対イラン戦争:海峡航路を巡る新たな衝突-新たな内戦を引き起こすレバノン降伏
2026年6月27日
Moon of Alabama
ここ数日、レバノンとイランで二つの出来事があり、これらが戦争を再燃させて、より大規模な紛争へ発展させる可能性が高い。
イランはホルムズ海峡の支配権を主張しているが、少なくとも海峡の半分はオマーンの管轄下にある。
オマーンはイランとは異なり、国連海洋法条約加盟国で、そのために海峡情勢に関する国際法の解釈が違っている。またオマーンは(かつて)イギリスとアメリカの属国だった。伝統的に中立を保ってきたオマーンを自国側に引き込もうとするイランの試みは失敗に終わっている。
木曜日、ペルシャ湾で数週間立ち往生していた船舶の船団がオマーン沿岸すぐそばを通る海峡を航行できるよう国連国際海事機関(IMO)が手配した。イランはこれを(誤って)アメリカとの覚書違反で(正しく)自国の影響力を弱める試みとみなした。
だが、アメリカはこれまで関与していなかったこの事件を利用して事態をエスカレートさせた。ホルムズ海峡に近いイラン南部の港湾都市シリク近郊のイラン・レーダー施設に複数米軍機がスタンドオフ・ミサイル攻撃を行った。
昨夜、報復攻撃を行ったとイランが発表した。
被害が軽微なら、アメリカは当面(再び)報復措置を停止するかもしれない。事態は一時的に沈静化する可能性がある。
だがレバノンでの情勢の推移は事態がかなり急速に再燃する可能性を示唆している。
簡単に背景を説明すると、パレスチナ人住民追放と避難によるパレスチナ人の大惨事ナクバと、1968年のアラブ戦争でのイスラエルに対する敗北後、多くのパレスチナ人がレバノンに逃れた。これにより、それまでキリスト教徒が多数を占めていたレバノンの人口構成が変化した。レバノンは、キリスト教徒、ドゥルーズ派、スンニ派、シーア派といった様々なイスラム教徒の派閥間内戦に陥った。
パレスチナ解放機構(PLO)は拠点を築き、レバノン南部をイスラエルへの攻撃拠点として利用した。1983年、イスラエルはレバノンに侵攻し、ベイルートを占領した。狙いはPLOを打倒し追放することだったが、即座に多宗教国家レバノン国民の大多数から憎まれることとなった。南部で多数派を占めていた貧困にあえぐシーア派は、イスラエルに友好的だった立場から、たちまち最大の敵へ転じた。
アメリカが介入し、マロン派キリスト教徒側につく「平和維持部隊」を派遣した。アメリカ、フランスや他の「平和維持部隊」兵舎は自爆テロの標的になった。アメリカは撤退した。イスラエルは独自代理勢力を派遣したが、勢力を拡大するシーア派抵抗勢力に敗北した。2000年になって、シーア派抵抗勢力の強い圧力の下、ようやくイスラエルは南レバノンの拠点を撤退した。
内戦は終結した。政治権力は分裂し、各勢力がそれぞれ一部を掌握した。移住により大幅に勢力を縮小していたキリスト教徒勢力は依然支配的地位を維持したが、現在多数派になっているシーア派は過小評価されたままになった。
近年、シーア派のアマル派とイランと同盟関係にあるシーア派ヒズボラ間の些細な対立からマロン派キリスト教徒の元将軍ジョセフ・アウンの下、代表性がない政府が樹立された。
対イラン戦争と並行して、レバノン南部をイスラエルは再侵攻した。イランは覚書を通じて、ホルムズ海峡再開の条件としてイスラエルのレバノンからの撤退を定めたが、レバノン政府はアメリカ制裁の圧力下、アメリカとイスラエルに身を売ることで独自の解決策を見出そうとした。
昨日、レバノン政府は、アメリカ、イスラエルとの三者協定に署名した。この協定により、イスラエルはシーア派住民を一掃した約60の町を含むレバノン南部を支配し続けることが可能となる。またレバノン政府は、ヒズボラの武装解除を義務付けられているが、これは実現不可能で、一方、イスラエルは無期限駐留を続けることが認められる。
この合意(およびレバノン法における違法性)に関するより詳細な分析は、こちら、こちら、そして特に、こちらをご覧願いたい。
この合意が、レバノンだけでなく、より広範な中東地域における更なる戦争につながる可能性が高いことをアメリカとイスラエルの観察者たちが認めている。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/06/war-on-iran-new-clash-over-strait-passage-lebanons-capitulation-ignites-new-civil-war.html
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植草一秀の『知られざる真実』
Moon of Alabama
ここ数日、レバノンとイランで二つの出来事があり、これらが戦争を再燃させて、より大規模な紛争へ発展させる可能性が高い。
イランはホルムズ海峡の支配権を主張しているが、少なくとも海峡の半分はオマーンの管轄下にある。
オマーンはイランとは異なり、国連海洋法条約加盟国で、そのために海峡情勢に関する国際法の解釈が違っている。またオマーンは(かつて)イギリスとアメリカの属国だった。伝統的に中立を保ってきたオマーンを自国側に引き込もうとするイランの試みは失敗に終わっている。
木曜日、ペルシャ湾で数週間立ち往生していた船舶の船団がオマーン沿岸すぐそばを通る海峡を航行できるよう国連国際海事機関(IMO)が手配した。イランはこれを(誤って)アメリカとの覚書違反で(正しく)自国の影響力を弱める試みとみなした。
国連国際海事機関と協力し、オマーンはペルシャ湾からの船舶避難を目的とする回廊を開設した。しかし、オマーン側で一方通行航行が正規化された以上、それがすぐ双方向通行となり、イランによるホルムズ海峡の支配権が損なわれるのは容易に想像できる。また海峡の南側はオマーン領海であるため、イランがそこで船舶航行を妨害した場合、法的根拠は、レバノン侵攻の際、イスラエルが主張したものと酷似し、安全保障上のリスクという信憑性のない主張に基づいてオマーンの主権を踏みにじれるという主張になるだろう。これに対し、IMOが組織した護送船団を利用してペルシャ湾から自力で脱出したシンガポール船籍のコンテナ船を、イランが(大損害を与えない)ドローンで攻撃した。IMO事務局長は記者会見で次のように発表した。
本日、オマーン湾において、ホルムズ海峡を通過した船舶が攻撃を受けたとの報告を受けた。この船舶はIMOの避難枠組みの対象外だった。私がこれまでも繰り返し述べてきた通り、船員の安全は最優先事項だ。従って、連携する対応と航行の安全を確保するため、状況が更に明確になるまで避難計画は一時停止する。…」ドローン攻撃による負傷者はいなかった。船の損傷も軽微だった。
だが、アメリカはこれまで関与していなかったこの事件を利用して事態をエスカレートさせた。ホルムズ海峡に近いイラン南部の港湾都市シリク近郊のイラン・レーダー施設に複数米軍機がスタンドオフ・ミサイル攻撃を行った。
昨夜、報復攻撃を行ったとイランが発表した。
イスラム革命防衛隊(IRGC)海軍は、イラン沿岸地域に対する以前の攻撃への報復として、同地域の米軍標的を攻撃した。イラン軍が、どの米軍施設を攻撃したのか、また攻撃によってどのような被害が出たのかはまだ分かっていない。
金曜日に発表した声明で、報復攻撃は「この地域における米軍テロリスト部隊の展開拠点を標的とした」と同部隊は述べた。
同報告書は、今回の報復は、アメリカがイラン沿岸地域に対し空爆を行った後に行われたもので、これはアメリカが「約束を破る変わらないパターン」の一環だと指摘した。
声明によると、攻撃を行うにあたりワシントンは「ホルムズ海峡における非準拠船舶の無許可航路通過など様々な口実を用いた」という。
被害が軽微なら、アメリカは当面(再び)報復措置を停止するかもしれない。事態は一時的に沈静化する可能性がある。
だがレバノンでの情勢の推移は事態がかなり急速に再燃する可能性を示唆している。
簡単に背景を説明すると、パレスチナ人住民追放と避難によるパレスチナ人の大惨事ナクバと、1968年のアラブ戦争でのイスラエルに対する敗北後、多くのパレスチナ人がレバノンに逃れた。これにより、それまでキリスト教徒が多数を占めていたレバノンの人口構成が変化した。レバノンは、キリスト教徒、ドゥルーズ派、スンニ派、シーア派といった様々なイスラム教徒の派閥間内戦に陥った。
パレスチナ解放機構(PLO)は拠点を築き、レバノン南部をイスラエルへの攻撃拠点として利用した。1983年、イスラエルはレバノンに侵攻し、ベイルートを占領した。狙いはPLOを打倒し追放することだったが、即座に多宗教国家レバノン国民の大多数から憎まれることとなった。南部で多数派を占めていた貧困にあえぐシーア派は、イスラエルに友好的だった立場から、たちまち最大の敵へ転じた。
アメリカが介入し、マロン派キリスト教徒側につく「平和維持部隊」を派遣した。アメリカ、フランスや他の「平和維持部隊」兵舎は自爆テロの標的になった。アメリカは撤退した。イスラエルは独自代理勢力を派遣したが、勢力を拡大するシーア派抵抗勢力に敗北した。2000年になって、シーア派抵抗勢力の強い圧力の下、ようやくイスラエルは南レバノンの拠点を撤退した。
内戦は終結した。政治権力は分裂し、各勢力がそれぞれ一部を掌握した。移住により大幅に勢力を縮小していたキリスト教徒勢力は依然支配的地位を維持したが、現在多数派になっているシーア派は過小評価されたままになった。
近年、シーア派のアマル派とイランと同盟関係にあるシーア派ヒズボラ間の些細な対立からマロン派キリスト教徒の元将軍ジョセフ・アウンの下、代表性がない政府が樹立された。
対イラン戦争と並行して、レバノン南部をイスラエルは再侵攻した。イランは覚書を通じて、ホルムズ海峡再開の条件としてイスラエルのレバノンからの撤退を定めたが、レバノン政府はアメリカ制裁の圧力下、アメリカとイスラエルに身を売ることで独自の解決策を見出そうとした。
昨日、レバノン政府は、アメリカ、イスラエルとの三者協定に署名した。この協定により、イスラエルはシーア派住民を一掃した約60の町を含むレバノン南部を支配し続けることが可能となる。またレバノン政府は、ヒズボラの武装解除を義務付けられているが、これは実現不可能で、一方、イスラエルは無期限駐留を続けることが認められる。
この合意(およびレバノン法における違法性)に関するより詳細な分析は、こちら、こちら、そして特に、こちらをご覧願いたい。
レバノンは、国内主要勢力に対し、外部勢力が容易に安全保障体制を押し付けられる場所ではない。1983年当時も不可能だったし、今日も不可能だ。それだけではない。ここでのイスラエルの明確な意図は、レバノン内戦を再燃させることで、実際、成功する可能性が高い。
1983年5月17日の合意は、正当性を欠き、占領と結びついており、また受け入れると予想されていた人々が拒否する能力を持っていたため葬り去られた。ワシントンの枠組みは、全く同じではないかもしれないが、同じ弱点を抱えている。ヒズボラの同意なしに、ヒズボラ武装解除に依存している。レバノンの政治的合意なしに、レバノン軍による強制執行に依存している。アメリカの偏向にもかかわらず、アメリカの仲介に依存している。撤退を遅らせる権限をイスラエルに与えながら、イスラエル撤退に依存している。
それは和平過程ではない。管理された危機だ。
Elijah J. Magnier 🇪🇺 @ejmalrai – 2026年6月27日 8:54 UTCレバノンに関する合意は、1980年代の状況の再来を招くだろう。1983年と同様、これは住民の意思に反して紛争を解決しようとする、残忍だが無益な試みになるだろう。内戦が勃発し、米軍の介入が続く。おそらく数年後、ヒズボラに敗北し、イスラエル軍撤退で終結するだろう。
イスラエル占領軍がレバノン南部占領地域に長期駐留するのをレバノン抵抗勢力は決して容認しない。その対応がいつなされるにせよ、権限を持っていないにもかかわらずジョセフ・アウン大統領が、イスラエルとの敵対状態を解除し、60近くの村の住民が自宅に戻るのを阻止する、いわゆる「緩衝地帯」を受け入れた決定で引き起こされた、正当性の危機を浮き彫りにすることになろう。
この合意が、レバノンだけでなく、より広範な中東地域における更なる戦争につながる可能性が高いことをアメリカとイスラエルの観察者たちが認めている。
これはまさに平和とは正反対のものだ。イスラエルはレバノン内戦を再開させ、アメリカを通じて対イラン戦争を再び激化させる一方、既に次の標的に照準を定めている。
対イラン戦争終結に向けた交渉がまさに進行中で、イランとの60日間の停戦合意(成功すればレバノンでの戦闘は終結する)の最中に、この合意を介入させることで、我々は今日ワシントンで署名したこれらの文書により、停戦を維持し最終的解決に達するのをほぼ不可能にし、結果として戦争の可能性を高めることになる。
イスラエル科学技術大臣、ギラ・ガムリエルこれに対し、スンニ派のNATO加盟国トルコは、さりげなくシーア派神学を尊重して応じている。
「イラン政権が崩壊した後、オスマン帝国の野望が立ちはだかり、彼らは勢力拡大と影響力拡大を目指すだろう。」
国境を越えて勢力を拡大し、独自の構想に基づいて地域を先導しようという野心を持つトルコが、イスラエル国民にとって将来的に本物の脅威になるのは疑いの余地がない。
イスラエルは常にあらゆる脅威に備えており、トルコが将来的に脅威となり得る戦線になりつつあることに疑いの余地がない。
今週のエルドアン大統領将来、ヒズボラの兵站がトルコを経由するニュースが報じられても驚かないように。
「カルバラーの殉教者たちを私は慈悲と敬意をもって追悼する。我々は、我々の師フサイン・イブン・アリーと仲間が殉教した悲しみを、あの日とまったく同じように、丸14世紀にわたって感じ続けてきた。」
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/06/war-on-iran-new-clash-over-strait-passage-lebanons-capitulation-ignites-new-civil-war.html
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杉並市長選で自民大惨敗
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