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2026年8月 8日 (土)

ワシントンが兵器として水を利用し軍事戦略と戦争犯罪の境界を曖昧にする時

モハメド・ラミン・カバ
2026年8月2日
New Eastern Outlook

 もはやワシントンは、イランの軍事兵器庫の破壊ではなく、村々から食料や物資を奪い、飢餓と渇きで苦しめて、マイダン革命のようなカラー革命を引き起こそうとしている。

 

 イラン南部で、水自体が攻撃標的になっている。7月18日土曜日、猛暑警報が発令される中、ホルモズガン州の約20の村に住む約1万人の住民が飲料水を失った。米軍の空爆でボンジ村の海水淡水化プラントが破壊されたためだ。Common DreamsのJulia Conleyが報じたこの出来事は、昨年6月に締結された紛争行為終結のための覚書に公然違反するエスカレーションの一環だ。度重なるアメリカの違反行為に直面して、この合意に基づく全義務の履行を停止するとテヘランは発表した。この合意はもはや形骸化している。

 絶え間ないエスカレーション、綿密に維持する相互の恫喝、常に無効になる直前に敵を指定すること、これこそが、広島以来のアメリカ外交政策の文法だ。

 物的被害は甚大だ。僅か数日のうちに、9つの橋、2つの空港、鉄道分岐点、道路トンネルと、100基以上の通信タワーが機能停止に陥った。人的被害も同様に深刻で、女性や子どもを含む民間人数十人が死亡し、数百人が負傷した。この事態により、アメリカの道徳的権威と国際法の根幹は瓦礫の下に崩壊したことを意味するとイラン外務省報道官が述べている。ヒューマン・ライツ・ウォッチの元幹部は更に踏み込んで、民間飲料水インフラを標的にすることは、明白かつ単純な戦争犯罪に当たると断言している。

 この衝撃波はイランの国境を越えて広がった。在ヨルダン米軍基地への報復攻撃、クウェート、バーレーンと、これまで攻撃を免れていたシリアの施設攻撃と、国連へのテヘランによる訴えへと繋がった。これは計算された武力誇示で、この地域で米軍を受け入れている全ての国へのメッセージだとケンブリッジ大学のある研究者は解釈している。

 この記事で、一つの疑問が残る。飲料水が軍事目標になった際、戦略と戦争犯罪の境界線は一体どこにあるのだろう?

 敗北したアメリカにとっての兵器としての水

 6月以降、もはやアメリカ戦闘機は、ナタンツやフォルドゥだけを標的にしているわけではない。ダムや貯水池や海水淡水化プラントや電力インフラも標的にしているのだ。ホルムズ海峡上空でヘリコプターが撃墜された事件後、「相応の攻撃」をトランプ大統領は誓った。実際、問題の中身は変化した。遠心分離機との戦いから、渇きとの戦いに変わったのだ。

 敗北したことの自白

 フォードウもナタンズもイスファハンも約束された勝利をもたらさなかった。バンカーバスター攻撃にもイランの軍事力は耐え抜いた。そこで、ワシントンは標的を変えたのだ。イラン南部の飲料水貯水池が破壊され、数万人の住民が水不足に陥った。バンダル・ハミルでは橋が破壊された。南パルス・ガス工場が攻撃された。これはアメリカ軍による組織的作戦だったが、戦略的な即興行動を現行犯で捕らえられた大統領は、それを中途半端に否定した。ミサイルではなく、水を攻撃する国は戦争に勝てない。そもそも戦争に負けているために、戦争の方向を変えているのだ

 攻撃が激化するにつれ、現地で死者数が増加している。州の橋や住宅地を標的とする最近の攻撃で「7~8人」死亡したとホルモズガン州代表アフマド・モラディが報じた。国連では、これら攻撃は「港湾、交通網、通信施設、物流センター、レーダー施設、沿岸防衛システム、その他民間人や国家経済の機能に不可欠なインフラを標的にして甚大な被害を与えた」と非難し「これら違法武力攻撃の継続は、国際平和と安全、航行の自由、地域の安定、ペルシャ湾とホルムズ海峡の安全保障に対する重大な脅威だ」とイラン常駐代表のアミール・サイード・イラヴァニが事務総長宛て書簡で警告した

 外交上の衝撃が、ほぼ即座に広がった。イスラマバード覚書に基づく全ての約束にアメリカが違反し停止したイランのカゼム・ガリババディ外務次官が発表し「我々もそれに応じて全ての誓約を停止し、もはやこれら誓約を履行しない」と付け加えた。テヘランは現在「国防に専念している」と次官は明言した。

 80年前の教義

 この変化は偶然ではない。1945年以来築き上げられてきた教義の継続なのだ。恐怖の生命線に世界を繋ぎ止めておく教義だ。ブレトン・ウッズ体制は、ドルを武器化し、封じ込め政策は、全同盟国を戦略的な人質にした。五大陸に点在する軍事基地は、それへの依存を国家宗教にした。絶え間ないエスカレーション、綿密に維持された相互恫喝、常に無力化される直前に敵を指定すること、これこそ広島以来のアメリカ外交政策の文法だ。今日のイランは、この永続的な強制物語の新たな一章に過ぎない。

 ワシントンが隠していること

 公式見解では「自衛」と「相応の対応」とされている。だが現実には、軍事的勝利を収めることができずに、飢餓と脱水に苦しむ国が姿を現している。テヘランは5年連続で干ばつに見舞われている。2025年11月時点で、アミール・カビール・ダムの貯水量は僅か8%に減少し、19の主要ダムが干上がっている。このような状況下で水資源を攻撃するのは、軍事戦術とは言えない。抑止力という美辞麗句で覆い隠された市民社会の崩壊を賭ける危険な賭けに他ならない。

 だが国際人道法は明確だ。飲料水施設は民間施設であり、水資源に関するベルリン規則によれば、決して正当な攻撃目標になり得ない。イラン水道業界の報道官イサ・ボゾルグザデは、今回の攻撃を「戦争犯罪」と呼んだ。重要インフラを標的にすることが「常態化」していると、2026年ストックホルム水賞受賞者カヴェ・マダニは述べている。標的になった施設は「正当な軍事目標ではなかった」と判断し「それを標的にするのは戦争犯罪だ」とヒューマン・ライツ・ウォッチの元事務局長ケネス・ロスは強調した

 ゲシュム島の海水淡水化プラントを標的とする攻撃をイランが行ったという非難は依然議論の的になっている。ワシントンとテルアビブは、これを否定しているが証拠はまだ得られていない。だが疑念自体が戦略に役立っている。つまり確証された事実が積み重なる間に、不確実性を撒き散らすのだ。偽情報とは、まさに、議論の余地がある事柄の下に、否定できない事実を埋もれさせ「巻き添え被害」を持ち出し、週を追うごとに、その意図を隠しにくくしてゆく。その姿勢で、シャルル・パスクワの定理「事件の中の事件」を作り出して、主要問題を混乱させる手法にドナルド・トランプは完璧に当てはまる。

 既に書き記されている予測?

 交戦国が「報復として何ができるかを示す例として、特にクウェートを利用している」とケンブリッジ大学の中東政治学教授Roxane Farmanfarmaianは指摘している。教授によれば「アメリカは、明らかにイラン南部を攻撃し、空港や海水淡水化プラントや橋梁などを標的にしている。そのため、米軍基地を受け入れている国々に、実際一体どんな影響を与えうるかを示すため、現在イランはクウェートで同様攻撃をしているのだ」という。

 イラン外務省のエスマイル・バカイ報道官は、この道徳的転換を以下のように簡潔に要約した。「かつて秩序、自由主義とテロとの戦いにおける世界の擁護者を自称していた国家にとって、破壊された橋や民間インフラ画像を誇らしげに掲げることが残された唯一の『勝利』になってしまった。」「だが、あらゆる橋、あらゆる塔、あらゆる民間施設が崩壊するにつれて瓦礫と化すのは鉄とコンクリートだけではない。国際法の枠組み全体と欧米諸国の文明的主張とともにアメリカの道徳的地位が世界の目前で崩れ去っているのだ」と彼は更に補足した。

 水資源を攻撃しているアメリカは、明らかに戦略的敗北に先立つ道徳的敗北の兆候だ。どんな精密攻撃でも消し去れない恨みが、水不足に苦しむ村々に残る。既に湾岸諸国全体が動揺し、徐々にアメリカから離れつつある。イランの報復攻撃で、クウェートで海水淡水化プラントが損傷し、バーレーンはテヘランを非難している。エスカレーションはエスカレーションを生み、まさに1945年から受け継がれてきた論理通りの展開を見せている。だが今回この戦法は裏目に出ている。イランを打倒できず、屈辱を与える無駄な試みで、戦闘員を標的にはできないため、民間人を標的にして、ワシントンは、もはや権力を輸出しているのではなく、自らの衰退の生きた証拠を輸出しているのだ。

 モハメド・ラミン・カバはパンアフリカ大学ガバナンス・人文社会科学研究所、ガバナンスと地域統合の地政学専門家

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/08/02/when-washington-uses-water-as-a-weapon-of-war-blurring-the-line-between-military-strategy-and-war-crime/

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コメント

 極めて重大で、興味深い、事実の記事です
 日本のマスコミが、この現実を報道するでしょうか
 するはず、ありません
 日本の愚かな俗衆は、日々、偽物の報道に汚染されています
 事実と異なる妄想の世界で、迷いを続けています

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