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2026年6月23日 (火)

トランプ、民主党、失敗した戦争を終わらせる勇気

トランプ大統領はこの失敗した戦争の責任を負っているが、もし民主党が覚書を破棄し、戦争が再開されるようなことがあれば、次の戦争の責任も彼らにあることになる。
トリタ・パルシ
2026年6月18日

 長年私は、トランプの対イラン戦争への動きに反対し続けており、その証拠となる向こう傷が残っている。2018年にトランプがJCPOA(包括的共同行動計画)から離脱した際、それは最終的にこの事態を招くと私は警告した。それ以来、私は一貫して、彼がアメリカを導いた対立的な道に反対してきた。その実績が全てを物語っているので、何の弁解もせず、これから述べることを私は断言できる。

 こうした状況を鑑みると、トランプ大統領がテヘランと合意し、この費用のかかる不必要な戦争を終結させる決断は正しい。党派的批判ではなく、支持に値する。バラク・オバマ政権で核合意交渉の主要メンバーを務め、後にジョー・バイデン政権でイランとの首席交渉官となったロブ・マリーがXで指摘したように、トランプの覚書をオバマ政権のJCPOAと比較するのは的外れだ。重要なのは、この合意が過去の外交的成果と比べてどうなのかではなく、我々が直面している他の選択肢と比べてどうなのかだ。そして、その点で、この覚書は「提示されているどの選択肢より遙かに優れている。それだけだ」とマリーは主張した。

 更に言えば、覚書を精査し「戦争は価値あるものだったのか?」と問うのは馬鹿らしい。

 もちろんそうではなかった。どうしてそうあり得ただろう? そもそも、選択戦争の失敗がワシントンの交渉における立場を強化し、より有利な条件を引き出すという前提自体が根本的に間違っているのだ。歴史はそのような主張をほとんど裏付けていない。

 この問いには更に重大な欠陥がある。たとえ戦争自体が不利な状況に陥っていても、より良い条件が得られるまで戦争を終結させるべきではないことを暗示している点だ。

 この論理を真に受ければ危険な結論に至る。つまり、敗北した戦争は、戦況が何らかの形で好転し、より有利な結果が得られるまで続けなければならないという結論だ。もしかしたら、そんな日が来るかもしれない。あるいは、決して来ないかもしれない。その間、人命、財産、地域安定、戦略的信頼性といった犠牲は、二次的な問題として扱われる。

 こうして終わりなき戦争が生まれる。

 勝利なしに終わらせるのは、希望のないまま続けるより政治的に損失が大きいと指導者たちが確信した時、戦争は終わりの見えないものとなる。一度その罠に陥ると、あらゆる挫折が、更なる部隊派遣、更なるエスカレーション、更なる一年の継続を正当化する口実になる。目標は、現実的な政治的成果を達成することから、当初の目標が達成不可能だったことを認めないようにすることに変化してしまうのだ。

 アメリカ史には、こうした例が数多く存在する。大統領は自らが始めたわけではない戦争を引き継ぎ、約束した条件で勝利することは不可能だと認識しながら、戦争を終結させる政治的余地がない。そのため、彼らは決着を先送りする。問題を先延ばしにし、後任者にその重荷を押し付ける。そして後任者も同じことを繰り返す。その結果、戦略的漂流という悪循環が生じ、費用が蓄積する一方、成功の見込みは着実に遠ざかる。

 勝利の見込みが全くない状況で、現実がいずれ政治的言説に沿うのを期待して紛争を長引かせるのは、解決ではなく、現実逃避に過ぎない。

 アフガニスタンを思い出して頂きたい。長年にわたり、勝利はすぐそこにある、せいぜい半年、長くても1年で達成できるとアメリカ当局は国民に嘘をついていた。しかし、後に公開されたアフガニスタン文書により、これら当局者たちは内心勝利など全く見えていないのを理解していたことが明らかになった。彼らは戦争が行き詰まっていることを知っていたものの、それを認めることによる政治的影響を恐れていたのだ。

 こうして戦争は続いた。アメリカが最終的に撤退するまでに、およそ20年が経過し、2兆ドル以上費やされた。

 そして最終的結果はどうだったか?20年にわたる戦争、数千人のアメリカ軍と同盟軍兵士の命の喪失、そして数十万人のアフガニスタン人の犠牲を経て、アメリカは出発点に戻ってしまった。つまり、タリバンをタリバンに置き換えただけだった。

 それが終わりなき戦争の呪いだ。今日の不利な現実を受け入れようとしないことは、明日のより大きな代償を保証するに過ぎない。

 トランプがこの悪循環を断ち切ったことは評価に値するが、そもそもこの戦争を引き起こした責任は彼にある。政治指導者は、犯した過ちだけでなく、それを正す勇気があるかどうかも問われるべきだ。

 トランプは、歴代大統領が辿ってきたお決まりの道を辿ることもできたはずだ。戦争を長引かせ、より多くの資金を費やし、より多くの命を犠牲にし、より多くの経済を不安定化させ、アメリカの国力を更に弱体化させながら、勝利はすぐそこにあると主張し続けることもできたはずだ。彼が幾度となく戦争に勝利したと宣言したのを想起願いたい。

 実際、戦争を継続した場合の政治的代償は、彼が今日、戦争終結のために支払っている代償より低かった可能性が高い。アメリカ政治では、失敗を認めることの方が、失敗を継続することより、しばしばより大きな罰を受けることになる。

 この歪んだ動機は、何十年にもわたり大統領たちを苦しめてきた。1966年、ジョージ・ケナンはベトナム戦争に関する上院外交委員会での証言で、次のように述べている。「無謀で見込みのない目標を頑固に追求するよりも、不健全な政策を断固として勇敢に排除する方が、世界からの評価で、より大きな尊敬を得られる。」

 これは、さほど難しいことではない。一部の民主党 議員の批判は、2015年に共和党がJCPOA(包括的共同行動計画)に対して用いたのと同じ悪質な戦術を彷彿とさせるため、特に残念だ。確かに、トランプ自身もこうした扱いを招いた部分がある。彼は長年にわたり誤解を招くような議論や誇張した主張を連発して、オバマ政権の合意を攻撃し続けてきた。

 しかし、だからといって民主党が同じように仕返しするのが賢明だとは限らない。

 現在トランプは、この失敗した戦争の責任を負っているが、もし民主党が覚書を破棄し、戦争が再開されれば、次の戦争の責任を民主党が負うことになる。トランプの失敗は、民主党の失敗にもなる。

 これは難しいことではない。民主党議員数名は、戦争を批判し、トランプ大統領に責任を問う一方、覚書を破綻させるような攻撃的発言は避けている。彼らの批判は、戦争終結条件ではなく、そもそもトランプ大統領がこの戦争を始めたこと自体に向けられている。

 民主党は覚書の条項を攻撃するのではなく、覚書の失敗を企む者連中から覚書を守るよう政権に圧力をかけるべきだ。最大の外部脅威はイスラエル政府、特にベンヤミン・ネタニヤフ首相が、イランとアメリカが和解する機会をことごとく妨害しようとしていることだ。

 戦争終結を支持する人々は、ネタニヤフ首相への怒りの電話や公の非難だけに頼るのではなく、トランプ大統領に今すぐ行動を起こすよう圧力をかけるべきだ。具体的には、イスラエルへの軍事援助を停止し、軍事・情報協力関係を縮小すべきだ。こうした措置は、イスラエルが紛争を再燃させる可能性を制限し、ワシントンが自動的にイスラエルに追随して新たな戦争に参戦するというテルアビブの考えを払拭するだろう。イスラエル指導者たちが、将来の紛争で自分たちのためにアメリカが介入することがないことを理解すれば、そもそも紛争を始める動機は大幅に減少するはずだ。

 今、我々が取り組むべき課題は、トランプを政治的に称賛することでも、この戦争を引き起こした無謀さを正当化することでもない。戦争の再発を防ぐことだ。民主党は、戦争を終結させる合意を損なうことなく、戦争開始の決定を非難できる。ネタニヤフ首相がアメリカを再び紛争に引きずり込むのを手助けすることなく、トランプに責任を問える。彼らに突きつけられた選択は、トランプに反対するか、平和を支持するかという二者択一ではない。アメリカの終わりのない戦争から学ぶか、それとも同じ過ちを繰り返すかという二者択一だ。

記事原文のurl:https://tritaparsi.substack.com/p/trump-the-democrats-and-the-courage

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