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2026年6月25日 (木)

対イラン戦争で最も大きな損失を被った国は一体どこか?

2026年6月23日
ラリー・C・ジョンソン



 (上記グラフは、Gallup世論調査での、戦争開始時と、戦争終了時のアメリカ国民の支持率)

イランへの一方的攻撃で、アメリカは確実に評判を落とし経済的にも大きな損失を被ったが本当の最大の敗者はアラブ首長国連邦かもしれない。ドバイに注目してみよう。


 ドバイは、非常口のない、世界で最も高価な大人向けテーマパークだとお考え願いたい。何十年もの間、ドバイはラスベガスとディズニーワールドが子どもを産み、国家の富で育て、モナコの高級学校に通わせたらどうなるかというイメージで世界に売り込んできた。その結果生まれたのは、まさに驚くべき大胆さを持つ都市だった。砂漠の中にある屋内スキー場、5つ星では物足りないという理由で7つ星を自称する帆の形をしたホテル、そして莫大な費用をかけて掘り出されたにもかかわらず、ゆっくりと海に沈みつつあるヤシの木の形をした人工島。あらゆる基準から見て、実際のテーマパークが金ぴかで堅苦しすぎると感じていた人々にとって、ドバイは史上最高のテーマパークだったと言えるだろう。

 ドバイ構想の最大の強みは、その地理的論理にあるとされてきた。つまり世界貿易の要衝に位置し、インフラ整備に必要な石油を採掘し、その後、石油収入を徐々に他のあらゆるもの、観光、金融、不動産と非常に裕福な人々が不都合な質問を一切せずに巨額資金を預ける場所としての不可解な商売に置き換えていくものだ。ああ、そういえば、資金洗浄と売春婦のことにも触れておこうか?

 世界一高いビル、ブルジュ・ハリファは、ドバイが建設途中で資金難に陥り救済措置を必要としたため、アブダビの首長にちなんで名付けられた。おそらく人類史上最も正直な建造物と言えるだろう。それは他者の資金援助によって実現した野心の輝かしい広告塔だ。この方式は、ホルムズ海峡航行が確保されている限り見事に機能した。しかし、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は、この前提を根底から覆した。

 ディズニーワールドが成功しているのは、その環境を完全に支配しているためだ。堤防の内側では現実が停止している。堤防の外側では、フロリダはフロリダのままで、私が証言する通り、それはある種の非現実ではあるが、ディズニーワールドほど演出されたものではない。ドバイにおける堤防は常に海峡だった。21マイルに及ぶこの海峡は、世界経済をこの地域に流れ続け、ドバイが地域の中継貿易拠点、物流ハブ、金融センターと高級リゾート地としての地位を単にあり得るだけでなく幾何学的に必然的なものにしたのだ。

 2026年3月にイランが海峡に機雷を敷設した際、ドバイは堤防に幅約21マイルの隙間があることを発見した。

 クルーズ船が最初に出港した、というより、出港しようとしたと言った方が正確だろう。6隻のクルーズ船は、まるで神権政治により排水口を塞がれた浴槽に閉じ込められた巨大で高価なゴム製アヒルのように湾内に閉じ込められていた。1万5000人の乗客は、購入したオールインクルーシブ・パッケージに、細かい字でイランの機雷除去作業が特典として含まれていないのに気づいた。船は最終的に、イランとアメリカが同時に海峡開通を主張した4月の短い期間に脱出し、安全な場所へ向かえた。乗客は別の場所で下船し、アラビア湾クルーズで一生分の興奮を味わったと判断したようだ。

 ドバイのもう一つの精神的源流であるラスベガスは、地理的条件は関係ないという根本的理念に基づいて築かれた。砂漠の真ん中にある都市でも、ネオンの光と人間の飽くなき欲望の力によって世界の中心になり得るという理念だ。ドバイはこの教訓を国家規模で応用した。ラスベガスが、ネバダ州の何もないところから都市を創り出せたなら、ドバイも歴史的に重要ながら、経済的には辺境の地にある水域の端にある砂漠に、何もないところから世界的金融センターを創り出せたのだ。

 違いは、ラスベガスが大陸の真ん中に位置している点にある。ラスベガスのサプライチェーンは、イランのフリゲート艦ではなく、州間高速道路15号線の交通渋滞に影響を受ける。ネバダ州で何か問題が起きた場合、それは人間規模の問題だ。一方、ホルムズ海峡で何か問題が起きた場合、それは文明規模の問題となり、運用上のリスクとしてはやや異なる範疇に属する。

 ドバイの港、中でも中東最大のジェベル・アリ港は地域随一の物流拠点としての地位が、地域へのアクセスが不可能になるまでは、並外れた競争優位性があることを痛感した。コンテナ船の入港は途絶え、湾岸地域で既に立ち往生していたタンカーはアフリカを迂回する航路を選んだため、航海に二週間余計に時間がかかり、これまで入念に整備されてきた物流拠点を完全に迂回することになった。貨物は流れ続けたものの、ドバイを通過するのではなく、迂回するようになった。まるで壮大なダムに遭遇した川が、その壮大な構造を称賛するどころか、静かに流路を変えるようなものだった。

 ドバイが経験しているのは、最大限の処理能力を念頭に置いて建設された都市が、その処理能力が別の場所へ向かう必要があることに気づいた特有の苦悩だ。レストランは相変わらず素晴らしい。ホテルのプールは、人類と気候の関係についての哲学的声明としか言いようのないほど温度管理されている。ドバイで最も特徴的な行事であるブランチ(金曜日の午後の正午に始まり、意識が朦朧とする頃に終わり、オハイオ州のコミュニティ・カレッジ一学期分の費用と同じくらい費用がかかる)は引き続き開催されているが、エネルギー危機に直面し、無制限の和牛や、他人の財産への近さの欲求を一時的に減らしているヨーロッパ金融部門からの参加者は減少している。

 不動産市場は、世界が静かに移行するためにどれだけ資金を必要としているかを示す信頼できる指標として20年間機能してきたが、不動産業者が「再調整期間」と表現し、他の人々が「暴落」と呼ぶ状況に陥っている。ドバイの不動産価格は、ディルハムだけでなく信頼感によっても左右される。そして信頼感には、ドバイの根本的前提、交差点理論、その立地の必然性が明確に理解できることが不可欠だ。だが交差点の一つが一時的に地雷で破壊されている状況は全く別問題だ。

 だが、ホルムズ危機は、ドバイの地位が人為的に作られたものではなく自然なもので、偶然ではなく必然的なものだったという心地よい虚構を少なくとも一時的に剥ぎ取った。ラスベガスが存在するのは、アメリカ人が法的制裁を受けずにギャンブルできる場所を求めたからだ。ディズニーワールドが存在するのは、ウォルト・ディズニーが駐車場を運営したかったからだ。ドバイが存在するのは、世界経済が特定の地理的場所に拠点を必要としており、そこに拠点を築く大胆さと資本を持った人物がいたからだ。

 三つとも、本質は「十分豪華に建てれば客は来る」という命題を実践したものだ。そのうち二つは、誰かが入り口を掘り起こした場合、どうなるかを心配する必要がない。

 だが、UAE全体、特にドバイには暗い側面もある。資金洗浄や外国諜報活動の中心地になっているのだ。ペルシャ湾岸でビジネス/エネルギー・コンサルタントをしている友人は、状況を次のように要約している。  
現在アラブ首長国連邦(UAE)は、シオニスト/イスラエルと結びついた湾岸地域の安全保障拠点として機能しており、併合国のような、あるいは新興植民地のような特徴を持っている。シオニスト/イスラエルおよびイスラエルと関係ある安全保障、サイバー、監視、防衛、情報関連システムは、国家の中核能力に浸透し、主要な安全保障および技術層に対する効果的な戦略的支配を確立している。

この浸透は、UAEの軍事組織、国内安全保障体制、技術スタック、物流システム、金融チャネル、そして金融信頼基盤全体にわたって戦略的な脆弱性を生み出している。

 資金の流れに関する理論も変化した。ドバイおよびアラブ首長国連邦(UAE)は、オフショア資本、制裁対象資金、犯罪組織の収益、アフリカ、金、不動産、貿易、高級資産、企業組織に関連する不正資金の流れにとって、長年にわたり流動性の高い中継地役を果たしてきた。しかし、戦争リスクと安全保障統合のショックにより、こうした資金の流れは損なわれた。透明性、安定性と、揺るぎない信頼に依存する資本は、受け入れ国が紛争構造に明らかに組み込まれている場合、不安定になる。

 同国は、構造的にアメリカ・イスラエル安全保障体制と整合しており、運用面ではイスラエル関連の安全保障および技術力に依存していると評価されている。影響は外交的なものにとどまらない。UAEの安全保障機構、技術機構、軍事組織、サイバー防衛層、そして金融信頼体制は、シオニスト/イスラエルおよびイスラエル関連のシステム、ベンダー、諜報機関との連携、防衛協力により深く浸透されていると評価されている。UAEを不透明化、流動性確保、資産転換、金、企業階層化、高級消費、貿易ルート、不動産投資に利用してきた資金の流れは、現在、戦争リスクの再評価、制裁措置の監視、諜報機関の監視と、資本逃避の圧力にさらされている。
 さて、毎週のように現金入りバッグを抱えてUAEを訪れているのは一体誰の叔父だと思われるだろう? もしあなたがウォロディミル・ゼレンスキーだと答えたなら正解だ。私の情報源によると、ゼレンスキーの叔父は地元銀行に預金し、そのお金で不動産を購入し、その後売却する。売却益はイスラエルの銀行に送金され、全てきれいに処理される。そこから、ウクライナへの支援に対する感謝の印として、資金の一部がアメリカ議員に渡される。

 アラブ首長国連邦はかつての華やかな栄光を取り戻すのか? おそらくアメリカとイスラエルの対イラン攻撃の直接的結果の一つは、アラブ首長国連邦の銀行に保管されていた巨額の資金の多くがシンガポールの方が安全だと判断したことで、これがドバイからの大規模資本流出を引き起こした。事実上ペルシャ湾からアメリカが追放されたことと、湾岸地域に新たな安全保障体制を構築しようとする中国とロシアの取り組みが相まって、アラブ首長国連邦は、過去の関係を再評価している。今後どのような道を選ぶか不明だが、アラブ首長国連邦の首長は6月9日にテヘランに代表団を派遣した。酒と売春婦を好む裕福な外国人のいない未来をドバイは考えているのだろうか? おそらく。

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 原文では、これ以降、ラリー・ジョンソン氏と様々な相手の対談Youtube映像が続くが省略させていただく。

記事原文のurl:https://sonar21.com/which-country-is-the-big-loser-from-the-ramadan-war/

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 寺島メソッド翻訳NEWS ブライアン・バーレティック(Brian Berletic)記事翻訳
アメリカがイスラエルに“支配されている”という主張は、歴史的にも構造的にも誤りであり、 むしろアメリカ自身が長い歴史を持つ帝国的暴力の主体である。

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