たった一言でNATOの祭典が台無し…コンスタンティノフカ

フィニアン・カニンガム
2026年7月7日
Strategic Culture Foundation
NATOの扇動者連中はアンカラに集結して苦い果実を味わっている。
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今週トルコで開催されているNATO首脳会議はトランプ大統領と欧州諸国との間でくすぶる緊張により、既に波乱含みの様相を呈していた。そして今、アンカラでの盛大な会合と、表面的結束は、ロシア軍によるコンスタンティノフカの劇的解放で粉砕された。
ロシア軍がウクライナの要衝を制圧したことで、ドンバス地方の完全制圧への道が開かれた。NATOの支援を受けるキーウ政権は、コンスタンティノフカに約150キロに及ぶ精巧な塹壕と地雷原からなる最強防衛線を構築していた。ロシア軍は最終的にこれら防衛線を突破し、ウクライナは兵士約1万4000人の損失を出したと推定されている。これはウクライナだけの防衛線ではなかった。NATOの防衛線でもあった。2014年のクーデター以来、NATOはキーウ政権を武装化させ、最高の技術顧問や技術者を現地に派遣していた。
こうして、キーウ政権とNATO支援国による主張は一挙に崩壊した。ここ数カ月、自軍が戦場で優勢に立っており、ロシアは劣勢に立たされているとウクライナの傀儡大統領ウォロディミル・ゼレンスキーは執拗に主張してきた。欧州エリート層と欧米メディアは、この主張を増幅した。先月フランスで開催されたG7サミットでは、ドナルド・トランプ大統領も、ウクライナが「戦場で前進しており新たな勢いが生まれている」という虚構を信じ込んだ。
もちろん、これは全てゼレンスキー大統領と欧州諸国による戦争遂行用資金の流れを維持するための空虚な広報活動に過ぎなかった。今週アンカラで開催された首脳会議は、ウクライナの勝利を支援するための数十億ドル規模の寄付の新たな場だと宣伝された。資金調達で重要だったのは、ウクライナ支援の誓約に関しNATO加盟諸国が「結束」しているように見せかけることだった。
気難しいトランプ大統領が結束の体裁を崩してしまうのを恐れたNATO事務総長マルク・ルッテは、6月24日にホワイトハウスへ弔問に訪れた。オランダ元首相のルッテは、トランプ大統領をNATOの救世主だと称賛し、またしても恥ずべき自己卑下と卑屈な態度を示した。ルッテは、トランプ大統領の「トランプ・一兆効果」を称賛し、トランプ大統領の圧力により欧州と同盟国カナダが軍事費を一兆ユーロ増額したと指摘した。
ちなみに、この常軌を逸した軍事費支出は、持続不可能な債務水準と、それに伴う政治危機により各国政府が崩壊し、ヨーロッパの崩壊を招いている。中でもイギリスは最悪状況にあり、過去10年間で7人目の首相を探している。
ホワイトハウスでの卑屈な振る舞いで、強制収容所の看守のような嫌悪感を抱かせるルッテ事務総長は、NATOの支出をアメリカの軍事輸出にとって儲かる市場だと売り込もうとしていた。トランプに媚びへつらう彼の態度は、ヨーロッパの売春斡旋業者のようだ。
だが、こうしたあらゆる不正行為は、アメリカと欧州が結束し、ウクライナ支援に尽力し続けていることを前提にしている。そして、それは、ロシアに対抗する上でキーウのNATO代理政権が支援に値するという認識に基づいている。
コンスタンティノフカでのロシア勝利がシナリオを覆した。元国防総省専門家のマイケル・マルフが述べた通り、今キーウ政権は、クラマトルスクとスラビャンスク周辺のドンバス地方で衰退しつつある防衛線をロシア軍が「圧倒」している状況に直面している。
NATOは、過去4年間キーウ政権を支援するため何千億ドルもの資金を投入してきたにもかかわらず、完全な失敗を露呈した。これはヨーロッパと大西洋同盟にとって政治的大地震だ。この紛争丸ごと、ゼレンスキーとその取り巻きと、欧米軍産複合体を潤しただけの無益な戦争詐欺に見えてきた。ヨーロッパのエリート連中は、この犯罪的代理戦争に首まで浸かっている。
NATOがキーウ政権を支援して対ロシア長距離空爆を行う陽動戦術も功を奏さなかった。ロシアはこれら攻撃をうけとめ、現在戦場で前進を続け、NATOの代理防衛線の残存勢力を掃討しようとしている。
トランプがどうしても我慢できないことが一つあるとすれば、それは、敗者と、敗者に関連づけられることだ。
彼が今週アンカラに到着すれば、ロシアによるコンスタンティンノフカ解放を巡り、恥ずべき非難合戦が繰り広げられる。
コンスタンティノフカの事件のニュースが出る前から、トランプ大統領は欧州諸国との緊張を高めていた。7月3日には、NATO加盟諸国が軍事予算を増額しないのを「ばかげている」と非難した。そしていつも通り、NATOは「アメリカの保護」に一方的に依存していると不満を漏らした。
トランプは対イラン戦争の失敗に憤慨しており、ペルシャ湾でヨーロッパ諸国がアメリカを支援しなかったことについて常に不満を漏らしている。「我々が必要としていた時に、彼らはそこにいなかった」と彼は述べた。
彼は今、ウクライナ問題は自分たちで解決しなければならないとヨーロッパ諸国に告げて、ささやかな他人の不幸を喜べる。そもそも紛争を煽ったのはアメリカとトランプの責任なのを考えると皮肉な話だ。彼は2018年にウクライナに殺傷兵器を送った最初の大統領だった。
先月、トランプ大統領はピート・ヘグセス国防長官を派遣し、ヨーロッパ諸国の忠誠心の欠如を説教させ、アメリカはヨーロッパでの軍事駐留を縮小すると脅迫した。だが、皮肉なことに、ヨーロッパ・エリート層こそ、これ以上ないほど忠実な臣下なのだ。
またトランプは、フランスで開催されたG7サミットで、イタリアのジョルジア・メローニ首相が「二人での写真撮影を懇願した」と自己中心的な発言をして、彼女との間で口論を引き起こした。更に、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相とボリス・ピストリウス国防大臣は、ベルリンのNATOに対する関与のなさに苛立ちを募らせた。
こうした根深い対立は、G7サミット後、ヴェルサイユ宮殿の豪華な会場でトランプ大統領をもてなしたフランスのエマニュエル・マクロン大統領により、ひとまず収まったかに見えた。トランプ大統領は、ロシアに対するウクライナ支援の新たな約束に署名したが、その費用は欧州諸国(つまり長年苦しんできた納税者)が負担することになった。
コンスタンティノフカ突破による戦場でのロシア大躍進は、キーウ政権とNATOプロパガンダを完全に混乱に陥れた。
今週、NATOの結束を称え、ウクライナ勝利という幻想を支えるため数十億ドルを費やす夏の「愛の祭典」になるはずだったものが、今や崩壊してしまった。
今週ロシア軍は火力を増強しており、キーウにおけるNATOのネオナチ戦線を壊滅させる戦略目標を全て達成する態勢が整ったとロシアのプーチン大統領は警告した。ロシアが自軍と民間人の犠牲を最小限に抑えようとしていることと、32か国からなるNATOの総合戦力に対抗しなければならなかったことから、5年近くにわたる消耗戦となった。
今年初め、NATOが支援する政権が対ロシア・テロ攻撃を激化させ、長距離攻撃で民間人を殺害した際、モスクワは戦場で断固とした進撃をして報復した。ロシアはドンバスを完全に制圧するだけでなく、確実にキーウ政権を根絶する構えだ。これはアメリカNATO枢軸の中核にとって大打撃になる。
コンスタンティノフカがロシア軍に陥落したのは、まさに絶好のタイミングだった。NATOの扇動者連中は、アンカラに集結しながら苦い果実を味わうことになる。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2026/07/07/one-word-spoils-nato-jamboree-konstantinovka/
≪櫻井ジャーナル≫
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