ラトクリフCIA長官のロシア訪問に関するメディアの滑稽な憶測
2026年8月28日
Moon of Alabama
水曜日、ジョン・ラトクリフCIA長官がモスクワを訪問し、ロシア治安当局者と数時間会談した。ラトクリフ長官と一行を乗せた飛行機はすぐに特定されたため、この訪問は秘密裏に行われたわけではなかった。
会談内容について、双方から公式発表はなかった。だが、アメリカ・メディアは、多かれ少なかれ笑ってしまうような詳細情報を「漏洩」して報じた。
まずニューヨーク・タイムズから始めよう。
– ウクライナ戦争では、ロシア側が優勢だ。ロシア国内では、軍事的あるいは経済的状況が悪化するという本物の懸念は存在しない。
– プーチンが、噂されているように、側近たちから率直な評価を聞いていないなら、ラトクリフが話をしたプーチンの部下が、内容をそのままプーチンに「真実」として伝えるなどと一体誰が考えるだろう。プーチン大統領が本当に側近から孤立しているなら、彼に真に働きかける唯一の方法は、直接会って話すことだ。必要なら、トランプ大統領が電話をかけるだけで済むはずだ。
– ボルトニコフは確かにロシア連邦保安庁(FSB)長官だ。だがFSBの任務は国内治安維持と防諜活動で、ウクライナ戦争とほとんど関係ない。CIAが話をする相手として適切ではない。
– 更に、ラトクリフとの会談を確認したのは、セルゲイ・ナルイシキン・ロシア対外情報庁(SVR)長官だった。
ワシントン・ポストが報じた今回訪問の動機とされるものに関する記事も同様に混乱している。
対イラン戦争でアメリカは弱体化したとプーチン大統領は見ていると諜報機関報告書は述べている(アーカイブ) –ワシントン・ポスト、2026年8月27日
今回訪問の理由についてPoliticoは様々な見解を示している。
更に、バルト三国や他のNATO加盟国との紛争をエスカレートさせることにロシアは全く関心がない。客観的に見れば、事態をエスカレートさせようと最善を尽くしているのはNATO側なのがわかる。
イランに関して、アメリカがこの紛争に勝利するのをモスクワは望んでいない。中国同様、モスクワはイラン側に立っている。とはいえ、アメリカの圧力をかわすためだけでも、湾岸での紛争を長引かせることに、ある程度ロシアの利害関係があるかもしれない。
ラトクリフ訪問に関する興味深い陰謀論が、Conservative Treehouseウェブサイトのブログ記事に掲載されている。
だが、もしそれが事実だとすれば、ロシアが欧州のNATO加盟諸国を攻撃しても、アメリカは反撃しないことになる。そのような立場が持続可能だとは到底思えない。
私の個人的推測では、今回のラトクリフ訪問は、ほぼイラン情勢に関するものだけだったのではないかと思う。
アメリカはロシアに、イラン支援を停止するよう要請した可能性が高い。見返りとして、ウクライナ問題に関し空虚な譲歩を提示したとみられる。現米政権は合意能力に欠けることが明らかなため、そのような合意はロシアに拒否される可能性が高い。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/08/funny-media-speculations-about-cia-ratcliffes-russia-visit.html
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植草一秀の『知られざる真実』
Moon of Alabama
水曜日、ジョン・ラトクリフCIA長官がモスクワを訪問し、ロシア治安当局者と数時間会談した。ラトクリフ長官と一行を乗せた飛行機はすぐに特定されたため、この訪問は秘密裏に行われたわけではなかった。
会談内容について、双方から公式発表はなかった。だが、アメリカ・メディアは、多かれ少なかれ笑ってしまうような詳細情報を「漏洩」して報じた。
まずニューヨーク・タイムズから始めよう。
CIA長官、モスクワ秘密訪問でロシアの戦争について悲観的評価を下す(アーカイブ) –ニューヨーク・タイムズ、2026年8月27日上記報告書に記載されている主張が明らかに虚偽な理由はいくつかある。
現職および元当局者によると、今週、ジョン・ラトクリフCIA長官は極秘裏にモスクワを訪問し、ウクライナに対するロシアの戦争の現状に関する彼の悲観的見解を非公式に伝え、ロシアの軍事的・経済的状況が悪化する前に合意するよう促したという。
ラトクリフはロシア連邦保安庁(FSB)のアレクサンドル・V・ボルティコフ長官にメッセージを伝えた。
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プーチンの顧問たちが戦争の行方や犠牲について正直な評価を彼に伝えてきたのかどうか、CIAの専門家たちは長らく疑問視してきた。
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元情報将校のプーチンが、通常外交ルートを通じる通信よりも、CIA長官からのメッセージをより緊急かつ信頼できるものと捉えるよう期待していると一部当局者は述べた。
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ラトクリフのメッセージが、ロシアやウクライナに対するアメリカの政策変更の前兆となるかどうかは明らかではない。
– ウクライナ戦争では、ロシア側が優勢だ。ロシア国内では、軍事的あるいは経済的状況が悪化するという本物の懸念は存在しない。
– プーチンが、噂されているように、側近たちから率直な評価を聞いていないなら、ラトクリフが話をしたプーチンの部下が、内容をそのままプーチンに「真実」として伝えるなどと一体誰が考えるだろう。プーチン大統領が本当に側近から孤立しているなら、彼に真に働きかける唯一の方法は、直接会って話すことだ。必要なら、トランプ大統領が電話をかけるだけで済むはずだ。
– ボルトニコフは確かにロシア連邦保安庁(FSB)長官だ。だがFSBの任務は国内治安維持と防諜活動で、ウクライナ戦争とほとんど関係ない。CIAが話をする相手として適切ではない。
– 更に、ラトクリフとの会談を確認したのは、セルゲイ・ナルイシキン・ロシア対外情報庁(SVR)長官だった。
ナルイシキンによれば、こうした諜報機関トップとの交渉は業務の一環で、ほぼ毎週行われているという。ニューヨーク・タイムズ報道は明らかにデタラメで、疑念と混乱を煽るためだけに書かれたものだ。
「会談は開催された。これは何ら異常なことではない」とナルイシキンは断言した。「諜報機関業務
において、管理者同士の会議、対面での会議、オンラインでの会議は日常業務の一部だ。
だから、ジョン・ラトクリフ氏との会談も業務形式の一環だ。」
同時に、ナルイシキンは話し合われた内容について明かすことを拒否し、それは情報機関の管轄事項だと説明した。
ワシントン・ポストが報じた今回訪問の動機とされるものに関する記事も同様に混乱している。
対イラン戦争でアメリカは弱体化したとプーチン大統領は見ていると諜報機関報告書は述べている(アーカイブ) –ワシントン・ポスト、2026年8月27日
事情に詳しい二人の関係者によると、今週のジョン・ラトクリフCIA長官の謎めいたモスクワ訪問に先立ち、対イラン戦争で、アメリカは弱体化したとクレムリンは見ており、ヨーロッパで、アメリカ権益や同盟諸国に対する行動をエスカレートさせる好機をロシアが得ていることを示す新たなアメリカ情報があったという。だが、その事実はウクライナ戦争には、ほとんど、あるいは全く直接影響を与えない。
ラトクリフとロシアの相手役の会談詳細は秘密のままだが、関係者の一人がワシントン・ポストに語ったところによると、ウクライナに対する戦争を激化させれば逆効果になるとCIA長官は、モスクワに警告したという。
…
イランでの6カ月に及ぶ戦争でアメリカが弱体化したとプーチン大統領が見ていることを示唆する機密情報が出回っているが、これはテヘランに対する長期にわたる作戦の結果、部隊の即応態勢が低下し、弾薬が不足しているという報道に続くものだ。
また機密指定されていない情報によれば、ホワイトハウスの少数当局者とワシントン・ポスト論説委員を除き、世界中の全員が対イラン戦争によってアメリカ合衆国が弱体化したと考えている。
今回訪問の理由についてPoliticoは様々な見解を示している。
モスクワ訪問で、イランを支援で、NATO同盟諸国を攻撃しないようCIA長官はロシアに警告した― Politico、2026年8月26日この報道は、前述のニューヨーク・タイムズ記事同様、ロシアがウクライナで敗北しているか、膠着状態にあると想定している。だが、キーウ報道同様、全くのたわ言だ。
事情に詳しい二人の関係者によると、今週、ウクライナ侵攻の行き詰まりを受けて、特にエストニア、ラトビア、リトアニアなどのアメリカのNATO同盟諸国との対立をエスカレートさせないようジョン・ラトクリフCIA長官はモスクワのロシア当局者に警告した。
関係者二人のうちの一人と、今回訪問について知るイギリス当局者によると、火曜日、ロシアの首都を予告なしに訪問した際、アメリカ諜報機関のトップはロシアがイランへの軍事的・経済的支援を削減するよう圧力をかけたという。
更に、バルト三国や他のNATO加盟国との紛争をエスカレートさせることにロシアは全く関心がない。客観的に見れば、事態をエスカレートさせようと最善を尽くしているのはNATO側なのがわかる。
イランに関して、アメリカがこの紛争に勝利するのをモスクワは望んでいない。中国同様、モスクワはイラン側に立っている。とはいえ、アメリカの圧力をかわすためだけでも、湾岸での紛争を長引かせることに、ある程度ロシアの利害関係があるかもしれない。
ラトクリフ訪問に関する興味深い陰謀論が、Conservative Treehouseウェブサイトのブログ記事に掲載されている。
物語のもう半分 ― ジョン・ラトクリフCIA長官のモスクワ訪問―Conservative Treehouse /サンダンス、2026年8月26日根拠のない突飛な説だが、少なくとも興味深い。
ジョン・ラトクリフCIA長官がロシアのモスクワを訪れ、セルゲイ・ナルイシキン・ロシア対外情報庁(SVR)長官に、バルト三国への報復攻撃について警告したと欧米メディアは報じている。だが、これは話の半分に過ぎない。
ラトクリフ長官は、ナルィシキンに反撃しないようにとだけ言ったのではなく、ポーランドとリトアニア間にあるロシアの飛び地カリーニングラードに対する欧州NATOの挑発行為は、アメリカが「完全」承認したものではないとナルィシキンに伝えたのだ。
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どうやら、欧州NATOはロシアとの紛争拡大を益々煽ろうとしている一方、トランプ大統領とジョン・ラトクリフCIA長官は、生じている問題を抑え込もうとしているようだ。
だが、もしそれが事実だとすれば、ロシアが欧州のNATO加盟諸国を攻撃しても、アメリカは反撃しないことになる。そのような立場が持続可能だとは到底思えない。
私の個人的推測では、今回のラトクリフ訪問は、ほぼイラン情勢に関するものだけだったのではないかと思う。
アメリカはロシアに、イラン支援を停止するよう要請した可能性が高い。見返りとして、ウクライナ問題に関し空虚な譲歩を提示したとみられる。現米政権は合意能力に欠けることが明らかなため、そのような合意はロシアに拒否される可能性が高い。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/08/funny-media-speculations-about-cia-ratcliffes-russia-visit.html
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植草一秀の『知られざる真実』
脇に置かれる被災者支援今朝の孫崎享氏メルマガ題名
NYT「ビル・ゲイツ氏、AIの危険性は巨大テック企業が認める以上に深刻だと警告. 人工知能(AI)が雇用や人命に対して重大な脅威をもたらすと強く警告。「技術的マイルストーン」(AIが開発者の制御を離れることや、生物兵器の製造法を生成することなど)を、業界が無視。
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