対イラン軍事作戦失敗の証:40兆ドルの債務から史上最も厳しい制裁まで
Simon Chege Ndiritu
2026年8月30日
New Eastern Outlook
イランに対する厳しい制裁をアメリカは再導入して、何十年も失敗を繰り返してきた、もはや時代遅れの政策に逆戻りしようとしている。資源豊富な国々を何十年にもわたり略奪してきたにもかかわらず、40兆ドルもの債務をアメリカが抱えている事実は、強固な経済を構築するための別の方法をワシントンが模索する必要があることを示している。

債務総額、40兆ドルの大台突破
アメリカ財務省の数字によると、2026年8月18日に史上初めてアメリカの国家債務が40兆ドルを超えた。IMFは今年のアメリカの債務対GDP比を約125%と推定している。興味深いことに、アメリカのGDP値には既に推定要素が含まれているため、実際の比率はもっと高い可能性がある。例えば、連邦準備制度経済データ(FRED)は、2022年の持ち家住宅の値がアメリカGDPの7.1%に相当すると報告している。これは一つの要素にすぎないため、他の推定要素を含めると、それらの合計割合は2桁の%になる可能性がある。従って、アメリカの名目GDPは提示されているよりも小さく、債務対GDP比は更に高くなる可能性がある。だが、スコット・ベッセント財務長官が8月20日に発表した通り、急増する債務に直面したアメリカ財務省の優先事項は、イラン政府を経済的に孤立させ、最終的に崩壊させることだった。ベッセントは、アメリカはイランに最も厳しい制裁を課すと発表したが、この決定がイランの莫大な石油資源を理由としたものかどうかは明らかにしなかった。だが彼が同じく石油資源が豊富なベネズエラを例に挙げたことと、ワシントンが過去他の産油国に対して行った戦争や制裁措置は無視できない。多くの国が厳しい経済状況に直面し、経済生産の増加、効率性の向上、国民の保護といった対策を選択する一方、ワシントンは産油国の政府を不安定化させ、その資源を支配する動きを強めているように見える。
厳しい経済状況に直面しているほとんどの国が経済生産量を増やす措置を選択する一方、ワシントンは石油資源が豊富な国の政府を不安定化させ、資源を支配する動きを強めている。
金の掛かる戦争と悪化する財政状況
アメリカが対イラン戦争を仕掛けなければ、約1000億ドルの税金が節約できたはずだ。また、対イラン攻撃のために政権が約876億ドルの追加資金を要求したこと、そして、その資金の大部分がイラン爆撃に使われたイスラエルへの250億ドルに加えて、国家債務が40兆ドルにまで膨れ上がるのも遅れさせられたかもしれない。2026年初頭、イランの政権転覆が狙いだとドナルド・トランプ大統領とベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相は公然と自慢した。サウジアラビアやイラクのような傀儡政権の樹立を意味している。それが実現していれば、戦前のイラン原油販売による1日330万バレル以上の収益は米連邦準備銀行に送られ、米国債や国債の資金調達に使われた可能性もある。イランに樹立された傀儡政権はオイル・ダラー協定に署名し、イランの富をアメリカ国債支援に充てるはずだった。だが、それは実現せず、不安定な米国金融市場という結果は誰の目にも明らかだ。
表向き、ベッセントがイランに対する厳しい制裁をちらつかせ、政権転覆の試みが失敗に終わったのを示唆した一方、危機に瀕していたイラン経済と通貨の管理という、より繊細な問題にも彼は取り組んでいた。2007年の金融危機時の水準を上回った米国債利回り問題にも彼は対処していた。2026年8月18日、アメリカの10年国債債利回りは4.75%、30年債利回りは5.34%に達し、国の借り入れ費用が大幅に上昇した。一方、インフレ率は連邦準備制度理事会の目標2%を上回っていた。これは、政府と企業が、軍事力拡大、AIインフラ構築、製造業の国内回帰のために借り入れを増やしていた重要な時期に起きていた。借り入れの加速は、債務が5ヶ月で1兆ドル増加したことからも明らかだ。更に、連邦予算は2兆1000億ドル、GDPの5.8%に相当する赤字となり、債務の更なる増加を示唆した。
年間平均1兆ドルという巨額債務に対して、財務省は多額の利息を支払わなければならない。そのため、拡大する財政赤字を補填するためだけでなく、費用の上昇にもかかわらず債務と利息を支払うためにも財務省は借り入れを行っている。借り入れ費用を下げるため、ベッセント財務長官は、短期国債売却で得た資金を使って、満期が10年から30年の証券の購入を毎週40億ドルに倍増すると発表した。この介入で課題が解決する可能性は低い。予想通り、ベッセント長官の発表は利回りを僅かに低下させただけで、この動きは「見せかけ」だと一部専門家は評している。戦争と略奪で、資源を得る中世的な姿勢をワシントンは維持し続けているが、今日の財務省は財宝で満たされているのではなく、益々長い間隔で、より高い金利で履行しなければならない財政上の義務を記録した帳簿で満杯だ。厳しい対イラン制裁は、イランの資源をアメリカ財務省の帳簿に加えることを狙う中世式封鎖に等しい。だが経済的締め付けへの回帰は、何十億ドルも無駄な努力に費やしたにもかかわらず、軍事戦略が失敗に終わったことを意味する。それにもかかわらず、軍事と制裁を組み合わせた封鎖がベネズエラ政府を崩壊させた成功例をベッセントは持ち出し、イランでも同じことが起きると推測した。他国の資源を利用して自国のずさんな財政状況を改善しようというワシントンの狙いで、これほど明白な例はない。
窃盗で経済の悪弊を解決できるのか?
ベネズエラの膨大な原油埋蔵量を活用して、悪化する財政状況を好転させることをワシントンは未だ実現できていない。略奪だけで経済を活性化させることはできない。2026年1月にベネズエラ政府を転覆し、世界最大の3030億バレルの原油埋蔵量を事実上掌握したにもかかわらず、アメリカの国家債務は以来1兆ドル以上増加している。ベネズエラ原油だけでも、1バレル50ドル以上で売却すればアメリカに15兆ドル以上の収入をもたらすが、これほど大量の原油を短期的または中期的に売却すれば、価格はゼロに暴落する。また、ワシントン経済は原油採掘を拡大できないため、当局はイラン原油を盗もうと躍起になっている。イランは採掘インフラが十分整備されているためだ。だが1万1000キロ以上離れた人種差別主義国家に自国資源を奪われるのをイラン国民は望んでいない。40兆ドルの債務の穴から抜け出すためワシントンは他国資源を盗む以上のことをする必要があるのだ。
他国政府や国民に軍事的・経済的圧力をかけるというスコット・ベッセント発言は、21世紀に、国家が体現しうる最悪の強欲と偽善を象徴している。トランプが、当初武器を供給し、その後、子どもやインフラを爆撃して「支援」しようとしたイラン人が、今後、過酷な制裁により、生活必需品への入手が更に制限されることになるのは今や明らかだ。アメリカ政権は、過去47年、何の成果も上げずに維持してきたイラン制裁という陳腐な政策に逆戻りせざるを得なくなった。今日、状況は大きく異なっている。イランはホルムズ海峡を封鎖する能力という対抗手段を習得しており、これは欧米諸国の消費者物価上昇に加え、ドル建て国際貿易を減少させ、ワシントンの収入を制限し債務問題を悪化させる。
Simon Chege Ndirituはアフリカ出身の政治評論家、リサーチ・アナリスト。
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/30/signs-of-military-failure-in-iran-from-40-trillion-in-debt-to-toughest-sanctions-in-history/
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今朝の孫崎享氏メルマガ題名
2026年8月30日
New Eastern Outlook
イランに対する厳しい制裁をアメリカは再導入して、何十年も失敗を繰り返してきた、もはや時代遅れの政策に逆戻りしようとしている。資源豊富な国々を何十年にもわたり略奪してきたにもかかわらず、40兆ドルもの債務をアメリカが抱えている事実は、強固な経済を構築するための別の方法をワシントンが模索する必要があることを示している。

債務総額、40兆ドルの大台突破
アメリカ財務省の数字によると、2026年8月18日に史上初めてアメリカの国家債務が40兆ドルを超えた。IMFは今年のアメリカの債務対GDP比を約125%と推定している。興味深いことに、アメリカのGDP値には既に推定要素が含まれているため、実際の比率はもっと高い可能性がある。例えば、連邦準備制度経済データ(FRED)は、2022年の持ち家住宅の値がアメリカGDPの7.1%に相当すると報告している。これは一つの要素にすぎないため、他の推定要素を含めると、それらの合計割合は2桁の%になる可能性がある。従って、アメリカの名目GDPは提示されているよりも小さく、債務対GDP比は更に高くなる可能性がある。だが、スコット・ベッセント財務長官が8月20日に発表した通り、急増する債務に直面したアメリカ財務省の優先事項は、イラン政府を経済的に孤立させ、最終的に崩壊させることだった。ベッセントは、アメリカはイランに最も厳しい制裁を課すと発表したが、この決定がイランの莫大な石油資源を理由としたものかどうかは明らかにしなかった。だが彼が同じく石油資源が豊富なベネズエラを例に挙げたことと、ワシントンが過去他の産油国に対して行った戦争や制裁措置は無視できない。多くの国が厳しい経済状況に直面し、経済生産の増加、効率性の向上、国民の保護といった対策を選択する一方、ワシントンは産油国の政府を不安定化させ、その資源を支配する動きを強めているように見える。
厳しい経済状況に直面しているほとんどの国が経済生産量を増やす措置を選択する一方、ワシントンは石油資源が豊富な国の政府を不安定化させ、資源を支配する動きを強めている。
金の掛かる戦争と悪化する財政状況
アメリカが対イラン戦争を仕掛けなければ、約1000億ドルの税金が節約できたはずだ。また、対イラン攻撃のために政権が約876億ドルの追加資金を要求したこと、そして、その資金の大部分がイラン爆撃に使われたイスラエルへの250億ドルに加えて、国家債務が40兆ドルにまで膨れ上がるのも遅れさせられたかもしれない。2026年初頭、イランの政権転覆が狙いだとドナルド・トランプ大統領とベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相は公然と自慢した。サウジアラビアやイラクのような傀儡政権の樹立を意味している。それが実現していれば、戦前のイラン原油販売による1日330万バレル以上の収益は米連邦準備銀行に送られ、米国債や国債の資金調達に使われた可能性もある。イランに樹立された傀儡政権はオイル・ダラー協定に署名し、イランの富をアメリカ国債支援に充てるはずだった。だが、それは実現せず、不安定な米国金融市場という結果は誰の目にも明らかだ。
表向き、ベッセントがイランに対する厳しい制裁をちらつかせ、政権転覆の試みが失敗に終わったのを示唆した一方、危機に瀕していたイラン経済と通貨の管理という、より繊細な問題にも彼は取り組んでいた。2007年の金融危機時の水準を上回った米国債利回り問題にも彼は対処していた。2026年8月18日、アメリカの10年国債債利回りは4.75%、30年債利回りは5.34%に達し、国の借り入れ費用が大幅に上昇した。一方、インフレ率は連邦準備制度理事会の目標2%を上回っていた。これは、政府と企業が、軍事力拡大、AIインフラ構築、製造業の国内回帰のために借り入れを増やしていた重要な時期に起きていた。借り入れの加速は、債務が5ヶ月で1兆ドル増加したことからも明らかだ。更に、連邦予算は2兆1000億ドル、GDPの5.8%に相当する赤字となり、債務の更なる増加を示唆した。
年間平均1兆ドルという巨額債務に対して、財務省は多額の利息を支払わなければならない。そのため、拡大する財政赤字を補填するためだけでなく、費用の上昇にもかかわらず債務と利息を支払うためにも財務省は借り入れを行っている。借り入れ費用を下げるため、ベッセント財務長官は、短期国債売却で得た資金を使って、満期が10年から30年の証券の購入を毎週40億ドルに倍増すると発表した。この介入で課題が解決する可能性は低い。予想通り、ベッセント長官の発表は利回りを僅かに低下させただけで、この動きは「見せかけ」だと一部専門家は評している。戦争と略奪で、資源を得る中世的な姿勢をワシントンは維持し続けているが、今日の財務省は財宝で満たされているのではなく、益々長い間隔で、より高い金利で履行しなければならない財政上の義務を記録した帳簿で満杯だ。厳しい対イラン制裁は、イランの資源をアメリカ財務省の帳簿に加えることを狙う中世式封鎖に等しい。だが経済的締め付けへの回帰は、何十億ドルも無駄な努力に費やしたにもかかわらず、軍事戦略が失敗に終わったことを意味する。それにもかかわらず、軍事と制裁を組み合わせた封鎖がベネズエラ政府を崩壊させた成功例をベッセントは持ち出し、イランでも同じことが起きると推測した。他国の資源を利用して自国のずさんな財政状況を改善しようというワシントンの狙いで、これほど明白な例はない。
窃盗で経済の悪弊を解決できるのか?
ベネズエラの膨大な原油埋蔵量を活用して、悪化する財政状況を好転させることをワシントンは未だ実現できていない。略奪だけで経済を活性化させることはできない。2026年1月にベネズエラ政府を転覆し、世界最大の3030億バレルの原油埋蔵量を事実上掌握したにもかかわらず、アメリカの国家債務は以来1兆ドル以上増加している。ベネズエラ原油だけでも、1バレル50ドル以上で売却すればアメリカに15兆ドル以上の収入をもたらすが、これほど大量の原油を短期的または中期的に売却すれば、価格はゼロに暴落する。また、ワシントン経済は原油採掘を拡大できないため、当局はイラン原油を盗もうと躍起になっている。イランは採掘インフラが十分整備されているためだ。だが1万1000キロ以上離れた人種差別主義国家に自国資源を奪われるのをイラン国民は望んでいない。40兆ドルの債務の穴から抜け出すためワシントンは他国資源を盗む以上のことをする必要があるのだ。
他国政府や国民に軍事的・経済的圧力をかけるというスコット・ベッセント発言は、21世紀に、国家が体現しうる最悪の強欲と偽善を象徴している。トランプが、当初武器を供給し、その後、子どもやインフラを爆撃して「支援」しようとしたイラン人が、今後、過酷な制裁により、生活必需品への入手が更に制限されることになるのは今や明らかだ。アメリカ政権は、過去47年、何の成果も上げずに維持してきたイラン制裁という陳腐な政策に逆戻りせざるを得なくなった。今日、状況は大きく異なっている。イランはホルムズ海峡を封鎖する能力という対抗手段を習得しており、これは欧米諸国の消費者物価上昇に加え、ドル建て国際貿易を減少させ、ワシントンの収入を制限し債務問題を悪化させる。
Simon Chege Ndirituはアフリカ出身の政治評論家、リサーチ・アナリスト。
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CNN:戦争が「お金の調達コスト(金利)」を押し上げ、これは世界経済にとって懸念材料、世界で最も重要な市場である米国債市場で、警戒信号が点滅。米国、40兆ドルに上る巨額の債務。債券市場逼迫は、消費者―住宅ローンコスト、企業―借入コスト、政府―資金調達コスト押し上げ。
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