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2026年6月15日 (月)

シャングリラ以後:もはやワシントンの許可を求めないアジア

サルマン・ラフィ・シェイフ
2026年6月13日
New Eastern Outlook

 シンガポールで開催され、44カ国が参加した第23回シャングリラ対話2026での真の焦点は、アメリカ主導のインド太平洋秩序の再確認ではなく、その秩序がゆっくり公然と崩壊していく様相だった。

 

 会場の空気を読み違えた演説

 シャングリラの伝統に従い開会全体会議はワシントンが主催する。今年は、アメリカ戦争省長官ピート・ヘグセスが「アメリカが富裕国の防衛を補助する時代は終わった」と宣言し、同盟国に対しGDPの少なくとも3.5%を防衛費に充てるよう要求し、旧来の多国間秩序の「ユートピア的理想主義」を非難した。彼はベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の超法規的拘束を自慢し、トランプ大統領の下で改善した米中関係を喧伝したが、台湾には一切触れず、最後に「この地域にはシャングリラより戦闘力が必要だ」と断言して締めくくった。

 ワシントンは、もはや自らが設計することのない地域構造の中で、その影響力を維持するために国家運営を適応させることができるのか。

 それは、まさに自分が導こうとする聴衆を遠ざけてしまう演説だった。実際、その後の出来事が示す通り、対話における最も深刻な対立は、ワシントンと北京の間ではなく、ワシントンとパートナー諸国間にあった。ASEANは、欧州連合と並んで、多国間外交とルールに基づく秩序を世界で最も熱心に支持する国々の一つだ。そのような聴衆を前に、会議は不要だと述べるのは、その場の雰囲気を著しく読み違えていたと言えるだろう。

 不協和音は単なる口調の問題にとどまらなかった。ヘグセスによるマドゥロ拘束は、国際法違反として東南アジア全域で広く非難された。イランに対するアメリカ攻撃やホルムズ海峡に由来する経済的影響は、既に地域全体の石油化学サプライチェーンを混乱させ、国民の不安を煽っていた。対話に出席した欧州のNATO加盟諸国は、この二つの出来事について明らかに曖昧な態度をとった。一方、トランプ大統領の北京サミット後「建設的な戦略的安定」を推進するというヘグセスの対中国軟化路線は、中国の勢力に対抗するために地域の同盟諸国に軍事力を増強するよう求める彼の要求と不快な緊張関係にあった。事実上、公式には軽視している脅威に対し、武装するようワシントンは同盟諸国に求めたのだ。矛盾は、これ以上明白なものはなく「同盟諸国」にとって受け入れがたいものだった。

 根本的問題は修辞的なものではなく構造的なものだった。アメリカは、ベネズエラや中東における行動を通して、国際法規範を恣意的に適用することを示しながら、依然国際社会の協調を要求し続けている。インド太平洋地域の小中規模国家は、その安全保障ドクトリンが、これら規範の平等かつ一貫した適用に基づいているため、まさにこの姿勢こそが、アメリカの安全保障上の保証を信頼できないものにしているのだ。

 ハノイの対抗的視点

 会場の人々の心を真に捉えた演説は、ヘグセスが演壇に立つ前夜に行われた。ベトナム共産党書記長のトー・ラム(同職に就いて初めてシャングリラ対話で演説を行った人物)は「無秩序な競争」に警鐘を鳴らし、地域の組織原則として「平和、信頼、発展」を訴えた。国際法の恣意的解釈が「弱肉強食」の世界を生み出し、小国にどちらかの陣営につくよう圧力をかけると彼は警告した。そして最終的に、いかなる大国の従属国でもなく、ルールに基づく秩序の擁護者として、ベトナムを明確に位置づけた。

 これは単なる外交儀礼ではなかった。ワシントンが推進していることで知られるブロック中心の論理に対する、綿密に計算されたイデオロギー的対抗提案だった。地域の反応は雄弁だった。トー・ラムが提示した枠組みは、インド太平洋諸国の大多数が実際望んでいるもの、すなわち中小国が真の主体性を維持し、最強国の好みではなく、ルールから秩序が生まれる世界だった。

 ベトナムが基調講演を行ったこと自体が戦略的意味を持っていた。中国との経済関係を維持しつつ、アメリカ、日本、インド、EUとの安全保障関係を強化するハノイのいわゆる「竹外交」は長年にわたりヘッジ戦略のモデルとして研究されてきた。だが、党最高指導者を派遣してそれを世界に向けて表明させたことは、ベトナムがこれを一時的な場当たり的対応ではなく、永続的な教義と見なしていることを示す合図だった。演説から数時間後、「ベトナムは安全保障という視点で主要諸国との関係に対処しているわけではない」とトー・ラムは記者団に述べ、この点を改めて強調した。これは、ヘグセスが先ほど述べた安全保障優先の枠組みに対する直接的な反論だった。

 ベトナムだけではなかった。インドネシア代表団は、国防大臣ではなく国防副大臣が率い、同様に慎重かつ非同盟的な関与姿勢を示した。ジャカルタはワシントンと防衛協力協定を締結したが、完全な同盟関係にあるという印象を与えないよう細心の注意を払ってきた。中国が二回連続で閣僚級会合を欠席したことに日本の小泉進次郎防衛大臣は「残念」を表明し、北京との対話の強化を促した。これはワシントンの姿勢より明らかに融和的な調子だった。オランダ副首相は欧州の戦略的自立の必要性を認めた。フォーラム全体を通して、各国は自国の能力に投資しつつ、政治的選択肢を意図的に残すパターンが一貫していた。

 ワシントンの設計図なしで構築されつつある建築

 シンガポールでの議論から浮かび上がる全体像は、この地域が新たな安全保障体制を構築しつつあるというものだ。それは、アメリカの存在感に取って代わるものではなく、もはやアメリカを組織原理として扱うものでもない。対話の傍ら行われた、いくつかの動きが、このことを具体的に示している。中堅諸国が共有資産を保護するための多国間構想である重要水中インフラに関するGUIDE枠組みがサミットで正式採択され、共通の戦略的利益を守るため地域の中堅諸国が独自に協力する意欲を高めていることが実証された。各国は、米国以外の供給元への武器調達を多様化させている。東南アジア諸国は、ブラモスミサイル、韓国の戦闘機、欧州製の海軍艦艇の購入を加速させており、かつて防衛面での独占的依存関係がもたらしていたアメリカの戦略的影響力を弱めている。

 この文脈で、中国が閣僚級会合に出席していないのは弱さを示すものではなく、この新たな秩序の特徴を裏付けるものだ。すなわち、この秩序は二つの超大国によってではなく、両国間の空間で構築されているのだ。明らかになったのは、アジアの安定の未来は、単一の同盟や支配的大国にかかっているのではなく、国の自律性を維持しようと決意した、益々有能な中堅国諸国に維持されるダイナミックなバランスにかかっている。こうした中堅諸国の取り組みを補完しているのは、自国の重要な戦略的利益を非常に重視してはいるが、アメリカと違い覇権的野心を持たない中国だ。

 次に起きるのは古典的な意味での多極化以上のものだ。むしろ、未来はより流動的で、おそらく、より安定しているように見える。ベトナム、インドネシア、日本、インドや、中堅欧州諸国といった国々が、包括的連携ではなく、特定の利益に合わせて調整された重複する非排他的協力関係を維持するネットワーク型地域秩序だ。このモデルは、管理がより複雑で、ワシントンの同盟論理には馴染みにくいが、既に形を成しつつある。

 2026年のシャングリラ対話が提起するより深刻な問題は、アメリカ主導の安全保障秩序が衰退しているかどうか(その証拠は既に十分にある)ではなく、もはや自ら設計していない地域構造の中で、自らの存在意義を維持するために、ワシントンが外交手腕を適応させられるかどうかだ。ヘグセス演説は、それが依然不可能なことを示唆していた。シンガポールのホテルから出てきた各国は、既に次段階に進んでいたのだ。

 サルマン・ラフィ・シェイフは国際関係およびパキスタンの外交・国内問題担当リサーチ・アナリスト)

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/06/13/after-shangri-la-asia-is-no-longer-asking-washingtons-permission/

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