パニック発作と粗末な食事:イランを攻撃中の米空母の状況はどれほど深刻なのか?
公開日:2026年8月14日 18:44 | 更新日:2026年8月14日 19:45
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パニック発作と粗末な食事:イランを攻撃中の米空母の状況はどれほど深刻なのか?

2006年5月8日、ニミッツ級空母エイブラハム・リンカーンと第2空母航空団の航空機が南シナ海で航空デモを実施。 © Getty Images / Stocktrek Images
アメリカ・イスラエルの対イランの戦争中、米空母エイブラハム・リンカーンは数ヶ月にわたり劣悪な環境に苦しめられてきた。乗組員の間で深刻な疲労、物資不足、精神的問題が報告されるにつれ、乗組員の家族の間で大きな騒動が巻き起こり、アメリカ議員らに説明を求める声が上がっている。
この艦は、乗員5,000人を収容できるニミッツ級原子力空母で、最大90機の航空機を搭載し、ピーク時には1日に100回以上の戦闘出撃を行える。11月下旬にサンディエゴを出港して以来、260日以上にわたり展開しており、そのうち200日以上は連続して海上にとどまっている。これは海軍の基準からすると異例の長期間だ。
更に、この空母は任務期間の多くを戦闘環境で過ごしており、イランは幾度となく攻撃目標に設定したと主張している。アメリカ当局は空母は、依然運用可能だと主張しているものの、長期にわたる作戦の過酷さが、徐々に影響を及ぼしているようだ。
空母と乗組員が直面している問題について、現在分かっていることは以下の通りだ。
アブラハム・リンカーン号の船内環境は一体lどんなものなのか?
乗組員と、その家族の苦情は長期任務に伴う通常の不快感を遙かに超えている。
報告されている問題には、歯磨き粉、デオドラントや石鹸の不足、温水や飲料水供給問題、トイレの故障、洗濯施設の不備、食糧供給の混乱や、一部救援物資が数ヶ月間行方不明になったとされるほどの深刻な郵便遅延などが含まれる。その他の報告では、カビの発生、配管故障や、適切な修理が行われずに長期間使用されたために飛行甲板の一部に穴が開いたことなどが挙げられている。
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© USA Today / スクリーンショット
民主党のマイク・レビン下院議員は食糧事情が余りに酷く、乗組員の食事は「米半カップとトルティーヤ二枚だけ」だったと主張した。この乏しい食事は、4月中旬には既にUSA Todayが報じていたが、当時国防総省は食料不足を否定していた。
The USS Abraham Lincoln has been at sea for more than 250 days, pushing its crew to the limit. Sailors report exhaustion, deteriorating living conditions, shortages of basic supplies and serious food problems: small portions, poor-quality meals and periods of depleted stocks. The… https://t.co/iWYaeKchzU pic.twitter.com/C4cheR4N2M
— Tom Antonov (@Tom_Antonov) August 13, 2026
Maritime Executive誌によると、供給問題の一因は物流にある。第5艦隊の主要基地はペルシャ湾奥深くのバーレーンに位置しているため、多くの輸送船はホルムズ海峡を経由しなければならず、イランの攻撃を受けるリスクがあるからだ。
乗組員は燃え尽き症候群になっているのか?
そうであることを示す強い兆候がある。CENTCOMが確認した最も印象的事例の一つは、8月3日に発生したもので、エイブラハム・リンカーンから水兵が海に転落し、約一時間後に救助された。
🚨🇮🇷🇺🇸 Text messages from a sailor aboard the USS Abraham Lincoln reveal no milk in three months and ROTTEN food arriving at sea...
— Mario Nawfal (@MarioNawfal) August 13, 2026
He reportedly wrote that almost nothing fresh makes it out except meat, because only frozen goods survive the supply run, and called it the worst… pic.twitter.com/ylCgsHap26
米当局者の話として、海軍はこの件を精神的問題として扱い、当該水兵は医学的評価を受けた後、更なる治療のために艦から降ろされたとCNNは報じた。
この夫の妻アナベル・ロマは、海軍専門紙「ネイビー・タイムズ」に、夫が精神的に疲弊しきっており、海に飛び込んで自殺を図ったことを認めた。彼女はさらに、夫は「怯えている」ようで「不名誉除隊になるのではないか、ただ単に燃え尽きてしまっただけなのに」と恐れていたと付け加えた。
米海軍幹部との会合で、別の妻が夫から「明日目が覚めないよう願う」というメッセージが送られてきたと語ったと米軍機関紙「スターズ・アンド・ストライプス」が報じた。
他の家族も数ヶ月にわたる長時間勤務による肉体的・精神的な疲労に警鐘を鳴らしており、そのような疲労レベルは致命的ミスにつながる可能性があると警告している。
「士気は良くない」と、ある家族はMS Nowの取材に対し語った。「どうやら船医かセラピストが、早く港に着かないと、みんな気が狂い始めると言ったらしい」
だが、海軍はこうした懸念に反論し、「艦内での自殺願望や自殺未遂の増加は確認されていない」とCNNに述べている。
空母上のストレスは、暴力につながる可能性があるのか?
今月初め、イラン通信社タスニムは、匿名「情報筋」を引用して、米海軍空母エイブラハム・リンカーン艦上で発生した激しい衝突で米海軍兵士7人が死亡し、数人負傷したと報じた。
報道によると、中央軍司令官ブラッド・クーパー提督の顧問が、長期にわたる配備に関する苦情に対処するため空母に乗り込んだが、ブーイングを浴びせられ、ペットボトルを投げつけられた後、対立はナイフを使う乱闘に発展した。
米中央軍は、対イラン戦争中、空母乗組員で死亡した者はいないと、この主張を否定した。
空母エイブラハム・リンカーンに、イランは一体どれほど圧力をかけているのか?
複数の分析によると、軍事的にアメリカに劣るイランは、自国の立場を維持し、ワシントンから譲歩を引き出すため消耗戦に頼っているとされている。イラン外交戦略評議会のカマル・ハラジ議長は、イランは「長期戦」に備えていると述べ、紛争が長引けば長引くほど、アメリカへの経済的圧力は大きくなると主張した。
元上級司令官のモハマド・ジャファル・アサディ少将は、7月にこの紛争を「消耗戦で、終わりのない戦争だ」と表現した。
紛争が長引くにつれ、エイブラハム・リンカーンに対する数々の攻撃を行ったとテヘランは主張してきた。3月1日、イランは同空母に向けて弾道ミサイル4発を発射したと発表したが、米中央軍はミサイルは「全く着弾しなかった」と述べている。同月下旬、テヘランはミサイルとドローンが同空母に命中し、航行不能に陥らせ、撤退を余儀なくさせたと主張したが、この主張もワシントンに否定された。
4月初旬、イランはインド洋北部のエイブラハム ・リンカーン群に向けて複数回にわたる攻撃ドローンを発射し、同群を撤退させたと発表した。
7月、イランはオマーンにある米空母への兵站支援センターを攻撃したと主張し、その後、燃料貯蔵庫、海軍物資、航空機施設、その他の米軍インフラに加え、「空母給油プラットフォーム一基」も標的にしていたと補足した。火曜日には、ペルシャ湾地域にアメリカ軍艦は残っていないとイラン軍は主張した。
エイブラハム・リンカーンが攻撃中に何らかの損傷を受けたかどうかは不明だが、決して穏やかな環境で活動していたわけではなく、中央軍(CENTCOM)報告によると、この任務中に約一万回の航空機飛行と約150万ポンドの兵器が消費された。
アメリカ議員たちは国防総省に対して、一体どのような不満を抱いているのか?
水曜日、米上院軍事委員会の委員、民主党のリチャード・ブルーメンソール上院議員は、ピート・ヘグセス戦争長官宛て公開書簡を発表し、艦内の状況について「深刻な懸念」を表明するとともに、艦が作戦を継続できるかどうか疑問を呈した。
「リンカーンは例外的事態ではない。近年の空母配備は、当初の予定期間を何度も超過しており、長期配備は海軍の戦力編成モデルにおいて例外ではなく、むしろ特徴になりつつあることを示唆している」と彼は付け加えた。
同僚のルーベン・ガレゴ上院議員は、国防総省の保証に疑問を呈し、エイブラハム・リンカーン空母への議会による超党派監視視察を求めた。
上院民主党院内総務のチャック・シューマーは更に踏み込み、ヘグセス個人を非難し、国防総省の失敗の「代償を払わされている」と述べている。「ピート・ヘグセスが指名された時、全員が彼は全く無能だと知っていた…ピート・ヘグセスは直ちに解任されなければならない」とシューマーは主張した。
これら告発に対して、国防総省は一体どんな見解を示しているのか?
エイブラハム・リンカーン艦上の劣悪な生活環境や食糧不足に関する報道を「完全に誤って伝えられている」とヘグセスは一蹴する一方、一部の配備は他の配備より長く、より過酷になる可能性があることを認めた。
「我々は、全ての船、全ての乗組員、全ての船長が、あらゆる瞬間に我々が提供できるものを全て確実に受け取れるようにしています」と彼は付け加えた。
一方、空母ジョージ・ワシントンがエイブラハム・ リンカーンと交代するため、ベトナムから中東へ向かっているとAP通信は報じた。しかし、この再配置は、中国との緊張が高まる中、太平洋におけるアメリカの存在感を弱めるものと予想される。
結論
空母エイブラハム・リンカーンは「全ての任務を遂行する能力を完全に維持している」と国防総省は主張しており、イランが同艦を機能不全に陥らせたという信頼できる証拠はないものの、乗組員は危険なほど限界点に近づいているようだ。
配備開始から8か月以上経過した現在、同艦は兵站や基本的な生活必需品供給に苦戦しているようで、乗組員の精神衛生に対する懸念も高まっている。エイブラハム・リンカーンは間もなく任務から解放される見込みだが、運用状況は、軍事的に劣勢な敵国に対して、効果的な長期作戦を維持するワシントンの能力全般に疑問を投げかけている。
記事原文のurl:https://www.rt.com/news/644255-abraham-lincoln-carrier-dismal-state-explainer/
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この空母の乗組員の母親が涙ながらに息子の窮状を語る映像がある。トランプもヘグセスも兵士のことなど意に介さない。
Parent says son feels a sense of ‘powerlessness’ aboard USS Abraham Lincoln 4:24耕助のブログ
No. 2998 日本は必死になっている素人が意見するのは大変恐縮だが
「日本は自暴自棄になっている」という表現のほうが、より実態にあうのではと愚考する。
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