にトランプは、準備通貨としてのアメリカ・ドル依存から、国際貿易関係を離れさせようとして、ロシアや中国や他の国々が進行中の歴史的方向を強化しつつあるのだ。準備通貨としてのこの特権的立場が無ければ、アメリカ・ドルは暴落するはずで、終わりのない責任を負わないドル札印刷に依拠しているアメリカ経済も丸ごとそうなるはずなのだ。

 ロシアと中国とインドは、イランとの事業上のつながりを切れというワシントンの高圧的要求に従うつもりはないことが知られている。

 イラン石油産業にとって、最大の輸出市場である中国もインドも、トランプ経済制裁に従うつもりはないと言っている。

 アメリカの絶対的命令への抵抗は、必然的に、他の国々に、貿易をする際の新たな資金調達の仕組み考え出させることになる。これが更に、アメリカ・ドルの国際的地位の崩壊を促進する。

 今週、国際核合意を破棄し、不当にイランに敵対するトランプ政策に、欧州連合ですら反撃した。

 欧州連合外務・安全保障政策上級代表フェデリカ・モゲリーニは、イギリス、フランスとドイツの外務大臣も署名した声明で“イランと正当な事業を行っているヨーロッパ企業を我々は断固保護する”と述べた。

 28カ国が加盟するEUは、テヘランとの事業を継続している国々に対する攻撃で、トランプ政権が計画しているいわゆる“二次的経済制裁”から、イランとの商業的つながりを法的に保護することを可能にする障壁規則を導入しつつある。

 今週、ワシントンにより再度課された経済制裁は、アメリカ・ドル支払いを使用した国際貿易をするイランの能力を断ち切るのが狙いだ。だが、もし他の国々がイランの経済的なつながりに断固とした態度をとれば、彼らは必然的に、ユーロ、人民元、ルピーやルーブルによる二国間通貨取引を使って、アメリカの制限を回避するだろう。

 これは、ロシア-中国の二国間関係の戦略的重要性の増大、中国の世界的経済構想である一帯一路構想、ユーラシア経済統合、多極世界を形成する上での、BRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の重要性の増大を含むいくつか重なる要因のおかげで、既に進行中の移行なのだ。

 BRICSは世界経済の約40パーセントを占めており、グループには、トルコやイランなどの新たな参加国が入りつつある。

 これは必然的に、かつて国際貿易を支配していたアメリカ・ドルの強力な優位が、衰えつつあることを意味している。ドルの余命はいくばくもないのだ。一方的に経済制裁を行使することによるイランや他の国々に対するトランプのいじめは、世界準備通貨としてのアメリカ・ドルを放棄する世界的な方向を促進するに過ぎない。

 一国の通貨は、他の国々からの尊敬、あるいは信頼を受ける能力が全てだ。トランプの下で、ワシントンは急速に、こうした価値を浪費しつつある。

 トランプ大統領の対イラン政策には正当な基盤がない。これは国際法や国連憲章に違反し、政権転覆のため、イランを不安定化させようとする露骨な企てだ。世界の他の国々は、ワシントンの下劣な仮面と、その尊大な物言いの本質を見抜けるのだ。彼らが見ているのは、ことを進める際、身勝手かつに恣意的に自分のルールをでっち上げる凶悪政権だ。

 アメリカ権力は実に無節操で、偽善で分裂している。イランを中東での“悪質な振る舞い”で非難するのは、違法な戦争で、国々を丸ごと、何百万人もの無辜の人々の命も破壊してきた近年の実績を考えれば、ワシントンがばからしく見える。汚れ仕事をやらせるための、テロリスト聖戦士支援もそうだ。

 5月、国連が支持しているイランとの国際的核合意からトランプが脱退して、アメリカが経済制裁を再び課すお膳立てとなったのは、ワシントンが自らの一方的事故満足を優先して、多国間の規範を拒絶する典型例だ。EUやロシアや中国を含む2015年核合意の調印者全員、合意の支持を表明している。

 国連監視員たちは、ほぼ何十もの報告で、イランが核兵器開発を制限する合意の条件を完全に遵守しているのを確認している。合意の自分の義務を遵守していることから、イランは、核合意が定めている経済制裁緩和を受ける資格が十分ある。

 アメリカによる合意拒絶は、もっぱら、イランの“悪意ある行動”だとする根拠の無い侮辱的主張に基づいている。これは、ロシアを“選挙干渉”で、中国を“軍事拡張主義”で非難するのと同じアメリカのゆがんだ宣伝的精神構造だ。

 しかし、特に軽蔑に値するのは、イランに関するトランプ政権自身の不備な主張の中にさえ、原理原則が全く欠如していることだ。イランを世界ののけ者と非難しながら、トランプは、首尾一貫せずに、イラン指導部との交渉まで申し出た。

 新たな経済制裁が発効する中での発言で、トランプの国家安全保障問題担当補佐官ジョン・ボルトンは、フォックス・ニューズにこう語った。“彼ら[イラン指導者]は、イランの弾道ミサイルと核兵器計画を、完全かつ、本当に検証可能な形で放棄すべく彼らと交渉するという大統領提案を受けられるはずだ。”

 トランプの論理の一体どこに原理原則があるだろう? トランプ政権が、うろんに主張しているように、もし“イラン政権”が“世界最大のテロ支援国家”で、それゆえ核合意破棄が正当化できるなら、そうしたのこものとされる国に、交渉を持ちかけることが、一体どうして倫理的に容認可能なのだろう?

 明らかに、トランプ政権には、イランと交渉することに理にかなった反対がないのだ。核合意自体への理にかなった反対が無かったのと全く同様だ。イランは“弾道サイル計画を放棄”しなければならないというボルトンの主張は、元々の核交渉に決して無かった追加要求だ。イラン“は核兵器計画を完全かつ検証可能な形で放棄しなければならない”というボルトン二つ目の主張は単に事実無根の主張、つまりアメリカ・プロパガンダだ。

 核合意の他の調印国全員と、優秀な国連の専門監視員たちが、イランが過去三年間完全に遵守していることを確認している。

 トランプのイランに対する明らかな不誠実さとウソと、国際社会に対し、主権国の事業を、どのように行えという法外な命令で、ワシントンが、ならずもの国家として、国際的規範や外交の常識をはずれたものと見なされ、更に孤立するのは確実だ。アメリカの世界的な地位は歯止めなく落下しつつあるが、ドルの地位も、まもなくそれに続くだろう。

 トランプ政権がイランに対して強気な態度をとっているのは、ボールを手にした駄々っ子が、足を踏み鳴らし、他の連中に、帰るからなと脅しているようなものだ。アメリカの場合、他の連中はこう言っている。“行きな、せいせいするよ。”

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2018/08/08/trump-talk-isolating-iran-speaks-more-us-global-isolation.html

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 この記事を翻訳したところで目にしたのは、スクリパリ事件を理由にした、対ロシア経済制裁を発表。既にルーブル下落が起きている。属国売国政権はひどいが、さすがに、宗主国による悪行のひどさは桁違い。属国売国政権は、自国民を売り飛ばし、危害を加えるが、宗主国は、自国民のみならず、他国民にも途方もない危害を加える。人が、妄想から殺傷事件をおこすことがあるが、常時妄想で、凶行をはたらくならずもの国家というところか。

 宗主国の論理に、一体どこに原理原則があるだろう?

 Nagasaki: Life After Nuclear Warの著者と、その中で書かれた被爆者の方々を取りあげたドキュメンタリーをみた。夜11時。
ETV特集 シリーズ アメリカと被爆者 第2回「“赤い背中”が残したもの」
良い番組を作ろうとすれば作れるのだ。16日深夜に、再放送。きちんと、多くの人が見ない時間での放送するよう配慮しているところが忖度。

日刊IWJガイド「<今日の再配信・核兵器と戦争を考えるシリーズ特集>今日午後7時より、『「核」のプロフェッショナルが「沖縄発の核戦争が勃発する直前だった!」というスクープの裏側を語る!~岩上安身による共同通信編集委員・太田昌克氏インタビュー(前編)』を再配信します!/<配信準備中の岩上さんのインタビュー>『トランプとプーチンが共謀』!? 『プーチンは乗り気』!? 来日中のトーマス・カトウ氏に岩上さんが緊急インタビュー!/【IWJグッズ】限定商品(IWJひょうたんランプ)再販のお知らせ!/他」2018.8.12日号~No.2159号~

2018年8月10日 (金)

トランプの一方的イラン経済制裁はイランの責任だというワシントン・ポスト

Moon of Alabama
2018年8月4日

 トランプ政権によるイランとの核合意撤回は誰の責任だろう? その一部が今日発効するトランプ政権が一方的にイランに課す経済制裁は誰の責任だろう?

 ジェイソン・レザイアンによれば、それはイラン政府なのだ。

 ジェイソン・レザイアンはワシントン・ポストのテヘラン支局長だった。2014年7月、彼はテヘランで、スパイのかどで逮捕され、懲役判決を受けた。2016年、核合意の裏取引でアメリカ合州国にとらわれていたイラン人と引き換えに、彼は解放された。

 今レザイアンは、ワシントン・ポストのグローバル・オピニオン・コラムを書いている。最新記事は「私は経済制裁下のイランで暮らした。こんな感じだ。」と題するものだ。

    私は当時テヘランに住み、経済制裁の影響を広範囲に報じていた。

    もし、あの経験が、イランの人々を一体何が見舞おうとしているかの予兆となるものとすれば、以下が、これから普通のイラン人がどのような目に会うかの予告だ。

 彼は経済制裁が引き起こす様々な問題を列記している。リアルは更に下落するだろう、一部の薬品は入手困難になるだろう、他のものも不足するだろう、闇市場が再び現れ、少数の連中がそれで儲けるだろう。

    この小さいとはいえ、取るに足りないわけではない一部国民は、2012年と2013年にそうだったように、その富が膨れ上がることになろう。テヘランの絶え間ない交通の中、世界で最も高価な高級車が不相応な数走ることになろう。

 ロンドンかニューヨークの話のようだ。実際ある評論家はこの論説にこう言っている

    この記事の多くは、多数のアメリカ人の日常生活のようで、アメリカ国民の大半が経済制裁されているかのようだ。イラン人には、いつかこうした経済制裁が解除される日がくるだろうが、このアメリカ人たちは、そうならない可能性が高い。余りに多くの人々が、自分たちを迫害する連中に投票し続けているのが、その理由の一つだ。

 レザイアンはこう続ける。

    間もなく、有力なコネがある役人連中や闇市場にアクセスできる家族は、政府内の連中のお仲間が作り出すのを促進した逆境に冷淡につけ込んで商品を輸入し、法外な価格で売り始めるだろう。

 イラン政府内の"お仲間"が一体どのように新たな経済制裁"作り出すのを促進した"のだろう? イランはJCPOA合意の下での義務を全て果たしていた。他の調印国全てが抗議したにもかかわらず国連が支持した合意を破棄したのは、もっぱらドナルド・トランプだ。

 レザイアンはイラン国民を気づかうふりをしているが、見当違いの相手を非難し続けている。

    テヘラン政権は明日静かに崩壊するかも知れない - 素晴らしいことではないだろうか? - だが、ワシントンに楯突くだけのために、実に当然な国民の懸念への対処をほとんど何もしないまま進む可能性の方が高い。
    ...
    フィデル・カストロのキューバやニコラス・マドゥロのベネズエラや他の多くの反米政権同様、イランの支配階級も頑固だ
    ...
    のけ者国家と烙印を押されていることで引き起こされる永久の闇の下で暮らす社会の全身倦怠感は悪化するばかりだ。

 ジェイソン・レザイアンが一体どこの惑星に住んでいるのか判別するのは困難だ。そこは、ワシントンDCで偉そうに大口をたたく連中の理不尽な気まぐれに、あらゆる国々と人々が屈服する所に違いない。そこは地球ではない。イランは"頑固"なのではない。JCPOAの下での権利を要求しているだけだ。イランは"のけ者国家"ではなく、アメリカ合州国がそうなのだ。一方的に核合意を破棄したのはアメリカだ。

 ロシアやトルコやインドや中国や他の多くの国々は、アメリカによる一方的なイラン経済制裁を遵守するまい。もしアメリカが二次経済制裁を課そうとしても、両国はそれに屈伏することをあるまい。

 トランプ "取り巻き連中"はアジアを訪問し、イラン石油の最大輸入国二国、中国とインドにイラン石油購入を止めるよう要求した。両国とも拒否した。トランプ取り巻き連中は、そこで、11月に経済制裁が発効した時に、イラン顧客の一部が購入を停止し、より多くのイラン石油が市場に出た際、中国とインドに輸入を増やさないよう懇願した。

 こうした交渉は数カ月前に行われ、両国とも問題を検討するための時間を要求した。中国は原則的にトランプの要求に同意しているが - 必要な準備をしたあとのことだ。

    交渉に詳しい二人の当局者によれば、アメリカは、中国にイラン石油輸入を削減するよう説得できなかった

    当局者によれば、しかしながら北京はイラン原油購入を増やさないことに同意した
    ...
    世界最大の原油輸入国で、イランの一番の顧客である中国は、以前、一方的な経済制裁には反対すると言っていた。イランからの毎月の石油輸入を、7月、26パーセント増やした。ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによれば、これは先月のイラン輸出の35パーセントを占める。

 インドも同じ考えかたをしているようだ。

    インドの毎月のイランからの石油輸入は、11月のアメリカ経済制裁に先立ち、国営精油所の取入れ量が増加して、7月、約30パーセント急増し、記録的な 一日768,000バレル(バレル/日)となったのを、ロイターが入手した仮のタンカー到着データが示している。
    ...
    7月の量は、約415,000バレル/日という一年前の出荷より、約85パーセント多かったことをデータは示している。

 11月、イラン石油購入者に対する厳格な石油制裁が発効すれば インドと中国は現在の量を維持することを主張するだろう。両国とも既にイランからの購入量を増やしている。既に輸入量を非常に大量に増やしたので、両国は、今ならトランプに、イランからの輸入を増やさないと約束できる。イランは毎日220万から280万バレル輸出している。少なくともその半分は二大顧客に流れ続ける。それによって、経済制裁措置は既に破綻している。

 トランプは、こうした貿易を止めるのに、アメリカ・ドルに対する管轄権を利用することさえできない。インドと中国との取引は二国間契約で、元建てで、上海で売り買いできる現地通貨と先物契約だ。

 経済制裁に加えて、トランプ政権は、イランに対し、多数のいかがわしいものや、あからさまに残虐な構想やらをしかけている。ヨーロッパに人を派遣し、イランは、ヨーロッパにおけるいくつかのテロ策謀の黒幕で、それが合意を終わらせる十分な理由だと主張させている。だが "イランは策謀の黒幕だというのに懐疑的なヨーロッパ幹部は、核合意は地域に恩恵をもたらすと言っている。" それでも、ヨーロッパ指導者の中には意気地が無く、アメリカの圧力に屈するものもいる。

 イラン国内での圧力を高める、アメリカ-イスラエル共同作戦の準備が整っている。イラン国内で、抗議行動参加者に影響を与え、テロを引き起こそうとするだろう。これは、この構想の初期兆候である可能性が高い。

    高射砲、7000発の大砲砲弾、73mm対戦車砲や、他の兵器を含む大量の兵器貨物が #イラン東部で発見された。ケルマーン検事総長は、反政府集団のものだと言っている。

 イランは決して圧力には屈するまい。イランは決して屈したことがない。核合意を望み、必要としていたのはオバマ政権だった。オバマ政権は、テヘランとの交渉にオマーンの良い事務所を利用した。トランプを同じことをしようとするかも(あるいは既に実際、イランと話しているかも)知れない。だがこの政権は、イランが履行できず、するはずのない理不尽な要求をしている。

 トランプの無条件会談提案は歓迎されていない

 私が話したあらゆるイラン人幹部はこう言った。“このアメリカ支配体制は全く信頼しておらず”“イランは、いかなる対話を始める前に、実質的な証拠が必要だ。”“JCPOA署名時、アメリカ側につくのをテヘランが受け入れることを期待して、アメリカは、イランをロシアと中国から孤立化させようとした。ロシアと中国は、安定した信頼できるパートナーなので、これは間違ったやり方だが、我々は確かに、アメリカには同じことが言えない。トランプは無条件で話し合いたがっている。彼が譲歩しない限り、彼と話し合うつもりはない。彼の圧力のかけ方は、イランを惹きつけるものではない。逆に、我々を遥かに遠ざける最善の方法だ。一つ明らかなことがある。我々のミサイル製造と能力と、中東内の我々の同盟者に対する我々の支援を、交渉で放棄するつもりはない。もし、彼がそれを望むなら、彼は現状のままいれば良い。”

 妥協し、JCPOA合意を元に戻さなければならないのはトランプだ。彼がそうしない限り、イランは彼と交渉しようとするまい。現在の問題は、トランプの背後のシオニストが、彼がそうするのを許さないことだ。連中は、ことを軍事衝突に向けて押し進めるよう主張するだろう。それは、アメリカが負け続けているものの一つになるだろう。

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2018/08/washington-post-blames-iran-for-trumps-unilateral-sanctions-against-it.html

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 2013年8月11日に掲載した翻訳記事「ワシントン・ポスト新オーナー、いかにCIAを支援し、WikiLeaksを妨害し、書籍業界を壊滅させたか」を思い出した。

 猛暑復活、辞任、三選と、興味のないことは延々伝えてくれる広報部。よその国のグテーレス事務局長の方が、売国政治家よりまとも。

 日刊IWJガイド「<8.9長崎平和記念式典>この1年で核廃絶・平和運動のリーダー2人を失った長崎! 田上市長はこの2人の言葉を引き、『「平和の文化」を、市民社会の力で広げていこう』と全世界に宣言! 国連のグテーレス事務局長は「長崎を核兵器で苦しんだ地球最後の場所に」との強い決意を述べる!!/<今日のタイムリー再配信>午後8時『「核と人類は共存できない。核には、きれいな核も、汚い核もない」~岩上安身による谷口稜曄(すみてる)長崎原爆被災者協議会会長インタビュー 2013.8.9』を公共性に鑑みフルオープンで再配信します!/他」2018.8.10日号~No.2157号~

2018年7月31日 (火)

ポール・クレーグ・ロバーツ博士:“対テロ戦争は実際はワシントンとイスラエルから自立した外交政策のイスラム教諸国に対する戦争です”

2018年6月27日
American Herald Tribune

 American Herald Tribune: ワシントンとのいかなる協定も信頼することはできないと考えておられますね。この点で、我々にとって歴史の教訓は何でしょう?

 Paul Craig Roberts: こういうTシャツがあります。“確かに政府は信頼できる - インディアンに聞いてみろ。" 政権の中にも、より信頼できるものがあります。例えば、レーガンは、スタグフレーションを終わらせるつもりだと言い、我々は終わらせました。レーガンは冷戦を終わらせたいと言い、我々は終わらせました。アイゼンハワーは我々に軍産複合体による民主主義の危険を警告してくれましたが、我々は無視しました。

 権力者にとって大きな利益を得る好機があり、公言していない狙いを持った連中の手中に政府がある場合、そうした狙いは国民をだますことで押しつけられるようです。例えば、“対テロ戦争”は実際はワシントンとイスラエルから自立した外交政策のイスラム教諸国に対する戦争です。それはアメリカの市民的自由に対する戦争で、イスラエル領土拡大の邪魔になる中東の国々に対する戦争です。ところがワシントンは、それが“民主主義のための戦争”“テロから自由になるための戦争”などのような振りをしています。

 ワシントンのあらゆる協定は無意味だということを、ロシア人は学んだか、学んでいるべきです。ロシアがドイツ再統一に同意した際、NATOは一インチたりとも東進しないとロシアは約束されたのですが、クリントン政権はNATOをロシア国境に配備しました。ブッシュ政権が弾道弾迎撃ミサイル制限条約を水に流し、ロシアは現在、国境の弾道弾迎撃ミサイル施設で脅されています。

 ワシントンの約束が大半の場合、無価値であるのを理解するのに苦労は不要です。

 EU諸国をアメリカ属国諸国と呼ばれるのはなぜでしょう? ヨーロッパにとっての代償は一体何でしょう?

 全ヨーロッパ、カナダ、イギリス、オーストラリア、日本や韓国はワシントンの属国です。彼らは自立した外交政策や経済政策を許されていません。例えば、ヨーロッパは、ロシアとの対立に全く何の利益もありませんが、ワシントンにより、対立するよう強いられています。ソ連消滅以来、もはや何の目標も存在しないNATO、北大西洋条約機構は、中東や、セルビアや、北アフリカでのワシントンによる戦争犯罪の隠れ蓑として機能しています。シャルル・ドゴールを除くヨーロッパ指導者は、自国民ではなく、ワシントンに仕えているのです。ワシントンの傀儡諸国の一つたりとも、主権国家ではありません。例えば、もしフランスが主権国家なら、フランスの銀行がイランと事業をする企業に融資するか否かはフランスが判断するはずです。ところが、フランスは主権国家ではなく、大手フランス銀行はイランと事業をしている企業に融資したかどで、ワシントンに何十億ドルもの支払いを強いられました。もう一つの例は、フランス造船会社がロシアとの契約で、軍艦を建造し、ワシントンがフランス造船会社の引き渡しを阻止したものです。一週間ほど前、ロシアからのノルド 2 ガス・パイプライン建設に参加すれば、ドイツは経済制裁されるとドイツ政府は、ワシントンから通知を受けました。

 こうした例は数えきれません。

 ワシントンに譲歩しようしていると再三ロシアを批判しておられます。ロシアは一体なぜ妥協しようとしていると、お考えですか?

 ワシントンと合意をしようとして、ロシアがもう一方の頬を差し出していることを批判しているわけではありません。ロシアの戦争を避けるための取り組みを私は尊敬しています。この取り組みが、戦争を避けるのか、戦争を招くのかという疑問を私は投じているのです。プーチンが侮辱と挑発にじっと耐えていることが、更なる同じ行動を誘発し、ロシアには戦争以外の選択肢が無くなってしまうのではという懸念を言っているのです。おそらく、ロシアが断固として譲らなければ、ワシントンの攻勢を巡って警戒させるメッセージをヨーロッパに送ることになり、戦争の可能性を減らす自立した対ロシア政策をヨーロッパに採用させることになるだろうと提案したのです。

 シリアで、ロシアはイランとイスラエルの間をうまく綱渡りできるでしょうか?

 もしロシア政府が、ワシントンの中東政策がイスラエルによって決定されていることを理解していなければ、ロシア政府は正気を失っています。この二国が、二度もイスラエルによる南レバノン占領の企みを阻止したレバノン民兵ヒズボラに補給をしているので、イスラエルは、シリアとイランを不安定化したいのです。イスラエルは、そこにある水資源が欲しいのです。もし邪魔な敵を一掃するのに、イスラエルがアメリカ軍を利用できれば、イスラエルは、邪魔されずにことを進めることができます。

 ロシア政府は確かに、ロシアにとって、不安定化されたイランが不安定化されたシリア以上に脅威であることを理解しています。

 あなたのこの言葉は有名です。“ロシアはワシントン覇権に降伏した場合のみ、欧米の一員になれる” これを詳しく説明して頂けますか?

 ローマ同様、アメリカ合州国は、独立した国家に対する寛容がほとんどない帝国です。21世紀のアメリカ外交政策の基本は、1991年、ペンタゴン幹部ポール・ウォルフォウィッツによって公表されました。“ウォルフォウィッツ・ドクトリン”(オンラインで読める)として知られているものは、アメリカ政策の主要目標は、ワシントンの単独覇権主義の抑止役として機能しかねない、いかなる他国の、特にロシアは名前をあげて、勃興を阻止することだと定義しています。ウォルフォウィッツ・ドクトリンは全面的に実行されており、それがオバマが意図したシリア侵略とイラン爆撃をロシアが阻止して以来、ロシアとロシア大統領が実に法外なウソや濡れ衣で悪魔として描かれている理由です。ロシア(中国も)が、世界のあらゆる国の中で、二国だけが、ワシントンの意志に従わずにいられる十分な大国となったことに、ネオコンは激怒したのです。

 アメリカに対処する最善の方法は何でしょう?

 ロシアや中国やイランや北朝鮮にとって、ワシントンに対処する最善の方法は、ワシントンを無視して、それぞれ自分の道を行くことです。彼らはSWIFT決済機構、アメリカを本拠とするインターネット、取り引きでのアメリカ・ドル使用、欧米銀行での金融資産残高、欧米が資金提供する非政府組織の国内承認、外国による自国マスコミ所有の承認、経済への欧米資本や欧米銀行の承認など、彼らを支配するために利用されている欧米の体制から完全に縁を切るべきです。こうしたことの大半がロシアと中国にあてはまります。北朝鮮は閉鎖されていますが、数年前のアメリカが資金供給した“グリーン革命”未遂 で明らかなようにイランは部分的に開放されています。

 真実がわかれば、アメリカ・プロパガンダは、第二次世界大戦以来、世界で最も成功した勢力です。おそらく北朝鮮を除き、あらゆる国に、アメリカ・プロパガンダを信じている国民や政治家がいるのです。彼ら全員、アメリカ・プロパガンダが描いているような成功者になりたいと願っています。

 以前こうお書きになっています“ワシントンにとって、イランの問題は、決してイランの核エネルギー計画ではない。”すると一体何が問題なのでしょう?

 イランは二つの点で、ワシントンにとって問題です。一つはイランは意見がアメリカ政策と違う主権国家だということです。もう一つは、イランがイスラエルの邪魔だということです。イランはヒズボラを支持しており、ヒズボラはイスラエルが南レバノンを併合するのを阻止しています。

 イラン核合意調印の一週間前に、あなたはこうお書きになりました。“人為的な核問題は、イランの独立を打倒するワシントンの狙いの隠れ蓑として機能する。ところがイラン政府とイラン・マスコミは、ワシントンと売女マスコミに追随し、この人為的問題を、実際の問題として受け入れた。もしイランが生き残ることができれば奇跡だ。”イランは合意に署名して間違いをしたと、いまでもお考えですか? 以来何か変わったでしょうか?

 イランが合意に署名して間違いをしたとは言ってはいません。実際、イランには他の選択肢はありませんでした。もしイランが合意に署名しなければ、イランはロシアが与えている保護を犠牲にしなければならなかったでしょう。ワシントンは協定を守らないし、できるだけ早く離脱するだろうと私はイランに警告しただけです。明らかに私は正しかったのです。トランプ大統領が一番初めにしたことの一つは、多数の国が調印したイラン核合意からの撤退で、もし他の合意調印国合意を破棄しなければ、彼らを経済制裁すると脅すことでした

 トランプにとって、イランは、トランプがその掌中にあるイスラエルの問題なのです。世界中の情報に通じた人全員、イランには核兵器計画がないことを知っており、CIAによれば、そのような計画追求を、もう何年も前に放棄したのです。イランは調印した核合意を守っています。協定の遵守を拒否しているのはアメリカです。問題はイギリスとフランスとドイツが合意を遵守するのか、それともワシントンに離脱を強いられるかです。明らかにロシアと中国は、両国政府が突然狂気に見舞われない限り合意を遵守するでしょう。

 アメリカの合意離脱に対処する具体的な措置として、イランに何を提案されますか?

 この質問に対する私の答えは、基本的に6番目の質問と同じです。イランは欧米とは完全に縁を切るべきです。

 イランはロシア-中国同盟との安全保障条約を目指すべきです。イランは石油の富を、自国民の基本的福祉体制や、ロシアや中国への投資や、中国と協力して他のアジア経済に使うべきです。イランは、イランの宗教思想は自国向けのものであり、輸出すべきものではないのを認識すべきで、イランを成功した国家にするよう注力すべきです。ワシントンとイスラエルによる攻撃下にあるイランは、国民の支持が必要で、つまりイランは、アメリカのような形で統治し、金持ちと良い立場にある人々だけが恩恵を受けるような政策をとる余裕はないのです。

 イランはロシア同様、欧米の放蕩に影響されない高潔な国民にしようとしています。

 問題は、ロシアとイランが欧米の放蕩に抵抗し、未来を切り開くことが出来るかどうかです。

 Paul Craig Roberts博士は、元経済政策担当財務省次官補で、元ウオール・ストリート・ジャーナル共同編集者。彼はBusiness Week、Scripps Howard News ServiceやCreators Syndicateのコラムニストだった。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムには世界的に支持者がいる。Roberts氏の最新著書に、「The Failure of Laissez Faire Capitalism」「Economic Dissolution of the West」、「How America Was Lost、「The Neoconservatives Threat to World Order」がある。

記事原文のurl:https://ahtribune.com/world/2317-paul-craig-roberts.html

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 売国カルトに毒されていることをたなにあげ、憲法教という新興宗教に毒されているとのたまう属国の象徴。

 「広島で仮設住宅の建設始まる、今も1042人が避難所生活」という。時々、豪雨被害の様子を伝える呆導を見るが、その原因を深く追求するものを見た記憶皆無。原発村同様、強力なダム村の実情に大本営広報部が触れるはずがない。天災ではなく人災!?という下記インタビュー、目からうろこ。

 日刊IWJガイド「本日午後7時より『問題だらけの治水事業! 西日本豪雨被害は天災ではなく人災!?大都市圏を豪雨が襲うリスクに迫る!岩上安身による拓殖大関良基教授+ジャーナリストまさのあつこ氏インタビュー(その2)』を再配信します!/稲田元政調会長は『法曹界は「憲法教という新興宗教」に毒されている』!? 谷川とむ衆院議員、小林ゆみ杉並区議は『性的指向は「趣味」』! 杉田衆院議員は『自民党思想』の優等生か!?/
IWJの第8期は7月末で期末を迎えますが、皆様からのご支援のおかげで赤字転落を回避できそうです! IWJをご支援いただき、本当にありがとうございます!/他」2018.7.31日号~No.2147号~

2018年7月 4日 (水)

失敗への道 - イランにおけるアメリカの暴力‘政権転覆’の企み

2018年7月1日
Moon of Alabama

 2014年初めに、シリアとウクライナにおける暴力カラー革命について述べた。

いずれの場合も、抗議行動や政府庁舎違法占領には、警官隊や他の政府部隊に対する残虐で犯罪的攻撃が伴っていた。シリアでは暴力"組織"の部分は、外国が資金提供する聖戦士が演じ、ウクライナではネオナチ暴漢が利用された。抗議行動や、国家に対する攻撃は、計画されたもので、連動している。国家に対する攻撃の広報活動用隠れ蓑に過ぎない抗議行動に、"平和的"なものなど皆無だ。ところが外国の政治家連中やマスコミは、彼らに対する全く正常な政府の対応を巡って、すぐさま "懸念"や脅威を言い立てる。抗議行動参加者や暴力激化への"欧米" "支援"を正当化するための策略だ。

ごく僅かな少数派による正当な政府の "政権転覆"が狙いだ。万一"政権"がこれに抵抗するようなことがあれば、国家と社会丸ごと破壊という代案も喜んで受け入れる。

 同様のCIA工作をベネズエラで、また最近ではニカラグアで目にしている。同じ概念がイラン攻撃にも使われている。昨年12月の経済に関する平和な抗議行動は、暴力分子に乗っ取られた。昨夜、同様の企てが起きた。

セイエド・ムーサビー @SayedMousavi7 - 2018年6月30日22:17 UTC

ホッラムシャフルの水不足抗議行動は、今夜暴力化した。
現在分かっていることは
- おそらく、軍事区域に近づき過ぎたため、少なくとも2人の抗議行動参加者が銃撃された
- 群衆が2つの博物館に放火した(報告)
- 1時間の静謐
- どの基地も乗っ取られていない(反政権ジャーナリストは主張している)
- 武装オートバイは疑わしい

 上記ツイートに添付されているビデオの "武装オートバイ"の場面は、別のビデオでよりはっきり見える。オートバイに乗った二人の "平和的な抗議行動参加者" が警官を自動小銃で銃撃する様子が写っている。銃撃犯は撃たれ、バイクから落ちる。別の "平和的な抗議行動参加者"が銃を拾って、銃撃を継続する。


セイエド・ムーサビーによる  拡大する

 一年前、CIAは、イランを攻撃するための新たなミッション・センターを設置した

イラン・ミッション・センターは、CIA中のアナリスト、作戦要員と専門家をまとめ、秘密作戦を含めCIAの様々な能力を実らせるものである

新たな集団を率いるべく、ポンペオ長官は、最近、CIAの致死的な無人機攻撃を監督していたベテラン諜報幹部マイケル・ダンドレアを選任した。

CIAテロ対策センターの元所長ダンドレアは、同僚の間で、要求はきびしいが、有能な上司で、イスラム教改宗者で、長時間働くことで知られている。アメリカ当局者の一部は、イランに対する彼の攻撃的姿勢への懸念を表明している。

 アメリカがイランで利用している連中は、サダムのイラクと共に、イランに対し、戦っており、イラン国民から軽蔑されているテロ・カルト集団ムジャヒディン・ハルク(MEK)隊員だ。アメリカがイラクから追い出された際、アメリカはMEKキャンプをイラクからアルバニアに移転し、現在、そこで、このカルト集団はテロリストを訓練している

 昨日、MEKが支配する政治組織であるイラン国民抵抗評議会(NCRI)の会議がパリで開催された。報酬の高い招待講演者の一人は、ドナルド・トランプの弁護士、ルディ・ジュリアーニだった。彼はイラン国内の抗議行動へのアメリカの関与を認めている

“[イランでの]こうした抗議行動は自然発生的に起きているわけではない。アルバニア国内の我々の多くの仲間や、アメリカや世界中の多くの人々のおかげで起きているのだ。”

 MEKは、モサドによって訓練され、アメリカとサウジアラビアから資金を得ている偽装組織に過ぎない。イラン国民には支持されていない。この会議出席者の半数だけがイラン人だった

残り半分は、わずか25ユーロで、パリへの旅費や食事や宿泊代を保証するフエイスブックのキャンペーンに応じた、退屈そうな表情のポーランド人、チェコ人、スロバキア人、ドイツ人やシリア人の取り合わせだ。

 こうした"力によるカラー革命"政権転覆抗議行動は、アメリカがイランを破壊するため利用している手段の一つに過ぎない。

 トランプは、イランの外貨を枯渇させるために、イランの全石油輸出を停止させたがっている。イラン最大の顧客は、ヨーロッパとインドと中国だ。ヨーロッパの巨大石油会社は、既にトランプの圧力の下で屈し、インドが続き、中国は(高価につく)立場を選びたいのかどうか、これから決めるところだ。トランプは、もはや世界市場に届けられないイラン石油の置き換え用に、石油供給を増すよう、サウジアラビアに圧力をかけている。

 イランを貧しくすれば蜂起と政権転覆になると考えられている。しかし、そういうものか機能するかは疑わしい。イスラム共和国の個性は実に強力だ。イラン国民がまとまり、困難を受け入れ、不釣り合いなイラン作戦が次第にアメリカ政策を損なう可能性の方が高い。サウジアラビア石油輸出港は実に格好の標的だ。

 トランプ政権内では、ポンペオ国務長官とジョン・ボルトン国家安全保障問題担当補佐官がテヘラン政権転覆の最大の主唱者だ。

ボルトンは、ここ数カ月にイランで、イランの経済状態に関して起きた抗議行動を、政権の弱さの兆しと見なしている。彼はトランプに、アメリカの圧力を高めれば、政権崩壊をもたらし得ると語った。

ホワイト・ハウス幹部と、この話題で最近話したある人物は、ボルトンの見解をこう要約した。“軽く一蹴りすれば済む。”

 マティス国防長官はイラン政権転覆に反対だと言われている。そのような取り組みが、より広範な中東戦争を引き起しかねないと彼は恐れている。トランプは、間もなく彼を首にする可能性が高い。トランプ選挙運動に資金提供し、ボルトンにも金を出しており、ネタニヤフを支持しているシオニスト億万長者シェルドン・アデルソンの意見をトランプは受け入れるだろう。アデルソンは、何であれ、イラン政権転覆を要求している。

 イラン政権転覆は、単なるトランプ政権のプロジェクトではない。MEKの狂人連中支持は、超党派だ。ナンシー・ペロシを含む何人かの民主党議員も、パリのMEK会議で講演した。ネオコン狂人連中は二大政党中に定着している。ロシアで政権転覆を実行しようとして、失敗したオバマのロシア大使がここに登場する。

マイケル・マクフォール @McFaul Jun 2018年30日 18:21 UTC

民主的イランは、イランを抑圧的神権政治から解放するだけでなく、我々両国間に緊密な結びつきを生み出す。イランとアメリカ双方にとっての本当の安全保障、経済的、道徳的利益。

これに対して、ネオコンの父はこう答えた。

ビル・クリストル @BillKristol 2018年6月30日 18:29 UTC
ビル・クリストルはマイケル・マクフォールをリツイートした
その通り。イラン政権転覆に対する超党派合意を見るのは非常に素晴らしい! (もし、全く何の気無しに、厳しい経済制裁、その後のJCPOA合意、その後の合意からの離脱による実に多大な悪影響で、政権が崩壊していたら実に皮肉だったろう。)

 確かに、アメリカはテヘランで、お菓子と花で大歓迎される(まさか)。そのようなネオコンの "道徳的利益"たわごとは、既にイラク戦争という大惨事をもたらした。イランは何倍も大きい。イランは極めて現代的な経済で、効果的な代理部隊と極めて強力な同盟国がある。イランを軍事的に打ち破ろうというあらゆる企みは、絶望的な試みだ。

 アメリカは中東には弱体な同盟国しかいない。イランとの紛争が実戦になった場合、そうした連中がばらばらになるのを防ぐので手一杯になるはずだ。

 当面、イラン"革命"を引き起こそうという企みで、ハイジャックされた更なる抗議行動があるだろう。イラン国境で、クルドとバルーチ族部隊によるアメリカが指揮する代理攻撃が行われるだろう。イラン国内での経済的圧力は更に高まるだろう。

 だが、こうした取り組みは全て失敗する可能性が高い。1979年のイスラム革命以来、イランや、その同盟者を傷つけようとするアメリカによるあらゆる企みは逆効果になっていた。毎回、イランは、以前より強力になった。現在の取り組みも、同じ結果となる可能性が高い。

記事原文のurl:http://www.moonofalabama.org/2018/07/on-the-path-to-failure-us-goes-for-regime-change-in-iran.html

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昨日、下記を拝聴した。

その後、IWJの岩上氏による元農水大臣・山田正彦氏インタビューを拝聴した。予定時間にインタビューが始まらなかったので、つい呆導バラエティーを見てしまった。

御供物として、20円引きだかのサンドイッチがあがっているやらいっていた。上記インタビューで見られるような深刻な事態に我々がおかれているのに、人さまの御供物をあげつらう連中の白痴番組を見ている自分が恥ずかしくなって、あわてて消した。

IWJ Independent Web Journal - 岩上安身責任編集

2018年6月18日 (月)

イランへの責任転嫁

Mr. Fish / Truthdig
Chris Hedges
2018年6月10日

 ニューヨーク 中東における17年間の戦争で、見るべき成果は一体何だろう? 2003年のアメリカによる侵略と占領の後、イラクはもはや統一国家ではない。かっての近代的インフラは大半破壊され、国民は、いがみ合う居住地に分断された。アメリカは、アフガニスタンでの戦争に負けた。タリバンは、よみがえり、アフガニスタンの70パーセント以上を占めている。リビアは破綻国家だ。三年間の執拗な空爆と封鎖の後、イエメンは世界最悪の人道主義の危機を味わっている。シリアで、アメリカが5億ドルもかけて、資金提供し、武器を与えた500人の“穏健”反政府派は、無法な恐怖支配を推進した後、退却中だ。アメリカのインフラが崩壊し、緊縮政策で、基本的な社会サービスが骨抜きにされ、アメリカ合州国国民の半数が法定貧困レベルに近い暮らしをしている中、軍事的冒険主義には、驚くべき5.6兆ドルもかかっている。中東における果てしない戦争は、アメリカ史上、最大の戦略的大失敗であり、帝国の死の到来を告げるものだ。

 少なくとも200,000人の一般市民を含む何十万人もの死者や、自宅から強制退去させられた何百万人をもたらした大失敗で、誰かをやり玉にあげねばらない。中東全体での過激聖戦戦士集団のまん延、世界的に続いているテロ攻撃、容赦ない空爆による都市や町の大規模な破壊、アメリカやアメリカが支援する部隊が、過激派を鎮圧に惨めに失敗したことで、誰かをやり玉にあげなければならない。それが、決して将軍たちや、ジョージ・W・ブッシュ、バラク・オバマやヒラリー・クリントンのような政治家、我々に戦争を売り込んだ、ディック・チェイニーやポール・ウォルフォウィッツジョン・ボルトンのような狂信的ネオコン、中央情報局(CIA)、永久戦争で儲ける兵器製造業者や、暴力の応援団役をつとめた放送や新聞の有名評論家ではないのは確実だ。

 “国際法に違反しているアメリカ合州国政策の失敗、あるいは政策の欠如が、中東を全くの混乱に陥れてしまいました”イランのゴラームアリー・ホシュルー国連大使は、ニューヨークで会った際、こう言った。“ アメリカ合州国は、こうした攻撃的で、無謀で、金のかかに政策を隠蔽するため、イランのせいにしているのです。イエメンやイラクやアフガニスタンやシリアやレバノンでの連中の失敗を、イランのせいにしているのです”

 トランプ政権は“中東とイランのことを全く分かっていません”と大使は言った。“威嚇、圧力、経済制裁、介入という言辞しか話せないのです。これらの政策は地域で失敗しました。これらの政策は極めて危険で、費用がかかります。アメリカに、彼らが既に侵略し、攻撃した国々の問題に対処させましょう。アメリカには、中東における建設的な力が欠如しています。アメリカは、イラクやアフガニスタンやイエメンやシリアの村さえ統治できません。アメリカができることと言えば、軍隊と破壊力の行使だけです。このアメリカ政権は、中東と全世界を、自分たちに屈服させたいのです。これは、主権国家、特にアメリカの影響力に抵抗してきた国々との健全な関係を助長する政策ではありません。”

 “シリアの‘穏健’反政府派に武装させる計画は、[シリア大統領]バッシャール・アル・アサド打倒のための隠れ蓑でした” と大使は続けた。“アメリカ人は‘穏健’反政府派などいないことを知っていました。彼らは、こうした兵器が、ダーイシュ [「イスラム国」]や、ヌスラ戦線や、連中の系列のようなテロ集団の手におちるだろうことを知っていたのです。またしても、アメリカ政策は失敗しました。 アメリカは国を破壊するのに成功しました。彼らは大虐殺を引き起こすのに成功しました。彼らは何百万人もの人々を強制退去させるのに成功しました。しかし、彼らは何も得られませんでした。シリアの主権は、日々拡大しています。シリアでの戦略として、トランプ大統領が一体何をしようとしているのか想像するのは困難です。ある日、彼は言います。‘シリアがもう間もなく撤退するつもりだ。すぐに。’翌日、彼は言います。‘もしイランが駐留しているなら、我々は留まる。’アメリカの納税者たちは、一体どれだけの彼らのお金が、イラクやシリアやイエメンで浪費されているのか知っているのだろうかと疑問に思います。”

 イランは合意を遵守していたのに、イラン核合意から離脱するトランプの一方的な決定は、こうした失敗から、目をそらし、イランに向けるための、この取り組みの最初の一斉射撃だった。ボルトン新国家安全保障担当補佐官やマイク・ポンペオ国務長官は、トランプの弁護士ルディー・ジュリアーニとともに、イラン政府打倒を主張しており、先月ジュリアーニは、トランプも“我々[大統領顧問側近集団]同様、政権転覆に全力で取り組んでいる。”と述べた。

 “アメリカに、イラン主権を侵害する意図がないことを請け合うバラク・オバマ大統領のイラン指導部宛の手紙を何通か受け取った後、イラン核合意が可能になりました。”大使ホシュルー said。“アメリカは、対等な立場で、相互利益と関心事で、まじめな対話をしたいのだと言いました。こうした保証で、交渉するに至り、JCPOA [包括的共同作業計画]がまとまりました。しかし最初から、我々とのJCPOA交渉で、アメリカは積極的ではありませんでした。オバマ大統領は、合意の実施を望んでいましたが、全面的な実施は望んでいませんでした。JCPOAが施行される日に、議会はイランと事業をしていたヨーロッパに警告する法律を成立させました。事業目的で、イランに出張したことがあれば、企業のスタッフはアメリカ合州国ビザを申請しなければならないのです。これは初日に始まりました。アメリカ人は必ずしも積極的ではありませんでした。OFAC [米国財務省外国資産管理局]は経済制裁に関して各社が抱いている多くの質問に、曖昧な答えをしましたが、少なくとも、言葉の上で、オバマ政権はJCPOAを支持し、合意を両国のやりとりの基盤と見なしていました。”

 “ところが、トランプ大統領は大統領候補時代から、合意を‘アメリカがこれまで行った中で、最悪の取り引き’と呼んでいました ”と大使は言った。“この合意はアメリカにとって困惑の根源だと彼は言いました。実際、合意ではなく、国連安全保障理事会に支持されている、実際、アメリカ合州国共同提案し起草した合意から離脱するというアメリカの一方的な決定が、アメリカにとっての困惑の根源なのです。イランは完全に遵守しており、アメリカは決してそうではなかったのですから、国際的合意から離脱して、主権国家を威嚇するのが本当の困惑の根源なのです。”

 “2008年、イスラエルは、イランがあとわずか数日で原子爆弾を入手すると世界に告げました”と彼は言った。“イランが核兵器を入手するのを阻止するには軍事攻撃が必要だとイスラエルは言いました。それから何が起きましたか? 過去二年間、イランがJCPOAを完全に遵守していることを明快に確認し、実証する国際原子力機関 [IAEA]による報告書が11件も出されています。イランが原子力施設を軍事目的で使用しているということに関するあらゆる非難は、国際原子力機関にも、ヨーロッパ、ロシア、中国、アジア、中南米、アフリカの多くの他の国々にも反証されています。アメリカ政権は中東でのアメリカ政策が失敗したことを自覚しているので、アメリカは地域におけるイランの影響力を懸念して、イランを封じ込めようとしています。彼ら自身のイランに関する声明は再三それぞれが矛盾しています。ある日には彼らは‘イランは非常に脆弱で、崩壊するだろう’と言い、翌日には連中は‘イランは中東のアラブ諸国いくつかの首都を支配している。’ と言うのです。”

 最近、イランは、もし核合意が、JCPOAのヨーロッパ加盟諸国によって救出されない場合、ウランを濃縮する装置、遠心分離機用の原料を製造する暫定計画があると発表した。トランプの合意離脱の決定にがくぜんとしたヨーロッパ諸国は、国際経済制裁解除と引き換えに、イラン核開発に制限を課する合意の再交渉を試みている。

 アメリカ合州国とともに署名した合意を遵守している国と、一体なぜ戦争をするのだろう? アルカイダや「イスラム国」を含む他の聖戦戦士集団と並んで、アメリカが作り出し、武器を与えた後、アメリカを脅かしているタリバンの不倶戴天の敵である国の政府を一体なぜ攻撃するのだろう? イラクやアフガニスタンにおけるイランとの事実上の同盟を一体どうして破壊するのだろう? 既に危険なほど一触即発の地域を、一体なぜ更に不安定化するのだろう?

 こうした戦争の立案者連中は困難な状況にある。連中は自分たちが、特にイラクで引き起こした不安定と政治的空白が、イランを地域の支配的勢力にするのをどうすることもできずに見つめていた。ワシントンは、本質的に、大敵を強化してしまったのだ。イランを攻撃する他に、自分の失敗を反転できる方法を思いつけないのだ。アメリカでも外国でも、こうした戦争を始めて、推進してきた連中は、イランとの戦争を、連中の外国、そして国内で増大する難問の解決策と見ているのだ。

 例えば、賄賂スキャンダルにはまりこんでいるイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフは、イランとの紛争を助長することで、彼の職権乱用や、イスラエルがパレスチナ人に対して行っている大虐殺や、イスラエルによるパレスチナ人の土地奪取加速への捜査から目を逸らすことかできると願っている。

 “イスラエルでは、最も残虐な政権が権力の座にあります”イラン大使が言った。“国際法や人道法への配慮は皆無です。入植や首都や占領に関する安全保障理事会決議に違反しています。イスラエルが過去30日間にガザでしたことをご覧ください。同じ日に、アメリカは、大使館をエルサレムに不法に移転し、60人の非武装のパレスチナ人抗議行動参加者が、イスラエル狙撃兵に殺害されました。[イスラエル人が]エルサレムで踊っている間に、ガザでは武器を持たないパレスチナ人の血が流れていたのです。トランプ政権、イスラエルを全面的に支持し、全くとがめていません。これはサウジアラビア内の多くの人々を含め中東の多くの人々を憤激させています。イランを、中東における平和の主要な脅威として描くのはシオニストの狙いです。イスラエルは、イランを脅威として描いていますが この政権がおかしている犯罪から注意を逸らそうという取り組みですが、これも逆効果になる破綻した政策です。こうしたものは、弱さを隠蔽すべく練られた政策なのです.”

 サウジアラビア皇太子ムハンマド・ビン・サルマーンは国内不安に直面して、軍事指導者としての自分の資質を強化するための虚栄プロジェクトとして、イエメンでの戦争を始めた。今彼は自分が作り出した泥沼と人道的危機から目をそらすのに躍起になっている。

 “サウジアラビアは、 [イエメン内戦]の一環として、イスラエルとのイランに対する戦術的、戦略的協力をしています”と大使は言った。“しかしサウジアラビア政権は、自国民の感情に逆らっています。そういうことが一体いつまで可能でしょうか? 三年たった今、サウジアラビアは、アメリカ合州国に支援されて、イエメン国民を爆撃し、食料と医薬を含む全面封鎖を課しています。何も解決されていません。またしても、イエメンにおける、サウジアラビアとアメリカ合州国のこの失敗が、イランのせいにされているのです。たとえイランが、イエメン国民を助けたくとも、全面封鎖のおかげで、できません。イエメン国民は、戦争の初日から和平交渉を要求してきた。ところが、サウジアラビアの軍事冒険主義と、軍事的決断を試したいという欲求が、あらゆる平和的解決を不可能にしている。アメリカとイギリスが、サウジアラビアがイエメンで使用するクラスター爆弾を含め、軍事と兵站の支援を行っています。 アラブ首長国連邦はイエメンを爆撃しています。イエメンでは、軍事的解決はあり得ないので、こうした行動の全てが失敗する運命にあります。政治的解決しかないのです。サウジアラビアによるイエメン空爆の標的を見てください。葬儀。結婚式。農場。住宅。一般市民。イエメン国民が自分たちを爆撃する人々をどのよう歓迎するよう、サウジアラビアは期待するのでしょう? 抱擁でしょうか?戦争には大変な費用がかかりますが、トランプは[サウジアラビア]にこう言って答えるのです。‘ああ、あなたにはお金がある。[分かりやすい言い換えで] アメリカの‘素晴らしい兵器’を買ってください。彼らは、かわいい子供たちを、こうした‘素晴らしい’兵器で殺しているのです。これは大惨事です。いたましいことです。”

 そこに、彼の無能さ、彼の政権でまん延する腐敗や、2020年の再選に出馬する際の国際的除け者という彼の立場を隠蔽するために利用できる世界的十字軍が欲しくてたまらないドナルド・トランプ大統領がいるわけだ。

 “もちろん、イランのせいにして、威嚇するのは新しいことではありません”と大使は言った。“これは40年間続いています。イラン国民とイラン政府は、このたわごとに慣れています。アメリカ合州国によるイラン内政への干渉は、アメリカ合州国がサダム・フセインを支持していた [イラン]イラク戦争も含め、ずっと昔にさかのぼります。それから、2003年に、アメリカは、いわゆる‘民主主義と大量破壊兵器廃絶のための介入’でイラクを侵略しました。イランは常にアメリカの威嚇に抵抗してきましたし、常に抵抗するつもりです。”

 “40年前、イランにはアメリカ人がいました”と大使は言った。“アメリカの最も緊密な同盟者の一人シャー統治下のイランには約100,000人のアメリカ人顧問がいました。イラン国民がそうした依存と弾圧に反乱をおこしたため、アメリカは、この政権を権力の座に留めておくことができませんでした。1979年にシャーが打倒されて以来、40年間、アメリカは国際法、特に、1981年にイランと調印したアルジェ合意に違反し続けています。”

 アルジェ合意は、イラン人質事件を解決した、アメリカ合州国とイラン間の一連の合意だ。アルジェリア政府が仲介したものだ。アメリカは、イラン内政への干渉をやめ、対イラン貿易制裁と、イラン資産凍結を解除するアルジェ合意を約束した。

 戦争屋連中には、アフガニスタン、イラク、リビアやシリアで連中が持っていた以上のイラン“政権転覆”計画がありません。彼がイラン核合意から離脱して、トランプが遠ざけたヨーロッパ同盟諸国は、全くワシントンと協力する雰囲気にありません。 ペンタゴンが、たとえそう望んでも、イランを攻撃し占領するのに必要な何十万人の軍隊はありません。それに、ボルトンやジュリアーニのような狂気の非主流派連中が推進している、サダム・フセインとともに、対イラン戦争で戦い、大半のイラン人が、売国奴連中で構成されていると見なしている、取るに足りない、信用を失っているイラン反政府集団ムジャヒディン・ハルク (MEK)が、イラン政府に対して、実現性がある対抗勢力だという考えは、ばかげています。こうしたあらゆる計算式で、8000万人のイラン国民は、アフガニスタン、イラク、リビアやシリアの国民が無視されたと同様に無視されています。おそらく、国民は、アメリカ合州国との戦争を歓迎しないはずです。おそらく、もし攻撃されれば、彼らは抵抗するでしょう。おそらく彼らは占領されたくはないでしょう。おそらく、イランとの戦争は、地域中で、シーア派に対する戦争と解釈されるでしょう。しかし、こうしたものは、戦争の道具について、ほとんど知らず、まして連中が支配しようと狙っている文化や国民について更に知らないイデオローグが理解することが不可能な計算です。”

 “中東は問題山積です。不安感、不安定、水などの天然資源の問題等々が”ホシュルーは言った。“こうした問題全てが、外国の干渉やイスラエルの無法さで悪化しています。パレスチナ問題は、イスラム教徒にとって、中東における混乱の中心です。中東のこうした傷口に対する解決策を見いだすのがこれ以上遅くなると、この地域を、より危険な脅威にさらします。アメリカは、中東から暴力的な過激派がいなくなって欲しいのだと言いますが、それは中東で占領や外国による干渉がなくなってこそ実現します。アメリカは兵器を中東中で売っています。連中は破壊からどれだけ金が稼げるかを計算します。連中は人間などどうでも良いのです。連中は、安全保障にも、民主的過程にも、政治過程にも関心はありません。これは心配です。”

 “中東におけるアメリカ政策の結果はどうでしょう?”彼は質問した。“地域の全てのアメリカ同盟諸国が混乱しています。イランのみが安全で、安定しています。一体どうしてでしょう? 過去40年間、イランが安定していたのは一体なぜでしょう? イランはアメリカと何の関係もないからでしょうか? イランとアメリカの間に、一体なぜ敵意があるのでしょう? アメリカは、イランの安定が、地域にとって重要なことが理解できないのでしょうか? 我々は、パキスタン、アフガニスタン、イラク、シリア、イエメンにかこまれています。イランを不安定化させて、一体どういう良いことがあるのでしょう? それで、アメリカは一体何をえるのでしょう?”

 Poor People’s Campaignを記録するために、Truthdigとして、初めて読者が資金を出すプロジェクトを立ち上げた。寄付によるご支援をお願いしたい

クリス・ヘッジズは、ピューリッツア賞を受賞したジャーナリストで、ニューヨーク・タイムズのベストセラー本著者で、元プリンストン大学教授で、活動家で、叙任された長老派教会牧師。彼には11冊の著書がある。

記事原文のurl:https://www.truthdig.com/articles/scapegoating-iran/

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昨夜の番組で、在日韓国人ジャーナリストの方が、評論家・タレント・学者連中のいい加減な発言を、ソフトな表現で、うまく批判しておられた。番組名も、お名前も覚えていない。

100%、何であれ宗主国方針についてゆきます。という、自国の狂った姿を棚に上げて、北朝鮮は何度もうらぎったから、信用できないという連中の図々しさ。

宗主国と属国支配層の失敗を、北朝鮮や中国やロシアに責任転嫁するのが、太鼓持ちのお仕事。

日刊IWJガイド「<本日の岩上さんのインタビュー>本日午後2時より、『スクープ! 日銀が発表した英語論文の謎!アベノミクス・黒田バズーカによる副作用の責任を逃れようと裏で金融緩和の出口を模索!?岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー』を配信します!/北朝鮮の非核化費用は韓国と日本が負担!? またしてもトランプ大統領の放言と安倍ポチ政権の盲従! 安倍総理は今このタイミングで『何度もだまされてきた。北朝鮮のだましの手口はわかっている』と言い放つ外交センスのなさ!!/
トランプ米大統領が500億ドルの中国製品への制裁関税を発表!中国政府は翌日同額同率の対米報復関税を発表! 対商品目でトランプ支持層を狙い撃ち!?/G7で各国首脳に噛み付いたトランプ米大統領!? ツイッターで不仲を『フェイク』と反論!?」2018.6.18日号~No.2104号~

2018年5月30日 (水)

プーチンの譲歩政策は成功するだろうか?

2018年5月29日
Paul Craig Roberts

 先週末、サンクトペテルブルク国際経済会議でのウラジーミル・プーチン・ロシア大統領演説は、ロシア政府が新自由主義経済政策の罠にはまっていることを示している。プーチンはグロバリズムと自由貿易を擁護し、グローバル体制の崩壊から、危機が生じると彼は警告した。

 実際は、危機は、グローバリズムと新自由主義経済学の結果だ。ロシアにとって、新自由主義経済学は、経済危機と政治危機の両方を意味する。https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/25/americas-fifth-column-will-destroy-russia/ 日本語訳  アメリカの第五列がロシアを破壊する

 製造業や、ソフトウエア技術のように移転可能な専門能力など、高生産性で高付加価値活動の雇用を、アメリカやイギリスやヨーロッパなどの先進国経済から、賃金がずっと安い場所の経済に向かわせる新自由主義経済学が、国内経済危機をもたらすのだ。新自由主義経済学は、経済的剰余を本当の投資から、債務返済へと向けさせる経済金融化の基盤でもある。新自由主義経済学のこうした破壊的影響があいまって、経済成長を潰す。給料の良い雇用が消滅する中、成長しているのは金融資産価格だけという、21世紀における欧米世界でのゼロ成長経験をご覧願いたい。

 新自由主義経済学が、金融化と、オリガルヒとグローバル企業の利益のために、国民を破滅させるための道具だという問題だけではない。より大きな問題は、ロシア政府の新自由主義経済学信奉で、ロシアが、ワシントンからの圧力に耐えることができなくなってしまうことだ。政府が、ロシアの経済的成功は、欧米経済体制への統合にかかっていると思い込んでいるので、ワシントンに、イスラエルに対してさえ、ロシアは立ち向かうことができない。門戸を開放し続けるため、ロシアは挑発を絶えず甘受しており、それが更なる挑発を誘発している。

 こういう態度が、政治家としてふさわしく、称賛すべき場合もあろうが、危機は経済学を超えるものゆえ、この場合は、そうではない。プーチンの慎重な外交は、ワシントンでは、弱さと見なされる。アメリカ政府を支配しているネオコンは、アメリカ覇権に没頭している。彼らは既に傲慢過剰状態だ。プーチンが身を引くのを目にする毎に、彼らは、更なる圧力で、ロシアを屈伏させることができるという確信を深めるのだ。

 例えば、ネオコンは、トランプの対シリア・ミサイル攻撃、明らかな偽ニュース事件を根拠にした攻撃を前にして、プーチンが身を引いたのを、意気地がないと解釈している。プーチンが、ワシントンによる攻撃を甘受したことで、ワシントン・ネオコンのロシアへの信頼性は大きく傷ついた。シリア国防のため、ロシアが国軍まで派兵している同盟国への攻撃を、プーチンが甘受するのを連中は目にしたのだ。シリアから、ofアメリカが支援する聖戦士を排除しておいて、次に、ワシントンとイスラエルにシリア攻撃を可能にするのに、一体何の意味があるだろう?

 プーチンが身を引いているのは、ヨーロッパに恐怖を与るような形で、ロシアが武力を行使しない限り、ワシントンによる攻勢が、ワシントンのヨーロッパ帝国を崩壊させるはずだという、彼の賭けだと私は説明している。言い換えれば、プーチンは軽率にではなく 慎重に行動しているのだ。特に、プーチンには、欧米には防ぎようのない超兵器があることからして、これは立派なことだ。

 もしプーチンの賭けが効果をもたらさなければ、そして、プーチンの自制の結果が、ロシアは、脅して屈伏させることができると、ネオコンに確信させたら一体どうなるかというのが私の懸念だ。私は、ロシアを脅して、屈伏させることができるとは思わないが、ネオコンは、ロシアを、戦うか、降伏するか、しかない窮地に立たせるだろう。ロシアは戦うだろうが、それは我々全員の終わりだ。

 言い換えれば、プーチンの称賛に値する戦略が失敗すれば、ヒトラーがドイツ国防軍をロシアに向けて行進させた時より既に傲慢さ過剰なネオコンは、戦争する極限まで、ロシアを追い詰めるだろう。

 だから私は別の戦略を示唆した。プーチンが断固譲らないことだ。例えば、彼は、アメリカとイスラエルによるシリア攻撃を受け入れるのを止めることができるはずだ。国際法の下で、これらの攻撃は違法だ。アメリカ自身が確立したニュルンベルク基準の下で、攻撃は戦犯行為だ。プーチンは、シリアに、S-300ミサイル防衛システムを提供できたはずなのに、ワシントンとイスラエルの要求で、契約を遂行せず、ネオコンにとって、プーチンに意気地がないもう一つの例だと誤解させ、ワシントンによる挑発を促してしまう。

 断固として譲らない戦略には、ヨーロッパに、ロシアの攻撃性をおびえさせる危険性があり、欧米の売女マスコミは、そう報じるだろう。しかし、この戦略には、傲慢なネオコンに、プーチンは弱虫だと思い込ませる危険はない。ワシントンに対する効果は前向きで、ワシントンを、アメリカがソ連を尊重していた時代に押し戻すかも知れない。ヨーロッパに対する効果は、ヨーロッパを脅かしているのはロシアの脅威ではなく、ワシントンが始めている紛争なのだと、ヨーロッパに気づかせる可能性だ。

 アメリカの世界覇権に対する短期的障害に過ぎないと、ロシアのことを、ネオコン軽視している証拠は明らかだ。プーチン外交戦略の利益になるような証拠のいくつかを検討してみよう。アメリカが占領しているシリア地域にフランス部隊を派兵しているワシントン傀儡、マクロン大統領は“ロシアをヨーロッパ一家にとどめる”任務で、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムに参加したことで、RTに絶賛された。 https://www.rt.com/news/427820-putin-macron-russia-europe/

 ワシントンが占領しているシリアにフランス軍を派兵しているマクロンが、ワシントンと絶交するだろうか、それとも、マクロンは、ヨーロッパは、ワシントンから離脱するという、プーチンの考え方を励まし、ロシアを“ヨーロッパ共通の家”に歓迎するといって、プーチンに調子を合わせて、プーチンからの更なる譲歩を働きかけているのだろうか。

 ロシア政府は、更なる譲歩をして、ロシアと同盟者たちではなく、ワシントンとイスラエルの狙いに役立つ更なる要求を受け入れるよう思い込まされてしまうのだろうか? ワシントンの最新の要求は、プーチンが、イランに部隊をシリアから撤退させるよう働きかけることだった。プーチンは要求された通りのことをしたが、アメリカやフランスやワシントンのお雇い聖戦士と違い、イランはシリアの要請で、シリアにいるという理由で、イランは拒否した。その結果、いずれもシリアを攻撃し続けているワシントンとイスラエルが、ロシアとイランとの間に緊張を生み出すのに成功した。http://tass.com/pressreview/1005664

 同盟国との亀裂を避けるため、ワシントンがシリアに配備している部隊を撤退させた後に、ロシアとイランは撤退すると、プーチンは、ワシントンに言えていたはずなのだ。ワシントンは早速この亀裂につけ込み、ジェット戦闘機とS-300防空システムをイランに提供するという契約を、ロシアが遂行するのを、ワシントンは認めないと、プーチンに伝えた。もし、プーチンが、このワシントン要求も受け入れれば、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃を、ずっと容易になるだろう。

 ワシントンはまたもや勝利した。ロシアとイランとの間の不和で、イランは、多数の評論家が準備中だと考えているアメリカ軍による攻撃に対し、より脆弱になっている。もしイランが不安定化すれば、ロシアを不安定化するのがより容易になる。

 またしてもワシントンに同意して、プーチンは一体何を得たのだろう? ワシントンとイスラエルによる、シリアへの更なる脅威だ。5月28日、ワシントンの支援を得て、シリア領土を占領している外国侵略者を、ダルアーから排除しようとすれば、シリアは、ワシントンの“断固とした対応”を受けることになると、ワシントンがシリア政府に伝えたのだ。https://sputniknews.com/middleeast/201805261064839163-syria-leaflets-reaction-daraa-ceasefire/ イスラエルは、シリア領空内で活動しているイスラエル航空機に対し、シリアが領土を守るため防空システムを使用することは許されないと、シリアに伝えたのだ。https://sptnkne.ws/hAhP

 言い換えれば、プーチンの譲歩に、ワシントンとイスラエルはシリアの自衛禁止で報いたのだ。

 ネオコン・ワシントン政権は、自分たちは、プーチンを、後退モードに追い込んでいて、シリアからのロシア撤退も交渉可能だと確信しているのだ。もし、そうなれば、ワシントンは、シリア政府を打倒するための戦争を再開するだろう。

 ロシアがあわてる中、ロシアが宙ぶらりんのままにしている分離したロシア共和国に対し、ワシントンが命じる、ウクライナによる攻撃と、旧ソ連中央アジア共和国を通した、ワシントンが組織したISISによるロシア攻撃を、プーチンは受けかねない。https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/24/putins-peace-efforts-coming-naught/  日本語訳 「水泡に帰したプーチンの平和への取り組み」 ロシア政府が、外交政策ではなく、ワールド・カップを主催する威信に注力するワールド・カップの間に、ウクライナ攻撃が起きかねない。

 ロシアが欧米経済に組み込まれるのは、属国としてだろう。

 しかし今ロシアは、フランス大統領の参加を含め、サンクトペテルブルク・フォーラムへの多数の参加者を挙げて、ロシアが孤立していない証拠だと慶賀し、ワールド・カップで得られる更なる威信を期待している。

 おそらく、ロシア政府内の誰かが、ソチ・オリンピックに注力していた時に、ウクライナがワシントンの手に落ちたのを覚えているだろう。

 Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/05/29/will-putins-policy-concession-succeed/

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危機管理学部、超一流に思えてきた。モリ・カケ、防衛庁日報隠蔽問題を全て隠蔽し、アメフトだけに話題を集中させる手腕はなんとも見事。というより、大本営広報部のインチキさ、極まれりということか?

人事権を握り、忖度を活用し、自分の発言証拠を残さない日大監督の支配方法、与党、官僚、大本営広報部による属国支配のミニチュアそのもの。日大を、日本に、監督名を、彼氏の名前に変えれば、そのまま通じる、というより、頭の中で、置き換えて聞いている。

宗主国の交渉準備派遣団、またもや横田基地経由。主権がない属国・植民地傀儡、蚊帳の外もなにもないだろう。

日刊IWJガイド・番組表「<インタビュー報告>最大の転機は2014年4月28日!しかし昭恵夫人の関与が疑われる交渉記録は都合よく欠落!? 森友問題を先頭に立って追及し続ける日本共産党の辰巳孝太郎参議院議員にインタビュー!/『学園の言うことを信じたい』!? 加計学園の虚偽報告を容認する今治市の菅良二市長!/働き方改革関連法案、衆院採決先送り!しかし政府与党は国会会期を延長、法案成立をあくまで目指す!/財務省発表文書の黒塗りを外すと安倍総理の友人・葛西JR東海代表取締役名誉会長の名が!稲田元防衛相の夫や二階幹事長の名前だけではなかった!/
『PKO参加5原則が崩れているのではないか!?』南スーダン派遣の自衛隊員が語る言葉が宿営地での生々しい戦闘の様子を明らかに!! 自衛隊PKO活動は矛盾のまっただ中!?/『北朝鮮との間で不測の事態が起きたら、その経費を韓国と日本が喜んで引き受ける』のトランプ発言は事実!? 菅官房長官は会見でのらりくらりとかわすも否定せず!!~IWJが東京新聞・五味洋治論説委員に訊く!」2018.5.30日号~No.2085号~

2018年5月22日 (火)

石油は「アメリカの世紀」を終わらせるだろうか?

2018年5月19日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 1941年、アメリカ支配体制インサイダーのヘンリー・ルースによって、ライフ誌論説で、誇らしげに宣言された「アメリカの世紀」は、石油支配と、世界石油支配のための果てし無く続く戦争の上に築かれていた。今皮肉なことに、アメリカ大統領による、違法で、一方的なイラン核合意離脱のおかげで、意図的ではないにせよ、まさに「アメリカの世紀」という世界覇権崩壊で、石油が重要な役割を演じることになっているのかも知れない。

 ドル依存から離れるため、様々な国々の最近の拡大しつつある措置の各要素それ自体は、石油の売買をドルのみでおこなうよう他の国々に強制するワシントンの能力によるアメリカ・ドル支配を終わらせるには不十分だ。それでも、ワシントンの力による一方的な挑発や制裁行動のそれぞれが、わずか四年前には、可能あるいは現実的とは思われなかった解決策を、他の国々が見いだすよう強いている。

 ヨーム・キップール戦争の後の、1973年石油価格ショック以来、ワシントンとウオール街は、サウジアラビア率いるOPECが、アメリカ・ドルでしか石油を売らせないように動いた。それが、アメリカ通貨への需要が、事実上、アメリカ経済の内部状態や、政府債務や赤字と無関係になることを保障していた。ヘンリー・キッシンジャーや他の連中が、当時、オイルダラー・リサイクリングと呼んだ体制は、アメリカが世界に戦力を投射する能力の極めて重要な基盤であり、同時に、中国やメキシコやアイルランドやロシアなどのような場所にすら移転する過程で、アメリカの主要大企業が、国内課税や投資から逃れることを可能にしていた。現時点で、かなりの数の国々の集団がドルを放棄して、他の通貨に移行したり、バーター貿易をしたりすれば、アメリカ金利の急増と、十年前のものより遥かに醜悪になるはずの新たなアメリカ金融危機を引き起こしかねない連鎖反応の出来事のきっかけになり得る。

 制裁マニア、アメリカ

 2001年9月11日以来、アメリカ政府は、アルカイダのようなテロ集団への資金供与を取り締まるはずの金融経済制裁の使用を、アメリカの世紀防衛のための戦争の中心的武器へと転換する過程に従事してきた。過激な新たな形の標的を絞った経済制裁をロシアに課するというアメリカ財務省による最近の決定は、アメリカ国民が彼らと事業をすることを禁じるだけでなく、そのような事業を行っているアメリカ国民ではない人々にも経済制裁を課すと威嚇し、更に過酷な新アメリカ経済制裁をイランに再び課すことが続いている。

 トランプ政権は包括的共同作業計画 (JCPOA)、イラン核合意から一方的に離脱し、イラン石油を貿易している他の国々も、11月までに取引を段階的に縮小しなければ、いわゆる第二次経済制裁で、彼らも経済制裁に直面すると発表した。アメリカ財務省は、イラン石油貿易に関与している可能性のある主要国際再保険会社や外国銀行も標的にしている。最新のイラン経済制裁に、2012年会計年度の国防権限法1245条を正当化に利用している。

 根拠のないアメリカの動きは、中国、ロシアや、イラン自身を含む主要な国々、可能性としてはEUにも、これまでになかったことだが、ドル離れするよう強いているのだ。

 中国元による石油貿易

 今年3月、中国は、元に基づく石油先物契約を開始した。先物は、現在の世界石油貿易の主要要素だ。アメリカ・ドルではない石油先物契約としては、初めてのものだ。新たな対イラン・アメリカ経済制裁まで、ワシントンは、本格的に受け入れられるとしても、何年もかかるやっかい者同然に見なしていた。今や、ドルでのイラン石油販売を阻止するアメリカの取り組みは、上海の石油先物や、一部の人々がオイル元と呼ぶものの前払いに大きな弾みをつける可能性がある。

 中国は、イラン石油の圧倒的な最大顧客で、イランの一日約250万バレルの最近の輸出総計のうちの一日約650,000バレルを輸入している。ブルームバーグの最近のレポートによれば、インドは第二位で、一日約500,000バレル輸入している。韓国は第三位で、313,000 bpd、更にトルコは第四位で、一日165,000バレルだ。最近ドルから自立する願望を明かにしたイランが、中国元で石油を中国に売る可能性は極めて高い。もし中国が、元での販売を、イラン石油購入継続の前提条件にすれば、ドル交換の経費を節減し、ドルを犠牲にして、世界貿易での中国人民元の利用を大幅に増やすことになろう。

 イランは、何兆ドルものユーラシア・インフラ・プロジェクト、中国の一帯一路構想における主要な戦略的パートナーでもある。最新のアメリカ経済制裁の後、フランスのメジャー、トタル石油が、イランの巨大南パース天然ガス田の株の売却を強いられる可能性があり、中国国営エネルギー企業情報源は、中国の巨大石油集団CNPCは、フランスの株を引き受ける用意があると述べているという報道がある。現在、トタルは50.1%を保有し、CNPCが30%、イランの国営石油会社が19.9%を保有している。対イラン戦争を主張してきた、長年にわたるネオコン・タカ派、トランプの国家安全保障問題担当補佐官ジョン・ボルトンは、EU企業が、もしイラン政府との協力を継続すれば、アメリカ経済制裁に直面することになると述べた。

 中国-イランの経済的つながりの増大を示すものとして、5月10日、中国は内モンゴル自治区のバヤンノール市から、約8,000キロ、カザフスタンとトルクメニスタンを経由し、テヘランまでを結ぶ直通陸上鉄道便を開始した。貨物の輸送時間は、14日間と予想されており、海上輸送時間より約20日間短い。

 ロシアの動き

 イランにとって二番目に大きなビジネス・パートナー、ロシアは、自身が、アメリカ経済制裁によって苦しめられているが、2014年のイラン核合意と経済制裁解除の後、イランとの無数の事業契約を行っている。ロシアのプーチン大統領は、経済制裁への脆弱性にまつわる安全保障上の理由から、ロシアがアメリカ・ドルから独立する希望をはっきり宣言した。この点、ロシア-イラン二国間貿易は、2017年11月以来、多くの製品が非ドル・ベースのバーターで行われている。

 更に、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣が、5月14日、モスクワを訪問して、ロシアのラブロフ外務大臣と、将来のロシアの原子力計画協定について話し合い、両者は経済協力継続を誓った。いくつかのロシア石油会社は、既にイラン・プロジェクトに参加している。

 最近の愚かなアメリカのイラン合意離脱の前から、ロシアと中国間の貿易も、ドルから離脱しつつある。現在、中国は、ロシアの最大貿易相手国で、17%を占め、第二位のロシアとドイツ間の倍だ。両国間のドル貿易が更に減少する可能性が高い。4月25日、上海でのヴァルダイ・クラブ会議で、Union of Chinese Entrepreneurs in Russia(在ロシア中国起業家同盟)会長、Zhou Liqunが、ユーラシアの二国は、二国間貿易で、ドルから一層離脱すべきだと述べた。彼は“二国の指導部should think over関係改善、特に、金融協力r。一体なぜ外国通貨で支払う必要があるでしょう? なぜドルなのでしょう? なぜユーロなのでしょう? 直接、元とルーブルで行えるではありませんか”と彼はロシア国営TVで述べた。

 最近のワシントンによるロシアとイラン経済制裁の前から、ロシアと中国は両国の二国間貿易でのドル離脱の方向に慎重に動いてきた。ロシアは、2016年末に上海石油-元先物と似たような、ロシア・ウラル石油先物の値付けにルーブルを使う石油先物契約取引を、サンクトペテルブルク取引所(SPBEX)に開設した。

 2017年に、約31%増え、今年、中国・ロシアの二国間貿易は、1000億ドルに達すると推計されている。ユーラシアの主要二国の銀行や企業は、世界準備通貨を保持しているというワシントンの不愉快な強みである、ドルからの、そしてドル経済制裁に対する脆弱性から自立する基盤を慎重に築いている。

 2017年、既に9パーセントのロシア商品の中国輸出はルーブル決済だ。ロシア企業は、15パーセントの中国輸入を人民元で決済している。こうした直接のルーブルや人民元決済は、NATO経済制裁が益々重要な要因になっているので、ドルやユーロ通貨のリスクを回避できる。更に、EUのSWIFT国際銀行間決済体制から自立して、確立した人民元決済システム(CIPS)を使うことで、この二つのユーラシア国家を、アメリカの金融戦争や制裁から、遮断できる。既に170以上のロシアの銀行や、ロシア中の証券会社は、中国銀行、ICBC、中国建設銀行や中国農業銀行などの中国の巨大国営銀行が参加しているモスクワ取引所で、元で取引している。ルーブル-元為替レートは、アメリカ・ドルの関与無しに計算されている。

 EUは続くだろうか?

 最近、これまで行っているドルでなく、ユーロによるイラン石油貿易の可能性を欧州連合が検討しているという報道もある。彼らはトランプによるイラン核合意からの一方的離脱を強く非難し、イラン石油貿易や、アメリカに威嚇されている航空機や他のハイテクの大型契約を維持する方法を検討している。フェデリカ・モゲリーニ欧州連合外務・安全保障政策上級代表は、マスコミに、イギリス、フランス、ドイツ、イランの外務大臣が、ワシントンの動きに対応した、現実的な解決策に、今後数週間で取り組む予定だと語った。彼らは、石油とガス供給の分野を含め、イランとの経済的なつながりを拡大する予定だと報じられている。

 EUがそのような動きをすれば、ドル体制の基盤を根底から揺るがし、それと共に、アメリカ戦力投射をも揺るがすことになる。現時点ではありそうにないが、2014年以来、ロシア経済制裁で、ワシントンが要求して明白に起きているEU経済権益を損なう、ワシントンの動きの一つ一つによって、大西洋同盟から離れるという地政学的同盟の大規模構造的転換の可能性が、より想像可能なものとなる。

 主要世界準備通貨としてのアメリカ・ドルの役割は、軍事力とともに、ワシントン権力の基盤だ。これが大幅に縮小するようなことになれば、他の国々の資源を利用して、超大国支配を継続するため戦争をしかけるペンタゴンの能力を弱体化させるはずだ。アメリカ財務省経済制裁が強いるものが抑えのきかないものになればなるほど、中国、イラン ロシアなどの国々や、可能性としては、EUも、ドル依存を減らし、ワシントンが他の国々を支配する力が益々弱くなる。前世紀のこうした過程の核心にあったのは、石油支配と、その支配のためのドルの役割だった。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/05/19/will-oil-end-the-american-century/

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狂気の与党、野党風与党分派連中、なんとしても過労死推進法案を通すつもりだ。

せめて、下記IWJインタビューを拝聴しようと思う。上記記事と関連しているパイプラインの話題、これから拝読する。

日刊IWJガイド・番組表「過労死促進法案が成立!?『5月23日衆院予算委で強行採決!?「高度プロフェッショナル制度」の異次元の危険性! ~岩上安身による上西充子法政大学教授インタビュー』を本日午後3時半から生配信!!/ドイツとロシアとの間でガス・パイプライン事業が着実に進行! 対する「ビジネスマン」率いるトランプ米政権は対露経済制裁を示唆!?/IWJの第8期も残り2ヶ月余り、どうか皆様のあたたかいご支援をお願いします!」2018.5.22日号~No.2076号~

IWJ Independent Web Journal - 岩上安身責任編集

 

2018年5月20日 (日)

ワシントンのユーラシア地政学を形作るブレジンスキーの亡霊

2018年5月14日
F. William Engdahl

 これまで実に際立っているトランプ大統領の最も顕著な特徴の一つは、ツイートやスキャンダルという意図的な巧妙な煙幕を消し去ると、実際の政策展開が、少なくとも1992年にさかのぼるワシントン地政学の基本戦略に、どれほど正確に従っているかという点だ。イラン核合意離脱の最近の嘆かわしい、全く違法な一方的な決定にもこれは当てはまる。ロシアに対する容赦ない冷戦風悪者化キャンペーンや、陰険な新経済制裁実施もそうだ。トランプ政権が中華人民共和国に対してはじめた迫りくる貿易戦争もそうだ。

 アメリカのトランプ大統領は、衝動だけで行動するとか、予測できないとかいう、広く信じられている考えとは逆に、事実は逆だろうと私は考えている。トランプ政権の戦略的地政学的政策は、大統領本人のものではなく、権力者、実際に支配をしていて、時に陰の政府と呼ばれる恒久的支配体制による対応なのだ。その政策の地政学が、彼らが一体誰を大統領になるのを認めるかを、かなりの程度まで決定しているのだ。

 現在のワシントン外交政策が最初に公式に構築されたのは、父親ブッシュの下で、ディック・チェイニーが国防長官だった1992年のことだ。ソ連が崩壊し、ブッシュは意気揚々と、アメリカは唯一の超大国だと宣言した。チェイニーの国防副長官、ポール・ウォルフォウィッツが、1994年-1999年、防衛戦略ガイダンス策定責任者だった。それは無遠慮なもので、後にテッド・ケネディ上院議員が、帝国主義者と表したほどだ。編集されていないウォルフォウィッツ・ドクトリンの中に、“第一の目的”は“旧ソ連地域であれ、他の地域であれ、かつてソ連がもたらしたようなスケールの脅威をもたらすような[アメリカの一方的行動に対する]新たなライバルの再出現を防ぐことだ…統合的に管理すればグローバル・パワーを生み出すに十分な資源がある地域を、いかなる敵対的勢力にも支配させないよう、我々は尽力しなければならない”とある。ジョージ・W・ブッシュの下で、2002年、イラク戦争の準備段階で、単独覇権主と、予防戦争の行使、アメリカ政策の中心だと宣言して、ウォルフォウィッツ・ドクトリンは、ブッシュ・ドクトリンとして再浮上した。

基本的地政学

 この記事の題名に戻って、現在のトランプの下でのアメリカ外交・国防政策が一体何かを強調するために、故大統領顧問ズビグニュー・ブレジンスキーの1997年の著書、The Grand Chessboard: American Primacy and its Geostrategic Imperatives『ブレジンスキーの世界はこう動く―21世紀の地政戦略ゲーム』から引用しよう。これは、ブッシュ-ウォルフォウィッツ・ドクトリンのブレジンスキーの地政学的挑戦と予防戦争という考え方を、アメリカという唯一の超大国支配に対する抵抗が現在現れているという文脈への適応に他ならない。

 もちろん、ブレジンスキーは、CIAと、サウジアラビア諜報機関と、パキスタンISIが訓練した、ムジャヒディン・イスラム主義テロリストを利用した、ジミー・カーターによる、ソ連軍に対するアフガニスタン戦争の立案者だった。

1997年、“ユーラシアを支配することが可能で、アメリカにも挑戦するユーラシアの挑戦者が決して出現しないようにすることが極めて重要だ”と彼は書いていた。彼は更に、declared、“可能性として、最も危険なシナリオ、イデオロギーではなく、相補う不満で団結した‘反覇権’同盟だ…中国、ロシア、おそらくはイランの大連合…Avertこの不測事態…ユーラシア外周の西と東と、南で、同時に、アメリカの戦略地政学的技能を必要とすることになる”

 これに、ロシアと中国を、アメリカ覇権に対する最大の潜在的脅威と規定する最新のペンタゴン国家防衛戦略文書を加えこれを、2015年に経済制裁を解除して以来、ロシアと中国とイランの間の、特にシリアでのつながりの深まりと組み合わせると、ワシントンが一体何をしているのかが明かになる。私が唯一の覇権国に対するユーラシアの挑戦と呼ぶ、ロシア、中国、イランを粉砕するため、連中は徹底的に取り組んでいるのだ。

 ブレジンスキーが指摘した通り、支配継続というアメリカの目的にとって、ロシアと中国とイランの間に、人種的、宗教的、あるいは他の差異かあることは重要ではない。2001年9月以来、アメリカ外交政策は、こうした差異にもかかわらず、彼らが、国家主権の防衛と考えるもののため、この三国が一層協力することを強いている。

標的ロシア…

 最近の色々な出来事を、1997年のブレジンスキーのユーラシア警告の視点から見てみよう。何の証拠も無しに、ロシアのせいにされたイギリスの、いんちきなスクリパリ毒ガス攻撃事件を、ワシントンは支持していた。ダマスカス郊外での偽化学兵器攻撃は、国連憲章や国際法のあらゆる前例を無視した、違法なアメリカ爆撃急襲の口実に利用された。あれは思い返して見れば、ロシアのあり得る反応を探るための実験以外の何者でもなかった。アメリカ・トマホークや他のミサイルが命中しようと、しまいと、イスラエルや、他のアメリカ同盟国が、シリア国内のイラン攻撃をエスカレートする前例が確立されたのだ。

 更に、世界第二位のアルミ・メーカー、ルサールのデリパスカのような“プーチンのオリガルヒ”に対する新たな壊滅的打撃を与える極悪非道の経済制裁が行われている。ワシントンは、新経済制裁の口実をでっちあげようとさえしていない。連中は、理由は、ロシア政府が“世界中で様々な悪意ある活動”に関与していることだと言っている。

 新経済制裁は、たとえ新経済制裁の前に購入したものであれ、制裁対象のロシア企業の株を保有しているあらゆる欧米の銀行や投資家を罰するのだ。これは、あらゆる点で、戦争より酷くはないにせよ、武力戦争同様、アメリカ財務省による極めて破壊的な新形金融戦争なのだ。911のすぐ後、この手が開発され、以来、経済的グローバリゼーションの下、貿易と、中央銀行の外貨準備の上で、世界が依然圧倒的に、アメリカ・ドルに依存しているという事実を利用する破壊兵器にまで洗練されている。

 ロシア人オリガルヒや企業に対する最新のアメリカ経済制裁では、将来、欧米資本市場で借り入れることが阻止されるだけではない。近年、対象にされたロシア企業に、何十億ドルも投資した非ロシア人投資家は、ロシア資産を保有しているかどで、換金するか、二次的経済制裁の目に会うかで、うろたえることを強いられた。だが一体誰が買うだろう? 既に主要EU証券決済機関の二社、クリアストリームと、ユーロクリアは、制裁対象のロシア証券の決済を拒否するよう強いられている。彼らはロシア株を保有しているかどで、経済制裁にも直面する。たとえば、中国国営銀行が市場からドルを借りていれば、彼らは今や事実上、制裁対象ロシア企業と事業をすることを禁じられている。

標的中国…

 ワシントンは、シリアとウクライナを巡って、プーチンのロシアに対する圧力を強化しながら、同時に、中国との貿易を最初の梃子として利用する、壊滅的経済戦争であることが明かなものの初期段階を開始した。ワシントンは、私が前の記事で指摘したように、中国経済を、今後十年で、主導的ハイテク製造国という立場に押し上げようという戦略を中国に強制して廃棄させることを狙っているのだ。戦略は「中国製造2025」と呼ばれるもので、習近平の戦略目標、一帯一路構想、経済シルク・ロード・プロジェクトの中核だ。

 「中国製造2025」のもとで、ハイテクで世界のリーダーになろうとする中国の動きを標的に、ワシントンが一体何を計画しているかの一端が、中国の主要通信機器メーカー、ZTEと、アップル社に対する有力な挑戦者、華為技術に対する扱いだ。4月、ZTEは通信機器をイランに売ったとされることで、ワシントンによる制裁対象となった。アメリカのサプライヤーは、極めて重要な部品を、中国ハイテク集団に供給することを禁じられている。アメリカから猶予を勝ち取ろうとする中、同社は一時的に操業を中止している。

標的イラン…

 ドイツやフランスや他のEU諸国の猛烈な抗議にもかかわらず、トランプは一方的にイラン核合意を破棄した。狙いが、壊滅的打撃を与える経済制裁を、イランに再度課して、2015年以来、始まった脆弱な進展を破壊させることなのは明らかだ。EUがイランとの合意を破棄するのを拒否している事実も、最終的には、アメリカによるイラン経済制裁は、イランと商売をしているEU企業の経済制裁もすると脅しているので大して意味はない。

 最近のトランプによる、イランとの核合意破棄の一環として、アメリカは、中国や日本やEU諸国など他の国々に イラン石油のあらゆる購入契約をやめる180日間の猶予を与えた。イランからの何十億ドルの航空機購入注文があったエアバスなどのヨーロッパ企業は、キャンセルを強いられた。8月6日、アメリカ・ドル購入、金や他の金属による貿易や、航空や自動車産業は制裁される予定だ。11月4日、アメリカ経済制裁は、イランの金融・石油企業を標的にして、以前、アメリカ財務省経済制裁リスト対象になった個人に対して行った経済制裁を再開した。

 イランの脆弱な経済を危機に陥れるべく、アメリカ財務省による正確に狙った経済制裁という壊滅的新兵器使用が明かな狙いだ。同時に、NSC顧問ジョン・ボルトンは、新たなカラー革命のこころみを開始するため、イランのテロ組織、ムジャヒディーン・ハルク、MEKのを再活性化を主張しているという報道もある。2012年、クリントン国務長官によって、MEKは、アメリカ国務省のテロ・リストから外された。

アメリカ中央軍、CENTCOM

 各国の具体的な詳細や、各国に対するワシントンの行動から一歩下がって見ると、ユーラシアの三大国-ロシア、中国、イランは、体系的に、標的にされており、これまでのところ、程度の差はあれ成功していることが見えてくる。

 2月末、アメリカ中央軍、CENTCOMの司令官ヴォーテル陸軍大将が、DoD Newsのインタビューに応じた。そこで、ロシアと特にロシアのシリア関与や、中国の新一帯一路構想や、ジブチや他の場所の中国軍事基地を例にあげるのに加え、ヴォーテル大将は、両国のイランとの結びつきに触れた。ヴォーテル大将は“ロシアも中国も、イランと多次元のつながりを育てている。包括的共同作業計画のもとでの、国連経済制裁解除が、イランが上海協力機構加盟申請を再開する道を開いた”と述べた。

 皮肉にも、事実上の三正面戦争の同時開始は、現時点では経済戦争のレベルだとは言え、三大国に対して、一層密接に協力するという戦略原則を生み出している。中国はイラン石油の最大購入国だ。ロシアは、軍事備品を供給しており、それ以上のことも交渉中だ。この三国中国、イラン、ロシアいずれにとっても、ワシントンの地政学的三正面戦争を目の前にして、不信や差異がどうであれ、自己保存の目的で、これまでになかった以上に協力する以外良い選択肢はないのだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、オンライン誌“New Eastern Outlook”に独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/05/14/brzezinski-s-ghost-shapes-washington-eurasia-geopolitics/

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昨日は、IWJの岩上安身氏による放送大学名誉教授・高橋和夫氏インタビューを拝聴。今日は下記を拝聴予定。

日刊IWJガイド・日曜版「<本日のタイムリー再配信>本日午後8時より「岩上安身による東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー(後編)1/2」を再配信!さらに午後7時から【働かせ方改悪を許すな!シリーズ特集】として「5.16『働き方改革虚偽データ疑惑』野党合同ヒアリング/
ボルトン米大統領補佐官が北朝鮮の非核化に『リビア方式』で臨むと発言! 北朝鮮の抗議に対しトランプ大統領自ら火消し役に!/日本大学アメリカンフットボール部監督・常務理事の内田氏『一連のこの問題は、すべて私の責任』と監督辞任を表明するも、大学役職の進退については答えず」も再配信します!」2018.5.20日号~No.2075号~

2018年5月14日 (月)

スクリパリ親子は決して話すことを許されない可能性が高い

The Vineyard of the Saker
2018年5月11日

[本コラムはUnz Review向けに執筆したもの。]

今週は、プーチンがメドベージェフを首相に再任命し、ビビ・ネタニヤフが訪問直前、ロシア同盟国シリアを爆撃したにもかかわらず、彼を戦勝記念日パレードでモスクワに招待したことを含め大きな進展があったが、全て良くないものだった。モスクワに着くや否や、ネタニヤフは、イランを何とナチス・ドイツになぞらえたのだ。実に独創的で深遠だ! 更に彼はモスクワ滞在中に、二度目のシリア爆撃を命じたのだ。だが、日本の首相に特注の靴で食事を出すのが適切だと考えるような自己崇拝するうぬぼれ屋から他に一体何が期待できよう? この男は明らかに目茶苦茶に狂っている(だからといって、彼のあくどさや危険性が減じるものではない)。しかし、実にうんざりするのはロシアの対応だ。皆無、全く皆無なのだ。他の人々と違い、シリア(あるいはイラン)をイスラエルから“守る”のはロシアの責任ではないと、私ははっきり述べている。しかし、ネタニヤフがあからさまにプーチンを軽蔑し、プーチンがそれを受け入れたと、私は心の中で確信している。私はプーチンを大いに尊敬しているが、今回彼は、トランプがマクロンを扱ったように、ネタニヤフが彼を扱うのを許したのだ。プーチンの場合、自国の首都でそういう扱いを受けたという違いはある。それで事態は一層ひどくなる。

[興味深いことに、“ナチス・イラン”に関してぐずぐず泣き言を言いながら、ネタニヤフは、実に核心を突く、真実を語ったのだ。彼はこう言った。“重要な歴史の教訓は、残忍なイデオロギーが現れたら、人は手遅れになる前にと闘わなければならないということだ。”これは、イスラエルと、そのシオニスト・イデオロギーに関し、実際、まさに世界中の大半の人々が感じていることだが、悲しいかな、彼らの声は、彼らを支配する連中に完璧に無視されている。だから、そう確かに私には“手遅れ”になりつつあるように見え、我々の集団的臆病さの結果として、わがシオニスト最高君主について、ありのままの真実を語ることを我々の大半が完全に恐れており、我々は途方もない代償を負担することになるだろう。]

そして、もちろん、イランが完全順守しているにもかかわらず、またアメリカには、この多国間合意から一方的撤退する権限がない事実にもかかわらず、いわゆる包括的共同作業計画 (JCPOA) から脱退するドナルド・トランプがいる。誇大妄想狂で、言うまでもなく、イスラエル・ロビーの意気地のないお先棒かつぎトランプは、これらをすべて無視し、アメリカと、アメリカが、狂気じみたイスラエル追随で、アメリカ支持を強いようとして、今恐喝し、いじめるだろう世界の他の国々の間に、更なる緊張を作り出した。イスラエルについて言えば、彼らの“高度な”“戦略”は極端なまでに粗野だ。まずトランプに、イランと最大の緊張を作りださせ、更に出来るだけ露骨かつ傲慢に、シリア国内のイラン軍を攻撃して、イランを報復するようおびき出し、そこで“あらまあ!!!”とわめき、声の限りに何度かホロコーストに触れ、“600万人”という人数を投げ入れ、アメリカにシリア攻撃をさせるのだ。

人々が、一体どうしてイスラエルを尊敬、まして称賛できるのかは理解を超えている。イスラエル以上に、より卑劣で、腹黒く、反社会性人格障害の誇大妄想症悪党集団(意で気地なし)を私は思いつくことができない。あなたは思いつけるだろうか?

とは言え、シオニストが、同時に、一国ではなく、二つの(そう思われている)超大国を彼らの要求への屈伏を強いる十分な力をもっていることは否定しようがないように見える。それだけでなく、彼らには、この二つの超大国をお互い、このままでは紛争に突入する路線を進ませながら、そうさせる力があるのだ。少なくとも、これは二つのことを示している。アメリカ合州国は今や完全に主権を失い、今やイスラエル保護国だ。ロシアについては、そう、比較的良くやっているが、ロシア国民が投票で、圧倒的なプーチン支持を示した際の、完全な再主権化は実現しなかった。ロシアのチャットで読んだ、あるコメントにはこうあった。“Путин кинул народ - мы не за Медведева голосовали”翻訳すれば、“プーチンは国民を裏切った - 我々はメドベージェフに投票していない”。“国民を裏切った”が公正な言い方かどうか確信はないが、彼が多くの国民を失望させた事実は実に明白だと私は思う。

現時点で、何らかの結論を出すにはまだ早過ぎ、余りに様々な未知の変数があるが、プーチンの基本的政策に関する大きな疑念で、4年間で初めて、私は非常に懸念していることを認めよう。私は自分が間違っていることを望んでいる。比較的すぐにわかるだろう。それが大戦争という形でないことを願うばかりだ。

とりあえず、スクリパリ事件に再度焦点を当ててみたい。私が当初無視したが、実に気がかりなことになった極めて奇妙なことが一つある。イギリスが、セルゲイとユリア・スクリパリを明らかに監禁している事実だ。言い換えれば、二人は拉致されているのだ。

ユリア・スクリパリと従妹のヴィクトリアはたった一度の電話通話しかしておらず、その中で、ユリアは、自分は大丈夫だと言った(彼女がヴィクトリアを安心させようとしていたのは明らかだった)が、彼女が自由に話せなかったのは明らかだった。しかも、ヴィクトリアがユリアに会いに行きたいと言うと、ユリアは‘誰もあなたにビザを発給しない’と答えた。その後は、完全な沈黙だ。ロシア領事館は、面会できるよう無数の要求を行っているが、以来、イギリスがしたことと言えば、ロンドン警視庁に、ユリアによって書かれたものではないことが明らかな書簡を投稿させたことで、そこにはこうある。

    “私は友達や家族と連絡できますし、ご親切に、何であれ、できる限りの支援を申し出て下さったロシア大使館の具体的な連絡先も承知しています。当面彼らの支援を受けたいとは思っていませんが、考えが変わった場合、彼らとどう連絡をとるか分かっています。”

一体どういうお友達だろう?! 一体どういう家族だろう?! くだらない!

従妹は公式ルートを含め様々な経路で何度も連絡しようとしたが、全く絶望して、
彼女は下記メッセージをFacebookに投稿した。

    “親愛な従妹、ユリア! あなたは私たちと連絡をせず、あなたとセルゲイ・ヴィクトリビッチについて、私たちは何もわかりません。あなた方の承認無しで、あなたがたのことに干渉する権利がないのは分かっていますが、大変心配です。あなたと、あなたの父親のことが心配です。ヌアルのことも心配です。[ヌアルは、イギリス旅行中、ペットホテルに預けておいたユリア・スクリパリの飼い犬]。ヌアルは今ペットホテルにいて、支払いを要求されています。彼をどうするかを決めなければなりません。あなたが帰国するまで、私には彼を引き取って面倒を見る用意があります。ヌアルに加えて、あなたのアパートと自動車も気になっています。この二つの安全と維持について何も決まっていません。私たちが面倒を見てあげることはできますが、私か妹レーナの名前で、あなたの委任状が必要です。もしこうしたものが大切と思われたなら、どこの国であれ、ロシア領事館で委任状を書いてください。もしあなたがそうしなければ、それまでで、あなた方には干渉しません。
    ヴィーカ“

何の返事もない。

グーグルで、 “スクリパリ”という言葉で検索してみた。4月10日には、彼女が病院から退院したという記事があった。それが見つかった最新記事だ。Wikipediaも見てみたが、全く同じで、本当に何もないのだ。

最初にロシアの不平を聞いた際、これは大したことではないと思ったことを認めなければならない。“イギリス人は、スクリパリ親子に、プーチンが二人を毒ガス攻撃しようとしたと言い、二人はたぶん恐れており、たぶん何であれ、二人の体調を悪くしたもののおかげで、まだ具合が悪いのだろうが、イギリス人は、二人の外国人を、決して公然と拉致することはせず、まして、これほど公式な形では、そうするまいと私は考えていた。”

もはや、そういう確信はない。

まず、明らかなことを排除しよう。スクリパリ親子の身の安全に関する懸念だ。これは全くのたわごとだ。イギリスは、イギリス国内で、戦車、SASチームを待機させ、空中のヘリコプター、爆撃機などを用意して、厳重に守られたイギリス施設で、ロシア外交官との面会を手配できるはずだ。ロシア外交官は、防弾ガラス越しに電話で彼らと話せるはずだ。それに、ロシア人は実に危険なので、武器の身体検査もあり得る。スクリパリ親子が、彼なり/彼女なりに言うべきことと言えば“ありがとう、皆様のお世話は無用です”だけだ。それで会話は終わりだ。ところが、イギリスは、それさえ拒んでいる。

スクリパリ親子は悪のロシア人に大いに怯えているので、二人はきっぱり拒否しているとしよう。テレビ会議でさえ。二人にとって、実にトラウマ的なのだ。結構。

ならば、記者会見はどうだろう?

更に気がかりなのは、少なくとも私の知るかぎり、欧米商業マスコミの誰も、彼らとのインタビューを要求していないことだ。スノーデンは、ロシアから安全に話せ、大きな会議で講演さえできるのに、スクリパリ親子は誰にも語ることができないのだ。

しかし最悪なことはこれだ。スクリパリ親子をイギリス当局が完全に秘密裏に拘留して既に二カ月だ。二カ月、つまり60日間だ。尋問の専門家や、あらゆる心理学者に、60日間の“専門的治療”が人に一体どのような影響を与えるか尋ねていただきたい。

もう“拉致”に関するロシアの声明をはねつけるてはいない。私の考えはこうだ。実質的に、MH17やドゥーマの化学兵器攻撃と同様に、スクリパリ偽旗作戦は崩壊し、燃え尽きたが、MH17やドゥーマとは違い、スクリパリ親子は、その証言が、メイ政権にとってのみならず、イギリスとの“団結”を示した意気地なしのヨーロッパ人全員にとって、途方もないスキャンダルという結果をもたらす可能性がある証人だ。言い換えれば、スクリパリ親子は、おそらく決して自由に話すことを許されないだろう。二人は殺害されるか、完全に洗脳されるか、行方不明になるかしかないのだ。ほかのどの選択肢も世界規模のスキャンダルという結果を招きかねない。

セルゲイ・スクリパリに同情するようなふりをすることはできない。国に忠誠を誓い、その後、国を裏切り、イギリスに寝返った諜報職員(マスコミが書いている通り、彼はロシア・スパイではなく、イギリス・スパイだ)。現在、彼を確保しているのは、彼の元雇い主だ。だがユリアは? 彼女は完全に無辜で、4月5日時点(彼女が従妹のヴィクトリアに電話した際)、彼女は明らかに元気で、頭もはっきりしていた。今、彼女は行方不明で、彼女が決して再び現れないかも知れないこと、それとも、何カ月ものイギリスによる“カウンセリング”の後、彼女が、ある日、再び現れることのどちらがひどいのか、私には分からない。父親に関しては、彼はすでに裏切りの代償を支払っており、彼も、毒ガス攻撃され、利用され、行方不明にされるより、もっと良い運命に会う資格があるのだ。

巨大な出来事(我々の全世界に対するシオニスト戦争)の中では、セルゲイとユリア・スクリパリのような二人の個人は重要でないのかも知れない。だが、この二人と、その苦境を忘れずにいるくらいは当然だろうと私は思う。

これは我々が一体どのような世界に暮らしているのかという問題も提起する。イギリス国家が、そのような手口(連中はいつもこの手口を利用している)を用いた事実に私は驚かない。自由、多元的共存と“ヨーロッパの価値観”(それが何を意味するのであれ)がある、いわゆる欧米“民主主義”の中で、イギリスが何の罰も受けずに済んでいることに私は驚いている。

多少はスクリパリ親子と“団結”されてはいかがか - ヨーロッパ人のあなた方よ?!

The Saker

The Sakerに寄付する。

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-skripals-will-most-likely-never-be-allowed-to-talk/
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昨日のBS-TBS週刊報道LIFEには驚いた。小選挙区制の問題を正面から取り上げたのだ。小林良彰教授のコメントも流された。
猟奇殺人事件やタレント・セクハラではなく、終日、連日、小選挙区制問題こそ報じられるべきだろう。

インチキ・データをもとに無意味な論議を強いていた自民党は、「高度プロフェッショナル制度」を強行採決するだろう。これも、小選挙区制のおかげで成立する悪法。

小選挙区制によって、25%の異様な連中に、我々は永久に搾取されつづけるのだろうか?

大本営広報部、スクリパリ事件でロシア犯行説だけを垂れ流したあと、二人の行方不明という現状を報じているだろうか?虚報を垂れ流し、洗脳するのが商売なら、知的な病気を引き起こす公害企業も同じことではあるまいか?

日刊IWJガイド・番組表「<本日のインタビュー>本日、在イスラエル米大使館がエルサレムへ移転!米国のイラン核合意離脱表明などで中東情勢が大きく揺れ動く中、本日午後4時30分より、『「大災厄」の日を目前に在イスラエル米大使館が移転!~岩上安身による東京経済大学・早尾貴紀准教授インタビュー(第3弾)』を行います!/
<新記事紹介>イスラエル兵の実弾がパレスチナ人の無防備な身体と『衝突』!? BBCはイスラエルがガザで犯した残虐行為を巧妙に正当化!早尾貴紀氏が注目したハミド・ダバシ氏「『西側メディア』と大衆欺瞞」をIWJが仮訳!/北朝鮮・豊渓里の核実験場廃棄発表!トランプ米大統領はツイッターで歓迎の意を示すも、日本は6ヶ国記者団から除外!!/裁量労働制『不適切データ問題』で自民・橋本岳議員が論点をすりかえる圧力! 国会での本格審議を前に論戦を牽制か!? ~上西充子法政大学教授と労働弁護団有志が緊急記者会見で反論!『実務家として震撼』」2018.5.14日号~No.2069号~

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