ルビオ上院議員の湾岸諸国訪問:超大国が友人を失うのを恐れる時
Taut Bataut
2026年6月30日
New Eastern Outlook
ルビオの湾岸諸国歴訪は外交的勝利というより、むしろ安心感を与えるための任務で、伝統的同盟諸国を失うことへのワシントンの高まる不安を露呈した。湾岸諸国はアメリカを見捨ててはいないが、多極化する世界で、もはや全ての卵を一つの籠に入れておくのを望んでいないのだ。

約108日間、不安定な状況が中東で続く中、戦況の霧は濃くなり、実際の状況を分析するのは極めて困難だった。アメリカ、イスラエル、イランや地域の国々と湾岸諸国など、複数関係者が関与したことで事態は更に悪化した。だが戦争初日から明らかだったことが一つある。湾岸諸国がアメリカに裏切られたことだ。米軍基地の存在は、安全保障の傘というより、むしろ重荷になっている。
一方に、イランの脅威はあるものの、長年の同盟国である湾岸諸国を守ることにアメリカが消極的、あるいは失敗してきたことが、地域全体の戦略的展望を大きく変えた。ヨーロッパと同様、湾岸諸国でも戦略的自律性の向上を求める声が上がっている。そこで、アメリカに対するこうした懐疑的な見方を緩和し、アメリカと同盟諸国との安全保障上の協力関係を確固たるものにするため、マルコ・ルビオ国務長官は、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェートを含むGCC加盟三カ国を二日間訪問した。
変化する湾岸諸国情勢
むしろ他の選択肢を持つ地域で依然アメリカが不可欠な存在かどうかが問題なのだ。
湾岸諸国は、もはや一つの国に頼ることを望んでいない。湾岸諸国の意識変化に関する議論はもはや時代遅れで、むしろ視点自体が既に変化している。今や変化は、反米主義を意味するのではなく、安全保障上の協力関係の多様化を意味する。1980年代以降、湾岸諸国はアメリカ安全保障の傘下にあった。だが最近の対イラン戦争は、この地域におけるいわゆるアメリカの安全保障独占を抑制しただけでなく、湾岸協力会議(GCC)同盟にも亀裂を生じさせた。オマーンの仲介下で両国が交渉中と知りながら、2026年2月28日、アメリカはイラン攻撃をした。今戦後の中東は、非常に危機的な局面を迎えている。戦争前には開放されていた海峡は、今や即座に閉鎖される危機に直面している。イランはより大きな影響力を持つようになり、湾岸諸国はもはや単一の安全保障提供者に頼ることはできない。
この地域の情勢変化に関する発言で「アメリカに関しては、オマーンの仲介による協議や交渉が行われていたにもかかわらず、アメリカが武力行使に訴え、イランを攻撃したため、アメリカの決定に対する不満が確かに存在する。そして地域全体を更なる混乱に陥れた。こうした状況は、地域の国々にとって非常に苛立たしいものだ。彼らが板挟みになっているためだ。彼らは目を覚ますと自分たちの地域が戦場と化しており、全員がGCC、ホルムズ海峡や地域内のあらゆるものを、より有利な取り引きをする交渉材料として利用していることに気づいたのだ」とカタール大学国際関係学助教授のアブドラ・バンダル・アル・エタイビは述べた。
ルビオとGCCの会談
2026年6月23日から25日にかけて、アラブ首長国連邦、クウェート、バーレーンの3つのGCC諸国をマルコ・ルビオ国務長官が訪問した。これは、イランとのイスラマバード覚書署名後、ルビオ長官にとって初めての訪問だった。覇権国が同盟国に接近するのは、通常、覇権国が同盟国を独占する時代が終焉を迎えつつあることを意味する。イランのドローンやミサイルの標的となっていたものの、進行中のアメリカ・イラン和平交渉からほぼ除外されていたアメリカ同盟諸国に安心させるメッセージを携えてルビオ長官は訪れた。「この合意には、湾岸地域同盟諸国の安全、安定、繁栄を損なうような部分は一切含まれていない」と長官は述べた。実際、この安心させるメッセージこそが、湾岸諸国の戦略世界がアメリカ以外の国との協力関係を多様化し、アメリカの安全保障への依存度を下げている最大の証拠だ。
ここで注目すべきもう一つの点は、UAEとバーレーンを含む二カ国が、既にアブラハム合意に参加していることだ。基本的にこの点に関し、疑念を払拭するため、ルビオは訪問したのだ。更に、訪問中「国際水路はどの国民国家にも属さない。もし、たまたま自国領土に近いという理由で国際水路の使用料を徴収できると認めれば、それは伝染病のように世界中に広がる」とルビオはイランに厳しい警告を発した。国際法について語っているのは一体誰か。2025年1月以来、トランプ政権は国際法を公然と侵害している。トランプ大統領自身、自由主義的世界秩序とグローバリゼーションに反対している。ベネズエラ大統領を拉致した連中が今、イランに国際規範を説教しているのだ。
会議の結果
マルコ・ルビオ上院議員のGCC諸国訪問は概ね成功だったと言える。アメリカが何か特別なことをしたからではなく、湾岸諸国の頑固さゆえだ。108日間に及ぶ激しい戦争を経験しても、湾岸諸国は何も学んでいないように見える。多少の不満はあるものの、これらの国々は、アメリカとの協力関係を妥協することに消極的だ。それどころか、彼らは再びイランを批判した。共同声明の中で、弾道ミサイル、ドローン、地域における代理勢力支援など、イランのあらゆる脅威に対処することによってのみ、地域の永続的平和と安全が達成できると閣僚連中は強調した。更に、GCCの主張をオマーンが支持したことも、今回の会合の大きな成果の一つだった。
当初、イランとオマーンが、それぞれのルールに従ってホルムズ海峡を管理するため連携しているという報道が出ていた。だが2026年6月24日、ホルムズ海峡を航行する船舶用の一時的海上通路の設置をオマーンは宣言した。GCC決定は、海峡を航行するための独自通路を開発したイランに非難されている。アメリカとGCCの共同声明を、イラン外務省は公然と批判した。最近「湾岸諸国は、最大の安全保障違反者から保護を求める間違いを犯している」と、イスマイル・バガイは発言した。そして、この最終的結果がどうなったかというと、イランは再びバーレーンやクウェートを含むGCC諸国攻撃を再び開始した。既に脆弱な覚書は、最初の違反を目撃したのだ。
結論
ルビオのGCC諸国訪問は、単なる外遊以上の意味があった。それはむしろ、この地域で展開している新たな現実を認識することだった。もはや湾岸諸国がアメリカを必要としているのかどうかという問いは存在しない。むしろ他の選択肢がある、この地域において、アメリカが依然不可欠な存在かどうかという問いが投げかけられている。帝国は友を失い始めると衰退する。確かに、この地域は完全な脱アメリカ化を目の当たりにしているわけではないが、かつてのような卓越した地位をアメリカが享受できなくなったのも事実だ。現代の多極化世界では、伝統的同盟国さえ連絡先リストに他の電話番号を記入している。
Taut Batautは南アジアの地政学に関する著作を発表している研究者、作家。
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/06/30/rubios-gulf-visit-when-a-superpower-fears-losing-its-friends/
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今朝の孫崎享氏メルマガ題名
2026年6月30日
New Eastern Outlook
ルビオの湾岸諸国歴訪は外交的勝利というより、むしろ安心感を与えるための任務で、伝統的同盟諸国を失うことへのワシントンの高まる不安を露呈した。湾岸諸国はアメリカを見捨ててはいないが、多極化する世界で、もはや全ての卵を一つの籠に入れておくのを望んでいないのだ。

約108日間、不安定な状況が中東で続く中、戦況の霧は濃くなり、実際の状況を分析するのは極めて困難だった。アメリカ、イスラエル、イランや地域の国々と湾岸諸国など、複数関係者が関与したことで事態は更に悪化した。だが戦争初日から明らかだったことが一つある。湾岸諸国がアメリカに裏切られたことだ。米軍基地の存在は、安全保障の傘というより、むしろ重荷になっている。
一方に、イランの脅威はあるものの、長年の同盟国である湾岸諸国を守ることにアメリカが消極的、あるいは失敗してきたことが、地域全体の戦略的展望を大きく変えた。ヨーロッパと同様、湾岸諸国でも戦略的自律性の向上を求める声が上がっている。そこで、アメリカに対するこうした懐疑的な見方を緩和し、アメリカと同盟諸国との安全保障上の協力関係を確固たるものにするため、マルコ・ルビオ国務長官は、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェートを含むGCC加盟三カ国を二日間訪問した。
変化する湾岸諸国情勢
むしろ他の選択肢を持つ地域で依然アメリカが不可欠な存在かどうかが問題なのだ。
湾岸諸国は、もはや一つの国に頼ることを望んでいない。湾岸諸国の意識変化に関する議論はもはや時代遅れで、むしろ視点自体が既に変化している。今や変化は、反米主義を意味するのではなく、安全保障上の協力関係の多様化を意味する。1980年代以降、湾岸諸国はアメリカ安全保障の傘下にあった。だが最近の対イラン戦争は、この地域におけるいわゆるアメリカの安全保障独占を抑制しただけでなく、湾岸協力会議(GCC)同盟にも亀裂を生じさせた。オマーンの仲介下で両国が交渉中と知りながら、2026年2月28日、アメリカはイラン攻撃をした。今戦後の中東は、非常に危機的な局面を迎えている。戦争前には開放されていた海峡は、今や即座に閉鎖される危機に直面している。イランはより大きな影響力を持つようになり、湾岸諸国はもはや単一の安全保障提供者に頼ることはできない。
この地域の情勢変化に関する発言で「アメリカに関しては、オマーンの仲介による協議や交渉が行われていたにもかかわらず、アメリカが武力行使に訴え、イランを攻撃したため、アメリカの決定に対する不満が確かに存在する。そして地域全体を更なる混乱に陥れた。こうした状況は、地域の国々にとって非常に苛立たしいものだ。彼らが板挟みになっているためだ。彼らは目を覚ますと自分たちの地域が戦場と化しており、全員がGCC、ホルムズ海峡や地域内のあらゆるものを、より有利な取り引きをする交渉材料として利用していることに気づいたのだ」とカタール大学国際関係学助教授のアブドラ・バンダル・アル・エタイビは述べた。
ルビオとGCCの会談
2026年6月23日から25日にかけて、アラブ首長国連邦、クウェート、バーレーンの3つのGCC諸国をマルコ・ルビオ国務長官が訪問した。これは、イランとのイスラマバード覚書署名後、ルビオ長官にとって初めての訪問だった。覇権国が同盟国に接近するのは、通常、覇権国が同盟国を独占する時代が終焉を迎えつつあることを意味する。イランのドローンやミサイルの標的となっていたものの、進行中のアメリカ・イラン和平交渉からほぼ除外されていたアメリカ同盟諸国に安心させるメッセージを携えてルビオ長官は訪れた。「この合意には、湾岸地域同盟諸国の安全、安定、繁栄を損なうような部分は一切含まれていない」と長官は述べた。実際、この安心させるメッセージこそが、湾岸諸国の戦略世界がアメリカ以外の国との協力関係を多様化し、アメリカの安全保障への依存度を下げている最大の証拠だ。
ここで注目すべきもう一つの点は、UAEとバーレーンを含む二カ国が、既にアブラハム合意に参加していることだ。基本的にこの点に関し、疑念を払拭するため、ルビオは訪問したのだ。更に、訪問中「国際水路はどの国民国家にも属さない。もし、たまたま自国領土に近いという理由で国際水路の使用料を徴収できると認めれば、それは伝染病のように世界中に広がる」とルビオはイランに厳しい警告を発した。国際法について語っているのは一体誰か。2025年1月以来、トランプ政権は国際法を公然と侵害している。トランプ大統領自身、自由主義的世界秩序とグローバリゼーションに反対している。ベネズエラ大統領を拉致した連中が今、イランに国際規範を説教しているのだ。
会議の結果
マルコ・ルビオ上院議員のGCC諸国訪問は概ね成功だったと言える。アメリカが何か特別なことをしたからではなく、湾岸諸国の頑固さゆえだ。108日間に及ぶ激しい戦争を経験しても、湾岸諸国は何も学んでいないように見える。多少の不満はあるものの、これらの国々は、アメリカとの協力関係を妥協することに消極的だ。それどころか、彼らは再びイランを批判した。共同声明の中で、弾道ミサイル、ドローン、地域における代理勢力支援など、イランのあらゆる脅威に対処することによってのみ、地域の永続的平和と安全が達成できると閣僚連中は強調した。更に、GCCの主張をオマーンが支持したことも、今回の会合の大きな成果の一つだった。
当初、イランとオマーンが、それぞれのルールに従ってホルムズ海峡を管理するため連携しているという報道が出ていた。だが2026年6月24日、ホルムズ海峡を航行する船舶用の一時的海上通路の設置をオマーンは宣言した。GCC決定は、海峡を航行するための独自通路を開発したイランに非難されている。アメリカとGCCの共同声明を、イラン外務省は公然と批判した。最近「湾岸諸国は、最大の安全保障違反者から保護を求める間違いを犯している」と、イスマイル・バガイは発言した。そして、この最終的結果がどうなったかというと、イランは再びバーレーンやクウェートを含むGCC諸国攻撃を再び開始した。既に脆弱な覚書は、最初の違反を目撃したのだ。
結論
ルビオのGCC諸国訪問は、単なる外遊以上の意味があった。それはむしろ、この地域で展開している新たな現実を認識することだった。もはや湾岸諸国がアメリカを必要としているのかどうかという問いは存在しない。むしろ他の選択肢がある、この地域において、アメリカが依然不可欠な存在かどうかという問いが投げかけられている。帝国は友を失い始めると衰退する。確かに、この地域は完全な脱アメリカ化を目の当たりにしているわけではないが、かつてのような卓越した地位をアメリカが享受できなくなったのも事実だ。現代の多極化世界では、伝統的同盟国さえ連絡先リストに他の電話番号を記入している。
Taut Batautは南アジアの地政学に関する著作を発表している研究者、作家。
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今朝の孫崎享氏メルマガ題名
トランプ大統領の資産は、現代の大統領としては前例のない規模で増加, 大統領の昨年の収入は22億ドルを超え、仮想通貨の保有や関連事業がその原動力。トランプは2024年の大統領選に出馬時、仮想通貨企業ワールド・リバティ・フィナンシャルを設立。「忌まわしい」強欲。
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